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#1
第108回国会 地方行政委員会 第4号
昭和六十二年五月二十五日(月曜日)
   午後一時二十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     野田  哲君     山口 哲夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松浦  功君
    理 事
                出口 廣光君
                増岡 康治君
                佐藤 三吾君
                抜山 映子君
    委 員
                岩上 二郎君
                加藤 武徳君
                海江田鶴造君
                金丸 三郎君
                久世 公堯君
                沢田 一精君
                田辺 哲夫君
                高橋 清孝君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                片上 公人君
                神谷信之助君
                秋山  肇君
   国務大臣
       自 治 大 臣  葉梨 信行君
   政府委員
       警察庁長官官房
       長        新田  勇君
       自治大臣官房長  持永 堯民君
       自治省行政局公
       務員部長     柳  克樹君
       自治省財政局長  矢野浩一郎君
       自治省税務局長  津田  正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹村  晟君
   説明員
       人事院事務総局
       給与局研究課長  佐藤  信君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和六十二年度における地方公務員等共済組合
 法の年金の額の改定の特例に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○公共事業費の国庫補助負担率の引下げ措置反対
 に関する請願(第一五号)
○公共事業費の国庫補助負担率引下げ反対に関す
 る請願(第六七号)
○暮らしと福祉を守る地方自治に関する請願(第
 一三七号外二八件)
○地方財源の安定確保に関する請願(第九七三号
○医療法人に係る課税特例措置の存続に関する請
 )願(第三一二一号外三件)
○重度身体障害者に対する地方行政改善に関する
 請願(第六三五一号外三一件)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松浦功君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十一日、野田哲君が委員を辞任され、その補欠として山口哲夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(松浦功君) 昭和六十二年度における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。葉梨自治大臣。
#4
○国務大臣(葉梨信行君) ただいま議題となりました昭和六十二年度における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 この法律案は、地方公務員等共済組合法に基づく退職共済年金等につきまして、別途本国会において御審議をお願いしております児童扶養手当法等の一部を改正する法律案における厚生年金及び国民年金の改定措置に倣い、年金の額の改定の措置を講じようとするものであります。
 その内容といたしましては、地方公務員等共済組合法に基づく退職共済年金等につきまして、昭和六十年の消費者物価指数に対する昭和六十一年の消費者物価指数の比率を基準として、昭和六十二年四月分以後の年金の額を改定することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び内容であります。
 なお、この法律案につきましては、衆議院において、施行期日について、「昭和六十二年四月一日」を「公布の日」に改める修正が行われております。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(松浦功君) 以上で趣旨説明の聴取を終わります。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○渡辺四郎君 まず第一点は、障害基礎年金についてお伺いをしたいと思います。
 新制度発足によりまして六十一年の四月一日以降、障害等級の一級、二級に認定された方と、新制度発足前、つまり六十一年の三月三十一日までに同じ一級、二級に認定された者との間に不均衡が生じています。それは、新制度の障害基礎年金は公務員で在職中であれば給料とそれから障害年金が併給される。これは確かに新制度の中の前進面であります。ところで、旧制度は障害年金は御承知のとおり共済年金でありますから、在職中は支給をされない制度となっています。障害基礎年金支給額は、一級であれば現在が七十七万八千五百円、それにプラスの子供への加算、それから二級が六十二万二千八百円プラスの子供への加算となっていますので、次の点についてぜひお聞きをし、お願いをしたいと思います。
 それは、旧制度の適用の障害年金権を持つ在職公務員に対し、障害基礎年金を支給し不均衡を是正すべきだと思います。
 そこで、私の考えとして方法を提起してみたいと思うんですが、制度的には支給は基礎年金勘定から負担をすべきだというふうになっておりますが、各共済とも該当者も余り多くなく、財源的にも大した額ではないようですから、負担についてはぜひとも共済と十分な協議をなさっていただけば、共済も同意をしていただけるのではないかと思いますので、早急にひとつ法律改正を行って実施をしていただきたいと思います。これについてどのくらいの検討期間が必要なのか、そこを含めてひとつ御見解をお伺いしたいと思います。
#7
○政府委員(柳克樹君) ただいま御指摘の点でございますけれども、基礎年金制度と申しますのは、御承知のように自営業者から主婦、それから公務員、民間サラリーマンすべてが対象になっておりまして、そういう性格からも障害年金につい
ては直ちに、障害が発生する、それで障害年金の給付要件を具備すれば支給される、こういう仕組みになっております。
 一方、共済年金はすべての共済年金について同じでありますけれども、給与をもらっている間、これは年金の費用を負担するという立場から年金は支給停止にするというふうな考え方でございまして、共済年金はいわば稼得能力がなくなってから支給する、こういう考え方でございます。
 したがいまして、ただいま先生御指摘のような点が格差として出てきておるわけでございますけれども、これはむしろ共済年金とそれから基礎年金との性格の違いということで御理解いただかなければならない問題ではないかと思います。したがいまして、直ちに先生御指摘のような方向に改正するということはいかがかというふうに考えております。
#8
○渡辺四郎君 そうしますと新制度の中で障害基礎年金、先ほど申し上げましたが、これによりますと在職中の公務員でも支給をされるわけですね。旧制度で認定をされた方については共済年金ですから支給をされない。その矛盾があるということは政府の方も御承知でしょう。
#9
○政府委員(柳克樹君) 矛盾と申しますか、先ほど申しましたように基礎年金制度とそれから職域といいますか、共済年金グループの制度の仕組みの違いであるというふうに考えております。
#10
○渡辺四郎君 後ほどまとめて申し上げますが、それじゃ二つ目に、私はやっぱりいま一つ矛盾があるのではないか。それは、障害基礎年金の取り扱いの制度発足で、これは要望しておきたいと思うんですが、そういう仕組みの違い等もあるようですけれども、いわゆるみなし退職による従前保障額に係る問題、これは調整によって加給年金相当額がカットされる問題が生じてきたわけです。従前の額が保障されるという立場で退職組合員の皆様たちは期待を持って退職をしたわけですが、これが打ち切られるということになりますと期待権を裏切ることになるわけです。同時に、やっぱり組合員の中にカットされる者とカットされない者とが生じてまいりまして、これも明らかな矛盾ではないかという気がいたしますから、これについてはひとつ改善方を強く要望しておきたいと思います。
#11
○政府委員(柳克樹君) 加給年金額の調整の問題でございますけれども、これも実は加給年金額というものは新しい制度としてできた、共済年金としては新しいものとしてできてきたわけでございますが、この際に、新制度発足後に年金をもらえる人についてはその加給年金額が制度内の調整の問題として、あるいは制度間の調整の問題といたしまして、その分をカットされるということになっております。要するに、本人年金のほかに配偶者が仮に年金をもらっておる場合には配偶者を対象とする加給年金額というものは調整しよう、こういう考え方でございまして、そういたしますと、そういう人たちと従前額保障を受けた人たちの年金をどういうふうに考えるかという場合にも、要するに新しく発生した年金で従前額のみなし年金額を保障されている人、その人については、やはり加給対象分というものは制度内の調整という意味からカットといいますか、調整せざるを得ないというところをぜひ御理解をいただきたいと存じます。
#12
○渡辺四郎君 どうも私の申し上げるのが不十分な点があるかもしれません。
 次は、職域年金相当部分の見直しについてお伺いをしてみたいと思うんですが、まず人事院の方にお尋ねをいたします。
 職域年金相当部分の乗率の千分の一・五については、御承知のように今日まで国会の附帯決議やあるいは国会での政府からの答弁から見まして調査なり検討がかなり進められておるというように思うわけですが、その進展している状況を含めて期間としては大体具体的にいつごろまでに結論が出る予定にしておるのか、六十二年中に終わるかどうかお伺いをしたいと思います。
#13
○説明員(佐藤信君) 職域年金制度につきましては、ただいまお話にございましたように、人事院といたしましても公務員制度の一環といたしまして極めて重要なものであって、適正な制度を維持していくことが必要であるというふうに考えているところでございまして、そこで、御指摘の職域年金部分の水準等のあり方につきましてさきの国会においてなされました附帯決議の趣旨なども踏まえまして、関係機関の御協力を得ながら現在調査研究を進めていくこととしておりまして、既に昨年から民間の企業年金の調査でございますとか、主要な諸外国の年金制度の調査などに着手しているわけでございます。
 さらに、今後共済年金制度の改正が退職公務員に対してどんな影響を及ぼすであろうかとか、あるいは企業年金のさらに詳しい実額面での調査など幅広い検討をしていく必要があるというふうに考えております。また各方面の御意見等も広く聴取をしながら研究を進めていく必要があるのではないかというふうに考えておりますので、ただいま御質問の結論が出るまでには、もう少し時間をいただきたいというふうに思っておりまして、今の段階ではいつごろというふうなことについて申し上げる段階には至っておりませんけれども、御指摘がございましたように、附帯決議が付されましたその経緯等も十分念頭に置きまして、作業を進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
#14
○渡辺四郎君 今ありましたように、国会の附帯決議等もありますし、一時は六十二年中にと、ところが国会の議事録を読んでみますと、人事院の方は何か六十二年度中といった発言があったかのように書かれておりましたけれども、やはり一定のめどは立てるべきではないかというふうに思いますが、もう一回ひとつ期間の問題、六十二年中に終わるのかあるいは六十二年度中に終わるのか、そこらをひとつできたら明確に聞かせていただきたい。
#15
○説明員(佐藤信君) 先ほど申し上げましたように、職域年金部分のあり方につきましては、かなり私どもとしても人事院としての意見を申し上げるためには詳細な調査研究が必要であるというふうに考えておりますので、先ほど申し上げましたように今の段階でいつまでというふうなことを申し上げるまでには至っておりませんけれども、附帯決議が行われたその経緯等は十分私どもも承知をいたしているところでございますので、その点を頭に置いてできるだけ早く結論が出るように進めてまいりたいというふうに思っております。
#16
○渡辺四郎君 それじゃ、ぜひ要望しておきたいと思うんですが、できるだけ早い時期にひとつ結論を出していただきたい。これはそういう質問を申し上げております私自身、我が党は本案については賛成の立場でありますが、若干の疑問点があるものですから内容をお聞きしておるということを申し上げておきたいと思うんです。
 では、次の三点について進行状況なり考え方なりについてお伺いをしたいと思うんですが、まず第一点は、共済年金の年六回の支給の見通しと経過についてどの程度検討が進められているか、まずお伺いしたい。
#17
○政府委員(柳克樹君) 御承知のように現在年金は三カ月に一回、年四回ということになっておりますが、これは従来二月から支給を始める組と、それから三月から支給を始める組など、公的年金全体が必ずしも統一されていなかったという実情がございます。先般の大改正に際しまして共済年金につきましても、同じ年四回ながら基礎年金制度と同様の支給月二月から三カ月置きに支給するというふうに改正をいたしたわけでございます。そういう意味での一つの進歩といいますか、簡素化を図ったわけでございますけれども、今回、ただいま先生御指摘のように、旧国民年金につきまして年六回の支給ということに改められるようでございますが、これを契機といたしまして、やはり公的年金全体の問題として支給回数はできるだけ多い方がいいということで検討しなければいけないと考えております。ただ、この支給回数がふえるということは、すなわち事務がそれだけ煩雑
になる、ふえるということでございますものですから、そういう事務処理の問題も含めて、なおいろいろと検討を進めなければいけないというふうに考えております。
#18
○渡辺四郎君 じゃ、次に大臣にひとつ見解をお伺いしたいと思うんですが、今日まで恩給と共済年金のスライドの率の不均衡是正について、いろいろと議論されてきた経過もあると思うんです。そしてまた、多くの退職者の皆さんからもあるいは現役の皆さんからも国会請願等も出されていると思いますが、今提案理由の説明がありました。年金改定問題についての率は、恩給の場合が二%で、これは国家公務員の給与改定に準じて、共済の場合は厚生年金なり国民年金と同じように○.六%の物価上昇率となっていますので、このまま放置をすれば毎年毎年の年金改定の基礎額の差がどんどんどんどん開いていくのではないか。
 ここで、私ちょっと例として計算をしてみたわけですが、今改定される前、いわゆる六十一年度に共済年金もそれから恩給も年支給額が二百五十万と実は仮定をいたしまして、そして今度の法律案の改定どおり恩給が二%で共済年金が〇・六%、今後五年間同じ率で例えば改定をしていった、六十六年になりますが、そうしますと、今現在は二百五十万の同額の年金を恩給の方も共済年金の方ももらっておる。ところが五年先になりますと、六十六年になりますと、恩給受給者の方は基礎額が二百七十六万円になります。共済年金の方は二百五十七万五千円、何と基礎額で十八万五千円の差が実は出てくるわけです、いわゆる改定の率の違いによって変わっていくわけですから。そういうこともありますし、それから私の方に請願もたくさん見えておりますが、ことしの一月一日から老人保健法が改正をされました。医療費の一部負担も強化をされるというようなこともありまして、いわゆる年金受給退職者の皆さんたちの生活も非常に圧迫をされておる、こういう御要望が実はたくさん来ておるわけですが、なぜ恩給並みの改定ができないのか。心配をするのは、逆に言ったら恩給そのものも物価スライドの方にアップ率を引き落としていくというような動きも一部にあるようですから、そうでなくて、やっぱり公務員の給与改定並みに引き上げてそういうアンバラをなくしていかなきゃいけないんじゃないか。ぜひひとつこのことについて大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#19
○国務大臣(葉梨信行君) 共済年金の年金額の改定方式につきまして昭和六十年の公的年金制度の改革が行われましたが、このときに基礎年金制度が創設されたわけでございます。共済年金制度におきましてもこの基礎年金制度が導入されて、それまでの恩給の年額改定に準じた方式を改めて、基礎年金及び厚生年金の年金額の改定方式に準じた消費者物価上昇率を基準といたします自動改定方式に変更したわけでございます。今回、基礎年金それから厚生年金及び国家公務員共済年金につきましては、昭和六十一年度の消費者物価上昇率を基準といたしまして〇・六%の改定を行うこととなったわけでございます。そこで、地方公務員共済年金につきましても、公的年金制度全体の整合性から見まして、これと同様の改定を行うことが適当であろうと考えたものでございます。地方公務員共済年金だけ公務員の給与改定に合わせた改定を行うということはいかがかと、困難であろうと考えるわけでございます。
 そして、賃金の変動と差が出てくるじゃないかと、こういう御質問でございますが、賃金の変動を年金改定の要素とすることにつきましては、昭和六十年の制度改革の折に国会におきまして法案修正がなされまして、少なくとも五年に一度の財源率の再計算時において検討することとなるものと考えているところでございます。
 それから恩給とのバランスの問題でございますけれども、むしろ、さきの制度改革の国会審議の際にこういう決議がなされております。附帯決議がございます。「恩給制度についても、公的年金制度の改正をふまえつつ、検討を加えること。」ということがうたわれているわけでございます。そこで、スライドのあり方とかも含めまして、総務庁におきまして必要な検討が進められておるわけでございまして、そのようなことを踏まえて私どもとしては対応したいと考えております。
#20
○渡辺四郎君 それではあと、これは要望申し上げておきたいと思うんですが、今大臣おっしゃったように、六十年の四月十日付、社会保障制度審議会の方から総理あて、「公的年金制度に関する意見」ということで、今大臣からお話がありましたように、何か恩給制度そのもののスライドのあり方について検討せよというふうな意見が出されておりますけれども、そういうふうに社会保障そのものがどんどんどんどん後退をしていく、悪い方についていくということでなく、私は、やっぱり前進をする方向でぜひひとつ努力をしていただきたい。ですから、他の共済がいろいろありましょうが、やはり地方共済は先陣を切って、いわゆる恩給の、今のやっぱりスライドを守っていくという立場からも努力をしていただきたい。これはお願いを申し上げておきたいと思うんです。
 それじゃ時間がありませんから、第三点目は公的負担の四分の一のカットの返還問題です。
 これも今日までのいろいろの経過がありますので省略をいたしますが、これは具体的にいつごろまでにどのようにして返還をしていただけるのか、具体的にひとつお伺いしたいと思います。
#21
○国務大臣(葉梨信行君) 昭和五十六年十二月四日に施行されました行革特例法によりまして、昭和五十七年度から六十年度までの間で長期給付に要する費用につきまして、公的負担として払い込むべき金額が本来負担すべき金額の四分の三に相当する金額とするという減額措置が講ぜられているわけでございます。この措置の地方公務員共済組合に対します影響額でございますが、元利合計で約二千三百四十億円となる見込みでございます。この減額分につきましては行革特例法の規定によりまして、将来にわたる地方公務員共済組合の長期給付、財政の安定が損なわれることのないよう、国家公務員共済組合に対しまして国が講ずる措置に準じて、減額分の払い込みその他の適切な措置を講ずみこととされているわけでございます。そういう建前になっておりますが、現状は国の財政再建等の見通しが非常にまだ厳しく、立たない。こういうようなことから国の取り扱いについては明らかにされていないわけでございます。
 自治省といたしましては、今後国の状況を見ながら減額分の返還が適切になされるよう対応していきたいと考えております。
#22
○渡辺四郎君 ぜひひとつ努力をお願いしたいと思います。
 次は、共済の短期掛金率についてお伺いをしていきたいと思うんですが、現在共済以外の二つの健保と対応してみますと、共済の短期が本人負担が御承知のとおり五〇%、使用者負担が五〇%で、国庫負担がゼロ。それから政管健保が本人負担が四一・八%で使用者負担が同率の四一・八%、これに対しては国庫負担の一六・四%という負担がある。それから組合健保は本人負担が四三%、使用者負担が現在五七%。今も申し上げました中で、組合健保は御承知だと思いますが、これは労使双方の協議で決められていくわけですが、今組合健保の実態をお聞きしてみますと、組合側の要求としては三〇対七〇という目標でいろいろと努力がされておるようです。
 そこで、も尋ねをしたいのは、公務員の賃金関係というのは常に官民格差という指標で決められてまいりました。いろいろ退職金が高いのあるいは給料が高いのというようなことを常に言われまして、その多くがやっぱり公務員賃金の引き下げのために官民格差という言葉が使われてきたわけです。ところが、この共済の短期掛金率の状況を見てみますと、本人負担というのは公務員が一番高いわけです。これは私は逆の官民格差ではないか。ですから、ぜひこの格差を是正していただきたいと思うが、まず一点いかが考えておるのかお伺いをしたい。
 ついでに、時間がありませんから要望しておきますが、その中で、やっぱり本人負担を四〇%程
度に引き下げるということで、不足分は使用者または国庫負担として補ってもらいたいというふうに考えますが、大臣のその方面での努力、そしてひとつ取り組み方をお約束願いたいと思いますが、御見解をお伺いいたします。
#23
○政府委員(柳克樹君) 短期給付につきましては、ただいま御指摘のように五〇対五〇ということで使用者側とそれから職員側とで負担をしておるのでございます。こういう医療保険関係につきましては五〇対五〇というのが、いわゆる労使折半がいいのではないかという社会保障制度審議会の御意見などもありまして、なかなか難しい問題であろうかと考えます。
 共済組合の場合は、特に地方公共団体の使用者側として出すお金は税金という面もございまして、これをここでさらに使用者側の負担を多くするということについては、いろいろと難しい問題があるということを御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 なお、ただいま先生御指摘のとおり、政府管掌健康保険の掛金率は千分の四十一・五でございますけれども、実はこれは報酬全体でございまして、地方公務員共済組合の場合には給料、本俸だけが対象でございますものですから、四十一・五といいますのと、それから地方公務員共済組合における掛金率というものを直ちに比較するというのは若干問題があるということも、あわせて御理解をいただきたいと存じます。
#24
○渡辺四郎君 若干問題があるというのはどういうふうな問題があるか、私は深く分析をしていないわけでございます。先ほども申し上げましたように、いわゆる官民格差ということで、公務員の場合常に給与の引き下げ問題を含めてやられておるものですから、具体的にやっぱりこういうふうに官民で公務員の方が悪いというのが明らかになっておるわけですから、そういう点ではぜひひとつ本人負担の掛金率を、若干の問題はありましょうけれども、引き下げる方向で努力をしていただきたいということを最後にお願いをしておきたいと思うのですが、大臣からも今後の問題についての努力の御見解をお聞きをいたしまして、そういう点でこれで終わるわけですが、法案について賛成でありますから、今の意見をぜひひとつ生かしていただきたいということを最後にお願いをして終わらせていただきます。
#25
○国務大臣(葉梨信行君) 先生の御意見は承りまして検討させていただきますが、なかなか難しいなという感じでございます。
#26
○片上公人君 当法案についての質問の前にまずお聞きしたい点が、ございます。
 福岡県苅田町におきます住民税の問題につきまして、自治省はどう報告を受けられ、御指導されているかということ。十年余りにもわたっていたと言われておりますが、議会報告もあることであり、これは技術的に可能なことなのかどうか。また見込まれる収入額で地方交付税との絡みもありまして、地方財政的に見過ごしていたことにもなっておる。地方自治体の運営の長といたしまして、自治省の責任と大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
#27
○政府委員(津田正君) 苅田町におきます不正事件が発生したことは、まことに遺憾に存じておる次第でございます。自治省におきましては、苅田町における問題につきまして福岡県から事件の経緯、概要あるいは今後の対策というようなものにつきまして報告を受けているところでございますが、現段階で申し上げますと、事件が公に出た際、早速福岡県といたしまして、職員を現地調査に赴かせたわけでございますが、関係書類につきましては一部焼却され、残った部分につきましては検察庁に押収されておる、こういうような事態でございまして、なかなか実態把握につきましては、まだできるような状況でないわけでございます。関係者の記憶等によりまして町の助役等から口頭説明を受けた内容といたしましては、ある一つの特定事業所に勤めております従業員のうち苅田町内住民の者につきまして、全くの裏口座で処理をしておったと、こういうような状況でございます。
 自治省としましても、今後福岡県を通じまして速やかに事実を把握するよう努力いたす所存でございますが、また検察当局の捜査結果を踏まえまして、問題の所在を明らかにし、今後疑惑を招くような事態を引き起こすことのないよう、県及び町を十分指導してまいりたいと、かように存じておるわけでございます。
 もちろんのこと、町におきます財政運営の適正確保につきましては、議会あるいは監査委員制度というものがあるわけでございますので、このような制度の適正な運用をすることにより不正を防止するよう図ってまいりたいと、かように存じている次第でございます。
#28
○政府委員(矢野浩一郎君) 後段のお尋ねで、地方交付税の問題とも関連して財政運営の見地からのこの問題についてのお尋ねでございますが、ただいま税務局長からお答え申し上げましたように、今回の事件、現在検察当局において捜査中のものでございまして、関係書類等も押収されていることなどもございまして、事件の全容についてはまだ把握をしていない状況にあると、このように県の方からも聞いております。
 ただ、もしこのようなことが事実であるとするならば、まことにこれは異常な事件でございまして、地方公共団体に対する不信を招くということにもなり、まことに残念であり、遺憾に存じます。
 自治省といたしましては、市町村における財政運営につきましては、当該団体の議会なりあるいは監査委員等の自律機能がより一層十分発揮されますよう、都道府県を通じて適切に指導してまいりたいと存じます。また地方交付税につきましては、このようなことが事実であれば、いずれにしても、交付税の内容について作為等を加えて不正にこれを受けたというような場合には、これに関する所要の規定が整備をされておるところでございます。もし、事件の全容が明らかになった時点において、その法令の規定に照らして必要な点があれば、この規定に基づき適切に対処をしてまいりたいと存じます。
#29
○国務大臣(葉梨信行君) 今事件は検察当局によって捜査中でございますので、事実がはっきりするまで申し上げるべきではないと思いますが、そのようなことが実際にあったとすれば、まことにもう想像外の事件でございまして、遺憾きわまりないところでございます。
 そしてこれがはっきりした段階で、今財政局長、税務局長から御答弁申し上げたような措置をとっていくつもりでございますが、制度の問題というよりは、私はやはり人の問題ではないであろうか。そういう意味で厳しく、事件の全容が解明された段階で指導をしていきたいと考えております。
#30
○片上公人君 次に、今回の特例法につきまして地共済法上の、物価上昇率五%を超えるとき、これに見合って改定するという自動物価スライド制を停止したことにこれはなりますけれども、この特例法の必要性は何かということをお伺いしたいと思います。
#31
○政府委員(柳克樹君) ただいま先生おっしゃいますように、共済組合法におきましては物価の五%の変動をもとに自動スライドをするという規定がございます。今般、消費者物価指数の上昇率というのは〇・六%でございますけれども、高齢者とか障害者に対して適切な配慮をするという観点、年金額の実質的な価値を維持する、そういうことのために特例法をお願いしておる、こういうことでございます。
#32
○片上公人君 地共済法の第七十四条の二と今回の特例法との関係はどうなっておるのかということ。改定するかどうか、あるいは全額スライドにするかなどということをその都度、毎年決めるのは年金制度としては非常に好ましいことではないというように思います。したがって、そういうことを考えますと、本法七十四条の二の五%の条項を再検討して本来の自動改定規定が正常に働くようにするべきであると、このように思いますが、この点について伺いたいと思います。
#33
○政府委員(柳克樹君) ただいま申し上げましたように、現在の仕組みでは先生も御指摘のとおり、物価の変動率五%をめどとして自動改定をするかどうかということを決めておるのが法律の仕組みでございます。この五%自体についてはいろいろともちろん御意見のあるところであると思いますけれども、例えば御承知のように給与の勧告の際が五%という数字が使ってあります。
 それから、言うまでもなく公的年金制度、厚生年金も含めまして五%というところで一応線を引いておるわけでございまして、その五%が適切かどうかということについては、やはりまたいろんな方の御意見なども聞きながら検討をすべきことであろうかと存じますけれども、当面の問題といたしまして〇・六%の物価上昇率に対応してこの七十四条の二の特例法をお願いしておる、こういうことでございます。
#34
○片上公人君 地共済法第一条の二では、「国民の生活水準、賃金その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、速やかに改定の措置が講じられなければならない。」とありますが、この規定は単なる訓示とか精神規定なのか、また具体的な意味を持つのか、またこの規定はいつの時点で、どのような方法で賃金見合いの年金改定をするのかということをお尋ねをしたいと思います。
#35
○政府委員(柳克樹君) 昭和六十年の年金制度改革におきまして、賃金の変動という要素が参議院の修正において入ったわけでございますが、厚生年金におきましてはその修正以前から国民生活水準などの著しい変動がある場合にはという規定がございまして、これなどをもとにいたしまして平均報酬月額の再評価ということをいたしております。私どもの方ではまだ六十年に改正をいたしまして間がないものですから、そういうことを行っておりませんけれども、財源率の再計算に際しましては、恐らく厚生年金等の扱いも見ながらこの平均給料月額の再評価ということも検討の対象にしなければいけないのではないかというふうに考えております。
#36
○片上公人君 先ほどの質問にもありましたのですが、六十二年度の恩給は二%の改定を行うと決まっておりますが、制度の経緯、沿革から、共済と恩給の引き上げ措置というのは基本的にこれは一致させるべきであると思います。従前額保障の年金を受けている人たちは、これはスライド停止措置によって今回の〇・六%の改定すらも対象外にされております。同じ期間を持ちながら恩給の方は二%であるのに余りにも不合理な現象であり、これは遺憾であると思いますが、御所見を伺いたいと思います。
#37
○政府委員(柳克樹君) 恩給との関係でございますけれども、その前に、まず現在の制度の仕組みを若干お話を申し上げたいと思うわけでございますが、六十年の年金制度の大改革に際しまして考えられたことは、官民における格差を是正していこうという点、それからだんだん高齢化社会が進んでまいりますと、世代間の格差是正、費用の負担をする側と給付する側との均衡を考えなければいけない、そういう観点で年金制度の大改革が行われたわけでございます。
 その際に、スライド制につきましても厚生年金制度と同様の先ほど来申し上げておりますような仕組みを取り入れたわけでございまして、その際に、制度の経過措置といたしまして従前額の保障ということを入れたわけでございます。したがいまして、あくまでもスライド制の対象といたしますのは、法律の本来の年金と申しますか、新しい制度による年金でございまして、このみなし従前額保障あるいは従前額の保障額というのは、いずれも制度間の経過措置だということで、むしろ制度の安定のために行われたものでございまして、これをさらにスライドいたしますということになりますれば、先ほど申しました制度改革の趣旨から考えまして、その改革の実施、実現する時期がさらにおくれるというような問題もあり、やはり経過措置であるみなし年金額等につきましてはスライド制を取り入れるというのは、非常に難しいかと存じます。
#38
○片上公人君 次に、旧国鉄の共済組合の昭和六十年度以降の財政調整につきまして、地共済だけに負担が及ばないように自治省は地方自治の擁護を堅持すべきではないかと思います。今日までの自治省の対応と大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#39
○国務大臣(葉梨信行君) 国鉄共済年金問題は大変苦しい立場に立っており、これに対してどう対処するか、もう累年政府部内でもいろいろ検討してきたところでございますが、昭和六十五年度以降の対応策につきましては、昭和六十年の十一月に政府統一見解が示されておりまして、その趣旨に沿ってこれから検討が進められていくものであろうと考えております。その際、この問題は極めて深刻でございまして、共済年金制度の中だけではなくて、公的年金制度全体とのかかわり合いの中で検討が進められるべきであろうと考えておるわけでございます。
 さらに、この検討を進める場合におきまして、自治省といたしましては、国の責任分担を明確にすることが先決であるという、地方公務員共済組合審議会の答申が昭和六十年四月八日に出されておりますけれども、この趣旨を踏まえて対応していく必要があろう、このように考えているところでございます。
#40
○片上公人君 地共済連合会には、いまだに公立学校共済組合と警察共済組合が加入しておりませんが、この公立学校共済組合と警察共済組合の連合会への早期加入につきまして、今後の見通しを大臣にお伺いしたいと思います。
#41
○国務大臣(葉梨信行君) 自治省といたしましては、地方公務員共済組合連合会が設立されました趣旨からいたしまして、公立学校共済組合並びに警察共済組合もできる限り早く同連合会に加入することが望ましい、このように考えております。この点につきましては、昭和六十年の年金制度改革の際の国会審議におきまして、当時の松永文部大臣からは、公立学校共済組合も連合会に加入する必要があり、精力的に関係者を説得し、協議をして連合会加入に向けて一層の努力をしていきたいという答弁がなされております。また警察共済組合につきましても、警察庁から早期に連合会に加入することが望ましいと考えており、今後とも関係機関との協議を尽くしてまいりたいという趣旨の答弁がなされております。両共済組合につきましては、これらの趣旨に沿って連合会への早期加入に向けて鋭意関係者間の協議、検討が進められていると承知をいたしておりますが、自治省といたしましても一層この線に向かって努力をしていきたいと考えます。
#42
○神谷信之助君 先ほども同僚議員の方から新しい共済制度に移ってからの矛盾の問題が出されましたが、私の方からも別の問題を提起したいと思います。
 六十年の共済年金制度の大改悪の中で、ただ一つ改善をされたという問題は、例の既給一時金問題でありました。これは当委員会で再三再四にわたって附帯決議が繰り返されて、自治省もその趣旨に沿って努力をなさった結果だと思います。それは、かつて支給を受けた一時金の額と、それから返還をするまでの間の毎年の五・五%の年利の複利計算ですね、その利息額の合計額を返還すれば、年金を控除されることなく丸々基本的にはもらえるということだったと思うんですが、その点は間違いありませんか。
#43
○政府委員(柳克樹君) 基本的な考え方は、先生おっしゃるようなつもりで改正はなされておると理解しております。
#44
○神谷信之助君 ところが、実際にはそうでない人が出てきているんです。
 通年ルールによる裁定がえの年金をするいわゆる既裁定年金者の場合、それから従来の年金額を下回るときは従前の年金額を保障する、こうなっています。これは既得権を保障するためだと。ところが、従前の年金額を保障するというんだけれども、この従前の保障額が、全額返還をした、元金はもちろんのこと複利計算の利息も返還をした
というのに、返還以前と同じように年金から控除された額が支給されるという状況が起こっているんですけれども、これはどうしてそうなるわけですか。
#45
○政府委員(柳克樹君) 今回の改正におきまして、既給一時金を受けた方の年金額につきましては、その一時金をお返しいただくということになれば満額を支給するということで仕組みの基本的な考え方ができているということは、先ほど先生の御指摘のとおりでございまして、私どもそのように考えておりますが、その際に、一方の考え方といたしまして、経過的な問題として従前支給されていた年金額よりもさらに減ってきたという場合には、その年金額で生活をしておられたという観点で従前額を保障するという、別のといいますか、そういう仕組みをつくっておるわけでございます。
 したがいまして、先生おっしゃるように、結果的にはその控除された額、すなわち従来支給されていた額がなお当分の間支給されるという事態があると、こういうことだと理解しております。
#46
○神谷信之助君 それはおかしい理屈じゃないですか。年金をもらう、簡単に言うたら十万円なら十万円もらう、そこから二万円控除されて八万円。八万円で生活できてきたんやから、その八万円を保障したらそれが従前の額の保障だと、こういう理屈でしょう。ところが、その二万円というのは一時金を先にもろうておるからといって引かれているわけや。その引かれている部分は全部、元金はもちろんのこと、年五・五%の利子付で複利計算したものをごそっと返しているんだから、そうしたら二万円引かれる道理がない。これは権利の問題ですよ。その年金額で生活ができるかどうかという問題ではない。生活ができているかできていないかというのは個別にどうやって点検していますか。十万円もらえるのに二万円引かれて八万円やと。そして八万円で生活できているかどうかというのはわからぬでしょう。ほかの年金をもらっているかもわからぬし、ほかの収入があるかもわからぬ、それで生活しているかもわからぬ。だから八万円、今まではそれだけもらって生活できてきた、生活保障してきたんだからそれさえ保障したら生活保障したことになる、そんな問題じゃないですよ。
 当委員会で問題にしたのは、昭和二十七、八年から三十七年ぐらいにかけてですか、あの時期に一万円か一万五千円、いわゆる一時既給金をもろうたと、あれは一種の退会金ですからね。もらってももらわなくてもいいけれども、ようわからぬでもらった。そうしたら後で、今度年金もらうときにずっと引かれている。本人が死んでも遺族にまで、遺族年金にまで控除される。年金権が続く限り控除されるというこんなばかな話はないやないですか、サラ金よりひどいやないかといって議論になったわけですね。それはそうやと、歴代の自治大臣もこれは考えにゃいかんということになって、この間のときにそれはもう全部返還金を、二十年それだけやった、あるいはそれ以後の人はまたそれ以後になるんだけれども、それだけ返してもろうたらもう引かんでええようにしよう。ずっと年金権から控除するのはおかしいと。だから、本来もらうべき年金権を保障するというところにポイントがあるんですよ。生活保障の問題で従前の額が決められるんじゃないんだ、そうじゃないですか。どうもあなた方のその論理はちょっと私は間違っているというふうに思いますが、どうですか。
#47
○政府委員(柳克樹君) 経過措置のお話でございますが、経過措置と申しますのは、やはり既得権と申しますか、そのとき、具体的には六十一年の三月三十一日現在でその人が幾らの年金権に基づいて幾ら支給されているか、そういうことを考慮に入れて経過措置を決め、したがって、従前額を保障したということであろうかと思います。
 例えば新規発生、新制度になってから発生をした年金につきまして、従前額保障よりも多い場合も当然あるわけでございますが、そういう場合にもやはり既給一時金の額を返していただいて、それが済んだら年金額を保障するという仕組みをつくっておるわけでございますから、そういう何といいますか、みなし年金額よりも新規発生の年金の方が多い方、しかも、新規発生年金額と同じ年金額をもらわれる方で従前額保障の方が多い方という場合も当然あり得るわけでございますから、これはやはり経過措置としては、三月三十一日に旧制度において支給されておる年金額、これを保障する、こういう考え方が自然ではなかろうかというふうに私どもは考えております。
#48
○神谷信之助君 だから、年金として保障されている金額はさっきの例で言うたら十万円なんです、本来は。八万円というのは二万円控除されたから八万円になっている。本来の年金額は十万円やった。だから、従前の額というのはそこへ戻らなきゃいかぬ、十万円へ。そうやなかったら返還をした値打ちがないわね。長い間なにやっていますからね、それを利息うけて一遍に返すのやから、二年に分割をしてもいい、何回かに分割してもいいということにはなっていますけれども、年金額の半分を超えちゃいかぬというんですから。そうやって分割して返すという方法も今度はちゃんと取り入れられてやっていますわね。だから、返してしまったら返さないときよりよくならなかったら何のために返したかわからへんや、そういうことになるんですよ。
 だから私は、今みなし年金額の場合もおっしゃった。だけれども、法改正後に年金権が発生した場合に、何というんですか、計算方式でやる年金額、いわゆるみなし年金とそれから新裁定額と多い方、高い方をとると。みなし年金が高い場合はそれでいく。そのみなし年金は従前の額やとこうなってきますと、何のためにぼんと返したんやということになる。もともとあれは、恩給もそういう一時既給金やったけれども、恩給の場合十年で頭切りしていたんです、もともと。それと比べたら地共済えらい違いやないかというのが一番初めの問題提起ですよ。それは恩給とこれとは違うとおっしゃったけれども、やっぱりこれはおかしいと思う、どんどんどんどん変わっていきますからね。
 当時から長い間かかってこれ研究されて、特に自治省がその中で努力してほかの共済の方にも話をつけて、全体として大改悪の中で一つだけやけれどもようなった部分が入った。そのようなったものが画竜点睛を欠くというか、これではどうにもならぬと思うんですよ。私は、法律は従前の額となったので、その従前の額について政令なり何なりで、この場合の従前の額とはこういう控除をされない額をいうんだというように書きかえれば、そう書けばそれは保障されるわけでそう難しいことではない。せっかく自治省が努力したんだから、この点は、私はひとつぜひ研究をしてもらいたいというように思うんだけれども、いかがですか。
#49
○政府委員(柳克樹君) 実は再々同じことを申し上げて恐縮でございますけれども、経過措置としての従前額の保障といいますのは、やはりそのときの旧制度における具体化された年金額、支給額を保障する、こういうことであるのが経過措置の考え方であろうかと思います。
 既給一時金の控除方式についてはただいま先生おっしゃいましたように、いろいろと議論の経緯がございましたが、これは一つは従前と比べて非常に高齢化が進んできて、平均寿命が非常に伸びてきたというようなことによる旧制度から新制度への切りかえが必要になってきたという面ももちろんあるわけでございますが、それはそれといたしまして、やはり先生のせっかくのお話でございますけれども、この従前において支給されていた額以上に年金額を支給するということは、やはり現在の年金制度の仕組みから考えまして問題があるのではないかというふうに思います。
#50
○神谷信之助君 わからぬのですよ。従前の額というのはあなた方の話でいくとどういうことになるの。前は、先ほどの説明やったら従前の額でそれで生活ができていたんだからそれでいいんじゃないか、何もそれ以上プラスする必要はないと。
しかし、必要なことは、従前の額というのはその人の場合はそういう理屈であった。しかし、一般的には今までもらった年金額でしょう。いわゆる年金権に基づいた、資格要件に基づいた年金額、十万円なら十万円、ここへ戻るという。控除というのは年金権とどんな関係がありますか、関係ないでしょう。その人の特殊なそういう条件の中であった。だから、本来の年金額というのは十万円だった。そういうふうには思わないんですか、考えられないんですか。
#51
○政府委員(柳克樹君) 先ほど申しました生活障云々という言葉は、足りませんでしたら訂正いたしますが、私の考え方といたしましては、申し上げたかったのは、要するに入ってくる金額が十分か不十分かは別にいたしまして、入ってきている金額は少なくともそれは減らすことのないようにしよう、こういう趣旨で申し上げたのでございますので、御理解をいただきたいと存じます。
 再々申し上げて恐縮でございますけれども、経過措置としての従前額保障と申しますのは、三月三十一日現在、旧制度の最後の日において支給されていた額を割り込むことのないようにという考え方でございます。
#52
○神谷信之助君 それは、だからおかしいんですよ。きょうは資料を持ってきていないんですけれども、当時、毎年のように資料を出しましたけれども、一万五千円ほど当時もらって、そして今まで退職してから十何年間の間に二百万も三百万も返しておる。利子をつけてまで返して、それでいつまでたっても元金返したことにならへん。こんなばかな話ないやないかということでしょう。だから、ちゃんと返還をしたら、それは確かに物価も変わっているんですから、あるいは利子も要るやろうからそれでちゃんと計算をして、そして返したら、もうそれで本来の年金額を保障するというようにしよう。本来の年金額は決まってないけれども、そこからピンはねされておるという、いつまでたっても、死んでからもピンはねされる、そんなばかな話はない。だから、不合理だということになったから当委員会でも再三再四の附帯決議になっておるわけです。それで自治省もそうだということを確認をして、今回の大改革の時期に自治省が特に問題提起をして各省と折衝して、そしてやったんやからね。
 そのときの考えというのは控除をさるべきでない、あるいは返還を済ませたとしたら控除しない、そういう年金はちゃんと保障せにゃいかぬ。返還さえしてもらったら控除する必要はないんだから、そうすると本来の年金額を保障することができるんや。だから、そっちへ早く返れるようにやめたときに返還をしたらよろしいという制度にしたんでしょう。それが返還しても控除された額しか保障せぬというようなばかなことはない。これはもうどう考えても理屈は通らぬので、共済組合の組合員からいうと全体の中では数少ないのだけれども、しかし、退職するときにやっと課長職になって退職するとか、大体こういう該当者が多いんですけれども、そういう人のためにも僕はちょっと筋が通らぬと思うので、ひとつ大臣、研究というか検討課題にしてもらって早期に解決の方途を考えてもらいたいというふうに思うんですが、いかがですか。
#53
○政府委員(柳克樹君) 確かに先生おっしゃるように、先生初め国会におきまして御意見がありまして、一時金の制度自体が変わってきたわけでございますが、これはちょっと古い話で恐縮でございますけれども、もともとの年金制度として考えておりましたのは、一時金をもらうことによって期間が重複がある。その重複期間を調整しなければいけない。その際に、年金設計として当時の平均余命をもとに計算しておった。それが先ほど申しましたように、高齢化が進んでまいりましていかにもたくさんの額が引かれてくるというような矛盾が出てきた。そのことから出てきた問題ということで先般改正をいたしたわけでございますけれども、これは再三申し上げておりますように、新しい年金の仕組みをつくる際の一つの摩擦として出てきた問題でございまして、ぜひ新年金制度の安定のためにも必要なものだということで御理解をいただきたいと存じます。
#54
○神谷信之助君 もう時間がありませんからくどくは言いませんが、しかし、古い話を出されるなら雇傭人関係の年金制度と、それから吏員以上の年金制度、それは市町村組合と地方共済と統一していったわけですね。その時点で退会金をもらった人もあればもらってない人もある。そういう中で、確かにそういう矛盾というのが出てきているのは事実ですよ。
 しかし、それがいつまででも、死んでからまでつきまとうというようなばかな話はないんですから、だから改善をする。そして本来の当然もらうべき、受給すべき年金額を保障するというのを一定のところで切らにゃいかぬということになって一応二十年ということになってできたわけでしょう。これから実際経過規定で最終的に二十五年になるんですね。大変なものになるんですよ。しかし、それでもやっと引かれずに満額の年金をもらえると思っていたら、ふたをあけてみたらもらえぬ人が出てくる。これはどう考えても私は不合理だというふうに思うので、我々も引き続いて追求しますが、検討してもらいたいと思うんです。
 それともう一つ、時間がありませんから要望しておきますが、そこでこれは返すのがおくれればおくれるほど、すなわち退職するのが遅くなればなるほどどんどん利息はふえるわけです。そうなりますわね。だから、今やっぱり早う返したい、そうしたら後の利息だけでも助かるから、こういう意見がずっと出てきています。これはもっともなことなんで、その場合余り早く返還をしてもいろんな都合で年金権が発生しないということになると、今度は払い損みたいになりますわね。だから、そういった問題も確かにあります。二十年から二十五年たつと、経過期間中ですから年金受給資格を得た者が希望によって返還を申し出た場合には、それにこたえて返還を受け付けるとかいろんな組合員の、言うならむだな負担を少しでも軽くする方途を研究してもらいたいんです。
 きょうはもう時間がありませんからこの研究、検討をお願いだけしておきたいと思うんですが、先ほどの問題とあわせて、その辺ひとつよろしくお願いしたいと思うのですがいかがですか、よろしゅうございますか。
#55
○政府委員(柳克樹君) 早期返還の問題でございますけれども、これは年金権が発生した場合でも、やはり先生おっしゃるような問題点があるわけでございます。したがいまして、なるべく早く返したいという御意見もあるかとも存じますけれども、現在の仕組みとして入ってきた金が、もしどなたのものでもないという宙ぶらりんの状態が出てくるというようなことにもなりますと、非常に困る問題もあるわけでございますし、なかなか難しい問題でございますけれども、本日の先生の御指摘については私どもも十分心していきたいと存じます。
#56
○委員長(松浦功君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 昭和六十二年度における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#57
○委員長(松浦功君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定しました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○委員長(松浦功君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#59
○委員長(松浦功君) これより請願の審査を行います。
 請願第一五号公共事業費の国庫補助負担率の引
下げ措置反対に関する請願外六十七件を議題といたします。
 まず、理事会において協議いたしました結果について、専門員から簡単に報告をさせます。竹村専門員。
#60
○専門員(竹村晟君) ただいま議題になりました請願六十八件につきまして、お手元の資料に基づき、理事会の協議の結果を御報告いたします。
 資料の三ページの第六三五一号重度身体障害者に対する地方行政改善に関する請願外同趣旨の請願三十一件については、一の部分は採択、その部分を除くその他の請願については保留。
 理事会におきましては、以上のように決定すべきものとの協議結果でありました。
 御報告を終わります。
#61
○委員長(松浦功君) それでは、理事会において協議いたしましたとおり、第六三五一号重度身体障害者に対する地方行政改善に関する請願外三十一件は採択すべきものにして内閣に送付を要するものとし、第一五号公共事業費の国庫補助負担率の引下げ措置反対に関する請願外三十五件は保留とすることとし、採択となります請願第六三五一号につきましては、請願事項二項目中第二項は検討を要するので、その部分を除く旨の意見書案を審査報告書に付することといたしたいと存じます。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○委員長(松浦功君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、審査報告書並びに意見書案の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○委員長(松浦功君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#64
○委員長(松浦功君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方行政の改革に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○委員長(松浦功君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○委員長(松浦功君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#67
○委員長(松浦功君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方行財政等の実情調査のため、閉会中に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(松浦功君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○委員長(松浦功君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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