くにさくロゴ
1987/07/29 第109回国会 参議院 参議院会議録情報 第109回国会 本会議 第5号
姉妹サイト
 
1987/07/29 第109回国会 参議院

参議院会議録情報 第109回国会 本会議 第5号

#1
第109回国会 本会議 第5号
昭和六十二年七月二十九日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第五号
  昭和六十二年七月二十九日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(昭和六十年
  度決算の概要について)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(藤田正明君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 山田勇君から海外旅行のため十四日間の請暇の申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(藤田正明君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(藤田正明君) 日程第一 国務大臣の報告に関する件(昭和六十年度決算の概要について)
 大蔵大臣から発言を求められております。発言を許します。宮澤大蔵大臣。
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和六十年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は五十三兆九千九百二十五億円余、歳出の決算額は五十三兆四十五億円余でありまして、差し引き九千八百八十億円余の剰余を生じました。
 この剰余金のうち九億円余は、土地改良法及び特定土地改良工事特別会計法の一部を改正する法律附則第三条第四項の規定により、国営土地改良事業特別会計の昭和六十一年度の歳入に、残額九千八百七十億円余は、財政法第四十一条の規定により、一般会計の昭和六十一年度の歳入にそれぞれ繰り入れ済みであります。
 なお、昭和六十年度における財政法第六条の純剰余金は四千四百五億円余となっております。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額五十三兆二千二百二十八億円余に比べて七千六百九十六億円余の増加となりますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額四千九百七十三億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、歳入の純増加額は二千七百二十三億円余となります。その内訳は、租税及び印紙収入、雑収入等における増加額四千二十三億円余、公債金における減少額千三百億円余となっております。
 一方、歳出につきましては、予算額五十三兆二千二百二十八億円余に、昭和五十九年度からの繰越額四千九百六十五億円余を加えました歳出予算現額五十三兆七千百九十四億円余に対しまして、支出済み歳出額は五十三兆四十五億円余でありまして、その差額七千百四十九億円余のうち、昭和六十一年度に繰り越しました額は五千四百四十三億円余となっており、不用となりました額は千七百六億円余となっております。
 次に、予備費でありますが、昭和六十年度一般会計における予備費の予算額は二千億円であり、その使用額は千四百二十六億円余であります。
 次に、昭和六十年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は三十八でありまして、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。
 次に、昭和六十年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は三十八兆九千二百七十七億円余でありまして、その資金からの一般会計等の歳入への組み入れ額等は三十八兆九千百二十六億円余でありますので、差し引き百五十一億円余が昭和六十年度末の資金残額となります。これは、主として国税に係る還付金として支払い決定済みのもので、年度内に支払いを終わらなかったものであります。
 次に、昭和六十年度の政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。
 以上が、昭和六十年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書の概要であります。
 何とぞ、御審議のほどお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○議長(藤田正明君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。田渕勲二君。
   〔田渕勲二君登壇、拍手〕
#8
○田渕勲二君 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和六十年度決算と我が国の当面する諸問題について、中曽根総理及び関係大臣に質問いたします。
 まず、六十年度決算の背景となっている財政運営について伺います。
 当年度財政の大きな特徴は、借金の利払いが大半を占める国債費が十兆円の大台を超えて歳出全体の約二割にも達し、社会保障関係費をも追い越して最大の歳出項目となり、一段と財政を硬直化したことであります。
 さらに、国債の償還について言えば、毎年、一般会計から国債整理基金特別会計に繰り入れることになっているにもかかわらず、この定率繰り入れは、五十七年度に緊急異例の措置として暫定的に停止されて以来、今日まで引き続き停止が繰り返されてきております。このように当座しのぎの方便として、臨時特例、緊急異例、暫定などと称する措置が何年か繰り返されるうちに常態化してしまう政府の財政運営のやり方は、全く無責任としか言いようがありません。
 さらに問題なのは、赤字国債を借りかえるという措置が導入されたことであります。
 当年度は、五十年度に発行した満期十年の二兆二千八百億円の赤字国債を、本来、発行時の約束やその後の政府のたび重なる国会での確認答弁によって全額現金償還すべきであるにもかかわらず、この国民への約束を破り、建設国債並みに六十年も先に延ばしたことは、財政の借金依存体質を助長させるばかりでなく、利払い負担の最終的な決算を子や孫の世代にまで押しつける大罪と言わざるを得ません。同時に、中曽根内閣の赤字国債脱却の財政再建路線とも大きく矛盾し、たび重なる財政再建の失敗の産物と言えるのでありますが、六十五年度赤字国債の依存脱却について、総理並びに大蔵大臣の御所見を伺いたいと存じます。
 加えて、政府には国債費の定率繰り入れや赤字国債の全額現金償還を復活する考えがあるのかどうか、この点もあわせて伺いたいのであります。
 他方、こうした財政の逼迫の中にあって、ひとり我が物顔でずば抜けているのが防衛関係費であります。防衛関係費は、五十六年度以来連続して突出しておるのでありますが、とりわけ中曽根政権になってからは、年ごとに伸び率が対前年を上回り、その一方で、内需振興や国民生活関連の歳出は、総需要抑制政策によって軒並み切り詰められ、このことが対米貿易摩擦の要因ともなり、また、円高不況やアジア近隣諸国の我が国に対する不安増大の引き金となっていることは、多言を要しません。戦後政治のスタンスは、軍事を経済に優先させないことでありましたが、中曽根政権はこのスタンスを変え、軍事優先の誤った財政運営の結果に対してどのように反省し、また、その反省を今後の財政政策にどのように結びつけるのか、総理及び大蔵大臣に考え方を伺いたいと存じます。
 次に、昭和六十年度決算についてであります。
 会計検査院の昭和六十年度決算の検査報告によりますと、各省庁や政府関係機関のむだ遣いは百四十六件、特定できた損失金額が百九十一億八千八百万円にも達し、相変わらず毎年膨大な税金のむだ遣いが繰り返されております。しかも、検査対象となる約四万九百カ所のうち、わずかに八・七%に当たる三千五百カ所を実地調査しての損失金額であることを考えますと、これはまさに氷山の一角にすぎないことは明らかであります。現在、極めて厳しい借金財政のもとで巨額の税金のむだ遣いが依然として続くことは、納税者に納税意欲を鈍らせ、政府に対する大変な不信感を抱かせるもととなっております。同時に、中曽根内閣のもう一つの看板である行政改革の推進とも大きく矛盾していると指摘せざるを得ません。
 そこで、総理は、こうした矛盾をどのように受けとめ、また、行政府の長として各省庁に対してどのように対処されるのか、御所見を伺いたいと存じます。
 次に、労働基準法改正にかかわる労働時間の短縮について質問いたします。
 我が国の長時間労働の実態は国際的に悪名をとどろかせ、批判の矢面に立たされております。そして、この批判をかわすために新前川リポートは、「今後中長期にわたり労働時間を着実に短縮し、我が国の経済力にふさわしいものとすることが、画期的な国民生活向上の必須の要件である。」という提言を国の公約として出さなければならない事態にまで追い込まれました。
 こうした中で、労働省は、さきの国会に時短を盛り込んだ労働基準法の改正案を提出し、現在に及んでおります。
 労働省は、この法案を二十一世紀に向けて我が国の経済を支えるものだと誇大な宣伝を盛んにしておりますが、この法案を一読いたしまして率直に感じますことは、労働者にとって決して改正ではなく、改悪としか言いようのないものであります。なぜなら、週四十時間の目標は、単に政策目標にすぎないこと、さらに、労働時間が労使の協定に任されているために、労働時間の制限違反は今後労使協定という民事的な規定に比重がかかり、労働者保護を目的とした監督行政の骨抜きになりかねず、さらに問題なのは、変形労働制の導入によりまして労働時間の大幅な規制緩和を行うことであります。
 こうした企業の都合に合わせた改正は、まさに企業寄りの改悪であり、この制度の乱用が目に見えておるのであります。その結果、現行の一日八時間労働の基本原則が空洞化されるばかりでなく、労働者の生活リズムが崩れ、健康障害の多発、主婦労働者の雇用からの締め出し、また、経済的にも残業収入の減収にもつながり、労働者の生活全般に大変な悪影響を及ぼすことは必至であります。これがどうして改悪じゃなくて改正と言えるのでありましょうか。
 また、新前川リポートにある時短や国民生活の向上とどのように結びつくのか。かかる改正内容は直ちに撤回し、真に労働者の健康と福祉、国際公正基準の確立、経済社会構造の転換、そして内需拡大、雇用創出の見地から見た国民的課題に十分こたえたものにすべきだと考えますが、労働大臣の所見を伺っておきたいのであります。
 さらに、この問題と関連をいたしまして、最近大きな社会問題にもなっているトラック運転者の劣悪な労働条件についてお尋ねをいたします。
 現在、我が国の製造業の年間総労働時間が二千百時間台となっている中で、トラック運転者の労働時間は、全日本トラック協会の調査を見ましても、年間三千時間を超えております。その要因は、業界内の過当競争に集約されますが、それに加えて、トラック輸送の迅速性、正確性、安全性等のサービス要請にこたえるために、輸送の定時性の確保、夜間運行の常態化、荷役の二十四時間稼働化などが行われ、運輸労働者に相当過酷な労働を強要する結果になっております。
 したがって、労働省が行っている自動車運転者の労働時間等の改善基準を決めた、いわゆる二七通達による行政指導では、もはや限界があることはだれしもが認めているところであり、この通達行政から乗り越えて、ILO第百五十三号条約の批准とともに関係国内法の整備を早急に行うべきだと痛感いたしますが、その対応策を含めて、労働大臣の答弁を求めたいのであります。
 次に、最近マスコミにも大変大きく取り上げられまして深刻な社会問題にもなっている、いわゆる霊感商法に対する規制の必要性についてお尋ねをいたしたいと思います。
 日本弁護士連合会の全国調査の結果でも明らかなように、この商法による被害者は、五十五年から本年四月までに、氷山の一角と言われながらも一万四千五百七十九人、その被害総額は三百十七億円にも達しております。この商法の最大の特徴は、人の死後や将来の不安をあおり立て、買わないと不幸になるなどと言って他人の不安につけ込む、いわゆる人権侵害的商法であり、全国的にほとんど共通の販売体制や勧誘方法によって、印鑑、つぼ、多宝塔などの商品を法外な価格で押し売りをしていることであります。
 こうした悪らつな実態を放置することは、ますます被害者を増大させることになり、規制は一刻の猶予もなりません。こうした実態から、日弁連では、極めて組織的であり、詐欺罪や恐喝罪などに当たる疑いが強いという見解を出しておりますが、私も全く同感であります。
 そこで、通産大臣と国家公安委員長に伺いますが、この霊感商法に対して今後どのような被害防止策をとられ、また、どのような取り締まりの方針で臨まれるのかを伺いたいと存じます。
 最後に、中曽根総理に伺います。
 特に最近の国会運営を見ておりますと気づきますことは、国家や国民のために重要法案の審議を尽くすというよりは、総理みずからの影響力や政権の延命を図ろうとする国会運営に傾きがちな姿勢が見受けられるのであります。
 そこで、一つお尋ねをいたしたいのでありますが、中曽根総理は本年十月末には自民党総裁としての任期が切れますが、もう一回の外遊に並み並みならぬ意欲を見せ始めたと一部のマスコミが報道いたしております。そこで、この期に及んでと言うのは大変失礼かもしれませんが、外遊計画の有無とその目的を伺いたいと思う次第であります。
 さらに、本日、ロッキード事件控訴審があり、懲役四年、追徴金五億円の判決がおりました。これで一、二審とも田中元首相に有罪判決が言い渡されたわけでありますが、政治倫理の上からいいましても、辞職勧告をすべきであり、これに対する態度を国民の前に明らかにすべきだと思うのでありますが、中曽根総理としての基本姿勢を伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(中曽根康弘君) 田渕議員にお答えをいたします。
 まず、六十五年度赤字公債依存体質脱却の目標でございますが、これの達成は容易ならざる課題ではございますけれども、財政の膨張あるいは政府の肥大化を防止して子孫にツケを残さないという心構えのもとに、今後とも財政改革、行政改革の基本路線を守って、その実現に最大限の努力をいたしたいと考えております。
 今後の経済政策の運営あるいは予算編成、そのほか租税あるいは国有財産の売却、あらゆる手段を総合いたしまして努力をいたしまするならば、必ずしも目標に近づいていくことは望みなきにあらずと考えております。やはり子孫にツケを残さないという心構えを政治家はモットーとすべきでありまして、懸命の努力をいたしたいと思っております。
 次に、軍事優先の財政運営いかんという御質問でございますが、政府といたしましては、各経費のバランスを得ることに最大限努力をし、また、防衛費につきましては節度のある防衛費を心がけてまいってきたものなのでございます。大体、毎年度におきまして、防衛費は社会保障関係費の約三分の一にとどめておりまして、大体この水準を維持しておるのでございます。さきに三木内閣の閣議決定の線を若干修正いたしましたけれども、その精神は依然として堅持して今後も節度ある防衛力に努めたいと考えております。
 会計検査院の指摘につきましては、従来から、政府は厳正かつ効率的な予算の執行に努めておりますが、不適正使用の事例が生じておりますことはまことに遺憾であり、戒慎いたさなければならぬと思います。
 このたび指摘を受けました官署はもちろん、他の省庁におきましても同じ例の存否を点検するなど、不当事例等の再発防止に努めてまいりたいと思います。
 また、各省庁に対しましては、厳しい財政事情にもかんがみ、予算執行あるいは予算執行上の注意、あるいは担当者会議の開催、担当者の研修等あらゆる機会をとらえまして周知徹底を図り、予算の厳正かつ効率的な執行に努めたいと思います。
 悪徳商法に対する御質問でございますが、最近、消費者取引の複雑化、多様化によりまして、悪質な消費者取引による被害が増加していることは事実でございます。
 政府といたしましては、六十一年十月に開催された第十九回消費者保護会議の決定に沿いまして、悪質な消費者取引に対しては、関係法令の厳正な運用を初め、取り締まり体制の強化、消費者啓発の推進、苦情の適切な処理等により、対応に遺漏なきを期して努力しておる次第でございます。今後もこれらを強化してまいりたいと思います。
 地上げ横行くの対処でございますが、不動産取引に関しましては、違法行為と認められるものについては検挙するなど厳正に対処してまいりたいと思います。
 拝金思想などの世相の問題でございますが、現在、世の中におきまして、青少年の教育あるいは社会の風潮というものを考えまして、目に見えないものにも人間には大切なものがある、人間の心が一切の出発点ではないか、物はかりに固執するということは人生を歪曲する結果になる、そういうような点につきまして青少年に対する啓発等を行い、協力して、明るい社会、きれいな社会建設に努力してまいりたいと思う次第でございます。
 ロッキード事件の判決につきましては、判決は厳正に、厳粛にこれを受けとめたいと思います。そして、政治倫理を向上させなければならぬと思います。これらの点につきましては、国会、皆さんと協力して努力もいたさなければならぬと思います。
 私の外遊計画について御質問がございましたが、今後の外国訪問については、現在のところは特段具体的計画はございません。
 残余の答弁は関係大臣がいたします。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和六十五年度に赤字公債依存の体質から脱却することについての大蔵大臣の所見はどうかというお尋ねでございましたが、ただいま総理大臣がお述べになりましたとおりでございます。
 私は、我が国の経済にはなおもう少し高い成長の潜在性があるというふうに考えておりまして、経済運営いかんによりましてそのような成長力を引き出すことができる、また、雇用の問題等々もございますから、そうしなければいけないと考えておりますが、そういう中から、財政もまた、そのような成長から受益をすることは十分考えられることでございまして、そういうこともいたしながら、この問題については実現に最大限の努力をこれからも続けてまいりたいと考えております。現状は厳しいことはよく存じておりますけれども、そのような考えております。
 それから、定率繰り入れについてお尋ねがございました。ただいま国債整理基金は、NTTの売却代金もございまして、一応国債のルールどおりの償還をいたすことに整理基金としては支障のない状況でございます。したがいまして、定率繰り入れを停止しておりますが、六十三年度以降どうするかということにつきましては、年度年度の予算編成の段階で判断をしてまいりたいと思います。
 ただ、そのような状況でございますので、現行の償還ルールを上回りますところのいわゆる上乗せ償還を行うかどうかということは、片方で特例公債を発行していることでもございますので、実際問題としてそれは困難な事情にあるということを御理解をいただきたいと思います。
 それから、予算編成の重点の方針についてでございましたが、昭和五十八年度以降ここまで一般歳出は前年度以下ということを貫いてまいりました。その中で、公共事業については何とか事業費の伸びを確保したい。また、社会保障、文教予算等につきましても、苦しくはございますが、重点化、効率化ということに努めてまいりました。その間に防衛費につきましても、特に防衛費だけを、何と申しますか、甘くするというようなことはいたしておりませんで、厳しく査定をしてまいったというふうに信じております。したがいまして、おっしゃいますような、いわゆる軍事優先の財政運営をやってきたというふうには政府としては考えておりません。(拍手)
   〔国務大臣平井卓志君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(平井卓志君) まず、労働基準法改正に関連してのお尋ねでございますが、今回の労働基準法の改正は、週四十時間制を目標にいたしまして法定労働時間を段階的に短縮いたしますとともに、年次有給休暇の最低付与日数を引き上げること等を内容としたものでございます。この法案が成立すれば、労働時間は着実に短縮されるものと期待をいたしております。
 労働時間に関する法的規制の弾力化でございますが、労働基準法制定当時に比して第三次産業の占める割合が大変大きくなっております等々の社会経済情勢の変化に対応しなければならぬということで、労使の工夫によりまして労働時間短縮を進めやすくするためにも必要であると考えるわけであります。
 なお、今回新たに導入されます三カ月単位の変形労働時間制につきましては、これまでの変形労働時間制の要件に加えまして、原則として三カ月平均で週四十時間以下とすること、及び労使協定の締結という二つの要件のもとに認められるものでございまして、従来の変形労働時間制の運用の実際に照らしましても、乱用のおそれはないものと理解をいたしております。
 いま一つ、二七通達に関連してのお尋ねでございますが、労働省では、自動車運転者の労働時間等の適正化を図るために、ILO第百五十二号条約の趣旨も踏まえまして、自動車運転者の労働時間等の改善基準を策定しまして、これに基づき指導を実施いたしておるところであります。
 これら自動車運転者の労働時間等の改善につきましては、昨年十二月の中央労働基準審議会の建議を受けまして、同審議会に自動車運転者労働時間問題小委員会を設置いたしまして検討をお願いいたしておるところでございまして、その結果を踏まえまして適切に対処してまいる所存でございます。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣田村元君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(田村元君) いわゆる霊感商法の販売方法に関しましては、個々具体的なケースに即して判断しなければならないことは申すまでもありません。訪問販売法に違反する行為に対しましては厳正に対処してきておるところであります。
 当省としましては、今後ともこのような商法に係る消費者相談の適切な処理及び関連情報の収集に努めまして、警察庁など関係省庁との緊密な連携のもとに厳しく対応する所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣葉梨信行君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(葉梨信行君) いわゆる霊感商法につきましては、他の悪質商法に対しますと同様に、違法行為があれば厳正に対処しているところでございます。さらに、その実態を一般国民に広報することによりまして、善良な国民が犠牲にならないように配慮してまいる所存でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#14
○議長(藤田正明君) 峯山昭範君。
   〔峯山昭範君登壇、拍手〕
#15
○峯山昭範君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました昭和六十年度決算外二件について、中曽根総理並びに関係大臣に質問いたします。
 具体的な質問に先立ち、総理に見解を求めるものであります。
 先ほど、東京高裁は、ロッキード裁判丸紅ルート控訴審で田中元首相初め五被告の控訴を棄却し、一審判決を全面的に認める判決を下しました。ロッキード事件が明るみに出てから十一年が経過し、政府・自民党はこの事件を意識的に風化させようとしております。しかし、私は、首相の犯罪の政治的、道義的責任はあくまでも明確にされるべきであると思います。
 総理は、本日の判決をどのように受けとめられるか。また、このような事件の再発を防ぐために政治資金規正法の強化を急ぐべきだと思うが、どうでしょうか。さらに、直ちに政治倫理審査会で審査を進めるべきであると思いますが、どうですか。総理の所信をお伺いいたします。
 いよいよことしの秋には、中曽根内閣は終えんを迎えることになりますが、これまでの中曽根政治を振り返って、その総決算をしてみたいと思います。
 まず、行政改革についてであります。
 昭和五十六年以来、第二臨調、旧行革審は増税なき財政再建を旗印に掲げ、政府はその答申を予算のマイナスシーリング、補助金の一律カットなどの方法で超緊縮予算をつくることに利用しましたが、肝心の行政改革の基本的な問題である国と民間、国と自治体との責任分担の見直しはなおざりにされ、六十年度においても補助金の一割カットをし、地方自治体への単なるツケ回しがなされただけでありました。
 中曽根総理は、行政経費の削減と予算の効率化、補助金の削減、電電、専売、国鉄の民営化、医療や年金の改革等々と誇らしげに言われますが、国民が期待しているのは、むだを省き、国民の負担を軽くする行政改革であります。
 今日、自助勢力とか応分の負担と言って、医療にしても年金にしても、国民の負担はずっしりと重く、行政改革が進んで弱者の一人一人まで負担が軽くなってよかったと言えることがどこにありましょうか。御答弁をいただきたいのであります。
 また、中曽根総理は、審議会や大臣の私的諮問機関を多用し、行政府はおろか、立法府の形骸化を図ってきたのは紛れもない事実であります。例えば平和問題研究会、閣僚の靖国神社参拝問題に関する懇談会等の私的諮問機関の意見に沿って、防衛費の一%枠の撤廃や総理の公式参拝を行った事実を見れば、中曽根政治は行政をゆがめ、立法府を形骸化してきたと言わざるを得ませんが、いかがですか、お伺いします。
 次に、防衛費の問題であります。
 五十八年度以来の厳しいマイナスシーリングの中で、中曽根内閣は防衛費だけを常に枠外として大幅に突出させ、ついに六十二年度には防衛費の一%枠という歯どめを撤廃し、総額明示方式に変更したのであります。一%枠の厳守は、我が国が軍事大国にならないという重要なあかしであり、国民への約束でもあります。六十二年度予算における防衛費の一%枠突破状況を見ても、初めに一%突破ありきであって、政府にこれを厳守する熱意がなかったことはまことに残念であります。また、防衛費の後年度負担が、六十二年度は二兆六千億円を超えておりますが、今後の防衛費をますます肥大化させるものであります。これら防衛費増大に対する国民の危惧に対してどのように説明されますか、お伺いいたします。
 次に、六十年度の経済運営についてお伺いします。
 六十年度は、それまで世界経済の枠組みを形づくっていた高いドル、高い原油、高金利という三つの大きな条件に基本的な変化が起こった年であります。
 その中で、政府の経済運営を振り返りますと、六十年九月のG5の合意を受けて政府がとった内需拡大に関する対策は、民間活力の活用に頼ることばかりで、財政の出動を怠ったため内需拡大は一向に進まず、一方、急激な円高にもかかわらず国際収支の不均衡は拡大し、経常収支の黒字幅は、六十二年三月にはついに一千億ドルを突破するに至り、貿易摩擦の解消に苦慮しているのは御承知のとおりであります。
 国内では、急激な円高が輸出産業に厳しい打撃を及ぼし、企業は賃金カットや雇用削減などでコストの抑制を図り、その結果、可処分所得の減少により国民生活は圧迫を受け、消費の拡大にまでは至らなかったのであります。
 一方、低金利時代になり、企業は金余り資金を設備投資に向けるのではなく、財テクに走り、その結果は地価の高騰となり、庶民のささやかなマイホームの夢は、退職金や預貯金をつぎ込んでもますます絶望的になったのであります。これらは、政府の経済運営の失敗によるものでありますが、この点をどのように反省しておられるのか、総理、大蔵大臣の率直なお考えをお伺いしたいのであります。
 次に、財政再建についてお伺いします。
 今日まで中曽根内閣は、昭和六十五年度赤字体質脱却ということを目標として掲げてまいりましたが、これはだれが見ても不可能であります。中曽根総理は、NTTの株の売却が予想を上回って収入が見込まれることを挙げ、本院決算委員会では、目標年次の財政再建も望みなきにしもあらずといった開き直った態度をとっていることは極めて問題であります。しかも、柳の下のドジョウのように、JRの株も日航の株も期待できるなどとの答弁は、語るに落ちるという形容そのものであります。日本政府がまるで持ち株会社ではありませんか。これでは、民間会社が余剰資金を設備投資に振り向けずに財テクに走ったとしても、総理はこれをとがめることができますか。政府が持っている株の株価に頼るようなものではなく、確たる財政再建の見通しについて伺いたい。
 さらに、政府を含めた一億総財テクを容認するような発言には強く反省を求めるものであります。総理の御所見をお伺いしたい。この点についての大蔵大臣の御所見もあわせて伺っておきたいと思います。
 次に、中曽根内閣の地価対策放置の姿勢についてただしたいと思います。
 最近の地価の動向は、六十一年四月以降急激な騰貴を始め、ことしの四月には、東京圏の商業地で四八・二%、住宅地で二一・五%という田中内閣当時の狂乱物価の時代に逆戻りした、異常かつ驚異的な値上がりになってしまったのであります。
 この原因の一つは、中曽根内閣の行った国公有地の売却であります。国土庁の発表する毎年四月の地価の公示価格を見ると、既に五十九年に東京圏の商業地で対前年を上回る上昇率が認められたにもかかわらず、何ら適切な措置をとらなかったばかりか、供給の極端に少ない状況下で、地価の高い地域の土地の売却を競争入札で行えば、地価の上昇に拍車をかけることになるのは当然のことであります。
 庶民の一戸建てが無理ならマンションでもというささやかな希望をも完全に打ち砕いたあげく、今になって新行革審に地価対策等を諮問したことは、まさに手おくれであり、責任逃れの中曽根政治と言わざるを得ませんが、どうお考えですか。
 本院決算委員会でも、先日、建設大臣が、今日の地価の高騰は中曽根内閣の失敗であったときっぱりと断言いたしておりますが、この点について中曽根総理はいかがお考えですか。
 また、建設大臣は、国公有地の高値売却と今日の地価高騰の因果関係を認めた上での本院決算委員会の発言と思いますが、いかがですか。
 次に、中小企業対策並びに雇用問題についてお尋ねします。
 六十年秋以降の円高不況で、製造業を中心に大きな影響を受けましたが、輸出環境が厳しくなったことに伴う受注減の荒波をもろに受けたのは、小規模な下請企業であります。その結果、円高による倒産が六十年十一月以来千二百十一件とついに一千件を突破しておりますが、この倒産は、従業員四人以下の零細企業がその約二割を占めております。
 今日、景気は底を打ったとはいえ、零細中小企業は企業努力だけでは到底切り抜けがたい状況でありますが、これをどう受けとめておられるのか。また雇用は、五月には完全失業率が三・二%、完全失業者数百九十一万人と過去最悪の事態になっております。今日の雇用情勢は、従来の不況のときとは事態が異なると思うのでありますが、この雇用失業情勢に歯どめをかけることができるのかどうか、中高年層に多くの失業者を抱える大量の失業時代に具体的にどう対処していくのか、総理並びに労働大臣の御見解をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(中曽根康弘君) 峯山議員にお答えをいたします。
 まず、ロッキード判決でございますが、判決につきましては厳粛に受けとめ、政治倫理の向上に努めてまいりたいと思います。
 政治資金規制の問題につきましては、いろいろな御意見がございますが、政治治動の自由との関係あるいは各党の政治活動に直接の影響もあるもので、各党それぞれの地盤あるいは基盤あるいは機能との関係がございまして、各党間で十分論議していただくべき問題であると思います。
 なお、政治倫理審査会で審査を進めるべきだという御議論でございますが、各党の意向、国会の動向等を政府としては見守ってまいりたいと思います。
 行政改革の基本問題に取り細めという御趣旨は私も全く同感でございます。政府は、臨調及び行革審の答申を最大限に尊重しつつ、従来、予算の節減、効率化、機構改革、定員削減、三公社の改革、年金・医療を初めとする重要施策の見直しなど行政改革の推進に努めてきたところであります。
 しかし、これはまだ推進の途上にありまして、今後とも時代の変化に対応して、簡素にして効率的な政府の実現に努める必要があると思います。
 財政改革と国民の負担の問題でございますが、財政改革の目的は、できるだけ早期に財政の対応力を回復すること、そして高齢化の進展、国際社会への対応等、今後の社会経済の変化に弾力的に対応し得るよう、我が国社会経済の豊かさと活力を維持増進していくことを目標にして行うものでございます。しかし、この改革を推進するに当たりましてはいろいろ困難が伴うと思いますが、これまでの努力が水泡に帰することのないよう、さらに一層努力を払いつつ着実に一歩一歩前進させていかなければならないと思っております。
 私的諮問機関の活用の問題でございますが、前から申し上げますように、政府は、独善に陥らないように幅広く各界の有識者の意見を聴取することは極めて有益であると思うのであります。
 しかし、行政運営の責任は政府にありまして、政府の責任においてこれを決定しております。
 もちろん、立法措置を要する重要な制度改正等につきましては、国会に法律案を提出して御審議をお願いしておるわけでございまして、行政をゆがめたり立法府の形骸化との御批判は当たらないと考えております。
 次に、防衛費の問題でございますが、防衛予算の編成に当たっては、厳しい財政事情を勘案しつつ、経費の抑制を図りつつ、円高、油価格の低下等も踏まえて全体規模の圧縮に努める一方、中期防の着実な実施を図ることといたしまして、ぎりぎりの努力を図った次第でございますが、名目GNPの動向もあって、やむを得ずGNPの一%をやや上回った結果となりました。
 防衛費に係る後年度負担額は、艦船、航空機等の調達には数年を要する等の事情を踏まえて計上されているものであります。防衛予算の編成に当たりましては、後年度負担額が将来の財政負担の要因となることを踏まえまして、防衛力整備の着実な実施に配慮しつつも、極力その規模の抑制に努めてきておるところであります。
 防衛費の増大の危惧に対しましては、政府は本年一月「今後の防衛力整備について」を閣議決定いたしまして、専守防衛等の我が国の基本方針を引き続き堅持すること、また、中期防の所要経費の枠内で各年度の防衛費を決定すること、さらに、昭和五十一年十一月の閣議決定の節度ある防衛力整備を行うという精神は引き続き尊重する旨を確認いたしました。従来からの政策の継続性は維持しつつあります。節度のある防衛力、専守防衛に徹した防衛力に今後とも努めてまいるつもりであります。
 経済運営に対する御批判でございますが、経済運営につきましては、常に中長期的視点をわきまえて、世界経済との関連、調和を心がけてまいらなければならないと思います。特に、その際、物価の安定、それから為替の長期的安定、失業あるいは金利の動向、こういうものに目配りをしていく必要があると思っております。
 政府といたしましては、財政の機動力、対応力を回復するために今まで行政改革、財政改革を推進してまいりましたが、今後も臨調や行革審の精神は尊重していかなければならぬと思っております。しかし、いろいろ経済条件に対しまして弾力的に緊急措置として対応することは当然のことでございまして、今その措置を緊急政策として行っておるところでございます。今後とも行政改革の基本精神のもとに弾力的、機動的運用というものを継続してまいりたいと思っておる次第です。
 NTT株というものは、これは国債償還に充てるということを原則として貫いておるのでございまして、現在も変わっておりません。そして、行政改革の精神を堅持しつつ、経費の膨張、財政の肥大化を今後とも防いで、子孫にツケを残さないように努力してまいるつもりであります。
 地価問題につきましては、国土利用計画法の効果的運用等総合対策を実施するほか、臨時行政改革推進審議会から適切な助言を得べく措置したところでございます。
 なお、地価の暴騰対策につきましては、東京等一部地域の地価高騰に対して、先般地価対策関係閣僚会議において、土地取引規制の強化、国等が土地売買等の契約を締結しようとする場合の特別配慮、土地税制の見直し等を内容とする対策を了承いたしました。
 また、先日、新行革審に対しましても、地価等土地対策に関する基本的かつ総合的な改革方策について提言を願いたいと申し入れしたところであります。
 今後とも閣僚会議等を機動的に開催する等、政府一体となって効果的な地価対策を進めてまいりたいと思います。
 建設大臣の発言は、土地問題の重要性を訴えた警世の言として承っております。
 零細中小企業の状況でございますが、やはり依然として景況は低迷し、跛行性があり、また、製造業においては特に生産が低迷し、輸出も前年水準を大幅に割り込むなど厳しい状況にあると思います。輸出型産地、企業城下町等では生産が減少し、人員整理が行われております。
 政府としては、こうした厳しい状況にある中小企業の円滑な構造転換等を支援するために、新転換法、新地域法の制定を初め各般の施策を講じてきており、今回の補正予算においても中小企業対策費四百五億円を計上したところであります。
 今後とも、中小企業の実態を踏まえまして、施策の機動的かつ総合的な展開を図ってまいりたいと思います。
 雇用対策につきましては、最近の雇用情勢は求人の増加など一部に改善の兆しが見られますが、不況業種や関連地域等については厳しい状況にあります。
 このため、業種、地域の雇用動向を迅速的確に把握しつつ、内需の拡大等適切な経済運営と相まちまして、三十万人雇用開発プログラム等の雇用対策を着実に実施してまいりたいと思います。特に厳しい雇用環境下に置かれている中高年層に対しては、先般、助成金制度を改善して、雇用の安定と再就職の促進に向けて対策を強化したところでございます。
 残余の答弁は関係大臣がいたします。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(宮澤喜一君) 一昨年九月のいわゆるプラザ合意によりまして、ドルの価格が大幅に引き下げられまして、これが各国間の国際収支の均衡回復に徐々にではあっても資するであろうということを期待いたしておりますが、他方で、我が国にとりましては、御指摘のように、円の上昇が余りに急で、余りに大幅でありましたために、我が国の企業がこれに対応することに非常な困難を感じ、また感じつつあることは事実でございます。
 と同時に、我が国が経済構造をやはり少し長い時間をかけて調整しなければならないのではないかという前川報告のような問題意識も広く国民に持たれるようになりました。そういう状況の中で、先般御審議いただきました補正予算をかなり思い切った規模でこれから実施をいたしたいと思っておりますが、問題の性格にかんがみまして、一度補正予算を組めば済むといったようなことではないであろうと考えております。
 ただ、御承知のように、財政再建がまだその途上でございますから、例えばNTT株式の売却代金の活用を図る等々の方法でこの二つの相反する命題を調整してまいりたいと考えておるわけでございます。
 なお、地価問題につきまして、大蔵省といたしましても重大な関心を持っておりまして、既に先週から地域を定め、金融機関を選びましてかなり具体的なヒアリングに入っておりまして、また、金融機関の各連合体におきましても、おのおの自分でいろいろ自粛措置を決定しておりまして、これは現在の状況にかなり効果があるであろうと考えております。私ども行政といたしましても一生懸命その務めを果たすつもりでございます。
 それから、いわゆる財テクにつきましてお話がございました。
 政府といたしましては、このNTTの株式の売却代金は国民の過去の努力の蓄積でございますから、最終的には国債の償還にもとより充てるということでございますけれども、その間の余裕金はいわゆる社会資本の充実等に活用することが目下の問題にこたえるのではないかと考えまして、そのようにいたしております。最終的には国債償還の財源でございます。
 一般に民間に行われております、いわゆる財テクといったような風潮そのものは、これはやはり経営の常道だとは申しにくいと思います。したがいまして、このようなことが長く続くことは本筋のことではない、経済状況が正常になりますと、経営の本筋での努力がもっともっと行われるであろうということを期待いたしております。
 防衛費につきましては、総理大臣が詳しくお答えになりましたとおりでございます。(拍手)
   〔国務大臣天野光晴君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(天野光晴君) 峯山先生の御質問にお答えいたします。
 先日の決算委員会での私の、中曽根内閣の土地政策に対する失政であるという発言は、ちょっと間違っていたようであります。というのは、仕事をしなくては失敗しません。いろいろただいまも総理から発言がありましたが、私、土地問題の専門家だと思っておるのですが、私の立場からいうと、とても大したものはやっていないということですから、これは失敗にはなりません。その点訂正をしておきます。
 土地暴騰の一つの原因として、国公有地の販売につながっているんじゃないかという御意見でございますが、これは私、同感です。これは、この間委員会で発表されたように、昨年度から今年度につながって売っておる土地は、地価公示価格の三倍という価格で売っております用地価公示価格は、この高値が来年度の公示価格に影響してきますから、地価暴騰につながっていることは間違いないと思っておりますが、今の段階では、地価高騰に対する措置として何らかの措置を講じない限り、国鉄用地の土地を、これは東京だけですが、これを始末されますとより以上の暴騰につながるんではないかという感じがいたします。
 できるなら、これは完全な土地対策をやってから措置をすべきものであると思いますし、国鉄の借金返済のためにどうしてもやらなきゃいけないというのなら、これは私の所管ではありませんから個人的な意見で御説明申し上げますが、国鉄法の改正を通すときに大臣が主張したように、少しでも高く売る、これは当然だと思いますが、売っても高く売れないような措置を講じてから売らせるというのがやっぱり政治であると、私はそう思っております。
 そういう観点で、中曽根内閣あと三カ月ぐらいきりないようでございますが、その間において最終的に努力をして何とかするという総理の方針でもありますから、私はその言葉を捨てませんで、これからの三カ月間に全力を尽くして御期待に沿えるような措置ができると、私はそう思っておりますから、その点御了承願えればありがたいと思います。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣平井卓志君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(平井卓志君) お答えいたします。最近の雇用失業情勢につきましては、ただいま総理からも概略御答弁ございましたが、内需関連業種を中心として求人がかなり増加いたしております。また、製造業の雇用過剰感もわずかながら低下するということで一部に改善の兆しがございますが、全体としてはやはり依然厳しいという状況でございます。
 このために、業種、地域の雇用動向を踏まえまして、職業転換訓練等による労働移動の円滑化、雇用開発を中心とする総合的な地域雇用対策等の各種の施策を機動的に推進してまいったところであります。
 特に、御指摘のございました中高年齢者の雇用情勢には大変厳しいものがございますので、これらの施策に加えまして、先般の緊急経済対策に基づき、特定求職者雇用開発助成金の対象を高年齢者から、五十五歳から六十四歳でございますが、中高年齢者に、四十五歳から六十四歳に拡大をいたしたところであります。高年齢者多数雇用事業所に対する報奨金の支給要件の緩和もいたしました等々、中高年齢者の雇用の安定と再就職の促進のための施策の充実強化を図っておるところでございます。
 今後とも、これらの雇用対策を強力に推進し、中高年齢者の雇用の安定に努めてまいる所存であります。
 以上であります。(拍手)
#20
○議長(藤田正明君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト