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1987/08/25 第109回国会 参議院 参議院会議録情報 第109回国会 運輸委員会 第2号
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1987/08/25 第109回国会 参議院

参議院会議録情報 第109回国会 運輸委員会 第2号

#1
第109回国会 運輸委員会 第2号
昭和六十二年八月二十五日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月二十四日
    選任          二木 秀夫君
 七月二十九日
    辞任         補欠選任
     田渕 勲二君     高杉 廸忠君
 七月三十日
    辞任         補欠選任
     高杉 廸忠君     田渕 勲二君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田代富士男君
    理事
                真鍋 賢二君
                吉村 真事君
                安恒 良一君
                中野  明君
    委 員
                伊江 朝雄君
                倉田 寛之君
                坂元 親男君
                高平 公友君
                野沢 太三君
                二木 秀夫君
                森田 重郎君
                山崎 竜男君
                吉川 芳男君
                青木 薪次君
                穐山  篤君
                田渕 勲二君
                小笠原貞子君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  橋本龍太郎君
   政府委員
       国土庁計画・調
       整局長      長沢 哲夫君
       運輸大臣官房長  棚橋  泰君
       運輸大臣官房国
       有鉄道改革推進
       総括審議官    林  淳司君
       運輸大臣官房国
       有鉄道改革推進
       部長       丹羽  晟君
       兼内閣審議官
       運輸省運輸政策
       局長       塩田 澄夫君
       運輸省地方交通
       局長       熊代  健君
       運輸省地域交通
       局陸上技術安全
       部長       清水 達夫君
       運輸省航空局長  山田 隆英君
       海上保安庁次長  大塚 秀夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        多田  稔君
   説明員
       警察庁交通局運
       転免許課長    村井  温君
       総務庁人事局参
       事官       佐藤 正紀君
       防衛庁教育訓練
       局訓練課長    柳澤 協二君
       防衛庁経理局施
       設課長      伊藤 宗武君
       国土庁土地局次
       長        藤原 良一君
       国土庁土地局土
       地利用調整課長  鈴木 克之君
       大蔵大臣官房企
       画官       猿橋 幸男君
       運輸省航空局首
       席安全監察官   大竹 勇二君
       労働省労政局労
       働法規課長    長勢 甚遠君
       建設省都市局部
       市高速道路公団
       監理官      亀山  修君
       自治省行政局公
       務員部公務員第
       課長       古居 儔治君
       消防庁危険物規
       制課長      次郎丸誠男君
   参考人
       首都高速道路公
       団理事長     淺井新一郎君
       日本国有鉄道清
       算事業団理事長  杉浦 喬也君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○運輸事情等に関する調査
 (日本国有鉄道清算事業団及びJR旅客会社の
 運営状況に関する件)
 (第四次全国総合開発計画における交通体系整
 備の在り方に関する件)
 (首都高速道路公団の料金改定問題に関する件
 )
 (AT車の事故防止対策に関する件)
 (民間航空機と自衛隊機とのニアミス発生状況
 に関する件)
 (航空自衛隊千歳基地における燃料タンク落雷
 事件に関する件)
 (青函隆道・本四架橋開通に伴う鉄道施設等受
 け入れ体制整備に関する件)
○日本航空株式会社法を廃止する等の法律案(第
 百八回国会内閣提出、第百九回国会衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田代富士男君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本委員会は、委員一名が欠員となっておりましたが、去る七月二十四日、二木秀夫君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(田代富士男君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会に日本国有鉄道清算事業団並びに首都高速道路公団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(田代富士男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(田代富士男君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○穐山篤君 JR並びに国鉄改革についてお伺いをしますが、最初質問に入る前に、基礎的な材料として次の点について数字を、八月一日付のものを明らかにしてもらいたいんです。
 それは、JR各社の所要員と実員ですね。それから二つ目は、清算事業団の要員の状況、とりあえずこの二つだけを数字を明らかにしてもらいたいと思います。
#7
○政府委員(林淳司君) JRの各社、すなわち旅客会社六社と、それから貨物会社でございますが、これの八月一日現在の現在員数は二十万五百三十二名でございます。
 所要員でございますが、これは同じく七社合計いたしまして十八万四千八百七十名でございます。
 それから……
#8
○穐山篤君 十八万という数字はちょっとおかしいんじゃないかな。
#9
○政府委員(林淳司君) 十八万四千八百七十名、いわゆる所要員でございます。所要員が十八万四千八百七十名ということでございます。
 先生あるいは御指摘は、基本計画の数字がと思いますが、基本計画で目標としました、すなわちこの四月一日時に新しく会社がスタートをするに当たりまして、採用の目標としました数字は七社合計で二十一万三千五百四十人でございますが、いわゆる所要員、仕事をしていく上に必要な人数は十八万四千八百七十名でございます。
 それから、清算事業団の方の現在の状況でございますけれども、清算事業団の現在の要員数は合計いたしまして、本来要員も全部含めまして、これは八月一日現在でございますが、一万九千九百六十三名でございます。
#10
○穐山篤君 もう一つ、総務庁と自治省が来ておりますが、例の国鉄改革の際に公的部門に採用をしたい。それで、政府としてもある程度中央官庁は幾つ、地方官庁は幾つ、公社、公団は幾つという目標がありましたけれども、その目標に対して今日まで採用された者、あるいは内定をしている者、前倒しでいずれは公的部門に再就職をする者、その数字はどうなっているでしょうか。
#11
○説明員(佐藤正紀君) 国におきましては、八月現在で八千五百三十名を採用または内定しております。それから、特殊法人等につきましては四千五百七十名でございます。合計いたしまして一万三千百名でございます。
#12
○説明員(古居儔治君) 地方公共団体におきます状況でございますが、採用済みが五千五十名、採用内定者三千七百名、合計八千七百五十名となっております。
#13
○穐山篤君 数字はわかりました。
 さてそこで、清算事業団に入っている方は本来業務、あるいは退職前提、それから今お話のありました内定合格者、そのほかにいわゆるこれから再就職をする、こういう集団に分かれるわけですが、この数字は五千七百二十二名と書かれております。この五千七百二十二名は全国百四十四カ所の清算事業団支所に入ってそれぞれ教育訓練を受けているだろうというふうに思っているわけですが、生首、路頭に迷わさないという何回かのかたい答弁があったんですが、この三年間で再就職をさせるという具体的な計画はどうなっているんでしょうか、まずその点から伺います。
#14
○参考人(杉浦喬也君) 今先生のおっしゃいました五千七百二十二名、これを三年間で完全に再就職させるというのが私どもの重大な使命でございます。それで、こうした職員の、第一番は何といいましても本人の意向がはっきりいたしませんと、こちらのいろんな教育訓練等ができませんので、事業団発足以来、現在もそうでございますが、本人一人一人の意向を聞きまして、どこへ行くことを希望するのかということを再三再四確かめつつ対応しているところでございます。
 そこで、本人の意向が決まりましたそういう職員に対しましては、それぞれの希望の職種に対応する教育訓練、また行き先に対するさらに求人開拓ということで具体的に詰めを行っているところでございます。
 問題はどこへ行くかということがいまだに決まっていない、そういう意向がはっきりしていない職員、こういう人たちに対しましてはまずもって何回も何回も希望聴取を実施いたしまして、どこへ行くかということを本人とひざ詰め談判でよく詰める、そういうことをまず実施をいたしておるところでございますが、そうした過程におきましていろんな手当てを通じまして職業訓練を行っておりますが、一つは、いわばどこへ採用になっても共通の訓練といいますか、そうした面でいわゆるワープロ、パソコンというような、どこへ行っても役に立つような、そういう教育を行い、あるいは自動車の免許を持っていない人、こういう人たちも免許を持つようにということで学校に通わせるというような一般論の教育を行い、それから、そういう時間と対比いたしまして、さらにまた自分自身で自己活動スケジュールを組ませまして、通信教育その他の自発的な教育活動に従事させる、あるいはまた自分自身で公共職業安定所へ出向くよう自己求人開拓を行わせるというようなことをあわせ並行して行わせておるところでございますし、これからもそういうようなことで教育、指導を実行していくつもりでございます。
 いずれにいたしましても、できるだけ早く全員がどこへ行くかということを明確にし、そして、それに対応するそれぞれの教育を実施し、そして、最終的には再採用を行うということを実施してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#15
○穐山篤君 私ども社会党は、公式に北海道と九州のJR、それから清算事業団あるいは組合、こういうところから十分意見を聞きました。それから、私個人も運輸委員という立場から、公式、非公式にいろいろなところを調査、確認をしました。
 そこで、大臣も杉浦さんもよく聞いておいてもらいたいんだけれども、この清算事業団のその五千何百名のグループですね、これは高年齢層が一つ集団であるわけです。JRを希望してもあと一年で、まあ定年はありませんけれども退職をする。それならばおれにかわって若い人にJRに入ってもらおう、そういう意味で清算事業団を希望した人もあるわけです。それから、実際におまえさんはこういう理由で清算事業団に行ってもらうというしかとした説明もないままに、まあ言ってみますと差別、選別をされたと本人たちは思っているわけですけれども、そういうグループがあります。それから、去年の暮れ、十一月二十八日にこの改革法は終わったわけですが、それから準備をする二月までの間、あるいは三月までの間、かなり職場は情緒不安定だった。そういう意味で、自分の進路がはっきりしないままに、どこどこを希望する、どこの貨物会社、JRを希望するというものを出さずにそのまま清算事業団に入った人も一つのグループとしてあるわけです。
 ここはよく見てもらいたいんですが、ある程度あきらめている人はともかくとして、どこのJRの職員も大多数がおれは選別、差別をされたという気持ちで今、清算事業団の支所にいるわけです。ここは大事に考えてもらいませんと、これから再就職の問題を直談判しようと思いましても、不信感のままに幾ら話をしてみてもこれは前進をするものではないわけです。そこは地域によって多少の違いもありますけれども、社会党の調査によると、九州の場合、あるいは東日本の場合、特にそれが顕著に出ているわけであります。私はある意味では無理からぬ状況だというふうに思う。しかし、そういう中でも資格を取るために一生懸命に努力をしている、あるいは生活指導員との間に対話をしている人も中にはあります。ですから、それぞれまちまちではありますけれども、その五千七百二十二名のうち、差別、選別をされたであろうと今でも思っている方々についてはそのしこりをきちっと解消をしませんと、これはせっかく法律でいろんなことを決めたといたしましても成果が上がらない、そのところを十分にひとつ認識を新たにしてもらいたいと思うんです。
 私は過去の差別がどうであったとかこうであったということを言うつもりはありませんが、基本的にそこの問題の解消を政府なりあるいは杉浦さんが積極的に事に当たってもらう、職場の環境をよくしませんと、これは再就職問題は最終的に三年以内で解決をしないという心配を私は現実にするわけです。
 さてそこで二つ目の問題です。
 この清算事業団支所に入っている方々の、今申し上げましたように、もう資格を取る、積極的にしたい、自営業に出たい、あるいは家業を継ぎたい、民間に行きたい、そういう積極性を持った人も現にあるわけです。
 それからもう一つは、先ほど数字が示されましたように、二十一万五千人という論争をやりました。私は二十一万五千名を超える数字を具体的に
改革委員会で出しましたけれども、意見の対立のまま二十一万五千名でありました。その当時、特別委員会の全体の理解は、JR、四月一日は二十一万五千人でスタートをするであろうなと、こういう気持ちであったことはこれはもうどなたも同感であったと思う。しかし、現実の問題は、二十一万三千五百町十名の所要員に対して二十万五百三十二名という数字になっているわけであります。言いかえてみますと、JR全部埋めたところもありますけれども、総体的に言いますと欠員の状況にあるわけです。問題は幾つかありますが、その一つは、国会で約束をした二十一万五千名を、少なくともスタートの年ぐらい、これは数字を合わしてもらわなければ政府の答弁の責任問題になる、国会の責任にもなるわけであります。例えば、スタートをして、その後効率化を図った、あるいはある部分について外注にしたというならばこれは世間も我々も納得します。しかし、皆さんは二十一万五千名であくまでもできる、やりますと言った責任からいってみても、二十一万五千名でスタートをする、これが基本であると思う。そうなりますと、そこの所要員と現実の実員との間には一万数千名の開きがあるわけですから、それを埋めるという基本的な態度に立ってもらわなきゃならぬ。これが一つ。
 二つ目は、どこから補充をするか。新規採用するわけにいきませんので、あるいは一たん退職をした人をもとに戻すわけにいきませんので、少なくともJRあるいは清算事業団を含めた現役の中で補充をする。これが二つ目の問題だと思う。
 三つ目の問題は、補充をするということになれば、今清算事業団に入っている幾つかのグループの中でJRに復帰をしたいという強い希望を持っている人があるわけです。それを対象にして、JRに復帰をさせる、そのことが少なくとも国会の皆さん方が答弁をした内容あるいは発言をした内容、附帯決議に盛られた具体的な私はものではないかというふうに思うわけです。
 その次の問題、一つ一つ答えてもらいますけれども、その次の問題は、現に清算事業団に入っている諸君の中に勤務成績あるいは能力からいってみても、公的部門に一遍試験を受けたい、そういう熱意を持っている人がいるわけです。この方々についての成績は、それは具体的に調べてもらえばよくわかることなんですけれども、先ほど総務庁と自治省からそれぞれ説明がありましたように、六万一千名の余剰人員のときに引き受けましょうと言った目標の数と現実に合格をした、内定をした数との間には相当の乖離があるわけです。ですから、この際、そういう積極的、優秀な方について、もう一度公的部門への配置転換ができないだろうか、配置転換というよりも採用ができないだろうか、そういう意見の出るのは当然でありますし、また審議の経過からいいましても、この点は青木委員の方から具体的な数字を特別委員会では総務庁なり自治省なりその他に指摘をしまして、その結果、省庁別にまで数字が一たん出たことがあるわけです。その数字は覚えていると思うんです。しかし、それと比較をしてみますと、現実に登用された数は非常に少ないわけです。おおむね一万人ぐらい少ないわけです。そこで四つ目の問題として、JRからの公的部門への就職問題について改めて問題の解決を図る必要に迫られているだろう、そういうふうに思うわけです。
 少し長くなりましたけれども、最初のところは、差別、選別をされたという気持ちでいる諸君とどうやって呼吸をそろえて三年以内のうちに全部再就職をさせるか、その努力、それからあと具体的な要員の配置の問題について以下四点申し上げたわけですが、この五つの問題について大臣なりあるいは杉浦理事長の方から具体的に答弁をいただきたいと思います。
#16
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変広範な問題を指摘をされましたので、私から幾つかの点についてお答えをし、あと事務方、また清算事業団理事長の方から補足をしてもらいたいと考えております。
 私は、第一点に委員から御指摘を受けました差別、選別という問題について、主観的に個々の方がどうお感じになるかということは別といたしまして、JR各社の発足に当たって各社の採用に差別、選別といわれるようなことがあったとは考えておりません。ただ、これは個々の方の心の受けとめの問題もございますから、主観的にそういう感じをお持ちになる方が皆無であったとは申し上げる自信を持ちません。こうした点につきましては、現在、事業団がいろいろ努力をしていただいておりますけれども、委員御指摘のように、個々の方々に対して心の中にわだかまるものを解きほぐす努力というものは今後ともに引き続いて払われるべきと考えております。事業団理事長も今この問答を聞いておられるわけでありますから、従来以上にそうした点には御配慮いただけるものと考えております。
 ただ、委員が御指摘になりました問題点の中でもう一つの主要な部分であります要員数の問題につきまして、多少私どもと委員の御意見との間には乖離があるように感じます。
 と申しますのは、確かに承継計画策定時二十一万五千という採用目標を示しておりました。ただ、同時に、昨年の臨時国会でも繰り返しお話を申し上げましたように、鉄道事業そのものを完全に遂行していくために必要な要員というものが十八万六千ということも私ども繰り返し御答弁を申し上げたつもりであります。
 そして、それぞれの会社がスタートいたしますにつき、それぞれの会社が将来展開していくであろう関連事業の要員として、また同時にこの国鉄改革というものに伴う、職を離れていただかなければならない方の数をできるだけ減らすためにも、各会社に二割程度のいわばスタート時点においては過剰な要員体制で発足していくことを覚悟してもらったわけでありますが、結果的にはスタート時における定員は十九万九千二百七名でありました。
 そしてその後、できるだけ、しかしやはりその方々の中から、殊に北海道地域及び九州地域においてJR各社への就職を希望しながら、スタート時に職を得られなかった方々が多かったこともありまして、北海道及び九州地区におきましてそれぞれの両地域の旅客会社が追加募集を行いました結果、四月一日現在におきまして承継基本計画で定められました採用予定数を六百九十二名下回っておりましたその部分につきまして、六月一日に採用を完了したわけであります。そして、その後、北海道地区並びに九州地区につきまして、特に地域の経済情勢、雇用情勢等をも考えながら、東日本、東海、西日本及び四国各旅客鉄道会社と貨物会社が五月十八日から六月十五日まで追加募集を行い、一週間期間を延長いたしまして、できるだけ多くの方々が応募をしてくださるように努力を重ねました結果が、八月一日現在、二十万五百二十二名という要員数になったわけであります。これは、決してJR各社がいわば手抜きをして採用を手控えた結果ではありません。努力をいたしました結果、最大限清算事業団職員の、殊に今職を求めておられる方の多い北海道地区及び九州地区の方々に呼びかけた結果の数字でありますので、私どもはこの状況からさらに無理を各社に申すつもりはないということは御理解をいただきたいと思うのであります。
 残余の部分につきましては、事務当局並びに必要がありましたなら事業団総裁の方から補足をしてもらおうと思います。
#17
○参考人(杉浦喬也君) 最初の先生の御指摘の職員の差別、選別されたという気持ちの問題でございます。
 今、大臣からお話がございましたように、私どもも振り返ってみまして、そういうことはなかったというふうに思うわけでございますが、それぞれの個人の気持ちとして、いろいろと個別に面談をした中にそうした気持ちが非常にあらわれているということもまた事実でございます。やはり、これからの再就職を実施する場合に、そうした基本にある気持ちというものが、わだかまりがありますと、これは非常に障害になりますので、今、
先生おっしゃいましたような、各個人の身になりまして、温かくそれぞれ個別に事情をよく聞くようにというふうに現地には指導をいたしておるところでございまして、一刻も早くそうしたわだかまりの気持ちをなくし、明るい気持ちになって、自分の新しい出発を、再出発をするようにというふうにこれからも十分に心がけていきたいというふうに思うところでございます。
 それから、事業団の職員からJR各社への再採用の問題でございます。
 今、運輸大臣からもお話がございましたように、問題は二つございますが、一つは、何といいましても北海道、九州の職員、本州に比べまして大変再就職を必要とされる人が多うございまして、こうした職員を何とかJR各社に採ってもらいたいということでお願いをし、しかしまことに地域の事情によりまして残念なことに北海道、九州はもう既にJR各社が満杯でございまして、これ以上採用することはできないという事情でございますので、個人の事情はいろんな苦しい事情はございますが、何とか本州の各社に採用をしてもらうようにということで随分私ども努力をいたしました。個別にいろいろと職員と話をいたしまして、かなりの数を募集にまで持ち込んだわけでございますが、またこれも残念なことに、いざ御採用いただくときにここに辞退ということが発生をいたしまして大変残念に思ったわけでございます。何といいましても自分の国を離れて遠くへ住むということに対して非常に抵抗感があるということでございます。これもいたし方ない事情でございますが、現時点におきましては、本州各社への採用は辞退問題も含めましてここで一応ピリオドを打つべきではないかというふうにも思うところでございます。
 それからもう一つは、本州の職員の採用先の問題でございます。
 これは、JR各社に行きたいという気持ちが本当であるかどうかということをもう一回確かめたい。といいますのは、やはり今までのいきさつ上JR各社への就職の意思表示をする機会があったわけであります。それをどんな事情がはわかりませんが、自分で放棄してしまったということ、あるいはまた採用された後に思い直して辞退をしてしまったというような人が大部分ではないかというふうに思います。したがって、それぞれの人たち、先ほども申しましたように将来の行き先を詰めておりますが、JRへもう一回行きたいんだという人は余りいないんじゃないかというふうにも思います。さらに引き続き個人の希望を詰めていきたいというふうに思います。
 公的部門につきましては大変御努力を願いまして、各地あるいは国の面におきましても非常に御採用いただきまして、事業団になりましてもなお若干の公的部門への採用決定が見られているところでございます。余りたくさんはないと思いますが、公務員になりたいという希望がはっきりした職員につきましてはそれなりの指導、教育を行いまして、その道に邁進することができるように私ども努力したいと思いますし、また公的部門の皆様方にもお願いしたいというふうに思っているところでございます。
#18
○説明員(佐藤正紀君) 公的部門の件でございますが、これまで各省庁、特殊法人等におきましては、定員管理の厳しい中におきましても六十二年度以降の採用分も含めまして一括採用等に最大限の努力を傾けてまいったものと思っております。新会社の発足に当たりまして種々の情勢の変化がございましたことも踏まえまして、本年六月五日に再就職促進基本計画が閣議決定されたところでございますが、各省庁等におきましては今後はこの基本計画に従いまして既に内定した方々の着実な受け入れを図りますとともに、それ以外の方々につきましても清算事業団から要望がありました場合には、各省庁とも事情、実情等にも応じまして個別にその採用等に当たってまいりたいと思っております。
#19
○説明員(古居儔治君) 地方公共団体におきます国鉄職員等の受け入れ状況につきましては先ほど申し上げたとおりでございまして、この数字は国鉄改革の重要性にかんがみまして厳しい定員抑制に努めている中で最大限の努力がなされているものというふうに考えております。自治省としましては、地方公共団体に対しまして既に採用が内定している職員を今後とも着実に採用していくように要請してまいる所存でございます。
 なお、再就職先未定の清算事業団の職員の雇用の場の確保につきましては、新事業体の努力によりできる限り対処することを前提にしまして、自治省としましても地方公共団体に対しまして六月五日に閣議決定されました基本計画に基づきまして国の講ずる措置に準じて職員として採用するように要請しているところでございます。
#20
○穐山篤君 運輸大臣と意見の対立をする部分、改革特別委員会で議論をしたときの認識の違いは、残っている部分はまた改めて別の機会に譲るとして、今の答弁の中で少なくとも前向きと思われますのは、清算事業団にいる中の諸君について本当に公務員の志望があるのかどうか、あるいはそれに値するような状況にあるかどうか。それを受けて、個々なんだけれども受けて立つ姿勢は示してもらった、これが一つですね。二つ目は、JRに復帰したいという問題については改めて調査をしてみましょう、こういう話でありますので、その二つは受けとめて確認をしておきたいと思っております。
 時間がないので非常に残念でありますが、運輸大臣と杉浦理事長、一つだけ聞いておいてもらいたいんです。
 清算事業団支所に配置をされている管理職、これは清算事業団から四百四十四人行っておるわけです。そのほかにJRの協力を求めて若干の人が行っています。そのほかに労働省の方、雇用促進事業団の方から生活指導員という方がおります。幾つか調べてみますと、清算事業団に籍を持っている管理職の人と、清算事業団の支所の教育を受けている人たちの気持ちは最近非常に和やかになってきました。それは同じ立場にあるというそういう共通したものがたまたま一致したと思う。JRから派遣をされている講師の方との間は非常にまだ険悪です。この点は十分に具体的に調べていただいて、もうちょっと職場の環境をよくしてもらいたいと思います。どうしてもJRから派遣された人は胸を張って物を言う傾向が強いんです。そんなためにトラブルが起きなくてもいい話がトラブルがどんどんどんどん拡大をされていく、こういう点を十分に注意をしてほしい、JR各社とよく相談をしてもらいたいと思っています。
 もう時間がありません。二つ目の問題、JR各社から今数千名に近い出向というのがございます。この出向の中には、本来の業務でないところに出向をする、あるいは民間の会社に出向をする、そういう状況のものであります。組合とJR各社との間に協定が結ばれておりますから、そのことについてとやかく言うつもりはありません。ところが、現実は出向に伴う紛争が日本じゅう絶えないわけです。ある特定な人だけが紛争が起きたというならば間々例としてあることですからそれほど気にはしませんけれども、全国的に出向に伴うトラブルが非常に多いんです。仄聞するところによりますと、JRからは目標を決めて何十人何百名は出向させる。必要があって出向させるというよりも、意図的に、意識的に出向させるという傾向が強い。そのために問題が起きた。
 そこで、運輸省並びに労働省から伺うわけですが、きのうも通告で申し上げておきましたが、愛知県の地方労働委員会に提訴しましたJR東海会社の出向の問題について、こういう勧告があります。「本件出向命令の実施については、当委員会において結論を得るまでの間、慎重を期し、労使の対立による事態の悪化を防止するよう努められたい。」こういう勧告が出ています。それから東京都地方労働委員会からも出ているわけですが、それを一言で申し上げますと、事情聴取を労働委員会で行うまで労使双方でしっかり交渉をしなさい。会社はその間は慎重に対処をしなさい。それから
神奈川の場合には、「本件審査が終了するまでの間、本件申立人組合員九名への出向命令の実施を留保し、またこれに従わないことを理由として前記組合員に不利益を課してはならない。」。代表的な例を申し上げたわけですが、出向は結論が出るまでやめなさい、あるいは慎重に行いなさい、あるいは協議をよく労使でやりなさい、大体スタイルは三つぐらいあるわけです。こういうものがたくさん全国的に出るというのは、使用者側委員にも公益委員にも私は伺ったわけですが、今時分国鉄の労使関係というのはこういうものですかと。民間の労使関係ではこんなことでは商売がやっていけませんという感想を幾人か漏らしてくれた人があるわけです。
 そこで私は、意見と同時に質問をするわけですが、これは国鉄側が出向を命じて、その人が十分出先で勉強してノーハウを持ってきてまた職場で十分に生かすという意味で激励の意味を込めた出向ならばそれほど問題はない。民間の会社では、おい、おまえさん、あそこへ行ってちょうだいよと。帰ってくるときには立派になって助けてくれ。この激励の関係の中で出向というのはあり得るわけですね。ところがそういう事態になっていない。時間がありませんから具体的に指摘をします。
 私が調べましたJR東海会社のある支店の文書によりますと、こういう人間は出向をさせる、いやだと言ったらやめさせろという文書が出ている。これを言いますと委員会が具体的にとまっちまうもので、それも困りますので私もそれ以上のことは言いませんけれども、この出向問題について世間一般で行われているような常識的な出向ならば私ども了承します。しかし、あいつの首をとる。言いかえてみれば通勤不可能なところに出向を命ずる。出向を命じた会社が今度は具体的に土木の現場、飯場に出張を命じて飯場で寝泊まりをする。あるいは出向先に宿泊の設備もない。もう前の晩から行かなければ次の朝の勤務時間に間に合わないというふうな事例が間々あるわけです。散見されるわけです。だから世間一般の出向のスタイル、精神あるいは効果とは全然違う。そのことを私は重視をするわけです。
 具体的にきのう労働省には三つのケースについて明らかにしてありますので、どういう態度を労働行政として行うつもりであるのか。運輸省としては出向という事態は考えておったと思うけれども、全く非常識な出向が行われ、全国各地でトラブルが起きているという問題について十分認識をしてもらって、これの改善策を具体的にとってもらえるかどうか、そのことについて質問をしておきます。
#21
○説明員(長勢甚遠君) お答えを申し上げます。
 JR各社の関係で労働委員会にいろいろ審査が申し立てられており、その間で実効確保の措置というものが出されておることも承知をいたしております。
 先生御存じのとおり、この実効確保の措置は、当事者から申し立てがあった場合に、審査の必要上必要があると認めた場合に労働委員会規則に基づいて公益委員会議の決定を経て会長が出すものでございますが、いずれにいたしましてもこれは審査手続の一環として行われておる状況でございますので、この実効確保の勧告に対する対応等については状況等を会社等から聞きたいと思いますけれども、この対応について労働省として特段の措置を講ずるという立場にないということはひとつ御理解をいただきたいと思います。
#22
○穐山篤君 労働省は手を下さないなんというばかなことはあるかね。いや、それは後で聞く。
#23
○国務大臣(橋本龍太郎君) これはもう委員に申し上げるまでもなく、国鉄改革の目的の一つは労働問題も含めまして会社の自主性というものをできるだけ確立するということでございましただけに、私どもは会社の経営についていたずらに行政が介入することは適当ではないと基本的に考えております。
 ただいま御指摘を受けました労働委員会の勧告や要望にかかる個別、具体的な事案につきましては、現に労働委員会の場において関係当事者が争っている話でありますので、現時点においてこれらの事案について運輸省としてコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思います。
#24
○穐山篤君 私は、労使の自主性に任せることは当然だと思います。しかし、国の責任、国会が法案を審査した責任から、経緯から考えてみて可能な限り愛されるJRになる、清算事業団の諸君も気持ちよく再就職ができる、それをどうやってお互いに知恵を出すか、それが我々の任務ではないかというふうに思うわけです。ところが不幸にしてこういう事態が起きたわけです。ところが勧告の中でも東海JR会社につきましては、勧告を受けてその出向を中止をしました。これは賢明な措置だと思う。ところがそのほかのJR東につきましては勧告がありましたけれども、それをそのまま聞き流して出向が続いているわけです。それは各社の労務政策の違いがそうさせているのかもしれません。私が持っております。ある支所の文書によりますと、追い出しのための出向というふうにどうしても理解をされる文書が残っているわけです。少なくとも運輸省なり労働省がこれを看過するということは絶対に許されないというふうに思うんです。
 そこで私は、本問題につきましてはこれ以上議論する時間がございませんので、できれば理事会で引き取っていただいて十分実態を調べていただいて善処をしてもらいたい。以上注文をして質問を終わります。
#25
○委員長(田代富士男君) 後で理事会で御相談をしたいと思います。
#26
○青木薪次君 私は先般の参議院本会議におきまして東京の土地問題を提案をいたしました。中曽根総理大臣からはわかったようなわからないような、難しいという答弁がありました。しかし、前向きに検討はいたしたいと。恐らく橋本運輸大臣も同じような考え方ではないかと思うんでありますが、行革審の中に土地問題の特別プロジェクトをつくるということでありますけれども、昨年の十二月に公表されました第四次全国総合開発計画の中間報告によりますると、東京への国際金融や国際情報などのより高度な機能強化が強調されまして、東京三百キロ圏への集中が志向されているところであります。しかし、この原案に対しまして各地域や各方面から強い反対意見が殺到いたしまして、やむなく国土庁は五月の一日に多極分散型の国土の実現を目指すとした修正案を提案をいたしました。それには地域別整備の課題として、全国各地域が要望している高度の交通網、産業情報の基盤、都市再開発などの大規模プロジェクトの問題について具体的な施策の進め方が示されたのであります。
 なぜ四全総が三全総と違った形で東京の一極集中から地方の多極分散型の国土への志向をしたかということについては、これはもう東京の過密状態、なかんずく将来の土地問題等への対策と同時に東京へのアクセスの問題、災害対策、例えばマグニチュード八なり九なり震度六の地震が起こったならば、東京はもう壊滅的打撃を受けるであろうというような問題、こういうことがこの前提になっていることはもちろんであります。しかし、このことについて、それでは、大都市の土地価格の急騰が問題になっておって下がる見通しがない、政府は一部私権の制限をするということを言いました。そこまで踏み込んでやらなければ対策が立てられないということを言ったのでありますが、このことについてまず運輸大臣と国土庁から私権の制限に対するひとつ御見解をお伺いいたしたいと思います。
#27
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現に行革審のプロジェクトチームが作業を開始して、たしか昨日第一回の実質審議が始まった段階であります。その段階におきまして私どもが私見を申し述べるのは本来差し控えるべきであると存じますし、私自身も個人的な見解とは別に省としての意見を現在定めておる状況にはございませんので、それについてのお答えはお許しをいただきたいと思います。
#28
○説明員(藤原良一君) 国民の財産権につきまし
ては、御承知のとおり憲法二十九条一項で「財産権は、これを侵してはならない。」とされておりますし、その二項で「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」と規定されておるところでございます。現在でも財産権を保障するという憲法の枠内で国土利用計画法を初めとする各種の法令で土地利用等の制限が行われております。例えば国土利用計画法におきましては、地価の高騰をもたらす弊害を除去する、かつ適正、合理的な土地利用を確保するために土地取引に関する規制制度が設けられております。
 ただ、各種法令で定められております制度以上に私権の制限の拡大を行うかどうかにつきましては、国民の財産権に深くかかわる問題でございますので、各方面の御意見を聞きながら慎重に検討していく必要があるんじゃないかというふうに考えております。
#29
○青木薪次君 毎日の新聞やあるいはまた識者のいろんな見解を聞いておりましても、やはり東京の土地対策というものが日本の一番の大きな課題であるということを実は言っているわけであります。特に国鉄清算事業団が汐留駅の周辺の地区の総合整備計画について、国土庁、建設省、運輸省のいわゆるこの要請を受けて検討を開始したと思うのでありますけれども、この問題については清算事業団の理事長どう考えますか。
#30
○参考人(杉浦喬也君) 先ごろ国土庁を中心といたしまして、政府レベルにおきまする今までの検討の結果といたしまして汐留の将来開発構想というものが打ち出されたわけでございます。私ども十分にこれを参酌をしつつ、私どもの方に資産処分審議会という学識経験者の構成をされます審議会がございますが、その部会といたしまして関東地域におきましても地域計画部会がございます。そこにこれから本格的に汐留の問題を付託いたしまして検討をしたいというふうに思っておるところでございまして、大変重要な貴重な財産でございます。十分に審議を尽くしまして立派な利用計画をつくってまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#31
○青木薪次君 運輸大臣と国土庁並びに国鉄清算事業団から意見を聞きましたけれども、私の質問に大臣ほか皆さんは一つもやっぱりお答えになっておらないというように解釈いたしております。
 それでは角度を変えまして、いわゆる自由主義経済体制下におきまして、物の値段とかその他は需要と供給の関係でこれが左右されてくるというように考えているわけでありますが、この点について国土庁どういうふうに考えていますか。
#32
○説明員(藤原良一君) 御指摘のとおり、東京の地価を見ましてもやはり地価上昇の要因というのは土地の需給が非常に強く働いておるんじゃないかと思います。特に都心の地価上昇は著しいんですが、これはやはり都心部における事務所ビル需要が急激に増大したということが一番大きい要因がと思いますが、さらにそれに伴って買いかえのための住宅地の需要が周辺で増大している。さらにはこれらの需要増大を見込んだ投機的な取引、それに金融の緩和状況等も背景としてございまして、これらの要因が複合的に働いたんだろうというふうに考えておりますが、基本的にはやはり需給関係であろうと、そういうふうに考えております。
#33
○青木薪次君 異常な土地価格については、何としても鎮静化させると同時に、異常な狂気じみた土地価格はこれは下げていかなければいけないというようなことがやはりこれからの我が国の課題として要求されてくると思うのでありますが、土地の価格を下げるということは、規制を加えることによって下げることができるかといえば、私はこれはなかなか言うことはやすいけれどもできないと考えているわけであります。
 今、国土利用計画法によるところの土地価格の鎮静化という問題については、今、一つは、例えば土地価格の監視区域を定めて高い取引価格について勧告することとなっているけれども、即決和解で山梨県の大月簡易裁判所の業務量が増大していると先日テレビで報道されたのでありますが、このことについて説明してください。
#34
○説明員(藤原良一君) 国土法では、御承知のとおり、一定規模以上の面積の取引をする場合、あるいはさらに小規模な場合でも、さきの国会で国土利肝計画法を一部改正していただきまして監視区域を設けて届け出を義務づけることができるようになっております。
 ただ、その例外としまして、民事調停法等による和解の場合には届け出義務が免除されるということになっておりますので、それをどうも悪用するような格好で即決和解を求めたというケースがあったようでございます。
 我々の方は、最高裁判所の方とも御相談しまして、そういう監視区域等設けられておるような場合には、そういう脱法的な行為が起こらないように、ひとつ即決和解に当たりまして十分慎重に処していただきたいということでお願いした次第でございます。
#35
○青木薪次君 そういたしますと、いわゆる土地価格を鎮静化させるというようなこと、あるいはまた土地の一つの私権の制限まで及ぶということ、これらのことについて、今やられているまた今後やる可能性のある問題についてひとつ列挙してください。
#36
○説明員(藤原良一君) 国土法では主として取引規制という観点から制限を加えております。
 先ほど申しましたように、取引に当たって届け出制度というのがございますし、一定規模以上の面積の届け出にかかる遊休地につきましてはそれを有効利用させるためのいろいろな措置が定められております。さらに一番厳しいのは、規制区域というのを定めまして、これを指定いたしますと、土地売買等の契約に当たりましてはすべて許可を要するというふうなことになっております。
 取引関係に関する制限はそういったところでございますが、そのほかにも各種の規制法があると思います。例えば土地収用法もそうでございましょうし、都市計画法等による利用に関する制限規定も都市計画法だけじゃなしに各種の法律で定められているところでございます。
#37
○青木薪次君 それは土地収用法に至る問題、取引の制限その他の問題を私たちも知っているわけでありますけれども、そのほかに私権の制限をするということについては一体どういうものがあるだろうか。演説だけじゃいけないと思うんです。期待を持たせるだけじゃいけないと思うんです。あるいはまた、現に行われている取引関係等についてある意味ではおどかしをかけてもいけないと思うんです。問題は、やはり先ほど申し上げましたように、価格は需要と供給で決まるものである、地価対策としては供給をふやすこと以外には私は土地価格を下げることはでき得ないというように究極的に思うんでありますけれども、大臣いかがですか。
#38
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、国土庁から今答弁のありましたような諸方策とあわせて新たな土地が供給されることは、地価の抑制はもちろん、場合によりましては引き下げまでいくかどうか、それは供給される面積にもよりましょう、また供給される場所にもよりましょうけれども、そうした効果が期待できるものはまさに新たな土地の供給というものに尽きると思います。
#39
○青木薪次君 今の時代というのは何と申し上げましても高速時代であって、例えば、私は静岡でありますけれども、過去には三時間とか四時間かからなければ東京へ来れなかった。戦争中は五時間もかかった。ところが、今日では一時間たてば「ひかり」で飛んでこれるという事態というものがあるわけです。問題は、そういうように交通機関を整備いたしまして、そして首都圏の改造を行うということとあわせて、四全総で示されておりますように、例えば七十キロ圏内とかあるいはまた三百キロ圏内とかいうものを抵抗なく東京へ通勤できる、商用が果たせるというようなことを保障してやることだというように考えますけれども、その点はいかがですか、国土庁。
#40
○説明員(藤原良一君) おっしゃるように、確かに需給関係が地価を左右する要因として一番大き
いと思います。
 そういう観点から考えますと、不要不急の需要を抑制するという面と供給を促進するという面と両方あるんだろうと思います。需要を抑制する観点に立ちますと、首都機能を移転することから初め、機能をいろいろ分散する、地方分散を図っていくということが大切だと思いますが、供給促進策としましては、先生おっしゃるように宅地供給圏を拡大する、新規に宅地供給を増大するというやり方と、現に活用しております既成市街地の高度利用を再開発等によって促進していくと、二つの面があるんじゃないかと思います。確かに新規の宅地供給を増大させていくというのが供給促進策の非常に大きな方法、有力な方法の一つだというふうに考えております。
#41
○青木薪次君 宅地供給ももちろんであります。
 東京都区内における宅地並み課税で農業用地を宅地の供給のために解放さしていく、そのために宅地並み課税をかけていくとか、あるいはまた農業者に対して、例えばマンションをつくるために半分ずつの、いわゆる半分のオーナーになってもらって、そうして宅地として供給してもらうとか、あるいはまた都市計画法上の見直しをやるとか、あるいは山をひっかいていくとか、いろんなことが行われているようでありまするけれども、私はやはり個々の対策としてこれらをやられているというように考えられて仕方ないのです。
 問題は、私はここに地図を持ってきたわけでありますが、資料を示す時この地図の中に、この込んでいるところが実は東京の銀座とかいわゆる千代田区等を中心とする地域ですね。それからこっちの新宿、池袋がこうあるわけですけれども、もうほとんど、これは地下鉄の例なんですけれども、ないんですね。ないんです。そうすると、この地域はこの地域よりも三割も四割も地価がアップしている。そのことを考えてみると今の対策というものは交通機関を一つ見ただけでも、いわゆる人が集まるから交通機関をつくってやろう、地下鉄をつくってやろうという対症療法的なものがこの一事だけでも私は言えると思うんです。そういたしますと、問題は将来東京都の土地だけを考えてみましても、将来地価を鎮静化させるためにあるいはまた通勤の流れをよくするために、今二三〇%とか二八〇%とか言われている朝の通勤通学のいわゆる地獄的なラッシュの状況というものを緩和させるために、先行的な土地政策とあわせて交通対策というものがあってなきがごとしである、対症療法である、こういう点を、特にこの点からも考えているわけでありますけれども、大臣、その点いかがですか。
#42
○政府委員(熊代健君) 先生御指摘になりました東京圏の鉄道網の整備につきましては従前から都市交通審議会、引き続きまして運輸政策審議会というところで十年あるいは十五年先を見越しました計画を策定し、それに従った鉄道の整備を進めてまいっておるところでございます。
 東京圏につきましては、先生御指摘のように圏域全体につきまして二〇〇〇年を一応目標にいたしまして、一昨年昭和六十年に鉄道網の見直しをいたしまして、現状の改善ということは当然でございますけれども、それ以外に東京圏全体の十五年先程度の圏域整備の基本方向、先生多少おっしゃいました多角型の都市構造に変えるとか、そういったような全体の基本方向や輸送需要の動向等に基づきまして路線を設定し、それを着実に整備するということに相なっておりまして、ただ単純に需要の後追いということじゃなくて、地方公共団体あるいは国の他の基本的な考え方、そういったものに基づいて十分検討の上設定されたものでございますし、それに従って我々着実な整備を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
#43
○青木薪次君 時間がないのではしょって申し上げていきますけれども、やはり鉄道を整備して首都圏の改造を行うということがなければ道路と鉄道といっても、道路は例えば虎ノ門から汐留まで二・四キロある。ここに道路をつくった。事業費は全体といたしまして二千四百億円かかった。しかし土地代に二千三百九十億円かかって事業費はたった十億円、こういうようなことが果たして健全な姿としてあり得ることだろうか。あるいはまた日本の土地は非常に高い。アメリカの二十五分の一である日本の土地が土地代としては大体七・七兆億ドルですか、それからアメリカの土地が全体で三兆三千億ドル、日本の土地の代金でアメリカの国土が二つ買える。こんなばかげたことがあって私はいいと思わないのであります。日本の土地が千七十兆円、日本の用地全体で千七十兆円、これを富士山の高さに一万円札を折り目なしに並べていくと二千四百倍もかかるというようなことだけを考えてみても、土地対策というものが日本を滅ぼすという議論というものが今公然と行われているのであります。
 こういう問題について、東京の都市圏からこの土地の問題、対策を考えていくということになれば、私はやっぱりこの首都圏の七十キロ圏内と先ほど申し上げましたけれども、全人口の四分の一に当たる三千万人の人が住んでいるわけでありますから、工業用地を含めた宅地は二十二万ヘクタールもあるんです。それに対して四十万ヘクタールの農地があると、このように考えてまいりますと、宅地のうち住宅地は十五万ヘクタールであるんでありますから、首都圏七十キロ圏内の農地四十万ヘクタールのうちの四割弱の十五万ヘクタールを住宅地に転用すれば首都圏の住宅地は現在の二倍になるという議論が今行われております。こういうことが果たしてできるかどうかということになりますと、首都圏の人口集中地区に、例えば人口の密度が一ヘクタール四十人以上というようなことが言われておりますけれども、鉄道線路に沿っていろいろヤツデの状態でひとつこの延長七十キロのところに鉄道を建設して新しい都市地区をつくっていくということにすれば非常によろしいという意見が識者の間に今ささやかれているわけでありますが、こういうような問題について、例えば先ほど地下鉄の千代田区を中心とする密集した状態を申し上げたわけでありますけれども、東京へ集中する七十キロ圏内にヤツデのような状態で東京に入ってくる、もちろん東京のこの地域に入ってくる場合には地下を潜ってくることになるかもしれないけれども、そういうようにやはりこの条件を整備していけば、私は土地の有効利用というものがさらに広がってくると、農地の関係等については、ただ農地をつぶせつぶせということを言ってみてもこれはなかなかやっぱり農協の立場から言うならば、生鮮野菜の供給に我々は重要な役割を果たしているんだからということで反対が来る、また災害時の避難のための空間として役立っていきたいという考え方だってあるということになりますと、今、日本の都市のあり方としては、人間の住みよい都市づくりのために空地が少な過ぎたのではないかということが考えられているわけでありますが、そういうように、いわゆる土地を供給する体制それからこれを裏づける交通諸施設の活用の状態、将来を見た交通の行政の対応の問題というようなことについて、もっともっと知恵を出さなければ後追い型になって、ここが混んでいるからここへ一つ線路を敷けとか、地下鉄を敷けとかいうことだけで問題が過ぎているというように考えます。それも必要ではないということを言っているわけじゃありませんけれども、例えば千葉ニュータウンにしても、東京とのアクセスが悪いために開発がなかなか進まないということを聞いているわけであります厄
 最近の地価の高騰のために住宅・都市整備公団のアパートもよく売れたと聞いておりますけれども、計画はよいけれども、進め方は失敗であると私どもは思うわけであります。土地供給のために何よりもまず大量交通機関の整備が第一であると考えますけれども、この点運輸大臣いかがですか、運輸大臣お疲れになっているようですけれども、大臣たまには答弁してください。
#44
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変申しわけありませんが、今の御指摘のような問題はある角度からは私は正しい御指摘だとは思うんです。しかし、
例えば今千葉ニュータウンを例に引いていろいろのお話しがございましたけれども、現在の大量交通機関の整備はそれなりに進行いたしているわけであります。現に私どもきのう埼玉県の和光市で東上線と営団地下鉄のドッキング、相互乗り入れに立ち合ってまいりました。そうした視点からまいりますと、私はやはり基本的に今後一体東京という都市が将来なお人口がふえ続ける場であるのか、あるいは四全総に将来方向として考えておりますような多極分散型という中において持っております都市機能の一部を他の地域に譲り渡していくことが果たして可能なのかどうか、こうした視点から改めて私は基本的な問題は掘り下げなければならぬと思います。当面する対応としてはさまざまな対応が考えられるわけでありまして、むしろもう一つ基本的なところまで踏み込んで考え直さなければいけない時期にあるいは来ているのかな、率直な感じを申し上げます。
#45
○青木薪次君 そこで、今後の運輸政策といたしまして、東京の地価はどうすれば下がるんだというようなことについて、旧国鉄用地の売却に当たって、土地価格の問題について大蔵省と運輸省は地価高騰に拍車をかけるがごとく、ただ国の財政を圧迫するものであっては困るから、ひとつ高ければ高いほどよろしいというようにお考えになっているのかどうか答弁してください。
#46
○説明員(猿橋幸男君) 清算事業団におきましては、国鉄の長期債務等の処理に充てるため用地の売却をこれから行っていくことにしておりますが、用地の売却につきましては、それが公正かつ適正に行われる必要があると考えておりまして、かかる観点から売却につきましては、清算事業団法に明定してございますように原則として公開競争入札によるということが必要であると考えております。
 また、用地の実際の売却に当たりましては、最近の地価動向にもかんがみまして、投機による不当な地価上昇を招かないように転売禁止等の厳しい条件を付すこととしていると承知しております。
#47
○青木薪次君 私はやっぱり四全総の趣旨に基づいて多極分散型のいわゆる地方開発計画、日本の開発計画というものを進めるということは私は大変いいことだというように考えているわけでありますが、その中できよう新聞を見ますと、リニア式中央新幹線の調査費をニューリーダーの一人である安倍自民党総務会長が要求するということが出ておりました。具体的に例えば東京から山梨県を通って、そして伊那谷を通って名古屋へ行って大阪の方へ向いていくというようなリニアモーターカーの建設の関係について調査費を要求するということについては運輸大臣お聞きになっていますか。
#48
○国務大臣(橋本龍太郎君) リニアモーターカーにつきましてはいろいろな方がいろいろなことをおっしゃっておられまして、北海道に参りますと千歳から札幌にリニアモーターカーを引く調査費を要求するとおっしゃっている方もございます。ただ、磁気浮上式のリニアモーターカーというものにつきましては、確かに高速あるいは低公害性等の一般的な特性を有する交通機関ということで現在技術開発が行われているわけであります。これらの特性が発揮される形で実用化されました場合には大変有効な交通手段になるものであろうと私どもも思います。ただ、現在の時点におきましてはまだ輸送容量でありますとか、あるいは運行頻度とか、建設のコスト、運営のコストなど旅客輸送システムとしての諸特性が必ずしも明らかではございません。ですから具体的な適応性につきましては今後技術開発の進捗状況も踏まえて検討する必要があるものだと思っております。
#49
○青木薪次君 別にリニアモーターカーの宣伝するわけじゃありませんが、私も四回ほど実は宮崎の実験場へ勉強に行きました。よくわかりませんけれども、とにかく超電導の技術がどんどん発展をしてきた、あるいはまた勾配に対して非常に強い、それから時速五百キロというようなことが裏づけされてきますと、車両費は新幹線の半分でいくそうであります。しかしそういうような問題が一つは大都市間の交流を、超高速で走る。そういたしますと、今度は私ども静岡あたりは今新幹線が往復で二百本通っている、そのうち百二十本はひかり号だと、その中でだった十九本しか静岡あたりはとまらないというようなことも、全部これは裏打ちされますと、そうするとその地域が通勤圏になってくるわけですよ。そういうような問題等も将来考えたときにもっともっと「ひかり」をどんどんとめていく。あるいはまた、現在の東海道線あるいは地方のJRの各社もこれに基づいて通勤の保障をどんどんしていく。これは東海道だけじゃありません。全国そういうことでやっていくということになれば、私はやっぱり東京の地価対策ということになってくるということを言っているわけであります。別にリニアモーターカーの宣伝しているわけじゃありませんが、そういうような問題を中心といたしまして高速鉄道の整備に対する運輸政策というものが立てられなければならないと思うんでありますが、この点について大臣の御所見を聞いて私の質問を終わりたいと思います。
#50
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今御答弁を申し上げましたけれども、実はリニアモーターカーにつきましては、既に六十一年度から明年六十三年度までの三カ年計画で国土庁の調査調整費によりまして、国土庁と運輸省と建設省が共同で輸送特性、国土構造、都市構造、総合交通体系に及ぼす影響などを把握することを目的とした調査を現に実行している最中であります。
 こうした結果も見て判断をいたしたいと思いますけれども、一般的に高速鉄道輸送というものについてお触れになりました分については、私ども基本的にその認識を同一にいたしておるところでありまして、今後とも努力をしてまいりたいと、そのように考えております。
#51
○安恒良一君 今、青木先輩の質問とも若干関連をするわけですが、私はまず四全総と交通網の整備について少しお聞きをしたいと思います。
 四全総のねらいは、今大臣がおっしゃったように、東京集中型を是正する多極分散型国土形成が描かれているわけであります。そうなりますと、今も青木委員からも御指摘があっておりましたように、交通体系の整備というのが大きな私は役割を果たすことになると思います。そんなことで、三全総のときには交通問題は三ページしか書いてありませんでしたが、今回は十ページ交通問題のことが書いてあります。時間がありませんから、四全総の中で交通問題が記述されていますが、その概要と中心的なねらいですね、概要とねらいをごく簡単にひとつ説明してもらいたいと思います。
#52
○政府委員(塩田澄夫君) お答え申し上げます。
 四全総におきましては、定住と交流の活発化によりまして多極分散型国土形成を図るという観点から定住と交流の基盤となります交通体系の整備を重要な施策として位置づけております。
 具体的に申し上げますと、国際交通機能の強化、全国一日交通圏の構築及び交通網の安定性の向上、この三つを交通体系の整備の目標に置きまして、国際交通体系、国内幹線交通体系、地域交通体系等おのおのの分野におきまして各交通機関の位置づけを示しております。
 鉄道を例にとりますと、国内幹線交通体系におきましては、中距離、大量交通機関と位置づけまして、また地域交通体系におきましては日常交通の充実高度化や幹線交通へ連絡するものと位置づけております。
 このように四全総におきましては各交通機関の特性を踏まえた上で各交通機関の位置づけが明確にされていると考えておりまして、交通体系の整備が多極分散型国土形成、すなわち大都市集中の回避に資するということが期待をされていると思います。
#53
○安恒良一君 文章を表面だけ読まれてえらい結構なようですが、どうも中身が大変僕はそうなってないと思う。
 まず私が読みますと、高規格幹線道路網の整
備、このコミューター航空、ヘリポート、こういうものはかなり大々的に取り上げられていますね。ところが今も青木さんからも言われましたように、鉄道網の整備では大都市圏では常磐新線の複々線化、環状線の整備、列車増発、貨物線の旅客線化など、地方圏では新駅の設置、列車増発、速度向上、新幹線との接続改善、非常に小ぢんまりとしていますね、肝心の鉄道網。しかも実現性の面で、これは後からおいおい実現性について聞いていきますが、首都圏では一部新幹線の建設が行われると思いますが後の部分はほとんどが改良なんですね。これでは本当に今多極分散型ということに適合する鉄道網の整備になるんだろうかどうだろうか。大部分が既存の改良だけにとどまっていますが、これ国土庁、そういう理解でいいですか。
#54
○政府委員(長沢哲夫君) 道路、空港よりも鉄道についてはどうも記述が小ぢんまりしているじゃないかという御指摘でございますが、ただいま運輸省の方から答弁がございましたようにそれぞれの交通機関の特性を踏まえて相互に補完的な役割、位置づけをした上で全体として交通体系の整備を図ろうというのが四全総の考え方でございまして、鉄道につきましても国内の幹線交通体系を形成する交通機関の一つとして位置づける一方、地域交通体系整備の一環といたしまして大都市圏におきましては鉄道路線の新設、線路の増設等、それから地方都市圏におきましては新駅の設置あるいは接続の改良、列車の増発といった具体的な整備目標を示しているところでございます。
#55
○安恒良一君 答えがこれもまた美辞麗句、抽象的ですね。では具体的に少し聞いていきましょう。
 私はこの方式で言うと首都圏では新線投資はできると思いますが後はなかなかできないんじゃないだろうかという感じがこれしますね。それから第三セクターの建設方式も、これも私は大都市のごく一部しか実現できない、こんなことになりますと、表面ではいわゆる多極分散型と言いながら何のことはないんですね、こういう鉄道網のあり方では結果的には私は東京集中をまた実現することになるんじゃないだろうかという今あなたたち二人の答弁を聞いておって思うわけです。
 そこで具体的に言いますと、どうも道とか空港、これは自主財源がありますね。ですから四全総の中身を読んでも投資規模が非常に巨額で私は整備はかなり進むという感じが強くいたします、これは財源がありますから。ところが既存の設備の改良に重点がある。鉄道は本当にこれで実行できるんだろうか、財源がないわけですからね、実行できるんだろうかということを私は非常に心配します。例えば大都市の場合地下鉄の建設を例にとりますと、キロ当たり建設費は二百億を超え三百億に今迫っています。
 そこで運輸大臣に質問します。運輸大臣、三百億かかる巨大な投資路線を採算がとれるだけの乗客を確保するのにはキロ当たりどのくらいの人が乗れば採算がとれると思いますか。運輸大臣答えてください。
#56
○政府委員(熊代健君) 具体的な数字の御質問ですので私からお答えさせていただきます。
 先生おっしゃるように、地下鉄に対しましてキロ当たり二百億を超えているという状況の中でどの程度の利用者があれば採算可能かという御質問でございますが、運輸省としましては資本費負担の高い地下鉄につきましては補助制度を一応前提といたしましておおむね三十年以内には累積ベースで黒字になる、資本収支上も黒字になるという見通しが立つ範囲で免許をし工事を進めるというようなことでやってまいっております。
 最近の例で具体的に申し上げてみますと、キロ当たり建設費と一日当たりの輸送人員を単純に営業キロで割った数値の比較ということで御理解いただきますと営団七号線、これは目黒−岩淵町間をやるわけですが、建設費が約二百億程度でございます。キロ当たり今申し上げた数値が二万六千人、名古屋市の六号線につきましては約二百五十億円で二万五千人、札幌市の三号線につきまして約二百四十億で二万六千人といったような数値となっております。あくまで採算性はその地域の状況とか路線の性格にかなり影響されますので個別具体的に先ほど申し上げましたできるだけ二十数年、少なくとも三十年以内に累積で黒字に転換できる、資本収資も転換できるという範囲でやっておるところでございます。
#57
○安恒良一君 私は一日キロ当たり人員がどのくらいかと聞いたのです。だから私の方から言いますと、計算しますと建設利子の利払いだけでも現行賃率キロ二十円ですからこれで計算しますと二十四万七千人、一日キロ当たりですよ、これは必要になるわけですね。ですからさらに今言ったようにこれは二百億で計算したのですが、今や二百億ではキロ当たりの建設費はもう上がらなくなりつつある、三百億かかる、こういうことに今なりつつあります。そうしますとこれを一日キロ当たりやはり四十万人とか三十万人の乗客が見込めると、こういう路線でないとなかなか採算がとれなくなっちゃう。ところがもうこれから地下鉄をつくっていくとすると、私はそんな路線はなかなか発見できないだろう。今申し上げたような一日キロ当たり三十万人から四十万人、一日キロ当たりですよ。ですからそうしますと私はこの新線建設の意欲はなかなかわかない、こういうことにこれはなると思いますね。これは例えば民鉄がやるにしてもJR各社がやるにしても公営交通がやるにしても、例えば一つの例を挙げると仙台の地下鉄が最後の地下鉄ではないかと言われていますね、あの規模の都市だったらもう。人口が少なくとも二百万人以上いないと地下鉄建設というのは非常に無理だと、こういうふうに言われていますね。仙台が最後の地下鉄になるんじゃないだろうかと実は言われているぐらいなんです。そこでどうも国土庁の方はこういう事実を知っておられますから四全総では文章だけ長く書いてありますがね。鉄道の整備が後退したのはそこにあるんではないだろうかなというふうに今思います。
 そこで今度は大臣に具体的なことで聞きますが、地方圏の場台には速度向上と書かれていますが、運輸大臣、具体的にどんな方法で速度の向上を図るおつもりですか、お考えをお聞かせください。
#58
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今来年度の概算要求に向けてさまざまな作業をいたしております過程でありまして、まだ具体的になかなか申し上げ切れる部分がございませんけれども、車両の改良あるいは線路そのものの改良といった施設面の改良が一つの手法であろうかと思います。また、例えば地形的に、あるいは地域の協力が得られます場合には線形改良といったものも考慮の対象になろうかと思います。しかし、その場合に、従来ありました町との関係あるいは駅との関係等々といったようなことがありますと、線形改良といったものがなかなか取り上げつらい面もあるのかなというのが一つの実感であります。また、複線化、複々線化あるいは単線におけるすれ違いの場所の確保、いろいろな手法がありましょう。
 ただ、先ほどから委員と事務方の諸君の論議を聞いておりまして、これは私国土庁をかばうわけではございませんけれども、一つの問題点としては、例えばコミューター航空に代表されます航空あるいは高規格高速道路、こうしたものの整備状況に比べまして、やせても枯れても国鉄時代の資産を持っております日本の鉄道というものが、一応全国的に鉄路が敷かれておるという状況は、やはりそれだけ優先度が高く整備をされてきたという歴史の中にあるものでありまして、それだけに新たに取り上げるものが少なかったという御指摘は受けましたが、これは一方ではそれだけ整備が進んでいたということではなかろうかという感じも私はしないではありません。
#59
○安恒良一君 運輸大臣、それじゃ在来の幹線を走っている特急列車の表定速度はどのくらいになっているか御承知でしょうか。
#60
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは、正確に存じませんが、たしか七十四、五キロではなかったかと思います。
#61
○安恒良一君 遅いのが五十九キロ、速いので時速九十三キロですよ。ですから、大体五、六十キロで走っていますね。
#62
○国務大臣(橋本龍太郎君) 平均をいたしますと、すいません、七十一・四だそうです。
#63
○安恒良一君 これでは一般の自動車道の自動車にも私は勝てないんじゃないかと、こんな特急の速度では。ですから、問題は速度向上を図らなけりゃいかぬと思うんですよ。そこで運輸大臣、国土庁、どういう方法で在来線の速度向上を図ろうとされていますか。具体的にわかるように説明してください。
 今あなたは簡単に、いやそれはいわゆる車両を変えればいいとか線路を直せばいいと言うけど、これはやっぱり予算がかかることですからね。ですから、どういう方法で具体的に自動車に負けない、せっかく在来線があるわけですから、特急列車も走っているわけですから、それが今言ったような平均速度ではとても自動車に勝てません。というのは、御承知のように道の方は高速道路がどんどん整備されていきますから。そうすると、それに打ち勝つための速度をやはり出さないとこれはいけないと思うんですが、この点についてはどういうふうに具体的にされようとしているんでしょうか。
#64
○国務大臣(橋本龍太郎君) しかし委員、お言葉を返すようでありますが、鉄道には交通渋滞はございません。ですから、決められた速度は必ず出ておるわけであります。(「追い越しはできないな」と呼ぶ者あり)確かにそれはありますね。
 そして、在来線の速度向上といいますと、まず一つ挙げられるものは軌道の強化、また車両の軽量化、さらに現在既に一部進行中でありますけれども振り子型の車両の採用等、こうしたものの方策を線区ごとに組み合わせて組み上げていくべきものであると思っております。
#65
○安恒良一君 大臣が言われた一面もありますが、私は一番やっぱり大きなことは明治以来の路線、非常に曲線の改良など線形改良を大々的に行う必要があると思いますね、線形改良。でないと、このままでいきましたら、JR各社の在来線は再びローカル線化しますよ。そういう危険が非常にある。そして、私は線形改良というのは内需振興策としても有益だと思いますね。ですから、この点にはぜひ大臣、意欲的に取り組んでもらいたいと思う。
 特に私は以上の論議を通じて大臣に、いや鉄道は整備されているから余り書かなくてよかったんじゃないかと国土庁をかばうような答弁されましたが、ちょっと大臣としてお粗末だと思うんです。なぜかというと、二十一世紀を展望して少し考えてもらいたいのであります。それはどういうことかというと、青木さんからも指摘がありましたように、大都市圏ではやはり私は建設のコストを抑えるための土地対策、財源問題を含めた抜本的な対応が不可欠だと思うんです。それから、地方圏では線形改良、これに大きな投資をしていく以外には私は地方圏の鉄道がいわゆるローカル化することを防ぐ方法はないと思います。
 ところが、こんなこと四全総には書いてないんですよ、今私が言ったようなことは。そして、ただ整備しますとか、これでは結局絵にかいたもちではないでしょうか。私は高規格の道も必要だと思います。コミューターも必要だと思います。しかし、大量輸送機関として、大臣がおっしゃったように、渋滞がないこの鉄道、これを国民が強い希望を持っていることでありますから、ですから私は国土のあり方からいいましても、大臣は十年先、二十年先を描写して、このお粗末な四全総ではなくして、少なくとも鉄道整備の実行面で私がいろいろ今指摘をいたしましたようなことについて、この打開をぜひやってもらいたい。そうでないと私は四全総というものは絵にかいたもちになる、こう思いますが、これらの点について大臣の所見をお聞きをしたい。
#66
○国務大臣(橋本龍太郎君) お粗末な部分は申しわけありません。
 今御指摘をいただきました中に一つ大変大切な問題を御指摘をいただいております。これは実は地方における鉄道のみならず、公共交通の維持整備というものにつきまして、従来から鉄道あるいはバス等に対してさまざまな助成措置を講じ、その維持整備に努めてまいりました。しかし、その中に安定的な財源確保というものがいまだ達成ができておらないわけでありまして、私どもはこの必要性を痛感し、従来から鋭意努力をしてまいりましたけれども、遺憾ながら諸般の情勢の中でまだこれが実現ができておりません。基本的な問題、委員が御指摘のとおり、一つはここに将来の課題が残っております。
 この財源確保の問題について、負担をどこに求めるかという大きな問題がありますこと、この点を中心に幅広く国民の支持を得ることが何よりも肝要なことでありますが、こうした認識は持ちながら、残念ながらこの目標を到達できておらないという問題がありまして、これは今後とも私どもとして鋭意努力をしてまいらなければならない課題であると考えております。
 また、委員から御指摘を受けました線形改良、確かに私どもは日本の地形というものを考えてみました場合に、山が多いということから、明治以来敷かれてまいりました鉄道の路線には、その山すそを迂回して鉄道線路が敷設されているケースが非常に多い。そのために曲線部分が多く、抜本的な速度向上ということを考えました場合には、その曲線改良が有効である場合が確かに御指摘のとおり多いと思います。しかし、そのためには大変膨大な資金を必要とする。これは民間活力を使ったり、いろんなことは考えられるでありましょう。資金を必要とするということばかりではなく、一つには既設の駅の移転を伴う場合あるいは廃止を伴う場合等々を生じる場合がありまして、こうしたことを総合的に考えた上でこれを推進する必要があると考えております。御指摘の視点としては私もそのとおりに感じております。
#67
○安恒良一君 ぜひこれは運輸省も政策省になったんですから、今四全総に書いてあるようなことに、仏つくって魂入れずということじゃなくして、土地対策、財源対策、それから内需拡大からくるところの、積極的な線形を変えるということについて今概算要求をまとめられている段階だと思いますし、これは私は単に一年でできることじゃないと思います。しかし、やっぱり二十一世紀を我々が展望して、いわゆる東京集中型を改めていくためには、どうしても大臣がおっしゃったように道の場合には渋滞がある、鉄道の場合には渋滞がない、決まった時間で行ける。そうなると、その鉄道を整備をして決まった時間で、例えば青木さんがおっしゃったように、東京中心にする百キロ圏なら百キロ圏というところの整備とかいろいろ私は多面的な整備がされ、そして東京集中型というのが四全総に書かれた多極分散型になっていく、それがためにはもう少し運輸省は勇気を持ってそういうものについて財源要求をどんどんやっぱり出していく、こういうことが、私はこの三十一日までにほぼ概算要求は決められると聞いていますが、これは今年度の問題ですから、今年度も勇気を持ってもらいたいし、さらに二十一世紀を展望して私はやってもらいたいということを、これは私の強い要望として言っておきますし、またこれからもその実行方についてはこの委員会その他予算委員会等を通じて十分に督促をしていくつもりですから申し上げておきます。
 次に、首都高速問題についていろいろお聞きをしたいので関係省にもお出ましを願っていますし、それから首都高速道路公団からも来ていただいております。
 まず、首都高速道路の通行料が近く上がるというふうに聞いています。どうも現行五百円から百円上がる、六百円になる、これは普通車ですね、大型は千円が千二百円。これはこの前値上げしてまだ二年八カ月しかたっていませんが、今回二〇%一遍に上がるということが言われていますが、その値上げの理由をごく簡単に説明してください。
#68
○参考人(淺井新一郎君) 御質問の首都高速公団
の料金の値上げの背景とその理由でございますが、今回御承知のように東京線の料金を高速葛飾川口線並びに高速葛飾江戸川線、二路線の供用開始の日、九月九日の予定にいたしておりますが、その翌日に普通車五百円から六百円、大型車千円から千二百円に改定することを考えております。
 この料金改定の理由でございますが、これはこの料金の額の算定に当たりましては、その対象事業費としまして、新規路線、供用路線等の建設に要する事業費、これは葛飾川口線で言いますと、十六・五キロの間で千七百二十一億かかっておりますが、同じく葛飾江戸川線で十一・二キロで実に二千百三十八億など合計で四千二百四十三億という金がかかっておりますが、この事業費を償還してまいらなきゃならぬわけでありますが、これと既供用路線の改築に要する事業費も加えております。
 これは、道路交通情報施設といったものもこれからますます整備していかなきゃならない、その関係が三百四億円。その他四十六億円を加えまして、合計、既供用路線の改築に要する費用として三百五十億円、維持費を合わせまして四千五百九十三億円が今度新しく供用に伴って追加されたことになるわけでございます。これに伴いまして、現行料金による三十年以内の償還が不可能になりまして、そのために料金の改定を行うものでございます。
 今回の両路線二十七・七キロの完成によりまして、長年懸案でございました東北自動車道との連結が果たされまして、従来の供用延長百七十三・九キロと合わせまして合計二百キロ以上の延長となりまして、ネットワークがこの部分は特に充実されることになりまして、全体として利用者サービスの向上も図られることになるわけでございまして、そういうことから今回の値上げをお願いしておるわけでございます。
#69
○安恒良一君 川口線、葛飾江戸川線の開設、建設費のコスト、その他既存のということですが、そこで建設省に、資料はもういただいていますから、ごく簡単に首都高速道路公団の経営が悪化するから上げるんだ、こういうことを言われていますが、同公団の六十年度決算と六十一年度料金収入の状況をちょっと説明してください。膨大な資料ですから結果のところだけで結構ですから、資料はいただいています。
#70
○説明員(亀山修君) 昭和六十年度及び昭和六十一年度の公団の損益計算書によりますと、まず昭和六十年度の決算でございますが、首都公団、道路にかかわる料金収入、千四百三十二億円でございます。それから昭和六十一年度は千四百六十一億円となっております。
#71
○安恒良一君 聞いたことを正確に答えなきゃだめじゃないの。六十年度の決算について結果のところだけ答えてくださいと、それと六十一年度。あなたは、その料金のところだけを答えたんじゃないの。料金収入の資料二つもらっているでしょう。
#72
○説明員(亀山修君) 六十年度の決算でございますが、収入は千四百六十二億円余でございます。それから六十一年度につきましては千五百二十億円余でございます。
#73
○安恒良一君 あなたね頭が悪いのかね、君。僕が言ったことをよくお聞き。頭が悪いようやったら出直してもらわにゃいかぬ。
 同公団の六十年度の決算と六十一年度料金収入の状況を説明をしてもらいたいと、こう言っているんじゃないか、何言っとるかね、君は。それやったら担当局長とかわってくれ、頭が悪かったら。
#74
○説明員(亀山修君) 失礼いたしました。
 昭和六十年度の収益は千四百六十二億円余、費用の部が千四百六十二億円余でございまして、当期利益としまして五千八十七万円でございます。それから道路収入が千四百三十二億円余でございます。
 それから昭和六十一年度の決算でございますが、収益の部が千五百二十億円余、そのうち道路料金収入が千四百六十一億円余でございます。それから費用の部は千五百二十億円余でございまして、当期利益は六千七百三十二万円余でございます。
#75
○安恒良一君 担当局長が建設委員会に呼ばれているというから、局長にかわる次長が出てくるようにと、こういうことを言ってあるわけだから、正確にこれはあなた答えてもらわないと困るよ。でないと、この次からあなたは来てもらったってしようがないということになる。それだけは言っておくからね。
 そこで、私はいま一つわからないのは、この二つの路線がいわゆる開通されるから、それが主要な値上げの理由になっているわけですが、それならばこの二つの路線の線路ごとの事業費の内訳と減価償却費の内訳を、ひとつこれも数字ですからごく簡単に説明してください。
#76
○説明員(亀山修君) お答えします。
 葛飾川口線が千七百二十一億円でございます。それから葛飾江戸川線が二千百三十八億円でございまして、この全額について償還する必要がございます。
#77
○安恒良一君 全額をもちろん償還する必要があるわけですが、この償還はいわゆる何年度でやると一年度は幾らになりますか。
#78
○説明員(亀山修君) 具体的な首都高速道路公団の減価償却につきましては、毎事業年度の道路にかかわる料金収入等の収益総額から道路管理業務費等の費用総額を控除した残額に相当する金額を減価償却することとしております。
#79
○安恒良一君 きょうは、建設大臣にも来てもらいたかったんですけれども、建設大臣はお見えになってませんし、この料金の値上げのことについては、いわゆる公団から申請があった場合には運輸省と建設省、そこで協議をして認可される。認可は運輸省が最終的にされることになると思いますが、両方の共管ですから。どうも、一般の国民はわからぬわけです。すなわち、六十年度の決算を見ましても、私の手元にあるとおり黒字が出ている、いわゆる五千万でありますか、この黒字が出ている。それから、料金収入の伸びも今私の手元にいただいた資料で見ますと、六十一年度はさらに料金収入は二%伸びる、約二%ぐらい伸びるという資料が私のこの手元にこれは来ているわけです。そして、今度はいわゆる葛飾川口線と江戸川線、これの事業費は幾らかということははっきり言われたが、償却は何年でどうするのかといったら、いや、これは全体でやるからわからない、こういう答えですね。これでは、いわゆる値上げの理由というのがこれを利用する国民にわかるんだろうか。御承知のように、今この円高のもとにおいて石油の値下がりがあり、電気料金その他ガス料金等、一連の公共料金を政府はむしろ値を下げるというときにある。ところが、ここだけは二割も一遍に上げようとしている。そして、数字が、私が聞いたことについては、いわゆる償却についてはこれは毎年度の道にかかわる総収入から道にかかる総費用を控除して、残額に相当する額を計上するから、残念ながら言われませんと、こんなことだとという言い方です。これでは、私は国民は納得しないと思う。
 じゃ、なぜ納得しないかということのための一つとして、今の混雑緩和をどうするのかということを、まず最初にちょっと聞いてみたいんですが、今高速道路、あれお暇な方が乗ったらどうかと、お急ぎの方は高速道路に乗れない。大臣、笑われているけれども、お互いに羽田に行くときでも一時間半の余裕を見ておかなきゃいけないじゃないですか。一時間だと危ないです。すっと行く日もありますよ。全然行かぬ日もある。そういう状況の中で、それらの改善についての意欲は何も示されぬまま、減価償却は多くなるからとにかく上げればいいんだという、こういう公団のやり方について私は非常な憤りを感じています、憤りを感じている。
 そこで、その点について少し聞いてみたいんです。きょうだけでは足らぬと思う。私はこれから、もう運輸委員会であろうが、予算委員会であろうが、徹底的に公団の体質を直すために具体的な資料を次から次に出して私は追及していこうと思い
ます。きょうはそのはしりですから、一つだけしておきたい。
 そのまず第一は、昨年の、六十一年の七月に高速自動車国道等の管理運営に関する行政監察結果報告書が出ています。その中で、交通渋滞を軽減するためのいろいろな提起が勧告をされています。首都高速公団は、具体的に六十一年七月のこれを受けた後、何を実行しましたか。具体的に何を実行しましたか。その実行したことについて、言ってみてください。
#80
○参考人(淺井新一郎君) 御指摘のように、総務庁の六十一年七月の行政監察の結果、三点指摘を受けておるわけでございますが、その三点につきましては先般建設省を通じて指導を受けまして、営業管理所の統合、駐車場管理部門の管理体制の縮減ということが言われておりますが、そのほかに交通事故処理に対する体制強化ということで、三点の指摘でございました。
 その第一点の営業管理所の統合でございますが、これは一部営業管理所の統合を実施いたしておりまして、具体的に申し上げますと、駒形営業所の管理所を小菅営業所の管理所に、こういった御意見に基づいて……
#81
○安恒良一君 私が聞いていることを的確に答えて、交通渋滞を軽減するために何をやったかと、そんな管理所を統合するとか統合しなきゃとか、そんなことを聞いているんじゃないのだよ。そんなところで時間稼ぎをされたらかなわぬ。こっちは時間がないんだから、私の聞いたことに答えて。交通渋滞を解消するためのいろいろな提言がされているが、それはあなたのところは何をしたんですかと聞いているんだ。管理所を統合するとか統合しないとか、そんなことを聞いていない。
#82
○参考人(淺井新一郎君) それじゃそういう方向でお答えいたします。
 今三点の中にはそういう交通渋滞関係に絡む指摘としましては、最後の事故処理に対する体制強化をしろというお話がございました。それにつきましては、レッカー業者の出動契約の手続等を年内にやるように措置しておりますが、これは指摘に対する具体的な措置としてはそういうことでございますが、先生はいろいろ今渋滞に対する対策はどうかということですので、この行政監察報告から離れて、ちょっと我々の渋滞対策に対する姿勢というものをお答えしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#83
○安恒良一君 じゃ具体的に聞きましょう。長々と言われちゃいかぬ。
 私は具体的に聞きますが、まず、今首都高速の致命的な欠陥はどこにあるか。合流する参入量に対して、設計上ほとんど何の配慮をされていないところに問題点があるんじゃないですか。いわゆる、つまり二車線と二車線の合流、これが設計上何も機能されていない。その上に、加えて首都高速には東名、中央、常磐高速、京葉、湾岸、大動脈が次々と接続されていますね。しかし、全線が片側二車線でしょう。それでは首都高速道路が渋滞するのは当然じゃないですか。こういうような、あなたたちは首都高速の構造上の問題を抜本的に解消するための具体策は何ですか。いつごろまでを目標にして、このいわゆる対策を立てようとしているんですか。そのことをずばり聞かしてください。
#84
○参考人(淺井新一郎君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、渋滞状況は非常に目に余る状況でございますが、ちょっとその渋滞の原因等にお答えいたしますと、これは御承知のように、首都高速道路公団、当初は、三十四年にスタートしたときには都心の八十キロばかりの立体交差の連続というような形でスタートしたわけです。その後のモータリゼーションで東京に集まる各都市間高速道路が全部東京に集中してきた。それを受けるために首都高速はこの足を伸ばして、今全部を運開して最後の東北自動車道が今回つながるという姿になったわけでございますが、本来ここにはネットワークとして外郭環状道路がなければならないわけでございます。この首都内の幹線交通を処理するためには、どうしても外郭環状を初めとする中央環状線、それから内環状線、都心環状線、そういった環状線ができて初めて網の形になるわけで、網の形になった姿で渋滞は抜本的に解消されるわけでございまして、今の現状を申し上げますと、都心のわずか十数キロの都心環状線に全部の放射線の高速道路が集まってきておるわけでございまして、これの交通量の約六〇%が都心の環状線を利用するために、特に放射線から都心環状線に向かう交通が著しい混雑を呈しておるわけでございまして、このため首都高速道路の混雑を緩和するためには、特に環状方向の路線を重点的に整備して都心環状線の通過交通を排除するという姿が必要なのでございまして、首都高速道路は、そのネットワークをつくることによって初めて渋滞問題に本格的に緩和の効果を発揮できるという姿になるわけでございまして、今回の二路線の開通でこの中央環状線の約四五%に相当する部分ができることになります。そうしますと、今の六号線、それから湾岸線、それから東北道からの路線、この三路線と箱崎周辺をあわせまして一つの網ができるわけでございまして、そうしますと流れが選択できるというような姿になりますので、あの部分についてはかなりそういう意味で改善されると。箱崎の渋滞が直ちに解消するわけではありませんが、そういうルートができることによりまして改善されると同時に、今まで東北方面と東京とのつながりという意味では大変不便だったわけでございますが、今回の開通によって東京の大部分のところから東北道を使っていろいろ利用する利用者に対してはかなり大きなメリットが期待できるわけでございます。
 こういうような方法で逐次ネットワークを広げていくということが抜本策として必要なわけでございましてそういう意味からいいまして、今度は、つい昨年ですか、いよいよ着工段階を迎えました王子線もこの中央環状線の延長の一部でございまして、これが完成すれば箱崎の緩和はかなり期待できるというようなことで、王子線の着工以来、用地買収から職員挙げて努力をしておるわけでございまして、そういうようなことで、抜本策としてはネットワークの拡充よりない。
 それから、二百キロの供用を今度は達成するわけでございますが、営々とつくったこの二百キロのネットワークを最も効率的に使うということもまた必要だと思います。そのためには、何といいましても、こういうふうに使われているんだから上手に使おうということで、きめの細かい情報を的確に伝えるということが我々の責任じゃないかと思いまして、この交通管制システムというものの充実を図っていく、先ごろ、システム60ということで、かねて目標を立ててそのレベルアップに努めてまいりました平河町の管制センターが完成いたしまして、それを中心にしてネットワークを活力ある形で使うというための管制システムによる効率化の努力をいたしております。
 そういうようなことで、これはまあもともと渋滞がこういうふうに生じるのは、交通需要に対して道路施設が一般道路を含めまして圧倒的に足りないという現状からこういうことになるわけでございまして、首都高速をすかせるためには首都高速の大路を制限すればかなりすいすい通るわけでございますが、そのために今度は一般道路にその車が流れていく。そうすると、一般道路が大渋滞になるというふうなことになりまして、首都高速道路公団としては、やはり一般道路も含めた全体としての車の流れを考えていかなきゃならないということから、必ずしも大路制限を極端にやることはできない、しかし渋滞も解消していかなきゃならない。非常にいろいろ難しい選択を迫られるわけでございますが、そういうことでいろいろ努力をいたしておる次第でございます。
 しかし、現状は大変込んでおりまして、こういう込んでいる実情を考えますと、渋滞も解消しないのに料金を値上げするとは何事だという利用者の率直な感情というものは私もよく理解できるわけでございます。しかし、首都高速道路公団はやはり全部借金でやっておるわけでございまして、この借金は妥当なペースで返していかないと、こ
れは後年度に大きな負担を強いることになります。ですから、やはり我々の責任として借りた金は妥当なペースで返していこうという姿勢をとっておりまして、この妥当なペースとは何かということは、これは一応料金収入で三十年間で償還して、その三十年以後は無料にするという形が有料道路の本質ですが、しかし逐次このネットワークが拡大していきますと、その都度その借金を入れていかなきゃなりませんので、逐次償還年限が延びていくというのが実態でございます。
 そういうような事情で、いろいろネットワークの拡充のためには相当金がかかる。これは、まさに渋滞を解消するためにそういうことをしなきゃならないというふうに考えているわけでございまして、ひとつその辺をどうぞ御理解いただきたいと思います。
#85
○安恒良一君 大臣、これは総裁とやりとりしておったってらちがあかぬ、この話は。というのは、三十年で減価償却したらただにするといったら、もう三十年で減価償却されているところがあるんだよ、幾らでも。それから、高速道路で金を取っているという国は後進国に多いんですよ。例えば成田から東京まで来るのに、あの高速道路も非常に渋滞する。そして狭い、汚い。何でこんな高い料金を取られるんだろうと、アメリカやイギリスやドイツの人が来たら、びっくりしていますよ。だから、後進国が高速道路では金を取っておる。
 だから、例えば既に一号線が開通してもう三十年たっておるじゃないですか。ところが、その後新しい投資をするからということで、あなたがおっしゃったように三十年で無料になるかというと、なっていない。にもかかわらず、じゃ、しからば少なくとも今の渋滞をどうするかということをいま少し前向きに、意欲的に――何か他人のような話で、外環状線か何かできぬからしょうがないんだとか、一般の道が込まないようにするためにはいいんだと。
 ところが、片方は料金を払って乗るんです。しかも料金を上げるときに、利用する人に何も相談がない。あなたの方から申請が出て、監督官庁がそれを審査して、何月何日から上げますと。上げたらせめて混雑が緩和される、こういうふうになりますよと。あなたがおっしゃったように、東北自動車道その他が便利になる。便利になると、今度はまたそれを利用する車がふえるから一つも混雑緩和にはならないんだよ。
 今、みんなユーザーが言っているのは、何とかしてくれ、このままじゃ――例えば一遍上がったらおりるわけにいかないんですよ。トイレ一つとっても少ない。電話一つとっても少ない、渋滞しているから行く先に電話したいと思っても。特に御婦人の場合なんか、車に乗っかっちゃって、トイレがないんだから。三十分も四十分も首都高速の中で、車の中に押し込められているという、そういう現状があるでしょう。
 だから、利用する人のためにそういう点をどうするかということを考えないで、ただ単にこれはしようがないんだ、それから、料金の上がるのは、新線を建設するから、それの減価償却が要るからしようがないんだと。いわゆるこれが親方日の丸思想というんだ。だから一部では既に、私は直ちに賛成するものではありませんが、民営化しろという意見が出ておるじゃないですか、いろいろ。今のように、運輸省や建設省や大蔵省や東京都庁の天下りの役人だけが上の方におって、能力がない。そういう人たちが運営しておるからこんなことができる、だから民営化しろという意見すら既に国会議員の中からもいろいろ出ている。何も野党だけじゃありませんよ。与野党通じて、何をやっているかと。そういうことについての反省が一つもない。
 大臣、この首都高速のあり方については、少なくとも二車線と二車線の合流、こういう問題も技術的に私はやっぱり解明しなきゃなるぬと思うんです。二車線で首都高速は走っているのに、どんどん片方からいろんなところをつなぐやつが全部二車線で入ってくれば、これは混雑するのは当たり前なんです。もちろん外環状も必要なことは私もわかりますよ。しかし、首都高速自体としてずっと値上げをしてきたことについての状況の中で、昭和三十七年、五十円から始まって、六十二年、今五百円、そして今度六百円になる。この間のあり方から考えても、今のこの渋滞問題についてどうするのかということ、それから、料金問題についても、私はやっぱり知恵を働かせる必要がある。今言われたように、当初は二十キロないし三十キロだった。今はもう二百キロですよ、今度で。そのときに均一料金でいいのかどうかということを真剣に議論する段階に来ている。端から端まで乗って五百円。国会から上野なら上野でインターチェンジでおりる。それもやっぱり五百円ですね。
 そういう公団に指摘をされている何点かの問題点があるわけです。例えば一つの料金体系を言いますと、一般車が五百円、トラックは千円ですね。ところが、トラックも今日見ると物すごい大型があるわけです。この大型トラックが道を破損する率というのは物すごいんですよ。そのときに、トラックは一本でいいのか、今の千円を千二百円に単純に値上げすればいいのかと。物すごい、十トンもそれより以上の大きいトラックが走り回っていますね。そしてその料金が全く同じなんだよ、トラックということで。
 そういうこと等々を前向きに、ただ単純に値上げ申請が出てきたらそれを見て許可するということじゃなくて、今ユーザーないし大学の教授、いろんな人から料金体系のあり方の問題、混雑のあり方の問題等々たくさんの指摘が出ている。私は、そういう指摘を受けて、そういうものを検討しながら運輸省、建設省というものはこの料金値上げの問題について考えられるところに来ているんじゃないか。いわゆる混雑が嫌なら乗らぬでいい、これはお役人発想なんだよ。混雑が嫌なら乗らぬでいい、乗りたい人だけ乗れ、乗った人は料金払え、これがいわゆる親方日の丸思想なんです。そういうことでは私はいけないと思うんです。
 ですから、今言ったように、料金体系のあり方の問題から、混雑緩和のあり方の問題から、そういう問題を私は少し抜本的に議論をされて、こういう状況だから少なくとも今の五百円を六百円にしてくれと、こう言うなら私は利用する人はわかると思う。ところが、今までそんな配慮が全然されてない。配慮がされてない理由は、きょうは時間がなかったんですが、例えば私はきょうはこの写真を見せて、(資料を示す)今言われた二つの路線はもう早く開通できるんです。ところが、公団の中において、早く開通するグループと、いやいや、これは運輸省の検査、通産省の検査、建設省の検査がいろいろかかるから九月でいいじゃないか、そして十月一日から上げればいいということが公団の中で大論争になっている。その実態がエコノミストに書かれていますよ。私はきょうは時間があればこれを大臣に見てもらって、もうここまででき上がっているんですよと。これ何で開通おくらしたんですかと。開通をおくらせれば一日当たりそれだけ経費はかさむわけですから、そういう今公団の体質というものを私は根本的に問い直すところに来ておると思います。
 この点について大臣の所見を承りたいし、それからそうでなければ、やむを得ません、これから事ごとに委員会の中でこの問題を私は取り上げていかざるを得ません。というのは、既に新聞記者の皆さんから、私はこれ取り上げると、安恒さん、公団についての不正まであなたはつかんでいるんですか、そのことをきょうやられるんですかとある新聞社が聞いてきましたが、きょうは序の口じゃ。入り口でまず抜本的に公団のいわゆるそういういろんな人から注文されていることについて的確にこたえていくというその姿勢が非常に希薄である。そして新しい線さえつくれば値上げしてそれで収支つじつま合わせていけばいい、これだったら赤ちゃんでもできますよ、赤ちゃんでも。だれも建設省やら大蔵省やら運輸省やら東京都庁から天下りで行く必要はない、それだったら。赤ちゃんでもできる、そんなやり方だったら。
と思いますが、これらの点について、大臣、あなたのお考えを――というのは、私の時間がもうありませんので、きょうは第一弾ですから、改めてまたゆっくり関係委員会の中で、一番いいのは予算委員会であると思いますね、総理以下関係大臣ずらっと並べたところで一遍これはやることが一番いいんじゃないかと思いますけれども、こういう点についてお考えを少し聞かして――いろんなことが新聞や雑誌やその他にたくさん出ていること大臣お読みだと思いますし、また私ども同僚議員の中からもこのことについていろんな意見を言っている人のことも大臣お聞きだと思いますから、今度既に認可申請が出ているわけですから、これらの申請をどういうふうにして行政府として正していこうと思われていますか、そのことだけ聞かしてください。
#86
○国務大臣(橋本龍太郎君) 極めて幅の広い問題を提起されましたのに対して必ずしも的確なお答えができるかどうかわかりませんが、確かに現在申請が出ておりまして、これから運輸省、建設省、連絡調整をしながら審査をしていくことになるわけであります。
 そこで、今、委員から一番の問題として指摘をされました渋滞問題、これは感じとして私どもも同じような気持ちを持ちます。同感だったものですからついにやにやして申しわけありませんでしたが、その渋滞問題というのは我々も同じような感じを持っているわけであります。
 ただ、考えてみますと、今回の申請路線というものが首都圏の北東部と都心の南東部とをバイパス的に結ぶことによるそれなりの私は渋滞緩和効果はあろうという感じ、交通の迂回効果というものが出てくるのではないかという気持ちは持っておりました。しかし、それだけでそれでは渋滞が解消できるかといえば、基本的に、最も初期に建設をされました部分から基本的な構造が変更されていないという点でのネックがあることは私も御指摘のとおりだと思います。そうなりますと、今、委員から御指摘のありました、例えば大型車の料金を二分する、あるいは料金体系を均一制から区間制に改める、これらは私はいずれも公団の従来から受けてまいりました批判を考えるとき、考慮に値するものだと思います。
 ただ問題は、その場合の事務能力その他を考えて、一層それが渋滞の元凶になりはせぬか、現在の状況からまいりますと、細分化したことによる徴収事務が一体どういう状況になってくるのだろうか、あるいは区間制に改めました場合に例えば新たな料金所が必要になるのかならないのか、あるいは料金支払い回数の増加というものが結果的に料金所における渋滞の増大とかサービスの低下につながらないのか、私いろんな問題点が実はあろうかと思います。しかし、そうした御指摘をいただいた点を踏まえて私は検討する必要はおるものと思います。
#87
○安恒良一君 もう時間がありませんから、ぜひこれからも私は機会をとらえていろいろ一つ一つを解明していきたいと思いますから、今回の料金値上げ申請を御決定される際にも十分そういうところについては検討をしてもらいたいし、建設省もきょう呼んでありますから、建設大臣にそのことはしかと伝えておいてもらいたい。
 いずれ関係大臣全部並んだところで一遍この問題を議論したいと思います。
 以上で終わります。
#88
○委員長(田代富士男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十八分休憩
    ―――――――――――――
   午後一時三十四分開会
#89
○委員長(田代富士男君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#90
○野沢太三君 まず最初に、皆々様の絶大な御協力、御努力のおかげをもちまして、四月一日から発足いたしましたJR各社におかれましては順調に業績を上げておられまして、これにつきまして心からお喜びを申し上げる次第でございます。この改革に当たられました橋本運輸大臣を初めとして政府関係の皆々様、そして関係各党の皆々様、改めて御礼を申し上げ、かつまたこの改革はまだ始まったばかりでございますので、この趣旨が今後とも生かされまして、一層の御発展になりますようこれからも御尽力、御協力を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
 さて、新生のJRグループが営業を開始してからちょうど五カ月近く経過したわけでございますが、この間の営業成績の状況を伺いますと、一番好成績なのがJR西日本の対前年比一〇七・五%の収入、さらには一番苦しいところではございますが、JR九州が一〇二・九%ということでおおむね各社一〇五%前後の収入を確保しておりまして、順調に推移をしておるわけでございます。特に、当初収支の面で一番心配をいたしましたJR貨物あるいは北海道、四国、九州の三島の会社が健闘しておるということはまことに心強いことでございます。
 このような成績が、まだ年度末までいってみませんと状況として安心はできないわけではございますが、過日提出いただきました収支見込みにおかれましても黒字達成を多少上回って達成するという意欲的な計画になっておるわけでございます。このような好成績が得られましたことに対しまして、この国鉄改革に最高責任者として担当され、終始面倒を見ていただきましたいわば生みの親としての運輸大臣の御所見を賜りたいと思いますが、よろしくお願い申し上げます。
#91
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員からお述べになりましたように、四月一日に発足をいたしましたJR各社、おかげさまで非常に温かい国民のいわばレールに寄せる愛情に支えられて今日まで四カ月近くを過ごしてまいりました。その間、それぞれの企業が本当に職員の努力というものが報いられるような成績を上げつつあることを私は大変幸せに思いますと同時に、それぞれの職員に対してその努力に心から敬意を表したいと思います。
 ただ、それにつきましても、これから光さまざまな問題が前途には横たわっておるわけでありまして、どうか初心を忘れず今後とも努力をしてもらいたいと心から願っております。と同時に、新会社発足後折あるごとにそれぞれの会社の方々にお話を私がしてまいりましたのは、この改革をなし遂げるために日本国有鉄道で生涯を過ごしたいという気持ちを持っておられた多くの職員にこの改革を理由として職場を去ってもらわなければならないという事実があったことをどうぞ忘れないでいただきたい。そしてやめていった諸君が、自分たちがやめて新しい経営体になった。我々がやめた犠牲というものが報いられたと思えるようなそれぞれの会社をつくってもらいたいということを申してまいりましたが、本当に初心を忘れずに今後も努力を続けてもらいたいと願っております。
#92
○野沢太三君 各社は四月に発足して以来いろんな施策を講じまして努力をしてきたわけでございますが、ホームラン級のヒットもあれば、どうもちょっと空振りだったなということもあろうかと思います。その面で気のつくところを見てみますと、営業の面では各社ともにオレンジカードを工夫いたしまして、各地域、各会社の特性に合ったものを工夫して出しておられる、これなんぞはいわばホームラン級のヒットではないか、かように思うわけでございます。
 さらには、多少フリクションもございましたが、定期券の一括発売であるとか、あるいは各種記念切符の発売であるとか、あるいは競争相手として今まではタブーであった航空券まで窓口で売る、こういうことまで踏み込んでやっていただいております。一万円で乗りほうだいというEE切符なんというのも大変意欲的なものであったかと思いますが、こういった施策、今後とも大いに工夫をして続けていただければありがたい、かよう
に思うわけでございます。
 ただ、この中でかねてから分割の一つの問題点として指摘されておりました新幹線の清算問題につきまして、いわゆる新幹線振替票なるものをお客様に持っていただいて、その回収によって清算をしようということでスタートをしたわけでございますが、伺いますると、どうも回収率が七、八割である。これによって例えば東海会社は月々四億近い未清算金が出てしまう。このままいくと年間五十億くらいのどうも収入不足になるのではないか、こういった声があるわけでございます。私も振替票なるものをいただいてみますと、とにかく乗車券に特急券、それを買って改札口を通り、さらに新幹線改札口を通り、中で一遍見に来て、出るときにまた二回通っていく。大変煩わしくてかつまたこの趣旨がよくわからないためにポケットの中に忘れたり急ぐときにはなくても通してもらえる。こんなことでどうも疑問に思っていたわけでございますが、やっぱりこれは余りいい施策ではなかった、いわば空振りのケースではないかと思うわけでございますが、いずれにいたしましてもこれだけコンピューターが発達し、統計、確率業務も勉強が進んでいる時代でございます。余りお客様に迷惑をかけない方法で早急にこれは改善をしていただいて的確な清算業務ができるように期待をいたしておるものでございます。
 輸送の面で施策を見てみますると、これは分割・民営の一つの大きなねらいでありました地域の密着、すなわちホームライナーとか、朝晩の通勤の改善とか、あるいはデータイムのお買い物列車であるとか、きめの細かい接続の改善、こういったことが各地で図られておりましてそれぞれ成果を上げておられる。これなんぞは非常にうれしいことであろうかと思います。
 また、甲子園の応援団の臨時列車が適時適切に出る。御承知のとおりあの試合はくじ引きでございます。いつ何日に自分のところの学校が試合になるかわからない。くじを引いたら途端にしかし列車が出せる、こういうことができるようになりましたのは、地域の密着に加えまして意思決定が早くなった。これは分割の一つのメリットとして過日も指摘をしたものでございますが、これが名実ともに実現ができるようになったということは、この趣旨が早くも生きてきたかなと思っているわけでございます。
 また、レール事業に加えまして関連事業というものがこれからの一番の希望でございまするけれども、これにつきましても旅行業への参入あるいは損害保険代理店への参入、園芸施設、スポーツクリニック、さらには職員みずからちょうネクタイを締めまして直営店舗へ出ていってお客様にコーヒーのサービスをする、こういったケースが至るところで行われるようになっております。これらの事業を見ますると、まだまだ経営効果という点ではまだしの感がございますし、それほどのまだ収入にはならないかと思いますが、意欲としては十分な感じではないか。さらにこれをいろいろと工夫を重ねましてノーハウを蓄積し、その道その道のベテランの職員を養成、育成をしていただく、これがやはり関連事業発展の一番のかぎではないかと考えるわけでございます。
 貨物につきましても、ピギーバックというような形で共同一貫輸送の工夫をされまして、これも評判よろしくてさらに増車をしようとかあるいはスライドバンという形でコンテナを円滑に横取りをする、こういったことも工夫をし、これまでとかく硬直的だと言われました国鉄の貨物輸送にJR貨物が一歩踏み出した、壁を破って便利な使っていただける貨物の輸送業者ということに脱皮しようという努力もしていただいているわけでございます。いずれにいたしましても、地域の特性に合わせ適時適切に需要にこたえていく。そして収入を上げ会社の基盤を確立するということがこれからの発展のもとになるのじゃないかと考えるわけでございます。
 収入に関しましてはそのような努力がいろいろと見られますが、一方経費の節減努力の方でございまするけれども、人件費で見てまいりますと当初必要とされました二十一万三千五百四十人、これに対しましていろんな努力、工夫、さらには関係方面の多大なる御協力がございまして現在員二十万五百三十二名ということで、その差約一万三千人の要員が少ないままでスタートをしておるということでございます。四月一日から計算するともっとこれは多かったわけでございますが、JR側の採用ということで現在そういう状況で推移をしておって、欠員といいましょうか、いわば予定人員の数に達してない、これは一つ大きな事実であろうかと思います。
 加えまして、この春のベースアップにつきましても、定昇、ベア合計しまして三・一七%というのが労使協議の上でいわば現在の相場としては控え目なところで決まっておるということも人件費の節減にあずかって力があるのではないか、かように考えるわけでございます。
 また、物件費につきましても、資材の購入あるいは工事の発注単価等につきましてJRSという規格を廃止してマーケットを一般のJISに拡大するという自由化、さらには最低落札者に仕事をお願いするという競争の原理の導入、こういった面で格段の御努力をなさっておる、このこともやはり大事な仕事と考えられるわけでございます。
 そこで、一つこれはお願いでございますが、現在この欠員相当分の経費減を資産で返却をしろというようなお話もあるやに伺っておりますけれども、この点につきましては関係方面の努力並びに当事者であるJRの皆様の努力も含めまして、人がこれだけ少なくて済んでいるということが事実でもございますし、切符を売る努力も努力でございますが、こういった少ない人間で仕事をするというのもこれも大事なことであろうかと思います。今後の合理化意欲を損なうことがありませんようこの問題については慎重な取り扱いをお願いし、あるいは再検討ができればよろしいんではないかと思うわけでございます。できるだけ政府は干渉せず各社の自主性を尊重という点からいたしましても、どうかひとつ各社の経営基盤が一日も早く確立をする方向でこういった問題の処理が行われることが望まれるところでございます。
 さて、そうは言いながらJR各社はいわば赤字を含め、あるいは余剰人員を含め、債務を含めすべて清算事業団に問題がしわ寄せをされているという状況にあるわけでございます。一番心配をされました雇用の関係でございますけれども、午前中も議論が出ておりましたが、四月一日発足当初、再就職の未内定者が七千六百二十八名いたわけでございますが、その後の努力によりまして八月一日には五千七百二十二名、千九百六人もこれを減少することができた。これは関係の皆々様の御努力のたまものと感謝を申し上げるわけでございます。今度の国鉄改革はこの雇用問題が明朗に解決できるならばいわば半分成功したも同然だと言われた中で著しい成果を上げてこられたことについて重ねて御礼を申し上げ、今後とも引き続きこの調子で三年といわず二年あるいはそれ以下の時点で本問題の抜本策が施され、お約束どおり一人たりとも路頭に迷わせないといった政府の公約が実現いたしますよう期待をいたすものでございます。さりながら、いまだに北海道で二千九百九十人、さらには九州では千七百五十九人、合計五千七百二十二名という就職未内定の方がいるという事実は極めて重いわけでございます。再三再四の本州各社への配置転換のお誘いにも乗れないといういろんな事情があろうかと思いますが、この点につきましては今後とも窓口を閉じることなく繰り返し繰り返し説得を重ね、また話し合いを重ねまして円滑な解消ができることを希望するものでございます。
 この問題の処理には先ほども穐山委員からの御指摘がございましたように、一つの不信感が前提にありまして、話の土俵に乗ってもらえないというのが私が歩いた範囲でも幾つか実はうかがえたわけでございます。何よりもまずそういったわだかまりを解きまして、開かれた気持ち、温かい心を持ちましてお話を進められるということで道が開いていくのではないかと考える次第でございま
す。
 清算事業団のもう一つの大事なお仕事として資産処分、用地処理の問題がございます。
 現在事業団に課せられた課題は、二十五兆九千億円という大きな負債を国民の皆様に十四・六兆、土地の売却に七・七兆あるいは保有機構からの収入で二・九兆、株式で〇・七兆、合計二十五・九兆というものを処理せねばならない、大きなこれは負担であるわけでございますが、そのうちの有力な一つの手段として土地の売却が課題に上がってきておるわけでございます。これまでの流れでは、売却の可能用地としては三千三百五十ヘクタール、こういうことに相なっておるわけでございますが、このほかにさらに売却困難地が相当あるというふうに伺っております。
 そこで一つお伺いをいたしますが、六十二年度計画として売却を予定しておりまする予定の件名あるいは面積はどのくらいになりましょうかお伺いをいたしたいと思います。
#93
○参考人(杉浦喬也君) 六十二年度の売却予定のまず金額は予算で御決定いただくわけでありますが、三千億円ということになっております。この金額を消化をするために、件数では約八百件、面積にいたしまして約六百ヘクタールを一応リストアップしつつあるところでございます。
#94
○野沢太三君 大変なお仕事であろうかと思います。私も現職当時年間千六百億の売却を課題とされまして四苦八苦をした記憶がございます。そしてまた、その売却の方法についても工夫を凝らす必要がありますが、改革の趣旨から申しまして、事業団の用地はあくまで公正な立場でこれを処理せねばならないといたしますると、基本的には公開競争入札によるのが妥当であろうかと考えるわけでございますが、いろいろと事務を進めてみますると、必ずしもそれによれない場合も多々あろうかと思います。現にこれまでの実績を拝察いたしましても、件数的には半分前後の随契のケースもあったわけでございます。その意味で、事業団は今後の処理方針として随意契約も相当導入せねばならぬと思いますが、これができる場合の基本的な条件についてお伺いを申し上げたいと思います。これは運輸省にお願いできますでしょうか。
#95
○政府委員(林淳司君) ただいま先生御指摘のとおり、法律によりまして清算事業団用地は公開競争入札、一般競争入札というものを原則とするということになっております。ただ、例外的に幾つかの場合には運輸省令で随契が可能な場合というのを規定しております。例えばそのうちの一つとしまして、地方公共団体が、あるいはその他の公法人、公用目的あるいは公共用の目的、こういうものにその用地を使うというふうな場合には随意契約でも構わない、こういうふうなことで幾つかのケースについて随意契約ができる場合というのを省令で規定しているわけでございます。
#96
○野沢太三君 随意契約で地方の自治体に払い下げた途端にそれが転売をされまして、五割増し、倍というようなお値段がついていったという苦い経験がこれまでもあるわけでございますので、どうかその点につきましてもひとつ、ただいまの省令の範囲内で十分な歯どめがかかっているものと考えますが、いわゆる転がしの対象あるいは投機の対象にならないようによろしくお願いを申し上げたいと思います。
 公団、公共用地の放出がいわゆる地価高騰の引き金になっているのではないかという議論がございます。東京都内等では特にそういったケースといいますが御指摘があるわけでございますが、私はこの公用地の放出そのものがいわば原因というのではなくて、原因はやはり基本的な土地の需給関係、さらにはそれに伴って発生する短期の取引あるいは投機的な動機による土地の扱い、こういったものがむしろ問題があるのではないかと思うわけでございます。その意味で、仮に公開競争入札でやった場合でありましょうとも、そういった面での地価高騰の配慮が必要ではないかと思うわけでございますが、この点につきましてどんな歯どめをかけていらっしゃるかお伺いしたいと思います。
#97
○政府委員(林淳司君) 確かに地価高騰の問題は現在あるわけでございまして、清算事業団の用地を売却するに当たりまして、私どもといたしましてもその問題について全く無関心というわけでは決してないわけであります。もろもろのいろいろその配慮をしているわけでございまして、具体的にはやはり一番問題になりますのは、用地を現在投機の対象にされている、要するに非常にお金が余っておるというところから土地が需給関係で仮需要というものを生みまして、それがいわば投機対象になっているということが問題であろうかと思います。
 そこで、そのような投機対象にならないように清算事業団の土地を売る場合には一定の厳しい条件をつけまして、具体的には都心部の地価高騰地域、一番地価が高騰しておる地域におきましては十年間の転売禁止と、その十年間の転売禁止に違反した場合には厳しいペナルティーを科するというふうな厳しい条件をつけて公開競争入札にこれをかける、こういうふうになっております。
 それから、地方自治体に随意契約で売ります場合にも厳しい用途制限をつけまして、用途制限に違反した場合にはやはりペナルティーを科する、こういうことで土地がいわば投機の対象になる、土地転がしの対象になるということを防止するような施策をとっておるということでございます。
#98
○野沢太三君 それにもかかわらずなおやはり高く売れるということについての世論の批判というものは依然としてこれはあろうかと思います。さらには新行革審での御議論も今進行中ということでございまするが、これまでの国会議論の中でもたびたび出てきておりますが、地価の数字を顕在化させないで処分する方法があるのではないか、あるいはそれを研究すべきではないかということが言われておるわけでございます。この点につきまして大臣ひとつコメントをいただければ幸いでございますが。
#99
○国務大臣(橋本龍太郎君) 清算事業団の用地の処分につきましては従来からさまざまな御意見が寄せられてまいりました。私どもの基本的な立場はただいま林審議官の方からお答えを申し上げたとおりでございます。そうして、現在東京における地価の高騰というものは既にその限界に達したとも言われておりまして、先日の報道では、ついに高くなり過ぎて買い手がつかない土地が下がり始めだというような報道すら出ておる状況でございます。
 そうした中で、いわば既に限界に達している現在の東京都の中で新たな土地供給が可能であるとするならば、例えば臨海部の再開発等々を行わずに提供される大きな宅地としての使用可能の土地としては、清算事業団のものは確かに非常に大きな今後に対しての役割を果たすでありましょう。ただその場合に、私ども今日まで来る過程において、信託とかさまざまな制度を検討しながら、結局国民の資産を国民の目にも明らかな形で処分をしていくということから公開競争入札という手法をとったわけでありますが、この手法は確かにその結果として地価を顕在化させる、取引価格が顕在化し、それが地域に影響を与えるおそれがあると言われればそのとおりかもしれません。私どもとしては、今後ともに配慮を加えながら適正な地価でこれら清算事業団用地というものが処分をされていきますと同時に、周辺に悪影響を及ぼさないような努力を続けていくつもりであります。
#100
○野沢太三君 いずれにいたしましても、この問題はこれからが大きな課題であろうかと思いますし、先ほどから伺いましたように、いろいろと地価高騰に対する歯どめも御検討の上で準備をしておられるわけでございますので、この点を十分前面に打ち出した上で、できるだけ早くこの債務の償還ができかつまた供給の面で大きな貢献ができるというこのお立場を大いに生かしていただきたいと思うわけでございます。
 さらに伺いますると、事業団の帰属用地の中で売却困難用地というものが相当あるということで、伺いますと、約四千四百七十ヘクタールほどありまして、売却可能地と言われるところを大き
く上回る状況にございます。ただ、これは鉄道林であるとか廃線敷であるとか、まことに使いにくいところがその大部分だということでございますけれども、これらにつきましても一工夫し、あるいは自治体等の協力もいただきながら、できるだけこれも有効に売却をしていきますよう御検討をいただきたいところで。ございます。
 またさらに、大きなヤード等の基盤整備を進める場合には、実際に処分が行われるまでに三年とか五年とかかかるような地点がたくさんございます。こういったところにつきましては、それまでの間暫定的な利用方法を考慮いたしまして何分かの収入に資するということもあろうかと思いますが、その点につきましての事業団の方の御検討、一点お伺いしたいと思います。
#101
○参考人(杉浦喬也君) 売却困難用地につきましては、今、先生御指摘の、大変数が多うございますが、廃線敷とか鉄道林とかいうものが対象でございますので、使い道が非常に難しい状況でございます。しかし、その中でも知恵を出しまして何とか活用したい、あるいは地方公共団体どうまく連携をとりながら活用の道を探りたいと思います。
 それから、大きな用地の処分するときまでの暫定利用につきましても、その期間にもよりますが、できるだけむだに空地でほうり出しておかないように事業団直轄があるいは関係の人に貸し付けをするなどいたしまして、駐車場とかあるいは各種のイベントに使うとか、できるだけ活用いたしまして、少しでも貸付料という収入が上がるように努力をいたしたいと思います。
#102
○野沢太三君 よろしく御健闘をお祈りするものでございます。
 先般、汐留の跡地の活用につきまして国の方から調査報告書がまとめられたわけでございます。現在地価高騰の一番基本的な問題として、需給のアンバランスと言われる中でこの地点の開発プロジェクトを拝見いたしますると、約二十一ヘクタールという膨大な面積が都心近くで供給され、そこでの開発も質的に見てもう二十一世紀を展望したレベルの高い開発が可能であるという点からいたしましても、いわゆるオフィス需要のこれは供給側としての一つの決め手になるような大きなものではないかと思うわけでございます。同時に、この付近で言われております東京駅周辺の開発であるとかあるいは十三号地の開発であるとかいうものがありますが、東京駅は一点集中の弊害、問題点を内蔵しておりますし、十三号地についてはまだ交通施設を初めとする各種基盤整備が時間がかかるということからいたしましても、この汐留の開発を適切に進めることがこれからの都心のオフィス需要を賄う上では最も適切ではないかと思うわけでございます。その意味で、これについて国の十二分なる御指導また御理解をいただいて進めるべきと思いますが、国土庁、この点について御意見を承りたいと思います。
#103
○説明員(鈴木克之君) 現在の都心部商業地等を中心に高い地価上昇が見られるところでございますが、その基本的な要因は旺盛なオフィス需要によります需給の逼迫でございまして、私ども、対応策としては基本的には供給を促進いたしまして需給のバランスを図っていくことが必要でございます、かように考えております。
 そこで、先生の御指摘のような汐留などの臨海部の開発であるとか土地の高度利用を可能にするような規制緩和をいたすといったことなどによりまして計画的でまとまったオフィス床の供給が行われるということになりますれば、全体としては需給関係を緩和させまして地価の抑制に資するものと考える次第でございます。
#104
○野沢太三君 ただ、この絵を見ますると、まことに結構ではございますが、大変仕事としては難しい内容を含んでいると思います。そして、余りこれをたなざらしにいたしまするとかえって周辺の地価をあおるという心配もまた同時に出てくるわけでありますので、事業主体のあり方とかあるいはこれを開発する手法を早急に決めるとか、関係各機関の推進体制を整えるとか、いずれにしてもこれは間を置かずに進めることが一番大切なことと思いますが、一方、この土地は清算事業団のいわばとらの子でもあるわけでございます。これをやはり早急に換金いたしましていわば事業団の今の赤字体質を逆転するためにも大事な地点ではないかと思うわけでございますが、その点につきまして最も関係の中心におられます運輸省のお立場としてどのようなお取り組みをなさるか、ひとつお話を聞きたいと思います。
#105
○政府委員(林淳司君) ただいまの汐留貨物駅跡地の開発の問題でございますが、先般国土庁の調査調整費をもって調査した結果が公表されたわけでございますが、この開発を進めていくためには、おっしゃるように事業主体あるいはその事業手法といったようなものを早急に検討いたしまして決定していくことが必要であると考えております。
 さらにもう一つは、今後、清算事業団におきます。地の処分方針というものもございますので、それとも十分調整をしながら検討を進めていくということが必要になろうかというふうに考えております。
#106
○野沢太三君 最近になりまして、鉄道の上空を活用して事務所や住宅をつくるとか、あるいはこの上空権を利用して都市開発を行うとか、いろんな提言、提案が出ておるわけでございます。しかし、考えますると、鉄道の上空というものは将来の鉄道事業の発展のためにもやはり貴重な空間であるわけでございまして、単にあいているから使うというようなことでは将来に悔いを残すおそれがなきといたしません。その上、そのためにはまず今後の鉄道の長期的な改良計画あるいはビジョン、そういったものを勘案した上で、まずは本来事業のためにこれを使うという前提に立ち、かつまた余裕が出てきたところはやはり有効にこれを使っていくという意味で、上空権問題につきましてはこれから真剣に検討をしていただいて、残された大事なこれは空間であろうかと思います。今後のJR各社の事業の発展、そしてまた周辺の都市の開発というところで残された最後の聖域であろうかと思いますので、これを単なる思いつきや当座のしのぎとして利用することなく進めていただきたいものと考えておるものでございます。
 また、道路、公園等の上空につきましても同様な問題があるわけでございますが、最近では道路法の立場で厳に禁止しておりました上空利用を緩和し、上にビルを建てた形で道路の建設もやむを得ないのではないかという思想も出てきておるわけでございます。こういった面からも今後はまず上空の利用という点を正しい立場で、間違いのない立場で進めるということも大切なことと存ずるわけでございます。
 それからもう一つ、東京は過密都市と言われておりますが、それをさらに緩和する意味でも先ほどから地下鉄あるいは高速鉄道の整備、地下利用というものが望まれるところでございます。現在の東京都の地下利用の状況というものを調べてみますると、大体三十メートルから下というもので利用されているところはほとんどない。高層ビルの一部あるいは深井戸、さらには地下鉄が二、三カ所あるだけでございまして、いわばそれから下というものは無人の荒野に近い、こういったところが仮に私権を設定せずに利用できるとすると大変自由な公共活動、公共事業が実施できるわけでございます。
 現に山岳トルネルの場合におきましては十メートル二十メートルのかぶりでありましても、当事者間の話し合いによって無料で下を通過するという慣行が既に明治以来でき上がっておるわけでございますので、今後の大都市の地下利用という点につきましても、この点についてはひとつ一定の条件のもとに、地下については地球の裏側まで私権が及ぶというような今の考え方はやめにしたらいかがかと考えるものでございます。一つの提言として申し上げておきたいと思うわけでございます。
 引き続きまして事業団の大きな仕事でございますが、鉄道の共済年金問題がございます。改革の
衆参の議論の中でも大きく話題になったものでございますが、昭和六十二年度今年度の実態を見ますると、掛金を掛けてくださる組合員が二十二万、受給者であるOBが四十六万、成熟度で言うと実に二〇七%と、ついに二〇〇%を突破したという深刻な事態がございます。収入は八千八十五億、そのうち財政調整分として応援していただいてるものが四百七十八億も含まれておるわけでございますが、支出の方が八千八百五十八億、実に七百七十三億の欠損を出す見込みでございます。積立金の取り崩しということで当座をしのぐことになっておりますが、六十四年までの見通しにつきましては、先日の四閣僚懇談会において措置をいただきまして、一千億円の繰り入れをしていただいたものでございますので、何とかしのぐということのめどが立ったわけでございます。この間、運輸大臣初め関係の皆々様の御努力に改めて御礼申し上げ、今後とものまた御支援をお願いいたしたいところでございます。
 しかし、六十五年以降という問題が一つ残っておりまして、この段階では財政調整の支援を打ち切り、さらには追加費用、不足分の繰り入れもないということで巨額の赤字が発生をいたしまして、年金の支払いが不能になるおそれがございます。六十五年といいますと、もうすぐそこに来ているわけでございますので、早急なこれは対応、対策が必要と考えるわけでございますが、鉄道共済の自分たちの力、自助努力だけではどうにもならないという状況にあろうかと思います。
 既にこれまで鉄道共済自身の自助努力といたしましては、掛金が八四・九五、千分率でございますが、厚生年金に比して三七%も高い掛金を払っていただいておる。国家公務員の皆様、地方公務員の皆様が一〇〇を切っておるという状況からいたしましても、いかにこれが高いものであるか、現職はこれを歯を食いしばって掛けていただいておるわけでございます。そして、OB二人以上を支えるという状況に立ち至っております。
 また財調期間中については、いわゆる三階建ての職域部分を停止いたしまして待っておる、これが大体八%ぐらい。さらにはまたスライド停止ということで累積改定率が公務員よりも一〇%ほど差がつくまでは足踏みをして待つということでやってまいりましたが、この四月からは〇・六%ではございますが、改定をしていただけることになって一同安堵をしておるところでございます。
 各種支給制限、年齢とか、あるいは所得別の制限についても既に公務員と同じ状況になっておりまして、これ以上の自助努力はもう限界ではないかと考えるところでございます。
 一体これをどうするかということでございますが、幸い参議院の附帯決議におきましても、この点につきましては、「六十五年度以降分については、政府部内において早急に検討を行い、関係審議会の意見を踏まえ結論を出すこと。」という決議をいただいておるわけでございます。六十四年分については既に三月二十四日の四閣僚懇で結論をいただいておりますので、今後はひとつ六十五年対策につきまして政府の積極的なお取り組みをいただきたいわけでございます。
 将来的に見ますると、公的年金利度につきましては、五十九年の二月の閣議決定におきまして七十年を目途に公的年金制度の全体の一元化を完了させるといった決定をいただいておりますが、六十五年から七十年まで五年間という大きなギャップがございます。その意味でなかなかこれは道が遠いということもございます。現在各種の審議会といたしましては、閣僚レベルで公的年金関係の閣僚会議、公的年金懇、さらには今回大変機能いたしました国鉄共済年金に関する閣僚懇、四閣僚懇談会それから政府レベルの審議会としては社会保障制度審議会、いわゆる制度審、総理大臣の諮問機関としてあるわけでございます。こういった各種レベルの審議会等どれが適切か御判断をいただきまして、六十三年度中くらいにはある程度の方向を出し、六十四年には立法措置をした上で六十五年以降の支払いに支障ないよう格段の御配慮をいただきたいところでございます。
 この問題につきましては、運輸大臣先頭に立ってこれまで御活躍をいただいて道を開いていただきましたが、厚生行政にも明るいお立場ということで本件に関する御所見をちょうだいいたしますれば幸いでございます。よろしくお願いいたします。
#107
○国務大臣(橋本龍太郎君) 運輸大臣を拝命いたしました途端から大変頭の痛かった問題の一つが共済の処理でございました。それから今委員からも御指摘をいただきましたように六十四年度までは一応の対応を考えたわけであります。私は今後ともに、日本鉄道共済年金問題に関する閣僚懇談会と名前は変わっておりますが、国鉄共済に関して御相談をしてまいりました関係閣僚の懇談会の場を使いながら鋭意検討をしていき、できるだけ早く結論をまとめる努力をしていくことが一番望ましい姿ではなかろうかと考えております。もちろん社会保障制度審議会等政府の関連審議会に御協力をいただくことは当然でありますけれども、当面はやはり舞台はこの閣僚懇談会ではなかろうかと思っておりまして、直接権限を有しない立場であるだけにこの場をできるだけ活用させていただき、私どもの気持ちを関係各省庁にも御理解をいただきたいと願っております。
#108
○野沢太三君 四十六万人の受給者とその家族は一日千秋の思いでこの問題についてのめどが立つことを期待をしておりますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
 続きまして安全問題について二、三申し上げたいと思います。
 国鉄の改革に取り組みましたときに、民営化したら安全は大丈夫かと、こういう御議論が再々ございました。この点につきまして現在まだ四カ月程度の実績しか出てないわけでございますが、JR移行前後の事故の発生状況という点につきまして調べていただいたわけでございますが、これまでの状況で見ますると、鉄道の運転事故ということで運輸省に御報告のありましたものが昨年四月から六月までで二百二十五件、ことしの四月から六月までで百八十八件、合計三十七件の減でございます。かつまたその中に含まれます責任事故の点で見ましても昨年が五件、今年度は二件と三件の減少ということでございます。事故は水ものと言われまして今後ともまだ予断を許さないわけでは、ございますが、当座のところでは皆さんよくやっておるなというのが感想でございます。これからもひとつ十分な取り組みをしていただき、一層事故の減少が見られますように努力を期待するところでございます。
 また、列車の平均おくれ時分というこれは国鉄時代によく使っておった物差してございますが、全列車が一個列車当たり一日何分おくれるかというものを平均いたしました数字が物差しとしてよく使われます。この平均おくれ時分が昨年は四月から六月まで〇・四分でありましたものが、ことしは幸い事故も少なかったということもあり、ちょうど半分の〇・二分であるということでありまして、極めて良好なこれは運転状況にあると見られるわけでございます。この〇・二分というのは新幹線のおくれ時分に相当するものでありまして、在来線は大体これより一けた上がっているのが通常でございますが、JR各社の平均でこのような成績があるというのも大変これは関係者の努力があずかって力があったのではないかと思うわけでございます。
 ところで、次に交通事故の問題で看過できない問題がございます。現在交通事故は毎年死亡事故が九千件を上回るというものがこの五年ほど続いておるわけでございます。最近の事故の傾向は人と車というところにとどまらず、車対車あるいは車自身の事故というものが激増しておりまして、むしろこの方が割合としては多くなっておるという事態に立ち至っております。事故件数五十七万九千件のうち、車両対車両が四十六万二千ということでありまして、また車両単独が三万、しかし死亡事故という点で見ると、さらにこの車両単独の二千三百八十七件というものは大変重い数字であろうかと思います。
 最近話題になっておりますいわゆるオートマチック車の事故でございますが、御提出をいただきました資料によりますと、五十八年からことしの三月までの五年弱のトータルで百七十八件という件数が報告されております。つい最近も、二十四日付の読売に出ておりますが、水戸市内で主婦の方が暴走いたしましてけがをした。これにつきましては、自動車のユーザーユニオンからの鑑定依頼が提出されておりまして、暴走は構造的欠陥によるという趣旨の鑑定書が出されたということもあるわけでありまして、本格的な改善の取り組みが必要ではないかと考えるわけでございます。
 この点でひとつオートマチック車に対する急発進、急加速問題に対しまして運輸省はどのようなお取り組みをしていらっしゃるか、所見をお伺いしたいと思います。
#109
○国務大臣(橋本龍太郎君) 技術的な問題を含みますので、細部にわたりましては事務当局から御答弁をさせますけれども、まず第一に急発進、急加速の原因究明につきましては、日本自動車工業会に対して調査を指示すると同時に、中立公正な立場からの原因究明を図るために、運輸省附属の交通安全公害研究所において車両構造上の原因究明についての試験調査を実施いたしております。
 また、運転者の誤操作による急発進、急加速防止のための車両構造上の対策についても、先般日本自動車工業会に対し検討を指示したところでありますが、これを受けて、現在同工業会では作業部会を設置して検討が進められているところでございます。
 運輸省といたしましては、このオートマチック車問題というものの持つ社会的な重要性にかんがみ徹底した原因の究明と車両構造上の対策に全力を投入してまいる所存でございます。
 ただ、今、委員御引用になりました中で一点だけ訂正と申し上げては恐縮でありますが、事実関係において申し上げたいのは、鑑定書というお話がございましたが、鑑定書が提出されたというのは事実的に誤りではなかろうかと存じます。こうした場合の鑑定というのは、相互に依頼をされる、あるいは両方の立場からの鑑定を依頼されるのが鑑定でありまして、これは事実関係についての多少違いがあるような感じがいたしますので、この点だけは補足をさせていただきたいと存じます。
#110
○野沢太三君 ただいまの御指摘についてはなお一層の調査をいたしたいと思いますが、最後に、交通安全公害研究所におきまして試験内容が最近まとまってきたと伺っておるわけでございます。これにつきまして、特に電波雑音がどのような形であらわれるか、さらには今後の調査のスケジュール等につきましてお話をいただきたいと思うわけでございます。
#111
○政府委員(清水達夫君) お答え申し上げます。
 私どもの交通安全公害研究所におきましては、中立公正な立場からの車両構造面での原因究明を図りますために、実車を用いまして試験調査を実施することといたしております。一応本年度内をめどに中間報告を出すことといたしております。
 それで、御質問の試験調査の具体的内容といたしましては、まず第一番といたしまして、試験車についての例えば発進時におきます必要なエンジンの回転数とかあるいはトルクなどの基本的な性能につきまして確認試験を行います。
 その次に、第二番目といたしまして、いろいろ問題になっております現象の原因を推定いたしますために、電気回路等に故意にふぐあいを発生いたしましてその現象を確認いたします異常挙動の確認試験を実施することにいたしております。
 それから第三点目といたしまして、御指摘の電波雑音を発生した場合の車載の電子機器のふぐあい発生に関する確認試験を計画しております。それで御質問の電波雑音につきましては、例えばパルス雑音やあるいは減衰振動波等、いろいろな種類の外部からの電波雑音、それから静電気が車載の電子機器に与えますところの影響につきまして試験を実施することといたしております。
 それからスケジュールでございますが、現在去る七月に交通安全公害研究所の中におきましてプロジェクトチームを編成いたしまして検討を進めておりまして、現在苦情事故事例百七十八件の分析を行っておりますが、実車を使用いたしましての試験調査は九月から十二月末までを予定いたしております。なお、この実車試験と並行いたしまして必要に応じまして自動車メーカーからのヒアリングも行うことといたしております。以上の実車試験が順調に進みますれば、来年の一月からデータの解析を行いまして三月末には中間報告書を作成する、こういうスケジュールにいたしております。
#112
○野沢太三君 どうか早急な結論、また抜本的な結論を出して御指導いただき、ユーザーの不安を解消していただくようお願い申し上げます。
#113
○中野明君 本日は三点にわたってお尋ねをしたいと思います。
 まず第一点は、最近発生をいたしました民間機と航空自衛隊機のニアミス問題から御質問したいと思います。
 御承知のように航空輸送というものはますます増大をしてまいりまして世界各国ともこの航空機のニアミス問題では大変頭を痛めておるところでありますが、去る十九日に千歳空港の上空、そしてその十日ほど前の十一日ですか、高知県の海上沖合でニアミスが発生したという報告が運輸省になされたということなんですが、その状況をまず御説明をいただきたい。
#114
○政府委員(山田隆英君) 今回発生いたしました二件のニアミス報告でございますけれども、私ども受けております機長報告によりますと、まず第一の案件は八月十一日の高知沖におきます異常接近でございまして、全日空の三五四便、これは鹿児島発名古屋行きの便でございます。これがレーダー管制下におきまして高度二万九千フィートで飛行中に、串本の西南西約百八十キロメートル付近におきまして海上自衛隊U36A訓練支援機と接近したというものでございます。
 それから二件目は八月十九日に起こりましたものでございまして、千歳上空の異常接近でございます。これは全日空三三九便新潟発千歳行きの便でございまして、千歳のレーダー管制下におきまして高度一万二千フィートで飛行中、千歳の東約二十五キロメートル付近におきまして航空自衛隊F15戦闘機と接近したというものでございます。
#115
○中野明君 自衛隊の方はどういう報告を受けておられますか。
#116
○説明員(柳澤協二君) お答えいたします。
 ただいまの二件につきましては、いずれも自衛隊機の機長から私どもの方には当該全日空機を目視をしそしてこれとすれ違ったということは報告されておりますが、あわせて自衛隊機の機長は特に衝突または接触のおそれがあったとは考えていないと、相当の距離があったのだということを報告してきておるわけでございます。
#117
○中野明君 その相当の距離というのは大体どれぐらいというふうに報告を受けておられるのですか。
#118
○説明員(柳澤協二君) これは事案直後のあれでございまして、あるいは四国沖の場合ですと三マイルぐらいはあったのじゃないかとか、千歳の場合ですと右側五マイルぐらいで見て、すれ違った後で三ないし五マイルぐらいだったとかいうことで報告が来ておるわけでございますが、いずれにしましてもその当時のとっさの本人の主観的な感覚でございますので、それについて今防衛庁としてそれが間違いなかったとかという、どうであったかということはこれからの調査ということでございまして、報告はそうなっておったということでございます。
#119
○中野明君 私どもがいろいろ伝えられるところを心配しますのはどちらがうそを言っていると、そういうことを追及するつもりは私は毛頭ありません。しかしながら民間航空機というのは多数の乗客を積んでいるわけですから、非常にその点については操縦士も真剣に考えているだろうと想像をしているわけです。自衛隊機というのはやはりこれ任務の関係からしてどうしてもスピードも速
いし乗員も少ないということで、確かにそういう点については小回りもきくという意味合いからもこのニアミスについての認識の違いというものを私たちは非常に心配をするわけです。
 航空機の衝突事故というのはこれはもう雫石で苦い経験をしておられるとおり、大きい飛行機も小さな飛行機もぶつかったらもう両方ともだめですね。そういう意味で今回の一連のわずか十日ほどの間にニアミス報告が二回出てきて、しかも自衛隊の方はニアミスとは感じなかったと、非常に私どもの立場から聞いても伝えられるところによりますと一方は五百メートル、片方は五キロ離れておったと、この認識のずれというのが非常に私は怖いとこう感じるわけなんですが、運輸大臣、その点について運輸大臣としてこれら一連のニアミス事件についてどうお考えになっているか、ちょっとお考えを。
#120
○国務大臣(橋本龍太郎君) これらの事案はいずれも目下事実関係の調査に入っておりまして調査が完了いたしておりません。ですからその調査結果が出次第できるだけ速やかに発表できるように努力をしたいと考えておりまして、具体的に云々をする状況には今日はないというところであります。
 ただ、今防衛庁の御答弁を承っておりまして、委員が御指摘になりましたように私も雫石の事故というものを自衛隊関係者に思い起こしていただきたい。事故発生の際に民間機の乗客には退避の方法はありませんけれども、自衛隊機のパイロットは助かる確率があるわけでありまして、今のような御答弁でありますならばいよいよ厳しく事実を調べなければならぬなと思っております。
#121
○中野明君 大臣のおっしゃるとおりだと私も思います。ただ、事実関係を調べるといっても、やっぱり一番最初に答えられたその認識というものは僕は非常に怖いと思うんですね。済んでしまってから事実関係を調べようとしてもなかなかこれ調べ方が私は難しいと思うんですが、とっさのそのときの判断、これが民間機はひやっとした、ニアミスだと。ところが、自衛隊機の方はとんでもなく離れておってそんな心配は一切なかったと。それが怖いと私は思うわけでして、これは一たびそういう事故が起こるともうこれは雫石で一番苦い経験を自衛隊もしているし、民間機はもうこれは被害者としてたまったものじゃないわけです。その点これはぜひ事実の解明とともにこのニアミスの認識の仕方、これを僕は防衛庁も認識を新たにしていただきたいなと、こう思います。今日飛行機の性能がよくなっているわけですから、もうそれこそ一瞬の油断といいますか、操作ミスによって衝突事故は避けられないような状況にあるわけですので、最初のこの認識のずれというのが大事件を引き起こす一番の原因になるんじゃないかと心配をしております。ぜひその点は防衛庁としても、このニアミスについての厳しいやはり認識が要求されると私は思いますので、その点について防衛庁、もう一度御答弁願いたいと思います。
#122
○説明員(柳澤協二君) 御指摘の趣旨は全くそのとおりでございまして、私ども訓練の必要上非常に厳しい訓練をしなければならない側面はございますが、しかしながら安全というものはやはりそれにも増して絶対的に確保されなければならないことであることはとうに承知しておるつもりでございます。本件の事案に関しましても、栗原大臣の方からは徹底的な事案の解明と、それからその際法して内々をかばうことなく徹底的に真実を追求しろと。で、運輸省の方に全面的に御協力をし、事実関係の調査をまずもってやっていくように指示を受けております。その趣旨に従いまして積極的に調査をしてまいりたいと思います。
 それからまた、このような事案がまさに二回も近い時間的な幅の中で起きたということ自体も、これが具体的にいわゆるニアミスであったかどうかは別といたしまして、やはり非常に私どもとしてもどうしてこういうことになったのかというのを、より一層の安全確保という観点からさらに考えていかなければならぬ、仮に改めることがあれば進んで改めていかなければならないと考えておるところでございます。
#123
○中野明君 それで、北海道の千歳の場合は、訓練空域から外れておったんじゃないかという疑いも持たれているんですが、その点はどうなんですか、まだわかってないんですか。
#124
○説明員(柳澤協二君) 今千歳とおっしゃられましたが、高知沖の件の方であろうかと思います。この点につきましても、この点もまさに一つの問題点でございまして、ただいま運輸省の方で調査をされておるところでございます。
#125
○中野明君 そう、失礼しました。高知沖の方ですね。これ訓練空域じゃなかったという疑いが非常に強く出ておるんですが、その辺は運輸省の方はどう認識しておられますか。
#126
○政府委員(山田隆英君) 本件につきましては現在事実関係の調査に入っておりまして、これは自衛隊の機長の方あるいは全日空の機長の方それぞれニアミスではないかと言われる状況についていろいろ事情を聴取しております。現在までのところ、まだ訓練空域であるかないかということは調査中でございますので、ここで申し上げるのは差し控えさせていただきたいと存じます。
#127
○中野明君 昨年来自衛隊としては非常に不名誉な事件が相次いで発生しているわけですね。何か訓練中に燃料が不足して墜落したとか常識では考えられないようなことが起こってみたり、あるいは先ほど来出ております雫石の元被告を励ますために元の上司が自衛隊機で駆けつけたとか、こういうことを私ども聞くにつけて、自衛隊の皆さん方が国の守りのために努力していただいていることは我々も評価するにやぶさかじゃありませんけれども、それをいいことにして民間機なんかは眼中にないと、そしてすべて自衛隊機優先、そういうことになってきますと共用空港というものの運営というのは非常に私心配でありまして、千歳にしてもそうですし、沖縄の那覇空港でも絶えず自衛隊機と民間機のトラブルが後を絶たない、こういうことを考えておりますと、そういうことを繰り返しているうちに大事件に発生するおそれがもう十分にありますので、こういうことを契機にぜひこれは徹底した究明とそして認識を改めていただいて、やはり人命優先、そして民間機は民間機として安全第一に心得てやっているんですから、ぜひその点をお願いしたい、私はこのように思います。
 特に千歳の場合は、何か自衛隊が管制をしておるんでしょうけれども、三機の編隊を全然報告してないと、だから民間の機長は一機だけというふうな認識でおったというようなことも伝えられているんですけれども、そういう管制のあり方ですね、これについてはどうなんでしょう、運輸省の方としては、伝えられるところによりますと、来年七月から新しい千歳の空港ができるわけですけれども、現在でもやはり共用空港にしても管制を自衛隊の方でやってもらうというよりも、やっぱり一本にして運輸省で管制をした方がいいんじゃないかという声が非常に強いんですが、新しい千歳の空港の管制というものはどういうふうになさるつもりなんですか。報告をしていただきたい。
#128
○政府委員(山田隆英君) 新千歳空港が来年七月から供用開始する予定であるということは先生おっしゃるとおりでございます。
 この新千歳の開港に伴いまして新千歳空港の管制をどうするかということにつきましては以前から防衛庁ともいろいろ御相談申し上げてきたわけでございますけれども、防衛庁が現空港の進入管制業務を行っている、それから新千歳空港が現空港と極めて接近しているというようなことから考えまして、新千歳空港の進入管制業務につきましても自衛隊の管制、自衛隊に進入管制をお願いすることはやむを得ないということに結論が出たわけでございます。
 ただ、その際に民間航空との調整を行いますために、来年度新千歳の供用開始の際に、運輸省といたしましては千歳に航空管制業務統制官というものを設置して防衛庁との間の管制についての調整を図りたいというふうに考えております。現在検討中でございますけれども、今考えております
のは防衛庁へ委任いたしました管制業務につきまして、航空法第百三十七条第四項の規定に基づきます統制を実施するためにこれを設けるということでございまして、六十三年度の組織定員要求にこれを盛り込むべく現在調整を行っておるところでございます。
 この具体的な内容でございますけれども、運輸省の千歳空港事務所に航空管制業務統制官というものを配置いたしまして、防衛庁が実施いたします現在の千歳飛行場及び新千歳空港にかかわる管制業務につきまして必要に応じ防衛庁への助言、勧告等を行おうとするものでございます。
#129
○中野明君 この新しい千歳空港はこれは共用じゃないわけですから、民間専用の空港なんですから、そこも自衛隊に管制をお任せするというのはどういうことなんでしょうかなというものを我々感じるわけでして、そうなるとやはり自衛隊機優先の管制になって民間機が今まで苦情が出ているように待機させられたり、あるいはいわゆる自衛隊機優先という線がなくならぬのじゃないか、そういう心配もするわけなんですが、これは結論としては新しい空港も自衛隊の方にお任せする、そういうことですかね、今の御答弁は。
#130
○政府委員(山田隆英君) 千歳空港の進入管制業務並びに飛行場管制業務につきましては、現空港と同じように防衛庁にお願いするということでございますが、決してそれは自衛隊機優先ということではございません。私どもとしては民間機の航行に支障のないように防衛庁にはお願いし、先ほども申し上げました統制官を置くことによりましてこの辺の調整を図っていきたいというふうに考えております。
#131
○中野明君 非常に民間航空機の側からそういう心配と苦情があるんですから、そういうことを強くやはり自衛隊の方へも要望してもらわないとならぬということです。
 それから、今の管制統制官というものを置くということをお答えになっているんですが、この具体的権限というものはどういうふうにお考えになっていますか。
#132
○政府委員(山田隆英君) 先ほども申し上げましたように、この統制業務と申しますのは航空法第百三十七条第四項に規定されておるものでございます。航空法第百三十七条では、一定の管制業務につきまして防衛庁に委任することができることになっておりまして、その委任した業務の運営に関し運輸大臣が統制することができるというふうになっております。そして、この具体的な業務でございますけれども、これは今後組織をつくるに当たって整備していく考え方でございますけれども、業務の内容といたしましては管制業務及び施設の視察であるとか、それから管制業務に関する報告徴収、それから民間航空会社等からの要望等の聴取、それから発着枠についての助言、その他の管制業務に関する調整であるとか助言であるとか勧告といったようなことを考えております。
#133
○中野明君 結局、私釈然としないんですけれども、北海道の千歳空港が大変利用度が高くなってきて新空港をつくらなきゃならぬということになったわけですから、これは民間機の需要がふえてそうなったわけですね。ですから、そのための管制ということはやはり運輸省がやるべきじゃないかという考えをいまだに私は持っております。そのかわりと言えば語弊がありますけれども、そのために管制統制官というんですか、それをそのかわりという意味で置かれることに踏み切られたんですか。それとも何かほかにわざわざこういうものをせなきゃならぬという理由ですね、それはどうですか。
#134
○政府委員(山田隆英君) 新千歳空港の場合は、現千歳空港に極めて接近しておるわけでございます。本来でございましたら二つの空港について別々に管制を行う、そして民間空港につきましては運輸省が管制を行うということが望ましいわけでございますけれども、極めて接近しておるためにこれを別々の管制で行うということには逆にその管制上支障が出てくるおそれが、ございます。
 そこで、どちらが管制をすべきかという問題でございますけれども、現千歳空港につきましては長年にわたって防衛庁が進入管制業務あるいは飛行場管制業務を行っているという事実もございます。これらの状況をいろいろ勘案いたしまして、私どもとしては防衛庁と御相談の上、最終的に新しい千歳空港も含めて防衛庁が一元的に管制を実施するということについて合意を見たわけでございまして、ただ、さはさりながら新しい民間の新千歳空港につきまして民間空港の円滑なあるいは安全な効率的な運用を行いますためには、防衛庁の管制に当たって私どもがいろいろまた勧告なり調整なりする方が望ましいということで、この統制官というものを置きたいということで現在組織定員の要求をしているということでございます。
#135
○中野明君 どうも聞いておっても非常に何かすっきりしないような感じがいたします。
 そこで、千歳空港に関連をしまして、この航空自衛隊の千歳基地内で雷が落ちて燃料タンクが爆破炎上したという事件が七月の一日でしたか、あったんですが、このことについて自衛隊の方としては原因がやっぱり落雷というふうにとっておられるのかどうか。また、燃料タンクに雷が落ちて爆破炎上するということになると非常にこれ心配なんですが、その状況はどうだったんでしょう。
#136
○説明員(伊藤宗武君) お答え申し上げます。
 航空自衛隊千歳基地内の燃料タンクの火災原因につきましては、現在関係当局が鋭意調査中でございますが、航空自衛隊でも原因の究明、再発の防止のために燃料タンク火災事故調査委員会を設置いたしましてそして調査を実施しておるところでございます。
 ただいま先生から落雷が直接の原因ではなかろうかというお話ではございましたが、目下のところ明確な原因の究明まで至っておりません。それで、事故原因の調査の一環といたしましてタンク内部を調査するため、タンクの中に残っております残油等を抜き取りまして、現在タンクの中に落ち込んでおりますいわゆるタンクのふたのような上の天井の板ですね、これを搬出する作業を実施しております。この作業は大体九月上旬ごろ終わるんじゃなかろうかという見込みでございまして、その後タンクの中に入りまして調査に入る予定にしております。
#137
○中野明君 雷以外にほかに原因があると自衛隊思っておられるのかどうか、私その点は定かじゃありませんけれども、
   〔委員長退席、理事安恒良一君着席〕
自衛隊の方にそのことについて資料を要求しましたところ、「千歳落雷事故の概要及びその後の状況」、このようにはっきり表題を落雷事故というふうにおたくの方の資料で書いて出てきているんですよね。それを何か今のお話を聞くと、ふたを外してこれから調べますというようなことのようですけれども、燃料タンクというのは航空自衛隊にとっては生命ですから、そういうところがいとも簡単に雷のために爆破炎上するというようなことも困るし、ふたをあけて中を見てみないと原因がわからぬというのも困るわけでして、そういう点消防の方はどういう見方をしておられるんですか、消防庁の方。
#138
○説明員(次郎丸誠男君) お答えします。
 私どもも事故が発生しました直後に担当官を現地に派遣いたしまして原因調査に当たっております。これは千歳の消防本部でございますが、そこの消防本部に対しましてどういうことを調査したらいいのか、こういったようなことについての指導助言を行ってきているところでございます。
 なお、千歳市の消防本部におきましても学識経験者の応援も得まして現在原因の究明に当たっていますが、ただいまもお話がございましたように、この覆土式のタンクの場合はタンクの屋根部に土、コンクリが載っておったわけでございまして、これが爆発のためにタンクの中に落ち、それに油も入っていましたのでこういった沖あるいは土、コンクリ、こういったものをのけませんと最もその原因の究明に重要と思われますタンクの屋根部がタンクの中に落ち込んでおりますので、現
柱そのタンクの残存物を除去する作業を行っています。これが終わりましたらその調査に着手できるというように考えています。
#139
○中野明君 一番被害者であるそばにおった自衛隊が落雷事故だとはっきりそのとき感じたことは間違いないようです、この資料もそう書いていますから。だからそういうことなんですが、何でもお役所の方が調べるということになると、七月一日に爆破炎上して、それでまだこれからふたをはがしてどうとかこうとか。何かこの報告書によりますと九月上旬ごろにガス抜きの作業が終わってそれからタンクの内部の捜査に入るというんですからこれはどないなっているんだろうかと我々は感じるわけでして、役所の仕事が遅いということはわかりますけれども、それにしても遅過ぎるんじゃないかと。そんなことでは次にまた――タンクはもう全国に自衛隊だけじゃなしにたくさんありますよね。そういうことで、次の事故を未然に防ぐためにもこれは本当に真剣になって本気でやってもらわないと、三月も四月もかかっておったんじゃどうにもならぬじゃないかという気がするんです。そういう点消防の方も同じことですけれども、そうかといってこの原因を間違ったら大変だという意味もわからぬことはありません。しかしながら、タンクの上に上もかぶせてあってそこへ雷が落ちて爆破炎上するということになると、これから後々の、全国でも大変な数のタンクがあるようですが、それらが心配でございますので、可及的速やかに原因の究明をして今後の対策に資してもらいたい、このように思いますので強く要望をしておきます。
 それからもう一点、これ三日前でしたか、最近は小型機の事故が非常に多いです。これはいずれ日航法のときに私もお尋ねしたい問題なんですけれども、三日前の二十二日、調布を立った小型機が伊豆大島付近の海上で消息を絶ったという事件が報じられました。きょうで三日たつわけですね。航空局としてどのような調査の状況でございますか、それを教えてください。
#140
○政府委員(山田隆英君) まず行方不明機でございますけれども、これは松栄電気商会所有のFA200−180という機種でございます。航空機ナンバーがJA三四五六。機長は山口益生さん。それで、フライトプランでは調布から八丈島に行くという予定でございまして、調布を十一時三十七分に出発された。当時燃料は約五時間分を積んでいたということでございます。八丈島の周辺が天候不良のために八丈島に着陸できず調布に引き返す途中に燃料が乏しくなり、また位置を見失いまして、最終的に燃料切れでエンジンが停止したという交信を私どもの管制部の方に受けました。それを受けまして捜査救難調整本部におきまして関係機関に通知をいたしたわけでございます。現在海上保安庁、自衛隊、警察等関係機関において付近における捜査救難が行われておるということでございます。
#141
○中野明君 これは海上保安庁、海に落ちた可能性が高いんですが、海上保安庁はその後の捜査の状況はわかりますかしら。
#142
○政府委員(大塚秀夫君) 海上保安庁では、東京空港事務所から連絡を受けまして直ちに付近哨戒中の巡視船艇を現地に赴かせ、かつ羽田航空基地から航空機を派遣して捜査を開始いたしました。
 当初最終的に消息を絶ったと推定されます三宅島の北方十八海里付近の海域を中心に捜索しておりましたが、その後捜索海域を広げ、本日も三宅島の南方、八丈島の北方海域を中心に巡視船艇二隻、航空機二機で捜索中でございますが、残念ながらいまだ手がかりを得ていません。
#143
○中野明君 この小型機の問題についてはいずれ次の委員会のときに私やろうと思っておりますが、最近特に小型機の事故が気になります。そういう点について今後の対策、またそういうことについて次回に譲りたいと思います。
 それでは次の問題に移りたいと思います。
 先ほど野沢委員御質問の関連でございますが、オートマチック車、AT車の事故についてお尋ねをしたいと思います。
 これはアメリカでの問題が端を発したようでございまして、どうも日本の運輸省の対応といいますか対策が、四年ほど前からこの急発進事故問題というものは訴えられておるようでありますけれども、運輸省並びに自動車工業会というんですか、業界としても運転操作ミスではないかということでずっと来ておられたような感じを私受けております。四年もたっているんですが、どうも対策が後手後手に回っているような気がするんですが、運輸省としては当初は運転者の操作ミスというふうな判断が強かったと私感じておりますが、今になって調査に乗り出されたその根拠は何でしょうか。
#144
○政府委員(清水達夫君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のこの問題につきまして私どもの対応が遅いんではないか、こういう御指摘かと思います。
 この問題につきましては、五十八年ごろから問題になりまして、その当時から急発進、急加速に関します苦情、事故等の情報の収集を開始して、検討を重ねてまいってきておったわけでございますが、何分にもこの急発進、急加速現象、こういうものが再現しにくいと、こういう技術的な問題もございまして、推移して至っておったわけでございますが、本年の五月末におきまして二つほど大きな事故も発生いたしまして、最近の事例などさらに詳細に検討いたしますと、やはり構造、装置の、少数ではございますが、運転者の誤操作だけでは説明のしにくい事例も出てまいりましたので、私どもといたしまして原因の究明をこの際徹底的にやってまいりたいと、こういうふうに踏み切ったわけでございます。
   〔理事安恒良一君退席、委員長着席〕
#145
○中野明君 これはもう四年前からの問題でして、どうも対応が遅過ぎるんじゃないかという感じを受けております。いずれにしましても、自動車工業会にも原因究明を要請しておられるようですし、交通安全公害研究所においてもプロジェクトチームを発足させて、実車実験を含めた本格調査を行うと聞いておりますが、この実車実験については当面はアウディ一〇〇と日産フェアレディZの二車種というふうなことを聞いておるんですが、この運輸省が公表されました百七十八件ですかね、この事故の例の中でのあれを見てみますと、多くの車種、ほとんどの車種が網羅されているということなんで、他の車種についても実車実験を行う必要が私はあるんじゃないかという気がしますが、その辺はどうお考えになっていますか。
#146
○政府委員(清水達夫君) お答え申し上げます。
 御指摘ございましたように、私どもといたしましては、アウディの一〇〇並びにフェアレディのZにつきましては、既にいろいろ問題を起こしておりますので、これは試験対象とすることを決定しております。御指摘のございましたように、それ以外のものにつきましては、現在交通安全公害研究所におきまして百七十八件の詳細な分析をいたしておりますので、その結果、それ以外の車種につきましてもさらに数種類の車両を選定して試験調査をしてまいりたい、かように考えております。
#147
○中野明君 それで、私この問題はなかなか難しい問題だと思います。しかしながら、たとえ運転者が操作を、アクセルとブレーキを踏み間違っても急発進が防げるというような安全装置の早期開発が一番望まれるところだろうと私たちも思いますが、工業会の話を聞いてみますと、年内に適切な安全装置の仕様を決めて開発をするというふうに伝えられておりますが、運輸省はこれ、その間の事情をある程度掌握しておられると思うんですが、この安全装置についてはどういう見通しを持っておられますか。
#148
○政府委員(清水達夫君) お答え申し上げます。
 現在、日本自動車工業会におきましては、内部に設置されました作業部会におきまして、運転者の誤操作によります急発進、急加速防止のための車両構造上の対策につきまして検討をいたしております。
 運輸省といたしましては、この検討に当たりまして、さきに改善対策ということで先生御指摘がありましたシフトロックといったような装置を一部のアウディにつきましては既に実施をいたしておりますし、進行中でございます。さらに、フェアレディZにつきましてもそういうものをつけると、こういうことで進んでおりますので、この装置は完全な、すべての場合に誤操作を防止するものには今のところなっておりませんが、このシフトロック装置につきましても、自動車工業会におきます構造上の安全対策の検討の対象とするように指示をいたしておるところでございます。
 そういうことでございますので、このシフトロック装置を含めました誤操作防止対策につきまして、その技術的な検討を鋭意進めまして、年内には方向づけをなされるように指導してまいりたいと、かように考えております。
#149
○中野明君 いずれにしても、このAT車の普及というものは大変年々ふえて、アメリカなんかは九〇%はAT車だと聞いておりますけれども、我が国でも既に新車の五七%ですか、既にもう六〇%に手が届くぐらいAT車がふえている。こういう現状でございますので、やはり運転する人に不安を与えないように原因の究明を急いで、そして安心をさせるということが大事なことだろうと思います。何かこのことが伝えられてから急に、一時的にしろ、AT車の購入ががたっと減ったというようなことも聞いておりますけれども、現在はまたもとへ戻っているという話でございますが。
 そこで、私は警察の方へお尋ねをしたいわけですが、毎年四百万人ずつぐらい新しい免許を取る人がおられるようですが、そして新車購入の六割まではAT車と、こういうことになってまいりますと、今の自動車の教習所におけるこのAT車のあり方、ことしの四月から何か二時間ほどAT車の教習をするように通達が出ておるようでありますが、どう考えてみても現実とは合わないというような気がいたします。せっかく高い金を払って貴重な時間をつぶして運転免許を取る。ところが、運転免許を取ってその人が新車を購入して乗る車はAT車と。教習所ではほとんどもう、ことしの四月からやっと二時間AT車を扱うという程度ですから、ほとんどはAT車以外の従来の車で訓練を受けてそして免許をもらった。同時にAT車で免許を取ったら運転をしているというんですから、余りにも現実とかけ離れた運転免許の出し方ではないだろうかという気がするんですが、警察の方はこれはどういうふうに見ておられますか。
#150
○説明員(村井温君) 先生今の御指摘の点でございますが、現在の普通免許というのは、この普通免許を取りますれば、AT車、MT車にかかわらず何でも一応普通車は運転できると、こういう建前になっているわけでございます。したがいまして、教習所に入られまして、将来AT車だけを乗ると言われましても、一応免許上MT車、マニュアル車でございますが、これを運転できるようなところまで水準を高めていかなきゃいかぬというのが今の免許の制度の建前でございますので、教習所に入られた方については、一応二十七時限の中へAT車二時限でございますけれども、総体としてMT車まで運転できるように技術水準を高めていくということで運営しているわけでございます。
#151
○中野明君 それで、現実はAT車がどんどんこれからふえてくるわけです。それで、四百万人の免許をもらう、毎年もっとふえるんでしょう。この人たちがせっかく教習所で苦労して習っても、ほとんど六割の人はAT車に専門で乗るということになると、現実の免許のあり方そのものが現状と合ってないじゃないかと、そういう気がするわけです。今のお話では、この複雑な操作の難しい方の免許を取ったら、AT車は簡単だからこれはもう当然免許の中に含まれて運転できるようになっている、こういうお話なんですけれども、それが操作のミスが起こるというんですから、やはりこれになれさせるということが必要じゃないだろうか。聞くところによると、アメリカなんかではAT車の限定免許というんですか、そういうものを出しているというんですが、そこまで行くにはまだ日本は時期尚早かもしれませんけれども、もう少し教習所の中でAT車の教習をふやすとか、あるいは私思いますのは、こういう操作ミスとか急発進とかいう、こういう事故が起こっても、運転者が一人のときにはなかなか証明する人がおらぬものですから判断が難しいんですけれども、教習所でAT車を、常時教官がついて、そしてそれに乗せてやっていると、もっと早く原因究明といいますか事故の有無というんですか、そういうことがつかめたんじゃないだろうか、そういうような気がしてならぬわけです。
 ですから、そういう面で運転免許のあり方というものを現状に合わせるようにやはり努力をされる必要が出てきたんじゃないだろうか。とにかくこう決まっているんだからこれで免許を取れ、あとはもう運転の楽なAT車に乗ろうとどうしようとそっちの自由ですというようなお話のように聞こえるわけですけれども、やはり実際に乗って操作のミス的なことが非常に多いということになりますと、教習のときにもその基礎的な知識とそして運転技術というものをやらせる必要があるんじゃないか、そういうことでお尋ねをしているわけですが、そういうお考えは全然ありませんか。
#152
○説明員(村井温君) 今のお話の教習所においてもっとAT車の教習をしないかということでございますが、先生御指摘の点につきまして、本年の四月一日に教習のカリキュラムを改正をいたしまして、AT車の教習を二時限、二十七時限に入れたわけでございます。これはことしの四月に始めたばかりでございまして、その二時限のAT車の教習を入れたことによってどの程度今先生が御指摘の問題につきまして成果が上がってきたか、これを今後見きわめまして、さらに教習時間について検討をまた進めていくということでございます。
 また、それから先ほどお話ございましたアメリカ等におきます限定免許の問題でございますが、これは今後オートマチック車がさらに普及した場合には、この限定免許の要望もどんどん強まってくると思われますけれども、現在年間交通事故の死者が九千人を超えているという状況でございまして、そういう状況のもとでこのようなこと、これを認めるということが国民の皆様の方に運転能力の低い未熟な運転者を交通社会に送り出すという印象を与えはしないかという心配がちょっとされるわけでございまして、そういうところから今後の交通事故の情勢の推移や国民の皆様方の考え等を見きわめた上で免許制度上どう対応していくか検討していきたいと思っております。
#153
○中野明君 私すぐにそうしろというような生意気なことを申し上げているんじゃありませんで、将来はやっぱりそういう方向に、現実と合った免許の出し方というものも必要じゃないかということで問題提起をしているわけです。
 もう一つは、ことしの四月からやっと二時限入れたということなんですけれども、それも遅かったんじゃないか、現実とは全然違うじゃないかと。運輸省もそうなんですけれども、とにかく何か事が起こってすぐに手を打つというんじゃなしに、事が起こってからでも手の打ち方が非常に遅いということで、やっと教習所でも二時限AT車のあれをカリキュラムに入れたと、今こうおっしゃっていますけれども、それだって決して私は自慢するようなことじゃないだろうと思っているんです、現実の状況から見て。ですから、将来にわたって一たん免許のあり方こう決めたんだ、永久にこれは変えないんだというそういう硬直した考え方じゃなしに、やはり現実に合った教習、現実に合った免許の出し方というものも一考される必要は来ているんじゃないか、そういうことを申し上げているんでして、どうかその点将来の問題として検討課題にしていただきたいなと、こう思っておる次第でございます。
 それで、この問題最後に運輸大臣にお尋ねをしておきますが、非常にまあこれ機械のことです
し、なかなか私難しい問題だと思うんですけれども、ここまで社会的にも騒がれ出しますと運転者の皆さん方も不安がるし、そういうことでぜひこれは官民一体となって総力を挙げて一日も早くこの原因究明ができて、問題なかったら問題なかったということできちんとあるべき姿を示されることが大切なことだというふうになってまいりました。これは疑えば切りがありませんしね。一人で運転しているうち、とっさの場合にうろたえたらどうしたか本人も判断がつかないような場合もありましょう。そういうことでなかなか難しい問題だと思いますし、外部からの電波障害ということも野沢先生もおっしゃっておりましたが、そういうことも含めて早急に結論を出していただいて、みんなが安心して車の運転ができるようにしてもらいたいなというふうに思いますので、大臣のお答えを聞いてこの問題を終わりたいと思います。
#154
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御指摘のとおりに、両院の御審議の中でAT車問題が取り上げられましてから後、私のところにも投書を下さったりいろんな御意見があります。その中で確かに大変な心配をしていらっしゃる方々があることを私も実感をいたしております。ただ、技術の問題だけに日にちを限ることはなかなか困難なことでありますけれども、最大限努力をしてもらうよう私の方でも努めてまいりたいと思います。
#155
○中野明君 では最後にもう一点だけ。
 これは青函トンネルの開通とそれから瀬戸大橋の完成が近づきまして、来年の四月からいよいよ本州−九州に次いで北海道と四国が一本のレールでつながれも、こういう時代を迎えたわけですが、いろいろ当委員会でも議論になっておりますように、モータリゼーションあるいは航空機の大量輸送時代というような時代を迎えまして、これだけの世紀の大事業の完成であるにかかわらず、意外に世間の関心といいますか、これも私低いような気がして残念でならぬのですが、とにかく先人が夢に見たいわゆる世紀の大事業の完成なんです。これにつきまして大臣として、本州、四国、九州、北海道が一本の鉄路でつながれたというこの事業についての大臣の所感をまずお聞きしておきたいと思います。
#156
○国務大臣(橋本龍太郎君) 洞爺丸事件あるいは紫雲丸事件、こうした事件によってその当時の世間がいかに大きな衝撃を受けたかを今も私も記憶をいたしております。そうして、北海道と本州の間、また本州と四国の間が、九州との間に関門トンネルができて鉄路でつながれながら、船以外に連絡の方法がないという状態を何とか打開しようという先人の御苦労がようやく形となり、青函トンネルにつきましては明年の三月、瀬戸大橋につきましては明年の四月、それぞれに開通の運びとなりました。
 これは経済的な意義、効果というものももちろん大変大きなことでありますけれども、それ以上に安全に北海道から九州、四国まで鉄路によってお互いが移動できるようになったという意義は私は大変深いものがあると思います。それだけにその先人の御苦労というものが、今確かに交通体系の大きな変革の中、また社会経済情勢の変革の中で、十分国民の関心を集めておらないという点につきましては私も委員と同じような感じを持たないではありません。しかし、私は現実にいざ青函トンネル、また瀬戸大橋を通じまして本四・備讃線が開通をいたしました段階になりますと、私は国民の関心というものも必ず変わってくれるであろう、そして、この事業を完遂するまでに投ぜられた先人の労苦というものに対して思いをはせてくれるであろうという期待を持っております。と同時に、これによりまして日本列島の四つの大きな島が全部鉄道網によってつながれたわけでありまして、今後とも我が国の基幹的な輸送手段としての鉄道がその役割を的確に果たしてくれることを期待いたしております。
#157
○中野明君 今、私も大臣と同じ考えが占めているわけですが、やがてはやはりこれは脚光を強く浴びるときが来ると思います。地方都市に行きましても、もう自動車の交通渋滞、これはふえこそすれ減ることはありません。ですから、鉄道の見直される時期はもう私は当然だと思いますが、同時に、けさほど来この四全総の問題で各委員から御質問が出ておりましたが、せっかく初めて海を自動車だけじゃなしに列車が走る、また青函トンネルは海の底を鉄道が走るというわけですから、そうなりますと、この受け入れする四国と北海道、ここのいわゆるJR各社、北海道JR、四国JRが今のままで、受け入れ体制がこのままではせっかくの開通がかえって立ちおくれになるのではないかと心配をしているわけです。それは旧国鉄時代のことを言えばどうかと思いますけれども、四国にしても九州にしても車両も悪かったし設備投資も少なかったし、一番これから在来線に要求されるのはやはりスピードアップでしょう。四国の高松なんかでは、今真鍋先生おられますけれども、大阪と高松はすべて空も海も列車も二時間時代を迎えたということで、PRもなかなか活発になさっているようです。飛行機で行きましても、飛行場へ行って飛行場から目的地までということで大体二時間はかかります。船も二時間時代が参りました。列車でも二時間で瀬戸大橋を渡っていけます。こういう時代になってきているわけなんです。
 ただそういう点で、会社がいわゆる六つに分かれて、四国でいえば西日本と二つの会社になるわけなので、一応この際運輸省の考え方をはっきりしておいてもらいたいのですが、やはりせっかく橋ができたのですから、四国各県の県庁所在地から岡山までのダイヤはぜひ認可をして早くしてもらいたいということと、それについてやはりどれぐらい時間が短縮になって、そして料金も、これはJR各社がこれから申請をすることになるんでしょうけれども、料金もこのようになりますと。せっかく民間になって勢い込んでいるわけですから、スピードアップもこのように努力を将来に向かってします、そしてたちまち岡山まで何時間短縮になります、料金もこのようになりますということで、やはり今から一生懸命にPRをされるべきじゃないか。ところが両方とものJRに聞いてみましても、それは運輸省の許可を得て料金が決まりますとか、何か運輸省に申請をせにゃいけませんとか、とにかく旧国鉄時代よりもまだ手ぬるいような考え方で、せっかく民営になったんだからもっと活発に積極的に働きかけて、運賃でもこれだけ安くなるんですと、時間もこれだけ少なくなるんですと、安全性はこうですよということでどんどんPRするような姿勢が欲しいと私は思っているんですけれども、こっちから聞いても、いやそれがどうとかこうとか言ってまだなかなか来年にならぬと決まらぬような、運賃の申請でもそんな考え方もあるようなんですが、ぜひこれは運輸省の方からも督励をするなりして、せっかくこれだけのことを、やはり世は宣伝の時代ですから、今からどんどん宣伝をしていけば大分PRが違ってくると私は思いますし、同時にもう一つ心配なのは、やっぱり橋ができますと四国も高速道路がどんどんふえて、これと対抗しようと思ったらまたJRが大変なことになるということで、やはり四国JRの自動車の関係もぜひ高速道路時代に対応した認可の仕方をしてもらいたいなという感じがいたします。
 いずれにしても、線路で結ばれるということはどれほど地域住民の安心につながりそして喜びにつながるかということはもう大臣もよく御承知のところでございますので、四国の島内の鉄道建設と、それから今のメリット、これを早く宣伝できるような指導と助言なりそしてまた料金の認可なりをしてもらいたい、このように私強く要望をするわけですが、御所見を聞いて終わりにしたいと思います。
#158
○国務大臣(橋本龍太郎君) えらいおしかりをいただいたんですが、実は北海道会社の方は既に青函トンネルが完成をいたしました時点でも計画を公表いたしておりまして、それなりな状況が出ております。と申しますよりも、JR各社は明年の春、青函トンネルの供用開始、また本四・備讃線の供用開始というものを頭の中に描きながら明年
の春全国的なダイヤ改正を計画しておると聞いております。これを見ますと、例えば本州と北海道の間にはブルートレーンを含む十五往復程度の列車が運転をされる、そしてその中で委員の御指摘のような立場から申しますならば、例えば東京−札幌間の所要時間は現行のJRに比べまして二時間五十分程度短縮をされるといったようなものは既に公表されております。また、本州と四国の間につきましては、ブルートレーンを含めて毎時一、二本程度の列車が運転をされ、例えば新大阪と高知の間の所要時間は、現在の状況から比べますと山陽新幹線と特急列車の乗り継ぎで二時間程度の短縮が図られるといったようなものは既に公表されておるところであります。ただ、そこから先の具体的なダイヤにつきましては、確かに委員が御指摘になりましたようにまだ作成をされておりませんで、今後鋭意それぞれの会社が連携をとりながらこの計画を進めてまいるものと思っております。しかし、それなりに作業は進んでおりますし、まあ少なくとも例えばJR北海道の場合に、上野−札幌あるいは大阪−函館、青森−札幌、あるいは青森−函館、盛岡−函館とさまざまな列車編成を検討しておることが既に公表されておる状況でございます。その後、例えば今度は児島−坂出ルートが開通をいたしました段階で、岡山から四国島内の直通列車というものにつきましては、具体的なダイヤ設定につきましては現在四国会社が検討しておると聞いておりまして、私もまだ報告を受けておりません。しかし、四国島内全域の利用を考えながら当然それぞれの検討がなされると考えております。
 同時に、今後高速道路が整備をされてまいります中で、委員が御指摘になりましたように、四国旅客鉄道会社としても高速バスの問題が出てくるかと思います。これは現時点では四国における高速道路の供用距離が比較的短いことから現実の問題とはなっておりませんけれども、今後整備が進められていきます中におきまして今度はバス事業者としての立場でのJR四国というものを私どもとしては公正な判断の対象としてまいりたいと、そのように考えております。
#159
○小笠原貞子君 まず安全の問題。運輸交通対策でやっぱり安全というのが何よりも優先されなければならないという立場から、JRの問題、そして続いてニアミスの問題を質問させていただきたいと思います。
 まず、JRの安全問題に入るんですけれども、JRの信号通信区というのがございます。その信号通信区というのは、どんな業務内容で、そして安全対策上どんなことが求められているか、そのことについて伺いたいと思います。
#160
○政府委員(林淳司君) 信号通信区でございますが、この業務は、信号装置あるいはATSの装置、それから継電連動装置あるいは運転指令電話回線、こういった運転保安設備の検査、修繕というものを担当している部署でございます。そして安全対策上の役割でございますが、この信号通信区は、鉄道の安全対策上極めて重要な位置を占める運転保安設備、これの検査、修繕の業務、ただいま申し上げたとおり行っておりまして、鉄道の安全確保の上では非常に重要な役割を担っておる部署であります。
#161
○小笠原貞子君 信号、通信機、踏切それから転轍機、電話というようなものも入ってくると思います。というような、安全対策上非常に大事な問題を抱えているのが信号通信区の業務の内容だということがわかりました。
 そこで次に、具体的に事実の例を申し上げながら伺いたいと思うんですけれども、例えば具体的に和歌山信号通信区というのがございます。その和歌山信号通信区の障害事故というものが一つの通信区としてどれくらいあるのかということを具体的に調べてみました。そうしますと、この四月七件、五月七件、六月六件と、こういう障害事故が起こっております。三カ月で既に二十件というのが発生しているわけです。
 その事故内容を見ますと、特徴的な問題、幾つかございました。その一つは、転轍機の転換が不能になったということ、それから踏切の遮断不能、それから信号表示不良など、もう本当に安全上一歩間違えば大変なことになるということでございます。これは障害事故として公表されているものでございますね。
 なぜこんな事故が起こるのかということがこれから問題として聞きたいことでございます。
 ここにJR東日本東京圏運行本部の「各信号通信区の主要テーマの今後の進め方」という資料がございます。この進め方という資料の中身を見ますと、例えば品川だとか大森だとか小田原、各東京の、JR東日本の、どういうふうにするかということが膨大な資料になって出てきているんですけれども、おのおのの信号通信区が効率化についてどうするか、それからもう一つはコストダウンについて具体的にどう改善していくか、それからコスト管理についてなどというふうに、考え方が、これ細かい字で読むの大変だったんですけれども、びっちり書かれているわけでございます。
 つまり、例えば検査方法、効率化はどうするかということを見ますと、具体的な中身は何だ、通信区が効率化についてこういうことをしたいという中身を見ますと、転轍装置、設備、ダイヤ等の人工削減を図る、品川です。それから人工の削減、対前年度化二〇%に減らす、小田原。検査項目等の見直し、これは要員そして項目、線区及び設備に見合った検査周期にする、これは宇都宮。少ない要員で効率ある保全。まあ挙げていけばずっとあるんですが、周期の見直しというのが、熱海、新橋、金町、八王子と、みんな挙げる時間がございませんが、こういうふうに出ているわけです。効率化について、さっと今申し上げましたとおりのことが検討されている。
 次に、コストダウンについてどういうことを考えてやろうとしているか。コストダウンについては、保全検査周期と項目の見直しということになっているわけです。その第一は線区グレードの導入、各構内の軌道回路、三カ月に一回だったのを六カ月に一回に減らす、検査、これで二十人工減になる、大船。それから電気転轍機の周期見直し、これは熱海。これで定置式の検修、検査を二月に一回を六カ月に一回にするというふうに減らしていく、年間これで十七万削減されると、こうなっております。それから上野構内ポイント十六台、月に一回を二月に一回に倍に延ばす、上野。それから軌道回路、二カ月ないし三カ月だったのを三カ月ないし四カ月に延伸する。それから軌道回路、これは本線以外、年四回検査していたのを年一回とする。
 それから取りかえ周期の見直し、項目も挙がっているんですけれども、リレー取りかえ周期の延伸、例草本数の少ない側線、今年度取りかえ時期数二百個のうち三十個を延伸。それから踏切電球の更換百四個を四十個にする、六十四個減少すると。
 こういうふうに、いかにコストダウンにするか、いかに効率化を上げるかということで、安全の問題から見れば手抜きになるということが非常に私はこの事実から心配なわけです。こういう具体的な、今までの周期を倍にするとか修繕や点検を半分にするとかと、こういうような問題についてどのように安全面からお考えになるでしょうか。
#162
○政府委員(林淳司君) 新しいJR各社がスタートしたわけでございますが、この改革後におきましても鉄道の使命が安全第一であるということについては、これは変わりは全くないわけでございます。
 作業体制の効率化と申しますか、いわゆる合理化施策というものは、これは分割後でなくて国鉄時代から種々行われてきたわけでございまして、いわゆる一般的な意味での能率の向上ということもございますし、それからただいま先生御指摘の検査周期の問題、これは運転保安設備に限らず車両の検査についても同様でございますけれども、これらについても逐次見直しを行ってきておる。それで、場合によっては検査周期の延伸ということも行っております。これは国鉄時代からずっと
引き続きやっているわけでございまして、それは単に手抜きといいますか、そういうことではございませんで、あくまで設備の信頼性の向上ということを踏まえての措置でございまして、それが安全に影響を及ぼすということは決してない。むしろ安全というものについてはあくまで一定の基準というものはこれは絶対に守らなければいけないわけでございますから、そういう前提のもとに種々の効率化を図ってきておるというのが実態でございます。
#163
○小笠原貞子君 むだを省いて効率化を図る、これは私も悪いことだとは言っていないわけです。しかし、いかにむだを省いて効率化するか、コストダウンするか、人工を減らしてお金を削っていくかということが安全と関係ない、絶対大丈夫だと言えるものではないと思うんです。手抜きはしていない――まさか手抜きしますと言ってなさるはずはないんだけれども、結果的にはそういう問題が不安になってくるということを私はこの段階ではっきり言いたいわけなんです。事故が起こってから、こういうことが再びありませんようにといつもおっしゃるけれども、事故が起こるまでは絶対安全なんです。事故が起こったときには大変なんです。そういうことで私はこれを申し上げたんです。
 その次の問題として、効率化、コストダウンに続いて、今度は線区別ということがコスト管理について言われているわけなんです。線区別といいますのは、今まで国鉄ということで一本だったが、これを一つ一つ区切った線区にしていこうと。人がたくさん乗ってもうかるところ、そして人が乗らないもうからないところというふうな線区別に区切っていくわけなんですね。その線区別経費投入の見直し、線区別に金をかけるのを見直せ、こういうわけです。
 これは支出を線区別に稼働人工、線区に必要とする経費を算出し、どの部分でコスト管理が図られるか検討していくと具体的に言っています。線区別に経費投入を管理し、常にコスト意識を持つ、これも小田原とか各地域が書いてあるわけなんです。そして、線区別指数を取り入れ、修繕費等経費の管理をしっかりやれ。それから、修繕費投入実績を線区別に分析調査しろ、これは東京ですね。そして、線区グレードに応じたメンテナンスを施行する、修繕的支出を行う。それから、前年度コストが正しい、今のコストを前年度コストに抑えろ、こういうこと。それから、線区グレードの見直しを推進する。こうなっているわけです。
 例えば、前年度のコストが正しいと、運輸省の方はごらんになって、正しいんだ、こうおっしゃるわけなんだけれども、じゃ、前年度に比べて今年度のコストを考えてみるとどうかというと、それは物価騰貴の分がございます。賃上げの分がございます。これは前に比べてふえるわけです。そのほか技術開発によるもの、売り上げダウンというようなものがあってもこれらは値上げすることによって吸収相殺する。だから吸収相殺できないのは、物価騰貴分と賃上げの分は吸収できない。そうすると、前年度が正しいコストなんだ、ここにまで抑えろというと、物価騰貴、賃上げの分が出ているんだから、これだけお金を倹約していくということで削り込んでいかなきゃならない。だから、人工を減らすとか周期期間を延ばすというようなことになっていくわけですよね。
 こういう問題も、私はさっきと同じ性格のもの。手をかけないということが結局安全を担保できるか。この問題を私はやっぱり今、警告としてはっきり言わなければならないと思いますが、大臣いかがですか。
#164
○政府委員(林淳司君) ただいま先生から線区別のコスト管理の問題の御指摘があったわけでございます。
 これにつきましては、国鉄時代におきましても、いわゆる線区別の収支というものについては分析をしておったわけでございまして、それに基づいて、例えば地方交通線対策とか諸種の対策を講じてきたという経緯がございます。
 新会社になりましても、当然それは会社でございますからいろんな単位ごとにいわゆる収支というものを把握していく、それから、コストというものを把握し、管理をしていくということは、会社経営上これは当然のことであろうかと思います。
 ただ、その場合におきましても、いわゆるこのJRという新しい会社の性格上、安全という問題、これは絶対でございますから、その問題を無視したコスト管理というものはあり得ないわけでございまして、これは各会社においても、これはもう安全というものを無視した場合には会社の存立そのものにかかわる問題でございますから、そこは十分認識した上で、いわゆる経営の必要上、コストについて十分把握し、種々の施策を講じていくということになっているものというふうに私は理解しております。
#165
○小笠原貞子君 国鉄時代からやっていることだよと、こうおっしゃいました。確かにそうかもしれない。だけれども、私が心配しますのは、民営化になってJRになったと。そして、あらゆる面で絞り込んでいかなければならないというときに、今言ったような効率化の問題だとかコストダウン、コスト管理というような問題が今の段階で私は非常に不安な材料としてやっぱり考えなきゃならないんじゃないかと。この安全が、一たび事故というものにつながったら、それはもう本当に大変なことだから、そのときになって私が、そうだったではなかったかと言うのではなくて、今の段階で具体的に一つ一つの箇所のこういう事実を調べていったときに、これは本当に私は心配なんだと。だから、この事実を真剣にやっぱり受けとめていただいて対処していただきたい、こう思うわけでございます。
 今言いましたようなことは、鉄道総合技術研究所の保安システム研究室というのがございますね。その資料を見せていただいたわけですけれども、その中で信号、通信関係の部署でこのことがちゃんと出ているわけなんです。そして、ここで言われていて、ふうんと思って私は感心したり――感心したといってもいい意味じゃなくて、そこまで考えているのかとそう思ったわけです。
 「安全問題に関する取組への反省」というのがございます。これは、さっき言ったように、線区ごとに輸送使命、輸送実績、輸送設備等が大きく変化してきているのに、昔の鉄道独占を続けてきたと同じように、どの線区も等しい使命をしばっていた時代から離れていないよということを言っているわけです。特に、安全に関係する事柄には、今言ったような鉄道時代のその考え方が根強く残っている、こういうふうに言われているわけですね。
 そして、その中の「安全性評価についての研究の視点」という中の(2)にこう書いてあるわけです。「各種省力化、作業能率の向上等の施策を行ったとき、」――今言ったように、いかに効率化、コストダウンするか、管理するかということを行ったときに「輸送の安全性がどの程度低下するのか、」――安全性が低下するということは認めているわけですね。
  安全性がどの程度低下するのか、またその対策はどう施せばよいのかということ、すなわち、致命的な事故を起こさない限りにおいて、現行の輸送方式をどこまで合理化できるのかを明らかにすることが当面の最大関心事の一つであろう。致命的な事故を起こさない限りにおいてどんどん合理化、切り込めと。
 「致命的な事故」というのはどういうふうに考えたらいいんでしょうか。一人が事故で死んだと。致命的とは言えないかもしれない。だけれども、死んだ一人については、その人の命が失われるというようなことを考えると、非常に言葉として、致命的な事故を起こさない限りにおいて、
  どこまで合理化できるのかを明らかにすることが当面の最大関心事の一つであろう。そのためには、地域別、線区別など輸送環境に応じた保安度の違いを明確に表現する手法を確立する
 必要がある。というふうに書かれているわけです。
 線区別保安度を評価するということ、例えば単線、そして非電化の線、輸送条件の回数の少ないのは、保安レベルで言ったらTから始まって[のイメージ、こういうふうになっているわけです。幹線や何かは何とか注意されるかもしれないけれども、ローカル線だとか利用度が少ないというところについては保安レベルを[まで下げるというようなこともずっとこれには出ているので、私は、これは今の段階で黙って済ますわけにはいかないと。重要な問題として御検討をいただいて、何よりも安全、大丈夫でございますとおっしゃるなら、おっしゃるような対策を立てていただきたい。きょうは具体的な問題を知っていただきたいと思ってこれを提起いたしました。大臣の御感想を伺いたいと思います。
#166
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は委員に、かつて、私は素人ですと言ってしかられたことがありますけれども、今お話を伺いながら聞いておりまして、果たして線区別という考え方がそんなにしかられる考え方だろうかという感じを持ちました。
 と申しますのは、輸送密度の高い路線、これは当然それだけ消耗度は激しいと思います。それだけ厳重な監視を必要とするでありましょう。他方、私どもの郷里にもありますけれども、いわゆるローカル線と言われる線。これは輸送密度が低いとなれば、そういった使用による破損とかそうしたものは減るでありましょうけれども、そのかわりに沿線の整備の悪さによる落石に対する注意とか、あるいは冬場における雪崩に対する防除とか、都会地における線路とは全く異質の注意を必要とするだろうと思います。そうなりますと、私は線区別に安全を考えるという考え方が悪いものだとは思いません。基本的に私はそういう感じを持ちました。
 ただ、今、委員がおっしゃった資料、実は私はそれを存じませんけれども、もし致命的な事故が起きないようにする限りにおいてどこまで安全問題で手が抜けるかというようなものを考えているとすれば、これはセンスの問題として私も感心をしたいと思います。
#167
○小笠原貞子君 もう素人とおっしゃるならば、問題提起いたしましたから素直にお取り組みいただいて、ぜひ今後御努力をいただきたいと心からお願いを申し上げたいと思います。
 次に、また命の問題、ニアミスという問題を具体的に伺っていきたいと思います。
 八月十一日、高知沖で全日空機と海上自衛隊機のニアミスが起こりました。機長の報告は、非常に危険を感じた、石ないし二百メートルしか離れていなかった、高度差も八十メートルほどしかなかったと述べております。その直前に、運輸省の管制部が三回にわたって注意を指示されているわけです。
 時間がないから確認をしたいんですけれども、第一回目の指示をなすった。それは十時方向、こっちの方向に十マイル前方を有視界飛行機がいる、注意せよ、というのが第一回の管制部としての指示でございました。それから第二回目は、十時でなくて十二時の方向に八マイル。さっきは十マイルだった、今度は八マイル前方に有視界飛行がやられている、注意せよ。そして三回目には十二時、同じです、真っすぐ十二時方向に五マイルというところに迫っているというふうに、三回管制部の方で指示されたということを伺いました。確認してよろしゅうございますか。
#168
○説明員(大竹勇二君) お答えいたします。
 ただいま先生のおっしゃったとおりでございます。
#169
○小笠原貞子君 次に、全日空機が飛んでおりますが、この全日空機が飛んだ飛行ルートに問題がありましたでしょうか。訓練空域からどのくらい離れておりましたでしょうか。
#170
○政府委員(山田隆英君) 高知沖のニアミスの件につきましては現在航空局において調査中でございまして、一応私ども全日空の航跡等についてある程度状況を把握しておりますけれども、まだ調査中の段階なので、この点についてはここで申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。
#171
○小笠原貞子君 お答え、調査中と言うから、ちょっとその辺のところはざっくばらんに私伺いたいと思う。
 私が伺いましたところでは、通常ルート、土佐清水を経由して串本に向うというこのコースは管制部の指示であったと。そして鹿児島から直接串本へ向かうルートというの、これも管制部の指示で飛んでいるわけですよね。だから、全日空機が勝手にそっちへ飛んだというのではないということが一点。だから、空路、航空の道については問題がないということを確認したい。
 それから二番目には、訓練空域から五マイルというか十マイルというか、その辺のところ、ちょっと私は数字はっきりしないんですけれども、とにかく五マイル以上、十マイルは訓練空域から離れたところで指示に従った正しい空路を全日空機は飛んでいたというふうに伺っているんですけれども、それはやっぱり確認していいでしょうか。
#172
○政府委員(山田隆英君) まず、全日空機が管制官の指示による航路を飛んでいたということと申しますか、指示によって、通常の航空路とはちょっと外れていますけれども、串本に向かって飛んでいたということは事実でございます。
 それから、訓練空域からどれくらい離れているかということでございますけれども、一応管制官が指示をいたす場合には、おおむね五マイル以上離れるというふうにして指示を出しておるわけでございます。それから、その指示どおりの航路を飛んでいたかどうかということにつきましては、私どもの理解ではおおむね指示どおりだとは思いますけれども、確実にそのとおりかどうかということは、まだ現在調査中でございますので、これは調査判明次第申し上げたいと存じます。
#173
○小笠原貞子君 管制部の指示どおりに飛んでいたと、勝手に飛んだんじゃないよということと、訓練空域から五マイル以上は離れていたということはここで確認できると思う。なお、あと何マイル離れていたなどというようなことは、後で決まってからはっきりさせたいと思います。
 そこでお伺いしたいんですけれども、防衛庁の方が訓練空域内で旋回性能試験をしていたと、一つは。そして二つ目には、民間機の後方三マイルを通っていった、こういうふうに防衛庁の方が言っていらっしゃるということをおたくの方からそう伺ったんですけれども、そうすると運輸省の管制部のレーダーではどうとらえていらっしゃったか。スコープで両機が重なったのか、それとも自衛隊機を訓練空域内にとらえていたのか、訓練空域内にその飛行機がいたかどうかという点について伺わせていただきたいと思います。
#174
○政府委員(山田隆英君) この件については、管制官が全日空機に対して前方に注意しろということを指示していたわけでございまして、管制官としてはレーダースコープの中で全日空機がどこにいたかということは見ておったわけでございますが、実際に、全日空機が自衛隊機と遭遇した地点につきまして、訓練空域の中であるか外であるかという点については、先ほど申し上げた事情で御理解をいただきたいと。それ以上のことにつきましては、現在調査中ということでございますので、後ほど調査結果がわかり次第申し上げたいというふうに存じます。
#175
○小笠原貞子君 管制のそれを見れば調査の難しいことを――さっきのタンクの話じゃないけれども、天井をあけて中なんていう、そういう問題じゃないわけだから、だからその有視界飛行機を訓練空域の内で見たのか訓練空域の外で見たのか、こういうことを私は一番関心があって聞いたら、三回にわたって指摘した有視界飛行機は訓練空域内にはいなかったというふうに見られたと。私もそうだと思うんです。この指示に従ったルートで全日空機が入っていくと、十時の方向、十二時の方向なんというと訓練空域とは道なんです
よ。そうすると、訓練空域の外であるということは確認できると思うので、訓練空域の中では見つからなかったというふうに結果的にはおっしゃっていると思うんですが、どうでしょうか、間違ってますか。
#176
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほどから局長が申し上げておりますように、現在私ども本当に調査中であります。そして、局長が御答弁を申し上げたのは現在の段階において調査の継続中でありますが、申し上げられるぎりぎりの線でありますので、その点で御理解をいただきたいと思います。
#177
○小笠原貞子君 お立場がなかなか微妙なのでお答えも微妙なお答えになったわけですけれども、その微妙なもの抜きにしてすぱっと聞いたら、その有視界飛行機は訓練空域内にはいなかったよ、十二時よりこっちの方向だというのは今まで積み重ねてきた御回答の中で私たちは認識しているわけなんですが、それでもおたくの立場もおありでしょうからこれ以上しつこくは言いませんけれども、ここではっきりしていることは、どうも防衛庁のおっしゃることはうそですよ、ペテンだと、私は本当に腹が立つんです。このことは指摘しなければならないわけですわ。
 それから今度は千歳、八月十九日に千歳、全日空とこれまたニアミスだと。これには乗員、百三十九人お客さんを含めて乗っているわけですよね。だからこれはさっき大臣おっしゃったけれども、自衛隊の方は落下傘乗って雫石のときだっておりたけれども、乗客の方はおりることはできないんですから、そういう中でこういうニアミスがあるということに対して私は本当にしっかりしてほしい。それを私は防衛庁の課長さんに言ったって始まらないからきょう残ってもらわなかったの。やっぱり運輸省としての管制をしていらっしゃるその立場で私はしっかりやっていただきたいと、そう思うわけでございます。
 これも防衛庁に確認したら、全日空機に対して出発機が高度三千メートルで東へ飛行しているので高度三千六百メートルを維持するようにというふうに言われたと、こう言っているわけですが、それは確認していいでしょうか。そういうふうにおたくの方でも確認されていると伺いましたが。
#178
○説明員(大竹勇二君) 先生のおっしゃるとおりだと思います。私ども換算につきましては、ちょっとメートルの換算、正しく理解して現在時点で、換算表ございませんので申し上げられませんが、私どもにございますデータでは全日空機は一万二千フィート、それから防衛庁機は一万フィートで飛行ということでございます。
#179
○小笠原貞子君 それから、自衛隊機が三機だったと、編隊だったということがこの前本会議のときにも問題出ましたよね。私ら素人は三機編隊で飛んでたら三機と思うんだけれども、何か説明を伺って勉強させていただきますと、編隊も一機とみなすんですってね。管制上は一機だと、こういう見方をすると言われて私はびっくりしたんですよね。だから、例えば三機飛んでいても、縦に三機飛んでる場合もありますよね。横に三機飛ぶ場合もある。初めが一機で三角形で三機飛ぶ場合もある。その距離が百メートル離れて編隊組んでいるのか、何百メートル離れて組んでいるのかわからない。それを管制上は編隊は一機で見るというのを私は勉強してちょっとびっくりしたわけですよね。
 そうしますと、これはまた一つの大きな問題なんですけれども、やっぱりこの千歳の飛行場にしても、初め一機は見たわけですね、全日空も。一機行ったと、一機飛んでくるよということで、気をつけたら一機行っちゃったと、ほっとしたときに次が出てきてニアミスを感じた、こういうふうになるわけでしょう。そうすると、編隊は一機と見るとこういうふうになっている場合に、それはもう自衛隊の一機上っていったよということで間違いはないと思うんですよね。だけれども、私はもしこのときに運輸省所管の管制官だったら、編隊だけれども、三機続いているとか、何とか言ってくれるんじゃないかと、そう思うわけですよね。そういう指示がなければ編隊は十把一からげで、一機行ったよと言えば、一機飛んじゃったらほっとして、次という注意がそれるのは当たり前ではないか。そうすると、今後のあり方として問題があるわけですよね。だからその辺についての民間機に対する配慮がやっぱり欠けているのではないかということと、そして正確な情報を出していただかなければ大変ですよね。編隊でどんな格好して飛んでくるかわからないというようなこともございます。だから、それはさっきの今度頑張ってくださいましたね。本当は新千歳空港は民間なんだから、航空管制は民間にすべきだと、私前に取り上げてやるよと言ったら、先生うまくいきそうだからやらないでくれなんて言って、うまくいってないの、やっぱり防衛庁にとられちゃっているじゃないの。それでやっと管制統制官というのができたということで私はいいと思うんですよ、これをつくってくださった。だから、この管制の統制官というのが本当にそういうような、自衛隊では言えないというような問題あるんですね。軍機の秘密にかかわるというような問題もあるだろうし、そんなときにやっぱり民営、本当に命を守るという立場でしっかりとこの統制官という者は頑張っていただきたいと思うし、さっき言ったような正確な情報を与えるという立場に立って、自衛隊には限界があると、だから私は運輸省の管制の方に大きな期待をすると、それにはいろいろさっきお仕事おっしゃいましたけれども、やっぱり権限を持たないと、主体は防衛庁なんだと、ちょっと来てというようなことではだめ、権限を持って人員をふやす、形だけではなくてそういう内容のあるものにしていただきたいということを心からお願いしたいと思います。
 そういうことを私がもうくどくどと言いますのは、やっぱり私は防衛庁というのはちょっと心配なんですね。お国を守るなんて、命なんてどうでも、死んで国守れなんていうところだからね、はっきり言ったらね。我々の方は命をまず守らなきゃならないんだもの。だから防衛庁の私はやっぱり体質だと思いますよね。
 例えばさっき私聞いていてあの課長さんこう言ったんですよ、中野先生が相当の距離というのはどれくらいだと言われたら、それは主観的な感覚だから何キロというようなことは報告の中では出てこないとおっしゃいましたね。主観的な報告だと言ったんですよ。
 ところが、八月二十二日の北海道新聞の中で、大村航空幕僚長はこう言っているんです。「空白パイロットは距離の測定には十分熟練しているはずだ。距離判断を間違わないと信じている」。自衛隊の方は訓練がしっかりできているから距離判断は間違わない。民間航空の言っているニアミスというのは、あんなのは信用できないみたいな言い方でしょう。これは私自衛隊のもう本当にごまかしやなんか横行する、そういう体質をあらわしているなと思ったわけですよ。そして、その後続いて大村幕僚長は、「運輸省には、衝突、接触の危険を感じればニアミスと報告される。パイロットの主観なので距離の定義はない」と、こういうふうにも言っているんですよね。そうしますと、例えば全日空の機長がニアミス感じたよと言ったのもこれは主観的で、何でもニアミス、ニアミスと報告しているんだと言わんばっかりでしょう。しかし、その異常接近報告体制というものは、これニアミス報告するというのは航空法の七十六条の二項で報告をしなきゃならないと義務づけられているわけですよね。それが当然であるのに主観的に何でも報告するなんて言って、まさにそういう航空法で義務づけられているものを無視する態度ですよね。自衛隊は。運輸省をなめているなと思って私は腹が立ったんですけれどもね。これは本当に私、これから心配なんです。これもう、高知、千歳でたまたまあったけれども、なぜかと言ったら、日本全体の航空体制というのが、非常にふえていますよね、大型化しています。飛行場はできても空というのの、空路というのは決まっているんだから、そこにもってきて自衛隊の訓練飛行でしょう。アメリカとの関係出てきますよね。そうするとやっぱり日米安保体制のもとでこれますま
す強化されますよ。何か言っていましたね、新聞で。ニュースでも言っていました、防衛体制の見直しなんというのも出てくるし。そうなると私はもう何としても運輸省に、本当に民間航空の、命を守るという立場で防衛庁に対しても言うべきことは毅然とした立場でやっていただきたいと、こういうことが事故につながったらもう手おくれですから、そういう点も心を込めて私は申し上げたいと思います。
 防衛庁は勝手なことを言っていますが、大臣どう思いますか。そして、今後どういうふうに決意して安全を守っていただけますか。その御決意を伺って、お願いをいたしまして終わりにしたいと思います。
#180
○国務大臣(橋本龍太郎君) 一つちょっと逆にお尋ねをして恐縮でありますが、今の引用されました新聞記事はどこの記事ですか。
#181
○小笠原貞子君 北海道新聞、八月二十二日。「空幕長が熟練強調」という形で出ておりますね。(資料を手渡す)
#182
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現在二つのニアミスと報告されました事件は、両方とも調査中の案件であります。ですから私はその調査が完了するまで何も申し上げる立場にはございませんけれども、少なくとも幕僚長ともあろう立場の方のこれが真実の御発言であるとするならば、私は現在の時点において極めて不謹慎な発言だという印象を持ちました。 そしてこれが現在調査をしております事象について防衛庁側の回答であるとするならば、先ほど中野委員の御質問に対してお答えを申し上げたと同様に、私どもとしては十分調査をした上で、十分対応をいたしたいと思います。
#183
○委員長(田代富士男君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#184
○委員長(田代富士男君) この際、委員長から申し上げます。
 午前中の穐山君の質疑の際理事会協議の要請がありましたJR各社からの出向問題については、穐山君と関係省庁との間におきまして調整が行われ、本問題の取り扱いにつき了解がついた旨安恒理事から委員長に連絡がありましたので、本問題について協議を行う必要がなくなりました。御報告いたします。
    ―――――――――――――
#185
○委員長(田代富士男君) 次に、日本航空株式会社法を廃止する等の法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。橋本運輸大臣。
#186
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま議題となりました日本航空株式会社法を廃止する等の法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 日本航空株式会社は、戦後我が国の民間航空が立ちおくれていた中で、我が国が速やかに自主的な国際航空運送事業を開始するため、昭和二十八年に政府の出資を得て設立された特殊法人であります。
 以来、同社は、国際線及び国内幹線における定期航空運送事業を経営してまいりましたが、この間、我が国における航空輸送は国際線、国内線ともに著しい発展を遂げ、日本航空株式会社を含めた我が国航空企業は大きく成長し、その企業基盤も強化されてまいりました。この結果、日本航空株式会社は、今日では世界有数の航空企業となり、特殊法人としての同社の設立目的はおおむね達成されたと見られるに至っております。
 こうした状況に対応し、昨年六月、運輸政策審議会から、今後の航空企業の運営体制のあり方について、国際線の複数社制及び国内線における競争促進施策の推進を図るとともに速やかに日本航空株式会社の完全民営化を実施すべきであるという答申がなされ、また、同月、臨時行政改革推進審議会からも、行政改革の一環として日本航空株式会社の完全民営化についで答申がなされたところであります。
 政府といたしましては、これらの答申を踏まえ、昨年末、日本航空株式会社について、同社の自主的かつ責任ある経営体制の確立及び航空企業間の競争条件の均等化を図るため、昭和六十二年度において同社を完全民営化するとの閣議決定を行っております。本法律案は、この閣議決定に従って、日本航空株式会社法を廃止いたしますとともに、これに伴い所要の規定を整備するために提出するものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、日本航空株式会社について、特殊法人としての根拠法であります日本航空株式会社法を廃止することといたしております。
 第二に、航空法の一部改正であります。現在・航空法におきましては、外国人等が航空会社の議決権の三分の一以上を占めた場合には、その事業免許が失効することとなっております。このため、現在の日本航空株式会社法におきましては、このような免許の失効を防止するために外国人等に対する株式の譲渡制限の規定が置かれているところでございますが、同法の廃止に伴い航空法の一部を改正し、定期航空運送事業者について、その議決権の三分の一以上を外国人等が占めることによる免許失効を防止するための措置を定めるものであります。
 なお、この法律案は、公布の日から起算して六カ月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することといたしております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#187
○委員長(田代富士男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する自後の審査は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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