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1947/10/08 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 決算・労働連合委員会 第7号
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1947/10/08 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 決算・労働連合委員会 第7号

#1
第001回国会 決算・労働連合委員会 第7号
  付託事件
○國家公務員法案(内閣送付)
○國家公務員法の規定が適用せられる
 までの官吏の任免寺に關する法律案
 (内閣送付)
――――――――――――――――
昭和二十二年十月八日(水曜日)
   午後一時三十九分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○國家公務員法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(下條康麿君) それでは只今から決算、勞働連合委員會を開會いたします。
 今日からの豫定を、ちよつと自分だけ考えた豫定を申上げて、御意見を承わりたいと思います。今日會議をいたしまして、更に明後日又午後に續けまして、大體その二同で質疑を終ることができたらどうかと思います。それからまだはつきり決まりませんが、土曜日には内閣側と一度懇談をして見たらどうかと思つておりますが、今齋藤さんにお願いしております。いろいろな忌憚ない打合せをしておいて、そうして各派の御意見をお求め頂いて、月曜日ぐらいには何とかこれに對する對策を決めなければならんと思います。實は十五日までに案を仕上げることにいたしておりますので、さようなお含みでお進め願えれば誠に幸いと存じますが、今日は國家公務員法の大體章別ぐらいにいたしまして、關係官の方から説明を伺いまして、そうして例えばその中にあります人事院規則等につきましては、内容をお話し頂くことにいたしまして、その都度質問をお願いいたしまして先へ進みたいと思います。
#3
○政府委員(井手成三君) 章別の説明をするようにという仰せでございますが、最初齋藤國務大臣のお話の後に佐藤法制局長官からやや詳しくこの御説明をいたしておりますので、非常に重複になることを恐れております。佐藤さんが言わなかつたようなことで何か全體について申上げなければならんようなことを特に拾つて説明さして頂きたいと思います。
 第一章は總則でございますが、この見出しに書いてございまする如く、この法律の目的を第一條に書いてございます。これは書いてある通りでございまして、非常に能率を尊重する。それから民主的な人事を行う。そうして結論として國民に對して眞の公僕として民主的で且能率的な公務の運營を圖られることが目的である。從前の官吏制度の封建的なところとか、非能率的なところ、非科學的なところを打破いたしまして、新しい憲法の要請しておるような公務員制度を目的としておるのであるということを書いてあるわけでございます。この問題が、何處かに全部現われておるかと申しますと、あちらこちらに、例えば今度一級、二級、三級というような身分的な感じを與えることを止めてしまつて、或いは學歴というようなものを尊重しておつたような仕方を止めておるというようないろいろのところに現われております。又能率發揮というような部分もあちらこちらに現われておりますが、具體的な法文に現われていないにいたしましても、その法文は抽象的なことが書いてあつても、その運營の根本はこの第一條のような考え方で動いて行くべきであるということをその條文ががつちりと止めを刺しておるだろうと思います。
 第二條は国家公務員の職で、この法を直接その儘適用して行くものと、それ以外のものとに分類しております。これは佐藤さんが言つたと思いますが、いわゆるこれは大きな意味の國家公務員法の中で、國會議員はこれは初めから外のものとして出しまして、そのあと普通の公務員ではあるけれども、一般的なこの規定で律するもの、それからそれぞれ獨自の立場で特別の立法でやつて行くべきものという工合に分けて、特定のものを特別職としてここに列擧してあるような次第であります。
 それから人事院規則の部分は御質問を承わらないでこちらから申上げさして頂きます。第二條の第三項の十二號に「法律又は人事院規則で指定するもの」いう工合に書いてございます。これは第一に現業廳の職員、これは勞働關係調整法の八條及び第三十八條の適用について、一つの行政實例のようなものを作つておりますが、それと關連して指定をしたいと考えております。
 それから尚「公園その他これらに準ずるもの」、例えば特別調達廳のような、公團と殆ど同じような組織でありますが、名前は公團と書いておりません。そういうようなものにつきまして、これと同じように扱うかというようなことを指定することになるだろうと思います。
 それから十三號に「法律又は人事院規則で指定するもの」とございますが、「顧問、参與、委員その他これらに準ずる」というような名稱で、特殊の事務を擔當しておる、どんな言葉が將來出ますか、参議とか、調査員というような言葉が出ると思います。それから特定事務及び常勤でないような囑託、即ち一身を擧げて本當の官吏と同じように務めておる囑託のような者は一般職といたしますが、一月に一遍出て來るような特定の事務だけの調査を頼まれておるいわゆる非常勤の囑託のような者をこれで指定したいと思います。それから三番目には行政調査部に民間から來ておられる部員のような者も、この十三號で指定したいと考えております。
 それから十五號でございますが、皇后宮大夫、皇太后宮大夫、こういう方はこれによつて指定をしたいと思つております。一應この條文にあります人事院規則が指定するのは、そういう問題であろうと思います。
#4
○委員長(下條康麿君) 第一章につてお尋ねを願いたいと思います。
#5
○山下義信君 特別職に法制局長官をお加えになりましたる理由、これは政治性もなく、一般職でいいのじやないかと思われるのでありますが、次に第七號で各省次官の程度に止めて置く理由、これは少くとも局長或いは課長級まで擴大してはどうかという意見もございますので、御所見を承つて置きたいと思ます。
 それから第十七號の中に檢察官がないのでありますが、檢察官が省かれてあります理由、以上であります。
#6
○政府委員(井手成三君) 先ず特別職に擧げました大きな一つのグループは、從前の政務官でございます。ここで七號の各省次官を除きまして、八號までは大體從前の政務官、そうして秘書官之もさようでございます。今囘の國家公務員法の建方としまして、どれを落しどれを入れるかというのできつちりとした筋はないのでありますが、大體どちらかに引きつけるべきか、一應一般職として置いて、後の方にございますが、附則の十三條にございますが、一般職に取入れて置いて、特例を作つて行くというやり方もございます。それから特別職にして置きましても、特別職の立法でも、全然國家公務員法から外すのではなくして、國家公務員法の相當部分を準用して行くというようなこともあろうと思いまして、その色合はまちまちになろうと思います。その第一の政務官のグループは、一應現在の政務官として考えられておるようなものを全部拾いましたので、官房次長は現在の制度では政務官、即ち國會議員の兼職を認めておりません。併しこれはそういうような仕事を果す部分を非常に持つておりますので入れたのであります。法制局長官は現在國會議員の兼職を認めております。すべての資格において、いろいろな點におきまして現行制度が官房長官と同じになつておりますので、これを取敢ず踏襲いたしました。併し法制局の問題につきましては、尚現在ともかくすべての行政機構は勞働省のような先日できましたものは別といたしまして、從前の勅令でできております行政機構は、來年の五月二日までしか効力を持たないことになつておりまして、行政機構の根本的改變を豫想いたしておりますから、そのときに十分なる檢討をしたい。それまでは從前の政務官は一應從前の通り特別扱をして行きたいと考えた次第であります。
 次に各省次官でありますが、いわゆる事務次官を特別職にすること自體につきまして相當研究を盡した次第であります。御承知のように今度の公務員法の適用になりまする職は、すべて嚴重なる資格を要求いたしております。從つて何といいますか、いわゆる内閣の政策を滲透させるという意味において、次官までも一般職にしてしまいまして、きちつとした資格でなければ探れないというようなことになりますと、いわゆる政府から事務への橋渡しがまずいという意味において、次官をこのようにいたしました。併し自由任用の範囲を、これは特別職になりまして、果して全部資格を外しますか、どういう程度になりますか、まだ決まつておりませんが、いわゆる自由任用にすべておるという事になつて來ると、各省次官のところよりもつと下のところへ持つて來るということは、むしろこの法の考えておる、しばしば誰か説明して誤弊があつたようでありまするが、如何なる内閣においても最も忠實に命ぜられたままのものをやつて行こうというのには、次官で區切つて、下は資格できちつと決めて行つた方がいいということに、これはどの邊がいいかということになりまして、先ず次官というところで止めたのであります。
 それから檢察官の問題であります。これは一應大きな分類からは行政官と考えられておるわけであります。但し、司法事務に關係がある官吏でありまして、憲法には檢察官に關する事項が司法の章に多小顔を出しております。そんな關係でこれをどちらにするということは、十分議論のあるところと思いますが、私どもは檢察官につきましては、一應一般職に入れて、そうして特例を十三條でやつて行こう。そうしてその特例は可なり大きなもので、特別職に非常に近ずいたような結果のものになるだろうと考えております。
#7
○山下義信君 落して置きましたのでございまするが、九號の「建設院の長及び終戰連絡中央事務局の長」、こうあります。これは特別な頭脳、特別の能力を要求いたします關係と存じますが、終戰連絡中央事務局は、長以下相當特殊の職員を要するのじやないかと思いますが、その點は如何でございましようか。
#8
○政府委員(井手成三君) この特別職におきまして、グループの一つに昔の親任官、今日そのままではありませんが認證官というグループをここに置きました。認證官という、非常に過去のポストそのものにつきまして、一定のこのような資格がなければなれないという決め方よりも、むしろ自由にそういう、ストの方には任命して行く方がよろしいというので、現在取敢えずここにあります總理大臣或いは國務大臣という外の肩書は別としまして、認證官ということで上つておるものを二つ拾つただけでありまして、別段の意味はございません。而して終戰連絡事務局には、相當いろいろな能力が必要であろう。外交事務に携つた人とか、或いは外國事情を知つておる人とか、或いは語學のできる人とかいうようなことになろうと思いますが、それは一般のクラシフイケーシヨンにおきまして、そういう専門的な資格を持たなければそこに入れないような分類は、恐らく職階制度が決まつてから、その要求に應ずることになるだろうと思つております。
#9
○堀末治君 この第一條におきまして「各般の根本基準を掲げて、職員が職務の遂行に當り、最大の能率を發揮し得るように、」という規定がございますのでございますが、憲法の第十五條では「公務員は、全體の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」こういう規定がございまするから、或いは憲法の條章にあるから、これになければなくてもいいという御意見かも知れませんけれども、ただ單に公務員は能率を上げる。職務の能率を上げるということのその前に、先ず百分が奉仕者である。全體の奉仕者であるという心構えがなければならないのではなかろうか。私さように思いまするので、この第一條にその心構えを謳つて置くということが必要ではなかろうか。現に國家公務員法に封ずる意見として、公法研究會にも、そういうことがあるのでありますが、その研究會案としては、何かそういうようなことを規定する前文を設けてはどうかということを申しておるのでありますけれども、私は敢て前文を作るということの主張はいたしませんが、できることならば、その前文をこの中に盛るような、どこどこまでも根本的な心構えをはつきりと載せて置くということが先ず必要ではなかろうか。かように思うのでありまするが、これに封ずる政府の御所見を伺いたいと思います。
#10
○政府委員(淺井清君) 誠に御同感ではございますが、只今お示しの憲法十五條の條文は、すでに國家の最高法規でございまする憲法において、何人もこれを遵奉しなければならんということが確立いたしておるものでございまして、この法律はそれ以下においてその分野を持つものでございまするから、ここに書いていない。又それで十分であろうかと、こういうふうに、お説の通り考えた次第でございます。
#11
○鈴木憲一君 學校の教員は、一般職の中で特別な規定を設けて行くという部類に属するものになるのでしようか。
#12
○政府委員(井手成三君) さ樣でございます。
#13
○鈴木憲一君 警察も同樣でございますか。
#14
○政府委員(井手成三君) 警察も大體において同樣でございまして、目下警察につきましては、恐らく今議會に提案したいくらいのつもりで準備しております。基礎的にはこの法律が適用になつて、そうして特別の規定が警察に關する法規であると思います。勿論警察官が國家公務員として殘りますか、或いはその成る部分は地方自治團體の職員になりますか、まだ決定的ではございませんが、或部分は國家公務員として残つて参りまするから、その分については今の御質問の通りになると思います。
#15
○鈴木憲一君 公立學校の教員でありますが、これは全部國家公務員として包含される豫定でありますか。或いは地方職員の方の關係になるようなお考えがあるのでございましようか。
#16
○政府委員(井手成三君) 只今のところ、學校職員法というものがまだ確定した案を持つておりません。その中でいろいろ研究が積まれておりまして、學校職員の人事につきまして、この人事院から或程度離れたような委員會的なものを別に作ろうというような意向もあるようでございますが、身分は恐らく國家公務員として存續するということを目標にして研究しておるだろうと思います。但しまた確定的な案、少くとも内閣で相當論議した程度の案になつておりません。
#17
○鈴木憲一君 その場合に公立學校の教員のみをお考になつておるのでしようか。或いは非常に多數を持つております私立學校の教員等に對してはどうなりますか。
#18
○政府委員(井手成三君) 非常に根本的なお尋ねでございまして、實は學校の職員であつて公務員になつておる者は、いわゆる刑法の收賄罪、例えば學校の入學試驗に何か貰つて、いい加減な點數をつけた、これは當然收賄罪になる。而して私立學校においては幾ら金を取つても構わないということは、如何にもおかしい。教員身分法というものによつて官公私を通じて一定の規律を作るべきだという意見が相當ございました。併しこれは身分法の全部なのか、今のような服務とか或いはそういう刑罰關係とか、そういうものだけを通じてそうなるか。或いは身分全體が特殊なものになるかというようなことになりますと、恐らく今のような連立でなければならない。或いはそういう問題が起りまして、刑法上の罪になるというようなことについては、一律になろうと思いますが、あくまで私立の學校の先生を國家の公務員と一緒に規律するというようなことにはならないのじやないかと思います。但し、これは只今まだ文部省を中心にしまして、いろいろな機關で檢討中でございまして、私が今日どういう方向になるかということをお答えするまでには至つておりませんから、その邊でお許し願いたいと思います。
#19
○堀末治君 只今の質問で、もう一遍政府御當局のお考をお伺いしたいと思いますが、今の公務員の心構えについては、憲法の十五條にはつきりと規定があつたので、それを基準としてこの法律を作つた。これは御尤もでございますが、併し同じく政府の作つた法律の中に、公共職業安定所がございますが、この職業安定法の第二條に憲法の條文その儘にやはり入れておる條文があるのであります。第二條に「何人も、公共の福祉に反しない限り、職業を自由に選擇することができる。」これと同じことが憲法の第二十二條に「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移轉及び職業選擇の自由を有する。」こういう言葉がその儘載せてあるのであります。私はこの公共職業安定所が、特にこの條文が必要とするのであれば、私はやはりこの公務員法にも、こういう條文をはつきりさせて置くということが非常に明瞭でいいのじやないか。かように考えるのでございますが、如何でございますか。
#20
○政府委員(淺井清君) 只今のお答を補足いたします。私が最前申しましたのは、憲法の條文その問題でございまして、その精神におきましては、九十九條に「すべての職員は、國集金體の奉仕者として公共の利益のために勤務し、」云々と、とれに謳つておりますから、これも御了承を願います。
#21
○小野哲君 只今は第一章に關する質疑應答でございますので、私から伺いたいと思いますのは第二條の末項に「この法律の規定は、この法律の改正法律により、別段の定がなされない限り、特別職に屬する職にはこれを適用しない。」こういうことになつておりまして、特別職に關するこの法律の適用は一應これで以て全面的に除外されておる。こう解釋いたさなければならんかと思います。しかるところ第二條の第三項の第十二號及び第十三號におきまして、現業廳、公團その他これらに準ずるものの職員、及び顧問、參與、委員その他これらに準ずる職員、これも特別職として一應規定されておるのでありますが、法律又は人事院規則で指定したものは除こう。こういうことになつておりますので、從つてこの第二條の末項と第三項の第十二號及び第十三號の關係におきましては、政府の御説明を伺わなければならんと思いますが、私の感じでは改正法律で別段の定をしない限りは特別職にはこの法律の適用はない。こうありますので、その中から或一定の職員につきまして、これを一般職としてこの法律の適用を受けるような状態に第三項第十二號及び第十三號においてしよう。こういう意圖があるように思うのでありますので、若しさようなことでありますならば、人事院規則で指定するというのでなくして、法律でもつて指定するのが妥當であろうと思います。この點について政府の御所見を伺いたいと思います。
#22
○政府委員(井手成三君) 第二條の末項でございますが、實はこの條文はなくても、結局新しい法律がその命ずるところによつて、如何ようにもなつて行くわけであります。この條文をどういうわけで置いたかと申しますと、國會議員は、この法律を改正しても、こういうものを適用の中に入れるべきでないということをはつきりして置く。特別職は、國會の協賛を得て法律を出すならば、これも一般職と公務員という立場は同じだ。場合によつては、法律改正によつて一般職の方に持ち込むということを表さんがために書いたのでありまして、この末項自體はなくても結局同じであるわけであります。ただその精神は、特別職と言い、一般職と言い、法律の動かし方によつて法律が違つた態度をとるならば、これは一般職として動かして行くということを示しておつたと思います。そうして特別職を一般職にして置くということは、いちいち法律があるべきが本體じやないかという、今も小野さんの仰せでありますが、十二號と十三號の問題でありますが、實は若し我々が法律的な表現が上手であれば、法律又は人事院規則で指定するというような書き方でなくして、今例えは顧問、參與、委員……今後どういうものが出るか存じませんが、専門員、調査員それから常勤でない囑託或いは民間から來た行政調査部の部員、全部を列擧することができれば列擧したいところだつたのですが、これはむしろ列擧ができない。現業廳、公團云々と書きましたが、公團という名前で特別調達廳というようなものができました。又同樣のものがこれからできるかも知れません。それがいちいち書けなかつたものでありますから、一應それの具體的の指定を法律又は人事院規則で決めたのですが、その決まつたものが特別職でありまして、その決まつたものをどうこうしようというような觀念でなくて、定義の仕方と言いますか、初めからこの規定の仕方が苦しいのでこういうことをしたのでありまして、ちよつと末項とは違つた積りでございます。その邊は非常に説明がしにくいのですが、御了解願いたいと思うのであります。
#23
○帆足計君 さつき堀委員の問があつて、それに對するお答えがあつたことに關係するのですが、第一條の問題で、公務員と國民との關係についての根本規定がどうしてないかという堀さんの問に對する答がありまして、そのことについては九十五條に「すべて職員は、國民全體の奉仕者として」云々という規定があるからという答で堀委員が承服されたかどうか分りませんが、私も同じような意味でお尋ねしたいと思います。それは第一條の文句を見ますと、最大の能率を發揮する云々とか、民主的且能率的な運營とかそういうふうなことが書かれてあるのですけれども、このことは日本の今までの殺人の歴史と、それからこの公務法案が今ここへ上るようになつた事情とを考えて見れば、國民の公僕としての公務員の自覺意識の昂揚乃至その義務感の宣明と、さつき堀委員が言われたそういうこと書をくことなしに、能率の問題だけを文句として竝べることは、法律の言葉として而も第一條へ持つて來ることは、非常に滑稽に受取られないかどうか。そうして成る程九千五條のところに職員の問題がありますけれども、これは第七節の服務の最初に出て來ております。しかしながら國民全體の奉仕者として、一部の奉仕者でなく、いわゆる從來の役人というものとはすつかり改められねばならんということこそ、第七節のとつぱなの九十五條に持つて來るべきでなく、國家公務員法の第一章總則の第一條に持つて來られねばならないと私は考えますが、何故能率云々だけを掲げてその根本規定を特つて來なかつたか。その不釣合におかしさを感じないか。又何故これを第一條に持つて來なくて九十五條へ持つて行つて、そこにあるから、それでいいと思われるかということが、第一の私の問です。
 それからその次は、特別職の中に十五に、「宮内府長官、待從長及び待從竝びに法律又は人事院規則で指定する宮内府のその他の職員」という事項がありますが、何故宮内府關係の職員は特別職でなければならないか。何故一般職であつては困るか。宮内府關係の職員の場合は、内閣總理大臣、國務大臣なんかとの間にはやはり取扱の差別があるんではないかと考えますが、それがあれば、つまり特別職内における、國務大臣その他との差異及びこれが一般に一般職であつては何故ならないか。殊に宮内府というものは、今まで非常に長い間、極めて特別職的に扱われて來ておりまして、そこから樣々な問題が出て來ておる。それですから、これは具體的の調査を見せて貰わなければ細かくは言へぬことでありますけれども、特に宮内府關係の面は、一般職として扱つて明朗に民主化しなければならないと私は考えるのですが、その點を御説明願いたい。
#24
○政府委員(淺井清君) 第一のお尋に對してお答えをいたします。公務員が國民の公僕であるということは公務員の服務上に與えられるべき心構えであると存じます。故にこの法におきましては、服務の根本基準の最初、即ち九十五條にこれを規定したわけでございます。これに對しまして、第一條はこの法律の意圖する目的でございまするからして、この法律の目的と服務の根本基準、この二つの違つたところがございまするから、この法案のように取計らいました次第でございます。但し、御説の點については誠に御同感に存じまするが、ただ立法技術上こういうふうになつておる次第でございます。
 第二のお答につきましては、法制局次長から御答辯申上げます。
#25
○政府委員(井手成三君) 特別職に宮内府長官以下を掲げました理由を申上げます。
 先程申上げましたように、特別職に入れましたグループに、昔の親任官、今日の認證官というグループを擧げました。この程度の地位の人について、一定の資格が要るとか、その俸給を能率によつて上げたり下げたりするということは如何にもそぐわないので、認證官に當るような人は、この特別職にしたわけであります。從前でも、今日の認證官でありますが、宮内府長官とか侍從長はさようであります。而して侍從長及び侍從につきまして、又先程人事院規則で多分指定になるだろうと申しました皇后宮太夫とか、皇太后宮太夫という方でありますれば、お身の廻りをお世話するのが、これは公的の面でありますが、中心でありまして、いわゆる、言葉が惡いのですが、天皇陛下とかそのお近い方の祕書のような役でありますから、祕議官を特別職に掲げたと同じような意味で掲げた次第であります。
 他の一般の從前の、國の官吏、從前は宮内府の官吏と一般の國の官吏と分けておりましたが、新憲法實施後は一緒になつております。勿論その職務の性質上任用資格等につきまして、具體的な場合において變つたデーターも出て參りますが、扱い方の基準につきましては、兩者別段に區別はいたしておりません。
#26
○帆足計君 お話を聽きますと、問題が特別職全般に亙つてきますが、特別職というものをどこで仕切りをつける、先刻第七號の各省次官で線を引くかということも、部課長まで下げて線を引くという御説明がありましたが、あの説明は分りますけれども、併し國家公務員法の立法の精神から言いますと、認證官だからというようなことを一つの基準にして、或いは基本的な基準にして線を引くということは、技術的な一つの便法としては分りますけれども、立法の精神を活かすようなもつとちやんとした、ちやんとしたと言うと、外にもつと適當な言葉があるでしようが、ちやんとした法的な分類と言いますか。そういうものが出てくることが必要なように私には感じられるが、法理論的にはよく分りませんが、若しそうであれば親任官で線を引くとか、認證官で線を引くとかいうことからくる事柄の誤解、混合が防げると思いますが、そういう適當な規定を本來法的な規定をここにはつきり入れられるお積りがあろうかなかろうかということをお伺いしておきます。
#27
○政府委員(井手成三君) 私の訟明の仕方が大雑把だつたので、非常に失禮いたしました。認證官だからやるというよりも、認證官になるようなポストが、なに故に認證官にしてあるかということに遡るわけでありますが、一般職にしますと、大體御覧のような競爭試驗でやつていく。選考もありますが、いわゆる任用名簿から五人を出してやつていくというような、大體原則になつてしまうわけであります。
 大體認證官、昔の親任官でありますが、各省大臣とか、建設院總裁とか、宮内府長官とか侍從長というような格のお方は、結局そういう相當の名簿を出して、その中から競爭的に選ぶとか、その人の能率が長いから月給を上げるとか、下げるとかというよりも、もつと違つた毎度から任命されていきますし、官紀が維持されていく。そういう人だから認證官が一面において特別職になつて表われたのである。認證官というなにか形に表われたメルクマールを掴まえて、そこでラインを引くというのは非常に惡かつたのでありまして、認證官という官の内容が、―般職には向かないということと丁度一致したという工合に掘り下げて御了解願えると非常に有難いと思います。
#28
○堀末治君 この法文に官職という言葉があります。この官という言葉については先般も吉川委員から御發言があつたと思いますが、これは或いは私共古い觀念に囚われてそういうふうに思うのかも知れませんが、なんとなしに權威的な官尊民卑的なことに感じられるのであります。嘗て監獄という言葉がよろしくないというので、刑務所に改められたということもございましたし、尚今度のこの職業安定法案の中にも、やはりそれと似たような問題があります。職業安定などと言うと誠に分りにくい言葉で、そのため各方面に隨分誤解ができておるので、元の紹介という言葉を使つたらどうかということが委員の中から出たのであります。これは或方面から成るべく古い封建時代に使われた言葉は使わない方がよいというようなことで、非常に分りにくい言葉だが、安定という言葉を使つておるのだ。こういう御説明を聞いて、成る程と思つたのでありますが、特に今度は在來の官吏制度に向つて本當に根本的な改革を加えていくことでございますから、なにか官という言葉に適當な……私自身は適當な言葉を持ちませんが、もう少し今までの古い氣持がさつぱりと捨てられるような言葉がないものでございましようか。そういう點に對するお考を伺いたいと思います。
#29
○政府委員(井手成三君) 法文作成の技術的な責任に當つておる法制局としまして、最近の法文が非常にまずい、もつとよい表現がないか、かような御叱正を受けるたびに、肩身を狹く感じておる次第であります。元氣囘復という言葉が出て來てこの間も衆議院で、もつと違う言葉に直せということを仰しやいましたが、私共は一應今御質問のようなところは全部檢討いたしております。非常によい言葉はないだろうかというので、實は苦しんだのでありますが、ただこれが職という言葉だけでは、如何にも何と言いますか、國家に繋がつた職務の職ではなくて、職業全部のものが入つてくるようで、これを國民學校を出ただけの人が見た場合に、官職という言葉が非常に封建的な感じがするから避けて、なにか違う言葉に變えるということから得る利益と、なにか分りにくいという弊害と比べて見て、滿足ではありませんが、この言葉を使用してしまつた次第であります。今なにか自分にも意見はないと仰しやいましたが、確かに私共としても非常に良い言葉であつたとは思つておりませんので、この邊はなにかお教を願えれば、或いは議會でお考を願えれば結構だと思います。
#30
○委員長(下條康麿君) 別段御質疑がございませんければ、第二章人事院に移ります。人事院のところは大分長いようですから、第十五條までを第一囘として、即ち設置、職員、人事官、宣誓及び服務、任期、退職及び罷免、人事官の弾効、俸給、總裁、人事官會議、事務總局、その他の機關、事務總長、人事院の職員の兼職禁止、ここまでが大體人事院の構成のことが書いてありますから、これまでを一應……。
#31
○政府委員(井手成三君) 十五條までと申しますと、この人事院の大體組織、機構のことであろうと思います。この國家公務員法案の一つの大きな眼目は、人事院の設立でございます。そうして一つの眼目は職階制であろうと思います。その意味におきまして、人事院につきましては、この法案としましては可なり重點を盡して規定いたしております。内容の細かいことは、たびたびお答をいたしましたり、又佐藤長官から申上げたと思いますので、大體どういう行き方で書いておるかという點でありますが、これは成るたけ公正に、そうして清實に囚われないように、そうしてあまり政府と遊離しないようにといういろいろな違つた要求、或いは場合によつては異なつた方向に行く要求を調和せんがために苦心をいたしておる次第であります。例えば人數が多い程、人を選んだり、任用方法を決めて行つたり、そこで職階の分類をして行つたりするのに公平になる。公平になりますと、責任がぼけて來る。仕事が綿密に行かないというような點から、會計檢査院と同じように、三人というところで、敏活性、責任性、公平性、愼重性というものを調和しておる次第であります。
 又人事官は、できるだけ時の内閣の具體的な好みというようなものには盲從しない。併し内閣の施策を進行するのには、最も都合のいいような人事組織をして行かなければならんというような、兩面の違つたものを調和するように考えております。又身分は非常に保障して、自分が正しい、中正な人事をやつて行く中心になるということを要求しております。一面その任命については、普通のやり方でなく、國會の議決を煩わす、或いは又その罷免についても、國會の方に御厄介になるというような、いろいろなやり方を決めまして、その要求を滿たそうとしておる次第であります。
 それから人事官の善し惡しが、この運營に殆ど決定的なことになろうと思いますので、人事官たる者の資格を非常に事細かに書きました。其點が先日來も政黨關係から少し極度に窮屈過ぎるじやないかという樣な、いろいろな質問も受けておる次第でありますが、中正であつて、そうして又何と言いますか、常識的なことに行かなければならんというような、すべての角度を何とか滿たそうというのが、この考の趣旨であります。
 それからここまでの間では、人事院規則というのは、御説明するようなものは、第四條に「政令」というのがありまするから、ついでに説明さして頂きます。これは政令は、事務總局に入つて來ます職員の定員、それから地方に職員を、試驗、その他のために置きたいと思つております。それから五條五項、「人事院規則の定めるところにより、人事官となることができない。」と書いてありまするが、これは政黨法というものがはつきり姿が決つて參りますれば、非常にはつきりすると思いますが、政黨の範圍、それから役員、どの程度のものを政黨と言うか。例えばこの頃問題になつております政事結社というような言葉もありますが、どういう程度のものが政黨になるかということを、政黨法と睨み合わしてはつきり書きたいと思つております。それから六條へ行きまして、宣誓書の形式のようなものを人事院規則で決めたいと思つております。それから七條の二項、人事院の官職以外の官職に就く、これは一定職種、例えば純技術的な職種、何えば非常に語學ができる人で、その人を特に通譯に使いたい。技術的なもので、そう政策に關係ない。或いは人事院にいたときのアンデユウ・インフルエンスを及ぼすようなものでないということを書きたいと考えております。
 それから八條の二項の但し書に、「人事院規則の定める場合においては、内閣は、ただちに、これを罷免する」これはもともと三人のうち一人、甲なる人が或種の政黨に入つております。あとの二人が急に入つて來たというときには、前の者はもう罷免する必要はないので、あとの二人を罷免するというようにすればいいので、いちいち國會に掛けなくても、前から入つている人はその儘でいい。それがいろいろバライエテイーがあると思います。そのコンビネーシヨンを書きたいと思つております。それから十三條の二項ですが、先程申しました試驗事務とか、エリジブル・リストの地方的な作成をやらせるのに、いちいち東京まで出て來るのでは、九州の役所の方からなどでは能率が擧りませんから、その事務所を置くので、事務所のできる場所とか、分掌事項というようなものを書きたいと思つております。
 それからちよつと言い忘れましたが、一つ前の十二條の三項、六項に「人事院規則」という言葉がありますが、これは會議に關する内部規則、招集所がどうとか、議事録がどうとかいうことを書く積りでおります。
#32
○山下義信君 人事官の任免の點につきまして伺いたいと思いますが、第五條に、兩議院の同意を經ることになつておりまして、國會の同意ということになさらなかつた理由を伺いたいと思います。次は公選による國若しくは都道府縣の公職の候補者になつたる者を除外されました理由。
 第三は政黨の役員であつた者 即ち一年以前に役員であつた者をいけないことにされまして、人事官に任命せられた後に政黨に入ることは差支えないようになつておりまするが、その點は如何でございましようか。
 尚人事官の定員が三人に相成つております。而してその中の一人が總裁になる事になるのでありますが、そういたしますと、これは人事院規則によりまして會議の細則はお決めになるようでございますが、恐らく人事官會議の議長は總裁が當るのではないかと推測せられます。そういたしますと結局三人の人事官のうち、一名が議長に就くということになりますると、可否同數のときは議長の決するところに普通なると考えまするが、少し先走つて申上げて濟まないのでありますが、結局これは議長になるところの總裁が殆ど專斷になるのではないかと思われるのでございますが、その邊は如何なるものでございましようか。伺いたいと存じます。以上でございます。
#33
○政府委員(井手成三君) 兩議院の同意としたのは、という御質問でございますが、これは會計檢査院法の前例を踏襲いたしたのでございます。で、今大體こういう趣旨のものはどういうものがあるか、ちよつと調べてみておつたのでありますが、公正取引委員會の委員長、委員が衆議院だけの意思を問うことになつております。それから會計檢査院がこれと同じになつております。尚先般衆議院に提案しておりました地方自治委員會の委員は、ややこれと違う恰好になつておりましたが、これは一應撤囘となつております。で、國會にするか、兩議院にするかという點でありまするが、此の點はいろいろな形を作るよりも、會計檢査院法の前例を踏襲した方が宜しいというだけの意味でこれは出したわでございます。それから候補者になつた者はなれないに拘わらず、人事官になつてから政黨に入る事は先ず構わないというようになつておるのはどうかというお尋のように思いましたが、政黨に入つておることは、別段人事官になることの障害にはならないのでありまして、政黨に入つておる我々が政治的な機能を果すということは、新憲法下の國民として、萬人があくまでも持たなければならぬ權利だと思います。それを阻碍するのでありませんで、ただ政黨でも、非常に臭いが強くなるといいますか、自分の主張を強く、まあ代表的に現わすというようなことになりますと、人事官の職員としては、まあ何といいますか多分、多少色眼鏡で見られてしまうというようなことで、非常に職務がやりにくいとか、いろいろな觀點から、或程度政黨の色をはつきりしておる。その程度もいろいろあろうと思いますが、公選による國の議員の候補者になつておるという樣な事になつて來ますと、自分の主義主張に對して忠實であればある程、人事官としてはその職務をやるのに非常に都合が惡いのじないかというようなことで、候補者になつた人を一應除外したのであります。政黨に入つておることは、前でも、人事官になつた後でも、一向これは差支ないのであります。但し、二人あるというようなことになりますと、これは人事官の構成は如何にも一方に傾くような印象になりますので、どちらかを除いて頂く。こういう工合にいたしました次第であります。それから三人の中の一人が結局議長になるだろう。さようでございます。議長になるのでございます。で、これも會計檢査院のやり方と殆ど同じやり方をとりまして、他の二人がどちらかに定めた。其ときに誰かが一票をどちらかに加えれば、これはそれに決まるのでありまして、議長が兩方の意見を聽いた後でどう決めるか、議長の決める方に決まるわけでありますが、これはやはり偶數では遂に決まらんじまいになる。それで奇數を要するわけです。で、非常にもつと大きな數にしたらどうかということになりますと、先程いいましたように、事務が進行しない。愼重にはなろうと思いますが、進行しない。或いは責任もぼやけてしまうというようなところから、三人というところを選んで、そうして結局会議制であれば議長が必要になつて來るという結果生じて來たもので、これは運用で何とかやつて行く外はないだろうと考えております。まだ外に御質問はございましたでしようか。
#34
○山下義信君 政黨色が濃厚になることを避けたいという御趣旨はよく分る、のございます。それと兩議院の同意という點が、それでは筋が通らんではないかと思います。即ち言い換えますと、即も衆議院の同意を以てよろしいという建前の文になりますると、政黨色の濃厚なのは衆議院でございます。それで人事官の同意に最も公平を期しようとするならば、参議院と衆議院とが同等の權限であるところの國會の同意とした方がよろしいのではないか。一方では政黨色の非常に濃厚なることをなるべく避けたいという御趣旨であつて、一方の議院の同意という場合におきましては、衆議院の同意を以てよろしいという建前は矛盾するように思われるのですが、その點を重ねて伺いたいと思います。
 次に人事官の人員を三名としましたことにつきまして私の伺いましたのは、三名では結局一名が議長になるのだから、可否同數のときは議長の決するところによることになつて、結局一入の人事官の專斷の場合が非常に多くなる慮れがあるのではないか。こう伺いましたのでございまして、その點をいま一度お示しを願いたいと思います。
#35
○政府委員(井手成三君) この兩院が一致しないというときには、衆議院の決によるというそのことが先程來の趣旨とどうだろうかというような御質問と伺いました。先程言いましたように、この人事官に對しては、いろいろな角度の要求があるわけでございまして、それが全部百%滿されるということは、非常にむずかしいと思うのであります。例えば人事官はできるだけ民主的に、これを現在の國民の多数の意見に聽くいうことになりますと、むしろ公選というようなことがよいということになるのであります。而して又例えば事務的に迅速にこれを選ぶ。而してこの職務の資格を非常に細かく決めておりまして、國民がこんな資格でなくても、もつと廣く思うように選んだらいいじやないかというようなことも言えると思うのでありますが、一面から見て、人格高潔であり、そうしてこういう組織に對して理解があり、人事行政についても識見があるというような資格を要求し、且又國民の意向を相當如實に反映しております國會という所で決めて頂きたいと思うのではありますが、その選ばるべき人は、そんなに政黨色の濃厚でない人、それを國民の代表たる國會で見て、そういう人がよろしい。併し選ばれる人は、そんなに濃厚でない人ということを要求するというような、相異なつた角度の要求を充たしております結果、こういうことになつておると思います。それでは兩院の議決の一致をどこまでも待つか。或いはむしろ參議院で選考させたらどうかという御質問かと思いますが、これもいろいろ御議論があろうと思いますが、會計檢査院のやり方と同じやり方を踏襲した次第でありまして、これについても、勿論いろいろな御批判があろうと思います。議長がやはり結局決するところになると言われましたが、その通りであります。これは先程言いました議長にならなくて、三人の場合、例えばABCとあつて、AとBが先に發言して、Cが最後にAなりBなりに加擔すれば、必ずそれに決まるということになるので、まあ先きに普通の委員が發言した後で、議長が決定するものですから、議長の方が如何にも專斷と申しますか、自分の思うままになるように思いますが、三人制であれば、誰か二人が先に發言し、後の者がこれのどちらかに加擔すれば、どちらかになる。これは先程申しましたように、大勢の人數を採り得なかつた結果、止むを得ないことになつたと思いますが、何か山下さんの方でこういう工合にしたらいいではないかというような例でも御示し頂きましたならば、私の参考になつて、誠に有難いと存じます。
#36
○山下義信君 別に名案があつて伺つているわけではないのでありますが、併し人事官の人數をもう少し多くしたらどうかという意見は多々あるのであります。その人事官の選任の方法などは別といたしまして、今は人數の點のみで申しておるのでございまして、五名ぐらいにしたらどうかという意見も、民間の方で相當ございます。多分次長も御承知だろうと思います。それで事務の進捗を期する上におきましまて、人数が少い方がいいということの御意見も、私共よく了承いたします。これは結局水掛論になるのでございますが、五人というような程度ならば、少しもそれが澁滯にならん。しかも會議で決するのでありますから、會議が極めて有效に運行し得られる程度の員數は必要なのであります。今言うが如き三名であるならば、それはABCの例で行きますれば、誰か一人が結局專斷ということに論理はなりますけれども、この場合には總裁と人事官とが会議制になつております。然るに實際は会議でなくて、總裁の決するということになり勝ちになる虞れがあるということになりますれば、人事官會議が意味となしませんので、少くとも人事官會議で重要事項を決して行こうとしますならば、相當贊否が公平に判斷し得られる程度の人事官の員數でなければならぬ。こういうことを考えますので、その邊の虞れがありはしないかと伺つたのであります。然らばそれをはつきりしますために、五人にしますと事務が澁滯しますか。何か差支がありますか。その邊を伺いたいと思います。
#37
○政府委員(淺井清君) 御答をいたします。この人事官はこれまで日本にありましたような会議機關たる委員會というようなものではございませんので、むしろ執行權を持つている一つの行政官廳だろうと思います。そういうところにおきましては、成るべく上の方が一本に纏まりまするような組織がよろしいかと存じます。現に會計檢査院におきましても、三人になつておりまするし、先頃提案されておりましたところの自治委員會の制度におきましても、三人となつております。アメリカにおきまする實例を見ましても、この人事行政機關は三人若しくは一人となつておりますので、先ず三人の程度でよろしいかと存じた次第でございます。
#38
○千田正君 先程の山下委員からの御質問の中の人事官の任命について、衆議院が同意し、参議院が同意しない場合においては、日本國憲法の第六十七條第二項の場合により、衆議院の同意を以て兩院の同意とするという問題について、政府當局の御説明によるというと、會計檢査院の案をそのまま移し植えてやつておるという御説明でありますが、この度の國家公務員法案におけるところの人事院は、未だ曾て日本の行政機構になかつたところの最初の重大なる機構なるが故に、特に愼重に審議して頂きたいという點は、最も重要なるところの人事官の任命については、或意味においては政黨色をも織り込んであるというところに、私は今度人事官の任命に對する矛盾があると存ずるのであります。先程のお話の通り 今後の衆議院はおそらく政黨を基礎としたところの衆議院の大多數を以てこれを同意するでありましようが、参議院は、少くとも我々としましては、全國民から選ばれておる立場からいつて、至平至公なる立場において、人事院は決定されるものであるという信念の下に立つておるのでありまして、この點においては、必ずしも會計檢査院の法則そのままをこの人事院の規則に當て嵌めるということなしに、日本の新しい國會において、最も重要なるところのごの國家公務員法案の人事院の規則を決定するに先立ちましては、むしろ政黨色のようなものが將來現われて來るのじやないかという我々は危惧を持つているのでありまして、この點はむしろ参議院も共に同意した人でなければ、人事官に任命することはできないというようなはつきりした法則を考えて欲しいということを、參議院の一員として私は要望するものであります。
#39
○山下義信君 只今の問題につきまして是非とも國務大臣の御所見を伺いたいと存じます。
#40
○國務大臣(齋藤隆夫君) 政府委員の答になつた通りでありまして、少しも私としての異見を持つていないのでありますから、さよう御承知を願います。
#41
○山下義信君 參議院と衆議院と兩院の同意の方が公平という點におきまして、且又兩院が同意をいたしまするということになれば、人事官の立派さというものがますます輝やくわけでございまして、衆議院は同意したが、參議院は同意しなかつたという場合よりは、より以上最高人事官の、而も第五條に要請されてあるような立派なる人であるということの國民の信頼感、安心感という方が強いように考えられまする。これは豫算案その他のようなものと違いまして、全くこれは全國民の輿望を擔うたというような人であるべき建前に、この第五條の精神もなつておりまするので、國會の同意と言つた方が、非常にいいのではないかと考えまするので、お教を願いたいと存じます。
#42
○國務大臣(齋藤隆夫君) 結局、これはもう意見の相違でありまして、山下さんの御意見は立派な御意見ですが、又憲法におきましては、やはり衆議院と參議院と大分どうも區別しておりますから、その線に沿うて、こういう規定が現われたと思います。これ以上はもうお互の見方であります。さように御承知を願います。
#43
○栗山良夫君 先程人事官の三名の問題について、山下委員からお話がございましたが、政府の方の御答辯を伺つておりますと、結局人事院をして如何に敏速に、而も如何に民生的に、如何に公正に人事を行なわせるかということについて、三人が最も適常なものである。こういう御回答のように伺つたのであります。併しながら先程の兩院の會合いたしましたときにおける委員の意見の中にも、やはり公法研究會の人が唱えられた中には、更に民主的な而も公平な人事を行うためには、人事管理委員會のようなものを更に設けるべきであるというようなことが唱えられたと思うのであります。又全官勞の協議會の方の意見の中にも、人事官は少くとも一人は公務員から公選すべきである。こういうようなことが言われております。このことは公法研究會の方でも、やはりそういうような意見が出ております。又更に掘下げて考えまするならば、全官勞の、三人委員會の如きは止めまして、やはり一つの委員會制度を以ちまして、そうして政府公務員竝びに民間からそれぞれ達識な人を選びまして、そうして委員會機構によつて民主的に公正に運用したい。こういうようなことが強く主張せられておることは皆さんも御承知の通りであります。これもやはり見解の相違というようなことを、先程齋藤國務大臣が言われましたが、同じような筆法を以ちまして、或程度結論づけられるかも知れませんけれども、現實に只今作られつつあるところの新しい法律は、すべて民主的に行う場合には、この委員會制度というものが如何に各方面に多數採用せられ、且これが民主的な發展のために強く國民から期待されておるかということは、これ亦自明の理であります。從つて國家公務員法案を立案せられました當局としては、おそらくこの案が最上の案であるという、こういう工合に自信を持つておいでのことと私共も伺えるのでありますけれども、この自信を持たれましたところの案に對して、更に多くの進歩的な案が出されているということについては、私は政府當局においては、更に一考も二考も煩わさなければならないと、こういう工合に思うのであります。この點についてこの法案をお作りになつてから後に、こういう意見が出たということについて、どのような考え方をお持ちになつているか、この點を伺いたいと思うのであります。
#44
○國務大臣(齋藤隆夫君) 先達ての公聽會を謹聽いたしておりましたところが、民主的という言葉がしばしば現われまして、この公務員法を民主的にするがためにこれこれにしたらよかろうというような御意見がありましたが、これは程度問題でありまして、私の見るところによりますと、この公務員法は、やはりそういうような趣旨を十分酌んで、人事官の選定につきましても、或いは職階制のことにつきましても、その外のことにつきましても、相當に民主的になつておるように思います。或いはこれは官僚の温存であるというような言葉が出ましたが、何處が一體官僚の温存になつておるかということを私は疑つておりますが、官僚の温存を排除するがために職階制というものができまして、將來の官吏の採用方法を、これまでは官立大學本位で高等文官試驗もできておりましたが、そういうことはすつかり排斥いたしまして、廣く試驗をば公開して、どんな履歴の人でも試驗に及第すれば採用することができる。これ程の民主的のやり方はないと思いますし、どうも公務員法が官僚の温存であるという點がどこにあるのか、私共實はその事實について分らんのであります。要するに我々においてでき得る限り民主的にした積りでありますから、これも民主主義を擴張しまするならば、どこまで行けば御滿足が行くか分らないのでありますが、これは相當の程度において決めるということになますればこの公務員法はその基準にそう背馳しておるとは考えておらんのでありますが、それを一つ御承知を願いたいと思います。
#45
○栗山良夫君 そういたしますと、國務大臣のお話は、結局先程私が申上げましたように、あらゆる角度から研究して作られたところのこの人事院の機構なるものはベストのものである。政府が考えておるものはベストのものであつて、その後に各方面から具體的な問題として論議され、研究されて出て來ておるところのいろいろな提案というものは、殆ど取るに足らないものである。こういうような工合に極言されたと私は伺うのでありますか、若しそうだといたしますと、これこそ政府が今まで取つて來られたと同じように、民間の委員會の聲を大きく取り上げて、そうして民主的な法律を作り、民主的な行政を行なつて行くということを言つておられましたが、それとやや背馳いたしまして、やはり獨斷的な考え方そのものが、こういう工合に法律となり、或いはそれが行政の部面に現われておる。こういう工合に私共考えて、非常に今後の運營について危慎を懐くものでありまして、もう少し端的に、折角いろいろな方面の意見をお聽きになつたのでありますから、そういうものを御研究相成つて、そうして取り入れるものは端的に取り入れる。こういうような工合にお進みになるのが僕は至當ではないかと、こう考えるのであります。
#46
○國務大臣(齋藤隆夫君) 御説について、別に變つた考ももつておりません。やはり御同感であります。でありますからして、この法案そのものにおいて非常に缺陷がある。非民主的であるというようなお考でありまするならば、國會の權能を以て、その意見をも御貫徹になることもできると思いますが、政府といたしましては、この法案そのものにおいて十分に民主的な目的も達することができて、これはもう政府としては最も完璧のものである。こういう信念をもつて法案を提案いたしたのでありますからして、これ以上のことは、皆さんの御意見によつて御決定を願いたいと思います。
#47
○山下義信君 第十一條に、「總裁は、人事官の中から、内閣總理大臣が、これを命ずる。」とあるのでございますが、これは人事官は内閣が任命することになつておりまして、その人事官の中から、内閣總理大臣が總裁を命ずることになつております。私共官界の補職とか任命とかいうようなことの區別などは不案内でありますが、これは又他の人事官から適宜内閣總理大臣が、總裁を取換えることができるのでございましようか、その點を伺いたいと思います。
#48
○政府委員(井手成三君) この人事官は、できるだけ權限を同樣にしておりまして、いわゆる会議體としてのよさを發揮したい。この人事院というものは、一體会議體の官廳なのか、行政法で濁任制の官廳なのか、どつちだか分らないような工合にこれはできている。これが又實は味噌なのでありますが、總裁というものができまするが、人事官にできるだけ同じ權限を持たせたい。從つてこの人事院の動き方については、重要な事項は全部、或いは場合によつては外にも人事官會議で決めれば、全部に亙つて人事官の會議で決定する。こういうわけで、会議體のような態度をとつております。扨、そうして人事官の任期はずれて替つて行くことになつておる。三人出たときに、一人は總裁に就いておりまして、あとの者はどんどん替つて行きます。そうしますというと、内閣の見るところによつて、後の人を總裁にするか、前の人を總裁にするかということは、これは人事官の中の適當な者を選んでやる。如何にも勝手にやるようですが、結局人事官がうまく行きますように、おのずから内部的にも客觀的にも決つて來る人が任命されると思います。御質問の點につきましては、法律論としては取替える。又替つて行けば、前には平の人事官の人が總裁になるか、或は後からなつた人が總裁になるというようなことも可能であると思うのであります。
#49
○山下義信君 段々承りますと、これは實に重大なことになつて參りまして、この人事官會議は、先般御答辯では執行機關であつて、会議機關ではない。こう仰しやつたのであります。私はこれは言葉の聽き違いであろうと思うのでありますが、これは立派なる会議制になつておる。固より執行機關である建前の面もございますが、只今の次長の御答辯の如き会議體であり、從いまして總裁という立場が人事官三名の場合におきましては、實に重大であることは、先程から私も申上げてあつたのでございますが、その總裁は内閣總理大臣が自由に取替えることができるということになる。その總裁の任期というようなものも、人事官の任期は固よりありますが、人事官の任期と總裁の任期が同か異かということもこの法案の上ではつきりいたしておりません。結局總裁というものはそのときそのときの長、いわば座長、委員長のような格らしいのでありまして、その點が明白でございませんが、内閣總理大臣の命ずる總裁の任期とか、いろいろそういうようなことは何によつてお決めになりまするお積りでございましようか。その點を伺いたいと思います。
#50
○政府委員(井手成三君) 人事官という官の上に總裁という補職になつておりますので、官がなくなりますれば、即ち人事官として任期が滿了したり、或いは他の事由で退官すれば、當然總裁たる地位を去るのでございます。總裁の任期を作るかというお話でありますが、これは作らないつもりでございまして、放つて置けば、總裁たる人は人事官在官中はずつと總裁の地位を保つことになると思います。法令で一旦決まれば、いつまでも總裁ということになります。僅か三人でありますから、その中から總裁になるべき人が決まる。餘程の理由がなければ、他の者に入れ替えるということは人事官制度としては起り得ないだろうと思いまして、その邊のことを規定の上にはつきり書かなかつた次第であります。規定の上に書かれなかつた次第でありまするが、お話のようなことで、運用ができるだろうと考えるのでございます。
#51
○山下義信君 そういたしますと、總裁は内閣総理大臣が瞬時に任免することができると心得て宣しうございますか。
#52
○政府委員(井手成三君) 制度としてはさように相成りまするが、實際問題として、一度任命されますると、恐らくそれを特別の理由なく替えることは、事實としてないだろうと考えておるのでございます。
#53
○千田正君 先程勞働委員の栗山委員から説明がありましたが、人事官を三名ということでなしに、この規定を受くべきところの側からも出したらよかろうという希望條件がありましたが、私もそれには賛成する者であります。實は先程から再三繰り返して伺つておりますと、この制度は、あたかも我々を誤れる戰爭時代における陸軍の規定そのものであると私は痛感するのであります。参謀總長、陸軍大臣、教育總監、こうした連中によつて定められた機構が陸軍の機構となつて、誤つた戰爭を起した。殆ど縛られた側からの希望もなければなにもない。專制的な方法によつて行われたのが嘗ての戰爭の形相であります。我々はこれを新しい官吏機構の中に同じようなそうした思想を盛ります公務員法案が、ここで可決されるということは、私は夢想だにもしなかつた。少くとも我々は民主國家が新しくでき上つて、本當の民意を盛り上げた行政機構ができ上るものだと思つたのに拘らず、先程の齋藤國務大臣の説明によると、何らこれに對して一考も省みる必要がなきが如き御答辯を承つて、誠に遺憾とする者でありまして、この點につきましては、私は只今の公務員中に、十分に識見があり、人格の高い者であつて、而も統率力があり、經驗の豐かな者があつたならば、これは任命して然るべきじやないかと思います。人事官の中に勤勞者側から、一名乃至二名を國會が指名して頂きたいということを、特にこの際意見として申上げたいと思いますが、政府の代表の意見としましては、先程齋藤國務大臣からお話がありましたが、要はこの法案が幾ら明文になつて出て行つても、實際に運用できなかつたならば價値がないということを考えたときに、我々民主國家の國會議員にこれを審議する權利いずこにありやということを考えたときに、愼重に御審議願いたいということを要望する者であります。
#54
○政府委員(淺井清君) お答いたします。この法案の人事院の持つております性格といたしましては、最も公平に且忠實性を持たなければならんと申すことでございます。仍て或一つの階級は一部の利益を代表する者がここに入るというようなことは、この法案の持つておる性格ではないということでございます。
#55
○天田勝正君 先程五條の問題につきまして、各委員から活溌な御質問があつたわけでありますが、私は五條以下九條まで通觀して見まするときに、この人事官に對しまして、いろいろな制限が澤山設けられて、特に五條だけにおきましても、二項三項を除けば、悉く制限の規定であります。こういう點から見まして、これだけ制限がついておるのに、何故に第二項のようなものをおかなければならないか、即ち既に五條の第一項において、「人格が高潔で」という言わずもがなの言葉が使われていろいろ制限をおかれて、これだけの制限が設けられておる人事官を内閣が兩院に出しまして、同意が得られるのか、得られないのか……、これだけ制限を設けられておる人格高潔の人が、恐らく兩院で同意が得られるのが當然なのは、第二項を設けて内閣總理大臣の指名の例によるが如きことをしたのは、一體どういうわけか、特に先程齋藤國務大臣はいろいろと憲法によつて衆議院と參議院とその差を附けてあるのですから、どうも仕方がない。こういう御答辯であつたと存ずるのでありますが、何も衆議院と参議院を悉く偉い權限に差を附けたのでなくして、特に内閣總理大臣の指名という、一日も國家の行政の首班を空席にしておくということができないという非常の場合でありまするので、衆議院かどちらか決定權がなければ困るというので、衆議院を優先にしたというので、なにもかにも衆議院の方が優先であるということは決してないことは國會法を見ましても明かなんであります。先程の説明からいたしまして、これだけ制限を設けてある人事官を、どうして一項、二項と竝べて書かなければならないかという問題、次には第七條でありますが、日本人はとかく非常に情實に負けやすい性質をもつていることは、お互い認めざるを得ないと思うのでありまして、先ほど千田委員から奮陸軍の人事等の問題が述べられましたが、古い陸軍の例からいたしましても、特に主計の將校などというものは、きわめて短時日に、その地位を更替して他に轉任するということを、私は實際に見ておるのでありますが、それをここには十八年という年限がありまして、何も特に十八年を勤めなければならないということではないが、併しこうした重要な人事官というものが、十八年も勤められるということになれば、必ずや情實の弊そこに生ずるであろうと、私共は案じておるわけでありますが、この點についてこの半分とか、つまり任期三年、二回の改選、合計九年ぐらいに直すところの御意思があるかないか、この點をお伺いしたいと思います。
#56
○政府委員(井手成三君) 先の衆議院と參議院の問題でございますが、立案の經過及び考え方は、先ほど來、述べた通りでございまして、それに對していろいろ批評が勿論あると思いますし、これでなければ全烈違つておるということは、勿論申せないと思うのであります。この點につきましては、齋藤さんよりお答え頂きましたが、それ以上に私共がお答えするものは、何もございませんので、この點は先程來の答でお許し願いたいと思います。
 それから六年と十八年でございまするが、これは情實に走るというような點から言いますと、できるだけ短かい方がいいのであります。併しこれは從前のいろいろな官公署といわず會社といわず、人事をやつておる人が可なりテクニツクと言いますか、技術的なものもあり、一貫した方向を持つておるという長所もありまして可なり官公私を通じて、人事の人は相當續いておる。そうしていい場合も相當あるじやないかと思うのであります。十八年としましたのは、三囘まではできるということを書いたのでありまするが、假に三十五になりまして、非常に優れた人でなければ十八年まで行くということは、恐らく望まれないだろうと思います。この點も三年でいいじやないかと仰せられますと、勿論三年で惡いということもないと思います。この邊は原案として六年で適當である。三囘まではいいじやないかと思つて出した次第でありまして、見方によりまして勿論違つた考え方もできる。これでなければならんという絶對的なことは勿論ないと思います。唯政府の方といたしましては、この邊でやらしていいじやないかという考を以て、この規定を出した次第であります。
#57
○栗山良夫君 第四條に「その他政令を以て定める職員」とありますが、これはどのような職員を御豫定になつておるか、ちよつと伺いたいのであります。と申すのは總裁、人事官、事務總長に對しましては、第五條以下に嚴正な任免その他の規定がなされておるのでありまして、恐らく人事院における職員というのは、極めて重要な職責を持たれることと思うのであります。そうすれば當然こういうように法を以てこの職員を定めるべきであると私は確信するのでありまするが、ここにそのような重要な職責のある人が、若し政令で定めることになるとするならば、それに訂正を願わなければならないと私は思うのでありまして、一應政令を以て定める職員の御豫定を伺いましてから、改めてこれは意見を申述べるべきものだと思いまして、御質問申上げるわけであります。
#58
○政府委員(淺井清君) これは普通の事務職員のことでございます。そこで事務職員一般の例に從いまして、政令を以て定めるということにいたしましたので、これは普通一般職に屬しまする事務職員でございまして、只今仰せのように、特にこの人事院の事務職員が、他の行政各部の職員よりも重要であると、そういうようなことはないように存じております。
#59
○中野重治君 この第五條の「人事官は、人格が高潔で、民主的な統治組織と成績本位の原則による能率的な事務の處理に理解があり、且つ、」云々という言葉がありますが、この中の「人格が高潔で、民主的な統治組織と成績本位の原則による能率的な事務の處理に理解があり、且つ、」これだけが私は無駄な言葉だと思います。センチメンタルな笑止な言葉だと思いますが、これを削るお考はないか、少くとも削ろう、こういう私の考に、考としてでも贊成が願えまいかということ、この全部が無理ならば、せめてその中の「人格が高潔で、」ということだけは、是非我々日本人の見識において削らなければならんと私は考えますが、削るような、少くとも削つてもよいというふうな肚がおありになるかどうかをお聽きしたい。それから特にそのことを申しますのは、前に能率本位とか何とかいうことがありましたし、第二十七條では、人事官の問題ではありませんが、政治的見解による差別を行わないという項目が出ておりますし、そういうことに照し合せて、文句自身が極めて非能率的でもあるから、是非削つて頂きたいと思いますが、その點についてお答を願いたいと思います。それから第六條の人事宮は、任命後最高裁判所長官の面前で宣誓書に署名してからでなければ仕事が出來ないということでありますが、これは人事官は最高裁判所長官の面前で、誰に向つて何を宣誓するのか、その内容ですね。それをお聽きしたいと思う。そうして又そういう宣誓をなぜ人事官が行なわねばならんのか、これは外に書いてあるかも知れないのですが、今ちよつと分りませんから、外にその理由……中味が書かれてあれば、それをお示し下されば結構であります。それから第七條の第二項ということになりますか、「人事官であつた者は、退職後一年間は、人事院の官職以外の官職に、これを任命することができない。」、但書はありますが、この理由、これは或いは前に説明があつたかも知れませんが、私聽いておりませんので……というのは人事官は、今非常にやかましい議論がありましたように、非常に大事なもので、誰が見ても公平な人だ。而も私はそれを削つて欲しいと思つておるのでありまするが、第五條の規定によれば「人格が高潔で、」云々という、こういう人が退職後一年遊んで、人事院關係以外の仕事をしてはならんということですが、こういう人が若し本當にそうであるならば、そういう人間をあらゆる行政の面、仕事の面で日本は今必要としておるんですから、こういう束縛をどういう意味で加えるか。私には理解ができないので、これを明らかにして頂きたいと思います。それから今度は戻りまして、第五條の中の例の政黨の問題ですが、これで「政黨の役員であつた者又は任命の日以前一年間において、」……こういう人は、「役員であつた者」は人事官になれない。併しなつてから任命された後政黨に加入することは自由だ。これに決して束縛しない。こういう御説明がありましたが、その限りにおいでは分りますが、政黨の役員であつた人が過去に遡つてなれないということと、それから任命されてから政黨に参加してもよいということとの繋がりはどう説明されるのかということと、それから更にその背後の問題として、どうも先程からの問答を聽いていますと、この法律の下書を作つた人達は、政黨というものについて聞違つた考だと私は思うんですが、こういう考があるようにとられるのですが、そういうふうにとつてもよいかということを一應お聽きして置きたい。それは今日政府委員の言葉では、政黨色というのはできるだけ排除したい。それは政黨の政策、主義、主張に忠實であればある程、工合が惡くなるという、こういう説明もありましたし、前回の時でしたか、これは人事官でなく一般の公務員の場合ですが、公務員として專心するには政黨の色眼鏡で見ることがないように、色眼鏡で事を處置することのないように 會計檢査院とか裁判所なんかも引合いに出されて説明されたのですが、そういう説明を聽いていますと、政黨或いは政黨の人達がその主義、主張に忠實であるということは、公務員として、或いは人事官として行政の面で仕事を公平に人民のためにやるということと基本的に背馳する。政黨の人達がその主義、政策に忠實であるということは、一部の人間のために忠實に働いて、多くの人のためには不忠實に働く、政黨というのはそういうものだという考が公然か或いは暗黙の中に下書を書いた人の頭の中にあるのではないか、そうとしかとれないというふうに考えられるわけです。行政の仕事をする場合と、それから立法の仕事をする場合とは、そういう學説に對するいろいろな意見は別としまして、一應區別されるとしても、公務員が本當に多數者に對する奉仕者であるということを實現するように、又この實現を妨げるようなことがあれば、それを防ぐいろいろな選擧方式なり、彈劾方式なりを考えて、これを法制化する、ここに政治的な活動があるのですから、そういう點において、昔はどうだか知りませんが、少くとも民主的な政黨の場合、その政黨の人間はそういう面において本當に主義、政策というものをあらゆる部面に貫徹することができるかどうか、こういう點で一般の審判を仰がなければならんのですから、そのことはつまり政黨に關係があるということ、或いはあつたということは少しも人事官に妨げない。こういうふうに私は考えますが、政黨に忠實であるというふうに私は考えますが、政黨に忠實であるという場合は、どうしても色眼鏡になつて云々ということから見ますと、つまり民主主義的な政黨、今日あるような民主主義的な政黨は、基本的に言つて、一般に一部の政黨に忠實であればある程、一部の人間、特殊の人間のために奉仕するような結果を必然的に招くのだ、こういう考え方が、知らず知らず基調になつておるのではないかというふうに考えられるわけです。これは今日だけの問答でなく、第一囘、第二囘の連合委員會でも、そういう説明がありましたから、私は若しそういうような考が立案者にあつたんだとすると、そういう精神において立案されたものを審議するのには、やはり私なら私としては、特定の心構えが今まで以上に必要になつて來るのではないかと考えられるわけであります。殊に政黨の役員であつたという場合に、普通の場合、話は少しよくないことになりますが、或政黨の人間が闇をやつたと、それが新聞で暴かれたというふうな場合、まあ平黨員という言葉を使いますと、平黨員がどつかの隅つこで闇をやつたという場合には、その政黨に對してそれ程のことは考えません。併しながら役員がそれをやつたというようなことになれば、これはその政黨の割に大きな責任になるだろうと、こういうふうに考えられます。それですから、逆に言えば役員であつた者こそ、役人としての責任において、假に人事官になつた場合には、公に大きな責任を負わなければならん。又公に大きな責任を負うように周りも當然見ておる。こういう事情があります。それから選擧に立候補した場合には、當然政策、合言葉、或いは約束をします。從つてそういう人が人事官その他になつた場合、そういう約束を本當に守るか守らないかということが、實際に試めされるわけです。それですから、そういう者は當然役員でない者よりも、或いは立候補しなかつた者よりも、みずから進んで大きな責任を自分の下に負つておるものと、これはそう考えるのが極く自然だろうと考えます。そういうことを全部連ねて、それでこの間からの政府委員の説明に照し合せて考えますると、或政黨に關して、これこれの條件の者は人事官になれないと、併しなつてから政黨に加入することは自由だということの内面關係が十分に説明されていないのみならず、抑抑政黨というものに對して、立案者の方こそ色眼鏡を以て、そうしてそれはどういう色眼鏡かというと、先ず從來の日本官僚的な色眼鏡ということになるかと思いますが、それは別として、政黨というものに對して、そういう考えを持つておられるのではなかろうか、今までの説明からすれば、それ以外のことにはちよつと解せないと、こういうふうに考えられますので、その點をちよつとお伺いいたします。
#60
○政府委員(淺井清君) 先ず第一に、この第五條の人事官の資格を書きました「人格が高潔で、云々」の點でございますが、誠にお説のように、このようなことをここに規定いたしませんでも、國會の兩院において然るべくこのようにお考え下さることとは存じまするけれども、何分にもこの人事官というのは、新しく初めてここに生れました職でございまするからして、その標準を分り易くここに書くということは、必ずしも無用でなかろうかと存じます。これは立法でございまして、國會がこのように標準をお決めになるということに相成りまするが、私はここに文字に現わしても現わさんでも、恐らくは國會の方においても、このようにはお考に相成ることかと存じます。ただこれは憲法にもございまするけれども、今後の立法は、ややこのようなインストラクテイヴな規定が隨所に現われて參りますることは、遷り變りの激しいときにおきましては、止むを得んことかと存じます。
 次に宣誓のことに關しましては、その六條にもございまするように、人事院規則によつて然るべく定めるつもりでございます。それからその次に第七條の退職一ケ年の就職の禁止云々の規定でございまするが、これはこの人事官在職當時、行政各部に對して大きな力を持つておりまするからして、萬一の弊害を慮りましたもので、國の専門調査員等においても、國會法にややこれに類似の規定があるかと承知をいたしております。
 次に最後のお尋ねの政黨のことでございまするが、お説は全く御同感でございまして、我々政黨というものを惡いものと或いは何とかということは、毛頭考えておりません。ただこの法律案の持つておりまする性格といたしまして、政治と行政とはこれを正しく分離したいと、こういうことに止まるのでありまして、それ以上他意のあることでございません。尚最後に附け加えますが、この第五條て掲げてありまするいろいろな制限、これはアメリカにおける長き經驗などに徴しましても、弊害のあつたことも、間々實例があつたように承知いたしております。
#61
○政府委員(井手成三君) 今、お答が忘れられたところがありますから、私から補足いたします。人事官になる前に政黨に入つておつて惡かつたが、後ではよいのはどういうことかという點につきまして答が拔けたように思いますが、人事官になる前に政黨に所屬しておるのは、この五條の四項では一向禁止いたしておりません。役員であつた。つまり政黨において具體的に活動の顯著であるような人は困ると言つておる。或いは候補者になつたというような方を言つておるのでありまして、政黨に入つて所屬しておるということは、一向否定いたしておりません。人事官になつてから後も、政黨に所屬しておることは、これは一向に差支ありませんが、政黨の役員になりますことは、六條の二項を御覽頂きますと、「第三章第七節の規定は、人事官にこれを準用する。」とございまして、百十條のところで、「職員は、政黨その他の政治的團體の役員となることができない。」という規定がございまするから、全部あとも同じような體制で規定をいたしておるような積りでございます。
#62
○中野重治君 一つは、第五號の全體に關して、アメリカの話が出ましたけれども、それはアメリカのいわゆる歴史の具體性によつて、そういうことになつたろうと思いますが、日本の場合は、これは第一囘以來問題になりましたように、日本の場合は、日本の官僚の、この官僚というのは、勿論個々の人人の善惡、差別ということは拔きにしまして、一般的に言うわけですが、この場合一般的に言つて、日本の官僚機構というものは、つまりこういうものが出なければならない程非常に惡いものであつた。反國民的なものであつたのですから これをはつきり破つて、新しく、本営に國民大多數に對する奉仕者としての役人というものを作り上げる。この場合スポイル・システムですか、ああいうものを引いて、この問いろいろ説明されましたように 日本とアメリカの場合は現實が逆なんですから、それも一つの参考には勿論なるでしようが、參考の場合にはその逆關係をはつきり押えて參考にして貰わないと困るのですから、私としては政黨の役員であつた。或いは政黨に關するさまざまな條件によつて人事官、或いは人事官を含めた公務員全體を拘束しようとするごとについては、反對の意見を持つておりますが、これは意見になりますから、意見のときに申述べたいと思います。
 もう一つお聽きしたいのですが、この宣誓の問題は人事院規則によつて然るべく定める。こういうふうなお答があつたのですが、そういうふうなお答を成るべくして欲しくない。そういうことが日本の今破壊されなければならない役人達のやつて來たことなんです。私は勿論、人事院規則によつて然るべく定められるということで、言葉としてはよく分りますが、そういうふうなつまり調査中だとか、聽き置くだとか、そういうふうなことをお尋ねしておるのではなくて、つまり何故そういう宣誓をする必要があるかということを説明して欲しい。言葉はどうでもよろしいので、何故宣誓をしなければならないか。宣誓は何に向つてどういうことを宣誓するのか。大體のことをお話して頂きたい。そのことを知りたいというのが私の目的なのであつて、どういう場合にも、これからいろいろな議論がなされるでありましようが、それは人事院規則によつて然るべく定めるというような答をするような精神から拔け出て答をして欲しい。これは私の希望です。希望ですが、然るべく云々ということについては、細かいことについては結構ですから、中身、基準というようなものを一應お答え願いたいと思います。
#63
○政府委員(井手成三君) 先程淺井部長から答えられました人事院規則の内容でございますが、淺井部長が非常に簡單なお答をされまして、非常に誤解を生じたと思います。實は人事院規則を決定的に政府としては案を作つてはいないのであつて、これは人事院ができてからできることですから、少し大事を取つて答えられたのだろうと思います。私共の方としましては、この九十六條にも宣誓の規定があるのであります。一般職員も人事院規則の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。それでこういう目新しいような制度が出て來たわけでありまして、如何にも從前の日本の行政法を扱つております私共としましても物珍らしい規定であることは、同じような感じがいたします。從前例えば官吏は任官して何處かに行くと、その地元の神社にお詣りして何か心を新たにするようなことを實際問題として取つておつたのでありますが、今後は新公務員法ができまして、官吏が國民の公僕として、そうして國權の或部分の實施の、その大きい部分か小さい部分か分りませんが、何か國民の全體の公僕たる立場をはつきり自分が自覺し、これを宣誓するというような機會を與えるということが非常に好ましいことだというので、この規定が出て來たのでありまして、この點は先程淺井部長も言われた如く、遷り變りの非常に強い時でありまして、今までは例がありませんけれども、こういうことによつて一つ人事官、それから九十六條にもありますように國家公務員の考え方をはつきりしたいというようなことを目的としております。從つてその内容たるものは今御質問になりました何の目的でやるかとおつしやつたそのお答をしたわけであります。その内容たるものはおのずから憲法十五條の精神を必ずやはつきり書いて來る。そうして後、それの具體化のようなものが、或いは九十六條におきましては、それぞれの例えば警察職員、教育職員、或いは一般職員その他に應じて違つた具體的内容が多少出て來るかと思います。只今確定的にこういう文句になるというまではしておりませんが、憲法十五條の精神及びそれの具體化になつております國家公務員法の重要なる事項を取上げるようになると思いますが、六條、九十六條で宣誓の具體的の相手方が違うだろうと思います。九十六條の如きものは、場合によつては自分の本屬長官に宣誓するような公務員も出るだろうと思います。それから場合によつて内閣總理大臣にやるものもあるだろうと思います。六條は裁判所長官に對して宣誓するのだと考えて規定ができております。
#64
○小野哲君 齋藤國務大臣はおいでになりませんので、私から政府委員に伺いたいと思うのであります。大體齋藤國務大臣の御意見では、この法律案は政府としては完璧のものである。こういうふうな御見解で、從つてこれ以上にいわゆる民主的な方法も加味するという餘地がないような御答辯があつたのであります。併し私は尚二、三の點について、政府の御所見を伺いたいと思います。
 先ず第一は人事院の構成の問題でありますが、第四條によりますと、人事院を置くということが決められておりまして、尚將來豫想されておる地方事務所の職員等につきましても政令で以て決めよう。こういうことになつておりますので、政府は人事院が人事官竝びに事務總長及びこれに属する職員だけで運營されるお見込でありましようか。それとも何等かの形で部局をお設けになる御意思があるかないか。この點が一つであります。若し部局をお設けになるとするならばどういうことをお考えになつておられるか。
 次はこれと關連いたしまして第十三條の第二項に、人事院規則によつて、地方の事務所を置くことができる。こういうことになつておりまして、先程井手次長からこの内容の御説明がございましたが、中央機關の地方における出先の機關を設けるということが、今日大きく問題になつておるのでありますが、尚又地方自治法との關係におきましても、或いは又國會との關係におきましても、ただ單に人事院の必要に應じて地方に事務所を置くということで行つておるのではないか。かように思うのであります。これらの法律又は國會との關係について如何なるお考を持つておられるか。この點を伺いたいのであります。
 次は先程から第五條の問題が論議いたされておりますが、いろいろと立派な形容詞が使われておりまして、私もかような人材でなければならないということは同意でございます。ただ憲法に認められております國民の固有の權利である公務員の選定及び罷免に關しまして、第五條第一項の規定だけでは不十分ではなかろうか。むしろ國會において選定の發議を保留すべきものではないだろうか。これによつて内閣が任命する。こういう方式について御研究なさいましたかどうか。又罷免の問題につきましては、第八條の問題でございますが、内閣總理大臣の訴追に基き、公開の彈劾手續により罷免を可とすると決定された場合は、人事官は當然退職するものとなつております。これも憲法の原則から考えますと、やはり國會の議決によつて、かような行爲がなされるべきではなかろうか、かように考えられますので、この點についての御所見を承りたいと思います。
 次は第十二條の點でございますが、人事官會議の議決を經なければならない事項が第一號乃至第十七號に列擧されておるのでありますが、これらの列記事項の内容を見ますと、例えば第六十三條の給與準則の立案或いは又補償の問題であるとか、或いは異議の申立又は恩給というふうな重要な事項が書かれておるのでございます。前囘の私の質問に對して齋藤國務大臣は、官吏も又勤勞者である。こういう考え方を土臺としてありまして、特殊な點につきましては國家公務員法中にこれを織り込んであるんだ。こういうお答があつたように記憶いたすのでございます。從いまして一例を給與の點に取りましても、給與の問題は非常に重要な事項でございます。で、これをただ單にん事官會議の議決を以て決定するというふうなことは、果して如何なものでしようか。今日官公廳の職員勞働組合を結成いたしまして、法律に基いた團體交渉、即ち團體協約の締結によつて勤務條件その他の確保に當つておるのでございます。かような場合において、これらの現状と考え合せて、この種會議がこれらの具體的の内容を檢討するであろうと思いますが、何等かの形で團體協約等の關連をつけつつ審議をするという機會を設けることが必要ではないか。從つて私の考え方といたしましては、これらの實情を十分に人事官諸公が把握するために或種の諮問機關を設けまして、それぞれの利害關係のある者によつてこれを構成する。從つてかような重要な事項を人事官會議において議決いたします場合においては、事前にこの諮問機關の意見を徴するというふうな方法をとることが必要ではないか。かように考えられるのでありますが、この點についての御當局の御見解を承りたいと思います。
#65
○政府委員(井手成三君) 職員の問題に關連しまして、どういう部局を設けるだろうかという豫定があれば話してくれと言われましたが、實は今議會に臨時人事院の豫算をすでに準備をいたしまして提案をすることになろうと思つております。それの内容については、事務局長が一人、それから事務官が二級が十名、三級十五名というような程度と雇傭員がその外に三十名というような程度の案を出しております。これが漸次職階制度が可能なものからやつて行くということになりますので、漸次仕事が殖えて行つて、臨時人事委員會が人事院の代りの仕事をやる場合には、大分殖えて來るだろうと思うのであります。從つて發足勿々の臨時人事委員會は、非常に部局等も簡素なものであろうと思いますが、漸次本格的の仕事をやると、人が殖えて行くと思います。これと同じような状況が人事院につきましても職階制が完全に適用になる場合、そのずつと手前というところで非常に變つて來るのであります。從つて最後の段階にはどうなるだろうかということは凡そ考えておりますけれども、ここで人事院の部局としてこういうものができると書いてしまいますと、最後の完全なものができてしまいまして、最初のうちは事務も隨分少い。そういう場合にその組織を持つ必要もないと考えられるのであります。おそらく私共としましては、最後の段階には、あとで淺井先生が最後の、大體理想として考えておると言いますか、具體的にこういうような構想になるだろうというようなことは、お話願いたいと思いますが、恐らく發足當時には、そういう必要はないので、漸次移つて行くと考えております。
 それから地方事務所でありますが、小野さんのお話でございますが、この仕事は例えば地方自治法の今改正の研究があります。そこで地方部局の設置には先ず基礎的に國會の議決が要る。次に個々の設置についても議決が要る。或いはその個々の設置の大きな基準について議決が要る。それから全然要らないというようないろんな段階のものが豫想されておるのでございます。その考え方は、大體地方の民衆、國民に對しまして權限を強力に及ぼす。單に鐵道とか遞信のようないわゆる企業、これは極端にいいますと民間の企業でやつてもいい。或いは學校、これは私立でやつてもいいというようなものは、恐らく問題にならなくて、行政權を實施して行く、強制力を使つて行くというようなことについて、極度に強く國會の御意向を伺うということになつておるだろうと思うのであります。で、この人事院の地方事務所は、大體役人になつてしまつた人の、あとの問題でありますと、役所の中のことでございまして、直接民衆という方には關係はないのであります。役所の中の内部的な仕事であります。ただ民衆と直接關係があるとしますれば試驗、廣告をして試驗をして行く。この問題でありまして、これも公務員になりたいという人だけの問題でありまして、強制的に國民に對して警察力を實施するとか、責任をとるというようなことと違うのであります。從つて私共の考えとしては、地方に事務所が置かれるということを豫想することをこの法律に書いて頂く程度でいいのではないかと思いました。それで大體は先程言いましたように、地方的な試驗の募集とか實施とかいうことの簡單なこと、それからエリヂブル・リスト、いわゆる任用候補者名簿の地方的なものの作成、その連絡というようなことになるのであろうと考えております。その程度のものでありますから、この法文の程度で、先ず先ず行政官廳法の現在の規定、或いは今後できる地方自治法の考え方とそう背馳しないと考えております。それから國會で發議をして行つたらどうだろうか。それから任命について、それから罷免も、總理大臣の訴追でなくて、國會の方の議決にするということにしたらどうだろうかというように承りましたが、これも考え方でありまするが、人事官は普通の何と言いますか、最も事務の極端に純粹な事務を擔當する役人でありまして、木來ならば普通の任用に從つて、總理大臣なり、或いは閣議にかけるかも知れませんが、行政部の方で、これは任免をして行くのが普通の有樣であります。併し非常に民主的な要素を入れなければならない。それから國民の代表される國會の意向を聽くということが必要であるという點を十分に尊重しようというので、本來の立て方は、普通の事務をやる役人であるのだけれども、國民の代表の方の御意向を聽いて、任命なり、或いは彈劾の議決をやつて頂こう。その邊が丁度いいところであろうというのが原案の趣旨でございます。それから第十二條にいろいろ竝んでおる中で、例えば給與を例に擧げられまして、その他いろいろの方面の專門の連中、或いは公務員のいろいろな階層の人を代表するような人達を入れた諮問機關を作つたらどうかという御質問でございましたが、これは或いは運用して行くうちに、そういう必要があり、或いはそれを職員代表だけでなくて、いろいろな毎度の方を選んで、委員會を作るか。或いは参與、顧問というものができますか。それは我我は否定はいたしておりません。將來そういうようなことが非常に運營が正しいということになれば、これは作つて行つた方がいいと思います。これはいわゆるただ給與の問題について御話がございましたが、現在と別に違つていないのでありまして、現在でも國の給與の制度を作ります場合に、これは普通の内閣法によりまして、各大臣が、政府提出の原案でありますれば、閣議に掛けて、そうして議會に提案するという運びでありまして、その前に職員代表の意見を聽けというようなことは書いてありません。これは事實問題として聽くということは勿論あつても、これは別個の問題であろうと思いますが、……そうしてもう一つ私共の考えておりますのは、法案が出て、給與準則が出て行くという場合に、その法案の作成に人事院がタッチする。或いは内閣總理大臣がこれを受けて、國會に提案して行くという立場は、單に使用者對從業者ということでなくて、この法案なるものは國會によつて決めて頂く。國民大衆の決定、國民全體の決定になるのであつて、政府が使用者として法案を出すのではありません。勿論そういう角度のものもありますが、本來は國の法則でできるので、使用者というので法律を出すのではない。寧ろそういう角度は從なんで、主は國の規律が出て行くのだというので、多少民間の從業員規則を作るという使用者の立場とは、やや違つた立場があろうと考えておる次第であります。
#66
○政府委員(淺井清君) 只今の説明に補足いたしまして、將來の人事院がどういう構想になるかということについて申上げたいと存じますが、これはほんのまだ未定のものでありますから、どうぞお聞き流しの程度に願いたいと存じますが、先ず第一に職階ということを司つております職階局というものができるかと存じます。それから次に肥率のことを司ります能率局というようなものができべきではないかと存じております。それから次に任用試驗のことを司る任用局というようなものができるかと存じます。それから次は給與のことを司る給與局、恩給のことを司る恩給局、これもできるのじやないかと思つております。そういたしますと、職階、能率、任用、給與、恩給と、まあ大體この五つの局から成る構成になるのじやないかと、こういうふうに考えております。
#67
○小野哲君 只今政府委員から人事院の構成について御説明があつたのでめりますが、この第四條に書いてある人事院は、恐らく最後的な段階の人事院を豫想して書かれておるのではないかと思うのであります。この法律が特に人事院に關する法律の施行は大分先のことになつておりまして、それまでの暫定的な臨時人事委員會でございますか。左樣なものが作られることになりまして、段階的に機構の充實を圖られて行くということにつきましては、十分了承いたすのでありますが、只今のような御説明竝びにこの法律案自體が豫想いたしております人事院は、單に職員だけの問題ではなくして、最後的段階の人事院を私共は考えつつ、やはり將來の人事院の姿を念頭に置きながら、審議することは妥當であろうと思うのであります。從いまして今申されましたような部局が、假にできますかできませんか。よく確定的には斷言されることは困難であろうと存じますが、何かこの人事院というものの機構ということについて、單に職員ということだけでなく、機構についてもこの法律の中に何らかの規定を設けておくということが私は一つの行き方ではないか、かように思うのであります。今はできないが將來はできる、將來できるときに、どうせ法律を立案されまして國會の議決を得ることになることは勿論と存じておりますが、さような點を豫想いたしますというと、この際にその點は明かにされておく方がいいのではなかろうか、かように私は考吏られるのでございます。この點について重ねて政府委員のお考を拜聽いたしたいと思います。
 尚井手次長からお話がございました諮問機關を設けるということは、行政運用の面から考えると、私もこの點同感でありますが、然らばこの種の諮問機關をやはり人事院の民主的な運營を目途として、この法律の中にお定めになることが必要ではなかろうか。特に給與の問題は、先程分析的に御説明がありましたので伺つたのでありますが、使用者對被傭者の關係でなくして、國家としての立場において見るんだと、こういう御説明でありますが、併しこの法律の適用を受ける公務員の側から申しますというと、やはり給與その他の問題につきましては、直接の問題であり、そこまでの理論的な掘り下げもしないで考える場合が多かろうと私は思うのでございます。從つて國家公務員が一般動勞者たる立場において扱われる。ただ特殊な點についてのみ、この國家公務員法案中に織り込まれておるという考えからいたしますというと、これらの點につきましても、法律上何らかの措置をおとりになることが、今後の人事院の運營の上によい結果を齎すのではなかろうかと考えられますので、この點について法律の上に諮問機關の設置に關して何らかの規定をされるような御研究をされましたかどうか。この點を伺いたいと思います。
#68
○政府委員(井手成三君) この人事院の部局というものは、恐らく最後的にでき上つた段階を考えて、この四條の職員というようなことも考えられて、そうして規定ができておるのではないか。從つてさつき淺井部長が述べられたような構想があるならば、今からそれをはつきりしたらどうかいういことと承わりました。私が申上げましたのは、臨時人事委員會は或程度準備事務をやつて、そうして人事院と同じ仕事を以て、そうして人事院に引繼ぎますときに、急に直角に角度が上に上るのではなく、名前は人事院に變りますけれども、順次久なだらかに上つて行つて、そうして完全に施行されるときに行くだろう。いつ完全に施行されるかと申しますと、できるだけ早くやりたいと思つておりますけれども、すベての官職に對していわゆる職階の分類が完全に濟んで、それに對して適當なる給與があり、それに對して適當なる任用資格を決める。そうしてそれに必要な試驗を實施して行くためにも、人事院に引繼いだそのときからではなく、人事院が發足しても或程度残ると思います。恩給にしましても、從前の制度の恩給が相當續いて、そうして遷り變るというような工合で、人事院の發足したときに、理想的な人事院の部局の段階ができるというのは、少し勿體ないのじやないかということを申上げた次第であります。勿論書き方は或程度違つておるということを……、これ又お叱りを受けるかも知れませんが、この前のように多少の變更を許すというようなことがあるとすれば、勿論自然に合うと思いますが、あまり用事もないのに局ができてしまうではないかという見地から、これを書かなかつたのが一つであります。更に白状しますと、實はこの制度を採りましたが、職階制について完全にまだ檢討しておりません。これは臨時人事委員會が全責任を以て、短期間に急速に仕上げなければならんと思います。外國の例はありますけれども、日本の官職と可なり違つておりますから、どういう姿になつて出て來るかということは、百%豫想できないので、今淺井部長が言われましたが、大體今はこういうようなところで行くんだろうという程度のことしか、まだ確信が持てない次第であります。同樣のとは、この諮問のために、なにか參與みたいなものをおくのがいいんだろうか、顧問みたいなものがいいんだろうか、或いは專門調査員みたいなものがいいんだろうか、或いは委員會制度がいいんだろうか、幾つ作つたらいいんだろうかというような點までは、職階制度の實は大ざつぱな方向は決めておりますけれども、研究が完全に至つておりませんので、今急速にこういう形の委員會がいいというまでの確信がなかつた次第であります。私共は決してこれを何らかの意圖を以て、そういうものを作りたくないと逃げるのではなくて、必要に應じたものを適當なときに作りたいというふうに考えておりまして、こういう組織がいいというだけの實は確信がないのが、原案に入れていない理由でございます。
#69
○小野哲君 大體了解いたしたのでありますが、併しこの法律案では、今直ぐできないが、將來やるように努めなければならないというふうな規定が大分あるのであります。それはまあ非常に結構なことで、それによつて國會の議決によつて政府が拘束をされて大いに努力をされるということは、大いに望ましいことであるし、我々も期待はしておるのでありますが、先程申しましたのは、人事院に引き繼がれて急にいろいろな局ができるということを考えておるのではなくして、この法律案自身の人事院というものは、この法律案の上に現われたものとして理想的なものであつて欲しい。それに必要な規定がこの際あるべきじやないか、こういう意味なのであります。又語問機關云々も、どんな形にしたがいいか。參與がいいか、或いは顧問がいいか、諮問委員會がいいか、これはいろいろ意見がありましようが、少くとも人事院の運營が圓滑に行くために、又採用の議決を必要とする事柄ができるだけ具體的に妥當なものであるようにということを考えますというと、あらかじめそういうふうな何らかの機關を設けるというふうなことは、これは今からでも豫想され、又これを法律の中へ入れることによつて、一般國家公務員諸君は非常に安定された氣持でこの法律案を迎えるのではないか。こういうふうな一つの老婆心もありますために御質問を申上げたような次第で、決して難きを強いる積りじやなくして、この法律案そのものを素直に見た場合には、かくあるべきではないか。かような見解を持つておる次第であります。
#70
○栗山良夫君 私は十二條、十三條、十條に關連いたしまして、事務總長の件について御質問をいたしたいと思います。十二條で、事務總長は幹事として人事官會議に出席するということが明かにいたされております。人事官會議において、官吏として出席し發言せられることは、相當にこの會議の運營において重きをなすような、助言的な發言がなされるであろうということは、想像に難くないのであります。又十三條におきましては、事務總局の所管の事項につきまして、大綱が概括的に盛られておりまして、而もこれに責任を以て當られるのが事務總長であると十四條に書かれておるわけであります。
 このように、事務總長は非常に重要な職務をなされるのでありまするが、恐らく私共の今までのいろいろな經驗からいたしましても、人事官が極く高い立場から、本法案によつて各般の事項を運營されるのでありますけれども、この事總総長の人を得るか得ないかということによつて、人事院の動きというものが相當に大きな違いを生じて來るだろう。これは現實的な面として、そういう工合に想像されるのであります。それほど重要であるが故に、第四條においてわざわざ人事官と竝び立てまして、事務總長を一名を置く、職員の項にも明かに書かれておるのだと私は思うのであります。しかるにこの事務總長がどのようにして何時、誰が任命するかということが、ちつとも書かれていないように私は思うのでございますが、この點についてどういうお考でこれが除かれておるのか、その重要性と任命、その他の問題について、政府のお考を伺いたいと思います。
#71
○政府委員(井手成三君) この事務總長の任用の資格及び如何なる任用になるかということはこの法律の表に出ておりません。これは結局職階制が具體化して來ます場合において、明白になると思いまするが、非常に嚴重な資格を恐らく職階制として決めるであろうと思います。責任の重さ、その複雑性というようなことにおいて職階制による資格を決めて參りますから、今申された如くこれは幹事役になり、事務當局の仕事をとるということは、非常にこの人事院の運用のむしろ任命を決するほどの實力を持つかも知れませんし、その點におきましてはこの人に關する、このポストに關する職階制は相當嚴重な高次なものになろうと思います。任用の方法でありますが、これはこういう程度の相應なる、責任の重い、複雜なる内容をもつ職務についての任用方法が、これ又この法律の任用のところに書いてございます。總理大臣、それから各廳の長とかいろいろ分けてございますが、恐らく最高の任用權者によつて任用されるような制度になるであろうと思います。これを各省次官とか、その他のように特別職にしなかつたかという意味は、各省次官は先程言いましたが、政策の下の方への滲透ということをここで期待しようというので、各省次官は特別職にしておりますが、事務總長は時の政府の政策の滲透というようなことが中心でないので、むしろ三人の人事官が議會の兩院の議決を得て、そして任用され、その人の決めた方針を忠實にやる。そして最も專門的にその事務を裁けば大體よろしいという意味で、各省次官とは區別して特別職にしなかつたのであります。しなかつた結果一般職の中で最も高次の嚴重なる制度の適用を受けるものになるのではなかろうかと考えております。
#72
○委員長(下條康麿君) それでは次のところに移りまして、第十六條から第二十六條まで、大體人事院の働きの問題ですが、人事院規則、調査、給與の支拂の監理、人事記録、統計報告權限の委任、人事行政改善の勧告その他につきまして質問願いたいと思います。
#73
○政府委員(井手成三君) 時間が惜しいものですから、重複になることを省きます。人事院の權限のことが主に書いてございます。權限の内容は一口に申しますと、各廳職員の人事行政の綜合調整、試驗というような點が中心であります。具體的にどういう權能を行うかということはいろいろな條項に散見いたしております。最も特異性のあるのは先般來度々御質問を受けております人事院規則でございます。これは會計檢査院規則というのと同じような性質のものでございまして、いわゆる内閣の、普通のものならば法律の實施は政令で憲法に基いて行われるわけでありまするが、なんにも規定しませんと政令が出て來る。これはむしろ人事院に獨自性を持たせようというので、人事院規則によつてやる。政令はむしろ排除するというような意味を持つております。しかし人事院と雖もこれは行政各部でありますから、内閣が責任を持ち切れないものは作られては困るというので、獨自性は持たせるけれども、内閣總理大臣が承認しなければ出せないというようなところで調和を保つておる次第でございます。後に人事院の具體的の權限がございますが、これは後の各章に行きまして出ると思いますので、この程度にして戴きます。
 それから人事院規則はどういうものが出るかということでございますが、十九條の第三項、これは非常に簡單なことで、記載事項、樣式、人事記録の調製者、保管者、保管方法、保存の時期というようなことがこれで決まるだろうと思います。それから二十條に參りまして、統計報告事項、報告の樣式、報告の時期、定期的又は臨時的、或いは報告の手續というようなことがこれで決まると思います。それから二十四條で内閣總理大臣が定めるところによりまする、これは今言いました報告事項とか、報告の樣式と殆ど同じことをここで決めると思います。それから二十五條でどういうところに人事主任官を置くかということを決めるかと言いますと、例えば現在總理廳の外局になつておりまする經濟安定本部とか、建設院とか、復員廳というような大きなところには、特に人事連絡のために人事主任官を置くということを明示すると思います。小さな外局のようなものは、本省の人事課長で十分連絡的な事務ができますから、多分指定にはならないと思います。それから二十六條の五項にございますが、招集の時期とか手續というようなことを書きます。これは定期的の外に臨時に、三人の中二人が要求して來たとか、人事院總裁が必要と認めたるときに呼ぶというようなことを書くと思います。それから會議の記録、議事手續というようなものを書くと思います。
#74
○委員長(下條康麿君) お尋がございましたらどうぞ……。
#75
○山下義信君 第十九條の人事記録のことでございますが、これは人事院で人事記録に關しまするもの一切を管理するのでございますか。それとも又それぞれの官廳の人事係の下にそれらの記録はあつて、人事院はそれを監督するというのでございましようか。全部の記録を人事院で管理するというのでございましようか。その點を伺いたいと思います。尚この人事記録は言うまでもなく非常な大切なことで、恐らくこれが科學的に合理的に作られて、これによりましてすべてが行われて行くことになりまする根本でありますか。この人事記録に記載されまする事項、これは人事院規則で定めるとあるのでありまするが、どういうふうにお定めになるお積りでございましようか。言わば關係者が一方的にその記録を作るのでございましようか。當該本人がどういうことが記録せられてあるということを確かめることの機會でも與えられるということがあり得るのでございましようか。その點を伺いたいと思うのでございます。
 それからいろいろございますが、他の部分は他のお方にお讓りするといたしまして、第二十六條の人事主任會議というものがあります。これはこの條文を見ますると、關係の人事主任官が集まるということになりますと、非常に多數になると考えられるのでございますが、人事主任官會議の運用の模樣はどういうふうになるのでございましようか。人事主任というものがありまする限りは、全部の主任が集まるのでございましようか。その邊の運用の模樣を承りたいと存じます。
#76
○政府委員(井手成三君) 人事記録の管理の點でございますが、管理する方法としまして、直接自分の手で記録し、そうして自分の手で整理し、保管するというやり方、それから一定の基準、規短を定めまして、他の者をしてやらしめて行くというやり方、いずれも管理という言葉で私共含ました積りであります。これは行政官廳法の第一條あたりにも各省大臣の分擔管理、こういうことがございまして、管理という言葉を便宜に使つて直接處斷するものあり、又一定の規格のものを、他のものをやらして見張つているというような部分も含めて廣く考えております。それでどうなるかと言いますと、現在でも内閣の人事課で相當のランク以上のものは一括してやつております。不完全なものでありますけれども、それ以下のものでありますと、數も多いし、實行上困難でありまするから、それぞれの廳、又は地方官廳にやつて貰つております。必ずしもランクだけでなくて、この頃は資格審査というようなことがありますから、特別の意味においていわゆるランクの低いものでも中央でやつているものもあります。今後その點は、現在とある程度變るかも知れませんが、全部變え得ないということは事實でございますから、お示しの通り各省にお願いすることがあると思います。それから人事記録にどういうことを書くのか、それには本人が發言することを認めるか、これは實際問題として、本人に聽いて書いた方が正しいものが書けるというようなものにつきましては、もちろん聽くと思いますが、七十二條を御覽頂きますと、成績評定、いわゆる能率を評定する、この人間は勤勉であつたとか、或いはこういう事務は非常によくできた、能率の問題に關しまして問題がやかましくなるだろうと思います。その能率記録と、この人事記録と一緒にやるか、或いはそれを綜合してやるかということについては、まだ確たる考えはございませんけれども、こちらの方の人事記録の方では、本人に聽かなければならんような、聽かなければ本人の何か不利益になるというような事項は、あまりありませんので、履歴書とか、特技とか、健康とかを聽いて書いた方が正しくなるものは聽くと思いますが、聽かなければならんという法則をおく程のものは、こちらではないのであります。それから人事主任官會議がどういうことになるかという御質問でありますが、二十五條の一項で申上げましたように、これは大體國家公務員法の大精神に基いて運營され、その根本的な考え方は先ず人事院が決めて、そうして各省、各廳で、そうアンバランスにならないように實施せられたい。例えば勤務成績に應じて昇給して行くという場合に、或省は非常に早いし、或省はそうでない。或いはその判定も、低い高いということは非常にアンバランスになりますから、大體運營を一貫して行きたい。又運營の基準をやるにしましても、いわゆる机上プランしかやらないような、中央から二階から目薬というようなことでは困るので、やはり第一線の實情を把握しなければならない。從つて人事官から發する場合と人事院の受取る場合と、兩方やると思います。そう大勢集つても仕方がないというが、二十五條で書いてあるようにその人を呼んで來れば、大體その部内のことは徹底し得るということで各省なり、各省でなくても、先程申しました戰災復興院、復員廳、安定本部は相當の人員を持つており、總理廳の人事課では片が附かないというようなものは、選んで人事は指定することになると思いますから、非常な數にならんと考えております。
#77
○小野哲君 私から二、三伺いたいと思いますが、先ず第一は二十二條にあります勧告でありますが、この勧告という文字は、この法律案では、その後にも關係しておりますが、私の伺いたいことは人事院と關係大臣、その他の機關の長との法律上の關係であります。この法律上の關係によりまして、この關告の効果というものがどうなるかということが決つて來るのじやないか。この點についての御所見を承りたい、これが一つであります。
 もう一つは二十一條との關係でありますが、二十二條の讀み方から考えますというと、「關係大臣その他の機關の長」、こうなつておりますので、關係機關というのは、それぞれの行政部を指しておるのではないか、從つて二十一條の他の機關というものも當然それと同じような、言い換えれば二十二條の機關と同じ内容を持つておるのではないか。かように考えるのであります。その場合に二十一條ではこの法律に基く權限で重要でないものについては、人事院がこれらの機關をして行わしめることができる。こうなつておるところを見ますというと、人事院とこれら他の機關との關係は、例えば主務大臣と從來の地方長官との關係のように職權の一部を委任する、こういうふうなことになるのではないか。こういうふうに考えられますので、その場合に先程申しました二十二條の勧告の効果ということにも、この人事院とその他の機關との關係が二十一條では權限を委任しておるというふうな關係があるのではないかと、こう見られることと、それから二十二條で「勧告することができる」と、こうなつておりますが、二十一條の思想からいうと勧告の効果は相當強いものであつていいのじやないか。この法律上の効果をどういうふうに考えていいか。この點の御所見を承りたいと思います。
#78
○政府委員(井手成三君) 二十二條の「勧告」でございますが、この人事院と關係大臣その他行政各部の機關の長との間には、上下の關係はございません。ただこれは行政各部の中でどういう性質のものであるかと言えば、純粹に言えば總理廳の外局であると思います。總理大臣の所轄となつておりまして、豫算の編成その他一般的の所轄は總理大臣が持つておりまして、具體的の仕事の内容についてはいちいちのことを總理大臣が自分の内局のような工合に、或いは普通の外局のような工合に、指揮いたしませんが、所轄という程度で關係しております。他の各省との關係では飽くまで總理廳の外局であります。その點は安定本部にしても同樣であります。ただこの法律自體によつて他の長との間に上下闘係がなくても、具體的權限を與えることは可能でありますから、二十一條、二十二條で具體的の權限を與え、これ自體において、相手方に對して義務を負わしめたり、いろいろなことが起ると思います。さて二十二條は「勧告」とありまして、これに應じなければならんかというと、恐らく勧告を受ければ事理を盡してできるだけ努力するという義務はあると思います。それに應じなければ法律違反になるというようなことはないと思います。こういう勧告の言葉は從前の立法では、今は廢めになつたが、入營者職業保障法、入營して戻つて來た人を復職させないときは、職業紹介所長から勧告するという規定もありましたし、必らずしも例がないわけでもありません。それと同じように應じなければ違反ということはないが、それが勧告が法律で決められている以上は、それを受けて事理を盡して努力するというだけの義務は負わしております。
 二十一條でありますが、權限の輕限のものというのでありますから、事件の公告を誰かに頼む。そのときに人事院が必要と思う事項を合せて公告にのせるといういとを、然るべくそちらで決めてやつてくれということは、勿論二十一條で起ると思います。この意味で小野さんが指摘されたように、この法律のこの條文によりまして、他の機關に委任するという權限を與えられて委任された以上は、その役所は委任の義務を忠實にやらなければならんということがあると思います。
#79
○山下義信君 ちよつと關連いたしまして、一箇條質疑が落ちておりましたので、この際伺いたいと思います。第十七條の「人事院又はその指名する者は」、云々ということがあるのでございますが、「人事管理の状況」「人事行政に關する事項」を調査する。非常に廣汎なことをするようでございます。人事管理ということと、人事行政ということの同異も念のために伺いたいと思います。人事行政に關する調査ということになりますと、人事院の仕事全體もこれに包含されているようにも見えますし、人事院が、或いは又その指名する者が調査するということになりますれば、他の諸官廳の人事の取扱い方というようにも見えますので、この邊伺いたいと思います。尚それ等のものが調査のために證人を喚問し云云ということがあるのでございますが、こういう權限はどういうところから出て參りまする權限でございましようか。證人喚問の權限の法的根擔というようなものをお示し願いたいと思います。
 尚先刻伺いましたこの人事記録のことでございますが、第十九條の……これは私共、「人事に關する一切の事項について、人事記録を」とありまするので、試驗の成績も、能率の成績も、本人の身の上も、何もかも一切のことをここに人事記録と言つておるのではないかととりましたのでございますが、只今政府委員の御説明では、そうではないというふうなお示しでございましたのでございますが、念のために今一度伺つておきたいと思います。それからすべての當人の能力竝に勤務成積といつたようなものの記録は、私共の感じておりましたことは、すべて人事院におきましてそれが嚴密に管理せられまして……管理ということは、今仰しやつたように直接間接の場合も皆含むのでありますけれども、直接にそれ等が人事院にちやんと管理せられまして、いわゆる下部の諸官廳に人事が任されてしまうのでなくして、人事院へ參りましてこの公務員のすべての任免が公平無私に行われるように、ここで皆行われるのかと、こう考えたのでございますが、併しながらこの二十一條でございますが、それ等を見、又只今のように能率、成績もの他人事記録は、皆直接の諸官廳に置かしてやるということになりますと、勢い實際の人事の行政というものは、人事院はただ監督官廳に止まるようなことになりますが、實際はそれぞれの所屬の諸官廳で以てやられるというようなことになるのでございましようか、その邊を伺いたいと思います。
#80
○政府委員(井手成三君) 先づ第十七條でございますが、人事行政というものと、人事管理との幅はどうかというようなことでございましたが、勿論人事行政という言葉が一番廣いのでございます、例えば試驗に何人合格したか、どんな試驗問題を出したかということも入りますが、人事管理というものには入らないと思います。この就職状況……人事管理と書きましたのは、言葉で言つたら何と言つたらいいですか、就職状況というようなのは、入つたり出たり、就職離職というような關係、公務員生活の始めから終りというようなことを書いて來たので、人事管理というのは入つた人間がどういう工合に動かされて行くか、どういう工合にされるかという、何と言いますか、片一方は職業行政、昔の厚生省でやつておつた職業局のような仕事、片一方は勞政、勞務管理というようなことを現わした積りでございます。それを全部引つくるめまして、重點的なものを二つ書きまして、あと人事行政に關する事項と書いてありますが、重要な事項はこの法を惡用して目茶苦茶に、變なことを示して、やるということはないので、この法律の運用として勿論第一條に書いてある趣旨から見ましても、そう目茶苦茶なことをやる筈はないと思いますが、一應法令として、人事院及び指名された者は、この十七條の二項によりまして、證人を喚問するところの權限が出るのであります。喚問したけれども嘘が出て、それが元になつては困りますから、罰則の百九條へ來まして、これに對して一定の處罰規定を置いております。その點から言いいましても、そう目茶なことをやる、そこまで人事院が疑われてしまつては、恐らくこの法案に運用ができないと思いますので、願くはこの人事院の當局者がこの一條の法の精神によつてやつて貰うということを期待しております。外からの根擔があるのでなくて、十七條二項が、その權限を與えておる次第であります。十九條の「人事に關する一切の事項について」とありまして、實は私先程末梢的なことを言つたんですが、人事記録の一番中心は、いつ何日に任官したか、昔で言えば任官したか、そうしていつ何日に試驗に合格したか、その試驗の成績はどうであつたか、まあそれはものによつて書けた場合があるかも知れませんが、俸給はどうなつたか、どういう紹介を受けたか、何と言いますか、國家公務員となつた人事上の記録が中心でありまして、先程言つた特技とか學校というのは、從のものを言つてしまつたんですが、「人事に關する一切の事項」というのは、役所でやる人事の一切のことを規定しているので能率判定、そういうようなものは、必ずしもここで考えないので、別の條文を置いた次第でありまするから、そういうものをのけたものだという工合にお讀みを願いたいと思うのです。
 それから今言われた如く、人事記録は完全に人事院が持つて、そうして全く中正公平にやるべしということは、全く御同感でありまするが、先程言いました如く、日本國中に非常な數の多い國家公務員、今度は從前の雇員、傭人といつた者も、單純な勞務以外の者は皆入りまして、それを徹底的に人事院でやるということは、非常なことで、事實どれだけの人間がいるか分りませんし、又事實に合わないような結果になつても困りまするので、骨のあるところ、或は相當中樞の部分は、ここでがつちり握りますが、あとは各省各省に依頼しまして、そうして人事主任官會議その他を通じて、その運營がうまく行くということを期待する外に途はないだろうと考えております。
#81
○委員長(下條康麿君) 大分時間も經ちますから、今日はこの程度に止めまして、速記の關係で、明後日午後一時半から續行したいと思います。次は第三章に入りたいと思います。本日はこれで散會いたします。
   午後四時二十九分散會
 出席者は左の通り。
  決算委員
   委員長     下條 康麿君
   理事
           太田 敏兄君
           西山 龜七君
           山下 義信君
   委員
           吉川末次郎君
           中川 幸平君
           平野善治郎君
           小野  哲君
           駒井 藤平君
           鈴木 憲一君
           伊達源一郎君
           帆足  計君
           千田  正君
  勞働委員
   理事
           堀  末治君
           小川 久義君
           栗山 良夫君
   委員
           天田 勝正君
           千葉  信君
           荒井 八郎君
           紅露 みつ君
           奥 むめお君
           竹下 豐次君
           姫井 伊介君
           中野 重治君
  國務大臣
   國 務 大 臣 齋藤 隆夫君
  政府委員
   法制局次長   井手 成三君
   總理廳事務官
   (行政調査部公
   務員部長)   淺井  清君
ソース: 国立国会図書館
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