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1986/03/26 第108回国会 参議院 参議院会議録情報 第108回国会 文教委員会 第1号
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1986/03/26 第108回国会 参議院

参議院会議録情報 第108回国会 文教委員会 第1号

#1
第108回国会 文教委員会 第1号
昭和六十二年三月二十六日(木曜日)
   午後一時三十分開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         仲川 幸男君
    理 事         田沢 智治君
    理 事         林  寛子君
    理 事         粕谷 照美君
    理 事         吉川 春子君
                小野 清子君
                木宮 和彦君
                山東 昭子君
                杉山 令肇君
                世耕 政隆君
                谷川 寛三君
                寺内 弘子君
                星  長治君
                柳川 覺治君
                久保  亘君
                山本 正和君
                高木健太郎君
                高桑 栄松君
                勝木 健司君
                下村  泰君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十六日
    辞任         補欠選任
     吉川 春子君     佐藤 昭夫君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     佐藤 昭夫君     諫山  博君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     寺内 弘子君     梶木 又三君
     小野 清子君     徳永 正利君
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     梶木 又三君     寺内 弘子君
     徳永 正利君     小野 清子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         仲川 幸男君
    理 事
                田沢 智治君
                林  寛子君
                粕谷 照美君
    委 員
                小野 清子君
                木宮 和彦君
                山東 昭子君
                杉山 令肇君
                世耕 政隆君
                谷川 寛三君
                寺内 弘子君
                星  長治君
                柳川 覺治君
                久保  亘君
                山本 正和君
                高木健太郎君
                高桑 栄松君
                諫山  博君
                勝木 健司君
                下村  泰君
   国務大臣
       文 部 大 臣  塩川正十郎君
   政府委員
       臨時教育審議会
       事務局次長    齋藤 諦淳君
       文部大臣官房長  古村 澄一君
       文部省初等中等
       教育局長     西崎 清久君
       文部省高等教育
       局長       阿部 充夫君
       文部省学術国際
       局長       植木  浩君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐々木定典君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(仲川幸男君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告をいたします。
 去る一月二十六日、吉川春子君が委員を辞任され、その補欠として佐藤昭夫君が選任されました。
 また、去る二十四日、佐藤昭夫君が委員を辞任され、その補欠として諫山博君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(仲川幸男君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、教育、文化及び学術に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(仲川幸男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(仲川幸男君) 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。塩川文部大臣。
#6
○国務大臣(塩川正十郎君) このたび政府から提出いたしました国立学校設置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、国立大学の学部の設置、国立短期大学の新設等について規定しているものであります。
 まず第一は、学部の設置についてであります。
 これは、福島大学に行政社会学部を、三重大学に同大学の農学部及び水産学部を統合して生物資源学部をそれぞれ設置し、それらの大学の教育研究体制の整備を図るものであります。
 なお、これらの新学部は、本年十月一日に設置し、昭和六十三年度から学生を入学させることとしております。
 第二は、国立短期大学の新設等についてであります。
 これは、築波研究学園都市に視覚障害者及び聴覚障害者を対象とする高等教育機関として筑波技術短期大学を新設するとともに、徳島大学に同大学医学部附属の専修学校を転換して医療技術短期大学部を併設することとし、また、電気通信大学に併設されている短期大学部については、これを廃止し、同大学電気通信学部に統合しようとするものであります。
 なお、筑波技術短期大学及び徳島大学医療技術短期大学部は、本年十月一日に開学し、筑波技術短期大学については昭和六十五年四月から、徳島大学医療技術短期大学部については昭和六十三年四月からそれぞれ学生を入学させることとし、電気通信大学短期大学部については昭和六十二年度から学生募集を停止し、昭和六十四年度限りで廃
止することを予定しております。
 このほか、昭和四十八年度以後に設置された医科大学等に係る職員の定員を定めることといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようにお願い申し上げまして、提案理由の説明を終わります。
#7
○委員長(仲川幸男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○久保亘君 最初に、今度の国公立大学の入試についてお尋ねをしたいと思います。
 今度の新しい入試のやり方というのは、文部省としても、偏差値偏重の受験競争の弊害を是正するということや受験生の負担を軽減するというようなことを目指して、国大協とも協議をしながら行われたものと思うのでありますが、結果としてその目指したものは前進したのか、生かされたのかどうかということについて、率直な文部省のお考えをお聞きしたいと思うのであります。
#9
○政府委員(阿部充夫君) このたび、受験機会の複数化、あるいはもう一点、共通一次につきましては教科科目の削減等を行ったわけでございます。
 教科科目の削減につきましては、受験生の負担軽減等々の面で役立ちつつあると思っております。受験機会の複数化の点につきましても、先生ただいまお話しがございましたように、入れる大学よりも入りたい大学へチャレンジをするという機会をつくろうというような趣旨でこれを行ったわけでございまして、選抜業務がまだ完成をしておりません現在の時点において全体の評価をするということは難しいわけでございますが、初めてこういうことを実施したということとの関連もございまして、やはりいろいろな面で、受験生の例あるいは大学の側とも、不安な面あるいは戸惑い、その他これに伴う幾つかの問題点の指摘等も行われておることでございます。
 私どもといたしましては、まず、近々のうちに選抜業務が完了いたしますわけでございますので、その後直ちにことしの入試の実施の問題点等について国立大学協会とも協力をして検討をし、必要な改善措置等には努めてまいりたい、かように思っているところでございます。
#10
○久保亘君 これから改善しなければならない課題が多くあるということは、入試改革が目指したものが必ずしもその方向で成果を上げ得なかったということにもなろうかと思うのでありますが、一つの見方としては、今度の国公立大学入試は、結局、学力試験の点数による実力主義、エリート主義を助長したのではないかという見方もあります。また、大学の序列化を一層進行させたという見方もあります。
 これらの点について、今度の入試のやり方について相当深刻に分析し検討してみなければならない問題があるということについては、文部省もそうお考えになりますか。
#11
○政府委員(阿部充夫君) このたびの入試に関しまして、いろいろ、大学の序列化が明確になってきたのではないかとか、あるいはA、B両日程の振り分けが必ずしもバランスがとれていないのではないかとか、あるいはまた、いわゆる足切り、二段階選抜におきます第一段階選抜で不合格となった者の数が異常に多いのではないか、いろいろな御指摘を受けておるわけでございます。
 これら御指摘を受けたような点につきましては、事の性格上、受験機会の複数化という点からやむを得ない面等もありましょうし、それからまた、やはりやり方次第によってはさらに改善の可能性のある問題等もあろうかと思います。いろいろの点があると思いますので、御指摘をいただいております点につきましては、国立大学協会ともども子細に検討をいたしまして今後の改善に役立てたい、かように思っております。
#12
○久保亘君 それでは、最初に足切りの問題について伺っておきたいと思うのでありますが、共通一次による二段階選抜での一段階において、足切りを受けた受験生が十万人に及んだということについて、文部省は、今度の新しい入試のやり方をとられます場合に、この十万人に及ぶ足切りが出るということは予測されておりましたか。
#13
○政府委員(阿部充夫君) 今回の選抜に際しまして、大学受験の機会を複数化、二校受けられるということにしたわけでございます。公立まで含めますと三校受けられるというようなことでもございますので、従来一校しか受けられなかったという時期に比べますと、各人が二校ずつ受けるわけでございますから競争率が倍増をするというようなことは当然あり得ることだと思っておりました。
 そういった中でいわゆる足切りの問題があるわけでございますが、この問題につきましては、文部省としては各大学に要請をいたしまして、これはかねてからの文部省の方針でもございますけれども、できるだけ足切りというのは避けてほしい、またやる場合にも、足切りされる者の数をできるだけ少なくしてほしい、こういうような要望を続けてまいったわけでございます。それにいたしましても、こういう制度の改革の関係上、相当数の足切りが出るということは、夏の各大学が足切り等につきましての予告を行いました際に、ある程度の数字が出てくるだろうとは思っておりましたけれども、結果としては、予想をかなり上回った数字になったという印象を持っておるわけでございます。
#14
○久保亘君 結局、複数受験のために――共通一次を受けた人が三十九万余、そして大学に出願した人は延べ六十九万余になっております。そうすると、一人で平均一・七校の出願をしたということになりますね。この足切りの十万の内容について少し詳細に教えていただきたいのでありますが、今度の延べ十万の足切りの中で、完全に二次試験を受験する資格を失った受験生というのがどれだけいたのか。例えば二つの学校に出願して二校とも受験資格を失った人ですね。これは三校の場合もあると思います。それから一校だけ出願をして、そこを足切りを受けたことによって受験資格をなくした人。こういういろいろな類型があると思うのでありますけれども、結果的に二次試験の受験資格を足切りという措置によって失った受験生というのが何人いたのか、それを御報告いただきたいと思います。
#15
○政府委員(阿部充夫君) 今回の入学者選抜におきまして第一段階で不合格になりました者の数でございますが、国立大学協会、公立大学協会の御協力をいただきまして調査を行っている最中でございます。
 若干中間的なと申しますか、最終的に確定した数字ではございませんけれども、現在持っております数字で申し上げますと、二校に出願をして二校とも不合格となったという者が一万二千五百二十七人、それから三校に出願をして三校とも不合格となったという者が八百七十、合わせまして一万三千三百九十七人という方々が複数出願してだめだったという方々でございます。さらに、複数出願の機会はありますけれども一校だけ受けたという人の場合でございますが、その不合格者が一万七千三百四人ということで、合計三万七百一人という数字がただいま先生の御質問の数字であろうかと思います。なお最終的な精査をいたしますと若干の数字が動くかもしれませんけれども、おおむねこういう数字だということで御理解いただきたいと思います。
#16
○久保亘君 共通一次の受験をした者が三十九万でありますから、その中には、もともともう国公立大学を受験しなかった人もいるだろうと思うので、ほぼ一割の人が今度の足切りによって完全に国公立大学を受験する機会をなくした、こういうことになろうかと思うのでありますが、この足切りの基準というのを文部省はどういうふうに把握をされておりますか。各大学が自主的におやりになったものであるならば、文部省はどう把握されているのか。また、文部省が足切りについて一つ
の基準的なものを指導したとするならば、それはどういう内容のものであるか、御説明をいただきたい。
#17
○政府委員(阿部充夫君) この足切りと申しますか、二段階選抜のやり方についてでございますけれども、共通一次試験が始まりました昭和五十四年度入試のときから、関係の、大学関係者、高校関係者等の会議等にも諮りまして、これについての一応の指針のようなものを実施要項という形で各大学に通知をしておるわけでございます。
 この中におきましては、「入学志願者の数が入学定員を大幅に上回り、第二次の学力検査等を適切に実施することが困難であるため特に必要がある場合には、」二段階選抜を実施することもできるものとする。「ただし、この場合においては、第一段階の選抜に合格させる者の数が入学定員のおおむね三倍を下回らないよう配慮するものとする。」ということにいたしておりました。これは当時の、要するに一校だけ受験という場合についてこういう仕組みをとっておったというものでございます。
 しかしながら、今回受験機会の複数化を行うに当たりまして、昭和六十二年度入試に関しての実施要項につきましては、こういった志願倍率が上がること等によって不合格者の数が相当多くなるということをできるだけ避けたいということから、文部省といたしましては、先ほど申し上げました大学入試改善会議に諮りまして、この「三倍」という数字は削除をいたしておりまして、安易に低い倍率に設定しないようにということで、特に二段階選抜を行うことにつきましても、「やむを得ない場合に限定すること」、そして、「第一段階の選抜に合格させる者をできる限り多くするよう配慮する」ということを特に明記をいたしまして、「三倍」という数字を削るということでより高い倍率に直してもらいたいという意向を示したわけでございます。
 これに基づきまして具体にどうするかということは各大学が自主的に決めるわけでございますが、最終的な結果といたしまして、二段階選抜を行ったものの今回の平均的な倍率は、昨年度の場合平均三・三倍でございましたが今回は五倍というところが平均というような状況になっております。
#18
○久保亘君 できるだけ足切りを行わないようにという文部省の指導にもかかわらず大学側が、平均的には五倍でありましても、実際にはもっと厳しいところもあるわけですね。そういう足切りによる第一段階選抜を大学側が行ったその理由といいますか、あるいは基準というものは何であったのか、文部省はどう把握されておりますか。
#19
○政府委員(阿部充夫君) これは各大学によっていろいろ事情は異なる点はあろうかと思いますけれども、一つには、入試の実施日程がかなり詰まった中での事柄というようなことから、会場を十分確保できるかどうかという問題、あるいは教官等の対応のスタッフの問題、あるいはまた、実際の試験の採点等の業務の運用の問題等々いろいろな点を考慮いたしまして各大学としては判断をしているものと思っております。
#20
○久保亘君 大学側の会場とか採点とかあるいは教職員の配置とか、そういう入試担当能力ということが基準になるとするならば、足切りの理由になるとするならば、そのことについては既に臨教審も一次答申の中で大学側の入試担当能力の強化ということを要請として出しておりますね。そういうことについて文部省は、今度のこの複数受験を行わせるに当たって、大学の入試担当能力強化についてどういう措置をおとりになりましたか。
#21
○政府委員(阿部充夫君) 今回の複数化に際してということではございませんけれども、臨教審が指摘しておりますような、あるいはかねてから指摘されておりますような、大学の入試体制を十分な体制に持っていくようにという意味から、これはそういう分野の問題につきまして企画等を行い、その実行に実務上当たっていくということで、最近、各国立大学には入試課を設けて入試の担当の職員を多数配置をする、多数といいますかある程度配置をするというようなことを進めてきておるわけでございます。
 具体に、例えば各大学が会場を探すというような場合になりますと、そういう体制の整備の問題とは別に、実際に適切な会場が近隣にあるかどうかというような問題等も絡んでまいるわけでございまして、なかなかそういう体制の整備という点だけで解決しない問題があるわけでございます。また、日程の問題等につきましても、これもある程度余裕のある日程であればそれもかなりの処理ができるということもあり得ようかと思っておりますが、先ほども申し上げましたように、極めて限られた日程の中で相当多数の受験生に対する試験等を、これもできるだけ丁寧に行うようにという方向でやっております関係上、いろいろな問題があるということは御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 ただ、先ほども申し上げましたように、私どもといたしましては、各大学に、そこを何とか頑張ってできるだけ対応してほしいということをお願いをしてまいりました。夏のいわゆる第二段階選抜の予告の段階から以降も、実際の実施の段階のつい最近に至りますまで引き続きお願いをしてまいりまして、一応予測倍率を決められた大学でも、相当数のところがそれをとりやめるとか、あるいは緩和をするというような努力もいただいたわけでございますので、今後ともそういう方向での努力というのは来年度以降につきましても続けていきたい、かように思っております。
#22
○久保亘君 改善の問題について、後ほどまとめてお尋ねしたいと思います。
 もう一つお聞きしておきたいのは複数受験制度の問題でありますが、この複数受験制度というのは、これは受験生の側からも要望のあった点でもあり、それ自体は認められるとしても、今度行われたグループ分けとかあるいは入試期日の設定の仕方とか、こういうものは複数受験制度のあり方としてやはり相当見直しが必要なのではないか、こう思っております。定員割れとか定員超過のアンバランスな状態について、既に各報道機関によってもその実態が報道されておりますが、文部省としては、この実態を速やかに把握する態勢をおとりになっておりますか。
#23
○政府委員(阿部充夫君) 昨三月の二十五日で第一段階、第一次目の合格の締め切りということに相なったわけでございますが、文部省といたしましては、この入学手続を当日までに受け付けた者の数については現段階では把握をいたしておりません。
 これは御承知のように、今回の当初合格者を含めまして各大学では引き続きさらに欠員等についての合格等の措置を行っていくということで、現在の段階は中間段階であるということでもございますし、また、例年と異なりまして入試の方法が変わりました関係上、各大学では現在追加合格等の決定のために全力投球をしているという時期でもございます。また、そういうようなこともございまして、中間段階での公表を差し控えるという大学も相当数あるというような状況でもございますので、文部省としては、二十五日段階での入学手続終了者について報告をしてくれということを求めてはおらないわけでございます。
#24
○久保亘君 それは、大学側が非常にそのことによって事務的に大変な負担を強いられるという問題ではないんじゃないですか。二十五日までに大学則、学部別に何人入学手続をとったかというその数字を、締め切った日に文部省が集約できないなんというのは、私は文部省として、これだけ今社会的にも大きな問題になっていることに対して、適確な対応をされていないと思いますよ。何人入学手続をとったかということを報告させることがそんなに大学にとって難しいことであり、大学の今後について大きな問題を残しますか。
#25
○政府委員(阿部充夫君) 各大学とも従来から、こういった入試の中間段階でいつまでに何人入学手続をとったということを発表してこなかったという従来からの経緯もございます。そういった諸般の状況を踏まえて、各大学では発表したところ
もあるようでございますが、発表していないところもあるわけでございまして、こういった各大学の方針そのものについて、文部省として、全部発表すべきだと現段階で言うことは差し控えておるわけでございますが、いずれにいたしましても、ある程度入学手続者が安定した段階で、できるだけ早く全体の報告をとって整理をし、また、必要な御報告等をさせていただきたい、かように思っております。
#26
○久保亘君 まあやっていないものを責めてもしようがないと思うんですけれども、今後の入試改善に文部省としてどういうふうに対応していくかということに、基礎的なそういう資料を集められないというようなことじゃだめじゃないですか。
 それから、入試センターというのは、受験生個人についてのいろいろな動向までコンピューターでとらえているんですよ。入試センターというのはあなたのところの管轄じゃないですか。それがどうしてその報告を、数字のデータをあなたのところへ出せないことがありますか。
 それからもう一つ聞きたいのは、この定員割れと定員超過という複数受験制が生んだ大変なアンバランスによって追加入学の措置が今月いっぱいとられますね。この追加入学については、どこかの大学に入学手続をとった者は除外される、こういうふうに私聞いておるんです。そうすると、例えば二校受けた人が、本当はあの大学に行きたかったが、足切りを受けたりあるいは二次試験を不合格になってだめだった。こちらの大学に通った、それでここに手続をした。二次試験を受けている人の場合には、ここへ手続をしていなければ追加入学で合格する可能性を持っておる人が、手続したから、できないわけです。その人には合格の通知は行かないわけだからね。そうすみと、手続しなかった人は、その人よりも総合的な判定で下の方にランクされておってもこの人は合格するんです。これは大変不合理なことじゃありませんか。
#27
○政府委員(阿部充夫君) ただいま御指摘のような点は、確かに個人個人にとってみれば大変な問題であるということは私ども理解できるわけでございます。
 それについて何らかの方策はないかということは現在もいろいろ議論をしておるわけでございますが、ただ、具体の問題といたしまして、何らかの期限を設けてそこまでで措置をするということをその都度区切りをつけてまいりませんと、途中で、あとの学校へ受かったからそちらに行きますということになるとここがまたあく。そうすると、そこの補欠をまた入れるというようなたぐいの、いわば無限の循環のようなことも起こってくるということも予想されるわけでございまして、そういうことから今回は、既に二十五日までに合格したらばそこで決めてもらうというような方式をとることにしたわけでございますけれども、この問題は、先生御指摘のように、確かにそういう面で何らかの解決策があれば検討していかなければならないこれからの課題の一つだと私は思っております。
#28
○久保亘君 要するに、この複数受験制のグループの分け方、追加合格のさせ方、もういろいろ問題があるんです。
 そこで私は、これを文部省や大学の側の論理で始末をつけようとしてもいけない問題があると思う。あくまでも受験生の立場に立って問題を考える、こういうことで来年度の入試に対する改善策を検討しなければならぬと思うんですが、文部省はどういう手段によっていつごろまでに来年度の入試制度について検討し結論をお出しになる御予定でありますか。
#29
○政府委員(阿部充夫君) 入試は、基本的には各大学が行うことでございますので、各大学あるいはその大学の協会における検討ということが尊重されていかなければならないと思っておりますが、それにいたしましても、先生御指摘がございましたように、受験生の側の、受験生の側と申しますか、あるいは高校側と申しますか、そういった御意見というものも十分踏まえながら対応していく必要があるということは御指摘のとおりだと思っております。
 今回の件に関しましては、国立大学協会も四月に入りましてから早速検討に取りかかりたいということで、六月が国大協の総会でございますので、そのときに向けて国立大学も検討するということでございますし、恐らく公立大学もそのようなことに相なろうかと思っておりますが、文部省といたしましても、それまでの間に各方面の御意見を聞きながら、関係の両協会等に対する指導なり助言等はいろんな形でやってまいり、一緒に協議をしてまいりたい、こう思っておる次第でございます。
#30
○久保亘君 その一番問題になりましたグループ分けの問題についても、今度の場合は大変遅い時期に決まりましたですね。これも今度は、国大協が来年度に向けての入試の方針を決定される夏ごろまでの時期に、今、六月というお話もございましたが、六月ごろまでには新しい方針をお出しになるということですね。ことしのグループ分けをそのまま踏襲するということではなくて、それも含めて改善をされますね。
#31
○政府委員(阿部充夫君) 今回のグループ分けにつきましては、それぞれ基本的には各大学が自主的にどっちのグループを選ぶかということを決定をしたわけでございますけれども、ただ国大協全体として、あるいはそれぞれブロックごとにいろいろ協議等を重ねながら、できるだけバランスのとれたグルーピングという努力がなされたわけでございまして、旧一期校二期校の当時一期校の方に、そういうことを申すのは適当かどうかということはございますけれども、有力大学が集中をしている、それから数も一期校の方が多いというようなたぐいの状況であったものが、今回はかなり改善をされているということはあると思っておりますが、ただ、特に地域的な、ある地域を限って見たりいたしますと、必ずしもバランスがとれていないという御指摘等は受けるわけでございます。これはこれからのまさに検討課題でございますし、国大協といたしましても、十分検討して早く結論を出そうということに相なる事柄であろうと思います。
 また他方、高校長会議等の側からでは、いろいろ考えてほしいけれども、大幅な変更をするとまた混乱が起こるから、変更はそう大幅にやることはちょっと差し控えてほしいというような御要望も出ておりまして、いろんな方面の御意見等を聞きながら着実に改善をするということを私どもとしては考えてまいりたいと、こう思っております。
#32
○久保亘君 受験生の側からすると、間際になっていろいろ決められるというのは困るので、やっぱりできるだけ早い時期に、それは文部省としても国大協にこのごろまでに方針を決めてもらいたいということを意見をお出しになることは可能だと思うんですが、文部省はその見込みをどの辺につけられるのか。
 それからもう一つは、足切りの問題について、少なくとも受験の意思のある学生については一校は受験の機会が保証されるということをお考えになる必要があると思うんですが、それはどうですか。今度のように完全に受験機会を失う者が何万人もいるということにならないようなやり方というものは御検討になりませんか。
#33
○政府委員(阿部充夫君) グルーピングの決定の時期につきましては、できるだけ早くするように関係団体にお願いを申し上げたいと思っております。
 それから、具体に先生御指摘の方法でございますけれども、一つの御提案がどば思いますが、具体に検討してみますと、やっぱりいろいろな問題も出てこようかと思いますので、そういったこと等も含めまして、いろいろ考えられる案をすべて検討の対象にして文部省としては検討してみたいと思います。先生おっしゃいましたような方式を考えますと、やっぱり両大学が相談をして、こっちでは本当は足切りで落ちる予定だけれども、この人だけは両方落ちるのではかわいそうだから必
ず入れましょうとなりますと、その間で落っこちていく人たちとのバランの問題とか、いろんな問題がやっぱり出てくると思うんです。こういった問題を子細にいろいろ議論しながらどうするかということを考えなければならないと思っておりますので、御指摘のことも念頭に置きながらいろいろな方策を考えてみたいと思っております。
#34
○久保亘君 きょうは時間が非常に短いので、大学入試の問題については、文部省、国大協が新しい方針をお決めになります前に、また機会を見ていろいろ意見を申し上げたいと思っております。
 次は、文部大臣にお尋ねしたいのでありますが、三月十六日付の日本教育新聞に掲載されました、臨教審の香山健一委員が各委員に送付されたと言われる二月二十七日付の書簡について、文部大臣は御存じでしょうか。
#35
○国務大臣(塩川正十郎君) 承知しておりません。
#36
○久保亘君 それでは、私、新聞に基づいていろいろと実際に調べさしていただきました。そうすると、この書簡でこういうことが書かれております。
 文部省の「全くどうしようもない程に根深い秘密主義、形式主義、瑣末主義、官僚主義」、それから、「今時考えられないような」「「倚らしむべし、知らしむべからず」という徹底した秘密主義、権威主義の体質」、こういう文部省の秘密主義、権威主義に臨教審の会長が内容もわからないままにそれに言いなりになってしまっている。それで、「「王様は裸だ」」と。「王様」というのは臨教審会長のことだと思うのでありますが、「「王様は裸だ」、「王様は文部省の言うなりで何も分かってはいない、だからこそ共通一次試験のような愚かな制度を作り、それを改悪することしかできないのだ」等々ということはっきり世間に向かって言った方が、我が国教育改革の将来と子々孫々のためになるでありましょう。」と。これは香山さんがそう言っているんですよ。文部省の秘密主義、権威主義に言いなりになって、「現行憲法、法制下の審議会においては信じ難い言論統制、事前検閲措置」を岡本会長が受け入れた以上、「残念ながら会長を不信任し、会長の責任を徹底的に追求せざるを得なくなりました。」、こういう書簡が送付されたそうであります。私は、それは間違いのない事実だと見ております。このようなことが臨教審の審議、運営に当たってあったとするならば、非常に重大な問題だと思うのであります。そして、言論統制や情報操作という最終的な露骨な手段によって改革の立場をとる人への挑戦を文部省は行ったと、こうなっておりますね。
 そこで、文部大臣が全然御承知ないということでありますが、このような書簡が臨教審の委員の皆さんに送付をされているとするならば、当然臨教審にかかわる人たちは、これは文部大臣には報告すべき内容ではないでしょうか。文部大臣は私はこれは知りませんでしたということでは済まないのではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#37
○国務大臣(塩川正十郎君) そうおっしゃっても私は知りませんでして、実はきょう昼レクチャーを受けましたときに、こんな問題が久保さんから質問があるかもわからぬということを聞きまして承知いたしまして、ちょっと香山さんのおっしゃることも、センセーショナルなことを言ったなという感じを持っている程度で、中身は全く私は知りません。
#38
○久保亘君 香山さんはこうも書いておられるんです。「学者としての名誉と良心を守り、その社会的責任を全うするために、職を賭しても不退転の決意でことに臨まざるを得なくなった」と。私は、臨教審の中で有力なメンバーの方が、会長を不信任し、文部省のやり方を信じがたい、今どき考えられないような、そういう秘密主義、権威主義で臨教審の審議に対応してきたと、こういうことが表明されるということになれば、私どもが臨教審の設置に当たって指摘した危惧すべき点が、今まさに内部からの具体的な告発としてあらわれているというふうに言わざるを得ないのであります。こういう問題について、ぜひひとつ文部大臣は御調査になって、そしてあなたの御見解を承りたいと思うのであります。
 あわせて、本日は時間がありませんので、この書簡は、何も臨教審の委員の皆さんに対して内部的に香山さんがお出しになったとは、この文面からは読み取れない。この際このようなことは、「はっきり世間に向かって言った方が、我が国教育改革の将来と子々孫々のためになるでありましょう。」と書いてあるんですから。だから、香山委員とも御相談をいただいた上、この書簡をぜひ当委員会資料として配付をいただくようにお願いをしたいと思うのでありますが、大臣、いかがでありますか。
#39
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、臨教審の委員の方々の中で、香山さんは非常に自分自身の信念として、あの方は徹底したリベラル派の人でございますし、また、自由化を言っておられまして、私は実はその御意見というものは非常に興味を持って聞いておりますし、また、その議論が臨教審の中に大きい刺激になっておると私は思っておりまして、活発な議論が行われておることを私自身は実は喜んでおるのでございます。
 しかし、おっしゃるように、文部省が権威主義、閉鎖的になってやっておるかどうかという事情につきましては私はまだわかりませんで、ただ、先ほど聞きましたら、何か資料を配付するとかいうことが、そのことが直接の問題であったというようなことも聞いておるのであります。中身はまだ詳しく聞いておりません。私もこれは臨教審が、何といいましょうか、一生懸命やっていただいておるだけに議論が白熱しておることは当然だと思います。しかし、それがために審議を阻害するとかなんとかということになってはこれは大変だと思いますしいたしますが、一度事情をよく聞いてみたいと思っております。また反面で、どんなことがあってその資料の提出が具合が悪いんだということになったのかもそれはわからぬし、そこらもちょっと私も事情がわかりませんので、そういう点もよく調べてみまして処置いたしたいと思っております。
#40
○久保亘君 こっちへ出してもらえますか。
#41
○国務大臣(塩川正十郎君) 資料というよりも、これは何かの機会に報告すべき問題じゃないかと思うんですが、いかがなんですか。
#42
○久保亘君 いや、その書簡そのものを出してもらいたい。
#43
○国務大臣(塩川正十郎君) 書簡は私のところに来ておりませんので……。
#44
○委員長(仲川幸男君) 齋藤次長が手を挙げていますから、答えさしていただきたい。
#45
○久保亘君 後の人の時間がありますから、簡単にやってください。
#46
○政府委員(齋藤諦淳君) 資料の配付につきまして、おっしゃるようなことが手紙に書かれたようでありますけれども、その後、資料の検討もなされておりまして、運営委員会でその後この審議についてさらに進めるということになっておりまして、順調に目下審議がなされているところでございます。
 なお、事務局といたしましては、その書簡につきましては、そういうものがあったということは聞いておりますけれども、香山委員から各委員に送付されておるという、そういうものでありますので、総会でその手紙のこと自体が問題になったということは全くございませんので、その事情だけ御報告をさせていただきます。
#47
○久保亘君 総会で問題になったとは言っていない。書簡があったと言っている。
#48
○委員長(仲川幸男君) 今の資料の問題につきましては、理事会で協議をして、再度文部省とのお話といたします。よろしいですか。
#49
○久保亘君 はい。
#50
○山本正和君 本日御説明いただきました国立学校設置法の一部を改正する法律案の中で、筑波の技術短大の問題と、それから三重大学の生物資源学部の問題につきまして、御質問をしていきたいと思っております。
 まず、筑波の問題でございますが、昨年の段階で、この問題が報道されると同時にいろんな動きがございました。十一月二十五日付の朝日新聞では、「文部省の身障者短大構想」、この構想に対して身障者団体が強い反対の声がある。その大きな理由として、一般大学が身障者に門戸を閉ざすんじゃないか、こういうふうな不安があるというようなことが報道されましたし、また、実際に一般大学で学んでいる身障者の皆さんからは、これに対するさまざまな――若干誤解もあるようでありますけれども、反対意見等も出されております。ただ、学校現場で身障者を教育している校長や一般教員の中では、これはやりようによっては大変結構なことで、場合によってはもっときちんとした格好でやってほしいというふうな要望もあるようでございます。
 そこで、まずそういう方々の不安を解消していくということも含めまして御質問をしていきたいと思うのでありますが、まず、新聞報道等では、二百数十人から四百人ぐらいの障害者の方が大学へ進学しておられるというふうに報道されておりますけれども、文部省調査、一番新しいデータで、一体一般大学へどの程度の方が学んでおられるのか、ちょっと数字をお示しいただきたいと思います。
#51
○政府委員(阿部充夫君) 身体障害者の方々の大学、短期大学への進学の現状でございますけれども、最近のデータで申しますと、昭和六十年度入試の際には、国公私立の大学、短大を合わせまして二千二百二十八人の受験者がございました。これに対して実際に入学をした者が四百二十三人という数字でございます。また、昭和六十一年度では、これは中間的な集計ではございますけれども、受験者が二千百十五人、これに対して入学者が四百二十二人というようなことになっておりまして、毎年、年によって差はございますけれども、おおむね四百人から五百人前後ぐらいの方が入学をしているという状況であろうかと思います。
#52
○山本正和君 この問題につきましては、後ほどまた若干要望を申し上げたいと思いますが、その前に、今度筑波技術短大が六十五年度から学生募集をするわけでありますけれども、各都道府県で障害児学校から進学希望がいろいろあるわけでありますけれども、一体どの程度の筑波技術短大への進学希望を見込んでおみえでございますか。ちょっとそこをお尋ねしたいと思います。
#53
○政府委員(阿部充夫君) この短大への進学の希望というのを、現在の段階では、具体の学生受け入れが六十五年度以降ということになっている関係もございますので直接の調査をいたしてはおりませんが、ただ、現在全国の盲学校及び聾学校の高等部がございますけれども、この卒業生が毎年それぞれ七百名前後、合わせますと千五百人前後ぐらいの卒業生があるわけでございます。そういった中で、今回初めて入学定員九十名というこの短期大学をつくるわけでございますので、そういう数字の関係から申しましても進学希望者は十分確保できるのではないか、こういうような見通しを持っておるわけでございます。
#54
○山本正和君 実は、九十人という数が――これは正直言いまして場所が場所でございますから、何といいましょうか、行きたくてもなかなか行きにくいという人も含めて大体適当な数かもしれない、こう思うんですけれども、各学校で実際に進学指導等をやっている校長や教職員の意向を聞きますと、本当はもっと各地域に将来的にはこれをふやしてもらわぬと、どうしても筑波に行くしかないというようなことではなかなか進学指導がしにくいというふうな声等もございます。これはまた後ほど要望を申し上げたいと思っておりますけれども、ひとつ各学校から進学をするにつきまして、便宜を図るというのはおかしいですけれども、十分な案内をしてやっていただきたい、このことだけこの段階で申し上げておきます。
 それからもう一つは、これも初めての試みでありますので学校現場では大変心配しておりますのは、入学者の選抜方法を一体どういうふうにお考えなんだろうか。要するに、本人が進学したいという意思を持っておる、また力もある。ところが、選抜するときにその力を正しく評価してもらえるのかどうかというような不安がございますので、選抜方法につきまして、この段階でおわかりの程度で結構ですから少し御説明願いたいと思います。
#55
○政府委員(阿部充夫君) この短期大学への入学者選抜につきましては、短期大学ができましてから短期大学の当局者が決めていくということに相なるわけでございますけれども、現在の段階で私ども考えておりますのは、一つは、入学対象をどうするかという問題がございますが、これにつきましては、盲聾学校の高等部を卒業した者、あるいはそれに準ずる程度の障害を持っている者というようなことで、健常者が入ってくるということはもちろん予定をしておりませんし、それから、障害の程度としては比較的重い方々の方を対象にしている、こういうふうに御理解いただいていいのではないかと思っております。
 また、具体の入学者選抜の方法につきましては、一つは一般の大学の場合と同じように学力検査それから面接等をいろいろな形で組み合わせて選抜をするという方式をとることと、あわせて盲聾学校の校長先生からの推薦による推薦入学制度、こういうものを加味して、両者でやっていきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
 なお、入学試験、学力検査をする場合に、その学力検査のやり方等につきましては、視覚障害者、聴覚障害者のそれぞれに合った方法をいろいろ工夫して実施をするということは考えておりますし、また、その後実際に運営をいたします際には、全国の盲聾学校高等部の教育の実態でございますとかあるいは関係者の御意見等を入れながら、適切な入学者選抜方式を考えていきたい、このように思っている次第でございます。
#56
○山本正和君 これはお願いでございますが、できましたら、現場の学校の校長の推薦というようなことをひとつぜひ重視していただきたい。そしてまた、希望者が多い場合は推薦で――校長責任を持って推薦しているわけですから、極端なことを言いますと先着順とかくじ引きでもいいんですが、何か障害者の方に対して試験によるいろんな圧力ですね、これをかけないで、いい方法はないかということについて今後御検討をいただきたい。これは要望を申し上げておきます。
 それから、先ほどちょっと申し上げましたけれども、障害者の方が一般大学に入って立派に勉強しておられる方がかなりおるんですけれども、そういう方々の中からの声として、例えば点字による受験というふうなことをもう制度として認めていただくわけにいかぬのだろうかとか、あるいは大学を受けるに当たって手話通訳者等を確保していただけないだろうかとか、そういうふうな希望が非常に強いわけです。諸外国では、障害者が一般大学に入って勉強していくことについては、いろんな意味での取り計らいがされておるように聞いておるんです。ところが、どうも今、例えば私立大学協会ですか、全部じゃないと思うんですけれども、できたら障害者の方はその人たちのための国の施設をつくってもらってそこでやってもらったらどうだというようなことが言われたりするやに聞くわけです。確かに大変お金がかかるわけでありますし、障害者の方を受け入れますとそのための施設が随分要るわけですけれども、そういうことにつきまして大学側は、実際の話、今私が聞いたような話があるのかないのか。障害者に対して、いわゆる国立も私学も含めてですけれども、どういうふうな対応を大学がとっておられるのか、その辺をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#57
○政府委員(阿部充夫君) 身体に障害のある方につきましても、本人の能力、適性に応じて、健常者の場合と同様な大学進学の道が開かれるべきだというのは文部省のかねてからの考え方でございまして、これは毎年各大学に指導として文書を出しております、「大学入学者選抜実施要項」等においても、そういう配慮を十分してほしいというこ
とを申しますと同時に、具体の、障害のある方々の障害の種類、程度に応じまして実際の試験のやり方につきましても、例えば点字による出題をする、あるいは肢体不自由の方々の場合には試験場を別に設けて介助者をつけるとか、いろいろな形での対応をぜひしてもらいたいということを明示をいたしまして各大学を指導いたしておるわけでございます。
 先ほど申し上げましたような、二千名を超える受験者がございまして、その中から四、五百名が現実に入学をしておるという実態があるわけでございます。具体にこの入学をめぐってトラブル等があった事例というようなことについての御質問をきのう衆議院でもいただいたわけでございますけれども、前に一つ筑波大学関係であったというケースがございますが、これは話し合いで一応の方角は、解決は既に見ておるわけでございますが、その他具体の例があればこれについて個々に文部省としては指導してまいるつもりでございますけれども、現実に今まで特別の問題というものを聞いておらないわけでございます。
#58
○山本正和君 それでは、最後に大臣にお伺いしたいのであります。
 実は、障害者教育の問題というのは、教育の原点とも言えるというふうな気持ちを私どもは持っておるわけでありますが、やっと筑波技術短大というものをつくっていただきまして、そしてこれがいろんな意味で障害者の方々に対して一つの希望を与えたのじゃないかという気がいたしております。ただ、冒頭に申し上げましたように、もう少し地方にもつくってもらえないのか。一つじゃなしに、せめてブロック単位に一つずつぐらいはつくってもらえないかというふうな希望もございます。大臣、きょうは始球式で見事にストライクをほうられたようでございますけれども、ひとつそういう決意でもって今後障害者教育に対して取り組んでいただきたい、こういう気持ちを持っておるのでございますけれども、大臣から、今後の展望等を含めまして、障害者教育についての御所見を承りたい、こう思います。
#59
○国務大臣(塩川正十郎君) とりあえず目下筑波技術短期大学の設置を決めていただきまして、これの開校を急ぎたい。また、この学校の内容も十分充実さしたいと思っておりまして、それをまず完成いたしまして、その後、仰せのようにコミュニケーションが十分にとれない障害者の方々に対してできるだけどういうことをするのがいいのかということをその段階でさらに前進していきたいと思っております。
#60
○山本正和君 それでは三重大学の水産学部の問題でお尋ねをしたいと思います。
 生物資源学部という学部は、これは本邦最初の学部じゃないか、こう思うんですけれども、まず、一体どういう専門家をつくっていくのか。そしてまた、その専門家としての学生が社会の中に出ていった場合に、どういう方面で働いて活躍をしてもらえるのか。そういうことも含めまして、生物資源学部というこの新しい学部につきましての御説明をひとついただきたいと思います。
#61
○政府委員(阿部充夫君) 三重大学の生物資源学部を設置をしたいということで御審議を願っておるわけでございますけれども、御案内のように、最近科学技術が急速に進展をしてまいりまして、農林漁業をめぐる社会環境、社会構造等の変化も相当激しく出てきておるというふうに認識をしておるわけでございますが、こういった中で、農水産系の学部に対する社会的要請というものが、従来のように単に農林漁業に直接に役に立つ学問分野というだけでなくて、幅を広げまして、農水産加工や流通経済等はもとより、さらに遺伝子工学とかバイオテクノロジー技術による生物生産技術への応用とか、あるいは国土と自然生態系の保全等の非常に広範な分野にわたっての要請が出てきておる、こういうふうに認識をしておるわけでございます。
 こういったような中で、三重大学におきましては、これまで農学部と水産学部を別個の学部として持っておりまして、しかも農学部の中は幾つかの学科に分かれておるというような形であったわけでございますけれども、こういった要請にこたえまして、生物資源学部ということでこれを統合、改組をしようということがこのねらいでございます。これによりまして、これまで両学部の教育研究が別々に行われておりましたものを総合化をいたしまして、人間の生存に必要な陸海にわたる生物資源を共通の基盤とし、最近の急速な科学技術の進展と社会の要請に対応して、先端的分野、学際領域にも即応する教育研究を行おう、こういうことをねらいとするものでございます。
 より具体的にもう少し申し上げさしていただきますと、この学部の教育研究の対象となる主な生物資源といたしましては、一つは食糧、天然資源及び木材などの衣食住にわたる生活に必要な生物資源。それから二番目には、森林とか田園地帯の緑の資源のように、人間と共存しながら保水、酸素供給、観光、休養の場等となる環境資源。そしてまた三番目には、これらの有用生物を育成する母体である土壌、水、大気等の自然資源、そういったものを全体を包括して対象として考えていこう、こういうものでございまして、この学部におきまして養成された人材というのは、一般の従来どおりの農林漁業の分野に進むという方ももちろん相当数あろうと思いますけれども、さらには水族種苗を含む種苗産業でのバイオサイエンス技術を用いた品種改良等を行う人材でございますとか、緑地計画施行等の地域工学分野で活躍できる人材、風致林育成や水源涵養等の環境保全の分野で活躍できる人材、施設内の植物育成環境の自動制御等を行う人材といったようないろいろな分野で人材を供給することができるのではないか、こう見込んでおるわけでございます。
#62
○山本正和君 国内の大学でいわゆるバイオテクノロジーの研究が随分進んでおる学校があるわけでございますけれども、この生物資源学部がそういう国内の各大学との連携をとりながら、これからの地球の上で人類が生きていくために果たさなきゃいけない役割が非常に大きいと思うんです。国内の大学との連携という意味で少しお伺いしておきたいんですけれども、いわゆる先端技術としてのバイオテクノロジーを突っ込んでおやりになっている大学、特徴的な大学で結構でございますから、少しお知らせをいただきたいと思います。
#63
○政府委員(阿部充夫君) 生物資源に関連する学部学科といたしましては、これまでは農学部、水産学部が中心ということで進んでまいったわけでございますが、近年はこれらの学部のほかに、理学部、工学部の系統におきましても、生物という広い観点から教育研究を進めようというような流れも出てまいっております。
 例えば、東京工業大学には生物工学科が設けられるというようなこともございます。似たような学科といたしましては、香川大学に生物資源科学科が置かれているというようなこともございます。また、申し上げれば随分いろいろあるわけで、東京大学には生物化学科あるいは京都大学には生物物理学科といったように、生物というものを少し広く考えていこうというような流れが出てきておるわけでございます。そういった中で今回のこの三重大学の構想も一つ出てまいったわけでございますが、学部レベルで生物資源という分野をそっくり対象にしてこれを教育研究をしていこうというものは、国公私立を通じまして今回の三重大学が最初というようなことになろうかと思います。
 いずれにいたしましても、こういうたぐいの、大学が相互に連携協力をしながらこの分野の教育研究を進めていただくということは大変結構なことでございます。我々としてもできるだけ協力をしたいと思っている次第でございます。
#64
○山本正和君 実は今、自然生態系等のお話もございましたけれども、生物資源学部として本当に発展していきますと、これは三重県に設置されたわけですが、三重県というのは北から南まで割合長くて、いろいろ生物資源そのものについても大変研究に適している場所でありますけれども、実は単にそういう国内だけの問題じゃなしに、これ
は国際的に大変関連のある学問といいましょうか、例えば潮の流れ一つとりましても、これは本当に黒潮の流れをとことんまで研究していかなきゃいけない。あるいは生態系ということで言いますと、一体熱帯林と温帯林との関係はどうなのかというふうな問題、いろいろ出てまいります。そういたしますと、三重県にこれが設置されたということで県内でも大変大きな反響を呼んでいるのでありますけれども、我が国が国際社会の中で生物資源というものはこんなに大切なんだというふうな意味も含めて大変大きな意義があるというふうに思うわけでございます。
 ところが、実はちょっときのうお尋ねしましたところ、これはまだ予算の段階まで入っていないようでございまして、準備段階だというふうにお聞きをしております。しかし、私どもの方で非常にこれは重要な問題だと思うだけに、ことしの年度で出されました予算の中で一体これはどの程度のものをお考えになって予算をお組みになったのか、ちょっとその辺をお知らせを願いたいと思います。
#65
○政府委員(阿部充夫君) 先生のお話にもございましたように、昭和六十二年度は形式的にこの学部を設置するということでございまして、実質は六十三年の四月から学生を受け入れて進行するということでございますので、これまでの大学の整備の方法といたしまして、学生を受け入れる年度から逐次必要な予算措置等を行って充実を図っていく、こういう仕組みになるわけでございます。
 したがいまして、昭和六十二年度そのものにつきましては、予算額は総額で百七十五万円という程度の金額でございまして、これが来年度以降は必要に応じて相当膨らんでくるということになろうかと思っております。
#66
○山本正和君 当面はまあそんなことだと思うんですけれども、実は、海外でこの種の研究をやっておられる大学もあるやに聞いております。そういう海外との連携調査等になりますと、これは当然今の予算では話にならないわけでありますけれども、文部省として、生物資源学部を設置してこれを発展さしていこうということに絡みまして、本年度中にさまざまな構想をお練りになる中での予算というのは、これはもう全然別個に考えて取り組んでいただけるのかどうか、その辺はいかがでございましょうか。
#67
○政府委員(阿部充夫君) 昭和六十三年度以降現実に動き出すわけでございますので、ことしの夏の概算要求時点で、大学側から今後の整備について大学側としてこういう対応をぜひしてほしいという御要望が出てくるものと思っているわけでございます。
 私どもといたしましては、そういった内容につきましてこの学部が十分今後成功裏に発達、発展をしてまいりますような方向でできるだけの御協力はいたしたいと思います。中には、例えば外国の状況調査というようなことになりますと、特別の予算で措置をする場合もございますし、別途、学術国際局が持っている予算等の中で対応する、いろんなやり方があるわけでございますが、そのやり方等は別にいたしまして、この夏の段階以降いろいろ御意見、御要望があると思うものを伺って適切に対応してまいりたい、かように存じております。
#68
○山本正和君 私も、三重県の出身だということも含めまして、特にお願いしておきたいんですけれども、三重高等農林学校というのは大正十年に設置されまして、もう六十五年になるわけです。これは、三重県という県では高等専門学校というのはこれ一つしかなかったということも含めまして、大変県民の中に親しまれている学校であったわけでございまして、それが中心になって今日の三重大学ができている。その三重大学に今度は生物資源学部というものが新しくできたという期待が大変大きいわけです。大正十年に設置いたしましたときも、たしか建設費の半分を県が持った。八十九万円か何かかかったうちの四十四万何がしを三重県が負担したというふうな歴史もございます。
 これは、確かに今国の予算面で大変苦しい時期ではございますけれども、この種の新しい課題にこたえていかなければ、我が国はやっぱりこれからの二十一世紀の展望がないわけでありますので、したがって、生物資源学部というものを設置されたということを機会にひとつ文部省としてもいろんな角度からの御検討をぜひお願いしたい、こう思いますし、大学側から今からいろんな要望が出てまいりますけれども、単に大学側からの要望だけではなしに、国策としてこの生物資源というものについて取り組むんだというふうな観点も含めまして、本当に力を入れてやっていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
 ひとつ大臣、生物資源学部という新しい学部でございますけれども、これを通じて、これから新しい学部を設置して日本の教育の中にこういう意義づけを持ってやっていくのだというふうなことで、大臣からの御所見をお聞きして、三重県ばかりじゃありませんけれども、多くの学生にもこういう構えの新しい大学ということをみんなに知らせていきたいというふうに思うのでございますが、ひとつ御所見のほどを伺いたいと思います。
#69
○国務大臣(塩川正十郎君) 三重大学の今回の新学部設置につきましては、大学の強い意思がございましてこういう方向を決めたのでございますが、私は、これは新しい大学の行き方の一つだと思って、高く評価しております。
 結局、ねらっておられるところは、今日科学技術が進んでまいりますと、学際間の問題の扱い方につきまして、それぞれ単独の学部ではできない問題がたくさんございます。そういうことから三重大学がこの方針をとられたと聞いておりまして、まさに時代の要請に着目したものだ。特に、今後は大学としてバイオテクノロジーに十分な力を入れていきたいということも、この前学長自身もおっしゃっておりました。こういうねらいというものは私は非常に結構だと思っておりまして、今後とも全国にございます地方の国立大学で学部編制等を積極的に相談に乗りつつ大学の自主性を持ってそういう新しい方面を開拓していただくことを指導もし、また、それも支援していきたい、こう思っております。
#70
○高木健太郎君 私は、もっぱら筑波の短期大学の設立に関することで御質問申し上げたいと思います。
 まず第一に、どういう理由でこの短大というものを設立されたかということについてお伺いしたい。
 第二番目は、これまで視覚障害者というのは鍼灸とリハビリというようなものが主体でございまして、今度新たに情報処理をおつくりになった。また、聴覚障害者に対しましては新しい部門を三つお設けになった。その理由をお伺い申し上げた
 最初にそれだけお聞きしたい。
#71
○政府委員(阿部充夫君) 筑波に技術短期大学を設置したいということでお願いを申し上げております。これは、近年身体障害者に関する教育の進歩、身体障害者御自身の学習欲求の増大というようなことを踏まえまして、高等学校段階に引き続く障害者のための高等教育の機関を設けようということにいたしたわけでございます。
 視覚障害者及び聴覚障害者を対象といたしておりまして、一つには、両種の障害者に対する高等教育の機会の拡充に資するということ、二番目には両種の障害者の職域を拡大し、その社会的自立を促進したいということ、そして三番目には最近の科学技術を応用して、この短期大学の場で障害者教育のための新しい教育方法の開発等を行って、また、その成果を既設の大学等に及ぼしていきたい、こういうようなことをねらいとしてこの短期大学の創設をいたすということにしたものでございます。
 この短期大学には、ただいま先生のお話にもございましたように、聴覚障害関係としてデザイン学科、機械工学科、建築工学科、電子情報学科の四学科。それから視覚障害関係といたしまして鍼灸学科、理学療法学科、情報処理学科の三学科を
置くということにいたしまして、この学科の選択に当たりましては、これまでの伝統、過去の経緯等から十分なこういう分野の教育が可能であると思われるということで取り上げたものもございます。もう一つは、将来を見通しまして、こういう分野について障害者の方々も十分可能性があるといったようなたぐいの分野というもので、この七種類の学科を選んだわけでございます。
 個々について申し上げさせていただきますと、まず一つはデザイン学科でございますけれども、聴覚障害を持つ方々というのは造形美術感覚というのはかなりすぐれておられるというような方が多いわけでございますので、そういったことを念頭に置きまして、広告印刷物及び公共表示に関するビジュアルデザイン、工業製品に関するプロダクトデザインあるいはニューメディアに対応するコンピューターグラフィックのデザインというようなたぐいの教育を内容とするものでございます。
 機械工学科につきましては、力学等を中心にしながら機械の自動制御機構等について研究し教育をする。あわせて電気や電子工学についての教育も行うというような学科でございます。
 建築工学科につきましては、建築計画、建築構造及び建築設備の各コースに分けまして教育をしていこうというものでございます。
 また、電子情報学科につきましては、電子回路技術及び情報処理技術についての十分な教育を行いまして、情報通信及び計測制御を扱う電子工学と、それから各種の情報処理技術を扱う情報工学、こういう二つの専攻に分かれましての教育を行おうとするものでございます。
 以上四学科が聴覚障害の関係でございます。
 それから、視覚障害の関係につきましては、鍼灸学科でございますが、これはよく御承知の分野でございますが、基礎医学と臨床医学について現代医学との有機的な関連性を持たせた鍼灸教育を行おうと、特に臨床教育については重点を置いていこうというようなことをねらいとするものでございます。
 それから、理学療法学科につきましては、基礎医学、リハビリテーション医学等についての十分な教育を行いまして、特に視覚障害に応じた個別の治療指導に重点を置きながらやっていきたいというようなものでございます。
 また、情報処理学科でございますが、これは、数学を基礎にいたしまして点字情報を含めた情報処理技術について教育を行いまして、情報システム及びオフィスオートメーション等に関する専門的な教育を行っていこうというようなたぐいのことをねらいとするものでございまして、それぞれ関係の分野の先生方等にお集まりいただきまして多年にわたりまして議論いたしました結果、当面この七学科で行こうではないかという結論になっているものでございます。
#72
○高木健太郎君 今、新しい機器の開発ということがございましたが、私は、皆さん御存じのように、視覚障害者というのは非常に手の触覚が鋭敏であるということを聞いております。また、聴覚障害者にも何か特有なことがあろうと思うわけですね。機器の改良ということももちろん大事だと思いますけれども、そういう実用面ではなしに、我々が非常に目がよく見えるというようなこととかあるいは親指というものが非常に感覚がいいというようなことは、大脳の皮質の面積がそういうものによって広がっているということが非常に大きいわけです。例えば、目から入ってくる目の感覚領野というものは、人間では他の動物に比べて非常に広いわけですし、言語の中枢というところも他の動物に比べて非常に広いわけですね。恐らく視覚障害者の方は、我々普通の人間に比べて、晴眼者に比べてその触覚の領野が非常に広がっているのではないかというふうに思うわけですね。どれくらい訓練すればどれくらい広がっていくかというようなことも恐らく研究の対象になるし、私は、将来これは非常に大きく視覚障害者の資質の向上のために役立つと思うんですね。だから、ただ新しい機器を導入するという経験的なことじゃなくて、もっと基礎的なこともそこの中に含めていく必要があるのではないか、こういうことをひとつ提言をいたしたいと思います。これは、また後で短大の大学化ということについて申し上げようと思うんです。
 次に、短大にしようというわけですけれども、現在、高等部の専攻科というのがあって、この前も御質問がここで他の委員からあったかと思いますが、そういう専攻科がある。そういう専攻科、それからまた民間では京都の方に大学が一つございますし、ことしその卒業生を初めて出しました。また、関西の方に私立の鍼灸の短大があるわけです。今度おつくりになろうとする短大はこれらとどのように違うのか。いわゆる専攻科とどう違うのか。また、民間につくられている短大や大学とはどのように違うのか。余り長くは必要ありませんが、ここが違うんだと、こういうことを文部省は目指しているんだという特異な違いがあったらばそれを御説明願いたい。
 また、短大にされたならば、恐らく専攻科とカリキュラムは違うと思いますけれども、どこがカリキュラムが違うのか。また、教官の質、数というものも専攻科とはかなり変わってくると思いますが、それはどれくらい違うのか。
 以上三点について、まずお聞かせいただきたいと思います。
#73
○政府委員(阿部充夫君) 専攻科との違いについてのお尋ねでございますが、これにつきましては、先生御案内のように、専攻科と申しますのは、高等学校におかれまして、高等学校での教育をさらに深めていこうということをねらいとするものでございますが、要すれば中等教育段階の中での組織でございます。したがいまして、その実際の運用も、技術面での能力をさらに深めていくということが主たるねらいになるのではないかと思っております。
 これに対しまして、短期大学という形でつくりますと、これは大学でございますので、学問研究に裏打ちをされた、学問研究そのものを行いそしてそれに裏打ちをされた、学問に基づいた教育を行うという意味で、同じような内容を取り扱うにいたしましてもかなりレベルの高い水準を目指すということになろうかと思っております。
 そういった点から見ますと、実際に教育を行います場合に、カリキュラムの問題につきましても、例えばこの短期大学の場合には、一般的な医学等についての基礎知識を十分与えながら、その上で、鍼灸科の場合でございますけれども、鍼灸の面での技術、能力等を身につけさせていくというような、かなり学問的な内容を含めた深い内容のものを指導していくということに、いろいろな分野においてなってくると思っておりますし、また、短期大学でございますから、一般教育あるいは基礎教育という段階での人間性の涵養でございますとか基礎的な能力の育成というような面に相当力が注がれるということになろうかと思っております。
 教官の人数につきましては、これからの予算でセットをしていくということになるわけでございますけれども、相当数の定員措置を行うということに相なろうかと思っております。
 それから、私学との関係について、私立の四年制大学及び短期大学、いずれも関西の方であったかと思いますが、鍼灸関係の学科を持った大学があるわけでございますが、今回のこの筑波の技術短期大学は、一般の、現在あります私学が障害者をも含めて対象としてはおりますけれども、実質的にはほとんどが一般の健常学生であるというようなことと対比いたしますれば、この短期大学の場合には、先ほども申し上げましたけれども、身体に障害のある、視覚障害、聴覚障害のある程度重い障害を持っておられる方々を主たると申しますか、専ら対象といたしまして、これをつくっているというような点での違いがございます。また、もちろん鍼灸以外の学科をいろいろな分野でこの短大は設けておりますので、そういった点での違い等も当然あるわけでございます。
#74
○高木健太郎君 専攻科も三年課程でございます
し、今度つくろうとされ一でいる短大も三年である。それに研究的なものも入れるとかいろいろ一般教養的なものも入れる。これは非常にいいことでございますけれども、一方では、鍼灸というものは、今のところは理論というよりもまだまだ技術の面が多いわけでありまして、短期大学で研究するというのは少し無理じゃないかと思いますね。そうとさえも思うわけです。もしもそういう研究も入れて本気でやろうというならば、私は短期大学よりも大学の方がいいんじゃないか。そうでなければ、カリキュラムが非常に密になりまして、ただでさえ御不自由な障害者の方は、とてもそれについていけないんじゃないか、私はそういうふうに考えます。
 それから、弱視の方もおとりになるんじゃないかと思うんですけれども、これまで〇・三以下という方は盲学校の方へ入学されておられるわけですが、この場合もやっぱりそのような基準でおとりになるのかどうか。いや弱視はだめだというふうにお考えになっているのかどうか。それが第二点ですね。
 第三点は、そのような過密なスケジュールだ、あるいはカリキュラムであるというならば、単に時間割を密にするだけではなしに何らかの工夫をされているんじゃないかと私は想像するわけです。あるいは今後そういう新しい機器を入れなければこの三年の間に専攻科以上の課程を履修させるということが困難であると思えば、かなりの工夫が私はされなければならない。また、国立として恥ずかしからぬようなそのような設備と施設を私は必要とするのではないか、こう思いますが、その点についてどのようにお考えか、ひとつ御意見を承りたいと思います。
#75
○政府委員(阿部充夫君) この短期大学におきましては、先ほど申し上げましたようないろいろな要素を盛り込んで充実した教育を行いたいと、こう考えておるわけでございます。そういった点でいえばカリキュラムがかなり過密になるのではないかという御指摘もあるわけでございますけれども、ただ、今回の場合には、教員組織等を相当たくさん整備をいたしまして、また、実際に教育の方法等につきましても、少人数教育、十人程度の少人数教育というようなことを基本に、さらにいろいろな形での新しい機器の導入等も行いまして、例えば授業システムにつきましても、授業においては教官が学生に口の形を見せて説明を行いながらコンピューターの入力盤に文字、図形をかいて大型テレビで見せるようにするというような、聴覚障害の関係で言えはそのような方式もございます。あるいは、点字のディスプレー等を用いまして、視覚障害関係の学生がコンピューターの端末装置として活用できるようにするというようなこと等、いろいろ工夫をいたしまして教育の効果を上げていくという努力をこの大学ではいたしたいと思っておるわけでございます。
 それから、弱視の方々の取り扱いでございますけれども、これにつきましては、現在のところこの準備室で考えております構想といたしましては、入学の一応の対象者として両眼の視力が〇・一未満の者ということを対象にしておりますが、視力が〇・一以上〇・三未満の者等につきましても、将来点字による教育を必要とすると思われるような方については対象としようということでございますので、弱視の方々が全部対象外ということではなくて、弱視の方々についても一部対象に入るような範囲を考えておるわけでございます。
#76
○高木健太郎君 ちょっと話は変わりますが、私の請求によりまして文部省からいただいた資料がございます。それは、「盲学校の数、生徒数の推移(過去五年)」という、この数値をいただきました。学校数でございますが、五十七年度には盲学校は七十二校であった。それが、六十年度までは七十二校でございましたが、六十一年度になりますとこれが七十校に減っております。まず、この理由はどのようにお考えになるかということなんです。私、推察するのに、だんだん盲学校の方へ入らなくなっている。普通学校へ入学するという、そういう希望が多くなっているんじゃないかということですね。それから、現実に視覚不自由者の方が減少しているんではないか。五十七年度には小学部の児童数が千六百八十八でございましたけれども六十一年度には千百五十になっているわけです。これがどういう理由でこのように減ってきたか。これは大変結構なことですけれども、どうしてこうなったのか。それから、遺伝的の疾患がこの中にかなり含まれているのだと思いますが、そういう疾患別、あるいはそういう視覚障害に至った何か原因を調査されたことがございますか。お聞きするところによると、最近は未熟児網膜症、そういうこともあると聞いておりますが、何か病気の方で変化がございますかどうか。
 まず、学校数の減少、それから盲学校へ入学する児童数の減少、それの原因、こういうことについてお聞きしたいと思います。
#77
○政府委員(阿部充夫君) 盲学校の児童生徒数が減少してきておるわけでございますが、御指摘にございましたように、昭和五十七年度で小学部の生徒が千六百八十八人でありましたものが逐次減ってまいりまして、昭和六十一年度には千百五十人というようなところまで落ち込んでいるというように、全体としてかなりの減少傾向があるわけでございます。これはどういう事情か詳しく調べてはおりませんけれども、一つには、全体の児童生徒数がベビーブームのピークを過ぎまして減ってきているということの影響が一つと、それからさらに、私どもの関係者は、医学が進歩したことによって盲学校へ入らないでも普通の学校へ行けるという子供たちも出てきたのではないかというようなことを申しておりますが、詳しい調査をいたしておりませんので、詳しいことまでは承知をいたしておりません。
 なお、学校数が減少いたしましたのは、やはり児童生徒数の減少と関連をいたしておりまして、児童生徒数が減少したために一部の地域で学校の統合等を行ったというようなことが原因のようでございます。
#78
○高木健太郎君 この原因を調べておかれることは、私は非常に大事なことじゃないかと思います。できれば、これはゼロにまで持っていけるのじゃないか、やり方によれば。そういうことが根本的な解決になりますので、そちらの方もぜひ調査を進めていただきたい。
 それから、話を聞きますと、最近は盲学校に入る生徒が少なくて学校の先生がぜひ盲学校に入ってくれというふうに、運動と言うのはおかしいですが、そういうことで回っておられるという話も聞きました。実際、六十一年度を見ますと七十校あるわけですね。「小学部児童数」と書いてありますけれども、これが千百五十ということになりますと、これは六学年でですね。そうすると、一学年でいいますと、これを六で割りますと大体二百人ぐらいになるわけですね。それが七十校にイーブンにということになりますというと、二百人を七十で割りますからして、大体一校一学年三名ということになるわけですね。それは先生からすれば五人やそこらは教えたいと思われるでしょうし、そういうこともございますから、これらを今後どういうふうにやっていけば、先生も満足して教育ができるし児童もまたそれによって満足ができるというようなことももう少し考える必要があろうかと思いますが、これについては、文部省としてはどういう対策を――今後どんどん盲学校の数を減らされて、減らされると地域差がだんだん出てきますから、非常に不便なところもできてくるでしょうしね。だから、そうではなしに、小学校や中学校はもう普通の小中学校に入れるというふうに将来考えていくのか、ここら辺もひとつお考えをお聞きしておきたいと思います。
#79
○政府委員(阿部充夫君) 児童生徒数の減少によりまして、いろいろ、将来のための検討すべき課題、宿題等が出てまいっております。先生から御指摘いただいたようなことも大事なことであると思っております。これらにつきましては、現在初中局の方で種々検討していると思いますけれども、先生の御趣旨をよく初中局の方に伝えまして、検討を続けるようにいたしたいと思います。
#80
○高木健太郎君 それから、中学部、小学部の数が大体千百から千二百ぐらいなんです。ところが、高等部の生徒数になりますというと、四千台になっているんですね。約四倍近くの数にふえている。これはどういうわけでございましょうか。普通学校に入っておった人が高等部になるというと、高等部の専攻科とかそういうことのためにこちらに移ってこられるのかどうか。それはどのようなふうに把握されておりますか。
#81
○政府委員(阿部充夫君) 小学部、中学部の場合と高等部は、若干様相を異にしておりますのは事実でございます。これは一つには、まだ急増のピークが高校の場合には過ぎていないというあたりのところもあるわけでございますけれども、そのほかにも、入ってこられる生徒さんたちが必ずしもその年代の人たちではなくて、相当の、成年期に達したような人たちが入ってくるとか、あるいは弱視学級などで、普通の学校の特殊学級にいた子供さんたちがこちらへ入ってくるとか、いろいろの多様な方々を高等部では受け入れておるというような事情がございます。そのほか留年者等もあるわけでございますけれども、そういうたぐいのことで高等部の場合には、小学部、中学部に比べて数が相当多くなっているというのが実態でございます。
#82
○高木健太郎君 それにしても随分数が違いますからして、その中身がどういうふうになっているか、これも一度ぜひ教えていただきたいと思います。
 それから次に、もう一つ私がお願いしていただきました資料が、「盲学校専攻科理療科の卒業者の進路状況」というのをいただきました。そういうことを調べていただきますと、「はり師・きゅう師」は、これは六十年の三月の卒業者でございますが、それが全体で四百七名、そのうち、「はり師・きゅう師」になった人が二百九十三名、「あん摩マッサージ指圧師」というのが九十三、それから「理学療法関係」が十二、あるいは「教育助手」が五、以下はわずかでございますが、「はり師・きゅう師」の二百九十三というのは私はちょっと多過ぎるんじゃないか。私、数までは調べたのではございませんけれども、実際は専攻科を出まして、そして鍼灸の国家試験を受けますか、あるいは鍼灸師の資格をとりまして、そして直ちに開業ということは、やっている方は恐らく極めてわずかじゃないかと思います。
 調べてみますというと、開業する人、いわゆる自立している人は極めて少ない。どういうふうにしているかというと、鍼灸師のところの助手として入り込んでおって、それで自分では自立はしない。というのは、最近鍼灸師は、毎年普通の専修学校から出てくる人だけでも二千人か二千五百人ぐらいいるんじゃないかと思うわけですね。それからまた盲学校から出られる方もあるわけです。全部合わせて二千五百人ぐらい出ておられるんじゃないかと思うんです。そういう人たちが新しく開業しようと思うと、開業資金も要りますし、それから昔ほどは鍼灸師にかかる人が少なくなりまして、過当競争的になりまして、晴眼者の人でもなかなかそれをやっていけない、そういう状況にございます。そういう意味で私は、鍼灸師と書いてございますが、鍼灸師をもって自立をしている人はこの数よりは少ないんじゃないか。これもひとつぜひ調査をお願いしたい。
 大低は、今申し上げましたように開業している人の助手になって働いている。大部分、六〇%はそうじゃないかと思うんですが、あと四〇%は病院で働いておられる。医療機関ですね、大きな病院で働いておられる。この方が四〇%ぐらいですけれども、しかし鍼灸師としては働いておられないんです。働けないんですね。何をしておられるかというと、マッサージをしておられるということです。それは、鍼灸師を医療機関では雇えないんですね。医療機関の方では、鍼灸のいわゆる保険がありませんからして、病院の方で働くことはできなくてマッサージでやる。そうなりますと、鍼灸師の人はマッサージしかできないという、せっかく勉強した鍼灸を、自分の力をそこで発揮することができない、こういう状況になりまして、これは何もいわゆる視覚不自由者だけではなしに、すべての鍼灸師の方に共通することでございます。
 こういうことを私申し上げるのは、短大をつくって立派にやっていくということは、こういうことをおつくりになったという理由として、先ほどいわゆる拡大ということを申されたわけですが、就職口の拡大とかそういうことをお考えになっているけれども、短大をたとえ卒業されても、恐らくその先はかなり細いんじゃないか、狭いんじゃないか。やっぱり何か工夫しないというと、狭いところへまた、せっかくカリキュラムで一生懸命過密なスケジュールをこなして、ほかの人よりも勉強して出てきたのに、出てくれば鍼灸師という資格しかないんですね。だから普通の専修学校やあるいは高等部専攻科を出た人と全く同じにしか取り扱われない。ここら辺を解決しておかなければ、学校を建ててもそれが生きないんじゃないか、こういうことを私は懸念するわけです。その点については何かお考えがございますか。
#83
○政府委員(阿部充夫君) 鍼灸師の需給について、いろいろお教えをいただいたわけでございます。
 私ども、医療機関としての病院、あるいは鍼灸師の就業状況等を直接所管しておりませんので、詳しいことは承知しておりませんが、ただ、先ほど先生の御質問にございました「卒業者の進路状況」で、はり師・きゅう師二百九十三人というものの内訳でございますけれども、自立をしている者はこの数字の中では七十九人だそうでございまして、他の方々は病院に勤務をしたり助手をやったりというようなことであろうかと思います。
 卒業者の処遇についてのお尋ねでございますが、御案内のように、現行制度上は、専攻科等において鍼灸師の資格を受けた方々と制度上は全く同じ仕組みでの免許ということに相なるわけでございます。これを現在の段階でどうこうしようということは考えておりませんが、ただ、内容的に非常に充実をした教育を受けてきた人ということで、社会にいろいろな分野に受け入れられやすくなってくるであろうということと、そして、それがいろいろな意味で鍼灸師全体、あるいは障害者の方々全体のいろいろな意味での水準の向上に役立つということを期待しておるわけでございまして、いわば就職関係等につきましては大学側もこれからいろいろ努力をしていかなければならない課題であるということは認識をしておるわけでございます。
#84
○高木健太郎君 私は、この短大を国立てお建てになったということには非常に賛意を表するわけです。それは、こういう鍼灸師とかそういうものを短大を出して勉強させて資質のいい者をつくろうじゃないか、それは国がやるんだということは、これまで関西の方にできた短大だとか大学と違いまして、一段と私は重みがあると思うんです。ただ、こうなりますと、普通の鍼灸師、専攻科を出た視覚不自由の鍼灸師、短大を出た者、大学を出た者、いろいろと変わってくる。いろいろの種類の者が、それが同じ鉱灸師としか取り扱われない。ここら辺は私は、きょうは時間がありませんから厚生省の人は来ていただかなかったわけですけれども、また機会がありましたら、私厚生省の方とよくひとつ突き合わせて、こういう理学療法士の方、あるいは鍼灸師の方がどのように今後、この医療、医療とは言いませんけれども、医業類似行為に関係していかれるかということを十分ひとつ御議論をしていただきたい。そしてきれいな道をそこへつくっていただきたい。
 と私申しますのは、後で申し上げますように、きょうの新聞だったと思いますが、読売新聞に、「全盲の早大生」というのが載っております。川島昭恵さんといわれる方ですが、四百十三人の第二文学部で第二位の学業成績で卒業されたということですね。ところが、残念なことには就職が決まらないということですね。「これまで目が不自由だということを不幸だと思ったことはなかったけれど、就職問題で初めてわが身の不幸せを恨ん
だ」と、こういうふうに書いてあります。「でも」と川島さんは言って、「これまでにも目が不自由で社会に出た人は大勢いるはず。企業がこんなに冷たいのは、こうした先輩が社会の壁に対してあっさりあきらめ過ぎたからだと思う。」と、自分はあきらめぬで一生懸命頑張るんだ、こういうふうに言っている。私は、早稲田で四百何十人の中で二番で出たというのは大したものだと思うわけですね。しかも目が不自由であって。こういう方が、私がこれまでつき合いました視覚不自由者の方で鍼灸師の方もおられるわけです。だから、大学の名前は別としまして、いろんな大学の研究室に入って、ぜひ自分は鍼灸の勉強をしたい、基礎的な研究をしたいという視覚不自由者の人が大勢おられるんです。しかも、立派な仕事をおやりになっているわけですね。しかし、その人たちは学位というのは取れないわけなんです。やってもやっても、いつまでたっても鍼灸師である、こういうことなんです。
 私は、この後お願いしたいのは、今度は短大を六十五年から発足しよう、新しい構想を持ってやろう、こういうふうにお考えで、それは大いに私推進していただきたいと思うんですけれども、しかし、今後、こういう特殊な短大をどのようにしたらば喜んで、しかも社会にも本人にも喜んでいただけるか。こういうふうな構想は、たとえ学校はまだできなくても、私は今のうち考えておかれるべきじゃないかと、こう思っております。
 いろいろお考えになるんでしょうが、その一つとして私考えますのは、短大ではなくて大学にされたらどうかなと思うわけです。筑波に図書館情報大学というのがございます。これはもとは短大じゃなかったかと思うんですけれども、これを大学にされたわけです。そうして、その大学の三年に他のところから出てきた者を入れるというようなことをやっておられる。あるいは、御存じのように、豊橋とかあるいは長岡でしたか、技術科学大学でしたかがある。それは、職場で働いている人たちがそこで勉強したいというときには、高等専門学校を出た人がその三年に入ってくる、こういう構想で文部省はおつくりになったわけです。同じような理屈をこの短期大学に将来お考えいただけないだろうか、こう思うわけですね。
 それは、高等部を出まして専攻科に入ります。その専攻科が三年であるわけですね。三年で現在教員免許証、普通の高等学校までの教員免許証をもらえる人は、理学科の理学療法ですか、理学科教員養成施設というものを出ればそういう免許証がもらえるわけです。普通にあるいわゆる専修学校の教員養成科を出ましても、それは専修学校でしかいけないし、免許証はないわけです。教員免許証はもらえないで、非常に限られているわけです。こういうものも今大塚にあるわけですね。文京区の大塚にこういう教員養成施設というものがござへます。この人たちはこれだけの教員免許証しか取れない。そこで、今度おつくりになる短期大学を大学にされまして、それで専攻科から出てきた人はそこに、三年に入れてあげる。そして、そこを出れば大学を出ますから、今度はそれに対して大学院の修士課程に入学できるような資格を与える。希望者には資格を与える。それからまた教員にもなれる、そういう道を二つつくってやることによって非常に大きな励みになるのではないか、私はこう思うわけですが、その点についてはどういうふうにお考えでしょうか。まだほかにも何かお考えがあったらお聞きしたいのですが、ぜひこういうことをひとつ構想の中にしっかり入れていただきたい、こういうふうに思うんです。
#85
○政府委員(阿部充夫君) ただいま御提案がございましたように、この短期大学を四年制大学にする、あるいは大学院をつくる、教員養成の免許状も出せるようにする、あるいは理学科教員養成施設等のつながりも考えると、いろいろ有益な御提案をいただきました。伺っておったわけでございます。
 私ども、現在の立場としては、我が国で初めての短期大学をこれから手をつけていって、六十五年から学生を受け入れて、そして三年間で学年進行で完成させる。そのためには教員をまず全国から公募しなければなりませんし、そういった適切な教員を一生懸命確保していくということ等を含めまして大変な作業をしていくわけでございます。
 そういう意味から申しますと、まずはこの現在お願いしております短期大学を完成させ充実させるということを当面の最大の目標として取り組んでいきたいと思っておるわけでございますが、もちろんそういった検討、実績を積んでいく中におきましても、これの将来の構想の問題につきましては、御指摘のございましたようないろいろな点も考えられる点として、またほかにもいろんな構想もあり得るかと思いますので、そういったようなことを全体として、現在お願いしております短期大学の実績や社会的な御意見、御要請、いろんなものに耳を傾けながら将来構想を検討していきたい、こんなようなつもりでおるわけでございます。
#86
○高木健太郎君 私がこういうことを申し上げるのは、今現在ある専攻科ではないかもしれませんが、とにかく短期大学をたくさんつくっていくんだと、そういうことをおやりになると、失業者をたくさんつくることになるんじゃないかということを心配して、それよりも少数でもいいから質のいいものを、それは各地区じゃなくて、例えばある地区地区にそういうものをおつくりになる、それは大学として。国としてしっかりおやりになる。それでまた、これは身障者だけではなしに、晴眼者に対してのそういうものも将来考えるというふうにしないと対応できないんじゃないか。
 と申しますのは、御存じのように、いわゆる東洋医学というのは中国がやっておるわけなんですけれども、我々の先生なわけです。中国ではみんな大学で、普通のメディカルドクターと同じように養成しているわけです。それから、欧米でも鍼灸の学校というのはないんですね。だから、みんなメディカルドクターが鍼灸を勉強してやっていますから、基礎が違うから、日本が非常に東洋医学が発達しておると思ってやってきてみたら、全然力がない。どういうことだろうというふうに諸外国から思われているわけなんですよ。
 そういうこともございますので、たくさんつくることではなしに、この短期大学を一つの核にしまして、将来はそれを大学にする。そして、幾つかつくっていく中に、身障者だけじゃなしに、ほかの大学ということにも頭を向けていただきたい、こういうことが私の言いたいことだったんです。これは文部大臣もぜひしっかり頭に入れておいていただいて、まだ五、六年先でございますから、ちょっとそこまで覚えておかれるのは困難かもしれませんが、非常に今それが大変なんですね。たくさんの段階があって始末に困っておるわけです。そういう意味で、文部省がここへ一つ短期大学をおつくりになったというのは、大きなポイントをぼんとやられたという非常に大きな進歩の一つだと思うんですけれども、このままではだめですよと、こういうことを申し上げたいわけなんです。
 もう一つ申し上げたいのは、筑波のこの短大には東洋医学診療センターといるのを附属としておつくりになるということですが、それはそうでございますか。
#87
○政府委員(阿部充夫君) これから予算折衝ということにまた来年度以降なるわけでございますけれども、この構想の中の重要なポイントとして、そういう診療センターをつくりたいということを考えております。
#88
○高木健太郎君 これも現実をちょっと申し上げますと、現在、いわゆる専修学校としてできている鍼灸学校が、恐らく私立の方で三十ぐらいあるんじゃないかと思うんですね。大体五十人ぐらいとっているんじゃないでしょうか。だから千五百か二千人ぐらいの人が出ているわけです。しかもこれは二年半なんですね。だから、いわゆる盲学校における三年よりも割がいいわけです。盲学校の方はマッサージもとりますから、それで三年ということになっているんでしょう。普通の鍼灸学
校は二年半で出てしまうわけなんです。ところが、患者というのを一つも診たことがないんですね。
 はりというのは、中曽根総理も自分でおやりになっていますし、胡耀邦におい、刺してやろうかと言われたそうですが、胡耀邦からこうやられたということを聞いております。また、国会の先生方の中にも鍼灸というのを愛好されている先生もおありなわけです。
 ところが、鍼灸師というのは国家試験、地方自治体による試験で鍼灸師になるわけですけれども、それが患者というものにさわったことがないんですね。それから病気というものを診たことがない。診たことがないといっても風邪ぐらいは診るでしょうけれども、本当の病気というのを患者を前に置いて診たことはないわけですね。辛うじて明治鍼灸大学には附属の病院あるいは関連病院がありまして、そこへ行って患者を診て勉強しているという、大学ではそうやっている。今度附属として東洋医学診療センターというものをおつくりになるというのは、そういう意味では私非常にいいと思うんです。
 非常にいいんですが、それじゃほかの専攻科はどうなっているか。それからほかの専修学校はどうするんだ。ここはいいがこっちは悪い、私はそんなものじゃないと思うんですね。人間の体を診るのにここでいいということはないわけなんですね。ここまでは最小限度入れようということであればやはり全体をそこへそろえるべきじゃないかなと思うわけで、少なくとも現在の専修学校は、これは厚生省の管轄になりますけれども、専修学校でもあるいは盲学校における専攻科でも、ある程度何か体をさわらせる。それからまた、現在は解剖も何もございません。視覚障害者の方には解剖はございませんから、我々はいろいろ便宜を図りまして、大学の中へ連れてきて、そして死体をさわらせる。そのことによって、内臓は、肝臓はこうですとか、いろんなことを我々はお手伝いをしておるわけですね。そういうこともございますから、医療センターができるということは私はこれは非常に望ましいことでございますが、ほかとのアンバランスが大きくなるということは私はこれはぜひ何とかお考え願いたいと思います。
 そういう意味で、もう時間がなくなりましたので、文部大臣に私お願いをしたいと思いますが、鍼灸師あるいはこういう視覚障害者の方で、先ほど申し上げた川島さんのように、頭が非常によくてそれから研究意欲も旺盛で、そういう方がおられるわけですね。そういう方が大学なり研究所なりあるいは医療機関なりで、自分はここで勉強したいというときに、それを受け入れてやるように大学が門戸を開いていただきたい。これが第一点です。これは何とかして国立の大学なり研究所なり、そういうところで勉強したいという者には特別にそれに対して便宜を与えてやるような方策をひとつ講じていただきたい。これが一つでございます。
 もう一つは、これは多分五十年より以前と思いましたが、四十七、八年だと思いますが、日本学術会議から、日本は東洋医学のメッカだと言われておるのに、実は国立の研究所というのはないわけです。立派な研究所というのは全然ございません。いわゆる鍼灸師というものだけでございまして、その人たちが勉強しようというところでもない。あるいは鍼灸とは何物だということを鍼灸師にさせるということはこれはできないのです。また、医学部の先生がそういうことに携わるということは余りおやりにならない。ところが、欧米でも中国でも、中国は鍼灸の大学を今度北京につくります。そういうように、世界の状況がそうなっているのに、日本古来からの一つの医療である鍼灸が本当に片隅に追いやられている。そういう意味で、この短大も私非常にいいと思うんですけれども、願わくは将来国立の研究所というものもひとつぜひこれも脳裏にとめていただきまして、将来、東洋医学というものが日本に来れば非常に勉強になったと世界の人から言われるように、そのようにしていただきたい。この短大の設立を契機としてそういうことを文部大臣に申し上げまして私の質問を終わりたいと思います。文部大臣、何か御感想がございましたらお願いをしたいと思います。
#89
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、この方面は全く無知でございまして、いろいろと今お話を聞かせていただきまして、非常に参考になったと思っております。これからも鋭意そのような方向で努力をいたしたいと思いますし、またこれは、私は一つは時代の要請がやはりここに来ておると思うのでございまして、そういうこともわきまえておいおい整備していきたいと思っております。
#90
○高木健太郎君 終わります。
#91
○諫山博君 筑波技術短大について、数点お聞きします。
 入学資格は、盲聾学校の対象となる生徒に限定さるべきだと思いますし、そのような立場で準備されているだろうと思いますが、いかがでしょうか。
#92
○政府委員(阿部充夫君) この技術短期大学におきます受験の資格でございますけれども、御指摘のように、盲聾学校の高等部を卒業をした音ないしはそれに準ずるような視覚及び聴覚の障害を持っている者というようなことで、程度から言えば相当重度な方々を中心に受け入れるというようなことにしたいと思っております。
#93
○諫山博君 初めの構想では、歯科技工科が設けられることになっていたと聞いています。聴覚障害者にとって歯科技工というのは極めて適切な職業だと思いますし、なぜ歯科技工科がなくなったのか、これから復活する計画はないのか、お聞きします。
#94
○政府委員(阿部充夫君) 当初、昭和五十六年でございましたかに第一段階目の構想がまとまりましたときに、御指摘のように歯科技工科というものを一つの対象として入れておったわけでございますが、その後、さらに諸般の状況を考えながら計画を詰めていきます段階におきまして、特に歯科技工士につきましては、最近その養成が積極的に図られてきているというような一般的な状況があるため、むしろその養成の抑制というようなことが宿題になっているというような状況があるというようなことでもございましたので、当面これの設置については見合わせまして、今後の状況を見ながら対応するということにさせていただいたわけでございます。
#95
○諫山博君 聴覚障害者の選ぶことのできる職業というのはいろいろ限られます。歯科技工というのは、だれが考えても聴覚障害者に一番適切な仕事だと思いますし、ぜひこの点は前向きに検討してほしいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#96
○政府委員(阿部充夫君) ただいま申し上げましたような事情で第一期の当初の計画からは外すということにしたわけでございますけれども、今後、さらにこの短期大学を整備していく段階におきましての検討の課題とさせていただきたいと思います。
#97
○諫山博君 文部大臣にお聞きします。
 視覚障害者の場合には、理学療法学科を出ても民間の病院になかなか就職しにくいというのが実情です。特に全盲の場合には、民間の病院に就職することがほとんど絶望的という状況です。そういう中で、国立病院、公立病院が積極的にこういう人たちを採用すべきだと思います。文部省としては、その立場から関係省庁といろいろ前向きの折衝をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#98
○国務大臣(塩川正十郎君) 私もその事情は十分知りませんけれども、仰せのとおりだろうと思うたりいたします。ついては、国公立、そういう病院等に対しましての要請を、厚生省との間で、当局を通じまして交渉いたさすようにいたします。
#99
○諫山博君 この際、大臣に二つのことを要望したいと思います。
 一つは、障害者のための大学を、筑波だけではなくてもっとたくさんつくっていただきたいということです。
 もう一つは、せっかくできる国立大学ですから、障害者の要望、期待にこたえるような民主的な大学として充実していただきたいということです。
 この点、大臣の御見解をお聞きします。
#100
○国務大臣(塩川正十郎君) 障害者の高等教育につきまして、先ほど来局長から言っておりますように、今まで一般大学をできるだけ開放していたしてまいりましたけれども、施設なりあるいは教授方法等がいろいろ問題がございますしいたしますので、この際に、障害者を対象にした専門の短期大学を発足しようとしたわけでございますが、これは一つの私は発足であると思っておりまして、これだけに限らず、今後ともこういう関係の機関を、高等教育機関を充実していかなきゃならぬということは、先ほども申しました時代の要請だと思っておりまして、鋭意努力してまいります。
 ただ、民主的学校とおっしゃいますけれども、これはちょっと私もどんなことかなと思って、わかりませんけれども、とにかく学校が今やっておりますのは、学校は、私は一番民主的に運営されておるように思いますが、もし欠陥があれば、御指摘いただければ結構だと思います。
#101
○諫山博君 どういう民主的な大学を期待するかというのは、いろいろ私たちとして考えがありますけれども、ここは時間が制限されていますから、次の問題に移ります。
 我が国に今いる留学生の問題についてです。
 昨年五月一日付の我が国が受け入れている留学生の数は一万八千六百三十一名で、十年前に比べたら大体三倍以上になっていると思いますけれども、そういう数字でしょうか。
#102
○政府委員(植木浩君) 昭和六十一年で日本の大学等で勉強しております外国人の留学生は、一万八千六百二十一人でございます。昭和五十二年では五千七百五十五人ということで、大幅に増加をいたしております。
#103
○諫山博君 政府としては留学生を積極的にふやすように努力をしている。とりわけ中曽根総理が熱心で、中曽根内閣になって留学生の数が急増したと思いますけれども、そうなっていますか。
#104
○政府委員(植木浩君) ここ十年ぐらいの傾向を見ますと、日本の大学で勉強したいという留学生の数が非常にふえてきておりますし、私どもも海外でいろいろ御意見を承りましても、ぜひ日本の大学へ行って勉強したいという人たちの希望が年々非常に高まっておるわけでございます。
 先般、有識者の方々にお集まりをいただきまして、日本の留学生政策につきましていろいろと将来のガイドラインについて御討議をいただいたわけでございますが、日本は、アメリカとかフランス、イギリス、ドイツに比べて格段と日本の大学で学ぶ外国人留学生の数が低いので、ぜひとも、国際的にこれから日本が世界に貢献をするという立場から、もっと大幅に留学生を受け入れなければいけないという御提言をいただいたわけでございますが、その御提言の趣旨と一致をいたしまして、年々留学生の数が大幅にふえつつあるという状況でございます。
#105
○諫山博君 留学生がふえることの是非についてここで議論しようとは思いません。問題は、急激に留学生がふえてきたのに、人的、物的な対応が伴っていないという点です。
 私は、自分の出身校である九州大学の教職員の何名もの人と会いまして、いろいろお話し合いをしました。今一番緊急に解決をしなければならないのはどういう問題だろうかと言いますと、多くの人が、留学生がふえているけれどもこれに対して教職員が全くふえない。予算もふえない。そのために本来の大学の使命が損なわれているのではなかろうかということを指摘されます。
 そこで、具体的に数字を調べてみましたけれども、例えば九州大学の農学部は、昨年の学生の数が千六十名、五年前は九百七十一名。院生が五年前は二百二十四名、現在は二百六十三名。ふえているわけです。教授は同じ期間に四十七名から四十六名に減っています。助教授は四十九名から四十六名に減、助手は八十六名から七十五名に減、講師はそのままです。職員が百十三名から九十三名。減少です。
 九大の学生、院生それから教職員の数がこういう状況になっていることは調べていただいたでしょうか。
#106
○政府委員(植木浩君) 私どもの方は留学生関係を担当いたしておりまして、昭和五十九年度現在で九大で勉強しております外国人留学生は二百五十三人、それから昭和六十年度が二百八十六人、昭和六十一年度が三百八十一人という数字は持っております。
 なお、確かに先生がおっしゃいますように、留学生がふえてまいりますと、大学で受け入れて教育を行っておるわけでございますが、留学生が特に数の多いような場合には、留学生の教育のためのいろいろな教職員などを特別にさらに増加する等の措置をとっておりまして、九大についてもそういう措置をとってきております。
#107
○諫山博君 九大の農学部に限りますと、五年前の留学生が五十名、昨年が九十三名。なぜ農学部を例にとるかというと、留学生の数が一番多い学部だからです。ところが教職員の数は、今指摘しましたように減少をしています。そして、留学生のために何らか特別な人的、物的な対策がとられているかというと、加配の講師が置かれていると聞いておりますけれども、それ以上のことはされていないというのが大学からの説明ですけれども、いかがでしょう。
#108
○政府委員(植木浩君) 九州大学全体で申し上げますと、九州大学には留学生教育センターというものをつくりまして、留学生を受け入れた場合の日本語教育の充実を行っておりますし、また、実際に大学で勉強しながら同時に日本語、日本事情の勉強もするという学科目も設けております。
 それから、いろいろと留学生の宿舎なども九州大学は大変新しい大きな規模のものをつくってきておりますし、そのような留学生教育に必要な教職員等につきましては、若干ではございますけれども、一般の教員、教職員のほかにさらにこれを増員をしておるという措置をとってきておるわけでございます。
#109
○諫山博君 留学生のために特別に人数がふやされていますか。加配講師のことは現場で聞きましたけれども、留学生のためにどのくらい人数が九州大学、あるいは農学部でふやされたか。
#110
○政府委員(植木浩君) 個々の学部についで私どもちょっとデータが直接ございませんが、九州大学全体では、私の記憶しているところでは、約十人程度の特別な増員をこれまでに行ってきておると記憶いたしております。
#111
○諫山博君 現場からの声は、留学生が来るけれども人的にはほとんど手当てがされないので、例えば職員とか助手がそのための対策に手をとられて本来の研究どころではないという声が高いんです。例えば、住宅の世話をしなければならないとか、身の回りのお世話をするとか、あるいは日本語の指導をするとかいうようなことで、留学生のためにもっと積極的な人的対策、予算的対策をとらないと大学の方では大変だという声が強いんですけれども、文部省の方にはそういう声は届いていませんか。
#112
○政府委員(植木浩君) 確かに留学生を受け入れた場合に、通常の日本人の学生への教育指導のほかにいろいろな世話がかかることは御指摘のとおりでございます。
 そういうわけで、先ほどから申し上げておりますように、教職員につきましても大変厳しい定員状況でございますが、特別な配慮をしつつあるわけでございますが、同時に、文部省といたしましては、国立大学に留学生を受け入れた場合には、国費留学生、私費留学生を問わず、例えば学部留学生でございますと、初めの二年間チューターをつけておりますが、これは場合によっては学生、場合によっては若い教官である場合もございますし、さらには同じ国の留学生でもよいということで、チューターを一対一でつけて、そういった身の回りのいろいろなお世話をするようにもいたし
ております。大学院レベルですと、初めの一年間ということで、かなりきめ細かく留学生の世話ができるような施策を講じてきているところでございます。
#113
○諫山博君 加配の講師という言葉が現場では使われていますけれども、そういう言葉、文部省でも使っていますか。もしそういう言葉が使われているとすれば、その人の本来の仕事はどういうことなんでしょうか。
#114
○政府委員(植木浩君) 留学生を受け入れて、特に数が多い場合には、専門教育教官ということで講師クラスの方の特別な増員を行っておりまして、その方はもちろん大学で留学生の教育指導に重点的に当たられるお仕事をしておられるわけでございます。
#115
○諫山博君 加配講師の数が非常に少ないといって問題になっていますけれども、何名の留学生に何名の講師を配置するという基準がありますか。
#116
○政府委員(植木浩君) 部内用の一応の目安はございますけれども、留学生を数多く受け入れた場合に、大学におきましていろいろな事情もございますので、そういった目安を考えながら当該大学の諸般の状況を勘案いたしまして増配を行っているわけでございます。
#117
○諫山博君 留学生何名につき講師一名という基準はないわけですね。
#118
○政府委員(植木浩君) 私どもの内部の資料としてはそういう一応の考え方は持っておりますが、さらにそのほかの事情も勘案しながら増員をしているという状況でございます。
#119
○諫山博君 チューターというのは、どういう人ですか。
#120
○政府委員(植木浩君) 留学生が日本に来て日本の国立大学に入った場合に、なれていないわけで、いわば友人として、あるいは先輩として、教育面あるいは生活面でいろいろとこれを援助をするという趣旨から、例えば若手の教官、助手クラスの方であるとか、さらには大学院生であるとか、そして最近は外国人留学生もチューターになれるというふうにいたしております。
#121
○諫山博君 それは、チューターの仕事を専門にする人ですか。
#122
○政府委員(植木浩君) 今申し上げましたように、例えば助手クラスの方とか、大学院生とか、外国人留学生とか、本来教官なり学生の身分を持っているわけでございますが、同時に、新しく入ってきた留学生についていろいろとお世話ができるようにと、こういうことでございます。
#123
○諫山博君 九州大学の農学部について問題を指摘しましたけれども、要約しますと、五年前に比べて学生が八十九名ふえた。院生もふえた。ところが、教授も助教授、助手も職員も大幅に減っている。こういう中でたくさんの留学生を受け入れているわけで、いろいろな面でそのしわ寄せが教職員にかかっている。特に負担が大きいのは助手だそうです。助手の人が留学生の日本語の相談に応じるだけではなくて、身の回りの相談、住居の世話までしなければならないというような実情で、大学では非常な不満が高まっているんですけれども、御存じでしょうか。
#124
○政府委員(植木浩君) 留学生も、出身国等によってもいろいろなお世話の仕方も異なってくるわけでございますが、確かに先生御指摘のように、日本人の学生以上にいろいろな面できめ細かくお世話をしなければいけないという面がございます。そういうわけで、私どももちろん教官の充実ということもさらに続けていかなければいけないわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、チューターという制度をつくりまして、そういったことでもっときめ細かく留学生の学習面、生活面でお世話ができるようにという制度を進めてきておるわけでございまして、今後ともこの制度も大いに活用してまいりたいと思っております。
#125
○諫山博君 チューターというのは、要するに職員から見たらサービス労働なんでしょう。本来の仕事ではないんでしょう。その点はいかがです
#126
○政府委員(植木浩君) もちろん本来は若手の研究者であり、大学院生であり、あるいは外国人留学生でございますが、やはり新しい留学生につきまして親身によくお世話ができるという意味で、一番適当な方だと思っております。そういう方にチューターになっていただいておるわけでございます。
#127
○諫山博君 文部大臣にお聞きします。
 留学生が非常にふえているわけですよ。これは、日本に希望を持ってたくさんの留学生が集まるという面もあると思いますけれども、中曽根内閣の方針なんですね。こうして留学生がふえている以上、それにふさわしい人的な補充とか予算の措置を当然構じなきゃいかぬと思います。
 今の局長の御説明では、チューターでカバーできているように言われますけれども、これは政治のあり方としては非常に間違っていると思います。要するに仲間の善意に期待するということであって、政治とは別問題なんです。だから、留学生がこれからもふえてくると思いますから、それに対しては当然教職員をふやす。とりわけ現場では助手と職員の数が激減しております。そういう中で、生徒の数もふえているし、留学生が急増しているという状態ですから、留学生がふえることがいいとか悪いとかという問題とは別に、当然それにふさわしい政治的な対応を講じなければならないと思いますけれども、いかがでしょう。
#128
○国務大臣(塩川正十郎君) 実態をよく調べまして、教授陣の増強が必要であればやはりそのような対策も講じていかなきゃなりませんし、実態をよく調査いたしまして対処いたします。
#129
○諫山博君 終わります。
#130
○勝木健司君 今回の設置法におきましては、福島大学に行政社会学部、三重大学に生物資源学部など、従来の伝統的な分類の学部とは異なった学部の設置が行われております。文部省としては、これらの新しいタイプの学部について、どのような基本方針のもとで設置を考えられておられるのか、お伺いしたいと思います。
   〔委員長退席、理事林寛子君着席〕
 特に、国立大学には私立大学とは異なった役割が期待されているのでありますから、当然私立大学との間に、学部の構成などにも特色が出てこなければならないと思いますので、国立大学の役割との関連でお答えいただきたいと思います。
#131
○政府委員(阿部充夫君) 今回、福島大学の行政社会学部、三重大学の生物資源学部といった学部の創設について御審議をお願いしておるわけでございますが、文部省といたしましては、国立大学の学部の設置に当たりましては、現下の行財政事情というものを十分踏まえまして、従来からのものについての転換とか再編制、そういったいろいろな工夫も盛り込みながら、先端科学技術関連の分野の人材養成でございますとか、あるいは高等教育の地域間の格差の是正というようなことについて留意をいたしまして、教育研究上真に必要なものということで非常に厳選をいたしまして対処をしてきておるものでございます。
 福島大学の行政社会学部は、最近の諸般の情勢の変化に伴いまして、幅広い視野を持った人材の養成を行おうということで、既設の学部からの振りかえを行う等の工夫をかなりたくさん取り入れました、いわば改組というのに近いような形の学部増設でございます。また、三重大学の生物資源学部も、先ほど来御説明をしておりますような内容のものでございますが、現在あります農学部と水産学部を統合いたしまして、これを、中身を改革をするというような形でのものでございまして、ただいま申し上げましたような趣旨に沿ったものとして文部省として予算措置をし、国会にお願いを申し上げている次第でございます。
 なお、国立大学の役割という点につきましても、御指摘いただきましたとおりでございますが、一般に先端科学技術関係などの教育研究の推進でございますとか、あるいは計画的な人材養成でございますとか、あるいは特に今回の場合などは、高等教育の地域的な配置についての国として果たすべき役割というようなことを念頭に置きな
がら対応するということにいたしたものでございます。
#132
○勝木健司君 また後ほど関連して質問させていただきたいと思います。
 次に、筑波の技術短期大学の新設についてお伺いいたします。
 筑波の技術短大は、視覚、聴覚障害者の雇用機会の拡大や能力の開発を目的とするものと理解してよろしゅうございますか。また、そのためにどのようなカリキュラム上、また教育方法上の工夫が特になされておるのかお伺いしたいと思います。
#133
○政府委員(阿部充夫君) 御指摘のとおり、視覚障害者、聴覚障害者という方々に高等教育の機会を拡充をしたいというねらいでこの短期大学の創設を計画をしておるものでございます。
 この短期大学におきます教育の方針といたしましては、豊かな人間性の形成を図るということ、社会生活に必要なコミュニケーションの能力を高めるということ、それからもう一点が専門的な技術を養う、この三点あたりに大きなねらいを置きましてカリキュラム編成等も行っておるわけでございます。
 具体のカリキュラム編成でございますけれども、一般教育の分野におきましては、幅広い教養を得させることとともに、体力、基礎学力を高めるというようなことも考えております。さらに、障害についての科学的な理解を得させる、コミュニケーション能力を養うというような点を目指しておりますし、また専門教育の分野におきましては、仕事につく場合の特色ある専門技術を養う。同時に、将来いろいろな形で産業構造の変化もあり得るわけでございますので、そういうものに柔軟に対応できるようにということで、基礎的な理論に関する教育にも重点を置きたいというようなことを考えておるわけでございます。
 なお、教育方法の面につきましても種々工夫を凝らしたいと思っておるわけでございますが、現段階で考えております教育方法上の特色といたしましては、普通の大学の場合には四、五十人くらいで授業編制が行われるわけでございますけれども、この短期大学は十人程度の小人数編制でやりたい。そしてまた教職員につきましては、研修によって手話とか点字等の能力を身につけていただきまして、学生とのコミュニケーションに資するようにしたい。また、実験、実習の場では、助手等の必要な職員を配置をいたしまして、その教育成果が上がるようにと考えております。
 なおそのほかに、既存の障害図書設備をいろいろ利用いたしたいと思っておりますが、さらに新しいタイプの授業システムというようなことも考えておりますし、ビデオライブラリー、CAIのシステムの利用、点字のディスプレー、点字図形プリンターの利用、開発等々といったようないろいろな新しい工夫を盛り込みながら教育の成果をここで上げていきたい。また、そういう工夫が成功いたしました部分について、一般大学における障害者教育などにも活用していただくように、その効果を普及するようにいたしたい。そのようなことを考えておるところでございます。
#134
○勝木健司君 身障者の社会参加を促し、また、その隠れた能力を開発するためには、健常者と同じ条件のもとで生活する機会をふやすとともに、障害の内容や程度に応じたきめの細かい教育の方法を開発すべきであると考えます。今後、他の障害者のためにこのような教育機会を設置する考えはありますか。また、国公立大学におきます視覚、聴覚障害者の受け入れ状況はどうなっておりますか。実態をお示しいただきたいと思います。
#135
○政府委員(阿部充夫君) こういった、障害者の方々が健常者の方々といろいろな面で生活の基盤を一緒にしたりあいは交流をしたりということは、非常に大切なことだと考えておるわけでございまして、この短期大学は障害者のための短期大学でございますけれども、いろいろな面で、地域の住民や他の大学の学生等の健常者との交流の積極的な推進ということに配慮をいたして行っております。
 例えば聴覚障害学生の関係につきましては、近隣の大学の学生あるいは地域住民等に呼びかけまして手話の講習等を行い、手話サークルをつくるというようなことでの交流ということもございましょうし、また、聴覚障害学生の場合には演劇活動というような面が大変奨励される分野であろうかと思いますが、そういった課外活動の面でのそういう分野の奨励、これにつきましても地域の住民の方々や近所の大学の方々にも参加を求めて一緒にやっていこう。そのほかスポーツ活動その他についてもそういう点を考えたいと思っておりますし、また、学生の寄宿舎に一般の学生に一緒に泊まっていただくというようなことも考えてもいいのではないか。いろいろな工夫を現在行っているところでございます。
   〔理事林寛子君退席、委員長着席〕
 それから、視覚障害者、聴覚障害者以外の方々に対する高等教育の機会というお話でございましたけれども、この点につきましては、現在の筑波短期大学で考えておりますのは、視覚、聴覚の障害というのは特にコミュニケーションに関する障害でございますので、いろんな面でコミュニケーションの充実ということが大事だという観点からこのための特別の短期大学をつくろうということを構想したものでございますが、他の障害者の方々につきましては、肢体不自由の方々につきましては、一般の大学の施設の整備を適切に行うことによって相当対応できるのではないか。また、特に病弱、虚弱というような方々につきましては、保健面での配慮を加えていくということによって一般大学で相当受け入れていくことが可能ではないかというようなことを考えておりますので、現段階においてはそういう方向で行くことを基本に考えたいと思っておりますが、なお今後、社会的要請等を踏まえながらまたいろいろ検討していく課題が出てこようかと思います。いろいろと勉強はしてまいりたいと思っているところでございます。
 それから第三番目に、国立大学における視覚障害者、聴覚障害者の入学の状況でございますけれども、最近五カ年間について申し上げますと、昭和五十七年度は受験者が八十七名で入学者が十九名、五十八年度は八十八名の受験で入学者が二十一名、五十九年度は七十名の受験で入学者が二十三名、六十年度は七十二名の受験で入学者が二十三名、六十一年度は六十九名受験で入学者が十七名というようなことで、毎年二十人前後くらいの学生が国立大学に入学をしているという状況にございます。
#136
○勝木健司君 今後とも受け入れを強化するための条件整備を行うべきであると考えますけれども、そのための計画はどうなっておるのか、お伺いしたいと思います。
#137
○政府委員(阿部充夫君) 一般大学への受け入れのお話でございましょうか。――この視覚障害者、聴覚障害者その他の身体障害者の方々の一般大学への受け入れの問題につきましては、文部省といたしましてはかねてから、健常者の場合と同様に、能力、適性に応じて入学の機会が与えられるべきであると考えまして、そういう方向で国公私立の大学、短期大学に対する指導を行ってまいっております。具体的には、毎年各大学に指導文書として流しております「大学入学者選抜実施要項」というものの中で、障害者の入学について十分配慮してくれということを一般的に記すと同時に、入学者選抜のやり方につきましても、例えば視覚障害の方々のためには点字の試験の機会をつくってほしいというようなこと等も含めましての指導を行っておるわけでございます。
 また具体に、入学をいたしました障害を持つ学生に対する手当てという関係から申しますと、国立大学の場合には、必要な学生当たりの経費等について相当の増額をして大学に支給をするというようなことも行っておりますし、あるいは、施設、設備等の配置につきましても、各大学の要請にこたえまして、ケースによりますけれども、エレベーターをつくるところ、手すり等をつけるところ、あるいは点字のための図書を整備するとこ
ろ、あるいはオプタコンというような特別の機器を設けるところ等々、いろいろのものがあるわけでございます。また、公立大学につきましては、五十二年、十年ほど前から、やはり設備費の補助の制度をつくりまして、身体障害の学生を受け入れるために必要な設備が要る場合には補助金を出しますという仕組みで対応しておりますし、また、私立大学の場合には、私学に対する経常費助成の中で、身体障害者を受け入れている大学に対しましては補助金の上積みを行っているというような形で、行政的な、財政的な対応も行っておるわけでございます。
 今後ともこういう方向に沿って、今回の短期大学の設置とあわせまして、並行して、一般大学への受け入れの問題につきましても従来同様の指導を各大学に対しては行ってまいりたい、かように考えております。
#138
○勝木健司君 次に、今後の高等教育のあり方についてお伺いいたします。
 臨教審の第二次答申で提案され、今国会で法案提出される学校教育法の改正で創設されることとなっております大学審議会が、高等教育のあり方について調査研究し、文部大臣に建議するものとされているようでございますが、その際、今回のような大学、学部の設置等についての実務面につきましては、大学審議会と並んで設けられます大学設置・学校法人審議会で処理されると理解してよろしゅうございますか。その場合、大学審議会が行う大学の基本的事項に関する審議と大学の設置認可の機能は切り離せないと考えますが、両者の関係はどのようになるのか、お答えいただきたいと思います。
#139
○政府委員(阿部充夫君) 今国会で御審議いただくべく学校教育法の改正案を御提案申し上げておるわけでございますが、その中で、御指摘のような大学審議会の設置と、それから改組という形で新しく大学設置・学校法人審議会というものの設置、この二点をお願い申し上げておるわけでございます。
 前者の大学審議会は、大学に関する基本的な事項の審議を行う機関というような位置づけでございますし、また、後者の大学設置・学校法人審議会の場合には、公私立大学の具体の設置認可をやる審議会である、こういうふうに位置づけておるわけでございます。
 御指摘のように、個々別々、個々具体の申請に対する認可を行うという仕事と基本的な方針を定めるという仕事は密接な関係があるということは御指摘のとおりでございますが、ただ具体の、この審議会の運営といったような従来の経験から見てみますと、具体的には、この設置認可を行う審議会というのは、申請の内容につきまして、校舎がどうか、施設設備がどうか、図書の状況がどうか、教員の個人個人についての資格はどうかというあたりのところを、研究業績、研究論文の隅々に至るまで目を通しながら判断をするという、非常に専門的、技術的と申しますか、そういうたぐいのお仕事ということになりますので、この審議会があわせて大学の基本的なあり方をというのがなかなか難しいような状況もあるわけでございます。従来は、一部その基本的なあり方にかかわりますような大学設置基準をどうするかとか、あるいは大学の全国的な設置計画をどうするかというようなこともこの審議会の機能に含めておったわけでございますけれども、やはり個別の認可と余り密接に絡みますと大所高所の方針が立てにくいというような状況も出てまいります。そういったこともございますので、臨時教育審議会の方におきましても、やはり大所高所からの基本方針の判断と個別の大学の認可という具体の仕事というのを切り離した方がいいのではないかというような御指摘が臨教審の方からもございまして、そういうものを踏まえ、また、私どもの今までの経験を踏まえまして今回のような御提案ということにさせていただいたわけでございますが、ただ、それにいたしましても、やはり御指摘ございましたように、両者の関係というものは密接な関係にあるべきものでもございますので、両審議会の打合会等も何回か設けるというようなこと等も逐次考えまして、連携プレーがうまくいくようにしてまいりたい、こう思っております。
#140
○勝木健司君 将来の高等教育のあり方を考えます場合に、大学の設置形態についての議論を避けて通ることはできないと思われます。
 臨教審では大学の設置形態についてもかなり論議されているようでありますが、さきの委嘱研究におきましては、いわゆる大学の特殊法人化については否定的で、現行の設置形態の枠内で対処することが望ましいとされておるようでありますが、私は、大学の活性化という面から見ますと、法人化への移行は大いに検討に値するものと思われます。既に中教審四十六年答申におきましても、新しい設置形態への改革の方向が打ち出されているにもかかわらず、大学の改革は遅々として進んでおりません。また、五十九年六月の大学設置審議会大学設置計画分科会の報告書、「昭和六十一年度以降の高等教育の計画的整備について」では、国、地方公共団体、学校法人の協力方式などによる高等教育機関の設置、運営が構想されております。
 現在の国公立大学につきましても、学問研究の自由、経営責任の明確化などの観点からも、柔軟で多様な設置形態への移行を進めるべきであると考えますが、御見解をお伺いいたします。
#141
○政府委員(阿部充夫君) 国公立大学の組織、運営のあり方につきましては、これまでもいろいろ御批判もございました。それらの問題を解決する方策の一つとして設置形態を見直す必要があるのではないかという御指摘も各方面から出されているということは承知をいたしております。また、臨時教育審議会におきます現在の検討の中でも、御質問の中で触れられましたような委嘱研究調査等も行いました上で検討が行われているという段階でございます。
 文部省といたしましては、従来から大学の制度や国立大学の組織運営の改善ということについてはいるいろ検討もし努力もしてまいっておるわけでございますが、特にこの設置形態の変更という問題につきましては、いろいろなメリット、デメリット多々あると思うわけでございます。こういったものをどういうふうにこれから対応していくかという点につきましては、臨時教育審議会の御答申も近々に出るものと思いますが、そういったものを踏まえながら、これから設置をお願いしております大学審議会という場もございますので、そういう場で真剣な議論の対象にしてもらいたい、こう思っておる次第でございます。
#142
○勝木健司君 時間が余りありませんので、次に進ませていただきます。
 円高不況が深刻化する中で、失業率はついに三%に達しております。中高年齢者にとりまして、職種転換に際しての再訓練を受けることは大変なことであります。文部省の所管のもとでの社会教育あるいは大学を含む高等教育機関は余暇活用としての機能を果たしつつありますが、勤労者の死活にかかわる教育訓練上のニーズにはこたえていないのではないでしょうか。社会教育の中等で蓄積されてきました成人向けの教育のノーハウというものを中高年齢層の教育訓練に生かすようなプログラムをつくるべきではありませんか。また、大学を中心とした国公立の高等教育機関が持っております施設や設備を社会人の再訓練の場としてこれまで以上に開放すべきであると思いますが、具体的な開放、拡充計画はお持ちか、お伺いしたいと思います。
#143
○政府委員(阿部充夫君) これからの生涯教育の中で、一般的な教養を身につけるという意味での生涯教育と、先生御指摘がございましたように社会人の再教育、再訓練というような意味での生涯教育、二様のものがあるということは御指摘のとおりだと思います。特に後者の問題につきましては大臣からの特別の御指示がございまして、文部省内で社会教育局長を中心とするプロジェクトチームをつくりまして、現在鋭意文部省の文教行政全体の中でどういうふうに考えていくかという議論を進めている段階でございます。
 そういった中で、国立大学等の高等教育機関につきましてはこれまでもいろいろ昼夜開議制を実施するというような形で、夜間の中に社会人の方に入ってもらうとか、あるいは放送大学などもこれはまさに社会人をねらいとしたものでございますけれども、こういう機関もつくりまして、あるいは各大学の昼間部の受け入れにつきましても社会人のための特別入試というような方法をつくるところも逐次出てまいっております。
 そういったいろいろな方法がございますが、省内での検討の状況等も踏まえ、また、臨教審からもいろいろ生涯教育の問題について御指摘をいただいておりますので、学校教育、社会教育を通じての対応ということで十分検討をしてまいりたいと思っております。
#144
○勝木健司君 最後になりましたが、文部大臣にお伺いいたします。
 二十一世紀に向けての生涯教育のあり方とかかわりまして、今後の高等教育の整備をどのように進めていかれるのか。また、縦割り行政の問題点が指摘されている今日、文部、労働両省、企業、大学等の協力によります産業構造の変換に伴う職種転換、再訓練を迫られている勤労者向けの教育訓練の計画というものを策定する御意思はおありかどうか、あわせてお伺いいたします。
#145
○国務大臣(塩川正十郎君) その問題につきましては、先ほど阿部局長が申しておりましたように、現在、文部省の中で鋭意検討を進めておるものでございまして、近く基本的な考え方を示したいと思っております。
 生涯教育に文部省が取り組みましたのは四、五年前からでございますが、その中で、生涯教育の対象をどうするかということから、一つは教養とかあるいは社会的知識を高めるという意味における生涯教育というものと、それから職業能力を高めるためにとるべき生涯教育の体系というものとあるだろうと思うのであります。
 ところで、我が国は明治以来ずっと学校、特に大学も含めまして、学校におけるカリキュラムはアカデミックなものに重点を置いてまいりました。これがやはり国民一般の知識水準を高め、また、情操を深くしてきたということに大いに効果があったと思いますが、一面において、明治、大正、昭和とかけて、職業教育の面においては若干私は手薄であったと思っております。しかしながら、今日に至るまで、要するに職業教育というものは企業が分担すのだというような国民的慣習のもとにおいて行われてきたが、ここに来て企業の方も、生涯教育というよりも職業教育の重視というものを要請してきておるというのが一般世間の要請ではないかと思っております。したがって、これに的確にこたえるべき措置を今からやっぱり講じていかなきゃならぬと思うのです。
 よくヨーロッパと比較されますけれども、ヨーロッパの高等教育は職業教育とアカデミックな教育と半々で行っておりますが、我が国はそのように先ほど申しましたアカデミックなものに重点を置いてきた。ここで職業教育に重点を置く。ただしその職業教育も、生涯教育の一環としてのその中に組み込んだ職業教育というものを先行きさなければならぬだろうと思っておるのでございまして、その意味において、現在持っておりますいろんな高等教育機関の中で、できるだけ職業教育の一つとして新しい体制をとるように準備をいたしたいと思っております。
 なお、生涯教育におきます体系というものについて、これは学習を受けられる方のいろんな希望がございましょうから、あえて体系的なものを考えるよりも、むしろ利用し得る機関を多様で大量につくる方が、その方が趣旨に沿うのではないかという方針で進めておるところでございます。
#146
○勝木健司君 ありがとうございました。
#147
○下村泰君 質問させていただくのに先立ちまして、十二月の十一日にこの委員会が開かれましたときに大臣に訴えたわけでございますけれども、秋田市の清水大輔君と聡子ちゃんという筋ジストロフィーのお子さんの問題でございましたけれども、なかなかお答えが出てきませんので、秋田へ参りました。そして、市の教育長、それから県の方の教育委員の方たちとお話しをしました。殊に市の方の教育長とお話しをしました結果、話がこじれてこじれ抜いている原因というのを探ってみたんですが、これは細かく申し上げますとその方たちに都合の悪いことになるかもしれませんので申し上げませんけれども、どうも応援をしていらっしゃる方の中で何か非常に口さがない方がおって、市の教育委員会の方で出てくる事柄に対して、一々証文を書けとか誓約書を書けとかというようなことを、間に入っている方が知恵をつけたために事がややこしくなったようで、市の教育長とじかにお話しをしましたところ、私の提案したのと市の教育長とぴったり合いまして、今とにかく養護学校に籍を置いておいて、そして当分、ちょっと学校へ通ってみないかと。もし学校へ通ってみて、その障害がまた一つの障害になって、どうしても普通学校では無理だという状態になったらまたそこで考え直しましょう。もしそれがうまくいくならば、その時点で教育委員会の査定したのをもう一度もとへ戻していただいて普通学校へお通いなさいというふうにしていただく。こういうふうにしてみたらどうだろうかと申し上げたら、市の教育長も、そのとおりなんです、私の方もそう考えておったと言うんですね。
 ですから、あんなにこじれるまでにそういう話し合いがあれば事なきを得たはずなんです。どこでどうしてそうなったのか、とにかく間に入った方で変な悪知恵をつけた方がおるのでおかしくなったんだと思いますけれども、それで無事に話が済みましておかげさまでうまいこといきましたので、その御報告だけ申し上げておきますが、その後の状況、入っていますか。
#148
○政府委員(西崎清久君) 先生お話しのとおりのような現状でございまして、昨年先生から御質疑がありましてから私どもも、大臣もお答えいたしましたとおり、県の教育長を呼びまして、次長あるいは課長等と何回も相談をいたしまして、市の教育委員会なり親御さん方との話し合いを進めるようにという指導をしてまいりました。
 現在の状況といたしましては、二月十二日から養護学校の教育ということで、籍は養護学校でございますが、日新小学校との交流という形で、子供さんも小学校の方に交流教育で行っていらっしゃる、こういう状況でございまして、また、四月以降の扱いにつきましては、やはり子供さんの小学校教育の適応状況とか、養護学校教育との関連というふうなところを見た上で、市の教育委員会も学校も適切な判断をしていきたい、こういうふうな状況でございます。
 先生には大変御苦労をおかけいたしまして、恐縮でございました。
#149
○下村泰君 どうもありがとうございました。
 続いて、筑波技術短期大学のことをお尋ねしたいんですけれども、質問をちゃんと用意したら、ほとんどの委員の方がお尋ねくださいまして、私の分がどんどんなくなっていくわけです。それで、私なりに聞きたいというところだけひとつお尋ねいたします。多少時間が短くなるから、かえって大臣もその方が楽でいいでしょう、大分お疲れのようですからね。午前中はボール投げをしてきたし、トンボ返りでお疲れでしょう。
 ちょっと伺いますけれども、この学校の――もう一々言うのは面倒くさいからこの学校にしますけれども、この学校の開校までの具体的なスケジュールというのは、もうでき上がっているんですか。
#150
○政府委員(阿部充夫君) 開学までのスケジュールでございますけれども、現在御審議いただいております法律が成立させていただければ、昭和六十二年十月、ことしの十月に開学、法律上の設置を行うということに相なります。その後、教育課程の検討、教官の公募をして選考をする。設備、図書、特に点字図書の整備を図る。それから教育機器、教材の開発をし作製をする。いろいろビデオを使う装置その他の開発作製をする。そして、施設の整備等を進めまして、昭和六十五年四月以降から聴覚障害関係学科についてスタートをし、
一年おくれまして六十六年四月以降から視覚障害関係学科についてスタートをして、それぞれ学生を受け入れていく。こういうようなスケジュールでございます。
 細かい点、いろいろございますけれども、例えば公募選考は六十二、六十三年くらいの二年間ぐらいで片づけたいとか、あるいは施設の整備につきましては六十三年ぐらいから着工等をいたしまして六十五年度いっぱいぐらいでつくり上げたいというようなことを、おおむねのことは考えておりますが、細かく具体にスケジュールが確定するのは今後のことになろうかと思います。
 アバウトに申し上げまして以上のようなことでございます。
#151
○下村泰君 そこでちょっと細かいことを伺いますが、例えば、これは全寮生活ですか。つまり、寮をつくってその中へ全生徒を収容するような方法をとるんでしょうか。
#152
○政府委員(阿部充夫君) 寮につきましては、全員を収容できるだけの寮の設備はいたしたいと思っております。
#153
○下村泰君 そこで問題なんですが、例えば、この方たちが短大へ行くようになってから年金をいただきに役所の方に行くとする。そうしますと、年金を受け取りに行くのでもバスに乗り継ぎとか、えらいこれ不便なところらしいんですね。こういう状態でいいんですかと言うと、例えば、バスに乗り継いで行っていただくのも社会生活の教練の一つであるとか、あるいは訓練の一つであるとかということになれば、むしろやはり日常生活のできるような生活環境の場所に設置すべきが普通じゃないかというふうに私も言いたくなるんですけれども、こういう点はどうなんですか。
#154
○政府委員(阿部充夫君) 筑波研究学園都市の中の、しかも筑波大学を挟んで両側にそれぞれ視覚と聴覚の関係の短大をつくって校舎を建ててまいるわけでございますので、かなりあの近辺は、先生御案内だと思いますけれども、土浦の駅からは三、四十分の距離がございますが、相当開けてきていると思っております。いろいろな点で不自由がないように、例えば大学としてマイクロバスの用意等はいたしたいと考えておりますし、さらには、できればその近辺の道路等については地元の市町村にお願いしまして点字のブロックなどははめ込んでいただくというようなことのお願いもしてまいりたい。いろいろな点を考えておるわけでございます。
#155
○下村泰君 とにかくそういう方たちですから、十分なやっぱり手当てをしてさしあげないとぐあい悪いですね。
 それで、この短大を出ると、例えば資格はどういうものが取れるのか。いわゆるあん摩マッサージも取れるのかということをお尋ねしたいんですが、聞くところによりますと、既存の鍼灸大学というのがあるそうで、そこではあん摩マッサージの資格は取れないんだそうですね。果たしてこの短大を卒業した場合にはあん摩マッサージの資格が取れるのかどうか、そこのところをちょっとお伺いしたい。
#156
○政府委員(阿部充夫君) この短期大学につきましては、はり師及びきゅう師については必修という形で全員が必ずその資格が取れるような仕組みに教育課程を組みたいと思っておりますが、あん摩マッサージ指圧師につきましては、選択によってその単位が取れるという仕組みにしておきまして、本人たちの希望によって、鍼灸だけをやってもいいし、鍼灸とあん摩マッサージをあわせて取っても取れるというような仕組みにいたしたいと思っております。
#157
○下村泰君 そうすると、自動的にこの資格を得るというのじゃないんですね。つまり、受験資格が取れるということなわけですね。
 と申しますのは、非常にこういう方たちの就職先が少ないでしょう、今。それで、はり、きゅうだけだとだめなんですね。やっぱりあん摩マッサージの資格を取らないとなかなか、つまり就職ができない。ここのところが問題なんですね。
 現に、例えば我々の御厄介になっている参議院会館がありますね。あそこにマッサージ室がある。このマッサージ室でもこれは晴眼者です。お目の不自由な方は一人もいないんです。何でああいう方しか――まあ今働いている人を追い出すみたいな形になりますけれども、別にこれは追い出せというわけじゃありませんけれども、少なくともこういった審議をするような先生方のいるところのマッサージ師が、やっぱりこれ晴眼者ばかりでなく、お目の不自由な方たちにも門戸を開いてもいいんじゃないかなというような気もしますけれどもね。これはもう労働省の所管でございましょうけれども。そんなこともありますので、つまりこの方たちの資格取得というのは大変な死活問題だと思います。そういうところもひとつ考えてみてください。
 それから、先ほど歯科技工士のお話がちらっと出ていました。聾学校で何か三校ぐらいあるんだそうですね、この資格の取れる学校が。そうすると、そういうところで取れるのに、何でこの筑波短大の方ではそういうことができないのかという疑問を持ちますわね。先ほど検討するとおっしゃっていましたけれども、私は検討とか善処という意味がよくわからないんですよ。つくるのかつくらぬのか、はっきりおっしゃってください。
#158
○政府委員(阿部充夫君) この歯科技工学科につきましては、先ほどもお答えいたしましたように、当初昭和五十六年に全体計画を考えましたときにはこれを設けようという方向で考えておったわけでございますが、その後、いろいろとこの需給状況等について見てまいりますと、最近かなり養成が図られるようになった結果、むしろこの養成は抑制すべきじゃないかというようなことが言われているという状況もございましたので、当面この設置を見合わせるということにいたしたわけでございまして、検討すると申しますとまた先生に怒られますけれども、これからこの大学を整備していく上で、歯科技工士の状況等を見ながら考えるべき問題であろうと思っております。
#159
○下村泰君 いい方に解釈していいんですね、今のは。どうですか。
#160
○政府委員(阿部充夫君) 当初の案としては入れておったものでございますので、私どもの気持ちとすれば、諸般の状況が許せばむしろこういうものを考えていくべきじゃないかという気持ちは持っているわけでございます。
#161
○下村泰君 だから、私がわからないところはそこなんですね。一番最初には入れであった。なぜ削ったのか。原因はまあいろいろあるんでしょうけれども、あったものなんだから、もとへ戻せばいいんだからね。削ったものをもとに戻せばいいんだ。そういう方向に向かってくださいよ。お願いしておきます。
 それから、先ほどからもしばしば出ておりますけれども、生徒数の減少していくという段階で考えなきゃなりませんのは、ある盲学校では全盲の方が一人も入っていない。盲学校でありながら視覚障害者が一人も入っていないという学校もあるんだそうですよ、今。調べてみると。それで、数年前には徳島の盲学校で生徒を確保するために晴眼者――見える方です、こういう方も入学させている、こういう前例もある。数年前ですからね。これだんだんだんだん厳しくなってきます。そうしますと、定員割れ、大学じゃありませんけれども、定員割れになってくる。こういう状況になってくる。こういうことをやっぱりお考えになっていますか。
#162
○政府委員(阿部充夫君) 盲学校の専攻科の現状でございますけれども、入学志願者、入学者の状況等を見ますと、まあ減ってきたという状況はあるのかとは思いますが、現在でもなお入学者数を相当上回った志願者が専攻科自体にもあるという状況でもございます。
 そういうことを考えますと、この短期大学は九十名でございますし、その中でのごく一つの学科が例えば鍼灸科というようなことでございますので、人数的にはこの短期大学としては、この短期大学そのものは非常に小さい規模のものでございますので、全体の入学者の確保でございますと
か、そういうことに大きく影響するというたぐいのものではないのではないか、こう思っております。
#163
○下村泰君 それはむしろこういう学校ですから、入学者が少なくなることの方が喜ばしいことなんですよね。そういう障害を持っている方が少なくなるということはこれは喜ばしいことなんですけれども、いろいろとこれからも問題もありましょうから、ひとつよく検討しておいてください。それこそ検討ですわな、これは。
 具体的に、とにかく設置学科があって、取得資格などがいろいろと問題がありましょう。ただし、附属盲学校の現場では大変不安を抱いているんだそうですな。いろんな疑問があるので物すごい不安を持っていると、こういうふうに承っております。今後、そういうことのない、こういう問題の起きないように、話し合いで納得の上スムーズに開学できるようにお願いしたいと思います。
 大臣にお願いします。
 この学校が開かれました、学生さんも来ました、先生も進んで教壇に立ちました。けれども、今ここで皆さんがお答えになっているような結構ずくめではなかった。全然これでは当初の話と違うじゃないかというような心配事の起きないようにやってもらいたいと思うんですけれども、大臣、ひとつお答え願いたい。
#164
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、この学校は、障害者に対する高等教育の機会を開いていくはしりになっていると思っております。それだけに、文部省も慎重にこれに対処し、十分な措置を講じたいと思っておりまして、そういう努力を積み重ねて、御心配のないようにいたしたいと思っております。
#165
○下村泰君 先般の場合に、私ちょっと反対的なことを申し上げました。もちろんこういう学校のできることは喜ばしいことなんです。ただし、私のところへいろいろ訴えてこられた方々を私なりに判断しますと、聴覚障害の方の方は少ないんですよ。これはあるいは手話その他ではいろいろと話し合いの場が少ないので、反対の、こういうところが反対なんだ、こんなところが反対なんだという御意見があっても、それが集約されてきていないんだろうと思うんです。ほとんど視覚障害の方のその反対の方が私のところへ来ているわけです。これはどこかにやはり、先般も申し上げましたけれども、どこかに何かまだ手落ちがあるんじゃないかというような気がします。このまま進んでいって開校して、今申し上げたような諸種の問題が起きてこないように、十分ひとつお話し合いの上すばらしい成果を上げられるような学校におつくり願いたい、これは私お願いしておきます。
 終わります。
#166
○委員長(仲川幸男君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#167
○委員長(仲川幸男君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 国立学校設置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#168
○委員長(仲川幸男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 粕谷君から発言を求められておりますので、これを許します。粕谷君。
#169
○粕谷照美君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、二院クラブ・革新共闘の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    国立学校設置法の一部を改正する法律案
    に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、次の事項について特段の
 配慮を行うべきである。
 一、身体障害者のための高等教育機関の整備に
  ついては、一般大学における受入れの促進と
  筑波技術短期大学の整備に努めるとともに、
  盲・聾学校高等部専攻科について、同短期大
  学の実績をみつつ、短期大学、専修学校等へ
  の転換も含めその充実策を検討すること。
 二、現在進行している大学進学者の急増とその
  後の急減に適切に対応するため、大学や社会
  の要請を勘案しつつ、必要な諸条件の整備に
  努めること。
 三、今後の学術研究体制の整備については、オ
  ーバードクター問題にも配慮しつつ、大学等
  の研究者の増員、日本学術振興会の特別研究
  員制度の定員の拡大などの検討に努めるこ
  と。
 四、大学の入学試験のあり方については、受験
  生の立場に配意しつつ、その正常化に最大の
  努力をすること。
  なお、教育の重要性と高等教育に対する新た
  な時代の要請に基づき必要な財政措置を講ず
  ること。
  右決議する。
 以上でございます。
#170
○委員長(仲川幸男君) ただいま粕谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#171
○委員長(仲川幸男君) 全会一致と認めます。よって、粕谷君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、塩川文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。塩川文部大臣。
#172
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたし、対処してまいりたいと存じます。
#173
○委員長(仲川幸男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#174
○委員長(仲川幸男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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