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1987/09/03 第109回国会 参議院 参議院会議録情報 第109回国会 運輸委員会 第5号
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1987/09/03 第109回国会 参議院

参議院会議録情報 第109回国会 運輸委員会 第5号

#1
第109回国会 運輸委員会 第5号
昭和六十二年九月三日(木曜日)
   午前十時六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月二日
    辞任         補欠選任
     吉川 芳男君     藤井 孝男君
 九月三日
    辞任         補欠選任
     藤井 孝男君     宮崎 秀樹君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田代富士男君
    理 事
                真鍋 賢二君
                吉村 眞事君
                安恒 良一君
                中野  明君
    委 員
                伊江 朝雄君
                木村 睦男君
                倉田 寛之君
                坂元 親男君
                高平 公友君
                野沢 太三君
                二木 秀夫君
                宮崎 秀樹君
                森田 重郎君
                山崎 竜男君
                青木 薪次君
                穐山  篤君
                田渕 勲二君
                小笠原貞子君
                田渕 哲也君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  橋本龍太郎君
   政府委員
       防衛庁教育訓練
       局長       長谷川 宏君
       外務省北米局長  藤井 宏昭君
       大蔵省主計局次
       長        斎藤 次郎君
       運輸大臣官房長  棚橋  泰君
       運輸省国際運
       輸・観光局長   中村  徹君
       運輸省航空局長  山田 隆英君
       運輸省航空局技
       術部長      中村 資朗君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        多田  稔君
   説明員
       防衛庁人事局人
       事第一課長    三井 康有君
       運輸省航空局官
       制保安部長    井上 春夫君
   参考人
       日本航空株式会
       社代表取締役社  山地  進君
       長
       日本航空株式会
       社常務取締役   長岡 聰夫君
       日本航空株式会
       社常務取締役   十時  覚君
       日本航空株式会
       社取締役     霞  重雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本航空株式会社法を廃止する等の法律案(第
 百八回国会内閣提出、第百九回国会衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田代富士男君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二日、吉川芳男君が委員を辞任され、その補欠として藤井孝男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(田代富士男君) 日本航空株式会社法を廃止する等の法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○穐山篤君 前回に続きまして、私は主として安全の問題についてさらに細かく伺いたいと思っております。
 最初に、沖縄県といいますか、沖縄におきます航空管制の問題について前回お尋ねをしました。当の責任者であります運輸大臣が責任ある答弁をされたわけですが、事は日米安保条約、地位協定にかかわる問題でありますので、その衝に当たっております外務省も含めて伺いたいと思っております。
 御案内のように、那覇空港のほかに嘉手納あるいは普天間、三つの飛行場があるわけでありまして、当然航空管制は一元的でなければならぬというのは、これはどなたが考えましても当たり前の話であります。
 そこで、復帰の一九七二年の五月、地位協定に基づきまして、米軍側が暫定的に使用するその条項がございます。この条項を読み直してみますと、「嘉手納飛行場及び那覇飛行場の周辺における航空交通の安全運航上の必要に鑑み、これら飛行場に対する進入管制業務は単一の施設が実施すべきであることについて相互に同意する。従って合衆国政府は、日本政府がこれら飛行場に対するレーダ進入管制業務を行うことのできるまでの暫定期間、これら飛行場に対する進入管制業務を実施するものとする」、こういうふうに条項が、覚書があるわけであります。
 そこでもう一度復習をするわけですが、日本側の管制能力、機能という立場から考えてみて、完全にこれは充足ができる、こういうふうに運輸省当局は考えておるかどうか、もう一遍復習の意味でお伺いしておきます。
#5
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現在既に十分の管制能力を行使できると思っております。
#6
○穐山篤君 そこで外務省に伺いますが、この「暫定期間」というのは、当時、沖縄復帰、施政権の返還という状況ですから、あと三年であるとかあるいは五年、十年というふうに特別にあるスパンを決めたわけではない、完全に日本側が主体的に航空管制ができるまで、こういうふうにまじめな意味で暫定期間を定めたというふうに私は理解をするわけですが、その点交渉上の状況はどうだったのでしょうか。
#7
○政府委員(藤井宏昭君) お答え申し上げます。
 ただいま委員御指摘のとおり、昭和四十七年五月十五日の日米合同委員会合意の当該部分につきましては、何年たったら単一の進入管制を日本側で行うかということについて特定の期限を定めたものではございません。
 さらに、ただいま能力というふうにおっしゃったわけでございますけれども、この合意が言っておりますように、「単一の施設によって進入管制を行う必要があるので日本国政府がこれら飛行場のレーダー進入管制業務を行なうまで暫定的に米国政府が那覇空港の進入管制業務を実施するものとする。」すなわち「日本国政府がこれら飛行場のレーダー進入管制業務を行なうまで」ということを言っておりまして、確かに当時は日本国政府に単一の進入管制を行う能力がなかったことは確かでございますが、それでは能力がつけば直ちに日本国政府が単一の進入管制を行うかというと、そういう意味ではございません。この点は累次政府が申し述べてきておるところでございますが、一つは、もちろん能力がなければできないことは当然でございますけれども、さらに米側との調整を行いまして、米側と調整を行った結果、日本側が単一の進入管制を行うということについてアメリカ側も合意した時点で、能力だけではなくて、その時点で日本側が単一の管制を行うことができるということでございます。
#8
○穐山篤君 運輸大臣の答弁からいえば、管制の能力、機能から考えてみてももはや暫定期間は過ぎている、そういうふうな趣旨の答弁をされているわけです。したがって、正直にこの覚書条項からいえばもはや日本側に返還をする、そういう状況になければならぬと思うわけであります。したがって、調整という意味がよくわからないんですけれども、少なくともここの部分についての主権が依然としてアメリカ側に握られている、こういうふうに言わざるを得ないと思うんです。非常にこれはおかしいと思う。
 そこで、もう一度運輸大臣と外務省にお伺いしますが、片方、運輸省は暫定期間はもはや過ぎている、こういう認識であるので、当然返還についての交渉を行うべきである、こういうふうに前回もお話があったわけです。日米安保の交渉の主管であります外務省としては、そういう日本側の準備万端機能が整備されているわけですから、米側に対して申し入れをすべき段階にある、もはや我々はそれは過ぎているという認識なんですけれども、申し入れをする意思があるのかないのか、あるいは交渉をする用意があるのかないのか、その点を伺いたいと思うんです。
#9
○政府委員(藤井宏昭君) 私の説明がどうも舌足らずで恐縮でございますけれども、この五月十五日の日米合同委員会合意におきまして委員御存じのとおり二つの原則をまず掲げておるわけでございます。
 一つは、米軍施設、区域の航空交通管制については米国政府が行うという一つの原則。それから、那覇空港の航空交通管制は日本政府が行う。ところが、そこで進入管制については両方がダブってしまう。したがってこの二つの原則を一体どう調整するのだという問題がある。
 そこで、先ほどお読み上げいたしました「暫定的」ということで、日本政府に能力が付与されるまでということは言っておりませんで、日本政府が「行なうまで」と言っておる。その辺の調整をどうするかということ。それは第一に能力であるし、第二にその二つの原則をどういうふうに調整するかということが問題であるという、この合同委員会合意の解説をいたしたわけでございまして、それでは能力が付与されておるわけでございますので、日本政府としては、日本政府が単一の進入管制業務をやるということでアメリカ政府と話をするかどうか、それは当然話をし得るわけでございまして、現にこの委員会でも先般議論があったというふうに承知しておりますけれども、日本政府としては、アメリカ側にまず技術的に実務レベルで話を行っているというふうに承知しております。
#10
○穐山篤君 事務レベルで話をしているということは、我が方に返還をすべきである、暫定期間は過ぎている、そういう認識のもとに交渉に入っている、こういうふうに理解をしていいんですか。
#11
○政府委員(藤井宏昭君) 先ほどから御説明しておりますとおり、この五月十五日の合同委員会合意に、正式な意味で申し上げておるわけでございますが、暫定期間という概念はないわけでございます。ただ、日本政府の方に能力が出てきているということを背景に、日本が単一の進入管制業務をやっていいじゃないかということをアメリカに言い得る客観的情勢が、これは前からでございますが出てきているということでございます。繰り返しますけれども、暫定期間というようなことが五月十五日の合同委員会の合意にあるというわけではございません。
#12
○穐山篤君 言っている意味がよくわからないんですが、簡単に返事してもらいたいんです。
 この暫定期間というのは、その当時の協議の経過から考えてみれば、日本側にその能力が準備万端でき上がるときまででありますよというのが覚書の条項だと私は理解するわけです。今日では日本側にその主体性あり、こういうふうに確認をされているわけですから、当然米側に対して申し入れを行って、管制業務について、日本側の主体において当然アメリカ軍とも協議はしますよ。ああいう基地のことですから、優先度合いその他についての議論は当然あるにいたしましても、日本政府側が管制業務をすべて所管をする、こういう認識のもとに交渉を始めたんですか、それとも始めようとしているんですか。あるいは始めた結果どういう状況にまで発展をしているのか、その点をもう少し明快に言ってもらいたいんです。
#13
○政府委員(藤井宏昭君) 第一点の方でございますが、どうもこだわるようで恐縮でございますが、この五月十五日の合同委員会合意は、先ほどから私お読み上げいたしておりますように、「日本国政府がこれら飛行場のレーダー進入管制業務を行なうまで」というふうに書いてございまして、日本政府にこれら飛行場のレーダー進入管制業務の能力が付与されるまでということではない。つまり、「行なうまで」ということは一つは能力であるけれども、もう一つはその調整が必要であるということでございます。それが、この立て方でございますが、現実に一体どういうことが起きているかということは、先ほどから申しておりますように、日本政府にその能力が付与されてきておるわけでございまして、したがいまして運輸省を中心にアメリカ側に対しまして、その単一の進入業務を日本側がやることについてはどうだということをアメリカ側に打診しておるわけでございます。
#14
○穐山篤君 これは重大な違いが私は発見されました。私が先ほど覚書条項を読みましたけれども、どこが違うかということが今わかったんです。途中でありますけれども、「日本政府がこれら飛行場に対するレーダ進入管制業務を行うことのできるまでの暫定期間、」私はその条項で先日からお尋ねをしているわけです。今の答弁でいきますと、「進入管制業務を行なうまで」の暫定期間、重大な違いがこの条項の中で発見されたわけです。正確な覚書条項はどういう文章になっていますか、運輸省と外務省に聞きます。
#15
○国務大臣(橋本龍太郎君) 協定あるいは条約の解釈の権限は私どもにありません。外務省のことでありますのでそれを私から申し上げることはできませんが、沖縄における進入管制業務の返還問題には、先般もお答えを申し上げましたように、昭和五十八年以来実務者レベルの意見交換の場で当方からアメリカ側に対しての意向打診を行っております。
 ただ、アメリカ側は、これは非常に重要な問題だということで慎重に検討したいということになって今日まで続いておりますが、正確を期すために改めて申し上げますと、昭和五十八年十二月十六日の日米合同委員会民間航空分科委員会におきまして私どもはこの返還を要求をいたしました。そしてその後、日米の事務レベルの調整の際に随時申し入れを続けておるというのが現況であります。
#16
○穐山篤君 運輸省の見解はわかりました。外務省。
#17
○政府委員(藤井宏昭君) 合同委員会の合意の趣旨は先ほどから私が答弁しておるとおりでございまして、第二点の事実関係、アメリカとの交渉につきましては、ただいま大臣がお答えになりましたとおりでございます。
#18
○穐山篤君 内閣委員会にまた出られるそうなんで時間が余りないんですが、私が先ほど重大な違いを発見をしたと言ったのは、「管制業務を行うことのできるまでの暫定期間」というふうに私は覚書条項を記録してあるんです。しかし、外務省の方は、「管制業務を行なうまでの暫定」期間、こうなっているわけです。しかし、五十八年の十二月十六日から協議をしているというのは、運輸大臣がいみじくも答弁をしましたように、日本側に管制能力が十分にある、そういう認識があるから分科委員会ですか、分科会に問題の提起をしているわけです。ですから、「日本側が行なうまでの暫定」期間でなくして、「行うことのできるまでの暫定期間」という認識だと私は思っているわけです。その認識が違いますと、その分科委員会の協議といえども随分食い違いが私は出るんじゃないかと恐れるわけです。そこの条項は正確に言うとどう書いてあるんですか。
#19
○政府委員(藤井宏昭君) 合同委員会合意につきましては、この文章を米側との話し合いによりましてそのとおり公表しないということになっておりますので、残念ながら文章として申し上げるわけにまいりませんけれども、合同委員会合意が言っておりますことは、能力が付与されれば自動的に日本側に進入管制業務が返ってくるということではございませんで、能力は交渉の背景の一つでございますけれども、他方アメリカが先ほど申しました一つの原則、米軍基地の進入管制業務を含めました航空管制業務を米側が行うということにつきましての原則との調整の問題がなお残るわけでございます。
#20
○穐山篤君 認識の違いがあることがよくわかりました。しかし、日米安保あるいは地位協定にしてみても、これは対等の立場ででき上がったものであるという一応の理屈になっているわけです。しかし、今の答弁からいいますと、対等な協議ではないというふうに言わざるを得ないと思う。少なくとも復帰十五年もたっておりまして、日本の主権にかかわる問題であります。私は運輸大臣の説を支持をすると同時に、当委員会としてもこれはアメリカ側に対してその返還を要求をすべきである、こういうふうに考えたいと思っております。この取り扱いは後で理事会で十分協議を私はお願いをしたいというふうに思います。
 それから、その後米側が訓練空域の増強といいますか増加といいますか、これが要求をされております。具体的に提示をされた空域あるいは分野がありましたならば重ねて明らかにしてもらいたい。これは質問、きのうあらかじめ御連絡申し上げてなかったと思いますので、もし今御答弁ができなければ後刻資料でいただきたいというふうに思いますが、いかがですか。
#21
○政府委員(藤井宏昭君) ただいまの御質問の点は、後刻資料で提出させていただきます。
 それから、先ほどの点でございますけれども、先ほど私申し述べました合同委員会の合意はということなんでございますけれども、先ほど大臣からお答えになりましたように、アメリカ側と話を始めているということでございまして、これはことしの五月の質問主意書に対しまして政府が答えておりますように――上原先生の質問主意書でございますが、相当困難であるということでございますが、今後ともアメリカ側に対して話し合いを続けていくということは当然できるかと思います。
#22
○穐山篤君 今の問題は多少のすれ違いがあることはおわかりだと思うんです。院の意思をどうするかについては理事会にお預けいたしますので、後刻協議をお願いをしたいというふうに思います。
 二番目の問題は、これまた航空安全という意味で、民間航空機と自衛隊機の問題についてさらに詳しくお願いをしたいと思います。
 去る十一日、高知沖上空のニアミス事件、それから十九日、千歳空港東上空におけるニアミス事件というものがあるわけであります。事実関係について一々お尋ねはしませんけれども、防衛庁側に高知沖の上空におきますニアミス問題につきまして、報道によりますと、海上幕僚長がその事実を認め陳謝をしたとなっておりますが、防衛庁側と運輸省側で調査をし、その結果公式にどういう事実関係をお認めになって、どういう分野を陳謝をされたのか、具体的に御答弁をいただきたい。
#23
○政府委員(山田隆英君) まず航空局として、このニアミス報告を受けた案件について調査した結果、発表した事実を申し上げたいと存じます。
 八月十一日に高知沖で全日空機と自衛隊機が接近したということについて全日空の機長から報告がございました。私ども関係者から事情を聴取いたしました。そして、そのニアミスであるかどうかということについてはいまだなお調査が必要だと思っております。その結果はまだ判明しておりませんが、それまでの調査結果でとりあえずわかった事項につきまして、八月二十八日に中間発表をしたわけでございます。
 その内容といたしましては、全日空機の7ライトレコーダー、それから運輸省東京航空管制部のレーダーによる航跡図の解析を行った結果判明した事実といたしまして、事案発生日時は八月十一日の午前十時四十五分ごろ、事案発生場所といたしましては、高知沖のL訓練空域というのがございますけれども、その訓練空域外で紀伊半島の串本ボルタックというところから二百四十九度で距離が百海里。それから、関係機の推定飛行経路といたしましては、全日空機は訓練空域外を訓練空域にほぼ平行する形で、所定の間隔を保ちながら、串本ボルタックに向かって直行飛行をしている。それから、海上自衛隊機は訓練空域外で全日空機のコースを三度交差する形で飛行しており、二度目の交差地で高度及び時刻がかなり接近しているということでございます。
 この事実を公表いたしますとともに、同日付をもちまして防衛庁の教育訓練局長あて、航空局長名でもって文書により、まず第一に二つの事項を申し入れました。そしてその第一が訓練・試験飛行は、訓練・試験空域内において行う、それから第二が、訓練・試験飛行を行う場合は、常時レーダー等により当該機を監視することにより航空交通の安全確保に万全を期するよう、この二点について申し入れを行った次第でございます。
#24
○政府委員(長谷川宏君) お答えいたします。
 ただいま航空局長からお話のありましたとおりでございますが、十一日の高知沖上空で発生いたしました全日空機と海上自衛隊機との間でニアミスがあったとされる事案につきましては、防衛庁といたしましても運輸省とも協力いたしまして、事案の解明に努めてまいったわけでありますが、八月二十八日までの調査の結果、海上自衛隊機が定められた訓練空域を逸脱して飛行していたことが判明いたしました。
 防衛庁といたしましては、雫石事故の教訓を踏まえまして訓練空域を設定していただきますとともに、航空交通の安全を阻害するおそれのある訓練、試験等の飛行を行う訓練空域を厳守するようにかねてから指導してきたところであったのでありますが、全般、訓練空域内において試験飛行を実施すべき自衛隊機が空域を逸脱して飛行したことはまことに遺憾であります。
 本件に関しまして、運輸省から、訓練・試験飛行の際、必ず地上レーダーによる監視及び助言を励行するよう申し入れを受けておりまして、防衛庁といたしましては、レーダーモニターによる空域確保を最小限の措置として徹底いたしますとともに、位置測定上の誤差を考慮しながら、極力空域中央部で訓練等を実施するように指示したところであります。
 なお、今回の事案がいわゆるニアミスに該当いたしますかどうかにつきましては、引き続き運輸省と御協力いたしまして、厳正な調査を行い、事案の早期解明に努めたいと考えておるところであります。
#25
○穐山篤君 この海上自衛隊U36A訓練支援機というのは二〇二教育航空隊ですか。それとも五一航空隊所属の飛行機ですか。
#26
○政府委員(長谷川宏君) 五一空の飛行機でございます。
#27
○穐山篤君 さてそこで、空域外に出た事実は認められました。全日空機は管制によって通常の航路から外れた航路を航行していたわけですが、これを三回行ったり来たりしているわけですね。そのうちの多分二回目が通常言われておりますニアミスではないかと、こういうふうに推測をされるわけです。
 そこで伺いますが、この空域外に出たというのは、最初部隊の司令からの訓練計画の中にあったのか。それとも訓練中、管制からの指示で空域外に飛び出したのであるのか。三番目、森田三佐というのがパイロットになっているわけですが、この森田三佐の個人的な認識で空域外に出たのかですね。この三つのうちのどれに該当しますか。
#28
○政府委員(長谷川宏君) 今の点でありますが、L空域で飛ぶようにという命令を出しておりました。それから、管制は下の方、地上の管制は受けておりませんでした。したがいまして、森田機長の判断によりフライトしておったということであります。
#29
○穐山篤君 森田三佐の判断であるということが明確になりましたが、そこの問題は後ほどもう一遍確認をします。
 そこで、この問題を通して、どうやって航空事故をなくしていくか、あるいはニアミス事件がないようにするかということになりますと、もう一遍あの雫石の事故に戻る必要があろう。先ほど答弁の中にも一部あったわけであります。そこで、古い、昭和四十六年という古い事柄ではありますが、これは非常に基本になることでありますので、もう一遍私が再確認をしたいと思っております。当時、佐藤総理大臣、増原防衛庁長官であります。この事故の後で中央航空交通安全対策会議というものが設置をされた。その年の八月七日には航空交通安全緊急対策要綱を決定をした。八月の十日には運輸省の航空行政と自衛隊の業務との間の調整に関する覚書というものが結ばれた。こういう歴史的な経過になっておりまして、対策要綱に基づきまして、低い高度の訓練空域というものをどこにしましょう、高い高度の訓練空域はこの程度にしましょうという場所、合計で十二カ所を設定をして、その後自衛隊の訓練が再開をされたということになっています。
 そこでお尋ねをするわけですが、対策要綱にしろ、あるいは調整に関する覚書を読んでみますと、総括的に言いますと、航空管制上の問題について、文民統制が確立をされた、私はそういうふうに文章を読んでいるわけです。その当時、自衛隊優先とは言いませんけれども、自衛隊も相当慎重にやっていたとは思いますよ。しかし、この事故を契機にして航空の管制の問題について文民統制が確立をされた、こういうふうに文書の中で理解をするわけですけれども、今でもその思想は変わっていないかどうか、運輸大臣並びに防衛庁に伺います。
#30
○国務大臣(橋本龍太郎君) その当時の反省に基づいて設定されましたものに変わりはございません。
#31
○政府委員(長谷川宏君) 大臣のおっしゃったとおりであります。
#32
○穐山篤君 もう少し正確にしておいてもらいたいんですが、この調整に関する覚書の中に、スクランブルや大規模演習等における自衛隊の優先権は運輸省が便宜を与える、そういう形になっているわけであります。その意味からいうと、防衛庁よくしっかり聞いてもらいたいんですが、雫石事件を通して以後ずっと航空管制に関しても文民統制の原則が打ち立てられている、今でもそうなっている、こういうふうにはっきり御答弁ができますか。
#33
○政府委員(長谷川宏君) そのとおりでございます。
#34
○穐山篤君 今しっかり確認をしてもらいましたので、今後はそういうことがないであろう、こういうふうに私も認識をするわけでありますが、ただ、違いが依然として残っておりますのは、航空法上の異常接近と、自衛隊法並びに自衛隊施行規則によります異常接近の定義が違っているわけです。この定義は両方とも同じであるという認識に立つならば、これは話が違ってくると思いますが、私の勉強の範囲内でいうと、航空法に基づきます七十六条の定義、それから報告に関する同施行規則百六十六条の四と、それから航空機の運航に関する防衛庁側の訓令二十六条とは同一のものではない。したがって、文民統制ということを確認をしたとしてみても、これからも受けるであろう可能性を私は心配するわけです。
 そこで、七十六条と訓令二十六条について同じである、あるいはニュアンスが違います、そこはどういうふうに定義をされますか。両方からお伺いします。
#35
○政府委員(長谷川宏君) お答えいたします。防衛庁の訓令に関連しますので、私が御説明させていただきます。
 防衛庁におきましては、航空機の運航に関する訓令第二十六条におきまして、「飛行中の航空機は、編隊飛行その他の接近が予定される飛行以外の場合においては、他の航空機と六百メートル以上の水平距離又は百五十メートル以上の垂直距離を保たなければならない。」と定めておりますが、この規定は、自衛隊機がやむを得ず他の航空機と接近して飛行しなければならなくなった場合におきまして、衝突のおそれのないように最低限維持しなければならない間隔を定めたものであります。仮に回避行動を行っても、結果としてこれに反するより近い接近が行われたような場合には、長官への報告を義務づけた規定なんであります。
 他方、航空法七十六条の二に規定のございまするいわゆる衝突、接触のおそれがあったと認めたときというものにつきましては、これは距離の規定はございません。しかし、同じ規定は私どもの方の防衛庁の航空機の機長にも適用があるわけでありまして、私どもの機長がそのおそれを認めたときには、この規定に基づきまして運輸大臣に御報告するというシステムになっております。
 したがいまして、一方は防衛庁の内部におきまする異常接近の報告のシステムを定めたものであり、他方もう一つの航空法の思想は、すべての航空機に適用のある異常接近について規定されておられると、こういうふうに私どもは理解しております。
#36
○政府委員(山田隆英君) ただいま防衛庁の教育訓練局長が御説明になった趣旨、同じように私どもも理解しておるわけでございますが、若干重複して申し上げますと、航空法の七十六条の二の「航空機との衝突又は接触のおそれがあったと認めたとき」に報告義務を課しておるわけでございますけれども、これは防衛庁機にも適用される、その判断は運輸省の判断、それから防衛庁の判断とは同一であるというふうに理解しております。
 その前に運輸省の判断といたしましては、具体的に数値でもって判定基準というのを示すことは非常に困難であるということでございまして、特に数値でもって基準は示しておりません。一方、防衛庁が防衛庁内の内部規定として一定の数値を定めて、それに該当する場合には報告をしろということは、これは七十六条の二に該当するときもございましょうし、あるいは七十六条の二に該当しない場合もある。これは防衛庁の判断としてこういうものは報告する必要があるということで決められているものというふうに解釈しておりまして、七十六条の二自体のこの解釈については双方には見解の相違はないというふうに理解しておるところでございます。
#37
○穐山篤君 訓令二十六条というのは、たしか昭和三十一年に設けられたものですね。雫石事故の後で改めてこの訓令二十六条の水平距離六百メートル、垂直百五十メートルという数字が入ったわけじゃないんでしょう。
#38
○政府委員(長谷川宏君) お答えいたします。
 三十一年には垂直、水平とも百六十メートルでございました。しかし、四十六年の雫石事故の後これを現行の規定に改めたものであります。
#39
○穐山篤君 昨日もらいました防衛庁からの資料、今の御答弁は同じでありますので、そこの部分については了解をいたします。
 七十六条と訓令二十六条は同意語であると、こういうふうになっているわけですね。航空法の七十六条の第二項と自衛隊法、訓令二十六条では、片方、自衛隊の方では具体的に数値を示している。しかし、航空法では数値を示していないけれども、それは同意語である、こういうふうに運輸省、了解していいんですか。
#40
○政府委員(山田隆英君) 先ほども御説明いたしましたように、同意語ということではございませんで、防衛庁としては別途の観点からこういう数値を決めておられるというふうに理解しておるわけでございます。
 例えば、一つの例を挙げて申し上げますと、仮に六百メートル以上離れていた場合であっても、衝突または接触のおそれがあったと客観的に認められる場合、これはニアミスと判断さるべきものだと思いますし、それから、防衛庁の方も当然そういう場合には七十六条の二に基づく報告はなされるものではないかというふうに考えておるわけでございます。七十六条の二と関連はございましょうが、直接七十六条の二に基づく衝突または接触のおそれがあったと認めるものが、防衛庁の場合、六百メートル以上の水平距離または百五十メートル以上の垂直距離を割った場合と同一であるというふうには理解しておりません。
#41
○穐山篤君 なかなか理解するのには苦労しますが、まあ、いいでしょう。
 私は、先ほどの雫石事故のときに航空の管制についての文民統制、シビリアンコントロールという問題を提起をしました。その思想が両者にきちっとしておりさえすれば、自衛隊機と民間航空機あるいはその他の航空機との異常接近というふうなことは避けられていたと思うんです。避けられていたと思う。それからもう一つ、訓練空域内で地上からの管制に基づいて訓練をされていさえすれば、異常接近の可能性というのは全くないか非常に薄くなる、これはもう当然のことだと思う。
 ところが、いつも出てきますのは、訓練空域の外に出て訓練をする、その思想が防衛庁長官にあるかどうかは知りませんけれども、隊員の間には少なくとも今回の事件を通して依然として定着をしている、慣行になっている、こういう心配をするわけです。言いかえてみれば、六百メートルなり百五十メートルという距離が書いてあったにしてみても、自衛隊機から目視できる範囲ならば、それは訓練空域内であろうとも外であろうとも問題がないんだという思想に立っているとするならば、これは非常に重大な問題だと思うんです。その点をもう一度伺っておきたいと思うんです。
#42
○政府委員(長谷川宏君) 防衛庁の航空機の機長は、視認さえしていれば幾ら接近してもいいというふうなとんでもない考えは持っておりません。
#43
○穐山篤君 今後、空域外に出るということについては絶対に控えてもらう。
 先ほど私が具体的にお伺いしましたこの五一航空隊の司令から指示が出たのかと言ったら、そうではありません。地上からの管制によって空域外に出たのかと聞いたら、そうはなっていません、管制はしていません。そうすると、残りました問題は、森田三佐の個人的な判断、こういうことになる。
 そうしますと、私は、自衛隊のパイロットが全部そうだとは思いませんけれども、今後そういうことがあってはならないという意味で伺うわけですが、こういう空域外の訓練はだめですよと、こう規定がされているわけですね。その場合の、森田三佐に対する防衛庁側の処置はどういうふうにされたんでしょうか。
#44
○政府委員(長谷川宏君) この件に関連いたしましては、訓練空域を守るという政府の方針に反することをしてかしてしまったわけでありますが、この点につきましては、事情をさらに綿密に調査しまして必要な処置をとることにしたいというふうに考えておるわけであります。もう少しお時間をかしていただきたいということでございます。
#45
○穐山篤君 私は、今お尋ねをするときに慎重に物を言ったつもりなんです。異常接近についてのお尋ねは今してなかった。訓練空域を外れた問題について、防衛庁側は森田三佐に対してどういうことをされたんでしょうかと聞いている。
#46
○政府委員(長谷川宏君) ただいまのところ、まだ全体のこの一連の飛行の全体についての調査を続けておる最中でございまして、その部分だけについての特別の処置ということはできないわけでございます。この辺の事情を御理解いただきたいと思います。
#47
○穐山篤君 実は、青木先生は国鉄の元機関士なんです。ですから、事故の問題については非常に敏感です。私もかつて保線区の事故屋を担当しておりました。そういう意味で言うと、事故の問題についても非常に緊張せざるを得えないわけです。例えば鉄道で言いますと、走るべき線路を外れて異線に進入をした異線進入という事故があるわけです。これを今の問題に例えて言いますと、異線進入というのは訓練空域の外の線路に入ったというのと同じ理屈になるわけであります。その場合の処罰あるいは処分、規律というものは非常に厳しかったという私ども経験を持っているわけであります。
 その意味で、このニアミスかどうかの問題はさらに調査をされるでしょう。今後そういうことがないようにするという努力も両者で払われる、そのことは十分了解しますが、空域外で訓練をしておったという問題についての扱いをしっかりやっていただきませんと、シビリアンコントロールという話がまた崩れてしまう、そのことを私は非常に恐れるものですから、嫌な話ですけれども、こういう空域外に飛び出して訓練をしておった場合の自衛隊の規律というものは従来からどうされていたのか、今回はどうされたのかということを聞いているわけです。
#48
○説明員(三井康有君) 懲戒処分についてのお尋ねだと思いますので、私の方から御答弁申し上げたいと思います。
 本件関係者に対する懲戒処分につきましては、事実関係の調査が完全に終了した段階で、それを踏まえて厳正に実施したいと考えておるところでございます。
 自衛隊員に対する懲戒処分と申しますと、これは隊員としましての職務上の義務違反、それから法令違反、その他隊員としてふさわしくない行為がありました場合に、これに対して行うということになっておりまして、根拠規定といたしましては、自衛隊法の四十六条というところにそのように規定しておるわけでございます。
 ところで、その処分内容でございますけれども、これにつきましては、その義務違反あるいは法令違反等の個々具体的な内容を十分確めまして、その直接のきっかけとなった原因は何かとか背景にどういう事情があったか、それからそれによってどういう結果をもたらしたか。それが故意によるのか、過失なのか。過失だとすると、重過失なのか軽過失なのか。その他責任の権限事案としてどういったことがあるのか等々を総合的に判断しまして決定することといたしておりますので、本件につきましてももう少し時間をちょうだいしたいと考えているところでございます。
#49
○穐山篤君 運輸省ね、この間も御答弁があったわけですけれども、このニアミス、異常接近についての報告義務は航空法上規定をされているわけですが、公式にされましたものと、それから管制官が発表している異常接近という報告とが非常に乖離があるんですね。件数に何倍かの違いがあるわけです。これはどういうところに起因をしているんでしょうか。まずその点をお伺いします。
#50
○政府委員(山田隆英君) 管制官がニアミスということで私どもが発表している数よりも非常に多くの数を出しているということでございますが、これは管制官に対して労働組合がアンケート調査をした結果でございます。このアンケート調査をする際に、ニアミス及びコンフリクションということを言っております。これ私どもの方から言いますと、コンフリクションというのは一定の管制間隔を割った場合ということでございまして、これは航空法上の異常接近には該当しないわけであります。そういう意味でふえているということと、それから仮に一件のニアミスがあったといたしまして、その関係の管制官の数はかなり多いと思います。その一つのニアミス件数を見ている管制官が何人かいる場合に、本来なら一件のニアミスの件数が、管制官の数でいうと数件になって上がってくる、そういうような事情があるのではないかというふうに考えております。
#51
○穐山篤君 そうだと思うんですね。管制官の管制感覚といいますか、というものが働くわけですからそういうことになると思うんですが、ただ、管制官の報告のニアミス、またはそれに近い状態の感覚であったという報告を集計をしてみますと、大型民間航空機と大型民間航空機が三五・七%という数字を発表になっています。それから、民間航空機と軍用機が二六・二%、それから民間航空機と小型の民間航空機が二五・四%、いずれにしてみても高いという意味では要注意の数字だというふうに思うわけであります。したがって、全運輸の労働組合から既に申し入れが運輸大臣にあったわけですが、十分ひとつ真剣に対応をしてもらいたいと要望をしておきたいと思うんです。
 今の問題に関連をして、訓練空域について防衛庁側にお尋ねをしますが、雫石事件のあった当時の訓練空域は十二カ所でしたね、低い高度用が八つ、高い高度用が四つというふうになっていました。その後調べてみますと、昭和五十六年には、十二が二十一に増強されます。これは低い高度は九つで、高い高度が十二というふうに飛躍的にふえているわけです。これは自衛隊のF15であるとか、いろんな機種によってそういう性能があるわけですから、ふえたと思うんです。今日ただいまは訓練空域の数はどうなっているんでしょうか。
#52
○政府委員(長谷川宏君) お答えいたします。
 その前に、自衛隊の訓練・試験空域の緊対要綱当時の数でございますが、これは高高度が九カ所、低高度が九カ所ということでありまして、その後、高高度が五カ所ふえ、超音速訓練・試験空域というものが新しく一カ所ふえまして、合計二十四カ所に現在なっておるのでございます。
#53
○穐山篤君 というような状況にありますので、ぜひ今回の異常接近、ニアミス事件を教訓にして、もう一遍雫石事故の基本に戻っていただいて、シビリアンコントロールというものの思想を厳然として守っていただきたい、このことを強く申し上げておきたいと思っております。
 次に、私は前回、労使関係の安定の問題を申し上げました。その労使関係の安定の前に労使の信頼関係、あるいは幹部と職員との間の信頼関係、こういうことを申し上げたわけでありますが、前回、私、院の用務で外国に出張したことがあったんですが、たまたまその際にストライキに遭いました。これは労働者の権利ですから、文句を言う筋合いの話ではないと思います。ただ、これが労使の安定、信頼関係というものと全く無関係ではないなということを感じましたので、運輸省と日本航空さんにお伺いしたいと思うんですが、ここ数年で結構です、航空三社の争議の件数というふうなものがあろうと思うんですが、ひとつ御紹介をいただきたいと思っております。
#54
○政府委員(山田隆英君) それでは五十七年から六十一年までの最近五年間で申し上げたいと思います。
 この五年間では、日本航空が運航乗務員の関係のストライキが七件、それから客室乗務員関係が三件ございます。それから全日空が運航乗務員関係一件でございます。それから東亜国内航空が運航乗務員が二件、客室乗務員が一件。主要三社で申し上げますと、以上でございます。
#55
○穐山篤君 はい、わかりました。
 私が持っている資料がもし間違いであれば訂正をしながら説明をしてもらいたいと思うんですが、航空三社の運航乗務員、客室乗務員、整備関係の職員の賃金、それからボーナス、それから労働時間について私が持っております数字を申し上げて、もし間違いがあれば訂正をしていただきたい。
 日本航空の場合、三十五歳のモデルで日航月二十四万、乗務手当六十四万、計八十八万、八十八万という単位をもとにして申し上げますと、全日空九十二万。東亜国内八十七万。客室乗務員で言いますと二十九万、三十万、二十九万。整備でいきますと二十六万、二十九万、二十六万。これは整備の場合、三十歳モデル。で、賞与でいきますと、日航さんが年百九十七万、全日空二百四十四万、東亜国内が二百一万。客室乗務員二十五歳のモデルで賞与が、日航百十一万、全日空百三十万、東亜国内百十六万。整備職員三十歳モデルで、日航さんが百六十四万、それから全日空百八十五万、東亜国内百五十五万円。で、賞与につきましても、その合計をしました年収でも三社多少の違いがあるというところに気がつくわけであります。それから労働時間につきましても、運航乗務員、客室乗務員、地上職員、いずれも一カ月当たりの労働時間に大分差がある、こういうふうに感じているわけです。
 そこで、ストライキの回数と符合するかどうかわかりませんが、かつて、私が覚えておりました当時の状況で言いますと、全日空、東亜国内は、日本航空に追いつくようにしようと、こういう賃金闘争の状況であったわけです。で、一定の部分については追いついている、ある部分については追い越している、こういうことが数字の上から明瞭であります。言いかえてみますと、日航職員の皆さん方の誇りといいますかそういう面からいいますと、じくじたるものがあろうと。そういう意味で、この格差の解消のために日航では随分トラブルが多いのではないか、それが労使の関係の安定という問題に無関係ではあるまい、こういうふうに感じているわけですが、航空三社のことですから、概況について運輸省さん、それから中身、内容について社長の方からひとつ御説明をいただきたいと思っています。
#56
○政府委員(山田隆英君) 航空三社の労働条件でございますけれども、主たる労働条件といたしましては、収入とそれから労働時間があるかと存じます。日航、全日空及び東亜の三社を比較するにつきましては、それぞれ路線構成でありますとか他企業との競争状況、あるいは経営内容等が異なる場合もございます。また労働環境等も異なるわけでございまして、三社を比較して労働条件を評価するということは非常に困難かと考えます。
 ただ、強いて特定のモデルを設定いたしますと、ただいま先生からお話がございましたような各社間の数字が出てまいるわけでございまして、必ずしも日航が高くないということが言えようかと思います。
 それから、労働時間につきまして必ずしも実労働時間を正確に把握しておりませんけれども、航空三社の勤務時間あるいは乗務時間等の社内の取り決めを見ますと、これも各社によって若干差がございまして、例えば運航乗務員ですと、日本航空の場合、乗務時間が一暦月について八十時間となっているのに対しまして、全日航、TDAはそれぞれ九十時間になっております。勤務時間の方は一暦月が百七十五時間ということで、これは全日空も同じでございます。これは一例を挙げたわけでございますが、このように勤務条件ということでは各社によってそれぞれの条件に差がございまして、一概に評価はできないんではないかというふうに考えておる次第でございます。
#57
○参考人(山地進君) 今の問題、私ども大変難しい問題だというふうに心得ております。先生の御質問の中にございましたように、かつては全日空、東亜が日本航空の賃金の問題を目指して努力されたというようなのがありまして、最近私が社長になった後も、例えば賃上げの問題でも、日本航空が賃上げするとそれに〇・一とか〇・二積むというと労使関係は他社の方はそれでうまくいくというような状態が過去に続いていたというのは事実だと思うんです。そこで先頭を切るといいますか、日本航空ではストも起こるというようなことも、これは表面的といいますか、そういうことがあったわけです。
 ところが、今、先生御指摘のとおり、昨今になりますと、特定のモデルを比べてみると航空局長の方で御説明あったような差が出てくる。これを私どもの社内では全日空格差、ANA格差ということで、ANA格差を埋めるということが組合との話し合いの中では相当なウエートを占めているわけでございます。
 私どもの労務方針を出しまして、これもたびたび御説明いたしておりますように、国内業界においても、あるいは国際的にもトップクラスの競争力を目指して経営を強化するということを前提にしつつも、言葉としては国内業界においても国際的にもトップクラスの労働条件と労働環境を目指して長期的な計画に基づいてその実現を図ると。つまり私どもの労務方針からいうと、トップクラスでなきゃいけないんじゃないかと。ところが、現実には全日空から見れば非常に賃上げあるいはボーナスも少ない、それから特定のモデルにおいて比べてみれば日本航空が低い、こういうことが組合からは指摘されるわけでございまして、私どもとしては総合的に見て、特定のモデルというのはなかなか難しいわけでございまして、制度も随分違いがあるわけですね、全日空と私どもと比べますと。やや細かくなりますけれども、年齢給と職務給といいますか、そういうもの、私どもの方は職務給というような形が多いんですが、向こう、全日空の方は年齢給というような感じの賃金体系になっているわけですね。ですから、そういう賃金体系の問題もあるわけなんで、つまりそういった制度面の問題については人事、賃金制度ということを社内で、何も給料だけじゃございません、いろんな問題も構えてそれを議論しようということで組合の方にも御相談をしているわけでございます。
 いずれにいたしましても、賃金というのが労使関係の基本的な問題であるということから申し上げましても、こういった問題をどうやって解決していくのかということには今後とも努力をしていきたいと。ただ、御理解を賜りたいのは、今航空局長も申し上げたとおり、なかなか賃金というのは、あるところだけを比べてもわからない、総合的にあるいは生涯的にどうだというような幅の広い立場からいろいろと議論しなきゃいけない問題じゃないかというふうに考えております。
#58
○穐山篤君 介入するつもりはありませんが、ぜひ信頼関係という立場からいうと、やっぱり労働条件というのは基本的な問題でありますので、格差を解消する努力はされていると思いますが、日本航空以外の二社が常にプラスアルファで妥結するようであるならば、格差はどんどん拡大をしていく傾向になるわけですから、これは適切に扱っていただきたいというふうに思います。
 それから次は、これまた事故に関係をする問題でありますが、航空機事故あるいは航空関係の事故という広い意味でも結構でありますが、広報体制、部内に徹底をする問題、あるいはそれを通しての事故防止の問題という意味で伺うわけですが、八月十二日、ボーイング747が墜落をした年に、たまたま調べてみますと、新聞に大きく報道されたものだけでも三つあったわけです。二月十九日、イベリア航空のボーイング727型の山に激突をしたという事故、それから六月二十三日、インド航空ボーイング747型の墜落事故、八月二日にもダラス空港で墜落が起きたと。日本の新聞に出た航空機事故だけでもそれだけあるわけです。
 たまたま私は、航空機というのは型が違うから安全だというものではありませんけれども、型の同じ例えば747型が墜落をしたといえば緊張をせざるを得ない、そういう意味でいうと。このJAL747型の墜落の後、その年の十二月十二日までの間にさらに大きな事故が三つあるわけであります。
 そこで、今日、タイ航空のこともそうでしょうけれども、一たんどこかの国で山に激突をした、墜落をした、炎上をした、いろんなケースの事故がある。その場合に、社内では航空三社とも国内の事故、国外の事故を速報として流されているのかどうか。あるいは、原因がすぐわかるわけじゃありませんから、原因が究明された後、当然国際的には発表になるだろうし、運輸省にしろ航空六社、七社もそういうものは広報をするだろうと思うんです。そういう広報体制というのはどんなふうになっているんでしょうか。
#59
○政府委員(中村資朗君) 世界で起きましたいろんな事故の報告書の取り扱いでございますけれども、一般的に航空機の事故調査だとか再発の防止策につきましては、国際民間航空条約とその附属書がございまして、具体的に言いますと第十三附属書でございますけれども、この中に規定が設けられておるということでございます。
 一般的な話を申し上げますと、事故が発生いたしました場合には、通常その事故が発生をいたしました国、発生国と言っておりますが、これが調査に当たるのが原則となっておるわけでございますけれども、運航国だとかあるいは製造国政府は必要に応じてこの事故調査に参画できるわけでございます。
 さらに、その事故の情報だとか報告書でございますけれども、これは調査国から登録国あるいは運航国、あるいはICAOというようなところに送付をされるわけでございます。これは最終報告の形になります。
 先生がおっしゃいましたように、事故調査は大変時間がかかりますので、かなりおくれてこういう報告書が送られるわけでございます。ただし、調査の途中におきましても、いろいろ判明した重要な情報などが当然出てくるわけでございますので、そういう重要な情報だとか、あるいは再発防止策等につきましては、関係国へ直ちに送付をする建前になっております。これはICAOの関係でございます。
 ただし、実態といたしましては、今先生がおっしゃいましたように、速報が非常に必要なわけでございまして、そういう速報的なものは、やはり情報がまず航空機のメーカーへ流れるわけでございまして、このメーカーがいろいろなデータバンク的な動きをいたします。それで、メーカーの協力のもとに、当事国の監督官庁でございますけれども、その政府がその原因その他を分析をいたしまして、所要の再発防止策の確立をまずするわけでございます。
 そして、必要に応じて関係各国にその中身を通報するということになっておるわけでございますけれども、特に緊急を要する場合には、すぐ一週間以内とかあるいは三日以内とかいうことで、時間を限定して、我々はアラート・サービス・ブリティンとか、アラートADと言っておりますが、これは緊急技術通報あるいは緊急耐空性改善通報、こういう呼び名で呼んでおりますが、こういう形で各ユーザーに必要に応じて流されるということでございます。
 これは、それを受け取った国といたしましては、当然その航空当局がそれぞれその必要な処置をするわけでございまして、当該国の運航者に対して、国内法に基づきまして再発防止策の実施を要請する、こういう格好になるわけでございます。
 これは事故の話を今申し上げましたけれども、事故にもちょっと程度の低いインシデントみたいなケースでも当然重要なものにつきましては、このルールにのっとって処置がされるということでございます。
#60
○穐山篤君 この広報問題については、日本航空さんはどういうふうにされておりますか。
#61
○参考人(山地進君) まず今の技術部長の御説明のように、メーカーから相当情報が入ってまいります。それから、もちろん御当局の方からも入ってまいりますし、それから、私どもの支店を通じまして、その事故の詳細についていろいろ情報を集めます。そういった情報を私どもとしては各部に流すわけでございます。流すチャンネルといたしましては、例えば私どもでやっておりますのは、社内の安全の広報紙の「フライト・セーフティー」紙というようなのもございまして、これは運航に携わる者は事細かく読んでいるものでございます。それから「オペレーション・エンジニアリング・インフォメーション」というようなのもありますし、いろいろな部局でそれぞれの必要に応じてそういったものを解析して、こういった事故がなぜ起きたのか、そういったアクシデントがどうして起こったのか、どんな気象状況だったのか、事細かにそれぞれの立場からわかるようなインフォメーションを流しておりまして、その後で我々としてはどう対処したらいいのかというようなことをお互いに検討し合えるような情報の交換というのは相当の速さでやっております。
 それから、私どもの役員会におきましても、安全推進委員会というのが別にありまして、安全推進委員会というところでまた事故の解析を行いまして、それを役員会のときに、安全推進会議で他国で起こった事件については、こういう事件がありました、これは我が社としてはこういう点が教訓的でありますということも役員レベルの間の情報の交換が行われております。
#62
○穐山篤君 よく事故が起きますと、これは航空機事故に限らずそうでありますが、あれは特別なんだよというふうにすぐ言いたがるものです。それで自分を慰めているのかどうか知りませんけれども、どうしてもそういう特殊性が強調される。しかし、よくよく考えてみますと、これだけジェットの時代になりましたけれども、特異性ばかり強調していたんでは問題の解決にならない。共通性なり普遍性というものが必ずどこかにある。そういう意味ではぜひお願いをしたいと思うのは、ただ事故の情報を、データを集めるだけではこれは物の用に立たないと思うんですね。その特異性なり普遍性というもの、共通性というものをできるだけ解明をしていただいて十分今後の予防に当たってほしいなと。これは私ども信越でありますけれども、鉄道屋で経験したときもそういうことが非常に多かったわけです。
 それから、後ほど具体的に申し上げますけれども、どうしてもその衝に当たる人はいろいろな原因の競合説をつくり上げるものです。よく鉄道でもありましたけれども、競合脱線というのがある。そのときは雨が降っていたんだとかレールがぬれていたんだと、速度も少し余分であったというふうに原因者を特定をしないためにたくさんの理屈、データをつくるわけであります。それで、その苦労が続くものですから本当の意味の事故対策が忘れがちになってしまう。そういうおそれがありますので、これには念には念を押して頑張っていただきたいということを申し上げておきたいと思っております。
 緊急事態が起きたようでありますので、じゃ、はしょるようにいたします。
 この今回のボーイング747型一二三便の問題の取り扱い、原因の究明の話をしておりますとなかなか時間がかかりますので、補償の交渉あるいは遺族との接触を通しての事故防止と再発防止という変わった分野からお尋ねをするわけであります。
 調査委員会が調査報告書を発表しました。それで、私どもも十分読んでみました。そこで、遺族の皆さん方が調査報告書を読みましてアンケートを集めたわけです。そのアンケートの結果を数字にあらわしますと、あの報告書に対して、非常に不満足三〇%、不満足六五%、未回答五%と、九五%の遺族、これは心情的にはよく意味がわかるわけですが、九五%の人があの報告書に対して重大な不満と懸念を表明したわけであります。それで、その方々のどういう点が一番大きな不満足、不信を呼んだかというものを列挙してみますと、こういうふうになっていますね。
 人災の責任者を特定をしていない。似たようなことでありますが、法的な責任が明瞭にされていない。以上のところからもっと詳しく調査をやるべきではないか。それから未発表のデータがあるのではないか、それも含めて公表をしなさい。それから事故調査委員会そのものに対して不信を持つ。それから安全対策の改善策についての説明がない。まあ、ここの部分は報告書の性格から考えてみて無理があろうと思いますが、そういうふうになっているわけであります。
 そういう不満の中で、テレビ、新聞でも山地社長は随分遺族の皆さんと気を使いながら接触しているというのはよくわかりますが、さて、そこで補償の進め方の問題で、前回の質問にもありましたが、示談が成立したものもあります、現に示談のために協議をしているものもあります、裁判中のものもあります、こういうふうになされている。その場合の表に出ていく人が、先日の答弁ではこれは保険会社でございます、保険屋さんが出ていますというふうな答弁が最初されたんです。私は、その点をまだ記憶をしているわけであります。その答弁の際に、運輸大臣もちょっと首をかしげられたのを私は記憶をしているんです。
 そこで、実際の補償交渉というのは、日航側ではどなたが責任者に立って遺族の代表なり、あるいは示談が成立した場合でもそうでありますし、示談を進めている場合でもそうでありますが、その任に当たっている責任者はどなたになっているのかということをちょっとお尋ねをしたい。
#63
○参考人(山地進君) 前回私の答弁で今、先生のおっしゃるような印象をお与えしたようでございますけれども、私どもとボーイングとの関係は、どっちがその最終的な責任を持つかというようなことをいつまで争っておりましてもこの御被災者はもう被害を受けられていることはもう明白なことでございますので、したがってボーイングと私どもを代表して日本航空が補償の責任に当たる、こういう方針をまず出したわけです。それで、この前保険会社のお話を申し上げましたのは、それぞれの、ボーイングはボーイングで保険会社に保険を掛けております、私どもも掛けておるわけです。そうすると、どっちが損害を払うかということが未確定な中で保険会社間でおれのところはこれくらいかなというような話をされていると、これは御遺族と関係のない話、裏側の話でございます。それで、私どもは保険会社とは関係なく御遺族といろいろ補償の交渉を進めて、それでその御遺族にお払いする額について保険会社に補てんしてくださいという話を今度は保険会社にするわけです。それで、保険会社が、そのままうちが払った分を保険金で払ってくれるかどうかというのは、これは保険会社の判断になるわけです。ただ、大部分についてこれは保険金を払っているわけですから、保険会社が払ってくれるということは間違いないと思うわけでございますね。それで今のお尋ねの、じゃだれが責任持ってやっているんだといえば、会社でございますから、もう私が責任持ってやっていると言うより言いようがないんですが、実務はご被災者相談室というのがございまして、その室長には役員を充てております。それから、直接御遺族とお話しする場合は、御遺族いろいろ御事情がございますので、それぞれに御遺族に東京では一家族に一人の世話役という人を充てております。これは常時ほかの仕事をしながら、その御遺族の関係があるときにはその御遺族に接触する。大阪地区では人数がたくさんいらっしゃるものですから、数人の御遺族の関係を一人で世話役がやっております。しかし、その世話役は日常の業務から外されておりますから、御遺族のことに専念するわけです。その世話役という者がそれぞれの御遺族の御家庭の事情に応じながら補償のお話を進めている。事実上はしたがって世話役が直接やっているけれども、最終的には相談室というところがあって、最後は私がやる。なお、別途弁護士団を立てて、賠償団ということを御遺族がおやりになっている場合には、賠償団の方の弁護士と私どもの方の会社の弁護士とが弁護士間でお話をするというようなこともございます。
#64
○穐山篤君 わかりました。誠心誠意頑張っていただき、努力をお願いをしておきたいと思います。
 裁判中ですから、運輸省あるいは山地社長に原因者の特定というふうなことを聞きましても無理な話だろうと思いますから私は省略をしたいと思うんです。
 当の日本航空側からいろんなお話を承るということも一つの方法でしょうけれども、実は全日空の重役さんの公式の一二三便にかかわります話がある物に出ておりました。私も全部その議事録を読ましていただきました。非常に参考になることもありました。いろいろなことを、あの事故につきましては、最初の段階から五つ六つの段階までありますから、それぞれのことについての議論がされるんでしょうが、全日空の重役さんのお話をまとめてみると、これだけジェット化されて、六百機も世界じゅうを飛んでいるという意味ではもうどこの航空会社、パイロットも、お客さんを含めて腹の中にあるのは安心して乗れる、そういう安心感、信頼感といいますか、その上に構成をされている。だから、みんな旅行をするわけであります。その重役さんの話をまとめてみますと、余りに過信し過ぎていたのではないか、ボーイング社に対してですよ。メーカーに対して余りに過信をし過ぎていたのではないか、これがまとめた私は感想のような感じがしたわけです。
 そこで、これからの対策について伺うわけですが、こういうことがないようにするためにいろいろな努力をされていることはわかります。日本航空の中に通称ボーイング部と言われるものが何かできたそうでありますが、ボーイング部というのは適切かどうかはわかりませんけれども、ボーイング社に人を派遣をして、それから、最初から最後まで、言ってみれば受け取りまで全部目を通す、調査をする、点検をする、確認をする、そういう体制に切りかえたというふうに言われているわけですが、そういう問題を含めて改善策についてどういう努力をされているかを伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
#65
○参考人(山地進君) 改善策全般にわたりますと相当長くなるんで、今のボーイング部というところを代表的に御説明をさしていただきたいと思うんですが、おっしゃるように、ボーイングはもう絶対間違いないということだと今度の事件は起こらなかったという意味からは、やっぱりボーイングといえどもいろんな過ちがあるんだという前提でやらなければいけないというんで、米州ボーイングの会社の中に私どもの品質保証部というチームを派遣しているわけです。ボーイングからしてみれば、何でおれのところのことを信用しないんだというような反感が当初あったそうでございますが、私どもの技術担当の者が、製造過程においてもいろいろこういう点をこうじゃないかとか、この点はどうだというようなことを関与いたしまして、ボーイングとしては、現在は非常に日航の品質保証部が来てよくなったというような感じを持っているわけです。私どもの今の航空機というのは、いろいろ御議論はありますけれども、フェールセーフというような思想あるいは信頼性管理方式とかいろんな問題を含めて安全度というのは高まっていることは間違いないとは思います。ただ、念には念といいますか、いろいろ私どもとしてもできる限りの安全に努力をするという意味で、使っている飛行機の前に、新しい飛行機を入手するときから品質の保証について私どもも関与するということで品質保証部、まあ今先生の言葉だとボーイング部というようなものをつくっているわけでございまして、非常に大ざっぱに言いますと、747のジャンボの従来使っているものについては、年数のたっているものになればなるほど丁寧に検査をする、整備をする、それから事故の一回でもあったものについては長期監視プログラムというもので見るというようなことで、今回の事故を契機に私どもの安全というものについては品質が高まったというふうに御理解を賜りたいと思います。
#66
○安恒良一君 ちょっと各派のお許しを得て、今緊急に起こった問題について運輸大臣にお伺いをしたいんですが、それは日本籍タンカー日信丸の被弾についてでありますが、九月二日二十三時四十五分、日本時間にいたしますときょうの午前四時四十五分に、日正汽船の日信丸、これは十八万トンで、乗組員は全部日本人でありますが、ペルシャ湾内で被弾をしたという事件が起きたということでありまして、幸い、どうも今聞きますところによりますと火災とか死傷者はなかったようでありますが、それらの事実について大臣から事実関係並びにこういう問題がしばしば起こっては大変なことになるわけですから、今後の対処方針についてお聞かせをください。
#67
○国務大臣(橋本龍太郎君) 緊急に発生いたしました事態でありますので、この場をかりて御報告を申し上げます。
 けさ、親会社であります日正汽船から受けました通報によりますと、ペルシャ湾のジルクターミナル、これはアラブ首長国連邦でございます。このシルクターミナルで原油を搭載後日本に向けて航行中の日本籍タンカー日信丸、日正汽船所有、乗組員二十一名、ただいま委員から御指摘を受けましたように、全員日本人の船員であります。約十八万二百重量トンの船でありまして、原油約十七万トンを積んでおりましたが、この船が現地時間の九月二日二十三時四十五分、日本時間の九月三日午前四時四十五分、北緯二十五度四十一・三分、東経五十五度十八・一分、アラブ首長国連邦のシャルジャ北方約十九マイルの海域におきまして、国籍不明のカンポートからロケット攻撃を三発受け、右舷の外板等数カ所に被弾をいたしました。被弾箇所に破孔等を生じておりますが、火災の発生はなく、また死傷者もなかったとのことでございます。
 現在、同船はフジャイラ港沖に向けて航行中でありまして、今後の対応につきましては、ペルシャ湾出湾後に損傷状況を調査の上検討することとしている。
 以上が入りました連絡の現在わかります全体でございます。
 これは私どもにとりまして非常に大きな衝撃でありまして、昨日の朝も、御承知のように既に報道されております、日本向けに航行中のリベリア籍のタンカー、ダイヤモンド・マリーン、定期用船は日本郵船でございます。このダイヤモンド・マリーンが同じく北緯二十六度二十一分、東経五十六度六分、ホルムズ海峡の西方約三十マイル付近におきまして国籍不明のガンボートから銃撃を受け、船橋の左舷下方等数カ所に被弾をいたしました。これも死傷者はなかったということで、航行可能のため湾外に向かっております。
 昨日のうちに二隻の船が被弾をいたしましたわけでありまして、いずれも国籍不明のカンポートーであります。
 この委員会が休憩に入り次第、私としてはなお情報を調べたいと思いますし、同時に、外務省に対して至急官民連絡会を開くように要請をいたしたいと考えておりまして、その席でなお今後の対策についての検討を加えたい、そのように考えております。
#68
○安恒良一君 これではとても日本の船員は安心して石油の輸送に当たれない。ところが、我が国は御承知のように石油は九九%諸外国から輸入しているわけですから、もうかねがねからこの地域の航海の安全については関係者から運輸大臣のところ、外務大臣のところにも何回も要望が出ていると思いますから、二回も引き続いて起こり、しかも国籍不明の、今回の場合今度はロケット砲を撃ち込んでいますから、そういうことについては外務省と連絡をとられて早急にやはり実情を調査をし、やはりこれは抗議するところは抗議する、きちっとしていただかないと大変な問題だと思いますので、まだ事件が起きたばかりですが、ぜひともひとつ早急に外務省との連携をとられて、再びこういう行動が起こらないように、そういっても国籍不明ということですから大変難しい問題もあると思いますが、私はやはり航行の安全、それから我が国の全体が石油に依存しているこの経済の状況等々から考えて、それと同時に、やはり国連安全保障理事会の決議等が守られるように、やはりそういう措置についても積極的に我が国が動かれるようなことをしていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#69
○国務大臣(橋本龍太郎君) 発生いたしました二件ともにペルシャ湾内でございますけれども、イラン、イラクがそれぞれに設定をいたしております航行制限区域あるいは立ち入り禁止区域ではありません。一般航行の許されている部分でございます。それだけにこの事件は両方とも非常に重大な問題を含んでおりますし、早急に外務当局から関係国と思われる各国に対しても事実の解明、必要なる、その犯人が限定されるならば当然当該国に対する抗議等の手段を講じてもらいたいと考えておりまして、官民連絡会を早急に設定し、開会するように努力をしたいと思っております。
#70
○委員長(田代富士男君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三分開会
#71
○委員長(田代富士男君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、日本航空株式会社法を廃止する等の法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#72
○安恒良一君 日航法の質疑に入る前に、午前中に私からお願いしておりましたところの日本船の被弾に関することについて運輸大臣、昼休みに調査をされたことがあるならば御報告をまずしていただきたいと思います。
#73
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先刻は大変ありがとうございました。
 おかげさまでつい先刻、被弾いたしました日信丸は、ホルムズ海峡を通過いたしまして湾外に無事離脱したという報告がございました。なお、被害等の詳細の報告は入っておりません。
 また、先ほどの委員会の御意思を受けまして、本日午後四時からペルシャ湾安全対策官民連絡会を緊急に開くことになりまして関係各省庁のほかに船主協会、また全日海からも参加をいただき、対応を協議をいたします。
 なお、本日現在におきましてペルシャ湾に在湾いたしております日本船は、日本籍船、外国船のチャーターを含めまして現在十八隻でありまして、大体この週末から九日ぐらいまでにかけましての在湾隻数は、少ない日で十四隻ぐらい、多い日は十九隻という予定でありまして、非常に私どもとしても事態を憂慮いたしております。
 今後ともの御協力をよろしくお願いいたします。
#74
○安恒良一君 それでは、私ども社会党を初め各政党の皆さん方からずっと日航法の、民営化についての質問が続いております。たくさんの同僚委員からの御質問がありましたので、これから私が質問することは、その質問の過程の中でもう少し明らかにしてほしいということ等をお聞きしたいと思います。俗に言うとちょっと落ち穂拾い的な質問になります。それが一つ。
 それから、実は質問も順序立てて組み立てておったんですが、きょうになりまして一斉に委員会が開かれているものですから、御出席をいただくところの外務省とか防衛庁、主管委員会があるから勘弁してくれ、こういうことになりましたものですから、時間もその時間に合わせて質問します。ですから、質問があっち飛びこっち飛びすることがあるということをまず冒頭お断りをして質問に入りたいと思います。
 そこで、主計局次長お見えになっていますから、大変お忙しいそうですから、これもいきなりまずその問題から入っていきたいと思います。というのは、実は日航の株式売却益の使い方の問題であります。
 既にこれは同僚委員から質問がありましたように、予算上の金額は、いわゆる一般会計に二百八十三億、産投会計が三千三百三十四億円、計三千六百億円が予算の中では計上されているようでありますが、一株当たりの株価、これも同僚委員が質問をしましたように、この予算を計上されたときから今の時価の株価は約倍になっています。ですから、それだけの自然増収があることはこれは私は間違いないと思います。
 そこで私たちは、日本航空というのは、御承知のように運輸事業そのものでありますから、そこで株式の売却益というものは、全額運輸関連事業に使うべきものであるというふうに考えておるわけでありますが、この点について、前回大蔵省からの説明がございましたが、どうもそこのところが歯切れが悪くてはっきりしませんでした。ですから、もう一回お聞きをしますが、株式の売却益は全額運輸関連事業に使うようにしたいものだというふうに考えてますが、その点について大蔵省の考え方を聞かせてください。
#75
○政府委員(斎藤次郎君) そういうお考えがあるということは私も実は伺っております。
 それで、日航株の売却益というのは、御承知のように、一般会計所属と産業投資特別会計所属のものがございます。産業投資特別会計に所属している日航株を当初予算で今年度全額売却するということで対処方針を立てたのでございますけれども、御承知のように産投特会と一般会計というのは、従来から産投特会のそれぞれの目的に沿って出資、いわば投融資事業を行う際にその原資が不足している場合には、これは一般会計が財源を補てんをしているわけでございます。逆に産投特会のいろいろな支出目的に余剰が生じた場合には、この財源を一般会計に繰り入れていただくという処置をとってきているわけでございます。
 この日航株につきましても、産業投資特別会計に所属している株式でございますので、これを売りました場合には、当然のことながら産業投資特別会計の収入になるわけでございます。
 そういたしますと、現下の厳しい財政状況のもとで、一般会計が特例公債を多額に発行しておるという財政状況のもとで余剰を生ずれば、これ幸一般財源として一般会計に繰り入れていただくというのが筋道であろうかというのが私どもの考え方であるわけです。
 なお、今年度予算におきましては、産業投資特別会計から実は関西空港に出資額として六百二十二億というのを計上しておるわけでございます。
 これにつきましては、関西国際空港の重要性、それから産業投資特別会計の支出目的に非常にかなっておるということで、いわば臨時異例の措置として六百二十二億は運輸省と相談をした結果これを産業投資特別会計の支出として計上しているということでございまして、私どもの考え方としては、従来からの一般会計、産投特別会計の繰り入れ、繰り戻しの関係から申しましても、一般財源として使用するのが筋である、こういうぐあいに考えておるわけでございます。
#76
○安恒良一君 今お聞きしておりまして、やはり納得できないのは、例えば今度NTTを無利子融資制度に使う。そこで、これはいろんな事業に使われることになっていますね。ですから私は、日航株が今おっしゃった六百二十二億以外は一般会計に帰属するのが当然だ、こういう言い方には非常に抵抗を感ずるわけです。
 それはなぜかというと、今あなたは関西空港は非常に重要だから産投会計としてなじむと言われた。そうすると、例えば成田の第二期工事の問題もありますし、それからいわゆる羽田空港の拡張もありますから、そういうふうに、これはわかりやすい例で私は挙げただけであって、そういう運輸関係関連事業はたくさんあるわけですね。それから空港整備問題についても、第三種空港を例えば第二種にするとか、いろいろ運輸関係にはございます。
 ですから私が言っていることは、例えばこの六百二十二億ということをさらにふやすのも一つの手だと思うんですよ。何も六百二十二億だけに、関西に限る必要はないわけですから。なぜかというと、予算で考えられた金額よりも約倍に、株は上がり下がりがあるといっても遠い将来売るわけじゃないんですから、この法案が通ってこの秋にだんだん処理をしていくということになると、今の一万四千円前後というのがそんなにまた七千円や六千円になるはずはないんです、これはない。
 でありますから、そこで例えば、重ねてこのことをお聞きをしたいんですが、さらに関西空港に出資を、今言われた金をプラスアルファということを考えないのかどうかということ、これが一つ。
 それから、六十二年度、補正はやったばっかりですが、万が一、まだこれからありますから、補正があるときに、その際にさらに運輸関連事業に出すというのも一つの手ではないか。
 それから六十三年度予算、これから組み立てますね。その場合においても運輸関連事業にこの売却益を回すと、こういうようなことについても私はお考えになってしかるべきではないだろうかと思います。
 今申し上げたように、関西空港の出資にプラスアルファをこの際出すとか、もしくは万が一補正があるという場合に、今申し上げたような運輸関連の重要な事業にその金額を回すとか、さらに六十三年度、もう既に各省概算要求出ていますが、この十二月までに決定をされるわけですね、大蔵省として。その際にもこの金額というものが運輸関連事業に充てられると、こういうことについての配慮を、というのは、率直に言って、大蔵省よく聞いておってもらいたいんですが、この考えは与野党皆一致しているんですよ、与野党みんな一致しているんですから。この前出てきておった大蔵省のお役人だけが一人抵抗して帰ったわけですから。
 ですから、私は決して無理なことを言っているわけじゃなくて、関西空港に出資をこの際ふやすとか、さらにこれから予算編成のときに、この売却益というものが運輸関連事業に使われるということは非常にいいことだと思いますから、この今言った点について大蔵省の考えと、さらに運輸大臣の考えをお聞きします。
#77
○政府委員(斎藤次郎君) あるいは私の言葉が舌足らずであったかもしれませんけれども、私どもは空港整備事業の重要性という認識については、十分にその必要性を認識しているつもりでございます。関西空港だけが特に重要と申し上げたわけではなくて、今年度の当初予算におきまして空港整備事業につきましては、ほかの公共事業関連に比べまして飛躍的に実は増加をしておるわけでございます。これは関西空港のみならず、羽田の沖合展開、成田の二期工事等も、それぞれ運輸省と調整をいたしまして、実は目いっぱいに予算を計上しているつもりであるわけでございます。
 産投特会から関西空港に出資をしましたのは、関西空港は株式会社組織として運営されておって産投特会の出資になじむという性格から産投特会の支出に計上したわけでございまして、その他の経費につきましては、空整特会ないしは一般会計というところで私どもとしては精いっぱいの配慮をしたつもりでおるわけでございます。
 なお、今後の問題でございますけれども、来年度の予算編成につきましては、これは実はきのうからヒアリングを開始し始めた段階でございます。
 私どもは、運輸省の予算要求をよくお聞きして、運輸省ともよく相談をしながら、空港整備事業の重要性にかんがみて十分な配慮をしていきたいというぐあいには考えておるわけでございます。ただし、これは来年度予算編成の話でございます。
 それから今年度の補正につきましては、先般、緊急経済対策に沿いまして公共事業の増額をいたしました。その際にも、運輸省、運輸大臣ともよく御相談をいたしましてそれぞれ所要の額を計上しておるわけでございます。したがいまして、補正予算というのは財政法上、予算作成後の事由に基づき特に緊要となった経費ということになっておりますものですから、今後二次補正の際に計上するかどうかという問題は、その時点で緊要となったかどうかという判断に基づいてやるということになるので、その場合に私どもとしては、日航株の売却収入は産投特会の剰余金になりますので、原則としてそれは一般会計で使用することになると思いますけれども、それとは別に、運輸省関係の事業あるいはその他の関連の予算につきまして、その重要性は十分認識してこれから検討を進めていきたい、そういうのが基本的スタンスであるわけでございます。
 したがいまして、運輸省関係の事業が必要でないとか、そのために日航株を使うとかいうわけではございませんで、一般会計の歳入として受けながら歳出の方については別途検討していくというのが財政の筋道ではないかと、そういうぐあいに考えておるわけでございます。
#78
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今財政当局としてのお話があったわけでありますけれども、運輸省は来年度の概算要求として約八千三百億円弱の要求を八月三十一日に大蔵省に提出をしたわけであります。一般会計の財源が膨らむならば、その中で運輸関係にも当然私は手厚い査定がされるものと期待をいたしておりますし、殊に財源協力をしている功績は主計局は当然おなかの中では認めていただいておると、そこに期待をいたしております。
#79
○安恒良一君 では、この問題はこの程度にとどめておきますが、どうぞ主計局次長、それから運輸大臣も、本委員会が望んでいることということについては十分御理解をいただいたものだと思います。みんながそういうことを考えている。日航株が当初よりも約倍額で売れた場合に、それをできるだけ運輸関連事業に使ってほしい、こういうことでございますから。今お聞きしていますと、受け入れはとにかく一般会計に受け入れるが使用のときにはある程度配慮をしなきゃならぬだろうということが言外ににじみ出ておったように私は思います。ですから、そういう要望を強くしておきます。
 次は、運賃問題について聞きます。
 私はまず、国際運賃の円高といいますか、為替レートの変更に伴う方向別の是正についてでありますが、これも同僚委員からいろいろ聞かれました。航空局長は同僚委員の答弁で、やむを得ないと、大変難しいことだということでやや手放し的な答弁でありますが、なかなか航空局長の答弁で国民は納得をしないのであります。ですから、何らかの方向でこれはやっぱり是正をするという姿勢をこの際はっきり示してもらいたいと思うんでありますが、まず、今までも各同僚委員からいろいろこの問題についての矛盾点が指摘をされたんでありますから、私は殊さらに中身をさらに掘り下げようと思いませんが、今までの答弁ではちょっといただけません。
 例えば一つの例を挙げますと、十月には日欧線で個人客の割引料金を設定すると、こういうことを答弁されました。これでできれば勘弁してほしいと、こういうことですが、私はなかなかこれで勘弁するわけにはいかないわけであります。
 また、こういうことも言われましたですね。円安の際は日本発が安いときもあったと。だから円高のときはと、こういうことだと思いますが、私は本当に、円安のときにどれだけ、幾ら還元されたかと、だから円高のときになったらどれだけ還元しなきゃならぬかときちんとした計算を、私は円高、円安を言われるなら国民に示してもらわなければならないと思う。
 ですから、結局IATAがありますから、どうしても国際運賃ですからIATAとの協議が必要だということでありますが、私は日本が主導権をとって為替の変動に伴う自由な調整幅を設ける、こういうようなことを早急にやはりIATAとの間に協議をしてやるというのも一つの方向ではないかと思うんです。そうでないと、結局、今同僚委員からもいろいろありましたように、この輸入航空券、もしくは韓国や香港から経由で日本を再経由していくという安い航空運賃の手入れというのがどんどん続くわけですね。そうしますと、日航自体の経営にも今のままほっておけば私は重大な影響を与えると思うんです。ですから、これだけ、例えば既に円は一ドル百四十円、その今防戦に一生懸命なんですから、そうすると、当分こういう状態が続くということになると、今までの答弁ではこれで運賃問題が片づいたなんということには私はならぬ。
 だから、少なくとも私の提起としては、どうしても国際協議が必要とあるならば、積極的にこちら側から為替変動に伴う自由な調整幅というものを各国が認め合って、その幅に従って日本当発のものについて下げるというのも私は一つの重要なやり方じゃないかと思いますから、私から具体案を提起しますから、それを踏まえてひとつお考えを聞かしてください。
#80
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもは今まで努力を御説明してきたわけでありまして、将来ともにこのままでいいと考えておるわけではございません。ただ、委員がよく御承知のことでありますけれども、国際航空運賃というものが発着に係る両国政府の認可というものを発効条件にしておりますために、相手国の政府の考え方、また、その前提として各国の航空企業間の協議というものが必要であり、方向別格差の縮小措置につきましてもIATAの場における調整が必要になっておるということはこれはもう御承知いただいているとおりです。
 私ども運輸省として今後とも長期にわたって相当の格差を生じるような場合には、当然我が国の航空企業の経営状態も勘案しながら日本航空を指導し、IATAの運賃会議でできるだけ方向別格差を是正していく努力をしてまいりたいと考えております。
 現在IATAにおきましても、近年の激しい為替変動に対応いたしまして特別通貨会議というものを設けてその通貨制度の見直しを行っているわけでありますが、その中で発地国通貨建てを前提にして一定の為替変動が生じた場合にこれに対応した運賃水準の見直しを適宜行うということが検討されておりまして、日本航空もこれを支持しておられるようであります。
 委員が御指摘になりましたような方向、また今申し上げましたようなIATAにおける現実の検討の方向、こうしたものを踏まえながら運輸省としても努力をしてまいりたいと考えておるところであります。
#81
○安恒良一君 私は、どうもこういう問題の取り組みに対して運輸省の取り組みが、後からもいろんな問題を指摘しますが、非常に遅いと思うんですね。ですから、私は今私が提起したこと、それから運輸大臣が御答弁されたこと、中身にはそんな食い違いないんですよ。
 そこで、今検討中とか、これからということじゃなくて、日本としてやはり早急にその問題の結論を得るように具体的な提起をしてもらいたいと思うんです。でないと、非常に国際運賃については国民は不信を持っていますね。
 例えば輸入航空運賃は窓口でチェックするといっても、一つの例を挙げますと、ソウル−東京をこう破っちゃって出すと窓口ではチェックできないんです。じゃ、その次のチェックは何かといったらパスポートなんです。ところが、そんなこと成田空港でできるような暇ないんですよ、パスポートも全部見て、破っているか破っていないか。そうすると輸入航空運賃でどんどんこれ行くわけですね。
 それから、これは国内のやつについでも後で聞こうと思っているんですが、率直なことを言うと、私たちの議員会館に注文とりに来るんですよ。それで、何の注文をとりに来たかというと、東京−福岡安いあれはどうですかとか、東京−北海道と、堂々とあなた今議員会館の中注文とって回るんですからね。私はそんなもの買ったことありませんよ、買ったことありませんけれども、僕は聞いてびっくりしたんですから。こうノックして入ってきて御用はと言うから、僕は秘書にあれだれだと聞いたら、航空券の方向別によって、議員会館の中を注文とって回るというそんな状態が国内線でもあるわけですからね。ましてや国際線の場合には、大臣、今私が言ったように輸入航空券というのがどんどん来ている。それはもう今言ったやり方で、そこの面破れば何もソウルまで飛ばなくていいんですよ。東京から乗って破って捨ててしまっちゃっているんだ。そうすると、とっても私は成田で窓口でチェックというのはできないと思う。ですから、この点は早急にこれだけ為替レートの変動があるわけですからこれはぜひ取り組んでいただきたいということ、取り組みについて大臣お約束してください。
#82
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今議員会館と言われましたが、実は私は六本木に住んでおりますが、先日自宅に訪問を受けまして、私の仕事を御存じでしょうかと申し上げて、お引き取りをいただいた経験を持っております。
 しかし、そういう状態が本当に望ましいものでないことは間違いありません。今、委員からもさまざまな御指摘をいただきましたが、私どもとしても最善の努力を尽くしてまいりたい。また、IATAの場において日本航空にも努力をしてもらいたい、そのように指導をしてまいりたいと思います。
#83
○安恒良一君 それから、次は国内運賃問題ですが、これはIATAとは関係ありませんから大臣がおやりになればすぐできることですから、これもいろんな委員から質問が出ています。これはもう既に予算委員会から始まったわけですからね。我が党の議員が予算委員会でやりましたし、本委員会の中においても野党の議員の皆さんが全部やられました。それは一つは北海道の割高運賃ですね。また、コモンレートですね。海外へ出るときの北海道−東京間の問題、これずっとお聞きしておりましたら、運輸省としては航空運賃問題懇談会の結論を得てやるということの答弁のようだったと思いますね。今相談をしていますと。しかし、これなんかもずっと聞きますと、そんなに航空運賃問題懇談会で議論をしなきゃならぬことじゃないんじゃないかと思うんですよね。ですから、私は、懇談会の結論が出ないとできないということじゃなくて、例えばもう北海道の分については切り離して、できれば今年度内ぐらいには実施する、こういう答弁ぐらいはきょうはもうしていただいてもいいのではないかと。でないと、何かこう問題を投げかけますと、何々審議会に諮っております、何々審議会に諮っておりますと、そこの結論を得てからとこうおっしゃいますけれども、この北海道の割高運賃とかコモンレートの問題なんというのはそんな審議会のお偉い先生方の御英知をお聞きしなけりゃできないような問題じゃないんですよ、これは。やる気になれば、運輸大臣がその気になれば直ちに私はできることですから、まあこれもあしたからなどということを私は言っているわけでないんでありますが、少なくとも今年度内に北海道だけでも切り離してこれは是正をする、こういうことで運輸大臣どうですか。やっぱり仕事をやる内閣の運輸大臣ですから、どうぞひとつ。
#84
○国務大臣(橋本龍太郎君) 航空運賃問題懇談会で現在検討していただいておる事実はこれはそのとおりなんです。そして、この秋の間にその結論をお出しをいただくということもこれは事実のことでありまして、せっかくお願いを申し上げ、そこの作業を無視してやるわけにもこれはいきません。
 また、委員お話しになりましたが、コモンレートの方は私は確かに地域の気持ちとしてよくわかるんですが、目的地への運航経路の問題とか、あるいは当該空港発着国際線のその規模の問題であるとか、また国際的な調整を必要とすることでありますからすぐにどうこうというお答えを日本だけで出すことのできる問題でないことは御承知のとおりです。
 ただ、南北格差は大変しはっちゅうしかられて、私ももういいかげんしかられくたびれましたので、年度内ぐらいの話なら私は申し上げても作業は間に合うと思いますけれども、できれば年内も含めて検討をさせていただきたいと思います。
#85
○安恒良一君 この点は予算委員会のときには総理も大分格好いい答弁されたわけですよね。一国の総理が格好いい答弁された。ですから、コモンレートの問題は諸外国との調整があるが、南北格差だけは、予算委員会のあのときの総理の答弁聞いておったらすぐでもやらせるような話をされて、あなたが慌てて後を引き取って、今懇談会でと、こうやられたんですけれども、もう総理がやっぱり言ってしまったことですからね、あれは、あそこで、率直なことを言って。ですから、少なくとも南北格差の問題についてはぜひともひとつ今大臣が答弁されたように、ひとつできればことしですな、ことしというのは十二月、それができなくても今年度内には必ずやると、こういうことで是正をしていただきたいということでよろしゅうございますね。それじゃ、コモンレートのところちょっと外しましたから、いいですね。
#86
○国務大臣(橋本龍太郎君) 年度内には必ずいたします。できるだけ早くやりたいと思います。
#87
○安恒良一君 それでは、今のところは、年度内と言いますが、ひとつぜひとも年内に。というのは、心配しているのは、これまた内閣改造になっちゃうからね、内閣改造。総裁選挙が終わって改造になっちゃうんだから、よほどそこのところきちっとしておかないと大変な心配もありますものですから。運輸大臣が御留任されればそれはもう一番あれなんですが。
#88
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私の首がなくなっても運輸省はちゃんとありますから。
#89
○安恒良一君 次に、安全対策についてお聞きをしたいんです。
 これもきょうも穐山同僚委員から、それからずっと各委員の御質問もあるんですが、私はどうも聞いていると精神条項的な答弁が多いんですね。大臣も山地社長も、経営の効率化を行っても安全には心配がない、政府の監督は安全面についてきちんとやる、こういうことを盛んに御答弁になっているんですね。しかし、どうもそのお二人のその言葉だけではちょっと私この安全問題というのをああそうですかとなかなか言えないんです。それは言われているお言葉が悪いと言っているわけじゃないんですよ。しかし、それで安全の担保ができるかなという心配が実はある。
 そこで、少し安全の担保問題について聞いてみたいんですが、実は田渕委員からこういうことをお聞きをしました。四十六年、五十年、五十五年、五十九年、その都度に日航が経営強化策とか合理化対策を出されましたね。ところがその翌年もしくは翌々年に大きい事故が起こっています。例えば四十六年の減量化策の後、四十七年には羽田、ニューデリー、ソウル、ボンベイ、モスコー、連続事故が起きたわけでしょう。それから五十年の合理化の後、五十五年、五十九年について、時間がありませんから、田渕さんが質問されたことにダブりますから中身は省略しますが、ずっと事故が起きていることは事実です。
 そこでお聞きをしたいんですが、今までおたくがやられた合理化とその後に起きた事故、もしくは経営強化策とその後に起きた事故、それを。四十七年に起きた事故についてはその次のいわゆる政策の中にどう具体的に取り入れられたのか。
 ですから、経営強化をやった年、そして事故が起きた。今度はその事故が起きた後にまた経営合理化をいろいろやられていますが、その事故の教訓を一つ一つ具体的にどういうふうに生かしたのか、その点をひとつ日本航空側から説明をしてもらいたいし、非常に長い説明になるなら、資料があるなら資料を出してもらいたい。こういう事故が起きた後、点検してこういうふうにやりました、この事故についてはこのように日航の中身を直していきました、こういうふうにしていただかぬと、おとといのような御答弁だけでは納得はできません。
#90
○参考人(山地進君) いろいろ事故がございますので、事故と事故後の対策について申し上げますと、ニューデリー事故、四十七年六月でございますが、この原因は、滑走路を視認すること、あらゆる計器指示の確認等、所定の手順が無視されたというような事件でございますが、その対策といたしましては、規定類に定められた手順、基本操作の厳守について徹底を図りました。全社的には、総合安全本部会を設置して、安全推進活動の強化を図ったわけでございます。
 それから四十七年、同じ年でございますが、モスクワ事故がございました。飛行中誤ってスポイラーを出したか、エンジンの防水装置のスイッチの入れ忘れによる凍結に起因し、臨界迎角以上となって失速した事故でございます。運航乗員の採用及び訓練の見直し、昇格移行等の資格基準の見直しを行うとともに、機種別運航乗員室への分割を行い、日常管理の徹底を図りました。
 それから五十二年、アンカレッジの事故でございますが、アルコールの影響を受けていた操縦士の操作に起因して機体への着氷によりさらに悪影響を受けて失速いたしました。乗務規律の確立を図り、心身状況の乗員相互間の確認の義務づけ、アルコール感知器の配備等、再発防止を図りました。全部申しますと長いんでございますが……。
#91
○安恒良一君 それじゃ、これ全部やっておったらとても、それだけしゃべられたら時間とられてしまいますから、私が宿題出しておきますから、後で資料ください。いいですか。
#92
○参考人(山地進君) はい。
#93
○安恒良一君 四十六年の減量化政策後、四十七年に事故が起きています。その起きた事故を次の五十年の合理化策を決めるときに具体的にどう生かしたのかということですね。そういうふうに年次別に追ってひとつ資料を整理したやつを出してください。でないと、ここでその資料をベラベラ読み上げられても困ります。それが一つ。
 それから答弁についてきのう私が注文しておきましたが、社長が何でもかんでも答弁する必要はないんです。なぜかと言うと、あなたよりも詳しい常務がそこにずらっとおるわけですから、あなたがそれで一人で答弁しても答弁が抽象的になるから、きのう質問取りには言っておきました。全部担当常務なり担当の部長が説明して、それを受けて社長が後から答弁してください。あなたは運輸官僚ですから、つらつらとする答弁はうまいんですよ。それは困るんです。安全問題というのは、国会の前やった経験を生かしてたらたらとやって逃れようと思っても逃れられない。それがために常務をたくさん連れてきているんだから、それぞれ担当常務が自分の担当部門についてはこれからの僕の質問に答えてもらうことをひとつ。きのうも申し上げておったんですが、依然としてあなたがやられますから、ここで申し上げたわけです。それじゃ、その資料は出していただくということを約束していただきましたから、これは後で資料を検討したいと思います。次に参ります。
 そこで、整備員の問題ですね、あれだけの大きな日航ジャンボ機の事故を起こしましたから、そこで完全民営化後整備体制はどうなるのか、担保になるような具体的な対策、数字。例えば外国のエアフランス、ルフトハンザ、それの整備員の数は田渕委員が聞きました。それと日航の関係ももう既に答弁していただいています、数について。これは承知しています。ですから、あれだけの大事故を起こして、そして今度完全民営化になる、その場合の具体的な担保になる政策、それから整備員の数字、こういう点について説明してください。
#94
○参考人(十時覚君) 整備員の人員計画でございますが、御承知のように、事故以前四年間ばかり整備要員についての採用を中止しておりましたけれども、事故後、整備要員の採用の再開をいたしまして、六十二年度につきましては百二十九名の採用を行っております。そのほか、国鉄それから石播、新日鉄などから出向者をいただきまして、整備員の充実を図っております。なお、六十三年度につきましても約百三十名の採用を予定しておりますし、それ以降につきましては百名前後の採用を継続的に行うことになっております。
#95
○安恒良一君 それでは、整備員の増強の年次別室言われましたから、それを必ず守ってひとつ整備に万全を期してもらいたい、このことを申し上げておきます。
 それから、次は運輸省に聞きますが、運輸省のおとといの答弁を聞いても、これも不満でございます。
 そこで、運輸省も各事故が起こった後、具体的に一つ一つの事故についてこういう指導をした、その指導されたことが具体的にどう実行されたかと、こういうことを恐らく検証されていると思いますね。ですから、これもずらずらずらっと読み上げられたら時間がたまりません。たまりませんから、後からで結構ですから、各事故に対して運輸省としては事故を起こしたところにこういう指導をしている、それを受け入れて、日航なら日航は、とことこ会社はどこどこ会社は、このようにいわゆるその後直ったものは直ったとか、増員したものは増員したとか、そういう運輸省としての指導、それと具体的な中身について後で資料をいただきたい。
 そこで、きょうは、ここは一昨年のジャンボ機墜落後の今回のこの中期計画における運輸省の具体的事故再発防止についてどういう指導をしたのか。
 また、いわゆるジャンボ機墜落の当時の運輸省としての責任のとり方、どういうものがあったのか。
 というのは、これは御承知のように、通産省が石炭鉱業関係、地下産業の指導、監督をしておりますね。そういたしますと、大きい炭鉱爆発事故が起こりますと、当時ずっと私の知っている限りにおいて、局長が責任をとるという体制が通産省では続いたんです、石炭の場合ですね。大きい山の爆発事故、死傷者なんか出たときに通産省の局長は責任をとる、こういうことがよく続いておりました。そういうようなことから考えますと、あのジャンボ機墜落後、日航は日航としての責任のとり方があるし、運輸省は運輸省としての私は責任のとり方というのをきちっとしておかなきゃいかぬと思いますが、この点についてどういうふうにされたのか。
 さらに、整備の組織改善、増強についてですね、具体的な指導、指示をされたと聞いておりますが、それは具体的中身はどんなものであったのかどうか、そしてそういうものについては完全民営化後においてもきちっと日航にやらせるという、こういう担保、そういうものがあるんだろうかどうだろうか、この点について。最初の方は資料要求であります。そして、後半の質問は具体的に今ここで答えてください。
#96
○政府委員(中村資朗君) まず全般的に、日本航空の事故後の事故防止策、どんなことをやったかという御質問がございましたので、この点を私の方からお答えをしたいと思います。
 運輸省といたしましては、事故原因、まず第一番といたしまして、ボーイング747型機につきまして一斉点検の指示をしたわけでございます。さらに二番目といたしまして、日本航空に対しまして業務改善勧告をしております。それから三番目といたしまして、後部圧力隔壁が破壊をしても垂直尾翼等が破壊をしないよう、尾翼構造の設計改善を指示しております。それから四番目といたしまして、尾部の構造の損壊による油圧系統機能喪失、これの防止等を内容といたします指示をいたしております。
 こういうことで所要の安全対策を講じたところでございますけれども、また日本航空の事故にかかわる航空事故調査委員会の報告書が公表されましたので、あわせてこの報告書に出されました勧告等につきましても、その施策を一応、当面とったわけでございまして、そのまず第一番は航空機の大規模な構造修理を当該航空機の製造工場以外の場所で実施をいたします場合の管理体制に係る指針を定める等の所要の措置を講じたところでございます。
 さらに、日本航空側としましては、事故後、こういうような指示を受けまして、耐空性改善命令、改善通報でございますけれども、これを受けて必要な改修その他を行ったわけでございます。
 さらに、構造の総点検の結果、おとといも話が出ておりましたけれども、機材に一部整備要目の追加が必要になるというようなことも出てまいりましたので、そういうことも行ったわけでございます。さらに、過去に大規模な修理を行った機材に対しまする長期監視プログラムの設定なども行われたわけでございます。
 それから、先ほど社長からお話がありました組織関係といたしまして、米州の技術品質保証部の設置あるいは整備要員の増員、機付整備士制度の導入などの安全体制の強化が図られたわけでございます。
#97
○安恒良一君 肝心のこと答えてないんじゃないの。運輸省としての責任のとり方はどうしたんですかと聞いている。
#98
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今古い速記録を事務方からもらいましたところ、六十年の九月の時点での参議院の御審議で、安恒委員から同様趣旨の御質問が当時の山下運輸大臣に対して行われておることを知りました。
 私どもといたしますと、やはりこの事故が起こりました場合、その修理作業――その原因を調べなければなりません。そして、今回の事故におきましても、その修理作業というものが原因となった。そして、その修理作業の実施者、修理作業の委託者及び国の三者の検査が行われたわけであります。そして、その検査の果たすべき役割はおのおのの立場によって異なっておるわけでありまして、運輸省として申し上げるなら、航空法に基づく国の検査としてはそれなりの検査をいたしたと思います。
 しかし、その三者の検査の結果として作業ミスが発見されず、七年半の時間を経てあれだけ大きな事故が発生をしたという事実はだれも否定ができません。そして、航空の安全を図るべき責任の重大さというものを痛感をいたしております。
 運輸省の行政上の責任としては、航空安全を監督する立場から、事故の再発防止に最大限の努力をすることであると考えておりまして、日本航空に対し業務改善勧告を行う、また整備体制の充実強化を指導し、またボーイング社に対しましても修理ミス再発防止のための対策を求めてまいりました。
 さらに国自身といたしましても、航空機整備の審査体制を強化するために、昭和六十一年度から整備審査官を設置をし、強化に努めてきておるところでありまして、今後とも同種事故の再発防止に努めて、安全確保に全力を尽くすことが我々の責任を果たすべき道であると考えております。
 また同時に、事故に係る刑事責任の問題がございます。これにつきましては、現在群馬県警の手によって捜査が行われておるわけでありまして、運輸省としてこの捜査に対して県警の求めに応じて協力を続けておるところでありまして、これ自体についての意見は差し控えたいと存じますが、こうした行動の中において我々の責任を果たしてまいりたいと、そのように考えております。
#99
○安恒良一君 この問題はこれ以上言ってもあれだと思いますが、私はやはり、日本的な責任のとり方という意見もありますけれども、例えば炭鉱なら炭鉱における大爆発が起こったときに、もちろん炭鉱の経営者が責任をとることは当たり前だ。しかし、保安監督官庁である通産省がやはり責任をとるということで、過去において通産省の石炭関係の局長というのは、爆発が起これば責任とらなきゃならぬということで夜も眠れないという日が続いたことはよく起こるわけですから、しかも日航ジャンボであれだけの人が亡くなったんですからね。それは指導をされることは当然のことなんです。
 しかし私は、運輸省なら運輸省の航空局長なら航空局長は、やはり責任をとるということは私は必要なことだと思います。必要なことだと思う。そのことによって、事故をさらに起こさせないようなけじめをつけていくというやり方については、私は考えられてしかるべきだと思う。今運輸大臣がおっしゃったように、再び起こらないようなための指導をすること、これはもう当然のことで必要ですが、あれだけの大事故が起きたというときにおいて、私はそういうような点について、まあこれは前運輸大臣のときのことですから、今のあなたを責めているわけじゃないんですが、私は、今後再びこんなことがあってはいけないと思いますよ、こんな大きい事故は起こってはいけないと思いますが、やはり責任のとり方として、監督官庁である運輸省の責任のとり方ということについては、私は私の考えをこの際きちっと申し上げておきますから、このことについては答弁は要りません。
 要りませんが、私は、そういう大事故を起こした場合に、監督の立場にある局長なら局長、そういう者がやはり責任をとる、こういうことをけじめをつけていくということは、私はそのこと自体も事故の再発防止に非常にお互いが緊張をし、再発防止にもなると思いますから、このことは意見として明確に私は申し上げておきます。
 そこで、同じく次の問題にいきますが、航空管制官が御承知のように今後非常に増員の要望が出てきますね。これはトリプル化その他で出てきます。ですから便数がふえればふえるほど私は管制官が足らなくなるんじゃないかと。ですから、具体的にお聞きいたしますが、今後の増便計画等の中から、六十五年度までに不足する管制官の数はどのくらいと見てますか。
#100
○説明員(井上春夫君) 現在、航空管制官の定員は千四百九十三名でございます。先生御指摘のとおり、今後三大プロジェクト等々整備されてまいりまして交通がふえてまいりますと、航空交通管制官、それなりの増強が必要だと思います。具体的には昭和六十五年度まで、六十三年、六十四年、六十五年、三年度あるわけでございますけれども、約六十名程度の増員が必要ではないか。さらにその間に退職をしていかれる方もおられますし、あるいは一般の事務職に職種がえをする人もおるわけでございますので、そういう者の補充まで含めて考えますと、年間三十五ないし四十名程度の採用を毎年続けていかないといけないんじゃないか、こんなふうに考えております。
#101
○安恒良一君 私は国家公務員の定員のあることも知ってますが、増便による管制官というのは、これはもう非常に安全にかかる問題ですから、どうぞ大臣この点は今答弁されましたが、積極的な管制官の増員については御努力を願いたいと思います。
 それからいま一つは、管制官の中高年齢化、これにどう対応するかということも一つの問題だと思います。すなわち若手管制官の採用、それから例えばコンピューター化等々、中高年の管制官のいわゆる再教育の問題等々、でありますから、これはよほど計画的にやらないとそう簡単に素人がすぐなれるわけじゃないわけですから、しかもだんだん航空業界というのは日進月歩なんですから、そういう面でございますので、これらの面について具体的にどうされようとしているのか。でないと民営化はなったわ、増便はどんどん言ってくるわ、しかしこの面だけが今申し上げたようなことでおくれているということではこれはいけないわけでございますから、こういう点について今申し上げた管制官の中高年齢化の問題、さらにコンピューター化等々早急なやはり対応整備の問題、しかもこれにはある一定の習得をするための年限が必要だと、こんなことを考えますと、以上の点についてひとつ大臣のお考えを聞かしてください。
#102
○国務大臣(橋本龍太郎君) 事務的に補足をする部分は後で事務方の諸君からつけ加えてもらいたいと思いますが、私は大変いい問題を提起をしていただいたと思います。
 実はこれは私自身手抜かりでありましたけれども、管制官の年齢構成の状況を余り十分存じませんでした。そして調べ直してみまして、ある一定の年齢のところに非常に管制官の構成が偏っている。そのために、全体の定員需要の中で新規の採用にさまざまな影響を来しておるという状況も知りました。
 調べてみますと、雫石の事故の後大量に管制官を採用し、その後の定員計画の中で大変現場は苦労しておるようであります。また、その定員の問題だけではなく、専門職としての給与体系の問題あるいは格付の問題等々待遇に関する部分も調整手当等々を含めて各種の問題があるようであります。
 一方、毎年の人事院勧告の中で、このごろのベースアップの比較的低い中で、基本給にウエートのかかった人事院勧告の行われているケースが大変ふえておるわけであります。そうした中でこうした特殊な勤務体系に対する手当類等の改定が、人事院としてもその必要性は感じておられると思いますけれども、現実の問題として延び延びになってきているという事実も改めて知りました。これは事務方の諸君としては大変苦労をしながら折衝を重ねておるようでありますけれども、具体的な結論を得るに至っておらないようであります。
 今後こうした点を私どもとしても気をつけながらバックアップすることを考えてまいりたい。
 委員御承知のように、厚生省関係で医療職その他については厚生大臣と人事院総裁の会談を今までも設定してまいりましたが、こうしたこともこの航空局の抱える諸般の問題を考えますとあるいは必要かと考えておりまして、次年度に向けての対応を目下協議をいたしております。
#103
○説明員(井上春夫君) 管制官の年齢構成でございますが、三十五歳から三十九歳、それから四十歳から四十四歳、この辺に大変多くの人数が集中しております。三十代の後半は全管制官の中で三三・三%、実に三分の一が三十歳代の後半にかかっております。だんだん高齢化してまいりますので、こういう人たちが定年間際まで管制業務につけるかということになりますと、これはやはり問題があると、その辺の対策を真剣に考えていかないといけないということで、現在いろいろな調査をしておりまして具体案を模索しておるところでございます。
 一つの方向といたしましては、航空交通の流れを全体をコントロールするためにフローコントロールセンター、システムセンターというようなものを考えておりまして、そういうところでは全体のコントロールをすればよろしいわけでございますので、瞬間瞬間の判断をする必要がないわけでございまして、高齢の管制官でもベテランの管制官であれば対応できる、またベテランの管制官でないと対応できない、こういう職種が安全確保の上からもふえてまいりまして、またタワーとかあるいはレーダールームの中で実際にレーダー管制、あるいはタワー管制をやっておる管制官も後ろにおりまして全体を調整するというような立場の管制官の充実もやっていかなきゃいけない。そういうポストをだんだんふやしていくというようなことが一つの方向だと思います。
 また一方では高齢の人でも管制できるような手だてをやはり工夫していく必要があろうかと思っております。管制をしやすいような手だて、それから同じ管制塔でも大変混雑をしている空港の管制塔とそれほどでもない地方の管制塔では業務量に大きな差がございますので、地方の込んでない空港の管制塔では高齢の管制官でも十分やっていけると、こういう点もあろうかと思いますが、そういう点での人員配置、人事管理の工夫もしていきたい、こんないろいろな手だてを考えまして、何とかこの特定の年齢層に集中しておる状況に対応していきたい、こんなふうに考えております。
#104
○安恒良一君 管制官の養成には空港管制官で三年から五年かかると、航空路管制官では五年以上の経験が必要だと言われておりますね。ですから、すぐ採用すれば即その戦力になるわけではないわけですね。一方、今、年齢構成を答えていただきますと、だんだん管制官自体が中高年齢化している。そうすると、今までだったら、管制官のOBは四十歳代の後半になりますと、空港長を初めとする事務部門に転出をされておったわけですね。ところが、そうばっかりこれからはなかなかいかない状況にもなります。そこで、私はやっぱりいわゆる中高年管制官の再訓練ということですね、これはどうしても必要なことだろう。いわゆるコンピューター化それからエレクトロニクス化、これがありますね。
 それと同時に、大臣の言われた待遇問題も、真の意味の行政改革というのは、そういう特別職、専門職に対してはそれにふさわしい賃金、待遇を与えるというのが私は真の意味のいわゆる合理化だと思いますから、そういうことについても、大臣は厚生大臣もされ、いろいろ医療職のことや看護職のことは十分御承知でありますから、幸い、今度は運輸省の中でこういう非常に専門職で、しかも人命に直接かかわる専門職ですから、こういうことの専門職としてのやっぱり待遇改善などについても、ぜひとも積極的努力と、それと同時に、今申し上げたように、早急にこれは計画的にやっていただかないと間に合わない問題だと思いますが、そういう点について最終的に大臣ひとつ考え方を聞かしてください。
#105
○国務大臣(橋本龍太郎君) まさに私自身が手抜かっておりましたということを正直に申し上げましたとおりでありまして、むしろこの一定の年齢層に偏っております方々がちょうど退職をされる、現役を離れる時期を考えますと、早い時期から計画的に増員を図っていかなければなりませんし、今御指摘のような問題点がございます。私どもこれから本当に努力をしてまいりたい、このように思います。
#106
○安恒良一君 それでは次は、これまた同僚の田渕委員から質問が出ておりました日本航空の六十二年から六十五年度の中期計画について少しお聞きをしたいと思います。
 まずお聞きをしたいことの第一は、地上職員を九百人削減をする、それからダッシュ400の二人乗務は中期計画の計数に織り込み済みというふうに理解をしていいのでしょうか、その点について答えてください。
#107
○参考人(長岡聰夫君) お答え申し上げます。
 中期計画を策定し、なおかつこれを発表いたしました時点におきましては、地上職九百人の削減ということはあわせて発表いたしておりませんけれども、前提的には組み込まれております。
 それから、二つ目のダッシュ400の問題でございますけれども、これは中期計画の中では前提としてはおりません。
#108
○安恒良一君 してない、はい、わかりました。
 それでは、二人乗りの問題はまだ織り込んでないということだと思いますね。それは私もそうだろうと思う。なぜかというと、ずっと各同僚委員が聞きましたら、なかなか意見がまとまらぬから両論併記だ、こういうことが言われていますから。
 そうしますと、経営陣としては、これは当分の間、やはり二人乗務は採用しない、こういうことでいいでしょうか。その点はっきりさしてください。
#109
○参考人(長岡聰夫君) お答え申し上げます。
 六十二−六十五年にわたります四年間の中期計画におきましてダッシュ400を前提としなかったということの理由は、一つは機材関係の発注の問題がございます。実は製造業者との間のいわば注文のリードタイムがございまして、この計画をつくりますときには六十三年度までの導入機材の型式が決まっていればいいということがまずあったわけでございます。したがいまして、六十四年以降のものについてはまだ決める必要がないという理由が一つでございます。それからもう一つは、今先生が御指摘になられましたように、社内ではダッシュ400の導入の可否につきましては、最終的に評価する段階に至っておりませんでした。そういうことで中期計画に入っておりません。
 ただし、この中期計画と申し上げますのは、私ども社内のそれぞれ四、五年先を見通しましたときの私どもを取り囲むいわば企業環境、こういうものの変化を一つの想定として置きまして、そういう中で一体何をやっていったらいいかという私どもの企業戦略を目標として立てていくというのが本来の目的でございます。
 毎年毎年一年ごとにローリングプランという形でこれを見直しをいたします。したがいまして、先生が今おっしゃいましたように、逆に申し上げますと、六十二年度から六十五年度の間にダッシュ400を導入することはしないという決定をしておるわけでもございません。
#110
○安恒良一君 それなら、しないということを決定しているわけでないというなら、それなら、私たちの手元には審議の対象として六十二年から六十五年度の中期計画があるわけですよね。これには、今聞いた限りにおいては、二人乗りは織り込んでないということですが、どうもあなたの意見を聞いていると、途中から採用することがあるようにも聞こえますからね。それなら、二人乗務を織り込んだ中期計画を出してみてください。出してください、それなら。私はこれしかありませんから。あなたの意見で言うと、それは毎年毎年フォローするんだと。だから、場合によったら途中で――私は未来永劫の話をしているわけじゃないんだから、六十二年から六十五年の話をしている。その中でも、あなたは場合によったらあり得るということなら、そのことによって中期計画は違ってくるはずだから、その二人乗りを組み込んだ場合の中期計画をここで説明してください。
#111
○参考人(長岡聰夫君) ただいま申し上げましたように、現時点でつくられております中期計画、これは先生お手元の六十二年から六十五年度をカバーする四年間の中期計画でございます。この中には、先ほど申し上げましたように、ダッシュ400の導入ということが当然前提に入っておりませんので、現状ではまさにそれが私どもの中期計画でございます。
#112
○安恒良一君 いや、現状はそれでわかるから、私はこの年度内において二人乗りは採用しませんねと言ったら、いや採用しないとも結論出していない。その裏を返せば採用する場合もあり得るということになる。あり得るということになれば、私たちは日航を完全に民営化するに当たって中心議題の一つは、この中期計画がどうなるかということですから、あなたがおっしゃったように、年度内には、まあ六十五年まではしないんだということであればわかりますが、六十五年の中途においても二人乗務を織り込む場合があり得るということならばその中期計画、二人乗りを織り込んだ中期計画についても説明しておいてもらわないと、もうこの法案が通ったら後は煮て食おうと焼いて食おうとおれたちはどうでもできるんだということじゃ困るわけなんです。そんなことは国会軽視だよ、その発言は。煮て食おうと焼いて食おうとおれたちの勝手じゃないんだよ、それは。
 なぜかというと、航空事業というのは国民の生命に直接関係する非常な公共性の高いことだから、民営化になろうとなるまいと、私たちは問題があればこれをことごとく取り上げて国政の場において議論をしなきゃならぬ。ましてや、長い間これでやってきたのをいよいよ民営化するに当たって、その審議の中の中心の一つの問題として、六十二年から六十五年の中期計画がここの中で、しばしば同僚委員からも取り上げられているから、私はそのことをこの際正確に詰めておく必要があると思って聞いているわけだから、あなたがおっしゃったように、いや場合によればそれは途中においても二人乗務をやることがあり得るというならば、二人乗務をやった場合の中期計画の諸指標はどういうふうに変わるのかということを聞いている。
#113
○参考人(山地進君) 二人乗りのダッシュ400を購入するかどうかということは、この前、この席でも申し上げましたとおり、乗員だけでつくっております乗員編成会議というところで三人も可、二人も可と、こういう両論併記の答申を八月七日にいただきました。
 現在、私ども経営としてこの両方の意見を十分検討して、どういうふうに考えたらいいんだということを結論を出さなきゃならない立場にあるわけです。で、導入の結論を出しますとボーイングにダッシュ価を発注をいたしまして、幾ら発注しましても六十三年度中には入らないわけでございます。
 したがって、導入までの間に組合とその問題についてよく話をして導入後の諸方策を考えなきゃいけない。また導入を決定しましたら、それの乗員の必要数はどれぐらいになるんだと、訓練のためにかなりの乗員が必要でございますから、そういったことを検討いたしまして、新しく六十三年から六十六年の中期計画というものをこの年度内につくって、この年内でございますかな、つくりまして、これをまた社員の方によく理解を求めていく、こういう手順になりますので、せっかくの先生の御要請でございますけれども、今はダッシュ400を前提とした五カ年計画はございません。つくるためには諸手続が要る、こういうことでございますので、御理解を賜りたいと思います。
#114
○安恒良一君 だから、なけりゃないでいいわけですよ。ただ、どうも払お聞きをしていますとね、きょうこういうことで通過した、今は六十二年ですけれども、今度は六十三年度になったら、二人乗りは採用するは、そしてそこでそうなった場合には、この諸指標の中身が相当変わってくるということであるならば、我々は何も十年先に変わるというならまだあるから結構ですが、来年なら来年か再来年についてはまだ大幅にこの計画の中身が変わってくるというのならば、そのことを問いただすというのは当たり前ですからね、私たちは子供の使いじゃないんですから。
 これだけ長時間時間をかけて真剣に論議しているのは、少なくともあなたたちも中期計画というので六十二年から六十五年まで出されているわけですから、その六十五年ぐらいのところまでの展望というのをはっきりしておかなきゃいかぬ。その意味で私は聞いている。
 例えば今あなたの意見の中で、私がどうも聞いていると、やはり六十三年から場合によればそういう結論が出、社内的手続が済んだ場合には、二人乗りを採用することもあり得るということに聞こえるわけです。それならば、この計画というのは、二人乗りを採用した場合は、この諸指標はこういうふうに変わりますということを出すことは何も難しいことじゃないから、出してもらわにゃいかぬ。私は何もそれを奨励しているわけじゃないですよ。私はまだそのことを時期尚早だと、後からこれは労使関係で申し上げますけれども、時期尚早だと思っていますから。
 奨励しているわけじゃないが、どうもあなたたちの言外を聞いていると、六十三年度以降二人乗りの採用があり得るというふうに聞こえるものですから、それならそれで、これは二人乗りがない場合の計画ですね。そこで、二人乗りを採用した場合、この六十三年度以降のこの諸指標はどう変わるんですか、こう聞いているわけです。どう変わるんですかと聞いている。
#115
○参考人(山地進君) 現在、私どもお示ししている五カ年計画のこの諸指標のうち一番変わってまいりますのは、運航維持能力の点だと思います。後の路便計画というところは、一応そこに747型機というものが入っておりますから、それがダッシュ400であるか今使っております国際線の航空機であるかどうかというのはさほど差はございません。したがって、需要に供給がどう追いつくように努力すべきかというような路便計画そのものは、それほど基本的な変更というのはないと思います。
 そこで、かなり抽象的な文言になっております。運航乗務員の応需能力とか、あるいは収支計画において、やはり費用の点が若干変わってくるというようなことがありますけれども、恐らく収入面においてもそれは増加ということになってくると思います。したがって、諸指標とおっしゃいますけれども、その中の諸指標というものはさして変わらないというふうに御理解を賜りたいと思います。
#116
○安恒良一君 そんなことないですね。ではそれは後から、この前注文しておった資料を出してみてください。それじゃそっちの方を先にいきましょう。田渕さんからも指摘されたようにこんな薄っぺらな紙じゃ困る。
 そこで、その日は間に合わないけれども、いわゆる中期計画の国内、国際線別、それから関連事業の収入、それから費用では人件費、物件費、資本費、修繕費、支払い等に分けて示すべきだと、こういうことを田渕さんが言われている。それで私は質問通告をして、そういう資料があったら持ってくるように言っていますが、まだ私の手元には届いていません。それの資料を出してください。
 今、私が言ったように、国内、国際線別の収入、収入についてもこれはトータルで書いてある。ですから収入を私たちが正確に精査するためには、今言ったような国内、国際線別の収入がどういうふうに変化するのか、それから関連事業の収入がどういうふうに変化していくのか、今度は支出の方では人件費、物件費、資本費、修繕費、支払い費等々に分けて、いわゆるこれの具体的な中身を田渕さんも指摘をしている、私もきのう質問通告をしておきましたが、その資料があるなら今下さい。
#117
○参考人(長岡聰夫君) 今の先生御指摘の各項目別の資料につきましては手元にある、今おっしゃったとおりに必ずしもなっておりませんけれども、刷ったものがございますので、今お持ちいたします。(資料を手渡す)
#118
○委員長(田代富士男君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#119
○委員長(田代富士男君) 速記を起こして。
#120
○安恒良一君 今資料をいただきましたからね、私頭も大概いい方ですが、すぐこれ読むのは大変ですから、これは後で見ることにいたしまして。
 そこで、私は今度少し具体的中身についてちょっと聞きたいんですが、これも田渕委員が計画規模表に基づいて質問をしたんですね、いわゆる生産量、有効トンキロベースについて質問をしました。そのときのお答えがこれまたなかなかはっきりしないんですが、ひとつこの際聞いておきたいと思うんですが、六十三年度国際線が一〇ポイント、それから国内線が一五ポイントも指数が高まっておりますね。これに対してあなたたちは平均増率で見てほしい、こういうことを言われました。当時田渕さんの質問に対して平均増率で見てほしいと、こういうことを言われたんですがね、それだけではこれ説明つかないんですよ。ですから、なぜ六十三年度だけこんなに生産量、有効トンキロベースの計画規模の指数が上がるのか、もう少し具体的に説明してみてください。
#121
○参考人(長岡聰夫君) 今、先生御指摘なさいましたように、確かに私どもの計画規模、生産量の表をごらんいただきますと、六十三年度のいわば六十二年度に対するふえ方が指数化されておりますけれども、御指摘のとおり割合高目に出ております、国際、国内合計合わせまして。これそれぞれの理由でございますけれども、全体といたしまして、中期期間中、国際線の需要は割合強目に伸びていくと、これは総体としては六・一%見ているわけでございますけれども、ただ六十二年度の状況でそれにどう対応するかというときに、六十二年度の機材計画が既に決定済みでございます、この中期計画をつくりますときには。先ほど申し上げましたように、機材のリードタイムがございますものですから、六十二年度に入手し得る機材の数が決まっておるということで、いわゆる応需能力の面からそれに対応して、特に六十二年度に総需要の伸びに対してそれに相当する増便ができないという状態が六十二年度にあるものですから、六十二年度以降、その辺をいわば取り込む形で六十三年のが大きく出てくるという面がございます。
 それから国内線でございますけれども、これは私どもといたしましては、国内線のダブルあるいはトリプル化ということを念頭に置きまして、なるべく早い機会にいろいろな新路線への参入をお願い申し上げたという立場であるんでございますけれども、先生御承知のとおり羽田の発着枠の問題がございます。それの沖合展開の一期工事が完了するタイミングつまり六十三年度の七月でございますけれども、恐らくそれ以降のいわば新規路線開設が現実的な想定であろうということを考えましたものでございますから、国内線につきましても割合高目に六十三年度に出てきておるというのが実情でございます。
 以上でございます。
#122
○安恒良一君 私は、どうもこの数字、それだけの説明では納得できないんです。
 というのは、増便等日航が希望されている場合の数値が入っておるようですが、これは後でいろいろ聞いていきますが、日航の増便どおりにダブル化、トリプル化が進むんだろうか。それから、羽田の今の工事の進捗状況を見まして、六十二年から六十三年にこんなに国内線においては一五ポイントも伸びているわけですからね。そんなことはあり得るはずないんですよ、聞いてみてください。
 では、羽田の方の今の拡張工事進捗率からいって六十三年にそういう状況になりますか。それから、日本航空がいわゆるあっちも乗り入れたい、こっちに乗り入れたいということについても大臣は全部認可するんですか。なかなかそうはいかないんじゃないですか。運輸審議会の答申にもただし書きがついていますね。
 ですから、どうもこの数字というのは、こうなってほしいという希望が中心であって、現実性が非常に私はないと。そうなるとかなりいいかげんな数字だということになるんですね。まあいいかげんという言葉が妥当かどうかわかりませんが、かなり問題があるわけですね。で、大臣も大体この計画を承認されたと聞いていますからね。まあ大臣よりも事務当局は、よくもこんな計画を承認したことだなと。大臣にこれは間違いありませんよと言ったんだろうと思いますからね。ところが、どう考えても私は国内線が一五ポイントも伸びるとは思いません。
 それから、この前のあのジャンボ大事故の後遺症というのが完全になくなったかどうかというのを私は私なりに調べてみましたら、八月なら八月の非常に団体客の多いときには全日空も日本航空もフル稼働しています。ところがシーズンオフになりますと、まず全日空がいっぱいになってそれから日航へ行くということで、まだ直っていません、率直に言って。これは私は私なりに調べてみました。八月なら八月、七月、子供の夏休みの場合は、もう福岡に行こうとどっち行こうと両方ともフル稼働していますね。もう九月に入ってきますと、どうしてもやはりまだまだ日本航空に対する信頼度が回復してないから、率直に言って後遺症が大きくまだ残っていると。これは具体的な数字で論争すればすぐわかることですから。
 そんなことを考えますと、どうもこの計画規模の表というのは私から言わせるとかなり問題があると思いますが、この点について運輸省まず考え方。それから日本航空、今あなたが説明したことだけで国内線が一五ポイントも高くなるということを私はどうしても理解できない、その点について説明してください。
#123
○政府委員(山田隆英君) まず、中期計画につきましての運輸省の考え方を申し上げてみますが、日本航空の今回の中期計画は、航空政策の転換によりますところの激しい競争環境のもとで今年度に予定されております同社の完全民営化に対応した企業運営の目標を定めたものでありまして、安全の確保を維持しつつ増収と経費節減に努め安定的な配当を継続し得る企業基盤の確立を目標として、そのような目標のもとに路線便数であるとか機材計画であるとか収支・資金計画、経営強化策等について定めたものというふうに理解しております。
 この中期計画におきます個々の路線計画であるとか便数計画につきましては、今後具体的事案に応じまして運輸省としては適宜判断をしていく趣旨のものでございまして、もちろん先生おっしゃいますとおり、日航が独自に決められるものではございません。
 したがいまして、運輸省といたしましては日本航空がこういう状況、事情というものを踏まえまして中期計画の目標であります配当し得る経営基盤の確立のため、増収と経費節減に努めていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
 なお、中期計画そのもの、先ほど日本航空の方からもお話がございましたが、中期的な経営見通しを立てるため、毎年改定をしながら策定していくローリングプランというものでございますので、路線便数等の計画につきましてもその都度実情に合わせて適宜見直しが行われるものというふうに理解しております。
#124
○参考人(山地進君) 今の国内線のところで、私どもは確かに広島、松山、函館というようなこと、ここには入っているわけでございます。その点はこれが認可されるという確実な見通しはない、ただ、私どもは希望として載っけているわけです。計画というのは、やはり希望というものを入れながら計画を立てざるを得ないものだと私は思うんで、これが運輸省から認可されなければ、その分機材をほかに回すような努力をまたしながら計画を改定するということでございます。
 ただ、じゃこの松山、広島、函館が入らなかったときには収支計画が全然狂うのかといいますと、収入は減りますけれども経費も減ってくるわけですね、この点については。ここが物すごくもうかった場合には、収入の点はそれじゃ君、百億見込んであったけれども百億すぱっと消えちゃうんじゃないのという議論は起こるかもしれません。この路線は、新しく私どもが六十三年に入って、そこで数十億もうかるというふうに見込める路線とは私どもは考えておりませんので、これを別の路線に機材を回すとか、いろんな努力はいたしまして収入の増強には努めますけれども、このこと自体で収支計画が大きく狂うということではないと私どもは思います。
#125
○安恒良一君 話を聞いておると答弁はだんだんお互いにいいかげんになってくるわけですよね。我々の同僚委員が聞いたときには、民営化をして、そしてこの中期計画を十分守って、そして復配もやります、安全も努めますと、こういうことなんで、その資料がこれなんです。だから、私はその資料の中身を精査しなきゃならない。そうしたら、航空局長までが、いやこれは希望であって毎年毎年ローリングしてこれ読み直すんだからいいんですと。その都度その都度いわゆる運輸省は監督省としてそれはまた精査するからいいんです、そんな答弁はないんじゃないですか。今まで同僚委員に答えていたことどうしてくれるんですか、それだったら。どうしてくれるの。日本航空でもそうでしょう、いやそれはもう希望していますが、だめだったらだめでそこはもうあきらめて機材をほかに回しますが、そんなに大して収支は狂うものじゃありませんなんて素人に言うようなこと言うたらいかぬわね、素人に言うように。それ、収入が減りゃ支出が減ることはわかる。わかるけれども、少なくともかなりの積み上げをしてそれはやっているはずなんだから、それが狂ったときに、いやそんな大したことないですよ、経常利益にそんな大きな影響なんかありゃしませんと。経常利益に大きな影響のないようなことなら乗り入れしなきゃいいじゃないの、乗り入れ希望出さなきゃいいじゃないの。そんないいかげんな答弁じゃ困る、いいかげんな答弁じゃ困る。いや、実はこれは希望でありますと、しかしこれが盛れないときには具体的な数字はある程度変わりますなら変わりますと、そういう数字について試算をしたら後から出しますなら出しますと言うんならわかるけれどもさ。今聞いておったら何のことはない、いやそれはそっちになったってこっちになったって今もらったこの表は大して変わらないんですと。運輸省は運輸省でいやそれは希望であって、毎年出てきて、また精査すりゃいいじゃないですかと。それじゃ法案の審議できないね。我々は中期計画というものを中心にして今日まで議論してきてるんだから。もう少し正直に答えてもらわなければこれより審議進められないよ。そんないいかげんな答弁じゃ困るじゃないの。正直に話をしてもらいたいね、正直に。今まで私だけじゃないんだ、青木先生から始まって各党の議員にずっと中期計画というものを中心にして民営化のあり方について説明してきてるじゃないですか、あなたは。そして、きょう私が具体的に聞くと、いやそれは希望しているけれども、それは希望であって、それがだめならだめでそんなに収支の計画が狂いはしませんよ、収入が減りゃ支出が減るから大したことありませんよと。そんなあなたずさんなものかね、あなたのところの今もらったこの表というのは。
 また、運輸省もそんなずさんなことで、いやこれは一応の中期展望であって、展望というのは毎年変わるんだから、変わるたんびに見りゃいいじゃないかと。航空局長、そんな答弁で君はいいのかね。そんなことでこの法案上げてくれというのか。上げられぬね、そんなことじゃ。今の時点はこうだけど来年は来年でまた変わるんですよと、その都度運輸省は監督官庁だからやりますからそれでいいじゃないですかと。そんなことでこの法案通すわけにいかぬな。どうなんです、これは。
#126
○政府委員(山田隆英君) まず、私が最初に申し上げましたのは、中期計画といいますのは日本航空のまさに中期的な計画目標を定めたものであるということで、航空法あるいは現在の日本航空株式会社法のもとで、これは運輸省の審査の対象となるような計画ではないということが一つでございます。
 それから、それではどうやってもいいんだというふうにお聞きになられたかとは思いますけれども、決してそういうことではないんで、これは民営化に当たりまして日航としての経営努力目標を定めたものでございますから、そのある程度の実現性というものについては、当然我々としてもそれは検討いたしました。
 日航の伸びでございますけれども、例えば六十一年に日本航空は対前年度比で国内旅客の場合一六%増になっておりますし、国際の旅客の場合は九%増という伸びを示しております。こういうような状況からいえば、必ずしも実現不可能な計画ではないであろうということでございます。
 それから、もちろん個々の路線計画につきましては、これをそのまま認められるかどうかというのは、その時点でなければ何とも申し上げられないわけでございますけれども、その個々の路線計画につきましても、全く実現性のないようなものではない、かなりの確度で実現性があり得るものであるということで、このような計画をそういうふうに運輸省として理解しておるものでございまして、これは今こうなっているけれども後で事態が変わればどうなってもいいというようなものではなくて、その事情、事情によって変更はあると思いますけれども、それぞれその事情のもとで合理的な変更が行われるものと、これも期待をしておるわけでございます。
#127
○安恒良一君 航空局長、それじゃあなたはそういうふうに精査したと言うなら、もう一遍、今私が言ったように、生産量、有効トンキロベースで、平均増率は国際線は五・八、国内線は八・四、合計で六・二になっている。それが六十二年から六十三年については、あと六十三年以降の伸び方はこれでわかるんだけど、ここだけは一五%も国内線は伸びるし国際線は一〇%も伸びるわけでしょう。そういうことについてどう説明をされるのですか、あなたは精査したということですから。
 私は今の日航の説明を聞いても、日航側はそれなりにいわゆる増便、それから路線増等々もある程度これは組み込んでいることは間違いないんですから。組み込んだといっても、僕はこの数字については、ここだけ異常に突出していることがどうしてもわからないわけですが、あなたはそういうことも精査した上だというふうにおっしゃるなら、あなたとして、じゃここは間違いなくこういきますね。こんなもの一年したらすぐ結果出るんだからね。まだあなた役人やめてないだろうから、一年したときにあなた困っちゃうことになるよ。こんなものすぐ数字が出ることなんだから。
 私はもう少し、いやそういう問題があるから、もしも変わったときには変わったように、ここがこういうふうに落ちますとかこういうふうに修正しますというならまだ素直だと言っているんだよ。ところが、素直なことを言わないで、だんだんだんだん答弁をしていくと矛盾が拡大するだけだよ、これは。だから、あなたはそれだけ自信をお持ちなら、今私が言ったところを理論的に、実際的に間違いありません、ほぼこういうふうにいきますと、説明してみてください。
#128
○政府委員(山田隆英君) まず私の御説明が不十分であった、あるいは誤解を招くような表現があったかもしれないことをあらかじめおわびを申し上げたいと思います。
 私は、この中期計画について運輸省として精査したということは申し上げなかったつもりでございます。私どもとしては、当然今後の民営化に当たって、日航がどうなるかということで検討は加えておるわけでございますけれども、この計画自体、先ほども申し上げましたように、法令上私どもがこれを認める、あるいは認めないというものではございませんので、その限りにおいて今後の日航の民営化に当たって、日航の姿勢を判断する一つの材料というふうにして、これに検討を加えたわけでございます。
 特に、六十三年度に非常に大幅に増加するではないか、増加を見込んでおるではないか。これが果たして実現できるのかという御趣旨のお話があったわけでございますが、確かに六十三年度国際線につきましては、一〇%、それから国内線につきましては一五%増加するということで、非常にほかの年度と比較いたしましても大幅な増加になっておるわけでございます。
 このような大幅な増加をこの当該年度に計画しております理由といたしましては、国際線における需要増に対応した増便を考えているということ、それから国内線におきましては、御承知のように六十三年の七月に羽田の第一期工事による新しい滑走路一本が完成いたしまして供用開始の予定でございます。それに伴いまして、今までほとんど増便ができませんでした羽田発着の国内線の増便が可能となるわけでございまして、その状況に対応して、日本航空としては、広島であるとか松山、函館線といったような新しい路線の開設を希望しておるところでございます。
 もちろんこれもこの日本航空が希望しておる路線というものすべて我々が認めるということを考えておるわけではございませんで、全体の需要の状況、あるいは今私どもが進めております競争促進策の観点等から総合的に勘案いたしまして、ほかの会社もそれぞれ増便なり新規路線の開設を要望しておりますので、そういう各会社の計画等考えながらその中で判断をしていくわけでございますけれども、いずれにいたしましても、羽田における増便が可能であるということは事実でございまして、日本航空として新しい路線もしくはどこかの路線の増便ということは、極めて現実的な話でございます。
 これまで増便がほとんどできなかった時期に比べれば六十三年につきましては、国内線はそういう状況で、かなり従来に比較すれば大幅な増加が可能になるというふうに考えております。
 また、日本航空といたしましても、そういうことを念頭に置いて、機材の手当でもし、増便の計画を考えているというふうに承知しております。
#129
○安恒良一君 そういうのを素人に対する説明だと言うんだ。そんなことでは納得できないよ。
 なぜかというと、あなたは簡単に六十三年度に増便できると言うけれども、国内線のダブル化、トリプル化、これは各社の話し合いをしなきゃならぬでしょう。そのほかに、羽田沖の展開は、一期の完成はいつですか。六十五年ぐらいにならぬと羽田沖の展開はできないのじゃないですか。今の現状で六十三年に今の空港のままでどれだけの増便を羽田にあなたたちはやるつもりですか、具体的に。これを説明してください。
 それから、国際線の問題でも、お客はふえておると言うけれども、増便する場合には、政府間交渉の合意が必要でしょう。ですから、お客はふえておっても、政府間の合意がないと増便ができないじゃないですか。
 じゃ、具体的に国際線がお客がふえているという、この線とこの線は増便しますと、この政府とこういうふうに既に話は詰めてあります。だから増便ができます。国内の場合においては羽田空港についての今受け入れ態勢一日に何便です、これが六十三年度にこれだけふえます、その中で日航にはこれだけ渡します。だからこの見通しは間違いない、こういうふうにあなたが説明するなら専門屋だと言うんです。
 あなたは航空局長でしょうが。何ですか今の説明は、何ですか今のは。そんなことで私が納得するはずないじゃないですか。具体的に羽田において国内線が一五%伸びるに対してはこういうふうに工事はこうなっていまして、受け入れ便数はこうなりますと、路線についてはこうしますと。国際線についてはこういうふうに既に政府間の交渉が進んでおります、それから、以遠権の問題についてもこういう話し合いを今アメリカとやっておりますと、だからこれは来年度にはこういうふうになりますから、国際線についてはお客の増と同時に以遠権の問題なり路線権の問題も解決しますと、だから安恒さん一〇%間違いありませんよと、一五%間違いありませんよと、こう言うなら一つの説得力を持ちます。それらを全部説明してください。
 そんなね、そういうこと中身全然言わぬで、何ですか、あなた。運輸委員会だよ、ここは、君。運輸委員会だよ、ほかの委員会へ行って適当に説明することとは違うんだよ。運輸委員会だぞ、ここは。専門の委員会だぞ。専門の委員会には専門の委員会のようにちゃんと説明しなさいよ。何ですか、あなたの今の説明は。時間がもったいないよ。
#130
○政府委員(山田隆英君) まず最初に、私はこれは六十三年度間違いありませんという確信はもちろん持っておりません。
 それで、まず国内線につきましてですけれども、羽田の第一期工事は、先ほども申し上げましたけれども、六十三年度、明年の七月に第一期工事が完成いたします。それによって新A滑走路というものができまして、今は二本の滑走路で羽田を運用しておるわけですけれども、来年の七月からは三本の滑走路、新しい滑走路を加えまして三本の滑走路で運用できる。それによりまして、今までは増便はほとんどできなかった状況でございますが、この第一期工事の完成によりまして一日おおむね五十発着が可能になるというふうに考えております。今が大体四百二十ぐらいの発着でございますので一〇%をちょっと上回るぐらいの増便が可能になるわけでございます。
 ただ、もちろん、そうは言いましても、来年の七月にできるわけですが、直ちにそれだけの五十発着の増便が可能になるというふうには考えておりません。これは管制の完熟等がございますので段階的に増便を可能にしていきたいという考え方でございますが、とりあえず来年の七月からは五十発着のうちの二十発着ぐらい、これは増便が可能だというふうに考えております。そういう意味から申しまして、羽田発着便の増加というものはかなり来年は実現が可能なのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 それから次に、国際線でございますけれども、国際線につきましては、これは運輸省の所管からいいますと隣の国際運輸・観光局長の所管でございますけれども、私どもの承知しております範囲では、まず米国との関係では日本航空は原則として自由に増便できる、日米現協定上増便できるということになっておりますし、それから個々の具体的なほかの路線につきまして、必ずしも私今手元に相手国との間の便数取り決めについての数字は持っておりませんけれども、部分的にはその枠が多少余裕があるところもあると思いますし、それからこういう増便計画あるいは新線開設計画に向けて今後国際交渉を行っていくというふうに理解をしておるところでございます。
#131
○安恒良一君 そんなね、国際線もいいかげんな答弁じゃだめなんだよ。あなたが自分の所管じゃなかったら所管の局長が答えなさいよ。
 私が聞いているのは、中期計画の需要創出に当たって国際線の直行便の増便が前提となっているが、政府間の交渉の合意はどういうふうに進んでいるのか、具体的に幾つかの路線についてあるならあるで説明をせよ、こう言っているわけですからね。担当局長が来ておったら私の質問にきちっと答えなきゃだめですよ。私は所管じゃありませんが答えますじゃ困るんだよ。所管でないことを答えてもらわなくていいんだよ。
 私が質問しているんだから、具体的にきちっと答えてくださよい。数字の話を僕はしているんだよ、数字の話を。こうありたいとかこうありますとか、そんな希望の話をする時間ないんだよ。具体的に数字の話を合しているんだから、具体的にね。それから、羽田の場合でもそうでしょう。来年の七月でしょう、あなた。七月に完成しても、あなたが言ったように滑走路だけできて飛行機が飛ぶわけじゃないんだよ。それから、羽田に飛んでくる方の側の整備も必要なんだからね、これは、そうでしょう。関西から関西新空港ができる。今の関西空港の供用量、羽田の供用量と同時に大阪の供用量の問題もあるし、管制官の問題もあるし、いろんなことがあるわけだから。そう簡単にいわゆる羽田がようなったらもうそれでじゃ国内が一五%も伸びるかって、そんな子供だましのような話したってだめなんだよ、子供だましのような。だから、そういうことについて具体的に、いや、大体この一五になるためには今僕がいろいろ挙げているような航空管制の問題から、飛行場の設備の問題から、それは主要な日本の空港の供用量の問題からいろんなこと考えて、いや、やはり一五%ぐらいの伸びはあるならあるというふうに説明してもらうなり資料なりもらわないと、いわゆる第一期工事がどうなっているかと聞いたら、いや、もう来年の七月にできるんだから、そうしたら三本になるからもういいような話されても、それじゃまるっきり子供の、素人の話。ここは素人の話するところじゃないからね、玄人同士の話をするところだから、その点答えてみてください。
#132
○政府委員(中村徹君) お答え申し上げます。
 日本航空の中期計画の中にございます国際線の増便等の計画でございますけれども、二国間の航空協定ないしそれに基づきます航空当局間の取り決めにおいて現に運航が可能な、その協定改定を行い、あるいは当局間の取り決めの改定を行わなくても運航が両国間の問題としては可能である路線もかなりございます。
 それで、増便をするためには現在の便数取り決めの枠を改定しなければいけない路線もございます。
 例えば東京からシカゴへ飛んでおります旅客便を七便までするということでございますけれどもも、現在の枠で言いますと五便までは可能であるけれども、もう二便ふやすためには航空当局間の取り決めの改定を必要とするとか、あるいは東京−ロンドンあるいは東京−フランクフルト、中国、ソウル、こういった路線へ日本航空の中期計画のとおり増便するとすれば何らかの増便の取り決めの枠の改定が必要になってまいります。
 しかし、これらにつきましては、元来、需要と供給との関係において、需要が生じてまいりますと二国間において比較的供給力の増加というのは認め合うというのが基本的な立場にございますので、問題はその需要と供給の関係が日本航空の言うように需要が逼迫して供給力をつけなければいけないかどうかということについての相手方の交渉ということになると思います。私どもとして今そういう供給力の増加を要求すべきかどうかというのは今後の問題でございますけれども、一般的に言えばそういう状況の問題ではないかと思います。
 それから、日本航空の計画の中で、例えばロスからメキシコシティーへ行く便とか東京からシカゴヘ入ります貨物の乗り入れとかいうことになりますとアメリカとの間の航空協定改定が必要になってくると思います。こういった問題、以遠権、路線権の問題になってくるわけでございますが、こういったことになりますとかなり難しい交渉になるのではないかと。アメリカとの交渉はことしの秋から再び協定改定交渉を再開したいと考えておりますが、かなり厳しい交渉ではないか、かように考えております。
#133
○安恒良一君 あのね、べらべらべらべら一般論言われてもしようがないから、ひとつ具体的に後で文書で数字で出してください。
 国際線の直行便の増便がたくさんこう出ていますが、これについては政府間交渉が要るなら要る、これは政府間交渉がなくてもできるということ。それからいま一つは、なぜ私が言うかというと、乗客がふえたからといっても、乗客がふえた場合は相手の方も増便したいということになるんですよ、こっちだけ増便したいということにはならないんだよ。だから、日本航空が五便伸ばしたいと言ったら、向こうも、じゃおれの方も対等平等で入れてくれるかという話になるんだから、それらを踏まえて抽象的ではなくして、私はこの計画は計画どおりいくかということについては国際線の場合については大変な心配をしているわけなんです。だからこそ聞いているんですから、時間がありませんから後からひとつ具体的に路線別に、これについてはこれぐらいの乗客の増が見込まれる、それに対する日本航空は増便をこうしている。これは二国間交渉は要らない、できる、これはどうしても二国間交渉が要る、そして難しいなら難しい、こういうのを一遍整理をして出してください。でないと、これだけで時間をとるわけにいきませんので出してください。
 それからもう一つ、今問題になっています対米路線の以遠権、路線権、これは総合的な航空権益は平等の確保が必要でありますね。ところが、いろいろ大臣が今まで歴代努力をされていますが、残念ながら平等の確保ができていないと私は率直に思う。そして、今回も同僚の質問に対して、大臣は努力していく旨を答弁されました。私もいろいろ難しい問題があることを承知していますよ。しかし、いつごろから具体的にどういう交渉をこの問題されるんですか、ひとつ大臣のお考えはっきり聞かしてください。
#134
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど安恒委員、専門家からなるべく答えると言われまして、私はアマチュアでありまして、国際運輸・観光局長がプロでありますけれども、六十一年の九月に再開をいたしました包括的協定改定交渉が今までに三回開かれております。そして、先ほど局長の方から御答弁申し上げましたように、まだ時期は確定しておらないようでありますけれども、この秋からまた続いて再開をされることになります。
 その場合に出てまいります問題は、一つには路線権の問題が当然出てまいろうと思います。また、以遠権の問題は従来からの引き続きの問題であります。そして、最近の問題として、我が国から指定企業の数、我々が国際線の複数化を求めるようになりましてから指定企業の数の問題が提起をされております。こうした一連の航空権益の問題を交渉の土台にのせてまいりたい、そういう状況でございます。
#135
○安恒良一君 前段の私が言った資料は早急に提出してくださいよ、いいですね。
#136
○政府委員(中村徹君) 承知いたしました。
#137
○安恒良一君 それでは、これももう大分やりとりしたんですが、この際ひとつ確認しておきたいんですが、国内線のダブル化、トリプル化、これ運政審では後発企業の育成が書かれていますね。そこで、これはどうもこの資料で見ると、それを含めてこういう収支になるというふうに書いてあるんですから、こういう収支になる、こう言っているんですから……。
 そこで、運輸省に聞きますが、増便をどんどんお認めになりますか、具体的に松山、広島、函館、日航は参入したいと言っていますが、大臣はそのまま申請をお認めになるつもりですか、ここちょっと聞かしてください。これ今までの論議を整理して聞かしてください。
#138
○政府委員(山田隆英君) 国内線のダブル・トリプルトラック化につきましては、運政審の答申を受けまして私ども具体的な実施基準を昨年の六月に定めております。それによりますと、ダブルトラック化対象路線としては七十万人以上の路線、または主要空港間の路線につきましては三十万人以上の路線と定めております。また、トリプルトラック化は百万人以上の路線ということで、それらの対象路線につきましては積極的にダブルトラック化、トリプルトラック化を推進したいということで関係会社に通達したところでございます。
 ところで、ただいまお尋ねのございました日本航空の新規路線についての取り扱いでございますけれども、現在日本航空から東京−広島、東京−松山路線といったようなものについての要望が出されております。これらの路線は既にダブルトラック化の対象の年間七十万人という輸送需要を超えておりますのでその対象となる路線でございますが、これまでは羽田空港の発着枠の制約から実施されない状況にあったわけでございます。羽田空港につきましては六十三年の七月に第一期工事が完了いたしまして新しい滑走路ができるわけでございます。先ほどお話ございましたように、滑走路ができさえすれば発着枠がふえるというものでもございませんけれども、私どもは来年度の予算要求に向けて羽田の新しい滑走路の開設に伴います要員等の要求あるいは組織の要求、こういったものも現在要求をさしていただいておりまして、これらにつきましては当然認められるというふうに理解しておりまして、そのような事態のもとにおいては六十三年の七月から一定の増便が可能であるというふうに考えております。
 その枠の中でどういうふうに使うかということでございますけれども、その使い方につきましてはダブルトラック化の対象路線というものも対象にして検討を行っていきたいというふうに考えておるわけでございまして、ただいま日航の路線を認めるのかどうかということについては、この時点ではっきりしたことを申し上げる段階ではございません。
 といいますのは、ほかの航空企業も同じような要望を出しております。私どもといたしましては、今後これら各企業の要望も聞きまして、企業間格差にも配慮いたしまして増加する発着枠の使い方というものを今後検討してまいりたいということでございます。
 また東京−函館路線につきましては、年間の需要が六十八万五千人ということで七十万人の基準には達しておりませんので、これは今後のダブルトラック化の検討課題であるというふうに考えております。
#139
○安恒良一君 私は日航の計画自体にやはりかなり無理があるというふうに思っているわけです、希望は希望ですけれどもね。
 それはなぜかというと、運政審の答申でも後発企業の育成も書かれているわけですからね。日本航空だけがどんどんどんどんダブル化、トリプル化すればいいということじゃないんですよ。そうすると、今度はじゃ、全日空やその他は国際線をどうしてくれるかとか、国内線をどうしてくれるかとTDAからも出るでしょう、その他からも出るでしょうね。そういうものを総合的に調整するのがあなたたちのお仕事なんですから、その意味からいうと希望を中心にしてこの指標がつくられているということについて非常に私は懸念をしているわけです。
 そこで、国際線の場合はいろんなことを言われていますけれども、以遠権の問題はわかりましたが、そのほかに国際線の場合は米国の巨大企業がありますね。これは同僚委員が質問しました。それから航空券の乱売競争が今あるんじゃないですか。ですから、日航の積み取り比率というのはふえないだろう。それは日本の企業全体としては私はふえるだろうと思いますよ、いわゆる新しく乗り出しますから。しかし、日航自体の積み取り比率が私はふえるとは見ないんです。むしろ僕の見通しては日航は微減じゃないか、若干減るんじゃないかという見通しを持っている。ところが、あなたたちの説明聞いていると、お客はふえているからだからそれは一〇%ぐらい伸びるよなんて、そんな簡単なことじゃないんじゃないでしょうかね。私は、どうも今の航空券の安売り合戦、乱売合戦、それから米国の巨大企業の日本に対する売り込み、乗り込み、いろんなことを考えると、全日空が新しく国際線に乗り出していきますから、日本全体の取り扱い数量はこれ減ったらたまりません。これはふえると思いますね。しかし、じゃ日航自体はどうなるかというと、逆に私は若干は減るんじゃないか。減らぬことを望みますよ、減らぬことを望みますが、どうもそういうこと、いろんなこと、私が言った要素を考えると、日航は積み取り比率というものは残念ながら若干下がる、こう見ておく方が正確な予測の立て方じゃないかと思いますが、ここらはどうですか。
#140
○政府委員(山田隆英君) 日航の国際線における積み取り比率と国際線の複数社化との関係ということでございますけれども、国際線の複数社化につきましては、六十一年三月に全日空が東京−グアム線に参入いたしましたのを皮切りに、東京とロサンゼルス、ワシントン、大連、北京、香港といったような各路線につきまして乗り入れを実施しておるところでございます。
 このうちの、六十一年の三月と七月にダブルトラック化されました東京−グアム線、東京−ロサンゼルス線につきましてその実績を見てまいりますと、我が国航空企業の積み取り比率といいますのは、六十年度と六十一年度との比較では、グアム線におきまして四五・八%から五五・四%、それからロサンゼルス線では三二・七%から三六・六%へと上昇しています。これはもちろん全日空が参入したこの二社の結果でございます。
 そこで、日本航空単独で見ればどうなるかということでございますけれども、日本航空の場合、積み取り比率では確かに下がっております。グアム線の場合四四・一%から三四・八%、それからロサンゼルス線の場合は三二・七%から二九・九%へと減少しておるわけでございますが、これは全体の中での比率でございまして、旅客数の絶対数というものは、全体の国際線の旅客の伸びの中で日航もやや増加をしております。その数字を申し上げますと、グアム路線の場合、六十年が十七万四千人でございましたが、これが六十一年には十七万八千人へと四千人ほどふえております。それからロサンゼルス線の場合、二十七万三千人から二十八万六千人へと一万三千人ほどふえております。
 このように、複数社化によって日本航空の輸送量が、今までのこれは実績でございますけれども、今までの実績を見る限り減少したということではございません。もちろんこれがすべての場合に当てはまるということではなかろうと思います。全日空が参入することによって絶対数が減る場合もあるかと思いますけれども、私どもとしては、今後複数社化の方針としては、高需要路線あるいは大きな需要増を期待し得る路線というものを中心にして進めていきたいという考え方でございまして、国際線の需要量が増加する傾向にある現状におきましては、国際線の複数化が進められても日航の経営に大きな影響を与えることはないというふうに考えております。
#141
○安恒良一君 私が今聞いているのは積み取り比率のことを聞いているんだから、積み取り比率は日本企業全体としてはふえるだろうと、しかし日航は微減するんじゃないか、こう言っているんだから、微減なら微減でいいんであって、聞きもしないことを長々としゃべってもらっては時間がもったいない。
 日航はどういうふうに思いますか、これ。
#142
○参考人(長岡聰夫君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、六十一年度の実績が三二%強でございましたけれども、中期期間中若干の横ばいないしは微減ということを私ども見込んでおります。
#143
○安恒良一君 次に、今度は機材計画についてちょっとお聞きをしておきたいんですが、これも機材計画、六十一年度と六十三年度の表が出ていますが、これでは十分わかりません。
 そこできのう質問通告しておったんですが、六十一年から六十五年度まで、各年度ごとにリタイアする機材と機数を示し、また今度は導入する機材と機数、これを対比をして示してもらいたい。それからダッシュ400の関係があるなら、これも合わせた表をもらいたい、こう言っておったんですが、その表できていますか。できておったら下さい。
#144
○参考人(長岡聰夫君) 今手元にございますので、お持ちいたします。
#145
○安恒良一君 これは数字はわかりました。
 そこで、少し中身をあれをしていこうと思うんですが、大臣、以上のやりとりを聞かれておりましてお考えになることがないのか。というのは私はどうも、私どもは日航の民営化自体には反対をしているわけじゃないんですよね、民営化はやむを得ないだろう。しかし、どうも今までのこの論議を聞いていただいてもわかるように、率直に言ってちょっとこの時期が早いんじゃないかな、こんな感じがするわけです。
 それはなぜかというと、さっきから私がいろいろこの数字を詰めていきますと、なかなかこの数字が詰まらないわけですね。そして、民営化の意義は何だといろいろ同僚が質問をしますと、大臣は日航の努力にひたすら期待をするということに結論はなるわけですね、いろんなことを言われて。山地さんはそれを受けて、大臣の横に座っておって頑張ります、頑張ります、こう言っているわけですよ、二人で、ずっとこの三日間聞いていたら。片方が期待をしますと言ったら、山地さんはそれを受けて頑張ります、頑張ります、こう言っているんですね。ところが、期待します、頑張りますと言っても、今ずっと数字を少し私が系統的にお聞きをしましても、なかなか具体的にうまくこれが詰まっていかない。こういう関係から言いますと、私は十分そういうところの準備をきちっとしていかないでそれでやってしまうということには問題があるんじゃないか。
 そうすると何が残るかというと、行革の目的に従って株の売り買いだけは終わって、その益金だけは政府に入ると。そして入ったお金はせめて運輸事業にうんと使われればいいんですが、これまたどうも、運輸大臣は希望されているが、必ずしもそういうことじゃない。一般会計の方で使う場合もあり得る。これじゃ何のために完全民営化をこんなに急がなきゃならぬのだろうかという心配を私はするわけです。私も民営化は将来必要だと思っていますから、民営化そのものには反対していません。反対していません。しかし、どうも僕たちの考えは、いろいろこれずっと議論を深めていきましたら、非常に時期尚早じゃないかな、こんな感じが今中期計画一つをとって私はいろいろ議論をしてみましたが、話がぴんとこないわけですね、率直に言って。日航側は非常に希望を持った、実現ができるかどうかわからぬがかなり希望を持った数字を中心に組み立てられている。こういうところでどうも私は、ちょっとこの民営化を今すぐやることがいいのかどうかということに、以上のやりとりから大変心配になってきたんですが、そこらの点についてひとつ運輸大臣に再度伺いますが、完全民営化について、私は今少し内部をきちっと整理していかれた上でやらなきゃいかんのじゃないか。後から労使関係についてもちょっと一、二点聞きたいところがありますから聞きますが、そういう問題を含めて時期尚早じゃないか、こんな感じがしますが、その点、これは山地さんに答えてもらっても、してほしいという方だから時期尚早だとお答えにならぬと思いますから、運輸大臣、ずっとこの参議院におけるたくさんの委員からのいろんな御質問等を受けて、私がきょうは一番最後になっておりますから、そこらについて考え方をちょっと聞かせてください。
#146
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はきょうを含めてこの三日間の参議院の質疑において、賛成反対それぞれの立場の別はありながら、この日航の完全民営化という方向に向けて非常に真剣な議論を行っていただいたことにまずお礼を申し上げたい気持ちでいっぱいです。ただ、今、委員が御指摘になりましたように、中期計画にはさまざまな問題がある、だから時期尚早でないかという御意見については残念ながら私は見解を異にいたしております。
 先ほど来羽田の発着枠あるいは成田の発着枠というところから御論議をいただきまして、中期計画についての問題点を御提起いただいたわけですが、その中におきましても、例えば東京−鹿児島あるいは東京−小松といった既にダブルトラック、トリプルトラックに向けて動き出しておる路線もあるわけでありますし、発着枠の制約のない名古屋−福岡あるいは名古屋−札幌といった路線に国内線で日航は既に事業展開をいたしてまいりました。
 また先刻来航空局長の答弁でも申し上げましたように、全日空は東京−グアム線、東京−ロサンゼルス線、東京−ワシントン線、東京−大連−北京線、そして東京−香港線、今年の十月には東京−シドニー線へと進出をしてまいります。我が国の航空企業主要三社とよく言われますが、その中におきまして東亜国内航空も国際チャーター便の実績を既に十八便でありましたか、十九便でありましたか、積んでまいりました。そうなってまいりますと、いよいよ私は日本航空の完全民営化は急ぐべきではなかろうかと思います。
 それは日本航空一社が法的に特殊な地位を与えられ、法的な規制も受けるかわりに財政措置において他社に比べて有位な条件の中で今後の競争を行っていくことが我が国にとって望ましい航空企業のあり方だとは考えておりません。こうした点から残念ながら私は実はその結論部分につきましては委員と見解を異にいたします。
#147
○安恒良一君 法案を提出されているから簡単にはいそうですかと言われぬことは、これはよくわかりますが、中身について少し、実は今言ったことは最後に言うつもりだったんですが答弁者がなかなか入ってこないものですからそこの方へいったんですが、後でまたあれすることにして……。
 それじゃそろいましたから順次そこらも関係を聞いていきます。
 まず労使の関係についてちょっと聞いておきたいんですが、この完全民営化は早い方がいいということを大臣は答弁されました。その完全民営化、特に中期計画を達成していくための基礎になるのは私は労使の協力だと思います。労使の協力はいわゆる労使の信頼関係から生まれると思うんですが、どうも私は非常に心配しているのは、同僚委員も聞きましたように労働組合が六つある。六つあることはこれは労働組合自体の問題ですから、不当労働行為で一つにせよとかどうとかいうことは言えないんですが、しかしながらやはり日本の労使関係というのは一企業一組合と、こういうあり方が現実には非常に労使関係がうまくいっているわけですね。ところが日本航空の場合には六つあるわけです。そういう中で、例えば私がずっと聞きました二人乗務の是非についてもかなりまだ両者の間に残念ながら意見の隔たりがあるように見えてしようがありません。そこで同僚委員の質問に対して大臣も山地社長も労使協調は大変必要だ、そういうことを非常に答弁をされます。
 しかし、実際にじゃどうして労使協調を行っていくのか。今対立している利害をどういうふうに調整していくのか。それはもちろん相関関係です、労使は。しかし、経営者側としてこの際労使協調の実現をしていくために労働者側へどういう提案をされるおつもりなんですか。労使協調の実を上げるために労働組合側にどのようにして具体案を示して、そして本当のいい意味の労使協調を実現されようとしているんですか。そういう具体的な考え方があったり提案があったら聞かせてください。
#148
○参考人(霞重雄君) 労使関係の安定につきましては経営の両輪の一つであると山地社長が述べてきたとおりでありますが、この具体的な方策といたしましては、これは二つの面から考えられるわけでございまして、一つは組合、組織あるいは組合の執行委員という関係、集団的労使関係と申しておる関係でございます。もう一つは管理者と組合員あるいは管理者と社員との関係、そういう二つの面においてどのような具体的な施策を持っておるのかという御質問と思います。
 要約して申し上げますと、第一の集団的労使関係につきましては、何といいましても労使協議制の充実ということに重点を置いてまいりたいと思っております。
 お話しになっております中期計画あるいはインシデント、事故、こういう問題は非常に大きな問題として現在労使間でも取り上げられておりますが、例えば中期計画に関して申し上げますと、会社におきましては全役員出席いたしまして各労組とそれぞれ経営協議会というのを持ちまして十分な説明をする、そしてさらにその説明で不十分な点がございますのでそれぞれの専門委員会とか分科会を設けてまいる。これは経営の計画に関しまして組合の理解と協力なくしては遂行できないという点からさらに力を入れてまいりたいと思っております。そういう中で組合側から出されますところの健全な意見に対しましては、経営といたしましても十分耳を傾けて経営の完全民営化というような方向に沿った経営を遂行してまいりたいと思っております。
 もう一つの大きな問題でありますところの安全体制の確立、これにつきましてはもう既に協議会はでき上がっておりまして、乗員組合、先任航空機関士組合、あるいは機長組合の乗員関係とは整備本部長を中心としますところの安全説明会というのを持ってインシデントに対処する体制をとっております。さらにまた全労あるいは日航労組とは航空安全専門委員会というものをつくりまして、この面においても安全というものは労使の共通課題であるというような方向に沿って全力を挙げておるところでございます。
 さらに考えておりますのは労働協約の締結ということでございまして、労働協約は現在全労と日本航空労組にはありますけれども、その他の組合にございませんので、何といっても労使関係の安定ということになってまいりますとこの労働協約というのを結ばなくちゃならないということで、現在客乗組合の方に提案をし、これについて審議中であります。
 さらにその人事、賃金制度、午前中にお話がありましたが、全日空との格差問題あるいは国際比較問題等々につきましては来週あるいは再来週ぐらいから各労組と資料を出し合いまして、労使共通に理解する土俵をつくりまして共通の目標を持とうじゃないかという形で話し合いを進めていきたいというような形で漸次組合の統一の方向というものを期待している次第でございます。
#149
○安恒良一君 社長に答えてもらうと要領よ過ぎてわからぬし、今度は常務や専務に答えてもらうと余り詳し過ぎてしまってわからぬようになりますから、時間がありませんから、どうぞ専務やら常務、答えるとき簡潔に答えてください、簡潔に。要領よく簡潔に答えてくださいね。
 そこで、私は一番やっぱり必要なことは、労使協議会を尊重していくというのは結構なことなんですが、例えば二人乗り乗務のように非常な意見が対立しているときに、経営権だということで押し切るというところに無理が出てくると思うんですね。ですから私は、労働組合の承認とまでは言っておりませんが、少なくとも労働組合の理解と協力を求める、このことに私は、日航は今残念ながら組合が六つあるんですから、それは六つの組合を相手にすることについては時間や暇、手間がかかりますよ、これは。それがために私は一つの方がいいとは思いますけれども、しかしそれの時間や暇や手間を惜しむことなく、やっぱり労働組合との間に理解と協力を得るという精神で社長が先頭に立って重役の皆さん方がやる。
 往々にして経営権というものを振りかざして、例えば一番いい例が今二人乗り乗務の問題ですね。これだけ意見が離れている。最後はおれたちは経営権だから決める、こうなるとますます私は労使の信頼というのができがたくなると思いますが、そういう点については今言ったように、十分理解が得られるようにやっぱり社長としては努力をしていく。そうしなけりゃ、これは理解が得られないまま、経営権だからといって二人乗り乗務なんかをゴーにしますと、また事故になるんです、これは。その点を私は一番心配している。ですから、そういう点についてひとつ社長、これは社長の決意のほどを聞かせてください。
 それから大臣の場合も、やはり今言った二人乗り乗務の場合ですが、いわゆる今は三人を二人にするというときには、やはり労働組合の理解と協力を得ない間にもしも、日航がそんなことを言ってくるはずはないと思いますが、言ってきたときには大臣はそこのところはしかと受けとめて、少なくとも労働組合の理解と協力を得なさいと、こういうような行政指導をやっぱりやっていただかないと、単なるこれはコストの問題ではないんです。いわゆる二人乗りか三人乗りかというのは、コストの問題であると同時に大きな安全問題ですから、このことについて社長と大臣のお考えをここは聞かしておいていただきたいのです。
#150
○参考人(山地進君) 労使関係の信頼関係の確立というのは経営の最大の課題であると心得ておりまして、今、先生のおっしゃるように、組合の諸君の理解と協力を得る努力を最大限尽くしてまいります。
#151
○国務大臣(橋本龍太郎君) 山地さんの答弁の方がうま過ぎるもんですから。
 今、委員から御指摘のありました労使関係というものは私どもから見ても非常に心配であり、関心を持っているところでありますが、社内の問題でありますから、我々が直接介入することはできません。ただたまたま今二人乗務のお話が出ましたけれども、今私が聞いておりますのでは、製造国における製造承認がまだ出ていないですね。製造国における製造承認の出ていない段階であります。それで、そうしたことでありますから、製造国における承認が出て、日本航空がこれを採用したいという意思を表示しました場合、我が国の型式認定を与えますについて十分慎重を期してまいりたい、そう考えております。
#152
○安恒良一君 それから、私は時期尚早だと言ったんだが、大臣は、いやそれは法案提出しているから急ぐ必要があるということですから、このことの論争ここで幾らやってもやむを得ませんので、私は完全民営化された後の問題で少しお聞きをしておかなきゃならぬと思うんです。
 いわゆる航空企業の指導監督は運輸省にあるわけですから、問題は日航が完全民営化した後の監督権はどういうふうになるのだろうか。これは法律的にここは変わる、あそこは変わるということはもう既に前の質問でわかっておりますから、私は全体の監督権限の問題を言っているわけです。
 それは、特に航空企業の運営には安全面というのが非常に重要なんですね。だから、今後日航がどういうような経営を行っていくかということは非常に私どもこの法律を、民営化法律をここで決めるに当たって大変に関心が深いところなんです。ですから、もちろん公共的企業であるし航空業でありますから、運輸省には監督官庁として今後も必要な諸資料の報告を求められるだろうと思います。そこで我々国会側ももうこの法律が通りゃそれでいいということではないわけです。この法律が通った後も日本航空が本当に国民に信頼される日本航空になるためには、十分にその成り行きを注視をしておかなければならぬと思います。そして、それは我々は国民を代表して国政の場でやるわけですから、国民も非常に関心を持っている。そうなりますと、私は何も日航だけと言いませんが、航空企業、いわゆる東亜国内航空であろうと全日空であろうと、そういうところが我々から求められる資料について国政の場において議論をするときにはこれは提出をしていただくし、さらに必要に応じて、この法律を通していただきたいということで社長以下重役が連日のようにおいでになっていますが、今後また必要に応じて私たちは社長以下をこの場に来てもらいたい、こういうことを言わなきゃならぬ場面が出てくると思う、いろんな機会にですね。そうすると、法律が通るまでは御熱心ですが、法律が通ると途端に一人歩きして、もう今度は来ないなんということになったんではこれはいけないと思うんです。
 ですから、法律を通す前に、このことについてなぜ私が重ねて注文するかということは、これは公共性が極めて高い。しかも、安全問題というのは人命に直接影響するわけですね。率直に言って、自動車事故や列車事故、あってはいけませんが、全員死亡ということは余りないんですよね。ところが、航空機という場合は往々にして全員死亡なんですね。大きい事故になると、全員死亡なんですから。その意味から言うと、非常に私は公益性の高い、そして安全度が重視される産業でありますから、私は民営化された後についても、我々は国政の場において国民を代表して、これが健全に日本の代表的な航空産業、航空会社として発展をしていくことを常に見守る必要があると思います。また、我々は国会議員としてそういう義務があると思います。そういうことについての協力、考え方について、これは運輸大臣、社長から考え方を聞かしてください。
    ―――――――――――――
#153
○委員長(田代富士男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤井孝男君が委員を辞任され、その補欠として宮崎秀樹君が選任されました。
    ―――――――――――――
#154
○国務大臣(橋本龍太郎君) 日本航空株式会社法が廃止をされますと、日本航空は完全に民営企業として他の同業と同様に航空法上の路線免許とか運賃認可、安全規制等の監督を運輸省から受けることになるわけであります。
 ただ、国会との関係ということでありますと、これは国政調査権の行使の問題でありますから、特段の問題がありました場合、他の企業と同様、国会としてこの日本航空に関する問題を取り上げられることも当然あるであろうと思います。そして、その場合におきまして、日本航空が資料の御要求だとか、あるいは参考人の陳述等、院の意思の御表明がありました場合には、当然適切に対応するものと私は理解をいたしております。
#155
○参考人(山地進君) 一般の私企業になるわけでございますが、国民の一人として国会並びに政府の御判断におまちをいたします。
#156
○安恒良一君 ぜひ私は、我々がここの中において大きく取り上げなくていいようになってほしいものだと思いますが、まだまだいろんなことが起こるかもわかりません。それは何も事故という意味だけじゃありません。いわゆる例えば今申されたようなダブル、トリプル化の問題についてもいろいろ三者なり四者でいろんな意見が出たり、また地域住民の要望等についても、増便その他についてもいろんなのが、いやここをふやしてくれというのも出てくると思いますから、どうしても我々は十分この航空産業について重大な関心を持たざるを得ないと思いますから、どうぞ今私が言ったように、必要に応じて我々が資料を求めた場合には出してもらうし、それから委員会に出席をしてもらいたいと思うときには、所定の手続をとってきちっとやりますから、その際には出てきていただきたいということを最終的に申し上げておきます。
 そこで、防衛庁、外務省おそろいですから、穐山さんからもかなり詰められましたニアミスの問題のところ少し詰めてみたいと思います。
 まず、私は、ニアミスというのをどういうふうに考えるかというと、高性能を持ったスポーツカー、それを若い青年の人が運転をする。一方、こっちは高速道路に満員の乗り合いバスが走っている。それをかすめて追い抜いたり、もしくはややジグザグで走られる。これじゃ満員の乗り合いバスの運転手は危険でたまらないんですよ、たまらないんです。どうもそんな現象じゃないか。まあ、きょうは穐山さんの質問に対して担当局長出でおいでになりましたから、かなり神妙にお答えになりました。決算委員長ですから後で大変だということもあるだろうと思いますけれども、だけど、この前課長がお見えになったときは、非常に、課長の答弁聞いて私自身は憤慨したんです。また運輸大臣も憤慨されたんですね。
 というのは、運輸省側は、これはニアミスであるとか、それから訓練空域を逸脱していると、こういうふうに思っておられても、どうも防衛庁の方は国土防衛というのが先になるのかどうかわかりませんけれども、きょうははっきりしたんですが、例えば八月十一日の高知の問題、十九日の千歳の問題についてもニアミスかどうかまだ調査中だとか、そんな答弁に終始された。
 そこで私は実はこの質問を用意したんですが、まあ穐山さんの質問の中でかなりその点は明らかになりました。しかし、そこで私はお聞きをしたいんですが、これ、運輸大臣、憤慨したり怒られたり、それから防衛庁に申し入れしただけでは解決できないと思うんですね。ですから、訓練空域を逸脱する自衛隊をどう防止するのか。防衛庁側はどういうふうに考えるか、運輸省側はどういうふうに考えるか。この場で具体策……
 というのは、御承知のように、穐山さんの質問で、高知沖のやつはパイロットの判断でミスを犯したんだというふうに御答弁されましたね。ですから、今後こんなことがあってはいけませんから、訓練空域を逸脱する自衛隊機を防止するための防衛庁側の具体策、運輸省側の解決策、この場でひとつ答えてみてください。
#157
○政府委員(長谷川宏君) お答えいたします。
 私どもの方といたしましては、従来から訓練空域の逸脱防止のために、特に戦闘機等によります激しい機動を行います航空自衛隊の訓練につきましては、レーダーサイトの監視、助言を行う等の措置をとってきたわけであります。
 海上自衛隊につきましては、今回のU36A以外には高高度訓練空域を使用する例というものがなかったわけでございますが、しかし、空白に準じた指導を行ってきたところなのであります。
 今回の事例にありましては、視界が良好であり、かつ試験のための飛行ではありましたけれども、飛行形態において激しい機動を含むものではないということから、機長として、空白の、航空自衛隊のレーダーサイトの支援を依頼しなかったものであります。結果的にはこのことが空域逸脱を防ぐことができなかった要因となったことを深く反省しております。
 今後は、運輸省のお申し入れの趣旨をも踏まえまして、海上自衛隊を含む飛行につきましても、今回のような空域使用のケースについては必ずレーダーによる監視、助言を行うようにする考えでおります。
#158
○政府委員(山田隆英君) 運輸省といたしましては、本件八月十一日に高知沖で発生いたしましたニアミス報告を受けた案件につきましては、これまで調査した事実を踏まえまして、八月二十八日に防衛庁あてに航空局長名で申し入れを行いまして、それで、その内容は「自衛隊機の訓練・試験飛行は、訓練・試験空域内において行うこと。」それから、第二点といたしまして、「自衛隊機が訓練・試験飛行を行う場合は、防衛庁は、常時、レーダー及び対空通信により当該機を監視すること。」ということでございます。
 なお、ニアミスかどうかについてはまだ調査継続中でございます。
#159
○安恒良一君 二つお聞きしたいんですがね、この申し入れはこのとおりに防衛庁はするでしょう。
 それから、ニアミスかどうかはまだ調査中、それが気に入らないわけでね。いつまでかかるの、そのニアミスかどうかというのは。
 私の手元にこの中間発表ということで、「全日空三五四便と海上自衛隊機の接近について」という、いろんなことあなたたちはしておるじゃないですか。全日空関係者からも、また自衛隊関係者からも聞き、それから運輸省東京管制部、それからフライトレコーダーの解析からいろんなことを、今までやったことはこれはきのうかおととい私のところに持ってこられたんですがね、にもかかわらずに、ニアミスかどうかはまだ調査中でと、運輸大臣ね、こんなもの、調査いつまでさせるんですか。早く結論をやっぱり出さなきゃだめです。再発防止のためにも。ここに書いてあるようなことをずっとやっておって、ニアミスならニアミスと言ったらいいじゃないですか。何でそんなこと言い切らないの、ニアミスかどうか。それでは国民はたまったものじゃないんですよ、あなた。八月の半ばに起こってもう九月に入っちゃったんだからね。それなのにまだ調査中でございます、調査中でございます。我々の委員会が、それが調査がいつまでもかかるなら待たなきゃならぬよ、この委員会ちょっと休憩して待たなきゃならぬ、結論を。だからもう少し事を、私はこういう問題については迅速に結論をやっぱり出さなきゃいけないと思うんですよ。それがためにこれだけのことをやられておって、今もって、いやまだニアミスかどうかわかりませんと、これは一生懸命調査してと、これじゃ国民は大変不安なんですがね。そこのところ、どうですか大臣、あなたは行政の長としてですね、こんなことじゃちょっと困ると思いますがね。どうです、そこのところ。
#160
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御指摘のとおりの御意見は、私もそのとおりだと思います。そして、できるだけ急ぐようにと事務方の諸君にも督促をいたしておりますけれども、技術的な問題になりますと、私もその詳細がわかりません。
 ただ問題は、実は今回のケースにつきましてはニアミスでおるかないか以前の問題として、訓練空域外で自衛隊機が訓練または試験飛行を行っておったその事実そのものでありまして、この事実についてはとにかく至急に防衛庁としてきちんとして対処を求めたということであります。
#161
○安恒良一君 訓練空域外の対処と同時に、私はニアミスも結論出してもらいたいと思うのは、千歳空港の両方の主張が、この前ずっといろんな人から聞いているとかなり食い違っているわけですよね、千歳空港のは。民間航空側は非常にニアミスだと、こう言っているんだ、パイロットは。自衛隊側の言い分は物すごく離れているわけですね。ですからこの前も、これもまた時間がありませんから細かく中身は聞きませんが、自衛隊側の主張で、いわゆるいやニアミスじゃないんだと、かなり離れておったと言われてますわね。私がこの前開いたときは、あれはたしか九キロですか。九キロも離れておったらそんなもの見えるものじゃないですよ、飛行機なんていうのは、九キロも離れておったら。九百メートルというならわかる。九百メートルというならわかる。ところが、全日空側の主張と防衛庁の主張、そこでも大きな隔たりがある。これもこの前から同僚議員がいろいろ聞いているけど、まだ調査中です、調査中ですって、どのくらい離れておったかなんというのがそんなに食い違いがあったら困るんですよ。ですから、千歳の問題についてあれだけ同僚議員が問題にしたんですが、その後、今私が言った自衛隊側の主張と民間パイロットの主張の食い違いがかなりありますが、千歳の問題についてはこんな資料いただいてないわけよね。これは高知のやつはある。しかし、その後に千歳で起こっているんですから、千歳の問題についてどういう調査をして、どういうふうになってますか、千歳問題は。
#162
○政府委員(山田隆英君) 千歳の件につきましては、八月十九日に全日空機と防衛庁機が千歳空港の近くでニアミスをしたという報告を全日空機から受けたわけでございます。
 その後私どもといたしましては、この区域が現在千歳の防衛庁で管制が行われているということにかんがみまして、防衛庁から管制の報告を受け、また、全日空機につきまして乗員からそのときの状況について聞いておるところでございます。
 ただ、調査の内容につきましては、まだこれから防衛庁のパイロットからも事情を伺うことにしておりますし、調査中ということで、詳細については公表を差し控えさせていただきたいというふうに御理解願いたいと思います。
#163
○安恒良一君 大臣、十九日に起こったのにまだあんな調子だよ、これ。まだ聞いていませんと言うんだから。航空局長自身が聞いてない、怠慢もいいところ、怠慢も。ましてやこの委員会の審議が始まったときから何回も何回も言われておったら、最後の質問のときそんなこと聞かれるぐらいわかっておるでしょう、あなた。そんなこと黙って見過ごすはずなんかないじゃないですか。なぜ、今あなたがおっしゃったように、防衛庁のパイロットからまだ聞いてないとこう言う、運輸省自身が。
 それから防衛庁側はどういうふうにこれに対処しているんですか。あなたの方が管制権持っているから非常に調査がしにくいと言っているんですが、当委員会でも非常に大きな問題になっている。防衛庁側はどういう調査をしたんですか。それから、そういうことがあるんなら、具体的に文書で出せるものがあったら出してください、きちっと。どういうふうになっていますか。
 それから運輸省側は、今言ったように、まだこれからパイロットに聞きますと、八月十九日から何日たっていますか。まだパイロットの意見も聞いてない、なぜ聞かぬのですか。しかもこの委員会はもうきょうで三日目ですよ。連続三日やっているわけじゃないんだ、週の中で火、木とやってきているわけだから、当然あなた問題になるでしょう、それなのにまだパイロットから聞いてない。それで口では安全を一生懸命やりますとか行政指導やりますとかね、そんなことできるんですか。どうですか、防衛庁と運輸省。
#164
○政府委員(長谷川宏君) 確かに先生御指摘のとおりでありますけれども、ニアミスにつきましては現在調査中の事案でございますので、当事者の一方といたしまして現時点で具体的な数値について言及いたしますことは非常に適切を欠きますので、御勘弁願いたいと思います。
#165
○安恒良一君 勘弁ならないんだよ、そんなことは。調査中でございます。いつに結論出るんですか、いつ報告書を僕のところに持ってくるんですか。いつ持ってくるんですか、いつ結論出すんですか、防衛庁。国民はたまりませんよ。十九日に起こった事故について、調査中でございます、御勘弁くださいと言ったって、勘弁して引き下がるわけにいかないんだよ。
 それならば、何月何日までに結論を出して持ってくるかどうか、その点をはっきりしてください。
#166
○政府委員(長谷川宏君) この件はやはり防衛庁だけでは決められない要素があるわけでございます。それで時間がかかっておるわけです。
#167
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは私ども努力をして、運輸省として調べられる限りは調べてまいりましたが、確かに防衛庁のパイロットをまだ事情聴取ができておらない点はおわび申し上げます。
 どんなに遅くとも来週中にはこれを完了いたします。
#168
○安恒良一君 わかりました。運輸大臣、防衛庁長官ともよく話をして、来週中には結論を出してやっぱり国民に明らかにする、こういうふうにしていただきたいと思います。
 それから、それじゃそこで、千歳空港の管制のあり方についてこの前いろいろ同僚議員から出たんですね。私も実はおとといからきのうに北海道に行く用事があって、見たんですが、やはり新空港でもちょっと、大型機がくるのにもう自衛隊機の練習はどんどん、どんどん続いているんですよね。私実際、おとといの晩からきのうにかけて行って、ちょっと見てきたんですが、これはちょっと、新千歳空港の管制のあり方については再検討されないとまたニアミスが起こりやしないかなという感じを、私の目で見ても、自衛隊機が千歳空港周辺を飛び回っているのを見ると、これでいいのかなという感じを実は私はしました。
 ですから、まずニアミスかどうかの結論を早急に出していただくと同時に、もう一遍私は、運輸省と防衛庁の間で新千歳空港の管制のあり方についてぜひ慎重な検討をしていただきたいと思いますが、どうでしょうか、慎重な検討について。
#169
○政府委員(山田隆英君) 新千歳空港の管制業務につきましては、以前から防衛庁といろいろ御協議をしてきたところでございます。しかしながら、新千歳空港が現在防衛庁が管制を行っておられる千歳空港に非常に近接している状況にかんがみまして、両空港の管制は一元的に実施する必要がありますので、防衛庁と所要の調整の結果、これまでの防衛庁の二十年以上に及ぶ実績をも踏まえまして防衛庁が実施するということにしたものでございます。
 ただ、防衛庁が実施するに当たりまして、民間航空機の安全なり効率的な運航というものの確保ということから、千歳空港には来年度予算におきまして管制統制官というものの組織及び人員の要求をいたしました。そのような組織のもとにおきまして、円滑な運用を図ってまいりたいというふうに考えております。
#170
○安恒良一君 管制統制官の話は聞いたんだけれども、その上でなおこっちは心配になっているわけだ、行ってみたら。というのは、今一つ言っても、ニアミスかどうかの結論と言ったら、防衛庁は私のところだけで決まりませんからということでまだ結論出ていません、運輸省はあれは防衛庁が実体握っているんだからということで、やっと私から突つかれて突つかれて大臣が来週中にとこうなるわけでしょう、これ、これ一つ見ても。この前、八月十九日に起こった事件についてもこれだけ国会で厳しく、やかましく言わないと、両方が責任のなすり合いか責任を回避し合っている。しかし、万が一事故が起こったときは大変なんだよ、これは、前にあるんだから、雫石。そういう意味からいうと、今私はここで結論を言っているわけじゃないんだから、もう一遍、何とか管制官をふやすことも結構ですよ、結構ですが、これは六十三年度要求しているということなんですから、結構ですが、千歳空港というのは国内線の離着が非常に多いわけですから、大型機の、その一方において自衛隊の方も物すごい訓練を繰り返しているということを見ると、そういう問題について、私は再検討をしてもらいたいということでありますから、このことは答弁要りませんけれども強く要望しておきます。
 もう一遍大臣、今言われたようなことについて少し、こういう点は大臣専門屋じゃないとわからぬと言われるけれども専門屋の方がかえって過ちを起こす場合があるんですよ。こういう場合は。やはりどういうふうにしたらうまく民間航空機の離着陸ができ、それから片方の方の自衛隊は自衛隊でできるかということを大臣等がお話し合いにならないと、私はどうも自衛隊の方におれたちは国防ということの思い上がりがあるんじゃないかという心配をするわけです。おれたちは国防だから最優先だと。人間の生命は国防であろうと何であろうと生命の価値は同じなんですから。その意味からいうと、どうも私は自衛隊だけに任じておく、まあそれを調整するための統制官と言われますが、果たしてそれでいいだろうかなと、実は現地を見て私はそんな気がします。そこで、どうぞ慎重な御検討をひとつお願いをしておきたいと思います。
 そこで、私に残された時間も少なくなりましたから、外務省の局長に来ていただいていますから、実は穐山さんと局長のやりとり、それから運輸大臣の答弁聞いておりますと、どうも法解釈の問題よりも具体的解決として私は納得できないんですね。法解釈についても少し、まあ法解釈というよりも日米安保協定ですか、協定の条文解釈についてもいろんな意見があったようですが、どう考えても運輸大臣がおっしゃるように、那覇空港の民間機のいわゆる問題は、既に運輸大臣が四年前からいわゆる返還を求めている。ところが、アメリカ側から無回答なんですよね。だから私は本当に安保条約における日米事務レベル協議において具体的にこの問題はどう取り扱われているのか。既にもう四年前に要求出しているわけですからね。ところがあなたが言われるから、北米の局長から言うと、アメリカの方から慎重にということで回答がないということだと思いますよ、きょうのやりとり聞いていると。
 そうすると、私は少なくとも沖縄返還が終わってから今日になって我が国が技術的に十分対処し得る、いやそれだけじゃないんだと、もう一つあるんだと盛んに北米局長言われますけれどもね。少なくとも我が国の主権ということからいいますと、いわゆる空の本土復帰は非常にまだ遠いと、こういうふうに新聞にも大きく、でかでかと穐山同僚委員の質問に関して出ていますけれどもね。私はもう四年間もアメリカ軍が無回答ということは許されないと思う。ですから、いま少しこの四年間の事務レベルにおける協議、どういう協議をしているか。なぜアメリカがこの問題について返そうとしないのか。この点について、安保条約における日米事務レベル協議のこの間の扱い方、四年間の進行状況、こういうことについてちょっと説明してみてください。
#171
○政府委員(藤井宏昭君) お答え申し上げます。
 けさほど穐山委員の御質問にお答え申し上げましたとおり、昭和四十七年の五月十五日の日米合同委員会の合意におきまして、那覇空港の進入管制につきましては日本政府がこれを行うまでということでございまして、その背景にはもちろん日本に能力が付与された場合ということでございますが、同時に、同じ五・一五の合意の中で二つの原則を出しておりまして、アメリカの基地に関しては米側ということを言っておりますので、その調整が必要であるということでございます。
 そういうことの上に立ちまして、五十八年にアメリカ側に話を運輸省当局を中心にいたしまして行ったわけでございますけれども、先方はこの打診に対して慎重に検討するということを言ってきております。
 その後のいろいろな状況におきまして、日常の接触におきまして運輸省当局はもちろんのこと、外務省といたしましても日常の接触の過程でアメリカ側の意向を折に触れて聞いておりますけれども、ここで言っておりますアメリカの慎重に検討するということは、本件が困難だという感じが非常に強いということでございます。
 この点は本年の五月に上原議員の質問主意書に対しまして政府がお答えいたしましたとおり相当困難だということが現在におきます感触でございます。
 その理由といたしましては、やはり嘉手納空港と申しますのが米軍にとりまして大変に重要な施設である。その進入管制を米軍といたしましては現在米軍が扱っておりますように扱っていきたいということがあるのではないかと思います。
#172
○安恒良一君 どうも大臣わからないんですよ。ですから、これはもう幾ら繰り返してもこれでまた時間とるのもったいないですが、大臣やはりこれは外務大臣とお話くださって、大臣は既に技術的には十分日本でできるんだ、だから返還要求を出したんだと。ところが向こうは慎重にと、こう言っている。今だんだん詰めてきたら、慎重の中身を詰めてきたら何となくアメリカがやる方がいいんだから困難だと。こんなことでそのまま四年間も過ごしておくという手はないと思うんですよね。ですから、これは四年間たってしまったんですから今さら言ってみてもしようがありませんが、運輸大臣これはやっぱり外務大臣とよく話をされて強く私はこの返還要求をされてしかるべきだと思うんですよね。
 今お聞きする限りにおいて、私どもは沖縄のやつを全部こっちでやろうと言っているんじゃないんですからね、アメリカ軍のことまでやろうと言っているわけじゃないんですから、いわゆる日本の民間航空機の扱いについて進入管制のことを言っているわけですからね。アメリカの飛行機のことを何もこっちを言っているわけじゃないですから、そんなところでアメリカにそんなに遠慮する必要はないと思うんですよ。
 この点もうこれより以上幾ら議論したってあれですが、運輸大臣、運輸大臣としてはやっぱり空の本土復帰というものも早くこれをしないともう十五年たっているわけですから、少なくとも我が国の民間航空機のいわゆる進入管制権についてはこの際運輸大臣としては重大な決意を持って、これは外務省の協力を得ないとできないことですから、外務大臣ともお話し合いをされて問題の解決をしてもらいたいと思いますが、この点について運輸大臣のお考えを聞かしてください。
#173
○国務大臣(橋本龍太郎君) 運輸省としては既に五十八年時点において管制業務を実行し得る能力ありという自信のもとにアメリカ側に対してもその意思を表明しておるわけであります。外務大臣に対しましてもちょうど明日閣議の前の時間にでもただいまの御論議をそのままに伝えて強力な要請をしたいと思います。
#174
○安恒良一君 運輸大臣の決意のほどはわかりましたからね、北米局長、やはり外務省も外交というのは相手に言うときには言わなければだめなんだよ。何でもかんでもアメリカが言うたらはいはいはいはいと言っておったら外交にならない。私なんかどこの国に行ってもその国の長所は長所、短所は短所でずばっと言ってやる。そうすると、本当にありがとうございましたと言うんだよ。おべんちゃらばっかり言ったり、こびへつらってもだめなんです。そんなこと外交官だからよくおわかりだと思いますね、率直なことを言って。
 ですから私は、こういう問題について運輸省が技術的に見てもう四年前から出ておる、それは最近出たというならまだ慎重にというのはわかるけれども、四年間も慎重に慎重にて黙って過ごしておくような外交というのは僕は間違いだと思う。ですから、運輸大臣からも伝えてもらいますが、あなたからも大臣によく伝えてもらって、やはりこの問題については外務大臣としても空の本土復帰が実現できるように努力すると、こういう考えは持ってもらいたいと思いますが、どうですか。大臣じゃないから答えられぬというならやむを得ません。これはまだこの次予算委員会がなんかのときに大臣にじかじか聞くことになりますが、ひとつ少なくともきょうはあなた大臣を代理して出てきているんだから、その意味からいうと少なくともこういう問題について決して日本側の要求は無理なことを言っているわけじゃないんだから、その場合に難しいとか慎重にということで四年間もそのまま放置されているという、そういう私は外交のあり方というのは日本の外交のためにもよくないと思うが、こういう点についてどうですか。
#175
○政府委員(藤井宏昭君) 先生の外交に関する一般的なお考えは全く同感でございます。
 それから、本件につきましては大臣に詳しく御報告申し上げます。が、いずれにいたしましても、この件につきましては従来から運輸省と十分協力いたしましていろいろアメリカ側と話をしてきておるわけでございますが、アメリカの態度は先ほど申しましたようなことであるということは事実であるかと思います。
 問題は、進入管制につきまして技術的に那覇空港とそれから嘉手納空港とを分離できないということでございます。が、いずれにいたしましても、今後さらに運輸省とも協力いたしまして本日の委員会の御指摘を外しながら米側の意向の確認等努力してまいりたいと思います。
#176
○委員長(田代富士男君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#177
○委員長(田代富士男君) 彼異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#178
○安恒良一君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました日本航空株式会社法を廃止する等の法律案に対しまして反対の討論を行うものであります。
 反対の第一の理由は、この法案の主たるねらいである日本航空の完全民営化そのものが民活という名のもとに強引に進める国民犠牲の中曽根行革の柱の一つであるからであります。
 日本航空は既に五十七年の法改正により大幅な自主性を持ち、これまでも政府の恩恵こそ受けてはきたが、ほとんど自主的な経営を行ってきており、政府が今さら完全民営化を主張する根拠は、それほど説得性はないと言わなければなりません。
 したがって、ここでさらに民営化を強調する意味は、運輸行政そのものを企業間の競争のみに力点を置き、国民の足の確保のために行政の果たすべき役割を次々と放棄する運輸行政自体のあり方を一層鮮明にすることであり、このことは将来に大きな悔いを残すことになることを改めて警告をしておかなければなりません。
 反対の第二の理由は、現在の日航自体がこうした自主性とか競争とかについて社内が一体となって対応できるような姿になっていないことです。
 あの忌まわしい一昨年の一二三便の事故について日航も政府もいま一度思い起こすべきです。五百二十人ものとうとい生命を奪い、二度とこのような惨事を繰り返さないために全社員が一丸となって努力し、その体制づくりこそが急務であるはずですが、その後の内部の首脳陣の混迷ぶりや労使間の対立、幾多の飛び交う醜い情報は余りにも問題であり、国民の不信感を一層強めているのであります。
 あの重大な事故以来、政府と日航はどれだけの改善策を講じてきたのか、事故の心配は全くなくなったと断言できるか、遺族の皆さんへ誠意は尽くされているかについてもかなりの疑問があります。こうした中で、政府も、日航も、完全民営化こそがすべての基礎生言わんばかりの態度ですが、国策として創設をした日航であるだけに組織も人心も一新され、我が国を代表する航空企業として真に国民に愛され、信頼される姿に生まれ変わることこそがすべての前提であるべきです。こうした体制が確立されないまま、完全民営化だけを急ぐ必要はないことを強く主張するものです。
 第三は、このたびの完全民営化は、既に明らかになっているように、あえてその理由を挙げるなら、日航について政府が持っている株を全部放出し、一部を関西新空港の建設資金に使うが、大部分は一般会計に繰り入れるための措置であるということであります。
 このようなやり方で国民の共有財産を拙速に処分することが果たして賢明であるかについても疑問が残るところであります。
 我が国の航空行政全体を考えるとき、今直ちに手がけなければならない課題はたくさんありをする。安全の確保が絶対条件である限り、そのためになすべきことについて、例えば相次ぐニアミスの防止をどうするかは運輸省の管轄において、自衛隊機や米軍機も含めたさらに徹底した管制の一元化のための措置が講ぜられるべきです。そして現在ある訓練空域の設定等についても、民間機の運航確保に万全を置く観点から再検討すべきであります。また機材の検査基準や整備体制の改善問題もあります。
 さらに今後の国際線の拡充については、日米航空協定の不平等性の改善の措置も急務であります。
 また、最近機運が高まってきているコミューター航空を交通政策全体との関係でどう位置づけるかの問題もあります。
 こうした山積する問題について、政府としては早急に的確な対応をすべきであることこそが今日求められていると言わなければなりません。
 以上の理由からして、私は今度の日航の完全民営化は時期尚早であるということを申し添え、私の反対討論を終わります。
#179
○吉村眞事君 私は、自由民主党を代表して本法案に対し賛成の討論を行います。
 本案は、昨年六月の運輸政策審議会の「今後の航空企業の運営体制の在り方について」の答申並びに臨時行政改革推進審議会の「日本航空株式会社を完全民営化するものとする」答申、さらに、これらの答申を踏まえた昨年末の閣議決定に基づき去る第百八回国会に提案されたものであり、以下、次の理由により賛成の意見を申し上げるものであります。
 第一は、我が国における航空輸送は、戦後、全くのゼロから出発したのでありますが、その後、国際線、国内線ともに著しい発展を遂げ、日本航空を含めた我が国航空企業の経営基盤も強化されることになったのであります。
 また同時に、日本航空は、昭和六十年の国際線定期便の輸送実績においてIATA加盟国中第一位を占めるなど世界有数の航空企業にまで成長を遂げることになり、昭和二十八年に特殊法人として設立されました現行法の趣旨はおおむね達成されたと見られるに至ったことであります。
 第二は、今後の航空事業の運営は、安全運航の確保を基本としつつ、企業間の競争を通じて利用者利便の向上等を指向すべきであると考えられます。
 現在、我が国においては、昨年六月の運輸政策審議会の答申の趣旨に沿って新たな国際、国内航空路線の展開が進められておりますが、特に、競争促進を図るため、企業間の競争条件の均等化と日本航空の体質改善による自主的かつ責任ある経営体制を早急に確立することが緊要とされておるところであります。
 このような見地から、同社を完全民営化することはまことに時宜を得た措置であり、賛意を表するものであります。
 第三は、日本航空の完全民営化に伴い、従来、同社の資金調達の大部分を占めておりました政府の債務保証制度及び社債発行限度の特例措置がそれぞれ廃止されることになり、今後はその資金調達が他の航空企業と同様に経営上極めて重要な課題となるわけであります。
 しかし、これについては、運輸政策審議会の答申においても航空企業全体を対象とした新たな政策金融制度の必要性が指摘されておりましたが、本年度から政府系金融機関による航空機購入に係る融資制度が創設されるなど今後の積極的な事業展開に当たっての適切な措置と考えられるのでありまして賛意を表するものであります。
 以上のほか、政府に対しては、今後の航空政策の推進に当たって航空企業全体の健全な事業活動、さらに、航空の安全対策が最大限に確保されるよう適切な指導、監督を行うことを要望いたします。
 また、日本航空に対しては、完全民営化の趣旨を十分に理解し、企業体質の改善による自主的かつ責任ある経営体制を確立するため、労使関係の信頼性の向上等に努めるとともに、全社一丸となって安全運航の確保と利用者サービスの向上に邁進することを要望いたしまして本案に対する賛成の意見といたします。
#180
○小笠原貞子君 私は、日本共産党を代表して、日本航空株式会社法を廃止する等の法律案に対し反対の討論を行います。
 今日、国内航空旅客輸送は年間四千六百万人を超え、航空輸送が大量交通機関として国民の生活や経済活動に根差した公共交通手段となっています。しかし一たび航空事故が起これば、日航墜落事故のように大量の犠牲者を出すのが今日の航空事故の特徴となっております。それだけに航空安全行政の責任はますます重要となっています。
 しかし、中曽根自民党政府は、戦後政治の総決算路線の中、臨調行革の一環として日本航空の完全民営化を打ち出してきました。その臨調行革路線は、安全性や公共性を確保するための規制を緩和し、利潤第一主義となる民営化にすることを目指すものであります。
 利潤優先の行き着く先は、必ずや安全軽視、利便性の低下につながることは火を見るより明らかであります。航空安全行政の充実が求められている今日、それと真っ向から逆行するものであります。これが反対理由の第一であります。
 世界を驚愕させたあのジャンボ機大事故の教訓を今こそ真剣に検討するならば、その事故原因はコスト削減を優先し、整備費の切り詰め、整備体制要員の徹底した合理化などによる安全軽視がもたらしたものであります。その教訓からすれば民営化は断じて許せないのであります。しかもこの大事故後死亡事故につながらなかった故障、そして事故、既に五十二件も発生しているということが当委員会で明らかとなり、極めて重大なことだと思います。
 これは、経済性優先の信頼性整備方式による、整備に時間をかけない、整備間隔を延ばすなど、コスト削減の論理のもとで起こったものであります。壊れないはずのものが壊れたり、整備の対象とならないものが故障して発見されたり、あの事故直前のような状況が生まれており、重大な警告を打ち鳴らすものであります。
 我が党は、民営化をやめ、オーバーホールも含めて抜本的な整備方式を見直し、わずか五分の一しか検査しないサンプリング検査をやめ、整備の体制強化、人員増を要求するものであります。
 以上の理由によって我が党の反対討論といたします。
#181
○委員長(田代富士男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 日本航空株式会社法を廃止する等の法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#182
○委員長(田代富士男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 安恒君から発言を求められておりますので、これを許します。安恒君。
#183
○安恒良一君 私は、ただいま可決されました日本航空株式会社法を廃止する等の法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合の各派の共同提案による附帯決議案を提出をいたします。
 案文を朗読いたします。
    日本航空株式会社法を廃止する等の法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、日本航空株式会社の完全民営化に当たり、次の事項に関し、特段の配慮をすべきである。
 一 日本航空株式会社の自主的かつ責任ある経営体制の確立を図るとともに、整備体制の改善等安全運航の確保、利用者の利便の増進など公共輸送機関としての企業の社会的責任を果たすよう指導すること。
 二 対米路線の以遠権、路線権など総合的な航空権益の平等性確保に一層努めるとともに、航空企業間の企業格差及び路線構成に留意しつつ、国際線の複数社制、国内線のダブルトラック・トリプルトラック化に当たっては、航空企業の適正な発展を図ること。
 三 航空運賃の一層の適正化等利用者サービスの向上に努めること。特に、国際航空運賃については、為替レートの変動に対する適切な対応等利用者が納得できる改善方策を講ずるよう努めること。
 四 日本航空株式会社の中期計画の推進に当たっては、労働組合の理解と協力を得て行うほか、労務政策の公平化、労使関係の正常化に努めるよう指導すること。
 五 日本航空株式会社の政府保有株式の売却益については、その意義にかんがみ、運輸関連のための費用に充てるよう一層配慮すること。
 六 民間機と自衛隊機とのニアミス及び小型航空機事故が多発し、民間機の安全運航に不安が生じているため、航空管制の在り方、ニアミスの事実調査等に万全を期するとともに、小型機の事故対策及び事故調査についても適切な対応措置を講ずるよう努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
#184
○委員長(田代富士男君) ただいま安恒君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#185
○委員長(田代富士男君) 全会一致と認めます。よって、安恒君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、橋本運輸大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。橋本運輸大臣。
#186
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま、日本航空株式会社法を廃止する等の法律案につきまして、慎重な御審議の結果、御可決をいただき、まことにありがとうございました。
 また、附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、政府として十分の努力をしてまいる所存であります。
 ありがとうございました。
#187
○委員長(田代富士男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#188
○委員長(田代富士男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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