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#1
第108回国会 社会労働委員会 第3号
昭和六十二年五月十八日(月曜日)
   午前九時三十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     対馬 孝且君     本岡 昭次君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐々木 満君
    理 事
                岩崎 純三君
                田代由紀男君
                糸久八重子君
                中西 珠子君
    委 員
                石井 道子君
                石本  茂君
                遠藤 政夫君
                関口 恵造君
                曽根田郁夫君
                田中 正巳君
                前島英三郎君
                宮崎 秀樹君
                千葉 景子君
                浜本 万三君
                本岡 昭次君
                中野 鉄造君
                沓脱タケ子君
                内藤  功君
                藤井 恒男君
   衆議院議員
       社会労働委員長  堀内 光雄君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  斎藤 十朗君
       労 働 大 臣  平井 卓志君
   政府委員
       厚生大臣官房審
       議官
       兼内閣審議官   佐々木喜之君
       厚生省健康政策
       局長       竹中 浩治君
       厚生省保健医療
       局長       仲村 英一君
       厚生省薬務局   森  幸男君
       厚生省社会局長  小林 功典君
       厚生省児童家庭
       局長       坂本 龍彦君
       厚生省年金局長  水田  努君
       労働大臣官房長  岡部 晃三君
       労働省労働基準
       局長       平賀 俊行君
       労働省職業安定
       局長       白井晋太郎君
       労働省職業能力
       開発局長     野見山眞之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        此村 友一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○外国医師又は外国歯科医師が行う臨床修練に係
 る医師法第十七条及び歯科医師法第十七条の特
 例等に関する法律案(内閣提出)
○社会福祉士及び介護福祉士法案(内閣提出)
○年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業
 務の特例及び国庫納付金の納付に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
 き、公共職業安定所及びその出張所の設置等に
 関し承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付
 )
○勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐々木満君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 外国医師又は外国歯科医師が行う臨床修練に係る医師法第十七条及び歯科医師法第十七条の特例等に関する法律案並びに社会福祉士及び介護福祉士法案の両案を便宜一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○糸久八重子君 高齢化が大変進行しておる中で老人問題も大変拡大化してくる傾向にありますが、そういう中では老人福祉従事者の果たす役割というのは極めて重要であることは論をまちません。
 今回、社会福祉士、介護福祉士の法制化が提案されているわけでございますけれども、国会に上程されたのが四月の下旬でありまして、実は、社会福祉士の方はかなり前から法制化に向けての取り組みがあったわけですが、介護福祉士の場合には、私どもも現場で働いている方たちから直接意見を伺っている時間がなかったということは大変残念なわけでございます。
 そういうことで、社会福祉士の場合はわかるのですけれども、その必要性が叫ばれながら会期末近くになって上程されたというその理由と、それから法制化することの意味について大臣の御見解を賜りたいと存じます。
#4
○国務大臣(斎藤十朗君) 今先生からも御指摘をいただきましたように、日本の高齢化のスピードというのは、非常に速いスピードで高齢化をいたしておりまして、そしてその中では、特に後期老年人口というものが増加をしてまいり、要介護老人等も増加をしてまいるであろうと予想されております。また、核家族化、また扶養意識の変化というようなものに伴いまして、その介護の必要性というのが非常に大きくなってまいると考えております。
 こういう介護に対してどのように対応してまいるかというのはこれからの非常に重要な課題の一つである、そういう場合に、このお年寄りの方々とかまた身体障害者の方々に対する福祉に関する相談や、また介護を依頼することができる専門的能力を有する人材を養成、確保して、そして安心してこれを受けていただけるような在宅介護の充実強化を図ってまいらなければならないと考えたわけでございます。
 同時にまた、民間におけるシルバーサービス等の部門も今後拡大をされてまいるでありましょうし、そういう際にもそういった中におけるマンパワーを健全に育成発展させてまいるということも必要であろう、そういうようなことを考えますときに、これからの長寿社会へ向かってのマンパワーの資質の向上、確保ということについて、今回のこの社会福祉士また介護福祉士法をもって将来に備えてまいりたい、こう考えたわけでございます。
 介護福祉士につきましては、これまでそれほど議論がされていなかったのに、どちらかといえば国会の終わりになって法案を提出したのはどういうことか、こういうことでございますが、今回考えましたときに、社会福祉士とそして介護に当た
っていただく介護福祉士という方々を一体としてとらえていく必要があるであろう。そして、こういう分野についてのいろいろな問題等について専門家の方々にも御協議をいただき、いろいろな御指示もいただいたわけでございまして、そういった作業の手順等を踏んでおりましたところ、今回の提出というような時期になったことでございまして、その点はひとつ御理解のほどをお願い申し上げたいと思う次第であります。
#5
○糸久八重子君 福祉従事者は、お年寄りとか障害者に直接にかかわりを持つわけですから、生活全般にわたる幅広い知識と経験、専門性が必要でございます。そして、社会的問題意識を常に持っていることもまた必要条件でございます。
 社会福祉士は多様なサービスのコーディネーターの役割を期待されているわけですし、その仕事の範囲もより専門的でありますから、資格がなかったこと自体がおかしいわけであります。介護にかかわる介護福祉士につきましても幾つかの危惧される問題がございますので、以下具体的な御質問をさしていただきたいと思います。
 最近の福祉の現場では、若い高学歴の人たちが多く働くようになってきたと聞いております。しかし、老人ホームで見ますと、現場で中心となって頑張っている人たちというのは、特に歴史の古い施設ほど社会福祉の大変な時代に仕事につきまして、そして自分の身を削るような仕事をしてきた人たちでございます。介護の仕事は今後ますます重要性を増してくると思いますが、このような長年介護業務に携わってきた施設寮母の方たちとか家庭奉仕員が報われる制度なのでしょうか。その辺はいかがでしょうか。
#6
○政府委員(小林功典君) 先生おっしゃいましたように、確かに長い歴史を持つ特養その他の社会福祉施設あるいはホームヘルパーの世界で大変御苦労をいただいて、ベテランの方が活躍されておられます。そういった方たちのお力は今後ともお願いしたいと思っておるわけでございますが、今回の資格制度の創設に伴ってそういう方たちにどうするんだと、こういう御質問の趣旨かと思いますが、一つは実務経験を中心とした資格取得システムをつくっております。
 本来ですと、介護福祉士で申しますと、コース二年の養成課程を経て資格を取る、それに対しまして実務経験を経た人についても別途のルートで資格が与えられる、こういう措置をとっておりますので、そういう資格を取っていただく方はぜひ取っていただきたいし、それからあくまでこれは名称独占制度でございますから、そういうベテランの方たちがそのまま今までどおりお働きいただくということであればそれもそれで自由ということでございます。
#7
○糸久八重子君 実務経験のある方の場合には国家試験が要求されるわけですけれども、この制度が創設されますと、当然有資格者というのは若い人が多くなると思われるわけです。そこで、資格のある方とない方とが同じ職場で働くという状況になるわけで、資格のある方が若い方で、そうでなくて長い間実務経験のある中高年の方たちもたくさんいらっしゃる、そういう場合に資格のあるなしで差別が生じてこないだろうかということが大変心配されるんです。
 また、当然資格制度ができますと、やはり採用する場合に、資格を持っている方たちを優先的に採用して無資格者の方たちが職場を奪われはしないかというようなそういう心配もあるのですけれども、その辺はいかがでしょう。
#8
○政府委員(小林功典君) 社会福祉士制度もそれから介護福祉士制度もいずれも共通でございますけれども、いずれも福祉に関する相談、援助、あるいは介護について一定の知識、技術を有するということで名称の独占を認める、いわゆる名称独占制度でございます。したがいまして、今先生もお触れになりましたように、例えば資格を持たない方が業務に従事できるかと、これはもちろんそのまま従事できます。それから資格を任用条件とすることは考えておりませんので、資格があるなしによって任用に差が出るというものでもございません。またさらに言えば、資格の有無によって処遇に差も設けるつもりはございません。
 したがいまして、資格の有無によっていろんな面で差がつくということはないということは申し上げられると思います。
#9
○糸久八重子君 もう一つ、資格の法制化によってボランティア活動を阻害するおそれはないのでしょうか。
#10
○政府委員(小林功典君) 実は、この資格をどういう形でつくるかというのを議論しました際に、業務独占の問題があったわけでございます。その際に、今先生おっしゃいましたボランティアの方、こういう方たちには私どもはぜひ今後とも大いに活躍していただきたいということを考えまして、そういう業務を一定の資格がある人に限って行わせるいわゆる業務独占というのはこの福祉の世界にはなじまぬだろうということで今回御提案申し上げているような名称独占制度にしたわけでございます。
 したがいまして、そこからもおわかりのように、ボランティアの方たちがこれによって貢献できなくなるなんというおそれはもちろんございませんで、大いにこれからも活躍していただきたいというふうに思います。
#11
○糸久八重子君 この資格は名称独占で業務独占ではないと何回もおっしゃられておるわけですけれども、これはまた後の質問とも関連するわけですが、実際に、例えば弁護士さんを依頼する場合に、有資格者の方を要求する人が必然的に多くなるんじゃないかなということも予想されるわけですけれども、そうなりますと業務独占になるおそれはありませんか。
#12
○政府委員(小林功典君) ボランティアの例がいい例でございますが、それからまた介護で言えば、家庭において配偶者の方が面倒を見ておられることもあるわけでありまして、相談にしろ介護にしろ、いずれにしろ一定の資格がなければ業務ができないという制度には全く私はなじまないものだと思います。そういう意味では御心配はないと思います。
 それから、有資格者に対して派遣依頼のようなものが多くなるんじゃないかということでございますが、介護にしろ相談にしろ多種多様な形態があるわけでありまして、非常に難しいケースというものにつきましては確かにそういう面があるかもしれませんが、それ以外に非常にいろんなタイプの介護あるいは相談のパターンがあるわけであります。したがいまして、有資格者だけが仕事があってそのほかの方は仕事がなくなる、あるいは締め出されるというような御心配は不要ではないかと思います。
#13
○糸久八重子君 看護婦さんとの関係の問題でちょっとお伺いをしたいんですが、看護婦さんというのは医師の管理のもとにある傷病者の療養上の世話をすることになっておるわけです。病人とはいいながら、やはり生きて生活をしていらっしゃるわけですから、当然生活上の世話も仕事に組み入れられることになるのではないかと思います。弁護士さんの仕事というのは身体、精神上の障害のある者の入浴とか排せつどか食事その他の介護をすると二条の二項に規定をしてありますけれども、しかし、寝たきりのお年寄りというのはやはり病的な要素を必ず持っていると思うのです。
 例えば一つ褥瘡を例に挙げますと、介護でいろいろ身の回りの世話に行ったけれども褥瘡があるので、ちょっとその辺の簡単な手当てを恐らく資格がなかった場合にはしていたかもしれませんけれども、今度資格ができますとそういうことはできなく、このことは看護婦さんにお願いしなければならないというようなことになって、仕事の枠を縛られるような状況になるのではないかということが想像されるんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
#14
○政府委員(小林功典君) 先生のお話にもございましたように、介護福祉士の方は寝たきり老人等の日常生活上の介護という業務でございます。それに対して看護婦さんの方は傷病者、いわば患者を対象にして診療の補助あるいは療養上の世話ということでやっていただくわけでありまして、片や福祉の分野、片や医療の分野と、こういうことで一応整理ができておるわけでございます。
 ただ、現場へ参りますと、おっしゃいますように確かに接点になるような事態がいろいろ発生するかもしれません。そこら辺は十分留意しなければならぬと思いますが、要するに、看護婦さんが行う医療行為あるいは看護行為について介護福祉士が介入することは、これはぜひ避けなければならないということでございます。
 その点につきましては、実は養成課程、これから検討いたしますが、養成のカリキュラムの中にそういうものを十分盛り込んで、いやしくも医療行為にわたるようなことのないようにということを十分教育するつもりでおります。
 なお、法案をごらんいただきますとおわかりのように、この法案の中には、介護福祉士の業務を行うに当たって医師その他の医療関係者の関与が必要な場合には、これらのものに連絡する等の連携を保たなければならない、つまり医療関係者との連携の規定が盛り込まれておるわけでございまして、そういうことも今申し上げたような介護福祉士と看護婦業務との整理をちゃんとする、きちっとつけるという意味で設けた規定でございます。
 褥瘡の例をお出しになりましたけれども、褥瘡の場合には、よく言われますように、平たく言えば褥瘡を処置、治療するのはお医者さんなり看護婦さんである、褥瘡をつくらぬようにするのが介護福祉士だ、こういうことでございまして、治療の必要がありながら介護福祉士が余りいつまでも自分でやっているというのは、これはやはりいけないことだと思いますので、そこら辺の連携を十分にとるようにする必要があるし、それは先ほど申し上げたように養成課程でも十分教育する、こういうことでございます。
#15
○糸久八重子君 確かに四十七条に「医療関係者との連携を保たなければならない」と書かれてありますけれども、その医師とか看護婦さんとかとの連携は、具体的にはこれから考えていくということなんですね、今の御答弁ですと。
#16
○政府委員(小林功典君) 連携をとるということはもう法律案にはっきり規定しておりますし、また教育の課程でも教える。ですから、これはそれでもう決まっているわけでございます。ただ、教育の課程でどういう格好で教えるかという点がこれから検討するということであります。
#17
○糸久八重子君 資格をつくることによって、資格を持たないとつけない職種の出ることは考えられますか。有資格者でないとつけない職種というのは考えられますか。
#18
○政府委員(小林功典君) 単なる名称独占でありますから、その資格を持たなければある職につけないということはございません。
#19
○糸久八重子君 福祉関係三審議会の意見具申を読んでみますと、資格を有する者で充てるべき職種と、それから資格を有する者で充てることのできる職種というふうに分けて書かれてあるんですよね。ですからその辺でちょっと心配になったんです。
#20
○政府委員(小林功典君) それは合同企画分科会のことでしょうか――ちょっとそういう記述があるのを私、記憶がございませんが、いずれにしろ先ほど申しましたように、一定のレベルに達していれば名称を使ってよろしいということを決めているいわゆる名称独占制度でありますから、だからそういう資格を持たなければある仕事が実際できないということはあり得ないということでございます。
#21
○糸久八重子君 次に、試験についてお伺いいたしますけれども、資格試験及び登録は厚生大臣の指定する者が行うとありますけれども、指定試験機関はどのようなところを想定なさっているのでしょうか。民法三十四条の規定で設立された法人であることと規定されておるんですけれども、どういうところを想定されていらっしゃるのか。
#22
○政府委員(小林功典君) 社会福祉士試験と介護福祉士試験、両方あると思いますが、これにつきましてはどういうところに委託するかにつきまして法律に規定がございます。民間委託する場合の受託側の要件でございますが、第一に試験事務が適切に行われるよう必要な経理的及び技術的な基礎を有するということが一つ。それから第二に、公益法人である民法法人であること。第三に、法人の業務が試験事務を公正に実施することができないおそれがないということ。こういう三つ規定があるわけであります。
 具体的にじゃどういう団体を指定するんだということだと思いますが、今申し上げたような法律上の要件を満たす法人を現在検討をしております。この法律をお通しいただきますと、一年間の準備期間がございますので、その間にこれを指定するわけでありますけれども、既存の法人の中に、こういうものでいいものがあるかどうか、あるいは新設の方がいいか、そこら辺を含めまして現在まだ白紙でございますが、検討してまいりたいと思います。
 ただ、少なくとも言えることは、この試験の事務というのは厚生大臣にかわって公の試験を実施する、そういう機関でございますから、しっかりした内容を持つ公正な団体を指定するつもりでございます。
#23
○糸久八重子君 介護福祉士の資格要件で、介護に係る技能検定の合格者とありますけれども、これはどういう内容でしょうか、簡単に御説明ください。
#24
○政府委員(小林功典君) 家政婦さんの中に、実際に家庭に入ってお年寄りなんかのお世話をしている方がいらっしゃるようであります。そこら辺に着目されまして、労働省の方で介護についての技能検定制度を設ける御意向があるようであります。その場合に、それと私の方の介護福祉士をどういうふうに連携づけるかということが政府部内でいろいろ問題になりまして、結論から簡単に申しますと、要するに労働省がこれからおやりになる、そういう介護に関する技能検定というものが厚生大臣が行う介護福祉士の資格試験とほぼ同レベルであるということであれば、技能検定合格者はそのまま介護福祉士の資格を取得していただいて結構だと、こういう趣旨でございます。
 その場合に、どういう技能検定をやるかということは、労働大臣から厚生大臣に協議をしていただきまして、厚生大臣の目から見て同レベルという判定をいたしますとそういうことになると、こういう仕組みを法律の中に盛り込んだわけでございます。
#25
○糸久八重子君 次に、養成の部分に入りますけれども、両生の養成に当たってカリキュラムにつきましても、教材につきましても新しい視点で用意されるべきではないかと思いますけれども、この両士養成に当たって厚生省はどのような対策を講ずる考えがおありですか。
#26
○政府委員(小林功典君) 両福祉士の養成課程のカリキュラムの問題でございますが、これにつきましてはこの準備期間中に各方面の御意見を聞きまして、これから省令を決めるという運びになると思いますけれども、基本的な考え方を申しますと、社会福祉士の方は相談、援助、それから介護福祉士の方は入浴、排せつ、食事等の各種の介護と、こういうことをやるわけでありますが、そういった意味で社会福祉士の場合で言えば実践的なケースワーク技術というものが大切でございますし、介護福祉士の方につきましては熟練した介護技術というものが必要だろうと思います。
 したがいまして、このカリキュラムを編成する場合には、あるいは教材も同様でございますが、実技、実習というものを重視したそういう内容にしたいものだということで、これからも関係方面と相談をするつもりでおります。
#27
○糸久八重子君 社会福祉教育懇話会の提言の中にも、実習教育の重要性を提言しておるわけですけれども、ぜひともその実習教育ということの重視を今後お願いしたいと思います。
 それから、両福祉士は仕事の内容が違うのですけれども、今度の法制化に組み込まれておりません医療社会福祉士、この資格化と法制化の見込み
についてはいかがですか。
#28
○政府委員(竹中浩治君) 医療ソーシャルワーカーでございますが、本年の三月の、新たな医療関係職種の在り方に関する検討会の中間報告におきまして、医療ソーシャルワーカーについて速やかに法制化すべきであるという御報告をいただいておるわけでございます。
 ただ、その法制化に当たりましては、医療関係職種としての業務の範囲、それから養成課程、この二点につきましてもう少し検討、調整が必要だとされております。したがいまして、現在この点につきまして関係者間の意見調整を図っているところでございます。この関係者間の意見調整の結果等を踏まえまして、成案が得られました段階で早期に国会へ提出できるよう努力をする所存でございます。
#29
○糸久八重子君 二条の関係で、「社会福祉士」、それから「介護福祉士」、こういろいろ書いてありまして、何々を「業とする者をいう」、そういう「業とする者をいう」とありますけれども、このことは、この両生は看板を掲げて商売をすることができるのでしょうか。
#30
○政府委員(小林功典君) 理論的には「業」でありますから、自分で看板を掲げて営業するということはあり得ると思います。
 ただ、この社会福祉士の場合を考えますと、日本の現在の状況ではそういう、例えばケースワークというようなことを有料でやるのが営業として成り立つかどうかということになりますと、なかなか難しかろうという気もするわけでございまして、したがいまして、実際問題として考えますと、例えば社会福祉施設に勤務するとか、あるいは民間のサービス企業に従事するとか、あるいは社会福祉協議会などのようなところへ勤務するとか、そういう形態が恐らく一般的というか、多いのではないかと思います。
 ただ、「業」でありますから、個人の営業も可能でありますし、それから雇用されて行う業務も可能でありますが、実際問題としては、先ほども私が申し上げたような格好になるんじゃなかろうかと思います。
#31
○糸久八重子君 次に、二条一項の解決なんですけれども、「身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行う」というふうに書いてあるわけですけれども、どうもこの条文から見て、経済上の理由から日常生活に支障のある者は社会福祉士の相談、援助の対象外であるように読めるんですけれども、その辺はいかがなんですか。
#32
○政府委員(小林功典君) 恐らく先生の頭の中には生活保護みたいなことの御認識がおありになるんではないかと思いますけれども、確かに法律の中には経済上の理由によりというのは入っておりません。これにつきましては、いわゆる純然たる経済上の理由による問題ケースというのは、本来は公的機関でありますところの福祉事務所がございまして、そこへ御相談いただくことになりますので、ここに特に入れなかったわけであります。
 ただ法文上そういう経済上の理由という文言はありませんけれども、具体的なケースを考えますと、例えば「身体上若しくは精神上の障害がある」という、そういうことで経済的に窮迫しているというケースも間々あるわけでありまして、そういった意味については実際問題としては社会福祉士が経済上の問題を含めて御相談に応ずるということは大いにあり得ることだと思います。
#33
○糸久八重子君 今お話がございましたとおり、社会福祉士というのは福祉事務所の機能の一部を分担することになるわけですね。そうしますと、現在の社会福祉主事との関係はどうなりますか。
#34
○政府委員(小林功典君) 社会福祉主事はそれなりに法律ではっきり規定がされておりますので、一応社会福祉士と社会福祉主事というのは別建てということで御理解をいただきたいと思います。
#35
○糸久八重子君 社会福祉制度の全般的な見直しについて検討が進められると聞いておるわけですけれども、社会福祉事務所の縮小とか、行政上の社会福祉主事の仕事を狭めるというお考えはこの中には入りませんね。
#36
○政府委員(小林功典君) 今回のこの法律案との関係におきましては、そういうことは考えておりません。
 ただ、全体の見直しを今現在三審議会の合同企画分科会で続けてもらっております。それの中には確かに福祉事務所のあり方、これも一つの大きなテーマになっております。まだ中間的な段階でありますから、結論をとやかく申し上げる段階じゃありませんけれども、大きなテーマにはなっております。
#37
○糸久八重子君 先ほど養成のところでちょっと言い忘れたわけですけれども、やはり人に対して接する職業、例えば学校の教師も同様なんですけれども、今度のこの介護福祉士それから社会福祉士、この両生もそうなわけですけれども、結局、確かに優秀な技能やそれから豊富な知識は要求されます。これは持っていることにこしたことはないわけですけれども、やはり人に接する仕事というのは、豊富な知識も要求はされるけれども、それ以上に要求されるということは、やはり他人の痛みがわかったり、それから心根が優しかったり、そういうことが要求されると思うのですね。
 ですから、養成のカリキュラム、前に論議をいたしましたけれども、そういうカリキュラムの内容につきましても、それから国家試験の内容にいたしましても、そういう部分をより焦点を当ててお願いをしたいということは、これは私の方のお願いでございます。
 それでは、今度の法制定に当たって、特に社会福祉士の場合はそうでもないわけですけれども、介護福祉士の場合には、今までお話しいたしましたとおり、看護婦さんとの競合とか、それからもう一つ心配になることは、准看護婦さんも今は高卒、そして高卒二年で資格が得られるというような形になるわけですけれども、そうなりますと弁護士さんと同じ学歴になるわけですが、准看護婦さんと弁護士さん、まあ仕事の範囲は別であっても、場合によっては准看護婦さんの方から指揮命令をされるというような事態も生じますね。ちょっとこの辺を伺っておきたいんですが。
#38
○政府委員(小林功典君) 准看護婦さんは要するに医療の領域で御活躍いただくわけでございます。介護福祉士はそうではありませんので、一応業務としてははっきり分かれていますので、指示をいただくということはないだろうと思います。
 それからレベルのお話がございましたけれども、私どもそういう意味で看護婦さんなり准看護婦さんとのバランスというよりも、むしろ福祉の中であるのは保母さんだけでございます。保母さんはまさに高卒二年でございまして、福祉の系統で言えば保母さん並みの資格ということで介護福祉士の資格を考えたわけであります。
 ですから、レベルという意味ではそういうことでありまして、業務という意味では、先ほど申しましたように、医療あるいは看護という面とははっきり分かれる。したがって、両方で指示をするとかしないとかいう話にはならぬのじゃないか、こういうふうに思います。
#39
○糸久八重子君 それでは、新しい法制定に当たって大臣の御決意をお伺いさせてください。
#40
○国務大臣(斎藤十朗君) 冒頭にも申し上げましたように、これからの長寿社会を迎えるに当たりまして、できれば在宅で老後を送っていただくということが大事でありますが、そういう際にも介護等について非常な大きな需要が出てまいると思うわけであります。
 今後のそういった福祉の需要に向かって、マンパワーの確保または資質の向上ということから、今きちっとこうした制度をつくって、これからの長寿社会における福祉対策に大いに貢献ができるものというふうに考えておりますが、そのような観点に立ってこの制度をよりよく育てていくように私どもも決意を新たにいたしておるところでございます。
#41
○糸久八重子君 終わります。
#42
○千葉景子君 今審議をされております外国医師
の関連する法案について若干お尋ねをしたいと思います。
 今回の法案に関連をいたしまして厚生省が作成されました法律案の参考資料によりますと、我が国で外国人で医師の本免許を有する者の人数というのが過去累計で四千五百十九人、明治以降ということで表記をされているわけですけれども、これは、現在の外国人の医師のはっきりした数というのはわからないものなんでしょうか。
#43
○政府委員(竹中浩治君) 医師につきましては、二年に一回医師調査というものを実施いたしております。現在の時点で最も新しい資料は五十九年の医師調査でございまして、五十九年末現在で、この調査によりますと、外国人医師は千八百八十三人でございます。
#44
○千葉景子君 実際にわかる数字があるようですので、今度は資料の方にもぜひ載せていただきたいと思うんです。
 ところで、先ほどのこの作成されました資料によりますと、外国人が日本の医師免許を、本免許というんでしょうか、取得した場合には、医療行為を行うに当たってはとりわけの制約はないということで記載がなされておりますが、医療行為そのものプラス、例えば特別な職務につくとかあるいは資格を得るのに外国人であるということで何か制約を受けているようなケース、こういうものは、厚生省の管轄でよろしいんですけれども、ございますでしょうか。
#45
○政府委員(竹中浩治君) 医療行為につきましては、我が国の医師免許を取られました外国人の医師につきまして特段の制限はございません。ただ、非常に特異な例といたしまして、例えば国家公務員で国立病院に外国人医師が勤務をされる。しかし、実際にその病院の方針を決定したりする病院の管理者には原則なれないということになっております。
#46
○千葉景子君 そうすると、厚生省の管轄で特に問題になるようなものと言えば、国立病院の管理者たる医師といいますか、そういうことになるんでしょうか。
 ところで、つい先日なんでございますけれども、五月十四日の新聞報道等によりますと、在日朝鮮人のお医者さん、これは医師免許を持っている方のようでございますが、精神衛生鑑定医に申請をして却下をされたという事例、そしてそれについて在日朝鮮人の皆さんが厚生省に申し入れをなさったという記事が載っていたわけでございますけれども、これにつきましては、何か今お話しをお聞きすると、国立病院の管理者ぐらいが制約を受ける場合だということなんですけれども、この精神衛生鑑定医についてはどういう理由で認められていないのでしょうか。
#47
○政府委員(仲村英一君) 精神衛生の鑑定医に外国人がなれるかというお尋ねだと思いますが、都道府県知事が自傷他害のおそれのある精神障害者に対して入院措置を行うに当たりましては、御承知のように精神鑑定医の診察の結果に基づかなければならないということになっておるわけでございます。すなわち、精神衛生鑑定医が行ういわゆる鑑定業務というのは、今お話しの出ておりました単なる医療行為ということではなくて、場合によっては患者本人の意思に反しまして精神病院に入院させるという重大な公権力の行使について、鑑定医の判断が都道府県知事の判断を実質的に決定する効果を持つというふうに考えられるわけでございます。
 したがいまして、このような形で外国の方が公権力の行使に携わる公務員になることができないとする法理と同じ考えに立ちまして、精神衛生法上も法律では明定されておりませんけれども、外国人である医師については精神衛生鑑定医の指定は行わないということで従来から処してきておるわけでございます。
#48
○千葉景子君 多分今のお答えは昭和三十六年の精神衛生課長通知、それによりまして精神鑑定医については公権力の行使そのものではないけれども、実質的にそれを羈束するものであるから不適任である、この通知に基づいて行われているケースではないだろうかというふうに思いますけれども、同じような事例といいますかケースとしては、例えばらい予防法においての指定医などのケースが考えられるんですけれども、これはどのように取り扱われているんでしょうか。
#49
○政府委員(仲村英一君) らいの指定医につきましては過去にそういう事例がございませんでしたので、実態として外国人である医師が指定されたかどうかという事例がないわけでございますけれども、一般的に考えますれば、先ほど申し上げたような論理から、恐らくもしそういう事態が起きれば私どもとしても鑑定医と同様の処理をするというふうに考えられます。
#50
○千葉景子君 近年におきましてはらいの問題もほとんど解決済みということでございますので事例もないかと思いますけれども、この昭和三十六年、何か精神衛生鑑定についてかなり厳しく制約をしなければいけない、例えば、お医者さんには大変失礼な言い方になりますけれども、鑑定医そのものが直接に病院に引っ張っていってしまうとか、何かそういう非常に乱用を防止せねばならないような背景でもあったんでしょうか。
#51
○政府委員(仲村英一君) 当時のそのような背景について私ども承知しておりませんが、一般的に公権力の行使という広義の解釈を用いるとすれば外国人の就官能力と同様でございまして、当然の法理として外国人が公務員にならないと同じような解釈に立ってこのような通知が出されたものと考えております。
#52
○千葉景子君 そうすると、現在ではらい予防法などにおいては実質的にも問題がないということになろうかと思いますが、この精神衛生鑑定医以外には先ほどの国立病院の問題はありましたけれども、ほかにはもう外国人のお医者さんということでは考えられるようなケースはございませんでしょうか、厚生省の範囲で結構でございます。
#53
○政府委員(竹中浩治君) 現在、私の頭の中にはその程度でございまして、ほかにはまずないと思います。
#54
○千葉景子君 現在、かなり我が国も国際化が進んでおります。とりわけ在日朝鮮人の皆さんと日本人との実質的な境界線というのはかなり薄れてきている。そして法律の面でもいわゆる外登法の改正なども叫ばれているのが実情でございます。
 そして鑑定業務というのも公権力の行使とはいいましてもそのものというわけではありませんし、お医者さんそのものも医師免許そのものには欠けるところがないわけでございますので、不必要な差別取り扱いはぜひ避けていただくような方向で考えていただきたいのでございますけれども、今回の問題につきまして厚生大臣としては今後どのような受けとめ方をされていらっしゃるか、検討されていくかどうかお聞きしたいと思います。
#55
○国務大臣(斎藤十朗君) 外国人医師が、今お話しのように主に精神衛生鑑定医として鑑定業務を行うことができるかどうかという問題でございますが、ただいま保健医療局長からも御説明を申し上げましたように、行政が公権力の発動として行う行政処分に関してどの程度外国人の参画を認めるかという一般的な問題に関連するのではないかというふうに思うわけでありまして、鑑定業務について外国人の関与を認めるということはなかなか困難なことではないかというふうに思っておるところでございます。
#56
○千葉景子君 今ちょうど精神衛生法の改正などが厚生省の方でも準備をしていらっしゃるわけですけれども、この先指定医という問題が出てくるかと思いますけれども、その資格等についてはいかがでしょうか。
#57
○政府委員(仲村英一君) ただいまお願いしております精神衛生法の改正法案におきましては、御指摘のように精神保健指定医という制度を新たに創設したいというふうに考えておりますが、この指定医というのは今問題になりましたいわゆる従来の鑑定業務のほかに一般の精神病院におきます医療保護入院、新しい名前でございますが、医療保護入院等の入院の要否でございますとか、行動
制限の要否の判断を行うということで新たな指定をしたいと考えております。
 外国人医師につきまして、ただいま大臣からお答えいただきましたように、鑑定業務については私どもとしてはすぐにそういう方向へ直すということは難しいと考えておりますけれども、ただいま申し上げましたそれ以外の指定医の職務につきましては当然従事が可能と考えておりますので、改正後につきましては、外国人のお医者さんで日本の医師免許を有する方につきましては、指定の要件が整いますれば指定医として指定する方向で検討してまいりたいと考えております。
#58
○千葉景子君 ちょうどこれは土曜日の新聞でしょうか、厚生省には直接かかわらない問題でございますけれども、在日韓国人の方が大阪で高校の先生に採用をされた、そういう話題が報道されていたわけですけれども、このように在日朝鮮人の皆さん、かなり日本の国民と同等な生活もされているというところですので、例えば在留期間などで一定の要件を付した上でいろいろな資格を付与していただくとか、いろいろな形がとり得るかと思います。ぜひその辺を前向きに検討いただきたいと思います。
 また、公権力の行使といいましても、その関与の仕方にはかなりの幅、段階がございますので、医療行為あるいは学校の問題などもございましょうけれども、ぜひその辺を前向きに検討いただきたいと思いますが、その点だけ最後にお答えいただきたいと思います。
#59
○国務大臣(斎藤十朗君) 先ほども申し上げましたように、行政上の公権力の発動というとらえ方、こういう観点から考えまして、その部分につきましては大変難しい問題があろうかと思いますが、できるだけ外国人の方々にも参画をしていただけるように、他の分野については柔軟に対応できるよういたしたいと考えます。
#60
○千葉景子君 終わります。
#61
○中野鉄造君 先ほどからの同僚委員の質問と重複をできるだけ避けて二、三お尋ねいたします。
 今回の資格制度を設けることに賛成の立場から問題を整理する意味で若干お尋ねいたしますが、今日、この資格制度を設けることのよって来る背景をどのように認識しておられますか。
#62
○国務大臣(斎藤十朗君) 本格化する長寿社会に向かって、福祉に対する需要というものは大変大きなものになり、また、国民的課題になるであろうというふうに思います。そういう際に、受ける方々におかれましても、安心してこれが受けられるような、そして、質の高いサービスが受けられるような、そういう環境づくりをいたしてまいらなければならないわけであります。
 そういう際に、今回御提出申し上げております福祉に関する相談援助業務、また、介護にかかわる業務を質の高いものとして提供する、そういう中心的な存在としてのマンパワーを今制度化し、そして育成する。そうすることによって、全体の福祉に関するマンパワーの確保と、そして、資質の向上というものに資してまいれるものというふうに考えますと、大変重要なことであるというふうに考えております。
#63
○中野鉄造君 先ほど来の質問を聞いておりまして、端的に申しまして、この資格を取得することは何かオーソライズするというような印象が強いわけですけれども、先ほど答弁の中にもありました単なる名称独占であるというようなお話がありましたけれども、それだけですか。
#64
○政府委員(小林功典君) 非常に長い歴史と伝統を持つこの福祉の分野で、これまで保母さん以外には一切公的な意味での資格というものはなかったわけでございます。そこで、今回の御提案申し上げている資格制度というものは、非常に地味で、しかも、苦労の多い福祉関係の仕事に従事する方々にとりましては長年のいわば悲願であったわけでございまして、この成立を全員が一致して望んでいるということをまず申し上げたいと思います。
 したがいまして、今回の資格制度ができますと、福祉関係者の新しい励みになりますし、もちろん資質の向上という意味も十分持ちますし、そしてまた、社会的な評価というものもこの資格化によって高まるということが考えられるわけであります。したがいまして、いわゆる金銭的なメリットという意味ではあるいはメリットはないということになると思いますけれども、そういった先ほど申し上げたような意味で、社会福祉の業務に従事する方々にとりましては大変大きな意味のあるものであって、喜んでいただけるものと考えております。
#65
○中野鉄造君 社会福祉士の場合、条文の上で、「専門的知識及び技術をもって、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ」云々と、こうありますけれども、この「環境上の理由」とは一体どういうようなことを指すわけですか。
#66
○政府委員(小林功典君) 一番端的な例を申し上げますと、家族の状況というようなものが考えられると思います。そういう周囲の家族あるいは地域といったものの環境上の問題というものであろうと思います。
#67
○中野鉄造君 先ほども質問が出ておりましたけれども、このメディカルソーシャル・ワーカーについては今日鋭意検討中であるということでありました。しかし、近々成案を得てこれが動き出したときに、この社会福祉士との業務分担というものは明確にできるわけですか。例えば疾病の状態にある者、こういう人たち、新たに設けられます社会福祉士の対象にこれがなるのかなり得ないのか、業務分担の振り分けというものをひとつ明確にしていただきたいと思います。
#68
○政府委員(小林功典君) 社会福祉士とメディカル・ソーシャル・ワーカーとの関係でございますが、健康政策局とも十分調整いたしまして役割分担をはっきり考えております。
 まず第一に、社会福祉士は福祉の分野において心身障害のある者等を対象にする。それに対しまして、医療福祉士の方は患者、つまり傷病者であります。これに対して行う医療の分野の仕事でございます。
 それから第二に、場所的な問題でありますが、社会福祉士の場合には在宅あるいは社会福祉施設というのが対象になりますけれども、MSWの方は病院を中心として医療機関に勤務して仕事を行うと、こういう意味ではっきり業務としては区別ができるというふうに考えております。
#69
○中野鉄造君 介護福祉士の資格取得の方法として、職業能力開発促進法に基づく介護等に係る技能検定に合格した者、こうありますけれども、法施行段階でこの制度はスタートできますか。
#70
○政府委員(小林功典君) 労働省が来ていないようでございますので私からかわってお答えいたしますが、今まで労働省との関係でいろいろお話をしたことによりますと、この法制定時にはまだ恐らくその技能検定はスタートしないと思います。
#71
○中野鉄造君 次に、この社会福祉事業の基本法であります社会福祉事業法の改正について大臣にお尋ねいたしますけれども、社会福祉事業法は昭和二十六年制定を見てから三十六年を経過いたしております。その間、社会福祉事業も社会福祉ニーズの変化に応じて大きな変化をしてきつつありますけれども、法規制と現状との間にかなりのギャップができているんじゃないかと思いますが、この法自体の改正を検討すべき時期に来ているのではないか、こう思うわけですけれども、大臣この点どのように御認識ですか。
#72
○国務大臣(斎藤十朗君) 社会福祉事業法の問題でございますが、今先生御指摘をいただきますように、法制定当時からは社会福祉の質また内容等も大きく変わってまいっております。これに対応した社会福祉事業法に改めてまいらなければならない部分があろうというふうに私も考えております。昭和五十八年に市町村の社協を設置するという部分についてのみ若干の改正が議員立法において行われただけでございまして、抜本的にはこれを見直していかなければならない時期にあるというふうに考えております。
 そこで、現在、中央社会福祉審議会等合同企画分科会におきまして、この社会福祉制度のあり方について中長期的視点から全般にわたり鋭意検討をしていただいておりまして、その内容につきましては、この法改正に関係する事項といたしましては、入所施設を中心とした第一種社会福祉事業と利用施設を中心とした第二種社会福祉事業の区分等について、また第二番目といたしましては、ホームヘルパー、デイサービス等の在宅福祉サービス等を社会福祉事業とするかどうかというような問題、また第三番目には、施設福祉と在宅福祉、保健医療と福祉の連携、促進、こういったような問題がこの法改正にかかわる問題かと思います。
 こういった問題を含めて全般的な社会福祉のあり方についてここで御検討をいただいておりますので、これらの結果が出ましたならばこれに基づいてなお検討をいたしたいと考えておるところでございます。
#73
○中野鉄造君 急速な高齢化に入ってまいりますので、今大臣のお答えにもありましたように、私も種々な点で非常に不合理だという思いがするわけです。例えば現行法は、社会福祉施設の事業に偏っておりまして、地域福祉活動並びに在宅福祉の諸事業には隣保事業、相談事業を別にすると全くこれは規定されていないわけなんですね。こういう点は不合理だと思われますか。
#74
○国務大臣(斎藤十朗君) 先ほど申し上げましたように、やはりこの法制定当時にはどちらかいえば施設福祉中心の考え方で法が制定をされているということは事実かと私も認識をいたしております。現在、施設福祉も重要でありますとともに、在宅福祉等が大変重要になってきておるということを考えますと、私も先生のような御意見を持つものでございます。
#75
○中野鉄造君 それに関連しまして、現行社会福祉事業法は事業を第一種と第二種に区分しております。その区分の基準はこれは一体何なのか、今日でもこれを区分けしておく意味があるのかどうか甚だ疑問を持つわけです。
 すなわちこの区分というのは、社会福祉法人を育成し施設を整備する過程においてはこれは意味を持っていたかもしれませんけれども、今日ではこの区分の撤廃が検討されてしかるべきじゃないか、こう思うんですけれども、この点いかがでしょう。
#76
○政府委員(小林功典君) この一種、二種の問題というのは合同企画分科会でもいろいろ議論になっております。法律の整理としては、先ほど大臣もちょっと触れましたように、第一種というのは入所施設中心、第二種は利用施設を中心ということでございますけれども、それに先生のおっしゃるとおり在宅福祉という分野が出てきた、あるいは一種、二種の区分もこれでいいかどうかという問題意識は我々も持っております。まさに合同企画分科会の主要な議論のテーマになっておりますので、その帰趨を見守りたいと思います。
#77
○中野鉄造君 一日も早く現状に合った是正をひとつお願いいたしたいと思います。終わります。
#78
○沓脱タケ子君 それでは、社会福祉士及び介護福祉士の法案についてお伺いをしたいと思います。
 本題に入る前に、まず運営についてでありますが、本法案は新法でありますし、しかも参議院先議ということでありながら、会期末ということで本委員会には十数本の法律が洪水のように付託をされるというふうなこと、したがってきょうも定例日ではありませんけれども、定例日を全く無視してやっていこうというやり方になっております。しかも、そのやり方がせんだっての理事会の席上では自民党と他の野党の皆さん方との間で合意をしたなどということを言われましたが、我が党はそういう合意には参画をしておりませんので、国民生活に深くかかわりのある法案でございますし、大変こういった運営のやり方については遺憾だと思うわけでございますので、そのことをまず表明しておきたいと思います。
 そこで本題に入りますが、今上程されております社会福祉士及び介護福祉士法案につきましては、既に質疑の中で明らかにされておりますように、長年最も困難な分野で御奮聞いただいた福祉関係者の皆さん方の御苦労の中で、しかも政府の中では、まさに総務庁では職業分類にさえもその他で一括をしてひっくくるというふうなやり方をされておったわけでございますので、今回社会福祉専門従事者という形で確立をされるということの変更も言われておりますが、そういった点での資格制度の確立という点では、年来の御苦労を耐えてやってこられた皆さん方の御希望でもあり、強い御要望でもあり、そういった点では積極的な意味を持つものだと思うわけでございます。
 しかし、そういった積極面があると同時に多くの問題点を含んでおると思いますので、わずかの時間ですが、問題点について御質問を申し上げたいと思っております。
 まずこの法律なんですが、法律をちょっと拝見していて思ったんですが、この法律案には理念やら使命というのがさっぱり書いてないんですね。法の第一条には「社会福祉の増進に寄与する」としか書いてないんですけれども、この目的は何ですか、ちょっと不思議に思ったんですがね。
#79
○委員長(佐々木満君) 答弁の前にちょっと申し上げておきますけれども、本委員会は理事会の決定に基づいて行われておりますので、その点をひとつ踏まえて御質問、御答弁をお願い申し上げたいと思います。
#80
○政府委員(小林功典君) 提案を申し上げています社会福祉士法及び介護福祉士法はいわゆる資格法でございまして、事業法ではございません。したがいまして、事業法でございますと目的とかいろいろ規範が入るのが通例でありますけれども、身分を決める資格法でございますので、今御提案申し上げているようなこういうスタイルが通例でございます。
#81
○沓脱タケ子君 資格法で身分法ではない……
#82
○政府委員(小林功典君) 業法ではない。
#83
○沓脱タケ子君 業務法ではないということなんですが、しかし非常に重要なんですね。例えば、特にこれらの方々が仕事に携わる対象者というのはお年寄りやあるいは身障者、そういった方々が大部分対象者になろうと思うわけでございますが、そういった点では、福祉についての基本理念であります憲法二十五条、あるいは福祉六法等に定められている基本的な理念に基づく諸制度、こういうものを身につけて今日の法制度の最高水準を福祉サービスに適用させていくという立場で相談や援助をしていくということが最も適当ではないかと思うわけですが、そういった点での使命や理念というようなものは、これは抜きですか。その辺がちょっと不安に思うんですよ。
#84
○政府委員(小林功典君) この法案のスタイルは先ほど申し上げたとおりでございますけれども、先生おっしゃったような例えば老人福祉あるいは身障者福祉といった、そういうものの理念、これは大変重要でございますし、それから、今回の法律で資格を取られる方にとって大変重要な問題だということはそのとおりでございます。したがいまして、例えば社会福祉士あるいは介護福祉士の試験あるいは養成といった面でそういうものが十分反映されなきゃいけません。
 そういう意味で一つの例を申しますと、養成課程のカリキュラムの中にはまさに社会福祉概論あるいは社会保障の全体の概論、あるいは老人福祉法あるいは身体障害者福祉法といった個別の福祉法、これはずっと教育をしてまいりますので、そこでしっかり身につけていただいて、それで実際に仕事をしていただく、こういう格好で先生の御趣旨を全うできるんではないかと思います。
#85
○沓脱タケ子君 やっぱり法律に明記をされていないというのは不安を感じますね。その点では、他の上司法との関係から見ましても非常に不十分じゃないかというふうに思います。
 時間がありませんから次にまいりますが、今回この資格法が成立して制度が導入されますと、まず関係者の処遇改善、賃金とか労働条件、そういった改善につながるのかということ。具体的に言
えば、福祉施設に対しては、その処遇改善に要する措置費など財源措置がやられるのかという点。これは関係者の非常に強い期待のあるところなのでお伺いをしておきたいと思います。
#86
○政府委員(小林功典君) 今度のこの資格法ができますと、長年の関係者の悲願が達成するという意味で大いに意味があると思います。先ほどもちょっと触れましたように、関係者の新しい励みになるとか、あるいは資質の向上に通ずるとか、あるいは社会的な評価が上がるとか、そういったメリットはもちろんございます。
 ただ、今御指摘になりましたように、現実に働いている方の給与が上がるとか、あるいは労働条件が変わるとか、そういうことは考えておりません。
#87
○沓脱タケ子君 それじゃ、処遇改善は具体的には、措置費に財源増をしていくとか、そういうことは政府としては並行しておやりにならないんですか。
#88
○政府委員(小林功典君) 考えておりません。
#89
○沓脱タケ子君 それじゃもう一つ。
 職場の皆さん方の大変期待の大きいところは、今地方自治体で福祉行政に携わっている方あるいは福祉施設で働いている人にとって、それじゃどういうメリットがあるかということなんです。
 具体的に言いますと、どういうことが起こっているかといいますと、例えば臨調・行革でいろいろ人減らし、配転などというものも起こっていますね、地方自治体では。極端な場合には、福祉事務所におってケースワーカーとして働いていた人が消防署へ配転になるとか、これは現実にある問題ですが、とてつもない分野の違いというようなことなどが起こっているんですが、少なくとも資格法が成立したらそんなことは食いとめられますか。
#90
○政府委員(小林功典君) 地方公共団体における人事の問題でありますから、私から御答弁するのがいいかどうかわかりませんけれども、一般的に考えましていろんな事情があるんだろうと思います。私も若いころ県で公務員をやりましたけれども、資格と人事政策とを絡み合わせた問題というのが幾つかあると思います。
 具体的に言いますと、例えば資格を取った方が果たして現役中ずっと最後までその分野で仕事をしたいと考えておられるかどうか、あるいは違った面もあるかもしれません。それから、県とか市町村の人事政策としまして、なるべく幅広く経験させて幹部にするというような面もございます。
 そういった意味で、資格を取れば必ずそこでずっとやらなきゃいかぬというわけにもいかないケースがある、あるいはそういうケースもあるかもしれません。だから、その辺は一概に言えるものではないんではないかというのが、これは一般的な感想みたいなものでございますが、そのような感じでございます。
#91
○沓脱タケ子君 ケースワーカーとして福祉事務所で働いている方が消防署へ配転になった、これは本人の希望じゃないですよ、心ならずもです。そういうことというのは、せめて資格制度が確立されたら食いとめられるというぐらいのことがなかったら、本当に何のために資格法をつくるのかわからないと思いますので、それはどうですか。
 やっぱりその辺ぐらいは、専門職として資格を与えるんだから、せめてそれはきちんと仕事をさせられるように保証してあげたらどうですか。
#92
○政府委員(小林功典君) 何と申しましてもこれは資格法でございますので、その地方公共団体における人事政策まである程度の規制をするというのは、せっかくの御提案でございますが、なかなか難しいんじゃないかと思います。
#93
○沓脱タケ子君 せっかく専門職として資格制度を確立するんだから、関係者の期待が非常に大きいわけです。だから、せめてメリットをはっきりと明示してあげるということが非常に大事だと思って具体例を用いてお話を申し上げたんですが、現にそういうことが起こっているということを御承知いただいて、専門職として確立をした限りは、その仕事に引き続き従事をし、修練ができるようにぜひ何らかの形での援助をしていってほしいものだなと思います。
 それから次に、先ほどもお話に出ておりましたが、私も医療関係者の一人なので、医療関係で働くケースワーカーを適用外にしているというのが非常に不思議だったんです。その理由についてはさっきお話があったんだけれども、よくわからなかったんです。なぜこれ一緒にやらないんですか。医療と福祉がセットになった接点で仕事をしているのが医療関係のケースワーカーなんですが、どうなんですか。
#94
○政府委員(小林功典君) MSWとSW、その基礎的な部分といいますか、ややカウンセリングとかケースワークとか、基礎的な部分は確かに共通部分がありますので、そういう御趣旨の御発言があるんだと思いますけれども、その点につきましては、この法案をつくる前に省内で随分いろいろ議論いたしました。関係者の御意向も伺いました。その際に、ソーシャルワーカーとメディカル・ソーシャル・ワーカーを一緒にするか、あるいは別建てにするかという議論がございました。
 これは、先ほども御答弁申し上げましたように、片方は福祉の分野で働く、片方は医療の一環としてやるという点、それから働く場所におきましても、片や在宅あるいは社会福祉施設、片や病院と毅然と区別がつきますので、むしろその制度の立て方としては別建てでいった方がより現実的であろうということで分けてやったわけであります。したがいまして、社会福祉士ができましたからといって医療福祉士の方がなくなったということではありませんで、今検討しているということでごいますから、別建てで走るという意味でございます。
#95
○沓脱タケ子君 時間がありませんので、その問題はこの程度にしますが、ちょっとようわからぬのです。
 それから、いわゆる在宅介護体制の整備ということでやっておられるんですが、私よく概念がつかめないのでちょっと聞きたいんですが、社会福祉士の方、それから介護福祉士の活躍の場というのは、今は施設とかあるいは行政とかというところでの仕事の分野というのが事実としてつかめるんですが、いわゆる民間福祉サービスという中ではどういうところで活躍分野があるのかなという点がちょっとつかみにくいんですね。厚生省のお考えを伺いたいと思います。
#96
○政府委員(小林功典君) いわゆるシルバーサービスの分野でどこに働く場ができるかと、こういうことだと思いますが、シルバーサービス産業はまだ始まったばかりの分野の仕事でございまして、今後いろんな形のものが出てまいると思います。したがいまして、今の段階ではなかなかイメージがわきにくいというお気持ちはよくわかります。
 ただ、現在でもかなりというか、このシルバーサービスが普及しておりまして、その例から考えますと、こういう資格を取った方が活動する分野としましては、民間ホームヘルプサービスあるいは民間入浴サービス、それから有料老人ホーム、それから福祉機器のメーカーあるいは販売会社、こういうところが一応考えられます。
#97
○沓脱タケ子君 それで、その入浴サービスとか、あるいは、いわゆる民間ヘルプサービスとかそんなことのやつはそれなりにわかるんです。それは介護福祉士の活躍分野なんだなと思うんだけれども、社会福祉士はそんなとき何やりますねん。
#98
○政府委員(小林功典君) これは実際やっている方のお話も伺ったわけでありますが、例えばヘルプサービスの例で申しますと、単にヘルプサービスーヘルパーさんを寝たきり老人のところに派遣するというだけでは済まないようであります。もしそういう依頼がございますと、ソーシャルワーカーが行きまして、その家庭の状況あるいは御老人の体あるいは心の状況、全部把握いたしまして、どういう処遇をすれば一番いいか、どういう方を派遣すれば適切な処遇ができるかと全部判断いたしまして、帰ってきて、それで中で、プログラ
ムをつくりまして、それに従ってヘルパーを派遣すると、こういうことでございます。
 だから、単純に人を派遣するということでなくて、コーディネートも必要でございますし、プログラムの作成というものも必要である。そういったところで現にソーシャルワーカー的な方、今資格はございませんけれども、そういう方が活躍しておられるという実例も現にございます。そういうチームとしてのコーディネーターと申しましょうか、そういった意味合いは非常に大きな役割だと思います。
#99
○沓脱タケ子君 時間がありませんので詳しく聞けませんが、シルバー産業ということの言葉には、私は実は非常に抵抗を感じているんですね。
 というのは、いわゆる社会的な弱者になった方方に人間としての尊厳を与え、そして十分に生活ができる状況を保障していくという福祉のやり方というのは、従来公的なやり方あるいはせいぜい福祉法人ですね、そういうやり方でやってきたわけですが、シルバー産業ということになるとこれは株式会社なんでしょう、純然たる企業、株式会社ですね。そこにこれは非常に私ども怖いなという何となく不安を感じるわけですが、その点はどういうふうに発展をさせようと考えていらっしゃるのか、簡潔に聞きたいと思います。
#100
○政府委員(小林功典君) 確かにシルバーサービスがおかしな形で伸びできますと、これは大変な社会問題でございます。そこはもう、あくまで適正に節度を持った運用をしてほしいという気持ちを持っております。
 そこで、一つの例が今度の資格者、これもそうでございます。一つのシルバーサービスが適正に運営されていくために、やはり倫理観を持った、しかも専門的な知識、技能を持ったいわゆるプロにその中で働いてもらう、これによって企業の適正な発展というものが実現できるんじゃないかというのが一つ。
 それからもう一つの問題は、これは法律ではございませんが、去る三月に私の方で社団法人のシルバーサービス振興会というものを発足していただきました。これは、関係のシルバーサービス会社が百数十社入ってできた社団法人でございますが、そこでは真っ先にやるのは倫理綱領の作成でございます。つまり、そういう団体をつくって、有力なシルバーサービス企業がそこに入っていただいてそこで自主的に規制をしてもらう、このいわば二本が現在シルバーサービスの節度ある発展のための我々のとっている施策でございます。
#101
○沓脱タケ子君 私、なぜその企業、株式会社でシルバー産業がどんどん入り込んでくる、あるいはそれが成長産業だなどと言われて、喧伝をされているということに不安を感じるかといいますと、現行の公的施策の中でもいろいろ問題が出てきているわけでしょう。
 時間があったら詳しく聞こうと思ったんですけれども、時間がありませんから少し申し上げておきたいと思いますが、現在やられていますホームヘルパー制度ですね。これは今二万五千人余りおるんですか、例えばこの運用がどんなふうになっているかといったら、ことしの四月かららしいんだけれども、障害者だとかあるいは生活保護者あるいは非課税世帯のところに行く場合でも、一時間六百八十円を立てかえ払いをして、後で償還払いをしてもらうというふうに変わってきているんですってね。そういう制度にしたんでしょう。
 だから、直接そのヘルパーさんに利用者が電話をかけるということもできる。電話をかけても、重度障害者の方になれば、同じ六百八十円ならそんなしんどいことはいやだからといって断られる。第一、そんな非課税世帯とか、生活保護世帯の方が一時間来てもらったから六百八十円、二時間来てもらったから千三百六十円現金を払うというその余裕がない。そういうことになってくればついついお願いをしたくてもお願いしにくくなる、利用できなくなるという問題が現に大阪でも起こってきております。
 現在の公的サービスの状況でもそういう状況が起こっておりますから、そこへいわゆるシルバー産業ということで、企業であれば営利なしに企業をやるということはあり得ないわけですから、そういうことになってくると大変だなというふうに思うんです。
 そこで、はっきりしなければならないのは、公的サービスをきちんと確立していく、そして一方でシルバー産業が組み合わされるということによって、所得のある人たちがいわゆるシルバー産業を御利用になるというのはよろしいんですけれども、こんなそれこそ八十、九十になった老齢者が毎日来てもらうたびにお金を出さなくちゃならない、そのお金の心配をしなきゃならないということになったら、それは生きがいを持って長生きするなんてなことができることじゃないと思うんですよね。本当に惨めな状態に突き落とすと思うんですが、その辺はどうなんですか。
    ―――――――――――――
#102
○委員長(佐々木満君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、対馬孝且君が委員を辞任され、その補欠として本岡昭次君が選任されました。
    ―――――――――――――
#103
○政府委員(小林功典君) 誤解があるといけませんので、ちょっと今の点お答えいたしますと、いわゆる償還制と呼んでおりまして、お金を払って後から返してもらうという制度でございますが、これは現在御審議をいただいている六十二年度予算でお願いをしていることでございます。ですから、まだスタートはしておりません。
 それからその趣旨は、先生今おっしゃるのと違いまして、つまり今までのシステムはそのまま残しておいて、かつより便利なように選択の幅を広げる。つまり今までどおりでもよろしいし、それから一々市町村にヘルパーの派遣を依頼して来てもらうというのも面倒だ、むしろ直接呼んでお金を払って後から返してもらうという方が便利であればそういう道も開きますよという選択を広げたということでございますんで、変わったという意味ではございません。
#104
○沓脱タケ子君 いや、変わったというのは、現金を今度は払うことに変わったんでしょう、そんなことしてないですか。非常に不安が広がっていますよ、大阪では。
#105
○政府委員(小林功典君) 原則は確かに今までどおりでございますから、市町村にヘルパーの派遣を依頼する、そこからヘルパーを派遣してもらうというシステムは歳として存在するわけで、それが原則でございます。ただ、それにあわせてそういう方が便利だとお考えの方がいらっしゃれば償還制という道もとり得ますよというのを六十二年度予算に盛り込んでおるということでございますんで、今先生おっしゃったのはちょっと誤解だと思います。
#106
○沓脱タケ子君 そういう点は既に不安が起こっておりますから、そういう不安のないように現行制度は運用していただきたいと思うんです。
 最後にお聞きをしたいんですが、やっぱり非常に不安だなと思うのは、シルバー産業で社会福祉士が担当して病人のところへ行く、お年寄りのところへ行く、障害者のところへ行くということで、自分のところの産業のニーズに合うものを探して歩くということになったら、これはいわゆる福祉六法に保障された水準をその方々に保障していくということにならない。逆に企業のセールスマンになりかねないという心配さえあるわけで、そういうことにならないような保障が非常に大事だということが一つです。
 もう一つは、介護福祉士の場合でもそうですが、介護福祉士の養成というのが、これは御計画では七十五年までに一万八千人ですか、養成すると言うんだけれども、今家庭奉仕員二万五千人ですね、そのうちの、二万五千人が重なるのかどうか知りませんけれども、これではとても今の二万五千人で十分な行き届いたやり方に公的サービスもなってないわけですから、一万八千人しか養成しないんだということになれば、これはそういう
資格者がおっても、無資格者を使って不十分な形の福祉を広げていくということにしかならないんじゃないかという心配があるわけです。
 そのことは施設においてもそうだと思うんで、資格のある人が資格のない人たちとの間に、単なる名称独占だと言うけれども、職場の中ではその人が管理的役割を果たしたり職場の中の団結がうまくいかなかったり分断をしたり、あるいは資格のある人だけ雇っておいてあとはパートに切りかえて人件費を減らすというふうなことになりかねないのではないかということで、これは働いている現場の人たちも非常に不安がその面にあります。もう一つは、福祉を受ける利用者の側にも大変な不安があるというふうに思いますので、その点はどうなんですか。
#107
○政府委員(小林功典君) 今度は名称独占制度でございますので、その資格を取らなくても今までどおり仕事ができるというのが大前提でございます。したがいまして、この法案が成立いたしましても、現在働いておるヘルパーさん、あるいは家政婦さんの一部もやっておられるようであります、それからボランティアの方もやっておられます。これは大いにこれからもそういう活動を継続していただきたいと思います。
 ただ、非常に多様化するお年寄りあるいは身障者のニーズというものに対していろんなタイプのマンパワーが必要だ、これは今度の法案の前提でございますので非常に扱いの難しいお年寄りの方にはやはりそれなりの知識、技術を持った方でなければ対応できません。ですから、全体を資格化するということは考えておりませんで、そういう一部の方について資格を持っていただいて、いわゆるプロとして育っていただきたい、これは私どもの気持ちでございます。
 まあ一万八千人、一応の粗い試算でございますが、昭和七十五年で一万八千人程度はどうしても必要だろうと思っておりますが、ただこれは名称独占でありますから、自由に資格を取ることができるわけであります。私ども考えているのは、最低それくらい必要だろうということでありますが、恐らく公的なヘルパーさんの中にもこれを取得したいという方もいらっしゃるでしょうし、それから、特に特養等の社会福祉施設については、長年のかなり豊富なノーハウを持った寮母さん等がいっぱいおられますから、そういう方も恐らく応募されるでしょう、それはもうそれで結構でございます。
 ですから、一万八千人だけで絞るという意味じゃございませんで、恐らく私はこれは最低限で、もっとたくさんの方が資格を取られるんだろうと思います。そういう方が全体の中のいわばリーダーとして活躍していただければ、福祉の水準も上がるしお年寄りの福祉というものも格段に上がっていくだろうと、こういうことでございます。
#108
○沓脱タケ子君 もう終わりたいんですが、大臣一言も物を言ってもらえてないんで、最後に大臣に申し上げておきたいんですが、これは意見具申の中でも触れられております。「福祉サービスの供給体制が多様化していくが、もとより民間部門には限界があり、」「公的な役割と責任の明確化のもとに、公的な施策は一層推進すべきものであることはいうまでもない」ということが書かれておりますが、シルバー産業の進展ということの展望の中で公的サービスがいささかもこれは削り取られて、本当に生活保護の方々やあるいは非課税世帯の方々がいよいよ大変なところへ突き落とされたという嘆きが起こらないように、この法律案の運用については厳に戒めてやっていただきたいと思うのですが、最後にお伺いをして終わりたいと思います。
#109
○国務大臣(斎藤十朗君) これから迎えます長寿社会におきまして、高齢者の皆様方の福祉に対するニーズというのは非常に多様化してまいるだろうというふうに思います。
 先ほどからの先生の御質問の中にありました社会的弱者たる老人というお話がございましたが、社会的弱者でないお年寄りのニーズというものもたくさん出てまいるだろうというふうに思うわけであります。そういう幅広い多様化したそのニーズというものにそれぞれこたえていかなければならないという観点から、民間におけるシルバーサービスというものもそれなりに大いに振興をしていかなければならないし、また、そのシルバーサービスというものがいやしくもお年寄りを食い物にするということではなく、質の高い、また安心して受けられるようなサービスに指導していかなければならないと考えておるわけであります。
 そういう観点から、先ほど社会局長からも申し上げましたように、いち早くシルバーサービス振興会という社団法人を結成していただきまして、みずから質の高いサービスを提供していくように将来へ向けて努力をしていただくということに力を注いでおるわけであります。
 しかしながら、今おっしゃられましたように、この民間のシルバーサービスだけでこれまた事足りるというものではございませんし、また、この民間サービスに肩がわりをして公的な責任を回避するというような考え方はさらさら持っていないわけでありまして、公的な福祉サービスとして担当していかなければならない部分、すなわち基礎的な部分とか、また必要最低限の部分とか、そういったまた一つの基準を示していくようなサービスとか、そういったような部分においての公的福祉サービスというものも一層充実をしていかなければならない。
 今後とも在宅福祉、また施設福祉、こういう両面から一層の充実を図ってまいる覚悟でございます。
#110
○委員長(佐々木満君) 以上をもって両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○委員長(佐々木満君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより外国医師又は外国歯科医師が行う臨床修練に係る医師法第十七条及び歯科医師法第十七条の特例等に関する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、討論はないものと認めます。
 これより採決に入ります。
 外国医師又は外国歯科医師が行う臨床修練に係る医師法第十七条及び歯科医師法第十七条の特例等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#112
○委員長(佐々木満君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、社会福祉士及び介護福祉士法案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、討論はないものと認めます。
 これより採決に入ります。
 社会福祉士及び介護福士法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#113
○委員長(佐々木満君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 糸久君から発言を求められておりますので、これを許します。糸久君。
#114
○糸久八重子君 私は、ただいま可決されました社会福祉士及び介護福祉士法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    社会福祉士及び介護福祉士法案に対する
    附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、適切な措置を講
 すべきである。
 一、在宅福祉施策について、ホームヘルプ・サ
  ービスの充実、デイ・サービス、ショートス
  テイの拡充等一層の推進を図ること。
 二、社会福祉士・介護福祉士の養成カリキュラ
  ムの編成及び試験については、既に相談援助
  あるいは介護の実務に従事している者の経験
  を尊重するよう十分配慮すること。また、養
  成カリキュラムの編成に当たっては、養成校
  等関係者の意見を尊重するとともに、福祉を
  めぐる諸条件の変化に即応するよう配慮する
  こと
 三、福祉保保健・医療各施策の連携の一層の強
  化を図るとともに、介護福祉士と保健婦・看
  護婦との連携等両福祉士とこれら各分野の関
  係者との連携のための措置を講ずること。
 四、社会福祉士と福祉事務所との連携を密にす
  るよう指導するとともに、福祉事務所の機能
  の充実を図ること。
 五、介護等に係る技能検定と介護福祉士試験に
  ついては、その水準のバランスを保つよう配
  意すること。
 六、社会福祉士の相談援助が多様なサービスに
  関連することにかんがみ、社会福祉士の養成
  に当たっては、ケースワークに関する実習の
  機会を十分確保すること。
 七、その成長が予想されるいわゆるシルバー産
  業について、営利主義が高齢者の福祉を阻害
  することのないよう厳しく指導すること。
  右決議する。
 以上でございます。
#115
○委員長(佐々木満君) ただいま糸久君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#116
○委員長(佐々木満君) 全会一致と認めます。よって、糸久君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、斎藤厚生大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。斎藤厚生大臣。
#117
○国務大臣(斎藤十朗君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#118
○委員長(佐々木満君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○委員長(佐々木満君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#120
○委員長(佐々木満君) 次に、年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業務の特例及び国庫納付金の納付に関する法律案並びに医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する法律案の両案を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。斎藤厚生大臣。
#121
○国務大臣(斎藤十朗君) ただいま議題となりました年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業務の特例及び国庫納付金の納付に関する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国の公的年金制度は、社会保障の中心的な制度として国民生活において重要な役割を果たすに至っており、本格的な高齢化社会に向けて、長期的に安定した制度運営が図られなければなりません。
 そのためには、年金財政の基盤を強化していくことが重要であり、年金積立金の運用の仕組みを改善することにより、より多くの運用収益を確保していくことが大きな課題となっております。
 今回提出いたしました法律案は、このような要請にかんがみ、厚生年金保険事業及び国民年金事業の財政基盤の強化に資するため、年金福祉事業団の新たな業務として、資金運用部から借り入れた厚生年金保険及び国民年金の積立金の一部について国債等の有価証券の取得、金銭信託、生命保険契約等の方法により、安全確実かつ有利に運用できる道を開くとともに、これにより生じた収益を積立金として積み立て、毎事業年度その一定の割合を厚生保険特別会計年金勘定及び国民年金特別会計国民年金勘定に納付することとするものであります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この法律案につきましては、本年四月一日から実施することといたしておりましたものを衆議院におきまして公布の日から実施することとする修正がなされております。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、ただいま議題となりました医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国は、現在、人口の高齢化が急速に進行しておりますが、本格的な長寿社会においても活力ある福祉社会を維持していくためには、何よりも国民の健康の確保が基本であり、高齢化に伴い増大の危惧される疾病等を克服し積極的に健康増進を図ることが緊要の課題となっております。
 他方、近年目覚ましい進展を遂げているバイオテクノロジーを初めとする先端的科学技術は、これを保健医療の分野で十分に活用していけば、このような課題の克服も可能となる画期的な医薬品、医療用具等の開発をもたらすものと大きく期待されております。
 しかしながら、これらの先端的科学技術の研究、応用は、いまだ未知の分野も多く、今後の広範な研究の蓄積が必要とされております。そのためには、広く基礎科学研究を充実強化することはもとより、その蓄積を医薬品、医療用具等という具体的な成果の形で保健医療の場に提供していく役割を担う民間の積極的な技術開発への取り組みを推進していくことが必要であります。特に、これらの先端的科学技術の研究開発はリスクも大きく、民間の自主努力だけでは迅速かつ効率的な取り組みが困難な面があります。このため、本格的な長寿社会を目前に控えて国民保健の確保向上を図る観点から、国の振興制度を早急に確立することが望まれております。
 政府といたしましては、このような認識のもとに、民間において行われる医薬品、医療用具等に関する研究開発を振興するため、医薬品副作用被害救済基金の業務として研究振興業務を加えることとし、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、医薬品副作用被害救済基金は、従来からの目的に加え、民間において行われる医薬品の生産等に関する技術の試験研究の促進に関する業務を行うことにより、国民の健康の保持増進に寄与する技術の開発を振興し、もって国民保健の向上に資することを目的とすることとし、これに伴い名称を医薬品副作用被害救済保研究振興基金と改めることとしております。
 第二に、研究振興業務については、医薬品の生産または販売に関する技術のうち、医薬品の品質、有効性及び安全性の確保向上等国民の健康の保持増進に寄与する技術を振興対象とするほか、医療用具等についても同様に対象とできることとしております。また、その業務の内容としては、民間が行うこれらの技術の試験研究について、必要な資金の出資及び貸し付けを初めその促進のために必要な業務を行うこととしております。
 第三に、基金は研究振興業務を行うための資本金を有することとし、そのための資金として政府及び民間から出資を受け入れることとしております。また基金は、従来からの医薬品副作用被害の救済給付業務と研究振興業務との経理を区分し、それぞれ別個の勘定を設けることとしております。
 なお、この法律の施行期日は、本年十月一日からとしておりますが、研究振興業務のための出資の募集に関する事項については公布の日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の
概要であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#122
○委員長(佐々木満君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ります。
#123
○委員長(佐々木満君) 次に、身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案並びに地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所及びその出張所の設置等に関し承認を求めるの件の両案件を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。平井労働大臣。
#124
○国務大臣(平井卓志君) ただいま議題となりました身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 障害者の雇用対策につきましては、昭和五十一年に全面的に改正されました身体障害者雇用促進法を中心として、その雇用の促進に努めてきたところであります。
 この身体障害者雇用促進法は、身体障害者の雇用の促進を目的としており、一部の規定は精神薄弱者についても適用されていましたが、すべての障害者を対象とする法律とはされていないところであります。精神薄弱者等を含め障害者全般の対策が重要になってまいりますとともに、国際的にもすべての種類の障害者に対する雇用対策の実施が求められており、身体障害者雇用促進法につきましても、その対象を障害者全般に拡大し施策の充実強化を図ることが強く求められています。
 また、近年、離職する障害者が増加し、雇用の促進のみならず、その雇用の安定のための施策の充実強化を図る必要が生じております。
 一方、雇用率制度及び納付金制度上の精神薄弱者の取り扱いにつきましては、かねてから懸案となっておりましたが、昨年七月、身体障害者雇用審議会より、雇用されている精神薄弱者については身体障害者と同様に取り扱うこととすべきであるとの意見書の提出を見たところであります。
 さらに、近年、障害の重度化、多様化が進展しており、就職の困難な障害者が増加していますが、これらの障害者の雇用の促進を図っていくためには、職業リハビリテーションを強力に推進することが必要となっており、その体制の整備を図ることが喫緊の課題となっています。
 このような状況にかんがみ政府といたしましては、この法律案を作成し、身体障害者雇用審議会にお諮りした上、ここに提出した次第であります。
 次に、その内容の概要を御説明申し上げます。
 第一は、法律の対象となる障害者の範囲の拡大及び施策の拡充であります。
 すなわち、雇用率制度等を除き身体障害者雇用促進法上の施策の対象をすべての障害者に拡大するとともに、企業に在職中に障害者となった労働者の雇用継続のための助成措置、雇用されている障害者に対する助言、指導の実施等障害者の雇用の安定のための施策を充実強化することといたしております。そして、これに伴い、法律の名称を身体障害者雇用促進法から障害者の雇用の促進等に関する法律へと改めることとしております。
 第二は、精神薄弱者対策の充実強化であります。
 雇用されている精神薄弱者につきまして、雇用率制度上身体障害者を雇用する場合と同様に取り扱うこととし、納付金制度上もこれまで講じられておりました助成金の支給等の措置に加えて、身体障害者雇用調整金及び報奨金の支給の対象に加えることといたしております。
 第三は、職業リハビリテーションの推進であります。
 職業リハビリテーションにつきまして、その原則等を法律上規定するとともに、これまで雇用促進事業団、身体障害者雇用促進協会等多岐の団体において設置または運営されてまいりました職業リハビリテーションに関係する施設を障害者職業センターとして法律上位置づけ、この設置運営の業務を日本障害者雇用促進協会において一元的に実施することといたしております。
 なお、この法律の施行は、企業に在職中に障害者となった者の雇用継続のための助成に係る部分については本年七月一日から、他の部分については昭和六十三年四月一日からといたしております。
 以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所及びその出張所の設置等に関し承認を求めるの件について、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 現在、労働省の地方支分部局として、公共職業安定所が全国に配置されておりますが、これらに関して、現下の重要課題である行政改革の一環として、その一部を整理統合するとともに、近年の地域の実情の変化に伴い、その配置の適正化を図る必要が生じてきております。
 この案件は、昭和六十二年度において行う予定の右の理由による再編整理に伴い、横浜南公共職業安定所ほか公共職業安定所及びその出張所七カ所の設置等を行うことについて、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、国会の御承認を求めようとするものであります。
 何とぞ御審議の上、速やかに御承認くださいますようお願いを申し上げます。
#125
○委員長(佐々木満君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案件に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#126
○委員長(佐々木満君) 次に、勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提出者衆議院社会労働委員長堀内光雄君から趣旨説明を聴取いたします。堀内光雄君。
#127
○衆議院議員(堀内光雄君) ただいま議題となりました勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 現在、勤労者の持ち家取得については、依然として立ちおくれが見られます。一方、十兆円に達する勤労者財産形成貯蓄を原資とする勤労者財産形成持家融資制度は、いまだ十分に利用されておらず、その一層の活用が強く求められております。
 本案は、このような実情にかんがみ、勤労者の持ち家取得を促進し、あわせて、当面の課題である内需拡大の要請にこたえるため、勤労者財産形成持家融資制度の拡充等を図ろうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、持ち家取得のための資金調達を容易にするため、勤労者財産形成持家個人融資の貸付限度額を勤労者財産形成貯蓄等の五倍に相当する額から、十倍に相当する額の範囲内の一定の額に引き上げるものとすること。
 第二に、勤労者財産形成持家融資に係る貯蓄期間の要件を、三年以上から一年以上に緩和するものとすること。
 なお、この法律は、公布の日から施行するものとすること。
 以上が、本案の提案理由及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#128
○委員長(佐々木満君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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