くにさくロゴ
1987/08/21 第109回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第109回国会 運輸委員会 第4号
姉妹サイト
 
1987/08/21 第109回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第109回国会 運輸委員会 第4号

#1
第109回国会 運輸委員会 第4号
昭和六十二年八月二十一日(金曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 鹿野 道彦君
   理事 小里 貞利君 理事 亀井 静香君
   理事 久間 章生君 理事 関谷 勝嗣君
   理事 津島 雄二君 理事 吉原 米治君
   理事 西中  清君 理事 河村  勝君
      遠藤 武彦君    亀井 善之君
      北川 正恭君    鴻池 祥肇君
      笹川  堯君    二階 俊博君
      平林 鴻三君    増岡 博之君
      箕輪  登君    保岡 興治君
      山村新治郎君    若林 正俊君
      小林 恒人君    清水  勇君
      新盛 辰雄君    戸田 菊雄君
      石田幸四郎君    中村 正雄君
      辻  第一君    中路 雅弘君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 橋本龍太郎君
 出席政府委員
        運輸大臣官房国
        有鉄道改革推進
        総括審議官   林  淳司君
        運輸大臣官房国
        有鉄道改革推進
        部長      丹羽  晟君
 委員外の出席者
        議     員 細田 吉藏君
        議     員 津島 雄二君
        議     員 関谷 勝嗣君
        議     員 小里 貞利君
        大蔵省主計局主
        計官      田谷 廣明君
        自治省財政局調
        整室長     二橋 正弘君
        参  考  人
        (新幹線鉄道保
        有機構理事長) 石月 昭二君
        運輸委員会調査
        室長      荒尾  正君
    ―――――――――――――
 委員の異動
八月二十一日
 辞任          補欠選任
  魚住 汎英君      遠藤 武彦君
  小渡 三郎君      笹川  堯君
  田中 直紀君      保岡 興治君
  村上  弘君      辻  第一君
同日
 辞任          補欠選任
  遠藤 武彦君      魚住 汎英君
  笹川  堯君      小渡 三郎君
  保岡 興治君      田中 直紀君
  辻  第一君      村上  弘君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 旅客鉄道株式会社が建設主体とされている新幹
 線鉄道の建設に関する事業の日本鉄道建設公団
 への引継ぎに関する法律案(細田吉藏君外四名
 提出、第百八回国会衆法第二〇号)
     ――――◇―――――
#2
○鹿野委員長 これより会議を開きます。
 細田吉藏君外四名提出、旅客鉄道株式会社が建設主体とされている新幹線鉄道の建設に関する事業の日本鉄道建設公団への引継ぎに関する法律案を議題といたします。
 まず、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。津島雄二君。
    ―――――――――――――
 旅客鉄道株式会社が建設主体とされている新幹線鉄道の建設に関する事業の日本鉄道建設公回への引継ぎに関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○津島議員 ただいま議題となりました旅客鉄道株式会社が建設主体とされている新幹線鉄道の建設に関する事業の日本鉄道建設公団への引継ぎに関する法律案の提案理由について御説明申し上げます。
 新幹線鉄道は、昭和三十九年十月の東京−新大阪間の開業以来、その高速性、安全性、大量輸送能力、快適性等によって、国土の開発、地域社会の発展、国民生活の向上等に寄与してまいり、東海道、山陽、東北、上越の各新幹線を合わせると営業中の路線は約二千キロに及んでおります。
 現在、建設が計画され、整備計画が決定されている新幹線鉄道の路線は五路線、約一千五百キロとなっておりますが、これらのいわゆる整備新幹線については、国土の均衡ある発展と地域格差の是正に寄与すること大なるものがあると期待され、建設に対する地域住民の要望は極めて強いものがあります。
 これらの整備新幹線については、全国新幹線鉄道整備法により、日本国有鉄道あるいは日本鉄道建設公団に対し建設の指示が行われていましたが、昨年十一月に成立した日本国有鉄道改革法等施行法において、国鉄の分割・民営化に伴う経過措置として、日本国有鉄道に対し建設の指示が行われていた新幹線鉄道については、関係の旅客鉄道株式会社に対し建設主体の指名及び建設の指示が行われたものとみなされたところであります。
 しかしながら、日本国有鉄道改革法等施行法成立後の諸情勢の推移等を踏まえ、今後の新幹線鉄道の建設の効率的かつ円滑な実施の体制を整備するためには、これらの整備新幹線の建設に関する事業については関係の旅客鉄道株式会社から日本鉄道建設公団がこれを引き継ぎ、同公団が一元的に行い得るものとする必要があると考えられるところであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、日本鉄道建設公団は、旅客鉄道株式会社が建設主体とされている新幹線鉄道の建設に関する事業を、旅客鉄道株式会社の同意を得て引き継ぐものとしております。
 第二に、新幹線鉄道の建設に関する事業を日本鉄道建設公団が引き継ぐ場合には、旅客鉄道株式会社に対し行われたものとみなされた建設主体の指名及び建設の指示は日本鉄道建設公団に対し行われたものとみなすとともに、旅客鉄道株式会社が行ったものとみなされた工事実施計画の認可申請は日本鉄道建設公団が行ったものとみなすこととしております。
 第三に、これらの場合において、旅客鉄道株式会社は、遅滞なく、関係する事務を日本鉄道建設公団に引き継ぐとともに、その有する権利及び義務は日本鉄道建設公団が承継するものとする等所要の規定を整備することとしております。
 以上が、この法律案を提案する理由及びその概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#4
○鹿野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○鹿野委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として新幹線鉄道保有機構理事長石月昭二君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○鹿野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#7
○鹿野委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉原米治君。
#8
○吉原委員 大臣、きょうは日程があるようでございますので、最初に大臣の方にお尋ねをしたいと思います。
 この法律案は一体なぜ政府の責任において提案をされなかったのか、大変疑問を感じますので、その点、政府提案としなかった理由についてお答え願いたいと思います。
#9
○橋本国務大臣 現に議員提案がなされ、現在御審議中の法律案につきまして、政府として議員提案をされました理由について答弁をいたすことは本来なら差し控えるべきかもしれません。
 しかし、強いて申し上げますならば、全国新幹線鉄道整備法はもともと議員提案により制定されたものであります。その後の改正も、国鉄改革の一環としての先般の国鉄改革法等施行法による改正を除きましては議員立法により措置されてまいりました。今回の改正措置に伴います立法措置もその関連が考慮されたものと私は考えております。
#10
○吉原委員 いや、衆法で議員提案をされておる理由は、何も大臣にお聞きする必要はないわけでございまして、私が聞きたいのは、中身を見ましても政府の責任になるべき内容なのでございまして、なぜ政府提案でしなかったのかを聞きたかったのでございます。もう一度。
#11
○橋本国務大臣 私は、議員立法で提案をされておりますものにつきまして、なぜ議員立法をされたのかという裏返しの立場からのお答えとすれば、今申し上げましたように、全国新幹線鉄道整備法というものがもともと議員提案でなされた立法でありますし、その後の改正も、昨年秋の臨時国会における国鉄改革法等施行法による改正を除きましては議員立法により措置されてきたものでありますから、その関連におきまして今回の立法措置もなされたものと理解しておるというお答えを申し上げた次第でございます。
#12
○吉原委員 大臣の認識と私の質問の趣旨とがどうもちぐはぐでございますが、もともと新幹線鉄道法が議員立法だから今回もというのは、私はちょっと詭弁に聞こえてならぬわけです。では、大臣の立場からは、この衆法の中身は政府としては好ましくない中身なのかどうなのかとこっちは言いたくなるわけです。どうでございますか。
#13
○橋本国務大臣 好ましい好ましくないということを申し上げるよりも、なぜ委員からそういう御質問をいただくのか、私は多少理解に苦しんでおります。もともと議員立法で制定を見ました法律の延長線上における今回の法改正というものが議員立法で行われることに、私は、立法府の一員といたしましても、また現在所属する行政府の一員といたしましても何らの問題を感じておりません。
#14
○吉原委員 大臣は何か人ごとみたいな御答弁で、私は今の大臣答弁は実に納得いかないわけでございますが、少なくとも昨年の改革法の中で、事業主体を国鉄もしくは鉄建公団という二本立てでどちらでもやれるような仕組みになっておった。一年たたない間に、今度はそれを鉄建公団一本に絞るという昨年決めたばかりの改革法の一部手直しでしょう。それは昨年の今年だから、どうも政府側としては提案しにくいということなのかなと思って、それでも私は善意に解釈してきた。ところが、今の大臣の答弁は、もともとの本法が議員立法で決めたことだから、今回も議員立法でやられることは政府としては何かどっちでもいいような答弁は、ちょっと私はいただけないと思いますが、こんなことをやっておったら時間が過ぎますので、大臣の答弁は納得いかないということを申し上げて、もう一つ、もし仮にこの法律が通って新幹線を着工するような事態が何年先か知りませんけれども来た場合に、もとの国鉄の二の舞を踏まないようにいろいろな財源の配慮をしなければならぬ。
 今度新幹線をつくりますと、建設費を全部関係旅客会社に持たせるという場合もあるでしょうし、あるいは一部持たせるという場合もあるだろうし、全然持たせずにできた新幹線をそのままリースでJR会社に貸し付ける場面も想定をされるわけでございます。いずれにいたしましても、新幹線ができますと在来線はまた客が落ち込む。今残されておる在来線は特別に黒字を生み出すような路線は数少ないわけでございますが、そういったところに新幹線が並行して走りますと、いや応なく在来線の赤字ということが考えられる。私ども、新幹線そのものをとやかく言っておるわけじゃございませんけれども、せっかく赤字体質を脱却して、分割してしかも御丁寧に民営化されておるその会社が、もとの国鉄の二の舞を踏むような費用負担を強要されるようでは困るわけでございまして、これはもっと先の話になりますが、そういう意味の配慮はどのようにされておるのか、大臣のお考えをただしておきたいと思います。
#15
○橋本国務大臣 整備新幹線の財源問題などにつきましては、現在、整備新幹線財源問題等検討委員会において検討いたしておるところでありまして、適切な結論が得られるように努めてまいりたいと考えております。
 なお、この検討に当たりましては、運輸省といたしましては、都市間交通の高速化を図っていく必要性は今後の交通体系の整備及び新会社の経営の基盤強化を図る上にも絶対に必要なことであると考えております。同時に、それが新会社の経営に悪影響を及ぼすものであってはなりません。この二点を踏まえまして、私どもは検討委員会においての検討に臨んでおりまして、委員の御指摘をいただきましたような、JR各社ようやく産声を上げたばかりでありますのに、その経営基盤を根底から覆すような事態には絶対にさせない努力をいたしてまいりたいと考えております。
#16
○吉原委員 それじゃ、大臣への質問は終わって、今度は提案者にお尋ねをいたします。
 法律の第二条に「当該旅客鉄道株式会社の同意を得て引き継ぐものとする。」こういう文言になっておりますが、同意が得られなかった場合どうなるのか。つまりこんなケースが考えられるのですが、いや、私の会社は鉄建公団にはお願いしません、最寄りの信頼できる建設業者と契約を結んでそこでやりたいと思いますから、何もわざわざ鉄建公団にということについては同意いたしかねる、こういうことを言ってきた場合には一体どうなるのでございますか、それが一つ。
#17
○津島議員 お答え申し上げます。
 整備新幹線の建設を鉄建公団が一元的に行うようにするということは、先ほど大臣からも御答弁ございましたが、整備新幹線の効率的かつ円滑な建設の体制整備につながるという考え方で御提案いたしておるわけでございますので、旅客会社自身の経営の健全性の確保にもつながっていくというふうに考えております。したがいまして、御質問の旅客会社の同意が得られないという事態は生じないと考えております。
#18
○吉原委員 生ずるか生じないかはこれからの話でございますから、私は、同意を得られなかったら引き継がれぬじゃないかという反問をしておるわけでございまして、そういうことはあり得ぬという御認識ならそれはそれで結構でございます。
 二つ目にお尋ねしたいのは、四条の関係で、「同条の旅客鉄道株式会社が有する権利及び義務は、公団が承継するものとする。」一体公団はどんな権利義務を承継するのか、具体的に中身をはっきりしておいていただきたい。
#19
○津島議員 お答え申し上げます。
 承継の実施に関連いたしまして、旅客会社から鉄建公団に承継される権利義務といたしましては、例えば水質水量調査に必要な用地の借地契約、トンネル調査坑のベース地及び土捨て場の借地契約あるいは調査坑での作業に関する建設会社との契約等に関する権利義務が考えられます。
 以上でございます。
#20
○吉原委員 そのほかの権利義務はございませんね。いや、実はあのときに答弁漏れで、こういうものがあるということはないと信じていいですか。
#21
○津島議員 第四条三項の規定により承継される具体的な権利義務等はその後特定をいたしまして、公団と旅客会社が協議して決めるわけでございますが、そのような協議の過程でいろいろ出てくるとは思いますけれども、主たるものは今申し上げたようなものであると考えていただいていいと思います。
#22
○吉原委員 以上で同僚議員と交代をいたします。
#23
○鹿野委員長 戸田菊雄君。
#24
○戸田委員 大臣が所用で御多忙のようでありますから、冒頭に一括五点について御見解を伺っておきたいと思います。
 その一つは、今同僚の吉原議員も触れましたが、本案の取り扱い方、私は、これは政府が責任を持って提案をすべきものと考えますが、決して議員立法軽視ということではありません。これは御存じのように、唯一立法府の国会議員として、法律案の発案あるいは法律案の審議、法律案の議決等々の機能を有しておるわけでありますから、そういう点では対等であるわけでおりますが、今回の法案は政府が提案するのがベターだ、こういうように考えておるわけですが、その見解について再度承っておきたいと思います。
 もう一つは、整備五幹線の財源調達を明確にすべきだと思いますが、その見解。
 それから、JRが発足をした後の経営状況に影響させないようにという条件確認が、当時国鉄民営化に伴って論議の中であったと思いますが、その影響度についての見解をひとつ承っておきたい。
 それから整備五幹線が設立された後、経営主体はどこになるのか。新幹線保有機構に所属するのか、あるいは独自で別途経営でいくのか、そういった見解について承っておきたいと思います。
 もう一つは、東北新幹線の東京始発駅、こういうことになっておるのですが、この見通し、いつごろから開始ができるのか、その辺の見解。五点について承って、後はどうぞ退場願っても結構でございます。
#25
○橋本国務大臣 まず第一点の問題につきましては、ただいま吉原委員にも御答弁を申し上げましたが、既に議員提案がなされており、現に御審議をいただいておる中身であります。その場合に、政府として議員立法いわば是か否かという論議をすること自体が、私は、実は政府としては本来差し控えるべきことではなかろうかと感じております。
 強いて申し上げれば、先ほども申し上げましたように、全国新幹線鉄道整備法が議員立法として制定をされた、そして昨年の秋の臨時国会におきます国鉄改革法等施行法による改正を除きましてはその後の改正も議員立法により措置をされてきた、そうした経緯から、今回の立法措置もそれとの関連で考えられたものと思われるということ以上に、現時点で私は申し上げる内容を持っておりません。
 ただ、吉原委員に御答弁を申し上げます際に落としまして大変失礼でありましたが、内容としておまえさんはそれではこれはどうでもいいのかというお尋ねがあったのですけれども、そうではございませんで、私は、政府の立場からこの議員立法の方向に同意をいたしております。その点を先ほど吉原委員に対する御答弁を申し上げました際に落としておりました。おわびをして、つけ加えさせていただきたいと思います。
 また、整備新幹線各線の建設に要します財源というものにつきましては現在検討中でございますが、建設費そのものが五線全体で五十九年度価格でありますけれども、約五兆三千二百億円との試算がございます。各線別に見ますと、東北新幹線盛岡−青森間で六千四百億円、北海道新幹線青森−札幌間一兆円、北陸新幹線高崎−大阪間二兆二千九百億円、九州新幹線博多−鹿児島間八千九百億円、同じく九州新幹線鳥栖−長崎間五千億円となっております。
 この財源につきましては、まさに検討委員会が今作業をいろいろな角度からいたしておるわけでございまして、どういう方向に結論が出るか、現時点では分明ではございません。
 また、国鉄改革法等施行法に基づきまして、北海道新幹線につきましては北海道旅客会社、東北新幹線につきましては東日本旅客会社、北陸新幹線につきましては東日本旅客会社及び西日本旅客会社が、九州新幹線につきましては九州旅客会社がそれぞれ営業主体とされております。
 また、整備新幹線の収支採算性を含めまして財源問題等着工前提条件につきましては、今も触れましたが整備新幹線財源問題等検討委員会におきまして検討を進めているところでありまして、その検討の一環として、旅客会社などに対しまして現在その意見聴取をいたしております。
 採算性につきましては、一つの試算によりますと、新幹線及び並行在来線合計の収支は、整備五線全体で借入金の全くない場合には七十年度で四百二十四億円の黒字が見込まれる。これに、助成金に係る部分につきましても減価償却費を計上するといたしますと、六百三十一億円の赤字が見込まれるという試算の結果が出ております。
 いずれにいたしましても、整備新幹線問題の結論が出されるに当たりましては、新たにスタートをいたしました旅客会社の経営に悪影響を及ぼすことのないように十分な検討を行う必要があると考えておるところでございます。大変申しわけありませんが、現時点におきまして、JRに対する経営に与える影響という御質問についてはこれ以上の答弁の内容を持ちません。むしろ、検討委員会に対して、整備新幹線について今意見を求めておりますJR各社がどのような検討結果を持ってその意見を述べることになりますか、私どもとして極めて関心を持って注目をいたしておるところでございます。
 また、最後にお尋ねがありました東北新幹線の東京−上野間の工事につきましては、国鉄の財政事情等から抑制されてまいったところでありますが、今般の国鉄改革に伴いまして新幹線保有機構が工事を継続することとなり、東日本会社が新幹線鉄道保有機構から委託を受けまして、六十四年度中の完成を目途に現在鋭意工事を行っているところでございます。
 以上、まとめて御質問をいただきました点にお答えをさせていただきました。
#26
○戸田委員 では大臣、どうぞ結構でございます。
 整備五幹線、自民党の運輸部会が中心だろうと思うのですが、いろいろと検討がなされておるようでありますが、影響がなければ、どの程度検討内容が進行しているのか、財源調達を含めてもしお答えができればお願いをしたいと思うのです。
#27
○津島議員 お答え申し上げます。
 ただいまの整備新幹線の収支採算性を含めた財源問題等につきましては、先ほどの大臣の答弁にもございましたように、六十年八月に政府・与党間に設けられました整備新幹線財源問題等検討委員会において検討が進められておるところでございますが、またその検討の一環といたしまして、現在、関係旅客会社等に関してその意見を聴取している段階でございます。私どもとして現在、具体的に報告を受けております点は以上のようなところでございます。
#28
○戸田委員 財源調達は。
#29
○関谷議員 私は今交通部会長を務めておるわけでございますが、財源問題につきましては、御承知のように鋭意六人委員会といいましょうか、財源問題等検討委員会においてこれを前向きの姿勢で進めていただいておるのは事実でございます。しかし、まだ確たる結論を得ていないということでございます。そしてそれに関連いたしまして、現在のJR各社の意見を聞くということがそれに並行して進められているという状態でございます。
#30
○戸田委員 私は、今回の議員立法の内容、趣旨等については賛成なんですけれども、今大臣に五点ほど伺ったこの内容がしかし前提であるわけです。そういうところからいけば、我々自体としても財源調達その他を含めて検討はしないといけない、こう思っておるのです。
 そこで問題は、既存の新幹線、東海道、山陽、東北、上越、この経営状況はどういう状況でございましょうね。
#31
○林政府委員 ただいま御質問の既存の四つの新幹線の経営状況でございますが、旅客会社、この四月にスタートしたわけでございますが、その発足後の各新幹線の輸送人員、これにつきましては、特定区間におきます調査によりますと、本年の七月までの実績で対前年比、東海道が一〇三%、山陽が九八%、東北が一〇八%、上越が一〇六%ということでございまして、輸送人員につきましておおむね順調に推移をいたしております。昨年九月に実施しました運賃、料金の改定がございますが、これを加味して考えますと、以上の輸送人員とそれから運賃改定というものから考えまして、各線とも収入は好調に推移しておるというふうに考えております。以上、収入でございます。
 さらに、支出の面につきましては、この四月から七月までの支出については現時点では集計されておりませんので、いわゆる収支という観点は定量的には明らかにならないわけでございますけれども、少なくとも収入面から見ますとただいま申し上げたようなことでございまして、かなり順調に経営が推移しておるというふうに考えております。
#32
○戸田委員 確かに営業収支等を見ましても順調にいっていることは間違いないようでありますが、しかし、東北新幹線のような場合非常に投下資本が大きいですから、その償却その他を考えますとまだまだ不足を来しているという状況にあるかと思います。
 そこで、問題になるのは、今の一〇三とか九八とか一〇八とか一〇六とがそれぞれ営業係数があるわけですけれども、これを見ましても、当初二十一・五万人という充足体制が、各社とも要員不足が生じて若干人件費が浮いている、こういう状況にあるかと思うのですが、この要員配置の問題で現状どういう状況になっていましょうね。東日本はどのくらい不足で、西日本はどうで、東海はどうで、ちょっとそれを教えてくれませんか。
#33
○林政府委員 新しくスタートしましたJR各社の要員状況でございますが、当初の基本計画におきましては、JRの七社それから鉄道通信あるいは情報あるいは研究所、保有機構、それらを合計いたしまして二十一万五千人というものを予定しておったわけでございます。その後、実際の改革法に基づく募集手続を行い、そしてさらに、かなりの基本計画との差が出たものですから、北海道と九州におきましてそれぞれ追加募集を行い、さらに北海道、九州地域から本州の各社等に対しまして追加募集を行いまして、現時点では、合計いたしますとこの二十一万五千人の計画に対しまして約二十万二千人というのがJR関係の各社の現在員数でございます。したがいまして、現在員と基本計画との差は約一万三千人ということになるわけでございます。
#34
○戸田委員 これはいつごろまでに充足されるのですか。
 それからもう一つは、公共部門の三万人、この中身を見ますと、例えばこういう例があるのですね。全印刷に七十五名行っているそうですけれども、今回の期末手当について一・五だというのです。清算事業団にいる者は一・九、このくらい差があるのですね。待遇上非常に不平等といいますかそういう扱いを受けているというのですが、そういう点はどうでしょう。
#35
○林政府委員 二十一万五千人に対しまして先ほど申しましたように現在実員は約二十万二千人でございまして、その差約一万三千人の開きがあるわけでございますけれども、これは、各会社につきまして一定の手続に従って募集をし、さらにまた追加採用というものについても行い、その結果、それぞれの会社についてなおその基本計画の数に達していないということでございます。
 しかし、これはまた一方、各会社の所要員、本来鉄道事業あるいは従来やっておった程度の関連事業というものを前提としたいわゆる所要員というものを見てまいりますと、これは約十八万六千人でございますので、二十万二千人というのは所要員よりはかなり数はまだ多いわけでございます。したがいまして、二十一万五千人というのは必ず充足しなければならぬというものではございませんで、できるだけその希望に沿って、希望のある元国鉄の職員についてはJR各社に吸収したいということで、募集手続等も追加募集を何遍も行ったわけでございますが、それでもなお充足されない場合、それはそれでやむを得ないのではなかろうか。所要員を下回っているということであればこれは問題でございますけれども、あくまで所要員は上回っているわけでございますので、その点については特に問題はないと考えております。
 それから、処遇の問題でございますけれども、清算事業団のいわゆる要対策者につきましては、できる限り生活の安定に配慮いたしまして、いわゆる基本給でありますとかあるいは都市手当、その他基本的な給与については従来の国鉄時代の給与水準というものを保障しております。乗務手当でありますとかあるいは超過勤務手当でありますとか、その職務の形態に応じまして従来はついておったものが要対策者についてはつかないというケースは実態としては当然ございますけれども、いわゆる基本的な給与部分については従来の水準を十分保障しているということでございます。いわゆる夏期手当、ボーナスにつきましてもいろいろございますけれども、勤勉手当あるいは期末手当ということで従来から区分がございますが、少なくとも期末手当に相当するものについては保障しておるということで、いわゆる業務の実態内容から見て、本来の職務についている人との間にある程度の差が出るということはやむを得ないのではなかろうかと考えておるわけでございます。
#36
○戸田委員 審議官、要員配置は、国鉄民営化についていろいろ審議をした際は六十四年度首で二十一・五万人確保しますよ、これが約束だったのですね。もちろん、最終要員は十八万という監理委員会の話は出ておりましたけれども、それは国鉄の積算方式でいくと十九万人ですよ、こういうことで、国鉄の要員積算方式を採用します、こういう約束だったんじゃないかと思うんですね。いずれにしても、六十四年度首までは二十一・五万人、この充足体制でいかなければいけないんじゃないでしょうか。
 それからもう一つは、今の差別問題ですけれども、今公共部門へおおむね一万を超える出向者が行っているんだろうと思うのですね。あるいは採用されている者は郵政省あり税務署あり、いろいろありますよ。いろいろありますが、今言ったように全印刷に行っておって、清算事業団に同格の者がおってそれは一・九だというんだ。出向した者は、まだ清算事業団所属ですが、しかしそういう者は一・五だ、こういうのですから、これは是正してもらわなければいけませんね。それはぜひひとつ改善をしてもらわなければならぬ、こういう考えですが、それはいかがでしょうか。
#37
○林政府委員 先ほど申し上げましたとおり、要員につきましては六十二年の四月一日、すなわち改革スタートの時点で二十一万五千人という計画だったわけでございます。本来、その仕事に必要な人数は十八万六千人であるのでありますけれども、当初それでは余りにも多くのいわゆる余剰人員が発生する、したがって、それらの余剰人員のうちの一部は新会社の方でも分担をしてもらいたい、抱えてもらいたい、こういうことで二十一万五千という数字を一応目標値として定めたわけでございます。したがいまして、あくまで仕事に必要な人数は十八万六千でございますので、十八万六千人という数字を下回る場合は仕事に支障が生じますけれども、それを上回っている限りにおいては仕事に支障を生ずることはない。しかも二十一万五千まで充足をするという前提で募集をしたわけでございますが、応募される方がございませんので結果的にそうなっておる。しかし、仕事には支障はないというのが現在の状況だということでございます。
 それから、給与の面でございますが、やはり清算事業団で本来業務に従事している人、それからいわゆる要対策者という方との間には勤務の実態に差がございますので、その差に相応する給与面での差というものは、これはやむを得ないのではなかろうか。ただしかし、生活に支障を来さないような基本的な給与については、十分にこれは保障しておるというのが実態でございます。
#38
○戸田委員 これはひとつ内容を検討していただいて、善処していただきたいと思うのです。要望しておきたいと思います。
 最後に、財源調達ですが、自民党部会の中でいろいろ検討の結果、来年度の予算要求にこの整備新幹線五線の予算は要求しないということを言っているようですが、それの信憑性はどうでしょう。昨年度は百五十億ですか、これは調査費ですかね。ことしは全然要求しないわけですか。
#39
○関谷議員 その問題につきましては、要求しないなどということはございません。今概算要求を準備いたしておるところでございますから、鋭意前向きでやりたい、そのように思っております。
#40
○戸田委員 時間ですから終わります。ありがとうございました。
#41
○鹿野委員長 この際、休憩いたします。
    午前十時四十二分休憩
     ――――◇―――――
    午前十一時四十一分開議
#42
○鹿野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。西中清君。
#43
○西中委員 最初に、整備新幹線の財源問題がいまだ決着を見ない今日の段階でこの法案が提案されたその理由について、提案者からお伺いをいたしたいと思います。
#44
○関谷議員 財源問題も大詰めに来ておるわけでございまして、その時間的なものを見ましても今提出して十分な時期であるというふうに判断いたしまして、今提出をいたしたわけでございます。
#45
○西中委員 整備新幹線の財源問題につきましては、財源問題等検討委員会で議論がなされておるように聞いておりますけれども、提案者の細田先生はたしかメンバーのお一人であるというふうに聞いておりますが、経緯について御説明いただければありがたいと思います。
#46
○細田議員 整備新幹線につきましては、御承知のように六十二年度予算、一応一般会計として三十億、それから財政投融資で百五十億という予算がついております。しかしながら、これをどう使うかということについては、もう新年度に入っておりますけれどもまだはっきりいたしておりません。年末、政府の予算最終決定の段階におきまして党と打ち合わせをいたしまして、いろいろなことを申し合わせをいたしたわけでございますが、その中で、財源問題等検討委員会において早急に結論を得て実施をするということにいたしておるわけでございます。
 その後、財源問題検討委員会を数回開いておりまして、これは非常に高度の政治的な判断を要する問題でもありますので、さらに六人の委員に絞って財源問題を決めていこうということで、政府側から後藤田官房長官、橋本運輸大臣、宮澤大蔵大臣、そして自民党側からは伊東政調会長と私と三塚前運輸大臣と三人、この六人で今協議を精力的にやっておるところでございます。
 それで、この結論を急いでおりますが、年末までに、これまた政府と党の申し合わせによりまして、JR各社の意見を一応聞こうということになっておりますので、先般この財源問題等検討委員会からJRの関係の各社、すなわち東日本、北海道、西日本、九州、この四社に対しまして整備新幹線に対するJR各社の意見を聴取する、これを大体十月末までに中間的な答えを出させ、最終的には年末までに出させる、こういうことにいたしております。という意味は、実は六十二年度もさることでございますが、少なくとも六十三年度につきましてはもうはっきりした形にしませんと、ずるずるとこのままでは相済まないという状況になっておるわけでございます。したがって、私どもとしましては、どんなに遅くとのこの年末の予算編成の時期までには最終結論を出す。六十二年度の予算もついておりますので、できるならば、その結論が得られれば、六十二年度中の予算の使い方からその方針に従ってやっていこう、こういうことでございます。
 先ほど来の御質問にもございますが、この法案と財源問題との関係いかんということでございますけれども、この財源問題については、いずれにしましても最終的な結論を政府としても得たい、自民党としてもどうしても得なければならぬ、こういうことになっておりますぎりぎりのところに参っておる、こういうふうに御理解いただきたい、かように思っておるわけでございます。
#47
○西中委員 ことしの三月末までということが延び延びになっておるわけでございますので、御努力を要望しておきたいと思います。
 そこで、運輸省並びに大蔵省にお伺いしますが、この財源問題の基本的な姿勢はどうなっておるのか、伺っておきたいと思います。
#48
○林政府委員 整備新幹線の財源問題についてでございますが、これについてはただいま細田先生からもお話がございましたように、整備新幹線財源問題等検討委員会という政府と自民党で構成しました委員会で今鋭意検討を続けておるという段階でございます。
 私ども運輸省の立場といたしましてまず基本的に考えておりますのは、都市間鉄道の高速化というものについては、今後の交通体系という問題を考えた場合、さらにもう一つは新会社の中長期的な観点からの経営の基盤強化という面から見た場合、まずこれは必要であるという基本的な認識を持っております。しかし一方、これを建設することによりまして新会社の経営に悪影響を及ぼすことは絶対あってはならない、こういう考え方を持っておるわけでございまして、そういう観点から需要予測あるいは収支というものを踏まえて、新会社に悪影響を及ぼさないような形での財源というものを何らかの形で見つけ出すということが必要であろう、これが私どもの基本的な考え方でございます。
#49
○田谷説明員 ただいまお尋ねの整備新幹線の財源問題でございますが、運輸省からも御答弁ございましたように、現在、財源問題等検討委員会におきまして検討を行っているところでございまして、結論を得るに至っていない段階でございます。したがいまして、現段階では何とも申し上げられないわけでございますが、私ども財政当局としましては、建設国債に財源を求めることについては、現下の厳しい財政事情あるいは国鉄改革に伴いまして多額の国民負担が生じると見られておりまして、その処理のめどが立っていないという現段階で考えてみますと到底そういうことはできないのではないか、したがって、少なくとも建設国債によらない財政措置というものを検討していく必要があるのではないかというふうに考えております。
#50
○西中委員 この新幹線の建設費についてはいろいろと言われておるわけでありますけれども、大蔵省として独自に試算をされたことはございますか。
#51
○田谷説明員 ただいまお尋ねの整備新幹線の建設費でございますが、大蔵省として独自の試算というものは持ってございません。ただ、これまでの検討委員会におきます検討結果等を踏まえますと、少なくとも五線全体で五兆円、五十九年度の価格でございますが、五兆円を上回る費用がかかるのではないかというふうに考えております。
#52
○西中委員 運輸省にお伺いしますけれども、新幹線の建設に伴って大きな問題になりますのはやはりJR各社の経営ということ、とりわけ並行在来線の収支の問題でございますけれども、この並行在来線はどういうふうな扱いにしようというふうにお考えか、もしも基本的な考えが何かありましたならば伺っておきたいと思います。
#53
○林政府委員 お答え申し上げます。
 整備新幹線財源問題等検討委員会の場におきます検討事項の一つといたしまして、並行在来線廃止の具体的内容というものが一つ検討事項として取り上げられております。そこで、現在この委員会で検討を行っているところでございますけれども、並行在来線につきましては、基本的に旅客鉄道会社の所有に属するものでございます。したがいまして、その意味で、やはり会社の意見というものを十分聞いて、尊重する必要があるだろうということが一つ言えるかと思います。それからもう一つ、またその存廃ということにつきましては、貨物鉄道会社の経営に非常に大きな影響が出てまいるということで、その意味からも、やはり貨物会社の意見も聞いていかなければいかぬというふうに考えるわけでございます。
 そういうことをしながら、この検討委員会の場におきまして、最終的にこの並行在来線の扱いについては適切な結論を得るように私どもとしても努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#54
○西中委員 それから、かねてから需給見通し等も検討されておるようでありますけれども、高速道路の整備の進展及び航空輸送の拡充、例えば東京−青森間はジェット化になりました。こういうようなさまざまな変化で輸送需要の上に影響が出ておるわけでありますけれども、基本的な問題として、こうした需給見通しについての見直しは行っておられるのかどうか、必要であるのかないのか、その辺のところを伺っておきます。
#55
○林政府委員 整備新幹線の需要予測に当たりましては、将来の交通ネットワークといたしまして、高速自動車道あるいは空港といったものの中長期的な整備計画というものを加味した上で試算を行っているわけでございます。例えば、ちょっと御指摘ございました東北新幹線の場合におきましても、東北自動車道の全通、それから青森空港のジェット化というふうなものを前提条件といたしまして、それで需要予測を行っているわけでございまして、そういう意味で、特に現在見直しをする必要はないのではないかというふうに考えております。
#56
○西中委員 大臣、先ほど細田先生から検討委員会のことをお伺いしたわけですが、もう時間もございませんので、整備新幹線のこれからのお運びについて大臣の決意を伺って、終わりたいと思います。
#57
○橋本国務大臣 参議院の本会議のためおくれまして、大変申しわけありません。
 今までの御論議を踏まえず私なりの感じを申し上げさせていただきますならば、検討委員会に私が出席をいたしますようになりましてから基本線として貫き通してまいりましたものは、大きく分けて二点であります。
 一点は、将来のことを考えた場合に、高速鉄道網の整備は必ず必要で、全国の新幹線網の整備は必要なものであるということであります。これは鉄道事業そのものを考えましても、また中距離都市間の輸送というものを考えましても欠くことはできません。しかし、同時にまたもう一点ありますのは、本年四月一日発足をいたしましたJR各社の経営基盤に影響を与えるような形でこれが建設をされてはならないということであります。検討委員会の中で私は繰り返しこうしたことを申し述べてまいりましたが、おかげさまでようやくJR各社に対して意見を求めるところまで参りました。JR各社が的確な意見をお出しいただくことを私は願っておりますが、そのお答えが出てまいりました段階において私どもとしては十分慎重に、同時に果断に今後の対応をしてまいりたいと考えております。
#58
○西中委員 終わります。
#59
○鹿野委員長 河村勝君。
#60
○河村委員 まず、法案の提出者にお伺いいたします。
 先ほどの提案理由を伺っておりますと、今回の法案を出す理由の中で、旅客会社を整備新幹線の建設主体に指名をしたのは経過措置としてやったんだということでありましたが、当時鉄建公団にやらせるなんという発想はまだ何もなかったはずで、これが経過措置であったという理由は私はないと思うんだけれども、一体どうなんですか。
    〔委員長退席、久間委員長代理着席〕
#61
○津島議員 お答え申し上げます。
 先生御案内のとおり、昭和六十年の八月検討委員会が発足をいたしまして、財源の問題、建設主体の問題等々検討してまいりましたが、六十二年の予算の編成にかかる昨年の末までは、実は建設主体について最終的な判断が政府・与党の間では示されておらなかったと承っております。そのような中で昨年の秋に成立をいたしました国鉄改革関連法においては、とりあえずの経過措置として建設主体は東北、九州新幹線については関係旅客会社、それから北海道、北陸新幹線については鉄建公団とするということを行ったわけでございますが、その後、検討委員会の検討が進められてまいりまして、六十二年度の予算編成の段階において、昨年末に鉄建公団が整備新幹線の建設を一元的に行う、そのことがまた能率的に建設を進めることにつながるのであろうという結論が出ましたので、そのような政府・与党間の申し合わせを踏まえて今回のような提案をさしていただいた次第でございます。
#62
○河村委員 政府・与党でどういう御相談をしたかこっちは知りませんけれども、少なくとも昨年の改革法案の提案の際に、これが単なる経過措置であるという説明は我々は何ら受けておらない。ですから、大変勝手なやり方だと私らは思っております。
 そこで、今度は営業主体と建設主体を完全に分けてしまうという発想でありますが、私は、他の条件が等しければ建設主体と営業主体とは一緒である方がよりよい、そう考えておりますが、どうお考えですか。
#63
○津島議員 今回の立法に当たりまして、私どもは、鉄建公団が北海道、北陸新幹線に加えて東北、九州新幹線の建設も行うということの方が効率的かつ円滑な実施体制が整備できるというふうに判断をしたものでございます。
#64
○河村委員 それは全く答弁になっておらない。私が今伺っているのは、他の条件が等しければ建設主体、営業主体、つくった後でもってそれを運営するところとつくるところとは一緒である方がより望ましいに決まっておる、そう思うのですが、いかがですか。簡単に。
#65
○細田議員 建設主体と営業主体が鉄道一般について同一であるということがいいという御意見は、これはそれなりにあると思います。しかしながら、現在の鉄道建設公団のやっておることを考えてみますと、例えば民間の私鉄の場合でも、P線と称するものについては鉄建公団がやっておりまして、これはそれなりに有効に働いて、各私鉄もそれだけ利益を得ておる、受益をしておるというような例もございます。また、あなたのおっしゃる議論をそのまま持っていきますると、鉄道建設公団というのは初めから要らなかったという議論に通ずるわけでございまして、これはいろいろ議論があったわけでございまして、その中で国会の意思として鉄建公団が法律で決まって、進行しておるということでございます。
 したがって、申し上げるまでもございませんけれども、東北新幹線は国有鉄道で、上越新幹線は鉄建公団でやる、じゃ、なぜ建設主体が両方に分かれたのかといったようなこと、分かれることが妥当であるのかどうかといったようなことも振り返って考えると問題になるわけでございます。したがって、私どもの今回の考え方は、やはり建設主体というものは一本にして、私鉄の場合やいろいろ――建設の技術の力を一本にした方がより適切である、こう考えたということでございまして、やや見解の相違ではなかろうか、かように思っておるわけでございます。お説はごもっともで、わかります。
#66
○河村委員 私鉄の工事をやっているというのは、私鉄が頼みに来るのは、建設公団に頼めば政府資金を使うことができるからやむなく頼んでいるのであって、直接私鉄に政府資金が回るのだったら、何も頼まなくたって自分でやるんですよね。だから、それはさっぱり理由にならない。だから、私鉄の工事をやっているけれども、公団が実際工事をやっているというのはそのうちの数%にすぎないはずです。あとはただ通り抜けで、お金の出口にしてあるだけであって、実際やっておらないのですよ。だから、御承知の上で言っておられるのかどうか知りませんが、余り理由にならぬ。
 そこで、時間がないのでこれは余り突き詰めた議論はできませんので、その辺にしておきますが、少なくとも津島さん、これはあなたのところなんか大いに関係するのですけれども、東北新幹線、これなんぞ一体建設公団にやらせる理由がどこにあるのだろうか。一元的にやらせるとおっしゃるけれども、それはただ観念的な発想であって、東北新幹線に続いて、今まで国鉄がやっているものをわずかの区間わざわざ鉄建公団にやらせるという理由がどこにあるのですか。
#67
○津島議員 先ほど提案者の細田議員からもお話がございましたように、先生の御意見のように運営主体が同時に建設主体であるという考え方も当然それはあり得るわけでございますが、新幹線という高速鉄道を専門に建設をする技術者の数とかそのための多額の建設資金の調達とか、そういう諸般のことを考えますと、建設主体を一体的にさせ、旅客会社においては営業活動に専念をさせるということが適切であるという考え方を私どもはとらせていただいたわけでございます。
#68
○河村委員 どうも、何も理由にならないですね。
 では、東京−上野間の東北新幹線工事は、これは新幹線保有機構にやらせると言っているけれども、実際は国鉄がやっている。これはさっきの大臣の御説明のとおりです。実際やるのは旅客会社がやって少しも差し支えないのだし、第一、今までの実績を見ても、上越新幹線と東北新幹線と比べて、どっちが経費を節減をして工事をやっているかという比較をやってみたことありますか。やはり直接運営主体でないと、どうしても念入りになり過ぎて、それでお金が余計かかるということになりがちだ。現にその結果が出ているんじゃないですか。いかがです。
#69
○林政府委員 確かに東北新幹線と上越新幹線の建設費を比較した場合に、上越新幹線の方がキロ当たりの建設費は東北を上回っております。ただしかし、これにつきましてはいろいろとやはり状況があるわけでございまして、例えば上越新幹線の場合は非常にトンネルが多いとか、そういういろいろな状況の中で建設費に差があるわけでございまして、必ずしも建設主体と運営主体が別であるからそのような現象が出ているということではなかろうというふうに理解しております。
#70
○河村委員 トンネルが多いとか雪があるとか、そういう条件があることは私も承知しているのですよ。そういうものを抜いたいろいろな附帯構造等においてかなりの差があることは事実なんですよ。ですから、これは今後建設公団がおやりになることになってしまうわけだけれども、その辺は十分配慮していかないといけないということをよく申し上げておきたいと思います。
 それで、鉄道建設公団は行革の趣旨に沿って、本来ならば青函トンネルの工事が終わったら他のどこかへ統合する等の措置を講ずるということに相なっていたわけですよ。ですから、本当ならそれはそれで実行すべきであった。確かにこれから整備新幹線のみならず、海外技術協力その他を考えて、国鉄の今まで持っておった、世界でも最先端の鉄道技術というものを温存をしていくという必要がもう非常に大きいですね。根本にそれがあるから、私は渋々賛成しようと思っているのですけれども、それは何も鉄建公団に一本化してやらなければならぬということには相ならない。鉄道技術集団から今度鉄建公団に技術温存のために残した人の数というのは五百人ぐらいですか、何人でしたか、もう既に行っているはずだけれども。
#71
○林政府委員 いわゆる鉄道技術を温存するということで、今回の国鉄改革に伴いましてもとの国鉄の技術要員を一部鉄建公団の方に移籍をさせております。これにつきましては、今年度いっぱいかけまして、来年の四月一日までを含めまして約二百四十人の技術者を持っていくことにしております。この四月一日現在で約七十人程度行っておりますが、最終的には二百四十人ぐらいの人を移籍させることにしております。
#72
○河村委員 こういう法案を提出して、まだ審議もやっていないうちに、法案成立を前提に異動をやっているというのは甚だけしからぬと思うのです。
 しかし、それはいいことにしましょう。いいことにしますが、だけれども、本当はこの温存すべき技術集団が三百人がいいのか四百人がいいのか、それは私もわかりませんけれども、それに青函トンネルの仕事を終えた後のトンネル技術者、これが一体何人ぐらい必要なのか、これも本当は十分に検討をして、これから整備新幹線の建設施工、設計施工をやるという仕事に集中して当たらせるとすれば、そんなに大きな数は要らないはずだと私は思う。だから、鉄建公団の廃止統合はそのまま進めて、それで整備新幹線に当たらせる、設計施工に必要な技術者は一種の設計事務所あるいは技術コンサルタントといった集団として残してやらせるのが一番効率的なやり方であったはずだと私は思う。それが鉄建公団に一本化するという非常に安易なやり方でやってしまったのは、私は本当は間違いだと思っている。そういう発想はもともとなかったのですか。自民党と政府は初めから鉄建公団にやらせるというつもりで動いていったのですか。
#73
○橋本国務大臣 私がお答えを申し上げることが適格な立場がどうかよくわかりませんけれども、たまたま鉄建公団が青函トンネルの本体工事完了時点において他との統合等を検討するという見解をまとめた当時の責任者として、その事態を振り返りながらお答え申し上げたいと存じます。
 鉄建公団の改廃問題が論議になりましたのは、委員御記憶のとおりに、鉄建公団の経理の問題が端緒でありました。そして一方では、青函トンネルの工事が非常な苦労の中で進められている最中であったことも御記憶のとおりであります。その当時の世論は、鉄建公団を諸悪の根源といわば決めつけて、たたきにたたいておりました。そうした中で、その当時、党の行政改革の責任者としての私が最終的にまとめた判断は、確かに青函トンネルの工事の完了時点において他との統合等を図るということであります。しかし、その時点で考えられておりました統合の対象は日本国有鉄道そのものでありました。しかし、その日本国有鉄道自身が現在存在いたしておりません。
 そうなりますと、私は、状況は全く変わってくると思います。そして設計事務所あるいはコンサルタントというお話もございましたけれども、国鉄の技術温存のためにも鉄建公団を存続するという方向が出されましたことは私は妥当な考え方であったと思いますし、また新幹線の建設以外にも、例えば京葉線とか瀬戸線のような旅客会社の路線の建設業務、大手私鉄については先ほどお話がございましたが、北総開発線鉄道あるいは東葉高速鉄道のような路線の民鉄線の建設業務、あるいは智頭線とか宿毛線とかいった第三セクター線の建設業務等が現実に行われております。
 そうなりますと、やはり業務の効率的な運営を図る必要があるのは当然でありますし、新幹線関係の問題だけではなく、他の鉄道建設業務にも的確に対応し得る体制を整備しておく必要があるということはそのとおりではなかろうかと私は考えております。
#74
○河村委員 ここまで来ましたから鉄建公団にやらせるにしましても、ただ一元的にどうしても鉄建公団にやらせるという発想は間違っているので、さっきも東北新幹線のことを言いましたけれども、それは建設主体、営業主体である旅客鉄道にやらせた方がいいところはやらせたらよろしいのですよ。何も画一的に考える必要はない。これはもう一遍検討してほしい。
 それから、鉄建公団自体存続させるということですが、私は焼け太りは絶対いけないと思うのですよ。ですから、もう一遍青函工事が終わったところで仕事を洗い直して、今二千五百人くらいの構成人員であるはずですけれども、本当にそれだけの人が今後なければならないのか。ここをもう一遍洗い直さないまま、ただ新幹線工事を鉄建公団に全部入れて、そのままやっていくんだというだけでは、今まで行革を進めてきた政府の立場からいって一貫しないと思う。この点についての運輸大臣の所見を伺って、ちょうど時間ですからやめます。
#75
○橋本国務大臣 鉄建公団に限らず特殊法人の業務の見直しは不断に必要なことでありますし、その業務の規模に応じた要員体制をとることも当然でありますから、そうした観点からの見直しは今後も続けてまいりたいと思います。
#76
○河村委員 もう一つ、一元的にこだわるかこだわらないかという点はどうですか。これは提案者でもよろしい。これは法案には書いてない。
#77
○津島議員 現段階におきまして、私どもこの提案が最善であると考えて御提案申し上げておりますが、先生の御議論の御趣旨も十分今後検討を政府の方にもさせていただきたいと思います。
#78
○久間委員長代理 中路雅弘君。
#79
○中路委員 今回の法律案、整備新幹線のうち旅客会社が建設主体になっている三線について鉄建公団が建設する。国鉄の分割・民営化、私たちは反対しましたが、国鉄の改革法施行法が通って間もなくまたこれを変更するという法案ですけれども、先ほどの提案理由の説明の中でこの理由として、新幹線鉄道の建設の効率的かつ円滑な実施の体制を整備するためと言われていますけれども、別の角度から言えば、建設主体が分割・民営化された今のJR会社では建設推進が困難だということが前提になっているのではないですか。
#80
○津島議員 先ほども御答弁申し上げましたが、整備新幹線の建設について鉄建公団を一元的な建設主体とする方が技術要員の効率的な運用、多額の建設資金の円滑な調達等の点でより適切であると考えたわけでございます。
#81
○中路委員 今おっしゃったように、一つは建設財源の確保の問題ですね。公団であれば財投資金等もつぎ込みやすくなるわけですし、また分割・民営化のために人減らし合理化が行われましたから、工事部門の要員体制を見てもこうした大型新幹線の建設に対応できなくなってきている、こういう矛盾が今度の、一元化、効率的という理由にはなっていますけれども、前提になっているのではないかと私は今の御答弁でも思うわけです。
 二、三お聞きしますけれども、この整備新幹線の建設費の問題ですけれども、運輸省で試算をされたことがありますか。大体どのくらいの額になるのか。
    〔久間委員長代理退席、委員長着席〕
#82
○林政府委員 整備新幹線の五線の建設費につきましては、整備新幹線財源問題等検討委員会の場におきまして検討中でございまして、現段階で五線合計で申しますと、五兆三千二百億円、これは五十九年度価格でございます、という試算が現在あるわけでございます。
#83
○中路委員 今五十九年度価格でおっしゃいましたけれども、着工後の物価上昇分や利払い、こうしたものを含めると上越新幹線並みの単価で、資料で見ますと十一兆九千億、さらに建設がおくれると二十兆円にもなるのではないかということも言われているわけです。前に建設省、国土庁におられて、国土庁の事務次官もやっておられた下河辺さんが最近三菱総合研究所の雑誌で書いておられますけれども、建設費で東海道新幹線はキロ七億円から八億円だ、今は新幹線をつくるとキロ七十億から八十億、十倍かけてつくる新幹線がもうかるということには絶対ならないということを述べられていますけれども、いずれにしても、莫大な建設費を要することは間違いないと思います。
 今検討されているということですが、整備新幹線の財源問題、これは方法として、例えば建設国債の増発というような方向なのか、あるいは一定部分を利用者、地方自治体あるいは今のJR会社にも分担をさせるというような方向で検討されているのか。
#84
○津島議員 整備新幹線の財源問題につきましては、他の着工の前提条件とあわせて財源問題等検討委員会において検討しておりますが、その中では、自民党としてかねてから提案しておられる方式も含めていろいろと御検討になっておると伺っておりますが、速やかに適切な結論が得られるように希望しておるところでございます。
#85
○中路委員 いろいろ報道されておるのを見ますと、建設国債で充当ということが言われているわけですけれども、大蔵省がお見えになっていると思いますが、建設国債のこうした増発等で賄っていくということについて大蔵省の御見解をお伺いしておきたいと思います。
#86
○田谷説明員 ただいまお尋ねの整備新幹線の財源問題でございますが、先ほども西中委員にお答え申し上げましたように、私ども財政当局としましては、少なくとも建設国債によってこの財源とするということにつきましては、現下の厳しい財政事情あるいは先般の国鉄改革に伴います多額の国民負担の処理の問題がいまだめどがついていないといったようなことを考えますと、到底とり得ないのではないかというふうに考えているところでございます。
#87
○中路委員 例えば一部を利用者といいますか地方自治体、現在新幹線の駅をつくる場合に皆地元で負担になっていますけれども、こうした地方自治体やJR会社の分担もやるということになりますと、いろいろ関係者にも影響するわけですけれども、地方自治体等の負担ということについては自治省はどのようなお考えですか。
#88
○二橋説明員 整備新幹線の財源につきましては、自治省といたしましては、整備新幹線の性格あるいは現在の国と地方の事務配分、財源配分ということの建前からいいまして、基本的には、整備する場合には国及び鉄建公団の負担において行うべきものというふうに考えておりますが、財源問題全般につきましては、整備新幹線財源問題等検討委員会で結論を得るということにされておりますので、その議論の状況を見きわめながら対処してまいりたいと考えております。
#89
○中路委員 最も重要な財源問題について今提案者あるいは関係の省からお聞きしましたが、結論として、全くまた見通しがはっきりしてないですね、決着がついていないわけですね。それで受け皿だけ法案で提案をされているというのが今の状況ではないかと思うのですね。
 法律案の第二条で、旅客鉄道会社の同意を得てとありますが、これはまだやられてないでしょう。どういう進め方をされるのですか。
#90
○橋本国務大臣 検討委員会の御命令を受けまして、運輸省を通じてJR各社に対して意見を求めておる最中でございます。
#91
○中路委員 マスコミ等であるいは記者会見等で述べられている各社長や会長の御意見を見ますと、例えば七月二十日、東日本社長は、新幹線と新幹線に客を奪われ客足が落ちる並行在来線の両方を引き受けろと言われても難しい、JRの経営にどう影響するのか慎重に判断したいというふうに述べております。山下会長は、盛岡以北の整備新幹線について「採算性があまり考えられていないと思う。われわれとしては、JRの株式を国、つまり国民が持っている以上、赤字を出したら言いわけができない」ということを述べておられるわけです。西日本の社長も六月十五日に、これは新聞に出ていますが、「わが社としては資本費を支出して経営が成り立つのか、並行する在来線への影響がどうなるのか、などの点を総合して考えなければならない」と、いずれも大変消極的な見解を述べておられるわけですね。法案は出ていますけれども、歯どめだと言われているこの手続さえまだ完了していないというのが現状ではないかと思うのです。
 そこで、採算の問題なんですが、開業後の経営の見通し、採算についてお聞きしたいのですが、その前に、現在の東北新幹線、上越新幹線の八五年度の収支決算はどうなっていますか。
#92
○林政府委員 東北及び上越新幹線の昭和六十年度の決算でございますが、これはあくまで国鉄時代の決算でございます。
 申し上げますと、東北新幹線の収支につきましては、収入が二千七十六億円、それから支出が三千六百六十七億円でございまして、差し引き千五百九十一億円の損失ということになっております。それから上越新幹線につきましては、収入が八百十五億円、支出が千五百九十四億円でございまして、差し引き七百七十九億円の損失ということになっております。これは、あくまで六十年度の、国鉄で各線別に収支を出した段階でのものでございまして、その後、今回の改革によりまして既設四新幹線を一括保有するという形で、その経費の面については調整して新しい会社がスタートをしたということでございます。
#93
○中路委員 いずれも大幅な赤字を出しているわけですが、この整備新幹線のこれからの旅客の需要見込みを含めた採算の問題、運輸省で試算をされていると思いますが、例えば建設費の大半、九〇%ぐらいは助成としても、開業後の採算はどのぐらいになるのか、見通し、試算はあるのですか。
#94
○林政府委員 整備新幹線の開業後の収支と申しますか経営の見通してございますけれども、これは今後の需要の動向とか建設費とかあるいは工期といったもので変わってまいりますので、そういう不確定要素がございます。現在新幹線財源問題等検討委員会でそういう点をさらに検討中でございますが、検討委員会の場におきます一つの試算によりますと、新幹線の収支につきましては、借入金がないという前提を仮に置いた場合、すべての路線で黒字が見込まれるという計算結果が得られております。
 ただ問題は、並行する在来線の収支、これは悪化するわけでございますので、新幹線、並行在来線合計の収支というものを見てみますと、整備五線全体で借入金がないという前提を置いた場合、七十年度で四百二十四億円の黒字が見込まれます。ただ、これにつきましては助成金、すなわち借入金がないわけでございますから全額助成金ということになるわけですが、この助成金に係る部分についても減価償却費を計上するという形で試算をいたしますと、逆に六百三十一億円の赤字が見込まれるという計算結果になっております。
 いずれにしましても、この整備新幹線問題の結論が出されるに当たりましては、新しくスタートした旅客会社の経営というものに悪影響が及ばないという大前提を置きまして、十分検討をしていく必要があるだろうというふうに考えております。
#95
○中路委員 今の御説明でも、採算性もまだはっきり見通しがつかないですね。特に在来線の収支にどう影響するかという問題ですね。並行する在来線、特急や急行列車の乗客が新幹線に移行していく場合収支が悪化することは間違いないわけですし、また、分割・民営化されたいわゆる私鉄では在来線の維持も困難になってくるのではないか。これまでの新幹線建設に当たって行われてきたような在来線の切り捨てということにもなりかねないわけです。この点が今の各旅客会社の経営者も非常に心配をしているところなんですね。こうした問題もまだ十分明らかにされていないという状況だと思うのですね。
 私は、時間で終わりますけれども、この法案には賛成できないわけです。鉄道のいわゆる近代化という問題、これは技術革新の成果でありますし、国民生活の向上と足の利便の増進、地方経済の活性化を考えた場合に、こうした鉄道網の整備ということは歴史的な方向として重要なことですし、一般的には私たちはこれに賛成であります。しかし、今度の出されているこの法案、新幹線の整備計画は、資金計画、いわゆる財源の見通しもまだ決着もついていない。そして経営の見通しなども、将来のきちっとした展望もないわけですね。それがないまま見切り発車して、肝心の課題を先送りしたまま受け皿づくりだけをやるというこういう手法には賛成できないわけです。今度の法案について私たちが反対するのは、こうした立場からこの法案に賛成できないということを表明して、質疑を終わりたいと思います。
#96
○鹿野委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#97
○鹿野委員長 これより討論に入るのでありますが、理事会の協議により行わないことになりましたので、さよう御了承願い、直ちに採決に入ります。
 旅客鉄道株式会社が建設主体とされている新幹線鉄道の建設に関する事業の日本鉄道建設公団への引継ぎに関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#98
○鹿野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○鹿野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#100
○鹿野委員長 次回は、来る二十六日水曜日午前十時三十分理事会、午前十時四十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十四分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト