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1987/08/26 第109回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第109回国会 商工委員会 第5号
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1987/08/26 第109回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第109回国会 商工委員会 第5号

#1
第109回国会 商工委員会 第5号
昭和六十二年八月二十六日(水曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 佐藤 信二君
   理事 臼井日出男君 理事 奥田 幹生君
   理事 加藤 卓二君 理事 田原  隆君
   理事 与謝野 馨君 理事 奥野 一雄君
   理事 二見 伸明君 理事 青山  丘君
      麻生 太郎君    甘利  明君
      石渡 照久君    小川  元君
      尾身 幸次君    大坪健一郎君
      奥田 敬和君    梶山 静六君
      粕谷  茂君    玉生 孝久君
      中山 太郎君    額賀福志郎君
      野中 英二君    穂積 良行君
      牧野 隆守君    松本 十郎君
      宮下 創平君    山崎  拓君
      緒方 克陽君    上坂  昇君
      城地 豊司君    関山 信之君
      浜西 鉄雄君    水田  稔君
      権藤 恒夫君    斉藤  節君
      森本 晃司君    薮仲 義彦君
      米沢  隆君    工藤  晃君
      藤原ひろ子君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  田村  元君
 出席政府委員
        通商産業大臣官
        房長      棚橋 祐治君
        通商産業大臣官
        房総務審議官  山本 幸助君
        通商産業大臣官
        房審議官    深沢  亘君
        通商産業省通商
        政策局次長   吉田 文毅君
        通商産業省貿易
        局長      畠山  襄君
        通商産業省機械
        情報産業局長  児玉 幸治君
 委員外の出席者
        商工委員会調査
        室長      倉田 雅広君
    ―――――――――――――
委員の異動
八月二十六日
 辞任          補欠選任
  大西 正男君      穂積 良行君
  長田 武士君      斉藤  節君
同日
 辞任          補欠選任
  穂積 良行君      大西 正男君
  斉藤  節君      長田 武士君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する
 法律案(内閣提出第八号)
     ――――◇―――――
#2
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は、去る二十五日に終了いたしております。
 これより討論に入ります。
 討論の申し出がございますので、順次これを許します。奥田幹生君。
#3
○奥田(幹)委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました本法律案に賛成の討論を行います。
 御承知のように、近年、我が国の産業及び技術の発展等を背景として、我が国の担うべき国際的な責任が増大してきておりますが、こうした状況のもとで、我が国からの国際的な平和及び安全の維持を妨げると認められる違法な貨物の輸出や技術の提供が、我が国の対外取引の正常な進展と我が国経済の健全な発展を阻害するおそれが強まってきております。
 今回の東芝機械の外為法違反事件は、こうした状況のもとで発生し、我が国を含む西側自由主義陣営の安全保障の維持に重大な懸念を生ぜしめた極めて残念な事件でありまして、我が国の国際的信用を著しく損なうとともに、我が国の対外経済活動に深刻な影響を及ぼすものとなっております。我が国といたしましては、政府、産業界を挙げてかかる事件の再発防止に万全を期すことが、当面最大の重要課題となっております。
 本改正案は、こうした事態に対処するための再発防止対策の重要な一環をなすものであります。既に政府は、別途再発防止のための諸般の対策を講じておりますが、本改正案はこれとあわせ早急に成立させることが必要なものでありまして、本改正案に賛成の意を表するものでございます。
 なお、本改正案の措置が正常な自由貿易を阻害するものではないかとの懸念を表明する向きもありますが、本改正案は自由貿易の基本原則を何ら変更するものではなく、あくまで違法な輸出等を行った者に対するペナルティーを強化することを主眼としたものであり、規制対象の拡大を図るものではありません。したがって、正常な対外取引を阻害するものでないことは、審議の過程でも明らかにされたところであります。
 終わりに、言うまでもなく、我が国は貿易立国として、健全な貿易の促進を図りながら世界経済の発展に貢献していくことが重要であります。政府としては、西側自由主義陣営の一員としての国際的責務を自覚し、国際的な平和及び安全の維持の重要性と経済とのバランスに留意しつつ本法の適切な運用を図るよう希望し、賛成の討論を終わります。(拍手)
#4
○佐藤委員長 浜西鉄雄君。
#5
○浜西委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、提案されております法案の一部改正について、反対の立場から討論を行います。
 ココムについて、その一員である日本がこれを遵守することは当然であり、これを否定するものではありません。しかし、果たしてココムの申し合わせが国際法の条約としての法的拘束力を有するのかという問題について、これは十分問わなきゃなりません。
 そもそも今回の東芝機械の事件は、経済大同日本に対するアメリカ側の対日批判が強まっている折からの事件であり、日本の今後における国際経済活動、貿易活動に対するアメリカ側の介入や規制措置を許す結果となることを私はおそれるものであります。それは、工作機械とスクリュー音の因果関係についても技術的あるいは科学的な解明がなく、嫌疑濃厚という見解程度のものであるにもかかわらず、安全保障を脅かしたとして日本企業に制裁を加えるというアメリカ側のやり方。そして、これに対する日本政府の対応は、ひたすらアメリカの怒りを静めることのみに終始した結果として本法改正案を急速提案してきたことを見ても、今回の一連の措置はアメリカを怒らしてはならないとする至上命令が先に立っているとしか言いようがありません。
 重要な意味を持つ本法案は、関係者あるいは学識経験者の意見を聴取するなど、時間をかけて十分審議すべき重要な法律であるにもかかわらず、急ぎ結論を出そうとする政府の対応は余りにも拙速であり、理不尽なアメリカ側の動きに同調し過ぎた姿勢であると言わなければなりません。
 さらにまた、法定協議事項について、外務省の介入を許すことになることについても反対であります。自由貿易を大原則とするいわゆる正常な貿易やあるいは技術取引の発展に支障を生ずることにもなってきますし、また汎用性の高い民生用の技術や貨物にしても、その判断、輸出手続などがより煩雑になっていく問題も想定されます。おまけに、今後ますます増加するであろうハイテク製品、あるいは技術者等の人的交流もこれから盛んになる、そういった国際的高度情報化社会を迎えている現状から見ても、ココム規制とのかかわりの中できめの細かい審議を尽くすべきであります。
 資源の乏しい我が国の存立は、言うまでもなく高度な技術と加工製品輸出にあると思います。したがって、全世界の国々と共存を図っていくという視点でとらえることが大切であり、アメリカという一国の意思に偏重するものであってはならないと思います。この際、我が国としては世界秩序や国際システムの将来を考える日本というようなイメージを築いていくことの方がより重要な問題であります。
 本来、経済法である外為法に安全保障条項を盛り込み、原則自由の我が国の商業活動に規制を強化する内容の本法律改正に対し、強く反対を表明して討論を終わります。(拍手)
#6
○佐藤委員長 森本晃司君。
#7
○森本委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となっております外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。
 私は、基本的に、対外貿易は自由であり、その原則は堅持されなければならないと考えております。したがって、自由貿易に対する介入は、あくまで必要最小限にとどめなければなりません。
 我が国政府が、西側陣営の一員であるとの立場をとっている以上、紳士協定とはいえ、ココム協定は遵守されるべきものと考えます。しかし、経済や文化の東西交流が世界の緊張緩和に寄与することを考えると、ココムは将来的に縮小されるべきものであると言えます。
 以下、本案に反対する主な理由を申し述べます。
 反対する第一の理由は、今回の改正は、安全保障を優先する余り、自由貿易の原則を崩しかねない危険性を持っているということであります。本来、外為法は「対外取引が自由に行われることを基本」としているにもかかわらず、今回の改正で管理色の強い内容に変わろうとしております。しかも、平和と安全の維持条項の具体的基準が政令にゆだねられているため、拡大解釈のおそれすらあるのであります。さらに、安全保障の見地から、通産大臣と外務大臣のいわゆる法定協議が創設されたことにより、規制されるべき戦略物資が、防衛優先の立場からココム申し合わせ以上に拡大される懸念も指摘されております。経済に対する安全保障の介入は、経済統制につながりかねず、経済に対する軍事介入に道を開くものとして厳重な監視がなされなければなりません。
 反対する第二の理由は、量刑の重罰化が顕著な点であります。今回の東芝機械の外為法違反については、厳しく罰せられて当然と考えるものであります。しかし、外為法違反は、本来正規の手続を踏まなかったという形式犯であるにもかかわらず、本改正で量刑を最高懲役五年に引き上げていることは、時効延長のためとはいえ、形式犯としては異例の重罰であると言わざるを得ません。外為法違反の防止は、第一強的には企業モラルの向上が要請されるものであり、罰則の強化のみに頼らず、人員増など審査体制の強化などによることが妥当と考えるものであります。
 反対する第三の理由は、今回の改正により、東西貿易が縮小の方向に向かうことが懸念される点であります。東西貿易の拡大は、今日まで東西の緊張緩和に有益に働き、世界経済の拡大均衡に大きな役割を果たしてきました。しかし、今回の東芝機械事件以後、既に対共産圏貿易の輸出審査事務の停滞が生じるとともに、契約破棄の事態すら起きているのであります。今後、東西貿易が縮小されれば、東西関係は再び対立の様相を呈し、緊張緩和に逆行するものと言わざるを得ません。
 以上、主な反対理由を申し述べまして、私の反対討論を終わります。(拍手)
#8
○佐藤委員長 青山丘君。
#9
○青山委員 私は、民社党・民主連合を代表し、ただいま議題となっております外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行うものであります。
 そもそも我が国がココムに参加をし、ココムの規制を遵守していくことは、我が国自身の安全に役立つとともに、西側自由主義陣営の一員としての国際的責任でもあります。
 この意味で、我が国最大手の機械メーカーである東芝機械による不正輸出事件は極めて遺憾であり、これがアメリカの強い反発を招き、日米関係を最悪の状態に陥らせたことは憂慮にたえないのであります。したがって、関係者に対する厳正な処分を行うことはもとより、政府がこの種の事件の再発を防止するため、外為法の改正などを初め万全の措置を講ずることは当然の要請であります。
 このたびの外為法の改正案については、我が国としての自主性を堅持しつつ、自由貿易体制を阻害しないよう配慮しており、違反者に対する罰則の強化など、再発防止のために有効な条項を整備されているものと考えるものであります。
 以上のような観点から、政府提出による外為法の改正案に対し、賛成するものであります。
 なお、政府に一言申し上げます。アメリカにおける包括通商法案の東芝制裁条項の行方を大変憂慮いたしております。一社の違法行為を理由にしてグループ全体に制裁が加えられることは、まことに遺憾なことであります。断じて許してはなりません。しかも政府は、間違ってもこれが同意の発言があってはなりません。のみならず、制裁反対の外交を力強く展開されることを強く要請いたします。我々が本法案に賛成をした理由の一つには、制裁法案を廃案にするための意図もあります。
 また、質疑を通じ種々議論されてまいりましたが、本法案の趣旨が生かされるかどうかは、一に今後の運用にかかっているのであります。十分心していただきたい。
 政府においては、今後この種の事件の再発防止のため、国民に対し、自由貿易を守るための安全保障はいかにあるべきかを明確に示す努力をされるとともに、審査、検査でのチェック機能を質量ともに充実させ、迅速な処理が可能となるよう万全の措置を講じられることを要請いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)
#10
○佐藤委員長 藤原ひろ子君。
#11
○藤原(ひ)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表し、いわゆる外為法改正案について、反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、改正案が「国際的な平和及び安全の維持」といういわゆる安全保障条項を導入して、秘密、非公開で何ら法的拘束力のないココム規制を強化し、国民を拘束することです。
 NATOの結成に伴い、アメリカによって軍事同盟と一体のものとして結成されたココムは、その存在場所、仕組み、協議、申し合わせの内容などをすべて秘密、非公開とする非公式の協議機関であります。したがって、ココム規制が国民に対して拘束力を有しないことは、中曽根首相も「法的拘束力があるものではありません」とはっきり答弁されているのであります。
 しかも、ココム規制の基準は、ココムの場でも秘密とされる米国防総省の軍事重要技術リストに基づいているため、ハイテク技術、ハイテク製品については、輸出許可権者である通産大臣さえも、ココムと米国防総省の判断を仰がなければ輸出の可否を決められないのであります。これは国民主権と国家主権を放棄するものであり、断じて認められません。
 第二は、憲法の恒久平和主義に違反し、ソ連を仮想敵とする米国防総省の軍事戦略で我が国の技術、貿易、国民を統制することです。安全保障条項でココム規制を実施し、さらに通産、外務両大臣の実質的法定協議を新設することは、我が国の技術、貿易、国民を米国防総省の対ソ軍事戦略に従属させるものであり、断じて許されません。
 第三は、基本的人権としての貿易の自由を侵害し、対米従属による我が国経済のゆがみを一層拡大することです。社会主義国などへの輸出を規制する改正案は、対米輸出が三八・五%という我が国経済の異常な対米依存、従属をさらに深め、経済の自主的平和的発展を阻害し、アメリカの不当な対日要求をさらに助長するものであります。
 第四は、平和と安全の維持という抽象的な表現でココム規制違反の罰則を他の違反と区別し、懲役五年の重刑に処することが、憲法の定めた適法手続、罪刑法定主義に違反するからです。
 最後に、ココム規制を強化する違憲の改正案を、米国議会の夏休みが終わる九月八日までに成立させる必要があるという、我が国の議会史上前例のない理由により、極めて短時間に審議を終わらせるなど、議会制民主主義じゅうりんの審議に抗議をし、あくまでも改正案の撤回とココムからの脱退、日米軍事同盟の廃棄を強く要求し、反対討論を終わります。(拍手)
#12
○佐藤委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#13
○佐藤委員長 これより採決に入ります。
 外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#14
○佐藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#16
○佐藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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