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#1
第108回国会 石炭対策特別委員会 第3号
昭和六十二年三月二十四日(火曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 竹内 黎一君
   理事 愛野興一郎君 理事 久間 章生君
   理事 古賀  誠君 理事 野田  毅君
   理事 中西 績介君 理事 藤原 房雄君
      逢沢 一郎君    上草 義輝君
      大野 功統君    金子原二郎君
      北村 直人君    古賀 正浩君
      杉浦 正健君    鳩山由紀夫君
      松田 九郎君    岡田 利春君
      田口 健二君    中沢 健次君
      細谷 治嘉君    鍛冶  清君
      吉井 光照君    青山  丘君
      児玉 健次君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  田村  元君
        労 働 大 臣 平井 卓志君
 出席政府委員
        通商産業大臣官
        房長      棚橋 祐治君
        通商産業大臣官
        房審議官    末木凰太郎君
        通商産業省産業
        政策局長    杉山  弘君
        通商産業省立地
        公害局長    加藤 昭六君
        資源エネルギー
        庁長官     野々内 隆君
        資源エネルギー
        庁石炭部長   高橋 達直君
        資源エネルギー
        庁公益事業部長 岡松壯三郎君
        中小企業庁計画
        部長      小林  惇君
        労働大臣官房審
        議官      野崎 和昭君
        労働省職業安定
        局長      白井晋太郎君
        労働省職業安定
        局高齢者対策部
        長       甘粕 啓介君
        労働省職業能力
        開発局長    野見山眞之君
 委員外の出席者
        大蔵省主税局税
        制第二課長   薄井 信明君
        文部省初等中等
        教育局高等学校
        課長      小西  亘君
        労働省労働基準
        局監督課長   松原 東樹君
        自治省行政局公
        務員部公務員第
        二課長     柘植 一郎君
        自治省財政局財
        放課長     柿本 善也君
        自治省財政局指
        導課長     松本 英昭君
        商工委員会調査
        室長      倉田 雅広君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十三日
 辞任         補欠選任
  児玉 健次君     東中 光雄君
同日
 辞任         補欠選任
  東中 光雄君     児玉 健次君
同月二十四日
 辞任         補欠選任
  尾形 智矩君     杉浦 正健君
  自見庄三郎君     大野 功統君
  松野 頼三君     逢沢 一郎君
  三原 朝彦君     北村 直人君
  細谷 治嘉君     田口 健二君
同日
 辞任         補欠選任
  逢沢 一郎君     松野 頼三君
  大野 功統君     自見庄三郎君
  北村 直人君     三原 朝彦君
  杉浦 正健君     尾形 智矩君
  田口 健二君     細谷 治嘉君
    ―――――――――――――
三月十一日
 第八次石炭政策に関する陳情書外六件(福岡県
 大牟田市有明町二の三大牟田市議会内山浦勇次
 郎外六名)(第六二号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する
 法律案(内閣提出第四号)
 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第五号)
     ――――◇―――――
#2
○竹内委員長 これより会議を開きます。
 石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案及び炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鳩山由紀夫君。
#3
○鳩山(由)委員 それでは質問させていただきたいと思います。
 八次策の答申が昨年末に出されたわけでございますが、その基本的な方針というものは一千万トン体制への円滑な移行ということだと思っております。これは当然国内生産のことでございますが、そのときに政府は、この八次策の具体化にどのようにお考えになっておられるか、まずお尋ねしたいと思います。
#4
○田村国務大臣 八次策で最終的にはおおむね一千万トンの供給規模。そこで、具体的対策につきましては、石炭業界だけで自分たちの自己努力だけでは解消し得ない需給ギャップを調整するために、過剰貯炭対策あるいは炭鉱の規模縮小対策の実施とか閉山対策、地域対策、雇用対策の拡充等が八次策でも提言されておるわけでございます。
 我々といたしましても、日切れ法案等についてぜひその延長をお願いしたいということ等で、この八次策の提言を生かしていきたい。特に貯炭会社等の問題もございますので、ぜひこの四法でございましたか、日切れ法案をお願いしたい、こういうふうに考えております。
#5
○鳩山(由)委員 その暫定予算の影響についてお尋ねしたいのですが、八次策を円滑に遂行していく際に、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案及び炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案が本日討議され、もしこれが成立の運びになりまして、さらにその内容が暫定予算の中に十分に組み入れられた際には、八次策の展開に当たって本予算がたとえおくれたといたしましても、石炭政策に何ら影響はないと考えてよろしいでしようか。
#6
○高橋(達)政府委員 石炭鉱業合理化臨時措置法の成立及び暫定予算の関係についてのお尋ねでございますが、御案内のとおり第八次石炭政策、来年度からということでございますが、本年度におきましても引き取りの削減ということで、各石炭会社は過剰貯炭に非常に苦しんでおる状況でございまして、来年度八次政策の中で予定しております特に貯炭管理会社につきましては、年度早々にぜひとも実現をいたしたい、かように考えておるところでございまして、そういう意味におきまして法律及び予算の確保はぜひともお願いいたしたいと思うわけでございます。
 ただ、暫定でその点をお手当でいただくといたしますれば、とりあえず貯炭業務が開始することができるわけでございまして、とりあえずの政策の支障はないものと判断をしておりますけれども、やはり地元の関係あるいは労働者の方々もこの八次策の対策自体がどうなるかということについて非常に不安を持っておられる状況でございますので、一刻も早く本予算の制定もお願いしたいと考えておるところでございます。
#7
○鳩山(由)委員 それでは、その貯炭管理会社についてお尋ねしたいと思います。
 八次策における生産体制の円滑な集約化の大変な目玉といたしまして貯炭管理会社の構想を、田村通産大臣が私の最初の委員会の質問に対します御祝儀答弁という形でお答えくださいましたことに今でも心から感謝をしておる次第でございますが、その貯炭管理会社につきまして二、三質問させていただきたいと思います。
 まず、基本構想に関してお答えいただきたいと思います。
#8
○高橋(達)政府委員 この貯炭管理会社の基本構想といたしましては、石炭関係の各社が共同で会社をつくりまして、これに対しまして新エネルギー開発機構、NEDOからも一部出資をする、予算上は二億円を予定しているわけでございますが、これによりまして八次期間中に生じます需給ギャップによる過剰貯炭の買い入れ、保有、管理、売却をするというような業務を行うこと寺としているわけでございます。
 具体的な貯炭管理の仕組みといたしましては、NEDOが市中銀行から借り入れます資金を石特会計におきまして利子補給をいたしまして、その結果、無利子によりまして新しくできます貯炭管理会社に貸し付けることになるわけでございます。そして、その資金で各社の過剰貯炭を買い上げることにいたしまして、現在では六カ月と考えておりますが、六カ月後にこれを各社に買い戻させるという仕組みを考えておるわけでございますが、その時点におきまして各社の過剰貯炭が解消していない状況におきましては、引き続き改めて買い上げることも検討しているわけでございます。
#9
○鳩山(由)委員 それで、ただいままでの準備状況に関しましてはいかがなっておるのでしょうか。
#10
○高橋(達)政府委員 ただいまの鳩山先生の御質問にもございましたように、昨年の十一月に第八次石炭答申を得まして以来、特に田村通産大臣からの強い指示によりまして、何としてもこの貯炭会社を設立すべしということで私どもとしても動いてまいったわけでございます。特に予算の編成に当たりましては大臣みずから乗り出されまして大蔵大臣と話をまとめていただきまして政府原案に入れたところでございます。
 今後、いずれにいたしましても先ほど御指摘のございました年度内の法案成立それから四月からの予算執行を可能にするということをぜひ国会にお願いいたしまして、それを前提にいたしまして早急に準備を進め、四月中にも業務開始ができるように持っていきたいというふうに考えております。
#11
○鳩山(由)委員 今のお答えの中の業務の開始ということは、過剰貯炭の買い上げに関する業務を開始できるということでございましょうか。
#12
○高橋(達)政府委員 そのように御理解いただいて結構かと思います。
#13
○鳩山(由)委員 それでは、貯炭の買い上げ量に関する長期的な見通しに関してお答えいただきたいと思います。
#14
○高橋(達)政府委員 貯炭会社の買い上げ量の長期的な見通しでございますが、御案内のように第八次石炭政策のもとで需要が減少し供給規模もそれに伴ってなだらかにおおむね一千万トンに縮小するという方向が打ち出されているわけでございますので、五年間の政策期間の前半においては供給過剰による貯炭の増加が予想されるわけでございます。六十一年度末の貯炭量はおおむね三百八十から三百九十ぐらい見込まれているわけでございまして、先ほどの管理会社が発足いたしますれば早速このうちの過剰貯炭を買い上げていくということになるわけでございますが、おおむねの適正在庫が一カ月分といたしますと百二十万トン程度と想定されるわけでございますので、三百八十万トンの在庫といたしますれば二百六十万トンぐらいをとりあえず過剰貯炭ということで買い上げていくということになるわけでございます。
 六十二年度以降につきましては、需要がまず幾らになるかということが前提となるわけでございまして、これは需給両業界の協議によって決まるということになるわけでございますので、現段階では確たることが言えないわけでございますが、いろいろのフレームワークが八次策決定のときにできておるわけでございまして、それらを前提に六十二年度の貯炭買い上げ量というものを考えますと、やはり本年度よりも増加をいたしまして、その分を買い上げていくということになろうかと思っております。予算上は一定の前提のもとに約百万トンのさらなる買い上げを積算しているわけでございます。その後の長期的見通しにつきましては、いろいろなファクターがございまして確たることは申し上げられないわけでございますが、いずれにいたしましても政策期間の前半に買い上げを行い、後半に売り戻していくというようなことで、最終的には適正な貯炭水準になるものと見込んでおるわけでございます。
#15
○鳩山(由)委員 それでは、その貯炭管理会社がうまくでき上がった場合あるいはこの構想がなかった場合の度合いの差と申しますか、すなわち閉山というものはこれから将来ある程度やむを得ないような状況になろうかと思いますが、その閉山のスピードというものにどのぐらい大きな差が出てまいるか。すなわち経営環境の、いわゆる石炭会社の経営環境に対する差というものをお示しいただければ、具体的にはお示しできないかもしれませんが、閉山のスピードに関しまして大体の基準をお知らせいただければと思います。
#16
○高橋(達)政府委員 貯炭管理会社が存在する場合としない場合の閉山への影響の問題は、御指摘もございましたようになかなか計算が難しいわけでございますが、ただいま申し上げましたように六十一年度の過剰貯炭の買い上げといたしましても二百六十万トンを予定しておりまして、また六十二年度も予算の積算としましては百万トンの買い上げを予定しておるわけでございます。したがいまして、六十一年度及び六十二年度の過剰貯炭として三百六十万トン程度を予定しているわけでございますので、これを仮に百万トンの炭鉱にいたしますれば三山ないし四山分ということになるわけでございまして、もしこの過剰貯炭を買い上げる機構がなければ、三山ないし四山に相当する分の石炭量を各社が負担しなければいけないということになるわけでございまして、その資金が大体山元手取りでまいりますと、平均一万五千円といたしましても百万トンで百五十億、四百万トンでございますれば六百億の資金を必要とし、それを金利が仮に一〇%といたしますれば六十億ぐらいの金利負担をしなければいけないというようなことで、かなりの経営圧迫になることが考えられるわけでございます。
#17
○鳩山(由)委員 それでは、閉山に対する地域の振興策に対してお尋ねしたいのですが、八次策における円滑な生産の集約化の過程の中で、どうしても、先ほど申しましたように炭鉱の閉山というものはある程度やむを得ないと思います。そういう地域が出てくると思われますが、通産省といたしましてはどのような地域の振興策を考えておられるか、お尋ねしたいと思います。
#18
○高橋(達)政府委員 御指摘のございましたように、炭鉱というものがその地域に大きな影響力を持っているわけでございまして、閉山ということになりますと大量に失業が発生し、また地元経済を打撃するというようなことが想定されるわけでございまして、こういう事態に対しましては関係者が最大限の努力をもって対策を講じなければいけないというふうに考えるわけでございます。
 仮に閉山が生じた場合のことを考えますと、まず、その地域にございました炭鉱の石炭企業、親会社あるいは金融機関を含む関連グループが地域対策なり雇用対策に最善を尽くすべきであり、私どもとしてもそういった観点から企業グループを指導していかなければいけないというふうに考えております。また、地元市町村の関係者あるいは道県の関係者が一体となって地域振興に主体的に取り組んでいただくことが必要でございますが、通産省といたしましてもこれらの関係者の努力に最大限支援を行うようにしてまいりたいと考えているわけでございます。
 具体的な対策といたしましては、閉山が起こった場合の当面の対策とその地域を中長期的に再構築していく問題があるわけでございますが、当面の対策といたしましては、就職のあっせんの問題とか中小企業対策であるとか企業誘致の問題であるとかいろいろな問題があるわけでございますが、政府におきましても産炭地域振興関係各省庁等連絡会というものを設置して緊密な連絡をとる体制になっておりますので、その連絡会の活用によりまして政府が一体となりまして地域対策、雇用対策の促進に万全を期していく考えでございます。
 また、中長期的対策といたしましてもいろいろと地元の努力あるいは企業グループの努力を求めていかなければいけないわけでございますが、通産省といたしましても六十一年度から産炭地域の活性化支援事業というものを創設しておりまして、これによりまして閉山地域に対しまして強力に支援をしていきたいというふうに考えておりまして、具体的にはその地域でまずプロジェクトビジョン、地域の再構築のためのプロジェクトビジョンをつくっていただく、現在空知地方におきましては関係の五市一町におかれまして協議会をつくりましてこのプロジェクトビジョンの作成にかかっておりまして、当省からもその費用の面で二分の一の補助を行いますとともに、地域振興整備公団のこれまでの情報力あるいは経営のノーハウといったものを活用するべく、地域振興整備公団にも最大限の協力をさせておるところでございます。
 こういったプロジェクトビジョンができた後に、今度はプロジェクトの中から企業化ができるものがあるかどうかという調査を行うわけでございますが、その調査につきましても二分の一の補助を行うべく六十二年度の予算においてはお願いをしておるところでございます。さらに、この企業化調査が成功いたしました場合には、実際に企業化を行うということになるわけでございますが、その企業化に当たりましても従来の制度といたしましても地域振興整備公団の出資機能等を活用していくわけでございますが、別途、今回の新しい法案をお願いしております産業構造転換円滑化法の活用も十分に考えてそういった企業化に対応してまいりたいと思っております。
 いずれにいたしましても、第八次石炭答申が昨年出されたわけでございまして、石炭政策と同時に、その地域でございます産炭地域の振興という問題が改めて重大な問題になるわけでございますので、こういった問題につきまして近く大臣の諮問機関でございます産炭地域振興審議会を開いて論議をしていただくことにしておりまして、新しい政策に間に合いますように一定の方策を取りまとめていただけたらというふうに考えているところでございます。
#19
○鳩山(由)委員 今の石炭部長の御答弁を拝聴させていただくと、従来のような後追い的な対策だけでなく、閉山に先行した地域の振興策をかなり積極的に図っていかれるような雰囲気が大変に感じられましたので、ありがたく思っている次第でございます。
 御答弁の中で、産業構造転換円滑化臨時措置法に対する活用ということをおっしゃっておられましたが、まさに産炭地あるいは石炭産業というものは産業構造転換を真っ先に図らなければならない、そういう最たるものだと思っておりますので、この法案が成立した場合には真っ先に特定地域に例えば空知を中心とする北海道の産炭地域が指定されるというふうに考えてよろしいでしょうか。
#20
○高橋(達)政府委員 産業構造転換円滑化法の地域対策の指定の問題につきましては、まず法案の御審議をいただき成立を図っていただくことが先決でございますが、私どもといたしましては、法案が成立した暁には、産炭地域という問題も構造調整のまず第一号として今回の八次策でも位置づけられておるわけでございますので、指定される方向で関係者と相談をしてまいりたいと考えております。
#21
○鳩山(由)委員 続いて中小企業あるいは商工業者に対する対策に関してお尋ねしたいと思いますが、特に人口減に苦しめられておりまず産炭地の地元の商店の経営というものはますます厳しくなっていくと思います。一般的に申しましてこの地元の中小企業者に対する対策というものはどのように講じておられるのでしょうか。
#22
○高橋(達)政府委員 御指摘のとおり、その地域の炭鉱が閉山ということになりますと地元の中小企業者、中小商工業者が大きな影響を受けるわけでございますが、これらの方々に対する対策といたしましては、一般的な中小企業対策に加えまして産炭地域の中小企業向けの特別貸付制度というのがございます。また、産炭地域振興臨時交付金制度を活用いたしまして、道県から特に低利融資制度を特別の中小企業対策として講ずる手段もあるわけでございます。さらに、そういった資金の借り入れに当たりまして信用保証協会による信用保証制度もございまして、いろいろと手段はあると思っているわけでございます。これらの制度を適切に運用いたしまして、地元の商工業者の方々の対策に遺漏のないようにしてまいりたいと考えております。
#23
○鳩山(由)委員 空知の産炭の各市町に対しまして、いわゆる特定地域中小企業対策臨時措置法というものが成立いたした場合、すなわち企業城下町法でございますが、その対象地域に指定していただきたいと思いますけれども、その件に関しましてはいかがでございますか。
#24
○小林(惇)政府委員 六十年秋以降の円高の影響を集中的に受けているいわゆる産地あるいは城下町等を対象にいたしました特定地域中小企業対策臨時措置法を昨年十二月九日に公布、施行しておりまして、その法律に基づきまして室蘭地域を初めといたしまして全国四十三地域を指定いたしたところでございます。引き続きまして、本年に入りまして北九州市等三つの市につきまして、その後の急激な経済状況の悪化ということを踏んまえまして追加指定をいたしたところでございます。
 今御質問の空知地域につきましても、今後地域の経済情勢等を十分路んまえながら検討してまいりたいというふうに考えております。
#25
○鳩山(由)委員 次に、労働省の方々にお伺いしたいのですが、特に雇用対策の問題でございます。今後発生すると思います炭鉱離職者の再就職の促進について、労働省の取り組みをぜひお聞かせいただきたいと思います。
#26
○平井国務大臣 石炭産業の雇用対策につきましては、従来からの基本的な政策でございますが、雇用調整助成金制度を活用して炭鉱労働者の失業の予防を一番に図る。そしてもう御案内のように、離職者に対しましては炭鉱離職者臨時措置法、ただいま延長をお願いいたしておるわけでございますが、これに基づいて炭鉱離職者求職手帳を発給する、そしてきめ細かな職業指導を実施してまいる。さらには、労働省内に設置した炭鉱離職者対策本部を中心にいたしました総合的な離職者対策を推進していく。そして、状況に応じた現地での臨時の職業相談所の設置、さらには機動的な職業訓練の実施、特定求職者の雇用開発助成金等の再就職援助措置の充実強化等々によりまして離職者の再就職の促進に全力を挙げてまいるというのか基本的な考え方であります。
#27
○鳩山(由)委員 それでは、地域振興の対策に関して労働省としてはどのように考えておられるのかをお伺いしたいのですが、特に政府のこれからの目玉としまして三十万人雇用プログラムというものをつくられるようでございますが、その絡みとして、地域雇用開発等促進法の制定に伴う特定雇用開発促進地域にこの北海道の産炭地を指定していただけるのでしょうか、そのことについてお伺いしたいと思います。
#28
○白井政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘の地域の問題でございますが、石炭を初めとしまして造船、鉄鋼等特定の産業に依存しておりました地域の雇用失業情勢は非常に厳しさを増してきております。そういうことで、今御指摘の地域雇用開発等促進法案を今国会に提出いたしまして御審議いただき、早急に結論を出していただきたいというふうにお願い申し上げているところでございますが、この法案によりまして、地域の雇用開発を行う事業主に対して賃金や雇用機会拡大のための費用に関します大幅な助成を行う地域雇用開発助成金制度を創設すること、それから能力開発の積極的な推進、その他もろもろの施策の拡充を内容としているものでございます。
 そのための地域指定につきましては、一般的な不況地域と今お話のございました特定雇用開発促進地域の指定があるわけでございますが、この法案の成立を見ました暁に中央職業安定審議会等に諮りまして指定基準を定めなければならないわけでございます。現在、特定不況地域ということで全国で三十七地域指定しております中で北海道で十二地域指定しているわけでございますが、この特定不況地域もこの法案の中に吸収されることになります。新しい基準で新たに指定するわけでございますが、現在この十二地域の中で石炭の地域としましては釧路地域になっておりますけれども、今お話のございましたそのほかの石炭の地域につきましても、基準に照らしまして前向きに検討してまいりたいというふうに考えております。
#29
○鳩山(由)委員 ぜひそのようにお願いしたいと思います。
 最後に一つだけ御質問させていただきたいのですが、三月二十日付の北海道新聞に載っておった記事でございますが、北炭の真谷地炭鉱は、閉山後の従業員の雇用対策として十三項目に関する代替事業を検討しておるようであります。特に、これは三井グループの支援するプロジェクトだそうですが、人材派遣の会社をつくる話あるいは食品加工、観光農牧場など幅広い分野が考えられておるようであります。そして、これが実施されることになれば、三百人以上の雇用が確保できる見込みでございます。
 労働省あるいは通産省といたしまして、側面からこのようなプロジェクトに対してどのように指導また支援していかれるおつもりなのか、お聞かせいただければと思います。
#30
○高橋(達)政府委員 御指摘のように、石炭各社におきましても、今後の石炭生産規模の段階的縮小という事態に対応いたしまして、何とか企業のレベルにおきましても脱石炭という方向で努力をすべきであるという決意のもとに、いろいろな新しい分野での業務開発に取り組んでいるところでございます。
 私どもといたしましても、そういった企業の努力に対しまして、これが企業化されることになりますれば、もし資金の面で不十分な面があるということであれば、地域振興整備公団の工場設備資金あるいは運転資金の融資、そういったものもございますし、また出資の面で不足ということであれば、地域振興整備公団の出資機能もあるわけでございますし、また先ほど来の産業構造転換円滑化法の体系の中でのいろいろな支援も考えられると思うわけでございまして、そういった制度的な助成あるいは私どもの持っておりますいろいろなノーハウも含めまして、企業に相談をしながら助力をしていく考えでございます。
#31
○鳩山(由)委員 ありがとうございました。
#32
○竹内委員長 次に、北村直人君。
#33
○北村委員 私も、北海道の産炭地出身の議員の一人として、今回の第八次石炭政策の行く末については非常に関心を抱いております。
 本日、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案の審議に当たりまして、同僚の鳩山議員に続いて質問の機会を得ましたので、今後の石炭政策の遂行上最も重要と思われる点について政府の御見解をお伺いをしたいと思います。
 特に、第八次石炭政策は、ここ二、三年の世界のエネルギー需給の緩和に加えて、今、一昨年秋からの急激な円高という背景の下で、海外炭と国内炭の格差が大幅に広がってしまい、需要業界の協力の限界を超えてしまった、そして、そのために六十六年度までの五年間に国内炭の供給規模を一千万トンに縮減するという方向を打ち出さざるを得なかった。私としては、非常に残念であるし、また今でも実は理解ができ得ないなというふうな気がしておりますけれども、しかしやむを得ないという認識をしているところでございます。
 しかし、答申にもうたわれておりますように、一千万トンの縮減の過程で生ずることが予想される摩擦は、これを極力小さくして、いわゆるソフトランディングすることがぜひとも必要であると考えております。
 そこで、まず最初に、六十二年度の石炭勘定予算案及び合理化法の改正案には、この第八次石炭政策の基本というべきソフトランディングの実現のための具体的措置をどのように盛り込んでいるのかお伺いをしたいと思います。
#34
○高橋(達)政府委員 お話ございましたように、昨年十一月の石炭鉱業審議会の第八次答申におきまして一千万トン規模への段階的な縮小が提言されております。ただ、当然のことといたしまして、その過程におけるいろいろな摩擦、地域経済あるいは雇用への影響を十分に緩和するように行っていけという提言でございますが、また具体的な方向といたしまして過剰貯炭対策、あるいは規模縮小の対策、閉山対策、地域対策、雇用対策等々の拡充強化が提言されておるわけでございます。
 私どもといたしましても、この答申を踏まえまして、六十二年度からの第八次石炭政策を円滑に実施するために法律面あるいは予算面でいろいろなお願いをしておるわけでございます。
 まず法律面におきましては、今回石炭鉱業合理化臨時措置法等石炭関係四本の所要の改正をお願いをしておるわけでございます。この内容につきましては、期限の延長に加えまして貯炭管理制度を創設するための規定及び規模縮小交付金制度の創設のための規定、それからいわゆる石特会計におきまして長期借入金ができるための規定、このような規定を盛り込んでお願いをしているところでございます。
 また、予算案におきましても、これらの法改正を前提にいたしまして貯炭対策の創設、生産規模縮小円滑化対策の創設、それから閉山対策の拡充等に必要な経費を計上してございまして、総額におきましても前年度比で見まして百十七億円の増加の千三百五十三億円を計上してございます。
 予算案のうち、八次策関連の追加分で主なものを簡単に申し上げますと、貯炭管理制度の創設につきましては、貯炭管理会社に対しましてNEDOが二億円の予算をもって出資を行う、あるいはNEDOが貯炭管理会社に対しまして無利子融資を行う、このための利子補給金を約三十億計上してございます。石炭鉱山規模縮小交付金の創設につきましては、一定規模以上の縮小を伴う炭鉱に対しまして、人員の削減に伴い発生する賃金債務見合い額の二分の一を交付するということで八億九千万円計上しておるところでございます。また、減産に伴うコストアップに対応するために、石炭鉱業安定補給交付金制度の中に減産加算金を追加設定をいたしておりまして、このために三十七億円を計上しております。また、従来からございます短期運転資金でございます経営改善資金の貸し付けの利子でございますが、現行の六・二五%を三・七五%に引き下げるという措置もお願いしておるところでございます。
 そのほか、保安確保事業費補助金の拡充ということで前年の九十三億円に対しまして六十二年度は百六億円の保安対策費を計上しております。また、閉山交付金におきましても退職金限度額を現行の四百万円から六百万円に引き上げまして、トータルで七十五億円を計上しております。そのほか、産炭地域振興臨時交付金の中でも閉山見合いの拡充を行っておりまして、三十九億円を計上しているところでございます。
#35
○北村委員 次に、それでは具体的に一つだけお伺いしたいと思います。
 私の地元は釧路でございます。釧路にも太平洋炭礦という、いわゆる一千万トン体制に行った場合でも生き残り得る優良炭鉱と言われておりますが、それでも今後の需要の減少に伴ってある程度減産を余儀なくされていく、そうなると炭鉱の経営が非常に苦しくなっていくというおそれもございます。今後の各炭鉱の減産対策として、政府はそれでは具体的にどのような助成をしていくお考えがあるか、ひとつお伺いをしたいと思います。
#36
○高橋(達)政府委員 御指摘の太平洋炭礦におきましても、お話しのように規模の縮小を来年度から行うということで労使が合意をしたということは私どもも承知をしておりまして、各社それぞれ減産対策を考えておるところでございます。
 先般の八次答申におきまして、段階的縮小はやむを得ないということでございまして、閉山あるいは規模の縮小というようなことで対応をしていかなければいけない状況が出てきておるわけでございます。このような場合に、減産に伴うコストアップによる収支の悪化が考えられるわけでございまして、これをどのように回避していくかというのが企業にとっても大きな問題でございます。
 また、規模の縮小に伴いまして集中的に発生します労働者の解雇に伴う退職金の賃金債務の支払い、これも炭鉱が十分に対処できるように措置をしなければいけないということでございます。
 まず、減産に伴うコストアップについては、当然に企業の合理化努力で対応することが第一義でございますが、政府におきましても、これを支援するということで安定補給金制度の中に減産加算金制度を追加したわけでございまして、この新しい減産加算金制度によりますれば、減産率が五%以上一〇%未満の場合には減産をした初年度には三百円、次の年には二百円、さらに、一〇%以上の減産率を実行した場合には初年度には六百円、次年度には四百円というような補助金を、それぞれ生産の単位当たりの分につきましてそのような補助金を出すということでございまして、これによって相当分のコストアップの分が吸収できるというふうに私ども考えておるところでございます。
 また一方、退職金の賃金債務につきましては、石炭鉱山規模縮小交付金制度を創設するということで、解雇された労働者の方々の賃金債務の見合い額の二分の一を補助金として交付する制度を設けまして、企業の経営の基盤を少しでも確保するように措置しているところでございます。
#37
○北村委員 今後とも存続が期待される炭鉱については、第八次策期間のみならず、いわゆるポスト八次策、八次策以降においても十分な助成を継続する必要が私はあると思います。その場合に、特に炭鉱の保安対策の充実というのは安定操業のための前提条件であるというふうに私は考えます。今、各炭鉱は労使一体となって保安の確保に努めていく必要がありますので、政府としても保安対策の強化のためのいろいろきめ細かい施策を実現あるいは実施をしていく必要があると思います。そのことについて実は通産省の御意見をお伺いしたいと思いますけれども、その前に、なぜ保安対策が必要か、これはもう私が言うまでもございませんけれども、炭鉱の中では特に電気による爆発というのが大変危険が大きいということで防爆、耐圧というような装置をたくさんつくらなければならない。通常の電気のスイッチでありますと、例えば仮に十万円くらいしかかからないようなそういうスイッチの類であっても、いわゆる防爆、耐圧をするとすればそれが二倍にも三倍にもふえていく。そういう保安対策をしていかなければ炭鉱はこの後も保安上大変なことになっていくということになります。しかし、そういう防爆、耐圧をつくっている会社が、石炭が減少することによって中小企業のそういう会社がそれがつくり得なくなっていくということになれば、ますます炭鉱自体での保安対策に非常に無理がかかっていく、あるいは不安が募っていくということになっていくのじゃないかと思います。そんなような意味からも、いわゆる保安対策の強化というのはどうしても必要だ。それで、そのきめ細かい政策を実施していくに当たって通産省の御意見をひとつお伺いしたいな、そう思うところでございます。
#38
○加藤(昭)政府委員 先生御指摘のように、保安の確保、これは生産の大前提でございます。このため、言うまでもないことでございますが、各炭鉱におきましては自主保安体制の一層の整備を図るということでございますが、通産省といたしましても、保安技術開発の推進、保安監督指導の強化の面でもさらに一層力を注いでいきたいと考えております。
 今御指摘のいろいろな予算の面でございますが、各炭鉱の保安対策への支援、これにつきましては一層強化拡充をしていきたいと努力を払っているところでございまして、具体的に昭和六十二年度予算政府原案におきましては、例えば鉱山保安確保事業費補助金につきましては補助率を七五%から八○%への引き上げ、それから新規補助対象事業の追加などいろいろ盛り込んでおりまして、今般の非常に厳しい予算枠の中で、予算増額の面では一三・八%という大変な増額を図っているところでございます。
#39
○北村委員 私の質問の内容がちょっとそっちこっちに飛んでしまったものですから、私が聞こうと思ったところがなかなか聞けなくて大変恐縮でございます。
 それでは、次に産炭地域対策についてひとつお伺いしたいと思います。
 言うまでもなく、石炭産業は地域に密着した産業でございます。仮に閉山や大幅の減少が発生すれば地域に与える影響ははかり知れないものがございます。炭鉱であれば、石炭だけで今食べているわけでございます。しかし、その石炭が減少なりあるいは閉山に追い込まれていけば、炭鉱自体いろいろな面に複合的な産業に発展をさしていかなければならない、そういう事態が出てくるのではないかと思います。特に昨年閉山した高島炭鉱の例では、これは高島町の町民のほとんどが何らかの形で炭鉱に依存をしておりますし、このような場合、何の手だてもしなければ人口の流出等により町が崩壊してしまうということになりかねない。第八次策ということは国内炭の大幅縮減を予定はしておりますので、それに伴う地域対策も従来以上のものを用意しないと、政策の一貫性を欠くものと思われます。今後閉山が予想される地域の振興策について、具体的に政府はどのように取り組んでいかれるのか、そこら辺のことをまたお伺いしたいと思います。
#40
○高橋(達)政府委員 御指摘のように、第八次石炭政策におきまして石炭合理化安定対策と産炭地域振興対策というのは、いわば車の両輪であるというふうに考えておりまして、特に段階的縮小に伴いまして閉山あるいは規模縮小が進んだ地域における炭鉱の持つ影響力というものを考えますと、その地域に十分なる新しい対策を講じていかなければいけないというふうに私どもとしては考えておるわけでございます。
 産炭地域対策といたしましては、従来から企業誘致あるいは産業基盤、生活、環境基盤の整備であるとか、あるいは地方財政に対する援助、各般の施策を実施してまいりまして、それなりに成果を上げてきていると思うわけでございますが、特に今後閉山地域あるいは大きな規模縮小が行われる地域につきましての対策を真剣に考えていかなければいけないと思うわけでございます。当然のことながら、そこに操業しておりました企業の責任あるいは企業の任務というものも私どもも重視をしてまいりまして、これらに対する指導も強めてまいらなければいけないと思いますし、また地元の地方自治体あるいは地元の財界というようなところも大いにその地域の再構築に努力をしていかなければいけないわけでございます。なかなか財政困難の折でございますが、いわばみんなで知恵を出してその地域の再構築を考えていかなければいけないというふうに考えております。
 仮に閉山が起こったような場合には、まず当面の対策と中長期的な対策が必要になるわけでございますが、当面の対策につきましては、高島の場合もそうでございましたが、関係の省庁の連絡会議の仕組みを通じまして、最大限その地域に当面の雇用対策あるいは地元地域対策を投入していくという態勢で今後ともやってまいりたいと考えておるわけでございます。また、中長期的な問題としましては、なかなかこれは即効性のある対策がないわけでございますけれども、息長く辛抱強く関係者が努力をしていかなければいけないという中で、私どもといたしましても産炭地域活性化支援事業を大いに活用いたしまして、プロジェクトの発掘なり企業化のための対策について支援をしてまいりたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、そのあたりを整理する意味を含めまして、近く産炭地域振興審議会、これは通産大臣の諮問機関でございますが、この審議会を開きまして八次政策下における産炭地域振興対策のあり方、特に稼行炭鉱地域に対してどのように新しい対策を講じていったらいいのかということにつきまして先生方の御意見を承ろうということで、夏ごろにも意見が取りまとめられればというふうに考えているところでございまして、そこらあたりでかなり具体的な新しい政策が出てくるものと期待しているところでございます。
#41
○北村委員 私の地元の釧路は、御承知のとおり水産業も非常に不振でございますし、石炭も減産を余儀なくされまして、非常に大きな影響が与えられているところでございます。特に私の釧路の太平洋炭礦で働いておられる若い従業員、職員の人力は、石炭産業の将来に非常に不安を抱いております。今後、石炭産業自体が地域経済の発展のために複合型の産業に発展していくことが強く期待をされていくところだと思います。
 このような観点から、通産省が別途今この国会に提出しております産業構造転換円滑化臨時措置法が成立したときは、こうした地域を真っ先に指定をしていただきたい、そう思うところでございますが、御所見をお伺いをしたいと思います。
#42
○杉山政府委員 お尋ねのございました産業構造転換円滑化臨時措置法につきましては、あす商工委員会におきまして御審議をいただく運びになっているところでございますが、提案をいたしました私どもといたしましては、この法律に基づきます地域振興対策、これにつきましては、地域の中核となっております業種が内外の経済事情の変動に応じまして産業調整を迫られている場合、第三セクターに対する助成でございますとか、当該地域での設備を新増設する企業に対する助成を通じて地域経済の振興及び新しい雇用機会の創出といった点についてお手伝いをすることを考えておるわけでございます。
 一方では、当該地域につきましての中小企業対策ということも重要でございますが、これにつきましては、昨年成立さしていただきました特定地域中小企業対策臨時措置法におきまして所要の対策が講じられております。
 したがいまして、私どもは、地域経済の振興につきましてはこの二つの法律がそれぞれ両々相まって成果を上げるものというふうに考えております。したがって、対象地域につきましては両法の指定地域の間に相互に密接な連携を保って行われるべきもの、こういうふうに理解をいたしております。
#43
○北村委員 特に産業構造の転換対策は今後非常に重要になってくると思われますので、この法律をベースに通産省の積極的な政策の展開を期待をしたいと私は思います。
 それじゃ、ひとつ自治省にお伺いをしたいと思いますが、申すまでもなく、産炭地域市町村財政の炭鉱への依存度は、高島町では八四%、土砂川町では五八%、歌志内では五一%と非常に高い。今後閉山あるいは大幅な規模の縮小が行われるとすれば関係の市町村の地方税の収入が大幅に落ち込んでいったり、あるいは地方財政に非常に厳しいことが予想されるわけでございます。このような状況におきまして、自治省は特別交付税等によりこれら地方公共団体の財政対策に十分配慮すべきだと考えられますけれども、どのように今後取り組んでいくつもりでありますか、お伺いをさしていただきたいと思います。
#44
○柿本説明員 お答えいたします。
 お尋ねのように、産炭地域の市町村で炭鉱が大幅な減産、閉山等に追い込まれた場合には人口が減りますし、産業も停滞いたします。したがいまして、当該地域の市町村の財政運営が大変困難になるということが予想されるわけでございます。このような地方団体に対しましては、基本的には関係の道県と御相談しながらその財政運営に支障が生じないように、お尋ねにもございましたように、地方債あるいは交付税の配分を通じまして適切に対処してまいりたいと考えております。
 具体的には、閉山等が行われますと当面の応急対策あるいは場合によっては公共施設等の集約あるいは整理、こういうことにもなりますし、さらには長期的には産業振興対策等に対して地方団体が積極的な対応をしなければならないということになると予想されるわけでございますが、大規模なそういう事態であればあるほどやはり基本として今後どうあるべきかという地元の計画なり方針を持っていただくことが大事だろうと思うのです。そして、そういう計画に基づいて行っていただく現実の財政需要に対しまして、いろいろな制度もございますが、それとあわせまして、先ほど申し上げましたように、地方債のいろいろな制度あるいは特別交付税等の地方交付税の配分を通じて財政運営に支障を生じないように努めてまいりたい、かように考えております。
#45
○北村委員 時間がございませんのであと二つだけ、特に石炭の需要確保に関して質問させていただきたいと思います。
 第八次策の検討の過程で、需要業界の引き取り協力についてはいろいろと大変な議論がなされ、電力業界には大変な御理解と御協力を得て、当面一千万トン、六十六年度にも八百五十万トンの引き取りをお願いすることとなったわけでございます。言いかえれば、第八次策においては、電力用炭を中心に需要を確保していくことを基本に石炭政策の枠組みが成り立っていると理解しております。ところが、六十二年度において北海道電力の引き取り量を九十万トン減少し、その分本州の電力会社が引き取るということが業界内の話し合いで決まったと伝えられておりますけれども、これはどのような事情によるものか、あるいはこれによって電力業界の引き取り量一千万トンの約束に影響があってはならない問題であると私は思います。約束は確実に遂行されるのかどうか、そこら辺を簡単にお聞かせ願いたいと思います。
#46
○野々内政府委員 六十二年度におきます九十万トンの振りかえは、北海道電力に偏っております国内炭引き取り負担を公平化しようという観点でございます。電力業界の引き取り量総量につきましては、昨年の八次策をまとめます最終段階におきまして、田村大臣と那須電事連会長の直接の話し合いによりまして、六十二年度一千万トンは確約されておりますので、これは約束どおり履行されるものと確信いたしております。
#47
○北村委員 最後に一つだけお伺いいたします。
 国内炭鉱は、向こう五年間、非常に厳しい期間を乗り越えていかざるを得ないわけでございます。将来とも生き残ることとされておる炭鉱が今日の試練に耐え、地域産業の中核としての役割を立派に果たしていくためには、需要の確保と政府の助成の継続が不可欠であると考えます。
 最後に、この石炭問題について、本当に深い認識と愛情を持って取り組んでこられました田村大臣の今後の石炭問題への取り組みについての御所見と、もう一つ、労働大臣には、閉山あるいは減産に伴って職員の離職等が予想されるわけでございますが、それらのことにつきまして、両大臣から一言ずつ御所見をお伺いさせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#48
○田村国務大臣 御承知のように、昨年十一月の石炭鉱業審議会の第八次答申におきましては、地域経済あるいは雇用への影響を緩和しながら生産体制の集約化を円滑に行うことが必要である、このために、石炭企業の自己努力とこれを前提とした需要業界のぎりぎりの協力、政府の適切な措置、こういうものが必要であるということがうたわれておるわけです。
 この答申を踏まえて考えますと、石炭業界の自己努力でやっていかなければならぬわけですけれども、今の石炭業界には自己努力では解消し得ないものがたくさんあるわけです。これを政府がカバーしていく、あるいは地方公共団体にもお願いをしていく、こういうことになるわけです。この解消し得ない需給ギャップを調整するための対策、いわゆる過剰貯炭対策あるいは炭鉱の規模縮小対策等に政府はもちろん努めますとともに、閉山対策、地域対策、雇用対策につきまして、雇用対策は後で労働大臣からお話があると思いますが、関係各省庁挙げてその実施に万遺憾なきを期したい、このように思っております。
 特に、今労働大臣にここに出席していただいておるわけでございますが、このたびは、御承知のように、労働、通産両省が完全に一体となって取り組んでおります。そして事務次官を長とするハイレベルの協議機関を常置いたしましたし、いろいろな面で協力をし合っていこうとお互いに誓い合っておるところであります。
 また、石炭鉱業が時代に適合した新しい体制に移行できますように努力をしなければなりません。今いみじくもおっしゃいましたが、私は、石炭関係の方々、とりわけ山で働く方々がどんなに不安な思いで毎日を過ごしておられるであろうか、あるいはまた山に依存をしておられる地域の方々がどのように不安な気持ちでおられるであろうか、このように思いますとまことに胸痛む思いであります。この気持ちでもって今後も懸命の取り組みをしていきたい。私の任期中、あるいはよしんば任期を終えた後においても、石炭対策は私の終生の仕事としていきたい、このように考えておる次第でございます。
#49
○平井国務大臣 基本的には田村大臣からお答えいただいたわけですが、第八次の石炭政策、非常に厳しいものでございますと同時に、それを取り巻く環境がさらに難しくなっておるということで、雇用問題全般について大変懸念をいたしておるわけでございます。
 炭鉱離職者対策の基本的な点だけ触れておきますと、先ほども本委員会で申し上げましたように、原則は雇調金をフルに活用いたしまして、できるだけ失業の予防を図ってまいりたい。しかしながら、離職者に対しましては、御案内のようなこの臨時措置法に基づきまして求職手帳、これは黒手帳でございますが、これを発給して再就職援助措置の充実強化ということを図ってまいらなければならぬ。さらに、炭鉱離職者求職手帳の発給対象とならない関連企業関係でございますが、これらからの離職者に対しましても、特定不況業種離職者求職手帳、これは緑でございますが、これを発給いたしまして、この手帳制度に基づく再就職援助措置を活用してまいる、そして再就職の促進に全力を挙げてまいらなければならぬ。いま一つ、産炭地域対策というのがございまして、この地域における雇用機会の確保のため、関係各省と、田村大臣が今お述べになりましたけれども、十分連携を図っていかなければならぬ。労働省としましては、総合的な地域雇用立法でございます地域雇用開発等促進法案、この法律を今通常国会にお願いをいたしておるところでございまして、本法律案の成立を待って、これに基づく対策を基本的に考えてまいるというふうに考えております。
#50
○北村委員 ありがとうございました。
#51
○竹内委員長 次に、中沢健次君。
#52
○中沢委員 まず、通産大臣にお伺いをしたいと思います。
 十一月二十八日の石鉱害の答申を受けまして、その後六十二年度の石炭会計の予算の問題、あるいは具体的には、大変政治決断を含めて通産当局が努力をされました貯炭管理機構の創設、さらには減産に伴う財政措置、あるいは若干の産炭地振興の質的な強化、こういう今日までの努力につきましては、冒頭敬意を表したいわけでございます。
 しかし、残念ながら私自身は、十一月二十一日の委員会でも質問申し上げましたけれども、もともとこの第八次の石炭政策の答申の基本的な底流というのが国内炭の大幅な縮小、撤退である、政策についても予算についてもそれをベースにして組まれている、したがって、今回出されました石炭鉱業合理化臨時措置法、これにつきましては基本的には反対でございます。しかしながら、関連する三つの法案については賛成をしたい。こういう立場でこれからまた具体的に質問をさせていただきたいと思うのでありますけれども、しかしながら、いずれにしてもことしの四月一日以降の関係法律が空白になるという事態については、私自身も産炭地の夕張の出身でございまして、しかも夕張で生まれて夕張で育って、現在も夕張の市民でございます。私の友人や親戚、多くの知人が現在炭鉱で働いている、あるいは産炭地で生活をしている、こういうことなどを考えますと、やはりこの法律の空白ということは避けなければいけないな、一人の人間としては自己矛盾を感ずるのでありますけれども、しかしそういう気持ちで大臣に率直にお願いしたいことがございます。
 確かに昨今は円高の問題ですとか、あるいは貿易摩擦の問題、あるいは産業の空洞化の問題を含めて、通産大臣としては大変御苦労が多いと思うのでありますけれども、今の答弁にありましたように石炭問題については一政治家としても今後とも自分のライフワークにしたい、こういう決意でございますので、いずれにしてもこの法案の運用に当たって、あるいは予算の執行に当たりましては、産炭地の生の声あるいは炭鉱の労働者の悲痛な叫びというのをやはり率直に受けとめていただいて、血の通った、愛情のある石炭行政というのをぜひ責任大臣としてやっていただきたい、このことをまず基本的にお伺いをしたいと思います。
#53
○田村国務大臣 先ほど来申しておりますように、八次答申におきましても明示しておりますが、私どもはこの答申を受けて、石炭業界が本来やっていかなければならないことではあるけれども、自分の力ではもうどうしようもないという点を政府や地方公共団体、とりわけ政府が補完をしていくということが基本になっておるわけでございます。私は今日まで、石炭業界の方々とはしばしばお目にかかりました。経営者の方にも組合の方にもお目にかかって、これは率直なことを申し上げますと、この炭鉱問題につきましては特にその点を私は感じますが、経営者の方の御心労もさることながら、あすの自分の人生を思うとまことに胸痛む思いがするという立場に置かれております炭鉱労働者の方々のお気持ちというものはいかばかりであろうかと察するに余りあるものがあります。
 私は特に、かつて党で北海道開発委員長というのもいたしておりまして、北海道に関しては割合によく知っておる一員であります。夕張線にも万字炭山線にも乗った経験がありますが、いずれにいたしましても私は、通産大臣としてはもちろんのことでございますけれども、大臣をやめた後も、そのときどきの大臣を補佐しながら、この炭鉱問題には終生の仕事として取り組んでいきたい。それはもちろん情熱というとあるいは似つかわしくない言葉になるかもしれませんが、炭鉱に対する私の思いというものをにじませた行動をこれからもとっていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#54
○中沢委員 誠意ある答弁をいただきましたので、ぜひひとつ今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、以下具体的な問題につきまして質問をしたいと思うのでありますが、まず一番最初に国内炭の需給問題についてでございます。
 これは一般炭と原料炭に分けましてお尋ねをしたいのでありますけれども、まず第一に、一般炭の六十二年度の需給見通しはどのようになっているか。それから、関連をいたしまして二番目には、原料炭の同じく六十二年度の需給見通しについてどのようになっているかお尋ねをしたいと思います。
#55
○高橋(達)政府委員 先生も御案内のとおり、第八次石炭政策の策定に当たりまして、最終段階で非常に難航したわけでございます。最終的には関係者の間で合意ができたわけでございますが、その際に国内炭の需要につきましてはいろいろと具体的な合意ができているわけでございます。
 一つは、鉄鋼業向け、あるいはコークス業界向けの原料炭、それからセメント、紙パ等一般産業用の一般炭については今後漸減をいたしまして、六十六年度にはゼロとする。それから電力用炭につきましては当面現行水準といたしまして、その後漸減して六十六年度には八百五十万トンとするというような関係者の合意ができているわけでございます。
 そこで、毎年度の分につきましては需給両業界が話し合って決めるということになっておりますので、お尋ねの六十二年度でございますけれども、今後需給両業界が話し合って決めていくということがまず需要サイドでのファクターでございます。それに応じまして生産の方も決まってくるわけでございますが、生産の場合にはもちろん在庫のような格好で持つこともできるわけでございますが、基本的にはこの需要というものに左右されるわけでございます。したがいまして、六十二年度の一般炭及び原料炭の需給がどうなるかというお尋ねでございますが、現在のところ確たる見通しがないわけでございます。ただ、方向としましては電力用炭については現在の水準、それから原料炭のうちガス業界が使用する分についても現在の水準、それから先ほどの鉄鋼業向け、あるいはコークス業向けの原料炭についてはそれぞれ現在の百七十万トンの六十一年度の鉄鋼向けの実績あるいはコークス向けの実績をベースに漸減の方向で考えていくということでございます。また、紙パ等につきましても、現在六十一年度の実績が百万トンというふうになっておるわけでございますので、この百万トンをベースに漸減の方向で話し合ってくるものでございますので、そのあたりで大体のフレームはできるわけでございます。供給サイドにおきましてもそのあたりを考えながら各社生産計画を立てているところでございます。
#56
○中沢委員 六十二年度については正確にはまだはっきりした見通しがないとおっしゃることについてはわからぬわけじゃないのですが、今ちょっと答弁がありましたけれども、実は鉄鋼業界が六十一年度百七十万トン、そして六十二年度はこれの約半分の八十万トンに大幅に減少する、こういう報道がございまして、正直言って六十年から六十一年大幅に落ち込む、六十一年から六十二年もまた大幅に落ち込んでいくということになってくると、言われるようになだらかな縮小ということは、原料炭に限って言うと全く当たらないのではないか、こういう率直な感じを持つのです。ですから、この鉄鋼業界の言っております八十万トンということについて正確な情報なのかどうか、今部長から百万トン程度という話があったのですけれども、その辺ちょっともう一度確認をしたいと思います。
#57
○高橋(達)政府委員 御答弁申し上げます前に、ただいま百万トンと申し上げましたのは、六十一年度の一般産業向けの一般炭の実績見込みでございまして、それをベースに漸減の方向で一般産業用の一般炭について需給両業界で話し合いが行われるということでございます。
 そこで、お尋ねの六十二年度は鉄鋼業界が六十一年度の半減を主張しているということでございますが、確かに一部報道にそのような記事があったように私ども承知をしておりますが、私どもの方にはそういった方針について報告をしてきたという事実は一切ございません。
 今後、鉄鋼業界及び石炭業界が協議をして六十二年度決めてまいるわけでございますけれども、その決める際の精神といたしましては、昨年十一月の最終段階で話し合われた方針でございまして、一つは先生御指摘のなだらかに縮小をしていくというラインを確保するという精神でございます。もう一つは、鉄鋼業界としても経営環境の非常に厳しい、苦しい状況にあるわけでございますので、ぎりぎりの協力をするということでございまして、このなだらかな縮小の確保と最小限度きりぎりの協力がどのくらいであるかというところで両業界の話し合いが決まってくるものと考えておりまして、私どもといたしましても、短期集中閉山はぜひとも避けなければいけないということは十分念頭に置かしていただきまして、今後両業界の話し合いを注意深く見守ってまいりたいと思っております。
#58
○中沢委員 関連しまして、六十一年度の年度末の貯炭の見通しと、それからごく最近の貯炭の実績は数字的にどうなっているか、私の方で調べた数字もありますけれども、通産省の正式な数字をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#59
○高橋(達)政府委員 当省のエネルギー生産需給統計の速報値でございますが、六十二年の二月末におきまして、在庫は原料炭におきまして八十八万四千トン、それから一般炭におきまして二百九十万トン、合計三百七十八万四千トンという数字になってございます。
 あと三月を残すだけということでございますが、私どもの推計では、六十一年度末におきます貯炭量につきましては、原料炭がおおむね九十万トン、一般炭がおおむね三百万トンということで、合計三百九十万トンという数字になろうかと思っております。
 なお、この数字は昨年十二月に石炭鉱業審議会におきまして需給見通しをはじきましたときの数字が三百八十万トンでございますので、それをやや上回る実績となる見込みでございます。
#60
○中沢委員 そこで、貯炭対策についてお伺いをしたいと思います。
 今の答弁がございましたように、想像以上に在庫がふえている。もちろん新政策の中でその対策として貯炭管理会社をつくりまして買い上げをする、あるいは融資をする、こういうことになるわけなんでありますけれども、実際問題として四月から直ちに新会社が具体的に買い上げや融資ということができるのか、できないのか、これが一つ。
 それからもう一つは、融資の一つの方法なのでありますけれども、基準炭価で買い上げるということを当然お考えだと思うのでありますが、もちろん貯炭をするということになってきますと貯炭そのものにいろいろなコストがかかるわけですね。選炭場から貯炭場所に移す場合は当然輸送費がかかる、貯炭のしっ放しであれば自然発火のおそれがありまして、そういう意味での管理費もかかる。やはりこういうものも含めて、この際買い上げるなり融資の対象にすべきである。石炭会社にその分のコストを負担させるということは、やはり間違いではないかと思うのですが、その辺についてまずお聞かせをいただきたいと思います。
#61
○高橋(達)政府委員 新会社によります貯炭買い上げの開始の時期でございますが、ただいま御審議をいただいております法案の年度内の成立をお願いいたしまして、また新年度に入りまして予算執行が可能になるという前提でまいりまして、四月中にはこの貯炭買い上げの業務を開始させたいというふうに思っておりまして、石炭業界それから新エネルギー開発総合機構の関係者の方で準備をしているところでございます。
 次に、貯炭会社ができました場合の買い上げの基準の価格でございますが、当然に基準炭価をベースに考えるわけでございますが、その上に過剰貯炭によって発生します金利及び管理費をどうするかというようなことでございます。
 御案内のとおり、第八次石炭政策におきましても、需給ギャップの問題につきましては、第一義的には企業サイドで責任を持って合理化の過程で処理せよという方針でございます。ただ、その企業の最大限の努力によってもカバーできないところを政府が需給ギャップを埋めるような格好で支援をすべきであるという考え方になっているわけでございまして、仮に金利及び管理費を見るような格好で値段をつけるといたしますと、その買い上げに必要な経費をまた石炭企業から徴収しなければいけないというようなことに相なるわけでございまして、結局徴収した分で支払うというような格好になるわけでございます。
 私どもの構想では、この管理会社が買い上げをいたしました貯炭につきましては、実際には石炭会社に委託管理をしてもらうという格好で石炭を管理してもらうことに考えておるわけでございまして、その管理費を確保するためにあらかじめ管理費を徴収するというようなことになりますれば、結局、企業から集めて企業に支払うという考え方になるわけでございますので、そのあたりはそのプロセスを省略いたしまして、管理費並びに金利については石炭企業サイドで負担をしてもらうということで行かざるを得ないということでございます。
 ただ、貯炭対策としての融資の面で資金を無利子化することによってその金利は無利子化しようということで、その分については、政府として石炭企業を支援していくという考え方でございます。
#62
○中沢委員 きょうは余り時間がございませんので、この問題はまた別な機会に譲りたいと思います。
 次に、先ほどの北村委員の方からの質問にもちょっと関連するのでありますが、例の北海道電力の九十万トンをほかの電力会社に協力をしていただく、こういう問題について少しく具体的にお尋ねをしたいと思うのでありますが、北電は六十一年度は四百五十万トン、これが六十二年度は三百六十万トンになる、九十万トンは他の電力会社三社にそれぞれ協力をしていただく、こういう内容で、電事連ですか、その業界内部で話し合いがついたということを正式に聞いておるのでありますが、もともと社会党の関係委員や私もそういう趣旨で質問をして、結果的に北海道電力に対する犠牲を少し和らげる、こういう配慮がされたことについては評価をしたいと思います。
 ただ、これは中身をずっと見ていきますと、いろいろな問題が出てまいります。
 一つは、苫小牧の一号機、これは政策火力でございまして、火力発電所の建設に当たりまして四十数億円、四十七億と記憶しておりますけれども、国から助成がされている。これは、国内炭をたく、国内炭の需要を確保する、こういう観点で政策火力ということでずっときているわけです。しかし、今度九十万トンをほかの会社に回すということになってきますと、苫小牧の一号機でいいますと、実は五十五万トン、これが海外炭に結果的にはなっていくんではないかというふうに言われておりまして、そういう点からいうと、政策火力という基本的な命題が九十万トンという関連の中でそれだけ国内炭の需要を結果的に抑え込む、そういうことに一つはなっている、これが問題の一つです。
 それからもう一つの問題は、火力発電所の場合は、いろいろ公害問題が各地で出ておりまして、建設の時点で苫小牧段階あるいは北海道段階でも随分環境、公害問題が議論になりました。これが海外炭をたくことによってその辺が一体どうなるか、こういう問題も出てくると思うのです。
 それからもう一つは、これはなかなか解明ができないのでありますけれども、仮にこの九十万トンをほかの三社で協力をしていただく、その場合は北海道から相当運賃をかけて運んでこなければいけない。私の希望的な観測でありますけれども、恐らくそれはユーザーがそういうことは全部負担をして、石炭を売る会社としては山元手取りがその分減るだとかコストアップになるということにはならないと思うのでありますけれども、今指摘をいたしました程度でも三つぐらいの問題点を感ずるわけです。
 さらにこれからの問題として、果たしてこの九十万トンの将来性がどうなのか、ずっと引き続き九十万トンについて本州方面の電力会社が協力体制をしいていただけるのかどうか、こういう将来的な問題もあるわけでございまして、以上四つの点についてお答えをいただきたいと思います。
#63
○岡松政府委員 お答え申し上げます。
 まず御指摘の九十万トンの振りかえの件でございますが、お話ございましたように北海道電力の内外炭格差の負担の平準化ということで、電力業界内で話し合われまして、北海道から九十万トン減らし、これを他の電力で引き取るということに決まったわけでございます。
 お話のございました苫東厚真第一号機につきましては補助金が交付されておりまして、これに基づきまして国内炭の引き取りということを五十六年の運開以来続けておるわけでございまして、既に六十一年度まで合計約五百九十万トンの国内炭の引き取りが行われたというふうに承知いたしております。
 今後この炭が他の電力会社に振りかわるわけでございますけれども、御指摘の公害の問題につきましては十分配慮し、公害面での影響のないように措置をいたしておることでございますが、また六十三年度以降の点のお尋ねがございましたが、この点につきましてはまだ未定でございます。したがいまして、とりあえず六十二年度につきまして従来の引き取りから五十五万トン相当分を海外炭に切りかえるということが決定されているということでございます。
    〔委員長退席、愛野委員長代理着席〕
#64
○中沢委員 今の答弁でいいますと、一般論の答弁でございまして、どうも納得ができないのですな。結局政策火力という観点で言うと、国内炭をたく、そういうことをやるために国が財政援助をする、ここが基本だと思うのですね。確かに国内全体としては九十万トン、ほかの電力会社が協力をする、経営的には助かる。しかし、問題は、海外炭を新たに五十五万トンたくという問題が出てくる。これは直接通産省としてはなかなかタッチしづらい問題かもしれないけれども、しかし政策助成をしている、こういう観点で言うともっと強力な行政指導があっていいのではないか。
 それともう一つ、実は北海道の地元でいろいろ苦労しながら今議論をしているのですけれども、結局九十万トンが事実上北電の納炭が減るわけですね。そうなりますと、私の聞いた話によりますと、坑内掘りを中心にした大手炭鉱からは今まで三百三十万トン売っていた。そして露天や混炭やあるいはぺーパーカンパニーを含めて百二十万トンであった。これが九十万トン減ることによって、それぞれ現実問題として北電に対する納炭がずっと減ってくると思うのですよ。特に私が問題視をしたいのは、余り立ち入った話を本当はしたくないのでありますけれども、商取引の関係で言いますとぺーパーカンパニーもかなりのシェアを占めている、このように聞いているわけです。ですから、額に汗して働いている坑内掘りの炭鉱あるいは露頭、こういう関係についてそういう納炭の量が大幅に減らないように、この辺はうまく通産としても北電の方にいい意味での行政指導みたいなものをやっていただけないものか、この辺、もう一度御答弁をお願いしたいと思います。
#65
○岡松政府委員 まず補助金との関係でございますが、先ほど触れましたように、六十一年度まで五百九十万トンの国内炭の引き取り協力が得られたわけでございますが、補助金をもらっているということも含めまして、従来の経緯にかんがみまして第八次対策中は今後とも一定量の国内炭の引き取りをこの火力について期待をしておるということを申し上げさせていただきたいと存じます。
 また、ただいま御指摘の炭の引き取りをどういうところから引き取るかということでございますが、北海道電力が個別にどのような石炭業界からどのような炭を引き取るかという点につきましては、これは会社の経営判断の問題ということでございまして、具体的に石炭の引き取りにつきましては同社の判断にゆだねるべきものというふうに考えておる次第でございます。
#66
○中沢委員 時間があればまだいろいろ繰り返しやりたいのでありますけれども、今の答弁については納得ができないわけでありますが、別の問題について質問したいと思うのです。
 閉山対策についてずばりお尋ねいたします。
 縮小、撤退、こういう路線をとる以上、閉山については現実的に避けて通れない、私どもとしては非常に残念ですけれども、そのように受けとめざるを得ないわけです。今度の予算で閉山交付金を四百万から六百万に引き上げる、これは一応評価したいのでありますが、北海道に北炭グループの山が三つございます。そのうち、最近も新聞その他で連日のように報道されておりますけれども、真谷地という炭鉱がございます。これは、今日まで通産の方で資金の関係、融資の関係について大変な御尽力をいただいているのでありますが、実は既に退職をした人に対する未払い退職金が二十四億程度、これに同じ友山の幌内を入れますと八十億程度と莫大な未払い退職金を持っているわけです。これは閉山交付金をもって始末をする、こういう建前については原則的に私どもとしてわからぬわけではないのですけれども、現実問題としてはなかなかそういうことにはなっていかないのではないか。二十四億ということになってくると対象人員が四百五十人もいるということでございますので、これは通産だけではなしに当然労働省としても重大な関心を持っていただいて、単なる労使問題あるいは単なる閉山の一課題ということではなくて大変な社会問題でありますから、この際通産としても労働としても、この問題については相当な決意を持ってぜひ円満に解決するようにお願いをしたいと思うのですが、その辺についてお答えいただきたいと思うのです。
#67
○高橋(達)政府委員 御指摘のように、北炭真谷地炭鉱株式会社については私どもの調査によりまして、やや占うございますけれども六十一年九月末時点で未払い退職金が四百二十八人分、金額にいたしまして二十二億九千三百万円のいわゆる未払い労務債があるように承知しております。退職金につきましては、御指摘のように本来企業が労働者との間の雇用契約に基づいて当然の報酬として労働者に支払われるべきものでございまして、そういったものが多額の未払いの状態になっていることはまことに遺憾な事態であると私どもも認識をしております。
 基本としては経営の安定、改善が本問題の解決につながるわけでございまして、私どもとしても北炭真谷地鉱の企業経営の改善が図られるように努力していきたいというふうに思うわけでございます。しかし、御案内のような原料炭の山でございまして、企業としても一生懸命経営改善に努力をしておるわけでございますが、なかなかその改善の方向が出ない状況でございます。いろいろと合理化計画なども検討しているようでございますので、そのあたりを聞きながら、今後さらに私どもとして支援ができるところがあれば支援をしていくということにいたしたいと思っております。また、この労務債の支払いにつきましても、労働省と連絡をとりつつ会社を適切に指導していく考えでございます。
#68
○中沢委員 次に、産炭地の振興問題につきまして二、三具体的にお尋ねをして、そしてできれば通産大臣の御決意をお伺いしたいと思うのであります。
 これは昨年の札幌通産局の内部資料でありますけれども、この空知の管内にあります山が七山で、仮に全部閉山になった場合、これは仮にの話ですが、その場合の大変な地域に対する影響がいろいろな問題ごとにずっと数字が出されております。資料として持っておりますけれども、これは大変な問題だと思います。
 それは一応仮定の問題でありますから別にいたしましても、つい最近日本立地センター産炭地活性化研究会が空知管内の産炭地自治体の活性化について提言をされているわけです。私も資料は入手をしておるのでありますが、通産省に直接関連をするのでありますけれども、産炭地域振興審議会が今まで本格的に八次の問題をめぐって開催をされていない、恐らくこの法律案が成立をした後早急にやる、こういう予定だと思うのであります。私は、ぜひ早く正式にこの産炭地域振興審議会を開催していただいて、できれば北海道分科会あるいは九州分科会、もっと言いますと空知管内のプロジェクト、こういう具体的なものを論議の受け皿としてもつくっていただいて、相当突っ込んだ議論をぜひ通産が責任を持って、審議会ではありますけれども早急にやっていただきたい、これが一つでございます。
 それからもう一つは、従来からやっております産炭地の活性化支援事業の問題でありますけれども、確かに六十一年度に比べて六十二年度は予算がふえている、これは評価をしたいと思うのです。ただ問題は、先ほど部長の答弁にございましたように、いわゆる企業化について具体的にいろいろ研究をしながらも、いよいよ産炭地にいろいろな企業を立地をする、あるいは持っていく、企業化という段階について言えば、残念ながら六十二年度はまだその調査段階だ、本格的には六十二年度以降だという言い方をしているのですが、正直言って六十二年度に閉山の危険性がある、そういう地域については、この際六十三年度のスケジュールというのを思い切って一年間繰り上げて具体的な企業立地をする、そういうことについて通産としても本腰を入れていくべきではないか、このように考えるのですが、これについてお答えをいただきたい。
 それから、例の公団について言うと、空知にいろいろ工場団地をつくっている。しかし、中核の団地でいいますとほとんど分譲がされていない。社会党の内部の議論としてはまだ固まっておりませんが、この際あそこにローカル空港でもつくって、道内のエアカーゴ基地でもつくってはどうか。相当大きな話でありますけれども、最近は臨空工業団地というところが相当クローズアップもされておりますので、そのぐらいやらなければ本当に空知全体の産炭地の活性化ということはなかなか難しいのではないか。やや夢のような話かもしれませんけれども、この辺もひとつ産炭地域振興審議会の中で真剣な議論をぜひお願いしたい。
 そこで、大臣に今申し上げました個別の答弁は必要ではありませんけれども、実はこの高島でいいますと、三菱が十億円の町に対する振興基金というのを拠出する、こういう話を聞いております。大変結構なことだと思うのです。空知関係でも三菱や三井や住友の石炭資本がある。しかし、いずれ閉山、縮小ということになってくるとそこの企業責任をどう問うか、これが一つの問題になると思うのです。同時に、国もどういう責任分担をし合うか、これも非常に大事です。国と地元の市町村あるいは道、そして石炭企業、石炭企業以外でもいろいろデベロッパーもありますので、そういう全体的な産炭地の大規模な再開発構想といいましょうか、そういうものについてこの際通産大臣としても新しい政治決断をする、こういうお考えをぜひお示しいただきたい。
 以上、まとめてお答えをいただきたいと思います。
#69
○田村国務大臣 まず、最初におっしゃいました産炭地域振興審議会の開会のことでございますが、極めて早い機会にお開きいただいて、いろいろと御審議を願いたいと思っております。多分、四月の上句ごろになるんじゃなかろうかと思います。この審議会で、当然部会も開かれることと思います。北海道部会も入ることと思います。
 それから、先ほどいろいろとお話がございました。私の所管事項でない問題もありましたが、何といっても空洞化した地域を救済する、企業を誘致する。それに一番必要なものはアクセスでございますから、これは、その点は私も真剣に関係各省庁と御相談申し上げたい、このように思っております。
 それから、もちろん産炭地の問題につきましては、特に閉山問題等につきましては当該の関連企業、特に親会社等も含めて関連企業が、関連グループが努力をすべき問題なことは申すまでもありませんし、地域もまた挙げてそれに協力をする、これはもう当然でございます。
 しかしながら、それにはもちろん限界もございますから、通産省としても、例えば産炭地域振興臨時交付金の拡充等を図りまして、関係者の地域振興努力に対して一層の支援を図るというようなこともしなければなりません。また、その他いろいろな手当てをしなければなりません。
 いずれにいたしましても、各省庁と十分連係プレーをして、可能な限りの対応をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
    〔愛野委員長代理退席、委員長着席〕
#70
○中沢委員 今後に残っている課題はたくさんございますので、ぜひひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、雇用問題について、まず労働大臣にお尋ねをしたいと思うのですが、確かに今の国会は、言われておりますように売上税中心の税制国会だ、異常な事態を迎えていると思うのであります。
 しかし、産炭地に限らず全国的にも、とりわけ北海道にとりましては雇用問題が極めて大きな政治テーマだ、このように考えるわけです。完全失業率は全国に比べて北海道は四・二%、これは全国一。有効求人倍率についても北海道が低い。しかも、この間数字をちょっと調べてみますと、夕張職安では有効求人倍率が〇・〇四%、これは一月ですけれども、考えられないくらいの大変な雇用不安があるわけです。
 そういう点でいうと、やはり今度の国会も、社会労働委員会でも随分新しい法案の議論はすると思うのでありますが、雇用問題について、一体どうするか、非常に重要だと思うのです。
 そういう点でいいますと、今度の関連法案を含めて労働大臣としてのそういう雇用情勢についての認識、離職者の関連する法案についての決意、基本的にまずお尋ねしたいと思います。
#71
○平井国務大臣 雇用情勢、非常に厳しくなっておりますことは委員まさに御指摘のとおりでございまして、そういう意味合いから政府・与党も緊急対策本部というのを設置したわけでございまして、御案内のように今日の雇用対策というのは、単に労働省の当面の対策のみをもって効果的に対応し得るような情勢ではないと判断をいたしております。
 一口で申し上げれば当然経済政策、産業政策、雇用対策一体となっての効果的な対策でなければなりませんし、率直に申し上げて為替の安定というのはもう不可欠の問題でございます。特に昨年来ずっと言われております抜本的な内需対策ということも、これまたベースとしては絶対に不可欠でございまして、そういう中で労働省の雇用対策がどうあるべきか、かようなことになってまいるわけでございます。
 若干申し上げますと、やはり総合的にやる中で、特に労働省といたしましてはもう御案内のように特定の不況業種、また今御指摘のございました北海道、さらには福岡地区、非常に地域に集中いたしておりますので、そのような対策も最優先して力を入れなければならぬというふうに考えております。簡単に申し上げましても、この不況業種における職業訓練、転換訓練というのは、労働力のミスマッチ解消という観点から見まするとこれも一口で申し上げてなかなか容易でない。容易ではございませんが、今後力を入れましてどうしてもやらなければいかぬ。
 さらには、御案内のように、これは民間主導ではございますが、雇用安定センターに対する援助を通じて、つまり労働力の移動というものもこれまた抜本的に考えなければいかぬ。当然のことながら、既にやっておりますような雇用調整助成金、これも思い切った拡充ということで、でき得る限り失業の予防ということも考えていかなければいかぬ。いま一つ、地域における雇用開発のための助成制度の創設、こういう総合的な地域雇用対策の整備、これを内容とする既に発表になっております三十万人の雇用開発プログラムということでございますが、内容の中心が今申し上げましたようにやはり地域に力点を置いて考えていかなければならぬ。したがって、従来の枠組みを超えた強力な措置が必要だということで、地域の雇用開発等の促進法案を提出いたしておるわけでございます。
 いろいろな御議論の中では、その対策で本当にやっていけるのか、さらに拡大すべきでないかという御議論もございましょうが、既に千百億を超える予算措置もいたしておりますし、やはりこれだけの対策をもって有効に、最大限の努力をし、それだけの効果が出てまいるということでございましたら、そういう面の予算措置の追加というのは当然考えてよろしいか、したがって、三十万人、さらには五十万人ということにも対応できるものではないかと私は思うわけでございます。
#72
○中沢委員 実は社会党としては五十万人の雇用創出、三千億という構想は公表しておりまして、いずれにしても今の労働大臣の御答弁にありましたように今後もっと前向きにやる、こういうことでございますから、決意のほどはひとつぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 時間がございませんので、あとは具体的な問題に絞りまして二つほどお尋ねをしたいと思います。
 一つは、いわゆるマル炭手帳の制度の見直しの問題でございます。今度の予算措置の中では確かに若干の就職促進手当の引き上げはやっているわけでありますけれども、実はこれを生活保護とちょっと比較をしてみますと、私の出身は夕張でございまして二級地でございます。標準世帯でいいますと、六十一年度で十四万五千六百九十五円。ところが最高限度の促進手当は月額に引き直しをすると十三万六千三百八十円、二級地の標準世帯の生活保護よりも低い。これはどうも納得ができないわけですね。かねてから制度の見直しと手当の引き上げを具体的に労働省の方にも迫っておりますけれども、この際ひとつ前向きの答弁をぜひ期待をしたいと思います。
 それからもう一つは、同じくマル炭手帳の問題に関連をいたしまして範囲の拡大でございます。炭鉱労働者ということの規定について言いますと、法律が施行されました昭和三十八年に労働省の通達が出されまして、マル炭手帳の支給対象者はこういう人ですよ、こういうふうに決めているわけですね。ところが、もう四分の一世紀前の通達でございまして、炭鉱会社というのはその当時全体を抱えて会社を経営しておりましたけれども、最近は、例えば機械修理は別会社、石炭の輸送についても別会社、あるいは昔は分配所と言っておりましたけれども、物品の販売についても別会社。つまり系列会社、別会社をつくって、事実上は下請の業者になっておるわけです。そうしますと、そういうところの職員について言うと、坑内夫と選炭夫は下請も対象になるというふうになっているのですけれども、すべて対象外になってしまう。これはどう見てもちょっと時代にそぐわないのではないかと率直に思うわけです。ですから、この際、せっかく労働大臣も前向きに基本的な問題で答弁をされているわけでありますから、やはり手帳の対象の範囲の拡大をぜひやっていただきたいと思いますが、御答弁をお願いします。
#73
○甘粕政府委員 まず最初に、就職促進手当の問題でございます。就職促進手当といいますのは、そういう手帳の発給をいたしまして長期にわたりまして就職指導を行う、そして再就職を図るということで、その求職活動期間中の生活の安定に資するということを目的にしてございます。その額につきましては、離職前の賃金日額に対応いたして決めるという仕組みになってございます。一方、生活保護につきましては、家族の人数あるいは年齢等ということで勘案して決定されるという趣旨になってございまして、そういう制度の趣旨の違いから生活保護を下回る場合もあり得るということにつきましては、制度の趣旨という点から御了解いただければというふうに思っております。ただ、そういう問題もございますので、私どもといたしましても、毎年これの引き上げにつきましては、厳しい財政事情でございますが努めてございまして、昭和六十二年度につきましては二・四%の引き上げを図りたいということを考えているところでございます。
 それからもう一点の炭鉱離職者の求職手帳の発給の問題でございますが、これは先生の方が十分御承知というふうに思っておりますが、関連下請企業等につきましては、やはり手帳の発給というものが坑内業務の特殊性というところに非常に大きなウエートもございました関係から、坑内業務等に絞っているというところでございます。ただ、昨年十一月に石炭鉱業を特定不況業種ということで指定しました結果、こういう関連下請のところで今まで炭鉱離職者求職手帳の発給を受けられなかった人につきましても、今度は不況業種の求職者手帳というものが発給できることになりまして、この手帳の発給を受けることによりまして、雇用保険の給付日数の延長の特例あるいは職業転換給付金の対象ということで訓練手当の支給あるいは広域求職活動費あるいは移転費という転換給付金の支給の対象にもなりましたし、また特定求職者雇用開発助成金、これの助成対象にもなるということになりましたので、こういう施策を講じまして、私ども再就職に全力を挙げたいというふうに考えておるところでございます。
#74
○中沢委員 時間が参りましたので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#75
○竹内委員長 午後零時五十分に再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時四分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時五十三分開講
#76
○竹内委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。田口健二君。
#77
○田口委員 私は、まず通産大臣、さらに、きょうは労働大臣も御出席のようでありますから、労働大臣にも冒頭にお尋ねをいたしたいと思います。
 私は、昨年の十一月二十一日、本委員会におきまして、当時十一月末に閉山が予定をされておりました高島問題について質問をさせていただきました。特に高島の場合に一島一町一企業という特殊な立地条件にございまして、住民もその大半が何らかの形で炭鉱に依存をしながら生活をしておるという状況でありましたために、もしここで高島礦が閉山ということになればまさに地域そのものが崩壊をする、あるいは高島町という自治体そのものが消滅をしてしまうのではないか、そういう大変な危惧を持っておりましたし、当時はまだ最終決定にはなっておりませんでしたが、第八次石炭政策が決定をされれば当然に高島のように相次いで閉山の事態も予測される、そういう意味におきましては、まさに高島の問題というのはこういう産炭地のいわばモデルケースとしての位置づけにあるのではないか、こういう立場で質問をさせていただきました。通産大臣からは、大変御配慮をいただいた御答弁をいただいたのでございますが、実際に閉山になりましたらまさに予測どおり大変今深刻な状況に陥っておるわけであります。全く考えてもおりませんでした高島労組の山崎書記長の死という大変痛ましい出来事もございましたし、閉山からまだ四カ月にもならない今日の現在で、既に人口も千六百九十人減少しておる。これは三月十八日現在の数字でありますから、小中学校の卒業式が終わりました今月末あるいは来月初めにかけてはさらに大幅な人口の流出が考えられるのではなかろうか、こういうふうにも思っておるわけであります。また、離職者の再就職についても遅々として進んでおらないというのが現状であります。こういう点について、今後の高島の地域振興について、さらにまた離職者の再就職の問題についてどのようにお考えになっておられますか。基本的な点につきまして通産大臣並びに労働大臣の方から御答弁をお願いいたしたいと思います。
#78
○田村国務大臣 まことに残念なことでございます。特に、亡くなった書記長は、私もお目にかかったことがありますだけに本当に悲しみてもなお余りあるものでございます。私は、先般申し上げましたように、あのかいわいにしばらく住んでおりまして、高島をよく存じております。高島あるいは伊王島、香焼島と私はずっとあの付近におりましたから、それだけにひとしおの感がいたしております。
 早速私どもでとりあえず私が指示をして、あるいはお願いをして、いたしましたことは、まず港湾予算で六十二年度の地域配分を一億たしか数千万だったと思いますが、それから海岸の予算もたしか五、六千万だったと思いますが、ちょっと数字を定かに覚えておりませんが、これを港湾局にお願い申し上げました。そうして長崎県知事にも直接私から電話でお願いを申し上げ、何かと御協力を願いたい。それから、中小企業庁長官を呼びまして、例の特定地域の指定のときに、本来常識的には、距離がありますから無理かもしれませんけれども、長崎地域に高島まで入れたわけでございます。
 そういう対応は一応いたしましたが、なお、今おっしゃったような悲惨な姿でございます。三月十六日現在で約千六百人の島民の方々が離島されたというような状態でございます。こういうような状況を踏まえまして、通産省は、閉山提案以来これまで、産炭地域振興関係各省庁等連絡会というのがございます、これを五回ほど開催いたしまして、長崎県からの要請も踏まえて、各省庁における雇用対策、地域対策、町の財政支援策等について検討を行いまして、去る一月三十日この結果を取りまとめたところでございます。各省庁間において今後具体的な対策を実施することとしておりますけれども、通産省としては、雇用対策につきまして労働省との緊密な協力のもとに鋭意取り組むとともに、地域対策としては、引き続き親会社である三菱グループ内の企業プロジェクトの展開を求めるほか、高島町が取り組んでいるプロジェクトビジョンの作成、その具現化に対しても積極的に支援してまいる所存でございます。
 先ほども申し上げましたし、また前々から御承知と思いますが、今たまたま労働大臣もここに同席をしておられますから率直に申し上げますと、ちょうどあのころに私は事務次官を連れて労働省を訪問いたしまして、労働大臣に私からたってのお願いを申し上げ、そして事務次官を長とするハイレベルの協議機関を常置していただく、そして我々の通産省の対策と労働省の対策とが完全に連携できるようにしましょうということで、いろいろと御協力を願っております。それが功を奏して、最近労働大臣から、この際通産省と労働省とで、中堅どころの役員をお互いに出向させて人事交流をしようじゃないかという御提案がございました。私ども、大変うれしく思って賛成をいたした次第でございましたが、今申し上げたようなことで、今後も我々としては可能な限りの努力を尽くしていきたいというふうに考えております。
#79
○平井国務大臣 高島町の問題でございますが、御指摘のように、これは全く炭鉱に依存した地域でございまして、正直に申し上げますと、現段階においてまことに多くの雇用の場が見込めない、非常に環境が厳しいと申し上げてよろしいかと思うわけでございます。
 参考までに申し上げますと、高島鉱山の閉山に伴う解雇者数が千六百九十三人、直用が九百六十八人、下請が七百二十五人と相なっておるわけでございまして、このうち三月二十日現在に千四百五十人が安定所へ求職申し込みをし、再就職者は内定者も含めて現在二百六人、かように相なっておるわけでございます。さらに労働省としても、既に御案内と思いますけれども、早速省内に炭鉱離職者の対策本部を設置いたしまして、現地に臨時の職業相談所を開設したところでございまして、当然のことながら地元長崎県とも緊密な連携をとりながら、職業訓練の機動的実施、広域職業紹介活動の促進、また各種給付金制度の積極的活用等によりまして、離職者の早期再就職の促進に全力を挙げなければならぬと考えております。
 また、今後当面の問題でございますが、やはり子弟の転校等の関係もございまして、まさしくこの四月が再就職の山場にもなろうかということも考えられますので、長崎県を初めとする関係各県とも連携をとりながら、とにもかくにも全力を挙げて再就職の促進に取り組んでまいらなければならぬと考えております。
#80
○田口委員 今、大臣の方からも具体的に数字を挙げてお答えをいただいたのでありますが、その中にもありますように、大体求職者の一割程度しか今日の段階で再就職はできておらないという、大変厳しい状況であると思うのであります。したがって、今後の見通しについて労働省としてはどのようにお考えになっておられるのか、少しお尋ねをしたいと思うのでありますが、それに関連をして、これは昨日も現地から私のところに電話がかかってまいったのでありますが、再就職のネックになっておる問題の一つに、住宅問題がやはりあるということなんですね。ですから、この辺を考えていかないと、大変この問題も難しいのではないか。
 例えば雇用促進事業団住宅などについても、就職の決定がなければ入ることができない、こういうことなどもあって、何とかこういう点についても対策が講じられないものだろうか、実はこういう連絡などもあっておるわけでありますが、今後の再就職の見通しについて、ひとつお考えを聞かしていただきたいと思います。
#81
○甘粕政府委員 ただいま労働大臣からお答えいたしましたように、現在のところ就職決定件数は、内定者を含めて二百六名という状況でございます。ただ、私どもといたしましては、求人数を約二千百人程度確保しているということの中で一つの山は、やはり四月に入りまして子供さんの転入学等の問題がございますので、この時期が非常に重要な一つの時期になるのではないかというふうに思ってございます。
 それから、先生御指摘の住宅の問題でございます。
 住宅の問題につきましても、やはり私どもの現地職業相談所の方で、住宅等につきましても調査をいたしてございます。住宅等につきましても、やはりかなりの人が必要ということになってございますので、雇用促進住宅につきましては長崎に新たに二棟、建設等も含めまして入居可能をできるだけ広げていきたいというふうに思ってございます。
 それで、もう一つ先生御指摘ございました就職が決定しないと入居できないという問題につきましては、今のところそういう取り扱いでございます。これは職業相談、それからそういう紹介結合という中で具体的に決まりましたときにできるだけ入居できるようにということで、一層再就職につきまして全力を挙げていきたいというふうに考えておるところでございます。
#82
○田口委員 今のことに関連をいたしまして、再就職のための職業訓練、この辺の実施状況あるいは受講状況といいますか、少しお知らせをいただきたいと思います。
#83
○甘粕政府委員 職業訓練の実施状況でございます。
 職業訓練につきましては、現在のところ大型自動車運転科の訓練、これは二十人が修了してございます。それから建設機械運転科等につきまして、三訓練科で二十一名が受講中ということでございます。それから、その後の訓練でございますが、私どもの今把握している限りにおきましては、百四十人の訓練受講希望者がおるということでございますので、高島に臨時職業訓練施設というのを四月に開所する予定でございます。これは三科目ございまして、溶接、配管等を内容としてございますが、こういう高島における臨時に設置いたしました訓練施設と、それから長崎等で、百四十人の人たちに対しましての訓練を実施したいというふうに考えているところでございます。
#84
○田口委員 これは地元の新聞記事なんでありますが、三月十八日付であります。高島に職業訓練校の分校が設置され、四月から開校される。ところが、これの応募者というのがまだ定員の八割ぐらいにしかなってないというふうに、当初の予想からすれば希望者が殺到するのではないかと思われておったのが、実はその定員の八割ぐらいしか希望者がいない、一体これはどういうことなんだろうかというような話も出ているわけですね。
 実はこういう意見も私のところに寄せられておるわけですが、やっぱり炭鉱労働者の再就職の問題ですから、炭鉱労働者に見合った職業訓練をやってほしい。今もお話がありましたが、高島の訓練校の場合には、溶接科、塗装科、配管科、こういうふうになっておるわけですが、現地の希望を私、聞きますと、例えば建設機械、こういうものなどの職業訓練というものをもっとふやしてもらえぬだろうか、こういう意向も伝わってきておるわけでありますが、その辺はどうでしょうか。
#85
○甘粕政府委員 先生御指摘のように私どもの把握している限りにおきましては、配管・住宅設備科、それから塗装・インテリア科、これにつきましてはほぼ定員どおりということでございますが、溶接・板金科の方が入校希望者が少ないということで、全体といたしまして約八割程度の入校希望者という現状になってございます。
 私ども、こういう科目を設定いたしましたときは、現地における職種別の需給状況と、それから特に私どもがこの離職者の方々に対してどういう訓練科目を受けたいかということを調査した結果をあわせましてこういう科目を設定したわけでございます。そういう意味では溶接・板金科の方が、少しといいますか、かなり定員に満たない。これは非常に残念でございますが、先ほどお話ございましたような点等については長崎の訓練校その他ございますし、そういうところに移転するのは非常に大変だとは思いますが、訓練手当等の支給あるいはそういう寄宿舎に入った場合の費用ということも私どもの助成措置に入っておりますので、そういう中で訓練を受けていただきたいと考えているところでございます。
#86
○田口委員 時間が余りありませんので詳しくお尋ねすることはできませんが、先ほど通産大臣からもまた改めて御決意を聞かせていただきまして、大変力強く思っているのであります。地域振興策の中で海洋開発プロジェクトという形で、これは通産関係だろうと思うわけでありますが、そういうものが地元の町でも発表になっておるわけであります。この構想の中身についてわかっている点がありましたらひとつお知らせをいただきたいと思います。
#87
○高橋(達)政府委員 高島町の中長期的な振興を図る観点から、御指摘のような海洋都市構想についてのプロジェクトビジョンの作成が現在行われているところでございます。これは当省の産炭地域振興臨時交付金の中に活性化支援事業というのがございまして、ビジョンをつくる経費の二分の一を補助するということでございます。現在事業費全体で千八百万円の規模をもちまして、高島町を中心にしてこのビジョンの作成に当たっているところでございます。内容的にはまだでき上がっておりませんが、海洋都市構想ということで魚の養殖のシステムであるとかレジャー関係あるいは観光関係の施設というものを設置することを中心に現在取りまとめられているようでございます。これとは別に、また新養殖のシステム開発のために技術開発法人を設立するという構想もございまして、そういう構想ともあわせまして、高島町としてはこの調査を完成することを通じて海洋都市の構想を進めることで地域開発を図っていったらどうだろうかという方向を目指しているようでございます。私どもとしてもこういった方向に対して最大限支援をしていく考えでございまして、今申し上げました調査費の補助のほかに、企業化に際してのフイージビリティースタディーが行われますれば、このフィージビリティースタディーに対する補助も六十二年度の予算の中で計上してございますので、これをもって充てたいと考えておりますし、また実際の企業化に当たりましては、地域公団あるいは現在国会で御審議いただいております産業構造転換円滑化法の体系の中でいろいろな支援を検討していきたいと考えております。
#88
○田口委員 続いて文部省の方にお尋ねしたいと思うのであります。
 人口の流出に伴って小中高生がかなり極端に減少してきておるわけでありますが、このまま進めば恐らく半数以下になるのではないかと見られておるわけであります。今後の高島における小学校、中学校、あるいは高等学校が一校ございますが、この辺の将来的な見通しについては一体どのようにお考えになっておられるのか。
 それからこれは前回も私御質問申し上げたのでありますが、特に高校生の転入学の問題について現状はどうなっておるのか、資料的にわかっておればそれもひとつ教えていただきたいと思います。
#89
○小西説明員 先生今お尋ねの高島鉱山の閉山に伴いまして小学校、中学校、高等学校の生徒数はかなり減少しているようでございます。特に本年の四月以降にはまたさらに減少することが予想されております。
 御存じのように高島町には現在町立の小学校、中学校がそれぞれ一校ずつございます。さらに高等学校があるわけでございますが、長崎県としては、まず小学校、中学校については児童生徒がいる限り存続させていきたい、このように考えているようでございます。それからさらに高等学校については、六十二年度は応募者数が非常に少なかったために生徒の募集を行わなかったものでございますけれども、現在の一年生、二年生が在学している限りにおいてこの高島高校は今後も存続させるという考え方だそうでございます。
 それからもう一つ、いわゆる高島高校の転学の問題でございますけれども、私どもが調べましたところ、六十一年の十一月から六十二年の三月までに高島高校から転校した生徒は四人だったそうでございます。希望が四人で転校が四人。全員希望どおり転校されたそうでございます。それが現在のところでございまして、この四月以降またさらに転校を希望している数はかなり多いというように伺っております。
 以上でございます。
#90
○田口委員 時間がなくなりましたので、最後に自治省にお尋ねをしたいと思います。
 先ほどから申し上げておりますように急激な人口の減少によって地方財政も大変な状況になってくると思うのであります。ただ、六十二年度については閉山関係の諸事業等の問題もあってかと思いますが、前年度に比べて一〇%程度予算規模自体は伸びておるわけであります。しかし、住民税なり鉱産税というのは完全にゼロになってくるわけでありますし、財政調整基金一億五千万円を取り崩してどうにかこうにか六十二年度予算が組まれておるという状況であります。今後の見通しについて、自治省としてはどういうお考えで、あるいはどのように指導されていくのか、その辺をひとつお尋ねをしたいと思います。
#91
○松本説明員 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のとおり今後高島町の人口の減少は相当程度のものと見込まれているわけでございまして、それに伴いまして、地方税も昭和六十年度には四億三千六百万円ぐらいあったわけでございますが、今後は相当に減少するだろうと考えております。町の推計によりますと、人口が一番減少したようなケースの場合には一億円程度ぐらいまで落ちるのではないかということでございます。ただ他面、地方交付税の算定においては、先生御案内のとおりかと思いますが、六十年度の国調の人口が次の国調人口が出されるまで適用になりますし、それからまた人口急減補正というような補正を通じて一定の需要を確保してまいりまして、いわゆる一般財源の激変を緩和していく措置を講ずることといたしております。しかしながら、中長期的には財政規模そのものを見直していかなければならないということは言うまでもないことでございまして、そのために現在公共施設の統廃合等について具体案をまとめたいというように伺っております。自治省としても、可及び県の案がまとまり次第、地方債等の財政上の措置を通じて十分配慮してまいりたいと考えておる次第でございます。
#92
○田口委員 時間が参りましたので、お尋ねしたいことはまだまだたくさんあるのですが、冒頭お答えをいただきましたように、通産大臣そして労働大臣、ぜひとも今後の高島の地域の振興あるいは離職者対策についてさらに御尽力をいただきますことを心からお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#93
○竹内委員長 次に、岡田利春君。
#94
○岡田(利)委員 質問に入る前に、昨日アメリカ、イギリスにおける円の動向は極めて憂慮すべき状態でありましたけれども、伝えられるところによりますと、十時三十分には一ドル百四十八円七十銭、十一時には百四十八円八十銭という円の急騰が見られるというのであります。今後のエネルギー政策やまた我が国の通産行政に極めて重大な関係のあることであります。今年度予算は一ドル百六十三円で編成をされておるという面からも大変関心事であるわけです。こういう円高が続くならば、もう売上税などは到底導入できる条件ではないのではないか、こう思うのでありますけれども、この際通産大臣の所見を承っておきたいと思います。
#95
○田村国務大臣 売上税推進はこれは大蔵大臣の仕事でございまして、私は売上税に対して産業界の代弁者としてどう対応するかということを考えてこれを実行していく立場にございますから、私の口から売上税が今、時節柄どうこうという根幹に触れた発言は慎んでおきたいというふうに思います。
#96
○岡田(利)委員 売上税そのものを聞いたのではなくして、この円高の状況、宮澤・ベーカー会談で、G5で一応百五十円台に安定をさせるというそういう状況の中で円高が行われているのでありますから、その点私は通産大臣の所見を求めたわけであります。本論じゃないからこれはまあいいでしよう。
 そこで、今回の第八次政策で昭和六十六年度の我が国の生産規模が一千万トン程度と位置づけられたわけであります。従来、生産規模についてはそれぞれその評価が明確にされておりまして、今回第八次政策で半減とも言える生産規模の縮小が行われて、一千万トン程度という生産量が位置づけられているわけでありますけれども、この評価については通産大臣、どういう評価を与えておるのか、この際承っておきたいと思います。
#97
○田村国務大臣 私は何とかいま少しくという気持ちで内々の努力は若干したつもりでございますけれども、いかんせん需給関係という点からいって、国内炭の高値、輸入炭の三倍もする高値、しかも電力、ガスの方はまだよろしゅうございますが、やはりこれを買ってもらう立場、これをつまり買う立場である鉄鋼が、自分自身がもう大変なことでどんどん合理化を始めた、石炭に次ぐ不況という姿でございまして、一千万トン程度という答申に対して、まことに残念ながら現実はやむを得ざるもの、それだけに我々の対応は懸命の対応をしなければなるまいという気持ちでございます。
#98
○岡田(利)委員 通産大臣はこの第八次政策策定に当たって、特に鉄鋼業界の原料炭引き取りについて大変努力をされて、最終的に第七次政策の最終年度でその引き取り量を二分の一、半分に残念ながら減らした量で認めざるを得なかったわけであります。このときに、第八次政策の原料炭の引き取りについては、あとの半分についてはなだらかに考えていく、こういう内々の話し合いもあったと私は実は承知いたしておるわけです。
 ところが、鉄鋼業界の最近の動向として、さらに引き取りを昭和六十一年度の二分の一、半減にしたい、こういう動きが顕著に出ておるようであります。新聞ではそういう報道もなされておるわけです。そうしますと、これは六十年の実績の四分の一になるわけですね。さらに半減すればこれは八分の一になって、さらに半減すれば十六分の一になってしまう。そして昭和六十六年度のゼロの年代を迎えるということになるわけです。これではとてもなだらかな縮小とかそういうものはできないんだと思うのですね。
 したがって、私は、今の前段で述べた精神というものが当然その場合になされておるものと判断するのですけれども、この点についてはいかがでしようか。
#99
○田村国務大臣 新聞で報道されたというお話でございますが、鉄鋼業界から通産省に対してはまだ何ら意思表示がございません。鉄鋼業界が大変苦しい立場に立たされておることもよくわかりますし、確かに私どもが石炭、原料炭を押し売りしたいといいますか、押し売りに近い形で押しつけたということも事実でございます。事実でございますけれども、なだらかなということをあくまでも実現しようとすれば余り急激な形になってもどうかと心配はしておりますが、今のところ全然その話は参っておりません。
#100
○岡田(利)委員 私は、あとの四年間で引き取る量をゼロにするわけですから、半減されたこの供給量は、基本になるベースからいえば四分の一、クォーター、クォーター、クォーター、クォーターでゼロになる、これが縮小の原型でなきゃいかぬと思うのですね。そういう認識は、これはいかがですか。
#101
○高橋(達)政府委員 ただいま大臣からも答弁申し上げましたように、需給両業界で昨年来八次策の策定に当たりましていろいろと協議を重ねてき、また通産省当局といたしましても、大臣を先頭にこの需要の確保に努めてきたわけでございます。
 その際の基本的な考え方といたしまして、短期的な集中閉山は避ける、なだらかに段階的縮小をしていかなきゃいけないということでございましたので、ただいま岡田先生からお話のございましたように、今後の引き取り量の話し合いに当たりましては、方向としましては漸減ということで減る方向でございまして、鉄鋼業界、セメント、紙パ等につきましては六十六年度ゼロということに相なるわけでございますが、その漸減という方向の中でなだらかな縮小が確保できるような、そういう毎年の数量が決められることが私どもとして期待しているところでございますが、一方におきまして、もう一つの考え方でございます、需要業界が非常に厳しい中でぎりぎりの協力をするということでございますので、どうしてもそこには、できるだけ少ない引き取りという考えも出てくるわけでございますので、そのあたり、なだらかな縮小とぎりぎりの協力という中でこの話し合いが決められていくものと考えております。
 通産省といたしましても、冒頭申し上げましたように、短期的、集中的な閉山はぜひとも避けたいということで、今後需給両業界の話し合いが進められていくことを十分注意深く見守ってまいりたいと思っております。
#102
○岡田(利)委員 鉄鋼の場合も大変な大きな合理化が今労働組合に提案されておるわけですから、そういう状況についても我々は承知はいたしているわけです。ただ、一番大きい客体の引き取る量が半減になって、さらに極端に半減していくということになりますと、これはちょっと大変なカーブになると思うわけであります。
 ちなみに、もし四分の一の原料炭の引き取りが減ると仮定いたしますと需要は大体一千三百九十万トンになるでしょう。二分の一にしますと、これは一般産業向けの一般炭もありますから一千三百十九万トンぐらいになるでしょう。私の試算ではそうなるわけであります。これに雑炭というものがございますから、雑炭というものを、百四十万トンが百万トンか百二十万トンになるかわかりませんけれども、これを計算して考えていくとすぐ生産量というのは出てくるわけですね。そして、在庫も出てまいるわけです。極めて単純なんですから、もはやこれは簡単に計算できるわけです。そういう面で考えてこの点を非常に重要視しているという点を私は強調しておきたい、かように思います。
 したがって、一千万トン体制というものは現在、百四十万トンある雑炭のウエートがいかに高いかということですよ。一千万トンになって百万トンあれば一割ですから非常に高いウエートになるわけです。ですから、雑炭を無視をするという段階はもう過ぎた。一体どう雑炭の問題を処理するのか。もちろんこれには普通の雑炭と駆け引きもあるでしょう。ある程度のものは出てくるでしょう。しかし、今の場合には異常なんですね。ですからこれにどう対処するかということが石炭政策上極めて重要なポイントであるわけです。この実態の把握とこれにどう対処しようとするか、姿勢を伺っておきます。
#103
○高橋(達)政府委員 雑炭の問題でございますけれども、水洗炭業等の回収炭やあるいは流通在庫の取り崩しなどによりまして、毎年この雑炭というものが発生しているものと見られておりますけれども、なかなか実態は把握しにくい面があるわけでございます。しかしながら、この第八次石炭政策の期間におきまして、国内炭生産規模が全体として縮小の方向にまいるわけでございますので、雑炭の供給規模につきましても当然にこれは縮小されていくべきものと認識をしておるわけでございます。
 ただ、その縮小の仕方でございますけれども、雑炭を扱っております関係の需給両業界、これがまず適切な対応をしてもらう必要があるわけでございまして、当面は私どもとしてもこの需給両業界の対応に関心を持って見守ってまいりたいと思っております。
#104
○岡田(利)委員 例えば、ボタの水洗炭とかそういう素直な形で認められる雑炭は私は問題にするわけじゃありません。しかし、この雑炭は異常でありまして、調査をすれば把握できると私は思うのです。これ以上言いませんけれども、そういう意味でぜひこの対応をしていただきたいと思います。
 一千万トンということはランニングストック八十万トンという意味なんですよ。雑炭が今百四十万トンですから、一千万トン体制下でランニングストックよりも多い雑炭が動いているということが異常なんですね。そういう意味で非常に大切なポイントでありますので対応方をお願い申し上げておきたいと思います。
 次に、今後電力を中心にして、昭和六十六年度には八百五十万トン電力で消費をする。そして九百七十万トンの規模ということに第八次答申は位置づけられておるわけであります。したがって、電力消費について我々は重大関心を持たなければなりません。
 そういう意味で石炭政策の流れの中で、政策需要の面から石炭火力を政策的に位置づけて電発に出資をし、これを建設し、北電の苫一号を石石特会から助成をして建設をしてきた。しかも十年間というのは大変なヒットだったわけですね。このために電力料金の面で大きな貢献をしたということは何人も認めるところであるわけです。したがって先般も磯子、竹原、高砂、苫については政策火力である、このように確認いたしております。この確認については変わらないものだと私は思うわけであります。だがしかし、先ほど中沢君が質問しましたように、今度昭和六十二年度九十万トンを北電の場合には八電力の方に移行するということになりました。なぜ一体この移行が行われたのか。
 もう既に電力の料金の差益還元ということで北電は百二十億還元態勢に入っている。先取りで入っているわけでしょう、四月から変わるわけですから。そして石炭の分は百二十億のうち百億だとも言われているわけですね。したがってこれは通産省指導のもとでそういうことが行われたんだと思うのです。今まで苫でもって、ここで約九十万トンの石炭をたいている。今度は六十二年度は三十三万トンになるわけです。したがって内陸に向けていた石炭も苫小牧を通って――五十万トン苫の分で減りますから、そうすると九十万トン中あと四十万トンは内陸分でもって、苫を通って本州の電力会社に向けられるということになるのが九十万トンの内容なわけです。それで、先ほど何か公益事業部長の答弁では、それはもう電事連に任じているからわからないんだなんて言っていますけれども、石炭というのは流通が一番大事なわけですから、押せ押せでいったとしても石炭を受けとめるところは決まっておるわけでしょう。例えば小名浜の常磐火力、そのほか磯子、高砂、竹原、こうなっているわけです。
 ですから、そういう点については的確に答弁してもらわないと、いや心配がなくと言ったって、我々は心配でしようがないわけです。やはりぎりぎりでやっているわけでしょう。ある程度たき増しもやっているわけでしょう。そういう形で九十万トン消化していくんじゃないですか。そうすると、その状態というものは安定性があるかどうかと我々は心配するわけです。そういう面に答えなければいかぬわけです。電力会社に任じていいというものじゃないでしょう。そういうことをきちっと答えることによって我々は安心できるわけです。
 私は、大きな見地に立てば、今通産の指導もあるように他は円高差益の還元がある。北海道はない。その場合九十万トンを移す。そして道民に百億還元する。北海道の道民に還元されるわけですから、それを否定するものではないわけです。それを否定しないけれども、不安のないように、質問したらちゃんと答弁しなければいかぬじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
#105
○岡松政府委員 お答え申し上げます。
 北海道電力の引き取り分から九十万トン移されるわけでございますが、これにつきましては電源開発株式会社の火力発電所及び共同火力の発電所等を使いまして東京電力、中部電力、九州電力が代替することになっておるわけでございます。これによりまして六十二年度の電力業界の一千万トンの国内引き取りを円滑化しようということから、電力業界内で負担の平準化を図るという見地から行われたわけでございまして、この結果電力業界が約束しております六十二年度の一千万トンの引き取りということにつきましては確実に実施されるものというふうに承知いたしております。
#106
○岡田(利)委員 どうですか委員長、今の答弁を聞いていて。不親切だと私は思うのです。我々のところだってもうニュースは耳にはどんどん入ってきますよ。例えば東電は五十万トン、あるいは中部が二十万トン、関西が二十万トン、九十万トン負担するんだと、そういうことも入ってきているわけですよ。そうすると発電所別にわかるわけでしょう。例えば電発だって今まで通常一〇〇%たいていたんでしょうから、それ以上たくといったら、もうたき増しをしなければいかぬじゃないですか。私はそういう心配を感じておるわけです。石炭をたく火力発電所がたくさんあるのならわかりませんけれども、今言ったように電発三地点から四地点でたくわけでしょう。だから当然そういうことについて的確に答弁できないというのは非常に遺憾だと思うのです。答弁できますか。それでは我々はほかの方から聞いた方が早いですよ。
#107
○岡松政府委員 お答え申し上げます。
 九十万トンの振りかえにつきましては電発の火力を使いまして五十八万トンのたき増しをいたすことになっております。それから常磐共同火力で十三万トン、それから東北の火力を使いまして十九万トンでございます。先ほど私ちょっと言い間違えましたが、これらを通じまして関電と中部電力、東京電力の三電力で結果的には引き取ることになる。その数字を申し上げますと、関西電力で二十八万トン相当分、それから中部電力で二十二万トン相当分、それから東京電力で四十万トン相当分、都合九十万トンの引き取りの振りかえが行われるということでございます。
#108
○岡田(利)委員 初めからそう答弁してもらえば時間かからぬわけですよ。やはりそれくらい言わないとわからないわけですね。
 したがって、この九十万トンが崩れる場合には、もちろん北海道でその分だかなきゃならぬということにも考え方としてはなるでしょう。しかし、同時に生産そのものが縮小基調にあるわけですから、その場合、苫小牧苫一号、全部外炭をたいてしまう。二号機は百三十万トンたいてますね。これを少なくとも全部外炭に振りかえるということはないんだと思うのですね。我々は北海道道民に電力差益が還元されるということで、三十三万トンまで落ち込んだのを認めたのですよ。だからそういう点については当然慎重であり、今までの石炭政策を進めた私どもにも十分話をしてくれるものと私は思うわけですが、この点いかがですか。
#109
○岡松政府委員 お答え申し上げます。
 政策的に設立されましたいわゆる政策火力発電所といたしまして、電発のもの及び苫東厚真の一号機があるわけでございまして、これが従来、国内炭の需要の確保のために十分な役割を果たしていたわけでございますが、今後第八次石炭政策期間中におきましても電力業界全体の国内炭引き取りを円滑に実施するためにこのような、先ほど触れましたいわゆる政策火力発電所と言われるものにおきましても、一定の役割を果たすものというふうに期待されているわけでございます。
#110
○岡田(利)委員 苫でたく供給の内容というのは、幌内が二十九万トン、太平洋炭礦が四万トンなんですよ。今までは幌内が四十一万トン、太平洋が四十万五千トン、三菱大夕張が七万トンというのが供給の内容なんです。ですからこの数字を見ると、何かやはりぐっと偏っているわけでしょう。だから、今言ったように縮小する、閉山をするなんていろいろうわさがあるものですから、そうすると、ここ早目にゼロにするのかなあという印象を数字から受けるわけです。受けるのが当たり前で受けないのがおかしいと私は思うのですね。
 そういう点でいろいろ心配があるものですから聞くのですが、役割を果たすと言うけれども、一定の役割は果たさせるというのが原則だ。しかし、原則であるが、事情変更の場合には慎重に検討して十分相談します、このことを約束できるかどうか、それ以上のことを答弁せいと言っても無理でしょうからね。その点、いかがですか。
#111
○岡松政府委員 第八次石炭対策中におきましては、当初一千万トンの引き取りを電力業界として約束しておるわけでございますが、その後種々の事情がある中で八百五十万トン、六十六年度の引き取りということをぎりぎりの線として電力業界が引き取ることを約束しておるわけでございまして、このような全体の中で、先ほど触れましたいわゆる政策火力発電所というものも一つの役割を果たしていくということが期待されておるということを申し上げさしていただきたいと思います。
#112
○岡田(利)委員 抽象的でわかりませんけれども、ある場合においては日本で二番目に大きい北海道の炭鉱が北海道の電力会社には一トンも納炭をしないで、全部本州の方に納入する、こういう現象も下手したら起きるわけですよ。だから聞いているわけですよ。そういう意味で、時間がございませんからあれですが、十分慎重に考えてやってもらわなければならない問題です。
 新聞の報道によると、昭和六十二年三百六十万トン北電がたく、六十三年が三百六十万トン、六十四年は三百十万トン、六十五年には二百十万トン、六十六年も二百十万トン。そうしますと、結局二百四十万トン引き取り量が下がる。そうしますと、だれが計算しても、奈井江一号、二号と砂川の三、四号があるわけですから、内陸だけで海岸の発電所はたかないということになるのか。これは新聞報道で出された数字ですから、そういう判断が実は出てくるわけです。二百十万トンを六千カロリーで換算すると百八十万トンという意味なんですよね。ですから、そういう点も十分いろいろ報道もされてますし、みんな心配をしておるのでありまして、今の公益事業部長の歯に衣を着せるような答弁ではなくして、もう少しできるだけ親切に言った方がいいんではないか、私はそう思いますよ。ですから、そういう意味で、ひとつ慎重に対処して、十分この協議もしてほしいということを申し上げておきます。
 例えば公害の問題なんて、車が多いといったって海から持ってくれば、何もトラックで持ってくるわけじゃないですから、そういう公害もなくなるわけですから、とにかく総合的に考えなければならぬ問題だということを申し上げておきたい、こう思います。
 そこで、需要の問題の中で最終年度の問題でありますけれども、私は当初見込みよりも、八次政策の見込みよりも水準が下回るのではないかという心配があります。電力の八百五十万トンというのは一応わかるわけですね。そして、電力の八百五十万トンというのは政策ではない、コールペニヒ方式、こう言えるんだと思うのです。電力で八百五十万トン引き取るわけです。ですから、政策上コールペニヒじゃないけれども、実際にやっている実質は西ドイツのコールペニヒと同じだ、こう言うことができるんだと思うのです。そして九百七十万トンですから、残りがあと百二十万トン。百二十万トンのうち、これは山だき炭とハウスコールがあるわけですね。ハウスコールは今の傾向を見ましてまだ下がるんだと思うのですよ。したがって九百七十万トンというのは、一千万トン程度という中身は九百七十万トンですから、それはまだ下がる。四、五十万トンは少なくとも下がる。八百五十、九百万トン近くになるんではないのか。最近のハウスコールの状況から判断してそういう心配がされますけれども、私のそういう心配は杞憂でしょうか。
#113
○高橋(達)政府委員 ただいまの岡田先生の昭和六十六年度における需要の規模の問題でございますが、御指摘のように、電力については田村通産大臣と那須電事連会長の間での話ということで八百五十万トンというものが決まっているわけでございますが、おおむね一千万トンの残りの分につきましては百二十万トン程度を積算をしておるわけでございます。その中身は石炭系企業の一般炭使用でございまして、石炭系企業の中に依然としてセメント部門を有する企業もあるようでございますので、そういった企業については国内炭を優先的に今後とも使っていただくというようなことも考えております。
 それから暖房、山だきでございまして、このあたりがただいま先生から少し少なくなるんじゃないかというような話でございますけれども、山だきにつきましては、私どもが非公式にいろいろ各社の設備投資計画なども聞いておりますけれども、そういう中では今後自家発電に一部切りかえていきたいというような意向のところもございまして、そういう意味では新しく一般炭需要のふえる部門も考えられるものでございますから、岡田先生の御想定になられている数字にプラスアルファでいけるのではないかというふうに思っておりまして、結果的にはおおむね一千万トンの水準までいくものと考えておるわけでございます。
#114
○岡田(利)委員 第八次政策が策定されて後、労働省では石炭産業を不況業種として指定をされました。したがって、その後雇用調整助成金の制度の適用が受けられて、一時帰休が行われ、言うなれば昨年の暮れから既に縮小の体制に、谷山、各社はそういう方向に入ったと言えると私は思います。いわば八次政策プラスアルファの政策が労働省の不況業種指定の政策ではないか、私はこう思うのであります。したがって、通産省の当初の生産見通しは違いが出てくるのだと思うのです。六十一年度の通産省の生産の見通しは一千五百五十万トン、当時こうなっていますね。しかし、そこに一時帰休が追加をされて生産の縮小が行われておりますから、労働省の不況業種指定によって一時帰休が行われ、その結果生産が縮小された量について。これは労働省の方がおわかりでしょうか、通産省がおわかりでしょうか。三月三十一日まで、どの程度になるでしょうか。
#115
○高橋(達)政府委員 六十一年度下期に行われておりました生産の調整量でございますが、操業日数の削減によるものが、私どもではおおむね二十五万トン程度と推定をしております。また、切羽の採炭片数の削減などによるものが約五万トンということで、合計三十万トン程度の生産調整が行われているものと推定しております。
#116
○岡田(利)委員 次に、安定補給金の減産加算についてお尋ねしておきますが、この基準について、これはいろいろ説がありますけれども、前二年間をとるということが原則だと思うのですが、この基準をどうお考えになっているかということが一つであります。
 同時に、五%、一〇%の減産加算があるわけでありますから、これが二年にわたって支給される。初め五%、それからまた一年か二年たって五%、また一年たって五%ということになりますと、最後は五年間から六年目にまたがるものもないとは言えないわけですね、実際あるかないかは別にして、あり得るわけです。第九次政策にまたがる場合もあり得るわけです。安定補給減産加算金の制度は縮小を目指すものであるから、今私が言いましたようにこの制度は五年間存在し得る、したがって場合によっては六年目すなわち第九次に一年間かかる場合もあり得る、理解としてはこうなると思うのですね。そういう理解でよろしゅうございますか。
#117
○高橋(達)政府委員 このたび六十二年度の予算でお願いしております安定補給金の減産加算金の制度を成立させていただき、かつそれが六十六年度の時点にまで存続しているとすれば、そういうことになろうかと思っております。
#118
○岡田(利)委員 この基準と支給については、安定補給金と同じですか。四半期ごとに前年同期に対して五%、五%の減産というものの方向が認められる場合に支給されるのか。それとも、それは一年間の生産量に対して支給するとすれば一年間かかってしまうわけでありますけれども、この点、基準と支給についてはどういう考えておりますか。
#119
○高橋(達)政府委員 当該年度の支払いにつきましては、最終の一−三月に行うということでございまして、その支払う対象といたしまして、暦年でございますが、前年一年の一−十二月の減産分について計算をいたしまして、翌年の一−三月中に支払うという仕組みにしたいと思っております。
#120
○岡田(利)委員 次に、規模縮小交付金について伺っておきますけれども、この生産量の基準は今安定補給金減産加算のときに述べた基準と同じなのか別な基準なのか、この点の基準についてどうなのかということが一つであります。それから、基準に適合の場合はこれは何回も受けられる性質のものかどうか、この点、いかがでしょうか。
#121
○高橋(達)政府委員 規模縮小交付金の算定の基礎でございますが、減産加算制度の場合と同様に考えてまいりたいと思っております。また、要件に該当すればその都度規模縮小交付金の対象といたしたいと思っております。
#122
○岡田(利)委員 この制度ができたわけですが、従来政策展開として行われてまいりました部分閉山制度は従来どおり残っておる、そういう制度はあるのだ、したがってこれに適用できるものについてはそれが適用されるということを確認してよろしゅうございますか。
#123
○高橋(達)政府委員 閉山交付金の対象となります場合につきましては鉱業権の消滅というものが基本でございまして、今回の規模縮小交付金については鉱業権が存続するという前提でございますから、先生おっしゃるように当然別の体系として、いわゆる部分閉山と言われる鉱業権の消滅の場合が閉山交付金の対象として存在するわけでございます。
#124
○岡田(利)委員 原料炭が昭和六十六年度でゼロになるという点から考えると、炭種転換ということが特徴的に出てまいるわけでございます。そこで、炭種転換によるコストアップあるいは手取り減については、今回政策はないわけです。一般的な生産規模の縮小については政策があるが、原料炭から一般炭に転換をするという場合の手取り減とコストアップ。量を抑えるとコストアップになる、手取りが減ずる、これに対する政策がないのですね、今回の場合。
 私は一つの提言として、政策運用である程度対応したらどうか。例えば経営改善資金とか貯炭の買い上げ一貯炭の買い上げだって、五十万トンの適正規模であって二百万トン買い上げた、こう仮定すると、五十万トンにプラス五十万トンですから、四半期ごとでは三カ月で百五十万トン、適正貯炭量の五十万トンに対して二百万トンで差し引きゼロというような、そういう状態も考えられるわけです。したがって、そういう貯炭の買い上げ等の問題、こういう点について、原料炭から一般炭に転換する炭種転換のコスト上昇の対応策としては、現行の政策で考えれば今言った点を弾力的に運用されたらどうか、こう思うのですが、この点は検討していただけますか。いかがでしょう。
#125
○高橋(達)政府委員 今回の減産加算制度におきまして、前年に比べまして減産するという比較をする場合に、物理的な数量で行うかあるいはその石炭の持つカロリーに着目して行うかということがございまして、カロリーに着目して減産を図るとすれば、これは一応炭種転換ということを考慮に入れた減産対策ということになるわけでございます。今後財政当局と相談してまいらなければいけないわけでございますが、当方の考え方としてはカロリーをベースに考えるように財政当局の方にお願いしてまいりたいと思っておるわけでございます。
 また、御指摘の貯炭対策の中で炭種転換を考慮して考えていったらどうかということでございますが、買い上げの炭種その他については各会社の資金繰り、経営の困難な状況、そういったことを十分勘案しながら、炭種転換ということも念頭に置きながら運用していくように指導していきたいと思っております。
#126
○岡田(利)委員 労働省にお伺いしますけれども、マル炭手帳の発給については従来の政策下と今回の第八次の政策とは違いがあると思うのです。第八次政策というのは五年間も縮小基調なのですよ。これが政策上はっきり出ているわけですね。そうしますと、閉山で発生する失業者あるいは規模縮小の過程で発生していく失業者とあるわけです。したがって、マル炭手帳の発給は、規模縮小交付金の受給者はもちろんのこと、百五十名以下でも生産縮小の安補加算を受けている炭鉱で職を離れる人、こういう人も当然対象になると理解されるわけですけれども、そういう理解でよろしゅうございますか。
#127
○平井国務大臣 この規模縮小交付金が交付される場合、またこの安定補給金の減産加算が行われる場合につきましても、労働省としましてはできる限り雇調金の活用ということで失業の予防を図ってまいったわけでございます。現に、昨年十二月来石炭各社が休業によって減産を行いました場合には、雇罰金制度の活用によって失業の予防を図ったばかりでございます。
 また、やむを得ず離職した者は、石炭鉱業の合理化に伴う離職者と考えられますので、炭鉱離職者の求職手帳が発給されるものと考えられまして、この手帳制度に基づいて再就職の促進に力を入れてまいるということであります。
#128
○岡田(利)委員 これは労働省がいいんでしょうか、通産省がいいんでしょうか。先ほどの質問の中で関連業界、関連業種についてのマル炭手帳の適用の問題について出たんですね。労働省からこれは答弁がありました。ただ、過去の政策展開の中で、それらの問題には弾力的に扱っているという経過があるわけです。例えば、炭鉱を閉山する場合に、運ぶ鉄道の会社は別な会社だった。しかし、閉山前にこれを会社に吸収した場合にはこれを認める。あるいはまた、そういう工程的に関連する業種がありますね、炭鉱には関連業種がありますから。それは閉山前に親会社というか、その炭鉱会社に吸収すれば、働いている人々はマル炭手帳の扱いをする。これは企業ぐるみ閉山の場合全部やってきたわけですよ。これからそういうのも出てくる可能性があるんですね。かつて、十八年前の場合には、まだ関連業種を直営でやっている部面が多かったのですけれども、最近はほとんど切り離していますから、企業ぐるみ閉山から十八年たっていますから。したがって、そういう政策の過去の経過からいえば、基準に該当する形で炭鉱会社に吸収すれば、坑外の場合でもマル炭手帳の対象になる。これは、過去の政策がそういう運用をしておるわけですね。したがって、そういう理解でいいんではないでしょうか。いかがでしよう。
#129
○甘粕政府委員 私どもの炭鉱離職者求職手帳につきましては、いわゆる炭鉱関係の事業所そのものにつきましては、一応その事業所の従業員につきましては手帳の支給対象としているということでございますので、今先生の御質問のような格好で、そこのところの従業員ということになれば手帳の発給対象となるというふうに考えでございます。
#130
○岡田(利)委員 貯炭管理会社に随分質問が出ましたからごく一部分聞いておきますけれども、結局質問して答弁を聞いておりますと、これは貯炭管理会社などというものと縁が相当遠い会社じゃないかと思いますね。この会社は単なる貯炭無利子融資会社ですよ。管理もしなければ全部委託するわけですから、全く中途半端なものだ、こう思いますね。それならむしろ、前にありました電力用炭納入株式会社、これなんかは無利子では金は出ませんでしたけれども、それと余り変わらぬ性格のものだ、こう思いますね。買上げというのは形式的買い上げですね、結局は。そういう感じがします。極端に言えば、無利子融資をするだけだ、管理はそれぞれの企業がやるということになる。おまけに、買い戻し条件について保証する保証条項がついているのに、親会社の返済保証まで要求している。この辺なんかはちょっと念には念を入れ過ぎているんじゃないか、こう思いますね。したがって、私どもが特に主張してきた貯炭管理会社とは、残念ながらほど遠いものであるということに尽きるわけであります。
 そういう意味で一つ伺っておきますけれども、六カ月論などという問題は、これは余り強調なさらないで、せめて大きく弾力的に運用できるようにしてやるぐらいの貯炭管理会社にしてはいかがでしょう。いかがですか。
#131
○高橋(達)政府委員 貯炭管理会社をつくります以上、この会社の健全な運営を図る必要があるためにいろいろな制度を設けていることを御理解いただきたいと思うわけでございますが、他方、需給ギャップの解消の一時的な経過措置としてこの貯炭会社を機能させるわけでございますから、御指摘のように六カ月の一応の買い入れ期間で買い戻し条件つきということで行いますが、その時点になってなおその会社にとって適正在庫を超える異常な過剰貯炭が生じておるというふうに認められるときには、引き続き貯炭会社において買い入れることを考慮していきたいと思っております。
#132
○岡田(利)委員 時間がありませんからあれですけれども、全く私の率直な印象を申し上げたいわけです。政策立案者に対してはまことに失礼かもしれませんけれども、無利子融資の機関だ、単なるそういうものだ、こう思いますね。したがって、運用については十分弾力的に対応されたらいかがなものか、また、そうせざるを得ない状態に追い込まれるんじゃないかと私は先を分析しながら考えておりますこともつけ加えておきたいと思います。
 そこで、もう時間がないですから二問でやめますけれども、先ほど中沢委員からの質問で、未払い労務債の問題についていろいろありました。私は、今残っている十一炭鉱というものを考えて縮小するという政策を出す場合に、もう少し今までのいろいろな政策について深く検討されたかどうかという観点も私自身持っているわけです。例えば企業ぐるみの閉山制度というものが第四次政策では行われて、それも例えば日炭高松は、企業ぐるみ閉山制度に準ずる特閉制度などということで縮小したという経過もございます。また、明治鉱業のごときは、北海道三山、九州三山、六山あって企業ぐるみ閉山した。したけれども、九州の三山はそっくり残ったわけですよ。ただし新たな投資はやらない、金は貸さない。したがって、保安炭柱をずんずん掘り上げて、その後五年もこの三山は生きておった、平山とか明治古賀山とか。そういう政策の歴史があるわけですよ。
 問題は、社会的摩擦をできるだけ防ぐという場合に、もう長年働いた退職金も踏み倒してやめるなんということになりますと、一方においてはそこに現在働いている人は最低三分の二もらえるわけですね。六百万の交付金があるわけですね。それを前の日にやめた人が踏み倒されるなんということがもし起きた場合には、大変な暴動が起きるんだと思うのです。そういう兆候が今あるのですよ。ですから、そういう意味で、こういう今までの政策過程もあるわけですから、先ほどの答弁もありましたけれども、政府としても十分指導し、これらに対応することを考えておかれる必要がある、私はこう事態を認識をいたしております。これは答弁を求めても答弁が難しかろうと思いますから、そのことを特に申し上げておきますので、肝に銘じてひとつその対策を進めてほしいということをお願い申し上げておきたいと思います。
 そこでもう一つは、まだ五分ありますが、基準炭価の問題と外割りの問題について伺っておきたいと思うのであります。
 といいますのは、昭和六十六年度になりますと、政策需要は電力用炭だけになるわけですね、電力だけですから。電力の基準炭価を決める必要があるが、それ以外の炭価は決める必要がないわけですね。ないという場合にはどうなるのか、こういう問題が当然残っているんだと思うのです。例えば国内炭は引き取り義務のない紙パルプやセメントあるいは鉄鋼に対する基準炭価を決めるわけではないでしょう。基準炭価が決められない場合はどうなるのか。それとIQの問題もあるわけです。そういう場合に外割り制度というものはどういうことになるのか。少なくとも第八次政策五年間は外割りを抑える。したがって、基準炭価はないけれども、その場合といえども外割りを残しておくことによっていろいろな心配される状況というものをコントロールする、こういうことを考えられておるのか。ここが非常に重要なところでありますので、この点承っておきたいと思います。
#133
○高橋(達)政府委員 昨年十一月の第八次石炭答申においては、第八次石炭政策の期間における需要の確保の対策といたしまして、IQ制度と基準炭価制度は維持すべきであるというふうになっておるわけでございます。その後の問題につきましては、その時点でそのときの状況を勘案して最終的に決めるということになろうと思いますけれども、御指摘のように段階的縮小が残念なことに進んでまいりますと、割合に単純な取引の構造になってくるわけでございますから、現在の国内炭が将来とも競争力を持たないという状況の中では、何らかの数量的あるいは炭価的な補正の手段が必要だとは思いますけれども、それが今のような基準炭価制度を必要とするか、あるいは今のようなIQ制度を必要とするかは、いろいろな代替案もあり得るのではないか。例えば長期契約によってその需要を確保するということもあり得るのではないかというようなことでございますので、いずれにいたしましても八次策の期間の遂行の状況を見ながら、数量あるいは価格面での政策のあり方を考えていくということになろうかと思っております。
#134
○岡田(利)委員 時間が短くて質問が残ったのですけれども、今の問題も、私はやはり五年間というのは非常に変化があるんだと思うのです、いろいろなことが予想されると思うのです。私は、八次政策というものをじっと掘り下げて自分なりに勉強してみますと、八・五次政策、九次政策の中間にちょっと補強的なことが必要なのではないか、こういう気が実はしておりますことを申し上げておきたいと思います。
 いずれにしても、この八次政策が雪崩閉山にならないように進めることが基本であります。産業調整の言うならば第一号、こう言われておるわけであります。したがって、雪崩閉山だけは絶対に起こさないという意味で大臣も臨まれておると思いますから、最後に大臣の決意のほどを伺って、質問を終わります。
#135
○田村国務大臣 懸命の努力をいたします。
#136
○竹内委員長 次に、吉井光照君。
#137
○吉井委員 まず最初に、石炭企業と売上税についてお尋ねをしたいと思います。
 今回の税制改正案の中で、新税である売上税が導入されようとしておるわけですが、当初非課税品目が七つであった。これが後に四十三品目、そしてさらに五十一品目となったわけですが、この経緯等につきましては、せんだっての予算委員会で我が党の大久保書記長がいろいろと広範囲にわたって質問をしたわけですが、この課税、非課税を区別する判断基準といいますか、こうしたものがいまひとつはっきりしなかったわけでございます。ところで、非課税品目の中に石炭は含まれているのかどうか、まずこの点をお伺いしたいと思います。
#138
○薄井説明員 お答えいたします。
 五十一品目といいますか、別表第三の五十一の項目の中には含まれておりません。
#139
○吉井委員 この石炭と対照的に考えるものが石油でございますが、石油が非課税となっているわけです。これは、御承知のように、現行の揮発油税等、こうしたものをそのまま残すために、さらに石油に課税すると二重の税負担となるということで避けられたのだ、このようにも聞いておるわけです。しかし、今ここで石炭に新たに課税するということは、石油という問題とは異なって、現在御承知のように非常に厳しい情勢下にあるところの石炭産業の実態を考えてみれば、やはり課税すべきではない、私はこのように思うわけですが、いかがですか。
#140
○薄井説明員 課税、非課税の基準につきましては、御指摘のように私ども予算委員会で御質問を受けておりまして、その際に、三つの大きな項目があって、その最後に今御指摘のありましたような既存の間接税がかかっているものについてはダブってかけないということで石油についてはこれが外れている。今の御質問は石炭についての御覧間でございますが、石炭につきまして私ども課税する考え方といいますのは、石油も含めてなんですが、広く薄く課税対象を求めていくというこの税の性格上課税対象に選ばせていただいているわけでございまして、特にこの間の予算委員会の御質問にもございましたように、非課税品目につきましては、税の累積という問題も生ずるというような問題もありまして、産業用に使われる面が多い石炭等につきましても、これが課税になるということはむしろ次の段階で控除ができるという仕組みにもなっているわけでございまして、理由としましては、先ほど申し上げました薄く広く課税させていただくというところが理由でございますが、課税しないということはかえって問題を起こす場合もあり得るということをお答え申し上げておきたいと思います。
#141
○吉井委員 仮に石炭に五%の売上税が課税されますと、当然のこと石炭価格の上昇を見ることになるわけです。そして石炭の需要は今まで以上に抑制をされるのではないか、その結果として閉山が早まっていくのではないか、こういう見方もあるわけです。もっとも石炭企業は競争条件が非常に不利なため税額の負担転嫁ができないで、税額分を収益からはじき出さなければならない。その結果、同じように閉山が早まるということも当然考えられるのではないかと思うのですが、この点はいかがですか。
#142
○野々内政府委員 この売上税は価格の上昇を通じまして購入者に転嫁されていくということが予定された税でございまして、石炭企業は現在でも赤字になっておりますからとてもこの売上税分をみずから吸収する能力はないと考えざるを得ないと思っております。今後売上税が実施されます場合にこれが取引価格にどういうふうに反映していくかと私ども大変関心を持って見ておるわけでございまして、私どもといたしましては今後とも適正な石炭の取引価格のあり方というものがどういうふうになるかということを、関心を持って今後需給両業界の話し合いを見詰めていきたいと思っておりますし、また私どもとしても必要な指導を行いたいと思っております。その際、売上税というのは当然転嫁されていくべきものという考え方から指導をしていきたいと思っております。
#143
○吉井委員 今の質問に関連してですが、現在も御承知のように円高で、石炭以外に鉄鋼それから造船等、地域の基幹産業で相次ぐところの大幅な合理化計画、こういったものが打ち出されているわけですが、いろいろと私たちも実態の調査をしておるわけです。これらの産業は非常な、いわば崩壊の危機にさらされている、このような見方もあるわけでありますが、当然そうした企業を抱えるところの地域住民の皆さん方は、その動向というものをかたずをのんで見守っておる、こういう状況にあるわけです。したがって、こうしたところにこの売上税が導入されますと、これらの企業では、現在でも韓国等の発展途上国の厳しい追い上げの中にあるわけで、その税負担というものを価格に転嫁することは到底不可能ではないか。したがって、結局その企業の操業というものを縮小ないしは廃業を早めることになるのではないか、このように思うわけです。
 先ほど御答弁をいただきまして、この売上税の性格というものが最終的には消費者に転嫁される、これはなるほど筋論であるかもしれませんけれども、やはりこうした現実の問題を考えてみれば、そうしたことは非常に難しいのではないか、このように思うわけですが、いかがですか。
#144
○薄井説明員 お答え申し上げます。
 この税の性格が、再三申し上げておりますように最終的には消費者に御負担いただきたい、それは価格の中に税が入っていく形で転嫁していってほしい、こういうことを考えておるわけでございまして、そういう流れがうまくスムーズにいくように政府全体としていろいろな手だてを講じていかなければならないと思っております。
#145
○吉井委員 次に、閉山に伴うところの失業者と、それから売上税に関する問題ですが、先ほどからいろいろと申し上げましたように、私は売上税の導入というものは石炭企業にとりましてもマイナスに作用して、今のままでは閉山を早めることになる、このように思うわけです。
 ところで、昭和六十年度の通産省の調査によりますと、炭鉱就労者の平均年齢は四十一・二歳、一方、労働省の調査によりますと、全国労働者の男子の平均年齢は三十八・六歳とされているわけです。したがって閉山に伴う失業者は、一般産業の失業者に比べて高齢者が非常に多いということになると思うのですが、その状況についてお聞かせを願いたいと思います。
#146
○甘粕政府委員 炭鉱離職者の平均年齢でございますが、私ども具体的に高島炭鉱の離職者で見てございますが、高島炭鉱からの離職者の平均年齢は四十三・八歳ということになってございます。
 一般求職者につきましては、平均年齢というのを出してございませんで、年齢階層別の分布状況ということでとらえておりますが、これで見ますと二十九歳以下というのは四六・四%。一方、高島の場合には一三・四%ということでございますので、年齢的にはかなり炭鉱離職者の年齢が高いというふうに考えでございます。
#147
○吉井委員 したがって、こうした方々が閉山になりますと、炭鉱就労者の方々はそのほとんどが、今までは企業負担でもって住居、水道等企業で負担をされておったわけですが、今度これが閉山になりますと、こうしたものまで完全に自己負担にならざるを得ない。また雇用保険による手当は就労時の六割から八割に下がってしまう、このようにも聞いておるわけですが、これは事実ですか。
#148
○白井政府委員 お答えいたします。
 雇用保険受給者の基本手当日額は、その従前の賃金に応じまして給付額は定められております。大体八割から六割程度の水準になるというふうに計算されておりますが、賃金日額の低い人ほど給付率は高くなっております。
 炭鉱離職者の場合には、先ほどの高島礦業所の離職者で見ますと、段階が一級から三十六級まで分かれておりますが、高い段階のところの二十六級から三十六級のところに五四・六%の人々が受給者として存在いたしております。
#149
○吉井委員 そこで、中高年齢失業者の就職条件は、その肉体的または精神的条件の悪さから見て、若年者よりも極めて不利な条件にあるわけですが、したがって炭鉱失業者は中高年齢者が多いわけで再就職が困難、また再就職までの期間というものが非常に長くなってしまうのではないか、このように思うわけですが、実態はどうなっていますか。
#150
○白井政府委員 お答えいたします。
 年齢別の離職から就職までの数字をちょっと手元に持っておりませんが、先生御指摘のとおり、年齢が上がるにつれまして失業期間が長くなると思います。したがってまた、年齢に沿いまして失業給付の期間も長くいたしているわけでございます。しかし、高年齢者につきましては、奨励金その他いろいろな高齢者に対します特別の制度を設けまして就職の促進を図っているところでございます。
#151
○吉井委員 ところで、売上税はこのような閉山に伴うところの失業者の皆さんにも等しく課税をされるわけでありまして、大蔵省の資料によりましても、この売上税の年齢別負担は、二十五歳から二十九歳で二万九千円であるのに対しまして、四十五歳から四十九歳では六万六千円。これが五十歳から五十四歳になりますと六万八千円。それから五十五歳から五十九歳になりますと六万三千円。いずれにいたしましても、中高年齢者にとりましては特に大きい負担となっているわけです。
 ここで炭鉱失業者の皆さんは、就労時に比べて生活水準というものがどうしても大幅にダウンをする。その上に、中高年齢なるがゆえに再就職までの期間がまた長期化をする。したがって売上税はこのような炭鉱失業者の方々に特に厳しいものがあるのではないか。このように見られるわけですが、いかがですか。
#152
○平井国務大臣 この売上税を実施いたしました場合の物価上昇その他各般にわたっていろいろな御議論があることは承知をいたしておるわけでございますが、やはり税制改革でございますので、所得税、法人税、住民税等の減税面、さらには実施いたしまして次々に、これは転嫁税でございますから、転嫁いたしました場合の物価押し上げ分等々が政府試算によると平年度ベースで一・六%前後になっております。ただ、失業者の世帯等所得税の負担のない家計には所得税減税の恩典は当然のことながらございませんが、この売上税では国民生活に密接な関連のある食料品等々は非課税ということもございまして、家計への影響というのはできるだけ小さくするような配慮がなされておると承知をいたしています。
#153
○吉井委員 もう一度大臣の所見をお伺いしておきたいのですが、御承知のように去る一月の完全失業率は戦後の混乱期以来最高の三%、百八十二万人に達した、このように言われております。円高に伴う産業構造の調整によって通産省は、六十五年にはこれが四%にも達するのではないか、このようなことが言われているわけで、ございます。したがって、このような大量失業時代を迎えて再就職がますます困難になるこの時期に、結局所得がなくても課税されるというこの売上税を導入して、そしてその失業者にまで広く税負担をさせる売上税についての大臣の所見をもう一度伺っておきたいと思います。
#154
○平井国務大臣 私も税制の専門家ではございませんが、御案内のように失業者の問題、既に私閣議等でも申し上げましたが、特に三%台に達して、今後の日本の雇用問題に対する非常に大きい警鐘だと受けとめております。しかしながら、政府といたしましては今お願いしておりますような手だてをもって、とにもかくにも年間平均で二・九%に失業率を抑えてまいらなければならぬというのが政策目標でございます。
 そういう中で、一段と雇用情勢が厳しい、さらには税制改正も行われる。その中における売上税の影響はマイナスでないかという御指摘でございましょうけれども、やはり雇用面等々からとらえまするとなかなか労働省だけで対応できませんで、御案内のような抜本的な内需の拡大策さらには為替の安定、産業政策さらには経済政策等、まさしくかつてないほどの、打って一丸となった各省庁挙げての対策を講じませんと、この雇用問題を収束することは安易でないというぐあいに考えております。
 その中での売上税論議でございまして、これは私が得々と申し上げることではございませんが、先般来予算委員会等でもございましたようにいろいろ御意見の分かれるところでございます。ただ、このたび政府が御提案申し上げておりますのは増減税同額という形で、やはりここは新しい意味での大きい税制の改正であるということを一人でも多くの方に御理解願わなければならぬ一番難しい時期ではないか、かように考えております。
#155
○吉井委員 では自治省の方にちょっとお尋ねしたいのですが、地域振興と売上税の問題です。
 閉山後の地域振興対策としては、公共事業によるところの産業基盤の整備を初め第三セクターを活用したところの新規プロジェクトの掘り起こしとか新しい企業の誘致、また既存企業の業種転換といったものが挙げられているわけですが、自治体によるところの産業基盤整備のための公共事業にもこの売上税が課税されるために、今のままでは財政基盤の弱い炭鉱所在の自治体では当然予算の制約というものがあり、事業量を縮小せざるを得ないのではないか。その結果、産業基盤の整備がおくれることになるおそれが十分考えられるわけですが、どうでしょう。
#156
○松本説明員 お答え申し上げます。
 御指摘のように売上税が導入されますと、地方団体も直接財貨サービスを購入する場合には、その歳出予算の執行を通じて購入した財貨サービスにかかる売上税の負担をすることになるわけでございます。御指摘の公共事業等につきましてもそのような影響が及ぶことは事実でございます。しかしながら、地方財政計画上に売上税導入による物価上昇も勘案した上で内需振興のために必要な事業費が確保されるよう計上いたしておりまして、例えば単独事業は五%の増加というような計上をいたしております。したがいまして、売上税の導入による影響を見込みましても、なお地方団体は地域振興のために必要な事業量を確保することができるものと考えておりますし、ただいま御指摘のような地域については地方債等を通じて重点的な配分をしてまいるというようなことも考え、地方団体の財政運用に支障のないように考えてまいりたいと考えておるわけでございます。
#157
○吉井委員 しかし一方、そのような自治体では事業量を確保するために売上税分を場合によれば建設業者に押しつけて、建設業者はこれをさらに下請それから孫請といったところに転嫁するおそれもあるのではないか、こういったことを実際に現地の建設業の皆さん方は口々におっしゃっているわけですが、こういう心配はありませんか。
#158
○松本説明員 お答え申し上げます。
 そういうことのないように政府全体を通じて見守っていかなければならないものと考えておるわけでございます。
#159
○吉井委員 また、第三セクターによる新プロジェクトといっても、これが実際に軌道に乗るまでは最低五年から十年かかるのではないか、このようにも言われておるわけです。例えば地域の特産品を製造し、そして販売するというケースでも、たとえその中身は食料品のように非課税品目だとしても、包装また運搬等の経費には当然売上税の負担というものが生じてくるわけでございます。したがってこれらの第三セクターは、軌道に乗るまでは経営基盤が非常に弱いためにこの売上税負担を吸収する余裕はない。結局これを価格に転嫁せざるを得なくなってくるわけですが、それはやはり当然販売面で大きい支障にならざるを得ないと思うのですが、どうでしょうか。
#160
○薄井説明員 お答えいたします。
 税の制度からいいますと、おっしゃるように価格に乗せて消費者に御負担いただくというシステムになっていくと思います。そういたしますと、先生の御指摘は、購入してくれないのではないかという御心配かと思いますが、その点は、こういう税が日本で新しく入るということになる以上、国民、納税者といたしましては、一回だけではありますけれども税負担といいますか価格水準がその分上がるんだということを十分御理解いただいて、御購入いただけるように環境を整備していくように努めていかなければならないと思っております。
#161
○吉井委員 先ほどからいろいろと御答弁をいただいたわけでございますが、このように見てまいりますと、この売上税というものが、炭鉱閉山に伴う地域振興というものに対してもマイナスに働く、このように言わざるを得ないわけでございまして、村おこしにかける自立的な地域住民のせっかくの創意工夫というものを無にすることになるのではないか、このような気もするわけでございます。
 そこで、私は今まで炭鉱に対してこの売上税というものがどのように作用するかということを論じてきたわけですが、結局この売上税は、存立が危ぶまれているところの鉱山の閉山を促進をし、そしてはたまた中高年齢者を中心としたところの就労者の雇用の場を失って失業を発生させ、そしてこの失業者の皆さん方にも税負担を求める、さらに閉山後にかけるところの地域再生のための芽、これさえも摘み取ってしまうのではないか、このようにも言わざるを得ないわけですが、炭鉱閉山が間近に迫っている今日、このような売上税は、どう考えてみてもここで拙速に導入すべきではないのではないか、このように思うわけですが、ひとつ通産大臣の御見解をお伺いしておきたいと思います。
#162
○野々内政府委員 御指摘のような事態にならないようにするということが必要なことであろうと考えておりまして、産業政策を扱っております私どもといたしましても、今後できるだけの手を打っていきたいと思っております。例えば、売上税の転嫁に伴う値上げの問題あるいは内需の拡大ということによる一般的な産業活動の活発化の問題あるいは業界間の話し合いについて独禁法との間でどのように行うか、そのほか今後売上税の実施の細則が決まります過程で、それぞれの業界の取引に応じた適正な価格形成が行えるように、あるいは経済環境がよくなるように、各種の手を打ちながら、税制改正全体がうまくいくような方向に、政府の一員として取り組んでまいりたいというように考えております。
#163
○吉井委員 ところで、今国会に提出されておりますところの産業構造転換円滑化臨時措置法案、これは産炭地域の第三セクタープロジェクトの事業化に非常に役立つ、このように思うわけですが、産炭地域というものをこの「特定地域」と指定をすべきだ、このように思うわけです。やはりいろんな網をかけて、そしてこういった産炭地域の振興を図っていかなきゃならない、このように思うわけですが、大臣の所見はいかがでしょう。
#164
○田村国務大臣 産炭地の事情を十分勘案して行動いたしたいと思いますが、まだ法案が成立していない段階でこれ以上具体的に物を申すわけにいかないものですから、この程度の答弁でお許しを願いとうございますが、十分その状況を踏まえて判断をいたしたいということでお答えにしておきたいと思います。
#165
○吉井委員 では次に、高島町の現状についてちょっとお尋ねをしていきたいと思うのですが、昨年十一月、石炭鉱業審議会から、最終年度に国内炭を約一千万トンの生産体制とするという第八次石炭政策が政府に答申されたわけです。石炭産業の縮小合理化が進められているわけですが、その第一号となったのが、同月閉山した三菱高島礦であるわけですが、現在までの高島町の人口の推移やまた炭鉱離職者の状況等がどのように把握されているのか、また、今後の見通しはどのように立てておられるのか、またさらに、企業誘致等地域振興の状況、これは当然第三セクタープロジェクト等の事業等もあるかとも思いますが、その点についてちょっと御報告を願いたいと思います。
#166
○甘粕政府委員 お尋ねの件で、私ども労働省関係の分についてお答えしたいと思います。
 まず、高島町における人口でございます。これは三月十八日現在でございますが、三千八百一人ということで、これは十一月三十日の五千四百九十一名に比べまして千六百九十人減少しでございます。
 それから離職者の状況あるいはそれの就職状況等でございますが、高島の安定所に求職申込件数が一千四百五十名ということでございます。そのうち、就職決定が百九十七名、それから就職内定者九名ということで、二百六名の方が就職ということでございます。
 今後のこういう就職のあっせん等でございますが、私ども、四月が一つの転入校の時期ということでございますので、これが一つの山になるのではないかということで積極的な就職あっせんをしたいというふうに思ってございます。
 また、当然こういう炭鉱の場合ですから職業訓練が非常に必要になるということで、現在も二十名程度の方の訓練等が終了したところでございますが、四月から新たに百四十名の受講希望者の方がおりますので、こういう方々の職業訓練を積極的に推進していきたいというふうに考えております。
#167
○吉井委員 昨年の十一月二十一日に本委員会で私は質問をしたわけでございますが、そのとき以降の経緯についてひとつお尋ねをしておきたいと思うのです。
 まず、閉山自治体職員の雇用対策について、そのときの政府答弁によりますと、それぞれの団体の行政需要に対応した適正な規模であることが必要だとの基本的な考えが示されて、そして炭鉱の閉山等による人口減少によって行政需要が減った場合には、関係の市町村の実情を踏まえ、適切な対応が図られるように県などと協議をしていく、このような考え方が示されておるわけです。
 炭鉱依存率一〇〇%の高島町の人口が、先ほど述べましたように、閉山後短期間のうちに急減をしておるわけです。今後も急速に減少していくことが予測をされるわけですが、約百三十人いらっしゃるところの町の職員の処遇について、自治省は長崎県を初め、関係者とどのような協議を重ねてその結果、どのような規模を適正なものとされたかどうかお尋ねをしたいと思います。
#168
○柘植説明員 高島町の職員数の問題でございますが、高島町では今後の人口減少等に伴います行政需要の縮小を見通しまして、組織、機構の見直しや希望退職の推進、定年退職者の不補充等による職員数の縮減策の検討を進めているところでございます。
 この間、地元長崎県におきましても、町当局の取り組みに対しまして助言指導を行いますとともに、県内の他の地方公共団体に高島町の職員を採用するよう文書により要請するなどの内容が図られているところでございます。県及び町当局によりまして、このような対応が図られているところでございますので、自治省といたしましては当面その推移を見守ってまいりたいというふうに存じております。
#169
○吉井委員 次に、小規模市町村の合併のことについてもお尋ねをしたわけですが、そのときには、政府はあくまでも地域の実情を踏まえつつ、関係市町村が自主的に判断すべきであるとの基本的な考えを示されたわけです。小規模化していく状況の中で今後どういうような格好で行政水準を維持していくのか、これから十分検討しなければいけないと前向きな答弁があったわけですが、特に長崎県では現在、閉山後の町の行財政のあり方について検討中であるそうですが、その検討結果はもう出たのか、またそれに対して自治省としてはどういうふうに検討をしていくのか。もしまだ検討中であるとするならば、今後相次ぐ閉山が予測される以上、自治省も独自にこの問題について検討というものを開始すべきではないか、このように思うわけですが、いかがですか。
#170
○松本説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、高島町の炭鉱の閉山後の行財政のあり方につきましては、現在長崎県において中長期的な観点から検討中であると聞いてございます。したがいまして、まだ結論が出たということを私ども直接承ったことはないわけでございますが、今後とも県当局とともに、自治省といたしましてもよく連絡を密にしながら検討してまいるわけでございます。
 自治省のさしあたりの考え方といたしましては、当面、交付税の算定につきまして激変を緩和するということを考える一方、高島町の開発振興事業、集落の再編成等については、今後事業の必要性及び財政状況等を具体的に聴取しつつ、適切な財政措置等を検討してまいらなければいけない。いずれにいたしましても、地元とよく連絡をとりながら地方財政運営に重大な支障の生じないよう適切に対処してまいりたいと考えている次第であります。
#171
○吉井委員 最後に、八次答申に基づくところの今後の具体的なスケジュールについてですが、政府の見解ではこの答申は今後の石炭政策のフレームとなるべき事項あるいは石炭企業の個々の活動に対する指針を示すものである、このように性格づけをされているわけでして、個々の具体的な山の消長につきましては個々の会社の経営判断に属する問題だ、このようにされているわけです。そして、現在の供給規模千八百万トンから一千万トン体制の中で基本的な考え方として緩やかな、いわゆるなだらかな縮小を旨として、具体的には石鉱害の審議を見ながら毎年注視をしていく、このような答弁があったと思うのです。しかし、このように何だかわかったようなわからないような抽象的なことでは、全国二万三千人を超すところの炭労者及びその家族、さらには炭鉱に関連をして生活をしていらっしゃる多くの方々の先行きの不安解消に役立つ答弁ではないと思います。
 炭鉱労働者には先ほどからいろいろと申し上げましたように中高年齢者の方が非常に多く、また炭鉱への依存度が高いため他の産業がないことから、雇用面にしても地域振興面にしても、いずれも先行きは大変厳しいものがあるわけですが、政府のおっしゃるところの緩やかな、いわゆるなだらかな縮小ということは一体どういうことなのか。六十二年から六十六年までの五年間で一千万体制にするとの枠組みがはっきりしているのなら、どことどこがこの体制に適しているのか、また、六十七年度以降残るのかどうか、また、五年間でこの体制に合うようにするには毎年何鉱ずつ閉山する必要があると見ていらっしゃるのか、ここらあたりをもう一度お聞かせを願いたいと思います。
#172
○高橋(達)政府委員 ただいま先生からもお話がございましたように、個々の山の操業を継続するかどうかということは、これは経営者の判断に属する事項でございますが、マクロ的な規模といたしまして第八次石炭答申の中で、今御指摘にございましたように、六十六年度に向けておおむね一千万トンということで、現在水準の千七百万トンを七百万トンばかり縮小しなければいけないわけでございます。その間五年間でございますけれども、実際には五年目にはその水準に到達するということで、四年間に平均いたしますと二百万トン程度の縮小が必要になってくるわけでございまして、予算の積算などではそういつ考え方に基づいて積算をしておるわけでございますが、それでは実際にどういう手だてでこの二百万トンを実現していくかということになりますると、これは企業の判断に属するわけでございます。その際のメルクマールと申しますか、基準といたしまして、第八次答申におきましても、一つは経済性を勘案した炭量から見て長期的な安定供給の可能な炭鉱であることという基準を示しております。それから第二に保安の確保を前提として採掘条件等から見て合理化の余地が大きいことという条件を示しておりまして、第三に経営の弾力性を期待し得る、こういう条件を具備しているものが長期的に継続し得る炭鉱であるというふうに言っているわけでございます。
 こういった要素を考慮しながら、先ほどの六十六年度に向けて一千万トンに縮小していくことを勘案しながら経営者がみずからの炭鉱の経営の方針を決めていくということになろうかと思っております。
#173
○吉井委員 以上で終わります。ありがとうございました。
#174
○竹内委員長 次に、藤原房雄君。
#175
○藤原(房)委員 午前中から各方面にわたりましての質疑があったわけでありますが、私も私の立場から数点についてお聞きをいたしておきたいと思います。
 これは八次政策に伴いまして、石鉱害の審議の途中、またその後、当委員会におきましても句点かの問題についてはいろいろお尋ねをしたところでございますが、物事というのは、大きく発展するというのはそれなりに着実にまた先を見通してということでいろんな幅を持ちながら進めていくのでありましょうが、石炭産業につきましては撤退のやむなきに至るという現状の中にあります。しかしながら、国内唯一の石炭産業、エネルギー源としまして日本にはまだ埋蔵量があるこの石炭、いろんな外的要因の中で縮小せざるを得ないというところにあるわけでございますので、私はどうしても一つは、以前にもお聞きをいたしましたが、国際的エネルギー情勢といいますか、こういう問題についてひとつお尋ねをしておかなければならないと思うのであります。
 先ほどもお話ございましたように円がまた強くなったようでございますし、それからまた海外における石炭も最近、需要家との交渉では海外炭も値引きをするというような状況も伝えられておるところでございますが、しかしながら長期的に見ますと、海外炭と比較する石油の需給状況というのは、一九九〇年代に入りますと決して楽観するような状況ではないのだということも言われておるわけであります。八次策におきましては、海外炭の供給見通しということにつきましては、私どもから見まして非常に楽観的な見通しというふうに見なければならないようなふうに述べられておりますけれども、この石油との対比におきまして、石油が、いろんな方々の意見もございますけれども、OPEC等の価格形成、これも現在はまだ崩れてはおりますけれども、九〇年代に入りますとやはり逼迫する状況になるのではないかという国際的に一致した見方がある、このようにも報じられておるわけでございますが、そういう中にありまして石油が何か引き金になりますと、エネルギー全体の問題となってまた石炭に当然影響が及ぶわけでございまして、こういうことを考えますと、国際的なエネルギー情勢というのは非常に大きな課題として私どもも絶えず注意をしなければならない問題であろうと思います。こういうことにつきまして通産省といたしましては、エネルギー庁としましてはどのように現時点でお見通しになっていらっしゃるのか、まずその点からお伺いしておきたいと思うのであります。
#176
○野々内政府委員 石油の需給見通しにつきましては、御指摘のとおり現段階ではやや弱含みでございますが、これは、昨年のOPEC総会以来、十八ドル固定価格制への復帰ということでOPECが減産を強化いたしておりまして、最近では大体十八ドル前後になっているのではないかと思います。今後、夏場の不需要期に向けまして若干弱くなる可能性もございますが、一般的には十八ドル固定価格制というのはそれに近い線でおさまっていくのではないかというふうに言われております。ただ、中長期的には、御指摘のとおり発展途上国を中心に石油の需要が増大をしてくる、それから石油の埋蔵量につきまして、だんだん非OPECのウエートが減って中東依存度が高くなってくるというようなことから、九〇年代に入りますと再び逼迫化の可能性があるというふうに見ております。
 私ども、先般「二十一世紀エネルギービジョン」というものをまとめましたが、二十一世紀に入りますとやはり石油につきましては資源量の制約というものがあらわれてくると言わざるを得ないと考えておりますので、今後とも石油代替エネルギーの開発導入には大いに意を用いたいと思っております。その代替エネルギーの中で特に石炭は大きなウエートを占めておりますが、これにつきましては現在可採埋蔵量が二百年程度ございますし、まだまだ供給につきましては安定的な供給が可能であるというふうに考えていいのではないかというふうに思っております。
#177
○藤原(房)委員 次に、国内炭の役割といいますか、今もお話がございました可採埋蔵量とかいろいろなことからいいまして、国内炭というのは非常に大きな役割を持っておると思います。八次の石鉱害の答申の中にも、国内炭については、一つは供給の安定性、二つには電力用としてのウエート、三番目にはエネルギーセキュリティーとしての有効性、四番には技術の保持涵養等を挙げて評価をいたしておるわけであります。こういう国内炭の役割というものと、一方では、答申を受けまして六十六年度には一千万トンというふうに段階的に縮小しなければならないという、国内炭の役割の重要性ということを力説する一方で縮小しなければならないという、非常に自己矛盾といいますか、そんなものを感ぜざるを得ないのでありますが、このように六十六年度に一千万トン、段階的に縮小する、こういう状況になったといたしましても、なおこの答申で述べられているような国内炭の役割というものの評価は変わらない、このように見ていいのかどうか。特に電力用需要の確保についてはどのような見通しを持っていらっしゃるのか、それからエネルギーセキュリティーとしての量的な価値、こういう問題等についてどのようにお考えなのか、お伺いをしておきたいと思うのであります。
#178
○高橋(達)政府委員 第八次石炭答申の中にも述べられておりますように、現段階におきましても国内炭の持つエネルギーセキュリティー上の役割というものは十分に存在するわけでございますが、昨今の海外炭との競争条件の悪化であるとかあるいは国内需要産業の動向が非常に悪化しているという状況から見て、その国内炭の持つ役割が相対的に変化しているということを第八次石炭答申では指摘しているわけでございまして、そういう観点から段階的に縮小して一千万トンというふうに考えざるを得ないわけでございます。そういうわけでございますので、依然としてエネルギーセキュリティー上の役割というものは政府としてもこの国内炭に認めるわけでございます。
 今後の方向につきましては、答申でも述べておりますように、今後のいろいろな情勢を勘案してその時点でそれぞれ吟味をしていくということになるわけでございまして、いずれにいたしましても、第八次石炭政策が終わった段階においても政府として適正な水準の生産規模のあり方について検討をしていくことになるかと思っております。
#179
○藤原(房)委員 先ほど同僚委員からもお話ございましたが、なだらかな閉山、こういうことでありますが、需要があって供給が可能なわけでありまして、このバランスが非常に重要であることは論をまたないのでありますが、五年間で供給規模を一千万トンに縮減するという。しかしながら、それぞれの山にはそれぞれの出炭規模があるわけであります。これは先ほど冒頭に申し上げましたように、世界的なエネルギー事情というものと、そしてまた国内的にはその山の出炭規模というもの、こういういろんなものが交差しておりまして、エネルギーの安定供給という点を考えますと五年間に一千万トン体制に縮減をする。言葉としてはそれなりの意味はわかるのでありますけれども、現実問題として、これはどのような手だてで進めていくかということになりますと、非常に難しいことではないかと思います。
 先ほども何回か御答弁があったようでございますけれども、この点については私非常に不安を感ずる一面もございますので、重ねて御答弁のほどをお願いしたいと思います。
#180
○高橋(達)政府委員 先生が御心配されているように、五年間で一千万トンということになりますと、毎年かなりの規模で生産の縮小が行われるということで、当然のことながら地域経済や雇用に対する影響が心配されるわけでございまして、それに対する対策を十分に考えてまいらなければいけないという認識でございまして、今回の法律あるいは予算案におきましてそれぞれ手当てをしているところでございます。特に、なだらかに縮小していくという観点からは、一時的に生じます需給ギャップを調整するための過剰貯炭対策が極めて重要になってくるわけでございまして、また一方で減産に伴うコストアップをどうカバーしていくかという問題も、なだらかな縮小には重大な問題でございます。
 また、労働者の面からは、規模縮小対策ということで、やむを得ず合理化により解雇された者に対する賃金債務の手当てについても政府として与信していく必要があるということで、いろいろな面で対策を講じておりまして、そういうことから今回の石炭鉱業合理化臨時措置法等の石炭関係四法の期限の延長あるいは諸般の規定の改正をお願いしており、予算案においても前年比で約百二十億円増加の予算を計上しております。これによりまして、先生も御心配なさっておられます短期集中的な閉山を何とかして回避していくような努力をしていきたい。また、石炭業界の努力あるいは需要業界の協力に加えて、こういった政府の支援が行われますれば、何とかなだらかな縮小が実現できるのではないかと考えております。
#181
○藤原(房)委員 確かに先ほど御答弁がありましたが、撤退といいますか閉山といいますか、具体的にはいつどうするかという時期、これは各企業がお決めになるのだろうと思います。しかしながら、いろいろな手だてをしていること、手厚い対策を講じていることは、今度の法律を初めとしまして私どもよく存じておりますし、その御努力には敬意を表します。しかし、今大手と言われます五社の経理状況等を見ますと、損益ではいずれも赤字経営の状況にあることはよく御存じのとおりでございます。年次別にするのかどうか、需給関係のバランスとの問題はどうなのかとか、いろいろな憶測が飛び交っておるわけであります。
 さらに、貯炭管理会社との機構にもかかわる問題としまして、こういう経理状況の中にありまして手だてをするといたしましても、雪崩閉山ということにはならないという保証があるのかどうか、こんなことは答弁しろと言っても難しいかもしれませんけれども、非常に危惧を抱くところでございます。今回のこの法律改正によりましていろいろな対策が講じられたら雪崩閉山ということは回避できるのだ、通産省、エネルギー庁としまして、いろいろな角度から御検討なさって、この問題についてはそのように御確信を持っていらっしゃるのかどうか、重ねてお伺いしておきたいと思います。
#182
○高橋(達)政府委員 先ほど来申し上げております各般の対策を講ずることによりまして、第八次石炭答申で述べておるなだらかな、段階的な縮小に何とか持っていけると考えておるところでございます。
 すなわち、毎年毎年の需給ギャップでございますけれども、例えば今年度につきましても、先ほど来出ておりますように、既に二百六十万トン程度の過剰貯炭が存在しているわけでございまして、これをもしそのままに放置いたしますれば当然これが企業の経営をそのまま圧迫するわけでございますが、新年度におきまして過剰貯炭を買い上げる貯炭管理会社を成立させまして、これで緊急避難的に買い上げていくというような措置によりまして集中的な閉山を避ける措置ができるかと思っております。
 また、会社の経営面におきましても、減産に伴うコストアップをそのまま放置いたしますれば、これまた企業の経営を圧迫し倒産ということにもなりかねないわけでございますけれども、今回手当てをしております安定補給金の中におきます減産加算制度についてはかなりの部分の減産コストを吸収できる存在であると私ども考えておるところでございます。そのほか、規模縮小交付金あるいは閉山交付金における退職金の限度額を引き上げる等々の措置によりまして、答申に言うなだらかな、段階的な縮小が何とか確保できるものと考えておるところでございます。
#183
○藤原(房)委員 貯炭が非常に累積されておるということについては先ほどいろいろお話がございましたが、鉄鋼とかセメントその他の引き取り量の減少が見込まれておるという現状の中で六十二年度の需給見通しをどのように想定していらっしゃって、生産とのギャップはどのようにお考えになっていらっしゃるのか、石炭鉱業合理化基本計画の策定をなさるのはいつとお見通しになっていらっしゃるのか。最近の鉄鋼やセメント等における引き取り量の減少等のことを非常に危惧するわけでありますけれども、六十二年度についてのこの需給見通しとかそれらに関する基本計画、こういうことについての見通し、これらのことについてお伺いしておきたいと思うのです。
#184
○高橋(達)政府委員 間もなく六十一年度も終了するわけでございますが、その六十一年度の需給の実績見込みは、現在のところ需要につきましては千四百六十万トン程度と推定しております。前年の六十年度が千七百八十万トンでございましたので、ここで三百万トン強の減少があるわけでございます。一方、供給の方でございますが、先ほど来の御議論にもございましたように、各社特に下期に生産調整をしておりまして千六百九十万トン程度で供給が仕上がるのではないかということでございます。
 そうなりますと、年度間の需給の過不足でございますけれども、二百三十万トンばかり供給過剰というような格好でございまして、これが期初の在庫でございます百五十万トンに乗りまして全部で三百八十万トンという数字になるわけでございますが、さらに最近の実勢ではこれを十万トンぐらい上回るような動きになっておるところでございます。
 また、六十二年度につきましては、まず需要の設定を需給両業界の話し合いによって決めていかなければいけないものでございますので、現段階でどのような需給の姿になるか、確たるところは申し上げることができないわけでございますが、今後需給両業界の話し合いの進展の中で、また石炭鉱業審議会あるいは通産省といたしましても、先ほど来の雪崩閉山を回避するという観点からいろいろとこの問題に取り組んでまいる所存でございまして、その結果として需給の見通しができ上がってくるわけでございます。
 また、新しい基本計画でございますけれども、石炭鉱業合理化臨時措置法が成立した暁には、当然に新しい基本計画を策定することとなるわけでございますけれども、これにつきましては、目標年次は当然に八次政策期間ということで、昭和六十六年度になるわけでございます。この昭和六十六年度の合理化の目標等について盛り込みまして基本計画をつくるわけでございますけれども、私どもといたしましてはできるだけ早い機会に石炭鉱業審議会にこの基本計画の諮問をいたしたいと思っております。
 なお、同時に合理化実施計画も策定する必要が出てくるわけでございまして、昭和六十二年度の合理化実施計画を当然に策定しなければいけないわけでございますが、これにつきましては、先ほどの需給見通しというものが前提となって実施計画ができるという仕組みになっておるものでございますから、基本計画よりもおくれて策定せざるを得ない状況にございますが、諸々の施策のおくれがないように、必要な部分についてはあらかじめ審議会などにもお諮りいたしまして行政の推進に遺漏がないようにはしたいと思うわけでございますが、実施計画そのものについてはややおくれて策定するようなことになろうかと思っております。
#185
○藤原(房)委員 時間もありませんから一つ一つ詳しいことは条文に沿って逐条的にお話を聞く機会もないのでありますが、貯炭管理会社の機能ですね。これも同僚委員から句点がお話がございましたけれども、管理会社の役職員とか購入の方法とか市中資金の調達見通しとか石炭企業の出資見込みとか、こういうようなことについて。また、買い戻し条件の意味と、それから運用の方針。
 それから、貯炭という概念の中に、最近はできるだけコストをかけないようにということで露頭炭の採掘ということに意を注いでいるところが多いというか、多いといったって、炭鉱は幾つもあるわけではないからあれですけれども、露頭炭の石炭については貯炭という条件の中には入るのか入らないのか。これは非常に最近いろいろ山の状況が変わっているということが一つと、それから各企業が非常に経理的に大変な中でやっていらっしゃるというようなこういう状況等を考えますと、やはりこれは考えなければならない一つの問題だろうと思うのですけれども、その点についてはどうでしようか。
#186
○高橋(達)政府委員 貯炭管理会社の概要につきましては、現在石炭業界あるいは新エネルギー総合開発機構を中心に準備を進めているところでございまして、ただいまのところでは、新しい会社をつくりますといろいろ手続面で時間もかかりますし、また経費の面でもばかにならないものがあるようでございますので、ちょうど石炭業界に共同会社的な存在で現在設置されております新昭和石炭株式会社というのがございますが、資本金が三億二千六百万円で、昭和三十四年に当時の異常貯炭を解消する目的で設立された民間会社でございますが、その後異常貯炭の状況も解消されまして、現在では別の業務を一部行っているわけでございまして、その会社を拡大的に改組をいたしまして、今度の貯炭管理機能を付与する会社にしたらどうかということで現在準備が進められているようでございます。法案を成立していただき、また予算案の中に貯炭会社関係のものを入れていただき、四月に執行が可能となるようなそういう状況がぜひ必要になってくるわけでございまして、その点、改めてお願いを申し上げたいわけでございますけれども、そうなりました暁には、四月中にも買い上げ業務を実施したいと思っております。
 また、お尋ねの露頭炭の買い上げでございますけれども、これは企業単位で異常貯炭が存在する場合に買い上げるということになるわけでございますので、露頭炭と坑内掘りの炭とを問わず、その会社に異常に在庫がたまっている場合にこれを買い上げるということになるわけでございます。
#187
○藤原(房)委員 それから、規模縮小交付金についてですが、生産を継続しながら規模を縮小するということは非常に単純なことではないだろうと思うのであります。離職者に対する手当でというのはある程度のことはできるかもしれませんが、炭鉱というお仕事の関係上、経営上のコスト要因というものはある程度見込まれるわけですから、人員を削減したからそれによって、全体として他産業とは違う要因が保安その他あるわけでございますから、ある程度縮減したからといって経営が他産業と同じようによくなるということにはならないだろう、こう思うのです。今度、規模縮小交付金につきましては、人員の面とそれから生産量の面と両方のことがあるんだと思いますが、一定の規模ということになっておりますが、これは人員についてはどういうことで、それから生産性では一〇%、五%とありますけれども、最低限とのくらいの生産量についてという何かがあったと思うのですが、その辺、どうでしょうか。
#188
○高橋(達)政府委員 現在、予算でお願いし、また法律でお願いしております規模縮小交付金の制度でございますけれども、一定の要件として考えておりますのは、生産面で前年に比べまして減少がある場合というのが生産面での要件でございまして、その減少の規模、減少率を前年の五%というふうに考えておりまして、五%と申しますのは、減産をする場合の最小の単位であろうかと考えておるわけでございます。
 また、人員の面につきましては、おおむねこの五%の減少に対応する人員が百数十名程度というふうに見られますので、これを百五十人と一応設定をいたしまして、百五十人以上の解雇による失業というようなことを人員面での要件としております。
 なお、この規模縮小交付金は退職金見合い額の補助でございまして、別途減産コストをカバーするための対策といたしましては、安定補給金の中に減産加算金制度を入れるということで対応をしていく考えでございます。
#189
○藤原(房)委員 人員の場合、百五十人程度といいますか、百五十人というお話で、それは根拠は五%ということだからそういうことになるのだということでございますが、実際今残って稼働していらっしゃる鉱山を見まして、現在の鉱山から百五十名退職なさるということになりますと、保安とかいろいろなことを考えますと、炭鉱としては百五十人以上でなければ該当しない、要件に当てはまらないというのは少しきついようなふうに、私はいろいろな炭鉱の現状を見まして、見ておるのですけれども、確かに数字的にはじき出すと五%ということになるのかもしれませんけれども、現在の炭鉱の規模からしましてちょっとこれは大きな数字ではないかと私は見ておるのですが、この辺はどのような見解をお持ちでしよう。
#190
○高橋(達)政府委員 現在の炭鉱の規模からいたします従業員の規模が大体千五百人とか二千人ということでございまして、下請けなども入れますともう少し多くなるかと思うわけでございますが、そういった中で、本来合理化を行いまして規模を縮小するということは企業の合理化自己努力の中で行われるべきものでございますが、それを、賃金債務を一部肩がわりをして補助しようという考え方でございますので、やはりある程度の規模の上に立ったものに対する助成ということに政策的にはせざるを得ないわけでございまして、その点五%以上、百五十人以上ということで一応行政的な割り切りをさせていただいたものでございますので、そのように御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#191
○藤原(房)委員 考え方はわからないわけではありませんが、現状というものを絶えず見定めながら、その辺のことについてはまた御検討いただきたいものだと思います。
 次に、石炭鉱業合理化臨時措置法の目的です。「未開発炭田の急速かつ計画的な開発を促進する」というところを削除しまして、「石炭の適正な供給の確保に資する措置を講ずる」というふうになる。今度は法の目的が変わるということですから非常に重要なことですが、我が国で今後は新鉱開発というものは行わないということになるのかどうか。未開発炭田の開発ということですから明確であったわけですが、今度の追加された「石炭の適正な供給の確保に資する措置を講ずる」ということの中にそれに見合うような意味を読み取るのかどうか、その辺ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#192
○高橋(達)政府委員 第一条の目的から「未開発炭田の急速かつ計画的な開発を促進する」という文言を今回削ったわけでございますが、これの背景には、第八次石炭政策の期間中においてやむを得ず生産規模が段階的に縮小されていくということになるわけでございまして、そういう状況の中で新鉱の開発のための未開発炭田の急速かつ計画的な開発ということの重要性は残念ながら相対的に低下すると考えられるわけでございますが、しかしそのことをもって未開発炭田の開発ということを目的から明示的にもあるいはそうでないにしても全く落としてしまうということではなくて、むしろ「石炭の適正な供給の確保に資する措置」という新しい言葉を入れたわけでございまして、この「石炭の適正な供給の確保に資する措置」の中で、状況によって未開発炭田の開発も説もうという考え方でございます。したがいまして、そのほかのところの規定につきましては現在でも合理化法上残っておりまして、新エネルギー総合開発機構の行う開発資金の貸し付けに関する規定あるいは未開発炭田の開発そのものについてのいろいろな手順その他の手続の規定、そういったものは五章の二の規定として現在でも維持されておるわけでございまして、今後の状況によりまして未開発炭田の開発が必要になったとしても十分に対応できる体制になっております。他方、石炭資源の基礎調査については来年度の予算においても一定のものを確保しておるところでございます。
#193
○藤原(房)委員 大臣、この八次の答申、なかなか難航いたしまして、それをおまとめになるには大変な御努力を大臣がなさった。この点については、私どもも昨年いろいろ見ておりまして、敬意を表する次第であります。そしてまたさらに今回はこの法案の作成ということであります。しかしながら、石炭があって、人が集まって、そしてそこに町ができたという産炭地の性質からいいまして、炭鉱が縮小するということ、そしてまた撤退をするということになりますと、そこに生活の場を失うというのは、これはほかの産業とは違いまして、大変に寂しいなんという感情的なことだけではございませんが、現実はそういう厳しいものであるということは大臣もよく御存じのことだと思います。
 そういう中で産炭地の振興ということが叫ばれておりまして、通産省でもいろいろな手だてを今考えていらっしゃることは私どももよく存じておるところでございますが、北海道の空知なんというのは本当に離れ島みたいなものでございまして、陸続きではございますけれども、その地域に特別いらっしゃる企業というのは、よっぽどの条件がなければ、いらっしゃるような土地柄ではないだろうと思います。そういうことから、今までの発想を転換するような、あの空知のど真ん中に飛行場でもできれば、また変わるのかもしれません。今北海道で言われておりますことはやはり臨空ということ、飛行場へ何分で行けるかということです。これは日本列島どこでも同じことが言えると思うのでありますが、飛行場までどれだけの距離、所要時間で行けるかということが産業活動の一つの大きなファクターになるだろうと思うわけであります。空知は、滝川あたりですと旭川の方が近いかもしれません。それから夕張や何かは千歳に近い。こういうことで、今産炭地振興にはいろいろな手だてがあるのですが、これは大臣の所管でないかもしれませんけれども、高速道路とか道路網というのが何といってもやはり大事なことでございまして、総合的な、大臣は通産大臣ですから通産関係の法案の作成と、またそのための御努力をいただいているわけですが、田村大臣は大物大臣であり、そして閣僚の一員として、通産大臣という枠をちょっとはみ出しても産炭地振興のためには他省庁に対してもさらにまた力を尽くしていただきたいという意味で私申し上げるのですけれども、ああいう高速道路が滝川まで、旭川まで延びるとあの辺は一変するんだという地元の方々の大きな声でありますし、またそれぞれ主要都市へ結ぶ道路、いろいろ計画はあるわけでありますけれども、こういうものが通るということが地域の発展に何といっても大きなウエートを持っておる。土砂川が、歌志内が大変だ、その町に企業が来れば一番いいことかもしれませんが、今どなたの家庭にも車のある時代、車社会ですから、少しぐらい離れておりましても、自分の町でなくても通勤可能圏というのは非常に広がっております。こういうことから言いまして、広域的に産炭地振興のための企業誘致等を中心としました対策というものが図られなければならないと私は痛感をするのです。
 この部屋は、大臣が二十五年表彰で額がちょうどある部屋で、意義のある部屋でございます。先ほど来お話を聞いておりますと、もう立場は変わっても石炭鉱業には力を入れていきたいという大臣の心情、私も先ほどからお聞きいたしておったわけでございますが、ひとつ通産ベースでの御努力は当然のこととしまして、おくれております産業活動の基盤であります道路とか、そのための基盤整備、こういうことには特段の御努力をいただけませんと、陸の孤島のような空知が浮上するということは非常に難しい、どんなに絵をかいてみましても。ぜひひとつ大臣の御努力を賜りたいと思いますが、御所見をお伺いしたいと思います。
#194
○田村国務大臣 炭鉱町というのは、やはり一種の企業城下町だと思うのです。でございますから、現在稼働しておる間はまだよろしゅうございますけれども、万一閉山というような事態にでもなれば、当然大きな空洞化現象が起こることは目に見えております。でございますから、そこに対して通産省のみならず、あらゆる省庁が精力的にいろいろな対策を講じなければならぬことは申すまでもございませんし、また地元の都道府県、市町村が御努力をなさることも当然だと思いますし、それにも増してその企業グループがいろいろなことをしなければならぬ、これは当然のことでございます。でございますから、私どもとしては御承知のようなことで全力投球を今日までいたしてまいりました。
 今度、本当に国会というものはありがたいものだとしみじみ思ったことは、例の転換円滑化法、あれを日切れ法案と同じ扱いをしていただいたということは、私はむしろ炭鉱のみならず、すべての企業そうです、特に鉄鋼なんというのは大変なことでございますが、そういう意味で心からお礼を申し上げたいと思っております。
 そこで、いろいろな企業誘致をするにしても、あるいはその土地の他の方法で繁栄を図るにしても、何といっても私はアクセス、おっしゃったとおりだと思うのです。アクセスがまず第一だと思うのです。
 私は大変石炭には御縁が漂うございまして、今から二十五年ほど前に労働省の政務次官をしたことがございます。そのときから石炭の問題と取り組まされた。それからもう十五、六年になりましょうか、労働大臣のときにも離職者対策をやった、そして党では北海道開発委員長というのを二年ほどやりました。そういう関係で、今度また石炭問題と取り組むことになったことは、自分の人生の宿命のような感じがいたします。幸いにして今コミューター空港を初めとして道路問題、いろいろなことをおっしゃいましたけれども、私は先般、といってももう大分前になりますが運輸大臣を経験しておりますし、古い話ですけれども、若き日に建設省の政務次官をやって以来、今日までずっと建設族としてまいりましたし、通産大臣としておせっかいをやきに行くことは慎まなければなりませんけれども、運輸族、建設族として物を言う分には堂々たる言い方ができるわけでございます。同時にまた、通産大臣としていろいろなことをお願いもし、協議も申し入れるということは当然の責務でございますから、そういう点で今おっしゃったこと、本当に私はそのとおりだと思うのです。何といってもアクセス、そして輸送コストをいかに安くするか、輸送時間をいかに短縮するか、これが一番だと思うのです。そういう点で奮闘努力をいたしたいと思っております。
 先般、夕張メロンのことを私が褒めましたら、まあいろいろなものができるもので、夕張のメロンからつくったブランデーというのがあって、それをちょうだいしました。それを飲んでみたところが大変おいしい。それからどんどん宣伝をしておりますが、あれはどこかの酒屋さんなんかに頼んでうんと売ってもらったらどうだろうか、それだけの生産量があるかどうかは別として、いろいろと知恵を出さなければならぬと思います。
 大変長い答弁になりましたけれども、まさにおっしゃったとおりということが私の結論でございます。
#195
○藤原(房)委員 労働大臣にはもう時間がなくて御質問できませんが、以上で終わります。どうもありがとうございました。
#196
○竹内委員長 次に、青山丘君。
#197
○青山委員 私からも限られた時間ですが、少し質問をさせていただきたいと思います。
 今も質問を聞いておりまして、大変がみ合ってきておりますので、どうかひとつその延長線上で進めたいと思います。
 私ども民社党は、これまで国内石炭に対しては石油にかわる重要なエネルギー源、石油代替エネルギー源の重要な柱の一つであるという受けとめ方をしてきました。したがいまして、この国内石炭の供給力を拡大していくための政策を展開していかなければいけない、そういう受けとめ方から、合理化法等では賛成の立場をとってまいりました。ただしかし、今回の第八次石炭鉱業審議会の答申を踏まえて、対策期間の最終の年度である昭和六十六年度には供給規模一千万トン、こういう方向が打ち出されてきておるわけですが、まことに残念なことでございます。
   〔委員長退席、古賀(誠)委員長代理着席〕
 しかしこれも一昨年来の円高で、あの急激かつ大幅に来た円高のために日本の国内産業が相当大きな影響を受けてきておりますし、石炭価格でもこの円高のために輸入炭の約三倍という、本当に忍びない状況でありますだけに、引き取りが難航してきた経過がありました。
 さらに加えて、昨年の四月であったと思いますが、前川レポートで石炭鉱業という名指しで産業構造の転換を余儀なくされていく。腸がねじれるといいますか、腸がちぎれるといいますか、断腸の思いというのがあるのですけれども、大臣もそんな思いをされたし、関係企業の皆さん、またそこに働いておられる皆さん方はどんな思いでこの前川レポートを読まれたことか。しかし一面、非常に厳しい状況でもありますだけに、仕方がないのかなと思う面もありまして、これからの取り組みについてぜひ特段の御努力をいただきたい。
 そこで今回の対策、最終年次であります昭和六十六年度には、原料炭がゼロになっていくということになっています。これがゼロになっていくということになってきますと、石炭というのは原料炭だけできてくればいいのですが、そうじゃないので、そういう自然条件であるとか採掘の実態を考えてみますと、生産規模、一般炭だけで一千万トンというような体制へ実際問題持っていくことができるのかどうか、これはなかなか難しい問題であろうと思うのです。そういう状況の中で一体鉱山を維持することができるのかどうか、まず冒頭お尋ねしておきたいと思います。
#198
○高橋(達)政府委員 第八次石炭答申に基づきまして、六十六年度に原料炭引き取りゼロになるということはまさに御指摘のとおりでございます。そういう状況の中で、一体現在三百万トン程度生産をされております原料炭をゼロにすることができるのかというお尋ねでございますが、現在各社相当な努力を払い、炭種転換と申しますか一般炭への転換を図っております。ただ一方におきまして、今すぐにゼロになるというのではなくて、六十五年度までは引き取りが存在するわけでございますので、それも先ほど来お話がございましたように漸減の方向で需給両業界が話し合って決めるということでございますけれども、いずれにいたしましても六十五年度までは引き取りが存在するわけでございますので、その間に各社が転換に努力し、また経営のあり方を考えていくということになりますれば、各社のそれぞれの方針においてその原料炭の問題を処理できるものと考えているところでございます。
#199
○青山委員 見通しとしては今おっしゃったような見通しであろうと思います。ただ、原料炭がやがて六十六年にはゼロになっていく。そうなってくると、一般炭だけで実際鉱山が維持できるのかという不安が非常に強くあります。今一般炭の生産規模は約一千二百万トン程度だと聞いておりますが、これも原料炭がゼロになっていくということになると、一般炭についても相当な影響を受けてこざるを得ない。現状では一般炭だけを出している鉱山は釧路の太平洋炭礦と先ほど話が出ておりました空知の幌内炭鉱、この二つの炭鉱だけだそうでして、他はいずれも両方出てくるということになってきますと、一般炭だけでさて鉱山が守れるのか、それから本当に一般炭は一千万トン体制で石炭産業がやっていけるのかどうか、その辺の見通しはいかがでしょうか。
#200
○高橋(達)政府委員 御指摘のとおり現在一般炭だけを生産している炭鉱はお話の二炭鉱だけでございまして、ほかの八炭鉱については多かれ少なかれ原料炭を含む生産になっているわけでございます。しかしながら、炭鉱の形態によりまして原料炭を一般炭に転換することは可能でございます。もちろん一般炭の方がカロリーが低いということから山元手取りが悪くなるという状況がございまして、これらに対しては企業の努力あるいは政府としても何らかのできる限りの支援をしていかなければいけないということはございますけれども、いわゆる一般炭シフトということは可能な場合が多いわけでございまして、そういう線に沿って各社は努力をしているということでございます。
 なお一部空知地方の炭鉱におきまして、急傾斜の採炭現場の補てん用としてどうしてもズリが必要であるという場合に、原料炭から一般炭にシフトすることが限界があるという場合が考えられるわけでございますが、それらも六十六年までまだ時間があるわけでございますので、そういった間に対応策を考えていってもらいまして、何とか一般炭だけのおおむね一千万トンという体制で今後の国内炭の規模を確保してまいりたいと思っているところでございます。
#201
○青山委員 一千万トンという供給体制で進むことになりますと、我が国の一次エネルギー供給の中でのウエートは本当に低い、一%と少しという状況であります。しかし幅広く考えてみますと、石油を中心とした世界的なエネルギー需給見通しというのは将来展望として余り広くありません、むしろ逼迫化の傾向にあります。そうなってくると、今の総合エネルギー政策の中で一%強程度の石炭の位置づけを一体どういうふうに見ておられるのか。
 なるほど価格の問題でとても競争力がないということかもしれませんが、長い目で見てまいりますと石油にそういつまでも依存していくわけにはいかない。国内における有力な資源として石炭がこれまで果たしてきた役割も極めて大きい。そういう点を考えいくと、第八次策以降でも石炭を使っていくという、維持していくという姿勢で政策的な取り組みが私は必要であろうと思います。このあたりいかがですか。
#202
○田村国務大臣 この第八次石炭政策におきましては、生産を段階的に縮小して最終的にはおおむね一千万トン、こういうことになっております。答申は六十二年度から五年程度ということで、その間の政策のあり方を示したものであります。それ以降の問題については、この第八次石炭政策の実施を踏まえつつその経過を眺めていく。そしてそのころあるいはそれ以降のエネルギー情勢あるいは内外炭の動向、そういうものを十分に把握して、そういう中における国内炭の役割をどう評価するかということになるだろうと思うのです。でございますから、今からどうこうということはとても言えるものではありませんけれども、どうせ第九次石炭政策を審議会が立てることになると思います。ですから、今からこれをとやかく私から申し上げるわけにはいかないと思いますけれども、私個人としては、でき得る限り石炭の総合エネルギー政策の中における位置づけを今後も重く持ち続けてやってほしい。そのころ僕は通産大臣をしていないと思いますけれども、それはそれとして、しみじみそういう感じを抱いておるということをつけ加えてお答えとしたいと思います。
#203
○青山委員 ありがとうございます。今の大臣の考え方をぜひ強く打ち出してもらいたい、現場におられる炭鉱の多くの人たちは恐らくこういう気持ちだろうと思います。本当に一千万トン体制も大丈夫かなというのが非常に大きな不安として今増幅されてきておりますので、今おっしゃっていただいたような方向でこれからもぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 それから、貯炭管理制度の創設についてお尋ねしたいと思います。
 本年度末の貯炭量が三百九十万トンに達すると見込まれております。これから適正な在庫分百二十万トンを差し引いても石炭会社は四百億円という大変な負担を強いられているわけです。現行三百八十万、三百九十万トンというこの貯炭を抱えているだけでも六百億円以上の負担が石炭企業に覆いかぶさってきておるわけでありますから、そういう意味で私は、石炭企業がこのまま赤字を累積していって、しかも企業経営の基盤が非常に弱くてというようなことが続いていけば、先ほどからも話が出ておりましだ集中閉山あるいは雪崩閉山というような事態になってくることを大変憂慮いたしております。そういう点では、貯炭管理会社が設立をされる、そういう構想が盛り込まれて、いる、私は大変時宜を得た政策だと率直に評価をいたしております。
   〔古賀(誠)委員長代理退席、委員長着席〕
 そこで、これからの運営方針について少しお尋ねをいたしますが、貯炭管理会社は、当初私どもが聞いておりましたら、石炭企業を中心として民間会社から四億円の出資を受ける、そして新エネルギー総合開発機構から二億円の出資を受けていく、こういう形で貯炭管理会社を設立していこうという当初の計画であったようです。しかし、最近の報道を聞いてまいりますと、新昭和石炭という会社を、会社の規模を拡大改組していって、これをその貯炭会社に充てていきたい、こういうようなことのようであります。このことはそれなりに合理性を持っているのかなとも私は思っております。大変失礼な言い方だけれども、現実的だし手続上もこれはこれでまた一つの考え方。ただ、従来の考え方をなぜ改められるということになってきたのか、その辺の経緯がどうも明らかではありません。その辺をひとつぜひ明らかにしていただきたい。
 それから、もし新昭和石炭という既存の企業を貯炭会社として活用されるのならば、これまでの予定額というのはどういうふうになっていくのか。新昭和石炭というのは資本金が三億二千六百万円だということでありますが、石炭企業を中心とした四億円の出資及び新エネルギー総合開発機構の二億円の出資、この予定額というのはどのような形になっていくのでしょうか、これが第二点。
 もう一つ、そうなってきますと、定款であるとか事業内容を変えていかなければならないと思いますが、その必要はないのかどうか。三点お尋ねしたいと思います。
#204
○高橋(達)政府委員 第一の、新昭和石炭株式会社を活用する経緯いかんという点でございます。御指摘のように、予算案上におきましては、NEDOの二億円に対しまして、説明上民間側が四億出資をして六億の会社を新設するという格好で考えておったわけでございます。しかしながら、その後のいろいろな手続を進めるにつれまして、一つは新会社を設立するのは非常に手続面で時間もかかるということで、予算及び法律の成立を待って一刻も早くこの業務を開始しなければいけないという情勢から見て、もしほかの方法があるならばその方法が適当ではないかというふうに考えられたところでございます。もう一つは、会社を新設いたしますと、事務所を設定いたしましたり、いろいろな面で当然費用がかかるわけでございますが、これも新会社ということになりますと、既存の会社以上にかなり費用がかかるということでございまして、費用の面、手続の面からして、たまたま新昭和石炭という石炭業界の共同の会社が存在するということでございますので、これを活用することにして準備を進めているわけでございます。
 また、第二点の、これに対する出資でございますけれども、既に臨時株主総会を開きまして、増資の、資本金の増額の決議を株主総会でいたして、おりまして、今月末には石炭業界側の増資手続を完了するということでございまして、あと、予算、法律の成立を待ってNEDOの出資を待つという状況になるわけでございますが、トータルの資本金といたしましては七億を予定しておりまして、この七億のうち二億がNEDOの出資分でございます。したがいまして、残りの五億のうち既存の三億二千六百万円がこれまでの資本金でございますので、残りの一億七千四百万円を三月末までに石炭業界サイドで増資対応をいたしまして五億になり、四月に入りまして予算、法律の成立を待ちましてNEDOからの出資を仰ぐというような状況になろうかと思っております。
 第三点の、そのための手続でございますが、資本金の増額につきましては既に株主総会で決議を終了しておりますが、別途定款の変更といたしまして、事業目的の中に過剰貯炭対策の実施を明記するということにいたしたいと思っておりまして、この手続は四月に入ってから進めるというふうになるものと思っております。
#205
○青山委員 NEDOからの出資は変わらない、そして石炭会社への負担をできるだけ軽くしていきたい、こういうふうに受け取って、新しい会社でひとつぜひ進めていただきたいと思います。
 それから、基準炭価についてお尋ねをいたしたいと思います。
 国内炭の価格については、合理化法第五十八条で、毎年通産大臣がこれを定めて告示をする、こういうことになっておりますが、第八次策の期間中は昭和六十一年度の水準で据え置いていく、これからもそういう形で固定していきたい、こういうことで昨年の答申案の策定の経過の中で話し合われてきました。これも鉄鋼業界が大変な負担がなわぬ、こういうことから輸入炭並みの価格で仮払いを実施したということから、七人委員会が大変御苦労なさって、こういう形でひとつ八次策の期間中は進めていきたい、ただ、その辺の絡みは、合理化法の第五十八条は、毎年通産大臣が定めていくというのは、その年その年の経済情勢に合わせて対応していこう、こういう考え方であったのではないかと思います。その基本的な考え方と、八次策が、原則的という言葉はありますけれども、こういう形で固定的に確定的な線が出ていくというのは、私はどうも矛盾していくような気がするのですが、そのあたりはどういうふうに受けとめておられますか。どうでしょうか。
#206
○高橋(達)政府委員 御指摘のとおり、現在の石炭鉱業合理化臨時措置法の五十八条におきまして、毎年通産大臣が石炭鉱業審議会の意見を聞いて基準炭価を決めるという規定になっております。その際の、決定に際しての考慮要因でございますが、国内の生産動向、内外炭価格差あるいは競合燃料の状況、そういったものその他の事情を総合的に勘案して決めるということになっておりまして、この考慮ファクターには供給サイドのファクターとそれから需要家サイドのファクターの両方が入っているわけでございます。これまでの運用といたしましては、毎年毎年その都度審議会の中で、まず石炭業界サイド、供給サイドからこの程度の生産費がかかるということで値上げの要求が出されまして、それに対して需要家側から適当なレベルでの意見が出るというようなことで決まってきたわけでございます。
 したがいまして、昨年の七人委員会その他の関係者の御努力で決まりました原則として据え置くというのは、供給側あるいは需要家側のそれぞれの意見を反映した結果でございまして、そういった原則として据え置きという方針を参考にしながら審議会で審議をされ、通産大臣が決定をしていくというようなプロセスになろうかと思っております。
#207
○青山委員 もう一点は、規模縮小交付金の交付について先ほども少し触れられておりましたが、八次策の新規施策の一つとして規模縮小交付金制度の創設があります。
 内容は、一定の縮小を行った炭鉱に対して閉山交付金の退職金見合い分について通常の二分の一を交付する。これは規模縮小による企業の負担というのが大分助けられていくわけですから、恐らく関係企業では大変待っておられる、そんな気持ちであろうと思います。ただ、交付基準というのは政令で定める、その政令で定めるという根拠というものを少し明らかにしていただきたいと思います。
 先ほど聞いておりますと、生産量が前年に比べて五%以上縮小される企業、それと人員が百五十名以上の縮小、この二つが条件として満たされたものでなければいけないというふうに私は受けとめてきました。前年に比べて五%以上というのが企業にとってどれぐらいになっていくのかという問題。それから人員が百五十名以上ということになってきますと、炭鉱の規模によっては百五十名の人員を削減することが必要以上の人員削減にならざるを得ないというような規模の炭鉱が出てくるのではないかと私は思うのです。もしそうであったとするならば、人員だけではなくて一定の比率で人員削減がされていくという一面もぜひこれは加えていかないと片手落ちのような気がするのです。そのあたりはいかがでしょうか。
#208
○高橋(達)政府委員 石炭鉱山規模縮小交付金の交付要件を政令で定める件でございますが、お話しのようにその基準につきましては、生産量については一月から十二月までの暦年中の生産が前暦年中の生産に比べ五%以上減少となることを基準として考えておりまして、その場合、炭種によるカロリー補正あるいは災害による異常な事態を補正した上で行いたいというふうに考えております。五%の減少は減少規模として最小単位であろうというふうに考えているところでございます。
 他方、鉱山労働者の減少に関する要件でございますが、これは常用労働者に加えまして請負の労働者も対象にいたしたいと思っておるわけでございますが、その年の十二月三十一日の人数が前年の十二月三十一日の人数に比べて百五十人以上減少しており、かつその年の規模縮小に起因して業務から離れた炭鉱労働者ということで百五十人を設定したいと考えているわけでございます。
 ただいまお話しのように、炭鉱の規模によっては、百五十人という絶対数で切っておるのでは酷ではないか、比率で考慮してもよろしいのではないかというお話でございますが、一応行政的な処理の仕方といたしまして、平均的な山の五%から一割に相当する数がこの百五十人であろうかと思っておりますので、生産の方は五%ということで比率で示させていただいておりますけれども、人数の方は行政的な割り切りとして、かつ実態として大体各山とも比率的にそうおかしな数字ではないというところで百五十人という数字で決めさせていただきたいと思っております。
#209
○青山委員 ここだけは少し認識が違うようです。私が現場の人たちから聞きますと、人員数でやっていくというのは少し不当だ、それぞれの炭鉱の企業の規模によっては、人員数でやられるということになると必要以上に削減しなければならない事態が出てくるのではないかという危機感を非常に持っています。したがって、現場の人たちは員数にしても一定の比率というものをぜひ適用してもらいたい、こういう強い要請が出てきております。そうした声をどのように受けとめられますか。
#210
○高橋(達)政府委員 私どももこの制度を創設いたします場合に関係の企業等から意見を聴取しておりますけれども、百五十人というのは規模を縮小する場合の最低の単位としてあり得る数字ではないかという意見を聞いておりまして、今御指摘のようなほかの御意見があるとすれば、今後の問題として私どもも検討させていただきますけれども、一応発足に当たりましてはこの数字で既に積算を組んでおりますので、やらしていただきたいと思っております。
#211
○青山委員 もう法律も出てきておりますし、今の段階でというのも少し酷な話かもしれません。しかし今御答弁がありましたように、今後の問題として一定の比率を考慮するという点についてはまずぜひ率直に受けとめておいていただきたい。将来にわたってこの答弁で拘束するつもりはありませんけれども、そういう形式的なことで私は申し上げているんじゃありません。実態としてぜひひとつ聞きとどめておいていただきたいと思います。
 時間がありませんので、離職者の問題で少しお尋ねをさせていただきたいと思います。
 これからの雇用問題というのは炭鉱からの離職者の問題だけではありませんので、鉄鋼との引き取りのことで大分問題になってきたのに鉄鋼の例を取り上げるというのはどうかと思うが、鉄鋼も大手五社だけでも四分一の人員、四万一千人の人員の削減がなされていくというような大変な事態をこれから――鉄鋼だけではありません。造船、繊維、非鉄金属、鉱山、大変な事態にこれからなっていきます。全国的な失業率も三%を超えてきておりますし、高い水準となっておりまして、炭鉱の場合でも従来のように炭鉱から炭鉱へというような形で人員の移動が可能であった時代ではもうなくなってきた。そういう意味からしますと、これからの離職者対策というのをよほど性根を据えてやっていただかないといけない。その点で、一つは三菱高島炭鉱の場合もなお大変厳しい状況だというふうに聞いております。高島での対応が現在とのようになってきておるのか、また、この高島での対応が今後の離職者問題に対する試金石にもなってまいりますので、非常に注視、注目をされております。その意味で、三菱グループ全体としての対応はどうであったかという点も含めて状況を聞かせていただきたいと思います。
#212
○甘粕政府委員 高島炭鉱の再就職状況でございますが、まず、閉山に伴う解雇者数は一千六百九十三人、直用が九百六十八人、下請七百二十五人という状況でございます。このうち三月二十日現在に安定所へ求職申し込みをしました人は千四百五十人という状況でございます。求人につきましては二千二百という求人を確保しているところでございますが、再就職者は内定者を含めて二百六人という状況でございます。
 千四百五十名の求職者に対しまして現在二百六名という就職状況はまだかなり比率的には少ない状況でございますが、これにつきましてはいろいろ原因等あると思っております。これは職種の問題ですとか労働条件の問題とかいろいろあると思いますが、同時に、離職者の人たちにつきましても、こういう閉山という格好で離職をしたということの中で、やはり再就職に際しましては、心の落ちつきといいますか整理といいますかそういう期間も必要であったというふうなことも考えられるのじゃないかというふうに思ってございます。そういうことで、一つの再就職の大きな山場といたしましては、子供の転校の関係から四月というのが一つの時期であるというふうに思ってございますので、こういう時期を中心にいたしまして、もう一回関係各県とも、長崎県とも十分な連携をとりまして再就職の促進ということに全力を挙げてまいりたいというふうに思ってございます。
 それからもう一点、三菱グループの状況でございますが、私ども、昨年の十二月に炭鉱離職者対策本部長名ということで雇い入れ要請等をお願いしたところでございます。そういう状況の中で、先ほど求人が二千二百強確保できたというふうに申し上げましたけれども、関連会社を含めて会社が確保した求人がそのうち約一千三百五十をオーバーするという格好での確保をいただいたところでございます。
 それからまた、これは離職者の再就職ということではございませんが、高島炭鉱におる職員につきまして、十七人が三菱南大夕張礦業所へ配置転換、あるいは五十四人が親会社あるいは関連会社へ復職、出向というふうな格好での状況になってございます。
 以上でございます。
#213
○青山委員 失業の問題というのは大変深刻でして、御承知のように産炭地域は北海道と九州、そうした地域が非常に雇用失業情勢というのが厳しい状況にあります。北海道は失業率四%を超しておるのだそうですね。こうした地域での主要産業が石炭、こういうことになってきますと、地域経済も先ほど来語し合われておりましたように大変な状況です。私はかつて九州の炭鉱に働いていた人たちをたくさん知っておりましたが、一定の年齢が来ますとまた再び九州へ帰りたいといって帰っていった人たちがたくさんあります。そのように、炭鉱が仮に閉まってもやはりなじんできた懐かしい土地に帰りたい、またなじんだ地域を離れるのはつらい、こういう人たちがたくさんいるのです。ですから、その地域全体の活性化を考えた雇用の創出という点をひとつぜひ進めていっていただかなければいけない、その点は労働省としてどのように進めていくお考えでしょうか。
#214
○平井国務大臣 御指摘のように、地域また特定の業種にかなり集中的なしわ寄せが参っておるわけでございまして、労働省がこのたびお願い申し上げる三十万人雇用開発プログラム、その中核をなすのが今から総合的に申し上げる地域の雇用開発等の促進法ということでございます。
 簡単に申し上げますと、現行の地域雇用対策を整理統合するということと、地域的な雇用構造の改善を図る地域雇用開発を中心とする新たな地域雇用対策の体系を創設する、一口に申し上げたらそういうことでございますが、さらに、本法におきましては、地域の雇用失業情勢のそれぞれの特性によりまして、雇用開発促進地域、さらに特定雇用開発促進地域、三つ目は緊急雇用安定地域、このように分類し指定した上で雇用機会の開発を中心に地域の実情に応じた総合的な対策を講じていく。
 一番目の雇用開発促進地域でございますが、これは、雇用機会が不足しており、雇用開発の必要がある地域につきまして、雇用開発促進地域として指定する、地域の雇用開発を行う事業主に対して賃金や雇用機会拡大のための費用に関し大幅な助成を行う、地域雇用開発助成金制度の適用、能力開発の積極的推進と地域雇用開発のための施策を講ずる、これが一番目でございまして、今申し上げた雇用開発促進地域の中で、産業構造の変化等により、これは業種に比重を置きまして、雇用状況が著しく悪化しておる地域につきましては特定雇用開発促進地域として指定する。地域雇用開発助成金にかかわる特別措置等地域雇用開発のための特別施策のほかに、雇調金の支給、さらには特定求職者雇用開発助成金の支給等、失業の予防、再就職の促進等のための施策、相当手厚くなっております。
 三番目に申し上げた緊急雇用安定地域ですが、これは、経済的事情の著しい変化によりまして雇用状況が急速に悪化している地域について緊急雇用安定地域として指定して諸般の施策を行う。これはもう既に指定をいたしておりまして、指定地域でダブりました分はもう御承知のように手厚い方で賄うというふうなことが雇用対策のこのたびの中心ということでございますので、一日も早く御審議をいただいてとにかく早くやらなければならぬ、かように考えております。
#215
○青山委員 あすでしたか、これは審議が行われますね。
 時間がありませんので、最後に一問だけ。
 やはり炭鉱といえばどうしても安全対策、保安対策ということになってくると思います。ただしかし、産業が大きく後退を余儀なくされているときに、私が心配しておりますのは、そこに働いていかれる人たちが本当に緊張感を持って高い水準で保安対策を維持していくことができるのかどうか。その働く人たちの気持ち、士気というのはどうしてもなかなか上がらない。上がらないけれども、そういう産業の置かれた状況にもかかわらず、そこに働く人たちが、高い水準での保安管理のチェックであるとかあるいは行き届いた保安教育であるとかというものが、高い士気の中で、意欲のあるそういう雰囲気の中で進められていくことができるのかどうかという心配を私は持っております。その辺はいかがでしょうか。
#216
○加藤(昭)政府委員 先生御指摘の保安の確保、これは第八次策にも盛られておりますが、生産の大前提でございます。そうした観点から、石炭企業ばかりでなくて、政府といたしましても種々の施策を講じていくわけでございますが、特に生産の縮小または閉山が予想される場合には、保安対策に問題が生ずることのないように万全を期する必要があるわけでございます。
 こうした観点から、当省といたしましては各鉱山ごとに保安計画のチェックそれから巡回検査等を綿密に行うことによりまして、保安要員の適正配置、保安教育訓練の徹底あるいは作業手順の遵守等々、きめの細かい監督指導を進めてまいりたいと考えております。
#217
○青山委員 質問を終わります。
#218
○竹内委員長 次に、児玉健次君。
#219
○児玉委員 先ほど幾らかの議論がありましたが、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案、この中で法の目的から「未開発炭田の急速かつ計画的な開発を促進する」、これが削除された、このことに関連して句点か御質問したいと思います。
 まず、昭和三十三年に今の未開発炭田云々、この部分が提起されたとき、当時の商工委員会の会議録を私は調べてみたのですが、そこで白濱政府委員が次のように述べております。「将来の増大するエネルギー需要に対処し、石炭資源の開発を急速、かつ、計画的に行うため、未開発炭田の開発に関する規定を設けたことであります。」将来における増大するエネルギー需要、これはまさしくそのときの指摘のとおりになった。昨年来の論議で既に明らかなように、日本の国民経済の石炭の消費量は既に一億トンを超している。ただ、その大部分が輸入炭であるという点が非常に残念です。
 それで、昭和三十三年の段階で「未開発炭田の急速かつ計画的な開発」、これが盛り込まれたというのは非常に先見的だったと私たちは考えるのです。
 そこでお伺いしたいのですが、この条文に基づいてさまざまな事業が行われましたが、その事業によって新しく開発された炭鉱はどことどこか、まずそれをお尋ねします。
#220
○高橋(達)政府委員 三池の有明鉱と夕張新鉱及び南大夕張炭鉱であるというふうに承知しております。
#221
○児玉委員 石炭資源開発基礎調査、昭和五十七年に始まっておりますが、この調査の対象になっている地域数それから試錐本数、打たれているボーリングの数ですね、この基礎調査に要した経費、それはどのようになっているでしょうか。
#222
○高橋(達)政府委員 御指摘のとおり、基礎調査は昭和五十七年度から実施しておりまして、これまでに海域で三海域、陸域で六地点の調査を行っておりまして、予算額の方は五十七年度の十八億を初年度といたしまして毎年おおむね十八億で推移してまいりましたが、五十九年度からは十七億、六十年度十六億というような格好で推移してきております。
#223
○児玉委員 これまでの調査経費は約七十一億円、こういうふうに承っているわけですが、この調査は現在も進行中である。そして、この基礎調査の取りまとめは当然行われるべきだと思うのですが、その取りまとめについて今どう考えているか。
#224
○高橋(達)政府委員 この調査は新エネルギー総合開発機構が行っておりまして、年々の調査各期について当然取りまとめていただいているわけでございますけれども、一連の計画的な調査でございますのでまだ最終的な結論を得るに至っておりません。これまでのところでは、特に海域の調査においてはある程度有力な資源が存するということは承知しておりますが、最終的な結論には至っておりません。
#225
○児玉委員 陸域についてもかなり突っ込んだ調査が行われている、そのように私ども聞いているのです。
 そこで、先ほど先輩議員の論議の中で出てきたのですが、今回の合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案第一条でここの部分が消えていった。しかし、通産省の御答弁のとおり第五章の二第六十八条の二でこれは本体そのまま残っている。第一条の「石炭の適正な供給の確保に資する措置を講ずること等」、この「等」の中に含まれていると解していいですか。
#226
○高橋(達)政府委員 「未開発炭田の急速かつ計画的な開発を促進する」という目的は削ったわけでございますが、そのかわりに入りました「石炭の適正な供給の確保に資する措置」、この表現の中に未開発炭田関係の目的が入っていると私どもは理解しております。
#227
○児玉委員 この部分はきょうも何回か議論のあったところですが、国内の貴重なエネルギー資源をこの後どうしていくか。将来の国民に対する我々の責任として継続、発展させるべきだ、このように考えるわけです。六十二年度予算においてこれがどうなっているのか、その点についてお伺いします。
#228
○高橋(達)政府委員 昭和五十七年度から実施してまいりました石炭資源開発基礎調査でございますが、六十二年度の予算額は十三億六千五百万円計上しております。
#229
○児玉委員 この基礎調査のさらに強化、発展を強く要望して、次の問題に入ります。
 石炭鉱山規模縮小交付金についてです。これもその内容がきょうの委員会の中でかなり明らかにされた、こう思います。そこで、国内の石炭生産の先行きに対する不安、それから非常に厳しい状況の中で炭価の切り下げが行われて、しかも原則として向こう五年間据え置きされる、そして全体として縮減していくということになるとそれぞれの炭鉱のスケールメリットが失われていく、さらには売上税の問題、こういう中である程度の規模以上でないとこの規模縮小交付金は交付できない、そしてそれを交付する場合閉山交付金の二分の一、こういう状況では一挙の閉山を促進する要因とならないか、この点についてはどうですか。
#230
○高橋(達)政府委員 規模縮小交付金につきましては、規模縮小に伴って解雇が予想されます失業者に対します賃金債務見合い額の二分の一を交付するというものでございますが、規模縮小についての一定の要件、先ほど来申し上げました五%及び百五十人以上という点については規模縮小の最小の単位というふうに御理解をいただきたいわけでございますが、さらにその二分の一という点につきましては、炭鉱が閉山交付金の場合と違いましてまだ存在するということでございますことに加えまして、閉山に比べますれば賃金債務の支払い額が小さいということを勘案いたしまして、本来企業の合理化努力というところにまつべきところを支援するという観点から二分の一ということにするということでございます。
 なお、企業の経営の観点につきましては、別途安定補給金の中に減産加算金を設けまして、この面で企業の減産に対する経営の補てんをするという考えでございます。
#231
○児玉委員 昨年来この委員会で何回も議論してきたことだし、通産省からの見解も述べられているのですが、ある炭鉱が閉山するかどうかというのはその企業が決めることだと何回も皆さん方はおっしゃってまいりました。そしてそういう中で、私たちはなだらか閉山であろうとそれは閉山に変わりがないからどうやって国内炭の確保、発展を図るか、これがずっと議論の対象になったことなんです。
 そこで、今の部長のお答えに重ねて聞きたいんですけれども、経営を続けるかどうかというのはその企業が決めることだ。そして、たとえ全面的な閉山でないということから債務が若干少ないとしても、もしその企業が閉山交付金二分の一、まあ前倒しの場合に二分の一ですね。そして、一挙に閉山するということになると、閉山交付金は一〇〇%支給されるという場合に、この二分の一というところが閉山を促進する要因とならないか、そうならないという保証はどこにあるのか、この点をお聞きしたいのです。
#232
○高橋(達)政府委員 この規模縮小交付金は、あくまでも退職金に対する補助でございまして、企業が自分の炭鉱を閉山するかあるいは規模を縮小するかということは、あくまでも第一義的には企業の利潤の確保の観点から決定されるべきものかと思っております。その炭鉱が今後とも収益上あるいは炭量の面あるいは保安の面から継続的にやっていけるというような要因が確保できれば、その炭鉱については企業としては経営を存続させましょうし、またそういう状況にないという企業については、これを閉山に持っていくということになろうかと思っております。いずれにいたしましても、この規模縮小交付金が二分の一しか退職金の補助を行わないということで、企業が規模縮小よりも閉山を選ぶということは私はないと考えております。
#233
○児玉委員 いや、そうならないことを私もぜひ希望しているんですが、しかし、危惧は改めて表明しておきたい、こう思います。
 次の問題ですが、昨年の十一月二十一日、本委員会で、北炭幌内、真谷地における退職金の未払い問題について私は労働省にお尋ねしました。そのとき労働省は、北炭両社に対してあらゆる努力を尽くし、速やかに支払うよう指導を続ける、こういう趣旨の御答弁をなさいました。それから何カ月か経過いたしましたが、その後どのようになっているかお答えいただきたいと思います。
#234
○松原説明員 北炭幌内、真谷地両炭鉱の退職金の未払いの問題でございますが、会社から報告をとったところ、本年の二月末日現在におきまして、北炭幌内炭鉱にかかわりますものが労働者数で八百五十八人分、約六十一億円でございます。それから真谷地にかかわります分が四百五十三人分、約二十四億円という状況になっております。
#235
○児玉委員 最近三カ月の未払い退職金の支払い状況はどうですか。
#236
○松原説明員 幌内にかかわります分が、昨年の十二月が約三千百二十五万円、それから一月が三百二十五万円、それから二月が三千六十六万円余でございます。
 それから、真谷地にかかわります分が、十二月が二千五百十万円、それから二月が六百万円、以上のようなことでございます。
#237
○児玉委員 繰り返すようで恐縮なんですが、未払い退職金をいまだ受け取っていない労働者の数については若干減っている山もありますが、未払い退職金の金額自身は、昨年十一月、私が承ったときよりもふえている。この点で労働省はどういう指導を北炭両社に対して行われたのか、その点を伺います。
#238
○松原説明員 御指摘のように、支払った額を上回る新規の退職金債務が発生いたしまして、結果としては総額がふえております。それから対象人員につきましては、幌内については変わりませんが、真谷地については四百五十三人と、若干減っております。
 それから、御指摘のように、昨年末以来両炭鉱に対しまして、現地監督署のみならず北海道労働基準局におきまして、局長みずから両社の社長を呼びまして指導をいたしておりますところでございます。
#239
○児玉委員 私、何回か現地に入りまして事情を伺い、それから該当者の御意見も聞いたのですが、この際労働省に私ひとつ強く要望したいことがあるのですけれども、それは、未払い退職金の金額と人数をそれぞれトータルでつかむというのは当然必要なことですが、この未払い退職金というのは本来労務債ですから、その労務債は個々の人格が所有しているわけですから、一人一人の対象者に対していつまでにどのように未払い退職金を支払っていくのか、こういう支払い計画をつくらせることが事態を解決する一歩になるんじゃないかと思うのです。その点の努力を求めたいのですが、いかがですか。
#240
○松原説明員 現在の両社の経営状況は非常に厳しい状況にございまして、個人別という以前に全体の額につきましての資金的なめどを立てる必要があるということで、従来から引き続き総額についての事態の改善を図るように指導を続けてまいりたいというふうに思っております。
#241
○児玉委員 それでは伺いますが、退職金というのは、例えばある人が二十五年働いてそして二千万円もらえる。その退職金は、その労働者がその後の生活設計をしていく場合に、文字どおり柱となるものですね。そうでしょう。そしてそれは、個々の労働者がそれまで働いていた企業に対して労務債として持っているわけなんです。支払いが困難かどうかというのはちょっとこの際さておいて、普通の企業だった場合に、三月二十日にやめたあるAという労働者が、その人の持っている二千万円の退職金、それはいつまで払われるかというのは、普通の企業の場合は本人に通知するものですよ。そして多くの場合、それは通知された日までに全額一度に払われる。ところが、二千万円のものが、ある年は十万円、そして全く予告なしに五カ月後にまた十万円、そうやって少しずつ来る。これではどうにもならないわけです。それで先ほど言いましたように、一人一人の労働者に対して未払い退職金が幾らかというのは本人はもちろん知っていますよ。そして会社もそれを知っているからトータルが出てくるのですが、一般的にあるとき払いというのでなく、これについてはいつまでに払うんだという一人一人の労働者に対する責任を明らかにさせるように指導を強めていく、当然のことではないかと思うのですが、どうですか。
#242
○松原説明員 個々の労働者の退職金債務が幾らあるのか、会社からはもちろん我々も報告を受けております。ただ、いかんせん個別の労働者に対する支払い計画を立てる資金的なめどが立たないということで、いずれにいたしましても早期に退職した者から順次支払う、こういうことで少しずつ支払いが続けられておるという状況でございます。
#243
○児玉委員 今私の要望したことについては労働省でこの後検討してほしいということを述べた上で、当然払わなければいけない退職金をいまだに払っていない、しかもこれが指摘されてから既に何年も経過している、こういう状況のもとで労働省としてはこの後どのような思い切った指導、思い切った措置をとるのか、その点を伺います。
#244
○松原説明員 現段階におきましては、いずれにいたしましてもいかにして退職労働者に退職金を支払わせるかということが肝要かと思いますので、そういう観点から今後とも指導を続けてまいりたい、こう思っております。
#245
○児玉委員 この点で通産省にお伺いしたいのですが、閉山交付金の退職金限度額が今度六百万円になった。私は、この金額は必ずしも実態に合っていない、そう思うわけですが、退職金未払いの過去の退職者はこの部分の支払いの対象に当然なると思うのですが、いかがですか。
#246
○高橋(達)政府委員 閉山交付金の対象になります賃金債務は、閉山時に解雇された労働者に対する退職金その他の賃金債務でございます。
#247
○児玉委員 今の点、もう一回お尋ねをします。
#248
○高橋(達)政府委員 ただいま答弁申し上げましたのは算定の根拠でございます。支払いは未払い労務債全体に案分して払われるということでございます。
#249
○児玉委員 そこで私は、通産省に指摘をしたいのですが、確かに金額の積算は在職従業員数による、しかし支払いは、退職金はいまだ受け取っていない過去の退職者も含めてなされる。そうなりますと、閉山はあってはならないことです、本当にあってはならないことです。しかし仮に、A炭鉱にあっては退職金はすべて支払われていて未払い者はいない、B炭鉱は何人かの未払い者、C炭鉱は相当数の未払い者を抱えている。その場合に、この閉山交付金を原資とする退職金を受け取る際に明らかな不均衡が現実に生まれる可能性がある。その企業が退職金を払ったかどうかというのはその炭鉱の労働者の責めには属しませんから、この点で明らかに矛盾ではないかと思うのですが、いかがですか。
#250
○高橋(達)政府委員 退職金を支払う義務につきましては、本来会社側と雇用者の間の契約に基づいて行われるものでございまして、会社と個々の従業者との問題になるわけでございますので、私どもの閉山交付金制度はそういった会社の退職金を閉山時にいわば肩がわりをしてそれを助成する格好で支払おうということでございますので、個々の企業にどういう状況が起こるかということについては必ずしも整合をとった制度にはなってないと思います。
#251
○児玉委員 確かに制度はそうなっているでしょう。しかし、私が言うのは、現実に一定数の退職金未払い者を抱えているある炭鉱と、そうでない炭鉱、そういう中でこの後の生活をどうするかという場合に、明らかに不均衡が生ずる、そういうことは現実に予想される。これは検討課題じゃないですか。どうですか。
#252
○高橋(達)政府委員 現在の合理化法に基づきます閉山交付金制度あるいは現在法案をお願いしております新しい合理化法におきましても、私どもの考え方といたしましては、企業と個々の従業者で行われる退職金につきまして閉山時におきましてこれを円滑に、かつ従業者の側に不利のないような形で助成をしていこうという制度でございますので、企業、企業に着目した閉山制度でありますので、そのような会社間の比較ということになると企業の体質の問題ということが出てくるわけでございまして、企業の体質によりまして強い体質、弱い体質の企業間におきましてそごが生ずるのはやむを得ないことかと思います。
#253
○児玉委員 第八次石炭政策についてはさまざまに議論したところですから、その中でこういう部分がありますね。「閉山に伴い一時的に集中する退職金の支払いに対応しきれず、社会問題を惹起するおそれがあるが、政府はこうした事態を極力回避するため、所要の支援を行うことが必要であり、」云々という箇所がございます。今論議している点は、文字どおり社会問題を惹起する現実のおそれじゃないですか。制度そのものの仕組みは部長のおっしゃるとおりでしょう。しかし、労働者の責めに属さない要因でこういう社会問題が惹起される、その点について適切な手を打つべきではないかと思うのですが、どうですか。
#254
○高橋(達)政府委員 御指摘のように、企業によりまして未払い退職金が残っているという状態は極めて遺憾でございまして、そういう状態を解消するように企業を労働省とともに私どもとしても指導していくという従来からの方針は変わりないわけでございます。ただ、閉山交付金における賃金債務見合いの一部を肩がわりするという制度につきましては、あくまでもその企業の債務として負っている賃金債務に対してこれを肩がわるという制度でございますので、それ以外の部分につきましてはやはり企業のサイドでこれを処理していただくということにならざるを得ないと思います。
#255
○児玉委員 制度がどのようなものかというのは既に明らかになりました。そして部長のおっしゃる肩がわり、その金額を積算するときの積算は、その段階で存在している従業員数によるということもこれは既に明らかです。しかし、先ほどの審議の中で既に明白になっているように、金額の積算は在職従業員数による、そして支払いは、退職金を受け取っていない過去の退職者も含めて対象となるという点は明白なわけですから、ここで生まれる制度そのものの、もしかしたら予想しなかったかもしれない事態について、やはりここは、私は直ちに閉山が起きてほしくないし、これは先々の問題としてこの後も論議をしていきたい、こう考えているわけなんですが、そういう積算と支払い対象の間に、炭鉱によって大きな差異が生まれてくる、この点はお認めですね。その点、聞きましょう。
#256
○高橋(達)政府委員 まさしく会社によって差異が生じてくるものと思っています。賃金債務の算定上、その閉山時における解雇された者を対象に行うわけでございますが、いわばその会社の中の問題として、その配分については運用を考えているわけでございまして、別の会社に対しての問題と、当該会社における算定の基準と支払いの案分のぐあいの問題とは、この際切り離して考えていただきたいと思うわけでございます。
#257
○児玉委員 会社によって差異があるということは当然お認めになったわけだし、そしてその会社が当然の社会的責務である未払い退職金を、どのように労働者が督促してもなかなかこれを払わないということも明白になっているので、この点は通産省と労働省でぜひタイアップしていただいて、社会的混乱が惹起されないように御努力をいただきたい、そう思うのです。その点で大臣のお答えをいただきたいと思います。
#258
○田村国務大臣 重要で必要な問題につきましては、常にタイアップをしてまいります。
#259
○児玉委員 じゃ、次の問題に入ります。
 第八次政策に基づく石炭の合理化、それがどのように雇用失業問題を生み出すか、既に多くの議論がありました。三菱高島炭鉱についても、事態は既に明らかになっておりますが、私は高島炭鉱についてこの点だけお聞きをしたいのです。
 高島町の現地で、三菱という企業が全国ででなくて、閉山が生まれている高島町の現地においてどのような雇用創出の努力を今行われているか、そしてその雇用対象数はどのくらいかという点です。
#260
○高橋(達)政府委員 高島炭鉱につきましては、昨年の十一月に閉山という事態になったわけでございますが、私どもも三菱グループに対しまして諸々の要請を行い、何とか企業進出による雇用創出を図ってもらうべく、企業側にも努力をしていただいてきたところでございますが、これまでのところ、当面百名程度の雇用創出効果を生み出すような努力をされておるところでございます。
 一つは企業進出ということで、コンクリート二次製品の製造販売会社の設立、ヒラメの養殖販売会社の設立というような企業の進出、それから高島炭鉱に残っております発電所の運転を継続するということで、ある程度の規模の雇用が確保できるわけで、ございます。
 そのほか、炭柱の廃棟工事がこれからかなりの期間にわたって行われるわけでございますが、これでやはり数十名程度の雇用が確保されるということでございまして、今後につきましては三菱グループで昨年の十二月に現地視察を行いまして、企業進出の可能性等について検討しております。二月の中旬に報告会をいたしまして、まだ具体的な結果は出ておりませんけれども、当省としてもこれに参加をいたしまして、さらなる要請を続けていきたいというふうに思っております。
 その中から一つ、技術開発法人を設立する構想がございまして、新養殖システムを中心にした技術開発の法人をつくって、そこに雇用の場を求めていこうという動きもあるわけでございます。
#261
○児玉委員 閉山に伴う問題で、地域社会が崩壊に直面するという問題が非常に重要なことで、この論議の一つの焦点は、先ほど田村通産大臣、夕張のブランデーのことについてお話しになった。あれは夕張でつくられているから意味があるので、東京でつくられたのでは余り意味がないのです。
 それで、今の通産省のお答えに関連して、ちょっと私の調べたところを言いますと、お話しのヒラメの養殖、これは雇用規模はせいぜい数名である、セメントの二次製品のテトラポッド、これは十名程度、それから新しく申請されているシーテックス、これは四名ないし五名、発電所について言えば三十五名、これでは地域経済の崩壊を救っていくという点で規模が小さ過ぎますね。この点でのさらに引き続く努力を強く要望して、時間も余りありませんから、最後の問題に入ります。
 通産省が三月十一日に「臨時円高対策本部における検討結果について」というのを御発表になりました。早速拝見させていただいたんですが、大変興味深い、そしてある部分については非常に率直に今日の事態を指摘されているものだ、このように私は拝見いたしました。
 このリポートの中で、「日本全体としてみれば、労働需給の深刻化、」「地域経済の疲弊、製造業部門への加重な調整負担に伴う産業構造のゆがみ等が懸念される。」そういうふうに述べられて、そして石炭について言えば、そこが最も深刻な舞台であるという指摘がここにはなされております。そして昭和六十五年まで円高がこのまま推移すれば、失業率四%台、二百五十万人の完全失業者が生まれる。
 昨年の十二月十日、この委員会で平井労働大臣に御質問させていただいたわけですが、そのとき平井労働大臣は、今の産業構造全体が生み出している巨大な失業者群にどのように対処していくか、「どうしても雇用問題に対してはある角度から見れば受け身にならざるを得ない。」こう述べられている。そして「これはもはや労働省の従来の枠組みだけでは解消できないだけの見通しを持たなくちゃいかぬのじゃないかというのが私自身の考えでございまして、ずばり申し上げれば、基本的には、思い切ってどこまで内需の拡大ができるだろうか」こういうふうにお答えがありました。通産省の今回のリポートの中でも、最後に、この後どう現状を打開していくかという中で「U内需型投資と消費の拡大」という点が明記されております。
 そこで私は、両大臣にお伺いしたいのですが、この第八次石炭政策の遂行、そして去年の四月の前川リポートに端を発するいわゆる産業構造の転換、これらはまた出発してからそう長い期間がたっておりません。政府の本部が組織されたのも夏ですから、今は三月です、緒についたばかり。そういう中で非常に厳しい状況を生み出している。なかんずく石炭を突破口にして鉄鋼、造船に及んでいる現在の状況。私、昨年末以来、因島の造船所、福山の製鉄所、そして呉、横浜の製鉄所などを見てきたんですが、そこで生まれている事態というのは、昨年労働大臣がおっしゃった、ずばり言って思い切った内需拡大、そして通産省のリポートで言っている内需と消費の拡大、そこと逆行する方向ではないのか。この点について両大臣のお考えを伺いたい。
#262
○田村国務大臣 去る一月十九日に円が百五十円を突破して、一時的ではございましたけれども百四十九円九十何銭になりました。それで、通産省で事務次官を本部長とする臨時円高対策本部を設けました。私は事務次官以下に、赤裸々に思い切ったリポートをまとめてみろ、格好をつけないで率直にまとめてみたらどうか、こう言って指示をしたわけです。また私自身もその会合に出たこともありますし、特におもしろいもので、各局の総務課長を集めまして、何でもいいから好きなこと空言えと言いましたら、それは若いだけあって、しかもその局の一番の物知りですから、随分思い切ったこと空言いました。そういういろいろな議論を踏まえまして、そして三月十一日に御指摘のとおりその結果を取りまとめたわけでございます。
 いろいろとございますが、要するに問題は、為替レートをある程度適正なところへ持っていかなければならぬ、これは当然のことでございます。今製造業者のほとんどといいますか、全部と言ってもいいと思いますが、今の為替レートであえいでおります。本当に苦しんでおります。でございますから、この為替レートを適正な規模に持ち込むにはどうするか。それはレーガン大統領が一般教書でも申しましたように、もう一回経済に強いアメリカを取り戻さなければならぬという自己批判もあったようですが、とにかくG5、G7で合意されたごとく、各国の協調介入とそれから従来なかった申し合わせ、合意、つまり政策協調をやろうということになって、アメリカはもっと真剣に経済に強いアメリカにしよう、そのための構造調整、構造改善をしよう。日本や西ドイツは思い切った内需の拡大をやり、また日本、西ドイツなりの経済構造調整を進めよう、あるいは輸入を増進せしめよう。いろいろなことを決めたわけでありますが、まさにそれは我々が考えたことと同じでありまして、いろいろと各方面の意見もお聞きをして、そして例えば、この際思い切った内需の拡大策をやらなければならぬ。いろいろな意見はありますけれども、少なくともGNPの一%程度の枠組みで、中には一・五%といった向きもありますけれども、総合経済対策を講じた方がいいのではないか。取りまとめの方向としては一%程度の内需拡大策は当然必要なのではなかろうかということも御提言申し上げたわけでございます。
 その他いろいろあるのですが、時間の関係ではしょって申しますと、そのときのリポートの中に、このまま放置をすれば六十五年ごろには四%台の失業率になるのではなかろうかという一項を入れたわけであります。率直に言って非常に微妙な問題でありますから、四%台という数字を出していいのだろうか。事務当局も若干迷ったようでありますが、私は、率直に世間に対し特に政府全体に対し警鐘を乱打することはいいことだろう、構わぬから出しなさい、こう言って実は、放っておけば四%台になるおそれがあるということを出したわけでございます。
 詳しい積算をどういうふうにしたかということは事務方に聞いていただかなければなりませんが、そういうことでございまして、あえて私が申し上げたことは、特に楽観的にも悲観的にも偏らないで赤裸々にお出しをしたということでございます。
#263
○平井国務大臣 ただいまの御指摘の中で内需拡大、これは私、機会あるごとに雇用問題について内需の拡大を申し上げておるわけでございますが、御案内のようにこれは何も本年になって出たことではございませんで、昨年も一昨年も出ておりました。
 ただ、内容的に考えてみますと、雇用対策の基本的なベースとしてはやはり思い切った内需の拡大、国内景気の浮揚ということがございませんと、労働省の雇用対策というのはある程度の失業の予防であり、なおかつ訓練、助成等でありまして、雇用そのものでは決してございませんので、そこらあたりで総合政策が必要である。その中で不可欠なものが、言葉で申したら簡単でございますが、どうしても内需拡大ということになってまいります。
 そうしますと、さらに内需拡大の中身は何だということになりますと、いろいろ御議論のあるところでございましょうが、やはり何とか需要をふやしていかなければならぬ、もはや今日抽象論議では相済みませんので、基本的には思い切った社会資本の投資ということで、何らかの形で大型の公共事業を中心にして支えていくのが現実的な政策でなかろうかと考えております。
 そういうふうな観点から見ますると、何と申しましても現在の本予算を通していただいて、そうしてしかる後に思い切った法制なり何なり、これは国内だけではございませんで、日本の内需喚起というのは国際的にもまた国内的にももう避けて通れないような状態ではなかろうか。こういう判断で申し上げたわけでございまして、ひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。
#264
○田村国務大臣 私、ちょっと大まかに申し過ぎたと思いますので……。
 この「当面の経済対策」の中に、「六十二年度予算及び予算関連法律案の早期成立を期し、公共事業等の可能な限りの前倒し執行、不況地域への重点配分はもとより、民間投資や消費を活発化させるための各種のインセンティヴの付与等を内容とした総合経済対策を策定し、」ということでございますが、我々実を申しますと、あの時点でまさか五十日の暫定予算ということは考えもしなかったのです。五十日の暫定予算というのは、私は先月で勤続三十二年になりますが、生まれて初めてのことなんです。それは考えもしなかった。そこで我々の目算は大きく狂いそうでございますので、何とか早く予算案を成立せしめていただきたい、これも申し上げておきませんと、今申し上げたことを抜いての原稿にされますと困りますので、どうぞ原稿の中にこれもお書き入れを願いたいと思います。
#265
○児玉委員 時間ですが、重要な発言ですから……。
 中曽根さんが産業構造の転換を始めるとき、エベレストを登るより高い山だと言ったことがありますが、登る前に今雇用失業問題の状況は非常に厳しくなっている。ですからこの際、今お二人がおっしゃったことでなく、失業をなくしていく方向、その方向でどうやって進めるか、その点での強い努力を期待して、私の質問を終わります。
#266
○竹内委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#267
○竹内委員長 まず、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。古賀誠君。
#268
○古賀(誠)委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行います。
 御承知のとおり、国際的なエネルギー需給の緩和、大幅な内外炭の価格差の拡大、需要業界の動向、石炭鉱業に対する前川レポートの指摘等々、最近の石炭鉱業をめぐる環境は非常に厳しいものがあります。
 一方、石炭企業の経営状況は、本年度の大手五社の経常損益で百四十億円に及ぶ赤字であり、また内外炭の価格差の拡大等により需要は減少しつつあり、本年度末には貯炭が約三百九十万トンに達する見込みで、これが各社の経営をさらに苦しいものとしております。
 こうした実情の中で、昨年十一月、石炭鉱業審議会から第八次石炭政策に関する答申が提出されました。その基本的な考え方は、従来の石炭政策の考え方を大きく転換し、全体の供給規模を一千万トン程度にまで縮小するものとなっております。
 私どもは、石炭政策について、エネルギー政策の基本的視点、雇用失業情勢、産炭地域の実情等を考慮し、第八次政策においても現存炭鉱の維持、存続が可能となることが望ましいと考えておりましたが、石炭鉱業を取り巻く情勢はまことに厳しく、石炭鉱業審議会の場において各般の調整を重ね、辛酸のあげくようやく取りまとめられた今回の答申は、まさにやむを得ないものでありまして、その御苦労に敬意を表する次第であります。
 この第八次政策を実施するに当たり、法改正の主な内容になっているのは、貯炭管理会社の設立、規模縮小交付金制度の創設及び特別会計の借入金規定の追加でありまして、この措置により生産規模を段階的に縮小することを円滑に行うことが可能になると思われます。
 このほか、法律事項では。ありませんが、安定補給金の減産加算、閉山交付金の退職金限度額の引き上げ、保安確保事業費補助率の引き上げ等、助成策の強化が図られており、さらに付言すれば、労働省所轄の就職援護措置においても、移転して再就職する者に対する住宅費の新設等の改善措置が講じられております。こうした措置は、私どもを初め石炭関係者が強く要望していたところであり、この実現は高く評価できるところであります。
 しかし、今後とも我が国石炭鉱業の歩む道は大変険しいものがあります。石炭企業の努力は当然でありますが、政府もさらに適時適切な支援措置を講ずることが必要であります。特に、生産体制の縮小に伴う雇用の確保、産炭地域振興の問題につきましては、今後さらに厳しい事態も予測され、既存の諸対策だけではなく新たな視点をも加え、さらに強力な施策を講じていく必要が生ずるのではないかと思います。今後とも弾力的、機動的に事態に対応するよう政府に強く要請いたしまして、賛成の討論を終わります。
#269
○竹内委員長 次に、中沢健次君。
#270
○中沢委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、ただいま議題になりました石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 まず、本案は四つの改正案を一括したものでありますが、我が党は、この中で石炭鉱業合理化臨時措置法の一部改正案にのみ反対、他の三法案については賛成するものでございます。
 以下、反対の理由を簡単に申し上げます。
 第一は、我が国の国家的、民族的資源である石炭を、経済合理性を優先させ、大幅な縮小、撤退の路線を明確にしており、特に原料炭は六十六年度ゼロにするというものであって、原料炭の我が国における石炭政策の放棄以外の何物でもないからであります。我が党は、貴重な国内のエネルギー資源として国内炭を温存し、現有炭鉱を存続すべきであると考えているところでございます。
 第二は、雪崩閉山の危険性が極めて強いからであります。六十六年度一般炭で九百七十万トン体制を目標になだらかな縮小を目指すとしていますが、その過程が明確にされず、勢い閉山の集中化を招くおそれが強く、結果的に雪崩閉山になりかねません。
 第三は、雪崩閉山の歯どめとして打ち出されました貯炭管理会社構想あるいは生産の縮小に伴う諸対策も、その運用によっては目的とする政策効果が十分に上がらないおそれが強いのでございます。
 第四は、産炭地の振興策について、特に産炭地域の再開発につきましては、残念ながら具体性を欠き、今後に多くの課題を残しておりまして、産炭地の将来に不安を与えていること。
 そして第五は、閉山縮小に伴う大量の炭鉱離職者の雇用創出やその対策が合理化法案の中で本格的な位置づけがされず、その抜本的な解決策とはなり得ないこと。
 最後の第六は、法律の根幹であるその目的から「未開発炭田の急速かつ計画的な開発を促進する」が全文削除され、「石炭の適正な供給の確保」という抽象的な文章に変わっておりますが、これは国内炭保護開発の思想と長期的な展望を放棄するものと言わざるを得ません。
 以上、我が党が合理化法案について反対せざるを得ない主要点についてその理由を申し上げまして、反対討論を終わります。
#271
○竹内委員長 次に、藤原房雄君。
#272
○藤原(房)委員 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となっております石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案につきまして、賛成の討論を行います。
 石炭は、国産エネルギーの皆無に等しい我が国にとって重要な国産エネルギーであります。その縮小は、エネルギー安全保障にもかかわる問題であります。その上、再就職の困難な石炭鉱業労働者が生活や雇用の不安定にさらされ、また、石炭産業にのみ依存している産炭地域の荒廃を招くなど、多くの問題をはらんでおります。
 一方、国内炭の炭価は、海外炭の三倍と競争力を失っており、将来を考えてみてもそのコストダウンの見込みは期待できず、その縮小などはやむを得ないものと思われます。
 その際、我が党としては次のような項目を要望してまいりました。
 一、国内炭を全廃しないこと。エネルギー安全保障並びに採炭技術の温存などを配慮し、適正規模の維持を図ること。
 二、安全を優先する石炭政策の確立。保安設備の近代化と充実、さらには安全技術の研究を充実するなど、安全を優先する石炭政策を確立すること。
 三、石炭鉱業安定対策の充実。基準炭価制度、国内炭優先引き取り制度の維持、生産・経営面の政府助成を拡充すること。
 四、過剰在庫対策の確立。政府は、石炭業界の自己努力では解消し得ない需給ギャップを調整するため、過剰在庫対策を講ずること。
 五、産炭地域の振興及び離職者対策の拡充。産炭地域の振興及び離職者対策のための有効な施策を講ずること。
 六、財源の確保。以上の諸施策を推進するための財源を確保すること。
 以上の見地から今回の改正案はおおむね評価できるものと考えるとともに、今後の政府の一層の努力を強く要望いたしまして、私の賛成討論を終わります。
#273
○竹内委員長 次に、青山丘君。
#274
○青山委員 私は、民社党・民主連合を代表して、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行います。
 御承知のように我が国石炭は、戦後の復興期には重要な基礎素材として、また、二度にわたる石油危機の際にはエネルギー源の多様化に貢献する貴重な国内エネルギー資源として重要な役割を果たしてまいりました。現在においても年間一千八百万トンを供給し、我が国の一次エネルギー供給にとって最も安定した供給源として貢献しております。
 しかし、現在、我が国石炭鉱業を取り巻く環境は大変厳しく昨年十一月には三菱高島炭鉱が閉山に追い込まれ、最近においても円高の影響により内外炭の価格差が拡大し、これに伴い需要が減少し、貯炭量が急増し、年度末には通常貯炭量の約三倍強の三百九十万トンになろうとしており、これが石炭各社の経営をより一層圧迫しております。
 こうした情勢を背景に、昨年十一月、石炭鉱業審議会から我が国石炭鉱業にとって大変厳しい内容の第八次石炭政策に関する答申が提出されました。
 第八次石炭政策について、我が党は、中長期的な観点から石炭鉱業の自立達成のための対策を講じつつ、一定規模の国内炭の存続を図るべきであると考え政府にも申し入れておりましたが、今回の答申の内容は、策定されるまでの国際的な環境を含めた経緯等を考慮すればまことにやむを得ないものと考えざるを得ません。
 今回提出された石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案の改正内容を見ますと、第八次石炭対策の期間に対応して関係法律の廃止期限を延長し、また、需給ギャップを調整するための貯炭管理制度及び規模縮小交付金制度を創設するとともに、石炭対策関係費の増加に対処するための借入金規定の追加等の措置を講じており、さらに、安定補給金、閉山交付金等その他の助成措置についても改善策が講じられております。これらの措置は、私どももかねて要望していたところでもあり、時宜にかなったものであると思っております。
 しかし、これらの措置を講じても今後第八次石炭対策の期間中において、毎年、一ないし二炭鉱が閉山していかざるを得ない状況が予測されます。政府において、地域の経済、雇用に及ぼす影響を極力回避する措置を講ずることは当然でありますが、不幸な事態が生じた場合には関係各省庁、地方自治体等と連携を密にして、広域的、総合的な観点からの雇用対策、地域対策を策定し雇用機会の確保を図るとともに、地域住民の生活の安定を守るため万全を期するよう強く要望いたしまして、賛成討論といたします。
#275
○竹内委員長 次に、児玉健次君。
#276
○児玉委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、石炭合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
 現在、日本の石炭政策に求められているのは、困難に直面している石炭産業への緊急助成の実施、石炭割り当て制度の拡充強化、保安体制の確立など国内石炭産業復興に向けて抜本策を講ずることであります。
 昨年十一月に発表された第八次石炭政策は、国内炭の生産量を五年間でおおむね半減させるというものです。これは、中曽根首相がレーガン米大統領に前川リポートで実行を約束した石炭産業の大幅縮減をそのまま実行に移したものであり、断じて認められません。エネルギーの自給率が異常に低下している現状のもとで、貴重な民族的資源である石炭を放棄する道を認めるわけにはまいりません。国民経済への石炭の安定供給を確保するという立場から見て、国内資源の保護、振興を図ることこそ国の責務であります。
 第八次石炭政策は、現存する数少ない炭鉱を閉山に追い込み、多数の炭鉱離職者をつくり出し、地域経済に深刻な打撃を与えるものであります。競争力のない産業をすべて切り捨てるという経済構造調整が強行されるなら、失業、倒産が激増するなど国民の営業と生活に取り返しのつかない事態をもたらすことになります。本改正案は経済構造調整の試金石としての第八次石炭政策の具体化であり、産業の空洞化、大企業栄えて民滅ぶという危険な道への突破口となるものです。
 我が党は、保安、労働条件を確保しつつ国内炭の最大の活用と増産を図るため、石炭政策の抜本的な転換をこそ強く要求するものです。
 以上の点を指摘し、本法案への反対討論を終わります。
#277
○竹内委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#278
○竹内委員長 これより採決に入ります。
 石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#279
○竹内委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#280
○竹内委員長 この際、本案に対し、愛野興一郎君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。中西績介君。
#281
○中西(績)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、特に次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 貯炭管理会社の迅速な発足を図り、その業務運営を適切かつ機動的に行い集中閉山を回避するとともに、この観点から需要の適切な確保に努めること。
 一 石炭の長期的・安定的な需要を確保するため、利用技術の研究開発を引き続き強力に促進すること。
 一 保安確保対策のより一層の充実強化を図ること。また、石炭鉱山の規模縮小による資本費等の増嵩が経営基盤の過重な負担とならないよう配慮すること。
 一 石炭鉱業における生産体制の段階的縮小による地域経済社会への影響を極力緩和するため、雇用機会の確保、地方自治体の財政対策、産炭地域振興対策等地域活性化対策に万全の措置を講ずること。なお、高校生の転入学の円滑化を図ること。
以上であります。
 附帯決議案の内容につきましては、審議の経過及び案文によって御理解いただけると存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#282
○竹内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 愛野興一郎君外四名提出の動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#283
○竹内委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、本附帯決議に対し、通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。田村通商産業大臣。
#284
○田村国務大臣 ただいまの御決議の趣旨を体しまして、今後とも石炭政策に全力を尽くしてまいる所存でございます。
    ―――――――――――――
#285
○竹内委員長 次に、炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#286
○竹内委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#287
○竹内委員長 この際、本案に対し、愛野興一郎君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。中西績介君。
#288
○中西(績)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、特に、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 石炭鉱山における生産体制の段階的縮小に伴い、離職を余儀なくされる労働者の増加が予測される実情にかんがみ、雇用機会の確保、再就職のあっせん等の対策を強化するとともに、就職促進手当、職業訓練等援護措置の拡充について検討すること。
 一 閉山時における社会的摩擦を避けるため、既往債を含めた労務債の確保を図るよう適切な指導をすること。
 一 三菱高島炭鉱の閉山に伴う炭鉱離職者の就職援護対策を強力に推進すること。
以上であります。
 附帯決議案の内容につきましては、審議の経過及び案文によって御理解いただけると存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#289
○竹内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 愛野興一郎君外四名提出の動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#290
○竹内委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、本附帯決議に対し、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。平井労働大臣。
#291
○平井国務大臣 ただいま決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力してまいる所存であります。
    ―――――――――――――
#292
○竹内委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#293
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#294
○竹内委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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