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1987/09/19 第109回国会 参議院 参議院会議録情報 第109回国会 地方行政委員会 第5号
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1987/09/19 第109回国会 参議院

参議院会議録情報 第109回国会 地方行政委員会 第5号

#1
第109回国会 地方行政委員会 第5号
昭和六十二年九月十九日(土曜日)
   午前十一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月十七日
    辞任         補欠選任
     神谷信之助君     宮本 顕治君
 九月十八日
    辞任         補欠選任
     宮本 顕治君     神谷信之助君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         谷川 寛三君
    理 事
                出口 廣光君
                松浦  功君
                佐藤 三吾君
                抜山 映子君
    委 員
                岩上 二郎君
                加藤 武徳君
                海江田鶴造君
                金丸 三郎君
                久世 公堯君
                沢田 一精君
                田辺 哲夫君
                高橋 清孝君
                増岡 康治君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                片上 公人君
                神谷信之助君
                秋山  肇君
   国務大臣
       自 治 大 臣  葉梨 信行君
   政府委員
       警察庁長官官房
       長        小池 康雄君
       自治大臣官房長  持永 堯民君
       自治大臣官房審
       議官       小林  実君
       自治大臣官房審
       議官       渡辺  功君
       自治省財政局長  矢野浩一郎君
       自治省税務局長  津田  正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹村  晟君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○地方財政充実に関する請願(第一九六号)
○交差点事故防止対策に関する請願(第二一九号
 外四九件)
○重度身体障害者に対する地方行政改善に関する
 請願(第二七〇号外三件)
○地方財政の確立に関する請願(第四〇七号)
○留置施設法案反対に関する請願(第四〇八号外
 二六件)
○地価高騰による固定資産税等の負担軽減に関す
 る請願(第八二三号外五一件)
○地方の税源の充実強化に関する請願(第八二八
 号)
○小規模住宅用地の固定資産税と都市計画税の税
 額凍結に関する請願(第八四五号外一件)
○交差点等の交通事故防止対策に関する請願(第
 一九六四号)
○続継調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(谷川寛三君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方交付税法の一部を改正する法律案及び地方税法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 両案につきましては一昨日質疑を終局しております。
 この際、佐藤君から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤君。
#3
○佐藤三吾君 私は、ただいま議題となっております地方税法の一部を改正する法律案に対し、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合の共同提案に係る修正の動議を提出いたします。
#4
○委員長(谷川寛三君) それでは、修正案を議題とし、趣旨説明を聴取いたします。佐藤君。
#5
○佐藤三吾君 私は、ただいま議題となりました地方税法の一部改正に関する法律案に対する修正案につきまして、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合を代表し、その趣旨及び概要を御説明申し上げます。
 御承知のように、税制改革全般につきましては、与野党税制改革協議会において協議が重ねられているところであり、いまだに最終的な結論を得るに至っておりません。
 我々は、今回の税制改革がシャウプ以来の抜本改革と位置づけられている以上、地方税制改革案につきまして、社会経済情勢の変化を踏まえ、住民負担の公平の確保、地方財源の充実、国と地方の税源配分の適正化等の見地から、地方団体の意見を十分に聞きながら、慎重な検討を加えた上で、与野党一致により提案されるべきものと主張してまいりました。
 ところが、今回の地方税法改正案は、こうした我々の主張を無視して提案されたものであり、不十分な内容の住民税減税しか盛り込まれておらず、その一方で、減税のための恒久財源として、一般庶民に大きな負担を強いることとなるマル優廃止を前提に住民税利子割を導入しようとするものであります。
 我々としては、当然、これに対してその撤回を強く求め、慎重な協議を続けるべきだと主張してきたところでありますが、住民税減税が緊要の課題となっていること等諸般の事情を考慮し、政府原案に対し、我々として絶対に譲歩できないところを盛り込むため、次の三点の修正を要求するものであります。
 その第一は、住民税利子割の非課税措置につきましては、一般の勤労者財産形成貯蓄を年金財形や住宅財形と区別する合理性に乏しいと考えますので、これも非課税の対象に加えることとするものであります。
 第二には、衆議院修正で加えられた利子課税制度の見直し規定につきまして、利子課税制度の見直しは課税の公平確保の見地から喫緊の課題であることにかんがみ、五年後ではなく三年以内に見直しを行い、所要の立法措置を講ずるものとするよう修正するものであります。
 第三は、住民税における医療費控除につきまして、政府原案では、いわゆる足切り限度額を現行の五万円から十万円に引き上げようとしておりますが、そのような改正を行う必然性は見出しがたく、修正案ではその部分を削除することとしております。
 以上が本修正案の趣旨及び概要であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げま
す。
#6
○委員長(谷川寛三君) それでは、これより両案及び修正案を一括して討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#7
○山口哲夫君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案並びに地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして反対の討論を行います。なお、地方税法一部改正案につきましては、政府原案並びに衆議院において修正されました事項を含めて反対、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合三会派共同提出の修正案について賛成の討論を行います。
 以下、主な反対理由を述べます。
 第一に、本日九月十九日に地方税並びに地方交付税法改正案が本委員会において採決されるということは異例なことであります。そして、ことしは、地方財政にとっていろいろな意味で異常な状態が続いております。当初予算編成時において自民党及び政府は、売上税創設、マル優廃止を既成事実化させるため、その自治体予算への計上を強要いたしました。しかし、六十二年度地方財政計画は、売上税、マル優廃止法案が廃案となる中でその税目すらも消え、政府予算全体とともに根拠なき財政計画の状態が続き、計画同体が何ら意味のないものとなりました。地財計画は、地方財政の運営に支障のないようその財源対策も含めて策定されるはずでありますが、今や地財計画自体が地方財政に混乱を与え、自治体の財政運営を阻害しております。しかも、こうした混乱の原因をつくった政府、自治省はその責任を明らかにいたしません。この一事をとりましても二法案は、地方自治の発展向上を阻害するものであることは論をまちません。
 第二に、政府の説明によると売上税、マル優の影響額及び法人関係税の増額の見送りによる地方税収の落ち込みは、六十二年度交付税に特例加算するとされています。しかし、その財源はもともと六十一年度決算剰余金の交付税繰り入れ分であり、地方の固有財源であります。国の責任による地方の税収減を地方固有財源で穴埋めするということは、すなわち地方財政に責任と負担を転嫁することにほかなりません。なぜ、国の自前の財源で補てんしないのか、国がもたらした税制改革の混乱による税収減に対して国が責任を持って補てんしないことについては容認できません。
 第三に、シャウプ以来の税制抜本改革とされながら地方の意見が全く考慮されていないことを問題にしたいと思います。今日において税制改革を行うのであるなら、国と地方の税源の再配分は当然検討されてしかるべきであります。しかし、大蔵省と自治省は抜本改革に当たり早々と国と地方に「中立」という覚書を取り交わしております。
 しかも、抜本改革と言いながら社会保険診療報酬課税の適正化、法人事業税の改善、非課税特別措置の廃止など地方税改正の懸案事項は何ら手がつけられておりません。何ゆえ、こうした数々の課題を放置しているのでしょうか。国民の税に対する不満は間接税でもマル優廃止でもなく、不公平税制の是正であります。政府案のどこが改革なのでしょうか。例えば、社会保険診療報酬に対する事業税の非課税問題は地方税における不公平税制の象徴であり、財源的にも約六百億円の減収を招いております。また国の租税特別措置という政策的税制優遇をなぜ地方が一律に従わなければならないのでありましょうか。自主課税権の著しい侵害と言えます。
 第四に、個人住民税減税が極めて不十分であります。第一に、所得税の最低税率は一〇・五%で据え置かれていますが、個人住民税の最低税率は二・五%から三%へと引き上げられ、税体系としては低所得者に対する増税となっています。第二に、住民税においては扶養控除等の引き上げによって課税最低限は若干引き上げられますが、所得税の課税最低限との格差は厳然としております。課税最低限の格差は何ら合理性のあるものではなく、非課税限度額という当面の方便ももはや改めるべきと考えます。第三に、与野党幹事長・書記長会談において所得税の刻みをさらに動かすことによって二千四百億円の減税上積みが確認され、所得税法の刻みが修正されました。所得税の刻みと住民税の刻みは整合するものでなくてはならないはずであります。住民税がそのままにされれば住民税負担の比重が上がり、納税者にとっては実感として住民税負担増となります。我が党は、個人住民税減税も所得税と同様に上積みし、刻みのアンバランスを是正すべきと主張してまいりましたが実現しませんでした。個人住民税に対する負担感は極めて高いと言えます。所得税制度との調整も含めて早急にさらなる改善に着手すべきであります。
 第五に、マル優廃止の問題であります。これは、今回の税制改革におきまして売上税とともに政府案の根幹的欠陥を構成するものであり、不公平を温存し、取りやすいところから取るという政府の安易な姿勢の象徴でもあります。マル優廃止は庶民に対する増税であり、断じて容認できません。衆議院における修正で総合課税とのかかわりにおいて利子課税制度の見直し規定が盛り込まれましたが、これでも不十分であり、総合課税に逆行するかかる制度は我が国の税制を後退させるものと言えます。また、キャピタルゲイン課税につきましても原則課税を放棄したかの改革案は国民の不公平感を助長させるものであり、我が党は直ちに不公平税制の抜本解消を図るよう主張いたします。
 なお、三会派共同提出の修正案につきましては、原案の持つ庶民の増税と税制のゆがみにつきまして、少なくとも歯どめをかけたいという思いから出されたものであります。政府並びに与党におきましては、その提案している欠陥法案の害を少しでも少なくするという視点から修正に応ずるべきであると考えます。
 次に、地方交付税法案の問題であります。本案が地方税法に先立って参議院に送付されるという異常な処理によって、我が党は、その異常性を強調する意味で本会議質問を差し控えましたが、その内容も問題点が多くあります。
 第一には、補助金カット問題であります。六十一年度特例法に基づく一兆二千八百億円の地方財政への負担転嫁に加え、約束を破り、新たに二千百七十億円の負担転嫁が行われました。言語道断の措置であります。財政再建計画が破綻した以上、補助金カットを続ける合理性は全くありません。この際、カット中止と原状回復、新たなカットは絶対に行わないことを強く主張いたしておきます。また、国民健康保険財政はまさに国の施策の見込み違いによって火の車であり、市町村は一般会計から多大な持ち出しをし、それでも赤字の状態であります。保険料を三割近くも上げなければならない組合も出ております。その仕組みからいっても国は補助率をもとに戻し、さらに不足分の手当てを行うべきであるにもかかわらず改善しないことは重大な問題であります。
 第二に、今年度補正予算における地方財政の財政需要増はその大半を地方債によって措置するとされました。これにより地方財政の借金構造はさらに深化するとともに、交付税制度の硬直化も進行せざるを得ない事態となりました。地方交付税法第六条三の二項の趣旨はどうなったのでしょうか。また、その関連で、NTT株売却益の相当部分は、無利子貸し付けによる地方債への組み込みという形ではなく、地方財源として配分されるべきであると考えますが、これもまるで大蔵省の私有財産であるかの扱いをされていることは容認できません。
 さらに、緊急経済対策においては地方単独事業の八千億円の追加要請も盛り込まれておりますが、これは修正された地方財政計画のどこにもあらわれていません。政府の経済対策はこれを見てもまやかしと言えます。
 以上、主なる反対理由を述べてまいりましたが、こうした不毛の税制改革案、地方財政改正法案を提出し、しかも異常な逆立ちするような処理を行う政府、自治省の姿勢に不信を持たざるを得
ません。政府、自治省及び与党の反省を促し、私の討論を終わります。
#8
○出口廣光君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案及び地方税法の一部を改正する法律案の原案に賛成、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合三党の共同提出に係る地方税法改正案に対する修正案に反対の討論を行うものであります。
 最初に、地方交付税法の一部を改正する法律案は、一つには、税制改正の見直しにより、当初予定額よりも減収となる地方交付税について、昭和六十一年度分国税三税の自然増収による精算額から二千二百六億円を充てるなど、今年度の地方自治体の財政運営に支障のないよう当初予定額を確保しようとするものであります。
 二つには、その上で三千五百億円の地方交付税を増額することを内容としております。これは、内需拡大、対外均衡の是正などのための緊急経済対策が既に政府において決定され、実施に移されておりますが、その一環としての追加公共事業の地方負担分に対する財政措置であり、まことに時宜を得た適切な措置であると思われます。
 次に、地方税法の一部を改正する法律案は、最近における社会経済情勢の変化等に即応した税制全般にわたる改革の一環として住民負担の軽減及び合理化等を行うこととし、個人住民税について税率構造の緩和、基礎控除額等の引き上げ及び配偶者特別控除の創設を行うとともに、住民税における利子課税制度の合理化等の改正を行おうとするものであります。
 我が国の税制は、シャウプ勧告に基づき、昭和二十五年に国、地方を通ずる現行税制の基礎が確立されて以来、四十年近くを経過しており、この間、我が国の社会経済においては、著しい変化が起こっております。特に最近におけるその急激な変化を背景とし、税制に関してさまざまなゆがみひずみ等が指摘され、その一方で国民の税に対する重税感が高まってきております。このような中で、税制全般にわたる見直しを行い、国民の信頼と理解に裏づけられた税制を確立することが、政治に課せられた緊急の課題となっておるのであります。
 政府提出に基づく原案は、このような税制全般にわたる改革の必要性を十分に踏まえながら、現下の厳しい地方財政の立場も考慮しつつ、住民の税負担の軽減及び合理化等を行おうとするものであり、当面の措置として妥当なものであると思うのであります。
 最後に三党共同提案による修正案は、勤労者の財産形成貯蓄等の非課税の対象を拡大すること等を主な内容とするものであり、今回の利子に対する税制改革の趣旨が利子所得に対し一律分離課税を行おうとするものであることを考慮すると、公平の点から見て修正案に対し賛成することはできかねます。
 以上の理由により地方交付税法改正案及び地方税法改正案の原案に重ねて賛成の意を表し、三党共同提案の地方税法改正案の修正案に反対であることを申し述べ、私の討論を終わります。
#9
○片上公人君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました政府提出に係る地方交付税法の一部を改正する法律案及び地方税法の一部を改正する法律案に反対、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合三党共同提案による地方税法の修正案に賛成の討論を行うものであります。
 まず、地方交付税法改正案に対する反対理由を申し上げます。
 地方財政を取り巻く環境は、近年ますます悪化の傾向をたどっております。その証左に、本年度末には普通会計債及び普通会計負担分の企業債並びに交付税特別会計借入金残高の総計が約六十五兆円の巨額に達することになっております。
 また、個々の地方団体を見ましても、公債費負担比率が二〇%以上の団体は、昭和四十九年度には皆無であったのですが、昭和六十年度決算で見ますと、全体の約三分の一を占める一千三十六団体となっております。したがって、地方財政対策として求められるのはこうした財政運営から脱却するための方策であります。
 翻って、本年度の地方財政対策を見ますと、当初の財源不足額二兆三千七百五十八億円に対し、とられた補てん措置は約八割に相当する一兆八千七百三十億円の地方債増発であります。さらに補正措置においても、税制改革見直し後の財源確保三百九十三億円、追加公共事業に対する地方負担分のうち六千三百七十七億円はいずれも地方債の増発でありまして、地方財政の硬直化をさらに助長する対策というほかありません。
 しかも、当初の財源不足のうち一兆四千九百七十億円は、国庫補助負担率の引き下げによる国から地方への負担転嫁がもたらしたもので、地方財政を圧迫することになります。六十一年度から三年間の暫定措置として引き下げ措置が大きな影響をもたらすため、この間は、国、地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じないとの公約が交わされたのであります。それにもかかわらず、六十二年度も新たな補助負担率の引き下げ措置が加えられ、地方財政に一層の混乱を来しております。その影響は、最近の追加公共事業にも及び国費減額相当額一千三百五十億円に地方債を充当せざるを得なかったところであり、容認できるものではありません。
 次に、地方税法改正案についてであります。
 最初に、原案に反対する最大の理由は、今回の地方税法改正案は国の所得税法等改正案とともにマル優を廃止するものであるからであります。
 マル優は、申すまでもなく一般の勤労者が老後の備えとして、あるいは不意の出費のためのいわは生活防衛のためにささやかな貯蓄を行っていることに対し恩典を与えているものであります。それを一部に制度を悪用する不心得者がいるからといって、マル優制度全体を一挙に廃止するようなことは許されるべきではないと思うのであります。マル優廃止に当たっては、利子所得の把握方法、公平な課税方式、他の資産に対する課税のをり方等を時間をかけて検討した上で結論を出すべきであり、マル優廃止だけを取り出していたずらに押し通そうとする政府の態度は極めて問題であると言わなければなりません。
 反対の第二の理由は、原案における住民税減税が住民の税負担の真の軽減につながっていないからであります。
 政府の当初案におきましては、住民税減税は今年度から実施されるはずでありました。それが今年度において見送られたばかりでなく、その規模も当初案では平年度で七千五百億円の減税が予定されていたにもかかわらず、昭和六十三年度で五千億円、昭和六十四年度以降六千六百億円の規模に縮小されております。
 このように当初予定されていた今年度の住民税減税を行わず、その上減税規模を相当縮小していることは、真の負担軽減につながる減税を要望する国民の期待に背くものであって、到底容認できないものであり原案に反対するものであります。
 次に、三党共同提案による修正案は、政府提出に基づく原案が真に国民のための地方税制となるためには、マル優廃止、撤回等抜本的な見直しが必要なのでありますが、住民税減税が緊急の課題となっていること等の事情を配慮し、住民税における勤労者財産形成貯蓄の非課税となる対象を拡大することなど必要最低限の見直しの要求を行うものであります。
 私は、この修正案に賛成するものであり、原案に反対であることを再度表明して、討論を終わります。
#10
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっている地方税法一部改正案及び地方交付税法一部改正案並びに社・公・民三党修正案に反対の討論を行います。
 政府提出の両案に反対する最大の理由は、公約違反のマル優廃止を前提としている点にあります。
 マル優廃止問題は、売上税導入とともに、公約違反は許さないという当然の国民の怒りの前に廃
案となったものであります。それが、我が党を除く自・社・公・民各党による私的機関、税制改革協議会における密室協議の中から再び生まれ出てきたのであります。しかし、公約違反であることには何ら変わりはありません。しかも、庶民にはゼロから二〇%へと大増税、金持ちには三五%から二〇%へと大減税ですから、容認することができないのは当然ではありませんか。
 このようなマル優廃止を財源として、減税や地方財源の充実に充てようとするのですから、言語道断であります。
 以下、両法案について基本的な問題に限り、具体的に反対理由を述べます。
 まず、地方税法改正案についてであります。
 反対理由の第一は、マル優制度が廃止されれば、大多数の庶民にとっては減税どころか逆に増税となる点であります。
 政府は、マル優廃止を考慮しても、すべての階層が減税になるとの試算を発表しましたが、これは全くの詭弁であり、国民をだます許されない行為であります。
 共働き家庭の八割の人たちには、所得税及び住民税の減税が吹っ飛んで増税となることは政府も認めているではありませんか。
 マル優廃止を撤回することを強く要求するものであります。
 反対理由の第二は、個人住民税の減税が余りにも小規模であって、減税の名に値しない点であります。
 私の質問でも指摘したごとく、この十年間の個人住民税の実質増税額は五兆千三百億円であり、その間の減税額は、わずか五千三百億円にすぎません。したがって、大幅な減税の実現こそ国民の要求であります。
 しかるに、個人住民税減税と言いながら最低の税率は逆に〇・五%引き上げ、一方最高税率は二%引き下げているのであります。
 この〇・五%税率引き上げについて、政府は今回の課税最低限の引き上げによって、実質的に増税にはならないと弁解していますが、しかし、「苦肉の策」とか「窮余の一策」という非課税限度額の制度は残っているではありませんか。この制度を七年間も存続させねばならないのは、生活保護基準との逆転現象を回避するためではありませんか。これこそ個人住民税減税が極めて不十分であることを端的に証明しているのであります。
 また、税率の累進構造を緩和していることは、税制の基本原則である累進制の後退、否定であることを指摘するものであります。
 次に、地方交付税法一部改正案についてであります。
 反対の根本理由は、本改正案が地方財政の財源不足に対する措置として、引き続き借金づけ政策をとっていることであります。長期に続く地方財政の危機的状況を解決するどころか、一層深刻にし、地方自治そのものを破壊し、政府の下請機関化をますます強めることになります。
 本来、地方自治を保障するには極めて不十分な地方財政制度であることにかんがみ、地方財政法第二条及び地方交付税法第三条の六の二などによって、財源不足を生じた際の政府の責任を明確にしているのであります。
 ところが、五十年度以降、今日に至る長期かつ巨額の財源不足が続く中で地財法、交付税法に違反する措置が継続し、とりわけ五十九年度以降な財源不足のみならず、補助金カットなどによる国の支出すべきものさえ支出しないという政策をとり、その一方で特別加算(減額)措置を導入し、一切を地方財政に負担させることとし、不足額が生じようが一切政府は責任をとらず、その大半を自治体の借金で補てんするという地方自治を保障した憲法の精神を踏みにじる政策を進めているのであります。
 このため、五十九年度以降の決算では、地方債よりも公債費総額の方が上回るというサラ金財政の状態になり、公債費負担比率の適正化通達により、起債制限緩和措置をとらざるを得なくなったのであります。このことは、政府の地方財政対策の破綻を示すものです。同時にそれは、住民の要求にこたえ、住民の暮らしを守るべき地方自治体が、住民の要求にこたえられないところか逆に国の手先となって、住民を苦しめる機関、国の下請機関となりつつあるのであります。
 これは、政府の地方財政政策が事実上、地方自治の破壊を目指すものとなっていることを物語っています。
 我が党は、このような結果を生んでいる政府の責任放棄と負担転嫁、補助金カット、借金政策と特別加算措置などの政府の地方財政政策を進める本改正案に断固反対するものであります。
 そして、何よりも、地財法、交付税法に従って、直ちに交付税率を四〇%に引き上げ自治体代表、住民代表、労働者代表、学識経験者などによる委員会において、国と地方の税配分などを含む抜本的改革を進めることを要求するものであります。
 なお、社・公・民三党による修正案についてでありますが、個々に見れば改善であることは言うまでもありませんが、これによってマル優廃止、金持ち減税という政府原案の不当性をいささかも減じるものではありません。あくまで、原案を廃案にすることが我が党の立場であり、また、廃案によってこそ、これらの修正案の中身も実現されるものであります。したがって、本修正案には反対であります。
 以上で、両法案並びに修正案に対する反対討論を終わります。
#11
○抜山映子君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となっております地方交付税法の一部を改正する法律案並びに地方税法の一部を改正する法律案に対し反対の討論を、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合三会派共同提案に係る地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成の討論を行うものであります。
 まず、地方交付税法の一部を改正する法律案について、反対の第一の理由は、補助負担割合の変更は今後三年間は行わないとした昨年度の約束にもかかわらず、今年度もまた投資的経費を中心として補助率の引き下げを断行したことであります。
 第二の理由は、地方財政において巨額の財源不足が続いているにもかかわらず、抜本的な制度改革も行わず地方交付税総額の特別加算という形で、その場しのぎの対策に終始していることであります。
 第三の理由は、以上の結果、各地方団体は事業遂行のための財源対策のため地方債の発行を余儀なくされ、地方団体をますます借金財政に追い込むとともに、財政運営を著しく硬直化させてしまったことであります。
 以上が主な反対の理由であります。
 次いで、地方税法の一部を改正する法律案について、反対の主な理由は、政府が今回の改正において少額貯蓄等非課税制度、いわゆるマル優制度を原則として廃止し、地方税として五%、国税、地方税合わせて二〇%の一律分離課税を行うこととしたことであります。
 マル優制度の廃止には主に次の三つの問題があります。
 第一は、一般庶民のための生活防衛的な貯蓄にまで課税をするということは大衆増税にほかならないということであります。
 第二は、新たな不公平を生み出すということであります。
 今回のマル優廃止によりマル優の限度額以上に高額貯蓄を持つ者は、これまでの三五%の分離課税から二〇%へ一挙に一五%も減税となります。一方、マル優の限度枠内でしか貯金できない一般庶民は一挙に二〇%も増税となるのであります。まさに金持ち優遇、庶民いじめの新たな不公平を生み出す措置であり、断じて認めるわけにはいかないのであります。
 マル優制度についてはその存続を図り、いわゆるマル優カードの導入等により限度管理の徹底を図り、直接税における総合課税の大原則を貫徹す
べきであります。
 第三は、直接税における総合課税の原則を踏みにじるということであります。
 以上が主な反対の理由であります。
 次に、地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案は、住民税減税が広範な国民の声であることから、穏当妥当にして必要最低限の修正と言うべく賛成するものであります。
 以上で私の討論を終わります。
#12
○委員長(谷川寛三君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(谷川寛三君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、これより順次採決に入ります。
 まず、地方交付税法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#14
○委員長(谷川寛三君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、佐藤君から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤君。
#15
○佐藤三吾君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方交付税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、左の事項について善処すべきである。
一、地方交付税総額の長期的安定確保のため、地方交付税法第六条の三第二項の主旨に鑑み、地方交付税の対象税目の拡大等を含め、一般財源の安定充実を図ること。また、財政基盤の脆弱な地方団体の公債費負担比率の上界に対処できるよう財源措置を充実すること。
二、国庫補助負担率の暫定措置が三年間であることに鑑み、補助負担率を更に変更しないこと。
 また、国民健康保険事業等の健全化を図るため、国庫補助負担金の充実を図るとともに、地方財政への負担転嫁は一切行わないこと。特に、退職者医療制度の見込み違い等による影響額は、国の責任において補てん措置を講ずること。
三、昭和六十二年度地方財政対策については、地方財政運営に支障を来さないよう第二次補正予算等において的確な措置を講ずること。
 なお、道府県民税利子割の実施時期が昭和六十三年四月一日からとなることに伴い、いわゆる財対臨時の本年度分について所要の措置を講ずること。
四、今後、補正予算による公共事業及び地方単独事業の追加に際しては、事業の確実な進捗を図るため、借入金が増大しないよう財政措置に留意すること。
 なお、NTT株式売却収入の活用による無利子貸付に当たっては、一般の公共事業の場合と同様、地方公共団体の負担分に対し的確な財源措置を講ずること。
五、円高・構造不況による失業・雇用不安の拡大と地域経済社会の停滞を是正するため、不泥地域における産業の振興と雇用の創出を確保し、地方公共団体の財政の安定化に資するよう財政措置の充実を図ること。
六、地方公営企業の健全化と経営基盤の確立を推進するため、経費負担区分を検討し、一般会計からの的確な繰入れに努めること。
七、地方公務員の週休二日制の推進を図るとともに、土曜閉庁の検討を進めること。また、事務事業の民間委託については、住民サービスの低下を招かないよう配慮すること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ皆さんの御賛同をお願い申し上げます。
#16
○委員長(谷川寛三君) ただいま佐藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#17
○委員長(谷川寛三君) 全会一致と認めます。よって、佐藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、葉梨自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。葉梨自治大臣。
#18
○国務大臣(葉梨信行君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。
#19
○委員長(谷川寛三君) 次に、地方税法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 まず、修正案を採決いたします。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#20
○委員長(谷川寛三君) 少数と認めます。よって、修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#21
○委員長(谷川寛三君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、佐藤君から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤君。
#22
○佐藤三吾君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、地方税制の改革に当たっては、左の事項について早急に検討し、地方税源の拡充、社会的不公平の是正、住民の税負担の軽減等の実現に努めるべきである。
一、高齢化社会に対応する行政機能の確立及び現行の国・地方の租税配分の実情に照らし、国と地方及び都道府県と市町村の税源再配分について検討すること。
二、個人住民税については、引き続き課税最低限の引上げに配慮するとともに、税率構造の見直し等中堅所得者層の負担の軽減に努めること。
三、事業税における社会保険診療報酬の非課税その他地方税における非課税等特別措置の整理合理化を推進し、税負担の公平を期すること。
四、法人事業税の外形標準課税については、財源確保の安定化に資するため引き続き検討すること。
五、昭和六十三年度の固定資産税の評価替えに当たっては、最近の地価高騰の状況が特異なものであることに留意し、固定資産税及び都市計画税の課税については、住民負担の急増を緩和するため所要の措置を講ずること。
六、利子配当所得等への課税のうち、今回の改正で積み残された問題について今後とも検討を行うとともに、地方税制においてもキャピタルゲイン課税の原則課税の行えるようその方策を検討すること。
七、所得税及び個人住民税減税等の税制改革の実施に当たっては、地方財源の不足を来さぬよう特段の配慮を払うこと。
 右決議する。
以上でございます。何とぞ皆さんの御賛同をお願いいたします。
#23
○委員長(谷川寛三君) ただいま佐藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行いま
す。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#24
○委員長(谷川寛三君) 多数と認めます。よって、佐藤君提出の附帯決議案は多数をもって委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、葉梨自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。葉梨自治大臣。
#25
○国務大臣(葉梨信行君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。
#26
○委員長(谷川寛三君) なお、両案の審査報告書の作成は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○委員長(谷川寛三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#28
○委員長(谷川寛三君) これより請願の審査を行います。
 請願第一九六号地方財政充実に関する請願外百三十八件を議題といたします。
 まず、理事会において協議いたしました結果について、専門員に、報告いたさせます。竹村専門員。
#29
○専門員(竹村晟君) ただいま議題になりました請願百三十九件につきまして、お手元の資料に基づき、理事会の協議の結果を御報告いたします。
 まず、資料の三ページの第二七〇号重度身体障害者に対する地方行政改善に関する請願外同趣旨の請願三件については、一の部分は採択、次に四ページの第一九六号地方財政充実に関する請願及び第四〇七号地方財政の確立に関する請願は採択、さらに七ページの第二一九号交差点事故防止対策に関する請願外同趣旨の請願四十九件及び八ページの第一九六四号交差点等の交通事故防止対策に関する請願は採択、ただいま申し上げましたものを除くその他の請願は保留でございます。
 理事会におきましては以上のように決定すべきものとの協議結果でありました。
 御報告を終わります。
#30
○委員長(谷川寛三君) それでは、理事会において協議いたしましたとおり、第一九六号地方財政充実に関する請願外五十六件は採択すべきものにして内閣に送付を要するものとし、このうち第二七〇号重度身体障害者に対する地方行政改善に関する請願外三件につきましては、請願事項二項目中第二項は検討を要するのでその部分を除く旨の意見書案を審査報告書に付することとし、第四〇八号外八十一件は保留といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○委員長(谷川寛三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、審査報告書並びに意見書案の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○委員長(谷川寛三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#33
○委員長(谷川寛三君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方行政の改革に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○委員長(谷川寛三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましてはこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○委員長(谷川寛三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#36
○委員長(谷川寛三君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方行財政等の実情調査のため、閉会中に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○委員長(谷川寛三君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○委員長(谷川寛三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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