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#1
第108回国会 建設委員会 第6号
昭和六十二年五月二十七日(水曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     志村 哲良君     鈴木 貞敏君
     渡辺 四郎君     一井 淳治君
     佐藤 昭夫君     上田耕一郎君
     抜山 映子君     勝木 健司君
  出席者は左のとおり。
    委員長         鈴木 和美君
    理 事
                井上  孝君
                石井 一二君
                福田 宏一君
                大森  昭君
    委 員
                井上 吉夫君
                植木 光教君
                工藤万砂美君
                沓掛 哲男君
                志村 哲良君
                鈴木 貞敏君
                服部 安司君
                堀内 俊夫君
                一井 淳治君
                馬場  富君
                三木 忠雄君
                上田耕一郎君
                勝木 健司君
                青木  茂君
   国務大臣
       建 設 大 臣  天野 光晴君
   政府委員
       建設大臣官房長  高橋  進君
       建設省建設経済
       局長       牧野  徹君
       建設省住宅局長  片山 正夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第二課長    古川 定昭君
       国土庁長官官房
       審議官      御巫 清泰君
       運輸省航空局飛
       行場部計画課長  堀井 修身君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○建設業法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○尾瀬分水反対に関する請願(第九七六号)
○不動産経営管理士(仮称)の業務資格認定に関
 する請願(第一〇二四号外一件)
○重度身体障害者に対する建設行政に関する請願
 (第六三五二号外三一件)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木和美君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、渡辺四郎君、佐藤昭夫君及び抜山映子君が委員を辞任され、その補欠として一井淳治君、上田耕一郎君及び勝木健司君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(鈴木和美君) 建設業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 昨二十六日、本案に対する趣旨説明は聴取しておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○一井淳治君 建設業界は、東京などの大都市では大変好況の部分もあるようでございますけれども、地方都市では大変厳しい状況でございます。また、企業規模も大企業から零細企業までございますし、最近は不良業者が介入しているというふうないろんな問題をはらんでおるようでございますけれども、建設省としてこの建設業界を今後どのように育成されていくのか、建設産業政策の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
#5
○政府委員(牧野徹君) お話しのように、建設業は現下の最大の問題とも言えます内需振興のための担い手でございます。ただ、お話しのように、近年競争が激化する中で、中には経営環境の悪化を招いている業者もございます。また、残念なことではございますが、施工能力あるいは資力信用の面で問題のある者が建設市場に参入しているというふうなこともございまして、いろいろ問題抱えていることは事実でございます。そうした中で建設工事を何よりも適正に施工する、そういうことによって発注者を保護いたしますとともに、ひいては建設業の健全な発達を図るという、そのために「二十一世紀への建設産業ビジョン」というものを昨年お出しいただいたわけですが、その中で提言されておりますように、一言で言えば技術と経営にすぐれた企業が適正な競争市場の中で発展をしていくという、そのための条件整備をすることが大事だと私どもは思っております。
 そこで、昨年の二月でございますが、建設大臣から中央建設業審議会に対しまして御諮問を申し上げました。四点ございます。第一点が建設業の許可要件等のあり方、第二点目が経営事項審査制度のあり方、それから第三点が共同企業体等のあり方、四点目が産業構造の改善を進めるための諸方策、以上四点について御諮問申し上げまして、このうち建設業の許可要件のあり方と経営事項審査制度のうちの審査体制に係る事項、それについて本年一月に中央建設業審議会から御答申をいただきました。これを踏まえまして、本日御審議をお願いしております建設業法の一部改正をお願いしておるわけでございます。残りの二項目についても鋭意御審議をいただいておりますので、御答申をいただき次第それを具体化していく、このように考えております。
#6
○一井淳治君 一月十三日付の一次答申でございますけれども、その中に、今後建設業の健全な発達を図っていくためには、企業規模の大小にかかわりなく技術と経営に優れた企業が成長していくことを基本とし、不良・不適格業者を排除する施策を強力に推進するという趣旨のことが書いてあるわけでございますけれども、この考え方の意味するところについてお伺いしたいと思います。
#7
○政府委員(牧野徹君) お話しのとおりのことが第一次答申に盛られておるわけでございますが、まずその一つは、企業規模が大きいとか小さいとか、そういうことにかかわらずに建設業が、実際問題として業界が不況でございますから、建設業に必要ないろんな技術力を持っている、それからしっかりした経営基盤を持っている、そういうすぐれた企業が成長していくことが今後の建設業の健全な発展にとって大事だろうというのが基本的な考え方だと思います。
 そこで、当然のことながら各産業そうだと思いますが、建設業の場合にもこういう基本的な考え方に沿って業界が自助努力といいますか、そういうものをしていくことが大事だと思いますが、それと同時に、その基礎条件を整備するためにも、私ども行政側として新たな産業政策を展開する必要があると思います。その場合何をねらうかといいますと、やはり先ほどもちょっと申し上げましたが、施工能力とかあるいは資力信用に欠ける音あるいは不誠実な者が建設市場に今参入しているという実態がございますので、それらのものを極力排除することが大事だというふうなことを考えております。これが御答申で言われた意味合いではないかというふうに考えております。
#8
○一井淳治君 ただいま言われた施工能力や資力信用に欠ける者、不誠実な者、これが現在建設市場に不当に参入してよろしくないわけでございますけれども、不当参入の実態、そして具体的に不当参入しておるというふうに指摘されておるものはどういった人たちを意味するのか、御説明を願いたいと思います。
#9
○政府委員(牧野徹君) 建設業に不当に参入する不良・不適格業者と申しておりますが、それを典型的な例で申し上げますと、一つは、建設業を営んでいくためには経営の管理の責任者とそれから技術を持った人といなければいかぬわけです。その場合、特に必要な技術者がいないにもかかわらず、例えばほかの業者から名義借りをする、それで建設業の許可を不正に取得する、あるいは請け負った工事を違法な一括した請負に出す、あるいは経営者が暴力団であるもの、そのようなものが典型的な例だと思います。
 ただ、実態というお話でございますが、それを計数的にアバウト五十二万業者の中で幾らというふうなことはちょっと把握をしておりません。
#10
○一井淳治君 今具体的な例が出た中で一番困るのは暴力団だと思います。それからまた、資産信用がなくて、建設代金だけ先にもらって、あと倒産して施主やあるいは下請に迷惑をかけるというふうなものが非常に困ると思います。そういう不当な業者についての調査でございますけれども、どの程度あるいはどういうふうな方法を使って調査なさっておるのか、その辺の実情についてお伺いしたいと思います。
#11
○政府委員(牧野徹君) まず調査といいますか、我々は、行政の目標としては不良・不適格業者をできる限り排除したいわけでございますが、そのためには、先ほど申し上げました例えば他人の業者からの名義借りのような、二重使用みたいな点につきましては、ことしの春から建設業の許可審査のOA化といいますか、五十二万業者を全部ココンピューターにインプットして、名義貸しができないように直ちにチェックするシステムをつくってそれを排除する。
 それから、暴力団排除といいますのは、これはなかなか実際問題言うべくして難しい面もございますが、これにつきましては警察御当局とも十分お打合わせいたしまして、業界内部の暴力団排除の声が非常に高まりを見せておりますので、中身はちょっと詳しくは申し上げませんが、暴力団排除通達というものを先ごろお出しして、いろいろ警察御当局の御協力、御援助も得ながら業界内部も努力して排除していきたいというふうに考えております。
 それから、元請と下請関係、これもなかなか大事でございますから、それにつきましては、前からございますが、元請・下請関係合理化指導要綱の周知徹底、これに加えて、今回御審議をお願いしておる法案がもしできますれば、それらもろもろあわせて不良・不適格業者の排除を進めてまいりたい、かように考えております。
#12
○一井淳治君 不良な業者の排除ということは、まじめな業者の皆さん非常に強く希望しておるところでございますけれども、一番困るのは暴力を使う連中ではないかというふうに思います。建設省の方では六十一年十二月九日付で「建設業からの暴力団排除の徹底について」というもので指示をなさっておられることはよくわかるんですけれども、その中を見ますと、建設業の許可に当たってそういったものを排除していくこと、それから公共工事における指名審査等においてそういったものを排除していくということが書かれておるんですけれども、一片の通達だけでは非常に弱いので、具体的にどういうふうな暴力団対策を進めておられるのか、そのあたりについて御説明願いたいと思います。
#13
○政府委員(牧野徹君) おっしゃるとおり、なかなか難しい面はございますが、まず、先ほども申し上げましたが、これは業界の中の考え方というものは非常に大事でございます。この点につきましては、建設業団体中心に、例えば昨年五月には、社団法人の全国建設業協会で暴力団等の排除に関する決議というのが行われた。それを受けてといいますか、その後、各都道府県のそれぞれの団体でも同様の決議がほとんどこれは全国的に行われております。現在では三十二でございます。さらにまだだんだんふえておりますが、三十二の都道府県では、業者だけでなくて、発注者と警察当局も含めた暴力団排除組織というものが既に結成をされております。
 そこで私どもは、今先生の方から中身をおっしゃっていただきました通達を出したわけでございますが、この通達を出しました背景には、今までも、そういう暴力団が関与したようなものはなるべく排除ということは通達もあるし、みんな考えておったんですが、この業者がそうだということが非常に難しいところがございます。その点につきましては、先ほども申し上げましたが、警察御当局ともいろいろお話し合いの上で、情報としてお知らせいただけるということですから、今度は、ただいま申し上げましたような各業界の動きあるいは発注者、警察当局も巻き込んだ組織、そういうものでだんだんと効果が進んでいくというふうに考えております。
#14
○一井淳治君 この種の運動は一朝一夕にはなかなかまいりませんけれども、ぜひともやり遂げなくちゃいけない問題だと思いますので、建設省の方におかれましても相当強力な指導を繰り返してお願いしたいというふうに思います。
 それから、もう一つの問題は一括下請禁止、これは建設業法の二十二条でもう禁止はされておるわけでございますけれども、これほど守られていない規定も少ないのじゃないか。これはまあ冗談でございますけれども、一括下請の禁止をなくして、もう一括下請を認めて、その上でいろいろと対策を講じた方がいいのじゃないかというぐらい一括下請がなされておるように思います。私も一括下請を是認するわけじゃ決してございませんけれども、どのような対策を講じていかれるのか、そのあたりについて御説明を願いたいと思います。
#15
○政府委員(牧野徹君) これもおっしゃるとおり、なかなか難しい面はございますが、一つには、若干迂遠かもしれませんが、なぜ一括下請が起きるかというと、技術者を持っていない業者の人は自分で受けてもこれは物をつくることが実際上できないものですから、それでぼんと全部出してしまう、こういうこともありますので、先ほど言いました技術者の名義貸しといいますか、例えばそういうことを極力排除していくことも一括下請を防止することにつながると思います。
 それからもう一つは、ただいま御指摘のあった二十二条で一括下請はならないとありますが、ただ三項で、書面による承諾を得た場合この限りでないということにもなっておるわけでございます。その辺の周知徹底がいま一歩ということがあることも事実だと思いますので、いろいろ努力はしてまいりたい、かように考えております。
#16
○一井淳治君 契約書に一括下請は禁止するということが入っているわけですから、文書で同意を取りつけるということはますますあり得ないことなんですね。ちゃんと契約書でもう一括下請禁止しておるにもかかわらず、この一括下請が堂々と横行しているわけでございますから、非常に問題が多いわけでございますので、ペーパー業者を排除するために一層の強力な施策をお願いしたいというふうに思います。
 それから、警察庁の方にきょう御出席いただいておりますのでお尋ねしたいんです。
 建設業が許可制度になっておる。したがって、今質問の中に出てきましたように、この通達が完全に守られて、許可制度が正しく運用されておりますと暴力団が業者に入り込むことはないとは思うんですけれども、現実には建設業者に暴力団が入り込んでおるという現実がございます。それから、私の知る範囲では、建設業の業界団体、建設業協会というのがあるようでございますけれども、そういう業界団体のかなり上の方にも暴力団関係者が入ってきておるように思います。この建設業や業界内に暴力団がどの程度浸透してきているのか、そのあたりについてお尋ねしたいと思います。
#17
○説明員(古川定昭君) 今先生がおっしゃいました、汚染という言葉といいますか、なかなかちょっと申し上げにくいところでございますが、暴力団関係者で建設業の許可を取得している者は、私どもとしましては、かなりの数がといいますか、少なからずいるのではないかというふうに一応見ておりますが、その具体的な数字について今申し上げるような数字を持っておりません。
 しかし、これまでの実務の実態あるいは実感からいいまして、かなりおるのではないか。それから、暴力団関係者らが建設業をめぐりまして恐喝あるいは脅迫、暴力行為等の事件を起こしまして、全国で昨年一年間に二百十七件、百八十九人を検挙しておるというような状況を見ますと、暴力団関係者が建設業の業界にかなり介入あるいは関与しておるということがうかがわれる、また、そういうところに暴力団が資金源を求めて入り込んでおるというような実感を持っておる次第でございます。
#18
○一井淳治君 資金源のお話が出ましたけれども、どうも最近、暴力団は建設業関係に大口の資金の供給源として相当大きなウエートを置いておるのじゃないかという感じがするわけでございますけれども、そのあたりについてはいかがでありましょうか。
#19
○説明員(古川定昭君) 建設業あるいはそれに関連します分野に暴力団が資金源をどの程度獲得しているかという問題は、数字的にはなかなかこれもはっきりしたことは言えないわけでありますが、建設業の許可を有する暴力団関係者がそれを業としまして相当の収入を得ておるという側面がまず一つあります。
 また、暴力団関係者が建設会社に対して、賛助金とか協力金を名目としまして金品を要求したり、あるいは工事のミスに因縁をつけたり、あるいは迷惑料名目で金品を喝取したり、あるいは無理な下請要求をしてそれを断られると、その代償として不当な全員を要求するというような形で相当多額の資金を得ているということが事件の検挙を通じて見られるところでございます。
#20
○一井淳治君 今後建設業界に暴力団が浸透していくことがないように、こういうものを排除していくように警察庁とすればどういうふうなお考えをお持ちなのか。特に、建設業の許可とか公共工事における指名審査等においてちゃんと情報を提供していただいて、そういったものが大手を振って歩けないようにするということがまず第一ではないかと思いますけれども、そういった場合の協力等についてお尋ねしたいと思います。
#21
○説明員(古川定昭君) 暴力団の資金源活動が多様化して巧妙化してきているという、そういう環境の中で建設業に対する介入が非常に目立ってきているということはいろいろ指摘されているところでございますが、警察といたしましては、建設業に絡む暴力団犯罪の取り締まりを徹底するとともに、関係省庁等との緊密な連携をとりながら、先ほどもお話出ておりましたけれども、暴力団構成員に建設業の許可を与えないあるいは暴力団関係業者に公共工事を受注させない、また建設業業者に対して被害申告を促すなど、業界への指導の徹底を私どもとしても側面からお願いしてまいりたいということなどの暴力団排除活動を強力に推進し、建設業界からの暴力団一掃を図るとともに、この方面からの暴力団の資金源を封圧してまいりたいというふうに考えております。この施策を効果的に進めるために、私どもとしましては関係省庁等との必要な情報交換を十分行いたいというふうに考えておる次第でございます。
#22
○一井淳治君 ちょっと質問の趣旨を変えますけれども、建設の需要規模から見て業者数が多過ぎるという危機意識があるのじゃないかというふうな感じもいたします。建設省として、現在の業者数についてはどのような見解をお持ちなのか、またこの業者数について今後どのような方向をもって指導をされていくのか、そのあたりのことについてお尋ねしたいと思います。一律にこの業者数を整理するとかあるいは中小のものをつぶすという考えではなくて、まじめな努力をしている業者を伸ばしてインチキ業者を淘汰するという方向でいかなくちゃいけないと思うんですが、そのあたりのことも含めまして建設省の御見解を伺いたいと思います。
#23
○政府委員(牧野徹君) 業者数についての考え方というのは、ただいま先生がお述べになったのと私どもは基本的に全く同じでございます。
 ただ、御質問がございましたから、どのような状況かということを若干御説明しますと、その投資額に比してというお話でございましたが、例えば五十五年度価格で表示しますと、ちょうど昭和四十八年が四十九兆三千億程度、それから六十年が四十八兆九千億、ほぼ五十五年価格でイコールなんです。その際に建設業者数がどうかといいますと、四十八年には三十万二千、それが六十年は五十一万九千でございますから、これは七割業者数ではふえている。だから、業者数がふえたことが即イコールで並行的に供給能力がふえたとは必ずしも言えませんけれども、マクロ観察でいった場合に、やはり相当程度建設市場で需給アンバラがあるということは言えようかと思います。
 そこでどうするかということでございますが、先ほども申し上げましたように、一律何割減らすとか中小零細はどうだとかいう考えは全くありません。そこで、やはり何といっても、ただいまもいろいろおただしがございましたが、そういう不良・不適格業者が入っているとするなら、これはまず排除してしまう、そうすると一応そうでない方が残る。そこでどうなるかとなりますと、二日で言えば技術と経営にすぐれた企業が自由な競争市場の中で伸びていくというふうなことなんでございますが、そのためにどういうバックアップ措置を我々が考えるかというと、一つには、先ほども申し上げましたが、建設業許可を厳正にやるためのOA化が必要であろう、それから暴力団の排除も必要でしょうし、今回お願いしております特定建設業について指定建設業というものをつくって、許可基準を改正するというようなことをお願いしておるわけですが、こういうもろもろのことを通じて条件整備をする、後はやはり努力する人、技術と経営にすぐれた人が努力して発展していく、そういう土俵をつくることが行政に課せられた使命がなというふうに考えております。
#24
○一井淳治君 ただいまの御回答でわかりましたが、この「技術と経営の優れた企業」という字句が使われておるんですけれども、大手ゼネコンや優良企業だけを重視するというのでなく、中小零細企業の方も技術能力が向上するようにいろいろ保護していただくという方向でお願いしたいというふうに思います。
 そして、現実に日本の建設業は中小零細が圧倒的に多いのが現状でございます。建設産業政策の方も中小建設業の育成強化という点に重点を置いていただかなくちゃならないと思いますけれども、中小建設業の育成強化のためにどのような施策をお持ちなのか、今後どのようにされるのかという点についてお尋ねしたいと思います。特に経営の近代化、合理化をするについて、最近非常に施工技術が進歩しているように思いますけれども、例えば業界団体が自主的にいろいろ教育や講習会等を行っておりますけれども、そういったものに対する援助とかいろいろとあると思いますけれども、具体的な施策をお伺いしたいと思います。
#25
○政府委員(牧野徹君) 日本の産業、どこも中小業者の方が多いわけですが、建設業の場合には九九・三%が中小企業という概念に当たるものですから、建設業の分野において中小企業が大事だということはもう御指摘のとおりでございます。
 そこで、その育成振興策はどういうものかというおただしでございますが、一つには中小企業近代化促進法に基づく業種別の近代化の推進ということをやっております。これは、近代化促進法の指定業種では地質調査業、くい打ち工事以下十二業種、さらにその中でもう一つしっかりやる特定業種というのが八業種ほど指定されておりまして、それぞれ対策を講じております。それから、事業協同組合等による組織化、共同化の指導というのが二番目でございます。これもかなりきちんと組織をしておりまして、中小企業者数を分母にして協同組合へ加入している企業者を割りますと約三四%程度加入している。それから三番目には、政府系の中小企業金融三機関の融資による金融の円滑化等のことを行っておるわけでございます。さらに、発注機関でございますから、公共工事の発注に当たりましては発注標準を遵守する、あるいは分割発注を推進する、あるいは共同請負制度の適正な活用ということで、私どもといたしましても中小建設業の受注機会の確保に努めてきたところでございまして、今後ともこれらの施策を十分に活用してまいりたいと思っております。
 さらに、今までやってきておることだけではなしに、何かないかというふうなことでございます。これも先ほどちょっと申し上げましたが、二月に建設大臣から中央建設業審議会に対して諮問した中で「産業構造の改善を進めるための諸方策」というのがございます。これについては現在、例えば中小企業の経営基盤の強化をどうしたらいいか、あるいは元請・下請関係を合理化するにはどうしたらいいか、あるいは生産工程を合理化するにはどうするかという主としてこの三項目が中心でございますが、鋭意御審議を願っておりまして、なかなか問題が難しいものですからこの御答申は多分来年度に入ると思いますけれども、そういう御答申をいただいて、いろいろさらに具体的な施策を講じてまいりたい、かように考えております。
#26
○一井淳治君 地域での優良な工務店など中小零細業者の受注を確保するために、リフォームのための自治体の住宅相談窓口とか増改築相談員などの情報を提供する仕組みを活用することも考えるべきではないかと思いますけれども、そのあたりについてはいかがでございましょうか。
#27
○政府委員(片山正夫君) 小規模の建築工事業者の請け負います金額のうちに増改築等住宅リフォームの占めます割合は、これはかなりの額に上っております。また、リフォーム等の需要の発生の仕方と申しますのは、新規の住宅の供給と若干性格の違うところがありまして、つまり一カ所に大量発注ということが起こらず、地域に広く散在して起こる、こういうことを考えてみましたときに、リフォームとそれからそれを担う工事業者を的確に結びつけるということが極めて重要なことであります。また、リフォーム自身と申しますものは金額の割に工事の内容が大変複雑でございまして、このため工事業者にとりましてはある面煩わしさを感じ、また消費者にとりましては、ニーズというか、消費者の気持ちが的確に業者に伝わらないという、そういういら立たしさみたいなものも感じるところでありまして、そういうことを考えますと、先生御指摘がありましたように、相談員制度とか窓口制度を充実しまして、その間をしっかり結びつけることが極めて重要だと私ども考えております。
 このために、まず公共団体に関しましては常設の相談窓口をつくるように指導しておりまして、現在、県におきまして約三十カ所、市町村におきまして約七十カ所、合わせまして百カ所が常設の窓口になっております。また、毎年増改築フェアというのを実施しております。これは国もやりますけれども、地方公共団体も行いまして、現在地方公共団体の計画しております増改築フェアは六十二年度四十三カ所を予定しておりますが、そういうときには臨時の窓口をつくってそういうことの業務に当たらせております。
 なお、この相談員制度と申しますのは、財団法人の日本住宅リフォームセンターを活用してやっておるわけでありますけれども、そういう増改築に関します技術ノーハウあるいは新材料の知識、情報、あるいは新しい住宅機器の情報、そういうことを大いに修得しまして仕事の方に携わっておるわけでありまして、この窓口と連携しながらやっております。現在この相談員に関しましては、小規模建築業者の方々に専ら中心になってやっていただくということでもって、総数としまして二万一千名を超えている状況でございます。なお、この中身、仕組みの充実を図ってまいりたいと考えております。
#28
○一井淳治君 今回の改正のポイントの一つでございますけれども、指定建設業に係る特定建設業について技術者の資格要件を厳しくしていっておりますけれども、この改正の趣旨について御説明いただきたいと思います。
#29
○政府委員(牧野徹君) 現在、建設業の許可というのは、二十八の業種がございまして、それぞれに許可をしておるわけでございますが、今度の答申の趣旨は、それぞれ重要な業種であるけれども、それぞれの業種に要求される技術内容をきちんと持っておるということが大事だ、そういう観点からいうと、ただいまおただしの五業種につきましては、その施工技術の内容というのは極めて総合的でありますし、また高度である。そのためには、やはりそういうものに見合った高度な施工管理能力を技術的に持っておるという技術者が必要だということでございます。そういうことを背景にして、そういう内容のものを適正に施行していくためには、客観的に確認を受けておる国家資格者に技術者は限るということが必要ではないかということで改正を行おうとしておるものでございます。
#30
○一井淳治君 指定建設業に係る特定建設業者が置いている専任技術者、監理技術者について、国家資格者それから実務経験者の内訳はどのようになっておるんでしょうか。
#31
○政府委員(牧野徹君) 法律が通りますと政令で業種を指定しますが、一応その政令でどういう業種を考えておるかといいますと、お話のございました五つでございますが、その五つごとについてお答え申し上げますと、仮にその五つになるとして、国家資格者の割合だけを申し上げます。土木は八八・四%でございます。これは専任技術者でございます。それから建築が七八・二%でございます。それから管が七一・七%でございます。それから舗装が九五・三%。それから鋼構造物、スチールでございますが、鋼構造物が一〇〇%でございます。一応仮にこの五つということにして平均をとりますと、もちろん加重平均をしておりますが、八五・八%。管の七一・七を一番下にして上は一〇〇%、このような実態になっております。
#32
○一井淳治君 専任技術者それから監理技術者に認められている国家資格としてはどのようなものがあるんでしょうか。
#33
○政府委員(牧野徹君) 私どもはただいま考えておりますが、三つございます。一級の施工管理技士、それから一級建築士、それと技術士、以上でございます。
#34
○一井淳治君 民間の協会が国家資格を取得できるような印象を与えるような講習会を開催して、事情を知らない受講者から苦情が出たりするような困った事態が起きており、建設省の方では何か誤認防止の通達を出したということも聞いておるのですけれども、そのあたりのことはどのようになっておるんでしょうか。
#35
○政府委員(牧野徹君) 残念ながら、お話のようなこともございまして、民間団体が行います講習会の中にはもちろん技術力向上のために有効なものがいっぱいあることは事実でございます。ただ、その中でいかがわしいと申しますか、怪しげなものもございます。例えば、自分の団体を通して受験申し込みの手続をするのでなければ正規の受験申し込みができないというふうなことを言って法外な手数料を払い込ませる、あるいは、もう一つだけ申し上げますと、先ほどおただしがあって申し上げました国家資格と極めて紛らわしいような名前、あたかも正規の国家資格であるかのごとくそれを宣伝して類似の名称、資格を付与するというふうなこともございます。
 そこで、具体的にわかりやすく申し上げますと、二つだけ申し上げますが、本年の一月長野では、国家資格を取得できるぞと偽った架空の講習会の受講料を前払いさせて実は何にもやらないで姿をくらました。これは詐欺の疑いで逮捕されました。もう一つは、六十年九月広島で、これは行政書士法違反ということですが、何か受験資格の実務経験をこういうふうに書いていけば通れるよというので、大変ふらちなことを教えて行政書士法違反で捕まったというふうなことがあるようでございます。これは逮捕されております。
 ただいま御指摘がありましたように、私どもといたしましては、いろいろこういう国家資格に直結するものと誤認しやすい民間団体の講習等についてきっちり指導をお願いしたいというふうな通達を出しておることも事実でございます。
 敷衍して申し上げますと、私どもはやはりこういうことを防止するためにも、今回の改正でお願いしております指定試験機関制度できちっと法律上の位置づけをすれば、これらの機関は正当なPRもできますし、そのことがいかがわしい者の排除にもつながっていく、このように考えておる次第でございます。
#36
○一井淳治君 今回の改正の中で、現在実務経験者としてまじめに仕事をしておる、しかも十分に技術力を持っておるという人たちが排除されることのないよう十分な御配慮をお願いしたいと思います。そのための何らかの特例措置が講じられるのではないかと思いますけれども、そのあたりについてどのような方向で進んでいくのか、御説明を願いたいと思います。
 いずれにせよ、高齢者の方で十分力を持っておる人たちについて、今さら何か勉強するのも大変だという人もおられると思うんですが、そのあたりのことについてお尋ねしたいわけでございます。
#37
○政府委員(牧野徹君) ごもっともなおただしでございまして、私どもも、一言で言えば、誠実に仕事をやっておられて、現に今やっておられる方は排除されることのないような措置をまず考えております。
 そのために具体的にどうするかということですが、少なくとも、まずこの法律は公布の日から一年たった日から施行いたしますから、十分準備期間は置いているつもりでございます。さらに、施行した日から二年間、これは現に許可を受けておられる方はそのままで結構です。もちろん、その間いろいろ努力されて、御高齢の方でも勉強して試験を受けていただいて、受かればこれはこれでいいことになる。ところが、今先生おただしのように、中には実技はあるのだけれどもペーパーテストはなかなか受からないという方がおられるのも事実だと思います。そういう方で、御努力いただいてもいろいろな都合でなかなか一級の国家資格を取れないという方については、この五業種を指定した際現に技術者となっておる方で誠実にやっておられる方は、個別に大臣が認定して従来どおりの地位が損われることがないようにしてまいりたいと考えております。
#38
○一井淳治君 次に、指定建設業監理技術者資格者証の交付制度の新設についてでございますけれども、この制度を新設される趣旨についてお尋ねしたいと思います。
#39
○政府委員(牧野徹君) 現行の法律でも、適正な施工を確保するためには、重要な工事について監理技術者を専任で置けという条文にはなっておるのでございます。ただし、そういう条文になっておるけれども、それをどうやって具体的にチェックするかというチェックのシステムのところが残念ながら何もなかったわけでございます。発注者は、官民それぞれいっぱいあるわけですけれども、そういうことを気にしながらでも、一々チェックするのはなかなか難しいということがございました。
 しかしながら、その中で特に国とか地方公共団体等の発注する工事につきましては、これは財源が貴重な税金等で賄われているわけですから、より適正な施工を確保していくということが非常に大事でございます。そのためには、現行法で要求されておる監理技術者の専任制を何とか制度的にも担保してほしいというふうな発注者の方からの声もございました。そこで、ひとつそれではそういうきちっと法律で要求しておる監理技術者がそこにおるということを確認できるようにしよう、そのためにはどうしたらいいかということでいろいろ審議会でも御議論いただいたわけですが、到達いたしました結論が今回の改正でお願いしております資格者証、技術者ライセンスと申しますか、これをつくっていこう、これをつくっていけば、それを常時携帯することにしていただげれば確認は容易だと、このように考えておる次第でございます。
#40
○一井淳治君 それから、資格者証の交付事務に係る指定機関、またこの技術検定に係る指定試験機関としてどのような機関を考えておられるのでしょうか。
#41
○政府委員(牧野徹君) 資格者証の方の交付機関についてはいろんな御意見もございますが、現在のところは率直に言って未定でございます。今後法律がもし成立しますれば、十分慎重に検討したいと思っております。
 それから、技術検定の方でございますが、これは現在も建設大臣が行うということですが、大半のところを既にきちんと実施されておる機関がございまして、そこの機関の行った試験の分はそのまま認めて、大臣の方がそれの全部又は一部を免除する、こういうシステムでやっておるわけでございます。そこで、それらの機関が三つほどございますが、実際に現在やっております機関を指定しようというふうに一応考えております。
#42
○一井淳治君 次に、経営事項審査制度の整備についてでございますけれども、今回、経営事項審査のうち、経営状況の審査を指定機関に行わせることになるようでございますが、指定機関に行わせることによって審査内容はどのように充実していくのか、それからまた、こういう制度の新設が零細業者の受注機会を狭める結果になってはいけないと思いますし、また公正中立な第三者機関にしていただかないと公正な運営ができないのじゃないかというふうな気がいたしますけれども、そのあたりのことについて御説明をいただきたいと思います。
#43
○政府委員(牧野徹君) 先ほども申し上げましたけれども、やはり今後の建設業の発展を考えていきます場合には、技術と経営力にすぐれた企業が発展する、そういう意味でいいますと、現在の経営事項審査制度、昭和二十五年以来三十年以上やっておりますが、そうした目で見ますと、審査の内容あるいは審査体制の両面とも必ずしも十分ではないという指摘が今回の第一次答申でもなされておるわけでございます。特に審査内容についてはやや完成工事高偏重ではないかというふうなことがございまして、技術力とか経営の健全性等が十分反映できるようにする必要があるという指摘もございました。そこで、今回法律を改めまして、一応経営審査の内容、経営規模の認定というもの、それから経営状況の分析というもの、さらに客観的事項の全体についての総合的な評定、こういうことをすることにしたわけでございます。そうする中で、実は現在は許可行政庁が経営事項審査をやっておるわけですが、四十七の都道府県にアンケート調査をいたしましたら、現在の審査体制で十分な審査が行えますかという問いに対して十分行えると言ったのは一県でございます。それから、不十分な審査しか行えないと言ったのは四県、残りの圧倒的多数の四十二県は必要最小限度の審査がやっと行える、こういうお答えでございます。これは非常に手間がかかるわけです。そこで、私どもとしては、やはりこの際審査内容を充実する、しかし現在の諸情勢を反映すると、それによって公務員の数をふやすというようなこともいかがかということで、今回、お話もございましたが、公正中立な第三者機関に、専門的な分析を必要とする経営状況分析、そこは行えることにしようと思っております。
 経営状況分析をどう拡充するかということですが、現行では流動比率はか三比率ぐらいでございますが、これは具体的にどういうふうに審査内容を充実するかというのは今後詰めるといたしまして、相当な充実、拡充が図れるものと思っております。
 それから、経営事項審査制度の内容を充実することによって中小企業の切り捨てになるようなこと、これは私どもは現在のその企業を正確に判断しようということでございますから、中小企業を切り捨てるなどというねらいは毛頭ございません。
 それから最後に、そういうものを任せるとしても公正中立な機関にしろというおただしですが、これはそのとおりでございます。ですから、公正中立な第三者機関ということで、法文にもございますが、特に民法法人でなきゃいかぬとか、あるいは建設大臣の厳重な監督の規定とか、あるいは知り得た秘密を保護する秘密保持の義務規定とか、そういうものももろもろ用意して遺憾なきを期してまいりたいと、かように考えております。
#44
○馬場富君 この法案につきまして二、三の質問をいたします。
 この法案の要旨を見ますと、結論は、現在の業者の中には施工能力やあるいは資力信用に問題のある業者が非常に多いから、そのために要点が何点か述べてありますけれども、結局一つは国家資格のそういう資格技術者を置くことが必要である、これが結論だと、ほとんどそれが主力の法律改正であると、こういうふうに見ますけれども、その前に、需要が低迷する中で競争が激化するという大臣の理由説明もありまして、だからこういうこともあると、こう結びつけてあるのですが、僕はここのところは余り結びつかないと思う。
 需要が低迷するとか、そういう問題は一つの政策の問題でありまして、この業法の言う不良なそういういかぬ業者に対してしっかりとした指導をして、そういう技術者を使ってやっていくということに結局焦点が置かれた法律のようでございますが、この法律で果たしてそういうことが解決するかどうか、ちょっと答弁していただきたいと思います。
#45
○政府委員(牧野徹君) 内需振興を図る方の面はこの法律改正では何とも直接的にはだめだろうと思いますが、やはりただいま先生もおっしゃられましたように、要は一言で言えば技術と経営にすぐれた企業が自由な競争市場で適正な競争をやりながら発達していく、そうでない不良・不適格のものは振るい落とされていくということだという御指摘は、もうまさにそのとおりでございます。
 そういう意味で、もちろん今度の法律改正で私はそのねらいがすべて達成できるとは思っておりません。ですから御答申も、先ほどもちょっと御説明で申し上げましたが、第一次答申ということで、御諮問申し上げた四項目のうちの一・八ぐらいでございますから、あと二項目とちょっとあるわけでございます。恐らく私が考えますに、そういう項目が全部出そろい、我々もそれに対する行政施策を全部やることで完全なものになっていくと思います。
 ただ、今度法律改正をお願いしておりますのは、何といっても不良・不適格業者等の問題に対処するために、予定しておる五つの業種についての指定建設業については技術者要件を改正するということと、それから、ちょっと名前が長いので私たちはライセンスカートと略称で言っておりますが、資格者証制度というのも非常に大事で、工事の施工をきちんと担保するためにはこの資格者証制度も大事である。それと、やはり技術と経営にすぐれたということを客観的にきちんと評価するためには経営事項審査制度の中身を充実させる。私はこの三点、今回改正をお願いしている主要点はあと二点ほどございますが、それらをやっていけば相当程度の実績を上げられるのではないかと思っていますが、これだけで十分だと断言する気はございませんので、今後二段目、三段目の施策も用意をしてまいりたい、かように考えております。
#46
○馬場富君 そこで、非常に内需拡大に合わせて地方への投資拡大が言われておる中で、特に中小建設業者が今大変あらゆる波の中で苦しんでおるわけですね。こういう資格制度というものを固めていくことがかえってそういう人たちを束縛するだけの効果になったら、この法の意味も全然なくなってしまうと思うんです。
 先ほど来、いろいろ柔軟的な対応のことを説明をされておりますから、私は悪いというわけじゃなしに、今の資格業種そのものがかなり乱脈であることはわかりますから、それに対して一つのやはり歯どめをかけていくという意味は理解できます。
 ところで、それじゃ建設技術者に関する国家資格については今までに建築士とかあるいは技術士というような制度がございますけれども、その他どのような国家資格制度をお考えになっておるか、指定業種に係る特定建設業者が受ける資格というのをお考えか、御説明願いたいと思います。
#47
○政府委員(牧野徹君) 今回お願いしております指定建設業につきましては、一級施工管理技士、一級建築士、それから技術士、以上三種目の国家資格を考えております。
#48
○馬場富君 先ほども何点か聞かれましたので、私はその点は省きますけれども、特にこの制度のために既存の資格者や、それからまたこれから新たにこの資格を取ろうとするために国家試験を受ける業者がその資格が取れぬがために苦しむようなことのないように、この不況の上にそういうものが重ねられてはかなわぬと私は思いますので、そういうことを絶対に配慮してもらいたいと思いますが、その点いかがでしょうか。
#49
○政府委員(牧野徹君) おっしゃるとおりだと思います。現在、法律はまず公布から一年たって施行する、その間の準備と施行した後の二年間は従来どおりで結構ということと、さらに、それでももろもろの事情でそういう一級施工管理技士などの国家資格が取れない場合には、現に今従事されておる方については誠実に仕事をしていただいているという条件づきでございますが、大臣の特別の認定で業務に支障のないようにしていきたいと考えておりますので、万全の態勢はとりたいと思っております。
#50
○馬場富君 それじゃ、その点につきましてそういうふうに私も理解しますが、ぜひ中小建設業者がこの資格を取るために苦しまないような柔軟的な配慮をひとつ要望しておきます。
 あわせまして、大臣の提案理由の説明の中の、需要が低迷する中で競争が激化するという中で、一つはそういう不良な業者を取り締まることもあるが、やはりもっともっと私は中小建設業者のために仕事を出してやってほしい、仕事をつくってやってほしい、そこが僕は焦点だと、こう思うんですね。やっぱりそういう姿勢こそ、枠で締めるよりも私は皆さん方が生きてくる道だと思う。
 そういう点で、前回も私はこの委員会の中で、一つ首都圏の一点集中化の弊害の問題を指摘しましたが、国土庁が前に素案的なものも発表してみえますが、四全総の国土庁試案というのが近日中に審議会で審議されるようでございますが、その一点集中化とそれに対する具体的な地方多極化の問題についてどのような方向に今試案等が進んでおるか、御説明願いたいと、こう思います。
#51
○説明員(御巫清泰君) ただいまお話ございましたように、現在四全総の国土庁試案、昨年の十二月一日に審議経過報告を計画部会がお出しいたしましたけれども、それから以降、関係地方公共団体、関係団体、それから各省等、いろいろと意見調整を進めてまいりまして、ようやく最終段階に参りました。明日国土審議会に御提示申し上げると、こういう段階にようやく参ったわけでございますけれども、その中でやはり東京一極集中、これが非常に問題であるというような意識に立ちまして、東京一極集中の是正と地方の振興ということで国土の均衡ある発展を図っていく必要がある、そして国土の形としては多極分散型の国土をつくっていこう、こういうような考え方に立っておりまして、そのためにいろいろな施策を盛り込んでございますけれども、特に交流ネットワーク構想というような面にハイライトを当てまして、個性ある地域づくり、それからそれを支える交通あるいは情報の幹線体系の整備、さらには交流を促進するようなソフトな施策、そういうようなものを中に掲げて均衡ある国土をつくっていこう、こういうような内容になっております。
#52
○馬場富君 その中で、従来は東京以外に地方都市でも名古屋とかあるいは大阪とか福岡とか札幌、こういう地域の重点都市にわりかた集中的に前進してきたのが、もうここ二、三年というのはそういうものがばあんと落ちちゃって、究極的に東京のみに一極集中だ。例えば地価なんかでも、六十一年一年間の上昇率なんか見ましても、もう東京の都市部については八〇%から一〇〇%の伸び率ですね。名古屋あたりでいくと一〇%か二〇%ですよ。また、横ばいというようなところもあるんですね。もうそのくらいの差ができてしまっておるというような状況で、もうこれも実はけた外れの化け物的な発展の状況になってきておるんですよ。
 だから、もうこれはこの間も話したように、住める東京じゃないという状況のことをお話し申し上げましたが、そういう中で、特に私は中部におりますから、名古屋圏の一つは発展のための地方分散のビジョンもつくられてきたと、こう聞いておりますが、この四全総の中で、試案等にもそこらあたりの問題はどのように配慮されていますか、御説明願いたいと思います。
#53
○説明員(御巫清泰君) 地方の振興という中で、東京圏、関西圏、そしてその他の地方というような形でそれぞれ地域の役割ないしは方向というものも書き込もうといたしておりますけれども、地方が非常に困った状態にある、それを何とかしなければいけないというような意味で北海道とか北東北というような面に重点を置いているということが一つございます。さらに、名古屋圏につきましては、世界的な水準にある産業技術というようなものが従来からもございますけれども、これからもそういう意味での発展というのが大いに期待され、またそうあるべきだということで世界的な水準の産業技術の中枢圏というような位置づけにしたい、こういうような方向で国土庁試案をつくっているところであります。
#54
○馬場富君 それにつきまして非常に結構でございますが、もう一点は、それに対する道路網とかあるいは交通網とか、そういう点についての試案的なものも練り上げられてきたのじゃないかと思うんです。そういう中で、従来から私が建設委員会でよく問題を提起しましたいわゆる名古屋圏の中心的なプロジェクトというか構想というか、この前大臣にも質問しましたが、湾岸道路が胴になりました愛知県、岐阜県、三重県、名古屋市を含めた東海環状構想というものが実は前々から地元からも提案されておるし国土庁でも審議されておると思うんですが、四全総の中には何らかの位置づけが考えられると思いますが、この点はどうでしょうか。
#55
○説明員(御巫清泰君) 先ほども申し上げましたけれども、多極分散型国土を形成していくためにやはり高速交通体系のネットワークということが非常に重要な役割を果たすということで、交流ネットワーク構想の中の重要な位置づけになっておりますけれども、中部圏におきましても当然いろいろ重要な幹線道路がございます。そういうものは十分検討いたして方向づけをしていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
#56
○馬場富君 特にここで前の国土庁長官にも私は質問しましたし、建設委員会で何回も言いましたいわゆる東海環状構想、そういうものは今までの議論の中に出ておるのか出てないのか。僕は出ておるように話を聞いておるんですが、どうでしょうか。
#57
○説明員(御巫清泰君) お話しの東海環状の交通網というものの重要性については十分議論が出ておりまして、四全総の中で位置づけるという方向に検討がされております。
#58
○馬場富君 次に、交通体系の中で特に一点集中の国際化ということで東京に航空網も集中しています。今度は関西国際空港も誕生することになりました。そういう点で、名古屋を中心とした中部にも国際空港をぜひという声が地元からも強く起こっておりまして、そのために地元でも中部空港調査会というのが、地元の県知事や名古屋市長やあるいは財界からも出て調査会が設けられております。それから、あわせて運輸省やあるいは県、市等の公共的な研究会等も設けられてこの問題については取り組まれておりますが、この点について運輸省の方から中部国際空港についての今の実情を御説明願いたいと思います。
#59
○説明員(堀井修身君) お答えをいたします。
 中部新国際空港の御要望といいますか、現地でのお話というのは私ども十分承知をしております。ただ、中部圏には現在名古屋空港、いわゆる小牧空港があるわけでございまして、今後とも相当の需要増に対応していけるのではなかろうか、こういうようなことを考えておりまして、中部の新国際空港については長期的な課題であろうと思っております。
 ただ、本構想を進めていくという場合には、その空港の必要性あるいは地域に及ぼします経済効果と申しましょうか、開発効果と申しましょうか、そういったもの、あるいは騒音対策でありますとかアクセスに十分配慮した候補地点、こういったものの選定が必要であろう。さらには費用負担をどのようにするのか、こういった点について十分な調査を行って、さらにそれに基づきます地元での議論あるいは検討、コンセンサス、こういったものが非常に重要ではないかというふうに私ども考えております。このような点から、一昨年でございますが、先生からお話がございました中部空港調査会、これは運輸省の認可の財団法人でございますが、こういうものを設立をいたしまして地元に調査をお願いしておるということでございます。運輸省としては、この中部空港調査会におきます調査の進捗等を踏まえまして、中部国際空港に対する対応を決めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#60
○馬場富君 地元では非常に熱心にこれは推進されておるわけです。結局、需要量という問題だけに集中しますと、それはほっておけば、どうしたって東京に集中しちゃうんです。需要と言えば、傾向が集中化の傾向にあるわけですから、だから国土庁が全総のたびに地方分散計画というのは大いにおやりになったけれども、一点集中化になっただけで地方には分散しなかったという現実です。これはどこに問題があるかと言えば、計画倒れに終わっただけであって、地方分散的にいろいろ国土庁が考えて現在試案にまとめられておるようなそういう案というのは実施しなきゃどうにもならぬことだと思うんです。
 だから、その一つの部門として空港だって同じことが言えると思うんです。需要は、今中部が研究されていますけれども、政客輸送があるなら、貨物輸送もあわせてそういうものを総合的に考えてみたら需要というのはできてくるのじゃないかと思う。だから、この前も話したように、十年間計画立てるところなら十年一律にやるのじゃなくて、こういう低金利のときに、民活等のことも考えられておる地元計画等も持っておるようですから、思い切った進出をすることによってそれを事業化していけば分散化も自然にできていくのじゃないか。難しいから、これは需要がないからと言ったら、永久にそんなものは私はできぬと思うんです。地元もやはりそういう意味で、量をふやすために、旅客だけで少なければ貨物をやってでもやっていこうじゃないかという、また民間投資も考えてやっていこうじゃないかという、こういう乗り気のときに私は早く思い切ってやっていくべきだ、こう思うんですが、どうですか。
#61
○説明員(堀井修身君) 中部国際につきまして先ほどお答えしたとおりでございますが、確かに、航空の需要の構造と申しますのは、先生御指摘のように、国際航空等をとってみましても、東京例えば成田でありますとか、若干羽田もございますが、あるいは伊丹大阪国際空港、こういったところに国際航空需要が集中しておるということは事実のとおりでございます。私どももできるだけ国際空港を分散させていくということは重要であるというふうに認識をしておるところでございまして、現に今申しました羽田、成田、伊丹のほかに九程度の国際空港は実はあるわけでございます。先ほど私が申しました現名古屋空港も国際空港でございます。ただ、先ほど申しましたように、まだ十分に使われておらないというような状況でございまして、まず現空港をよく使っていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
 さて一方、運輸省としてそれじゃ何もやってないじゃないかというようなことでございましょうけれども、私どもといたしましても、将来の我が国の国際航空の動向、国際空港のあり方といったものにつきまして、全国的な観点から調査を六十一年度から開始をしておるところでございます。この基礎的な調査を踏まえ、かつ中部空港調査会での現地での調査、こういったものもあわせながら検討していきたい、こういうことでございます。
#62
○馬場富君 予算の中で非常に配慮されて調査されておることはわかっております。だから、それを一段と強化して、国土庁におきましても、そういう一点集中から分散化の中でやはり中部圏の構想の位置づけということもひとつしっかり考えてもらいたい、こう思います。
 最後に大臣に、今まとめていろんな質問しましたが、この業法の中にも、需要が低迷する中で競争が激化してきておる、こういう建設業の中にこの業法の資格者をつくってやることはこの一部のことでありまして、そのことよりももっとやっぱり大きいことは、先ほど来も申し上げましたような内需拡大、そしてこの一点集中化をいかに分散させていくかということに私は尽きると思うんです。
 先日もこの委員会で湾岸道路のことについて御説明申し上げましたが、今国土庁で検討されております愛知、岐阜、三重の中部三県の東海環状構想というものを実は地元も非常に熱心に進めておりますし、また中部国際空港ということもこれに見合ったやはり分散化の中の一つとして地元が熱心に考えて、やろうとしておることですから、それについては今政府がしようとしておる民活ということも考えられる余地はあるということと、非常に低利であるという時期だから、思い切ってやっぱり国もそういう前倒し的な考え方でこういうものに積極的に取り組むということが建設事業としても大事じゃないか、こう思いますが、大臣の御意見をお伺いしまして終わります。
#63
○国務大臣(天野光晴君) せんだって御質問のあった伊勢湾湾岸道路と関連しまして今の東海環状も、名古屋を中心とした約三十キロから四十キロぐらいの半径を描いた線につきまして検討を進めております。ここ一週間ぐらいで発表する問題があるものですから、ちょっとそれ以上申し上げるわけにはいきませんが、非常に重要な路線として検討していることは事実であります。
#64
○上田耕一郎君 今回の建設業法の一部改正は、昨年の二月に発表された「二十一世紀への建設産業ビジョン」、建設産業ビジョン研究会のこのビジョンが下敷きになっていると思うんです。このビジョンは中小建設業切り捨てを盛り込んでいるというので、中小建設業界は全国的に非常に大きな関心を持ち、反対の運動も起こりましたし、私も当委員会でこの問題を取り上げて、建設大臣から建設省としては中小建設業切り捨てなどの態度は考えていないという答弁をいただいたんですが、このビジョンの中に「許可基準の適正化」という項目があってそこに書いてあるわけです。「一定の国家資格のみに限定する方向も検討すべきである」、こうなっているんです。いろんなことを盛り込まれているわけですけれども、この中の許可基準の国家資格への限定がこの法案になってきたわけです。
 ことしの一月十三日に中建審から「今後の建設産業政策の在り方について」の第一次答申が出て、それに基づいてこの一部改正になりました。これを読みますと、ここには「十四業種については、特定建設業、一般建設業とも国家資格に限定する方向が適当である。」となって、当面は一式工事である土木工事業、建築工事業などの五業種、この五業種についての特定建設業についての国家資格に限定するとなってこの法案が出てきたのですね。中小建設業界では、五業種限定で特定建設業が何とかそこにまずおさまったというので、一面はほっとはしていますけれども、この一次答申が十四業種を挙げて、「なお、一般建設業についても、国家資格者の充足度に見合って、漸次、国家資格に限定していくことに努めるべきであるが、」となっておりますし、これからその方向に行くのじゃないか。そうすると、ビジョンで出してある中小建設業の事実上の淘汰、その方向への第一段階が今度の一部改正になったのではないかということを非常に心配しているんです。
 そこで局長に、今後こういう十四業種に広げていくのか、それからまた、特定建設業だけでなくて一般建設業にも広げていくのか、私どもはやはりすべきでないと思っているんですけれども、お答えいただきたい。
#65
○政府委員(牧野徹君) 第一次答申にただいま先生御指摘のようなことが書かれているのは事実でございますが、まず今回は、特定、一般のうちの特定の総合的な五つだ、しからば次は、その特定で残りの九つについてはどうかと、まず第一問はこれでお問いただしたと思いますが、これについては、私どもは指定するというふうなことを現在のところ当面は考えていない。ただし、もちろん御答申をいただいたことでもございますから、今後の社会経済情勢なりあるいは技術の高度化のあり方とか、あるいはお話のありました国家資格者が要するに無理のないように充足されていくかどうか、そういうような総合的な判断を加えながら今後検討していくべき課題だと思っております。当面、次にはこれを指定するというふうな考えはありません。
 それから、さらに答申では特定のみならず、「なお、一般建設業についても」と書いてございます。この点は私どもも、まず一言で言えば慎重に検討しなきゃいかぬ。というのは、お話のありましたように、一般建設業となりますと業者の方も大変数も多うございますし、あるいは中小企業の方も非常に多くなります。ですから、慎重な配慮が必要だと思います。もし、といいますか、将来においていろんな状況の結果そういうことを考えるということになれば、これは実は特定建設業の追加は政令マターでございますが、一般建設業についても指定建設業制度を導入しようとすれば、これは法律改正でございますから、そういう諸般の情勢を踏まえて、必要となればまた国会の御審議をお願いしたいと、このように考えておるわけでございます。
#66
○上田耕一郎君 私は拡大すべきでないと思うんです。この残りの九業種を見ますと、とび・土工工事業とか造園工事業なんというのも入っているんですね。こういうものまで国家資格云々を言い出すと、これはそれこそ非常な問題になると思いますので、政令マターそれから法改正問題、答弁ありましたけれども、特に中小企業の業界が困るような方向はやっていただきたくないということを申し上げておきたい。
 そういうことよりも、やるべき他のことがある。私は、その一つに建設業に対する他産業からの参入問題、異業種からの参入、このことをお聞きしたいのです。実態、調べていると思いますが、どうですか。それから、このビジョンにもこういう異業種からの参入圧力は強いと予想されるとまで書いてあるので、こういう点のむしろ規制が必要だと思うんですが、実態とそれから対策をお聞きしたいと思います。
#67
○政府委員(牧野徹君) 他の産業から建設業へ新規参入される方の実態ということですが、私どもそういうことを定期的に調査をした時系列的な調査結果というのは持っておりません。ただ、三年ほど前で恐縮ですが、五十九年の四月−九月、上半期に調査したデータがございます。これによりますと、他の産業から建設業へ参入される者で一番シェアが大きいのは卸売・小売業でございます。これが二四・五%、参入された方の中のシェアですね。その次が不動産業の一六・七%、それから製造業一五・七%ということでございまして、これら三つの産業で全体の約三分の二を占めております。一言で言いますと、ほかの産業からの参入を先生の御指摘がもし規制すべきだというようなことであれば、これは私どもは、これが建設業法で求める資格に合っておられれば建設業の許可は与えざるを得ないというふうに基本的に考えております。
#68
○上田耕一郎君 このデータを見ますと、例えば日本鋼管なんというのは建築土木について九百八十四億円かの工事をやっているのです。三井物産、これは四十一位で三百五十一億円も建築土木について工事をやっている。それから、許可をもらってやる以上やむを得ないと言うけれども、こういう製造業とかそれから商社なんかが元請になりますとさまざまな問題を当然起こすわけです。我々のところにも、それこそ重層構造ですから、三次、四次の下請の方がいろんな問題を持ち込んできて、業法に基づく指導をよく建設省にもお願いすることが多いのですけれども、やはり複雑な重層下請関係にあるので、こういうメーカーや商社が乗り込んでくるというのはそれこそ自覚も能力も欠如しているケースが多いので、規制というのはまずいとしても、やはり担当官庁として適切な措置を考えていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 それから、その次の問題として、きょうの新聞を見ましても、補正予算の公共工事について額もいよいよ出て、公共事業を中心にした大型補正ということも問題になってきているわけで、それに対して受け入れる側の建設業の態勢、これが問題になってくると思うのです。きょうは時間も余りございませんので、今新聞その他、また業界で大きな問題になっております職人不足問題、このことについて質問をしたいと思います。
 日本経済新聞の三月八日付を見ますと、「内需拡大に職人不足の壁」という記事があって、いろいろ具体的な問題が書かれています。「内需振興が軌道に乗り始めたとたん、職人不足で工事が延び延びではどうしようもない。」ということが指摘されておりますし、また五月十九、二十日付でも「専門工が足りない 建設・住宅業界」という連載記事がやはり日経新聞に載っておりますし、他の建設関係の専門新聞でも非常に大きな問題になっているのですね。この実態をどう把握しておられますか。
#69
○政府委員(牧野徹君) まず結論的に申し上げますと、いろいろ新聞等で報道されることもございますが、そういうことであるから、例えば私どもの担当しております公共工事等の施行で、完成時期までに全然間に合わないで大幅におくれる工事が続出するというふうな状況ではないわけでございます。
 ただ、それじゃおまえ、不足しているのは一切ないかと、そういうことではないと思いますが、私どもの分析でいろんなデータもございますが、やはり三つの条件といいますか、状況が重なると場合によれば新聞に出ているようなことも起きる。その三つの条件というのは、一つは、やはり毎年の状況を見ますと、労働者の方の逼迫の度合いというのが高い時期と低い時期とあります。気候もようございますし大体毎年日本のあれで発注が春ぐらいに行われてきますと、ピークになるのが秋でございますから、やはりどうしても秋というのがやや逼迫傾向は出る。それからもう一つは、先ほどから地方都市の振興の話もございますが、やはりある意味で工事が集中したようなところ、そういう地域が不足が出る。それともう一つは、どの技能者にも出るというのではなくて、例えば私どもの承知しているところでは鉄筋工だとか型枠工だとか、それから最近では、例えば東京の建築ブームの際には最終工程になる左官展さんのところで不足がある、こういうようなことでございます。
 そういうふうなことで、今言いました時期と地域と職種、それがどっと固まって、例えば一番典型的なのは災害が一カ所にどっと来たら、これはもう全国から応援頼まなきゃどうにもならないというような状況もございますし、あるいはビルラッシュになると先ほど言ったような職種が不足する、こういうこともございますが、それが押しなべて、日本の公共公事全体の執行が非常におくれるというようなことにはないと私は考えております。
#70
○上田耕一郎君 どうも実態はもっと深刻のようです。私もデータしか見ていないんだが、労働省の報告では、建設業の技能労働者不足率、五十九年五・八%、それからずっと上がって、六十一年六・六%と上がっているんですね。
 それから、三月に発表になった六十一年度の調査結果を見ますと、一位が配管工・鉛工、二位が造園工・植木職、四位が構造物鉄工、五位が鉄筋工、それから九位が型枠工、十一位がとび工と、かなり建設関係の不足率が多いテークが出ているんです。
 そこで、五月二十日の日経の記事は、今季節でいろいろあるということを局長お答えになられたが、「今後、首都圏における専門工不足は、公共工事発注とアパート建設の増える七−八月に厳しさを増しそう。」というのが日経の記事で、私ども若干の調査をしましたが、業界でもことしの夏から秋にかけてなかなか大変だということが言われている。この問題も私毎年取り上げてきたんですけれども、そういう技能工、職人の不足問題で、いろいろ原因があるだろうと思うんですけれども、やはり賃金問題が一つあるんですね。
 これも毎年私取り上げてまいりましたが、東京土建がこの賃金問題で運動とそれから調査を発表しています。東京土建の発表した数字を見ますと、六十一年度一般企業の平均賃金、東京の男子、全産業で、これは日額換算で二万一千二百四十九円。これに対して建設職人一万三千五百八十四円という数字で、六四%なんです。これはやっぱり一般産業の平均と比べて建設職人は非常に低い、七割切っているというのが東京の実情です。東京土建は全建総連がやっているわけですが、いつも協定賃金を発表していて、ことしは去年より千円高い二万円。この二万円で年収五百二十八万円にやっとなる。東京の男子勤労者の平均年収はボーナス込みで五百五十万円だから、職人はボーナスもない、雨の日は休まなきゃならぬ、一カ月平均二十二日の計算で二万円という要望を出しているんです。
 さて、ここからやはりいつもここで問題になるんだが、皆さん方は賃金を上げる必要があると言われるけれども、問題になってくるのは三省協定なんです。三省協定がどのレベルになるかということは、民間のこういう職人さんの賃金にも当然影響を与えるわけです。建設省はいつもこの調査結果は発表しているが三省協定そのものの数字は発表してないと言われるのだが、これはどこのゼネコンもみんな知っていますよ。みんな知っているから私どもも手に入ったわけです。
 これを見ますと、六十二年度の三省協定賃金、大工さんが一万五千三百円で伸び率四・八%、昨年二・八%ですからちょっとこれは上がっているのだが、しかしこれは左官は伸び率ゼロです。それから、型枠工ゼロです。型枠工、先ほど非常に職人不足が大きい分野だというのにゼロですよ。普通作業員もゼロ。それから運転手も伸び率ゼロなんですね。
 なぜこういうふうになるのか。皆さん方は調査に基づくと言うのだけれども、きょうはちょっとその先を聞きたいんです。これは東京について六十年十月の調査の数字、それに基づく六十一年度の三省協定賃金、六十一年十月の調査の数字、六十二年度の三省協定賃金の数字を見ますと、必ずしも全部比例的にいっているわけじゃないんです。
 そうしますと、調査に基づくと皆さん言われるのだが、こういう実態調査だけでなく、例えば昨年実態調査をやったその後の経済情勢、それからやっぱり政策的観点があると思うんですね、そういうものを加えてこういうものを出しているんでしょう。全部比例じゃないですから、何か係数か方程式かつくってやっているんですか。そういうことをひとつお答えいただきたいことと、今私が言いましたようなこういう職人さんの不足問題が大きな問題になっている時期であるとすれば、そのことを解決するためには去年の十月の実態調査がこうだったからというのだけでなくて、経済情勢の変動、また補正予算による公共工事をやろうというわけだから、そういう政策観点も交えて、三省協定についてもっとこれを上げていくという方向が出せるのではないかと思いますが、その点お答えいただきたいと思います。
#71
○政府委員(牧野徹君) 数字についてのお話ですけれども、これはただいまお話のありましたように十月に調査して、あくまでもそれに基づいて、その後ただし三月までのあれはスライドをさせることは当然で、させて決めておるわけです。そのスライドは労働省のおやりになっておる毎月勤労統計調査の結果から指数を出してやっておる、そして新年度に適用する、こういうことです。
 それから、何とかそういう技能工の方の賃金をアップするために三省協定の賃金そのものを上げられないかというお問いただしたと思いますが、これは私は結論からいって、やや無理ではないかと思います。というのは、何といってもこれは公共工事の予定価格を決定するために我々が求めておるものであって、そのさらに源をたどればいわゆる予決令の規定で、予定価格を決める場合には取引の実例価格を考慮して適正に定めろとなっておりますから、私どもは現時点で農林水産省、運輸省、それから私ども建設省三省が共同して実態を調査しているこの調査結果というものがこの予決令で求められておるところの実例価格を考慮して適正に決めるということに最もぴったり適合していると思っておりますから、それに別の何か配慮を加えて値を変えるというふうなことは適当ではないというふうに考えております。
#72
○上田耕一郎君 局長さんの答弁としてはそこまでだろうと思うので、最後に大臣、これまでの慣例やいろいろあると思うんですけれども、先ほど申し上げましたように、例えば大工さんの、職人さんの賃金が東京で一般産業の六四%という状況があるわけです。その点で、これはさまざまな問題点をそれぞれの個人にもまた家庭にも及ぼしているわけで、建設業全体を発展さしていく上で、特に今の職人さんの不足を解決するためにも、この賃金引き上げということをどうお考えになるか。その中で、三省協定が公共工事の積算の数字だとはいっても役割を果たしているので、政治的な配慮ですね、それも含めて大臣のお考えをお伺いして終わりたいと思います。
#73
○国務大臣(天野光晴君) 普通の公務員その他はベースアップやるわけですから、一般の労働者もそれは当然やらなきゃいけないとは思います。ただ、公共事業の関係は予算の中に含まれてくるものですから、今局長が言ったように前年との比較、今までとったデータ以外に有利なデータがあればこれは別でありますが、今までの慣例に従う以外に措置はないのじゃないかと思います。ただ、ここ二、三日中に決まるであろう補正予算の問題でありますが、それについても、仕事をぎょうさんとっても、今言ったように手不足や何かで仕事ができないということがあればこれは問題でありますから、そういう観点で一体どれぐらいまでやればできるか、要するにそれほどほかに影響ない格好で試算あるかということで厳密に調査しまして、その額までは大丈夫だということで今交渉をしている最中でありますが、今言ったとおり、他の労働賃金とのバランスが欠けるようなことがあると困りますから、その点は十二分に注意して行いたいと思います。
#74
○青木茂君 一番最後というのはほとんど重要な聞きたい問題が出尽くしてしまった感があるのですけれども、重複を恐れずにあえて申し上げれば、この法律見ますと、どうしても中小企業の方に過酷な条件を課するということに読めますね。そうすると、結果において中小企業排除につながりかねない。それに対する何か一つ具体的な歯どめというようなものが現在なければ、将来においてこうしたらどうだというようなことのお考えがあるかどうかということをちょっと伺ってみたいんです。
#75
○政府委員(牧野徹君) 私の方も同じような答弁になるので恐縮でございますが、今回の法律改正で中小企業を結果的に排除するとか、そういうようなことは全く考えておりません。と申しますのは、先ほどもちょっと数字申し上げましたが、建設業産業の場合でもいわゆる中小企業の方が九九・三%というもう極めて大きな数字です。これらの方々を一律に無視するとか切り捨てるという行政施策は我々はとり得ようもないと考えております。ただ、しかしそう言うなら何か歯止めというお話でございますが、歯どめということのお答えになるかどうかわかりませんが、例えば今度お願いをしております指定建設業に係る五業種の技術者の資格は国家資格に限定すると申しております。その際、先ほどのお問いただしもありましたが、残りの九つはどうだとか、あるいはさらに、より一般的な中小の方が圧倒的に多い一般建設業の場合はどうかということについて言えば、特定については政令マターでございますが、一般建設業にさらにもし及ぼそうという場合、これは法律改正問題ですから、もう大きな歯どめと言えば歯どめがかかっておるわけでございます。それから、政令マターだとは言っても、残りのものは当面指定する気はございませんが、それとてももし指定するにしてもやはり過酷な条件にならないように、国家資格者がいもしないのに国家資格に限定するなんといったってこれはもう違法行為になるばかりですから、その辺のことも十分に考えていきたいと思っています。
 それから、もう一つつけ加えさせていただくなら、これも先ほどお問いただしありましたが、法律を施行したら一議に及ばずばっさりだということではなくて、二年の猶予期間もありますし、その間に、今その資格を持って認められている方であれば、誠実にやっていただいている限りは大臣の特認で原則全部いきますというお答えもしているわけでございますから、そういう意味で私は、暴走しないような歯どめというものは十分にかかっているのではないかというふうに考えております。
#76
○青木茂君 今、盛んに国家試験の問題が出たわけなんですけれども、国家試験万能が果たしていいかどうか。つまり、実務経験を唯一のよりどころにいたしまして立派な仕事をしている企業も多いわけなんですよ。それだったら、国家試験合格するに決まってるのだから受ければいいじゃないかと言ってしまえば簡単だけれども、中高年齢層になりますとペーパーテストになじまない人たちなんです。だから、実務経験というものを今度のいわゆる資格問題にもっと大きく配慮するというようなお考えはございませんかね。
#77
○政府委員(牧野徹君) これはもうおっしゃるとおりだと思います。特に建設業の場合には何といっても物をつくっていくわけですから、実際の経験というのがまずベースとして極めて大事であることは間違いございません。ですから、今度の改正でも国家資格者に限定すると言ったのは、繰り返しで恐縮ですが、非常に現状をもろもろ踏まえると、総合的、高度的な技術が世の中から要求されておる特定建設業のうちの五つ、土木一式、建築一式等、こういうことを申し上げているわけです。だから、それを裏から考えれば、そうでない業種とかあるいは中小企業で腕一本で父子相伝の技術といいますか、腕を磨いている例えば大工さんがおられれば、そういう方はもうそれで大変結構なわけです。今でも建設業の許可はそれでお取りいただいておりますし、今後ともともかく法律改正しない限り完全に守られておるわけです。
 それから、あえてつけ加える必要ないかもしれませんが、先ほど言いましたように、一級の何々技士という資格をとるための試験の条件、受験資格においてでも、私どもの場合には実務経験何年持っているということが全部受験資格にありますから、とりわけ建設業の場合の資格という意味で実務経験を軽視しているとかいうふうなことは、私は断じてないというふうに考えております。
#78
○青木茂君 一定の実務経験と技術があるならば、国家試験に対して何か特別試験というか、別な試験制度でもって技術を優先した判定をするというようなことはありませんか。
#79
○政府委員(牧野徹君) 現在考えております指定建設業の技術者は一級建築士、一級施工管理技士、技術士、こういう三つのものでございます。これをその試験に受からないのにその資格を与えるということはこれは難しいと思いますが、そうではなくて、その試験を受ける受験資格で特別の配慮をするというか、例えば特別の研修を集中的に行ってトレーニングしていただくとか、それでも先ほどおっしゃったように高齢の方、ペーパーテストに弱いよというようなところあるかもしれませんが、やはり一級のライセンスを実務経験だけで与えるというのは、これはちょっと難しいのじゃないかなと思います。
#80
○青木茂君 だから、別な試験方法、試験方法を二本立てにして同じ資格を与えるということはできませんか。
#81
○政府委員(牧野徹君) これは、例えば技術士試験とかそれぞれのところで担当されておりますので、私が今ここで断定的なことを言うのはちょっと差し控えたいと思うんですけれども、かなり難しいのじゃないかと思います。それよりも建設業の場合に大事なことは、今建設業法の改正でお願いしているわけですが、そういう建設業というのは二十八も業種があるわけでございます。そのうちの今五つについて言っているわけなんで、本来実務経験で十分だというところはそれを担保していくということが大事ではないかなというふうに考えております。
#82
○青木茂君 例えば税理士という資格がありますね。あの資格を取るときに、大蔵省に長く勤めて実務経験を持っておりますと別な試験制度でほとんど自動的に資格が来るわけなんですよ。いわゆる税理士においては実務ということを非常に重視している。官については国民の税金で給料もらって、そして仕事を覚えてそれが民間の税理士活動に連動する。そうでない人、大蔵省に勤めてなかった人は大変難しいペーパーテストを受けて税理士にならなきゃならないわけです。そうすると、官は実務経験優先でやる、民はペーパーテスト優先でやる、こういう実例が実は税理士の資格試験の制度の中にあるわけなんですね。ですから、私はそういう物の考え方というのは一本化した方がいいのじゃないかと思うんですけれども、その税理士の資格試験制度なんかと比べてどうなんですか、私が申し上げた質問事項は。
#83
○政府委員(牧野徹君) 税理士の方がどうしてそういう制度になっているのか、なっていること自体も私知りませんが、仮にそうなっているとして、どうしてそうなのかという点は何ともここでは言いようがないんですけれども、私どもの今お願いしているというか、そのベースとして一級建築士だとか技術士だとか、こういうところは極めて高度な知識が要求されるので、それをテストしないで与えるということは無理なんではないかなと思いますが、ここは私が試験担当セクションでもありませんので、そういうことを伝えて勉強はしてもらおうかと思いますけれども、なかなか私の考えで言えば、税理士がそうだから技術士もそうしろということが通るのかなという疑問はございます。
#84
○青木茂君 とにかく公務員の場合は勤めておれば十分な実務能力があるということでもって二本立て、つまりペーパーテストでいく人と違う試験制度になっているわけなんですよ。そういうふうに国がやっていることで実務が非常に優先されて、今回の方ではどうもやっぱりペーパーテストということが中心になる、こういうことでいくと、ちょっと言葉が過ぎるかもしれないけれども、官の中において例のキャリアとノンキャリアの区別ありますな、ああいうものを民間まで広げてしまって、変なところへ変な摩擦が起きるというようなことにならぬだろうかという心配があるんです。
#85
○政府委員(牧野徹君) 税理士の方のことは全く素人でございますから差し控えるとして、ただいま御懸念のようなことがあるかないかについてお答えいたしますと、これは先ほど来お話が出ております建設業のあるべき二十一世紀を目指した中長期ビジョンで根限り検討した後、昨年一年間かけて中央建設業審議会でそれこそあらゆる方々が加わって、業者も大中小零細の方が入ってもみにもんで、やはりこの五つについてはこういうことにすべきだといういわば一致した御結をいただいているわけですから、私どもは、今お願いしていることについて言えば、そのような御心配はないのではないかというふうに考えます。
#86
○青木茂君 何でもそうなんですけれども、審議会とか委員会とかというものでこういう結論が出たからこれはもうベストなんだというその手法というものは、やっぱり私はこれは一般論として感心しない、いわゆる審議会方式というのはね。それはまあいいです。
 もう時間ですから、最後に建設業界一般について申しますと、これぐらい近代的な意味においてはおくれた業界はないですよ。天下の大企業でも何々組なんというのありますし、それはともかくとして、例えば契約する特に契約期日、受け渡し期日なんか守られたためしがないんですよ。それも、守られなかったという立派な理由があれば、それは仕方がないですけれども、わかったようなわからぬような理由でじゃんじゃん延びる。それで一般的に非常に迷惑をしている人もあるわけなんですね。だから、そこら辺の建設業の近代化、合理化についての建設行政としての指導方針、それを伺って質問を終わります。
#87
○政府委員(牧野徹君) 私は建設業の行政担当でございますが、日本の建設業がただいま先生が冒頭におっしゃったような極めて非近代的とかなんとかいうことでは決してないと思います。ただ、前近代的とかいうふうなことが何もないかといえば、そんなことはない。もちろんそういう点が見受けられない点もないことはないというふうなことで、例えば経営事項審査制度を初め、いろんなことをお願いしているわけです。
 それから、蛇足かもしれませんが、名前の何々組がいいか悪いかというのは、これはちょっとお答えをしかねます。
 それともう一つ、期日が守られないということですが、これも念のためですが、世界の建設業の中で日本の業者がなぜいいかといえば、期日をしっかり守るという評価があるということもつけ加えさせていただきます。
    ―――――――――――――
#88
○委員長(鈴木和美君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、志村哲良君が委員を辞任され、その補欠として鈴木貞敏君が選任されました。
    ―――――――――――――
#89
○委員長(鈴木和美君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#90
○委員長(鈴木和美君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#91
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、建設業法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対の最大の理由は、本法案が建設産業ビジョン研究会報告書が目指す中小零細建設業者切り捨て、大手業者本位の業界再編成の第一段階であることです。本法案は、建設業の許可基準のうち、専任技術者の資格要件を国家資格取得者等に制限するなど、建設業に対する規制を強化するものです。ビジョン研究会報告に対する強い批判の中で、今回は規制強化の対象を指定建設業の特定建設業者に絞っていますが、中央建設業審議会答申は、中長期的な施策としては、十四業種の特定建設業、一般建設業とも国家資格に限定する方向が適当であると明記しています。
 本改正は、こうした全面的な規制強化、中小零細建設業者締め出しの方向へ第一歩を踏み出すものにほかなりません。直接的には、指定建設業の特定建設業者のうちでも、一部の大企業を除いて、経営上一層の困難を強いられることになります。本法施行とともに実施されようとしている特定建設業者の財政的基礎についての基準引き上げと合わせれば、特定建設業者から中小業者を締め出す役割を果たすことも確実です。
 建設省は、本法案の提案理由として、暴力団など不良・不適格業者の参入を防ぐためと言っていますが、それは現行法第七条三号の基準によって十分規制できるものです。現行法の活用による措置を十分行わないまま、中小業者切り捨てという本質を持つ本法案の口実とすることは許されません。
 最後に、本法案では、経営事項審査の一部である経営状況の分析や技術検定試験の実施を建設大臣が指定する者に行わせることができるようにしていますが、公平性の確保や企業秘密の漏えいなどを招くおそれがあることを指摘し、反対討論を終わります。
#92
○委員長(鈴木和美君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#93
○委員長(鈴木和美君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 建設業法の一部を改正する法律案に養成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#94
○委員長(鈴木和美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、太森君から発言を求められておりますので、これを許します。大森君。
#95
○大森昭君 私は、ただいま可決されました建設業法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及びサラリーマン新党・参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    建設業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、建設業許可制度の改正が、中小零細建設業者の淘汰・排除をもたらさないよう十分配慮するとともに、中小零細建設業者の経営基盤強化のための諸施策を一層推進すること。
 二、技術者がより的確な施工管理能力を習得できるよう、実務経験の豊かな者に対する受検資格の優遇など、施工管理技士の資格取得の促進に.十分配慮すること。
 三、施工技術の進歩に対応して技術力の維持・向上を図るため、建設業者団体等が自主的に行う技術者に対する教育・講習会等について、積極的な援助・指導を一層推進すること。
 四、施工技術の適正な確保に必要な国家資格の創設については、その必要性等を勘案し、中小零細建設業者の負担とならないよう配慮すること。
 五、経営事項審査制度の見直しによって、中小零細建設業者の受注機会を狭める結果とならないよう配慮すること。
   右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#96
○委員長(鈴木和美君) ただいま大森君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#97
○委員長(鈴木和美君) 全会一致と認めます。よって、大森君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、天野建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。天野建設大臣。
#98
○国務大臣(天野光晴君) 建設業法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分尊重してまいる所存でございます。
 ここに委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございます。
#99
○委員長(鈴木和美君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○委員長(鈴木和美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#101
○委員長(鈴木和美君) これより請願の審査を行います。
 第九七六号尾瀬分水反対に関する請願外三十四件を議題といたします。
 本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。
 これらの請願につきましては、理事会において協議いたしました結果、いずれも保留とすることに、意見が一致しました。
 以上、理事会協議のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○委員長(鈴木和美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#103
○委員長(鈴木和美君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 建設事業及び建設諸計画等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○委員長(鈴木和美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(鈴木和美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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