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1987/09/04 第109回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第109回国会 本会議 第16号
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1987/09/04 第109回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第109回国会 本会議 第16号

#1
第109回国会 本会議 第16号
昭和六十二年九月四日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十号
  昭和六十二年九月四日
    午後一時開議
 第一 勤労者財産形成促進法の一部を改正する
    法律案(内閣提出)
 第二 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関
    する法律案(第百七回国会、内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 元自由民主党総裁前議員岸信介君逝去につき弔
  詞を贈呈することとし、弔詞は議長に一任す
  るの件(議長発議)
 日程第一 勤労者財産形成促進法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 日程第二 国立病院等の再編成に伴う特別措置
  に関する法律案(第百七回国会、内閣提出)
 外国人登録法の一部を改正する法律案(第百八
  回国会、内閣提出)
    午後一時三十二分開議
#2
○議長(原健三郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 弔詞贈呈の件
#3
○議長(原健三郎君) お諮りいたします。
 元自由民主党総裁、前議員岸信介君は、去る八月七日逝去されました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。
 つきましては、同君に対し、弔詞を贈呈いたしたいと存じます。弔詞は議長に一任されたいと存じます。これに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
 弔詞を朗読いたします。
    〔総員起立〕
 元自由民主党総裁前衆議院議員正二位大勲位岸信介君は 多年憲政のために尽力し 特に院議をもってその功労を表彰され しばしば国務大臣の任につき 再度内閣総理大臣の重責をにない三年有余にわたり国政を統理されました君は 常に民生の安定と国連の隆盛につとめまた議会政治の進展と国際的地位の向上に力をいたし 今日に至るわが国の発展に大きな貢献をいたされました その功績はまことに偉大であります
 衆議院は 君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます
この弔詞の贈呈方は議長において取り計らいます。
     ――――◇―――――
 日程第一 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案(第百七回国会、内閣提出)
#5
○議長(原健三郎君) 日程第一、勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案、日程第二、国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。社会労働委員長堀内光雄君。
    ―――――――――――――
 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案及び同報告書
 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔堀内光雄君登壇〕
#6
○堀内光雄君 ただいま議題となりました二法案について、社会労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、勤労者の財産形成を一層促進するため、勤労者財産形成促進制度の拡充改善を図ろうとするもので、その主な内容は、
 第一に、従来の勤労者財産形成貯蓄等に、新たに住宅取得を目的とする勤労者財産形成住宅貯蓄を加えること、
 第二に、転職等をした場合の勤労者財産形成貯蓄等の継続措置をすべての金融機関問で認められるよう、その拡充を図ること、
 第三に、勤労者財産形成貯蓄契約等の範囲に、中小企業での利用の多い損害保険契約を加えること、
 第四に、勤労者財産形成年金貯蓄及び勤労者財産形成住宅貯蓄について、所得税及び都道府県民税の課税上の特別措置を講ずること、
 第五に、勤労者財産形成貯蓄契約について経過措置を設けること等であります。
 本案は、去る八月十八日の本会議において趣旨説明が行われ、同日付託となり、平井労働大臣から提案理由の説明を聴取し、同月二十五日に質疑を終了し、昨日の委員会において、施行期日等について自由民主党より修正案が提出され、採決の結果、本案は修正案のとおり多数をもって修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 次に、国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案について申し上げます。
 本案は、国立病院等の再編成の円滑な実施を図る等のため、国立病院等の資産の譲渡等に関する特別措置を講じようとするもので、その主な内容は、
 第一に、国は、公的医療機関の開設者等が国立病院等の移譲を受け、引き続きその者の開設する医療機関として経営しようとするときは、国立病院等の資産を、地方公共団体に対しては無償で、地方公共団体以外の者に対しては時価からその七割を減額した価額で譲渡することができるものとすること、
 第二に、国は、公的医療機関の開設者等が国立病院等の資産の譲渡を受け、引き続きその者の開設する医療機関の用に供しようとするときは、その資産を、地方公共団体に対しては時価からその五割を減額した価額で、地方公共団体以外の者に対しては時価からその三割五分を減額した価額で譲渡することができるものとすること、
 第三に、国は、国立病院等の移譲を受けて医療機関を開設する公的医療機関の開設者等に対し、その医療機関の運営に要する費用を補助することができるものとすること、
 第四に、国は、国立病院等の資産の譲渡を受けて開設される医療機関の運営が円滑に行われるように、国立病院等に勤務する医師等を派遣する等の必要な配慮をするものとすること等であります。
 本案は、第百七回国会に提出され、昨年十月二十三日の本会議において趣旨説明が行われ、同日付託となり、同年十二月十一日に斎藤厚生大臣から提案理由の説明を聴取した後、今国会に継続していたものであります。
 今国会においては、八月二十日より質疑に入り、同月二十六日には参考人の意見を聴取する等審査を行い、昨日質疑を終了いたしましたところ、地方公共団体以外の公的医療機関の開設者等に対する資産の譲渡等の場合の割引率について自由民主党より修正案が提出され、討論を行い、採決の結果、本案は修正案のとおり多数をもって修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○議長(原健三郎君) 両案中、日程第二につき討論の通告があります。これを許します。前島秀行君。
    〔前島秀行君登壇〕
#8
○前島秀行君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案に反対する立場から討論を行います。(拍手)
 第一に申し上げたいことは、国立病院・療養所は、地域住民の健康確保に大きな役割を果たしており、特に僻地、過疎地においては、他にかけがえのない医療機関として住民生活に深く密着していることであります。
 例えば私の地元、静岡県南伊豆町にある国立疾病院は、周辺の一市三町の住民約六万人が利用し、観光客の治療にも大きな役割を果たしております。ちなみに、南伊豆町には他の医療機関は二つの個人病院しかなく、そのいずれも医師が高齢化し、後継ぎが見つからないというのが実情であります。
 この疾病院を初め、国立熱海病院、伊東温泉病院など、統廃合の対象とされた医療機関の周辺住民はいずれも大きな不安を持ち、市や町ぐるみで反対に立ち上がっております。全国でも、既に自治体の九割を超える二千九百九十八の議会が、国立病院等の存続拡充を求める決議を行っているのであります。
 国民の声に耳を傾けることこそ、医療行政の基本であるはずです。にもかかわらず、こうした国民の多くの反対の声を無視し、地域一般医療を地方公共団体や民間医療機関に押しつけようとすることは、まさに地域医療そのものを切り捨てることにほかなりません。
 第二に、統合または移譲の対象とされる全国七十四の病院等の選定はどのように行われたのでしょうか。
 選定基準を設けた上で、各施設の機能評価及び正確な経営分析を行い、それに基づいて選定するのが当然でありましょう。ところが、実際は、そのような努力は全くなく、断片的な情報に基づいて担当部局が勝手に判断したにすぎないということが、審議を通じて明らかになっているのであります。
 しかも、七十四施設の選定が終了した後で、都道府県に地域保険医療計画を策定させたために、統廃合の結果、病床不足地域にある相当数の施設がなくなる一方で、病床過剰地域では一層過剰になるという、国民には到底理解しがたい現象が生じることになるのであります。さらに僻地、離島など、いわゆる特例地域にある国立病院・療養所二十施設も統合、移譲の対象とされているのであります。まさにずさんきわまりない再編成計画と言わなければなりません。(拍手)
 第三に、政府、厚生省は、国家財政の窮迫を理由に、行財政改革の一環として国立病院等の再編成を実施するのだと言っておりますが、計画完成後、医療保険財政及び国家財政にとってどれだけのメリットが生じるのか、一切検討はされていないというのであります。
 しかも、今回統廃合の対象とされている国立病院・療養所に対しては、既に多額の整備費が投入されてきております。累積借入金は、昭和六十一年度末で五千三百九十二億円にも上っておりますし、整備したばかりの施設も多数あるわけでございます。この国民の共有財産を売り渡すことは、借金だけを後に残すことになります。おまけに、巨額の借入金で新たに土地を購入し、病院を建設するというのは、全くの税金のむだ遣いであり、真の行財政改革にも逆行すると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 第四に、病院経営の引受手があるかどうかという問題であります。
 有力な移譲先とされる自治体にしても、今日の厳しい財政状況の中で、果たしてその余地があるでしょうか。自治省でさえ、自治体に対して、安易に経営を引き受けないように指導するとの方針を出しているではありませんか。公立病院事業の昭和五十九年度決算では、全事業の五二・七%が赤字経営となっております。移譲先の自治体は、新たに重い負担を求められることになるのであります。
 まして僻地、離島などでの医療がいわゆる不採算医療となることは明らかであり、営利を目的とする民間の引受手が容易にあらわれるとは到底思えないのであります。住民が地域医療の将来に不安を持つのも当然であります。
 第五に、移譲、譲渡された国立病院等は、最低十五年間医療機関として運営されれば、その後は土地、施設の用途を指定されないわけでありますから、極端な場合、観光施設などに化けてしまうことも考えられます。病院を舞台に利権絡みの取引が行われないという保証はないのであります。
 さらに、経営移譲や統廃合の際、職員の身分や労働条件は一体どのようになるのでしょうか。これに関する規定は全く欠落をしているのであります。移譲対象の三十四施設には約四千五百人の職員がおり、国家公務員としての身分や労働条件に大幅な変更を強いられるおそれが強いのであります。土地、建物だけの譲渡の場合も、離島・僻地勤務者など転勤が困難な者は、国家公務員としての身分を維持できず、職を失う事態も十分予想されるのであります。この点からも、まことに乱暴な計画と言わざるを得ないのであります。
 以上申し述べましたとおり、今回の法案は余りにも多くの問題を含んでおり、ほとんどの自治体と関係住民が強く反対の声を上げております。これは、相次ぐ減反などによる農村の疲弊と過疎化、国有林野の合理化による森林の荒廃、社会保障や環境政策の相次ぐ後退など、行財政改革に名をかりた中曽根内閣の暮らしや命をないがしろにする政治に対して、いわば最後のとりでとしての国立病院・療養所を守ろうとする国民、とりわけ医療過疎に悩む住民と自治体の必死の叫びなのであります。(拍手)
 今回の再編成計画は、国立病院・療養所の三分の一を切り捨て、現在全医療機関の約六%にすぎない国立病院のシェアをさらに低下させるものであります。本来、国立病院・療養所は、高齢化社会に対応できる病院のあり方、適正な医療を適正な医療費で供給する病院のあり方などを率先して実践し、民間を含めた全医療体系における模範的中核として大きな役割を担うべきものであって、現在の施設数二百三十九は、むしろ少ないと言わざるを得ないのであります。国立病院の淘汰、縮小ではなく、拡充こそが国民の願いなのではないでしょうか。
 中曽根総理は、かねがね国際化時代における世界の中の日本を強調されておりますが、しかし、このような政治を続ける限り、日本は経済大国だが生活は後進国という汚名を晴らすことは到底できないと、あえてつけ加えざるを得ないのであります。
 国民の健康と生命を守るべき国の基本的責任を放棄する本法案への反対を重ねて表明し、私の討論を終わるものであります。(拍手)
#9
○議長(原健三郎君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#10
○議長(原健三郎君) 両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも修正であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#11
○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
#12
○谷垣禎一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 第百八回国会、内閣提出、外国人登録法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#13
○議長(原健三郎君) 谷垣禎一君の動議に御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 外国人登録法の一部を改正する法律案(第百八回国会、内閣提出)
#15
○議長(原健三郎君) 外国人登録法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長大塚雄司君。
 外国人登録法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔大塚雄司君登壇〕
#16
○大塚雄司君 ただいま議題となりました法律案について、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、在日外国人等から種々議論されている外国人登録制度について、在日外国人の心情を考慮し、指紋押捺制度を中心に制度の適正、合理化を図ろうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、登録証明書の切りかえ交付等の申請に際し、その者が既に指紋を押捺している場合には、原則として、重ねて指紋を押捺することを要しないものとすること、
 第二に、登録証明書をラミネートカード型のものに改めることを前提に法律の規定を整備すること等であります。
 本案は、第百八回国会に提出されましたが、審査を終了するに至らず、今国会に継続されたものであります。
 委員会においては、去る七月二十八日提案理由の説明を聴取した後、参考人の意見を聴取する等慎重審査を行い、本日質疑を終了し、討論に付したところ、民社党・民主連合から賛成、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び日本共産党・革新共同から反対の意見がそれぞれ述べられ、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#17
○議長(原健三郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#18
○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#19
○議長(原健三郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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