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#1
第108回国会 予算委員会 第12号
昭和六十二年五月十五日(金曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     木宮 和彦君     福田 幸弘君
     野沢 太三君     本村 和喜君
     鳩山威一郎君     中曽根弘文君
     粕谷 照美君     青木 薪次君
     矢田部 理君     穐山  篤君
     鶴岡  洋君     及川 順郎君
     神谷信之助君     上田耕一郎君
     佐藤 昭夫君     橋本  敦君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     林健太郎君      上杉 光弘君
     喜屋武眞榮君     下村  泰君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         桧垣徳太郎君
    理 事
                佐藤栄佐久君
                原 文兵衛君
                降矢 敬義君
                村上 正邦君
                吉川 芳男君
                野田  哲君
                峯山 昭範君
                沓脱タケ子君
                橋本孝一郎君
    委 員
                石本  茂君
                上杉 光弘君
                梶木 又三君
                金丸 三郎君
                北  修二君
                坂野 重信君
                坂元 親男君
                下稲葉耕吉君
                杉元 恒雄君
                関口 恵造君
                竹山  裕君
                名尾 良孝君
                中曽根弘文君
                永田 良雄君
                林田悠紀夫君
                福田 幸弘君
                増岡 康治君
                本村 和喜君
                森山 眞弓君
                吉村 真事君
                青木 薪次君
                穐山  篤君
                稲村 稔夫君
                福間 知之君
                安恒 良一君
                山口 哲夫君
                及川 順郎君
                高桑 栄松君
                中西 珠子君
                上田耕一郎君
                橋本  敦君
                勝木 健司君
                秋山  肇君
                下村  泰君
                木本平八郎君
   国務大臣
       外務大臣臨時代
       理
       国務大臣     
       (内閣官房長官) 後藤田正晴君
       大 蔵 大 臣
       通商産業大臣臨
       時代理      宮澤 喜一君
       文 部 大 臣
       農林水産大臣臨
       時代理      塩川正十郎君
       運 輸 大 臣  橋本龍太郎君
       労 働 大 臣  平井 卓志君
       建 設 大 臣  天野 光晴君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    葉梨 信行君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)
       (国土庁長官)  綿貫 民輔君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  栗原 祐幸君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       近藤 鉄雄君
   政府委員
       内閣法制局長官  味村  治君
       臨時教育審議会
       事務局次長    齋藤 諦淳君
       総務庁長官官房
       地域改善対策室
       長        熊代 昭彦君
       総務庁人事局長  手塚 康夫君
       防衛庁参事官   瀬木 博基君
       防衛庁長官官房
       長        友藤 一隆君
       防衛庁防衛局長  西廣 整輝君
       防衛庁経理局長  池田 久克君
       防衛施設庁総務
       部長       平   晃君
       防衛施設庁施設
       部長       岩見 秀男君
       経済企画庁調整
       局審議官     田中  努君
       経済企画庁総合
       計画局長     及川 昭伍君
       国土庁計画・調
       整局長      星野 進保君
       国土庁大都市圏
       整備局長     柳   晃君
       外務大臣官房審
       議官       遠藤 哲也君
       外務省北米局長  藤井 宏昭君
       外務省経済局次
       長        池田 廸彦君
       外務省条約局長  斉藤 邦彦君
       大蔵大臣官房総
       部審議官     足立 和基君
       大蔵大臣官房審
       議官       大山 綱明君
       大蔵省主計局長  西垣  昭君
       大蔵省主計局次
       長        篠沢 恭助君
       大蔵省主税局長  水野  勝君
       大蔵省関税局長  大橋 宗夫君
       大蔵省銀行局長  平澤 貞昭君
       国税庁直税部長  門田  實君
       文部省高等教育
       局長       阿部 充夫君
       文部省学術国際
       局長       植木  浩君
       厚生大臣官房審
       議官       佐々木喜之君
       兼内閣審議官
       農林水産大臣官
       房長       甕   滋君
       農林水産省経済
       局長       眞木 秀郎君
       通商産業省通商
       政策局次長    吉田 文毅君
       通商産業省産業
       政策局長     杉山  弘君
       通商産業省立地
       公害局長     加藤 昭六君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    高橋 達直君
       中小企業庁長官  岩崎 八男君
       運輸大臣官房国
       有鉄道改革推進
       総括審議官    林  淳司君
       運輸大臣官房国
       有鉄道改革推進
       部長       丹羽  晟君
       兼内閣審議官
       運輸省運輸政策
       局長       棚橋  泰君
       労働大臣官房長  岡部 晃三君
       労働省労政局長  小粥 義朗君
       労働省職業安定
       局長       白井晋太郎君
       建設大臣官房会
       計課長      市川 一朗君
       建設省河川局長  陣内 孝雄君
       建設省道路局長  鈴木 道雄君
       建設省住宅局長  片山 正夫君
       自治大臣官房審
       議官       森  繁一君
       自治省行政局公
       務員部長     柳  克樹君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局民事局長
       兼最高裁判所事
       務総局行政局長  上谷  清君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        桐澤  猛君
   参考人
       日本国有鉄道清
       算事業団理事   池神 重明君
       日本国有鉄道清
       算事業団理事   山口 良雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和六十二年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和六十二年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和六十二年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(桧垣徳太郎君) 予算委員会を開会いたします。
 昭和六十二年度一般会計予算、昭和六十二年度特別会計予算、昭和六十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(桧垣徳太郎君) 一般質疑に関する理事会の協議決定事項について御報告を申し上げます。
 一般質疑は三日間分とすること、質疑総時間は四百十九分とし、自由民主党及び日本社会党・護憲共同それぞれ百十三分、公明党・国民会議六十五分、日本共産党四十八分、民社党・国民連令三十二分、新政クラブ、二院クラブ保革新共闘及びサラリーマン新党・参議院の会それぞれ十六分とすること、質疑順位及び質疑者等についてはお手元の質疑通告表のとおりとすること、以上でございます。
 右、理事会の決定のとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(桧垣徳太郎君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和六十二年度総予算三案審査のため、本日、日本国有鉄道清算事業団理事池神重明君、同事業団理事山口良雄君の両名を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(桧垣徳太郎君) それでは、これより一般質疑を行います。青木薪次君。
#8
○青木薪次君 私は、質問に入る前に、運輸大臣に御検討願いたいと思うんですけれども、国鉄が分割・民営化されまして、六つの旅客会社と一つの貨物会社、そのほかに新幹線保有機構その他たくさんあるわけでありますが、そのほかに国鉄から移行いたしました清算事業団がある。今参考人の出席についての了解を求められたわけでありますが、これはやっぱり清算事業団は一々参考人ということでなくて、政府の補助金や財政関係の支出に伴ういろんな問題点について討議しなきゃなりませんから、政府と一体の中でやらなきゃいかぬ。したがって、これは単なる民間会社の参考人ではなくて、政府委員として位置づけないと将来問題があると思いますので、それはひとつ御検討願いたいということを運輸大臣に要請しておきたいと思います。
 次に、本題に入りまして、四全総の関係について質問いたしたいと思うのでありますが、二十一世紀までの我が国の国土づくりの基本となるべき第四次全国総合開発計画の策定作業は、当初予定されていた六十一年秋の策定の予定が大幅におくれまして、国土庁長官や国土庁幹部が言明いたしておりました六十二年春、具体的には四月の末ごろまでにという予定を過ぎても計画案の決定に至っていないのでありますが、このようにおくれている原因についてはいかがですか。
#9
○国務大臣(綿貫民輔君) 昨年私が大臣に就任しましたときに、四全総の仕上げのタイミングについて役所から相談がございました。総理は、昨年の春の通常国会で、秋までにこれを仕上げるという御発言がございまして、そういう関係もありますので、私は総理に、これは秋までにどうしても仕上げなきゃならぬのですかという御質問をいたしましたところ、いやそうじゃない、さらにもっといいものができるならば時間をかけてもいいということでございましたので、私もその後、国土政策懇談会という私的諮問機関等もつくりまして、いろんな多角的な御意見等も承り、またその間、国土審の計画部会からも中間報告をさせていただきました。春までと申しておりましたが、春といいましても桜の花の咲く時分と、こう言っておったのですが、桜もいろいろございまして、沖縄はとっくに咲きましたが、まだ北海道は花盛りでございますし、近々これを仕上げたいというふうに考えております。
#10
○青木薪次君 中曽根総理が国土庁長官を昨年夏に呼んで、東京などの大都市圏問題の方向づけを明確にしなさいということを言ったためにおくれたというように考えているわけでありますが、その点いかがですか。
#11
○国務大臣(綿貫民輔君) そのような御発言はございません。
#12
○青木薪次君 東京重視の姿勢というものが新聞にも載っておりますし、それから国土庁を問わず各省庁でもそのような、総理が、いろいろ問題はあるけれども、選挙の際には地方への分散ということを言う、ところが実際には東京圏を考えなさいと言う。中曽根総理はいつもあっちを見たりこっちを見たりするものですから風見鶏という言葉があるわけでありますが、そういう意見を言われたということについては、東京圏への一点集中には問題があるというように国土庁長官お考えですか。
#13
○国務大臣(綿貫民輔君) 私もそのとおり考えております。地方の振興ということに重点を置かなければならない。また、過密の弊害というものもある。こういうことで、現在の東京の一極集中に対しては、いろいろのこれを分散する計画等も今回の四全総の中に盛り込んでいく考えでございます。
#14
○青木薪次君 最近の我が国の社会経済の動向を見てまいりますると、人口も産業も金融も再び東京集中の傾向を示しているんですね。これは建設省の調査でも、金融情報、国際機能が今後一層東京に集中するというように答えた企業が八〇%も実はあるのであります。そういうことを考えてみると、東京を別に、名古屋や大阪にも集中が進むと回答した企業がわずか一一・五%しかないというように考えてまいりますると、経済企画庁の調査では、県民一人当たりの所得で東京が沖縄の二倍強となる。東京と地方の所得格差も増大するばかりだ。こういうような点について、東京への過度の集中について一番問題となる点はどういう点が考えられますか。
#15
○国務大臣(綿貫民輔君) 最近の国際化、情報化、ソフト化という中で東京へいろんな機能が集中をしておるということでございまして、例えば情報の発信基地も東京に集中しておりますが、これらを地方に展開していくということがこれからの新しい時代のあり方だというような御示唆もいただいておりますし、そういう機能をまず地方に持っていかなければならないのではないかと思っております。
 なお、所得の格差その他につきましても、これに準じて各地方への展開を図っていかなければならないということを四全総の中でも今十分考えていきたいと思っております。
#16
○青木薪次君 四全総計画というのは定住と交流ということを基本理念とするということについてはいかがですか。
#17
○国務大臣(綿貫民輔君) おっしゃるとおりでございまして、特に私も先般来地方振興懇談会ということで日本の各ブロックを回らせていただきました。今までは定住というようなこと、あるいは交流ということを言葉では言っておりますが、現地へ行ってみますと、東京へ来るのは一時間か一時間半、隣の県へ行くのには二時間から三時間あるいはもっとひどいところ、こういうような状況でございまして、やはり交流のネットワークというものをもっと密にしなければならないということを痛切に感じたわけでございます。これらのブロック間の交流を盛んにすることによって、定住もさらに比重を増してくるものだというふうに考えております。
#18
○青木薪次君 このためには強力な指導力と具体的な政策、それを裏づける財源が必要だと思うのでありますが、大蔵大臣、この方面の財源は莫大にかかると思うのでありますが、いかがですか。
#19
○国務大臣(宮澤喜一君) 今度の全国総合開発計画は第四次目でございますけれども、過去、終戦後三回ございましたそのときどきに、財政との対応がかなりいろいろございまして、例えば経済の方で長期計画を持っておりまして、その長期計画の中である期間内の公共投資はどのぐらいということが出ておりまして、それと全総の方の長期投資の計画とがやや整合していたような時代もございます。
 いろいろそのときどきで三回のことを振り返りますと違っておりますが、今回は二〇〇〇年までということになりますと、そのような国の長期計画は、今御承知のように経済計画としてはございません。したがいまして、全体、そういう二〇〇〇年までの国民総資源あるいは総資金をどういうふうに配分するかというもとの数字はないわけでございますが、むしろしかし、今度四全総ができますと、その四全総で示されておりますような計画の達成のために国がどういう長期経済計画を考えるかという両方の間の相関関係がございますから、あるいはそういうふうに発展していくのであろうか。その上で、道路でありますとか治山治水でありますとか、御承知のように下水でありますとか、いろんなものの五カ年計画にそれが割り振られていく、そういうことになるのであろうか。いずれにしても、今の段階では、配分すべき資源についての計画が国の長期経済計画としては二〇〇〇年までのものはないというのが実情と思います。
 しかし、いずれにしても、せっかくこれだけの二〇〇〇年に向かっての計画を樹立するわけでございますから、これは絵にかいたもちに終わってはならないのでありまして、その実現のために財政としても最大限の努力をいたさなければならない、私はそういうふうに考えております。具体的には一つ一つの五カ年計画等の形でいく場合が多いのではないかと思っております。
#20
○青木薪次君 四全総計画は相当関心が持たれているわけでありますが、多極分散型の国土づくりをするということにつきましては、それを実現していくための強力な指導力と、今申し上げたように、財政力が必要だということになりますと、このことについて経済企画庁は、ここのところ、二〇〇〇年までのことはまだ考えていないということをおっしゃられたわけでありまするけれども、昭和六十年から七十五年までの十五年間ということになりますと、ちょうど紀元二〇〇〇年ということになるわけでありますが、この点について、企画庁長官、どのように考えていますか。
#21
○政府委員(及川昭伍君) 現在、国が持っております経済計画は、「一九八〇年代経済社会の展望と指針」ということで、昭和六十五年度までの経済計画を持っておるわけでありますが、私ども長期の経済を担当している経済企画庁としては、紀元二〇〇〇年までも展望したいろいろな作業をバックデータとしては勉強させていただいているわけであります。
 その中で我が国の国土構造を考えるときに、これからの産業構造や就業構造を展望すると一極集中が進む可能性が非常に強いということが懸念されるところでありまして、昨日経済審議会から建議された「構造調整の指針」におきましては、紀元二〇〇〇年までを展望した上で、我が国において多極構造を実現するために特に地方都市の重点的整備を図っていく必要がある、これから伸びる第三次産業セクター等を地方においても受けとめるために都市整備を特に重点戦略的に進めなければならないということが提言されているわけでありまして、経済企画庁としてもそのように考えているわけであります。
#22
○青木薪次君 昭和六十年から昭和七十五年、一九八五年から二〇〇〇年というようなこの十五年間を展望するということが今日の常識だと思うのでありますが、この間に成長率を四%と見ていくと、大体この間に投資する額が期間内六百兆になる。六百兆を十五で割りますと、年四十兆になるわけですよ。多極分散型のひとつ成長を考えていくということになれば、この点については経済指標というものについても相当考えてやらないと絵にかいたもちになるということになるわけでありますが、この点企画庁どう考えますか。長官、ちょっとあなたやってください。
#23
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生御指摘の期間十五年間に必要とする社会資本整備の投資額は、いろいろ計算の仕方があると思いますけれども、先生御指摘のような六百兆ですか、そういう数字もいろいろ計算をしているところもあるように私は聞いているわけでございますし、それだけの社会資本投資をこれから我が国がやっていかなければならないわけでございます。
 例えば昨日の経済審議会の経済構造調整特別部会におきましても、将来の日本の経常収支の黒字の全体GNPに占める割合について明言は避けてございますが、現在四・数%のものを二%程度ぐらいまで傘として下げていきたいということは、その分だけいわば海外に流れる貯蓄を国内に戻すと、こういうことでございますから、そういうことも含めて必要な社会的な投資額というのを確保して、そして適切な国土発展計画の土台づくりをすることが私はこれからの政治の大きな課題である、こういうふうに考えまして、今いろいろな作業を庁内でも進めさせている次第でございます。
#24
○青木薪次君 経済企画庁長官、絵にかいたもちであってはいけない、それから外国に対しても約束するだけではいけない、要は実行だと言われているんでしょう。きょう質問したい大臣がそろって今OECDへ出かけちゃって、質問できないんですよ。
 それくらい重要な時期にあるということを考えてみると、要するに、さっきいみじくも大蔵大臣のおっしゃったように、道路をつくる、河川の整備、下水道、この辺に尽きちゃうんですよね。ですから、その辺から考えて、今建設大臣がおいでになったわけでありますが、四全総計画というものは要するに、高規格道路というものをつくっていく、それから地方の要望を十分入れていくというようなことを中心といたしまして、やはり道路、河川、下水道というところに集中するように考えられますが、建設大臣いかがですか。
#25
○国務大臣(天野光晴君) 青木先生のお話のとおり、とりあえず公共事業を十二分に行いたいと思っているのは、一挙両得という言葉がありますが、先進諸外国と比べて比較的劣っていること、そして今の国内におけるこの不況ムードの中でどれが一番効き目があるかというようなことから考えましてやりますが、基本である道路、それから生活に直結をしておる下水道、河川といったようなやっぱり公共事業が中心になると思いますし、それは十二分に配慮をするつもりでおります。
#26
○青木薪次君 今の高規格道路の建設については、人口五万人以上の都市を結ぶとすれば一万四千キロメーターの高規格道路の整備が必要になるわけであります。地方の要望も高規格道路の整備に集中しているけれども、四全総計画の中では具体的にどの程度高規格幹線道路の整備を予定しているのか。計画中でどのような記述がなされることになるんですか。その点をお聞きしたいと思います。
#27
○国務大臣(綿貫民輔君) 今一万六千キロ程度の要望が参っておりますが、この中でどの程度これを具体的にするかということで、建設省と国土庁で鋭意今詰めておる最中でございます。
#28
○青木薪次君 今私ども一生懸命やっているのでありまするけれども、例えば静岡県と山梨県と長野県とそれから新潟県、これを結ぶ本州で一番広いところの高規格道路をつくろうということで、もう十年間も運動を続けているわけでありますが、このことが四全総の中でどういうように位置されるか。非常に物や人が速く安全にしかも確実に自由に移動できるような、しかも、例えば関東と関西をしっかり結びつけるような道路の建設をやっているわけでありまするけれども、この見通しについてはいかがですか。
#29
○政府委員(鈴木道雄君) 今先生がおっしゃいました高規格幹線自動車道路は、中部横断自動車道ということで、私ども、地元の方から大変強く要望を受けている路線でございます。この路線は、我が国の大動脈でございます、東と西を結ぶ東名高速道路、中央道あるいは関越道等を相互に連絡する大変重要な路線というふうに私ども認識しておりまして、この計画全体の幹線道路網計画の決定に際しましては、国土庁と十分その点を御相談して対応してまいりたいと考えております。
#30
○青木薪次君 高規格道路については、四全総の中にこれは入れるべきであるというように考えるんですけれども、そういう考え方についてはいかがですか。
#31
○政府委員(星野進保君) 先生御指摘のような方向で現在建設省、大蔵省等と御相談している最中でございます。
#32
○青木薪次君 愛知県と静岡県と長野県の飯田地区を結ぶ国道百五十二号線のネックはどこにありますか。
#33
○政府委員(鈴木道雄君) 先生がおっしゃいました静岡県と長野県を結ぶ国道は、一般国道百五十二号線でございまして、長野県の飯田市から静岡県の浜松市に至る延長約百四十キロメートルの幹線道路でございます。
 その整備状況につきましては、この県境の青崩峠約六キロ間が交通不能区間ということになっておりまして、この交通不能区間を解消するために、昭和五十八年度から建設省によりまして一次改築事業に着手しているところでございます。現在は、草木トンネルというのがございますが、これを含む二・五キロの区間におきまして事業を行っております。取りつけ道路が大体六十二年度ぐらいまでに完成いたしますので、六十三年以降このトンネルに着手してこのトンネルを完成したい。そういたしますと、県道区間をくくってある程度この国道の利用ができるようになるわけでございます。それから、残る区間につきましては、大変地盤が脆弱でございまして、地すべりのおそれのある区間でございますので、現在鋭意調査をやっておりまして、この調査完了後引き続いて事業を進めていく、そういう状況でございます。
#34
○青木薪次君 それから静岡と清水市を結ぶ巴川という川があるわけでありますが、これも昭和四十九年の七月七日の七夕台風のときに河川がはんらんいたしまして、周囲の山から全部水を集めてくるものですから、とても入れ物が小さいということから、建設省も重点的にやっているわけでありまするけれども、静岡、清水がすっぽりと水の中に埋まってしまったという事件がありました。昭和六十二年の出水期までにはこの点は大谷川という川へ一部放流するというような事業を完了することに実はなっているわけでありますが、この点の対策の状況はいかがですか。
#35
○政府委員(陣内孝雄君) 巴川の治水対策につきましては、昭和四十九年七月の大洪水以来、早速河川激甚災害対策特別緊急事業を実施いたしまして、その後も引き続き昭和五十四年度からは、都市化の進展の著しい地域の河川として総合治水対策特定河川にこれを指定し、治水事業の一層の促進に努めているところでございます。総合治水対策特定河川におきましては、大谷川放水路の新設と上流の麻機地区における多目的遊水地の建設を推進中でございます。
 まず、ただいま先生のお話ございました放水路につきましては、用地取得をほぼ概成し、昭和六十二年の三月に暫定掘削を完成して待望の通水を行ったところでございますし、また多目的遊水地につきましては、約四〇%の進捗を見ておる状況でございます。今後の見通しといたしましては、大谷川放水路は、残存している用地取得を行いながら下流より引き続き計画断面への整備を進めてまいりますし、多目的遊水地につきましても、今後とも引き続き用地取得を進めるとともに遊水地掘削工事等を実施していくことといたしております。
 以上のような河川整備に加えまして、流域における貯留浸透施設の整備等も実施し、巴川の総合治水対策を今後とも積極的に推進してまいる所存でございます。
#36
○青木薪次君 建設大臣、法案審議中のようですから結構です。どうぞ。
 次に、私はJRの関係について、経営問題でひとつ質問をいたしたいと思っております。
 私が昨年の暮れの国鉄国会で分割・民営の新会社の経営の先行きを非常に心配いたしまして、特に運輸大臣に対して質問をいたしてまいりました。総理初め運輸大臣は、新会社の経営に不安はないというように胸を張って答えられたのでありまするけれども、新会社が発足して一カ月半たちましたが、その考えは変わりませんか。
#37
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今の御質問にお答えをいたします前に、冒頭いただきました御要望についてお答えをしなければならぬのかもしれませんが、私は、清算事業団の役員を院としてお呼びになる場合に、一々参考人では不便だからとおっしゃるお気持ちはわからないわけではございません。しかし、やはり従来の日本国有鉄道の時期におきましてもこれは参考人であったわけでありまして、現在の清算事業団は政府の機関ではございませんから、これを政府委員にという仰せは無理なお話ではなかろうか、率直にそう思います。
 そして、これは私も実は国会法等十分に存じませんし、参議院規則等々を熟知しておりませんのでわかりませんが、運輸省の立場で対応のできることではないということは御理解をいただかなければなりません。
 また、今御質問をいただきました発足後の新会社の経営見通しという点でありますが、私どもも、新会社がスタートをいたしましてからどのような営業状態になるかを本当に心配をいたしております。しかし、現時点で四月分の各社の取扱収入の速報値を見てまいります限りにおいては、全体としてはおおむね前年度並みで推移をいたしております。ただ、この速報値につきましては、各社ごとの精算が行われておりません時期でありますので、各社別の営業実績につきましてはなお精査を行う必要がございまして、今後ともにその推移を見守ってまいりたいと思います。新会社それぞれに積極的かつきめの細かい事業運営に取り組んでおるところでありますので、私どもは、これらの経営努力が続けられれば健全経営は十分可能であるという従来の見通しを何ら変更する考えはございません。
#38
○青木薪次君 国鉄国会に出されました各社の経営見通しが、ことし三月に資産債務の承継が確定されたのに並行いたしまして改定されているのでありますが、全体的に見て収入より費用の増加が多くなっているのに、営業収入の一%相当分の利益が相変わらず確保されているというように思うのでありまするけれども、その点はいかがですか。
#39
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは先国会におきましても御説明を申し上げましたように、それぞれの会社がスタートをいたしましてそれぞれの会社がまじめな努力をしてくだされば、おおむねスタート時においては皆一%程度の利益が上がるような設計を当初からいたすということを申し上げてまいりました。そして、先国会の終了以来、新会社の発足までの間のさまざまな状況をとらえながらなお数字を精査し、北海道、九州、四国、各会社の経営安定基金の調整を行いましたり、あるいは本州三会社の、あるいは貨物会社の承継債務の額を調整いたしまして、やはり一%の利益はまじめに仕事をしていただけば六十二年度において生ずるような設計をいたしたということでございます。
#40
○青木薪次君 六旅客会社全体で収入が九百六十三億円経営見通しよりふえているんですね。それから費用は千七十億円もふえている。当然減益となるのにそうならないのは、本州の東海会社では六百五十六億円、西日本会社では千二百四十一億円引き継ぎ債務の負担を減らしたりいたしまして、北海道、九州、四国三島の経営安定基金を一兆一千八百四十億円から一兆二千七百八十一億円にふやしたりしているからだと思うんですね。その差がわずか百七億円の変動でこういう措置をとらざるを得ない経営基盤、いわゆる今後もこういうような採算が不安定なる事態が生じるということを意味すると思うのでありまするけれども、こうした措置をそういう意味でとっているのかどうかお伺いいたしたいと思います。
#41
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず、先国会三島と申し上げて大変しかられたことをまだ私は覚えておりまして、北海道、九州、四国各旅客会社の経営安定基金と言いかえさせていただきたいと思います。
 そこで、確かに先国会御審議をいただきましたとき提出をいたしました資料の数値と、新会社がそれぞれスタートをいたします時点における経営安定基金の額、あるいは承継債務の額が変動いたしております。これは、引き継ぎ資産をなお精査し、その中から出てきた数字の変動もございますし、また売上税というものが考えられ、それが創設された場合の影響というものを算定いたしました中で所要の数字の調整を行った部分もございまして、そういう意味で、スタート時における各会社の数字は国会提出時点の数字と変動したということであります。これは、いざ新しい会社として発足をするまでに私どもとしては事務的に最善を尽くした中から出てきたことでありまして、それが今後の経営の見通しに影響を与えるものではございません。
#42
○青木薪次君 次に、雇用の点で、政府は新会社の従業員の定員を二十一万五千人で発足するとしておりましたけれども、現在の各社の従業員数はどの程度になっていますか。
#43
○国務大臣(橋本龍太郎君) 各社則でございましょうか。
#44
○青木薪次君 各社別です。
#45
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現在、北海道旅客鉄道会社、基本計画一万三千、採用数一万三千に対しまして、採用数一万二千七百十九でございます。それから東日本旅客鉄道会社、基本計画は八万九千五百四十、採用数八万四千三百四十三に対しまして、採用数は八万二千四百七十二でございます。東海旅客鉄道株式会社、基本計画二万五千二百に対しまして採用数二万一千九百四十一でありまして、要するに辞退者が出ました後の採用数、二度採用数という言葉を使って恐縮でありますけれども、便宜的に辞退者を除きました採用数と言いかえさせていただきますと、二万一千四百十名であります。西日本旅客鉄道株式会社、基本計画五万三千四百、採用数五万二千九百四十三に対しまして、辞退者が出ました後の採用数五万一千五百四十三であります。四国旅客鉄道株式会社は、四千九百名に対しまして採用数四千六百十名、最終的な採用数は四千四百六十五。九州旅客鉄道株式会社は、基本計画一万五千に対しまして採用数一万五千、辞退者の出ました後の採用数は一万四千五百八十九。日本貨物鉄道株式会社、基本計画一万二千五百、採用数一万二千二百八十九に対しまして、辞退者を除きました採用数は一万二千九。旅客会社及び貨物会社の合計といたしましては、基本計画におきまして二十一万三千五百四十に対しまして、採用の通知をいたしました者は二十万四千百二十六、辞退者を除きました最終的な採用数は十九万九千二百七でございます。
 なお、鉄道通信株式会社、鉄道情報システム株式会社、財団法人鉄道総合技術研究所、新幹線鉄道保有機構等々をトータルいたしますと、基本計画二十一万五千に対しまして採用通知を発しました数は二十万五千五百八十六、最終的な採用数は二十万六百四十八名であります。
#46
○青木薪次君 東日本会社の欠員が七千六十八人、東海会社の欠員が三千七百九十人に上るということなどを含めまして、本州を中心に相当な欠員が出ているのでありますが、大臣、これは北海道、九州会社で近く欠員補充が行われるということを聞いているのでありまするけれども、他の会社も欠員補充はするんですか。
#47
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今回の国鉄改革のスタートの時点におきまして再就職先が未定のまま清算事業団に移行された職員の数は七千六百三十名であります。そしてそのうち北海道地域で四千二百四十名、九州地域で二千三百四十名、非常に多くの方々がこの北海道と九州という地域に集中しておられる状況がございます。一方、今委員御指摘のように、東日本、東海、西日本、四国、貨物、それぞれの各社においては欠員を生じております。
 そこで、既に北海道地区並びに九州地区に対しまして、北海道及び九州の旅客会社が追加募集を行っておりますが、引き続いて今度は本州の三会社、四国旅客鉄道株式会社、貨物鉄道株式会社の追加募集が行われることになっておりまして、あるいは既にきょうあたりはその準備に入っておるかもしれません。ちょっと期日を私忘れましたが、もう追加募集に入ることにいたしております。
#48
○青木薪次君 例えば、本州へ欠員補充のため北海道、九州から集団的に来ていただきたい。その場合に、一生郷土を離れて本州へ行くということについては大変問題がある。だから将来帰してもらえないかという切実な要望があるやに聞いているんです。この点は会社が違っているから問題はあると思いますけれども、そういう点の配慮は考えたことがありますか。
#49
○国務大臣(橋本龍太郎君) この御議論はたしか先国会においても、言葉は違え、同じような趣旨での御質問があったように記憶をいたします。ただ、委員御承知のとおり、それぞれが独立した株式会社としてスタートをし、そこでそれぞれの地域に応じた経営を行っていくわけでありますから、これは全く別個の組織になっておるわけでありまして、その限りにおいて私は会社間における移動が行われるという状況はまず考えられない。それぞれの企業に職を奉じていただく限りにおいて、それぞれの人生設計そのものもそれぞれの地域会社に、あるいは貨物会社に生涯を預けるおつもりで来ていただかなければならぬと考えておるということを申し上げたように思います。今日においてもその状況に変わりはございません。
#50
○青木薪次君 清算事業団へ行って再雇用対策を受ける人が七千七百人とか八百人とかと言われているのでありますが、全員を採用しても欠員は残るんですね。各社間の収益にも影響すると思うのでありまするけれども、希望退職でやめていった人にでも本州各地で呼び戻しをかけない限りなかなか欠員補充もできないというような問題も残ってくるわけでありますが、その点はどういった配慮をして、そしてこの欠員補充と、余った人についてどうするかという対策を講じていらっしゃるんですか。
#51
○国務大臣(橋本龍太郎君) 基本計画を決定し、御審議をいただきました際に申し上げましたように、承継法人が鉄道事業というものを円滑に運営していくために必要な要員数というものは約十八万六千名ということを申し上げてまいりました。しかし、国鉄改革に伴い再就職を必要とし、余儀なくされる職員の数をできるだけ減らしたい、そしてまた、それぞれの会社が新たな事業分野に進出する場合の要員というものもある程度含めて発足をさせたいということから、承継法人総体の採用目標人員を二十一万五千ということにしたわけでございます。これはもう委員が既に御承知のとおりであります。
 それだけに、確かに清算事業団の職員で現在再就職未定の方々を全員採用したといたしましても、全体として見れば二十一万五千に達しない状況が誕生するということは委員御指摘のとおりでありますが、私どもとしては、まず北海道地域並びに九州地域において非常にたくさんの方々が、再就職を国鉄に関連のかつての職場のどこかにという希望を持ちながら現在再就職未定でおられる方々に対して、本州あるいは四国、貨物のそれぞれの会社の欠員の中でできるだけたくさんの方々に呼びかけて受け入れて差し上げたい。しかし、二十一万五千に達しなければそれぞれの会社の経営ができないとか、影響のあるものではないと私どもは考えておりまして、新会社に対してそれ以上の採用を求めるものではございません。
#52
○青木薪次君 ただ、大体二万人の希望退職を募集しようとしたところが三万九千人もあったと。そういったような犠牲の中にいわゆる雇用調整が行われたというようなこともやはり私たちは銘記しなければならぬ点だと思います。今後これらの点についてはまだ運輸委員会等においていろいろ詰めてまいりたいと思います。
 大蔵大臣、年金の関係でちょっとお聞きいたしたいと思いますけれども、ことし三月にようやく対応策を出したわけでありますが、その内容を示してください。
#53
○政府委員(篠沢恭助君) 国鉄共済年金問題に関する閣僚懇談会というものを累次開催されたわけでございますが、三月二十四日の懇談会におきまして一応の結論を出したわけでございます。この結論といたしましては、六十年十一月二十八日の政府統一見解の趣旨を踏まえて、六十一年度中に六十四年度までの対応について結論を得るということになっておるので、これについての分をまず決めるということでございました。
 そのポイントは二つございまして、一つは、従来国鉄が負担してまいりました追加費用につきまして六十二年度以降清算事業団が日本鉄道共済組合に繰り入れを行うわけでございますが、その際、過去の追加費用の精査、見直しに伴う精算分というものが出ますので、これを六十四年度までに繰り入れてしまおうということが一点でございます。
 それから、そういうことを含めまして収支を計算いたしましてもなお不足する部分がどうしても出てまいります。六十二、六十三、六十四の三年間だけで約二千億不足をいたしますので、これにつきましては国鉄共済年金の積立金をもって充てるということにしたいということを決めたわけでございます。
 以上二点によりまして、六十四年度までの支払いに支障が生ずることのないように対応するということにいたしました。
#54
○青木薪次君 運輸大臣、今のお話だと、これは救済というよりも一層共済年金の財政が非常に厳しくなるというように考えているのでありまするけれども、一時的の糊塗策ということになると思うのでありますが、その点いかがですか。
#55
○国務大臣(橋本龍太郎君) 一時的の糊塗策という言葉を使われますればそういう言い方もできなくはないと思います。それは確かに六十四年度までの国鉄共済の対策を立てたわけでありますが、その意味では一時的と言えば一時的かもしれません。
 ただ、一つは、これ御理解をいただきたいことでありますが、主として積立金の取り崩し並びに過去の追加費用の見直しという手法でこれに対応していただくことになったわけでありますけれども、既に昭和六十年度から昭和六十四年度までの間には、鉄道共済組合に対して国家公務員共済組合などによる財政援助が行われておるわけであります。そうしますと、この六十四年度までの対策をするにいたしましても、国家公務員共済等による財政援助という枠組みを崩すことが大変難しい。かといって、それでは鉄道共済組合の掛金の引き上げでありますとかあるいは給付の引き下げを行うといったようなことが現実にできるかといえば、委員御承知のとおりの状況でありまして、こういうことも言うべくして困難なことでありましょう。そうした状況から考えてみますと、私は、過去の追加費用の見直し並びに積立金の充当により対応するという今回の方法というものは、委員が一時的なとおっしゃいましたけれども、私は現行やむを得ない手法ではなかろうかと考えております。
 なお、私、今一つ間違えましたので訂正をさしていただきたいと思いますが、実は先ほど国鉄は今までも参考人と申しましたが、事務方から注意を受けまして、従来は説明員という扱いだったようであります。しかし、やはり特殊法人として従来の公社ではなくなりました清算事業団、私は他の特殊法人等々と関連をするいわば立場を考えますと、やはり政府委員ということは無理だという答弁は変わりません。
#56
○青木薪次君 今の一番後段のことはまたこれからもひとつ相談をしていくようにしたいと思います。
 六十五年対策というのが非常に難しいと思うんです。率直に大蔵大臣も運輸大臣も頭を砕いていらっしゃると思うのでありますが、六十四年までは追加費用の一千億を増額させることと積立金二千億を入れまして三千億の赤字をしのぐという立場でありますから、これは今共済年金を受ける人人は非常に心配をいたしているわけでありますが、昨年の参議院特別委員会の附帯決議では、六十五年度以降について「早急に検討を行い、関係審議会の意見を踏まえ結論を出すこと。」ということになっているわけでありまするけれども、この点は言うはやすくして非常に難しい問題だと思うのでありまするけれども、この点に対する大蔵大臣の御意向を伺っておきたいと思います。
#57
○国務大臣(宮澤喜一君) 御説のように、これから先の問題というのが実は非常に金額の規模におきましても大きなものになるであろうということは予想にかたくございませんので、閣内におきまして、当面の年度末までの問題が済みましたので、次の問題として新たに検討を開始しなければならない容易ならない問題だろうというふうに考えますが、それだけに慎重に検討を開始しなければならないと思っております。
#58
○青木薪次君 それから秋の国鉄国会の際には補助金が未定になっておりまして、私がその点を実はただしたわけでありますが、結局一般会計の補助金は千六百六十八億円にとどまったわけであります。それで、長期債務のうちに一般会計が承継している債務に対する利子負担が三千四百五十六億円ありますから、一般会計の実質的な補助金額は五千百二十四億円になると思うのであります。それで、一部は新幹線保有機構や土地売却で賄って、残り大部分の二兆二千二百四億円を借金で埋めることにいたしているわけでありますが、これでは借金が借金を生むことは必定だというように考えるのでありまするけれども、この点は率直に言ってどうお考えになりますか。
#59
○国務大臣(橋本龍太郎君) これはもう繰り返して申し上げるまでもなく委員が御承知のように、清算事業団の六十二年度予算の編成におきましては、収入としましては、新幹線鉄道保有機構から二千三百億円、土地の処分、売却による収入というものを三千億円程度見込み、自主財源六千億ぐらいに対しまして、補助金を約千七百億円、政府引受債等の財投のお金を一兆二千億円、民間借入金というものを七千九百億円予定いたしております。
 ただ、私は余りこういう問題に詳しくありませんけれども、現在の金利の水準というものを考えてみながら従来の状況等を対比してみました場合に、私はこうした点だけでも従来とは状況は非常に大きく変わってきておると思いますし、また当時も何回か国会で御答弁を申し上げましたように、この清算事業団が旧日本国有鉄道から承継をいたしまして処分の対象としております用地につきましても、例えば、付加価値を高めて売却をする等々の手法を講ずる、そのためには多少の時間を要するといったようなことをも考えてまいりますと、おおむね問題がないスタートを切っておる、そのように私は考えております。
#60
○青木薪次君 一般会計補助金が五千四百六億円、財投が一兆七千四百八十億円というように理解いたしているわけでありますが、国鉄最後の予算である六十一年度の予算では一般会計が幾らで財投は幾らになりますか。
#61
○政府委員(林淳司君) お答え申し上げます。
 国鉄最後の予算でございます昭和六十一年度予算では、一般会計からの国鉄に対する助成金は約三千七百億円余でございます。
#62
○青木薪次君 旅客会社の経営は大丈夫だということを今運輸大臣もおっしゃったのでありまするけれども、補助金や財投への依存が清算事業団を中心に相当巨額に上ることになるわけでありますが、年金財政の運営のために清算事業団は追加費用を増額すると思うんですね。したがってそういう点から、旅客会社の経営が苦しいと言っては長期債務を減らした分の負担がふえて、それから年金財政が苦しいと言っては負担がふえる。結局政府は、三年後の雇用対策、用地売却の見通しのつく時期で本格的な財源調達を考えるとしていると思うのでありまするけれども、その間に清算事業団の首が回らなくなってしまうのではないかということを心配するのでありますが、その点どう考えていますか。
#63
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、清算事業団の運営が行き詰まるような状態はつくらないということをまず申し上げておきたいと思います。そして、これから矢その用地処分等々の見通しその他を十分につけた段階におきまして、最終的に残る長期債務の処理につきましては改めてまた委員のお知恵を拝借するといった場面もありましょう。しかし、そういう時点に至るまでの間に清算事業団が倒産をするようなことはないということだけ申し上げておきます。
#64
○委員長(桧垣徳太郎君) 青木君、時間が参りました。
#65
○青木薪次君 最後でありますが、大臣、結局は六万人の人が七千人に清算事業団の関係で減ったということもあって、人件費の点もあると思うのでありますが、今後においてその点は十分留意いたしまして対応を考えていただきたいと思います。
 これをもって終わります。
#66
○委員長(桧垣徳太郎君) 以上で青木薪次君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#67
○委員長(桧垣徳太郎君) 次に、佐藤栄佐久君の質疑を行います。佐藤君。
#68
○佐藤栄佐久君 自由民主党の佐藤栄佐久でございます。
 まず初めに大蔵大臣にお聞きいたします。
 大臣は、昭和二十四年に時の池田勇人大蔵大臣の秘書官になられ、戦後日本の出発点となったサンフランシスコ講和にも参画されました。以来四十年にわたり大臣は国政の中心において我が国の外交、内政に携わってこられたわけでございます。大臣は三年前の雑誌の対談で、戦後の日本の目標として次の三つがあったと述べられております。まず一つは平和国家をつくりたいということ、二つ目は自由な社会を実現したいということ、三つ目は経済の繁栄、すなわち欧米並みの経済、生活水準を実現したいということであったと述べられております。戦後四十年を振り返り、これら三つの目標が今日どのように実現されたとお考えになるか、お聞かせ願いたいと思います。
#69
○国務大臣(宮澤喜一君) 一人の政治に携わる者として考えますと、我々国民が戦後ぜひ実現したいと考えてまいりましたただいまの三つの問題につきまして、まず我々が軍事大国にならないということは今日まで誤りなくその道を歩いてまいりましたし、これからもその道を歩かなければならない。また、世界情勢も我々のそのような決心に対して決して不利には展開していないと思っております。
 それから基本的人権が保障され、自由な国家社会をつくりたいという点については、今日我が国は制度的に世界のどの国に比べましても遜色のない自由な社会でございますが、同時に国民の所得水準が高くなり、かつその分配が均等でございますから、自由というものがすべての国民にとって自分の財力、自分の力で享受し得る、実現し得るものになっているという意味で、絵にかいたもちでない自由な社会ということを申し上げることができると思います。
 問題は第三の問題でございますが、経済的な繁栄ということについて、それは所得水準では我が国はまず先進国の中でも高い方になりまして、フローとしては私は遜色がないと思いますし、また、国民の間における分布についても我が国ほど所得分布が均等である国は先進国の中には無論ないわけでございますから、その点についても誇ってよろしいと思いますが、いかにもそのストックが貧弱である。それはやはり輸出振興ということを長く考えてまいりましたので、どうしても輸出をしなければならないという気持ちが強うございまして、その結果としてフローは高くなりましたがその成果を住宅を初め社会資本等々に蓄積していくということが、やむを得ないことであったかもしれませんがおくれた。
 しかし、ここに参りまして過度の輸出体質というものを諸外国からもいろいろ言われ、また内需振興ということがしきりに叫ばれる。よそからも言われるようになった現在におきまして、我々の努力はその高いフローをどうやって社会資本にストックしていくかということなのではなかろうか。殊に我が国の国民が二十一世紀に入りかけますと急速に老齢化していきますので、それまでの間に社会資本の整った国土をつくっていきたい。第三の点においてこれからまだ努力すべきところがあるというふうに概括して考えております。
#70
○佐藤栄佐久君 私も大蔵大臣と全く同じ考え方でありまして、戦後の四十年については、戦後育ちの人間でございまして、先輩方のそういう方向づけ、御努力に心より感謝申し上げる次第でございます。
 さて、大蔵大臣が示された戦後の三つの目標のうちの一つであります経済の繁栄については全く同じ考え方でございます。六十二年度にはGNPは三百五十兆円、一人当たり国民所得はアメリカを上回る水準になることが見込まれ、また貿易黒字額は昨年度は一千億ドルを突破するなど、マクロ経済の数字を見ると確かに我が国は世界一の経済の繁栄を謳歌しているようにも見えます。しかし、日本が追い越したはずの先進諸国を訪れ、その生活を拝見し、そして我が国の生活と比較すると、どうもまだまだ個人の生活の視点からは世界一であるというわけにはいかないというふうに考えるわけでございます。
 大蔵大臣、戦後四十年、マクロ経済から見た経済的繁栄という国家的目標を達成した我が国は、今二十一世紀を目指して経済を個人の生活の視点からとらえ経済政策を運営していかなければならないと考えますが、大臣はどのようにお考えになりますか。
#71
○国務大臣(宮澤喜一君) 経済というのは大事なものではありますけれども、しょせん手段だというふうに考えております。つまり人間が人間として本当に生きるに値する人生を生きるための、経済というのは一種のそのための方便と申しますか手段であると考えるべきものであろうと思います。そういう観点からしまして、今日の我が国の経済的な繁栄というのはやはり何といっても戦後に、輸出をしなければ日本は生きていかれないという強い意識がありまして、それが国の経済全体を主導してまいったと思うのであります。それは戦前にもそういう意識がございました。戦後はまたドルを稼がなければならないという意識でございますが、そういうことからマクロ的には大変に大きな経済になりましたが、その主導の要因が何とかして輸出をふやそうということでありましたがために、実は本当の目的は一人一人の人生を豊かにするためであるという、そこにいわば思い至らなかったということになろうかと思うのであります。
 したがって、マクロ的な繁栄はできたがさて一人一人は幸福かということになりますと、実はその目標は見失われておったと申すべきではないかと思います。そのことを我々が今になって気づき、外国からも指摘をされるに至ったわけでございますから、やはりこの四十年間の努力の結果をそのような目標に向かって集中していくということが大事なのではないかと思います。
#72
○佐藤栄佐久君 次に、内需拡大の問題についてお伺いいたします。
 現在内需拡大は我が国の最も緊急を要する課題となっておりますが、その背景には以下の三点が挙げられるわけでございます。
 第一は、今日の国際経済社会における我が国の立場から来るものでございます。我が国は世界のGNPの一五%強を生産する経済大国の地位にありますが、このような国の一千億ドルにも上る巨額の貿易黒字は許されるものではなく、早急に対外不均衡を改善しなければなりません。もとより世界経済の協調的発展のためには各国の政策協調が不可欠でありますが、我が国は内需拡大を行うことにつき、先般の総理訪米の際の共同声明、今般のOECD閣僚理事会でもその意向を表明しております。OECDはプレサミットの意味を持ちますので、ベネチア・サミットでも我が国は内需拡大の決意を改めて表明することになると予想されるわけであります。
 内需拡大が急務とされる第二の理由は、国内景気の停滞であります。円高の進展は多くの産業、地域経済、中小企業に深刻な影響を与えております。また、昨年の第四四半期には個人消費が七年ぶりにマイナスに転じております。雇用情勢も完全失業率が三%程度と従前にない厳しさがあります。
 第三は、国民生活の質にかかわる問題であります。今や、円高の進行により日本の一人当たりGNPは世界第一とのことですが、庶民の日常生活の中では、先ほど述べましたようにいま一つびんとこないところがあるわけであります。
 そこで、国民の生活の質の向上との関連で、快適な生活の実現ということに質問を移させていただきたいと思いますが、この快適な生活の実現ということを単なるお題目に終わらせないためにも、快適な生活というのはどういう生活なのかということを明確にしておく必要があると思います。
 ここで、快適な生活像を理想的なライフスタイルという言葉に置きかえまして、個人的な見解でもよろしいわけでございますが、今後政府が打ち出す内需拡大策が目指す理想的なライフスタイルについて大臣からお伺いいたしたいと思います。
#73
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまお話しになられましたのは、我が国の今の喫緊の問題は内需の拡大であるがそれは三つの観点から考えてそう思われる。第一の観点は国際的な観点であって、これだけ大きな黒字をためておるということは、しかもそれが減らないということは国際的に許されないことであって、日本の持っておる資源、資金をもっと内需拡大に傾けることによってこの問題への答えを出すべきである。第二の点は、国内景気がこのように停滞をしている、それは円高も大きな原因であるが、そういうところからまた個人の消費も伸び悩みの状況の中で、やはり内需の拡大が国内景気を振興するのに一番大切な手っ取り早い方法ではないかということ。第三は、もっと本質的な問題として、そもそも国民生活の質を向上するために内需の拡大が大事ではないか、こういう論点でお話をされたと思います。
 私どももまさにそのように思いますが、さてその国民生活の質、いわゆる快適な人生というのは何であるかということを政治の観点からとらえますと、実は非常に難しい。それは幸せという問題を議論しなきゃならないことになりますが、そもそも政治というのが人の心にどれだけ立ち入っていいか悪いかということは大変難しい問題ではないかと思います。私などは、どちらかといえば政治というのは人の心というのに立ち入らないことが望ましいのではないかというような気持ちを持っておりますが、そうであるとしますと、しかし人が幸せになり得る環境をつくるというのはこれは政治の役割だと思うのでございます。幸福というのは非常にとらえがたい観念でありますが、人がしかし幸せになりやすい、なり得る公算の高い環境をつくるというのは政治の役割ではないかと思います。
 そこまで申したのでは大変に抽象的になりますが、それではそのような条件は何であるか。問題が主観的に流れないためには、やはり政府の一部でずっと今まで研究しておりますように、福祉指数とでも言うのでございましょうか、ウエルフェアのための指数というのをいろいろな条件から、それは衣食住もございましょうし、教育もございましょうし、社会環境もございますしいろいろございますが、そういうものを指数で考えていって、それがどのくらい達成されておるか。これもやりようによってはどうも迂遠な話になりかねないのでございますけれども、しかし、問題が極端に主観的にならないためにはそういう目標を考えていくということは大事なことではないかと思っております。それができたら人間が即幸福になれるかということとこの話は直接にはイコールになりませんけれども、少なくともそういう環境において人間は幸福になる条件が高い、可能性が高い、そういうものを政治としては目指していくということではないかと思います。
#74
○佐藤栄佐久君 政治がどこまで我々個人の生活に立ち入るべきか、あるいはその政治の範疇というものに対して大変見識の深いお話を伺いまして参考になりました。
 私は、それじゃ政治の今一番重要な課題は何かということを考えますと、やはり住宅問題、快適な生活を得るための一つの大きな要素として住宅の問題に立ち入らざるを得ないと思うわけでございます。戦後、アメリカ型生活様式は国民の夢となり、その実現に向けた国民の努力が経済成長の原動力でありました。昭和三十年代には白黒テレビ、電気冷蔵庫、電気洗濯機のいわゆる三種の神器が、昭和四十年代にはカー、クーラー、カラーテレビ、この三つが国民の夢となり、快適な生活の象徴となったわけです。そして今、住宅こそが快適な生活の象徴として、政府が国民の夢実現に向けての積極的な政策をとる必要があると考えるわけであります。
 なぜならば、テレビや自動車は技術革新などの国民の努力によって価格は低下し、手に入るわけでございますが、住宅の価格を決定する土地を下げるには民間の努力には限界があるわけてありまして、政府による制度改革、税制、金融誘導がどうしても必要とされているからであります。
 そういう中にありまして住宅問題の解決の重要性を考えるわけでありますが、現在全国で四六%の世帯が住宅に不満を持ち、四百万世帯が最低居住水準未満の住宅で我慢をしているわけであります。快適な生活の基盤である住宅問題の解決は緊急の課題だと思うわけでございます。私はここで、個人の生活の視点から、家計に注目してさらに住宅問題解決の重要性について考えてみたいと思います。
 内需拡大のためには貯蓄を減らして消費に向けるべきであるとの指摘をよく耳にするわけであります。昭和六十一年度貯蓄動向調査報告によれば、六十一年十二月末、全国勤労者世帯のうち住宅、土地のための負債のある世帯の割合は三六・七%であり、その負債額は一世帯平均で六百七十一万円で、これは年間収入と同額であります。住宅、土地のための負債のある世帯の貯蓄現在高と負債現在高を比べてみると、三十歳未満の世帯では負債の方が四百七十三万円多く、三十歳代では負債の方が三百十万円多くなっております。つまり、高い貯蓄率の裏に高い住宅ローンがある。とても貯蓄を消費に回すゆとりなどがないのが現状だと思います。
 大臣、国民生活の質の向上、快適な生活の実現のためには抜本的な高い住宅ローン負担の軽減策が必要であると考えますが、いかがでございましょうか。
#75
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、現在の政治の最も中心の課題であると思います。政府としても各般の施策から国民が持ち家を持てるような、あるいは快適な住環境におれるような施策をかなり進めてきておると思っておりますが、今おっしゃいましたことは、やはり政治の今最も大切な課題だと考えております。
#76
○佐藤栄佐久君 住宅ローン負担軽減のためには住宅価格を下げることが第一なわけでございます。住宅価格が年収の何倍か国際比較をしてみますと、日本は五・六倍であるのに対して、アメリカ三・○倍、西ドイツ五・三倍、イギリス三・六倍、フランス二・七倍、特に我が国の首都圏では東京十一・八三倍、神奈川七・六一倍、埼玉六・二九倍であります。現在、全国の四六%の世帯が住宅に不満を持つということを申し上げましたが、その半数の世帯が改善計画を持っていますが、資金不足が理由でそれを実施できないのであります。私は、住宅価格の年収倍率を下げることによって住宅建設が飛躍的に増大するものと考えるわけであります。
 建設省にお伺いしたいと思いますが、建設省は第五期住宅建設五カ年計画を実行されておりますが、建設省において住宅価格の年収倍率はどの程度までが適当であるとお考えになられますでしょうか。
#77
○政府委員(片山正夫君) 住宅価格と年収倍率の値がどの程度がいいかということにつきましては、なかなか難しい問題であります。その家族の所得の大きさでありますとか、人員の数でありますとか、保有資産の額あるいは生活観なり価値観の違い等がありまして一概には決められないわけであります。しかし、一応の限度の一つの目安ということで申し上げますが、この場合の前提条件としましては、まず住宅価格の実勢価格をベースに、さらに貯蓄動向調査からそれぞれサラリーマンが持っております貯蓄額を引きまして残額をローンに頼る、この場合、まず目いっぱい住宅金融公庫の公的金融を借りまして、残りを民間住宅ローンを借りる。こういう前提で、かつローンの負担の限度を。住宅宅地審議会からの答申がございまして、所得分位によりまして一分位から三分位までは二五%が負担の限度、四分位、五分位は三〇%という答申がございますので、これをベースに計算いたしますると、全国の平均的サラリーマンで四・六倍、京浜地区につきましては四・七倍という数値でございます。
#78
○佐藤栄佐久君 次に、住宅費負担軽減策の一つであります住宅減税について同じく建設省にお伺いしたいと思いますが、諸外国にはさまざまな住宅建設促進のための相当な規模の減税策があります。建設省の、アメリカと西ドイツの住宅減税制度に対する御意見をお聞かせ願いたいと思います。
#79
○政府委員(片山正夫君) 諸外国におきまして、それぞれの国におきましていろいろな形でもっての住宅減税が実施されておりますが、御指摘にあります。アメリカと西ドイツは、その方式としましてまず所得控除方式をとっております。それからアメリカの場合は、その控除期間が全期間というふうに大変長いわけでありまして、西ドイツの場合につきましては八年、こういうことであります。
 この方式でありますけれども、所得控除方式につきましては、減税額を控除するに当たりまして使います数値が限界税率を使うことになります。限界税率は当然のことながら所得の高い方々の方が高いわけですから、したがいまして減税額の大きさはより所得の高い人がより大きくなるという、そういう性格がございます。
 片方、税額控除方式というのは我が国でとられている方式でありますけれども、これは対象額をどういうものに、借入金の額にするか、いろいろな対象額の決め方はありますけれども、一定率を対象額に掛けまして算出いたします。したがいまして所得の大きさに関係なく減税額は一律に決まります。したがいまして、そういう所得の観点から見ましたときには公平性が確保できる、こういう特徴がございます。
#80
○佐藤栄佐久君 次に、大蔵大臣にもう一つお伺いしたいと思います。
 今回のレーガンの税制改革では、薄く広くという改革の理念に基づき、消費優遇税制であるローン利子控除制度は原則的に廃止となりました。しかし、二軒目までの住宅建設にかかるローン利子については控除制度が存続することになりました。我が国でも薄く広くという改革の理念に基づき税制改革が進められようとしておりますが、その中で内需拡大のための税制も必要とされております。薄く広くという改革の理念を徹底的に追求したアメリカでさえも、住宅のローン利子の控除制度を存続させたわけであります。我が国には住宅取得促進税制があり、この拡充についての論議が盛んですが、住宅減税の拡大についての大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
#81
○国務大臣(宮澤喜一君) 日米の経済あるいは国民生活を比較しますときに時々言われることでございますが、アメリカの財政あるいは税制というものは一般的に消費をどちらかといえば奨励するようなそういう政策をとってきている。ただいま御指摘になりましたようないわゆるローンの利子分の控除というのは確かにその一つになると思いますが、それに対して我が国はどちらかといえば貯蓄を優遇する、そういう政策をとってきたということが言われております。これは私は、国の何と申しますか、成り立ちといえば遠くのことになりますが、第二次大戦後のお互いの国の経済の貧富、置かれた地位からいいまして、確かにそういうことはあったであろうと思います。
 が、今や相対的な地位がやはりおっしゃるように変わりつつございまして、そこでアメリカとしては、今回税制改正でセカンドハウスまでに限ろう、それ以外のローンの利子というものは今までのようにそうたやすくは控除はしませんよということになったと思って見ておりますが、それでもセカンドハウスまでは見ておるということでございます。
 我が国の場合は、これはいろいろ御議論が私はあると思いますが、いわゆる非課税貯蓄制度を改めようといたしましたのも、一つにはそう過度の貯蓄優遇ということがどうなんだろうか、やはり税制の公平性を損なうのではないかというような考慮もございました。しかしこれを外国から見ておりますと、日本の過度の貯蓄というものを幾らかノーマルにするための政府の施策ではないかと見ておるようで、それは内需拡大と結ぶ話でございますけれども、そういうことからいたしますと、我々も住宅の減税について、従来から考えていた施策をもう少し新しいところへ踏み込んでいくべきかどうかという問題が私は確かにあるだろうと思っております。
 財政当局は、昨年度の改正で住宅減税、年間のコストにしますと従来四百億円ぐらいでございましたものを千三百億円ぐらいにいたしておりまして、財政当局としてはかなり思い切った住宅減税をやったというふうに考えております。それはまた、事実そう申してもよろしいと思いますが、さてそれでもなお不足か、先ほど申しましたような大きな日米の間の国情が変わってまいりますに従って、とるべき方向として十分であるかないかという問題はあるいはあるのかもしれない。私どもも虚心にこの点はもう少し考えてみたいと思います。
#82
○佐藤栄佐久君 最近、住宅減税の拡大策として所得控除方式や、税額控除額を住宅ローン残高の三%とする案などが浮上しているようですが、税制改革の基本理念を逸脱しない範囲内において諸外国に匹敵する住宅減税の実現をお願いするとともに、住宅減税を効果的なものにするためにも、有効な地価対策を講ずることをお願いいたしておきたいと思います。
 さて、ここで通産省にお伺いしたいと思いますが、御承知のとおり円高不況等による中小企業の現状は極めて深刻なものがあるわけであります。このような現状のもとでは、公共土木事業を主力とする施策のみでは、中小企業の立場からは大きな期待を持つことは困難なわけであります。通産省におかれまして、今中小企業の振興に直接結びつく内需拡大策をとるべきものと考えておりますが、現在、政府で検討されております中小企業向けの内需拡大策の具体策をお示しいただきたいと思います。
#83
○政府委員(岩崎八男君) 国の支出、これはいろいろなチャンネルを通じまして、直接あるいは間接に中小企業への需要の増大ということにつながっていくわけでありますけれども、私どもはその項目を特定するというよりは、そういった支出ができるだけ直接中小企業者へ流れるようにということで、いわゆる官公需法に基づきまして国等の契約の方針を毎年閣議決定いたしております、そこで、各機関のすべての支出の中小企業者への受注の確保ということに努め、その比率を逐年できるだけ上げるべく各省庁の御協力を得て、これまで努力してきておりますし、今のような状況の中でございますので、今後、今年においてもそのような努力を続けたいと思っております。
#84
○佐藤栄佐久君 よろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは次に、四全総に関しまして国土庁にお伺いしたいと思います。内需拡大策は国民生活の質の向上を図るものと同時に、国土政策に沿う形で実行されるべきものであります。そこで、今後の国土政策の基本となる第四次全国総合開発計画、いわゆる四全総についてお伺いいたします。
 私は、かつて青年会議所運動で全国を回り、町づくり、地域振興に努める青年と語り合いました。そこで驚いたことは、東京に対してコンプレックスを持っているのは私どもみちのくと言われる東北地方だけではなく九州、四国、中国、全国あらゆる地方が東京に対してコンプレックスを持っているということでありました。それにもかかわらず、自分が住んでいるところが中央だ、中心だとして町づくりに取り組んできた地方の青年は、三全総が地方を重視する定住圏構想を打ち出したことに大変勇気づけられてきたのであります。私も全総、新全総、三全総の流れの中で、今四全総においても国土政策の基本を地方重視として明確にすることを希望しておるわけであります。四全総最終案は地方重視を明確にすると言われますが、この件につき国土庁長官のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#85
○国務大臣(綿貫民輔君) 三全総は定住ということを重視いたしておったわけでございますが、今回の四全総は定住と交流とうたっております。私も先般来各ブロックを回りまして東北にも参りまして、東北地方の振興懇談会ということでお話を伺ったわけでございますが、東北は一つだと、こう言われますけれども、行ってみますと東北は一つ、一つ。まさに東京に向かっての交通網は開けておりますけれども、ブロック間の交通網というのは非常におくれております。これらのネットワークをさらに密にすることによりまして地方が一つになるような、そういう方向がこれからの地方の時代の最も重要な点だと考えるわけでございまして、今回の四全総におきましても、地方圏の中のネットワークというものを十分密にすることによって定住と交流、そして地方圏がさらに力を持つように考えていきたいと考えております。
#86
○佐藤栄佐久君 簡単に二、三の質問をいたしたいと思いますが、まず一つは、今度の十二月の中間報告では、各ブロックごとに対する具体的なプロジェクト、あるいは高速道路体系についての具体的な観点からのお話がなかったように考えておりますが、その件について一つお願いしたいと思います。
 それから多極分散型という国土づくりを目指すものでございますが、この多極というのは大体どの程度の都市圏を想定されておるのか。
 それからもう一つは、三万から五万の地方都市をどのように考えておられるのか。この三点につきましてお答え願いまして、私の質問を留保したいと思います。
#87
○政府委員(星野進保君) お答え申し上げます。
 第一点は、昨年十二月の審議経過報告は、むしろ地方の御意見を承るための素材ということで、基本的な考え方だけをお示しいたしまして、むしろ地方からいろいろプロジェクトあるいは基本施策その他について聴取するためのものでございました。したがいまして、最終の案では、そういう地方からの御意向等を盛り込みましたもので完成させていきたいというふうに、考えております。
 それから多極分散でございますが、先ほど長官がお答え申し上げましたように、これからは一つのネットワーク化というのが非常に重要になってくるわけでございますので、したがいまして、主要都市はもとよりでございますが、地方の各都市等も含めましてネットワーク化していくということを多極という日本語で表現したというふうに御理解いただきたいと思います。
 それから先生最後に御指摘の三万ぐらいの都市というのは、これは統計上五万以下の都市の人口減少というのが著しい状況でございます。これもまさに、先ほど長官が御答弁申し上げましたように、周辺の主要中枢中核都市との結合でありますとか、あるいは周辺農山村との結合その他によりまして、そういう三万都市ぐらいの今非常に御苦労なさっている地域もかなり力をつけていただけるようになるのじゃないかということを想定しております。
#88
○委員長(桧垣徳太郎君) 佐藤君の質疑は午前はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時三十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十分開会
#89
○委員長(桧垣徳太郎君) 予算委員会を再開いたします。
 昭和六十二年度総予算三案を一括して議題といたします。
 休憩前に引き続き、佐藤栄佐久君の質疑を行います。佐藤君。
#90
○佐藤栄佐久君 国土庁長官の私的諮問機関である国土政策懇談会が三月六日に提出した報告書では、東京一極集中は自然の成り行きではなく、東京集中政策、中央集権的な考え方であったとしておりますが、国土庁長官はどのようにお考えになっておられますでしょうか。
#91
○国務大臣(綿貫民輔君) 国土政策懇談会でございますが、いろんなメンバーの方がおられましていろんな意見があったわけでございます。その中の一部の意見としてそういうような御意見もあったわけでございますけれども、そのような意味におきまして、今後、国の機関であるとか、あるいは業務機能の東京に必要のないもの等はなるべく地方に展開するようにというような御意見をつけて、そういう一部のお話があったということでございます。
#92
○佐藤栄佐久君 東京圏と地方圏の行政投資を比較すると、昭和五十四年を境に東京圏の比率が増大しつつあります。四全総中間報告が東京重視を打ち出したことに対する地方の反発も、この傾向に拍車をかけるものと地方に受け取られたからであります。東京は民活、地方は官活という声もありますが、地方民活を行うときでも民間投資の引き金役としての公共投資が必要であると思います。
 国土庁長官にお聞きしたいと思いますが、四全総の国土基盤投資の累積額は一千兆円程度となります。四全総の地方重視の姿勢を具体的に示すために、計画の中で地方に重点的に行政投資を行うことを明記すべきであると考えますが、いかがでしょうか。
#93
○国務大臣(綿貫民輔君) 地方の振興ということについていろいろの公共投資をもっとふやせというような御意見であろうかと思います。
 先ほどからもお話をちょっと申し上げておりましたが、地方というのは、やはり回ってみますと、皆様方の地域というのはまだまだインフラ整備等が足りない。最近では、自動車道のほかに新幹線あるいはコミューター空港、こういうものを位置づけるべきだというような御意見もございますし、今度の四全総におきましてもいろいろと投資額等も今推定いたしておるわけでございますが、地方に傾斜配分すべきであるというような内容も今検討いたしておりますし、最近の内需振興という面におきましても、やはり地価の中にこの公共事業の予算が吸い込まれるようなことはなるべく少ないようにしろというような御意見もございまして、必然的に地方の公共事業の投資額を傾斜的にふやすようなことをしなければならないのではないか、また、そういうふうになっていくのではないかと思います。また、そういうことを通じまして地方の振興を図る一つのばねにしていかなければならないというふうに考えておる次第でございます。
#94
○佐藤栄佐久君 同じ三月六日の報告書では、東京圏では、固定資産税の時価評価による増税など、土地保有者の負担によって開発を推進すべきだとしておりますが、国土庁長官はどのようにお考えになられますでしょうか。
#95
○政府委員(柳晃君) お答え申し上げます。
 国土政策懇談会は、国土庁長官の私的諮問機関として、自由に発言し、答えを一つにまとめないというようなことで、いろんな御議論が出まして、その中に先生御指摘の、固定資産税の増収分でいわゆる国土の整備財源に充てたらどうかとか、あるいは事務所の東京集中を緩和するために役立てたらどうかというような御意見が出たことは確かでございまして、確かに一つの御意見として私どもは受けとめております。
 しかしながら、この考え方に対しまして、同じ懇談会、あるいはレポートにも載っておりますが、これに対して反論なり批判なりも同時にあるわけでございまして、例えば現にそこに居住している人々を追い出すことになるではないかというような御議論も同時にございました。したがいまして、世上言われております、開発利益の吸収によって東京圏の整備を進めるとかいろいろなことを含めまして、今後このような御意見を参考にして研究を深めてまいりたい、かように考えております。
#96
○佐藤栄佐久君 国土の多極化を進める上で有効な施策は、四全総中間報告でも検討課題とされている展都、分都であるというふうに考えます。その具体案の一つとして、例えば東北経済連合会は、東北地域を首都代替機能を持つ第二の首都として明確に位置づけるべきというふうな提案をしておるわけでございます。私も、万一首都圏に緊急事態が発生した場合のことを考えて、首都圏外への展都、分都を断行すべきであると考えますが、いかがなものでしょうか。
#97
○政府委員(星野進保君) お答え申し上げます。
 たしか昨年だったと思いますが、先生御指摘の東北経済連合会その他から、例えば最高裁を山形へとか、具体的な御指示をいただきながら御提案があったことは承っております。私どもも実は、東京問題を考える場合に一つのポイントでありますのは、大震災害等にどのくらい強い国土をつくっていくかということが非常に関心事でございまして、そういう観点からも、どうしても東京になきゃならないものについては例えばコピー化をするとか、あるいは、東京になくても独自性を持って活動できるようなものにつきましては極力地方分散していただくとか、そういう観点でいろいろと案をつくりまして、現在関係省庁と御相談申し上げておる最中でございます。
#98
○佐藤栄佐久君 また、四全総の中間報告の中には複数住宅の利用、すなわちマルチハビテーションという言葉を使っておりますが、「マルチハビテーションに対する住宅の供給を促進する。」と書かれております。四全総中間報告に盛られたこのマルチハビテーション方式はどのようなもので、どのような理由で提唱されるのでしょうか。また、どの地域ブロックにどの程度の規模のものとなるとお考えでしょうか。
#99
○政府委員(星野進保君) マルチハビテーションについてでございますが、聞きなれない用語で恐縮でございますが、住居を幾つかの地域に持つということを一言で申し上げたわけでございます。
 基本的な考え方は、これから恐らく都市へ住民が大変住居するようになるだろう、その都市の周りに、田園都市構想ではございませんが、本当は自然と一緒にうまく調和するのが一番いいわけでございますが、かなり過大化した都市その他におきましてそのまま自然を享受するというのはなかなか不可能でございます。片一方、山村地域において過疎化その他が進んでおりまして、山村地域での活性化というのもまた一つの課題である。そうなりますと、最近だんだんと動きが出ておりますが、保養地、観光地など、あるいは農山村の空き家の利用でありますとか、あるいはまた逆に大都市郊外に住んでいて多忙な人が都心でマンションを持つとか、そういう形態がだんだんあらわれてきておりまして、できればこういう居住形態が都市、農山村間の交流を促進するというような形で生かされることが望ましいことではないだろうかということで、マルチハビテーションという考え方が審議経過報告でも出てきたものでございます。
 ただ、先生は量的にどうなのかという御質問でございますが、これはあくまでも、その住宅が特定の地域に大量にまとまるとかそういう話ではございませんので、そういう方向についていろいろと考えられることはやっていこうじゃないかということで、量的な検討は私どもしておりません。
#100
○佐藤栄佐久君 私は、このマルチハビテーション方式は、今日の東京集中化現象の中では非常に現実的な地域振興政策であると考えておるわけでございます。よろしく御検討願いたいと思います。
 六十二年度予算案には、このマルチハビテーション方式に基づく都市・田園複合居住用住宅融資制度の創設が盛り込まれております。建設省に、この制度はどのようなものであるかということをまずお聞きしたいと思います。
#101
○政府委員(片山正夫君) 近年、労働時間が大変短縮されてまいりまして、それに伴いまして週休二日制が普及する。さらには、生活の場におきましても、従来は家庭の中で行っていた生活の行為が、外部的な条件の外部機能の方に移り変わっていく。さらには、高速交通ネットワークなどが充実するなど環境条件の変化もありまして、生活自体が大変多様化してきております。
 そういう中にありまして、住宅についても多様化が進み始めております。例えば、週末の時間がゆとりがありますので、そういう週末は、常時居住する住宅から離れて郊外地でもってゆっくり生活をするというような傾向も出始めております。また反対に、世帯の中の中心的な働き手の世帯主が、平日は都心のマンションに住まって週末は自宅に帰る、こういうような傾向も出ております。そういうことに着目いたしまして、趣旨としまして、拠点住宅とあわせまして一世帯二住宅ということでもって居住水準の向上を図っていこうということであります。
 六十一年九月に総理府が行いました「大都市圏の住宅・宅地に関する世論調査」というのがございまして、この中で、セカンドハウスの需要に関する調査という項目がございまして、二つ目の住宅を購入する計画があるかとか、持ちたいかというようなことを問うておるわけでありますけれども、将来持ちたい、こう思っている方々の数字が意外と高いわけでありまして、例えば世帯収入が四百万から六百万のところで二二・五%の方が持ちたいと言っておられまして、これがだんだん上がりますと、八百万円までの方になりますと二七・八%の方が持ちたい。一千万になりますと三四・二%の方が持ちたいと。一千万以上になりますと既にお持ちの方が一五%もおられるというので、逆に希望は二一%とちょっと下がりますけれども、総じて中堅所得階層を中心に二つの住宅を持ちたいという意向は現にあるようであります。
 こういうことを背景にいたしまして、今回、名前はちょっと複雑でありますけれども、都市・田園複合居住用住宅に対する融資制度を創設しまして、政策金融の対象に乗せたわけであります。
 内容といたしましては二つタイプがありまして、一つは田園型であります。田園型は、都市居住者及びその家族が週末等に都市近郊で生活するための住宅。ですから、融資対象になる方々の住んでおられる場所は、首都圏の場合は既成市街地と近郊整備地帯、近畿圏は既成都市区域、近郊整備区域、中部圏は都市整備区域、こういうところに住んでいる方々が新たに住宅を求める場合。その新たに求められる方の住宅の立地する地域につきましては、これは首都圏におきましては二百キロ圏、これは二百キロ圏にかかります圏域はずっとかかりますので、例えば長野県も入りますし、新潟県は全域入りますし、福島県も全域入る、こういうわけであります。近畿圏、中部圏はそれぞれ百キロ圏ということを想定しておりまして、融資条件としましては、五・二%の金利口でもって、限度額は二月当たり七百万円、こういうことになっております。
 それから都市型というのがありまして、これは都市地域における活動拠点としての住宅を求める場合、融資対象の方々の現に住んでおられる住宅地の立地の条件としましては、首都圏が二百キロ圏、近畿圏は百キロ、中部圏は百キロ、こういうところに住んでいる方々が逆に都心地域、首都圏では既成市街地域、近畿圏は既成都市区域、中部圏は名古屋市、こういうところに求める場合で、この場合共同住宅を想定しておりますので、金額は若干上がりまして八百十万円と、こういうことであります。
#102
○佐藤栄佐久君 先ほども申しましたように、私はこの制度に非常に期待しております。と同時に、地方の皆さんも、過日新聞を見ておりましたら、東京の住宅、三千万の分譲住宅だと思いましたが、三億円でございまして、単位が一単位違っておったわけなんです。三千万でしたら、例えば私の住む郡山あたりですとすばらしいうちが買えるわけでございまして、どんどん東京の方が地方に住んで、そして新幹線で東京に月曜日、我々の生活と同じでございますが、月曜日から金曜日までは東京でワンルームで住む。過日の広中先生の御意見では、家族が離れて住むということに対しての大変な抵抗をお持ちのようでございまして、これは決して最善の方法であるとは思いませんが、そういうことを推進していただぎたいと思う次第でございます。
 それと関連して、今通勤の問題が出ましたが、現在新幹線も二百キロ圏は通勤通学定期の範囲として、通勤定期の場合には四二から六三%、通学定期の場合には七〇%の割引を行っております。つまり、新幹線では二百キロ圏を毎日の通勤圏と考えているわけですから、この構想はさらに範囲を拡張できるように思いますので御検討を願いたい。私の住む郡山は二百三十キロでございますので、もう少し範囲を広げても十分通勤できるということでございます。
 ここで運輸省にお伺いいたしたいと思いますが、これらの構想、制度を実現するため、新幹線、飛行機などの遠距離の運賃の割引制度が必要になった場合、この点について運輸省の方で考えてくださるかどうかお尋ねしたいと思います。
#103
○政府委員(棚橋泰君) お答え申し上げます。
 四全総の検討経緯の中で、先生の御指摘のようなマルチハビテーションというような構想が盛られております。そういう構想がやがて実現いたしました場合には、何らかの形で運輸政策上そういう地域と都市との間を往復する交通に対して配慮をすべきであるということは御指摘のとおりだと考えております。ただ、四全総そのものが交流ということを非常に大きな柱にいたしております。したがいまして、単にマルチハビテーションということで都市と農村ということの交流だけではなくて、地方都市間の交流というようなものも強めていかなきゃいけない。そういう意味についても運輸政策上の配慮をしなければいけないというふうに考えております。
 そもそも、交通と今先生御指摘のような交通費との関係は、やはり量との相関関係になりますので、こういう四全総の構想が現実化していけば交通量もふえますので、したがいましてコストも低減できるという、こういう関係にあるわけでございまして、さらに、先生が今御指摘のございましたような通勤に対する特別の配慮、回数券とかさらには通勤の距離の長さに対する配慮とか、いろいろな面で、そういう事態になりました場合には四全総の実現の過程におきまして運輸政策上の配慮を検討いたしていきたい、かように考えております。
#104
○佐藤栄佐久君 次に、通商政策の基本問題についてお伺いいたしたいと思います。
 我が国の通商政策の基本は自由貿易体制の堅持にあります。しかし、これまで自由貿易体制の守護者であったアメリカの議会では保護主義的な法案が可決され、また我が国に対する海外からの市場開放要求は日増しに高まっており、我が国の交易条件は一層厳しさを増しておるわけでございます。本日の新聞報道によりますと、米議会で審議中の包括貿易法案に保護主義的な修正条項を加えたことで知られるゲッパート下院議員は、アメリカ議会に保護主義者はいないと語っておりますけれども、外務省は現在のアメリカ議会の動向をどのように受けとめ、かついかなる対応を考えておるかお伺いをいたしたいと思います。
#105
○政府委員(池田廸彦君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のとおり、現在のアメリカの議会におきましては、ゲップハート修正案に象徴されますような保護主義的な動きが非常に強まっております。ゲップハートさん御自身が、自分は保護主義者ではないとおっしゃる。御自分ではそう思っておられるのかもしれませんけれども、私ども、客観的に世界貿易がこれからも順調に拡大していくための条件という観点からながめました場合、やはりゲップハートさんの提唱しておられるような考え方、すなわち、貿易を二国間でバランスさせる、しかも輸入国の方の主観的な判断で問題ありと、これ以上輸入がふえるのは困ると思った場合には輸入国の一方的な判断で輸入をとめる、制限する、こういう考え方は、やはりこれは保護主義と言わざるを得ないのではないかと、かように考えております。
 それでは、これにどのように対処をしていくかというのが御質問の趣旨と考えますけれども、まずアメリカの議会の中でそういうようにいわば一種の非常に強い焦り、切迫した焦りの感情が出てくること、これはやはりそれなりに理解はできることでございます。アメリカの貿易赤字というものは史上空前の数字でございます。じゃ、それならば仕方がないのかというと、そういうことではございません。
 例えば日米の貿易を見てみましても、確かにドルベースではまだ若干増勢は続いておりますけれども、しかしこれを円ベースで見ました場合には、我が国の輸出は明らかにもうここ数カ月あるいは数カ月以上にわたりまして低落の傾向を示しております。いわゆるJカーブ効果というものが働いている局面でございまして、これから日米の貿易収支というものはインバランスが縮小してくるだろうと思います。それからアメリカの方も、対日輸出及びその他の地域を含めまして、アメリカの輸出もドル安ということで競争力がそれだけ強化されているわけでございますから、これからは伸びていく。そういう中にあって、そういう傾向を定着させるということが本来の筋であって、そこから一飛びに感情に流されて保護主義的な傾向に走るというのは、やはりアメリカのためにもとるべき措置ではないと思います。今後こういうことを繰り返しアメリカ側に今まで以上に強く言いまして、それでこういう動きが定着しないように強く働きかけていきたい、かように考えております。
#106
○佐藤栄佐久君 ここで私は、原点に立ち返って、自由貿易主義と保護貿易主義の問題について基本的な考え方を明快にしておく必要があると考えるわけであります。
 歴史的に見ると、自由貿易主義は、本質的には経済の国際競争力が強い国の論理であります。イギリスは一八四六年に穀物条令を廃し、その後ほぼすべての保護的処置を廃止して自由貿易主義の時代を築きました。これはパクスブリタニカの時代に当たるわけです。このパクスブリタニカの時代にイギリスのライバルであったドイツの宰相ビスマルクは、自由貿易主義を、覇権国が他国に覇権を奪われないようにするための武器であると述べているわけです、事実、覇権国が存在しない時代には保護貿易が台頭するわけです。
 一九二〇年代と三〇年代は、パクスブリタニカからパクスアメリカーナへの移行期に当たります。この覇権国不在の時代には、不況にあえぐ各国が次々と関税を引き上げる保護貿易戦争を行い、世界大恐慌の原因となり、第二次世界大戦の原因ともなったわけであります。そして戦後、パクスアメリカーナの確立とともに、アメリカは自由貿易主義の守護者となり、世界に自由貿易主義が普及したわけであります。一部には、この覇権国不在の二〇年代から三〇年代と今日の状況を非常に似ているとする学者の意見もあるわけであります。
 通産省にお聞きしたいんですが、パクスブリタニカ、保護貿易戦争時代、そしてパクスアメリカーナと続いてきた世界経済の歴史を見るとき、アメリカにおいて保護貿易主義が台頭している現在の状況は、世界経済の歴史の中でどのような段階にあるとお考えになりますか。通産省にお聞きしたいと思います。
#107
○政府委員(吉田文毅君) お答え申し上げます。
 現在の国際経済秩序についてでございますが、アメリカを中心とするその秩序の維持、これは大変現在困難になりつつあるという認識をしておりまして、今後は、アメリカとともに日本あるいは西独等、主要な関係国がその地位の相対的な上昇に見合いまして責任を分担していくための新たなシステムの構築が必要になるというような指摘がなされております。これをもちまして、アメリカを基軸とする時代、いわゆるパクスアメリカーナから主要国の協調と連帯によります秩序維持の時代、いわゆるパクスコンソルティスへの移行と呼んでいるような場合もございます。
 現在の世界貿易の状況でございますが、日米をめぐります貿易不均衡の問題等を背景といたしまして欧米諸国を中心に保護主義的な動きが見られるということ、これは事実でございます。通産省としましては、このような保護主義的な圧力を防圧いたしまして自由貿易体制を堅持するためには、日米欧を中心とする世界各国が経済政策の調和を図りながら、新たな開放されました貿易秩序を形成することが不可欠であろうというふうに認識をしております。現在、OECD閣僚会議あるいは四極貿易大臣会合等を通じまして、いわゆるニューラウンドの推進等、自由貿易のためのルールの再構築のために我が日本がイニシアチブをとるというような努力をしている現状でございます。
#108
○佐藤栄佐久君 三〇年代の保護貿易戦争及び世界大恐慌のきっかけは、経済大国となったアメリカが、貿易黒字国であるにもかかわらず、不況対策として高関税政策をとったことにあります。今日、経済大国となった我が国は、二〇年代、三〇年代のアメリカのように保護貿易主義の道をとり、国際経済の縮小を招くことは当然許されません。
 しかしここで、なぜ自由貿易主義を国是とするのかという点と、その例外としてなぜ産業保護政策をとるのかを明確にする必要があると考えます。
 私は、自由貿易主義を国是とする理由は以下の三点であると考えるわけです。第一に、三〇年代の保護貿易戦争は世界経済の縮小均衡を招き、結果的に各国の不利益となったので、これを繰り返してはならないというものです。さらに、経済が国際化している今日、資源の最適配分、すなわちよい品を安く供給するためには自由貿易主義がよいという考え方。それから、自国産業の国際競争力向上のためによいという理由もあるわけです。一方、保護貿易主義は国際競争力が弱い自国産業を守るものですが、これには国際競争力がつくまでの間保護するという考え方があります。
 通産省にお聞きしたいと思いますが、ここでまず一般論として、通商政策において自由貿易主義をとる理由と、その例外として産業保護政策をとる理由についてお伺いいたします。
#109
○政府委員(吉田文毅君) お答え申し上げます。
 それぞれの国の経済の発展段階によりまして保護主義政策をとる理由というのはさまざまでございますが、概して申し上げますと、幼稚産業の保護あるいは国防上の配慮等から産業保護政策がとられている場合がございます。通産省としましては、先ほど御説明申し上げましたように、自由貿易主義こそが世界貿易の拡大を通じまして世界経済の発展をもたらすものであり、ガットを中心としましたこれまでの自由貿易体制は、自由、無差別、多角的という三つの理念のもとに世界の自由な通商の拡大に大きく貢献をしてまいっているというふうに認識をしております。今後とも世界経済の安定と持続的な拡大を図っていくために、保護貿易主義を排しまして自由貿易体制を維持していくことが必要かというふうに存じます。
#110
○佐藤栄佐久君 産業保護政策の中でも、日本の農業、特に米の保護政策に関しては、国際競争力の弱い産業を守るという立場からだけではなく、国土の保全、食糧安保、さらには地方における不況あるいは産業空洞化の際の、まあこれは消極的な意味でございますが、消極的雇用安定策等々の理由があると私は考えるわけであります。
 このたびのOECDにおいて、農業問題について主要国間で初めて討議の基礎となるルールをつくったわけでございますが、OECD閣僚理事会についてお尋ねしたいと思います。
 今回の閣僚理事会のコミュニケの内容に対してどのような評価をされておられるのか、外務省にお伺いしたいと思います。
#111
○政府委員(池田廸彦君) お答え申し上げます。
 今回のOECD閣僚理の非常に焦点の当たった点の一つとして、御指摘のように農業問題がございます。ここでは、現在直面しております構造的な需給の不均衡というものに対してすべてのOECD諸国が協調してこの現状を直していくように努めなければならない、こういう基本原則について確認されました。しかし、それと同時に、我が国を初めとする一部の諸国の強い主張によりまして、農業というものはやはりほかの産業分野と全く同じというわけにはいかない、例えば食糧の安定供給というような問題もあるし、環境保全というような問題もある、こういう点も合わせて認識されまして、したがいまして、中長期的には新ラウンドの農業交渉で国際的にみんなが納得できる新しい体制をつくっていこう、こういうことになりましたが、その場合にも農業部門だけを特別に切り離して特に早くまとめる、そういうことではなく、新ラウンド全般の促進を図る、こういうことがやはり確認されております。
 そういうことで、やはりみんなが責任があるということを認めたことは新しい認識でございますが、それと同時に、我が国が従来から主張してまいりましたような点につきましても十分な理解が得られた。これをベースに今後、これからガットまたはOECD等の場で国際的に納得のいくようなルールをつくるように我が国としても一生懸命検討してまいり、貢献してまいりたい、かように考えております。
#112
○佐藤栄佐久君 同じ質問を農水省にもお願いしたいと思いますが、農業保護政策について、今度のOECD閣僚理事会において、大臣もいらっしゃって大変日本の主張を述べたと伺っておりますけれども、あす帰ってこられてからいろいろこの場でも討議されると思いますが、基本的な結論についてお伺いいたしたいと思います。
#113
○政府委員(眞木秀郎君) お答え申し上げます。
 今回のOECD閣僚理事会におきましては、現在の非常に深刻な状況にございます農業問題について、各国が協調してどのように対応していくかということについて非常に真剣かつ活発な議論が行われたわけでございます。
 基本的には、結論といたしましては、各国が協調しながら、中長期的に農業助成の漸進的な削減を通じまして一層市場原則を取り入れた形での生産の方向づけが行われるように農業改革を進めていくべきであるという結論になったと承知しております。
 主な点については三点あろうかと思いますけれども、第一は、いわゆる長期的な今申し上げたような農業政策の方向づけでございまして、市場原則に沿った形での農業生産あるいは農業助成の削減を目指して努力するということでございます。
 それから第二点は、こういう問題について具体的に詰めていく場合の、現在始まっておりますウルグアイ・ラウンドとの関連についてでございますが、このような改革に必要な方策もやはりその多くのものがウルグアイ・ラウンドで交渉されるという認識のもとに、この新しいラウンドにおきまして、他の交渉分野と並行して農産物交渉につきましてもその円滑な推進が図られるべきであるということが結論づけられたわけでございます。
 第三に、現在非常に輸出競争、補助をつけての輸出競争等で混乱しております市場の短期的措置につきましては、各国の主張がいろいろございまして、余り具体的な結論は出なかったと思いますけれども、過剰生産を防止するとかあるいは在庫処分を適正に行っていく、あるいはまた、対立的で安定を損なうような貿易慣行の自粛といったものが必要であるということがコミュニケに取り入れられております。
 我が国といたしましては、食糧自給率が先進国の中でも一番低い一方、農産物については大輸入国であるという我が国の立場についての理解を求めるように努力をする中で、食糧の安定供給、あるいは農業が国土なり環境保全に果たす役割り、あるいは地域経済に与える影響等、多面的な役割りを強調いたしまして、また、いろいろな改革を進める場合にも、その政策を選択していく上で各国の立場がそれぞれ違うわけでございますので、そういう弾力性が認められるようにというようなことを日本として主張いたしました。このような点は最終的にコミュニケにも反映されておりますので、この点は結果としてよかったのではないか、このように今評価をしておるわけでございます。
#114
○佐藤栄佐久君 時間が来ましたので、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#115
○委員長(桧垣徳太郎君) 以上で佐藤栄佐久君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#116
○委員長(桧垣徳太郎君) 次に、及川順郎君の質疑を行います。及川君。
#117
○及川順郎君 公明党の及川でございます。
 初めに、今回の予算審議について質問をさせていただきたいと思いますが、普通の年とちょっと際立って異常性を感じられる本年度の予算審議につきまして、率直にまず官房長官と大蔵大臣の感想から伺いたいと思います。
#118
○国務大臣(宮澤喜一君) 今年度の、六十二年度予算の御審議につきまして、通例でございますと、新年度の開始とともに予算を執行させていただくことができる場合がほとんどであるわけでございますが、今年度は参議院への予算案の回付が大変に異常におくれまして、ために政府としては五月二十日までの暫定予算を組んでこの事態に対処をするというようなことになりました。まことに異例なことであると存じます。殊に、内外から予算の早期執行を求められておりますような環境でございますので、政府としてもこの状況には非常に苦慮をいたしております。
 また、国会に御提案をいたしました税制改正につきまして、衆議院議長のごあっせんによって衆議院に設けられる協議機関において、もし審議未了の場合にはこの取り扱いを御協議になるというようなことも、これもまことに異例のことであると存じております。
#119
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいま大蔵大臣からお答えがございましたのと全く同じ考え方でございます。国会の非常な御協力を賜りながら、いかんせん五十日間の暫定予算というものを組まざるを得なくなって、しかもまだ今日六十二年度の本予算がこうして審議が終わっていない。ところで、国内外の経済情勢から来る予算成立への、早期の成立要望というものは非常に強いものがあるわけでございますから、それだけに今日こういった事態を迎えたということについては大変残念に思っておりますが、一日も早くこの予算をお認めいただくことができまするように心から念願をいたしておる次第でございます。
#120
○及川順郎君 衆議院の強行採決で結果的には参議院が先議みたいな形に形態としてなったわけですけれども、この予算の内容、予算の中身ですね、それからもう一つは予算案の取り扱い、これをめぐっての御感想はどうですか、お二人の。
#121
○国務大臣(宮澤喜一君) 予算案そのものの内容は、財政再建の途中ではございますけれども、公共事業費におきまして五・二%の増を確保する、あるいは雇用開発三十万人計画等々を盛り込む、あるいは産業の転換についての諸施策を具体化するといったように、この事態に対応いたしましてできるだけのことを予算案に盛り込んだつもりでございます。なお、その後にまた円高の進行もございましたし、我が国の貿易黒字もなお累増するというような状況が続いておりますので、この予算をできるだけ早く、例えば公共事業の前倒し等等によって執行をさせていただきたいと考えて現在もおりますのでありますが、予算案といたしましてはこういう状況の中で精いっぱいの努力をいたしたというふうに考えております。
 なお、この予算案が衆議院におきまして事実上の御審議の時日が非常に少のうございまして、かなり多くの実体的な部分が初めて参議院において御質疑があり、また政府がお答えをするというような、実際上そういう運営になりましたが、これもまことに異例なことであったと存じております。
#122
○及川順郎君 官房長官はいかがですか、この予算の取り扱いに対して。この扱いに対しての御感想。
#123
○国務大臣(後藤田正晴君) 御承知のように、内閣としましては、行政の改革、財政の建て直しという大きな目標に向かって数年間の努力を積み重ねてきておるわけでございます。そうした中にも、やはり時世の変化に対応できるような臨機の措置ということは当然頭の中に描きながら、予算編成の時期において考えられるだけの国内措置に必要な予算というものは、厳しい財政の中からも私どもとしては中身として取り組んで国会に提案をさせていただいた次第でございますが、残念ながら、衆議院の審議等でもおわかりのように、余りにも急激な円高がさらにその上に加わってくるといったような事情もあり、特に歳入面についてのいろんな御意見の違い、開きというものが与野党間にありまして今日こういうような事態になったわけでございます。
 政府としては、やはり我々は我々なりにこれが最善のものである、こういうつもりで御審議をお願いしておるということは、これは間違いのない事実でございますが、ぜひひとつ、お立場は違うと思いますけれども御理解のほどを願いたい、こう思います。
#124
○及川順郎君 大蔵大臣にお伺いしたいんですけれども、予算の原則という、関係法に照らして学者の中ではいろいろ議論されておりまして、例えてみるならば、完全性の原則、それから統一性の原則、限定性の原則、一年制の原則、正確性の原則等々、これは学説的に定着をしてきているわけですけれども、こういう予算の原則に対しての御専門の立場からどういうお考えをお持ちかお伺いしたいと思います。
#125
○国務大臣(宮澤喜一君) これは私は専門ではございませんのできちんとお答えができませんが、ただいまのような原則は皆私どもが予算を編成するに際しましてできるだけ守っていかなければならないルールを述べておられるものと、私どもとしても与えられた環境の中で最善を尽くしておるつもりでございます。
#126
○及川順郎君 例えば完全性の原則でございますけれども、この中にはやはり特別会計とか財政投融資等でゆがみが出てきているのではないか、こういう指摘がありますけれども、その点に対するお考えはどうですか。
#127
○国務大臣(宮澤喜一君) 特別会計あるいは財投でゆがみが出てきているということでございますけれども、我が国のようにかなりの経済大国になりますと、やはり国の財政も相当複雑になりますことはどうも避けられないところでございまして、その場合すべてを一般会計に盛り込むということは事実上難しいことであります。
 また、同じような意味におきまして、すべてが納税者の負担によってあるいは国の直接の借金によって賄われなければならないというわけのものでもない。国民のいろいろな貯蓄、蓄積等によって各種の政府機関あるいは政府関係の仕事を行うことも、殊に受益者負担といったような場合にはそれも可能であるわけでございますから、つまり利子のつきました金で仕事をするということも、これも決して退くべきことではございませんので、そのような意味で財投会計のようなものがございますことも私は一つの有用な目的を達しておると思います。問題は、それらのことをすべて国会の御審議の前に明らかにするということは大切なことでございまして、これはそのようにいたしておるつもりでございます。
#128
○及川順郎君 ではもう一つ、正確性の原則ということについて考えますと、やはりどうも内容的に経済財政に対して年間にわたっての見通し、これに正確さを欠いていたのではないか、こういう指摘がございますけれども、この点に対して大蔵大臣と経企庁長官、お二人からお答えいただきたい。
#129
○国務大臣(宮澤喜一君) いろいろ事実に徴しまして一年間の経済の運営についての見通しがしばしば困難であるということは否定ができないと思います。殊に、最近のように国際経済から受ける影響が我が国のようになりますと大きい、我が国が与える影響も大きゅうございますが、我が国が受ける影響も大きい。
 最近の例で申しますと、例えば石油の価格のいわゆる昭和四十八年以来の石油危機による急上昇、あるいは最近におけるかなりまた急下降等々もその一つでございますし、また為替レートの変化による我が国経済への影響等々もございまして、ただでさえ、国内経済もこれだけ大きくなりますと、一年先を見通すことが困難な上に国外からの影響が大きいということでございますから、なかなかその一年間を正確に見通すということは難しくなってまいりました。それは事実でございます。ございますが、しかし、やはり一年度、一年という期間を単位に予算を考える、経済を考えるということは、どうもそれをまたさらに短くするということをいたしましても大したメリットはないように思われますので、やはりその中で可能な範囲での見通しを立てていって、要すれば、要すればでございますが、ある段階で経済の見通しの改定を行う、これは過去においてもそのようなことをしばしばいたしておりますわけでございますが、そういう方法で補ってまいるべきものかと思います。
#130
○国務大臣(近藤鉄雄君) その年の財政の規模、また財政運営のありようとその年の経済活動、具体的にはいわゆるGNP、こう言われるものの関係は相互に関係がございまして、それぞれが別々に決まることではない、むしろ連関性を持って決めていくべきだと思うわけでございます。
 そんな趣旨で、毎年でございますけれども、十二月の予算編成期に翌年度の経済見通しを立てまして、それと予算がどうなって税収がどうなる、また、そのことが経済運営にどう影響するかということを詰めながら決めているわけでございます。その時点では私ども全力を尽くして予測を立てて計算しているわけでございますが、今大蔵大臣のお話もございましたように、経済は変わっておりますし、特に最近のような開放体制で国際経済の動きがもろに影響してくる。特に昨今の円高のような状況ではそれだけで非常に大きなインパクトを経済に与えますので、必ずしも当初私どもが考えておったようにその後の経済の発展が進まない、こういうことは残念ながらあるわけでございますが、過去におきましても、いろんな対策を講じながら、何とか当初見通しに近い線に経済運営を持っていきたいということで努力をしている次第でございます。
#131
○及川順郎君 長官、気を悪くなさらないで聞いていただきたいんですが、マスコミその他の指摘の中に、時の内閣の政治姿勢によってこの経済見通し、意識的に客観的な正確性を示す努力を怠っている嫌いがあるんじゃないか、むしろ民間の経済見通しの方が正確であるというようなこういう指摘があるんですけれども、この点についての御所見はいかがですか。
#132
○国務大臣(近藤鉄雄君) 民間の経済調査機関もいろいろございまして、必ずしも一つの数字を出しておりませんで、非常に幅がございます。私ども過去の例で申しますと、例えば五十八年度では政府見通しが三・四が実績が三・七でございますから、そう違ってない。民間は最高四・一から最低一八でございますが、私どもの方が近かったじゃないか。五十九年度は政府見通しが四・一が実は実績が一%アップして五・一になっておるわけでございますが、この場合もむしろ民間は最大で四・九、最小値が三・六、これも相当幅がございます。六十年度は、これは政府が四・六が実績が四・三でございますが、この間、民間は六・○と三・六と幅がございますので一概にそういうことではないというふうに考えています。
 ただ、先生御指摘のようなことが一番顕著に出ておりますのがまさに六十一年度でございますが、これは国会における経済演説でも御説明をいたしましたけれども、少なくとも内需につきましては当初見通しに近い四%の線を、秋の総合対策等で財政によって需要を喚起いたしまして、全体としては大体内需は目的の線に近づいたわけで、予想と違うわけでございますが、何せ昨年度は非常に急激な円高が進んだ一年間でございました。いわゆる輸出が抑えられ、そして輸入が大幅に増加したと、こういうことで私ども経常海外余剰と言っておりますが、この項目で大きく一%を超えるマイナスができた。そういうことで四%、見通しが三%、正式な数字ではありませんが、大体三%を切るような線になった、こういうことでございます。ただ、当初見通しと実際が違いましたのは、政府も違いましたが、民間の調査機関の見通しも大幅に違っておるわけでございますので、こんなに急激な円高になるということについてはお互いその見通しを誤ったと、こういうことじゃないかと思うわけでございます。
#133
○及川順郎君 円高のお話が出ましたから伺いたいんですけれども、長官、当初は円高はむしろ政府として促進をしていた時代があった。しかし、こんなに急激に進むということは予測できなかった。この辺の原因をどうごらんになっているわけですか。
#134
○国務大臣(近藤鉄雄君) これは大蔵大臣がいらっしゃいますので大蔵大臣にお答えをお願いした方がいいと思うのでありますが、基本的に日本は輸出主導型の経済構造でございまして、国内の消費以上のものを生産して輸出をしている。逆にアメリカの場合はむしろ国内で生産する以上のものを国内で消費しておる。こういう構造的な関係であったと思うわけであります。
 ただ、考えてみますと、日本は一年間の経常黒字が一千億ドルと六十一年度はなりましたけれども、それは経常勘定の黒字でございます。資本勘定を見てまいりますと、むしろ長期資本の流出が一千四百億ドルございますから、経常収支と長期資本収支の差額の基礎収支ではむしろ日本は赤字になっておるわけでございますので、本来ですとこれは円安要因ではないか。円安要因なわけですね。入ってくるドルよりも出るドルの方が多いんですから円安要因でありますが、それが依然として円高になっているというのは、やはり基本的な構造的な、輸出がというか、経常収支が大幅に出るこの構造的な関係に対していろいろな思惑があって、長期のお金がそれが短期で相殺されて結果的には円高になる、こういうことでございますので、長期的な構造調整をして日本の経常収支の黒字が減少するという事実が積み上がってまいりますと、円高傾向に歯どめがかかってくるのではないか。
 そういうことで、今年度におきましても、何とか経常収支の黒字を百億ドル、できればそれ以上に減少する努力をする、そのことが短期的な思惑を抑えて円高に歯どめをかけ、むしろ円安の方向に軌道修正をさせることになるんじゃないか、かように考えていろいろ努力を現在しておる、こういうことでございます。
#135
○及川順郎君 長官にもう一つ、輸入に、対する当初の期待ですね、これが期待どおりにいかなかった。経済活動から見ると日本は輸出主導型の国、この置かれている立場の見通しに誤りはなかったかどうか。この点についてはいかがですか。
#136
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生御案内のように、日本はこれまで原料を輸入して加工して経済をやってきたわけでございますので、加工貿易型の経済構造でございますから、輸入の中に占めるエネルギーその他資源の原材料の割合が多かったわけでございますけれども、最近この構造が修正をされつつございます。むしろ全体の輸入に占める製品輸入の割合が大体五割を超えるような状況になりましたし、今後ますます経済が高度化をしてまいるし、片方で市場の開放が進みますと製品輸入の割合がふえてくる、こういうことだと思います。
 したがって、そういう点で輸入の面から急増する黒字を減らす動きが、効果が相当出てくるのではないか、かように考えます。何せ現在の黒字幅が極めて大きいものでありますから、これを解消するためには多少の時間がかかるのではないか、かように考えておる次第でございます。
#137
○及川順郎君 大蔵大臣に伺います。
 この経済動向に合わして補正予算、これが繰り返されているわけですけれども、この点に対しての考え方をまず伺っておきたいと思います。
#138
○国務大臣(宮澤喜一君) この点は、先ほど及川委員が言われましたいわば正確性、予測の問題に関連をいたすように思います。この何年かのように国の内外の経済動向が非常に見通しにくいというようなときに、勢いある年度の段階におきまして経済見通しの改定とそれから予算の補正ということを行うことの方がより財政運営、経済運営としては適切だというような状況のもとに補正が行われてまいりましたが、これはやはり一番大きな原因は、先ほどまさに御指摘になりましたように、一年間の経済というものを正確に当初において見通すことがなかなか難しい、歳入面におきましても歳出面におきましても、ということに関係があるものと思います。
#139
○及川順郎君 今回も補正予算の問題、しかもそれが超大型だと。それからもう一つは、それに合わせて臨時国会の問題がもう既に取りざたされている。こういう状況の中で、当委員会において先日の総理の答弁を聞いておりますと、自民党がつくった総合経済対策、それに対する考え方と、一国の総理という立場で見た場合に、今予算審議をやっているときに補正のことを口にするのはいけないというのはそのとおりだと認めながら、両面の立場を上手に使って御答弁をされておりましたけれども、この点について大蔵大臣はやはり同じような考えをお持ちですか。
#140
○国務大臣(宮澤喜一君) これは、まことにどうも私どもも難しい立場に立たされておりまして、実はこれは四月の初めにいわゆるG7がございましたときに、我が国としては当然これからいわゆる内需振興等についてどう対処するかということにつきまして各国から聞かれもしたし、また我が国としてもこれからの所信を述べなければならないという立場におったわけでございますが、予算の進行が非常に先ほどのお話のようにおくれておりまして、もちろんまだ参議院で御審議になっていない段階でございますから、これからこういう補正をするというようなことを言える立場に政府としてはございません。
 しかしながら、昨年やったこと等々から考えますといろいろ腹づもりというものはないわけではないというようなことがございまして、自民党におきましては、その状況を考えながら、これから予算が成立をしたならばどういうふうにやっていこうかということを当然検討いたしておりますので、私どもとしては、それをいわば与党としてはこういうことを考えておりますということを国外に向かって説明をすることによって、まあまあ現在の我が国の政治の分布からいえばほぼそういうことがそれでは期待できるのではないかというような理解を少なくとも相手方にさせることは入り用なことである。しかし、政府が、先ほど申しましたような理由で、それを政府の責任において申すことはできないという大変にいわば窮境に立ったあげくに、これは私が最初にいたしたことでございますけれども、そういうステートメントをG7で出した経緯がございます。
 それが一つの何と申しますか先例になったと申しますか、総理・総裁の場合にはこれは総理であると同時に総裁でございますから、自分の党としてこういうことを考えているということをおっしゃることはできる。私の立場よりもっともっとおできになる立場でございますから、そういうことで、それをレーガン大統領と話し合われたものでございます。
 恐らく先方、各国から申しますと、ややそれは奇異に感じることであろうと思います。政府の代表者の集まりでございますので、政府としてこうすると言わないで何で党のことを言わなきゃならぬかというのは幾らか奇異に感じる。私の場合もそうでございましたから、そのことは各国の大蔵大臣に説明の上でいたしましたけれども、向こうからも奇異に見えることではあったろうと思いますけれども、事情はそのような事情でありましたことを御理解を賜りたいと思います。
#141
○及川順郎君 確かにいろんな立場はよく理解できますけれども、例えば総理の御発言をちょっと引用いたしますと、自民党として、本予算が成立したらという条件つきで総合経済対策の要綱を決定した。その決めた内容についてまで言えないというのは誠意がないんじゃないか、こう思ってこういうステートメントをした。こういうぐあいに言っておりますけれども、むしろ私は、今のこの予算の内容を見、経済財政の見通しというものを勘案した場合には、今回の予算の中身の問題点を率直に認めた上でどう対応するか、このことをきちっと明示した方がやはり国民にはわかりやすいし、そしてむしろ誠意がある姿勢ではないか。要するに予算の中身の内容、中身の問題に経済財政動向の見通しの中でやはり間違いがあった、問題があったと率直に認められた方が私はいいんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょう。
#142
○国務大臣(宮澤喜一君) 例えば中曽根・レーガン声明は五月一日でございますけれども、普通でございますと、この段階では予算が成立をし、しかも執行をされて、恐らくこういう年でございますと公共事業の前倒し等が行われている段階でございますので、その限りにおいては予算に盛られておることが私は大変に誤りであったというふうには考えておりません。ただ、これが丸々一月おくれてなお執行ができない、少なくとも中曽根さんがレーガンさんに会われた五月一日の時点では多分二十日ぐらいはまだ予算が成立しないであろうと、少なくとも暫定予算の期間でございますから。そうしますと、かなりのおくれでございますから、そこまでおくれますとその予算が果たしてどうなんだという問題はございましょうけれども、これが四月の初めでございましたら、私は中身そのものがそんなにどうも世の中の現状に適応していないというようなことはなかったのではなかろうかというふうに思います。
#143
○及川順郎君 十二日の与野党国対委員長会談で、伝えるところによりますと、売上税関連六法案は廃案にする、臨時国会再提出は行わない、こういうことで合意が成ったという報道がなされているわけですけれども、この売上税が廃案という見通しがより確定的に伝えられる中で、やはりこれをつくりました内閣、大蔵省の責任というのは非常に大きくなってくると思うんですけれども、この点に対してはどのようなお考えでいらっしゃいますか。
#144
○国務大臣(宮澤喜一君) 審議未了になりました場合には廃案となるということでございますが、これは私ども政府といたしまして御提案をいたしましたことがそういう結果になりますことはまことに残念なことで、遺憾なことだというふうに存じます。
#145
○及川順郎君 今までの大蔵大臣の御説明、本委員会においての御答弁をずっと私もう一回整理さしていただきましたけれども、概括して言いますと、この売上税の中身はいいけれども説明が不足だったんじゃないか、こういう答弁がずっと見えるわけですけれども、率直に言って私はそういう認識に多少抵抗感を持っているわけですね。
 現に、私の地元山梨県では売上税反対企業連盟が結成されまして、その方々の御意見も伺いました。その中の主な業種の試算も私は見せてもらいました。もし売上税が導入されますと企業として成り立っていかない、死活問題だ、もう必死でしたです。それから比較的その影響が当初わからないと言われていた農業関係でございますが、この点につきましても県の農協中央会の試算を見せていただきまして、これまた極めて深刻である。例えば我が党の農水部会で試算したデータを見てみますと、お年寄り一人を含めた五人家族、これを標準にとりまして、この売上税導入による影響というものを見てまいりますと、全国平均額で二戸当たり五万二千円、これは農業関係費用です。生計費で見ますと七万八千円といった負担増が出るという、これは年間ですが、こういう結果が出ている。
 むしろ私は、こうしたさまざまな観点から考えますと、この売上税は内容、影響が明らかになればなるほど国民世論の反対が強まってきた、こういう認識を持つのが妥当ではないか、このように考えるんですけれども、大蔵大臣、この点はいかがでございますか。
#146
○国務大臣(宮澤喜一君) もともと新税でございますし、また国民生活にも広く関係をいたす税でございますから、よほどよく国民に御理解をいただかなければ、それでも大変に歓迎というわけには事の性質上まいりませんでしょうが、少なくともよく御理解をいただかなければならないという状況の中で、中身が悪かったというよりも、悪い、いいを十分御議論をしていただく暇がないままに、これは非常に悪いものであるという印象が先行してしまったというあたりに、私どもの準備にも問題があったのではないか、こういうふうに考えております。
 及川委員の言われますことは、いや、それにプラス中身が本当に悪かったんだろうという御指摘でございますけれども、いい、悪いを国民にわかっていただくほどの御議論の場というものが結局ないままに、これはもう問題にならぬといったような強い印象を多くの国民が持たれるに至った、そこのところに私どものやり方にいろいろ反省すべき点があったのではないか、まずその点を真っ先に考えております。
#147
○及川順郎君 大臣、今後税制改革につきましては定められました機関にゆだねるということでそれは了解しておりますけれども、こうした教訓をもとにいたしまして、今後やはり国民合意の税制改革、これを基本にして取り組む姿勢を国民に約束をしていただきたいと私は思うんですけれども、いかがでしょう。
#148
○国務大臣(宮澤喜一君) それはもう国民の利益になるように、ためになるようにと常に心がけておるつもりでございますけれども、なお、そのことをさらにもう一遍反省しながらやらしていただきたいと思います。
#149
○及川順郎君 これで売上税創設による税収分がゼロになるという見通しがより色濃くなったわけですけれども、この時点で六十二年度減税についてはどうお考えになっておられるか、この点を伺いたいと思います。
#150
○国務大臣(宮澤喜一君) 一応仮定のことを申し上げますと、売上税がもし年度内に執行することができないということになりますと、これは一月からの施行を予定しておったわけでございますから、その歳入がなくなるということと、今度はその反射といたしまして、従来あります物品税がそのまま残ってくるということになろうかと思います。そういたしますと、ネットの歳入のロスは七千数百億円になろうかと思います。
#151
○及川順郎君 この論議はまたの機会に譲るといたしまして、経済財政運営の姿勢につきましてお伺いしたいわけです。
 公明党は、五十九年の六月、既に、六十年度から拡大均衡型予算に転換すべきだということを再三にわたりこれは政府に要請をしてまいったわけですけれども、なかなか聞く耳を持たないという状況の中で推移してきたわけです。少なくともこの転換を二年前に決断しておればこれほどの経済混乱は起きなかったのではないか、こういう感じがいたします。大蔵大臣も五十九年の六月、資産倍増計画を主張されました。当時は大臣ではございませんでしたけれども、それでも当時、中曽根内閣の縮小均衡型財政運営に転換を求めるものと、こういう角度で大変評価があったと記憶しているわけです。私は、この中曽根内閣における経済財政運営はその転換期を現時点で見るとやはり誤っているのではないかと、このように考えるわけでございますが、大蔵大臣として今どのようにごらんになっておられますか。
#152
○国務大臣(宮澤喜一君) 一方におきまして我が国の財政は、もう申し上げるまでもなく非常に悪い状況にございまして、一般会計の二割が国債費に充てられておる、利払いに充てられておるという現状、しかもそれがなかなか改善の兆しは見えないわけでございますから、この中で何ができるかという問題は今日といえども存在をしております。したがいまして、御指摘のようなことは多くの人がその段階から考えておりましたけれども、ただ、この財政との関連でそれをどういうふうにしていいかということは容易な問題ではない。殊に我が国のように大きな行政、大きな財政になりますと、従来からやってきました考えを転回してまいりますといいますか、新しい事態に対応してまいりますというのにはやはりある程度の必要な時間がかかる。これは私が自分の経験をそのまま申し上げるわけでございますけれども、きょう言ったらあしたできるかというと、なかなかそういうふうにはまいらない。やはりそれなりの制度なり考え方を少しずつ変えていく、そのためには多くの人々がそれについての賛否があって、その上でやはりコンセンサスというのが生まれていくというのが我が国の物事の決定のいわばパターンでございます。
 そういう意味で、かなりのやはり時間がかかりながら、いわば大きなタンカーのようなものだと私は思っておりますけれども、そういう中でコースを事態に即応しながら決めていくということはどうも現実の問題としてはやはり避けられないし、最小限度の時間は必要だというふうに自分の体験からは感じております。
#153
○及川順郎君 現時点で、これまでの縮小均衡型から積極財政へ、つまり拡大均衡型の財政運営へ転換する時期と、遅きに失したけれどもその時期と現在認識しているととらえてよろしいですか。
#154
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、実は昨年の秋に補正予算を編成いたしましたときにも総理大臣と御相談の上でいたしたことでありますし、また、昨年の暮れに昭和六十三年度の予算編成について私が事務当局に新しい発想を考えると申しましたときも、総理大臣とも御相談をしつつやったことでございますから、そのような問題意識は実はきょう初めて持ったわけではございません。かなり前から持ちつつございました。
#155
○及川順郎君 防衛庁長官に伺います。
 本委員会における今までの答弁を聞いておりまして、GNP一%枠の精神は尊重する、我が同僚委員に対しても、突破というより超えざるを得なかった、こういう趣旨の御答弁をなさっておりますけれども、このGNP一%枠を守るという精神は生きている、これはそのとおりの理解でよろしいですか。
#156
○国務大臣(栗原祐幸君) 防衛力の整備をする場合に節度を持ってやらにゃならない、みだりに膨張してはいけない、それから単年度の予算を組む場合には経済情勢とか財政事情とか諸般の事情を考慮してやらにゃならぬ、そういう節度ある防衛力の整備ということにつきましてはおっしゃるとおりでございます。
#157
○及川順郎君 中曽根内閣になりましてから、例えば五十七年度から六十二年度までの五年間の防衛費の伸びを見てまいりますと、一般会計歳出総額では八・九%の伸びです、社会保障関係は一一%の伸び、中小企業対策費、これはマイナス二一%、これに対して防衛費は三六%のプラスです。大変な伸びでございますが、歴代内閣に比較して防衛費に対する姿勢が、現実的なお金の増額、この実態から突出しているような感じをいたしますけれども、この点いかがですか。
#158
○国務大臣(栗原祐幸君) 公共事業費とか文教、科学とかあるいは社会保障費、そういうものの累積ですね、そういうものと比べてみますと、防衛費は、ここで防衛力の整備をするということで来ておりますので、ここへ来てはほかのものよりもふえておりますけれども、今までの相対的な関係からいいますと決して他との均衡を失しているというものではない、そういうふうに考えております。
#159
○及川順郎君 いろいろ論議がありますけれども、結論的に、当初大蔵原案で一%枠が守られていた、これに政治加算されて突破する結果になった三百七十五億円、これは相当の必要性がないのじゃないか。この減額修正によって一%の枠を堅持できる、こういう考え方ができるわけです。円高差益分と売上税廃案等がほぼ確定という状況の中で、こうした諸条件を加味いたしますとやはり防衛予算減額修正というのは当然な主張ではないか、このように思いますが、この点についてはいかがですか。
#160
○国務大臣(栗原祐幸君) 防衛費は、超えたい、突破いたしたい、いうことで上回ったわけじゃございません。これは前から言っているとおりです。正面に関する後方の関係を充実する、特に通信指揮機能の充実とか、あるいは練度の向上とか、あるいは隊員の宿舎、隊舎、そういった後方部面を積んでいこうということで超えざるを得なかったということでございます。その後いわゆる円高差益の問題とか売上税の問題等が問題になっておりますけれども、これは予算執行上の問題でございまして、予算執行の上においてどういうふうになるかということは別でございます。その当時は、予算を組むときには一%の枠を超えざるを得なかった、そこで安全保障会議並びに閣議の御決定をいただいたということでございます。
#161
○及川順郎君 この内容はまた次の機会にするといたしまして、三月末の日切れ法案として処理された法律によって積算されております予算額を各省庁別の合計と総計でお示しをいただきたいと思います。
#162
○政府委員(西垣昭君) 去る三月末に成立させていただきました日切れ法案関係の六十二年度本予算における予算額を所管別に申し上げますと、裁判所が一億円、総務庁が五億円、国土庁が二百九十七億円、法務省が二億円、外務省が百四十一億円、大蔵省が五十億円、文部省が百二十四億円、厚生省が四百四十五億円、農林水産省が千百八十四億円、通商産業省が五千七十八億円、運輸省が六百五十五億円、郵政省が十四億円、労働省が千三百三十九億円、建設省四千六百六十九億円、自治省六億円、合計一兆四千九億円でございます。
#163
○及川順郎君 官房長官、お聞きのとおり相当な金額になっておるわけですけれども、これを、予算審議の年に法律の内容、存続について同時に審議するというやり方、これは内容的に十分吟味するに時間がなさ過ぎる、こういう意見が大変あるわけですけれども、これを少なくとも前年度ぐらいに審議するというこの取り扱いについてのお考えはございませんか。
#164
○国務大臣(後藤田正晴君) 御意見のようなこともたまさか聞くことはございます。ただ、御案内のように、現在の予算の編成というのは、当該年度の予算が成立をすればもうすぐに五月ないし六月から次年度の予算の編成にかかるわけですね。そして八月三十一日に概算要求を決めまして、そして十二月の末に大体閣議決定をして、そして予算案としてその国会に提案をする。つまり歳出歳入をそこでバランスをとりながらやるわけですね。
 それを、予算を伴う案件をできるだけ審議を十分する意味において前の年からやれということになりますと、最終決定が十二月で、もう既に半年前の条件で決めているわけですね。それをさらに一年ということになりますと、私は実際問題としてはそれは難しいなあと。いよいよ現実と乖離をしてしまったものになるおそれがありますね。やはり直近まで、そのときまでの予算を伴う法律の執行状況が果たしてどうなったのか、成果がどう上がっているのか、先行きどのように考えなきゃならぬのかということをやはり直近までは十分検討しまして、その上に立って予算を編成していくという今のやり方でないといけないのではないかなあと。私は余り詳しくありませんけれども、経験上さように考えるわけでございます。
#165
○及川順郎君 この議論は後にまた譲るといたしまして、文部大臣に伺います。
 南極観測事業が開始されまして三十一年。三十二年に東オングル島に昭和基地が設置されまして三十年を経過しておりますけれども、これまでの活動の成果、主な内容、これについて御答弁をお願いしたいと思います。
#166
○国務大臣(塩川正十郎君) 昭和三十一年に南極観測事業を開始いたしまして六十一年までの間、その間若干中止いたしましたことはございましたですが、ずっと継続してやってきております。
 まず予算の面で申しますと、三十一年から六十一年の間で千二十五億円予算を使っております。ただし、この中で観測船の建造費というのが二百七十五億ございますが、あとは観測のための、あるいは基地設置のための実費であるということでございます。
 そして、今までの成果でございますけれども、南極観測事業は、御承知のように、南極条約によりましてそれぞれの学術的な研究ということを主体にされております。平和利用でございます。その趣旨に沿いまして、我が国としては、第一次から第二十八次までの間、昭和基地を建設いたしまして、そしてみずほ基地、そして現在はあすか観測拠点というものを中心にして活躍をいたしております。
 主な学術的な事業といたしましては、超高層物理学、それから雪氷学、雪と氷でございますが、それに地学、それから生物学等幅広く観測研究を行っております。そしてさらにオーロラの発生機構の解明、あるいはまた過去の気象変化の解明、あるいはまた南極界におきますところの海洋生物の生態等の研究もいたしております。そして、これらにつきましては世界各国と研究成果を交流しておりまして、大きく評価されておると思っております。
 なお隕石でございますが、これの収集をやっておりまして、日本がその隕石収集につきましては世界の観測隊の中で一番たくさん集めてきておるということでございまして、このことは宇宙科学なりあるいは惑星科学等におきまして非常に高く評価されておると、こう私は認識しております。
#167
○及川順郎君 質問をかわります。
#168
○委員長(桧垣徳太郎君) 関連質疑を許します。高桑栄松君。
#169
○高桑栄松君 それでは文部大臣にお伺いをいたしたいんですが、今春施行された大学入試、教育改革関係で少し伺いたいんです。
 大学入試の問題なんですけれども、受験機会の複数化ということが一つのうたい文句であったわけです。これに対して結果を見てどのように評価をされているか、伺いたいと思います。
#170
○国務大臣(塩川正十郎君) 端的な言い方で恐縮でございますが、自信のある学生には非常にいい制度であったということでございまして、それで、すれすれのところは非常に苦労をした。もともと国公立に自信のない者は初めから私立へ行く。その私立へ行く機会が若干は狭められてきた、そういう成果になってきておるような感じがいたします。
#171
○高桑栄松君 国大協の入試改善特別委員会というのが、今春の受験機会の複数化はおおむねうまくいったんじゃないかということを言っておったわけです。しかし、最近同委員会が九十五大学にアンケートした結果を分析したのが新聞に載っておったわけですが、それを見ますと、やはり否定的な見解の方が多かったということになっておりますね。それが一つですね。
 その次に、前から言われて、恐らく入試改革で一番大きな目標は偏差値輪切りの解消であると、私もそう思いますが、これは果たして解消されたというふうにお考えになりますかどうか。
#172
○国務大臣(塩川正十郎君) まず評価でございますが、私ども高桑先生のお説をいつも拝聴しておるのでございますが、このことに関しましては私はちょっと意見が違うように思います。
 実は、各大学の言っておりますのは、問題点が多過ぎるということは言えると思うのでございますけれども、例えば関東甲信越から東北、北海道の大学については、おおむねこの制度でいいから徴調整をしてこれを継続すべしという意見が出てきております。一方、西日本、関西系の学校につきましては、この制度でやむを得ないではないか、そう変えるべきではないということを言っておる反面に、また学校としての独自の意見で反対を言っておる学校も多少はございますけれども、しかし、国公立大学総じて見ましたならば、せっかく発足したこの制度であって、制度には一つの大きい刺激となったのであるから、微調整の改善をして続けていくべきであるという意見の方が多いのではないかということを、実は私はそう聞いております。
 それからもう一つ何でしたかな。
#173
○高桑栄松君 偏差値輸切り。
#174
○国務大臣(塩川正十郎君) 偏差値。実は先生、この話について私はいろんな人の意見を聞いてまいりました。
 現在、教育懇談会というのを各地でやっておりますが、高校の先生あるいは大学の先生が言いますのが、我々は偏差値に余りこだわらないようにしようと努力はしておるけれども、頭から、初めから受験生がもう偏差値を自分で輪切りをしてきて、私だったらこの辺の学校はどうでしょうかという相談に来る。その相談に来るというのはみずからがやはり偏差値を評価している。このことは私は受験産業の影響が非常に悪く出てきておるという感じもいたしまして、この偏差値問題につきましては私たちも非常に苦労をいたしておりますが、だからといって、大学が一途に偏差値のみで、それで輪切りをしてしまうというのでは、御承知のように六倍まで認めようということでやったのでございますから、ある程度の偏差値の幅を拡大したということは今度の入試の特徴であった、こう思っております。
#175
○高桑栄松君 偏差値輪切りが受験産業のせいだというのも、これは仮にそうであっても、結果が偏差値輪切りがあるということだろうと思うんです。
 京都大学の村松という教授が相当なスペースを割いて新聞紙上に評論的な評価を載せているんですね。それを見ますと、今回の入試の問題点として二つあると。まず、足切りで二次受験の資格を失った者が非常にたくさん出た、十万でしたかね、出たと言っているわけです。先ほど大臣はできる方にはよかった、できない方にはまずかったと。これは足切りというよりは、足を切るんじゃなくて、胴を切っているか、ひょっとしたら首まで切って、上の方だけの首が生きていてあとはもうだめだったと、そういうことでありまして、問題は、二次試験を受ける資格も失ったというくらい偏差値輸切りがあった。偏差値輪切りなんですね、これは。明らかに上のどれくらいかをとるということですから、偏差値輪切りなわけです。それでもう一つは、この方が言っているのは、村松教授ですが、輪切り現象が徹底した、そして東京に集中をするという傾向を促進したと、こういうことを言っているんです。
 もう一つ、このアンケートの中で私がやっぱり注目をしましたのは、宮城教育大学の意見というのがちょっと載っていたんですが、入試を通して国立大学の序列化が進められた。私はもう明らかにそうだと思うんです。今度のことはもう本当にそれははっきりしてきたんじゃないかということで、これはもう偏差値輪切りの結果なんですね。
 そういうものが起きてきたということでありまして、これを解説させていただきますと、一点を争う学力テストが主でありますと、学力テストそのものが輪切りのための包丁役、包丁なわけです。切ってしまうわけですね。一点違ってもそこで切るというのが輪切りで、それによって偏差値というものが出てくるわけです。したがいまして、一点を争う学力テストを中心にする限りはどんなに方法を変えても偏差値輪切り現象は解消するはずがないわけです、その包丁でそういうふうに切っているんですから。それが一つですね。これから後で私の意見をまた申し上げますけれども。
 その次に、昭和六十五年度に施行を予定している新テストというのがあるわけです。私もよく内容がわからないので、その大綱というのは決まったんでしょうか、どうなんでしょうか。
#176
○政府委員(阿部充夫君) 六十五年度から実施を予定しております新テストでございますけれども、これは、臨時教育審議会の第一次答申で提言されたものを受けまして、文部省に国公私立大学の関係者あるいは高等学校の関係者等集まっていただきまして、大学入試改革協議会というのを設けまして、今関係者の間で協議を進めているところでございます。具体の内容につきましては、昨年の七月に第一次のまとめという形でおおむねの形のものを発表いたしましたが、細目について現在詰めているというところでございます。
#177
○高桑栄松君 ここで私のリコメンデーションなんですけれども、昭和六十五年度施行というとあと満三年ないんですよね。だから、高等学校に入った生徒たちがもう満三年ない段階で細かい通知がないとやっぱり受験に対して不安を持つ。毎年のように変わるのでは困るということもあるわけで、これはできるだけ早く詰めまして、それはできるだけ早く受験対象者、つまり今の高等学校一年生も入りますから、そういう人たちに早く知らせてやって、それだけの態勢を整えさせるということが私は必要なことだと思うんです。
 それから学生をとって教育をすると。その学生教育の目指すところ、これは一体どういうことなのか、一応承りたいと思うんです。
#178
○国務大臣(塩川正十郎君) 今、新テストのお話がございましたが、六十五年をめどにこれ実施いたしたいと思っておりまして、今これがために我我も非常に慎重にいたしておりまして、それで六十四年実施のやつをわざと一年おくらしたということもその点でございまして、早く態勢をとって学生に不安を起こさぬようにいたしたいと思っております。
 大学の問題でございますけれども、これはいろんな見方があると思うのでございますけれども、私たちは一応、大学は教育の場であり、かつまた学問あるいは原理探求の場でもあると、こう思っております。したがって、これからの大学政策の中で教育に重点を置いた大学というものにするのか、あるいは研究を重点に置いたものにするのか、あるいはこれをどのように、教育と研究とはやっぱり不即不離のものでございますから、これをどう兼ね合わせていくのかというこの運用が非常に難しいと思っておりまして、ひとつ先生なんかから積極的な知恵もおかりいたしたいと実は思っております。それがために、今回大学審議会を設けて、そこでいろんなそういう制度的なものの御意見をお聞きいたしたいと思って法案を提出しておるのでございまして、この法案の成立につきましてはひとつ御尽力をお願いいたします。
#179
○高桑栄松君 今の点ですね、いろいろなお考えがあろうかと思いますが、一つ申し上げると、大学は今研究というのはやっぱり大学院にゆだねていくという形ですので、大学院でないその下の卒前教育側は、専門教育というか職業教育というか、そういうものが一つのポイントになりますね、技術、知識を教える。
 もう一つは、その中で将来地域社会に役立つ人間としての人間形成というのがあると思うんです。したがいまして、アメリカなんかはこの人間形成に一応相当なウエートをかけてはいるようですね。そういうことでありますが、人間形成に必要な環境というのを考えますと、これはいろいろな個性を持った学生集団の中でいろいろな人とつき合うということは相当大切なことだと思うんです。そのときに、もし入学試験というものの物差しが学力テスト一辺倒でやりますと、学力テストによって選ばれた均質集団になるわけですね。つまり多様でないわけだ、均質集団になるんです。そうすると、均質集団の中で育った学生はそういうベースの中で社会はそういうものだと思い込むだろうと思うんです。それがやっぱり日本の社会をゆがめ、あるいはこれからの国際化の中では日本人は大学を出ても国際化の中では孤立するのではないかと、私はそんなふうに思うんです。
 そこで、これは提案なんですけれども、学力テストというのはさっき申し上げた偏差値輪切りの包丁でございますから、これで切ってしまうと均質になるので、それ以外のやっぱりテストが必要なのではないかということでございます。
 そこで、共通一次ハードル論というのを実は前に申し上げたんですけれども、もう一度お話ししたいと思うんですが、前に松永文部大臣のときに私申し上げまして、松永さんはもう大賛成してくれたんです。NHKのテレビ討論会でも、私の名前は出されなかったですけれども、私の提案というのをばっちり紹介してくださいまして、私も大変感激をしたんですが、これは共通一次というものを私は――アメリカのSATというのがあります。スコラスティック・アプティチュード・テストというんですけれども、SATと同じように学力をテストするハードルにする。
 その学力テストのハードルという意味は、一定のレベルを超えさえすれば一応資格をもう持たせるということであります。一点の点数は加算しない。つまり輪切りは一遍だ、それ以上はいいと。これは、高等学校の教育の到達度を見る上でどれくらい以上であればいい、一点争って多い方がいいというんじゃないということであります。もう一つは、大学に入ってから教育を受けていく基礎学力が足りないといけませんから、そういう意味でのハードルなんです。ですからそのハードルを越えると一つ、学力テストはこれで一つですね。あとは二次試験でいろいろなハードルをつけていったらいいということです。第二のハードルはこれ、第三のハードルはこれ、そして幾つかのハードルでそれをパスしたのが入学する。それでも多過ぎたらどうするかは別な問題でありますけれども、そういうことで共通一次というものを私は認めているんです。いいと思うんです。きのうも実は放送大学の香月先生が見えて共通一次を二度くらい賛成演説を一生懸命打っておられました。私も賛成なんです。
 そういうことなんですが、そこで大学の二次試験のときに、それぞれの今の最初のハードルも我が大学の理科系は何点、文科系は何点というハードルを決めたらいい。それを通った人間は今度別なハードル、それを多項目にして与えた方がいいと思うんです。
 一例を申し上げますと、自治医科大学というのがありますね。ことしの国家試験、最高なんです。九九%国家試験に合格しました。これの入試のやり方、これは地域別の枠があるんです。そして推薦なんです。これだけなんです。これで入ったのが九九%というのは、教え方もうまいということはありますわな。だからこれは別にしまして、ともかく入試のときは地域別の枠、そして推薦なんです。それで九九%通っています。東大でも九二%だったかな、九九%いっていませんよ。最高なんですね。ですから入試というもののやり方をもう完全に変えなきゃだめなんですね。だから、学力テストで一点を争ってそれを加算するから輪切りができる、そして受験産業の入る余地が絶対あるわけです。ですからそれがなくなってしまえば、もう受験技術を覚えなくて普通の高等学校をきっちりやっていれば何%かとれるということであります。
 それで、今のような例えば地方大学、地方というのは例えば北海道は北海道大学、九州は九州大学あります。それが東京へ集中するんじゃなくて、地方文化の中心であるためには、場合によったら地域に枠を置く、たくさんとってやるよと、そういうところがありますからね。ちゃんと公立大学でその県の税金を使っているんだから、入学試験は平等でなくてやっぱり枠を与えていますね。ローカルから試験を受ける、つまりタックスペイヤーの子供は何%とりますよと、こういうやり方があると思うんです。そうすることによって地域文化を育てていく。日本はやっぱり中央集権過ぎる。何でも中央集権ですものね。これは文化もそうです。それではいけないんでないでしょうかね。ですから、そういう意味で一次ハードル論というのがありまして、そのほかに幾つかの地域制とか推薦制とか、それからボランティア活動だとか、それから何かアルバイトしたときの経験だとか、クラブ活動だとか、そういうものを幾つかのハードルをつげたらいいんじゃないかというのが私の考えでございます。
 それでは、その次ひとつ進ましていただきます。
 次は、臨教審の大学教員の任期制ということについて伺いたいんです。これは大学紛争のあのときに旧帝大は全部大学院大学にするというのが一つ。もう一つは教員の任期制をというのが大きなテーマでしたね。両方ともつぶれました。その責任の一つは大学臨時措置法にあったと僕は思います。あのときそういう時限立法をしなければ、あの学生のヤングパワーの、スチューデントパワーの前で大学は間違いなく変貌したと思います。あれをしなかったおかげで、旧態依然として大学の教授はオーソリティーだと思い込んでいるわけです。私も当時教授でございましたけれども、やっぱり改革のためにはあのスチューデントパワーが必要だったと私は今でもそう思います。
 そこで、任期制が今臨教審から出ています。一つは、あの大学紛争でさえもできなかったものを本当にやれるんだろうかというのが一つです。そして、今回は講師、助手に限定をしてきております。評価はだれがどこでするのか、そして教授の評価はないのかということですが、いかがでしょうか。
#180
○政府委員(阿部充夫君) ただいま御質問の大学教員の任期制でございますけれども、第三次の答申で御提言がございまして、人事の閉鎖性を排除してその流動性を促すという趣旨でこういうものを取り入れてはどうかということでございます。これは取り入れ得る道を開こうという提案でございまして、全部に適用するという御提案にはなっておらないわけでございます。
 具体にこれからどういうふうに措置をしていくかという問題につきましては、これからただいま御審議を願っております大学審議会等に諮って、具体の中身をどういうものにしていくのかという点についてはこれからの検討になるわけでございます。
#181
○委員長(桧垣徳太郎君) 及川君に申し上げますが、多少の赤字の食い込みは御希望を伺っておりましたけれども、なるべく適当な時間にしてほしいと思います。
#182
○高桑栄松君 それではもう一問で終わりにいたしますが、契約制度で首になったというかやめさせられた、契約切れになった教官の行き先というのがありますので、そのマーケットというものを用意しないといけないと思うんです。アメリカですとすべての大学は契約制度で、常にどこかちゃんとあきがあってそこへ応募できるという制度でありますから、そういうマーケットをオープンするということをやっぱりお考えにならぬといかぬと思いますが、いかがでしょうか。
#183
○政府委員(阿部充夫君) 御指摘のように、米国の大学等の場合には全部の大学がほとんどそのような措置をとっておるということで、教員の流動性が確保されておるわけでございますが、日本の大学においてはまさにこれからそういうことを始めようということでもございます。恐らく臨教審ではそういうことを考えられまして部分的に導入をして逐次そういう体制をつくっていこうという考え方であろうと思いますが、部分的導入ということを言っておられるわけでございます。
#184
○委員長(桧垣徳太郎君) 以上で及川順郎君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#185
○委員長(桧垣徳太郎君) 次に、穐山篤君の質疑を行います。穐山君。
#186
○穐山篤君 午前もお話がありましたが、国鉄改革並びにJR問題について質疑を行います。
 去年、特別委員会で提出をされました経営の見通しと、三月、最終的に出されました経営の見通しにつきまして、かなり収入あるいは支出その他について数字の違いがよくわかるわけですが、個々のことは別にしまして、共通の問題点についてどういう理解で、認識でこういうふうに変わったのか、お伺いをしておきたいと思うんです。
#187
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年国会で御審議をいただきました時点とその後の状況の変化につきましては、幾つかのポイントがございます。
 まず収支試算上の大きな問題の一つは、採用候補者の年齢構成を踏まえまして人件費を見直したことが一点であります。また、動力費単価、物勝率につきまして最も新しい実績等に基づいて見直しをいたしたことがもう一つの要因であります。また、旅客会社間及び貨物会社などとの間の業務の受託収入、委託経費を計上したことがもう一つのポイントであります。また税制改正の影響を考慮したこともその要因の一つでございます。
 トータルをいたしてみますと、こうした諸点の見直しをいたしました結果、東日本、東海、西日本の三旅客会社及び貨物会社が承継いたします長期債務額につきましては、全体で約四百億円減額をいたすことになりました。また北海道、九州、四国の三会社のための経営安定基金額を全体で九百四十一億増額をいたしております。
#188
○穐山篤君 営業収入、六社について見ますと一千億円の増になっていますね。それから営業費用については千七十億円増になっています。今お話がありましたような幾つかの条件で数字が変わったという意味はわかりますが、例えばこれからの需要の見通しとかあるいは輸送力の増強とかという数字は、前提条件は変えないでこういうふうに数字が変わったというふうに理解をしていいんでしょうか。
#189
○国務大臣(橋本龍太郎君) 基本的に今委員が御指摘になりましたような諸点については私どもは変えておりません。共通項目として申し上げましたような諸点に変更があったということであります。
#190
○穐山篤君 次に、新幹線の使用料の問題ですが、これは法によりまして手続は決まっているわけですが、この分野について言いますと、使用料は当初の見込みよりも減額を行っていますね。これは具体的にどういう理由でしょうか。
#191
○政府委員(林淳司君) ただいま御質問の点でございますけれども、これにつきましては、国会にお出しした時点以後、現実の新幹線保有機構の方に振り分ける債務、これを現実に特定する段階で金利に変動が生じました。したがいまして、実際に引き継ぐその債務の金利、利子でございますね、これを変更したために生じた変動でございます。
#192
○穐山篤君 そうしますと、この新幹線の使用料というのはことしは七千九十一億円で計算をされていますけれども、来年、再来年はどういうふうにこの数字は継承されるのか、それともどういう理由で変化をするのか、具体的にお答えいただきたい。
#193
○政府委員(林淳司君) これはただいま申し上げましたように、昨年の国会御審議の際に提出をしました段階、この段階では債務というものを全部いわば平均的な形でそれぞれに割り振るという前提で計算をしたわけであります。その後現実に、例えば財投でありますとかあるいは鉄道債券でありますとかそれぞれ金利水準が違いますので、それを現実にそれぞれの承継体にこれを振り分ける段階で実際に承継する債務の金利というものは現実にあるわけでございますから、その金利で計算をして最終的な確定をしたということであります。したがいまして、その額及びその償還の中身についてはこれでもう最終確定でございまして、来年度以降それが変更されることはあり得ないということでございます。
#194
○穐山篤君 数字は変更ないというお話ですが、これは今後何年間継続をされることになりますか。
#195
○政府委員(林淳司君) 新幹線保有機構が承継あるいは実際に負担をする債務というものは合計で約八兆五千億でございますが、これを三十年元利均等償還方式で計算をして使用料を算出いたしております。
#196
○穐山篤君 大蔵大臣と運輸大苗にお伺いしますが、北海道、四国、九州のJRについては経営安定基金を出しましょう、当初説明では一兆一千八百四十億円であったわけですが、今回増額をされたわけですね。これは非常にありがたいことなんですが、この数字的な根拠というものは何に置いたんでしょうか。
#197
○政府委員(林淳司君) お答えを申し上げます。
 これにつきましては、やはり昨年の国会提出時の数字より増額したわけでございますけれども、これの内容につきましては、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、諸般の収支の中身が変動があったということで、それによって生であれば発生する赤字というものが額が変わってくる。そこで全体の基金の額もそれによって変わってくるということであります。そのほかにその中身の非常に大きな要素といたしましては、やはり運用する場合のいわば運用益、金利でございますけれども、これについて最近の直近の十年間の国債の平均金利というものを勘案いたしまして、国会提出のときは七・五%でございましたが、これを七・三%に変更したというふうなものが非常に大きな内容になっております。
#198
○穐山篤君 この増額をしました一兆二千七百八十一億円というのは、最終の数字であるというふうに確認ができるかどうか。
 それから金利の問題について、私は去年具体的に数字をもって過去十年間、過去五年間、問題の提起をしました。その場合に、金利がかなり低位に置かれているんだけれども、無理をして七%台の金利で計算をいたします、それは保証しますというふうにお答えになったはずなんですけれども、そこの部分についても変わりがないかどうか、お答えいただきたいと思います。
#199
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は当時、私自身にいたしましても、また政府委員からの御答弁に際しましても、無理をしたというような言葉を使ったとは思いません。ただ、確かにこのところの金利の変動が大きかったために、その数字が躍り、そして現実に合わせだということは事実であります。ただ、経営安定基金は現状として私どもが最善を尽くして算定をいたしたつもりでありまして、これをこれ以上変更するつもりはございません。
#200
○穐山篤君 運輸省でお答えができるでしょうか。まだスタートして一カ月とちょっとですから何とも言えませんが、旅客についての四月の実績の概況、それから貨物につきましても同様に輸送量と収益、その数字がありましたらちょっと教えてもらいたい。
#201
○政府委員(林淳司君) これは四月の速報値でございますけれども、まず収入につきましては、これは取扱収入でございます、したがいましていわゆる純収入ベースではございません。これが全体で、旅客で二千八百七十四億円、貨物で百四十一億円でございます。それから四月の輸送量でございますけれども、これもやはりこの期間に主要線区の主要区間につきまして、これは車掌が実際にチェックをして調べたいわば速報値でございますけれども、これにつきましてJRグループ全体で見ますと、六社合計で旅客が三十九万六千二十八人でございます。これは四十線区、四十八区間の数字でございます。それから貨物の四月分の輸送実績、これは発送ベースでございますけれども、全体で四百五十二万トンでございます。
#202
○穐山篤君 短期間の実績ですから何とも評価のしようがありませんけれども、昨年出されました輸送量あるいは運輸収入の面で勉強してみますと、輸送量は横並びないしは多少減少傾向にある。ととろが、収入については一一%から二二%の増という計画になっているわけですね。今の実績は、まあ物珍しいということもあったんでしょうけれども、ほぼいい線を行っていると思うんです。
 ところが、輸送量は落ちながら運輸収入だけ相当増を見込んでいるという点を考えてみますと、今後何年間のローテーションで運賃の値上げをする、あるいは料金の改定をするということが予想されるわけです。これはその時期になってみなければ具体的なことは言えないんでしょうけれども、今の感想としては、運賃の値上げ、料金の改定という問題についてはどういうふうにお考えでしょう。
#203
○国務大臣(橋本龍太郎君) これ、スタートをいたしましてから現在でようやく一カ月半、そして速報値として出てきておりますものはまだ一カ月でありますので、即断は差し控えなければならないと思いますが、私ども感じておりますのは、委員が御指摘になりましたように珍しさによる利用率の増というものは余り私はなかったような感じがいたします。そして、本年の四月という月を考えてみますと、地方統一選挙のために二回の日曜日が投票日ということで、人の動きが他に比べて非常に落ちていた、あるいはゴールデンウイークの四月における曜日の配置が必ずしも続けてお休みをとられる方々の動きには望ましい配置ではなかったというようなことから、むしろゴールデンウイークにおける人の動きというものが五月にずれ込んでいるというようなことを考えてみますとむしろ、四月の実績というものは、判断材料になかなかしづらいんですけれども、それなりに私はよく出てきている数字ではなかろうかという感じがいたします。
 そして、これは、先国会におきましてもしばしば御答弁を申し上げたことでありますが、御承知のように関連事業収入が従来の旧国鉄においては三%程度しかなかったものが、今各社それぞれに猛烈な勢いで関連事業についての意欲を燃やしておるような状況、これも実は四%程度しか収支には見込んでおらなかったわけでありまして、こうした状況をかみ合わせて考えてみますと、私はむしろそれほど御心配をいただかなくても済むような形が昨年の秋御説明をいたした状況に比べて出てきておるのではなかろうか。今日そんな感じを持っております。
   〔委員長退席、理事原文兵衛君着席〕
ただ、もうしばらく様子を見させていただきませんと的確なことは申し上げられないというのが実情であります。
#204
○穐山篤君 ということだろうと思います。いずれ、今後の経営の見通しについて改めてまた問題の提起をしたいと思います。
 さて、この五月現在で特定地方交通線、ローカル線の状況がどういうふうになっているのか、現時点の状況を説明してもらいたいんです。
#205
○政府委員(林淳司君) お答え申し上げます。
 特定地方交通線第一次、二次、三次とございますが、第一次が四十線ございます。そのうち既に転換が済んだものが三十七線、それから転換合意が済んでいるものが三線。すべて転換済みあるいは合意済みでございます。
 それから第二次が三十一線ございます。そのうち十六線が転換済み、六線が合意済み、残り九線がまだ合意に至っていないということでございます。
 それから第三次特定地方交通線十二線ございますが、これについてはまだ承認して日が新しいものでございますから転換が済んでいるものはございません。転換合意済みが三線、まだ合意していないものが九線ということであります。
 合計しまして、第一次から三次まで八十三線ございますけれども、うち六十五線が転換済みあるいは転換合意済みでございまして、残り十八線がこれからということになるわけであります。
#206
○穐山篤君 十八線区九百八十一キロの特定地方線区の問題がまだそれぞれの地域で合意がされていないわけですが、この特定地方交通線の問題については、附帯決議で特別に院の意思が表示をされてあるわけです。十分地方公共団体と協議をしなさい、こうなっているわけですが、それぞれ該当する地域では非常に不安に思っているわけですね、将来展望について。これは無理をなさらないでよく地域で協議をするというのが基本であると思うんですが、その考え方は変わっておりませんか。
#207
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもとしては、あくまでも十分地域の実態に応じて御相談をしながら進めてまいりたいと考えます。
 ただ、やはり特定地方交通線として現在問題になっております路線それぞれの地域の実態等を考えてまいりますと、将来にわたって永続して住民の足として機能していくためには、むしろバス転換等を進めた方が効果的であると思われるようなところを選んで御相談をかけておるわけでありまして、そうした実態も踏まえて十分御相談をしてまいりたいと考えております。
#208
○穐山篤君 第三セクターあるいはバス転換という問題があるわけですが、この長大路線、適当な距離でいいと思いますが、その特定地方線区の途中だけをあるいは片方だけを第三セクターにするしないというふうな議論がないわけではないんですけれども、運輸省の指導としてはその点いかがでしょう。
#209
○政府委員(林淳司君) 私どもといたしましては、特定地方交通線の第三セクター等への転換というものにつきましては、従来、線区単位で行ってまいっております。対象路線の一部を鉄道あるいは一部をバスというふうなことについては、現在のところ、前例もございませんし、これについては特に私どもとしては検討いたしておりません。
#210
○穐山篤君 青函連絡船につきましては、来年青函トンネルが竣工するわけでありますが、この連絡船の扱いについて、特別委員会の議論は議論としてあったわけですが、運輸省の指導としてどうなされるのか、その点伺っておきたいと思います。
#211
○国務大臣(橋本龍太郎君) これも当時何回か御答弁を申し上げてまいりましたが、津軽海峡線が開通をいたしました後になりますと青函連絡船の事業の役割というものは終わるという見込みのもとに、六十年十月の閣議決定におきましては原則として廃止の方針を決めてまいりました。そしてまた、現在私どもが聞き及んでいる限りにおきましては、新会社すなわちJR北海道におきましても同じような考え方を持っておられるというふうに私どもは仄聞をいたしております。その場合には私どもはその意思を尊重して、その廃止という行為が円滑に行われるように指導していかなければならぬと思っております。
#212
○穐山篤君 次に、民間の会社になりましたのであらゆる関連事業はやってもよろしい、こういう原則になっているわけですが、旅行業務についても同様だと思うんです。従来、国鉄であった当時は旅行業界の協力を得ながら表裏の関係で仕事を進めていたわけですが、新たに旅行業務を取り扱うということになれば、既存の旅行業界とのかかわり、あるいは従来から国鉄の中であるいは国鉄の外で協力しておったものとの関係を十分調和を図っていかなきゃならぬ。その点は附帯決議でも十分示しているはずだと思うんです。特にトラブルがないようにしてもらいませんとうまくない。それは共同して需要を拡大していくというそういう面からの協力関係が望ましいと思うんですが、運輸省の指導としてはどう考えていますか。
#213
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは今委員御指摘のとおり、法律といたしましても会社法の第十条で、そしてまた参議院の国有鉄道改革に関する特別委員会の附帯決議の中におきましても、中小企業者との関係においては十分留意する、そして公正な競争を担保できるようにしろという御指摘をいただいております。
 こうした御趣旨に沿いまして、今例示で挙げられましたものは旅行業でございますけれども、中小業者の方々とは十分な話し合いを行うべきものであると考えておりますし、運輸省といたしましても、各旅客会社に対して関係の中小業者と十分調整を行うように指導してまいりたいと考えております。
#214
○穐山篤君 次に、清算事業団の業務の中の重要な課題についてお伺いしますが、昨年審議をしていた当時は民間の借入金についても未定であるし政府の補助金についても未定であったわけですが、予算書にはそれぞれ記載をされております。
 そこでお伺いします。この民間の借入金というのは、長期の借り入れになるのか、短期のものになるのか、その契約はどういうふうな見通しをされているんでしょう。まずその点第一に。
#215
○政府委員(林淳司君) お答え申し上げます。
 清算事業団でその収入支出の関係でいろんな種類の借入金あるいは債券の発行等がございますけれども、そのうち今御質問の民間借入金でございますが、これについては三年償還ということになっております。三年後に一括償還をするという形になっております。
#216
○穐山篤君 財投の資金も投入をすることになっておりますし、国庫補助金もおおむね今年度五千四百億円程度のものが補助金で出る、一般会計等を含めて出るわけです。この問題は前の委員会で安恒委員の方から、計算からいきますとほぼ一兆円程度のものをいわゆる国が何とかしなければ清算事業団の借金は返せなくなりますよというふうに、具体的に問題を提起したわけです。今の話がありますように、民間の借入金は少なくとも三年一括返還ということになりますと、その返還のために必要な資金というのがまた必要になってくるわけです。金がありませんからまた財投資金を清算事業団にぶち込んでいくということになりますと、清算事業団がかつての国鉄と同じような轍を踏むという計算を我々の方は明示をしたわけです。
 したがって、それを受けてどうするかはこれからの問題になりますが、今回の予算書を見てみますとどうも心もとないというふうに思うわけですが、清算事業団の経営が危機に瀕する、財政的に行き詰まってくるというふうに数字の上からは明らかになるわけです。その点いかがでしょう。
#217
○国務大臣(橋本龍太郎君) 午前中青木委員からも同様の御指摘を受けたわけでありますが、委員ごらんになっておられますとおりに、少なくとも借入金の利子に対する支払いのための借り入れを必要とする状況にはなっておりません。ごらんになりましたとおりであります。そして今、本年度は三千億程度しか用地の売却等を見込んでおりませんけれども、付加価値を高める等々の努力をしながらおおむね三年程度が経過をするころには資産の処分の方向づけというものも当然整とんがされてまいります。また、資産処分審議会におきまして地価高騰区域等々における対応についても十分御検討いただいた上で売却の方針が正式にそれぞれの地域について確定できる時期でありましょう。そうしたことを考え合わせてまいりますと、私は清算事業団が経営が行き詰まるといったような事態になるとは考えておらないわけであります。
#218
○穐山篤君 ここは見解の相違ですから、いずれ数字をもって具体的にこれはしっかり確かめておきたいと思っております。
 それから午前中もお話がありましたが、土地の売却の問題です。昭和六十一年度の実績、それから今年度予算上は三千億になっているわけですが、実行計画というものがあろうと思うんですが、その点いかがでしょう。
#219
○国務大臣(橋本龍太郎君) 実行計画と申しますか、資産処分審議会が先日正式にメンバーが決定をいたしまして、これからそれぞれの仕事にかかっていただくわけでございます。そしてその中におきまして、今ちょっと私数字を忘れましたけれども、例えば東京二十三区内とか非常に地価高騰の激しい場所、そうではない場所等々に分けまして、売却をいたすに際して資産処分審議会の御意見を伺うルールも決めております。そしてその中におきまして適切な対応をしてまいるわけでありますが、しかし清算事業団の土地の処分というものにつきまして、これもたびたび先国会で申し上げてまいりましたことでありますが、私どもとしては、何よりもやはり公正かつ適切に行われる、そして公正というものを確保すると同時に国民の負担をできるだけ軽くする、また、この不動産の処分に対して国民から疑惑を招かない等々の理由を考えましたときに、公開競争入札という原則が一番望ましい姿ということでこれをこれからも続けてまいりたい。
 ただ、それぞれの地域におきまして自治体等との御相談をしながら対応をしていくというようなことは当然のことでありますが、この原則は従来から御説明を申し上げてきたとおりの方向でございます。
#220
○穐山篤君 大蔵大臣にちょっとお伺いしますが、この土地の売却について適正価格という話がいつも出るわけです。それは競争入札であれはすべて適正な価格と、こういうふうに理解をするのかどうか、その点ひとつお伺いしておきたいと思うんです。
#221
○政府委員(西垣昭君) 財政法、会計法の体系のもとでは原則として競争入札というのが建前でございます。それは公正を確保するために望ましいということで、原則としてはそういう制度になっているというふうに理解いたしております。
#222
○穐山篤君 前回の特別委員会ではこの土地問題についていろいろな角度から議論されましたが、総理が一時土地信託について興味を示したことがあったんですが、その後政府の中では土地の信託については勉強されているんですか、それともこれを採用してもいいかなという感じの勉強になっているんでしょうか。いかがですか。
#223
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに総理が信託に大変関心をお持ちであり、そうした趣の御答弁がありましたことを私も十分記憶いたしております。ただ同時に、当時申し上げましたように、実はその信託というものも全く考えなかったわけではありませんけれども、実質的にその土地で生み出すべき財源というものがそれほど、信託制度を採用するほどの魅力を持つものにはならなかったといったような実態も御答弁を申し上げた記憶がございます。
 いずれにいたしましても、今後の具体的な処分の方法などにつきましては、私どもとしては、国鉄清算事業団に置かれました資産処分審議会において各方面の御意見も伺いながら、適切に対応してまいりますように事業団を指導してまいりたいと考えているところでおります。
#224
○穐山篤君 午前中青木委員が全体の要員の問題について聞きましたが、私は重複は避けたいと思う。
 そこで、清算事業団に配置をされている方ですね、これをグループごとに数字を挙げてみてもらいたいと思う。例えば土地それから借金の整理に二千五百人、以下何々というふうにグループがあると思うんですが、数字を明らかにしてもらいたい。
#225
○参考人(池神重明君) 清算事業団の理事の池神であります。
 今先生からお話ございました四月一日現在で清算事業団に移行しました職員数でございますが、まず長期債務の償還ですとかあるいは土地の管理ですとか、そういったいわゆる本来業務に従事する要員が二千五百七名ございます。それから、それ以外で公的部門等に再就職が内定しております職員数は一万一千二百四十九名ございます。それからまだ再就職先の未定の職員、これが七千六百二十八名でございます。それから、退職前提の休職に入っている職員が二千二百七十六名、この公的部門内定それから再就職先の未定者、退職前提休職者、合わせますと二万一千百五十三名になっております。
#226
○穐山篤君 三月三十一日で旧国鉄の職員が退職をした数、その当時二万人と言われておったんですが、実際は何名でしょう。
#227
○政府委員(林淳司君) ただいま先生二万人とおっしゃったのは希望退職の数字だと思いますが、これは実際には約三万九千人でございます。
#228
○穐山篤君 三万九千人。予想外の退職者が出ました理由、あるいは退職した後の方々の追跡調査をされたことはありますか。
#229
○政府委員(林淳司君) 特別の追跡調査ではございませんけれども、希望退職でやめられた方々につきましては、自己開拓で再就職をされた方とか、あるいは自営でいろいろな仕事を始められた方とか、そういう方々がおられるというふうに聞いております。
#230
○穐山篤君 私が調べたものと随分違いがありますが、そのことはそのことでいいでしょう。
 北海道から九州までそれぞれの職員が、私は北海道に残りたい、東日本に残りたいと。実際は二十一万五千という枠がありますからはみ出るのはやむを得ないと思いますが、あなたは採用できませんということになろうと思うんですが、理由を聞いてもどなたもだれもお答えにならなかった。こんなことは民間の会社じゃあり得ないことなんですが、このためにトラブルが非常に起きておる。その点については、個人から区長や駅長に聞きましても、おまえさんはこういう理由で採用できませんよという回答が全然ないんです。返事がない。これはどういうわけでしょう。何か特別の理由があるんですか。
#231
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はその個別の状況をつまびらかにいたしておるわけではございませんけれども、設立委員会におきまして各社ごとの採用基準というものをお決めになり、その希望を募り、そしてその基準に従って採用が行われたと承知をいたしておりまして、その採用の通知が行かなかった方々に対して、どういう理由で採用されなかったかという説明云々という部分については知識を持っておりません。
#232
○穐山篤君 官房長官、よく聞いておいてもらいたいんですが、私はこの前の委員会で、希望したけれどもはねられた、その場合に救済措置というものが当然出てくるだろう、紛争処理もあるだろうということを申し上げたんですが、要領のいい答弁はなかった。しかし、現実に全国を見ますとトラブルがある。人によっては、見方は違いますけれども、差別をされた、選別をされた、そういう痕跡が残っているわけです。なおかつ、私はどうして西日本に採用してくれないんでしょうかと言って聞きに行きましても、おれは知らない、そういうつれない回答なんですよね。これは日本全国共通しているんです。ここが言ってみますと問題なんです。今後にも影響すると思いますが、問題意識としてとらえておいてもらいたい。
 それから多分管理職も三分の一程度は清算事業団に行ってもらう、あるいは退職してもらうかもしらぬ、そういう答弁が、純粋管理職、一般管理職、中間管理職ごとに数字を挙げて答弁があったわけですが、さて、四月一日に一応移行した後その管理職はどういうふうな状況になったか、具体的に数字を言ってもらいたいと思うんです。やめた方、希望でやめた人あるいは残った人、清算事業団に幾人行ったか、具体的に答弁してもらいたい。
#233
○政府委員(林淳司君) 正確な数字はただいま手持ちがございませんので後ほど御報告をさしていただきたいと思いますけれども、あのときにいわゆる本社採用学士と申しますか、そういう管理職につきまして当時の国鉄総裁から、約四割程度の方については新会社以外のところに就職をしてもらうつもりだという答弁があったと思いますけれども、私の知っている限りでは、おおむねその程度の方は新会社に彩られないで、関連会社でありますとかあるいは清算事業団でありますとか、そういうところに行かれたというふうに聞いております。
#234
○穐山篤君 話題を変えましょう。
 公的部門に一万一千二百四十九人という内定者があるわけでありますが、これは中央の官庁ですね。これは地方公共団体も入っているんでしょうか。
#235
○政府委員(手塚康夫君) 先生おっしゃいました一万一千何がし、ちょっと私どもの方はよくわかりません。私ども関係しますのは国家公務員、それから関連して特殊法人等、これも窓口になっております。
 それの状況を申しますと、現在までに、国関係で八千六百名、これは既に採用した者、それから内定者を含んで八千六百名になっております。それから特殊法人等が、これは清算事業団も含みますが、四千四百名に達しておりまして、合計国関係が、地方を含みませんでして、一万三千名が採用ないしは内定という状況になっているわけでございます。
#236
○穐山篤君 地方自治体はいかがでしょう。
#237
○政府委員(柳克樹君) 地方自治体におきましてこれまでに内定した数は八千六百七十八人になっております。
#238
○穐山篤君 そうしますと、公的部門というのは先ほど一万一千二百四十九というお話がありましたが、実際は二万一千何百人、こういうふうに理解をしていいわけですね。
#239
○参考人(池神重明君) 先ほどの一万一千二百四十九名と申しましたのは、四月一日現在で清算事業団に移行いたしました公的部門等への内定した方の数でございます。
 ちょっと内訳を概数で申し上げますと、公的部門等と申し上げましたが、関連事業、民間も百名ほど入ってございます。したがいまして残りの一万一千百五十名がいわゆる公的部門でございますが、その内訳は国関係が約六千でございます。それから特殊法人等が千四百五十、地方自治体が三千七百、合わせまして一万一千百五十、それに先ほどの百人を足しまして一万一千二百五十と申し上げました。
#240
○穐山篤君 労働大臣、改革法の各法で、清算事業団の職員の問題について、「国及び雇用促進事業団は、」云々というものがありますね。これは独自に計画を既に立てられているんでしょうか。
#241
○国務大臣(平井卓志君) 清算事業団職員の一口に申し上げて再就職の促進でございますが、雇用促進事業団において職業生活相談員、また職場適応指導員を既に配置してございまして、必要な相談、指導を実施しておるところでございます。いま一点、職業安定機関におきましても、清算事業団職業相談室に対しまして必要な指導、援助を行います。同時に、清算事業団職員の職業指導も実施しておるところでございます。ただ、この中で雇用促進事業団等における職業訓練につきましては、その訓練科目等につき現在清算事業団と協議をいたしておるところでございまして、協議がまとまり次第実施することという方向でございます。
#242
○穐山篤君 私の知る限りではまだ全然手がつけられていない、全国調べましたらそうなっております。
 そこで、参考人に伺いますが、再就職先未定の七千六百二十八人、勉強されているわけですが、どういう勉強をされているか御存じですか。
#243
○参考人(池神重明君) お答え申し上げます。
 事業団職員に対しましての教育訓練についてでございますが、まず四月一日に事業団がスタートいたしましてから直ちに職業講習会と銘打ちましたものを全員を対象に行ってまいりました。これは再就職のあっせんの仕組みでございますとか、あるいは事業団の概要でございますとか、いわばオリエンテーションに当たるようなものでございます。それから、地域の雇用情勢等々、そういったことを大体六日間ほど説明をいたしております。
   〔理事原文兵衛君退席、委員長着席〕
それに続きまして、再就職先に応じて必要な知識ですとかあるいは能力、こういったものを職員に身につけてもらうために、公的部門の転出の内定者に対しましては例えば公務員講座ですとか、それから民間企業への転出の内定者等に対しましては民間講座とか、そういった必要に応じた教育をこれから全国に設置いたしました教育訓練所でやってもらいたい、このように考えておる次第でございます。
 それから再就職に当たりまして、例えばこういう資格を身につけたいとか、あるいはこういった技能をもっと磨きたいとか、こういう職員の希望がぼつぼつ出てまいっております。そういう方々に対しましては、地域の雇用情勢ですとか、あるいは御本人の希望ですとか、それから例えば受け入れ先の方でこういう資格を持った人ならぜひ来てほしいとか、そういった受け入れ先の要望、こういったものをにらみながら御本人の希望に応じて、例えば都道府県なり、あるいは雇用促進事業団の職業訓練施設でございますとか、それから場合によっては各地に民間の教育施設等もございますので、そういったものに委託をしていきながら資格の取得等に資してまいりたい、こういうふうに考えております。
#244
○穐山篤君 希望を言われた点は私はわかりますけれども、私、全国からカリキュラムをみんな取り寄せてみましたけれども、八時半出勤、自習、五時退庁、これがみんな多いんですよ。もうそれ以上言いませんけれども、随分間違った教育をしているということを政府はよく認識してもらいたい。これらは具体的にまた論争をします。
 それから最後に、二十一万五千人という数の問題です。
 実際は、今第二次募集まで含めていますから、数字は合っていないことは承知をします。しかし、二十一万五千人が欠けてもやむを得ないというニュアンスの答弁が午前中ありました。これは私どもいただけないと思うんです。私はその当時、二十一万五千人以上の具体的な数字を申し上げましたが、論争の末二十一万五千で固まったわけです。年度当初二十一万五千人を満杯にしないということならばこれは問題ですよ。その点いかがですか。
#245
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに当時穐山委員から、また他の委員からも同様の御指摘があったことを私も記憶をいたしております。しかし同時に、あの当時私どもの方から繰り返し御説明を申し上げましたのは、鉄道関連事業というもので試算をいたしました場合十八万六千人という要員が必要であるという数字が出てきておりました。しかし、国鉄改革という中で職場を失う方が少しでも少なくて済むように、新会社が関連事業等々を考えながら最大限抱えられる数字として、その計画を二十一万五千という数字に置いたわけでございます。それだけに、それではその二十一万五千ではどうなんだと。それを下回った場合、もっと採った場合、いろいろな御指摘が当時ございました。そうしてその中で新会社としてそれぞれに、旧国鉄の職員の方々に採用の御通知を申し上げ、その後、御本人のさまざまな都合で御辞退等が出てきた中で四月一日を迎えたわけであります。
 そしてそれには、確かに定員という言い方は大変おこがましい言い方でありますけれども、目標とした数を下回ったスタートになりましたが、一方では北海道地区あるいは九州地区、なお再就職先未定で国鉄を離れていただいた方々が多数おられます。ですから、その方々を九州会社、北海道会社それぞれに追加募集の手続をとってまいりました。恐らくもう近いうちにその採用も決まるでありましょう。その後におきまして東日本、東海、西日本、四国、貨物、各社が引き続いて北海道地区、九州地区において再募集の手続をとることにいたしておりまして、私どもとしては、北海道地区及び九州地区に非常にたくさん再就職先未定という状況で残っておられる方々を、それぞれの地域会社並びに貨物会社のいわば当初目標とした数字に足りずスタートをいたしました部分にお越しをいただけるならばその方々を迎え入れたい、追加募集の準備もしておるわけでございます。
#246
○穐山篤君 二十一万五千でスタートをして、その後各JRが企業努力をして実際は要員を少なくした、あるいは効率的な運営をしたというならば議論として成り立つけれども、最初から二十一万五千を否定したんじゃ国会の話とこれは違いますから、それは統一見解を出してもらいたい。
#247
○国務大臣(橋本龍太郎君) ですから今私は否定をいたしておりません。二十一万五千という方々に対して各社がそれぞれの採用通知をお出しいたしました。その中から、自分は行かないよということで辞退をされた方々が出たわけであります……
#248
○穐山篤君 それは行けないよですよ。
#249
○国務大臣(橋本龍太郎君) いや、それは……
#250
○穐山篤君 遠過ぎて行けないよと。
#251
○国務大臣(橋本龍太郎君) 行かないというお返事を現に辞退をされた方々にいただいたわけであります。そして逆に、北海道地区及び九州地区において行きたいという希望をお持ちの方もありましょう、あるいはそうでない方もあるのかもしれません。少なくとも再就職先を未定の状況で四月一日を迎えられた方々があるわけであります。ですから、私たちはそこに、今北海道会社、九州会社がまずそれぞれの地域において追加募集をする、そしてそれに引き続いて恐らく数日中に今度は、その北海道会社及び九州会社の追加採用事務が終了いたしました段階で、東日本、東海、西日本、四国各旅客鉄道会社、また貨物鉄道会社が追加の募集をすることになると申し上げておるわけであります。否定をいたしておりません。
#252
○穐山篤君 最後に、確認だけです。
 そうしますと、昭和六十二年度、ことしスタートした、いろんな再募集、広域配転もありますけれども、二十一万五千人びったりで進みますという確認でいいですか。
#253
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただこれは、追加募集をしたわ、応募してくださる方がなかったわという場合もあり得るわけでありますから、そう何が何でも二十一万五千ぴっしりにいたしますとは私も申し上げられません。しかし、少なくともそれだけのいわば目標があるわけでありますから、その間における受け入れを九州地区、北海道地区において行いつつある、まず北海道会社と九州会社が行っておる、その作業が確定し次第今度は他の会社も同様に再募集の努力をいたしますと申し上げております。
#254
○穐山篤君 私はそれでは納得できないんですよ。もう時間がありませんけれども、やめた人の中には、おまえさんは北海道から東京に出なさいと、そういう人もかなりあって、それは無理だからやめた人が多いんですよ。もう少し配慮あるやり方をとれば私は無理がなかったと思うんですけれども、現実的には欠員の状況にあるわけです。そこで最終的な努力をしてそれでも満タンにならないという場面では事柄として了解できますけれども、最初から欠員の状況にして人件費を浮かすというふうなことは絶対にやらないというふうに理解をしていいんでしょうか。
#255
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現に北海道会社、九州会社は追加募集を行っております。引き続いて東海、東日本、西日本、四国の各旅客鉄道会社、貨物会社は追加募集の努力をいたします。
#256
○委員長(桧垣徳太郎君) 以上で穐山篤君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#257
○委員長(桧垣徳太郎君) 次に、橋本敦君の質疑を行います。橋本君。
#258
○橋本敦君 最初に豊田商事事件について伺いますが、まず、去る大阪地裁判決について御説明いただきたいと思います。
#259
○政府委員(門田實君) ただいま御指摘のございました大阪地裁の判決、これは四月の末に出たものでございますが、その内容につきまして私どもは、これは特定の外交員の特定の期間に受けた極めて高額な外交員報酬について判示したものでありまして、個々の外交員の勤務期間、社内の経歴、セールス方法、支給額などから違法性を基礎づける主要な事実についての認識の有無を個別に認定した上で、その歩合報酬契約が公序良俗に違反し無効であるから不当利得に当たるとしているそういう判決であると、こういう理解をいたしております。
#260
○橋本敦君 その判決の中に、この豊田商事の商法それ自体が必然的に経営陣の経営方針としては常識で考えられない、破綻は必定である、そういう状況であったことも認定されていますが、間違いありませんか。
#261
○政府委員(門田實君) 豊田商事の商法につきましての評価の中でそういう趣旨のことが言われております。
#262
○橋本敦君 重ねて、問題になった歩合報酬契約は極めて違法性の強い本件商法を推進することに対する支払い対価だと、こういうことで、本件商法、豊田商法それ自体も断罪されているのではありませんか。
#263
○政府委員(門田實君) 判決はいろいろの内容を含んでおるわけでございますが、豊田商事の商法につきましての評価、それからそれの上に立ちまして特定の二十名の外交員の特定期間について受けた極めて高額な外交員報酬、これが問題があると、こういうことを述べておるわけでございます。
#264
○橋本敦君 確定しましたか。
#265
○政府委員(門田實君) 私どもまだ、この判決が確定したという連絡は受けておりません。
#266
○橋本敦君 私が調べたら、被告二十名、そのうち十数名が事実上確定したと連絡を受けておりますが、調べましたか。
#267
○政府委員(門田實君) 全員で二十名いるわけでございまして、その最後の人に至るまでのもうこれでその問題が終了したという連絡をまだ受けていないわけでございます。
#268
○橋本敦君 ほとんど確定したでしょう。
#269
○政府委員(門田實君) 大部分の方は確定していると思います。
#270
○橋本敦君 基本的に豊田商事の商法が会社ぐるみのまさに詐欺犯罪集団に類するという状態が事実上明らかになったわけであります。この判決自体は、二万七千人を超え、被害額二千億と言われる社会問題にまでなったこの被害者の皆さんへの救済という観点についても積極的な意味を持つ判決だと、こう評価すべきだと思うのでありますが、大蔵大臣の御所見はいかがでしょうか。――委員長、大臣の御見解を聞きたいのですが。
#271
○委員長(桧垣徳太郎君) まず直税部長から。
#272
○政府委員(門田實君) 私どもは税務を所管する立場でございますので、判決についての論評は差し控えたいと思います。
#273
○国務大臣(宮澤喜一君) 判決についての論評は差し控えたいと思います。
#274
○橋本敦君 従業員から取った源泉徴収の返還問題が被害者救済の一環として問題になったときに、衆議院の物持では当時の熊澤二郎法人税課長も、判決の結果を見て対応を考えると、こう言っておられた。そういう点から見てこの判決は検討に値する重要な対象であることは間違いない。だから大臣の所見を聞いたんです。この源泉徴収の返還問題について積極的に被害者救済の立場でお考えいただくのがやっぱり大臣のお立場として筋だと思いますが、いかがですか。
#275
○国務大臣(宮澤喜一君) その点でございましたら、判決は個々の外務員につきまして歩合報酬につきまして具体的に述べておりますから、判決をよく読みまた事実関係をよく調べまして結論を出さなければならないと思っております。
#276
○橋本敦君 判決をよく読んでいただくと今言ったように報酬歩合契約それ自体が公序良俗違反で無効だ、したがって管財人に返還を命じたわけですから、したがってそこから所得税を取る法的根拠はないということがその点は明白になる、これはそのとおりですね。
#277
○国務大臣(宮澤喜一君) その点につきまして判決が述べておりますところ、並びにまた国税庁におきましても国税庁としての事実関係等々も調べまして、結論を出させたいと思っております。
#278
○橋本敦君 判決の趣旨を尊重する立場で検討を進めていただくことは当然だと思うので聞いておるのですが、そう理解してよろしいですか。
#279
○国務大臣(宮澤喜一君) 返還をすべきか否かについての判決があったわけではございませんから、返還をする立場としては事実関係をよく調査をいたさせたいと思います。その際に、判決の述べておりますことは大切な一つの事実関係である、判断であるということはわかっております。
#280
○橋本敦君 そういう観点で、被害者救済を急ぐという立場で、この二十名だけではなくて、豊田商事全体で徴収したと言われている総額七十五億円に上る源泉徴収金の問題についても、破産管財人との協議は一層これから誠意を持って進めていただくことをお願いして、次の質問に移ります。
 私が団長になって我が党訪米調査団が一月アメリカへ参りましていろんな調査をいたしたわけですが、その際に、一九六六年二月二十四日付のラスク国務長官発の極秘電報の存在が発見をされて明らかになりました。これによって、日米核持ち込みの密約の存在ということが初めて公式文書で明確になってくる事態になったわけであります。これは極めて重大問題であります。資料を配付していただきたいと思うのであります。
   〔資料配付〕
#281
○橋本敦君 まず最初に伺いますが、四月十四日、我が党金子書記局長に対する答弁で、外務大臣は米政府の回答文を読み上げられましたが、これはアメリカのどの機関のだれが回答をよこしたものですか。
#282
○政府委員(藤井宏昭君) 四月十四日に、アメリカでは十三日でございますが、米国務省から我が在米大使館に対して正式の回答があったものでございます。
#283
○橋本敦君 国務省のどの機関のだれからですか。
#284
○政府委員(藤井宏昭君) 通常このような場合に、正式の回答であれば、それがだれからだれであるかということは公式の場で必ずしも明確にしないということでございまして、その点は差し控えさせていただきます。
#285
○橋本敦君 原文で、英文テキストはオリジナルであるんですか。
#286
○政府委員(藤井宏昭君) これは口頭で国務省から我が在米大使館の責任者に連絡がございまして、その日頭はもちろん英語でございますが、それを日本語にいたしまして十四日に大臣からお読み上げいたしたものでございます。
#287
○橋本敦君 こういう重大な問題について、文書でない単なる口頭だというのはまことに解せない話でありますが、その口頭の理解に誤りがあったら一体だれが責任を持つんですか。
#288
○政府委員(藤井宏昭君) 口頭の理解を公式の場で申し述べます以上、それに誤りがないように十分内部で手当てをしておるわけでございます。
#289
○橋本敦君 誤りがあるかないかだれが確かめられるんですか。我々には確かめられないんです。
#290
○政府委員(藤井宏昭君) アメリカの政府の回答につきましては、その全文を大臣から御説明申し上げまして、もちろんその前にもアメリカ政府と十分打ち合わせをしておりますので、これに相違があるということはございません。
#291
○橋本敦君 こんな大事な問題、文書ではっきり回答を求めてもらいたい。どうですか。改めて文書で回答をよこすように要求されたい。
#292
○政府委員(藤井宏昭君) これは口頭ではっきりとした返答がございまして、それを公式の場でも申し述べまして、それをもちろんアメリカ政府も十分存じておるわけでございます。したがいまして、改めて文書によって回答を求めるという必要はないというふうに存じます。
#293
○橋本敦君 もってのほかだと思いますよ。
 アメリカの国務省のレッドマン報道官が四月十日にアメリカで記者会見をして国務省の談話を発表した事実は御存じと思いますが、その中で、この密約を示すラスク・ケーブルについては、理由はどう言っておりますか。
#294
○政府委員(藤井宏昭君) 四月九日に米国務省のレッドマン報道官が記者会見をいたしまして、その際に次のようなことを言っております。
 一つは、当該の電報は日本に対する核持ち込みを認めるような秘密合意があることを示すものではない、第二は、コンブィデンシャル・アレンジメンツとコンブィデンシャル・アグリーメントは、ともに安保条約及び関連規定を指すものと思われる、第三に、当該電報の不正確な記述が示すとおり、当該電報の主題はコスイギン提案であって日米安全保障関係ではない、当該電報は日本に対する米国防政策を有権的に述べたものではないし、またそのようにみなされるべきものではない、という趣旨のことを述べております。
#295
○橋本敦君 天下周知の安保条約それ自体、これをコンブィデンシャル・アグリーメントなどと言うはずがないじゃないかと記者団から質問を受けて、立ち往生して大笑いになったということは知っていますか。私はそう聞いていますよ。当たり前のことですよ。
 それから、さらにもう一つ聞きますが、この談話の一番最後、もっと詳しく説明しているはずですが、そこのところを言ってください。アメリカの核政策についてどう言っているかということ。
#296
○政府委員(藤井宏昭君) 記者会見の模様を我々が承知しております範囲では、最後の方では、電報における合意についていかなる言及も相互協力及び安保条約についての言及以外の何物でもないということを述べております。条約の規定していることは、合衆国の装備における重要な変更は日本国政府との事前の協議の主題とするということであるということを述べておるということでございます。
#297
○橋本敦君 そこが問題なんですよ。局長、装備というのは英語で、そのテキストでどう書いていますか。私が手にしたテキストでは「メジャー・チェンジズ・イン・USディプロイメント」、装備とは書いていませんよ。
#298
○政府委員(藤井宏昭君) レッドマン報道官はディプロイメンツという言葉を間違って使ったかもしれません。
#299
○橋本敦君 こういう頼りないことなんですね。
 しかも局長、もう一つ聞きますが、この電報は核をあるともないとも言わないというよく知られたアメリカの世界的な核政策をミスリードしたものだというように説明している部分があるはずですが、どうですか。
#300
○政府委員(藤井宏昭君) これは十日の記者会見になると思います――別の記者会見でございますけれども。そこで触れておりますことは、最後に繰り返しになるけれども、米艦船における核兵器の有無を肯定も否定もしないという我々の一貫した世界一律の、またよく知られた政策については、これは引き続き我々の政策であり続ける、同時に、我々は核兵器に関する日本国民の特別の感情を承知している、我々は日本との相互協力及び安全保障条約のもとでの我々の義務を誠実に履行してきており、今後とも引き続き履行する、こう述べております。
#301
○橋本敦君 ちょっと局長、これを見てくださいますか。あなたの持っているのと私の持っているのと違っていたら話にならぬ。委員長、ちょっと示しますので。
 局長、この最後の部分、これがあるはずなんです。(資料を示す)十日です。十日の記者会見。
 もう一度答えていただきます。
#302
○政府委員(藤井宏昭君) ただいま委員がお示しになった部分がまさに私が今申し述べました、最後に繰り返しになるが、その次、米艦船における核兵器の有無を肯定も否定もしないというのが我我の一貫した云々ということでございます。
#303
○橋本敦君 正確に訳してくださいよ。一貫した核の存否を明らかにしないという、アメリカ側の世界的なよく知られた政策について――いいですか、このケーブル、電報は、アピアーズ・ツー・ビー・ア・ミスリーディングディスクリプション、こう言っていますよ。それを聞いているんですよ。私の方が英語を訳せるんですか、そんなことはないでしょう、局長の方がはるかに上だ。
#304
○政府委員(藤井宏昭君) 記者会見の英文でございまして、それを必ずしも全文正確にそのまま保持しておるかどうか、その点は私もわかりませんけれども、我々の記録ではそうなっております。
#305
○橋本敦君 だから、アメリカの政府回答も口頭だというから頼りないと言うんですよ。これだって頼りないことは、今おっしゃるようにはっきりしないって、そんなひきょうなことを言っちゃだめですよ。これでは、核の存否について明らかにしないというアメリカの核政策について、このラスク電報は明らかにこれはミスリードしたものと思われると、こう言っているんですよ、私のテキストでは。いいですか、それは同じテキストだとおっしゃった。そうなると、ラスク長官を初めアメリカの国務省が、自分の核政策について誤解を招くようなことを言うはずも、書くはずもないんですよ。事ほどさようにこのラスク電報についてのアメリカ側の談話及び態度、まことに慌てぶりも甚だしい、日本政府もはっきりした文章でこれをとらない。これもまた本当にひどい話である。そういう態度そのものが、あいまいなままで核を受け入れるというそういう密約があるんだというそのことを証明していると言わねばなりませんよ。
 時間がありませんから次に質問を移しますけれども、ミッドウェーについて尋ねます。
 防衛庁あるいは外務省は、海軍部内でクルーズブックと呼ばれているミッドウェーに関する写真集があるのを御存じですか。
#306
○政府委員(瀬木博基君) 五月五日付の赤旗に載っておったことは承知いたしておりますが、それ以外は存じません。
#307
○橋本敦君 赤旗はすばらしきものですな。
 資料を配付しましたのでごらんいただきたいと思うんですが、その英文の資料のミッドウェー第五航空団の「ウイナーズ」、「勝利者」と題する本であります。これはワシントンのネービーヤードにあります海軍省図書館でいろんな調査をやっている際に私ども調査団が見たのでありますが、これはミッドウェーの全乗組員の任務、部署とその写真を掲載した分厚い本であります。こういう本があるのを防衛庁長官、全然御存じありませんでしたか。
#308
○国務大臣(栗原祐幸君) 承知しておりませんでした。
#309
○橋本敦君 その二百五十七ページに、二枚目、「ウエポンズデパートメント」という説明があります。きのうこれを外務省にお渡ししておきましたが、ミッドウェーのこれは兵器部でありますが、その兵器部にどういうディビジョンがあると書かれていますか、お話しください。――きのう、この部分の資料をお渡しして、お願いしておきました。
#310
○政府委員(藤井宏昭君) ウエポンスデパートメントという兵器部があるというふうに聞いております。
#311
○橋本敦君 ウエポンズデパートメントの中にどういうディビジョンがあると書かれていますかという、そういう説明を求めているわけですから。――きのう資料をちゃんと委員長、渡してあるんですよもう、ここのところを聞くからなと言って。
#312
○政府委員(斉藤邦彦君) きのういただきました資料がこの私が今持っているものだと存じますが、その中のウエポンズデパートメントのページには、その内容の説明といたしましてG1、G2、G3、それからG4、それからWディビジョン、それからエクスプローシブ・オードテンス・ディスポーザル・チーム、こういうものがあるという記述がございます。
#313
○橋本敦君 そのうちのG1からG3あるいはG4の説明はもう時間がないので省略しますが、問題はWディビジョン、アンダーラインしておきましたが、このWディビジョンを訳してください、どう書いてありますか。
#314
○政府委員(藤井宏昭君) Wディビジョンとは主として秘密の武器の、秘密の武器と申しますのはグラシファィドオードナンスでございますけれども、組み立て、整備、貯蔵に責任を有するというふうに書いてございます。
#315
○橋本敦君 プライマリリーですから、主としてとお訳しになりましたが、正確には第一義的には、本質的にはという意味が近いと思うんですよ。ここに書いてあるグラシファイドオードナンス、秘密の武器、秘密の弾薬とはどういうものか。防衛庁あるいは外務省御存じですか。
#316
○政府委員(瀬木博基君) この文書を私ども公式に入手したわけでございませんのでどういう意味であるかはっきりいたしませんが、常識的に辞書等で見てみますと、秘密の指定を受けた爆弾、砲、照明弾、ナパーム弾、その他を指すものだと思います。
#317
○橋本敦君 大事な核兵器はあるのか。
#318
○政府委員(瀬木博基君) その点については全くわかりません。
#319
○橋本敦君 資料の三枚目をごらんいただきますと、G1の扱う弾薬や写真、メンバーがあります。G2、G3もそれぞれそうであります。G4もそうであります。Wディビジョンは兵器の写真はありません。二十一名の乗組員がいかめしい姿で写っているだけであります。
 外務省に聞きますが、元第七艦隊旗艦の艦長をしておりましたアメリカのラロック海軍提督が主宰する国防情報センターという研究所にキャロルさんという方がいらっしゃいますが、経歴は御存じですか。
#320
○政府委員(藤井宏昭君) キャロルさんの経歴は、かなり長い間海軍に勤めていらっしゃいましていろいろな艦の艦長等をなさっておるということでございます。
#321
○橋本敦君 、ミッドウェーはどうですか。
#322
○政府委員(藤井宏昭君) たしか私の記憶ではミッドウェーの艦長もなさっていたと思います。
#323
○橋本敦君 ミッドウェーの艦長も歴任をし、別にお渡しした資料で明らかなとおり、海軍作戦副部長補で米海軍の通常及び核戦争計画立案に携わった人だと、これは国防情報センターでいただいたバイオグラフィカルデータ、そこにつけておりますが、そこに書いてある。こういう重要な人であります。
 このキャロルさんが、これについて我々調査団に明確に次のように説明しました。空母の兵器を扱うセクションは、このミッドウェーの本にあるように、すべてG1、G2、G3、G4とWディビジョンに分かれておる。次が大事です。このWディビジョンは核兵器だけに限ってその受け取り、試験、整備、組み立て、飛行機への積載、積みおろしなど、パイロットがすぐ使えるようにするすべての作業を行う、こうはっきりと述べられているのであります。つまりこのWディビジョンは核兵器だけに限って扱う専門部門である。この専門部門がミッドウェーの兵器部門の中にWディビジョンとして常置をされ、二十一名の担当専門部員が配置をされているという、こういう状態が明らかになったわけであります。こういう事実は明らかにミッドウェーに恒常的に、いわゆるグラシファイドオードナンスと呼ばれる、秘密爆弾と呼ばれる核兵器がほとんど恒常的に持ち込まれている、扱われている。このことを示す有力な事実以外の何物でもないと思うのですが、防衛庁長官どうお考えになりますか。
#324
○政府委員(藤井宏昭君) まず第一に先ほどの資料からで、Wディビジョンの写真が載っていないというお話でございましたけれども、これはグラシファィドオードナンス、すなわち先ほど防衛庁の瀬木参事官が御説明申し上げましたように、通常では公開しない武器を扱うということである以上その写真が載っていないのは当然だと思います。
 それから、ただいまの御質問の点でございますけれども、この空母ミッドウェーにおきますウエポンズディビジョンの問題というのは、今日初めての問題ではございませんで、昭和五十年二月七日に、当時、岡田春夫議員からの質問がございまして、政府委員からこの点に関しては米側に照会した結果としてお答えしておるわけでございます。そのお答えは、特殊兵器には保安上の理由で特別の取り扱いを要する通常弾道、ミサイル及び核兵器が含まれているが、特殊兵器班なる、ウエポンズディビジョンなる名称が付されたからといって、必ずしもそういう特殊兵器が置かれているわけではないという旨のアメリカ政府の回答を得て、昭和五十年二月七日に政府委員から国会におきまして答弁をしているところでございます。
#325
○橋本敦君 このWディビジョンは核兵器を扱う部門だということは認めますね。
#326
○政府委員(藤井宏昭君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、このWディビジョンが扱う兵器はグラシファィドオードナンスでございまして、その中には各種の兵器があると。そのうちに核兵器もあり得るということは言えると思いますけれども、核兵器のみを扱うものではないということでございます。
#327
○橋本敦君 ミッドウェーの艦長をしていた人が、これは核兵器のみを扱うんだと言っているんですよ。岡田さんが質問したときと状況は全然違います。艦長をしていた人の証言に基づいて聞いている。あなたが核兵器のみを扱うものでないと幾ら言ったって、艦長をしていたキャロルさんの言う方がはるかに信用度が高いし、事実であることは間違いないじゃないですか。そんなことを言ったってもう通用しませんよ。
 アメリカの機動部隊、空母にはどのくらいの核兵器を搭載できるか、防衛庁答えてください。
#328
○政府委員(瀬木博基君) 私どもが承知いたしております限りでは、空母自体の装備には核搭載能力は特にないと承知しております。他方、空母が航空機を艦載いたしております場合には、この航空機の中には核を搭載する能力のある飛行機はある。例えばAの6であるとかAの7であるとかFの18であるとか、そういう飛行機は核の搭載能力はあるというふうに承知いたしております。
#329
○橋本敦君 どれぐらいありますか、何発ぐらいありますか。
#330
○政府委員(瀬木博基君) それぞれの飛行機の性能でございますか。
#331
○橋本敦君 ミッドウェーとしてはそういう飛行機を積んだら何発ぐらい持つのかという質問です。
#332
○政府委員(瀬木博基君) ミッドウェーにつきましては、Aの6であるとかFの18というものを積むということを承知いたしておりますが、Aの6というのは可能性といたしましては爆弾は三発、Fの18につきましては爆弾は二発積む能力は持つということを聞いております。
#333
○橋本敦君 飛行機を積まない航空母艦なんて聞いたことがない。実際ひどい答弁をするものだ。
 ミッドウェーは、横須賀を母港化したのはいつか。それ以来どのくらい寄港しているか。滞留日数はどれぐらいになりますか。
#334
○政府委員(藤井宏昭君) ミッドウェーは昭和四十八年から海外家族居住計画によりましてミッドウェーの乗組員家族が横須賀に居住を開始しております。それがいわゆる母港化でございます。その後の寄港、滞留日数等は、御存じのとおり原子力の推進の船につきましては米軍から連絡が参りますけれども、ミッドウェーについては正式な連絡が参るわけではございませんので、当方において正確な日数は把握しておりません。
#335
○橋本敦君 ほぼ回数と日数どのぐらいと見ていますか。正確でなくてもいいですよ。全然わからぬわけはないでしょう。
#336
○政府委員(藤井宏昭君) ミッドウェーは、昨年の春から秋にかけまして約七カ月間横須賀においてオーバーホールをいたしましたので、その間はずっと日本に滞留しておりました。その前の年はミッドウェーが日本におります期間というものは三分の一から半分以下でございまして、三分の一強程度ではないかと思います。
 この点についてはさらに調べてお答え申し上げます。
#337
○橋本敦君 三分の一強。我々の調査ではこの十六年間に百回寄港、延べ十六年の三分の一、二千二百日、六年半にわたる。で、この米機動部隊空母、ミッドウェーには、アメリカの朝日、小川特派員の特電によれば、A6イントルーダーを初めとして飛行機に積まれる核兵器その他二百個近い核兵器が積まれているということでありますから、大変な核兵器が、積まれたままだとすれば横須賀に滞留していることになる。大変なことであります。調査したことがありますか、外務省は。
#338
○政府委員(藤井宏昭君) ただいまの御質問の趣旨が十分、何を調査ということでございますのか……
#339
○橋本敦君 核兵器を積んでいるか積んでいないか。
#340
○政府委員(藤井宏昭君) 核兵器につきましては、前々から政府が述べておりますとおり、日米安保条約によりまして、事前協議がない限り米国が核兵器を日本に持ち込まないということについて全幅の信頼を置いておるということでございます。
#341
○橋本敦君 二千二百日も来て、この巨大な空母、核兵器を一日たりとも積んでなかったと、軍事専門家としてそんなことが考えられるか。防衛庁長官としてはそんなことが考えられるか、どうですか。ひたすら信頼ですか。
#342
○国務大臣(栗原祐幸君) 政府委員の述べたとおりであります。
#343
○委員長(桧垣徳太郎君) 関連質疑を許します。上田耕一郎君
#344
○上田耕一郎君 今の事態が示していることは、この間の核密約のあの電報の中に書かれている日本政府が受け入れてきたあいまいさということがこういう事態をもたらしているんだということは非常にはっきりしてきたと思うんです。
 私は、佐藤・ニクソン会談のときの沖縄への核再持ち込み問題で国会で密約を追及しました。七八年三月十四日の予算委員会です。このとき私、当時の真田法制局長官に密約問題について法理論をお聞きしました。例えば私は「閣議にさえ報告もされない、承認もされない、首相個人がひそかに結んだ、そういう場合、これは有効ですか、法理論上。」、こう聞きましたら、真田長官は、「一般論としては、」「一国の条約締結権者が他国の条約締結権者との間に結んだ取り決めその他の国際条約は、それが密約、いわゆる不公表であるということのみをもって無効だと言うわけにはいかない」と、つまり有効だという答弁をされたんですね。これで、この解釈でよろしいんですか、法制局長官。
#345
○政府委員(味村治君) 委員の御指摘のとおり、当時の真田法制局長官が答えだということは承知しております。これは、有効だということを断定したわけではございませんで、不公表であるということで無効になるということはないということを申し上げたものでございます。
#346
○上田耕一郎君 だから、結ばれた場合公表されていなくても無効ではないと言うんだから、有効だということでしょう。取り決めですね、例えば条約あるいは交換公文あるいは覚書等々文書でなくて口頭の国際的取り決め、これも無効じゃありませんか。
#347
○政府委員(斉藤邦彦君) 口頭の国際約束があり得るということは、事実の問題としても、それから国際法学者の説におきましても、いずれも肯定的に解されております。
#348
○上田耕一郎君 私も国際法の本を大分読みましたが、やはりそう書いてあります。だから、口頭でも一度取り決めたら、また未公表でも有効だというのが国際法上の解釈、政府の解釈もそうです。
 そこで私は真田さんに、じゃこれは次の内閣をも拘束するのかと聞いたら、「それは国と国との間の取り決めてございますから、その拘束を受けるのは国でございますから、政府が交代しても、国が同一である限りはそれは効力は続くと言わざるを得ない」「廃棄されない限りは。」と言われた。
 それで長官、じゃ、ある大臣が結んだ、密約でだれにも言わない、次の内閣に申し伝えもしてないという場合でも、じゃ有効ということになりますか。
#349
○政府委員(味村治君) 当時の真田法制局長官は、そういう密約はないんだということで当時の園田外務大臣がおっしゃって、それで万一の場合は、一般論としてはどうだという強いてのお尋ねに対しまして、まあ国際法全般に通ずる一般論を申し上げたわけでございます。したがいまして、国際約束として有効なものは、それは国際約束は国を拘束するわけでございますから、その後政府がかわりましても相変わらず国を拘束するんだという、こういう一般論を申し上げたということでございます。
#350
○上田耕一郎君 ですから、私も法理論の一般論、国際法上の一般論を聞いているんです。
 つまり、真田さんの言うことですと、閣議に報告されない、国会も承認してない、公表もされてない、首相個人がひそかに結んだ、次の首相、次の内閣に申し伝えもしてない、だから次の首相は知らぬのですよ、その次の首相も知らぬ、それでも有効かということを聞いている、一般論として。
#351
○政府委員(味村治君) あくまでこの真田法制局長官の答弁は、その国際約束は有効だという前提で、ただ公表はされていない、こういう前提で申し上げているわけでございまして、そういったようなただいま委員の御指摘のような事実があったかなかったかというようなことは、たとえそのような事実があったとしても有効だとか無効だとかということを申し上げたのではなくて丁不公表だという事実によって国際約束が無効になるということはありませんということを申し上げているわけでございます。
#352
○上田耕一郎君 だから私は、事実を何も聞いていないんです。長官、逃げないでほしい。ひそかに結んだ、公表もされていない、次の内閣にも伝えられていない。しかし真田さんは廃棄されない限り国を拘束するんだと答えているんだから、一般論としてやっぱりそういうものなんでしょう。
#353
○政府委員(味村治君) 当時の委員のお尋ねは、「そういう秘密の取り決めがあった場合ですね、これは国際法上合法だと法制局長官は言われましたけれども、その秘密の取り決めは、その内閣を拘束するだけじゃなくて、政権が交代した場合、次の内閣をも拘束しますか。」というお尋ねに対しまして、真田前長官が、「どうも、万一の場合という仮定を踏まえてのお話でございますのではなはだお答えしにくいのですが、仮にそういうことがありまして、不公表であるということだけをもって無効だとは言えないというような事態になった場合には、それは国と国との間の取り決めてございますから、その拘束を受けるのは国でございますから、政府が交代しても、国が同一である限りはそれは効力は続くと言わざるを得ないと思います、」と、こういう答弁をしているわけでございまして、不公表であるということだけをもって無効だとは言えないんだと、こういうことでございます。
#354
○上田耕一郎君 ですから、これは非常に怖いことなんですよ。中曽根さんがそんな密約は知らないと言い、外務大垣も知らないと言い、だれも知らなくても、当時岸首相がアメリカの政府とひそかにこういう密約を結んだ場合、それが有効な取り決めだったら、未公表でも、皆さん方がだれも知らなくても、長官が知らなくても有効なんですよ、廃棄されない限りは。非常に怖いです。
 私はここに、八一年五月十八日、例のライシャワー証言が出た目の夕刊です。当時結んだ岸首相に東京新聞が電話インタビューした。岸さんはこう言っている。口頭了解があったかどうか記憶にないと言うんです。記憶にないという言い方は有名ですわな。ないと言わないんです。御本人が結んだんだから、彼は知っているんですね。恐らく核搭載の艦船、航空機が日本に入っている事実はあると思うというんですよ。核搭載の米艦船、航空機が日本の領海、領空を通過したり寄港したりすることまで核持ち込みに含めるのはおかしいと、これは常識だと。恐らく核搭載の艦船、航空機が日本の領海、領空に入ってきている事実はあると思う。最近は大体艦船、航空機とも核を装備しているからだと。だから、結んだ御本人ははっきり知っているんですよ。記憶にないと言う。しかし、実際には入っているんだと、核持ち込みにトランジットまで含めるのはおかしいと、御本人が言っているんですから。東京新聞の夕刊のトップです。
 ですから私は、私の出した問題点というのは非常に疑惑が強いと思うんですね。本来は岸さんにやっぱり証言していただかなければならない大問題ですけれども、今残念ながら御病気だというので、私はお元気になったら――彼が知っているんですよ。だからアメリカは、コンフィデンシャル・アグリーメント、コンフィデンシャル・アレンジメンツということをラスク国務長官の電報で明記して、当時のライシャワー大使にあの電報をやったわけですから。私は、この問題で外務省に安保交渉当時のすべての記録を調査して国会に提出することを強く要求したいと思います。
#355
○政府委員(斉藤邦彦君) ただいま御指摘のありました岸総理の発言につきましては、その直後に既に衆議院の内閣委員会で質疑が行われておりまして、当時の鈴木内閣総理大臣の方から、日本政府の立場というものは藤山・マッカーサー口頭了解というものがあってこれは変わっていないという趣旨の御説明をしております。
 それから先ほどの、だれも知らない間に取り決めを結ぶことがあるので危ないというお話でございましたけれども、まさに上田委員御指摘のこの昭和五十三年三月十四日の質疑におきまして、当時の園田外務大臣から「総理大臣が、総理大臣の職にあろうとも、外務大臣も知らない、閣僚も知らない、そして外務省のキャリアを使わずに、だれか使いをやってこっそり密約を結ぶなんということができる仕組みには絶対になっておらぬのでございます」という趣旨の答弁をしております。
#356
○上田耕一郎君 もう終わりますけれども、宮澤さんは御存じですよね。あのとき、日米繊維密約があって、あなたは通産相で大変苦労なさったんだから御存じでしょうけれども、ひそかにやることがあるんですよ、日本の前近代的な自民党の外交の場合にはね。
 この問題を私は指摘して、関連質問を終わります。
#357
○委員長(桧垣徳太郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#358
○委員長(桧垣徳太郎君) 速記を起こして。
 上田耕一郎君の要望のありました資料の取り扱いにつきましては、理事会において協議をいたします。
#359
○橋本敦君 外務省に伺いますが、横須賀を母港としているアメリカの艦船、特に核積載可能艦船はどれくらい横須賀を母港としていますか。名前と艦種をお話しください。
#360
○政府委員(藤井宏昭君) 横須賀に乗組員の家族を居住させている船は、ミッドウェー以外に、ブルーリッジ、リーブズ、タワーズ、それからコックレイン、オルテンドルフ、カーク、ロックウッド、ノックス、フランシス・ハモンド、以上でございます。
#361
○橋本敦君 そのうち核積載可能艦は。それと、艦種を説明してください。巡洋艦、戦艦、駆逐艦、いろいろあるでしょう。
#362
○政府委員(藤井宏昭君) ブルーリッジは揚陸指揮艦でございます。それからリーブズ、ミサイル巡洋艦。タワーズ、ミサイル駆逐艦。コックレイン、ミサイル駆逐艦。それからオルテンドルフ、駆逐艦。以下、カーク、ロックウッド、ノックス、フランシス・ハモンドはフリゲート艦でございます。
 それで、核搭載可能であるかどうかということでございますけれども、核、非核両用の兵器に使用し得るアスロックを装備し得るという意味では、ミッドウェー、ブルーリッジを除きまして全艦艇ということでございます。
#363
○橋本敦君 随分たくさんの核兵器搭載可能な軍艦が横須賀を母港としてたびたび寄港し、長期滞留しているということが明らかになった。仮に、これらの艦船が一時寄港を理由として、アメリカ側は事前協議の対象にならぬと言っておるわけですが、核を持ち込んでいると、こういうようになりますと、これはもう単なる寄港あるいは通過、トランジットではなくて、事実上の核持ち込み、イントロダクションに該当する。だから、アメリカ側の解釈からいっても事前協議をしなきゃならぬ、こういう状態になる。こういう重大な問題を含んでいるわけです、横須賀基地は。
 だから、こういう問題について、アメリカを信頼すると言うだけではなくて、実際にこの核搭載可能艦船が横須賀を母港としている、それらについて改めて核の搭載の有無を厳重に調査することを要求しますが、いかがですか。
#364
○政府委員(藤井宏昭君) まず、本日の先ほどの御質問等におきまして、今回橋本委員がワシントンで見つけていらっしゃいました電報が何らかの密約を前提としているというふうに御指摘でございますけれども、これは累次申し述べていますとおり、アメリカ政府の正式な回答、これは全文を読み上げても結構でございますけれども、これにおきまして、この文章、電報は不正確であっていずれにせよ同電報は核持ち込みを可能とするような秘密の合意があることを示すものでないということを、明確にアメリカ政府は我が方に回答してきておるわけでございます。
 それから核の持ち込み云々につきましては、累次政府側が御答弁申し上げておりますように、日米安保条約関連取り決めから明確に、日本に一時的に寄港するにせよあるいは通過するにせよ日本の領土内にアメリカの艦艇あるいは飛行機等が参りますときにはこれは明らかに事前協議の対象となるということは、岸・ハーター交換公文、藤山・マッカーサー口頭了解から明白でございまして、この点は政府が累次答弁してきておるとおりでございます。その点につきまして、節目節目におきまして、例えば昨年のニュージャージーの寄港あるいはその前のF16の三沢配置というようなときに改めて最高のレベルでこの点を確認しておるわけでございまして、日米安保条約という最も日米間の信頼関係を基本とすべき条約におきまして、その信頼の基本であるところにつきまして日米間にそごは全くないというふうに我々は信じている次第でございます。
#365
○橋本敦君 いつも信頼を口にして調査をしない、そこに問題がある。それがまさに、あいまいに受け入れてきたという密約の存在をうかがわせると私は言っているんですよ。
 アメリカの上院の外交委員会、いわゆるサイミントン委員会ですが、それの一九六九年から七〇年にかけての議事録がここにある。私はこれを読んで驚いたんです。国務省の政治問題担当次官であるミスター・ジョンソン氏が公聴会でこう言っている、横須賀について。横須賀はファイネスト・ネーバル・ベース、最高のすばらしい海軍基地である。横須賀はまさにそういうものだと。そしてこう言っていますよ、正確に言いますと。パールハーバーをのけて考えれば、ファイネスト、最高の海軍基地であると。その次が大事です。いやしかしイーブン・モア・ザン・パールハーバー。パールハーバー以上の大変なすばらしい基地だ、はっきりこう言っている。アメリカの太平洋艦隊にとって横須賀はパールハーバー以上のすばらしい重要な基地だと。大変なことですよ。
 なぜそうなのか。それはまさに、今言ったように、事実上の核持ち込みを密約に基づいて多くの艦船がやれるという……
#366
○委員長(桧垣徳太郎君) 橋本君、時間が参りました。
#367
○橋本敦君 そういう状況がアメリカで戦略的にこう評価されておるのではないか。
 私はこういう問題について、政府が調査をしない以上は、国会が責任を持って国政調査権を発動して調査する以外にない。共産党としては、この核持ち込み疑惑、日米核密約の存在について、この疑惑を徹底的に解明するための調査特別委員会を国会に設置する、このことを提起し、各党にも呼びかけたいということを表明して、質問を終わります。
#368
○委員長(桧垣徳太郎君) 以上で橋本敦君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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