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1987/09/01 第109回国会 参議院 参議院会議録情報 第109回国会 運輸委員会 第4号
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1987/09/01 第109回国会 参議院

参議院会議録情報 第109回国会 運輸委員会 第4号

#1
第109回国会 運輸委員会 第4号
昭和六十二年九月一日(火曜日)
   午前十時四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田代富士男君
    理 事
                真鍋 賢二君
                吉村 真事君
                安恒 良一君
                中野  明君
    委 員
                伊江 朝雄君
                倉田 寛之君
                坂元 親男君
                高平 公友君
                野沢 太三君
                二木 秀夫君
                森田 重郎君
                山崎 竜男君
                吉川 芳男君
                青木 薪次君
                穐山  篤君
                田渕 勲二君
                小笠原貞子君
                田渕 哲也君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  橋本龍太郎君
   政府委員
       運輸省航空局長  山田 隆英君
       運輸省航空局技
       術部長      中村 資朗君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        多田  稔君
   説明員
       運輸省航空局官
       制保安部長    井上 春夫君
       運輸省航空事故
       調査委員会事務
       局長       藤冨 久司君
   参考人
       日本航空株式会
       社代表取締役社
       長        山地  進君
       日本航空株式会
       社常務取締役   長岡 聰夫君
       日本航空株式会
       社常務取締役   十時  覚君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本航空株式会社法を廃止する等の法律案(第
 百八回国会内閣提出、第百九回国会衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田代富士男君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 日本航空株式会社法を廃止する等の法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○田渕勲二君 私のきょうの質問の中心は、日本航空の中期計画について主として御質問申し上げてみたいと思います。
 そこで、八月の二十七日の我が党の青木委員の質問の中で、山地社長は、日本航空が特殊法人としての保護のもとでは甘えの構造に陥るあるいは親方日の丸意識というものがなかなか抜けない、そういう意識改革をするためには民営化をしていく必要がある、同時に民営化をしていく中で非常に大事なことは労使間の信頼関係だ、こういうことを非常に強調されたと私は承ったわけであります。確かにそうであります。
 しかし、私もいろいろ日航の問題を調べておりますうちに、日航には六つの労働組合が存在をしておりまして、非常にたくさんの資料が私の手元にもどっさり届いておるわけですけれども、この六つの労働組合と日航の経営者の間の労使関係というものはどういうものかということを、私なりにいろいろ現状を判断してみますと、必ずしもいい状況ではない、むしろ労使関係は険悪な空気さえあるんじゃないか、こういうことを非常に心配をするわけです。
 私もいささか労働運動に携わってきた者の一人でありますからよくわかるんでありますけれども、企業の中に複数以上労働組合があるということは何かにつけて大変なことなんですね。しかも六つもの労働組合が存在しているということになりますと、労使関係というものは必ずしもお互いの意思疎通というものがうまく図れない。また同時に、大事なことは、労働組合間の意思疎通というものもなかなか図れない、こういうことを私は私なりに経験をしてきたわけなんであります。
 そういう意味では、こういう状況は一刻も早くやはり直していく必要があるでしょうし、むしろ今労働運動というのは統一化の時代に向かっていくわけです。国鉄労働組合の場合でもいろいろ今分裂はしておりますけれども、やはり一企業一組合、こういうものをやはり前提にお互い労働組合は努力していくという方向が見えているわけですから、そういう方向が私は一番いいと思います。
 それから、そういう状況が克服できないとなりますと、どうしても組合間、労働者間の反目というものがどういう結果をもたらすかといいますと、特にこの運輸、交通というような企業に最も大事なことは安全問題ですね。だから労使関係がぎくしゃくしているとか、組合間が非常に問題を起こしているというときに、こういう安全問題に極めて影響が大きい、こういうことを私は非常に心配をするわけなんでありまして、そういう意味で大臣なり社長もそういう点についてのことを認識の上でそうした労使の安定とか、労使協調とか、労使の信頼関係の確立とか、こういうことを言われたと思うんであります。しかし、それは単に言葉だけで抽象的にそういうお題目を唱えているんじゃなくて、ではこれから民営化した日本航空がどのように具体的にこの労使関係の、今非常にぎくしゃくしている関係をどう確立をするか、信頼関係をどう回復するか、このことについて、まずこの中期計画の基礎に労使関係はなっていると私は思いますので、特に大臣と社長に冒頭にひとつその考え方をお聞かせ願いたい、このように思うんです。
#4
○国務大臣(橋本龍太郎君) 運輸省の立場からいたしますと、個別の労使問題に介入する立場にないことは御承知のとおりであります。しかし、航空運送事業という大変公共性の高い、また安全というものを最重点に経営の基礎に置いてもらわなければならない事業を監督している立場からいきますと、日本航空の労使関係というものに私たちは大変強い関心を持っております。
 今、委員が御指摘になりましたように、必ずしもその関係が良好に推移しているとは言い得ない部分があることも私どもも仄聞をいたしております。
 特に、今日本航空が今後完全民営化というものを目標に置き、厳しい競争状況の中で的確に事業を運営し、遂行していつでもらうためには、労使双方がやはり努力をされて信頼関係に基づく健全な労使関係というものをつくり上げていただかなければなりません。一番これが必要なことだと考えております。
 この点につきましては、現在の経営陣も引き続き熱意と誠意を持って対応をしてもらいたいと考えておりますし、またそうした努力をしてくれるでありましょう。全社が一丸となって日本航空をよくしていくという体制をつくってもらいたいと考えております。
#5
○参考人(山地進君) 労使の問題についていろいろの角度から先生から御質問があったわけでございますが、私ども経営を預からしていただいてから五つの大きな目標といいますか、を掲げたわけでございますが、その一番が絶対安全、二番目が労使関係の安定、三番目が国際競争力の強化、四番目が公正な人事、組織、それから五番目が被災者の補償の万全と、順序に若干違いがあるかもしれませんが、この五つの目標を掲げているわけでございます。
 これは申し上げるまでもなく、日本航空は労使の問題が最大の問題であるという認識はどなたもお持ちでありますし、私どもは経営を預からしていただいたときからその点は頭を離れない問題でございます。特に、経営の安定のためには労使の安定が不可欠である、労使の安定のないところに経営の安定がないという観点からこの問題に取り組んでいるわけでございますが、先生の今御質問の中にもございましたように、なかなか労使というものは一朝一夕で、一日で新しい事態が展開するというような問題でないことは先生御承知のとおりでございます。
 私どもといたしましては、共通の理解を得るべく、労働軽合との話し合いを重視しながら経営の任に当たってまいりたい、かように考えているわけでございます。
 それから、中期計画と労使の安定の問題というような角度からの御質問もあったかと思うわけでございますが、この中期計画自体には労使というような言葉はほとんど使われておりません。まあ、初めにというところに「絶対安全を維持・推進するための施策の充実と生産体制の整備のもとで、」、要するに絶対安全とか整備ということを絶対命題として、適正な路線運営計画による収益の極大化とか、コスト競争力の強化とか、そういったような全社一丸となってこの課題に挑戦していくと、それで日本航空グループ全体の繁栄と、株主に対する配当の継続、あわせて社員の総合的福祉向上を目指すと、こういうような観点、最後の言葉は先生のおっしゃる労使関係というような問題を包含しているところかと思います。あとは運航維持能力の向上施策とか、あるいは人件費の効率化というようなところに私どもの労使関係に対する考え方と申しますか、そういったものが書いてあるということでございますが、これは言葉として何といいますか、全体の中に占めるウエートは小さいわけでございますけれども、私どもの思いは非常に重いものがあるというふうに御理解を賜りたいと考えております。
#6
○田渕勲二君 今私が申し上げた労使関係は、この中期計画を遂行していく上にとって労使の信頼関係というものがなければこれはなかなか達成できない、だからその中軸に据えておられる問題だと、私はそういうふうに理解をしたということです。それはそれで結構です。
 しからば中期計画の中身に入ってお尋ねしますけれども、これは六十二年度から六十五年度までの概要でありますけれども、この中期計画の概要の意義といいますか、これが完全民営化の前提条件と位置づけられているんじゃないかと思うんですけれども、その辺いかがでございましょうか。
#7
○参考人(山地進君) この時期、中期計画をなぜつくったかというようなことから御説明をさせていただくのがいいかと思うわけでございますけれども、まずは、私どもを取り巻く環境といたしまして、新しい航空政策が展開されてきた。私ども国内には入れるけれども、国際線の日本の航空会社としては複数社制が出てくるというようなこと、それからもう一つは民営化というような、これは我が社三十五年たって初めて完全民営化ということを迎えるわけでございますので、それらを総合いたしまして、私どもが今後言ってみればひとり立ちをしていく上でどういうようなビジョンを持って経営に当たるのかというようなことを、中は社員、外は株主様に対してどういうふうな御説明をしていったらいいだろうかという観点から、私どもの計画を策定したわけでございます。
 中身といたしましては、この中期計画の中身をごらんいただくとおわかりいただけますように、一番最初に出てくるのは路便計画といいますか、路線をどういうふうに何便ぐらいにしていくんだということと、機材計画――設備計画と言ってよろしいかと思いますが、そういったものがありまして、三番目に運航維持能力の強化、それから四番目に経営の全般にわたります収支の問題を掲げて、五番目に外郭団体の話、こういうような順序で来ております。
 従来私どもの計画というのは、むしろ路便計画、機材計画というものが中心でやっておりました。どの企業でもどういうような生産計画を持っていくかというのが経営計画の中心であることは変わらないと思うわけでございますが、私どもの方もそういった計画を立てて、そういったものを現実的に実現する方法として、私どもの一番大きいのはやはり運航維持能力、つまりパイロットが足りるかどうか、パイロットと事業計画、乗員計画と事業計画との整合性がとれているかどうかというのは非常に大事なポイントになるわけでございます。
 それからあとの、四番目になります収支の問題、収入がどれくらい上がるか、あるいは経費がどれくらいかかるか、あるいは経費の効率化というのはどの程度できるかというのは、これはどこの事業でも恐らくおやりになっていることだろうと思います。ただ我が社、私どもの会社の計画としては路便計画が非常に大きなウエートを占めているということがお気づきになられることだろうと思います。
 従来に増して我どもが意を用いましたのは、六十二年から完全民営化されるわけでございますし、そうなりますと新しく株を購入される方もいらっしゃるわけでございますので、それらの方々に四千八百万株の株をお買い求めいただいた後、配当できるかどうかということについては最大の配慮をいたしまして、六十二年度に配当収入に満たない場合でも配当をするということをかなりはっきりと申し上げる必要があると思うんです。
 ただ、これは六十二年度だけ配当をするというようなことでは、単年度だけの配当というのはいかなる手段でもできるわけでございます。それは継続的に配当ができる裏づけがあって初めて許されることであるという意味では、六十五年度まで収益が継続して見込まれるというようなことを私どもの数字として御提示申し上げているという点は従来の計画になかった点でございます。
 この計画の中の細部につきましては、さらに御質問によりまして御説明を補ってまいりたいと思っております。
#8
○田渕勲二君 この中期計画の前段の方に、ちょっと読み上げますと、「今中期計画は、計画最終年度に収益一兆円余、経常利益三百八十億円(売上高経常利益率略々四%)を掲げるも、特に収益については目標を大きく下回ることが懸念され、この達成には容易ならざるものがある。」と、こういうように前もって言われておるわけですけれども、そういう懸念というのは主としてどこにお持ちなんでしょうか。
#9
○参考人(山地進君) 六十一年度の経営の成績あるいは実感というようなのをベースに今後見通すわけでございますけれども、何といっても六十年から六十一年度にかけて一番の変動要素といいますか、私どもの経営に大きなインパクトを与えておりますのは為替の問題と原油の値段の問題であるわけでございます。
 この為替の問題というのが私どもの収支そのものにインパクトを直接的にはそれほど与えてはいないんですけれども、ただ、間接的にはお客様の動向というのが為替の問題によって非常に左右される、これは国際線において左右されるのみならず、国内の今度諸経済に与える影響という意味では国内線の成績も大きな影響が与えられる。
 それから原油問題は、これも六十一年度だけで七百億ぐらいの、私どもには好ましいインパクト、つまり経費が減ったというようなインパクトを与えているわけでございますが、昨今の新聞でも毎日ドバイの原油がどうだとか、ニューヨークのマーケットがどうだとかということが大きく報道されておりますように、かなり変動する要因というのがあるわけでございます、ペルシャ湾の問題であるとか。それ一つをとりましても大きな変動要因というのがある、そういう意味では私どもが六十年の大事故、まことに申しわけない大事故を起こして私どもの経営に大きなインパクトを与えたそのこと自体も、大変私どもには大きな問題であったわけでございますけれども、経済の根底を流れます為替の問題と石油の問題ということを一つ考えましても、私どもとしては将来についてこうだというようなことはなかなか言いにくい面があるわけでございます。
 それから、さらに私どもを取り巻いている国際線の競争条件というのは、アメリカの企業あるいはヨーロッパの企業が非常に大幅な供給増をしかけてきておりますし、内部的には、国際線の複数社制というような新たな経験がございまして、これも言ってみれば私どもの収支上の初体験というようなことになりますので、これらについてはこういう三百八十億という利益を一応の目標、これは現実性があるからこそ目標と掲げているわけでございますけれども、その現実的な予測の基礎になります前提というものについては非常に大きな不安定要因があるということから、私どもとしては下回ることが懸念されるというような表現をとらしていただいているわけでございます。
#10
○田渕勲二君 言葉じりをとらえて言うわけじゃないんですが、この計画の今おっしゃった説明を聞きますと、為替の問題にしてもあるいは原油の問題にしても、原油の問題というのは非常にいい方向に向いているわけですけれども、それはもちろんペルシャ湾の情勢にもよりますけれども、そういった問題とか、あるいは配当をやらなきゃならない、あるいはまた競争がますます激化していく、こういうような状況を今説明があったわけだが、非常に不安定な要素というのが多いわけなんですね、今まで聞いておりますと。そうすると、果たしてこの完全民営化というようなことが、そういう不安定な要素をかなり持ちながら出発していいものかどうかということを今説明を聞きながらちょっと感じたんですが、その辺いかがでしょうか。
#11
○参考人(山地進君) 今の民営化の話と、それから経営の取り巻く環境が非常に変動要因が多いということとの関連でございますけれども、私どもといたしましては、こういった私どもを取り巻く環境というのは、これは民営化とか特殊法人に関係なく存在する話だろうと思うんです。そういった中で民営化をするのがいいのかどうかというのは別の視点、つまり民間活力の活用といいますか、そういった視点から特殊法人という問題を議論されていく、あるいは競争条件を均等化するという観点から航空政策上民営化をすると、こういうお考えがあるわけでございまして、私ども自身としてやはりそういった周りの方々の御意見というものは、それなりに意味があるというふうに受けとめておりますし、私ども自体でも民営化ということでこの環境を乗り切っていかなければならないし、乗り切るためにも民営化ということが私どもとしてもやりがいのある事業であるというふうに考えております。
#12
○田渕勲二君 今、民営化の視点が政策上違うというようなことを言われたのですが、これ大臣いかがですか、今の私が申し上げた不安定な要素を持ちながら、民営化をどうしても今急いでやらなければならないという方針というのは、考え方というのはいかがでしょうか。
#13
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは先日来たびたび御答弁を申し上げてまいりました点でもあり、また今、山地社長の方から述べられた点にも重複をいたしますけれども、我が国の航空企業というものが国際的な航空業のあり方の中で、従来の方針を変えて国際線に複数社制を導入をする、また国内においてもダブルトラック、トリプルトラックを推進していくということで現に今動き始めておる。その中において既に完全に日本航空というものが国際的な航空会社として評価を受ける段階になり、なおかつ特殊な法的地位を継続する必要はなくなったという意味では、私は委員と少々意見を異にしておりまして、現在における民営化というものは今後の航空政策全体のあり方の中でも必要なことだと考えております。
#14
○田渕勲二君 まあかなり不安定な要素を持ちながらですが、総需要の伸びであるとか、あるいは計画規模あるいは使用航空機数あるいは中期収支計画の資金計画、それぞれの表が示されておるわけでありますけれども、これを一つ一つ追及するつもりはないんですけれども、ある程度確信を持ってこうした数値が出ているとすれば、まあ需要想定をされている中に総需要の平均伸び率あるいは計画規模の表ですね、これについてもう少し具体的に御説明を願いたいと思います。
#15
○参考人(山地進君) まずお手元にあります中期計画の一番目の「路線便数・機材計画」の中の路線便数計画というところに「需要想定と生産規模」こういうのが一ページ目だと思いますが、あるわけでございますが、この中で国際旅客、国内旅客の伸びというものが出ております。需要の伸びでございますので、日本人の伸びが六・四%、外人の伸びが五・八%で国際旅客の需要の伸びが六・一%、それから国内旅客の旧幹線の伸びが五・二%というようなことが出ていると思います。これが私どもの需要の前提でございます。
 それに対して私どもの方の供給というものが出ているわけでございますけれども、この供給を決めますのにはこの需要の伸びと、それから国際線の場合には外国の企業がどういうような供給計画を持っているかというようなことで決めていくわけでございます。
 この中で実績と対比してみますと、実績の方が若干低目だというふうに過去の数字を見てお気づきになられる点は、国内旅客の点が五・二%というふうな増加だということがあるいは先生の御判断の中にあろうかと思うわけでございますが、国際旅客と国内旅客の五十六年から六十一年までの実績伸び率というのを見ますと、国際旅客の場合には五十六年から六十一年度の伸び率が年平均で七・六%でございます。私どもの需要の伸びというのは、今申し上げましたとおり日本人と外国人合わせまして六・一%というふうに想定してございますので、これをごらんになる限りは、従来の五年間の平均から見ればまあまあのところかなというふうに御判断いただけるかと思います。
 それから、国内旅客の旧幹線でございますけれども、年平均が三・一%というのが五十六年から……
#16
○田渕勲二君 三・幾ら。
#17
○参考人(山地進君) 三・一%でございます。これはやはり私どもの計画をつくる場合に、六十年の事故というものの影響が非常に大きくあった。これをどう評価するかということがあるわけでございまして、この評価を頭に入れて、私どもとしては五・二%というような数字をつくらしていただいているわけでございます。
 なお、こういった需要の予測を単に従来の数字からだけでつくったわけでございませんで、それぞれの需要につきましては基本的な説明変数、若干技術的になりますけれども、そういったものをそれぞれいろいろ用いておりまして、例えて一例を申し上げますと、日本人の観光需要は個人の消費の伸びというようなもの、あるいは業務渡航というのがございますね。私どもとして、個人で買っていただく非常にいいお客様でございますけれども、こういった需要については輸出と輸入の伸びというようなものを挙げている。あるいは国内線の旅客需要はGNPの内需というようなものを見ているというような、それぞれが計画をつくっていく段階でいろんな数字を使っているわけでございますが、結果的に出てきた数字が、先ほど申し上げました六・一とか五・二と、こういう数字になるわけでございます。
 その他ここに出ておりますのはそれぞれの路線の機材の問題とか、あるいはトータルの航空機の必要航空機数と、こういうのが出ておるわけでございますが、なお、また御質問に応じて補足説明をさしていただきたいと思います。
#18
○田渕勲二君 今の説明の数字は、これは六十一年までの五年間ですか、六十一年ですね。
#19
○参考人(山地進君) 今の数字は五十六年から六十一年の五年間でございます。
#20
○田渕勲二君 そうすると、私がちょっと調べてみたのでは五十五年から六十年の、六十一年を外した年度では、例えば国内旅客はマイナス二・三%というよつな数字が出ていたと思うんですが、今聞きますと、六十一年からさかのほって五年間を見ると三・一の黒になっていると、こういうことなんですか。
#21
○参考人(山地進君) 私どもの数字を見ても五十六年から六十一年が三・一%ということでございますので、計画値が五・二というのはおかしいじゃないかと、こういう御議論になろうかと思うわけでございますが、御承知のとおり、六十年の八月十二日以前というのは大変大きな伸びだったわけでございますが、事故が起きまして、大変大きな落ち込みをしたわけでございます。この落ち込みというのは、従来の経験から言うと三年ぐらいかかるかなと言われていたわけでございますけれども、私ども、現在の経営をやっておりますと、六十一年の暮れから大変大きな伸びを国内線ではやっておりまして、案外といいますか、国内線の航空に需要の戻りぐあいというのは予想以上に私どもに有利に戻っていただいているというのが現状でございまして、そういった実際の手ごたえといいますか、そういったものも考えながら、先ほど申し上げた内需関連の変数とかあるいは消費の伸びとか、そういったものでこれをつくらしていただいているわけでございまして、やはりこういった過去の数字をごらんいただく場合には、六十年の事故の影響というものをどう見るかということによってかなりな変動があろうかと思います。
#22
○田渕勲二君 では、国際貨物の数字をちょっと言ってください。
#23
○参考人(山地進君) 国際貨物は、今のような例で申し上げますと、中期計画の想定の伸びは、このように七・五%でございますが、五十六年から六十一年度の実績は一一・六%でございます。この数字を見る限りは逆に少し小さいじゃないかと、こういうことだと思いますけれども、これも最近の円高になりまして国際貨物というものについてかなりな変質が行われる。私どもの実感から申しましても貨物が、輸出、輸入の構造がかなり変わってまいりまして、東南アジア発米国向けというような荷物はかなり多くなっている。国内のは、言ってみれば産業の空洞化というようなことが実感としてかなりありますので、減っておるわけでございまして、逆に円高で輸入の貨物はふえてきている、そういうようなことが起こっているわけでございまして、こういった一一%という伸びをそのまま用いるのはやはり実際にはそぐわないんで、私どもの変数といたしましては、基本的な説明変数としては、貨物の輸出需要については輸出金額、それから入国の需要については輸入金額、こういうものを一応ベースにして考えております。
#24
○田渕勲二君 次に、計画規模ですけれども、これによりますと、国際線の場合は六十二年が一〇五で六十三年が一一五、国内線が一一二が一二七と、こう極めて高い生産量を計画をされているわけですが、これはどういう中身でこうなるんでしょうか。
#25
○参考人(山地進君) 今の御質問で六十三年一一五と、こういうようなことでございますけれども、平均増率というところをごらんいただきますと、平均増率は五・八%ということになっているわけでございます。これは有効トンキロという生産量でございますので、需要の伸びというものと、考え方にキロの話が出てくるわけですね、距離の話が。そういう意味では、私どもが乗員がどれくらい要るとか、あるいは航空機材がどれくらい要るとかというのは、単に荷物が伸びるだけでございませんで、実際の作業量という意味ではトンキロという観念を使うわけでございます。今のままの平均の、構造が変わらないで伸びていく場合には伸び率というものとほとんど変わらないわけでございますが、ある程度構造的に近いところがふえて遠いところが減るとか、そういったことになりますと、このトシキロベースというものはかなり変動してくるわけでございます。そういう意味でここに書いてございますのは、年度ごとに若干違って、六十二年度が五%しか伸びないのに六十三年度が一五になるというようなことは、機材の導入計画とか、そういったような働く材料といいますか、そういった生産施設というものと非常に関係してこういった数字が出てくるわけでございますが、この平均増率で五・八%ということは、国際旅客の平均伸び率の六・一%というものから考えてそれほど過大であるとは私どもは考えておりません。
#26
○田渕勲二君 私も素人だからよくわからぬのですけれども、この計画規模いわゆる生産量というのは、その次にずうっと書かれている国際線旅客便なんかどんどん書かれていますね、太平洋線、北回り線、こういういろいろ計画をされておりますが、そういうものを想定してこういう計画規模というものができるんじゃないでしょうか。
#27
○参考人(山地進君) ここにるる旅客便のどういうところを重点的に伸ばすか、私どもの国際線の旅客便の重点的な伸ばし方といたしましては、例えば太平洋線のところを読んでいただきますと、「需要の旺盛なニューヨーク直行便を積極的に増強し」、こういうような言葉でやはりごらんいただけますように、非常に需要の強いところにどういうふうに機材と乗員というものを投入するか、こういうことが計画の根幹になるわけでございまして、こういったことを各線細かくやりまして、それを集計したものが今申し上げました計画規模ということになるわけで、計画規模が先にあってそれでこれをブレークダウンするということではございません。
 先ほど申し上げました需要動向がどういうふうになるだろうかということをまず、キロとかなんかは抜きまして、どういうふうにお客さんが伸びるだろうかとマクロ的なことを見て、それを今度は各線別にこの線ではどうだというようなことを検証して、またそれを需要の想定の中に戻していく、こういうようないろいろな過程はありますけれども、こういった生産規模に関して申し上げれば、国際線の旅客便とかこういう各路線別にずっと書いてございますのをトータルしますと、トンキロベースではこうなるということでございます。
#28
○田渕勲二君 そうだと思うんですね。
 そうだとすると、いささか気になるのは、国際線にしても国内線にしても、特に国際線で申し上げると、これは日航が思うようにはなかなかいきませんね。これはほとんど政府間交渉で決まっていく、路線ごとの合意が必要ですから、かなりこれは問題を含んでいるんじゃないかと思うんですよね、なかなかそうはいかないような。国内線にしても乗り入れ、ダブルとかトリプルとかいろいろやられますけれども、全日空なりが入っているところに日航が入るとどこかの日航は引っ込むというようなこともあるので、必ずしもこの計画どおりさっと生産規模がこのようにはいかないように私は思うんですけれども、その辺いかがでしょうか。
#29
○参考人(山地進君) この国際線の旅客便のところに、先生のお手元の資料にも括弧して書いてございますように、「国際線については、政府間交渉での合意を前提とする。」あるいはここにもっと書かなければいけなかったのは、政府の方の御方針ということも当然あるわけでございまして、そういったことが私どもの全部について、もちろん外国政府の了承も取りつける余地もございませんし、それから運輸省御当局の御了承もこれについて得るということはできないわけでございます。ただ、ここに書いてございますのは、私どもなりにこういうところは伸ばしたい、あるはい伸ばすことが相当確からしい。これ全然伸ばせっこないところを計画に上げるというのは、これはまた計画としては成り立たないんでございますけれども、ある程度の不確定な要因というのは残しながら、私どもの希望というのは書いてあるわけでございます。
 ただ、ここに書いてあったらそのとおり五年間変更しないのかというと、これはローリングプランでございまして、逐次変更しながら、ここに書いてございますようなことを基軸にしながら、収支計画というものをつくっていかなければいけない、これはどの企業でもそうじゃないかと思います。
 例えば、ここにハワイや何かというのは書いてございませんかもしれませんけれども、太平洋市場の中ではホノルルについてこういうふうにするというのは書いてございますけれども、既にユナイテッドエアラインズというのが七便だったものを十四便にする、それからノースウエストが十四便だったのを二十便にするというような計画がございまして、外国の企業は、私どもの計画をしたときから比べますと、ハイピッチでホノルル線の増強というようなことの計画を既に始めております。そうなりますと、私どもは、ここに書いてございますような程度ではとても対抗、商売ができないということになれば、これは政府の方のもちろん御了承を得なきゃいけないんでしょうけれども、増便ということを早急にこの計画の中でやりくりをして対抗するというような局面は出てくるわけでございます。
 したがって、先生がおっしゃいますように、そういった政府の御方針等も得ないで非常に不安定じゃないかとおっしゃいますけれども、私どもとしては、これは不安定じゃなくて、経営というのはそういうものだという程度の話だというふうに理解しております。
#30
○田渕勲二君 くどいようですけど、衆議院の運輸委員会でやりとりされたのをちょっと読んでみますと、山地社長の答弁で、政府の判断や情勢の変化等で路線をふやす必要がない場合にはまたそれなりの対応をしながら収益の増強に当たらざるを得ない、こういうことを答弁されているわけなんです。それが今言われたようなことに当たるんでしょうか。
#31
○参考人(山地進君) 私どもの計画も、先ほど申し上げましたように前提がすべてこのままでなければならぬということではなくて、あらゆる現実的に与えられた与件というものの中で、この計画というものを基軸にしながら柔軟に対応をしていくということでございまして、これは、それぞれの年度になって新しく現実的な年度プランというものをつくっていくわけでございますから、そういった年度プランの中においては、すべて現実的な条件というのをはめ込んで計画をつくっていくということになるわけです。先ほどの御質問のとおり、私が衆議院で答えたのはそういう意味でございます。
#32
○田渕勲二君 次は、積み取り比率の関係についてお尋ねしますけれども、国際線の路線別に日本企業の旅客の積み取り比率が表になってあるんですね。太平洋線、北回り線、南回り線、合計、これは一九七五年から一九八五年の比率をとっておられるわけです。中期計画で言っている国際線の路線拡充が仮に達成されるといたしますと、この積み取り比率は現行に比べてどのようにアップするのか、この辺の説明をお願いしたいと思います。
#33
○参考人(長岡聰夫君) お答え申し上げます。
 路線別の計数は手元にございませんが、六十一年度の実績でございますが、国際線につきましては、お客様、旅客につきまして三三%弱でございました。それから貨物につきましては約三一%でございます。それから、国内線につきましては、いわゆるダブルトラッキングの政策が入ります前の、私ども旧幹線と呼んでおりますけれども、これに係るものが四九%弱。それから国内の、私どもが運営しておらない路線もございますけれども、全部のお客様に対する積み取り比率は約二割という数字でございます。
 そして、今の御質問でございますけれども、中期計画の結果これが一体どう変わるんだという御質問かと思います。
 国際線につきましては、先ほど社長からの答弁がございましたように、非常に外国他社なりそれから国内他社の供給増が国際競争上に見込まれます。そういう中でございますので、私どもの増便を御当局にお認めいただいたということを前提にいたしました場合でも、ほぼこれが横ばいないしは若干の微減という形になるんではないかと、これは国際線でございますけれど、そのように思っております。
 それから、国内線につきましても、主として旧幹線につきましては、実はダブルトラッキング政策の導入に伴いまして他社が増便したのに当社が減便するという状態もございました。そういう前提を置きますと、先ほど申し上げました数字が若干低下するのではないか、超勢的にはそのように考えております。
#34
○田渕勲二君 今国内線の方は聞いていなかったんですが、国内線の場合、松山、広島ですか、函館、乗り入れがあるんですが、これは先般も青木先生からも質問があったと思うんですけれども、ダブルトラッキング、トリプルトラッキングは日航が既に獲得をしている路線の便数を減らさずに増便、増加させることが今から約束されているかどうかですね。ただ、増便のことはいろいろ書いてありますけれども、減便のことは一切計画の中には触れられていないというように思いますが、その点いかがでしょうか。
#35
○参考人(長岡聰夫君) 失礼しました。
 中期計画におきましては、これは当然のことでございますけれども、全体の路便数、これは国内でございますけれども、これは増加するという前提を私どもとっております。特に六十二年度以降、既にいわばダブルなりトリプル導入の基準としてある程度公になっております基準がございますけれども、それに合わせまして広島それから松山、さらに函館という路線についての免許をぜひお願い申し上げたいという姿勢で当局にお願い申し上げているというのが現状でございます。
#36
○田渕勲二君 それはわかるんですけれども、大体経営計画ということになりますと、ただその増便ばかりどんどん増収を図れる部分だけが経営計画であっちゃいかぬので、やはり情勢の変化なり、あるいは増便と引きかえに減便をする場合には減便もあり得るというのが計画の中に入ってこそ経営計画と言えるんではないかと思うんです。その辺のところが私はちょっともう一つわからぬものですからお聞きしたんです。
#37
○参考人(長岡聰夫君) たまたま私ども羽田を起点とします路線を新たに免許いただいたわけでございますけれども、羽田のいわゆる各企業ごとに持っております発着枠がございます。これとの関係で片側を、いずれにせよどこかに行くやつを減らさなければ新たな路線に入れないと、こういう状態が現にございました。ただ、御承知のとおり、来年の七月にはたしか年間で二万回程度の発着枠の増ということが期待されておるわけでございます。そういうものとの総合的な絡みの中で、私どもとしましては新たな路線の開設が国内便についてぜひ実現するようにお願い申し上げたいというふうに思っているわけでございます。
#38
○田渕勲二君 次に、中期計画の機材計画というのがございますね。これについてちょっとお伺いしておきますが、この機材計画というのは、ここに書いてあるのは六十一年度と六十三年度まで。六十四年度以降は今後検討して早急に結論を出す、型式等が未定であるということを理由にしてそうなっていますが、この辺いかがですか。
#39
○参考人(山地進君) 現在、私どもといたしましては六十五年度までの機材の所要量というものについては数字を持っておりまして、今先生のお手元のは六十二年度が九十一機、こういう数字になっておるかと思うわけでございますが、私どもの現在持っております数字は六十五年度で九十六機ということで、今の先生の六十三年度の数字から見ますと五機多くなっている数字でございます。この時点でなぜ六十三年度までしかなかったかというと、御質問のありましたように、六十四年度以降の大型機材については型式等未確定な要因があるので、六十三年度までの数字を出させていただいているということでございます。
#40
○田渕勲二君 それでは次に、二人乗務制のことにつきましてちょっとお尋ねします。
 これは先般も中野先生からも御質問があったようでありますけれども、二人乗務制という問題は各報道機関を含めて非常に問題にされているわけですけれども、まず一つは六十二年度までの機材計画の中に二人乗務の可能な機材が含まれておるのかどうか、このことをお尋ねします。
#41
○参考人(山地進君) 二人乗務制ダッシュ側という同じジャンボの747の新しい世代の飛行機としてボーイングが開発し、それからエアバスでもダグラスでも同じように新しいコンセプト、設計概念で新しい飛行機というものをつくっているわけでございます。
 私ども、現在ボーイングのダッシュ側というものにつきましては、乗員だけで構成いたしました乗員編成会議というのを昨年の七月でございますか、つくりまして、そこの答申が八月七日に出てまいりました。現在ダッシュ400というものについてどういうふうに対処するかということを社内で検討している段階でございます。
 もちろんボーイングの方と話を、ダッシュ側ということではなくて、工場の方のラインというものを押さえてはあるわけでございますけれども、まだ型については何も決まっていないわけでございます。したがって、先生の御質問の六十三年度までにそういうものが入っているのかということについては、明らかに入っておりませんということでございます。
#42
○田渕勲二君 今おっしゃった乗員編成会議ですか、乗員の会議で何か両論が併記されて提出をされた、答申されたというんですが、その両論の代表的な意見というのはどういうものでしょうか。
#43
○参考人(山地進君) まず、技術的な面でICASという新しい機械がございまして、今まではキャプテンとそれから副操縦士というのが操縦席に座っております。それから後ろの方に航空機関士という方が座って、機関士の方々がこちら側のパイロットの見ているパネルのほかにこっち側にエンジンの状況とかいろんなものを表示する計器がついているわけです。そういうものを見ながら適切な情報をパイロットの方に流しながら運航しているというのが、三人乗りの747の飛行機でございました。
 ところが、今ボーイングが二人乗りということで、私ちょっと答弁が不正確だったと思うのは、二人乗りの、というのは767という、国内線並びに近距離のバンコク、シンガポールを飛んでいる同じボーイングの会社の附という飛行機があるんです。これは二つのエンジンでございますので、今度ダッシュ400というのは四つのエンジンでございますから、二つのエンジンという点では違うんですけれども、二人乗りという点では既にそういう飛行機があるわけでございます。
 この飛行機においては、既に航空機関士のする仕事をコンピューターで処理いたしまして、適切な情報がパイロットの見ている航空のいろんな計器がございますけれども、そこに非常にわかりやすく出るというようなことが既に実施されているわけです。それをさらに改良したものを747、四発のジャンボの二人乗りでいけるだろうという飛行機についているわけです。
 そこで、二人でいいんだ、あるいは三人が必要なんだということの争点になっておりますのは、一体そういったエンジンの状況、私は素人でございますんで、非常にわかりやすく言うと、エンジンの状況を把握して適切な情報をパイロットに出して、パイロットはそれを判断して運航するというのが新しい飛行機のコンセプトだと思うんですが、そういったICASという機械といいますかシステムのことを言うんですが、そういったものが航空機関士という人が今までやっていた仕事のすべてを代置できるのか、かわりができるのかということが一つの技術的な争点になっているわけでございます。
 二人でいいんじゃないかという議論が今度の乗員編成会議の答申の中にあるわけでございますが、二人でいいんだという議論は、適切な情報が必要に応じて、かつ重要度に応じて色も音も変えながら情報を与えられるからそれで十分だ。
 三人が必要だという人は、いつもすべての情報を見ながらトレンドといいますか、傾向がどういうふうに変わっていくかということを把握しながら、これを運航の方に人間の口で情報を与えるということが必要じゃないかというような議論をされているわけです。
 それからさらに、事故の起きたときに三人の方がいいんじゃないか、あるいは離着陸のときに三人いた方がウォッチという点ではいいんじゃないかという議論もあります。
 それから、二人乗りの方がいいという議論は、要するに周りの状況を目で確かめるというやつですね、これを今までのパイロットの仕事量といいますか、ワークロードからいうと機械になったんで随分軽減されているから、十分そういったウォッチする余裕というのは出てきているんだから二人で十分じゃないかとか、そういったような技術論というのが大きな問題であろうと私は思っております。
#44
○田渕勲二君 そこで非常に心配するのは、乗員編成会議で両論併記の結論が出されて、結局二人乗務制の是非については結論がつかなかったんですけれども、新聞報道なんかをちょっと見ますると、両論併記という答申を受けて日航は近く役員レベルの導入問題検討委員会を開いて早急に結論を出したいとしている、導入に踏み切る公算が大きいというようなことが、これは新聞報道ですけれども、そういうようなことが書かれているわけなんです。
 いずれにしても二人乗務のダッシュ400という機材を入れての中期計画なんじゃないかなと私は憶測するんですけれども、それはそんなことはないとおっしゃればそれまでのことなんですが、しかしいずれにしても、先般中野先生の御質問に対していろいろ答えられておりましたけれども、発注するについては十分労働組合とも話し合いたい、こういうことを山地社長は答弁されていますが、問題は発注前に合意するのか、あるいは発注しておいて話し合うのかということがこれは労使間にはよくあるんですよ。
 労働組合にしても組合の労働者にとっても非常に心配なことは、発注前にちゃんと合意をしてそして機材を新しく買い求めるということがこれは一番ベターなんでしょうけれども、そうでなくてどんどん機材の方は発注しながら、その過程で労働組合と話し合うというようなことがあってはならぬと私は思うんですが、その辺のところ社長の考えはいかがでしょうか。
#45
○参考人(山地進君) この乗員編成会議という組織のお話もまず御理解をいただいた方がいいかと思うんでございますが、これはダッシュ側という新しい飛行機が出てくるというので、キャプテンでつくっている機長会、そのときは組合だったんですか――、からこういった問題について操縦室にいる運航の乗務員と私ども言っておりますが、キャプテンと、それから副操縦士と航空機関士、そういう航空の運航の実務に当たっている者の間でよく議論をしたい。
 そこで、その乗員編成会議では当然私どもの社員の中には運航本部に、言ってみれば管理する立場の乗員部長とか運航本部長とかいろいろいるわけでございますけれども、そういった経営側の人も入れた乗員だけの会議をつくりたい、こういうお話があって、私どももそれではひとつそういう乗員の方だけで御議論をいただくというのが意義があると思いますから、それでは御発言くださいといって、そのときに私どもの運航本部の副本部長である岩沙という役員でございますけれども、これも入って、それから機長組合、乗員組合、それから先任機関士という機関士の管理職の方の組合ですが、そういう方で、ほかの部局の人は入らないで議論をされたわけですね。
 そこで、その乗員編成会議を、私どもにこういうものをつくりたいといって、こういう組織というものの中に乗員編成会議から最高経営会議に答申をするという形になっているわけです。
 答申ということでございますので、私どもも答申を尊重するというふうに編成会議をつくるときから申し上げているわけでございます。これは運航に携わる人たちの御意見でございますので、私どもとしては当然のことながら答申を尊重していきたい。
 ただ、これはどういう飛行機を購入するかというのは経営の判断の問題があるわけでございますので、答申をして経営の立場から判断をするというこれが基本だろうと思うわけでございます。ただ先生のおっしゃるように、判断をするときに、そういう答申をした方々、それから私どもの判断についての理解を深めながらこの決定を実行していくということが、経営としては大変重要であるという認識はあるわけでございますけれども、判断自体は経営の判断というのが当然であろうというふうに考えておるわけでございます。
#46
○田渕勲二君 経営者ですから経営上の問題で判断されるのはいいんですが、事はこの乗員組合が非常に心配をしているのは、結局単なる機材を入れる入れないじゃなくて、二人制にすることによる安全性の確保が非常に難しい、困難だ、こういう判断に立っての二人乗務制に対する問題点であると思うんですね。だから、単にコンピューターを入れるとか入れないとかというような判断は、これはどこの会社でも経営が判断するわけですからそれはいいですよ。しかし、こういう今申し上げたような非常に安全性にとって問題になるであろうこの二人乗務制、これはイコール機材ということになるんですけれども、それだけにより慎重を期してもらいたい。単に経営判断でやりますというんじゃなくて、私は十分労働組合との合意を取りつけた上でそうした機材というものを取り入れる、こういうようにぜひしてもらいたいと思うんです。
 今アメリカなんかでも、日本も含めてですが、非常に航空事故が頻発をしているわけでありまして、そういう意味でやはり事故を最大限になくする、この事故につながるそういった二人乗務制の問題なども含めて単に企業だけに任せるんじゃなくて、運輸省としてもこうした問題についてはより慎重にやはり監督をしていただくということになると思うんですが、その辺の関係について大臣から一言お願いしたいと思います。
#47
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもは、この747−400型というんでしょうか、この機材、日本航空がその導入を決定いたしました場合には、製造国政府の厳しい安全性審査に合格することをまず前提として、我が国においても二人乗員による安全性についての慎重な検討をしてまいりたい、そのように考えています。
#48
○田渕勲二君 それでは次に、資金調達の関係についてお尋ねをしていきます。
 まず日航の資金調達の件でございますが、現在の資金調達、それから民営化後の資金調達、こういうものを比較してどのように変化していくのか、この点について説明をお願いしたいと思います。
#49
○参考人(長岡聰夫君) お答え申し上げます。
 今どういう調達の仕方をしておるかというお話でございますが、日本航空株式会社法の規定に従いまして私ども長期の負債を立てますときに、一定限度で予算総則に認められている範囲内で政府の保証をいただいております。この保証を活用いたしまして一般的な借入金、あるいは社債の発行という形で資金調達をやっております。日本航空株式会社法の廃止法案について今御審議が行われているわけでございますけれども、そういう過程の中で六十二年度からは政府保証の枠はいただきませんでした、今現に進行中の年度でございますけれども。その代替というんでしょうか、政府の非常な御努力をいただきまして私ども非常に巨額な投資を必要とします航空機材の購入に係る資金、大体半分程度を財政資金で見ていただけると。私どもは輸銀から財投金利で十五年間という期間のいわば融資を受けることができます。残りさらに五割の資金調達の問題が残るわけでございますけれども、先生御案内のとおり、ただいまのところ日航法によって私どもは資本金の五倍まで社債は出せるわけですけれども、この規定がなくなりますと商法の原則に戻りまして二倍まで落ちます。私ども現在は既に二・七倍から八倍程度の調達をしておりますものですから、社債の発行はしばらくできないという状況が続きます。しかしながら、先ほど申し上げました制度金融にさらに加えましてこれはいろいろと条件は必要でございます。例えば配当をしなくてはならないという条件は必要でございます。今後はいわゆる増資あるいは転換社債の発行等々の資金調達の手段も含めまして、総合的に私どもの資金負担をより低くしていくという視点に立って資金調達の多様化を追求していきたい、このように思っております。
#50
○田渕勲二君 運輸省にお尋ねしますけれども、日航、全日空、東亜三社の資金調達の実態はどうなっていましょうか。
#51
○政府委員(山田隆英君) 六十二年度についての各社の資金調達を申し上げますけれども、先ほど日本航空の方からお話がございましたように六十二年度から、これは日本航空のみならず、定期航空運送事業者の調達いたします航空機の購入資金に対しまして輸銀、開銀等から長期低利の融資を行うという制度を発足させたわけでございまして、六十二年度におきましては三社合計で融資額としては千百五十億円を考えております。内訳は、開銀が四百八十億円、それから輸銀が六百七十億円でございまして、三社で対象機数が二十機を考えているわけでございます。
#52
○田渕勲二君 借入金、社債の別ではどういうふうになりましょうか。
#53
○政府委員(山田隆英君) 社債につきましては、全日空の場合、六十一年度で申しますと、これは残高で八百七十五億円ございます。それから長期借入金が千六百十五億円でございます。
 それから東亜国内の場合でございますけれども、東亜国内は六十年度末の借入金が六百九十四億円でございまして、社債はございません。
#54
○田渕勲二君 日航はいかがですか。
#55
○参考人(長岡聰夫君) お答え申し上げます。
 六十一年度末でございますけれども、私どもの長期資金につきましては、借入金が七百六十七億円、それから社債の残高は、内債と外債を合わせまして三千二百四十五億円、合わせまして両者で四千十二億円というのが残高でございます。
#56
○田渕勲二君 そうすると、結局日航は社債にかなり依存しておりますね。それから全日空、東亜というのはどうしても借入金というのが資金調達の中心になっていると思うんですけれども、そうすると、日航も民営化後はいよいよ社債の依存から、社債発行限度が五倍の特例があるものの、やはり資金調達は、他の二社からは有利になるといいながらも、やはり借入金による調達にだんだん変化してくる、社債よりもですね、そういうような形になってくると思うんですが、そうなるとだんだん日航自体としても民営化することによって政府保証債の発行がないわけですから有利な資金調達が非常に難しくなる、こういうことは考えられますね。したがって、そういうことをまず想定しますと、国内三社の六十年度の長期借入金、社債の支払い利子負担の営業費用に対する割合で見ますと、日航が三・二に対して全日空は五・五、東亜が七・〇、非常に日航より高いわけですね。そうしますと、やはり日航自体もやがてはこういう支払い利子の負担が営業費用の中で占める割合というものが非常に高くなってくる、こういうことが考えられるわけですけれども、その辺いかがでしょうか。
#57
○参考人(長岡聰夫君) 先生先ほどおっしゃいましたいわゆる社債発行の五倍の限度は、日航法の廃止によってなくなります。それで商法の原則二倍に戻りますので……。
 で、ちょっとこれはお話が冗長になるかと思いますけれども、私どもの今までの資金調達の実態を見ますと、むしろ外国で、ユーロ市場で外債発行をいたしまして、それを長期のスワップで円タームに直していくという形での資金調達が最もコストが安うございました。したがいまして、社債の発行というやり方はできれば今後とも非常にいい方法じゃないかという位置づけをしております。ただし、先ほどの五倍がなくなるということでなるべく早く、例えば利益の留保なり、あるいはその増資による資本金の増によってこの限度がなくなることを実は期待しておるわけでございますけれども、今、先生が御指摘になりましたように、主として機材調達に絡む投資資金需要に対しましては、先ほどもお答え申し上げましたように、運輸省の方からも御答弁がございましたように、大体必要資金の五割は制度金融で見ていただけると。これは財投の金利でございますので、先生御承知のとおり、そのときそのときの長期プライムよりはやはり〇・三とか〇・四低いそういう資金調達のチャンネルになるわけでございます。
 それから、いわゆるその資金調達のやり方というのは、必ずしも借り入れに、社債がだめなら借り入れかということには必ずしもいかないと思います。借り入れ方式というのがいわば一般論としては最もコストのかかるむしろ資金調達ではないかというのが実感でございまして、先ほどもちょっと触れましたように、将来を考えますとむしろ、私どもの自己資本は今一五%と非常に低うございますけれども、これの充実がある意味では企業基盤強化のために非常に大事なことでございます。それからあわせていわゆる時価発行による増資という方法によるとすれば、資金コストが最も安い、ある意味で、もちろん配当しなければならないという意味での利回りを計算した上でございますけれども、時価発行ができますれば、資本剰余金に残るものが相当ございますので、時価発行による増資、それからさらには転換社債というふうな方途を組み合わせて、私ども財務体質をより強化し、そして将来に向かってよりよい循環が始まる核をつくっていきたい、このように資金調達の面では考えております。
#58
○田渕勲二君 いずれにしても、完全民営化しますと、特にこの機材の調達ということで、相当なお金が要るわけですね。したがって、そうした資金が必要になってきますと、どうしても支払い利子負担、こういうものは当然高くなってくるわけで、それが私は非常に心配するのは、そういった負担というものが、ともすればその人件費のコストの削減というところにどんどんしわ寄せをされていくというような嫌いがよくあるわけですけれども、その辺はいかがでしょうか。
#59
○参考人(長岡聰夫君) ただいまお答え申し上げましたように、先生の御指摘でございますけれども、まさに先生が御指摘されますように、支払い金利、これは営業外の損ということで出てまいるわけですが、この支払い金利の増をいかにしてとめるかということこそ、私どものやるべき仕事じゃないかというふうに思っております。そういう意味で、先ほどからいろいろな資金調達のチャンネルにつきましての多様化の具体的な方法につきましてはお話し申し上げ、それがいかに総体的に見たときにコストの安い方法であるかということをお話し申し上げたわけでございますけれども、総合して申し上げますと、要するに全体の営業費が、仮にほかが不変であるとすれば、支払い金利がふえれば、営業費用を一定の枠内におさめるためにどこかの費用を削らなくちゃならぬと、こういう関係になるわけですね、先生がおっしゃいますように。そういうことが起こらないように、まさに支払い金利増をいかにして抑制していくかということに注意をしていきたいと、このように思っております。
#60
○田渕勲二君 それじゃ次は、ちょっと観点を変えて、これも新聞報道に載っておった「日航のドル先物購入差損ジャンボ機へツケ回し」なんというのが新聞があったんですが、先物予約の問題については、これは衆議院の予算委員会、運輸委員会で相当やっておられますから、余り重複することは避けるんですが、いずれにしてもこのドル先物予約をされてかなり危ない橋を渡っておられるわけですね。それで、結局今の円相場に直しますと、百四十円前後の水準にするとすれば、日航は十一年間で一千五百億円の為替差損をこうむるだろうし、ことしだけでも百六十億円の差損になると、こういうようなことが言われておるわけですけれども、この差損を航空機の購入代金に上乗せをして償却をすると。この航空機の購入代金というのはいずれこれは原価計算でいけば航空運賃によって回収されるでしょうけれども、そういうようなことになりますと、これはたまったものじゃないですね、消費者というのは。そういう事実、この新聞なんかで報道されているようなことを非常に消費者、利用者というのはもう神経とがらしているんですけれども、この辺はどうかということと、それからあわせて、日航の各労働組合のいろいろ機関紙などを見ますと、こんなことが書いてあるわけですね。こうしたこのドル先物によって非常な損失を与えたということは経営上の失敗だと。この失敗の責任をだれがとるか。労働者は何か事故があると必ず責任を追及され、とらされるんだけれども、こういったことに対する経営責任というのは一切明らかにされていない。こういうことに対する非常な不満、うっせきというものが日航の従業員の中にもあると思うんですけれども、この辺の二点の私の質問に対してひとつ明快にお答えを願いたいと思う。
#61
○参考人(山地進君) 責任の問題とそれから償却の問題、この二つでございますけれども、これはこの二つの問題を御理解いただくためには若干その衆議院の御質疑等とも関連するかもしれませんけれども、先物予約をしたときの状況を若干御説明をしたいと思うんです。
 と申しますのは、ちょうど先物予約を私どもがしょうとしていたときは二百四十円の為替であったわけで、さきの予算委員会でございますか、宮澤大蔵大臣がそのころの状況を御説明になっている記事を読ませていただきますと、G5というのが行われてそれから逐次御承知のように円高になったわけなんですが、G5のときに宮澤大蔵大臣の言葉をおかりすると、一割ぐらい円高になればいいなと思ってたというのが、その当時の方々の御認識であったかと思うんです。
 ところで、私どもの経営を見ますと、ドルに関しましては非常に偏った、支出が多くて収入が少ないという状況でございまして、その支出の多いのは、先ほど来御質問のございました航空機を購入する、一機一億ドルもするものを購入するものでございますんで、当然片為替といいますか、非常に支払いが多いような状況になっているわけです。そうすると、これだけのドルが二百四十円、これがまた幾らになるかわからないというような状況で航空機の購入をいたしますと、さっきから御質問のありましたように、少なくとも償却ということで経営を圧迫していくことになるわけでございますので、この為替変動にどう対処していくのかというのが、輸入をする企業、石油とか鉄鋼とか、そういったところのすべての共通の悩みであったわけでございます。
 当時石油審議会等では、一体こういった為替問題についてどう対応するかということはかなり広範に御議論があって、やはりヘッジというものをした方がいいだろうというような議論があったという記録があるわけでございます。私どもの経営といたしましても、そのときに一体どうやったらいいのかというようなことを考えておりましたときに、たまたまその市場の方に長期先物予約というのがあったわけです。
 よく十年というのは長いじゃないかという御質問があるわけでございますけれども、普通の為替の予約というのは支払いが割と期近にあるものについてほどよいものを買っていくというのが普通の先物予約なんですが、そのころにアメリカの金利と日本の金利差というものをからくりの手段にした先物予約の長期のものができたんです。しかも長期のものが十年のものが逐次下がっていくんじゃなくて、最初からぱっと平均的に下がるというような長期先物予約というのが導入されたわけです。それまではせいぜい五年というようなのが先物予約であったわけです。
 そこで、経営の立場から言うと、そういう先物の長期予約をすると経営の安定ということが得られるということがあるわけですね、変動にさらされない。じゃ変動にさらされないのは一体どれぐらいしたらいいんだと。全部すれば、これはもうギャンブルといいますかね、かけになると思うんですね。投機になると思うんです。そこで経営としては、三分の二は従来どおりにしておいて、三分の一だけヘッジしたらいいんじゃないか。そうするとどういうことが起こるかというと、三分の一を長期の十年物の先物予約をいたしますと、仮に円安になった場合にはその三分の一は親孝行してくれるわけですね。三分の二は円安の被害を受けるわけです。ところが、逆に円高になった場合には三分の二については円高のメリットを受けるわけです。ところが、三分の一長期先物予約をしてそれよりもさらに円高になった場合には損をする。しかし、これは何にもしないというのも一つの投機だと私は思うんですね。そこで経営としては、三分の一を安定させて今後の為替の変動に対応しようというのは一つの経営の判断でございまして、これは石油業界等あるいは鉄鋼業界等、輸入業界で広範に取り入れられている話でございます。
 そこで、結果的にはどうなっているのかといいますと、航空機の購入代金についてそれを充当いたしますと、仮に三分の一円高になって、言ってみればやらないときょりも損したということになるけれども、三分の二は円高になってそれで航空機は安く購入できるわけですね。したがって、恐らくこの数字をお示しすれば、円安のときょりも円高になったときの方が先物予約をしてあっても航空機の購入代金は安くなっているわけです。これはドルに対して変わらないところあるいはドルの国に対して日本の企業というのはそれだけ円高になっている部面については非常に優位に立っています。その三分の一をヘッジした分についても平均的に申しますと、私どもの十年間の三十六億ドルの平均は百八十五円ぐらいでございますので、これは二百四十円のときにアメリカの企業と競争していることから考えればかなり有利な数字になっているわけですね。
 したがって、日本の円高というのは、航空機に関しますればアメリカの企業に対しては競争力が強くなる要因になっているわけです。そこで私どもの方がそういった判断をして、実際には御承知のように円高になって先物予約をしなかったことに比べれば、六十一年度について百億円為替上の損をしたことになるわけでございますけれども、それを私どもとしては航空機の購入代金に支払いを充てますと、これは充てるということは会計法上適法なことでございますのでこれを充てますと、これは十年間償却でございますので百億だったら年間十億でございますけれども、初年度はたまたま航空機の購入が年度末の方に偏っているために支払い額がそれほど多くございませんものですから、六十一年度について申しますと、期間計算をする関係で三億円ぐらいの為替差損があったということでございます。
 これは、私どもの生産手段というのは主としていえば航空機でございますし、かつ、先物予約というのが平均的に長期的に見て為替の変動にどう対応するかという趣旨から考えても、航空機の償却に充てますと、今後どういうふうに為替変動があるかわかりませんが、初年度の購入代金については十年間に分散される、次年度以降についても円高、円安の幅が分散されるという意味ではヘッジという思想に合うということで、私どもは償却資金に充てているわけです。
 以上のようなことから申し上げまして、私どもとしては経営が円安か円高か非常に不分明なときにおいて、一つの企業を防衛する手段として選択した判断であって、これが円安になるか円高になるか、どっちかにかけたということではございませんので、責任問題は起こらないというふうに考えているわけでございます。
#62
○田渕勲二君 いずれにしても、しかし、いろいろ御説明がありますけれども、見通しということからいくと私どもの考えでは、今社長のおっしゃったようにそうした十年先物の予約をしたことが全く正しかった、決して間違ってはいなかったというようには受け取れないんですが、いずれにしてもこういったことが新聞紙上に載って一般消費者が驚いたり、あるいは日航社内でそういった問題が大きくクローズアップされてくるというようなことは、やはりそれなりに今社長がおっしゃった事柄というものを十分ひとつやはりそれは社内にも徹底せにゃいかぬでしょうし、我々消費者に対してもわかりやすくそういうことは、そうではないならないというようなことを明確にしていかないことには、我々が新聞で見る限りは、こういうようなことがすぐ我々の耳に入ってきまして、日航というのは何というずさんなことをしているんだろう、こういうことしか残らないということになりますので、これはもう十分今後ともひとつそういう点の説明も兼ねて万全を期してもらいたいと思います。
 続いて、合理化計画についてちょっと御質問申し上げていきますけれども、私がいろいろ調べますと四十六年、五十年、五十五年、五十九年というように四年か五年置きぐらいにかなり合理化が計画されておるわけですね、経営強化策というのかね。これをひとつ簡単でいいですから、四十六年、五十年、五十五年、五十九年というようになされた経営強化策というか合理化というか、これをちょっと説明してもらいたいと思います。
#63
○参考人(山地進君) 今の御質問、中期計画の中で合理化というものをどういうふうに取り上げているかという……
#64
○田渕勲二君 じゃないです、過去の方。
 時間も余りありませんからわかりやすく言いますけれども、なぜそういうことを聞くかといいますと、それぞれの合理化計画を説明してもらいますけれども、その翌年、翌々年ぐらいに必ず大きな事故が起きているんですね。この関連をぜひ私はちょっと聞いておかにゃいかぬと思いまして、それでそういう質問をしているわけです。
#65
○参考人(山地進君) 今、過去の合理化計画の数字について申しわけございませんが手元にないんでございますけれども、また後刻資料として提出さしていただきたいと思います。
 ただ、御質問の趣旨が合理化とそれから事故というような点にあるようにお聞きしたわけでございますけれども、私どもの企業といたしましては現在あれだけの大事故を起こしまして安全ということを抜きにしては企業の存続は考えられないわけでございまして、安全のために私どもとしては大いに努力をしていきたいと考えているわけでございます。したがって、今後の計画のことについて触れさしていただけるなら、人員の合理化については、むしろ整備の面については増員の計画をしております。それから乗員については、むしろ路便計画等と先ほど申し上げましたとおり乗員計画とを整合性をとりながらこれはやらなければできないことでございますものですから、そういう点では安全を第一に取り組んでまいりたい、かように考えているわけでございます。
 私も過去のデータについて合理化と事故というふうな関係からこれを、何といいますか、検討したことございませんけれども、合理化ということは別の言葉で言えば効率化でございまして、企業としては、やはり不急不要なところを削って緊急なところに人員を配置するというのは、これは当然のことだろうと思うわけです。事安全に関しては、私は、安全を第一に考えながら効率化ということを考えていきたいというふうに考えております。
#66
○田渕勲二君 今、中期計画に触れられましたので、それとの関連で申し上げますけれども、これも新聞なんかで見ますと、地上職員九百人削減、日航が合理化案、こういうような合理化計画があるんですね。なぜ私がそういうことを聞くかといいますと、お手元に資料がなければ私の調べた内容を申し上げると、昭和四十六年に徹底した経費の節減策を日航はとっておられますが、その翌年の四十七年は、羽田、ニューデリー、ソウル、ボンベイ、モスクワの連続事故が起きている年ですね。それから、五十年に企業体質強化策の合理化というのをやられておりますが、この二年後の五十二年には、アンカレジ、クアラルンプールの連続事故が起きております。それから、五十五年の経営強化策というものが出されました翌々年の五十七年には、羽田沖、上海の事故が起きている。それから、五十九年に二万人体制という問題が出されましたが、六十年にあのジャンボ機の墜落があるというように、これは偶然だと思うんですけれども、符を合わせて合理化があると事故があり、合理化があると事故があるというのが、これはもう過去四回やられているわけです。
 だから、今度の場合も、地上職九百人を削減したりされているわけですが、仮にまたそういうことをやられますと、これまたいやな予感が当たるのではないかというような気がするので私は申し上げたのであって、合理化と事故、合理化と事故という繰り返しが起きているという事実、この辺のところを私は非常に心配するがゆえに今申し上げて、地上職員の一割削減案というのが出ていますから、このことを私は非常に心配しているんですが、こういうことはございませんか。
#67
○参考人(山地進君) 今の地上職九百人という話につきましては、組合との間でいろいろお話を進めつつあるところでございまして、中期計画そのものの中に、文言といたしましては人件費の効率化というような項目でいろいろの経費の効率化の中に挙げられている項目でございます。これはいろんな角度から人件費の効率化というのを議論しなければいけないのでございますが、一番最初に書いてございますように、効率的な人員配置ということ一つを取り上げましても、私どもの企業の中で一体どういう仕事が大事なのか、あるいはその精度といいますか、その仕事の精度についても、どの程度の精度がいいんだろうかというような議論をする余地というのはかなりあると私は思うわけでございます。今回のその九百人については、地上職について、小さな間接、小さな会社ということを目指して、主として間接部門の効率化という観点から九百人という数字を出しているわけでございまして、そのベースには九百人に上るような退職の方、あるいは六百人ぐらいの他の関連事業に出向される方、あるいは片方で採用をどうするというようなことをトータルに考えながら九百人の削減案というのを出し、組合と今話を進めているということでございます。
 今回のこの中期計画にございます人件費の効率化ということについては、この中期計画の冒頭にございますように、絶対安全の維持ということ、あるいは安全な生産体制を整備するというこの基本を踏まえてやっておるつもりでございますので、過去の例については、いろいろと御批判のあった点については今お聞きしたわけでございますけれども、今後についてはそういった安全面についての不安ということはないというように御理解を賜りたいと思います。
#68
○田渕勲二君 大臣、いかがですか。今の合理化があると事故があり、合理化があると事故があるというようなことについて私は申し上げているんですが、これからの民営化された日本航空がさらに合理化を追求していくんじゃないかと思うがゆえに、そういう心配が私はあるんですが、いかがでしょうか。
#69
○国務大臣(橋本龍太郎君) 一昨年の大事故の後、日本航空自身、社内の体制を整備していかれる中で、私の知る限りにおきましても、整備部門等につきましては相当な増員を行ってこられたはずであります。また、機付の整備士制度の創設でありますとか、それなりの工夫をしてこられたと承知をいたしております。今、山地社長の話を伺っておりましても、今後の要員の合理化というものが間接部門における要員の合理化であり、航空企業としての安全というものについてはなお今後手厚くしていくんだというお話でありまして、そういう方向が貫かれていくことを私も期待いたしております。
#70
○田渕勲二君 スチュワーデスの外国人採用というのが出ていますね。これは人件費コストを抑えるということではないかと思われるんですけれども、円高になるとこういう採用が非常に積極的に行われて、円安のときには外国人スチュワーデスを採用しない。これはいろいろサービス向上のために外国人スチュワーデスを採用すると言われていますけれども、何もサービスというのは、円高であろうが円安であろうがサービスじゃないかと。そういう何か最近になって、円高になってくると外国人を採用して、外国の飛行機会社に負けないようにサービスをするということを盛んに言われておるんですが、この辺、計画期間中の採用数とこれによる経費節減、これはどのように考えておられますか。
#71
○参考人(山地進君) 現在、私どものスチュワーデスで外人のスチュワーデスの乗っておりますところはブラジル、これはロサンゼルスとブラジルの間、それから香港でございます。これは、先生の御質問にありましたように、その地点においてはやはり特殊な外国語つまり英語以外の外国語というのが大事なところであるわけでございますので、サービスの向上ということとあわせて、そこの現地におられる方がそこを拠点に動かれるということは経費の節減にもつながるという両方のメリットがあるわけでございますので従来やっているわけでございますけれども、今回私どもがやろうとしておりますのは、ヨーロッパの方のスチュワーデスをイギリスが八十名、ドイツが二十名、それからシンガポールが二十名ということで、サービスの向上を図りながら、これは外国の方が乗られるという意味ではサービスの向上になるわけでございます。そういったこと。それから、経費面についても、その地点における経費の節減ということがあるわけでございます。
 そのほかに経費の節減としては、日本人のスチュワーデスをヨーロッパに派遣いたしまして、これは日本からヨーロッパへ行って、今度はヨーロッパの域内を飛ぶ飛行機があるわけでございますね。そういったときには、そこにとまっている人が、日本からヨーロッパへ行くときには十七名乗っているんですけれども、そのヨーロッパの地点から別の地点に移るときには、お客様もおりますし、少なくなるわけでございますから、十三名ぐらいで足りるというような点もございます。これはある意味では外人スチュワーデスを雇うような観点と同じ人の効率的な利用というような観点になるわけでございます。そういったことを私どもの客室乗務員の効率化については考えているわけでございます。
#72
○田渕勲二君 それじゃ、中期収支計画というのがありますね。ここに収益と費用と経常損益と、こう六十二年度から六十五年度まで書いてあるんですけれども、これは極めて大ざっぱ過ぎると思うんですね。収益の積算の中身が書いていませんし、費用も一体、六十二年度で八千六十億となっておりますけれども、この積算の根拠が一切書かれておりません。国鉄の分割・民営化するときの政府側の出した資料というのは非常にきめ細かい資料が出されたと思うんですけれども、日航の場合には本当に極めて簡単に書いてある。この辺いかがですか。
#73
○参考人(山地進君) 資料としてお出ししてないということはおっしゃるとおりでございますけれども、この収支を計算するにつきましては、国際線、国内線、あるいは貨物というものの収入を各年度とういうふうに見積もるかと。まず収入面の見積もりというのは大変な作業が要るわけでございまして、これはそれぞれの、その前にございます路便計画、機材計画、これに基づきまして、今後お客様がどういうふうに乗っていただけるんだろうか、業務渡航の人がどれくらい乗るんだろうか、あるいは観光旅客がどれくらい乗るんだろうか、国際線について申し上げますとそういった点、あるいは国内線においては事故後の日本航空の競争力がどういうふうに回復するだろうかと、こういう点をかなりきめ細かく詰めまして集計したものが収入になっているわけでございます。したがって、国鉄の場合の収支計画がどの程度までそういった路線計画と収入と結びついていたか、私も最近の事情はよく存じ上げませんけれども、ここに書いてございます収入というのは決して単なる係数を掛けて計算したものでございませんで、相当いろんな角度から検討して積み上げたものでございます。それから費用につきましても、航空燃料費とかそういったものについては費用の算出前提というのが書いてございますように、それぞれいろいろの前提を置き、また費用の効率化についてもここに書いてございますようなことを検討した上で積算したものでございます。
 したがって、費用の前提としてはいろいろ書いてあるけれども、収入の前提というのが若干ないんじゃないかというあるいは御質問かもしれませんが、それらについてはむしろ路線別にどういう路線をどういうふうにふやすという便数をかなり事細かに書いてあるということで、文章としてはそういった前提について説明が特にしてないというふうに御理解を賜りたいと思います。
#74
○田渕勲二君 時間がちょうど昼になりましたので、その答弁だけじゃ納得いかないですね。やっぱり営業収入というのは事業費だとか販売費とか一般管理費とか、費用にしてもいろいろ人件費、管理費の費用があると思うんですよ。だから私は、細かいそんな何十項目も要りませんから、大綱的にこういう積算で何百億、何億円はこうしたと、それから費用の内訳は人件費が幾らで管理費が幾らというようなことが、口頭でいいですから、説明できるようにちょっと午後一時から再開するまでにひとつ内部でおまとめいただいて、御答弁いただきたいと思います。
#75
○委員長(田代富士男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#76
○委員長(田代富士男君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、日本航空株式会社法を廃止する等の法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#77
○田渕勲二君 午前中の質問に対するお答えをいただきたいと思います。
#78
○参考人(長岡聰夫君) 午前中の先生の御質問に対しますお答えを口頭で申し上げたいと思います。
 若干時間がかかるかと思いますんですが、御了解いただきたいと思います。
 先ほど一般的なお話を社長から申し上げましたように、収益につきましては、まず総需要の伸び等を前提におきましてその当社需要、それから当社収入の想定をすると、それから費用につきましては、一般的に、例えば燃油でございますと中期期間中の原油価格の単価がどうであるかというようなことを想定しております。それから、例えば日本なり外国におきますCPI、消費者物価の上昇率どうであるかというようなことが、例えば海外に地上サービスを委託しますようなときの上昇、大体、例えばアメリカで五%ぐらいあるだろうということになりますとそのくらいの値上がりあるだろうと、こういうような想定ができるわけでございますね。そのような一般的な関連指標等々を頭に置きました上で、次のような数字になりますので申し上げたいと思います。
 六十二年度でございますけれども、そこに全体の数字、収入合計が八千九十七億という数字が載っておりますけれども、この内訳ですが、国際旅客収入が四千五十七億、それから国内旅客が千七百五十六億、貨物収入が千二百四十二億、差額がその他郵便等々がございます。それから、同じ六十二年度の費用でございますが、合計八千六十一億という数字が載っております。この数字からまいりますと、まず航空燃油費でございますが、これが千二百四億、それからそのほかの運航変動費、運航変動費と申し上げますと運航するのに伴いまして必要とする費用でございまして、例えば燃油費等のほかには、航空施設を利用します利用費であるとか、あるいは乗務員の旅費であるとか、あるいは地上のサービス委託費であるとか、そういうものが入ってまいりますけれども、そういうものが六十二年度千四百三十五億でございます。それから貨客変動費というものがございますが、これは二つでございまして、一つは機内で提供いたします食事の費用、それと、代理店に切符を売っていただきますけれども、それに支払う手数料でございますが、これが九百十億、それから機種固定費と申しまして、これは機材の減価償却であるとか保険であるとかそういうものを含む費用でございます。これが千百十四億、合わせまして三千五百九十五億になります。そしてその差し引きが四十億という姿で中期計画の中の六十二年度の経常利益のベースにのっかっておる数字でございます。同様の分類で六十二、四、五年について申し上げていきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
#79
○田渕勲二君 ちょっとこの場で口頭で言われてもわかりにくいのですがね。いずれにしても収益、費用という大科目ではっと出されるのじゃなくて、例えば営業収入の中で事業収入とか、付帯収入とか、いろいろ収益があると思うんですよ、付帯事業についての。そういうものは幾らで、それからこの費用にしても手数料が幾らで宣伝料が幾らとか、そういういろいろな科目ごとに分けて本当は説明するべきものじゃないんでしょうか。合計だけぼんと出されたってどういうことが計画されているのかということはわかりにくいのですよ。これはここで言ってもなかなか大変でしょうから、また我が党の質問も三日の日ですかありますから、概略そういった科目別のものをひとつ資料として御提出願えますか。
 委員長、それをぜひお願いしておきたいと思います。それで私の質問はそれ以上言いません。――よろしゅうございますか。
#80
○参考人(長岡聰夫君) 今、先生からのそういうお話ございましたので、内容等につきましてはまたお話をしながらどういう資料を提出したらよろしいかということで御相談しながら出させていただくようにいたしたいと思います。
#81
○田渕勲二君 それじゃ、それはそういうことで処理していきます。
 次に、営業費用の伸び率の関係をお尋ねしますけれども、四十九年を一〇〇として六十一年度までの日本航空の営業費用の伸び率は幾らになっているか、それから同様に費用の内訳である人件費であるとか、公租公課、燃油費、この三つの伸びはどのようになっているかをお示しをいただきたいと思います。
#82
○参考人(長岡聰夫君) 今、ちょっと手元にその資料ございませんので、これも先ほどと同様にまたお持ちするようにいたしたいと思うんでございますが、いかがでございましょうか。
#83
○田渕勲二君 なければ今求めてもしようがないと思うんですけれども、後でお示しを願うとしても、私の調べでは営業費用の中の人件費、公租公課、燃油費という各科目があるんですけれども、その中で公租公課というのが非常に割合が高いですね、それから人件費に比べて燃油も高いと思うんですよ。だから人件費の伸びというのは割合少なくなっているんじゃないかと思うんですね。
 そこで、そういう公租公課と燃油費、こういった経費の増加要因は別にあると思うんですが、それでは日航からやや輸送量が少ないと言われているエールフランス、ルフトハンザ、ここの従業員数おわかりですか。
#84
○政府委員(山田隆英君) 従業員数についてエールフランスとルフトハンザの数字を申し上げますが、エールフランスの場合が、八六年のエア・トランスポート・ワールドという資料に基づきますものですが、エールフランスが三万五千五百九十八人、ルフトハンザ航空が三万四千九百五人でございます。
#85
○田渕勲二君 今、日航は何人ですか。
#86
○政府委員(山田隆英君) 同じ資料で申し上げますと日本航空は二万五百六十五人でございます。
#87
○田渕勲二君 これを見ますとやはりルフトハンザ、エールフランス、大体輸送量が似通っている航空会社だと思うんですけれども、一万人以上、一万人そこそこの人員がかなり日航の場合少ないわけですね。そういうことになりますと、私何を言いたいかというと、結局いろいろこれから民間航空として再出発をされるわけですが、やはりいろんな面でこれからは合理化がかなり進められると思うんですよ。その合理化というのは、いつのどの企業でもこれはまあ必要なときは必要なんでしょうが、特に労働組合対策、また、労働組合との信頼関係の回復とか確立ということになりますと、合理化計画に対する労使の協調がなけりゃこれはなかなかできないと思うんですよ、協調がなければ、理解がなければ。今、現在よく我々が経験するんですが、企業というのは非常にデメリットの面はかりを説明して、強調して合理化を説明するんですが、そうじゃなくて例えば、日航の場合の、デメリットの面もありましょうけれども、メリットの面というのは非常に円高が大きく貢献していると思うんですよ。だから、それによって原油の単価が随分企業の業績に貢献しているということがある。
 それから、やはり円高によって航空機が非常に安く買えると。これ一例ですけれども、為替を一ドル二百円と百四十円というように比較しましても、二百億円の購入資金を使う場合と百四十億円で済む場合とで六十億円も単年度で違ってくるわけですね。こういうように非常に、デメリットの面があるが、一面メリットの面もあるという、こういう両面をよくやはり説明をして、それがこの合理化計画の中にどのように結びついているかということを説明をしていかないと、なかなかこの合理化計画というのは、我々が見れば人件費だけが圧迫される、いわゆる人員合理化によってのみ経営が推進されているようなとられ方をするわけですから、そういうことがないようにこれから私はぜひやってもらいたいし、そういう説明が、まず前段で十分労働者に対してなけりゃならぬと、私はこう思っているんですね。これが労使関係の確立だろうと、こういうふうに思うんですが、この点についてひとつお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#88
○参考人(山地進君) 今外国のエアラインと日航の人員の比較等いろいろお話しされたわけでございますけれども、今の円高の点から申し上げますと、やはり人件費というのはアメリカとだけ比較いたしましても、二百四十円のときと百四十二円のときでは日本の方が人件費が高くなるというのは、これはまあ隠し得ない点じゃないかと思うんでございますね。それで、私どもの経費の構成を見ますと、約三割は外貨建てでございまして、七割は円建て、円で収支が成り立っているものでございますので、円高の場合には、三割の点は確かに円高のメリットがある面あるわけでございますが、七割はどうしても外国のエアラインに対して高くならざるを得ない。そういう意味では、総じて言うと、輸入産業よりも輸出産業的な体質があるということは否めない事実だろうと思うんです。
 ただ、そういったことだけで私は何も合理化、人員の効率化というようなことを議論しようというわけではございませんで、やはり日本航空が一つの株式会社として適正な利益を出し、株主にも配当し、社員にも十分の福祉の向上を図るというようなことを考えていかなければならないんじゃないだろうかと。そのための計画が今回の中期計画でございまして、いろいろ御審議賜っております収支の問題につきまして、できるだけ資料というものを出し合って労使間の理解を深め、確かめ合いながら、労使相携えて経営に当たれるような努力をいたしていきたいと、かように考えておるわけでございます。
#89
○田渕勲二君 それじゃ、以上中期計画についてはこの辺にしておきたいと思うんですが、いずれにしても、私がいろいろ質問の中で申し上げておりますように、この中期計画というのは必ずしも私は的確なものじゃないと、非常に何か甘さを多く残した計画のように見えてならないわけでありまして、収入の見通しにしても、経費の動向にいたしましても、また収支計画をまだお示しいただいてませんから中身は検討できませんけれども、いずれにしても、そういう中期計画だというふうに考えますが、いずれにしても、今申し上げた労使間のやはり信頼関係を基調にされてこの中期計画の達成をさらに肉づけをされていかれんことをひとつ要望しておきます。
 続いて、若干航空運賃の問題についてお尋ねをしていきたいと思っております。
 これは先般の中野先生からも航空運賃について御質問がございましたので余り深くは申し上げませんけれども、まず一つは、G5以降の円高が長期にわたって現在定着しておるわけですけれども、この円高に伴って国際航空輸送というものがどういうように変化したのか。また、航空券の販売などの具体的な現象、こういうものもどう変化してきたのか。こういった円高に伴って起きた国際航空輸送の変化、こういう点についてひとつ一般的な考えで結構ですから、ひとつ大臣からお聞かせを願いたいと思いますが。
#90
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに、現在の円高が私どもに与えております影響にはさまざまなものがございますが、通貨の弱い外国発運賃を現行レートで円換算をいたしました場合に、日本発の運賃に対しまして相対的に相手国発の運賃が安くなる、いわゆる方向別格差という問題が大変深刻に出てまいっております。
 変動相場制のもとでは、この現象はある程度までは不可避的なものではありますけれども、これが長期間にわたって相当な格差が続くということは決して好ましい状態ではありませんで、航空会社の経営状態も勘案しながら漸次この縮小のための措置をとり続けてまいりました。
 昨年も七月、十月及び十二月におきまして、日米、日欧、日豪、オーストラリアであります。等の路線において方向別格差縮小のための措置を講じできたわけでありますし、本年におきましても、七月十五日から日米路線におきまして日本発の往復運賃を七・四%下げると同時に、米国発を五%引き上げをしたわけであります。さらに、本年十月実施を目途にして、日欧路線につきましては、個人客が従来の団体席を利用して安く旅行できる制度について検討しているところでございまして、今後ともそれぞれの企業の経営状態あるいは為替の動向等見きわめながら方向別の格差の問題に対して努力をしてまいりたいと考えております。
 ただ、よく誤解を生じるわけでありますが、確かに国際路線を運航いたしております航空企業におきましては、原油の価格低下等に伴って燃料費については費用削減効果がここで出てまいります。しかし、基本的に外貨建ての収入と経費がほぼ等しいために円高がそのまま直接の利益を発生させないという状況があることも事実でありまして、こうした点に理解を求めながら適切に対処していきたい、そのように考えております。
#91
○田渕勲二君 東京発運賃の値下げあるいは据え置きですね、そして日本へ向かう各都市発の運賃の値上げで調整が行われたことになっておるんですけれども、再度伺いますけれども、この調整が最大限のものですか。これについてどういう評価を持っておられますか、最大限の調整だと思いますか。
#92
○政府委員(山田隆英君) 先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、国際航空運賃というのは、現在のように発地国建ての場合に、基本的には、日本発の円建ての運賃と相手国発の外貨建ての運賃を円で換算したものとの間に差が出てきて、円高状況下では日本発が割高であるということでございますし、また円高差益という面では、大臣からも御答弁いたしましたし、先ほど日本航空の社長からもお話ございましたように、日本の航空会社の場合に七割が円建ての経費であるということ、それから収入の方も逆に三割が外貨建ての収入で、これは円高になると逆に目減りをするわけでございます。こういうような状況下で基本的に円高というものは原油費の値下がり等を除外すればほとんどないということでございまして、他方、現在の我が国の航空企業の収支状況からいいますと、一般的な値下げというのは非常に難しいわけでございます。
 したがいまして、基本的な考え方といたしましては、方向別格差がこれがやはり余り長く続くことは決して好ましいことではないということもございますし、それから油の値下げ等があるということもございますので、ただいま大臣からるる御説明いたしましたような方向でこれまで日本発の運賃の引き下げを行ってきたわけですが、これが限度かという点につきましては、私ども航空会社等との調整を考えますと、今のところ考えておりますのがこのような措置であるということでございますけれども、今後の燃油費の動向あるいは為替レートの動向あるいは企業の収支状況、こういうものを勘案いたしまして将来の状況のもとで必要があれば検討していきたいというふうに考えております。
#93
○田渕勲二君 日航の場合、欧州線の大幅な値下げ、これは個人向けエコノミーで十月にも最大限四五%の値引きを図るということなんですが、これは日欧線ですけれども、太平洋線の値下げというのはこういうようになかなかいかぬのでしょうかね。
 いずれにしても、それもお尋ねしますが、太平洋線について見ますと、改定された後も、円ベース一ドル百五十円という換算で見た場合、ロサンゼルスー東京間が片道の場合は一等が東京発で運賃が三十三万九千二百円、これに対してロス発運賃が二十三万九千百円、ちょうど十万百円ですか、こういう差がつくわけですね。これはどうも我々消費者から見ると納得ができない点なんでしょうが、冒頭に申し上げたように、日欧線が大幅な値下げになっておるわけですが、太平洋線の値下げというようなことが今後考えられるかどうか、この辺の考え方をお聞きします。
#94
○政府委員(山田隆英君) 太平洋線の値下げの問題でございますけれども、実は太平洋線につきましては、ほかの路線に比較いたしますと、以前から比較的方向別格差の是正に努めてまいりましてこれまで何度か値下げをしたわけでございます。
 今ファーストクラスでの比較が先生からございましたけれども、私ども、普通エコノミーの往復運賃で東京とロサンゼルス間の方向別格差を比較してまいりますと、実は、六十年の初めの時点では大体為替相場が二百四、五十円でございましたが、当時、日本発の運賃を米国発の運賃で割ったものが大体二百二十四円ぐらいということで、この当時は日本発の運賃が逆に安かったわけでございます。その後急激に為替の変動で円が高くなりまして、現在では百四十円か百五十円の間になっておりますが、その間米国発の運賃が六十一年七月に一二%値上がりいたしまして、それから六十二年七月、ごく最近でございますけれども、日本発の運賃を七・四%下げ米国発の運賃を五%上げました結果、現在では、日本発の運賃、これ普通エコノミー往復運賃でございますけれども、これを米国発のやはり普通エコノミー往復運賃を円で換算したもので割りますと、一ドルが百七十六円ほどになっております。確かにこの百七十六円という数字でも、現行の為替レート、実勢のレートから比較いたしますと、日本発の方が割高になっているということは言えようかと思いますけれども、これまで、冒頭申し上げましたように太平洋運賃については、かなり何度か是正をしておりまして、先ほど申し上げましたように、今後の状況次第によってはこれ以上の措置をとらないというわけではございませんけれども、欧州線にとったからといって同じような措置を現在のところ考えているわけではございません。
#95
○田渕勲二君 いわゆる消費者の国際航空運賃に対する疑問というのは、結局、運賃が円高や原油価格の低落の影響を受けないで一向に安くならぬと考えていることと、それから、今もお話がありましたように、同一路線であっても日本発の運賃が外国発の運賃に比べて割高であるということ、また、政府の認可料金なのに、格安の航空券が存在して異常な割引が行われている。こういうことなどが非常に利用するお客さんにとってはわかんないわけですね。いわゆる一物一価ではなくて一物多価というんですかね。そういうことで非常な不公平が生じておるわけでありますから、いわゆる消費者の納得のいく運賃といいますか、我々が理解できる合理的な運賃体系というか、そういうものを今は非常に我々は望まなくてはならないと思っているんですが、そういう意味で御質問申し上げておるわけでございますが、そういう今申し上げたような納得のいく運賃体系、こういったものに一刻も早くやはりやってもらわなければならないし、それはIATAとの関係も出てまいりますから一概にはいきませんけれども、政府としてもIATAとの調整などにつきまして今後どういうように努力をされていくか、お考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
#96
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今御指摘の問題は、実は私ども大変困っておる部分を抱えております。もともと、今、局長から御答弁を申し上げましたように、私ども航空運賃というものを適正に算定して運営しておるつもりでありますが、それにいたしましても、先ほどちょっと局長が触れましたように、かつて逆に日本発の方が安かった時期もあったわけでありまして、変動相場制のもとである程度まではこれは私はやむを得ないことだと存じます。
 ただ問題は、各種の割引運賃の制度があるわけでありますが、日本人の旅行の性向からして従来は団体割引が比較的各種のものが用意をされておりました。ところが、そうした団体割引の切符が個人に流れる、あるいはパッケージツアーの中の宿泊部分を除いた部分それのみが流れるといったものが市場を非常に乱しておりまして、大変その料金がばらばらである、どうもよくわからぬと一般の方々から不信を招くもとにもなっております。
 今さまざまな形で、個人に対する割引制度というものを、まさに燃料の油の値下がり分、そうしたものを還元することによって創設をいたしておりますけれども、これから先もそうした努力は続けてまいりたいと、そのように考えております。
#97
○田渕勲二君 余り時間がなくなってきましたので質問を変えますが、次は航空三社の費用構成についてちょっとお伺いをしたいと思います。
 公租公課の関係をお聞きをしたいと思うんですけれども、公租公課の各費用に占める割合、これを各三社、日航、全日空、東亜、通行税を除いてこの公租公課の関係はどうなっているのか。それから、世界の航空会社の平均した費用に占める公租公課の割合、これがあればひとつお答えいただきたいと思います。
#98
○政府委員(山田隆英君) ちょっと今、先生おっしゃいましたそのとおりの資料は持ち合わせておりませんけれども、いわゆる空港使用料等の空港整備負担金が各社において占める費用について申し上げますと、日本航空が、これは国際線が多いものですからほかの各社に比べてかなり下がっておりますけれども、六十一年度で九・四%でございます。それから全日本空輸、これが二一・五%、それから東亜国内航空、これが二一%でございます。この空整負担金と申しますのは空港の着陸料、それからジェット機に課されます特別着陸料、それから航空機燃料税でございまして、このほかにさらに広く公租公課という場合には通行料、これが国内線の場合に一〇%ほど加わるわけでございます。そして、これは三社合計でございますが、これは国内について申し上げますと、三社合計が六十一年度で空整負担金と申しますのが二〇・一%、それから通行税が八・三%で、これを合計いたしますとほほ費用の二八%強がいわゆる公租公課と言われるものになるわけでございます。
#99
○田渕勲二君 世界の各国の重立った航空会社の費用はどうなんですか。
#100
○政府委員(山田隆英君) 失礼いたしました。世界の各国につきましては、エアラインごとの実は公租公課の比率、手元に資料を持ち合わせておりませんけれども、路線ごとに試算したものがありますのでそれを御説明いたしますと、西ドイツの場合、これはフランクフルト−ハンブルク間を例にとって運賃の中でいわゆる公租公課がどれくらいを占めるかという試算をしたものでございますが、空港使用料が八・五%、それから通行税に見合うもの、これが一二・三%、合計で二〇・八%でございます。それからイギリスが、これは空港使用料でございますが、ロンドン−グラスゴーを例にとりますと一九・七%。それからフランスが、オルリー−マルセイユ間で試算したものでございますけれども、空港使用料が七・四%、燃料税が四・一%、それから通行税的なものが六・五%、合計が一八%でございます。それから、アメリカの場合はシカゴ−ニューヨークを例にとって試算しますと、空港使用料が一・一%、それから通行税的なものが七・四%、計八・五%でございます。
#101
○田渕勲二君 そうですとね、いわゆる非常に公租公課が日本の場合は諸外国と比べて高いわけですが、それが結局運賃収入にかなり公租公課の占める割合が高いということになるわけなんですね。この関係から言うと、例えばコミューターの公租公課の関係で申し上げると、離島間の航空輸送なんかが非常に充実を求められているわけですけれども、公租公課について県などの減免等の措置がとられてはおりますけれども、余りにも単純かつ硬直的な課税の仕方、このように思うわけなんです。こういった中小航空なりコミューター航空というものはこれからになりましょうが、こういう中小の航空会社のこうした公租公課が機械的、硬直的に取られているということについて、これからコミューター航空の展開が叫ばれている割にはこういうものが改善されないということになりますと非常に問題だと思われるんですが、その辺はいかがでしょうか。
#102
○政府委員(山田隆英君) 中小の航空企業に対する公租公課という点でございますけれども、現在離島航路に関しましては、先生も今お話ございましたように、通行税につきましては一〇%を五%に下げているというような軽減措置がとられておりますし、それから空港使用料につきましても一定の軽減措置を、これは県によってでございますけれども、講じている。こういう措置がとられているわけでございます。これは結局全体のバランスとの問題があるかと思いますので、私どもといたしましては、今までのこの離島の公租公課等につきましては従来のような軽減措置でやむを得ないんではないかというふうに考えております。
 ただ、コミューター航空につきましては、離島以外のコミューター航空でございますけれども、これは最近非常に各地で関心が高まってまいりまして、最近でございますけれども、私ども運輸大臣の諮問機関でございます航空審議会の中に地域航空輸送問題小委員会、コミューターに関する小委員会を設けたわけでございます。そこでいろいろこの春以来御議論をいただいておりまして、八月に中間答申をいただいたわけでございますが、その中でも公租公課等の問題については必ずしも直接触れているわけではございません。
 ただ、今後来年の春ごろまでかけていろいろコミューターに関する諸問題を御審議いただく中で、そういう問題もまた必要に応じては御審議いただくこともあろうかと思いますが、コミューター航空の位置づけと申しますか、性格を考えます場合に、確かに弱小の航空企業が運営する場合が多いと思いますので、いろいろ国なり地方なりの助成措置が必要かと思います。
 助成をどの程度やるかということにつきましては、逆に国民生活にとってどの程度の必要性があるかというようなことも勘案しながら考えていくべきではないか。ほかとのバランス等もとりながら考えていく必要があるのではなかろうかと思いますので、現時点では公租公課に対する軽減措置というよりか、空港の整備であるとかあるいはコミューター航空事業について税制なり金融上のそういった助成措置を考えていくというようなことが従来からこのコミューター関係の小委員会で議論されておりましたし、私どもも今回の――今回のと申しますか、来年度の空港整備の予算の中でコミューター空港の助成等についてそういう考え方でひとつ要求をさしていただきたいというふうに思っている次第でございます。
#103
○田渕勲二君 いずれにしても、着陸料とか航行援助施設利用料などというのは重量の違いとかジェットの違い、こういった一回離陸したり着陸したりするものにかかってくるわけですから、どうしても近距離航空に非常に比重が高くなるわけですね。だから、そういう近距離航空で経営的にも四苦八苦しているところがそういう公租公課が高いということになると、どうしてもシーズンオフに減便をしたりあるいはサービスの低下をしたり合理化をやったり、こういうことの原因になりがちですから、その辺のところは今局長が言われたように、積極的にこれからも前向きに公租公課のあり方についてはひとつ考えていただきたい、こういうふうに要望しておきます。
 加えて通行税について一言質問しますけれども、これは前回も御質問があったようですが、もう一遍再度申し上げておきたいんです。
 売上税のときに廃止が言われておった通行税、この廃止を運輸省も来年度は大蔵省に要求するというような報道があるんですが、これはひとつ大臣から明確にお答えをいただきたい。
#104
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもは通行税につきましては、これだけ航空事業というものが国民の足として定着をしている状況の中でぜいたくなものだとは決して考えておりませんので、来年度も再び税制改正の一環として通行税の廃止の要望をいたしたいと考えております。
#105
○田渕勲二君 それじゃ、時間もありませんので、最後にコミューター航空の関係について御質問申し上げますが、コミューター空港の建設費の補助率、ヘリポート建設の補助率を運輸省は決めたと言われておるんですが、この辺のところ御説明願いたいと思います。
#106
○政府委員(山田隆英君) コミューター空港とヘリポートと分けて申し上げますと、まず第一にヘリポートにつきましては、六十二年度の補正予算の中で新しくNTTの売却益を活用して助成する制度を創設いたしました。
 そしてその内容と申しますのは、地方公共団体が整備する公共ヘリポートに対しましてはその全事業費の三〇%の貸し付けを行うというものでございます。その貸し付けの償還金については後刻補助金でもってそれを充当するという考え方でございます。
 それからコミューター空港につきましては、昨日、大蔵省に提出いたしました六十二年度概算要求の中で新しく今のヘリポートの助成制度とほぼ同じ制度を要求いたしております。ただ内容につきましては、助成率がヘリポートの場合が三〇%でございましたが、コミューターの場合はそれを四〇%というふうにいたしております。
 来年度の六十三年度要求額といたしましては、コミューター空港につきましては国費で五億円、それからヘリポートの場合が五十億円を要求いたしております。
#107
○田渕勲二君 第三種空港というのがありますね。これは五割補助されていると思いますが、こういう地方公共団体との関連性の非常に深いコミューターやヘリポートがそういうものより補助率が低いというのはどういうことですか。
#108
○政府委員(山田隆英君) 第三種空港は、お話ございましたように、基本的に建設費の五〇%負担または補助しておりますが、これは全国の航空ネットワークの形成にも必要な空港である、国も相応の責務を果たすという意味で五〇%にいたしておるわけでございます。
 それに対しましてコミューター空港の場合、その主たる機能が比較的小規模でありますとか、または短距離の地域的な航空需要に対応するものでございますので、地方公共団体が主体となって整備すべきものというふうに考えております。全国航空ネットワークを補完するという点で国もその一部の費用を補助するということにしたわけでございまして、そういう意味で第三種空港の五〇%に次ぐ水準ということで四〇%にしたわけでございます。
 この点につきましては、先ほど申し上げました航空審議会のコミューター小委員会におきましてもこういう考え方でいくのが望ましいのではないかという意味の中間的な取りまとめを行っております。
#109
○田渕勲二君 そうしますと、コミューター航空の来年度予算での整備地区、予算額、これはどうなっておりましょうか。
#110
○政府委員(山田隆英君) コミューター空港につきましては予算額として要求いたしましているのが五億円でございまして、対象空港は兵庫県の但馬空港とそれから鹿児島県の枕崎空港でございます。
#111
○田渕勲二君 この関係で六十一年六月に運政審の答申が出ておると思うんですけれども、この(5)というところに既存の中小航空企業あるいはコミューター航空のことが書かれておりまして、特に既存の中小航空企業の場合には、不採算でも運航の維持が求められている、あるいは経営基盤の強化を図れとか、離島を含む中小航空企業の運営が維持されることを期待する、こういうように既存の中小航空企業についてはなっておりますし、コミューター航空にいたしましても各方面から非常に期待が大きい、採算性に配慮してそうしたあり方を検討せよ、こういうように運政審の中に明確になっているんですが、運輸省はこれにどのように対応されようとしているんですか。これをひとつ御説明願いたい。
#112
○政府委員(山田隆英君) 離島路線等を運航する中小航空企業に対しましては、今、先生おっしゃいました運政審の答申の中でも一定の配慮をするようにという趣旨の考え方が示されておるわけでございまして、地域住民の足として生活上必要な離島路線につきましては、不採算であっても運航を維持することが求められているので、このため、これらの生活上必要な離島路線の維持を可能とするよう、航空企業について採算路線の運営について配慮するとともに、経営基盤の強化に資するような路線展開については、企業の性格と能力に応じこれを認めることとしている、こういう答申の趣旨でございまして、私どもこの答申の趣旨に沿って今後航空政策を進めていきたいと考えております。
 その具体的な方策といたしましては、まず第一に競争促進という観点からは需要の多い路線につきましては、ダブルトラック化あるいはトリプルトラック化を進めることとなるわけでございますけれども、生活上必要な不採算路線を主として運営しております中小航空企業につきましては、不採算路線運営の内部補助の原資となっております採算路線につきましては、他の企業の参入によりましてこれが悪化し不採算路線の維持運営に問題を生ずることのないようダブルトラック化あるいはトリプルトラック化のための時期をおくらせるといったような必要な配慮を行うというふうに考えております。
 また、次に第二点として考えておりますのは、離島路線を主としている中小企業につきましては、これらの企業の経営基盤の強化を図りますために路線の新設であるとか増便というものを適宜認めていきたいということでございまして、運政審答申後の具体的な展開といたしましては、これはエアーニッポン、以前は近距離と言っておりましたが、福岡−小松という路線あるいは福岡−鹿児島という路線、この二路線はエアーニッポンに認めました。また、南西航空に対しましては那覇−松山路線というものの新設を認める。その他関係路線の増便というものをこれらの航空会社に認めてきたということでございます。
#113
○田渕勲二君 それはそういうことで運輸省としてもお考えなんでしょうけれども、私はこの見方をこういうふうに見ているんです。
 結局コミューターの推進というのは非常に地域ニーズに密接な関係があるわけで、しかし採算性というのはかなり悪いわけですね、決していいものじゃない。だから補助率をできるだけ高くしておく必要がある、こういうように補助率の問題をやはり考えるべきじゃないかということを運政審の答申は言っているんじゃないかと私は読み取ったんですが、その点いかがでしょう。
#114
○政府委員(山田隆英君) 運政審の答申につきましては、直接コミューターについての助成ということは触れていないというのが私どもの理解でございます。
 この運政審の答申の中で言っております離島路線等を運営する中小航空企業というのは、先ほど申し上げましたように、今現在沖縄を中心に運営している南西航空であるとかあるいは九州、北海道等の離島、辺地を運航しております当時の近距離航空、現在のエアーニッポンでございますが、といったようなものを念頭に置いて、これらはコミューターといいますよりかいわゆる小規模の定期航空路線ということでございます。これについて運輸政策審議会は、いろいろ配慮すべきであるというふうに言っていたというのが私どもの理解でございます。
 コミューターにつきましては、したがいまして運政審では直接触れておりませんで、これにつきましては航空審議会のコミューター小委員会でいろいろ議論していただきたいということで今御検討を願っておるわけでございまして、その助成策につきましては、空港の整備につきましては、一応最近八月の二十五日に中間的な取りまとめをいただきまして、そこで先ほど申し上げましたような考え方を取りまとめていただいたわけでございます。
 今後さらに助成策につきましては、最終的な取りまとめの段階までまたいろいろな御検討がされ何らかの取りまとめが出てくるのではないかというふうに考えております。
#115
○田渕勲二君 もう時間がございませんので最後に一点だけ質問して終わりますが、今のコミューターがこれからはかなり発展してくると思うんですけれども、そこで非常に心配なのは事故の問題なんです。
 最近小型機の事故が非常に多発をしておるわけでありますから、その上にまたコミューターというものが出現をしてきますと航空管制上非常にいろんな問題が出てくると思うんですけれども、こういう不安を持ったままでコミューターの促進を図るということは私はやはり事故を考えますと心配なんでありまして、こういった十分整備された環境の中でこうしたコミューターが発展していくということをぜひやってもらいたいのでありますけれども、大臣にコミューターのための航空管制保安対策、こういうものを最後にお聞かせ願って私の質問を終わりたいと思います。
#116
○国務大臣(橋本龍太郎君) 運輸省といたしましては、コミューターを含めて最近多発しております小型機事故の防止を図りますために幾つかのことを今考えております。
 小型機の運航者に対しまして航空法令及び安全関係諸規定の遵守とかあるいは無理のない飛行計画をつくらせるといったようなことを中心にした、一つは安全意識の向上を図っております。
 また同時に、航空管制の分野におきましても、飛行中また飛行前におきまして適時的確な情報を提供していくことに加えまして、本年の三月からVFR機の位置報告制度を導入いたしました。さらに航空交通の特にふくそうする空港周辺の空域におきましてVFR機に対しましてレーダー誘導などのサービスを提供するいわゆるTCA業務というものを六十三年度から導入することにいたしております。
 しかし、それだけで足りるというものでもありますまいし、今後ともに航空審議会地域航空輸送問題小委員会での検討をも踏まえまして努力をしてまいりたいと考えております。
#117
○小笠原貞子君 なぜ今日航を民営化しなければならないのか。いろいろな角度からしっかりと見詰めていかなければならないと思います。順次質問をいたします。
 まず最初は、競争促進の問題についてです。
 日航を民営化する大きな理由として企業間の競争促進の導入ということがうたわれております。運政審の六十一年六月九日の答申の中にも、競争促進のために今までの四十五年、四十七年体制の規制を取り払い、ダブルトラッキング、トリプルトラッキングなどを推進するとしている。既に実行に移され競争促進が行われていると思います。具体的な事例でお伺いしたいと思います。
 東京−小松間、ダブル化されました。開設前と比較いたしまして航空会社はどうなってますか。便数はどういうふうになっておりますでしょうか。
#118
○政府委員(山田隆英君) 東京−小松便につきましては、いわゆる競争促進策を展開する以前は全日空一社が五便を運航しておりました。しかしながら競争促進策をとることになりまして六十一年の十月一日から日航が参入いたしました。この際日航の運営いたしました便が二便でございます。その際全日空は逆にそれまで五便運航しておりましたのを三便に減らしておりまして、現在はしたがいまして全日空が三便、日本航空が二便の運航をしております。
#119
○小笠原貞子君 我々利用者として考えた場合に、特別日航がここで新たに参入しなくても、もう数は同じですよね、五便だということになると。利用者としては何の利益にもならない。一体これが何の競争になるのか。全日空が減って日航が入ったというだけのことで、全便としても同じなんですよね。そうすると、何のためのこれはダブル化なのか・結局本当のねらいは何だと、それぞれの会社が収益を確保するため路線枠、路線獲得ということがねらいだというふうに言わざるを得ないんですけれども、私はそう思うんだけれども、そう思っていいですか。
#120
○政府委員(山田隆英君) 先生が今例として取り上げられました東京−小松線と申しますのは、競争促進策を取り入れた路線としてはやや特殊な事例に属するかと存じます。
 と申しますのは、今もお話のとおり小松の場合には新しい航空会社が参入いたしましても、その参入した便数の分だけ既存の航空会社が便数を減らしておりますので、総体としての便数が変わらないわけでございます。ただ、それ以外の路線、例えば東京−鹿児島路線のような場合に新しく日本航空が参入した場合に、日本航空が実施した二便というのは従来の便数にそのままプラスされておりますし、ほかの名古屋−福岡あるいは名古屋−札幌といったようなこれらの路線もダブルトラック化されたわけでございますが、これもそれぞれが便数が増加しておるということで、一般的に言えば新しい航空企業が入りましてダブルトラック化あるいはトリプルトラック化した場合には、当然便数の、総体としての便数の増を伴うものでございます。
 ただ、確かに小松の場合はやや例外的で、新しい航空会社が入ったにもかかわらず便数増加がございません。これはある意味では、現在の日本の空港事情の特殊性によるものでございまして、現在羽田空港は能力いっぱいに使っておりまして、定期便がほとんど増便できないというような状況にございまして、新たな路線展開をしょうとするとどうしてもどこかほかの便数を削らざるを得ないというような事態もございます。
 小松の場合に、全日空は、恐らく日本航空が入ることによってある程度利用率が下がるという予想のもとに便数を減らしたというふうに考えられるわけでございますが、ただ結果として見ますと、二社入ることによりまして参入前の六カ月と参入後の六カ月の輸送需要を比較いたしてみますと、それぞれ対前年比の伸び率が東京−小松で参入前六カ月が八九・八%増、それから参入後六カ月は一二八・八%増ということで、三九%の増加を見ております。
 このように、二社入ることによって輸送量がかなり大幅にふえているということ、それから利用者の立場から見ますと、今までは一社だけであったのでどうしてもその一社に頼らざるを得ないというのに対して選択の余地がふえる。逆に企業の方は、どうせ自分のところにお客が来ると思えば安心してサービス向上に努めないということもあろうかと思いますけれども、やはり競争相手があらわれれば相手に負けないようにサービス向上に努めるというようなことで、増便を伴わなくてもやはり利用者に対するサービス、利便の向上というものは期待されるであろう。
 それから、もう少し長い目で見れば、当然空港事情の制約が緩和されれば一社の場合よりも二社の場合の方が恐らく増便の率というものも高くなるんではないかというようなことが考えられようかと思います。
#121
○小笠原貞子君 特殊な小松の例だと、そうおっしゃった。確かに競争ですからね、今までつんとしていたのがにっこり笑ったと、今までお茶だけだったのにおまんじゅうが出たなんというと、我々利用者側にとってはありがたいことだけれども、やっぱり我々の一番求めていることは何よりも安全だということですよね。だから、サービス以前に安全であってほしい。今図らずも局長おっしゃったけれども、羽田沖展開になると二万回かふえますよね、確かにそれで増便はできるかもしれない。でも私、ここで大事なことはやっぱり飛行場が幾らたくさんできて整備されてもだめだということですよね。つまり、空が無制限に自由に飛べるというものではありませんよね。自衛隊の訓練空域がある、アメリカの訓練空域がある。広い空だけれども限られた道だと、ルートだということを考えれば、飛行場、数ふえて整備されたというだけでは私はだめだ。この問題に入るとまた時間がかかりますから、この次またこれについて伺いたいと思うわけです。だからやっぱりサービスというのは、便利がよくなっただけじゃなくて、それに必ず安全という保障がなければならないということをここで一応申し上げるだけ申し上げたいと思います。
 次の質問に入るわけですけれども、各路線に積極的に参入していくということになりますと、まさに競争ですわね。そうすると機材購入をしなければならぬと、こういうことになる。それがもうそれこそ一兆円を超えるというような計画も出ている。そうしますと、確かに自由に参入できるというけれども、今度は供給過多になってしまう可能性はどうなんだと、それが強いのではないかと、莫大な経費をカバーできるんだろうかと、こういうことを考えられるわけですよね。私なんか千歳、札幌と東京を往復しているんだけれども、同じ時間に同じに飛んでいるわけですよね。乗るのを見たらこっちの端から向こうの端の窓までだれもいないなんて、もう空気を運んで、そして燃料を使って、酸素を使って、何とまあまあ本当にもったいないなと思いながら、同じ時間に飛んでいるんですわ。あれも何とかならないものかと思うんだけれども。
 それは別のことにして、どんどん機材を購入して競争に当たるということになるとこれは大変なことになると思うんですよね。そうすると採算が上がらないということからダンピング競争という、この間も問題になりました。ひいてはダンピングだけではなくて、さっきから言っている安全部門に切り込まれていってこれが軽視されてくるということになると、これは本当にそのままではほっておけない問題ですよね。そうして結果的には、さっきもちらっとおっしゃったけれども、採算性がとれないということになってしまったら、そこのところの路線はJRでないけれども廃線にして撤退するということになると、利用者はたまったものではない、こういうふうに思うんですけれども。その資材の莫大な投資する、過剰設備、投資過剰になるんではないか、その結果ダンピングなどとの関係どうなっていくのか、採算とれないよと、撤退されればそれきりよということになる。この問題についではどういうふうにお考えになりますか。
#122
○政府委員(山田隆英君) まず、今回の競争促進策に当たっての基本的な考え方でございますけれども、これは昨年の六月九日の運輸政策審議会の答申に述べられておるわけでございますが、「安全運航の確保を基本としつつ、企業間の競争を通じて、利用者の要請に応じたサービスの向上、経営基盤の強化、」「等の実現を目指すこととなった。」ということでございます。その競争の促進に当たっては、路線の新設、増便等、できるだけ各企業の自主的な経営判断を尊重するということを政策の基本に置くということにしております。
 ただ、その際審議会でもいろいろ御議論がありまして、米国で行われているような徹底した自由化政策というものにつきましては、我が国の場合、安全で安定した良質な輸送サービスの提供という利用者利便の確保の面から見て、必ずしもそういった政策をとることが最適であるとは断言しがたい環境にあるし、また、現状においては空港の制約もあるので、当面は極力弾力的な行政運営を行うことによって競争促進策を進めるということで、いわば一定の枠の中で競争促進策を進めていこうということでございます。
 そして、今、先生お話ございましたように、どんどん機材購入を各社が勝手にやって路線をふやすということではなく、どういう路線について競争促進策を入れていくかということにつきましては、これも答申の中では、路線の需要規模等に応じてダブルトラッキング化あるいはトリプルトラッキング化を推進すべきであるとし、さらに国内路線の場合、具体的にはそういうダブルトラック化、トリプルトラック化の対象路線としては、まず競争促進による利用者利便の向上のメリットが相対的に大きいと思われる高需要路線が考えられる、それから、あと国内ネットワークの拠点等の機能を有する主要空港間にあっては、一定規模以上の需要のある路線についてそういうダブルトラッキング化、トリプルトラッキング化の推進の対象路線としていくべきである、こういうことを言っております。
 さらに、こういう考え方を受けまして、私どもの方としましては、より具体的な基準といたしましては、この答申の後、ダブルトラッキング対象路線としては、年間七十万人以上の路線、ただし東京、大阪、福岡その他の主要空港間と言われるそういう路線にあっては年間三十万人以上の路線を対象とする、それから、トリプルトラッキング化の対象路線としては、年間百万人以上の路線を対象にするというふうに決めまして、それを各社に通達しております。
 こういう路線につきまして、いわば需要の多い路線についてダブルトラック化、トリプルトラック化を行っていくということでございますので、それによって過当競争については一定の歯どめがかかるというふうに考えております。
#123
○小笠原貞子君 今御説明いただきましたダブル、トリプル化の需要の人数の数字というものが出されております。そういう需要があったら参入させ、競争を促進させると、基本的にはその考えですね。そうですね。
#124
○政府委員(山田隆英君) ほかにもちろん空港事情等がございますけれども、基本的には今おっしゃったように、私どもが通達した基準に合う路線につきましてはダブルトラッキング化、トリプルトラッキング化を積極的に推進していこうということでございます。
#125
○小笠原貞子君 そこで、いろいろ具体的な問題というのが起きてくる場合どうなるか。例えば、入ってくるその中の一社がこの時間帯に増便したいと。やっぱりいい時間帯ということを要求するわけですよね。そうすると、ほかの二社もその時間帯はうちも欲しいんだということになって、競争上やっぱりうちも欲しいよと、こうなってくる。こういうふうに要求というのが、自由に参入できるということでいろいろ出てくると思うんですよね。こういうときはどういうふうに調整なさるんですか。
#126
○政府委員(山田隆英君) 時間帯の調整につきましては、基本的にはエアライン同士で調整していただきたいと。運政審の答申にもありますように、企業の実際の運営はできるだけ可能な限り企業の自主的判断を尊重するということでございまして、企業が時間帯を選ぶに当たりましては、採算の問題あるいは機材繰りの問題あるいは人員の手当ての問題、こういったものを念頭に置いて希望を出すと思うんですけれども、できるだけそういうものを認めていきたいと。
 ただ、その結果として二社が同じような時間にぶつかり合うということになりますと、利用者に対しては、結果として二社を入れたことによってサービスが低下するといいますか、利便性が低下するというようなこともありますので、そのような場合、まずできるだけ企業間で話し合いをしてもらって、何らかの調整をしてもらう。それが難しい場合に間に航空局も入って仲介をするというような考え方でやっていきたいというふうに思っております。
#127
○小笠原貞子君 時間帯の場合はそういうことだと。
 また、新しくこの路線にというような場合には、おたくの方が調整、許可なさるわけでしょう。それはおたくがチェックということになるわけですよね。
 そうしますと、競争促進だとか、自由参入とかいろいろ言われるけれども、どうしてもいろんなことが具体的に出てくると、むしろこれをどうチェックしていくかということが非常に大きな問題になってくるわけです。そのチェックするのは運輸省、おたくですよね。そうすると、自由参入、競争促進といっても、結果的にいろんな問題が起きたときは、運輸省のさじかげんで決まる、こういうことですよね、俗な言葉で言えば。
#128
○政府委員(山田隆英君) 路線の新設あるいは増便というものにつきましては、現在、航空法で事業の免許あるいは事業計画の変更の手続が要るわけでございまして、それぞれ運輸大臣の免許なり運輸大臣の認可が要るわけでございます。ということで、先生おっしゃいますとおり、最終的には運輸省の判断によるということでございますが、それにつきましてもできるだけ運輸省の恣意的な判断を避けて、先ほども申し上げましたようにダブルトラック化トリプルトラック化をする路線につきましては一定の基準を示す等の措置を考えておるわけでございます。
#129
○小笠原貞子君 言いたかったことは、自由ではなくて、チェックはますます強まるということを言いたかったわけで、そして――大臣、首を曲げているけれども、だって、いっぱい要求が出てくるんだもの。空は限られているんだもの。どうしても規制しなくちゃならないでしょう。どうぞお飛びくださいなんて飛び上がったっておりるところがなかったり、ニアミスでぶつかっちゃったりしたら困る。だから、わかりやすく言えば、規制は強まるよと。その規制は運輸省のさじかげんだと。だから悪いというんじゃなくて、だから運輸省の責任は重大ですよということをここで言いたいと思うんです。それならいいでしょう。それは当然のことだもの。首を曲げている大臣、どうなの。
#130
○国務大臣(橋本龍太郎君) 何となくすらすらすらとお述べになりますと大変もっとものような感じがするんですけれども、そんなに意地の悪い規制をするつもりはございません。
#131
○小笠原貞子君 それでは、いよいよ安全問題、整備対策について伺いたいと思います。
 今や国民の重要な大量輸送機関としての航空機、この安全対策というのは、万が一にも事故があってはならない、絶対安全でなければならない、そのためにすべての手だてを尽くすのが使命だと。私はあくまでも絶対安全ということをこだわっていかなければならないと思うんですが、こういう基本的な考え方、立場に立っての大臣と日航社長の御所見をまず最初に伺いたいと思います。
#132
○国務大臣(橋本龍太郎君) 航空企業に限らず、運輸行政の基本というものは、何をおいてもまず安全の確保という点につきましては、委員と同感であります。
#133
○参考人(山地進君) 一昨年の十二月に私どもが経営をお預かりいたしましたときに、五つの基本方針というのを掲げました。
 第一に掲げたのは絶対安全の確立でございます。私が記者会見等で申し上げたのは、安全を欠く航空輸送サービスというのは欠陥商品であるというふうに申し上げてあるわけであります。
 私ども、安全というのを政府の御指導というか強制力で守らなきゃいけない、外部から義務的に守らされるというようなものとは心得ておりません。私どもの商品である航空輸送サービスは安全を売るサービス、安全がなければ商品は売らないというものでございますので、私どもとしては、今後とも国民の皆様から信頼される航空企業であるためには、安全というものを基本に据えてまいるという覚悟でございます。
#134
○小笠原貞子君 安全が確保されない商品は売らない、なかなかいい言葉ですね。その言葉どおりにやっていただきたい。
 以下、それの裏づけとして伺っていきたいと思います。
 今おっしゃいました八五年のあの大事故の教訓ということを考えましたときに、これはさまざまなことが私は教えられていると思うんです。とりわけ、整備に対する考え方、具体的にも数々の不備が今や明らかにされたと言わざるを得ないと思います。
 ジャンボ機が導入されて以来、整備方式が御承知のように基本的に大きく変わりました。それは信頼性整備方式というものです。その前提は一体どういうものか、信頼性整備方式とはそもそも何が前提となると言われているかといったら、その前提はフェールセーフ設計構造、こういうふうに言われておりますよね。そのフェールセーフ設計構造というのは、有効寿命の間は決して金属疲労による破壊が起こらない、また、ある部門が破壊してもその破壊を大きくせず、ある区画だけでとどめるというふうに言われておりますし、私もそういう認識をしておりますけれども、それでよろしいでしょうか、御説明いただきたいと思います。
#135
○政府委員(中村資朗君) 今おっしゃいましたことは、ほぼそういうことでございます。
 ただ、実際にフェールセーフ性を確保するためには、途中で点検整備なり、そういうものをしっかりやっていく、それによってフェールセーフ性を確保していくということが前提になるかと思います。
#136
○小笠原貞子君 そういうふうな安全、絶対安全とよく言われる神話に近い思想のもとにこれが宣伝され、実際それで行われているというわけですけれども、ところが、具体的に一二三便事故、これは後部の圧力隔壁などの構造機能システムは、フェールセーフ構造の問題を直接具体的に、ここで事故が起きたということはこの問題点をはっきりさせたと思うんです。だから、ジャンボ機の安全神話というものが今や崩されている、神話は崩されているというふうに認識しなければならないと思うんですけれども、その点いかがお考えでしょうか。
#137
○政府委員(中村資朗君) 一二三便の事故につきましては、結果的には修理ミスが途中で混在をしたといいますか混入をしたということが起因となってあのような事故が発生した、こういうふうに事故調査委員会の方からも推定原因が出たわけでございます。
 ああいうことがないということで、正規の修理が行われておればフェールセーフ性については特に低下をしたということはないのではないかということを考えておりまして、そういう意味では完全に神話が崩れたというようなことではない、そのための対策も立ててきた、こういうことでございます。
#138
○小笠原貞子君 例えばフェールセーフというのは何かと言ったら、日本語で言うと安全尊重設計とか多重安全設計というふうに難しい言葉で訳されているわけですけれども、そもそもこの期間は飛行機というのは決して壊れないという前提ですよね、壊れないんだと。だから、その途中で下手に手を入れたら、その優秀な壊れないはずの飛行機もだめになってしまうよというふうな、そういう物の考え方から出てきているということなんですよ。だけれども、現実には隔壁が壊れてしまったではないか。そうすると壊れないなんという神話、まさに神話だったということですよね、現実に壊れちゃったんだもの。壊れないなんという神話ではないでしょう。現実を見れば、あくまでこのフェールセーフという考え方は問題だと私は言わざるを得ないと思うわけです。
 こだわるようだけれども、またそれを神話ではなくてそのとおりだとあえてここで強調なさいますか、おっしゃいますか。
#139
○政府委員(中村資朗君) 繰り返すようですけれども、フェールセーフ性設計の考え方といいますのは、構造に損傷が発生しても、それが危険な大きさになる前に点検等で発見をされて適切な処置がとられるということが前提になっておるわけでございまして、そういう意味では、今回の事故といいますのは前例のない修理ミスによって生じたということで、結果的には747型機のフェールセーフ性設計において想定されていた損傷の大きさを超えるような亀裂が発生をしてしまったということで、修理ミスが介在をした時点でいわゆるフェールセーフ性のない構造になったのだ、そういう理解をしておるわけでございます。
#140
○小笠原貞子君 現実を見て素直に考えましょうや。こうあらなければならない、こう言わなければならないなんてあなたしんどいでしょう。私は同情するよ、本当に。
 そういうわけで、次に伺いますけれども、米国の国家運輸安全委員会、NTSB、これが米国連邦航空局、FAAに勧告をしております。
 その一つは、尾翼部の設計を変更しなさいと。尾翼部の設計変更のことですね、一つは。次には油圧系統の設計変更の問題を勧告しております。そして三番目には、圧力隔壁のフェールセーフの再評価について考えろということが出ています。
 そのあとまだ幾つも、五つも六つも並んでいるわけですけれども、こういうように尾翼の設計変更をしなさい、油圧系統の設計変更、そして圧力隔壁のフェールセーフの再評価などということを勧告しているということは、これは絶対安全ならこんなことは言わなくてもいいんです。絶対安全ではなかったから、だからこのところについての勧告が出されていると思うんですけれども、その点どうですか。こういうふうな勧告が出されていますね。
#141
○政府委員(中村資朗君) 今、先生おっしゃいましたとおりでございまして、アメリカのNTSBから二度にわたって勧告が出ております。一九八五年十二片五日に五項目の勧告を出しました。さらに、一九八五年十二月十三日に三項目の勧告が出されております。この中身は今先生がおっしゃいましたようなことでございます。
 確かにこの後部圧力隔壁だけではございませんけれども、その周辺構造についてもフェールセーフ性の見直し等も入っておりまして、そういう意味ではさらに安全性を高めるための方策である、こういうような理解をしておるわけでございます。
#142
○小笠原貞子君 安全性を高めるために出されたと理解をしております――ここが素直じゃないんだな、私に言わせれば。
 設計変更について勧告をされているんだから。勧告している、設計変更を考えるということは、今までの設計に疑問があったから勧告をしたんでしょう。疑問なかったら勧告する必要ないでしょう。疑問があったから勧告をした、その勧告で疑問の点を明らかにしたということは、素直な見方だと思うんですがね。大臣、ひとつどう、素直に答えてください。
#143
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、問答を伺いながら、人間の歴史の中で、例えば無敵海軍と言った海軍はみんな沈んだとか、そういう意味での技術の神話というものがどこまで通じるものかなというのをひょっと考えておりました。
 私は、このジャンボ機に対してそのフェールセーフ性というものが非常に強調され、立派な設計であったであろうことは疑っておりませんし、その設計の時点における科学技術の水準において考えられる最大の安全設備がされたであろうことも私は信じます。
 ただ、同時に、その飛行機がしりもちをつくというような事態は、設計者は想定していなかったであろう。その意味においては私は、事務方の諸君が言うフェールセーフ性というものについての神話は崩れていないんだと言いたい気持ちもわからぬではありません。ただ、人間はやはり謙虚であるべきですし、技術の発展の中で新たな安全性を確保する手段が見つかればそれを次々に取り入れていくことは当然のことだと、そんなふうな感じを持ちながら聞いておりました。
#144
○小笠原貞子君 本当に人の命がかっているんだからね、五人や十人でないわよ。五百何人でしょう。
#145
○国務大臣(橋本龍太郎君) いや、一人だって問題ですよ。
#146
○小笠原貞子君 そうそう、いいところだわ。そういう立場で真剣に私は考えなきゃいけないと思うのね。
 そこで、また具体的に進みます。
 フェールセール設計構造が大前提に今信頼性整備方式というものが行われているわけです。その信頼性整備方式というのは一体どんな整備をするのか、ちょっと具体的に教えてください。
#147
○政府委員(中村資朗君) ジャンボ機が出現をするまでのDC8だとかボーイング727というような飛行機の整備方式といいますのは、故障とか劣化の有無にかかわらず一定の使用時間ごとに限界を決めまして、装備品を取り外したり、分解作業を行って点検をする方式であったわけでございます。
 一方、ジャンボが出現をいたしましてからは、それ以降に開発されました大型機でございますけれども、その設計にシステムの冗長性、レダンダンシーと言っておりますが、あるいはフェールセーフ性、それから各種の故障監視装置等が多く採用されまして、一部にたとえふぐあいが生じましても、安全な航行には支障がないというような配慮がされたことによりまして、故障や劣化の兆候を監視をいたしまして、ふぐあいの原因を突きとめ、必要な対策をとっていくという、こういう方式がとられるようになったわけでございます。
 これは、整備の長い長い歴史の結果こういう方式がとられることになったわけでございますが、これは今までの運用経験を踏まえた上、さらには最近の信頼性工学の進歩だとか、あるいは世界的な規模での情報連絡体制の整備、これは即刻にいろんな情報が流されると、こういうふうなことを背景として導入をされたものだというふうに理解しております。
#148
○小笠原貞子君 いろいろおっしゃいました。そこで、ジャンボができてからですよね、こういう信頼性整備方式。それが一体どこから出しているかといったら、ボーイングが指示を出していると。一九七六年七月、ボーイング社は「整備性開発の考え方と実際に関する会議」というのでその内容をいろいろ発表しているんです。それを見ますと、無意味な部品の交換を避ける、むやみに手入れをしてせっかくの優良系統をだめにしない、部品のむやみな交換はしない、不要なオーバーホールを避ける、予備部品の数を減らす、大きな故障を防ぐ、出発遅延、便の取り消しを防ぐということなどが具体的に出ている。
 つまり、一言で言うと何だといったら、いかに金のかからない整備を実施するか、これはできるんですよ、この飛行機は絶対安全なんだからというところからこういう具体的に出てきているわけですよね。
 そこで、それはボーイング社がそういうふうに具体的に出しているんですから、まさかそれうそだとは言わないでしょう。
#149
○政府委員(中村資朗君) 今おっしゃったのは、いわゆるMRBレポートと言っておりますが、メンテナンス・レビュー・ボードと言いますか、整備の審査委員会という名称で呼んでおりますが、それをジャンボが出現をいたしましたときに、世界の整備の関係者あるいは定期航空の関係者、それから関連の、この場合はアメリカの連邦航空局でございますけれども、そういうところの関係者を集めまして、今先生がおっしゃったようないろんな目標を定めまして、それで整備のやり方を今後さらによくしていこうと、そういうような会議を持ったわけでございまして、その中でそういう話し合いが行われたと、ちょっと細かい話まで私も存じませんけど、そういうことでございます。
#150
○小笠原貞子君 そういうふうに具体的に出されている。それに従ってボーイングのこの747というのの整備が信頼性整備方式になって変わった。具体的に言うと今までやっていたD整備、オーバーホールというものをしなくなった。それにかわるH整備とそれからC整備、B整備、A整備、不整備というふうな形に新しく変わりました。で、この変わったことでどういうことになるか、これは後で続けてやりますけれども、そういうふうに変わったんです、ボーイングの大型機ができてから。信頼性整備方式によって変わりました。
 そこで、今まで申し上げましたようにフェールセーフ自体が絶対安全という神話がこれは疑わしくなったから勧告しなさい、調べなさいと、こうなった。で、とりもなおさず整備方式も今や問われている段階になってきた。その整備方式、これで具体的に私は伺いたいんですけれども、例えば事故後運輸省の指導でボーイング747の全部の総点検をなさいましたね。いち早く総点検をやれということで総点検をなさった。その結果胴体前部のセクション41の結果はどうだったでしょうか。
#151
○政府委員(中村資朗君) 事故後行われました飛行回数の多いボーイング747SR型機の油圧胴体の特別点検でございますけれども、一機当たり約六十件の亀裂がセクション41に発見をされたわけでございます。このため、私どもといたしましては、この詳細を当該航空機の製造メーカーでありますボーイング社及び製造国政府であります米国の連邦航空局、FAAでございますけども、そこへ通知をいたしまして改善処置を求めていたわけでございますが、FAAからは昨年の二月以降四回にわたりましてセクション41にかかわる点検強化及び設計改善に関する耐空性改善命令、ADと言っておりますが、これを発行しておりまして、当局といたしましても、これらを受けて同趣旨の耐空性改善通報、TCDと言っておりますが、これを発行いたしまして、国内の航空会社に対してはその実施を求めたところでございます。
#152
○小笠原貞子君 特別点検をなすった。そしてこの特別点検された機について胴体部分に四機、総計八十カ所もの亀裂が発見されたというふうに数字も出て報告を私は見ているんですけれども、そうですね。大変たくさんの亀裂ということは今おっしゃったと思うんですが、私が今四機で八十カ所もあったということは、これはいいですね、そういうふうに受けてね。
#153
○政府委員(中村資朗君) それで結構だと思います。
#154
○小笠原貞子君 そこで、このクラックが八十カ所もあったということ、これで私はちょっとショックを受けたんだけれども、こんなことを予想なさっていたでしょうか。点検したらこんなにもあると予想されていたことでしょうか。
#155
○政府委員(中村資朗君) これはある意味では予想していなかったことでございまして、ただ、出てまいりました亀裂の大きさ、それから亀裂の性格といいますか、将来の進行の度合いといいますか、そういうものからカウントいたしまして心配のない亀裂がかなり多かったということは現実の問題だと思いますけれども、こういう亀裂がたくさん発生しておるということについては予測をしていなかったわけでございまして、結果的にはこれをアメリカの連邦航空局へ通告をいたしましたことが世界の航空、ジャンボの安全性につながったということで、むしろアメリカの連邦航空局の方からは大変感謝をされたわけでございます。
#156
○小笠原貞子君 その最後は言わなきゃいいのに。そんなほめられたなんて冗談じゃないわよ。だから、絶対予測できていなかった、予測しなかったというのはそのとおりだと思うのよ、絶対ボーイング社が安心だと言ったんだから、安心だといってやっていたら予測できなかった。それでいいの。これが結果的にはほめられたなんて、そんな考え方だとまたちょっと文句言いたくなるんだわね。気をつけてください。
 それじゃその次、本来設計上、構造上問題はないはずなんだ、整備上も。早速改善命令が出されて、そして補強を行ったと、文字どおりフェールセーフの補強をしなくてはならなくなったわけですふね、改善命令で。そして点検をしたと、補強しなければならなくなったと、またここで、もうしつこいようだけれども、フェールセーフの破綻というものが明らかだと、同時にそれに基づいての整備方式は当然見直す。新たな問題点がここから出てるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#157
○政府委員(中村資朗君) おっしゃるとおりだと思います。それで、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、連邦航空局からの耐空性改善通報も出てまいりましたし、それからボーイング社におきましても整備要目とか、点検の間隔とか、そういうものを一々入念に調べ直しまして、それを整備要目その他の、先ほど申しましたMRBレポートとかそういうものに反映をしてきておるわけでございまして、全般的には安全性について見直しが行われたということでございます。
#158
○小笠原貞子君 安全性見直されて、そしてセクション41の亀裂のほかにも圧力隔壁の補強と、それから自動弁などの安全対策を施さざるを得なかったということで手当てをなすったということは事実でございますね。
#159
○政府委員(中村資朗君) 今おっしゃったとおりでございまして、万一圧力隔壁が破壊をいたしました場合を想定いたしまして、まずこの場合に高速噴流によって垂直尾翼が壊れるということがないような、そういうような対策といたしまして、垂直尾翼に入るところの点検孔がございますので、そこにふたをつけると、こういう改修命令が出されたわけでございます。それが一点。それからもう一点は、そういう高速噴流によって油圧が、尾翼の方の動翼を動かすための四系統の油圧が通っているわけでございますが、その四系統の油圧の中の少なくとも一系統だけが生き残れるような、そういうための方策といたしまして、いわゆる閉止弁と言っておりますが、遮断閉止弁というものをつけると、こういう改修指示が出たわけでございます。
#160
○小笠原貞子君 ところで、「オーゾラアップデート」というの、おたくの庁で出していらっしゃいますね。これを見ますと、今の安全対策を前提にしていろいろやったと、そして安全ですと胸を張って断言できる対策は終了いたしましたと、安心ですよと書いてあります。確かにそうおっしゃれますか、安全対策は全部やったと、だから胸張って安全ですよと言えますか。
#161
○参考人(山地進君) 事故が起きて運輸大臣からいろいろ勧告を受け、それから私ども自主的にジャンボについて検査をいたしました。過去大きな故障があったものについて長期監視システムというものをつくりました。そこに書いてあるようなことすべてをやりまして、私どもとしてはできる限りのことをしましたし、おっしゃるようにセクション41の問題とか、いろいろな問題も発見いたしました。
 これは今後の安全にとっては過去のことはいざ知らず、将来に向かっては安全の向上につながったと、そういう意味では私は事故前と事故後とでは大きく安全の方に向かっているという意味でそういうことを申し上げているわけです。
#162
○小笠原貞子君 本当に事故後いろいろと安全について御努力いただいたということに私はけちをつけるどころではありません。しっかりやってくださいと激励をするわけなんだけれども、これを見ましたら後部圧力隔壁の強化、自動遮断弁の取り付け、そして垂直尾翼の点検孔にふた、セクション41の補強と、こういうふうに出ているわけですよね、一通りみんなやりましたと、こうなっているんだけれども、そこがまたうそなんだわ、私に言わせれば。私に言わせればじゃなくて、事実。
 これ全部にやってないでしょう。後部圧力隔壁の強化、これはこういうふうに図を、こういうふうにやってこうやりますなんてちゃんと図を書かれているけれども、これを今やっているんじゃなくて新しく入れる飛行機からこれをやりますというのでしょう、新規に、新しい飛行機でしょう。
 それから油圧システムの配管変更、これも大きい問題ですよね、この間の事故で。この配管変更も今のにやるんじゃなくて新しく購入する飛行機からやるということになっているんでしょう。あたかも今みんなやったみたいにおっしゃるけれども、この大事な後部圧力隔壁の強化、油圧システムの配管変更は今のことではありません、将来入る飛行機についてこれをやりますという、だからこれうその宣伝、うその宣伝でしょう、やってないでしょう、今の飛行機全機やってないでしょう。
#163
○参考人(十時覚君) 先生おっしゃるとおりでございまして、その部分につきましては新造機から行われることになっております。
 理由は現在使われている飛行機にそのことを行おうということになりますと大変大きな作業が発生するということと、その作業自身が安全性を確保するかどうかまだ完全に確立していないということでございます。
#164
○小笠原貞子君 だけれども、一番直接的に問題のあった後部圧力隔壁、そして油圧システムなんてこれ大事だからやりますといっておきながら実は今のはやってないと、その理由はこうこうと、私はどんな理由があったってやらなければならないことは万難を排してやるべきだということを一つですよね。そして今正直にこれは今いろいろの事情でやっていませんと言われたのに、ここであたかもやったみたいに宣伝しているのが欺瞞だというのよ私は。その辺のところを、おたくで出ているのよ、うそとペテンなんてだれかやるけれども、日航も仲間かということを言いたくなるわけだね。
#165
○参考人(山地進君) そういうパンフレットから既にそういうことをやったというふうにお読みになれるようであれば、私どもの落ち度になるわけでございます。
#166
○小笠原貞子君 お読みになれるたって、まともに読んだらそうなのよ。だからそれはいいとか悪いとかではなくて、私は具体的にここで言いたいことは、新しい飛行機にそれをやりますという以上に今飛んでいる飛行機の方が疲労しているでしょう、何万キロも飛んだりというようなことで。だから私はいろいろな御事情があろうかと思うけれども、
   〔委員長退席、理事真鍋賢二君着席〕
疲れている今の機種にこそやってもらいたいと思うんだけれども、それはどうですか。
#167
○参考人(十時覚君) 先生おっしゃるとおりでございまして、現在の今おっしゃいましたような内容につきましてはボーイング社とできるだけ早くそれを実現するべく協議を行っているところでございます。
#168
○小笠原貞子君 できるだけ早くといったら、ずっともうここもあるんだからね。本当に言葉どおりできるだけ早くここにこそ私はやってもらいたいということ、やる気があるんだからやってくださいということを再度強調してお願いもしておきたい。責任持って社長さん頼みますよ。よろしくお願いします。
 それで次に、墜落事故という大きな事故にまではならなかったけれども、インシデントが随分いろいろとありますね。あの事故機の墜落したその後、いろいろなトラブルやインシデントがどれくらいあったかということを伺いたいと思います。
#169
○政府委員(中村資朗君) 機材故障によります、一つには緊急着陸だとかあるいは目的地外の着陸、それから離陸後の引き返し、それから離陸の中止だとかあるいは接地後の異常停止、こういうものの中で、機材に起因をいたします異常運航として整理をしております。日本航空の一二三便の事故後の異常運航の件数でございますが、五十二件でございまして、これは百出発回数当たりにいたしますと〇・〇三件でございます。
#170
○小笠原貞子君 五十二件もあったということね。私はいろいろと調べさしていただいてみて、そしてJALの何便でどこどこというのをずっと記録していったら二十九件もあるのでびっくりしたんだけれども、今おっしゃったまさに精密にとらえていくと五十二件もあったということですわね。これは私大変だなと思うんだけれども。私が目で追って数を数えたら二十九しかなかったの。だけれども今やっぱり正確に数字をお出しになったら五十二件あったと。これは大変なことよね、事故後こんなにあったと。
 そこでこんなにインシデントが起きているということについてどういうふうにお考えになっているか、どういうふうな感想を持たれるか、大臣と社長から伺いたい。
#171
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今確かに日本航空において五十二件ということでありまして、百出発に当たり〇・〇三という数字が報告されましたが、同じ時期ANAが百六十一件、〇・〇五、TDA百一、〇・〇三という数字を見ますと、技術的素養のない私にはよくわかりませんけれども、この数字を見ると大変だという感じもしますし、予想外に少ないという読み方もできるんでしょうし、異常運航というもののとらえ方自身が私には正確な知識がありませんからわかりませんが、この数字を見る限りにおいて相当厳しいチェックが行われているということについての感じは持ちました。
#172
○参考人(山地進君) 五十二件の中には、別に大した数字じゃないということを申し上げているんじゃないんですけれども、正確性を期するために申し上げますと、バードストライク、鳥がエンジンの中へ飛び込んでくる、こういうのも五件は入っているわけです。しかし、グランドスポイラーが立ち上がったり、ダイヤゴナルブレース、エンジンをぶら下げているところが折れたり、いろいろな原因があってこういうインシデントというようなのが起きたわけなんで、私どもとしては大変大きな問題だというので社内で検討を重ねまして、それぞれのインシデントにはそれぞれの原因があるわけです。それらについて、社内でよく検討の結果について説明をし理解を求めつつ、こういったインシデントの再発の防止に努めているところでございまして、こういったインシデントが続けて起こらないというのが私どもの整備の理想でもあり、運航の理想でもあるということでございます。
#173
○小笠原貞子君 そこでその問題を具体的に伺っていきたいんです。
 二、三の例を挙げたいと思います。これは六十二年の三月の十六日、JAの八一二一機、これはパイロン――エンジンを先ほどおっしゃいました翼からぶら下げている部分なんだけれども、この主要構造部の一つであるダイヤゴナルブレースというのですか、難しいですね。これが破断していた。これはエンジンの推力の大半を受け持つ、そして主翼に伝える重要な部材だというふうに伺った。破断したまま飛び続けるとエンジンが前方に宙返りしてしまう可能性がある。同時に周辺の燃料パイプ等の破壊につながっていくということなのね、そのぶら下がっているもの。これはもうびっくりいたしました。この事故はどうして発見されたのですか。その原因は何だったのか。
#174
○参考人(十時覚君) この発見の経緯につきまして申し上げますと、修理改造を行っている整備の最中に、飛行機の周囲を点検して最終的な点検を終えるわけでございますが、その際にこのエンジンのところの若干の油漏れが発見されまして、その際にカバープレート、すなわちアクセスプレートがずれているということを発見いたしまして中をあけましたところダイヤゴナルブレースが破断していたということを発見したものであります。
#175
○小笠原貞子君 原因。
#176
○参考人(十時覚君) この原因は詳細に試験をしました結果、このダイヤゴナルブレースといいますのは直径が十数センチの中空のチューブでございまして、この内部の切削の傷跡、これを最終的にはホーニングと申しまして研磨仕上げをいたしまして完全に傷をなくすものでございますけれども、この実機についておりましたダイヤゴナルブレースにつきましてはその傷がとり切れでいなかったというものであります。すなわち製造時の特殊な条件によりまして傷の残った材科ということが言えるかと思います。そのためにそこの部分から疲労が進行いたしまして破断に至ったものでございます。
#177
○小笠原貞子君 ここで問題二つあると思うのね。今おっしゃったように原因何だといったらボーイング社でつくったときの段階なんだと、そして外からは見えなかったのだと、だからボーイング社は絶対大丈夫なんというのはうそだということね、ここでもできると思うのね。
 それからもう一つはたまたま油漏れがしていたということからあけてみてわかったんでしょう。油漏れしてなかったらわからないでしょう。大変な事故になるということですよね。だからたまたまわかったからいいけれども、たまたま見逃していたら大変な事故につながるとすれば、これは整備というものがこういうものを含めてどうあるべきかという問題を提起していると思うんです。そうしますと信頼性整備方式では本来壊れるところではないと、点検項目ではないということが言えるわけですね、今の問題。
#178
○参考人(十時覚君) 今、先生がおっしゃいました点検項目にはなっておらないために、そこを特別に見るという整備ではございませんでした。
 ところで今おっしゃいました信頼性整備方式の問題でございますけれども、先ほど政府委員の方からお話がございましたけれども、信頼性整備方式というのは私どものとらえております内容からいきますと、整備といいますのは究極的には、理想的にはそういうようなトラブルがなくなるように予防整備をしていく、すなわち飛行機を改造していくということが大切なわけであります。そこで、古い時代におきましてはそれぞれの飛行機において起きました問題点をその飛行機にフィードバックする、すなわち修理をするという形、またはその飛行機を改造するという形でございましたものを、いろいろな情報、すなわち自分たちの経験したもの、それからメーカーがそれぞれ設計上判断したもの、各航空会社が経験したものを全部情報収集をいたしまして、どこにどういうような問題点があるかということをつかまえます。その問題点を整備要目、すなわちいつどういうような整備をするかというそういう要目に戻す、それを改造していく、または飛行機自身の原設計を変える、すなわち改修を行うという形でもって飛行機の信頼性を上げていくわけであります。その信頼性を上げていくということが我々の整備の一番眼目でありまして、それを達成することによって従来よりもさらに信頼度の高い飛行機をつくり上げていくというのが我々の使命であります。
 以上であります。
#179
○小笠原貞子君 今言ったのが三月の十六日です。その三日後にまた出てくるわけです。これはどういうのかというと、着陸のときに作動してブレーキをかけるためのグランドスポイラー、こう上がりますよね、これが何と高度一万メートルの上空で立っちゃったという事故ですよ。飛行中にこんなの立つはずがない、ブレーキかけちゃうんだから。立つはずがないものがコントロールバルブの破壊が原因で立つちゃったということなんですよね。これでもフェールセーフでは、バルブが壊れてもスプリングがあって壊れないようになっていたはずなのに立つちゃったと、こういうことでしょう。立つはずないようにちゃんとフェールセーフではなってたのに立つちゃったということは、これは事実だからいかんともしがたい。それで私はぞっとしたのは、一万メートルの上だから推力があって、ぶうんと飛んでいるからちょっと出たってどうということないけれども、これね、離陸するその途中でこんなものが立っちゃったらもう大事故ですよね。でしょう。私ぞっとすることばっかりなんだわ、暑い中。
 これを考えたときに、やっぱり信頼性整備方式の根幹が今や脅かされていると言わざるを得ないんだわ。点検する箇所ではなかったけれども、たまたま油が漏れていたから見つかりましたと、こっちが壊れても次にやることがあって上ではこんなの立ちませんよというのが立っちゃったというと、まさに今言っている信頼性整備方式の根幹が脅かされているんだと素直に謙虚に私は考えて対処しなければならないと思うんですけれども、社長それから大臣、業者の言い分を聞いているとなんて客観的な冷たい答弁じゃなくて、こんなこと起きているんだから、これについてどういうふうにお考えになるかということを伺いたいと思います。
#180
○参考人(山地進君) ダイヤゴナルブレースあるいはグランドスポイラーの事故、私どもとしてもかなり重要な問題であると心得てそれらについて原因の究明に努め、またそういうことの再発のないように処置しているわけでございます。
 ところで、整備の方式と、こういった事件が起きたのをどうやって防ぐかということの関係でございますけれども、さらばといってグランドスポイラーが立ったことは決していいとも思いませんし、こういう部分について早期発見するということは極めて大事で、一万メートルじゃなくて地上で発見するということが望ましい、これはもちろんそうなんですが、どうやったらそれができるのかというと、今まで信頼性方式のもとでこういうことをやっていて起こったんだから、したがって信頼性方式はだめだと、論理的にはそういう言い方もあり得るとは思います。
 しかし、それじゃグランドスポイラーが立ったと、立たない方式はどうするんだということがなければ、信頼性整備方式はだめだと言いっ放しては何にもできないわけです。
 そこで、私どもは信頼性整備方式というのはいい点が随分あるわけです。それは六百何十機、今七百機くらいのジャンボが飛んでおりまして、それぞれのユーザー、乗客はもちろんでございますけれども、ユーザーとしても最大の関心事は安全を守ると。そうすると、こういった飛行機の隅々まで毎日見るというわけにいかないことは、これ事実でございます。
 そこで、七百機にわたる飛行機を、メーカー、ユーザーである飛行機会社がいろいろなセクションについて検討して、その情報を処理しながらやる。そのどっかで問題が起きたときには、その部分について極めて高い確度で検査をして、大丈夫かということを検査する。これはやっぱり私は今までジャンボが出てきて、人間が考えた知恵の問題だと思うんです。そこで、じゃあ信頼性整備方式だったらそういうこと、事故起こったじゃないのとおっしゃいますから、そういう事故を起こさないようにするためにさらに改善の余地がある、改善しなきゃいけないということは私はそうだと思うんですけれども、そのための努力を続けさせていただきたいと思います。
#181
○小笠原貞子君 社長ね、信頼性整備方式はだめだからつぶしちゃえというんじゃないんですよ。信頼できるような整備方式をいかにして考えるかということなの。共産党何でもつぶすという思想を持ってるからと、そんなふうにちょっと言ったみたいだけれども、我々は全部ぶっつぶしちゃって、これやれと言ってんじゃないんですよね。やっぱり本当に信頼できるような中身の整備をどうやったらいいかということを私は真剣に知恵も集めたいし、そのためには信頼性整備方式は絶対大丈夫なんだという頑固な頭ではそれができないから、だからさっきからこだわるなと、信頼性整備方式にこだわるなというのはその意味ですからね。誤解ないようにしてください。
 それで、事故が起きたのずっと調べてみたら、やっぱり古いのに多く出ていますね。やっぱり年は争えないね、飛行機でも。本当、私はそう思った。それでね、SR先行六機というの、これはJAの八一一七、一八、二〇、二一、二四、二六と、これに集中している。就航してから大体十二年から十四年の飛行機に集中している。そうしますとね、この老朽化した飛行機を何とか早く取りかえる、リタイアさせてほしいというふうに私は切実に感じますよね。そういう意味で大臣としてこういう老朽化で事故も集中してきているというものについて、早めて、こういうのをリタイアさせるという計画を早めてほしいと思うんですけれども、その点について大臣の御所見を伺いたいと思います。
#182
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今社長に確かめてみましても、日本航空ではSRの先行五機の退役時期を当初の計画より早めることを既に検討中であるということでありまして、そういう方向で事態が進むことを期待をいたします。
#183
○小笠原貞子君 検討をした結果だめだなんて言わないでね。検討して早く実現できるということで、責任持って私はこたえてほしい。
#184
○参考人(山地進君) 具体的にSRの売却相手というものもございまして、私どもの中期計画の間に五機を売却するということは間違いない計画でございます。
#185
○小笠原貞子君 私は今ボーイング柳をずっと取り上げたけれども、これはDC10でも同じなんですね。これはダグラス社から、次いで日本も、そして米国連邦航空局がDC10の緊急点検を指示しました。日本ではそれを受けて、日航でも八機が対象となりました。そのうち二機に亀裂が発見されていますと。これはどこだというと、DC10の水平尾翼ということを伺いました。このボルトを取りつけている部分にクラックが入った。幅五センチのものに二・五センチの亀裂が入っていたということを伺ったんですけれども、本当ですか。
#186
○参考人(十時覚君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
#187
○小笠原貞子君 これ幅五センチのものに二・五センチ、半分亀裂が入ったというふうに考えていいわけでしょう、そうね。だから、ちょっと大変だなと思って、半分までにね。この部分の定期点検というのは三千時間ごとにやることになっていると。それは検査し、そして千時間しかたっていなかったということなんですが、それはどうなんでしょう。
#188
○参考人(十時覚君) おっしゃるとおりでございまして、この亀裂の情報といいますのは三月の二十三日に外国の航空会社で発生したということをダグラスの方から緊急指令でもってまいったものであります。
 直ちに私どもの方といたしまして検査をした結果、今、先生がおっしゃいましたような内容のクラックを発見したわけでございますけれども、五センチのところに二・五センチというのは、それは二・五センチというのはクラックの長さでございまして、五センチといいますのはそのクラックをつなげる穴、大きな穴が二つありまして、それはボルトを入れるための穴でございますけれども、その穴のところに発生しているクラックの長さのことを言っているわけでございます。
 それで、この飛行機のいわゆるトラブルにつきましては、検査を継続することによって飛行することができるわけでございますけれども、我が社としましてはこれを早期に完全な状態に戻すべきであるという決心をいたしまして、ダグラス社の方にフェリーいたしまして修理を完了したものであります。
#189
○小笠原貞子君 ここは定期点検をやっているわけですよね。だから私が言いたいのは、定期点検をやったんだ、やったんだけれどもそのときに見つからなくて、そしてダグラス社から指示があって見たら発見されたということですよね。だから、点検はしたけれどもこういう事故が発見できないような検査体制が一つは問題だと私は言いたいわけよね。これダグラス社から点検しろというのが来なかったらそのままになっている。三千時間で千時間飛んでいたんだからあと二千時間そのままだったでしょう、これ指示されて点検しなかったら。五センチのところに千時間で二・五センチクラックが入っていた。あと二千時間なんて待たないでこれおかしくなっちゃうわよね。だから、そういう点検しても発見できなかったというところに問題があるというふうに私は指摘せざるを得なくなっているわけです。
 こういう部分的な対応ではなくて、事故、故障が起こったときに措置するのではない、そのときに措置をするのではなくて、発見できるような、整備の段階で対応できるような、そういうさっきから言われた整備方式をどうやったらそういうきちっと安心できる整備、たまたま発見だとかダグラス社の指示で点検したら見つかったなんていうんじゃなくて、みずから点検したときにそれらがはっきりできるというような整備を知恵を出し合って見直しするということがここで必要になってくると思うんですが、いかがですか。
#190
○政府委員(中村資朗君) 今、先生大変いいことをおっしゃったと思います。大変ありがたい御示唆だと思います。本当にそういうことでございまして、まさにこういう全世界で飛んでいる飛行機の中でいろんな問題が出てくるわけでございまして、それをまさに整備に反映をさせていくということが一番大事なことであるというふうに我々認識をしておりまして、そういう方向で今後ももちろん整備関係者努力をすると思いますけれども、頑張ってまいりたいと思っております。
#191
○小笠原貞子君 はい、わかりました。それでは頑張ってやりましょう。
 そこで、ちょっと教えてもらいたいんだけれども、信頼性整備方式というのが出てきましたね、ジャンボができてから。これはボーイング社としてこうやりなさいという整備方式を指示しているわけですよね。日航でこうやっているというんじゃなくて、ジャンボが登場したときにボーイング社としての、こういう検査やりなさい。オーバーホール、D整備検査をやめて主要構造の検査をすべてやるのではなくて、二〇%しかやらなくてもよろしいというのがジャンボから指示されていますね。それちょっと具体的に教えてください。
#192
○政府委員(中村資朗君) ジャンボ機以降の航空機の機体構造ですけれども、機体構造の検査につきましては一応全機を対象とした機体の外観検査というのはもちろんやっております。そのほかに、今おっしゃいましたサンプリングによる機体内部の構造検査から成り立っておるわけでございまして、サンプリング検査の対象となります内部構造検査につきましては主として疲労亀裂だとか腐食というのが、その発見が主な対象になるわけでございますので、一般的には飛行時間の多い飛行機群、航空機群といいますか、それを検査対象に指定をするわけでございまして、航空機構造部分の重要度に応じまして世界的な規模でサンプリングの度合いを定めて行っておるわけでございます。
 この飛行時間の多い先行グループに対するサンプリング検査の結果、何かふぐあいが発見されますと、その内容に応じまして定期点検の間隔を短縮したり、あるいは改修等の対策がその全部の同型式機に対してとられるということになっております。
 それで、こういうように構造部分のふぐあいが先にあらわれる先行機グループを世界的な規模でサンプリング検査をやっておるわけでございますので、有効なデータが非常に効率的に集められるというのがその信頼性整備方式の一番重要なところではないかというふうに思っていますけれども、メーカーがデータバンクとなりまして航空会社間で検査結果の情報が交換をされるわけでございますので、必要な措置がとられるということでございます。具体的には検査部位によって違いますけれども、一般的には例えばセクション41の話が出ておりましたけれども、これは例の、先ほどのお話のとおりクラックが多かったということで、一〇〇%にほぼ検査を、サンプル率を上げたわけでございます。
 そのほかに、例えば前部胴体につきましては、構造部分ですけれども、二万時間で二〇%、それから中部胴体部分についても同じく二万時間で二〇%、これは検査箇所、エンジンマウントのフィッティング、取りつけ部でございます。それから後部胴体の例をとりますと、キールビームといっておりますが、胴体の中に入っております構造部材でございますけれども、これについては二万時間で八%というふうな、一例を挙げますとそういうことになっております。
#193
○小笠原貞子君 私が聞いたのは、こうやっていますというんじゃなくて、ボーイング社としてこの信頼性整備方式はこうやれというふうに出しているわけですよね、それを聞きたかったわけ。それの中身でこうやっていますという日本としての対策も重ねておっしゃいましたので、それを整理して私も一生懸命考えたのよね。サンプリングというから、例えば米俵からサンプリング出して、そして見るというふうに考えていたわけ。だから、飛行機を何機か持ってきて、そしてサンプリングでやったんだと思ったの。そうしたら、聞いてみたらわからなくなっちゃって、皆さんも言葉だけではわからないし眠いだろうから、ちょっと目覚ましにこれを見てもらいたいわけですよね。(図表掲示)
 つまり、こういう飛行機五機、サンプリングで五つ持ってきますね。その五機を全部やるんじゃなくて、その二万時間飛んだ五機のうち、Aという飛行機はこの一番前をやるのね。それから今度、Bという飛行機は同じときにここから次をやるんですって。そして、Cというのはその次やるんですって。そして、Dはこの四番目をやると。そして、最後の五番目の飛行機はこのしっぽをやるというのね。飛行機というのは頭だけで飛んでるんじゃないんだから、だから頭だけこうやりましたなんて言われたって困るの。私不思議だなと思って、今度本当に勉強させてもらいましたわ。
 こうやって、そしてこれで二万時間飛んだのは点検をいたしましたと。そしてまた、二万時間飛びますよね、また二万時間飛んで四万時間目になると、Aは初め二万時間ここやったから次にここをやるというんです。そして一つずつ、Bはここだったからこっちに下がる、一つずつずらして四万時間やるわけです。で、六万時間にまた一つずつずらす、八万時間に一つずつずらすと。だから、このAという飛行機の全体が点検されるというのは十万時間の役なんです。
 ボーイング社はこういう点検でよろしい、こういうふうになってるんです。絶対大丈夫だということから、ボーイング社はこういうことをやったわけ。だから、具体的に言うと、例えば飛行機のここに、一番しっぽのところに何かトラブルがあったとしても、これ二、四、六、八、十でしょう。十万時間飛ばなきゃここまで行かないんだもの。私これで信頼性なんといったって、私とっても信頼できないということだけれども、これどう考えたらいいんですか。びっくりしましたよ、私も。
   〔理事真鍋賢二君退席、委員長着席〕
#194
○政府委員(中村資朗君) 今いろいろ先生がおっしゃいましたことは、そのとおりだと思います。結局、五機なら五機の飛行機をとりますと、そういうことで十万時間に一回、こういうことに部分的にはなるわけでございます。
 ただ、飛行機の母集団といいますか、全世界を飛んでいる飛行機がジャンボの場合ですと六百機ぐらいございますので、そういうところで二〇%のサンプリングが集まってくる、そしてそれがメーカーにあらゆる情報が収集されてフィードバックされるといいますか、航空会社に情報が流れていくということでの全体的な世界規模でのサンプリングということでございますので、我々としてはこれでいいのかな、合理的な方法ではないか。
 これはDC8なんかでも音やっておりましたけれども、プログレッシブオーバーホールというオーバーホールの一種でございます。やっぱり同じようなやり方でやっておりましたので、それの延長型であるというふうな理解をしておりまして、そういう意味では私ども整備屋としては問題はないのかなというふうに思っているわけでございます。
#195
○小笠原貞子君 具体的に、日航で古い飛行機は何時間くらいたっているでしょうか。
#196
○参考人(十時覚君) 現在私どもで使用しております飛行機の中で、一番フライトアワーの高いもの、これは八月の二十六日付でございますが、ジャンボ4、八一〇四でございます。フライトアワーは五万八千九十四時間になっております。
#197
○小笠原貞子君 そうすると約六万時間ですよね。六万時間飛んでいると、これで言うと二、四六と、ここまでは点検されると、五分の二残っているということに考えたらなるわけですわね。先ほど指描いたしましたボーイング747のダイヤゴナルブレースの破断のようなケースは対処できないですね、場所によっては。製作時の内面の機械加工、さっきおっしゃいました傷によるクラック発生と、これも外から見た、これは外面からではわからないと、これはもう製造のときの問題だと、こういうふうになってきますと、本当にこういうふうなチェックの方式、ボーイング社はこれでいいんだというふうに指示しているけれども、これじゃもうだめだと、これだけ信頼していたら大変なことになると、十万時間たたなきゃ全機にはいかないというようなことになると思うんですけれども、この辺についてどうお考えになりますか。頭だけ見たら残り大丈夫だなんというわけにはいかない。
#198
○参考人(十時覚君) 今、先生がおっしゃいましたサンプリング方式というものについての考え方だと思いますけれども、実際はこういうふうな、先生の絵は概念図でございますからあれでございますが、非常に細かく五カ所に分かれているわけです。五つのグループに分かれているわけです。
 その一つのグループというのは例えば尾翼の一部と胴体の一部というふうな形で分かれているわけでございますが、御承知のように747から大変これは第三世代の機材になるわけでございますけれども、大変信頼性が上がってきた。信頼性という意味は、設計上のいわゆる精度が上がってまいりまして、それに伴いましてさらに加工上の精度が上がってきた。すなわち、どの飛行機をとりましても全く同一の疲労を起こしていくという状況、それからその疲労によりまして破損が起きてくるという状況が生まれております。そのために、どの飛行機のどこの部分をとっても、それがほかの飛行機の代表をするということが十分に言えるようになってきたわけであります。
 それでも、全世界で六百以上の飛行機が飛んでいるわけでございますけれども、それを一機だけで代表するというのではなくて、いろんな飛行機、いろんな使い方をしている飛行機を使いまして、それぞれの飛行機の受け持ち分だけの検査をやっていくわけであります。そういたしますとその情報を、先ほど政府委員の方からもお話がございましたけれども、集大成いたしまして、ここの部分にこういうようなふぐあいが起きてくるということがわかってくるわけであります。これは非常に早くしかも的確にわかってくるものであります。私どもも経験上申せるのでございますけれども、ある部分にふぐあいが起きますと、必ずその同じぐらいの飛行時間またはランディングサイクルにおきましてはかの飛行機にも同じようなことが起きてまいります。そういう形でワンタイムインスペクションというようなやり方をするわけでございます。
 そのように精度が非常に上がってきたということが非常に大切な部分でありまして、それによりましてこの飛行機のサンプリングというものが極めて的確に、しかも十分な経済性を持ってやれるということが言えるかと思います。
 それで、このサンプリングをやっていくに当たりまして、我が社といたしましては全機をそれぞれに投入しておりますので、五つのグループでございますから、五機一組になりまして一機分ができ上がるわけでございます。現在は十一グループから十二グループでき上がってきているわけでございますけれども、そういう意味で我が社だけでも相当大きな情報が得られております。
 それから、それにつけ加えまして、飛行機の使用方法によりましていろいろと差が出てまいります。先ほど申しましたように、製造のときは均一性を保っておったものが、使い方によりましていろいろと差が出てまいります。その差を埋め合わせるために特別に検査の項目を付加しております。これをSIDと申しまして、サプリメンタル・インスペクション・ドキュメントという名前がついておりますけれども、それによりましてその特別な部分を付加しまして、使い方の差を消却しているといいますか、払拭しているわけであります。
 私どものSRにつきましては、それをさらに先ほどの御勧告の内容も踏まえまして完全にサンプリングでなくて全数検査という形にしたわけであります。
 それから、LR機につきましてもセクション41、それから後部の圧力隔壁につきましては全数検査になっているわけであります。
 以上であります。
#199
○委員長(田代富士男君) ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#200
○委員長(田代富士男君) 速記を起こしてください。
#201
○小笠原貞子君 ちょっと中断しちゃったんだけれども、今御答弁になりましたよね。どこをとっても、サンプリングでもみんな均質化しているから大丈夫だ、こうおっしゃった。私はそこのところが問題だと思うの。それはさっき質問が出ましたよね。ボーイング747のダイヤゴナルブレースの破断というようなのが、品質がみんな同じだったら、みんなそういうのが出てくるはず、そうじゃないでしょう。やっぱりそこのところで一機一機品質は違ってくるんだということですよね。だから、さっき十時さんが均質だなんて言ったのは、それはだめだ、取り消さなくちゃ。
#202
○参考人(十時覚君) ダイヤゴナルブレースが特別なものであるということは先ほど御説明したとおりでございますけれども、先ほども申しましたように、均質であるというのは、これは製造上の瑕疵が入っていないということ、それから設計上の問題が入っていないということ、これが均質性を保っている根本原因でございます。
 それで、先ほどのダイヤゴナルブレースのようなものがほかにも出てくる可能性はあります。それを防ぐために、先ほど申しましたようなフィードバックシステム、すなわちどこでどういうような問題が起きたのか、これが非常に大切な情報でありまして、それに基づいて、それに類似するいろいろな問題点、例えばハイドロの油圧系統の問題が出てきた、それもこういうところに出てきたということを情報として知りまして、それをもとにいたしまして、その油圧系統にかかわるほかの問題点を調べ上げる。それによって、さらに信頼性を高める。こういうような形でもって信頼性整備方式というのは成り立っているわけであります。
   〔委員長退席、理事安恒良一君着席〕
#203
○小笠原貞子君 いや、本当に、さっきも言ったけれども、米や麦のサンプルだったら、これはサンプルを見てあれは食べるのは一粒ずつ食べるんだからね。だからいいんだけれども、この飛行機の場合、サンプルで、そして頭から五分の一ずつやっていく、品質は均一ですなんと言ったって、身一だなんて言えないわけだ、さっき言ったように、ダイヤゴナルブレースの破損ということを見れば。だから、均一なんだから大丈夫だと。いろいろ情報をとったりということは当然しなきゃならないけれども、均一だからこの信頼性整備方式で大丈夫ですという考え方に固執すると何が起こるかわかりません、起こっては大変なことだということで、私は重ねて、均一性だからこれでいいんだということについてやっぱりお考えいただきたい、謙虚に考えて、いろいろ御努力いただきたいということを申し上げたいと思うんです。
 これは、ボーイン社からこういうふうな信頼性整備方式と言われたけれども、あの事故後二万時間というのではなくて、日航としてはまたそれを改善して、ちょっと時間を短くやるというような御努力をなさったかのように伺ったんですが、どうなんですか。
#204
○参考人(十時覚君) 先ほど御説明申し上げましたように、日本航空といたしましては、事故後SR機につきまして改善を行いまして、いわゆる全数検査という形にいたしました。
 当然のことながらLR機のサンプリングにつきましても改善を行いまして、その改善の内容といいますのは、いわゆるグループ分け、これは従来のグループ分けをさらに精密にいたしまして、それぞれ使い道によって傷む部分も変わってまいりますものですから、使い道ごとにグループ分けをして、さらに精度を上げるようにいたしました。以上です。
#205
○小笠原貞子君 それは、747のSRだけではなくてLRにもそういうふうに改善しました、DC10にもそういうふうに改善いたしましたというふうに、おたくが持っていらっしゃる全機にそういう改善をしてくださったんですか。
#206
○参考人(十時覚君) おっしゃるとおりであります。
#207
○小笠原貞子君 運輸省も大臣が業務改善勧告というのを九月にいち早く出されておりますね。その中でずっと見ていきますと、「飛行回数の多いB747SR機については、重要なものに関し、サンプリング率を一〇〇%とすることが適当である。」というふうに勧告されていますよね。一機一機飛ぶ条件も違うということを考えても、やっぱりサンプリング率を一〇〇%にすると。ここの勧告にも、サンプリングの「具体的な実施要領を規定化する必要がある。」というふうに勧告されているわけです。こういう勧告に従ってサンプリングの実施要領を規定化する、きちっと改善して規定化するというふうに勧告されているわけですが、これについて、当然そうだというふうにお考えになりますか。大臣としては、勧告を出しっ放しじゃなくて、そういうサンプリングの問題についてもきちっとやるというふうにしよう、せよという勧告の趣旨をずっと続けて御指導いただけると思いますが、いかがでございますか。
#208
○政府委員(中村資朗君) 今、先生おっしゃいましたように、六十年の事故の直後に運輸省では立入検査を行いまして、運輸大臣から五項目の勧告を出したわけでございます。それに対しましては、十一月ごろであったと思いますけれども、日本航空から回答をいただいておりまして、社長から運輸大臣あてでございますけれども、所要の措置を全部行いましたということでございます。
#209
○小笠原貞子君 では続いて、今のところはまだ残っているんだけれども、次の問題にちょっと移っていきたいと思うんです。
 この前、ニアミスの問題をやりましたけれども、きょうくらい時間がゆっくりあったらいいところまでいけるんだけれども、時間がいつもなくて。それで、答弁漏れの点をはっきりさせたいと思うんです。
 編隊管制上は一機と見るというふうなことを私はこの間初めて勉強したんですけれども、これは一機と見るというのは、私本当に素人で考えると、真っすぐ縦もあるし、様もあるし、三角もあるし、間隔はどうなっているんだと。一機だと思ったら、編隊だったから後が続いていたなんということがある。だから、この一機扱いとするという問題について、私は、編隊ですよ、三機飛んでいますということがわかるような情報を、管制の指示というものを出させるために何らかの、今の一機と見るということを訂正する必要があるんじゃないかと思ったんですが、それについての御見解を伺いたい。
#210
○説明員(井上春夫君) 航空管制は管制方式基準に従って行われておるわけでございますが、その管制方式基準によりますと、先生今御指摘のとおり、編隊飛行をする場合の飛行機を一機とみなしまして管制をやっております。
 ただ、何機も編隊で飛ぶわけでございますので、一機同士の管制間隔を設定しておったのでは大変危険だというのは当然でございまして、したがいまして、編隊飛行する飛行機と、それからその他の飛行機の管制間隔については、単一機同士の管制間隔に一定の余裕を加味いたしまして、加算をいたしまして、より大きな安全、管制間隔を設定して管制をしておるということでございます。
 もう少し詳しく申し上げますと、編隊飛行の方式は二つございまして、一つは、一海里四万の正方形を考えていただきたいと思いますが、その正方形の中にすべての編隊の飛行機が入っておる、これを我々、管制上はスタンダードフォーメーションの編隊、こう呼んでおりますが、そういう場合には、通常の単一機同士の管制間隔に一海里を加えまして、それを、編隊飛行を代表している飛行機と編隊飛行以外の飛行機との間の管制間隔基準にしておるわけでございます。そういたしますと、編隊飛行の占める面積が最大一海里でございますので、それを加算してございますから、編隊飛行の中のどの飛行機を代表させて管制をいたしましても他の飛行機との間に所定の管制間隔が保持できる、こういうことになるわけでございます。
 今申し上げましたのは一海里四万の空間内にすべての編隊飛行の飛行機が入っておる場合でございますが、もう少し大きな空間を占有して飛ぶ編隊飛行もあるわけでございます。これを非標準方式の編隊飛行、こう呼んでおりますけれども、その場合には、その編隊飛行の飛行機を包含する図形の外縁とそれからほかの飛行機との間の間隔を管制間隔にする、あるいは編隊飛行の一番前の方、前方を飛んでいるほかの飛行機と編隊飛行の飛行機の管制間隔は編隊飛行の一番機と間隔を設けるというようなことで、要するに編隊飛行を組んで飛んでおる飛行機のどの飛行機との間の間隔をとっても所定の単一機同士の管制間隔が保持できるような、そういう管制間隔を設定して管制をしているということでございます。
 なお、編隊飛行同士の管制間隔については、原則として管制官が管制間隔の設定をいたしませんで、編隊飛行のパイロット同士で編隊飛行の間隔保持はする、こういうのが今の管制方式基準でございます。
#211
○小笠原貞子君 今いろいろ言われたけれども、具体的に、そうしたら一機だよという指示で、これが編隊ですよという指示がなされているのか、何機編隊ですよという、その何機編隊のこの機はここを飛んでいるというのがわかれば、後に三機いるなということがわかるけれども、そういうことが、全日空のパイロットに何機の編隊であるかということはわかっていたんですか、わかるように情報は出されるんですか。
#212
○説明員(井上春夫君) 千歳の場合の状況につきましては、現在調査を行っておりますけれども、一般的に申し上げますと、編隊飛行をする場合にも、管制との関係で申し上げますと二つの飛び方がございまして、一つは計器飛行方式、IFRという飛び方でございます。これはIFR機同士の間隔設定は管制官の責任で行います。その管制官の責任で管制官が指示をして、その指示に従って飛行機が飛ぶ、こういうのが計器飛行方式の飛び方でございます。
 それからもう一つの飛行方式は有視界飛行方式という方式でございまして、これは管制官が間隔設定をいたしません、パイロットが自分の責任でほかの飛行機との関係を見ながら間隔設定をしていく、こういう飛び方でございまして、これは国際的に両方の飛び方が認められておるわけでございます。
 したがいまして、当該編隊飛行が計器飛行方式という飛び方で飛んでおるとすれば、ほかの計器飛行方式で飛んでおる飛行機との間の間隔設定は管制官の責任で行う。その場合に管制官が指示しますのは、どれだけ離れて飛べ、どちらの方向に高度を幾らで飛べと、こういう指示でございまして、それ以上の、ほかにどういう飛行機がいるか、管制官が責任を持って間隔分離をしておる他の飛行機についての情報は、管制間隔の設定を管制官が責任を持ってやっておりますから必要ないわけでございます。
 ただ、計器飛行方式で飛んでおる編隊飛行のそばを有視界飛行方式で飛んでおるような飛行機がおりますれば、これはその管制飛行方式下にある飛行機に対してそういう情報を入れてやらなければいけない。逆に編隊飛行の外側を飛んでおる有視界飛行の飛行機がございまして、今回の全日空の飛行機は計器飛行方式で飛んでおるわけでございますけれども、その近くに有視界方式で飛んでおる編隊飛行の飛行機があれば、その編隊飛行の飛行機についての飛行情報をIFRで飛んでおる飛行機のパイロットにちゃんと入れてやらないといけないわけでございますが、したがいまして編隊飛行で飛ぶ場合も、有視界飛行で飛ぶ場合と管制官の指示に従って飛ぶ計器飛行方式で飛んでおる場合と、そして相手機がこれまた有視界飛行で飛んでおるのか計器飛行方式で飛んでおるのか、それによっていろいろな組み合わせがございましてなかなかちょっと一概に申し上げかねるわけでございますけれども。
#213
○小笠原貞子君 いろいろと専門的な御見解になったんだけれども、具体的に私は聞いたわけよ。全日空でも日航でもいい、パイロットが一機前方にありと、だからこの高度で何ぼで飛べと、こういうふうに指示に従っても次にぴゅっと出てきたりしたときには間に合わないということが絶対ないという考え方だね、おたくの方は。だから私はまだ時間あると思ったらもうそう時間ないのよ。あなた御丁寧過ぎちゃって、ちょっと素人じゃよくわからないんだけれども、だからもう一機で数えるという編隊では不安なんです。みんなそうだと思いますよ。何機編隊でどうなっているかわからない。だからその問題について一機が単独で飛んでいるんじゃなくて、編隊で飛んでいるというようなことがパイロットにわかるような情報を何とか考えて出すような管制方式というものを私は考えてもらいたいというのが要望なんですよね。その点についてはどうですか、必要ないとおっしゃる。
#214
○政府委員(山田隆英君) ただいま管制保安部長から御説明いたしましたように、管制上の扱いとしては、編隊飛行の場合一機として扱うということで十分だと思います。ただ、相手の航空機に対して情報を与えるという場合に、一機ということじゃなくて編隊で飛んでいるという情報を与える方が好ましいと思うわけでございます。
 ただ、今回の千歳の上空におきますニアミスの報告の案件につきましてはただいま調査中でございまして、どういう状況下で管制の指示が出されたのか、それからどういう状況下で管制官から全日空機への自衛隊の飛行についての情報が出されたのか、その辺をもう少し調査をいたしまして、もし不適切な点があれば改善措置を講じたいというふうに考えております。
#215
○小笠原貞子君 ぜひ正確な情報で、心配ないようにしていただきたいという立場からちょっとしつこいように申し上げました。
 そこで今度、千歳の空港の管制統制官ですか、ができましたね。手を打ってもらってよかったと思うんだけれども、千歳のあそこの防衛庁は管制官は何人で見ているのか、そして今度出された管制統制官だとかいうのは何人で、勤務はどういう形態になっているのか。夜は要らないけれども、民間航空が飛んでいる間ずっとそこに常駐していて見ていけるというふうな体制になっているのか、その辺のところをちょっと教えてください。
#216
○説明員(井上春夫君) 申しわけありませんが、自衛隊の管制官が今千歳に何人いるかという数字は今持ち合わせておりませんので、後で調べまして御返事申し上げたいと思います。
 それから、今御質問の防衛庁に運輸大臣が委任をしてございます千歳の航空管制の業務についての統制官の問題でございますが、まだ配置をしておりませんで、実は六十三年度組織定員要求で要求を出したところでございます。
 要求数は三名でございまして、法律に基づいて、航空法に基づきまして統制業務を行う。で、三人の算定根拠でございますけども、先生今御質問になられたような形で二十四時間、あすこは二十四時間運用の飛行場でございますが、二十四時間防衛庁の担当官が管制しているのを後ろからつきっきりで見ておると、こういうことは考えておりませんで、民間機が飛ぶのは専ら昼間でございますので、昼間込むようなときに、問題の起こりやすいときに一日二、三回、二、三時間程度ポイント、ポイントで管制の業務に立ち会うというようなことで三名の定員を要求しておるような次第でございます。
#217
○小笠原貞子君 せっかくいい統制官というのをつくってくだすっても、三人でポイント、ポイントで事故が起きそうなところ、そこで起きてくれればいいけれどもどこで起きるかわからないですよ、こういう問題は。そうすると、果たして三人でそして本当に見ていられるのか、私つくって魂入れずということになるというのが心配なわけね。本当に自衛隊の性格からいったら私はよっぽど運輸省の管制官しっかりして頑張ってもらわないと、本当に力でやられちゃったらまたという心配があるんですよね。だからここのところで本当に統制官としての権限を持って、そしてチェックできるというようなその権限の問題と、人数も三人では幾ら夜中やらないといっても少ないですよね。事故というのは思わぬところで起きるということから考えて人数の要求もっとふやしてもらいたい。そして権限もきちっとやってもらいたいというのは、運輸省としてこれからの要求の中で私は生かしてもらいたいと思うんです。大臣どうですか、生かしてください。
#218
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今御説明をしましたので、多少私から補足をしたいと思いますのはその管制官の業務です。これはむしろそれを申し上げた方が委員にも御安心がいただけると思うわけでありますが、もちろんその管制業務、また施設そのものの視察の権限はございます。それから管制業務に関する報告の徴収の権限もございます。また、それ以上に今御指摘のような心配を消すために一番有効だと思いますのは、民間航空会社などからの要望を聞くと同時に、それらに基づく改善策の検討の権限と現地の部隊などとの調整の権限をここに与えております。
   〔理事安恒良一君退席、委員長着席〕
そのほかに発着枠に対する助言でありますとか、その他管制業務に関する調整、助言、勧告の権限を持たしておりまして、機能としては私は十分だと思っております。
 ただ、人数につきまして、三人で十分なのか、あるいはやってみると足らぬという状態が出てくるのか、これ今私もわかりません。必要があればまたそのときに考えさせていただくということで、これだけの権限を持たしておりますので、私どもとしてはしっかりやってくれると思っています。
#219
○小笠原貞子君 じゃ、とにかくもう心配なく安心できるようにやっていただきたいということと、それから自衛隊と共用しているというのは千歳だけじゃないですよね、各地にある。そうすると、そういうところにもこういう管制官というものの配置を考えていらっしゃるのかどうなのか、千歳だけなのか。私は当然ほかにも適用して考えるべきだと思うんですが、いかがですか。
#220
○政府委員(山田隆英君) この管制統制官といいますのは、このたび新千歳空港で初めて置くことを要求しておる段階でございます。
 自衛隊の管制している空港で民間機が離発着しておる空港はまだほかにもございますが、従来私どもは統制業務というのは航空局で本来的に有していると。それは航空局において適切に今までも行ってきたわけでございまして、ただ千歳空港の場合には、新しく現千歳空港に隣接して新千歳空港という民間用の空港をつくり、それを現千歳空港の防衛庁の施設、人員でもって管制業務を行う、そういう事情がありますので、新たにこの管制統制官という人員を配置しようということを考えているわけでございまして、ほかの空港の場合、千歳の場合とは必ずしも同じ状況にございませんので現在の時点ではほかの共用飛行場に置くことは考えておりません。
#221
○小笠原貞子君 はい、わかりました。
 この間も質問して、千歳で防衛庁の記者会見の発言を取り上げたわけですけれども、あそこで問題なのはニアミスの判定の問題ですね。全日空はとにかく感情で主観的な報告ばっかりするなんていう内容がありました。防衛庁の言い分は、航空機の運航に関する訓令があると、その訓令というのは、水平距離六百メートル垂直距離百五十メートルのいずれか守れと、両方とも守れない場合、異常接近ということだと、こんなことでは、例えば先日の高知沖のニアミスのように、運輸省管制官が三回にわたって注意しているわけです。一回、二回、三回にわたって注意していると、しかし、この訓令によれば幾ら管制官が注意しようが自衛隊の方は六百メートル近づかなければいいんだということでやるわけですよね。そうすると、私はすごく心配だと、百五十メートル、六百メートル離れてやってればいいよと言ったって、それで並行して目的地まで行くわけじゃなくて、訓練なんだからどこでどういうふうに、この間も運輸省でお出しになったの見たらびっくりしましたね。航路に向かって、行って戻って、こうですものね。あれでは私もぞっとして、パイロットがニアミスだと報告するのは当たり前だと思うんですよね。
 そうするとこの自衛隊のこの訓令というものを私は見直してもらわなけりゃならないと一つは思うんですよね。そして、航空法で言う七十六条の二でしたっけか、ニアミスというのはパイロットが危険と感じたときに報告しなけりゃならないということですから、私はそういう意味で自衛隊の訓練というのは問題があると思うし、やっぱり航空法で言われているとおり危険を感じだということが当然ニアミスとしての判定ということで報告すべきだと思うんですけれども、この点についてどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#222
○政府委員(山田隆英君) まず、防衛庁の訓令についての問題でございますけれども、これ、防衛庁がお決めになったことで私どもは防衛庁から聞かされておる点でございますが、六百メートル以上の水平距離、または百五十メートル以上の垂直距離を保たなければならないと確かに定めております。ただ、この規定というものは自衛隊機がやむを得ず他の航空機と近接して飛行しなければならなくなった場合において、衝突のおそれがないようにしなければならない間隔、限界的な間隔を定めたというふうに理解しておりまして、この距離を保ちさえすれば他の航空機の安全を排除せずに自由に航行してよいという意味ではないというふうに私ども承知しております。
 ニアミスの判定については運輸省と防衛庁との間に見解の相違があるんではないかというお話でございますけれども、ニアミスにつきましては、航空法の七十六条の二でございます。七十六条の二におきまして機長は、飛行中他の航空機との衝突または接触のおそれがあったと認めたときは、その旨を報告するとされております。このような状況に該当すると思われるとき、こういうふうに判断されたときがニアミスというか、通称ニアミス、私どもとしては異常接近と言っておるわけでございますけれども、そういうふうに判断するわけでございます。
 もう少し具体的な基準が決められないかということにつきましては、航空機の接近によります危険度といいますのは、関係航空機の速度、スピードの遅い飛行機同士が近づく場合にはかなり近づいても危険度が少ない。また逆に高速の航空機が近づく場合にはかなり差があっても危険が大きいと、そういう関係航空機の速度、それから接近方法、対向するかあるいは並行して飛ぶか、そういうようなことによっても違うと思いますし、それから飛行姿勢あるいは機種等によって、大型機、小型機といったそういう機種によっても違うと思います。
 またさらに、気象状態、非常に視界がいいときかどうか、それから太陽との位置関係、これもそれによって見やすいかどうかというようなこと、それから操縦士の技量がいいかどうか、それから相手機に関する情報の有無、要するに相手機も承知しているという場合にはかなり接近しても危険度は比較的少ないと思いますけれども、全然知らない同士がふいに接近すればこれはかなり危険を生ずるおそれもあるわけでございます。
 そういういろいろな事情がございますので、一義的に相手機との距離だけで判定するということは非常に困難でございまして、そのため航空局といたしましては、異常接近であるかないかの調査をする場合に実務上の基準といたしましては、これもかなり抽象的ではございますけれども、こういう基準を設けております。
 一つは、回避操作をとる余裕がない状態で空中衝突あるいは空中接触の危険性がある程度に接近したもの。
 それからもう一つのケースは、異常な回避操作により空中衝突あるいは空中接触を避け得たもの。
 このどちらかに該当する場合に異常接近であると、こういうふうに判断するわけでございまして、これまで運輸省といたしましてはこういう判定基準でもって調査を行ってまいりましたし、今回の事案についても同様に行おうとしているわけでございます。
 それで、この考え方については私は防衛庁も決してそう異なる見解を持っているというふうには理解しておらないわけでございまして、ただ、防衛庁としては先ほど訓令にありましたように最低少なくともこの六百メートルないし百五十メートルという間隔はどんな場合でも保持しなければならない。それを割った場合には直ちに報告しろと、こういう訓令でございまして、それが直ちにニアミスかどうかの基準になっているというふうには私どもは理解しておらないところでございます。
 今後この千歳のケースにつきまして、航空局でニアミスかどうかの調査をいたしまして、その過程においてまた防衛庁の訓練の方式なりあるいは管制の方式等について改善すべき点があればこれは私の方から必要な措置についての申し出は考えていきたいというふうに思っております。
#223
○小笠原貞子君 防衛庁の方の姿勢を考えると、私はよっぽど運輸省の管制の立場でしっかりやってもらいたいと、何しろ訓練空域からはみ出しているところに問題があるわけですよね。あれ幾らパイロット頑張ったってはみ出して飛び出してきたらどうしようもないんだから、だからその辺のところは防衛庁とこれから折衝なさるときにせめて訓練空域の中でだったらいいけれども、はみ出して絶対やらないようなそういうきちっとした姿勢で今後折衝していただきたいというふうにお願いします。それは確認できますね、当然。
#224
○政府委員(山田隆英君) 八月十一日の高知沖のニアミス報告の件に関しましては、私ども最終的なまだ調査結果は出ておりませんけれども、先般八月二十八日でしたか、これまでの調査結果に基づきまして中間的な発表をいたしました。
 それまでの調査結果によりますと、高知沖のL空域と言われております訓練空域を外れたところで全日空機と防衛庁機が遭遇している。防衛庁機が当該箇所でもって訓練をしたかどうかということにつきましては今後さらにもう少し調査が必要かと思いますけれども、その際にこういう事実を踏まえまして私どもとしては八月二十八日付で航空局長名で防衛庁教育訓練局長あてに「自衛隊機の訓練・試験飛行は、訓練・試験空域内において行うこと。」それから「自衛隊機が訓練。試験飛行を行う場合は、防衛庁は、常時、レーダー及び対空通信により当該機を監視すること。」ということを厳格に厳守するように申し入れを行いました。今後防衛庁が訓練・試験飛行を行う場合には必ず訓練試験空域内で行うというふうに期待をしております。
#225
○小笠原貞子君 それでは次の運賃問題に移ります。
 北海道の航空運賃、これはもうここで私も何度も取り上げました。北が高いということを取り上げて、そして細田大臣のときだから三年前だと思うのですね。そのときに具体的に事例を挙げた。そして細田大臣はそれはひとつ考えなきゃならぬということをおっしゃっていたと。その後三塚さんが大臣になられた。これも北海道へ飛んでいってそして記者会見もされたし、はっきりと航空運賃の北海道、北の格差ということを考えましょうと言われて、そしてその後もう道民の大きな世論になっているし要望にもなっているわけですよね。細田大臣、三塚大臣、これはもうさっぱりだめだった。いよいよ橋本大臣の出番でございます。いかがお考えいただけるでしょうか。
#226
○国務大臣(橋本龍太郎君) いろいろを言い方はありましょうけれども、運賃を設定いたしました後に距離を短縮したという事実は否定しがたい事実であります。
 今運賃問題懇談会の作業がもういいかげんで結論が出てくると思いますけれども、その時点においてこの事実は当然考慮の対象として考えます。
#227
○小笠原貞子君 ちょっと物足りないんだな、そういう答弁。
 それでは具体的に伺いますが、今までおっしゃっていたのは確かに改定しなきゃならない時期に来ているということは、問題としてとらえていらっしゃる。そして運賃問題懇談会で検討してくれということも言っていらっしゃる。問題は時期なんですね。いつこれを改定するかということです。今までは運賃改定時にということだったんですけれども、東京−稚内というのがジェット化されましたよね。東京から稚内に直行するということになったわけだ。これは運賃改定後に決められたわけです、この前。だから是正すべきであるならどうして反映されなかったのかというのが私は疑問なんだけれども、その辺はどういうふうに考えたらいいんでしょうか。
#228
○政府委員(山田隆英君) 東京−稚内路線につきましては、この六月でしたか、不定期として東京−稚内便、稚内への運航が行われたわけでございます。その際に一応直行運賃ということで従来の東京−札幌と札幌−稚内の合算値よりも下げたのです。これは北海道の他の地域のキロ当たり賃率に大体準じたような賃率を定めたわけでございますが、これはあくまでも不定期航空ということで、羽田の発着枠との関係もございまして、発着枠があいているオフピーク時にはそういう運航をしておったわけでございますけれども羽田の発着枠が満杯となりますピーク時は運航しておりません。そういう臨時的な性格の路線であるということもございまして一応従来の北海道の他路線に準じた運賃設定を行うということでございます。
#229
○小笠原貞子君 これ本当に、確かに今まで東京−札幌飛んで釧路、帯広へ行っていたというのが直行するようになったから距離も少なくなりました。何ぼだか、二百円だか三百円安くしているんですよね。それから今おっしゃったみたいに札幌へおりないで真っすぐ行くからだから差し引きを安くしますというのは当たり前のことでしてね。それにしても南北格差は北海道全体にあるということが事実なので私はこの問題を取り上げているわけです。
 いろいろな今運賃割引ありますね。改定後にいろいろな割引運賃というのをつくられたけれども運賃の改定を何件認可されていらっしゃいますか。割引運賃、いろんな制度をおつくりになりましたね。しかも運賃改定の後ですね。改定の後いろんな割引制度をおつくりになった。どれくらい認可されていますか。
#230
○政府委員(山田隆英君) 前回の運賃の改定が五十七年の一月でございますけれども、それ以降かなり年数もたっておりますのでその間割引運賃の設定は相当件数に上っております。ちょっと時間もかかりますが全部申し上げましょうか。
#231
○小笠原貞子君 何件ぐらい。
#232
○政府委員(山田隆英君) 何件ということでよろしゅうございますか。九種類で認可件数としては十一件でございます。
#233
○小笠原貞子君 じゃ、ちょっと数えられないぐらいたくさんありそうですね、たくさん改定なすったと。これは運賃の変更ということと変わらないのじゃないですか、これは。割引制度というものをおつくりになったんです。運賃そのものに変更があったというふうに見て、私はやろうと思ったらできるのだなということですよね。そうしたら当然是正してほしい。これはやる気になっていろんな割引制度をつくってそしておたくの方に出されて認可したわけでしょう。だからやる気になったらおたくも認可してやれるというふうなことだと思うんですけれども、どうですか。
#234
○政府委員(山田隆英君) 一応航空運賃の設定のやり方でございますけれども、基本的には従来航空企業ごとに適正コストプラス適正利潤というものを基準にし、さらに路線ごとの原価というものを勘案しながら決めてきたというのが実情でございます。
 確かに現状では、いわゆる南北格差と言われておりますように、北海道方面の運賃がほかの路線に比べて割高になっている。これは一面では需要量が割合少ないとか季節波動が多いとか、コスト面からいってある程度の割高はやむを得ないと思いますが、それに加えて先ほど大臣申し上げましたように前の運賃改定後飛行経路の短縮があったためさらに割高感が増幅されたという傾向はあるかと存じます。
 従来確かに先生の国会での御質問で、次の運賃改定時にはこういった問題について是正を図りたい、こういう答弁も私どもの方から申し上げておることは事実でございます。運賃の全体の考え方からいいますと全体として一応設定時コストに見合った運賃が決められたということになりますけれども、飛行経路の短縮によってそれ自体コストの減少は生じていることは事実でございます。
 ただ同時に、五十七年の一月以来物価もある程度上がっています。人件費も上がっておりますしその他の諸経費も上がっておる。もちろん中には燃費等下がっているものもありますけれども、総じてコストというのは当時から比べて上がっている。となりますとやはり本来の運賃改定と申しますのはそういった諸物価の上昇に見合ってある程度の運賃の値上げ、端的に言って値上げということになると思いますけれども、値上げをする中でそういう割高なところの調整を行うという考え方で従未来たわけでございますけれども、今までそういう改定の時期に至らなかった。他方今御質問のございましたような割引運賃といいますのは、そういういわば基本的な収支を見てということではなくて、割引によってある程度収入もふえるであろうということで、基本的な収支は変わらないということでそういう運賃設定をしてきたわけでございまして、同じような形で基本的な賃率を、北海道だけ是正するという意味で引き下げるというのは極めて困難であるということで、運賃問題懇談会でこの問題はいろいろ御議論いただいております。私どもとしても問題があるということは重々承知しておりますので、そういう結論が恐らく近々には出ると思います。そういう結論も踏まえて今後対応を考えていきたいというふうに思っております。
#235
○小笠原貞子君 運賃問題懇談会の結論を待ってと、いつもこうおっしゃるわけですよね。そうすると、この結論を待ってといったら、はっきり言っていつのことだか、何年後待たされるかということで私は一つ心配なんです。
 そこで、具体的に懇談会の結論いかんによっては、改定前にもこの問題を考えるということもあり得ると考えてよろしいでしょうか。
#236
○政府委員(山田隆英君) 懇談会でどういう結論が出るかということは、今簡単に予測できないわけでございます。懇談会の中でも、今までの議論としては、下げるところだけ下げるのはおかしいじゃないかと、場合によっては逆にコストが上がったところもあればそっちも上げて調整を図るということも必要じゃないかという議論もありますし、そうはいっても北海道については確かに特別な事情があって割高感あるんだから、北海道だけを下げるということも考えてもいいんじゃないかというような議論もありまして、結論はなかなか予測できませんけれども、再々申し上げますように、私どもとしては懇談会の取りまとめというのはこの秋には出ると予想しておりますので、その結論を踏まえてこの問題の対応を図ってまい力だいというふうに思っています。
#237
○小笠原貞子君 その結論がどうなるかわからないけれども、その結論が出る前にも改定をしょうじゃないかというふうにお考えになっていただけるかどうかですよね。絶対懇談会の後でなきゃやらない、やらないつもりなのか、それとも改定することもあり得るというふうに、今まで高かったんだから引っ込めて平均になるのよね。だから、それは懇談会前でも検討して、そういうこともあり得るというのを、私は常識でそうなるんだろうなあと思うけれども、どうですか。簡単に、もう時間なくなってきちゃった。
#238
○政府委員(山田隆英君) 先ほど申し上げましたように、懇談会も近々には取りまとめがあるというふうに考えておりますので、その前には考えておりません。
#239
○小笠原貞子君 おりません――何て冷たいんでしょう。それじゃ、今まで話題になっていたのは、私もやったのは、帯広とか釧路とかというのを取り上げたんだけれども、ずっと調べてみたら帯広、釧路だけじゃない。旭川も、それからあとほかにもありますね、さっき言った稚内とか女満別とかね。札幌ももちろんそうですよ。だからすべての路線についてこの問題を検討するという、対象に考えていただけているというふうにとってよろしいでしょうか。簡単にね。
#240
○政府委員(山田隆英君) 問題のある路線についてはすべて同じように考えていくというふうに考えております。
#241
○小笠原貞子君 みんな問題あるんだわよ。
#242
○政府委員(山田隆英君) 先生おっしゃいましたのは釧路、帯広に限られるかという御質問でしたら、それ以外の路線についても考えるということです。
#243
○小笠原貞子君 だから、北海道全体が格差があるんだから全体が問題あるという認識に立って今のお答えなら納得いくの。それでいいですね、北海道全体の路線というものを対象に考えると。
#244
○政府委員(山田隆英君) いろいろ議論の対象としては考えますけれども、北海道の中でも必ずしもそれほど大きな問題がないという路線もあれば、それは当然対象外になると思います。
#245
○小笠原貞子君 本当に時間がなくなっちゃった。で、今度急ぎます。
 もう一つ大きな問題としてはコモンレートという問題があるんですよ。北海道から東京に来て、そして東京からアメリカ、ヨーロッパへ行くというときには、北海道から東京のお金取られるわけですよね。今度九州から東京へ来て、そしてヨーロッパ、アメリカへ行くというときには、九州−東京というのはお金取られないのね。これも不公平だと思いますよ。それでね、いろいろ理由を聞いてみた。何だと言ったら、南に飛んでヨーロッパに行くのに福岡なんかの上を飛んで行くから、わざわざ東京へ来なきゃならないからそれはただにするという理由だったの。
 南回りなんていつごろが盛んだったの。私昭和二十八年に行ったときは南回りだった。その後アンカレジ回りになって、今もう直線コースで行くというのでしょう。だからね、ここで数で教えてほしいのです。そこでこだわっている南回り、日航でいいですよ、日航南回りで何便ありますか、そして北回り何便ありますか。時間がないからその数簡単に言ってください。
#246
○参考人(山地進君) 南回りは二便で、北回りは二十一便ぐらいであります。
#247
○小笠原貞子君 そうでしょう。北回りは二十六便あるんだわ。そして、南回りはたった二便なのよね。そうすると、何で九州にサービスしちゃって、北海道やらないかというの、やっぱり不公平の最たるものだと私は思いますよね。これについて国際的にこれは申請しなきゃ許可ならないとか、いろいろ問題あると思うけれども、IATAですか、黙っていたら、北海道の皆さん大変だろうからただにせいなんて言いませんよ、国際組織でね。だから、やっぱり当然日航としても不合理だと、北回りが二十六便もあると、その上飛んで行くのに、行って帰って金取られるなんてこれはおかしいと、だからIATAにでも持ちかけるという意思があるかどうか、日航さん。
#248
○政府委員(山田隆英君) まず航空局の考え方を申し上げますが、必ずしも福岡の上を南回りが飛んでったからということではなくて、福岡に着陸していく便もございまして、そういう場合に福岡から行くお客さんとそれから福岡から東京まで戻って東京から直行便で行くお客さんと差ができることには問題があるというようなこともありましてコモンレートというものがつくられたわけでございます。
 確かに現在コモンレートの適用範囲についてはそういうかなり歴史的な経緯によるものが多いものですから、必ずしもそういう一般の方々の感情に即したものでない面も見られるわけでございますね。
 こういう点につきましては、これもやはり運賃問題懇談会で問題点として検討しております。私どもとしては国際的な調整も必要でありますけれども、これも懇談会の報告を踏まえまして対処さしていただきたいと思います。
#249
○小笠原貞子君 国際的な問題じゃないよ。日本でそれやったって、同じにすればいいじゃない。ただにさ。それただに、福岡と同じようにしたら問題になるの。時間ないから、だけど断然不合理でしょう。北回りの方が多いのに、札幌から東京まで戻ってきて、そしてその上空を飛んで行くというのに、わざわざ戻ってきて、そういう時間でも大変なのに、その上にお金価ばか、五万何ぼかかるんですよ。南の方はただなんてね、これも格差があらわれている、絶対。これはまた懇談会待ちだと、情けないね。懇談会なんてなくたってしっかりやりゃいいじゃないの、本当、もう。悪いことの隠れみのだよ、懇談会だの審議会なんていうのは。文句言うのは時間ないからそれくらいにして、こういうこともしっかり考えておいて御努力をいただきたいということです。
 その次に、今度小型機、コミューターの安全問題ということで伺いたいと思います。
 大型機の事故やなんかの安全問題を随分取り上げましたけれども、今小型機の問題が随分問題点がたくさん出ていますね。そこで、あと時間がありませんから私の方で伺いました数字で申し上げたいと思います。
 小型機の事故の件数並びに死亡者、これを調べてみますと、五十一年は件数四十七件、死亡者が二十二名でした。五十二年は三十四件、死亡者八名というふうになっておりました。それが六十一年は四十八件、十八人の死亡者。五十一年から六十一年までこの約十年間を調べますと、四百十八件の事故が起きて、そこで百四十六人が死亡するという小型機の事故と死亡者。六十二年八月一日現在では既に十九件あって十九人が死亡しているということですよね。これはやっぱり小型機の問題も相当慎重に考えなければならない。この小型機の事故の原因は一体どうなっているんだということですよね。これも簡単に、どういう原因だったかということをお答えいただきたいと思います。
#250
○説明員(藤冨久司君) お答えいたします。
 航空事故調査委員会が航空事故調査報告書を公表いたしました昭和五十一年以降に発生しました小型機事故、三百六十五件について主たる原因別に大別いたしました内訳を見てみますと、操縦者にかかわると見られるものが二百七十三件で約七五%を占めております。続きまして、機材の故障にかかわるものが四十一件、これは約一一%でございます。それから整備不良にかかわるものが十三件、その他が三十八件となっております。
#251
○小笠原貞子君 そうすると、今の数字から見ますと操縦のミスというのが大きいですね。そうすると、この小型機の操縦免許という問題、これの問題として指摘しなければならないのではないか。操縦免許、小さな会社もあるだろうし自家用操縦士の場合もある。この操縦の免許というのはどういうふうに取っているのかというと、アメリカやフィリピンなど外国で取得しているケースが多い。これも私が当委員会で前やりました。これは日本よりも短期間で安くて免許が取れるということで、そのツアーが組まれているということも、広告も私この間お見せいたしました。外国で取得して日本では書類検査手続だけで無試験だと、切りかえができる。このような切りかえ者、外国で取ってきて日本で切りかえるというような者はどれぐらいの割合になっていますでしょうか。
#252
○政府委員(中村資朗君) お答えします。
 自家用操縦士の免許を外国で取得いたしまして日本の技能証明に切りかえた割合でございますけれども、昭和五十八年から六十一年までの四年の年平均で申しますと三八%でございまして、人数で申しますと二千八十七人中に七百九十三人ということになっております。
#253
○小笠原貞子君 外国で免許を取って、日本ではもう全然切りかえだけでできるというのもちょっと私は、ちょっとじゃない大きな問題だなと思うんですよね。
 つまり、外国と日本というものを比べた場合、外国は例えばアメリカなんかへよくツアーで行っているんだけれども、広々とした大地ですよね。それに比べて日本というのはどうかといったら、狭くてそして山がありというような、地形が違うわけですわ。小型の場合には山岳地帯が多いこの日本で特に低空飛行していますね、低いところを飛んでいる。また、気象条件についてももう本当にちょっとした場所の違いで大きな事故を起こしているわけですよね。こういうふうな免許の取り方に問題があるし、これで無試験で許可するという問題について、私はやっぱりここら辺で考えていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#254
○政府委員(中村資朗君) 外国の免許の切りかえに当たっては我が国と同等以上の試験を行う外国政府により発行された免許であることを確認をしておるわけでございます。それからさらに、切りかえ者の飛行経歴等が我が国の基準に適合するということを確認した上で我が国の技能証明を発行しているわけでございます。
 なお、近年の自家用操縦士の事故等を分析してみますと、外国免許を切りかえた者が起こした事故の件数ですけれども、比率は余り多くないという結果が出ておりまして、また運輸省といたしましては、外国免許の切りかえ者に対しまして我が国の技能証明書を交付する際に、我が国特有の山岳の多い地形だとか気象、あるいは訓練空域等につきまして注意を喚起する一応文書を手渡しておるということが一つと、そのほかに年に一、二回ですけれども、安全講習会などの機会を通じまして安全指導を行っておるわけでございまして、今後とも安全確保について努力してまいりたい。切りかえ制度そのものについては特に問題がないのではないかというふうに考えているわけでございます。
#255
○小笠原貞子君 切りかえのときにいろいろお調べになって御注意なさるというのは当然のことだと思うわけですが、例えば七百九十三大切りかえたとさっき言われたけれども、この中で実際事故を起こしたというのはどれくらいかというのは今わかっていますか、簡単に数だけね。
#256
○政府委員(中村資朗君) これは過去五年間の自家用操縦士の事故を分類したわけでございますけれども、事故件数が二十七件ございました。これは固定翼小型機とそれからヘリコプターの事故を含めてでございますけれども、合わせて全部の事故は百二十一件ございまして、その中で自家用操縦士の事故が二十七件あった。このうちで、外国で取得したライセンスの切りかえ者によります事故というのは五件でございます。
#257
○小笠原貞子君 それ自家用だけでしょう。だから、小さい会社なんかの場合というのはまた別にあるわけだよね。だから、五件だから少ないというのはあくまで自家用の飛行機だけ。今事故起こしているのは、自家用もそうだけれども小さい会社が飛ばしているのがありますね。だから、そこのことを考えると、私はそんな少ないから大丈夫だというものではないと。やっぱり日本の空で実際飛んで大丈夫だという者に対しての許可であらねばならないということは原則としてしっかり押さえていただきたいと、そう思うわけです。
 次に、これは単なるパイロットミスということで単純に見てはだめだと思う。やっぱりいろんな要因があってこういう事故につながっている。安全対策上もっともっと深く分析して改善をするという方向をとらなければならないと、そう思います。
 それについて具体的にまた伺っていきたいと思うんですけれども、五十七年の十一月二十九日、海上保安庁の小型機が長崎県福江市の男女群島の男島というんですか、墜落事故というのがありました。これで二名亡くなっております。次の年、五十八年一月二十一日、個人所有の小型機、山口県宇部空港で墜落事故、二名が死亡しました。そして、六十年の六月十三日、北海道の紋別、送電線の接触事故で、これは三名が死にました。この三つの事故、この原因はどういうふうにとらえていらっしゃいますでしょうか。
#258
○説明員(藤冨久司君) 先生、事案三つおっしゃいましたので、事案の説明は省略して原因だけ申し上げたいと思います。
 第一の件でございますが、昭和五十七年十一月二十九日に長崎県の男女群島男島で起きました事故でございますが、この事故の原因は悪天候に遭遇したことによりまして機長が目的地への飛行を断念いたしまして、中継地の方へ反転いたします際に乱気流と視程障害の中で自分の機の位置を正確に把握できず、かつ男島を視認できないまま右への上昇旋回を行ったことによるものと推定されております。
 それから、二つ目の事故でございますが、五十八年一月二十一日、山口、宇部空港の西方海上上空で起きた事故でございますが、この原因につきましては、飛行中に悪天候に遭遇いたしまして目的地を変更するために雲の中、雲中での旋回飛行を行いました際に、機長が空間識失調に陥り姿勢の保持ができなかったことによるものと推定されております。
 それから、第三番目の事故、昭和六十年六月十三日の事故でございますが、これは、この事故の原因は濃霧が立ち込めた中、この悪天候下を飛行中に送電線に接触したことによると推定されているものでございます。
#259
○小笠原貞子君 いずれも悪天候が大きな原因になっているわけですよね。その中で、例えば朝から悪天候というんじゃなくて、飛んでいってから途中で悪天候になるというようなことで事故を起こしているということが随分あると思うんです。
 この山口の宇部で起こったそれの事件を見てみますと、これは八尾空港を出るときは天気は良好だった。有視界飛行、VFRで飛んでいた。で、北九州空港も午前中は天気は良好、正午ごろ急に悪くなった。変化する天候の状態を情報として受け取っていれば、こういう事故は回避できた、そう思うわけです。しかし、こういう小型機が飛び出していくとき、そして目的地というところの管制塔とはコンタクトできる。ところが、飛び出してから今ここにいる、そして次はここに行った、天候はどうなんだという、その途中のいろいろな情報というのがきちっととらえられないというところに一つの私は事故を起こす不備の問題があるのではないか、そう思うわけです。出発空港、目的空港、これは義務づけられているわけです。しかし、航空路情報提供サービスというのがあります。しかし、これは義務づけられていない。また、飛行場情報を提供するサービス、ATISというものもあると、だからこういうふうにAEISとATIS、これをきちっと義務づけて、そして情報が正しくパイロットが把握できるような、そういう整備をしていただく必要が事故を防止するということから必要ではないかと思うんですけれども、御見解いかがですか。
#260
○政府委員(山田隆英君) 航空機の事故防止のためにはもちろんいろいろな措置を講じておるところでございますが、ただいま先生おっしゃいました情報の提供、これも非常に事故防止に役立つと思うわけでございます。
 一般的に小型機はVFRで飛行するわけでございますが、VFRで飛行する小型機に対する情報提供としての具体的な安全対策につきましては、まず第一には、今もお話ございましたけれども、飛行前の飛行計画受理時において可能な限り十分な情報提供を行いますとともに、的確な助言、指導を行っていく必要があると思います。今後ともこれを続けていくつもりでございます。
 それから第二には、飛行中においても十分な情報提供が行われますように航空路情報提供業務、AEISでございますが、この通信覆域の拡大のための通信サイトの増設をこれまでも行ってきたわけでございますが、今後とも必要に応じて考えていきたいということでございます。
 それから第三には、飛行中における情報提供の円滑化を図りますために、本年の三月、行政指導ベースでございます、これは決して強制するというわけではございませんが、行政指導ベースで、VFRで飛行する小型機に対しましても原則として三十分ごとの位置報告を行わせる制度を考えまして、これに合わせて情報提供を行うということにしております。
 またこれは発足間もないものですから、必ずしもすべての小型機の操縦者がこの制度に乗っかってなかなかやっていただけないという面もございますけれども、私どもといたしましては、それが運航者自身の安全にかかわることだということでございますので、この制度についての周知徹底も図り、できるだけこういう位置報告制度に乗っかって航空機の安全対策の強化を図っていきたいというふうに考えております。
#261
○小笠原貞子君 本当に今おっしゃいましたように、ぜひ整備をきちっとしていただきたいと思います。
 有視界飛行は、空港周辺の管制圏、それから特別管制空域以外は管制の指示を受けませんよね、その場合は。そうすると飛行状況というのは出発空港と目的空港でしか把握されない。途中どこを飛んでいるかわかんないというふうにつかめない、一切地上ではわからない。だから落っこったなんといったって、どこに落っこったかわかんないというような問題が出てくるわけですよね。そうすると、やっぱり今いろいろおっしゃった運航監視体制というものをきちっとしなきゃならない。位置通報義務づけ、その無線交信の際に小型機に必要とする情報を与え、監視体制を強化するということが具体的に私は必要な段階に来ていると思うんですけれども、それについては御異議ございませんでしょうね、当然だというふうにお考えになると思いますが。
#262
○政府委員(山田隆英君) ただいまも申し上げましたように、位置報告制度というものが飛行中必要な情報を提供するということからいって好ましい制度であるというふうに考えておりまして、今後もこの徹底につきまして指導を行っていきたいというふうに考えております。
#263
○小笠原貞子君 この山口、宇部の場合ですよね、山口の宇部とコンタクトをとったまま行方不明になっちゃって、発見されたのはたしか四日後だと、そういうふうに伺いました。小型機で一番問題なのは落っこった場所がわからないと挺索救援するというときに非常に困難だというふうなことが言われているわけです。VFRは比較的低い高度で飛んでいると、だからこのことを考えたところ、救難調整本部というのがありますけれども、これは羽田だけですよね。せめて千歳とか大阪、福岡、那覇というような拠点に救難調整本部というものが出張所でもいいできると、そしてすぐに救難できるという体制、この時間によって命が失われるかどうかということなので、羽田だけではなくて、今言った千歳、大阪、福岡、那覇といったようなところにも必要だと、常設させるべきだと思うんですけれども、御意見はいかがですか。
#264
○政府委員(山田隆英君) 捜索救難につきましては、国際反間航空条約の第十二附属書に基づきまして関係機関、これは運輸省航空局、警察庁、防衛庁及び海上保安庁の参加について既に決定を見ておりますし、また消防庁につきまして関係機関の合意が得られておりまして、近く協定の改定を行う予定でございますが、これらの関係の機関の間で航空機の捜索救難に関する協定というものを締結いたしまして、これに基づきまして、運輸省の東京空港事務所に救難調整本部、RCCというものを設置し、必要な連絡調整を行っておるところでございます。
 この協定の中で、RCCの業務の一部または全部を必要に応じて他の空港事務所に行わせることができるということになっておるわけでございますけれども、この救難調整の体制といたしましては、その連絡調整すべき関係機関の本部というものがすべて東京にあるわけでございまして、情報の連絡及び調整というものを各機関の中枢の間で一元的に行うことにより業務を迅速かつ的確に行うことが適当であるというふうに考えておるわけでございます。
 確かに、現場に近いところにRCCを置いたらどうか、あるいは委任したらどうかという考え方もあるわけでございますけれども、過去にそういう一部事案ごとに地方の空港事務所に委任した事例がないわけでもございませんけれども、最近は他の空港事務所に委任した事例もございませんし、また、東京のRCCにつきましては、最近、施設、要員等増強を行いまして整備もしたわけでございまして、今後ともこの東京空港事務所におきますRCCというものを中心とする体制で業務を行っていくということがやはり適当ではないかというふうに考えておる次第でございます。
#265
○小笠原貞子君 コミューター航空などの問題で、航空審議会地域航空輸送問題小委員会というのが中間取りまとめを八月二十五日に出されております。それを読ませていただきましたが、これからコミューター航空というのがどんどんふえてくると空の混雑というのは激しくなる一方だと。これに対してどうあらねばならないかという肝心な具体的な問題というのが中間報告では残念ながら出ていないわけです。だからやっぱり、これは中間だから、この復しっかりまとめていただけると思いますが、これから混雑する中で、この問題は抜本的に、具体的に対策を早急に立ててもらいたいということ。今のは当然やってもらえると思うんですが。
 それから、続けてもう一つ。コミューター航空と二地点間旅客輸送というものの実施承認基準というものを運輸省で出されていますよね。それを見たら、原則としてIFRというふうになっているわけです。IFRでなきゃならないというふうに原則として出しているんだけれども、現実に認可されているというものはVFRというのがほとんどですよね。この辺にも問題があるのではないかというふうに考えるんですけれども、その問題についてお答えいただきたいと思います。
 申しわけないけれども、私の時間が五時二分までなんです。それで、もう一つの問題をちょっとやりたいので、御答弁は三分程度で要領よく、
申しわけありませんが、御協力をお願いしたいと思います。よろしくどうぞ。
#266
○政府委員(山田隆英君) まず、コミューター航空の問題でございますけれども、六十二年八月二十五日の航空審議会地域航空輸送問題小委員会におきまして、中間取りまとめをしていただきました。
 その中では、地域航空の位置づけであるとか、空港の整備方式であるとかというものが中心になっておりまして、コミューター航空の安全な運航の確保、就航率の向上等を図るための航空保安施設等の整備に関する諸問題というものを今後早急に検討することとするということになっておりまして、今のところ考えておりますのは、来年春ごろまでに最終取りまとめを出していただく予定でございますが、それまでにこういった安全に関する問題について当然ここで御審議いただき、報告の取りまとめを行うものと期待しておりますし、私どもはそれを踏まえて安全対策を講じていきたいというふうに考えております。
 それから、コミューターの実施承認基準で原則IFR飛行とされていながら実際はVFRで飛んでいるのは問題ではないかという御趣旨につきましては、確かに二地点間旅客輸送の実施承認基準におきましては、飛行方式は原則IFRとしておhますが、気象状態に問題がないなどの場合にはVFRによる飛行も行うことができるというふうに規定しておりまして、実態としては、確かにVFRによる飛行というものは非常に広く実施されておるところでございます。VFRによる飛行というものは、有視界気象状態が維持できれば、安全上何ら問題はないというふうに考えておりまして、実施承認基準におきましても、運航者に対しまして的確な気象判断、情報提供が実施できるよう運航管理体制の整備を義務づけておるところでございます。
 また、二地点間旅客輸送に用いられます飛行機及び従事する乗員はIFRが可能である能力及び資格を有するよう義務づけておりまして、天候の急変等により不意に計器気象状態に遭遇するというような場合には計器飛行を行うことが可能になっておるわけでございます。
 これらの点から二地点間旅客輸送におきますVFRによります運航というものは安全上問題はないというふうに考えておりまして、天候の良好な場合も含めてすべてこれをIFRによる運航を義務づける必要はないというのが私どもの考え方でございます。
#267
○小笠原貞子君 これは八月二十二日のある新聞に出ていたんですけれども、羽田に新安全システムをつくる、小型機の飛行機も管制する、専門官を置きニアミスを警戒、回避を無線指示するというような、そういうのができるというようなのが出ていまして、私はこれは大変結構なことだと思うんですが、これはこの書かれているとおりに実施されていくということは具体化しているのかどうか。それから、これは羽田中心ですね、特別管制区という、この小型機の飛行も管制できるというようなのは羽田だけなのか。例えば、さっき言った千歳だとか、ほかにもこういうことを考えていらっしゃるのかどうか。この新安全システムという問題について伺いたいと思います。
#268
○説明員(井上春夫君) 航空交通の混難いたします大空港の周辺でIFRの飛行機については管制官がきちっと管制をしておるわけでございますけれども、VFRの飛行機については特別の区域以外は特別の管制がなされていないと。そこで、大空港の周辺におきまして空港監視レーダーというものが既にございますから、それを見ておれば小型機の動向がわかりますので、専門の小型機のための航空管制官を配置いたしまして、小型機に対してレーダーで得られた情報を提供し、航空安全確保上のアドバイスを積極的にやってやろうというのが、今、先生おっしゃった新システムでございます。
 スケジュール的には、まず六十三年度の初めから名古屋空港で実施をしたいと考えております。それに引き続きまして、羽田空港の周辺では、六十三年度予算で施設整備をいたしまして、六十四年度当初から専門の管制官を配置してスタートしてまいりたい、こんなふうなスケジュールで考えております。
#269
○小笠原貞子君 もう一つの課題があるんだけれども、二分間御協力を申し上げまして、この次に残したいと思います。長い間、どうもありがとうございました。
#270
○田渕哲也君 今回の日航法廃止を政府は行革関連法と位置づけておられますけれども、この日航の民営化が行革面でどのような効果があると考えておられるか、まずその点についてお伺いをしたいと思います。
#271
○国務大臣(橋本龍太郎君) 日本航空の歴史を申し上げるまでもなく、我が国の空が開放されますと間もなく国策としてつくられました特殊法人である日本航空というものが、今日世界的な航空会社として存在をし、競争を続けているわけでございます。
 ですから、これは国際、国内線ともの競争が可能になっている状態の中で、その競争が、利用者利便の向上を図ることが適切であると考えられる状態になりますと、企業間の競争条件の均等化をも急ぐ必要がありまして、完全民営化を図るものとしたものでございます。
 しかし、行政改革という視点からこれを考えますならば、とかく親方日の丸意識といったような批判を受けております日本航空の体質改善というものもありまして、この完全民営化により自主的に、また責任ある経営体制を確立するということ至言えるわけであります。
 特殊法人の活性化あるいは民間活力の活用という一般的な行政改革の視点の中で、日本航空についても完全民営化を進めて経営の効率化、サービスの向上等を期待しているというところでございます。
#272
○田渕哲也君 日航の民営化は、我が国の航空企業の運営体制、すなわち、今までの運営体制として位置づけられてきた四十五年、四十七年体制の廃止、こういう大きな変化というものがあるわけでありまして、それに対する対応という観点からもこれは進めなければならないと言われております。
 ただ、この運営体制の変更が必要になった理由というのは何でしょうか。
#273
○政府委員(山田隆英君) 航空企業の運営につきましては、従来、今お話ございましたように、四十五年におきます閣議了解と、それから四十七年におきます運輸大臣通達によりまして、そこでは、航空企業間の過当競争を排して、その共存共栄を図るという観点から、各社の事業分野が定められてきたわけでございます。
 その事業分野といたしましては、日航につきましては国際線と国内幹線、それから全日空は国内の幹線、ローカル線、近距離国際チャーター、それからTDAがローカル線を中心にして、力がついてくるに従って幹線に進出を認める、そういうような事業分野を決めて、そこの中での競争というのを図ってきたわけでございますけれども、その後、今日までの間に航空輸送というものが急激な発展を遂げてきたわけでございます。
 どれくらい発展したかという例を数字を挙げて申し上げますと、四十五年度と六十年度の航空輸送量で比較いたしますと、国際旅客数では四・六倍、国際貨物量では七・九倍、それから国内旅客数では二・八倍、国内貨物量では四・八倍となっております。
 このような航空輸送の発展によりまして、航空輸送というものが今や大衆の足として定着してきておるわけでございますけれども、これに伴いまして利用者利便の向上のためのより一層のサービスの向上が望まれるようになってきたわけでございます。
 また、航空企業の側から考えましても、四五、四七体制のもとにおきまして逐次業務を拡大してまいりました結果、企業基盤も強化されてきたわけでございます。各社ともそういう航空輸送の発展の新たな枠組みの中で今後事業を展開していきたいということを期待するに至ったわけでございます。
 さらに、これらの変化に加えまして、六十年に日米航空交渉の結果、日米航空暫定合意というものが成立いたしまして、日米間の一部の路線につきまして新規航空企業の乗り入れなどを可能とする権益が確保されました。
 また、空港能力につきましても、これまでは羽田なりあるいは大阪というものの制約が非常に強くてほとんど増便の可能性がなかったわけでございますけれども、関西国際空港の整備であるとか新東京国際空港の整備、また東京国際空港の沖合展開といった大規模プロジェクトの推進によりまして、今後数年の間に空港能力の拡大されるめどがついたわけでございまして、こういった航空をめぐるさまざまな変化に対応するため、運営体制の見直しを行ったものでございます。
#274
○田渕哲也君 そうすると、今までは全体の航空需要あるいは航空産業そのものが必ずしも成熟していなかった、そういう中で、我が国の航空企業もまだ未熟であったから分業、協調による育成策をとったけれども、既に航空産業も大分発展してきたし、また我が国航空企業の体質も強くなったから運営体制を変えたということになるわけですね。
 そうすると、六十一年の運政審答申の中で、仮に競争促進施策を徹底させるとすれば、米国のようにサービスの量、質、価格、すべての面において企業の判断にゆだねる形となろう、しかし、我が国の場合このような政策は最適とは断言しがたい、このように述べてあるわけですけれども、完全な自由競争が我が国では最適でないという理由は何でありますか。
#275
○政府委員(山田隆英君) アメリカにおきましては、御案内のとおり、規制緩和策が実施されましてから、現在では事業を開始する際には免許といいますか、資格の付与につきましては政府からの許可が要るわけでございますけれども、その後の路線の展開、これは国内線の場合でございますけれども、路線の展開であるとか、あるいは増便、それから運賃についても今や規制がないわけでございます。
 我が国の今後の競争促進施策の推進に当たっては、ただいま先生おっしゃいましたように、運政審で、アメリカ型の徹底した自由競争というものは、我が国の環境には必ずしもなじまないというか、「最適であるとは断言し難い環境」にあるということが言われておるわけでございますけれども、これにつきましては、まず何よりも航空交通容量の不足という面がございます。規制緩和をして競争促進を徹底させるということは、結局、各企業が自由に路線の展開なり増便をしていくということが必要になるわけでございますけれども、現在の我が国の空港事情からいいますと、羽田及びが大阪といった拠点空港には非常に厳しい制約がありまして、自由に増便なり新規路線の創設ができない。先ほど申し上げましたように、近い将来には空港制約が緩和するという可能性もございますけれども、その場合にも無制限に増便できる状況になるかどうかということはかなり問題があろうかと存じます。
 他方、アメリカの場合は、国土も広く、空港も数多くございますし、空港容量にもほとんど問題がない。これも最近は規制緩和政策の結果、一部の空港については空港容量に制約が出てきたという話を聞いておりますけれども、日本の場合に比較すれば問題にならない程度のことではなかろうかと思います。
 それから、大小さまざまな航空企業の運航が行われておりまして、航空企業の競争基盤としても両国間に大きな差があるわけでございます。
 それから、社会的な環境と申しますか、アメリカの場合には企業が自由に運営を行って、倒産しても、別にそれほど社会的な批判もこうむらないわけでございますけれども、我が国の場合は労働環境が違う。アメリカの場合簡単にレイオフができる、あるいは転職ができるというのに対して日本の場合は終身雇用制をとっておりまして、企業が何らかの理由で倒産すれば雇用問題なんというのも非常に大きな問題になるわけでございます。
 それから、航空企業に対する考え方も公共交通機関という考え方が非常に強くて、運賃を下げる方は自由に下げるのは結構だけれども、上げることはおかしいじゃないかと。その自由の競争の結果、上げる場合があってもおかしいという御議論もあるわけですね。アメリカの場合は、その競争の激しいところは安くなりますけれども、同時に競争の少ないところは高くなるところもございます。そういうものも自由に放任していいではないかという、そういう社会一般の意識もあるわけでございます。それに対しまして、日本の場合はやっぱり公共輸送機関として安全で安定した良質な輸送サービスの提供の確保が国に対して求められているというところがございます。
 その辺のバランスをどうやってとっていくか、私どもは一方では競争促進策をとり、できるだけ企業の自主的な判断を尊重していくと同時に、その行き過ぎに対しては一定の歯どめをかける必要があるのではないかということで、この運政審の答申にもございますように、現在のところは「極力弾力的な行政運営を行うことにより競争促進施策を進めることが適当である。」という答申をいただきまして、それを踏まえて現在の航空政策を進めている次第でございます。
#276
○田渕哲也君 この運政審の答申にも書いてありますように、また今の答弁の中にもありましたように、「航空交通容量の不足という制約もある」、しかしまあこれも将来にわたってはやはり徐々に解決していかなければならない問題だと思います。
 それからさらに、運政審の答申には、企業間格差というものに対してもその行政運営に当たって配慮しなければならない、こういうこともあるわけですけれども、しかしこれも「当分の間」というふうに書いてあるわけですね。ということは、私は航空容量の不足の解消とか、あるいは我が国の企業間格差というものも徐々になくなっていくと、そうなければならないと思うんですけれども、そうするとやはり行政の介入という面が将来の方向としてやはりもう少し後退していく、少なくなる、そういう方向、アメリカほど自由にはならないと思いますけれども、そういう方向に行くべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#277
○国務大臣(橋本龍太郎君) 理想としては、私たちはこれは将来ともに安全に対するチェックについてだけは手抜きをするつもりはございませんけれども、他についてはできるだけ自由にしていきたいと考えております。
 ただ、今の局長の答弁を補足する形になりますけれども、一点日本とアメリカで考え方の差異をはっきりさせておきたいのは、アメリカの場合には、今、局長は増便あるいは新路線の設定の自由の方を述べましたけれども、同時にもうからないと思えばどんどんその線をやめる一こともできます。しかし、離島の多い日本で航空路の果たす役割というものは、採算制の有無にかかわらず維持しなければならない空路というものを持っています。そうした路線を運営する企業には、我々はやはり余り採算制がよくないからといって航空路を勝手にやめてしまうような自由を認めるわけにはまいりません。むしろ、他の路線においてその収支を償わせてやるような工夫を行政がしなければならぬと我々は思っております。
 アメリカと日本との違いという点を踏まえて今後を申し上げるならば、我々は安全に対してはいつまでも物を言い続けるでありましょうし、最大限企業の自由は認めますが、やはり国民の足としての航空というものを意識した部分については物を言うことになろうかと思います。
#278
○田渕哲也君 次に、国際線における我が国の航空企業の積み取り比率、これは現在旅客においても、貨物においても大体三五、六%と言われておりますけれども、これに対してどのように考えられておるのか、どう評価されるか、また今後の見通しあるいは目標、そういったものについてどう考えられるか、お伺いをしたいと思います。
#279
○政府委員(山田隆英君) まず、現在の我が国航空企業の積み取り比率を見てまいりますと、六十一年度におきます日本発着の国際線旅客数は千八百六十五万人でございまして、このうち我が国企業の輸送旅客数は七百十七万人ということになりますので、積み取り比率は三八・四%でございます。
 このような比率というのは過去何年か見ましてもまあおおむねそれほど大きな変動はございません。五十二年からの数字を見てみますと、小さいときで三六・二%ぐらい、高いときで三九・八%ぐらいですか、四〇%弱と、ただいま先生がおっしゃったような数字で推移しているわけでございまして、これについてどう評価するかということでございますけれども、私どもとしては、今回の競争促進策の推進の一つの目的というのは国際競争力の強化ということでございます。で、今後の国際競争力の強化によってはこの積み取り比率はある程度伸びるんではなかろうかと思います。現実に六十一年度は複数社制を実現いたしまして、従来日航一社であった国際線のほかに、全日空が北米路線等に参入をした結果といたしまして米国との間の路線等につきましては積み取り比率が伸びております。今後複数社化が進展すればおのずとほかの路線につきましても積み取り比率が向上するんではないかというふうに考えておるわけでございます。
 その積み取り比率の目標につきまして、特に具体的に何%が望ましいということを現在考えているわけではございませんけれども、一つのこれは考え方といたしましては、海運の場合、国連の貿易開発会議で採択された条約におきまして、二国間で運送する貨物の量につきましては、当事国が四割、それから第三国が二割運ぶのが適正だというような基準もございます。これがもちろんそのまま海運の基準が航空に当てはまるというわけでもございませんが、やはり第三国の輸送というものもある程度認めていく必要があるということから考えますと、四〇%台程度を確保するのが一つの目安かというふうに考えております。
#280
○田渕哲也君 次に、国際線におけるいわゆる複数社制についてお伺いしますけれども、運政審の答申では米国にとどまらずその他の地域においても複数社制の推進を期待するとあります。現在我が国に乗り入れている三十五カ国のうち、我が国との関係で相手側が複数乗り入れをしておるところは余り多くないと思います。どこどこですか。
#281
○政府委員(山田隆英君) 相手国が複数社制のところは米国、英国、フランス三国でございます。
#282
○田渕哲也君 その他の三十国余りは向こうは単数乗り入れ。そういうところに対して我が国がやはり複数社制を実施していく方針だと思いますけれども、その場合、便数枠の取り決め等の改定が行われる見通しはありますか。いかがですか。
#283
○政府委員(山田隆英君) 我が方といたしましては、今後の競争促進策の推進に当たっては国際線の複数社制を進めていくということでございまして、航空交渉に当たってそのような方針で対応しておるところでございます。
 現在の航空協定におきましてもかなり多くの国とは複数社制の協定を結んでおるところでございまして、もちろん先生おっしゃいましたように、便数等の取り決めについて今後改定が必要になるというところは出てくるかと思いますけれども、相手国が複数社制がどうかということとは直接に関係はないというふうに考えております。
 例えばアメリカの場合も、これは複数社制でほかの諸国と、相手国は単独、一社の乗り入れであってもかなり多くの国と複数社制の乗り入れを実現しておりますし、我が国も今までは一社でもってアメリカの複数社制も認めてまいりましたし、イギリス、フランスの複数社制も認めてきたということで、決して世界的にもお互いに複数社でなければならないということもございませんで、私どもといたしましては、今後、引き続き需給状況、航空企業の計画、相手国との関係等に留意しながら、航空交渉を通じて複数社制の実現を図ってまいりたいというふうに考えております。
#284
○田渕哲也君 それから国際線における複数社制の具体的な進め方でありますけれども、これは運政審の答申でも、「高需要又は大きな需要増を期待し得る既存路線」、これがまず対象になる。それからもう一つは、「未乗入国又は未乗入都市への就航」あるいは「我が国の地方空港発の新路線の開設等により、」いわゆる新規の路線の開設ですね、そういうものを今まで参入していない会社に割り当てる。こういうことが主になると思いますが、一部は企業間の合意によって先発企業から路線または便数を移譲するという考え方も考えられる。具体的にはどのような進め方をされるわけですか。例えば高需要路線は増便が期待できるから増便分を回すというのか、あるいは日本航空が持っておる既定の路線を移譲するという形になるのか、あるいは日本航空が現在国際路線で持っておる実績をやっぱり守るということを前提にするのか、その点をお伺いしたいと思います。
#285
○政府委員(山田隆英君) 運輸省といたしましては、運政審の答申の趣旨に沿いまして、安全運航の確保を図りながら、航空企業間の競争促進を通じて利用者の利便の向上を図るということを基本として新たな航空政策の展開を図っているところでございます。
 さらに、運輸省といたしましては国際線複数社制化を進めるに当たっては、国際競争力、我が国航空企業の国際競争力の強化という点についても配慮していくということを考えておるわけでございまして、今、先生から御指摘ございましたように、運政審の答申にも述べられているごとく、高需要路線あるいは大きな需要増を期待し得る既存路線への参入というものが現実的であるというふうにまず考えておるわけでございまして、具体的にもそういう路線からの複数社制の展開を図ってきたところではございます。
 例えば六十一年三月以来複数社制化をしてきた路線といたしましては東京−グアム線、東京−ロサンゼルス線、東京−ワシントン線、それから東京−大連−北京線、東京−香港線でございますし、それから今後予定しております、今年中に実現すると思いますが、複数社制化が図られる路線といたしましては東京−シドニー路線などがあるわけでございます。
 もちろん、これと並んで、未乗り入れ国または未乗り入れ都市への就航であるとか、我が国の地方空港間の新規路線の開設等によりまして後発企業が単独で運航するという形態もありまして、これにつきましては、そのような航空企業の要望があれば積極的に対応してまいりたいというふうに考えております。その例としては、先ほどの中のワシントン線あるいは大連線といったようなものが該当するかと存じます。
 それからあと、日本航空からの権益の移譲によって複数社化を進めるかということでございますが、これは運輸省としてそういうものを積極的に推進するということではなくて、航空企業の判断によってそういうものが出てくればこれは認めていこうということでございます。
 当然、こういう複数社制化を実現していくためには相手国との間の航空政策の調整が必要でございますので、そういう面にも配慮しながらこの国際線複数社化を推進していく所存でございます。
#286
○田渕哲也君 我が国の航空企業の国際競争力についてどう判断されておりますか。また、それを強化するためにどういうことが必要だと考えられますか。
#287
○政府委員(山田隆英君) これまで国際線を運営してまいりました日本航空は、従来から米国などの巨大航空企業に伍して積極的に事業展開を行ってきているところでございますし、また、国際線の複数社化後も、例えば太平洋路線におきまする本邦航空企業のシェアが上昇するといったような実績もございまして、我が国の航空企業全体としての国際競争力というものの強化が見られるというふうに考えております。
 なお、我が国航空企業の競争力について幾つかの点で見ますと外国航空企業と比較いたしましてなお不十分であるという点もあるかと存じますけれども、その改善のためにはまず何より航空企業自身が一層の効率化合理化というものを進めることによりまして企業としての総合的な競争力を強化していっていただきたいというふうに考えております。
 また、企業の経営基盤の強化に資するためには、金融税制面で政府の支援措置をこれまで講じてきたところでございまして、六十二年度からは輸開銀によります定期航空企業の航空機調達資金に対しまして長期低利の融資制度を設けたところでございます。
 さらに、国際線の複数社化の促進や日米間の航空権益の不均衡是正など、国際航空をめぐる競争条件の整備にも努めてまいりたいというふうに考えております。
#288
○田渕哲也君 これからの国際競争の面で大きな問題はやはりこの技術革新の波だろうと思うんです。そして航空機においても技術革新が進んで、現在問題になっておりますのはボーイング747−400の導入問題、これは既に外国の航空企業の中でもかなりの会社が購入の予定を立てておる、また日本の全日空においてもそういう検討をしておると言われておりますけれども、日本航空の場合も乗員編成会議では意見が二つに分かれておるということであります。これは安全の問題も含めて、しかしまた競争力とか技術革新の問題も含めて非常に大きな問題になるだろうと思います。運輸省としてはこの問題についてどのような判断をされておりますか。
#289
○政府委員(中村資朗君) ボーイング747−400型でございますけれども、現在設計開発中の航空機でございまして、製造国政府によります型式証明の審査が完了するのが六十三年末と聞いております。
 一般論でございますけれども、近年の航空技術の進歩あるいは電子制御装置の多用によりまして操縦者の業務量は大幅に減少し得るんではないかといふうに考えておりまして、大型の航空機であっても、二人乗務により運航の安全性を確保することは可能になるものではないかというふうに考えておるわけでございます。
 なお、この当該機が我が国に導入をされます場合には、先ほど大臣の方からもお答えいたしましたけれども、製造国政府による厳しい安全性審査が当然あるわけでございますので、この審査に合格することを前提といたしまして、運輸省といたしましても耐空証明の機会におきまして二名乗員による安全性については慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
#290
○田渕哲也君 次に、国内線のダブルあるいはトリプルトラッキングについてお伺いしますけれども、これをやはりやったら競争促進になることは間違いありません。これが具体的にどのような効果が期待できるか。イギリスの例を見ましても、イギリスはダブルあるいはトリプルトラッキングというのは非常に進んでおるわけですけれども、GNPとか人口比で見ても日本に比べて国内の需要も非常に航空需要が多い。日本でもこれを進めればそういう方向に果たしていくのかどうか、この辺はどのように考えておられますか。
#291
○政府委員(山田隆英君) 国内線におきますダブルトラック化、トリプルトラック化の推進につきましては、路線の需要規模であるとかあるいは空港整備の進捗状況等に応じて実施していきたいと考えております。
 このダブルトラック化あるいはトリプルトラック化によってどういう効果が期待できるかということでございますが、一般的に言えば、航空企業が複数化することによりましてその企業間で競争が促進され、それは利用客へのサービス向上という形になっていくというふうに思われます。利用者の方からいいましても選択の機会の拡大が行われるわけでございます。
 それから、空港事情が許せば当然増便が行われまして、輸送量の拡大も行われますし、あるいは利用者にとって時間帯等でも選択の幅が広がるということもあろうかと思います。そういう競争を通じて利用者サービスの向上が図られるということを私どもは期待をしておるところでございます。
#292
○田渕哲也君 次に、競争促進化と離島等の不採算路線との関係についてお伺いしたいと思いますが、先ほど大臣は競争促進策をとっても不採算路線からの撤退は許さないということを言われました。
 そして、運政審の答申の中には「生活上必要な離島路線の維持を可能とするよう、採算路線の運営について配慮する」つまり離島は採算に合わぬからどこか採算に合うもうかる路線をくっつけて、それで面倒を見てもらおうということだと思うんです。ところが採算路線はダブル、トリプル化が進んで競争激化が予想される。先ほどの航空局長の答弁の中に、こういうところはダブル、トリプル化も慎重に配慮するということを言われました。
 しかし、考えてみると、離島路線とかそういうところはもともと採算に合わないところなんですね。それの面倒を見るのに、特定の路線で必要以上にもうけた金で面倒を見るというのはいかがなものかという気がするわけです。やはり不採算なところは、それなりに国家助成なりそういう制度を設けないと、このようなやり方では、特定の路線にそのしわが寄るし、また行政のさじかげんで路線が決定されるという面がふえるわけでありまして、何となく不透明な感じがするわけですけれども、いかがでしょうか。
#293
○政府委員(山田隆英君) 競争促進策を徹底させていけば、不採算路線からの撤退の自由も理論的には認めざるを得ないと思います。それが正しい考え方ではないかと思うんですけれども、先ほど大臣からもお話し申し上げましたように、我が国として今後競争促進策をとる際にあって、徹底的に企業の自主的な判断に任せるということではなくて、一定の枠内での競争促進策をあくまでも認めていくということでございます。
 不採算路線からの撤退につきましても、生活上必要不可欠な路線と、必ずしもそうでない路線とあるかと思います。他の航空以外の輸送機関等によって代替し得る手段があるような場合、こういうような場合には、それは場合によって撤退の自由を認めるということが適当かと思うわけですけれども、そういう場合は別といたしまして、地域の足として生活上必要不可欠な離島路線等については、やはり運政審の答申にもございますようにその不採算路線の運航を維持していくということが求められているんではないだろうか。
 それでは、このような不採算路線を維持するためにどういう手段を考えていくかということでございますけれども、当然、企業の経営努力であるとか、あるいは地元の援助、協力といったことは、これは不可欠の問題であろうと思います。それから、国としてもそれなりの助成をしていくということで、これまでも通行税の減免であるとか、あるいは空港利用料の減免であるとか、こういった措置をとってきたわけでございますけれども、それにあわせて、やはりそういった路線を運営する経営基盤の比較的弱い中小の航空企業にあっては、経営基盤の強化に資するような路線展開について、企業の性格と能力に応じてこれを認めていくこととしたい。
 それからさらに、そのような航空企業が運営している不採算路線の運営については配慮をしていくというふうに考えておるわけでございまして、例えば沖縄の離島を運営している南西航空のような場合を考えてまいりますと、南西航空と申しますのは、那覇−宮古−石垣とこの三地点を結ぶ路線のみが採算路線でございまして、他の小さい島との間の路線はすべて不採算路線、しかしながらこれは非常に地元の住民にとっては必要不可欠な路線であるということで、仮にこういった採算路線がダブルトラック化等の基準に該当する場合でも、それの実施に当たっては、そういう不採算路線の維持という面についても配慮をしていく必要があるんではないかというふうに考えております。
 それから、新しい路線の展開という点では、これまで南西航空に対しては沖縄だけに限っておったわけでございますけれども、最近那覇−松山といったような新線の開設も認めておりますし、それから九州、北海道を中心とした離島辺地を運航しておりますエアーニッポンに対しましては、福岡−小松線であるとか、あるいは福岡−鹿児島路線、こういったようなものの新設を認めております。それによって、全体としてそれらの会社が運航している生活上必要不可欠な離島線の道を可能にするよう考えていきたいということでございます。
#294
○田渕哲也君 不採算路線については、運政審の答申の中でも、運賃水準の適正化、適正化というのは運賃の値上げということではないかと思うんですよ。それから、地元の援助、協力ということがうたってあるわけです。しかし、結局地元負担するか受益者負担にするか、それによっても採算が貯えればいいけれども、貯えなければそれは企業の負担になる。だから、これは本来はやっぱり国として何らかの助成でそういう部分を埋めるべきであって、その分はほかに採算路線をやるからそれで賄えというのは本来筋違いではないかと思うんですね。それで、ダブル、トリプル化するところをそのためにまたやるというのも、ちょっとおかしな話ではないかという気がするんですが、その点はいかがですか。
#295
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はこれは考え方だと思うんです。そして、今、局長から申しましたように、例えば着陸費用あるいは通行税あるいは固定資産税といった部分の軽減措置あるいは減免措置を使うことによって、国はそれなりにそれぞれの企業に対して支えの手は出しているわけです。しかし、やはり企業でありますから、その企業の経営体質というものを強化できるような工夫を企業がしてきた場合に、それに対して配慮を与えるということは私は決して間違いだとは思いません。そして、現にそういう考え方を持って今臨んでいるところであります。
#296
○田渕哲也君 何となくそこにあいまいさが残る気がするわけです。そのあいまいさが行政のさじかげんというようなことになるんじゃないかというような気がするんですが、その点は慎重に検討していただきたいと思うんです。
 それから次に、民営化をすることあるいはデレギュレーションを進めることと安全性の問題について、大臣はたびたび、それは安全性には余り関係しないと、民営だから不安全で国営だから安全ということはない、私も多分そうであろうと思うんです。しかし、何か具体的なデータのようなものはありますか。
#297
○政府委員(中村資朗君) 大分古い資料で申しわけございませんけれども、アメリカで規制緩和が行われたその前後の安全性の水準を比較した資料がたまたまございます。
 規制緩和前五年間、一九七四年から七八年までと、それから規制緩和後五年間、一九七九年から八三年までの両データを比較した数字でございますが、この間事業者の数が緩和前が三十一社、後が四十五社ということで、かなりふえておるわけでございます。
 それで、事故発生率でございますが、これは十万飛行時間当たりの事故発生率が、緩和前が〇・四九、規制緩和後が〇・三一となっておりまして、一応比率としてはマイナス三六・七%になっておると。
 それから、同じような数字でございますけれども、死亡者の発生率は、同じく十万飛行時間当たりの率でございますけれども、緩和前が三・〇三、緩和後が一・九五という数字が出ておりまして、これは実は運輸省の長官の発表した報告書でございますけれども、一応そのコメントといたしまして航空事故は一応減少しておるということが書かれてございまして、統計で見る限りは規制緩和によって安全性が損なわれているというデータは見当たらないと、こういうコメントがついております。
#298
○田渕哲也君 今のはデレギュレーションの前後の問題ですね。いずれも民営企業です。国営企業と民営企業とのそういう比較をしたデータはありますか。
#299
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私ちょっと数字を忘れてしまいましたが、先日青木委員が御指摘になりましたのが日本航空と全日空との対比の数字でありました。青木委員は日本航空が、ちょっと申しわけないが、非常に不安全だという言い方をされまして、私はそれを直接対比することは路線構成その他からいっても無理だということを申し上げましたけれども、そういうとらえ方もあるというものはこの委員会で出たように思います。
#300
○田渕哲也君 まあ、これはなかなか多岐にわたる資料というのは余りないと思うんですね。だから本当にどっちが安全かということは、どちらの側もこれははっきりした論拠はない。問題は今後の運営の方法いかんだと、国営と民営で私は安全性に差が出るとは思いません。問題は企業そのものの運営いかんだと思います。そういう面で一層安全に向けて日本航空が努力されるようにお願いをしたいと思います。
 それから、日本航空は、完全民営化に向けて経営効率化を目指して人員の大幅削減計画を決めておるわけです。
 国内の一般事務、営業、運送貨物など、地上職を六十五年度までに約一割、九百名を減らすということでありますけれども、確かにその効率化というのは体質強化のために必要な施策でありますけれども、安全の面から考えてどうか。特に、この九百名はこれは運航乗務員や整備員は含まれていないと思うんですけれども、運航乗務員、整備員の人員計画はどのようになっておりますか。
#301
○参考人(山地進君) 今回の九百人という数字はこの席でも議論をしていただいております中期計画の中に含まれる問題の一つでございまして、先生のおっしゃるように、これからの激しい競争場裏で経営の効率化というものを全般的に目指しているわけでございますが、今回の九百名というのは間接部門での小さな本社というものを目指しまして地上職についての効率化というのを図っているわけでございます。
 私どもの業務の中にはこの業務が絶対必要なのかどうか、あるいはこの精度をそこまで高めなきゃいけないかどうかというような観点からの見直しということも随時行わなければいけないわけでございまして、九百人の地上職の削減といいますか、そういう効率化によりまして、むしろより重要といいますか、より必要な部局に人員を配置するというような考え方を持っているわけでございまして、今お尋ねの別の面で運航乗務員並びに整備員というお話でございますけれども、運航乗務員については、これはまた養成の期間が非常に長いというような問題があり、また今後機長を中心とする大量の退役者というものもあるわけでございますので、長期的視点に立って採用、養成というものを行わなきゃいけないわけでございまして、私ども中期的な観点から言うと六十名ぐらいの機長養成というような必要があろうかというようなことを考えているわけでございます。
 それから整備員につきましても、現業要員の採用を昭和六十二年度から再開をいたしまして、来年度も継続的に採用することとしております。必要な整備人員を確保するということが中期計画の中でも考えられているところでございます。
#302
○田渕哲也君 日本航空は一二三便の事故以来航空機の整備にも特に力を入れておると聞いております。中でも機付整備士制度というのを採用された。すべての航空機に対して一機ごとにそれぞれ専任の整備員を配置するという制度だというふうに聞いておりますけれども、これの効果についてどのように考えられますか。
#303
○参考人(十時覚君) 先生御承知のように、事故後機付整備士制度というものを設けまして、各航空機の機番ごとに整備員をアサインして配置しております。これは従来進めてまいりました品質管理方式をさらに強化しようというものでありまして、いわゆるオントップした制度であります。それで、従来やってまいりました方式は、これはどちらかといいますと俗に言います総合病院方式でありまして、この機付整備士制度はそれに対するホームドクターという形になっております。
 そこで、先生お尋ねのいわゆる効果でございますけれども、私ども品質指標というのを定めておりまして、いろいろな航空機の品質というものがどういうふうに変異しているかというのを毎月確実に把握しているわけでございますが、その導入の前と後で顕著に変わっておりますのは、一つは修理持ち越しの発生率、これが変わっております。
 それから、レピートスクワークと我々は称しておりますけれども、何回かにわたって修理をしなきゃいけないというそういうたぐいの修理につきましても、これも大幅に下がっているというふうに考えられております。
 それからさらに、フライトスクワークといいまして、運航乗務員のいわゆる出しますスクワーク、すなわちトラブルの内容につきましても下がっているというふうに把握しております。
 さらには、今申しました運航乗務員との、いわゆる相互理解といいますかそういうものにつきましても大変大きく効果があらわれているところでもございます。
 以上でございます。
#304
○田渕哲也君 それから、日本航空が民営化されることによって規制の緩和等のメリットがあるけれども、金融面のデメリットというのは私はかなり大きいような気がするわけです。特に社債の発行限度額が引き下げられる。それで、これは今まで既に発行した分はそのままでいいということでありますけれども、将来の資金計画について支障を来さないかどうかという心配があるわけですね。
 現在の社債発行残高が三千二百四十五億円、これは現在は資本金及び準備金の五倍以内ですからいいわけですけれども、二倍以内ということになりますと、これより一千億ぐらい額が減るわけですね、もちろんほかの会社は皆それでやっているから当然なんですけれども。ただ、このように変わった場合に、それにかわって制度金融の制度もできましたけれども、果たしてそれで十分だろうかという気がするわけであります。
 また、午前中の論議の中でも、あるいは時価発行による増資とか転換社債の発行等も言われておりますけれども、これも私はそう簡単にできるものではないと思うんですね。時価発行増資をするということは、やはりその企業の成長性とか収益の成長性というものが背景にないと、せっかく一万句千円で皆株買ってくれても、時価発行増資をどんどんやれば株価が下がってしまうということもあるわけですから、やっぱり慎重でなければならないだろう。転換社債にしてもやっぱり社債発行枠というものがあるわけですから、そう簡単にはいかない。その点はいかがなんですか、心配はないのかどうかお伺いしたいと思います。
#305
○参考人(長岡聰夫君) お答え申し上げます。
 午前中にもその議論が出たわけでございますけれども、まず私ども非常に長期資金を必要といたします局面は、先生御承知のとおり航空機材の投資でございます。これの五割は御努力によりまして輸銀を通ずるいわゆる制度金融ということで面倒見てくださるという制度ができております。残りの五割の問題でございますが、確かに非常に膨大な金額でございますので、その調達については私どもあらゆるチャンネルを考え、なおかつそのコストは総体的に極小化していくという立場で対応していきたいと思っておりますけれども、確かに先生が御指摘なさいましたように、増資といってもそう簡単ではないかと思います。少なくとも私ども、いわゆる料金認可業種につきましては、今の決まりでございますと、一つは直前に八%以上のいわば配当があるということ、それからさらに、将来に向かって増益の傾向を持っておるということ、御指摘のとおりでございます。
 そのような条件をまさにつくり出すための作業を私ども中期計画の中で設定しているわけでございますけれども、いずれにせよ増資あるいは転換社債の発行という、いわばチャンネルを含めて資金調達につきましてはそのコストの極小化を図ってまいりたいというふうに思っております。
#306
○田渕哲也君 それから次に、先ほどからも論議されましたけれども、為替レートと運賃の問題ですけれども、これはやっぱり現在の決め方というのはどう考えても不合理だと思うんですね。もっともあの方法しかないんだと言われればそれまでですけれども、過去の為替レートと日米の発着別の運賃の比率を見ても、非常に、どう言いますか乖離が甚だしいわけです。したがって、そういうものが非常に、いわゆる乗客、乗られる人に妙な感じを与えておるわけです。それから、やっぱりそれがひいては往復運賃、往復切符を買わないとか、あるいは韓国へ行ってからアメリカへ行くとか、香港経由でアメリカへ行くとか、そういう人がふえておるわけです。これに対してもう少し適切なやり方というものはないのかどうかお伺いしたいと思います。
#307
○政府委員(山田隆英君) 円高によります国際線の運賃に関する問題というのは再々御議論が出てきたところでございますけれども、私どもといたしましては、基本的に国際運賃といいますのが現地の通貨建てで決められているということから申しますと、現在の急激な円高傾向に伴いまして、通貨の弱い外国発運賃というものを現行レートで円換算した場合に日本発の運賃に対して相対的に安くなっている、いわゆる方向別格差の問題が生じるということはやむを得ないというふうに考えております。
 ただ、この現象は変動相場制のもとでは不可避的ではございますけれども、長期にわたってこういう相当な格差が続くという場合、それから格差が非常に大きな場合、ただいまお話のございましたようないろいろな問題も生ずるということでございますので、日本発の運賃を下げ、あるいは外国発の運賃を上げるというようなことによって方向別格差の是正のために今までも努めてきたところでございますし、今後もそういう方向で方向別の格差の是正には努めたいと存じておりますが、何分にも最近の為替レートの変動が急激であった。二百五十円前後から百五十円を割るような、そういうレートに一年かそこらでなってきたというようなことで、それが余りにも急激であったということ、それから大幅であったということに問題があろうかと思うわけでございます。
 それともう一つは、これも大臣が前にも申し上げましたけれども、従来の日本発の運賃というのは、団体につきましては割引運賃が割に多かったわけでございますけれども、個人が利用できるような割引運賃というのは比較的少なかった。外国発の場合ですと個人に適用される割引運賃が多い。こういうこともあって、個人から見ると余計外国発の運賃が割安になるという、そういう印象も与えてたんではなかろうかと思いますけれども、今後こういう日本の旅行客の旅行実態の変化にも対応いたしまして、日本発につきましても個人客に適用できる割安の料金、例えばこの十月に実施を目途としております日欧路線につきまして、個人旅客が、バックキャビンと申しまして、従来の団体席を利用して安く旅行できる制度の導入等を検討しておるところでございまして、こういう割引運賃の導入であるとか、あるいは個人が利用できるより安い運賃の導入、こういったものを検討してまいりまして対処していきたいというふうに考えております。
#308
○委員長(田代富士男君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後六時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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