くにさくロゴ
1987/08/27 第109回国会 参議院 参議院会議録情報 第109回国会 運輸委員会 第3号
姉妹サイト
 
1987/08/27 第109回国会 参議院

参議院会議録情報 第109回国会 運輸委員会 第3号

#1
第109回国会 運輸委員会 第3号
昭和六十二年八月二十七日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田代富士男君
    理 事
                真鍋 賢二君
                吉村 真事君
                安恒 良一君
                中野  明君
    委 員
                伊江 朝雄君
                木村 睦男君
                倉田 寛之君
                坂元 親男君
                高平 公友君
                野沢 太三君
                二木 秀夫君
                森田 重郎君
                山崎 竜男君
                吉川 芳男君
                青木 薪次君
                穐山  篤君
                田渕 勲二君
                小笠原貞子君
                田渕 哲也君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  橋本龍太郎君
   政府委員
       大蔵省理財局次
       長        藤田 弘志君
       運輸省国際運
       輸・観光局長   中村  徹君
       運輸省航空局長  山田 隆英君
       運輸省航空局技
       術部長      中村 資朗君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        多田  稔君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計企画官     福田  誠君
       大蔵省主計局主
       計官       武藤 敏郎君
       農林水産省構造
       改善局建設部開
       発課長      森本 茂俊君
       運輸省航空局官
       制保安部長    井上 春夫君
       運輸省航空事故
       調査委員会事務
       局長       藤冨 久司君
   参考人
       日本航空株式会
       社代表取締役社  山地  進君
       長
       日本航空株式会
       社常務取締役   長岡 聰夫君
       日本航空株式会
       社常務取締役   十時  覚君
       日本航空株式会
       社取締役     稲川 広幸君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○日本航空株式会社法を廃止する等の法律案(第
 百八回国会内閣提出、第百九回国会衆議院送
 送)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田代富士男君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本航空株式会社法を廃止する等の法律案の審査のため、必要に応じ日本航空株式会社の役職員を参考人として出席を求めることとし、その日時及び人選等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議、ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(田代富士男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(田代富士男君) 日本航空株式会社法を廃止する等の法律案を議題といたします。
 本案につきましては、既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○青木薪次君 私は、この日本航空の民営化という問題については、先般、我が党の梶原災害対策委員長が本会議の質問に立ちまして、中曽根さんは物売り総理大臣だと、こういう適切な言葉を言われたことでもわかりますように、民営化だけが当面する日本航空の体質改善をすることではないというように考えているわけでありますが、今まで新聞紙上やその他を見てまいりますると、民営化の論議の背景といたしましては、日本航空は国際線の輸送の実績でも、もう既にトップのクラスに立ってきている、世界で有数の企業となったので政府の出資やあるいはまた債務保証を受けるべきでないということで、完全な民営化にしても十分な国際競争力を保持し得るんだという考え方、そしてまた我が国の航空企業間の適切な競争体制を確立する観点から、日本航空の国際線の独占を排除いたしまして他社とイコールフッティングとなる複数体制を確立する必要があるが、そのためには特殊法人であることをやめて完全民営化すべきであるという議論、あるいはまた政府規制をできるだけ排して経営責任の明確化、社員意識の改革等を図る必要がある、こういう考え方とあわせて労働組合の混乱状態に終止符をこの際打っておきたいというような、いわゆる新労務管理体制といいますか、私の知っているだけでも六つの労働組合があるわけでありますから、そういうようなことをこの際一気がせいにやっていきたいという背景があるというように考えられます。今までの新聞紙上やいろんな情報が乱れ飛んでおりますので、そういうことから考えてまいりまして、これらの賛成論というのが前に出てきた。特に昨年六月の運政審の考え方等が前に出てきたということと符合いたしまして反対論も実はあるわけであります。
 例えばイギリス、フランス、カナダ等においても、主力企業の一社は国策会社として大幅な政府出資を受けてもいいんじゃないか。あるいはまた、国策上必要な路線の維持、緊急時の輸送手段の確保等に対応するためにはナショナルフラッグキャリア、国営的な企業の存在というものを存続させる必要があるのではないか。あるいはまた、国家間の航空協定によって得た航空権益の大半を行使する日本航空が、株式の取得によって外国の資本にこれを乗っ取られてしまうんじゃないかという心配などがありまして、まさに夏ゼミのように大きな議論を巻き起こしてきたと思うのであります。
 大激論の末、日本航空を民営化しなければならない理由として、日本航空は既に国の助成を必要としないまでに成長しているという考え方、あるいはまた競争促進施策の上でも日本航空のみに特別な地位を与えるのはいかがなものかというような議論、こういうような議論というものが相当前に出て、さらに日本航空の運航体制は多くの批判を受けているけれども、これは親方日の丸的経営体制に基づくものであって、責任ある経営体制を
確立して社員のやる気を起こさせるためと称して民営化を速やかに行うべきであるとされたというように私は聞いておるわけであります。
 しかしながら、先ほど申し上げましたように、これだけの企業の中に、しかも国民の生命財産を担っている日本の超トップ企業、航空企業としては最高の背景を持った日本航空の中に六つの労働組合があって、しかもこの労働組合の対応というものについていろいろと議論をされてきたわけでありまするけれども、やはり問題は、これらの労働組合の皆さんとの間においても経営者の皆さんがいろんな意見を自由に、日本航空あるいはまた航空企業の航空行政等の問題について議論をし合える素地というものがないところに私は問題があったと考えているわけでありますが、大臣いかが考えますか。
#6
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員が従来から出ております論点につきまして整とんをされながらお話しをいただきましたわけでありますが、今回の日本航空の完全民営化と申しますものにつきましては、私は幾つかのポイントがあるように考えております。と同時に、余り世間に知られておらないことでありますけれども、一昨年の大変不幸な日航機事故のためにその問題は消えてしまった感がございますけれども、ちょうどあの事故の起こりました日の日本航空の役員会において、日本航空自身が完全民営化を求める方向で意思を統一されたという事態がございました。そして先般、本会議の趣旨説明に対しまして大変手厳しい御質問をいただきましたけれども、完全民営化の道筋を求めるというその意思は、日本航空そのものにもともとあったということをまず申し上げておきたいと思うのであります。
 第二次世界大戦後、我が国の空というものは一時期完全に閉ざされていた時代がございました。そして独立を回復いたしましてから、我が国が速やかに自主的に国際航空運送事業というものを開始していくために、日本航空は特殊法人として設立されたものであることは委員御承知のとおりであります。
 しかし、その後、航空輸送というものは著しい発展を遂げ、その中におきまして日本の航空企業も日本航空を含め、それぞれ企業基盤も強化されてまいりました。そうした状態の中で、国際線、国内線ともに競争の促進が可能となりましたし、その競争の促進の中において利用者利便の向上が図られることが国民の利益からも適切であると考えられる状態になっており、企業間の競争条件の均等化を急ぐ必要があると考えられております。
 その場合、日本航空という、特殊法人という経営形態をとり、そのために他社に比べて監督も、また保護も特殊な地位を与えられている企業が存在をする限り、均等な競争条件というものは生まれてこないという問題も出てまいりました。また、今の委員の御質問の中にもありましたように、とかく日本航空に対しては親方日の丸意識といった体質に対する批判も出ております。こうした問題につきましても、完全民営化というプロセスの中で自主的かつ責任ある経営体制を確立することによってこうした批判にもこたえるだけの努力をしてもらいたい、それが経営の効率化、サービスの向上等に結びつき、私は将来の日本航空というものをつくり上げていくであろうと信じております。
 確かに、委員が御指摘になりましたように、アメリカを除きます各国におきましては、政府が大幅な出資を行い、いわゆるナショナルキャリアとしての国際定期航空会社を設立している例が多く見られる、これも御指摘のとおりであります。しかし、それらの各国におきましても、航空輸送の著しい発展に伴う企業基盤の強化などを背景としまして、ナショナルキャリアたる航空会社の民営化の動きというものは顕著に出ております。
 例えば六十年から六十一年にかけましても、シンガポール航空、マレーシア航空、アリタリア航空などは政府所有株式の一部が放出され、政府出資比が従来に比べて低下をいたしました。また、六十二年二月には英国航空の政府所有株式のすべてが民間に放出をされております。また、一〇〇%政府出資のエアカナダにおきましても、六十二年度、六十三年度にかけまして政府所有株式を放出することが計画されると聞いておりまして、必ずしも従来のようなナショナル・キャリア・フラッグといった考え方が各国の将来ともの方策という状況ではなくなったように私どもは考えております。
 こうした中で、私どもは日本航空が特殊な法的地位、すなわち監督の上でも保護の上でも他企業とは違った対応をしなければならない状態から、完全な均等な競争条件を備える状態に変えていくことの方が我が国の将来の航空企業のあり方として国民の利便向上には資するものと考えておる次第であります。
#7
○青木薪次君 今、大臣の言われましたように、日航の先般の一二三便による五百有余名の痛ましい惨事、そのほかしりもち事故といい、いろんな、羽田における着陸寸前の事故といい、外地における事故といい、余りにも事故が続き過ぎた。この問題について、これらの問題を解決するためには民営化されればすべてそれが解決するというものではないというように私は考えております。したがって、今日の航空行政の中においてやはり労使が一体となって溶け合うような、この問題に対する対応を共通の基盤の中でやることのできるいわゆる人間的な労使関係というものがまず確立されることが前提でなければならないというように考えているわけであります。
 民営化されるということは日本航空の株式会社法を国会で廃止して、そして大蔵省が持っている日本航空の株三四・五%を民間に放出するということでこれは民営化されることになるわけでありますが、日本航空の完全民営化の効果といいますか、そういう点については、山地社長お見えになっておりますので、そういう面からひとつ今までの日本航空の取り来った経緯、国民が心配しているんですから、取り乗った経緯と、そして民営化されたらどういうようにプラスになるのかというような点についてお伺いいたしたいと思います。
#8
○参考人(山地進君) ただいま運輸大臣から民営化の問題について大変克明な御答弁があったわけでございますが、一企業でございます日本航空としてこれを申し上げますと、全体的な日本の経済の流れの中で特殊法人というものをどういうふうにするかというお話がまずあるわけでございますが、これは今、大臣から御答弁のありましたとおり、世間の考え方というものはやはり特殊法人というものをどういうふうに持っていくか、民間活力というものをもう少し導入すべきでないかということがあったかと思うのでございます。
 私ども一企業からしてみますと、保護をしていただくというのは大変ありがたい話でございます。その手厚い保護のもとに本日まで来た企業が、民営化してくださいと言うのは大変言いづらい面というのもあるわけでございますけれども、私どもはやっぱりNTTあるいは国鉄等の御処置等から考えて、これ以上政府の御庇護を仰ぐという時代ではないというのがまず民営化という問題に対する私どもの態度決定の基盤であったのではないだろうかと思うのでございます。
 ただ、日本航空が今、先生の御指摘になりましたとおり、いろいろと事故を起こし、あるいは労使問題について御批判を仰ぐというようなことにつきましては、やはり私どもから考えますと、特殊法人というままで推移してこれが直るのかあるいは民営化して直るのかということになりますと、やはり余り保護のもとでは、甘えの構造と自分から言うのはおかしゅうございますけれども、そういうことでなかなか直らない。やはり労使が、労使しか頼るものがないというような状態のもとで、労使が信頼し意見をよく通わして、風通しのいい労使関係というものをつくっていくということが、やはり日本航空の健全な発展のためには必要じゃないだろうかと思うのでございまして、申し上げるまでもなく、労使関係の安定なくて経営の安定はないという考え方を持っておりますし、また私どもの経営の任に当たりましたとき
に、労務方針というのを出しまして、労使間でよく意見の交換をする、労使がともに手を携えて経営力の効果を上げて労務状態の円満な解決を図っていくということを、社内に徹底しているわけでございます。
 そういうことから申し上げましても、やはり民営化ということで今後私どもは経営をさしていただくことが適切であると、かように考えているわけでございまして、もちろん民営化に伴いまして融資や債券の発行の問題とかいろいろな面において不利になることは当然でございますが、これは言ってみれば一般の企業がやっておられる、そういう状態に戻るだけの話でございまして、いつまでも保護を受けるということは適切でないという判断でございます。
#9
○青木薪次君 日本航空の民営化によって、今言われましたのは、自主的かつ責任ある経営体制の確立といったようなことを山地社長言われたのだと思うのでありますが、この点について、それでは民営化によって何がどういうように変わるのかという点については、私は先ほど民営化というのはこれは法律をなくすことと、株を放出することであり、どういうように変わるのかという点についてはどういう認識を日本航空としては持っておりますか。
#10
○参考人(山地進君) 今の、民営化にして何が変わるかというお話でございますけれども、私どもの方の立場から申し上げますと、今まで日本航空株式会社法でいろいろ庇護を受けておりました点、政府保証の問題とかそういった点がなくなります。
 それからもう一つは、政府の諸監督規定がなくなるわけでございまして、なかんずく、やはり役員の任命にかかわる監督というようなことがなくなってくるわけでございます。ここらが利益と不利益ということの分かれ目だろうと思います。
 人事というのは、なかなか難しい点がございます。政府の御任命にかかわる方が公正な判断の人事ができるということもあろうかと思いますけれども、他面やはり人事というものを政府がお持ちになっている限りは、なかなか社内の統一ということは難しい面もあるのは事実でございまして、その点が日本航空の自主的な判断あるいは日本航空自体の主体性というものについて、一つの課題を持っていたというのはぬぐえない事実であると思いますが、今後そういった点については、完全民営化されるならば、自分自身の立場で物事を決めていくという人事も含めましてそういうことになるわけでございまして、先ほど先生がおまとめになりましたように、日本航空の主体性というのが出てくるわけでございまして、これらがやはり組合問題等につきましても、当事者能力というような表現をされる場合もございます。そういった点でも当事者能力あるいは主体性という点では今後経営陣というものの考え方が変わってくるということが大きな問題であろうかと思います。
 他方、全体的な社員の方から見ますと、今まで何かやはり外部の力というものが働いていたということを皆さん感じざるを得ない状態だったわけでございますが、今後は外部の力というようなことを感じるのはかなり変わってくるはずでございまして、その外部の力というものを感じるということを別の言葉で申し上げれば、やはり親方日の丸的な考え方が我が社の社員の中にはあったことは否定できないと思います。
 そういう点につきましては、やはり自分の会社のことは会社の中で解決するんだというようなことを社員が持ってくる、これがやはり社員の意識改革というものにつながってくるだろうと私は考えておりまして、そういった点が社債の発行限度とかあるいは政府保証とか、そういう不利益をカバーし、かつそれ以上に日本航空に多くの利点というものをもたらしてくるというふうに考えております。
#11
○青木薪次君 その中で、各運輸委員の皆さん方のところへもいろんな手紙が行っているわけです。御承知のとおりだと思います。それこそ毎日のように私どものところにも手紙が来ているわけです。そのことについて、そういうような点について、例えば伊藤会長がやめられた。伊藤会長は、不本意だがやめさせられたという解釈をとっているわけであります。じゃ、一体その後任をどうするのかといったような関係等についても、橋本運輸大臣が大分苦労されているニュースが伝わってきております。しかし、なかなか適当な人がない。じゃ会長は要らないのか。いや要るだろう、いや要らない。今後完全民営化されたら政府に対して、間接的には指導を受けるだろうけれども、直接的には必要なくなるから、日航の内部でもっていろいろ相談ができるというような議論とか、とにかく真夏の夜の夜話に尽きないような話がたくさん来ているわけでございまして、こういうような点について日本航空のいわゆる人事交代劇、その後における、なおそのことが尾を引いている、後任人事も決定できない、この現状について、我々もいろんなニュースを聞いているわけでありまするけれども、どういうように解釈をされておりますか。
#12
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは日本航空当局よりも私の方からお答えを申し上げる方が事実関係を踏まえて申し上げられると思いますので、便宜私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 ちょうど昨年の十一月の末ぐらいでありましたか、当時の日本航空の会長、伊藤さんから、内々私に辞意の表明が行われた時期がございました。それは、ちょうど会長就任以来一年という時期を間近に控え、その一年というタイミングで引きたい、それなりに自分としてできることはやったつもりだし、というお話でありました。そして、その時点、当然のことながら私は思いとどまっていただきたいとお願いをし、そして伊藤会長も、日本航空の完全民営化というものを控えている時期であるだけに、自分としてもそれならわかりましたということでお残りをいただいたことがございました。
 ところが、その後年が明けましてから再び、二月の末でありましたか三月の初めでありましたか、私もちょっと正確な日時は今記憶をいたしておりませんが、お人を介して再び辞意の表明がございました。それは、今お審議をいただいておりますこの法律が閣議決定が間近になったということから、再び辞意の御表明がお人を介してございました。そのときにも私は慰留を申し上げ、二度か三度そのことでお目にかかったと思いますけれども、伊藤さんの鐘紡の統帥としてのお立場、そして現在の円高の状況の中において、企業グループの総帥としての責任と、日本航空会長としての責任との両方のはざまで大変悩んでおられる状況も伺いました。そして、最終的にたしか、三月何日でありましたか忘れましたが、私もついに慰留を断念をいたしまして、御本人の辞意を受け付けざるを得ないという判断に達したわけでございます。
 たまたま伊藤さんが正式にその意思を表明される日の朝、マスコミに政府側から伊藤さんを更迭の意思を固めだというような記事が流れましたために、大変妙な混乱を生じたことは事実でありましたが、事実関係を申し上げるならば、その直前私は伊藤さんの辞意のかたいのを確認をし、やむを得ずその時点で伊藤さんの辞意を受け付けざるを得ないという気持ちになっておりました。
 その際、こちらにおられるので大変ちょっと申し上げにくいんですが、山地さん、利光さんお二方からも御自分たちの進退についてのある種の御相談が私にありましたが、私は、今日航の完全民営化というものをこれから国会で御審議をいただこうとしているやさきに会長、社長、副社長が全部交代をするというようなことは、企業の継続性からいって非常に問題がある。だから会長の辞表は受け付けるけれども、社長、副社長についてはとどまってその職を全うしていただきたいというお願いをし、お二方もその意を受けて今日に至っております。
 その間、そうした状況を必ずしも御存じないと思われる方々からいろいろな私どもにもお問い合
わせがありましたり、あるいは抗議がありましたり、さまざまな経緯がございました。そして、今日私の手元にも委員のお話しのようにさまざまな文書等が社の内外から届いております。私はできるだけそういうお手紙に対しては、国鉄改革の途中でもそうでありましたが、お名前を書いてくださる手紙に対してはできるだけお返事をしてまいりました。
 しかし、この日本航空の問題についていただく社内からの手紙というものが、ほとんど無名あるいは偽名でありまして、お返事を出しても尋ね当たらずということで返ってくる。私はこういうところは本当に、これから日本航空が完全に民営化されようとされまいと、体質として直していただかなければならないことだと思っております。
 今、委員のお尋ねに関連いたしまして、日航の会長交代に伴う点につきましては、当時の経緯を私から御説明をし、答弁とさせていただきたいと思います。
#13
○青木薪次君 私は、今、運輸大臣からいろんな経過について丁寧な回答があったわけでありますが、それならもとの役員の体制下にあった皆さんと、今日の山地体制といいますか、そういう体制下にあった人たちとの間においてまさしく百八十度変わるような見解を前に出した話し合いというか、たたき合いといいますか、そういうものがあってはならない。時にこの一二三便の問題等についてももう司直が入っているんですから、そういうような中において会長人事は決まらない。しかし前会長は、そのことについてみずから素直にどうしてもやめたいという形でやめたとは思えないような言動が各所に見受けられているという事実なんです。
 こういうような問題は、私どもとしてもやはり包み隠さず、今後の日本航空が民営化された場合においてどういうようにひとつ国民の信頼を担うために、安全で快適な行き届いたサービスを行えるような状態になっていく決意のほどを、この日本航空の完全民営化に伴う法案の審議のときに決意として聞かなきゃならぬ問題だと。私は、今、橋本運輸大臣が言われたけれども、本当にそのような立場でなっているかというと、必ずしもなっていないからこういうような問題が今起きているというように考えているわけでありますが、甚だ言いにくい話でありますけれども、山地社長この問題に対するあなたの決意を聞かしてください。
#14
○参考人(山地進君) この問題は、民営化とかあるいは民営化しないとかいう問題以前の問題であろうかと思います。八月十二日の事故で五百二十名の方をお亡くし申し上げて、史上最高の、最大の事故というものを私どもが起こしたわけでございますけれども、この事故の後で、もちろん企業の成績というものは当然のことながら非常にミゼラブルな状態を呈しました。そのことだけからというわけでございません。日本航空二万人の社員がこれだけの事故を起こして、もう二度と事故を起こしてはいけないという気持ちを持っていることはこれは間違いございません。どの職場の人でも皆、御巣鷹の山というものを一度は経験し、あるいは御遺族がいかに悲惨な状態であったかということをそれぞれの立場において経験をしております。
 人間として、日本航空の社員が安全という問題についてとこの航空会社にも負けないほど安全の意識を持つというのは当然のことでございますし、私は社員一同が安全について徹底した意識を持っている。これは自分の経験が生み出したことでございますので、人に安全を守れとかなんとかと強制された問題ではございません。そういう意味で日本航空の私は安全に対する態度というのは、あの事故を境にして完全に違ってきているというふうに思いますし、私はそういう自信がございます。
 そこで、今、先生の御指摘になられましたいろいろの文書というものの大きなものというのは会長の人事問題以来起こりました現象が大きな比重を占めているかと思いますが、その一部の方につきましても安全問題ということを非常に大きな問題ととらえて、このままで日本航空が安全なのかというような問題意識をお持ちであろうかと思います。人の中傷とかなんかというためにやっているんではないというふうに私は思うのでございまして、いろんな文書がございますから全部がそうというふうに申し上げてはいけないのかもしれませんが、そういう点につきましては、私は安全というものを基本に据えた議論であろうかと思います。
 本委員会でも安全問題についてはいろいろ御議論があろうかと思いますけれども、私が社長に就任する以前、先ほどの橋本運輸大臣の御説明ですと社長になることが決まった時点で記者会見で申し上げましたのは、安全を欠いた輸送サービスというのは欠陥商品である、これは売れないということでございますので、私どもとしては安全というものを基本に据えて今後の日本航空の経営に臨んでいきたいと、かように考えております。
#15
○青木薪次君 私はいろいろ言われておりますように、何としても人事の問題とか職場が暗いという問題は、事故につながるんです。私も昔の国鉄の技術屋の端くれをやりまして、例えばいろんな計器類の事故等についても、とっさに判断する能力とそのことに集中する一つの環境というものがなかったら、これはもう大変な事故に陥ることは私の経験から見てもはっきりいたしていると思うのであります。ただこれが社内の秩序あるいはまたそのための維持を図るためにいろんな強制的な強権を発動するだけでは問題は別である。やはり自由というものが、自分が全体の中において拘束されているというそのことは絶対的に必要なんだけれども、それがいわゆる権力的な圧力の中において強制されているかのごとき自分がその立場にあるとすると、これはなかなかやっぱり思うように仕事というものははかどらないというように考えているわけでありますが、今予測を超える異常運転とか、あるいはまたランプにおける事故だとか、あるいはまた人身事故だとか、そういったような事故が多発しているというように今言われておりますが、本当にそうなのかどうなのか。昔の連続事故のような状態に今戻りつつある、その実績はちゃんと出ているということを言われているんでありまするけれども、そういうことになればこれは民営化の議論なんというものは私どもすることはできないというように考えますけれども、いかがですか。
#16
○参考人(山地進君) 私、今申し上げましたとおり、安全問題というのは、民営化以前の問題であるというふうに私自身は思っておるわけでございますが、今、先生の御指摘のありましたインシデントが続いている、あるいはランプ事故がある、あるいは整備の社員が大きな事故に遭ったと、こういったことそれぞれについては私はそれぞれの理由がございます。インシデントについてもし御必要があればどういう理由でどういうことが起こったかということは御説明いたしますが、例えば飛行機の翼のグラウンドスポイラーというのが急に上がってしまったとか、あるいはエンジンを支えているダイヤゴナルブレースというのが壊れたとか、いろんな問題があるわけでございますが、それぞれそれなりの技術的な理由というものがございます。
 それからランプ事故という問題については、これは委託先の運転していた人の問題がそれはあったかと思います。しかし私は、労使の不安定、先生は国鉄の例でおっしゃいました。そういった心理的なプレッシャーといいますか、そういったものがあったときには不安全要因だと、こうおっしゃるわけでございますけれども、私は安全というのはこれは労使ともにそれを求めなければならないものである。それから労使というものは相携えなければ経営とはなっていかないというふうに考えております。
 したがって、そういった労使の間の不透明感といいますか、そういうプレッシャーを感じるというような状態をなくすべく努力はいたしますけれども、労使が不安定だからすぐ安全に問題があるというふうなことではないんじゃないだろうかと
いうふうに思っておりますが、いずれにしても労使間の空気をよくして風通しをよくいたしまして、相互不信のないような労使関係というものを樹立を目指し、かつ安全な航空会社になるということに努力をいたしてまいりたいと思います。
#17
○青木薪次君 労使関係が不安定だから事故にそのままつながるなんて私はちっとも言ってない。あなたはそういう開き直ったような答弁をしちゃいけないと思うんです。やはりなぜ日本航空が事故が多いのかという点についてはそういう要因もあるんだよということを私は言っている、それがすべてだと言っちゃいない。だからそういうような点についてはひとつ労使関係を、あなたのほとばしるような情熱で安定さしていくという決意のほどをひとつこの際聞かしてください。
 政府関係の株も放出する、法律も変わるということだからもう関係ないよというんじゃない。我々はこれだけの公共性のある日本航空の株式会社、完全民営化された中においてもやっぱり日航の一二三便のようなああいう五百二十名にわたるような事故を起こしたら大変なことですから、それはもう常に労働問題も含め、あるいはまたさらに人事問題、いろんなサービスの問題、運賃の問題含めてこれからもやはり参考人として運輸委員会に出てきてもらっていろんな御相談もしなきゃならぬというように考えておりますから、基本的にこの国会との関係はこれで糸が切れるということじゃないことをひとつ確認して、この問題に対して再度答弁してください。
#18
○参考人(山地進君) 私も就任以来二年近くなりまして組合とのお話し合いもいろんな段階でやってまいりました。私自身といたしましても、どの組合の社員も我が社の社員であることには違いございません。どの組合も差別することなく私はいろいろと議論もし、おつき合いもしてきているつもりでございます。かわいい社員でございますんで、こういった社員との間の信頼関係がないと、いろいろ私も批判されている部分もあるわけでございますけれども、大変自分自身でも悲しい思いをしております。今後とも社員に信頼される経営というものに全力を挙げてまいりたいと、かように考えております。
#19
○青木薪次君 特に私の経験もあるわけでありますが、例えば何というのか運航に携わる皆さん、それから地上でもって検査修繕体制に携わる皆さん、事務に携わる皆さん、サービスに携わる皆さん、それぞれ特質があると思うんです。またその置かれる環境というものも非常にそれぞれの差異はあるわけでありまするけれども、そういう現場の第一線に入った中において、それらの皆さんの特質、労働作業環境の特質に至るまでチェックいたしまして、そして社長が陣頭指揮で指導したときには私はやっぱりじんとこたえるものがこれは現場においてあり得るはずであるというように考えますから、そういう立場に立ってひとつおたくの人事の体制を補強されながら、そしてその他労働組合との関係等についてもそれらの関係を考慮しながら、社長の考え方と現場の考え方というものが非常に相通ずるような立場に持っていけるような環境をつくるのは私は山地社長以下の体制であるというように考えますけれども、その点はいかがですか。
#20
○参考人(山地進君) 私どもは経営の任に当たりましたときに五つの項目を重点目標というふうに掲げたわけでございます。第一が安全運航、それから第二が労使関係の安定、第三が国際競争力の強化、第四が公正な人事、組織の確立、それから第五番目が補償、被災者の補償の万全と、こういうふうに掲げたわけでございます。その方針に基づきまして労務方針というのをつくり、また人事、組織の運営方針というものもつくったわけでございますが、それを貫くものというのは、今、先生おっしゃいましたように、言ってみれば公正というものをすべての局面において樹立するということでございまして、望むらくは、すべての職員が安心して自分の仕事をしていける、安全な作業ができるというような会社にしたいということのあらわれでございます。
#21
○青木薪次君 山地社長、たまには議員会館へも遊びに来てもらって、昔何年ぐらい前ですか、七、八年前にあなたと随分ここで議論し合ったことがあった。その後あなた一発も来たことがない。そういうことではお互いにやっぱり運輸をいろいろやってきた仲において、決意のほどは聞いたからそれを信用したいけれども、お互いに国会はうるさいところだと思わないようにして、やはり相当関心を持っているから、今日こういう情勢にあるというようなことについて、アメリカはすべて規制を撤廃しちゃったけれども、こういう問題が起こった、この間こういう事故が起こったよ、日本はどうだというような話なんかについても我々も関心持っていますから、今の話を信用するから、ひとつそのことについても時々こういう公式の場でなくて話に来ていただきたいというようにお願いいたしたいと思います。国鉄改革のときには橋本運輸大臣みずから僕の部屋に三回も来たんですから、我々のような下手な質問でもちゃんと事前に説明に来たというように。その辺は以心伝心ということもあるわけですから、今日本航空もお困りになっている点はいろんな点全部知っているんですから、その点についてはそういう関係に対してよろしくひとつ配慮した対応をお願いいたしたいと思います。
 運輸大臣に聞きたいと思うんでありますが、政府保有の三四・五%の株式を政府が手放すことになりまして、政府保証債の発行ができなくなって有利な資金調達が制約されることになるわけでありますが、これらの関係で完全民営化してどこがよくなるのか非常にわかりがたいんでありますが、もう一度簡単に説明してください。
#22
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに日本航空を完全に民営化いたしました場合には、日本航空が従来特殊法人として受けてきた助成措置というものはなくなります。ただし、同時に規制もなくなるわけであります。規制が廃止になります結果として、従来認可制をとっておりました役員人事あるいは社債の募集、定款の変更、利益金の処分などについての運輸大臣の認可は不要となります。
 また、日航法の目的に書かれております事業内容に対する制約というものがなくなるわけでありますから、日本航空自身の自主的な、また責任ある経営体制を確立することができる、私はこれは大変なメリットだと思っております。
 しかし、同時に、今、委員が御指摘になりましたように、政府保証債の発行など日本航空に対する優遇措置もなくなるわけでありますが、これは日本航空に限らず航空企業の資金調達というものにつきましては、本年度輸銀及び開銀の長期低利の融資制度を創設したところでありまして、こうしたものを活用していただくことによって、これは日本航空のみならず各航空企業の機材の調達に問題が起こらないように対処しているところでございます。そういう点から考えてまいりますと、私は、その助成措置及び規制措置の双方がなくなって、完全な、自主的、責任のある経営体制というものがとられる中において、先ほど委員から御指摘を受けましたような、社内における経営幹部と職員の間の意識の乖離といった問題も埋めていくことができるのではないか、そのように期待をかけているところであります。
#23
○青木薪次君 第一に、競争の促進を図るために企業間の競争条件の均等化を図る。例えば全日空も東亜国内も同じでありますけれども、そのことが目的だということも言われました。その基盤が実は日本航空にあるのかどうなのかという点が大変問題だと思うのでありますが、そこで、国内線の旅客数の伸びを五十五年度以降示していただきたいというように思います。
#24
○政府委員(山田隆英君) 国内線の五十五年からの旅客数の推移でございますけれども、まず、五十五年の旅客数は四千四十二万人でございます。それから五十六年が四千二百十万人、五十七年が四千四十八万人、五十八年が四千八十四万人、五十九年が四千四百七十二万人、六十年が四千三百七十八万人、六十一年が四千六百三十六万人でございます。
#25
○青木薪次君 そして、そういう中で伸びたり縮んだり実はしていると思うんですね。そういたしますと、今の説明でわかりますように、五十五年度は二・三%減、それが五十六年度が四・一%増、五十七年度が三・八%減、五十八年度が〇・九%増、五十九年度が九・五%増、六十年度が二・一%減、いわゆるでこぼこ増減が繰り返されているわけでありますが、この間平均して一・一%増でしかあり得ないのであります。旅客の奪い合いで日本航空の入る余地は実際あるだろうかどうだろうかという点を非常に心配するわけでありますが、この点について山地社長どう考えますか。
#26
○参考人(山地進君) 今国内についてのお話でございますけれども、私どもの会社が創立以来三十五年でございますが、創立時に運航しておりました沖縄、福岡、大阪、東京、札幌以外の地点というのは三十五年間どこも飛んでいない会社でございました、国内線といたしましては。そこで、自由化後私どもの会社も新しく従来のローカル線に入らしていただいているわけでございますけれども、鹿児島と小松に私ども入らしていただいております。その結果で申し上げますと、やはり一社より二社、二社より三社というもので競争した方がやっぱり需要を喚起するという効果はあるというのが、今数字はちょっと持っておりませんけれども、明らかに需要を開発しているということがございます。したがって、私どもとしては、高需要の路線に入れていただければ、利用者の利便というものもございますし、需要の開発ということもできるというふうに考えております。
#27
○青木薪次君 ダブル化それからトリプル化について六十一年六月の運政審答申は何と言っているんですか。これちょっと読んでみてください。
#28
○政府委員(山田隆英君) 昨年の六月の運政審の答申では、国内線につきまして競争を促進するということを言っておりまして、「国内線においては、従来の幹線、ローカル線の区分にとらわれず、路線の需要規模、空港整備の進捗状況等に応じ、ダブルトラッキング、更にはトリプルトラッキングを推進すべきである。」というふうに述べております。
#29
○青木薪次君 競争促進についてまだ言っていると思うんでありますが、その後をちょっとお聞かせください。
#30
○政府委員(山田隆英君) 国内線の競争促進につきまして、「ダブル・トリプルトラッキングを推進するに当たり需要量等の基準を定めることについては、行政のわかり易さ・公平さの担保と行政の硬直化の回避との兼合いに配慮しつつ、競争の促進を実質的に進めるという視点に立って今後早急に検討すべきである。」ということを述べております。
 また、先ほどダブルトラッキング化、トリプルトラッキング化を推進すべきであるという際に、「これらを積極的に推進する対象路線としては、まず、競争促進による利用者利便の向上のメリットが相対的に大きいと思われる高需要路線が考えられる。また、国内ネットワークの拠点、地域経済の中心、国際線の主要なゲートウェイ等として機能する主要空港は航空輸送の要衝であり、これらを相互に結ぶ路線については、一定の需要規模が確保されれば、全国的なネットワーク形成の必要上からも、ダブル・トリプルトラッキング推進の対象路線とすることが適当である。」ということでございます。
#31
○青木薪次君 運政審答申は、国内線における競争促進施策の推進、すなわちダブルトラッキングとトリプルトラッキング推進について、「競争促進施策の推進に当たっては、企業格差等に起因して、企業間の適正な競争が期待できないこととならないよう配慮する必要がある。」ということも言っているんですな。「その場合、日本航空については、同社と他社との間の企業格差及び路線構成の差異に留意して対応することが必要である。」と述べているのであります。具体的にはどういうようにしているのですか。その点について、後発企業の保護なんかの関係等も考えてどんなふうにお考えですか。
#32
○政府委員(山田隆英君) ただいま先生からお話しございましたように、競争促進施策の推進に当たっては企業格差等にも配慮するということにしておりまして、さらにその際日本航空につきましては、「同社と他社との間の企業格差及び路線構成の差異に留意して対応する」ということが答申でうたわれております。
 私どもとしては、今後航空政策を実施するに当たって、この答申の趣旨に沿って進めるわけでございますけれども、現在御承知のように日本国内においては主要な定期航空会社というのが三社ございまして、その中で日航の企業体力というものがほかの二社に比べて大きいと言えることは事実かと思います。ただ、他方、日本航空全体として見れば他の二社に比べて大きいわけでございますけれども、国内線に限って見た場合には全日空の方が収入あるいは旅客輸送についても大きいということでございます。そういう点も配慮します。
 それから、路線構成の差異ということでございますけれども、これにつきましては日本航空は従来からの経緯でもって国内の幹線だけを運航しておりまして、それに対しまして全日空であるとか、あるいは東亜国内航空はローカル線、比較的採算の悪い路線も運営している、そういう事情がございます。こういった事情に配慮いたしまして、適正な競争が確保されるように今後競争促進施策の推進を図っていきたいというふうに考えております。
#33
○青木薪次君 四五、四七体制というのは航空憲法と言われましたね。競争政策導入によって国内のローカル線への進出が競争関係の促進になるというのが航空局長並びに運政審の考え方の基本になっていると私は思うんです。そういたしますと、幹線もローカル線も旅客需要の増加は不透明だと思うんですね。加えて、羽田や大阪の発着枠の制限等によって口で言うほどダブル・トリプル化は、企業同士が協調性の維持に走って競争のメリットというものはそう高まらないんじゃないか、そういう方向に行くんじゃないかというように私どもは考えているわけでありますが、その点はどう考えますか。
#34
○政府委員(山田隆英君) まず最初に、空港容量との関係について御説明申し上げたいと思いますが、競争促進政策は、航空企業によります新たな路線展開だとかあるいは増便といったようなものによって実現されるわけでございまして、先生御指摘のとおり、現在羽田あるいは大阪空港の空港条件というものは非常に制約がございます。羽田につきましては増便が現状ではほとんどできない。それから大阪空港につきましては環境上の配慮からジェット便の枠が二百便ということで制約を受けまして、それを現在限度いっぱい使っているということでジェット便の増便の余地がないというような状況でございます。
 したがいまして、競争促進施策を進めていくためには航空交通容量の一層の拡大を図る必要があるわけでございまして、私どもといたしましてはこの競争促進施策を推進いたしますと同時に、また空港等の整備についても鋭意推進をしていきたいというふうに考えております。
 まず羽田につきましては、六十三年七月に沖合展開の第一期工事が完成する予定でございまして、これによりまして現在年間約十六万回と言われております発着回数の能力が二万回程度拡充される見込みでございますので、これを活用いたしまして新たな路線展開及び増便を図ってまいりたいと思います。
 また、大阪につきましては、現在のところ二百便の枠の発着についてはこれを維持していく考えでございますけれども、新関西国際空港の整備を鋭意進めることによりまして、その際にはまた新たな増便が可能になってくるというふうに考えておるわけでございます。
 なお、ダブルトラック化、トリプルトラック化の具体的な推進の方策といたしましては、需要を勘案して推進施策を進めていくということでございまして、ダブルトラック化、ドリブルトラック化に当たっての基準というものを私ども定めてお
ります。
 その基準といたしましては、年間需要七十万人以上の路線、それから東京、大阪、福岡等の主要空港間にありましては三十万人以上の路線にダブルトラッキング化を推進していく、また年間百万人以上の路線につきましてはトリプルトラッキング化を積極的に推進していくということで基準を示しまして、これを航空局長名で昨年の六月、各航空企業に通達いたしまして、逐次実施しているところでございます。
 昨年の夏以降、これらの基準によりましてダブルトラック化、トリプルトラック化してきた路線を申し上げますと、まず日本航空の東京−鹿児島線がトリプルトラック化を七月にいたしました。それから、東京−小松、名古屋−福岡、名古屋−札幌、こういった路線についての新たな開設を昨年の十月以降認めまして、ダブル化を果たしております。
 このように、需要というものにも配慮しながらダブルトラック化、トリプルトラック化を進めていきたいというふうに考えております。
#35
○青木薪次君 そうしますと、羽田の沖合展開は昭和六十三年の七月に発着能力は二万回ふえる。それから関西空港は、現在は二百便という規制があるけれども、これが新しく新空港の発足に伴って新たな展開になっていくということを目当てにしているということですな。そういたしますと、この二大プロジェクトが開業に至るのは実際には六十五年度以降じゃないかと私ども見ているわけでありますが、発着数の伸びが限定されている中で、企業同士の旅客の奪い合い競争というものが、これが熾烈化してくるわけですね。その場合、日本航空の収益面ではマイナスの効果しか生じないのではないかというように考えます。今、航空局長がいろいろ言われましたけれども、そういうように考えざるを得ない。
 また、答申では、さっき読んでもらって、まだちょっと(4)のところを読んでないんですけれども、時間がないから私は質問を始めたんですけれども、「各企業の能力を超えた規模の拡大は、安全運航の確保、安定した良質な輸送サービスの提供の面からみて」余り好ましくないと述べているんですよ。そのとおりだと私も うんであります。
 さらに答申は、「経営的に毎理のない計画の下に事業の展開を図る」としてしるんでありまするけれども、今、航空局長が言われましたのは、政府が介入して計画をコントロールするというように受け取られるわけでありますが、その辺の関係について説明してください。
#36
○政府委員(山田隆英君) 今回の運輸政策審議会の答申の基本的な考え方といいますのは、競争促進策をとるということと、それからその競争促進策に当たってできるだけ企業の自主的な判断を尊重するということでございます。
 ただ、企業の自主的判断を尊重するわけでございますが、ただいま先生が御指摘になりましたように、同時に「安定した良質な輸送サービスの提供」、あるいはもとよりのことでございますが、「安全運航の確保」という観点から「経営的に無理のない計画の下に事業の展開」を図ってほしいということを私どもは航空企業に対して期待をしておるわけでございまして、私どもがそういう計画を企業に押しつけるというようなことではなくて、このような運政審の答申の趣旨に従って、各航空企業において適正な計画を定めていただいて、そして先ほど来申し上げましたような基準を満たすものにつきましては、私どもとしては競争促進策を推進するという観点から積極的に認めていきたいということでございます。
#37
○青木薪次君 そこで、きょう日本航空の参考人の皆さんがお見えになっているわけでありますが、路線の関係等を担当している常務さん見えていますか。
 各企業が出している計画は大体どんなものなんだろうか。例えばこの路線に入りたい、便をふやしたい、たくさんの希望があるわけでありますが、山田航空局長は、出してもらったものをできるだけ全部認めたいようなことをおっしゃったわけでありますが、路線の獲得については、どうしても同一路線にいいものはいいんですから集中すると思うんであります。運輸省が介入調整に乗り出す以外になくなるというのが真実じゃないかと思うんでありますが、まず日本航空が出している計画ですね、いわゆるトリプル化あるいはまたダブル化の点において、そのトラッキングの関係等について簡単でいいから言ってください。
#38
○参考人(長岡聰夫君) お答え申し上げます。
 先ほど航空局長の方から御答弁ございましたように、国内線につきましてはダブル化あるいはトリプル化の一つの需要の状況を特に基礎に置きました一種の基準が、ございます。
 例えば百万人を超した場合どうであるとか、七十万人を超した場合どうであるとか、これはもちろん現状での需要の状況のほかに、将来の需要増を見込んだ一種のメルクマールであるというふうに理解しておりますけれども、私どもはそういう基本的ないわば基準の中で次にここにぜひ進出いたしたいということにつきまして運輸省にお願い申し上げる、そういう形をとることになっております。
#39
○青木薪次君 航空局長、今の話、答弁してください。
#40
○政府委員(山田隆英君) 私ども日本航空のみならず、ほかの各社からもいろいろ要望を承っております。日本航空の場合について申し上げますと、新たな路線といたしましては東京−広島、東京−松山、東京−函館といったような、これは国内路線に限りますけれども、こういった路線に今後進出したいという希望を承知しております。
#41
○青木薪次君 百万以上と七十万以上、三十万以上、それ以下というように大体分かれているんですな。そういう場合に、国際線の場合も日本航空以外の国内企業の参入が進められつつあるんですけれども、これも日本航空の完全民営化にとって果たして有効なのか疑問だと思うんです。この点いかがですか。
#42
○政府委員(山田隆英君) 国際線につきましては、従来日本航空が一元的に運営してきたわけでございますけれども、その間外国企業との激しい競争状況下において本邦企業全体として輸送力の拡充等を図り競争力を高めるよう国際線の複数社体制を進めていこうということになったわけでございます。
 複数社制を進める際に日本の企業同士の競争が厳しいということになるんではないかということでございますけれども、まだ複数社制化を実施いたしましてから日も浅く十分な評価を行える段階ではございませんけれども、例えば東京−グアム線におきましては、昨年三月に全日空が新たに参入したわけでございますけれども、日本航空を含めた我が国航空企業全体の輸送実績というものを、その後の状況とその前の状況と比較いたしてみますと、全日空が入る前の六十年度におきましては十八万人の旅客を輸送しておりましたが、全日空が入った六十一年度を見ますと、それが二十八万三千人に伸びておりまして積み取りシェアも六十年度の四五・八%から六十一年度には五五・四%と大幅に拡大しております。
 また、昨年七月から全日空が参入いたしました東京−ロサンゼルス線、これにつきましても今のような比較をいたしますと、我が国航空企業の輸送実績としては、六十年度が二十七万三千人、これは両社合わせたものでございます。でございましたけれども、六十一年度にはこれが三十五万人へふえております。また、積み取りシェアにつきましても、六十年度一社で三二・七%の積み取り比率が、六十一年度二社になりまして三六・六%に拡大しているということで、このように我が国の航空企業全体として国際競争力が強化される結果となっておりまして、国際線の複数社制化というものが日航にそれほど大きな打撃を与えているものではないというふうに考えております。
 また、今後国際線複数社制の進め方でございますけれども、もちろんこれは相手国があります。相手国との関係、あるいは国際線につきましても高需要路線といったようなものにつきまして複数
社制を推進していきたいという方針のもとに考えておる次第でございます。
#43
○青木薪次君 国際線の場合、日本航空以外の国内企業の参入が今進められているし、複数社制を認めている、こういうことですよね。これも日本航空の完全民営化にとって果たして有効なのか疑問です。それはふえたということをおっしゃっておったんですが、例がいいかどうか知りませんけれども、例えば飲食店がある。一つの店舗だったら大したことはないけれども、二店舗だったら相当お客さんも誘引できる。五店舗、六店舗になっていくとそこへ群がってくるということはあるだろう。しかしそれはそれぞれの店が食っていけるということにはならない。しかし全体としての発生は、発生主義といいますか、いわゆるお客の発生はできる、こういうことだと思うんです。ですから、そういう点で現行での競争激化と完全民営化した場合の競争強化とどこが違うんだろうか。完全民営化しなくても競争環境をつくることは可能なのではないだろうかと私は思うんでありますが、減収減益要素が強くなってくるんじゃないか。今も航空局長おっしゃったように、全日空がロサンゼルス線、アトランタ線、そしてまたワシントン線、TDAが香港線を新しく希望し、または運航しているというようなことを考えると余計その感を強くするわけでありますけれども、その点はいかがですか。
#44
○政府委員(山田隆英君) 競争の促進によって企業体力が弱くなる、過当競争によって企業収支に悪影響を及ぼすんではないかという御意見かと存じますけれども、運政審の御審議におきましてもいろいろ競争促進をめぐってそのような御議論をいただいたところでございます。
 運政審の答申にあらわれた考え方といいますのは、競争促進を通じて企業体力の強化を図っていく、競争を促進することによってサービスの向上がもたらされる、サービスが向上すればお客も全体としてふえるでありましょうし、また競争促進の際に各企業はそれぞれ合理化についての努力を一層することになる、それによって各企業とも体力がつくというふうに考えておるわけでございます。もちろん過当競争によって企業が共倒れになるというようなことは、これは避けるべきであるというふうに考えております。
 私どもは、運政審の御議論の中でアメリカ型の全く自由競争に任せるという考え方も出てきたわけでございますけれども、そういう考え方はとらないで、より現実的な、適正な競争を図って、それを通じて利用者のサービス向上あるいは企業の経営基盤の強化、さらには日本の国際競争力の強化、こういったものを図っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#45
○青木薪次君 国際線の場合の競争力、特にドル箱の太平洋線につきまして米国の巨大企業との競争にどこまで対抗できるだろうかということが、これがかぎではないでしょうか。
 したがって、世界の航空企業における旅客の日本航空の地位でありまするけれども、国際有償トンキロ、旅客数、保有機材、従業員数、旅客人キロ、営業収入、営業利益について、その順位だけで結構だから教えてください。
#46
○政府委員(山田隆英君) 日本航空の国際航空界における地位ということでございますけれども、まず有償トンキロで申し上げますと、日本航空が順位としては一位でございます。それから運んでいる旅客数は、これは日本航空が長大路線が多いということもございまして、国内線を専ら運航している会社の方が多いということで、順位としては十三位ということでございます。それから保有機材の点では、日本航空はこれも比較的大型の機材が多い。ちょっと時点がはっきりいたしておりませんけれども、私の手元にございます資料では全部で八十三機でございまして、これはほかの航空会社との順位としては二十二位、世界的には二十二位になります。それから旅客人キロで申しますと、順位は八位でございます。それから貨物は、これは順位は世界的に二位でございます。それから営業収入は、日本航空は七位というようなことになっております。
#47
○青木薪次君 そうしますと、国際有償トンキロでは日本航空が一位だと。それ以外にほかにはイースタンとかアメリカンとかデルタとかユナイテッドとかトランスワールドとか、基幹の旅客輸送では米国巨大企業が上位を占めているんですね。巨人と小人の競争のように思うのでありまするけれども、本当に対抗力があるんでしょうか。どういうように企業体力をつけていくつもりか、その点についてひとつ社長から御答弁ください。
#48
○参考人(山地進君) いろいろ統計資料等から見ると、アメリカの企業というのは、アメリカの国内が非常に広大である、それから旅客数も多いということで、実績からいうとアメリカの企業が非常に強大であることは先生のおっしゃるとおりでございます。
 それに加えまして、最近アメリカンとかユナイテッドエアラインというのが非常に強大であると言われているゆえんは、コンピューターによるリザーベーションというのが非常に進歩いたしまして、ほとんどこれからの集客というのは、そういったコンピューターによる予約システムというのが大きな力を発揮すると言われている点がアメリカ企業の強大であると言われているゆえんでございます。
 翻って日本の太平洋におけるアメリカ企業の勢力はどうかといいますと、これは私ちょっと数字を持っておりませんけれども、従来からのノースとかパンとかいうのに加えてユナイテッドエアラインというのが入ってきたわけでございます。その実績から言いますと、ユナイテッドエアラインの今までの実績は、日本の企業に比べまして日本の旅客に関しては競争力が若干劣るかなと。これはやはりアメリカの企業のサービスというのが日本人の好みに余り合ってないというような点が非常に大きいかと思います。これはまだ入って間もないわけでございます。これから入ってまいりますアメリカンあるいはデルタというような企業がどういうような営業政策を展開してくるのかということによりましては、さらに強大な力を発揮してくるというふうに考えられるわけでございます。
 ただ、アメリカの企業というのは、日本だけでございませんで、東南アジアをまたにかけまして、東南アジアからアメリカというようなお客とあわせて日本のお客をとるというようなことでございますので、その力というのは日本とアメリカの間の積み取りというだけでは判断できないだけの競争力があるというふうに考えております。
#49
○青木薪次君 日本航空と、米国のユナイテッド、アメリカン、パンアメリカン、イースタン、この五社の労働生産性を一九八五年、一昨年のデータで比較していただきたいと思います。これは運航乗務員一人当たりの旅客人キロと客室乗務員一人当たりの旅客人キロについてひとつ教えてください。
#50
○政府委員(山田隆英君) ただいまのお話で、すべての資料が私ども必ずしも手元にございませんけれども、まず有償トンキロ一人当たりの数値を申し上げますと、日本航空の場合が二百九十五・五でございます。それに対しましてユナイテッド航空が百四十四でございます。今先生おっしゃいましたほかの会社の数値を持っておりませんので、恐縮でございますが、後ほど調べてお答えいたしたいと思います。
 それから乗務員の一人当たりの飛行時間ということで各社の比較をさせていただきますと、日本航空が三十・六時間、これに対しましてユナイテッド航空の場合三十八時間でございます。
 あと、客室乗務員の比較の資料、ただいま持ち合わせておりませんので、後ほど御報告させていただきたいと思います。
#51
○青木薪次君 日本航空はどうですか。
#52
○参考人(長岡聰夫君) お答え申し上げます。
 客室乗務員の一人当たり有償旅客キロでございますけれども、私どもJALの場合は百万キロ単位で七・二四でございます。これに対しましてユナイテッドが七・六五、それからアメリカンが九・
八〇、それから、パンナム九・〇七という数字がございます。
#53
○青木薪次君 今の話でいきますと、日本の労働生産性といいますか、それは低い方ですな、低い方ですね。その理由はいろいろあると思いますけれども、大臣、この数字を今見まして、評価は日本航空の労働生産性は低く、したがって競争力強化のためには合理化を必要とするというように思いますか。
#54
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今局長から御答弁を申し上げましたように、アメリカの大手企業と対比してみまして日本航空の労働生産性は必ずしも低いものではございません。ただ、一般論といたしまして、企業ができる限りの合理化を図っていくというのは、それぞれの企業の経営の方針として当然とられることではあります。例えばアメリカ企業との対比においてということでありますならば、私は決して低いものではないと思っております。
#55
○青木薪次君 日本航空の社長以下の皆さんが生産性が低いと言っているんです。大臣が低くないと言うことは答弁の食い違いなんですよ、これは。したがって、その点については大臣はちょっと疲れていたようだから答弁を聞いていたのか聞いていないのか知らないけれども、これを見て国内線、国際線の各社の路線比率等々の条件が違うと先ほど航空局長は言いました。したがってこの点はよく考えたにいたしましても、いろいろ低いことは事実です。この数値を見てたから合理化が必要だということも早計だと思いますけれども、客室乗務員一人当たりの旅客輸送量はこれらの中で一番低いんですね。そしてサービスが十分なされていると見なければなりませんけれども、その点いかがですか。
#56
○参考人(山地進君) 今の先生の御質問で長岡君の答えたことで、客室乗務員が一人当たり旅客人キロがアメリカの企業に比べて低いということで生産性が低いということだと思うんでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、日本人のお客様に対するサービスというのはやはりかなり人間がたくさん要るという要素があるわけでございます。これは単に人数の生産性だけでははかり得ないところがございまして、先ほどの私が答弁申し上げましたユナイテッド等がなぜ日本のお客に好まれないかというと、やはりきめ細かいサービスという点についてはどうしても日本航空にかなわないという点があるわけでございます。きめ細かいサービスをするためには若干客室乗務員を多く乗せるというようなことが営業上の必要というものからあるわけでございまして、そういう点からいうとこの数字だけで生産性というものをはかるというわけにはいかない面があるのは私ども事実だと思います、
#57
○青木薪次君 運航乗務員の関係は真ん中辺ですね。それは長岡常務そのとおり確認できますね。大体中ぐらい。
#58
○参考人(長岡聰夫君) はい、おっしゃるとおりかと思います。
#59
○青木薪次君 結局、今、山地社長の言われたことを私は否定しているんじゃないんですよ。今私の理論展開というのは、経営の採算性といいますか、そういう意味から、日本航空が今日合理化で人件費の圧縮を常に先行させようとしているんですね。それから必要なサービス水準をどういうようにするかという点については非常に問題のあるところだと思うんです。経営の採算性だけ見て、合理化によるサービスの低下や安全面の不安を増大してもいいという考え方ではないんですから。アメリカがこの間事故をやりましたね、そういうようなところに発展すると思うのでありますが、私は逆に、公式的な合理化だけが先行して、安全面の関係が不安が増大するようなことはいけないということを言おうといたしているわけでありますが、大臣いかがでございますか。
#60
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は先ほど大変委員にしかられましたが、実は全職員当たりの有償トンキロを見てお答えをいたしましたので、この点はおわびをしておきます。
 と同時に、一般論として先ほど私は合理化を否定しないと申し上げましたけれども、そのとおりなんです。そして航空企業の場合に、実は安全の確保というのは何より最初にあることでありますし、事故が起きました後それぞれの航空企業の利用率というものを見ればそれはお客さんの信頼があるなしてはっきりと数字は分かれてくるわけでありますから、安全の確保というのはもう当然のことでありまして、その基本命題の上での私は合理化というものを否定するものではないと思っております、
#61
○青木薪次君 理財局次長、お見えになっていますね。大蔵委員会の開会中に来てもらいましたけれども、日本航空の資本金、株式について現状を説明してください。
#62
○政府委員(藤田弘志君) 日本航空の株式数でございますが、全体では一億三千九百二十四万六千七百七十五株でございます。このうち政府の持っております分は、一般会計と産投会計と両方ございますが、両方合計いたしまして、四千八百九万九千六百八十八株でございます。構成比にしますと、三四・五%でございます。
#63
○青木薪次君 そうしますと、政府保有株は一般会計と産投会計に分かれているというお話ですね。株式数として、一株当たりの歳入見積もり上の売却価額は幾らになっていますか。
#64
○政府委員(藤田弘志君) 昨年末の予算編成時、六十一年十二月でございますが、直近の株価動向をもとにいたしまして、処分収入総額を算定しております。そのときの直近の株価、これは直近三カ月の平均でございますが、九千四百円でございました。これをベースに計算いたしますと、株式の処分収入総額は三千六百十七億円となっております。
#65
○青木薪次君 私は、予算上は七千五百円と聞いておるのですが、その点いかがですか。
#66
○政府委員(藤田弘志君) 私どもは九千四百円をベースに計算しておりますが、七千五百円という数字は、多分それに安全率を〇・八掛けております、株式の処分収入につきましては、株価は当然変動いたしますから。その〇・八を掛けた数字じゃないかと思いますが、実際、算出根拠は九千四百円に〇・八を掛けまして、処分株式数を掛けております。
#67
○青木薪次君 一般会計、産投会計の歳入予定額は、予算上、私は日航株の放出と売り出し値については、売却株価は七千五百二十円で、三千六百十七億円の売却益を見込んでおり、一般会計と産業投資特別会計に繰り入れているというように理解しておりますが、違いますか。
#68
○政府委員(藤田弘志君) 先生おっしゃるとおりでありまして、処分収入総額、先ほど私が申し上げましたような三千六百十七億円になっております。
 ただ、その算出根拠が、ちょっと詳しく申し上げるのでございますが、直近の株価、九千四百円に〇・八を掛けまして、処分株式数を掛けております。この直近株価九千四百円に〇・八を掛けました数字が、先生がおっしゃっていると千幾らかという数字かと思います。
#69
○青木薪次君 一般会計へ二百八十三億円、それから産投会計へ三千三百三十四億円の株式売却収入が、予算上見積もられているわけでありますが、一般会計、産投会計それぞれの使途はどうなっておりますか、お伺いいたします。
#70
○政府委員(藤田弘志君) これは、主計局の方からお答えいたします。
#71
○説明員(福田誠君) お答えいたします。
 一般会計分二百八十三億円は、税外収入として計上いたしております。それから、産投特会分につきましては手数料控除後が三千二百六十二億円でございまして、このうち関西国際空港への出資が六百二十二億円、そのほか残額でございます二千六百四十億円は一般会計へ繰り入れております。
#72
○青木薪次君 そうしますと、産投会計の手数料を引いた今のお話、三千二百六十二億円のうち六百二十二億円を関西国際空港の建設に使うという
ことになりまして、残りは一般会計へ入れるということでありますけれども、この金を関西空港だけという理由で日本航空の株が、いわゆる売却収入が使えるということはちょっとおかしいと思うんですが、いかがですか。
#73
○説明員(福田誠君) お答えいたしますが、関西国際空港への出資額以外の部分につきましては、大変厳しい財政事情にかんがみまして、それをすべて一般財源として有効に活用することといたしております。したがいまして、その部分は一般会計へ繰り入れるという予算でございます。
#74
○青木薪次君 NTTの株は、これは地下鉄やその他にも使うというように、私はこの間運輸大臣の説明聞いておったんですが、大臣、NTTの株はそういうところへ使うんでしょう。
#75
○国務大臣(橋本龍太郎君) NTT株の売却益につきましては、今、委員が例示に挙げられました以外にもさまざまな使われ方がすると私は承知をしております。
#76
○青木薪次君 そういたしますと、私は、関西空港のみならず四全総で拡充が予定されている例えばコミューター空港とか、一般会計へ大部分回す前に考えられなかったかどうか、こういう点を疑問を感ずるんですね。
 それに、空港だけではなしに運輸行政でその打開が求められている、例えば巨額投資と採算性の維持に苦悩している鉄道にも回してもいいじゃないか。私は、おととい、東京の地価対策は規制を加えるだけじゃだめだ、やはり交通空間を広げる以外にないんだということを橋本運輸大臣と大分やりとりやったんですけれども、そういうようなことに使っていかなければこの金は生きないと考えているわけであります。
 一般財源としてどこへでも使うということになれば、例えば年金とか公共事業とかいろいろな形に振り分けられていくということになると思うんでありますが、やはりその点については交通関係を主体にいたしまして使途を拡大すべきだと考えていますけれども、大蔵省どう考えますか。
#77
○説明員(福田誠君) 繰り返しになって恐縮でございますが、六十二年度の予算編成におきましては、税外収入につきましても大変厳しい財政事情でございますので、可能な限り確保いたしたいということでございまして、先ほど申し上げました関西国際空港への出資以外につきましては、一般財源として活用させていただいているということでございます。
#78
○青木薪次君 これはやり方でありますがね、大蔵大臣の諮問機関である国有財産中央審議会で検討することになるんですか。
#79
○政府委員(藤田弘志君) 日航株の売却方法等につきましては、法案が通りましたら、その後、国有財産中央審議会にかけまして、その審議の結果を踏まえて売却を行っていきたいと、かように考えております。
#80
○青木薪次君 日本航空株を毎日のように注目しているんですがね。一万四千円というのが大分前でしたね、このごろ一万五千円ぐらいですか。
 ですから、そうなってまいりますと、四千八百十万株でしたかね、だと思いましたけれども、そうすると、それを掛けると七千億ぐらいになりますな、ちょっと考えただけでも。そうすると、大分サバ読んでいるというふうに考えますけれども、大蔵省どう考えますか。
#81
○政府委員(藤田弘志君) これは、先ほど御答弁をいたしましたが、株でございまして、予算編成時にはこの程度の水準だったので、現在は先生おっしゃるとおり、八月二十六日の終わり値で一万五千三百円という水準になっております。ただ、あす売るわけじゃございませんから、従来のペースこれにまた〇・八という安全率を掛けますから、これを掛けまして計算しますと、約五千八百億円というぐらいになります。
#82
○青木薪次君 大分大蔵省、予期せざる金がたくさん入るわけでありますから、交通関係投資ということについて本委員会で強力な要請があったことをひとつ、あなたも権限を持った理財局次長さんですからひとつ心にとめておいていただきたいというようにお願いいたしたいと思います。
 報道では、証券会社が一括買い取りを運輸省は希望しているとされておりますが、そうなのかどうなのか、その半分は安定株主として機関投資家に割り当てるということが言われているんですが、事実ですか。
#83
○政府委員(藤田弘志君) それはむしろ会社の方にお聞きいただいた方がいいかもしれませんが、私どもは証券会社の買い取り引き受けということで証券会社に引き取らせまして、証券会社が個人層を中心に関係法人等に売りさばいていく、こういう形になろうかと思います。通常の株式の売り方と同じでございます。
#84
○青木薪次君 六十二年の三月二日の新聞によりますと、「日本航空の完全民営化に伴い予定されている政府保有株(約四千八百万株、全体の三四・五%)の放出方法について、政府は今秋以降一回ですべて売却する方針を固めた。先に放出された日本電信電話(NTT)株の買い人気が強いことから、一括売却でも市場での消化は可能と判断したため。日航は、買い占めや株価低落を防ぐ狙いから、政府保有の半分程度を大株主に随意契約で売却して安定株主工作を進め、残りの約二千四百万株を一般向け株式市場に放出する考えだ。」、この点は山地社長、そのとおりですか。
#85
○参考人(山地進君) 政府のお持ちになっている株でございますので、政府の方でどういうふうに処理されるかということをお決めいただくことになると思うのでございますけれども、私どもの希望を言わせていただけるならば、やはり安定株主ということについて十分な配慮をしていただくということが私どもの希望でございます。ただ、これは国有財産中央審議会等で御検討いただいて、その後政府の方で御方針をお決めいただくものというふうに理解しております。
#86
○青木薪次君 日本航空株が一万五千三百円ということになりますと、恐らくこれが民間へ放出間近になればより高値に誘導されることになるのではないかとか、もっと高くなる。NTTを見ても同様なんですね。橋本運輸大臣、どう考えますか。
#87
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は株式に関しての才能は皆無でありまして、ちょっとお答えの能力を持ちません。
#88
○青木薪次君 いずれにせよ、政府が当初予算で見込んだ一株七千五百円の水準をかなり超える売却収入となるわけであります。株価が一万円としても四千八百億円ですね。それから、一万四千円としても六千七百億円ということでありますから、予算上の三千六百億円をはるかに上回ることになる。ということになりますと、予算上は七千五百円ということになりますと大体倍はもうけるということになりまして、これはやみ倍もやみ値も物すごいやみ値が到来するということになるわけでありますが、その場合の資金の使途はすべて一般会計に帰属するということはどうしてもやっぱり理解できないわけでありますが、その点をもう一度御答弁してください。
#89
○説明員(福田誠君) 委員御指摘のように、株価でございますから予定よりも高く売れる場合もあるとは存じます。ただ一般論でございますが、税外収入自体が例えば大どころで申しますと日銀納付金とか中央競馬会の納付金とか国有財産の売り払い収入等といろいろございますが、それぞれがやはりあくまで見込み計上でございまして、たとえ予算を上回った場合も税外収入として活用さしていただくということでございまして、その辺御了解を賜りたいと思っている次第でございます。
#90
○青木薪次君 株式の売却時期についてはいつごろになりますか。例えば、それとともに予算で見積もった売却収入以上に売却できる場合は今年度一度だけでなくて、来年度にわたって売却されるのではないだろうかと思うのでありますが、その点について答えてください。
#91
○政府委員(藤田弘志君) 先ほどお答えしましたとおり、株式の売却の具体的な方法につきましては国有財産中央審議会にかけまして、その審議の結果を踏まえまして実際の売却を行っていきたい、かように考えております。
 従来の扱いを見ますと、やっぱり一年度分は一括売却を行っているのが通常のやり方でございます。これは何回も売却するということがわかりますとどうしても市場が冷えますから、一括が通常のやり方でございます。
#92
○青木薪次君 一般会計は財源難ですから、大蔵省とのいろんな折衝は運輸省も難しいことはわかるわけでありますが、六十二年度はこうした株式売却収入の自然増収や税収も好調なんであります。これはもう税金の取り過ぎで、あちらこちらへ配って、二兆三千億もあったんですからね。そのほかにNTTの株の売却もうまくいっているというようなこともあり、また日本航空の株もこれに付加されるということでありますから、そういう意味で日本航空株の売却という好機を運輸事業全般の整備のために使うことは当然なことだと私は思います。大臣、来年度予算でこれは要求してもらって、運輸事業の将来のためにぜひ実現してもらいたいと思うのでありますが、そうでないと四全総の関係は、結局は道路だけつくって、あとは、こじきのおかゆじゃないけれども、ゆうばかりということになる可能性が出てきておりますが、いかがですか。
#93
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに今、委員の御指摘のように、日本航空の株式を売却したものがいわば特定財源のような形で運輸省で使えるとすれば、それは大変結構なことであろうと思います。ただ、しかし、実はそれは一時だけのことでありまして、仮にそうした一時収入を当てにして施策を実施をいたしました場合には、次年度からその事業に対しては大変大きな障害を生じます。
 なるべく私はこの株が高く売れて、できるだけ大きな収入が国庫に納められることを期待をいたしておりますし、それが一般財源として使われますにしても、それは当然運輸省自身が一般会計で相当大幅な予算要求をしておりますわけでありますから、そうした中で還元をされることと期待をいたしております。
#94
○青木薪次君 運輸省は来年度予算要求としてNTT株の売却益による無利子融資制度を大阪の片福連絡線の工事とか常磐新線の建設にも適用することを要求すると報道されているわけであります。そのことが事実だとすれば、その内容や要求する根拠は何ですか。
#95
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは私がお答えをすることが適切なのかどうかわかりませんけれども、今回の概算要求の取りまとめに当たりまして、従来の公共事業以外にNTT株の売却益というものを基礎といたしました無利子融資という制度を財政当局が検討をされ、その検討の中において、私どもが私どもの所管の中から適用する事業として幾つかのものを選んでおります。今、委員が御指摘になりましたようなもののほかにも、例えばヘリポートとかコミューター空港といったものにもこの活用を考えておるわけでありまして、そういう意味では公共事業費の大変厳しい中において活用できる制度を考えてもらった、事業量を確保するに、また民間活力を誘導するのにいい制度を創設していただけるものと、そう期待をいたしております。
#96
○青木薪次君 NTTの株の売却益が要求できて、運輸事業の日本航空の株の売却益が使えない理屈というものはないと思うんです。これはもう理屈の上から言ってもないと思うんでありますが、大蔵省はその点について、私の見解は間違っていると思いますか、どうですか。
#97
○説明員(福田誠君) 論理的にそういうことが考えられないかどうかという点については、必ずしもそうではないというふうに考えますけれども、NTTの場合は、御案内のとおり、すべてが国債整理基金に所属しているNTT株でございまして、最終的には国債の償還財源に使う。ただその間、予定していた以上の売却益が出そうでございますので、それを無利子で貸付制度に回すということで、最終的にはやはり国債の償還財源に戻していただくということでございまして、そういうものとしての制度、法律を伴うものでございますので国会で御審議いただいているわけでございます。したがいまして、日航株の場合につきましては、NTTのような制度は今のところ考えておらないということでございます。
 なお、関西国際空港への出資については、これはあくまで、そういう意味では産投特会の出資に適する事業ということで計上いたしておりますし、また民活公共事業のモデルケースでもあるということでそういう出資をいわば前倒しすることにいたしておるわけでございまして、その意味ではあくまで臨時異例の措置であるというふうに御理解いただきたいと思います。
#98
○青木薪次君 最後に要望いたしておきたいわけでありますが、恐らく大蔵省としても、こんな余分な政府保有の四千八百万株というものがここに転がっておったとは思わなかっただろうと思うし、それからまた、日本航空が民営化されるなんということも、これも思ってはいなかったと思うんです。そういう中で急速、収入を七千五百円に押さえて、実際はその倍するということがわかったわけです。こんなにうれしい話はないと思うんでありますが、それを一般財源へ繰り入れてしまう、あとは六百二十二億円だけが関西国際空港へ入れるんだというようなことでは虫がよ過ぎるというように思うんで、その点はひとつ我が運輸委員会の総意として、やはりこの点については大蔵省に要望しておくということでありますので、この点を要望いたしまして私の午前中の質問を終わります。
#99
○委員長(田代富士男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#100
○委員長(田代富士男君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、日本航空株式会社法を廃止する等の法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#101
○青木薪次君 大蔵省はいなくなったわけでありますけれども、大体先ほどの私の質問で事情はよくわかったというように大蔵省は理解をしてくれたものと考えておりますので、大臣ひとつ議会側とよく連携をとりながら、大臣のお見えになる間に大いに交通関係の公共基盤投資について頑張っていただきたい。そのために日本航空の完全民営化の問題がプラスになれば大変これは結構なことだと思うのでございます。
 結局、日本航空は、政府のこのようないろんな方針を受けまして、そして政府保有株を引き受けてくれる安定株主づくりに頑張ってまいったわけでありますね。そうして、大体ことしの夏前に政府が売却する株式の五〇%を安定化できるめどがついた、こういうように運輸省、大蔵省に報告していると思うのでありますが、それでよろしゅうございますか。
#102
○参考人(山地進君) 先ほど申し上げましたとおり、日本航空といたしましてはぜひ安定した株主というものをつくっていきたいと考えておりまして、その希望を大蔵省並びに運輸省にお伝えはしてございます。ただ、これは、先ほど申し上げましたとおりお国の持っておられる株であり、お国の方で方針を決められるということでございますので、もう少し国の方の御方針が決定されてから考えなければいけないことだろうとは思うわけでございます。
 ただ、私たちのところでは既に七〇%に近い株は民間の方に持っていただいております。半分は大手の機関投資家の方でございますので、そういう方々に対してもし政府の方でそういう御意向をお許しいただけるなら株の買い増しをしていただけるものかどうかということについては内々気持ちをお聞きしているということでございまして、その結果については手ごたえありと申しますか、そういうことを政府の方にはお話はしてございます。
#103
○青木薪次君 安定化する株式の数は約二千四百万株と了知いたしておりますが、二千万株は大体
金融機関で保有して、内訳は銀行が千二百万株これを引き受けるほか、生命保険、損害保険がそれぞれ五百六十万株、二百七十万株を取得することのようでありますが、日本航空にとってもこういう金融機関の引き受けは歓迎するところだと思うんですね。政府保有株の過半数が安定化することで経営権が確保されて、買い占め事件など経営を揺るがすような事態というものはこれで避けたというように解釈してよろしゅう、ございますか。
#104
○参考人(山地進君) 今七〇%に近い株を持っていただいておりまして、四千八百万株というのは既発行株式の約半分でございます。したがって、今の保有比率をそのまま延長いたしますと、今百株持っている方が五十株買っていただければ今までの持ち株の比率というのはそのまま維持される、こういうことになるわけでございます。
 そこで、この二千四百万株というようなことを一応頭に置きまして、今までの各株主の方々に五〇%あるいはそれ以上をお持ちいただけるかどうかということを内々聞いてみて、今までの機関投資家の方々、金融機関の方々が持っておられる比率ぐらいはどうもお買い求めいただけるであろうという心証を得たようなわけでございまして、今、先生のおっしゃいましたような、金融機関が幾ら、あるいは生保さんが幾らというほど細かく私どもの方で集計はしておりません。
#105
○青木薪次君 ところで、証券会社が政府保有の日航株を一括で引き取る、その約半分を金融機関の安定株主に持たせるということでありますが、残りは一般の投資家に売り出すことになると思うんですが、いかがですか。
#106
○政府委員(山田隆英君) 政府保有株の放出につきましては、これはあくまでも所管は大蔵省でございますので、最終的には大蔵省で御決定になると思いますが、私どもといたしましては安定株主対策というものも企業の経営安定のために必要であるというふうに考えております。
 また、昨年の運輸政策審議会の答申におきましても、政府保有株の放出に当たっては「今後の日本航空の円滑な事業活動の維持にも十分配慮する必要がある。」というふうに申しておりまして、そのような趣旨にのっとって株の放出を考えていただきたいということを私の方からも大蔵省にお願いしておるところでございまして、具体的な取り扱いにつきましては、今後国有財産中央審議会における審議等を踏まえて決められることになろうかと思います。
 ただいま先生おっしゃいましたような形で行われるかどうかということにつきましては、こういった審議会の審議を踏まえて最終的に大蔵省が決められるものというふうに理解しております。
#107
○青木薪次君 問題はこの場合の売り出し方法ですね。それと売り出し価格です。NTTの売り出しのときとは違って、既に株が上場されているんですよね。したがって、株式市場で毎日株価が上がったり下がったりしているわけでありますが、基本的にはやっぱりこれに従うということになると思うんですけれども、そういうことで理解していいですか。
#108
○政府委員(山田隆英君) 先ほども申し上げましたように、具体的には大蔵省でお決めになることと存じますけれども、今までの日航株の処分の例を申し上げたいと思います。
 日本航空の株式というものは従来も政府の所有株を一部放出してまいったわけでございます。そのような場合にいろんな方式がとられてきたわけでございますが、基本的に売り出し価格といいますのはその市場の価格を基準として決めておるということでございます。
#109
○青木薪次君 その場合に、今の株価の動向なんかは、円高の傾向やあるいはまた金利の自由化、国際金融の時代でありますから、その場合にやはり公募価格を決めなきゃならぬということになると思うのでありますが、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#110
○政府委員(山田隆英君) 私ども聞いておりますのは、直近の株価を基準として売り出されるというふうに承知しております。
#111
○青木薪次君 そういたしますとね、このごろの株の値段というものは、これはいみんなことが言われているわけでありますが、まあ需要と供給が一番の大きな問題ですけれども、たまには円高みたいなもので、物すごい天井をずっと突き指すような棒上げなんという問題が起こり得る可能性がある。NTT株はまさにそれがあったということについて予測をいたしておりますか。
#112
○政府委員(山田隆英君) 株の売り出し方法については再三申し上げておりますように、国有財産中央審議会の審議を経て大蔵省でお決めになる。私どもとしてはもちろんいろいろな希望は申し上げます。そういうことでございまして、その売り出し価格等についても私どもとして特に予測といいますか、そういうことはいたしておりませんということを御理解願いたいと思います。
#113
○青木薪次君 国有財産の審議会は、それはもちろんですけれども、何といってもやっぱり運輸省、特に航空局の意見というものは、これは尊重されるんですよ。もちろん日本航空の会社の意向というものも尊重されるというふうに私も個人的に大蔵省にも聞いておりますから。一般投資家への売り出し時期が決まりますと、上場している日本航空の株式を一定期間管理銘柄として売買を規制するということになっていく可能性があるわけですが、その点はいかがですか。
#114
○政府委員(山田隆英君) まず、NTT株の売り出しと今回の日本航空の政府保有株の放出とでは状況が違うわけでございます。これは先生も十分御承知だと思いますが、NTTは初めて売り出す、放出をしたということで、当時市場価格が形成されてなかったわけでございますけれども、日本航空の場合には既に市場に出回っておりまして、市場価格というものが形成されておりますので、その市場価格をあくまでも基準として売り出されるということでございます。
 なお、管理価格ということで今、先生最後におっしゃいました凍結でございますか、ということについては私どもちょっとつまびらかでございませんので、お答え申し上げかねるということを御理解願いたいと思います。
#115
○青木薪次君 この点は余り言っても仕方ないとは思いますけれども、しかし世間の人は、日航株について、特に政府保有株について、半分はいわゆる機関投資家と、半分は一般の投資家に放出されるという前提に立って、ウの目タカの目で実は見ているわけであります。したがって、このいわゆる公募価格というものについていかに、どういうように設定されていくかという点については、これは航空局の意見と日本航空の会社の意見というものは、やはりこれは大蔵省としても尊重するという前提ですからね。ですから、それは審議会の方でやるんだよと言ってしまえばそれまでなんですけれども、そういう点から、高くてもいけない、それから安くてもいけないというような立場に立って、いわゆる管理価格というような形になっていくと思うのでありまするけれども、販売の規制もされるということでありますが、やはり民主的、公平にやるための担保についてはどんなふうに考えておりますか。
#116
○政府委員(山田隆英君) 日本航空株式会社の株式といいますのは、政府が持っているということは、言いかえれば国民の財産ということでございますので、その国民の財産の処分に当たっては公正に行われるべきであるということは私どもも十分考えておるわけでございます。
 具体的な売却の方法につきましては、国有財産中央審議会等の議を経て決められるわけでございますけれども、この売り出し価格につきましては、運輸省とかあるいは日本航空株式会社あるいは大蔵省が任意に設定し得るというようなものではございません。あくまでも市場価格に基づいて、売り出し日の一定期間の前の市場の価格というものを基準としていわばほぼ機械的に算出される価格であるというふうに私どもは理解しております。
#117
○青木薪次君 これ以上やっていってもなかなか結論は出ないし、航空局長もやっぱり国有財産審
議会の方にゆだねてしまう可能性があると思いますし、もう少し事態を見守っていくということにいたしまして、先ほどの質問に移りたいと思っております。
 私はやっぱり、日本航空が完全民営化されたときには、やはり安定した経営をなしていくということがこれまた保障されなければ、私は大変問題になってしまうし、国民に対して申しわけないことだというように考えておりますので、先ほど国際線の話を申し上げたわけでありますが、太平洋路線、特に強大な米国企業との競争に対抗しなきゃならぬということになるわけでありますが、アメリカのアメリカン、イースタン、トランスワールド、デルタ、パンアメリカンでの五社の国内国際線の合わせた旅客輸送量は三千三百四十四億人キロになるわけであります。これに日本の日航、全日空、東亜国内の三社は五百六十一億人キロにすぎないのであります。本当に競争に耐え抜くためには、安全性の弱化を放置したり、サービス低下をしたり、運賃ダンピング競争に走ったりしなくてはやっていけないというようなことが考えられるわけでありますが、その点はいかがですか。
#118
○政府委員(山田隆英君) 競争の激化の結果として航空運賃のダンピングが行われる可能性は否定するつもりはございません。ただしかしながら、特定の路線につきましてダンピングが行われるということは、特定の利用者だけが恩恵をこうむるということで、決して好ましいものとは考えていないわけでございます。私どもといたしましては、競争促進の中にあっても、企業が節度を守り、認可運賃を遵守すべきことは当然であるというふうに考えております。
 運輸省といたしましても、過度な競争によりダンピング競争が行われませんように、適正な競争が確保されるように適切に対応してまいりたいと思います。日米間において、確かにアメリカの航空企業は規模として日航に匹敵するもの、あるいは日航の規模以上の航空会社が多数あるわけでございますけれども、私どもといたしましては、これまでも日本航空は太平洋線におきまして外国の航空企業に伍して競争をしてまいったわけでございますし、今後、日本航空が企業体質を強化し、外国との、特にアメリカとの航空企業との競争にも支障なく適正な運営を行っていくものというふうに期待しております。
#119
○青木薪次君 国際線の場合の競争力は、巨大な米国企業との競争に対抗できるかということがかぎであることを指摘しましたし、今も山田航空局長から御答弁がありました。かつてから問題になりましたアメリカの以遠権の日米間の現状は公平ではないんですね。太平洋路線での強敵はまさに米国企業ですから、少なくともこの公平性が確保されるということが担保されない限り、完全民営化の妙味は全く発揮できることができないというように心配しているんでありますが、この点はいかがですか。
#120
○政府委員(中村徹君) 日米間の航空関係につきましては、以遠権等の面において均衡を失しているというのはこれまでの日本側の主張でございまして、そのような考え方に基づきまして長い間アメリカとの間で交渉を続けてまいったわけでございます。
 六十年及び六十一年、ごく最近におきましてもそういった観点から交渉を行い、暫定合意をつくりまして新地点への乗り入れ、あるいは複数社化というものを認めてきたわけでございますが、なお以遠権その他の問題について今後改善すべき点が多々あることは御指摘のとおりでございます。
 そこで、日米間の航空権益の総合的均衡を目指しまして、現在、包括的な協定改定交渉というのを実施しておりまして、六十一年九月にその協定交渉を再開いたしまして、現在もその交渉の継続中でございます。
 今後とも交渉を通じまして路線権とか以遠権、あるいは指定企業数の問題といった航空権益の総合的均衡を目指して努力してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#121
○青木薪次君 アメリカは、以遠権の問題を中心として不平等はないと言っているんでしょう。
#122
○政府委員(中村徹君) 以遠権の問題だけを議論いたしますと、不平等とは申しませんが、現実に日本側が享受している以遠の航空権益と、それからアメリカ側が実際に航空権益の問題といいますか、実際に享受している運航の便数のことでございますが、アメリカ側が実際に運航しております便数との間に差があるということは認めております。しかし日本側が全体として受けている航空の利益と、それからアメリカ企業が全体として太平洋線で受けている利益は均衡を失してない、こういう立場だと、こう主張しているわけでございます。
#123
○青木薪次君 大臣は日米間における以遠権の不平等性の是正についてこれは解消しなきゃならぬと思うんでありますが、解消の意思とそれからプロセスについてはどう考えておりますか。
#124
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、折衝の中で苦労してこられた国際運輸・観光局長からアメリカ側はこういう考え方を述べているということを御報告をしたわけであります。
 にもかかわらず、私たちは日米の航空関係におきましては以遠権などの分野におきまして我が国に不利なものがあると考えています。
 そうしてそれは我が国の第二次世界大戦後独立を回復して以来の民間航空の歴史にも基づくものでありますけれども、徐々に徐々にではありますが、今日まで関係者が苦労をされて少しずつ航空権益の回復というものが進んでまいりました。
 包括的な日米の航空権益の総合的均衡を目指すための協定改定交渉も六十一年の九月に再開をされて、引き続き協議を継続することとなっております。今後ともこの交渉の中で路線権、以遠権、さらには指定企業数などの航空権益の総合的な均衡の達成に努力をしてまいりたい、そのように考えております。
#125
○青木薪次君 そこで、米国以外の主要国で航空会社の政府の出資比率をちょっとお聞かせ願いたいと思いますが、この英国航空とかエールフランス、ルフトハンザ、この三社について政府出資の率について答弁してください。
#126
○政府委員(山田隆英君) 主要国の航空会社の政府出資の比率でございますが、これは一九八七年一月現在で申し上げますと、英国航空が一〇〇%、エールフランスが九九・三八%、それからルフトハンザ航空、これは政府並びに政府関係機関、例えば州政府等も含めまして八二・一五%でございます。ただ、英国航空につきましては、午前中の大臣からの御答弁にも申し上げましたとおり、現在民営化の動きがございまして、現在ではもうすべて民間に売り出されているというふうに承知しております。現在の時点では全部民間に放出されたというふうに承知しております。
#127
○青木薪次君 そういう動向もさることながら、やっぱり日本航空は三四・五%ですよね。今の英国航空なんか一〇〇%政府出資というような形できているわけでありまして……
#128
○国務大臣(橋本龍太郎君) いえいえ、一〇〇%売ったんです。一〇〇%売っちゃったんです。
#129
○青木薪次君 ああ、売っちゃったの。
 そのほかまだあるんですよ。アリタリア航空とかいろいろありますからね。米国以外の主要国の航空会社はいずれも相当国の出資があるんです。私も資料を持っておりますけれども、たくさんございます。国鉄改革のときとはスタンスは全く異なるわけですから、大臣、ここのところを国民によく説明する必要があると思うんですね。西ドイツのルフトハンザは八二%でありますし、事故もありません。サービスも非常によろしいというように、私も何回も乗ったことがあるわけです。現行体制での日本航空がちょっと問題点がありますのは、運営方法に問題があるんじゃないかというように私は考えているんでありますが、その点はいかが考えていますか、社長ひとつ。
#130
○参考人(山地進君) 各国それぞれいろんな御事情があろうかと思うわけでございますが、今回の日本航空の民営化というのは、片方では民間活力の導入というような御方針のもとで、日本の経済
全体の中で一体政府の規制なり何なりをどう取り扱ったらいいのかという立場から特殊法人というものが見直されて、特殊法人というものの活力をさらに引き出すというためには民営化ということが必要であろうと、こういうふうな御結論を得たように私は理解しているわけでございます。
 英国においても同じような民営化ということが今の政府のもとで議論されて、それで英国航空自身も民営化に移っている。非常に日本の事情と似たような点があろうかと思います。そのほか午前中の大臣の御答弁にありましたように、カナダあるいはイタリーにおいても同じような趣旨の議論が行われているのではないだろうかというふうに理解しております。
#131
○青木薪次君 八月十一日に朝日新聞の朝刊を見ました。米国航空企業が競争激化のためにサービスの低下やニアミス等、安全面で問題が大きくなっておりまして、アメリカの議会では逆に規制強化の方向に動き始めたとあるのであります。米国は、デレギュレーションというんですか、規制緩和から九年たって問題が起こっているわけでありますが、日本のような市場が狭い国では、早々に米国の今回の現状が来るのではないでしょうかということを私は心配しているんでありますが、そういう自由化を国民は望んでいないと思うんです。米国のデレギュレーションの後の事故発生状況について運輸省はどう考えていますか。
#132
○政府委員(山田隆英君) 私ども米国の最近におきます事故発生状況、正確な資料は承知しておりませんが、現在、日本航空を民営化するに当たりまして、私どもとしては、同時に競争促進策を推進していくということを申し上げたわけでございます。その競争促進策の推進に当たっては、何よりも安全の確保というのを最重点の課題としていくということでございまして、規制の緩和が直ちに安全の低下につながるというふうには考えておらないわけでございます。あくまでも、競争促進を推進するに当たっても、安全面についての規制というものを、これを決して緩和するというつもりはございません。
 私どもとしては、従来どおりの安全性に関するいろんな基準を適用し、指導監督を徹底的に行っていきたい。これは運政審の答申にも書いてございますけれども、競争促進に当たりまして、「行政の立場からは、競争促進施策が推進される中においても航空企業の安全対策が最大限に実施されるよう、あらゆる機会を通じ厳格な指導監督を行っていくことが重要である。」というふうに答申で述べられておりますとおり、この点について、何も規制を緩和するということではございません。競争促進策と安全の確保ということは、両立し得るものというふうに理解をしておるところでございます。
#133
○青木薪次君 先日の新聞にも出たわけでありますが、コストの削減競争でサービスが極めて悪くなった。それで機内がごみだらけとなったり、あるいはまた、こみの缶に羽とエンジンがそれこそ生えただけの飛行機の漫画が出たり、いろいろしているようであります。こういう中で米国の空の自由化に乱気流が起こった。規制が再強化されつつある。アメリカのデトロイト事故で百五十名近い死亡事故を起こした。こういう中で、今航空局長が安全を軽視してまで規制を緩和する気はないと言うけれども、その点について、アメリカの規制再強化の動きについて、日本政府はどう考えているのかということを聞きたいと思っております。
#134
○政府委員(山田隆英君) 確かにアメリカにおきまして、ただいま先生がお話しされましたようなサービスの低下等の問題があるということは承知しております。また、そういう問題が生じておりますので、規制の強化についての動きといいますか、あるいはそういう意見が出ているということも聞いておりますが、具体的な規制強化の動きがあるというふうには私ども承知しておりません。
 それから、そもそも今回私どもが新しい競争促進策を推進するに当たりまして、アメリカ型の全くの自由な競争ということを考えているわけではございませんで、これは午前中にも申し上げましたけれども、日本の国情等から考えますと、安全で安定した良質な輸送サービスの提供という利用者利便の確保の面から見ると、アメリカ型のようなものをとることは好ましくない、適当でない、こういう運政審の答申もございまして、私どもとしては、秩序ある競争といいますか、一定の秩序のもとでの競争というものを今後とも推進することを考えておるわけでございまして、アメリカでとられておりますような自由化をそのまま今回とろうということではございません。その点は御理解を願いたいと存ずる次第でございます。
#135
○青木薪次君 アメリカの自由競争は、運賃の面でそれなりに利用者のニーズにこたえていると思うのであります。しかし、その裏腹として、今も指摘いたしましたように、安全性や快適性が損なわれているのでありまして、この点が大変問題だと思っております。大臣が、日航の完全民営化や競争の強化策が米国のようにならないという担保を示すべきだと私は思います。そうでないと国民は不安で、完全民営化を心から支持するという気持ちになれないという現状だろうと思うのでありますが、御答弁してください。
#136
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先刻来、局長からも御答弁を申し上げておりますように、私どもは、この日本航空が完全に民営化をされるということは、他の航空企業、すなわち全日空あるいは東亜国内航空といった他の航空企業と同じルールのもとでの競争をするということを意味しておると理解をいたしております。
 すなわち、日航法という法律によって特別な助成措置、また特別な規制を加えられている状態から、我が国の他の航空企業と同等の法的な地位において競争をするということを意味しておると考えておりますし、今、局長から御答弁を申し上げましたように、私どもは各航空企業すべてに対して安全という視点からの監督を緩めるつもりはございません。
 また、米国と異なりまして、国土が狭隘であり空港の設備にも限界があります我が国において、新たな路線設定とか増便とかということにつきましても、これはやはり運輸省としてチェックをさせていただくことになろうと思います。そうした点において、今、委員が御心配になりましたような問題は現に他の航空企業の間にも起こっておりませんし、日本航空が完全に民営化されたからといって、委員の御指摘のような状態に陥ることはないと私は信じております。
#137
○青木薪次君 国内線、国際線における旅客輸送量の伸び悩みとか、国内線のダブル化とかトリプル化とか、国際線の競争激化、日米不平等の航空協定の現実、これらを全部相殺いたしましても、完全自由化して十分に対抗できる条件は全くないと私は思うんです。本当に完全民営化が必要なのかどうかの点について慎重に考えるべきではないかと私は思うのでありますが、大臣もこの点はわかっていらっしゃるんじゃないかと思うんですけれども、その点は率直なところを答えてください。
#138
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現に航空政策の変更によりまして、国際線への日本航空以外の進出を認めましてから、我が国の航空企業は他の各国の航空企業と国際線の市場において公平な競争を現に続けております。そして、これらの企業は日本航空とは異なり、法的な助成措置も規制も受けておるものではございません。
 私は、日本航空株式会社法を廃止いたしまして、日本航空が完全に民営化されるということは、我が国の日本航空以外の航空企業と同等の立場に立つということでありますから、それが国際競争場裏において、また国内の航空企業同士の競争の中において、日本航空が特別に不利益をこうむるとか、あるいはその経営に不安を抱かなければならないという性格のものではないとかたく信じております。
#139
○青木薪次君 繰り返してお尋ねいたしますけれども、国鉄改革のときのように、貨物の合理化とか要員合理化、それから債務の処理とか経営組織
の分割等をしないから、完全民営化で一転して収益が上がるということと競争力がつくというようなメリットは私は考えられないと思うんでありますが、大臣と山地社長はどういうようにメリットが出ると考えていらっしゃるか、再度御答弁ください。
#140
○国務大臣(橋本龍太郎君) むしろ、どう御説明をすればいいのかわかりませんが、現に、全日空は、定期航空路線の中で国際線において完全な民間企業として、先ほど来委員が名前を挙げられましたような、各国の企業と競争をしておるわけであります。そして、日本航空とともに、積み取りの率にしましても、その路線における乗客数にいたしましてもふえております。東亜国内航空にいたしましても、たしか十八便でありましたか十九便でありましたか正確な数字をちょっと失念をいたしましたけれども、チャーター便をもって国際線に勝負を挑んでおります。これらの企業は、他の航空企業と同等に、何ら日本航空のような法的な特殊な地位を占め、助成措置を受けておる企業ではございません。そして、それらの企業が現に国際競争の中で健闘しておるわけであります。
 日本航空のみが法的な、特権的な地位を占め、規制ももちろんありますけれども、特別な助成措置を受けて他の航空企業と競争をしなければならない理由は私はないと思います。
#141
○青木薪次君 日本航空の課題は何かということになりますと、中期計画が挙がってくると思うんですね。昭和六十二年の二月十八日に、日本航空は完全民営化後の経営指針となる中期計画を発表いたしました。六十二年度から六十五年度ということでありますが、これによると、完全民営化を前にして、全体の三分の一強を占める政府保有株の売却を円滑に進めるためにも、六十年度から無配に終止符を打つため高収益路線の便数をふやし、機材などを重点配備する一方で、諸経費を節減して六十三年三月期は年六%、六十四年三月期以降は同八%の配当を目指していると思われている。そのために六十五年度の関連事業の総売り上げを現在三千億円を五千億円にして、乗員編成数などを見直すなどの経営強化策を発表いたしておりますね。
 それから中期計画によると、収支計画は航空需要の伸び率を国際線は平均増率五・八%、国内線は八・四%、合計で年間の平均伸び率を六・二%としているんですよ。そして計画最終年度には収益一兆余、経常利益三百八十億円、売上高経常利益率をほぼ四%に掲げるというもので、それぞれの収支計画というものは相当ウナギ登りに登っているのであります。
 そういう点から考えてまいりますと、六十二年度に年六%の配当をするには百二十億円の配当原資が必要だけれども、不足分は航空機などの資産売却や内部留保の取り崩して賄おうとしているんです。収益の伸び率は、六十一年度比で六十二年度五・四%の見込みで、六十三年度以降も対前年比六・九から九・六%の伸び率を確保する一方で、費用は対前年比で六十二年度の五・〇%にとどめて、六十三年度以降も六・一ないし七・九%の伸びにとどめる計画でありますが、この経営基盤強化の柱として厳正な路線運営計画による収益の極大化、それからコスト競争力の強化、事業領域の拡大というようなことを挙げておりまして、またほかに今大臣がいろいろ全日空の例を言われましたけれども、今日の私が申してまいりました外国との関係のいわゆる太平洋路線におけるアメリカとの競争、あるいはまた全日空が三つの地域で国際線に伸びていく、いろんな条件を考慮いたしまして、このことが今大臣の言ったような状態で胸をたたいてやれる状況にあるかどうか、私はそう大臣の言われたことについて一つはこういう数字をもって反駁したいと思うんですが、大臣いかがですか。
#142
○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから、私は以遠権等日米の航空分野において公正を欠く部分があるということは認めております。しかし、それは特殊法人であるか純民間企業であるか、これにはかかわりのないことであります。そしてまた繰り返して申し上げてしかられるかもしれませんけれども、現に国際航空路線に我が国の日本航空以外の企業の進出を認め、それらの企業は何ら特権的な法的地位を持たずして国際競争に既に参入しておるわけであります。日本航空のみに特権的な地位を持たせて海外各社との競争をさせなければならないとは私は考えておりません。
#143
○青木薪次君 大体、今後の無配の状態を配当率六・何%というようなことなどを考えてみましても、あるいはまた六十五年度一兆一千億ですか、一兆余の大体水揚げを確保するというようなことなど大変な意欲的な方針を出しているわけであります。
 それはそのまま結構なことでありますけれども、これが合理化とか効率化を前提としてやらなければならないということは、私は今日の日本航空の考え方からして理の当然じゃないかと思っているんでありますが、日本航空の経営陣の意識の刷新が私はまず第一だと。完全民営化する前に政府の責任で経営陣の意識改革を行うことこそ先決ではないかというように考えているわけであります。労働者に責任を押しつけることだけが私は本来のやり方であってはならない、こう思うのでありますが、大臣と山地社長の御見解を承りたいと思います。
#144
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、経営陣の意識の改革というものがもし現在の役員の全員をかえるというような意味を含んでおりますものならば、その御意見には反対であります。しかし、完全民営化というものに向けて安全の確保あるいは労使関係の改善といった問題について全力を挙げていく、また増収と経費節減に努めて安定的な配当を継続するべく企業基盤の確立を目指していくということをもう一度みずからに言い聞かせてもらうということであるなら、私は大賛成であります。そして現在、既に私は山地社長以下の経営陣は全力を挙げて完全民営化後の日本航空に向けての努力を積み重ねてくれていると思っております。しかし、まだ足りない部分がありますならば、私どもはその意識を改めてもらう努力をすることにやぶさかではございません。しかし、もし委員の御指摘が経営陣の総退陣というようなものを意味するものでありますなら、私はこれには反対であります。
#145
○参考人(山地進君) 先ほど来申し上げましたとおり、特殊法人というものを民営化するということには、いわゆる民間の活力があるという前提があるわけでございます。なぜ民間が活力があるのかと。やはり柔軟に経済の変動に対応しながらその企業が生きていかなければならない、経営者の責任の重さというものがそうさせているんだと私は思います。
 従来私どもの中にややともすれば親方日の丸というような意識があったということは社員一同が反省している点でございまして、私どもとしても民営化ということがいかに厳しいものであるかということは重々承知しております。経営陣皆が意識の刷新をして民営化に向かっていかなければならないという気持ちでおります。
#146
○青木薪次君 例えば今後の経営計画の中にある、運転席へ機長とそれから副機長、それから機関士と三人おった、その三人を今度は機関士を乗務させないで機長と副機長だけにするといったような合理化ですね。私はこの点は非常にやっぱり問題は残ると思うんです。なぜか。一番やっぱり日航の一二三便の関係は、これはだれが考えても圧力隔壁にあると。で、この検査、それからこれに対する対応といいますか、いわゆる部屋の中における気密の関係とかその他の関係等について、はっきりとやっぱり反応があったはずであり、こういうような問題等についてロサンゼルスの会社あるいはまた日本に来ての点検、あるいはまたフライトしてからのいろんな動き、機器の状態、そういうようなものなんかを考えてみたときに、私はこれは点検できたはずじゃないかと思っているんです。そういうようなことなどを考えて、そういうところを合理化して人を減らしていくというような考え方というものが私は間違っているとい
うように考えているんでありまするけれども、山地社長、いかに考えますか。
#147
○参考人(山地進君) 今のお話の圧力隔壁の問題、八一一九号機の事故の原因が圧力隔壁であるというのは事故調査委員会の御指摘のとおりでございますし、これを検査を私どもがしておりましてそれがなぜ発見できなかったのかという点についてもいろいろ御議論のあることは承知しております。
 私どもの会社におきましては、事故以来そういった整備の方の人員というものを十分充実いたしておりますし、また私どもの持っております同型機の747のSRというものについては隅々までよく点検をいたしております。
 それからさらに、事故があった飛行機については長期モニターといいますか、チェックシステムというのを確立いたしておりまして、まあ少しでも故障のあったものについては長期的にモニターという制度もとっておりますので、そういった整備面の問題はないかと思います。
 ただ、先生の御指摘の三名乗っていたコックピットを二人にするという話は、今度はボーイング等が、これはエアバスもあるいはダグラスも同じような考え方で新しい飛行機を今製作しているわけでございますけれども、この航空機というのは747−400という新しい形の飛行機でございまして、この飛行機の中には、コックピットにございますいろんな計器、表示盤をかなり見やすくいたしまして、機関士が従来やっていたような仕事をそういった計器盤によりまして非常にわかりやすくするというような特徴を持った飛行機が今開発されているわけでございます。その開発された飛行機を日本航空が採用するかどうかということで、私どもの会社で一年以来乗員の間で編成会議というのを持ちまして乗員だけで議論をしたわけです。その答申が八月の初句に出まして、その答申を受けて私どもとしては三人で乗務するような飛行機なのか、あるいは二人で大丈夫なのかということについて今社内で検討している次第でございます。
#148
○青木薪次君 私も質問をいろんな角度からしてまいりましたけれども、今、山地社長が言われました、そういったいわゆる運転機械、器具の整備、点検、検査、修繕に至るまで、そういった部分における人を減らしていこうということは、機械、器具を非常に、標識を含めて整備、強化しているから大丈夫だというような関係等について、それだけを絶対的に信頼して人を減らすということについては私はやっぱり問題が残るというように考えております。ですから、もっともっと合理化するならば別の角度があるんじゃないだろうかということも考えておりますので、その点についてはまだ後日でもいいから納得するひとつ説明をしていただきたい。
 要するに、完全民営化して利益が確保でさる可能性よりも不採算、減益に陥る可能性が大きい条件が私は散見されて仕方がない。それは素人の議論だから仕方がないんだということを言えばそれはそれまででありまするけれども、やっぱりこの点については現行体制下での立て直しをまず行うことが選択の第一歩だと、考え方を変えていく。大臣は先回りして現在の役員をやめてもらえばいいじゃないかと、そんなことをだれが言っているかと、ちょっと言い過ぎじゃないかというように考えておりますが、そんなことを言っているんじゃない。ですからそれは大臣らしい答弁じゃない、気をつけてもらいたいというように考えます。少なくとも、そういうことを言っているならいざ知らず、質問もしてないことをあなたが大臣の席から答弁するなんということは不謹慎だというように私は考えます。
 問題は、国の歳入源になるためにだけあって、日航の完全民営化はそのことを中心としてやるんだというような考え方であってはいけないと思うし、それは政府の行革の、中曽根内閣の行革の論理だけでそのことが走っているというように考えておりますが、具体的なもっとサービスその他について問題点を提起すべきだし、それらの点について国民の前にいろんなあらゆる角度で、完全民営化されたならばこういうようにいたしますという処方せんを提示することが今日必要なことではないだろうかというように考えているわけでありまして、これから安全性やサービスの問題その他について同僚議員から詰めてもらいますけれども、やはり日本航空のナショナル・フラッグ・キャリアというような立場というものは、民営化されても私は変わることはないだろうと考えているわけでありまして、その点を一つ提起いたしまして、最後に大臣と山地社長の御見解を承って私の質問を終わります。
#149
○国務大臣(橋本龍太郎君) 言葉の過ぎた点はおわびをいたします。
 日本航空の完全民営化というものは、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、自主的かつ責任のある経営体制というものの確立を図ると同時に、航空企業間の競争の均等化を図るために行うものでございます。ですから、完全民営化後日本航空がどのように改善されるかは一に日本航空自身の努力にかかるものであります。完全民営化を契機として、職員の士気の高揚が図られ、全社一丸となって活力ある会社を築き上げていただくことを期待しております。
#150
○参考人(山地進君) 三十五年間にわたり国から大変な手厚い援助をいただいて本日まで来たわけでございますが、今後とも先生のおっしゃるように、サービス面において落ちるようなことはなく、安全確保を中心にいたしまして、社内一丸となって競争激甚な航空界において生き残るということに努力をしてまいりたいと思います。
#151
○青木薪次君 終わります。
#152
○中野明君 今回の日航法廃止に関連しまして気になる問題を、多少ダブるところがあるかもしれませんが、お尋ねをしてまいりたいと思います。
 まず最初に、けさほど来議論がありました会長さんの問題でございますが、運輸大臣として会長職、民営化になった後の会長職というものはやはり必要とお考えになっておるんでしょうか、現在は空席になっておるんですが。国鉄も民営六分割にされたわけですが、会長職のあるところも、大半はあるんですけれども、ないところもあります。それから、NTTもこれは会長職はありません。あれだけの膨大な企業ですけれども会長職もないということで、十分やっているんですが、過去の経緯もありましょうが、運輸大臣としてどういう御見解をお持ちになっているのか、お答えをいただをたいと思います。
#153
○国務大臣(橋本龍太郎君) 日本航空の場合、過去会長さんが置かれていた期間の方が私はずっと長いと思うのでありますけれども、現に会長不在であることは事実であります。
 ただ、これはもう事務方の諸君との打ち合わせではなく、私個人の考え方として申し上げたいと存じますけれども、私自身としては、日本航空にいわば一歩高い立場から世界的な経済社会情勢の推移の中で指導されあるいは助言を与えられるような会長さんがおられることは望ましいことだと考えておりますし、現在その任にふさわしい方を探し続けておることも事実であります。しかし同時に、会社というものの組織が、委員御承知のとおりに、社長さんを中心にして全員が一致協力をして運営されていかれる体制でありますし、たまたま前会長時代に会長さんに権限を相当集中された、いわばトップダウン方式のような経営形態をおとりになっておられたわけでありますが、現在その体制はまた変わったわけですね。株主総会の例えば議長さんが会長さんでありましたりといったことは社長さんに直されたというようなことで、現実の会社運営上の支障はございません。ただ、将来を考えましても、私は本当にいい方がありましたなら、会長さんはおられた方がいいと考えております。
#154
○中野明君 これは民営化後会社の新しい役員の方でお決めになることだろうと思いますが、一応大臣のお考えはわかりました。
 それで、これまた重複しているようですが、大蔵省来ていただいておりますので、最初に株の売
卸の問題で大蔵省にお尋ねをいたします。
 これはNTTの民営化の審議のときに、私も随分とその問題について考えたんですけれども、あのときは初めての株を市場に売却するということで、いわゆる社員持ち株制とかあるいは加入者に一株ずつ渡したらどうかとか、そういうようなところに議論が集中して、株の売却益ということについて最終の段階で、いわゆる電気通信の基金をつくって、電気通信の基礎研究に使えということで相当議論をした記憶があります。
 しかしながら、結論としては、国債整理基金に入っていくということで終わったわけなんです。しかし、今日になりますと、予想以上に高く売れて、そしてその当時の政府答弁とは違った形で、今回無利子で公共事業に、内需拡大に資するということで随分政府の考え方も変わってきたなというふうに私は受け取っているわけです。
 けさほど来青木先生の御議論の中にもありましたように、これはどう考えてみても、政府が予算に計上している額よりもずっと高く売れることは常識だろうと私は思います。
 そこで、この高く売れた場合、予定価格以上に処分できた場合の手続と、そしてこの配分といいますか使途といいますか、それは一体どういうふうになるのでしょうか。
#155
○説明員(武藤敏郎君) 日航株が予算で積算している以上に高く売れた場合どうなるのかというお尋ねでございますけれども、現段階ではまだこれから処分ということでございますので、確かに現在の株式市場におきます価格は、当初の予定よりも高くなっておるわけですが、果たしてどういう形でこれが実現するかということにつきましては、全く未知数でございます。特に株価のような変動の激しい価格の将来の値段を想定して物を言うというのはなかなか難しいわけでございます。
 ただ、仮に高く売れた場合にどういう手続になるかということでございますれば、今回の日航株の処分につきまして、当初これは一般財源として使うと。といいますのは、これは国民共有の国有財産でございますので、ひもつき的に一定の歳出に充てるというような考え方をとるのはふさわしくないということで、まず一般会計の税外収入として扱うということでございます。したがいまして、そういう意味におきましては、仮に高く売れれば、税外収入の例えばその他の手数料とか、あるいは日銀納付金とかいうものが予算以上に収入が多くなるということが間々あるわけでございますけれども、それと同じように扱われるということであろうかと思っております。
#156
○中野明君 そうすると、今の答弁は、高く売れても自動的に一般会計に入っちゃう、そういうことですね。それは私は異論があります。
 これは青木先生もおっしゃっておりましたように、一応百歩譲っても予算に計上されたのは、これはこのままである程度不満足ですけれども理解できますが、それよりも高く売れた分は、やはり日本航空の株式の売却なんですから、国民の皆さん方も先ほど来話が出ております、いわゆる地方の空港の整備とかそういうところに、運輸関係の基礎的なところに使えるようなそういう考え方を持つべきだ、私はこう思います。
 それで、NTTのときも、大臣ね、後で私たちもしまったと思ったんですが、あのときは四法にしておけばよかった。電電三法だったんですよ。四法にしておいてセットにして、そして基金法というものを一緒にしないと通さぬというぐらい頑張ればよかったなと今になって私反省をしているんですけれども、今回もやはり常識的に考えて高く売れることは間違いありません、それは株のことですからとおっしゃっていますけれども。ですから、これはぜひ大臣の方も強力にその点については主張していただいて、そして大蔵省もそんな通り一遍の考え方じゃなしに、電電のときだって変わってきたんですから。予定より高く売れて、それで結局変わってきて、初めはもうかたくなに言いよったんですけれども、結局無利子で公共事業にする、それを運輸省の方も要求せなきゃならぬというようなそういう立場に今立っているわけですから、そういう考え方を捨てて、それは国民も納得すると思います。今の道路とかそういう建設よりも、空港の整備とかその地域の問題については運輸関係は非常におくれております。だから、そういう点でぜひこれは心にとめておいていただきたい。そして大臣にも強くこれは要望をいたしておきます。何かこう予算にはちょっと出しておいて、そして関西空港へこれだけ渡しますと、あとは一般会計へ入れますと、それで低い金額にしておいて、そして高く売れたら、いやもう自動的に一般会計ですと。困るんです。そういう考え方でおられてはいけない。あなたの答弁にもありましたように、国民の共有財産だということです。大蔵省の財産じゃないわけです。大蔵省は管理をしているというだけのことでしょうから、やはり国会での私どもの意見というものは十分にしんしゃくをし、そして対応をしてもらいたい。これは運輸大臣にもぜひその点は強く要望をいたしておきますので、大臣、一言お答えいただきたいと思います。
#157
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どももそのNTTの売却益を使わせていただくわけでありまして、この日本航空の株式が放出されます際に、我々もできるだけこれが高く売却され、財源として有利に活用できる態勢であることは一番望ましいことであります。それから、その売却益が大きければ大きいほどこの一般会計に繰り入れられる額もふえるわけであります。運輸省予算として一般会計で要求しておるものもたくさんあるわけでありまして、できるだけその――大蔵省がピンはねをしたと言っちゃいけませんな、そういう予定より高くお稼ぎになったやつ以上に運輸省としては一般会計の予算をちょうだいしたい、そう思っております。
#158
○説明員(武藤敏郎君) ただいまのお尋ねの中でNTT株との関連がございまして、ちょっと先ほど答弁を漏らしましたけれども、NTT株につきましては御承知のとおり国債償還に充てると。ところが、高く売れたために当面国債償還に必要な額以上の余裕金が生じたと、これはあくまでも国債償還に充てるという約束で国債整理基金に属した株でございますので、将来は必ず国債の償還に充てるということになっておるわけでございます。ただ、当面余裕金が生ずるのでその余裕金を活用いたしまして国民の共有の資産を形成するという意味で公共投資に向けるということでございますので、まず、NTT株の売却益は国民共通の負債である国債の償還に充てる、そういう制度が確立されたその上で余裕金をどうするか、こういうことから考え、そして今日の制度をお願いしておるわけでございます。
 それで、一方日航株の場合におきましては、そういうことではなしに、とにかく基本的には一般会計の一般財源として扱うと。それで、一方で当然空港整備等の必要性といいましょうか、財源の必要性というものはこれは十分に認められるわけでございまして、私どもも六十二年度予算におきましては、これは日航株の売却益というようなことを離れまして、さらに一般財源を投入するあるいは財投のお金を投入するというような形で空港整備につきましては特別の配慮をしたつもりでございます。
 特に関西空港につきましては政府が出資を約束したということでございまして、一方産投特会に所属するこの日航株というものは産投特会としてまさに出資するにふさわしいというようなことがありまして、いわば臨時異例の措置として六百二十二億の前倒し出資をさしていただいたといったようなことがございまして、空港整備の必要性ということは当然これは一般会計予算のあり方として、あるいは空港整備特別会計予算のあり方として検討をするわけでございますが、日航株の売却益を即一定の歳出に結びつけるというような考え方はいかがかというふうに思っておるわけでございます。
#159
○中野明君 国債整理基金、NTT株の問題についてはここで議論する場所ではありませんのでこれ以上言いませんけれども、あれも結局国債に返
還するんならば全部すればいいんですよ。余裕金って、余裕なんかないんですから。だから、自分ところの都合でそういうふうにやっているだけのことでして、国債は早く払ったほどいいに決まっているんですから、それを苦肉の策としてやられている。今の御答弁でも何か異例の措置として関西空港にもういやだけれども出資するような話が出ているんですけれども。何かその辺の考え方が、じゃお金に色がついていないんですから、それは一般会計へ入れてそれ以上のものを大臣がさっき言っているように運輸の予算にそれ以上の上積みがあるというんならそれも一つの方法でしょう。だけれども、考え方としてやはりそういう考え方も大蔵省としては国会の中での議論を、衆参あわせて出ていると思いますが、参考にしながらやっていただきたいなと。何かこう自分のところの都合、財政当局の都合であるときはこうします、あるときはこうします、国会でおっしゃっていたことを状況が変わってきたら勝手にそっちの都合で変えているような気がしていかぬのです。そういう点を私は申し上げたいということですので、趣旨がわかっていただいたら結構だと思っております。
 忙しい中、他の委員会に出ておられるのに来ていただいてありがとうございました。株のことはその程度で終わらしてもらいます。
 それじゃ、本題に戻ります。
 日航が過去五回ほど日航法が改正されてそれぞれ規制の強化あるいは緩和という措置が講じられてきたやに思います。特に五十六年の改正は相当に規制を緩和したものと説明をされているわけですが、それらを踏まえて今回完全民営化に踏み切る、この理由として自主的責任ある経営体制の確立が現行法ではやっぱり達成できないんじゃないかという判断が働いているんじゃないかと思うんですが、これはそのとおりに受け取ってよろしいんでしょうか。
#160
○国務大臣(橋本龍太郎君) 実は私は、今、委員が御指摘になりましたその前の改正の経緯というものについてはつまびらかにいたしておりません。むしろ、その当時私は行政改革の方の立場から役員数の増減でありますとかそうした立場でその日航法というものを眺めておりました。ただ、今回この日航法の廃止に踏み切り、完全民営化という方向を打ち出しましたのは、昨年の審議会答申を受けまして、日本の航空政策というものを大きく変更していった中におきまして当然たどるべきコースの延長線上のものと私は感じております。
 御承知のような現在の航空事情の中で日本の航空企業というものが日本航空も含めて十分ひとり歩きできる状態になり、しかもその中で国際線にも複数社が進出をする、国内線におきましてもそれだけの需要のありますところについてはダブルトラック、トリプルトラックといった方向に向いてきた、そういう状況になってまいりますと、日本航空のみが法律の対象として助成措置においても、また監督、規制の面におきましても特殊な地位を占めるということでは公平な競争が成立しないわけであります。そうした中から今回御審議をいただきますように、完全民営化というものを目指し、他の航空企業と同等の法的立場においての競争を行わしめることが国民の利益の向上にもつながると判断をして現に御審議をいただくようになりました。
#161
○中野明君 私も、民営化には我が党としても賛成で骨ございます。
 ただ、それにつきまして、けさほどの大臣の答弁では、日航自体の意思として完全民営化を求める声が強くまとまってきたということでございますので、当事者である日航の山地社長にお伺いをするんですが、何でもかんでも民営化になったからいいという面が多いとそれは思いますよ。思いますけれども、まず先発のNTT、あるいは国鉄はまだ最近ですから何でしょうけれども、そういうところのいわゆる民営化に先行しているところの経営者といいますか、そういう人たちと民営化後の困ったことといいますか、そんなことをお話し合いなさったことはございますか。
#162
○参考人(山地進君) お会いすることはあるんですけれども、民営化して困ったことというようなお話し合いをしたことはございません。
#163
○中野明君 なかなかそういう話は難しいでしょうけれども、運輸大臣私はこう感じているんです。
 NTTが民営化になって一切国会から手が離れた、電電公社はとにかく参考人じゃなしにもうストレートで国会へ来ておったですからね。民営化になったことはありがたいし、結構なんだけれども、民営化というのは経営を主体的にやれて、いわゆる干渉が少なくなることですね。
 ところが、民営化になってから逆に郵政省の干渉が強くなった。国会でやっておったことも含めて郵政省が縦のものを横にするんでもくちばしを入れてくるということで、現場では非常に不満を感じている向きもあるんです。例えて言えば、料金を下げようと思ってもなかなか許してくれないとか、そういうことで極端なことを言う人はこれは前のままでよかったんじゃないかというような、それはちょっと極端な話なんですけれども、それぐらい頭にきている人もおるんです。
 これは大臣は運輸省の最高責任者ですから、その点について、せっかく民営化になっても、いわゆる今までの監督は当然せなきゃなりませんでしょうけれども、民営化というのは自由になってもう何にも物言わぬ、勝手にせいというのがこれ一番力が出るんです。だけれども、あれしちゃいかぬこれしちゃいかぬというふうにかえって規制が厳しくなって活力が失われるということがあってはいけませんので、ぜひこの点は、これは大臣はよくお考えいただいている方ですから間違いないと思いますが、今後、民営化になった、完全に我々の方としてももう他の航空会社と同じという感覚でいくわけですから、そうすると国会でやっておった、心配して注文をつけておったことまで運輸省がそれに取ってかわって、結局がんじがらめになるというようなことになったらせっかくの民営化の意味が薄れますので、ぜひその点は、生意気な言い方をするようですけれども、一番の活力が出るのはそれこそもう思い切り干渉せぬから勝手にやりなさいと言うのが一番力が出るんじゃないかと私は思っているんですが、そうはいかないでしょうから、規制の方、監督の方をそういう点を考えてお願いしたいな、こういう感じがしておるんですが、大臣いかがでしょうか。
#164
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はNTTの場合と日本航空の完全民営化との間には質的な相違があると考えております。NTTの場合には公社形態から特殊会社に変わった、いわば特殊法人になった、しかも完全な独占企業体系でありましたところに、今新規の参入業者が対等競争ができるようにまあ郵政省とすれば育成をしているという状況があると思います。となりますと、今まで完全な全国一社体制での独占的な経営をしておられたものが、その持っている力をそのままにフルに発揮をしました場合には、到底新規参入業者というものは成立し得ないと思います。そうした点から私は、さまざまな行政措置というものがあるいは行われているのかな、最近の状況を存じませんので、今御質問を伺いながらそのような印象を持ちました。
 ただ、日本航空株式会社は現在が特殊会社、特殊法人であります。これが完全に民営化されるわけでありますから、いわば国内における他の航空企業と全く同等の地位になるということであります。
 先ほど青木委員にもお答え申しましたように、私どもはしかしそうだからといって安全という面につきましては、これからも他社に対しても、また日本航空に対しても厳しく監督を行うことになろうと存じますけれども、そうした特定の分野、いわば航空企業全体に対しての監督というものと、日本航空のみを対象とした措置とは全く別のものであり、今後は日本航空のみを対象とした助成措置もまた規制もあり得ないということだけは申し上げられると思います。
#165
○中野明君 私申し上げたのは、大臣のおっしゃることはそのとおりだと思うんですが、電電のときに、大臣の心配しておられるように巨象とアリのけんかになっちゃいかぬということで附帯決議を相当厳しくつけたんです。それを逆手にとられているところがあるものですから、だからそういう点であえて私申し上げただけでございまして、どうかその点はお含みをいただきたいと思います。
 そこで、けさほど来議論がありますように、航空機の安全体制、これを確立するとともに、民営化後の経営体質を抜本的に改革するためには何としても労使一体となって真剣な取り組みがなければこれはもうどうもなりません。その点で日本航空として、まず六十一年度の営業収支と、特に国際、国内線、ことの収支状況、最近の円高の影響等あわせて簡単に説明をしていただきたい。
#166
○政府委員(山田隆英君) 日本航空の最近の収支状況でございますが、六十一年度におきます日本航空の収入は、営業収入が七千七百九十一億円でございます。それから、それに対しまして営業費用の方が七千五百三億円、それから営業損益といたしましては二百八十七億円でございまして、それに経常損益は三十七億円でございます。これを六十年度と対比してみますと、営業収入では対前年比で五%の減になっておりますが、同時に営業費用も対前年度比で七%減になりまして、営業損益はネットでもってこれは九十五億円ふえております。また、経常損益は五十三億円ふえております。
 営業収入が減ったということの中には、国際線を日本航空がやっておりまして、外貨での収入というものは最近の円高によって円建てでは目減りをしておるわけでございます。これを国際線と国内線の対比で見てまいりますと、国際線では営業収入が六十一年度六千五十五億円で、対前年比マイナス七%になっておりますのに対して、国内線の方は営業収入がこれは千七百三十五億円ということで、対前年比で一%増加しております。他方、営業費用の方も、最初に申し上げましたように、対前年比で下がっておりますが、これはやはり燃油費等につきまして、原油の値下がりあるいは円高の進行等に伴いまして前年度に比べまして減少が見られるということの結果でございます。
#167
○中野明君 それで、航空局長、説明してもらいたいんですけれども、今六十一年度のことを教えていただいたんですが、「我が国主要航空企業三社の経営成績の推移」という資料をいただいているんですが、六十年度で見てみますと、日本航空、全日空、東亜国内、主要三社の営業収入で見ますと、日本航空が六十年度で八千二百四十億円、経常利益がマイナス十六億。全日空が六十年度で、営業収入は四千六百四十九億、経常利益は九十五億、プラスですね。東亜国内が営業収益一千四百九十三億で、経常利益一億。こういう資料をいただいて、私おっとこう見たときに、日本航空は営業収入は非常に多いんだけれども、経常利益がそれに比して赤字になっている。全日空はその半分しか営業収入がないんですけれども、九十五億の黒字になっている。この間はちょっと非常に効率が悪いと言ったら語弊があるんですけれども、非常に、どうしてこんなに収入があって利益が少ないんだろう。赤字になるんだろう。片方はその半分しか売り上げがないのに、収入がないのに、百億から近い黒字になっているんだろう。この辺はどういうふうに理解をしたらよろしいでしょう。
#168
○政府委員(山田隆英君) ただいま先生お話ございました六十年度におきます三社の経常損益はおっしゃるとおりでございます。
 ただ、経常損益と申しますのは、必ずしも企業の営業収入に対応したものというふうにはならないというふうに考えております。これは、日本航空の場合、国際線が主体でございまして、路線構成が異なること、あるいは各社によりまして機材の減価償却期間等も異なっております。例えば日本航空の場合ですと十年償却をやっておりますが、東亜国内の場合ですと十五年で償却をしております。
 こういうこと等がございますので、経常利益の比較というのは一概にはできないかと存じますけれども、ただ六十年度の経常損益を考えました場合、やはり一番大きな要因は、六十年の八月に日本航空の一二二便の事故が起こった、その事故後やはり収入の落ち込みというのは日本航空が一番大きいということでございまして、六十年度このような経常損益に差ができたということは事故による影響が主な要因ではなかろうかというふうに考えております。
#169
○中野明君 今ちょっと答弁にありましたが、国際線もやはり影響があるんですかね。
#170
○政府委員(山田隆英君) 六十年度の国際線につきましては、事故の影響はほとんどなかったように理解しておりますけれども、したがいまして、ただいま申し上げた経常損益の大きな差は国内線によ各三社間の違いだというふうに御承知願いたいと存じます。
#171
○中野明君 いえ、そうじゃなしに、先ほどの答弁の前半で、この営業収入と経常利益との関連性という意味でおっしゃったんですが、そのときにJALが国際線を多く持っていると、その関係もあるんじゃないかという意味の答弁だったと思うんですけれども、それはどうでしょうか。
#172
○政府委員(山田隆英君) これは一般的に申し上げまして、国際線の比率が多いかどうかによって同じ規模であっても経常損益に差が出てくることがあるであろうということで申し上げたわけでございまして、特に必ずしも六十年度の場合において国際線を主体として運営しているということによるものではないということでございます。
#173
○中野明君 わかりました。
 それじゃ日本航空にお尋ねをしますが、この六十年墜落事故後の安全対策の概要、運輸省の特別監査、業務改善勧告等がありまして、社内体制、特に整備部門というものがどのように変革をされたのかお答えいただきたいと思います。
#174
○参考人(十時覚君) お答え申し上げます。
 事故後の安全対策につきましては、直接の事故原因、それからそれにかかわりますいろいろな関連事項、運輸大臣の方からいただきました勧告、そういうものを踏まえましてあらゆる面の見直しを実施してまいりました。すなわちハード面で申し上げますと、機材の総点検、これはSR、LRすべてでございます。それから機材の品質向上のための整備の強化、改修の促進。これはSRの例えば特別検査プログラムを強化するとか、747の整備の要目を強化するとかというものもございますし、信頼性向上のための設計改善なども行ってきております。それから設備の増強。これは格納庫の増設などを含めまして設備の増強も行ってまいっております。こういうハード面のほかに、組織の改善。これは技術総本部というものを設けまして運航、整備、そういうものを一体化いたしましたし、技術研究所の新設をいたしております。さらには米州に技術品質保証部というものを新設いたしました。社内に航空安全推進委員会及び事務局を新設しましたなどの組織の改善を行っております。それから運航の総点検というものも行っております。人員の増強。これは採用を再開もいたしましたし、出向者の受け入れも行っております。次には、機付整備士制度の導入、さらに品質保証体制の強化といたしまして領収検査体制の強化、技術部門の強化、それから整備の検査体制の強化、品質審査体制の強化、故障情報システムの強化というふうな品質保証体制の強化を行ってまいりました。そういう組織、運用面、ソフト面も全部見直しいたしまして強化拡充を行っております。
 以上であります。
#175
○中野明君 後ほどまたこの問題に再度触れたいと思いますが、次の問題としては、日本航空は本年の二月に六十二年から六十五年度を計画期間とする中期計画を策定されました。そして公表されたわけですが、ちょっとこれ中間報告ですから具体性に欠ける面など批判が出ておりますけれども、最大の課題は何としても六十五年度に経常損益で三百八十億円の黒字確保を達成する、これが
ための経営の努力ということに目標があるように思われますが、これは労使間の話し合いというのはどういうふうに行っていかれるのか、この基本的な考え方を伺います。
#176
○参考人(山地進君) 今回の中期計画については、いろいろ内容が抽象的であるというような御批判を賜ったわけでございますが、私どもといたしましては路線の構造なりあるいは機材の調達なりというようなことを中心にして計画を立て、それに基づいて収支計画を考え、そのための手段というものを羅列してあるわけでございます。これらの問題を推進していくためには今御指摘のように労使間の話し合いというのが非常に重要になってまいります。そこで数字をそういったところに、例えば何人合理化するとかいうようなことが一時新聞にも出ましたけれども、私どもとしてそれを出さなかったのは、今後そういうものについては年次計画において十分労使間で話し合いをして理解を得ながら進めるというのが現実的であるという考え方でそういった数字が入ってないわけでございまして、ということで我々としては六十二年度は六十二年度、六十三年度は六十三年度というようなことで労使間の話し合いを重ねながら現実的な効率化計画というものを実施していきたいと、かように考えているわけでございます。
#177
○中野明君 ただいま説明の中にありましたように、この中期計画のやっぱり成否を左右するのはボーイング747−400と言われるいわゆるダッシュ400の導入問題だろうと私も思いますが、これは非常に機能のいい航空機で運航乗務員の二人体制を可能にした、このように言われている飛行機のようですが、しかし二人乗務ということになると安全性とか航空機関士の配置転換、これが必要となるなど解決すべき課題が大変多く内在をしております。このダッシュ400の導入による経費の節減、燃費と人件費ですね、これはどれぐらいになるものか。そして乗員組合が反対をしていると言われておりますが、この配置転換が非常に困難だという理由もありますが、これらの解決方法をどう考えておられるのか、この二点お尋ねをいたしたいと思います。
#178
○参考人(山地進君) このダッシュ400という飛行機は非常に新しい設計の概念といいますか、そういう設計思想に基づいてつくられた飛行機でございまして、従来747という飛行機を母体にしているわけでございますけれども、それの操縦機能については今二人乗りの767、同じボーイングの会社のやつがございますけれども、それの操縦席のいろいろ計器盤といいますか、操縦のための必要な情報の装置があるわけでございますが、それをボーイング747に入れたという飛行機でございます。
 その747の飛行機によりますとキャプテンと副操縦士と二人いれば機関士は要らないというのが会社側の話でございます。そこで機関士の要らなくなった分については、操縦席にあるいろいろの計器、コンピューターがいろいろ計算いたしまして表示を明るくわかりやすく出す、それから適切なときに出す、こういうような仕組みになっているわけでございますが、こういったことで従来おりました機関士というものは要らなくて、三人じゃなくて二人で運転が可能である、こういうふうな飛行機で、世界の各航空会社が既に相当の発注をしているわけでございます。
 そこで日本航空におきましては、一年前から乗員だけ、乗員と申しますのは、機長がおりますね、キャプテン、キャプテンの組合がございまして、それから副操縦士の組合、それから機関士の管理職の人たちの組合、この三つの組合のそれぞれから、全部これは乗員というカテゴリーに入るわけですが、それぞれからメンバーを出してもらい、それから日本航空の乗員の管理をやっております運航本部というのがございますが、そこの乗員だけ、これも大体キャプテンでございますが、キャプテンの資格のある人たちだけで乗員編成会議というのをつくったわけです。それで乗員だけでこの編成問題というものを議論しようということで一年がかりで大変広範な問題を検討されて、八月の上旬に私どもの経営の方に答申を出してきたわけです。その出された結果によりますと、三人じゃなければだめだという見解と、二人で安全は守れるという見解が両論併記、大部分のところにおいて両論併記されているわけでございまして、それぞれについて、私どもとしては経営側のサイドとしてこの飛行機を二人で乗務させるのがいいのか三人で乗務させるのがいいのかという点についてただいま検討をしているわけでございます。
 したがって、この飛行機の発注ということがまず行われなきゃならないわけでございますが、それを経営が決断をいたしましてその飛行機を発注する、発注すると今度は各組合といろいろと話し合いというものが行われるということになるわけでございまして、私どもとしては、先生のおっしゃるように新機種の導入ということは航空会社にとって大変重要な問題でございますので、幅広い議論をしながら理解を求めつつ新しい航空機の導入に当たりたい、かように考えております。
#179
○中野明君 よく話し合いをしていただいて混乱のないようにしてもらいたいと思います。
 それで、次の問題としてはこの日本航空の関連事業の展開についてお尋ねをしたいわけですが、日本航空の監査報告ですか、これなんかを見せてもらいましても、先ほど来話が出ておりますように大変親方日の丸的なところがあったんじゃなかろうかという感じを私受けておるんですが、関連事業の状況についてまず説明をしていただいて、完全民営化後の事業展開の方針をお尋ねしたいんです。
#180
○参考人(山地進君) 先ほど先生の御質問にございました中期計画に関連事業に関する私どもの基本的な考え方というのが出ておるわけでございます。ちょっと読ませていただきますと「事業領域の拡大」ということで、「市場環境変化に対応し、安定的経営を行ない成長していく為には、航空輸送事業分野に留まらず複数の異なる業種への事業展開を図る必要がある。ついては、民営化を契機として、航空輸送事業を主体としつつも従来にも増して事業領域の拡大、及び、多角化を行ない、日航グループとしての成長発展を目指す。主たる事業分野としては、リゾート開発・流通ならびに文化・教育事業を含めた広義の総合生活文化産業とする。このため、中期期間中、直接投資額各年四十億円程度とし、最終年度には関連事業総売上高五千億円、経常利益二百億円の達成を目標とする。」、現在、私どもの関連事業は、私どもの総売り上げが八千億ぐらいに対して三千億ぐらいでございますけれども、これを五千億ぐらいに上げていきたい、かように考えているわけでございます。
#181
○中野明君 この日航の監査報告は資料としていただいているんですが、日航開発、JDCですか、これの状況が非常に、どう言ったらいいんですか、倒産寸前じゃないかというような報告になっているんですが、この状況をもう少し詳しく説明していただけますか。
#182
○参考人(山地進君) 御指摘の私どもの監査役が出しました報告書でございますけれども、日本航空開発という会社が世界的にホテルを所有あるいは賃貸いたしまして、チェーンをつくっておるわけでございますが、監査報告で御指摘になられたのは、その中のニューヨークのホテルあるいはサンフランシスコ、シカゴ、香港、ニューヨークについては既に日航開発が営業しているわけでございますけれども、その他はこれからできてくる会社でございまして、それらの収支予測をされて、約千億ぐらいの赤字でございましたか、そういったようなことが出るんじゃないかというようなことを指摘されているわけでございます。日本航空開発自体は過去の累積債務を解消したりして最近は経営を持ち直しているわけでございますが、それの子会社というような形でニューヨークのホテル等があるわけでございます。
 私どもの基本的な考え方としては、ホテルと航空輸送業というのは非常に相補い合う関係であるという考え方から、ホテル事業を関連事業の中枢に据えているわけでございます。これは例えばユナイテッドエアラインがヒルトンのホテルを全部
買いまして、現在の日本の新聞に広告を出しておるのは、ユナイテッドエアラインに乗った人は、ニューヨークでもどこでもヒルトンのホテルについては一泊はただであるとか、そういったような広告を出しているのをごらんになってもわかりますように、ホテル業というのと航空業というのは密接不可分な関係があるわけでございまして、私どもとしてもホテル業はそういう意味で大事にしていきたいと思っているわけでございますが、御指摘の監査役の報告というものについては、今後相当の赤字が見込まれる、相当の借入額があって債務超過になるんじゃないか、こういうような御指摘があるわけでございまして、これは私どもの昨年ロンドンにおけるホテルの問題を議論したときに問題がありということで、監査役に日本航空開発の状況を監査を特別に依頼をしたことに対して私ども経営陣に出してきた意見でございまして、私どもとしては公表するようなつもりでもございませんし、内部の資料というふうに考えているわけでございます。ただ内部の資料であっても、私どもとしては大変重要な指摘があるということは間違いないわけでございますので、現在、個々のホテルの問題をどう解決したらいいのかという観点から、エセックスについてはどういう対処をしたらいいのか、それからサンフランシスコ、シカゴ、あるいは香港についてはどういうふうな考え方で臨んだらいいのかということを研究しているわけでございます。
 それから、トータルに日航開発についてどう考えたらいいのかということについては、ほぼ日航開発のホテルチェーンはつくり終わっているということから、今後は日航開発は受託をしながら経営していくと。それから、必要なホテル、例えば私どもも現在ホノルルにホテルをつくっておりますし、あるいはグアムにもありますし、それからインドネシアの方にも日本航空としてリゾートとしてのホテルを建設しつつございますけれども、そういうものは日航開発に受託をして経営させるというようなことで運営をしていくべきだろうということで、日航開発の持っているホテルの個々の問題について検討を深めつつあるということでございます。
#183
○中野明君 民営になったらますますやっぱり経営基盤を確立していくために、今おっしゃっているように、ホテル経営なんかはやはり航空会社として当然どこもやっていることですし、結構なんですけれども、この監査報告なんかをちょっと見せてもらいますと、JDC、これいわゆる日航開発ですか、これの「経営破綻は、その規模からいっても、単に一子会社の問題にとどまらず親会社の大きな負担となり、その経営にも重大な影響を及ぼすおそれが多分にある」、こういうようなことが伝えられているわけなんです。ですから、そういう点、何でもかんでも採算を度外視してやってきたような感じを私、やっぱりこれ親方日の丸の体質がこういうところにもあったんかなという感じを受けるわけなんですが、今回の完全民営化を契機にして、このようなうわさなり風聞、そういうことが外へ出てくるようなことのないような経営の確立、毅然としたやっぱり経営方針というものを確立する必要があると思います。
 同時に、社内体制を、これやはりそういう面では完全民営化になるわけですから、一新する必要がある。一新というんですか、変革をする必要があるんじゃないだろうか。何でもこの報告だけを見ますと、大変な投資したところの日航開発というのはいいかげんな会社じゃなかったかなというふうな印象を私受けてならないんです。そういう点で、もう一度社長の方から民営化後のこういう関連企業に対する方針、これを明らかにしていただきたいと思います。
#184
○参考人(山地進君) 確かにJDCの今回の問題につきましては、必要なホテルであっても建設のスピードが速過ぎた、あるいは資金計画上やっぱり自己資本が足りなかったとか、いろんな問題があったことは事実でございます。
 私どもとしては、今、先生の御懸念になられました日本航空の本体に影響のないように、この問題については十分検討して解決してまいりたい、かように考えております。
#185
○中野明君 それでは、航空安全体制の問題に移りたいと思いますが、何といってもこれ航空企業にとって安全体制の確立ということはもう基本でありますが、今回、日航機墜落事故の調査が終わりまして、運輸省航空事故調査委員会から最終報告がなされて、勧告、建議、こういうことがなされているわけです。概略、調査委員会の方からその趣旨を説明していただきたいと思います。
#186
○説明員(藤冨久司君) 航空事故調査委員会は、去る六月十九日に日航機JA八一一九についての航空事故調査報告書を運輸大臣に提出し、公表いたしました。この報告書は非常に膨大でございますので、結論部分を中心に簡単に御説明いたしたいと存じます。
 報告書によりますと、今回の事故は非常に広範な事象が関与しているものでありましたが、それらを調査いたしました結果、この事故は事故機の後部圧力隔壁で進展しておりました疲労亀裂によってこの隔壁の強度が低下いたしまして、飛行中の客室与圧に耐えられなくなったためにまず隔壁が損壊し、それに引き続きまして垂直尾翼を含みます尾部胴体構造、さらには操縦系統の損壊が生じ、飛行性の低下と主操縦機能の喪失を来したために生じたものと推定いたしております。
 また、この後部圧力隔壁におきます疲労亀裂の発生、進展は、昭和五十三年に行われました後部圧力隔壁の不適切な修理に起因しておりまして、それが隔壁の損壊に至りますまでに進展したことには、亀裂が点検整備で発見されなかったことも関与しているものと推定いたしております。
 次に、本事故に関連いたしまして、運輸大臣に対し行われました勧告及び建議についてでありますが、委員会は、同種の事故の再発防止に資するという観点から航空機の耐空性確保に関する勧告を行い、また将来の航空安全の向上、
   〔委員長退席、理事安恒良一君着席〕
航空事故防止に資するという観点から、緊急、異常時における乗組員の対応能力を高めるための方策と、目視点検による亀裂の発見に関し検討することについて建議を行ったものでございます。
#187
○中野明君 そこで、監督官庁の運輸省と、当事者としての日本航空の今の報告並びに勧告について意見をお伺いしたいと思います。
#188
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は運輸大臣として運輸行政の最重点事項というものは安全の確保ということに尽きると考えておりまして、常日ごろそのための万全の対策を各方面にお願いを申し上げております。
 先般提出されました報告書によりますと、本件事故は修理作業の誤りが起因となって発生したとされておるわけでありますけれども、通常では考えられない原因であのような不幸な事故が発生をしたということを本当に残念に思います。提出されました報告書により明らかにされました各種の問題点に対しまして、的確な対応を図りながら、二度と同じ過ちを繰り返すことのないように最大限の努力を尽くすことが私どもの責務だと考えております。
 この修理に当たりましたボーイング社、日本航空、そして運輸省、この修理につきましての検査にも三段階があったわけであります。そして、だれがよかった、悪かったということではなしに、現実に本当に自分のところで修理計画を立て、そして、しかもそれを途中で変更し、その変更したものをまた偽って修繕をしてというような本当に考えられない話であります。どこに問題があったにせよ、あれだけ多くの人命が失われたという事実を変えることはできないわけでありまして、私どもとしては、二度と同じ過ちを繰り返さないように最善を尽くしてまいりたい、そのように考えております。
#189
○参考人(山地進君) かけがえのない人命をお預かりする航空会社の者といたしまして、本報告書の指摘を厳粛に受けとめ、二度とこのような事故を起こさない、こういう決意を新たにしております。
 私どもの会社におきましては、機体の総点検を初めとして、運輸大臣から御指摘をいただきました改善勧告を踏まえ、事故直後から、先ほど十時常務から御説明をいたしましたような考えられる限りの対策を逐次実施してまいりました。今後はこの報告書を十分に検討いたしまして、運輸省御当局の御指導も得ながら事故の再発防止、安全運航体制の一層の強化のため、さらに積極的に取り組んでいくとともに、社会の信頼の回復を祈念してまいりたいと思います。
#190
○中野明君 そこで、この墜落事故に伴う遺族の補償問題なんですが、航空事故調査委員会の最終報告書が提出されまして、今お話がありますように勧告も出ているわけなんですが、問題は日航とボーイング社等の責任分担が一体どうなるのか。これは補償額の分担等に直接影響するものでありますだけに取り扱いに関心があります。
 そこで、今後の事務的な進め方はどのようになさるつもりなんですか。その点お伺いしたいと思います。
#191
○参考人(山地進君) 当社に支払われました保険金の負担割合というのは、日航とボーイング社双方の保険会社の協議によりまして決定されるということになるわけでございまして、ただいま私どもが補償交渉をやっておりますのは、こういった分担割合にかかわらず、日本航空とボーイングを代表するものとして日本航空が御被災者と補償の問題についてお話し合いを進めているわけでございますが、最終的な当事者同士の話というのは、実は日航とボーイングのそれぞれの保険会社同士の協議によって結論が出てくるわけでございまして、私どもはその当事者ではないわけでございます。その当事者というのはそれぞれの保険会社になるわけでございまして、この分担割合というのはどういうふうに決められるかというのはそれぞれの保険会社間で決めるということになるわけでございます。
 いずれにいたしましても、今後の補償は今申し上げましたとおり、私どもとボーイング社と共同で御遺族とお話し合いを進めるということには変わりございません。
#192
○中野明君 遺族の補償交渉ですね、これの経緯と示談成立、伺っておるところによりますとやっと三割程度と伝えられておりますが、遺族のお気持ちを考えますと一日も早く交渉をまとめてほしいという気持ちがあるんじゃないかと思いますが、現在までの遺族側の訴訟提訴件数と示談成立件数、今後の進め方、これについて御説明いただきたい。
#193
○参考人(山地進君) 八月二十六日現在でございますけれども。示談の解決済みの御遺族の方は百五十七名でございます。未解決の方が、示談交渉中が二百十七名、それから裁判継続の方が九十四名、それから示談のまだ交渉に入らない方が三十七名になっております。
#194
○中野明君 ぜひこれは誠意を持って交渉をやってもらいたいなと、こう思います。
 それで、この事故に関連をして、先日も私ちょっと触れましたが、いまだにわからないようですが、小型機が墜落をして伊豆大島沖で行方不明になっておりますが、小型機の航空事故というのは年々ふえてきておる状況でありますが、この小型機の本年になってからの事故の件数、それから主な原因ですね、これを調査委員会の方から報告していただきたいと思います。
#195
○説明員(藤冨久司君) 航空事故調査委員会で調査をいたしております小型機の航空事故について御説明申し上げますが、本年になってから発生したものというお話でございましたが、本年六十二年に入りましてただいままでに私どもの方で取り扱っておりますのは十七件でございます。これにつきましては、現在鋭意まだ調査中ということでございます。
 そこで、小型機の事故がこの一、二年でどういうふうに起きて、事故調査がどう行われているかということを御説明させていただきますが、五十九年までに発生いたしたものについては既に調査が終了いたしております。六十年のものにつきましては三十六件中二十六件、六十一年発生のものは四十八件中六件がそれぞれ調査を終了しておりまして、その余のものにつきましては現在鋭意調査を継続中ということでございます。
 そこで、原因をということでございましたが、そういうことで本年の発生分につきましてはまだ原因を究明するに至っておりませんが、
   〔理事安恒良一君退席、委員長着席〕
既に調査が終了しております一、二年のものについて見まして、どういう原因が多いかというのを分類別に見たところによりますと、大きくパターン別に分けまして、何らかの形で主な原因に関与しておりますのは、操縦者が関与している原因が一番多い、八割見当あるというのが実情でございます。
#196
○中野明君 今、六十二年のことはわかりましたが、六十一年度、これ資料いただきましたが、六十一年度はもう一月二十六日から始まって十二月三十一日までいろいろ事故があります。それを見ますと全部調査中ということになっております。去年の一月二十六日に事故が起こっていまだに調査中というのはどういうことなんだろうかと思うわけでして、余り日にちがたちますともう調査もできなくなるんじゃないか。何のために調査をするのかといえば、やはり事故の再発防止、これが一番の大きなねらいであろうと思いますので、こんなに調査中では困るんですが、これはやはり日航の墜落、一二三便ですか、あれの調査との関係があるんですか。
#197
○説明員(藤冨久司君) 事故調査に要する期間の問題でございますが、これはそれぞれの事故の態様によりまして異なっております。早いものは半年未満で報告書が完成しているものもございますが、今までの実績から見ますと、平均的にはほぼ一年ないしは一年半で処理されている状況にあります。
 これは、航空事故調査といいますのは、基本的に的確な原因の究明というのが基本になっておりまして、各現場におきます事実調査、それから関連する事実の認定、それに基づく解析等ございまして、かなりの時日を要しております。
 それから、ただいま御指摘ございました日航機事故調査との関連でございますが、六十年の八月に日航機の事故が起きまして、あの規模の事故でございましたので、全調査官総動員で分担して事故調査をやりました関係で数カ月全力投球という期間がございまして、その関連で数カ月他の事故調査への影響があったことは否めないと存じますが、それぞれ調査官分担して調査を行っておりますので、並行しつつ、それぞれのあいたその時期、日航事故の間におきましても調査を続けておりますので、この夏以降次々と調査の終了見込みが立っている案件が多うございますので、今から鋭意事故件数の処理が進んでいくのではなかろうかということを見通しとしては持っております。
#198
○中野明君 大臣ね、どう考えても調査中というのは、恐らく日本航空の一二三便に総力を、今もちょっとお触れになっておりましたが、半年ほどとおっしゃっていますけれども、そんなどころじゃないと思いますね。これへ全部集中して、調査中じゃなしに調査中止だろうと思うんです。中止というかできなかったと思う、だからおくれていると思いますね。だからやっぱり、ああいう事故はそれはもう二度とあってはならぬことはもう一緒でございますけれども、航空事故というのはこれから、特に小型機は何か最近は特に多いような気がしてなりませんので、やはり調査委員会の拡充をせにゃいかぬのじゃないだろうか。今じゃもうどうもならぬのじゃないだううか。一つ大きな事故があったらもうそれに全力投球して二年間ぐらいは、これ書類では調査中となっていますけれども、私はこれ印刷の間違いで中止の止が抜けているんじゃないだろうかというぐらいに思うんですけれども、こういう点について大臣、どう思われますか。
 小型機だからといって事故は事故で、人命を損傷するということにはもう何ら変わりありませんし、これが続発する可能性も今後大きく出てきて
おります。
 そういうことで、一日も早く原因を究明して二度と同じような事故が起こらぬようなためにこの調査委員会では調査をなさるんでしょうから、それでないと意味がないわけでして、もう何年もたってしまって、しかも記憶は薄れ、現場もわからぬようになっていく。これからまた調査を始めるといっても容易なことじゃない。素人なりに私心配をいたすものでございますが、大臣、どうでしょう、この調査委員会、手がいっぱいじゃないかというような気がするんですが、これを拡充する気持ち、お考え、ございますか。
#199
○国務大臣(橋本龍太郎君) これはもうはっきり申しまして私は全くその点の知識に欠けております。そして現時点におきまして、私は事故調の事務局の方から増員その他についてのお話は伺っておりません。これはあるいは遠慮をしておられるのかもしれませんし、あるいは例えば増員をいたしましてもこうした特殊な問題に対しての専門家の数がそれだけないのかもしれませんし、余り私もその理由はわかりませんが、特段のお話はございませんでした。
 本来なら、むしろ現在の事故調が全く仕事がなくて遊んでしまって人数が減らせる状態になることが一番望ましいわけでありまして、私個人の感じからいきますならば、事故調にお世話をかけないようにするためにより多くのエネルギーを割きたいという気持ちはございますが、もし事故調の方でなお増員等が必要であるとかいうような御注文がありますならば、それに対して努力をしたいと思っております。
#200
○中野明君 大臣、現実の問題として去年の一月二十六日に発生した事故、これも調査中なんです。もう手がいわゆる日航の墜落の方に全部行ったんじゃないかと私思うんですよね。そうしないと、何ぼ何でも専門家が、これもう去年の一月二十六日ですから、こんなの今ごろから調査始めても、とてもじゃないが原因の究明なんというのはもう不可能じゃないだろうか、私はこう思うわけです。だからそういう点について、事故を起こして人命が失われて、大型機だから大変で、小型機は大変じゃないんだということはこれは言えないわけです。事故には変わりありません。小さいのはまた大きな事故の原因にもなるかもしれませんし、そういう点についてぜひこれはよく事務当局に様子を聞いていただいて、何かこう方法がないんだろうか。先日から私もたびたび申し上げているんですが、調査がこんなに時間がかかってはどうしようもないのじゃないだろうか、そういう気がしてなりませんのであえて申し上げておるわけであります。
 そこで、最近の小型機の墜落事故に関して、全運輸労働組合では小型機安全白書を公表しておられます。それによりまして、自家用航空機操縦免許制度とか機体整備体制等について改善を提言しておられるわけなんですが、これらについてお聞きになっていると思うんですが、どういう対応をされようとしておりますか。
#201
○政府委員(中村資朗君) まず免許制度のお話を申し上げたいと思いますが、我が国のパイロットの免許制度でございますが、国際民間航空機関の規定に準拠したものでございまして、免許の保有者に対する技能再審査、これは要求をしていないわけでございます。再審査につきましてはこのたび国際反間航空機関の技術委員会におきましてその必要性の検討が行われたわけでございますが、結果的には必要としないという結論が得られております。一方、外国の免許の切りかえに当たりまして、我が国と同等以上の試験を行う外国政府によりまして発行されました免許であることを条件として、なおかつ切りかえ者の飛行経歴等が我が国の基準に適合しているということを確認をいたしました上で、我が国の技能証明を発行しているところでございます。
 最近の小型機の事故例を分析してまいりますと、最近の飛行経験と言っていますが、ごく最近のパイロットの飛行経験が非常に少ない音あるいは外国の免許の切りかえによってパイロットライセンスを得た者、これが起こした事故例を現実に調べてみたわけでございますけれども、比率は余り多くはなっておりません。
 それから運輸省といたしましては、外国免許の切りかえの場合に、我が国の技能証明を交付する際に、我が国特有の山岳の多い地形であるとか気象だとかあるいは訓練空域等について特別の注意を喚起する文書を手渡しておりますし、年に二、三回でございますけれども、安全講習会等の機会を通じまして小型機のパイロットに対して指導を行っておるところでございまして、今後とも安全確保については万全を期してまいりたいということでございます。
#202
○中野明君 それで、これからますます小型機はふえてくると私も想像しているわけなんですが、東京とか大阪の両空港に過密運用と発着制限というものが行われている中で、小型機の安全輸送をどう確保するかというのは非常に大きな課題だろうと思います。しかも近年の事故は、先ほどから出ておりますように年平均するともう二十件から三十件事故が起こっています。しかもそれ、起こると連続で起こるような傾向があります。だから実際には大型機の運航の合間を縫って離着陸を行っていると考えられるんですが、むしろ小型機に対する航空交通の安全対策に関する規制の強化をする必要があるんじゃないだろうか、こういうように思うんですが、ヘリコプターによる二地点間の輸送を含めて体系的な航空管制方式を整備する必要があるとも考えられますが、その点はどうお考えですか。
#203
○説明員(井上春夫君) 航空交通の特にふくそうする空港周辺の空域におきまして、有視界飛行で飛行する小型機に対する管制問題は大変重要な問題だというふうに考えております。
 従来そういう空域、大変航空交通のふくそうする空域では、特別管制区というのを設定をいたしまして、航空交通管制官の指示がなければ飛行ができないような空域の設定をし、それなりの飛行ルート、飛行航法を定めておるわけでございますけれども、さらに今後はレーダーによりましてこういう小型機を監視をいたしまして、専門の管制官を配置をいたしまして積極的に小型機に対する誘導業務あるいはフライトインフォメーションの提供を行うということで、安全確保に努力してまいりたいと考えております。
 具体的にはこういう構想、現在特に小型機の多い名古屋空港の周辺でとりあえず実施をしてみたいということで現在施設整備を進めておりまして、六十三年度当初から運用に入ることになっております。
 さらに羽田空港の周辺におきましては、六十三年度予算で施設整備をいたしまして、六十四年度からこういう方式をとりたいと考えておるわけでございます。
#204
○中野明君 それに関連をしまして、けさほどからもニュースで盛んに言われておりますが、運輸大臣のところへも申し入れがあったやに伝えられておりますが、航空管制官がこの間うちから問題になっておりますニアミスについて、四人に一人がニアミスを感じたということで、やっぱり民間機と自衛隊機の空域を再検討する必要があるということで非常に心配をして、大臣のところへも申し入れをされたというふうに伝えられておりますが、大臣、それについてお答えをいただきたいと思います。
#205
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は今回の全運輸の調査結果というものの詳細をまだ全部目を通しておりませんけれども、運輸省の立場からいたしますと、この調査結果というものも十分検討すると同時に、いわゆるニアミスやコンフリクションの実態の効果的な把握についての一層の努力を行い、今後ともそのような事態が起こらないように努めてまいるべきものであると考えております。
 中を見てまいりますと、管制官みずからがみずからの管制のまずさといいますか、によってニアミスあるいはコンフリクションを起こしたという回答をしておる方もありますし、そういう中を見てみましても私は十分参酌するに足る材料だと思
っております。
#206
○中野明君 いずれにしても、ニアミスということは大事故の一歩手前なんですから、現場の管制官が感じていることというものは非常にこれは重要視しなければならぬ問題だろうと思います。
 先日もここで申し上げたとおり、自衛隊機とのニアミスが十日間のうち二回も発生したということで、どうも自衛隊の方はうそを言っているような気がしてなりません。もともと自衛隊はそれが仕事ですから、目測を誤ったりしたんじゃこれは話にならぬわけでして、相手をやっつけるのに目測を誤ったんじゃ命中もしないでしょうし、向こうが専門家ですから、それが民間機の機長さんとあれぐらい距離的にも感覚のずれがあるということはうそを言っているとしか思えないわけでして、非常に心配な面が多々あります。
 そういう点で、航空管制官が心配しておる点については、やはり空域の再検討というものがこれぜひ必要じゃないだろうか。何ぼ空域をつくってもそれから外れて飛んでくるようなのがあるらしいですから、それは話にならぬとして、やはりきちんとした空域の再編成というものはぜひ申し入れて話し合いをしてもらいたいと思うんですが、大臣どうですか。
#207
○国務大臣(橋本龍太郎君) これちょっと技術的に私はわからない部分がありますので、事務方から答えてもらいたいと思います。
#208
○政府委員(山田隆英君) 空域の問題につきましては、昭和四十六年の雫石事故を教訓といたしまして航空安全緊急対策要綱を定めまして、それに基づきまして自衛隊との訓練空域と航空路の分離等を行ったわけでございます。
 今回の全運輸の提言におきましてもいろいろとニアミスの防止あるいは事故の防止のための提言が盛られておりまして、私どもその中で参考になるものは参考にしていきたいというふうに考えております。空域全般の見直しについては従来も必要に応じてやってきたわけでございまして、今後とも安全確保のためにそういう観点からの検討は続けていきたいというふうに考えております。
#209
○中野明君 それではコミューター航空についてちょっとお尋ねしておきたいと思います。
 四全総でかなりクローズアップされてきているわけですが、このコミューター航空ということ、これの運輸省としての定義をちょっと説明してもらいたいんです。
#210
○政府委員(山田隆英君) コミューター航空と申しますのは最近非常に世間的にも関心が高まってまいりまして、通称こういうふうに言われておるわけでございまして、必ずしも正確な定義はございません。
 ただ先般、私ども運輸大臣の諮問機関でございます航空審議会の地域航空輸送問題小委員会でコミューター航空についていろいろ御議論をいただきました。そこで中間取りまとめというものを出していただいたわけでございます。その中では座席数六十席以下の小型航空機により定期的航空輸送を行うものを言うというふうに言っておりまして、具体的には現在、広島−松山−大分等で運航されております既存空港間を固定翼の小型機で連絡するものであるとか、あるいはいわゆる空港空白地域に固定翼の小型航空機用のコミューター空港を新たに整備して、既存空港との間を連絡するものである、あるいは固定翼ではなくてヘリコプターを使用してそういった定期的な輸送を行うもの、こういったものを含めて考えております。
#211
○中野明君 そこで四全総にもそうなっているわけですが、この航空空白地帯を抱えている地方自治体でこのコミューター航空開設の動きというのは非常に今活発になってきているやに私も承知しておりますが、現在までに具体的に調査検討を行っている県、取り組み状況、それをちょっと説明してもらえますか。
#212
○政府委員(山田隆英君) コミューター空港につきましては、運輸省といたしましては、本年五月に地方公共団体に対しましてアンケート調査を行ったわけでございます。
 その調査結果によりますと、構想段階のものを含めまして全国で約四十カ所程度の計画がございます。この計画自体にはそれぞれ精粗ございまして、単なるアイデア段階からそれからかなり調査の進んだものまでございますけれども、この四十カ所のうち兵庫県の但馬空港、それから鹿児島県の枕崎空港、高知県の西南空港、熊本県の天草空港、この四空港につきましては空港計画等の検討が地方公共団体によってかなりの程度進められているというふうに認識しております。
#213
○中野明君 来年の予算要求ではどこどこになっておりますか。
#214
○政府委員(山田隆英君) 六十三年度の空港の整備のための予算要求につきましては、現在私ども運輸省内において取りまとめを行っておりますけれども、空港計画の熟度、航空事業の見通し、地元の支援体制等を勘案いたしまして、先ほど申し上げました空港のうち但馬空港及び枕崎空港、この二空港について新規着手の要求を行うこととしたわけでございます。
#215
○中野明君 そうしますと先ほどの御答弁にありましたように、この四カ所挙げられたんですが、天草と四国西南ですか、そこらもかなり熟度は高いというふうに認識をされているんですか。
#216
○政府委員(山田隆英君) 地元でかなり空港計画等につきまして具体的な検討が行われているというふうには承知しておりますが、高知県の西南空港及び天草空港につきましては引き続き調査を行い、基本計画を策定いたしますとともに、航空事業の採算性等についてより一層の検討が行われる必要があるというふうに考えておりまして、運輸省といたしましてはこれらの地方公共団体によります調査検討に対しましては、必要に応じて御相談に乗っていきたいというふうに考えております。
#217
○中野明君 大臣にお尋ねするんですが、これはやはり採算性ということが非常に大きな問題になりましょうし、財源も問題になります、あるいは地方公共団体の助成策ということも問題になると思うんですが、これやはり地域経済、地域の開発と一体となった地域活性化という総体的な問題として考えていかなきゃなりませんので、やはりこの四全総でそこまで示されているんですから大臣としてぜひこういう点について総合的に他省庁とも緊密に連携をとっていただいて推進をお願いしたいなと、このように思っているんですが、いかがですか。
#218
○国務大臣(橋本龍太郎君) コミューター航空につきましては本年四月二十九日に大分−松山−広島というこの三地点を結ぶ路線が開設されるなど最近各地で大変期待感が高まっております。ところが、その一方で実は導入をいたしました場合の採算の確保などにさまざまな問題がありますため、運輸省としては航空審議会の中に地域航空輸送問題小委員会をつくりまして、コミューター航空につきましては幅広い検討をしていただいておりまして、先般その中間取りまとめが行われました。
 この中におきまして言われておりますポイントは、コミューター航空が地域振興に効果を有するという認識のもとに、その上でコミューター航空の導入を図る地域の関係者及びその事業者がそれぞれの地域特性に応じて航空輸送についてみずから工夫し、検討することが基本的に重要であるというふうに指摘をしております。
 一方、国につきましても、コミューター航空の社会的、経済的意義というものにかんがみまして、コミューター空港の整備に対する助成を初めとする各般の施策を講じていく必要があるとされております。私どもとしてはこの中間取りまとめを踏まえて、コミューター航空の振興及びこれによる地域経済の活性化というものに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#219
○中野明君 今、大臣のお答えにもありましたようにこの採算性ということでやはりよほど地域の実情等にらんでやっていただかなきゃならぬとは私も思うんですけれども、要するに今現在できました松山と大分、ここはかなり僕効果上がっていると思うんですね、時間的にも運賃の面でも。と
ころが広島−大分ですね、松山−広島というのが、船がありますし、そして何か聞いてみますと、日によっては一人ぐらいしか乗っていないとか、そういうことで頭痛を起こしているという面も聞きました。これからPRが行き届いてくればどうなるかわかりませんが、そういう面でやはり効果のある線をよほど検討してもらわなきゃいかぬなと、こういう感じを強く持っております。
 そこで、これに関連しまして農水省では非常に積極的に小型機による流通業務合理化の一環として、生鮮食料品等の輸送を行うためのいわゆる農道空港というのですか、これに大変力を入れ始めておられるように伺っているんですが、農水省おいでになっておればちょっとこの考え方を説明してください。
#220
○説明員(森本茂俊君) 農道空港と言われておりますものは正式の空港ではございませんで、直線の農道の一部を拡幅いたしまして小型航空機の発着を可能にしたものでございます。航空法上飛行場外離着陸場に当たるものでございます。したがいまして我々はこれを農道離着陸場と呼んでいるわけでございます。
 農道離着陸場の考え方でございますが、高鮮度高品質を要求する生鮮食料品等の産地から市場への高速輸送及び農作物に対する病虫害薬剤の散布等のための航空機の離着陸に利用できる計画でございます。
 農道離着陸場につきましては、六十二年度から調査費が計上されたところでございまして、六十二年度におきましては農道離着陸場建設の技術的可能性、航空機利用の経済的可能性等に関する調査を実施するつもりでございます。
#221
○中野明君 これ運輸省のこれに対する見解といいますか考え方、御相談があっているんじゃないかと思いますが、所見を伺っておきたいと思います。
#222
○政府委員(山田隆英君) 運輸省といたしましては、ただいま農水省からお話のございましたようなこういう農道離着陸場につきましての御相談を受けまして、現在農水省が実施されております調査についてもいろいろ御相談を受けております。また、この調査結果について運輸省に御通知をいただくこととしております。この農道離着陸場を空港の体系の中でどう位置づけるかということにつきましては、これは現在農水省が実施しておられます調査の結果等も踏まえまして検討してまいりたいというふうに考えております。
#223
○中野明君 よく両省御相談になって混乱のないようにお願いをしたいなと、こう思っております。
 そこで、時間も迫ってまいりました。まだまだ申し上げたいことがあったんですが、運賃問題でお尋ねをしたいと思います。
 非常に航空運賃というものについての疑問といいますか、わかりにくい。
 まず国際の方からいきたいと思うんですが、国際航空運賃というのは私どももいよいよわけわからぬような気になってきているんですが、円高ドル安、そういうことがあるから安くなるということはわかるんですが、先日恐らく日本航空の方も運輸省の関係の方もNHKの特集をごらんになったんじゃないかと思いますが、まことに厄介な運賃のあれになっております。
 そこでお尋ねをしたいんですが、普通の常識では考えられないような安い航空券がちまたに出回っておるという点について、なぜこんなことになるんだろうかということなんですが、日本航空の方はどういうふうに見ておられますか。おたくの航空券ばっかりじゃないんですけれども、とにかくアメリカからこっちへ送ってきたりしているんですが、もうべらぼうに、考えられないような安いのが出回って、同じ飛行機で、燃料も同じで、どうしてこんなに値段が違うんだろうかということについての素朴な疑問というものがどうしてものかないんですが、なぜこんなことになるのかということ、どういうふうに見ておられますか。
#224
○参考人(山地進君) 今先生のお言葉にもございましたように、アメリカから航空券を送ってくるというようなお話もございまして、いろんな原因があろうかと思います。まず方向別格差の運賃がなぜ存在するのかとか、あるいはもっと割引運賃をうんと出したらどうだとか、いろんな問題があるわけでございますけれども、いわゆる安売りという言葉で表現される問題と申しますと、どうしても航空会社間の競争の場合には、ある種の航空会社がどうしても空席を埋めるというために規制違反を犯して安売りをするというケースがあることは否めないと思います。
 例えば団体旅客しか買えないような券を、団体旅客というのは、元来がホテルや何かのパッケージで全部組まれるわけでございますけれども、その中の飛行機部分だけを売るということは規則違反でございますが、そういったものが市場に出回ってくるというようなことがございまして、私どもとしては、航空会社間あるいは代理店も含めまして規則の遵守ということをするということがまず第一でございますし、あるいはそういった安売りに対抗するような正規の安い運賃というものも導入しなければいけない。こういうようなことでいろいろと検討をしている次第でございます。
#225
○中野明君 先日のテレビの特集では、ニューヨークのひとり経営の代理店ですね、これがいろいろ記者が注文をつけて話を引き出しておったんですが、日航さんの場合でも表向きは八%の手数料。ところが、実際幾らもらえるんだということで追求をしていったら何か三二%ということを答えました。これは全国放送で流れているから大概の人見ていると思うんですが、どうしてこんなことになるんだろうか。日本の大体三分の一で手に入る、こういうことが公然と言われているわけですね。これは運賃に対して大変不信を持つわけでして、それは安いにこしたことはありませんけれども、そんなべらぼうな航空券が一般市場に出回っている。
 大臣もお聞きになっているかもしれませんが、東京とか横浜の若い女性の人たちはいつでも海外へ出られるようにしてパスポートをとって待機している。そして旅行会社から連絡があったら、あした行けますかと言ったら、はい行けますと言うたらハワイでも四、五万で行ってこれる。そんなのを待っている人がたくさんおるんです。空気を運ぶよりも四万でもそれはいいかもしれませんけれども。そういうことが若い人たちの間には常識的になっている。こういうこと。そしてまた新聞広告なんかも、最近それが気になって私も時々目を通して見るんですがこんな広告ありますね。オーストラリア・シドニー八日間の旅で十七万五千円、ホテル代から朝晩食事がついて八日間で十七万五千円というのが一般紙に堂々と広告が出て、八月十七日出発で、ただし先着三十名様と書いてある。何にしてもこれ十七万五千円いったらもう話にならぬですね。びっくりして、まともに航空運賃を払って旅行する人はばかじゃないかというぐらいになってますね。シドニーと日本の往復ですからエコノミー四十六万円です。それが十七万五千円で八日間、泊まって食べてね。どないなっているんだろうか。これ非常に不明朗だと私思うんです。これはそういう団体の切り売りというんでしょうかね、格安運賃。
 昨年も私、委員派遣で先生と一緒にシドニーに行ってきましたけれども、シドニーからそれからシンガポール、シンガポールでは私たちの泊まっている同じホテルに若い日本の女性六人ほどの団体が泊まっている。あんたら幾らで来たんだ言うたら、三泊四日で九万何ぼと言った。日本の国内旅行より安いやね。それで我々が泊まっているのと同じホテルへちゃんと泊まっている。だから僕らの片道の運賃どころじゃないんですね。だからそういうことを考えると、これ何か手を打たないと航空運賃に対する不信、そして結局は、様子のわからぬ人は航空会社というのはどれぐらいもうかるものだろうかという、そっちにまで影響を与えます。何かこういうのはどないかならぬのだろうか。商うすれという意味じゃないんですよ。この安いのはどうなっているんだろうか、ちょっと理解しにくいんですね。それが新聞にもどんどん
出ています、一般新聞に、パックの宣伝の広告は。それを見たら、もう正規の運賃の三分の一ぐらいで何泊で泊まって食事をしてですからね。その辺大臣どう思われます。何かこれ手はないんですかね。
#226
○国務大臣(橋本龍太郎君) 率直に申しまして、今引用されましたテレビを私も見ておりまして、まあ頭を抱えました。現実に、決していいことではありませんけれども、その団体割引航空券が流れておりましたり、パッケージツアーの航空券のみが流れておりましたりということで、大変利用される方々に不信感あるいは不安感というものを持たせてしまっているという事実は私どももよく存じております。そういうものに対して対抗していきますとなると、各種のやはり割引制度というものを充実していく、本来の基本運賃に対してそれぞれのサービスの割引運賃というものを拡大していくということに対策はなっていくのではないかと思います。
 ただ、こういう原因がどこにあるかと考えてみますと、一つは私は日本人が今まで海外旅行に対して比較的個人でおいでになる方々よりも団体として行動されたケースが多かったために、我が国の航空運賃の中で早くから団体旅行割引というものが導入をされていた。だんだんそれが国民の好みの変化の中で個々人の旅行というものにそれが流れ始めてしまった。そんなところにもあるいは遠因はあるのかなという感じを抱いております。
 運輸省としての立場からまいりますと、こういう小グループあるいは個々人による旅行が増加してきたところをとらえて、国内運賃についてもさまざまな割引制度を入れてまいりましたし、また国際線につきましても、ユース運賃でありますとか、ファミリー運賃でありますとか、事前購入回遊運賃、いわゆるアペックス運賃などさまざまな形での割引の導入を図ってきておりますし、また本年の十月実施を目標に、例えば日欧路線につきましては普通運賃につきましても個人旅客が従来の団体席を利用されることによって安く旅行できる制度を導入しよう、そうしたことを検討している最中でございます。
#227
○中野明君 山地社長、この実情というものは御承知なんですか。
#228
○参考人(山地進君) 私もいろんな情報でそういうのは存じております。
#229
○中野明君 あのテレビはごらんになったですか。
#230
○参考人(山地進君) 実は、きょう私どもの役員であのテレビに日本航空を代表して出た者がおりますので、その者から答弁をさせてよろしければ稲川取締役……。
#231
○中野明君 どうぞ、御感想を。
#232
○参考人(稲川広幸君) 今、社長からお話がございましたように、テレビに出たというか、出さされたというのが実情でございまして、私自身もあのテレビに出て、かつ後であのテレビを見まして、ああいう整理をされて話を聞きますと、私ども商売しながら感じている以上にああいう実態があるなというのを実は私は実感として持ったような次第でございます。
 例えば、先ほど先生がニューヨークのコミッションの問題をお話しになられました。実は、アメリカの場合は御案内だと思いますが多少日本と規則が違うところがございまして、航空会社が代理店に払いますコミッションというのは実は航空会社が自由にいかようにでも設定できるということになっております。したがいまして、アメリカにおきまして八%じゃなくて三〇%を払うということは、これはアメリカの場合は規則違反にならなくてむしろ正規のことで、その代理店に払われましたコミッションの一部を、これはいけないことなんですが利用者でありますお客様に還元して安い航空券が流れるというのが一部アメリカの実情であろうかと思います。私もアメリカにおって体験したんですが、アメリカの場合はいろいろな独禁法等々の規制が日本より非常に厳しいものですから、航空会社間の話し合いというのは一切進みませんので、こういう状態が正直申し上げますと日本的に見ますと放置されているというのが現状でございます。
 それから、私どもアメリカで商売します以上はやはり郷に入っては郷に従えということで、そういう中で商売をしなければいけないものですから、テレビにありましたように、ある程度こういうものには対応しているというのが実情でございます。
 日本のことにつきましては、今、大臣、社長からお話がございましたような範囲で極力努力をしていきたい、かように考えております。
#233
○中野明君 今まで私ども感じておりましたのは、日航が一番かたい、割引も絶対しない、非常に誇りを持ってやっておられるというふうに思っておったんですが、あのテレビを見て、アメリカでとにかく三二%まで手数料を出しているというような、だからこれからアメリカ相手にして商売していくのに大変だなと思いますよ。同時に、そんなのを日本へ送ってきて、日本から出ていってアメリカと往復するというようなことになったら、これはもうえらいことになるなという感じを私は率直に持ったわけであります。ですからこの運賃の問題は、ああいうふうな特集で報道されますと、相当多くの人が関心を持って私は見ていると思います。たしかあれは大臣のところへもインタビューに行ったんじゃないかと思うんですけれども、大臣は円高ドル安の通り一遍の話だったと思うんですけれども、それはそんなところじゃないですから。だけども、あれ編集されて全部見ますと疑問を持ちますね。航空会社というのはこれはもうめちゃくちゃもうかるんじゃないかと。ところが、見たら余りもうかったようにないし、だんだんわけわからなくなってくるんですね。ぜひ、これはここですぐ解決する問題じゃないでしょうけれども、そういう実情があるということを運輸当局も知ってもらって、そして少なくとも利用者に不信感を持たれないような、どこでもだれでも同じ条件で切符が手に入ると。それは団体割引はわかります。わかりますけれども、それを切り離したり、いわゆる割安航空運賃というのが平気で市場に出回っているというのは非常に困るなと、こういうふうに思います。
 それから、時間がありませんので、国内の航空運賃については既に衆参両委員会で大変南北格差ということで問題になっておりますが、何か運輸省の方では抜本的にこの国内運賃も基本的にやりかえよう、検討し直そうというような動きもあるやに聞いておるんですが、南北の運賃の是正を含めて御答弁をいただきたいと思います。
 そして大臣には最後に、いわゆる通行税の問題、これについて、やはり航空運賃ちょっと高いと私も思いますので、通行税の問題についてお答えいただいて、終わりたいと思います。
#234
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは運賃の問題につきまして、全体の作業状況につきましては航空局長から答弁をしてもらいますが、通行税につきましては、私どもは今日のように完全に航空機が大衆の足として密着をし、国民各界各層に利用されている状況におきまして、ぜいたくなサービスに対する課税ということでの通行税を課すというのは適当ではないと考えております。運輸省としては、昨年も廃止の要望を行い、税制改正の中にそれを盛り込んだわけでありますが、御承知のような経緯で税制改正全部が流産をいたしました。私どもとしては、本年もその方向で財政当局との折衝をいたしたいと考えております。
#235
○政府委員(山田隆英君) 航空運賃は、基本的には原価をもとにいたしまして、適正な経費に適正な利潤を含めた範囲内で決定されておるわけでございます。国内におきましては、このような考え方に基づきましてできるだけ路線別の原価を反映するように、個別路線の運賃の設定に努めておるところでございます。したがいまして、航空運賃というものは路線のいかんにかかわらずキロ当たり運賃率を一律に決めるというようなものではございませんで、原価をできるだけ反映するという観点から申しまして、輸送量の多い幹線というものは相対的に安くなりますし、また遠距離逓減の
内容となっておるわけでございます。
 お話のございました南北格差の問題でございますけれども、北海道方面につきましては需要量が一般的に少ないということ、それから季節波動が大きいということなどから、他方面に比べて割高になることはやむを得ない面もございますが、これに加えまして運賃設定、これが五十七年に設定されましたが、それ以来改定が行われておりません。その設定後北海道方面の飛行ルートが短縮されまして、そのためによりキロ当たり賃率で見ますと割高感というものが増幅している面があるかと思われるわけでございます。
 なお、北海道方面につきましては、このようなルートの変更等もございますので、今後の運賃改定に際してはこのような点も考慮して対処してまいりたいと考えております。
 それから、抜本的な運賃についての何か検討をしているんではないかというお話でございますが、これらにつきましては、南北格差の問題あるいは方向別格差の問題、その他航空運賃につきましてのいろんな諸問題が現在世間的にも関心を集めておりますので、こういった運賃に関する問題につきまして専門の学識経験者の方々にお集まりいただきまして、航空運賃問題懇談会というものを航空局に設けておりますが、この懇談会で現在運賃問題のあり方についていろいろ御検討をいただいておりまして、この御議論も踏まえまして今後対処していきたいと、かように考えております。
#236
○穐山篤君 引き続いて質問を行いますが、山地社長大変きょうは御苦労さまです。
 参考のためにお伺いをしますが、山地社長はお役人から顧問に就任をされ、正規なスタッフになり今日を迎えているわけですが、最初顧問に就任をされた当時、日本航空という会社の体質をどういうふうに分析をされたんでしょうか、それで今日ではどういうふうに自分でも変わったというふうに思われているのか、その点まず最初にお伺いしたいと思います。
#237
○参考人(山地進君) 顧問にということで、かなり前の話で若干記憶といいますか、そういった自分の受け入れ態勢というものが余り整っておりませんので、今の段階でお話しできるようなことは余りないのでございますけれども、非常に率直に申し上げますと、日本航空というのは株式会社でございますけれども、何か中の議論とかあるいは接する人柄とかというのから役所と余り変わらないようなところが多いなというのが非常に率直な感想でございます。
 私も航空局におりましたから、航空局にいたときから日本航空の社員とは接する機会が多かったわけでございますが、その当時でも日本航空の人と議論いたしますと、非常に緻密な議論、ほかの企業と比べますと提出してくる書類も理路整然として、言ってみると一点非の打ちどころのないような文書を持ってくるという会社でございました。中へ入ってみればみるほど非常にかたい、非常にまじめな社員の多い会社であるというのが私の印象でございます。
 そういった日本航空の私の感じが一年や二年ですぐ変わるものではございませんけれども、私は、日本航空も会社として世間に出ていくわけでございますので、やはり普通の会社の社風というようなものを身につけてもらいたいというような気もいたしますし、それなりの努力を今日まで続けてきている次第でございます。
#238
○穐山篤君 七月の十八日に「新生日航の経営戦略」という朝日新聞の対談がございました。新聞ですから全部書いているとは思いませんが、民営化で主体性の確立をしたい、競争で生き残るために労使が協力をしていく、こういうタイトルがあるわけです。ごもっともなことだと思います。
 ただ私、先ほど同僚議員も指摘をしたわけですが、労使がそれぞれ立場は違いますけれども、十分認識した上で協力し合うというのは、どこの会社、どこの組合でも同じだろうと思うんです。
 ところが、それ以前の問題として従業員、職員あるいは組合員に――どういう言い方をしたらいいかわかりませんが、会社の首脳部が信頼をされていなければ、どうもがいてみても労使協力というのはその基盤ができないと思うんです。
 例えば、社員の立場から見ると、最近幹部の目つきが変わったとか、あるいは非常に情熱が出てきたよと、まあ肌でわかるような感じがどんどん、どんどん広がっていくと、信頼関係というのはふえていく、そういうふうに思うわけです。あるいは航空会社の場合にいろんな職場、職種があるわけです。毎日顔を合わす人もあるだろうし、二週間に一遍しか顔を合わさないという、そういう仕事もあります。そういう意味で言うと、労使関係というよりも信頼を回復をする、私は、これが前提条件でなければならぬというふうに思うんです。
 その立場から、同僚議員も質問をしましたが、幾つかの問題がありますね。その問題を誠心誠意解決をする、適切に解決をして信頼を回復するということがないと、これは前進がないという意味で運輸大臣と社長に伺います。
 日航の組合から公開質問状が運輸大臣と大蔵大臣に出ています。仄聞するところによりますと、大蔵大臣の方には会うチャンスがなかったようでありますが、運輸大臣との同には多少の話し合いが行われたとも聞いています。そこで、私は事件を一々掘り下げるつもりはありませんが、総括的にいってみて、これは早くけじめをきちんとつける、責任は責任で十分にとってもらう。そのことがないと、さあ協力してくれ、民営化になるぞといってみても、それは望外な望みだというふうに思うんです。
 そこで運輸大臣、公開質問状、個々の問題は別にして、総体的にどう受けとめて、どう指導をされているのか、まず運輸大臣からお伺いします。
#239
○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょうだいをいたしました公開質問状につきましては、幾つかの問題点が提起をされておりました。
 本当の率直なことを申し上げさせていただきますと、社内におられる方が、監督官庁の責任者ではありますけれども社外の人間である私に公開質問状を下さるというのも、本当は妙なものだという感じを持ったのが実感でありまして、むしろ私に公開質問状を出されるよりも、社内で話し合われたらいいのになという感じを受けたことが、率直に申し上げると第一点であります。
 しかし、こうした点について従業員の中で監督官庁の責任者に対して公開質問状を出さなければならないということ自体が私は現在の日本航空という企業のその社内の雰囲気を象徴するものなのかなとも感じました。
 個々の問題については触れなくてよろしいということでありますから、個別ケースについてのコメントは避けますが、いずれの提起をされております問題も、第一義的には、また基本的には経営者としての判断にかかる種類の問題でありまして、私は監督官庁の立場から関心は持っておりますけれども、経営の判断というものにかかる問題だと理解をいたしております。
#240
○穐山篤君 国が株を所有をしている、あるいは担保も保証する、そういう意味で言うと、国というのはある意味で言うと運輸大臣であるし、それから銭金の面を通しながら大蔵大臣が最高の株主になるわけです。
 そこで大蔵省に伺いますが、日航の組合の幹部とは話し合いをしなかったようでありますが、あの公開質問状をもらって勉強をしてみて株主代表としてどういうふうな御感想をお持ちになったのか、これはどうしたら何とかけじめがつくだろうか、そんな点をどうお考えになったんでしょうか。
#241
○政府委員(藤田弘志君) 運輸大臣に出されました公開質問状と同趣旨の公開質問状が大蔵大臣にもされましたことはよく承知しております。
 当該質問状で取り上げられておりまHSST、日航開発、ドルの先物予約につきましては、運輸省におきましてこれらの問題を含めまして日本航空に対しまして一般的な指導を行っておられまして、大蔵省としましてはその成果を見守って
まいりたいと、かように考えております。
#242
○穐山篤君 そういう答弁がお役人の答弁という典型的なものでしょうね。困ったことが起きたなと、率直な感想じゃないですか。あるいは早くけじめをつけてもらいたいな、そういうふうに言う方が正直だと思うんです。
 さて山地社長に、私も労使の団体交渉の記録をほとんど九九%読ませてもらいました。そこで幾つか感じたことがあるわけですが、これは立場の違い、物の考え方の違いがよくわかるし、それからもう一つ、社長が知らないことが随分あるんだなという印象を団交の記録から私は感じ取ったわけです。あれだけの世帯をしょっているわけですから細かいことがわからないのはしようがないと思いますが、肝心なことだけはきちっとしておきませんとこれはうまくない。
 そういう意味で、今お話のありましたHSSTあるいはドルの先物買いあるいは日航開発の問題について、個々のことは結構ですが、私は早く解決を図って従業員の信頼を回復することが先決ではないか、こういうふうに考えるわけですが、その手順、考え方というのはお持ちなんでしょうか。私が団体交渉の記録を読んでいる限りでは、随分物の考え方の違いがはっきりし過ぎている。同一の土俵で議論をするというところまで入っていない。そういう意味で言うと、相当時間がかかるなというのが私の印象です。しかし、当事者同士が早く解決を願いたい、それはもう私の最も希望するところなんですが、その点についての決意といいますか、考え方をお伺いしたいと思います。
#243
○参考人(山地進君) 今回のいわゆる疑惑問題が起きましてから、乗員関係につきましては、機長会と先任機関士会と乗員組合と御一緒でございましたけれども、私も出席してそれぞれの問題についてよく御説明をし、御質問にも答え、御質問の中で私がわからなかったこともそれはないとは言えませんけれども、大部分のことについては私はお答えしたつもりでございます。
 この問題について私どもとしては問題があるという認識を持ちまして御説明をしているわけでございまして、ただそれぞれの問題については個々には申し上げないということでございますから申し上げませんけれども、問題が違いがあると思うんです。その違いに応じながらこの問題をどう解決していくのか。単に私は労使間の信頼回復にとどまらず、企業として、経営としてこれらの問題をどうけじめをつけていくのかということは極めて大事な問題。したがって、外へ出なくても私どもは解決を迫られた問題だと思うんです。ただ、それが今おっしゃいますように外へ出たために、労使間の信頼関係にさらに悪影響を与えるというのも私も一つの事実だと思います。
 そういう意味で、これらの問題について今後個々にどういうふうに対処するのかということを今鋭意検討しておりますけれども、おっしゃるようにこの問題の解決ということについては物によって時間のかかるものとかからないものとありますけれども、それぞれについてさらに社員の理解を得るような努力を進めてまいりたいと思います。
#244
○穐山篤君 ぜひ早急に、これは外から言われるまでもない問題でして、ぜひきちっとしておいていただきたいと思うんです。
 ただ、そのときに、私は記録をいろいろ読んでおりまして、これはなかなか話がつくのは難しいなと思った一つをちょっと御紹介をしますと、ドルの先物買いの話があるんですね。いやこれは余分に支出し過ぎたんだ、経費をかけ過ぎたと、そう思えば話は楽だというふうに考えて議論をすると、立場の違いがたくさん出てきて同じ土俵の上にのらないと思いますから、そこはひとつ十分に配慮をしていただきたい。
 次に安全の問題で、けさから相当同僚委員が議論されておりますから重複しないように申し上げたいと思うんですが、一二三便の問題の処理ですね。これは事故対策委員会の方から報告がされ、勧告が三つ、建議が二つ、それを受けて運輸省がしかるべく措置をした、あるいは日本航空がしかるべく努力をしたというのは十分わかります。さて、そこで問題に残りますのは、三つ責任の分野という意味でありますのは、一つは損害賠償の問題です。先ほどお話がありました。それから二つ目は行政上の責任の問題。それから三つ目は刑法上の問題。言いかえてみると、この三つは全部何らかの法律に関連をした責任の分野になると思うんです。一二三便の事故を考えてみた場合に、運輸大臣が第一義的な責任を負うということにはならないと私は常識的に思いますが、それはそれにしてみても、損害賠償責任あるいは過失責任というものに対する民法上の責任と、それから今手入れが入っております群馬県警の刑事上の責任、この問題はこのまま見過ごすわけにいかないし、まだ係争中ですから私も断定をするつもりはありません。
 この三つの問題について、考え方ですよ、運輸大臣の考え方、それから山地社長の考え方を、法廷ではありませんから、そんなきっちりなものは必要ないと思います。考え方をひとつ明らかにしてもらいたい。
#245
○国務大臣(橋本龍太郎君) 本当に航空機の修理という行動の中からああした事故の原因が発生したということは、本当に考えられないことであります。本当に残念、遺憾と言う以外に言葉がありません。
 この修理作業におきましては、修理作業の実施者、そしてその修理作業の委託者及び国というその三者の検査の果たすべき役割というものがあったわけであり、おのおのその立場は異なっております。航空法に基づく国の検査としては、私はその役割は果たしたとは思っておりますけれども、いずれにしてもその結果としてその三者の検査が修理ミスというものを発見できなかったという事実はどんなに言葉を尽くしても否定はできません。そして、航空の安全というものを図るべき立場の責任の重さというものを痛感をいたしております。
 しかし同時に、今お話の出ました遺族に対する補償の問題というものがある。これはやはり日本航空と御遺族の当事者間の話し合いというもので決まるべきものでありまして、国としては日本航空に対して最大限の誠意を持ってその話し合いに臨むようにということを指導する責任があろうかと思っております。
 また、第三点に御指摘をいただきました刑事責任の問題につきましては、私は捜査というものは極めて厳しく受けとてめておりますし、また受けとめるべきものだと考えております。現に進行中の捜査についてでありますから、これ以上の言及は避けますけれども、日本航空においてもどうぞその捜査に対しては十分な協力を惜しまないでいただきたい、運輸省としてもその捜査に対して最大限の協力をしてまいる、それが我々の姿勢であるべきだと思っております。
#246
○参考人(山地進君) 今回の事故につきましては、原因の究明をまつまでもなく、御被災者に対する補償問題というのを我が社の最大の使命といたしまして、ボーイングと日本航空を代表いたしまして日本航空が御被災者の皆様方どお話し合いを進めているわけでございます。ただ、これらの損害賠償の責任を最終的にはだれが負うのかということにつきましては、先生の御指摘のとおり、その原因者がだれであったのか、どの程度の責任を持つのかということと密接不可分な関係がございます。したがいまして、これらにつきましては法的な責任の問題もあろうかと思いますけれども、まず損害賠償責任については、先ほど中野先生に御答弁申し上げましたとおり、それぞれの保険会社間でどういう比率で分担するかということを話し合っているわけでございます。
 それから、法的責任の問題につきましては、運輸大臣のおっしゃいますとおり、これは国の方の御判断、司法当局の御判断によるわけでございまして、私どもとしては群馬県警等に六十名に及ぶ事情聴取ということも受けておりますし、それから先日はわざわざ家宅捜索もしていただいたわけ
でございますが、それぞれの点につきまして私どもとしては協力を続けておるところでございまして、何も包み隠すことない、御判断をまつ資料はすべて申し上げるようにというふうに指導しております。
#247
○穐山篤君 その点はまた次の三日の日に改めて細かくはお伺いしたいと思う。
 そこで、運輸大臣、問題の提起といいますか、お考えをいただきたいと思うのは、今回のJALの民営化、これは前からの歴史があるわけですね。四五、四七憲法を見直しをしましょう、運政審で勉強を始めました、その中間報告が出ました、引き続いて最終答申が昨年の六月九日に出てきた、その間に一二三便の大きな事故が介在をした、こういう関係になるわけです。この事故がなかりせば、ざっくばらんな話、この規制の緩和あるいは自由化、あるいはJALの民営化、こういうものがある意味ではスムーズに議論をされる雰囲気にあると思うんです。
 個人的なことを言っては申しわけないんですけれども、例えば私が自分のうちをどっかに立派なものを建てようという計画があった、親戚じゅうもその気になってくれた、ところがその間に事故を起こして、やれ家宅捜査だとか損害賠償請求だとか、責任の追及だとか、ごたごたが起きているというのが現実問題ですね。普通、社会一般であるならば、民営化という大事業について言えば、そういうごたごたが一応峠を越すとか、けじめがついてから、気持ちをさっぱりしてから、じゃ乗り移ろう、これが世間の常識ですよね、常識。ところが、たまたま一二三便の事故が途中に挟まったので、思い切ってこの際基本を変えてしまえと、変な話ですけれども。そういうねらいもなきにしもあらずといつ私は気持ちがしてしようがないと思うんだ。世間の常識から言えば、ごたごたのけじめをつけてから、それで気持ちよく周りの人たちと協力し合って規制の緩和、民営化に踏み切る、これが順当な手順だと思うんですね。
 ところが、私が先ほど言いましたように、順に運政審の中間報告、それから本答申がある、それから運輸大臣の方からはコミューターだとかいろんなアイデアがどんどんどんどん出てきたというものがたまたまぶつかったものだから、なかなか感情としてはじくじたるものがあろうと思うんです。
 衆議院で我が党が時期尚早と申し上げましたのは、そのほかにも理由はありますけれども、ひとつ世間の常識に従ってもらう方がいいのではないかという意味も含めて時期尚早ということを申し上げたと思うんです。今私が申し上げた常識論、これについてはどういうふうにお考えでしょうか。
#248
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど青木委員にも御答弁を申し上げましたところと一部重複をいたすわけでありますが、この事故発生当時、私はたまたま与党の行政改革の責任者という立場にありまして、日本航空の完全民営化というものに向けて日本航空自身の意思決定を待っておりました。そして本当にその事故当日、日本航空の、たしか午前中だったと記憶をいたしておりますけれども、日本航空としては日航法を廃止して結構である、完全民営化の道を選ぶという結論をたしか役員会でまとめられたという御連絡を受けました。ある意味では私はそのときほっとした気持ちでおりました。
 ところが、そうしたものが報ぜられます前にあの大きな事故が起こり、たまたまその中に私の非常に親しかった方も三人ありましたために、私も実は午前中に報告を受けたことなどは失念しておったような状態であります。
 ただ、今委員の御指摘でありますけれども、運輸政策審議会に対しまして日本航空の今回の完全民営化のもとになります「我が国航空企業の運営体制の在り方に関する基本方針について」という諮問をいたしましたのは、この事故が起こりました後、六十年九月十日ということでありまして、事故の処理は事故の処理、そして被災者に対するおわびや遺族の方に対する補償の問題は一方で継続をしながら、航空政策の見直しとしての作業は並行して行う、恐らく当時運輸省としてそういう方針を定められたものと、私は今御質問を受けながら想像をいたしております。
 そして、もちろん私は、日本航空が先ほど来労働組合からの公開質問状にありましたような幾つかの問題点、さらにはこの事故後の責任を全うするための努力というものは、完全に民間企業になりました後においても誠心誠意行われるであろうと信じておりますし、また行われなければなりません。
 しかし、一方では、これは日本航空自身の問題でありますが、国際的な航空政策の動きの中で、我が国自身が航空政策を変更しなければならなくなり、そしてその国際競争の中で、複数社が国際線において進出をし競争をするという状態になりますと、日本航空一社のみに財政的にも特別な措置を、また同時にその裏腹に法的な規制を加えるということでは、公平な競争条件が整備されないという問題もあるわけでありまして、私は委員の御指摘のような感じが、国民の中に全くないとは思いません。私自身がそういう言い方をされたこともございますから。しかし、その問題に対しては別途努力をいたしながら、私は完全民営化への道は、今回ぜひとらしていただきたいと考えております。
#249
○穐山篤君 ということは、規制の緩和、自由化、民営化、こういうものはセットであるというお考えですか。
#250
○国務大臣(橋本龍太郎君) セットと申す言い方が正しいかどうか、的確かどうかわかりませんけれども、いずれにせよそれは皆関連しておるものであることは間違いございません。
#251
○穐山篤君 それでは話題を変えます。
 航空三社の運航費と整備費の割合ですね。それが国際的な標準から見て、日本の平均運航費、整備費がどういう割合になっているか、その点を数字でちょっと言ってください。
#252
○政府委員(中村資朗君) 航空会社の整備費用でございますが、昭和六十年のICAOの資料によりますと、航空会社の運航費に対します整備費の割合でございますけれども、米国の航空会社の場合で二二ないし三四%でございます。それに対して欧州の航空会社では二七%ないし五七%でございます。これに対して、日本航空では二七%弱ということでございます。
 この日航のパーセントでございますが、外国に比べて低い方にはございますけれども完全に最低の数字ではないというふうに理解しております。
 ただ、こういう数字といいますのは路線構成だとか使用機材等によって非常に大きく左右されるわけでございますので、なかなか一律に単純な比較が難しいのではないかというふうに存じております。
#253
○穐山篤君 今お話がありましたように、これは路線のこともありますし、あるいは気象条件のこともあるし、いろいろなことが介在するから一概には言えないと思いますけれども、発表されているものから見ますと、国際的には運航費が三三・三%、それから整備費が平均が一〇%と、こうなっているわけです。しかし、我が国の航空三社は、いずれも整備費の点について二、三%標準よりも低いというのが統計の上からは定着をしているわけですね。これはいかなる理由に基づくものでしょう。
 これは、例えば整備費が時によっては十何%になるということもあるのかと思って調べてみましたら、大体毎年一〇%を切っている、これが実績なんですよね。そこの意味で、この整備にどれだけ各社が努力をしているか、国の指導はどこまで行き渡っているかという点で疑念を一般論として持つわけです。
 ですから、そこの解明をひとつしてもらいたい。
#254
○政府委員(中村資朗君) 大変難しい御質問でございますし、正確に答えられるかどうかわかりませんが、一般的に日本航空あるいは全日空、非常に世界の各ほかの定期航空会社に比べますと、機
材の数も相当多うございますし、それから大型機が非常に多いということがございまして、それと日本の場合は比較約何といいますか、航空に適した地形であるというようなこともそのよってきたる原因ではないかというふうに思っておりますが、その程度の分析しかしておらないわけでございますけれども、そういうことで少なくなってきているのかなと。
 ただ、実際に整備をやりました結果出てまいりますいろいろな整備上の指標といいますか、例えば百時間ごとのエンジンの停止率だとかエンジンの取りおろし傘とか、飛行中の、スコークと言っておりますが故障率とか、そういう統計をとってみますと、品質としては決して世界の定期航空会社に比較をいたしますと劣っていないということが一般的には言われるわけでございまして、私どもとしては特に問題はないというふうに考えております。
#255
○穐山篤君 安全の確保という意味で、まあ資料がおそろいであるかどうかわかりませんが、次のことをちょっと伺っておきたいと思うんです。
 空港の管制の問題であります。航空六社、七社あるわけですけれども、民と自衛隊とのかかわりで、共同の空港になっているところは何カ所ですか、それが一つ。
 それから、航空自衛隊が管制権を持っているところ、これは何カ所で、どこでしょうか。
 それから、民間空港を自衛隊が間借りと言ってはちょっと語弊があると思いますが、まあ間借りでしょう、平たく言えば。そこはどこで、何カ所なんでしょうか。
 これは、航空安全上ちょっとお伺いしておきます。――時間かかるようですから、次の質問をしている間にちょっとお調べいただきたい。
 空港整備五カ年計画というものの資料をいただきました。その中には、当然航空安全という意味でいろんなシステムを導入をする計画もあるようです。
 そこでお伺いしますが、当面安全を確保するという意味で管制システムについて特徴的にこういうものをやる予定だというその計画ですね。それからもう一つは、後で具体的に事故の例を出して伺うわけですが、近い将来管制システムについて開発をして航空安全を図りたいという計画があれば若干お知らせをいただきたい。
#256
○説明員(井上春夫君) 航空管制をめぐる技術進歩は日進月歩でございまして、その日進月歩の成果を取り入れるように努力をしてまいっておるわけでございますけれども、具体的には航空路監視レーダーあるいは空港の周辺の飛行機を監視するための空港監視レーダー、そういうものの整備を重点的に図ってまいったわけでございます。航空路については全国をほとんど全域かつ二重にカバーできるところまで監視レーダーが整備されてまいりました。主要空港もレーダー管制ができるような状況になりつつあります。さらに、今後の問題といたしましては、交通の流れ全体を一つの流れとしてコントロールしていく。例えば、提出されますフライトプランから類推をいたしまして、三十分後あるいは一時間後、日本の空の混雑状況はどうなるかということを予測をいたしまして、混雑の激しいところについては事前に手を打っていくというフローコントロールセンターを設けたい。これは大型のコンピューターを入れました大変なシステムになるわけでございますけれども、こういうものを三大プロジェクトの供用の始まります昭和六十八年度ころには供用に持ってまいりたい、こんなふうに考えておるわけでございます。
 さらに、洋上の管制につきましては現在航空機のパイロットと管制官が無線交信をいたしまして、位置情報を得て、それだけを頼りに管制をやっておるわけでございますけれども、静止衛星を使いまして航空機の位置をパイロットからの情報ではなくて自動的、機械的に入手をいたしまして、それに従って管制をしていく。こういうシステムも昭和六十年代には実用化の方向に向かうということでいろいろ研究をしておるところでございます。
#257
○穐山篤君 運輸大臣ね、三大プロジェクトがあるわけですね。これは、でき上がる時期は別にしましても、空港の容量がふえるわけです。したがって、便数も必然的にふえる。これは当たり前のことです。それから、ダブル化、トリプル化によって、ざっくばらんに言いますと、空港の容量にもよりますけれども、皆さん方が昨年六月十日に出されました航空局長の案を見ましても便数がふえるわけですね。この説明の中には、これに限りませんよ、なおふえることを予約をしているわけです。午前中も話がありましたように、最近この十年間で小型機の機数も物すごくふえているわけですね。何倍というふうに、何十倍というふうにふえているわけです。
 そうしますと、非常に手狭なところに国内航空、国際航空が相入り乱れる、これが予想されるわけです。私も交通に古くからかかわっていたから思うわけですが、車の運転さえしなければ自動車事故は起きない。しかし、そうは言えないからいろんなもの、信号だとかいろんなものをつくるわけですけれども、これもやむを得ないことだと思います。これだけどんどんふくそうをしてまいりますと、自衛隊なり米軍の飛行機を除いてみても、相当の安全設備あるいはシステムというものを考えないとぐあいが悪い。そういう意味では、空港の滑走路を広げる、あるいはジェット化を図るという五カ年計画も結構ですけれども、先にやるべき事柄をやってもらった上で、便数をふやすとか、そういうふうにいかなければならぬじゃないか。そういう意味で私は先ほど航空管制システムの問題について伺ったわけですが、私の感想から言うと、どうもその方がおくれているという気持ちがしてならない。膨大な金も必要とするわけですから、これは腰を入れてやってほしいなと、こう思いますが、その点はいかがでしょう。
#258
○国務大臣(橋本龍太郎君) 安全を確保するために必要な対策は最善を尽くしたいと思っております。
#259
○穐山篤君 そこで、お調べになっていただいたでしょうか。
#260
○政府委員(山田隆英君) 自衛隊との共用空港でございますが、自衛隊との共用空港が六カ所ございます。これは場所といたしましては、千歳、札幌、三沢、小松、美保、徳島。このうち三沢は米軍との共用でございます。
 それから、民間空港でもって自衛隊が常時使用している空港は、小牧、板付、那覇、新潟、八尾、長崎、熊本、山形、秋田の九カ所でございます。
#261
○穐山篤君 次の三日の日にしっかりやるつもりなんですけれども、民間航空についての管制も大変なんですけれども、言ってみれば軍が出てくるわけですね。軍の飛行機が出てくるわけです。これは単に訓練ということもありますけれども、スクランブルというふうな緊急なこともある。それから、幻の空域というのも現にあるわけです。空域設定があるわけですね。それから、御案内のように沖縄につきましてはすべて米軍が管理をしている。もう十何年もたちましても、主権を持っております日本側に自由裁量が全くない。そうなりますと、航空安全の立場からいうと非常に複雑化するということが懸念をされるわけです。
 特に米軍の場合、自衛隊の場合には、おととい運輸大臣も不快感を示されましたけれども、物の考え方がもう全然違いがあるわけですね。そういう場合の航空管制というもののあり方についてもうこの辺できちっとけじめをつけなければ、事故が起きたときに、再びもう一度勉強さしてもらうというふうな話になる可能性が非常に強いんです。時間ありませんから一々言いませんでしたけれども、これらの問題について運輸大臣なり、あるいはできれば政府の統一見解というものを私は欲しいんです。そうしませんといろんな事故が想定をされますので。なおそのほかに例えば太平洋上でJALがすとんと落ちたという事故はないんですよ。木星号以下大体富士山に落ちるとか、一二三便のように群馬県に落ちるとか、山に落ちていくという事故もあるわけです。ですから、それ
は地理的、気象的な条件も加味される。そういう意味で言うと、単純に安全問題を述べるということは非常に難しいと思うんです。
 そこで、今私が申し上げましたように、そういう複雑多岐にわたる状況の中で、我が日本として主体性を持ってこの航空管制システムについてきちっとやるべきだというのが私の思想なんです。そういうことについての御見解といいますか、できれば政府の統一見解というものを明らかにしてもらいたいなというふうに思います。
#262
○国務大臣(橋本龍太郎君) 政府の統一見解というものになじみますかどうかわかりませんので、今私の知る限りにおいて御答弁を申し上げたいと思います。
 私は基本的に非常に狭隘な国土に住んでおります私ども、それを考えてみますと、自衛隊と共用の空港が存在することはこれはやむを得ないと思います。そして、その中でもちろん運輸省が管制を責任を持つわけでありますが、その重要度に応じて一部防衛庁にその権限を委任しておるものがあることも御指摘のとおりであります。ただその管制のルールと申しますものは、当然運輸省が行いますものと同等のレベルを保持してもらうべきものでありまして、そうなっておると思いますし、また不断に私どももそういう意味での注意を払わなければならぬと思います。
 今、委員が御指摘になりました中で、沖縄の返還に伴いまして、本土復帰当時、当分の間ということで米軍が管制を続けたわけでありますが、運輸省の航空管制の関係者、十分その責任にたえ得るということで、たしか昭和五十八年から日米合同委員会の事務担当者レベルにおきまして返還についての話し合いを、申し入れを既にいたしました。ただこれは、実は日米合同委員会というものが私どもの直接手の届くところではありませんために現在回答に接しておりません。慎重に検討したいということでとどまっております。
 運輸省の航空管制の能力からいたしまして、返還をしてもらっても十分我々はそれをこなし得る、そういう自信のもとに実務レベルにおける交渉を開始しておるということを申し添えます。
#263
○穐山篤君 午前、午後にわたりました小型機の問題、それからニアミスの問題触れておりますので、私はきょうはそこの話は重複しますので省略をしたいと思いますが、率直に申し上げてニアミスの管制官に対するアンケート調査、これは個人の話で恐縮ですが、私は二十年ほど前からそういう関係につき合ってきたものですから、管制官のアンケート調査というのは非常に重視をしている一人であります。したがって、全運輸の提言というものにつきましては、これは労働組合だからというふうに言わないで身内のものである、専門家である、担当者である、こういう立場で十分にひとつ尊重していただきたいと思うわけであります。
 それから、小型機の問題につきましても午前、午後にわたりまして指摘がありました。大部分が操縦者に保っているわけです。航空管制のミスであるとかというふうなことよりも航空機または航空操縦者に係る事故がもう大部分です。九〇%といっても間違いないと思う。そうしますと、事故の原因究明なり再発防止のためには空港の容量を大きくするという話よりも、まずそちらの方を優先的に原因の究明に当たる、あるいは対応策を考える。車の場合、ペーパードライバーもかなり男女ともいるわけですけれども、この小型航空でも大分いるということが最近数字でも明瞭であります。たまに乗るというふうなのが落ちる。自分の命を落とすだけでも困りますけれども、はた迷惑、損害を与えるわけですからね、そこの原因の究明あるいは対策というのは空港の容量をたくさんつくるというふうなことでなくして、もっと基本的な前提条件のところをしっかりやってもらいたい、こう思いますが、いかがでしょう。
#264
○政府委員(中村資朗君) 今先生おっしゃいました最後の部分のお答えになるかと思いますが、確かに小型航空機の事故件数は最近横ばいではございますけれども、中身を調べてまいりますと、やはりおっしゃいましたようにパイロットに起因するものあるいは機材に起因するものが非常に目立つわけでございます。もちろん、日本の場合非常に気象条件が厳しい国でございますので、こういう面の対策につきましては従来からもいろんな面で対策を練ってきておるわけでございますけれども、なお不十分なところについては今後の予算の措置の中で頑張ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 さらに、先ほどもちょっと申し上げましたように安全講習会、その他を通じまして事業者の法令の遵守、その他につきましてきつく要請をしてまいる所存でございます。
#265
○穐山篤君 話のつながりとの関係がありまして、きょうはこれで失礼させていただきます。ありがとうございました。
#266
○委員長(田代富士男君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト