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1987/09/16 第109回国会 参議院 参議院会議録情報 第109回国会 環境特別委員会 第7号
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1987/09/16 第109回国会 参議院

参議院会議録情報 第109回国会 環境特別委員会 第7号

#1
第109回国会 環境特別委員会 第7号
昭和六十二年九月十六日(水曜日)
   午後一時十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月九日
    辞任         補欠選任
     橋本  敦君     沓脱タケ子君
 九月十一日
    辞任         補欠選任
     一井 淳治君     田渕 勲二君
 九月十二日
    辞任         補欠選任
     原 文兵衛君     宮崎 秀樹君
     星  長治君     二木 秀夫君
 九月十六日
    辞任         補欠選任
     宮崎 秀樹君     原 文兵衛君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松尾 官平君
    理 事
                石井 道子君
                曽根田郁夫君
                丸谷 金保君
                高桑 栄松君
    委 員
                青木 幹雄君
                石本  茂君
                浦田  勝君
                梶木 又三君
                木宮 和彦君
                中曽根弘文君
                二木 秀夫君
                原 文兵衛君
                小川 仁一君
                田渕 勲二君
                渡辺 四郎君
                広中和歌子君
                沓脱タケ子君
                近藤 忠孝君
                山田  勇君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  稲村 利幸君
   政府委員
       環境庁長官官房
       長        山内 豊徳君
       環境庁企画調整
       局長       加藤 陸美君
       環境庁企画調整
       局環境保健部長  目黒 克己君
       環境庁大気保全
       局長       長谷川慧重君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        菊池  守君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公害健康被害補償法の一部を改正する法律案
 (第百八回国会内閣提出、第百九回国会衆議院
 送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松尾官平君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る九日、橋本敦君が委員を辞任され、その補欠として沓脱タケ子君が、去る十一日、一井淳治君が委員を辞任され、その補欠として田渕勲二君が、また去る十二日、星長治君が委員を辞任され、その補欠として二木秀夫君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(松尾官平君) 公害健康被害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○小川仁一君 私がお願いをした、理事懇ですか、並びに前委員長が発言をなさったことについていろいろまだ解決をしてないようでありますが、この問題に関連してお願いをしておきたいことは、一つは、委員長発言の議事録がまだ配付されていませんが、議事録をぜひ配付していただきたい。やはり発言の言葉自体によって私の今後の考え方を決めていきたいと思うからであります。
 二つ目は、参議院の委員会先例録ですか、この中の第二百七十五項目に、
 報告又は記録の提出要求に関する例
 委員会が、審査又は調査のため、内閣、官公署に対し報告又は記録の提出を求めるには、理事会の決定による場合又は委員会において委員の要求がありこれに別段異議もない場合は、成規の手続を省略して、委員長から直接これを行うのを例とするが、成規の手続により、委員会において議決し、議長を経由してこれを行った例もある。云々
と書いてあります。したがって、この問題が、私がお願いをし、理事の皆さんが御苦労いただいている問題とかかわっているかと思います。したがって、こういう課題をやはりきっちり運営の基礎に置いて討議を進めていただくように要望いたします。
 いずれ、この前にも申し上げましたが、非常に多くの議事録、総合記録、いろんなものが巷間に流布されております。
 そして、例えばジュリストには四人の委員の方が堂々と意見を述べておられる。それを申し上げてみるとこういう言い方になっているんです。「今日は、この問題について、」この問題というのは健康被害補償法ですが、「そこに至るまでの議論や考え方を、ご関係の先生方からお話しいただきたいと思います。」、こういう司会者の加藤一郎先生のお話で、橋本道夫さん、森嶌昭夫さん、香川順さんの先生方が異議なく経緯を含めてお話し合いをしている。こういうふうにお金で原稿料もらってやられた方々はちゃんと経緯から経過までお話しになっている。金出せば経過をしゃべるんですか、原稿料が出れば。私は原稿料出さないからもらえない、記録を。これじゃおかしいと思いませんか。
 したがって、当然のことながら、私は委員会の議事録を、作業委員会以降のを提出を求めることを撤回はいたしておりません。
 ただ、それにしても、審議の都合上各党ともいろいろ御審議をなさっておりますので、そういう中で私なりに一つの前提条件を置いて質疑をしてみたいと思います。
 ここに中央公害対策審議会第三十六回会議録というのがあります。昭和六十一年十月三十日開催。これ同じものですか、ごらんをいただきたい。(小川仁一君資料を手渡す)
#5
○政府委員(加藤陸美君) お手元の資料、ただいま拝見させていただきましたが……(「聞こえない」と呼ぶ者あり)お手元の資料が議事録であるかとの御質問には直接お答えできませんが、いわば限りなくそれに近いものと受けとめておりますので、これを踏まえて御答弁申し上げます。
#6
○委員長(松尾官平君) 傍聴人は声を出さないでください。(「読んでないやないか。ぱらぱらぱらと見て、何が限りなく近いとわかるか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
#7
○小川仁一君 私より先に怒った人があるようですが、私も同じような気持ちです。こうやっただけでわかりますか。神わざに近い。
 限りなく近いということはイコールとどこが違いますか。
#8
○政府委員(加藤陸美君) 私、イコールということを申し上げる立場にありませんので、それは御勘弁いただきたいと思います。
#9
○小川仁一君 話かえますが、中央公害対策審議会委員は特別公務員になり守秘義務が存在しますか。
#10
○政府委員(加藤陸美君) 特別公務員でございますので、守秘義務と申しますか、国家公務員法にいう守秘義務、それに服さなければならないことになっております。
#11
○小川仁一君 はっきりしませんでしたが、守秘義務はあるの、ないの。
#12
○政府委員(加藤陸美君) ございます。
#13
○委員長(松尾官平君) 発言を求めてから答弁。
#14
○小川仁一君 そうしますと、ちょっと伺いますが、こういうのに「答申の内容については経緯等も含めて十分にお話しいただけるものと思っております。」という前提で、これは加藤委員がおっしゃったんですが、それ以下橋本委員、森嶌委員、香川委員がお話をなさっているということは、守秘義務との関係はどうなりますか。
#15
○政府委員(加藤陸美君) 委員であられる方あるいはあられた方が御意見として、あるいはこういう意見を言ったというのを自分の考えとして申し上げられるものが守秘義務違反に当たるかどうか、これ非常に難しい問題でございまして、私ここでそれは当たる、これは当たらないというふうには残念ながら明確に判断しかねる部分もございます。一般的にはそういう場で自分の御意見を述べられることが守秘義務違反ということにはそれはならないと存じますが、ケースによりますので子細にはそれごとのケースによるかと存じます。
#16
○小川仁一君 私はっきり聞いているんですよ。「経緯等も含めて十分にお話しいただけるものと思っております。」と、こう明確に中央公害対策審議会委員である加藤さんがお話しになっている。それからずっと三人の委員の方がお話をしておられます。当然その内容に触れております。それが当たるか当たらないかということを聞いているんです。自分の意見を述べるのがどうこうということじゃないんです。前提が委員である四人だけですから、それがこういう前提でこう言ったのが当たるか当たらないかと聞いているんです。
#17
○政府委員(加藤陸美君) 公務員の守秘義務の問題というのは、非常に内容的には要件その他難しい前提が議論されるはずのものでございまして、なかなか今の御質問に対しまして、これが直ちに公務員法の違反になるかという点については、私にわかにそうなるとは考えられないと存じますが、ケースによってはいろいろな問題になることはあり得ると存じます。
#18
○小川仁一君 守秘義務というのは公務で知り得たことを他に漏らしてはならないということでございます。特別公務員で守秘義務があるという人が、こういうところで、例えば四十一地域はこういうデータがなかったからやめたとか、いろんなことをおっしゃっている、討議の中身を言っている。公務で知り得たことを漏らしている。そういう場合に一体あなた方はどういう態度をおとりになるか。わかりにくいというならわかるまでお待ちしてもよろしゅうございます。
#19
○政府委員(加藤陸美君) 知り得たことをみだりに漏らすということが違法性の問題になるわけでございます。この内容と、いろいろな内容を含まれておるわけでございますが、実はこれは私今とっさに感じたわけでございますけれども、中央公害対策審議会の答申のお話でございます。答申は昨年の十月三十日に提出されまして、もちろん公表されておるわけでございますが、これを中心にしての御議論が記載されておるわけでございます。それが審議会について知り得たことをみだりに公表したということにつながるかどうか、直ちにはつながらないのではないかと存じますが、ケースによると思います。
#20
○小川仁一君 あなた、これお読みになったことありますか。ジュリストのナンバー八百七十七号です。
#21
○政府委員(加藤陸美君) ございます。
#22
○小川仁一君 この中身を見ますと、答申案だけじゃない、「専門委員会報告書の結論」、「専門委員会報告に対する評価」、「現状の大気汚染と疾病との間の相関関係」、「作業小委員会の作業と環境保健部会の答申」、「作業小委員会の構成」、「作業の内容と問題点」、答申じゃないですよ、これ。全部今までのことをおっしゃっているんです。だから、この場を切り抜ける答弁としてはあなたの答弁はそれでいいでしょうが、この問題もまた明確な守秘義務とのかかわりにおいて明確な見解が出てこないうちはちょっと私は質問ができなくなりそうです。内容を読んでいるなら、そういう各項目があるということを承知の上で、答申だけじゃないですよ。各部会のものまで書いていますから、その点についてもう一度答弁を求めます。
#23
○政府委員(加藤陸美君) このジュリストの改正問題、「中公審答申をめぐって」という中の柱立ては、確かに先生がおっしゃったように各項目並んでおります。これを拝見いたしますと、中央公害対策審議会の答申の項目も、先生が今御指摘の中にもありました専門委員会の報告書、それを引用して最終答申になっておりますし、かつ専門委員会の報告書は、これは専門委員会報告ということで公表されておるわけでございますが、それを初め、中央公害対策審議会の答申そのものに経過がきちんと述べておられるわけでございます。最終答申に至るまでの前提、経過という形で、それが答申本文に全部入っておるわけでございますけれども、それの中身の流れと大体同じような柱立て、全く同じとは申し上げませんが、ということで、先ほど「中公審答申をめぐって」という書き物といいますか、座談会でございますので、先ほどの申し上げたように答申を説明ないしそれをめぐっての議論ということで進めておられるものでございますから、答申そのものはもちろん公表されておることでございますし、その中に書いてあることを披露されたり御説明されたりしている部分が多いように承知いたしておりますけれども、それでもなおかつそれと答申に書いてない部分もあるのではないかというふうに先生御質問の部分も――その部分もあるわけでございましょうが、その点については直ちにそれがみだりに漏らしたと言えるようなものかどうかが判断はにわかにはできません、こう申し上げておるわけでございます。
#24
○小川仁一君 議事録はお持ちでございましょう。ジュリストもごらんになっている。照合をして該当するかしないかということを明らかにしていただきます。明らかにしてからの質疑の時間は後に保留をしたいと思います。
 それで、限りなく近いものについて質問をいたしますが、今私の手元にあるこれによりますと、答申案を説明した館環境保健部会長代理は、初めの説明で、十月六日の環境保健部会では反対論も慎重論も疑問などについても一切報告をしておられない。しかし、これによりますと、清水委員や瀬尾委員からは事実と違う旨の発言が出ております。一々読み上げません。なぜこのように事実と違う発言をなさったのか、その事実と違う点はどこであったのか明確にしていただきたい。要点だけきっちりと。
#25
○政府委員(目黒克己君) 十月六日の結論を踏まえまして館部会長代理が総会において御報告をされましたが、その席にも清水先生もおられまして、会長の談話にありますように、御指摘のように賛成、反対の御意見がございました。そして、それにつきましてはその場でも議論が行われたのでございます。
#26
○小川仁一君 私は反対、賛成、環境部会におけるその討論の中身を聞きたいと言っている。あったということを聞こうと思っていません。館さんという方はとにかく環境部会の反対論やなには全然報告しなかったということだけはわかりました。しかし、環境部会におけるどういう論点の反対があったかをお知らせ願いたい、こういうことです。
#27
○政府委員(目黒克己君) 反対論と申しますか、御意見がございました主たるものは、一つは留意事項に関するものでございました。それからもう一つは、この主たる原因云々というところにございます結論の部分についての御意見がございました。
#28
○小川仁一君 困るんだな、これじゃ。
#29
○委員長(松尾官平君) 政府委員から付言することはありますか。言い残したことがあったらもう一回言ってください。
#30
○政府委員(目黒克己君) どのような反対論があったかという御質問ということでございましたので、今ございましたような趣旨の反対論がございました。
#31
○小川仁一君 もっと明確に論点をはっきりして出してください。
#32
○委員長(松尾官平君) 委員長からも政府側にお願いしますが、質問事項に対しては具体的に誠意を持って答弁していただくように要請いたします。
#33
○政府委員(目黒克己君) 具体的には当時の報告、審議会の答申原案の六ページないし七ページ部分につきまして、それぞれ主として結論部分、それからその中の専門委員会報告の中で、現在の大気汚染がどのような大気汚染であるかどうかということについて入念に追加をするようにというようなことがございまして、大気汚染の状況について結論部分に追加をいたしたのでございます。ここが一つの大きな点でございました。
 それから次の点は留意事項、七ページの留意事項のところでございまして、特にこの感受性の高い集団についてというところで大きな修文がございました。これはやはり当時の部会あるいは総会等におきまして、そのことについての御議論があったのでございます。
#34
○小川仁一君 あなたの答弁で私が質問したことに答えたと思っているとすれば、こういうのを木で鼻をくくった答弁と言うんだよ。私は、具体的内容を、論点を整理して言ってくれ、こうお願いをしているのですが、これ以上答弁がないとすれば、やはり保健部会の議事録を出してもらわないと、中公審の議事録を出してもらわないと、とてもじゃないけれども討論の対象にはならない。
 さらに、それはどこで言われているかというと、この対策審議会の総会の中で、お名前を申し上げて失礼ですが、瀬尾委員の発言がございました。それはあなた方事務局はおわかりだろうと思う。それに対して館部会長代理は、環境保健部会では何人かの反対あるいは質問、御異論があったことは事実であります、こう言っています。したがって、反対、質問、異論の概要を明らかにしていただきたい。
#35
○政府委員(目黒克己君) まず第一に、反対の論点は、一つは先ほど来申し上げておりますけれども、この留意事項の中で感受性の高い集団として児童、老齢者、呼吸器疾患等を指すということにつきまして、これをもう少し明快にするようにということが一つございました。それからもう一つは、この指定地域の結論部分のところでございますが、一挙に四十一の地域をすべて解除することに反対である、そして段階的な解除がどうであろうか、こういう種類の御意見がございました。
#36
○小川仁一君 その討議経過、それに対してどういうふうにそのことにお答えになって、どういうふうに処理されたか明確にしていただきたい。
#37
○政府委員(目黒克己君) この段階的な解除の問題につきましては、四十一の指定地域を含みますすべての地域において大気汚染の原因がこの健康被害の主たる原因ではないという専門委員会の結論のもとに、このような主たる原因ではないということを主たる論拠にされましてこの段階的なものはあり得ないと、こういう趣旨の反論があって、そして議論が行われたところでございます。
#38
○小川仁一君 やっぱり会議録がないと具体的にわからないですね。あなたの説明では私はほとんど理解できないが、ついでに問題点を出しておきますが、環境保健部会の中で、例えば新聞等にも載っておりますが、いわゆる作業小委員長の報告に対して作業小委員側は、全面的解除という結論は制度的法律的な判断によるもので、医学的判断とは違うということを対外的にもおっしゃっていましたが、そういう討論がありましたか。
#39
○政府委員(目黒克己君) ございました。
#40
○小川仁一君 そうすると、この答申というのは、医学的判断ではなくて、いわゆる行政的判断でお決めになったと、こういうことになるんですが、病気というものを医学的判断を抜きにして行政的あるいは制度的なもので処理していくという、こういう考え方があったと聞いて私は驚きました。これなら何のために専門委員会を開いたかわからないじゃないですか。
 それで大臣にお聞きしますが、これから今の四十一地域の中で絶対一人の公害患者も発生しないとお考えになりますかどうか。
#41
○国務大臣(稲村利幸君) お答え申し上げます。
 この四十一指定地域におきまして、大気汚染であるかどうかということは定かではありませんが、患者は出ると思います。
#42
○小川仁一君 私は、一人の公害患者も出ないと考えておられるかどうかとお聞きしているんです、患者と言われますと漢としてわかりませんので。公害患者が、大気汚染あるいは大気複合汚染による公害患者が一人も出ないと確信をしておられるか、あるいは一人か二人出るんじゃないかという心配をお持ちなのですか。どちらですか。
#43
○国務大臣(稲村利幸君) 先ほども申し上げましたとおり、大気汚染であるかどうかということはこれは定かではございませんが、公害患者が出るという心配はあります。
#44
○小川仁一君 そこで、このジュリストの中で問題になる点を一つ言ってみたいんです。
 大臣は出る可能性があるという心配をしておられる、だから対策も考えられるだろうが、それに対して十月三日の作業小委員会が終わった後の新聞記者会見、この中で答申案づくりの中心になった森蔦名古屋大学教授が、四日市では患者五人いると四人が大気汚染によるものと考えられる状況にあったが、今は十人の患者のうち九人までは大気汚染によるものではないという状態で、年間千億円もかかる制度を維持する合理性はない、十人のうち一人はいる患者を切り捨てになるかもしれない、こういうお話を言っておられる。私はこの言葉は非常に冷たい言葉だなあ、切り捨てられた人がどうなるのか、切り捨てられた人が。こういうことを言うと、官庁の方ではいつも、それは新聞記事の誤報でございますとかなんとかというふうなお話をなさるわけですが、それに関連して、このジュリストでやっぱり、これは一紙だけの記事で記者の誤りでありますと、こういうふうに新聞をぴしゃっと切って捨てている。新聞記者の諸君というのはこんなに誤りを書くものでないと私は思っていました、ときどきはちょっとしたミスぐらいはあるにしても。そして、その話を言いながら、これは仮にというのを上につけているんだから話したはずですと言っている。それだから、救われると言わんばかりの話をしておられる、こういう状況が審議会なり保健部会の上にあるのかどうかお聞きしたい。
#45
○政府委員(目黒克己君) 審議会の中で、今具体的に何人がどうなるといったような先生の御指摘のような例えの話が出たかどうかちょっと私宅かではございませんが、それに類する議論はあったことは事実でございます。
#46
○小川仁一君 それからまた、この審議会の中を引用しますが、総会会議録の二十二ページで渡辺委員がこのようにお話をしております。「三年前に第一種地域のあり方という諮問がされましたが、私はその後、総合部会なり、あるいは総会の席上、何度も審議内容をお尋ねいたしました。しかし、一貫して、それは答えられないということでございまして、十月以前にも新聞にもう既に毎日報道されておりましたが、それについては、新聞の記事は憶測である。そういう答えでございました。そして先日、この答申案を初めて見まして、第一種地域を全面解除するということと、今後新しい患者は認定しないという内容を知ったわけでございます。」と、こう言っているんです。
 そういたしますと、新聞記者の憶測というのはこれはむしろ真実だった。同時に、中央審議会委員に対して質問しておるのに答えないで、新聞記者の憶測記事だと言っておいて、突然第一種地域の全面解除と新しい患者を認定しないというふうな中身を出された、それ以外の委員の中にも急に出されたとか、今初めて知ったとかという言い方がございますが、一体、中央審議会委員というのは何ですか。内容も知らされないで総会に集められて、いや応なしにそこで時期尚早なり反対の意見をやっても数で押し切った審議会、他の委員はわかっているが、この人たちだけは知らされていない、こういう結果になるのでしょうか。どうも読んでみれば読んでみるほどわからなくなるので、その辺についてお聞かせ願いたい。
#47
○政府委員(加藤陸美君) まず、中央公害対策審議会の全体の構成と申しますか、姿をちょっと御説明させていただきたいと思います。(「そんなものは要らぬ、質問していないから」と呼ぶ者あり)
 簡単に申し上げます。
 部会で構成されておりまして、それぞれ専門分野ごとに、例えば大気であるとか水であるとかという分野ごとに部会が構成されておりまして、この問題は環境保健部会で審議されます。したがいまして、それぞれの部会に属されておる方とそうでない委員とでは、中間での情報といいますか、に相当差があることは確かに事実でございます。ただ、総会は全員総会でございますので、全員の御出席をいただいてやるという状況でございます。ちょっと御説明をつけ加えておきます。
#48
○政府委員(目黒克己君) なお、部会の結論が出ましたのが十月の六日でございまして、それ以後総会までの間にその事実の問題は外へ新聞等で出ております。各委員の先生方の中には当然、総会を開催するということになりましたときに、いろいろ御説明を求められる方も多数おられたわけでございます。したがいまして、この部会の報告を、つまり答申原案でございますが、これをその総会までの間にそれぞれの先生方に御説明をした、こういう経緯もございます。
#49
○小川仁一君 そうすると、渡辺委員というのは――これこのとおり読んでいるんですよ、私は、間違いなく。十日以前の新聞に既に報道されていても、それは新聞の記事は憶測であろう、こういうふうに答えられて説明されなかったというのは、この人だけ特別扱いされたんですかね。こういう発言が出るような総会というのは非常識な総会ですよ。本来、普通なら、部会でものが決まって答申ができるものを、総会を特例で開いてまでもものを決めなきゃならないという非常に重大な問題のときにこういう発言が出てくるということ自体、こんな総会というものはいかに審議不十分であるかということがわかりますし、非常識な総会の運営なんです。これをやった事務局の責任というのが非常に大きいと思います。私は、それぞれの意見によって反対、疫学的な立場から反対という御意見が出てくるのであれば、それぞれ主張を出し合って討論をされてもいいと思う。しかし、教えられない、聞くと憶測だと言われる。こういう状態に置かれた委員というのは物を言うにも言えないじゃないですか。こういうことの中身のあるものを隠しておいては、これは総会の権威にかかわるからあるいは押さえられたのかもしれませんけれども、私としては承知できない。
 同じことが環境部会についても言えます。時間がなくなってきましたからそちらまでは質問に入りませんが、さらにジュリストによりますと、素人でというお話がある。例えば、中央審議会委員の加藤さんという方は、ATSというのは何ですかと同じ中央審議会委員に聞いておられる。これは謙遜して聞いたのか、わからないで聞いたのか真意はわかりませんけれども、ATSということを知らなかったということは事実であります。
 さらに、作業小委員会の構成というジュリストの八十八ページの中での報告書、これは専門委員会の報告書の記述の中で、素人が読むとはっきりわからないようなところがありますので、こう書いてある。しろうとが集まってやったのですというふうにこれからは読み取れる。ATSがわからない委員がいたり、素人でよくわからないから言ったり、そういう人たちがこういうものを決めてやられたとなると、とっても納得できない。
 したがって、私はやっぱり環境保健部会のいわゆる中公審全体の作業小委員会まで含めた会議録がないと、だれが素人なのか、だれが玄人なのか、だれが知らされたのか、だれだけが知っていたのか全然わからない。幾つもの部会があると言った。部会があるといっても、大気部会は一体大気汚染問題に対してどういう討論をしてこの総会に臨んだのか、これもわからない。したがって、改めて、限りなく近いものは総会の分、この次は保健部会の分を限りなく近いものを出せなんというふうな話になっちゃあれですから、改めてここのところは、審議を進めるために今まで協力をいたしましたが、あとこれ以上は正確なものが出てこないと質問ができなくなりました。
 特に、ジュリストを読むと、素人だなんて言われると、素人の人がどういう発言をしたかやっぱり聞きたくなる、見たくなる、環境保健部会で。素人というのは、作業小委員会でやられたことですから、ぜひ、この前の委員長の御発言のように作業小委員会以降の会議録をお出し願って質問をさせていただきたいと思い、それが出せなければきょうの質問はこのところで終わらせていただきます。
#50
○政府委員(加藤陸美君) 今のジュリストの関係のことにつきまして、ATSというのは何ですかというのは、これは加藤一郎先生が聞いておられる形になっておりますが、これは加藤一郎先生はもちろん法律家でございますけれども、ある程度こういう関係のこともよく御存じでございますから、ATSというのを全く御存じないはずはございませんけれども、一つのこれはジュリストという雑誌のこの表現の構成としてとっておられるという意味合いもありますので……
#51
○小川仁一君 そういう推測は聞きたくないや。
#52
○政府委員(加藤陸美君) 申しわけございません。
 それといま一つ、素人という表現も確かに出ておりますけれども、これはいわばお医者さんである人たちと、それから――これは専門委員会のメンバーはお医者さんでございます。それから、作業小委員会の中の、このジュリストの御指摘のところは森嶌発言と、こうなっておりますが、森嶌先生は法律関係の方でございますので、その意味で、法律をやっておる私という意味で素人という表現をとっておられるわけでございます。それは全くわけわからずにというようなことでは毛頭ございませんので、その辺は御理解賜りたいと存じます。
#53
○小川仁一君 それはあなたがそう思っている。だから私も、御謙遜かどうかわからないがと先につけた。にしても、大衆に見せるのに素人だと言い切っておられる。ATSは何ですかと質問をしておられる。こうなりますとやっぱりこれは、そういう素人と謙遜をなさっているかもしれないけれども、こういうのを見ると、やっぱり討議の会議録を出さなければ、また何言い出すかわからないからね、原稿料もらえば。したがって、提出を要求して、その後、残りの時間を質問を続けます。きょうはこれで私の質問を終わらせていただきます。
#54
○委員長(松尾官平君) ただいまの小川君の質問につきまして、予定時間若干残っているわけでありますが、理事会でも、場合によっては保留するというお話がございましたので、質疑を続けて進めます。
#55
○近藤忠孝君 私は、この委員会がただいま委員会要求資料が提出されないまま開かれている、このことに強く反対し、強く抗議をするものであります。
 そこで委員長、これは九月九日の当委員会の冒頭の委員長の発言であります。「去る二日の委員会において委員長から要望しました資料につきまして環境庁から発言を求められておりますので、これを許します。」、これは松尾委員長の発言であります。要するに、委員会から資料要求のあったことは明らかなんです。それに対して拒否の回答がありました。
 私は、こういう状況の中で、委員長が先ほど、理事の同意を得たとしてこの委員会を開いたことは、全く国会が国権の最高機関でおる、これに反するものであり、憲法並びに国会法における国政調査権に関する規定に真正面から反するものだと思います。まさしく国会の自殺行為です。これについて、まず委員長の見解を聞きたいと思うんです。
#56
○委員長(松尾官平君) 本日の議事日程は先ほどの理事会において決定されておりますので、それに従って質疑を続けてください。
#57
○近藤忠孝君 私は、委員長が、この委員会をこのような国会法並びに憲法の規定に反することについてどう思うかと、こう聞いているんですよ。これは委員長の見解を堂々と述べるべきじゃないですか。
#58
○委員長(松尾官平君) 質疑を続行してください。
#59
○近藤忠孝君 委員長が余りにも憲法違反の行為やっているので回答できないということで、私は私の次の発言に移ります。(「はっきりさせようや。憲法、国会法に対してどうなんだ」と呼ぶ者あり)委員長、答弁できませんか、それぐらいのこと。
#60
○委員長(松尾官平君) 不規則発言は取り入れません。
#61
○近藤忠孝君 私は、この委員会の開会自身について、きょうの理事会で一貫して、開会できる状況ではない、このことを発言してまいりました。その理由を以下述べます。
 まず、今回の資料要求は、この環境特別委員会の委員会としての要求であります。これは前の委員長であった山東委員長のもとで、委員長から正式に、理事懇談会で協議した結果、ただいま問題となりました資料に関しては、改めて環境庁に対し、提出するよう要望します、こう発言をし、さらに沓脱委員の方から資料に関する発言をしたことに対して、山東委員長は、理事懇の協議の結果、委員長から環境庁に対し、その資料の要請をしたわけでございます。それに対して返事待ちということでございます。ですから返事を待っておったんです。その返事が九日の冒頭の回答であります。
 しかも、これがその後、自民党理事並びに委員長はこの委員会要求について種々疑義を出してまいりました。しかし、その都度、それぞれの理事会もしくは理事懇談会において、それが正規の委員会要求であることは確認されてまいりました。
 例えば、先ほど指摘をいたしました九月九日の冒頭の委員長発言も、前日の理事懇談会の中で、正式の委員会の要求であるから、だから委員長から要求せよ、これが確認され、そして松尾委員長も、そのことを同意をしてこの発言をしたものであります。しかも、その後、何度か同じようなこの委員会要求の効力を弱めるような発言がその後ございました。都合三回以上ありましたけれども、その都度その巻き返しは失敗をしております。
 そして、前回九月九日、中断後の委員会再開において委員長は、小川、近藤両委員の質疑は、事情により、都合により――これは資料問題であることが確認されておりますが、次回に回すと。要するに、委員会としての要求であることはもう明々白々であります。そして、委員会の要求である以上、その資料が秘密であるとか、あるいは非公開を内部で決めている、そういうことを理由には拒否はできない、これはもう憲法の解釈上明白であります。そして、参議院法制局の見解も同様であります。なぜ国政調査権が憲法上規定されているのか。明治憲法には規定がありませんでした。現憲法で規定されているのは国会が国権の最高機関であるからであります。国権の最高機関である以上、立法その他重要な作業をなす場合に、真実に基づいて正確な判断を行い、その結果に基づいて立法その他の措置を行う。要するに国民主権の立場から規定されたこれが国政調査権である。そして、その意味の委員会要求だったわけであります。それに対して応じない。そして、それを是認を委員長がしているということは、最高機関である国会の判断の上に行政の判断、それが優先をしていることを是認することであります。ですから、このことが参議院の自殺行為でありますし、委員長みずから国会が国権の最高機関であることを放棄したものだということを指摘せざるを得ないのであります。
 次に、この資料がなぜ必要かという点であります。これは同時に、逆に申しますと、先ほどの小川委員の質問に対する答弁のように、限りなく現物に近いことまで認めてなぜ出さぬのか、私はそのことの中にこの問題の本質があると考えています。これはその資料を出せば他の資料の提出も当然しなければならないことになります。そして、この中公審における審議、専門委員会、環境保健部会、そして総会、これらにおける審議の全貌が明らかになりますと、実は本法案の根拠がなくなる。そのことを環境庁が恐れるからにほかならないと思います。これは参考人質疑の中で明らかでありますが、疫学的には関連性は否定できない、大気汚染と疾患との間の関連性は否定できない、ということは明白に因果関係があるということです。そのことが、例えば専門委員会の中で余計な文章がつきました。これは専門委員の手に成るものじゃなくて環境庁が挿入したものだという疑いが持たれております。さらに、専門委員会の報告に基づいて今度は作業小委員会が開かれました。この明らかに因果関係があるというのを、このような表現では因果関係はないと逆の方向へ持ってまいりました。そしてなぜそういうことになったのか。そのことが明白になれば――まさしく逆にねじ曲げた。これが明らかになれば本法案の根拠は崩れる。だからこそ出さないんであります。そうである以上、当委員会としてはこの資料を要求し、全面的に提出させる、そのことによってこそ国会の責務が果たせるからであります。
 と同時に、環境庁が言う秘密では決してありません。もう既に限りなく実物に近いというんですから、もう出回っていることは環境庁も認めています。雑誌等の発言も同様であります。それだけじゃありません。これは財界には筒抜けてあります。あるいはそれぞれの各業界もしくは各団体からの代表が中公審の委員になっておりますが、これらの委員は、自分の出身団体に帰ればこの中公審の審議の模様を詳細に報告します。まさしく筒抜けです。先ほどそれが守秘義務違反にならないかという指摘がありましたが、意見を述べること云々の発言がございました。これは実際の状況を見てみますと、単に意見を述べるどころじゃありません。
 例えば鉄鋼連盟の代表からこういう発言がありましたとか、岐阜大学の館教授はこういう発言をし、こう説明をしました、私もこういう発言をしました。さらに発言の順序、内容を詳しく逐一報告されている、こういう議事録を私は入手をしております。要するに知らないのは国会だけです。そして被害者だけです。あとは全部知っておって秘密でない。にもかかわらず、これを秘密と称してこの資料を提出しない。私はまさしく環境庁がこの命にかかわる重要なこの法案の審議の妨害をしていると断ぜざるを得ないわけであります。私はこの問題が解決しない以上、この国会が国会としての正当な職務を全うできないと思います。こういう状況では私は私の質問は留保せざるを得ない、このことを強く申し上げておきます。そして議事録を提出することを求めます。議事録が提出されない限りは私の質問は留保せざるを得ません。
#62
○委員長(松尾官平君) 近藤君に申し上げますが、本日の議事は先ほどの理事会において決定されておりますので、それに従っていただきます。
 質疑を続けてください。
#63
○近藤忠孝君 資料出してくださいよ。(「それじゃ、資料出してもらわないとできませんよ」と呼ぶ者あり)じゃ理事会協議だ。
#64
○委員長(松尾官平君) 近藤君に申し上げますが、委員長の議事の整理に従っていただくようにお願いします。
 質疑を続けてください。
#65
○近藤忠孝君 資料が出れば質疑します。それは小川議員と同じですよ。
#66
○委員長(松尾官平君) 委員長は質疑を続行することを要請しているわけです。(「委員長、資料が出ないのに無理じゃないか、出してもらいますよ」と呼ぶ者あり)あなたは座っていなさい、そこへ。(「横暴じゃないですか、そんなの」と呼ぶ者あり)お願いしているでしょう。
 再度申し上げますが、質疑を続けてください。
#67
○近藤忠孝君 何度も申しておりますが、私は資料要求をし、そしてその中身は理事会、理事懇でも申しておりますが、専門委員会の議事録、環境保健部会の議事録、そして総会の議事録、これ全部出すように求めております。その点では先ほどの小川議員と同じなんです。ですから、私はそれが出てくれば幾らでも質問しますが、しかしそれが委員長、まさしく憲法、国会法で規定する国政調査権に基づく資料要求に応じないのだから、山さにゃいかぬのだ。環境庁が審議を妨害しているんだ。それをこちらにそんな無理に質問しろなんてできるわけないじゃないですか。だったら理事会で協議してほしい。
#68
○委員長(松尾官平君) 申し上げます。せっかくですから、委員長から申し上げますが、資料提出の件につきましては、先ほど来近藤委員からるる御主張がございました。その中身については必ずしも正確な発言だとは委員長は理解しません。また、松尾委員長のもとで環境庁に資料要求をしたような御発言もございましたが、それは真実ではありません。私は山東委員長のもとで要望したことについて発言を促しただけでございまして、委員会から要望した覚えはございません。
 近藤君は、きょうの理事会において決定されました議事日程に従って質疑を続行してください。それを続行しないということであれば……
#69
○近藤忠孝君 委員長、今の私の発言に対して不正確と言った。一体どこが不正確かを明らかにしてほしい。私は先ほど九月九日の委員会の冒頭の委員長発言、これを紹介しました。「去る二日の委員会において委員長から要望しました資料につきまして環境庁から発言を求められておりますので、これを許します。」と。これは当然委員会の要求であることが前提じゃありませんか。その前の日の八日の、これは理事懇で委員長は一度否定しようとしたんです。しかしそれが否定し切れなくなって、理事懇ではこれは委員会要求だと確認されたじゃありませんか。だからこそ委員長から発言してもらうことになったんじゃないですか。
#70
○委員長(松尾官平君) 確認されておりません。
#71
○近藤忠孝君 それはしておるんだよ、そんなうそ言っちゃ困るんです。(「それじゃ会議録出してくださいよ」と呼ぶ者あり)
#72
○委員長(松尾官平君) 近藤君に改めて申し上げますが、(「横暴だよ」と呼ぶ者あり)ただいまの問題につきましては、後刻理事会においてその取り扱いを協議する……
#73
○近藤忠孝君 今やって、今。(発言する者あり)
#74
○委員長(松尾官平君) 発言中、黙っていなさい。退場命令出すぞ。(「横暴だ」と呼ぶ者あり)
 委員長に議事の整理権があるんだよ。委員長が今大事な発言中に何を言うんだ。(「事実を明らかにしてくださいと言うの何が悪いんですか。そうじゃないですか。九月九日の議事録出したらいいんだ」と呼ぶ者あり)
 ただいまの問題につきましては、後刻理事会においてその取り扱いを協議することといたします。
 質疑を続行してください。(発言する者あり)
 傍聴人に申し上げますが、声を出さないように静粛にしてください。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#75
○委員長(松尾官平君) 速記を起こしてください。
 ただいまの問題につきましては、後刻理事会においてその取り扱いを協議することといたします。
 質問を続けてください。
#76
○近藤忠孝君 私は先ほど委員長に質問いたしました。質問しないと言うが、質問しているんですよ。
 それから、私は委員長に、委員長の今までの行為の中で、少なくとも私の資料要求に関しては確認されておるんです。特に確認されたのは、九月九日の中断後の再開のときにです。小川委員の質問と私のは資料問題で次回に回すというんですから。以来一週間日がたちました。当然その間に資料問題について環境庁が何らかの努力をする、提出のための努力をする。あってしかるべきです。何もやってないじゃないですか。そして、本日に至りました。先ほど小川委員はやはり資料問題で保留されました。それは認められているんですよ。私の場合も、例えば前の小川委員の留保も認められています。にもかかわらず、なぜ委員長がこういう状況のもとで質問続行を要求するんですか。それはやはりちゃんと委員長みずからが資料提出の努力をすべきですよ。それをしないで、こんな、このままで続行することできるわけないじゃないですか。
 私は改めて申し上げますが、当然国会として要求できることが実現していないんだから、ですから私は留保しますと、こう申し上げているんです。
#77
○委員長(松尾官平君) 近藤君にお願い申し上げますが、私から先ほど来申し上げているとおりでありまして、本日の議事は理事会において決定されておりますので、それに従っていただくようお願い申し上げます。
#78
○近藤忠孝君 理事会において決定されましたのは、それは順序は決まっていますよね。しかし、その中で、これはこういう問題で留保せざるを得ない、これは当然認められてしかるべきじゃないですか。現に、小川委員だって認められているんだから。時間の差はありますよ。あなたと私ずっと沈黙続いたからこれは大分時間が過ぎておるけれども、これは時間外にしてほしいな、これは。なぜ同じ扱いにしないんですか。単に時間の問題じゃないんだ、留保するということは。留保させると言うんだから。
#79
○委員長(松尾官平君) じゃ、委員長から申し上げますが、先ほどの小川委員は、資料提出の問題については御不満もあり、質問の中でその理由もただし、別途質疑を続行されて、前段に関する分については、私の持ち時間はまだあるけれども保留させていただきますということでありまして
#80
○近藤忠孝君 同じじゃないですか。
#81
○委員長(松尾官平君) あなたの場合は法案の提案者の政府側に対して一言もまだ質疑をしているとは私は受けとめていないわけです。ですから、質疑を続行してくださいとお願いしているわけです。
#82
○近藤忠孝君 だれに質問しようとこれは自由ですよ。とりあえず私はこの委員会の開会問題で委員長に疑義があったから委員長に質問しているんじゃないですか。時期が来ればいつだってやります、ちゃんと質問通告したんだから。ただ、時期が来ないだけの話なんです。それはやはり、例えば小川委員の留保、それは委員長認められたじゃないですか。理由はいろいろありますよね。あるけれども、ちゃんとそれは認められたんです。なぜ私のこの留保に対して――これは当然認めるべきでしょう。(「当然じゃないですか」と呼ぶ者あり)当然だよ、そんなの。それはもし、そんな発言ばかり求めておるとなりますと、それは委員長自身が不公正な審議をしたということになります。(「当然じゃないの、それは」と呼ぶ者あり)それは当然ですよ。
#83
○委員長(松尾官平君) 先ほど来同じことを申し上げて恐縮なんですけれども、小川委員は質問をしました。そして、質問の中で留保する部分があるからと言って終わったわけです。あなたの場合は、委員長の議事運営についてはいろいろ御主張があったけれども、それについては私は、理事会の決定どおりやってくださいとお願いしているわけです。その資料の中身の問題、いつだれがどう言ったなんということは、過般来理事懇でも理事会でも十分話し合っていまして、あなたは既に三回も確認をしたとおっしゃっているけれども、意見は皆さんの合意を得ていないわけです。(「そんなことないでしょう」と呼ぶ者あり)あなた出ないでいて何わかっているんだ。
 ですから、私は質疑をしてくださいということなんです。
#84
○近藤忠孝君 じゃ委員長、環境庁に質問しろと言いますから質問いたします。
 国会法百四条、「各議院又は各議院の委員会から審査又は調査のため、内閣、官公署その他に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない。」、そしてこの
 「求めに応じなければならない」というのは、内部で非公開にしようとか秘密にしようとかいうことではだめだ、それを上回るのが国会の要求だと、これはもう明らかですね。なぜ求めに応じないのか。だから、内輪じゃだめなんですよ。取り決めがあるからというのはだめなんだ。それは明確にお答えいただきたいと思います。
#85
○政府委員(加藤陸美君) 先般御答弁、御報告申し上げましたとおりでございますけれども、ただいまのお話は、国会法百四条に基づく要求に対してなぜ出さないのかというお尋ねでありましたが、国会法百四条に基づく要求の場合には、この法律の規定でございますので、応じなければならないということになっておるわけでございます。私、国会法百四条に基づく要求というふうに承ってはおりませんし、またそのような、その百四条に基づく要求とは承知いたしておりませんので、ちょっとお答えいたしかねます。
#86
○近藤忠孝君 ただいま極めて重大な発言がありました。これは今初めてですね、そういう答弁は今までは、内輪で、中公審として非公開確認しておったから出せないという回答でしたが、今初めて、この要求は百四条の要求でないから出せないと。百四条の要求だったら出すということでしょう。どうですか。
#87
○政府委員(加藤陸美君) お尋ねが百四条によって要求されたものだからということだったから申し上げただけでございます。
#88
○近藤忠孝君 いや、さっきの答弁そうじゃないですか。そうでしょう、委員長。
#89
○委員長(松尾官平君) 発言する場合はどうぞ発言要求をなさってください。
#90
○近藤忠孝君 今の発言は極めて大事ですよ。百四条の要求でないから出さぬということ、逆に言えば百四条の要求だったら出すということになりますね。どうですか、その点。
#91
○政府委員(加藤陸美君) 百四条の要求に対する対応というのは、この法律並びに国家公務員法の守秘義務その他関連の規定がございますので、それらの法令に従いまして対処すべきものというふうに考えております。
#92
○近藤忠孝君 この発言からいきますと、委員長、これは委員長から改めてそれは出すように要求すべきじゃないでしょうか。これはあくまでも委員会の要求。委員長は委員会で決議したかといって巻き返しを図ったようです。別に委員会で決議しなくたって各党派の一致した意見に基づいて委員長が発言すれば、それは委員会の要求になる、正式の要求になる、百四条の要求ですよ。今までは環境庁の答弁は、それには触れずに、ただ内論で非公開を決めたからと、それだけだったじゃないですか。今回改めて百四条の要求でないから出せないと。これは今まで理事会、理事懇で協議してきたことと全く違うんですよ。この答弁を前提にもう一度これは協議し直すべきですよ。どうですか。委員長が環境庁に質問しろと言ったから、してあげたらこういう結果です。これじゃとても質疑は進まぬ。それが留保の理由です。
#93
○委員長(松尾官平君) 先ほど来申し上げているとおりでございまして、ただいまの問題につきましては、後刻理事会におきまして協議いたしますから、質疑を続けてください。
#94
○近藤忠孝君 丸谷先生のいないときに大問題が起きたんです。と申しますのは、環境庁が提出しない理由は、中の非公開の取り決めじゃなくて、実はこの委員会の要求が国会法百四条の要求でないから、だから応じないんだという、こういう答弁がありました。そうでしょう。百四条の要求だったら、これは応じざるを得ないんですよ。しかし、百四条の要求でないからと、ちゃんと発言があったんです。となりますと、今まで丸谷委員もいろいろ議論されてきたことが根底から崩れるんですよ。そういう答弁を前提に、それじゃどうするのか、当委員会として。当然問題にすべきだと思うんですが、これをひとつ御協議いただきたいと思います。
#95
○委員長(松尾官平君) 速記をちょっととめてください。
   〔速記中止〕
#96
○委員長(松尾官平君) 速記を起こして。
#97
○政府委員(加藤陸美君) お答えいたします。
 提出できない理由につきましては、先般御報告申し上げましたとおりでございまして、理由はそのとおりでございます。(「話になれへんがな。そんな答弁あれへん。そんな、あんた、むちゃだよ」「ばかにするのも甚だしい」「ばかにするな。国会法百四条はどうなんだという話じゃないか。何を言うとるのか」と呼ぶ者あり)
#98
○委員長(松尾官平君) 不満があったら、ちゃんと正規発言をしてください。
#99
○近藤忠孝君 むちゃくちゃだ、こんなもの。こんなむちゃくちゃを許すのかね。(「百四条の要求と思わないから出せないとさっきは言うたじゃないか。何を言うとるのか。重大問題だ」と呼ぶ者あり)
#100
○委員長(松尾官平君) 質問者は、答弁者の答弁に不満があったら、堂々とただしてください。(「それは委員長が要求したんだから」と呼ぶ者あり)私は要求してない。(「委員長要求で発言したんだから、言い直させるんやったら、委員長が言い直させたらいい。そごがあると感じたのは委員長でしょう」と呼ぶ者あり)
 じゃ、もう一回速記をとめて。
   〔速記中止〕
#101
○委員長(松尾官平君) 速記を起こしてください。
 質疑を続行してください。
#102
○近藤忠孝君 質問しようがないじゃないですか。(発言する者あり)
#103
○委員長(松尾官平君) 衛視、傍聴席から不規則発言があるようですが、そういう人には退場してもらってください。
#104
○近藤忠孝君 ああいう答弁がありますんで、私はその問題で質問を留保します。
 委員長、私が今申し上げたことに何も応答がないんだけれども、どうなんですか。――委員長がこの委員会の議事をどうも放棄したような感じもするんですが、もう一度確認します、大事な問題ですから。
 私の質問は、国会法百四条を読み上げて、その求めに応じなければならないのになぜ応じなかったのか。これに対してあなたの回答は、この百四条による要求とは思わなかったと、そうでしょう。
#105
○政府委員(加藤陸美君) 提出できない理由という御質問でございましたので、先般も御説明、御報告申し上げましたものを読み上げるのも要らないと存じまして、その理由の読み上げ、理由の説明を省略しただけでございまして、百四条に係るものでどうこうというのを直接御答弁する段階にもございませんし、それからそれを答弁するつもりはございませんでした。
 失礼いたしました。(「さっき言うた。ちゃんとメモとってある」と呼ぶ者あり)
#106
○近藤忠孝君 こんないいかげんな答弁で質問できますか。
   〔沓脱タケ子君「こんなね、数分前に言うたことを言わないと言うのは何ということや。国会侮辱するんか。何という態度だ。十分前に言うたことを言わないと言うのは何だい。そんなね、そんなことで審議できますか、それやったら。十分前に言ったことを覆すというのは、言わないなんてよう言うたもんだ」と述ぶ〕
#107
○近藤忠孝君 そんなことじゃ何質問してもだめだ。
   〔沓脱タケ子君「それやったら何にも信用できないじゃないか。十分前に言うたことを言わないというようなことをぬけぬけ言うというのは認められない。それは議事録で精査は当然だけれども。私ね、重大なごとを言うと思ってちゃんと書いたんだよ、メモ書いてある。百四条の要求とは思わないからって、人をばかにしとるよ、あんた。それではあんた審議できぬよあんた。信用できへんやないか。言うたや言わぬで、自分の言うたことを言わぬというようなことを平気で言うんだから」と述ぶ。〕
#108
○沓脱タケ子君 委員長、議事進行について。委員長、議事進行について、いいですか、委員長。
#109
○委員長(松尾官平君) 委員長は今収拾策で頭がいっぱいです。
#110
○沓脱タケ子君 収拾策言おう思って議事進行言ったんやが。
#111
○委員長(松尾官平君) それでは、委員長から改めて申し上げます。
 資料要求問題につきまして、先ほどから近藤委員の御発言を聞いておりますと、委員長が、こういう発言をした、ああいうふうに確認したというような御発言もありますので、後刻速記録を大至急調製してもらいまして、それを含めまして理事会において協議したいと思いますので、質疑は続けてください。
#112
○近藤忠孝君 加藤局長の答弁についてもやってもらわなきゃいかぬ。
#113
○委員長(松尾官平君) 加藤局長の答弁の部分も翻訳してもらいます。
#114
○沓脱タケ子君 議事進行です。
#115
○委員長(松尾官平君) あなたは質疑の順序じゃないの。
#116
○沓脱タケ子君 議事進行だから。私は加藤局長の発言を……
#117
○委員長(松尾官平君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#118
○委員長(松尾官平君) 速記を起こして。
 質疑を続行してください。
#119
○近藤忠孝君 専門委員会の議事録、それから作業小委員会の議事録、これを私は提出要求しておりますが、いまだに出ておりません。この議事録は存在するんですか。
#120
○政府委員(目黒克己君) 要旨と申しますか、メモをとり、要旨に基づくものについてはございます。
#121
○近藤忠孝君 要旨といっても、相当議事の経過は要点的に書いてあるものでしょうな。それを見れば、専門委員会あるいは作業小委員会の模様はおおよそわかる。だれがどう具体的にどこまでそういう発言をしたかはそれは別としても、そういったことがわかる程度のものは両方ともあるんでしょうな。どうですか。
#122
○政府委員(目黒克己君) 速記録はございません。しかしながら、この議事の中のテーマ、それぞれ膨大な資料を出しておりますので、その膨大な資料に基づいて審議をしたテーマ、そういうようなものについては、当然私ども概要として持っているものでございます。
#123
○近藤忠孝君 これは中央公害対策審議会議事運営規則第十二条に、「審議会、部会及び専門委員会の議事については、会議録を調整し、会議の概要を記載しておかなければならない。」、この規定に基づくものと、それからもう一つは、五十年九月四日、総合部会決定、それによりますと、議事録については、「「議事録」は、発言内容を精確に記載するものとする。そのくわしさの程度は、各会議において決める。」、こういうものは存在する。こう聞いてよろしいですな。
#124
○政府委員(目黒克己君) 御指摘の審議会の運営規則に該当するものについてはございます。
 それから、概要等についても当然あるのでございます。
#125
○近藤忠孝君 委員長、これは今まで理事会などで官房長に何度か質問したんですけれども、そういうものはないと。あるんですね。ある以上はこれはひとつ出してもらいます。これは出せませんか。
#126
○委員長(松尾官平君) 答弁は、はっきり答弁してください。
#127
○政府委員(目黒克己君) 申し上げておりますように、速記録に該当するようなものはございません。その会議のときに提出いたしました資料の概要程度のものがあると、こういうことでございます。
#128
○近藤忠孝君 資料の概要だけですか。どういう意見が出、どんな問題が議論された、これはあるはずじゃないですか。そういうものもないと言うんですか。単に資料のことだけ言ってられるんですか。
#129
○政府委員(目黒克己君) 私が申し上げましたのは、先ほど来申し上げておりますように、運営規則に示してあるものはございます。しかしながら、作業小委員会並びに専門委員会におきましては、複雑多岐にわたる専門的なものがございます。したがいまして、その会議のたびのテーマというものを主に議論をさしていただいておるのでございますのでそのテーマがあると、こういうふうに申し上げておるのでございます。
#130
○近藤忠孝君 例えば専門委員会ですと、まず鈴木委員長あいさつ、そしてどういう問題について議論をしたいか、こんなことが書いてあるんですよ。単に資料の問題だけじゃないでしょう。あいさつから、議事から書いてあります。
#131
○政府委員(目黒克己君) 先ほど来申し上げておりますように、専門多岐にわたるものですので、例えばATSに関する議題ということになりますと、ATSに関することが非常に大きな主題として取り上げられます。したがいまして、ATSの主題ということでその程度のことはございます。しかしながら、今御発言のような速記録に準ずるようなものはございません。
#132
○近藤忠孝君 だれも速記録なんか言っていませんよ。要するに、その部会の程度に応じて書くんだから、言葉を取り違えてもらっては困るんです。ですから、そういう私の指摘した程度のものでよろしいんですが、これはやはり専門委員会の結論部分が大きくねじ曲がったということが大事なんです。あの結論はどういうぐあいに出てきたのか、これはまさしくこの法案の審議の最重要問題なんです。これは提出してください。
#133
○政府委員(加藤陸美君) 専門委員会の経過並びに最終結果は専門委員会報告として提出し、公表されております。
 先生ただいま御指摘があり、私どもの部長から御答弁申し上げておる部分、そのお尋ねの部分、提出してくれと言われる部分は、提出できないものの中に入りますので、残念ながら提出申し上げるわけにはまいりません。
#134
○近藤忠孝君 先ほど小川委員の質問に対して総会の部分ですがね、あるいは環境保健部会でもいいけれども、限りなく事実に近いという話がありましたね。これも限りなく事実に近いもの、これは出してもらっても差し支えないでしょう。それはさっと出してもらわなきゃ困る。
#135
○政府委員(加藤陸美君) 提出はできません、ほかの議事録と同じでございますので。
#136
○近藤忠孝君 じゃ、限りなく事実に近いものということでこれから答弁してもらえますな。
#137
○政府委員(加藤陸美君) あるものを持っておられまして、これがどうかというのが先ほどの小川先生の御質問でございまして、その資料は提出できる、できないのお答えはいたしておりませんし、これはもう御報告申し上げましたとおり提出できませんので、何とぞ御了解賜りたいということでお断り申し上げておるものでございます。
#138
○近藤忠孝君 先ほどは出さぬということが前提かもしれませんが、限りなく事実に近いものという形で答弁すると。私はそれは当然専門委員会についても同じものだ、同じ趣旨だと、こう私は聞いておったんですが、そう理解してよろしいんですか。
#139
○政府委員(加藤陸美君) 専門委員会の性格は名のとおり疫学、医学等々それぞれの分野の専門家の皆さんの討議でございます。調査関係の方々も入っておられる構成になっております。それらのテーマについてATSあるいは何々調査というようなことで行われておるということは先ほど目黒部長が御答弁申し上げたとおりでございまして、それはそういう性格のものでございますので、まとまった最終はそれらの諸議論を踏まえて専門委員会の報告書としてこれは提出され公表されておりますが、それ以外のものについては提出できませんし、まあ誠意を持って内容を御理解願えるように御答弁したいと思う部分でございますけれども、これは何分にもそういう非常に専門的な部分あるいは膨大な資料というものでございますので、これを提出せよということについてはできませんし、まあそれのこの部分についてどうであるかというお尋ねがありました場合にはもちろん誠意を持って御答弁したいと思っております。
#140
○近藤忠孝君 ああいうわけのわからぬ答弁幾らやっても時間のむだですから。私は限りなく事実に近いものということで質問しなきゃいかぬのですが、こういう状況では私は質問は留保せざるを得ない。
#141
○政府委員(目黒克己君) 局長の答弁を補足をいたします。
 ただいまの御指摘の内容につきましては、いろいろ御審議をいただくということで、私ども内容につきましてはお答えをする用意があるのでございます。(「限りなく近いものを出してこいと言うんだろう。それは探してこいと言うんか。国会へは出さないのにどっから、出回っているやつ探してこいと言うんか。ばかにするな、国会を。何という答弁だ、それは。」と呼ぶ者あり)
#142
○近藤忠孝君 質問留保。そういう話だったでしょう。――さっきの話だと私はあともうちょっと質問して……(「それはあんた、もう留保だよ。こんなばかみたいなこと言っていると質問できへんやないか。」と呼ぶ者あり)さっきと話違うじゃないの。さっきの問題も私は留保せざるを得ないと。だけどもうちょっとやってくれと言うから、じゃもうちょっと、もう一問で留保であると。
#143
○委員長(松尾官平君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#144
○委員長(松尾官平君) 速記を起こしてください。
 質疑を続行願います。
#145
○近藤忠孝君 私は委員長の求めに応じて、本来は入るべき質問じゃなかったけれども、しかし委員長が、委員長だけじゃなくて環境庁にも質問せよと言うから質問したんですよ、二問。国会法百四条の問題と、これは具体的に専門委員会資料のかなり中身に入って私は質問したんです。そして、今のような答弁だから、二つもこんな答弁出たんじゃとてもこれは質疑続行できないから留保です。そういう意味じゃ先ほどの小川委員と同じ条件です。そうでしょう。それを小川委員の留保を認めてなぜ私を認めないんですか。差別扱いじゃないですか。だから留保します。
#146
○委員長(松尾官平君) 時間が参りましたので、(「委員長おかしいぞ」と呼ぶ者あり)次の田渕君の質疑に入ります。(「留保、おかしいぞ」「留保もさせないという、資料も要求しないという、何ということですか、横暴だよ」「おかしいじゃないですか、何で認めない、こんなめちゃくちゃありますか」と呼ぶ者あり)
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#147
○委員長(松尾官平君) 速記を起こしてください。
#148
○丸谷金保君 議事進行について。
#149
○委員長(松尾官平君) 議事進行について丸谷理事から発言がありますので許します。
#150
○丸谷金保君 ただいまいろいろ議論になっていた百四条関連の質問及び答弁、これらについて速やかに議事録の精査をして、それを当委員会に報告をしていただくことをお願いいたします。
#151
○委員長(松尾官平君) ただいまの議事進行についての発言は、先ほど私から速記録を翻訳してという発言と同趣旨だと思いますので、手続をとらせていただきます。(「委員長、横暴だよ」と呼ぶ者あり)
 次の質疑に移ります。
#152
○田渕勲二君 こういう雰囲気の中でございますが、理事懇の中できょうの議事が決められておりますから、それに従って私は資料要求で質問できない部分を除きまして質問をしていきたいと思います。
 あらかじめ私の考え方を最初に申し上げておきますが、公健法改正のもとになっておりますいわゆる中公審答申の中にかなりの反対意見があるわけであります。いわゆる大都市の大気は窒素酸化物などのためにむしろ悪化しておるではないか、あるいは大気汚染と健康の関係が科学的には十分に立証されていない、あるいはまた、こういう状況の中であればあるほどやはり調査をもっと具体的に進めて、全面解除は時期尚早である、こういうような意見が各委員の中にかなりあったように私は承っております。また、地方自治体の意見も大半が反対意見あるいは慎重論、そういう集約であったにもかかわらず、産業界の声を特に優先をして改正を急がれた、こういうことについて私はまず冒頭納得がいかないということを申し上げておきたいと思います。
 そこで環境庁は、この法案によって個人に対する個別の補償から疾病予防、健康回復及び総合的な環境保健に関する施策への転換を図ろう、こう考えておられるようでありますけれども、果たしてそれが実効性が出るのか出ないのか、そういう観点から、特に私は健康被害防止事業の財政的基盤となっておる基金構想につきましてわからない点が余りに多うございますので、この点を中心に質問をしていきたいと思っております。
 まず第一に、環境庁が中心になって行う政府や自治体の環境行政というものと、汚染原因者からの拠出による基金で行う健康被害防止事業、この違いですね、それぞれの性格あるいはそれぞれの役割分担、こういうものがどのように違うのか、それをひとつ明確にお答えを願いたいと思います。
#153
○政府委員(目黒克己君) お答え申し上げます。
 これまで環境行政では大気汚染防止法等による規制を中心に進められてきたのでございますし、また健康被害者の保護等につきましては、公害健康被害補償法によって既に生じました被害に対し補償を行ってまいったところでございます。今回の基金の事業は、新たに健康被害の予防という観点から幅の広い施策を展開しようとするものでございます。
 それで、さらに詳しく申し上げますと、具体的に健康被害予防事業につきましては、人の健康に着目をいたしました環境保健事業と、環境そのものに着目をいたしました環境改善事業というものから成るのでございます。これは国、地方公共団体がこれまで、また現在も行ってきております健康被害防止のための一般的な対策を補完し、これをより効果的にあらしめるものとするためのものでございます。また、現行の公害保健福祉事業等々との関連につきましても、さらにこれを引き続き行いながら、関連を持って効率よく進めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#154
○田渕勲二君 それでは、基金に拠出をする汚染原因者、これは一体だれを具体的に指しておられるのか、また彼らに拠出をさせる法的な根拠、これはいかがですか。
#155
○政府委員(加藤陸美君) 基金の拠出を行う人は、改正法律案におきましては、「大気の汚染の原因となる物質を排出する施設を設置する事業者」、「大気の汚染に関連のある事業活動を行う者」ということになっておりまして、それぞれSOx、硫黄酸化物を排出する工場、事業場及び「関連のある事業活動を行う者」の方としては自動車関係の製造者等を念頭に置いておるところでございます。
 その根拠といいますか、拠出させるのは、ただいま申し上げました改正法の九十八条の二、「基金」という条項が基礎になってくるわけでございますが、今回の改正案におきましては、その条文で協会に基金を設ける、大気汚染の原因者等から拠出される拠出金を基金に充てるといたしております。これによりまして、大気汚染の原因者等はその社会的責務を自覚して基金に対し拠出いただくこととしているものでございます。
#156
○田渕勲二君 そういたしますと、費用負担の関係について若干お聞きしますけれども、現在賦課金が全国八千四百の事業者から納付されておるわけですが、これらとの関係で基金に拠出してもらう事業者の範囲というものはこの法律改正で変わってくるのかどうか。あるいは、基金が賦課金の残余を積み立ててつくると聞いておるわけですが、この賦課金を納める事業者と、そして基金を拠出する事業者とは違うのか、同じに理解してよいのか。仮に同じでないとすれば、基金の拠出に対して何らかのすそ切りが行われるということになるのですが、どのあたりで線を引かれるのか。従来と今回の改正でどう変わるのかということについてお聞きしましょう。
#157
○政府委員(加藤陸美君) まず第一に、賦課金の納付者が改正によって変わるかという点でございますが、これは基本的には変わりません。
 基金との関係でその次にお尋ねいただきました基金を出す人と、それから賦課金の納付義務者との関係について二番目にお聞きいただいたと思いますが、基本的な考え方としては賦課金の納付義務者は基金に対しても拠出をしていただくということになるものでございますが、ただ、さらにお尋ねのあった、その先のどの程度のところになるのかというような実体的な点につきましては、その具体的な方法になるわけでございますが、法改正をお認めいただけましたならば、関係者とも十分調整し定めることとするわけでございます。ただ、拠出金の徴収に当たってはそれ相応な徴収コストも配慮しなければなりませんので、この点から排出ガス量の小さい事業者に対する配慮ということも検討事項かと考えております。
#158
○田渕勲二君 そうすると、若干すそ切りはあるわけですね、中小企業の場合は。それはどういう程度のすそ切りになってくるのか。例えば、中小企業に限らず、今まで賦課金を納めておったところが事業をやめてしまった、そういうような変更が起きると思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
#159
○政府委員(加藤陸美君) お尋ねになりましたような事例も含めまして、関係者と十分調整をいたしまして具体的に定めていく段階での問題になるわけでございますが、今どのくらいになるかということについてはちょっと明確にはそれは申し上げかねるわけでございます。
#160
○田渕勲二君 そうすると、基金は賦課金の残余を積み立ててつくるというんですがね、そもそもこういう方式にしたのはなぜですか。そういう賦課金の残余を積み立ててつくらなければならぬという方式にされたのはどういうことでそうされたのか。
 それから、環境被害防止事業というのは基金の運用益で実施するわけですね。そうすると、基金が積み上がってくるまでには相当年数がかかると思うんですが、それまでの間は公費の導入ができるというようなことを聞くんですが、そういう考えは持っておられるのか、それならばそれらに対する公費導入の規模はどうなるのか、こういう点を、余り詳しくは要りませんから、ひとつ明確に答えてもらいたいと思います。
 それから、基金に公費が導入されると、政府が行う環境政策いろいろありますけれども、こういう事業と公害健康被害補償予防協会が行う事業というものとの境界がはっきりしなくなってしまうのではないかという、この公費の導入によりましてね、気がするんですが、その辺はいかがでしょうか。
#161
○政府委員(加藤陸美君) まず、基金が積み上がるまでの間の事業費というお話が一点ございました。この点につきましては、確かに基金が積み上がる当座の間はその運用益は出ないわけでございますので、それまでの間の事業については、改正法にも定めておりますが、汚染原因者等から拠出されます拠出金の一部を直接その事業費に充てて事業を行っていくということにいたしております。
 それから二番目に公費、国庫のお話があったと思いますが、基金に対する公費の導入の問題でございますけれども、これは所要の規模の基金を実現するために、国からも財政上の措置が講じられるよう環境庁としては関係方面と調整してまいりたいと存じております。環境庁としても、予算要求において所要の額を確保するために最大限の努力をしてまいりたいと思っております。
#162
○政府委員(目黒克己君) 基金の問題と、それから公費との問題等々でございますが、具体的に申し上げますと、まず境界に関する部分にございましては、従来の協会がやっております業務と、それから基金の業務というものを分けるということがまずございます。
 それから、現在環境庁が行っております、先ほど申し上げました保健福祉事業等の対応をやはりこれは行っておりますが、その場合には、中には先生御指摘のようにオーバーラップするものもあるのでございます。その場合には、それぞれの地方自治体においてやりやすい方法で行うわけでございますが、具体的には従来行ってまいりました保健福祉事業は、これは認定患者という方々のためのものということでございまして、それ以外の基金によって行いますものにつきましては、これはこれから新しく出る方々、あるいは予防的なものということで分けて考えてまいっております。
 しかしながら、現実に地方自治体で実施をいたします場合には、これはそれぞれの自治体の運用によりましてやりやすい方法に相なろうかと思っているところでございます。予算の流れだけはきちんと行くわけでございますけれども、実行の場合にはやりやすい方法で行う、このように考えておるところでございます。
#163
○田渕勲二君 それでは観点を変えて聞きますと、基金の規模が五百億円、こうなっていますが、この五百億円という額はどうして五百億円という金額になってきたのか、その経緯をお聞きをしたいと思います。
 それから中身をいろいろ見ますと、事業の実施に必要な年間の費用として二十五億円程度を想定されておりますけれども、果たしてこんな二十五億円ぐらいの予算で一体何ができるんだろうか、こういうことを、後でまたこれは追加して申し上げますが、考えているんですが、いずれにしてもその基礎になっている五百億円というのは一体どうしてお決めになったのかについてお聞かせ願います。
#164
○政府委員(目黒克己君) 経緯につきましては、この予防事業というものを新たに起こすという、先般来申し上げております審議会等の御意見等を体してこの予防事業を行うということに決めたわけでございます。
 五百億円の基金の根拠でございますが、健康被害予防事業というものの実施に必要な年間の費用といたしまして、御指摘のように、二十五億円程度を想定しておりまして、このための基金としてその規模を五百億円を必要だというふうに考えているところでございます。
 この健康被害予防事業の事業費の積算の根拠でございますけれども、一つは地方公共団体が協会の助成を受けて行う事業がございます。これにつきましては、これまで行ってまいりました同種の事業等を参考にいたしまして人口十万人当たり一千万円程度の規模のものというものを考えまして、対象地域内人口を約一千五百万人程度を想定いたしまして年間十五億円というふうに考えたのでございます。また協会がみずから行います研究等の事業につきましては、この種の規模の研究の例等を参考にいたしまして年間十億円程度を予定をいたしているところでございます。
 今御説明申し上げましたものの事業の具体的な内容でございますけれども、これは公害健康被害補償予防協会がみずから行います研究等につきましては、一つは調査研究がございます。それから知識の普及、研修といったようなものがあるのでございます。それから第二番目の地方公共団体等が協会の助成を受けて行いますもの、最初に御説明申し上げましたものにつきましては、計画の作成とか等々ということでございます。
#165
○田渕勲二君 なぜ私それを聞いているかといいますと、余りに金額が少ないということを言いたいわけですね。これは四号業務、五号業務とあるんですが、例えば地方公共団体の公害健康被害予防協会の助成を受けて行う五号業務ですか、これは年間十五億円程度予想されているわけですね。これは、今ちょっと説明されましたように、人口十万人当たり一千万円、対象地域内人口一千五百万人としているわけです。これは人口十万人当たり一千万円というのは一人当たり百円ですね。そうでしょう。それは現在はどうかといいますと、補償総額が年間一千万円ぐらいかかっていますね、今。認定患者が約十万人でありますから患者一人当たりに換算すると百万円前後の補償があることになっておるわけですね。環境庁は、個別の補償から総合的な環境保健施策に転換すると、あたかも現行の救済制度に取ってかわるような、肩がわりするような説明をされているんですが、一人当たりの事業規模を年間百万円から一万分の一の百円にしようということは、これは国民は納得がいかないと思うんですよ。これはまた皆さん方は趣旨が違うとおっしゃるかもわからぬけれども、実際に百万かかっているやつが百円になるんですから、そしてそのしわ寄せは結局は財政難にあえいでいる地方自治体に行くと思うんですよ。環境庁はそうでないと言い切れますか、これ。その辺いかがですか。
#166
○政府委員(目黒克己君) 先ほど来申し上げておりますものの事業の大部分は、例えば他の省庁に関連のございます医療あるいは保健とか相談とか、そういったような他のもので行われているものにさらに私どもの予防事業の分が上乗せをするといったような形になるのでございます。したがいまして、例えを挙げて恐縮でございますが、例えば相談事業ということにいたしますと、この相談事業につきましては、これは老人保健法であるとか母子保健法であるとか、いろいろなものを各地域の市町村あるいは保健所ではやっているのでございまして、この事業の中でこの予防事業の例えば相談のものをさらに追加をしていく、こういうような効率的なやり方を恐らく地方公共団体はとっていかれるのでございましょうし、またこのためだけに新たなシステムをつくるということは極めて困難であろうということから、私どもこのように積算をしたのでございます。
 また、先ほど来の御指摘の百万云々と申しますのは、医療費の部分とそれから年金的なものがあるわけでございますが、その辺の部分につきましては、医療費の部分等につきましては、これはまたほかの形で一般的な医療等の保健福祉、一般的な厚生福祉関係の事業の中であるのでございまして、その辺のものを勘案をいたしまして、私どもこの予防事業を行います場合に純粋に私ども予定いたしておるものについてはほぼこれで行えるのではなかろうか、また御指摘のこの事業のために地方の負担がないように努力してまいりたい、このように考えているところでございます。
#167
○田渕勲二君 あなたの答弁は納得いきませんが、地方にいろいろ肩がわりさせようとしておられますけれども、長官、先日の参考人の意見聴取で京都大学の塚谷教授がここにお見えになって、長官いらっしゃいませんでしたけれども、尼崎市の例を挙げられまして、公健法の補償給付以外に尼崎市が独自で行っている救済制度には患者一人当たり二万七千円の費用がかかっているというんですね。このような自治体の実態から見て、これは、今いろいろ部長が言われたように、一人わずか百円ぐらいの助成というのはナンセンスだと私は思うんです。これはどう解釈しても助成なんという代物ではないと私は思うんですが、その辺地方自治体が非常に苦労してこういうような事業をやっていることに比べて、国なりあるいは加害者である企業がやる、これだけの程度のものを、長官どのようにお考えですか。
#168
○国務大臣(稲村利幸君) 今の田渕先生の御質問ですが、私どもはできる限り地方に負担をかけない方向でやらなければならない、こういう基本的認識に立っております。
#169
○田渕勲二君 それは全くそのとおりです。そういう基本認識に立っておられるけれども、実際はそうでないんですよね。実際はそうじゃない、気持ちはそういうふうにおありになるかもわかりませんけれども。本来国が責任を持って行うべき環境行政をただ地方に押しつけていると言われても、これは仕方がないと思うんですよ。だから、私が言いたいのは、もう一度五百億とかいう程度のものを、積算根拠というものを見直してもらいたい、そしてこの基金の規模そのものを適正でかつ大幅なものにしてもらいたい、こういう考えを実は持っているんですが、この辺いかがでしょうか。
#170
○政府委員(加藤陸美君) 先生のおっしゃっておられます趣旨は十分わかるわけでございますが、この中公審答申において要請されておる保健事業、予防事業というものをどうしてもまず実現しなければいけないということで、先ほど目黒部長の方からも申し上げました基金による事業を行うわけでございます。その事業は答申の御趣旨を体したものはできるというふうに私ども理解はいたしておりますし、その対象人員は、先生おっしゃいましたように、大体十万人でございますから年間二十五億、そのまま割るべきかどうかは問題でございますけれども、一万五千という数字に割ればなるわけでございます。それが十分とはなかなか言えないかもしれませんが、大体こういうところで地方自治体に大きな迷惑をかけないで実行していけるのではないかと考えておるわけでございます。
#171
○田渕勲二君 余り時間ありませんから深くは追及しませんが、そうすると、この対象地域内人口一千五百万、こういう対象地域というのがあるんですが、これはどういう基準で対象地域とそうでない地域を区別されたのか。それから対象地域から漏れた自治体は一体どうなるんですか。
#172
○政府委員(目黒克己君) この予防事業の対象地域でございますが、現時点におきましては、第一種の指定地域の指定を解除されました地域、これはすべて対象とするというように考えているのでございます。
#173
○田渕勲二君 その対象地域から漏れたところは一切関係ないのですか、四十一地域だけが対象であって。確認したい。
#174
○政府委員(目黒克己君) 現時点ではこの第一種の四十一の指定地域すべてをというふうに考えておるのでございますが、なお答申の中には準じる地域についてはという項があるのでございますが、この項につきましては、具体的にまだどうするかということは今検討いたしているところでございます。
#175
○田渕勲二君 次に、組織のことをお伺いしますが、そういう法改正がされますと、現行の公害健康被害補償協会、こういうものが現在ありますね、これがこれからは公害健康被害補償予防協会、こういうように変化してくるんですが、この組織がまだ固まっていないように思うんですが、新しい組織が。それであるにもかかわらず、従来の補償協会のままにしておいて、新たな事業計画なりあるいは費用なり、こういうものが先に決められていくというのはどういうことなのか、ちょっと納得いかないわけです。新しい組織ができてそれが事業主体になるわけですから、それがこういう事業をやろうとか、こういうお金でやろうとかということが決まっていくというのが大体普通一般世間のやり方だと思うんですが、その辺いかがでしょう。
#176
○政府委員(目黒克己君) 今回新たに基金事業を行いますために、この協会の業務の一つとして、協会では賦課金の徴収等の業務を従来もやっているわけでございますが、それらの事務に加えまして、新たに協会みずからの判断に基づいて健康被害予防事業等を行うというようなことになってくるわけでございます。このために業務の増大とかあるいは責任体制の強化ということを図らなければならないのでございまして、協会の組織や体制を整備する必要があるというふうに私ども考えております。
 具体的には健康被害予防事業を担当いたします組織を協会内に新たに設ける予定としているのでございますが、法改正をお認めいただければ、その関係省庁とも調整をしてまいりたい、このように現在考えているところでございます。
#177
○田渕勲二君 その事業が始まるわけなんですが、それはいわゆる拠出金によって行われるわけですけれども、この拠出金というのは一遍に拠出されるわけじゃなくて、逐次賦課金の浮いた分が年々上がってくるわけですね。そうしますと、このようなことになりますと、やはり当分の間は年間二十五億円という事業費は計上できないと思うんですね。環境庁の提出資料によりますと、非常に盛りだくさんの事業計画があるわけですけれども、
   〔委員長退席、理事曽根田郁夫君着席〕
こういうそれぞれの事業というのは一体いつから始めるのか。それから、それに伴う資金が裏づけとしてどのようになされているのか、この辺いかがでしょうか。
#178
○政府委員(加藤陸美君) まず、この基金の事業は指定地域の解除と同時に速やかに実行に移していくべきものと考えております。
 それから、積み上がりの件がございますが、確かに基金の運用益によって賄うことになっておりますので、それまでの間、これは何年間かの期間があるわけでございますが、この事業費確保は重要な問題でございます。したがって、それまでの間は基金のために拠出される拠出金の一部を直接事業費に、所要額に充てていくという方法をとる考えでございます。
#179
○田渕勲二君 直接事業費というのは、それをもうちょっと説明してくれませんか、直接事業費というのを。
#180
○政府委員(加藤陸美君) 失礼しました。言葉を詰めましたのであれでございますが、事業費は、積み上がった後は基金の運用益で事業費に行くわけでございます。ところが、この基金の積み上がり額が少なくて、利益といいますか運用益が出ない間はほとんどゼロないし数億という段階は、この基金に積むものを全部積まないで、必要なのだけ事業費に直接使ってという意味の直接事業費でございます。
#181
○田渕勲二君 そうすると、基金が積み上がるまでの間は拠出金を取り崩して年々の事業費に充てる、こういうことですね。これは附則十九条の三ですか、そういうことになるんですね。そうすると、いつまでたっても四百億は積み上がちないような、五百億ですか――五百億ですが、これ百億は自動車業界がまだはっきり答えていないように聞いているんですが、その辺も含めてですが、仮に四百億としても、これはいつまでにそんな基金ができるのか。五百億、五百億と言ったって、こんなものはいつまでたっても積み上がらぬのじゃないかという気がするんですが、この関連はいかがでしょうか。
#182
○政府委員(加藤陸美君) その積み上がりの期間、正確には推定はなかなか難しい問題がございますけれども、大まかな試算をいたしてみましてやはり七年ぐらいの間にはでき上がるというふうに見通しております。
 なお、それが関係事業者から出てくるのかねというようなお尋ねであったかと存じますが、これは関係事業者もそれだけの責務を感じて、私どもからも要請も強くいたしたわけでございますが、そういう関係者内部での意思決定はされております。
#183
○田渕勲二君 先ほどちょっと私申し上げた自動車業界の拠出の関係はどうなっていますか。
#184
○政府委員(加藤陸美君) 私だだいままとめて関係方面のという中で一緒に申し上げてしまいましたけれども、その関連の方々、これは「大気の汚染に関連のある事業活動を行う者」という方に入るグループでございますが、その方でもそういうおつもりであるというふうに承っております。
#185
○田渕勲二君 非常にあやふやなんですが、そうすると、これから公害健康被害補償予防協会と拠出する側との関係をお聞きしたいんですが、これはどういう形で担保されるのか。例えば協定を結ばれるのか、あるいは契約書を結ばれるのか、とにかくこれは強制徴収はされないわけなんでしょう。その点十分な担保がなされておるのかどうか、それをひとつお答え願いたいと思います。
#186
○政府委員(加藤陸美君) いわゆる強制徴収という形はとっておりません。
   〔理事曽根田郁夫君退席、委員長着席〕ただ、全くフリーというようなものではございませんので、全く自由にという拠出ではございませんで、社会的責務を明確に法律で規定されておるものでございますので、これは担保というようなものを要するかどうか、なかなか考え方の問題でございますけれども、それは先ほどもお答えいたしましたように、関係者の合意、申し合わせを含めて広い意味で担保していけるものと思っておるわけでございますが、なお具体的な方法等につきましては今後さらに詰めてまいりたいと思います。
#187
○田渕勲二君 これは法律を改正しようというときに、これが一つの基礎になって判断される場合があるわけでしょう。そうでしょう。こういうものがあるから、法律をどう判断するかというときに、まだこれから詰めますなんという、五百億が申し合わせみたいなことであって、これからゆっくり相談しましょうなんということじゃ、そんなもの私らに提出したって意味ないじゃないか。
#188
○政府委員(加藤陸美君) 私言葉が足りなかったと思いますが、詰めていくというのは、まず基金ができるという点につきましては、先ほど来申し上げておりますように、その拠出に当たられる関係者の合意、申し合わせ、これが明確に行われておるわけでございます。それから、先生が具体的な担保のお話をおっしゃいましたので、それは具体的な徴取手順の話になるものでございますから、さらに詰めてまいりますと申し上げたわけでございます。それを確実にするための措置というのは、これは必要に応じまして十分講じれますが、それを講ずるまでもなく拠出は集まるということをお答え申し上げておるわけでございます。
#189
○田渕勲二君 局長が保証して安心するわけにはこれはいかぬわけで、少なくともこういうものを我々に示す前には協定するとか契約するとかという、予防協会と拠出する側とが、言ってみりゃほとんど強制というか、強制という言い方はおかしいかもわからぬが、協定した以上はその両方に責任があるわけで、そういうもので集めということにしなけりゃ、こんなのは不安てしょうがないじゃないですか。その辺は大丈夫ですか。これは大臣にひとつ明確に答えてもらいたい。
#190
○国務大臣(稲村利幸君) この公健法を改正するに当たりまして、私もその点を自分なりに慎重に検討した結果大丈夫だと、こう思います。
#191
○田渕勲二君 それでは一つだけ時間がありませんので大事なことを聞いておきたいんですが、この四号業務の中に調査研究という事業内容がありまして、大気汚染による健康被害の予防に関する調査研究というのがあるんですね。これは非常に大事な問題だと思うんですけれども、これはどういう内容、どこで何年間かけて、どれくらいの費用でおやりになるのかどうか、この辺いかがですか。
#192
○政府委員(目黒克己君) 御指摘の点につきましては、現在二通りの研究が行われているのでございます。一つは、四号業務として協会自体が行う基金に基づくものでございます。それからもう一つは、私ども一般会計の中で環境庁がやっておりますものの中に御指摘のようなものも含まれているのでございます。
 しかしながら、今後はこの基金の業務の中で、先ほど四号業務で約十億というふうに申し上げたのでございますけれども、この四号業務に基づきます十億の中で各地方自治体の御協力を得ながら実施してまいりたい、このように考えているのでございます。
 それから、時期でございますけれども、一つは、大都市にかかわる云々ということで先般来御説明申し上げました一つの調査等につきましては、おおよそ五年ぐらいをめどに考えているところでございます。
 それから、その他の沿道等にかかわります調査研究等につきましては、これは実際問題といたしまして方法論等はまだ今詰めているところでございまして、六十二年度予算でも現在鋭意詰めておるところでございまして、できるだけ早くやってまいりたい、このように思っているのでございます。また、特にそのほかにリハビリテーションの手法とか、あるいは治療方法等々細かなテーマにつきましては、それなりの中で研究を実施いたしておるのでございます。
#193
○田渕勲二君 長官にちょっと確認をしておきたいんですがね、非常に心配することは、こうした調査研究をされることはいいんですが、これは言うでみれば汚染者が出す金ですね、汚染の原因者が出してくる金なんですね。それが環境行政の責任を担う環境庁以外の機関が行うという調査研究になると思うんですね、これは、予防協会ですから。そうすると、もう早くも経団連の方でも、金の使い方については今度はこちらからも少し発言をさしてもらいたいというようなことを公言をしておられるわけですが、こういうようなひもつきの調査研究ということに対して、私は問題が多いんじゃないか。だから、こういう環境行政の根幹を混乱させるようなことをやるのは、環境行政みずからの自己否定じゃないかと私は思うんですが、その辺のところをひとつ長官から所信をお答えを願いたいと思います。
#194
○国務大臣(稲村利幸君) 先生御指摘の点につきまして、この健康予防ということは本当に大切なことでございますので、この事業を行うに際しまして、環境庁の指導監督のもとに公害健康被害補償予防協会が実施することになることはこれはもう間違いございません。その際にはあくまで公害による健康被害を予防し、国民の健康を確保するという基本的な立場に立って公正に実施してまいりたい。金を出すから口を出すというようなことはない方向でしっかりしていきたいと思っております。
#195
○田渕勲二君 時間がありませんので、今度は観点を変えて道路沿道の調査関係について質問をいたします。
 専門委員会報告では、「我が国の最近の大気汚染は、二酸化窒素と大気中粒子状物質が特に注目される汚染物質であると考えられる。」と、こういうふうに指摘をしておりますし、また、道路周辺では他と比較して二酸化窒素の濃度が非常に高いと、こういうように専門委員会でも報告があるわけです。また、先般当委員会で板橋区の大和陸橋ですか、ここで現地調査を行ったわけでありますけれども、ここでも大変な状況になっておるということは、参加された方々みんな等しく考えたことだと思うのですが、環境庁は、この法案審議の過程で、道路沿道を中心としまして大気汚染と気管支ぜんそく患者との間の因果関係を究明するための調査を行うことを約束をしたと、このように言われておるわけですが、その事実関係並びに調査の具体的な実施計画、こういうものをひとつぜひこの場でお示しを願いたいと思います。
#196
○政府委員(目黒克己君) 先ほどお答え申し上げました研究調査の概要の中に一部重複をいたしますが、まず第一点のこの沿道の調査にかかわりますものの内容あるいはそのスケジュールという点でございます。
 この点につきましては、六十二年度からパイロット調査を始めているところでございます。そしてその具体的な内容でございますけれども、まず対象地域を二地域程度選びまして、六十二年度及び六十三年度につきましては、幹線道路の沿道の住民の生活行動様式等々を実測をいたしまして、大気汚染物質の暴露に対します自動車排気ガスの影響等を評価するといったような趣旨の内容で、今デザインを専門の先生方におつくりをいただいているところでございます。
 調査は各シーズンにわたって行うというようなことでございまして、できるだけ早くこの面については結論を出していただきたいと、このように考えているのでございます。ちなみに六十二年度の予算は二千七百万円ほどを計上いたしておるのでございます。
 それから、先ほど先生の第二番目にお話のありました、大都市におきます気管支ぜんそく等に関する研究調査でございますが、これにつきましては、おおよそこの呼吸機能に関します医学的な諸検査とか問診とか保健指導とか、あるいは居住環境といったような調査もいたしまして、研究の実施期間をおおむね五年でいたしたいと、先ほど申し上げたものでございます。そして、地方自治体等の意見を参照いたしまして、この具体的な実施方法等をこれから検討してまいりたい、このように考えておるのでございます。あくまでもこの事業の主体は地方自治体の協力を得て基金事業として行いたい、このようなことで、現在その方向で進めていきたい、こう思っているところでございます。
#197
○田渕勲二君 そういう道路沿道の局地的な汚染というのが非常に深刻になってきておるわけですけれども、そういう調査の結果に基づいて、当然NOxを中心とした環境基準なり指標が設定をされると思うのですね。これに基づいて、ぜひこの公害の再指定問題も含めて検討をされるべきではないかと私は思うのですけれども、こういう調査の結果によってどうしてもそこの地域を再指定をして考えるというような考えが起きてくるのは当然だと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
#198
○政府委員(目黒克己君) この調査につきましては、大変各方面より御関心のあるものでございまして、先ほど来申し上げましたようなデザインをもとにいたしまして、結果が出た場合に、その結果が出ました時点での大気の状況等々を勘案をいたしまして、万一非常に適切な処置が必要だ、あるいは先生の御指摘のような再指定のような問題が必要だといったような、万一そのような事態に立ち至れば、その時点におきまして適切な対応をとるつもりでおるのでございます。
#199
○田渕勲二君 委員会の審議のたびに、常にそうだと思うのですが、適正に、早急にというお答えがいつもあるのですけれども、こうした問題は何も今に始まったことじゃなくて、この間の参考人の山本新宿区長ですか、あの人もおっしゃっていましたように、総合的な調査を行って、NOxを中心とした複合汚染対策を早く講じられたいと、こういうことが要望されておったと思うのですね。そういうNOxの調査というようなものが早くから言われておるわけですが、いまだに解明されていない。今も言われたように、早急にできるだけやりましょうとおっしゃっていますけれども、なかなかそれがいつになることやらよくわからないわけですが、そういうことについてはひとつ早急に、本当に早急に対策を立ててもらいたい、こういうように思います。
 そして、SOx、NOx及び粒子状物質、いわゆる複合汚染、これが今非常に深刻になっていると思うんですね。そういう調査研究、こういうものをぜひ早く手がけてもらいたい、複合汚染対策というやつについて、これを私は強く念願しているんですが、その辺のところは国立公害研究所などを中心に調査しておられると思うんですけれども、その経過について、今時間がありませんから、簡単でいいですから若干お答え願いたいと思います。
#200
○政府委員(長谷川慧重君) お答えいたします。
 先生のお話にございましたように、現在の大気の中には硫黄酸化物、窒素酸化物、浮遊粒子状物質等汚染物質がいろいろ含まれているわけでございますが、そういうものにつきましては、一応私ども環境庁といたしましては、それぞれの物質の評価をやりながら環境基準を定めて、その環境基準を達成するためにいろいろな努力をいたしておるということでございます。
 そういうことで、現実の問題といたしましてはNO2――二酸化窒素、それから浮遊粒子状物質につきましては環境基準がなかなか達成できないという状況でございますので、そういう面での努力をいろいろやっているわけでございますが、いわゆる行政的な努力といたしましては、単体規制なりあるいは交通量の抑制、固定発生源の対策というのをやっておるわけでございますが、それにあわせまして、先生のお話にございましたように、国立公害研究所におきまして、例えば道路構造を変えることによりましてそういう窒素酸化物をどのように減らすことができるのか等、そういうような研究もやっておりますし、それからまた、それ以外にも、例えば東京都におきましては、御案内の大和町陸橋のあたりにつきましてはモデルをつくりまして、どういう形のものにすればその地域の複合汚染といいますか、NOxが減るようなことになるのかというような調査研究をやっておるというようなことで、かなりのところでいろいろな分野の調査研究を進めているところでございます。私どもこれからもそういう面での調査研究をいろいろ進めながら、あわせまして対策の強化に努めてまいりたいというぐあいに考えております。
#201
○田渕勲二君 時間が迫ってきましたので、結論になりますが、本制度改正に至る論拠の一つに、いわゆる工業都市地域を中心にした二酸化硫黄の濃度が減少した、そして環境基準が達せられたからということになって、こうなってきたと思うんですね、この改正は。それは、裏返してみますと、こういう公害たれ流しの補償措置ということで、各企業が毎年七百億か八百億か、公害の原因を出しておる企業からそれらのものが拠出をされておった。だから、企業としても非常な企業努力をやって、そういう公害を出さないようにやろうという、こういう歯どめががちっとかかっておったと思うんです、今までは。
 ところが、これからこういう法改正になりますと、こういう歯どめがとれちゃったわけで、もうそういう企業努力なども余り必要としない、これからの新しい患者は認定しないことになるんですから。今までの患者はめんどう見ましょう。そういう企業努力が私は非常におろそかになるということを非常に心配するんですが、この辺のところは、長官、いかがでしょうか。私は非常にそれを心配しているんですがね。そういう心配はないと言い切れるかどうか。
#202
○政府委員(長谷川慧重君) 長官がお答えになる前に事務的な話で御説明しておきたいと思います。
 先生お話の中にございましたように、今のSOxに対します賦課金によりますチャージといいますか、責務が企業にあるわけでございますが、大防法の関係におきましては、SO2につきましては、それぞれの工場に排出に対する規制を加えてございます。それから地域におきましては、その地域全体の総量規制という形で濃度なり重なりの規制をやっているわけでございます。そういう大防法によります各工場、地域に対する規制といいますものが非常に効果がございましてSO2が非常に減っておるというぐあいに私どもは理解いたしております。先生のお話にございましたように、公健法に基づきます賦課の問題も全然なかったとは申しませんけれども、私どもは大防法の規制のもとにかなり効果があったと。それは技術の進歩等もございましたけれども、大防法の規制のもとにおきまして各工場が努力をやっていただきまして、現在のように非常にSO2につきましては環境が改善されておるというぐあいに理解いたしておりますので、公健法の今後とは別にいたしましても、今後とも私ども大防法のもとに各種の規制はきちっとやってまいりましてSO2に関します基準はきちっと守っていきたいというぐあいに考えているところでございます。
#203
○田渕勲二君 長官に重ねてもう一問ありますから。
 ここに、先週の日曜日の朝日新聞の朝刊に「水島コンビナート・ルポ」というのがありました。これは「闇に消える隠れ公害患者」というタイトルがついて、長官もお読みになっていると思うんですけれども、これはいわゆる公害企業の社員であるために配転や首切りを恐れて認定申請をしない社員がいるということも書いてあります。それから、認定を受けてもなかなか口に出せないで、仲間でさえひた隠しにしておる。あるいはまた患者の認定が打ち切られそうになっている今でも認定申請をためらっているという人が多数存在しておると、こういうことをルポしているわけですね。
 この法案が成立すると、今後認定申請をしようとしている患者であるとか、それから、現在どうしようかなと非常に悩んでいる患者などの救済手段がぴたっとここで切れてしまうんですね。こういう現実を長官としてはどのように今判断をされておるのか。確かに四十年代に比べて工場から出る硫黄酸化物の濃度は、今も局長言われたように、減少傾向だと言われております。そして、私も今の制度の何らかの見直しは必要かもしれませんし、見直しは。しかし、衆参両院の審議を通じてすべての人が指摘しておるとおり、硫黄酸化物による汚染の改善だけに着目をして一気にこの制度を廃止する、これに等しい制度改正をやろうとするんですね。これは私は非常に無謀じゃないかと思うんです。なぜ制度の現実に見合った改善策がとれないのか。一挙に指定地域をなくしてしまったり、新しい患者の認定を打ち切ってしまう。こういう一挙にいってしまうんじゃなくて、そういう改善、改良というようなものがなぜ考えられなかったのか。時間がありませんから今なかなか言えませんけれども、四十一指定地域の全廃ではない、調査をした上で逐次地域を変えていくとかあるいは新たにまた拡大するとか、これは調査の結果ですね、そういうようなことがなぜとれなかったのかということですね。私は非常にこういうやり方に対して納得がいかないわけです。だから、本来公害患者に対する血の通った施策をとるべき環境庁が、この点の配慮を怠っておるように私は思えてならないわけですが、そういう私の考えについて間違っておるのか、私の考えが余りに間違っておるのか、間違っておれば指摘してもらっていいと思いますが、私は今申し上げたような考え方を持ってこの法案審議に臨んでおるんですが、その点についてひとつ長官から明確にお考えを聞きたいと思います。
#204
○国務大臣(稲村利幸君) この改正が早急に過ぎるという御指摘は、田渕先生を含めていろいろ見識のある皆さんから御指摘をいただいておるところでございますが、まあここ三年にわたってせっかく中公審の御意見、いろいろ審議をいただいての答申を受けまして、この際割り切りというか、この辺で個人に対するより地域、予防というものに重点を置いてやっていこうではないか。私どもは先生方の御理解をいただきこの法案を今こうして改正することがベターである、ペストとは言えないがベターである、こういうふうに考えまして改正をお願いしているところでございます。御理解をいただけたらありがたいと思います。
#205
○田渕勲二君 それは長官の言われたことには一々納得できませんが、私は地域をもう一度個々にひとつ調査をしてもらって、そして自治体の意見も十分聞いてもらって、そしてこの法案をもう一度提出をし直してもらう、こういうことを私は長官に強く要望して質問を終わります。
#206
○高桑栄松君 私は、最初に大気汚染の慢性影響ということについて私の質問と意見を述べさしていただきたいと思います。
 中公審の専門委員会報告の第五章「おわりに」というところの最初の項目のところに、窒素酸化物の第一義的侵襲部位は気道抹消部であるということは、もうこれは動物実験でも明らかだと、こう書いてありますね。このことは、将来ともに慢性閉塞性肺疾患の自然史にどういう影響を及ぼすのか検討をしなければならないという非常に大事な指摘があるんです。これは前にも私お話ししたと思いますが、窒素酸化物と硫黄酸化物の違いというのは、硫黄酸化物は水に溶けやすいので、比較的入り口のところで溶けて腐食作用というか、影響を与える。窒素酸化物は余り溶けにくいものだから奥まで入ってしまう。それで抹消部ということになるので、大変呼吸器系の奥の方に影響を与えるということをこれは言っているわけですね。それで、私は慢性影響というのは、もちろん亜硫酸ガスは何もないというんじゃなくて、亜硫酸ガスを含めて、それから浮遊粒子状物質を含めてやっぱり完全にゼロになっているところか、NOx、それからSPM等は基準値をむしろ上回っている部分もあるということで、私はこれから特に問題になるのは、もちろん今までのような気管支影響だけではなくて、慢性影響に重点を置く必要があるんじゃないかと思うんです。これ平たく言えば肺がんなんですけれどもね。
 また一説には、これは鈴木武夫さんのNO2訴訟の証言にも出てきているんですが、私はこの文献を読んでいないので定かではありませんけれども、芳香族炭化水素が空気中で発がん物質に変わるのには空気中に窒素酸化物の存在が一つの条件になると。あれば発がん物質に変わりやすいということが出ているわけです。それから、芳香族炭化水素という中にも既に発がん物質も当然入っているわけで、そういうのが抹消に、特に気道抹消部に入っていくとなると、やはり将来ともに発がん性変化が起きるかどうか、そういう影響があるかどうかというのは非常に重要なポイントになると思うんですが、これについてはどうお考えになっているでしょうか、あるいは将来どういうふうに対応しようとしておられるか、お考えを承りたいと思います。
#207
○政府委員(長谷川慧重君) お答えいたします。
 先生がお尋ねの大気と発がんとの関連につきましては、先生のお話の中にもございましたが、非常に難しいいろんな問題もございますし、因果関係を究明するというわけにもなかなかまいらない。いろんな関連因子等もございまして、調査等はいろいろ行われているわけでございますが、現在のところはっきりした関連性といいますか、因果関係と申しますか、そういうものがあるというような報告は承知いたしてないところでございますが、いずれにしましても、この大気中に存在します発がん物質から人の健康を守るということは極めて重要なことであるわけでございます。
 環境庁におきましては、従来から環境大気中に存在いたします発がん物質に着目いたしまして、お話にございました多環芳香族炭化水素あるいはアスベスト等大気中の発がん物質に関連する文献レビューを行いまして、これらのいろんな物質にかかわります知見を収集整理いたしますとともに、そういう整理をいたしましてそれぞれのレビューといいますか、そういうものを取りまとめて関係の専門の方々にお配りいたしているところでございます。また、これとあわせまして五十七年度以降に大気汚染と肺がんとの関係を少し長期的に調べてみようというようなことの目的のために、大気汚染状況が異なります数地域につきまして地域を設定いたしまして、毎年大気汚染状況の把握と肺がん死亡の動向等を調査することをやっております。五十八年から三カ年かけましてそれぞれの地域を設定いたしまして、五年ぐらい長期に追っかけましてその地域の汚染の状況と肺がんの発生状況と申しますか、そういうものについての調査をやってまいりたいというようなことを現在やっているところでございます。また、ディーゼル排出ガスの長期吸入暴露によります発がん実験、あるいは環境大気中の粉じんの変異原性調査手法の開発など、発がんに着目いたしましたいろんな調査を実施いたしているところでございます。今後ともこれらの調査研究を進める等によりまして取り組んでまいりたいというぐあいに考えております。
#208
○高桑栄松君 大気汚染と肺がんとの関連についての文献を、これから発表されるのかもしれませんが、御紹介いたしますと、千葉県のがんセンターの調査が今度の癌学会、今開かれていますね、あそこに発表されるというのが、サマリーが載っていました。これを見ますと、大気汚染と肺がんとの関係は、「製造業事業所数や」と書いてありますが、粒子状の浮遊物質、それとNO2の濃度などとの間に相関があったと書いてあるんです。それから労働環境よりも居住環境に相関があると。今度発表すると書いてあります。ですから、きのうかきょうか今やっていますよね、それに発表されるんだろうと思うんです。
 それで、これはやっぱり非常に重要なことは、私は特に行政なんかの場合には現実に住民に非常に関係が深いわけだから、予測ということは必要だと思っているんです、未来予測ですね。現状だけではなくて未来を予測して、未来にどうなるんだろうかという予測が必要だと思うんです。その予測で言いますと、発がん物質があることは既に発がんの可能性が否定できなくなってくるわけです。量が非常に少なければというのはありますが、がんの場合は、御承知のように、ワン・ヒット・セオリーというか、一遍ちょっとでもがん化すると、それは残っていくわけだ、ただ、いわゆるがんとして体を侵していくかどうかは別として。ですから、そういう意味で発がん物質があるとか、あるいはそれがNOxによって発がん物質化されていくという過程が実験的にでも明らかになれば、これは未来予測として我々は持っていなければだめだと思うんです。
 私の経験を申し上げますと、私がアメリカへ留学したのは一九五四年、五年で非常に昔です。しかし、そのときにジョンズ・ホプキンス大学のアンナ・ベジャーというお方が大学院の講義をしていました。この人は六価クロムのがんの実験をやっておりまして、四年間やって、私が行ったときに実験室を見せてくれたんです。私はこのドクター・アンナ・ベジャーという人は非常に偉いと思う。四年間実験をして、ついに六価クロムでがんができないということを確認したと言っていました。マイナスのデータですよね。四年間やった。偉い人だなと。出たというならだれでも喜んで言います。出ないということをついに出なかったと言いました。今どうでしょう。六価クロムのがんはだれでも認めているわけです。ですから、四年間の実験で出なくても、がんというものは二十年後ぐらいなわけだ。ですから、これはやっぱり未来予測が私必要だというのはそこなんです。このアンナ・ベジャーという人は日本の六価クロムがんの訴訟のときにアメリカからやってきました。つい数年前です。私もお会いしました。女性の学者ですね。私がお会いしたときは三十年前で大変美人でございましたが、三十年後会っても大変美人でございました。このお方は今六価クロムがんのもう世界の第一人者です。六価クロムががんの原因であるという重言に来ているんですよ。
 それから、今御承知のアスベスト。私が助教授をしていた北大の衛生学教室で私の教室員にプロフェッサーがテーマで出してアスベスト肺の実験をさせていました。がんはそのとき考えていない。私は助教授ですから指導者でした。アスベスト肺と言っていたんです。アスベストージスですね。今はがんですよね。ですから、がんということは実験的にまだ証明されていないからないと言ってはいけないんですね、これ。私はそう思う。これは未来予測というのがなければもうだめですね。だから、急性中毒ではないんだから、慢性影響はやっぱり文献をあさっていただく努力、それから実際に疫学的な調査。五年とおっしゃったけれども、だめですよ、そんなものでがんにならないというのでは。アンナ・ベジャーさんの実験で出てきている。PPPというのは御承知ですね。ポリューター・ペイズ・プリンシプル、汚染者支払い負担の原則です。そのPは、行政指導を誤りますと、最初のPはポリティシャンの方になるわけだ、ポリティシャン・ペイズ・プリンシプル。大学の教授が間違ったらプロフェッサー・ペイズ・プリンシプルだと、僕はそう主張したものです。だから、大学の教授も間違ってはいけないと思うんです。それで私は今論理的に申し上げたんです。
 空気中にはディーゼルの排気ガスはNOxだけではない、発がん物質があります。間違いなくあります。それから、今のそういったものが存在してNOxがあれば発がん性物質ができるという可能性があるようだと。そういたしますと、私はこれはその未来予測に立ってやっぱり慎重な、それからデザインが大事ですよね、実験調査のデザインが。先ほど来田渕委員が研究調査のことを盛んに言われたんで細かいことは今省略いたしますけれども、私は調査研究でデザインというのが非常に大事だと思うんです。この間塚谷参考人が来られての話で、環境庁のおやりになった調査はデザインに非常に不備がある。あれから結論を導くことはできないような言い方をされた。ですから、デザインというのは非常に大事なんですよね。比較研究をするときに、その差がはっきり出そうもないときに出るための条件というのをいろいろセットしなければだめなわけだ。ですから、そのためのお金というのは要ると思います。後で長官に研究費のお話はまた別に質問をさせていただきます。ですから、塚谷参考人もこの間おいでになったときに私が聞いたら、肺がんのことが一番これから重要なテーマではないかと言っていました。私はその意味で、やっぱり目前の現状の対策はそれで非常に大事です。しかし、肺がんに関してはもっと力を入れてもらいたい。そしてポリティシャン・ペイズ・プリンシプルと言われないようにやっぱりやってもらいたい。その意味でやっぱりディーゼルエンジンの対策とか、それからNOx対策を急がねばならぬのだと思うんです。
 そういうことが私が申し上げたいと思ったことなので、今アスベストが出ちゃったんですが、アスベストというのは環境庁関係ないんですかね、アスベスト肺がんは、どうなんでしょうか。
#209
○政府委員(長谷川慧重君) アスベストにつきましては、環境庁は五十六年から三カ年計画で立地特性別の環境濃度の測定、流通経路調査等各種の調査を実施いたしております。その結果をプロフェッサーと申しますか、学識経験者の方々を構成員といたしますアスベスト発生源対策検討会というところにおきまして御審議をいただきましたわけでございますが、その結果といたしましては、現状では一般環境におきますリスクは少ないが、未然防止の観点からアスベストの環境大気中への抑制が必要であるとともに、その環境蓄積性にかんがみまして長期的なモニタリングを継続することが必要であるというようなお答えをいただいているわけでございます。
 これを受けまして環境庁といたしましては、六十年の二月に関係各省庁、地方公共団体、業界に対しましてアスベストの環境大気中への排出の抑制等について要請を行いますとともに、六十年度におきまして全国的なモニタリング調査を実施いたしたところでございます。その結果は、五十八年と同様に、一般環境におきますリスクは少ないと判断いたしたところでございますが、しかしながら、この六十年度の調査におきましては、アスベストの製品製造工場等発生源周辺におきまして一部で他と比較いたしまして高い値も散見されましたことから、本年三月にまた関係省庁、地方公共団体、業界に対しまして排出抑制について要請いたしますとともに、本年度におきまして発生源周辺におきましてより詳細な調査を行ってまいりたいということで現在作業を進めているところでございます。今後この調査結果や大気中のアスベスト濃度のモニタリング結果等も踏まえまして、またいろいろな文献、専門の先生方の御意見も聞きながら必要な対策を講じてまいりたいというぐあいに考えております。
#210
○高桑栄松君 今のアスベストのことでちょっと思い出したんですが、これは朝日新聞の投書欄、論壇のところだったなと今思っているんですけれども、日本のアスベスト処理ですね、例えば壁がなんかのをはがすとか、これが非常に不備だと言っていますね。言っているんです。はがすだけじゃなくて、逆に言えばまず固めておいて取るとか、何か非常にアメリカなんかではもう細かい指示をしているそうですね。それほどやっぱりアスベスト肺がんについて非常に恐れているんだと思うんです。またアスベストは、御承知のように、とんがっているもので入っちゃったら取れませんし、だから非常にこれ困るんで、やっぱり早急にこれに対してやっぱり技術的な意味でのガイドラインをちゃんとつくらぬといけないんじゃないかなと、私はそんなふうに思いました。
 その次に、先ほど田渕委員もいろいろ御質問になられましたが、健康被害予防事業ということで、特に保健事業という健康に関したところで予算規模の話が出ておりまして、一人百円で何ができるかと、なるほどジュース一缶で終わりということでございますが、何を一体期待しておられるんでしょうか、保健事業によってですよ、それちょっと伺いたいんです。
#211
○政府委員(目黒克己君) 保健事業につきましては、先ほど来申し上げております一つは調査研究、それからもう一つは調査研究、研修等がございますが、具体的に地方公共団体にお願いします保健事業の中身では、具体的なものを例を申し上げますと、一つは、医師とか保健婦等によります呼吸器疾患にかかわる相談とか指導というものが一つございます。これはどういう医療機関へ行ったらいいのかというのから始まりまして、自分の状況からいろんな保健指導、相談に乗ってあげるということでございます。
 それから二番目は健康診査でございまして、これは特に乳児を対象に問診等による病気が発病するのを予防するための指導を行いたい。これはいろいろな乳幼児の対策が行われているわけでございますけれども、乳幼児のいろんな三歳児健診等々といったようなものとセットにいたしましてこの中で問診等を行ってまいりたい、あるいはまた検査等もしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
 それから四番目が機能訓練でございまして、これは既存の患者、今の認定患者の方々に保健福祉事業としてやっているものとほぼ同じものでございますが、やはりこれは水泳とか音楽教室とかぜんそくキャンプといったようなものをやるのでございます。このほかに呼吸器外来等の整備ということで医療の充実を図ってまいりたいということで、医療機器とかあるいは若干の施設整備的なものをある程度大きな規模の病院にお願いをしたいと、このように思っているところでございます。
 また、先ほど申し上げました相談とかあるいは健診とかいうものにかかわります費用とかあるいは設備等につきましては私ども助成をしてまいりたい、このように思っているところでございます。
 また、具体的な問題になりますが、先ほどの水泳訓練等になりますと、温水プールの建設とか、そういうふうなものもこの助成の中でやってまいりたい、このように考えているのでございます。
 ただ、基本といたしますことは、各地方自治体がこれらのメニューに基づきましてそれぞれの実情に応じてあるいは体制に応じてこれをやりたいというふうなことを御相談いただき、その協議の上で実施してまいりたいと、このように考えているところでございます。
#212
○高桑栄松君 私伺いたいと思ったのは、一つは、大変立派な項目がずらりと並んでおりまして本当にやれるんだろうかなと思ったわけです。それで例えば温泉プールの建設とおっしゃったんですが、何か聞くところによりますと、一つつくると上物だけで五億ぐらいかかると。そうすると、東京のように土地の高いところで土地を買ってなんといったら大変な地代がかかりますし、これは多分建設と書いてあるけれどもお借りするという、しかも毎日借りるんじゃなくて時間借りでもしないと間に合わないんじゃないのかなと思ったりして聞いておったんですけれども、一つ例を挙げて伺いたいのは、ぜんそくに対してはどういうふうにやりますか、ぜんそくに対する対策。
#213
○政府委員(目黒克己君) まず例としてぜんそくの問題でございますけれども、健康診査をいたしまして、まず例えば母親あるいは子供、母子一緒に回りましていろいろ診査をし、健診をし、子の体質とかあるいは母親がぜんそくの傾向があるとか、あるいはきょうだいにあるとか、いろいろなものの経歴の中から、この子供に対してはどのような指導をしたらいいかといったようなことを具体的に現在もやっているわけでございますけれども、そういうものについてさらに新規の方々についてもやってまいりたいと、このように思っているのでございます。
 それからまた、先ほどお尋ねのプールの問題でございますが、一般的にこのプール、水泳訓練等々というのはぜんそくに非常にいい、効果があるというように言われておるのでございます。これにつきましては、御指摘のように、やはりプールを直接つくるということについては大きな問題があるわけでございますけれども、やはり既存のプールの中であるいは全天候のものにするとか、あるいは全天候のものの中でも特にぜんそく患者さんのためのいろんなもし器具とか設備が必要であるならば、それをさらに配慮していくとかといったようなことを含めましてかなり弾力的なことを考えているのでございます。なお、この辺の施設整備につきましては、地方公共団体等の地方自治体の意向もあろうと思いますし、また単年度でやるかどうか等々いろんな問題があろうかと思います。
 それから医療機関につきましては、これはぜんそく外来と、一口に言えば、そのような専門的な外来をもう少し充実してまいりたいと、このように考えているのでございまして、このような外来をさらに充実し研究等を続けることによりまして体制を整備してまいりたい。特にこの専門外来につきましては、小児科が中心になろうかとも思いますけれども、いろいろな器具等々いろいろございまして、例えばどの病院でもというわけにはまいりませんで、やはりある一定規模の設備を備えた病院が一定の専門外来をやる。そうすると、大きな規模の病院が一つのことをやれば、かなりマンパワー等の上でも余裕がある。そういうような中でもってこのぜんそく対策をしてまいりたい、これは一例でございますけれども、そういうようなものを考えているのでございます。
#214
○高桑栄松君 例えばぜんそくのアレルゲンの固定みたいなこともちょっとサンプルに載っていますね。だから、そういうアレルギー科でも必要なわけだ。そういうことがあるわけですが、今何いながら思ったのは、四十一地域指定解除の代替的な意味でこういう事業をするというふうに私は受けとめて聞いておったわけですが、この恩恵をこうむるのは四十一地域だけになりますか、それともそれ以外でも自由であるか、恩恵をこうむられるのだろうか、その場合に手続はどうなるのだろうかと思うんですが、どうなんでしょうか。
#215
○政府委員(目黒克己君) これは予防事業の中の物によりまして非常に広域的なものもあれば、非常に地域の限定されたものもあろうかと思います。先ほど当委員会でお答え申し上げましたように、この予防事業については原則といたしまして私ども現在の四十一の指定地域を考えているのでございます。解除した指定地域を考えているのでございます。この指定地域ごとに、例えば非常に公的な医療機関等大きなものがございますると、その公的な医療機関は恐らくはその指定地域の方々のみならず、その外部の方々も来ているのでありましょうから、そういう面から申し上げますれば、医療機関については若干広域的な対応にもなろうかと思います。
 それから、相談とか健診ということになりますと、比較的地域を限定をいたしまして、そして四十一指定地域の方々の中で希望者に対して健診あるいは相談事業等をやっていく。例えば、あるAという市の三歳児健診の中で、それが指定地域に入っておりますれば、その中にアレルギーに関するいろいろな健診とか相談とかを重点的にやっていくということで、その三歳児健診に来られる地区の方々は指定地域に限るといったようなぐあいで、物によって指定地域が限定される、あるいは広域的になる、二通りございますけれども、原則は四十一の指定地域に限るというふうに考えているのでございます。
 なお、先ほどお答え申し上げましたように、準ずる地域についてどうだという御質問があったのでございますが、その点につきましては現在検討をさせていただいているところで。ございます。
#216
○高桑栄松君 環境庁は自分の出先の保健所のようなものを持っていないわけだ。三歳児健診などということになると、保健所あたりが大分委託先になるのかなと思うんですが、そういうときは保健所にそれだけの費用を回すということですか。どういうことになるんでしょうか。
#217
○政府委員(目黒克己君) 恐らくは多くの市は、政令市が多いわけでございますが、市や区におきましてはそれぞれ市立あるいは区立の保健所等を持っておられまして、市が独自に保健所と保健婦さんとを持って実際の健診業務を行っておられます。そのような健診業務の中で一緒に上乗せをして行っていくということになろうかと思います。
 そうすると、厳密に申し上げますと、上乗せ分はどうするんだという問題が当然出てまいります。そういたしますと、それはこれから一時間当たり幾らという計算になるのかどうかはさておきまして、具体的にそのオーバーした分についで私どもはこの基金事業の中でそれを補てんしてまいりたい、このように考えているのでございます。したがいまして、既存の保健所や既存の医療機関や既存の社会資源というものは十分利用しながら、それがこの予防事業にかかわります分については私どもの方でその上乗せをどういう形でやるか、これは具体的に時間的なものもあろうかと思いますし、あるいは器具整備といったようなこともあろうかと思いますが、そういうものは具体的に上乗せをしてやってまいりたい。例えば機械が足りなければ私どもの方で必要な機器をこれに上乗せをしていきたい、あるいは健診の費用が実費程度のものが差額が生ずれば、それについて私どもやってまいりたい、こんなように予防事業については考えているのでございます。
#218
○高桑栄松君 これはちょっと揚げ足取るみたいな質問になりますけれども、例えばの話、何でも保健所というと、都会の保健所は大抵医者はいると思いますけれども、場合によっては医師がいなくて兼務というのもありますし、それから保健所も忙しい忙しいと言っているのに、そんな暇ありませんと片一方で言うかもしらぬし、やっぱり暇な保健所を探すとか、そんなことになるのかなと思って。やっぱりそれだけとにかくお医者さんと看護婦さんと保健婦さんの、あるいは事務屋さんも含めて業務がオーバーになっていくわけだ。それで、オーバータイムが出るかどうか知りませんが、その辺はやっぱり暇な保健所をお選びになるということになりますか。
#219
○政府委員(目黒克己君) やはりこの辺は四十一の指定地域を見ますとほとんど大都会でございまして、ちょっと私正確に記憶をいたしておりませんが、医療機関の数にいたしましても、たしか百を超える医療機関がそれぞれございます。したがいまして、相当の医療機関あるいは保健所にいたしましてもマンパワーをかなり持っているところが多いのでございます。しかしながら、やはりそこは通常の業務に上乗せの業務といったような形になってまいりますので、その辺につきましては、私ども地方自治体と相談しながら負担にならないようにしてまいりたい、このように考えているところでございます。
 御指摘のマンパワーについては、例えば東京の地域につきましては非常に医師等専門家がたくさんいるわけでございます。あるいは大阪、京阪神等々大きなところにつきまして、ほとんどが四十一指定地域でございますので、マンパワーについては、御指摘のような形のものについては心配はないのじゃなかろうかというふうに私どもは考えております。しかしながら、どちらにいたしましても超過分をどうするかということについてはあくまでもいろいろ問題はあろうかと思いますので、その辺を私ども補充する形でしてまいりたいということでございます。
#220
○高桑栄松君 現在公害保健福祉事業というのがあるわけですね。私が聞いている範囲では公害保健福祉事業で成果が余り上がっているとは聞いていない。それで、今の新しい予防事業というのもやっぱりこれと並列するようなものでなかろうか。だから、上乗せというよりむしろ並列である。そうすると、この福祉事業でさえも余り成果が上がっていないのだから、成果の上がっていないものに同じような事業をやるのかなと。だから、どうせ上がらないから予算も少なくていいと、こう思っておられるんじゃないかとも思ったりするんですが、いかがですか、これ。
#221
○政府委員(目黒克己君) 先ほど上乗せと申し上げましたのは、在来の医療システムあるいは保健システム、これは主として厚生省所管のものが多かろうと思いますが、在来の社会資源に上乗せをするという意味で申し上げたわけでございます。
 それから御指摘の保健福祉事業につきましては、これはやはりいろいろ御意見がそのやり方等についてはございます。そのやり方もいろいろございますけれども、その中で不備を補いながらあるいは訂正をしながらベストのやり方で持ってまいりたい、このように思っているのでございます。効果も地域地域によってそれぞれございますけれども、非常に効果があるという報告も来ておりますし、やはりなかなかこれは地域の実情によるのではなかろうかと思っておりますが、少なくとも水泳とかあるいはキャンプとかあるいは呼吸機能訓練、そんなようなものについてはやはり効果があるというふうなことを私ども聞いておるのでございまして、そういうものはそういうものなりに並列して行ってまいりたい。これはあくまでも今までの保健福祉事業はこれまでの患者さんのためのものでございますので、これは並列して行っていく。そのほかに先ほど申し上げたものをやっていく。ただ、その中に従来の保健福祉事業と同じものがあるとすれば、それはやはり並列してやっていくものがあるであろう、こういうことで申し上げたのでございます。
#222
○高桑栄松君 私さっき御質問されたかどうかわからないのでもう一度になるかもしれませんが、対象地域人口は千五百万人ということでしたね。そのすべてが今の予防事業の対象になるのか、それとも自治体がそれぞれ申請をした場合に対象になるのかということなんですが、どうなんですか。
#223
○政府委員(目黒克己君) これは先ほど申し上げましたようにメニュー方式でございますので、私どもの方の受けとめ方としては四十一の指定地域全部を考えているわけでございます。そこから御指名があれば受けるわけでございます。物によるのでございます。例えば健診のようなものでございますと、これはやはりすべての四十一の指定地域の該当のところの中にそれぞれのシステムがありますので、こういうのは恐らく乗っかっていくんじゃないだろうかと思うのでございますが、例えばプールの問題とかあるいは医療機関の問題等々になりますと、それぞれの地域の事情もあろうかと思いますので、これについてはそこの地域のそれぞれの市町村あるいは地方自治体の意向によって左右されるのじゃなかろうか、このように思っております。少なくとも私どもの方としては受けこたえるような形で制度を用意しているのでございます。
#224
○高桑栄松君 今までの東京都の報告、それから例えば兵庫の公害センターかな、あそこの所長の渡辺さんたちの研究報告その他幾つか挙げられているのは、やっぱり幹線道路沿線は非常にNOxが多い。それでNOxプラスSPM――浮遊粒子状物質、これが主流になってきている。私に言わせると、SO2が低濃度だけれどもプラスになっている、こう思っているわけですが、特に東京の近辺で言えば環七とか、環八とか、国道二四六、そういうところの沿線が大変ひどい。当委員会でも視察に参りましたね、板橋の大和町でしたか、あそこなんか特に多かったですね。ああいうところがあるわけで、これは環七、環八等々は指定地域の住区以外になりますね。なるというか、そういう指定地域外を通っているのがあるわけだ。そういうのはとりあえずカバーするとか、そういう考えはないのかな、どうでしょう。
#225
○政府委員(目黒克己君) 今御指摘の点につきましては、いわゆる審議会の中でその準じる地域ということでそれを入れるか入れないかということにつきまして、これは大変重要な課題であると受けとめまして、私ども今鋭意前向きに検討をいたしているところでございます。
#226
○高桑栄松君 私は今の目黒部長のお答えは大変大事だと思っているんです。指定されたものだからそれ以外はしないとかいうのじゃなくて、やっぱり健康の問題ですし、そういうケースが報告されているんだからもう積極的にこの準ずる地域に入れて、今の四区ぐらい入るんですか、世田谷とか杉並とかあの辺も入るようですが、そういうところを東京都はやっているんでしょう。たしか東京都は独自にやっていますね。ですから、そういうところはとりあえず指定地域とは無関係にやっぱりカバーしますとデータも出てくると思うんです。積極的にカバーしなければデータももらえないわけだ。だから、そこでどういう患者がどういうふうに応募してくるか、これが非常に私は大事だと思うんですよ。何も法律にないものはもうどんなのでもほうっておくというんじゃなくて、なくてもやっぱり重要だと思うポイントはくみ上げていく。そして環境庁のデータにしていただく。そして私の言う未来予測へのやっぱりデータとして持っていてもらいたい。それはやっぱり積極的に国民の健康にかかわる環境庁の私は本来の姿勢だと思うんです。法律は法律であるんだから、それはいいです。今度はなくなるとすれば、なくなるのなら法律でしょうから。
 しかし、それはそれとしまして、これからそういう予防事業をなさるのなら、やっぱり積極的にそういうポイントポイントはとらえてやってもらいたい。それがやっぱり行政の国民に対する責任ではなかろうか。法律とは特に関係なく考えてもらいたいと私は思います。いかがでしょうか。
#227
○政府委員(目黒克己君) 御指摘のとおりの点でございます。しかしながら、私どもあくまでもこの四十一の指定地域というものが中心になって、これがもう原則ということで、四十一の指定地域とそれに準ずる地域につきましては、これは先生御指摘のとおり、その中には大変私ども重要な課題としてこれまでも受けとめている地域もあるわけでございます。ただ、その地域のどこがどうということについては私どもまだ検討の段階でございますけれども、少なくとも私どもはそれを重要な課題として受けとめまして鋭意検討をいたしておるところでございます。できるだけ私どもの方としては重要な課題として受けとめまして、そしていい調査結果が得られるように努力をしてまいりたい、このように思っております。
#228
○高桑栄松君 私は、これも前に申し上げたんですけれども、環境庁は解除のかわりに予防事業、つまり個々ではなくて集団で予防、こうおっしゃったと思うんですが、予防医学者といたしましては当たり前のことでございまして、解除の代替に予防ということじゃないんだな。解除は別問題でございまして、予防はもともと一生懸命にやるべきである。今までもしやらないとしたら怠慢ではないか。それはポリティシャン・ペイズ・プリンシプルに入るわけですよ。ポリティクスの、政治の場が放置したものは政治が支払うべきではないか、そのPじゃないかと私は今申し上げたわけで、それはプロフェッサーが間違えばプロフェッサーが払うべきである。これはPPPということなんですね。ですから、そういう意味で私は予防事業というものは別個にこれは一生懸命にやるべきものであると思います。
 それから、解除のことは後でもう一度私質問の時間の間でやらしてもらいますが、そういう私は行政にもやっぱり科学的なアプローチが要ると思うんですね。それで私は未来予測の話を特に取り出したんです。そういう意味を含めて環境庁長官のお考えを承りたいと思うんです。
#229
○国務大臣(稲村利幸君) 高桑先生の御質問というより、まあ大変聞きほれてしまいまして……。
 ポイントを幾つか質問通告を読んで勉強してまいりましたが、この健康予防事業というのを私も今聞いておって、指定地域だけ云々というのを準ずるようにとか、なるほどなと思いながら、この指定地域以外に予防というのは解除する前にあるべきだ、そういうことでこの改正に当たってやはり私どもは少ない予算でやるということですから、もう予防、調査というものに対して費用をかけていくことが、個々に対しての負担よりも地域集団に対してという、その言葉の中に調査研究というものを生かすことが本当に大事だなという気が先生の御意見を聞いていてしているわけです。ですから、環境庁もそういう点を重点にぜひ先生方の御意見を体して、二十一世紀へ文化国家として恥じない方向で政治家も行政も取り組んでいかなければと、こういうふうに私どもも取り組む決意を持っております。
#230
○高桑栄松君 私は昔国立公害研究所にいたんでそう思うんですが、やっぱり環境庁の立場が何となく弱いんですよね。予算が少ないとか、おっしゃるとおりなわけです。私は研究費をどんどん取るべきだと申し上げておったんですが、しかし環境庁のこういう指導行政というか、調整行政の中で説得力のあるそれは科学的なアプローチだと思うんです。科学的なデータを持って総理大臣以下を説得していくということで、なるほど大事だと言って予算を出してくれると思う。現物支給というよりは、環境庁は調査研究等々にもっともっと力を入れて、そして科学的なアプローチで、これは十分根拠があるからこうやってほしいと、こういうことが大事な環境庁のバックボーンになるんじゃないかなと私は思うんです。
 そこで、ついでにというと申しわけないですが、引き続きですが、長官にお伺いしたいんですけれども、前にこれは申し上げたんですけれども、研究費の問題です。私今申し上げた、研究費というものは未来予測のために必要である、これは一つあります。それから、目下もう至るところで言われているのはグローバルな視点ですね。地球環境について日本はどういう役割を果たすのか。フロンガスのことが大きく載ってこのごろ大変な問題になってきたようでありますが、これは国立公害研究所にレーザーレーダーを私お願いしたと思ったら入ることになったと、三億五千万だったかね、局長ね、何かそういうことで私大変よかったと思うんです。そういうふうにてきぱきと反応していただいて、やっぱり未来予測と地球的規模における環境に対応してもらいたい。
 そこで研究費なんですが、私前に申し上げましたが、文部省の環境特別研究の課題で昔十億円が出ておりました。私もその審査員であり、評価委員を務めて、つい二年ほど前から一挙に落とされて、何か重点何とか課題になっちゃったんだ。重点領域研究で六億くらいになりました。四億減ったわけだ。だから、私は長官にそれを希望しておいたと思うんですけれども、何とか事業団だか協会ができるわけでしょう。ここから研究費というものを少なくとも差額の四億は出してもらって、そしてフリー研究に充ててもらいたい。フリー研究です、私の言っているのは。フリーな、つまり未来予測というのは行政屋さんが考えるよりも、これはよりもと言っちゃ失礼ですけれども、考えていただいてもいいですけれども、やっぱりしかるべき専門家がこんなことをしてみたいというときにその四億をやってほしいわけだ。ですから、そういう未来予測のための、そして環境庁の大事なこれからの政策のバックボーンになるようなデータをとるために、私はその差額四億は、少なくとも長官やっぱり基金の中からでも出せないのかなと思うんですよね。この際、きつく言われているということで研究費をそちらに向けてもらいたい。今の挙げておられる調査研究は私は不満ですから、どれだけの効果が上がるか私は余りよくわからない。それよりは四億を一挙に特別科学研究の差額に充ててもらうということはいいことだと思うんです。長官ひとつお考えを述べていただきたい。
#231
○国務大臣(稲村利幸君) 高桑先生からこれは予算委員会のときも御指摘をいただきまして、総理も大変耳を傾けておられるのを私も承知しております。この基金の中からというのはまあどうかなと思いますが、その十億を減らされた分についてのことは、これは環境庁として何らかの対応をしなければならないと、私もそう思います。できる限りこの科学的知見に基づいての健康予防、物で、形でというよりはやはり少ない資金でいかに国民の研究をと言われた場合は、やはりデータがあっての説得力だなというふうに今改めてまた感じましたが、先生の御意見を生かせる方向で努力したいなと思います。
#232
○高桑栄松君 そこで、時間が大分減ってきましたので、予定を少し飛ばしまして、地域指定解除のところに焦点をもう一度持っていきたいと思うんです。
 この法案の出されたときの趣旨説明の質疑で申し上げたことでありますが、私は地域指定の全面解除には医学的に反対であると、これは申し上げてあります。それはオール・オア・ナンということではないということですね。病気というものはすべてが病気であるかすべてが健康になるかということはないんだから、どうしてもその中間的なものがある。したがって、私は二つのことを申し上げたわけです。地域特性を考慮して、つまり地域特性というのは、複合汚染の環境基準が我が国にはないんだから、私は暫定措置でもつくるべきだと思っています。暫定ということは、科学的な根拠が若干乏しくてもいいということです。暫定的に一応こういう基準を考えてみる。前に申し上げたと思います。亜硫酸ガスは基準の半分になった、あるいは三分の一になったら〇・五か〇・三にする、NOxは基準のとおりだったら一にする、粉じんの方は六割だったら〇・六にする。そしたら、一と〇・六と〇・五で二・一になります。複合汚染のときには一・八を超えたらとか、まあ今でたらめに言っているんですけれどもね、何か適当に、適当という言い方は悪いですけれども、科学的根拠じゃなくていいから、やっぱりそういう根拠を持って、例えば三つなら一・五、〇・万ずつ三つ集まったら一・五、例えば一・五とする。高桑委員がそう言ったと言ってくださってもいいですよ、一・五でいいと。そうすると、基準値の何割行ったかで〇・何ぼというのをつけていく。そうすると、一・五を超えた場合には環境基準、複合基準をオーバーしたと暫定的に考える、こういうことがあって対応していくべきだと思うんだな。それは法律がもしできなければ、暫定措置というものが私はあってもいいと思うんです。そういう暫定措置があれば、改めて再指定というふうなことが起こり得るだろうと思うんです。
 総理大臣は私の質問に対して、将来再指定ということがあり得るということを答弁しておられます。それは私はその再指定というのが、再び地域指定という立法が前提なのか、それともこれを解除してもまたちゃんとやれるのか、これが一つあると思うんです。再指定ということがあり得るというのは条件は何かということですね、それを知りたい。いかがでしょう。
#233
○政府委員(加藤陸美君) 大変難しい御質問でございます。再指定の条件があり得るか。まずその前提には、中央公害対策審議会の答申でも明確に言っておられますが、この公害健康被害補償制度という法律の基本的仕組みは厳然として残すという前提がございます。その上で、どういうところを指定すべきかというのは今後の事態に応じてということでございますので、それに対応しての基準というのを今直ちに申し上げるというような用意はございませんけれども、なかなか難しいわけでございますが。
#234
○高桑栄松君 いや、だって総理大臣の答弁でございますからね、私は何かやっぱりお考えがあって、そのときの調子でおっしゃったにしても、それを受けて環境庁は大急ぎで作文をしなければいけないのではないか。その作文の中に私は入れてもらおうかなと思って複合汚染の暫定基準を申し上げたつもりなんです。何かそういうものがなければ、あれは絵にかいたもちだなんて、何と言ったらいいでしょうかね、何か大変わけのわからない答弁であったんじゃないか。あの再指定ということで、私は本当かなと思ったんです。だから、もうちょっと何かお答えありませんかな。
#235
○政府委員(目黒克己君) 大変難しい御質問でございますが、再指定の件でございます。この再指定の件は、やはり私どもの受けとめ方といたしましては、万一そのような非常に必要とするような、非常に激しい大気汚染の状況が来てそのような事態が起こったときには、私どもの方としては直ちにそれに対応する用意があるし、またせねばいけない、こういうような意味で申し上げているわけでございますが、先生御指摘のこの複合汚染の基準を暫定的に決めてから、仮定のお話と承っておるわけでございますが、どうかと、こういう御質問というふうに私ども受けとめるわけでございます。この点は、私どもはやはり非常に難しい問題がございます。その理由といたしまして幾つかございますが、やはり現在の大気の汚染の状況と、それから健康影響とについては、やはり複合ではあるけれども、専門委員会報告等ではSOx、NOx、SPM、この三つで代表できるじゃないかという趣旨の議論があったと片方にはございます。では、その基準についてどうかということでございますけれども、あくまでもその複合した基準というものについては今後の課題としてこれをつくるべく、これを研究するべく努力していかなければならないのではなかろうかと、このように思っているのでございます。つまり想定される事態が一体どういう事態であるのかという先生の未来予測の点については、私どもまだこれからさらにこのいろいろなファクターを入れまして、科学的なファクターを入れまして予測をしていかなければならない種類のものではなかろうか。したがいまして、御指摘のこの複合基準を暫定的につくって、その上で再指定と、この御質問に対しましては、私どもその最初の前段の複合汚染の暫定的な基準をまずは未来予測としてどのようにつくっていくかということについて今後鋭意努力してまいりたいと、このように思っているのでございます。もちろん現実の問題としては、先ほど申し上げましたように、万一そのような事態が来た場合には、その時点で総理の答弁にもございましたように私どもは対応いたしますと、こういうふうに申し上げているのでございますが、複合的なものというものに対してどういうような基準をつくるかということについては、今後の課題として私ども努力をしてまいりたいと、このように思っているところでございます。
#236
○高桑栄松君 これはSOx健康被害補償法ではないんですね。大気汚染なわけだ。だから大気汚染というのにSOxだけを基準にされるのはおかしいので、SOx即公害というのではないのであって、NOxも入るわけです。したがって、私はそういう意味で、SOxは改善された、NOxも大したことはない、そういうところの地域解除については私は検討の対象になるだろうと。しかし、SOxがある程度差ある――間違いなくあるわけですから。それにNOxはもう基準をオーバーまでしていると、そういうところも一挙に解除するのは、やっぱり健康ということを考えればおかしいのじゃないか。そして私が申し上げたのは、実験的なデータ、疫学的なデータではっきり因果関係を固定できないからとおっしゃるから、それは例えば肺がんのようなことを考えたらそうはいきませんよということを、一つの私の未来予測の中でやっぱり大気汚染、肺がんということを重要視すべきだと私は予測して言っていますけれどもね。私はそれは将来必ず起きてくると思っています。ですから、それに対する対策を今から講ずべきだ。それにはNOxを捨てておけない。NOxは気道抹消部を侵すと、そしてワン・ヒット・セオリーもあるわけだから、一たびがん化をすれば、それは十年後に発がんをするかもしらぬのだから、そういうことを考えますと、今から本当にもう一生懸命に取り組んでもらいたいと私は思うんです。ですから、全面解除は私は反対であるともう一度申し上げておきます。
 ですから、地域ごとに検討するのは私も賛成であるというか、検討してもいいと思う。それから、患者がきのうまでは六千人おられたのに、きょうから法律ができたらゼロになるということはあり得ないです。病気をそんなふうに理解されては困るので、これは一番わかっているのは、目黒、長谷川両先生方承知の上で私の顔を見ておられるのだろうと思いますけれども、時間になりましたので、全部この辺をひっくるめて長官の演説をひとつ聞かしていただきたい。
#237
○国務大臣(稲村利幸君) 現在の大気汚染の状況下では、制度を公正かつ合理的に運営するために四十一の指定地域をすべて解除することがやはり望ましい、この結論を、三年間の審議において中公審の答申をいただいた。これを私どもは尊重しましてこのような法改正をお願いしているところでございまして、先ほど来の中間ステップをという先生の再三にわたる御指摘も全く説得力があるんですが、この際割り切りをさせていただいて、この法が公正かつ合理的にぜひ運用されるように、やはり社会保障でないのならという方向で、ここで科学的知見、データを尊重する方向で国民の健康が守れたらとどうか御理解をいただき、ぜひともこの国会でよろしくお願いしたいと思います。
#238
○委員長(松尾官平君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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