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1947/08/13 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 決算・労働連合委員会 第2号
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1947/08/13 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 決算・労働連合委員会 第2号

#1
第001回国会 決算・労働連合委員会 第2号
  付託事件
○勞働省設置法案(内閣提出)
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月十三日(水曜日)
   午前十時三十二分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○勞働省設置法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(下條康麿君) それでは決算、勞働連合委員會を只今から開きます。今日に初代勞働大臣の米窪大臣が、午後衆議院の豫算委員會の方に御出席になるのでお差支えだそうでありますから、成るべく同大臣に對する質疑は午前中に終りたいと思います。前回に引続きまして質疑をいたしたいと思います。どうぞ……。
#3
○山下義信君 段々と合同委員會におきまして質疑が出まして、勞働省の設置に伴いまする當局の種々なるお考えも大分伺うことができたのでございますが、私思いますのに、肝腎の勞働政策というものに對しまする當局のお考えが、まだ私どもにおきましてはつきり掴めないところがございますので、この機會に、御堂局の勞働政策に對しまする確たる御方針を伺いたいと思うのであります。それにつきまして一、二簡單に項目をあげまして伺いたいと存じます。
 やがて來るべき勞働攻勢ということを申されておりますが、私は勞働攻勢というよりは、むしろ勞働者階級に向つての資本攻勢というものがすでに相當強く起つておるのではないかということを思うのであります。説明は省きますが、最近の産業再組織、すべての正業の細分化に伴いまして、この機に乘じまして、或いは勞務の配置轉換と稱し、いろいろな名目の下に資本家攻勢が行われるのではないかという點が見えるのでございます。即ち私共の考えでは、いわゆる最近の食糧配給状況の改善に件いまして、政府におかれては十一月は勞働階級の生計が、賃金生活の上において四百圓の黒字が出るお見込であるということを御發表に相成つておりまするが、これは一面におきましては、いかにも勞働者の生活がその頃にはよくなるというように聞えまするが、併しながらこのときは半面から見まするというと、物價の下落、即ちあらゆる闇企業の利潤が追放される時期でございまして、却つて勞働者に封しまする資本攻勢の激化を見る半面現象であるということもいえるのであります。このときは私はむしろ勞働パニツクではないかと考えるのでございまするが、このときに對しまして、當局はどういう考えをお持ちになつておいでになりますか。即ち勞働階級に對しまする資本家攻勢、この時期に對しまする當局の對策の御準備が伺いたいと思うのでございます。
 その伺いたいと思います要點は、即ち失業對策、從來しばしば本會議或いは委員會におきまして御答辯になつておりまするが、それを檢討してみまするというと、當局におかれましては、その失業状態を具體的にまた見通しをつけることができないということになつております。勞務配置の轉換も、企業内の配置轉換も、或いは相互企業間の配置轉換も、総じてどのくらい失業者か出る、どういうような状態になるということも、遺憾ながら見通しがつかないということをおつしやておいでになります。それでその見通しがつかないという根抵の上に立つて御對策があろうはずもありませんから、結局失業救濟事業というものを行う九十五億の豫算をいつも振廻しておいでになつて、それ以外には生活保護法とか或いは失業手當の御準備のことをおつしやるばかりでありまして、やがて來るべき勞働恐慌に對する確たる御信念、相當根強い御對策をいうもののお持ち合せがないように窺われるのであります。この點につきまして當局のお考えを伺いたい。或いは失業をなからしむる御方策をお持合せであるのではないかと思うのであります。無失業対策、失業させない、或いは勞働者の半數交替というような制度を採りまして、その交替期間中に勞働教育をする、或は技術の向上を圖るというようなことにいたしまして、全部の勞働者に決して失業させないというようなお考えはないのでありましようか、そういう點を伺いたいと思います。
 それから第二は、將來企業に對しまする勞働者の地位の向上ということにつきまして段々御盡力のようでございますが、最近承るところによりますと、石炭國管案の内容などの傳えられますところは、即ち勞働者が生産協議會に参加する、企業の體内に入りますのには、生産協議會というようなシステムによりまして入つて行こというようなふうでございまするが、私共は生産協議會という名の下に行きまするやり方というものは、むしろこれはダラ幹の温床になるのではあるまいかというような考えも持つております。そういう行き方でなしにもつと企業の資本に喰い込んで行つて、企業の主體性の中に勞働階級が進出して行くというような、企業内における勞働者の地位の向上に、ダラ幹の温床になるような行き方でなしに、もつと具體的に進んだ政策をおとりになるというお考えがあるかどうか、こういう點を伺いたいと存じます。
 第三には、勞働者の能率の向上でございます。これにつきましてはいろいろな面もございましよう。職場を愛護する、私はこの一點に盡きますと思う。職場を愛護するという上につきましては、私は勞働世襲制、親の持つておつた職場は、その子供が當然その職場で働くところの權利がある、優先的な權利があるというような考えを持つものでございますが、非常に苦勞いたしまして戰つておる父の職場を、子供が繼いで行くというがごとき勞働職場の保護政策というようなことに関しまとて、當局は何かお考えがありますかどうか。
 最後には、この勞働者の地位の向上という面におきまして、あらゆる方面に勞働者を登用して行くというお考えのお持合せがありますかどうか。これは今回の勞働省の設置に伴いましていろいろな機構ができまするが、私はこれらの役人、…というと言葉が惡うございますが、職に當りまするものは、勞働界に多年の経験のあるような人が當つてこそ、私は眞の運用ができるであろうと思う。すでに大臣がこの道の練達堪能の人が當られると同じように、局長も、課長も、部長も、そういう勞働界の出身の人が當つてこそ、眞に勞働省の運用に完璧が期待し得られるのではないかというふうに、各方面に勞働者の出身者をどんどんと登用して行く。私共は實は失禮でありますが、社會黨の今日の現状のごときも、眞に肉體勞働者の出身の人達が、例えば西尾國務相が旋盤工の出身であるがごとく、或いは松岡議長がそういう眞の筋肉勞働者の出身者であるがごとく、そういう本當の勞働者の出身者が社會黨のリーダーとなるがごときを、私共は實は期待するのでありますが、そういうふうな勞働者出身の方々が、組合においても、政黨においても、こういう勞働專門の官職におきましても、或いは企業の中におきましても、どんどん用いられて行くということの途が拓かれることが必要ではないかと思いまするが、當局におかれましては、勞働省の設置に伴いまして多数の職員を採用の際、これは他の委員諸君からもお尋ねが出たようでありまするが、勞働者出身の人をうんと御登用なさるというお考えがありますかどうか。
 最後に伺いたいと思いますことは、實質賃金の問題でございますが、これを私は一つの欺瞞であると思います。それは名目賃金と實賛賃金ということを申しまして、いわゆる配給品を低廉に配給してやる、それだけ生活費を低くしてやるんだから、そこで併せて賃金は相當の線を維持することができると、こうおつしやるのでありますが、その生活品の配給しその生活品を低廉ならしむるということは、勞働者だけの生活をなさるんじやない、國民一般の配給、國民一般の生活必需品の低下をなさるのでありまして、勞働者のみの生活品について特別のお考えをなさるならば、そこに實質賃金ということが成り立ちます。併しながら勞働者の生活が樂になり、そういう債務が低くなりまするときは、國民全般の生活品が安くなるのでありまして、決して勞働賃金の實質が上がつたということにはならないのであります。つきましては勞働者に對するところの生活必需品の配給、生活必需品の保障、或いは價格の上、或いは數量の上におきまして相當大きいウエイトを置かれまして、力強い對策というものが立てられなければ、實質賃金というものの實が成り立たないと思うのであります。この點に對しまして當局のお持ちになつておられまする御對策を承りたいと思います。
 尚いま一つ關聯いたしまして、勞働環境の改善でございますが、いわゆる福利施設でございますが、これは勞働省においてお扱いになりまするのは、工場、事業場等取締りの対象の中の福利厚生だけを所掌なさいますのでありまするか。或いは勞働者の住居いたしまする環境の厚生施設までも御盡力になりまするかどうか。或いは工場、事業場の外の勞働者を主といたしまする福利厚生施設というものは、これは厚生省の方にお委ねになりまして、ただ工場、事業場内のみの福利厚生施設に御盡力になりまするかどうか。そういう點を伺いたいと存じます。
 最後に、勞働能率の向上は非常に重要でございますが、これは基準局の一部で能率向上の御研究をなさるようでございますが、別に勞働能率局というがごとき相當大規模のものを以てこの方面に一段のお力添えをなさるお考えがありますかどうか伺いたいと思います。
 いま一つ國民動員署というものが戰時中にありました。これは言うまでもなく徴用というものをやりましたのでございまするが、國民動員に關聯いたしましたる考は、これは餘程注意いたさなくちやならん、私共詳しく存じませんが、或いは既にパージにかかつておりますかと思いますが、その戰時中に國民を動員して徴用いたし、いろいろな惡徳を重ねておりまするところの動員署長が多數おりまするが、そういう關聯いたしましたる者が、勞働省の事務に職員として重きをなすというがごときことは、甚だこれは避けなければならんごとであろうかと考えまするので、この點に對しまする人事の御採用に當つての當局のお考えを承りたいと存じます。以上
#4
○國務大臣(米窪滿亮君) 非常に勞働問題について廣汎な、且つ非常に重要な御質問でございます。從つて山下さんの御質問の中には御意見が多分に含まれておる。或いは私お答えする側の方の意見と相違するかも知れませんが、お答えしたいと思います。
 勞働攻勢、資本攻勢ということが言われておりまする。ジヤーナリズムの上で攻勢という言葉を使つておりますが、私は行政的に考えますというと、攻勢として扱うのがよいか惡いかということが第一に疑問になるのである。從つて、只今は勞働攻勢であるが、十一月頃からは資本攻勢が始まるだろう、こう言われる點において、この質問なり、お答えする問題の本質的な點において見解が相違するのでございまするが、私をして言わしめるならば、今までいわゆる勞働攻勢に押え付けられておつた資本側が、十一月頃から反撃して來るだろうという、大體そういうことですが、我々はそうはいかん、そういう情勢に入らんだろうと、こう考えております。それには御承知の通り財閥の解體、及び傍系會社からの追放、尚且つGHQからの命令によつて、相當の資本體系が分離され、又著名なる人が追放されるばかりでなく、今までの資本主義體系が根本的に、例えばアンチ・トラスト法などによつて根本的に弱勢化されておる現状において、而も経濟的に行くと、今日資金の點、資材の點において、どの企業も赤字が續いておるという状態、こういう状態において食糧事情が好轉をして來る、新米穀年度において俄然資本攻勢が始まるとは私は考えておりません。これも政府が流通秩序が政府の計畫通りに行つて、いわゆる生活費の大宗をなすところの食糧事情が政府の計畫通りに行つたときに、初めて十一月に黒字になつて来るのであつて、そういう大前提が成り立たないというと、四百圓というような黒字が必ずしも出るとは思わないのであります。從つてその機會に資本攻勢が始まるだろうとは考えておりません。現に今日の企業においては、一二の例に過ぎませんが、すでに、給料が支拂えずにおるような工場が相當ある。又一度の給料を拂えずに二度三度に分割してやつておるというような場合があるのでございまして、今のととろは、資本家側は受身になつておる。それが急に攻勢に轉ずるようなことは恐らくあるまいと思うのであります。從つて、政府としては、勞働者の要求に基いて國の財政、或いは各企業ごとの経濟状態に應じて、その要求を受け入れられる程度においては、最善を盡して行きたいと思うのでございまするが、この際、資本攻勢を豫想して、そうしてこれによつて資本家を抑えるとか、勞働者を、特にこうしようというようなことは、今のところは考えておらない次第であります。
 第二の點は、失業対策について政府の基本的な勞働対策がない、こういう御非難でございますが、これは一應了承する次第であります。何となれば、山下さんの御指摘のように、政府において、どの程度の企業整備が行われ、どの程度の潜在失業者が顯在となるか、或いはどの程度の失業者が出て來るかというようなことの勞働統計というものが、今まで確立されておらないのでありまして、この點は誠に御指摘の通り、相濟まないと思うのでございます。併しこれに關聯してお尋ねになつた、…完全雇傭というお言葉はお使いにならなかつたのですが、全部失業者をなくすというような考え方を持つておるかというと、完全雇傭については政府としては、到底これは日本において、今日の現状においては、實現は困難であると思います。世界的に見ましても、一九二八年から始まつたソヴイエト・ロシアのいわゆる政策實行だけが完全雇傭と構せられるものであつて、これも戰爭に應ずるためのいわゆる學國一致の態勢から完全雇傭が生れ出るに過ぎないのでありまして純経濟的にいうと、世界各國あらゆる國において、完全雇傭ということは行われた國はないのであります。況んや今日の日本においては、完全雇傭ということは到底困難だと思うのであります。ただ政府としては、勞働省が發足してから成るべく失業者を少くしようと思いまして、まだはつきりとこれを法制化するとか、或いは發表するという域に達しておりませんが、勞働基準法に決められたるものを實施することによつて、例えば就業を平準化するとか、或いは時間外勞働及び残業を廢止するとか、或いはそういうことによつて勞働時間を短縮して休日を増加するとか、日傭勞働者を常傭化するとか、或いは操業の短縮、交替制の採用などを撮りたいと私は考えておりますが、まだこれを法制化する域に達しておりません。そういうことによつて失業者をできるだけ減らして行きたいと思つておる次第でございます。
 それから経營協議會の問題でありまするが、経營生産協議會の、國營の例をお引きになつたのでありまするが、これについては相當議論があるようでございます。併し私は経營協議會ということは望ましい、但しさればといつて、勞働者が経營權の一部を取る、即ち資本家の持つておる経營權の一部を勞働者にまで委ねるということは、少し行き過ぎじやないかと思います。やはり經營權は資本家に置いておいて、但し經勞協議會においては有力なる發言權を勞働者に許すという行き方がいいのではないかと思うのであります。
 第四の、自分の親がこういう職業についておつたから、子もまたその職業に行くべきだというギルド・ソシヤリズムの考え方は、私は一應理論としてはいいと思うのでありまするが、日本の今日の實情で、果してこういうことを奬勵してどのくらいの效果があるかということは、疑問だと思うのであります。親が船乘りであるから子も船乘りになつた方が一應はいいと思うのでありますが、親が炭鑛夫であるから子も炭鑛夫になつた方がいいということは、日本のような教育の行われた國において、果して實現できるかということについて疑いがある。これは産業の能率化という點からいたしまして、結構なことだと思いますが、これは研究題目として行きたいと思うのであります。
 勞働省の人事については、お説大體において御尤もであります。成るべく民間の者を起用して行きたいと存じまするが、併し民間の者だけで勞働行政が果して圓満に行くかというと、なかなか若干の‥…言葉は惡いのですが、やはり官僚の諸君もおらないと、事務を取扱つて行く上において、いろいろの法制的なしきたりや、或いは歴史的な、そういう經緯があるのでございまして、これは適當に御趣旨に副うようにいたして参りたいと思つております。
 それから實質賃金と名目賃金との問題でございます。これは單に勞働者の實質賃金は、政府の諸施策がうまく行つても、國民全體のやはり生活軽減ということが行われんでは、これは勞働者の實質賃金を引上げるごとにならないじやないかと言われますが、この際申上げたいことは、いわゆる憲法で決められたる勤勞者という意味と、ここに問題になる勞働者という意味に若干の違いがあつても、私は今日の日本の現状において、廣い意味でいえば、殆ど國民の九割までは勞働者だといつて差支えないのであります。その観點からいえば、政府の狙うところは、やはり勞働者の實質賃金を上げることは、國民生活の軽減をはかるということになるので、大體一致するのじやないか。併し特に勞働者に對しては生活必需品の配給を重視しろというお説は御尤もで、政府としては食糧事情の許す限り、勞務加配米或いは勞働者の生活必需品については、勞働省が新設されると同時に、從前よりも關係各省の發言權を強くして参りたい、こういうふうに考えております。
 第七には、福利厚生は工場内のみであるかどうかという點については、詳しいことは政府委員からしてお答えすることにいたしたいと思います。
 それから勞働能率の必要なることはお説の通りでございますが、特にそれがために局を設けるという考えは今のところ持つておりません。併し必要が將來において起るようであれば、これまた考慮するつもりであります。
 最後に、縣民動員署について御指摘になつた點は誠に同感でございます。併しながら、これについては、若干の、過去においてそういう經歴のあつた者も、勞働行政を行なつて行く上において缺くべからざる人の場合に、おいては、GHQの特別な了解を得て使つて参りまするが、併し原則としてはそういう人はパージになつていることと私は考えております。
 以上、甚だ簡單でございますが、お答えいたします。
#5
○政府委員(吉武惠市君) 第七にお尋ねのありました環境の問題でありますが、御指摘のように、やはり職場の環境をよくするということに重點を置かれております。併しながら勞働者の福利厚生は必ずしも職場だけに限るわけじやございませんから、およそ勞働者の福利厚生に関する限りは、廣く及ぼして行きたいと考えております。
#6
○川上嘉市君 勞働の能率という點に関することでございますが、將來石炭が國家管理になりましたときに、勤勞の能率というものが實は今非常に下つておりますが、石炭の増産ができないというやつをいろいろ問い詰めて見ると、最後は勤勞の能率が惡いということに著するのじやないかと考えております。實は昨日も石炭廳の方に來て頂いていろいろ説明を聴きましたが、最後の結論はそういうふうになりそうであります。事變中に一人の一ケ月の生産が十八トン餘りであつたのが、今日五トン二分というように下つております。問い詰めて見て、結局やはり勤勞の意欲がないということが感ぜられます。これをやらん限りは、幾ら資材を供給し、資金を供給し、その他の設備をやりましても、結局は皆少ししか働かぬというのであつたら、非常に勞多くして効果を擧げることができんということになりせはんか。これらについて將來勞働省ができますときに、國家管理の工場なり鑛山などで勤勞の能率についてどういうふうにお取締りになり、或いは推進して行くかというような御意見を伺いたいと思います。
 それから第二に、將來だんだんに事業界が不振になつて、あつちこつちに失業者が相當澤山出る。或いは配置轉換、これはどうしても想像せられる。現にもう各府縣において相當に失業者ができつつある。ところが一方、この議會で以ていろいろ皆さんの御質問に對して答えられた御答辯の中に、今日潜在失業者というものは五百萬人いる、この人たちは自ら職業紹介所の窓口に立たずして、失業だ、職を持たないと言うことは何を意味するかというと、結局決まつた時間に決まつた職に就いて働くよりも、一時間、二時間もつと樂な仕事で、もつと儲かる仕事をどつかに持つておる人でないかと思う。將來失業保険等ができますとき、そういう人をどう扱うか、つまり窓口に立たない人、職を求めない人は失業者と見ない、それは國家として保護する必要はない、こういうことになるのでございますか。それらの點についてどんなふうな御考えをお持ちでしようか。
#7
○國務大臣(米窪滿亮君) この勞働能率が各職業に亙つて擧つておらないことは、遺憾ながらこれは私も認めるのでございまするが、然らばその原因はどこにあるかということにつきましては、これはやはり私は勞働者がその生産性を個々に發揮しないとか勞働能率を擧げないで怠けておるとかいうことにその原因があるとは思わないのであります。勿論御指摘の石炭の問題も、坑口へ入つて坑口から出る、いわゆる拘束勞働時間が勞働基準法の指定した通りに行つて、實勞働が勞働基準法で指定の時間に達しないという場合もあり得るようです。併しそれには坑木が足りないとか、いわゆる落磐の危険があるとか、或いはトロツコのレールが非常に惡いとか、人車が非常に不備だといつて、切羽まで行くまでの間が相當時間がかかるというようなこと、いわゆる設備の不備の點も考えてやらなければならない。こういうことも成るべく充實して、そうして勞働者に不平を言わせることをなくしてからして、一つ然らば君らも大いに生産者としての義務を發揮しろ、こういうことで参りたいと考えております。勿論そういうことを俟つまでもなく、勞働者にたいする啓蒙宣傳をやつて、そうして今日の日本の經濟實情を話して、勞働者が起たない限り經濟復興はできないということの宣傳ということも極めて必要でありまするから、勞働省としては特にこの勞働者に對する宣傳啓蒙ということを殊に力點を置いて參りたいと思うのでございます。然らばどういう方法を講ずるかというと、私はやはりこれは能率を擧げた勞働者を顕彰する方法を採ることも一つの有力なる勞働能率振起の方策ではないか、こう考えておりまして、目下事務當局と相談をして、その具體的の方策を考えておる現状でございます。
 失業問題についてはどうであるかというと成る程御指摘の通り、職業紹介所いわゆる職業安定所の窓口に來ずに働いておる人が多い。一例をいえば料理店飲食業等、今閉鎖されておりますが、そういう方面で働くとか、或いは闇屋も、自分で闇屋をやるとか、或いは大きな闇屋の手先になるとか、そういつた方面で働いておる人が多いと思うのでありますが、然らばそういう人たちを失業手當、或いは失業保険法が救えるかというお尋ねであつたと思いますが、これはやはり保険制度、手當制度等に鑑みまして、或る一定の基準を持たせる。いわゆる登録する必要があるのでありまして、職業安定所においては、過去一年間に六ケ月の間雇用關係を結んだという實績がないというと、何でもかんでも失業者であるということになると、それを立證する方法がなかなかつかないのでありまして、全部の失業者を失業手當、失業保険で救うということは理想論でありますが、やはりそれには失業者であるということをはつきりと裏付けるために、そういつた方法を擬つて參るのでありまして、從つて過去一年に半年間雇用關係があつたということの立證されない者については、今直ちにそれを失業手當、失業保険で救うことはできないのでありまして、こういう人たちに射しては止むを得ず生活保護法によつて救助するより外に方法がないじやないか、こう考えます。
#8
○姫井伊介君 この法案に即し若干お尋ねをいたします。
 一つは勞働行政の根本方針とでも申しますか、現に唱えられております考え方では、或いは資本主義とか、或いは修正資本主義とか、或いは社會主義とか、いろいろなことが考えられるのでありますが、勞働省という特別な性格の上からいたしまして、又今日の内閣首班が社會黨であるという點からいたしまして、これらの方針を、例えば社會主義に最も強く持つて行くという計畫がありますかどうか。
 次は勞政局についてでありますが、今の考え方を延長いたしまして、このと二のことでありますが、即ち勞働組合の事項と勞働關係調整法の事項に關しましては、勞働委員というものの職務に属せしめられた事項を妨げはしない。併し從來の内閣と今度の内閣との性格を異にする點からいたしまして、現在できておりまする勞働委員會との性格とでも申しますか、一つの勞働委員會が嚴然たる目標を持つておるとは考えられませんが、併しながらその間にやや接近してくる傾向があるのか。或いはそのイデオロギーにおいては各々立場を異にして行きますか。そういたしますると、一つの問題を處理し、考えて行く上におきまして幾多の紆餘曲折を經なければならない。我々の立場から考えますと、成るべくここに一つの動向というものを見出しまして、その大きな線に沿うて勞働行政の運營をやつて行くべきものではないかと考えるのであります。この點でありまして更にそれと勞働常任委員會との關係でありますが、これは無論立法と行政との別はありまするが、併しながら、この勞働行政を圓滑に運營して行きます上につきましては、その間に何らかの關聯を持たしめる必要があると思いますが、關聯方策につきましてお考えがございますか。
 第五條の第三號でありますが、「勞働に關する啓蒙宣傳に關する事項」と、それから第六條の勞働基準局における「勞働能率の増進に關する事項」との關係であります。これを實際の運營に當りまして、無論勞働能率の増進に當りましては、實際的に技術方面の指導も圖つて行かなければならないでありましようが、從來のやり方は、ともすれば概念的と申しますか、抽象的と申しますか、そういうことでありまして、その職業自體にしつくりと合つていない勞働能率の増進方法でありました。これを實際化するとともに、さつき申しました啓蒙宣傳、内容において多少の違いがあり、線の畫される點がありましようが、併しながらここには緊密な關係があると思うのであります。この邊は両局においてどういうふうな限界の下に行われますか、お尋をいたします。
 次は婦人少年局についてでありますが、「家族勞働問題」とあります。この限界意義をお尋ねいたします。更にそれの第五、第六におきまして、「勞働者の家族問題に關する事項」、「婦人の地位の向上その他婦人問題の調査」云々とあり、他の省に關係するものはその方でやるの芝という但書が付いておるのでありますが、一つの職場において寄宿舎制度などで合宿して集合しておりまする場合は、この運營も比較的見易いの下ありますが、通勤勤勞者におきましては、一般家庭との關係が非常にルーズになつて行くのであります。ここに一般の婦人指導と勞働行政における、指導とに喰い違いを生ずるようなことが起きはしないか。或いは文教方面でもありましよう、厚生省方面でも、諸方面でそういうような指導がありますがこれに、つきましても、やはり何か統一したものをそこに作らなければ、勞働省から来たらこういうことを言つた、厚生省から來たらこういうことを言つたというように、末端におきまして、その取捨選擇に迷う。結局は威信を損うということになりますので、この邊におきましても、運營上どういうふうな方策を講じておやりになりますか、それをお尋ねいたします。
 第八條に「その他職業に關する事項」とあるのでありますが、職業とその勤勞を要する産業國庫、工場との關聯におきまして、一にあります「職業の紹介」というようなことは、從來ともすれば受身の状態で、求人によつて紹介をするという方法を採つている、それだけでは今日の事態に即しないのでありまして、職業安定局といたしましてはもう少し積極的にこの職業を探求して、そうして適材適所の配置におきまして職業を安定せしむると共に、又生活の安定も期さなければなりませんが、從いまして、現在あります各産業の職業状態を檢討いたして、何が要求されておるか、何は餘つておるか、そういう點から更に日本として新らしい職業、こんな職業が要るのだ、こういうことをやれば、そこに新らしい産業の天地も開けて行くのではないかということを、積極的に研究さるべきものだと思うのでありますが、この邊の用意がありますかどうか。……
 次は人事でありまして、婦人少年局長の問題で、これは新らしい試みと申しますが、この局長には適當なる婦人を當てようというお考があり、或いはすでに御内定になつておるということでありますが、これは相當考慮しなければならない問題だと思います。婦人少年局なるが故に、直ちに婦人を持つて行くという一般的な考え……常識的にお考えになればそうでありますが、さて局長としての本當の運營をなし得る實力、能力をもつておる人でなければならん、婦人の立場から申しましても、折角局長に据えたが、どうも思わしくなかつたということになれば、婦人みずからを傷つけることになりますので、非常に氣の毒だと思います。從いまして保護付の立派な人でありますならばともか受でありますけれども、先ず試みというような點から申しますれば、初めから局長にしないで、或いは部課長にするとか、局長のアシスタントにして置いて、そしてそこで立派な腕を磨かせるというようなことが、婦人みずからを尊重する途ではないかと考えるのであります。以上。
#9
○國務大臣(米窪滿亮君) 現内閣の首班が、いわゆる經濟部面では社會主義の實現ということを考えておつた社會黨の黨首である關係上、新らたにできる勞働省の勞働行政のイデオロギーはどうであるか、大體そういつたお尋ねであると思うのですが、これは御承知の通り資本主義か、或いは修正資本主義か、社會主義かという御質問があつたのですが、今日の内閣は何といつても聯立内閣で、社會主義政策を行うごとに相當の制約が加えられておるのであります。大體そういうことがなければ、勞働問題のごときは、私の考えから行けば、もうそうラジカルでないところの社會主義理念で實現するのがいいと思うのでありますが、併し今日のこの聯立内閣の下においてはそういつた徹底した政案行うことはなかなか困難である實情にあるのでありまして、概念的に社會主義政策を行うという考えは私は持つておらないのであります。ただ我々としてはいかにしたならば、本法案の第一條に書いてあるところの勞働者の福祉と經濟の興隆、それから國民の生活安定ができるかということを、私はイデオロギーに囚われずに行くべきが現下の情勢ではないか、こういう工合に考えるのであります。
 勞政局のなすところの勞働行政と、勞働委員會及び國會の勞働常任委員會との關係でございまするが、これは今後は非常に緊密なる連絡を保つて行かなければならないと私共考えております。勞働委員會の職能を強化するということも相當考えておりまするが、未だこれを法制的に裏付けをするというところの情勢になつておらないと思う。一方國會の常任勞働委員會との關係も、勝手なばらばらな状態であつてはいけないので、この點についてどういうふうな方法で緊密な連絡を圖るかということについては、目下考慮中であります。或いはそういうことに役立つような委員會を常置しなければならないということもあり得ると考えております。
 それから勞働能率に關して、勞働基準局との闘係及び第四の御質問の婦人問題、特に家族問題に關する件、それから第五の職業安定の第八條の第四號の件、この三つは政府委員から御答えした方が適切であろうと思うのでございます。
 最後の婦人少年局の問題でありますが、これについては御説も一つのお考え方であると思います。ただ關係する方面の要望もありまして、できるならば勞働者開設と同時に、初代の少年婦人局長はなるべく女子にしろと、こういう非常な強い要望があつて、目下二、三の有力なる御婦人の有力なる候補者を考慮中でありますが、まだ内定はしておりません。併し男子の場合でも女子の場合でも、どこから見ても滿點だといつたような人は世の中にいない。必ず若干の缺點がある。又そういうことについては反射の意見を述べられることもこれはあり得るのであります。併しプラスとマイナスを比べて、プラスの方の多い人であるならばよいではないかと、いうふうに考えておる次第で、勞働省發足までには局長の候補者が決定するだろう、こういう工合に思つております。
#10
○政府委員(吉武惠市君) お尋ねの勞政局で行いまする啓蒙宣傳と、基準局において行いまする勞働能率の問題との關聯のお尋ねでございますが、勿論啓蒙宣傳につきましては、廣く勞働教育、健全なる勞働組合運動の育成から、いわゆる産業復興、その他生産増強等につきましても、廣く勞働教育として啓蒙宣傳に重點を置いてやるつもりでありまするが、基準局において行いまする勞働能率は、御指摘になりましたように、やはり科學的に研究を進めなければならんと思うのであります。從いまして主として技術的な部面も多いのでありまするから、そういう方面も主として基準局において行うのでありまして、それらが一般の啓蒙寛厚として現れて參りまする場合には、勿論勞政局の方としてやる場合があるかと思います。大體勞政局の方は、一般の啓蒙宣傳、それから基準局において行い住する能率の増進は、主として技術的な料學的な研究及び指導というふうに御了解を願いたいと思います。
 それから次に、婦人少年局において取扱いまする仕事の中の家族勞働問題でございまするが、これは御承知のように、普通勞働問題として取扱われまするものは、雇傭關係にある勞働者を対象にしております。争議にしましても雇傭關係にある者を取扱い、又賃金その他の勞働條件も雇傭關係にある者を主として取扱つておるのであります。併しながら實質的に考えまするというと、御承知のように、日本のような小さい企業になりまするというと、家庭工業と申しまして、家庭に物を仕入れて歸つて、そうして自己の責任において生産をして賣る。併しその實體を見るならば、これは明らかに工場に雇われて生産するのと餘り變らない。又低い勞働條件において生活をするという場合も相當あるのであります。これらの家族勞働、つまり家内工業的なものにつきましても、勞働省としては深い關心をもち保護を加えなければならんと思います。それらの問題はやはり家庭の婦人若しくは少年に非常に關係の深い問題でありまするから、ここで研究をし取扱つて行きたい、こう考えるのであります。
 それから婦人の勞働者の家族問題でありまするが、これは御承知のように、婦人の問題、婦人の地位の向上という問題を取扱いまするには、やはり今の家庭における婦人というものがどういう状況にあるかという問題まで入りませんというと、本當に婦人の地位の向上を圖られないのであります。從いまして、そういう問題をこの婦人局において調査なり或いは啓蒙宣傳なり、その他の方法を講じて行きたい、こういうことであります。
 それから婦人の地位の向上については、お尋ねのように、各省その他から非常に指導がばらばらであつて困るじやないかという御指摘でありまするが、私御尤もだと思います。從來動もしますると、或いは文部省、あるいは厚生省、或いは内務省といつたように、各省それぞれの立場から指導が行われがちであつたのでありまするが、今後はこれらの連絡調整は主としてこの勞働省の婦人局において行なつて行く考えでおります。ただ併し學校における婦人の教育というような問題は、これは明らかに文部省の所管事項でありますから、そういう問題までも勞働省がこれをやるということは私行き過ぎだと思います。又いわゆる母子の保護、乳兒の保護というような問題は、保健衛生と直接關係があり、現在厚生省でやつていることでありまして、これまで持つて來るということも亦少し、行ぎ過ぎだと思います。いわゆる一般の婦人の地位の向上、いわゆる婦人問題というような問題の取扱いは、これはこの勞働省の婦人局において、假りに多少關聯がございましても、その調整なり、連絡は此處で取扱うようにしたらどうか、こういう考えでおります。
 それからもう一點お尋ねの點でございまするが、職業に關する御意見は御尤もなところでございまして、我々といたしましても、決して受身で、窓口に求人をして來る者だけを斡旋をするというやり方ではございません。御承知のように、紡績にしましても、貿易再開を整えまして相當に人の募集に困つております。又石炭におきましても、石炭増産のために石炭労務に相當の人を入れなければなりません。こういうような重點産業につきましては積極的に廣告もし、或いは募集もして斡旋してもいいような状況でございます。今後もいわゆるただ消極的でなしに、積極的に開拓には勿論盡す積りでございます。
#11
○姫井伊介君 家族勞働者は勞働組合を組織し得るかどうか。雇傭關係はないと言われましたが、併し一方全くないわけはないでしようが、勞働組合を作り得ますか、得ませんか。
#12
○國務大臣(米窪滿亮君) これは勞働基準法に決めてあるのですが、つまり賃金を貰うことによつて雇傭關係の結ばれておるものは、勞働組合を作り得る權限があるから、家族使用人というようなものが集つて勞働組合を作ることは、團結の自由があると思います。
#13
○中川幸平君 先般來勞働委員會との合同委員會が開催されておるのでありますが、實は當決算委員會といたしまして、勞働者の設置を可とするか、否とするか、勞働省を設置するとしたならば、機構運營の方法は、この法案の原案で果していいであろうかどうか、それらの職につきまして勞働委員各位の御意見を斟酌することが非常に必要であるという建前から、この合同委員會が開催されたと存じまして、勞働委員各位の御發言には成るべく妨げにならないようにとは感じておるのでありますが、先般の質問の続きといたしまして、十分間ほど發言をお願い申したいと存ずる次第であります。
 先般、今日租税増徴その他いろいろの手を盡しても、尚且つ赤字を現わさんとしておる現在の情勢からいたしまして、大々的に行政機構を整理しなければならんということを、國民も亦識者も共に育つておるこの際に、この勞働省という一省を設けることが果してどうであろうかということにつきまして、齋藤國務相にお尋ねいたしましたところ、齋藤國務大臣は、自分としても大々的の行政整理をして役人を半分或いは三分の一に減さなければならんという考えは持つておる、併しそれは大きな力を加えんければなかなか實現ができない、又役所を減すばかりが行政整理でない、行政整理といつても、必要なものは殖やさなければならん。この勞働省の問題につきましては、前内閣からも話してあり、又勞働行政の權威者である米窪國務相が非常に熱心にやられておるから、米窪國務相に任してあるので、行政調査會には取上げてないのであるという御返事であつたのであります。前内閣から話があつたにいたしましても、現内閣の行政調査を推賞しておられる齋藤國務相の御答弁から推測いたしますると、明らかに反對とは申されないのでありまするが、この行政調査會には取上げてない、それは米窪國務相が、熱心にやつておられるから任してあるという御返事からいたしまして、その邊の行政調査會ではあまり進んで擔當しておられんのでないか、米窪國務相が熱心にやられて、この提案の運びになつたのでないかと思われるのでありまするが、果してさようといたしまするならば、もう一度米窪國務相に、國家の財政の現状からいたしましてお考えを願うわけには行きませんか。その點をお尋ね申上げる次第であります。
 次は地方勞働基準局の寄付金の問題でありますが、米窪國務相は、さような迷惑を掛けておる事實があるとすれば、調査して注意をするという御返事であつたのであります。私は注意をして頂くために申上げたのでありません。第一に、百萬圓の經費が要るところへ、國庫から八十萬圓なり九十萬圓の豫算が來ておる、もう十萬圓か二十萬圓足らんから、どうか業者の諸君は一つ援助してもらいたい、かようなことならば、これは協力を求めるというのでありまするが、承りますると、十六萬圓か七萬圓の豫算しかないのにも拘わらず、百二十萬圓、三十萬圓の豫算を立てて、そうして百萬圓餘り業者が協力してくれと、まで仕事も始めるか始めない中に、これから監督をしようという業者に對して、さようなことをするようなことでは、精神的に非常に恐るべきものがあるのであります。元來日本の役人は、千人の中千人とは申しませんが、役人が監督の上に監督が要ると常に申されておる今日であります。米窪國務相の卵のごとき人が半分もおりましたならば、私共は心配はいたしません。かような現状にあるのであります。これらの點につきましてお考えをお聽きいたしたいと思う次第であります。
 次は職業安定所の問題でありまするが、この職業安定所は、戦時以來名前が變り變つて職業安定所となつたのであります。これはむしろ勞政局長さんの責任かとも存じまするが、この役所は非常に名前か何遍も變つております。私共はちよつと記憶のできんくらいに變つております。これを名前を變えるだけにいたしましても、印鑑、用紙その他いろいろと手數も要ることと存じます。何が故にさように名前を何遍も變えたのでありまするか。もう少し最初から考えて名前を付けられたらどうであろうか。而も職業安定所と書いてあります。役所は大概警察署、税務署でありますが、それを職業安定所と書いてある。その外に勞政事務所というのがあります。そこへこの度勞働基準局、この基準局にいたしましても、若し勞働省がでるといたしますると、本省にも基準局があります。地方へあつちこつち參りますと、勞働基準局がごつちやになりはせんか。先日から申します通り、出先の方は成るべく窓口を一緒にして貰いたいということは、各委員から申しておる通りであります。かようなことを一つこの際お考えを下さいまして、勞働基準局、安定所、勞政事務所、まだ何かあると思いますが、かようなことは一つお考えになつて勞務署、或いは何とか一つはつきりした名前を附けて業者がうようよと迷わないように一つお考えを願いたいと思います。いずれにいたしましても、さような考えでは決して生産の増強にはなりはせん、ということは私共は考えられます。
 これらの點につきまして、御答辯をお願いいたす次第であります。
#14
○國務大臣(米窪滿亮君) 第一、勞働省設置が閣議で決まつたときの様子を話すと、これは行政調査會では決して反對をいたしておりません。閣議では満場一致で決定され、何らの議論、何らの質問も出ておりません。これは歴代内閣の懸案であり、且つ從來、衆議院においても、貴族院においても附帶決議が附けられて、一日も早く勞働省を設置しろという、國會の希望もあつたようでありまして、このことに私だけが特に熱心であるということはございません。ただ私が國務大臣として將來勞働省を設置した場合においては、初代の勞働大臣に内定しておる關係上、私が設置に關する事務的な準備をやつておるに過ぎないのでありまして、決して私が熱心に他の閣僚を引ずつておるわけでも毛頭ございませんから、これは総理大臣以下全部の閣僚が、絶対に大賛成であるとお考え願いたい。
 それから地方勞働基準局について、豫算よりも餘計な費用をかけて地方公共團體に御迷惑をかけておる點を私も聞いております。誠に相濟まないと思います。この點については、この前も中川さんから御質問があつたので、嚴重にそういうことがないようにということを、地方出先に通達するということを申上げておるのでございます。この點は誠に遺憾の點と思つております。但し豫算がどうしても本省から出ないで、地方の勞働基準行政を行うことができない場合においては、これは省内の問題として取扱つて參りたいと思います。
 それから職業安定所を一つの例におとりになつて、度々名前が變つて困るということは、誠に申訳ございません。お説の通りです。これはちよつと關係方面の要望があつたためでありまして、併し今後は絶對そうたびたび名前を憂えない方針で進んで參ります。
 又御質問の幾つも先官憲があつて困るということについては、勞働基準局については、この前もお話しした通り、地方かし中央まで一本で行けと、又行くと、これが勞働基準局の目的に副うことになるのでございますから、これはどうしても地方の府縣その他とは別に事務所を設けて參りまするが、その他の勞政局關係或いは職業安定局關係その他の各局關係については、成るべく地方の意見を尊重しまして、一つの窓口でやつて行きたいと考えております。
#15
○深川タマヱ君 婦人と失業救濟の問題についてちよつとお尋ねいたします。今度料飲業が閉鎖されまして、芸妓が澤山失業しておりますが、新らたに貸座敷業というものが再開されまして、お座敷で料理もないのに、きれいな著物を著飾つて、前でお客さんをあおぐような(笑聲起る)仕事をしておるようでございますが、どうも敗戰後勞働を輸出する外に餘り資材がございませんので、こういう人たちももつと働いて貰わなければなりませんが、先程局長さんがおつしやいましたように、新らたに外國から資材を輸入して貰つて、家庭勞働、家内工業によつて、こういう人たちを救つて頂きたいと存じております。そうしてその料飲業は貸座敷業に轉用なさらないで、用談は喫茶店で十分間に合うのであれますから、あすこは工場の人たちの、さつぱりした男子の方ばかりの共同寄宿舎なんかになさいますと、民家の二階借りをしているような人も、住宅が緩和されて行くのじやないかと思います。
 それから闇の女、これも關聯がございますが、今闇の女が澤山出ておりますけれども、國家はあの人達をトラツクに乘せて病気の檢査だけして、病気のない人は又街に出すようでありますが、あれでは病氣のない者の密淫賣を公認しているような恰好になります。日本では公娼は廢止になりましたが、その原因をなす貧乏というものは絶滅されず、今日はむしろ貧乏は餘計蔓つておるのでありますが、あの人たちに職を與える方法を考えて頂かなければならんと存じますけれども、あの女の中にはいろいろ種類がございまして、その中には貞操を資本にして、男の方が企業をして金儲けをしようとしておる人がありますが、有樂町の闇の女の一番腕の利く人は、一晩に一萬圓も稼ぐような人もあるそうであります。そんな女もおりますが、中には家族が病人や子供や老人ばかりで働き手がない、娘一人の收入では到底家族を養い切れない今日の實情におきまして、家族全部を飢え死さすか、自分の貞操を犠牲にするか、二つのうちの一つを選ばなければならないような、せつぱ詰つた立場におる婦人もあるようであります。これに對して對症療法を講じますために、さつき申しましたように、貞操を資本に金儲けしようとするずるい人々に對しては、何遍忠告しても直らない人數、強制的に紡績工場のような所に監禁して勞働の習慣をつけ、その間によく教育をする方法がいいように思います。それからさつき申しました家族の生活のために泣く泣くやつているような人々に對しては、その娘の收入の途を拓くと同時に、家族に對しては病む人を國立病院か何處かに入れてくれる、それから生活保護法をなんとか融通を利かして貰はなければならんので、娘の貞操を賣らなくても家族が暮して行けるように、娘の立場を保護して頂かなければならん。
 それからもう一つ國立結婚媒介所、これは私の專賣特許なんでございますが、婦人は家庭に還れという言葉がございまして、婦人はやはり家庭に還るのが自然でございます。婦人が結婚するということは男子の一生涯の事業にも匹適する程の大事業でございますので、できるならば婦人は家庭に還つた方がいいのでございますけれども、戰爭が長引きまして、男子の方も女子の方も、お互いに結婚適齢期を逸しておるのでありますが、一方において就職難、又は住宅難も伴いまして、又この頃は就職しましても給料が少く、なかなか結婚できない事情もあります。そればかりではなく、都會の生活などでは隣りの隅つこにはどういう人が住んでおるか分らない。田舎に行きますと、村の隅つこに住んでおる人はどういう人がいるか大體分りますが、都會で結婚しようということになりますと、あすこに娘があるがと思つても、どういうことを希望しておるかさつぱり分らないので、將來の日本の國民の優生の方面から考えてみても、結婚は國民自身の重大なる問題であつて、例えば役場の戸籍係は適齢の人を、徴兵檢査をしたときのように、やはり男は二十五六歳、女が二十くらいになつたら、一遍時期を決めて呼んで、相手にはどういうことを希望するか、財産状態や健康状態、知識の程度などいろいろ調査して、結婚の臺帳を作つておきまして、結婚したい人は其處へ行つて、自分の望む者を探す便宜があるようにして欲しいと思います。このくらいのことはして貰つてもよいと思います。
 それからその次に、食生活研究所というものが、今度勞働省設置の曉にできるそうであります。日本の國の食生活は原始的未開の状態にあるのではないかと存じます。今日極めて少ない分量の食糧を配給しておりますけれども、果して家庭の婦人があの食糧を榮養的に生かして利用して治るかどうか、それだけの頭を持つた婦人が日本にどれ程おるか、極めて心細いことだと思うのであります。米の中に何を含んでおるか、麦の中に何を含んでおるか、豆の中に入るものは何か、人參の中のビタミン、大根の中のビタミンはどういうことになるのでありましようか、こういうことになつたら尚更のこと、農家に至つては食糧は量本位であるから、「ごぼう」と「こんにやく」芋と「たけのこ」なんかを、ただ量を餘計作つて平気でおる、國家もまたこれを黙認している。こういう狭い國土において國民の榮養を支えなければならないようなときにおいては、計畫的に同じ面積でも榮養分の餘計とれるものに切換えなければならんと思つておりますけれども、尚家庭においても今申したように「ごぼう」と「こんにやく」と「たけのこ」を煮て平氣でおる。それはおいしいけれども、何の榮養にもならないことをして平気でいる。こういうことをしないで、やはり同じ分量の品物を同じ値段で配給してくれておるのだから、できるだけこの榮養の點を考えて頂きたいと思います。殊にこの冬は電力の危機でもあるのだから、臺所なんかでもできるだけこれを共同臺所というようなものにして、榮養の專門家の献立表に基いて、できるだけ榮養分を生かすように調理して頂きたい。これで配給は三輪車ででもよい配つて來る、それができなければ、そこに食べに行つてもいいのです。そうすると家庭の婦人が暇ができるのでありまするから、その暇を利用して輸出向の家庭工業でもして下さるならば、それによつて食糧初めいろいろな見返り物資になるのであります。日本は敗戰國で重工業は全然見込はありませんけれども、手の先でするこういう家庭工業は前途有望であります。こういう方面にこの暇を使いたいと思います。日本の過去の婦人は棉を作つて、糸を紡いで、家族の著物まで作つて著せておりますし、又味噌も醤油も自家醸造を以て作つておりますので、この頃の婦人は大分暇ができておる筈であるけれども、その暇を有効に使うことはしておりません。資本主義の發達の例を考えてみましても、分業ということによつて生産が擧がつております。こういう分業にしてその暇を利用して家庭工業でもして行く、こういうようにしたいと思います。
 最後に一つ、國立病院というものができるそうでありますが、この國立病院……日本の家庭では病めば治るとさえ言うのであります。貧乏人は病氣を背負つては大變なことであります。これに對してはすでに疾病保険というものがありますし、近くは生活協同組合というものがあつて、病気の問題を取扱うようであります。このいづれも個人の財政状態には何のお構いもなく、一口何ぼということになつておりますが、私はこんなのでなく、國民が早晩遭遇しなければならんような不幸に弱しては、豫めその人の財政状態に應じて、税金を取つて、病氣などしたら誰でも彼でも病気がなおるまで只で診て貰えるような設備にしたい。それから尚病氣したから医者に行くというのでなく、一年に一回か二回は巡回病院へお医者さんが廻つて行つて、餘り病氣の昂じないうちになおして貰えるような對策をして頂きたいと思います。
 それらについて御意見を伺いたいと思います。
#16
○國務大臣(米窪滿亮君) 料理屋飲食店がポツダム政令によつて閉鎖されてあるに拘わらず、藝者が酒の出ない、飯の出ない所でサービスをするという點についてお話があつた。そういうことをさせないで、もつと建設的な方面に、女子としての生産能率が發揮できるような方法を政府が考えなければならん、そういう職業を、就職機關を置くべきだというお説御尤もであります。政府もそういう方向へ彼等を導くように努力して行きたいと思つております。ただそのときにお尋ねの、料理店や飲食屋が空いておるから、それを男子の勞働者の寮やなんかに使つてはどうかということですが、これは大體六ケ月の間の營業禁止というので、六ケ月經つというと再認可を申請さして、その常時の食事情、或いは經濟事情と睨み合わして、更に禁止をするか、或いは再開を許すかということが決定されるので、待つて政府がこれを收用してその寮の方へ轉用しようという考えはなのであります。但しその持主との相談で、その期間貸してやるということがあれば、これはそういうことに轉用することを政府として助長したいと考えております。
 それからいわゆる私娼の問題ですが、これはその筋の注意もございまして、日本の集娼はいけない、散娼にしろという意見があつて、一應はそういう措置をとつたことは御承知の通り、そこで私娼が跋扈するために病氣が非常に多くなるということで、一週間に一遍とか、二週間に一遍の檢診をするということは止むを得ない處置だと考えておりますが、最近これはやはり關係筋の方面から、私娼も一つ絶対に禁じようという命令が來るらしいのです。そうなつた場合において、それで生計をしておつた者に對する社會問題として、これに就職の機會を與えることは、第一の御質問の芸者の場合と同様でありまして、政府もこれについては相當の考慮を拂うつもりでございます。
 それから三の國立結婚媒介所の件でありますが、これはこの婦人少年局の所にある、いわゆるどの省にも属しておらない問題であると思うのでありまして、これについては直ちに勞働省がこれを取扱うべきである、そういうものを作つてやるべきであるかどうかと、いうことについては、外の省から何らの異議は出て來ないだろうとは思いますが、併し一應一つ研究をして參りたいと考えております。
 それから食生活の研究所は勞働省で設ける考えは今のところ持つておりません。これは何かお聞き違いだろうと思います。
#17
○深川タマヱ君 ありますよ。先生。二枚目の勞働省設置に伴う、豫算區分調という所に……。
#18
○國務大臣(米窪滿亮君) それによつて厚生省の豫算に影響を及ぼすというようなことはないと思いますが、これは大體厚生省の事業でございまするが、併しこういうものができて、そうして婦人が炊事その他のことで非常に悩まされておる、勞働時間がそれで節約される。そうしてそこで出て來た餘暇を、婦人が研究の方え利用したいということは、これは勞働問題になると思います。勞働省の研究題目になると思います。でありますから、これは厚生省と協議して、そういうことが實現できるかどうか、そういう媒介所というものをどうするかというようなことは一つ厚生省と協議して行きたいと思います。
 それから國立病院の件のお尋ねでありますが、これは厚生省の問題でありますから、私の方から厚生省の方にお傳えをいたしておきます。
#19
○北村一男君 能率を擧げなければならんことは當然のことでございまするが、この能率を擧げるということと勞働強化ということの問には、どういう線が引かれますのか、これは科學的に考えまするのか、それとも常識で考えて一線を畫されるのか、この邊の御見解を承りたいと思います。
#20
○國務大臣(米窪滿亮君) これは非常にむずかしい問題でありまして、どこまでが能率増進であつて、どこからが勞働強化になるというようなことは、その勞働者の從事しておる産業と勞働者の勞働環境、そういうものと比べて、いわゆる勞働能率がスウエツチング・レーバーになるかならないかということは、本人の體力とも關係があります。勞働時間とも關係があります。ここに簡單には申上げ切れないのでございまして、併しこの能率を擧げるために本人は勿論、この場合においでは能率給にしなければならんかということも非常に問題になります。能率給にしたために、本人が能率を發揮すればする程給料が上がるのでありますから、本人は、自分の體力がそれがために非常な減耗をするに拘わらず一生懸命にやる、勢い體力が惡くなる、又企業者がこれを利用して大いに強化をやらせるというようなことの顯著な場合においては、これはいわゆるいかに勞働能率が上げられるものであつても、政府としては差止めて行きたいと思うのでありまして、それはその場合々々によつて決めなければならん問題で、簡單にここで画一的にこうであるということは定義をつけるわけにはいかんのじやないかと考えております。
#21
○原虎一君 大分時間が經ちましたから、簡單に二三點お尋ねをして見たいと思います。
 本法案の提出理由は「勞働に關する行政機構を整備するため」ということになつております。それで私は、この法案の提出理由から、給與局と勞働省との關係、殊に勞働省的におけるところの統計調査局との關係から、むしろ給與局を廢止して、勞働省でやることも一つの方法ではないかというように考えましたので質問いたしますが、これに對する政府當局の考え方を明確に聽取して見たいと思うのです。
 それから勞働者教育ということは非常に重要なんでありますが、勞働組合方面におきましてもこれに非常に力を入れておるわけです。で、厚生省も今日までやつて來ましたが、文部省の社會教育課がやるところの社會教育として、勞働者を對象として現に教育運動をやつておるのであります。勞働省が設置されて、行政機構を整備して行く上から、これは勞働者の教育に對して少くとも勞働省は一貫した方針を持つていなければならんと思うのです。それが又政府部内において一致もなければならんと考えるのであります。この點は今後どうなるのでありますか、ということをお伺いしたいと思います。
 先程來、勞働攻勢、十月攻勢であるとか、九月攻勢であるとかというお言葉を用いられて、いろいろ質問が出ておりますし、勞働能率の問題も出ておりまするが、實を申しますと、昨年の暮あたりから今年の始めにかけて、日本の五月危機が非常に唱えられました。幸いにいろいろな方面の協力援助關係等によつて、五、六月危機はどうにか切り拔けたような形である。又十月攻勢でありますとか、十月危機であるとかいうことが言われておりますが、今後の勞資の關係というものは、勿論自主的勞働組合の成長を援助してゆくところに勞働組合法の目的があるのであります。同時に勞働組合が自由的に發達して行くところに日本の民主化があるのであります。聯合軍からもその援助が與えられておる。但し私共はこの危機に面して最も大切なことは、勞資間の問題を、できるだけこの政府の努力といいますか、公的關係において摩擦を避けるということが必要であります。それは勞働省がそこにできますれば、これは勞働省の仕事であり、又勞働省の中の監督の任務に當る局が非常に責任があると思うのであります。現に起きておる問題を一二例を取つて申しますれば、相當の資材を數年間ストツクしておる會社であり、會社の設備が相當に餘つておるところの會社、從事員は二百人ありまするが、大月からの給料を支拂つていない事實がある。工場法によりて賃金は支拂うことが規定されておりますが、この監督ができていない。餘儀なくそこに生産管理という問題が起きて參つております。勞働攻勢という言葉が今言われておりまするが、私共から申しますれば、企業整備やその他によつて、或る意味におきますところの資本攻勢が、法を潜つて行われるということが豫想されるのであります。(「同感」と呼ぶ者あり)こういう點については、勞働大衆のそういう問題に對して政府が處理して行く、ここに勞働省が勞働大衆の信頼を得なかつたならば、勞働省設置の大切なものを失うと思うのであります。即ち法を潜るものに對しては、勞資いずれであろうと、儼然と監督して行くということが行わなければ、勞働省の設置が私は意義の大半を失うという考えを持つ者であります。行政機構の整備統合されることと同時に、私は整備統合のみが勞働省設置の役目であると考えないのであります。こういう點について一貫した方針を持つておられるかどうかということをお伺いしたいので、あります。
#22
○國務大臣(米窪滿亮君) 第一の原さんの御質問は、大藏省の給與局をなぜ勞働省内に収めなかつたというお尋ねでありますが、これは大藏省、給與局は、官廳の從業員に對ずる給料の原則を決めたりする、いわゆる勞務管理する所でございまして、會社でいえば會社の會計課、人事課というような所に相當すると思うのでありまして、勞働行政を扱つておりません。從つてこれは勞働省としても、これを労働省内に入れようという考えを主張しなかつたわけであります。若しもこれが勞働行政に關與する局であれば、當然これは勞働省内に來なければならんものだと考えております。
 それから第二の點の、勞働者の教育と文部省の扱つておる成人教育、學校教育との關係でございまするが、これはやはり成人教育、個々の青年に對する教育というようなことで、主として學校教育を授けて來ておるというような問題については、これはやはり文部省に残して置くべきが本當であろう。ただ勞働者が勞働の餘假を利用して、教育を受けるというような場合においては、これは學校へ行く場合においては、文部省との所管に交錯が起るのですが、これは勞働者が集つて講習をやるとか、或いは勞働學校を作るとか、そういつたことで、勞働組合が自主的にそういう機關を設けで教育をするということは、當然勞働省の所管問題になる、こういう工合に考えております。
 それから賃金不拂の點でございますが、これは先程山下さんの言われた一種の資本攻勢だとも見られるのではないかと考えられるのでありますが、これは實際は、計畫的に勞働者をいじめてやろうという意味で賃金不拂を恐らくやつておるのではないので、これは融資の關係で、いわゆる金融の關係で困つておるというのが大部分であります。それからこれはこの間申上げた通り、約百五十萬圓に上るところの官職側の當然支拂うべきものが支拂われないために、金融が梗塞して、止むを得ず賃金不拂ということになつておるという重大なる理由にも、これは數えられるのであります。この點は大藏省とも交渉して、關係企業に對ずる政府の支拂の止まつておる點は、延滞しておる點は至急支拂うように、私からも大藏大臣に注意を促して置きますが、いずれにせよ、そういう場合は當然勞政局からして命令を出すべきが本當であろう、或いは勞働基準法に違反した場合には、勞働基準局長からして命令を出すべきである。これに違反した者に對しては當然に處罰があると思うので、今後勞働省で嚴重に、そういう事故の發生したときには行政的處分をする考えでおります。お答えいたします。
#23
○原虎一君 私が給與局を廢止して、勞働省に合併することも一策ではないかと申上げたのは、給與局が傭人のごとき、政府が傭人のごとき立場で、給與の問題を調査或いは對策を練るということでありますが、先日伺いましたときにも、この給與局のする仕事の大部分は、本法の第九條に属することが多いのであります。そこで二重のことが、統計調査が行われるというような形になるのではないか、こういう職を申上げて、給與局長からその點の相違點の御説明がなかつたので、要を得なかつたのでありますが、そういう意味で申上げておるのであります。傭人の立場々々と申されまするが、それは各省大臣が傭人の立場に立つておると思うのであります。それが大藏省に独立した機關を持つておるということが、勞働省を設置しない前、勞働省の中に勞働統計調査局という用のができない時でありますならばともかく、行政機構の整備という點から考えれば、相當これは考うべきものではないかと申上げておるのでありまして、大臣の御答辯で了解いたしたとは申上げませんが、これ以上質問はいたしません。
 それから教育の問題については、少し観點が違うと思います。御答辯の要旨は、社會教育をやつた文部省が、勞働者を對象に教育しておるということは、まあ文部省がやつてもよいじやないかというようなお考えでないかと思いますが、私の申しておるのはそれがいかんのであります。現に所管爭いが起きつつある事實を知つております私としては、勞働者教育というものを、日本の六・三制教育の中にどう取入れて行くか、どう植込むかという問題でないかと思うのであります。でありますから、私の意見を申上げますれば、假に日本の六・三制教育の中に勞働教育というものが取入れられて行くということになれば、文部省の任務は、勞働者の社會教育の域から見る勞働教育の任務はもうそれで終る、それ以上必要はないのであります。勞働者だけの教育は、これは勞働組合が、自主的にやり、そのやり方について政府が正しきを援助するという方法をとればよいと思うのであります。併しその勞働省設置における教育面について、もう少し教育制度の改革と相俟つて根本的に勞働省が考える時ではないか、こういうふうに考えますのでお伺いしたのでありまして、依然として現状のままに、文部省が社會教育をして勞働者を對象として勞働組合に動員をして、現に教育大會を開いておるのであります。文部省のやることは私は怪しからんと申しておるのではないのでありまして、勞働行政の一元化ということにならんじやないか、勞働者の教育問題は、文部省に任すということであるならば、それは一元化であるが、私はやはり勞働省が勞働者の教育問題については、私共の希望から言いますれば、勞働教育局でも置いて、男女勞働者の教育をするということも必要だと考えております。併し根本的な問題は、最初申しましたように、六・三制問題から、日本の勞働者教育というものに射して、教育それ自體に勞働問題をどう取合せて行くかということが、私はもう相當に論議される必要があるのじやないか、こう思うのであります。ですから質問が餘り簡單で、私の質問の要を得なかつたと思いますが、そういう點を申上げて置きます。強いて答辯を求めませんが、私再質問だけ申し上げて置きます。
#24
○國務大臣(米窪滿亮君) 六・三制と、勞働教育ということについての御意見については、私別にここで申上げません。これは原さんの御意見のごとくに、文部省が了承するかどうか、私共としてもよくその見通しがついておりませんから、これに論及は上ませんが、苟くも文部省が勞働者だけを対象とする學校教育をやるとか、講習會をやるとか、そういう社会教育をやる場合には、これは當然勞働省の所管に属するものだと思うのであります。今までの文部當局はどうだつたか知りませんが、最近の文部當局はそういうお考えを持つておらないように私は思います。そういうことのないように、現に文部省の方で拵えんとしておつたところの勞働者教育諮問委員會が取止めになつて、そうして勞働教育諮問委員會という勞働省の諮問委員會に統一して行くという態度を示しております。この點はもう少し明らかにして行きたいと思います。
 それから、大藏省の給與局では、勿論その官職從業員に支拂うところの賃金に關聯のある統計をやつておることは事實であります。であるからといつて、勞働省設置法案の第九條と關聯があるから、それを直ちに勞働省へ持つて來るということが正しいというわけには行かんのじやないか、一應そういう工合に考えるのであります。
#25
○岩間正男君 ちよつとお伺いしたいのですが、さつき委員の方から勞働省は將來、今後の行政に當つて、資本家の闇的な、法を潜るような點について、十分に監督すべきであるというようなことが論議されたのでありますが、更にそれに私の考えでありますが、別な問題として、科學的な勞働能率の問題、この點については今度の基準局でこれを扱うようなことになつておるのでありますが、この點についてどのような方針を持つておるか、そうしてそれが具體的にどの部局によつて扱われるかどいう點についで伺いたいのであります。例えば今度の半ドンの問題でありますが、全遞によつてこの半ドン反對の問題が掲げられて、これが餘り明瞭な形で解決されたとは思わないのであります。私は勞働者が、殊に全遞の諸君によつて、あの半ドンというものを取上けられたその理由の中に、これははつきり表面には出されておりませんけれども、恐らく言い足りない點があるのじやないか、それはつまり日本の夏期の暑さ、並びに濕度、こういうような自然現象の中において、從來と同じ長さの勞働時間を強いるというようなことが、果して能率的であるかどうか、これについて恐らくあれは不完全な表現ではあつたけれども、この點に對するところの、もう少し當局の反省というようなものが含まれていいのじやないかと私は思うのであります。輿論に討つて官職が最初半ドンを許して置いて、併しそれを次官會議において取止めになつたことは、輿論の示すところによつて、その輿論に從つたといえば、一應正しいように聞えるのでありますけれども、併しこのことに對してはつきりした指導理念を持つておるかどうかという點について、私は勞働行政の立場から當局の意見を求めたいのであります。私の私見的なものを加えますならば、時間だけ長く、一定時間だけこれを縛つて置いて果して能率を上げることができるかどうか、只今の時局においては、こういうような情勢であるからして、皆一生懸命に職場を守らなければならんということが云われ、そのために、ともすると、時間がだらだら長くなる、こういうような點について、日本の將來の勞働行政は、もう少し科學的な合理主義に立たなければならないのじやないか、單に時間だけ延ばしてやるというのは、戰時中日曜を廢止した結果、却つて能率の非常な低下が起つた、恐らく今度の場合一應の妥結によつて、八時間の決められた時間を全官公の勞働者諸君は、これに服しておるかも知れませんが、併しこれは案外表面的なもので、この暑さの中で生理的に働く能率が上るかどうか、という點については十分に問題になるのじやないか、こういう點について内容のないところの行政のされ方が、今までの日本の行政の中に澤山ある、官職行政のそういうところに、非常に不健全に、表面だけ糊塗して行つて、頬被りをやつておる點が多いと思うのでありますが、こういう點について、もつと徹底的な科學的なメスを入れる、調査を十分するという、そういう基礎の上に立つて、これが行われなければ、将來の能率というものは非常に低下するのではないかと考えるのであります。この點を引括めて、全般として、科學的な方向、或いは合理的な勞働行政の方向ということについて御所見を伺いたいのであります。
#26
○國務大臣(米窪滿亮君) 全遞がなされた半ドンの問題はさて置いて、勞働問題と科學的の研究とは非常に密接なる關聯があることは、岩間さんのおつしやる通りであります、これについて、實は勞働省を發足するときに、勞働科學研究所を省内の一部局にしようという意見もあつたのでありますが、これは將來の問題としまして、現在においてはもつと密接なる關聯を勞働科學研究所と保つて、これを助長奬勵して、そうしてそこの研究課題を勞働省が取上げて、勞働政策の上に反映して行くことがよかろう、こういうことになつておりまして、今後この研究所との間には密接なる關聯を持つて、その意見を政策の上に反映するように考えて參りたい、こういう工合に考えております。
#27
○岩間正男君 これについて何か調査を開始された事項がございますか。日本の夏期の特別な状態に對して、果してどれだけの勞働能率というものが可能かという調査については、別に開始されたことはございませんか。これは將來の問題ですが……。
#28
○國務大臣(米窪滿亮君) 半ドンの問題については、勞働科學研究所で調査をやつておるかどうか聞いておりません。勞働省はまだ發足しませんし、まだ手を著けておりませんが、いずれ勞働科學研究所の方と連絡して、調査研究して參りたいと考えております。
#29
○山田節男君 時間が超過しておりますので、極く簡單に申上げますが、今回勞働省ができたということは、これは日本の文化水準を高めたものとして誠に慶賀に堪えないのでありますが、この勞働省の勞働行政ということにつきましては、これは相手が單なる勞働階級であるというばかりでなくて、この行政は最も民主的でなくてはいけない、先程山下委員から成るべく勞働組合出身の者を登用しろという意見がありましたが、これは又一面におきましては、勞働行政というものは末端まで行く、勞働組合の出身者だからといつて、必ずしも、そればかりではいけない、やはり行政そのものが從來の官廳の行政に比較しまして、これが末端まで行く、そうして又何と申しますか、埋れがないようにする、こういうためには、やはり殊に勞働省の行政におきましては、欧米各國の例に見ましても、勞働組合というものを極力利用しなくてはいけない、例えば失業保険、或いは失業手當、或いは職業訓練、その他婦人少年の問題、又勞働統計調査、この勞働省の官制に擧げられておりまする五つの局の仕事は、これは全部勞働組合というものを、はつきり申上げますならば、勞働省の一つのエージエントであるというくらいまでにこれを考えてやらないとなかなかうまくいかない、こういう意味におきまして、私は勞働大臣が、勞働組合を勞働省の行政のためにどの程度に重きを置いておるか、又勞働組合を利用するという意圖があるのかどうか、勿論今日五百六十萬の組織勞働者がありますけれども、併しこの勞働組合たるや世界のレベルから見ますと、まだ極めて幼稚貧弱でありまして、政府のエージエントとするに足らない状態でありますけれども、併しながら、こういつたような貧弱な勞働組合、又一面共産黨が指導者になつておるだらしない組合がありますけれども、これをもつとリスペクタブルな勞働組合に發達さすためにも、勞働票いろいろの行政面において、勞働組合を一つのエージエントとして利用する。こういうことは非常に私は有効であり、又健全な勞働組合發達のためにも、これは非常によい刺戟になると思うのでありますが、この點についての所管大臣の御意向を伺いたい。
 第二は、失業手當と失業保険の問題でありまするが、先程大臣の御説明によりまするというと、失業手當を受ける者は、過去一年間において半ケ年の就業しておつた實績を持つた者でなければ受けられない、これは今日まで日本には失業保険制度がありませんでしたので、ちようど日本は逆になつております。失業保険を受けておつて、その期限が切れて、そうして保険を受けられない者が失業手當を受ける、そうして又それが期限が過ぎて受けられんという者が、いわゆる救護法の對象である、これが各國の例であります。けれども日本においては、それが逆でありまして失業保険を作り、又目下の失業者を救濟しなければならんというので、ちようど逆になつております。失業手當の問題でありますが、これは先程大臣の御説明によりまするというと、少くとも現在職に就いておる者が失業した場合、その證明を持つておる者のみが失業手當を貰う、こういうことになるのでありまするが、そういたしますると、この失業手當を受ける權利のある者は、極めて私は少數であると思う。今日復員或いは外地から帰還した者は、全部生活保護法で救済する、生活保護法は飽くまで救貧法であり、今日に驚きましては生活保護法による補助を受ける者は公民權は喪失してはおりませんけれども、本質はこれは救貧法である、それを帰還者或いは復員者、そういつたような者を何でもかんでも生活保護法にぶち込んでしまう、こういうような、今日の社會保障の見地からいえば、又憲法の精神からいえば、非常に矛盾したやり方、いわゆる残酷なやり方であります。こういうことは財政上の問題というよりか、いわゆる人間の基本權、人權という立場からして、もう少しこれは重大に考えて項かなければならん、こう私は考えるのであります。
 それから第三に、これは希望でありまするけれども、今日の日本の幼稚な貧弱な勞働組合を發達さすためには、今度できまする勞働省の各部局に當りまする、例文はここに示されておる五つの局、殊に勞働統計調査、或いは婿入少年、或いは勞働基準、勞政こういうような仕事はどうかこれは日本の勞働組合員の教育、それから一般國氏の勞働教育のためにも、是非一つ、他の省とは違いまして、勞働省におきましては、各行政的な運用の状況、或いは統計調査、こういうものは極めて平易な文章にして雑誌或いはパンフレツト等にしまして、これを一般國民或いは巷間に頒布し或いは賣つて頂く、これが即ち廣義の勞働教育である。今日勞働組合、或いは厚生省でやる勞働教育というものは、これは單なる詰め込みでありまして、自主的な勞働教育というものは、やはり實際的な勞働省が行なつておる仕事を國民によく示す。勞働組合だけが教育されたのでは、決して勞働者の教育は向上しない、いわゆる輿論の勞働教育というものがなくてはいけない、こういう意味からいたしまして、これは希望でありまするが、どうぞ勞働省は、今後の行政の運用の状況、或いは統計調査というものを、一般國民に見せて頂くような方法を講じて頂きたいという希望を持つております。
#30
○國務大臣(米窪滿亮君) 山田さんの御質問の第一點は、勞働省の行政の重要なるに鑑みまして、勞働組合をエージエントのようなことに使つたらどうかというような御意見だと思うのでありますが、これはまあ諸外國、殊に英國とかアメリカ等においては、大分そういつた関係にあるようにも聞いておりまするが、まだ日本においては、組織勞働者と未組織勞働者との数がお互いに相當の比率を保つておるし、又組織勞働者である勞働者もまだまだ相當幾つかに分れておりまして、日本勞働組合會議とでもいうような相當信頼し得る結合體でもあれば、これは我々としても、行政部門において相當の協議をなし、又勞働省でやるべき仕事もそこに委任ができまするけれども、今日の段階では、諸外國のようにこれをエージエントとして、そうして若干の仕事をこれに代行せしめるというところまではまだ行つていないのじやないか。併し山田さんの御趣旨は結構でありまするから、日本の勞働組合が健全なる發展を遂げて行つて、而も各種の勞働組合が互いに反撥をせずして相當質的にも協議連絡することができるような段階になつたならば、御趣旨に副いたいと思つております。
 それから失業手當、失業保険法についての御意見については、即ち過去一年の間に半年の雇傭関係のない者はどうするか、それは残酷じやないか、そういう者も救えということでありまするがこれは先程も私がお答えしたように、失業というものの定義を決める上において、なかなかそういつた一つの條件を付けないとむずかしい。同時にもう一つば、失業保険はまま惰民を養成するという非難が非常に多いのであります。殊に失業手當は國家だけが一方的の支給をするものであります。國家財政の事情からいつても、国民全部の負擔になるので、この點からいつても、政府としては無制限に、何らの資格と或いは認定とかの條件を付けずして、引揚げて來た者は全部失業者扱いにするこういうことには参らない、而も預算関係で、失業手當は、いづれ法案が上程されました時に詳しく説明しまするが、十五億圓の程度を漸く計上して貰つたようなわけで、無制限にやるというと賄い切れない、こういう関係にあることも御了承願いたいと思います。
 それから第三の點は、實に同感でございまして、婦人少年局の問題も、勞働基準局の問題も、或いはその他の局の活動についても國民に徹底するように、國民のそれに封ずる理解と認識を高めなけれがならん。宣傳が足らんじやないかという點は同感である。これは勞働省發足と同時に、あらゆる機會にあらゆる方法を通じて、これはよく平易に國民に納得せしめたいと思う。實は勞働基準法だけをとつて見ましても、あの勞働基準法で規定されておる勞働者の保護、或いは勞働者の社會的地位というそれだけを國民に宣傳しただけでも、私はいわゆる勞働攻勢は遠慮することになりはしないか、あれだけの權利を與えられておるということが、勞働者どいえども一部のものを除いては知らないのではないか、或る一部からは勞働基準法をリテラリーにやられたお、中小工業者が成り立つて行かないという非難も出ておるくらいでありまして、經営者からいつても勞働基準法を厳格にパチパチやられたならば、日本の敗戰後の非常なドン底にある經済状態においては、殆ど資本攻勢どころでなく、これは資本家は息もつけないだらうという考えさえ出ておる状態でありましてこの勞働基準法というものは、まだ勞働者にも、或いは一般の大衆にも徹底していない、従つてこれを分り易い方法で、いかに勞働者が勞働基準法その他の法規によつて社會人としての權利を與えられておるかということがよく理解できるように、納得できるように宣傳する必要がある。その効果は單に勞働者のみでなく、社會一般においてお互いに認識し合うということになるのではないかと考えます。
#31
○山下義信君 本日は午前はこの程度で休憩になりまして、午後なお續行して頂きたいと思います。
#32
○委員長(下條康麿君) 山下委員からの御意見がありましたから、午前はこの程度で止めまして、午後一時半から再開して続けます。
    午後零時三十三分休憩
     ―――――・―――――
    午後一時五十九分開會
#33
○委員長(下條康麿君) それでは午前に引續きまして、連合委員會を開きます。大分御質疑があつたようでありますが、若し残つておりますお尋ねがありましたならば、大臣はおりませんが、政府委員はおりますから、この際どうぞ御質疑をお願いいたします。
#34
○中野重治君 いつかの質問ですが、一つは囚人勞働の問題は、行刑局の問題であろうと思いますが、それが外で働いておる場合、殊に外へ出て一般の仕事の部分を受持つておる者の勞働條件が非常に惡い。例えば天皇の御料車の修理を受刑者がやつておりますが、それは密閉した工場で炎天の下にやつ、ておる。そういう問題は、勞働省ができた場合そこで取扱うか、どういうふうに取扱うか、刑行局との關係、或いは司法省との関係がどういうふうになるか。現在の状態と、それから将来のプラン、それが一つ。それから第三條の所で、「必要があるときは、政令の定めるところにより」云々という問題で、この間いろいろ澤山の方の有益なる議論があつて、そうしてこれについては國會の方の承認を得るというふうな大臣の答辯があつたわけでありますが、これは今度政令ではなくて命令の関係になりますが、労働基準局でいろいろな仕事をする際命令で定めるという大事な問題が澤山あります。あの中にまだ決まつていないものがあります、これは今日もこの前も中川さんから話がありましたが、地方の基準局ができるのについて、業者に迷惑なような寄附を求めたということがありまして、それについては大臣の方からこれを適當に處置する、至急に處置するという話があつて、それは分るのですが、あの場合業者に寄附が強要されたということは、逆にいえば、業者がその地方の基準局を買收する可能性が大いにあるということを意味しておるわけです。それでそういうことについて基準局の役人任せにしてあの命令の作り方が發展して行けば、いろいろなことが豫想されるので、それでああいう命令をこれから作つて行くについては、議員、勞働組合代表、そういう者を入れてこれを作つて行く、こういう者の意見を聴いて作つて行くという方式を採れば、これが防げるわけです。それでそういうことをやる案があるかないか、そのことをお聴きしたい。
 それから、やはりこれは今日午前中にも問題になりましたが、勞政局その他で勞働教育、勞働に関する啓蒙宣傳ということを大きな仕事としてやるわけですが、これについて原委員からも話があつたように、勞働教育、勞働に關する啓蒙宣傳、或いは勞働者教育の問題は、一方では勞働教育諮問委員會が勞働省の方へ取つて来てありますし、それから問題自身は勞働組合がみずからこれを行いつつある。又勞働組合自身がこれを自分で段々やつて行けるようにならなければ、勞働組合の健全な發達ということは期し難い。それから一方この問題に関する基本的なものは、極東委員會におけるあの十一原則、あれではつきりしておる。それですから「勞働に關する啓蒙宣傳に関する事項」というものを役所関係で一つに扱うようにしないで……。若しそうすれば、これは産報式の上からのあれになりますから、この種の問題に関する項目は「啓豪宣傳に關して勞働組合の連合團體に便宜を與える事項」というふうに改めれば、そういう上からの要らない役人的な押付け教育が防げる。そうして勿論そういう押付け教育を意圖しておるわけではありませんから、その意圖しておるものはそれによつて十分かなえられるであろうと私は考えますが、その點どうお考えになるか。
 そういう問題に似て來ますが、勞働基準局でやる八つばかりの事柄、さつきは能率増進の問題と勞働教育との關係、及びその限界というようなことについて他の委員からいろいろ質問がありましたが、こういうことについて今までの日本での役所の型を見ていますと、いろいろそのために必要な手續を講じた後であるには違いありませんけれども、役所の方でこういう衛生に関する點とか、災害補償の點とか、或いは福利厚生の問題とかいろいろのものを、役所だけで調べて、そうして、それを結果を發表する。それが勞働者の間で自主的に、或いは勞働組合の力でそれに封ずる調査なり、案の練り上げが十分できておりませんから、つまり對案が十分準備されておりませんから、どうしても役所でできたものがそのままずつと、意圖如何に拘わらず、まあ押付けられるという形に流れる。そこで此處で扱われるものがそういうことにならないために、一つの何と言いますか、附帯條件のようなものとして、こういう所に扱つておるような項目について、部局或いは政府の見解、それから何といいますか、事實説明といいますか、それからいろいろな例を擧げて貰う。そういうものは公表する前に勞働組合の連合團體に對して、勞働組合大衆がそれに基いて大衆討議できるような期間を置いてこれに通告するというふうな條件を附ければ、こういう問題を取扱つても、上から押付ける結果に流れるようなことは防げると思いますが、そういうことに對してどういうようにお考えになるか。
 この問題は、第九條の統計調査の問題にも同じような関係で及んで來ます。それで、いろいろ日本は今まで統計が、政府の方の説明の通り、不十分ですから、今後やつて行かなければならんわけですが、この統計調査の中、全国的なものに關しては、今言つたようにやはり部局又は政府の見解、例示、説明というようなものを、大衆討議に付し得る期間を置いて、これを豫め通告するというふうにして欲しいと私は考えますし、それから調査の中の何といいますか、抽出調査と言いますか、或る部分を拔き出して調査する、或いは或る項目を抜き出して調査する、私はテクニツクをよく知りませんが、そういう場合には、殊に全国的でない抽出調査、そういう場合はそのプラン、目的、對象の選び方、實施する方法といいますか、その他これに関する一切の手續、そういうものについて勞働組合の連合團體に、やはり勞働組合關係で大衆討議できるような期間を付して、これを豫め與えて置く。それから結果として集つて來たもの、これはできれば中間報告で、調査はかなり期間が要りますから、できれば中間報告をすることを義務附け、それからその結果は役所の方の責任者が、何といいますか、これは部長とか課長とか言うのかも知れませんが、責任者が知つた時から例えば一週間以内に勞働組合の連合團體に通知するというふうなことをはつきり附帶して決めて置けば、いろいろな惡い結果が防げる、こういうふうに考えます。そういう點でどういうふうにお考えになるかということ。
 もう一つは、第十二條の「船員の勞働に関する行政の重要事項について、勞働省の所管行政との連絡統一を圖るため、勞働省に、勞働省部内及び運輸省部内の關係官を以て組織する船員勞働連絡會議を置く。」ということがありますが、何故こういうものを置かなければならんかという理由説明を欲しいということと、それからこれはここに理由説明がありませんから、疑問が出て來るわけですが、これはやはり勞働省へ一本にするという方がいいだろうと思われるのですが、何故そうしてはいけないかという、この點について伺いたい。
#35
○政府委員(吉武惠市君) お尋ねの點お答え申上げます。
 第一點は、受刑者に對する屋外の、屋外と申しまするか、外で働く場合の勞働條件の件でございましたが、これは受刑者でありますれば、一定の區域内でありましようと、出たものでありましようと、これは特別の法律関係になりまするので、一般の勞働攻勢とは別だと御了承願いたいと思います。
 それから第二點の地方基準局がいろいろ建物について寄附なんかを要求をしておる、そういう所が各般の命令を定めるということになれば、そこに勢い公正を缺きはしないかという今のお尋ねでございましたが、この寄附の件は、午前中大臣も申しましたように、確かに良いことではございませんので、これは至急指令を出す考えでございまするが命令は基準法に基いてお仰せの如く澤山ございます。ございますが、これは決して各地方の基準局にはそれを制定するの權能を與えておるのではございませんで、中央の勞働大臣が決めるのであります。而もそれを決めるにつきましては、只今御意見がございましたように、中央に勞働基準諮問委員會というものができまして、それに勞働代表、或いは使用者代表、或いは中立、代表というようなものを入れまして、民主的なる委員會ができます。その委員會に掛けて作ることに相成りまするので、これは御意見の點に副うようにできておると存じております。ただ先般二三日前に發表いたしましたごとく、基準法の施行令は、この當初におきましては、まだ基準法が發足しませんので、目下その委員會を成立すべく準備中でございます。間に合いませんから、従前の勞務法制審議會というようなものに掛けて便宜上やるかも分りません。或いは委員會が間に合いますればそれに掛けてやることにいたしますが、いずれにいたしましても、目下東京一大阪方面におきまして公聽會を開いております。その公聽會の結果によりまして、委員會に掛ける手筈をしておるのであります。
 それから第三の勞働教育の點でございまするが、これはお話のように、大體勞働教育は勞働組合の實勢によりたいということはしばしば申上げておるところであります。ただ併し、お話のごとく、然らば勞働教育は勞働組合がやるんだから、政府はただ便宜を與えるだけでよいのじやないかというお話でございまするが、これは政府も又みずからやるべき分野はあると思います。ただ組合だけでやつて、後は補助金でも出してじつとしていればよいという筈のものでありませんで、まだまだ勞働者に對しまして、或いは一般の使用者に對しましても、或いは一般の公衆に對しましても、まだ勞働組合というものがどんなものであるか、或いは團結權の保障の問題はどういうものであるかという理解が足りないのであります。そのためにいろいろの紛議も行われておるのでありまするから、私は原則として勞働者の教育は組合の實勢に俟ちたいということは、趣旨は賛成でありまするけれども、さればといつて、政府はやらないでただ助成だけだというふうには考えていないのであります。
 それから次の、基準局のいろいろやつておる仕事、特に統計とか調査などについては、發表の前に一應勞働組合に諮つてから出せ、こういうお話でありまするが、こういう統計と申しまするものは、これは客観的な事實の調査に基くものでありまして、従前の調査というものが、それは正確なものであるとは申しませんけれども、そういうものを一々事前に組合に諮つてからやるというようなことは、私却つて煩雑でないか、それよりもでき上つたら速かに一般に發表する、組合は勿論のことでありまするが、新聞にも、あらゆる方面に發表する、そうして間違つた點があれば御指摘を願い、次の訂正に備えるということでいいのじやないかと思います。
 いろいろな政策方面のことにつきましては、これは私元今でも組合その他の御意見も十分聴き、或いは公聽會までかけまして、他の官廳よりは率先して民主的にやつておるつもりでございまするが、御趣旨の點は、若し政策的の方面でございまするならば、これは私できるだけそういう方法を採りたいと思いますが、統計につきましては、私はそう一々その統計の發表に、組合に事前に了解を求めるということは必要ないじやないかという感じを持つております。
 それから最後に、船員勞働との連絡會議でございますが、これは前に大臣からも御説明申上げたと思いまするが、理想からいいますれば、勞働省が折角できるのでありまするから、勞働行政を一元化する、從つて船員勞働もすべて擧げてこの勞働省が取扱つたらどうかということはよく言われることであります。併しながら船員につきましては、實を申しますると、一つの特殊な事情があるのであります。これはまあ船員が船に乘つて、そうして生活もそこに共にする、そうして一定の安全航海の義務を負う、或いは船長以下一體的な生活をする、それから訓練を要する、そういうふうな船と一體的な特殊なものがございまするし、又從つて國際勞働會議におきましても、一般賛助省議とは別個に、船員の勞働會議が設けられておる、それから外の國に例をとりましても、船員勞働だけは特別の所でやつておるという點あたりから考えまして、今直ちにこれを一元化するのに、實際問題として無理でなかろうかということで運輸省に残すことになつたのであります、併しながら省が變りますれば、それぞれ所管大臣の責任において行い得るということになりまするから、そうすればいわゆる勞働行政というものがまちまちになるという嫌いが出て來るのであります。そこでその弊害を除去するために、勞働省に連絡會議というものを設けまして、勞働政策については、一元的に其處で決めて、そうしてそれが船員に関する場合は運輸省で執行をする、こういうふうにして行つたら、實際問題の不便は除かれるのではなかろうかということで設けたわけであります。今日までのところにおきましては、こういう機關はございませんが、事實上運輸省とは私共緊密な連絡をとつておりまして、勞働組合法ができるときにも大體私の方で決めましたことを向うに諮り、そうして私共の原則をそのまま船員については運輸省が實行しておる。それから船員については特別な船員法というもの作つておりまするけれども、これ又私ども作りました基準法の原則を採り入れて、向うで船員法を作つておるというふうで、實際は連絡を餘程よくやつておるわけでございます。併しこれがいつ迄續くとも申されませんので、こういう機關を置いて、そこで話を決めて行つたらどうだろうか、こういう趣旨でございます。
#36
○中野重治君 今のことに関して簡単な問題でございますが、お答えはよく分りましたが、基準局の命令の作り上げの手續の問題で諮問委員會が作られるというお話でございましたが、それが大盤いつ頃の……割に早いわけでございますね。諮問委員會が作られる場合のその構成をちよつとお尋ねしたいと思います。
 それからもう一つは、基準局のこういう問題について、勞働組合の聯合團體に、討議可能な機關を置いて、豫め發表する前に通告して欲しい。その問題について二つあるわけであります。つまり豫め發表してその意見を聴き、それを採り入れで、そうして調査なら調査を進めて行くというのが一番よいわけであります。それができない場合でも、私が特に第六條の場合、勞働基準局の場合に言つた問題は、政府がその發表をする、一般に公表する前に勞働組合關係にいわば優先的に發表して貰いたい。これは相談して了承を得てやるというのではなく、政府が政府の責任においてやるわけですけれども、發表してから皆で騒ぎ出して、それから意見を出して、あそこはこんなやり方でいけないといつてやり直すならば、却つてそれが手間を取るわけですから、自己の責任においてやつたことをその途中で了解させるというのではなくして、基準局の問題に關しては、各項目のことを公表前に、討議できるような期間を置いて通告して貰いたい。こういう意味の質問であつたわけです。そういう場合も了承云々は抜きにして、そういう場合でも事前にやはり通言はしない豫定であるかどうかということと、それから諮問機關の構成の問題……。
#37
○政府委員(吉武惠市君) 勞働基準諮問委員會は基準法に明記されております。ちよつと私今條文を忘れましたが、條文の中に明記されておりまして、勞働者を代表する者、それから使用者を代表する者、及び中立を代表する者、同數を以て作るということになつております。それはこの基準法の施行運用がいかに行われるか、或いは又この法律自體が果していいか惡いか、或いは改正する必要がありはしないかどうか、改正するときには、その意見を聽くというふうなことのために委員會ができますけれども、その委員の選出方法は、これは從來とも私共民主的に勞働側なら勞働側の組合を推薦さして、これは勞働委員會その他各種の委員會同様でありまして、事前にお話をして了解を得てやつて行くということで、實は今その話を進めておるところです。
#38
○中野重治君 進行中というわけですね。
#39
○政府委員(吉武惠市君) 進行中でございます。で、私としてはできるだけ早くやる、ただ基準法が遅れ勝でありますから、できないのを待つてというわけには行きませんから、或いは遅れれば従前ありました勞務法制審議會、即ち勞働側、或いは使用者側、中立というふうなものでできておる會でございます。併しこれは基準諮問委員會ができれば、やがて解消するだろうという委員會でございますけれども、それを使うかも分りません。
 それから第二の點は、大體お尋ねのような御趣旨のことは事前にお諮りできるものだと思います。ただ併し最初お話になりましたことは、統計的なものの發表について事前にというお話でありましたので、それは私としても玉引受むずかしいと思います。そういう各種の統計はどんどん出るのでありまして、それを一々事前に組合の方へ申上げて、了解を得なければ發表できんというようなことは、到底私はお引受むずかしい。ただお尋ねの點は、恐らく私は政策的なものだろうと思うんです。例えばこの基準法の命令をどういうふうにするかとか、或いどういう標準を作るとか、いろいろな各種のものがあります。基準法の中に掲げられておるものが此處に随分あります。それで勞働教育につきましても、私共は勝手に勞働教育の方針というものを立てないで、教育も今私のところで教育諮問委員會でやつておりますが、これは正式な委員會ではございません。準備會の形でやつておりますが、これはやはり勞働組合の代表の方と使用者をちよつと交えて、又中立側の人も交えまして、そうしてこういう方法でやつて行きたいがどうか、或いは別に意見があるかというようなことで、一々お諮りしながらやつておるという状況でございます、御趣旨の點は大體やつて行きつつあり、又今後もやるつもりでございます。ただお言葉の端を取つて甚だ恐縮ではありまするが、統計物なんかを一々を言われますると、どうもお引受けしにくいということを御了承を願いたい。
#40
○田中利勝君 いろいろ各委員の質問が政策的に非常に多いと聞いておるのでありますが、この基準局で扱う事務の中に、衛生と勞働時間というものがありますが、特に私がお尋ねしたいのは、地下に働く炭鑛勞働者、それから金属鑛山の勞働社、普通鑛夫と言いますが、この地下に働く鑛夫は、御承知と思いますが、今日いかに暑くとも、あすこには半ドンも何にもない、全く地下二千尺に行きますと、褌一本も纏うことができない、持つて行く水は数時間にしてぬるま湯のようになる、こういう所に働く炭鑛の勞働者、金属の鑛山の勞働者は、能率が下がるかどうかということがさつきの前提の問題に出ましたけれども、この働く勞働者は能率どころではない、生命はますます磨り減らされて行くという危険な勞働をやつておりまして、この勞働に從事する鑛山の勞働者は長くて十年しか生きられないのです。昔から鑛山に傳つておる唄の中に(鑛夫六年、吹き八年、嬶ばかりが五十年)というので、この鑛夫の短命を歌つた唄があるのです。吹きというのは精煉夫のことをいうのですが、地下で働く者は八年、嬶ばかりが人生の五十年を完了できるのだということを歌つたのが、この鑛夫の切ない唄の文句なんです。而もこの鑛夫は大體十年くらいでもう短命に終るのですが、この短命に終る過程において「よろけ病」という、いわゆる職業病です、ちよつと素人から見ると肺病と同じような病状で、これに對して基準局ではどういうやうな考え方で、こういうものを将来考えて行くか。この衛生の事項の中で、そういう問題と關聯して、どういうような施設を行うか、ということをお尋ねしたいと思うのです、實際に私も足尾銅山で少年の頃鑛夫をやつたが、私たちがこうして生きて行かれるのは、足尾の鑛夫をしなかつたから今日五十一歳の長命をしておる。精勵格勤を完了するということを本當にやつたならば、六年か十年で倒れてしまう、日本全國の炭鑛に働く勞働者、鑛山の鑛夫、これに射して勞働省はどういうふうに考え、どういう政策を以てこの「よろけ病」に封する對策を持たれるかということをお尋ねしたい。
#41
○政府委員(吉武惠市君) 只今の御意見御尤もでありまして、地下に働きまする勞働者の勞働保護ということは、この基準法におきましても相當重要視されておるのでございます。各所にその點は出ておるわけでありますが、今御指摘になりました「よろけ病」等につきましては、これはやはり保護を加えなければなりません。私今ちよつと此處ではつきりしたことを申上げられませんが、恐らく職業病としていると思います。これは又後程調べまして正確なことを申上げまするが、「よろけ病」というのは珪肺ということをいわれておるのじやないかと思いますが、若し珪肺でございましたらば、それは明らかに職業病に指定してございますので、それらに罹りました者につきましては、事業主の側におきまして療養なり、或いはあとの扶助料をやることになつております。地下勞働は御意見の通り、これは特別に保護する必要があると私共も存じております。
#42
○田中利勝君 特に炭鑛が三千萬トンの石炭を出さなければ、日本の産業の復興にならないという時に、全くあの地下で働く炭鑛勞働者は恵まれない。今日東京を歩いて見ると、足にぶつかるほど靴磨きがおります。あの中には逞ましい體をもつた者が澤山おります。あの靴磨きが何故炭鑛に行かないか。これはいわゆる勞働というものを軽蔑しておる今日までの日本の在り方、それから炭鑛の勞働者が人としての待遇、或いは社會的な地位というものが極めて低い、それは現在の靴磨きよりも炭鑛の勞働者が低いという状態におかれておることが、今日山が人を呼んでも人手が來ない。こういう點に對しても、我々はもつと勞働を尊重する。我にはこの間の大東亞戰爭を通じまして、勞働を尊重する國は例外なしに戰において勝つておる。アメリカも勝つておる、イギリスも勝つておる、ソビエツト、ロンヤも勝つておる。これらの國がすべで常に勞働を尊重し、勞働者を愛し、勞働階級の生活を保護して來た國である。これに反して勞働を軽蔑し、或いは勞働者を虐待したところのドイツ、或いはイタリー、日本が戰爭に負けたという、この點を我々は反省をしなければならないと思うのであります。でありますから、今日産業復興のため三千萬トンの石炭を掘らなければ日本の産業は成立たない、こういう時に、地下に働く炭鑛勞働者のために、勞働者は雄大な計畫をもつてお考え願いたいということを附加えて、私の質問を終ります。
#43
○委員長(下條康麿君) 大體質問はこの程度に止めまして、連合委員會でありますから、勞働委員會なり決算委員會なりでいろいろお話合したいと思いますが、いかがですか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#44
○委員長(下條康麿君) それでは一應質問はこの程度に止めまして、これからいろいろ勞働省設置法につきまして、忌憚ない御意見を交換しで頂きたいと思います。
#45
○小野哲君 實はこの勞働省設置法案に関しましては、政府當局からの説明もありまして、設置の必要があるということにつきましては十分了承いたしておるのでありますが、過般來の單獨の決算委員會或いは連合委員會におきまして、私から政府當局に對して質問をいたしました事柄につきまして、尚篤と勞働委員の各位の御意見或いは決算委員會の御意見を伺いまして、處理いたしたいという問題がございますので、只今委員長からのお許しがありましたので、私から多少の時間を拜借して御説明を申上げ、皆さん方の御批判を願い、又御賛同を得たいと思うのでございます。
 問題は、勞働省設置法案第三條第二項の問題でございます。この點に關して政府當局即ち法制局は、立法に關する事項といたしましては、本法案の第二條が勞働大臣に配分された權限の内容を規定しておる、これが主要なる中心的な條項である、こういう説明をいたしております。この第三條から第九條に至る各條は、この勞働大臣に與えられました權限の範圍内において機構の問題を規定いたしておりまして、それぞれの部局を例擧し、又その部局の司る事務の内容を明らかにいたしておるのでございます。待つてこの第三條の第二項は、勞働大臣に配分された權限の範圍内において政令によつて部局を増設したり、又は省内における部局の所掌事務の一部を變更することができるということを規定いたしておるのであります。從つて本法によりまして勞働省が設置されました以後におきましては、政府が必要があると認めました場合においては、國會の審議を經ないで政令によつて自由に部局の増設が行うことができる、即ち事實上當然に第三條第一項に列擧いたしておりまする部局に對して新らしい部局を追加することになる。政府は法律に規定しておる權限の範圍内において、政令に基いて行う行為であるから法理上妥當であり、且つ國會の閉會中といえども政令によつて措置し得る便宜を得ることができるというふうな點において、先般も答辯があつたのでありまするけれども、これらの措置を取りました結果におきましては、國會が審議決定をいたしました事柄と同等の事柄を、審議を經ないで政令によつて規定するということになりますのでありまして、言い換えますれば、政令が法律執行の限度において制定せらるべきものであるに拘わりませず、これは憲法の第七十三條に明らかにいたしておりまするが、その限界を超えて法律を變更すると、かような感がいたされるのでございます。從いまして政府は法理上妥當であるということを説明いたしておりまするが、今囘の勞働省設置法案の作り方から考えますというと、法理上の妥當性が結果におきまして阻害されて來るのではないかという懸念を持たざるをえないのでございます。これがために若し政府が説明いたしますように、本法の第一條、第二條が主として立法に與えられた事柄であるといたしまするというと第三條から第九條に至る行政機構の内容に關しまする規定は政令で以て定めてよいのではないか、言い換えれば、かような立法事項と政令事項とを區別することができるといたしますれば、むしろ政令で以て定め得る事項は本法からこれを除外いたしまして、全面的に政令に讓るということがその趣旨を明らかにする所以ではなかろうか、然らざれば、本法案の構成の内容から考えまして、第三條第二項中の部局を新らたに設ける、増設をするというふうなことを政令に任せるということをしないで、やはり國會の議決に俟たなければならないことになるのではないか、即ち立法で以てやらなければならない事柄と、政令に委任してよろしい事柄と、ここにはつきりと區別して考えることが正しい考え方ではなかろうかと、かように存ずるのでございます。かくすることによつて本法の立法の趣旨を一貫いたしますると共に、國會が立法機関として今日勞働省設置法案に関する審議を進めておるのでございまするが、これに伴う責任を明らかにする必要がある點から申しましても、十分なる檢討を加える必要があるのではないか、かように存ずるのでございます。從いまして私は、政府當局からの答辯があつたのでございますが尚考究いたしました結果、勞働省設置法案のこの建前を崩さないで進んで行くという考え方からいたしまするというと、第三條第二項を適當に改める必要があるのではないか、即ちこれに通常なる修正を加えるごとによつて、この法律の建前に基く趣旨を一貫せしめることが妥當ではないか、かように考えるのでございます。これらの點について、兩委員會の委員各位の御意見等をも伺いたいと存ずるのでございます。
 尚参考といたしまして、今回衆議院から参議院に送付されました地方自治委員會、公安廳及び建設院設置法案の内容を檢討いたしますというと、その第五條に「地方自治委員會の事務局、公安廳及び建設院には、政令の定めるところにより、所要の部局その他の機關及び職員を置くことができる。」こういうことを規定いたしておるのでございます。彼此勘案いたしまするというと、行政機構に關する立法の方針なり、態度なり、或いは又その間に共通なる部門における點におきまして、必ずしも一致統一がとれておらないような氣がいたすのでございます。これは未だ審議に入つておりませんので、一應の参考として各位に申上げて置きたいと存ずるのでございます。
#46
○委員長(下條康麿君) 只今小野委員から第三條第二項について修正が要るのではないかというような御意見があつたようでありますが、これにつきましてどういうふうにお考えになりますか。
#47
○竹下豐次君 この勞働の細かい問題を、この案に織り込まれたのはどういうお考えなのですか。
#48
○政府委員(吉武惠市君) 只今小野委員から御意見がございましたが、これにつきましては先般法制局からも趣旨の説明がありましたように、嚴格なる意味における立法事項としては、法制局の解釋としては、いわゆる一條、二條というふうな、いわゆる權限目的に關することが一番基本的なものである、これはそう勝手に政令その他で變更できるものでない、その權限に属するものをどういう仕組でやつて行くかということは、若し政令で決めれば政令でも決められることである、併しながらそれを大筋を一應法律の上に掲げることもいいじやないかという意味で掲げたのだ、併しながら、法律に掲げたことは議員に掛けなければ少しでも變更ができないということになると、非常に窮屈なものになつて、臨時に必要な場合にも急に應じ兼ねる、だからその場合に善處するために、いわゆる三條二項というものを置いた、こう話されておるわけであります。それで今竹下委員からもお尋ねがございましたように、各部局のことも細かにどうして壊したかという御質問でございましたが、まあ法律でありまするから、ただ理窟だけで、これだけあればいいからということよりも、やはり大筋は議會でお示しした方がよいのじやないか、できるだけ載せられるだけ載そう、こういうつもりで載せたわけでございます。ですから、理論的にいいまするというと、或いは立法事項と政令事項とを分けて、假に政令事項であるならば載せなくてもいいのじやないかという意見も出ますけれども、まあそこはできるだけ載せられれば載せて置こうという趣旨でございます。
#49
○竹下豐次君 そうすると、政令事項であつて法律事項ではないというふうにはつきりお考えになつておりますか。法律事項として規定するということも又一つの方法であると思います。法律的の解釋ですね、どういうふうにお考えになりますか。
#50
○政府委員(吉武惠市君) これは法制局でございませんと、私が申しましても公權的にならないと思うのでありますが、法制局としては、若し許されるならば、嚴格な意味においての立法事項は目的及び權限に属する事項、つまり一條、二條、これはどうしても法律でなければならん、その他のものは法律に掲げてもいいし、掲げなくても濟まんこともないという位の態度のように私共は聞いております。
#51
○竹下豐次君 そこがどうもはつきりいたしません。ということは、假に修正案を出すとかいうような場合にどうしていいのか、ちよつと見當がつかなくなる。出して見たところで、それは政令事項で、法律事項じやないんだと、ちよつとまあ變に理窟でも出ると、あとでやかましいことになるというので、一應出して見たんだというようなことになつてしまつたんでは、我々何のために審議に當つたか分らなくなつてしまう。だからその法律解釋をはつきりすることが、この問題を審議する前提ではないか。それで法律事項であると、法律事項として取扱うというのも決して違法な取扱いでないというお考え方で以て、その前提の下にこの案ができておるならば、そこに修正案を出すということは意義があるんです。そうでなくちや修正案も丸で話がなくなるわけです。だから、その法律解釋、今日法制局長官がおいでになりませんでしたから、仕方がありませんけれども、後ででもはつきりお答えを願いたいと思います。
#52
○山下義信君 前囘御出席のない關係委員の諸君に御参考に申上げたい。齋藤國務相が御出席になりまして、小野君は差支えで御不在でありましたので、この點私が齋藤國務相に質問いたしましたところが、その答辯としては、一度法律で、たといそれが部局であろうと、法律で規定いたしたものを、政令によつて變更するということは妥當でない、元來勅令に重きを置いた趣旨は、大權主義の舊憲法のあれはつまり惡弊であつたので、新憲法の下においては、そういうやり方は餘程考えなくちやならない、殊に國會との関係においては、尚一層注意をする必要があるという旨の答辯を得たように記憶いたしております。この點各委員の御参考に申上げて置きたいと思います。
#53
○竹下豐次君 更に御質問申上げますが、私がこれをずつと見ましたときの感じは、お話の通りに、第二條というのが骨子になつておりますけれども、併しこれだけの權限に與えられるけれども、それは第三條以下の機構によつてこれだけの仕事をなし得るんだという、一種の條件を附けられたような第二條であるというように、私共はちよつとずらつと見ると考えられる。そうすると、ちよつと修正案も出して見たくなるという気持が起るわけであります。それをお含み下さいまして一つ……
#54
○政府委員(吉武惠市君) 只今の點は、法制局の方も尚調べて御返事しますが、先程小野委員からむ御指摘になりましたように、これは今後のいわゆる官廳の法律をどういうふうに取扱うかという問題にも私は關聯して來ると思います。これは官職を法律で作る一番最初の問題である。各省の法律を細かに規定するということはなかなかむずかしいのじやないだろうか、それで今御指摘になりました自治法案なり建設廳法案でも、細かい部局の問題は政令に委任しておるように、私はそういうふうに、了承しておりますが、或いはそういう形になつて出て來やしないかと思うのです。併しそうだといつて、餘り簡潔ということよりも、法律はまあできるだけ分るようにして置くということが望ましいことで、ただ餘り分るようにといつて細かく掲げますと、一々議會に掛けなければ急に應じられんというようになつてくる困難さも出て來るわけです。それですから、その點を兩方取入れまして、法律の中に若し必要がどうしてもあれば、一部の變更も政令でやつてもいいという規定を置いておけば、その弊害もなくなるというところに趣旨があるわけでございまして御了承頂ければ幸いと存じます。
#55
○竹下豐次君 この間の集りの後で、新聞で見ましたが、商工省に商工企業総局というようなものが又できるということが出ていたのですが、この委員會で取扱われる勞働省設置の問題で、今論議されておることで窮屈な條件でも附くとします、建設廳でも又附くとしますねえ、これは今まである澤山の省は勝手にできるのだということになると、これから後できるのは、局だけで、今までのはどうでもいいのだということで、政府の取扱いとしていろいろまちまちになると思う。で、その點も一緒にお考えになるべき筋合のものだと私は思つております。その點をどういうふうにお考えになつておりますか、これも法制局と御相談になつた後で御返事下さい。
#56
○小野哲君 今政府委員からのお話もありましたし、先般法制局からも、先程私が申上げましたような説明があつたわけであります。併しながら今回の勞働省設置法案は我が國としては少なくとも最初のこの種の法律案でありまして、從つて今後起るべき、又提案さるべき法律案の取扱いなり、或いは形式なり、或いは又國會の関係を豫め研究いたしておくということが極めて私は必要であろうと考えます。政府の解釋も何となく便宜主義的な解釋がありまして、法理上最も妥當にして而もはつきりとした解釋であるかどうかということについては、尚疑いなきを得ない。一つて今回の勞働省設置の法案につきましても、第三條第二項は決して明快なる判断を我々が持ちうるまでには至つて事らないのじやないか、かように考えるのであります。從つて特に先程申しました地方自治委員會その他の關係條文との問題から申しましても、すでに取扱い方は區々になつておるということが現に現れておる一つの事實なんであります。こういうことに封して一體政府はどういうふうにこれを取扱うのか、又國會としては、どう取扱つたらいいかということについてはまだ解決されておらない問題だと私は思います。そういうことを我々自身といたしましても十分檢討を加えなければなりませんが、同時に、政府におかれてもこの問題をお取上げになつて、御研究の上適當に、お互いに處置いたさなければならないのではないか、かように考えられるのであります。
#57
○委員長(下條康麿君) ちよつと申上げますが、今法制局長官の出席を要求いたしておきました。
#58
○早川愼一君 ちよつと小野さんに伺いたいのですが、修正するとすれば、削除するという意見ですか。それとも、例えば後段の「前項の部局の外に部局を設け」ということが政令ではいかんという御趣旨になるか。或いはこの部局の所管事務の一部變更という些細なものは止むを得ないというような修正の御意見ですか。
#59
○小野哲君 只今早川委員からお尋ねがありましたので、これは私のまだ私案でありますので、そのおつもりでお聴き取りを願いたいと思います。私といたしましては、勿論從來の官制、大權に則るようなやり方から申しますというと、政令に委ねてまいまうな事柄は一應この法案から除いてもよいのではないかと思います。併し法案そのものの組立てを餘りに壊すようなことになりまするし、大體我々が考えておりまする趣旨をはつきりといたします限度において、手を著けるとすればどうであるかという範圍内において考えますと、第三條第二項の部局の外に部局を設けるということについて手を加えればよいのではなかろうか、かように考えられます。從つて第三條第二項のその部分に關する點を除けばよいのではないか。先程國會も閉會中に臨時且つ緊急に部局を設置しなければならないような場合が起つて來るかもしれない、その場合に、政令に委任された場合においては極めて便宜であり、又迅速に設置ができる、こういう御説明もございましたが、併し新らしい國會の運営のやり方といたしましては、從前とは多少趣きも變つて來ておるのではないか、又官廳の部局が、國會の開會を俟たないでやらなければならないという程の、非常な緊急性が生ずる場合は、極めて稀な場合ではなかろうかというような氣もいたしまするので、それは極めて便宜主義な一つの理由に過ぎないので、餘り取立てる必要はないのではないかというように考えられます。で、只今早川委員からのお尋ねに封しましては、私の一應の私案としてお答えを申上げておきます。
#60
○姫井伊介君 この問題はさつき御説明がありましたように、基本的なものの説明的な、便宜的なもので、私はこれはその意味におきまして、やはりあつてもよろしい、ただ問題の點を解決するのには、第三條の第二項をその意味に書き直せばいい、こういうふうに修正すればいいという修正の案も持つておりますが、それは又その機會に申述べまして、私はこの第二項の修正によつて今のお互いの疑問や或いは支障點を打開して行くように、これを考えて見たい、かように思つております。
#61
○委員長(下條康麿君) 法制局長官は間もなく出席されるそうであります。
#62
○早川愼一君 ちよつと、他の部分に亙りますけれども、衆議院では附帯決議が附いておる。その附帶決議の中には抽象的なこともありますが、例えば一のごとき、これは實際現實の問題があると思いますが、これはちよつとまだはつきり政府から御答辯を得ておらん問題ですが、今度の災害保險法の所管が勞働省に移りました。これは基準法の裏附けとして御尤もな點であらうと思いますが、ただ健康保險法の封象になる被保険者と、或いは又事業團體と、災害保険法の被保険者になるもの、又事業團體、これらは殆どその間に餘り直別がないのじやないか、そうしますと、實際この各會社なり、或は被保險者等は、官廳の所管が異なるために非常な不便を被る、この衆議院の附帶決議はそういうことを意味しておるのじやないかと思いますが、これに對して私共としても痛切にそういうことを考えられるのです。實際、會社なら健康保険を扱つておるものが同時に今度の災害保険を扱うというような、事務上の便利からいいますというと、この厚生省の扱われる社會保險の窓口と、それから勞働省の扱われる災害保険の窓口が一元化して、その間におのおの行政上の連絡があつて、方針を統一して行くということは一向差支えないのですが、いずれにいたしましても、その利益を受けておる、或いは利害關係のある、適用される者の方からいいますというと、これが望ましいように思えるのです。これに對する政府の御用意といいますか、どういう御氣持を持つておられますか、お伺いできたら今ちよつと伺いたいと思います。
 それから三の、これが私にはよく分らんですが、國會両院の勞働委員會との事務的連繋、これは衆議院の附帶決議を作られた意味がどういうところあるのか、政府でその間お聽き取り點があるならばお知らせ願いたいと思います。
#63
○政府委員(吉武惠市君) 第一の點でございまするが、これは全體として衆議院で附けられました附帶決議で、自主的におやりになりましたことで、その内容なり意図がどういうふうであつたかは詳細は存じませんが、ちよつと聞きましたり、或いは御説明のあつたところによりますと、一の點は、こちらの参議院でもお話にありましたように、中央においては勞働省という一元的な省ができるが、地方に行くというと、地方基準局というものが樹立しておる、又勞政關係の仕事は府縣の中に勞政課、或いは大きい府縣では勞働局というようなものでやつておる、それから職業關係は府縣に職業課というものがあつて、その下に又職業安定所というものが別にある、そういうふうに勞働行政の窓口と申しまするか、オフイスがいろいろ澤山あるので、これなんかを何とか一元的に纏めて貰つたら便利じやないかという御意見が、衆議院でも相當繰返され、質問があつたのであります。その結果出て來た附帶條件ではなかろうかと存じておるわけでございます。
 それから、これに關聯してお話の、勞働者災害補償保險法の取扱いでございまするが、これは両方に實は關聯を持つ、お話のように一般の健康保険と同じようにやつた方が便利じやなかろうかという意見も立ちます。併しながら勞災保険は、勞働基準法の中の勞働者補償に関する詳細な規定に基いて、その事業主の負擔する負擔を保險化したに過ぎないのであります。從いまして、これは業務上の負傷又は疾病でありまするから、その認定、これは業務上かどうか、或いは又それが何級に該當しておるか、該當しないか、これは勞働關係といたしましては常に紛議の多いところでありまして、なかなかその認定について異議が多い、その異議の認定は何處がするかといいますというと、基準監督署がするのであります。全國にあります基準監督署がやる。そうするならば、その認定をする所で取扱うのであれば、それがそのまま執行ができる。ところが、健康保険の方で取扱いまして、これは何級であるといつて取扱いましても、後に紛議があつて基準監督署へ行つて認定をして、認定が違つておつたということになると、その確定を違えなければならんというふうな煩瑣なことになりまして、こうしてもこの基準法と裏腹になるので、同じ所で取扱つたらというところで移管になつたわけであります。
 もう一つ、健康保険は各府縣にいわゆる保険課というものがございまして、その外には約八十ケ所ぐらいの出張所があるだけであります。窓口といたしましては……。ところが、基準監督署の方は、全國的に三百三十六ケ所窓口がある。そうすれば事業主なり或いは勞働者側から見るならば、窓口の多い所に行けば近くで處理ができる、わざわざ縣廰まで出掛けて行つて處理を受けなくてもいいという便宜もあろう、こういうようなところから、これはいろいろな見方があると思います。いろいろな見方があると思いますけれども、そういう検討の結果、移管になつた次第であります。
 それから第三の勞働委員會との関係でございまするが、これも實は私共も詳細はよくわかわませんが、聞くところによりますと、最初は國會の勞働委員會なり中央勞働委員會の委員の選任について権限を持つというような御趣旨の意見があつたように思います。ところが、それはいわゆる勞働組合法によつて決められておることであつて、勞働者側の委員は勞働組合の推薦によつて決まることであり、それから事業主側代表は事業主團體が推薦して決めておる、そうして中立委員はその双方の委員の承認を得て決めることであるというふうになつておるので、その委員の選任に議會が口を出すということはどうであろうかという意見が内部にあつたようでございまして、それでは議會の勞働委員會とも連絡を密にしてやるようにして行つたらいいじやないかというところで、有機的連繋という文字になつたように聞いておるのでございます。それ以上は詳はしく存じません。
#64
○早川愼一君 ちよつと脇道に外れておるかも分りませんが、中央勞働委員というのは御選任になつたのですか。選任は濟んだのですか。
#65
○政府委員(吉武惠市君) 大體内部的の手續は終わつています。ただ發令が手續上おくれておりますが、近く發令をいたすことになつております。
#66
○早川愼一君 大變豫定より遅れておるようですが、手續というのは選任の手續ですか。
#67
○政府委員(吉武惠市君) さようでございます。
#68
○委員(下條康麿君) 何か勞働委員會の側から御發言なり御意見なりございましたら、この際是非伺つておきたいと思います。
#69
○深川タマヱ君 家族單位の就業の機會均等ということで、意味が分つたか分らんか存じませんが、只今の日本は、少ない食糧やら繊維製品の配給の方は、できるだけ國民に平等に取扱うというので同じように公平に配給してくれておりますが、その食糧を買うお金を得る職業に就職する場合において、極めてこれは配給が不公平になつておりまして、隣りの家は五人家族であるのに、三人は就職しておる、待つて相當裕福な生活ができておるけれども、こちらの家庭は五人の中で一人しか働き手がない、而もその一人が失業しておる、こういう場合は非常に多いのであります。こういう場合には、私はその五人家族で三人就職しておる中一人はできるだけ就職を遠慮して貰つて、その職場を他に廻して貰う、こういうように公平にして貰うのが一つの方法じやないかと存じております。
 もう一つ、勞働省の新設されましたときに、賃金勞働者の福祉増進というか、そういうことが大きな問題になつておりますが、私今日日本の勤勞者の福祉増進が、食糧の増配程大きい意義のあるものは他にはないと思つております。それにつきまして、日本の食糧事情程不可解なものはない、國民の知りたいことは、本當に世界に食糧がないのだろうか、それとも日本を取巻いておる諸國の生活程度より多くは貰えないような事情がドイツの場合と同じようにあるのでしようか、それとも見返り物資が足りないのだろうか、我我の力で何とかする餘地があるならば、いかようにも我々の力でお力添えもしたいと思つて、國民は意味が分らんで苦心しておるようでございますが、これに封してアメリカは大變な御好意でいろいろお世話をして下さつておりますけれども、何分アメリカは助けなければならない國が大變多うございますので、数字の上で現われております通り、九五%まで日本は今日アメリカに食糧を依頼しておりますけれども、貿易が開始されましたら、少しアジアの國を相手にした貿易をして貰つて、例えば中國なんかでも、日本から電氣器具を輸出したならば、燕麥と米を輸出して呉れる可能性もあると言つております。それから東南アジアの貿易、それから朝鮮も技術を輸出したならば、米を輸出して呉れる可能性があるそうですから、將來外務大臣の方やそういういろいろ外交の衝に當つておられる方が、アメリカにお力添えをして頂いて、もつと食糧を殖やして貰えるようなことができるならは有難いと思つております。
 それからもう一つは、國立公園でございまするけれども、國立公園を作つて、大したお金を稼ごうという御豫定になつておるらしうございますけれども、私は家事経済の眼目は、不安定な收入を日常にして大金を資本として投げ出すことは、これは家事經濟の禁物になつておりますが、今日日本はこれ程燒けて、都會なんかは復興できなくて燒野原で、煉瓦と赤ちやけたトタンが散亂しておる、そういうような所で、山を公園にしたからといつて果して外國人が見物に來るか知らん、原子爆弾の被害を調査したい學者ならともかく、そんなに澤山見物に來ないのじやないか知らん、そうすれば大した資本金と勢力をそれに使うより、もつと何か裏附けの早く得られるような仕事がないかしらんと考えております。これについて、此處においでになる方々の智慧を伺いたいと思つております。一つは北海道の開拓とか、或いは又一毛作を二毛作にするか、いろいろ方法もあると存じております。
 もう一つは、最低生活協同組合法案というものが出ようといたしておりますが、これは積極的な失業救済ではありませんけれども、消極的に失業防止になると思います。これは私は大反對であります。中間搾取階級である商人階級を排撃することが目的であるということは尤もらしく聞えますけれども、日本の國民を生産業に従事させるとなると、日本にそれだけ資材がありませんので、許される産業に全部分れて携わることが理想であつて、むしろ基本産業に關係のない雜貨とか、それから生鮮食料品などはむしろ自由にして、中小商工業者に生きる途を與えたり、失業者を救濟する方がいいと思つておりますのに、この中間商人をなくするというようなこの法案は、失業者をまだ多くすると思うから、これには私は反対であります。
 もう一つ、先にどなたからかおつしやつた失業手當でありまするけれども、私はこれはできるだけ最近の失業者は次の働き口を見付けておいてから首を切るようにして、その人たちに與えようとしておる失業手當は、過去長い間苦しんでおる失業者の救濟に振り向けて頂きたい。
 もう一つは、國民思想の善導で、國民はそろばん玉を彈くことが先になつて、權利の主張が先に立つて、犠牲と、いう精神が缺けておりますが、最近或る炭鑛の必掛けのよい勞働者がなさつたように、當分日本は損を覺悟して、犠牲を覺悟してやるように指導したらいいと思つております。これだけでございます。
#70
○政府委員(吉武惠市君) 第一點の、配給は平等であるが、家族については、或る家族は二人、三人が收入を得、或る家族は一人しか收入を得ていないということは、これは現實にはあり得ることでありますが、お話のように、それを又公平に同じように收入を得るようにということは、これは餘程強い職業の規正というようなことをやればできるかも知れませんけれども、非常にむつかしい問題じやなかろうか思います。少くとも今日、自由に平等にというときにおきましては、極めてこれは妥富であると思います。食糧その外の問題は、私の方の所管ではございませんので、一つ御了承願いたいと思います。
 最後の失業手當の點は、解雇するときには職業を見付けて、そうして目途がついて解雇するようにということ、これは御尤もであります。併しながら僅かな人でありますれば、そういう餘裕もつきまするけれども、いろいろな全國的に亙る各企業につきましては、なかなかそれはむつかしいことでございます。やはり止むを得ん解雇というものが出るならば、一方、職業安定所において廣く窓口を開けて置いて、各町にやらせるようにして行く、萬一、斡旋ができなければ失業手當をやるというふうに、勢いならざるを得ないのじやないかと思います。
#71
○赤松常子君 ちよつと局長にお尋ねいたしますが、今の勞働基準監督官の任命をお急ぎになつていると伺つておりますが、その内、女子はどのくらいお決まりになつているのでしようか。その御豫定、それから決まつていらつしやいます數など、ちよつとお知らせ願います。
 その次に、部局の第五に勞働統計調査局が出ておりますが、從來政府の發表は、内閣統計局で發表されたもの、或いは厚生省で發表されたもの、いろいろまちまちでありまして、勞働者の生計費などにつきましても、數字の差異が往々に見受けられたのでございますが、これから一切の勞働者に關するものはこの局一本になさるおつもりなのでありましようか。
#72
○政府委員(吉武惠市君) 女子監督官の問題でございますが、これはまだ監督官の資格條件というものを檢討中で、大體資格條件ができたようでございまして、これからその資格に當てはめて、試験とか或いはその他の採用を行うわけでございます。従いましてどれくらい女子が豫定されているか、ちよつとここに數字を持ち合せておりませんが、後程にお知らせをすることにして御了承願います。
 それから統計についての御意見は御尤もでございますが、これは實を申しますると、それぞれの統計調査をいたしまする範囲であるとか、それから構想その他やはり違つた所でやれば、多少違つたものが出て参ります。大體狂いはございませんけれども、數字には違つたものが出て参る。御承知のように中央に内閣に統計委員會というものができておりまして、今後は其處で各省の統計を綜合し、又調査方法等も檢討を加えまして、できるだけばらばらにならんように調査を圖つております。從いまして今後は同じものについて二つも三通りにも出るということは避けられて來やしないかと思います。
#73
○委員長(下條康麿君) 委員に申上げますが、法制局長官お差支えで、次長がお見えになりました。どうぞ。
#74
○小野哲君 先程からこの問題について説明をいたしておりますし、それから先般の委員會で井手次長との間に質疑應答もありましたので私が先程御提案いたしました考え方なり趣旨に對して、いろいろ御質問と申しますか、そういう方々から法制局次長に御質問を願う方がいいのではないか。特に先程竹下委員から立法事項と政令事項との限界の問題であるとか、そういうような點について御疑念があつたように拜承いたしたのでございますけれども、そういう點について先ず一つ御質問を願つたらいかがかと、かように考えます。
#75
○竹下豐次君 先程お尋ねしたのですけれども、この案を見まするというと、政府の方では、やはり第三條以下も立法事項としてお取扱いになつておるのであります。こういうふうに一應考えられるのです。ところが、政令で決めても……制令だけで決めていいのだというお考えもあるように伺つておりますすが、その解釋が、政令でやるのが本當であつて、立法事項として取扱うのが違例であるのか、或いは元來は法律事項として取扱うのが本當であつて、その委任の範圍において政令でやれるとお考えになつておるのか、その法律解釋をまず一番先に伺いたい、こういうわけであります。
#76
○政府委員(井手成三君) 舊憲法においては、いわゆる立法事項というグループと、いわゆる大權事項と稱しておりまして法律が關與してならない部分と、それから共通區域といいますか、中間區域といいますか、勅令で規定してもよろしいが、法律で規定してもよろしいという三つに分れていたように考えます。今回の憲法におきましては、私共の考えとしては、憲法では必ず法で決めなければならない、例えば憲法第二十七條の「賃金、就業時間、休息その他の勤労條件に關する基準は、法律でこれを定める。」、これはどうしても法律で定めなければならぬ事項だと考えております。例えば「天皇は……左の國事に関する行爲を行ふ。」と書いてある中「榮典を授與すること。」「儀式を行ふこと。」というような事項は、従來で行けば恐らく立法事項又は中間事項でなくて必ず勅令で決める事項であつたろうと思います。新憲法におきましては、これは政令で決め得る、或いは政令で決めなくても内部手續でもよろしいのですが、法律で決めてもよろしいと考えております。即ち從前のようないわゆる勅令でなければならないという部分でなくて、法律で決めても差支ない、併し、法律を俟たなくてもよろしい、それでは細大漏さず細かいものを法律でやるか、やるということになると、むしろこれは國會の判断若しくは案件について提案を試みようとする政府側の判断によりまして、その時その問題によつて決まつてくると思いまするが、只今も申上げましたように、法律でやつてもよろしいし、政令でやつてもよろしいという部分があろうと思います。
 さて行政機構と法律の關係でありますが、少し根本的のことを申させて頂きますと、行政権は内閣に属するとはつきり憲法に書いてあります。從つてその内閣は行政権を行うに當つては、國會に對し責任を負つておる、いかなる組織で、いかなる人間を使つてやつて行くかというような、行政権實施のやり方につきましては、これは憲法上は内閣の自律に任されているだろうと私共考えております。即ち内閣の自律によるものは政令で規定してよろしいと考えております。この點は立法権、行政権、司法権と考えておりますが、司法権が裁判所の系統にありまして、憲法七十七條を読んで見ますと、「最高裁判所は、訴訟に關する手續、辯護士、裁判所の内部規律及び司法事務處理に関する事項について、規則を定める権限を有する。」とありまして、裁判權を與えられているところの裁判所の系統においてみずからこれを決め得る權限を持つていると解釋いたしております。同様に行政権、行政をいかにやつて行くかという組織、或いはその内部機構のようなものは、これは一般論として、行政権が自律できる、即ち政令でできると考えております。併し今度の憲法におきましては、從前の官吏制度などを大權事項として勅令でやらなければならないというのと變りまして、法律で規定してもよろしいと考えておる次第であります。然らば今申しました行政權は、その組織、その職員等のことを政令で決め得ると申しましても、これは一般論でございまして、先刻申しました主任大臣の權限の割振り、或いは税務署長が税を取るとか、警察署長が個人の身柄に行政權を加えて行くというような、人民の権利義務に影響のあるような事項においてはこれは他の角度から見るべき立法事項であることを要求されている。從つて私共の考えとしては、行政機構は本來は一般論的には政令で規定し得ると思いますが、この主任大臣の權限の分配であるとか、或いは又國民の權利義務を直接拘束するというような事項に至りますれば、その面から又立法事項であつて、法律を要すると考えております。それ以外につきましては、非常に大きな政治的な組織ができるとか、今非常に大きな問題になつている事項であるとか、又特殊な要求によりまして、これは議會に掛けた方がいいのだという制定を國會がし、又提案せんとする政府みずからが制定すれば、これは國會に掛けてもよろしいと考えております。この勞働省設置法におきまして、私共はこの一條、二條のようなものは、これは立法事項であつて、どうしても法律で決めなければならんと考えております。三條以降の事項は、一般論的には政令で構わないと思つております。但し問題は、今一番大きな行政事項として、時局の焦點の的になつております勞働省の設置でありまして、その勞働省の法律を見ると、僅か一條、二條だけであつて、中味はどういうふうになつているのか、大體の枠さえも示されないということであれば、これは國會が國家の最高の權威であるという點から見ても不適當でありますし、我々もこの點につきましては、性格としては假に政治上よくても、今議會には法律としてお願いしまして、大體の枠はこうあるべし、但し時期によりて當面問題が起れば、大臣官房の權限と法制局の權限は、多少やり取りするというとがあれば、本來に戻つて、それは必ずしも政令でやるとは規定しないという考え方がよいと思つて、こうした次第であります。從つて御質問の趣旨の法でなければならんという點は一條、二條であつて、三條以降はそうでないと思つております。但し私共は勞働などの重要性から申しましても、この程度は法律上で考え、その以外の事項は政令で決めてもよろしいと考えて政令にいたした次第であります。
#77
○竹下豐次君 お話は分りましたが、ただ私などこうやつて提案されたものを審議する者の立場としましては、此處に出た以上、審議して決まつたことはやはり、長く繼續して行なつてもらうという希望のあるのは固よりなんです。ところが、お話によりますと、少くも第三條を審議したということが殆ど無意味になる機會があるわけです。政府の方であとで政令で勝手に御改正になるということができるわけですね。だから政令で決めるということであるけれども、議會に提出される法案のうちに織込まれるという深切な氣持はよく分りますけれども、併しそれくらいのお考えであつたならば、むしろ條文に織込まないで、事實上このくらいの枠内でやるのだという政府の肚をお示しになる程度でいいのじやないか、條文に書いた以上は勝手に又あとで……勝手にという言葉は語弊がありますけれども、あとの機會で國會に承認を得るというような手數を執ろうともせず、ただ勝手に政令でできるのだということは、何のためにこの條文をはつきり書かれるか、ちよつと了解に苦しむという氣持がするのです。むしろ私はもう法律の解釈で以てはつきり政令でやつていいのだ、初めからやつていいのだということならば、無理に今のような解釈をされるよりも、むしろこの條文をお取りになつた方がはつきりしていいのじやないかというふうに考えられます。若しお書きになるならば、やはり事後の承諾を求めるとかいうような形にされないというと、ちよつと纏まりがつかないのじやないか、あとで事後承諾を得るというような形にされても、法律違反になるわけじやないのですね、今の説明によりますと……。
#78
○政府委員(井手成三君) 只今の政令事項であれば尚更落して置いた方がよいのじやないか、入れて置いて勝手に直すようなことではおかしいじやないかということは御尤ものように伺います。ただ私共の省には大體これだけの局があるのだ、この第三條の二項でもこれを減らすということはできない、但しこれを臨時的に多少の部局を増す、或いは多少官房との間の權限のやり取りを許すという程度であつて、その省にこれだけの局を置かれるというようなことがありまして、各局に大體の仕事が現われている方がよいだろうと思つて入れたわけであります。それであとで政令で勝手に直した場合に、その事後承諾はどうかという御質問のようでありまするが、政令そのものの効果を國會の議決に掛けるということは、恐らく憲法上許されない問題じやないか。例えば最高裁判所が裁判所自體に何か規則の効果を國會に掛けるというようなことを書いたと同じように、政令そのものについて何か國會に掛けるという表現を受けますれば、恐らく私共は憲法上疑義があると思います。同樣の結果が起り得るような、例えば政令の規定しておる事項について國會は勿論法律でも廢止できるわけであります。次の議會に政令を或いは又政府に射して決議案を突きつけまして實行を迫ることもできると思います。或いは政令に規定して治る内容をひつくり返してしまうことを決めることができると思いますが、政令そのものの效果を國會の議決に掛けるというような表現でありますれば、私共はこれは相當憲法上研究さして頂かなければならんと思つております。
#79
○竹下豐次君 この事項は政令事項であつて立法事項ではないということがはつきりした場合は、今の御説の通りだろうと思つております。先刻からの御説明によると立法事項として扱つてもよさそうに伺つておりますが、そうすると立法事項で政令に或る程度で委任するのだということを決めるわけでありますから、その政令で一遍制限されて力を持つておるのでありますから、それをもう一遍事後の承諾を議會で求あるということは憲法違反ではありません。法律上初めから條件附きの政令……という言葉が適當かどうか知りませんけれども、或る範圍の力を持たせられておる形になるのではないかと思います。
#80
○政府委員(井手成三君) それは政令の一般原則として限時法、一定の時期まで有效である、或いは一定の條件の完了するまで有效である、政令自體がそういうことを書くのは可能でありますから、そういう再度から研究すればよいだろうと思いますが、政令そのものを今度事後承諾を國會に掛けるなどということは恐らく憲法上私共は許されないだろうと思います。
#81
○竹下豐次君 次の議會に承認を求める範圍において政令に委せる、という條件を初めから附けて置くわけですから、法律で憲法違反になることはないと思います。それは見解の相違で水掛論になるのかも知れません。ですから、これだけ申上げて尚御考慮願います。
 それからもう一つお伺いしたいのですが、先程あなたがあれしたのですが、この間新聞で見ますというと、商工省に中小企業総局とかいうものができるように新聞で承知しておりますが、そうだとしますれば、今日までもうすでにできておる省の各部局の創設というようなものは勝手にできる、併し勞働省などこれからできるものは、こういう窮屈な法律案などか出ておるが、その取扱いが直々になるような氣がするが、政府は、その職はどういうようにお考え下さるのですか、この點です。
#82
○政府委員(井手成三君) 中小企業についての振興につきまして、實體法の部分と、この機構についての部分を法令化したいという研究を今積んでおるようでございますが、まだ成案までに至つておりません。その案の考え方として、一二のものは、特に中小企業局というものを政治的に取上げて國會の意見を問う、即ち商工省の他の部局は現在政令で作られておると思いますが、その部分だけ特に立法化しようという考えがあるような意見のようでございます。ただまだこれは政府の意見として纏つておるのではなく、一部の者がそういう研究をしておるようであります。従つてこの問題は假定の事實でありますから止めにしまして、一般論としまして、非常に現在の各省は暫定的に政令で各局を作つております。從前の勅令は、特別の條件がない限りは當然政令と讀み替えるという政令第一號を出しましたから、現在の各省の機構は政令で作つております。それと比べまして、これは法律になつておりますから、扱いは變つておりますが、今後の役所のあれは恐らくこれが、先例になりまして、新設のような場合には、法律に現れて來るだろうと私共考えております。
#83
○竹下豐次君 その點はただ取扱い、そういうことになるのかも知れませんか、別に法制を必要とするようなお考えはありませんか。
#84
○政府委員(井手成三君) この點は法律の、政令の基礎的なものは要らないと思いますが、行政官廰の組織そのものは來年の五月二日まで暫定的に有効になつておるわけであります。從つて五月二日まで即ち次の議會に、或いは臨時議會でもあれば次の次の議會になると思いますが、それまでには、その邊のところをはつきりして政府としては恐らく提案するだろうと思います。
#85
○山下義信君 次長の御説明はこの前と同じでありまして、法制局の御意見が全く確定的にそういう御意見であろうと拜承いたしました。つきましては、私共の疑問點といたしておりまするところは、御説明のように立法府が行政府の權限を犯す、こういう意味では固よりないのであります。その點は我々の意圖するところとは御説明がマツチいたしませんので申上げて置きます。併しながら行政府がなそうとするところのことが、苟くも法律案として立法府に出された以上は、立法府の建前でこれを審議しなくちやならん、こう思われます。これはまあ相互に分つておることであろうと思うのであります。そこで私共は勞働省設置法案が、從來の官廳の設置案と違つて、全部が明細に法律條項として出されたというようなことにつきましては、實は多大な満足を持つておる者であります。こういうことは今後こうなるだろうということも次長のお話でありますが、全くこうありたいことでありますが、併しながら折角法律案でこうして内容まで示されたということになりますと、この條文というものの立法の體裁上、これは立法技術はあなた方が御專門でありまするが、體裁上我々が考えておりまするように、折角各條項で各々部局というものが條文化されてある事柄が、政令で變更せられるということが、果して條文の、法律案の體裁上いかがあろうかという點であります。殊にこの但書の言葉などは、「前項及び第四條乃至第九條の規定にかかわらず」というがごときは、實に字句が甚だ強烈でございます。それから實際問題といたしますと、當局の次長の御説明のように、第二條で十分法案の目的が達してある、こういたしますというと、ここに掲げてある勞働大臣の権限というものは、悉く第三條乃至第四條の部局にこれが分割されて示されてある、その他のことはございません。勞働大臣は勞働組合云々、啓發宣傳までは勞政局、勞働條件乃至勞働者保護に關する事務というのは基準局、職業の紹介から失業対策、失業保険に関する事務は職業安定局、勞働統計調査事項は調査局とありまして、この部局以外は、その他勞働に関する事務を管理するという、あの最後の一句以外にはない筈でございます。實際問題といたしまして、近く新らたなる部局を置く考えがあるか、こういうようにお尋ねいたしますると、考えはない、こういうことをおつしやるのでございまして、そうすると、そこに法案といたしまして、但書の字句の上に何か妥當な行き方はあるまいかということが、我々委員の考えておるところなんであります。そういう點につきまして成る程そういうことを行うならば、ここに少し妥當な書き現し方があるのじやないかという點について、法制局にお考えがあらば又御説明を煩したい、こう思うのであります。
#86
○政府委員(井手成三君) 第三條第二項によりまして、何か新設する豫定があるかということに封しまして、當局からその豫定がないと申したようでありますが、これは私共尤もだと思つております。實は豫定がございますれば、此處に當然書いて置かなければならないので、これを書いておりませんのは、今のところ考えていないわけでございます。然るに私共各省の機構を見ておりますると、例えば賠償という問題ははつきりしておりませんが、賠償實施準備はもうやらなければならないということが急に起つて参りまして、商工省に賠償實施準備局に當る賠償實施局というようなものができて参りました。そういうような事例がちよいちよい起つて参るのであります。それは實は一ケ月前に豫想し得なかつたことであるけれども、どうも一局を設け、或いは臨時機構を設けてやつて行く方が、各省の関係、それから又關係方面との折衝と、關係方面からの要望等もありましてやらなければならない事態が各省において相當起つておるのであります。ちよつと只今全體のことを記憶いたしておりませんが、例えば商工省に、先日通信機械局というのが多分できたと思うのです。この通信機械についての非常な生産の整備のために、某方面から是非これは一局を設けて、我々の折衝などをはつきりして呉れ、そうすることによつて日本の通信機械の關係をよくして行こうというような、申出でと申しますか、連絡と申しますか、サゼツシヨンがあつたようであります。それによりまして急遽作つたようなことがございまして、實は豫定しないことが起ります。その場合はどうしてもこれは是非もう一月位は待つて呉れということを言つておりましても、なかなか決まらない、止むを得ず豫備費を以て部局を作るという事例も一月に各省通じて一二回はどうもあるのじやないだろうかと、私共考えております。從いまして、私共といたしましては、竹下さんの仰せられるように、是非政令でよいなら止めたらいいじやないかということにつきましては、私共もそれは便利ではありますけれども、大體の枠はこれで示して置きたい。併しどうしてもやらなければならない、而も一週間以内にやれと、こういう問題が起りますと、こういう規定を是非置かして頂きたい。但し國會は次の議會においてそういう政令は間違つておるというお考えがございますれば、これは議決によつて政府はそれを取消すべしという御要求を頂くならば、又法律自體を御改正願いまして、廃止するというような工合にやつて頂きたいと考えております。尚現在議院内閣制度といいますか、議會において多数をとつておりまする政府がやつておることでございますから、十分にその點につきまして、議會との連繋を保ち得るだろうと私は考えております。
 更に部局の事務の變更でございますが、實は官房でやつた方がよいのか、勞政局でやつた方がよいのかという問題は、ここではつきりしておるようでございますけれども、各省の行き方、或いは關係方面の行き方で官房の方がいいのだという問題が起ることもありますし、その邊のことは官房なり、勞政局の大體の構成は映まつておるのでありますから、多少のところは政令でやることをお許し願いたいという趣旨で書いたのであります。第四條から第九條までこういうふうに折角できでおるのに、それを全部抑え付けてしまつて、いかにも無視するようにお謹みになつたようで、非常に立法が下手だということについて頭を下げる次第でありますが、決してそんな意圖はなかつたのでございます。
#87
○竹下豐次君 ちよつと誤解があつてはいかんから申し上げて置きますが、「政令」をきるならば削つたらどうかと私が申しましたのは、それは法律解釈としてそう申しましたので、私の眞意はやはりこうやつて御相談して下さい、そうしてそれを決めて増減をするということがよいと思つておるわけなんでございます。併しそれが憲法違反になるか否かの問題は、これは最後にどういう結着に話はなるのか知れませんけれども、甚だ疑問を殘して置きます。
 それから平素私が考えておりますのは、近頃戰爭になつてから、各部局の創設、變更は非常に多い、それで我々政府以外の者から見ると、どうも早まつたというようなことを氣のつかないことがないでもない。こういうような形で、立法府に御相談の上でお決めになるということになると、政府の方でも今まで通りに勝手にそう動かすというがごときことがしにくくなり、あとで事後承諾を求めるにしても、そういう點で餘程愼重な態度をおとりになることになつて行くんじやないか、こういうようなことを想像しますと、又法律上の解釋で許されるならば、やはり立法事項として取扱う、そうして一層愼重なる態度を求めたいという氣持でいるわけであります。
#88
○小野哲君 只今法制局次長からいろいろお話がありまして、先般大體私との間で質疑應答をいたしました内容と大差ないと思います。私自身から、第三條乃至第九條と、これはわざわざ法律で書く必要はなかろう、併し先程の御説明によりまして、極めて深切と申しますか、丁重な扱いをされたことにつきましては、勿論納得いたす次第でありますが、この結果この法案の建前の上から考えての、そこにいろいろの問題が起つて來たのではなかろうか、從つて法理上の考え方というものからいうならば、別にお互い同士その點については恐らく了解し得る問題があるだろうと思いますけれども、とにかく勞働省設置法案として立法機関の審議に上つております今日でありますので、この點につきましては、國會は國會としての立場で、これの検討を加えて行く方がいいかと私は考えます。從つてその意味におきまして、その責任を果す關係上、ここに論議を進めることは止むを得ないのではないかと考えます。
 それから最近参議院に送付されて参りました地方自治委員會、公安廳及び建設院設置法案がありますが、その行き方は、勞働省設置法案とは又變つておりまして、第五條は、政令に所要の部局その他の機關及び職員を置くことを委任なさると、こういう極めてすつきりしたやり方をしているので、これは先程の法制局次長のお話によりますと、勞働省の設置というものが極めて、何と申しますか、最近世間的にも重要な問題であるというので、相當細かく法律の中に織込んだということになりますと、今申しましたあとの方は、必ずしもそうでないというので、政令に全部委ねたというようなことで、そういうような感じの問題で以て行政機構に關する法律案の取扱い方をなさるということは、國會としては甚だ迷惑することになると思いますので、餘りに、若しそういうようなことでお出しになるということならば、できるだけ將來これが法律になつて、政令をお出しになつて、それを國會法律で以てこれを變更する、或いは政令に封して決議案を出して、これが制定を要求すると、そんなような手續をとらないような工合の法律案として、最初から國會が審議して行くことが私は妥富じやないか、從つて今日法理上立法に値する事項と、それから政令でも差支えない、或いはどつちでもいいが、便宜上こういうようにしたんだというようなことでこの問題を處置いたしますことにつきましては、やや明確を缺くんではないかという疑念を多分に持つわけで、従つてこの勞働省設置法案の立法者の立場におけるお建前を崩そうとは思いませんけれども、併し法律になつた場合において、これを適用し、これを解釋して行く場合におきましては、相當そこに自由な立場で私はする場合が起つて來るのではないか、だから立法者の立案の當時はこうであつたという、その御意思は、必ずしも法律ができ上つた後にまでずつと續けて行くものとも限りませんので、從つてこの法案を審議する際に、十分に檢討を加えて行つて、お互いによいものにして行く方がいいんじやないか、又國會としてもそういう責任があるじやないかというふうに私は考えるわけで、從つて第三條第二項が、竹下さんその他からの御質問がありましたように、ここではいろいろ、なんと申しますか、誤解を生ずる虞れがあるとするならば、これを適當な字句で以て改めるということも考え得るのではないか、そういうふうにも考えられますので、何分勞働省設置法案が最初の法律案であります。それだけ私共も重要視しておりますと共に、先例とも相成りますので、できるだけ愼重に審議いたしたいと、かような熱意から出ておるということを政府當局にも御了承を願つて置きたいと思います。
#89
○政府委員(井手成三君) 只今の小野さんの御質問に封して御説明いたします。これは正式には参議院の方には來ていないので、参考に聞いたのであります。それでいずれ又正式に然るべき者から説明するだろうと思いますが、私共の考えといたしましては、そこに書いてありますごとく、それは暫定的なものであるという立て方でありまして、やや軽く扱つております。というのは警察の問題その他については根本的にその組織を考えたい。とにかく内務省を解體しようという焦眉の急を問題にしまして、その結果そうなつたのでありまして、やや暫定的な機構として扱つております。それからそれは本省ではないので、我々の考えておる外局として作つております局中の部局、その所掌事項を一々法律に書いて行くまでのことはないと考えております。又これは本省の局でありまして、今後我々は少くと本省の局は是非列舉して行きたいと考えております。但しこの勞働省設置法では各省、各局及び官房の所掌事項を一々書きました。これあるがためたに實は三條の二項などが半分欲しくなつてきたのであります。非常に細かく書いておりますけれども、これは何がために書いたかというと、何分勞働省設置が長く掛かつたので、厚生省との間に問題を起しておる、又勞働を扱つておる現業省、或いは又船員勞働を扱つておる運輸省との關係においていろいろ要らざる心配等もあつて、餘計なことを書いたのではないか、國會というはつきりした所で、どういうものが具體化されて權限になつておるか書いて行きたいという意圖がありまして、法制局から見ると、四條以降は少し細かかつたのじやないかと思いますが、そういう政治的理由があつたので特に書いた次第でありますが、今後は局名だけは是非出したいと考えております。外局、所掌事項、分局は政府では書かない方が通例だろうと思つております。
#90
○小野哲君 只今法制局次長から今後の取扱い方について、少くとも獨立の一省に関しては部局を明示してこれを扱つて行く、その他の點については、大體外局等の取扱い方についての御説明があつた、この點も我々としては極めて結構なお考えじやないかと考えます。又勞働省設置法案第四條以下が非常に細かかつたということは、逆に、愼重にやつた、從つて國會も又愼重にやつておるという點を御了解ができると私は考えるのであります。ただ先程來いろいろ質問もありましたような次第で、この點については委員もそれぞれ第三條二項の問題について關心を持つておるようでありますし、私自身も政府當局に封して質問いたしましたような關係もありますので、この點は特に委員長に御檢討をお願いしたい。又第三條第二項をどう扱つて行くかということについてもなにかと御審議を願いたい。かように希望いたす次第であります。
#91
○姫井伊介君 字句について伺います。今の三條の二項については相當修正されるでしようし、又それを私は希望いたしますが、それは別として、第六條の各號の八に「その他勞働基準法の施行に関する事項その他」とあつて「その他が二つ重なつております。これはそれでも構はないわけですが、あとの「その他」を「又は」としては餘程意味が違つて來ましようか。
 それから八頁の十五條以下ですが、本則の方にはすべて「婦人及び年少勞働者」と書いてあるのに、ここでは「女子及び年少者」とずつとそうなつておりますが、これは基準法の關係でこうなつておるのでありましようか。若しそうでなかつたら前の「婦人及び年少勞働者」という言葉に纏めた方がよいと思います。
#92
○政府委員(吉武惠市君) 御指摘の第六條ですが、多少そういう嫌いはありますけれども、やはりこれは従來の法制の書き方をするど、こうなるわけであります。
 次に婦人と女子という使い方は、御指摘の通り基準法で「女子及び年少者」という文字を使つておりますので、それから婦人局の方もそれでは女子としたらどうかということになりますが、これは多少基準局より幅が廣くなつておるので、一般婦人のことをやるから局の名前は婦人局、從つて婦人ということにしたがよかろうということでそういうふうにしたのであります。
#93
○委員長(下條康麿君) それでは決算勞働者委員會の連合委員會はこれで終つたことにいたします。長々暑いところを御審議を頂きまして有難うございました。これで散會いたします。
   午後三時五十七分散會
 出席者は左の通り。
  決算委員
   委員長     下條 康麿君
   理事
           太田 敏兄君
           西山 龜七君
           山下 義信君
   委員
           岩崎正三郎君
           田中 利勝君
           吉川末次郎君
           北村 一男君
           中川 幸平君
           竹中 七郎君
           深川タマヱ君
           小川 友三君
           小野  哲君
           鈴木 憲一君
           伊達源一郎君
           山崎  恒君
           西園寺公一君
  勞働委員
   委員長     原  虎一君
   理事      堀  末治君
   委員
           赤松 常子君
           山田 節男君
           荒井 八郎君
           平岡 市三君
           植竹 春彦君
           奥 むめお君
           川上 嘉市君
           竹下 豐次君
           早川 愼一君
           姫井 伊介君
           松井 道夫君
           中野 重治君
           岩間 正男君
  國務大臣
   國 務 大 臣 米窪 滿亮君
  政府委員
   法制局次長   井出 成三君
   厚生事務官
   (勞政局長)  吉武 惠市君
ソース: 国立国会図書館
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