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#1
第108回国会 大蔵委員会 第2号
昭和六十二年二月二十六日(木曜日)
   午後三時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十九日
    辞任         補欠選任
     山口 哲夫君     八百板 正君
 二月二十日
    辞任         補欠選任
     野沢 太三君     岡部 三郎君
     内藤  功君     吉岡 吉典君
 二月二十五日
    辞任         補欠選任
     斎藤栄三郎君     沓掛 哲男君
     志苫  裕君     田渕 勲二君
     八百板 正君     一井 淳治君
     野末 陳平君     秋山  肇君
 二月二十六日
    辞任         補欠選任
     吉岡 吉典君     諫山  博君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         井上  裕君
    理 事
               大河原太一郎君
                大浜 方栄君
                梶原  清君
                赤桐  操君
                塩出 啓典君
    委 員
                岡部 三郎君
                河本嘉久蔵君
                沓掛 哲男君
                斎藤 文夫君
                中村 太郎君
                福田 幸弘君
                藤野 賢二君
                矢野俊比古君
                山本 富雄君
                吉川  博君
                一井 淳治君
                田渕 勲二君
                丸谷 金保君
                多田 省吾君
                和田 教美君
                近藤 忠孝君
                諫山  博君
                栗林 卓司君
                秋山  肇君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  宮澤 喜一君
   政府委員
       大蔵政務次官   藤井 孝男君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     足立 和基君
       大蔵省主計局次
       長        角谷 正彦君
       大蔵省主税局長  水野  勝君
       大蔵省理財局長  窪田  弘君
       大蔵省銀行局長  平澤 貞昭君
       大蔵省国際金融
       局長       内海  孚君
       厚生省年金局長  水田  努君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        保家 茂彰君
   説明員
       郵政省貯金局経
       理課長      安岡 裕幸君
       郵政省簡易保健
       局資金運用課長  内海 善雄君
   参考人
       日本銀行理事   青木  昭君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○資金運用部資金法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(井上裕君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、吉岡吉典君が委員を辞任され、その補欠として諌山博君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(井上裕君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 資金運用部資金法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行理事青木昭君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(井上裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(井上裕君) 次に、資金運用部資金法の一部を改正する法律案を議題とし、宮澤大蔵大臣から趣旨説明を聴取いたします。宮澤大蔵大臣。
#6
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました資金運用部資金法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 資金運用部資金は、郵便貯金、厚生年金積立金その他の特別会計の積立金等の政府資金を統合管理し、いわゆる財政投融資の原資として国民経済に重要な役割を果たしております。
 最近における内外の経済金融環境の変化に対応して、このような資金運用部資金の機能を円滑に発揮し、国民経済の要請に一層的確にこたえるためには、資金運用部預託利率について、市場金利の動向に対応し、弾力的に変更を行うとともに、資金運用部資金の運用対象を拡大する必要があります。
 このような趣旨から、資金運用部預託利率の法定制を改めるとともに、資金運用部資金の運用対象を外国債に拡大するため、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、資金運用部預託金には、国債の金利その他市場金利を考慮するとともに、郵便貯金、厚生年金等の預託者側の事情に配慮して、資金運用審議会の意見を聞いた上で、約定期間に応じ、政令で定める利率により利子を付することとしております。
 第二に、資金運用部資金を外国政府、国際機関及び外国の特別の法人の発行する債券に運用できるものとし、その金額は、資金運用部資金の総額の十分の一を超えてはならないこととしております。
 そのほか、資金運用審議会の権限、簡易生命保険及び郵便年金特別会計の余裕金に付する利子の特例等について所要の規定を設けることとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(井上裕君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○丸谷金保君 この法案は国会が昭和四十八年に運用部資金に対するチェック機能を設けているのが後退させられる法案ですから、もろ手を挙げて賛成するというわけにもいかない面もあるかと思いますけれども、しかし今御説明のありましたように、一方では公定歩合の引き上げその他機動的な政策金融が発動されるようにしていかなきゃならない面から言うと、ある程度の法的な規制緩和もやむを得ないんじゃないかという二つの面を持っておるというように思っております。
 そこでまず最初に、市場連動性の問題なんですが、今御説明ありましたように、この市場連動性につきましては国債金利その他市場の問題というふうなことが言われております。一番心配なのは、基準がやはりどこに求められるかということだろうと思います。どうも今までのをいろいろ聞いていてもいまひとつはっきりしない。例えば国債というふうなものを基準にするにしても、これについても表面利率と実勢利率があります。これはもう毎日のように移動してくる。どこら辺に目安を置くのか、しかも市場の他の金利体系というようなものも勘案してということなら、なおさら基準のとり方が難しくなる。この辺はいかがなものでしょうか。
#9
○国務大臣(宮澤喜一君) 詳細は政府委員からお答えを申し上げますが、長期国債の利率は新規発行債の利率を基準とする、その場合、いわばクーポンレートと申しますか、表面利率というふうに考えておるわけでございますが、なお政府委員から申し上げます。
#10
○政府委員(窪田弘君) 今大臣からもお答え申し上げましたところでありますが、この預託金利を法定から外しまして政令にゆだねる考え方を法律にかなり詳しく書かしていただいておりますが、それには「国債の金利その他市場金利を考慮する」ということが一点と、もう一点は「郵便貯金、厚生年金等の預託者側の事情に配慮して」という二点を書かしていただいております。
 で、市場金利でございますが、この場合は、やはり現状では何と申しましても長期金利の代表である国債金利が基準となるということでこれを特記させていただいております。この場合の国債金利とは、新規に発行される長期国債の表面利率を指すものと考えております。国債金利と申しましても表面利率とか応募者利回りとかいろいろあるではないかというお話でございますが、やはり長期金利の基調を示す指標的な意味を持つものは表面金利であるというふうに考えております。
 私ども最近はほとんど毎月国債の発行条件を変えさせていただいておりますが、そのときやはり市場の実勢を反映するのは表面利率であるということに考えておりまして、発行価格の方はむしろその微調整を行うということでございますので、やはり長期金利の基調は国債の表面金利であるというふうに考えている次第でございます。
#11
○丸谷金保君 そうすると、今の趣旨説明にありましたような「その他市場金利を考慮する」というのは、どういうところを考慮するのですか。
#12
○政府委員(窪田弘君) 国債の表面金利が中心でございますけれども、その他いろいろな長期プライムレートでございますとか、そういうものもあわせ考慮して関係省と御相談の上決めたいというふうに考えております。
#13
○丸谷金保君 そこでわからなくなるんですね、基準が。国債の表面金利を基準にしてやるならこれでもってすきっとわかるんですけれども、今おっしゃるようにいろいろ相談してということになると、結局基準はそのときそのときでもって変わってくるということですか。もう少しすきっと国債なら国債の表面金利に合わせるのだとか、ぱちっとこういうことにはいかないんですか、なぜいかないんですか。
#14
○政府委員(窪田弘君) この預金部の金利は、例えば六分五厘というふうに長らく固定されていたこともございますが、五十年代に入りましてから非常に変動が激しくなりました。五十三年には六・〇五という下限にくっついたこともございますし、五十五年には八%、八・五という高いレートになったこともございます。非常に変転きわまりない状況になりまして、法律で決めるのもいかがかということで今回政令にゆだねていただきたいというお願いを申し上げているわけでございますが、将来また金利の変動がある一定の安定した状況になれば、単純にそのルールということでいけることもあろうかと思いますが、現状では若干その先を見通しがたい情勢もございまして、やはりそのときどきこういったいろいろな要素を勘案してしばらくは決めていかざるを得ないのではないかというふうに考えております。その場合、法律を外していきなり全部無条件に政令というのもいかがかと思いますので、ここにありますように、基準の考え方を書かしていただいているわけでございます。
#15
○丸谷金保君 そうしますと、結局考え方はそういうことでしょうけれども、実際にその基準を決めて市場に連動させていくということになると、その都度その都度やっぱり運用審議会というものが非常に重要な役割を今まで以上に持ってくるんでないか、こういうふうに思うんです。
 それで、事前に通告しておきましたけれども、従来の運用審議会というふうなものは大変御多忙な皆さんがメンバーを見ますといらっしゃる。それだけに、非常にそれぞれみんな御立派な方ですが、運用審議会の会長さんは政府関係のいろんな役職を幾つぐらいお持ちですか。
#16
○政府委員(窪田弘君) 今の会長は木下和夫先生にお願いを申し上げておりますが、現在この資金運用審議会会長のほか地方財政審議会会長、税制調査会の会長代理、税理士審査会会長、合わせて四つの職務を御兼務でございます。
#17
○丸谷金保君 何か今度臨調の方の委員にもうわさが上がっておりますわね。これはそうすると、それだけいろいろなものをお持ちになっていて、審議会をしょっちゅうやるというときになかなか大変だと思うんですが、従来はよく持ち回りという方法もあったと聞いております。大体ここ両三年ぐらい前から持ち回り審議会というふうなのはどれぐらいやっているんですか。
#18
○政府委員(窪田弘君) 三年で申しますと、五十九年度でございますと六回開かれたうち持ち回りは一回もございません。六十年度は八回開いていただいておりますが、持ち回りは一回もございません。六十一年度は七回今日まで開いていただいておりますが、このうち三回は持ち回りでお願いをいたしております。そのうちの一回、五月の一日でございましたが、これは年金福祉事業団に資金確保事業として新規に始めていただくものの期間だけがなかなか話がまとまらずにおくれておりました。その期間だけをおかけする、つまり五年据え置き十年でお貸しするという条件だけをお諮りする話でございましたが、ちょうど連休中で委員の方の都合が合わず、やむを得ず持ち回りにさせていただきました。十月の九日と二十七日、持ち回りでございますが、この十月には合計四回の資金運用審議会を開いていただいておりまして、そのうちの二回、財投追加の分を持ち回りでお願いいたしましたが、これは補正予算の編成あるいは内需拡大に伴って緊急に追加をする必要があったものでございまして、やむなく持ち回りとさせていただいたものでございます。
#19
○丸谷金保君 昨日行われました衆議院の大蔵委員会の附帯決議で「資金運用審議会の運営に当たっては、年金掛金の拠出者の意見が反映されるよう配意すること。」と特についておりますね。こういう何といいますか、附帯決議がつけられるということは、やはり審議会の今の七人のお方のこれだけでは、厚生年金の理事長さんですかなんかもおりますけれども、ちょっと足りないんではないかというふうなことと、大変お忙し過ぎる人ばっかり集めて、私はたまたま会長さんだけ聞きましたけれども、皆さん御立派な方だけに大変忙しい人たちが非常におって、結局は、実質的なことはむしろ専門委員とか役所の方たちの中で詰められていくと審議会が形骸化していくというおそれなきにしもあらずだという気もいたしますので、特に大臣、審議会の構成についてもう少し人数をふやすなり、もっとそういう点で附帯決議の意見が生かされるような方途について何かお考えございませんか。
#20
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨日も衆議院で御決議がございました中に、年金掛金の拠出者の意見が反映されるように、といったようなことについても御言及がございまして、実は現在の人選も、その点につきましては、例えば翁さんでありますとかいうような方々をお願いいたしておりまして、そういうつもりでございますけれども、なお御決議がございましたし、また今委員からも御指摘がございました。私どもでいろいろ考えるべき点があるのではないかと思いまして、昨日の御決議にもさように申し上げましたが、よく考えさしていただきます。
#21
○丸谷金保君 それでは次に。
 他のいろんな制度との関係で非常に難しい問題が幾つかあると思うんです。一つは、郵貯の方に二兆円の自主運用ということを今度御提案になって、進めるということでございますね。聞くところによりますと、私たちはマル優や売上税というのはこれはつぶれると思っておるんですが、そうしますと、これらも連動してだめになるんじゃないかという心配をしておったんですが、どうも郵貯の二兆円については、何かそのこととは別個に独立して、とにかく二兆という自主運用は認めていくんだというふうな話も聞きましたんで、その方は一つ安心したんですが、この厚生年金の方はわずか一兆円。これは聞いてみますと、来年度以降の保証もないという話なんですが、いかがなんでしょう。
#22
○政府委員(窪田弘君) 各省とお話し合いをいたしましたときに、郵政省の方は先々ある程度のめどをつけたいというお話で、初年度は二兆円でございますが、毎年五千億ずつふやしまして、六十六年度まで一応先のめどは立てておりますが、これにつきましても将来いろんな変動が起こり得るわけでございます。そういう場合は、郵便貯金並びに財政投融資の両方の立場をよく考えて相談しようということにはなっておりますが、年金の場合はその将来のお話はしておりません。それは、厚生省の御意向として、また来年度以降、予算の編成の時期にその金額をあるいは御要求になるでありましょうし、その方が適当であると御判断されたためであろうと思っております。
#23
○丸谷金保君 厚生省来ておりますね。――きのう衆議院の大蔵委員会を私傍聴しておったんですが、我が党の堀委員の再度の質問について、希望としては自主運用を年金枠の大体三分の一くらいほしいんだ、こういうふうなことを局長さんおっしゃっておりましたが、間違いございませんね。
#24
○政府委員(水田努君) 昨日衆議院の大蔵委員会でお答え申し上げましたことは、私ども、年金の積立金の運用の側面としては三側面に配慮しながら運用をしていきたい。その一つは、当然、将来の負担の軽減に充てるための高利運用。それから、やはりこれまで財投に協力してきたということがございますので、それに対する配慮。それから、拠出者の方四十年間にわたって拠出していただくわけでございますので、当然その福祉の面への還元。この三つをバランスをとりながらやっていきたい。で、公的年金の中で、厚生年金、国民年金を除く共済組合につきましては、その三つが大体バランスがとれて年金積立金の運用が行われておる。私どもは、一応目標としては、共済組合が積立金総額の三分の一について、全体自主運用でございますが、既に高利運用をやっておられるので、その目標に、現在国会に出しております自主運用の関係の法案が成立した暁には、六十二年度は一兆円でございますが、六十三年度以降は毎年度の新規の運用対象額の三分の一ずつを実現していきますと共済組合と同じような形に持っていけますので、そういう方向で努力してまいりたい、このようにお答えした次第でございます。
#25
○丸谷金保君 共済年金なんかの方は、私も共済年金の理事をやっておりましたが、ある程度自主運用を任されているいろやってきたわけです。それから言うと、確かにどうも厚生省の言うように、自主運用の枠はこういう制度を新たにするときにもっと思い切ってきちっとふやしていくという方向で大蔵省の方も理解を示していただきたいものだというふうに私は思うんです。
 共済年金の方でも、自主運用をやっていればこれはみんな一生懸命になって研究して、こうやれば有利でないか、ああやれば有利でないかというふうなことで、例えばいろいろ聞いてみると相当研究してやるということは具体的に幾つもありますが、そういう民間活力を導入してということもありますけれども、やはり行革の一つの柱としても、そういうふうにそれぞれの省庁が一生懸命苦労して集めてきた金の三分の一くらいは、というふうに私たちもぜひやってもらいたいというふうに考えております。
 あわせて、郵貯の方もそうなんですが、今の二兆円と、五年間で大体これでいきますと十五兆ぐらいになりますか、十五兆ですね。しかし、実際にこれは五年たちますと、この十五兆円という金額は郵貯の推計総額の大体一割くらいにしか当たらない。これも少ないと思うんです。郵政省来ておりますか。――郵政省の方ではこれでいいんですか、こういうことで。
#26
○説明員(安岡裕幸君) お答えを申し上げます。
 郵便貯金の自主運用でございます金融自由化対策資金の運用規模でございますけれども、六十二年度が初年度でございますけれども二兆円ということで、六十三年度から六十六年度までの間は毎年度五千億円ずつ増加させていくということでございます。これによりまして、先生御指摘のように、運用のストックといいましょうか、残高は六十六年度には十五兆円ということになるわけでございます。これは我々、推計でございますけれども、六十六年度の郵便貯金の残高の約一割に相当する、こういうふうな格好になっておりまして、私どもとしては、郵便貯金が金融の自由化に適切に対応するというためのいわば基盤になるんではないかと、こんなふうに考えておるところでございます。
 一方、でございますけれども、今回の資金運用部法の改定によりまして預託利率の法定制が改定されるということでございまして、これが政令に定められるということによりまして、いわゆる預託利率に市場金利が反映をされてくるということでございまして、これまた時代の趨勢でございます金融の自由化に郵便貯金事業が適切に対応できる基盤の確立になるんではないかと、かように考えているところでございます。すなわち預託利率の法定制の緩和によりまして、それを政令で決めていくということで、市場金利を預託利率に反映をさせていくということと金融自由化対策資金両者が相まって、郵便貯金事業経営の基盤づくりができるんではないかと、このように考えておるところでございます。
#27
○丸谷金保君 大体これくらいで間に合うということですか。
#28
○説明員(安岡裕幸君) 現在金融自由化の進展ということがございますけれども、現状ではこれで金融自由化に適切に対応できるんではないか、かように考えておるところでございます。
#29
○丸谷金保君 厚生省の方は三分の一なのに郵政省は随分また遠慮深いあれで、私はやっぱりもう少し、これは厚生省も郵政省もそうですが、自主運用できる額をふやしていきませんと、市場金利に連動するというふうな形で、今までのような資金コストとは違ってくるでしょう。そうしますと、これはやはり大変になるだろうという場合には、もっと積極的にある程度の枠を、これは大臣にお願いしておきますが、やはり大蔵の方で余り締めないで、ひとつ自主運用の枠をふやしていくという方向で進んでいただきたいと思うんです。
 特に、今郵政でそういう話がございましたので関連して申し上げますが、六十一年の三月末の指標によりますと、簡易生命保険及び郵便年金預託
金の三月末残高が二兆五千七百五十一億円あるんです。これは五月末の決算ではゼロになって、次の年にいわゆる簡保の方で分離して運用できるというふうな制度になっておるわけです。ですから、簡保の方はみんな大体そういうことで全部いくんですから、やはり郵貯の方も郵政省の同じような制度の中でやはりだんだんとそういう方向に持っていっていただきたいと思うんです。
 特にこの問題につきまして、どうしてこんな三月末に残高できるんだと、簡保は全部制度的に自主運用が任されているはずだなと思いましたら、その年の年度の余剰金というのは一応全部運用部の方に入ってそれから決算で次年度に回す、こういうことだということがわかったんですが、そうしますと、金利の問題があるんです。金利は今のところ五・九%プラス特利をつけて五・九五%ということになっておるようですが、これは今回のこの改正によって預託された資金に対してもやっぱり政令で決めるということになるわけで、今までの五・九%という預託金利は保証されないことになるんじゃないか。これはいかがなんでしょう。
#30
○政府委員(窪田弘君) 簡易保険の余裕金でございますが、特別会計に生じました余裕金は、国庫統一の原則からすべてこの資金運用部に預託をしていただくということになっております。それは、国庫が統一して余ったところは預託をしていただく。仮に特別会計に資金繰りに不足が生ずれば、運用部の方から短期でお貸しするというふうな彼此融通もできるわけでございますから、これが一番効率的な制度だということでございまして、余裕金の資金運用部への預託は、これは今後ともぜひ続けていただきたいと思っております。
 ただ、簡保の場合は、今御指摘のように、決算が済むと積立金になりまして、これが自主運用になります。たまたま一年たったところで運用部の預託から自主運用へと運用形態が変わるわけでございますので、本来ならば初めから長期で預けておけば長期の金利がもらえたはずなのに一年のところで切れてしまう、これは不利ではないかということで、現行の資金運用部資金法ではそういう場合、約定期間七年以上の、一番長いものの預託利率マイナス〇・一%、現状では御指摘の五・九%でございますが、そういう長期並みの取り扱いをいたしております。これは今後とも政令に移行いたしましても、この制度は続けるということにいたしておりますし、そのほか資金運用面でいろいろ改善を今回図ることといたしておりますので、これとあわせまして簡保の利回り向上が図られるものと考えております。
#31
○丸谷金保君 そうしますと、市場連動性になっても精神としては今の五・九%プラス〇・〇五%の特利をつけていた、そういう考え方で扱うと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#32
○政府委員(窪田弘君) 水準は変わりますが、その考え方は同じものを引き継いでまいりたいと思っております。
#33
○丸谷金保君 それで厚生省、実は預託金の金利が今度下がると、従来の掛金の計算は五カ年ごとでやっているというのが変わってくるわけですね。これらは再計算はするんですか、しないんですか。
#34
○政府委員(水田努君) 御指摘のとおり、再計算は五年に一回やっておりまして、直近は五十九年にいたしております。次回は六十四年に再計算をいたす予定でございますが、この再計算に当たりましては年金の諸基礎率をすべて洗い直すということになるわけでございます。諸基礎率で大きな要素を占めますのは年齢構成別の人口推計、特に開始年齢に到達した方々の残存余命、それから将来に向かっての物価の上昇の見通し、それから賃金上昇の見通し、それから先生の御質問なされました預託金利の運用収入の見通しと、こういうものを全部洗い直すわけでございまして、今後の金利の動向を見ながら当然運用収益についても見直しの必要があろうかと思っております。
#35
○丸谷金保君 これは今までの考え方で五年間は据え置きですね。そうすると、それは五年たったときにやるということですか。ぜひしてもらわないと困るんだけどな。
#36
○政府委員(水田努君) 再計算のときにやるということでございます。
#37
○丸谷金保君 再計算というのは五年ごとにやればいいんでしょう。そのときまではこのままでいくということですね。
#38
○政府委員(水田努君) そうでございます。
#39
○丸谷金保君 ちょっと古い資料で申しわけないんですが、五十八年度の資金運用部の運用累計額は百八十二兆八千七百九十四億円なんです。そのうちいわゆる財投に十五兆五千九百三億、国債の引き受けが三兆九千億、合わせて十九兆四千九百三億円にしかすぎないんです。残りの百六十三兆三千八百九十一億円というのは短期運用の累計なんです。それで実は、この中に日銀が市場から買い受け、国債、それを運用部が買い入れる。そしてさらにまた、今度それを現先でまた日銀の方に売り戻すと、こういうふうなものも入っているんではないかというふうに思うのですが、これは古い資料で申しわけないんですけれども、最近実際にそういうことが日銀と運用部の間で行われておりますか。
#40
○参考人(青木昭君) 運用部との間に私ども持っておる国債を運用部の余資運用の対象として売却をするということがございます。それはいずれも買い戻し条件つきで売っておるわけでございまして、この一月末現在の売却残高が九兆五千億円ばかりございます。
#41
○丸谷金保君 九兆五千億というのは、現在累計でなくて残高ですか。
#42
○参考人(青木昭君) 残高でございます。
#43
○丸谷金保君 そうすると、大蔵省はこれはいつ買い戻ししてもらう予定なんですか。
#44
○政府委員(窪田弘君) 先ほどお挙げになりました数字でございますが、五十八年はたまたま私ども持っておりませんが、短期と言ってお挙げになった数字がこの決算に出ているのは短期運用の実行額、つまり回転した総額でございまして、今青木理事から御説明を申し上げましたのは、残高のうち九兆円程度を短期の運用としてやっているということでございます。これは私どもから申しますと、日銀の保有国債を売り戻し条件つきで購入し、これを日銀に売り戻す。ですから、日銀に売っているように見える場合がございますが、これは買ったものの売り戻してございます。したがいまして、いわゆる日銀引き受けの禁止の規定に抵触するような、運用部を通じて日銀が国債を引き受けたというようなことはないわけでございます。
#45
○丸谷金保君 これは結局資金運用部の方でお金が余っていると、もったいないから、現金で持っていてもしようがないから、短期の間とにかく日銀の方の国債を売り戻して運用利回りを回すということはわからないでもないんですがね。ただこれどうも、財政法五条今お話しございましたが、多少疑義もあるんじゃないかという気がするんです。というのはその中身がわからないのですよ、一般には。それで売り買いということが行われているというのだけがわかって、要するに資金運用部が引き受けた国債を売るわけでなくて、あくまで一遍買ったやつを返すのだということを言っておるんですけれどもね。しかしやはりどうもひょっとすると、これはそういう点の抜け穴に使われかねないという疑義をやっぱり国民は持つんです。
 特に最近のようにマネーサプライが、前にも大蔵大臣はインフレの心配はないということを私にも御答弁いただいておりますけれども、これは円高だとか石油の問題だとか外的な要因で心配ないんで、国内だけに限ってみると非常にやはり今のマネーサプライの増加の傾向というふうなものは、一つ間違えばインフレに転化しかねない要素を持っているというふうに私はまだ思っているんです。そういう立場で言いますと、情報公開なんということが盛んに言われている時期ですからね、これらはやはりもう少し明らかに発表すると
いうことはできないんですか。
#46
○政府委員(窪田弘君) 何もそれを発表しないというわけではございませんで、例えば予算委員会御要求資料の形で資金運用部保有国債の移動状況、これは細かいものですから三カ月ごとにまとめさせていただいておりますが、日銀引き受けの分、国債整理基金の分というふうに分けまして資料を国会にもお出しをさせていただいておりますし、日本銀行の方の運用部との売買については参議院予算委員会への提出資料に出さしていただいております。また、日本銀行の国債保有高の移動につきましては四半期ごとに当大蔵委員会にもお出しをさせておりますし、運用部の方のバランスシートは毎月資金運用部月報という形で発表をいたしております。これらを総合してごらんいただければ御理解をいただけるのではないかというふうに考えている次第でございます。
#47
○丸谷金保君 私の言っていますのは、それは国会というよりもう少し国民の不安を解消するために、もっと情報公開というふうな形で公表することはできないのかと、こう申し上げているんです。
#48
○政府委員(窪田弘君) 毎年財投編成のときに運用部の資料もいろいろお出ししますので、今御指摘の点も含めまして今後工夫をしてみたいと思います。
#49
○丸谷金保君 次に、今度の改正の中で、外国政府や国際機関などに対する投資ができるように改正になったのでございますが、外国投資をするとしますと、為替差益とかいろんなリスクがあるでしょう、そういうリスクは会計上整理はどういうふうになさるおつもりなんですか。
#50
○政府委員(窪田弘君) まず、リスクにつきましてはそういうことがございますので、外国債への運用制限につきましては今回も積立金総額の十分の一というふうな規定を置かせていただいておりますし、運用部が持つ場合は、長期に持つものでございますから、それほど短期に売り買いするほどのリスクというふうなものはあるいはないのかというふうに思います。また、国際機関等の場合は円建ての債券を出す場合も多いわけでございまして、その場合はリスクはないわけでございます。仮にもしリスクが発生したような場合は、会計原則がございますので、この差損を計上するという扱いで一般の会計原則に従って行うことになるわけでございます。
#51
○丸谷金保君 これはことしは一千億という微々たるものですが、いきなり法律の方では十分の一、これは随分開きがありますね、この一千億とは。十分の一ということで十何兆、十八兆くらいになりますか、限度を今からそんなに幅広く決めておかなきゃならないという理由は何なんです。
#52
○政府委員(窪田弘君) 確かに今の資産総額から見れば大きいわけでございますが、この制限の決め方が、簡保の場合ですと積立金総額の百分の十、これが今回二十に増加をお願いいたしております。例えば年金信託の場合でも百分の三十、生保の場合でも百分の三十とか、その制限額はかなり決め方としてはこういうことにならざるを得ないわけでございますが、運用部の場合は確かに長期のものをそう多額にやるということは考えておりませんし、またこの額については、特別会計の予算総則に載せて国会のお許しを得たいと思っております。
 それから、ほかの簡保、生保等と違いまして、これは結果的に有利運用になる場合はもちろんそれはいいわけでございますが、やはり原則といたしましては、運用部は公共的な目的に運用部資金を充てるべきものでございますから、かねがね内々話のあるような国際協力に役立つような運用を行いたいと思っているわけでございます。
#53
○丸谷金保君 簡保の場合は金額は少ないですから、三十兆くらいですか、十分の一でも三兆です。ですから、ちょっと簡保というのはここでは余り例としては――しかも簡保の場合にも実際には内部で自主規制しておりますね、新規増加資産の一〇%以内というふうなことがもともと決められていたと思います。今度はその自主規制の枠も外れたという話で心配しているんですが、今簡保の話が出たんでお聞きするんですが、そういうやっぱり内部での自主規制というのは何らかの形で法律のほかに行う予定があるんですか、いかがなんでしょう。
#54
○政府委員(窪田弘君) これは財投運用あるいは国債保有、そういうものとバランスをとり、かつ公共的な場合にのみ行うものでございますから、もちろん、自主規制という言葉はいかがかと思いますが、慎重に行いたいと思いますし、またただいまも申しましたように、額は予算総則に載せまして国会のお許しを得た範囲内でやるつもりでございます。
#55
○丸谷金保君 国会のお許しを得た範囲内というのはわかるんですが、いきなり十分の一で実際に今年度一千億、そうすればその限度の十分の一というふうに到達するのは一体何年かかるんですか。これはそのときそのときで国会に出して、少なくとも最初は十分の一なんて言わぬで五十分の一とかなんとかで始めて、そしてまたこれが特に大きく必要が出たときにはやはり国会にかけるべきものだと思うんですよ。こういう出し方というのは、何といいますか提案権が非常に、その方が楽でしょうけれども、私はやはりもっとおのずからなる規律があってしかるべきじゃないかと思いますが、大臣いかがです、これは。大臣笑っておられるけれども、ちょっと広過ぎませんか。
#56
○政府委員(窪田弘君) 大臣からお答えをいただく前に、確かに御指摘のような問題はございますが、これは私ども法制局ともいろいろ相談をいたしましたのですが、そうかといって百分の一とか五十分の一とかという決め方もなかなか難しいわけで……
#57
○丸谷金保君 難しくない。
#58
○政府委員(窪田弘君) 十分の一ということでひとつ私どもの自制する姿勢を出したものというふうにお許しをいただきたいと思います。
#59
○丸谷金保君 実はこれこだわるのは、一つは大臣がG5、G7から帰ってこられて内需拡大ということを記者会見で発表した。昨日も堀委員の質問に対してもお答えしておりましたが、これは具体的なことは何もない。しかし、もう一つ、まさかそんなことはないと思うんですが、実は巷間そういう話も聞きましたので、要するに為替を安定させる、そのかわり一つには将来、今ブラジルで問題が起きていますね、ブラジルでもう外債の支払い停止だというふうなことがございましたね、これが例えばメキシコとかいろんなところもみんなギブアップしてとにかくとても払えないというふうになってきたときに、日本の国内のシンジケートが相当アメリカに協力して貸し出ししているのがありますね、こういうのを今度は財政が出動して、そういう都市銀行その他がシンジケートで出している分を借りかえして面倒を見るんではないか、そういうことになるから十分の一ぐらいやっておかないと、いざというとき困るんだ、こういう勘ぐりまで出てくるんですが、まさか大臣そんなことはございませんでしょうね。
#60
○国務大臣(宮澤喜一君) それはちょっと考えにくいことでございまして、もし民間の貸し出しに対して救済のために財政が出動をする、文字どおり損失補てんの意味での出動ということであれば、もうこれはそのものが法律事項でございますし、法律事項でございましても政府はそういうことを国会にお願いする、あるいはそういう方針を決定するということはちょっと考えられない。私は少なくとも考えられることではないと思いますし、この際そういうこととの連関は全く実は考えておりません。むしろこれは一種の資金の運用でございますので、そういう意味では何かの肩がわりができるという感じのものではございませんし、積極的な意味で申せば、現在のようにだんだんいろんなことが国際的になって、我が国も官民ともに国際的になっていきますときに、公的資金と申しますか、公的な性格を帯びる資金の一部もそういう国際的な分野で有意義に運用されるならば、それはやはり我が国としてのいわば国際化に対処する一つの道ではないかといったような感じ
はございますけれども、ただいま丸谷委員の言われましたようなことはもう全く考えておりません。
#61
○丸谷金保君 外国債にそれを運用する場合には、安全かつ有利というあれがついていますわね。だから、いきなりということではなくても、例えば大変今対外債務で困っておられるような国の政府債を買い入れて、そして政府がそれで借金を払うというふうに回せば借りかえがなくてもできる方法というのはありますね。そういう必要もないとすればこの十分の一というのは一体何なんだろうと。なぜこんなに大きなことをしておかなきゃならないのか。大体そういう当てがあるのかどうか。一体どこへ貸し出しをし、どういうところの――それから外国の例えば金融機関とか、あるいは、何といいますかね、世銀とかいろんなところの債券を買うとかという方法もあると思いますが、それにしてもちょっと大き過ぎる。この法案を出してこれだけの枠をくれと言うからにはある程度の、とにかくとっとけということじゃなくて、めどあるんでしょう。
 これは賛成法案なんで修正案も出しかねますけれども、本来なら私はそこがはっきりしなきゃ――これは国会としては修正すべき場所だと思うんですよ、あるんですか、一体、そんな十八兆円ものそういうめどが。何にもないけれどもとにかく余計しておいた方が便利だからとっておけと、こういうことはいかぬと思いますよ。
#62
○政府委員(窪田弘君) 今お話しのように、資金運用部資金は安全、有利でかつ公共的な運用をすべきものでございますから、そういった原則のもとに外国債への運用もいたすわけでございます。しかしそうは申しましても、いろいろリスクとか問題もあり得るので、やはりここは制限の規定を置くべきであろうとこういうことで、毎年毎年予算でお許しをいただくだけでなくて、やはりこの制限の規定を置くべきであろうということで、類似の制限規定の中で一番小さいものをここでその自制の考え方を具体的に示すためにここに出しているわけでございます。そういうことで御理解を賜りたいと存じます。
#63
○丸谷金保君 よく理解できないんですけれども、もう時間もございませんので、十分の一というふうな枠をこういうところへ設ける、そういうことであるならやっぱり郵貯や厚生年金の方ももう少し枠をふやしてやるというふうなこともあわせて考えていただくということを希望申し上げて、質問を終わります。
#64
○和田教美君 私は、まず去る二十一、二十二日のパリにおけるG5、G7の為替安定に関する合意について大蔵大臣にお聞きいたします。
 一昨年九月のG5プラザ合意以来のドル安誘導という為替の流れに今回の合意は終止符を打つものだ、というふうな点で高く評価するというふうな見方がございますけれども、もしそうだとすれば、大蔵大臣非常に御苦労さんだったと思うんですけれども、しかし確かめておきたいことは、各国とも本当にその点で認識が一致しているのかどうか、やや楽観に過ぎるんではないかという感じもいたします。
 一番問題なのはアメリカであって、ドル安という切り札を一時しまい込んだだけで、日本や西独のこれからの出方、つまり内需拡大策のとり方いかんというふうなこと、さらに貿易のインバランスの問題、そういったものの成り行き、そういう状況次第ではこのカードを再び持ち出してくるんではないかという不安感が常に国民の間にあるわけですが、その辺はまずいかがでございますか。
#65
○国務大臣(宮澤喜一君) それは確かにこのたびの合意を評価する一つの大事な問題であると思うのでありますけれども、昨年私が九月、十月ごろアメリカのベーカーと話をしておりましたころと最近とかなり違ってきたと思いますのは、これ以上のドルの急落というものが、むろん我が国にとっては迷惑なことでございます、マルクにとっても迷惑なことでございますけれども、アメリカ自身にとって問題だという物の考え方が少なくともベーカー財務長官であるとかボルカー議長であるとかという人々にはだんだん相当強く実はなっておるように観察をいたします。もとよりアメリカの中にも例えば国会議員の中には、むしろそれよりはこの貿易赤字、もっともっとマルクも円も高くなった方が貿易赤字が減るだろうという考え方の人はいるように思いますけれども、いわゆる通貨、金融責任の当局者からは、もうこれ以上はアメリカ自身にとって実は害の方が多いと、こう最近は考えておる。また、議会でそういう証言を最近は二人ともしております。
 そういう認識がこのたび関係各国の合意になったと私は考えておりますので、したがいまして今回はこれ以上の為替の大きな変動がアメリカ自身の不利益にもなる、こういうお互いの共通の利害関係が昨年よりはかなりはっきりしてまいったというふうに思います。
 したがいまして、このたびの合意並びに協力関係の約束というのは、それだけいわばおのおのの利害関係に直接結びついておるというふうに私は実は考えております。
 以上です。
#66
○和田教美君 このG7の共同声明に、最後のところで「現状においては、大臣及び総裁は、為替レートを当面の水準の周辺に安定させることを促進するために、緊密に協力することに合意した。」とこう書いてございますが、この「緊密に協力することに合意した。」という意味について、きのうあたりの衆議院の大蔵委員会では、大蔵大臣は、間接的な表現だけれども、これ以上ドルがさらにドル安に動く場合には協調介入するということについて合意したんだという意味のことを認められておるわけですけれども、本当にそういう点で協調介入という合意ができたのか、その点も確かめておきたいと思います。
#67
○国務大臣(宮澤喜一君) 実はこの部分につきましては、この声明にどういう表現で盛り込むかということについてかなり私どもの間で議論がございました。中にはもっとはっきり具体的な行動を、例えば今、和田委員の表明されましたような言葉で盛り込むべきであるという主張もあったわけでございます。実体的には合意が完全にあるわけでございますが、どういう表現をするかということについて、もっと直接的な表現を用いるべきであるという主張の国もございましたけれども、結局みんなで議論をしておりますと、やはり市場心理から言えば、こういう事柄の性質上、それはかえって効果的でないのではないか、もう少し抽象的な表現の方がむしろ効果的であろう、ただし、市場関係者が我々の意図を見誤るようなあいまいなことではいけない、投機家たちにちゃんとわかる程度のことははっきり言っておかないといかぬなという、その両方の合意がこういう表現になったわけでございます。したがいまして、協議あるいは協力の具体的な内容について不合意であったということは全くございません。
#68
○和田教美君 協調介入の合意があったということですけれども、問題はその協調介入の中身、特にアメリカがどういう介入を考えておるのかという問題だと思うんです。その後の報道なんかによると、どうもアメリカ側は口先介入をやり出しておりますね。口先でいろいろなことを言い出しておる。しかし、本当に直接介入をやるのかどうかということになると疑問視する報道が多いですね。
 実は、公明党の矢野委員長が今訪米中ですけれども、スプリンケル大統領経済諮問委員長と会見をしたんですが、スプリンケルさんも、徴調整程度の介入はできるけれども大規模な協調介入は無理だというふうなことを述べておられるわけです。そうだとすると、それによってドル安にストップがかかるという保証には私はならないと思うんですけれども、その点はいかがですか。
#69
○国務大臣(宮澤喜一君) この点については、表現にそれだけの議論があったわけでございますから、具体的なことについてあれこれ申し上げることは事柄の性質上適当でもありませんし、また外国のことにも関係いたしますので、それは控えさせていただきたいと思いますが、私どもの間に合
意が欠けておったというようなことは全くございません。
 なお、会議の内容につきまして現実にしっかりと知っておる人の数はかなり限られておりますので、いろいろな報道がございましても、それは十分事実を知った上に基づいての報道であるかどうかについては、問題がなきにしもあらずかと思います。
#70
○和田教美君 仮にこれ以上ドル安になった場合には介入するということがあるとしても、円安の場合に介入してもらわなきゃ我々として困るわけです。今のところドル安の問題が非常に問題になっているわけですから可能性は余り多くはないと思いますけれども、逆の状況、つまりこの水準以上に円安になるというふうな事態が起こった場合にもやっぱり介入するわけですか、その点はいかがですか。
#71
○国務大臣(宮澤喜一君) 一般論として以上に申し上げることは難しゅうございますけれども、これはお互いの間の合意でございますし、しかも当面の水準の周辺に安定させたいということでございますと、これは上も下も両方あると考えるのが論理の当然でございます。また、お互いの合意でございますから、片方だけが片方だけのことを言って済むというようなわけにはまいらないと考えるのも、これも必然の論理だと思います。
#72
○和田教美君 全くそのとおりだと思うんですね、理屈から言えば。
 そうすると、一体どのくらいの水準で合意ができたのかというのはやっぱり国民は非常に知りたいわけで、結局いろいろな報道を総合すると、百五十円から百六十円ぐらいの水準じゃないかというふうな報道がございますね。これはダイレクトに大蔵大臣もそうだとはなかなか言えないと思うんですけれども、まあその辺の感触なのかどうか。あるいは、仮に数字ははっきりしなくても、その程度の上と下の幅、それは大体そのぐらいなのか。その辺について可能な限りひとつ答弁していただきたいと思います。
#73
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどこの部分の声明の表現をどうするかについていろいろ議論したということを御紹介いたしたわけでございますけれども、これ以上踏み込んだ書き方をしますと必ず今御指摘になりましたような問題を提起する――この程度でもさすがにそのような御指摘があるわけでございますから、これ以上書きますと必ずそういう問題を提起することになりますので、それはやはり市場に対する対応としては賢いことではあるまい、そこまで問題を詰めてまいりますことは。したがいまして、このような表現にいたしたという経緯もございまして、ただいまのところにつきましては、これをもってどうぞ御客赦をお願いいたしたいと思うわけでございます。
#74
○和田教美君 去年の秋ぐらいの段階で大蔵大臣は、記者会見だとかあるいは国会の論議なんかで、当時は大体一ドル百六十円がらみぐらいだったと思うんですが、これでもまだ円高過ぎるんだ、もっと円安に持っていく努力をすべきだという趣旨のことをお述べになっていたと思うんですね。ところが、今回の合意は、一般に伝えられるところによると、現状の当面の水準というのはもっと百五十円に近いもので、とにかく安定させるということだというふうに僕は理解するんですが、いつの間にか、百六十円よりもさらに円安に持っていくなんということは到底無理であって、とにかく安定させることが先決なんだという考え方に政府の重点がだんだん変わってきているように私は思うんですね。
 確かに企業は、どこまで円が高くなっていくのか、それがはっきりしない以上とにかく対策の立てようがないという気持ちがありますから、仮に百五、六十円の水準で安定しても、それはそれで一応ほっとするということはあると思うんですが、もしそういうふうに高値安定というふうなことであれば、これは日本の経済にとっては大変なことだと思うし、特に中小企業なんかについては、まあ大体百七、八十円ぐらいでないととてもやっていけないという声がちまたに満ちておるわけですが、大蔵大臣は百六十円よりもさらに円安に持っていく努力をするという、そういうかつてのお考えはもう放棄されたということになるんでしょうか。
#75
○国務大臣(宮澤喜一君) このたびの声明にもいわゆる市場のファンダメンタルズということが何度か書かれておるわけでございますが、これは私が昨年の九月ごろからベーカー長官と話しておりました考え方の基本でございます。すなわち、プラザ以降人為的に介入をいたしましてドルを安くしてまいったわけでございますから、これは大変に市場的でない人為的な行為であったわけでございます。それが昨年の少なくとも九月には、もう今の為替関係、円・ドル関係はファンダメンタルズを反映するに至った、したがってこれから先は市場に任せるべきものであるというのが昨年の九月、十月の末の共同声明に出ております考え方でございます。このたびの二月のせんだっての声明も同じ考え方に沿いまして、プラザ以来やってきました人為的なこの介入というものは目的を達した、そうして今の状況はファンダメンタルズの自然な関係になっておるのであるから、これから先はいわゆるプラザ以来やってきたようなことはもうやらない、いわば市場に任せてこれでいいのであるし、さらにドルが急落するということは我々が迷惑するのみならず、アメリカにとっても不利益である、こういうのが認識でございます。
 したがいまして今ここであらわれましたことは、とにかく今の市場が今のファンダメンタルズを反映している、こういう認識だということになろうかと思います。それが大きく外れましたときにはみんなで緊密に協力をしようということでございます。
 そこで、今の和田委員の御質問は、それならば、今の市場における円というものが、宮澤は日本経済にとって非常にこれで満足なものであると考えておるかというお尋ねでございまして、私は今の円というものは日本の経済にとっては非常に厳しいものであると考えておりますことに変わりはないわけでございます。そうだといたしますと、このたび約束いたしましたことは固定を約束したわけではございません。この際における安定を約束しておるわけでございますから、いわば各国のファンダメンタルズの間に変化が起こって、そしてそれが市場に反映されるということは、これは基本的な物の考え方としてそうあるべきことでございます。
 一つ申しますならば、ああいう政策努力を我が国がやっていく、あるいは政策努力をアメリカがやっていく、殊にアメリカの場合に、プラザ以来もう一年半に近いわけでございますから、これがアメリカの貿易収支に全く反映しないということであれば、それはむしろ普通のことでない。やはりそれはアメリカの貿易収支に少しずつでも時間がかかってもいい影響を与えていくと考えることが私は自然であろうと思うにつけまして、それはアメリカ経済のファンダメンタルズをそれだけよくするはずである、その限りにおいて円・ドルの関係は今おっしゃいましたような方向に動いていくはずである、ただしそれは、我々が人為的にやること、人為的という意味は相場に直接関係、干渉してやることではございませんで、ファンダメンタルズが自然にそうなって、それが市場にあらわれていくと、こういうふうに考えて私は昨年以来行動いたしておるわけでございます。
#76
○和田教美君 共同声明では、各国別の政策目標というものが掲げられております。例えば我が国の場合、内需拡大とか対外黒字の削減に寄与する財政金融政策、あるいはまた税制改革というふうなことも入っておるわけでございますけれども、これらは明確な国際公約というふうに考えていいのでございましょうか。
#77
○国務大臣(宮澤喜一君) 各国が政策目標についてのおのおののいわば努力を表明しているわけでございますので、そのことについて各国間にこれらの政策をとる、そういう努力の約束をしたと、こういうふうに考えております。
#78
○和田教美君 どうもちょっと歯切れが悪いんで
すが、要するに国際公約だというふうに理解をいたします。
 そうだといたしますと、この公約を果たすために、まず財政政策による内需拡大という非常に大きな課題に政府は取り組まなければならないというふうに思います。既に自民党の中にも幹部の間にそういう意見が相当出てきておりますし、もしこれを国際公約というふうに重大視しないでやっていくとする、口先だけで何かごまかしていくというふうなことであれば、それによって内需の拡大の実効が上がらないというふうなことになるとかえって外国の反発を買って、またドル安圧力というふうなものがかかってくる可能性があると思うんです。
 大蔵大臣自身が六十三年度予算編成ではマイナスシーリングはちょっと難しいというふうな趣旨のことを述べられておるわけですけれども、その点がどうかということと同時に、そういう積極財政政策への転換ということを考えるとすれば、六十五年度赤字国債依存体質からの脱出という今の財政再建目標というものは、相当繰り延べるということに当然ならざるを得ないと思うわけでございますけれども、その辺のところについて大蔵大臣は基本的にどうお考えか、お答え願いたいと思います。
#79
○国務大臣(宮澤喜一君) 六十三年度予算の編成につきまして私は実は一言も申したことがないのでございます。ただいまは六十二年度の予算案を何とか早く成立をさせていただきたいということをお願いをしておるところでございまして、六十三年度のことにいまだに思いが及ばないのでございますけれども、どう考えましても、六十二年度の予算の編成の跡をたどりましても、六十三年度になって財政事情が急によくなるというふうには考えられません。依然として財政再建の苦しい道を歩まなければならないことは明らかでございます。
 過去、今年まで五年間一般歳出というものをゼロに抑えてまいりました。このことはやはり大変な努力でありましたし、その結果としていろいろな制度もかなり改めることもできた。また、何とかして国債依存率も下げようという努力も続けられてまいりました。その必要性が六十三年度になって急になくなるというふうには到底思えないのでありますが、他方で、しかし内需の充実であるとか、社会資本の充実であるとかいうことがいわば対内的にも国際的にも求められておる我が国でございます。
 したがって、六十三年度の予算のことをまだ考えておりませんが、そのような一般歳出を非常に抑えるという努力を放棄していいという理由はありませんので、そうしながら、その中で特にいわば優先度の高いただいまのようなニーズにどうやって財政が対応していくかということ、そういうことについての大まかな合意と枠組みというのをどうやってつくればいいかという問題に私は尽きると思っておりまして、そのために、時期が参りましたら、衆知を集めてひとつ考えてみなければならない、今のところはその程度に思っておるわけでございます。
#80
○和田教美君 この問題、今の時点でいろいろ追及してもそういうお答えが返ってくることになると思います。
 もう一つ、この共同声明で野党の立場から見て全然納得できないところがございます。それは日本国政府の問題に触れたところで、「今国会に提出した税制全般にわたる抜本的見直しは、日本経済の活力の維持・増進に資するものである。」というふうに断定的に書いてあるということですね。我々は、税制改革の中でも特に売上税の導入ということは事実上の中低所得者層の増税を意味する、消費を冷やして内需拡大にむしろ逆行するものだという見解をとっておるわけでございます。恐らくこういう表現を使うということは、所得税と法人税の減税の点ばっかりをとにかく宣伝をしてこういう表現を入れさせたんだろうと思うんです。いろんな論評も出ておりますけれども、こういう国際公約をやった場合に、そういう消費の拡大とか内需拡大に逆行するような売上税は撤廃する必要性が一段と高まってきたんではないか、むしろこういうふうな見方がかなりあるわけです。まあ見解が違うと思いますが、念のために答弁をお願いします。
#81
○国務大臣(宮澤喜一君) その点につきましては、「今国会に提出した税制全般にわたる抜本的見直しはこと書いてございますので、私どもは減税分だけを評価してこう申そうとしたわけではございませんで、売上税を含めました税制改革全部の総合的な効果をこのように考えておる、まずそういう意味でございます。
 で、確かに売上税だけを切り離して考えますならば、それは消費奨励的だというふうにはもとより申せないことであろうと思います。その程度は軽微であるにしても、むしろ消費についてそれはマイナスの影響がありやすいと考えるのが本当であろうと思います。ただそれは、くどくなりますから簡単に申し上げますが、やはり今の所得税あるいは法人税、これが勤労意欲、企業意欲をそぐまでに高くなっておる。それを下げるということがやはりこの際我が国の経済成長を高め、経済活動、消費活動を高める効果とその財源として考えられる売上税の効果を差し引きいたしまして、なお日本経済の活力の維持・増進にプラスである、殊に所得税の減税によりまして可処分所得がふえるという部分を考えてみますと、これは売上税がもたらす効果を打ち消してさらにプラスに働くというふうに私どもは考えておりますので、このような表現をいたしておるわけでございます。
#82
○和田教美君 日銀の青木理事に一、二お尋ねいたしたいんですけれども、今回の第五次公定歩合の引き下げに関連してでございます。
 澄田総裁が今度の利下げの決定後の記者会見で、金融政策としては限界ぎりぎりに近い厳しい決定であったということをおっしゃっておるわけです。そして今後は財政の出番だということを盛んに強調をされておったと思いますけれども、私も全くそういう印象を持ちます。
 そこで、こういう超低金利ですね、こういうところはもうぎりぎりのものだというふうに私も思うし、これ以上の利下げは非常に困難だ、これが最後だというふうに理解をしていいのか。それとも、国際的な要するにいろいろな配慮を優先して、無理は承知でさらに利下げの可能性があるのか、その辺はどうでしょうか。
#83
○参考人(青木昭君) 日本銀行、昨年四回公定歩合を下げましたし、つい先日五回目の公定歩合引き下げということをやりました。それ自体、内需の拡大、為替相場の安定に相当の寄与をしてきたものというふうに思っておりますけれども、そうした金融緩和あるいは低金利という環境の中で、最近では、土地が上がる、あるいは株式なども上がる、既存資産の取引の活発化、あるいは価格の上昇といったようなことが見られるような状況になってきておるわけでございます。まだ――まだと申しますか、一般の物価は引き続いて安定をしております。もちろんこれが今回の引き下げを決断した大きな前提になっておるわけでございますけれども、今申し上げましたような土地の値段などの動きについては十分注意してウォッチをすべきところに来ているんだというふうに思うわけでございます。
 総裁が金融政策は限界に近づいたというふうに述べましたのは、こういったことを踏まえてのことでございます。もちろん金融政策はそのときどきの情勢を総合的に判断して考えるべきものでございまして、絶対にというようなことを申し上げるべきではないと思いますけれども、さらに今後追加的な措置をとることについてはよほど慎重にならざるを得ない、こういうふうに考えておるわけでございます。
 このG7合意では、「内需の拡大を図り、それにより対外黒字の縮小に寄与するような財政金融政策を続ける。」ということでございますけれども、これからの金融政策としましても、したがいまして内需の拡大、対外黒字の縮小に寄与するように、現在の金融緩和の情勢を物価の安定が確保
されます限り続けてまいる。大変金融が緩んでおりますし、金利も低くなっておりますので、金融面に関する限り、当面、現在の緩和の状況を続けるということで、こういうG7合意の要請にこたえ得るというふうに考えておる次第でございます。
#84
○和田教美君 それでは時間もなくなってまいりましたから、議題になっております資金運用部資金法の一部改正案について若干お尋ねいたします。
 先ほども大蔵大臣から説明ございましたけれども、改正案のポイントの一つは、これまで法定制になっていた資金運用部預託金の預託利率を政令に任せるということでございます。
 法定制というのは資金運用部ができたときに決まったわけで、その当時はそれなりの十分な理由があったんだと私は思うんですね。それがなぜ今度は法定制をやめて政令に任せるということになってきたのか、その点をまずお尋ねしたいんです。
 一般論としては、最近、法律で決めておることをどんどん政令に任せるというのが一種の政府の流行になっておりまして、我々は非常にそれに対しては慎重にならざるを得ないわけでございます。もしそれを政令に任せるという積極的な理由がなければ、我々は慎重にならざるを得ないと思うんですが、その辺も踏まえて一体どういうふうに考えておられるか、お答え願いたいと思います。
#85
○政府委員(窪田弘君) この資金運用部資金の前身は預金部資金でございますが、そのころは大蔵大臣が決めるという建前でございました。昭和二十六年に資金運用部資金法ができたときに五年以上のもの年五・五%というところまでの法定がございまして、三十六年度の改正で「約定期間七年以上のもの年六%というのと短いのとつけ加わったわけでございます。
 一つには、やはり昭和三十六年の改正まで完全な法定固定金利が続いておりました。つまりこの間は、長期金利というものは政策的、固定的に設定するものだという考え方が背景にあったことによるものでございまして、最近のような金利の自由化が進んでまいりまして金利が変動してまいるという場合に、やはりこの法定制ということでは時代の要請に追随できないということで政令に譲っていただきたいというお願いを申し上げているわけでございます。時間の関係もございまして、非常に簡潔に申しますとそういうことかと存じます。
#86
○和田教美君 確かに、現状がいわゆる逆転現象というのが起こっておる。政府貸出金利は、今までは民間のいわゆる長期プライムレートに連動するという形であったのが、それがどんどん下がってきちゃった、ところが預託金利の方は法定しているからそれよりも高いものになってしまった、動きがつかないから早急に変えたいと、こういうことだと思うんですが、要するにそのねじれといいますか、この逆転現象を直すことはどうしても必要だと私も思うわけですね。しかし、一挙にそれを法定制から政令に任せるということに切りかえる積極的な理由がもう一つ納得できない。
 というのは、例えば約定期間七年物というようなことが個別に書いてございますね、それについて今は年六分という決め方ですね、それをある程度の幅を持ったものに決めるという、そういうふうな行き方はできないものかどうか。今の金融情勢が非常に変動が激しくて、その利子についてもそういうことではやっぱりおくれおくれになっちゃうからそれはだめなんだということなのか、その辺をもう少し具体的に説明を願いたいと思います。
#87
○政府委員(窪田弘君) 御指摘のように、法律に金利の一定幅を規定してその範囲で動かすというふうな考え方も確かにあり得るわけでございますが、その場合に、この金利自由化の情勢下で適切な上下限を設定することが大変困難だと思います。例えば下限も相当低い水準に設定せざるを得ないわけですが、そういたしますと、例えば預託者に、そんなところまで低下するのかということで、恐らく御了承は得られないのではないかと思いますし、とにかく最近の金利の変動は私どもの予想を超えたところがございますので、やはりこの上下限の設定は難しいのではないか。
 しかし、野放しに何の原則もなくただ政令にゆだねていただきたいというお願いをするのもいかがかと存じまして、この四条の改正案では、市場金利の考慮と預託者側の事情という二つの考え方の原則を書きまして政令にゆだねさしていただきたいということでございます。
#88
○和田教美君 先ほど丸谷委員との間で、政令になった場合の預託金利の決め方について、何を基準にするんだということについて一応御答弁がありました。国債の金利、その他市場金利というんだけれども、まず国債の新規発行の表面金利を第一の基準とするというような御答弁でございましたけれども、しかし法律案にはそれ以外のことがいろいろ書いてあるわけですね。結局そういうものを全部総合してということになると、話がぼけちゃうということは丸谷さんからも御指摘があったわけでございます。
 私はその点は繰り返しませんけれども、一体、それじゃどれくらいの幅で、どの程度のものにするおつもりなのか。例えば、具体的に申しますと、国債表面金利を大体基準とするということのようですけれども、それに非常に近いものにするつもりなのか、大体長期プライムレートと国債表面金利との間ぐらいに適当なときに決めるというお考えなのか、その辺はいかがでございましょうか。
#89
○政府委員(窪田弘君) これはまさにこれから政令を決める段階で、各省と御相談をしなければならない話でございまして、この法律を御議決いただいたら早速その作業に取りかかりたいと思っております。
 現在具体的にこういう水準になるということをまだ申し上げる段階ではございませんが、ともかく国債の表面利率、これが話し合いの出発点になり、その上で各省とどういうふうな話し合いの結果になるか、これはできるだけ急いで決めなければならないと思っております。
#90
○和田教美君 それから次に、今も最近の金利は非常に変動が大きいから法定しておってはとてもついていけないという御答弁ございましたけれども、そういうふうな金利を新しく政令によって決めるということになった場合に、一体どの程度の期間を想定されておるのか。変動といえば毎日変動しているわけですね。一カ月ぐらいと考えるのか、一年ぐらいと考えるのか、その辺は一体どう考えているのか。
 というのは、なぜそういうことを聞くかというと、余りに変更の頻度が激しくなるということになりますと、預託金には公的年金の積立金というふうなものもあるわけで、年金の積立金の性格から見て余りに激しい変動ということになると、年金財政の運営にも支障が起こってくるという問題も起こってくるんじゃないかと思われるので、その点をお聞きしたいわけでございます。
#91
○政府委員(窪田弘君) 資金運用部資金がお預かりしている預託金の九七%は七年以上でございますし、お貸ししているお金の平均の運用期間は十九年、もう二十年に近い、つまり長期の運用でございます。そこで、やはり長期金利の大きな変動に合わせてこれは直していくべきものと思っておりますが、どのくらいの頻度で変えていくかということもこれも関係各省との御相談でございまして、今まだそのルールを決めるに至っておりませんが、毎月変えるというふうなものではなかろうと思っております。
 なお、ちょっと申し添えさしていただきますが、先ほど七年以上六分ができたのが三十六年と申しましたが、三十年の間違いでございましたので、訂正さしていただきます。
#92
○和田教美君 もう時間がなくなりましたので最後に質問いたしますけれども、さっきの運用範囲に外国債を追加するということについて、それの自己限定の際に十分の一というのがつけてあると
いうことでございますけれども、さっきの丸谷さんの質問とはちょっと観点が違いますけれども、今のような状況のもとで我が国の長期資本流通を一層推し進めるということにならないかどうかという問題ですね。政府資金みずからが国内投資を避けて海外運用するというふうなことは、現在余り歓迎すべきことではないんではないかというふうな感じがするわけで、そういう意味では国内優先でいくべきだと思うんですけれども、その点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
#93
○政府委員(窪田弘君) 実はかねがね我が国の公的資金は外国からも関心を持たれておりまして、国際機関の債券を引き受けてくれないかとかいろんな内々のサウンドがありましたので、今回それにおこたえできるようなお願いをしているわけでございますが、確かに御指摘のような問題点もございますので、これはやはり国際協力という観点から慎重に進めていきたいと思っております。
#94
○近藤忠孝君 この法案に即して若干の質問をいたします。
 従来、法律でこの資金運用部資金の預託金利の下限が法定されていたその立法趣旨ですが、これは要するに、零細な貯金者への配慮という、こういう点があったと思いますが、どうですか。
#95
○政府委員(窪田弘君) そういう点もあったかと思いますが、やはりその前提には、長期金利というものが固定的で余り動かないという背景のもとにこういう法定をしていたものと考えております。
#96
○近藤忠孝君 それは背景であって、目的はやっぱり零細な預金者保護、それは間違いないわけですね。
#97
○政府委員(窪田弘君) 貯金と年金とは若干違うと思いますが、貯金の場合は、やはりその貯金金利が支払えるような預託金利をつけるということでありますし、年金の場合は、その年金の計算が成り立つようにということであろうと思います。
#98
○近藤忠孝君 今度預託金利の引き下げということに当然なっていきますが、これは郵便貯金の金利の一層の引き下げ、それから簡易保険の保険料の引き上げにつながるんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
#99
○説明員(内海善雄君) 簡易保険は現在三十兆余りの資金を持っておりまして、その資金の運用につきましては三分の一ぐらいが財投機関、三分の一ぐらいが地方公共団体、あと三分の一ぐらいが市場運用ということになっております。
 それで、先生御指摘のとおりでございますが、大変金利が下がっておりまして、私どもも運用に苦労をしているわけです。簡易保険は加入者に対しましてある程度の予定利率というものをつくって、それに基づいたような、その予定利回りというのを確保すべく運用しなければならないということになっておりまして、このような超低金利時代には大変運用が難しいわけですが、過去の高金利時代の運用先から入ってくる収入等を合わせますと、現時点では料率の改定を今すぐやらなきゃいけないという、そういう状況にはございません。
#100
○政府委員(窪田弘君) 預託金利をやはり市場の長期金利の実勢に合わせるということが目的でございまして、郵貯の金利の引き下げとか、簡保の保険料引き上げを目的としたものではございませんが、その両者もそれぞれやはりこの自由化時代に適応した運営をとっていかれるものと思います。
#101
○近藤忠孝君 そういう目的とはしなくても結果的に下がることは、これは間違いないわけなんですね。
 そうしますと、元来郵便貯金、特に定額貯金が伸びてきた理由というのはやっぱり有利な金融商品であったんだと思うんですね。ということは、やはり実質賃金が停滞しているために国民が貯金の実質利回りを重視した結果であると思うんです。ところが、これが下がっていきますと、そういうまさしく零細な貯金者に対する打撃になりはしないか、これが第一点。それと同時に、こういう貯金が集まらなくなる可能性があるんじゃないかと思うんですが、その点どうですか。
#102
○政府委員(窪田弘君) これは郵政省からお答えをいただいた方があるいはいい問題かと思いますが、やはり郵便貯金としてもこの金融自由化時代に適応できるようにいろいろ今後工夫をされようというお考えのようでございます。したがいまして、やはり金利の実勢に沿った形での郵便貯金の金利設定ということになるんだろうと思います。
#103
○説明員(内海善雄君) 私、簡易保険局の者でございまして貯金局の者ではございませんが、一般論といたしまして、こういう金融自由化の時代に郵貯の金利につきましても市場金利にかけ離れたようなサービスを提供するというわけにはいかないというふうに考えております。
#104
○近藤忠孝君 次に、国債の利率との関係が議論されておりますが、その関係で大蔵大臣に資金運用部資金で国債を引き受けることについての問題点をお聞きしたいんです。あるいは質問通告していなかったかもしれませんが、当然お答えできる問題だと思うんです。
 私は、基本的には国債引き受け自体を資金運用部資金でやること自身が問題だと思うんです。というのは、どちらも大蔵大臣が、自分の預かっている部分、あるいは自分が借りる部分を自分でやるんですからね。大蔵大臣、自分でね、そうでしょう。となりますと、これはやはりこの歯どめと申しますか、そういう点の国債依存体質を助長する可能性が基本的にあると思うんです。これが第一点、基本的問題ですね。
 と同時に、もう一つ大事なことは、国債引き受けの中にはやはり当然赤字国債が含まれていますね。そうしますと、この資金運用部資金というのは、元来それを運用して一定の収益を生ずるというべき資金ですよ。ところが、赤字国債にそれが結局使われるとなると、これは大局的に見ましてやはり大分問題があるんじゃないかと思うんです。
 今言った二点について、基本的考えをお聞きしたいと思うんです。
#105
○国務大臣(宮澤喜一君) 資金運用部で国債を引き受けますときにも国債の発行条件というのは、これはもう御承知のような形で市中との間で決まっていくわけでございますから、特殊な発行条件で資金運用部が引き受けるわけではございません。
 それから、後段の問題について言えば、これは赤字国債であろうと建設国債であろうと、資産として引き受ける立場から言えば金融資産でございますから、それが安全であり有利であればそれをもって足りるかと思います。
#106
○近藤忠孝君 それは要するに、まさしく経済の数学で見た場合ですね。しかし、大蔵大臣としてもっと大局的に見た場合に問題がありはしないか。そういう点で大臣、矛盾を感じたことはありませんか。
#107
○国務大臣(宮澤喜一君) それは私はございません。
#108
○近藤忠孝君 私はそういうことまでやっぱり踏み込んで考えるべきだと思いますが、次に移ります。
 今度は逆に申しますと、資金運用部資金が引き受けた国債は当然一般会計の国債費によって償還される、要するにいわゆる財投の一般会計化現象というものが起きる、これはもう御存じだと思いますね。
 となりますと、やはりこれは財政民主主義という面から見まして問題ですね。ともかく一般会計も財投もごちゃごちゃになって、どこまでが一般会計でやるべきもの、どこまでが財投でやるべきものかがごちゃごちゃになってしまっている。そういう点での疑問なり問題はお感じにならないですか。
#109
○政府委員(窪田弘君) 毎年国債を資金運用部で引き受けます場合に、財投機関への運用、それから地方への運用、国債の引き受けというもののバランスをよく考えまして引受額を決めるわけでございます。臨調の答申にもございますように、この資金運用部の資金は国民の貯蓄性のお金であるから、余裕があれば国債の引き受けを拡大した方
がいいというふうな答申もいただいておりますので、ごちゃごちゃになるという趣旨がちょっと理解できませんが、一般会計は一般会計で御承知のように国債削減に努力をしているわけでございますし、私の方は運用先として適切なものということで考えております。
#110
○近藤忠孝君 私が指摘したかったのは、要するに、今利回りからいって有利な金融商品という面だけ見ればまさにそのとおりなんですが、そういう面だけではなくて、やはり国の財政の本当の実態を見て対処すべきではないかということを申し上げたかったわけであります。
 次に、簡易生命保険資金の関係についてお伺いしますが、まず、この簡保資金の運用の実態についてお伺いします。特に、既に外国債の購入などもやっておりますが、その実態、その中身ですね。
#111
○説明員(内海善雄君) 先ほども申上げましたように、三分の一を財投機関への融資、それから三分の一を地方公共団体、それから三分の一を市場運用というふうな形で大体行っておりますが、特に外国債につきましては、昭和六十年末現在におきまして、残高として外貨建て外国債が約八千億円、それから円貨建て外国債が二千億円というようなところを運用しております。
#112
○近藤忠孝君 私の手元へ来ている資料ですと、外国債一兆四千六百四十九億円、構成比で四・七%ですね。この中身は、これはどんな外債を買っているんですか、アメリカの国債なんか入っていますか。
#113
○説明員(内海善雄君) 今先生のお持ちの数字はもっと新しい数字ではないかと思いますが、運用先といたしましては、簡保の場合、現在、簡保・年金資金の運用に関する法律がございまして、外国政府、地方公共団体あるいは国際機関というふうなところに運用ができることになっておりまして、大半は米国、それからカナダ、今申し上げましたのは米ドルという意味でございます。米ドル、カナダ・ドルあるいはマルク、ポンドというようなところへ運用しております。
 今のは通貨、ベースでございますが、運用先ということで申し上げますと、カントリーリスクの少ないといいますか非常に安全なところの国々の、今申し上げましたような政府だとか、機関とかいうようなところに運用しているわけでございます。
#114
○近藤忠孝君 今の答弁からもアメリカの国債なども含まれるようにお聞きしますが、それで今度のこの法改正、先ほども議論がありましたけれども予定されていまして、社債及び外国債の保有制限の緩和で今までの百分の十を百分の二十に拡大する、それからさらに運用対象の範囲として金銭信託などもふえていますね、大体そのとおりですね。
#115
○説明員(内海善雄君) おっしゃるとおりでございまして、今大変金利が下がっておりますので、簡易保険あるいは郵便年金の加入者の利益を守るためには高利回りの運用をやらなきゃいけないということで大変苦労しておるわけですが、外国の金利が国内の金利よりも非常に高いところがございまして、そういうところへ運用しますと、為替リスクということはございますが、その為替リスクを考慮しましても、国内よりもより有利な運用ができるという場合がございます。そういうところを活用しまして有利運用を図ろう、そういうことを考えますと、先ほど申し上げました外国債の場合に、政府の発行する国債のようなものよりは企業が発行する外債の事業社債の方が利回りが高こうございますから、そういうところへも運用ができるようにしなければならないというようなことで今度法律改正等をお願い申し上げているところでございます。
#116
○近藤忠孝君 大蔵省に質問しますが、大体この簡保資金の後追いを資金運用部がやっている形ですね。今の外債も――首振ったってそうじゃないですか、外債だって、そうですね。私、一度これをやってしまいますと、今度、さっき十分の一の話があったけれども、簡保の方は既に十分の一から十分の二と倍になっておるし、それから民間資金までもというぐあいに拡大しておるんですね。私は、恐らく資金運用部も、簡保の後を追って一たび始めたらだんだんそういう方向に向かっていくんじゃないかと思うんですが、そういうことは絶対ありませんか。
#117
○政府委員(窪田弘君) 資金運用部資金法の七条に資金運用部資金の運用先は非常に限定列記されております。例えば、特殊法人でも民間の出資が入っているものには貸せないということが法律上はっきりしております。こういうものは時代に合わないので見直すべきではないかとか、そういう御意見、御批判もあるわけですが、私どもとしては、開銀を通すとか、政府保証債を出していただくとか、現行法の範囲内で当面はやっていただきたい。その辺は中長期的な今後の検討課題であると思っておりますが、どうしてもそういった点で対応できない外国に対する資金供与のようなものは今回お願いをいたしているわけでございます。
#118
○近藤忠孝君 国債のさっきの話もそうですけれども、有利な運用という形ですと、やはり今の簡保の関係で答弁あったようにだんだん広がっていくんですよね。恐らく外債などを資金運用部でやれば、やはり有利な方にという形で簡保と同じような形で進んでいくんじゃないか。今の法律上の限定があるといいましても、そのときはその限定を取っ払うために改正案を出してくるとかということはあり得ると思うのです。だから、一たびそういう方向へ進んだらまさしくその方向へ進んでいくのがやっぱり一つの経済原理じゃないかと思うんですが、その点どうですか。
#119
○政府委員(窪田弘君) 資金運用部資金法一条にありますように、確実、有利、そして公共的な目的に充てるということでございますから、やはり時代のそういう要請が出たものに対応していくというふうなことで、今どういうふうになるということをちょっと断定的にお答えはいたしかねると思います。
#120
○近藤忠孝君 じゃ、私が指摘したような問題はやっぱり生ずると思いますね。
 それから次に、預託金利の自由化とともに、郵貯と年金資金の自主運用を認めることになったんですが、これは資金運用部資金の一体的運用という観点からいってどうなんでしょうか。
#121
○政府委員(窪田弘君) そういう観点がありますので私ども今まで余り踏み切れなかったわけでございますが、片やいわゆる長期運用法という、長期運用はやはり全体まとめてレビューし得るような形で国会にお諮りする。そういう原則もございますので、今回関係省と協議をいたしましたのは、一たん資金運用部に預託をしていただいて、その上でいわゆる自主運用に充てる分と財投に充てる分との配分を十分検討さしていただいて、その自主運用に充てる分をそれぞれのその衝に当たる機関に貸してやっていただくという、統合管理の建前はやはり継続をさしていただくという考え方をとっております。
#122
○近藤忠孝君 次に、資金運用審議会の点ですが、今後は今まで以上に重要になってくると思います。この点も先ほど来議論があったように、拠出者の代表的な者を入れるということもこれは賛成です。ですから私は、後で出てくる附帯決議でもその部分がありますが、これには賛成ですが、ちょっとほかの部分は賛成できないので、残念ながら附帯決議には賛成できません。
 もう一つの問題は、審議内容が非公開で何が審議されているか国民にはわからないんですね。だから、拠出者の代表を入れると同時に、やっぱり運営の民主化と審議内容を公開すべきだと思いますが、これ大臣どうでしょうか。
#123
○政府委員(窪田弘君) 審議会の委員は学識経験者をもって充てる、こうなっておりますので、やはり特定の立場の代表に参加していただくという点には問題があろうかと思います。
 ただ、年金の場合は、その年金のお立場というのが非常に重要でございますので、資金運用審議会にしかるべき方に参加していただくほかに、年金資金懇談会というものを設けまして、そこで御意見を伺うようにいたしております。
 また、議事の公開については、これは各審議会共通のところでございますが、やはり自由にいろいろ意見をおっしゃっていただくという観点から、これは公開は適当でないものと思っております。
#124
○近藤忠孝君 この外債への運用の問題についてまた別な角度からお伺いしますが、私は、先ほど申したとおり、利回りさえよけりゃ何でもいいというものではないと思うんですね。その関係で一体何を買おうとしておるのか、その点どうですか。
#125
○政府委員(窪田弘君) 今のところ具体的にこれに運用するということをここで申し上げられるぐらい話はまだ進展しておりませんが、例えば世銀の債券等に運用するようなことになるのではないかと思っております。
#126
○近藤忠孝君 これはさっきの簡保と同じように、アメリカの国債も当然含まれてくると思うんですね。その関係で、私はこういうことは問題だろうと思うのは、現に、日本の金が大量に外国の特に証券の購入に充てられていますよね。
 これはNHKの「経済大国の試練」というところでの指摘ですが、ジャパニーズマネーは一時のオイルマネーにも劣らない勢いで今世界じゅうを駆け回っている、それが不動産とか企業に投資されるのはわずか八%程度、海外に投資される日本の資金のほとんどが証券投資、とりわけアメリカの国債を八五年度だけで日本は四百億ドルも買い込んでおる、アメリカの財政赤字の五分の一に当たる巨大なものだというんですね。アメリカのこの赤字の原因は軍拡ですから、結局、日本の資金がアメリカの軍拡を支えているんじゃないかと思うんですよ。そうなりましょう、計算上。そして、それにさらに今度資金運用部資金の資金がどの程度かわからぬけれども加わりますと、まさにそれを促進しやしないかと思うんですが、これひとつ大臣の立場からお答えいただきたいんですね。零細な資金までをアメリカの軍拡の財源に使うということはとんでもないことだと思うんですね。大臣からひとつ、それは局長答弁できないから。
#127
○国務大臣(宮澤喜一君) 今近藤委員の言われました論理には私はにわかに賛成をいたし。ませんが、運用につきましては十分注意いたします。
#128
○近藤忠孝君 注意はよろしいんですが、ただ事実上、今言ったことになっていやしないのか。
 と申しますのは、海外の証券を買うというのは一つの流れでありますね。しかし、私はこれを野放しにしていいものじゃないと思うんですよ。あるときにはチェックしないといかぬ場合も私はあると思うんですね。そういう場合に、国が同じように買っておったら、それは民間の資金でアメリカの国債を、さらに軍拡がもっと進んでそれをさらにもっと倍率を多く、場合によっては半分ぐらい買っちゃうことになったら、それこそ私は国際的大問題だと思いますね。そんなことに対するむしろチェックをしなけりゃならない立場の政府が資金運用部資金の投入という形でそれを買ったならばチェックできないんじゃないか、あるいは指導できないんじゃないか、こういうことをこれは自民党政府の立場に立って心配してあげているんです。どうですか。
#129
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど、まだ運用先を考えておりませんけれども、例えば世銀債というようなことを申し上げました。そういうあたりがきっといいところではないかと思うんでございますね。余り一国といいますか、特定の国にということよりは、そういう世銀のようなところでございますと、今おっしゃいましたようなこと、私はその論理そのものにすぐ賛成を申し上げておるわけではございませんけれども、そういう批判を受けることもございませんし、よく運用には注意いたします。
#130
○近藤忠孝君 そうすると、アメリカの国債などは金利が高くても買わないということですか、避けるということは。
#131
○政府委員(窪田弘君) 将来ずっと買わないかどうかはちょっとあれでございますが、今のところそういうことを具体的に考えているわけではございません。
#132
○近藤忠孝君 もし買えば、私はそのときにはさらにでかい声で今言ったことをやっぱり言わざるを得ないということをここで指摘をしておきたいと思うんです。
 ちょっと話が外れますが、この間の大臣の演説ですね、本会議の演説を聞きまして、大臣所信に対してはまた別の機会に質問を申し上げますが、私、奇異に思いましたのは、総理大臣から大蔵大臣から、それから経企庁長官から、全部すっと聞いておったけれども、経済の空洞化という言葉が一言もだれからも出てないんです。中曽根さんが言わぬのは、売上税さえ言わない方だからこれはもう仕方がないと、そうかもしれぬけれども、宮澤さんなりあるいは経企庁長官が言ってもしかるべきだと思うんです。まさしく今日本経済の空洞化というのは急速に進んでおるし、その被害がもうどんどん出ておるし、大変な事態ですね。
 なぜそれについて触れることをしなかったのか。私はその理由がやっぱりあると思うんです。要するに触れられない。これは事実を直視してないんではないんだと思いますが、触れられない理由としては、これは六十一年十二月一日経済審議会経済構造調整特別部会の中間報告です。それによりますと、いろいろ指摘した後、「現状を「産業の空洞化」ととらえて、産業構造調整をおくらせるべきではなく、積極的な対応を図っていく」要するに現在の空洞化を是認し、むしろ促進していくというのが政府の立場であるので、空洞化などという言葉は禁句になっているんじゃないかと私は思うんですが、その点どうでしょうか。
#133
○国務大臣(宮澤喜一君) それは余り一般化しては私は言えないと思うんでございますね。つまり我が国から周辺の新興工業国と申しますか、そういうところへなるべくなら渡していく方がお互いのためにいい種類の二次産業もございますし、それからそうでなくて、急速な円高のためにもうやむを得ずというようなケースもございますし、いろいろ私はあると思うんでございます。
 前者でございますと、ゆっくり時間をかけてそういう移動が行われることは好ましいと思いますが、後者はやはりなかなか問題があろうと思いますので、一概にそれが好ましいこと、好ましくないことだということは私は言えない。どちらかと申しますと、非常な急激な円高ではございましたが、余り経営者が急いでこれはもう日本を脱出しなければならぬ、場合によってはアメリカへまでというような、そこのところはやはり政府としては十分注意をしていなければならない点ではないかと思っております。
#134
○近藤忠孝君 終わります。
#135
○栗林卓司君 この資金運用部資金法の一部を改正する法律案が成立をしますと、速やかに預託金利の見直しが私は行われるものとまず期待をいたしたいと思います。恐らく預託金利というのは国債の表面金利、現在は五%でありますが、それに著しく接近した内容ではあるまいかと思います。
 これは先ほど私聞いたんですが、三月の十六日は確定申告の締め切りでありまして、その納税に今中小企業は追われているんだそうであります。ところが、政府関係機関は基準金利がまだ変わっていないものですから、貸し出しに非常に苦労している。そこで担保を設定しようとしましても、今なかなかに登記所が混んでいるそうでありまして、もう三月第一週、遅くも第一週には預託金利を改定し、あわせて基準金利の改定まで持っていってくれないと大変なんだということを聞きまして、どちらにしても、法律が通ったからには早く見直してもらいたいということに尽きるわけでありますが、こういう実態を御存じだったんでございましょうか。とにかく法案が成立をしたら、いかに可及的速やかに預託金利の見直しをしていただけるのか、お尋ねしておきたいと思います。
#136
○政府委員(窪田弘君) 法案を議決いただきましたら、可及的速やかに金利の改定に取りかかりたいと思っております。
#137
○栗林卓司君 今私は、預託金利は恐らく国債の
表面金利に著しく接近した内容になるのではあるまいかとしゃべったんですが、果たしてそうかどうかは疑問なんですね。
 そこでお尋ねをしたいのは、法案を見ますと、国債の表面金利、もしくは市場金利に合わせて預託している事業の健全な発展を考えながら預託金利を決めていくという内容になっておりますね。話を図式的に単純にしますと、国債の表面金利プラスアルファの預託金利にしていくんだということだろうと思うんですが、今度は外国債を含めて運用対象を広げられましたが、この国債の表面金利に対してどの程度のプラスアルファが積めると目算を立てておいでになるんだろう。それはもうとてもじゃないけれども、低金利時代にそんなこと言っても無理だとなりますと、それは、まあ金利自由化時代ですから、国債の表面金利は、国債の金利そのものが市場の実勢追随でありますから、それでいくしかないんだということは一つのお答えなんですが、そうなりますと、では一体、預託している事業の運用をどうするかと。これはそれぞれの判断と危険負担においてやっていただくのが一番いいのかもしれませんですね。
 したがって、これまでは統合管理という格好でまとめておりましたけれども、これからもそういったことをやっていけるんだろうか。自主運用でいけるんだったらやってもらった方がいいのではないか。また、外国債といいましても、なるほど利回りが結果として高い場合もありますけれども、やはり、ハイリターン、ハイリスクでありまして、ハイリスクの部分をどうやって排除していったらいいんだと。さしあたって、外国債にまで運用対象を広げられる御予定の法案改正でありますが、では、このリスクの排除をどうやってしておいでになるおつもりなのか、あわせてお伺いしたいと思います。
#138
○政府委員(窪田弘君) リスクの排除は、国が直接ハイリスクのものに運用するのもいかがかと思いまして、年金福祉事業団でありますとか簡保事業団をワンクッションとして入れていただくように仕組んでおります。
 今の御指摘の中でありましたように、中小企業等の現状を考えますとできるだけ早く、できるだけ大幅に引き下げる、またそういう要請が強いわけでございますが、片や預託者側から申しますと、いろいろまた違った意見もございます。そこで、何と申しましても、国債の表面金利を話し合いの出発点としてまいりたいと思っておりますが、また一面、公定歩合が史上最低の二・五というところに急速に下がってまいるという激変緩和的な問題もございますので、まあその辺考え合わせてどうなるかということでございますが、御指摘の今度は借りる方の立場も私ども十分頭に入れなければならないと思っております。
#139
○委員長(井上裕君) 栗林君、いいですか。
#140
○栗林卓司君 はい結構です。
#141
○委員長(井上裕君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#142
○委員長(井上裕君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#143
○近藤忠孝君 私は日本共産党を代表して、ただいま審議されております資金運用部資金法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 第一に、資金運用部資金は、第二の予算といわれる財政投融資計画の原資の大宗を占め、今日その残高百七十兆円にも及ぶ、巨大な国の銀行であります。資金運用部資金は法の定めるところにより、郵便貯金や国民年金、厚生年金の積立金その他の貴重な資産を預かり、これを統合管理し、確実かつ有利な方法でこれを配分し、もって公共の利益の増進に寄与することが求められているのであります。
 さて預託金利は、この資金運用部が資金を預かる際の金利であり、いわば郵便貯金金利と政府系金融機関の貸出金利を結ぶ重要な政策金利であります。一方において金融の自由化、国際化のもとで、貯金の目減りを防ぎ、高い水準の金利を維持しなければならず、また年金資産の運用利回りをできる限り高めなければならないという要請があり、他方において、政府系金融機関の貸出金利を政策的に引き下げなければならないという要請もあり、預託金利はそれらの諸要請を勘案し、広く国民経済全体の観点から決定されなければならないのであります。この点から言って、法定制を廃し政令に委任することによって、預託金利を市場の自由金利に連動させ、行政当局が勝手に決めるという今回の改正案には、賛成できないのであります。
 政府系金融機関の金利の引き下げは、一般会計から補給金を支出することにより、預託金利の引き下げなしにも可能であります。さらに抜本的には、我が党が主張するように産業投資特別会計を全面的に改組し、これを国民生活特別会計に改め、これまでの輸・開銀への出資を引き揚げるなどの財源措置をとり、これを住宅、中小企業など国民生活に真に必要な分野に配分するならば、それらの分野の貸出金利は十分引き下げることは可能なのであります。
 本法案の第二の問題は、資金運用部の運用先として新たに外国政府や国際機関、それに外国の特殊法人を加えたことであります。資金運用部資金法第一条には同法の目的として、資金を統合管理し、それを確実、有利な方法で運用し、公共の利益の増進に寄与すべきことがうたわれております。国内においても住宅その他生活基盤など緊急に必要な分野に充分な資金が不足している今日、外国の政府や法人への運用がどうして必要なのか、公共目的にも反するものと言わざるを得ないのであります。政府は経済協力の観点から必要と言っておりますが、専らアメリカの核軍拡を主要原因とする財政赤字の穴埋めに協力させられるだけであります。さらにドル暴落の可能性も否定できない今日、運用部資金の巨額の外債保有は、資産の確実性の観点から見ても極めて問題があることを指摘せざるを得ないのであります。
 以上が私が本法案に反対する理由であります。
#144
○委員長(井上裕君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#145
○委員長(井上裕君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。資金運用部資金法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#146
○委員長(井上裕君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、赤桐操君から発言を求められておりますので、これを許します。赤桐操君。
#147
○赤桐操君 私は、ただいま可決されました資金運用部資金法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    資金運用部資金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について十分配慮すべきである。
 一、本法律施行に伴う預託金利引下げに当たつては、現下における中小企業等の経営環境に配意して、早急に措置すること。
 一、郵便貯金の金融自由化への対応施策並びに国民年金・厚生年金積立金の財源の強化のだめの事業については、その充実に努めること。
 一、預託金利の決定に係る資金運用審議会の運営に当たっては、郵便貯金の預金者及び年金掛金の拠出者の意見が反映されるよう配意すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ皆様の御賛同をお願いいたします。
#148
○委員長(井上裕君) ただいま赤桐操君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#149
○委員長(井上裕君) 多数と認めます。よって、赤桐操君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、宮澤大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。宮澤大蔵大臣。
#150
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま資金運用部資金法の一部を改正する法律案につき、御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして十分配意いたしてまいります。
#151
○委員長(井上裕君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#152
○委員長(井上裕君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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