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1987/09/17 第109回国会 参議院 参議院会議録情報 第109回国会 環境特別委員会 第8号
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1987/09/17 第109回国会 参議院

参議院会議録情報 第109回国会 環境特別委員会 第8号

#1
第109回国会 環境特別委員会 第8号
昭和六十二年九月十七日(木曜日)
   午前十時四十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月十六日
    辞任         補欠選任
     二木 秀夫君     星  長治君
 九月十七日
    辞任         補欠選任
     木宮 和彦君     宮崎 秀樹君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松尾 官平君
    理 事
                石井 道子君
                曽根田郁夫君
                丸谷 金保君
                高桑 栄松君
    委 員
                青木 幹雄君
                石本  茂君
                浦田  勝君
                中曽根弘文君
                原 文兵衛君
                星  長治君
                宮崎 秀樹君
                小川 仁一君
                田渕 勲二君
                渡辺 四郎君
                広中和歌子君
                沓脱タケ子君
                近藤 忠孝君
                山田  勇君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  稲村 利幸君
   政府委員
       環境庁長官官房
       長        山内 豊徳君
       環境庁企画調整
       局長       加藤 陸美君
       環境庁企画調整
       局環境保健部長  目黒 克己君
       環境庁大気保全
       局長       長谷川慧重君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        菊池  守君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公害健康被害補償法の一部を改正する法律案
 (第百八回国会内閣提出、第百九回国会衆議院
 送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松尾官平君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十六日、二木秀夫君が委員を辞任され、その補欠として星長治君が選任されました。
 また、本日、木宮和彦君が委員を辞任され、その補欠として宮崎秀樹君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(松尾官平君) 公害健康被害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○沓脱タケ子君 私は、質問の本題に入る前に一言言っておきたいのであります。
 数日前に大阪の西淀川で、実藤さんという公害患者が突然の激しい発作で深夜呼吸停止、窒息死をいたしました。この方は五十五歳の男性の方で、働き盛りの方でございます。長い間私はこの方を知っていますけれども、本当に深夜窒息死をするなどというのはどんなに苦しい思いをしたか、この苦しみをなぜ環境庁長官や総理大臣がわかってもらえないのか、恨みをのんで事切れたに違いないと思うわけでございます。
 働き盛りの人が健康を奪われ、働く能力を奪われ、あげくには今まで奪われたのであります。この十数年来、次第に病気が重くなっているのを私は見ておりました。この実藤さんが病を押して肩で息をしながら、唇を時には紫色にしながら公害をなくしたい、この苦しみは自分だけで結構だと、こう言って指定地域解除反対のための運動に参加をしておられた実藤さんを知っておる私にとりましては、この実藤さんの死を思うとき、あの人の願いを、悲願を知っている私にとってただいま審議をされておりますこの法案、どんなことがあっても絶対に通してはならないという思い、その決意を新たにするところでございます。
 本論に入りますが、実は私、去る九月二日、ちょうど委員長御着任前でございますが、その前回の委員会で私自身が質問を申し上げて、最後に中公審答申の科学的、医学的不当性、この疑いを解明する上で中公審や環境保健部会などの議事録が不可欠であるということを申し上げました。そうしてその日は冒頭に山東昭子前委員長が委員長としての要望をされましたので、しかしこの要求は小川議員の要求に基づいてなされたという経過もありましたので、私も欲しいから私にはもらえるんですなということで念を押したんです。そのときに山東委員長は、委員長から環境庁に対してその資料の要請をしたんだと、今、回答を待っているんですからということで私の要請を入れられたわけでございます。
 したがって、二日の日からきょう十七日でしょう、二週間以上たっているわけで、当然きょうの審議にはこの資料が提出をされて、私はその資料に基づいて御質問を申し上げるという筋になっていたわけでございます。ところが、いまだに資料が提出をされていないわけです。一体なぜ、そういう各委員がそれぞれ、私だけではありません、各委員がそれぞれ中公審の議事録、関係議事録の提出を要求しているのに、なぜ行わないのか、改めてお聞きをしたいと思います。
#5
○政府委員(加藤陸美君) ただいまお尋ねの問題でございますが、この件につきましては、先般の当委員会に御報告、御答弁申し上げておるわけでございますが、その趣旨をもう一度述べさせていただきます。
 中公審の問題でございますので、中央公害対策審議会の会長にお会いし、御相談をいたしましたものを踏まえてのことでございます。
 中央公害対策審議会は、会議の公開及び議事録の公表問題については、たびたび御審議を、中公審として審議をされてきました。中公審のメンバーのコンセンサスは、審議会において自由に意見を述べ、公正な審議を進めるためには、会議の非公開、議事録の非公表を原則とすることを申し合わせてきておられます。その後、この申し合わせに従って審議を進めておられ、会長としては答申書そのものに審議の経過を反映させるよう最大限の努力をしてきたし、また、今回は特に会長談話を付して審議の様子を伝えさせていただいたところである、以上のようなことでございますので、せっかくのお申し越してはあるが、会長としてはこれまでの申し合わせを覆すことはできかねることを何とぞ御了承いただきたいという御趣旨でございまして、私どもとしても以上のとおりでございますので、何とぞ御理解を賜りますようお願いするわけでございます。
#6
○沓脱タケ子君 そんなこと聞いてないんだよね。二日の日には要求をしている。次回にはその資料をいただいて、その議事録に基づいて質疑をいたしますということをちゃんと言っているんです。だから、なぜ出さないかと言っている。あなた長々言っているけれども、結局は中公審では出さないという申し合わせがあるので出せません、環境庁もそれに従っておりますということでしょう。だから御了承いただきたいというだけや、長々言っても。実際、端的に物を言ってください。
 で、そういうのんびりしたことをおっしゃっているけれども、経過から見てどうなんですか。あの九月二日を思い出してみなさい。委員長の発言は資料提出を、これを求めたんでしょう。委員長発言で資料要求を求めたんでしょう。これは一体何ですか。明らかに国会法百四条に基づいて、当然のこととしてその求めに応じなければならないという義務が国会法百四条には出ているんですよ。これは知っていますか。
#7
○政府委員(加藤陸美君) 百四条の規定及びその趣旨についてはよく承知いたしております。
#8
○沓脱タケ子君 昨日の近藤議員の質問に答えて、あなたは百四条に関してお答えがありました。けさ理事会で、このあなたの昨日の発言が速記を起こされてあります。これによりますと、私は国会法百四条に基づく要求というふうに承ってはおりませんし、またそのような、その百四条に基づく要求とは承知いたしておりませんのでちょっとお答えいたしかねますと言っているんですね。百四条と承知をしていないという、百四条に基づく要求というふうに承知をしていないという理由は何ですか。
#9
○政府委員(加藤陸美君) ちょっと申し添えさせていただきますが、先生のお読み上げの私の昨日の答弁の部分の前に、先般御答弁、御報告申し上げましたとおりでございますけれども、というのがついておりますことを申し添えさせていただきます。
 それから、なぜ百四条の問題をここで触れたかという点は、御質問者の方で百四条に基づくというような、百四条に基づく要求についてというように、これ議事録のことでございますのでいろいろな意味合いがあるかと思いますが、という趣旨の部分がございましたので、百四条に基づく要求という場合のものではないというふうに答えておるわけでございます。
 なぜそう受けとめたかというと、それは、実は百四条に基づく請求であるか、そうでないケースかは、いろいろ委員会審議の場でも、国会内いろいろケースがあるかと存じますし、場合もあるかと存じますが、いず札にしましても、委員会、もちろんそのバックには理事会、理事懇談会があることも承知しておりますが、それらを踏まえた総体としての委員会の御意思によって決まるものではないかなと思って考えておるわけでございます。その辺のところは私どもとしてはちょっと、少なくとも定かにこうだというふうには決めかねるわけでございますので……。
#10
○沓脱タケ子君 あいまいなこと言うたら困る。明確にしなさい。何という答弁や。
#11
○政府委員(加藤陸美君) その承知は、そういう趣旨と。逆に百四条に基づくものだという趣旨と承るという実態にもなかったということでございます。
#12
○沓脱タケ子君 その百四条ではないという判断、承ったというふうにないという判断をした。ないという判断はだれがした。局長、あなたですか。はっきりしなさい。
#13
○政府委員(加藤陸美君) 九月二日に私ここで承ったわけでございますが、要望ということで承っておるわけでございますから、それは相談いたしますとお答えしておるその時点で要望と言っておられますので、それが理由と言うとあれでございますが、理由ということに、それを前提に今のような考え方、受けとめ方をしておるわけでございます。
#14
○沓脱タケ子君 その判断をしたのはどなたですかというんです。あなたですかと聞いている。そうだったらそうだと簡単に答えなさい。
#15
○政府委員(加藤陸美君) 私、答弁者である私でございます。
#16
○沓脱タケ子君 極めて重要ですよ。あなた自分で百四条に基づくものと判断をしなかったとおっしゃる。委員長は要望すると言うたからというんですね。要望だってお願いたって要求だって、願いは一緒じゃないですか。御婦人の委員長だから優しく要望いたします、あるいはお願いいたしますという表現になりますよ。
 しかし、あなた一体何考えているんです。参議院の委員会の先例録見ますとね、二七五にはこう書いてありますわ。「委員会が、審査又は調査のため、内閣、官公署に対し報告又は記録の提出を求めるには、理事会の決定による場合又は委員会において委員の要求がありこれに別段異議もない場合は、成規の手続を省略して、委員長から直接これを行うのを例とする」、こういうふうに明確に書いてある。委員長が委員会で正規に出してくださいという要請をした、要請という言葉だったから国会法百四条のものだとは承らなかった。判断をしなかった。いいかげんにしなさい。どの委員会だって、これはあらゆる委員会で、私も経験がありますが、委員長が委員会の席上で正規に御要望になりますと、これは正規の要求になっているんです。
 先例を出すまでもありませんが、そんなことをなぜあなたは勝手に判断したんですか。そして国会法を踏みにじってはばからぬのですか。何ですか。百四条は、もうあなたも御承知のように百四条では「求めに応じなければならない。」、義務になっているんですよ。出して当たり前なんです。それを出さなかったら国会をじゅうりんすることになるんです。だから、私たち共産党議員団はそういう当たり前のことを、国会をじゅうりんするような、参議院をじゅうりんするような、侮辱するような態度、そんなものをとり続けて、資料を提出しないままで委員会を開くのは妥当ではないということを言い続けてきているのはそこなんです。はっきりしてください。
#17
○政府委員(加藤陸美君) 国会の中の委員会の御意思の問題で、それを先生ただいま事例を挙げてお教えいただいたわけでございますが、それも含めまして最終的に御判断いただくのは国会のそれぞれの委員会なり本会議なりそういう会議、委員会で御判断いただく話ではないかと存じます。私どもがそう断定的に申し上げるわけには、断定的にお答えいたすべき問題ではないように存じますので、ちょっと今の最後のお問いかけにつきましては、明確にどっちだこっちだというふうにはお答えはなかなか難しゅうございます。
#18
○沓脱タケ子君 こんにゃく問答みたいなことを言ってもしようがないんです。国会法百四条には「必要な報告又は記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない。」。出さなければならない義務があるんです。だから提出を要求しているんです。私ども委員会としては当然出すことを待っているわけです。それを四の五の言って出さない。国会法まで踏み、にじってはばからない。こういう態度というのは本当に国民の信頼にこたえる態度ではないんです。
 私はきのうも審議を聞いていてぞっとしました。同僚議員が、これは限りなく近いものですかといって聞いたら、あなたはぱらぱらとめくって、限りなく近いものでございます。ようぬけぬけとそういう芝居みたいなことをする。そして限りなく近いものをお持ちのようですから、できるだけ詳しく答弁します。一体何ですか。正規の要求の資料さえまともに出さないで、こんにゃく版でもどこかへ行って探してきて持ってきたら、限りなく近いからちゃんと言ってあげます。何という態度ですか。こんな、そういう国会を侮辱したような態度で、審議できませんよ。だから要求している資料は出してください。長官、こんなばかにしたような審議の仕方がありますか、見解を聞きます。まともにやりますか。
#19
○国務大臣(稲村利幸君) これは、質問をされる委員の先生に対しては、国民を代表される選ばれた方の質問に対しては誠意を持って答えなければならないことは当然でございます。
#20
○沓脱タケ子君 だから、委員長、これは資料要求をぜひお願いを申し上げたいということを重ねて要求いたします。かわいらしく要望と言うたら、要望やったからあかぬというで言われたら困るんで、要求いたします。
#21
○委員長(松尾官平君) この件につきましては、後刻理事会または理事懇で協議をさせていただきます。
#22
○沓脱タケ子君 それで、なぜ今回の審議でこれほど中公審に関する資料の提出を強く求めているか。これがなければ、この法案を判断をする資料にならないということで要求をしているんですね。これは時間の都合もあるし細かくは言えませんけれども、十万近い公害患者の命がかかっているんです。四十一地域の指定地域全面解除、新規認定の打ち切り、非情きわまりないこういう法案を、これが成立をさせられるような内容になっているのか、これはそうでないのか、それを決めるのが、これは中公審の議事録を出してもらわなかったら明確にならないから言っているんですよ。だって、そうでしょうが。今度の四十一地域の指定解除、新規認定の打ち切り、これは中公審の答申を根拠にしているんでしょう。どうですか。
#23
○政府委員(加藤陸美君) 中公審の答申をいただいて、それを踏まえて立案したものでございます。
#24
○沓脱タケ子君 この私どもに公然と目に触れることのできる中公審答申、それから専門委員会報告、これを見てまいりまして、従来から、私も昨年も質問をいたしました。本委員会でも各議員からこもごも指摘をされているように、私もこの両方を合わしただけでも大変理解に苦しむというところがあります。これは多くの例を挙げておる時間的余裕がありませんが、例えば専門委員会報告の中の留意事項と答申とを比較してみますと、何でこないになるのかなと思うんですね。
 これは一つ一つを追及しません。例えば専門委員会の留意事項ではこう書いてある。Bの一ですね、「局地的汚染の影響は、考慮を要するであろう。」というふうにお述べになっておられます。その後で、これは中公審答申が出る前、つまり専門委員会の審議が終わってから以後に東京都の調査が公表されたんですね。で、これらの知見を考慮しても「因果関係の評価を変えるものではない」というふうに、これは答申には書かれている。専門委員会のお医者さんたち、学者の人たちの結論は、そういう局地的汚染を考慮する必要があると言っているのに、最後に出てきたものは、これらの知見を考慮しても因果関係の評価を変える材料にならぬと、全然違うことになっている。
 それからもう一つは、これは留意事項の二つだけ見ても、専門委員会では、感受性の高い集団が見逃される可能性のあることに注意しなければならないと書いてある。感受性の高い集団といえば、これは常識的に言うたかて老人や子供や病人というのが常識ですよ。ところが答申ではわざわざ何と書いてあるか。「児童、老齢者、呼吸器疾患罹患者等ではなく、」と。これは留意をしなければならないと専門委員会の報告ではわざわざ書いてある、留意事項ということで注意をしなさいよと書いてあるのに、それが答申になったら、「ではなく、」や。除外されている。
 これはまさに専門委員会の報告と、そして最終的に出た中公審の答申とは幾つかの点で、私どもが私どもの水準の立場で見ましても、白が黒になっているとしか考えられないというところが何カ所もあります。もし専門委員会の指摘のとおりが最終答申になっていたら、少なくとも局地汚染のひどい道路沿線等の問題あるいは大変弱者と言われている感受性の高い集団、お年寄りや子供たち、病人の人たちが今後も切り捨てられるというふうなことはなかったであろうということは、あれを読んだって、私自身だって判断できるんです。これはほんの一例です。そんな例を出せば幾つかあります。
 したがって、こういうふうに白が黒に変わるという経過、これがどういうふうにいつ、どこでやられてきたのか。どういう論議がやられたので白が黒の結論になったのか。このことを明らかにするということが本法案の審議の上で極めて重要なことなんです。だからこそ、この点について何回か私も質問をしましたけれども、まともに答えたことはないじゃないですか。だから、そのいきさつ、経過を明確にすることのできる議事録、これが必要なんだ、絶対に必要なんだと言っているのはここなんです。わかりましたか。出しますか。
#25
○政府委員(目黒克己君) ただいま先生から、私どもが専門委員会の報告として公表いたしましたもの並びに答申の間に差があると、こういう御指摘がございましたけれども、この経過につきましては、例えば一例として今先生が挙げられたもの、くどくど申し上げませんけれども、留意事項の感受性の高い集団につきましても、作業小委員会、部会等で熱心に御討議をいただき、それぞれの専門の先生方の意見を踏まえ、何回か修正をしながらこのようにまとまったという経過でございます。したがいまして、結果として出されましたこの報告と、それからこの答申の間には解釈をめぐっていろいろ御意見がありました。しかしながら、その御意見をまとめて、そしてこの答申という形で一つのものにまとまったものでございまして、私ども、先生の御指摘のような大幅に変わった、ねじ曲げられたというようなものはない、このように理解をいたしているところでございます。
#26
○沓脱タケ子君 しかし、それは、そういうことをずっと言ってきた。ところが当時の新聞にも出ていますよね、十月六日の環境保健部会では随分鈴木専門委員会委員長が作業委員会の皆さん方に、自分らが責任を持ってつくった専門委員会報告がなぜこう変わったのかということで三時間以上も論議が交わされたということが報道されていますね。これは事実ですか。
#27
○政府委員(目黒克己君) 先生の御指摘の部分を含めまして三時間余にわたって熱心に御審議をいただいたことは事実でございます。
#28
○沓脱タケ子君 それで、鈴木専門委員会委員長は、これは専門委員会の責任者ですね。医学者として学者の見解をまとめて、責任を持って専門委員会報告をおつくりになった方なんです。本来なら、それを報告する環境保健部会でその報告をつくった報告者が一体どうなったんやいって物を言うというようなことはあり得ないんです、通常は。自分たちは責任持って出したのがちゃんと取り入れられておるということを見届ければそれでいいわけです。それを鈴木委員長が何でこないに変わったんや言って、何十カ所にもわたるというほどの大変な問題点を、余りにも変わり過ぎているということで随分作業委員会の皆さん方に質問をされたということを聞いています。それは事実ですか。
#29
○政府委員(目黒克己君) 鈴木先生が御質問、御質疑をされたことは事実でございます。またこの鈴木先生以外にも、専門委員会の専門委員でございました先生方が、医学の専門家の先生方が御論議に加わっておられたことも事実でございます。
#30
○沓脱タケ子君 鈴木委員長は、御承知のように九月末まで中国旅行に行っておられたそうですね。十月六日の環境保健部会のほんの直前に帰国をされた。そして中公審の答申作業小委員会がまとめたものを鈴木委員長にお届けになったのは何と数日前だということを仄聞しています。大体失礼じゃないですか。原典をまとめてもらった専門委員会の委員長にこんなふうになりましたって何でもっと早いこと持っていかへん。
 私ども仄聞しているところでは、余りにひどい内容であるというので赤ペンで何十カ所もチェックをして環境庁に数回にわたって送ったそうですね。てにをは以外は何一つ採用されなかった。だからこそ、十月六日の環境保健部会ではいろいろと徹底的に質問をしなければならなかった。原典をつくった委員長がわけのわからぬように変えられた、作業小委員会、これは専門家が違うんですからね、法律家と経済学者でしょう。そういう人たちによって妙にまとめられたんでは、これでは学者の良心が許さないということでいろいろ質問をされたと、そういうふうに仄聞をしております。
 ところが、これは三時間半の間に全部質問し切れなかったそうですよ、私どもの仄聞するところでは。ですから、こういうことがどういうふうに論議がされたかということが、専門委員会報告と中公審の最終的に出ている答申との開きが一体どこにあるんやということが論議をされているんだから、その会議録を出しなさいと。そうすれば国民の前で明らかに客観的な事実を明確にすることができるからですよ。会議録を出せということを強く要求しているのはそこなんです。
 もっと言えば、鈴木先生が三時間半にわたって他の委員と一緒に、余りにも専門委員会の結論と最後にまとめられた中公審の答申との間に開きが大き過ぎるということでいろいろ論議をされた。そうしたら、これは作業小委員会の小委員長代行ですか、その先生は鈴木委員長の質問に対して患者寄り過ぎるというふうな発言まであったということを聞いておりますが、事実ですか。
#31
○政府委員(目黒克己君) 部会におきましては、先ほど申し上げましたようにこの専門委員会の委員の先生方、直接専門委員会報告をつくって、そして公開をした、この専門委員会報告をつくられた、参加された方々が部会に入りまして、そして御指摘の部会の中で御審議を十分にいただいたものでございます。また、個々の先生方がどのような発言をどういうふうにしたかということについては差し控えさしていただきますけれども、少なくともこの委員会報告とそれからこの作業小委員会の考え方、それから答申、この間の十分な御議論をいただいた末、結論として総意としてこの御報告をいただいたものでございます。
#32
○沓脱タケ子君 私の質問に答えないですね。私は本当にひどい発言だなと思いますよ。専門的に二年数カ月にわたって、長期にわたって熱心に御論議になって出してきた結論がくるっとすりかえられているということがわかっていろいろと質疑をしたら、あなたの意見は患者寄りだなどということがもし言われていたとしたら、これはゆゆしい問題です。科学者の良心に訴えていろいろと御質疑をなさったに違いない。ひどいことだと思うわけでございます。こういう事態が明らかにならないと、本当に四十一地域全面解除がまともなのか、それが無謀なやり方なのかという判断をするためには、どうしてもそれらの、こういった経過の会議録を提出をしていただかないと白か黒かという判断はつけられない。だから要求をしているわけであります。
 時間がありませんから、私、こういうことになっているというのも随分ひどいなと思うんだけれども、今申し上げた患者寄りだなどという発言をなさったとやらいう、森蔦昭夫氏という作業小委員会委員長代行ですか、その方は一体どういう方ですか、ちょっと御説明ください。
#33
○政府委員(目黒克己君) 法律の教授でございます。法律学の教授でございます。
#34
○沓脱タケ子君 もうちょっと正確に言えばいいのに。確かにそのとおりですね。
 それで経団連の事業報告を見てみますと、第三十七号ですわ、一九七七年度には、経団連の公害対策協力財団というところがあるんですが、ここから助成金つきで公害健康被害補償法の研究をほかならぬ森嶌昭夫氏が委託をされているのではありませんか。加害者の側から、加害者の側である財界の団体から助成金をもらって御用研究を務めて、そして公害健康被害補償法つぶしのためにやってきたような人が答申づくりの作業の中心人物になっている、こんなことを許せますか、それに一方では、中公審に患者代表を入れろといってあれだけ長い間要求してもついに入れない。
 財界は年間八百億余りの金を出すのが惜しい、取られるのが惜しいから早いことつぶしたい。被害者国民は一体何なんですか。健康を奪われ、働く能力を奪われ、あげくの果てには今まで奪われているんだ。損害を受けているという点では被害者の方がはるかに大きいんです。金を出しているところの被害よりも損害よりも、患者の被害の方がどれだけ大きいがわからない。それを加害企業の代表は入れる。あげくの果てには学者も、財界から助成金つきで研究委託をされたような人がこんな中公審答申のまとめ役の中心になるというようなこと、こんなことを国民が黙っていると思いますか。どうですか。
#35
○政府委員(目黒克己君) 中公審の委員をお願いをしております先生方は、先般来申し上げておりますように、その学問的業績等から高い見識を持って公正中立な立場で審議に御参画していただける方をお願いしているのでございます。
#36
○沓脱タケ子君 そうでなければならぬと思うよ。それじゃ私が申し上げた森蔦氏が経団連の、これはもう間違いないですよ、事業報告に書いておるんだからね、助成金つきの公害健康被害補償法の研究委託をされたという事実、知っていますか。この委託費は五千五百万ですわ。五千五百万ですよ。
#37
○政府委員(加藤陸美君) 御質問の趣旨は、研究者が研究費をもらう、どこから出されておるかという事例の一つとしておっしゃったのではないかと思いますが、いろいろなケースがあると思いますけれども、私、御指摘の調査の詳細は存じ上げておりませんけれども、中立的な立場で学問的研究をされておったにそれは違いないと思いますので、これが、おっしゃいました御指摘のことが委員の適否を一般的に論ずるというのは適当ではないのではないかと存じます。
#38
○沓脱タケ子君 私の質問にまともに答えなさい。
 これは中立公正でなければならないと我々思っています、私の指摘した森嶌氏は経団連のこういう公害対策協力財団から助成金つきで委託をされていたということを知っていますかということです。知っているか知らぬかだけ答えたらよろしい。
#39
○政府委員(目黒克己君) 御指摘の件については承知をいたしておりません。
#40
○沓脱タケ子君 重大問題だよ。知らずに任命をしたというのだったら重大問題だ。
 そこで委員長、私が申し上げてまいりましたのは、いずれにしても本法案について、白か黒かを判断するためには中公審の関係資料、議事録、この御提出をいただかないと判断ができないという段階まで明らかになっています。しかも、今申し上げたようなこういう加害企業団体から助成金つきの研究費をもらったような人が法案をまとめる中心だったというようなことがわかったら、いよいよそれが公正に論議をされていたかどうかということについて明らかにする必要があろうと思う。
 ですから、再度中公審の関係資料を御要望申し上げます。要求いたします。要望ではあかぬな。要求したいと思います。その資料の提出されるまで、私の残余の質問は留保させていただきたいと思います。
#41
○委員長(松尾官平君) 申し上げますが、関係資料という新しい提案でございますので、後刻理事懇または理事会で協議をさせていただきます。
 質疑を続行してください。
#42
○沓脱タケ子君 留保いたします。
#43
○委員長(松尾官平君) 質問を続けてください。
#44
○沓脱タケ子君 委員長、再度申し上げておきます。
 今まで質問を申し上げてきた内容でも明らかなように、中公審の議事録、関係資料が提出をされない限り、これ以上質問を続行するわけにはまいりませんので、私は残余の質問については留保いたします。
#45
○委員長(松尾官平君) 委員長から申し上げます。
 先ほども申し上げたとおりでございますが、一連の議事録提出をめぐっての御論議は議事録ということでございました。ただいまの沓脱委員からの御発言は、議事録並びに関係資料という御提案でございますので、新たな提案として受けとめ、理事会または理事懇で協議をさせていただきます。
 きょうの理事会で決定になりましたきょうの質疑の日程どおり質疑を続けていただきたいと思います。
#46
○沓脱タケ子君 今、議事録と私が言うたので委員長は新たなとおっしゃった。関係資料ということは申し上げましたけどね、関係資料というのは、会議録と呼ぶのか議事録と呼ぶのか知りません。だってそんなものをもらってないんだから。報告書しかもらってないんですよ。だから会議録と呼ぶのか議事録と呼ぶのか知らないから。しかし中公審での、これは環境保健部会、専門委員会あるいは作業小委員会、総会の議事録か会議録か知りませんが、会議の内容のわかるその資料をぜひ提出をお願いしたい。改めて申し上げます。
#47
○委員長(松尾官平君) 先ほど申し上げたとおりでございます。
 質疑を続行してください。(発言する者あり)
 不規則発言は慎んでいただきます。
 質疑を続行してください。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#48
○委員長(松尾官平君) 速記を起こして。
 質疑を続行してください。
#49
○沓脱タケ子君 私は先ほど留保するということを申し上げました。
#50
○委員長(松尾官平君) 質疑を続けてください。
#51
○沓脱タケ子君 私は先ほどから申し上げておりますように、資料提出を要求し、その資料提出がなければこれ以上の質問が続けられないんですから、残余の質問については留保するということを申し上げました。したがって、委員会運営について委員長がお計らいをいただければ結構なんです。ところがこういう不公正な委員会運営について、私は怒りを感じます。国民の目の前で一体何たる不公正なやり方をするんですか。そのことを情理を尽くして質問をし、しかも情理を尽くして委員長にも申し上げている。にもかかわらず、私の残余の質問については留保するということさえも認めようとしない。何という委員会運営ですか。断じてこんなことは承服しがたい。
#52
○委員長(松尾官平君) 時間が参りましたので、次の質問者に入らせていただきます。
#53
○山田勇君 公害健康被害補償法の一部を改正する法律案の審議も今回で参考人からの意見聴取なども含めますと四回目となるわけですが、この間現地視察も行われましたが、またこれまでにさまざまな質疑も行われてきましたが、ポイントの一つを申します。
 これはやはり環境行政の後退ではないか、環境庁として環境改善の努力を怠っているのではないか、あるいはたださえおくれている二酸化窒素の環境基準の達成が一層おくれるのではないか、こういった心配があるわけであります。まず、こういった面から環境行政は絶対後退させないという長官のかたい決意を伺いたいと思います。
#54
○国務大臣(稲村利幸君) 山田先生にお答え申し上げます。
 環境行政は国民の健康の保護を使命とすることは申し上げるまでもございません。環境行政に後退があってはならない、力説されましたとおり私どももその後退があってはならない、そういう決意で臨む姿勢を持っております。また、窒素酸化物による大気汚染は大都市地域を中心に環境基準の達成されていない箇所が残されており、一層その対策を強化すべきものと考えております。今後とも、引き続き関係各省庁の協力を得つつ、環境基準の早期達成に向けて全力を傾けてまいる所存でございます。
#55
○山田勇君 公健法の改正に関連して、今後の健康被害予防のため、地域や住民を対象とし、健康状態と大気汚染との関係を常時監視し、解明していくためのサーベイランスシステムの構築を講じることになっていますが、これは地域住民の健康被害の予防に役立つものでなければならないと思います。
 これまでの説明ではもうひとつこの問題が明確でありません。そこで、どのような手法で常時監視をするのか、またシステムの構築は早期にしなければならないと考えますが、その時期についてもお答えをお願いしたいと思います。
#56
○政府委員(目黒克己君) サーベイランスシステムでございますが、地域の人口集団の健康の状態というものと、それから大気汚染の関係を定期的に継続的に観察をいたしまして、所要の措置を事前に早期に講ずるためのシステムのことでございまして、専門委員会報告でも御指摘のようにこの構築が要請されていたのでございます。
 このために、私ども、既に六十二年度から環境庁内に設けられました環境保健総合検討会におきまして、サーベイランスの具体的なシステムの設計に着手をいたしますとともに、パイロット調査にも着手することといたしているのでございます。何分にもこのサーベイランス、大気汚染にかかわりますサーベイランスシステムは新たな視点に立った総合的な調査研究システムでもございますので、その方法も確立されたものが既にあるとは言えないのでございまして、慎重な検討を必要とするのでございますが、答申の指摘等の重要性にかんがみまして、できるだけ早く、できれば数年以内にも本格的なシステムが構築できるよう、最大限の努力を払ってまいりたいと、このように思っているのでございます。
 また、パイロット事業の内容といたしましては、予算として九千七百万円を計上いたしておりまして、このサーベイランスシステムの構成要素でございます大気汚染、それから健康影響、その二つのおのおののモニタリングにつきまして、モデル地区においてどの程度の情報がそこから入るかというその可能性、そういうもの、それをシステムがどのように利用できるかということを具体的に今検討を進めているのでございます。
 具体的にどこでどういう場所でパイロットをやるか等につきましては、今後地方公共団体等にも御協力をお願いしなければいけませんので、相談をいたしておるところでございます。現時点でどこでということはまだ今相談中というところでございます。
#57
○山田勇君 指定解除が行われた場合、特に大気汚染による健康被害が生じないよう、健康被害予防事業が実効あるものとして実施されることが重要であるわけです。
 ところで、この事業は新しく設立される基金によって行われますが、この基金については大気の汚染に関係する事業者などが拠出することになっております。五百億円が目途となっておりますが、この運用益によってサーベイランスシステムなどの事業の実効性は確保されるんでしょうか。
#58
○政府委員(目黒克己君) 御指摘の点でございますが、まずサーベイランスシステムの方は、これは現在一般会計で行っておるのでございます。
 それから予防事業につきましては、これは現在健康被害予防事業の事業規模につきまして年間約二十五億円程度を想定をいたしまして、これのしたがいまして五百億円程度のものを予定しているのでございます。これらの事業の実施に必要な費用として算定をしたということでございまして、まず約二十五億円必要だということのもとに五百億円ということを出したのでございまして、十分な効果が期待できるものと私ども考えているのでございます。
#59
○山田勇君 財源規模は多い方がよいと思うんですが、今後十分に規模については事業の実施ということも踏んまえて検討していっていただきたいと思います。
 この拠出は、その額も含めて法律などで強制はしてないわけですが、一応この基金は五百億円と言われております。法改正がなされ、今後数年で積み上げていくとの答弁が前回なされておりますが、大気を汚染する事業を行う企業、これが社会的責任として基金への拠出をするわけですが、これについて関係企業や業界なりの理解は十分に得られているとは思いますが、まさか社会的責任を果たそうとしない企業などないと信じますが、産業も栄え、そして国民の生命、健康が守られてこそ豊かな日本と言えると考えます。環境庁としては努力されていると思いますが、五百億円を目途としている基金の確保には万全を期さなければなりません。念のために、この基金について念を押してお尋ねをいたしておきます。
#60
○政府委員(加藤陸美君) ただいま先生からお話をいただきました基金が大事であるということを前提に、この基金への拠出が大丈夫であるかということについてお答え申し上げます。
 この基金への拠出を行うこととされておりますのは、ばい煙排出者、自動車メーカー等でございます。今回の制度改正の趣旨を十分理解していただいているものと考えておりまして、基金拠出についても、その社会的責務を自覚し、協力いただけるものと考えております。ただ、この間は、環境庁としては経団連を初め経済界に対し、基金に対する拠出を要請しているところであり、基本的には既に経済界は拠出について協力することの合意をまとめている旨の報告を受けております。先生お話ございましたように、その心配はないと存じますが、いわゆる御指摘の拠出を確実にという意味合いで、今後とも必要に応じ基金への拠出を確実にするための措置を講じることも考えております。
#61
○山田勇君 政府としての拠出規模はどのくらいですか。
 また、この規模について検討され、その規模が決定されましたら、政府としての責務を果たすため、七年から八年ということではなく、三年計画といったもので、最高五年ぐらいで政府の拠出を終えてほしいと思います。また、「基金に関する財政上の措置」と法律にも書かれていますが、積極的に努力すべきだと思いますが、いかがですか。実効性のある事業を円滑に実施するため基金の確保は最も重要でありますので、念のためにお尋ねをいたしておきます。
#62
○政府委員(加藤陸美君) お尋ねの点でございますが、二点ございました。
 まず第一点でございますが、国の基金への拠出につきましては、現時点で明確にすることは困難でございますが、所要の規模の基金を実現するため国からも財政上の措置が講じられるよう環境庁としては関係方面と調整してまいります。
 国からの財政上の措置を短期間にできないものかとの御指摘でございます。これにつきましては、現下の厳しい財政状況のもと、なかなか難しいと考えておりますが、環境庁としては各年度の予算要求において最大限の努力をしていく所存であります。
#63
○山田勇君 次に沿道被害対策ですが、二酸化窒素、NOxの環境基準の達成がおくれているが、その理由はいろいろあると思いますが、道路の構造、交通量の抑制、分散など、こういった問題については今後どのように取り組むのかをお聞かせ願いたいと思います。
#64
○政府委員(長谷川慧重君) お答えいたします。
 二酸化窒素にかかわります環境基準が現在のところ未達成であるということで、私ども鋭意努力いたしておるわけでございますが、先生のお話にございましたように、いわゆる交通量の抑制、分散、道路構造の改善といいますことは、そういう面でのNO2の環境基準の達成には非常に有効な手段であるというぐあいに考えておるところでございまして、従前からやっております自動車一台ごとの非出ガスの規制、さらに固定発生源の排出規制といいますものに加えまして、御指摘のような交通の抑制、分散、道路構造の改善などの対策を講じておるところでございます。
 もう少し具体的に申し上げますと、いわゆる交通の抑制のためには、輸送の共同化など貨物輸送の合理化を図りましてトラックの交通量を少しでも減らしていくこと、あるいは公共輸送機関の機能を強化していくことによりまして自家用車の利用の抑制を図っていくことが必要であるというぐあいに考えております。また、交通の分散のためには、環境の保全に十分配慮した環状道路を整備することによりまして、都心部におきます不必要な通過交通を排除することが必要であるというぐあいに考えております。
 さらに道路構造の改善につきましては、例えば渋滞のひどい交差点におきましては、これを立体交差化したり、あるいは右折専用車線を設置することによりまして自動車排ガスが大幅に低減することが既に明らかになっているところでございまして、その推進を図ることが必要であるというぐあいに考えておるところでございます。
 以上のような諸対策を総合的、有機的に推進するために、環境庁におきましては京浜、阪神地域を舞台におきまして自動車交通対策のための計画づくりを行っておるところでございます。本年度中にこの自動車交通対策のための計画づくりを取りまとめた上で、関係省庁と協議しながらその推進を図ってまいりたいというぐあいに考えておるところでございます。
#65
○山田勇君 ディーゼルトラックの排ガスについて指摘されておるんですが、規制車への更新を促進するため、税制面など、また優遇措置の拡充など諸対策のうちの一つとして、環境庁としては財政当局に積極的に働きかけるべきではないかと思うんですが、その点いかがですか。
#66
○政府委員(長谷川慧重君) 自動車排出ガスの規制につきましては、従前からいろいろやってまいっておるわけでございますが、従前の規制に加えまして、先生御案内のとおり、本年の一月に特にディーゼル車の排出ガスの規制の強化を行ったところでございます。六十三年から六十五年度にかけまして逐次規制強化を実施するということで、新しい規制を実施いたしたところでございます。
 こうした最新の規制に適合した自動車の普及促進を図るために、御指摘の優遇措置等のお話でございますが、この最新の規制に適合いたしました自動車の普及促進を図るために、六十三年規制適合車につきましては税制上の優遇措置を講じておるところでございます。さらに六十四年規制あるいは六十五年規制ということで規制を行うわけでございますので、その規制適合車についても同様な優遇措置がとられるよう、関係当局に働きかけてまいりたいというぐあいに考えておるところでございます。
#67
○山田勇君 今後の環境行政を考えますと、環境庁は単なる調整役ということではなく、時代に対する先見性、また国民の生命、財産、健康を守るための先兵として果敢に行政のある面ではリーダーシップを発揮する積極性が求められるのではないでしょうか。
 例えば、東京湾の大規模な開発が進んでいますが、環境保全を重視するならば、瀬戸内海環境保全特別措置法のようなものをつくり、乱開発を防ぐ対策を立てなければならないと思います。最近の赤潮発生など東京湾が死の海になることのないよう注意していただきたい。環境保全に一層の努力を払われることを強く望みまして私の質問を終わります。
#68
○国務大臣(稲村利幸君) 先生から環境行政の積極的姿勢を今承りまして、まさにそのとおりでございます。東京湾地域の環境保全につきましては、水質や大気の総量規制の推進など各種の施策を実施しているところであり、また開発構想が具体化され、事業が現実に行われるまでには、例えば港湾計画や環境アセスメントの手続などの中で環境庁が関与する場面が出てまいりますし、これらを通じて環境の保全が十分図られるよう適切に対処してまいる所存でございます。したがって、現段階で直ちに瀬戸内法のような新たな法律の制定が必要であるとは考えられませんが、環境庁としては東京湾が首都圏における限られた貴重な水面であり、かけがえのない自然環境であることから、今後とも東京湾地域の環境保全に十分注意を尽くしてまいりたい、こう心しております。
#69
○小川仁一君 私は九月二日、当委員会の席上で中公審の会議録、それは作業小委員会、十月六日の環境保健部会、十月三十日の中公審第三十六回の会議録、議事録を指しますが、それが本法案の審議に必要不可欠なものとして要求をし、理事会に御相談をいただいて、山東昭子前委員長から、当委員会において環境庁に改めて資料の提出を要望いたしますという御発言をいただき、その御発言によって資料が提出され審議できるものと期待をしておりました。しかし、先ほど来の討論のように資料の提出はいまだありません。
 したがって、昨日は限りなく議事録に近いという立場で私の手元のもので御質問を申し上げました。しかしその際に申し上げておきましたことは、私の要求は参議院委員会先例録二七五項を前提にしておりますし、当然それは国会法百四条の問題を含んでおりますから、このことはもう委員長にそのかかわりのことでぜひ御配慮を願いたいということを申し上げておきました。また、当時の山東昭子発言の議事録の早急な提出をお願いをしておったところでございます。
 そういう一つのルールが片づいて次々質問をすれば、大変模索した形での質問ではなく質問ができると思っておるところでございます。また環境庁も前回、私が質問した際に法的根拠、提出を拒否する法的根拠をということに対して確実な御答弁がございませんでした。私のところだけで大騒ぎをしておりますと他の委員の御迷惑もあるかと考えまして、模索した形での質問を続けたわけでございますが、どうしても中公審の委員の方々が他の雑誌その他で発言をなさる、こういうことと議事録のかかわり、会議録のかかわりが明確でございません。
 したがって、きのうも御質問を申し上げましたが、その内容不明確、さらには御答弁になっていない状況でございましたので、本日改めてきのうの質問と同じ質問、いわゆる特定したジュリスト八百七十七号の四人の委員の方の発言と中公審の会議録、それらとの関係で一体どういうふうにこの方々は意図してお考えになったのか、あるいは答申自体とどういう食い違いがあるのか等、幾つかの分類を申し上げておきましたので、それに対する御回答をいただきたいと思います。
#70
○政府委員(目黒克己君) 全体として、このジュリストのものは座談会という性格から、表現は答申の表現とか、あるいは総会での御議論がよりやわらかくなって、わかりやすい形にしておるのでございますが、中公審の御議論にかなり即したものと考えられているのがポイントとなっているのでございまして、そのポイントの項目ごとに申し上げます。
 まず、専門委員会の報告関係のことでございますが、これは専門委員会での御議論に基づいたお話が多く、専門委員会報告に記述のあるものでございました。それから、ただし内容は医学的、専門的なものが多かったと、こういうことでございまして、総会ではこのような議論はほとんどございませんでした。
 次に、作業小委員会の構成から解除要件に関する点でございます。これは「作業小委員会の作業と環境保健部会の答申」というタイトルでございますが、ほぼ答申及び部会、総会での議論を正確にあらわしているというふうに考えているのでございます。ただし、この作業小委員会の構成については若干、医学者三人と述べている点については鈴木専門委員のことをどのようにカウントしたか、ちょっと正確ではない点が一つございました。
 四番目といたしましては、四十一の指定地域の汚染状況と被認定患者数の増加云々ということについてが一つのポイントでございました。この点につきましては答申に示されている内容を述べているところでございまして、中公審のお考えどおりのことを繰り返しておられるというふうに受けとめたのでございます。ただし、この二点につきましてはいずれも主として作業小委員会で議論をされたものでございました。部会、総会ではこの点については質疑はなかったのでございます。
 次に、留意事項に関してでございますが、これはいずれも部会、総会で議論をされた内容でございました。ただし、局地的汚染について国道四十三号線判決等についての議論、あるいは感受性の高い集団についてのアルファ・ワン・アンチトリプシン欠損等の御議論はそれぞれ作業小委員会、専門委員会で御議論があったもので、総会等では論じられていないのでございます。
 以上、多少省略してございますけれども、私どもなりにポイントとして今のジュリストの項目ごとに申し上げたものでございます。
#71
○小川仁一君 そのように単に答申の文言じゃなくて、作業小委員会、環境部会その他で議論された部分が雑誌ジュリストに載っていると思われる箇所が幾つもあるわけです。あなたの解釈と私の知っている限りの解釈ではかなりまだ食い違いがあります。これは整理されたもので簡単におっしゃられたからそうかもしれません。やっぱりこうなりますと、国民の前にこういった資料を出して、そして誤解を招かないようにすること自身が実は中公審の委員の皆さんの責任ではないかとさえ思うんです。
 ジュリストを見ますと、御自分の御意見は確かに述べておられる。しかし、あそこの中には反対の意見というのはほとんど言われていない。ある意味では一方的な御自分たちの意見の宣伝、もっと極端に言えば環境庁なり中公審の多数が決めたものの宣伝でしかあり得ない。そういうものを我々が根拠にしてこの委員会で討議をするというのは情けないことだと思っております。
 ですから、資料提出要求を再三、最初に申し上げたようにしておりますし、この問題にはあくまでこだわりますが、同時に、きのう質問した守秘義務の問題があります。少なくとも特別公務員であり守秘義務のある者が、作業小委員会や保健部会の討論の中身に触れたようなものをジュリストでお話しになっているというふうに私は答弁でお聞きをいたしましたが、とすれば、これは中公審委員として適任ではない人ではないかという疑念も出てくるわけでございます。そういう疑念に対して、一体守秘義務との関係で今後こういう方々はおやめいただくのか、あるいは次の委員の再任の際に再任しないのか、あるいは御注意なさるのか、いろいろな方法を環境庁の方でおとりになるのかどうかということについてお聞きいたします。
#72
○政府委員(加藤陸美君) 御質問の点でございますが、一般的に中公審の委員は非常勤の国家公務員に該当し、国家公務員法の守秘義務が課せられます。
 ところで、ただいま先生の方から御質問があり部長の方から御答弁申し上げた、御指摘のジュリストの座談会におきましては、四人の委員の方々が中公審の答申の主要な論点について、会議を非公開とした趣旨を踏まえつつ、個人的な考え方を説明され、また審議の状況を紹介したものと考えられるように存じます。ただ、先生おっしゃいましたとおり、なかなかこの判断は、特に法律適用のお話でございますので、なかなか難しい問題を含んでおるものでございます。
 さらに、適任がどうかという点につきましてでございますが、これは学識経験者としての任命でございまして、今のような問題、注意していかなければならぬことであることは間違いございませんけれども、おっしゃったような趣旨で適任がどうかと言われますと適任と考えますけれども、ケースによりまして、先生これは非常に難しいところでございますので御理解賜りたいと思います。
#73
○小川仁一君 とても難しいお答えですね。適任であるかどうかというところ、私は何もこういうふうにやめさせろとか、注意をしろとかと言っているんじゃなくて、公務員である限りにおいては、それは例えば非常勤であったとしても、私は公務員法で首になっているんですから、公務員法というのは随分厳重に適用されるものだというふうに理解をしておりますから、特にこの守秘義務というふうなものが、これは環境ならば守秘義務がある程度幅があるとか、防衛なら間違ってもないとかというふうな形で解釈されるべきものではないので、そういう点に触れるならばどうお考えになるのかと、こういう質問をしたのであって、私がその方をやめさせろとかなんとか言っているんじゃないんです。
 それからもう一つ言えるのは、先ほど同僚委員から、何か企業からお金をもらって研究している人が委員になったと。この学識経験者というのはこれはどういうものか、だんだん疑問を感じてきたんです。であるがゆえにこそ、私はやっぱり資料を提出して、もっと私たちにきっちりとした審議をさせることが環境庁の責任ではなかったか、また同時に委員会の皆さんの意図ではなかったか、こういうふうに考えますので、以上、時間が参りましたのでこれ以上申し上げると失礼になりますからやめますが、依然として私が発議をし、委員会で山東さんがお話しになったことを含め、今の点を含めて問題が後に残っているということを申し上げて、私の質問を終わります。
#74
○委員長(松尾官平君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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