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1987/07/28 第109回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第109回国会 本会議 第7号
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1987/07/28 第109回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第109回国会 本会議 第7号

#1
第109回国会 本会議 第7号
昭和六十二年七月二十八日(火曜日)
    ―――――――――――――
  昭和六十二年七月二十八日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用
  による社会資本の整備の促進に関する特別措
  置法案(内閣提出)及び日本電信電話株式会
  社の株式の売払収入の活用による社会資本の
  整備の促進に関する特別措置法の実施のため
  の関係法律の整備に関する法律案(内閣提出
  )の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議
#2
○議長(原健三郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#3
○議長(原健三郎君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。
 辻一彦君から、七月三十一日から八月七日まで八日間、細田吉藏君から、八月三日から十三日まで十一日間、福田一君から、八月三日から十六日まで十四日間、野呂昭彦君から、八月四日から十一日まで八日間、粟屋敏信君、小渕恵三君、加藤卓二君及び白川勝彦君から、八月四日から十六日まで十三日間、右いずれも海外旅行のため、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも許可するに決しました。
     ――――◇―――――
 日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法案(内閣提出)及び日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法の実施のための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#5
○議長(原健三郎君) この際、内閣提出、日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法案及び日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法の実施のための関係法律の整備に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。大蔵大臣宮澤喜一君。
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
#6
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法案及び日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法の実施のための関係法律の整備に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 我が国の現下の経済情勢を見ますと、国民生活に緊要な社会資本の整備の促進を図ることにより、内需拡大の要請にこたえるとともに地域の活性化に資することが重要な課題となっております。
 他方、国債整理基金の状況を見ますと、昭和六十一年度と同様に日本電信電話株式会社の株式の順調な売り払いが行われれば、国債の償還等国債整理基金の円滑な運営に当面要する資金を上回る資金が、同基金に蓄積されることが予想されます。
 このような状況にかんがみ、現下の経済情勢に緊急に対処するため、国債整理基金の円滑な運営に支障の生じない範囲内で同基金に蓄積された資金の一部を活用する無利子の貸付制度を設け、社会資本の整備の促進を図ることとしているところであります。
 これは、厳しい財政事情のもとで、建設国債の増発を可能な限り抑制するよう工夫をいたしたものであります。また、この資金については、日本電信電話株式会社の株式売り払い収入の性格を踏まえ、最終的には国債の償還財源に充てることとしております。
 日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法案は、以上申し述べましたうち、日本電信電話株式会社の株式の売り払い収入による国債整理基金の資金の一部を運用し、社会資本の整備の促進を図るための国の融資に関する特別措置を講ずるとともに、当該資金の運用等に関し必要な事項を定めるものであります。
 次に、日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法の実施のための関係法律の整備に関する法律案は、ただいま御説明申し上げました特別措置法に定める措置を実施するため、関係四十五法律について所要の規定の整備を行うものであります。
 以上、議題となりました二法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 日本電信電話株式会社の様式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法案(内閣提出)及び日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法の実施のための関係法律の整情に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#7
○議長(原健三郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。沢田広君。
    〔沢田広君登壇〕
#8
○沢田広君 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、ただいま議題となりましたいわゆるNTT関連二法について、若干の質問を行うものであります。
 今回の二法は、株式の売り払い収入の活用による社会資本の整備及びこの実施のための関係法律に関するものであります。いずれも、従来の電電公社が民営化された中で、その株の売却に当たって予想を上回る収入があったことによります。二兆三千億はだれしもが予想しなかったところと存じます。これまでの電電関係職員の涙ぐましい努力の結果でありまして、改めて関係役職員の御努力に心から敬意を表するものであります。少なくとも総理もこの点は否定することはないと信じます。いかがでありましょうか。
 よって、第一に考えられることは、電電職員の努力に報いるため、その努力の結果が国民のために役立ったということを配慮することがこれからの士気の高揚にもつながるものであることは当然であります。せっかくの努力が目に見えず、何に使われたか判然できないということは、特に避けなければならないことだと思います。政治家がみずからの努力が少しでも国民に理解されたと感ずるとき、政治家としてもって瞑すべきものがあると思います。総理もそう感ずるものだと思いますが、いかがでありましょうか。
 そのためには、使途が明確であることが絶対必要な要件となります。私たちは、我が党を初めとして、最も明らかに国民にその利益を還元させるためには、減税以外にないと主張してきました。議員各位並びに国民の皆さんもこのことを否定しないでありましょう。皆さんもそう思うでありましょう。内需の拡大、景気の上昇、雇用の確保などを考えたとき、国民の皆さんに減税でお返しをする、当然のことではありませんか。このことを否定する理由は全くないことを知らなければなりません。今からでも遅くはないのであります。せっかくの質問と回答の機会であります。やっぱり減税の方がよかったですねと総理が回答されることを期待いたします。(拍手)総理、大蔵大臣、いかがでありましょう。その顔色では余り期待はできないようで、甚だ残念なことであります。
 では、国債の償還に充てるという考えてありますが、百五十三兆円という赤字を抱え、借金の借りかえ、返済利払いの方が借入額を上回るという、まさにサラ金地獄に入っております。ゆゆしい事態だと思います。これも財政再建の基本でもあると思います。地味ではありますが、正しい処置だと信じます。体裁を考えず、いちずに将来の国民生活を考えたとき、正しい政治家の姿勢だと信じます。総理、これは従来のあなたの主張ではありませんでしたか。どうお考えですか。大蔵大臣はどうですか。
 次の選択は、今回の提案の方向を一応尊重して、内需拡大の求められているときであり、社会資本に何が求められておるか、切望されている政策が何であるか、問題はありますが、極めて広い範囲に貸し付けをするとなると、この程度で果たして効果は出るのかしら、中途半端に終わるんじゃないだろうか、思わせぶりになりはしないか、使途が不明確になるのではないか、悪用される心配はないかなど不安を残すものであります。
 なお、アメリカの上下院において今回包括貿易法案が通過をいたしました。日本に対する貿易上の外圧は、事の是非は別として強まる一方ではありませんか。中曽根政治の失政の一つではあると思います。まさにかなえの軽重が問われるものと存じます。このための処方は、引き続き対応しなければならない課題であります。恐らく大幅な建設国債の発行が余儀なくされることも必至でありましょう。このような条件の中での使途は、国民の納得と理解が絶対必要な条件であります。ぜひ使途の明確化を図り、国民に、電電の皆さんに「こういうふうに利用させていただきました」と言えるように措置されることを願うものであります。総理はいかがお考えになっておられますか。
 今も昔も、精いっぱい生き抜いてきた人が時に宝くじに当たるとかあるいは富くじに当たるとかの場合は、使い道は戸惑うものであります。親戚まで集まって、あれに、これに、いや、こうしたらとなるのが自然の理であります。大体、何とかは身につかずとか申します。こんなことにならないように、財政の基本に立つことが絶対に必要だと思います。
 下水道の水準はどの程度とお考えになっておられますか。はんらんする河川はどう思っておられますか。水不足はどう考えておられますか。「吸い込みで」、これは、吸い込みというのは下水道のないところを言うのですが、「吸い込みで二日の雨で風呂もなし」、こう嘆いた人もおりました。俳句に造詣が深いと言われる総理、この言葉をどう感じられますか。建設大臣もどう受けとめられますか。
 政策の選択はたくさんありますが、例えば一つ提案をいたします。共同溝の建設にこの資金を使い、電柱を町からなくすことです。共同溝の整備の法律もありますので、促進される考えはありませんか。建設大臣はいかがお考えになっておられますか。電信、水道、ガス、電気、下水道の工事負担区分は、さらに具体的なものとなっておりますか。橋梁の添架の荷重負担は橋梁設計に組み込まれておられますか。展望についてお聞かせをいただきたいと思います。
 この法律の関係大臣は、大蔵、自治、厚生、建設、農林、通産、郵政、法務、運輸、国土、総務、警察などに該当するものでありまして、限られた大臣にお聞きをすることで不十分さは免れません。
 今七月下旬、すぐ八月です。これらの執行は、果たして本年度完了は可能でありましょうか。台風期、設計、発注、検査と、まさか継続事業とか明許繰り越しとかにならないでしょうね。用地買収などがあれば難航し、本年度に間に合わなくなると思いますが、果たしていかがでありましょう。完了する決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
 法案の審議は今始まっておりますが、補正予算は野党の意向を無視して既に通過をしております。各省庁ではその使途は決まっているのでしょうか。これが電電株の利益の使途ですと後でも明確に答えられると信じてよろしいのでしょうか。総理並びに大蔵大臣にお答えをいただきたいと思います。
 この資金は汗の結晶であり、四千五百億を四十五本の法律の枠内で使うとなれば、どのような社会の要望にこたえて、どのような手順、基準でこれを使っていくのか、お伺いいたしたいと思います。
 最後になりますが、この使途に当たって、地方は売上税などの歳入を見込み、圧迫された財政運営を余儀なくされております。地方との調和、均衡、財政の補てんは極めて重要な課題であります。せめてこの資金の七〇%は地方の意思に従って執行するという考えはありませんか。関係大臣を含めて、念のためお伺いをいたします。
 なお、この貸し付けは無利子であります。従来の地元負担、住民負担が仕事によってはブール計算によって転嫁されるおそれもありますが、一切ないと考えてよろしいでしょうか。総理並びに関係大臣から明確にお答えをいただきたいと思います。
 総理の国民奉仕の精神に基づいて温かい思いやりの姿勢がこの回答からにじみ出ることを期待いたしまして、私の質問を終わります。
 暑中に当たり、皆様の御健勝、御奮闘を祈って、終わりたいと思います。(拍手)
    〔内閣総理大臣中曽根康弘君登壇〕
#9
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 沢田議員にお答えをいたします。
 まず、電電公社の株式売却に当たりまして、このようないい成果を与えてくれました旧電電の役職員の皆様方の御苦労に心から敬意を表するものであります。
 それから、このような成果をいかに使うかということは大変大事な問題でございまして、後世の子孫のためにも役立った、そういう方法を明確に示して利用さしていただきたいと思っております。
 NTT株式は、旧電電公社が法律によって独占事業として電気通信事業を営み、その結果、資産が形成されたものでありまして、国民共有の貴重な財産であり、かつ国民共有の負債である国債償還に充てるのが適当である、こうされたものであります。この原則を維持しながら、一時的に収入実績の一部を活用して、社会資本整備の促進を図るために今回法律を提出したものであり、これは建設公債をできるだけ抑制しようという考えに基づいて行ったものであります。
 この使途につきましては、現行の公債償還ルールに従った国債償還を進めていくということが大本でございます。また、いずれは収入が見込めなくなってしまうという点では一時的な財源でありますNTT株式売却収入を恒久的な財源をもって充てる減税に使うということは不適当であると考えております。
 次に、NTT株による国債の上乗せ償還の問題でございますが、上乗せ償還を行って国債残高の減少に努めるということを考えておりますが、現下の経済情勢に緊急に対処する必要があるため、最終的には国債償還財源に充てる前提で、一時的にNTT株式売り払い収入の一部を活用して社会資本の整備に充てるといたしたものであります。
 この有効使用につきましては、公共事業の追加では、地域の開発整備の核となる事業の効率的、重点的な促進を図ることといたしております。今後ともNTT株式売却収入の活用を図りつつ、効率的な社会資本整備に持続的に努めてまいる考えでおります。
 貿易摩擦の問題は、米国の大幅な財政赤字、日本の大幅な黒字を初めとする主要国における対外不均衡がありまして、それを背景としてアメリカにおける保護主義の動きが急速に強まってきたことは問題であります。これは各国がそれぞれ経済情勢に応じまして政策協調と構造改革を進めることによって可能であり、ベネチア・サミットでこのことも約束した次第であります。我が国といたしましては、一面においてアメリカ側に対してこのような財政赤字削減の努力を強く要望するとともに、我が国みずからも先般六兆円を上回る財政措置を伴う内需拡大策及び所要の財政措置を含む対外経済対策等から成る緊急経済対策を公表した次第であります。
 このような政策のほかに、昨年八月、私を本部長とする政府・与党経済構造調整推進本部を設置いたしました。六十二年度予算においても産業基盤整備基金を設けるなどの施策を講じてきたところであります。さらに、市場アクセスの改善を図るため、六十二年度関税改正における特恵関税制度の改善を初め、アクションプログラムの着実な実施等に努めております。今後とも、我が国の国際的責務を果たすためにも、これら諸施策の着実な実施に全力を注いでまいります。
 予算の執行に関する点でございますが、今回の補正予算は、現下の経済情勢に適切に対応するためのものであり、用地費への充当を原則として行わないことといたしております。かつまた、繰り越しとならないよう速やかに事業に着手し、内需拡大効果の最大限かつ早期の実現に努めるつもりでおります。
 使途の明確化の問題でございますが、今回の無利子貸付制度は、国民共有の資産であるNTT株式売り払い収入を国民の資産形成に資する社会資本の整備の促進に充てようとしているものであります。このため、個々の関係法律で貸付対象事業を定めているだけでなく、基本法という形で対象事業の性格についての基本的考え方を明らかにいたしておるものであります。すなわち、今回の法律案は、基本法的性格を持つものと実施法的性格を持つものと二つでできておるのであります。
 NTT株式売却益の重点配分の問題でございますが、地域の開発整備の核となる事業に関連する公共事業に重点的配分を行うこととしております。今回の配分は、こうした事業と密接に関連する下水道、公園事業等のシェアが従来に比して高まっておるのであります。
 次に、下水道施設の水準等の問題でございます。我が国の下水道の処理人口普及率は、昭和六十一年度末で約三七%にすぎず、欧米諸国に比して大変立ちおくれております。第六次下水道整備五カ年計画に基づき、さらに積極的な推進に努めてまいります。治水事業は、国土の保全を図り、生活、産業の基盤を整備していくための根幹的な事業であり、事業の推進を図ってまいります。最近、各地で渇水が頻発しておりますが、これは最近の天候の模様によるもののほか、水需要に対して水資源開発が追いつかないという点もございます。水資源は国民生活に基本的に必要なものであり、渇水に対して渇水調整等で対処してまいりましたが、根本的にはやはり水資源の開発が必要でございます。
 さらに、今俳句か川柳か御引用になりましたが、要するに下水道事業をもう少ししっかり整備しなければならないという御示唆であると思いまして、努力をいたしたいと思います。
 関連法案の改正の問題でございますが、今回の法案は、地域の開発整備の核となる面的な開発事業等に関連した公共施設整備の促進を図ることとしており、このため必要な関連法案の改正をお願いいたしております。
 さらに、この面的開発等と関連して、一体的な緊急整備を要する公共事業や地域の活性化に資する特定の民活事業等に資金を充てることとしておりまして、地方の要望に沿っておる次第でございます。
 住民負担の問題でございますが、従来の補助制度の枠組み以上に新たな負担を公共団体等に求める考えはございません。
 残余の答弁は関係大臣がいたします。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
#10
○国務大臣(宮澤喜一君) NTT株式の売却によりまして大きな資金を利用することができるようになりますことにつきましては、私も沢田議員と同様に、今日までの電電関係者の御努力に対して心から敬意と感謝とを表したいと存じます。
 この売却代金を減税財源にすべきではないかということにつきましては、ただいま総理が御答弁になりましたが、やはり国民の過去の貴重な資産の蓄積でございますから、国民共有の負債をまず償還することがいいのではないか。このたび余裕財源を社会資本整備の促進のために使わせていただきたいと存じますが、しかし、終局的にはそれも国債の償還に充てるということでございます。かたがた、NTTの株式の売却はある時点までで終了いたしますので、そういう意味では恒久的な財源でないということも申し上げなければならないかと存じます。
 次に、こういう財源があれば、国債を償還して、なお予定以上にいわゆる上乗せ償還を行うのが本当ではないかという御指摘でございましたが、そういたしますか、あるいは現在の緊急な問題であります内需の拡大とか地域の活性化に使うかという、これはやはり選択の問題であろうと思います。
 私どもとしては、上乗せ償還よりはやはり今緊急の内需拡大、地域の活性化に使った方がよろしいのではないかという判断をいたしました。ただし、その限りにおきまして、本来発行せらるべき建設国債がそれだけ抑制されるということでございますから、国債発行に対しては抑制効果があるということも申し上げることができると思います。
 次に、日本航空、それからJRあるいはたばこ産業の株式をどうするかというお尋ねがございました。
 日本航空の株式は、今年度予算におきまして、その売り払い収入額を産業投資特別会計並びに一般会計の歳入に予定をいたしております。なお一部は、その中から関西空港株式会社へ出資をいたすことを予定をいたしております。
 次に、JR旅客鉄道等の株式でございますが、これは御承知のように、ただいま国鉄の清算事業団が持っておりまして、将来これを売却いたしまして国鉄の長期債務の返済に充てる、こういうことが決められております。
 たばこ産業につきましては、現在国債整理基金特別会計が持っております。持っておりますが、これは会社の経営の実態等を見ながら、今後どのように処分をいたしますかを決めさせていただきたいと考えております。
 あとの点につきましては、総理が既に御答弁になられましたので、重複を避けまして、以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣天野光晴君登壇〕
#11
○国務大臣(天野光晴君) 御質問いただいたうち私の分、三点ばかりありますから、御答弁いたします。
 共同溝事業について、今回の一連の法改正の中で、NTT売却益を活用するため、共同溝の整備等に関する特別措置法等の一部を改正して、補助事業に対してNTT売却益を活用できるように考えております。また、共同溝の整備に当たっては、既に電話、電気、ガス、上下水道などの公益事業者から応分の負担を求め、道路事業費とあわせて、道路事業として整備をしているところであります。今後とも計画的に整備を推進してまいりたいと思います。
 新しい橋梁計画に際して共同溝事業が関連する場合は、事前に十分な計画調整を行い、負担能力を高め、添架が可能なようにしております。なお、既設の橋梁に共同溝が接続する場合には、橋梁の補強によっても添架を可能にすることは困難であり、専用橋梁またはシールド工法で横断しております。今後とも、橋梁計画の際には、共同溝の計画の有無等を踏まえて適切に対処してまいりたいと思います。
 予算の執行につきましては、総理からも答弁がありましたが、いわゆる雪寒地帯と言われる地域は公共事業に依存しているところが非常に多いわけでありまして、そういう観点から、この法律を一日も早く通していただくことによって執行は可能になると思います。特に北海道、東北、北陸等に関しましては、十二月までにある程度、年度を起さないようにするためには十二月までの間の執行が大切でありますから、もう既に通していただいた補正予算は、全額ここ一週間以内に執行できるようにしてあります。ただ、地方議会との関連性があるものでございますから、そういう観点では、どうしてもこの法律もできるだけ早目に上げていただかないと、地方議会との関連性もこれあり、非常に執行が難しくなる可能性もありますので、格別な御協力をお願い申し上げて答弁といたします。(拍手)
    〔国務大臣葉梨信行君登壇〕
#12
○国務大臣(葉梨信行君) NTT株式の売り払い収入による資金の地方財源としての活用についての御質問にお答え申し上げます。
 国債整理基金に帰属するNTT株式の売り払い収入による資金は、最終的には国債の償還財源に充てられるものでありますが、今回、その資金の一部を活用し、社会資本の整備の促進を図ることとされたものであります。これらNTT株式の売り払い収入による資金が形成された経過、背景等を考えますと、NTT資金を地方財源として活用することも一つの案ではあろうと思われますが、NTT資金は国債整理基金に帰属しておりまして、地方財源として活用することに直ちになじみにくいといった面もございます。当面、少なくともNTT資金の活用につきましては、できる限り地域の実情や地方団体の期待を反映した内容のものとなるようにすることが必要であろうと思われる次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○議長(原健三郎君) 山田英介君。
    〔山田英介君登壇〕
#14
○山田英介君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法案並びに日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法の実施のための関係法律の整備に関する法律案に対しまして、中曽根総理大臣並びに関係大臣に質問いたします。
 まず初めに、私は、本法案提出に至るまでの政府の経済財政運営に関して伺います。
 総理、あなたが総理に就任された昭和五十七年、日本の対米貿易黒字は約百二十二億ドルでありました。その後毎年黒字幅は拡大し、四年経過した昭和六十一年度では何と五百二十億ドル、約四倍以上に膨れ上がっております。過度の外需依存の経済財政運営の結果が、一昨年九月、円高誘導とのプラザ合意につながったのであります。その後の円高への軌跡は改めて申すまでもありません。
 今我が国は、円高倒産、失業者の増大、雇用の悪化等極めて深刻な事態を迎えております。これはひとえに、内需拡大への努力を怠ってきた中曽根内閣の重大な失敗、失政であります。積極財政への転換が必要であったにもかかわらず、総理、あなたは臨調緊縮財政一本やりで、既に破綻した六十五年度赤字国債依存体質からの脱却との方針に固執され、積極財政へ転換し内需拡大を図るべきであるとの主張に耳を傾けようとなさらなかった。いや、むしろ財政再建、六十五年度赤字国債脱却は中曽根内閣の掲げた金看板であったがゆえに、政治的にこれをおろすことができなかったのであります。
 異常な円高の中に国民を突き落とし、国民生活の犠牲の上にみずからの政権の延命を図ったと言わざるを得ないほど現状を無視し続けたこの責任は極めて重大であり、見過ごすことはできないのであります。(拍手)一体、総理、この失敗、失政に対してあなたはどのような責任を感じておられるのか、答弁を求めます。
 今回の補正予算の編成にしても、積極財政への転換がおくれたそのツケの一つであります。六十年九月のドル高調整、円高誘導のG5以来、我が党が強く主張してまいりましたように、六十一年度予算から積極財政に転換していたら、ここまで深刻な事態には至らなかったはずであります。少なくとも六十二年度当初予算で、きちっと積極財政への転換、内需拡大を図るべきでありました。
 思い出してください。昨年十一月、政府は六十一年度の補正予算を編成しました。そこで公共事業関係費は五千四百九十億円追加しております。総合経済対策の一環として内需拡大を図るためであったことは当然であります。ところが、この六十一年度補正予算を受けた六十二年度予算では、公共事業関係費は、何と補正後比較でマイナスの予算を組んでいる。すなわち、補正後比較で実に八千六百三十九億円ものマイナス、六十一年度当初比較でも一千四百九億円のマイナスという編成であります。
 世に、木に竹を接ぐと言います。竹を接ぐならまだしも、政府のこのような編成方法は木を折ってしまうやり方であります。六十一年度補正予算という木を折ってしまったところに、内需拡大が進まないより根本的な原因があるのであります。政府は常に、みずから編成した予算案について、最良最善のものだとして我々の意見に耳をかそうとしない。このたびの補正予算の編成は、それが誤った姿勢であることを如実に証明しているではありませんか。このような姿勢は改めるべきであります。御所見を伺います。また、この際、積極財政への転換を明確にし、少なくとも二、三年は継続的な財政出動が必要であると考えるかどうか、明らかにされたいのであります。
 次に、NTT株式売却収入の使途についてであります。
 NTT株式売却収入は、電電公社改革法制定当時、その三分の二は国債整理基金特別会計に帰属させ、国債償還に充当する旨定められたのであります。衆議院逓信委員会の附帯決議においても、「株式処分に伴う売却益の処分については、」「国民にとって有効であり、かつ疑惑を招かぬような方法で行うべきものとすること。」と決議されております。ここで明らかなように、国民にとって有効である使途は社会資本の整備財源だけでは決してありません。減税財源としてその一部を使用することも国民にとって有効な使途であります。政府は、本法律案によって公共事業の財源として使える仕組みをつくろうとしているのですが、公共事業だけと使途を限定する必要はないはずであります。
 NTT株式売却収入についての基本原則である国債償還を考えてみても、この国債の中には特例公債も含まれているのであります。つまり、過去の社会資本の形も全くない赤字国債、しかもそれは、政府の経済財政運営の失敗の結果であります。この赤字国債の穴埋めには使用すると決めておきながら、減税といえば、それは社会資本として残らないからだめと言う。一体その根拠はどこにあるのでしょうか、伺います。
 しかも、総理は昨年の同日選挙で、減税財源としてNTT株売り払い収入を充てられるとの発言をされております。また、さきの通常国会の予算委員会におきましても、我が党の大久保書記長の質問に対しましてそう発言したことを認めておられるではありませんか。野党の要求を封じ込めるために、とりわけ減税財源として使うことを阻止するために、本法案で社会資本の整備に限って使うとした点が最大の問題であります。このようなこそくな方法を用いることは、私は政治的に最もよくないやり方であると思います。
 既に指摘したとおり、NTT株売り払い収入は、その一部を減税財源として使うことはできるのであります。しかも、所得税減税は消費需要を喚起し、内需拡大にも寄与し、ひいては税の増収につながるものではありませんか。問題は、多くの勤労国民の切実な期待にこたえて、政府がやるという決断をなさるかどうかであります。ここに明確な答弁を求めるものであります。
 宮澤大蔵大臣、あなたはNTT株について、国民の過去の蓄積である、減税財源で食ってしまうのはいけない、資産として残すのだとおっしゃる。それも一つの考えではありましょう。しかし、減税もまた国民の強い要請であります。それを初めから蔵相は、減税財源はだめだと言います。私は、蔵相たる者、その選択は議会の議論の結果を踏まえて決定をするという姿勢に立つことが最も大事であると申し上げたいのであります。
 大蔵大臣の政権構想は資産倍増論であります。二十一世紀までに社会資本を二倍にするというものでありましょう。NTT株売り払い収入の使途について、蔵相がもしこれを政権構想のために活用されようとお考えになるのであれば、今まであなたが国民に示してこられたことが余りにもきれいごとであり、国民が期待している宮澤蔵相らしからぬと失望せざるを得ないのであります。この点、所信をお聞きします。
 我が党は、六十二年度所得税減税は、六十一年度決算剰余金、NTT株式売り払い収入金などにより、二兆円規模で速やかに実施することを要求しております。そして、これは可能であります。まず、六十一年度決算剰余金は二兆四千二百八十四億円、補正予算計上分、地方交付税、追加交付金等を差し引いてもネットで一兆三千五百億円の剰余金が出ます。これにNTT株式売り払い収入金などを加えれば二兆円規模の減税が可能であります。
 私は、六十二年度所得税減税は、六十一年度決算剰余金とNTT株式売り払い収入の一部を財源として、二兆円規模で速やかに実施することを重ねて強く要求するものであります。総理の御決意を伺いたいのであります。(拍手)
 ところで、今月二十四日、与野党税制改革協議会の伊東座長は、中間経過報告を原衆議院議長に提出をいたしました。政府・自民党は、これを受ける形で六十二年度減税とマル優廃止をセットにした所得税等改正法案を今国会に提出する方針であるやに聞いておりますが、まさか、さきの国会で廃案となった売上税関連法案は再提出しないとの二回にわたる与野党国対委員長会談の合意があるのでありますから、これを踏みにじるようなことをすれば、まさにこれは暴挙であります。総理、あなたは再度約束違反を犯すことになるのであります。六十二年度減税とマル優廃止をセットで出さないと明言をしていただきたい。答弁を求めます。(拍手)
 もし、それでもセットで提出するというのであれば、何ゆえ不正利国是正のための限度管理の徹底、カード制の導入について検討すらせず、ひたすら六十二年度減税に何ら必要のないマル優廃止に固執なされるのか、説明を求めます。しかも、政府は、マル優廃止を不公平税制是正の一環としておりますが、それでは何ゆえ、我々が十項目にわたる不公平税制是正の事例を挙げているのに、マル優のみ取り上げ、性急にこれを廃止しようとするのか、納得できる答弁を伺いたいのであります。(拍手)
 減税とマル優はこれを切り離し、区別して扱うべきものであります。我が党は、減税とマル優廃止のワンセット法案の提出を断じて認めることはできません。マル優制度廃止は断固反対であります。
 総理、今あなたがなさろうとしていることは、およそ税制改革の名に値しないものであります。直間比率の是正、売上税創設で減税財源をというあなたの目指された税制改革は、つい二カ月前に国民に受け入れられず廃案になっているのであります。売上税に政治生命をかけるとおっしゃったあなたの信念とは、一体何であったのでしょうか。あれがだめならこれでいこう式でマル優廃止に執着をなさるあなたの姿勢は、いたずらに国民を混乱に陥れるだけでありまして、マル優廃止に固執することはおやめになるべきであります。これ以上国会を愚弄することはやめていただきたいと存じます。御所見を伺いたいのであります。
 次に、本法案において創設しようとする無利子貸付制度について伺います。
 通常の公共事業に対するNTT株式の売却収入金の貸し付けはBタイプとされておりますが、地方公共団体が返済する際は、建設国債発行による補助金、負担金の交付によって充当されることとされております。何ゆえこのような紛らわしい方法をとられるのか。建設国債で対応すれば済むことではありませんか。予算の制度や財政の仕組みをますます複雑にし、わかりにくくしてしまうではありませんか。これは予算制度の民主化あるいは財政民主主義を空洞化させる危険性があるのではないでしょうか。何ゆえこのような手段を講じようとなさるのか、納得のできる答弁を求めるものであります。
 また、Cタイプとして、事業主体が第三セクターの民活法対象事業等に無利子貸し付けを行おうとしておりますが、これも問題があります。もともとNTT株式の三分の一は政府の義務保有分でありまして、産業投資特別会計に帰属しているのであります。その配当金、さらに前年度剰余金を五百四十二億円以上も受け入れて、民活法対象事業等に既に投資がなされております。今、政府はこの産投特会に社会資本整備勘定を新たに設け、さらにNTT株売り払い収入金の一部を民活法対象事業等に投入しようとしているのでありますが、本当にその必要性があるのでありましょうか。政府の言う国民の過去の貴重な蓄積を、何ゆえ国民のために有効である減税財源に使用することをせず、すべて民活のためのみに使おうとなされるのか、その理由を伺いたいのであります。
 今や我が国は世界第二位の経済大国、世界最大の債権国であります。しかし、生活環境や国民生活の上から見て、経済大国とは一体どこの国のことだというのが大多数の国民の実感であります。二十一世紀を展望し、豊かで住みよい生活大国日本を築くために、政府は今こそ内需拡大の柱たる所得税減税を実行するとともに、公共投資にありましては生活関連社会資本の充実に最優先、最大限の努力をなさるべきことを申し上げまして、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣中曽根康弘君登壇〕
#15
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 山田議員にお答えをいたします。
 まず、中曽根内閣の経済政策への御批判でございますが、円高関係やあるいは地域的にいろいろ御迷惑をおかけいたしまして恐縮に存じておる次第でございます。しかし、経済政策の大本は誤っていないと私は考えております。経済政策というものは、常に中長期的観点に立って、行く末、落ちつく先をよくにらみながら行わなければいけない。お金にいたしましても、出てきたお金を何でも勝手に使うということは家計でもやらないことであります。やはり借金の返済であるとか、あるいはそのほか計画的な構えをもちましてお金というものは使うべきものであると考えております。
 政府は、まず行財政改革に力を入れまして、この膨れ上がりました行政あるいは国の財政関係をできるだけスリムにして、効率的な体質に改めてきたわけでございます。その間におきまして、海外経済の影響等もありまして円高等も起き、御迷惑をおかけしたことでございますが、それらにつきましては累次補正予算あるいは事業の繰り上げ等懸命に努力いたしました。
 大体、景気そのほかの指標として考えるのは、失業の問題、貯蓄の減少あるいは倒産、こういうことが顕著なメルクマールとして出てくるのでございますが、それらのものによく注意をしてまいりまして、政府としてはあらゆる限りの努力をしてきたつもりでございます。やはり経済政策を行う以上は、ある大きな変化が出てくる場合には臨調なりあるいは行革審なりしかるべき機関に相談をして、そして筋道をちゃんとつくって、しっかりとした足腰で経済政策は進むべきである。最近ようやく財政の対応力が増してまいりました。また、事態は緊急を要する事態にもなってまいりましたので、緊急経済政策をお願いいたしまして、補正予算も成立さしていただきました。なお、この緊急経済政策の一環として今日のこの措置もお願いしておるわけなのでございます。
 今後とも地域の問題や中小企業の問題については真剣に対処してまいるつもりでございますが、やはり財政というものの先を見詰めながら、国民に、また子孫に安心してもらえるような責任ある措置をやることはあくまでも必要であると考えております。(拍手)
 次に、積極予算編成の継続の問題でございますが、今のような緊急事態に臨みましてこのような政策を行っておるわけでありますが、こういう要請が続く限りは、やはり引き続き適切かつ機動的な経済運営に努めてまいります。来年度の概算要求につきましても、やはり一般行政費は今までのように節減に努めますが、投資的経費や公共事業費につきましては、これを例外として、今までの事業が継続していけるように、我々としては努力してまいるつもりでございます。
 NTT株式売却収入の使途につきましては、前から申し上げましたとおり、これは国債償還に使うという原則で法律も通っておるわけでございますが、この事態にかんがみまして、建設公債をできるだけ減らすというその目的のために今回のような措置を行ったわけでございます。しかし、最終的にはやはりこれらのお金は公債償還に還元さしていただく、こういう臨時・緊急の措置を行っているわけでございます。
 所得税の減税につきましては、所信表明演説でも申し上げましたように、恒久財源保証のもとに一兆円を下らない規模の所得税減税を行いたいと申し上げてきたところでございます。
 この恒久財源につきましては、衆議院に設けられました税制協議会の御議論あるいはそのほかの御議論等もよく考え、今マル優問題等も含めまして党で調整している最中でございます。党のこのような調整を今見守って、適切な措置を行いたいと考えておる次第でございます。
 次に、所得税減税と生活関連資本の充実の問題でございますが、税制改革の一環として、六十二年度においては総額一兆円を下らない規模の所得税減税を行いたいと申し上げ、かつ総額五兆円の公共投資の追加等を盛り込んだところでございます。今回の公共事業費の追加に当たっては、下水道、公園等の生活関連公共事業に重点化を行って行う予定でございます。政府としては、緊急経済対策に盛り込まれました所得税等の減税先行は、税制改革の一環として恒久財源を確保してできるだけ早期に実施したいと考えており、税制改革協議会の御報告において示された種々の見解に十分配慮しつつ、関係各方面の御意見をよく伺いながら、早急に税制改正法案を取りまとめて今国会に提出して御審議をお願いいたしたいと考えております。
 残余の答弁は関係大臣がいたします。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
#16
○国務大臣(宮澤喜一君) 所得税等の減税につきましては、減税の規模にもよることでございますけれども、今年度でございますと、確かに剰余金等がございますので、国会のお許しを得てこれを使いますれば、今年度の減税はある程度の財源があるということは御指摘のとおりでございますが、ただ、所得税の減税でございますと、これは来年度にまたもとに戻るということはございませんので、やはり恒久的な減税と考えざるを得ません。そのためには恒久財源を必要とするというふうに考えているわけでございまして、NTTの財源はそういう意味では恒久的な財源とは申しにくいと思っておるわけでございます。
 他方で社会資本の整備あるいは内需拡大というのは、我が国にとりまして内外からの急務でございますから、国債整理基金に蓄積されました資金の一部を無利子貸付制度で社会資本の整備に活用いたしたいというのがこのたびの考え方でございます。
 それから、大部分総理が答えられましたが、いわゆる無利子貸付制度についてのお尋ねがございました。これは我が国で、各地域でいわゆる地域全般の開発あるいは再開発というような計画がたくさんございますが、そういう場合には、一般的に各種の公共事業が一度に行われなければなりません。街路でありますとか、下水でありますとか、港湾でありますとか、公園でありますとか、そういうものを一時に、ある期間の間にやってしまうという必要がございますときに、今回のこの制度を使っていただくことが非常に便利である。そういう開発、再開発を進められる上で地方に一番利用していただけるであろう。
 ただ、その償還を将来の補助金でするのはなぜかというお尋ねでございますけれども、これは、こういう公共事業そのものは収益性がございませんから、収益で返すというわけにはまいりません。しかも、こういう開発は急ぎますから、十年も何年も待ってくれというよりは、今この金を利用して開発をしておいていただいて、無利子でございますから、将来何年か先に補助金でそれを相殺してしまうということが地域の開発を速急に時間の中で進めていただく上に非常に有効であろう、こういうふうに考えておるわけでございます。そういう意味では将来の補助金を、何年か先の補助金を今前渡しをしてしまうというふうにお考えいただいてもよろしいのだと思います。償還は、将来の補助金で償還をしていただきますから、地方の負担にはならないわけでございます。
 そういう地域の開発がございますときに、しばしばいわゆる民活が入ってまいります。例えばそこへ国際会議場をつくるとか、あるいはスポーツとかレクリエーション施設、これは収益事業でございますから民間の資本が入ってこれるわけでございますが、そのための無利子の貸し付けを民間に対してするならば、そういう民活の施設が同時にそこへ行われるわけでございまして、これは収益事業でございますから、将来それを返してもらう、こういうふうな仕組みにいたしたいと考えておるわけでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#17
○議長(原健三郎君) 岡田正勝君。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔岡田正勝君登壇〕
#18
○岡田正勝君 私は、民社党・民主連合を代表いたしまして、ただいま上程されましたNTT株関連法案につきまして、中曽根総理並びに関係大臣に対し質問をいたします。
 いやあ中曽根さん、この五年間いろんなことがありましたね。電電、専売、国鉄民営化などのよきにつけ、円高、公約違反、人種差別発言などのあしきにつけ、あなたは手ごたえのある総理でありましたが、しかし、時の流れをとどめることはできません。総理としてはいよいよこれが最後の国会と相なりました。感無量のものがあると思います。この機会に、冒頭、一、二のことについて総理のお考えを承りたいと思います。
 その第一は、「戦後政治の総決算」というのは総理の口癖でございましたが、顧みていかがでございますか。
 その第二は、歴史は悠久に続いてまいりますが、次の人にぜひこれだけは継承してほしいというものがあるはずですが、それは何ですか。
 その第三は、二階堂さんを初め三人のニューリーダーで話し合いがつかぬということも予想されます。その場合、あなたの指名ということもあり得ますか。また、場合によれば再続投も考えないことはありませんか。簡明率直なお答えを期待をしております。
 そもそも、このNTT関連二法は、株売却益を景気回復策に使おうというものであります。そこで私は、景気回復策のあり方について、総理、大蔵、自治、労働の各大臣にお尋ねをいたします。
 戦後、荒廃したあの瓦れきの中から今日の日本の繁栄の基礎を築いた鉄鋼、造船、海運等の基幹産業は、政府の無為無策による円高不況のため壊滅的な打撃を受けております。さらに、自動車、繊維、電機等の間でも、その直撃をもろに受けて産業の空洞化現象が出始めておるのであります。そのあおりを受けた企業城下町の惨状は目も当てられません。戦後四十有余年、黙々としてこれらの産業と日本を支えてきた労働者の多くが職を奪われ、働く意欲を持ちながら求むるに職なく、失業者は今やちまたにあふれておるのであります。特に中高年層の再就職の道は厳しく、新しく職業訓練を受けても受け入れ先は皆無に等しいのであります。
 その一つの例を挙げます。広島県因島市の日立造船は、昨年一年間で三千三百名の従業員が実に二十分の一の百七十名に合理化をされました。地場産業の乏しいこの地域では、本人がいかに努力をしても再就職のめどが立たないのであります。この夫の苦痛を見るに忍びず、また迫りくる生活苦のために奥さんがパートを探しても、地場にあるわけもありません。やむなく二つの橋を渡り、本土にその職場をようやく求めて働きましても、そのパート料は一日わずか二千五百円であります。ところが、本四公団、道路公団の橋の料金が合わせて二千七百円もかかるのでは、差し引き二百円の持ち出しとなり、何のためのパートか意味をなさないのであります。
 しからば、長年住みなれた我が家を売って本土に出ようと一大決心をしても、肝心の買い手は島なるがゆえにないのであります。さればといって、別居をして出稼ぎをしても、月十五万円程度の給料では二重世帯が張れるわけはありません。結局どうすることもできず、愛する妻と子供を抱えて、茫然天を仰いで途方に暮れておるというのが実態であります。これはほんの一例にしかすぎません。この三年間を見ても三十万人も失業者がふえております。早急な対策が必要ですが、いかがでありますか。
 それから、せめて橋や道路の料金、一年おくれてどかっとやってくる住民税や国保税、国民年金保険料などの減免措置や雇用保険給付の期間延長と適用の拡大など、地域の活性化対策等々につきまして、今こそ中央地方が一体となって真剣に、早急に取り組んでいかなければならないと思いますが、いかがでありますか。このまま推移すれば、私は社会不安を惹起するのではないかと心配をしておりますが、いかがでございますか。
 民社党は、他党に先駆けて、塚本委員長を先頭に、産業と雇用を守る国民運動として全国各地の実情を調査し、その対策を政府に訴えてまいりました。中曽根総理は、見ばえのする華やかな外交などの舞台には好んで出られますが、国内のこの悲惨な現場をみずから視察をなさったことがございましょうか。実態を見ずしてどうして心の通う対策が打てますか。どうして実効を上げることができますか。雇用と労働のミスマッチ一つをとってみても、後追い的な通り一遍の対策ではもうどうしようもないところに国内は追い込まれておるのであります。また、産業の空洞化とそれに伴う新たな雇用不安等々、このような事態を招いた責任と打開のための対策をぜひ承っておきたいと思います。
 さらに、現下の緊急課題であります円高不況の克服、対外経済摩擦の解消、産業と雇用の不安の解消などに早急に対処するため、おくればせながら、今こそ積極的拡大均衡財政への転換を図るべきだと思いますが、大蔵大臣、いかがでありますか。
 次に、税制改革に関連して総理にお尋ねをいたします。
 大幅減税の先行は、我が国の内需拡大を進める有効な手段の一つであります。また、国内外に明確に宣言した公約でもあります。どんなことがあっても早急に実現しなければなりません。我が民社党は、重税に苦しむ中堅サラリーマンを中心に大幅減税を実施するため、二兆円規模の減税断行を提唱してまいりました。昭和五十二年度から六十二年度までの十年間、サラリーマンの所得は三七・九%しか増加していません。しかし、納税額は九八・五%も増加するものと予定されております。額に汗して働いても、入ってくる金の伸びよりも税金の伸びの方が二・六倍もあるというのではたまったものじゃありません。加えて、働き盛りの勤労者は、子供の教育費、住宅ローン等に苦しみ、ゆとりのある生活など夢のまた夢であります。大幅減税の先行は一刻の猶予もなりません。
 そこで、総理、あなたは、先ほど来の問答を聞いておりますと、NTT株は、その売却益は減税財源に使うのは不適当とおっしゃっておりますが、性根を据えて答えてください。昨年の総選挙のときに総理は何と国民に公約しましたか。思い切った大幅大減税を断行します、そのためにはNTTの株の売却益も充てられるとあれだけ公約したではありませんか。なぜそれがここで変わるんですか。またうそを言うんですか。この点を明確にしてください。
 さて、減税法案と抱き合わせでマル優廃止法案を本当に出すつもりかどうか、お答えください。出すとなれば、ぜひこの際承っておきたいと思います。
 それは、さきの国会において、国会を混乱させたマル優を含む売上税六法案について、議長あっせんの経緯を踏まえて、五月十二日の与野党国対委員長会談では、臨時国会に提出はしないという合意ができておりますよ。さらに、この国会の前の七月二日、与野党国対委員長会談を再度持って、再確認をされておるのであります。であるのに再提出をするということは、明らかな公党間の約束違反でもあります。明確に答えてください。
 また、せっかく減税をいたしましても、マル優を廃止して利子に一律二〇%の課税をすればどんなことになる。年収五百万円以下のサラリーマン世帯は増減税ゼロであることは、各機関の調査において明確であります。何が減税ですか。何が内需の拡大ですか。こんな乱暴なことこそ、あなたがいつも言う他人の懐に手を突っ込むということじゃないんですか。いかがですか。
 さりとて、減税に財源が必要なことはもちろんであります。そこで、財源はあるかということになりますが、六十二年度は十分過ぎる財源があるではありませんか。このことは、予算委員会で我が党の吉田理事が指摘をいたしまして、政府もこれを認めざるを得なかったのです。それは、六十一年度の決算剰余金の残が一兆三千億円もあり、さらにNTT株の売却益から国債整理基金繰り入れ等を引いても残りは凶兆四千億円も出る予定であります。つまり六十二年度は合計五兆七千億円の余裕金が見込まれます。まだまだこのほかにありますよ。剰余金がまだ出ます。どうして二兆円の減税の財源がないというのですか。
 しかも、この傾向はだれが考えても二、三年は見込めます。抜本的税制改革と減税のための恒久的財源は、この間に税制改革協議会で納得のいく結論を出せばよいことであります。いかがでありますか。増税という国民の懐に手を突っ込むようなことをする前に、政府としてなさねばならぬことがたくさんあるじゃありませんか。それは、正直者がばかを見ないための不公平税制の是正、大幅減税の断行、むだを排除する行革の徹底であります。教育や福祉や地方へのツケ回しをやめることであり、規制の緩和による民活の引き出してあります。こんな大事なことをほっておいて、弱いところ、取りやすいところをねらい撃ちするとは一体何事ですか。
 総理は、口を開けば、減税には恒久的財源が必要と言われますが、その話は税収入が伸びないときの前提で成り立つ話であります。六十一年度の一兆七千億円という大幅自然増収以後の様相は根本的に変化をしております。ここまで言及したら、総理は恐らく、いや、来年のことはわからぬよと言われるかもしれません。それならば、ことしの減税のためになぜ来年の恒久的財源の一つに手をつけるのでありますか。
#19
○副議長(多賀谷真稔君) 岡田君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単にお願いいたします。
#20
○岡田正勝君(続) なぜあなたは公党間の約束を破ってまでマル優廃止を提案しようとするのですか。
 議長あっせんによってできた税制改革協議会は、今後もその協議を続けることになっています。その結論を待たず、しかも短期間のこの臨時国会に無理を承知で提出するという総理の意図は、ねらいは一体何ですか。ひょっとしたら、この際、総理は税協をぶっつぶそうというお気持ちなんですか。
 このようなだれの目にもわかる筋道を全く無視して無理を押し通そうとするこの総理の姿勢は、あなた一人のメンツを保つだけのおごり以外の何物でもないと断ぜざるを得ません。国民はもちろんのこと、心ある自民党議員もまゆをひそめているのが現状ではありませんか。これ以上国会をひっかき回すことはやめていただきたい。
 総理は、国際公約である所得減税をやり、来年度以降のことは新総裁、新総理のもとで十分衆知を集めてやってくださいと言うのが本当です。あなたの有終の美を飾る、それが唯一の道であります。今ここで、自分自身のメンツにこだわり、マル優廃止を強引に進めることは、売上税の二の舞になることは必至であります。あなたの晩節を汚すことになるであろうということを予告をいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣中曽根康弘君登壇〕
#21
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 岡田議員にお答えをいたします。
 「戦後政治の総決算」を顧みてということでございましたが、国民の皆さんや与野党の御支援にかかわらず、なすこと少なきをじくじたる気持ちでおります。「戦後政治の総決算」の中では、やはり日本人の戦後の心の問題、物の問題、両方について総点検をして、改むべきものは改め、伸ばすべきものは伸ばす、そういう考えで心がけた次第でございます。
 次の政権に承継してほしいものは何かということでございますが、まだ仕事の最中で、お答えするのは早過ぎると思います。
 自民党の総裁問題は、党則に従い整然と行われる予定でありまして、御心配は要りません。
 次に、企業城下町の現状でございますが、今、因島のお話がございましたが、本当に胸を打たれる気持ちでございます。政府といたしましても、地域あるいは職域等の問題等につきましては、通産省や労働省、みんな打って一丸となって努力をしておるところでございます。先般も、全国八ブロックの地域において地域雇用対策推進協議会も開催をいたしまして、雇用動向を把握し、これに対する対策を確立しつつ、努力しておるところでございます。今後も全面的に努力してまいりたいと思う次第でございます。
 特に、三十万人の雇用開発プログラムを今推進しておりまして、仮にも失業なさった方には心配がないように、また失業を予防するために、事前にいろいろな誘導措置等も地域と連絡して実行してまいりたいと思います。政府といたしましては、既に産業構造転換円滑化臨時措置法あるいは地域雇用開発等促進法等に基づきまして、雇用の開発や職業能力の開発等につきましても努力しておるところでございます。
 不況地域の道路料金その他の問題でございますが、公団等の有料道路は、財政投融資の資金を活用することによって道路整備を緊急に行い、その収入で建設費、維持管理費等の費用を償還するものであり、償還後は無料開放する制度になっております。したがって、料金の減免は、当該措置による減収により償還のおくれもしくは後年度の料金の値上げをもたらし、将来の利用者の負担増大を招くことになりまして、困難であります。
 住民税の減免の問題につきましても、個々の納税者の具体的事情に即して税負担の軽減、免除を行っております。
 国保及び国民年金保険料等の減免の問題につきましては、被保険者の具体的事情に即して、低所得者に対しましては、国保については減免、軽減措置が、年金については全国一律の免除措置が講じられておるところでございます。
 次に、所得税減税とマル優の問題でございましたが、今回お願いする税制改正法案は、さきの緊急経済対策に盛り込まれました減税先行を行わんとするものであり、その具体的内容等につきましては、税制協議会等の御意見等も伺い、できるだけ早期に党で調整いたしまして今国会に提出したいと思っております。
 与野党国対委員長合意との関係につきましては、去る五月十二日の与野党国対委員長会談において、廃案になる売上税関連六法案は臨時国会に再提出することは考えておりませんとの合意がなされたことは承知しております。今回提出する税制改正法案の具体的内容については、先般の税制協議会の御報告を踏まえ、今後各方面の御意見を伺いながら詰めてまいるつもりでございます。
 マル優の問題につきましては、非課税貯蓄制度を見直して、一般の利子所得に対して一律の源泉分離課税を適用すること、一方、老人、母子家庭、その他社会的弱者につきましては手を差し伸べる必要がある、そういうことで先般は御提案申し上げたものでございます。これは、個人貯蓄の約七割が非課税貯蓄制度の適用を受けて、多額の利子が課税対象から外れている、特に高額所得者により多く恩典を与えるような結果を来している、そういう点から目をつけた次第なのでもございます。
 私の答弁における他人の懐に手を突っ込むという表現は、これは、預貯金問題という問題は家族の間でもないしょにしておきたいという非常に秘匿性が大事な問題なのでありまして、金融資産の保有については、やはりこのような心理を理解することが大事であり、厳格な管理を行うことについては、国民が不安を感じたり、不測の混乱を起こしたり、あるいは資金逃避を招いて物や金や外国に資金が流れるという点については十分考慮しなければならぬと思っておるのであります。
 減税財源につきましては、去る七月二十四日の税制改革協議会報告では、税制の抜本改革の必要性が各党共通の認識であるということのほか、「減税の実施に当たっては、恒久財源が確保されることが必要である。」等の点で各党の意見の一致を見たとされたものと承知しております。政府としては、さきの緊急経済対策に盛り込まれた昭和六十二年度における減税先行は、税制改革の一環として恒久財源を確保しつつ、できるだけ早期に実施したい、そう考えておるものであり、財源不足分につきましては、六十一年度分剰余金を含めて、歳入歳出両面を通ずる六十二年度財政運営全体の中で処理いたしたいと思っております。
 先ほど来申し上げましたように、NTT株売却益金は、国民共有の負債である国債償還に充てるというふうに一貫して考えておるところでございます。選挙中の私の発言に御言明がありましたけれども、この減税財源の問題については、一般的例示として、あるいは自然増収とか、あるいは国有財産の売却とか、あるいはNTT株の売却等を例示として挙げたものなのであります。
 税制改革協議会におきましては、五月二十五日の初会合以来十二回にわたり与野党間で精力的な協議が行われ、今回の中間報告に至ったものと承知しております。税制の抜本改革が必要であるという認識においては一致いたしました。また、「税制改革案の検討に当たっては、地方公共団体の財政運営に甚大な影響があることを考慮し、早急に結論を出す必要がある」等の意見でも一致したものと考えております。さきに緊急経済対策で盛り込まれました六十二年度の減税先行については、先ほど来申し上げましたように、恒久財源の保証を得て実行いたしたい、そして税制協議会の御検討等も踏まえて速急に実行いたしたいと考えておる次第でございます。
 次に、マル優廃止法案の提出の問題でございますが、政府としては、緊急経済対策に盛り込まれた所得税等の減税先行は、税制改革の一環として、恒久財源を確保しつつ、できるだけ早期に実行することがぜひとも必要であると考えております。この点は所信表明でも明らかにしたところでございます。税制改革協議会の御報告において示された諸般の見解に配慮しつつ、速急に改正法案をつくるべく、今党内で調整している最中でございます。
 公党間の約束につきましては、誠実に今後も守っていくところでございます。税制協議会の今回の御報告においては、税制の抜本改革の必要性が共通の認識であること、税制改革案の検討に当たっては、地方公共団体の財政運営に甚大な影響があることを考慮し、早急に結論を出すことが必要である等の点で各党の意見が一致したと考えております。今回提出する税制改革法案の具体的内容については、先ほど来申し上げましたとおり、周到なる配慮をもって今詰めておる最中でございます。
 残余の答弁は関係大臣がいたします。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
#22
○国務大臣(宮澤喜一君) プラザ合意以来の急激な円高につきましての責任に御言及があったわけでございますが、今日でもアメリカの貿易赤字は千六百億ドルでございますから、もし今日のドルがプラザ合意当時の二百四十二円というような高いものでございましたならば、貿易赤字はさらに増大していたであろうということは想像にかたくございません。したがって、プラザ合意以来の各国の努力は、私はそれなりの成果を上げておると考えておりますが、ただ、我が国にとっては、いかにも円の上昇が急激、大幅でございましたから、御指摘のようなことがございまして、現状のようなことになったわけでございます。
 それにつきましては、たびたびの各国の蔵相会議あるいはせんだってのベネチアのサミットなどで、これ以上のドルの下落というものは各国みんなが迷惑である、共通の努力によってこれを安定させようという合意がなされましたことは御承知のとおりでありまして、それもありましてか、その後かなりの安定が見られるようになりました。アメリカの貿易赤字もジグザグながら改善すると思いますので、この安定が続いていくことを期待をいたしておるわけでございます。
 さりとて、そういう状況の中でいわゆる拡大財政に、積極財政に移るべきかということにつきましては、今日でも一般会計の二割が国債費であるという事情は変わりませんので、財政再建を放棄するわけにはまいらない。しかし、内需拡大は内外の急務でございますので、ただいま御提案をいたしましたようなNTTの株式売却収入を活用して社会資本の整備を図りたい。これは財源としてはあと三年、ないしは使いようによりましてはもう少し使えるかと思いますので、これによりまして財政再建に余り支障がありませんような形で内外の急務にこたえていきたい、このように考えております。(拍手)
    〔国務大臣葉梨信行君登壇〕
#23
○国務大臣(葉梨信行君) 企業城下町におきまして不況地域における地方住民税あるいは国保税等の減免措置を行うべきであると思うかどうかという御質問でございます。
 減免制度は、個々の納税者の具体的事情に即して税負担の軽減、免除を行う目的により設けられているものでございますから、企業城下町等不況地域という理由だけで一律に減免することは適当でないと考えております。したがいまして、企業城下町等不況地域におきまして、その地域の状況に起因し個々の納税者の状況が著しく税金を払う力を失っているかどうか、それを判断して行うことになると思うのでございます。
 それから、企業城下町に対します地域の活性化対策いかんという御質問でございますが、厳しい状況につきましては私も胸が痛む思いがいたしております。当該地域の経済の活性化か図るとともに、雇用の安定を確保することは、地方公共団体にとりまして極めて重要な課題となっております。
 このために、自治省といたしましても、かねてから地域経済活性化対策を推進してきているところでございますが、特に今般、特定の不況業種への依存が著しい地域の地方公共団体が緊急かつ計画的に実施いたしますプロジェクトを地域経済活性化緊急プロジェクトとして位置づけ、特別の財政措置を講じる等、積極的な支援を行うこととしたところでございます。自治省といたしましては、今後とも地域経済の動向に適切に対応して、関係省庁とも十分連絡を行った上、地方公共団体の意向等も踏まえながら、地域経済の活性化、雇用の安定に最大限の努力を払ってまいる所存でございます。(拍手)
    〔国務大臣平井卓志君登壇〕
#24
○国務大臣(平井卓志君) まず、城下町対策でございますが、産業構造の転換等に伴いまして失業情勢が非常に厳しい、これが増加しておる地域が見られる、これはもう御指摘のとおりでございまして、このために地域雇用開発等促進法に基づきまして雇用情勢の厳しい地域を指定いたしまして、地域雇用開発助成金の活用等を通じて、雇用開発の促進を中心とした総合的な地域雇用対策を推進いたしておるところでございます。この中で、特に造船等の不況業種に依存し、厳しい雇用情勢のもとに置かれておる地域につきましては、地域雇用開発助成金の支給期間の優遇による雇用開発の促進、また雇用調整助成金等の活用による失業の予防、再就職の促進等の施策を実施いたしておるところであります。今後とも、造船業等に対する特定不況業種対策と相まって、また産業政策等関連施策とも連携を図りながら、地域における雇用の安定に努めてまいる所存であります。
 次に、ミスマッチの問題でございますが、最近の雇用失業情勢は、御案内のように一部に改善の動きが見られるわけでございますが、不況業種、またその関連地域を中心に全体として依然厳しい状況にございまして、雇用の安定はまさに現下の重要な政策課題であると理解をいたしております。このために、業種、地域の雇用動向を迅速かつ的確に把握をいたしまして、職業転換のための訓練、出向等に対する助成、産業雇用安定センターへの援助等を通じた労働移動の円滑化、さらに雇用調整助成金制度の拡充による失業の予防、雇用の維持、求人、求職を中心とした雇用情報の広域的な提供、地域雇用開発等促進法に基づく総合的な地域雇用対策等の施策を積極的に推進してまいる所存であります。今後とも産業構造の転換に対応した雇用対策を強力に推進し、雇用の安定に努めてまいりたいと考えております。
 空洞化の問題でございますが、企業の海外進出につきましては、急速な円高を背景に活発化いたしておるために、雇用に与える影響を懸念いたしております。こうした海外投資の拡大が国内雇用に悪影響を与えることのないようにするためには、やはり内需を中心とした経済成長を図りますと同時に、雇用政策、産業政策、経済運営一体となって雇用機会の確保に努めることが重要であると考えております。いずれにいたしましても、海外投資に伴う雇用問題は雇用面における重要な問題でございますので、労使を初めとする各界の代表から成る雇用問題政策会議において、ヒアリング等を通じ専門的な検討をいただいておるところでございまして、今後、こうした検討を通じて、対応のあり方についてコンセンサスの形成を図ってまいる所存であります。
 以上であります。(拍手)
#25
○副議長(多賀谷真稔君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#26
○副議長(多賀谷真稔君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時三十五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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