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1987/09/08 第109回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第109回国会 本会議 第17号
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1987/09/08 第109回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第109回国会 本会議 第17号

#1
第109回国会 本会議 第17号
昭和六十二年九月八日(火曜日)
    ―――――――――――――
  昭和六十二年九月八日
    午前十時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 会期延長の件
    午後一時三十二分開議
#2
○議長(原健三郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 会期延長の件
#3
○議長(原健三郎君) 会期延長の件につきお諮りいたします。
 本国会の会期を九月十九日まで十一日間延長いたしたいと存じ、これを発議いたします。
 本件につき討論の通告があります。順次これを許します。中村正男君。
    〔中村正男君登壇〕
#4
○中村正男君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました十一日間に及ぶ会期の延長に関する提案に対しまして、反対する立場から討論を行うものであります。(拍手)
 本来、国会は、初めに会期を定めて、その会期内に案件を処理するという原則のもとに運営されるものであります。会期中に成立を見ない案件は、廃案にするか、特別の議決をもって継続するという慣行は厳守されなければなりません。このことが憲法の理念に立脚した議会制民主主義を守る根幹としての議会制度であります。
 今臨時国会は、主要議題である六十二年度補正予算が既に成立を見ていることでもあり、本日をもって閉会とすることが当然であります。いたずらに会期を延長する必然的な理由がありません。
 以下、幾つかの反対する理由を指摘申し上げます。
 その第一は、この臨時国会開会そのものに大きく疑念を持つものであります。
 日本経済にとってマイナス効果しかもたらさない売上税中心の税制改革を盛り込んだ六十二年度欠陥予算をさきの国会に提案し、その欠陥を政府みずからが認めるかのように、予算案の審議中に大型補正予算編成に着手しなければならない失態を演じ、この臨時国会の召集となったのであります。円高不況、対外経済摩擦の激化など、中曽根内閣のとってきた五年間に及ぶ超緊縮政策の破綻を補うための今国会でしかなかったのであります。
 第二の反対の理由は、国民世論を無視し、公党間の約束を一方的に踏みにじり、所得税法の改定と称してマル優原則廃止の法案成立を強行しようとしていることであります。
 さきの国会で廃案となった売上税等に関連する法案については、与野党協議の結果、次の臨時国会には提案しないという国民に対しての約束が厳に存在しています。そして、議長裁定として抜本的税制改革に向けての税制改革協議会が発足し、論議を始めたばかりであります。にもかかわらず、自民党政府は一方的に、所得税減税の恒久的財源としてマル優原則廃止の法案を強引に提出してきたのであります。大蔵委員会の論議からも、政府の言う恒久財源としての整合性は全くありません。
 すなわち、六十一年度ではこれによる税収見込みはゼロ、六十三年度においてもたかだか二千億円にしかすぎません。平年度税収見積もり一兆六千億円に達するには数年からそれ以上要することが明らかになっており、今すぐこの法案を成立させる必然性は全くないのであります。抜本的な税制改革の道筋すら示さず、税制全体から見てもさらに不公平、不公正を拡大するマル優原則廃止には、改めて反対の態度を明確にするものであります。(拍手)
 今緊急にやらなければならないのは、消費全般を刺激する大幅な所得税減税であります。財源は、NTT株の売却益金を初め、一兆三千億円にも上る六十一年度決算剰余金、さらにキャピタルゲイン課税の強化等を実施すれば、二兆円程度の減税には全く事欠かないのであります。減税は小幅の上積みに抑え、マル優廃止を何が何でも強行しようとする会期延長には、断固反対するものであります。
 第三の反対する理由は、今国会においては、全国の自治体の九〇%が反対している国立病院の統廃合法案を初め、国民の健康をむしばむ公健法の改悪など、国民生活に多大な影響を及ぼす悪名高き法案が数多く提案されております。これらすべてを成立させようとする中曽根内閣の強引な態度は、三百議席にあぐらをかいた、国民世論を無視した強権政治そのものと言わざるを得ません。(拍手)
 さきの文教委員会では、学校教育法の一部を改正する法律案、いわゆる大学審議会設置法の審議において、またも数の力で不当にも採決に出たのであります。このように、政府、与党が一体となって議会制民主主義を踏みにじり、一方で会期延長を要求しようとするこの傲慢な態度は、断じて許すことはできません。
 最後に、この臨時国会の延長は、延長そのものが、中曽根総理みずからが政権へのあくなき欲望を最後まで保持したいがための延長にすぎず、心の底からの怒りを禁じ得ないのであります。
 同時に、会期延長は、次期政権の座をめぐっての国民不在の自民党各派閥の駆け引きの場でしかないのであります。政治資金規正法改正当時の昭和五十一年に比べて実に十七倍もの異常な、政治家のパーティーによる金集めが報じられています。そのほとんどが自民党によるものであります。国民の目から見れば、税金を払わない不当な巨額の金が動き、政権の座が取引されようとしており、いつものこととはいいながら、やりきれない思いであります。
 庶民のささやかなマル優を廃止して税金をむしり取ろうとし、一方では、連夜の高級料亭を舞台にした金権政治がまたもや野方図に繰り広げられているありさまは、おごれる自民党政治の醜悪きわまりない実態であります。
 五年間にわたる自民党中曽根政治は、最後に国民に何を残したのか。それは限りない政治不信だけではなかったのか。中曽根政治を厳しく糾弾しつつ、私の会期延長反対討論を終わります。(拍手)
#5
○議長(原健三郎君) 高村正彦君。
    〔高村正彦君登壇〕
#6
○高村正彦君 私は、ただいま議長から発議されました今国会の会期を九月九日から九月十九日まで十一日間延長する件につきまして、自由民主党を代表して賛成の討論を行うものであります。(拍手)
 御承知のとおり、去る七月六日に召集された本臨時国会は、我が国にとっては格別に意義の深い国会であります。すなわち、国難とも言える対外経済摩擦、これに起因する円高不況等に対処するため、緊急経済対策を実行するに必要な補正予算の審議を初め、国民待望の減税措置を含む税制改革関連法案、社会資本整備の基盤となるNTT関連法案、貿易摩擦に対応するための外為法改正案などの重要法案に加えて、前国会で継続となっておりました国民生活関連法案の審議に真剣に取り組んでまいったのであります。
 本臨時国会の運営に当たり、我が自由民主党といたしましては、今日の内外の厳しい情勢の中で何よりも国民の協力と納得が大切であるという観点から、誠実かつ円満なる国会運営に全力を挙げてまいりました。各党の御協力もあり、多くの重要法案は本院を通過することができましたが、懸命なる努力にもかかわらず、各党間の話し合いに要した日数も十数日に及んだこともあって、現時点で、参議院において多くの重要法案が審議中であり、成立を見ていないのであります。
 これらの法案の中には、所得税法改正案、地方税法改正案、勤労者財形法改正案、防衛二法案、労働基準法改正案等々国民生活に重要な影響を与える案件が山積しております。これらの法案を成立させ、本臨時国会に対する国民の期待にこたえるために、十一日間の会期延長はぜひとも必要なことであります。
 自由民主党は、国政を担う責任政党であります。私は、議長から発議されました会期延長に賛意を表し、賛成の討論を終わります。(拍手)
#7
○議長(原健三郎君) 日笠勝之君。
    〔日笠勝之君登壇〕
#8
○日笠勝之君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となりました第百九臨時国会の会期を十一日間延長する件に対し、反対の討論を行うものであります。(拍手)
 御案内のとおり、今臨時国会の最大のテーマは、さきの通常国会で十分審議できなかった国政上の諸問題、すなわち、対外経済摩擦の解消、円高不況にあえぐ日本経済の活性化、中でも中小企業や地域経済を一刻も早く救済し、働く人々の将来に不安や戸惑いをなくすことが、政治に求められていた緊急の課題でありました。我が党は、かかる立場から積極的に補正予算の審議に加わり、大幅な所得税減税の実施に向けて活発な論戦を展開してきたところであります。
 しかしながら、政府・自民党は、先般の第百八通常国会における五月十二日の与野党国会対策委員長会談の合意、すなわち、「売上税関連六法案は臨時国会に再提出することは考えておりません。」との約束をほごにし、マル優の廃止と所得税減税をワンセットにした税制改革法案を提出したのであります。我が党は、かかる政府・自民党の背信行為に対し、厳重に抗議するとともに、重大な反省を求めたのであります。
 今回提出された会期の延長理由は那辺にありや。それはひとえに、政府・自民党が国民に約束した、売上税関連六法案は臨時国会に再提出しないとの確約を不履行にしたことが審議の円滑を欠くところとなり、いたずらに時間を空費したことが最大の理由であったことをよもや忘れての延長ではありますまい。この責任は挙げて政府・自民党にあることを強く訴えるものであります。(拍手)
 このような経過に対し何ら納得を得られる説明を行わず、法案の成立が遅滞していることのみを理由に会期延長を打ち出すやり方は、まさに責任を他に転嫁して顧みない政府・自民党の無責任な態度と言わざるを得ません。我が党は、このように安易に会期延長を求める態度を容認することはできないことを述べ、この際、政府・自民党に反省を促すものであります。
 本来、我が国の国会は、会期制の原則のもと、一定の会期を定め、その会期における独立性と会期不継続の基本原則をもって議会制民主主義を構成しているのであります。したがって、会期中に成立を見ない案件の処理は、廃案にするか、または特別な議決をもって継続するという国会の慣例に従うことが議会制民主主義を守る根本であります。にもかかわらず、政府・自民党が安定多数を背景に土俵のルールを勝手に広げようとすることは、議会制民主主義を空洞化するものとして、断じて容認することはできないのであります。
 ましてや、会期延長は、伝えられるところによりますと、自民党総裁選と密接に連動し、主導権を確保しようとする中曽根総理の死に体化阻止、いわばみずからの延命に議会を利用するものとして強く糾弾されるべきものであります。
 このような党利党略にくみする会期延長に対し絶対反対であることを申し上げ、討論を終わります。(拍手)
#9
○議長(原健三郎君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#10
○議長(原健三郎君) 採決いたします。
 会期を九月十九日まで十一日間延長するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#11
○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、会期は十一日間延長するに決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
#12
○議長(原健三郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四十八分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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