くにさくロゴ
1987/07/30 第109回国会 参議院 参議院会議録情報 第109回国会 建設委員会 第2号
姉妹サイト
 
1987/07/30 第109回国会 参議院

参議院会議録情報 第109回国会 建設委員会 第2号

#1
第109回国会 建設委員会 第2号
昭和六十二年七月三十日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         村沢  牧君
    理 事
                井上  孝君
                石井 一二君
                福田 宏一君
                小川 仁一君
    委 員
                井上 吉夫君
                植木 光教君
                工藤万砂美君
                沓掛 哲男君
                志村 哲良君
                服部 安司君
                堀内 俊夫君
                一井 淳治君
                太田 淳夫君
                馬場  富君
                上田耕一郎君
                青木  茂君
   国務大臣
       建 設 大 臣  天野 光晴君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  綿貫 民輔君
   政府委員
       北海道開発庁総
       務監理官     中田 一男君
       北海道開発庁計
       画監理官     大串 国弘君
       国土庁長官官房
       長        清水 達雄君
       国土庁長官官房
       水資源部長    大河原 満君
       国土庁計画・調
       整局長      長沢 哲夫君
       国土庁土地局長  片桐 久雄君
       国土庁大都市圏
       整備局長     柳   晃君
       国土庁地方振興
       局長       澤田 秀男君
       建設大臣官房長  高橋  進君
       建設大臣官房総
       務審議官     田村 嘉朗君
       建設省建設経済
       局長       牧野  徹君
       建設省都市局長  北村廣太郎君
       建設省河川局長  陣内 孝雄君
       建設省道路局長  鈴木 道雄君
       建設省住宅局長  片山 正夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
   説明員
       人事院事務総局
       職員局職員課長  山崎宏一郎君
       警察庁刑事局暴
       力団対策室長   深山 健男君
       総務庁人事局参
       事官       河野  昭君
       大蔵大臣官房参
       事官       中井  省君
       大蔵省主計局主
       計官       斎藤 徹郎君
       大蔵省主税局税
       制第三課長    長野 厖士君
       文部省教育助成
       局企画官     遠藤 昭雄君
       林野庁指導部治
       山課長      岡本 敬三君
       運輸大臣官房国
       有鉄道改革推進
       部施設課長    澤田  諄君
       建設大臣官房技
       術審議官     布施 洋一君
   参考人
       住宅・都市整備
       公団総裁     丸山 良仁君
       住宅・都市整備
       公団理事     渡辺  尚君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○建設事業及び建設諸計画等に関する調査
 (NTT株売却益の公共事業への無利子貸付け
 に関する件)
 (公共事業の地域配分に関する件)
 (建設業への不良業者参入の排除に関する件)
 (地価高騰対策に関する件)
 (総合保養地域整備法の施行に関する件)
 (渇水対策に関する件)
 (八ツ場ダム建設に関する件)
 (水源かん養林に関する件)
 (第十次道路整備五箇年計画に関する件)
 (四全総に関する件)
 (公団住宅の建て替え問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(村沢牧君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 建設事業及び建設諸計画等に関する調査のため、本日、住宅・都市整備公団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(村沢牧君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(村沢牧君) 建設事業及び建設諸計画等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○一井淳治君 この二十四日に補正予算が成立いたしまして、建設省関係分としては二千八百十億円のNTT株式の売却資金による無利子貸し付けが充てられておりますけれども、この無利子貸付事業の対象になる、いわゆるAタイプとBタイプとあるようでございますけれども、これは具体的にどのような内容の事業なのか、また、今年度具体的にどのような事業が予定されておりますのか、建設省の所管事業について御説明をお願いしたいと思います。
#6
○政府委員(高橋進君) このたび成立いたしました補正予算の内容といたしまして、NTT株の売却収入の一部を活用して公共事業の推進を図ること、先生今おっしゃったとおりでございます。具体的には、御指摘のとおりA、Bの二つのタイプがございますが、Aタイプの事業は、公共事業のうち、当該事業あるいはこれと密接に関連するほかの事業から生ずる収益でもって当該事業に要する経費を支弁し得るものに対する貸し付けでございます。例えば有料道路の沿道におきまして相当規模の開発が行われる場合に、当該開発事業と一体的に整備されるインターチェンジあるいは連結道路、それから例えば駐車場の設置に当たりましてこれと一体的に左右される駐車場周辺の関連公共施設の整備といったものが考えられます。
 また、大部分はBタイプの事業でございますが、Bタイプの事業は、通常の公共事業のうち、面的な開発事業などの一環といたしまして一体的、緊急に実施することが必要な公共施設整備に対しまして、単に道路なら道路という単独じゃなくて、面的整備に対して総合的に一体的にやる事業といたしまして補助金にかえて貸付金を貸し付けるものでございます。これにつきましては、将来の償還金につきまして、償還時に償還金に相当する額が国から交付されるということでございまして、地方公共団体から見ますれば実質的に従来の補助金とかわるものではございません。
 建設省の所管事業につきましては、今回の補正予算によりましてAタイプに八十三億円、Bタイプに二千七百二十七億円が計上されているところでございます。
#7
○一井淳治君 通常の道路というようなものもこのBタイプに入るというふうにお聞きしてよろしいでしょうか。
#8
○政府委員(高橋進君) 面的開発等に伴いまして一体的に整備することに関連する限りにおいて、通常の道路も入ります。
#9
○一井淳治君 NTT株売却益による無利子貸し付けでございますけれども、六十三年度の予算においては一兆二千億円確保されるというふうな報道がなされております。建設省としては、この程度の規模の無利子貸付金で間に合うといいますか、この程度は当然であるというお立場じゃないかと思いますけれども、このNTT株売却益による無利子貸付金について建設省としてのお考えをお尋ねしたいと思います。
#10
○政府委員(高橋進君) 基本的に建設省といたしましては、社会資本の計画的着実な整備をやるためにも、また内需拡大をやるためにも今年度の補正予算の規模を上回るものが必要だと考えています。その中で原資がNTT株の売却収益によるものであるかあるいは一般国費、建設国債によるものであるかということはさておきまして、まずその事業量の確保が必要だと考えております。
 また、来年度の予算におきましてNTT株の売却収入益をどういうふうに使うかというのはまさにこれから決まる問題でございまして、まだ確定したところではございませんけれども、一定のNTT株売却収入をもとにしてのそういう貸付制度というものができることはまず必至だと思います。その場合、建設省といたしましては、そういった仕組みができた中では、その制度も十分活用しながらやってまいりたいと、こういうふうに考えております。
#11
○一井淳治君 ようやく開始されました内需拡大の政策を一層継続、拡大していくことが必要でございますし、また不況地域の経済を活性化するためにも、六十三年度の予算におきまして公共事業関係費を大幅に確保していただくことが必要であることはもう今さら言うまでもないことだというふうに思いますが、新聞報道によりますと、天野建設大臣の談でございますけれども、当初比二五%増を目指すというお考えが報道されております。この二五%増ということの根拠についてお尋ねしたいと思いますが、同時に六十三年度予算において公共事業関係費を大幅に確保していただくための建設大臣の決意のほどもあわせてお尋ねしたいと思います。
#12
○国務大臣(天野光晴君) 二五%の根拠は、六十二年度当初予算プラス、きょうあたり相当額執行しておりますが、補正予算、それでちょうど今官房長が説明したように、六十二年度当初予算に比較いたしまして二〇%増になるわけですが、それに一〇%ぐらいと思ったんですが、なかなかやっぱりやりくりが難しいようでございますから、五%ふやしたい。今執行している今年度予算も相当規模が大きいものですから、まだなかなかなれていません。そういう点で、来年度そう多くふやすのも容易でないと思いますので、実は五%増ぐらいで折衝しょう。そして、来年度の上期の動きを見て、下期において補正でまた追加でもできれば相当確保できるのではないか。
 要するに、過去六年間の落ち込みをこの際ここ四、五年の間に取り返そうという考え方で今折衝しておりますが、きょう大体の大蔵大臣との話し合いがあるようでありますが、最低の場合二五%増を取りたい。その根拠は、今申し上げたように、今年度のすべての予算プラス五%という意味でございます。
#13
○一井淳治君 次に、道路整備の財源確保に関してでございますけれども、我が国の道路整備の状況が欧米の諸外国に比べて、質、量ともに大変立ちおくれているということはもう今さら言うまでもない顕著なことでございますけれども、天野建設大臣におかれて、この六十二年度予算の編成に当たって、ぜひとも道路予算の拡大確保を強力にお願いしたいわけでございます。
 これは、私のところなどにも連日のように各方面からの要望が来ておりまして、全国からの熱望だと思いますけれども、道路特定財源の全額確保、一般財源からも大幅に投入する、未充当の自動車重量税の充当、第十次道路整備五カ年計画で十分な規模を確保するという点が大事だと思いますけれども、建設大臣どういうお考えでございましょう。
#14
○国務大臣(天野光晴君) 今まで私も相当長いんですけれども、政府の引っ張り方がへただったのかもしれませんが、まずどこの国でも公共事業の最たるものといえば道路です。一般会計から金を出さないという国は日本だけでございまして、いわゆる日本の道路に使う経費は特定財源で、特定の人に拠出をしてもらってやっているというやり方であります。
 実は一般会計プラスアルファという考え方でこの問題は私たち考えて、特定財源、まずガソリン税、そして重量税でございますが、ガソリン税は田中角榮先生がつくってくれたものでありますが、その税金ができて一年目か二年目で私が当選したわけでありまして、そのときも何回か交渉して、いわゆる一般会計プラスアルファでガソリン税を使うのだという言質を私何回もとっておるのでありますが、それがだんだん狭められてどうにもならなくなりまして、やむを得ず、ここに服部先生おりますが、御協力願って今の重量税という税金もつくったわけであります。これはちょっとした扱いの間違いで一般会計に入っておりますが、これは完全に特定財源でありますから、いや応なしに六十三年度は重量税とガソリン税は完全に充当しますが、それではとても、きのう衆議院で高速国道の審議をやりましたが、御承知のように七千六百キロのうち半分きり三十年間でできておりません。
 それで、今度プラスしますと大体これが三十年でやるという考え方だと、事務当局がそう言うものですから、私も三十年でやるときのう答弁しておったんですが、今までのそろばん勘定で言えば五十年はかかると思うんです。それですから、ここで道路の財源についてやっぱり一応考え直しをする時期が来ているのではないか。来年度から昔に戻っていただいて、そしていわゆる特定財源プラスまだどれぐらい出せるか、重量税を除いた一般会計から相当額出させる折衝をするつもりであります。
 そこで問題は、こっちへ来て参議院でも審議するわけですが、今度の高規格自動車専用道路は一万四千キロとしたのでありますが、道路公団へ任せたのは一万一千五百二十キロです。細かくしたものですから、ちょっといつの間にか事務局で減ってしまって今困っているんですけれども、一万一千五百二十キロを道路公団でやります。残った分は、これは一般会計でやります。それですから、この分ぐらいは、どんな時代が来ても年間百キロずつやるわけでありますが、何といおうと獲得する予定でおります。
 これは重ねて恐縮ですが、この問題については野党側もひとつ御協力願えれば大変ありがたい、幸せだと思うのであります。五十年もかかったのじゃとても話になりませんですから、これはどうしても三十年に詰めるためには何らかの特殊な手段を講じなきゃいけないと思いまして、一般会計からさらに相当額を投入するように努力いたすつもりでございます。
#15
○一井淳治君 もう一点、建設大臣にお尋ねしたいんです。
 これは五月二十二日のこの委員会でもお話がございましたが、東京の地価の問題、できれば土地の値段が下がるようなお考えを出していただきたいわけでございますけれども、その節は、JRの駅とかあるいは線路上の空中といいますか、これの再開発ということを十五年前にお考えになってやっておられるのだ、そして任期中にはぜひともおやりになりたいということをおっしゃっておられます。その後推進なさってくださっていると思いますけれども、どういうふうになっているのか、御説明をお願いしたいと思います。
#16
○国務大臣(天野光晴君) 本来なら国土庁長官の仕事なんですが、私が発言していますから私の方で一応お答えをいたしたいと思います。
 十五年前に主張したのは、非常に東京は土地がございませんで、そういう関係から土地をつくるといってもなかなか高くつきまして容易でございませんものですから、空中を利用しようじゃないかという考え方で、実は東京都内の国鉄全線を隆道に入れるという案を出したのでございます。隆道に入れるというのは地下に入れるのではなくて、今の国鉄にトンネルをかぶせるということなんでございますが、これにかぶせた上を道路に使う、そして各駅に連結できるところ、上り下り両方の端から駅舎につながれるように一つの駅に二本ずつ建つわけでありますが、高層ビルをつくれば相当土地対策がいくのじゃないかということで発表したんですが、当時いろいろ関係省庁で話し合いをしたのでございますが、最終的に、安全の確認ができないということになりました。
 それで、私も勉強不足だったものですから、工事中、電車を走らせてやる仕事ですから、そういう点で、きょうは二人けがしたの、きょうは三人死んだのと言われたのじゃ嫌だと思いまして、自分の選挙のプラスになるわけじゃないし、そんなものやってやる必要ないじゃないかと思って、実は正直な話、手を引いたのでありますが、それが大丈夫安全確認でできるようになりました。
 御案内だと思いますが、東京都内で一番北の駅で赤羽という駅がございますが、この駅は恐らく東京都内で一番幅の狭い駅でございます。そこへあのとおり新幹線と池袋に行く支線とをつくりました。線路から一メーター以内で工事をやって、あそこは三分間に一台だそうですが、通過する電車は一分のおくれもさせないで、一人のけが人も出さないで仕上げたというあの日本の国鉄の建設技術というのはすごいものでありますから、そういう意味で、今度はせめて、今土地が暴騰しておりますから、その対策として国鉄の空中権を使えば、JR時代だって相当の収入にもなることだし、いいのじゃないかというので東京駅を提案いたしました。
 私の今の考え方では東京駅周辺、あの郵便局がありますが、郵便局の線から八重洲通りまでの間をふたして、あそこは高さの制限がありますから、皇居の関係で二十五、六階建てたと思いますが、それを建てますと少なくとも霞ケ関ビルが十二本建つ、こういう考え方でこれをやれば一挙に地価は下がります。これは間違いないのでありますから、そういう点でやろうという計画で、あとは国土庁長官から御説明願ってもいいのでありますが、ようやく委員会をつくりましてこの審議に入りました。
 それで、きのう私総理と会いましてこの問題だけを話をしてきたんですが、中曽根内閣のうちに決める、要するに着工をきちっとやるということで、総理も大体あんた何もやってないんだからとにかくやれよという話をしたんですが、急いでやりますという言質をとってきましたので、これから三カ月間のうちにこれは格好をつけようと思っている、これが私の東京駅に対する考え方でございます。
 国土庁長官、何か御意見があれば述べていただければありがたい、幸せだと思います。
#17
○国務大臣(綿貫民輔君) 国土庁の元長官であり、現建設大臣の天野先生の大変雄大な構想でございまして、この構想を私どもも尊重してまいりたいと考えております。
#18
○一井淳治君 六十二年度の補正予算に係る公共事業費につきましては、不況地域や波及効果の多い事業に重点配分する、不況地域の活性化に資する事業とか不況業種関連事業に重点配分するというような方針が出ておりますけれども、具体的にそういう方向でどのような配分がされているのか、所期の方針が実現されているのかどうか、そのあたりについての御説明をお願いいたします。
#19
○政府委員(高橋進君) 先般成立いたしました補正予算は、政府の緊急経済対策に基づきまして、現下の厳しい経済情勢を踏まえて編成されたものでございまして、そういう意味で公共事業の経済効果が有効かつ早期に発現されることが必要であるというふうに考えております。
 今回の補正予算によって追加された公共事業の配分につきましては、NTT株売却収入の分がまだ未成立でございますのでその分は別といたしまして、それ以外につきましては補正予算成立後直ちに配分を行っております。それの配分の結果でございますが、不況地域活性化のための事業、具体的には特定地域中小企業対策臨時措置法による特定地域でございますとか、あるいは地域雇用開発等促進法によります緊急雇用安定地域、特定雇用開発促進地域といったいわゆる不況地域を中心といたしまして、そういったいわゆる不況地域活性化に対する費用といたしましては、当初の予算では二八%でございましたものを補正後は三一%というようにシェアを引き上げております。また、例えば橋梁でございますとかあるいはダムとかいったような不況業種関連事業につきましても、一応当初六〇%ぐらいでありましたものを補正後は七一%にそういったところに配分するというようなことで、そういった不況地域に対する波及効果の大きい事業に重点的に配慮したつもりでございます。
 先ほどちょっと大臣も申し上げましたように、今後できるだけ早くその執行をいたしたいと思います。その効果を早く出したいと思っておりますが、同時にNTT株の売却収入活用事業の関係の法律がまだ成立いたしておりませんものですから、その分がまだ配分できないでおります。私ども執行の責任を持つ役所といたしましては、できるだけ早期の成立をそういう観点からも期待しているものでございます。
#20
○国務大臣(天野光晴君) 今官房長から御説明申し上げたとおりでありますが、私たちの方で大体のことはわかっても具体的にはわかりませんものですから、労働大臣と通産大臣ともよく事務的にも連絡をとりましてお配りをしたつもりであります。まだなかなか思うようにはいっていないと思いますが、これからだんだんとふやしまして、不況地域を中心に、失業者の多く出そうな地域を中心に配るように努力をするつもりでございます。
#21
○一井淳治君 公共事業の追加によりまして、具体的に雇用誘発効果、地域経済の拡大効果というものがどの程度出ていくというふうに建設省としては想定なさっておるのか、その点についての御説明をお願いいたしたいと思います。
#22
○政府委員(田村嘉朗君) 公共投資の雇用誘発効果についてまず御質問でございますけれども、私どもの計算では一兆円投資いたしますと十六万四千人雇用誘発の効果が出るというふうに見ております。非常に現下の厳しい雇用情勢のもとでは、このような効果というのは大変大きなものがあるというふうに考えております。
 地域経済拡大効果でございますけれども、地方圏ほど公共投資依存度が高いわけでございますし、公共投資が地域経済を下支えしている面が非常に大きいわけでございます。先ほど官房長から答弁がありましたように、事業執行に当たりましては地域の経済情勢等勘案して行うということにしておりますので、地域経済拡大効果というものは相当期待できるというふうに考えております。
 さらに、不況地域等におきましては産業立地やリゾート開発等の地域の活性化に資するプロジェクトを支える社会資本の整備、これに積極的に取り組むことにしておりますので、これによりまして地域振興が図られ、地域の雇用開発や経済浮揚に非常に有効であるというふうに認識している次第でございます。
#23
○一井淳治君 地域経済への効果を高めるためには現実に地元へお金が落ちていかなければならないと思いますけれども、そのためには地元工事を地元業者に発注していただく、資材も地元で調達する、それから雇用についても地元を優先する、そういうことが非常に重要であると思いますけれども、建設省におかれましてはそのあたりのことについてどのような方針をお持ちなのか、どのようにして指導を実現しておゆきになるのか、そのあたりのことについて御説明を願いたいと思います。
#24
○政府委員(高橋進君) 今先生のおっしゃいましたような観点、また建設業全体を健全に育成していくというようなことから地元中小建設業者の受注機会の確保ということは従前からの大きな課題としてございまして、そういった方向のもとで具体的な施策を講じております。
 一つは、発注標準の遵守。御存じのように工事の契約予定金額をランク別にいたしまして、ランクに応じた業者の選定の遵守。それから、できれば分割発注。これはなかなか事業の効率的執行ということと絡んでの問題がございますけれども、できるものは分割発注を推進する。それから、共同請負制度の活用というようなことによりまして地元中小建設業者の受注機会の確保に努めておるところでございます。さらに、中小建設業者でありましても、地理的条件等十分勘案することによりまして、施工能力を有する地元業者を活用するということにしております。
 そういったことによりまして結果的にまた資材の地元調達とか雇用面でも地元とのつながりが出てくるものというふうに考えております。
#25
○一井淳治君 そのあたりについての御指導をさらに強めていただきたいと要望申し上げたいと思います。
 それから、地元業者への発注の割合でございますけれども、現状ではどの程度になっておるのか、そして建設省とすればどの程度の割合が望ましいというふうにお考えなのか、そのあたりのことについて御説明をお願いします。
#26
○政府委員(高橋進君) 地元というふうな数字ではとっておりませんが、中小建設業者、これはほとんど地元でございます。地元と同意義と考えてよろしいかと思います。そういった意味で建設省直轄工事におきます中小建設業者への発注割合というものは、昭和四十年代におきましては三〇%台でございましたが、昭和六十年度では四七・五%、昭和六十一年度では四七・八%、こういった数字になっております。さらに、昭和六十二年度、今年度におきましては目標を四八・六%というようなところに置きまして、これは通産省の中小企業庁などとも相談して決めている数字でございますが、そういったところを目標にいたしておるところでございます。
#27
○一井淳治君 建設工事は必ずと言っていいほど下請に出されて工事が行われますけれども、下請が第二次、第三次というふうに重複している例が非常に多いと思いますけれども、下請に出されるたびにマージンを取られて請負金額が圧縮されていくという傾向だと思います。安い金額で工事を強いられた場合に、仮に大手業者の下請が工事をやる場合には結局不況地域の中小業者が非常に圧縮された金額で工事をしなきゃならない。そうしますと、不況地域の業者は出血して工事をする。それで東京の大手業者がもうけるというふうなことも起こりかねないんじゃないか。今、そういうことはないというふうに言っておられますけれども、そのあたりの心配がございますので、下請に出された場合、工事金額はどの程度圧縮されているのか、実態調査をなさっておられたら、その状況についで御説明いただきたいですし、それがないようでしたら、今後調査をお願いしたいと思います。
#28
○政府委員(牧野徹君) 先生ただいまおっしゃいましたように、建設産業といいますのは、言ってみれば総合組み立て産業というふうな面がございます。ですから、工事の元請はみずからのノーハウも使いますし自分の職員も使うでしょうが、多くの場合には、非常に多くの職種にわたって専門の下請業者を使って工事全体を完成するわけでございます。でございますから、そういう産業特性からして、下請に出すということ自体、これは否定することはできない。問題は、下請に出すことはいいとしても、その際に元請が自分は例えば全く何もしないでマージンを取って丸投げしてというふうなこと、これはやっぱり許されるべきことではもちろんないというふうに考えております。
 ただ、その元請、下請間の請負代金の額というのは、これはもともと民民の話でございますし、私どもとしてその実態調査をするといったことは今まではございません。していないとするならば調査をすべきというか、したらどうかというふうな今お問いただしてございましたが、基本的には、ただいまもちょっと申し上げましたように相対ずくで、みずからの経済的な判断で代金を決めるという基本的な性格がございます。
 それからもう一つ、仮に一斉調査をしても、それぞれ千変万化、いろんな特殊な事情がございますから、例えば一律何割であったら極めて不当だとかいう断定もなかなか難しいので、そういう一斉調査をするというふうなことは今のところちょっと考えられないと思います。
 ただし、例えば特定の業者がもうたびたびその下請を泣かしておるぞというふうなことの事実がありますれば、それぞれ私どもなり県なり、各建設業の許可行政庁として調査なり指導はしてまいりたい、そのように考えております。
#29
○一井淳治君 私自身調査をしたことはございませんけれども、いろんな人の話すところによると、相当下請は苦しい立場で工事を強いられておるということを言われるわけでございます。そういうことは恐らく皆さん聞いておられると思いますので、その辺の解明が必要ではないか。やはりこの実情調査が必要ではないかと思いますので、もう一遍その点の御検討をお願いしたいというふうに思います。
 それから、公共事業が急激に各地で増加しておるようでございますけれども、そのための資材の値上がりが起きてはいないかという心配でございます。
 私は岡山県の出身でございますけれども、県の北部の方の苫田郡というところでございますけれども、そちらの方の建設業者に聞いてみますと、最近ヒノキの柱材が倍ぐらいに上がっている、それからベニヤ板が五〇%ぐらい上がっているということを言われております。これは地元の業者のただ単なる愚痴ではないかという気持ちでおったんですけれども、山陽新聞という地元の新聞がございまして、その新聞にもやはり同じように記事になっておりまして、五万円ぐらいだったものが九万八千円まで上がったということが記事になっております。
 余り急激なひどい値上がりが起こりますと、せっかく予算を組んで地域経済の活性化のために努力しておりましても、なかなかそういった努力が生かされないというところがありますので、建設関係の資材の値上がりの調査、もしこの値上がりが起こったならば適切な対策をお願いいたしたいと思いますけれども、このあたりについてお尋ねしたいと思います。
#30
○政府委員(牧野徹君) 資材につきましては、まず全般的に伸し上げれば、大変、企業の稼働状況等から見て供給力という点は基本的に大丈夫だと思っております。ただ、先生もお話しのとおり、大幅前倒しなりあるいは大型な補正が行われたわけでございますから、おそれが全くないかというと、必ずしもそうではないと思います。そこで、実際に資材の面についてそれぞれ業者を指導されておるのは通商産業省であったり農林水産省でございますから、私どもは補正予算が成立いたしました日にそれぞれ両省の担当部局、四局はどになりますが、そこに文書で今後の建設資材の安定的な供給についで業界を遺憾なく指導していただきたいというお願いもしております。
 ところで、今先生お話しの山陽新聞、私も実は取り寄せて拝見しました。確かに、ここで書いてあるところでは、「今月に入り柱用のヒノキ原木相場が前年同期の約二倍に急騰」と。ただ、この記事でもよく子細に読みますと、確かにその点ではそうですが、反面、県北森林組合では急騰反動による暴落の警戒感も出ているとか、あるいは相場の高値は柱用のヒノキ原木に限った傾向で、先行きは不安だというふうな声も出ておりますから、確かにそのことがあったことは事実でしょうが、そのこと一つですべてがそうだというふうにはとても断定はできないと思います。
 ただ、最近の値段の動きを見ておりますと、全体的には安定的と先ほど申し上げたとおりでございますが、例えば合板、棒鋼、H形鋼がやや値上がり傾向にありまして、七月、今月現在で合板は対前月比で一二・九%、棒鋼は同じく四・七、H形鋼は一・九と、こういうふうに上がっておるのは事実でございます。ただ、このような資材の値段というのは、もう先生御承知のように、基本的には需給の関係、あるいは木材等ですと輸入材が値上がりするということで不可避的な面もあるわけでございますが、いずれにしてもせっかくの公共投資あるいは大幅前倒しがむだにならないように、先生のおっしゃったとおりに思いますので、今後とも関係省庁あるいは関係業界と連絡を密にして万全の対応をしていきたい、かように考えております。
#31
○一井淳治君 内需振興ということで八〇%以上の前倒し執行が行われておるようでございます。補正予算で公共関係の予算が大幅に増加いたしますし、六十三年度もシーリングの見直しということで今後継続的に建設工事の量が急増していくのではないかというふうに思います。
 前国会で建設業法の一部改正の際にもこの委員会で審議されましたけれども、そういう中で不良業者の参入がふえてくるんでないかということも予想されなくもないわけでございます、最近の新聞記事を見ますと、東京都の水道局の関係の工事の受注ですが、暴力団住吉連合会の幹部の坂巻という男が相当多額の工事をとっているということも出ております。これは建設省の方の昨年十二月ですかの御指導があった後でございますので非常に心配なわけでございますけれども、そのあたりのことについて十分な対策ができておるのかどうかという点についてお尋ねいたします。
#32
○政府委員(牧野徹君) 暴力団等の不良業者が参入するということは、これはもう断固排除しなければいけないと思います。
 ただいま先生も御指摘いただきましたように、十二月九日付で、警察庁とも緊密な連絡をとった上で、建設業からの暴力団排除の徹底に関する通達を出しました。内容はそのときも御説明を申し上げましたので省略いたしますが、そのことに加えまして、これも前にも御答弁申し上げたかと思いますが、ことしの四月一日からは建設業の許可審査を大臣許可も知事さんの許可もすべて一体でOA化をいたしまして、コンピューターにインプットすることによりまして、例えば暴力団等の不良業者が他人の技術者の名前だけ借りて許可を得るというふうなことは直ちに排除できるような仕組みにもしたわけでございます。
 それからもう一つ、全国建設業協会中心でございますが、暴力団排除の決議を全県で行っております。それから、三十四の都道府県では連絡協議会等、暴力団排除のための組織ができております。さらに、そのうち十二の都府県におきましては公共工事について具体的に排除の要綱をつくるというふうなことで、鋭意いろいろやっておるわけでございます。今後もしっかりやりたいと思います。
 なお、坂巻組というのは、これは東京都知事の許可にかかわる業者の件でございます。これは若干同情すべき点もあるんですが、事前審査の段階で見過ごしたものですから、全く申しわけございませんが、許可だけは与えてしまったが、直ちに本人の方から辞退届が出て、現在はもう許可は取り消されておる。実害は、おかげさまで何もなかった。こういう状況でございます。
#33
○一井淳治君 きょうは警察庁の方もお見えだと思いますので、今御回答いただいた点とある程度重複するかもしれませんけれども、各県で建設業界の方々と警察当局とが呼応して暴力団排除の組織をたんたんと結成しつつあるというふうにお聞きしております。先ほど御説明がありましたように、各県で決議がなされておるというふうにお聞きしておりますけれども、さらにこの建設業界の内部の自主的な暴力団追放の動きを強めていくために、どのような御方針をお持ちなのか、どのようになさっていくのか、そのあたりのことについて警察庁の方にお尋ねいたします。
#34
○説明員(深山健男君) お答えいたします。
 警察といたしましては、暴力団の建設業への介入に対処するため、これまで建設業をめぐる暴力団犯罪につきまして取り締まりを徹底してきたところでありまして、昨年も全国で二百十七件、百八十九名の検挙をいたしております。今後とも建設業に絡む暴力団犯罪の取り締まりを徹底するとともに、関係省庁との必要な情報交換を積極的に行いまして、建設業界からの暴力団排除の施策を推進してまいりたい、そういうふうに考えております。
#35
○一井淳治君 これは岡山県のことでございますけれども、暴力団に対する警察の方の強力な取り締まりに加えまして、昭和五十五年に岡山県暴力追放県民会議というものが結成されまして、県民総ぐるみで暴力団の既成基盤の除去と孤立化を図って、暴力団の根絶に向けて努力しているところでございますけれども、暴力団は最近ますます広域化、寡占化しているように見られます。暴力の追放のためには、やはり一県だけでなくて全国的な連動が必要ではないかというふうに思うわけでございます。暴力といいましても、いろんな広い意味の暴力がございますけれども、そうなりますと人権擁護とかあるいはいろんな政治的立場からの反論というものも起こり得るかもしれませんけれども、事暴力団に関しましては根絶ということが国民挙げての熱意であるというふうに思いますし、現に全国の各地で市民運動と申しますか、自主的な暴力追放の動きもだんだんと広がりつつあるというふうな状況でございますが、この暴力団追放の全国的な運動の推進ということについて御検討いただきたいと思うのでございますけれども、いかがでございましょうか。
#36
○説明員(深山健男君) 警察といたしましては、暴力団の壊滅に向けましては警察独自による取り締まりということとあわせまして、関係機関、団体との連携のもとに、あらゆる地域、職域における暴力排除活動というものを展開していくことが大事であるというふうに考えておりまして、先生今御指摘の岡山におきます県民会議のような組織は、現在全国で十五の道府県において既に結成されているところでございます。警察庁といたしましても、今後とも地域暴排組織の結成あるいは暴排行事の開催などを通じまして市民の暴排意識の高揚を図り、国民的な暴排連動の展開が図られるよう努めてまいりたいというふうに考えております。
#37
○一井淳治君 先ほど御説明もあったんですけれども、暴力団を建設業から排除していくために許可制度、それから指名業者の指定などをめぐって最近県の担当者の方と警察の担当者の方の協議や情報交換が非常にうまく行われまして成果を上げておるというふうに私思っており、敬意を表しておりますが、第一線の警察の担当者のお話を聞きますと、暴力団が役員として入っておる、そのように形式的にはっきりしている場合は問題はないけれども、実質は暴力団が支配しているのだが、はっきりと外形的にあらわれない、証拠がないということで、不許可に持っていきたいのだけれども、その証拠が握れなくて非常に困っているというふうな状況が多々あるように聞いております。そこで、そういう場合の調査の方法とか裏づけのとり方とか判定のメルクマールとか、いろんな研究を中央の方でしていただきまして、第一線で苦労している警察官の方々の指導や援助をしていただかなくちゃならぬじゃないかというふうに思いますけれども、そのあたりのことについてもお聞かせいただきたいと思います。
#38
○説明員(深山健男君) 御指摘のようなケースがあることは私どものところにも報告があるわけでございますが、このような事態に対処するため、警察庁といたしましては検挙事例などを取りまとめまして紹介するなどによりまして第一線の警察を指導をいたしておるところでございます。
 さらに、警察といたしましては関係機関、団体等との情報交換を積極的に行うとともに、捜査活動その他、あらゆる警察活動を通じまして、暴力団の資金源の実態、とりわけ建設業界への介入の実態というものの解明に努めているところでございます。
#39
○一井淳治君 地域開発との関係でございますけれども、鉱業権の設定ということを最近暴力団が始めておる。道路をつけたりあるいはトンネルを掘ったりするような場合に、鉱業権を理由に、形式的には合法というような顔をしてゆすってくるというふうな危険性も起こっておるようでございますけれども、これに対する対策もお考えいただきたいと思います。いかがでございましょうか。
#40
○説明員(深山健男君) お尋ねの件は岡山県における件であろうというふうに思いますが、山口組系の暴力団組長が鉱業法に基づく鉱業権設定を申請いたしまして、現在関係官庁におきまして検討を重ねているという報告を受けているところでございます。警察といたしましても、暴力団の資金源を封殺するという観点から、関係官庁と必要な連絡調整を行っているところでございます。
#41
○一井淳治君 それから、公共工事に対する行政監察のことでございますけれども、五十八年十二月に監察が出されて、建設省からの報告も対応して出されているところでございますけれども、最近のように公共工事が急激に増加いたしてきますと、いわゆる疎漏工事が発生するおそれというものも少なくないと思います。そういうことで、予算を有効に使うためにも厳正的確な公共工事の実施に向けての指導の徹底ということが必要ではないかというふうに思うわけでございます。特に、工事に対する監督や検査を強化する必要があると思いますけれども、疎漏工事であったかどうかということは何年か先に馬脚を出すというのが実情でございまして、その段階になりますと、監督や検査に関する記録がない、もう文書保存期間が過ぎておりまして調査のしようがない、原因究明の手段方法がないというふうになってまいりますと非常に残念でございますので、文書の保存期間、検査結果の保存期間等につきましてももう少し御配慮をいただく必要があるのじゃないかと思います。
 また、疎漏工事が起こった場合、常識からいきましても、疎漏工事の結果はその疎漏工事をした業者が損害を負担すべきではないかと思いますけれども、いつもそうではなくて、公共団体あたりがそれを負担するというふうにもなりかねないわけでございます。そのあたりのことについて御説明をお願いしたいと思います。
#42
○説明員(布施洋一君) 昭和五十八年十二月に出されました「公共工事の検査・監督に関する行政監察」というものがございますが、建設省といたしましても、この勧告の内容は所管公共工事の施行を図る上におきまして極めて重要な問題だというふうに受けとめてきているところでございます。
 このため、この御趣旨を生かすべく、毎年度地方建設局あるいは都道府県あるいは関係公団等に対しまして所管事業の適正な執行について通達を行っておりまして、具体の工事監督業務の適正化でありますとか合理化あるいは工事検査業務の適正化といったようなものに努めているわけでございます。
 ただいま御指摘のございましたような疎漏な工事が起こるということは極めて問題なわけでございますので、そういう観点からいたしましても、監督、検査を厳正的確に実施するということは極めて重要でございますので、先ほどの通達のほか、地方建設局の担当者によります会議あるいは地方公共団体の技術管理主管課長会議等を通じましても、その趣旨の徹底に努めているわけでございます。
 それから、工事の記録と申しますか、監督、検査の記録の保存というお話がございました。工事記録等の保存、検査のデータといったものにつきましても、建設省といたしましてはそれぞれの地方建設局におきます請負工事監督・検査事務処理要領といったようなものあるいは土木工事標準仕様書といったようなものに基づきまして記録をいたしますとともに、それの保存につきましてもそれぞれの文書管理規程がございまして、その工事の重要性あるいは資料の重要性等に基づいて保存期間を決めて取り拒んでいるところでございます。
 また、府県におかれましても、建設省の規程等を参考にしてそれぞれ規程をお持ちになってお進めいただいているわけでございますけれども、ただいま御指摘がございましたような、将来のその構造物の安全性といいますか、資産の安全性にも関与いたしますので、ただいま御指摘のような趣旨も踏まえまして一層そういう記録の保存等に努めるよう検討いたしたいと思います。
#43
○一井淳治君 都心の地価高騰対策に関連してでございますが、前国会で廃案になりました超短期重課税制度の導入に関してでございますけれども、これについては現在どういう方向でお進みでございましょうか。国土庁の方にお尋ねいたします。
#44
○政府委員(片桐久雄君) 最近の東京を中心とする地価高踏対策の一つといたしまして、土地税制の見直しにつきまして前国会に提案いたした次第でございます。
 その税制改正の中身といたしましては、一つは土地転がし防止のための超短期重課制度の創設と、それからもう一つは土地供給促進のための土地譲渡益課税についての十年という長短区分を五年に短縮するというこの二つの提案でございました。残念ながら、前国会におきまして売上税関連ということでこの法案が廃案になってしまったわけでございますけれども、特に超短期重課制度につきましては、改正方針が報道されただけでも土地転がしの抑制に相当のアナウンスメントの効果があったというふうに私ども理解いたしております。
 そういうことで、土地税制の見直しのこの二つの内容につきましては、今度の臨時国会にもぜひ提案をいたしまして、この臨時国会でぜひ成立をさせていただきたいというふうに考えている次第でございます。
#45
○一井淳治君 それから、国土法十二条の適用のことでございます。これは前にもこの委員会で恐らく何度か審議がなされておるというふうに思いますが、私個人とすれば、国土法十二条の要件が整っておるのではないかというふうに考えるわけでございます。
 これは最近ありました国民生活に関する調査会での参考人の意見の中にもありましたけれども、国土法の適用と申しますか、地価対策というのはまさに政治の問題である、余り放置すると政治不信になるのじゃないかというふうな実は御指摘もあったわけでございまして、そろそろもうかなり強力な方策をお出しになるということも必要ではないかと思うわけでございます。そのあたりのことについての御説明をいただきたいと思います。
#46
○政府委員(片桐久雄君) 東京等における地価高騰の対策の一環といたしまして国土利用計画法十二条に基づきます規制区域を指定すべきである、こういう御意見があることは承知いたしております。国土庁といたしましても、一昨年来東京都の方といろいろ相談をいたしまして、規制区域の指定についても検討を続けてまいりました。
 実は国土利用計画法制定当時の規制区域の指定の考え方は、どちらかといえば、新規開発事業を予定地のようなところで地価の上昇が予想されるというようなところで規制区域を指定するということが予想されておったわけでございますけれども、今回のようないわゆる大都市の既成市街地における地価上昇という事態に対応すべく、法律制定当初の考え方も多少検討いたしまして、大都市における既成市街地においても規制区域を指定し得るような指導方針といいますか、そういう通達改正も昨年の四月に行ったところでございます。しかし、規制区域における許可制は極めて私権に対して厳しい制限を課するということがございまして、社会経済に与える影響が非常に大きいというふうに判断いたしておる次第でございます。したがいまして、その発動に当たりましては慎重にいろいろ検討する必要があるということでございます。
 東京都においてもとりあえずは前国会で成立いたしました監視区域制度、東京都の場合にはその前に条例でもってこの監視区域制度と同様の制度を実施しているわけでございますけれども、このような監視区域制度を積極的に活用してとりあえず対処いたしたいということで東京都としても考えているということでございまして、国土庁といたしましても、このような東京都の判断を現在のところ尊重しているところでございます。今後この監視区域制度の運用の実績を見ながら、必要に応じて規制区域の指定の運用についてもいろいろ関係公共団体と緊密に連絡調整を図りながら適切な指導を行ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#47
○一井淳治君 これはこの席では申し上げませんけれども、七月の十五日に国民生活に関する調査会が開かれまして、会議録の一号の三十四ページですけれども、かなり厳しい御批判もあるようでございますので、それなどを御参考になられまして、地価抑制に対して強い手段をお打ちいただきたいというふうに思います。
 次に、国土法の届け出等を免れる目的で簡易裁判所で行う即決和解を利用するケースがふえつつあるということが新聞などでちらほら出ておりますけれども、そのあたりの状況とか対策につきましてはどのようになっておるのでしょうか。
#48
○政府委員(片桐久雄君) 国土利用計画法の土地取引についての届け出制度、それから許可制度におきましては、司法機関の判断を尊重するという観点から、民事訴訟法に基づく和解などを届け出義務の適用除外というふうにいたしておるわけでございます。
 ところが、最近地価高騰の著しい地域でこの国土利用計画法の届け出義務を免れる目的で、訴訟提起前の和解といいますか、いわゆる即決和解を悪用するといいますか、そういう例が見られるわけでございます。このため、国土庁といたしましては、即決和解等を裁判所で処理する場合に必要な情報、例えばその即決和解の申請のあった事案の面積が届け出義務に係るものかどうかとか、それからその価格が著しく適正を欠くかどうかというような情報を各都道府県の国土利用計画法の担当部局から裁判所に対しまして提供するための体制を整えまして、この体制を活用していただきたいということを最高裁判所の方に申し入れているわけでございます。
 そこで、最高裁判所の方ではその国土庁からの申し入れの趣旨を下級裁判所の方に周知したというふうに聞いている次第でございます。今後このような国土法担当部局と下級裁判所の方の情報連絡を密にいたしまして、即決和解等の悪用の疑いのあるものについては厳正に対処してまいりたいというふうに考えております。
#49
○一井淳治君 次に、総合保養地域整備法に関連しながら国土庁の方に引き続いてお伺いいたしたいと思います。
 前の国会で成立しております総合保養地域整備法に関連いたしまして、第四条で基本方針を決めるということになっておりますが、だんだんとその基本方針を決めていく作業も進んでいるのじゃないかと思います。そういうふうな進行状況とか、あるいは各県知事が提出いたします基本構想の承認申請の提出時期がいつごろになるのであろうかというふうな将来の進行状況、スケジュール等について、まず御説明をお願いいたします。
#50
○政府委員(澤田秀男君) 総合保養地域整備法は六月九日に公布、施行されております。現在この法律の主務省庁の間で都道府県がつくる基本構想のガイドラインともいうべき基本方針の作成に向けて有識者やあるいは民間事業者等の意見を聞きながら検討を進めているところでございます。今後、主務省庁以外の関係省庁との協議を経て、九月をめどに作成して地方団体に示したいというふうに考えております。それで、これを受けて都道府県は基本構想を策定して主務大臣の承認を申請するということになるわけでございますが、各県はその多くが既に多かれ少なかれ検討に入っております。ただ、その内容については、具体性の程度、特に民間事業者による整備の可能性の程度等についてはまちまちでございまして、現段階で、その提出時期がいつごろになるであろうかということについて確たることを申し上げられる段階ではございませんが、年度内に申請を出してくる県もあるであろうという予想は持っておるわけでございます。
#51
○一井淳治君 この法律につきましてはこの委員会で審議をされまして附帯決議がなされておりますが、その第三項で「地域の設定及び整備に当たっては、地元の実情をふまえ弾力的に対処するよう努めるとともに、地元自治体の自主性を尊重すること。」ということが決議されております。
 ところで、基本方針の中を見ますと、特定地域や重点整備地区の面積についても定められていくのじゃないかというふうに思いますけれども、これを狭く決めてしまったり、あるいは厳格に守るべきものだというふうな決め方をされますと地域の実情に合わなくなることも起こるのではないだろうか。例えば二県が力を合わせて開発を進めようとするような場合には、現在言われております千五百平方キロではとても間に合わない、狭過ぎるのじゃないだろうか。相当広い面積の場合でも弾力的に対処していただけるようにしておいてもらわないといけないのではないか。そうしないと地域の実情に合わないで、活力ある発展が期待できないということも起こるのではないかということも考えられるところでございます。
 そこで、この二つの地域の面積については相当弾力的に対応できるように基本方針でもお決めいただかなくちゃならないんじゃないか、あるいはその基本構想の承認に当たっても御配慮をいただかねばならないんじゃないかというふうに思いますけれども、そのあたりのことはいかがでございましょうか。
#52
○政府委員(澤田秀男君) リゾートの整備を行おうとする地域の広さについては、法律上では「特定施設の総合的な整備を行うことができる相当規模の地域であること。」というふうにされております。この相当規模の広さについては、現在のところおおむね十五万ヘクタール、千五百平方キロ程度以下のものを考えております。リゾート地域内において広く国民が宿泊や休養はもとより、スポーツ、レクリエーション、教養文化活動その他、多様な活動を行うのに必要なリゾート関連施設が総合的かつ一体的に整備されるためにはその程度の広さが必要であるという考え方によっているわけでございますが、運用に当たっては各地域の自主性を尊重しながら、その特性を踏まえて、ある程度弾力的に考えてまいりたいというふうに思っております。
#53
○一井淳治君 それから基本方針の中では、これは例えでございますけれども、農地の処分に関する事項とか保安林の解除に関する事項というものが恐らく定められていくのではないかと思います。例えば農地について言いますと、現実には長い間休耕しておって耕作意欲をなくしてしまっておる、しかし建前上、代替地の提供をしないといけないというふうになってきたら、実際問題とすれば困るわけでございますし、また実施段階でよく問題になるのが里道等のつけかえでございますけれども、関係官庁の調整に非常に不当に長い時間を要したり、またこの里道のつけかえについて非常に厳格な条件をつけられるようになりますと活力ある効果的な開発も阻害されるというふうになるのじゃないかと思います。弾力的な運用、スピーディーな対応がなされるように留意していただかなきゃならないと思いますけれども、いかがでございましょうか。
#54
○政府委員(澤田秀男君) リゾート地域の整備を円滑に進めるために関係省庁の間で推進連絡会議を設置しておりまして、重要な事項についてはその場で十分な調整を図ってまいりたいと考えております。
 それで、地域における個別の処分については、今基本方針の検討過程でいろいろな民間事業者の方々から生の声をお聞きしておりますが、行政手続の弾力化、迅速化を求める要望が確かに強うございます。法律の十四条では農地法その他の法律による処分について整備の促進が図られるよう適切な配慮をすべきことが規定されておりますが、今後関係省庁においてもその趣旨に沿って対処していただくよう連絡態勢を密にしていきたいと思っております。
#55
○一井淳治君 基本構想に対する主務大臣の承認に関してお尋ねするわけでございますが、どの程度の成熟度を要するのか、最初の段階で何カ所ぐらい承認されるというふうなことが予想されておるのか、そのあたりのことについてお伺いいたします。
#56
○政府委員(澤田秀男君) リゾート地域の要件としては、法律上五つの事項が掲げられておりますが、その中で最も重要なのは、地域の整備が確実に民間事業者によって行われることが予測され、将来にわたって国民のニーズにこたえ得る地域であるということでございます。このため、当該地域において相当数の民間によるリゾート関連施設が現に整備されつつある、あるいは今後整備される見込みがあるということ、そういう点を最も重視したいというふうに考えております。基本構想の承認に際してはそういう要件該当性を十分審査して厳選していく考えでございます。
 なお、この要件該当性を判断する場合に、民間事業者により具体的な整備計画が存在することが必要であるというふうに考えておりまして、このため都道府県に対して、民間事業者が実施した立地調査、企業採算性調査、いわゆるフィージビリティースタディーといいますか、そういうものを踏まえて基礎調査を都道府県においても行うよう指導していく考えでございます。
 承認を行う箇所数が何カ所であるかということについては、今の時点で国の側であらかじめ何カ所というふうに想定しているわけではございません。各県、現段階でいろいろ具体的な検討に向けて準備を進めているところでございますが、最初の段階では各県の中で既に官民の取り組み体制を整備し、検討も相当程度具体的な段階に入っている県もあるようでございますから、数カ所程度承認の可能な地域が出てくることは予想されるのではないかというふうに考えております。
#57
○一井淳治君 リゾートをせっかくつくりましてもお客さんが来なくては仕方がないというので、この法案成立の段階の委員会でも時間短縮の問題について聞かしていただいたわけでございます。
 人事院の方にお尋ねさせてもらいたいんですが、新聞記事によりますと、ことしは八月六日に人事院勧告が出されるというふうな報道がなされております。週休二日制に関して質問いたしますが、国家公務員に対する四週六休制の本格実施については、これは衆議院の予算委員会で質問がなされておりますし、本格実施についての国民の合意も形成されているということが新聞記事などでも大体うかがわれますので、その点は質問いたしません。
 ここで質問いたしたい点が二点ございます。
 一つは四週六休本格実施、これが今度の人事院勧告では載るんじゃないかということがどの新聞にも書かれておるわけでございますけれども、四週六休は一つの過程にすぎないわけでございまして、その先がどうなっていくのか。新前川レポートでも指摘されておりますように、公務員の週休二日制の強力な推進ということが国策となっておるというふうに思いますけれども、四週六休本格実施の先ほどうなるだろうか。これは銀行の週休二日制とも非常に郵便局との関係で関連があると思いますので、その点、勧告内容である程度触れていただくのかあるいは含みを持たせていただくのか、そういった点が第一に御質問申し上げたい点でございます。
 それから、第二点は土曜閉庁の関係でございますけれども、閉庁しないと大変職場に緊張や無理が起こって公務の能率低下が起こるということが言われておりますが、労働条件の問題としても土曜閉庁問題について人事院勧告で触れていただきたいというふうに思うわけでございますけれども、そのあたりのことについて御説明をお願いしたいと思います。
#58
○説明員(山崎宏一郎君) 人事院といたしましては、四週六休制、今試行しておりますけれども、当面これをできるだけ早く本格実施に移すというのが最大の課題ですが、これが実現いたしますと、その次の大きな課題としまして四週八休制といいますか、完全週休二日制といいますか、そういうものが大きな課題と理解しております。具体的に目標を掲げまして、条件整備を早目早目に行っていくということが重要になってこようかと思います。今回の勧告あるいは報告におきまして、それらを頭に置きながら完全週休二日制に向けての将来展望あるいはその道筋といいますか、そういうものについて提言を申し上げたいと検討しているところでございます。
 それから、閉庁の方でございますけれども、御承知のように、現在実施しております四週六休制の試行はいわゆる開庁方式と言いまして、半舷スタイルといいますか、土曜日に半分ずつ職員が出てくるというやり方でやっております。したがいまして、四週六休の本格実施は当面現在試行しております開庁スタイルで入りたいと思っておりますけれども、御指摘のように、閉庁方式、基本的には窓口を土曜閉めるかどうかという御判断は政府において決定されるべきものと我々理解しておりますけれども、裏から見ますと勤務時間の基本にかかわる事項そのものでございます。あるいは週休二日制の将来展望といいますか、四週八休の将来展望をした場合に、閉庁はできるだけ早く実現していただいた方がその道筋も見えてくるという感じもしておりまして、閉庁問題につきましても今回の報告におきまして何らかの人事院の考え方をお示ししたいというふうに思っております。
#59
○一井淳治君 総務庁の方にお尋ねしたいんですが、国家公務員の週休二日制をスムーズに推進するために土曜閉庁が検討されているということを最近の新聞紙上でよく伺っておりますけれども、ごく一部の職場を除いて、土曜閉庁についての国民の合意も得られているのじゃないかというふうに私考えますけれども、八月に出される予定の人事院勧告の後、土曜閉庁について総務庁の方で早急に強力に推進していただけるというふうにお聞きしていいのかどうか、その辺についてお伺いいたします。
#60
○説明員(河野昭君) 土曜閉庁の問題でございますが、先生も御存じと思いますが、去る五月二十九日の緊急経済対策におきまして、政府において土曜閉庁方式を検討するという方針は既に決めております。その後、人事管理運営協議会という場がございますが、その中に閉庁問題専門部会というものを設けまして、現在その専門部会で検討を進めているわけでございます。
 具体的には、各省からお話を伺いまして、どういう部門で閉庁が可能であるのか、あるいは仮に閉庁するとした場合どういう問題があるかという、現在その洗い出し作業をしている段階でございます。今後は、もし閉めるとすればどの土曜日が適当であるとか、あるいは閉めるに当たって国民サービス、行政サービスを低下させないためにはどういう工夫があり得るのか、そういうことまで含めまして引き続き検討していきたいと考えておるところでございます。
#61
○一井淳治君 公務員の関係でもう一つ大きな問題は、小中の公立学校のことであるというふうに思います。
 文部省の方にお尋ねしたいんですけれども、週休二日制に関してこれまでの経過を見ますと、四週五休の本格実施が昭和五十六年から、そして四週六休制の試行がことしから実行できる状態になっておるようでございます。しかし、現実には夏休みなど長期休業中のまとめ取り方式を行うということになっております。そこで、現実に土曜日に休めない理由について文部省の側では学校のカリキュラムが土曜日も学習するように組まれているのだということを挙げておられるわけでございますけれども、質問が二点ございます。
 第一点は、カリキュラムの検討をしております教育課程審議会はこの問題についていつごろ答申を出されるのでしょうか、審議の今後の進みぐあいについての御説明をまず第一にお願いしたいわけでございます。
 それから第二に、八月に人事院勧告が予定されておりますが、その後週休二日制の問題については、最近の新聞報道の状況なんかを見ましても非常に動きに弾みがついて早まるのではないかというふうに思われますし、十二日の衆議院の予算委員会で塩川文部大臣も、方向としては週休二日制を積極的に進めるということを言明しておられることでございますし、また私は日本教育新聞の記事で拝見したんですが、島根県の方ではこれまでほとんど利用されていない特別休業日を用いて、そして実際の運用は学校にげたを預けるという形で四週六休の実現を図るなど、現実的な努力もなされておるようでございますが、これが現在の時代の流れでございますので、カリキュラムを守るという立場からまとめ取り方式以外絶対に許せないというのではなくて、児童の学習は尊重するという立場に立ちながらも多少は弾力的な運用を認める、土曜日に現実に休むという方向を少しずつでも開いていただかなければいけないのじゃないか、そういうふうに思いますけれども、そのあたりはいかがでございましょうか。
#62
○説明員(遠藤昭雄君) お答えいたします。
 学校五日制の問題につきましては、現在教育課程審議会におきまして、社会一般の週休二日制の普及あるいはその拡大に今後学校教育がどのように対応していくべきかという観点から検討されているところでございます。
 昨年十月に審議会の中間まとめが出されましたが、この五日制につきましては、これを導入することは親子の触れ合いあるいは地域におけるスポーツ、文化活動を助長する、そういった面では大変意義があるというふうに述べておりますが、一方で学力水準の低下あるいは塾通い、非行の増加に対する危惧がある。さらには、子供の生活上の配慮が不十分な状況では国民の理解を得るのが難しいという問題がある。その導入の可能性についで今後検討するというふうに述べております。また、仮に学校五日制を導入するとしました場合には、学力水準を低下させないよう留意するとともに、学校開放とか地域社会の受け入れ態勢の整備充実に努めるとともに、学校と家庭、地域社会の連携を深め、親の理解と協力を得るよう配慮する必要があるというふうに述べております。
 この審議会におきましては、今後こうした諸点に留意しながら、本年末をめどになお検討が継続されるというふうに考えております。
 それから、教員の四週六休制につきまして現在試行を行っているわけなんですが、今先生お話しいただきましたように、学校における教育課程が週六日というものを前提に編成されておりますので、児童生徒が登校する土曜日に教員を休みとするということが困難なわけでございます。国立学校の教員につきましていわゆるまとめ取り方式を三月三日通知を発しまして、本年四月からまとめ取り方式により実施されるというふうになっております。公立学校の教員につきましても同様な理由からまとめ取り方式により実施することというふうに指導したところでございます。現在、十都県において試行が実施されております。
 なお、お尋ねがございました日本教育新聞の例は島根県の例でございますが、私ども確認いたしましたが、本年六月二十八日に、教員の四週五休制の本格実施とあわせて四週六休制の試行をまとめ取り方式により実施するというふうに決定されたというふうに聞いておりますが、教育活動が実施されます土曜日に教員が休んでいるという事実はないというふうに承っております。
 また、御指摘ございました休業日の関係でございますが、このまとめ取り方式の対象となる日は、学校教育法施行令三十条というのがございまして、これに規定する学校の休業日、これには夏季、冬季あるいは農繁期の休業日といったようなものなどが入っているわけでございますが、この中には、学校管理規則に基づきまして校長が教育委員会の承認を得て定めることとされておりますいわゆる特別休業日というものも原則としてこの中に入るわけでございます。しかし、この特別休業日と申しますのは、児童生徒に対する教育的配慮、例えば学期末の試験とか、そういった学校運営上の必要性から設けられるものでございまして、教員が休むために、それを主目的に特別休業日を設けるということは適切ではないと考えております。
 実際、今回の島根県の例につきましても、伺いましたところ、そのために特別休業日の設定を行うということは行われていないというふうに承っております。
 以上でございます。
#63
○一井淳治君 立派な新聞がトップに報じておりますので、そこに報じられていることが全然事実に反するということはないのではなかろうかという感じもいたします。
 私、現実に調べに行ったわけではございませんけれども、余り文部省の方が厳重におやりになりますと実態と違う報告が出てくるということも全然ないとは言えないということも考えられますし、ある程度現場の方が時代の流れで先に動いておるということも考えられるわけでございまして、そういうことも考えながら弾力的な運用をお願いしたいというふうに思います。
 それから、あと大蔵省の方にお尋ねしたいんですが、これはもう御承知のとおり新前川レポートにも書いてありますが、公務員と同じように銀行の方の週休二日制、これが非常に影響力が広範に及ぶということで重視されておるわけでございます。今さら言うこともございませんけれども、これが非常に大事な現在の政策となっておりますが、銀行の週休二日制の推進についてはどのようになっているのか。一層進めていただきたいというふうに思うのですが、いかがでございましょうか。
#64
○説明員(中井省君) 金融機関の週休二日制の問題につきましては、昨年八月より、従来から月一同でございました第二土曜日に加えまして第三土曜日を休業日といたしまして、現在月二回で実行しているわけでございます。今後さらにこれを拡大することにつきましては、先生御指摘のとおり新前川リポートにおきましても、金融機関の週休二日制の積極的推進を図ることという御提言をいただいておりまして、大蔵省としてもその環境整備に努力していく必要があると考えております。
 ただし、その前提といたしまして、一口に金融機関と申しましても多種多様の業種がございまして、それぞれが個別の特有の事情を抱えております。このような多様な金融界のコンセンサスを得る必要がある。それから、これがより重要な点ではございますが、広く利用者たる国民や企業等の御理解も得なければならないということもございます。この二点を含めまして、我々といたしましても環境整備に鋭意努力していきたいと考えております。
#65
○一井淳治君 金融機関と同規模の民間企業におきましては大体銀行以上に週休二日制が前進しておりまして、銀行が立ちおくれているというふうな状況もあると思いますので、一層の御配慮をお願いしたいというふうに思います。
 続いて大蔵省の方にお尋ねいたします。
 質問が変わりますけれども、NTT株の売り払い収入による無利子の貸付制度でございますけれども、今回の補正予算では建設省関係分が二千八百十億円掲げられておりますが、六十三年度では公共事業向けに一兆二千億円ほどが確保されているということが新聞紙上ではほぼ確定されておるようでございますけれども、この無利子融資制度というのは今後相当長期間継続しないと内需振興の立場からも意味がないというふうに思いますけれども、今後何年間ぐらい、金額的にはどれぐらいの額が見込まれておるのか、御説明をお願いいたします。
#66
○説明員(斎藤徹郎君) 六十二年度以降NTT株式売り払い収入を無利子貸付制度に運用していくという点でございますけれども、六十三年度の概算要求基準につきましては現在政府部内で鋭意検討している段階でございまして、具体的に申し上げるわけにはいかないわけでございますけれども、いずれにいたしましても投資部門におきましては引き続き内需拡大の要請にこたえていく必要があるというふうに考えられますので、その際このNTT株式売り払い収入の活用といったことを基本に考えてまいる所存でございます。
 それから、具体的に六十二年度以降、NTTの株式が今回御提案申し上げておりますような仕組みでどの程度活用されるかという点でございますけれども、このNTT株式売り払い収入の活国策というのは、まず第一に、基本的に国債の償還財源に支障が生じないという範囲内で活用する方策でございます。それからまた、今後の株式がどの程度売却されるか、その意味で今後の株式市場の動向にも左右されてくるわけでございます。
 それから、基本的には当然のことでございますけれども、今後の経済、財政事情によってどれだけ活用するかを決めていく問題でございますので、現段階で将来どの程度活用できるかという点について具体的な見通しを立てることは困難な事情にございます。
#67
○一井淳治君 日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法案というのが今度提案されるようでございますけれども、この法律、あと一つの法律にも「当分の間」という言葉が使われておりますけれども、「当分の間」というのはやっぱり期間だと思いますけれども、大体どれくらいの期間を考えておられるんでしょうか。ある程度はこの具体的な御説明をお願いしたいのです。
#68
○説明員(斎藤徹郎君) NTTの株式の売り払い収入の活国策でございまして、基本的にNTTの株式の売り払いが完了いたしますと、現在御提案申し上げているスキームに乗った活用ができないことになるわけでございます。そういった意味合いを込めまして、法律上は「当分の間」ということで規定しているわけでございます。
 具体的に申し上げますと、現在六十一年度、六十二年度百九十五万株ずつの売り払いを予定しておりますけれども、今後とも同様のペースで売却が進むといたしますとおおむね六十四、五年ぐらいまでNTTの株式の売り払いが進むことになるかと思います。
#69
○一井淳治君 この無利子貸付制度ですが、これまでのシーリングの枠外になるというふうにお聞きしてよろしいでしょうか。
#70
○説明員(斎藤徹郎君) 来年度の概算要求基準につきましては、先ほども申し上げましたように政府部内で検討中でございまして、具体的に申し上げることが困難な事情にあるわけでございますけれども、いずれにいたしましてもこのNTTの株式の売り払い収入というのは一時的な財源、そういった一時的な財源を当面の経済情勢にかんがみまして内需の振興策に活用していこうという特殊な性格を持った財源でございますので、仮に六十三年度以降こういった貴重な財源を活用していくということが可能であれば、その際の概算要求基準に当たってもそういった財源の特殊な事情というものが考慮されて概算要求基準を決めていくということになろうかと思います。
#71
○一井淳治君 この無利子貸し付けを受けた場合の償還についてお尋ねしたいわけでございますが、Aタイプ、Bタイプとございますけれども、Bタイプにつきましては、言葉は悪いかもしれませんが、補助金による相殺をするということになるというふうに聞いておりますけれども、この補助金の出どころが公共事業関係費から出されるということになれば、結局公共事業費の先食いになってしまうということになって、NTT売却資金の貸し付けをシーリング枠の別枠とした意味がなくなってくるのじゃないかということが感じられるわけでございますけれども、そのあたりはどうなんでしょうか。
#72
○説明員(斎藤徹郎君) 御指摘のありましたいわゆるBタイプの貸付金の事業でございますけれども、これはもう先生御案内のとおり、一定の公共事業をやる場合に補助金の交付を繰り延べまして、同時に国債整理基金の方に生じております余裕金をつなぎ資金として貸し付けるという仕組みでございます。このことによりまして補助金の繰り延べ、裏から言いますと事業の前倒しが図れるわけでございまして、そのことによりまして当面必要とされる社会資本の整備の促進を図り、内需の振興、地域の活性化といった課題にこたえていこうというものでございます。建設公債を増発することを極力抑制しながら当面の経済課題にこたえていこうという工夫でございます。
 将来具体的にその補助金がどういった形で交付されるかという問題でございますけれども、それはもうそのときどきの経済、財政事情を踏まえた上で具体的に判断される事柄であろうかと思います。
#73
○一井淳治君 建設省の方にお尋ねをしたいわけでございますが、重化学産業、人手を使うわけで社員住宅を抱えておりますけれども、こういったものが最近の不況の中であきまして、空き家が非常に多く目立っているというふうな状況になっておりますけれども、不況で人員整理をして空き家となっている企業の社宅の利用、例えばこれを借り上げて公営住宅として利用して、不況の企業にとっても家賃収入が入るし地域の住宅の有効活用にもなるという観点から何らかの措置ができないかというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。
#74
○政府委員(片山正夫君) 不況地域におきます社宅の空き家状況に関します適切な統計というのは現在ない状況でありますので、これを具体的に御説明するわけにはまいらないわけでありますが、ちなみに不況地域の都市地域におきます空き家の状況を五十八年の住宅統計調査によって見ますると、一般的な傾向としましては、特段不況地域であるがゆえに空き家率が高いという状況にはなってはございません。しかし、特定の市につきまして見ますると、例えば新居浜市におきましては、県全体の空き家率が九・四でありますけれども、新居浜市は一四%と高い状況にある。あるいは釜石市につきましても、岩手県全体では七・一でありますけれども、これが一〇・九%と高い状況にあるというようなことで、御指摘のような状況が背景にあるものと考えております。
 これの利用でありますけれども、これを公営住宅として扱う場合につきましては、公営住宅法上、地方公共団体が国の補助を受けて建設するものとありますので、この既存住宅を直接借り上げあるいはまた買い上げて公営住宅として利用することはできないことになっております。しかしまた、これを土地利用という観点から見ましたときは、不況地域におきまして現実に空き家になっておりましてその利用が図られていないというものにつきましては住宅の立地の面で支障があることもありますので、これを公営住宅として使うということにつきましては、これが適切かどうか問題があると考えておりますが、場合によりまして可能性があるような土地につきましては、その具体的な利用については研究してまいりたいと考えております。
#75
○一井淳治君 それから、ことしからしばらくの間は公共事業費が大幅に地域の方へ投入されていくわけでございますけれども、地域の雇用状況でございます。
 建設業に、現在東京あたりでは特殊の技能を持っている人たちの不足が起こっているようでございますけれども、各地域の方まで建設業の人手不足が起こってくることが予想されるのかどうかという点でございます。もし、それが予想されるのであれば、地域の方では非常に不況産業で人手が余っておりますので、そういった人たちを職業訓練等を施して建設業に吸収していくということも考えねばならないと思いますけれども、果たして建設業一般に人手不足が発生するのかどうか。そういうことであれば職業訓練の必要も起こると思いますけれども、そのあたりについての御所見を伺いたいと思います。
#76
○政府委員(牧野徹君) 建設業労働者のマクロの話ですと、絶対的にこれが不足するということはまずないと思います。
 ただし、先生のお話のとおりに、例えば秋にビル需要の大きい東京中心の関東圏で型枠工が不足ぎみであるというようなことがございますから、これは実は毎年そういうふうにピークがございまして、例えば災害復旧等もございますが、秋にどこかで工事がどっと集中すると一部の技能工が不足するという実情はございます。
 ただ、おっしゃるようなマクロで言えば、やはり日本の今の就業状況なり何なりで絶対的に不足することはないと思います。ただ、いわゆるミスマッチといいますか、不況の地域で出られた方が直ちに技能工的にそこで行われる公共事業で手腕を発揮することができるかといいますと、それは単純な労働でございますればもちろんできるわけでございますが、やはりそこにおいては私どもも、先生が御指摘のような職種転換をやるための職業訓練、こういうものが必要だと思っております。
 そこで、先ほど大臣が公共事業の配分について労働省とも話し合っておるという御説明ございましたが、その際に、私どもの方からもただいま申し上げたような事態も全然想定されないというわけではないわけでございますから、ぜひそういう意味で労働省の方においても職業訓練等を適切に行っていただきたいという申し入れも既にしてございます。
#77
○委員長(村沢牧君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三分開会
#78
○委員長(村沢牧君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、建設事業及び建設諸計画等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#79
○福田宏一君 私は水がれ対策について質問をさせていただきたいと思います。
 今夏発生した東京都を初め近県各地の異常渇水と給水規制について、水源地の現実を知って、これは大変だ、恒久的な水対策の必要が急がれるということを深く痛感いたしました。ことしは空梅雨で水なしの日が続き、私の郷里群馬県に例をとってみましても、去る十日前には三九・三度という超熱暑となりまして、農家では鶏が十万羽もへい死するという事態まで起こりました。その後、雷雨があって幾分気温の方は救われましたけれども、東京などへ送る利根川の水が日を追って少なくなり、テレビでもたびたび群馬のダム貯水量が激減していくということを放送しておりました。大変心を痛めた次第でございます。
 私は、水源地の状況を自分の目で確認するために、それぞれのダムを見て回りました。初夏のころは満々と水をたたえた、若葉に映える美しい湖面でありましたけれども、私が見回りに行った当時は満水時の三分の一を切ってしまうという水量となってしまい、無残にも岩肌が露出するありさまでありました。まことに肌寒い思いがしたのであります。このまま梅雨明けになって雨なしの日が続くということになると大変なことになってしまうと深く感じ取った次第です。しかし、ことしは異例の梅雨明けが二度も宣言されました。一度目の後、局地的にも雨や雷雨があって、一昨日の県からの報告によりますと、標準水位が四四・五%に回復したとのことでありましたが、しかし今後干天が続けば給水規制は今まで以上に強化されることと思います。
 今群馬県には矢木沢ダム、相俣ダム、藤原ダム、草木ダム、下久保ダム、薗原ダムの六つのダムがあって、東京など近県への水需要に大きく貢献をいたしております。この貯水量が底をつくような状況が続きますと、利根川流域は未曾有の渇水による深刻な水不足になってしまいます。
 そこで、建設省が着目したのは八ツ場ダムの建設でありました。昭和二十七年調査に着手され、昭和四十三年調査事務所が設置された八ツ場ダム計画が目下進行いたしておりますが、水没戸数三百五十数戸という大きな犠牲もあるので、このダムは大型のダムとしては北関東最後の水源確保の拠点になるのではないかと思われるくらい大きなものでございます。自来三十有余年の間、地元長野原町は反対、賛成で町じゅうが揺れ動き、これを説得する町当局、建設省、群馬県の努力は並み大抵ではなかったかと思われます。
 顧みますと、私が代議士秘書に就任した年がちょうど昭和二十七年でありました。年々繰り返されてきたダム闘争の歴史は深く脳裏に刻み込まれております用地元では依然として強い反対が続いておりまするけれども、群馬県知事がダム問題の判断食科として生活再建案を策定し、これを通じて問題の解決に努めた結果、昭和六十年十一月に群馬県知事と長野原町との間で、八ツ場ダムに係る生活再建案に関する覚書が締結され、昭和六十一年七月には特定多目的ダム法に基づく基本計画が告示されました。ようやく県議会で基本計画案が可決され、その回答書が建設大臣に提出される段階になりました。つきましては、首都圏最後の大型水がめと言われる八ツ場ダムは東京都を初め四県に農業用水や都市用水供給源として何としても必要欠くべからざる事業だと深く思っております。一日も早い円満な工事の開始、進行を願ってやまない次第であります。
 ついては、次に幾つかの点について質問をさせていただきます。
 まず、関東地方における渇水状況の推移とこれまで講じてきた対策について、建設省に御説明をお願いしたいのであります。
#80
○政府委員(陣内孝雄君) お答え申し上げます。
 ことしは一月から少雨状況が続きまして、五月五日に最大の貯水量二億八千二百九十四万トンになりまして以来、おおむね減少の一途をたどりまして、七月三日には六ダムの貯水量が四千五百三十九万立方メートルとなったのでございます。その後まとまった雨があったために貯水量は増加し、七月二十九日、昨日の四時現在では一億二千三百二十六万トンとなっております。なお、今年の一月から六月までの六カ月間の利根川上流域の降水量は三百十一ミリで、これは昭和二十六年以降最小の値でございました。
 このような状況のために、六月十六日から利根川本川、江戸川について一〇%の取水制限を実施いたしました。しかし、本格的な水需要期を控え、そのまま一〇%の取水制限を継続した場合には七月の初めにはダム貯水量が底をつく可能性も出てきたために、六月二十二日から利根川本川、江戸川、渡良瀬川等支川について二〇%の取水制限に移行いたしたのでございます。その後もさしたる降雨がなかったために貯水量は先ほど申し上げましたように減少の一途をたどりましたので、七月二日からは三〇%の取水制限に強化して今日に至っておるところでございます。幸い、七月三日以降の雨によりましてダムの貯水量は幾分回復し、夏季制限容量の二分の一に達し、また気象庁の長期予報でも八月は平年並みの降雨であるというようなことでございますので、きょうから取水制限を緩和して従来三〇%だったものを二〇%にいたすことにしております。
 以上が経過でございますが、その間万一に備えまして、東京電力株式会社に対しまして矢木沢ダムからの発電容量の使用について要請をし、また回答をいただいた経緯もございます。
 いずれにしましても、渇水に対する抜本的な対策としては、現在実施中のダム等水資源開発施設を積極的に整備して、早期にその完成を図ることが必要でございます。また、利根川では異常渇水に備えて水を常時備蓄しておくいわゆる渇水対策ダムについても着手したところでございますので、これについても今後前向きに取り組んでまいりたいと考えております。
#81
○福田宏一君 現在関東地方でも建設中のダムが多数あると存じますが、その重立ったものの完成予定また予定時期、これによる貯水能力の見通しなどをお示しいただきたいと思います。
#82
○政府委員(陣内孝雄君) 現在渇水が発生しております利根川と荒川水系につきましては、利根川水系では二十一事業、荒川水系で四事業、合計二十五事業を実施しているところでございます。このうち渡良瀬遊水池の総合開発事業につきましては事業がおおむね完成しておりまして、現在試験湛水を実施中であります。また、奈良俣ダムにつきましては現在鋭意本体工事中でありまして、今年度内にダム本体の盛り立てを概成させる予定でございます。このような本体工事中のダムは合わせて七ダムございまして、これらが完成いたしますと、現在利根川及び荒川水系で確保されております利水容量の約五億トンがほほ倍増されるという形になるわけでございます。
 なお、その他の施設につきましても鋭意事業を進めておりますが、すべての施設が完成いたしますれば、利根川及び荒川水系の利水容量は現在の約三倍になります。
 これらダム事業は、水資源対策上はもとより、治水対策としても極めて重要でございますので、今後とも鋭意進捗に努めてまいる所存でございます。
#83
○福田宏一君 さて、私たちの群馬では八ツ場ダムが三十年来の県政の大きな課題となっており、地元にとっては最も大きな地域開発上の問題であるとともに、関東地方全域に広く利害の及ぶ問題でありますので、ここで幾つかの論点を挙げて教えを願いたいと思います。
 まず、八ツ場ダムをめぐる最近の重立った動き、建設をめぐる地元情勢といったものを入手しておりましたらば、簡単に御説明をいただきたいと思います。
#84
○政府委員(陣内孝雄君) 先ほど先生の方からもお話がございましたけれども、八ツ場ダム建設事業につきましては、昭和六十年の十一月に群馬県知事と長野原町長との間で生活再建に係る覚書が締結され、基本的な合意がなされたところでございます。これを受けまして、建設省としましては関係行政機関との協議あるいは関係都県知事の意見聴取等を行いまして、昭和六十一年の七月十日に、特定多目的ダム法に基づく八ツ場ダムの建設に関する基本計画を作成いたしたところでございます。現在、本格的な現地調査を実施するために必要な現地調査に関する協定を締結すべく、地元の方々と話し合いを鋭意進めている段階でございます。
#85
○福田宏一君 地元が建設に向けて動き出すためにはどうしても生活再建対策の充実または受益都県の応分の負担制度の確立という課題が解決されておらなければならないと思いますが、こうした観点から見て、八ツ場ダム問題はどのように位置づけられておるのでございましょうか、お願いします。
#86
○政府委員(陣内孝雄君) 八ツ場ダムにつきましては水没世帯が三百世帯を超える、さらに温泉地も水没するというような事情もございまして、水没地区住民のためのきめ細かい生活再建が特に必要な地域のダムだというふうに認識しておるところでございます。そのために下流受益都県の費用負担も含めた生活再建対策の充実につきましては、公共補償基準の地域の実情に即した運用、水源地域対策特別措置法の的確な運用、さらには水源地域対策基金の活用等を総合的に図りましてこれに対処してまいりたいと考えておるところでございます。
#87
○福田宏一君 かつて八ツ場ダムの建設のために制定されたと言われる水源地域対策特別措置法の運用は現在どうなっておるのでありましょうか。また、本法は八ツ場ダム建設のために貢献できるものであろうか、建設省のお考えを伺いたく思います。
#88
○政府委員(陣内孝雄君) 現在、これにつきましては水源地域対策特別措置法に基づく地域整備計画を策定中でございまして、その成り行きを建設省としては見守っておるところでございます。
#89
○政府委員(大河原満君) 御答弁申し上げます。
 水源地域対策特別措置法の運用状況でございますが、これの運用につきましては、四十八年十月に本法が制定されまして以来、六十二年の三月末までに六十四ダムと一湖沼水位調節施設が指定ダムとして指定されております。これらのうち、五十一ダム等につきましては水源地域の指定と水源地域整備計画の決定を行いまして地域整備を推進しているところでございます。また、八ダムにつきましては既に整備事業が完了している、こういった状況になってございます。
 八ツ場ダムにつきましては、本法制定以来、懸案となっているわけでございますが、水源地域関係者の理解と協力を得まして、昭和六十一年三月に本法に基づきますダム指定を行ったわけでございますが、現在水源地域整備計画につきまして群馬県等と協議を進めておりまして、その作業を促進しているところでございます。
 以上でございます。
#90
○福田宏一君 地元の住民にとって代替地の確保対策は生活再建対策の根幹をなすものであります。この問題は現在どのように進行していましょうか、お伺いをさせていただきます。
#91
○政府委員(陣内孝雄君) 代替地の計画のためには、これは地形、地質等の現地状況の把握が不可欠でございます。現在水没地区五地区につきまして、先ほど申し上げましたように、現地調査をさせてもらうための努力を続けておるところでございまして、この調査ができますれば、その結果を踏まえまして、地元住民の方々の意見等も十分踏まえながら代替地計画をつくってまいりたいと、かように考えているところでございます。
#92
○福田宏一君 ただいまは八ツ場ダムに関する地元問題でございまするけれども、最後に建設大臣に、今後の水資源対策に向けての基本方針というものをお伺いさせていただいて、このダム問題を終わりたいと思います。
#93
○国務大臣(天野光晴君) 今我が国の国民にとりまして生活になくてはならないものは、まず第一に水、次に電気だと、私どもそう思っておるんです。その水について日本でどうしても完全な始末をしなきゃならない水系が三本あります。一本は利根川水系、一本は琵琶湖水系、一本は筑後川水系であります。この地域以外はたとえどのような水飢饉があろうとも相当こたえられる力を持っておりますが、この三水系だけは、一体五年目に来るのか、十年目に来るのか、二十年目に来るのか、三十年目に一回来るのかわかりませんが、その河川流域の住民の生命を脅かすような水飢饉があると私は想定しておるのであります。
 そういう関係で、この水資源対策というものにつきましては随分長い間努力をいたしておるのでありますが、災害が来れば堤防を直すというようなこと、水飢饉が来れば水の大切さがわかるというような状態なものですから、なかなか予算を獲得するのに非常に苦労をしている、建設省の中で一番予算獲得のおくれているのがこの河川関係でございます。
 御承知だろうと思いますが、道路には特定財源を二つもつくったものですから、実は河川にも水資源対策をやっぱりやらないと、最近の山事情が非常に悪くなったものですから、そういう観点で特別な金が欲しいと思いまして、一昨年、昨年と二年続けて、水資源の特別会計をつくろうと思って努力したんですが、これはあえなく敗戦となりまして、これは現在もだめであります。
 しかし、今八ツ場ダムの話をされておりますが、このダムは現地である群馬県のその居住者にとりましてはとんでもない御迷惑なことでございます。先祖代々何百年と住みなれた地域を離れて他に移住をするわけでありますから、そして自分が使うのではなくて、川下の者が使うわけですから、もう少し河川の下の方は理解があっていいのじゃないかと思うんです。
 植木先生もおるから琵琶湖の話をちょっとしますが、琵琶湖だってあれは滋賀県の財産であります。あの琵琶湖で飯を食っている者は相当滋賀県にはおるわけです。あのダムに水がなくなったら特に観光なんというのはだめでありますね。それを何メーター、何メーターも水も下へ下げますから、琵琶湖に水があるうちはいいというように京都、大阪、神戸の人たちは思っているんだろうと私はいつも思うんですが、その観光資源で生活している相当の数がいる滋賀県のためにあのダムにいつも水を蓄えておくためには、その上にダムの予定を数多くしなきゃ、それは京阪神のためにならないわけでありますが、これも水がなくなったときは京都、大阪、神戸は大変本気になりますけれども、水があるようになりますところっと忘れちゃって、やらないというような状態であります。
 そういう点で、昨年からの補正予算等の関係を含めまして、急にことしは五兆円も公共事業を取ったものですから、そういう意味で金の使いをちょっと緩やかにして、その方に多目に使うように今努力をしているのでありますが、いざとなるとなかなか容易ではありません。
 この八ツ場ダムだって、これは二十年は完全にかかるでしょう。今水が足りないという準備には、二十年かかってはどうにもならないと私は思うんです。私の地元にも大きなダムが一つあるんです。一億六千万トンためるダムでありますが、これもようやく三十年かかって着工の運びになってきました。とてもじゃないが、その地域の何百戸という大勢の方々の移住をしてもらうためにもとんでもない御迷惑をかけるわけでありますから、その下流の方々は災害が出ると困ると大騒ぎしますが、そうではなくて、もう少し水のとうとさを知っていただきたいと考えております。
 何らかの措置と思いまして、私今の立場についてちょうど一年たったのでありますが、なかなかそこらあたりが非常に難しくて思うような対策ができないのでありますが、一つのダムをつくるのにも三十年もかかるという今日の状況から踏まえてみて、相当大急ぎでやらないとその地域がお手上げになるような格好になるのじゃないかと思います。そういう観点から、私は一応ダム建設、水資源開発というものについて重点的にひとつやっていきたいと思っております。
 この点はいつも申し上げることなんですが、この委員会はいいことにはイデオロギーなしの委員会ですからこういう好き勝手なことを申し上げるんですけれども、そういう点でひとつ各派の協力を願って、ダム建設のために御協力をひとつお願いを申し上げておきたいと思います。私は、この立場にあるとなかろうと、一生懸命ともかくも体を張っても努力いたしますから、ひとつ御極力を願えればありがたいと思います。
#94
○福田宏一君 ただいま、大臣の温かい、力強い華言葉、本当にありがとうございました。
 引き続きまして、水源林の保全と造成についてお願いをいたします。
 水不足の傾向が顕在化しておる今日、特に東京都の深刻な水不足に見舞われる今、水規制が続いている現状でありますが、渇水対策の推進には、根本的には今後とも水資源開発施設やあるいは渇水対策のダムの建設等が推進をせられなければなりませんけれども、同時に森林の持つ保水機能に着目をした場合には、水資源の確保上重要なダムの上流の水源地域に存在する森林の役割、まことに大きいものがあると思います。
 そこで、現在まで林野庁が取り組んできた水源涵養林の涵養機能の回復向上を図るため、諸施策の整備状況を克明に説明をしていただきたいと思うのであります。また、新たに実施される水源地域緊急整備事業についても、事業の規模、箇所づけ等を説明願い、あわせて森林開発公団が実施している水源林造成の現況と今後の計画について御説明をいただきたいと存じます。
 森林の荒廃は国土の荒廃とも言われます。今後とも保安林の整備、治山事業の拡充、緑化の推進等、積極的に取り組んでいただきたいことを重ねて要望いたします。
#95
○説明員(岡本敬三君) 森林が水資源の安定確保に果たしております役割は非常に大きいということで、その整備を図ることは極めて重要であるという認識で林野庁としましては施策を進めておるところでございます。水源涵養上重要な森林につきましてはこれを保安林に指定をいたしまして、その保安林の整備に必要な適切な措置を確保するようにいたしております。
 さらに、それに加えまして計画的な治山事業あるいは造林事業、さらには森林開発公団が行います水源林造成事業等の積極的な実施に努めているところでございます。特に森林の保水力を強化するため、治山事業といたしまして水土保全機能強化総合モデル事業というものを昭和五十八年度以降実施してきたところでございます。今年度からはその成果を踏まえまして、荒廃地の復旧整備とあわせまして、特に保水機能の高い複層林の造成等を総合的に行います水源地域緊急整備事業を実施をいたしまして、水源涵養機能の充実強化を図ることといたしております。
 今後とも森林計画制度あるいは保安林の制度の適切な運用によりますとともに、治山事業の実施など、各般にわたります施策を通じまして活力ある森林を造成いたしまして、森林の水源涵養機能の高度発揮に努めてまいりたいと考えております。
 さらに、水源地域緊急整備事業の内容でございますけれども、この事業は今年度から発足をいたした事業でございまして、水資源確保上重要なダムの上流の水源地域の荒廃をいたしました森林に対しまして、これを緊急に整備しようというものでございます。具体的には山腹工、谷とめ工などの治山施設の整備を図りますとともに、保水力の高い複層林の造成などを効果的に実施するものでございまして、昭和六十二年度におきましては事業費百四十五億円をもちまして、全国で百八十七の地域において実施することといたしておるところでございます。
 次に、森林開発公団が行います水源林造成事業についてでございますけれども、この事業は森林開発公団が分収造林契約の当事者となりまして保安林等におきます計画的な森林造成を行うものでございます。昭和三十六年に事業開始をいたしてきておりますけれども、六十一年末までに既に四十三道府県におきまして三十三万八千ヘクタールの森林造成を実施してきているところでございます。昭和六十二年度につきましては当初予算で五千百ヘクタールの実施を予定しておりますし、さらに今回の補正予算におきまして二千二百ヘクタールを追加をいたしまして実施することといたしております。
 最近の水需給の動向にかんがみまして、水源地帯の一層の整備を図ってまいる所存でございます。
#96
○福田宏一君 次に、道路関係問題についてのお尋ねをいたしたいと思います。
 一つは、四全総で位置づけられた高規格幹線道路一万四千キロの必要性と選定の条件並びにその整備方針についてのお伺いをしたいと思います。
#97
○政府委員(鈴木道雄君) 建設省におきましては、二十一世紀に向けまして四全総が目指す多極分散型の国土構造の形成を目指しながら、また最近増大いたします道路交通を高速性あるいは定時性といったニーズにこたえていくために一万四千キロに上る高規格幹線道路網計画を作成したところでございます。これらの路線の選定に当たりましては、高速交通サービスの全国的な普及、主要拠点間の連絡強化を目標といたしまして、地方発展の核となる地方都市及びその周辺地域等からおおむね一時間程度でその高規格幹線道路網に到達可能となるようなネットワークにしております。参考に申し上げますと、現行の高速道路七千六百キロは、全国の半島、島嶼を除いた各地から二時間ぐらいでこの今の高速道路に到達できるという考え方でネットワークが計画、作成されているわけでございます。
 それから、次にこの整備の方針でございますが、効率的な整備を図る観点から、今回策定いたしました各路線の性格を勘案いたしまして、国土開発幹線自動車道または一般国道の自動車専用道路として整備を推進することとしております。
 また、この整備の目標でございますが、現在の国土開発幹線自動車道等の過去の整備の実績等を勘案しまして、やはりこの一万四千キロの高規格幹線道路網の全体の完成にはおおむね三十年ぐらいかかるという見通してございます。
#98
○福田宏一君 二つ目は、六十三年度にスタートする第十次道路整備五カ年計画策定の基本方針、また同計画における高規格幹線道路の整備目標についてお伺いをさせていただきます。
#99
○政府委員(鈴木道雄君) 現在、六十三年度から発足いたします第十次道路整備五カ年計画について、その内容について検討中でございますが、その整備の基本方針といたしましては、第一がただいま申し上げました高規格幹線道路網の整備など交流ネットワークを強化すること。それから二番目が、大都市圏の交通渋滞対策のため大都市周辺の自動車専用道路網の整備促進を図り、よりよい都市のための道路づくりを推進すること。それから三番目が、地域振興プロジェクトを支援する道路の整備など、地域の活性化を図る地方部の定住と交流を促進する道路づくりを推進すること。それから四番目が、安全で快適な、ゆとりのある道路空間の創出や情報化への対応など、新しい時代のニーズに応じた道路サービスの提供をする。こういったことを主要課題といたしまして五カ年計画をつくるべく、現在検討しているわけでございます。
 次に、高規格幹線道路網につきましては、四全総の中で昭和七十五年までにおおむね八千から九千キロの整備を図るというように定められているわけでございますが、建設省といたしましては、その必要性にかんがみ、九千キロを目標として、この目標を達成するために必要な投資規模をこの五カ年計画の中に盛り込むよう、現在検討しているところでございます。
#100
○福田宏一君 つきましては、これもまた私の郷里群馬県の問題でまことに恐縮でございますが、北関東横断自動車道というのがただいま計画をされております。この道路は、日本海と太平洋が直結できるため、海なし県である群馬県民のかねてからの願望でありますが、常陸那珂港と茨城県、栃木県、群馬県三県の主要都市を結ぶ延長百五十キロの幹線道路でございます。北関東地域と太平洋を結ぶ産業や文化の大動脈の役割を果たし、また各都市の交通も盛んになるとともに北関東の豊かな地域性をはぐくむことにもなり、したがって我々の俗に言う夢の大幹線と言われておる道路であります。
 つきましては、北関東横断自動車道の全路線決定の状況、また六十二年度における予算措置並びに今後の整備のプログラムの概要についてお示しいただきたいと存じます。
#101
○政府委員(鈴木道雄君) 北関東横断自動車道につきましては、ただいま先生が御指摘のとおり、北関東地方におきまして大変重要な路線ということで、建設省といたしましては、五十四年から調査を行ってきたところでございます。現在、沿線の土地利用、交通事情、さらに道路網として効率性という面から三区間を選びまして、重点的に調査を進めております。三区間と申しますのは、群馬県におきましては関越自動車道から上武道路の間十五キロメートル、栃木県におきましては東北縦貫自動車道から第二・四号までの間十九キロメートル、茨城県におきましては国道三百五十五号バイパスから国道六号の間十九キロメートル、この三区間を重点区間といたしまして鋭意調査を推進しているところでございます。特に六十一年の十二月にこのルートを公表いたしまして、現在都市計画決定の案の地元説明を実施しているところでございます。昭和六十二年度におきましては、この都市計画決定を終わるべく、今後所定の手続を進めてまいりたいという状況でございます。
 なお、予算でございますが、昭和六十二年度にはこれらの調査のために八千万円を計上しているところでございまして、残りの区間についても逐次計画を進めていきたいと考えております。
 それから今回、本路線につきましては今まで申し上げました高規格幹線道路網計画に位置づけたところでございまして、さらにこの道路につきましては国土開発幹線自動車道に追加すべく、今国会で審議をしていただくよう提出したところでございます。今後、法律の改正後、国幹審等を経まして事業に進みたいと考えております。
#102
○福田宏一君 ありがとうございました。
 北関東横断自動車道が地域の発展に最も大きな貢献をするということになるのは必定のことでございます。したがって、この北関東横断自動車道は非常に重要な道路に相なりますので、他の路線に優先して整備を進めていただきたいと思います。
 これは北関東横断自動車道に限りませんけれども、六十二年度で期限を迎える地方道路整備臨時交付金の今後の取り扱い方針はいかがなものでございましょうか。
#103
○政府委員(鈴木道雄君) 地方道路整備臨時交付金につきましては、地方の生活道路の積極的な整備を推進するため、昭和六十年度から三カ年の措置として設けられたものでございます。本制度は、地方道路のきめ細かな整備を行う上で大変有効な手法であるというふうに各地方公共団体から評価を得ているところでございまして、このような実績にかんがみまして、この制度の取り扱いにつきましては、現在検討中の第十次の五カ年計画においても、引き続き地方の道路整備の促進方策の一環として設けてまいりたいというような検討状況でございます。
#104
○福田宏一君 次は、午前の部で一井議員の質問に道路上空活用に向けての大臣のすばらしい構想が御披露されました。胸のすくようなお話しでございますので、もう一度大臣からお聞かせいただけましょうか。
#105
○国務大臣(天野光晴君) もう午前中も申し上げましたが、日本で何といっても公共事業の最たるものは道路です。その最たるものを一般会計から出さないで特定の関係からだけ出してもらう、特定財源でやるということそれ自体が間違いだと私はそう思っておるんです。要するに、特定財源は一般会計プラスアルファでなければいけない性質のものであるにもかかわらず、一銭も一般会計から出なくなったというばかみたいなのが現状でございます。ですから、今夜大蔵大臣と来年度の予算についての折衝があるそうでありますから、その席で、来年度からこれを幾らずつでもいいから破れるように交渉をする予定でございます。
 先ほど道路局長が説明したように、今度のいわゆる高規格自動車専用道路並びにこれ全部に対して三十年計画だなんて言っておりますけれども、五十年でも今のままじゃできませんよ。それですから、これをどうしても三十年で仕上げるための努力をしなければいけません。その考え方で六十三年度当初予算から何とか計上できれば結構ですが、ここ一両年中にこの問題の片をつけたいと考えております。相当な量を一般会計から繰り入れてもらわなければ、また新たに特定財源を設けざるを得なくなる可能性もあります。そういう関係から、一生懸命努力はいたしますが、我々の力はほんのわずかなものでございますから、この際皆さん方にもひとつ御協力をお願いして、何とか三十年間で一万四千キロの高規格自動車専用道路が全部仕上がるということに御援助、御協力をお願い申し上げておきます。
#106
○福田宏一君 ありがとうございました。
 次に、NTT売却益を活用した開発利益吸収型の道路事業の具体的な内容と予算の規模をお伺いさせていただきたいと思います。
#107
○政府委員(鈴木道雄君) いわゆる開発利益吸収型の道路事業といたしましては、有料道路の周辺地域で行われる開発事業と一体的に整備されるインターチェンジの新設あるいは地方道路公社の行う駐車場でこれに関連する施設を一体的に整備する駐車場、こういったことを建設省としては考えておりまして、六十二年度の補正予算としては一応国費八十億円ぐらいを計上したいと考えております。
#108
○福田宏一君 以上で道路関係の質問を終わらせていただきます。
 次に、公共事業施行に当たって地元の企業の活用についてという件でお願いをいたしたいと思います。
 政府の緊急経済対策について、景気浮揚の一環として公共事業を発注する施策は極めて重要でございます。しかしながら、せっかくの景気浮揚策であっても末端の市町村に至るまで余慶が及ばない。その原因は、発注のときの体制に問題があると思われるのであります。
 過般来、日本商工会議所や各都道府県から公共事業の分割発注の強い要請がありましたが、建設省や北海道開発庁が工事発注の時点で、地元業者がJVもしくは適正な価格で下請をさせる等、地元企業を必ず参入させる指導をしていかなければ末端まで政府の景気浮揚の政策が行き届かないと思いまするけれども、これに対する各大臣方の御存念をお伺い申し上げたいと存じます。
#109
○国務大臣(天野光晴君) それは、ごもっともな意見でもございますし、中央の大手業者と地元の業者との関連性もございますし、規模の大きいものになればやっぱり一応中央の大手を入れざるを得ないということもこれあり、そういう場合でもジョイントという格好で地元の業者を入れてもらう、組みで入札をさせるというような指導をいたしております。
 殊に、午前中も一井先生から御意見があったわけでありますが、親請、子請、孫請、ひこ請なんというのもあるのだそうでございます。それで、一番末端で受ける業者が損をするような仕事は、これはだめでありますから、そのことについては行政指導を強く今やっているつもりであります。仕事をして損するならしない方がいいわけであります。そういうことが昔は相当あったようでありますが、最近は大幅にやっぱり是正されてきているようであります。そういうふうに我々も指導しながら、地元業者の育成といいますか、地元業者もともに生活のできるような状態に持っていきたいと思っております。何せ人口二百人に一人ずつ日本では業者があるんですから、二百人に一人はちょっとやっぱり多過ぎると思うんですけれども、これも自由主義経済のためにやむを得ないんだと思うんですけれども、なかなかそこらあたり難しいのでありますが、それはできるだけ強力に指導してまいるつもりであります。もし間違いがあったときには、指名に入れるのは難しいですけれども、外すのは簡単ですから、そういう不良業者に対しては適正な処置をする考え方でおります。
#110
○政府委員(中田一男君) ただいま建設大臣からもお答えございました。私ども開発局で開発事業を執行してまいりますときも実は建設省の方からの通達をいただいておりまして、全く同じ気持ちでやっておるわけでございます。地元の中小企業の方々の受注機会を少しでもふやすように今後ともできるだけ努力してまいりたいと思います。
#111
○福田宏一君 どうも長いことありがとうございました。質問を終わります。
#112
○馬場富君 最初に、国土庁に四全総について質問いたします。
 今国会におきましても東京中心の地価の高騰が非常に論議され、その点について大変いろんな論議を呼んだわけでございますが、地価の高騰の原因というのは、やはり東京一極集中化に私は原因があると思うわけであります。その点、四全総の中でも重要課題として取り上げられましたが、この集中化についての弊害並びに問題点をひとつ挙げていただきたいと思います。
#113
○政府委員(長沢哲夫君) 基本的には、東京に人口、諸機能が過度に集中しております結果、東京自体の交通混雑等にあらわれております過密の弊害、それから環境の悪化、そういったことが一方で生じていると同時に、他方、地方圏では過疎化が進行するといったような弊害があらわれていると考えられます。
#114
○馬場富君 今お話の中に出ましたその一つの弊害でありますけれども、やはり東京一極集中化の影響によりまして、東京のような高度の効率化についていけない東京以外の地方の非勤率化がかえって目立ってきておるわけです。そういう点で、そのために国の重要政策である内需拡大についても、やはり効率のよい方向に動きやすいという傾向になってくると思うんです。そういう点で、やはりどうしても効率の弱い地方にはこの動きが少なくなるという弊害が出てくると思うんです。やはりこの点は、私は国の重要施策の内需拡大の上でも重要な課題だと思うが、この点どうでしょうか。
#115
○政府委員(長沢哲夫君) おっしゃるとおりだと考えます。
#116
○馬場富君 それからもう一つは、東京一極集中の大きな要因は国際金融機能と情報化社会に対応した国際情報化機能の集積が大きいと言われておるわけでありますが、我が国の経済的地位が向上して、その中心が東京になりました。だから、最近の経済の動向から見ると、東京の世界都市としての位置づけがやはりはっきりとしてきたわけでありますが、この東京一極集中の効率化が世界的な東京集中を呼んでおるという傾向も出てまいりまして、間接的ではあるが、やはり貿易摩擦や貿易黒字の要因ともなっているという学者の指摘もございますが、この点はいかがでございますか。
#117
○政府委員(長沢哲夫君) 東京に世界的な、国際化あるいは情報化に伴って、グローバルな機能がまた集中しつつあるということは事実でございます。それが直ちに貿易摩擦の原因になっているとは必ずしも考えられないと思うのであります。
#118
○馬場富君 はっきりしてください。僕の言うのは、東京一点集中化で日本の経済もそういうふうに集中化してきておるけれども、やはり世界の経済も東京に集中化の傾向に動いてきておる、それはオフィスがどんどんと東京に集まってきておる傾向から見てもそういうことが言われるわけです。だから、経済学者のお話等では、そういう東京集中の機能の効率化というのが世界を巻き込んで、結局はそれが貿易摩擦やそういう貿易黒字等に一つは間接的な影響も与えておるのではないかという説があるが、これについてどうかということです。
#119
○国務大臣(綿貫民輔君) 今御指摘のように、確かに国際化、情報化というような時代の流れの中で東京にいろんな機能が集中をいたしまして、今東京が大都市に発展いたしておるわけでございます。この中で生み出されますいろんなメリットをなるべく国内に還元をいたしまして、内需振興その他によってこれが貿易摩擦に拡散しないような方向ということを考えておるわけでございますが、時代の流れもございますので、世界の経済の中での東京というものの存在は今後とも非常に重要な問題だというふうに考えております。
#120
○馬場富君 そこで、今お話を申し上げましたように、やはり今の東京一極集中化というのは、日本の今の国是でもあります内需拡大が、あらゆる対外的な問題等に続きまして、日本の重要問題になってきておるという点で、この点について四全総で積極的に取り上げられたことは非常に時期を得、また適切な一つは採択だと、私はこう考えて、実は四全総を褒めておるわけでありますが、そこで書かれたものは立派であっても、みんな心配しておるのは、この具体的な実施について非常に危惧の念が強いわけです。だから、ここで東京一極集中化防止あるいは地方分散に対する有効な具体策とはどのようなものをお考えか、御説明願いたいと思います。
#121
○政府委員(長沢哲夫君) 四全総では交流ネットワーク構想というのを開発の柱にいたしておりまして、これは東京一極集中を是正して多極分散型の国土をつくっていく、地方を振興して多極分散型の国土をつくっていくための構想でありますけれども、大きく三つの柱からなっておりまして、一つは各地域において創意ある豊かな地域振興プロジェクトを推進する、もう一つは各地域間の交流を活発にする、交流機会をたくさんつくっていく、そしてもう一つはそうした交流を可能にする基盤として交通、通信体系を本格的に整備をしていく、こういう三つの柱から成っております。
#122
○馬場富君 今のお話によりますと、やはり地方分散ということについては、結局は規制と誘導が私は必要だということになると思うんです。そこで、そのために必要なインフラの整備の促進という以外にないと思うんです。
 この点については、四全総決定に際して国土審議会から「特に留意すべき事項」の指摘がありました。その第四項には「東京一極集中の是正方策として、事務所の立地を地方都市等に誘導するための措置を検討するに当たっては、財政、金融、税制等幅広く検討することとし、さらに東京中心部等に立地する事務所の費用負担のあり方等の検討に当たっては、いたずらに東京からの事務所の追い出しをねらいとすることなく、また我が国の国際的役割の発揮を阻害することのないよう十分配慮すること。」とされておりますが、これはどういうようなことを意味するのか、お尋ねしたいということと、もう一点、国土庁も地方分散策の有効な手段として事務所課税について検討しているようでありますが、その点はどうか、この二点についてお尋ねいたします。
#123
○政府委員(長沢哲夫君) 四全総の国土審答申に、留意すべき事項として先生がおっしゃったような御指摘がありましたことはそのとおりでございます。その趣旨の一つは、単に税制だけでなくて、財政、金融その他各般の経済への影響その他、広い角度から検討していく必要があるということ。それからもう一つは、単純に東京から機能を追い出すということではなくて、東京自体が持っておる国際的な重要性、そうした面にも配慮しつつ検討していくことが必要だと、この二つの趣旨からこういう御指摘をいただいたものと考えております。
 なお、事務所立地に対して一種の特別な税制が考えられたわけでありますけれども、これも今の留意すべき指摘の線に沿って、幅広い角度から検討してまいる所存でございます。
#124
○馬場富君 そこで、地方分散の中で工業やあるいは学校等の集積についてはいわゆる工業制限法があり、これは大都市から工業の地方分散にある程度の効果が上がったと思うんです。ところが、事務所についても分散を指向する以上、何らかのやはり人為的な規制を加えない限り、結局は物理的に東京集中のデメリットがメリットを上回る状況になりかねないというのが現実でありますが、これについての対策はどのようにお考えですか。
#125
○政府委員(柳晃君) 国土の均衡ある発展を図る上で、いわゆる業務機能を国土の中に適正に配置することが必要であるということは申し上げるまでもございませんが、そういう意味で首都圏におきましては業務核都市の育成を図るためにそうした誘導その他を検討しておるところでございます。
 御質問の、事務所を工場制限法と同じように立地規制を行うことにつきましては、四全総を策定する段階で各方面からいろいろ御議論がございましたし、また審議会でもございましたし、先ほど先生の御指摘あるいは計調局長の答弁にもございますように、民間の活動や我が国経済に極めて大きな影響を及ぼすものでございますので、慎重に検討すべき課題と、かように考えております。
#126
○馬場富君 次に、特に都心への集中に対して四全総でも、首都改造計画でも、首都圏整備計画でも、東京周辺に例えば立川、大宮、千葉、横浜等、業務核都市を形成して、そこで東京集中の一部を機能分担するという考え方が強調されております。そしてまた、東京湾には東京テレポート構想を初め多くの事務所開発計画がメジロ押してございますけれども、こうした計画はいずれも結局東京都心部をますます過大化する。そうでないとしても、首都圏内部での機能分担であって、首都圏全体が過大になっているという現状から考えますと、やはり国土利用の抜本的改善にはならないのではないかという私は考え方を持つわけです。東京湾開発計画や業務核都市構想と地方分散の考え方との関係を明らかにしてもらいたいと思います。
#127
○政府委員(柳晃君) 首都圏の基本計画やあるいは四全総におきましても、東京圏への人口及び諸機能の集中を回避して都市機能の全国的な適正配置を図ることを基本的な考え方としております。
 一方、東京圏の圏域の中を見ますと、一都三県で三千万人の人間が居住するという数字をもってしましてもわかりますように、住宅の問題とか交通の問題とか環境の問題とか、あるいは防災の問題とか、いろんな問題もありますし、また全国的な中枢管理機能や、あるいは最近目立っております国際金融機能に十分こたえていく課題もございます。
 こうしたもろもろの課題に対応するためには、都心部や臨海部を初めとします東京の中心部の圏域の再整備を進めなければいかぬという面もございます。また、業務核都市を育成する必要があるという面もございまして、私どもとしましては、複数の核と圏域を有する地域構造に東京圏を変えていくということが必要である、したがって、そのことは決して地方分散の考えと矛盾するものではないというふうに考えております。
#128
○馬場富君 地方分散化と東京周辺の首都圏への分散とは矛盾しない、あなたはこうおっしゃってますけれども、これも国会で論議されましたけれども、今地価の高騰やあるいはオフィスの集中化等、海外からの集中化もすごい状況にあるわけです。だから、やはりこれは一刻もゆるがせにできない。四全総の国土計画の中の一つのこまじゃなくて、これは実施すべき最重要課題だと私は思うんです。だから、総理は日本列島不沈空母とおっしゃいましたが、日本列島は沈まないかもわからぬけれども、これだけ東京にいろんな機能が集中してきますと東京は傾きますよ。それほど深刻に受けとめなきゃならぬ。あなたはまだ東京やその周辺に余裕があると思っていますが、それであっても一刻も早くやはり分散化という実施策を検討しなきゃならぬ、私はこういうように思うんです。
 先般、私ニューヨークを見てきまして、ニューヨークの機能が東京に移る感じを肌で感じました。そういう状況からいきまして、これはやはり本当に両方並行してやっていけばいいという考え方自体が、私は怖い考え方だと思います。その点をちょっと大臣にお尋ねいたします。
#129
○国務大臣(綿貫民輔君) 今、東京圏あるいは首都圏と言われるところに三千万人の人間が集中いたしておるわけでございますが、四全総の策定の二十一世紀にこのままいきますと三千五百万人になる、こう言われておるわけであります。それに対しまして、四全総ではこの自然増をなるべく食いとめたいということで、三千三百万人ということに頭を押さえるような方向づけで四全総を策定させていただいたわけであります。そして同時に、首都圏の中のいろいろな機能分散はもちろんでございますけれども、ざらに日本列島全体の均衡ある発展を図るために、東京はもちろんのこと、さらに大阪、それから中京圏、これらの位置づけも明確にさせていただき、同時になるべく都市圏は民活、地方は官活、こういうことで国土の基盤整備をすることによって地方圏の比重をさらに高めていくという方向でこの四全総を策定したつもりでございます。
#130
○馬場富君 もう一つは政治的な問題ですが、東京への集中に対してやはり行政機能を経済とのかかわりも大きいと思って、四全総ではその対策として遷都問題にも触れてみえますが、具体的にはどのような方向を考えてみえるのか、明らかにしていただきたいということと、またこの問題はやはり三全総でも取り上げられましたが、結局は策定後十年を経過してこの問題はどこかに消えてしまったわけであります。だから、この問題についても我々は余り信用できませんが、信用できるとしたらどのような方法があるか、お示し願いたいと思います。
#131
○政府委員(柳晃君) 遷都の問題につきましては、いわゆる五十二年に策定されました三全総におきまして、首都機能の移転再配置が一つの検討課題ということで提示されたのを機にいろいろ検討を進めでおります。これまで首都機能の現状だとか首都機能移転再配置の基本的な課題だとか、移転をする形式などにつきまして検討を進めてまいりました。また、首都改造計画の中でもその一部を述べて世間に公表したところでございます。
 遷都問題は、今回の四全総にも表現されておりますように、ひとり国土政策だけで考えることのできない、いわば国民全体の生活あるいは国民全体に大きな影響を及ぼす問題でございますので、また、政治、行政の機能と経済の機能との相互関係のあり方など、国民的な規模での議論を踏まえて引き続き検討してまいりたい、かように考えております。
#132
○馬場富君 ここで一つ具体的な問題をお尋ねいたしますが、近年同じく大都市圏である大阪とか名古屋が相対的に地位の低下が言われております。東京に対しまして非常にそういう点が目立ってきたわけです。高度経済成長期は三極が同時並行に進んできたわけですが、ここに至って東京だけの集中という現象が実は起こっております。この要因はいずこにあるか、御説明願いたいと思います。
#133
○政府委員(長沢哲夫君) ここ数年、国際化、情報化の進展あるいは産業構造の変化といった急激な経済社会の変化が進行しているということが基本的な原因であり、とりわけ本格的な国際化の進展が東京に国際金融機能などの集中といった形で強くあらわれてきている。このことは、東京圏がいわば首都を擁し国際交通等の基盤も整っているといったことから、大阪、名古屋と比べて相対的に優位な条件を備えているということが原因だというふうに考えております。
#134
○馬場富君 経済的に見ましても、国際的にも日本がやはり位置づけが上がっておるという点は理解できますけれども、やはり日本でも大阪や名古屋には過去の集積もあり、都市機能もそれなりにあるわけです。かつては二眼レフとかあるいは三極と言われた、いわゆる太平洋のベルト地帯として日本の重要拠点でございます。やはり日本の国際化についても重要な都市機能を発揮していかなければならぬわけでありますが、四全総でちょうど全国一日交通圏の構想が挙げられておりますが、私は大変これは先ほどの遷都の問題なんかと比較してユニークな提案だと、こう思って高く評価しておるんですが、この提言の考え方についてひとつ御説明を願いたいと思います。
#135
○政府委員(長沢哲夫君) 高規格幹線道路一万四千キロの長期構想を初め、高速交通体系を全国的に整備する、またその高速交通体系と連結する地域交通体系を整備する、こういうことによりまして全国主要都市間約片道三時間程度で行くことができる、そして半日仕事なり活動をして、一日でまたもとの我が家に帰ってくることができる、そういう交通のネットワークをつくっていこうというのが一日交通圏の基本的な考え方でございます。
#136
○馬場富君 その中で、「地方都市から複数の高速交通機関へのアクセス時間をおおむね一時間以内にすることを目指す。」とありますが、ここの点はどうですか。
#137
○政府委員(長沢哲夫君) おっしゃるとおりでございます。特に鉄道、道路等の空白地域には小規模のコミューター航空で補完していくというようなことを含めまして、高速交通に約一時間でアクセスできるようにしていこう、こういう考え方でございます。
#138
○馬場富君 そこで、名古屋大学の経済学部長の飯田教授がこういう提言をしております。
 かって三十年代後半から四十年代にかけての高度経済成長期には、人口、産業の大都市集中といっても、その行き先は東京、大阪、名古屋の三つであった。今は東京への一点集中である。そして、東京一点集中の結果、地価が異常に高騰し、オフィス家賃や住宅価格が急上昇して、もう東京は流入人口を受け入れられなくなってきておる。そこで、この東京、大阪、名古屋をとらえまして、これを飯田教授は、そういう東京はもう飽和状態だと、そういうところで地方分散を描いてみても、すぐなかなかそう簡単に分散はできないだろう、絵は描けども実行は難しいだろう、その中で今非常に分散型の方法として乗りやすいのは、この東京、名古屋、大阪だと、そう指摘しておるわけです。それで、この三国を三極と見ずに一極と見なした考え方でこれをとらえてみたらどうなんだ。そして、これは先ほど御説明いただいたあの四全総の中の全国一日交通圏のあの提案が一つは考えの中に入れられまして、この三極のいわゆる距離を縮める方法を考えでいけば、三極が一極になるんではないか。そうしていけば、そこに先ほど何点か問題になった、遷都の問題にしても、いろいろな問題にしても、非常にネックとなっておる問題が一つは解決してくるじゃないか。そういう考え方と全国への分散と、二つの考え方に立ってこの問題は解決すべきだということを実は提案しておるわけでありますが、私もごもっともな意見だと思いますが、この点どうでしょうか。
#139
○政府委員(長沢哲夫君) 飯田教授のお考えは、それなりの根拠がおありだと思いますが、四全総で考えておりますのは多極分散型ということで、極をたくさん日本の国土の上につくっていく、その幾つもある極の中の比較的大きな極が東京圏、名古屋圏あるいは関西圏、こういう位置づけをしておりまして、その三つの中でも東京は東京なりに、名古屋は名古屋なりに、関西は関西なりに特色ある機能の集積を図っていくべきだと、そういう考え方に立っております。
#140
○馬場富君 大臣、この点の意見をひとつ。局長さんは局長さんの絵しかかけませんので、大臣としての今の飯田教授の構想に対して御意見を述べてください。
#141
○国務大臣(綿貫民輔君) 実は飯田先生は、この四全総をつくるに当たりまして私の私的諮問機関としての国土政策懇談会をやりました、そのメンバーにお入りをいただいておりまして、今馬場先生から御指摘のような御意見も私直接聞いております。
 特に、飯田先生の第二東海道新幹線をつくれという御構想、今現実にまたそういうような動きもあるようでございまして、そういう三つの核を一つに結んでいくという、こういう構想はやはり日本の今後の国土のあり方としては大変新しい見方でもあり、またそのような方向も一つの方法であるというふうに考えております。
#142
○馬場富君 運輸省から来ておられると思いますが、私は先般の交通対策委員のときに宮崎へ行きましてリニアモーターカーの推進状況を視察したことがあります。現在の研究状況と実用化について御説明願いたいと思います。
#143
○説明員(澤田諄君) お答えいたします。
 国鉄が開発してきました超電導磁気浮上鉄道は、昭和三十七年に基礎研究が開始され、昭和五十二年に宮崎実験線において無人による走行試験を開始いたしました。昭和五十四年には単車での無人走行による五百十七キロメートル・パー・アワーというスピードの走行成果が得られました。さらに、昭和五十七年には有人走行試験を開始し、本年二月には二両編成での百人走行による時速四百キロメートルの走行が確認されております。
 国鉄改革に伴いましてこれらの成果及び技術開発業務につきましては、国鉄の試験研究に関する業務を承継いたしました財団法人鉄道総合技術研究所に承継されまして、本年度におきましては、将来の営業車の原型でありますプロトタイプ車両と呼んでおりますが、宮崎実験線において走行試験を行っているところであります。これらの試験計画が進められることによりまして、五十キロ程度までの短距離システムにつきましては今後数年で実用化を目指しているところであります。
 また一方、長距離システムへの対応のためには、本年からでございますが、複数の変電所間を円滑に走行するための変電所の渡り制御装置、追い越しを可能とするための超高速対応の分岐器等の技術開発が必要でありますが、現在その開発を本年度から始めておりまして、これらの開発が一定程度進みました段階で宮崎実験線において走行試験を行うこととしております。
#144
○馬場富君 続いて飯田教授が言っておるのは、先ほど大臣がおっしゃいましたように、この東京−名古屋−大阪間の距離を縮めるためには高速度交通体系の提案が必要だと。その一つは先ほどおっしゃいました第二新幹線の問題、もう一つは今説明されたリニアカーの実現の問題。飯田教授の説明だと、東京−大阪間にこれが実現可能ならば、やはりこれは三極が一極におるのじゃないか。例えば東京−名古屋間は四十分、東京−大阪間は約一時間近くに減ってしまうと、こういうような一つは効果もあらわれてくるのではないか。そういうものを一つは考え方に置きながら、この三極一極化の問題について、やはりこの四全総の中でもこの多極分散型の一つの方法として先ほど一日交通体系のこともおっしゃいましたから、それをひとつ入れていけばこの三つがそういう体系の中の一つとして実現される可能性もあるということで提案をされておりますが、こうしたやはり高速交通機関の整備がそういう国土発展のための大きい一つは計画の実施に前向きの私は計画となっていくと思いますが、長官の御意見をいただきたいと思います、
#145
○国務大臣(綿貫民輔君) さきの国鉄がJRに変わりまして、経済性がやはり重視されておるわけでございます。今御提案の第二東海道の新幹線あるいはリニアモーターカー、これにつきましては、最近超電導によるリニアモーターカーということで、東京−大阪問一時間というようなことが実現可能になってきたということを聞いております。これらをもとにいたしまして、経済界等でもこれを検討するような機運もあるというふうに聞いておるわけでございますが、それらが経済性を伴い、しかも国土の中においてそのような新しい交通網が開かれるということは極めて有意義なことだと思いますが、それらの情勢も私どもはひとつ見守っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#146
○馬場富君 今まだ研究段階でございますが、一つは国土計画の中に、今四全総がそういう分野も私は求めておると思うんで、そういうリニアカーや第二新幹線等の一つの考え方も構想に入れて、これからの取り組みに努力をお願いしたいと思うが、いかがでしょうか。
#147
○国務大臣(綿貫民輔君) 実は東京−名古屋−大阪間等もありますが、私の地元の富山も五十分で行けると、こういうのですから、私もそれができたらいいなと、こんなふうに思っておるわけでございまして、こういう新しい交通網が開かれるということが技術革新によって可能であれば、これはやはり日本の国土を変えていく大きな起爆剤になるのではないかと思いますので、私どもは期待もし、またひとつ見守っていきたいというふうに考えております。
#148
○馬場富君 次に、建設省の方にお尋ねいたします。
 先日、天野大臣が足の悪いところをわざわざ中部圏に視察に来られまして、大変ありがとうございました。この席をかりまして御礼を申し上げます。
 その視察の中で中部地区の重要道路について特に御視察をいただいたわけですが、道路局長の方からその重要施策と進捗状況について御説明を願いたいと思います。
#149
○政府委員(鈴木道雄君) 先日、名古屋に大臣に随行してまいりました視察地でございますが、まず伊勢湾岸道路の現地で、名港中央大橋の架橋地点を拝見させていただきました。伊勢湾岸の名港大橋並びに名港東大橋につきましては、六十二年度から事業着工したわけでございますが、二十三号名四道路が大変混雑している状況でございますので、現地でそれを拝見いたしまして、この完成を一日を早くする必要性があるということを強く感じた次第でございます。現在、地元におきましてこの低利縁故債の調達等について最終的な調整を行っているようでございますが、その辺の調整を待ちまして、建設省といたしましても、本年度の上半期を目途に事業の認可を行いまして、事業に一日も早く着手できるよう準備をしてまいりたいと考えているわけでございます。
 それから、その前後の道路の区間でございますが、これは名古屋環状二号線の一部ということで、現在、都市計画決定の準備等を進めているわけでございますが、いずれにいたしましても、国道二十三号あるいは国道一号からこの区間までの事業を早く進めて、この伊勢湾岸道路が一体として機能する必要があるということを現地でよく認識したわけでございます。
 それから次に、中部地区の大きな道路問題といたしましては名古屋環状二号線がございまして、これは北半分は高速自動車国道ということで名古屋西インターから名古屋インターの間を現在整備中でございます。これにつきましても名古屋の市内の交通緩和のために整備が一日も急がれる区間というふうに考えているわけでございます。
 それから、南の一般国道の区間でございますが、三百二号の区間につきましては、六十一年までに国道二十二号から十九号の区間、あるいは今申し上げましたように名港西大橋の区間ができ上がっておりますが、その残りの区間につきましても、今申し上げましたような名古屋市内の混雑緩和のために一日も早い供用の開始が必要だということを現地でもってよく御説明を受けたところでございます。
 それからもう一点、名古屋におきまして今後の大きな問題として地元から大変御要望がありましたのは第二東名でございまして、先ほど来も東京と名古屋間の交通の問題の御議論がなされておりますけれども、現在の東名が非常に混雑している、早く第二東名をつくれという御要望を大変現地で強く受けておりまして、これにつきましては、今度の一万四千キロの高規格幹線道路の中で第二東名道路ということで位置づけまして、これにつきましては国土開発幹線自動車道としてこの法律を改正をして、今後整備を進めていくというように今度の法律改正の中に盛り込んでいるわけでございます。
 以上、伊勢湾岸道路、それから名古屋第二環状道路、それから第二東名の必要性ということを現地でいろいろ御説明を受けて、必要性について十分認識してまいった次第でございます。
#150
○馬場富君 天野建設大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#151
○国務大臣(天野光晴君) 道路局長の答弁どおりでございます。
 今だからこういうことを申し上げていいと思うんですが、高速国道、実は当初は一本ごとに特別会計でやっておったのでありますが、一番収入のあるのが東名、名神ということになります。将来を考えまして、これに逃げられてしまったのじゃ、とても東北とか中国とか、ああいうところの横断道路なんかできるものじゃありませんから、それで実は一括して全国の高速道路特別会計を一本化した、私責任者でございます。
 そういう観点で、本来なら今度の四全総の建前からいきますと、最も不便なところを対象にひとつやって、できるだけ一極集中を多極分散型にするというのが建前でありますが、前からのいきさつもこれあり、高速道路を進める財源の都合もこれあり、そういう点で第二名神と第二東名だけは、まだ法律通りませんからどうにもなりませんが、通りましたら審議会を開いてすぐ着工の段取りをやらせるという約束を私したものですから、それだけは私の責任ですから、局長答弁以外にそれだけ申し上げておきます。
#152
○馬場富君 あと局長に今御視察いただいた中の伊勢湾岸道路、この要点は二環の海上部の二つの橋にあると思うんです。そこで、これは認可申請が出されておるようですが、これは早期実現を地元は強く要望しておりますが、この点についての進捗状況と、あわせまして東海環状道路を四全総の計画の中にも入れていただきましたが、やはり地元としては、具体化するためのルート決定を早くしてほしいという声がございますが、この二点について御説明願いたいと思います。
#153
○政府委員(鈴木道雄君) 伊勢湾岸道路の海上部につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、今事業認可の申請の準備を地元でされているところでございまして、最終的に調整が残っておりますのは、さっきちょっと申し上げましたけれども、低利縁故債の地元引き受けの問題と九号地インター等の地元の関係でございまして、これらの話がつき次第一応上半期には事業認可ができるという見込みでございますので、また現地の方と御相談をいたしまして、できるだけ早く認可が進むように努力してまいりたいと思います。
 それから、東海環状道路でございますが、先生の御指摘のように今回高規格幹線道路網で位置づけたところでございますが、この道路につきましては既に昭和五十九年度から本格的な調査を建設省としては行っておりまして、沿線の土地利用、交通需要あるいは道路網としてどこが一番効率がいいかということについて調査の重点区間を設定しまして、現在鋭意調査を行っているところでございます。
 特に重点区間につきましては、各県一カ所ずつ、三重県におきましては東名阪から北勢町の間、岐阜県では東海北陸自動車道から中央自動車道の間、愛知県では瀬戸市から東名高速道路の間、この間約七十キロでございますが、この区間につきましては鋭意調査を進めておりまして、できるだけ早く都市計画決定を図るようにしていきたい。都市計画決定後、引き続き事業にかかれるように進みたいというように考えております。
 なお、残りの区間につきましても今後とも調査計画を進展して、全体的な事業にかかれるよう準備をしてまいる考えでございます。
#154
○馬場富君 最後に、これは河川の方ですけれども、前回もちょっと質問しておきましたが、名古屋が百年祭を迎えますにつきまして、今、堀川の総合整備化を急いでおります。その計画としてはリバータウン堀川ということを目標にやっておりますけれども、その中でこれは木曽川導水とあわせて公園化の問題でございますが、非常に建設省は積極的に進めてもらい、やはり愛知県も名古屋市も前向きで取り組んでおりますけれども、まだ利水等の関係がありまして、各省庁との多少の調整があるということで時間がかかると言っておりましたが、この点どうでしょうか。また、どのような状況でこれが推進されるか、御説明願いたいと思います。
#155
○政府委員(陣内孝雄君) 堀川というのは名古屋市の市街地を流れておる代表的な都市河川でございまして、現在は降水を流すいわゆる流下能力が足りなかったり、あるいは護岸等の施設が老朽化しているということで改修の必要がございますし、一方では治川の市街地の整備とあわせて良好な水辺環境をつくりたいという強い要請もございます。そういったわけで、建設省としましては昭和六十一年度に堀川を都市小河川改修事業に採択しているところでございます。
 現在は、ただいまお話もございましたように、これに木曽川導水をいたしまして河川の水質浄化を図るとともに、民間の活力等も導入しまして、治川の市街地を一体的に整備するという方向で、現在名古屋市が構想中でございます。
 堀川の総合整備につきましては、マイタウン・マイリバー構想が愛知県及び名古屋市でまとまり次第、建設省といたしましても積極的にこれに取り組んでまいる所存でございます。
#156
○上田耕一郎君 丸山総裁を初め御苦労さまです。
 きょうは公団の建てかえ問題について最初の質問をさせていただきますが、去年、川崎の小杉御殿、それから大阪の臨港第二が着手されて、ことしは東京の蓮根、亀有など八団地でいよいよ建てかえ事業が本格化し始めました。私もいろいろ意見を聞いたり調べたりしたんですけれども、住民にとっては寝耳に水なんですね。耐用年数七十年あって、まだ半分もいっていないのに、これまで地域にコミュニティーをつくって住んできた方々には寝耳に水で、全部ぶち壊して新しい団地をつくるというわけでしょう。結局、お上の論理で押しつけてくると寝耳に水で、それに対して、ずっとそこにコミュニティーつくって住んできた人たちの心、立場、要求、これがもう正面からぶつかって、大問題になっていると思うんです。家賃値上げであれだけ大問題になりましたけれども、僕はこの建てかえ問題も非常に大きな社会問題、政治問題にやはりもう既になりつつあると思うんです。
 公団は、昭和三十年代に建設した低中層の団地賃貸住宅は建てかえ主体にした改善活用という方針を出しているんですけれども、三十年代に供給した住宅は十七万戸ありますが、これはすべて建てかえる方針ですか。
#157
○参考人(渡辺尚君) 今先生お示しのとおり、三十年代に供給した賃貸住宅は十七万戸あるわけでございますけれども、その中で、いわゆる例えば借地方式などによります市街地住宅等があるわけでございまして、こういうものについては一万戸ぐらいございます。したがって、そういうものを除いた十六万戸、これを対象として建てかえていきたいというふうに考えております。
#158
○上田耕一郎君 東京地区で三十年代のものは二十三区内で二十八団地、多摩地区で十五団地、計四十三団地。当面十六団地が対象と言われていますが、来年度の着手予定、これを示していただきたいと思います。
#159
○参考人(渡辺尚君) これはもう御説明するまでもないと思いますが、具体の手続として、予算の成立を待ちまして、それで初めてそこで戸数が決まってくる、それを受けて具体の団地を決定していくということになるわけでございます。したがって、現在のところ、どこがどうというふうに確定しておるわけではございません。
#160
○上田耕一郎君 もう最初からこういうふうに秘密主義なんですね。
 七月三日に多摩の自治協が東京支社に行ってこの問題でいろいろ話し合いをしたわけです。東京支社は、緑町、桜堤、柳沢、東伏見――多摩地区ですよ、この中から選定したいとはっきり答えているんですね。もう東京は来年、青戸、緑町、東新小岩三丁目、東伏見、桜堤、大体五団地だということはみんな知っているんです。それを予算が決まってからということで、例えば建設委員会で私が取り上げても言えないというんでしょう。予算が決まってから正式に言うのでも、大体公団としてはこの五団地だということがなぜ言えないですか。
#161
○参考人(渡辺尚君) 先ほど申し上げましたとおりでございまして、要するに、確定するのは予算が成立した後いろんな条件を勘案して確定するわけでございますから、その後に地元に対して申し上げるということになると思います。
#162
○上田耕一郎君 いつもこういう押し問答から始まるわけです。
 二十三区の自治協が昨年十一月、十一団地の居住者にアンケートを行いました。御存じと思いますけれども、それを見ますと、世帯主が五十歳を超える世帯が五二%、半分以上が五十歳以上なんですね。それから、十六年以上住んでいる世帯が四七%。それから、公団はよく住んでいる方の標準は第三分位の中ほどと言われるのだけれども、年収四百万円未満が五一%いる。第二分位が四百五十二万ですから、第二分位よりも下ですよ。四百万円未満が約半数いらっしゃるんですね。
 だから、こういうところに建てかえということになりますと、皆さんから建てかえ要求はすごいですよ。もうどこでも古いところは、設備はいろいろよくないし、雨漏りはするし、壁は割れているし、洗濯機置く場所もないというような団地もありますから、要求は強いんだが、川崎の小杉御殿の二DKで二万三千円が最終家賃十万三千円だと、その数字を聞いて皆さんびっくりされて、それでアンケート結果では、建てかえ希望はわずか八%、条件次第が三七%、望まない四五%、約半数近くの方が望まないというわけです。望まない理由の六割は高家賃の不安です。家賃がせいぜい五万円とか、本当にぎりぎり七万円ぐらいまでだったら建てかえてもらいたいという声もあるのだけれども、十万超すんではという声ですね。
 僕は緑町の新聞を拝見したんですが、「我が家は月収十八万円。一体どこに住めばいいのでしょう。」という声があります。公団は始まったところでは説明会やって、戸別訪問でローラー作戦が始まった。まるで地上げ屋じゃないのという状況が、お笑いになるけれども、始まっているんですよ。
 それで、私これを見て、この家賃問題が大きな問題なんだけれども、都営住宅にはちょっと資格が条件で入れない、しかし新規住宅の今度二十四万円のもできたけれども、十万円以上の高いところも入れない。そうすると、三十年代で空き家家賃四、五万だけれども、非常に望み多いですわね。そういう層があるわけですよ。年収四百万円以下とか、こういう層がこういうところに入っているのに、これが建てかえられて十万円以上になったら一体どうなるのだということになるでしょう。それで、三十年代に建てたものを、一万戸を除いて十六万戸全部おやりになるというと、国の住宅政策として、公営住宅には入れない、しかし十万以上なかなか払えないという層に対する住宅政策はカットするということになるのじゃないですか。これは総裁どうでしょう。
#163
○参考人(丸山良仁君) 今担当理事から御説明申し上げましたように、三十年代に建設した住宅十七万戸のうち十六万戸につきましては、私は二十年間でこれを建てかえたいと、このように考えているわけであります。その順序といたしましては、立地条件あるいは土地の利用の方法あるいは住宅の状況等いろいろあると存じますが、原則としては年代の古いものからやりたいと思っているわけでございます。
 今お話しのように、確かにこれを建てかえますと家賃は三倍になります。これは一昨年か昨年先生にお答えしたとおりでございます。そこで、入れないじゃないか、こういうお話でございますが、それにつきましては、我々は十分な配慮をしているつもりでございます。と申しますのは、第一点は、前のお住みになっておられた方が戻ってこられる場合には、七年間にわたって激変緩和ということで減額措置を講ずる、こういう措置をとっております。
 それでも八年後には今おっしゃいましたように十万円の家賃になるではないか、こういうことだろうと存じますが、そのような方につきましては、今我々が考えておりますのは三十年代の建てかえでございますから、四十年代のものにつきましては二十年以降に多分なるだろうと思います。そういたしますと、その二十年間ぐらいは四十年代の住宅にお入りいただくことができるわけでございます。これは全体で賃貸住宅は六十七万戸持っておりますから、十七万戸建てかえても五十万戸はあるわけでございます。したがいまして、四十年代の住宅にお入りいただきますと、その家賃は今に比べまして一万円ないし二万円の増、こういうことになるだけでございますが、これにつきましても、五年間につきましては家賃が上がる分の四〇%、限度を二万円といたしましてこれを減額する、こういう考え方を持っているわけでございますから、そういう観点から見ますると、それほどお住みになるのに難しくはない。
 それからなお、低所得者、生活保護者あるいは母子世帯あるいは障害者を抱えておられる方等につきましては一定の条件のもとに減額をいたしたい、こういうことも十分配慮した上でいろいろと話を進めているわけでございます。
 具体的に申しますと、今お話の出ました小杉御殿におきましては、これも二年間でお話をつけるというのがそれぞれの団地の原則で、我々はお話し合いを進めているわけでございますが、小杉団地につきましては、二百八十戸のうち、現在二戸だけが反対であるということで、あとの方は一年足らずの間にすべて御了解をいただいているところでございます。
#164
○上田耕一郎君 大分材科をいただきましたので、反論はまだこの次の機会にやりたいと思います。
 公営住宅の場合には、これは建てかえ事業が認められていて、昭和四十四年の改正で、耐用年数の半分以上を経過しているということなどで建てかえ事業を行うことができると明記されているのだが、公団の場合には法律に何もないんですね。どういう法的根拠なのかということ。それから、ここに私は契約書を持っています、古いものと新しいものと。これの契約解除する場合のケースに、虚偽の事項記載とか家賃三カ月以上滞納とか、ずらっと書いてあるけれども、今度の建てかえは、たしかあれは結局僕は全部契約解除することになると思うのだけれども、ないですよ。だから、法的根拠、これは契約違反を公団が行うのではないかと思うんですが、法的にどうですか。
#165
○参考人(渡辺尚君) 先生おっしゃるとおり、公営住宅法の場合と違って、それに限っての特別な法的な根拠というものはないわけでございます。ただし、一般的な、要するに民法関係でございますから借家法関係でございますが、そういうものを見ながら大臣の承認を得て建てかえをやっていくということでございます。
#166
○上田耕一郎君 ですから、これは今答えが詰まったとおり、全く予測しなかった事態なんですね。法律にもないんです。賃貸契約書にもないんです。大臣の承認で、借家法でやる。
 家賃裁判であなた方は、借家法に基づいて家賃値上げを申請したと言いましたね。それで、借家法の場合は、ここに私は六法全書を持ってきているのだが、この借家法の第一条ノ二にこういう項目があります。これは有名な項目です。「建物ノ賃貸人ハ自ラ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ非サレハ賃貸借ノ更新ヲ拒ミ又ハ解約ノ申入ヲ為スコトヲ得ス」と。つまり、自分が使うわけじゃないわけだから、自分が使うことなど正当な事由がなければ、立ち退き請求はできないんです。
 どうなんですか、今度自分が使うその正当な事由はどこにあるんですか。
#167
○参考人(渡辺尚君) これは申し上げるまでもないわけでございますが、現在日本の住宅政策において求められておりますのはまさに質の向上。
 これは立地条件が非常にいいところでございますが、それにもかかわらず、土地の利用の面から見ますと、例えば大体法定で決まっております容積率が二〇〇%ぐらいのところに平均して六〇%ぐらいのものが建っている。つまり、土地の高度利用をする、そういうことによって今公団に求められておりますいわゆる都市地域における賃貸住宅の建設というものをやっていく、あるいはさらに居住水準の向上を図っていく、これはやはり社会的に必要なことである、これを進めていかなければならないというふうに考えておるわけでございまして、そういうことを進めるためにこの建てかえ事業をやっていこうということでございます。
#168
○上田耕一郎君 これは恐らく裁判にならないと決まらないですよ、今おっしゃったことが正当な事由に当たるかどうか。これはどうしても立ち退き請求に応じない方が出たら、また裁判をやるつもりですか。
#169
○参考人(渡辺尚君) 我々は、前にも総裁が恐らくお答え申し上げていると思いますけれども、現在住んでいる方々の理解と協力を得ながら話し合いでやっていきたいというふうに考えておるわけでございますし、そのために、先ほど幾つか総裁が申し上げましたが、そのほかにもいろいろな手たてを考えておるわけでございます。そういう形で誠心誠意対応してまいりたいというふうに考えております。
#170
○上田耕一郎君 今、法的に容積率二〇〇%あるのに六〇%程度だと、それを上げるのが正当な事由であるかのように言いましたけれども、皆さん方、これの家賃計算するときに戻り入居はどのぐらいかということを計算してやっているのだと思うんです。で、僕らが聞いてみると、戻り入居率は大体五〇%未満だと黒字だ、五〇%を超えると、余り皆さん帰ってきちゃうと新規入居が入りませんから赤字になるという話を聞いたんですが、戻り入居率は大体どのぐらいだと見ているんですか。
#171
○参考人(渡辺尚君) 実際に着手しております小杉団地の例で申し上げますと、現在これは住宅希望調査というのをやっておるわけでございますが、その結果でございますと、戻り賃貸、つまり賃貸住宅に戻りたいという方が四〇%。それから、これは調査の結果でございますけれども、戻り分譲、つまり分譲住宅をつくってもらって、そこに戻りたいという方が二五%ということで、合わせますと六五%という数字はあります。
#172
○上田耕一郎君 はっきりおっしゃりになったけれども、大体五〇%ぐらいだと言われているんです。そうしますと、戻り入居五〇%というのは、あと五〇%の今まで住んでいた人を追い出すということですよ。建てかえ建てかえと言うから、何か住んでいるところをすごくきれいに建てかえてくれるのかと思うでしょう。ところが実際は違うわけです。
 例えば亀有価地、ここは全部テラスハウスなんですから、二百九十六戸。これは、木賃アパートに住んでいた方がようやくテラスハウスに当たって、本当にうれしく思ってお住まいになって物置を増築したりしている方が多いわけです。そこを全部ぶち壊して高層八百八十戸を建てるんですよ。これは建てかえどころじゃないです。テラスハウスを全部ぶち壊して、それで新たに高層で約三倍の団地を建てようというのだから、建でかえなんというけれども、違うんですよ。つまり、全部ぶち壊して、一度追い出して、戻ってくるのは大体五〇%。団地によっていろいろあるでしょうけれども、やっぱり追い出しになるじゃありませんか。それで、新しく入ってきた人も戻ってきた人も全部新規契約になるんですよ。これも今までの公団の考え方とまるで違う。この問題はここで打ち切りますけれども、戻り入居四〇%とか六〇%とかいうのは、五〇%は住まわせない、追い出そうとしているんだ。
 二番目に、渡辺理事は大変立派なことをおっしゃったけれども、これでもうけようという考えじゃないんでしょうね。
#173
○参考人(渡辺尚君) 実際に建てかえを行う場合、先ほど幾つか出ましたけれども、例えば七年間減額する、これは公募家賃でいきますと三十三カ月分になるわけでございます。これは一つの試算でございますけれども。それからさらに、引っ越し費用でありますとか、いろんな費用があります。これは十項目ぐらいいろいろとそういう手当てをしながら御協力を得ていこうというわけでございまして、要するに土地がただだからもうかるのじゃないかというようなわけにはなかなかいかないというふうに考えております。具体的に個々の場所でもって、住宅計画によっても変わってくると思いますけれども、そう単純に黒字という問題ではないと思います。
#174
○上田耕一郎君 じゃ、総裁に聞きましょう。
 これで大もうけしょうというつもりはないでしょうね。
#175
○参考人(丸山良仁君) 今申しましたように、大体十年間ぐらいは赤字になるという計算に、全体で計算しますとなっておりまして、もうかるようなことはありません。
#176
○上田耕一郎君 それじゃ、総裁がそう言われたので、私はある数字を言います。
 来年度、青戸、東新小岩、緑町、桜堤、東伏見、大体五つで青戸、東新小岩はどうも赤字らしい。しかし、この計算数字によりますと、緑町の場合は原価が一戸当たり家賃七万七千三百十四円、これを大体九万六千二百円で貸そう、二万円高く貸そうというんですよ。分譲住宅の原価二千三百八十九万九千円、これを三千九百八十万円で売ろうというんです。そうしますと、十年目の収支、賃貸住宅で十七億円もうかる、分譲住宅で十億七千三百万円もうかると、これにちゃんと出ていますよ。
 一々申し上げませんが、桜堤の場合は賃貸住宅で二十九億円、分譲住宅で四十一億四千万円もうかる。東伏見の場合は、賃貸住宅七億九千七百万円、分譲住宅十一億三千万円。多摩の縁町、桜堤、東伏見、全部合わせまして十年目に百十七億四千七百万円もうかる。家賃を大体均衡均衡と言って、二DK、三DKで十万円から十五万円まで上げてごらんなさい、これは幾ら減額減額と言ったって、新規の人も半分以上入ってくるのだし、分譲住宅だって、今マンションの値段は高くなっていますから、余り安くするとということで数字やるでしょう、これで、三つの団地で十年目にあなた方は百億円以上もうけるという、そういう数字を計算しているんじゃないですか。資料を出してほしいですね。
#177
○参考人(渡辺尚君) 正式にそういう形の資料を用意しているわけではございません。いろいろもちろん勉強はしておりますけれども、正式なものとしてはございません。
#178
○上田耕一郎君 何も私も正式で言っているわけではないんで、僕が計算したわけじゃないんだから。あなた方の関係者がいろいろ勉強していろんな数字を出すでしょう、それはやっぱり僕らのところにだって来ますよ。その計算の中に、これだけ大もうけしようという――こんなにもうけなくていいでしょう、正当な事由と言うなら。みんな高家賃でさえなければ建てかえてもっとすばらしくしてほしいという声があるんですよ。それを何でこういう高家賃にして大もうけをしなきゃならぬのか。今まで公団は空き家やその他いろいろ責められて、これはもう赤字赤字と言われたのだけれども、ここで黒字をつくって埋め合わせをしょうというのは、住民たちの犠牲で、公団に対する民営・分割の話だってあるんだけれども、そういうことでやろうとしているのじゃないかと思うんですが、総裁どうですか、真剣に答えてください。
#179
○参考人(丸山良仁君) 今、理事から申しましたように、そういう計算は一つの試算としてやったものだと思いますが、団地によって違うわけでありますし、戻りがどれだけあるかによっても変わってくるわけでありますから、そういう見通しはなかなか困難だと思います。
 ただ一言申し上げたいのは、すべての団地でとんとんというわけにはなかなかいかないわけでありますから、ある程度は、もうかるというのは変な言い方なんですが、黒字になる団地もありますし、それから赤字になる団地もある。全体としては、当公団は公的機関でありますから何も黒字を出す必要はない、しかしながら赤字も出してはいかぬ。これが経営者である私の責任だと思っております。
#180
○上田耕一郎君 これはやっぱり戻り入居、これが大問題なんです。緑町の場合はこれだけもうかるので、採算の戻り率というのは九五%と数字が出ています。九五%戻りはしないですよ。あなた方のあれだと大体五〇%と考えている。そうすると、五〇%ぐらいしか戻らないと、あと新規入居ですから、新規入居の方には減額なんかやらないんだから、もっともうかりますよ。僕は、原価計算というのは大体どう試算したって、インフレが起こらない限り大体当たると思う。
 家賃ですよ。どのくらいの家賃で貸すか。それは社会的な、先ほどからも東京集中の問題が出たけれども、東京の地価暴騰で家賃なんかも上がっています。それで、バランスをとって二DKで十万三千円、このラインでいって、これで計算すると物すごくもうかる団地が出てくるんです。だから、こういうやり方は撤回して、総裁、今ちょっともうけという言葉も一口滑らされたけれども、大もうけしなくていいんだ、赤字は嫌だとおっしゃった、じゃ、とんとんでやってどうなるのか、僕はその計算をちゃんと出してほしいと思うんです。この五つの団地は来年やるんでしょう。来年やるについて、本当にあなた方が言う十万三千円等々の家賃が、もうけていない、赤字にはならぬという計算なのかどうか、ちゃんと僕は委員会にこれは出してほしい、そう思います。これは僕は、総裁にその問題の答弁と、その後、建設大臣に一言いいたい。総裁どうですか。
#181
○参考人(丸山良仁君) せっかくの資料要求でございますが、個々の団地についてそういうものをお出しすることはできません。
 それかう、家賃の決め方につきましては、今おっしゃいますように、あるいはもうかるところがあるかもしれませんが、その団地で新たにお入りになる方と前からお入りになっている方との家賃の不均衡をつくるということは適当でないと考えています。したがいまして、その周辺の家賃も勘案してそれぞれの団地の家賃は決めるわけでございますから、そういう観点で、原価が安いからそこにお住まいになる方だけが安い家賃で入れる、こういうわけにはまいらないと思います。全体としてはもうけも損もないような経営をしていきたい、このように考えているわけでございます。
#182
○上田耕一郎君 恐らくそうならないと思うんです。
 大臣、きょうは住都公団の総裁、理事に質問してまいったんですけれども、きょう私、一端を質問いたしましたけれども、非常に大きな問題がやっぱりあるんですね。法的にも問題がある。実質上問題がある。住民と本当にぶつかりが始まりますよ。僕は大臣に指導官庁として、今のやり方、これは根本的に再検討が必要だと思うんです。そうでないと自治協とまた大変なことになると私は思うので、今のやり方に対する根本的な再検討、これを建設省としても指導していただきたいと思いますが、最後に答弁をお願いします。
#183
○政府委員(片山正夫君) 公団の建てかえ事業につきましては、現在の東京都におきます住宅事情は大変逼迫しておりまして、例えば東京都二十三区内の都心近接部におきます住宅事情、特にアパート分譲についての需要が大変強い状況であります。過日、公団のところで六十六戸の募集をやりました際にも平均しまして約三百倍近い応募があったというような状況でございまして、こういう状況を踏まえましたときに、やはり公団が持っております古い住宅団地は貴重な土地資源であります。
 これの有効利用を図ることはまさに住宅対策としても極めて重要なことであります。これを進めます場合には、当然各団地の条件によりまして、御指摘の中にありましたように、戻る方が多い場合、少ない場合でいろいろと経営上の条件が変わってまいります。そこのところは戻ってまいります方々の住宅の家賃の減額も考慮しなければならない等々のことで、これは総合的にひとつ勘案しなければいけない。こういうことで、公団におきましても総合的に勘案して家賃等を設定していく、こういうことであろうと思います。
 それからまた、団地の選定に当たりましては、この手順は公団が定めました手順でもって執行しております。この手順と申しますのは、建てかえに大変実績のある公営住宅においてとっております手順と全く同じでございます。公営住宅の建てかえの中にも、御指摘の中にありましたように、法定の建てかえ事業もありますし、それから任意の建てかえ事業も相当量入っております。こういうことを踏まえまして、公団がそれらを参考にして決めて進んでいるところでありますので、私どもとしましては適切な方法と考えております。
 なお、実際の事業を進める場合につきましては、やはり御指摘の中にありましたように、住民の方々の御意向、御希望等を十分組み込んで進めていくのは、これは大切なことでありますので、その点につきましては公団に強く指導してまいりたいと思っております。
#184
○上田耕一郎君 僕は都営住宅の場合をかなり知っていまして、国立の都営住宅、青柳の住宅なんか、建てかえの話し合いをして十数年ですよ。それで住民要求がかなり通って、いいのができました。東京都の都営住宅の建てかえは、本当に話し合いをやっています。今度のはどうですか、寝耳に水ですよ。僕は最後に、大臣、とにかく住民とよく話し合って民主的にやるということぐらいは指導してほしいと思います。
#185
○国務大臣(天野光晴君) そのとおり、今住んでいる者たちの了解を得てやるように指導いたします。
#186
○青木茂君 今のいわゆる地価高騰、特に首都圏を中心にした地価高騰というのは大変目に余るものがあるわけなんです。その地価高騰のあおりで、明年いわゆる固定資産の評価がえが行われる、そうなりますと、一般のサラリーマンというのか庶民大衆というのか、たまたま東京都の周辺に住んでいた、何も経済活動をしていない生活の場であるそれが、政策的な大臣のおっしゃる都市政策の失敗によって、幾ら少なくても三割ぐらいは固定資産税が上がっちゃうわけです。これはいかにも気の毒じゃないかと思うわけです。これを何とか抑える方法はないのかということについて、まず両大臣の御見解を伺いたいんです。
#187
○国務大臣(天野光晴君) 今の青木先生の御意見どおりやりますと、東京都内で力のない者は土地を持つことができなくなります。そういう点で、この問題については国土庁並びに大蔵省、それから自治省、三省の関係大臣にはお願いをしているわけでありますが、急に国有地の処分をした地域が公示価格の三倍にもなったなんということになりますと、来年は恐らく三倍近い値段が出てくるわけでありますから、税金はそのまま素直にいったらとても高いものになりまして、相続税になればなおひどくなるわけでありますから、国民は土地を持つなという政策になりかねないのでありまして、そういう点では、今度の調査には十二分にひとつ配慮してもらいたいと、私はそう思っております。
#188
○国務大臣(綿貫民輔君) 固定資産税の評価がえの問題につきましては、先般の予算委員会でもいろいろの御質疑がございまして、自治省の方でもいろいろ検討しておるようでございます。今の地価高騰を抑える手段につきましては、東京都が特にひどいわけでありますから、従来いろいろと相談をして、さきに御提案を申し上げました国土利用計画法の改正並びに、先国会で廃案になりましたけれども、短期の譲渡益に対する超重課税あるいは供給促進のための十年を五年に見直す長短区分の変更、こういう法案を出させていただいたわけでございまして、いろいろと対策について今やっておる最中でございます。
#189
○青木茂君 すべてのんびりし過ぎておられては困るんですよ。来年評価がえがあって、本当に悪いことも何にもしてない生活者の固定資産税がぱっと上がる。もう来年の話ですね。そういう中で、いわゆる国土利用計画法はどうであるとか譲渡所得課税がどうであるとか言ったって間に合やせぬわけですよ。何となく「ひねもすのたりのたりかな」ということでは、東京に住んでいらっしゃってよそへ、職場へ通っている人、本当に僕はこれは気の毒過ぎる状況になると思うんですから、ここで思い切って何か一発ぼんということは考えられませんか。
#190
○国務大臣(綿貫民輔君) この問題につきましても、先般予算委員会でいろいろと御質疑がございまして私もお答え申し上げたわけでございますが、国土利用計画法のいろいろの適用ということについて熟慮してまいったわけであります。東京都ともいろいろと御相談をして、一番強権発動であります十二条、十三条の適用というようなことも検討したわけでございまして、これは伝家の宝刀と言われており、抜かない宝刀と言われておりましたけれども、そういう検討の中から、先ほど土地局長がお答え申し上げましたように、昨年の四月に国土利用計画法十二条、十三条の大体の適用の方法は、これから開発されるところにもしもの場合にはということを想定しておりまして、既成市街地などというのは考えていなかったのですが、これは既成の市街地にも時によっては適用するぞという通達改正もしたわけでございまして、伝家の宝刀はぴかぴか磨いておるわけです。
 しかし、これは抜きますと大変ないろいろ混乱を起こすということで、とりあえず監視区域というようなことでチェックをしていくということでこの土地高騰をおさめたい。これともう一つは、さきの短期重課税、これ二つで相当効果があるというふうに見ております。しかし、これがもしも効かない場合にはそういうこともいろいろと相談をしていかなきゃならぬのかなと思っておるわけです。特に後者の短期の重課税に対する法案は国会に先回提出して必ず通していただけると期待しておったんですが、これはアナウンスメント効果が非常にありまして、中小の不動産屋なんかもうやめようかななんという人があったぐらいですが、これが廃案になったためにまた勢いが復活してきまして、この国会も通らないのじゃないかなんということになりますと、これは大変なことになりますから、国会の方もよろしくお願いいたしたいと思います。
#191
○青木茂君 間に合わないんですよ。とにかく、くどいようですけれども、本当に何もやってない、たまたまそこに住んでいたという人がこの問題のあおりでもって固定資産税がばんと上がると、一体どうしてくれるんだということがまさに私は国民の声だと思うんです。そのどうしてくれるんだという問題については今いろいろお答えをいただきましたけれども、国会でどうだとか法案が通らないとか、そういうような問題じゃ僕はないと思うんです。ここでいわゆる緊急対策というものの発動はできないものだろうか。つまり、この土地問題をめぐりまして、日本の生活者というのは風邪引いたどころじゃない、肺炎にかかっている。肺炎にかかった者に変な栄養剤を飲ましたり寝かしておきゃいいという問題じゃないんです。肺炎にかかったなら抗生物質をぼんと出さんならぬわけです。その抗生物質とは一体何だろうかということを私は御質問かたがたお願いを申し上げておるわけなんですけれども、十分ひとつ行政が、政府がこの庶民生活の苦しみ、不合理、そこを基盤に物を考えなきゃ、これは僕は成り立たないと思うんですよ。とにかくそういう問題がある。もうとにかく緊急地価凍結令でもいいし、それから国土利用計画法十二条だって、もうどうだこうだと伝家の宝刀を余りゆっくり抜いちゃしょうがないです。伝家の宝刀はぱっともう今すぐ抜いてほしいと思うわけです。
 この問題で時間ばかり食っておったのじゃどうしようもないから、これでいきますけれども、土地税制について、保有税、日本で言えば固定資産税ですね、それと譲渡益課税と二つあるわけなんですけれども、これはどうなんですか。例えば保有税に絞ってみたら、地価対策、地価を抑制するという意味においては保有税というのは高い方がいいのか低い方がいいのか、ここら辺はどうお考えですか。
#192
○政府委員(片桐久雄君) 地価対策と土地保有税といいますか、保有の負担といいますか、そういうことにつきまして一般論で申し上げますと、土地保有のコストが高いということは、土地の投機的な取得といいますか、投機的な需要を抑えるという効果がございますし、それから土地を持っている人に対しましては、余り利用していないものについていろいろコストがかかるので手放したいという、そういう供給促進の効果があるというふうに言えると思います。そういう観点からしますと、保有コストを高めるということは、地価対策の面から見ますと地価を抑制する働きがあるものというふうに考えております。
 ただ、そういう保有コストを一般的に高めるということにつきましては、また、いろいろなそういう負担増加ということで庶民の生活にいろいろ影響を及ぼす、それから企業の経営にも影響を及ぼすという問題が付随的に出てくるということだと思います。
#193
○青木茂君 今高い方の御答弁をいただいたんですけれども、今度は逆に保有コストを低くした場合は、ちょうど宅地並み課税がそうですが、低く抑えた場合は土地が供給されずに土地取引がとまってしまうという面があるかどうかということなんですが、それはどうでしょう。
 つまり、高い方が一体地価抑制に役立つだろうか、低い方が役立つだろうか、こういう質問です。それに対して、今高い方はお答えがあったが、低い方はどうなんですか。
#194
○政府委員(片桐久雄君) 先ほど私、高い方が地価抑制に役に立つということも申し上げましたけれども、その逆に保有コストが極めて低いということであればその逆の作用がやはりあるのじゃなかろうかというふうに思います。
#195
○青木茂君 低い場合、今申し上げたように、保有コストが低いからマーケットに土地が出てこないという問題はどうしてもあると思いますね。これは理論の問題ですから、次へ進みます。
 そうすると、土地対策の基本の、今メインの目的は一体どこにあるだろうか。土地対策の目的といいますと三つぐらいはおよそ考えられる。一つは、土地に対する投機抑制ですね。それから第二番目は、いわゆる都市建設を促進して土地の有効利用を高めるという目的の土地対策があるでしょう。あるいは土地の不当利益に対して大幅な課税をして富の再配分を図るという目的もあるでしょう。三つある。
 当面、緊急に我々が目標としなきゃならないものは今私が例示いたしました三つのうち、一体どれだと考えてよろしいでしょうか。これは大臣です。
#196
○国務大臣(天野光晴君) 第一だと思います。手ぬるい手段を用いたのではこの地価を抑えることできません。それですから、本当に思い切った手段を講じなくてはこの地価は抑えることできません。
 それで、保有税の問題、みんなちょっと勘違いされているのじゃないか。あれは仏つくった法律ですが、地価値上がりのために持っている土地にかけるという方針でやったんです。ところが、それがいつの間にか地方自治団体の財源になってしまいまして、山でも何でも持っているものにかけるようになったもんですから、私はあれを制限しまして、十年間で打ち切りにしたんです。それですから、今の段階ではあの保有税という税金は地価抑制のために役に余り立たないのじゃないかと考えております。
#197
○青木茂君 今の大臣がおっしゃったのは特別土地保有税ですね。私が今保有税という表現を使ったのは土地保有に関する税金という意味で、日本で言えば固定資産税的なもので、ちょっと違いましたね。結構です。
 じゃ、続いて。そういう意味において私は、日本の土地税制が非常に参考にしなければならないというか、非常に参考になるのは台湾で行われている土地課税で、これは何か衆議院の予算委員会でも出たそうですけれども、私はこれは非常にもって範とすべき内容があると思うわけなんです。そういう意味において、大蔵省の方でちょっと概要を御説明願えませんか。
#198
○説明員(長野厖士君) 先生御指摘になりました台湾の土地に関する税制、二つの柱があると私ども理解しております。
 一つは地価税と言われるものでございまして、簡単に申しますと、土地の所有者に自分が所有しております土地の価格を自主申告みたいな形で申告させる。その申告価格に基づく地価の総額に対しまして累進税率で地価税が課されておる。これが地価税でございます。この累進税率は一・五%から七%ぐらいまでで、私どもの感じではやや高いなという感じはございます。
 次に、自己申告の価格と申し上げましたけれども、ここに裏がございまして、政府は別途土地の価格を公示いたしておりますけれども、その本人の申告価格が公示価格の八〇%以下である場合には、政府の選択で、申告価格によってその土地を買い取るあるいは公示価格に基づいて地価税を払いなさいと命ずる、そのどちらかを選択できるという権限が政府の方に与えられております。
 それから、私どもの譲渡所得税に当たるようなもので土地増値税というものがもう一つございます。これは、台湾におきましてはもろもろの投資の結果生じました土地の値上がり益は国民に還元すべきであるという思想から、土地の譲渡所得について最高六〇%の高い税率での分離課税を行っておりますけれども、その場合の譲渡所得と申しますのは、土地の譲渡価格から前回その方が購入されたときの申告価格を差し引いたものということになっておりますので、申告価格を低く抑えよう、地価税を低くしようとされた方には譲渡なさる場合に譲渡税が重くかかってくる、土地増値税が重くかかってくるという仕組みがとられておるところでございます。
#199
○青木茂君 ありがとうございました。
 特徴は、自分の土地の値段を自分で申告する自己申告制度と、それから土地の値上がりに対して累進課税を取るというところが二つの大きな特徴なんですね。
 そうすると、自己申告して自分の土地が高いぞという申告を仮にしたとします。そうすると、それを高く申告すれば、日本で言えば固定資産税の保有税が高くなるけれども、譲渡のときは低くなるわけですね、考え方としては。それで、自分の土地はそんなに高くない、低いぞと、こう申告した場合は、保有税自体は今度は小さくなるけれども、いざ譲渡というときにはばかっといく、そういう趣旨だというふうに理解すればよろしいでしょうか。
#200
○説明員(長野厖士君) 御指摘のとおりかと存じます。
 なお一点補足いたしますと、政府の買い取りという制度の関連なんです。この背景には台湾の中華民国憲法に、「中華民国の領土内の土地は、本来的に全国民に帰属する。」、「土地の私所有権者は、その土地のもつ価値に従い納税の義務を負う。政府は、この価格で土地を購入することができる。」ということが憲法上定められておるという、土地に対する考え方の背景がございます。
#201
○青木茂君 いわゆる必要以上に自由経済というものが強調されている日本と、それから孫文が言う、土地とは国民共有のものであるという台湾との基本的な姿勢の差というものがあると思います。あると思いますけれども、この制度で今の日本にかなり応用できるのは、例えば高い土地を買うとします。そうすると、保有税の支払いが非常に大変だから、高い地価がつけにくくなるという問題があるだろうし、それから取得原価より高く土地を逆に売ろうとすれば、今度は譲渡益がぼかんと出るというので、法外に高くは売りにくくなるというような意味を持っていまして、私は非常にこれは研究に値する方法だと思っておるわけなんですけれども、また両大臣にちょっとお伺いしたいのは、両大臣どんなお考えですか。特に国土庁長官は衆議院でも同じような質問を受けたと思いますから……。
#202
○国務大臣(綿貫民輔君) 今先生も御指摘のように、台湾の孫文の三民主義というのが一つの基本になっておりまして、日本の憲法第二十九条の財産権の保障と私権制限のぎりぎりのいろんな問題と基本的に違うと思います。いろいろと我が国でもこの問題について現地まで行って御調査になって大変熱心に研究しておられる方もおられますが、参考にはさせていただきますけれども、基本的には大分違うのじゃないかと、こう思っております。
#203
○国務大臣(天野光晴君) それは将来の話で、すぐきょうつくってというわけにいきません。それですから、これを例えばこれから議論して法律化するということになれば相当の時間がかかります。今の土地対策はあした決めなきゃいけないことなんですから、それにはちょっとやっぱり間に合わないのじゃないかという感じがするんです。
#204
○青木茂君 そのとおりなんです。研究には値するわけです。
 そこで冒頭の質問に戻るんです。今の土地対策はあしたの問題なんです。固定資産税が上がって生活に支障を来すのは生活用の住居しか持ってないサラリーマン大衆なんです。これはあしたの問題なんです。そのあしたの問題について間に合うような施策、これが私は特に今必要なんじゃないかと思うんですよ。つまり、冒頭の問題のときの私の御質問に対してお答えいただいたのは、実はあしたの対策じゃないんです。二年先、三年先あるいは十年先の対策なんです。幸い大臣からあしたの問題という非常にそのとおりのお言葉が出ましたが、僕はとにかく、このほかの理由による地価高騰のためにただ住んでいるだけの生活者の税金がアップする、まさにあしたの問題について本当に緊急の思い切った伝家の宝刀をずばっと抜いてほしいと思っておるわけなんです。
 実はたくさん質問を用意してきて、御答弁を御用意なさった方も多々あると思いますけれども、次の質問に入ってしまったらあと十分や二十分じゃ、それはとてもできない。今終わるとちょっと早いと、非常に難しいところに来たんですけれども、最後に申し上げます。
 確かに、土地は国民共有のものであるという孫文流の考え方と、いわゆる私権尊重という日本流の考え方と、そこにギャップがあると思います。あると思いますけれども、土地は簡単に供給できない。つまり、一般の商品と違いまして、足らなきゃ輸入するということのできないものです。できないものですから、僕は土地においてはある程度資本主義経済の原則というものはチェックされてもしょうがないのじゃないかという基本的な物の考え方を持っておるわけです。私権は重要だけれども、土地という特殊な商品においてはある程度の私権制限は、これはもう国家全体のために、国民生活全体のために仕方がないのではないかと私自身思っています。この私の考え方、間違っておるかどうか、最後にまた大変申しわけないけれども、両大臣のお考えを伺って終わりにします。
#205
○国務大臣(綿貫民輔君) 財産権の保障と私権制限、非常に難しい問題だと思います。先日も私、成田空港まで行ってまいりました。団結小屋というのが建っているんですね。既にもう買収したところに農地を耕したりいろんなことをして、まだ問題が解決ついていない。これは私権制限をしたらこんなのは一遍に解決つくのじゃないかなと、こう思いましたけれども、そういう問題もいろんな深い根があるようでありますから、私権制限というのはなかなか難しい問題だということで、日本の土地制度の中にはそういうものが含まれておるということをやはり念頭に置いてやらないと土地問題というのは大変根が深いのじゃないかと、こういうふうに考えています。
#206
○国務大臣(天野光晴君) 今の制限の国土法の問題、ちょっと無理ではないかなと思ったんですが、最後になってから私が入れたものなんですが、宝刀を抜けば、これは重大な社会的な問題が起きるのじゃないかと思っています。
 それですから、この間から中曽根内閣の失敗だ、失政だということで随分中曽根総理に迷惑をかけたようだったんですが、実際問題として、ここに国土庁長官がいるところで甚だ恐縮なんですが、今までの施策では胸のやけたときに炭酸を飲んだほど効き目はないわけです。だから、少なくとも効き目があるためには、やっぱり需要供給のバランスをつくらなきゃいけない。それには、今東京にもうつくることは、私は本当は反対なんですが、今このまま地価を放置しておいたなら、恐らく日本経済が破壊するような結果になるのではないかというような感じがするものですから、それで緊急の手段として東京駅の再開発と上野駅の再開発をやることに私は腹を決めております。それは今、国土庁の方で調査をやっておりますし、中曽根内閣のうちに東京駅の再開発だけは出します。そうすれば、ビルの対策は十二分、余り過ぎるほどあそこにできますから、何とか格好がつくのじゃないかと思っております。
 上野から西日暮里までの間をふたをして上にマンションをつくるのは、これは相当大量にできますし、土地代を出さなくていいんですから、空中権の金額の決め次第なんですから、これ以上安いものは今できないと思います。この二つの計画を発表すれば、東京の地価は半額に下がると思っております。よろしくひとつ御協力をお願いいたします。
#207
○青木茂君 何となく隔靴掻痒というか、私は生活者の固定資産税を問題にしたので、どうも東京駅のことは大分違うと思いますけれども、とにかくあすの問題でまじめなサラリーマン大衆の負担がかかるので、よろしくひとつお願いをいたします。
 質問を終わります。
#208
○委員長(村沢牧君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時三十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト