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#1
第108回国会 文教委員会 第2号
昭和六十二年五月十九日(火曜日)
   午後零時十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     山本 正和君     小山 一平君
     諫山  博君     佐藤 昭夫君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     小山 一平君     山本 正和君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     佐藤 昭夫君     吉岡 吉典君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     吉岡 吉典君     佐藤 昭夫君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     佐藤 昭夫君     吉川 春子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         仲川 幸男君
    理 事
                田沢 智治君
                林  寛子君
                粕谷 照美君
    委 員
                小野 清子君
                木宮 和彦君
                山東 昭子君
                杉山 令肇君
                谷川 寛三君
                寺内 弘子君
                星  長治君
                柳川 覺治君
                久保  亘君
                山本 正和君
                高木健太郎君
                高桑 栄松君
                吉川 春子君
                勝木 健司君
                下村  泰君
   国務大臣
       文 部 大 臣  塩川正十郎君
   政府委員
       臨時教育審議会
       事務局次長    齋藤 諦淳君
       文部政務次官   岸田 文武君
       文部大臣官房長  古村 澄一君
       文部大臣官房総
       務審議官     川村 恒明君
       文部大臣官房会
       計課長      野崎  弘君
       文部省初等中等
       教育局長     西崎 清久君
       文部省教育助成
       局長       加戸 守行君
       文部省高等教育
       局長       阿部 充夫君
       文部省高等教育
       局私学部長    坂元 弘直君
       文部省学術国際
       局長       植木  浩君
       文部省社会教育
       局長       澤田 道也君
       文部省体育局長  國分 正明君
       文化庁次長    久保庭信一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐々木定典君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (文教行政の基本施策に関する件)
 (昭和六十二年度文部省関係予算に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(仲川幸男君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る三月二十六日、諫山博君が委員を辞任され、その補欠として佐藤昭夫君が選任されました。
 また、昨十八日、佐藤昭夫君が委員を辞任され、その補欠として吉川春子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(仲川幸男君) 次に、教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。
 まず、文教行政の基本施策について、塩川文部大臣から所信を聴取いたします。塩川文部大臣。
#4
○国務大臣(塩川正十郎君) 第百八回国会におきまして、文教各般の問題を御審議いただくに当たり、所信の一端を申し述べます。
 教育は国家百年の計であり、国家社会発展の基礎として、長期的展望のもとに、その充実に取り組んでいかなければなりません。我が国の義務教育を中心とする教育水準は、国際的にも高く評価されているところであります。しかしながら、今日我が国の教育は、その量的拡大の中でさまざまな問題が生じてきており、さらに近年における科学技術の革新、産業構造の変化や情報化の進展、国際的な相互依存の深化等、急激な経済社会の変化に直面しております。
 臨時教育審議会は、その発足以来これらの課題を克服し、二十一世紀に向けて我が国が創造的で活力ある社会を築いていくための教育改革を進めるべく審議を重ねてこられたところであります。去る四月一日には、今次教育改革全体を貫く基本理念である個性重視の原則と生涯学習体系への移行の観点に立って、学校、社会を通じる各般の重要な課題について改革方策を明らかにした第三次答申をまとめられました。
 文部省においては、既にこれまでの答申を受けて徳育の充実等教育内容の改善や教員の資質向上、高等教育の個性化、高度化、学術研究の振興など各般の施策の具体化に努めてきたところであります。今回の答申についても、二十一世紀へ向けて教育・研究、スポーツ・文化の諸活動に対する国民や社会の多様かつ高度な要請にこたえていくことなどの観点から、教育改革の推進に必要な財源を積極的に確保していくことを含め、その具体化に最大限の努力を傾注していく所存であります。
 私は、教育改革の担当大臣として、教育こそ国の礎であるとの認識に立ち、今後とも臨時教育審議会の答申を最大限に尊重し、教育改革の実現に全力を挙げて取り組んでまいる決意であります。
 以下、主要な課題について私の基本的な考え方を申し述べます。
 第一は、初等中等教育の改善充実についてであります。
 これからの初等中等教育においては、二十一世紀に向かって国際社会に生きる日本人を育成するという観点に立ち、豊かな心を持ち、たくましく生きる人間の育成や社会の変化に主体的に対応できる能力の育成を図ることが必要であります。そのため、国民として必要とされる基礎的、基本的内容を重視し、個性を生かす教育の充実を図ることが重要であると考えるものであります。特に、道徳教育の推進については、今後とも、学校と家庭や地域社会とのより密接な連携を図りながら、その一層の充実に努めてまいる所存であります。また、国際理解を深め、我が国の文化と伝統を尊重する態度の育成を図るという観点から、歴史教育等の改善充実を図る必要があります。
 児童生徒の問題行動の解決には、学校がその責任を果たすことが当然でありますが、学校が家庭との連携を密にするなど、学校、家庭、社会が一体となった取り組みを推進することが必要であります。文部省としては、今後とも児童生徒の健全育成に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
 さらに、いわゆる学習塾については、種々の弊害も指摘されているところであります。この問題の背景には、学歴偏重の社会的風潮等が深くかかわっていると考えられますが、学習塾通いに伴う弊害を是正し、公教育に対する信頼を確保するため、学校における学習指導の充実や入学者選抜制度の改善など、この問題に対する取り組みの一層の充実に努めてまいります。
 なお、幼児教育、職業教育及び特殊教育については、今後とも一層の振興を図ってまいります。
 次に、教育諸条件の整備につきましては、厳しい財政事情のもとではありますが、児童生徒一人一人により行き届いた教育を行うため、四十人学級を初めとする学級編制及び教職員定数の改善計画を推進するとともに、義務教育教科書無償給与制度の堅持、過大規模校の解消等の公立学校施設整備に努めてまいります。
 教員の資質能力の向上は、教育改革を進める上で最も重要な政策課題であり、その一対策として、昭和六十二年度において初任者研修の試行を始めることとしたところであります。初任者研修制度は、教員としての第一歩を踏み出す最初の段階において充実した研修を行うものであり、教員としての使命感や実践的指導力を養う上で極めて重要な施策であると考えております。文部省としては、試行を通じて初任者研修の内容や方法の望ましいあり方を究明することにより、初任者研修制度の円滑な実施を期してまいる所存であります。
 なお、既にそれぞれの職場において活躍している現職教員の研修についても、その充実強化に努めてまいりたいと考えております。
 第二は、高等教育の改革と充実についてであります。
 今日、さまざまな新しい時代の要請の高まりにこたえて大学を中心とする高等教育の改革を推進することは、我が国の将来の発展を考え、また人類福祉の向上を図る上で極めて重要な課題となっております。このため、臨時教育審議会の第二次答申を踏まえ、高等教育に関する基本的事項を調査審議し、必要に応じ文部大臣に勧告を行う機関として大学審議会を創設し、大学改革を積極的に推進する所存であります。
 大学入試改革につきましては、国公私立大学を通じ受験生の個性、能力、適性に応じた多様な入学者選抜の実現を図るため、昭和六十五年度から新しいテストを実施することとし、そのため、現在関係団体等の協力を得ながら鋭意準備を進めているところであります。
 また、昭和六十二年度大学入学者選抜については、国公立大学の共通一次試験の受験科目数の削減弾力化、受験機会の複数化を実施いたしました。その実施を通じ問題点の御指摘もあり、今後改善のための努力を重ねる所存であります。
 さらに、国立学校の整備につきましては、先般御議決いただきました国立学校設置法の一部を改正する法律に基づき、筑波技術短期大学を創設するとともに、福島大学に行政社会学部、三重大学に生物資源学部を設置し、徳島大学に医療技術短期大学部を併設する等、努めて精選しつつも学問の発展及び時代の進展に合わせ教育研究の推進上必要な整備に力を注ぐこととしております。
 第三は、学術研究の振興についてであります。
 大学を中心とする学術研究は、科学技術はもとより国家社会のあらゆる分野の発展の基盤を形成するものであり、独創的、先端的な学術研究の推進とそれを担うすぐれた人材の養成が急務であります。このため、科学研究費の充実に努めるとともに、若手研究者の育成等に格段の努力を払い、新しい時代にふさわしいすぐれた研究者の養成一確保を図ってまいります。
 また、研究施設についても、長期的、総合的観点に立ってその整備充実に努めるとともに、加速器科学、生命科学、がん等の重要基礎研究や、民間等との共同研究の推進等を図ってまいります。
 第四は、私学の振興についてであります。
 私立学校は、建学の精神に基づいた個性豊かな教育研究を実施しており、我が国の学校教育の普及充実に多大の貢献をしてきております。このような私学の果たす役割の重要性にかんがみ、引き続き教育条件の維持向上に努めてまいる所存であります。また、専修学枝についても、社会の多様な要請に応じた特色ある教育の一層の振興を図るため、今後一層充実した指導と育成に努めてまいります。
 第五は、社会教育、体育・スポーツ及び文化の振興についてであります。
 今日国民の間には、変貌著しい社会に適応し、心身ともに健康で豊かな人生を送るために、生涯にわたって学習の機会を持ち、芸術・文化や体育・スポーツに親しみたいという要望が高まっております。このため、国民の一人一人が生涯にわたってさまざまな学習活動や体育・スポーツ活動に参加できるよう、必要な施設の整備、指導者の養成、確保等に引き続き努力していくほか、新たなメディアの活用等による適切かつ多様な学習情報の提供や生涯スポーツ推進事業等各種の施策を進めてまいります。
 来年開催されるソウル・オリンピック大会を初め、国際競技会における我が国選手の活躍に対する国民の期待も大きいことから、国際競技力の向上やスポーツの国際交流の推進のための施策の充実にも力を入れてまいります。
 また、我が国のすぐれた伝統文化を継承しつつ芸術・文化の創造的発展を図るため、必要な施策を着実に推進してまいります。特に昨年から開始された国民文化祭の充実、定着を図るとともに、いわゆる第二国立劇場の設立準備、文化財の保存活用などに努めてまいる所存であります。
 最後に、教育、学術、文化の国際交流についてであります。
 我が国の国際的地位の向上と役割の増大に伴い、国際交流の推進はますます重要な課題となっております。このため、留学生及び研究者の交流、国際共同研究、外国人に対する日本語教育の推進等を図ってまいります。とりわけ留学生の交流については、大学等はもとより民間団体など各方面の協力も得つつ、二十一世紀初頭において十万人の留学生を受け入れるという長期的展望に立って、今後ともその飛躍的充実を図ってまいる所存であります。
 さらに、我が国に対する諸外国からの関心の高まりに対応し、日本の文化に対する国際的な理解を深めるため、国際日本文化研究センターを創設することとしております。
 また、国際化の進展に伴ってますます増加している海外勤務者の子女に対する教育につきましては、日本人学校等の整備充実を図るとともに、帰国子女受け入れ体制の充実にも引き続き努力してまいります。
 以上、文教行政の当面する諸問題について所信の一端を申し述べました。我が国の教育、学術、文化の振興のため、文教委員各位の一層の御指導と御協力をお願い申し上げます。
#5
○委員長(仲川幸男君) 次に、昭和六十二年度文部省関係予算について、岸田文部政務次官から説明を聴取いたします。岸田文部政務次官。
#6
○政府委員(岸田文武君) 昭和六十二年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 昭和六十二年度の文部省予算につきましては、現下の深刻な財政事情のもとではありますが、文教は国政の基本であるとの認識に立ち、教育、学術、文化の諸施策について、その着実な推進を図るとともに、特に、昭和六十二年度予算は教育改革の実質的な初年度予算として、臨時教育審議会の二次にわたる答申を踏まえ、所要の予算の確保に努めたところであります。
 文部省所管の一般会計予算額は、四兆五千七百三十七億四千万円、国立学校特別会計予算額は、一兆七千六百七億三千四百万円となっております。
 以下、昭和六十二年度予算における主要な事項について、御説明申し上げます。
 第一は、初等中等教育の充実に関する経費であります。
 まず、義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の改善計画につきましては、いわゆる四十人学級の実施について、小学校は児童減少市町村以外のその他市町村内の学校の第二学年まで、中学校は児童減少市町村内の学校の第二学年まで、それぞれ施設余裕校について実施することとしたほか、教職員配置についても所要の改善を行うこととしております。
 なお、義務教育費国庫負担金等のうち共済年金に係る長期給付に要する経費について、二年間の暫定措置として、国庫負担率を三分の一に引き下げることといたしております。
 次に、教職員の資質の向上を図るため、新規採用教員等研修、免許外教科担任教員研修、教員の海外派遣、教育研究グループ補助、教育研究団体への助成など、各種研修を実施することといたしております。また、初任者研修制度につきましては、その円滑な実施を図るため、新たに初任者研修の試行を実施することといたしております。
 道徳教育につきましては、児童生徒の豊かな人間形成を図る上で極めて重要な役割を担っていることにかんがみ、地域社会の各界各層からの幅広い意見を今後の学校における道徳教育に反映させるための学校道徳教育振興事業などを新たに実施することといたしております。
 次に、児童生徒の問題行動を未然に防止し、その健全な育成を切望している国民の期待にこたえるため、生徒指導の充実強化方策として自然教室推進事業の拡充を図るほか、引き続き生徒指導推進校の指定、生徒指導担当教員の研修等の各般の施策を充実することといたしております。
 義務教育教科書の無償給与につきましてはこれを継続することとし、所要の経費を計上いたしております。
 幼稚園教育につきましては、保護者の経済的な負担の軽減を図るための幼稚園就園奨励費補助を行うとともに、幼稚園施設の整備を図るなど、一層の振興を図ることといたしております。
 特殊教育につきましては、心身障害児と地域との交流活動のあり方の研究等の心身障害児に対する理解認識の推進、特殊教育就学奨励費の充実など、その施策の振興に努めることといたしております。
 教育内容につきましては、時代の変化や教育課程実施の経験を踏まえ、教育課程審議会において引き続き検討を行うこととしているほか、学校におけるコンピューター利用のあり方等について研究を行うことといたしております。
 教育方法につきましては、その改善充実を図るため、新たに総合的な調査研究を行うほか、教育機器を利用した教育方法開発のための特別設備の助成等を行うことといたしております。
 また、海外子女教育、帰国子女教育につきましては、日本人学校の増設、児童生徒数の増加に対応し、派遣教員の増員を行うとともに、引揚者子女教育研究協力校の拡充を行うなど、帰国子女受け入れ体制の整備を図ることといたしております。
 さらに、児童生徒等の健康の保持増進に係る事業の推進に努めるとともに、学校給食につきましても、豊かで魅力ある学校給食を目指して、学校給食施設設備の整備を図ることといたしております。
 次に、公立学校施設の整備につきましては、校舎等建物の新増改築事業について所要の事業量を確保するとともに、高等学校屋内運動場の基準面積の改定、屋外教育環境整備費補助の継続、学校開放(音楽室等の校舎部分の開放)のための施設に対する新たな補助等の制度改善を行うこととし、これらに要する経費として二千九百六十三億円を計上いたしております。
 なお、定時制及び通信教育の振興、理科教育及び産業教育の振興、英語教育の充実、地域改善対策としての教育の振興など各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。
 第二は、私学助成に関する経費であります。
 まず、私立の大学等に対する経常費補助につきましては、昭和六十一年度に対して五億円増の二千四百四十三億五千万円を計上いたしております。このほか、教育研究装置施設整備費補助につきましても、新たに大学院最先端設備の整備を図ることとし、昭和六十一年度に対して十億円増の五十四億円を計上するなど、教育研究の推進に配慮いたしております。
 また、私立の高等学校から幼稚園までの経常費助成を行う都道府県に対する補助につきましても、昭和六十一年度に対して五億円増の七百二十五億円を計上いたしております。
 日本私学振興財団の貸付事業につきましては、政府出資金二億五千万円及び財政投融資資金からの借入金三百五億円を計上し、自己調達資金と合わせて六百七十億円の貸付額を予定いたしております。
 また、専修学校につきましては、教員研修事業等に対する補助、大型教育装置に対する補助の拡充等を図るなど、専修学校教育の一層の振興を図ることといたしております。
 第三は、高等教育の整備充実に関する経費であります。
 まず、国立大学の整備につきましては、先般御議決いただきました国立学校設置法の一部を改正する法律に基づき、筑波技術短期大学を創設するとともに、福島大学に行政社会学部、三重大学に生物資源学部を設置し、徳島大学に医療技術短期大学部を併設するほか、十八歳人口急増に伴う大学入学志願者急増に適切に対処する等、教育研究上緊急なものについて、整備充実を図ることといたしております。
 大学院につきましては、新たに最先端設備の整備を図るとともに、教育研究上必要性の高い研究科、専攻の新設等を行うことといたしております。
 附属病院につきましては、教育、研究、診療上特に必要性の高い分野及び社会的要請の強い分野について、診療科、救急部等を新設するなど、その充実を図ることといたしております。
 なお、国立大学の入学科・検定料につきましては、諸般の情勢を総合的に勘案し、昭和六十三年度入学者からこれを改定することといたしております。
 次に、育英奨学事業につきましては、昭和六十二年度から奨学金貸与月額を増額するなど、その改善を図ったところであり、政府貸付金七百三十八億円、財政投融資資金三百十二億円と返還金とを合わせて千四百九十五億円の学資貸与事業を行うことといたしております。
 また、公立大学につきましては、医科大学、看護大学等の経常費補助及び新たに整備を図ることとした大学院最先端設備を含めた教育設備整備費等補助について、所要の助成を図ることといたしております。
 このほか大学改革を推進するため、我が国の高等教育に関する基本的事項について調査審議する大学審議会の創設、新テストの実施準備等大学入試改革、放送大学の受講の機会を拡大するための地区センターの設置等放送大学学園の整備等の各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。
 第四は、学術の振興に関する経費であります。
 まず、科学研究費補助金につきましては、独創的、先端的な研究を推進し、我が国の学術研究を格段に発展させるため引き続き充実を図ることとし、昭和六十一年度に対して十五億八千万円増の四百五十億八千万円を計上いたしております。
 次に、重要基礎研究につきましては、エネルギー関理科学、宇宙科学、生命科学等の一層の推進を図ることとし、これら重要基礎研究に要する経費として四百七十九億円を計上いたしております。
 また、学術研究体制の整備につきましても、国際日本文化研究センターを創設するとともに、すぐれた若手研究者の養成に資するための特別研究員制度の拡充、大学と民間等との共同研究の充実を図るなど各般の施策を進めることといたしております。
 第五は、社会教育の振興に関する経費であります。
 まず、地域における社会教育活動の拠点となる公立社会教育施設につきましては、引き続きその整備を図ることとし、このために必要な経費として七十九億円を計上いたしております。
 また、社会教育活動の振興を図るため、社会教育主事、社会教育指導員等の社会教育指導者層の充実に努めるとともに、青少年、成人、婦人、高齢者など各層に対する学習機会の提供、地域連帯意識を醸成するための地域活動の促進、新たなメディアの活用等による適切かつ多様な学習情報の提供に努めるなど、社会教育の幅広い展開を図ることとして、所要の経費を計上いたしております。
 さらに、青少年の健全育成に資するため、家庭教育の充実に努めるとともに、青少年に豊かな生活体験の機会を提供する少年自然の家につきまして、福岡県夜須町の第十一番目の国立少年自然の家の設立準備を行うなど計画的な整備を進めるほか、また、国立南蔵王青少年野営場の利用受け入れを開始することとし、所要の経費を計上いたしております。
 第六は、体育・スポーツの振興に関する経費であります。
 まず、国民の体力づくりとスポーツの普及振興につきましては、広く体育・スポーツ施設の整備を進めるため、社会体育施設、学校体育施設について、その整備に要する経費として百四十五億円を計上いたしております。
 また、学校体育につきましては、学校体育実技指導者の資質向上に努めるとともに、学校体育大会の補助についても所要の経費を計上いたしております。
 さらに、生涯スポーツ推進事業について充実を図るなど、家庭、学校、地域における体力つくり事業を一層推進し、たくましい青少年の育成と明るく活力ある地域社会の形成に資することといたしております。
 なお、日本体育協会の行う競技力の向上を初めとする諸事業に対して引き続き補助を行うこととし、特にソウル・オリンピック選手強化特別対策事業については、その拡充を図っております。さらに、国民体育大会の助成など各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。
 第七は、芸術・文化の振興と文化財保護の充実に関する経費であります。
 まず、芸術創作活動の奨励につきましては、芸術関係団体の創作活動に対する補助、芸術祭、芸術家研修等を行うための経費のほか、さらに、優秀舞台芸術公演奨励事業の経費を新たに計上いたしております。
 また、文化の普及につきましては、こども芸術劇場、青少年芸術劇場、中学校芸術鑑賞教室、移動芸術祭等を実施し、国民文化祭を開催するための経費を計上するとともに、中国引揚者や外国人のための日本語教育等にかかる所要の経費を計上いたしております。
 次に、文化財保護につきましては、国民の貴重な文化遺産の保存、活用を図るため、国宝、重要文化財等の保存整備、埋蔵文化財の発掘調査、史跡の整備・公有化を進め、また、天然記念物の保護及び食害対策を進めるとともに、国立劇場の事業を充実するなど、伝統芸能等の保存伝承を図ることといたしております。
 また、文化施設の整備につきましては、地域社会における文化振興の拠点となる文化会館、歴史民俗資料館等の地方文化施設の整備を図るとともに、国立文化施設については、かねてより準備を進めております第二国立劇場について、昨年度着手した基本設計を完了させることとし、そのための経費を計上いたしております。
 第八は、教育、学術、文化の国際交流、協力の推進に関する経費であります。
 まず、発展途上国への協力等の観点から、外国人留学生の受け入れを拡充するとともに、受け入れ態勢の整備、日本語教育の充実など、大学等はもとより民間団体など各方面の協力も得つつ、二十一世紀を目指して、留学生に関する事業を積極的に推進することとし、そのために要する経費として百四十五億円を計上いたしております。
 さらに、ユネスコを通じた教育協力、国連大学への協力等についてもその推進を図ることといたしております。
 また、学術の国際交流、協力を推進するため、二国間、多国間にわたる各種の国際共同研究、拠点大学方式によるASEAN諸国との学術交流事業、先進諸国等との研究者交流の促進を図ることといたしております。
 以上、昭和六十二年度の文部省所管の予算につきましてその概要を御説明申し上げた次第であります。
 何とぞ、よろしく御審議くださいますようお願いを申し上げます。
#7
○委員長(仲川幸男君) 以上で文部大臣の所信及び昭和六十二年度文部省関係予算の説明の聴取を終わります。
 なお、本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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