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#1
第108回国会 内閣委員会 第4号
昭和六十二年五月二十五日(月曜日)
   午前十一時十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     山口 哲夫君     野田  哲君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩本 政光君
    理 事
                板垣  正君
                大城 眞順君
                亀長 友義君
                久保田真苗君
    委 員
                大島 友治君
                岡田  広君
                小島 静馬君
                古賀雷四郎君
                永野 茂門君
                桧垣徳太郎君
                小野  明君
                野田  哲君
                飯田 忠雄君
                吉川 春子君
                柳澤 錬造君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  宮澤 喜一君
   政府委員
       防衛庁人事局長  松本 宗和君
       大蔵大臣官房長  小粥 正巳君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     足立 和基君
       大蔵大臣官房審
       議官       大山 綱明君
       大蔵省主計局次
       長        篠沢 恭助君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        林  利雄君
   説明員
       経済企画庁総合
       計画局計画官   上野 達雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和六十二年度における国家公務員等共済組合
 法の年金の額の改定の特例に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○台湾人元日本兵等に対する補償措置の早期実現
 に関する請願(第四九号)
○国家(防衛)秘密法案の再提出反対に関する請
 願(第八二号外一八八件)
○国家機密法(スパイ防止法)の制定反対に関す
 る請願(第一〇九号外三四件)
○旧軍人恩給欠格者に対する特別給付金支給法の
 早期立法に関する請願(第三一〇号)
○国家秘密法の制定反対に関する請願(第四八〇
 号外一九件)
○台湾出身元日本軍人軍属の補償に関する請願
 (第一一〇〇号)
○引揚者在外財産の補償の法的措置に関する請願
 (第二二三四号外一八件)
○傷病恩給等の改善に関する請願(第五八一三号
 外一三件)
○スパイ防止のための法律制定に関する請願(第
 六〇二三号)
○国家秘密法制定反対に関する請願(第六七三七
 号外一六件)
○三宅島官民共用空港建設計画の即時撤回に関す
 る請願(第七一一九号外二七件)
○国家秘密法制定の反対に関する請願(第七四〇
 四号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岩本政光君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る五月二十一日、山口哲夫君が委員を辞任され、その補欠として野田哲君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(岩本政光君) 昭和六十二年度における国家公務員等共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。宮澤大蔵大臣。
#4
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました昭和六十二年度における国家公務員等共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 政府は、国家公務員等共済組合法の年金につきまして、別途提出しております児童扶養手当法等の一部を改正する法律案による厚生年金及び国民年金の改定措置に倣い、その額を改定するため、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容について御説明申し上げます。
 この法律案におきましては、退職共済年金等の国家公務員等共済組合法の年金について、昭和六十年の消費者物価指数に対する昭和六十一年の消費者物価指数の比率を基準として、その額を引き上げることとしております。
 この年金の額の改定は、昭和六十二年四月分の給付から実施することとしております。
 その他所要の措置を講ずることとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 なお、本法律案は、その施行期日を昭和六十二年四月一日と提案しておりましたが、その期日を経過いたしましたので、衆議院におきましてこれを公布の日とする修正がなされておりますので、御報告いたします。
#5
○委員長(岩本政光君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○久保田真苗君 まず、この特例法案のことですが、〇・六%上げということは余りにも当然なのでありまして、賛成、反対と言うのもおかしなものだと思うんですが、このこと自体が消費者物価変動への自動的なスライド制だと、こう言われているんですけれども、実は必ずしも自動的なスライド制ではなく、今回の法案もそれの特例という形になっておるわけでございます。しかし、このところずっと物価が比較的上げ幅が少ないとはいえ、消費者物価は下がったことはないのでございますし、社会保障制度の一環である年金の制度といたしましては、余りにもこの上下五%幅の中での政府への、何といいますか、白紙委任のような形をとっていることについて、かなりのこれは不安定性があるというふうに思っております。特例ではなく、これは当然上げるべきものだと思いますが、このことにつきまして大蔵大臣の御意見はいかがでしょうか。
#7
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のように、五%
条項というものはございますわけでございますが、物価上昇率が小幅である場合には、他の公的年金の動向あるいは現役の組合のメンバーの状況など、いろんな事情を勘案してスライドを行うかどうかを判断する必要があるという建前でございますが、これはやはりいろいろな事情を勘案しながら判断すべきものであって、今の時点で、将来にわたって物価上昇の変動幅にかかわらず必ず物価スライドするというふうに考えることは適当ではないであろう。ただいま物価が落ちついておりますことは御指摘のとおりでございますが、物の考え方といたしまして、必ずどういう場合にもということを考える必要はないのではないかと思っております。
#8
○久保田真苗君 ということは、やはりこの年金制度は老後の所得保障である、少なくとも一定の水準を確保する所得保障であるということを考えますと、非常に不備があるというふうに考えるわけですが、いかがでしょうか。
#9
○政府委員(篠沢恭助君) 共済年金のみならず、公的年金全般を通ずる物の考え方かと思いますが、基本的に現在の年金の見方といたしまして、日本の置かれている状況というものが、先生御承知のとおり、諸外国にも例を見ないような高齢化社会への移行という形で進んでおるわけでございます。そういう中で、共済を含みます公的年金の役割というものは非常に重要なものになろうかと思いますけれども、その場合の考え方としては、やはり老齢者や障害者の生活の基本部分を保障していくという、そういう機能を確保していくというものであろうかと思うわけでございます。
 しかし、同時に、公的年金制度というのは、長期的な安定かつ公平な制度として維持されなければならないということになりますと、年金をもらう方の問題だけではなくて、また年金を支えていく現役の方々の負担といったような問題も出てくると思いますので、この辺も総合的に勘案して年金制度の考え方というものを統一しておるというふうに考えております。
#10
○久保田真苗君 目的は公的年金によってともかく一応最低の生活が賄えるということなのであって、それに関連していろいろな制度上の問題はあるけれども、そこへ向かっていくということが最大のことである。したがいまして、物価上昇というような場合には、当然もうそれは最低のこととして補っていく、そういう制度がともかくないということには、国民の不安感は非常に大きいと思いますが、大臣はその辺はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
#11
○政府委員(篠沢恭助君) 先ほど大臣からもお答えを申し上げておるわけでございますが、年金の物価とのかかわりにおける問題に関しましては、やはり実質価値の維持を図るという緊要性、緊急性というものの程度にもよろうかと思います。五%を超えるような大幅な物価の上昇ということであれば、これは自動物価スライドは適当であろうということが一つの常識論としても出てくると存じますが、それ以下の場合におきましてどうするかということにつきましては、やはりその時点における諸般の事情を総合勘案して、それぞれ判断をしていくことによって対応できるのではないかと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#12
○国務大臣(宮澤喜一君) この点は、やはり年金というものの考え方はかりでなく、現実に我が国においてどのような年金が可能であるかというようなことになりますと、無論財政の問題もございますし、また受給者とそれを支えるいわば現役とでも申しますか、そういう給付のバランスの問題もございますし、加入者の場合、現役の平均収入のどのぐらいのものを給付の水準とすべきかといったようなこと、それらのことをいろいろ考えますと、老齢者あるいは障害者の生活の基本の部分を支える、これはもう抽象的に言えば高ければ高いほどそれだけ老後の安心が確保されるということは間違いのないことでございますけれども、現実にどの程度のことが可能かということになりますと、ただいま申し上げたようなことを政府としては考えるわけでございます。
#13
○久保田真苗君 しかし、日本で国民皆年金のつもりで始めた制度、これが当初の意図に反しまして途中からかなり、何といいますか、折れ曲げさせられて、給付水準が従来よりは低いというところへ持っていかれているということが一つあるわけですね。
 それで、今私が申し上げたのは、物価スライドという最低の問題なんです。しかし、本来はそれだけではやはり老後の生活が不安定である、したがって、国民の不安感はぬぐい切れないということがあると思います。例えば、公務員給与は昨年二・三一%上がりました。ついこの間採決いたしました恩給におきましても二・〇%が上がりました。しかし、この年金につきましては〇・六%と非常に低い。上昇というよりは、物価スライドですから事実上全く上がっていないということになるわけでございます。しかし、幾ら経済成長が低いとはいえやっぱり三%台のことを考える、こういう中で、それに対する見合いが年金の場合には全くないということになるわけで、経済の全体の中において見た場合に、相対的に苦しくなっていくのは目に見えている、このことが一つですね。
 それから、私など現実に拝見しておりまして、古い退職者がいらっしゃる、新しい退職者がいる、その間のこれまで年金についての経済に見合った上げ幅の保障がなされなかったことから、年金の乖離が非常に甚だしい状態にあります。そういたしますと、年を経るに従ってどんどんどんどん苦しくなっていく。相対的に非常に苦しくなっていく。こういうことにつきましては、やはり大臣は、そういう現状がある、それは事実であるということをお認めになりますでしょうか。
#14
○政府委員(篠沢恭助君) 年金額の価値の維持といったようなこととか、あるいは年金がどの部分をどういうふうに保障するものとして機能していけばいいのかとか、いろいろ難しい御議論になろうかと思います。しかしながら、先ほど来大臣からも申し上げておりますように、やはり年金制度全体としての安定的な維持といったことも含めて、また経済状況等も十分見据えながら、総合的に勘案して運営されておるというふうに思うわけでございます。
 先生がただいま御指摘になっておられます経済成長による生活向上分といいますか、そういったようなものがうまく織り込まれていか狂いのではないかということでございますが、御承知のとおり、年金制度の中ではただいまのところ、物価スライドによる年金改定の規定、いわゆる自動スライドということのほか、また率の低い場合には毎年度今回のような特例的な御審議をお願いするという仕組み、そしてそれ以外に、御承知とは存じますが、国民の生活水準、賃金、その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、そのような諸事情に応ずるために別途改定の措置を講じるという規定も年金法には置かれておるわけでございます。したがいまして、今後経済成長等によりまして国民の生活水準とか賃金水準等に著しい変動が生じてくるといったような場合には、もちろん現役と年金受給者との均衡問題とか他の制度がどうであるとかいったようなこととのバランスも十分配慮しなければなりませんが、そのような著しい変動のもとではいろいろな検討が行われるということにはなっておると考えております。
#15
○久保田真苗君 いろいろ御苦労はなさっていらっしゃるんですけれども、高齢の年金生活者そのものがどうも目に見えていらっしゃらないんじゃないか。私どもは、せっかくこういう社会保障制度というものを戦後推進してきたその中身は、やっぱりいかに老後を安心して暮らせるか、少なくともだんだんだんだん先細りになってみじめな生活になっていくというような目に遭わずに済むかということを願って、一生懸命長時間労働もし、低賃金にも耐えてやってきたわけでございますね。それが、金余りだと言われている今日の世の中で、なぜこういうことになったのかということに国民が将来に不安感を持つということは、これはもうやむを得ないんじゃないかと私は思うんで
す。
 それで、一つここにもう二、三日前に発表された労働省関係の調査がございます。これは事前に通告もしておりませんでしたけれども、今ちょっと説明をさせていただきたい。そして御感想なり聞かせていただきたいんですね。
 これは、労働省の要請でもって勤労者の老後生活安定対策研究会という会を、氏原正治郎さんをギャップとしてやった研究会の結果でございます。その中で言われていることが、一つは、現在生計費と税金を賄うそのために必要な所得として、老後月二十五万円程度が必要であると、一応こういうふうに言っているわけです。しかし、今の老齢年金の平均受給額は十四万円である。したがって、その間十一万円の不足がある。だから、六十五歳まで働き、その六十五歳の時点でともかくこの不足を補うための原資を確保するためには、その六十五歳以上の世帯というものが千五百万円の貯蓄を確保しておく必要があると、こういうことを言っているわけです。しかし、現実には今大変雇用状況も悪く、努力はしていても、六十五歳まで職場を確保するということは困難であるから、当面は六十歳にするというふうに条件が悪くなっているわけですね。そして、ついでに申し上げますと、高卒の場合の現在の退職金の水準というのは一千万円に満たないという状況である。だから、結論として、本人も計画的な貯蓄に努めるという自助努力を促しているわけなんです。
 大臣、この数字お聞きになってどういう御感想をお持ちになるでしょうか。私はまことに無理のない主張だろうというふうに思うわけですが。
#16
○国務大臣(宮澤喜一君) それは報道されましたので読みまして、たしかその二十五万円に足りない部分を金利計算をして自分で足していくとすると千五百万円程度の貯蓄が必要であるという指摘であったと思います。
 私は、これを拝見しまして、ここに指摘されておる限りのことは恐らく別に誇張ではないし、計算にもそんなに間違いがあるようにも思えない。現実を指摘されたものだというふうに読みました。が、なかなか一足飛びに、それならこういう状況にどう対処していけばいいのかということは、まあ我が国が急速に老齢化するということもございますが、同時に、先ほど世の中は金余りの時代でと言われまして、世の中は確かに金余りなんでございますけれども、財政は金が足りないということもまた事実でございますので、なかなかこういうことは、指摘はそうであろうが、すぐに対応できないことは残念なことだと思いながら、これを読みました。
#17
○久保田真苗君 私どもも、それは自助努力というものでそれくらいのことができれば、どんなにいいだろうかと思います。しかし、公的年金が本当に一足飛びによくできないところか、むしろ経済に見合っての伸び率というものを急激に曲げられて水準が現実には下がってきたというその中で、国民はだれしも言われなくたって何とか貯金をしなきゃしょうがないんだ、そうでなかったら自分の首を締めちゃうんだ、そういう焦りに駆られているということは、まさに現実だと思うんです。この中でやはり言われているのが、六十歳以上の世帯でもって現に千五百万円以上の貯蓄があるのは二割足らずということでございますね。そうしますと、あとの八割の人間というものは、こういった数字は何も改めて労働省に指摘されるまでもなく生活実感としてわかっているわけですから、何とか貯蓄に走るということになると思うんです。厚生白書もことしは本当にあからさまに、老後のために自立自助の努力をしろと、そういうお説教をしているわけですね。
 そういたしますと、政府といたしましては、せんだって来出ておりました少額貯蓄非課税制度、これを廃止するという御提案があるわけでございます。その一方、大部分の人がそこまでの貯蓄を持っていない、そういう現実の中で自助努力を促される。この間の関連と申しますか、この矛盾したがけ声、これを大臣はどういうふうに御説明になるんでしょうか。
#18
○国務大臣(宮澤喜一君) 自助努力を促すということ自身は、お年寄りを大切にしなければならないという物の考え方と私は別に矛盾をするわけではない、できる限りはやはり自助努力をしていただかなければならないということであろうと思いますが、そのことといわゆる少額貯蓄の問題とは、私はこれはまた矛盾をしないと思いますのは、今までああいう制度がありまして、結局個人貯蓄の七割ぐらいがあの制度を利用していた。そして、無論少額所得者もその結果利益がありましたわけですが、普通考えましても、大きな利益をたくさん受けるのは高額所得者であるということも、間違いのないところであります。これだけ大きな利子というものが所得税の対象にならないということは、本来からいえば普通のことではありませんので、この際これを、やはり普通の所得には違いございませんから、所得課税の対象にいたしたい。
 ただ、その場合、お年寄りでありますとか母子家庭でありますとか、いるいろ特別な救援の手を差し伸べる必要のある方々に対しては、これは新たにそういう方々に対するいわば減免措置としてこの制度を改めよう、そういうものとして今後は考えていこう、そういうふうにいたしたわけでございまして、これがなくなったからいわば自助努力をしなくてよろしいという意味合いのものではございません。むしろ所得である限りは、そういう特別な優遇を必要とされる方々以外は普通の所得税を払っていただきたい、こういうことでございまして、自助努力と矛盾をするとは私は考えておりません。
#19
○久保田真苗君 今、マル優確かに、七割とおっしゃいましたけれども、大多数の国民、四分の三の国民はマル優の枠以内のそれよりも少ない貯蓄でございます。もっとずっと少ないのが平均的な貯蓄の水準なんでございます。限度いっぱいに使っているという人は四分の一もないくらいでございましょう。そういたしますと、やっぱりこれは一番大きな影響を受けるのは大衆なんでございますね。自助努力をするといたしましても、じゃ一体どういう自助努力でもってこの老後のために千五百万なりの貯蓄を稼ぎ出したらいいのか、その方法をぜひ教えていただきたいものなんです。何しろ、矛盾しないと言われますけれども、時系列的に見れば私は矛盾していると思うんです。なぜならば、日本の金利特に預貯金の金利は主要国最低でございます。そして、日本の生活費というものは、これも方々の官庁で出していることでございますけれども、特に生活必需部分について、非常に諸外国に比べて高い生計費を私どもは負担しなければならないわけです。
 例えば昨年の十二月末だったと思いますが、やはり労働省が出しました資料で見ますと、食料費は例えばアメリカに比べて約三倍、そして住宅費と光熱費は二倍近いということでございます。それは昨年のことですから、為替レートを一々気にしていますと、もう今はもっとそれよりも出てしまうということになるだろうと思うんです。そういう物価の問題、生活必需の問題というのは、これはどんな人だってやらなければならないことでございまして、そういう二点から考えました場合、私は何とかもうちょっとこの生活必需物資の値段が均衡のとれたものになるか、あるいは公的年金がもう少し高い水準になるか、そういうことが起こらない以前にこのマル優を廃止して、大衆が低金利の中で懸命にためているそのお金にまた税金をかけるというのは、時期がいかにも早過ぎるというふうに思いますが、その時期的な問題について大臣はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
#20
○国務大臣(宮澤喜一君) 確かに、まじめに働いて所得がありまして、その結果それに税金を払っていただくという、所得税というのはそういうものでございますから、所得の種類によってこれは税金をいただくがこれはいただかないというのは、私は本来の所得税のあるべき姿ではないと思うのでございます。所得の種類によって課税をしたり免税をしたりするという、そういう判断を恣
意的にするということになりますと総合所得税というものは成り立たないのでございますので、そういう意味では、確かに少額所得者もおられますけれども、これだけ広く殊にある意味で一部悪用されているような制度というのはやはり直してしまって、そして本当に援助を必要とされる方々のための制度としてむしろ考えていくのがいいと、こうしたわけでございます。
#21
○久保田真苗君 年金の方も、高齢化社会だということで、非常に不満足な不十分な状態でございますしね、まさに物価の格差というものは、諸外国との間に、今の情勢ですとどうもますます開いていくような感じがいたします。円高差益の還元も非常にタイムラグがあるということは、御存じのとおりでございます。そういう中で、ますます金利が低目に低目にというふうに持っていかれるということになりますと、これは年寄りというものはもうあの手この手で四万八万からやられていると、医療の負担も上がると、こういうことでございます。中曽根政権になりましてから、非常に弱いところ弱いところというふうに、そこからむしり取っていくという政策が本当にあからさまに進められているという、非常に残念なことでございまして、その自助努力さえもむなしいものにする、およそ自助の手段に対して何の条件もないところへ、そういう不毛の地へ追い立てられているまるで羊の群れのような感じを受けるわけです。
 私は、そういうわけで、大臣のおっしゃるすべての所得に対して、公平に税をかけるのだというのであれば、あと一切の不公平な税制の見直し、優遇措置というものを全部洗い出して、そういうものからまず徹底的にやっていただかなければならない、この少額貯蓄非課税制度というようなものは全く最後に考えるべきことだというふうに思います。どうぞ、そういうわけでございまして、やはり国民の生活というものを総合的に考えていただきたい。それぞれの官庁のセクションはそれぞれの理由をお持ちです。でも、それを総合してまいりますと、非常にあの手この手で押し詰められるという状況になります。また、外国からの貯蓄優遇制度をやめるという圧力もあると思うんですが、こういうものというものは、外国がどうのということよりは国民の生涯に重大な影響を及ぼすという問題でございますから、国民生活というものをゲージにしてやっていっていただきたいと、こう考えるわけでございます。よろしくお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#22
○国務大臣(宮澤喜一君) 御説はよく心して承りました。
#23
○久保田真苗君 最後に、今、年金生活者にとりましての一大脅威は、何と申しましてもインフレでございます。ところが、最近どうやらアメリカの方からインフレ懸念というものがささやかれているわけでございます。この点につきましては、大蔵省はどういう見方をしていらっしゃるか、それをお聞かせいただければありがたいと思います。
#24
○国務大臣(宮澤喜一君) 久保田委員が何度もおっしゃいましたように、これだけ金利が低く生産的な資金需要がない現状は、いわば供給力超過というような、かなりそれが著しい我が国の経済でございますし、卸売物価はいまだに六%ぐらい前年より下がっております。消費者物価もゼロのところを上へ行ったり下へ行ったりしているような状況でございますから、私は我が国にインフレの心配はない。確かに、アメリカのニューヨークあたりで金利がかなり上昇してまいりましたことはおっしゃるとおりでございますが、それが我が国にインフレーションという形で伝染をしてくるような気遣いはないというふうに考えております。
#25
○久保田真苗君 年金の問題というのは非常に長期的なものでございますが、ひとつ何か総合政策をですね――所管の官庁が大変ばらばらになっておるわけでございます。そして、高齢化社会への対応といいましても、それがまた年金の問題、医療の問題、それから貯蓄の問題、住宅の問題、その他いろいろなことに分かれておるわけでございます。長寿社会対策大綱というものを前につくられたのでございますけれども、それの内容につきましては一向に具体化されておらない。むしろ内容的にはそれぞれのセクションの理屈でもってこういう高齢化社会の方へしわ寄せがいっているというふうに思うわけでございます。私は、何とかやっぱり、これはお金の支配者は大蔵省なのでございますから、そういう面でひとつぜひ高齢化社会の総合対策というものを、ある程度中長期的な計画をつくっていっていただきたい。そういうことを最後にお願いしまして、もしお答えがいただければいただきたいと思います。
#26
○政府委員(篠沢恭助君) 年金問題につきましては、年金担当大臣がいらっしゃるわけでございまして、私どもやはりいろいろな、例えば共済の問題なら共済の問題ということに関しましても、やはり年金担当大臣にいろいろな機会に御相談をし、御示唆を仰ぐというようなつながりをとっておるわけでございます。
 もう一つ、全般の問題といたしましては、長寿社会対策大綱といったものを持ちまして、これに示された基本方針に沿って総合的、または着実に推進というスタンスをとっていくこととしているわけでございますが、先生がいろいろお話しになられている点につきましては、十分念頭に置いてさらに進んでまいりたいと存じます。
#27
○委員長(岩本政光君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#28
○委員長(岩本政光君) 速記を起こしてください。
#29
○飯田忠雄君 本日は、私の勘違いから時間におくれまして済みません。
 早速質問に入らせていただきますが、本年三月二十四日の国鉄共済年金問題に関する閣僚懇談会の決定によりまして、六十四年度までは旧国鉄共済、すなわち日本鉄道共済に対する年金財政上の手当てはなされておるのでありますが、六十五年度以降年間約三千億の不足が見込まれる旧国鉄共済に関する救済の対応についてどのようになっておりましょうか、政府のお考えをお伺いするわけでございます。
#30
○政府委員(篠沢恭助君) ただいま先生からお話ございましたように、六十四年度までの対策を一応策定をしたわけでございますが、これに引き続きまして、六十五年度以降の問題につきましては今後鋭意検討を行って、できる限り早急に結論を得なければならないというふうに考えております。六十四年度までの対策につきましてと同様、大蔵大臣、運輸大臣、内閣官房長官、それに年金問題担当大臣の四閣僚による鉄道共済問題についての懇談会におきまして、引き続き検討するということを申し合わせております。また、この懇談会において、当面、今後の収支の見通し及び、今先生から三千億の不足というお話がございましたが、この詳細な見通しを一回つくってみる、そしてまた給付の現状などを分析してみるという点から、検討を進めていくということにしておるわけでございます。
 以上のような手順まで現在のところ決めておるというところでございまして、具体的な内容につきましては今後の問題となっております。
#31
○飯田忠雄君 今までの手順につきましては承りましたが、六十五年度まではこれからあと二、三年しかございません。国の共済以外のその他の共済とか厚生年金まで含めて支援を求めるということになりますと、いろいろな反発が生ずると思います。こういう状態になることが予想される段階で国として、国庫負担をどの程度お持ちになるのかわかりませんが、そういう問題も含めまして対応をお決めくださることが必要ではないかと思います。この点につきまして、重ねてではございますが、大蔵大臣の御決意をお伺いいたします。
#32
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま政府委員から申し上げましたように、六十四年度までの問題につきましては、過般決定をいたしまして一応の結論が出たわけでございますが、六十五年度以降になりますと、これは問題がさらに大きいということが今からほぼ予測をされておりますので、よほ
ど本格的な検討を必要といたすと存じます。
 したがいまして、さしずめ、先ほど申しました、今、年金関係の閣僚がおりますので、その四人でこれからどういう見通しになるか等々のことを少し話し合いをしてみる必要があるだろう。その結果として、さらにどういうふうに施策を考えていくかということを考えなければならないわけでございますが、ただいまのところは、さしずめ六十四年までのものが済みましたので、次の問題に取り組んでいかなければならない。しかし、なかなか容易ならざる問題であるというふうに考えております。
#33
○飯田忠雄君 従来、政府におかれましては、昭和七十年度に公的年金一元化を目指して準備をするということが閣議決定も行われておるようでございますが、昭和七十年に至るまでの具体的なスケジュールまたその一元化の姿というものは、今日まで何も示されていないように思われるのであります。一元化に向けて、旧国鉄共済の救済などにつきまして、利害関係の錯綜する今日の段階で合意形成は大変難しいと思われるのでございますが、政府とされまして速やかに一元化の姿を示していただいて、具体的なスケジュールを提示していただき、今から利害関係者の理解と納得を得るような努力が必要であると思いますが、この点につきましてどのように御決意になっておるのでしょうか、お伺いいたします。
#34
○政府委員(篠沢恭助君) 公的年金の一元化につきましては、これまで、御承知のとおり、主として給付面における一元化というものが大きく前進をしておるというふうに思います。そこで、今後は引き続き負担の面を中心に制度間の調整を進めるというのがポイントになると思っております。内容的にはかいつまんでそういうことだと思いますが、いずれにいたしましても、これを七十年を目途に完了させるという五十九年二月の閣議決定がございます。今、国鉄共済年金について六十五年以降余り時間がないではないか、七十年という問題についても余り時間ないではないかというお話がございましたが、それはそのとおりと思います。関係各省とよく相談しながら、できる限り速やかに検討を開始しなければならないというふうに考えております。現在のところ、具体的なスケジュールまで策定するに至っておりません。また、年金一元化問題ともう一つ国鉄問題にどのように対応するかという、二つの問題があるというふうに考えておるわけでございます。
#35
○飯田忠雄君 国鉄の問題はこの程度で、また御研究を願うことといたしまして、次に自衛官の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 これは国の共済グループには入っておりますが、職務の特殊性から若年定年制をとっております。その関係で、新制度におきましても年金の支給開始年齢を五十五歳としたり、あるいは減額退職年金を存続させるというような特殊の措置がとられております。
 そこで、問題となりますのは、この自衛官が退職後に直ちに再就職できる状況であれば構いませんが、そうでない場合には相当生活に困難が来るのではないかと予想されるわけでありますが、防衛庁といたしましてはこの問題をどのようにお考えになっておるのであるか、お尋ねいたします。
#36
○政府委員(松本宗和君) 自衛官の年金制度でございますが、ただいま先生御指摘のとおり、共済組合法で若年定年に起因いたしまして特例を設けていただいております。ただ、しかしながら、この特例を維持してまいりますと、将来制度が成熟してきた場合に非常に掛金率が高くなるというような問題が出てまいりまして、個人の負担の限界を超えてくるであろうということが予測されるわけでございます。そこで、この問題につきましては、さきの衆議院の内閣委員会だったと思いますが、法改正に際しまして附帯決議をいただいておりまして、早急にこの問題について検討をするようにというような御指示をいただいております。そこで、防衛庁といたしまして、これを検討いたしますために内部に委員会を設けまして、これは若年定年に起因いたします人事施策の問題ということで、かなり幅広くとらえて検討をしているところでございます。また、あわせまして、これは非常に専門的かつ技術的な問題でございます。そういうことから、部外の年金等に詳しい有識者の方々にお知恵を拝借するというようなことで、現在検討を進めておるところでございます。
#37
○飯田忠雄君 現在、防衛庁の退職者というのは大体毎年どのような状況でございましょうか。これ、現在は防衛庁の職員の年金に対する納付金というものは普通よりは相当高いというふうに聞いておりますが、それであっても将来国鉄のようなことにならないかどうか気になるところでございますが、どのようにお考えでしょうか。
#38
○政府委員(松本宗和君) 現在の退職者の状況でございますが、まず、ただいま掛金のことを御指摘ありましたけれども、現在の掛金は大体一般の公務員に対しまして約二五%高い掛金を払っているわけでございます。これは、やはり若年で退職いたしまして、その特例によりまして一般の公務員よりも五歳早く年金を受給すると。また、もう一つ繰り上げ支給の特例もございまして、つまり定年退職後直ちに支給を受けるということになりますと、掛金を納める期間が非常に短くて受給される期間が長いというようなことになりますので、そういうところから、現在の財源計算からまいりますと掛金の負担率が非常に高くなってくるということでございます。
 そこで、これが将来どうなるかということでございますけれども、先ほども申し上げましたように、成熟化してまいりますと、現在の負担制度でまいりますと相当高くなってくることは間違いないと考えております。
#39
○飯田忠雄君 自衛官の問題につきましては、これは大変重言が誤解を受ける可能性が多くて発言しにくいわけですが、私は憲法の九条とは無関係に考えております。これは国が雇った職員に対する生活保全の意味の問題だというふうに考えますので、あえて御質問申し上げますが、国の政策として若年定年制を現在とっておるわけですが、五十五歳に達した者がやめてから六十歳、通常の定年は普通は六十歳となっておりますが、それまでの間は若いから就職ができるからいいではないかという考え方で果たして通るかどうか、問題があると私は見ております。自衛官が働ける職場というものはどういうところでしょうか。兵に相当する下級の自衛官ですが、どのようにお考えになっておりますか。
#40
○政府委員(松本宗和君) 退職した自衛官の就職の状況でございますが、これは任期制の隊員とそれから定年制でやめます隊員とで若干事情が異なってまいります。任期制の隊員は非常に若いということもございまして、むしろ自衛官である間よりもその後の生活の方がいわゆる本職と申しますか、本来の生活になってくるんだろうと思うんですけれども、定年で退職いたします自衛官、これは毎年大体六、七千人と現在はなっておりますが、この自衛官につきましては、五十三歳なり五十五年なりで退職するわけでございますので、この年代での再就職というのは非常に困難でございます。現在、退職に際しまして国の方に何らかの形で就職の援護を希望してくる者が約七千名のうちの八〇%でございます。で、私どもの方で、これは制度の許す範囲で例えば職業訓練を実施いたしますとか、現在隊友会に援護本部というのがございますが、そこで就職あっせんのための労働省の認可をいただいておりますので、そういうところを通じまして就職あっせんをするとかいうようなことをいたしまして、ほぼ希望する者の九九%は現在のところ再就職いたしております。
#41
○飯田忠雄君 現在のところの後がはっきりいたしませんでしたが、現在は就職しておるわけでしょうか、それとも遊んでおるんでしょうか。
#42
○政府委員(松本宗和君) ただいまお答えいたしましたように、現在退職いたしまして国の方の援護を受けるなりあるいは自己開拓するなりして、ほぼ一〇〇%の者が再就職いたしております。
#43
○飯田忠雄君 それでは、この問題につきましてはこの程度にしまして、次に年金の引き上げ率の
問題でございますが、共済年金、ことしは物価の上がり方を参考にしてそれにスライドしていくというふうなものだということを問いだのでございます。従来は公務員の給料の上がりぐあいによって年金を決めたというふうになっておりますが、なぜ今回は変わったのかという問題につきまして御説明を願います。
#44
○政府委員(篠沢恭助君) 共済年金も、社会保険方式で運営されております公的年金の一つとして、非常に重要な位置づけを占めておるわけでございます。やはり公的年金制度相互の均衡を図るという観点から、制度改正の際にいろいろ御議論もあったかと思いますが、公的年金制度の大宗を占めます厚生年金と同じような仕組みをとるということがいいのではないかという一般的な基本的な考え方ができ上がったわけでございます。
 それから、六十二年度の改定の問題でございますが、六十二年度の改定は、いずれにいたしましても、物価上昇率が〇・六%程度という非常に低率になってきております。厚生年金の方も特例的な物価による一種のスライドという制度改正をお願いをしておるわけでございますが、共済年金もこれに合わせてまた特例的な〇・六%程度のスライドをお願いしたいということで、この法案をお願いしておるわけでございます。
#45
○飯田忠雄君 共済年金の場合には基礎年金があるから、その上乗せだから大丈夫だというようなお話を以前に聞いたことがございますが、恩給の場合は基礎年金というものはないので、したがって恩給は二%で共済年金はそうでないと、こういう考えでしょうか、お尋ねいたします。
#46
○政府委員(篠沢恭助君) 共済年金の物価スライド的な考え方につきましては、とにかく公的年金制度の大宗を占める厚生年金と合わせていきたいということに尽きるわけでございますが、恩給との関係におきましての制度的な、具体的な算定方式上の違いと申しましょうか、これを申しますと、共済年金の場合には恩給には認められておりませんいわゆる通年方式、つまり定額部分と報酬比例とを組み合わせた算定方式がございまして、この通年方式による年金額の計算方法があるといったようなこともございまして、恩給と共済ではやはり制度が異なっておりますので、どうも単純に比較するのは難しいかなというふうに思っております。
#47
○飯田忠雄君 時間が参りましたので、私の質問をこれでやめさせていただきます。
#48
○吉川春子君 きょうの毎日新聞の報道によりますと、総理府の世論調査によって見ると国民生活の実感では五〇・二%の人々が生活費がふえ、そのうち物価上昇を挙げた人が四五・五%もいます。特に、年金受給者の場合、保健医療費の値上げは大変重い負担となっていると指摘されております。共済年金の伸びが〇・六%という低い率にとどまっているということは、こういう実態を見ても、生活費としての年金である以上大変大きな問題である、そのことを私は最初に一言指摘しておきたいと思います。
 次に、大蔵大臣にお伺いしたいんですが、国民生活を向上させるための内需の拡大というのが大変必要であると私思います。今や内需拡大の大合唱でございますが、政府のお考えでは内需拡大の中身とはどういうことなのか伺わせていただきたいと思います。
#49
○国務大臣(宮澤喜一君) 私どもこの際の段階で考えておりますのは、やはり社会資本を充実させますための広い意味での公共事業をひとつふやしてまいりたい。さしずめ、先般成立いたしました六十二年度予算に計上されておりますものの前倒しをいたしまして、その前倒しの結果は、年度後半において事業が減るということではいけませんので、そういうものも必要が恐らく生じまして、補正予算というものの御審議をやがていただく必要があろうかと思っておりますが、それからあと住宅でありますとか住宅関連、それからいろんな意味での規制を緩和して、民間の力もひとつ大いに活用をさせていただきたい。それから、預金の政策金利でございますが、これは政府関係機関の問題でございますけれども、そういうものの引き下げの問題、あるいは労働時間の問題、それから円高差益をもう少し還元をしなければいけない等々、幾つかのことを考えております。
#50
○吉川春子君 今いろんなことをおっしゃられましたけれども、私はその中でも大変重要なことは、GNPの六割から七割を占めると言われている国民の購買力を高める、そういうような施策を講じなきゃならないんじゃないかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
#51
○国務大臣(宮澤喜一君) それは必要なことだと思います。その点につきましては、実は減税をどうするかということをまだ政府としては最終的に決めておりませんで、衆議院で税制問題は議長のごあっせんによりまして協議機関を設けるということになりましたこともありまして、その御審議、御検討も見させていただきながら、政府としても何かの方針を決めてまいらなければならないと思っております。
#52
○吉川春子君 今大臣がおっしゃられました減税のことですけれども、政府は一兆円以上の規模の減税を検討されており、また所得税法の改正を二、三年の時限立法で行う案も浮上していると伝えられておりますけれども、そういうことなんでしょうか。
#53
○国務大臣(宮澤喜一君) その辺につきましては、まだ十分議論を尽くしておりませんで、未定でございます。
#54
○吉川春子君 それでは、減税の考え方としてお伺いいたしますけれども、売上税と一体で提出されました減税と同じように、増減税一体のものとして補正予算に組み込んでいく、こういうお考え方は変わりないんですか。
#55
○国務大臣(宮澤喜一君) その辺も実は未定のところでございまして、もし、いわばいわゆる前倒し、つまり増減税プラス・マイナス・ゼロでない、減税の方が大きいという、そういう意味でのネットでございますね、前倒しというようなことを考えるといたしますと、それはこのたびの緊急総合経済対策の中で決めてまいることになるわけでございますけれども、まだ政府部内あるいは政府・与党内の意見調整を最終的に終わっておりません。
#56
○吉川春子君 なかなかおっしゃっていただけないので聞きにくいんですけれども、法人税減税は既に四千億実施されているわけですが、今政府がお考えになっております減税の中には、さらに法人税減税も含むんでしょうか。
#57
○国務大臣(宮澤喜一君) 国会の法案御審議の結果といたしまして、法人税の減税部分だけが実は先行しておりまして、これは政府としては、本来法人税内部の引当金等々の処理によりまして、大きな減税にならないようにといいますか、法人税内部その他の方法で財源を生み出すということを考えておったわけでございますが、生み出す方の法案が国会で成立しておりませんで、減税の部分だけが成立したということになっておりますものですから、本来これはやはり、四千億とおっしゃいましたが、その四千億全部でなく、かなりの部分は増税措置でいわば埋めておきたい、こういうふうになお思っております。
 それでございますから、もとに返りまして、政府の考えているネット減税の中に法人税の四千億の減税が入るかとおっしゃれば、四千億丸々減税になってしまうということはもともと政府は考えておりませんでしたので、埋め合わせました後に残りがあれば、その部分だけはどうも減税に勘定せざるを得ない、大体そんな感じの問題でございます。
#58
○吉川春子君 本予算の成立前から補正予算の五兆円規模という大枠が国際公約として行われておりますし、補正のための臨時国会も七月には召集されるという段階で、骨格は恐らく定まっていると思うんですけれども、余り明確な御答弁がいただけないのは残念です。私たちの主張としては、直ちに三兆円の大幅減税を実施することが真の内需拡大のためにも必要だということを、主張しておきたいと思います。
 この前の内閣委員会でも私、経企庁にお伺いしたわけですが、経済発展の成果配分のあり方に関する調査の研究成果をまとめまして、「内需拡大と成果配分(概要)」を発表されましたけれども、その中で、内需拡大は円高等による対外不均衡の−是正過程で生じるデフレ効果を勘案し経済構造調整を進めるものであるが、国民生活の充実に資するものでなくてはならないということで、賃上げや時短の必要性を強調しておられます。「今後の課題と政策対応」として個人消費の拡大を図るという観点からは、経済発展の成果を賃金と労働時間短縮に積極的に配分していく必要があり、労使としても積極的な取り組みが望まれるが、政府としても所要の対策を積極的に講じていく必要があるとして、具体的に幾つか提言を述べておられます。この提言をどうやって具体化するのかが問題であると思うんですけれども、経企庁にお伺いしますが、経済対策の中でどのように生かしていかれるんでしょうか。
#59
○説明員(上野達雄君) お答えいたします。
 今後の内需主導型の経済成長のためには、やはり経済成長の成果が適正に賃上げ、時短に配分されるということでありまして、そのためには、政府としましては経済環境を整備していくという意味で、第一に中成長程度の経済成長を達成するという意味で積極的な経済対策を進めていく。それから第二点としまして労働時間短縮に関しては、公務員あるいは金融機関を主導とした週休二日制というものを早期に実施していくということが必要だというふうに考えております。
#60
○吉川春子君 私がこの概要を読ませていただいた印象では、時短についてはかなり具体的に書かれておりますけれども、賃上げについては一般的な表現にとどまっているように思えるわけです。
 そこで、伺いたいんですけれども、今環境を整備していくとおっしゃられましたけれども、この賃上げの問題についても政府の努力を積極的に求めているというふうに読んでよろしいわけですか。
#61
○説明員(上野達雄君) 賃上げにつきましては、基本的には労使の自主的な交渉というものがベースになりますけれども、やはり賃金の上昇というものは基本的にはそのときどきの経済の需給、労働市場でありますとか企業の収益とか、そういった要因で決まってくるわけであります。そのためには、ある程度経済が成長しておりませんとそういう企業収益も上がりませんし、あるいは労働市場がかなりタイトになるというようなこともございません。したがって、政府としてはある程度の潜在的な経済成長を実現するというような方策をとることによって、側面から賃金の引き上げというような環境ができるような施策を必要とするというふうに考えております。
#62
○吉川春子君 大臣にお伺いいたしますが、政府が賃上げについて積極的な役割を果たせるのは、何といっても国家公務員の給与についてであろうかと思います。公務員給与の水準というのは、一部民間の賃金にも影響を与えることが指摘されておりますけれども、この際内需拡大、国民の購買力を高めるために、国家公務員の給与を積極的に引き上げる方針をとるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#63
○国務大臣(宮澤喜一君) これは財政の問題もございますし、それから、吉川委員がまさに言われましたように、公務員給与が民間給与に影響を与える、その影響力も少なからぬものがございまして、民間企業はただいま、これも御存じのように、楽々給与を引き上げられるような状況にはございません。そういうところも中にはございますけれども、多くの製造業はそうではないわけでございますから、雇用の問題も起こっておるようなときでございますので、なかなか軽々にはその問題には積極的にお答えできないところがございます。ことしで申しますならば、人事院がやがてどうお考えになるかということがまず最初の問題だろうと思いますが、財政当局から申しますと、なかなか簡単に今のお尋ねにそのとおりですというふうに申し上げるわけにもいきません。
#64
○吉川春子君 人事院の勧告を上回って給与を引き上げてはいけないということではないわけですし、やっぱり公務員の給与が低いということは民間も低くなるという、そういう関連もありますので、私は、内需拡大のためにも購買力を高めるためにも、公務員の給与の引き上げというのを強く要求しておきたいと思います。
 最後の質問ですけれども、マル優の廃止の問題について大臣にお伺いいたします。
 税制改革関連法案がすべて廃案となることは確定的であり、この中にマル優廃止の法案も含まれると思うんです。したがって、売上税同様、マル優制度の廃止についても今年度は見送りになるのが当然だと、このように理解してよろしいわけですか。
#65
○国務大臣(宮澤喜一君) 少額貯蓄課税の問題は、私ども所得税改正の一環として考えまして、その考え方は先ほど久保田委員のお尋ねにも申し上げましたので、吉川委員も御社席でございましたからお聞き取りいただいたと思います。したがいまして、これは私ども売上税の問題と関連づけて考えてはおりませんで、所得税の改正をやがて国会にお願いいたすときがございますれば、それとの関連で御提案を申し上げたいと思っているところでございます。
#66
○委員長(岩本政光君) 時間が来ておりますので。
#67
○吉川春子君 時間が来ておりますのでこれで終わりますが、マル優の廃止が再び提案される可能性があるということは大変問題であると思います。売上税同様廃案になったものですから復活は認められないと、このことを申し上げまして質問を終わりたいと思います。
#68
○柳澤錬造君 大蔵大臣、食事の時間もなくなるようなことじゃいかぬですから、もうなるべく簡単に三点ほどだけお聞きをしてまいりたいと思います。
 数日前に恩給の方を二%アップをここで決めたんですが、きょうの国家公務員等の共済年金の方は〇・六%アップということに提案されておるわけですけれども、その辺の関係ではこれは問題はないのかどうなのかということが第一の御質問です。
#69
○政府委員(篠沢恭助君) やはり共済年金は社会保険方式で運営される公的年金の一つの柱であるというふうに考えておるわけでございますが、公的年金制度の大宗を占めます厚生年金あるいは国民年金基礎年金、これと同率のスライドを行っていくのがやはり適当ではないかというふうに考えられます。それから、具体的な算定方式におきましても、共済年金の場合には恩給に認められておりませんいわゆる通年方式による年金額の計算方法というものもございますし、このように恩給と共済ではやや考え方も異なっておりますので、今回の年金額の改定に際しては、やはり恩給と共済の間で異なった取り扱いをするということで、法案を提出しておるわけでございます。
#70
○柳澤錬造君 そうしてくると、今度は次にお聞きしたいのは、国家公務員共済年金の方と民間の厚生年金、それとのバランスというのは現状でこれとれているのかどうなのか。
#71
○政府委員(篠沢恭助君) 公的年金制度につきましては、五十九年二月の閣議決定に基づきまして、将来一元化というものを展望しながら全国民共通の基礎年金制度の導入、給付水準の適正化といったことを内容とします国民年金、厚生年金の改正、それから引き続いて共済年金の改正ということが行われたわけでございますので、若干経過措置的なものにいろいろございますけれども、給付面では六十一年四月以降、いわば制度改正が発足して以降、国共済と厚生年金がほぼ均衡のとれた水準にあるのではないかというふうに考えておるわけでございます。給付面ではそのように考えております。
#72
○柳澤錬造君 その改定したことは知っておって聞いたんですから、そういう答弁をなさってていいのかなという感じがするんだけれども、それなりに大蔵省の方のお考えだというふうに受けとめ
ておきたいと思うんです。私は若干その辺の理解が違うということだけ申し上げておきます。
 もう一つは、もうなくなっちゃった旧の国鉄の共済組合。いわば破産のような状態になって、それで国家公務員や電電やたばこや、それぞれの共済組合から資金を出して、そして旧国鉄の共済年金の方を救済というか何というか、やってきているわけでしょう。だから、国家公務員共済年金の方にその大きなしわ寄せが来ていないのかどうなのか、その辺の御判断はどうなさっているんですか。
#73
○政府委員(篠沢恭助君) ただいまのお話の中で、いわば六十四年度までの当面講じました対策の中で、やっぱり大きな柱がいわゆる国家公務員共済、それから旧の電電、現在のNTTの共済、それからもう一つは旧の専売公社、現在の日本たばこの共済、この三つの共済の拠出による救済措置というものが柱にあったわけでございます。この拠出による救済措置は、組合員それぞれが平均で一万五千円の拠出を行っていくというものを全部旧の国鉄の共済年金に入れていくという形をとっておりますので、これまでのこの拠出による救済措置に関しましては、そのこと自体が従来から考えておりました国家公務員共済やNTT、日本たばこ、それぞれの共済のいわば内部構造に大きな影響を及ぼすということではないというふうに考えております。
#74
○柳澤錬造君 さっき言ったように、大蔵大臣、食事を食べられないといかぬからやめるけれども、今言われているようなことはもうわかってて私は聞いているんだから、だからその先、それは法律としてはないけれども、その先はこういうことを考えているんですということを言うんじゃなかったら、答弁にならないわけよ。今まで言われたことは事実経過だけであって、そのことを聞くために私は先ほどからの質問をしたのではございませんということをむしろ申し上げて、終わります。
#75
○委員長(岩本政光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、討論はないものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 昭和六十二年度における国家公務員等共済組合の年金の額の改定の特例に関する法律案に賛成の方の挙手を求めます。
   〔賛成者挙手〕
#76
○委員長(岩本政光君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#78
○委員長(岩本政光君) これより請願の審査を行います。
 第四九号台湾人元日本兵等に対する補償措置の早期実現に関する請願外三百二十六件を議題といたします。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、第四九号台湾人元日本兵等に対する補償措置の早期実現に関する請願外三十五件は採択すべきものにして内閣に送付するを要するものとし、第八二号国家(防衛)秘密法案の再提出反対に関する請願外二百九十件は保留することに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#81
○委員長(岩本政光君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、両件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#84
○委員長(岩本政光君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#85
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#86
○委員長(岩本政光君) この際、一言御礼を申し上げます。
 今通常国会の会期も、あと三日間を残すのみとなりました。今期国会は異例の進展を見た国会ではありましたが、当委員会におきましては、国民生活とかかわり合いの深い恩給法等改正案を含め三件の案件処理を行うことができ、また国の防衛等の問題につきましても熱心な調査を進めることができました。
 この間の委員各位の格別の御協力に対しまして、委員長より心から感謝を申し上げる次第でございます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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