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#1
第108回国会 産業・資源エネルギーに関する調査会 第3号
昭和六十二年五月十四日(木曜日)
   正午開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月四日
    辞任         補欠選任
     井上  計君     橋本孝一郎君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     山口 哲夫君     小野  明君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    会 長         浜本 万三君
    理 事
                川原新次郎君
                沢田 一精君
                宮島  滉君
                小野  明君
                飯田 忠雄君
                神谷信之助君
                橋本孝一郎君
    委 員
                工藤万砂美君
                沓掛 哲男君
                熊谷太三郎君
                田沢 智治君
                田辺 哲夫君
                福田 幸弘君
                森山 眞弓君
                大森  昭君
                対馬 孝且君
                馬場  富君
                小笠原貞子君
   政府委員
       資源エネルギー
       庁次長      見学 信敬君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        高橋 利彰君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○産業・資源エネルギーに関する調査
 (派遣委員の報告)
○調査報告書に関する件
○中間報告に関する件
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
    ―――――――――――――
#2
○会長(浜本万三君) ただいまから産業・資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る五月七日、山口哲夫君が委員を辞任され、その補欠として小野明君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○会長(浜本万三君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○会長(浜本万三君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に小野明君、橋本孝一郎君を指。名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○会長(浜本万三君) 次に、産業・資源エネルギーに関する調査を議題といたします。
 この際、派遣委員の報告を聴取いたします。沢田一精君。
#6
○沢田一精君 去る二月に行いました委員派遣について、その概要を御報告いたします。
 「構造不況産業及び円高不況産業の実情と地域経済に及ぼす影響」について、二月十七日、十八日の二日間、兵庫県、広島県に参り、地域の実情を調査するとともに、十八日の午前中は、参議院の調査会としては初めての地方公聴会を広島市で実施し、「円高下における構造不況産業の実情と地域経済に及ぼす影響」について八名の公述人から意見を聴取いたしました。派遣委員は浜本会長、川原理事、宮島理事、小野理事、飯田理事、神谷理事、橋本理事、田沢委員、本岡委員と私の十名であります。なお、日程の第一日目に石井議員、第二日目に小西議員が現地参加されました。
 以下、日程に従ってその概要を御報告いたします。
 まず、第一日目は西脇市の会議室において、初めに大阪通商産業局長から、管内の経済動向と近畿経済の概況について説明を聴取しました。次いで兵庫県商工部長から、県産業の概況説明の中で、特に最近の厳しい経済事情に対処するため特定不況地域の振興に関する条例を定め、雇用安定対策、中小企業対策、地域活性化対策等を総合的に推進しようとしているとの説明がありました。なお、雇用・中小企業・地域振興安定対策の拡充強化、特定地域中小企業対策臨時措置法に基づく特定地域の追加指定等の要望がありました。
 次に、播州織振興対策協議会会長から産地の概要と要望を聴取しました。その概要について申し上げますと、西脇市には、座元の八十社を初め、二千四百三十九の企業が散在し、一万千三百二十二名の従業員がおります。生産量、輸出量とも五十九年のピーク時に比べて、余り変化はありませんが、金額ではいずれも三〇%以上の減少となっております。生産量の七〇%以上を輸出しているため、業界としては内需の開拓に努め、市場転換を図っているとの説明がありました。
 なお、中小企業の実勢に合わせた為替レートの適正化、制度融資の最終償還期間の二年以上の延長、既往債務の金利の軽減、高付加価値化の転換に必要な助成措置、売上税の導入反対、地域雇用開発等促進法による雇用開発促進地域の指定等について、格段の配慮を願いたい旨の要望がありました。
 以上、関係者からの説明や要望に対して派遣委員から、中小企業が採算のとれる為替レートの水準、産業構造転換に必要な助成策、播州織産地の雇用対策、NICSとの国際競争力関係、高付加価値化を目指した転換策、円高の織工賃に対する影響等について質疑が行われました。
 この後、現地の小沢クロス有限会社と、製織業者が生産した原反の検査、整理仕上げ等の機能を有する播州織工業協同加工場を視察しました。西脇市での調査を終了後、広島へ赴き、広島市内のホテルの会議室で広島通商産業局長から管内経済の概況について、また、中国運輸局長から管内の造船事業について、それぞれ説明を聴取しました。
 第二日目は、同ホテル会議室において、午前九時から広島地方公聴会を開会いたしました。公述人は竹下広島県知事、薬石川島播磨重工業株式会社兵事業所所長、原田株式会社神戸製鋼所呉工場長、蜂谷日新製鋼株式会社員製鉄所所長、杉野原造船重機労連広島地協会長、平川鉄鋼労連中国地方本部事務局長、伊藤広島県中小企業団体中央会副会長、山崎広島県商工会議所連合会会頭の八名で、一人十分程度忌憚のない意見が述べられました後、派遣委員から質疑が行われました。
 以下「円高下における構造不況産業の実情と地域経済に及ぼす影響」について、公述人から聴取した意見の概要は次のとおりであります。
 まず、我が国造船業の実情であります。造船業界をめぐる環境については、二度にわたるオイルショックに対処して世界的に資源・エネルギーの節約と転換が進みました。この結果、海上輸送の需要は大幅に減退し、それに伴う世界的な船腹過剰は総保有船腹量の二割に上っております。このため、新造船の受注は五十八年に比べ約半分に急減し、手持ち工事量は経営の安定に必要な一年分の工事量を割り込んでおります。
 また、船価も一時的に需要が回復した五十六年当時に比べ約四〇%下落しております。加えて、最近の急激な円高の進行に伴い韓国との船価差も拡大し、このことが我が国の受注激減に拍車をかけております。さらに、雇用情勢についても、中長期的には三〇%程度の労働力が過剰と見込まれております。造船業界としてもこの過剰人員を離職に追い込まないよう配置転換、出向等で吸収すべく努力を重ねておりますが、自主努力だけでは吸収できない人員が相当数に上るので苦慮しているとのことであります。
 次に、我が国鉄鋼業の実情であります。G5以降の急激な円高で鉄鋼各社とも輸出面で大幅な減収を余儀なくされております。また、国内においても輸出産業の不況に伴う鉄鋼需要の減少によって減収、減益を呈しております。粗鋼生産量は四十七年度以降一億トン台で推移しておりましたが、六十一年度は九千六百万トンに落ち込み、さらに六十五年度には各社では九千万トン程度に減少すると推測しております。また、生産量の減少は設備、雇用の余剰や操業度の低下によるコストの上昇をもたらしております。さらに、最近の円高で国際競争力が一層落ちているのが鉄鋼業界の実情であります。
 このため、鉄鋼各社とも雇用調整助成金の給付適用、他業種への応援、派遣、出向あるいは一時帰休などの雇用対策を初め、合理化の推進、原材料価格の引き下げによるコストの引き下げ、新規事業分野への進出などの企業努力をしております。しかしながら、新日鉄に見られるように大規模な合理化計画が出てきており、今後は、現在稼動中の高炉三十八基のうち五基以上の休止が予想されるとのことであります。
 次は、造船・鉄鋼業の雇用問題であります。今年の一月末現在、県下の造船関連離職者は約六千七百名を数え、そのうち再就職した者は八百五十四名で、就職率は一二・七%にとどまっております。特に企業城下町である因島、尾道、呉地区における求職手帳所持者の就職率は平均を下回り、八ないし一〇%の極めて低い就職率となっております。また、県下における鉄鋼企業は四社ありますが、全部で五百三十名の余剰者が生じており、そのうち百八十名が出向しております。このような厳しい雇用状況に対応するため、雇用保険給付日数の百二十日延長、特定離職者に対する厚生年金受給年齢の五十五歳への引き下げ、技能転換の難しい高年齢者対策に対する格別の配慮、助成率引き上げの暫定措置の最低三年間の延長や休業措置の適用条件に関する暫定措置の恒久化等雇用調整助成金の制度運用の拡充、職業転換訓練所の特設等鉄鋼業所在地域における雇用創出、安定化施策の充実等について要望がありました。
 次は、下請中小企業の実情であります。まず、造船下請の仕事量は好況時の三分の一以下となっており、受注単価も前年同期比で二〇ないし三〇%も下落しております。このため、従業員の減員が相次ぎ、従前の三分の一以下となっております。造船下請にあっても、事業の多角化や新分野の開拓等の事業転換を必要としておりますが、具体的な転換の業種が悩みであるとのことであります。なお、国の施策に対しては、利子補給や返済猶予措置、あるいは官公需の優先的発注等についての要望がありました。
 次に、伸鉄業については、最近の出荷量は四十八年の好況時に比べて、一六%にすぎず、このため、産地企業数も四十八年当時の五十四企業が十四企業に減少しております。また、やすりや針の製造業は急激な円高によって生産量はいずれも大幅に減少しております。このため、やすり製造業の組合全体では百人程度の人員削減が行われ、針製造業にあっては半数の企業が雇用調整助成金の対象となっております。なお、円高が現在の状況で推移する限り転・廃業を考えざるを得ないとの意見もあり、為替レートの適正水準の回復と安定化についての強い要望がありました。
 次は、地域経済の実情であります。広島県は造船、鉄鋼といった企業城下町や円高で打撃を受けている針、やすり等の輸出産地を抱えており、これら特定業種の事業活動が地域経済に相当なウエートを占めているため、工業生産の急激な落ち込みにより地域経済は多大な影響を受けております。また、雇用情勢も昨年一月以来、約六千七百名の造船関連離職者が発生し、有効求人倍率は広島県全体で〇・五ないし〇・六倍、一部の地域では〇・〇三ないし〇・〇五倍となっております。このような事態に対応するため、県では産業活性化対策推進本部の設置、公共事業の拡大と早期執行、中小企業金融の安定的確保、離職者の職業訓練等雇用安定対策を実施するとともに、中長期的には現存産業の技術の高度化、先端技術産業の導入、内需型産業の育成等に努めているとのことであります。
 なお、産業構造転換円滑化臨時措置法に基づく特定地域の指定、地域雇用開発等促進法に基づく特定雇用開発促進地域として呉、尾道等の公共職業安定所管内及び緊急雇用安定地域の指定、新広島空港の早期整備等大規模プロジェクトの整備促進、六十一年度総合経済対策としての公共事業の重点配分、特別交付税による財政措置等についての要望がありました。
 以上のほか今後の対応の問題として、急激な円高を原因として造船や鉄鋼等の業界の苦しい実情がその結果として生じている。仮に今後とも急激な円高が続くならば日本は大きな困難に直面すると思われる。したがって、円高をある程度の水準に落ち着かせる努力をしてほしい。また、世界各国が積極的に研究開発に取り組んでいる中で、日本の高い工業水準が今後とも維持できるかどうかは、社会資本の充実や国民の勤勉性にかかっているとの意見がありました。
 以上、公述人からの説明や要望に対して派遣委員から、造船業等企業城下町に対する県の地域対策、造船・鉄鋼業界の今日の事態に対する予見とその対応策、内需振興・社会資本の充実に対する財源問題、新企業城下町法に対する新たな要望事項、鉄鋼・造船業界の国際競争力に対する展望、中小企業者の売上税に対する考え方等についてそれぞれ質疑が行われました。
 次いで、午後は呉市にある鉄鋼・造船企業を視察いたしました。
 まず、日新製鋼株式会社員製鉄所は高炉二基を有し、年間約三百万トンの粗鋼を生産する素材供給センターであります。従業員は二千八百七十名で他に協力会社二千三百六十名の合わせて五千二百三十名が働いております。最近の厳しい状況下で六十一年度上期の中間決算は、売上高は前年同期で一二・四%のマイナスとなっております。このため、省エネルギーの推進、歩どまり原単位の向上、各社への出向等合理化計画を進めているとのことであります。なおこれらの諸施策は労使一体となって推進しており、このような対策が協力会社へしわ寄せが行かないように技術の向上、要員の再効率化を労使双方の協力のもとに進めているとのことであります。
 次に、株式会社神戸製鋼所呉工場は舶用プロペラ、船体部品、砕石機械等を生産し、従業員は四百三十名であります。各部門とも最近の造船不況等で仕事量は大幅に減少し、このため、余剰者の流動配置や一人当たり二ないし三日の休業等で対処しているとのことであります。なお、今後の見通しとしては、造船や一般機械の厳しい状況からして、舶用プロペラの生産中止や砕石機械部門の高砂製作所への移転等を現在検討中とのことであります。
 最後に、石川島播磨重工業株式会社呉工場は二基の建造ドックと世界最大級のジブクレーン等を有し、大型船から特殊船までを建造している工場であります。従業員は二千三百名でありますが、最近の急激な円高による受注激減の結果、全社で七千名の余力人員が発生しているとのことであります。このため、呉工場の新造船能力の縮小や相生工場における新造船設備の休止、縮小等の対策を実施しているとのことであります。なお、今後は成長部門である航空・宇宙部門にウエートを移していくとのことであります。しかし、船舶部門から撤退するのではなく、一般商船は呉地区に集積していく方針とのことであります。
 以上で報告を終わりますが、今回の調査を通じて感じましたことを若干申し上げます。
 西脇市の播州織産地や広島県下の造船、鉄綱等の企業城下町は最近の急激な円高によって大変厳しい環境に置かれております。しかし、この中にあって、企業や労働者は真剣に体質改善に取り組んでおります。また、地方自治体や経済団体等も地域の活性化を図るための諸施策を講じております。ところで、最近の円高不況はますます深刻の度合いを強めており、このような状況が続くならば我が国の産業や地域経済は壊滅的な打撃を受けることにもなりかねません。したがって、我々としましても、関係者の要望を今後の調査に十分生かし、有効適切な対策を樹立する必要性を痛感した次第であります。最後に、調査に当たり御協力をいただきました現地の関係各位に厚く御礼申し上げます。
#7
○会長(浜本万三君) ありがとうございました。
 以上で派遣委員の報告は終わりました。
    ―――――――――――――
#8
○会長(浜本万三君) 次に、調査報告書の提出についてお諮りいたします。
 本調査会は、毎年、調査に関する中間報告書を議長に提出することになっております。
 理事会において協議の結果、お手元に配付の「産業・資源エネルギーに関する調査報告(中間報告)書案」がまとまりました。
 つきましては、本案を本調査会の中間報告書として議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○会長(浜本万三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、字句の整理等が生じました場合の取り扱いにつきましては会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○会長(浜本万三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 なお、ただいまの報告書に関し、神谷君より文書が提出されております。
 これを本日の会議録の末尾に掲載することとし、その扱いにつきましては会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○会長(浜本万三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#12
○会長(浜本万三君) この際、お諮りいたします。
 ただいま提出を決定いたしました調査報告書につきましては、議院の会議におきましても中間報告をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○会長(浜本万三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#14
○会長(浜本万三君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 産業・資源エネルギーに関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○会長(浜本万三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○会長(浜本万三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#17
○会長(浜本万三君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○会長(浜本万三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後零時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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