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#1
第108回国会 建設委員会土地問題に関する小委員会 第2号
昭和六十二年六月五日(金曜日)
    午前十時開議
出席小委員
  小委員長 村岡 兼造君
       谷  洋一君   中島  衛君
       野中 広務君   平沼 赳夫君
       森田  一君   小野 信一君
       中村  茂君   坂井 弘一君
       西村 章三君   中路 雅弘君
 小委員外の出席者
        国土庁土地局長 田村 嘉朗君
        国土庁土地局次
        長       片桐 久雄君
        建設大臣官房審
        議官      福本 英三君
        参  考  人
        (東京都副知事)横田 政次君
        参  考  人
        (東京理科大学
        教授)     石原 舜介君
        参  考  人
        (経済評論家) 飯田久一郎君
        建設委員会調査
        室長      佐藤 毅三君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 土地問題に関する件
     ――――◇―――――
#2
○村岡小委員長 これより土地問題に関する小委員会を開会いたします。
 土地問題に関する件について調査を進めます。
 本日は、本件調査のため、参考人として東京都副知事横田政次君、東京理科大学教授石原舜介君及び経済評論家飯田久一郎君に御出席を願っております。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本小委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から、現下の東京圏を中心とした地価高騰の現状を踏まえ、幅広い見地から土地問題について忌憚のない御意見をお述べいただくようお願い申し上げます。
 なお、御意見は二十分程度に取りまとめてお述べいただき、その後、小委員との懇談に入りたいと存じます。
 それでは、まず横田参考人にお願いをいたします。
#3
○横田参考人 東京都副知事の横田でございます。
 本日は、参考人として現下の土地問題に関する意見を申し述べる機会を与えられましたことを深く感謝申し上げます。
 当面する地価問題につきまして、東京都の基本的認識及び対応の方向等を中心に意見を申し述べたいと思います。
 さて、地価の現状を見ますと、全国的には一貫して安定基調にありますけれども、これに対し東京の地価は、昭和五十九年以降、都心部商業地を中心にしまして急速な上昇を示し、最近では周辺住宅地へと広範に地価高騰が波及しておる現状でございます。四月一日に発表されました地価公示によりますと、東京都平均の対前年地価変動率は、商業地で七四・九%、住宅地が五〇・五%、全用途地域で五三・九%という、まさに異常ともいえる数値を示しております。
 このような過去に例を見ない東京における地価の高騰は、都政の推進及び都民生活にはかり知れないマイナスの影響を与えておるわけでございます。
 第一に、都心部の商業地の地価の高騰は、一部不動産業者の底地買い等によりまして、都心部の住民を周辺住宅地へと追いやっているような現状でございます。このことは、夜間人口の減少をもたらしましてコミュニティーの崩壊につながりかねず、いわゆる空洞化現象として、定住化対策を進める東京都の立場に深刻な影響を与えております。
 第二番目には、急激な地価上昇は、計画的な町づくり、とりわけ社会資本整備の大きな制約となってきております。公園・緑地、各種の教育・文化施設、道路、鉄道等の社会資本を整備拡充することは、都民が快適でゆとりのある生活を過ごすために不可欠でございます。しかし、東京の極端な地価高騰は、これらの整備に必要な用地の取得につきまして膨大な予算を要することとなっております。例えば都心部の臨海部に通じます環状二号線という都市計画決定をしている道路がありますけれども、二号線の建設に当たりましては一キロ大体三千億に上る、こういう箇所もありまして、建設コストの大部分を用地費に充てざるを得かい状況でございます。
 第三に、当然のことながら、利便性が高くて良質な住宅地、さらにマンション等の取得を困難なものにしております。不動産業界の調査によりますと、これは日本高層住宅協会の調査でございますが、都内の新規マンション売買の平均が昨年度は三千五百万円を超えておりまして、今年度はこれが一・五倍くらいになるだろう、こういう予測がされております。
 以上のように、昨今の異常な地価高騰は、いろいろな形でマイナスの影響を及ぼしていることは明らかでございます。
 このような地価高騰は、基本的には、我が国経済構造が情報化、サービス化あるいは国際化へと移行する中で東京のいわゆる中枢管理機能が一段と高まりまして、オフィス床の供給が不足したことにあると考えられます。これに加えまして、緩和基調の金融情勢、すなわち金余り現象、さらには国公有地、特にこれは国鉄が主でございますけれども、高値売却処分等の要因が重なって生じたものであり、決して単純なものではないと思います。したがいまして、地価高騰を根本的に抑制するためには、国、都、それから二十三区、市及び関係業界が一体となりまして、供給、規制の両面から総合的な施策を展開することが必要不可欠であると考えます。
 このような観点から、東京都は供給対策それから規制対策のそれぞれにつきまして積極的に取り組んでいるところでありまして、まず供給対策でございますけれども、業務機能が都心部に過度に集中いたしますと都市構造の面からいろいろと問題が生じてまいります。そこで、都心部におきましては国際化、情報化への対応など、高次な諸機能を中心に誘導を図ってまいっております。そのほかの業務機能につきましては、渋谷、新宿などのいわゆる副都心を都市再開発方針に基づく市街地の再開発を中心にしまして整備を進めて、そこに立地をさせていこうという各種の事業を推進しておるところでございます。
 とりわけ臨海部、東京湾の関係ですが、臨海部の副都心につきましては、一昨日、その開発についての基本構想を明らかにいたしました。その基本的な考え方は、埋立地の十三号地というのがあるのですが、十三号地を中心にしまして大体四百四十ヘクタール、これはおおむね都有地でございますが、この地域に居住人口約四万四千人、就業人口十一万五千人程度の未来型都市をつくってまいりたい、こういうことでございます。この地域は先ほど申しましたように大半が都有地でございますので、地価の高騰を招くことなしに相当程度の事務所床の供給が可能である、こういう大きな利点を持っています。そのほか、国鉄の汐留駅の跡地などの旧国鉄用地、都内の一等地にこういう用地が点在しておりまして、これの適正な土地利用につきましても、今後、関係機関と密接な協議を経ていく必要があると考えております。
 規制策としましては、現行届土利用計画法に基づく届け出制の的確な運用を図ることが必要でございます。国土法は市街化区域におきまして二千平方メートル以上の土地取引につきまして届け出を義務づけており、適正を欠く売買につきましては厳正な価格指導等を行っております。しかし、都心部等におきましては国土法に基づくこの二千平米という届け出対象面積以下の小規模な取引が大半を占めており、行政として何ら関与できないという状況にありましたので、昨年四月に国土庁長官と都知事とが協議を行いまして、当面緊急の措置として、条例による規制について検討することに合意をしたわけでございます。
 以下、条例制定までの経緯、条例の仕組みその他施行状況、さらに今後の対応等についてお話を申し上げたいと存じます。
 都は、昨年五月十三日に都条例による小規模土地取引の規制のあり方を検討するために学識経験者十五名から成ります土地取引適正化検討委員会を設置しまして、八月十一日に知事に緊急提言として報告書をいただきました。東京都としましては、早速条例案を立案しまして、昨年九月の第三回都議会定例会に提案しまして、原案どおり可決されまして、十二月一日に施行の運びとなったわけでございます。
 次に、条例の概要について簡単に申し上げますと、条例の目的は、土地の取引につきまして届け出等の措置を講ずることによって地価の高騰を抑制しまして、都民生活の安定と良好な町づくりに寄与することにしております。
 規制の対象となる地域は、地価の動向を考えまして、昨年十二月一日に都心の五区、今年一月一日に十四区、さらに四月一日から二十三区全域と三多摩地域の武蔵野市、三鷹市へと、これが段階的に拡大をしてまいりました。さらに、多摩地域の地価上昇の著しい十一市、これにつきましては今年の七月一日に指定区域とする予定でございます。
 届け出の対象面積につきましては、五百平方メートル以上二千平方メートル未満の面積としておりますけれども、条例による規制の実効を一層確保するために、二十三区、三多摩の武蔵野、三鷹両市につきましては、七月一日から三百平方メートルに引き下げることについて今検討いたしております。
 届け出制の仕組みは、基本的には国土法に準じた内容でありまして、適正を欠く予定対価の額について行政指導を行うものでございます。
 次に、昨年の十二月からの条例の施行状況でございますけれども、五月三十一日現在におきまして、さきに申しました十四区の届け出数は四百七十二件となっております。
 処理状況について見ますと、届け出とおり処理されたものがそのうち二百八十三件、価格の引き下げ、取り下げ等の指導を行ったものが百十件、残り七十九件が現在処理中のものとなっております。届け出があり処理されたものの二七・九%が指導の対象となっておりまして、これが一定の規制効果を上げているものと考えております。さらに、電話または直接窓口への事前相談が急増しておりまして、制度の趣旨が周知徹底されつつあると考えております。
 土地取引適正化条例の概要について述べましたけれども、東京都はこのほかに、地価対策の一環として、都有地を土地信託方式によりまして有効活用することに踏み切りました。土地信託は、土地の売買を伴わないために地価を顕在化させないほか、事務所床を供給することによりまして地価の沈静化に寄与するものと考えております。当面、新宿副都心に都有地が七千平方メートル余りありますので、これを対象として踏み切ったわけでございまして、ここに二年後に八万七千七百平米ぐらいの建物ができてまいるであろう、こう考えております。
 以上、都の地価高騰への対応について述べましたけれども、先ほど申し上げましたように、今日の異常な地価高騰を根本的に抑制するためには、国のレベルにおいて総合的な施策を展開することが必要であると考えます。
 その第一は、土地税制の改善についてでございます。
 地価高騰の要因の一つに投機的取引いわゆる転売等が数多く存在することにかんがみまして、国土庁、建設省におかれましては超短期重課制度の創設を国会に提案されたところでございますけれども、さきの国会で廃案となったことは残念でございます。都としましても、これらの早急な成立、施行を強く望むものでございます。
 また、居住用財産の買いかえ特例についても、これが周辺の地価を引き上げている実態に照らしまして、制度を見直し、改善すべきであると考えます。
 第二番目は、金融機関の土地関連融資に対する規制の強化についてであります。
 金融の緩和基調下で直接あるいは間接的な形での不動産投資がかなり行われている実態がございまして、これらが地価の高騰を誘発、助長していることは明らかでございます。このことに対応するために、昨年十二月、大蔵省から各種金融機関に対しまして通達が出されておりますが、その趣旨に沿いましてより一層の指導が行われる必要がございます。
 第三は、国公有地処分のあり方についてでございます。
 東京都は、国公有地を一般競争入札によって処分することは高値売却につながり、周辺の地価に悪影響を与えるという観点から、一般競争入札によらない方法によって処分していただきたいと一貫して国に要望いたしております。しかし、今年に入りましても、これは国鉄の関係でございますが、蒲田駅の貨物跡地等の旧国鉄用地が入札に付されまして、高値で売却されました。こういうことは記憶に新しいところでございます。これらは、一方において地価対策を進める国の施策との整合性に欠けるばかりでなく、地方公共団体の地価対策の推進を著しく阻害するものでありまして、遺憾と言わざるを得ません。今月の二日に公布されました改正国土法におきましては、国公有地の処分に当たりまして「適正な地価の形成が図られるよう配慮するものとする。」という規定が置かれましたので、今後、法の適正な運用に期待をするものでございます。
 当面、国鉄清算事業団用地が大規模に処分されることが予定されておりまして、これらが高値で売却され、地価高騰に拍車をかける懸念がございます。したがいまして、その処分に当たっては、地価高騰の抑制及び適正な土地利用という観点から、地元の自治体として十分協議を行ってまいりたいと考えております。
 最後に、固定資産税及び都市計画税について若干申し述べたいと思います。
 東京都は、昨今の地価高騰にかんがみまして、大都市の特殊事情を固定資産の評価に持ち込まないで済むような評価制度の確立を国に対して要望してきたところでございます。また、三月十日に同趣旨の固定資産税、都市計画税の負担軽減に関する意見書を都議会議長から内閣総理大臣及び自治大臣あてに提出いたしております。
 今後とも、納税者の税負担の実態に配慮した負担のあり方につきまして、毎年多くの納税者に課税される固定資産税の性格等を踏まえ、国、都が連携を図りつつ、さらに検討を重ねていく必要があると考えております。
 以上、地価問題に直面をしている都の立場から、参考人として意見を申し述べさせていただきました。どうも御拝聴ありがとうございました。(拍手)
#4
○村岡小委員長 ありがとうございました。
 次に、石原参考人にお願いいたします。
#5
○石原参考人 石原でございます。
 今回の東京を中心とします地価高騰に関しましては、今横田副知事さんからお話がございましたように、背景は御説明するまでもなく皆様御承知のことだと思いますが、何といいましても最近の値上がりの動機づけとなりましたのは、やはり東京が国際都市としての機能を強化してきたというところに原因がございます。
 その理由といたしまして、これは簡単な調査で非常に恐縮でございますが、五十九年に、東京に駐在しております外国銀行の二百四十六社に対しましてアンケートいたしました結果を見ますと、各銀行がそれぞれ重要だと思う所はどこか、百点満点で配点しろという意味での調査でございますが、今から十年ほど前の昭和四十九年、オイルショック直後の状態のときには、ロンドンが世界で一番重要だということで三十二・三点ぐらいをあげております。それに対しまして、ニューヨークが二十九・五点、東京は実に四・九点しかとっていないわけでございます。ところが十年後の五十九年には、ロンドンが三十・二点、ニューヨークがロンドンを若干上回りまして三十一・八点、東京は約三倍に伸びまして十二・五点というふうに、ちょうど地価高騰が始まる状態のときにこういうふうな評価に変わったわけでございます。それまでは極東ではどこが一番だったかといいますと、実は香港でございまして、十年前は十一・四という状態でございましたものが、東京が十二・五と逆転いたしまして香港が八・二になった。
 今後、十年後には一体どうなるかということを予測しておりますが、そのときにロンドンは若干低下しまして二十八点、ニューヨークは現状維持で三十二点ぐらいじゃないか。ところが東京は、今後も約倍に伸びまして、二十一・五点ぐらいになるのじゃないか。香港がそれに比例して低下いたしまして三・九点、かつての東京ぐらいのレベルに低落してしまうということで、東京が本当の意味での極東の中心という形で伸びていく可能性が高いというふうに各国が見ているということでございます。それに合わせましてちょうどそのころ皆様御承知のようにIBMが極東本部を東京に置こうということで、二百名のスタッフを東京に送り込んだということがございまして、この外人の住宅ということで、中心部の業務地域ばかりではなくて、周辺の麻布あたりの住宅地まで高値になっていくという現象が一時期発生いたしまして、それが引き金になって東京の地価がだんだん高騰した。
 東京がなぜこうなったかというのは、申すまでもなく世界一の債権国であるからでございます。ですから、今後も我が国の経済が国際的にも発展していくのであれば、こういう圧力は消えるどころかますます強まることがあるだろうというふうに思うわけでございます。これを受け入れる態勢がそのとき十分でなかったというところに実は地価高騰の最初のきっかけがあったのではないかと私は考えております。
 そういうことから考えまして、今回の地価高騰は、我々が過去に経験しておりましたものと、類似点は若干ございますけれども、本質的な違いがあるというふうに思います。今までは、どちらかというと限界効用とかそういうことで、これは人口圧力とかいろいろなことがございますが、都市周辺部で地価の高騰がございまして、それが中心部に波及するという差額地代的な考え方をもとにした地価構成論というのが主流でございました。そういう意味からいいますと今回の地価構成は全く性質を異にいたしまして、需給のアンバランス、こういうことが中心部で異常に発生した、これが明らかに一つの大きな原因であるということが言えるかと思います。そしてそれが、買いかえ特例とかいろいろなことがございまして、タイムラグを持って周辺部に逐次波及していく、これは先ほど副知事さんの方からお話がございましたので今さら付言する必要性はないと思います。
 こういうようなことがございましたものですから、この地価の高騰というものは、全国レベルで見ましたときには、必ずしも全国に波及した問題ではなくて、大都市、特に国際都市化への歩みを続けております東京を中心としまして大阪あたりまでが影響を受けている程度でございまして、名古屋にしましてもそれほど大きな影響を受けているわけではございません。そういう意味合いから、今回のいろいろな土地対策は、もちろん本質的な問題は全国的に適用が必要かもわかりませんけれども、やはりローカル的なものが必要になってまいりまして、先ほどもちょっとお話が出ました例えば固定資産税の問題あるいは農地の宅地並み課税問題、これらを全国一本でする必要はないのではないか。むしろ、東京あるいは大阪という限定した地域で農地に対する宅地並み課税の強化とかの必要性が生じてくる。お手元の「説明要旨」の中で、私は、今後の土地対策の三番目として提起しました「全国一律の施策ではなく、地域を限定した施策が必要である。」こういうふうに考えたわけでございます。
 さらに、非常に見にくいので恐縮でございますが、資料の三枚目、この表は、実は私が建設省の住宅宅地審議会の宅地部会長をいたしておりましたときに、宅地政策をいかに行うべきか、政策に科学性を多少導入しようということで、農家の方を中心といたしました対応でございますが、農家の土地を売るか売らないか、そういうアンケート調査をしまして、その反応をもとに、東京全体に人口がふえていく、それに対しまして、こういう政策をしたら一体どうなるだろうかという政策シミュレーションをしたわけでございます。
 それで、例えばケース1というのは、現状維持といいますか、これは五十三年当時でございますが、この当時の政策をそのまま維持したときにはどうなるかということで、そこに書いてありますように、約十五年間で宅地供給面積が全部で一万四千二百ヘクタール、こういう数字を出したわけでございます。
 これに対しまして、例えば保有税強化というのはどういう影響を与えるかといいますと、そこにありますとおり、供給面積が約三千四百ヘクタールほどふえるのじゃないか、地価は、平米約三十三万四千円の平均地価に対しまして、供給量がふえますので約〇・五五%程度値下がりするのではないかという答えが出てまいりました。しかし、これにいたしましても、施策をしたときには効果があるのですけれども、数年たちますと、実はお金の要らない状態になりますので、これがまただめになるといいますか、宅地供給量が減少する、こういうふうな状況を発生いたします。
 そのほか、譲渡税を緩和するというケース3でございますが、このときにはほとんど面積は増加しない。これは、幾ら譲渡税を緩和いたしましても、売る側にそれに伴うものがないと余り効果がない。そういうふうなことで、各それぞれの政策を個別的に展開したものを今度は組み合わせまして、いろいろこういうものとこういうものとを組み合わせてどうなるかというような判断をいたしますと、組み合わせた方がはるかに効果が高い。だから、単独でやる場合にはひずみが発生いたしますけれども、いろいろな政策を組み合わせることの方が、全体的に政策として非常に効果がある上にひずみを緩和することができる、こういうことが明らかになりました。
 そういうことで、そこの第一番目に書いております「総合的な施策が必要」だというのはそういうことでございまして、ただ税制とかいうだけを一本で絞るとかいうことではなくて、やはり規制緩和とか、あるいは逆に今度はいろいろな事業所に対する規制措置だとか、こういうものを含めた総合的な施策が必要であるということを言っているわけでございます。
 そういう中でも、やはり何といいましても税制というのは大変効果のある施策でございますので、宅地政策をやっているときにも非常に問題になったのですけれども、我々の方でいろいろな税制上の要求をいたしましても、税制は税制の論理があるということで、宅地政策とかそういうふうなことから出てくる論理というのは邪道だということで、税制調査会あたりでの受けとめ方は土地問題に関しましての税制に対しまして非常に冷ややかでございました。そういうこともございまして、確かに税の立場でのセオリーというものはあろうかと思いますけれども、やはり土地政策的な立場から必要とされる税制というものもあってしかるべきじゃないか、こういうふうに考えております。
 そこで、こういうふうなことを基礎にいたしまして、それではどういう施策をしていけばよろしいのかということになるわけでございますが、これに関しましては何といいましても需要サイドをある程度コントロールしなければいけないということは、これは理の当然でございます。
 そういうことで考えましたときに、先ほども十三号埋立地を中心とします東京都の計画が御披露になったわけでございますが、私もぜひそれを早急に整備していただきたいというふうに患います。それには何といいましても財源措置というものが必要でございまして、東京都は豊かな自治体かもわかりませんけれども、しかし地下鉄一つを敷くにいたしましても大変な金額を要します。それからまた、これまでの地下鉄の現状を見ておりましても、都営地下鉄というものは後発でございますので赤字が累積いたしておりまして、一般の基本料金でも営団地下鉄より高い料金を取らざるを得ないというぐらい財政的に逼迫しております。そういうことにかんがみまして、やはりある程度のこういうような開発を進めていくためには財源措置を十分手当てしておかなければいけないということで、私はそこに特別事業所税というようなものを提案したいと思います。
 これは、千代田、中央、港、新宿、渋谷、中心五区に立地する事務所に対する税でございまして、たとえ十三号埋立地に参ります鉄道等のものにいたしましても、実は既成市街地の方がそれだけ緩和され、またそれだけのメリットを受けるわけでございますので、受益負担制度というものを局地的に考えずに広域的に考えていくシステムをとらないと、えてして受益者負担というのが余りにも狭義に解釈されるがゆえに事業費の捻出その他が困難な場合が多いわけでございます。そういう意味で私は、この受益者負担区域というものをできるだけ広域にとり、しかも関連し合うところをお互いに持ちつ持たれつするということで、中心部の事務所の活用で若干の規制をかけるとともにこういうことをしていきたい。そして、中心地区の土地取引に対します金融機関の融資の自粛、これはもう先ほど申されましたので省略いたします。
 それから、四全総における東京一点集中の排除というような政策が打たれておりますが、これもそのとおりでございまして、ぜひひとつそういう線で考えていただく。こういうものは早急に結果を得るものではございませんけれども、非常に息の長い政策ではございますが、こういう四全総のような政策も背景としては必要だというふうに思います。
 供給サイドの方の問題でございますけれども、何といいましても――今回のこの後の方の表で少し説明をしなければいけないのでございますが、この四ページのところの表をちょっとごらんいただきたいと思います。ここで実は「計画開発需要抑制型」というふうなものが出ておりますが、ここでは、供給面積がそこにありますように十一万二千百五十九ヘクタール、そして地価の平均上昇率が九・五三というふうなことで、「公共施設整備型」という非常に公共がお金を持ち出すようなものに比較いたしますと若干地価の上昇とかそういうふうなものが上がるわけでございますけれども、しかし、やってみまして一番これが無理がない。だから、計画的に開発をいろいろやっていく必要がある。
 ところが、実はこのとき問題になりましたのは、住宅建設五カ年計画がございますけれども、この住宅建設五カ年計画では、住宅の各都道府県の割り振りは行うのでございますが、宅地がどういうところに必要なのかということは一切触れていないわけです。宅地につきましては我々何とかしなければいけないということで長期見通しということを設けさせていただきまして、そしてこれは法的な規制はないまでも、この五カ年計画をフォローする意味で長期見通しを生かしてもらいたいというふうなことをしたわけでございます。実は、これをなぜやったかといいますと、宅地供給というのは非常に場所が問題なんです。どこでもいいというわけにはいきません。だから、住宅はやはりいい場所に建ててもらわなければいけない。そうしますと、この場所の限定ということが各都道府県等で細かくやることが非常に困難、そういうこともございまして、なかなか宅地の問題が解決しない。ところが、これが本当に計画開発を誘導していくためには必要でございます。
 こういうふうなことから、計画開発というものは相当公共が先導的にやらなければいけない。ところが、大都市法で各都道府県とともに協議会を設けることになっておりますが、この協議会が全く機能しない。各都道府県が勝手気ままなことを言うだけであって、これはなかなか受け入れ態勢ができない。そういうふうなことで、せっかく協議会がありながら、この計画開発を誘導する施策が今のところないわけでございます。特に大都市周辺部あるいはその再開発、こういうふうなものを誘導していくということがこれからの政策としては非常に重要でございまして、そういう中で考えていく。
 時間が参りましたのではしょりますけれども、私は保有税と譲渡所得税をペアでかけていただきたいというふうに思っております。一つの例で申しますと、六十五歳以上で十年以上居住した住宅を売却したときには、譲渡益に対しては課税しない。こうして余生を楽しんでいただく。そして、どうせ相続税で全部がっぽり持っていくわけですから、何も譲渡したときに取らなくてもいいんじゃないか。だから、そういうふうなことでいけば年金制度の一部見直し等も可能になるのじゃないかというふうに思いますので、そういうことでございます。
 あと、投機的取引の抑制等につきましては、皆様からお話があるとおりでございますので、省略いたします。
 どうもありがとうございました。(拍手)
#6
○村岡小委員長 ありがとうございました。
 次に、飯田参考人にお願いいたします。
#7
○飯田参考人 飯田でございます。現在の地価情勢と対策について簡単にお話をしてみたいと思います。
 世界的に有名なイギリスの経済誌「エコノミスト」が五月二日付号で、貿易摩擦の解消には二つの大きなポイント、すなわち氷への過保護と天文学的地価、この二つを打破することが不可欠である、東京の地価の上昇は目を覆いたくなるようなものがある、それによる住宅費の負担増が世界一の日本の貯蓄率の大きな原因となっているのではないかというようなことを言っているわけであります。また、今月の「ニューズウイーク」でも、日本の土地政策の転換はどうしても必要であるというようなことを指摘しております。また、上智大学のグレゴリー・クラーク教授を初めとする在日外人の何人かの人が、最近相次いで日本の土地問題はまことに不合理、不可解である、しかしその解決はやり方によっては実に簡単であるというようなことを指摘しているわけであります。また、外国の政府も最近この土地問題について急速に関心を深めているように思われます。現に私のところにもある大国の大使館から話を聞きたいというようなことを言ってきておるのでありますが、これは我が国の飛び抜けた高地価というものがいわゆるウサギ小屋の原因となっているだけでなく、我が国の内需の過小あるいは猛烈な輸出攻勢というものの大きな原因となっているのではないかというように考えてきているためだと思われまして、このままではやがては土地政策についても欧米から外圧が加わってくるというおそれもないわけではないように思われるのであります。
 ところで、このような外国人の考え方というものは、日本の実情を知らないことからくる見当外れの点もいろいろあるのでありますが、しかし中には大いに参考にすべきではないかという点もあるわけであります。
 例えば、高地価が内需過小あるいは貿易黒字の大きな原因になっているのではないかというようなことはその一例であります。住宅建設をふやせば内需は拡大し貿易摩擦は緩和するということはよく言われておることでありまして、確かに、この住宅建設が建設関連の需要を通じて内需を拡大するということの効果が大きいことは間違いないことであります。しかし、一方では我が国の現在のような高い住宅価格あるいは高い家賃というものは家計を圧迫しまして、それによって他の面での需要を減らすというおそれも無視できないように思われるのであります。よく、住宅建設さえふえれば耐久消費財がもっとたくさん買われる、したがって内需への波及効果もさらに大きくなるということが言われるのでありますが、これは住宅がかなりの広さで、しかも余り高くないという場合のことでありまして、現在の大都市圏のように極端に高い住宅の価格あるいは家賃の場合は、これを結局無理をして手に入れようとするために、耐久消費財を買い増すどころか買いかえもなかなかやらない、さらには医療、食料というようなものまで切り詰めて住宅を手に入れようとする、あるいは借りようとするというような形になる場合も決して少なくなくて、これはいわゆる内需の減少の方に働いてしまうというおそれも決してないわけではないと思われるわけであります。
 そういう点を考えますと、やはり今必要なことは、早急にしかも抜本的に土地問題を解決する、地価を完全に上昇を停止させる、あるいは余りにも上がり過ぎたところはある程度これを下げるというようなことで、国民が安心して広い住宅を安い価格や家賃で手に入れたり借りたりすることができるようにすることで耐久消費財や医療、食料に対する需要も圧縮しないで済む、そういうものもどんどん買い増したり買いかえたりするというようなことにすることだと思われるわけであります。そうなれば、我が国の耐久消費財等をつくっております産業もそれほど輸出に依存しなくてもやっていけるようになる。また、外国からの輸入も相当ふえてまいりまして、それが内需の拡大に役に立つ。一方、住宅建設自体の持っております固有の内需拡大効果と相まって我が国の貿易摩擦の緩和に非常に大きく役に立つのではないか、こんなふうに私は考えているわけであります。
 しかし、こういう考え方に対しては、いや、そういう問題については住宅減税をやればいいじゃないか、あるいは住宅ローンの利子を下げれば買い手の負担は減ってそういう問題は起こらないのじゃないかという意見もあると思われるのでありますが、しかし、現在の住宅減税の効果というものは最大限住宅価格を六十万円ぐらい下げる程度の効果しかない。一方、先ほどもお話がありましたように、六十二年度のマンション価格は、地価の高騰によりまして、昨年度に比べて東京の場合、率にして四六%、金額にして千七百万円近くも上がるということを考えますと、やはり住宅減税あるいは住宅ローンの引き下げは必要ではありますが、それに大きな期待をかけるわけにはいかないように思われるわけであります。
 そういう点で今どうしても必要なことは、抜本的で早急な土地対策を立てることでありますが、それではそのためには何をすればよいかということであります。巨大都市ニューヨークの住宅地の地価というものが、これは昨年阪大の中谷教授から聞いたのでありますが、東京の三鷹辺のところで東京の実に数十分の一である。それほど地価が安いということを考えますと、我が国の現在の東京圏の高地価というものには合理的な根拠は全くない。したがって、適当な住宅、土地対策をやればこれを半分に下げることも決して困難ではないというようなことを考えますと、やり方が問題だということになります。
 では、どういうやり方がいいかといいますと、私はいろいろな対策が考えられる中でその主力となるものは、土地の所有自体に対する課税、いわゆる土地資産税の強化ではないかと思っているわけであります。このことについては、先ほど申し上げました在日外国人たちの意見もすべてが同じような線に沿ったものになっているわけであります。
 ところで、これまで我が国の土地政策につきましては、先ほどもちょっとお話がございましたが、税制というものはわき役である、決して主役ではない、また税制は強化ではなく、むしろ緩和の方が中心であるということになってまいりました。そういう形で政策が実行されてきたわけであります。具体的に言いますと、交通機関やその他の公共施設を整備して、できるだけ住宅に適した地域を広げる、そしてそういう広がった地域の中で農地とか宅地とかいう素地を公団や民間企業が買収しまして、それを造成して売り出す、これが宅地政策の中心となっているものであって、それによって需要を満たすこともできるし地価の上昇を抑えることもできるというふうに考えられてきたわけであります。しかし、このやり方だけで政策が成功いたしますのは、地価が全体としてほぼ安定している場合だけてあります。近年の我が国のように地価が持続的に急上昇をしておるという場合には、土地の所有者の土地の値上がりに対する期待、ひいては土地の売り惜しみというものが非常に強くなりまして、今お話ししましたような交通機関の用地あるいは公園の用地というものを買収して適当な住宅地域をつくるということも非常に難しくなる。しかも非常にコストが高いものになってしまう。また、せっかくでき上がったその住宅適地の中で用地を買収するということも、これもまた非常に困難で、しかもコストの高いものになってしまうということになるからであります。
 そういう点で、どうしてもこれまでの土地政策のほかにもう一つ別の政策を考える必要があるわけでありますが、それが今申し上げました土地の資産に対する課税の強化というふうに私は考えておるのでありますが、では、なぜそうなのかということをちょっと簡単に申し上げてみたいと思います。
 御承知のように、土地というものは原則としてその存在量をふやせない。そこで、社会の発展によって次々に新しい需要が生まれてくる中で、この需要を満たしていくためにはどうしても土地の利用転換をやっていく必要がある。それ以外に方法はない。具体的に言いますと、土地を持っている方自身が利用の転換をやる、あるいは、そういう土地所有者に利用転換の意欲がないあるいは能力がないという場合には、それをやりたいというほかの人にそれを売るなり貸すなりしてやってもらうということ以外に方法はないのでありまして、また、それさえ円滑に実行されれば土地の供給不足というものは起こらないし、また地価の上昇も起こらないというわけであります。地価が安定しております場合には、こういうことは関係者全体にとって利益になるためにこれが順調に行われておるわけでありますが、近年の我が国のように地価の急上昇が続きますとそういうことが非常に阻害されてしまう。例えば公共用地を買おうと思っても売ってくれない。それで土地の所有者の中には、結局自分でも土地の利用転換をしない、またほかの人に貸したり売ったりすることでそれをやらせることもしない、ただひたすらに現状維持を続けて値上がり益を追求していくというふうな風潮が極めて強くなっているのであります。そういうところに行って、ひとつ公共用地を買いたい、あるいは住宅用地を買いたいと言っても、これはとても十分な量を買うことはできない。そして値だけつり上げてしまう。そういう値上がりというものがさらに土地所有者の売り惜しみというものを強めてしまうというような状態が現在見られるわけであります。要するに、売りたくない人のところに行って無理に買うから値段が上がるというのが現状であります。こうなってしまいますと、これまでの土地政策の中心となってきたやり方ではどうしようもないわけであります。どうしても何かの方法で、土地を持っている人たちが状況が非常に変わって、当然利用の転換をしなければならないのに自分のことだけ考えてそれをそのままにしておいて値上がり益をひたすらに追求するというようなことは不可能になる、あるいは非常に困難になるというような政策をもう一つ別につけ加える必要があるのであります。
 そういう政策としては、例えばいわゆる強権をもってそういう利用転換を促進する。例えばシンガポールのように、道路用地が必要であれば直ちに一週間以内に強制買収してしまう、ただし値段はゆっくり時間をかけて正常な、適正な価格を決めるというようなやり方、こういうこと。これはヨーロッパの中でも一部で行われているわけでありますが、こういうやり方というものは今の我が国にとってはやはり実行も難しいし、また適切ではない。そこで、私として最も適切だと思われますのは、先ほど申し上げましたような土地の所有に対する資産税というものを強化する。具体的に言いますと、地価が状況の変化、例えば新しく駅ができてそのそばの農地の価格が百倍になったというような場合に、農地のままにしてずっと値上がりを待っているというようなことができないようにする。そのためには、そういう値上がりに応じて資産税を重くしていく。その資産税が値上がりに応じて、例えば百倍になった土地は資産税も百倍になるということになりますと、これはいつまでもそういう不適切な利用というものを続けていくわけにはいかない。そこで、自分でやるか、あるいはほかの人に任じてそういう利用転換を行うということで、土地の供給がふえていくということが考えられるわけであります。
 そして、このような働きを持つ土地の資産税というものは、既に現在でも土地の固定資産税として昭和二十五年以来存在しているわけであります。別に新しい税ではないわけであります。ただ、この固定資産税いわゆる土地の資産税というものがほとんど何の利用転換についての働きをしてこなかったということは、土地だけがほかの固定資産税の対象である家屋とか償却資産に比べて極端に優遇されてきた。現在でも優遇されている。例えば東京都の場合について言いますと、家屋や償却資産というものはほぼ時価に近いところで評価されて課税されているのに対しまして、土地の場合は時価の一割とか二割ぐらいに評価して課税されている。農地の場合にとってはそのまた何十分の一という低い課税負担しかしていない。そこでそういう土地の資産税の持つ非常に大きな利用転換あるいは供給促進というようなことの働きというものが完全に喪失してしまっているというのが現状なのであります。
 ところで、このような土地資産税の持つ効果につきましては、実は四十年代の半ばぐらいになって、これが土地の供給に効果があるんだということが認識されるようになりまして、いわゆる市街化区域農地の宅地並み課税という形でこれが実行されるようになり、今それを完全実施することが土地問題解決の決め手であるとよく言われているわけであります。しかし、今申し上げたように、宅地自体の課税が他の固定資産に比べて非常に軽いという状況をそのままにしておいて宅地並みに農地の課税をやっても、その効果というものはまことに微々たるものである。例えば、一千坪の農地を持っている農家に対して現在のままで宅地並み課税を完全に実施いたしましても、その所有地の一坪か二坪を売れば恐らく宅地並み課税というものは払えてしまう。結局、本当にわずかな土地の切り売り、それによるミニ開発住宅の増加ということになってしまうわけであります。もしそういう方法によって本当に実効を上げようというのであれば、やはり宅地も農地も同じように時価に基づいて課税する。いわゆる家屋と同じように、家屋並みの固定資産税、家屋並み課税と言ってもいいのでありますが、そういうことをやれば事態はまさに一変してしまうと思うのであります。
 しかし、ここまで地価が暴騰いたしまして、しかも小さな土地の所有者がたくさんいる、あるいはいわゆる乱開発が進んでいる状況のもとで、これをすべての土地について実行することには大きな問題があるのであります。そこで私は、そういう固定資産税の正常化、不公平税制の是正でもありますが、そういうことをごく一部の土地について実行したらいいのじゃないか。例えば一定水準、具体的に言いますと、五百平米ないし一千平米以上の土地で、しかも時価が五億円以上というような土地についてだけ例えば五%ぐらいの課税で五年に一回ぐらいこれを課税するというようなことをやってみたらどうか。そうなればその効果というものは、いわゆる宅地並み課税の場合と違いまして、恐らくその二十倍ぐらいにはなるということが考えられて、土地問題の抜本的な解決に大きく役立つのではないかと思っているわけであります。
 この場合、例えば東京都の場合で見ますと、二千平米以上という大きな土地を持っている個人が東京都全体の民有地の四〇%以上を所有している、極めてわずかな人間が東京の民有地の非常に大きな部分を所有をしているということから見て、その効果は非常に大きい。また、そういう人たちの去年一年間に得た値上がり益というものは国民所得全体の四分の一くらいになるということで、そういう人にある程度の課税をすることは決して過重な負担を強いるものではないということ。あるいは、これは決して税金だけ受け取ろうというわけではありませんから、そういう土地所有者は十分に有効利用している、例えば容積率を法定容積率近く使っておる、あるいは貸しているという場合には、土地の評価を大幅に下げてこの税を減免するというようなことをやってみたらどうかというふうに考えておるわけであります。
 最後に、先ほどもお話が出ましたが、現在の状況の中で土地転がしというものが非常に大きな社会問題でもあり、また地価の上昇を激化させる点を考えましたときに、今度の臨時国会でぜひ超短期の譲渡益に対する重課というものは先生方のお力で実現させていただきたい、こう思うわけであります。
 私の意見はこれで終わります。(拍手)
#8
○村岡小委員長 ありがとうございました。
 参考人各位には、御多用中のところ御出席をいただき、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
 それでは、これより懇談に入ることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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