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1947/09/29 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 決算・労働連合委員会 第5号
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1947/09/29 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 決算・労働連合委員会 第5号

#1
第001回国会 決算・労働連合委員会 第5号
  付託事件
○國家公務員法案(内閣送付)
○國家公務員法の規定が適用せられる
 までの官吏の任免等に関する法律案
 査(内閣送付)
――――――――――――――――
昭和二十二年九月二十九日(月曜日)
   午後二時二十五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○國家公務員法案
○國家公務員法の規定が適用せられる
 までの官吏の任免等に関する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(下條康麿君) これより委員会を開きたいと思います。岩間君に申上げますが、齋藤國務大臣は行き先が分らんのでつかまらんのですが、どうぞ又の機会に願います。
#3
○吉川末次郎君 それではたびたび発言するようですが、一般的なことに関連いたしまして、ちよつとお尋ねいたしたいと思うのであります。
 それはちようど先般来繰返したびたび私が齋藤國務相に、この法案に関連いたしまして、この法案の持つておるところの基本的な欠陷として質問いたしました。アメリカで官界に政党の勢力が波及するということ、即ち役人の地位を政党の力によつて分取りするというスポイル・システムの排撃のために考えられた制度が、全くそれと反対な立場にあつて、政党の勢力をむしろ官界に浸透さして行くところのことがもつと考えられなければならないところの日本の現在の状態において、極めて翻訳的な、直訳的な、それも間違つた直訳的な立場で日本にこれが直輸入されておる。非常に批判力が欠如しておるというようなことについて、先般來たびたび齋藤國務相の御答弁を促したのでありますが、ちようど私が取上げて御質問いたしておりますことと同じようなことが、その後読賈新聞に、東京大学の若い先生、何という人でありますか名前は忘れましたが、助教授か何かの人が、同じようなことを書いていられるのを見たのでありますが、その人が書いている論文を読みまして思いついたことなんであります。これ又実は私が私見として以前から考えておりますことであつて、同時に個人的に片山首相にも話しておつたことなんでありますが、役人が官という言葉を使うことであります。例えば事務官であるとか、書記官であるとか、或いは人事官であるとか、そういう官という言葉でありますが、これは大臣という大きな「けらい」という言葉と同じように、私は漢学者が何と言うか尋ねて見たいと思うのでありますが、語源的に考えて見ますると、それはどうも宮廷政治の言葉じやないかと思うのであります。大臣とか、或いは何々官というような言葉は、これは民主主義を政治の基本的精神として進まなければならないところの新憲法治政下の日本におきまして、この際、こういう言葉は宮廷政治の言葉であり、專制政治の言葉であるというような建前から変える必要があるのじやないかと思うのであります。そういうことについての本当にこれは懇談会の茶話のようなことになりますが、それについての一つ御答弁が承わりたいと思うのであります。
#4
○政府委員(前田克己君) 本法案の施行によりまして、國家公務員は職階制に從い職種及び等級に区別をせられることになります。從つて現在の官吏、雇傭人のような区分、或いは一級官、二級官、三級官とこういう区分もなくなることになります。それでは各公務員が何というて呼ばれるかといいますると、結局職種及び等級に格付けをされまして、何職種の何等級、大体そういう呼び方になると思うのであります。あまりぎごちない呼び方でありまするから、何らかそういう観念を現わす別の名前を考えるようになるかも知れませんが、そういう呼び方になりまして、從つて今御質問の如く從来の事務官、技官、教官というような、そういう呼び方はなくなるものと考えております。ただこれと並行いたしましてやはり局長課長、係長というのは、これは官の名称でなく、いわゆる職の名称でありまして、組織上の位置を現わす名称でありまするから、こういうものは残ると思います。更に大臣、次官等に至りましては、現在これは官の名称であると同時に、職の名称でありまするから、職の名称という意味で、大臣、次官というものは残る。こう思います。ただ大臣、次官という呼び名が、外がそういうふうに変りましたときに、いよいよ旧時代のもので不適当ということになりますれば、この呼び方も何か別の呼び方を考えなければならんと思うのであります。全体的には官という呼び方はなくなるものと御承知を願つて結構と思います。
#5
○吉川末次郎君 そうすると、この公務員法案の中には人事官という言葉が使われておりますが、私が意味しておるのは、御答弁はどういう意味であつたか知りませんが、人事官というこの法案それ自体に使われておられる官という言葉をなくしたらどうかということをお尋ねしておるのであります。又片山総理大臣に茶話的に実は話しておつたことの大臣という言葉についてでありますが、総理大臣という言葉は新憲法の中に使われておるのでありますから、これは憲法改正をしなければならないとも考えられるのでありますがただ併しながら大きな家來というような言葉は如何にも民主主義に合わない言葉であつて、これを英語に訳してミニスターとか、プライム・ミニスターというような言葉を使つておられるときには、イギリスのミニスターというような言葉と同じように、これも起源を調べると多少サーバントというような意味もあるようでありますが、大して変に思わないかも知れませんけれども、大臣という、家來という言葉から受ける言葉それ自身が持つております印象は、あまりにどうもミニスターというような言葉或いはセクレタリーという言葉に比べて宮廷政治的であり非民主主義的であるというように感じられるわけであります。人事官の官という言葉は、この中にありますが、これはどういう意味ですか。
#6
○政府委員(前田克己君) 大変屁理窟を申しますようですが、今私が申しましたのは、國家公務員法案の適用の対象となる職員が只今のような呼び方になるということでありまして、公務員法の適用を受けません特別職というものにつきましては、一應その観念が当嵌らないわけであります。從つて人事官もこの法律の規定から言うと、やはり特別職になりますので、只今私が申しました説明は一應当嵌らんでも構わんということが言えるのでありますがこの法律の適用がなくとも、官というような名称が不適当である、こういうことは只今の大臣、次官に対する御所見と併せまして、尚将來の問題として考究いたしたいと思います。
#7
○小野哲君 いずれは各條についての御説明があることと期待いたしておりますので、その際に又質問の機会をお與え願いたいと存じます。本日は大体において前回來の総括的な質問の延長のようにも考えられますので、私から一、二の点について質問をいたしたいと思います。先ず第一は、この法律案を読んで見まするというと誠に詳細な規定が設けられておりまして、又法律の立て方も新らしいやり方が織り込まれておるようにも見受けられるのであります。ただこの法律が國家公務員法という名称を與えられ、又國家公務員に適用がある。こういうように考えられるのでありますけれども、國家公務員とは一体何であるか。國家公務員の意義が、この法律を読むだけでは明瞭を欠いておるのではないか。特に憲法には公務員という言葉が使われておりまするし、又公務員の中には、單に國家公務員ばかりでなく、地方の公務員をも包含しておるものと私は了解いたしておるのであります。さような場合において、この法律が國家公務員を取上げて特段なる規定を設けられておるという趣旨から申しますというと、この法律案の中に國家公務員としての意義を明確にする必要があるのではないか。第一條、第二條、特に第二條は、一般職と特別職とに分類するということを掲げられまして、「一般職は、特別職に属する職以外の國家公務員の一切の職を包含する。」こういうことになつておりまして、消極的にはこの法律の適用を受ける一般職は、特別職以外のものだということで、何となく分るような氣がいたすのでありますが、さて然らば公務員とは何ぞや、國家公務員とはどういう身分、どういう資格を持つておるものであるかという内容的な問題になりますというと、意義がぼんやりして來るのではないか。こういうような氣がいたすのであります。この点について、この法律案の中に、折角定義的な言葉が各所に散見いたしますに拘りませず、本当の國家公務員の定義を掲げることをいたされなかつた理由、並びに國家公務員の意義についての御説明を願いたいと思います。
 次は第二でございますが、この法律案を見まするというと、その重要な部分が、人事院の構成内容にあるようにも思うのであります。人事院が総理大臣の所轄の下に設けられまして、各省全般に亘る人事を綜合的に担当する從來の官制通則に基きましたやり方から、一歩前進いたしまして、いわゆる國家公務員全体に通ずる人事に関する事務を所掌する。こういうことに相成つておるのでありまするが、一体今囘設けられようとする人事院はどういう性格を持つておるか。官廳組織の中において如何なる地位を與えられておるか。この点についての明快なる御説明を願いたいと思います。
 尚第三点といたしましては、前囘におきまして、この法律案を通じて各所に人事院規則に委任される規定が多いのであります。先般政府委員はこれが内容については、いずれ適当な機会に口頭で以て説明をされるということを伺つておりますので各個々の人事院規則案の内容につきましては、その際に讓りたいと存じますが、この人事院規則というものは、法令上の関係において如何なる性質を持つておるか。例えて申しますると、この國家公務員法案の施行に関連いたしまして、かかる公務員法の規定が適用せられるまでの官吏の任免等に関する法律案が併せて付託されておるのでありますが、この法律案の附則第二項によりますというと第一項中「國家公務員法第十六條の人事院規則」とあるのは、昭和二十三年六月三十日まで、即ち人事院ができ上りますまでは「政令」と読み替えるものとして、「その政令は、」云々と、こういうふうになつておるので、これと彼此照合いたしますと、人事院規則というものは、政令と同じ効力を持つておるものだ。法令の中におきましては憲法上政令たる地位を持つておる。こういうふうに解釈されるのであります。そういたしますると、この法律の中で人事院規則に委ねられておることが非常に多いということと、人事院規則が政令と同等の資格を持つておるということを考え合せますというと、人事院規則そのものは、誠に重要な使命と意義とを持つておるように私は考えられるのであります。從いましていずれ逐條説明の際に、個々の規則案内容についてはお話があろうかと存じますけれども、さような意味合において人事院規則というものの性質如何、これについて御答弁も伺いたいと思うのであります。
 尚これも人事院規則との関係でございますが、例えば第二條の第十二号でございますが、「現業廳、公團その他これらに準ずるものの職員で、法律又は人事院規則で指定するもの」、こういうふうになつておりまして、こういうふうな点から考えますと、人事院規則は政令とは言いながら殆ど法律と同じような力を持つておるのではないか。法律でも決められれば、人事院規則でも決めてよいという大変幅の廣い行き方をしておるように思うのであります。從いまして先般政府委員から、人事院規則は大体法律に規定しなくてもよいような執行に関する、言い換えれば、大体において細かいことを規定するのだ。こういう御説明がありましたが、必ずしもそうではない。相当重要な程度の内容を持つておるのではないか。かように考えられまするので、先程申しました人事院規則の性質、政令との関係並びに法律によつて制定しなきやならないようなものが、人事院規則でも定ゆられるような途が開かれておるのではないかという私の疑義に対しまして御説明を願いたいと思います。
#8
○政府委員(前田克己君) 先ず最初の御質問の國家公務員というのはどういうふうなものであるか。又それの定義を何故法律案の中に書かなかつたか。この御質問であります。公務員という言葉は憲法にも用いられておりまして極めて廣い意味を持つておるものと解釈するのであります。結局私どもの考えておるのでは、公務と言えばそれは國家の公務であるか。或いは、地方の公務であるか。このいずれかに属するものではないか。こう考えるのであります。從つて公務という場合の定義におのずから明かなもので、別箇に特にこれについて細かい定義を與えないでも苟くも公務と称せられておるものは、地方公務員に属しないものは全部ここへ入るのだ。そういう意味で特別に定義を掲げなかつた次第でございます。それではその國家公務員というのは、結局説明をすればどういうことかと申しますれば、言葉を繰返すようになりますが、國家の公務を担当することを以てその本來の職務内容とする職員を言う。かように言うと思うのであります。從つてその範囲は極めて廣汎でありまして、本來ならば國会議員もこれに入ると思うのであります。又國会議員につきましては、その職務の性質から申しまして、この法案の目的とずるようなところとは全然別の範囲に属するものでありまするから、特に第一條で定義の中から外したような形にしておるのであります。観念的には入つて來るもの、かように考えるのであります。その外例えば公團の職員というようなものは、公團法の性質が極めて難解でありまして、これが國家公務員であるかどうか。相当疑問がありまするが、この場合はむしろ立法的に明文を設けましてこの法案に一應入るものとして扱つておるわけであります。
 それから第二の御質問に移りまして人事院の性質、地位如何というお尋ねでありました。人事院はこの法律の第三條に明示されておりまするように、法律の完全な実施を確保し、その目的を達成するため、内閣総理大臣の所轄の下に設置される官廳であります。ただ官廳ではありまするがこれに対する要求といたしましては、人事行政の構成独立を図りますために、全体的に可な力独立的な地位権限を認められておるのであります。しかしながら一方憲法の七十三條におきましては、内閣は「法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理する」こういうふうになつておりまするので、全然独立官廳とすることは憲法上許されないところであります。人事院も内閣を代表する内閣総理大臣の所轄に属せしめまして人事官は内閣によつて任命をされる。人事院規則は総理大臣の承認を得て制定をする。かようにいたしておるのでありまして、飽くまでこれは総理廳に属する一つの外局であります。從つてこれを代表する大臣は、行政大臣としての内閣総理大臣、かようなことになるわけであります。
 それから人事院規則についてのお尋ねでございました。これは先般來申上げましたように、只今申上げました人事院の法律上の性格と呼應いたしまして、あたかも会計檢査院が会計檢査院の規定を制定いたしますると同様に、独立の規則の制定を認めたものであります。ただ只今の憲法の関係から、総理大臣の承認ということを以て内閣との繋がりをつけておるのであります。その関係を除きますると、やはり人事院の半独立的な性格に呼應いたしまして、法律の施行をなすために、みずから規則を制定する権限を持たしているわけであります。從つてその限りにおきましては、これは政令にも代る力を持つておるわけであります。問題は、人事院規則への委任が相当多いではないかと。それから見方によつては、その内相当重要な事項もあるように思うというお話であります。これは後刻個個の場合の人事院規則の内容を御説明いたしますれば、御納得が行くと思うのでありまするが、大部分が極めて施行細則的な、且、極めて技術的なものでありまして、さ程重要な権限がこれに属せしめられておるということはないと考えております。ただ所によつては、法律又は人事院規則というような言い方をしておつて、法律と匹敵するような、なにか内容も決め得るのではないかという御疑問であります。これは從來外の法律にも、法律又は政令というような言葉使いがありまして、事の軽重によつて法律により、或いは政令によりと、その場合に当るのでありまして、法律で決めるべきような重要事項を人事院規則で定めるという考えは持つておりません。
#9
○小野哲君 只今政府委員からの御答弁がありましたが、その中で、國家公務員の意義並びに範囲の問題につきましては、勿論さような考え方でこの法律案をお組立てになつたものと了解いたすのでありますが、ただ國家公務員に対して、特にその中の一般職に対しての準拠法規になつております。そのために、然らば憲法のいわゆる公務員が、國家の公務及び地方の公務、双方が包含されておるというような点から申しますというと、國家全体といたしましての人事行政と申しますか。或いは人材を適正に活用して行くという面から申しますというと、なにか國家公務員法を作ることによりまして、非常に狭い枠を立てまして、從つて從前の如く、……或いは從前は少し廣過ぎたかも分りませんけれども、中央と地方との間の人事の交流その他によりまして、常に清新な氣分を注入しつつ、人事の刷新をはかるような体制ができなくなりまして、國家公務員法によるものは、極めてその枠の範囲内においてのみこれを取扱われると。從つて地方に関する公務員の点につきましては、何んらよるべき準拠法がないというような印象を受けるのであります。從いまして、仮に國家公務員については、この法律を適用するんだということで行きました場合において、地方のいわゆる公吏に属すべき者に対しては、どういうようなお取扱をされる積りであるか。この点を伺つておきたいと思うのであります。
 尚序に人事院の問題についても、只今御答弁があつたのでありますが、從來並びに今囘の内閣法なり、或いは官廳組織法の観念から申しますというと人事院の地位というものは、勿論内閣総理大臣の所轄の下に設けられることであり、この法律の施行のために、政令に匹敵する人事院規則を制定し得る能力なり、権限を持つておると考えられるのでありますが、尚明確を欠くような点があるのではないか。特に只今の御説明によりますれば、総理廳に属して、その外局的な存在である。こういうふうな御説明があつたのでありますが、そういたしまするというと、内閣総理大臣のむしろ所轄というよりも管理に属すべき官廳ではなかろうか。そういうふうな氣がいたすのであります。特にこの法律案に、所轄という言葉をお使いになつたのは、どういう理由からであるか。この所轄という言葉が使われることによりまして、或いは会計檢査院的な存在を明かにするという意図があるようにも見受けられるのでありますが、総理廳の外局であるという点から申しますというと、從前の外局の管理、或いは今日においては法律によつて規定されるのでありますが管理という言葉の方が妥当ではないか。これは言葉の問題でありますが、この取扱い方を、使い方をお変えになつたのは、どういうふうなお心組からであるか。この点を伺いたいと思います。尚又人事院がさような半独立的な強い存在並びに地位を認めておるということになりました場合において、各省大臣が持つておりまする人事権との関係、言換えれば、各省大臣の権限と人事院の権限との間に運用上の点について、どういうふうな方法で以て調整をされようとしておりますか。勿論任命権者というところに、いろいろと所要の事項が掲げられておりますが、根本的な権限の問題として、どういうふうな調整方法、並びにこの関係が予想されているか。この点について承りたいと思います。
#10
○政府委員(前田克己君) 先ず國家公務員についてだけ法律を規定して、地方團体の公務員についての法的規制がないと、中央地方の人事交流というようなことも困難になるではないかというお尋ねでございます。この点につきましては、地方から非常にそういう要求或いは考慮があり得るのであります。併し又他方から考えますると、新憲法の運用といだしましては、地方公共團体に完全な自治権を認めておるのでありまして、從つてその吏員に関しましても、國家が法的にどの程度に立入つて規制するのが適当であるかどうか。多分に檢討を要するものであります。この点につきましては、もう少し諸般の事情を見究めまして、研究の上或いは大枠だけを決める。地方公務員法というようなものを制定するかどうか決めたいと、かように考えております。
 それから内閣総理大臣の管理でなく所轄という言い方の問題でありまするが、これはやはりこの人事院の性格から考えまして、こういう所轄という言葉を使いましたのであります。通常の外局程、総理大臣が完全に管理しているものでないという意味合が表現されておるものと、かように御了承を願いたいのであります。
 次に各省大臣との権限の調整でありまするが、これは私共の考といたしましては、任命権というものが各省大臣に存置されておるのでありまするからその点につきましては、現在以上に各省大臣の権限に牴触するような問題も生じないと思うのであります。ただ各種の基準の制定権、その外人事院規則等を通じまして、各省の人事行政を相当に制約する部面はあると思います。この点は実際の運用の問題といたしまして、特に法律上規定を置きました。この人事主任官会議、これらの方法を以ちまして連絡及び協力に遺憾なきを期したい。かように考えております。
#11
○小野哲君 甚だ恐縮でございますがもう一点私から伺いたいと思うのでありますが、只今地方公吏の取扱については、別途愼重に考慮したい。こういうふうな御答弁でありますが、私がこの点について人事の交流のことを申上げましたが、これは單にいわゆる從來のような人事交流の周題でななくしてもつと実質的な面における地方中央のお互に人材が公務のために奉仕する。こういうふうな意味合での人事の交流であつたのであります。特に現下の如く各地に職員組合ができておりまするし、又官公廳の職員組合は中央において一つの連合体を持つております。從いましてその勤務條件であるとか、或いは給與の問題であるとかというものは、仮に法律的な規制がありませんでも、恐らく中央地方はお互に実質的に相通ずるものがあるのではないか。かようにも考えられるのであります。然るにその給與であるとか、勤務條件というものは、やはり公務員である限りは公務員たる身分に應じまして、不可分の関係において考えられなければならない問題でありますので國家公務員のみについての法律の規制を設けることは決して妥当ではないので同時にやはり地方公吏につきましても、その生活の保証その他から考えましても又一面労働組合法による職員組合が殆ど結成されておる現状から申しましても、これら職員のためにも、やはり法律に根拠を置きました準拠法規が制定されることは、却て望ましいのではないかというふうな氣がいたすのであります。これらの実際上の問題について、如何様にお考になつておりますか、この点を実は伺いたいと思います。
#12
○政府委員(井手成三君) 地方公共圃体の吏員につきまして、あまり一律な國家的な規制をいたしますのは、自治権という建前から如何かと思うのであります。又他方から考えますると、只今仰せになりましたように、やはり國家的の法制の下に相当の保護や権利を保障するということも確かに必要なことと考えられます。御意見よく拝聽いたしまして、できるだけ御趣旨に副いたい。こう考えます。
#13
○岩間正男君 この公務員法案の最も骨幹となるものは、人事院と職階制だと思うのでありますが、この人事院のことにつきまして質問したいと思います。
 先ず第一に人事官でありますが、人事官の人数が三人であると、これが非常に少数に過ぎないか。この少数の決定によつて、而もこの権限が非常に厖大なものでありますが、ここに一つの民主的な方向に対して危險を生じないかという点であります。更にこの人事官の権限が先に申しましたように、各般のことに亘つて殆ど人事に関するところの絶対権を持つような廣汎なものである。これに対してこの人事官の罷免に関しては、僅かに内閣総理大臣の訴追による彈劾権、こういうものによつて罷免される形になつておるのであります。併しながらこういうような形においては果してこれは人民の公吏である公務員、その元締であるところの人事院そのものが、果して人民の意思を反映するような適当な機関たり得ることができるかどうか。そういう点について、ともするとここに独裁的な一つの新しい権力の発生が現在から予想されておる。こういう点について、この人事院そのものが、もつともつと民主的な構成をなされなければ、恐らく現在におけるところのまだ十分に民主化されないところのこの日本の公務院の人事においては、非常なそこに幾多の不正、混乱が発生する虞れを考えることができるのであります。この点について人事院の権限があまりに過大に過ぎないか。更にその構成の仕方が民主的でないという点について、これはどういうような一つの見解を持たれるか。先ず伺いたいと思うのであります。
 それから第二点としまして、これは先程も述べられたところでありまするけれども、この人事院規則、この制定がこれは人事官の権限に属する。而も恐ろく具体的ないろいろな重要な問題は、この一項の中に全部集約されておるというような形で、そうしてこの國家公務院法案はここに提出されておるそこでこれがこのままで仮に通過したその場合に、後で人事院の権限の独断的な発動によつて、つまり人事院そのものに都合の好いところの規則というものが作られる危險性が非常に多い。こういう点について人事院の規則そのものの内容というものが、相当これはこの会議において究明されていなければ、これがすでに過ぎ去つた後において、独断的に構成されるような危険を非常に持つものであります。こういう点について或種の拘束を本法案においてなす必要がないかという問題であります。更にそれと連関して、その一部分のことになりますけれども、例えば例を取りますと、事務総長の決定の仕方、こういうようなものはこの法案において何ら規定されておりません。併しながらこの事務総長そのものは、これを從來の官廳の運営の仕方から考えてみるときに、これは恐らくこの事務運営の主体を握るものと思われるのであります。殊に人事官が三名に過ぎない。こういうような過少な数を以てこの人事官会議が構成されており、その中に事務総長が幹事という職責でそこに同席するのでありますが、その場合において、恐らく実際的な事務の力は事務総長に握られるのではないか。そこで、この人事院の構成の中にこの事務総長の位置というものは、非常に重要な大きな役割を持つて來ることになるのでありますが、これに対して事務総長の決定は恐らく、これには明示されておりませんけれども、人事院規則の中に包含されて行くような形になる。そうすると、こういう所からやはり不徹底な姿が出て來るのでないか。同じことはこの人事腕の職員の構成というようなものについても、これは何ら明記されていないのでありまして、そのような一例を挙げてみても分るように、結局人事院規則なるものは、いわばこれは法律の、立法府の光の力の及ばない面において、独善的に自分に都合の好い親則が制定される可能性が相当多いと思うのであります。こういうところを総合して、考えてみるときに、この人事院そのものが、日本の民主化の中で今最も焦点として浮び上つておる。いわば國民との間にぎりぎりと対決を迫られておるような問題が、この官吏制度の改革そのものにあると思うのであります。この官吏制度の改革を人民の意思を強力に反映し、その最も欲する形においてこれを断行することがなかつたならば、日本の民主化というものは断じてできないと、私はこのように思うものであります。ところがこういうさ中にありまして、かくのような過大な権能を持つた人事院が而も不明瞭な一面を持つて発足するときに、ここに非常に危険が発生するのじやないか。つまり表面だけの民主化形式的な民主化、頬被りの民主化、つまり疑似民主化の形で今世上に晒されておるところの官僚の制度の弊害、こういう弊害に対して徹底的にこれを除去して、これを眞に民主的に政善するという方策を選ぶ前に、その前に形式的な一つのこのような技術的な改革を断行することによつて不徹底なものに終らせてしまう虜れが十分にある。そうして新しいところの、一つのこれ又新たなる官僚がここに発生して強大な人事権、公務員に対するところの人事権を掌握するという形において再び陷るものが今から予測されるように思うのであります。私はこれと連関して更にこの公務員諸君の今後の日本民主化の中にあつて、如何様な形にこれは改革されなければならないかという点についても、これと連関して論じたいのでありますけれども、今は議論でありませんので、取敢えず今の人事院の、さつき出しました三点の質問について御答弁を先ず願いたいと思います。
#14
○政府委員(前田克己君) 非常に重要な点の御質問でありまして、政府委員の答弁で御満足が行くかどうか分りませんが、一應所見を述べますと、先ず人事官の人数の点でありますが、これをもつと多数にして各方面の人を入れた方が民主的なる運営にいいという点でありまするが、ただこの人事院は矢張り一つの官廳でありまして、三人の合議制はとつておりますけれども、通常の諮問委員会のごときものとは異りまして、事務を執行いたしまするところの機関であります。從つてあまりこれが多数の人数を以ちまして会議体を構成いたしますると、どうしてもその議決手続等に時間も手間もかかることになります。又各自の責任の自覚というような点から申しましてもあまり人数が多くなつたときにはいい結果が期待し得ない虞れもあると思うのであります。尚又多数、この先般申上げましたように第五條にあるような適格者を集めるということは相当困難とも考えられまするので、大体先ず三人ぐらいが適当ではないか。かように考えた次第であります。それから人事院が非常に強大な権力を持つておる。この点でありまするが、これは法律の規定によりまして相当人事行政の統括機関といたしまして強い権限を持つておることも事実であります。又相当強大な権限を持たせることがこの機関設立の趣旨に合致するものと思うのであります。要はその権限の行使が民主的に行なわれるかどうか。この点が大切な点と思うのであります。この点については、或いは御所見が違うかも知れませんが人事官の選任の方法を政党によつて構成せられるところの内閣によりまして選任され、更に議会の議決を経てそれが任命せられるのでありまするから、國民全体の意思とそい違う人が任命されるということは予期しておらんのであります。その他小ざな問題かも知れませんが、人事院はその業務の状況については毎年報告をする。この報告が公表をせられるというような規定もありまして、こういう方面からも輿論の批到に晒されておるわけであります。次に事務総長以下職員の選任についてお話がありましたが、これは事務総長が相当事務運営の中心になることは事実と思いますけれども、この選任の方法につきましては普通の官吏の選任と同様の方法を考えております。で人事官につきましては第二條の規定の適用によりまして、特別職に属しますけれども、事務総長以下は普通の國家公務員として、この法案自体の適用があるのであります。從つてこの法案によつて規定せられておるいろいろな制約の下に、その任命が行われるのであります。全然勝手な任命が行われるわけではないのであります。そうして又一方これが選任に当りましては、当然その上官でありまするところの人事官の意思によりまして、人事官の使い易い人物が任命をせられることになると思うのでありまして、それ以外に更にこの選任方法につきまして、種々の條件を付けることは却て不適当ではないか。かように考えておる次第であります。そうしまして人事官の強大な権力の運営について、何らか民主的な方法を考えなければいかんという御趣旨と思うのでありますが、これにつきましては今後更に研究をいたしまして、場合によれば國民の意思を反映させるために諮問機関のごときものを設けることも別に禁止をせられておるわけではありませんから、或いはそういう方法も研究をいたしてよろしい。かように考えております。
#15
○岩間正男君 只今人事院の権限を強大ならしめる。そういうことが或意味では目的だというような御説明であつたのでありますが、これはまあ人事行政を的確ならしめるには、或程度そのことが考えられます。併しこれが現段階において、果してこの権限を強大ならしめるということは、日本の民主革命が一度或程度の決定を見て、それが途行せられて、そうしてこの國民、更に官公吏、こういう者が眞に民主化されるという段階においては、そういうような一つの中央集権的な民主原理というものも考えることができる。併し現段階における危險を單に形式的理論でやつて行くところに、危いところがあるのじやないかと思いますのは、現段階の官僚諸君を考えます。そうして今日官僚制度の弊害というものは、こういうところから発生するかということを具さに我々は考えるのであります。そうしますと先ず第一に権力関係である。從來の官僚制度は殆ど全部が上からの命令に対して絶体金縛りの形を取られて來た。自己の判断、自分の責任、自分の良心的な措置、それからその判断内におけるところの最もべストを盡すというような精神の喪失、こういうところからセクシヨナリズムが起り、無責任な責任のなすり合が始まつたのじやないかと思います。例えば今度の櫻堤の決壞の例をこの前も挙げたのでありますけれども、僅か一時間なり二時間なりの事前において、断乎とした措置をとれば、あの江東に起つたところの五十万の大衆を水害にさらすということがない。これを救済する途があるにも拘らず、ここに官僚のセクシヨナリズムのために、いわば政治力の貧困、官僚制度の欠陷が今日一つの日本の病毒として発生した。その結果想わないところの大不幸を見たのでありますが、こういうことを考えて見るときに、日本の官僚制度の中に何が欠けておるかということを考えると、官僚自身の自覚心、それから民主的な言論、基本的な人権に対するところの一つの憧れ、更にそれを拡充しようとするところの意欲、こういうものが欠けておつたということがはつきりしておると思うのであります。そうして若しもこのままでまだ、非常に不完全な面も民主化そのものは決して人から與えられるという形においては、これはできない。必ず自分自身の自覚的な行動つまり下級官吏ならば下級官吏みずからそのものの自覚的な発動によつて、これを獲得する意外に途はない。こういう段階におきましてここにまだその民主化の革命の段階が非常に單なる初歩に達しただけの段階におきまして、ここに厖大な人事院の権限が発生することによつて、恐らくこの官僚諸君の中に芽生えつつあるところの、一つの民主化への憧れというものは摘まれてしまうのではないか。私は官吏は官吏として最も良い官吏であるということも考えられますが、それ以前に先ず人間として、やはりこの立派な人間であるということが、基本的な條件ではないか。人民としての人民の機能を知り人民と同じ階級、人民と同じ列における一つの生活環境を持つて、それから與えられる所の官吏の職責を果すところに、そこに私は新しい吏道というものが起ると信ずるのであります。從つて現在の段階においてこの人事院が強力な権力を発生するというのは、その権力の下に再びぶち込まれて、域いはもつと以前より、もつと卑屈なところの官僚が発生するところの弊害が私は考えられる。こういう点から考える時にむしろこの人事院そのものの構成、それから後に、いろいろな官吏に対する制限があります。例えば服務に対する宣誓の義務、更に政治的な活動の制限に対する義務とか、その多くのいわば官吏の人権の方を削減するような方向の條項が沢山多いのでありますが、これと人事院との二つの連関において、これは果してこの公務員法案が今日の段階において、民主革命の段階において果して適切なものであるかどうか。この点について十分の思いを致さない時には、單なる形式的な一つの政善が、恐らく日本の公務員、官僚制度の根本的な刷新に当つて想わない蹉跌を來さないかということを考える者であります。そういう点でもう一つ今の人事院の権限というものを現段階においてどのように考えられるかどいう点について御意見を伺いたい。
#16
○政府委員(前田克己君) 現在の官僚というものは、未だ從來の強い官僚政治の域を脱しない。その頭の入替も十分できていない。新憲法によつて保障されておるような民主的な人権の尊重が欠けておるために、いろいろの弊害が発生しておる。そういう御所見であります。この法案の狙いといたしますところは、先般も申上げましたように今後の完了というものはいわゆる從來の如く政策の方面に頭を突込むようなことを止めて、極めて技術と、それから專門的知識を以て事務に從事しなければならん。そういう官僚制度を作り上げるのが狙いであります。先般機械という言葉はあまり適当ではないという仰せがあつたのでありますが、この法案によつて狙つております制度全体が一つの精巧な歯車の如く、或いは機械の如く動いて、それが如何なる政治勢力の下にありましても、又内閣の下にありましても、自由自在に廻轉をされて行く。そういう制度を作り上げるのが狙いであります。そういう制度を円滑に運轉する中央機構として人事院というものを考えておるのであります。で、その制度を動かすために、人事院に相当強い力を與えておるということも事実であります。併し全体的に民衆の意思、或いは國民の意思というものは、政策の部門を通じ、政党を通じ、議会を通じ、結局それらの基盤の上に組織立てられる内閣の下に表現せられるべぎものでありまして、官僚はその下において、忠実にその事務を執行すべき機構となるべきもの、これが考え方であります。從つてこの人事院の権力は、この法案に規定せられておりますところは、相当強いことは事実でありまするけれども、特別職によりまして相当上級の職員というものはその適用を外にされておるのであります。殊に事務次官の如きも、この特別職に加えられておるのであります。從つてどういう方面に十分國民の意思が反映いたしますれば、今後のこの國家公務員法の下におきまする官僚制度というものは、再び往年の如き各方面から非難のありましたような官僚制度が築き上げられることはないと考えるのであります。そういう官僚制度、狹い意味の範囲におきまする官僚制度を動かすためであるならば、人事院にこの程度の力を與えても別に弊害も起らない。かように考えておる次第であります。
#17
○委員長(下條康麿君) ちよつと申上げますが、行政調査部の浅井公務員部長が見えておりますので、職階制について御説明をして頂きたいと思いますが……。
#18
○岩間正男君 只今の発言に対しまして、尚齋藤國務相の責任ある答弁を願いたいと思うのでありますが、この次の機会に願いたいと思います。
#19
○政府委員(淺井清君) 職階制について御説明を申上げます。職階制と申しますることが、いろいろ取沙汰をされておりまして、この國家公務員法におきましても、この職階制ということをその基礎にいたしておるわけでございまするから、最も重要なる基礎観念の一つになつておかます。併しながらこれは決してむずかしいことではなくして、極めて簡單なことであろうと存じます。若しむずかしいことがありといたしますならば、これを実際に如何にして行くかという点に帰著するものと存じます。そこで先ず第一にどういうわけで職階制というものが採用せられ、なければならないかという要請について、一言で申上げますると、現在日本の官廳の内部におきましては一人々々の公務員が担当いたしておりまする事務というものは、科学的に正しく分つていないということに帰するだろうと存じます。勿論或官廳が、若しくはその官廳の一部の部分的な機構がどういう仕事を司つておるかと申しますることは、或いは官制なり或いは分課規程なりによつて明らかでございまするけれども、そこまでのことでございまして、一人々々の公務員が、どのような仕事を朝から晩までいたし、どのような仕事の流れにおいて、これを流しておるかということは明かにせられておらないのでございまするが、一体それでよろしいものでございましようか。官吏が國民の公僕でございまするならば、その官吏が能率が上つておるかどうか。どういう仕事の仕振りをいたしておるかということは、これは國民として無関心ではおれないと存じまするし、その官吏に支給いたしまするところの莫大なる給與というものは國民の懷から出るものでございまするのでタツクス・ペイヤーとしての國民といたしましても無関心であり得ないものでございます。そこでそういうことを明かにいたしまして、仕事の能率を上げて参るということが、この職階制の採用ということに相成つて参るのでございまして、要するに一言で申しますれば、一人々々の公務員の持つておる仕事を精密に分析をいたし、これを合理的に組立てるということに相成つて参ると存じます。ただ問題はどのようにしてこれを分類をいたし、どのようにして組立てるかということに帰着すると存じまするが、これは一つ碁盤の目のようなものを御想像願いたいのでありまして、要するにお手許に差上げてありまする資料にもございまするが、第一に職群及び職團一覽表というものが差上げてあると思います。それから第二に等級の定義というものが差上げてあるのでありますが、要するにこの二つが丁度碁盤の目の縦の線と横の線に交叉いたしまして、職階制が築き上げられるものでございます。
 先ず第一にこの職群及び職團一覽表を御覽願いたいのでありますが、つまりこの一番上にグループという表示がございまして、その下にセリーズという表示がございまするが、要するに現在の官廳の中で各人が担当いたしておりまする職務をこのグループという大枠、セリーズという小枠に分ければ大体かようになる。こういうことでございます。これは空に考えましたものではございませんで、行政調査部で実施いたしました三千四百人余を対象として試驗調査の結果やつたものでございます。即ちこの三千四百人の一人一人に調査表を配付いたしまして、毎日、朝から晩までどのような仕事をどのような仕事の流れによつてやるかということを詳細に書き出させまして、それを集めましてこのような分類にいたしたわけであります。そこでこの法案にありまするところの職種によつて分けるということは、要するにこの職群及び職團の一覽表による分類と相成つて参るのでありまして、職種と法案に申しておりますのは職群及び職團のいずれにも通ずる観念と御承知を願いたいと思います。即ち將來グループの程度に分けますか。或いはセリーズの程度にもつと詳しく分けますかは明白でございませんので、職種と申しておりますが、それはそのいずれにも通ずる観念と御承知を願いたい。即ち大体職員のやつております仕事がこのような種類に分けられる。つまり碁盤で申しますればこれが縦の線になつて來るわけでございます。ところがこれらの職種の中におきましても、各人が担当いたしておりますものは、極めて單純なる繰返し事務から、大きな局の局長として最も重要で困難な責任ある地位にある仕事をいたしておる者もあるわけであります。それがつまり碁盤で申しますれば横の線になつて現われて來るのでありまして、その等級の定義と申しましたものに一級から十四級に分つてこれを並べてございます。この横の等級と縦の職種の二つの分類が交わりました碁盤の目のようなものが職階制の基礎となるのでございまして、その職階制ができ上りますと、官吏の持つております地位というものはこの職階制のどこかの目に編入せられるわけになつて参ります。この法案で官職を格付けすると申しておるのはこのことでございます。そこで職階制と申しまするものは、大体そのようにして一人々々の公務員の持つておりまする仕事を明確に一つの職階に組織立てをする。これによつて官廳の内部が一つの流れ作業のように動いて行くという。こういうことに帰着するのであります。そこで問題はこのような職階制を採用いたすと、從來とどこが違つて來るかという点に帰着いたすのでございまするが、先ず第一に官吏の專門化と申すことが言われるだろうと思います。即ち政党政治が確立しまする今日におきましては、政治と行政というものは、これは正しく分離せられなければならないものでございまして、私共は政治に対して、行政に対する強き指導性と政治の躍進を期待いたしますると共に行政に対しましては、至誠と正義に対して從順なよき補助者たることを期待しておるものでございますからして、将來職階制が行政面に適用いたされますると、官吏は政治のよき補助者として專門化されて参ることになるわけでございます。そこで、從來の如くあらゆる部署を横に轉々いたしますることが出世ではなくして、一つの職種を、順次に下の一級から上へ上つて行くということによつて、その昇進の道を見出すべきである。これが只今の行政官吏の行くべき道ということになつて参るわけでございます。
 第二に、この職階制を採用いたしますることによつて、人事の公正ということが保てるだろうと思います。民主主義政治の下におきまする一つの要請は、私は公正ということであろうと存じます。この公正の観念を除き去りましては、一國の行政というものは保てないと存じます。
 そこでこの職階制が採用いたされますと、この職階制のどの職種にもどの等級にも、それぞれどれくらいの能力を持てばこの地位につけるかということが、正しく定義されて來るわけでございますからして、この能力の証明せられない者は、この地位にはつけないということになります。これがいわゆる試驗制度を採用するという意味でございます。試驗制度を採用すると言いましても、昔中國の人士を苦しめました科挙の制度の如き形にするということではございません。ただそれは、この法案にもありまするように、この職種と職群の地位につける能力を実証的に証明する。これが新しい試驗制度というものになつて参る。從つて情実による任命はこれを嚴に排斥するということが一つの要請でございます。
 第三といたしましては、給與というものがこの職階に結びついて参る、即ち仕事に相当した給與というものが與えられることになるだろうと存じます。但し、これはこの法案にも書いてございまするように、只今のような生活給というものを全然無視した観念ではございませんが、ただその基本となるところは、自分の仕事に正しく公正に判定せられた給與がついて参る。こういうことになるのでございます。
 大体、職階制を採用いたしまして、これを基礎といたしますると、そのようになつて参る。そうしてこのような科学的な、誰が見ても頷けるような公正な方法でこれらの公務員制度を動かして参る。こういう考え方がこの職階制に取つて現われて参るわけでございます。一面におきましてこの職階制というものは、アメリカにおいて採用せられました動機といたしましては、政党の猟官ということが極めて盛んになりまして、この弊害を除去するために採用せられたということもございまするが、それはいわば消極的な面でございまして、その積極的な面におきましては、只今申しましたように、一國の行政というものの能率を発揮いたし、公務員としてふさわしきものにして行く。こういう積極的な狙いも持つておるものでございます。極めて簡單でございまするが、職階制について御説明を申上げました、
#20
○委員長(下條康麿君) 只今の御説明に、お尋になることはございませんか。……ちよつと私伺いたいのですが今の職種に從わねばならんということは大変結構でありますけれども、他の方の種類は変らないのですか。
#21
○政府委員(淺井清君) それはできることになつております。それはこの法案にも書いてございます。
#22
○帆足計君 このグラフの横に数字が書いてございますが、これは何ですか。
#23
○政府委員(淺井清君) お答えいたします。この数字を見ますと、どの職種のどの等級であるということが整理いたされる。で職階制を実施いたしますると、多数のカードを坂扱うことにも相成りまするので、そういう便宜のために、この算用数字を以てこれを表示いたすことにいたしております。
#24
○吉川末次郎君 「パイロツト・スタデイを適用せるもの」というのはどういうことですか。
#25
○政府委員(淺井清君) お答えいたします。このパイロツト・スタデイは試驗調査でございます。つまりこの職階制を適用するかどうかということが問題になりましたときに、果してアメリカのような職階制度が、日本の官廳で行われるかどうかという可能性が問題になつたことは当然のことでございます。そこで先ず試驗調査というものをやります。これがパイロツト・スタデイというお手許に差上げました書類に書いてございます。そこに書きましたように、各省の中から適当なところを選びまして三千四百名くらいの人員に対して抜き試驗をやつて見たわけであります。そうしてその結果がここに現われたものになりまして、これによつて、大体日本の官廳の内部におきましても、職階制というものがやれるんじやないかという確信に到達したわけであります。それがいわば一種の抜き試驗でございます。
#26
○小野哲君 今淺井部長から御説明がございましたが、この職階制の内容の職群若しくは職團の一覽表がございますが、この國家公務員法の内容から申しまして、現業廳というようなものは除かれることになりますか。いわば國営事業のようなものは、從來は一般官吏と同じような法規によつて適用を受けておりましたが、今囘は一應これを外して別途のものでやつて行こう、從つてこの職階制は、主としていわゆる中央行政廳あたりにぴつたりと來るやり方ではないかとこういうふうに思うのであります。併しながらこのシステムがもし普遍的に適当なものであるとすれば、いわゆる國営事業の現業官廳等にも適用があつていいのじやないか、そういうような場合に、そのグループ、セリーズというような分け方を予想されておりますかどうか、恐らく御研究になつたかと思いますので、その辺のところをお漏らし願いたいと思います。
#27
○政府委員(淺井清君) 只今のところは、申上げましたように、現業廳は一應外しております。併しながら将來現業廳といたしましては、別途の法によりまして同じようなことが行なわれるのではないか。こういうように考えております。そういたしますと、只今お手許に配付いたしました職群及び職團については、いろいろ出入りができて來ると思いますが、ただ併し今申しました抜き試驗の資料として申上げたのであります。
#28
○委員長(下條康麿君) ちよつと伺いますが、一つの職種から他の職種に変るということは、三十四條のどれに当嵌るのでありますか。
#29
○政府委員(淺井清君) 三十四條を御覽願いますと、ここに「採用、昇任、降任及び轉任」の四種の場合を挙げまして、その定義を與えておるのであります。で、結局昇任、降任、轉任につきましては、眞正面からその定義を與えておりますが、昇任、降任、轉任以外の場合が全部採用であると、こういうことになつております。從つてここで申しまする採用というのは、從来使われておりましたいわゆる新規採用とは異なりまして、少しく新しい定義が與えられることになるのであります。即ち例えば昇任、降任、いずれの場合でもよろしうございますが、これはその官職と同一の職種に属する官職の上り下りが、昇任であり、降任であるのであります。從つて別の職種に参りまする場合には、これは採用ということに相成るのであります。それから先般もどなたかの御質問にお答えいたしましたが、ここで昇任と申しまする場合には三十七條で直近下級の等級の官職から、試驗で上る場合が昇任であります。從つて直近下級でない三級も四級も下からの官職から上に抜擢をされて上る場合には、それは昇任ではありませんので、採用となるわけであります。從つでここで使つておる言葉の採用ということば、從來使われておりました採用とは、大分意味が違いまして、少しく奇異な感じがするかも知れませんが、法律の規定としては左様になつております。
#30
○委員長(下條康麿君) ちよつと伺いたいのですが、そうしますと、例えば甲の職種で相当な地位に進んだ後において、他の職種に移つた場合には、下から行くわけですか。この等級はどうなるんですか。
#31
○政府委員(前田克己君) 結局上に行くか下に行くかということは、その空きました官職について、資格要件が細かに決つておりますから、その資格要件を満すかどうかという問題になります。そうして別の職種から他の職種へ参りまする場合には、只今申上げましたように採用ということになるのであります。で、採用は三十六條で競爭試驗によるというのでありまするから、その場合には、試驗を受けて、試驗に受かりさえすれば、或一定等級の官職に入ることができる。こういうことになるわけで、結局は試驗によつて一般原則としては決まる。かようになつております。
#32
○委員長(下條康麿君) 採用は下からでなくてもいいですか。途中でも試驗によつてなるんですか。現在の一級、二級の考えでいえば、二級官に直ぐに採用できるのですか。
#33
○政府委員(前田克己君) この三十五條で官職に欠員が生じた場合には、採用、昇任、降任又は轉任のいずれかの方法によつて職員を任命することができる。こうなつておりまするから、任命権者の方で普通の場合には、中途の官職でありますれば、昇任の方法による場合が多いと思いまするが、何等かの理由によりまして、廣く人を求めた方がいいというので、採用の方法をとりますれば、或いは相当上の官職に外部から新しい人が入る。或いは非常に別の職種の方から、或いは非常に下の方から人が採用ということになつて入つて來る。こういうこともあると思います。
#34
○委員長(下條康麿君) ちよつと速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#35
○委員長(下條康麿君) 速記を始めて下さい。
 一應連合委員会をこの程度に止めまして、両院の合同審査会が済みましたならば、引続ぎこの連合委員会を続けたいと思つております。さよう御承知を願います。決算委員の方だけちよつとお残りを願いたいと思います。これで連合委員会を散会いたします。
   午後三時五十五分散会
 出席者は左の通り。
  決算委員
   委員長     下條 康麿君
   理事      山下 義信君
   委員
           吉川末次郎君
           今泉 政喜君
           北村 一男君
           谷口彌三郎君
           深川タマエ君
           小野  哲君
           鈴木 憲一君
           伊達源一郎君
           帆足  計君
           山崎  恒君
  労働委員
   委員長     原  虎一君
   理事
           掘  末次君
           栗山 良夫君
   委員
           赤松 常子君
           山田 節男君
           荒井 八郎君
           紅露 みつ君
           竹下 豐次君
           早川 愼一君
           姫井 伊介君
           穗積眞六郎君
           岩間 正男君
  政府委員
   法制局次長   井手 成三君
   総理廳事務官
   (行政調査部総
   務部長)    前田 克己君
   総理廳事務官
   (行政調査部公
   務員部長)   淺井  清君
ソース: 国立国会図書館
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