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#1
第108回国会 逓信委員会 第5号
昭和六十二年五月二十五日(月曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     関口 恵造君     添田増太郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高杉 廸忠君
    理 事
                岡野  裕君
                竹山  裕君
                宮田  輝君
                大木 正吾君
    委 員
                志村 愛子君
                添田増太郎君
                永田 良雄君
                成相 善十君
                西村 尚治君
                山内 一郎君
                小川 仁一君
                及川 一夫君
                鶴岡  洋君
                原田  立君
                山中 郁子君
                橋本孝一郎君
                青島 幸男君
                平野  清君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  唐沢俊二郎君
   政府委員
       郵政大臣官房長  成川 富彦君
       郵政大臣官房人
       事部長      森本 哲夫君
       郵政省簡易保険
       局長       相良 兼助君
       郵政省電気通信
       局長       奥山 雄材君
       郵政省放送行政
       局長       森島 展一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大野 敏行君
   説明員
       総務庁長官官房
       老人対策室長   造酒亶十郎君
       大蔵大臣官房参
       事官       花野 昭男君
       大蔵省理財局資
       金第一課長    米澤 潤一君
       大蔵省銀行局保
       険部保険第一課
       長        谷口  孝君
       厚生省社会局老
       人福祉課長    真野  章君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関
 する法律及び簡易保険郵便年金福祉事業団法の
 一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
○簡易生命保険法及び郵便年金法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○電気通信事業法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○放送法及び電波法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○電波法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高杉廸忠君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告をいたします。
 去る二十三日、関口恵造君が委員を辞任され、その補欠として添田増太郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(高杉廸忠君) 次に、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律及び簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案及び簡易生命保険法及び郵便年金法の一部を改正する法律案の両案を便宜一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○及川一夫君 簡易生命保険の問題につきまして質問させていただきますが、まず最初に、総合福祉システムの構築に向けてという郵政省が企画をいたしました中間報告というものがございますが、今度の介護保険に絡みましてかなりの中間報告が出ているように見受けることができます。
 そこで、総合福祉システムということについてお伺いしたいんですが、この中間報告を検討し、また出されたというねらいはどこに置いて論議をされたのでしょうか。そのことについてお伺いいたします。
#5
○政府委員(相良兼助君) 先生からお話のございました、この総合福祉システムの構築に向けてという中間報告でございますが、これは昭和六十年六月から簡保の調査会、学識経験者十三名の先生方を中心に構成をいたしておるわけでありますけれども、この調査会によりまして御提言をいただいたものでございます。
 この調査会にお願いをしましたテーマといたしましては、高齢化社会における生活保障、それと簡易保険事業の役割というようなことでお願いをいたしたわけであります。
 この背景といたしまして、次第に高齢化社会、長寿社会の進展が進みつつありまして、介護を要すべき老人の方もふえておる。さらに老人福祉の問題は国民的な課題である。この国民的課題を解決するためには相互の自助努力ということもまた当然必要となってまいるわけでございますけれども、こういう背景の中にあって、簡易保険としてどういう役割を務めていくことが望ましいか、このことについて御提言をいただいたわけでございます。
 その主たる御提言の中身でございますけれども、急速に迎えつつあります高齢化社会、寝たきりあるいは痴呆老人と言われる方に対する介護の必要、福祉ニーズというものがだんだん増大をしてまいる。このニーズに対して、保険を活用して福祉サービスを提供するような仕組みが考えられないか、この仕組みを総合福祉システムということで、プランをされたわけでございます。しかしながら、このプランで保険商品としての介護サービスを実物給付として提供をするということについては、現状ではもろもろの制度あるいは施設等の整備がまだ未熟である。そういう状況でありますので、段階的に、長期的に取り組んでいくということが必要であろう。当面は金銭給付を内容とする介護のための保険の開発に努めたらどうか。簡単に申し上げますと、こういう内容であったわけでございます。
#6
○及川一夫君 私も高齢化社会問題については大変大きな関心を持っておりまして、私自身も高齢化社会問題に取り組む研究会の役員も兼ねているわけですから、この総合福祉システムというものに対しても大変興味を持って読ましていただきました。
 ただ、私は別に縄張りを意識するわけじゃないんですが、大変広範多岐にわたっているというふうにお見受けをいたします。そうしますといこの内容自体は郵政事業の中における簡易保険事業、こういったものの指針という性格を持つのか、あるいは社会福祉全体について問題をとらえなが
ら、今後の簡易保険事業のあり方というものを問うて、またそういう意味合いで掲げたということになるのかどうか、その辺についてはいかがですか。
#7
○政府委員(相良兼助君) 先ほどお答えいたしました中で、この研究の委嘱をお願いをする内容といたしまして、高齢化社会におきますところの生活保障と簡易保険車業の果たすべき役割ということでお願いをいたしたわけでございまして、高齢化社会、あるいはあるべき福祉社会の分析等についてはこの調査研究会でおやりいただきまして、その中におけるところの簡保のあり方と申しますか、その位置づけということで御提言をいただいておる、このように理解をいたしておるわけであります。
#8
○及川一夫君 私からこれをお見受けいたしますと、郵政事業というか、簡保事業だけではなかなかなし得ない問題も含まれているように私は思うのであります。特に高齢化社会問題ということになると、もちろん厚生省一省においてすべてが律せられるというふうには思いませんけれども、労働省なり厚生省の担当する部門というのが非常に多いような感じがするし、またそれが常識的なとらえ方ではないかというふうに思うんですけれども、簡易保険局長という立場に立って、このことを長期的にしろ実行に移すということになったときに、郵政省一省だけでおやりになるという前提でこれを確認されているのかどうか、お伺いします。
#9
○政府委員(相良兼助君) 我が国日本の今後当面します問題については、大変重大な問題が幾つもあろうと思うわけでございますけれども、確実にやってまいります大きな課題の一つが高齢化社会であるということについては、各方面からつとに指摘を受けておるところでございます。
 この高齢化社会という国家的あるいは国民的解決を要すべき課題につきまして、関係の者が知恵を絞りまして、豊かな長寿社会の建設ということで努力をしてまいるということが必要だと思うわけでありますけれども、社会福祉という面での関係の厚生省、また医療介護という面での所管庁でありますところの厚生省、この厚生省の占める役割が大変大きいというふうに考えるわけであります。公的年金という分野につきましても同じように福祉を担当する省庁でありますし、私どもとしましても、公的年金の補完的役割を果たすという生命保険あるいは個人年金の存在意義という点も勘案しまして、それなりに努力をいたすつもりではございますが、全般的に申し上げますと、そのような感じでございます。
#10
○及川一夫君 実は郵政省が報告されている総合福祉システムのほかに、高齢化社会を意識して、一つには長寿社会対策大綱というのが閣議で決定されております。それから高齢者対策企画推進本部ということになるんですが、これも報告ですが、厚生省が招集されてお決めになったものもあるのであります。さらには保険事業ということになりますと、大蔵省が保険審議会に問題を提起をして、実は答申が出されているわけであります。それが策定された時期を洗ってみますと、厚生省の場合には、高齢者対策企画推進本部の報告として六十一年の四月八日ということになっておるんですが、郵政省並びに長寿社会対策大綱なるものは六十一年の六月ということに実はなっているわけであります。そして大蔵省の保険審議会の方は六十年の五月三十日ですから、そういう意味では、大蔵省の出された問題は高齢化社会だけを取り上げて、意識されて出されたものではなさそうだ。しかし、それも含めながら一定の議論はされて、介護保険的なものが何となくこの答申の中に出ておるんですけれども、それ以外の三つの問題が期せずして同一時期に議論をされて一つの報告ないしは答申が出されている、あるいは大綱が決定されているということになると、これは何か三つのものが政府としてつながりを持っているのかいないのか、このことについて大臣にちょっとお伺いしたい。
#11
○国務大臣(唐沢俊二郎君) ちょっと先に……。
#12
○及川一夫君 閣議決定もあるんですけれども、よろしゅうございますか。
#13
○説明員(造酒亶十郎君) ただいまお尋ねの郵政省の報告書、あるいは厚生省の企画推進本部の報告、それから長寿社会対策大綱、ほぼ時期を接して出されたものについての関係いかん、こういうお話でございますが、私ども長寿社会対策大綱を策定するに当たりましては、各般の審議会等の御意見あるいは研究会等の御提言等、私ども大綱を策定するまでの間に入手できるものにつきましては、これを十分参考にさしていただいたところでございます。
 まず、厚生省の高齢者対策企画推進本部の報告でございますが、これは二十一世紀初頭の本格的な高齢社会の到来に倣えまして、厚生行政の分野を中心にして今後講ずべき施策の方向をお示しになられたものと理解をいたしておりますが、大綱の策定に当たりまして、厚生省からその考え方を聞かせていただきまして、主として雇用・所得保障システムあるいは健康・福祉システム、それから研究開発の推進という、そういう分野につきましての施策の基本方向を取りまとめる際に参考にさせていただいた次第でございます。
 それから、郵政省のただいま御指摘の研究会の御報告でございますが、実はこれは大綱策定された後に出されたものでございますが、実はその御報告の前段階といたしまして、昭和六十年の四月と思いますが、国営任意生命保険の将来展望に関する調査研究会というところから、総合福祉システム構想というものが提言をされております。大綱の策定に当たりましては、この御提言を私ども参考にさしていただいたわけでございまして、雇用・所得保障システムあるいは健康・福祉システムに示されました施策の基本方向を取りまとめるに当たりまして、これを十分参考にさしていただいたところでございます。
 以上、経過の御報告をさしていただきます。
#14
○及川一夫君 とすると、閣議決定の長寿社会対策大綱というのが政府としてのすべての意思をあらわしているというふうに理解してよろしゅうございますか。
#15
○説明員(造酒亶十郎君) すべての意思と申せるかどうかわかりませんが、これから二十一世紀初頭に来るべき高齢社会と申しますか、長寿社会と申しますか、それに向かって政府として今後推進していくべき各般の施策の基本的な方向を取りまとめたものである、このように理解をいたしております。
#16
○及川一夫君 問題は、この長寿社会対策大綱に基づいて今後どうされるおつもりですか。
#17
○説明員(造酒亶十郎君) この長寿社会対策大綱は、ただいま申し上げましたように政府が今後講ずべき施策の基本的な方向を定めたものでございます。したがいまして、今後関係の各省におきまして、それぞれ所管の分野につきまして、この大綱に示されました基本的な方向に沿って施策を推進してまいる、このようなことに相なるわけでございます。
 なお、私どもといたしましては、この施策が的確に推進をされていく、その実効性を確保すると申しますか、そういうような意味で、閣僚会議におきまして毎年一回、それまでの実施状況をフォローアップいたしまして、的確な施策の推進を図ってまいりたい、このように考えている次第でございます。
#18
○及川一夫君 高齢化社会問題は、この大綱に基づいて政府が具体的に対処していくんだということは理解いたしますが、ただ、これまでの間も高齢化社会に対応する云々でいろんな問題が出されているんですが、同時にまた、こういう答申も出されるんですけれども、なかなかもって具体的に実行に移されないということが非常に私は多かったように思うんですね。したがって私は、これまでのものはこれまでのものとして、もう作業の段階ではなしに具体化の段階だと、こんな気がいたすものですから、この大綱に示されたもの、さらに郵政や厚生省で取り扱ったものを含めて、とにかく一元的に扱っていただくようにしなければな
らないんじゃないかということを強く私は感ずるところでありまして、この点郵政省も紙張り的な発想ではなしに、やはり高齢者という一人の国民、人間にどう幸せに生きていただくかという、そういう観点からぜひ進めていただきたいというふうに思っていることが一つであります。
 さらにこれに関連をして、この前も郵政省の答申の中には横文字が多いという話をしたんですけれども、この中でもやはり横文字が多いんですね。ショートステイという言葉を使ってみたり、デイサービスという言葉を使っているんですが、おじいちゃん、おばあちゃん、なかなかこんな言葉を聞いてみてもわかりませんね。日本語がないんならともかくとして、日本語として数日間とか、あるいは日帰りとか、あるいはこれは通院を意味するとか、ちょっと前の方に何か横文字つけるとそう理解されるようなことなんだろうと思うんですよね。ですから、できるだけ日本語をですね、国際化問題はまたこれは別の観点から議論すればいいことですから、一々尋ねなくてもわかるような言葉を使うように、ぜひそうしていただきたいということも私はお願いを申し上げておきたいというふうに思います。
 同時に、私は三つ目にお願いをしておきたいのは、これから一元的な立場で問題の具体化を進めるということになったときに、一体どこが基軸になるのか。私はきょうは時間がないから、たくさんありませんから詳しく皆さんと議論することはできないんですが、どこを基軸にして具体化を図っていくのかということをやはり明確にして進めていきませんと、同時にまた、それだけの機能を与えて進めていくというふうにしませんと、なかなか私はこの問題は具体化されない、こういう気がして実はなりません。そうしてまた、高齢化社会ということになりますと、直ちに人口の問題とか労働人口というような問題までも含めていろんな議論になるし、財政的な問題もいろいろと出てくるということになってくるわけでありまして、同時にまた、私は高齢者の意識の改革という問題も含めて考えていかなきゃならない。
 定年制はあるが、雇用の問題をどうするんだと。六十で切って、そして五年間は何にもやらずに、そして六十五歳になったら年金をいただくというだけでいいのかどうか。私はこういった問題、定年と雇用の問題とか、さらには自助努力の問題でも、どこからどこまで自助努力をしてもらうのかということも、必ずしもこの長寿社会対策大綱やその他の答申やあるいは報告を見ても明確ではありません。見直しをするという、そういう意味だけの言葉が実は使われているわけでありまして、これではなかなかもって高齢化社会というもののイメージというものが本当の意味で私はわいてこないというふうに思うところであります。したがって、これらの問題を含めて高齢化社会問題には、これを運営する基軸となる省庁というものを明確にしながら、ぜひ進めていただくように私の意見として申し上げておきたいと思うし、別の機会にこの問題をとらえて論議をしたいということを申し上げておきたいというふうに思います。
 さらに、私はこの総合福祉システムというものを読まさせていただきました。その中で特に訪問サービスとか、それから郵便局機能の活用の問題とか、あるいは加入者の福祉施設の問題とか、十九ページから二十二ページにわたっていろいろと触れられているわけであります。
 この中で私が感じますのは、いずれにしてもこの簡易保険という保険事業が行うのは、単なるやはり保険事業だけではないだろう・保険事業によって得た益金というものをさらに人間が生活をしていく、さらには高齢者が生活をしていく上にとって必要な諸施策、あるいは諸施設に対して投資をしていくということも私はあるのではないかというふうに思います。そういった点では今回介護保険の実行に当たって、ただ単に介護保険をつくればということにとどまるということは実はどうかというふうに思うのであります。
 介護を必要とする施設が十分にあるのかないのかということになると、厚生省の方にもお伺いしたいんですが、一体現状事足りているのかいないのかということ・それからこの介護保険というものを実行していく上に当たって、今すぐはそういう意味での投資はできなくとも、そういった施設に対して、簡易保険事業独自につくりながらそういう便宜を与えていくというようなことも考えられているのかどうか、そういった点をお伺いしておきたいと思います。まず郵政省からお伺いします。
#19
○政府委員(相良兼助君) 寝たきりあるいは痴呆症状を呈する老人に対します介護の方法といたしまして、施設に収容をしてやる場合と在宅でやる場合ということに相なるわけでありますけれども、いずれにしても現在の、現時点におきまして、それぞれ五十万ないし六十万と言われる多くの老人が病の床に伏しておられるというような状況、さらには、これは経済企画庁の推計でありますけれども、昭和七十五年には二百十五万を数えるということもありまして、これらの施設の増設、改善、さらには介護に当たる、その任に当たる人たちの養成ということが大変重要な問題であろうと思うわけでございます。
 これらにつきまして、簡易保険がみずからそれらの施設を運営をするということについてどうかと。まずそのことについての話でありますと、現時点においては大変重く大きな問題でありまして、その能力と申しますか、まだ力が足りないというふうに思うわけであります。みずからそれらの施設を運営して、それを保険の商品化していく、保険のサービスの内容としていくということについては、近い将来における展望としては甚だ困難であると言わざるを得ないと思います。ただ、いろいろ国の公的なあるいは民間のいわゆるシルバー産業と言われますような、そういう分野におけるところの施設の整備等が相まちまして、一定の水準に到達したと見られる時期におきましては、簡易保険のサービスの内容といたしまして、それらの施設と提携をしながら、取り次ぎを内容とするそういう保険ということも可能性はあろうというふうに思うわけであります。ただ、その段階も現時点においては大変難しい状況でございますので、今回、介護のために必要とされる費用を賄うということのいわゆる金銭的給付を内容とするということにとどまったわけでございます。
#20
○説明員(真野章君) お答えいたします。
 現在、寝たきりのお年寄りの方々に入所していただきます特別養護老人ホームといいますものは全国で千六百十九カ所、入っていただいておりますお年寄りの数が十一万九千九百名でございます。まだ都市部を中心に大体約二万人ぐらいの入所のための待機をしておられる方々がおられるということでございまして、私ども社会福祉施設の整備の中では、この特別養護老人ホームに一番重点を置きまして今後とも整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
#21
○及川一夫君 いずれにしても施設が十分でないという形のものは残っているようですし、これから先のことをお伺いしておきたいんですけれども、この中間答申の中にも高齢化社会に向けてのいろんな数字が出てまいっております。特に寝たきり老人という意味で聞くと、厚生省の場合に、おおむね六十五歳以上の人口の四%という数字を用いられているようですが、それを昭和七十五年とかあるいは九十五年に当てはめますと、現在は約五十万人ぐらいのようですが、八十五万五千とか、あるいは百二十七万五千というような寝たきり老人が、これはあくまでも計算ですけれどもね、計算上から出てくるような数字、むしろもっと多くなるかもしらぬというような状況も指摘をされているわけです。ですから、抜本的な国の金の使い方の問題として考えていかなければならないというふうに思うんですが、簡易保険局長もその答弁の中で、施設までつくるのは大変重荷だ、重大なことだし、必要であるとは思うが、そこまではなかなか現状時点で踏み切るというような意味での答弁はできないという、そういうお話をさ
れました。確かにそうだろうと思うんです。
 しかし一面、老人、高齢者というものをとらえて、何となく社会的には商売やってもうけようというような、そういう発想の人が割合と多いということを私の体験からも実は思うんです。例えば全国高齢化社会研究協会の理車長になったという途端に会見が申し入れられて、そして民間人ではあるが老人ホームをつくりたいとか、あるいはどこどこをあれしたいと思うんで、ひとつお力をかしていただきたいとか、あるいは全国高齢化社会研究協会の名前で募集することについて了解してもらいたいとか、何でこんな話が途端に出てくるのかというと、どうも背景は、これからの商売の一つとして、老人を相手にしてもうけていこうという、そういう発想、意外とお年寄りは金を持っていると、こういう前提に立って、まあ豊田商法的ではないんでしょうけれども、何かそんなようなやっぱり動きというものが社会的に存在をしているわけです。
 ですからそういう意味合いも含めて考えますと、この報告書の中にもしばしば商品という言葉でつづられる、保険局長も先ほど商品という言葉を使われたんですが、純粋な意味で、サービス商品という意味で使われたんだとは思うんだが、そういう私の体験から言うと、何かこう老人から金もうけをしようと、これからの事業はそこにいくんだというふうに聞こえてしまうと、私は、このせっかくつくられた総合福祉システムの思想というものもおかしなものになっていくだろう、こう考えてみますと、簡易保険事業自体が、少ないけれども何かの一助に役立てたいという意味でそういう施設づくりをしていくということ、現実に福祉という意味では、加入者の利用する施設があるわけでしょう。だからそれに介護が入るか入らないかと、単純な言い方をすればそういう言い方になるんですけれども、少なくともそういう目的意識を持った新しい事業というか、新しい国民の期待にこたえる事業であってほしい、こんなふうに思うものですから、その点もう一度ひとつ局長いかがなものでしょうか。
#22
○政府委員(相良兼助君) はしなくも商品という言葉を使いましたので、御指摘を受けまして大変恐縮いたします。
 一般的に保険あるいは銀行、証券という金融界におきまして、新しいサービスのことを新商品というようなことで呼んでおるのが慣例になっておりますので申し上げたわけでありますけれども、保険につきましても内容をサービスとするものが化体して提供される、これを商品という意味で言っておりますわけでございまして、決していわゆる商売の、金もうけのための商品というような意図は毛頭ございません。まずお断りをしておきたいと思います。
 それから、おっしゃいますように、今後の高齢化社会あるいは介護を要すべき老人の増大といったような現象に対応いたしまして、国営保険であります簡易保険といたしましても、その目的がなるべく安い保険料でサービスを提供いたしまして、国民の経済生活の安定、福祉の増進に寄与をするということにあるわけでございまして、常態としてこのように高齢化社会になってくるということを十分受けとめながら、この高齢化社会の対応のためのサービスを各般から検討してまいるということを考えておるわけでございます。
#23
○及川一夫君 話はかなり大きな問題ですから軽々には答えられないだろうというふうに思いますけれども、ぜひ意識としてはそういう問題を考えながら推進をしていくようにお願いをしておきたいと思います。
 さらに厚生省の方にお聞きしたいんですけれども、どうも人口問題ということにあわせて高齢化社会問題を論じますと、とにかく人間がふえていくという話を盛んに強調されるわけですね。しかし、本当にふえてふえてふえっ放しなんだろうか。人間が死なないということはだれも言ってないんでして、五十歳が八十歳になった、あるいは八十五歳になったということは言われ、だから高齢者が多くなると、こういうんですけれども、じゃ五十歳人生と言われたときの健康状態がそのまま持ち込まれて、六十歳になればよたよた、もう八十歳になればどうにもこうにもならぬというようなものであるかどうかということを考えますと、結構六十歳とは思えないような、八十歳とは思えないようなということで健康を維持している人が非常に多いわけですね。だから労働のあり方や何かについても、定年のあり方なんかについてもいろいろと議論が広くなる。またそうなるのも当然なんですけれども。
 ですから私は、そういう意味で暗い部分というか、大変だ大変だと強調するだけじゃなしに、大体九十六年あたりからは、今の人口問題調査会で論議をしている内容を見ましても、人口が約一千万ぐらい減っていくというふうな、そんな形も推計では出てきているわけですね。ですからその場合の、日本の人口一億三千万なら一億三千万というものを前提にして、高齢者と言われる人たちの占める割合と生産労働者と言われる割合、それと幼年と、こう区分けをしながら、この社会福祉というものが成り立っていく一つの計算ですね、本当にどのぐらいお金がかかるのかと、あるいはどのぐらい施設がかかるのかというふうなことをきちっとした上で国民が負担をすべきもの、受益者が負担をすべきもの、そして国が負担すべきものという、そういう論議の展開というものが本当は私は必要だと思うんですね。
 ところが、今現在はどうしても高齢者問題が大変だ大変だという話ばかりになっているものですから、何となくそんな気になっているというのが私は実情じゃないか、こんなふうに思いますので、この人口の見通しの問題、非常に難しい問題なんだが、今私が申し上げたような立場から厚生省も検討すべきじゃないかと、こういうふうに考えるんですが、いかがでしょうか。
#24
○説明員(真野章君) お答えいたします。
 直接の所管の問題でございませんので、老人福祉課長という立場でお答えするのがいいかどうか甚だ疑問でございますが、確かにおっしゃられますように、人生五十年時代から人生八十年時代に変わりまして、その中の年齢層におきます健康状態とか持っておられる能力、それぞれ異なってきております。人生五十年時代の六十歳代の方々と、人生八十年時代における六十歳の方の意識なり能力、これはもう大きく違っておられるわけでございます。
 そういうことを契機に、例えばお年寄りの健康観も従来のように無病息災というようなことではなしに、病気と共存するとか、一病息災というような形で、少し体に異状があっても日常生活を十分営める方は、やはり御自分自身も健康だと思って頑張っていただくというようなことで、できる限り年齢観といいますか、そういうものに合わせた健康観、その他のお年寄り像の意識を変えていくというPRを厚生省としても十分心がけていかなければならないというふうに考えております。
#25
○及川一夫君 私の時間が参ったんですが、小川先生から少し入り込んでもよろしいと、こう了解をいただきましたので、お許し願いたいというふうに思います。
 まあわずか四十分、あるいは半日、一日で議論として終わる問題ではございませんから、きょうは問題を提起をしておきたいという意味合いで申し上げたということを前提にいたしまして、以下少し具体的内容についてお伺いしておきたいと思います。
 それはまず新しい事業として介護保険というものをつくられるというのが具体的な提案になっているようでございますが、介護保険契約の見通しですね、一体どのくらい介護保険に応じてくるというふうに思われるのか。同時にまた、契約をされた中で介護を必要とする人がどのくらい発生するのか。いわば発生率ですね。そういったことを御検討になっているとすれば、当然掛金という話までなってくるんですけれども、とりあえず介護保険契約をされる方の見通しと、介護を必要とする人の発生率をどう見ておられるのか、そのことについてお伺いしておきます。
#26
○政府委員(相良兼助君) 先ほどもちょっと申し上げたわけでございますが、昭和七十五年に要介護の状態になられる老人の方が二百十五万という経済企画庁の推計値がございます。そういう必要性という点が一つ。それから、私どもの方でかつて調査をいたしました中で、簡易保険に介護的な保険を創設をするということについての御意見をお伺いをしまして、そのとき約七割の方が強い関心を示されたということもございます。それやこれや考えて、さらに現在既に先発して、一部民間保険においてこの介護保険の販売がなされておるわけでありますけれども、実際はその利用状況というものは、まだ発売後間もないということもございますけれども、非常に低率であるといったようなこと。
 それから、やはり介護保険というのは大変に地味な保険でございますので、そういう点等もあわせまして、これの新しいサービスということで提供いたしました際、どの程度御利用いただけるかということについて推計をするというのは大変難しゅうございます。ただ、過去の新しいサービスを発売いたしました初年度の状況等、さらには我々の今後の取り組む意欲ということも加味をいたしまして、あえて申し上げますれば、初年度において一万件程度以上の契約を得たい、このように考えておるわけでございます。
#27
○及川一夫君 同じような保険事業が民間でも行われているというふうにお聞きするんですが、民間保険会社で実行されている状況について把握しておられるのは大蔵省だろうと思うんですが、大蔵の方にお伺いいたしますが、そういった保険のやられている実態と、今の質問に関連をして、大体現状、二年か三年ぐらいしかやってないんだろうと思うんですけれども、どういう方々というよりも、どういう人数が利用されているか。大体事業収支的にも成り立つということになるのか、ならないのか。ちょっと無理な質問かもしれませんけれども、お伺いしたいと思います。
#28
○説明員(谷口孝君) 御質問の点についてお答え申し上げたいと思います。
 痴呆保険は、民間生保の方では、六十年一月に外資系の生保会社により我が国で初めて発売されたものでございます。また同じく民間生命保険によります介護保険は、六十年九月以降今日までに生保会社三社において発売されているものでございます。
 これらの生保会社におきます痴呆保険及び介護保険の販売状況について申し上げます。
 六十年度契約数約一万三千件、保険金額ベースで申しまして約四百億円でございます。六十一年度につきましては、まだ決算は確定しておりませんため数値は把握いたしておりませんが、六十年度と比べましてかなり増加しているものと予想しております。
 以上であります。
#29
○及川一夫君 ありがとうございました。
 また、介護保険というものを適用する年限の問題ですが、提案は十年ということになっておりますね。そうしますと、民間で行われている介護保険の実態を見ましても、ほとんどが支払い限度というものが十年というふうになっているんですけれども、これは今回の法案の提案も十年になっているんですが、その十年ということには何か特別に根拠めいたことがあるんですか。
#30
○政府委員(相良兼助君) 一つは、十年間ということで介護の期間を設定しようと考えておりますのは、私どもにとりまして一つ加入限度額の問題があるということもございます。ただ、東京都の調査によりますと、寝たきり老人の実態調査ということで私ども伺っておるわけでありますけれども、十年を超えて寝たきりの状態でおられる方は一割強であるというようなことをお伺いしておるわけであります。そういう点から、介護を要すべき状態になりまして、十年程度を介護の期間として設定をすることはおおむね妥当ではなかろうか。これをさらに延ばしますと、総体の仕組みとしましての各年当たりの保険金額は大変少額なものになってきて、そういう点でのデメリットもあるというようなことでございます。
#31
○及川一夫君 最後になろうかと思いますけれども、実はあの法案を見ましたときに、やろうとしていることはよくわかるんですが、果たしてこれでもって成り立つのかどうかということになりますと、発生率の問題であるとか、あるいは掛金の問題であるとか、それから給付内容について一応わかってはおるんですけれども、果たしてこれでもってきちっと成り立つのかどうかということを考えてみますと、また検討していきますと、必ずしもきちっとしたものになっておらないのではないか。これからむしろ作業されて一定の法律で方向づけをして、一定の方向づけをしながら具体化をしていくというふうに見えるんですけれども、具体化の方は一体どういうふうになるんでしょうか。
#32
○政府委員(相良兼助君) ただいま先生がおっしゃいましたように、全体としての大きな枠組み、それから基本的なこの種サービスの性格等につきまして簡易保険法で規定をいたすということになりまして、具体的なあるいは細目的、技術的基準等につきましては、この後法律で委任されております約款の中で定めるということで、現在その作業等もあわせて取りかかっておるところでございます。
 この介護保険、これで経営上やっていけるのかというお尋ねと受けとるわけでございますけれども、介護を要すべき状態の発生率というものをどのように見るかということがまず一つございます。厚生省の最近の調査によりますと、六十五歳以上で介護を要すべき状態になるような寝たきりの人はおおむね一割という推算もあるわけでございます。過去の同様の調査でもこの数字にさほどの変化はないということもございまして、おおむねこれらを参考にしながら、多少の安全度を見ながら保険料の設定等も考えて、全体としての収支に赤を生ずることのないような、そういう点も今後子細に詰めてまいりたいと思っておるわけでございます。
 全体の設計図と申しますか、総体をやりますにはさらに各般から詰めるベきところもございますし、医師その他の専門家の御意見も今後さらに拝聴するというふうなことも必要となっておりますので、慎重にやってまいりたいと思うわけでございます。
#33
○及川一夫君 終わります。
#34
○小川仁一君 前の及川委員とかなり重複する部分があると思いますが、できるだけ避けて御質問申し上げますから、御答弁なさる方もそういうふうな立場でひとつお話しを願いたいと思います。
 まず、簡易生命保険法及び郵便年金法の一部を改正する法律案提案理由説明、こういうのが三ページにございます。ここをいろいろ読んでみました。三行目、「この法律案は、最近における社会経済情勢の推移及び保険需要の動向にかんがみまして、」と、こう書いておりますが、こう書かれたんじゃ具体的にどういうことかわかりませんで、生命保険や年金の保障内容の充実、利便を図るための社会経済情勢の推移というのを具体的に御説明願いたい。
#35
○政府委員(相良兼助君) 昨今の社会経済状況の推移と言いますときに、私どもの保険の分野におきます、さらにはそれを大きく取り巻きますところの金融経済情勢という点を見ますと、何といってもやはり自由化、さらにはグローバルな国際化、このような傾向が急激に顕著になってまいっておるというふうに思うわけであります。これが国民生活にも各般におきましていろいろ影響を与えておると。
#36
○小川仁一君 具体的に言ってくれ。どういう影響を与えるのか。
#37
○政府委員(相良兼助君) はい。一般的に金利の低下現象でありますとか、それから国際的ないろんな業種の間の垣根が取り払われていくとか、相互乗り入れであるとか、そういう現象が生じてまいっておるということでございます。それに、保険需要の動向というのはそういうことも背景にあって、また一方、高齢化現象というようなこともありまして、一つは保険として保障だけでなく、一つの金融商品としての側面、これについて関心
を示す、そういうニーズが次第に出てきておる。それから、高齢化社会という関係から、子育てを終わりました夫婦の生活の保障の問題、さらには今回御審議をいただいておりますような介護を要すべき老人の問題、このようなものが保険需要という点では大きなニーズということに結びつくということでございます。
#38
○小川仁一君 社会経済の推移の動向なんて大上段にかぶって来られますと、もっと詳しい内容があるんじゃないかと。金融の自由化とか、国際化ぐらいのところで、経済の推移だの、長寿老人がふえることが経済の変動の動向なんということじゃないだろうと思うんですよ。やはり基本になるものをきちっと言ってもらわないと、部分だけの適用によって社会経済の推移なんという大きなだんびらをかざされますと、こっちはびっくりしますから、もう少し国民生活にどういう影響を与えているのか、社会経済の動向がですね。そういう点をきちっと言ってください。そうした上で保険とのかかわりというふうに御説明を願いたい。
#39
○政府委員(相良兼助君) 高齢化社会の現象ということについて考えますれば、次第に六十五歳以上の高年齢層の方々がふえる。一方、出生する子供の数が次第にこれまた低下をしてまいるというようなことでありまして、ロングレンジに見ましたときに労働人口の、つまり高齢者を支えるべき層が次第に薄くなってまいる。そういうことから一般的に財政負担が増大をするといったような現象が生じてまいりまして、しかしそれにも限界がある。これらに対応する自助努力の一環として、その役割に、使命といたしましての生命保険あるいは年金の存在価値というものがますます重要になっていくだろうというふうに理解をいたしております。
 それから、金利、金融、国際的にも金融の自由化というようなことになりますと、既に昨今、次第に国内金利は低下をいたしておりまして、そのために金利選好という状況がかなり色濃く出ておる、保険に対してもそういう面のニーズあるいは御要望というものもだんだんふえてまいる、このようなことを申し上げておるわけでございます。
#40
○小川仁一君 今おっしゃられたことは、いわゆる保険事業やなんかについての社会経済の推移なんであって、日本の政治全体の推移というふうな意味ではないわけで、もう少し私はここの中に多くの課題が入っているものと考えておりました。
 例えば長寿社会、こういったような場合には保険だけではなくて公的年金の問題がある、医療費の問題がある、こういったものも含めて多くの課題がある。その課題の中における保険なら保険というふうにお話しいただけるものと考えておったんですが、そっちの方はお話しありませんので、今度は逆に私の方からお聞きいたしますが、国民のニーズ、ニーズとおっしゃいますけれども、今度の私、売上税問題やなんかでマル優問題をお話ししてみても、国民のニーズというのは、簡易保険や生命保険に入るような状態の政治はお断り。そういうものに参加をしなくても済むような公的年金の支給、あるいは医療関係の一定年齢以上の無料化、こういうものが完備されれば、簡易保険や生命保険なんかなくてもいいという考え方の方が中心でございました。そういう状態がないから、やむを得ず貯金もすれば簡保にも入るんだと。だから、発想が逆じゃないですか。
 で、これ古くなりますが、六十年の四月の国営任意生命保険の将来展望に関する調査研究会の生命保険事業の将来動向と簡易保険事業の役割という中で、七ページに書いてあるのを見ますと、「今後における公的年金制度の改革により給付率の引下げ、支給開始年齢の引上げ等が不可避となり、」と、こう書いてある。これをどう受けとめたかわかりませんが、このことが今度の、あるいは皆さんがおやりになっている簡易保険とかなんかのニーズの対象とか、あるいは増額をする対象の前提になっているのですか、どうなんですか。
#41
○政府委員(相良兼助君) 今、先生御指摘のくだりが今回の保険の開発の端緒となっておるかということにつきましては、必ずしもそれがストレートであるというふうには申し上げられないというふうに思います。既にこれらの介護を要すべき状態にある方のためのニーズにおこたえをするという保険につきましては、その前の段階からも構想としてはありまして、それらの必要性というものにつきましても省としても考えてきていたわけでございます。
#42
○小川仁一君 先ほどは政府の総合福祉政策大綱みたいなものを御説明になりましたが、大臣にお伺いしますが、閣議自身の中でも年金の引き下げとか、あるいは支給年齢の繰り上げとか、こういったようなことが話し合われているんでしょうか。そういう問題については、政府としては性格をどういうふうにお考えになっているんでしょうか。これは閣議決定のことについてお伺いをします。
#43
○国務大臣(唐沢俊二郎君) 先ほど総理府からお話がありましたように、昨年六月ですか、長寿社会対策大綱ですか、これを決めまして、これが基本的な方針を決めて各省で今努力しておりますが、実を申しますと、長寿社会になりますと、今先生言われました公助ですね、これで十分なことがなかなか期待はできない。公助のほかに互助、助け合いですか、ボランティア、こういうものもこれから我が国は力を入れていかなきゃいけない。やはり天は自ら助くる者を助くということで、自助努力も非常に大事なわけでございます。そういうことで、今各省、これは何か長寿七秘訣――七秘訣というのは労働、生きがい、栄養、休養、趣味、学習、スポーツですか、やっぱりこういうものがそろわないといけないんで、これは非常に各省マターになるわけでございまして、今各省それぞれ自分の分野でやらしていただいておるわけでございますが、やはり長寿社会になりますと、何といいますか、いろいろ年金、保険料を負担する世代ですね、やっぱりそれとの負担の公平といいますか、そういうものも図っていかなければいけないということで、やっぱり自助努力というものが非常に必要となるんではないかということで、我々といたしましても今度また法改正をいたしまして、夫婦年金を創設いたしましたり、また、このような介護保険ですか、こういうものを今御審議いただいておるところでございます。
#44
○小川仁一君 今言った自助努力というのは、公的年金あるいは医療の無料化、そういったようなものを現行のままでいて、なおかつ自助努力が要るという前提でお話をなさっているのか、これには「給付率の引下げ、支給開始年齢の引上げ等が不可避となり、」と、こういうことを答申をなさっているが、そのことが前提なのか、どちらが前提なのかということを聞いているんです。
#45
○国務大臣(唐沢俊二郎君) 正確なことは申し上げられないんですが、これから長寿社会になる、六十五歳以上の者が占める割合が昭和七十五年になると一五%を超える、昭和九十年だと二割を超える、こういう見通してございますから、こういうお年寄りに対する労働生産人口というものが相対的に減るわけでございますので、そういう意味で、やはり今まで以上に私は自助努力というものが必要になるんじゃないかと思っております。
#46
○小川仁一君 大臣の答弁というのはそういうふうになさるものだというふうに理解をいたしますが、自助努力というものの言い方の中に、先ほど来申し上げているように、何かしら老後不安、長寿社会不安というものだけをあおって、一面でですよ、そして年金も改悪されますよということも、前提にはしないとしても一面で文書や何かであおっている。そうしていながら、はい、簡易保険は、生命保険は、介護保険はと、霊感商法という言い方は当たらないと思いますけれども、何か感じ的に似たような感じがするんですよ。だから私は、老後は不安はないように政府が努力をしますということ、年金も引き下げませんよということが大きな前提になって、簡易保険その他の自助努力対象はこの程度でいいのですよという言い方ならわかるけれども、どうでしょう、その辺、もう一遍答弁してくださいよ。
#47
○国務大臣(唐沢俊二郎君) 大変基本的な、重要なことについて小川先生からお話があったわけで
すが、私も大体小川先生と同じような考えを持つのでございますが、初めはたしか高齢化社会と、こう言っておりましたね。これが問題だ、問題だと言っておりました。我々はそうではなくて、これからは非常に夢の多い、活力あふるる社会ということで、高齢化社会という言葉はやめようということで、長寿社会という言葉を使っておるわけであります。ですから、政府といたしましても各省、総務庁が中心になって調整しておりますが、できるだけのことはやらしていただこうと思って努力をいたしておりますが、そういう活力あふるる長寿社会を皆様に享受し、謳歌していただきますためには、やはり公助で足らない分は、日本はやっぱり諸外国に比べてボランティアの活動とか互助の面でもまだ欠けておるところがあるので、さらに自助努力をそこに足していただいて鬼に金棒、こういうことで非常に明るい夢のある活力あふるる長寿社会を建設いたしてまいりたいと考えております。
#48
○小川仁一君 失礼な言い方ですが、どうも私がお聞きしているところとはすれ違いがあるようですけれども、ぜひ今後こういういわゆるあなた方のおっしゃる自助努力、違った言い方をすれば、何か将来不安だから保険に入っておきなさいよといったような言い方、ここの中に、特に簡易保険が民間の保険と違って政府がおやりになっている官業でございますだけに、そういったような印象を、官業自身が国民に不安を与えるような、長寿社会なり何かに不安を与えるような印象を持ってお勧めになるというと、これは非常にまずい結果になると思いますので、ぜひその点は御配慮を願いたい、そう思います。
 続いて具体的にお聞きをいたしますが、年間簡易保険八十万円ぐらいずつ支払いになるようですが、八十万というお金を、そして十年間をという期間をつくった、この八十万の金額が出た根拠をお聞かせ願いたい。
#49
○政府委員(相良兼助君) 現在、簡易保険に加入いただきます最高の限度額は一千万円ということになっております。この一千万円ということで介護保険を設計いたすということでございますが、その際できるだけ介護のための保障を重点にということで考えたわけであります。したがいまして、一千万円の保険に御加入いただくならば、そのうちの八割というものを介護のための分とする、性質上終身保険といたしておりますので、死亡時に死亡保険金が支払われるということにも相なるわけでございますので、残りの分二百万につきましては死亡保険金としてお払いをする、これは一千万円の例でございます。その結果、先ほどちょっとほかの委員の先生にもお話し申し上げましたけれども、十年程度の間にこれを分割をいたしまして、介護のための費用としてお支払いをするということで期間を十年、その結果十で割りまして八十万と、例でもって御説明をしますと、そういうことになるわけでございます。
#50
○小川仁一君 そうすると、保険金の金額の中から割ったということであって、介護を必要とする寝たきり老人とか、あるいは困っている人たちの具体的な介護条件あるいは医療条件、生活条件、そういうのは全然考えないで出された数字なわけですね。
#51
○政府委員(相良兼助君) 最高根度という点で、本体の保険契約におきましては、このように年額八十万という数字に相なりますけれども、今回、同時に特約の部分につきまして手当てをいたしまして、特約を付していただければそちらの方でさらに年間百万の増加ということが可能になりますので、そうしますと年間合わせまして百八十万、大体月額十五万の介護のための、給付のための費用を賄うにほぼ足り得るだろうということを考えておるわけであります。
 なお、全般的にはなかなかこの種の資料はないわけでございますけれども、東京都かのある機関での、ごく一般的な介護に必要とされる経費がほぼ月額十万円であるということも、私どもが設計しました際の参考資料というふうにいたしておるわけでございます。
#52
○小川仁一君 あのね、聞いたことにきちんと答えてくださいよ。私が聞いたことに答弁してください。考えたか、考えないかということだけ聞いたんです。
#53
○政府委員(相良兼助君) 今申し上げましたような東京都下の一つの機関の平均的な介護のためにかかる費用というのは参考といたして考えております。
#54
○小川仁一君 他の保険とか年金とか、みんなプラスすれば十五万が二十万、二十五万にもこれはなるでしょう。この年齢で例えば郵政省の職員がおやめになるというと、十五、六万の年金は月額入ってくるでしょうから、仮に郵政省の職員の方でそういう方があったとすれば。そのほかに特約保険に入っておって、簡易保険に入っておって、介護保険に、民間生命保険に入ったらそれは間に合いますよ。そういうふうなことで八十万がはじき出されたんではないと思うんです。八十万というものは、その年齢の中における一定の平均的な人の収入と、それからかかる介護の費用というふうなものを計算して八十万というものを出したのかどうか。そうじゃなければそうじゃないと、こう御答弁いただければいいんです。
#55
○政府委員(相良兼助君) 先ほど申しましたように、平均的に十万円という試算もございましたので、それを賄うに足りるような介護保険を設計をしたいということで、しかし一方に加入限度額がございますので、そういう中でのいろいろ組み合わせ等知恵を絞りまして、今申し上げましたような八十万プラス百万、月額十五万相当ということになっております。
#56
○小川仁一君 私は、かなり親切なお話があって、いろいろ見てこういうふうな金額を出したかと思ったんですが、どこかの平均的統計を一つ聞いてきて八十万、月割りにすると、十二で割りますから六万六千円ぐらいですか、そんな程度で介護ができるようなお話、しかも平均なら十万かかるけれども、これで入ったらその六割、七割ぐらいしかできないと。だから、あなた方こういうのをつくるとき自分の方の商品とか、金額とか、運営とか、そういうものだけが前提にある、官の発想だ。さっきは商品の発想と言ったけれども。私は、郵政省がおやりになる仕事というものは、国民のそういう人たちの具体的な状況に立った発想であってほしいと思うから、こういうことを申し上げているんです。もうそれ以上はこの問題は聞きません。
 それで、寝たきりまたは介護を要するという、そして一年に八十万支払うという場合の、いわゆるそういう状況の認定あるいは申し出、これはだれがどういうふうにし、どういうふうにして認定するんですか。
#57
○政府委員(相良兼助君) この介護の状態になるということの認定につきましては、医者の診断書あるいは証明書、それを私どもの簡易保険事務センターにおきましてその作業をして認定をするということに相なります。
#58
○小川仁一君 それを申請する人はだれですか。痴呆性老人は自分じゃ申請できないわけですから。その場合に、仮に子供が長男、次男、三男なんというふうにあって、受取人が、本人が掛けて本人だった場合というふうなときには、だれの申請で認定をしたり支払ったり、一体だれにそれを支給したりするんですか。
#59
○政府委員(相良兼助君) 確かに独居老人がふえてまいっておりまして、一人暮らしの御老人という問題も大変深刻でございますけれども、しかしながら、おおむねやはり御親族あるいは御近所ということで、全く他と絶縁をして生活をされるという方は絶無ではないにしましても、かなりレアケースであろうというふうに思われます。したがいまして、そういう状況というものにつきましては、そういう方々からの御申請その他があるものというふうに考えておりますけれども……
#60
○小川仁一君 だれよ、具体的に。
#61
○政府委員(相良兼助君) まあ、その人によっていろいろ違うと思いますが、今申しましたように親戚縁者でありますとか、御近所、隣家であると
か、そういうことに相なろうかと思います。
#62
○小川仁一君 もう一遍はっきり聞きますわ。本人が掛けて受取人が本人になっている。私はさっき独居老人のことを聞かないで、家族の方のお話をしたら、あなた独居老人の方の御答弁をなさった。独居老人であった、家族は離れている、医者にかかった、痴呆性だったと、こうなったときだれが申請するんです。その辺の付近の人が申請してもお出しになるんですか。
#63
○政府委員(相良兼助君) この介護保険につきましては継続して給付をするという性格のものでありますので、御加入をいただきまして、お一人というような状況の場合には、できるだけ補佐人もしくは後見人の方を御指定いただくということで取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
#64
○小川仁一君 そうすると、これは最初から申請を対象にする人、本人が掛金を掛けて本人が受取人になっているときは、契約の時点で、後見人とか介護申請をする人というのを特定をして契約をするわけですね。
#65
○政府委員(相良兼助君) 法定代理人の方としての、あるいはそれに準ずるような方の指定というのをお願いをしたいわけでありますけれども、もし仮にそういうことがないという場合は、保証に立たれる方がおられれば、その保証という制度を利用しながら支払いをしたいと、このように思っております。
#66
○小川仁一君 持ち時間なくなりましたからやめますが、後でいろいろお話し合いをして聞きますけれども、私ぐらいの年齢になりますというと、なかなかにこういうことは非常に難しい問題になりそうな気がするんです。現に私は九十二歳のおふくろを扱っておりますけれども、これはやっぱりお金を申請をする、これを支給するというかかわりは、事やっぱりお金にかかわりますと、金額の大小でなく、いろいろな問題が絡む可能性を持ちます。それで、特に私は特定して痴呆性老人の場合はというふうにお聞きをし、本人が掛金を掛けて本人が受取人になるというふうな言い方を限定して申し上げたわけですけれども、よほどきっちりした契約文書、あるいは事後を含めた形のものをつくらないと、申請をした途端につまらない争いが起きて、御本人の介護にはお金が使えないという状況なんかできては、せっかくの皆さんのお気持ちもまずくなると思うから、本当にいろんな角度から検討をして、そして本当に細かい配慮をした契約を前段でおどり願いたい、このことを申し上げまして、質問を終わらしていただきます。
#67
○大木正吾君 同僚委員のずっと質問を伺っておりましてのこれは感じ方なんですが、大臣に冒頭失礼ですが伺いますけれども、痴呆という言葉が出てくるわけでございますけれども、介護、これは当然のことなんですが、何かこの委員会が逓信委員会なのか社労委員会なのか、感覚がちょっとしびれてきている感じなんですが、昔は、東南アジアその他の国は、後進国と言っても平気だったんですよね。外交・安保なんかへいきますと、北鮮、北鮮と言って、どなられてね、正式に朝鮮民主主義人民共和国なんと言う方もいらっしゃるんですね。
 同時にまた、老人問題で敬老の日というのが九月にありますよね。あの日に全国から老人が集まってくるんですが、この老人という言葉自身が問題なんですが、これは若い方は余り感じないんですよ、感じないですがね。こういうふうに言っているんですよ、退職者集会と。こう言っているんですよ、わかりますか。だから私はお願いしたいのは、民間の保険会社と簡易保険局、あるいは郵政省が保険の問題で競争することはいいですよ。いいけれども、この内容を見て扱ったときには、やっぱり私は、商品というような問題の扱い方はやめてもらいたいという気持ちがするんで、きょうこれの適当な言葉が見つかりませんが、そういった考え方を少しく、例えば後進国が開発途上国になりました、今では発展途上国とも言っていますわね。
 そういったこともありますし、私たち自分が扱ってきた問題で、老人といったらもう、私は四十歳である、先輩は六十歳であると、ぴんぴんしていると、そのびんびんしている人に対して老人と、こっちは平気で仲間同士言うんだけれども、いや、老人と呼んでほしくないんだなと、こういう話が返ってくるんですよね。ですからその辺のことは、こういったような保険を新しくつくることは結構でございますが、少しくきょうすぐに云々じゃありません、ありませんが、そういった心理的な問題、社会的な問題についても御配慮願いたい、こういうふうに考えておりますので、これは大臣の答弁もらっていると時間がかかりますから、ぜひそういうことをお考えいただきたい、こういうふうに申し上げておきます。
 で、内容にちょっと入りますが、改正案の主要点でございますが、介護手法、そういった問題等ございますが、今同僚委員が質問いたしましたけれども、これに対する便宜の問題でございますから、特段法案のこの扱いについては、細目について私どもからは質問いたしません。問題はこういった形をやっぱりどんどん工夫していただくことは結構ですから、これからもこういった問題については御研究なりあるいは御検討などをしていただきたいことがこの問題に対する私のお願いでございまして、先ほど民間の会社等の話もちょっと出ましたけれども、そういったことを含めてひとつこれからも御検討いただきたい、こう考えています。
 そこで問題は、改正点の幾つか問題出てきますが、金融自由化という問題の中で、結局例えば社債、国債、要するに運用関係に絡む問題でございますけれども、百分の十を百分の二十にしましたと、国債あるいは保有制限、社債ですね、同時に簡保資金福祉事業団を加えましたと、三つ目に資金運用事務の追加問題として国債、地方債など有価証券、預金または貯金、金銭信託というようなこと等が入ってきておりますね。これは大蔵省と両方に伺いますが、このときにはもう少し幅広い要求なり話し合いというものはなかったんでしょうか、あったんでしょうか、その辺はどうですか。
#68
○政府委員(相良兼助君) 資金の運用範囲の拡大あるいは運用対象の多様化につきましては、かねがね簡易保険として取り組んでまいったわけでありますけれども、特に昨年の予算編成等につきまして郵政省の要望いたしました点を御説明申し上げて、それでよろしゅうございましょうか。
#69
○大木正吾君 大蔵とはどういうやり合いやったのかということを言わなかったらわからないじゃないか。あなたがどういう議題にしてこっちはこう答えましただけじゃ話にならぬよ、それはもう。
#70
○政府委員(相良兼助君) 昨年度私どもが要求いたしましたものはいろいろございますが、資金の運用の中身について申し上げますと、私どもは例えば株式の売買をできるようにしたいということも要望いたしました。それから金銭信託の中でも特定金銭信託の運用ができるようにということも要望いたしました。そういうことで折衝いたしたわけでありますけれども、合意を得るに至らず、今回御提案を申し上げておりますような指定金銭信託を事業団を通じて運用をすると、さらに現在も運用対象といたしておりますけれども、社債、外国債の保有制限百分の十を百分の二十にふやすといったようなことで今回の法案の提出ということに相なっておるわけでございます。
#71
○説明員(米澤潤一君) 簡易保険制度がやはり金融の自由化に対応して資金運用範囲を拡大していく必要があるんではないかという御要望がございまして、それは時代が変わってまいりますから、簡易保険としてもそのポートフォリオの多様化を図って加入者のニーズにこたえていく必要があるということは私どももそのとおりだと思いまして、御相談したところでございます。その御相談の結果、かなり画期的なことだと思いますけれども、まず社債につきまして、従来は公益七業種という社債に限られておりましたけれども、これを
事実上企業種に拡大するということで、社債の範囲が飛躍的に拡大いたしました。
 それから外国債につきましては、従来外国の公共債に限られていたわけでございますけれども、これも外国の一般社債にまで拡大いたしました。去年の四月の八日の当委員会、それから先週金曜日の当委員会でも御答弁申し上げておりますとおり、国の会計がみずから運用するという限りにおいては、やはりぎりぎりの限界がそこまでで、元本保証のあるところというのが、一つどうしてもこれは財政の節度としてひっかかってしまう点ではなかろうかということで御理解をいただきまして、簡易保険の特別会計がみずから運用するというものについてはそこまでとすると。しかし、一方でやはり事実上のポートフォリオの中身としてハイリスク、ハイリターンのものもこの中に一部入れる必要があるんではないか。しかし、国が特別会計の積立金をハイリスク、ハイリターンのものにみずからリスクを負うということになるのはやはり問題があるのではないか。
 そこは幸いと申しますか、加入者の利益増進を図るための簡易保険の事業団というものがございますので、この事業団の事業を拡充して、それを通じてそういうハイリスク、ハイリターンのものも民間の人材も活用しつつ、そしてさらには国が直接やるのに比べますと、事業団というのは、予算の統制というのも国の会計よりは自由がきくわけでございますから、そういうものを活用してやることにしようという画期的な運用対象の拡充を合意の上お願いしたところでございます。
#72
○大木正吾君 社債は、これは資本金六十億以上の会社ですね。だからあなたは画期的とおっしゃったけれども、六十億円以上の会社というのは幾つあるかね。今百二、三十万ある会社の中で大体見当として一割もないな、大体五%あるかないかじゃないか、これは見当だけれども。余り画期的でないよ、これは。
 それから関連しまして、二、三伺いますが、実はこれは、年金は新しく最近始めたばかりですから余りウエート持っておりませんが、財投に対する簡保と年金の協力の度合いといいましょうか、あるいは貢献の度合いといいましょうか、そういった問題については、実は昭和五十一年には一〇%前後であったんですね。それが六十一年に一四・二%になり、そして六十二年に一四・六%になり、大臣いらっしゃるから申し上げますが、予算委員会ならば税金が足らないからこっちへ回したんだと、こういうことになっていくわけでしょうね。大体これはそういうものですね。
 いずれにしてもそういった状態で、財投に簡保資金等が結果的にはやっぱり大変な協力をしていることは間違いないわけでございまして、その中身ですね、これちょっと僕も驚いたんですけれども、六十二年度がどういう計算の仕方になっているかわかりませんが、昭和六十二年度簡易生命保険及び郵便年金積立金運用計画となっていまして、それは財投資金そのものではありませんけれども、結局内容を見ていきますと、政府関係の機関に対しまして構成割合が四八・七%であり、そして今度簡易保険、ことしの分について見てみますと、これが七二%かな、何かべらぼうな数字になっているんですが、その辺のくだりについて、これは保険局長から答えてもらいましょうか。
#73
○政府委員(相良兼助君) 最近の財政投融資に対しますところの簡保・年金資金の協力と申しますか、構成で申し上げますと、大体七二%という数字になっておるわけでございます。
#74
○大木正吾君 そういうことなんでありまして、どうですかね、六十億程度の資本の会社の社債をやるよりは、保険局長どうかね、NTTの株を買った方が安定するんじゃないの。KDDの株買った方が安定するんじゃないの。国民は安心するんじゃないかね。その辺はどうかね。どっちも割合に、きょうあたりは二百九十万ぐらいしてるかもしれませんが、三百十五万までいった株だけれども、そんなに乱高下ないよ。横須賀通所見ただけでも大変なものだ。大臣からもっと人間減らせと言われて、裸でやっているんだからね。だから、がくんといく心配ないですよ。株でも資産株と値ごろ株というか、適当に投機屋が入ってもうけておる株ありますよね。
 そういった面でもって大蔵省は非常にかたくななんだな、おれに言わせると。頭かたいんだよ。あんたのところで財テクやっているんだろう、本当言って。ことし百九十五万株売って、電電の株で幾らもうけたんだ、一体大蔵省は。自分のところはさんざんもうけておいて、そうして人の金を、国民の金を取り扱うと言って、恩着せがましいこと言ってさ、それで一番安定株のものを買っちゃいけないって、そんなばかなことないですよ。ちょっとこれ漫談調じゃいけませんけれども、まじめな話として聞いてもらいたいんだけれども、やっぱり安定株というものについてはもう一歩踏み込みませんと、さっきの七二%じゃありませんけれども、とてもじゃないけれども保険加入者に対して決して利益を与えることになりませんよ。その辺は郵政、大蔵どう考えますか。特に大蔵省に聞きたいですね。
#75
○説明員(米澤潤一君) 毎度同じ答弁で甚だ恐縮でございますけれども、やはりこれは一つの制度論であろうかと思いますが、元本保証の制度的にないものを国の会計が運用するということはいかがかと思いますけれども、今度の改正でお願いしております事業団を通じる指定単独というのは、事実上そのポートフォリオの中には株の値上がり益も享受し得るものでございますので、その辺が限界ではないかというふうに考えております。
#76
○政府委員(相良兼助君) 現に昨年の予算要求では、郵政省といたしましては、株式への運用ということを要求いたしたわけでありますので、私どもといたしましては、現在の日本経済の成長、特に戦後の成長の度合いということを考えますと、短期間にディーリングをいたすならいざ知らず、長期的に発生をいたします生保・年金の資金でございますから、長期間株式を保有すれば、過去の実績から見まして消費者物価の騰貴率を上回る、それも二倍、三倍と上回るような収益力を示しておるわけでありまして、必ずしも株が長期間で見た場合はリスクが高いというふうには思わないわけでございます。特に、これを一部の債券等と組み合わせて最適のポートフォリオを組むということになりますと安定的なものになるということもありまして、私どもとしては、そういうことで株式の魅力にはまだ引かれておると申し上げるわけでございます。
#77
○大木正吾君 私たちも応援するから大臣がいる間にどんどんどんどん、ちょうど大蔵大臣もぐらぐらぐらぐらして、総理になりたくてしようがないわけだから、今おだてておくと非常に調子いいからやったらいいですよ、これはもう。私は電電出身だから、私が働いた分幾らか残っているんだから、株の中にはさ。言わしてもらいますよ。とにかくあなた、自民党税調会長とも三回ぐらい会った。ことしも会ったんだからね。それは株の問題じゃありませんけれどもね。
 それで、問題は、民間の生保との比較の問題なんですよね。これが実は問題になってくるわけで、ここにちょっと表を持ってきてみたんですけれども、民間の生保、これの六十年度の増加資産のいわゆる割り当ての運用の仕方。七兆九千三百九億円が総額ですね。このうちの三兆二千三百六十二億、四〇・八%、預金、特定金銭信託、そして株式一兆一千九百二十二億円。しかし、さっき申し上げた特定金銭信託の中には、背景に株があるということを御承知願っておきたいですね。それから貸し付けが大体一兆三千八十二億、公社債が一兆七千三百八十七億、こういうような数字が出ているわけです。これが五十五年度の比較でもって出ているので、この表を見ますと、五十五年度の場合には株式が四千六百五十億円、公社債四千八百九十七億円、総額の約半分ですけれどもね。貸し付けは二兆二千百七十三億円というような数字が出ているわけです。
 だから、どう見ても民間の生保の場合には、相当バランスをとってやっているけれども、やっぱりそのときの金融事情、為替事情、債券事情等々
あわせて、大体見通しといってもきょうの株があした三分の一にがくんといくわけはないんですからね。これは小さい会社のことはわかりませんけれども、まあ河本さんの会社なんかだめでしたね。しかしああいうのは特別な例なんであって、大体三年か二年ぐらいは中期的には見てるわけで、三年後は危ないよ、本当に。ダウ平均恐らく三万円ぐらいになるかもしれませんけれどもね。三万円になった途端に大恐慌になるかもしれないので、株の方は大体二万六千円か七千円ぐらいでもってやめておいた方がいいと、こういう感じを、私は素人的にしている感じを申し上げているわけですからね。
 そこで大臣、日経新聞ですが、けさ私、ちょっと田舎から出てきて本会議に出なかったんですけれども、お葬式がありましてね。それで、生保は土地を信託にする。要するに株から今度は金の延べ俸ね、その次は土地だ。土地をちゃんと返す条件つきでもって、これは信託でもって、いわば何というのですか、土地債券というのか、土地信託というのか、そういったものを開発しようとしているわけですね。ここまで打っちゃっているんですよ、世の中は。財テクということはけしからぬと私は思っているけれどもさ。庶民から金を集めたものはやっぱり工場生産に使ってもらって、ところが工場生産をしようといったって、あなた方の政府の責任でもって経済計画がそういうふうになっていないから、結果的には金はどんどんどんどん財テクヘ回っていくわけでしょう。それは余分なことだけれども、いずれにしてもここまで行っているということをよく御認識願うと、電電株とか国際株とか、日航株とか、日航はちょっと危ないかもしれないけれども、これは落っこちるからね。そういう点でもって危ないんですが、とにもかくにも、もうちょっとこれ、どうも大蔵省といつも毎年やり合っているものだから、やりにくいんだけれども、ちょっと大蔵省、そういったことでもって、もうちょっと何か弾力的な方法を考える方策はないですか。
#78
○説明員(米澤潤一君) 簡易生命保険の運用対象につきましては、当初は例えば昭和三十年には国債及び郵政事業特別会計等、国に対する貸し付け、いわゆる財投協力部分と金融債だけであったものが、その後昭和三十八年に電力債が入り、四十九年にガス、私鉄が入り、五十三年に東銀が入り、五十四年に自動車運送、航空運送、電気通信等の社債が追加され、五十六年に外債が入りというように時代の流れとともに拡大してまいりまして、先ほど申し上げましたように、六十二年度にはこれらの歴史を全部ひっくくったよりもさらに大きな画期的な拡大をしたところでございますので、私は、現在のところの経済情勢で、簡易保険の運営には十分な運用対象ではないかと思っております。
 大変繰り返しで恐縮でございますけれども、やはり国が株を持つということについては、どの株を選ぶかという問題もございましょうし、そういういわば市場に与えるインファレンスというようなものもございましょうし、リスクの問題もございますので、大蔵省といたしましては、これは毎回同じ答弁で申しわけございませんけれども、消極的にお答えせざるを得ないところでございます。
#79
○大木正吾君 国がバックにおるから、信用があるからおまえたち商売できるんだということと、株はどうしてもやっぱり危いからやめろという、これは大体大正生まれの私たちが考えることなんであって、あなたなんかもうちょっと進んだ考え方を持っていいと私は思うんだけれどもね。そこはいいです。
 そこで、大臣、最後にちょっと時間が残るかもしれないけれども伺いたいんですが、個人年金、ここに社労委員長やった高杉君がいるわけだけれども、この人社労委員長やった経験があるからよく知っていますし、年金じゃ神様ですけれどもね。夫婦二人で、今十五万円でもって生活できますか、どうですか。大臣どう思いますか。あなたと奥さんで十五万円でもって生活できますか。
#80
○国務大臣(唐沢俊二郎君) それは委員長に伺った方がいいかと思いますが、最低生活なら私はできると思います。
#81
○大木正吾君 要するに大蔵省の課長が盛んに、国の信用をバックにしてやっているんだから郵貯には余り自由に運用させないよと、こう言っているんですよね。そうでしょう。ところが、十五万円では、大臣も声小さくなってしまうんだけれども、どうも危ないと、こういう感じなんだから。国がくれる年金で、十五万でもって生活できないということは、国に対する信用というものがだんだん――私がきのうですか、おとといでしたか質問したように、どうも将来危ないな、こういう感じになっていて、余りいいことじゃないですよね、これ。
 これは私の女房のものなんです。(資料を示す)郵便年金が誕生しましたときに、えらい熱心な局長が近くにおりまして、座り込まれたんですよ。それで、掛けた金額はたしか三百何十万ずつ三回か四回掛けまして、一千一百万ぐらい掛けた覚えがある。そう言っても私は金持ちじゃないんです。女房が自分の金で掛けた。これ贈与税がかりませんからね。これと、持ってきたのは大正生命だから余り大きな――それと第一生命のやつもありますがね。これ見ると大体において、金利にずっとラインがあるわけですよ。見えますかね。下の青のラインが元本に対する三%の金利、こういうやつですね。これは特別の何かつくんですよ。さらにその上に三段階で、これは郵便局でやっている郵便年金ですから局長は知っているはずですがね。
 これは何か資料拝見したら、三八・何%かな、ことし随分とふえているんですよ。保険は一〇%までいかなかったですね。なぜこれふえているかということは、あなたはその背景はどういうふうにお考えになっていますか、ちょっと聞かしてくださいよ。
#82
○政府委員(相良兼助君) 先生御案内のとおり、現在の郵便年金は昭和五十六年度に装いを新たにしまして、戦前からの郵便年金を新しくしてやってきたものでございまして、まだ五年程度で大変歴史が浅いわけでございます。したがいまして、対前年度の増加率ということになりますと、分母が少ないものですから、五千七百万件以上を数えます保険の方の伸び率と比べますと二倍ないし三倍の伸び率を示しておるということが一つございます。
 また、年金につきましては、昨今ふえておりますのは、当初は終身年金の方が多かったんでありますけれども、昨今では定期年金、つまり公的年金へのつなぎとしての五年とか十年とかいう期間、定期的に一定期間の保障をいたします年金がふえてまいっておる、そういうことでございます。
#83
○大木正吾君 それで問題は、これにもやっぱり大蔵省が若干絡むのかもしれませんけれども、民間の場合には基礎のところが、この青い部分ね、この青い部分の毎年の金利五%と見ておりますよ。だんだんこう上がっていくんですね。据え置きです、これは。掛けっ放しですからね。女房が早く死ねばわしがもらえるんですよ。私が今度女房の次にもらう権利を持っていますから。もし加入者に事故があった場合にはというところに私の名前が入っていますからね。まあそれは変な話だけれどもさ、そういうふうになっちゃっているわけだけれどもね。私が仮に入れば、私が死ねば女房がもらうことになるんですがね。
 ただ問題は、これを民間と比べたときに物すごい商品の、これこそ商品なんですよ。大変な違いが出てくるんです、最終的にはね。十五年ぐらいしますと、大体において一千万ぐらい違ってくるんですよ。ということは、一千万ということはトータルですよ。トータルで十五年間にもらった年金が、年金の総額が郵便年金の方が約一千万近く少ない、こういうことなんですよ。これを一遍保険局長計算したことありますか。きょうたまたまここに、時間がなかったから、同じ条件のものを持ってこれなかったんですよ。同じ条件のものを事
務局で調べてもらって、一遍これはやっぱりやった方がいいですよ。
 保険の募集も大事だけれども、私はむしろ、まあ井戸端会議でもってお母さん方と話をしますと、おばあちゃん方と話をしますと、やっぱり先生、私たちは年とったらどうすればいいんですかと、こういう話から始まって、まず一つは年金に入りなさいと。それもやっぱりあなた、政府の年金じゃ飯は食えないからね、やっぱり個人年金でもって少しは補てんしなさいと。その次には、土地が三十坪ぐらいあるから、その土地を早いうちに分割をして、自分の息子か孫か、だれか遺族に分割して、一平米ずつでいいから、東京二十三区は大体公示価格でもって百万前後大抵していますからね。大臣びっくりしているけどさ。だからたくさんはだめなんですよね、あれ。結局だから贈与税なんかもかかってくることもありますししますから、とにかく登記所なんかと相談しながら、一平米ずつを十年間やったところが、ちょうどこれが三坪なんです、三坪ね。しかし三坪といえども、これをもし時価でもって買えば一千二百万から一千五百万するんだからね。そういった知恵をつけながら教えてあげているんです、一生懸命に塾みたいにさ。そういったことは政治家としてきめ細かい仕事の部分なんですけれども、大きい仕事はまた大きい仕事で別にやりますけれどもね。
 こういったことが私は大事な問題ですから、やっぱり郵便年金なども、これからは保険も大事な問題には違いないですけれども、しかし生まれてまだ五年しかたたないということ、よくわかりますよ。わかるけれどもさ、やっぱりさっき大蔵省――ここは大蔵省認めますよね。大蔵省さんがついているからと、こういう話をすればいいわけで。
 だから、僕はいつも言うんだけれども、建設国債と定額郵便貯金と証書二つ持っていって、どっちを信用するかといったら、どっちも同じに信用しますと、こう言うから、建設国債をGNPの一・五%ぐらい出したって平気じゃねえかと、こういうふうに話をするんだけれども、この人はうんと絶対に言わないからね。
 ちょっと話余分だけれども、とにかくそういったことで、ぜひ年金問題について、私はこの年金の説山があったときに、ぼおんと言ったことがあるんですよ、保険じゃないよと、これからはね。政府が今度あと三年たったら、国民年金を吸収して、またもっと利率を悪くするんでしょう、恐らく結果的には。払いがたくさん出ていくだけでしょう。そうしたら結果的には自己防衛しかないんだからね。
 だから、これからは、保険局長ね、大臣の言うことを聞くのも大事だけれども、まあ反抗をしたら首切りになるかもしれぬけれどもね。しかし、やっぱり大市なことは、あなたこれからも、保険局ずっとやっていくんだから、とにもかくにも年金の方にもっと力を入れてキャンペーンなり、あるいは、おたくでもうからないとかもうかるとか、そういうことは余り考えちゃいけないですよ。国民のために、老後生活を守るのにどうしたらいいかということをちゃんと職員の方々にも教えてやっていただいて、自分の手数料が幾らになるかじゃないと私は思うよ、本当に。そういうことを考えて、ぜひ年金の本来の姿をいわば映し出してもらいたい、これが私のお願いでございまして、大臣からぜひ一言お願いしたい。
#84
○政府委員(相良兼助君) 新しい年金を発売いたしましたときに、早速お入りいただきまして大変ありがとうございました。
 一般的に私どもの郵便年金と民間の年金を比べますと、私どもの方は三%の逓増制という形を基本的な仕組みといたしておりまして、民間の方は定額制ということで、そういう差異がありまして、特に当初の間では、民間生保の方が手厚い保障になっておりますけれども、私どもの郵便年金の方は、長生きをすればするほどその点やがて返ってくるという形の商品を考えておったわけでございます。
 なお先生御指摘の、今後の年金に対して力を入れていくということにつきましては、まことにそのとおりだと思いまして、四月一日からは特に夫婦年金を新しく発売いたしまして、どちらの方でも御存命の間は年金の対象として支給がなされるような保険を発売し、四月の実績だけで一万五千件近い実績を上げております。今後ともひとつ特に若い層に対する年金思想の普及といったようなものについて努めてまいりたい、このように思っております。
#85
○国務大臣(唐沢俊二郎君) 大木先生御指摘のとおり、高齢化の進展によりまして、個人年金の役割は非常に増大をいたしておるわけでございます。
 我々は二万三千の郵便局を通じて、あまねくこれが提供されますということで、郵便年金の使命は大きいと同時に思っておるわけでございます。ただ残念ながら、これはたしか昭和五十六年に制度改正が行われてまだ日が浅く、普及状況は十分だとは思っておりません。
 また、運用につきましては、先生が今るる仰せられましたように、やっぱり安全確実にやると同時に、高利有利に運用して、それこそこれを国民の皆様に還元しなければならないと思って、今後とも財政当局とも鋭意交渉をしてまいるわけでございます。そして今後とも魅力のある年金商品の開発に努めてまいる所存でございます。
#86
○大木正吾君 終わります。
#87
○鶴岡洋君 法案の審議ですからダブルところが大変ございますけれども、御容赦願いたいと思います。
 最初に、金銭給付型の保険が今度の法案で出てきたわけですけれども、この金銭給付型の保険をこの法案に出してきた根拠といいますか、老齢化社会を迎えてと、こういうふうに言われてきたのは、最近ではなくてもうずっと以前から言われてきている。最近は老齢化社会というよりも超老齢化社会、こういう言葉が出てきましたけれども、まずこの金銭給付型の保険が出されてきた根拠、これを教えてください。
#88
○政府委員(相良兼助君) 従来の生命保険では、保険の対象といたしまして、人の生存もしくは人の死亡ということで構成をされておるわけでございます。その代表的な例では、一つ養老保険で申しますと、これは一定期間生存をしたということによりまして保険金を支払うということでございますし、逆にお亡くなりになるということを保険事故といたしまして、その際に、死亡の際に保険金を支払うのが終身保険でございます。そのように一定の状況あるいは一定の期間の達成によりまして、あらかじめ契約をされました保険金を一括してお支払いをするということが保険であったわけでありますけれども、昨今の人口の高齢化現象ということがございまして、寝たきりになられる、他人の介護を必要とする老人の方がふえてまいっておる。さらに今後の二十一世紀の展望の中でその数がふえてまいる。そうしますと、何かの際に一括して保険金を支給されることよりも、そういう状態に立ち至ったときに、一定の期間でも継続的に、安定的に保険金が支払われる。そういう保険がほしいといういろんな各方面からの御要望、御指摘等もございまして、今回、それにこたえるべく介護保険を創設をするということで御提案申し上げておるわけでございます。
#89
○鶴岡洋君 それでは法案の内容ですけれども、この要介護状態による保険金の支払い期間を、これ先ほど出ましたけれども、十年間に限定しておりますけれども、なぜ最高十年間にしたのか、こういうことでございますけれども、御説明いただけますか。
#90
○政府委員(相良兼助君) 介護を要すべき状態になられましてからの支払いめ期間を十年ということにいたしましたのは、一つは東京都の資料等によりまして、介護を要すべき状態になられて十年以上の方はほぼ一割程度であって、大方の方は十年以内という状況にあるということが、一つの十年にしてもよろしかろうという判断をいたしたわけでございますけれども、一方また、総体の限度額の制約というものの中で、介護に重点を置いた
形の保険を創設をするということも両面あわせ考えまして十年ということになったわけでございます。
#91
○鶴岡洋君 これは民間の生保もこれと同じような、今度郵政省で出す法案と同じようないわゆる高齢者重度介護年金つき終身保険というのがありますけれども、この中には保険料払い込み期間中の死亡保険金額と重度介護年金額の組み合わせ比率が十倍型だとか五倍型だとか、三倍型ですか、二倍型、こういうのがありますけれども、こういう選択ができるように法案をするようなわけにはいかないんですか。
#92
○政府委員(相良兼助君) 現在検討いたしておりますおおよその骨格ということで申し上げておるわけでございますけれども、そのバリエーション等につきましては、今後とも検討は続けてまいるというふうに思っておりますが、総体に加入限度額に制限のあります簡易保険といたしましては、今申し上げましたような形の十年型で、死亡保険金との割合が二ぐらいであるのが一番目的にかなっておるのではなかろうか、このように現在は考えておるところでございます。
#93
○鶴岡洋君 局長、私先ほど質問した金銭給付型の年金を今度始めると、こういうことで、その根拠は何かということで質問しましたけれども、ここでも同じですけれども、私が申し上げたいのは、疑うわけではございませんけれども、民間は、もちろん金もうけのためにどんどんどんどんいろんな開発をしているわけです。そういうことで、どうもこの郵政省のやるのは後発型になるような感じが、ということは、まねをして、ああいいものをやっているから今度こっちもやろうと、そういう感じがしてならないわけです、そうではなくて、やはり民間のいわゆる生保のやっているいい商品、さっき商品のあれが出ましたけれども、この言葉はともかくとして、そういう開発をするような研究を、今大木先生の言われるように、やはり国民のためということで、より有利に、また国民の本当にためになるような開発を私はしていってもらいたい、こういう気持ちがあるわけです。そういうことで言っているわけなんです。
#94
○政府委員(相良兼助君) 民間生命保険との間ではいろいろ切磋琢磨いたしまして努力をしてまいりたいと思っておるわけでございますが、今回の介護保険につきまして申し上げますと、民間では既に四社が発売をいたしておりますけれども、この四社のサービスは、寝たきり老人だけを対象とするか、あるいは痴呆症状という言葉は余り使いたくないんでありますが、これにかわる適当な言葉が今ございませんので、あえて使わしていただきますが、この痴呆状態を対象とする保険のいずれかであります。私どもの今回考えておりますこの介護保険は、寝たきりとそれから痴呆両方を対象とするという点におきまして、そういう意味では新しい新機軸というふうに言えようかと思っております。
#95
○鶴岡洋君 わかりました。
 それでは、この被保険者が介護サービスを受けられるに必要とする年間の費用は大体どのくらいと見ておられるのか。これに対して今回の保険で私は十分ではないと思いますけれども、十分対応できるかどうか、この点はどういうふうに考えておられますか。
#96
○政府委員(相良兼助君) その方の介護を要すべき状態にもよるかと思いますけれども、一般的に必要とされる費用というものにつきまして、東京都の部かにございます、これはかなり名前の通った機関でございますけれども、そこにおきますところの介護についての費用というものをごく一般的な例で計算をいたしますと、ほぼ十万円になったということがございます。提供されるものによりましてすべてカバーができれば理想でございますけれども、おおむねそれにつきまして賄うに足りるということで考えて提案を申し上げておるところでございます。
#97
○鶴岡洋君 それでは、今度の限度の引き上げは考えておりませんか。
#98
○政府委員(相良兼助君) 簡易生命保険の加入の限度額につきましては、一昨年にこの加入限度額を九年ぶりに引き上げるということについて決定を見まして、昨年の九月から一定の条件のもとではございますけれども、一千万の加入、現に加入をされておられる方でも、一千三百万までは加入が可能となるような引き上げの措置をとったところでございます。したがいまして、昨年ころの限度限を引き上げたということもございまして、今後は加入の状況、さらには加入者の方々の御要望、それから物価の騰貴率等それぞれを勘案しながら今後また検討してまいりたい、このように思っております。
#99
○鶴岡洋君 先ほども出ましたけれども、この認定の件ですけれども、介護を要する身体障害者の状態に対するいわゆる認定は、どのようにどこでだれがやるのか、この点いかがですか。
#100
○政府委員(相良兼助君) 認定につきましては医師の診断書、または証明書に基づきまして簡易保険事務センター、ここにも医師を常駐させておりますけれども、この簡易保険事務センターで行うということを考えております。
#101
○鶴岡洋君 簡易保険事務センターの医師でなければならないと、こういうことになるんですか。それとも医師の資格があればだれでもいいと、こういうことになるのか。また別個に郵政省でこの医師でなければならないという医師を認定する、認定の医師ですね、そういう医師を決めるのかどうなのか。その点はどうなんですか。
#102
○政府委員(相良兼助君) 全国で医師ということで仕事をしておられる方、その医師の診断書で結構でございます。ただ、それを最終的にその診断書に基づきまして認定する事務を事務センターでやる、このようなことでございます。
#103
○鶴岡洋君 そうすると、郵政省で認定をする認定の医師は、特別にこの人でなければならないということは決めないわけですね。どこの医師でも、要するに医師の資格のある人はだれでも、その医師によって診断をして、診断書を持ってくれば、保険センターですか、そこで決める、こういうことでいいわけですね。
#104
○政府委員(相良兼助君) そのとおりでございます。
#105
○鶴岡洋君 それとこの認定の内容ですけれども、何事にもボーダーラインがあるわけですけれども、この認定の内容についてはどういうふうにお考えですか。
#106
○政府委員(相良兼助君) 一般的な認定の基準といたしましては、特別養護老人ホームの入所判定基準というのもございまして、おおむねこれを参考にいたしながら、今後この方面の専門家の御意見等を十分お伺いをして、できるだけ客観的に判断をする、そういう基準ということでまいりたいと思っております。
#107
○鶴岡洋君 国でやっているこういう福祉制度の中には、例えばいろいろありますけれども、大体申請主義、申告主義というのが多いわけですね。この場合には児童子当のように申告をしなければもらえないのか、それとも先ほど出ましたけれども、契約時に契約している人がそういう状態になった場合には、認定された場合には間違いなくお金を出す、こういうふうにするのか、その辺はどういうふうにするんですか。
#108
○政府委員(相良兼助君) 保険金支払いの請求をいただいて支払いを開始をするということになります。
#109
○鶴岡洋君 そうすると、申請を、申告をして、それで認定して払う、こういうことですね。
#110
○政府委員(相良兼助君) さようでございます。
#111
○鶴岡洋君 それと関連して、保険料の払込期間、被保険者が要介護状態とならない場合、健康な場合、一定期間ごとに健康祝い金を支払うことを検討しているようでありますけれども、郵政省の具体的な構想についてお聞かせ願いたいと思います。
#112
○政府委員(相良兼助君) この保険は、主眼が介護状態になるということのその手当てでございますが、皆さん方すべて介護状態になられるわけで
はございませんで、むしろ健康で老後をお過ごしいただく方々も多数おられるわけでございます。こういう方々に対しましては何らかの意味で長寿のお祝い金と申しますか、健康のお祝い金、これを差し上げて祝意を表するということを現在考えておるわけでございます。保険料の払込期間が終了いたしましてから一定期間、何回かの祝い金ということで現在検討いたしておるところでございます。
#113
○鶴岡洋君 民間では五年ごとにというようなのがあるようですけれども、今検討しておられるということですけれども、大体金額、それから毎月というわけにはいかない、毎年ですか、五年ごととか二年ごととかいう見当はどうでしょうか。
#114
○政府委員(相良兼助君) 一定期間と申しますのは、現在やはり最も妥当であるのは五年程度かというふうに考えております。
#115
○鶴岡洋君 介護保険の保険料は大体どのくらい想定しておりますか。
#116
○政府委員(相良兼助君) これは給付の内容が確定いたしませんと、その保険料の計算というのはその後になるわけでございますけれども、おおむね概略で申し上げますと、この介護保険の保険料は、普通終身保険の保険料、同額の保険料に比べまして一割程度は保険料が安くなるというふうに考えております。
#117
○鶴岡洋君 次に、この介護保険と高齢化や福祉に対応した商品の開発についてですけれども、民間の保険業界というのは非常にいろいろな商品を開発しているようですけれども、これに似た、いわゆる民間生保の商品に似たようなのを幾つか紹介していただけますか。
#118
○政府委員(相良兼助君) 民間保険で最近開発をされまして商品化をされておりますものを幾つか申し上げますと、今回の介護保険と同様のものを四社において開発をされておられるわけであります。そのほかに私どももことし四月から夫婦年金を発売いたしましたけれども、この種の夫婦連生年金は民間でも発売しておるわけでございますし、あるいは私どもの確定年金、先ほど当委員会でちょっと申し上げましたけれども、五年とか十年とかいう一定の期間を区切りますところの定期年金、これを期限が確定をしておるという意味で確定年金、こういう商品も開発をされております。
 なおまた、最近の医療のニーズというものが高まっておりますので、医療関係の特約については民間の方もいろいろ工夫を凝らしておられる。これに対応しまして、私どもの簡易保険といたしましては、介護保険につきましては今回御提案を申し上げておりますが、既に夫婦年金を発売をいたしまして、さらに高齢化時代の単位としての夫婦、この夫婦の方の生活の安定に資するという意味におきまして、さらに夫婦もの第二弾でありますけれども、今秋には夫婦保険を発売するということで現在準備を進めております。さらには、医療関係で申しますと、特約につきましても現在この内容の検討を進めておりまして、今秋には現在の特約をさらにいろいろ御要望にこたえた形で内容を改善してまいりたい、このようなことも考えておるわけでございます。
#119
○鶴岡洋君 今回のこの介護保険は私は結構なことだと、こういうふうに思っております。この法案ももちろんそういうことで賛成ですけれども、こういうことからすると矛盾すると思うんですけれども、大臣にちょっとお聞きしたいんですが、時代の流れ、経済の変動、それから超高齢化社会、この到来等で、今言ったように民間生保の方ではいろいろな保険の内容を含んだ商品がどんどん出てきているわけです。そこで、開発者はいい方へいい方へということでこれは商品をつくっているんでしょうけれども、加入者側からすると、私もそうなんですけれども、こんな新しいものが出た、こんないいものが出たということで、どんどん出てくるわけです。
 それを説明する人も、よく消化しているから説明するんでしょうけれども、完璧に説明できないというセールスマンも中にはおりますし、我々はもう全然と言っていいほど新しい商品を消化し切れないわけですね。こういうふうに目まぐるしい新しい商品が出るということについて、私は、今のままでは、もう時代が変わるわけですから、これは年齢も変わるし、それこそ時代が変わってくるわけですから、新しいものをつくるのはこれは結構だと思いますけれども、余り目まぐるしく変わることについてちょっと疑問があるんですけれども、この点については大臣はどんなお考えを持っておられますか。
#120
○国務大臣(唐沢俊二郎君) 先生のおっしゃることは私も日常感じておるわけでございますが、やっぱり国際化時代でだんだん国境というものがなくなり、また自由化でいろいろな垣根もなくなっている現在でございます。そして情報化時代ということで、ニーズも非常に多様化をいたしておりますので、それにあわせて民間でも我々でも新しいサービスを開発していかざるを得ないということで今努力をいたしておるわけでございますが、民間と簡保、郵便年金、それぞれ特色を出し合って、切磋琢磨してやっていくべきではないかと思っておりますが、どういうふうに整理するのか、こういう状態でございますので、一生懸命切磋琢磨してやって、国民の皆様のニーズにこたえていくことしかないんではないかと思っております。
#121
○鶴岡洋君 局長、専門家ですから、どういうふうにお考えですか。
#122
○政府委員(相良兼助君) 単に目先を変えるだけとか、非常に短期間だけのニーズにこたえるといったような商品の開発は私どもとしては控えるべきだというふうに考えておりまして、そういう意味におきまして、新商品の発売についてはかなり慎重に取り組みながら、かつタイミングを考えてやってまいると、このように考えておる次第でございます。
#123
○鶴岡洋君 次に、これに金銭給付ということに関連して、民間保険業界、今先ほどちょっとおっしゃっておりましたけれども、寝たきり老人など自分の身の回りの世話がやけない人に介護人の派遣サービス、いわゆるサービスの取り次ぎ、あっせん、このようなことをしているようですけれども、郵政省としては、こうした介護人の派遣サービスの取り次ぎ、あっせんはどのように、これから進む問題ですけれども、考えておられますか。
#124
○政府委員(相良兼助君) 現時点におきましては、この介護人の派遣サービスということまでは考えておりません。私どもがこのサービス、いわば取り次ぎサービスを実施をするというためには、派遣することのできる多くの介護人の方が存在をするということがまずは前提でありまして、現状におきましては、こういう介護に当たられる方が絶対的に不足をいたしておるということがございます。あわせまして、また利用できる地域が限定をされるということでは、全国津々浦々を対象といたします国営保険であります簡易保険としては踏み切るわけにはまいらない、そういう状況でありますので、今後の関係施設の整備というものを十分注視してまいりたいと思っておるわけであります。
#125
○鶴岡洋君 これは、昭和六十二年度の課題という郵政省の機関誌の中で局長がおっしゃっていますけれども、簡易保険の世帯普及率は約六〇%ですね。六十一年度に発生したいわゆる大きな災害とか、それから事故、そこにおけるいわゆる被災者の中で簡易保険の加入率は約三〇%、極めて率としては低いわけです。この加入者層の隔たりが見られる。加入金額も、必要保障額といった面からしても十分と言えない、そういう額になっておるわけですけれども、そこで特に多いのは、若い人とかというのが加入者が少ないと、こういう傾向があるわけですけれども、青年、壮年層の開拓、それから職域の開拓ということも考えなければならないんじゃないかと、こういうように思いますけれども、これに対して局長具体的にどんな対策を立てられようとしておりますか。
#126
○政府委員(相良兼助君) 私どもの簡易保険の加入者の方というものは、確かに先生御指摘のように特徴がございまして、まず赤ちゃんとして誕生
をしたとき、あるいは小学校に就学をするといった、そういう若年層の加入者が大変多いということが一つの特徴でございます。また、それと反対に、今度は比較的高齢者の方が簡易保険にお入りいただくということも特徴でございまして、中間の壮年層、青壮年層の加入が一般の民間生命保険に比べまして低いという状況になっております。
 普及率という点から申しますと、現在、世帯で六〇%弱が各種調査で示されておりまして、十軒に六軒近いところで簡易保険を御利用いただいているわけでありますけれども、先生が引用なさいました記事では、特に世間の耳目を聳動するような大きな、何十人あるいは何百人という方の不幸な事故があった場合、私どもとしましても即時払い等すぐ対応ができるようにいたすわけでございますけれども、実際にそういう大災害の加入割合というものを見ますと、先生が御指摘になりましたような三〇%でありますとか、あるいは四〇%であるというふうに、六〇%に近いような一般的な数字になっていないということで、これはおおむね地域的にむらがあるという点も指摘をして、全国あまねく普及をさせるという点からの簡易保険の使命からも問題があるという意味も含めまして言っておるわけでございます。
 先生御指摘の青壮年層、若い世代、特に働き盛りの世代に対する保険商品といたしまして、いろいろ私どもも手を打ってまいっております。昨年九月にはナイスプラン、片仮名で申しわけないんでありますけれども、そういう商品で昨年の売り上げを一割以上超えるような生存保険金つきの商品を発売いたしましたし、さらには十倍型特別養老保険というものも青壮年向けに三年前から発売をいたしておるというようなことでございます。
   〔委員長退席、理事岡野裕君着席〕
 おかげさまで、さらには職域、一般の職場におきまして生命保険に御加入になるというケースが非常に特にサラリーマンの場合多いわけでありますけれども、ここも簡易保険にとりましてはどちらかというと弱い部分でありますので、この職域募集の取り組みということも努力をしておりまして、昨今の数字でちょっと申し上げますと、青壮年層、この場合二十五歳から四十五歳ということでとらえますと、年間で四月末の数字それぞれ申し上げますが、六十年四月末には、この層の新契約件数が八十九万件でございました。これが六十一年には九十八万件という数字になりまして、さらに六十二年四月末、つい先月でございますが、これが百十一万件というふうに年ごとにこの層の保険がふえてまいっておる。職域で御加入をいただきました保険も同様に、六十年四月末で二十五万件、六十一年四月末三十二万件、六十二年四月末三十九万件というふうに着実に増加をしてまいっておりますので、徐々ではありますけれども、この年代層に対する保険の普及が、努力をしてきた結果が少しずつは芽生えてきておるのかなというふうに考えておる次第であります。
#127
○鶴岡洋君 次に、簡易保険郵便年金に関する調査研究会の総合福祉システム部会の、総合福祉システムの構築に向けてと題する中間報告書の中で、先ほど質問したのとちょっと関連があるんですけれども、早急に取り組むべき内容として、金銭給付型介護保険の開発のほかに、郵便局員における訪問サービスの実験、ケア機能を備えた加入者福祉施設のパイロット・ブランの実施等が挙げられておりますけれども、こうした指摘に対して、郵政省はどのように具体的に取り組んでおりますか。
#128
○政府委員(相良兼助君) 先生御指摘の総合福祉システムの構築に向けて、この研究会の報告書の中で幾つか取り組むべき課題ということで提言をいただいております。
 その中で、先生がお話しいただきました郵便局員の訪問サービスでございますけれども、これは郵便局員が一人暮らしの老人の家庭等を訪問いたしまして、安否の確認、あるいは健康状態等について確認をいたしまして、もし異常な状態でも発見されますれば、関係の施設なり地方自治体等に連絡をいたすとか、あるいは郵政サービスを代行してとり行うとか、そういったことが内容となるものというふうに考えておりますけれども、これにつきましては、いろいろ地方自治体におきますところの現在いろんな形でのこういう一人暮らしの老人に対する施策、そういうものとの関連性もございますし、現在、それぞれ関係の職員が現場の視察でありますとか、資料の収集とかに当たりながら、また関係方面とも協議を続けておるということでございます。
 また、もう一つのパイロット施設、パイロット・プランという形で、介護機能を加えたような何か施設ができないかということにつきましても、これもなかなかノーハウの問題もございますし、介護をする職員の問題もございまして、大変大きな問題でございます。私どもの保険事業の経営という問題もございまして、軽々になかなか取り組みがたいところでございますけれども、勉強を続けるということはやっておりますし、終身の介護を要すべき方々を収容するということで施設をつくるということはなかなか重たいわけでありますけれども、先ほど片仮名ということで言われましたが、ショートステイ、短時日間の介護でありますとか、デイケアと言われる、適所をしていただくようなサービスといったようなものにつきましては、多少なりとも実験的に取り組みができないかということで検討をいたしておるところでございます。
#129
○鶴岡洋君 私の聞いているのは、実験的に大分県でやっていると、こういう話をちょっと聞きましたけれども、この郵便局員の訪問サービスというのは、反面その局員の過重労働につながるとか、それから職務専念義務を侵されるとか、反するとかと、こういうネックもあることもわからないわけではないんですけれども、私はやっぱりサービスという面からいけば、実験の結果はどういうふうに出るかわかりませんけれども、やった方がいいんじゃないかなと。もちろんこれには自治省も関連してくる、大蔵省も関連してくる、厚生省も関連してくるでしょうけれども、この点について前向きにやるつもりで実験はやっているんでしょうけれども、これを進めていくのか、それとも現在までやった実験で、結果もうこれはだめだと、こういうふうに思っているのか、その辺はどうなんですか。
#130
○政府委員(相良兼助君) まだ省として実験をいたしたという段階ではございませんが、全国の中のごく一部分の郵便局でありますけれども、先ほど先生が御指摘なさいました大分県、あるいは福井県とか徳島県、山口県等、局によりましては、既に局限りにおきまして実施をしておるところがございます。この観点では本来業務、それぞれ担務をいたしております郵便、貯金、保険等々の本来業務との兼ね合いの問題もございますし、さらにはどの程度のことならばやれるのかという、そういうサービスの内容の問題もございますし、かつ経費を必要とするならば、その経費の負担等につきましてもやはり検討を要すべき問題があるということでございまして、先生御指摘のように、厚生省でありますとか、あるいは地方自治体といったようなところの意見等もいろいろお聞かせ願いまして、今後一部地域において実験をするというような方向も含めまして、さらに検討をいたしたいと、このように思っております。
#131
○鶴岡洋君 もう一つ、総合福祉システム部会が調査研究を進める一環とし、昭和六十年十二月実施した福祉サービスの選好に関する調査によると、医療費や介護費をお金で払ってくれる保険、それから人間ドックや健康相談を受けられるサービス、緊急時の連絡などの安全保障サービス、こういうのに高い要望というのですか、期待があるように思われますけれども、郵政省はこうした国民の要望に対して具体的に何か研究しておられるのか、この点はやれそうなのか、どうなのか、
#132
○政府委員(相良兼助君) この六十年十二月の福祉サービスの選好に関する調査、全国で四十歳から七十四歳の方々の調査をいたしたわけでございますけれども、介護費をお金で払うような、そういう金銭給付の保険というものを開発するという
ことについての可否を問いましたところ、七割近くの方がそれはやってもらいたいという御要望であったとか、今御指摘をいただきましたような幾つかの御要望がございました。
 この金銭給付の介護型保険につきましては、まさに今御審議をいただいておるところでございますけれども、人間ドックとか健康相談のサービスというものにつきましては、これは既に実施をいたしておりまして、最も大がかりにやっておりますのは東京簡易保険郵便年金会館、さらには大阪簡易保険の総合健診センターといったようなところで人間ドック等をやっておりますし、さらに健康相談その他につきましては、各地域にあります診療所等でこれに取り組んでおると。特に成人病の健康診断等について力を入れておるということでございます。
#133
○鶴岡洋君 緊急時の連絡はどうなんですか。
#134
○政府委員(相良兼助君) この緊急時の連絡と申しますのは、二十四時間体制で取り組むということが必要になるケースが多いわけでありまして、一部自治体でこれを手がけておられるところがあるというふうに承知をいたしておりますけれども、
   〔理事岡野裕君退席、委員長着席〕
このような体制をつくってまいるということは大変これは難しいことでありまして、先ほど申し上げましたような安否確認、あるいは一般的な健康の異常というものについての郵便局員の確認というようなことで検討をするということになろうかと思います。
#135
○鶴岡洋君 何回も言いますように、社会生活が非常に複雑化してくるのと同時に高齢化社会、核家族、これが進行してきているわけです。今度の法案もそうですけれども、保険加入者がみずからの保障について、ライフサイクルの変化に合わせて設計的な形態をとるようにすることが求められているわけでございますけれども、そこで簡易保険と年金、この組み合わせ、簡易保険から郵便年金への変更等を検討すべきではないか。最近は保険か年金か、どっちがいいかというような議論もございますし、また、年金の方へ移行してくるような感じもしますけれども、こういう指摘があるんですが、郵便年金への変更、これは検討する時期が来ているんじゃないかと思いますけれども、この辺はいかがなんですか。
#136
○政府委員(相良兼助君) 人生八十年時代と言われるように、多くの方がかなり高齢までお過ごしになるという状況になっておりまして、先生御指摘のライフサイクルというものも次第に様相を変えてまいっておる。特に三十代、四十代の子育ての時期が終わりまして、五十代の後半からは改めてまた、老夫婦と言いますとあれでございますが、二人の夫婦生活を数十年にわたってお送りになるというような点が特に顕著でございます。そういう意味で改めて高年夫婦の問題が認識をされるべき状況に来ておると思いまして、私どもといたしましては、夫婦年金でありますとか、夫婦保険というような商品を用意をいたした次第でございますけれども、保険と年金とを相互に、自在に変更できないかというようなことにつきましては、現在の私どものそれぞれ商品をつくっております基礎になります簡易生命保険法でありますとか、郵便年金法といったような仕組みの関係もございますし、あるいは財政の経理の面の問題もあるわけでございます。
 ただ、これらのそれぞれの商品を組み合わせて発売をするということは大変魅力もあることだということで、さらに先生御指摘の保険と年金との相互のチェンジというようなことも含めまして、商品開発のプロジェクト、また商品と申し上げましたけれども、そのサービス開発のプロジェクトというものを発足させておりまして、簡易保険局の局内におきまして、これらの検討をやっておるというところでございます。
#137
○鶴岡洋君 もう一点は、民間保険業界では貯金口座、銀行の預金口座からの自動支払いが実施されておりますけれども、これには大蔵とも調整をしなきゃならないし、いろいろな問題があるということを私は聞いておりますけれども、加入者サービスの向上を図るという観点からも、この民間生命保険業界と同様、貯金口座、銀行口座からの自動支払いというものは、これはできないものでしょうか。
#138
○政府委員(相良兼助君) 昨年の六月から郵便振替口座を利用いたしまして保険料の自動払い込みということをやれるようにいたしまして、現在十数万件の御利用をいただき、月ごとにこの利用が増加をいたしております。特に本年四月からは、月払いの保険料のこの口座を利用しての払い込みにつきましては、保険料の一・五%を割り引くというようなこともいたしましたので、相当また御希望がふえるんではなかろうかというふうに思っているわけであります。
 民間の金融機関の口座からもということでございますが、現在の郵便振替口座の保険料支払いについての取扱手数料は一件当たり十五円でございますけれども、民間の取り扱いの手数料は、これの倍もしくは三倍程度の経費を必要とするというようなこともございまして、現段階ではなかなかそこまでまいりかねるわけでございますが、しかし、今後検討すべき課題の一つであろうとは思っております。
#139
○鶴岡洋君 次に、五十八年三月の臨時行政調査会の最終答申の中で、簡易保険郵便年金福祉事業団について、原則として会館、それから宿泊施設等の新設を行わないことのいわゆる指摘をしているわけでございますけれども、郵政省ではこの答申に対してどんな方策を講じてこられましたか。
#140
○政府委員(相良兼助君) 五十八年の臨調の答申の中におきまして、簡保事業団につきましては、原則として会館とか宿泊設備等については新設をしないという内容の答申になっておるわけでございます。原則として新設をしないということでございますけれども、現実には全国の事業団が抱えております施設の御利用者は六十一年度で一千万を超えておりまして、大変多くの加入者の方々に御利用をいただいておるという実績もございます。また、全国各地におきまして、依然として新設の要望も数多くあるわけでございます。今後の豊かな長寿社会あるいは健康の増進といったような点を考えまして、いろいろな点を、諸般の状況を勘案しながらこれには慎重に対処をしてまいりたい、このように思っておるわけでございます。
#141
○鶴岡洋君 いわゆる宿泊施設、会館新設を行わないと、それから各会館においては、宿泊施設もそうですけれども収支バランスをとれと、こういう私は意味だと思うんです。いわゆる業務の効率化というんですか、そうなるとこれは大局的に見て、この後出てきますけれども、事業団へのことしの自主運用ですか、三千五百億円ですか、これを運用資金として出すということになると、この行政調査会の言っていることと、それから三千五百億、まあお金をもうけなさいと、こういうことでもうけたいと、こういうことでやるんでしょうけれども、これがちょっと矛盾してくるような感じがするんですけれども、この点については大臣、どういうふうに考えておられますか。
#142
○政府委員(相良兼助君) 簡保年金福祉事業団は、加入者の福祉施設の維持、運営に当たるということで、大変福祉サービスにつきまして実績を上げてまいっております。今回、福祉事業団を通じまして、簡保年金資金の有利運用ということで措置をとりますけれども、これは簡保福祉事業団の一つの加入者の利益に関連いたしまして、事業団としても新しい目的の一つにこの運用という業務をやるということでございまして、これは翻って簡易保険郵便年金加入者全体の大きな利益につながるという点から、その点は支障がない、このように考えておるわけでございます。
#143
○鶴岡洋君 この宿泊施設とか会館というのは、これはまるっきりサービス一本で、いわゆる福祉事業ということで、慈善事業でこれをつくったわけでは私はないと思うんです。やはり収支の合うような業務の効率化を図ってやっていかなきゃならない。そういうことになると、この宿泊施設でもそれから会館にしても、どちらかというと、私
が回って泊めさしてもらったりなんかしているところから見ると、割合といいところ、景色のいいところとか、そういうことでもっと一生懸命、業務内容によりますけれども、営業のやり方、経営の仕方、これを考えれば私はこちらでも、うんともうけなくても結構ですけれども、十分私はできると思うのです。そういうことで、ただ答申に出たから収支バランスをとるということだけではなくて、それをやるために宿泊施設、それからいろんな施設等についてはいろいろ研究もし努力もしてもらいたい、こういうふうにお願いを申し上げる次第でございます。
 あと時間がなくなりましたので、次の法案の中で、財投についてなんですが、予算に比べてかなり消化せずに終わっているようですけれども、これは大蔵省に聞きたいんですが、大蔵省来ておりますか。
 大蔵省では財投の見通しを含めて、六十三年度以降の財投の協力分についてどんな見解を持っておられるか。
#144
○説明員(花野昭男君) お答えをいたします。
 簡保の積立金につきましては、先生御案内のとおり、歴史的な経緯もございまして、統合管理の唯一の例外となっておるわけでございますが、国の制度、信用を通じて集められる公的資金であるということから一定の財投協力をお願いしているところでございまして、その協力の割合につきましては、財投機関側の資金需要あるいは簡保資金の有利運用の要請等を踏まえまして、五十八年度の予算編成過程で保険勘定の運用範囲を年金勘定並みに外国債等に拡大したわけでございますが、その一方、五十八年から六十二年度までは七二%ということで設定したところでございます。今後とも厳しい財政事情のもとで社会資本整備、あるいは中小企業対策等重要施策を推進しております財政投融資の役割は引き続き重要であると考えておりまして、簡保資金の財投協力につきましても引き続きお願いしたいと考えておるわけでございます。
 その割合ということでおっしゃっておられた点につきましては、六十三年度以降については、先ほど申し上げました六十二年度までの七二%というのは切れるわけでございまして、今後六十三年度以降につきましては、財投機関側の資金需要、つまり財政投融資に期待されるもろもろの政策分野の要請、それから簡保資金の有利運用の要請等、もろもろの点を踏まえまして、関係者とよく御相談をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
#145
○鶴岡洋君 次いで郵政省に聞きますけれども、当委員会でも附帯決議をつけてきた余裕金の郵政省による直接運用について、郵政省ではどんなふうに取り組んでおられますか。
#146
○政府委員(相良兼助君) 余裕金は生命保険事業の当然の性質として生ずるわけでございまして、日々全国の郵便局において払い込まれます保険料あるいは年金の掛金、その中から保険金等を支払い、職員の人件費、物件費等を支払って、その残りで生命保険事業には、これらを将来の保険金の支払いに充てるために有利運用をするという、もう一つの本質的な側面があるわけでございまして、そういう観点からは期間の長短はあれ、資金の性質においては何ら変わりがない、そのように認識をいたしておるわけでございます。したがいまして、従来から大蔵省に対しまして、余裕金を積立金同様の直接運用ということで運用したいという希望を表明してまいっておりますけれども、今後ともなおその点につきましていろいろ努力を重ねたいと思っております。
#147
○鶴岡洋君 それじゃ具体的に、余裕金は六十年度では三兆二百十五億ですか、これ直接運用した場合、資金運用部への預託に比較してどのくらい運用差が出てきますか。
#148
○政府委員(相良兼助君) いろいろ条件等も変わりますし、いろんな推定値等を重ねて計算をしなければならぬのでしょうが、ごく簡単に申し上げますと、仮に一%有利運用ができれば、百五十億程度は増収に相なろうかというふうに考えます。
#149
○鶴岡洋君 それじゃ大臣にお聞きしますけれども、この自主運用について、今後大臣としてどのように考えておられるか、これを最後にお聞きします。
#150
○国務大臣(唐沢俊二郎君) ただいま局長が御答弁申し上げましたように、現在では資金運用部資金法によりまして、この余裕金もほかの特別会計の余裕金同様、資金運用部に預託する以外に運用できないわけでございますが、資金の性質上、発生と同時に積立金と同様に運用すべきものと考えております。その意味では全く鶴岡先生のおっしゃるとおりだと思っておりまして、したがいまして、今後ともこの改善方に努力をしてまいるつもりでございますが、どうぞ先生におかれましても御支援のほどをお願いを申し上げます。
#151
○山中郁子君 初めに簡保年金積立金の運用範囲の拡大についてお尋ねをいたします。
 既にお話もありましたけれども、今回、運用範囲を拡大するということで、一つは福祉事業団に対する貸し付けが行えるようにするということでありますけれども、もともと簡保郵便年金福祉事業団は、加入者福祉施設の設置及び運営ということであるわけですけれども、この事業団に貸し付けをして事業をさせる、そして収益を簡保年金特別会計に入れさせるという、そういう法案の内容であります。
 私は、これは先ほど来から議論がありましたけれども、別な意味から見ますと、やっぱり本来もともとの法律で禁じられている、つまり事業団にやらせる事業は、積立金の運用に関する法律で禁じている元本補てんの契約のない金銭信託を行ってもよいことにするということに問題があるというふうに考えています。これはやはり事業団を脱法のためのダミーに使うということも十分考えられる中身だということなんです。やはりこれは明らかにリスクを伴うわけでありまして、積立金の運用に関する法律はその目的として、御承知のように私が申し上げるまでもないわけですけれども、「確実で有利な方法により、且つ公共の利益になるように運用する」というはうに定めているわけであります。この法律の目的の本旨に反するものではないか、矛盾をするのではないかということがまず一つ郵政省の見解をお伺いしたいところであります。
#152
○政府委員(相良兼助君) 簡保年金資金は、全国の簡易保険または郵便年金への加入者の方々が将来の保険金あるいは年金の支払いということのために積み立てられておられますいわば共同準備財産でございまして、そういう点からは全般的にできるだけ有利な運用を図りまして、その有利な運用の成果を加入者の方々に還元をするということが必要であろうと思われるわけでございます。もちろん、有利だけを求めるということではございませんで、今先生が御指摘になりましたように、運用法の目的等に照らしまして、運用の原則と申しますか、確実である、さらには全体として公共の利益にかなうような、そういう運用ということも大きな原則として掲げられておるわけでおりまして、これらの調和をとりながら加入者の方々にできるだけ喜んでいただける簡易保険や郵便年金でありたいというふうに考える次第でございます。
#153
○山中郁子君 先ほど大蔵省の方も言っていらっしゃったんですけれども、直接国が扱うのはまずい、つまりそれは元本補てんの契約のない金銭信託についてですね、だから事業団を通じてやれるようにしたんですと。それはリスクがあるからなんですね。国が直接やるにはふさわしくない、リスクのあるものだから。だから私は、今そういうことを直接、簡保資金の性格そのものは変わらないわけで、国民の貴重な財産なわけだから、そういうものをやるところが変われば、事業団がやればいいんだと、国としてはやれないんだと。それは郵政省がどう考えて、大蔵省がどういうふうにそれについて考えているかは全然別な話としてですよ、国として考えた場合には、リスクがあるからできない。ふさわしくないと言っているものを、事業団ならいいんだということで事業団を通じてやらせるというのでは、これはダミーではな
いかということを私は申し上げているわけであります。
 それで、同様の問題ですけれども、外国債、社債の保有制限額を百分の十から百分の二十に引き上げるに伴って、もう既に政令も改定して公共七事業に限定していたのを枠を外すということで、これも先ほど来議論がありました。これも私は全く別な観点から問題にしているわけでありますけれども、要するに、政府がこういうことでもって企業みたいな財テクに走ることはない、そういう性格のものではなかろうというのが私の主張です。
 それで、もっと加入者にその法の精神に照らして、実際に加入者にきちんとした還元をする、公共事業への融資を手厚くする、そういうオーソドックスな正当な努力をするということが、簡保にふさわしいあなた方のするべき努力であろうというように考えておりますので、この点について大臣の御見解をお伺いいたします。
#154
○国務大臣(唐沢俊二郎君) 今の御意見は一つの御意見としてわかるわけでございますが、やはり簡保の資金というものは国の運用する資金であるし、また全国の加入者から集められた共同準備財産ですから、まずは安全確実に運用する。しかし、やはり同時にできるだけ有利、高利に運用して、その果実を加入者の皆様に還元する必要もある。それはやはりこういう自由化、国際化、情報化の時代でございますから、やっぱり資金運用の有利性というものが求められている。特に我々の簡易保険というものは、全国津々浦々にできるだけ公平なサービスをさせていただくということで、それをさらに有利に運用さしていただく方がいいのではないかと思っております。
 また同時に、これは全国の加入者から集められた資金であるから、できるだけ地方に還元せよというお話もございまして、これはやはり公共の利益のために運用するという法の精神からしても当然のことであろうと考えておりまして、その三つのバランスをとっていくことが重要なんじゃないかと思っております。
#155
○山中郁子君 加入者に還元をするというのは、それじゃそういう財テクに走って、一生懸命何か金を集めて、ふやしてというようなことと基本的にやっぱり考え方として違うんだということを私は先ほど申し上げて、その考え方もあるというふうに大臣はおっしゃっておられましたけれども、もっとこの簡保をめぐる問題でも、たくさん加入者に対して還元もしなきゃいけないし、またできるものだし、改善しなきゃならないことたくさんあるんですよね。そういうことをまずちゃんと考えていっていただきたい、こんな財テクまがいのことを考えるよりはということを私は今申し上げたいわけであります。
 それで、まず介護問題についてなんですけれども、この法改正に伴いまして、一番やはり私も気になりますのは、寝たきりで介護を必要とする状態になったときに介護料として支払いをする。それから介護を必要とする状態というのは具体的にどういう状態なのか。そして、それはだれが認定するのか。そういうトラブルがないということが言えるのか。それらのことについての心配がやはりどうしても出てまいります。これは先ほどからも御議論のあったところです。
 それはなぜかというと、今までもこれは別に簡保だけじゃないんですけれども、保険というのは、とかくそういうことが非常に多いのですよね。いざそういう事態になったときに、お客さんとの間で、それじゃスムースに契約した状態でもって保険金が支払われたりなにかするかといえば、そうでないことが非常に多いものだから、だからトラブルが起きるわけですね。
 それで、これは私、郵政省の方からいただいたのですけれども、セールスという雑誌なんですが、その中でも、郵政省自身も随分認識がある程度そこにあって、いろいろそういうトラブルが起きるからだと思うんですけれども、いろいろな事例を挙げて、具体的な事例もあるでしょうし、サンプル的に事例を設定しているのもあるでしょうけれども、そういう病気になっても保険金が支払われなかったとか、それから入院保険金の支払いが遅かったとか、どうも契約のときに販売員の人が言った中身とは違う、いざとなったら、出ると思っていたお金が出ないとか、そういうトラブルが非常に多いわけですね。
 ですから、これらのこととの関連で、今回のこの介護の保険を新しい商品として手がけるということでありますけれども、その辺についての郵政省のお考えとそれから見通しですね。本当に医者の診断書だけで判断するのか。あるいは病人を見て、恣意的に何らかの形でトラブルが起こるような状態が出てこないということがはっきり言えるのかどうか、その辺のことを伺うと同時に、そういうことがないのだというお約束をいただかなければならないと思っておりますけれども、いかがでしょうか。
#156
○政府委員(相良兼助君) 介護を要すべき状態になったということの認定につきましては、まずその認定基準を設定いたしたいと思っておりますけれども、これにつきましては、現在の特別養護老人ホームの入所判定基準というものがあるわけでありまして、これらを参考にしながら、専門家の医師の方々の御意見等を十分徴して、できるだけ客観的なチェック、そういうものを用意してまいりたいと思っております。具体的には、そういう状態であるということを証明される医師の証明書あるいは診断書、これを各地の受け持ちの簡易保険事務センターにおきまして認定をいたして支払いに移る、こういうことになるわけであります。
 もしその診断書、その他につきましても何らかの明らかなミスがあるとか、あるいは明らかに疑義があるといったようなことになりますれば、さらに詳細な診断書あるいは問い合わせをいたすということはあるかもしれませんが、何もそのことによって支払いをできるだけ制限をしていこうというようなことは考えておりません。
#157
○山中郁子君 約款で決められる部分もいろいろたくさんあると伺っておりますけれども、ぜひとも今の段階では、私が心配だとして申し上げましたことのないように、今の局長がお約束なすったことが実際に実践されるように強く希望をしておくにとどめます。
 以下は、先ほど私が実際にもっと還元しなきゃならないことがたくさんあるはずだと、改善しなきゃならないことがたくさんあるはずだと申し上げましたが、それらの数点について要望、それから是正要求並びに郵政省の見解、お約束をいただきたいという事柄であります。
 一つは契約書の貸付金の利率の問題です。この利率の決め方が変わったんですね。昨年の九月から変わっているはずなんです。
 それで結論的に言いますと、私は郵政省からいろいろ細かい説明を伺ったので、今結論的に皆さんのおっしゃったことを申し上げると、契約当時の利率から貸し付け当時の利率というふうに変えたということのようでありました、違ってたら後で御答弁いただきたいんですけれども。そのことによって結局、利子が変わったんです。だから確かに下がった人もいるのだけれども、上がった人もいるのよね。契約のときには、つまりこれは具体的に言いますと、昭和四十九年十月一日以降借りた人にとっては利率が七・二%から六・六五%に下がったんですね。ところが四十九年九月三十日以前に借りた人は、六%だったのが六・六五%に上がることになったんです。私はやはりこれは契約したときの約束の率よりも、つまりそういう約束でなかったときに契約をして、それよりも今度変わるので、変えたことによって利子が高くなっちゃうというのは、この低金利時代に随分ひどい話じゃないかということなんですよね。
 ですから私が先ほど申し上げましたように、せめてね、せめてというか、つまり高くなるような人については、それはもう約束したときの、契約したときのそこで抑えるべきだと、そのぐらいのお金は、まさに加入者に対するあなた方の言う還元ですね、そういうものとして使われてしかるべきではないかということなのですが、いかがでし
ようか。
#158
○政府委員(相良兼助君) 契約者貸し付けというのは資金運用の一つの分野でございますけれども、現に御契約をいただいておる加入者の方々から、契約の一定割合の範囲内で貸し付けを希望される際に貸し出しをいたしておるものでありますけれども、これもやはり市中の金利実勢というものを根拠にいたしまして、これにできるだけ連動するような形でなければ種々不合理が生じてまいるということでございます。昨年九月にそれまでの貸し出しの利率七・二%を金利が低下をしてまいっておりますので、六・六五%ということで改定をいたして今日に至っておるわけでありますけれども、その七・二%の前はどうであったかというのは先生御指摘のとおり、四十九年の十月以前におきましては六・○というような貸出金利であったということでございます。貸し出しを受ける際の金利の問題につきましては、どの時点で貸し出しを受けるかということがあらかじめ予測ができません場合が多いわけでございまして、やはり現実にその貸し付けを受けられるときに、そのときの金利の情勢に応じた貸出金利で受けられるということが、全体の加入者から見ましてもそこに不公平がないわけで合理的ではあろうというふうに考える次第であります。
#159
○山中郁子君 それはもうわかったの、あなた方の説明を聞いて。だから、わかったけれども、それが合理的かどうかの議論を今するつもりはないけれども、最初の約束で、これだけの利率ですよといって約束したのにもかかわらず、この低金利時代に一方的におたくの方で変えてですよ、制度を変えて今度これだけ上げましたと、それは余りひどいじゃないのということを言って、せめて上げる分は上げないで抑えるというのが、加入者還元とあなたたちがおっしゃっている気持ちのあらわれになるはずではないですかということを申し上げているんです。このことはちょっとあとまだ二、三同様の問題がありますので、まとめて後ほど大臣から御見解とお約束をいただきたいというふうに思っております。
 もう一つは、貸付金の弁済の問題なんです。私、大変時間が限られておりますので、細かいことを余り言っていると時間がなくなるので、具体的なケースとして申し上げますと、例えばこれも二、玉やはり苦情がありまして、随分類似の問題があるので、ぜひこの際改善をお願いしたいということで申し上げるわけであります。
 いわゆる生存保険金ですね、これを具体的なケースで申し上げまして、十八歳満期学資保険で百万円入っていらっしゃる方、その契約者の方が、この商品には、十五歳になると一割先渡しがもらえるということになっていますね。百万円のうち十万円が、満期を待たないで一割早くもらえるわけでしょう。だからこれは当てにしているわけですね、十五歳といえば高校へ入るときですから。ところが、この人が別な目的というか、別な必要でもって貸付金、貸し付けを受けているケースがありますね。そうすると、この一割先にもらうという時点で、もし仮に十万この人が借りていたとしますよ、貸し付けを受けていたとすると、その十万相殺されちゃうんですね、というふうにこれもまた去年の九月に変わったんですよ・それまではそんなことなかったの。
 だからちょっと大臣よく聞いていてくださいね。百万円の学資保険に入ったと、そしてその場合に、十八歳満期だけれども、十五歳になると一割先渡してもらえるという約束なんですよ、そういう契約なのね。だから、ああ十万円もらえるわと、やっとそのときが来ましたわといって郵便局にもらいに行くと、いや、あなたは簡保から十万円貸し付けもう既にしていますから、まずそれを相殺してもらいますと、先にそれを弁済してもらいますと。そうすると、もらえる分は何もなくなっちゃうんですよね。これはちょっとひどいんじゃないですかということなのであります。で、これは前はそういうことなくて、去年の九月にやはり同じように、先ほど申し上げた利子の問題と同じ時点で制度が変わったようなのであります。
 それから一遍にまとめて言ってしまいますけれども、もう一つは契約変更の期間の問題なんですね。簡保に加入したと、しかしやっぱりどうも思ったより割がよくないと思うし、家計の状態もよくないので契約を変更したいと、販売員の人にいろいう言われてその気になって入ったけれども、どうも掛金が重過ぎて、やっぱりちょっと変更したいというふうな場合に、契約変更可能な期間が昨年の九月までは一年だったんですね。ところが、二年に今度これがまた変更されているんですよね。だから、一方的にこれ約款で変更されているんですね。法律的にこれが多分できるようになっているんだとは私も思いますよ。違法にされているとは思わないけれども、やっぱりちょっと不親切じゃないでしょうかねということなんです。入ったときは一年間の変更ができたんだけれども、今度はそれが二年間になる。それから先ほどのように、十万円何かなくなっちゃって、十万円もらえると思ったのが全然もらえない。それから利子が最初の約束のときよりも高くなる。そういうことを何か一方的におやりになるということは、やはりまずいのではないでしょうか。
 そこにこそあなた方の言う加入者への還元、気持ちの上でも、制度の上でも、お金の上でも、そういうことはもっと生きてこなきゃいけないのではないでしょうかということなので、ひとつぜひ大臣に御見解を伺い、また改善のお約束もいただきたい、改善のための御研究もいただきたいということなのでありますけれども、ちょっと簡単に言ってね、時間なくなっちゃうからね。
#160
○政府委員(相良兼助君) 先ほど利率の改定を申し上げましたけれども、同じように今度は貸し出しの割合を変えておりまして、従来七割までしか貸し出しをいたしませんでした。御本人の保険の積立金があるわけでありますが、そのうちの七割程度までしか貸し出しをしていませんでしたが、これを物によりましては九割ぐらいまで貸し出しができるように改善の措置をとりました。そういったことに関連いたしましての、もし貸し倒れということがありますと困るものですから、この貸し倒れにならないように措置をとるということも反面あったわけでございます。
 なお、契約者の還元ということでございますけれども、この契約者貸し付けは、民間生保におきましては大体八%という率をずっと、貸出金利八%ということを継続してやっておりますけれども、私どもとしましては現在六・六五%というようなこと、さらに今後も金利の水準を見ながらできるだけ実勢に合わしていきたいと、このように考えております。
#161
○国務大臣(唐沢俊二郎君) 今の点は委員会で初めて伺いまして詳細よくわかりませんけれども、このような措置をとった理由は、今簡易保険局長が申したとおりでございまして、利率の改定ですか、これは結局、上げる方だけでもこれは慎重にした方がよかったというような御意見だろうと思いますが、これ結局、その分は加入者がどっかで負担することになるわけですね。ですからやはり公平を旨とすればやむを得ないんじゃないかというような気もするわけであります。
 それから貸付弁済ですか、これは相殺をするようになったのは、やっぱり長く借りていると利子もかさんで大変だというような声もあるというようなこともあるようでございまして、それぞれ理由のあることだと思いますが、しかし我々簡易保険事業というものも常にやっぱり加入者の皆様のため、さらに運用益の還元等も考えていかなきゃなりませんので、今後とも個々のケースについていろいろ検討させていただきたいと思っております。
#162
○山中郁子君 一つ一つけしからぬことをおっしゃっているのよね。でも大臣が今最後にとにかく加入者の立場に立って検討するというお約束をなさるならば、それでそういうふうにしてほしいわけなんですけれども。
 局長ね、一つ一つ私今反論する時間がないから残念なんですけれども、例えば貸し倒れになったら困るとか、百万円の保険に入っている人が十万
円借りていて、何で貸し倒れになるんですか、そんな子供だましみたいな言い方をしないでほしいのよ。それから、利子がかさんで困るって、あなた後ろの方からメモかなんかもらっておっしゃっていたけれども、利子がかさんで困るというのは加入者の方なんですよね。そういう加入者は、ちゃんとそれはそういうふうに先に相殺してくださいときっと言うでしょう、それは。
 そんなでたらめなこと言わないでくれっていうのね。そうじゃないの、個別に今私申し上げたけれども、一つ一つあなた方は加入者の本当に利益を守って、加入者のためにこの資金をちゃんと運営していくということをおっしゃる、口で言うとおり本当に思っているなら、こういう一つ一つのことを、しかも一方的に制度を変えちゃって、それで押しつけるんじゃなくて、そういうふうに改善をするように心がけるべきではないでしょうかって私申し上げているんです。ちょっとまじめに聞いて、せめて今一つ一つについて、私はどうこうしろという時間がないのが残念でありますけれども、積極的に加入者の利益を守るために加入者のそうしたトラブルや苦情、そういうものにも耳を傾けるという誠意ある態度はお示しいただきたい。お願いいたします。大臣。
#163
○国務大臣(唐沢俊二郎君) 我々も今までも先生のおっしゃるように加入者の皆様の利益というものをまず第一に考えておったわけでございますが、やはりだんだん時代が変わってまいりますと、いろいろ制度も変わってまいると思いますが、その際には加入者の皆様の御意見をよく聞いて慎重に検討してまいりたいと思っております。
#164
○山中郁子君 後ほどまた個別に改善方を郵政省の皆さんに詰めていきたいと思っています。
 それと今の解約の問題、解約のベルトの幅の問題とも関連するんですけれども、いろいろ宣伝をして募集しておられるわけですけれども、大変問題だと思いますのは、貯蓄型商品ということで、生命保険としての保障を得ながら貯蓄としても脚光を浴びていますという、こういう宣伝に非常に力を入れておられるんですね。具体的には東京郵政局の問題なんです。簡易保険の貯蓄型商品ということで、簡易保険の貯蓄としても脚光を浴びています。こんなに有利です。こんなにお得です。百万円で百七十四万円になるというのよね、十五年満期で。それは大体みんな、えっなんて思いますよね。そんなに有利なんですかと思う。
 ところが、結局これがいろんな錯覚を消費者にさせて、それで入れるんですね。実際考えてみると、百万円で百七十四万円にもなるような保険があるはずないんであって、結局これも小さい字で、「お支払い例は、昭和四六年度に加入し六カ月前納払込みを継続し、同六一年度に満期を迎える契約のもので」というふうに小さく書いてあるのね。だから、最も率のいいときに、しかも前納とかさまざまなあれを入れて、そしてちょっと、本当に瞬間風速みたいなものですよね。瞬間風速みたいに百七十四万円というのをばっとこうやって出して、これで勧誘しているんですよ。まさにこれ豊田商法まがいだと私は思うんです。だましのテクニックを教えているというふうに言われても仕方がないと思う。
 これは東京郵政局も知っているんですね、そのことを。知っているものだから、さすがにこのパンフを単独で使っちゃいけないという指示を出しているんですよね。それで、どういうことをやっているかというと、これは郵政省からいただいたんですが、販売話法マニュアルといいまして、このリーフレット、これに関してはこういうふうにやらなきゃいけませんよということで、マニュアル出しているんですよ。
 これ見て私も驚いたんですけれども、「このビラは、短期養老(一〇年、一五年)について、貯蓄性があることを理解し関心を持ってもらうことが主たる目的であり、商品内容を全体として説明するには適さない。」と書いてある。みずから適さないと言うのですよ。「従って、そのお客さまについて具体的に保険料を提示してからの説明は、普通養老の筆記用紙又は一般のビラを使用すること。「貯蓄型商品ビラ」はアプローチ段階の補助ビラであるので、契約成立後お客さまに渡しておくものとしては単独では使わず、必ず該当の商品ビラ、又は筆記用紙に内容を記入したものと併用して置いてくること。」こういうものを販売話法マニュアルとしてあなた方東京郵政つくっているの。そしてこれを渡して、それでこれをばらまいて、かき集めているのよ。私、もうこういうことは直ちにやめるべきである、廃棄すべきであるということで、あなた方が幾ら口で言ったって、やっぱりだましの話法ですよ。だましの商売ですよと言われたって仕方ないじゃないですか。それでトラブルがいっぱい出てくるんだから、これは乱やっぱり直ちに自粛をすべきで、直ちに引き上げるべき、廃棄すベきであるということを主張いたしますが、お約束をいただきたい。
#165
○政府委員(相良兼助君) 生命保険には保障性を重点とする生命保険、終身保険等がその代表例でありますけれども、それがあります反面、保障も兼ねながら貯蓄性をかなり有利に展開することのできる保険というものもあるわけでございまして、現在の金利選好のニーズというものが大変強くなっておりまして、現在では貯蓄重視型という、この保険が新契約の七割を占めるような状況になっておるわけであります。
 また、現実にセールスマンの外務員諸君がお伺いをすると、お客さんの方は税金の面はどうなるのかとか、どのくらいに回るのかとか、このたぐいのお話というものが非常に多いわけでありまして、そこら辺に対応するというために指導する必要もあるわけでありますし、そういうお問い合わせについての、お客様に一見しておわかりやすいようなパンフレットを用意した、そういうことでございます。
#166
○山中郁子君 誤解をさせるパンフレットじゃないですか。
#167
○政府委員(相良兼助君) パンフレットについて、今先生から小さい字でというふうに御指摘があったわけでありますが、同じように小さい字でその下に、「また、配当金は、年度により変動(上・下)しますので、将来のお支払額をお約束するものではありません。」ということもきちっと明記をしておりますし、誤解がないように配意をいたしておるつもりでございます。
 また、こちらのマニュアルにつきましても、このように併用をして使えということは、そういうふうなお客さんのニーズがありまして、そちらの方に大変関心をお持ちの方に、そればかりでお話を申し上げると誤解を招くから、それは生命保険なんでございますと、こういうふうに保障がございますということもあわせて必ず説明するようにということを指導しておりまして、この中にも、「保険としての必要なポイントについては、もれなく説明し、必ず契約者の理解と納得を得、万が一にも誤解又は説明不足によるトラブルが発生することのないよう留意すること」ということを大きく言っておりまして、そのための「話法の中で必ず説明するポイント」「生命保険であることを明確に認識してもらう」「死亡した場合の保障があることを説明する。」「短期で解約すると損をする」そのことをも認識してもらう。つまり貯金と違うということを申し上げるわけであります。
 それから、「被保険者の同意及び健康状態の告知を要することを説明しその手続きをしてもらう。」これをマニュアルの最初の部分に、これは小さな活字じゃございませんで、同じ活字で説明をいたしておりまして、これで何とか商法だと言われることは、私どもにとっては大変耐えがたいことでございますので、よろしくお願いいたしたいわけでございます。
#168
○山中郁子君 私が今改めて申し上げるのは、郵政省は詐欺まがいの商法をやめなさいということなんです。だれに聞いてもらったってわかるじゃないの。こんな加入者をだますようなことをやって、それでそういう理屈をこねて、何があなた、加入者本位ですか。国民のための簡保ですか。豊田商法みたいなのをやめなさいということを今私言っているんです。
 それと、今盛んに税金がどうのこうの言いましたけれども、預金は利子全額に課税されます。利子課税源泉徴収二〇%。だから簡易保険の方が有利です。まさにマル優の先取りですよね。そしてこれ、さんざん配った上に、慌ててこういう事態になってきたものだから紙を張って、シールを張って、ここ隠して配った。あけてみたら、マル優を先取りして宣伝しているんです。えげつないにもほどがあるというのです。
 だから私が、もう時間がないので最終的に郵政省に申し上げたいことは、こういうことの結果として販売員を、労働者をつまり成績でもって駆り立てて、そしてさまざまな無理をさせて、さまざまなトラブルを起こす、そういうことがあなた方の商法として、今ますますエスカレートされているんです。東京郵政局、私も驚きましたけれども、販売成績、二千三百七十六人いるこの販売の人たちの一位から二千三百七十六位まで全部こうやって順位をつけるんですね。これでもってそれぞれ労働者を駆り立てる。そしてまた、郵政局同士で競争させる。そして成績が悪い人間を、あなたはそういう理由で、募集の金額が少ない人間を成績が悪いと称して強制配転を行う。最近近畿でも数十名の強制配転を行いました。東京郵政局でもこれからやるぞと言っているそうでありますけれども、断じてそういうことは許されるべきではないということを私は強く申し上げると同時に、解明しなきゃならない問題たくさんありますけれども、きょうは時間がなくなりましたので、また次の機会に解明を進めたいと思っております。
 質問を終わります。
#169
○橋本孝一郎君 簡易保険昨年で創立七十年、郵便年金が六十年、長い間それぞれの時代における国民生活、あるいは福祉目的を中心にして、官営であると同時に簡易性、普遍性のもとにその目的を私は果たしてきたと思うんです。しかし、ずっと論議の中でも出ておりますように、取り巻く環境というのは、高齢化の進展あるいは金融の自由化あるいは国際化、技術革新というふうに環境は変化してまいりました。それにやはり対応して、官業ではあるが商売気も出さにゃいけませんけれども、そこにまたいろいろな問題もあるようですが、負けてはならない。しかし、かといってまた行き過ぎてもいけない。非常に難しいけれども、やはり運営をしていく上において、私は三つの大きな柱があると思うんです。
 まずその一つは、事業制度の効率化、これは常に進めなきゃならないと思いますし、それから、やはりサービスを提供し、しかも大事なお金を預かっておるわけでありますから、それを最も有効に資金を運用するということ、これも大事であります。それからさらに、どんどん時代に適応した商品の開発をやっていく。大体大まかに分ければ三つ言えると思うんですが、その中で、できるだけ重複しないように問題点を提起して質問したいんですけれども、効率化の中で、今保険大きく分けて五種類、それから細かく分ければ二十七種類ぐらいあるように聞いておるんですけれども、そのうちでワーストスリーと言われるのは、資料によると財形貯蓄保険、それから家族保険ですか、それからもう一つ定期保険、特別養老保険、この三つを合わしても一%に満たないのだそうでありますけれども、それなりのやはり効果がないから上がってないと思うんですが、これはちょっと説明してありませんけれども、そういったものの合理化、あるいは合理化するんじゃなくて、そういうものを活用して絶えず新しい保険への勧誘とか、そういうことを研究された実績なり何かありましたらお聞かせ願いたいと思います。
#170
○政府委員(相良兼助君) 確かに先生今お話がございましたように、私どもの基本的な保険の契約としては五種類ということで、それのバリエーションがございまして、現在三十種類に近いような形の内容があって、それから御選択をいただくという形に相なっております。
 おっしゃいましたように、大変加入の実績が少ないようなものについて、まあ言葉は悪いんでありますが、スクラップ・アンド・ビルドと申しますか、新しいような形で再生をさせるなり、違う角度からのものに切りかえていくといったようなことが今後の時代の移り変わり等に合わせまして必要であろうかということも思うわけでございます。今後そういう点を先生の御指摘を外しながら検討してまいりたい、このように思っております。
#171
○橋本孝一郎君 そこで、いろいろな意見もあるんですけれども、民間の生命保険会社の介護保険の関係ですけれども、介護保険の提供内容というんですか、どのように把握されておりますか。
#172
○政府委員(相良兼助君) 現在民間生命保険は二十九社を数えておるというふうに認識をいたしておりますけれども、このうち介護保険というサービス商品を提供いたしておりますのは四社でございます。一社は痴呆保険ということで、痴呆状態を保険事故ということで、それだけをやっております。残る三社は寝たきりという、こちらの方の状態、介護すべき状態をとらえて対象として発売をしておるということでございます。
#173
○橋本孝一郎君 その場合、ちょっと私の聞き違いかと思いますけれども、家政婦派遣というのをやっているところはありませんか。現物給与ですね。
#174
○政府委員(相良兼助君) 先生御指摘のように、保険金のお支払いにかえまして家政婦への取り次ぎ、そういうサービス券を配付をするという内容の商品というものも民間保険にはございます。
#175
○橋本孝一郎君 これは意見になるんですけれども、何かそういう紹介をするというふうなところもあるようでございますけれども、特に郵便事業の場合には、いつも言っておりますように事業所も多く、しかも非常に信用もあるわけですから、家政婦にもいろいろとあるようですから、そういうやはりきちっとした者を紹介してあげるというようなこともひとつこれからの検討課題としてお願いしておきたいし、それからどなたかもおっしゃられたと思うんですが、簡易保険から郵便年金への変更可能な商品ですね、そういったものの開発、そういったものは検討事項ばかりですけれども、これはひとつ早急に、そういう利便性を図る意味においても検討を早く進めてもらいたいと思います。
 次に、資金運用制度の改善に関連することでお聞きしたいんですけれども、今度の運用の拡大に、伴う収益の増加は一体どの程度見込んでいますか。
#176
○政府委員(相良兼助君) 金融情勢の推移によりまして、そのときどきの運用の際の対象の利率にょっていろいろ変わってまいりますし、現在大変変動が激しいわけでございまして、なかなか予測が難しいわけでございます。財投協力以外の社債等に資金を投じております有利運用部分と申しますか、これらで一%ほどより有利に運用ができるということになると仮定をいたしますと、年間大体百億円ほど有利運用が可能であるというふうに思われます。
#177
○橋本孝一郎君 外国債の運用に関してですけれども、百分の十から百分の二十に今度上げられたわけですね。その理由というのは一体何なんですか。
#178
○政府委員(相良兼助君) 現在まで社債、外国債ともに保有制限が積立金の総額の百分の十ということで制限があるわけでございます。現在の運用の実績で申し上げますと、社債につきましては六・六%ほど、それから外国債につきましては五・六%ほどの数字が示されております。しかしながら、従来、政府保証債ということで社債としてカウントしておりませんでした電信電話債券、NTTの、あるいは日本国鉄、国鉄等の民営化によりまして、これらが社債を発行するというようなことにも相なりまして、そういう状態、さらには現在の社債で範囲といたしておりますところの七業種のみでは、その発行する社債が全体の中で三割を切るような状況になっておりまして、非常に有利運用に制約を受けるということがございます。そういうことも勘案いたしまして、百分の二十までお認めをいただきまして、直ちに百分の二
十といったようなことを考えておるわけではありませんけれども、百分の十ではいかんせん大変きついわけでありまして、そういうことで枠の拡大をお願いしたい。
 外国債につきましても、三、四年前は一・三%という数字から年ごとに保有がふえてきておりまして、現在約一兆六千億円の外国債を保有いたしておるわけでありますけれども、従来の増加傾向等から見ますと、これも数年ならずして百分の十を超える状況が予想されますので、他の現在保有制限をいたしております金融債、それから元本補てんのあるものという金銭信託、これが百分の二十ということで現在規定をされておりますので、社債と外国債につきましては、これを同じように百分の二十ということにお願いをしたい、かようなことでございます。
#179
○橋本孝一郎君 外国債ということになれば、当然今の為替リスクという問題が必ずつきまとってくるわけでありますけれども、この点についてどのように考えているのか。
 それからまた、米国債の入札ですね。これに参加したのかどうか。同時に今後国策に協力するという大蔵省の指導があったんだろうと思うんですが、今後外国債投資を行うに当たって、利回りとの関係についてはどのように考えているのか、お尋ねしたいと思います。
#180
○政府委員(相良兼助君) 外国債の運用につきましては、まず発行されますところのいわゆるカントリーリスクというものを十分に勘案をいたしておりまして、権威のある機関が認定をしておりますところのおおむね上位十カ国、一部二十カ国の範囲内にとどまるような国におけるところの債券の発行ということで対応いたしておるわけであります。また、国際的な機関でありまして数カ国にまたがるような、そういう国際機関の発行します債券を重点的にやっておるというようなことでありまして、できるだけ国も分散いたしまして、通貨別にもこれを分散する。それから、購入の際も系列的に時をずらしながら総体の期間の中で為替リスク等を回避をするといったようなことも考えながら運用いたしておるわけでございます。
 お尋ねの、先ほど来国の国債の入札がございまして、日本からも応札があるというようなかれこれありまして、一部に簡保が入札をするのではないかといううわさもマスコミの中であったやに思うわけでありますけれども、事実関係としては、私ども前回の入札には参加をしておりませんし、また大蔵省から格段の要請もございませんでした。
 今後につきましては、今申し上げましたような全体的な為替リスクを避けるような形の運用、国内債の発行利率等との関係で、ある程度の為替の利率の低下が生じましても、十分国内債と比べましてなおかつ有利であるといったような外国債を主体に運用してまいりたい、このように思うわけであります。
#181
○橋本孝一郎君 最後に外国債のことで。
 社債とか外国債とも資本金が六十億以上というのが先ほど出ておりました。これは安全性を考えているというお話でございますけれども、外国の企業というのは、非常に企業買収というのが日本に比べて多いですね。そういう点については同一視していいのかどうか、お考えをお聞きしたいと思います。
#182
○政府委員(相良兼助君) 国内の社債につきましては、先般これは政令事項でございまして、一日も早く有利運用を図りたいということもございまして、資本金六十億円以上の一部上場会社ということにしたわけでございますけれども、ただそれは最低限のラインを引いたわけでございまして、その中からまた特に安全有利ということを念頭に置きながら、それぞれの会社の発行する社債を保有してまいるということでありまして、外国債につきましては、この後また政令ということにつきまして検討いたしておるわけでございますけれども、ほぼ同じような資本額を有する会社等を対象にしたい、特に政府の保証がありますような債券を主体に運用してまいりたいと思っておりますので、先生御指摘のようなそういうものについては手を出さないということで対処してまいりたいと思っております。
#183
○橋本孝一郎君 最後に、要介護の保険の年額八十万の適用範囲期間を十年とした、こういう説明が先ほどからもあったわけですが、介護保険の加入限度額が一千万となっておりますので、この商品設計に当たって、保険料払い込み期間後は、むしろ死亡保険支給をゼロとして、一定の期間ごとに、例えば健康祝い金というような格好で支給して、残りを要介護状態による保険金の支給に充てるよう、こういった時代の要請にマッチした商品に変化さしていってはどうかと思うんですが、お考えありますか。
#184
○政府委員(相良兼助君) この保険が終身保険ということもございまして、さらにはやはり死亡されました際は、遺族のための葬祭料といったようなことから、やはり何がしかの死亡保険金を支払いをするということが現実的であろうというふうに考えるのが一つございます。
 それからもう一つは、保険料払い込み期間終了直後に仮にお亡くなりになったというような方につきましては、払い込み期間中に死亡されますと、一千万の保険料であれば一千万の保障ということになるのでありますけれども、今回の保険というのは、払い込み終了後介護すべき状態になったというときに初めて保険の支払い事由が発生するわけでございますので、死亡保険金をゼロにいたしておきますと、払い込みが終わったけれども、まだ介護等にいかない前にお亡くなりになった方は全くゼロという結果が出てまいりまして、それはまたいかがなものであろうかと。したがいまして、死亡保険金を二割程度に抑えまして、残る八割を介護に投じて、介護重視型でありますけれども、特色を出したということでございます。そういうことでございますので、どうか御理解いただきたいと思います。
#185
○橋本孝一郎君 終わります。
#186
○青島幸男君 本日の質疑を通じまして、微に入り細にわたりましていろいろ御議論が闘わされまして、こういう問題点が絞られてまいりますと、どうしても重複する部分が出てまいります。あれもこれも重複ということで苦慮しておるわけでございますけれども、二、三気づいた点だけを御質問申し上げて、また意見も述べさしていただきたいというふうに考えております。
 まず問題になりましたのは、常時介護が必要になったときに保険金がおりるようにというのは大変な前進で、一番必要な時期にそれがなされるということで、長いこと求められていてそうなったという結果で、それは喜ばしいことだと思うんですけれども、ただその認定のありようについて各委員の方、大変危惧を持っておられたということですけれども、その認定も医師の診断書とその他でいろいろ配慮なさっているようですけれども、先ほどちょっと御提案があった受取人の特定の問題、これまた大変に複雑に、なってまいりましてね。
 本人が本人のために掛けた保険で、しかも年とってまいりますと、どうしてもちょっと記憶力の方も減退をしたり、支離滅裂なことを言い出したりというケースもあるわけですね。しかも、ある時点で急に痴呆になったというような方はまだわかりやすいのですけれどもね、おとといは非常に理路整然としていたし、記憶力も正しかったと。きのうはちょっとわからないことを言っていたけれども、きょうまた正しいというようなケースもありますしね。ですから、その辺のところが大変に個人差がありましてね、特定しにくい。
 それに先ほども出ましたように、痴呆に陥られた方がみずからそれを申告するというわけにいきませんので、そばにいる介護者なり親戚なり、あるいは近所の方というところまで範囲を広げられたようですがね、その方の実際面倒を見る任に当たるのかどうかとかですね、実際その方が保険を掛けられたときの意思に沿う格好で支払いがなされるかどうかということを綿密に配慮していきませんと、意味をなさなくなると思うんですよね。ですから、その辺への配慮を徹底して行っていた
だくように要望を申し上げます。まずこれは要望です。
 それから、先ほども出ましたけれども、お金を支払うということだけではなくて、介護人のあっせんだとか、そのような現物供与といいますか、そういう点でも蛇間では考えられているということですけれども、その考え方を広めていきまして、介護施設をある程度、保養施設なんかたくさん郵政省持っていらっしゃるようですけれども、介護施設までつくって、御要望によっては、そこでまあ短期間にしても、御希望があればそこで気晴らしに過ごしていただくというようなことがあってもいいんじゃないかという気さえするんですけれども、その辺、これは将来的な展望になりますけれどもね、八十万円で十年で何ができるかということですけれどもね、それもおのずと制約があることでしょうけれども、その辺の展望をお聞かせいただければと思います。
#187
○政府委員(相良兼助君) 介護人のあっせんという点につきまして、私どもも本当はそういうサービスができれば大変望ましいと思いますし、またそれが近い将来だんだん可能な現実的な条件というのが整ってくることを希望いたしますし、また簡易保険といたしましても、そういう方面の活動にもいろいろ力を入れてまいりたいと思っております。ただ、やはり全国的に多数の加入者の方を対象にいたしまして、そういう現物給付的なものを保険の給付の内容に現時点で取り入れるということについては、まだ大変ヘジテートするところがあるわけでございます。将来的にはこれはぜひ前向きの態度で取り組んでまいりたいと、このように考えております。
 それから、福祉施設等につきましても、現在全国にも福祉施設を有しておりますし、全く終身そこで特定の方々が少数御利用いただくということにつきましては、全国の加入者の方々ができるだけ均てんじて御利用いただくということが本来的に望ましゅうございますから、その点はかなり議論もあろうかと思います。ただ、ショートステイとかデイケアとか、こういうようなものについて御利用をいただくということは、大いにこれは研究をする価値のあることだというふうに思っておりますので、これもまた今後研究をさしていただきたいと、このように思っております。
#188
○青島幸男君 ほかにこの福祉問題を所掌する役所があるわけですから、どこまで郵政省が責任持って実行していかなきゃならないのかということ、おのずと限度もあろうかと思いますけれどもね。私も国民生活の委員会などに所属さしていただいた折に、方々の施設なんかを拝見する機会があったんですけれどもね。それはもうさまざまなものを見せていただきました。
 一つの例は、大変風光明媚なところの海岸線に沿った高い一等地みたいな場所に大変リゾートの、外国のホテルのような外観の建物がありましてね。それはもちろん民間ですけれども、そこは特定のスペースを買うという格好で入居する、入居という格好で入るんでしょうけれどもね。それは何千万という単位のお金なんですけれども、そこに入られて、それこそ常時看護婦さん、お医者さんがおいでになって、健康の管理もしてくれるし、それから、それぞれ御老人になりますと、高血圧に配慮なさる方、あるいは糖尿に配慮なさる方、さまざまな体の特徴を、あるいは障害をお持ちの方もふえてまいりますと、一律に食事をというわけにもまいりませんで、その方々のための配慮というのがなされておりましてね、栄養士もついておりまして、一々その方に合った食事をその都度用意するというようなところまで行き届いておりましてね。こういうところにというふうに一瞬は思うんですけれどもれ。しかし、これ、自分で金払って、ここへみずからを閉じ込めてしまう結果になりはしないだろうかというような気もしましてね。その美しいところに、健康的な清潔な部屋をあてがわれて、そこで住めば、それが老後、幸せな生涯を約束できるのかというと、必ずしもそうとは言えませんですね。ただ物理的に諸条件がそろえば、それで充足するというわけじゃありませんからね、幸せというのは、あるいは生きがいというのは。
 それともう一つ、これは極端な例ですけれども、軒は傾き塀は倒れというような、地方のそういう施設なんですけれども、そこには近所の若い方たちがボランティアというような格好で訪れておられましてね。体の不自由な方の介護をするのももちろんですけれども、あるいはちょっと記憶が減退していらっしゃる方なんかに手とり足とりいろいろ楽器を持たせて、一緒に歌を歌うとか、遊戯をするというような格好で、活力といいますかね、そういうものを開発して、いっぱい幸せをかみしめて、老後を楽しんで生活できるようにというようなことで、大変な配慮で、金はないけれども、おいでになっている方が大変幸せそうに見えるというケースもありますね。
 ですから、そういう意味合いで、何が幸せなのか。被保険者といいますか、加入者といいますかね、加入者が求められていることは何なのかと。将来どういう形のものが本当に皆さん方の老後の生活を、ただ肉体的に保障するだけでなくて、精神面においても充足した生活、生きがいのある老後が過ごせるようにするためにはどうすればいいかというようなことを考えていくのがこれからの保険のありようだと思うんですね。でもまだそこまで一挙に到達するのはなかなか時間的に無理かもしれません。今ここまで来たということだけでも私は大変評価をしているんですけれども、今後ますます長寿社会に向かうに当たりまして、そういう老後の人の幸せをまず考えるという形而上的な面の配慮を十分に生かしたような施策を今のうちから積み立てていかれる方が真の保険の意味合いを全うできるんではないかという感じがいたします。
 取りとめのないことをいろいろ申し述べましたけれども、質疑を伺っている間に感じた感想でございます。別にきっちりお答えいただかなくても結構ですけれども、今後の将来への展望に当たりましての御感想、あるいは大臣お感じになりましたことありましたら、一言でも結構ですから、どうぞお答えになっていただきます。
#189
○国務大臣(唐沢俊二郎君) きょうはずっと先生方に金銭給付について評価をしていただいて、大変ありがたく思っております。今、福祉、もろもろの福祉サービスとか、あるいは介護員の派遣等ですか、いろいろ現物給付も考えるべきではないかというお話でございましたが、これは局長が御答弁申し上げましたような理由で、全国的規模で国が保険事業としてやるのは若干時期尚早ではないかと思っております。しかし今先生言われましたように、加入者の皆さんが何を望んでおられるか、何が加入者の皆様に精神的また物質的に貢献することができるか、こういうことはやっぱり我々が常日ごろ長期間かけて検討していく課題だと思います。いろいろ御高見を伺わせていただきまして、ありがとうございました。
#190
○青島幸男君 終わります。
#191
○平野清君 質問に入る前に、二十二日の金曜日ですか、郵便三法のときに新聞の購読料の自動振り込みのことで御質問申し上げました。大変お役人さん御熱心で、直ちにお答えを持ってきてくださいました。
 全国新聞協会調べということで、全国に新聞販売店が二万三千三百六十一店あるけれども、そのうち一万三百二十四店が自動振り込みをやっておるというお答えをいただきました。
   〔委員長退席、理事大木正吾君着席〕
そこで私の方も調べてみましたら、ただその制度をやっているにすぎないんであって、一販売店がもう五部とか十部とかごく少ない数の自動振り込みなんです。なぜかといいますと、新聞というものは一カ月きりとらない人もいますれば、三カ月でやめてしまう人もある。一年とる人もいれば、おじいさんの時代からずっと同じ新聞をとっていると。なかなか自動振り込み難しいわけです。それで自動振り込みが進まないんだと思います。
 先日、埼玉県のある販売店と申し上げましたのは、埼玉県の鳩ケ谷市の読売新聞の販売店でござ
いますけれども、三菱銀行系のダイヤモンドファクターという引き落とし機関を利用しまして、全国三十機関、八十銀行とコンピューターオンラインで契約を結びまして、そこでもってどの銀行からも新聞購読料が引き落とせるというふうになっているわけです。そこで、鳩ケ谷の市民は、鳩ケ谷郵便局から既に百五十件自動振り込み制度に成功しているわけです。先ほど先生方からもこの簡易保険の、生命保険や何かの代金を銀行から引き落とせないかということのお尋ねがありました。局長の方からは、郵便局と銀行との負担の率が違うのでなかなかできないというお答えでございました。しかし新聞の場合、これ全部販売店が負担しております。郵便局は十五円で銀行は二十五円ですけれども、二千八百円の代金の中から新聞販売店が負担して成功しているわけです。
 ですから郵政省の方もやる気があれば、例えば、半年に一遍五万円なり六万円なりこの生命保険の金を取りに来るわけですが、銀行に預金があって郵便局に預金がない人は、通知が来るたびに銀行へ行って五万円を引き落としてきて、郵便局さんがいらっしゃるのを待っているというのが実態だと思うんです。そういうときに積極的に大蔵省に中に入っていただいて、銀行協会と一日も早く連携作戦をとっていただく、それで郵便局のそういうものも自分の銀行口座から引き落とせるというのが近代的じゃないかと思います。ほとんど月給が銀行に入ってくる時代に、一々郵便の金額を銀行に行って引き落としてきて待っているというのはなかなか二重の手間だと思うんですが、いかがでしょう。
#192
○政府委員(相良兼助君) 今先生の方から郵便振替の手数料は十五円で、銀行は二十五円だというお話がございました。私どもの調査によりましても高いところは五十円という銀行もあるようでございますけれども、毎月のこれが負担ということになりますので、試算をいたしてみますと、かなりの高額ということにも相なります。
   〔理事大木正吾君退席、委員長着席〕
したがいまして、ここら辺につきましては、先生がおっしゃいましたような形で今後いましばらく検討なり折衝ということをさしていただきたい、このように思うわけでございます。
#193
○平野清君 前向きで検討していただきたいと思います。例えば半年払い、一年払いの方は郵便局で持つとか、一カ月ごとに払う人は自己負担にするとか、いろいろな方法があると思うんですね。
 じゃ次に入ります。郵政省は民間の生保と競争しようというつもりはないと思いますけれども、民間生保についてはいろんな問題があると思います。私たちサラリーマン新党としましても、老後に備えて民間生保のどういうものに入った方がいいのか、郵便局のどういう制度を利用した方がいいのか、婦人部を通じて長いこと研究いたしました。しかし全部、どんなパンフレットをとりましてもわからない。どこが得で何が違うのか素人にはさっぱりわからない。結局入るときは、コマーシャルじゃありませんけれでも、保険のおばさんか郵便局の制服の人に言われたとおり入ってしまうというふうになると思うんですが、郵政省としては、先ほど来商品という言葉が問題になりまして、別に民間の生命保険と競争しているとは思いませんけれども、私たちは生命保険会社はどうも聖域なような気がするんですね。幾らもうけているのかさっぱりわからない。この長寿社会で多大の利益が出ているけれども、保険料は下がったということは余り聞かない。郵政大臣としては、そういう大きな民間生保と競争していくわけですから、大蔵省がどういう民間生保の仕組みを聞いて勉強していらっしゃるのかをちょっとお聞きしたいと思います。
#194
○政府委員(相良兼助君) 民間生保の各社と私ども国営保険としての簡易保険のスタンスの問題でございますけれども、私どもとしましては、やはり今後の長寿社会の対応という点での生命保険や個人年金の持つその意義というもので、官たるとを問わず、あるいは民たるとを問わず、お互いに相携えまして福祉の増進のために努力をしてまいるべきだと。そのために知恵を絞った商品の開発とかサービスの提供ということで建設的な競争ができるということは大変好ましいことであろうというふうに考えておるところでございます。私どもの簡易保険は国営でかつ非営利でありますので、いろいろ予定利回り等もお客様にお約束をして、さらにそれ以上有利な運用ができました剰余金等については、これはお客様に還元をするということでやってまいっておりますし、現在は民間生保におきましても、そういう意味では私どもと変わらず多くの部分を契約者に還元をされておるというふうに理解をいたしておるわけでございます。
 いろいろ提供する商品の中身がわかりがたいという御指摘に対しては、今後ともできるだけ御契約者のしおりでありますとか、いろんなディスクロージャーのための冊子等によりまして、わかりやすい表現を工夫しながら取り組んでまいりたい、このように考えております。
#195
○平野清君 そうしますと、今後長寿高齢化社会がもっともっと進んだと仮定いたします。そうしますと、郵政省を含めて生命保険、簡易保険をやっていらっしゃる、業とする人たちは得するんでしょうか、損するんでしょうか。
#196
○政府委員(相良兼助君) 私どもは今申し上げましたように非営利でございますので、損得ということよりも、その収支が合うか合わないかということを大変心配しておるわけでございますけれども、一般的には、これはもう本当に一般的に申し上げまして、生命保険の方は、できるだけ長生きをされる方が経営内容がよくなりまして、それで年金の方は、大変長生きをされますと、困るわけじゃございませんけれども、物にはほどというものがございますが、一言で申し上げますと、そういう感じでございます。
#197
○平野清君 いつも何か答えがはぐらかされて、諸先生いつもぷんぷん怒っているんですが、それではちょっと異説を申し上げます。
 今、長寿社会、高齢社会と申しますけれども、今から短命社会が始まると言う学者もいっぱいいるわけですね。なぜかというと、今高齢の方は、ほとんど明治生まれの方、もしくは大正のほんの初期なんですね。粗食でも天然の野菜を食べ、米を食べ、いい空気を吸い、自分の足で歩き、明治の日清、日露ですか、戦争を生き抜いて、本当の丈夫な日本人なんですね。それが大正十年ぐらいから、私たちを含めて、吸う空気から何からすべて、食べるものに至るまで全部公害のものばっかりなんです。果たして本当に長寿社会、高齢社会がずっとやっていけるのかどうか、そういうことも考えますと、保険制度というのは、むやみやたらに新製品だから、新商品だからというふうな考え方に立たずに、やっぱりそういういろんな意味で深い検討をしてから新しい商品を出していただくように、これは余談ですから、一部の学者がそう言っているので、ここにいらっしゃる昭和生まれなんかの人がびくびくしちゃうと困るので、その辺にしておきたいと思います。
 生命保険事業では、新規契約の募集が事業の根幹であることはもちろんですけれども、最近における簡易保険、郵便年金が大分伸びておるようですけれども、その好調の原因というのはどういうふうにお考えですか。
#198
○政府委員(相良兼助君) おかげさまで募集という点で見ますと、簡易保険も対前年比、保険の件数等で一割増というような、特に昨今は、この一両年は好成績を上げておるわけでございます。
 シェアという形になりますと、実は民保各社もあるいは農協さんの方も非常に成績がよろしいわけでありまして、この五年ほど、個人保険の全体のシェアの中で簡保の数字はほとんど一定であります。全体の三四%程度で推移をいたしておるわけであります。ただそれは大変好調だということで、シェアは変わっておりませんけれども、好調の原因というのは、やはりどうしても否定できないのは、一つは昨今の金利低下ということの中での金利の選好が生命保険にも一部影響として出てきていて、有利なものについての選択があるとい
うことは否定できない事実だろうというふうに思います。例えば民間におきますところの一時払い養老保険が倍々ゲームのようにして伸びてきた。このことは私ども簡易保険にとりましても無縁ではございませんで、全期の分を前納されるというケースがふえてまいっておりまして、そういうことも一つは好調の原因だと。もちろん全国の関係する職員の努力、なかんずく無集配特定局等におきますカウンターセールスの伸び率等がふえておるといったようなこともございます。
#199
○平野清君 そうしますと、ますます郵政省の任務は重くなるわけですけれども、利用者の声が制度に反映しない限り、もっともっと進展するわけはないと思います。そういう意味で、これからの簡保を含めて大臣の所信をぜひお伺いしておきたいと思います。要するに加入者の声をいかに聞いていくかということです。
#200
○国務大臣(唐沢俊二郎君) 先ほども御意見がございましたが、やっぱり長寿社会に向かって保険、年金というものはますます重要になるわけでございます。国際化、自由化、情報化の時代でございますから、やはり制度もその都度変わると思いますけれども、その際には十分加入者の皆様の御意見を伺って慎重に進めさせていただきたいと思います。
#201
○平野清君 簡易保険の中には加入者への貸付制度がありまして、先ほど来いろんな利息の問題その他で御質問がありました。今回いただきました資料を見ますと、貸付金の予算が五十一年には一千億円、五十八年には一千九百億円、それが六十年には千四百億円、六十一年には千三百億円とがっくんと落ちております。それが急に六十二年になりますと、また千八百億円になっております。途中で大幅に減ったり、本年度なぜそのように大きく増額せざるを得なくなったのかをちょっとお聞きしたいのと、それからこの責付金というものは積極的に貸そうというお心がけなのか、預かっている以上、その人が困って借りたいんだから、面倒だけれども貸してやるとおっしゃるのか、どちらなんでしょう。
#202
○政府委員(相良兼助君) 最初に貸付金の金額の変更についてお答え申し上げます。
 確かに御指摘のように波があるわけでございますけれども、私ども貸付金の計画をいたしますときには、おおむね前年度の実績に準拠をいたしまして計画をいたすわけでありまして、このように減少しておるのは、ただ前年度の実績が低下をしてきておるので、ほぼそれに見合う計画枠を計上してきた。今度また千八百億にふえたというのは、昨年の九月に代付利率を七・二から六・六五というふうに落としました。それから貸付割合等を増加したというようなことで有利な条件になったので、代し付けを受ける方々がまたふえてきたという中実がありますので、ふやしたわけであります。
 それから後段の方の、先生渋々とはおっしゃいませんでしたけれども、面倒くさいけれども貸すんだというのか、それともどんどんお貸し申し上げるのかというのは、私どもの簡易生命保険の沿革から申し上げますと、当初から、契約者貸し付けというものはもう最初からあるわけでございまして、これは御加入をいただくお客様から御要望があれば、何はさておいても私どもとして代し出しをいたすべきだと思いまして、仮に計画枠に計上しておりましてそれが不足をするような事態があれば、当然のことながらこれを追加して御要望にこたえていく、このように思っておるわけであります。
#203
○平野清君 そうしますと、実はここに私たちの党あての手紙がございます。ここに貸付金の返済要請書というのがございます。確かに「拝啓郵便局をご利用いただきましてありがとうございます。」とあるんです。さて、その次なんですが、いきなり、御契約について、あなたの返済期目は下記のとおりになって期日が迫っております。○○証書と、これは面倒くさいから入れないんでしょうね、何々証書を添えて貸付金額と利息を返済日までに弁済してほしい。もし弁済期日が過ぎた二カ月後以内に返済がないと、利息のほかに貸付金額百円またはその端数につき幾ら幾らのものがかかります。以下、延滞料の詳細は次のとおりですと書いてあるんですね。
 この人が言っている感想を申し上げます。この人は僕のよくわかっている人で、大変立派な人物です。
 郵便局の文書の内容は以上のとおりです。私はこれを読んで、金返せ、返さないと高い利息を取るぞと、まるでサラ金業者からの督促状のようなものであります。「期限が来ましたのでお返しください。借りかえの方法もございます。どちらの手続もなさいませんと次のような延滞料がつきます。御承知おきください。」どちらが日本語だと思いますか。この文書を見て、私は今後一切郵便局との交際を断って、銀行から金を借りたり銀行に預けることに決意を固めた次第ですとはっきり書いてあるんですね。
 この人は、はっきり言うと、東大法学部を出ております。別に学校、東大出たから偉いというわけじゃないんです。
 私、しばしば言いますとおり、同じ返してくれというのでも、文書一つでもってその人がいかに気持ち悪くなるか。これ、どうも子供さんの学費を借りたらしいんですね。それで、名前も確かに今コンピューター処理ですから、片仮名だと思います。だけれども、あて先までも「カラサワサマ」とか、それで、その姓だけで名前はないんですよね。証書のあいているところにも何もなくて、よくわからない。私、これ見て、簡易保険なのか、生命保険から借りているのか、何から借りているのか、さっぱりわからない。そういうことについて大臣どう思いますか。
#204
○国務大臣(唐沢俊二郎君) この間も役所の、郵政省の文書についていろいろ御指摘をいただいてありがたく思っております。
 最近、郵便局も非常に愛想がよくなったと、最近――前もよかったのかもしれません、最近特によくなったらしいのでございますが、ただ、残念ながら文書には、先生御指摘の点がございます。そして、文書によるお客様への御案内、御通知に当たりましては、お役所的、紋切り型的にならないようにしなければならないということで、今後それを慎重に検討さしていただきます。
#205
○平野清君 前の国会でしたか、例の不在者留置郵便のことをお願いいたしました。そちらの文書も直してほしいということを申し上げましたら、早速直していただいて、当人からは大変わかりやすくて、読みやすくて大変よかったという礼状が来ておりますので、それをつけ加えて終わります。
#206
○委員長(高杉廸忠君) ちょっと速記とめてください。
   〔速記中止〕
#207
○委員長(高杉廸忠君) それでは速記を起こしてください。
 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#208
○委員長(高杉廸忠君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#209
○山中郁子君 私は、日本共産党を代表して、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律及び簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
 簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律は、その目的として、「確実で有利な方法により、且つ公共の利益になるように運用することによって、簡易生命保険事業及び郵便年金事業の経営を健全ならしめること」と則記しております。
 ところが、本法案は、積立金の運用範囲を拡大するとして、第一に、外国債、社債の保有制限を、従来は積立金総額の百分の十だったものを百分の二十に引き上げようとするものであります。
しかも社債の場合はこれを機に、従来、公共七事業に限定していた枠を外し、資本金六十億円以上の企業の社債も対象にするよう既に政令を改定しております。
 第二に、簡易保険郵便年金福祉事業団に対する貸し付けが行えるようにし、事業団は加入者福祉施設の設置及び運営という本来の業務を大幅に超えて、この資金を運用し、得られた収益を簡保年金特別会計に繰り入れることを課せられます。しかも事業団が行う資金運用業務は、従来、国の機関が行う投資の対象としてはリスクが高いので、除外している元本補てんの契約がない金銭信託も行えるようにしているのであります。これらはともに日米の財界、金融独占資本が要求する金融自由化の一環であり、運用の仕方によっては簡保、年金加入者に不利益をもたらすおそれがあることを指摘せざるを得ません。本来、加入者のものである簡保、年金の積立金でこのような危険を伴う運用は行うべきでなく、法律の目的とするところからも逸脱するものであります。
 今や世を挙げて財テクに狂奔している観がありますけれども、国までが浮かれてこれに加わり、投機機運を助長するなどはもってのほかのことであります。あくまで法律が目的とするところに照らして、確実で有利な方法により公共の利益になるように運用することによって、事業の経営を健全ならしめるという姿勢を堅持するべきであることを重ねて主張するものであります。
 なお、簡易生命保険法及び郵便年金法の一部を改正する法律案は、加入者の要望にこたえる側面もあるので賛成することを表明して、私の討論を終わります。
#210
○委員長(高杉廸忠君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより両案について順次採決に入ります。
 まず、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律及び簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#211
○委員長(高杉廸忠君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、簡易生命保険法及び郵便年金法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#212
○委員長(高杉廸忠君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#213
○委員長(高杉廸忠君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#214
○委員長(高杉廸忠君) 次に、電気通信車業法の一部を改正する法律案、放送法及び電波法の一部を改正する法律案及び電波法の一部を改正する法律案の三案を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。唐沢郵政大臣。
#215
○国務大臣(唐沢俊二郎君) 最初に、電気通信事業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近における国際電気通信役務の需要の多様化等にかんがみ、本邦外の場所との間の通信を行うための電気通信設備を他人の通信の用に供する特別第二種電気通信事業の実現とその健全な発達を図る等のため、所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 まず第一に、郵政大臣は、電気通信事業者が国際電気通信事業に関する条約その他の国際約束により課された義務を誠実に履行していない等のため、公共の利益が著しく阻害されるおそれがあると認めるときは、業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができることとしております。
 第二に、第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、他の電気通信事業者と電気通信設備の接続または共用に関する協定を締結し、または変更しようとするときは、郵政大臣の認可等を要することとしております。
 第三に、第一種電気通信事業者は、提供条件が契約約款と異なる電気通信役務(約款外役務)を第二種電気通信中業者に提供するため、約款外役務の提供に関する契約を締結し、または変更しようとするときは、郵政大臣の認可を要することとしております。
 第四に、郵政大臣は、一定の電気通信事業者間の電気通信設備の接続もしくは共用または第一種電気通信事業者の特別第二種電気通信事業者に対する約款外役務の提供に関し、公共の利益を増進するために特に必要かつ適切と認めるときは、当該接続等に関する協定または契約を締結すべきことを命ずることができることとしております。
 以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしておりますが、特別第二種電気通信事業の変更登録に係る規定の整備を行う改正規定は、公布の日から施行することとして一おります。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 次に、放送法及び電波法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、国際放送の受信改善を図るため、外国放送事業者に我が国の国際放送の放送番組を中継してもらう場合に、その外国放送事業者の放送番組を日本放送協会が中継することができるようにし、また、超短波多重放送を実用化するために、必要な規定の整備を行おうとするものであります。
 次に法律案の概要を申し上げます。
 まず、放送法の一部改正の内容でありますが、その第一は中継国際放送についてであります。
 日本放送協会は、国際放送の放送番組を外国において送信する外国放送事業者に係る中継国際放送を行うことができることとするとともに、日本放送協会が外国放送事業者との間に中継国際放送の放送区域、放送時間等を内容とする協定の締結等を行うときは、郵政大臣の認可を受けなければならないこととしております。また、郵政大臣は、この認可を行うときは、電波監理審議会へ諮問しなければならないこととしております。
 第二は、超短波多重放送についてであります。
 日本放送協会は、超短波文字多重放送を行うこととするとともに、超短波多重放送を行おうとする者に放送設備を賃貸することができることとしております。また、郵政大臣は、日本放送協会及び超短波放送を行う一般放送事業者に対し、その超短波放送の放送設備を超短波多重放送の用に供するための計画の策定及びその提出を求めることができることとしております。
 その他、所要の規定の整備を行うこととしております。
 次に電波法の一部改正の内容について申し上げます。
 これは、超短波放送をする無線局の免許が効力を失ったときは、その放送の電波に重畳して超短波多重放送を行う無線局の免許も効力を失うこととするものであります。
 なお、この法律は、昭和六十二年一月一日から施行することとしております。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。
 次に、電波法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近における電波利用の増加等
の状況にかんがみ、行政事務の簡素合理化等のために特定の無線局の免許を要しないこととする等の措置を定めるとともに、電波の有効な利用の促進を図るための所要の措置を講じ、あわせて違法な無線局の増加に対処する等のため、所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 まず第一に、空中線電力が〇・〇一ワット以下である無線局のうち郵政省令で定めるものについては、技術基準への適合性等を確保した上で免許を要しないこととしております。
 第二に、九百三メガヘルツから九百五メガヘルツまでの周波数の電波を使用し、かつ、空中線電力が五ワット以下である無線局であって、技術基準適合証明を受けた無線設備のみを使用するものの免許の有効期間については、現在の五年から十年とすることとしております。
 第三に、郵政大臣は、混信に関する調査など無線局の開設等に必要な事項について照会及び相談に応じる等の業務を適正かつ確実に行うことができると認められる公益法人を電波有効利用促進センターとして指定することができることとしております。
 第四に、免許状に記載された空中線電力の範囲を超えて無線局の運用を行った場合の罰則を整備することとしております。
 第五に、郵政大臣は、技術基準に適合しない無線設備を使用する無線局が他の無線局に妨害を与えた場合において、その妨害が技術基準に適合しない設計に基づき製造等された無線設備を使用したことにより生じ、かつ、当該設計と同一の設計に基づき製造等された無線設備(基準不適合設備)が広く販売されており、これを放置しては、当該基準不適合設備を使用する無線局が他の無線局の運用に重大な悪影響を与えると認めるときは、製造業春または販売業者に対し必要な勧告をし、これに従わない者があるときはその旨を公表することができることとしております。
 以上のほか、電波有効利用促進センターの指定等について電波監理審議会に諮問すること等所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしておりますが、免許の有効期間の延長に関する改正規定は、公布の日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#216
○委員長(高杉廸忠君) 以上で三案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 三案に対する質疑は、明二十六日午前十時より行うことといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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