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#1
第108回国会 建設委員会 第1号
本国会召集日(昭和六十一年十二月二十九日)(
月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次
のとおりである。
  委員長 村岡 兼造君
   理事 谷  洋一君 理事 中島  衛君
   理事 野中 広務君 理事 平沼 赳夫君
   理事 森田  一君 理事 中村  茂君
   理事 坂井 弘一君 理事 西村 章三君
      榎本 和平君    金子原二郎君
      川田 正則君    瓦   力君
      桜井  新君    田村 良平君
      中島源太郎君    中村喜四郎君
      浜田 幸一君    東   力君
      松永  光君    三塚  博君
      井上  泉君    小野 信一君
      坂上 富男君    三野 優美君
      大野  潔君    伏木 和雄君
      伊藤 英成君    辻  第一君
      中路 雅弘君
―――――――――――――――――――――
昭和六十二年三月二十四日(火曜日)
    午前十時二分開議
出席委員
  委員長 村岡 兼造君
   理事 谷  洋一君 理事 中島  衛君
   理事 野中 広務君 理事 平沼 赳夫君
   理事 森田  一君 理事 中村  茂君
   理事 坂井 弘一君 理事 西村 章三君
      榎本 和平君    大石 正光君
      加藤 卓二君    金子原二郎君
      鴻池 祥肇君    桜井  新君
      杉浦 正健君    鈴木 宗男君
      田村 良平君    渡海紀三朗君
      中島源太郎君    中村喜四郎君
      長野 祐也君    浜田 幸一君
      東   力君    松田 九郎君
      松永  光君    三塚  博君
      井上  泉君    小野 信一君
      坂上 富男君    三野 優美君
      大野  潔君    伏木 和雄君
      青山  丘君    木下敬之助君
      辻  第一君    中路 雅弘君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 天野 光晴君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 綿貫 民輔君
 出席政府委員
        国土庁長官官房
        長       清水 達雄君
        国土庁長官官房
        会計課長    佐々木 徹君
        国土庁長官官房
        水資源部長   志水 茂明君
        国土計画・調
        整局長     星野 進保君
        国土庁土地局長 田村 嘉朗君
        国土庁地方振興
        局長      澤田 秀男君
        大蔵省主計局次
        長       斎藤 次郎君
        建設大臣官房長 高橋  進君
        建設大臣官房総
        務審議官    渡辺  尚君
        建設大臣官房審
        議官      中嶋 計廣君
        建設大臣官房会
        計課長     市川 一朗君
        建設省建設経済
        局長      牧野  徹君
        建設省都市局長 北村廣太郎君
        建設省河川局長 陣内 孝雄君
        建設省道路局長 鈴木 道雄君
        建設省住宅局長 片山 正夫君
        自治大臣官房審
        議官      小林  実君
 委員外の出席者
        大蔵省銀行局大
        臣官房企画官  杉井  孝君
        労働省職業安定
        局高齢者対策部
        企画課長    木村富美雄君
        住宅金融公庫理
        事       吉沢 奎介君
        建設委員会調査
        室長      佐藤 毅三君
    ―――――――――――――
委員の異動
昭和六十一年十二月二十九日
 辞任         補欠選任
  川田 正則君     藤波 孝生君
昭和六十二年一月二十八日
 辞任         補欠選任
  藤波 孝生君     松田 九郎君
三月二十四日
 辞任         補欠選任
  瓦   力君     鴻池 祥肇君
  中島源太郎君     加藤 卓二君
  浜田 幸一君     鈴木 宗男君
  東   力君     大石 正光君
  三塚  博君     渡海紀三朗君
  伊藤 英成君     青山  丘君
同日
 辞任         補欠選任
  大石 正光君     長野 祐也君
  加藤 卓二君     杉浦 正健君
  鴻池 祥肇君     瓦   力君
  鈴木 宗男君     浜田 幸一君
  渡海紀三朗君     三塚  博君
  青山  丘君     木下敬之助君
同日
 辞任         補欠選任
  杉浦 正健君     中島源太郎君
  長野 祐也君     東   力君
  木下敬之助君     伊藤 英成君
    ―――――――――――――
昭和六十一年十二月二十九日
 中水道の整備の促進に関する法律案(伏木和雄
 君外二名提出、第百七回国会衆法第五号)
昭和六十二年二月六日
 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進
 法の一部を改正する法律案(内閣提出第一一号
 )
同月十二日
 水源地域対策特別措置法の一部を改正する等の
 法律案(内閣提出第一七号)
 治山治水緊急措置法及び河川法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第二九号)
同月十三日
 砂防法の一部を改正する等の法律案(内閣提出
 第二八号)
三月五日
 建築基準法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第四九号)
同月十一日
 建設業法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 五八号)
同月二十四日
 国土利用計画法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第七七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
 三月十一日
 道路特定財源の確保に関する陳情書(滋賀県長
 浜市高田町一二の三四長浜市議会内柿木文男)
 (第五二号)
 治水特定財源の確保等に関する陳情書外十九件
 (鳥取県日野郡溝口町溝口六四七溝口町議会内
 住田圭成外十九名)(第五三号)
 治水事業の推進に関する陳情書外二件(福岡市
 博多区東公園七の七福岡県議会内篠田栄太郎外
 二名)(第五四号)
 玉川温泉から流入の玉川酸性水中和処理対策事
 業の促進に関する陳情書外九件(秋田県仙北郡
 中仙町北長野手茶畑一四一中仙町議会内千葉友
 三郎外九名)(第五五号)
 市街化調整区域内農用地除外地の土地利用規制
 緩和に関する陳情書(滋賀県長浜市高田町一二
 の三四長浜市議会内柿木文男)(第五六号)
 下水道の整備促進に関する陳情書(東京都千代
 田区丸の内三の五の一東京都議会内若松貞一外
 九名)(第五七号)
 第四次全国総合開発計画に関する陳情書外二件
 (大阪市東区内本町橋詰町五八の七位治敬三外
 二名)(第五八号)
 水資源の安定的確保に関する陳情書外一件(名
 古屋市中区三の丸三の一の二愛知県議会内松井
 治之外九名)(第五九号)
 過疎、山村地域の振興に関する陳情書外一件(
 東京都千代田区丸の内三の五の一東京都議会内
 若松貞一外十名)(第六〇号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進
 法の一部を改正する法律案(内閣提出第一一号
 )
 水源地域対策特別措置法の一部を改正する等の
 法律案(内閣提出第一七号)
 砂防法の一部を改正する等の法律案(内閣提出
 第二八号)
 建設行政の基本施策に関する件
 国土行政の基本施策に関する件
 特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法
 の一部を改正する法律案起草の件
 国際観光文化都市の整備のための財政上の措置
 等に関する法律の一部を改正する法律案起草の
 件
     ――――◇―――――
#2
○村岡委員長 これより会議を開きます。
 議事に入るに先立ち、この際、御報告を申し上げます。
 本委員会の委員でありました川田正則君は、昨年十二月二十日、逝去されました。まことに哀悼、痛惜の念にたえません。
 ここに、委員各位とともに故川田正則君の御冥福を祈り、謹んで黙祷をささげたいと存じます、
 御起立をお願い申し上げます。――黙祷。
    〔総員起立、黙祷〕
#3
○村岡委員長 黙祷を終わります。御着席を願います。
     ――――◇―――――
#4
○村岡委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 建設行政の基本施策に関する事項
 都市計画に関する事項
 河川に関する事項
 道路に関する事項
 住宅に関する事項
 建築に関する事項
 国土行政の基本施策に関する事項
以上の各事項について、本会期中国政に関する調査を進めたいと存じます。
 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○村岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#6
○村岡委員長 次に、建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます、
 この際、特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案起草の件並びに国際観光文化都市の整備のための財政上の措置等に関する法律の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。
 両件につきましては、先般来の理事会等におきまして御協議を願ってまいりましたが、お手元に配付してありますとおりの草案が作成されました。
 まず、特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案の起草案の趣旨につきまして、委員長から御説明申し上げます。
 特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法は、特殊土壌地帯の保全と農業生産力の向上を図ることを目的として、去る昭和二十七年四月議員立法により制定され、以後六度にわたり期限延長のための一部改正が行われ、これにより特殊土壌地帯の治山、砂防、河川改修、道路防災、農地防災、土地改良などの対策事業が実施されてまいったのであります。
 今日まで三十五年間にわたるこれら対策事業により、特殊土壌地帯における災害防除と農業振興の両面において顕著な進歩改善がなされたところであり、同法は、地域住民の福祉向上に多大の貢献をなし、深く感謝されているところでありますが、同地帯の現状は必ずしも満足すべき状態にあるとは言えないのであります。
 すなわち、今なお対策を必要とする地域が数多く残されており、加えて、近年の都市化の進展による災害態様の変化や農業振興の方向の変化など、新たに対応すべき課題も多く生じてきております。
 これらの課題に対応し、特殊土壌地帯の振興を図っていくためには、引き続き強力に事業を推進していく必要があります。
 以上の観点から、この際、同法の一部を改正し、昭和六十七年三月三十一日までの五年間、有効期限を延長して、所期の目的の完全な達成を図りたいと存ずるものであります。
 以上が本法草案の趣旨の説明であります。
    ―――――――――――――
 特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#7
○村岡委員長 この際、本起草案につきまして、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。綿貫国土庁長官。
#8
○綿貫国務大臣 本法律案の御提案に当たり、委員長及び委員各位の払われた御努力に深く敬意を表するものであります。
 政府といたしましては、特殊土壌地帯の現状にかんがみ、本法律案については特に異存はないところであります。
 この法律案が可決された暁には、その適正な運用に努め、特殊土壌地帯対策を一層推進してまいる所存であります。
#9
○村岡委員長 これより採決いたします。
 特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付いたしております草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#10
○村岡委員長 起立総員。よって、さよう決定しました。
    ―――――――――――――
#11
○村岡委員長 次に、国際観光文化都市の整備のための財政上の措置等に関する法律の一部を改正する法律案の起草案の趣旨につきまして、委員長から御説明申し上げます。
 国際観光文化都市の整備のための財政上の措置等に関する法律は、国際観光文化都市において、一定の都市施設の整備を促進することにより、良好な都市環境の形成を図り、あわせて国際文化の交流に寄与することを目的として、去る昭和五十二年六月議員立法により制定されたものであります。
 以来十年間、これらの都市において特に必要とされる都市公園、下水道、道路等の整備が推進され、その整備水準は向上してまいりましたが、いまだ十分でない状況にあります、
 また、近年の国際化の進展とともに、国民生活の向上と余暇利用の関心の高まりの中で、国際観光文化都市として我が国の国民生活、文化及び国際親善に大きな役割を果たすためには、今後とも都市施設の整備を強力に推進することが必要であります。
 以上の観点から、この際、同法の一部を改正し、昭和七十二年三月三十一日までの十年間、有効期限を延長して、所期の目的の完全な達成を図りたいと存ずるものであります。
 以上が本法草案の趣旨の説明であります。
    ―――――――――――――
 国際観光文化都市の整備のための財政上の措置等に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#12
○村岡委員長 これより採決いたします。
 国際観光文化都市の整備のための財政上の措置等に関する法律の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付いたしております草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#13
○村岡委員長 起立総員、よって、さよう決しました。
 なお、ただいま決定いたしました両法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○村岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#15
○村岡委員長 次に、内閣提出、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨説明を聴取いたします。天野建設大臣。
    ―――――――――――――
 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#16
○天野国務大臣 ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 住宅金融公庫は、昭和二十五年に設立されて以来、国民大衆の住宅建設に必要な資金等を融通することにより、国民の住生活の安定と社会福祉の増進に寄与してまいったところでありますが、今後なお一層国民の良質な住宅の取得の促進と良好な居住環境の確保を図っていくためには、現下の財政状況を考慮しつつ、改善措置を講ずることが必要であると考えられます。
 この法律案は、以上のような観点から、今国会に提出された昭和六十二年度予算案に盛り込まれている住宅金融公庫の業務に係る貸付制度の改善に関し、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法について所要の改正を行おうとするものであります。
 次にその要旨を申し上げます。
 第一に、個人住宅貸し付けに係る耐女性を有する木造住宅等の償還期間を二十五年以内から三十年以内に延長することといたしております、
 第二に、住宅改良資金貸し付けに係る貸付金について、新たに貸し付け後十一年目以後の利率を設定することといたしております。
 第三に、災害復興住宅補修資金貸し付けの償還期間を十年以内から二十年以内に延長することといたしております。
 第四に、個人住宅貸し付けに係る二世帯が同居する住宅で償還期間が三十年以内、三十五年以内であるものの償還期間を、それぞれ四十年以内、五十年以内に延長することといたしております。
 第五に、特別割り増し貸付制度の実施期間を昭和六十四年三月三十一日まで延長することといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#17
○村岡委員長 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#18
○村岡委員長 これより質疑に入ります、
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小野信一君。
#19
○小野委員 最初に大臣に二、三御所見をお伺いいたします。
 我が国の住宅政策は、本来の目的からちょっと外れまして、貿易摩擦の解消のための内需拡大を柱としての住宅政策あるいは不況克服のための住宅政策、こういう説明がなされまして、本来最も大切にされなければならない家の欲しい人、国民からの需要に対する説明が二の次になっておるように思われてなりません。その上に地価の高騰、所得の伸び悩みと、大変困難な事情が絡まってなかなか住宅問題の解決が難しくなっておると私は思います。
 そこで大臣の所見をお伺いするのですけれども、我が国の戦後の住宅政策に対する大臣の反省あるいは評価、現状の住宅政策に対する問題点あるいは課題等について、まず所見をお伺いいたします。
#20
○天野国務大臣 小野先生の御質問にお答え申し上げます。
 住宅は国民の生活の基盤であり家族の団らんの場であるため、すべての国民が安定したゆとりある住生活を営むことができるようにすることが必要であります。このため、良質な住宅のストック及び良好な住環境の形成を図ることを基本目標としつつ、昨今の内需拡大の要請にもこたえながら、第五期住宅建設五カ年計画に基づき総合的な住宅政策の推進に努めてまいる所存であります。
#21
○小野委員 大臣、現在の住宅政策の最も大きなネックは何であり、そのネックを解消するためにはどういうことをしなければならないと大臣はお考えになっておりますか。
#22
○天野国務大臣 いろいろあると思いますが、ようやく自分の本当の力で国民のほとんどが住宅を持つことができるように現在の経済状態はなってきていると思うのでありますが、ここ一両年、いわゆる貿易摩擦等に関連いたしましていろんな症状が起きております。私は、やはり住環境は人間生活の基本でありますから、そういう観点から国民の欲求する内容を持つ住宅を建設すべきであると思いますが、なかなか、ちょっと申し上げましたように相当金がかかるものですから、その仕事を国がお手伝いをしてやっていくということが我々ここ約二十年来とっている措置でございますが、最近いろんな条件を緩和しまして、政府関係の手当てを十二分に見れるような措置を講ずるようにいたしたいと考えております。
 いずれにしろ、根本的には住環境をよりよきものにしたいという考え方には変わりありませんし、それに向かって行政は努力をしていくべきであると考えております。
#23
○小野委員 住宅局長にお伺いしますけれども、戦後の我が国の住宅政策に対する評価あるいは反省点、現在の住宅政策の大きな課題、問題点、ネックについて局長の方から答弁をお願いいたします。
#24
○片山政府委員 我が国の戦後の住宅問題というのは、まず絶対的に住宅数が足りませんで、これの充足に終始をしてきたのが二十年代から三十年代のことであったと思います。その後、量的な充足を見つつもなお質の面でまだ不十分な点があったわけでありまして、現在反省してみまするに、量的な面におきましてはかなりの成果を得たものと私は考えております。しかしながら、五十八年の住宅統計調査にもありましたように、なお最低居住水準未満の世帯が一一・四%もあるということ、また平均居住水準の達成をしておりますものもおおむね約半分、こういうことでありまして、質の面から見まするとまだまだ十分ではないと考えております。したがいまして、これからの住宅対策の大きな問題点といたしましては、まず新規に発生いたします住宅需要に対しましては的確な質のものを供給していくということ、それから、三千八百万戸ございますストックの質の改善に取り組むということが大きな課題であろうかと思っております。
 しかしながら、これの取り組みます場合の大きな問題点といたしましては、やはり住宅の価格と所得の間になお乖離がございまして、国民一般が住宅を求めます場合になお負担が大変大きい、こういうことが大きな問題点でありまして、そういう観点から、負担の軽減、取得能力の向上等が住宅対策の基本的な課題であろうかと考えております。
#25
○小野委員 もう一度大臣に所見をお伺いしますけれども、多分去年の暮れごろかあるいはことしの初めごろだったと思いますけれども、財界の首脳の会議の中で、ある財界の一人の首脳が、政府が公共投資を行っても内需の拡大に転換する、経済成長率に寄与する率が以前と比較して非常に低くなった、したがって、補正予算あるいは前倒し等を行っても内需の拡大は非常に困難であるという発言を行った記事が出ておりました。もしそれが事実であるとすれば、私どもも十分考慮しなければならない問題なのでありますけれども、大臣はこの発言についてどのようにお考えになり、それが数字的に事実であるのかどうか、もし誤った判断であるとすれば、建設省としてはその発言に対してどういう措置をおとりになったのか、お聞きをいたしたいと思います。
#26
○天野国務大臣 内需拡大との関連性でございますが、私たち担当省庁といたしましては、いわゆる内需拡大を政府部内で決定をするときに、公共事業の中で一番影響力の強いのは住宅であるという考え方を持っております。というのは、一つの仕事をやるのに数多くの業界が投入できるからであります。例えば建物一軒をつくるにしても、少なくとも何百という関連のある職業が動員されることになります。それですから、そういう考え方で内需拡大に十二分に寄与できるという考え方で努力をしてきたつもりでありますが、問題はその予算の対処の仕方ではないかと思います。十二分とは申し上げられませんし、十分とまでもいかないわけでありますけれども、少なくとも七、八分目ぐらいまでは最近とった施策は当たっているのではないかなという感じをいたしております。
#27
○小野委員 局長にお尋ねしますけれども、その財界首脳の発言は事実ですか。以前と比較して公共投資の経済成長率への寄与率は年々低くなって、現在ではそれほど期待できない効果になっておるのでしょうか。
#28
○高橋(進)政府委員 まず先生のおっしゃっている財界人、どなたかということは今わかりませんが、そういう発言が昨年の暮れ新聞にも載りました。そのことに関しましては、直接そこの所属する事務方とも、発言の真意なり内容がどういうものかということにつきまして建設省としても議論いたしております。少なくともその件に関しましては必ずしもその財界人の発言が正確に伝えられていなかったということもありましたし、またそこの事務方にも、公共投資に与える影響が少なくなったということを端的に示すものではないという見解もいただいております。
 正直言って、一般にこの問題についてはいろいろな議論があります。最近、公共投資が経済の成長に及ぼす影響が少なくなったのではないかという議論がある一方で、最近また特に消費性向が強くなっていること、あるいは円高によりまして原材料等のあれによりましてそれが国内に向かう可能性があること等々で、逆に最近は公共投資の国内経済に与える影響が大きくなったのではないかという意見を言う学者や財界人のおることも事実でございます。いずれにしましても我々建設省としては、従来からのデータその他からいって、公共投資の経済成長に及ぼす影響というのは決して少なくない、また従来に増しているという点を主張しております。現に経済企画庁によりますモデルによりましても、これは最新のモデルとはちょっと言いかねる点がございますけれども、最も新しいものによりましても、公共投資の乗数効果というものは最初の年には一・四七、二年目には二・二五、三年目には二・七二の乗数効果があるということで、これは例えば減税による効果とかその他のいろいろな効果に比べても非常に大きいというデータもございます。
 そういったようなことで、基本的に私どもは、経済成長に及ぼす影響というものは依然として非常に大きいものであるし、最近の状況からいきましても特にまた強くなる可能性があるのではないかというふうに考えております。
#29
○小野委員 初年度で一・四七、二年目で二・二五ですから二年目の寄与率が〇・七八、三年目が二・七二になりますから二年目から三年目の寄与率が〇・四七。この数字は以前と比較して寄与率が高くなっているのですか、それとも低くなっているのですか。同じ条件で計算した場合にどういうことになっておるのですか。
#30
○高橋(進)政府委員 今申し上げました数字は、経済企画庁の改訂世界経済モデルによります数字でございます。これは五十九年二月でのモデルでございますが、それ以前の世界経済モデルによりますと、最初の分が一・四七と先ほど申し上げましたが、その部分が一・二七ということで、あとの二年目、三年目の二・二五、二・七二という数字は変わっておりません。むしろ一年目が改訂では大きい数字となっております。
#31
○小野委員 そのように公共投資の乗数効果というのは減少していないということであれば、やはり財界の首脳のその発言に対して建設省としてしっかりとした反論といいますか説明をしておかないと、国民は公共投資の経済成長率への寄与率を非常に軽視してくると思いますので、その点、あらゆる機会に説明しておいていただきたい、こう要望しておきます。
 そこで、今回の法律の五つの改正点がありますけれども、この五つの改正点を行うことによって、改正前の建築戸数にどれほどの住宅建設戸数を上乗せすることができると計算しておるのか、その具体的な説明をお願いいたします。
#32
○片山政府委員 今回の金融公庫法等の改正の内容は五点ございまして、一点目は特別割り増し貸付制度の適用期間の延長でありまして、あとの四点は、住宅改良でありますとか耐女性のすぐれた木造住宅あるいは二世代承継償還の二世代住宅、災害補修の場合、そういう場合の償還期間の延長ものであります。四点が償還期間の延長ものであります。そして、この償還期間の延長関係につきましては、住宅リフォームの促進でありますとか木造住宅の振興あるいは高齢化社会への対応というような政策課題を踏まえながら住宅の質的向上を誘導すること、また災害対策のためのものでありまして、住宅建設戸数の増要素は若干は含みますものの、直接的に住宅建設戸数の増加をねらいとするものではないわけであります。
 したがいまして、戸数に影響のあるものといたしましては、特別割り増し貸付制度の適用期間の延長でありまして、これに絞られてくることになるわけでありますが、この制度は六十一年度末までの施策を延長するものでありますので、六十一年度の建設戸数と六十二年度の建設戸数を比較いたしましたときに、これが特段の戸数増を予定しているということではございません。
 しかしながら、同制度は当然のことながら戸数の下支え効果はございます。したがいまして、下支え効果を経験則によりますモデルで積算をいたしますと、平年度ベースで一番新しいモデルを使いまして二万戸、昨今までずっと使っておりました古いモデルを使いますと三万戸、ですから、二ないし三万戸の下支え効果があるものと考えております。
#33
○小野委員 住宅金融公庫法の改正によって改善されてはおるのですけれども、五十六年以降の公庫法による建設戸数は年々減少いたしております。しかも、逆に民間によるものが増加しておるのですけれども、その理由はどうお考えになっておりますか。
#34
○片山政府委員 御指摘にありましたように、住宅金融公庫融資の住宅着工戸数は、五十八年度に前年度比二二%というふうに大きく減少いたしました。このことは五十七年に駆け込み着工が大変増加したための反動の激減であったと私どもは理解しておるわけでありますが、その後五十九年度、六十年度の両年度は一・一%、三・五%と、それぞれ前年度比微減をしております。こういう微減状態でこの二、三年推移してきたわけでありますが、この大きな理由として考えられますことは、近年の所得の伸び悩み傾向が続いてきたこと、それからこの時期、民間ローンがまだ比較的高く推移をしていたということ、それから若年層の増加等によりまして、借家に対する志向が高まってきて持ち家離れが若干見られたということ、こういうことにあったのではないかと考えているわけであります。
 しかしながら六十一年五月以降の統計を見てみますると、この二、三年とられました数次にわたります公庫の貸付金利の引き下げでありますとか特別割り増し貸付制度の創設でありますとか、そういう各種の内需拡大策、こういう実施をしたことによります効果と思われるわけでありますが、六十一年五月からこの一月までの累計で申し上げますと、前年度同期比で一〇・九%の増になっております。なお、六十一年度におきます第三回までの個人住宅の募集の状況を見てみますると、前年度の同期に比べまして一三・五%の増で推移をしております。したがいまして、六十一年度、今年度の最終の予想といたしましては前年度を大きく上回るものと考えております。
#35
○小野委員 今までの答弁の中から理解できることは、我が国の住宅政策は量的発展から質的に転換を図らなければならない、このことがはっきりいたしました。同時に、国民の需要がそれに沿うように十分あるのかないのか、その潜在需要をどう実現化していくのか、こういうことが大切になると思いますのでお尋ねいたしますけれども、現在の我が国の潜在需要はどのような数字と把握しておりますか。
#36
○片山政府委員 まず我が国の住宅の需要の長期的な見通し、これは十年とか二十年というインターバルでの長期的な見通しといたしましては年当たり約百三十万戸くらいではないかと考えております。そういう数字でもって推移をしていくのではないかと考えております。
 この中身といたしましては、いわゆる世帯増、人口増に伴います世帯増、それから世帯が核家族化することによる世帯増、それから社会移動に伴う世帯増というのを住宅需要上推計するわけですが、そういう世帯増関係が年当たり五十万から四十万で長期的に推移していくでしょう、それから片方、建てかえ需要、これはその住宅を壊しましてその場に建てる場合の需要も当然入りますが、住宅を壊しまして他の場所に住宅を建てる、もとあった住宅のところには、住宅が建つ場合もありますし他の用途の建築物が建つ場合もありますけれども、そういう建てかえ需要関係が七十万から八十万で推移をしていくだろう、それから人口の流動関係を確保いたしますために適正空き家が必要でありますが、そういう空き家確保の関係で十万、これらを合わせまして、長期的には年当たり約百二十万で推移をしていくものと考えておるわけであります。こういうことを踏まえまして、六十一年度から六十五年度に立てました第五期住宅建設五カ年計画では総計で六百七十万戸、年当たりにいたしますと百三十四万戸ということをやっているわけであります。
 この需要の中身でありますけれども、これはやはり社会の情勢によってかなり変化をしてきます。例えば、住宅建設がピーク時でありました過去昭和四十七年を含みます第二期住宅建設五カ年計画の場合と今回立てました第五期五カ年計画の場合の需要の中身を比較いたしますと、第二期の場合は世帯増関係を社会移動を含めまして五割強に見ておりましたけれども、今回の第五期五カ年計画ではそれは三五%に見ている、逆に建てかえ需要は当時では二五%くらいを見込んでおったわけですが、現在は五五%今の計画では見ておる、それから適正空き家確保関係は当時は五%でありましたが、今度は一〇%見込んでおる、そのほかに当時の二期五計では非住宅居住とかそういうものの解消を約二〇%見ていた、こういうことでございまして、時代時代によりまして住宅需要の中身は変わってくるわけでありまして、今回の五期五計では先ほど御説明申し上げたような計画を立てているところであります。
#37
○小野委員 外国の例を見ますと、年の建築戸数は人口の〇・六%くらいで推移しておりますけれども、日本の場合には大体一%を超える場合もあります。一%前後になっております。これはもちろん外国の場合には石を中心とした耐火建築だということと日本の場合に木造という例があると思いますけれども、日本の住宅建築戸数もやはりだんだん年々減少していく傾向になりはしないのだろうか、そういうことを一つ考えます。
 しかし、反面、住宅潜在需要を調べてみますと、現在でも最低居住水準四人世帯で五十平米以下の住宅に住んでおる人が三百九十五万世帯、全体の一一・四%、平均居住水準に住んでおる人々でも千七百六十七万戸、五一%、そのほかに世帯数として増加する計算になるものが五十九年から六十年までで一年平均で約四十八万世帯くらいふえる、それから三大都市圏への流入が五十八年で約八万六千人まで戻っておりますから、かなり潜在需要があるのだ、こう考えなければならないと思うのです。
 この潜在需要を具現化する、うちに住めるように実現することが政策として我が国に課せられた最大の任務であるはずなのですけれども、この潜在需要を具現化できない最も大きい理由は何だとお思いになりますか。
#38
○片山政府委員 先ほども御説明申し上げましたけれども、まず住宅を取得します場合の一番の問題点というのは、やはり住宅の価格と取得能力の間に乖離がございまして、我が国の場合粗っぽく申し上げまして約六倍と言われております。これが諸外国の場合ですと約三倍ということでありまして、その点がやはり一番大きなネックであろうかと考えております。
#39
○小野委員 だれもが地価の高騰によって住宅の建築費、購入費が非常に大きくなって、それが所得との乖離によって停滞しておることがはっきりしておるわけですが、問題はこの土地の高騰に対してどのような対策を持って潜在需要を具現化するか、国民が要望する、少なくとも先ほど大臣も答弁しておる量的建築から質的なものに転換できるための対策として、土地政策が最大の解決課題であることは言うまでもありませんけれども、大臣、この問題についてどうしなければならないのか、今何をやらなければならないのか。すぐ解決できなくても、このような方法で解決していかなければならないということを国民の前に明示することが今住宅政策の責任者としての任務じゃないかと思うのですけれども、いかがですか。
#40
○天野国務大臣 随分難しい質問ですけれども、土地問題と住宅問題は切って離せるものではありません。特に、田舎と違いまして、都市形成をなしておる地域の住宅問題というものは土地問題との関連性が非常に大きいわけでありまして、家を建てるよりも土地を買う方がべらぼうに金が要るというのが最近の状態でございます。
 土地問題について、私ここで議論してはちょっと国土庁長官に悪いのでありますが、できることなら安定した地価を持続できるような措置を講ずべきである、私はそう考えております。言うなれば需要供給のバランスの問題になってきますが、東京のようなところでは供給資源がほとんどないわけでありますから、そういう観点から特殊な政策を講じない限り、土地を安易に獲得できるということは非常に難しいのではないかと思います、私自身、個人的にはいろいろ考え方を持っておりますが、ここでそれを申し上げることは時局柄どうかと思いますから申し上げませんが、いずれにしろ土地というものを安定した形で、了承のできるようなところまで強制手段を講じても抑えるべきではないかという考え方を私は持っております。
 この程度にしていただきます。
#41
○小野委員 そこで、国土庁にお尋ねしますけれども、現在東京都心の、特に商業地の地価が急上昇いたしまして、その影響が住宅地まで波及をいたしておることは御存じのとおりです。
 そこで、買いかえの問題でお尋ねしますけれども、ビル用地として居住用財を高額に売り、今度は住居資財をその範囲内で異常に高く買うという形が行われて、ますます地価の高騰を進めておることは御存じのとおりであります。私はこの買いかえ制度を否定するものではありませんけれども、非常識な異常に高い買いかえが行われるこの現状を黙視していいものなんだろうか。少なくとも常識的に考える土地の売買によって買いかえが行われるならば私はこの特別措置法も認めることはやぶさかではありませんけれども、異常に高い場合までもこれを認めるということについては大きな疑念を持っております。
 もう一つは、土地等の長期の譲渡所得の二〇%の分離課税でありますけれども、通常私どもの常識で考えられる範囲の土地売却ならいいんですけれども、これまた異常な高値で売却した場合にこの二〇%の分離課税でいいんだろうかこういう気がしてなりません。
 そこで、この買いかえに対する特別措置と長期譲渡の所得の二〇%の分離課税について、早急に手を打つことが今大臣が言った質的住宅への転換を少なくとも促進するための土台づくりにはなるのじゃないだろうか、私はそう考えるのですけれども、この問題の検討に早急に着手する御用意はございませんか。
#42
○田村政府委員 東京都心あるいはその周辺地域におきます地価上昇、この原因は、私どもは基本的には都心部の事務所需要が非常に大きくなって、それに対する供給が足りないということであると思いますが、先生御指摘のように、事務所用地等を売却した者が買いかえ、特に居住用財産等につきまして買いかえをする、こういう動きがございます。この買いかえ特例の税制がございますために土地の単価にかなり寛大な態度で高値の土地を買っていく、こういう需要があるわけでございまして、さらにまたそういう需要を当てにした一部不動産業者の手当て買い、あるいは土地転がし、こういった現象が都心部地価高騰の周辺住宅地への波及を加速していることは事実であると思います。
 こういった現状に対処するために、私どもといたしましては、まず業者による土地転がしと高値手当て買いを抑えることが必要であると考えております。私どもが聞いておりますところでは、土地売買の実例のほとんどはこういった買いかえ需要を当てにした不動産業者の手当て買いあるいは転売、こういうことがかなり多いということを聞いております。これに対しまして私どもは、超短期重課制度、つまり買った土地を二年以内に売る場合の譲渡所得につきましては非常に高率の税を課するということ、これにつきましては、現在その税制改正案を国会に提出して御審議いただくことになっております。
 さらに、東京都の条例が昨年の十二月から施行になりまして、今度四月一日からは二十二区、それから武蔵野市、三鷹市に対象地域を及ぼす予定になっておりますけれども、この条例の施行によりまして小口の取引を規制する、これによって投機的取引を抑制する、こういうことでかなり効果が期待されると思っております。これによりまして、先生御指摘のような事態はかなり避けられるのではないかと思っております、
 それからもう一つ、譲渡所得の二〇%分離課税のお話が出ましたけれども、これはいわゆる法人の十年以内の短期の譲渡所得に対する二〇%の分離課税のお話かと思いますけれども、これにつきましては私ども特に投機的取引を抑制する観点から、二年以内の譲渡所得については三〇%の分離課税を行う、こういう税制改正案を提出しているところでございます。
#43
○小野委員 結局、この買いかえの特例は認めるという考え方になりますか。私は、異常な高値で売買される場合にこの適用を除外することが今早急に求められていると思うのです。いかがですか。早急にこの問題の検討に入り、早急に結論を出すという考え方はございませんか。
#44
○田村政府委員 実は昨年、税制改正の要望におきまして、私どもは買いかえ特例制度を少し修正する、現在居住用財産につきましては買った範囲内ではすべて課税が繰り延べされるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたような事情を勘案いたしまして、時価あるいは公示価格等を参考にいたしまして適正と認められる一定の額を限度としてそれ以上は繰り延べを認めない、こういう税制改正案を要望いたしたわけであります。しかし、これは次のような理由によって結局認められなかったわけでございます。
 まず、税法上土地の値段について適正価格を設定するということは妥当であるかどうか、この点が税務当局から指摘されたわけであります。それから、これは一定の額以上は繰り延べを認めないということになるわけでございますが、そういうことになりますと、特に個別の土地価格についてだれが見ても直ちに価格が明らかになるような尺度、基準になることが求められるわけでございますけれども、これがなかなか固定資産税評価額を用いても問題がございますし、相続税評価額を用いてもなかなかうまくいかないということで、技術的に非常に困難であるということがございます。それから三番目に、仮にだれが見ても直ちに価格が明らかになったとしても、税務執行上トラブルが多発するであろう、苦情あるいは訴訟といったことが頻発するのではないかということで、税務当局とかなり折衝したわけでございますけれども実現を見るに至らなかったという経緯がございます。しかし、事態の推移によりましては、私どもとしてはさらに検討を続けるつもりでございます、
#45
○小野委員 結局は、地価の高騰をこのまま放置して、購入価格と所得の乖離を改善することなく、ますます国民の住宅の要望にこたえられないということになるだろうと思います。
 そこで、建設省住宅局が出しておる「住宅事情と住宅対策の現況」の中でお尋ねすることは、日本の住宅水準についてでございます。我が国の住宅水準を国際的に比較してみまして、政府は国民生活白書の中で、あるいはこの本の中でも、いろいろ条件はつけておりますけれども、我が国の住宅は既に欧米水準に達していると主張しております。例えば二戸当たりの部屋数は四・五室で、アメリカ、イギリスに次いで上位三番目にある。一室当たりの人員数も〇・八人で、一人一室の目的は既に達しておる。日本の住宅事情はまずまずの水準に達しているという結論を出しておりますけれども、これに対する局長の認識をお尋ねいたします。
#46
○片山政府委員 我が国の住宅の水準と諸外国とを数字で比較しました場合は、ヨーロッパ系と比較しました場合は数字で約一割ぐらいの差が概数ではございまして、日本の方が低いという状況になっております。一割という数字はかなり接近したというふうな見方も逆にできないわけではないわけであります。しかしながら、その中身のはかり方などは各国それぞれまちまちでございまして、例えば我が国では建築物は壁心ではかってまいりますけれども、欧米の場合は大体が内のりでもってはかる。内のりと聖心ではかりました場合は、その差が約一割弱ぐらい出てくると言われております。それからまた、フランスのような場合ですと、主たる居室の床面積をカウントしまして従たるものについてはカウントしないというようなルールもあるようでございます。そういう差を、中身を考えました場合は、やはり規模の面におきましても我が国はまだまだ欧米各国に比べましてかなり劣っていると私は考えております。
#47
○小野委員 私もその意見に賛成でございます。
 例えばイギリスの住宅は、居間は十八平米、約十一畳以上でなければこれを部屋と認めておりません。主たる寝室は十二平米、七畳以上が必要であります。主たる寝室で十二平米以下のものはこれを寝室と認めておりません。台所では、四人の人々が座って食事できるような面積でなければこれを食堂と認めておりません。これはヨーロッパ各地、各国すべて同じであります。スウェーデンの住宅基準は、居間の大きさは一LDK未満で十八平米以上、一LDK以上では二十平米以上でなければこれを部屋と認めておりません。主たる寝室は十二平米以上、他の寝室は二人用で十平米以上、一人用で七平米以上。台所は最低四人用の食卓が置かれて、いすが必要です。しかも、台所は部屋の数に数えておりません。
 我が国の部屋数を見ますと、三畳でも一室、三畳の板の間の台所でも一室、こういうふうにその基準が全然違いますから、部屋数で、あるいは面積でヨーロッパ諸国と日本の住宅を比較いたしますと、まことに大きな間違いを犯すことになります。さしあたってこのような間違いを犯さないために、ヨーロッパ並みの基礎的条件、比較が可能になるような条件である住宅とは何なのか居住室数とは幾らなのか住宅の延べ面積は幾らなのか、こういう概念あるいは計算の基礎をしっかり定めるべきだと思いますけれども、そういう基礎条件を定めましてからヨーロッパ諸国の住宅と比較して日本の水準を発表すべきだと思いますが、いかがですか。
#48
○片山政府委員 住宅の水準を的確に把握いたしますためにはやはり各部屋の規模を無視して考えることはできないこと、先生の御指摘のとおりであると思います。そういう観点を踏まえまして、第五期五カ年計画におきましてもそれぞれの居住水準の中で主寝室の面積の標準を示しましたりあるいは最低限を示しましたりして、第五期の五カ年計画の場合の誘導居住水準を設定したところであります。これはまだ一つの基準でありまして、これを目標に進む。誘導居住水準の五カ年計画の中における位置づけが、西暦二〇〇〇年を目途に国民の五割がそれを達成するという目標を設定したわけでありまして、現在この誘導居住水準を規模で満たしておるものは五十八年の住宅統計調査では約二八%でありますから、そういう面からまいりますと、規模の面をとっただけでもまだまだおくれがある、こういうことでございます。
 今後の住宅対策の推進に当たって心がけなければいけないことは、やはり一戸一戸の質を高めるということでございまして、その中で一番大きな要素は規模の点でございます。今後はそういうことに大いに留意して住宅対策を推進してまいりたいと思います、
#49
○小野委員 比較すべき主体の基礎的条件を同じくして彼我の比較の結論を出していただきたい、こう要望いたしておきます。
 次に、住宅建設の経済成長への寄与率の問題でお尋ねいたします。
 全国勤労者世帯の平均収入世帯で家を持つ場合に、資金調達可能額を住宅価格指数でデフレートした実質資金調達可能額を求めて、これを持ち家系住宅着工戸数との対応で見ますと、五十七年度まではこの実質資金調達可能額の増減に応じて一年のタイムラグをもって着工が増減をいたしております。要するに、六十一年に金利を下げるとかあるいはベースアップがあったとかこういう購入のための条件が改善されますと、一年後に着工戸数にはっきりとあらわれてまいります。そこで、この実質資金調達可能額、家計収入の伸び率を変数として持ち家着工戸数を説明する関数をつくることができると言われております。この公式をつくって、その資金へ、公庫の金利を五・五%から五・二五%に、民間ローンの金利を七・五六%から七・〇二%に低下されると、それだけで約二万五千戸の着工がふえると言われております。さらに、六十一年度の住宅取得促進税制によって約二万戸程度の増加が期待できる、こうも計算されました。
 こういう結果から見ますと、六十一年度の住宅着工戸数の可能性は百三十万戸と計算されておりますけれども、これは事実でございますか。
#50
○片山政府委員 六十一年度の住宅建設戸数の見通しでありますけれども、六十一年の四月から六十二年の一月までの前年同期比で申し上げまして、たしか一一・三%ぐらいであったかと記憶しておりますけれども、その推移から二月、三月の統計を入れまして六十一年度統計をつくりますと、おおむね百四十万ぐらいのところに落ちつくのではないかという予測を持っております。
#51
○小野委員 そこで、今我が国の経済は不況、どん底であります。貿易摩擦の解消によって内需の落ち込みもまた大変な事態になる、国民はだれもが内需の拡大を願っております。特に内需の拡大の中心は住宅建設であることは言うまでもありません、ことしの経済成長率も三・五の見通しから二・五に落ち込みました。来年もまた三・五にしなければならない、こう要望されておりますけれども、その中で公共投資、あるいはその中の住宅建設はどの程度の寄与率を経済企画庁なり政府から要請されておるのですか。要請されておるとすれば、その目的達成のために住宅建設を幾らふやさなければならないのかということは、今の数式を当てはめますと金利の問題、償還の期間の延長の問題、民間のローンの金利引き下げの問題等当然計算が出てくるわけですから、もしそれらに対する見通しが六十二年度の経済政策の中にはっきり示されておるとすれば、そのことを説明していただきたいと思います。
#52
○片山政府委員 六十二年度の経済見通しの中で総体で実質三・五%の伸びを見ておりますけれども、この中で住宅につきましては実質七・一%の伸びを見込んでおりまして、金額的には投資額といたしまして、これは名目でありますが、一七・七兆という見込みでございます。
#53
○小野委員 局長、ことし六十二年度の住宅着工戸数をどの数字に設定して、それが経済成長率にどのような寄与を示すと計算しておりますか。
#54
○片山政府委員 住宅につきまして全体で七・一%の実質増と見込んでおります根拠といたしましては、戸数ベースで約百四十五万戸でございます。
#55
○小野委員 住宅を建設する場合に、先ほどから答弁をいただいておりますように地価の問題が解決されない限り非常に難しい問題を含むだろうと思います。しかし、国民の住宅への潜在的需要はかなりある。特に先ほどから落ちておる問題で老人世帯の老朽化、これが非常に大きいことははっきり出ております。しかも、六十五歳以上のお年寄りが住んでいて早急に改善をしなければならない住宅は、三百万以下の所得の人々が七〇%ぐらいを占めると言われております。したがって、これらの人に対する対策が保障され確立されなければこれらの古い住宅を建てかえることも促進されないわけですから、早急にそれらの対策を立てなければ百四十五万戸という着工戸数は無理になるだろうと思います。したがって、もしことし、来年で購入価格と所得との乖離の解決が無理だとすれば、国民の要望にこたえるためには当然公団住宅、公営住宅というものがその中間の対策として早急に建てられなければならないと私は思うのですけれども、それらに対するお考えをお持ちでしょうか。
#56
○片山政府委員 住宅対策の基本は、先ほどから御説明を申し上げているように住宅価格と住宅取得能力との乖離をいかに埋めるかということでありまして、そのためには、まず持ち家対策につきましては負担の軽減の観点で長期低利の融資を拡充することが基本であると考えております。ちなみに住宅金融公庫融資の利用の状況で見ますると、所得の五分位に分けました場合に、下の低い方から第一分位、第二分位で約五割の方々が公庫融資を使っておられる、非常に低額所得者の方々も利用されている、こういう点がございます。したがいまして、そういう観点からは公庫融資の拡充というのが今後のまた一つの大きな課題であろうかと考えております。
 さらにまた、持ち家取得になかなかいけない方々、そういう方々はまた公的賃貸住宅に入居されるわけでありますけれども、その公的賃貸住宅につきましても、公団住宅、公営住宅ともに、現在シーリングの枠内で大変厳しい財政情勢にはなっておりますけれども、戸数は前年度と同じ二万五千戸と五万四千戸を確保いたしまして執行に努めているところであります。
#57
○小野委員 私が最初に申し上げましたように、内需拡大の柱としての住宅建設、こう言いますと、一年に百四十万戸、百五十万戸を建てますとその関連企業を含めますと何兆何千億の資金が動きます、したがって経済成長率にこれだけ寄与いたします、こういう説明はあるのですけれども、家に住みたい、家を購入したい、こういう人々の率直な希望、率直な要求にこたえる説明は二の次になっております。
 今、公庫融資法によってわずかに六%の資金を投入することによって、政府のお金を使うことによって建築総額の四五%を占める、こういう事態になっております。したがって、昭和五十五年に建築されました百二十一万戸のうち、住宅数で四五%の五十四万戸が建てられております。要するに、六%や七%の政府資金を融資することによって、あとは個人の調達する資金を使って住宅が建てられることになる。しかし、年々年々地価の高騰によって住宅水準が小さくなっておる、こういう結果が出ておることは明らかであります。したがって、さいの河原じゃありませんけれども、この悪循環を断ち切ることが今必要なんじゃないでしょうか。この悪循環を断ち切るために何をすべきなのか、今建設省が国民に向かって提示しなければならない問題点だと私は思います。それが量的住宅行政から質的に転換された住宅行政だと思うのですけれども、その転換の具体的提案がないものですから、私は、はい、そうですかと言って座るわけにはまいらないような気がするのです。
 今、日本の持ち家比率は六十数%になって世界最高だろうと思います。スウェーデンは持ち家比率が三〇%台です。持ち家の比率が高いから居住水準が高いのだ、住宅が高級なのだということは少なくても日本の場合には当てはまらない、むしろ持ち家制度、その比率が高いということは住宅の質の悪さを示す何物でもないように思われてなりません。したがって、今政府がやらなければならないのは、憲法で保障された生活水準、居住水準をしっかり守れるような公営住宅を提供する、アパートを提供することだと思うのです。そういう意味の大きな転換を私はお願いするのですけれども、最後に大臣の所見を伺って終わります。
#58
○天野国務大臣 御意見ごもっともだと思います、そういう点で私たち、自分に当てはめて考えてみますと、自分の住宅というものは一回つくるとつくりかえがなかなか困難であります。と同時に、都市地帯においては自分の土地を購入して持ち家をつくることは非常に困難な状態になっております。最近の水膨れ的に膨れてきた日本の経済が、国民のそうした要求にマッチできるような政策がまだ行われていないというのは現実だと思っております。
 私も、勉強不足ではありますが、ここ十数年間この問題に取り組んできております。いろいろな疑問もあります。しかし、国民がたやすく環境のよい住宅を求め得られるような状態にすべきだという考え方で努力をしてきたわけではありますが、国で行う施策としては公団、公庫等が主でありますが、その内容についてよい方向に持っていくということは非常に難しい状態でありますが、今度の場合は幾分か――幾分かという言葉を使っていいと思うのですが、幾分がはこの法律を通してもらえばよい結果が生まれるのではないかと考えております。せいぜい勉強いたしまして、先生の御意見のように努力する、検討することをお約束しておきます、
#59
○小野委員 終わります。
#60
○村岡委員長 辻第一君。
#61
○辻(第)委員 住宅建設に関連をして、何点かお尋ねをいたします。
 まず、大臣にお尋ねをいたします。
 我が国の住宅水準は一定の水準に達したというふうに言われておりますけれども、外国人から見ればウサギ小屋というような表現があるように、非常に貧困な実態があるわけであります。そういう中で、健康で文化的な生活を営むに足る住宅をというのは多くの国民の願いであります。しかし、現状は異常な土地の高騰でありますとか住宅価格の値上がり、一方国民の住宅取得能力は、これまた異常な円高やあるいはその円高不況、また産業構造の変化という状況の中で、実質的に後退をしているというのが実態ではないかと思うわけであります。殊に土地の値上がりはひどいですね。殊に東京都では年間に二倍も値上がりをしているというようなところが非常に広範囲に広がっておる。庶民が一戸建てを手に入れるのは非常に困難だという状況ですね。それから、マンションもこの一月の首都圏の平均価格で三千万円を超えているという状況、住宅を取得することは非常に難しいという状況に入っております。また、幸い大変な努力で手に入れられても、その後はその負担で押しつぶされるような厳しい状況も待ち受けているというのが今日の状況だと思います。
 そうして、今の内外の経済情勢の中で内需の拡大、殊に住宅の建設というようなことは非常に大きな役割を持つ内容だと思うのです。しかも、住宅建設をする関連の業界、建設業を初め、また私どもの奈良では木材業でありますとか林業というような方々が、もっともっと住宅建設の増加をということを本当に真剣に願っておられるわけであります。幸い金利の低下、いわゆる住宅ローン金利の低下などで二足増加をしてきている。そういうことで、祈るような気持ちで願っておられるという状況でありますが、そういう状況に今度は政府が売上税ということであります。住宅建設の場合は、建築請負と売買は非課税ということであります。しかし、木材や鉄骨、セメントなどの資材の課税で値上がりは避けられない。新聞報道でも、建設省の試算として千六百三十万円の標準的な住宅の建設費に対し資材コストは約六割で、税率五%の売上税の導入なら四十九万円の負担増になる、こういうことも言われております。
 こういうふうに考えてまいりますと、この売上税というのは本当に庶民のマイホームの夢を遠のかせる。また、建設業者を初め建設に関連する業者、木材業者あるいは林業関係者を初めすべての業界と言っていいほど反対が強まっているわけであります。私どもの地元でも、この三月十三日に、木材協同組合を中心に二千名の人が集まって売上税反対の決起集会が開かれた、こういう状況もあるわけであります。
 大臣、私は、このような状況の中で売上税を撤回すべきだと考えるわけでありますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#62
○天野国務大臣 随分難しい御質問でございますが、中曽根内閣の閣僚を続けているうちはやはり賛成せざるを得ません。そうですから賛成をしております。売上税の法律の問題の中身についてはまだそれほど検討されておりませんが、これからこの国会で恐らく結論が出るであろうと思います。やはりそこまで私は賛成でいかなければいけないと思っております。
#63
○辻(第)委員 中曽根内閣にいる限りはということではなしに、建設大臣として本当に住宅問題をどうやっていくのか、国民の要望、業界の要望にどうこたえていくのかという立場で、売上税を撤回をするという立場でひとつ奮闘いただきたい、重ねて要望いたします。
 次に、少し触れましたが、異常な土地の高騰ですね。この三月十八日に日銀が発表しました全国銀行預貸金調査というのですか、これによりますと、不動産業への銀行の融資残高は昨年末で二十七兆八千億円に達した、昨年一年間の融資増加額は七兆二千億にもなっている、こういうふうに聞いております。全体が昨年末で二百六十八兆ということでありますので、その一割を超えているということであります。しかも前年度に比べますと三五%もふえているということですね。業種別ではずば抜けて高い伸び率を示しているということでございます。一方製造業は、設備投資に限って見ますと、十二月の貸出残で十兆九千億、前年同期比マイナス二・二%、こういうことであります。
 これを見てまいりましても、銀行の資金が物の生産に向かわずに不動産業などに大きく流れている。そういう中であの土地の高騰ですね。投機的な土地の取引でありますとかあるいは土地転がし、こういう状況が生まれているのではないか。こういうことを考えてまいりますと、当然このような不動産への融資についてはしかるべき規制があるべきだと私どもは考えるわけであります。
 きょうは国土庁の土地局長に来ていただいていると思うのですが、こういう状況に対してどのような対応をしてこられたのか、これからどのような対応をしていかれるのか。この不動産融資に限ってお答えをいただきたいと思います。
#64
○田村政府委員 地価高騰の原因はいろいろあるわけでございますけれども、金融緩和状況がこの高騰に拍車をかけている、そういう役割を果たしているということは御指摘のとおりだと思います。
 私ども、土地関連融資につきましては、地価高騰地域におきまして著しく適性を欠く取引あるいは投機的な取引、こういうものに対しまして金融機関が融資をすることを厳に慎むようにということで、これは私どもの方から大蔵省の銀行局にお願いをいたしまして、銀行局長から通達を出していただいております。六十年の七月、六十一年の四月、それから昨年の十二月と三度にわたりまして通達を出していただいておるわけでございまして、さらにまた、自粛を促すだけでなしに、半期ごとに不動産関連融資の報告をしてもらうというふうなことにもなっているわけでございます。
 こういった趣旨を今後さらに一層徹底させていきたいと思っておりますし、また、土地取引等の情報を金融当局とお互いに交換しながら、その趣旨の徹底に役立てていきたいというふうに思っております。
#65
○辻(第)委員 現状を見てまいりますと、もう異常な土地高騰ですね。その対応策というのはいつもおくれおくれで、結局、泥棒を捕まえてから縄をなうというような現状だと思うのですね。本当に積極的に今後とも十分な対応をしていただきたい。要望します。
 次に、我が国も超低金利時代に入ってまいりました。民間金融機関の住宅ローンの金利も、変動型で五・五%、固定型で六・四八%にこの四月一日からなるようであります。ところが、政府は資金運用部の預託金利を三月七日から下げましたね。これはどのように下げられたのか、下げ幅はどれぐらいなのか、お尋ねいたします。
#66
○片山政府委員 財投金利の引き下げ、貸付金の金利の引き下げは三月七日に改正されまして、従前が六・〇五%でありましたけれども、これが五・二%、下げ幅で〇・八五%でございます。
#67
○辻(第)委員 ところで、それに応じて住宅金融公庫の個人向け貸付基準金利の引き下げが近々やられるようであります。それはどのようにやられるということでしょうか。
#68
○片山政府委員 金融公庫の貸付金利につきましては、財投金利の貸出金利に基づきまして設定をしているところでありまして、三月七日の下げに伴いまして現在その作業を進めております。
 まず、これは規模別にそれぞれ決まってまいりますけれども、百二十平方メートル以下の住宅の規模の場合は四・七%。現行からの下げが、五・二五から四・七でありますので〇・五五%。それから、百二十平方メートルを超えまして百四十五平方メートルまでの住宅につきましては現行五・六五を五・〇にする。下げ幅で〇・六五でありまして、さらに百四十五平方メートルを超えまして二百平方メートル以下のものにつきましては現行六・一五を五・三、下げ幅で〇・八五、こういうことにいたすことにしておりまして、現在施行令の改正に向けて作業中でございます。
#69
○辻(第)委員 今三つに分けてお答えをいただいたのですが、その中で一番中心になるのは五・二五から四・七ということですね。資金運用部の預託金利の下げが〇・八五ですね。それに対しまして今の一番中心の下げ、住宅金融公庫の個人向けの基準金利ですか、これが〇・五五%だ。私どもは、昨年の十二月に大臣にも国際居住年の住宅問題での申し入れをいろいろさせていただいたのですが、その中でも大幅な公庫の金利の引き下げということを要望しておったわけでありますが、資金運用部が〇・八五%下げた、そして公庫が〇・五五%の下げだ。私は非常に残念なんですね。私どもは大幅というふうに考えているわけでありますが、最低限でも、〇・八五%下がったんだから、それにフルに連動して〇・八五%個人向けの貸付基準金利も引き下げるのが当然だ、こういうふうに考えてきたわけでありますけれども、どうしてそこまでいけなかったのか、その辺のところをお答えいただきたいと思います。
#70
○片山政府委員 今回財投金利の方が〇・八五下げましたけれども、それにフル連動いたしませんで〇・五五%の下げにとどめたそのルールといたしましては、財投金利の引き下げ幅の〇・八五のおおむね六割相当を公庫の貸付金利の方を下げる。この六割相当と申します数字は、民間の住宅ローンの金利の改定ルールといたしまして定着しておりますのが長期プライムレートの変動幅の六割を使う、そういうルールが民間に定着しておりますので、そういうことを勘案いたしまして〇・八五の六割相当、さらに内需拡大ということも配慮いたしましてそれよりさらに少し有利なところ、そういうことで四・七%をセッティングしたところであります。
#71
○辻(第)委員 今の日本の現状から、国民の要望から、また内外の経済的な情勢の中から、私は非常に残念なことだと思うのですね。少なくともフルに連動して〇・八五%の引き下げをやられるべきだ。今からでも遅くない、もう遅いですか、まだ閣議決定云々というようなことがあるようでありますが、もっとこれは頑張っていただきたい。大蔵省に負けてもらっちゃ困ると思うのですが、天野先生のような大物大臣にひとつ頑張っていただいて、大蔵省に負けないように御奮闘いただきたいと思うのです。〇・八五%に満足するわけではないのですが、もっと大幅ということを我々は願っているわけでありますが、せめてフルに連動してほしかったというのが私どもの考え方、恐らく国民も業界の人もそのことを願っているというふうに思うわけであります。そういう点で、ひとつ大臣の御見解も伺いたいのですが。
#72
○片山政府委員 説明が少し足りませんでしたのでちょっと補足させていただきます。
 住宅対策の推進という観点からのみを考えますれば確かに金利は安ければ安いほどいいのでしょうけれども、しかしながら、財投金利の貸出金利をもとにしまして金利を低減いたしまして公庫が安い金利でお貸しするとなりますと、当然かなりの財政からの負担がかかります。現在、毎年三千四百三十三億という補給金を支給しておりますし、六十二年度末で特別損失金の累計が四千五百億にもなる、こういう背景が一つはございます、
 それからもう一点、公庫金利の定め方というのはあくまでも財投金利に基づきまして決めるわけでありますけれども、この場合、財投金利の変動をした場合にも、その変動に応じまして、それなりの応じ方でもって変えていくわけでありますが、財投金利が高くなった場合につきましては法律でもって五・五%以上に上げない、五・五%が法定の限度で上を歯どめをしてございます。そういう見返り措置としまして、逆に下がります場合につきましてはそれなりのルールを設けるべきではないか、こういうこともありまして六割という数字を使わせていただいたわけでありまして、これはごく最近の、前回、前々回の改定の場合もその六割という数字を使ってやったところであります。
#73
○辻(第)委員 いろいろ御説明があったわけでありますが、私はそれ以上言わぬことにします。しかし、もっと大幅な引き下げ、そういうことだけ強く要望して、次に移りたいと思います。
 次に、公社住宅に関連してでありますが、今度の公庫の金利の引き下げは、当然住宅供給公社への金利も引き下げられることになりますね。それは大体どれぐらい引き下げられることになるのですか。
#74
○片山政府委員 公社の賃貸住宅関係に対します金利の適用は、現行の五・二五%から四・七%、新金利に移動する、こういうわけであります。
#75
○辻(第)委員 それでは先ほどの中心的なことと同じですね。当然これが引き下げられるということになりますと、新しく建てられる住宅の家賃はそれが反映されるということですね。そして、これまでの五・二五%の金利の資金で建設された住宅の家賃よりも、新しく建てられる四・七%の金利で建設される公社の賃貸住宅の家賃というのは当然低く設定をされるということになりますね。そこで、私はこの金利の引き下げのメリットが公社家賃にストレートに反映をされるべきだ、このように考えるのですが、その点はどうなんでしょうか。
#76
○片山政府委員 公社に対する適用の仕方でありますけれども、新金利はあくまでも新規住宅供給のものに適用されることになります。したがいまして、新規供給住宅の場合、例えば一つの例としまして二戸当たり六十三平方メートルの三DKを考えた場合に、現行の家賃の決め方でいきますと、旧金利の場合は月額が九万四千円でありますけれども、新金利の場合は八万七千円に約七千円引き下げられることになります。しかしながらこれはあくまでも新規供給に限るわけでありますので、既に管理しております既存の賃貸住宅にはこれを適用することは困難なものと考えております。
#77
○辻(第)委員 今具体的に引き下げる額の例もお示しいただいたのですが、私もまだ十分勉強していないので確信を持って言えないのですけれども、これまでの経過、少し議事録などを読んでみたのですが、調整家賃方式などというのがこのごろ考え方の中へ入ってるのですね。ですから、そういう考え方の中で今度のがストレートに反映されないということはないですね。ストレートに反映されますね。
 それから、最近のものは大体いわゆる傾斜家賃ですね。殊に傾斜家賃でその後半部分が本来家賃よりも上回る、いわゆる傾斜家賃の最終の方なんでしょうか、そういうようなことを聞いているわけですけれども、そういうことがないように、この金利が下がった分がきっちりと反映をされるということでやっていただきたい、このように思うのですが、私の言うことがわかりますか。どうもちょっと御理解いただきにくいですか。
 とにかく私の言いたいのは、金利が低下をする、そのことが十分反映をされて、十分家賃を引き下げていただきたい、このことを強くお願いをしているわけであります。そういう点で御見解を伺いたいと思います。
#78
○片山政府委員 先ほど御説明申し上げました、家賃の決め方でと申し上げました中には、当初十年の傾斜をかけることも含んで御説明したつもりでありますけれども、もちろん旧金利で設定しました傾斜を新金利のものが追い抜くというような、そういうことは決してございませんで、新金利になって下がった分だけ全体が下がる、こういうことでございます。
#79
○辻(第)委員 また後日、その家賃の決め方など資料としていただきたいというふうに思いますので、この公社だけではなしに、住宅公団の分もひとつ資料としていただきたいということをお願いをしておきます。
 最後に、民間金融機関の住宅ローンの問題でありますが、これは大蔵省にお尋ねをいたします。
 史上最低の超低金利時代に入って、民間金融機関の住宅ローンも借りかえというのが広がっております。昭和五十年代の九%、八%台の金利の非常に高い住宅ローンを借りている人は、現在六・四八%、いずれも固定型の話でありますが、この金利に借りかえたいと希望するのは当然だと思うのですね。人情のしからしめるあるいは経済的な問題のしからしめるところだと思うのですが、ところが金融機関は、それぞれ立場があるのでしょうが、自社内の固定型から固定型への借りかえを好まない。なかなか認めないというと悪いですが、渋るというんですか、そういう傾向があるようであります。それぞれ金融機関の営業姿勢で異なるようでありますが、住宅ローンの重さというのが本当に国民の暮らしを圧迫をしているということでありますから、大蔵省としてはこういう金融情勢の上あるいは国民のいろいろな要望を勘案をして、この国民の率直な願いにこたえるように何らかの手を打っていただきたいというふうに思うのですが、いかがでございますか。
#80
○杉井説明員 先生御指摘のように、最近におきます住宅ローン金利の低下に伴いまして、御指摘のように比較的金利が高い時期に借り入れられました住宅ローンの繰り上げ弁済とか、あるいは御指摘のような条件変更といった要望が多くなっているということは承知しておるわけでございます。このような要望にどのように応じるかは各金融機関があくまで個別の経営判断によってなされているところでありまして、しかも、そういう問題であるということは御理解いただきたいと思いますが、聞くところによりますと、個々の金融機関はこのような要望につきましてみずからの経営判断に基づいてできる限りお客さんの要望にこたえるよう努力しているというふうに聞いております。
#81
○辻(第)委員 終わります。
#82
○村岡委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#83
○村岡委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#84
○村岡委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#85
○村岡委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、谷洋一君外四名より、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。中村茂君。
#86
○中村(茂)委員 ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配布してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。
    住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一 国際居住年にあたり、立ち遅れている我が国の居住水準の向上について、より一層積極的に取り組むこと。
 二 住宅金融公庫融資については、貸付限度額等貸付条件の充実に引き続き努めるとともに、公庫に対する利子補給等の財政援助に特段の配慮を払うこと。
 三 地域の特性を生かした良質な木造住宅の振興のため、公庫融資の充実とあいまって、関運業界の指導、地方公共団体の施策との連携の強化等を図ること。
 四 住宅建設の促進による内需振興の効果を一層高めるため、住宅減税の拡充に努めること。
以上であります。
 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
#87
○村岡委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#88
○村岡委員長 起立総員。よって、谷洋一君外四名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。天野建設大臣。
#89
○天野国務大臣 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすように努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分尊重して努力する所存でございます。
 ここに、この法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。どうもありがとうございました。
    ―――――――――――――
#90
○村岡委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○村岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#92
○村岡委員長 次に、内閣提出、水源地域対策特別措置法の一部を改正する等の法律案及び砂防法の一部を改正する等の法律案の両案を一括して議題といたします。
 順次趣旨説明を聴取いたします。綿貫国土庁長官。
    ―――――――――――――
 水源地域対策特別措置法の一部を改正する等の法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#93
○綿貫国務大臣 水源地域対策特別措置法の一部を改正する等の法律案について、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 ダム等の建設を促進するためには、生活環境の整備等により関係住民の生活の安定と福祉の向上を図ることが重要であり、このため、水源地域対策特別措置法による水源地域整備計画に基づく事業を積極的に推進してきたところであります。
 また、離島における経済力の培養、島民の生活の安定及び福祉の向上を図るために、離島振興法による離島振興計画に基づく事業を迅速かつ強力に実施してきたところであります、
 ところで、最近のこれらの事業をめぐる状況は、特に国の財政事情においてまことに厳しいものがあります。
 この法律案は、このような状況に対処しつつ水源地域整備計画に基づく事業の円滑な実施及び離島振興計画に基づく事業の一層の推進を期するため、これらの事業に係る昭和六十二年度及び昭和六十三年度における国の負担または補助の割合について臨時特例の措置を講ずるものであります。
 次に、この法律案の主要な内容について御説明申し上げます。
 第一は、水源地域対策特別措置法の一部改正であります。
 水源地域整備計画に基づく事業については、その特殊性に配慮して、今回別に行われることとなっている砂防法等の昭和六十二年度及び昭和六十三年度における国の負担または補助の割合の引き下げ措置にもかかわらず、当該整備計画に係るダム等の指定年度における国の負担または補助の割合を適用することとし、関係規定の適用関係の整理等を行うこととしております。
 第二は、離島振興法の一部改正であります。
 離島振興計画に基づく事業については、離島振興法別表によるかさ上げ対象事業のうち、港湾、漁港及び道路の三事業の一部について、昭和六十二年度及び昭和六十三年度における国の負担または補助の割合を引き下げる措置を講ずることとしております。
 なお、これらの措置につきましては、離島の特殊事情にかんがみ、国の負担または補助の割合の引き下げ幅の調整をするなどの配慮を行ったところであり、さらに、この引き下げ措置の対象となる地方公共団体に対し、その事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう所要の財政金融上の措置を講ずることとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#94
○村岡委員長 天野建設大臣。
    ―――――――――――――
 砂防法の一部を改正する等の法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#95
○天野国務大臣 ただいま議題となりました砂防法の一部を改正する等の法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、最近における社会経済情勢の推移を見ますと、急激な円高等に起因する雇用情勢の悪化と地域経済の落ち込みには一段と厳しいものがあり、内需を中心とした景気の持続的拡大を図ることが緊急の課題となっております。
 このような課題にこたえるため、一般会計予算における一般歳出を厳しく抑制するという予算編成方針のもとで、所管事業につきまして、道路特定財源の全額確保、財政投融資資金の積極的活用、民間活力の活用等を図るほか、臨時特例の措置として国の負担割合を引き下げることにより、事業費の確保、拡大を図ることとした次第であります。
 この法律案は、ただいま申し述べました臨時特例の措置として、河川、砂防、地すべり対策及び道路に関する事業のうち、昭和六十一年度における国の負担割合が二分の一を超えるものについて、昭和六十二年度及び昭和六十三年度における国の負担割合を原則として引き下げることとするものであります。なお、この引き下げ措置の対象となる地方公共団体に対しましては、その事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう財政金融上の措置を講ずるものとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び要旨でありますが、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#96
○村岡委員長 以上で両案の趣旨説明聴取は終わりました。
 午後零時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時五十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時三十二分開議
#97
○村岡委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 内閣提出、水源地域対策特別措置法の一部を改正する等の法律案及び砂防法の一部を改正する等の法律案について質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村茂君。
#98
○中村(茂)委員 補助金に対してのいわゆる補助金率を引き下げるという、いわゆる補助金カットの法案が出てきたのは六十年からだというふうに思います。六十年のときには一年間を、法律はそれぞれの省庁にまたがるものを一括して出してきた。そして、六十一年、六十二年、六十二年と今度は三年間を、やはり法案は一括して出してきた。それぞれ審議の過程で、公共事業を拡大していく場合もこのような補助金をカットして金を集めてやっていくというようなやり方は本格的なやり方じゃないじゃないか、また、補助金をカットすることですから地方自治体に大変迷惑をかける、こういうことで、審議の過程においてもまた附帯決議それぞれの中においても、今申し上げたそういうことはすべきではないという趣旨が盛り込まれてきたというふうに思うのです。
 しかも今回の場合は、六十一年、六十二年、六十三年、三年間やる、こういうことで法案が出され、委員会でそれぞれ審議されて、そしてやっていこうと。ところが一年もたたないうちに、決まった中身の六十二年と六十二年を今回出してきた。私はこのやり方というのは、今売上税の問題がよく問題になって、公約違反だとかいろいろ意見が出ていますけれども、公約違反という問題以上のこれは問題じゃないか。というのは、今も申し上げましたように、いずれにしても審議して三年間ということを国民に約束し、しかも地方自治体に対しても三年間こういうことでいきますよとやったわけです。六十一年過ぎて今度六十二年には、一年もたたないうちに決まっている中身をなお上積みする。しかも今回は直轄事業までカットしますよと。しかも、今までは一括で出てきたわけですけれども、今回はそれぞれの省庁に法案を分割して出す。提出の仕方についてもまた中身についても、私はそういうやり方というものは絶対納得できないわけであります。
 したがって、どうしてこれだけ審議してきたものが六十二年、六十三年また上積みしますよということになったのか、建設省、国土庁、大蔵省、自治省のそれぞれの態度について御回答いただきたいと思います。
#99
○高橋(進)政府委員 ただいま中村委員から御指摘ございました点も承知いたしておりますが、基本的に今回お願いいたしますことになりましたのは、予想もできなかった急激な円高による不況の状態というのが背景にあるわけでございまして、そういった中で公共事業費を相当確保するということ、一方で非常に厳しい財政状況があるという前提でございますが、そのためにはある意味では緊急避難的なさらなるカットをお願いせざるを得ないということでございます。
 今御指摘ございましたけれども、一方で地方に対していろいろ迷惑をかけるではないかという点につきましては、今まで以上の地方財政に対する援助措置といいますかそういったことを考えながらやろうということで、まことにやむを得ない措置として建設省といたしましても判断いたしたわけでございます。
 なお、先生今まで一括で政府全体で審議をお願いしていたのが分かれたのはなぜかということもございますが、その点につきましては、六十年度、六十一年度の補助金一括法につきましては、公共事業関係、非公共事業関係を問わずにすべての補助金につきまして各省全体を通ずる統一的基準によって総合的な見直しを行うための措置だったということ、それから具体的な措置内容も、単に補助率の引き下げにとどまらずに一般財源化、交付金化等広範なものであったということで、党で一本でお願いしたわけでございますが、今回の場合、今申し上げましたような内需の拡大を図ることの緊要性にかんがみての公共事業の事業費確保のためにやむを得ず講ずるものであるので、その趣旨、目的は前回までとは異なっているということで、それぞれの省庁の所管でまとめて御審議をお願いするようにした次第でございます。
#100
○清水(達)政府委員 国土庁といたしましてもただいま建設省の高橋官房長から御答弁があったと同じように考えているわけでございますが、私ども所管しているのは地域立法でございまして、財政状況が非常に弱い離島等を抱えているわけでございます。そういうことから、今回の一層の補助率カット等につきましてはやむを得ないと思っておりますが、できるだけの補助率の引き下げ幅の緩和というふうなことをお願いいたしまして、ある程度そういう配慮をしていただいているところでございます。
#101
○斎藤(次)政府委員 お答え申し上げます。
 今回の措置につきまして、今中村先生から御指摘のような批判があることは私どもも承知しております。ただ、先ほど建設省の官房長から御説明がありましたように、今回の予算編成に当たりましては、円高が非常に急激に進行したということで経済環境が激変をしたという背景がございます。その中で一層厳しい財政状況が続いているということで、財政再建の路線を守りつつ景気に配慮して事業費の拡大を図らなければならぬという要請がございまして、その重要な政策課題にこたえなければならぬということで私ども財政投融資の活用あるいは民間活力の活用等のあらゆる工夫を凝らしたわけでございますけれども、その上でさらに補助負担率の引き下げを行わざるを得ないという状況になったということでございます。
 先生も御指摘のように、補助負担率の引き下げによりまして当然地方財政への影響があるわけでございますので、その点につきましては地方財政の運営に支障が生じないようにするために昨年を上回る手厚い措置を講じたということでございますので、この点もあわせて御理解をいただきたいと考えております。
#102
○小林(実)政府委員 ただいままでのお答えの繰り返しのようなことになると思いますが、今回の措置につきましては、一方では公共投資の拡大による内需の振興を図ることが一つの課題となったこと、一方、国の財政再建路線、これは引き続き堅持しなければいけない、こういう二つの要請の中で、財投とかあるいは民間活力の活用等各般にわたりまして工夫を凝らしていただいたわけでございますが、さらにその上に緊急避難的に補助負担率の引き下げにより事業量の拡大を図るということになったわけでございまして、やむを得ないものというふうに考えておるところでございます。
 六十一年度におきまして補助負担率の引き下げが行われました際には、三年間の暫定措置ということで自治大臣、大蔵大臣の間で覚書も交換しておるわけでございまして、自治省といたしましても非常に苦しい選択ではございましたが、今回の措置を見てみますと、ほぼ公共事業に限って行うということとしている。それから、補助カット、引き下げによる国費減少相当額につきましては地方債で補てんをいたしまして、元利償還につきましては全額交付税措置をするということといたしております。さらに、交付税措置に必要な原資につきましては国が九〇%、交付団体分の一〇〇%ということになると思いますが、こういう措置を講ずることといたしております。
 このように、地方財政にとりましては実質的な負担増がほとんど生じないように手厚い措置を講じておりますことから、覚書の趣旨には実質的に背くことにならないように最善の努力をしたわけでございます。その点御了解いただきたいと思います。
#103
○中村(茂)委員 公共事業をどのように拡大していくかという問題については、今のそれぞれの答弁と私の意見が絡まってまいりますから、もう少し中身をお聞きした中で私どもの考え方を申し上げ、皆さんの御意見も承りたい、こういうふうに思います。
 次に、今回六十二年、六十三年、補助金率が引き下がるわけですけれども、六十一年に対して六十二年、六十三年、どの程度引き下げようとしているのか、そして、引き下げた金額はどの程度になるのか、カットされたお金がどういうふうに使われるのかその三点について、それぞれ法律の中身別に、それから政令で実施される内容、予算措置で実施される内容、いえばそういう区分けで、今申し上げた点について建設省、国土庁の順に御回答いただきたいと思います。
#104
○高橋(進)政府委員 今回の建設省関係の補助率、負担率の引き下げの概要でございますが、昭和六十一年度におきます補助率、負担率が二分の一を超えるものを対象にいたしております。原則といたしまして直轄事業につきましては一〇%程度引き下げる、それから補助事業につきましては五%程度引き下げるということにいたしております。
 その補助率、負担率の引き下げによりまして前年度と比較した場合の国費節減額、これは北海道開発庁、沖縄開発庁、国土庁も含めます建設省関係全体で申し上げますが、千飛んで九十八億円でございます。内訳といたしましては、今御審議いただいております砂防法の一部を改正する等の法律によりますものは二百八十億円でございますが、そのほかに政令によりまして措置するものが七百七十億円、予算により措置するものが四十三億円、合わせまして千九十八億円でございます。
 なお、その節減された国費をどうするかということは、これはまだその国費をもとにいたしまして、その分を国が負担いたしまして事業費の増大を図るということでございまして、その事業費増の効果は千七百六十四億円と見込んでおります。
#105
○清水(達)政府委員 離島振興関係でございますが、本来の補助率、離島振興事業としての補助率が十分の七・五を超えるものにつきましては、直轄事業は五%、それから補助事業は二・五%のカットになります。これはただいま高橋官房長が一般原則としては直轄一〇%、補助五%ということでございますが、離島の高率補助のところについてはカット幅を半分にしているということでございます。それから本来の補助負担率が十分の七・五以下のものでございますけれども、これにつきましては直轄一〇%、補助五%のカットでございます。ただし、本来の補助負担率が一般の補助率を上回っているもので、現行の補助率が十分の五・五以下であるものは据え置くということと、それから漁港の外郭、水域施設及び空港につきましては現行補助率を据え置くということになっております。
 それから、水源地域対策特別措置法関係でございますが、これにつきましては、六十一年度以前に指定いたしましたダム等に係る整備事業につきましては今回の補助率削減は適用いたしませんで、六十一年度までのそれぞれの指定年度の補助率を適用するということでございます。なお、六十二年度、六十三年度指定分につきましては、原則として直轄一〇%、補助五%の削減が行われるということでございます。
 それで、これによる国費の削減額でございますけれども、離島につきましては法律によるもの十三億余、政令二億余、それから予算措置一億円余、合計十六億六千九百万円でございますが、これの国費削減によりまして事業費といたしましては二十七億円の増加になるということになっております。
#106
○中村(茂)委員 建設省、先ほどの中で、カットされるのは千九十三億――八億ですか。予算措置によるのは何億ですか、もう一度。
#107
○高橋(進)政府委員 先ほどちょっと御説明が不十分だったかもしれませんが、予算措置によるものが四十三億でございます。そうしますと、先ほどの数字を合計しますと千九十三億になると思いますが、その五億差がありますのは、国土庁の離島分も含めてでございますものですから、トータルとしては千九十八億ということでございます。
#108
○中村(茂)委員 国土庁の方もそうですけれども、カットで得たこれをどのように使われているか。それは補助金のいえば公共事業拡大分として地方公共団体に行く。その地方債で発行する分として公共事業全体では六百億というふうに言われていますね。そうすると、それは同じ補助金の分になるわけですから、カットされた分が全部地方公共団体という仕組みにはなっていないのですよね。カットされたお金というのはどのような配分になっているか、その点をお聞きしているのです。
#109
○高橋(進)政府委員 先ほども申し上げましたように、このカットによって節減される国費は全額公共事業費の事業費還元することにいたしまして、事業費の拡大を図ることにいたしておるわけでございます。
#110
○中村(茂)委員 そのうち地方公共団体におろしていく分はどのくらいになるのですか。これは全部公共事業の拡大に使われているということは私も承知するのです。もっと言えば、今度民活法案などが出ていわゆる民間のそういうところへ補助金とかいろいろ手当てするようになったでしょう、そういう方へもずっと回っているのでしょう。全体的に使われているということはわかりますけれども、地方公共団体に行くのはどの程度か、
#111
○高橋(進)政府委員 それはそういうことではございませんで、その分を直轄事業に使うか補助事業に使うかということはございますが、公共事業関係費に使うという考え方でございます。
#112
○中村(茂)委員 わかりました。
 カットされたお金というのが公共事業に使われていく、そして地方公共団体におろされていった分については、建設省関係がどのくらいになるかどうかわかりませんけれども、いずれにしても他の省庁のも含めて今回国費の削減分が約千二百億、そしてそのカットした分の事業拡大分の地方負担分、それが六百億、いえば千八百億が地方へ出されて、その全額を建設地方債で補てんしていく、こういうふうに言われているのですけれども、この補てんの中身、先ほど自治省の方からお話がありましたけれども、もう少し詳しく、自治省、それから大蔵省、それぞれ御答弁いただきたいと思います。
#113
○小林(実)政府委員 六十二年度のカットによります地方財政への影響額は、お話がございましたように投資的経費では千八百億でございます。そのうち補助率のカットによる分が千二百億、それを財源にいたしまして補助事業をふやしたわけでございますが、それに伴う地方負担は六百億、こういうことになるわけでございます。これに対しましては建設地方債の増発によって対処するということになります。
 カット見合い分につきましては私ども臨時財政特例債というふうに申し上げております、それから拡大に伴う地方負担の増に対する地方債につきましては調整債というふうに言っておりますが、この起債の元利償還につきましては、後年度、カット分については一〇〇%、調整債分については八〇%交付税措置をする、基準財政需要額に算入するという措置を講ずることといたしております、
#114
○斎藤(次)政府委員 今小林審議官から御説明があったとおりでございますが、千八百億のうちの千二百億につきましては、その元利償還費は通常の交付税措置とは別に、その九割、いわばこれは交付団体分の全額ということでございますが、これは後年度において国が特別の交付税措置を講ずる、別途特例措置を講ずるということにいたしておるわけでございます。
#115
○中村(茂)委員 そうすると、千八百億のうち、臨時財政特例債分千二百億については国から自治省の交付税に不交付団体を除いて全額見ます、それから調整債の六百億は従来どおりの交付税の中で八〇%見ていきます、こういうことでいいですか。
#116
○小林(実)政府委員 ただいまお話があったとおりでございまして、来年以降の地方財政対策の際にやはり地方財政計画をベースにして議論をいたすことになりますが、臨時財政特例債、調整債の元利償還費は全額地方財政計画の歳出の方に計上いたすわけでございます。大蔵省の方からお話がございましたように、臨時財政特例債につきましては、後年度国の一般会計の負担もあるわけでございますが、これらの交付税の加算措置等々も考慮して所要の財政措置を講じていくということになると思います。
#117
○中村(茂)委員 そうすると、不交付団体は手当ては全然やりようがない、こういうことですか。
#118
○小林(実)政府委員 不交付団体に対する措置でございますが、例えば六十二年度の場合で申し上げますと、補助率カットの影響というのは経常経費もございますので、経常経費分につきましては交付税の基準財政需要額を増額いたします。それから建設地方債の増発分、これは過去のものでございますが、この元利償還費を基準財政需要額に算入いたすわけでございます。これによりまして私どもの財政措置といたしましては補てん措置を講ずることになるわけでございますが、基準財政需要額に増額算入いたしましても基準財政収入額の方が上回る不交付団体の場合には現実には交付税の増額にはならない、こういうことになるわけでございます。これらの不交付団体に対します措置といたしましては、地方債の配分に当たりまして配慮をしてまいりたいというふうに考えております。
#119
○中村(茂)委員 今一番最後の方で言われた、不交付団体にも起債の際に配慮したい、こういうふうに言われたのですか。それでいいですね。
 それでは次に、六十一年度もカットしているわけでございまして、それが六十二年度に影響してくる、その額が一兆二千八百億、投資的経費が六千六百億、経常経費が六千二百億、こういうふうに言われているわけですが、そのそれぞれの特例債、調整債の措置についてはどういうふうに行われるのですか。
#120
○小林(実)政府委員 六十一年度の補助負担率の引き下げによる六十二年度における影響額は、お話のとおり一兆二千八百億ございます。これは経常経費、社会福祉関係等でございますが、六千二百億、それから投資的経費につきましては六千六百億、こういうことになるわけでございます。
 経常経費の六千二百億につきましては、たばこ消費税の税率特例を継続するということによりまして千二百億、地方交付税の特例加算で千二百億、残りの三千八百億につきましては起債で措置をする、こういうことになります。
 それから、投資的経費の六千六百億でございますが、このうち、カットによる国費減額相当額四千九百億ございます。これにつきましては臨時財政特例債で対応いたします。残りの、拡大事業に伴う地方負担分千七百億につきましては調整債で措置をいたすことといたしております。
#121
○中村(茂)委員 先ほど落としたのですけれども、六十二年度のカットの影響、投資的経費は千八百億、こういうふうに申し上げたのですが、それと同時に経常経費について三百七十億あるわけです。ですから両方合わせて二千百七十億。
 そこで、経常経費の三百七十億についてはどういう措置をされるのですか。
#122
○小林(実)政府委員 六十二年度の補助負担率引き下げのうち、経常経費につきましては三百七十億でございます。これは義務教育費国庫負担金にかかわるものでございますが、このうち交付団体の影響額が八〇%ございまして、それを金額にいたしますと二百九十六億ございます。これにつきましては、交付税の特例加算をいたしまして、それで六十二年度配分をいたします。残りは不交付団体ということになりますが、これにつきましては起債で対応するということを考えております。七十四億でございます。
#123
○中村(茂)委員 おさらいをしますが、経常経費の方は別にして、六十一年度カット分の六十二年度影響の投資的経費六千六百億、このうちカット分の四千九百億、これは元利償還費として五〇%負担をします。それから、カットした分の事業拡大分千七百億、これは調整債でやるけれども、その調整債の還元、これについては従来の交付税で処理します。それから六十二年度の千八百億についての力ット分千二百億、これは結果的には不交付団体を除いて交付される交付税で、平均して九〇%国が補てんすることになります。それから、六百億の調整債、これについての利子還元分については今までどおりの交付税、ここのところは従来と違って八〇%見ることになります、こういうふうに言っているのですか、ここは五〇%ですか。今ずっと言ったことについて、違っているところと合っているところと言ってください。
#124
○小林(実)政府委員 やや技術的なところがございましておわかりにくいと思いますが、今お話がございました六十一カットによる影響額六千六百につきまして、それから六十二のカットによる千八百につきましての措置でございますが、個々の地方団体にとってみますと、六十二年度におきましては、このカット影響分につきましては全額地方債がまず当たる、こういうことでございます、後年度の元利償還がどうなるかそこで差が出てくるわけでございまして、六千六百のうちのカット相当分の四千九百、それから六十二年度のカットによる影響千八百億のうちのカット相当分千二百億につきましては、個々の団体につきましては元利償還、交付税では一〇〇%算入をいたすわけでございます。それから調整債につきましては、いずれも八〇%を基準財政需要額に算入をいたします。これは従来からの例でございます。個々の団体につきましては、そういう措置を講じますので、財政運営上支障は生じないわけでございます、
 あとの問題は、国の財政と地方財政との関係でどうなるかということでございまして、従来の扱いは、四千九百億の方でございますが、これにつきましては後年度国の方で元利償還の二分の一を法定の交付税額の総額にプラスして負担をしてくれるということにいたしているわけでございまして、今回のカット分につきましてはその五〇%を九〇%にしておる、こういうことでございます。
#125
○中村(茂)委員 以上、六十二年、六十三年で六十一年を含めて三年のものを約束を破って二年間またやるようになったということ、カットされる内容、その補てんの措置、大体中身わかりました。
 そこで、公共事業について補助金をカットして、それを集めて拡大を図っていく、そして補助金の方の地方公共団体分については起債を認めて起債でやらせる。そして、その起債の元利償還については交付税でやってみたり、さまざまな手こつきでやっていく。しかし完全にはその償還はなされない。
 先ほどいろいろ説明もございました。大蔵省の答弁を聞いていると、財政再建を守りながらやむなぐこういうことをしているのだ、しかし地方自治体のそういうところについては手厚い措置を行う、また建設省では、円高不況が急に来た、緊急避難的にやむなくこういう措置をしているのだ、こういうことですけれども、どうしてこういう方法一これは内需拡大が、財政再建でお金がない、持ってくるところもない、だからやったのか。補助金を削るということが主体なのか。両方合わさっているような気もするのですけれども、しかし、補助金にしてもまた裏金をちゃんとつくってやるわけですから、どうも補助金カットが目的じゃないような気もする。そうすると、内需拡大をしていくためにこういう手法をとる。これは、確かに財政再建という一つの政府の方針はかたいものがあると思うのです。しかし、そういう状態があるにしても、これだけ円高不況で大変な事情になっている、もうこんなことではとてもじゃないけれども内需拡大も間に合わない。それを三年間ということで約束した。恐らくもっと詰めていけば、いや知恵を出しただろうと言うのだけれども、こういうのは悪知恵というので、余りいい知恵じゃなくて、政府は、こういう時期に来たときにこういう細かいものを集めてなんということじゃとても間に合う仕組みにはならないわけですから、もっともっと大胆に内需拡大という財源問題について私は対処していく必要があると思うのです。
 地方自治体において起債を認めるというやり方でいくなら、国で建設国債を出してやったって同じじゃないですか。こんな回りくどいことをやって、それで今地方公共団体の、まあこういう言い方はどうかと思いますけれども、貧乏な町村については、こういうやり方が来て、また起債を認めるからといったって借金しなければならない、それが今度返還の場合には交付税ということで区分けがさっぱりわからない、こういうことをどんどんされれば、公共事業をせっかくやりたいけれどもお断わりしなければもう財政上どうにもならないという決議をした、そういう村もあります。こういうやり方では困るという意見はほうはいとして起きております。
 先ほど申し上げましたように、確かに五十九年というものが土台で六十年は一年やった。そして今度三年やろうとした。そして六十一年だけで、六十二年、六十三年ということで今度法案が出てきた。しかし、六十一年でやったのを六十二年でどれだけ影響が出るかといえば、先ほど申し上げましたように一兆二千八百億もの影響が出てしまう。そして、ことしまたこれだけやる。明年度行けば、このものとまた前のものが重なって影響が出てくる。いずれにしてもそういう状況にあるわけです。ですから、先ほどから申し上げていますように、円高不況、内需拡大をやっていかなければいかぬというときに、何でこういうわけがわからないようなやり方で目をごまかそうとしておるのか。もっと大臣、そしてすかっといくような財政措置が必要じゃないか。建設大臣の所感を求めます。
#126
○天野国務大臣 御趣旨ごもっともです。そのとおりだと私も思います。
 それで、この予算編成の段階で、私たちは自民党ですから与党の中でこの問題を議論しました。私が答弁すると本当はまずいのですが、私が言わんとすることを中村先生は言っておるわけですから、同じようなことなんですよ。だから建設大臣をやめればどんな答弁でもできるのですが、今の段階では非常に困ります。
 しかし、問題は問題ですから、ややこしい手段を講じなくたって、大蔵省自体、自分で建設国債を出せば地方自治団体が出すのと同じわけですからね。それがどう違うのか非常に問題があるわけなんですが、私も数字の方は余り細かくわからないものですから、まあいろいろな点でこのような格好に落ちついたわけでございます。しかし、当然これは緊急避難的なやり方だというふうに理解はしておるのですが、非常に難しい理解の仕方でございます。その点御理解願えればありがたいと思いますし、来年度の予算編成に当たっては十二分にこの問題に対処するつもりでございますので、その点御理解願えればありがたいと思います。
#127
○中村(茂)委員 大蔵大臣が来ていたら大蔵大臣にも聞きたいんだけれども、今のことについて大蔵省、何か意見はありますか。
#128
○斎藤(次)政府委員 この問題についてはいろいろ御意見があることはよく承知しておりますけれども、我が国の財政は今非常に巨額な公債残高を抱えているわけです。その利払い費が政策的経費を圧迫しておるというのは事実でございまして、極めて厳しい状況にあるという御認識はいただけると思うわけでございます。私どもとしては一刻も早く財政の対応力を回復したいというぐあいに考えているわけです。したがいまして、今後とも財政改革を引き続き強力に推進をして対応力を一刻も早く回復するというのが緊要な政策課題であろうということで、こういう大方針を立てているわけでございます。したがいまして、六十二年度予算においてはこの大方針のもとで経済情勢にいかに適切に対応していくかということで苦心をしたわけでございます。
 内需拡大のための財源を建設公債に求めるという考え方は、私どもとしましては、建設公債といえども元利払いの負担を負うということでは特例公債と相違はない、建設公債による利払い費が相当な重圧となっております現在、なるべくその増発については慎重でありたいというのが私どもの基本的な立場であるわけでございます。御理解を賜りたいと思います。
#129
○中村(茂)委員 国で建設国債は重圧があると言うけれども、地方だって、地方債をやれといえばそれを認めるか認めないかだけの問題で、あなたたちが認める、それてそれぞれの町村は今まで公共事業をやるなりまた福祉の施設をするなり、相当な起債を起こしてやっているわけですよ。だから、国もそうでしょうけれども、地方もそういう、地方によってはなお厳しい財政事情にあるところがある。それは不交付団体という団体もありますけれども、それはほんのわずかです。ほとんどのところが交付税に頼っている、そういう中で地方債を起こしてやっていく。そういうところで処理さしていく。だから、国の財政もそれは厳しいということはわかっているけれども、円高不況がますます進んでいく、内需拡大をしなければということは国際的にも約束している、そういう中ですから、もっと大きい観点でこの問題は処理していく必要があるだろう、こういうことを私は指摘しているわけであります。
 続いて、建設省の持っておりますそれぞれの計画を見てみますと、例えて言えば第九次道路整備五カ年計画、六十二年度でこれは終わります。幸いに道路会計は特殊財源を持っていますし、皆さんも相当力を入れてきておりますから、この計画が六十二年で終わるわけですけれども、これを見てみれば九八・八%の進捗率になる。これはもう本当に立派な方で、まだ一〇〇%いきませんけれども、まあまあという計画になっているわけであります。しかも、地方単独についても八六・九。八六・九ですけれども、他のものと比べればこれはまだいい方。ましてやこの第七次治水事業、これは六十二年、ことしが新年度になるわけですけれども、第六次が六十一年で終わります、終わって、第六次がどのくらいかというと七九・四%。五年間やってきて八〇%に着いてないですね。また第六次下水道整備、これは六十一年から六次が始まったわけですけれども、二年目の六十二年の予算を見てみますと、この六十二年度の予算を完了して一般が三六・九という進捗率の計算になっている。二年ですから実際は四〇%までいってなければ五カ年といえばだめなわけです。六十一年のときには一八・五%ということです。それから第四次の都市公園整備、これも六十一年から始まったわけですけれども、六十二年で三五%。第四次海岸事業、六十一年から始まったわけですけれども三七・二%。
 そのほかずっと見てみますと、いろいろ計画は持っています。そして六十一年から出発した第六次下水、第四次都市、第四次海岸、それから第四次特定交通安全施設、これは私もそのときに申し上げたのですけれども、計画そのものは確かに合計を見ればまあある程度の数字かなというわけですけれども、調整費をふやしてそしてつじつまを合わせているわけですから、一般の事業費、こういうものについてはかえって前の五カ年計画よりも少ないところの計画になっているのもある。ですから、計画そのものが前の計画よりも縮小されているわけです。それでその進捗率が、六十一年やって、六十二年やってこんな状態ですから、公共事業をいろいろ言うけれども、やはり計画を立てたわけですから、この計画が一〇〇%近くいくような、それぞれの計画を進めることによって公共事業が進められ、内需拡大の大きな役に立つのではないかこういうふうに私は思うわけであります。その点について建設大臣、
#130
○天野国務大臣 我が省の各五カ年計画の進捗状態は、今中村先生のおっしゃるとおりでございます、
 結論は、私を中心とする執行部が予算編成の段階でその計画を達成するだけ取れないでいるというところだと私は正直に申し上げます。計画を立てるときには大蔵省も了承して五カ年計画をつくっておりますが、いざ金の出し合いになりますと大蔵省自体がなかなか我々の希望するところまでいかないものですから、最終の段階においては五カ年計画を立てておきながらそれだけの予算の実体的な獲得ができないというところに問題があります、これは私、責任転嫁をするわけではありません。ここに慣習的な予算折衝のあり方というものがあるのじゃないかと思っております。
 そういう点で我々も十二分に反省しまして、五カ年計画を達成できないとしても、最悪の場合でもやはり九〇%に到達できるようにするのが常識だと思っております。国民の期待もそこにあるのではないかと思っております。御叱正をいただいてありがたい幸せでありますが、一生懸命頑張りますから、ひとつよろしくその点御理解を願いたいと思います。
#131
○中村(茂)委員 そこで、今度は六十二年、六十三年というカットの法案が出たわけですけれども、この法律が終われば、暫定的な措置ですから、五十九年に、もとのところへ戻るわけですね。
#132
○高橋(進)政府委員 特例の措置でございますから、物の考え方としてはそういうことになります。そこで、六十四年度以降の取り扱いをどうするかということは、そういう原則の上に立ちまして、その時点におきます財政事情等いろいろな要素があると思いますが、政府全体でまた政府の考え方が取りまとめられるものと思います。
#133
○中村(茂)委員 この暫定が終わったら、特例が終わったら前の補助金のところに戻る、もう六十四年度以降はカットはしない、こういうふうに約束できますか。
#134
○高橋(進)政府委員 建設省でお答えするのが適当かどうか問題がございますが、そこの時点におきましてまたいろいろな状況を踏まえて適切な措置といいますか、対処方針が決定されるものと思います。
#135
○中村(茂)委員 私はそこのところが非常に大事だというふうに思いますのは、いずれにしても補助金というのは法律で五十九年が柱になっているわけです。ところが、先ほどから言っておりますように、六十年に減らし六十一年に減らし、そして上積みの減らしですから、六十二年、六十二年で二分の一近くになっています。二分の一まで補助金をカットするなら、もう一回やらなければ二分の一にはなりません。だから先ほど、補助金をカットするのが目的なのか、拡大するのが目的なのかということで私は聞いたわけですけれども、そういうふうに年々やってきたものが、特例措置が終わったからといって果たして戻るか戻らないか。
 そうすると、カットして事業費を膨らましてきたわけですよ、建設省だけでいけば。戻るということになればそちらの方も手当てしなければいけない、今度カットした分を含めて公共事業の拡大を図らなければいけない大変な事情が来るんじゃないかというふうに私は思うわけです。特に、地方の地方債の場合には大体三年たってから償還が始まるのですから、そういうやり方をしておけば、今のところはいろいろ言っていても本当の償還には数年たってということになりますから、いろいろ手当てしていけばまあまあいけるでしょう。しかし、この法律が切れたときにどうなるのか。ですから先ほど申し上げましたように各長期計画、五カ年計画、これも先ほど申し上げましたように調整費で、私どもに言わせればごまかして少し調整している、膨らましている。三年たったらそのときにそれも見直しますと。ちょうど六十三年、その時点で公共事業の調整費を見直すということは、もっと膨らましてもいいですよと。ちょうど境に来るという理解を私はしているのです。ですから、そのときの経済情勢とかどうとかということを言って逃げていますけれども、これはそのときにどういう対応をしていくかという非常に重要な問題をそれぞれ抱えてくる。ですからもう少しこの点のところは、ただそのときの情勢でどうだということばかりではなしに、けじめをはっきりさせておきたい、こういうふうに思うのですが、いかがですか。
#136
○高橋(進)政府委員 まず、多くの五カ年計画がちょうど真ん中の三年日に来まして、その時期に当たるということはおっしゃるとおりでございます。それの見直し規定といいますか、それはいろいろの総合的な要素がありますが、一方で、社会資本をもっと進めなければならぬという意味では調整費を少なくすることもあり得るというふうに我々は考えておりますことをまずちょっと申し上げておきます。
 それで、もうちょっと具体的に、今の六十三年終わったところで今回のカット措置の後どうなるかということでございますが、これはいろいろな要素があろうかと思います。一つは、その段階におきます社会資本整備の五カ年計画を計画的に進めるために今後どれだけの事業量をやらなければいかぬかということが一つ基本にあります。また同時に、その時点におきます経済状況全体、内需振興を図るのに公共事業はどれだけの役割を果たすかという問題もございましょう。それから、国のその段階におきます財政状況と今後の基本的な国の財政のあり方についての方針、それから地方財政の状況、そういったものが総合的に考えられなければならないかと思います。
 今ここで政府としてどうなるかということについてもうちょっと具体的にといってもなかなか難しいことでございますが、建設省といたしましては、各種社会資本の整備というものを計画的に、また内需という経済的な影響も十分果たせるような立場でもってこの問題を考えていかなければならぬというふうに考えております。その程度のことでございますが、御理解いただきたいと思います。
#137
○中村(茂)委員 調整費が少なくなる場合もあると言うけれども、今まで調整費は使ったことがないんだから、使わなければそのままで、少なくなるということはないと思うんだよ。今まで沖縄で使ったきりで一回も使ったことがない。それで少なくはなりっこないんだよ。どれだけふやすかということだけで。その点だけはちょっと私と見解が違うということを申し上げておきます。
 次に売上税。
 閣議決定で売上税について「国、地方公共団体、公共法人、公益法人等 原則として民間事業との競合関係が認められる事業の売上げについて課税し、それ以外の売上げについては非課税とする。」これは、公共事業はどうなるのですか。
#138
○高橋(進)政府委員 公共事業を請負業者に発注いたしまして、請負業者が課税業者であります場合には所定の売上税が課せられる、こういうことになります。
#139
○中村(茂)委員 その総額はどのくらいになるでしょうか。
#140
○高橋(進)政府委員 今の政府の提案しております案にすべてが基づくものでございますが、六十三年一月一日以降引き渡しを受ける工事等につきまして売上税が課税されることを前提といたしまして計算いたしますと、建設省所管の一般会計の公共事業関係費では二百三億円と見込んでおります。
#141
○中村(茂)委員 平年度はどうなるでしょうか。
#142
○高橋(進)政府委員 仮に昭和六十二年度の予算におきまして、これが平年度と仮定いたしますと九百五十四億円になります。
#143
○中村(茂)委員 一生懸命補助金をカットして、カットした分、今度売上税で取られるということです。
 そして、もう少し聞いておきたいと思うのですけれども、公共事業は契約で行われるわけですね。品物ができてきて、そこのところでこの品物を買うか買わないかという契約じゃなくて、一番初めにこういうものをつくるつくらないという契約で始まるわけですね。ですから、その契約のときに売上税というものはどういう関係が起きてくるのですか。
#144
○高橋(進)政府委員 先生の御質問の趣旨は、契約のときにそういう要素を入れるのかどうかということ、売上税分を見込むのかどうかということかと思います。契約の際には一般に指名競争入札によりまして落札者に対して契約をするわけでございますが、その指名競争入札に当たりまして予定価格を定めることになっております。その予定価格にはそういった要素を入れまして、売上税がかかるということを入れまして定めるという方向で考えております。
#145
○中村(茂)委員 国土庁は少ないと思うけれども、それでも公共事業の金は少しはあるのかな。売上税の関係はどのくらい起きてきますか。
#146
○清水(達)政府委員 国土庁関係の公共事業関係費でございますが、国費で二千二十七億円でございます。
 これにつきましては、用地補償費等のいわゆる非課税項目を除外いたしまして、課税対象項目、これは予算上の分類でございますけれども、六十三年一月一日以降の三カ月分、それに五%の税率を掛けますと二十二億円が見込まれております。
#147
○中村(茂)委員 自治省が来ていますが、別に通告しておかなかったからわかるかどうかわかりませんが、地方公共団体の公共事業について売上税は大体どういうふうになりますか。
#148
○小林(実)政府委員 六十二年度の地方財政計画におきましては、投資的経費につきまして売上税導入による物価上昇等を見込んだ上で額を決めておるわけでございます。私どもの計算でまいりますと、投資的経費といたしましては、補助事業、単独事業含めまして六十二年度の地方財政計画では十七兆五千九百三十九億を見込んでおりますが、売上税相当といいますか影響額と言われるものは、六十二年度におきましてはそのうち千五百九十七億というふうに試算をいたしております。
#149
○中村(茂)委員 平年度はどうなりますか。
#150
○小林(実)政府委員 六十二年度の投資的経費と同じ額ということで計算をいたしますと、六千二百七十三億でございます。
#151
○中村(茂)委員 そうすると、先ほどから見ても地方公共団体と国の、そのほか省庁も若干ありますけれども、負うところでいくと相当な、一兆円近くはなるのですよ。今まで税金というものは国や地方公共団体は大体細めぬことになっていたが、今度の売上税ばかりは、民間と同じ事業をやったらそれに該当するものは納める。それで国も地方公共団体もこれだけのものを納めていかなくてはいけなくなる。私ども反対しているから、通らなければそれで済むことだから結構だけれども、これがどうなるかということが一つ。これから公共事業という全体的な問題を考えた場合も、さまざまなこの問題が起きてくる。
 そこで先ほどの話に戻るわけですけれども、私はどう考えてみても先ほど申し上げたように、六十三年で終わる、それから起債などについても三年後にどんどん払っていくようになる、だから大蔵省はどうも、この売上税でその時期になれば相当裕福にもなるし地方については売上譲与税が行くしまあまあということで、腹の中に売上税というものを置いてあっちから借金しこっちから借金し、地方へ負担を押しつけたり、こんなやり方になってきているような気がしてしようがない。
 売上税との関係は私の憶測にしても、いずれにしても公共事業全体のさまざまの問題を考えてみた場合に、私どもがみずからつくっている計画それから内需拡大という国際的な強い要請、先ほどからさまざま申し上げてきましたけれども、財政的にもっと根本的な対応をきちっとしてもらいたい、しなければならない、こういうことを強く要請申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
#152
○村岡委員長 井上泉君。
#153
○井上(泉)委員 今度の暫定予算の中に、建設省関係の予算、国土庁関係の予算はどれだけ計上されておるでしょうか。
#154
○高橋(進)政府委員 実は暫定予算につきましては、御存じのように現在作業中でございます。一応暫定予算期間五十日ということで作業を進めておるところでございます。そういう意味で正確には数字はまだ申し上げられませんが、現段階では、国全体の約七割に当たります一兆三千億円程度を建設省としては見込んでおります。
#155
○清水(達)政府委員 国土庁所管の全体の数字はまだ持っておりませんけれども、離島、奄美関係の公共事業費で三百八十億円でございます。
#156
○井上(泉)委員 建設省関係で一兆三千億というのが暫定予算の中に計上される。これは公共事業が主たるものだと思うわけですけれども、これだけ公共事業の予算を計上した大きな理由はどこにありますか。
#157
○高橋(進)政府委員 基本的な考え方といたしましては、年度当初にすぐ支払わなければならないいわゆる義務的経費は当然含むものでございますが、同時に五十日というようなある程度長期間になりますと、ぜひとも公共事業関係費も入れてその円滑な執行をしなければならぬ、こういう考え方でおるわけでございます。その考え方といたしましては、例えば昨年におきましては過去最高の前倒しをやったような年でございますが、最近におきます。そういう五十日間における契約額、支出額というものを見込んで、当面の内需振興の点からも公共事業の早期執行が期待されておりますので、そういった意味で支障のないようなものということで今作業しているところでございます。
#158
○井上(泉)委員 四月で年度がかわって支出ができないということから暫定予算というものを計上する、野党もこれを了承しておる。暫定予算を組むに当たっては、景気浮揚のために、この落ち込んだ景気を回復するために大幅な公共事業費を計上すべきでないかということを天野建設大臣の主張として新聞では随分承ったわけであります。ところが、官房長の話によるとそれは何か従のようなとらえ方ですが、公共事業費を大幅に暫定予算の中に計上するということは従ではなしに、暫定予算の中でどうしても落ち込んだ景気を何とかせにゃならぬ、それで雇用の不安を解消して少しでも雇用の場を増大せにゃいかぬ、こういう趣旨が盛り込まれておるんだと私は理解しておるわけですけれども、大臣どうですか。
#159
○天野国務大臣 そのとおりであります。御存じのように、私、三木内閣の暫定予算のときに公共事業をしゃにむに頑張って計上した経験があるのでありますが、今度の場合は今までの例とは違いまして、非常に貿易黒字が出ておっても国内の不況というものが強くなっておる。特に我々は円高による不況のもたらす失業問題というものは大体九月か十月ころが最高じゃないかと考えておったのでありますが、非常にスピードが上がってまいりまして、恐らく五月あたりから極端になるんじゃないかという考え方があったものですから、そういう点からいって公共事業の予算を五十日間後にというようなことになりますと及ぼす影響が非常に大きいという考え方をいたしまして、できるだけ最高の公共事業をとりあえず暫定予算の中に組み入れてほしいという折衝を続けてきたのでありますが、残念なことには全額で一兆八千五百億程度、どうなりますか、これから最終的に出ると思うのでありますが、これをいっときも早く執行してすべてのいろいろな意味の対策を講じたいという考え方でこれだけの予算がクローズアップしたというかまだ決定はしていないのでありますが、そこまで持ち込んできているという現況でございます。先生のおっしゃるとおりであります。
#160
○井上(泉)委員 建設大臣がその点は非常に意欲的に主張されたということを承ったわけであります。
 そこで、さっき中村君の質問の際に、大臣をやめたらどうのこうの言って非常に遠慮がちな話をしておりましたが、大臣になることによってできる仕事と大臣であればできない仕事と、これはあるでしょう。だから、野におったときにはいろいろ勝手なことが言えるというような考え方でそういう話をしたのじゃないと思うのですけれども、少なくとも大臣でありますから、これは官僚がどう言おうとおれはこうするんだ、それだけの決意というものを本来ならこの委員会で所信表明で私は承らなければいかぬところですけれども、その機会はなかなか来そうにありませんので、その点について、おれは大臣だから建設行政については日ごろ思っておるこれこれのことはどうしてもやり通す、そういう気概は持っておってもらいたいと私は思うが、大臣どうですか。
#161
○天野国務大臣 どうも、それ以上だと思っております。
#162
○井上(泉)委員 それ以上の成果がどこにあらわれるのか、これはこれからの課題だと思うわけでありますけれども、どうもその辺のことが、さっき官房長のいろいろ、これは役人ですから非常に遠慮した物の言い方だと思うわけです、当たりさわりのないような形で。しかし、今日の非常に厳しい情勢の中であるわけですから、これは中曽根さんの言うように国家国家ということだけを言って国民があるということを忘れてしまうのですが、国民のない国家というのはないのですから、国民のために建設行政があり国土庁の行政がある、そのことを官僚――官僚という言葉自体も大変失礼ですけれども、その人たちも考えなければならぬ。国家のために官僚が存在するわけではない。国民のために官僚が存在しておる。
 だから、こういう雇用不安が非常に増大しておるという状態の中で、暫定予算で公共事業費がこれだけ出される、例えば労働省ではこれでどれだけの雇用人口が吸収されるような見通しがあるのか、そして今日の失業者、あるいは雇用三十万人という雇用の場をつくる、こういうことについて何か具体的な計画でもおありかどうか、労働省の方の御意見を承っておきたいと思います。
#163
○木村説明員 まず第一点でございますが、公共事業の実施に伴う雇用の効果といいましょうか予測が大変難しいわけでございますが、産業連関表を使いまして大まかに計算してみますと、政府固定資本形成百億円当たりで約二千人の就業を誘発するという計算上の結果が出ております。現実の計算に当たりましては土地代等を差し引いて考える必要があるわけでございますが、例えば一兆八千億円という額のすべてが先ほど述べましたような効果を持つといたしますと、単純な計算によりますと三十万人強の就業の機会を誘発することになるというふうなことになります。
 なお、第二点目でございますが、現在非常に厳しい雇用失業情勢にございます。労働省といたしましては、こういった情勢に対処するために基本的には内需を中心とした景気の持続的拡大を図ることが大事であるわけでございますが、あわせて関連の施策との密接な連携のもとに総合的な雇用対策を推進する必要があろうと考えており、この観点から、六十二年度の緊急対策といたしまして三十万人雇用開発プログラムを実施することとしております。
 具体的には、現在ございます雇用調整助成金制度の大幅な拡充を図りますとともに、特に失業情勢の厳しい地域における雇用開発を促進する必要があるという観点から、雇用機会の不足している地域あるいは雇用情勢が急速に深刻化している地域等におきまして、地元における求職者の雇い入れに対する賃金助成、また多数の地元の求職者を雇い入れることを促進するために、雇用機会拡大のために事業主の方が費用を負担した場合にその雇い入れの規模に応じて特別の助成を行う地域雇用開発助成金の制度を創設することとしております。
 また、高齢者あるいは特定不況業種からの離職者といった就職困難な方たちの雇用機会の開発を促進する必要があるという観点からは、現在の助成制度の助成率の引き上げを行うこととしております。
 また、今後の雇用問題の解決のためにはどうしても職種の転換が不可欠であるという点から、訓練に対しましても委託訓練制度の大幅な拡充を図りたいと思っております。
 また、事業主の方たちの出捐によりまして、いろいろな出向あるいは雇用情勢に関する情報の交換のための団体としまして産業雇用安定センターの設立が現在進んでおりますが、これに対しても積極的な援助を行い、側面的な御協力をしていきたいと考えております。
 こういった施策を講じることによりまして、今後のあるいは現下の雇用問題に適切な対応をしてまいりたいと考えております。
#164
○井上(泉)委員 それは労働省の方としてはそのくらいの答弁しかできないと思うわけですが、現実に雇用不安にあえいでおる労働者の人たちの気持ちというのは、そんなセンターをつくるだとか何か再教育の施設をつくるとかいうようないろいろな制度をつくることではなしに、まず仕事を与えよ、仕事場をつくれというのが切実な要求ですから、そういうことをもっと労働省も考えないと……。何か訓練センターをつくったらそこで雇用の場が拡大されるような思いをしておるのでしょうけれども、実際今そういう仕事をする場所がなくなってきておるのですから、その仕事をする場所を少しでも与えよという国民の声の中に今度の公共事業費の一兆八千億というものも出てきておると思うわけです、それがわずか二千人でしょう。今度は三十万人もの雇用をするといったらどんな投資をせにゃいかぬと思うのですか。
 私はそのことをここで論議をしようとは思いませんけれども、三十万人の失業者の雇用の拡大をするというけれども、今の潜在的な失業者の数を入れたら二百万を超しておるでしょう。それで今なお雇用不安にあえいでおる。私どもの地域においても、東京製鉄の工場が二月限りで閉鎖をして労働組合は解散した。九州の高島炭鉱では、組合旗を焼いて高島炭鉱を全部引き揚げてしまった。ああいう地域は随所に存在しておる。随所にそういう雇用不安に苦しんでおる地域があるわけで、そうした点で、公共事業もそうした地域を重点に配分をしないと、これはもう役人の通り一遍な、いわゆる公平というような形でやると大変なことになる。そこはやはり、政治家である建設大臣がその点については思い切った配分の措置をとらなければいかぬと私は思うのですが、どうですか。
#165
○天野国務大臣 せんだっての補正予算は、そういう観点から重点配分をいたしました。要するに、今先生がおっしゃった高島炭鉱とか私の方の岩手県の釜石にある溶鉱炉が閉鎖するというような、線ではなくて点の問題が非常に容易じゃないのじゃないかというような考え方をいたしまして、通産省と連携をとりましてそういう地域に具体的に公共事業の問題を調査しまして、その地域に特別な配慮を講じて予算の執行をいたしたつもりでございます。新年度の予算編成に当たりましてもそれを土台として今割り振りをやっている最中でございます。ですから、この暫定が通りますと、通った段階ですぐこれは執行に移すつもりでおります。
#166
○井上(泉)委員 公共事業というのは予算の枠は太っていく、しかし大型公共事業の方に金の大半が使われる、そういうような心配はせぬでもいいんでしょうか、大臣。
#167
○天野国務大臣 十二分に配慮するつもりでおりますから。
#168
○井上(泉)委員 暫定予算がどういう形で成立するか予測はできませんけれども、今日、地域の不況を克服するため、そして内需内需といいましても物を買う力を与える働き場所がなくなったらこれは内需の拡大にはならないし、そういう意味からも公共事業の持つ役割というものは非常に大きい。それを普遍的に不況地域に与えるというのが国の政治として肝要なことだと思うので、その点はひとつ大臣の方針を見守っていきたい、かように思うわけであります。
 時間が制約されておりますので問題を飛ばして御質問申し上げるのですが、国土庁の関係では、国土庁が水資源の関係で水源地域対策特別措置法という法律を出しておられるわけです。水資源の確保のために水源地域を整備することは、その下流地域、この水に頼っておる一般流域住民にとってはかけがえのない貴重な仕事だと思うのです、ところが、そのことが往々にしてなおざりにされておる。
 ローカルのことを言って恐縮でありますけれども、かつて早明浦のダムで――早明浦は四国の水となって、高知県だけではなしに徳島から香川県の用水あるいは愛媛県の用水というように、高知の川はほとんど四県の共有の川のような役割を果たしておるわけです。ところが、その水源地に対する公共予算の投資の額というのは非常に少ない。それで、いつもそれに対する予算の配分を強く要求しておるわけでありますが、そうしたローカルのことを、予算を余計よこせというようなことをこの委員会の席上では言うつもりはありません。
 ところが、水源地域のダムの管理というものについて、例えば高知県の四万十川は日本で残された唯一の清流と言われておる。なるほどきれいな川です。きれいな川であるけれども、四万十川ももう既に汚れて、下流の方ではアユはいない。それで上流へ行くと上流は全く水がかれてしまって、アユもすまなくなってきた。もちろんウナギもいなくなったというようなことですが、山村地域で川がかれるということはその地域が枯れると同様のことであります。それが四万十川の上流にある渡川のダム、檮原の下流にあるダムで地域の水が枯れてしまっておるわけです。
 そこで、私もそのことを調査したところが、このダムをつくるに当たっては、地元の人たちの意見を聞いて、その当時は水利権使用の許可を与える権限が知事にあるわけですから、その水利権を与えるに当たってのいろいろな条件について高知県知事と発電業者である日本発送電株式会社とで協定を結んでおる。発送電にこれこれの水利権を与える、水利権を与えるに当たってはこれこれの条件を満たしなさいよということで幾つかの条件を示しておる。ところが、それをやったのは昭和十六年から十七年、戦時中のことでありますので、これは大きな権力の力で、そんなことを言ってもいかぬ、これくらいの金で我慢せよというような形で、契約書としては見事にできておるけれども中身は何もない中で、六十四年度にはこの水利権の更新の時期になるわけです。
 もうこれで水利権を与える必要がないということになればそれで問題はないわけですけれども、これは四国電力の津賀発電所へ水を送っておるし、そういう関係で恐らく水利権というものもここで問題になってくると思うわけです。この場合に、発送電との契約に基づいてやったことは今日、次の水利権の更新のときには地元としてはどうしてもやってもらわなければ困る、こういう強い要求があるのですが、これは建設省が水利権を与えることになるわけなので、その点について建設省はどういうふうに考えておるのか承っておきたいと思います。
#169
○陣内政府委員 四国電力津賀発電所の水利使用の許可は、昭和六十四年三月三十一日に許可期限を迎えるわけでございますが、建設省といたしましては、その更新の際に県知事の意見を聞くなどによりまして適切に対処してまいりたいと考えております。
 なお、高知県と水利使用の許可を受けた当時の日本発送電株式会社との間で取り交わされた先生御指摘のような約束につきましては、何分古いことでもございますので、今後資料等を通じて十分勉強してまいりたいと思っております。
#170
○井上(泉)委員 川にとって一番大事な流れというものが、ダムによって全く合流地点まで約五百メートルくらいの間いつもかれたような状態になっておるし、さらに、魚が上っていくような魚梯もつくるということだったけれども全然つくられていないわけですから、そういう点についても、今後の水利権の更新の際には建設省としてはやはり水源地の地域住民に対する行政的な対応策を講ずるべきであると私は思うわけです。水源地の涵養は国土庁の所管ということになるが、所管の国土庁としてもこういう地域についての配慮というものはなすべきだと思いますので、長官の御意見を承っておきたいと思います。
#171
○志水政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、水源地域の対策というものは極めて重要でございまして、私どもも現在四全総に関連しての長期計画をいろいろ検討いたしておりますけれども、その中で、水というものはすくって使うということだけではなくて、新しい環境の要素としても重要な位置づけをしたいと考えておりまして、従来から、使うと同じような重要さでもって水による環境というものも考えております。親水といったようなこともその一つでございますし、先生御指摘のとおり、今後私どもが考えていく最大の問題の一つである、このように認識をいたしております。
#172
○井上(泉)委員 今度の国土庁の水源地域対策特別措置法の法律の中で予定されておる予算というものは幾らか、先ほど中村君の質問に答えられておったのですけれども、私忘れたわけですが、これは国土庁としてはどれだけの予算を考えておるのか。それから、この暫定予算の中にはどれだけ入っておるのか。その点。
#173
○志水政府委員 水源地域対策事業は直接私どもが実施するわけではございませんが、水源地域対策特別措置法によります整備実施計画によってそれぞれの所管のところで実施するわけでございます。六十二年度におきます整備事業の実施予定総額は、四十二ダム等で約四百十五億円入っております。
#174
○井上(泉)委員 四百何億ということでありますけれども、ダムが四十幾つ、こういうことになると、それぞれのダムの水源地点に国費というものがどれだけ投入されておるのか。私はこれはすぐわかることなので答弁を求めるわけではありませんけれども、例えば早明浦ダムの周辺にはどれだけの金が投入されておるのか、あそこの地域にはどういうものがあるのか、あそこの下流なども、ダムができて全くアユもすまなくなる、ウナギまですまなくなった、そういう吉野川の状況でありますので、そういう点も私は、それは建設省の所管というのじゃなしに、水資源の地域をよくすることによって川がよくなるわけですが、川をよくするということは私はやはり国土の涵養に非常に効果を期待することができると思うので、その点、国土庁はいろいろ三全総とか四全総とかいうことで、四全総が都市中心だ、それはどうもいかぬ、地域を重視せにゃいかぬとかいうようなことで論議が出ておるわけでありますけれども、もっと国土を美しくするため、住みやすい国土をつくるために国土庁としての存在があろうと思うわけで、三全総とか四全総で計画したことも、これは計画が実行された度合いというものは本当に微々たるものだと思うのですが、具体的に三全総で計画されたものが何%ぐらい実行できておるのか。これは国土庁の官房長あたりで答弁していただきたいのですが、何か三全総、四全総と言って国民に夢を与えるが、これは本当に夢であって具体的な計画に基づいた成果というものを見ることができないわけなので、その点、ひとつどういうふうになっておるのかお聞きしたいと思います。
#175
○清水(達)政府委員 国土総合開発法に基づきます全国総合開発計画は、御承知のように国土の均衡ある発展ということを目指していわゆる地域開発あるいは国づくりの基本的な方向を示す計画であるわけでございまして、概略この程度の公共投資をやろうとかいうふうなことを金額を掲げて計画をすることもあるわけでございますけれども、今申し上げましたように関係各省庁がそれぞれ行います具体的な施策、それの国としての投資的な基本的な方向づけを行うということでございますので、何%達成率がといったふうな、各公共事業の五カ年計画のような具体的な施策の目標とその数量的な達成率というふうなものは出ないわけでございます。
 しかし、従来の総合開発計画につきまして、先生今おっしゃいましたようないわゆる具体的な施策についての盛り込みが足りないとかというふうな御批判も我々十分承知をいたしておりまして、したがいまして、今度の四全総におきましてもできるだけ具体的な施策を盛り込みまして、多極分散型国土の形成に向かっての国全体としての施策が進められるように努力をしていきたいというふうに考えております。
#176
○井上(泉)委員 その具体的な施策を盛り込むことができないということは、これは各省のいろいろな立場がありましょうからそれの方の抵抗もあってできないでありましょうけれども、やはり日本の国を第四次全国総合開発計画ではこういうふうにするんだということの旗を上げるでしょう。旗を上げれば国民はそれに対して、ああこうなるのか、高知県はこうなるのか、福島県はこうなるのかあるいは富山県はこうなるんだ、こういう希望を抱くでしょう。その希望は絵をかくだけであって、結局何もできない、その絵もはっきりしていないというようなのが今日の国土庁の行政ではないか、こう思うわけで、だから私は、むしろ国土庁が各省の上に、各省に対してもっと強い発言力を持つような行政体ならこれはもっといいのだが、そうでなかったらいつまでも国土庁が何か付録的な役所のように位置づけられるじゃないか、こういうふうに思えてならないわけでございます。せっかく優秀な綿貫長官のような人を国土庁に押し込んだら一体どうなるの、こういうふうに思うわけなのだが、その点について、天野大臣も国土庁の長官をやっておられたのですが、ひとつ綿貫長官としては国土庁の行政というものに対して何らかの、おれの代にはこういうふうにするんだというものをお持ちでしょうか。これは所信表明で聞くべきですけれども、これも聞けないので今お聞きをしておきたいと思います。
#177
○綿貫国務大臣 国土庁の存在というものをもっと重要視していかなければならないというような御意見でございまして、全くそのとおりだと思います。調整官庁と言われておりますけれども、ただいま調整費としては約百億円程度でございますが、本当はもっと調整費などもふやしていただいて大きな調整力を持ちたいと希望しておるわけでございます。
 今回四全総を今策定中でございますが、これはまさに夢と現実を近づけるという一つの理想像を描くものではございますが、私どもとしては現実離れのした夢だけでは意味がないと思っております。あくまでも現実に立脚し、また目指すべき日本国土の均衡ある発展を描いた四全総にしたいと考えておるわけでございます。その意味におきまして、この四全総が策定されました暁には、二十一世紀を目指してこれに一歩でも近づくように皆様方の御協力を願いたい。私どもも努力をしたい、こういうふうに考えております。私も、国土庁長官を拝命いたしました以上は、国土庁の存在意義があるような行政の執行に全力を挙げてまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
#178
○井上(泉)委員 そこで、もう一つ私はこれは建設省に。
 日本の公共事業のいわば総元締めのところでありますし、景気浮揚の面でも、そして雇用の拡大の面でも公共事業というものが重視をされておるときでありますが、今労働省の方が言われましたように、一兆何千億も投資をしてもそこで雇用の場が拡大されるのはわずか二千人、こういうことではこれは情けない話です。その今の建設産業に従事しておる労働者の数というものは、これは非常に把握がしにくいような状態にあるのではないか。つまり建設産業に従事をする労働者の地位というものが余りにも一般企業に働いておる労働者に比較をして弱いのじゃないか、こういうふうに思うわけです。だからその弱い中で、事故等の中で悲哀を味わわなければならぬ、出稼ぎで悲哀を味わわなければならぬ、こういう状態を考えるわけでありますが、そういう建設産業に従事をしておる労働者に対して、建設省としてはどういうふうな対策といいますかお考えを持っておられるのか承っておきたいと思います。
#179
○牧野政府委員 建設業に従事する方の数は、平均的に言いますと五百三十万、ただ、もちろん時期的にプラス十万から二十万ぐらい上乗せすることもございますが、そういう数でここのところは推移してございます。一月末はたしか五百三十一万人だったと思います。
 そこで、今先生のおただしは、そういう建設業に従事する労働者の方の安全という意味だと思いますが、これにつきましては、御承知のように労働安全衛生法等がございますから、建設業者はまずその法規に従って労働者の方の安全衛生の確保を図っていくというのが大前提でございます。
 建設省としてはどうかとおっしゃいますれば、大きく分けて二つの対策を講じております。
 一つは、建設業者の方への指導でございます。これは具体的に申し上げますと、元請・下請関係合理化指導要綱というのが定められておりますが、これに基づきまして、例えば元請の方が下請の業者を選定する場合には、過去において労働災害をしばしば起こしていないということを、言ってみれば労働安全管理の状況を考えて下請の業者の方を選定する、あるいは下請の業者の方でございますれば、労働者の雇用管理に当たりまして労働安全衛生法の遵守でございますとかあるいは労働安全衛生教育の実施等を行うということの指導を行っているわけでございます。
 大きく分けた二つ目の方は、建設省の所管事業のそれぞれ各発注をなさる方がおるわけでございますが、この方々に関して指導を行っております。一つは、例えば請負業者を指導してください、労働災害防止等についてよくやるように指導してください、あるいは入札資格審査、さらに指名の際に、安全管理をちゃんとやっているかどうかを審査項目に入れるというふうなことで、請負業者選定の際にもその辺の配慮をするということ。あるいはさらに発注に当たりまして予定価格積算をするわけでございますが、その際にもいわゆる安全にかかる費用をきちんと積算するようにということも積算要領等で決めております。それからまた、最後でございますが、不幸にして労働災害が発生しました場合には、措置要領を決めておりまして、それに基づいて例えば指名の停止をするというようなことで、もろもろあわせまして安全衛生管理の充実を図ってまいっておる状況でございます。
#180
○井上(泉)委員 時間がありませんので、私は潜在的な失業者である農業者、つまり三反、四反つくって出稼ぎに行っておる人たちも農業者ということで失業者の範疇には入らない統計の状態になっておるし、そうしたところまで何でいわゆる自家食糧をつくる零細な農民兼出稼ぎ労働者のような立場の人たちにも作付制限をやるのかという問題も討議をしたかったわけですけれども、その時間がないので次の機会に譲ります。
 それから建設業の関係で、災害が起こった場合の指名の停止とかあるいは指名を保留するとかいういろいろな処罰の内規があるわけですが、それは各行政機関でばらばらであったりする嫌いもあるし、また、それが原因が本人の完全な意図的な行為でなかったにしてもそれは一つの処分の対象になるということになって、小さい業者はそういうことで指名停止になったら大抵の場合には大きな経済的な打撃を受ける、ところが大きな業者は高知県で指名停止になってもよその県では平気だ、こういうことになって、大きな業者はぬくぬくと生き延びていくことができるというようなアンバランスというものが建設業の関係にはありはしないか、こう思うので、そういう点の一応目安というものも建設省としては策定をすべきではないかと思うわけです。
 これについても建設業の関係者の意見等も私は拝聴したいと思うわけなので、前にそういう建設産業の業者の方を呼んで委員会で参考人として意見を聞くということをセットしたことがありましたけれども、そのときちょうど今と同じような状態の中で全部がとまったのでそれがやまったわけですけれども、そういう点についても建設省の方としては一つの建設業対策というもののたたき台ぐらいはつくっていただいて、当委員会でもまた審議をする機会を与えていただきたいと思うので、そのことを要望しておきたいと思いますが、大臣どうですか。これは建設省への要望だから大臣が答えてください。
#181
○天野国務大臣 よく検討してみます。
#182
○井上(泉)委員 私の質問に検討してみます、それだったら何にもならぬし、検討した結果がだめでは困るから、しかも、大臣も任期が早いからきょうここで言うたことを次の機会に論議する時間がちっともないので非常に残念ですが、ひとつそういうことのないようによろしくお願いします。
 委員長、終わります。
#183
○村岡委員長 坂井弘一君。
#184
○坂井委員 補助金カットに関連いたしまして、きょうは大蔵、自治両省にもおいでいただいておりますので、最初に基本認識についてお伺いしながら、議論を進めたいと思います。
 いわゆる財政調整の問題でございますが、国と地方間の財政調整は基本的に地方交付税制度によって行うのが当然だと私は思うのです。そこに今回は補助率の変更ということを持ち込んだということでありまして、この調整に対する補助率の変更というものはある種の補完的な意味合いを持つ、こんなお考えなようですが、これはいささか邪道であろうと思います。特に、補助金といいましても、「補助金等」の「等」の字に含まれるということがそもそもおかしいと思うのですが、いわゆる国の負担金の問題があるでしょう。国の負担金というのせ地方との役割の分担において国が進んで負担すべきもの、そういう性格のものですね。それで、そういうものまでがこの補助率の引き下げということで処理をされるということになりますと、これは財政調整の中へゆゆしき禍根を残す問題であろう、私はそういう認識でございます。
 そこで、最初に自治省に伺っておきたい。今私が申しましたような基本認識、つまり国と地方間における財政調整はあくまでも基本的には地方交付税制度によって行われるものである、ここに補助金カット、補助率の変更、引き下げを補完的な意味合いで持ち出してきたことは好ましいことではない、こういう基本認識に立たれると思いますが、いかがでございましょうか。
    〔委員長退席、中島(衛)委員長代理着席〕
#185
○小林(実)政府委員 国と地方の税財源配分についてのお話かと思います。
 これは長い沿革がございまして、国と地方の関係におきましては、まず税の問題があり、それから個別の税源のない団体に対して交付税で財源を保障する、それから地方団体間の財源調整制度としの交付税の機能もあるわけでございます。一方、国庫支出金につきましては、国と地方が力を合わせて仕事をすべき分野が多々ございますので、そういう意味から国庫支出金が出ているものというふうに考えております。
 六十年度以来の補助負担率の引き下げ等につきましては、諸般の事情がございまして地方といたしましても協力するようなことになったわけでございますけれども、御指摘のとおり国庫支出金の中にもいろいろございまして、負担金とか任意の補助金というものもございまして、それを分けて考えれば若干の可否につきましての意見の差はあるというふうに考えております。
#186
○坂井委員 もう少し歯切れよくお答えになられた方がよろしいんじゃないかと私は思うんですよ。つまり、これはよく御承知でありながらも若干言いづらい、答えづらい環境にあるのかもしれません。かもしれませんが、ただ、今私が申し上げたのは、財政調整は基本的には地方交付税制度の枠の中で行うべきもの、ここに補助金のカット、引き下げということをそういう補完的な意味合いで持ち出してきたことはいささか財政調整からは外れたところだろう、少なくともこの補助金カットは好ましいことではない、自治省はそういう基本認識に立っている、これは当たり前の話ですよ。ましてや補助金の変更を財政調整の一助にしようということはこの調整制度をいやが上にも複雑化させる、だからこれは好ましいことではないということは、今まで自治省が一貫してとってきた態度ですね。あえてお答えは求めません。
 では、同じ質問を大蔵省に伺います。大蔵省も全く今私の申しました認識どおりだと思っておるのですけれども、どうですか。
#187
○斎藤(次)政府委員 私ども、基本的には地方団体間の財政調整は交付税制度で行うということは先生の御指摘のとおりだと思っておりますけれども、今回の措置は、いわば先ほど御答弁申し上げましたように、円高が急速に進展している、そういう経済環境の中で何とか公共事業費を確保しなければいけない、片や国費の節減措置を講じて財政再建路線を維持しなければならないという、二つの政策課題の中でいわば選択をしたということで御理解をいただきたいというぐあいに基本的には考えておるわけでございます。
#188
○坂井委員 つじつま合わせ的な話になりましてどうも苦しいんですよね。
 では、天野大臣にちょっと伺います。
 先ほども議論ございましたが、補助金をカットいたしましてそれを建設地方債に肩がわりをさせる、これは平たく言えば、本当は国が建設国債でやればいいわけですな。
    〔中島(衛)委員長代理退席、委員長着席〕
国の建設国債の発行を控えて地方に転嫁させる、それだけのことだと私は思うわけです。天野大臣も、大変難しいところを理解したんだ、難しいところを理解したのでそこのところを理解しろ、こういう御答弁だったのですが、これはまた、理解しようとは思うのですがなかなか理解のしづらいところでございまして、ここで共通の認識を持っておいた方が将来のためにはよろしいんじゃないか、実はそんな気がいたします。ですから、天野大臣のおっしゃりたいことはまさに私が言わんとする今のようなこと、それはそうだ、こういうことであろうと思いますので、その辺のところをもうちょっと率直にというんですかね、わかりやすくというんでしょうか、御意見、御所感を承りたい。
 同時にその一方で、いや、そうではないんだ、この地方建設債の増発は、それによりまして地方の財政対策というものを積極的に講ずる、こういう意味合いもあるんだ、まあ地方にも大いに事業をやってもらう、こういう趣旨でこの補助金のカットをしたのである、こういう説もありますね。どうもこの説はいただけないように思うのですが、この辺もあわせて大臣の御見解を伺いたい。
#189
○天野国務大臣 これは余りいい質問ではないですよ。考え方の基本は同じなんですから、それで理解してくださいよ、私は立場がありますから。しかし、これからの予算の持っていき方あるいはつくり方については実質的に十二分に始末はいたしますから、そういう点でひとつ、答弁しないことで御理解を願いたいと思います。
#190
○坂井委員 禅問答じゃありませんけれども、あうんの呼吸というところで理解いたしましょう。
 確かにそういう理解が共通の認識だという上に立って議論を進めたいと思うのですが、今までの政府答弁を聞いておりますと、行政が総合的にかつ効率的に行われていく、そのことのためには国と地方がそれぞれの立場において役割と責任を分担し合う、そして相互に協力をする、ここは大変結構なんです。ただ、今後の補助金カットで、この前も連合審査等で議論された経緯を私はつぶさに議事録を読み返してみました。そうしますと、これを見れば見るほどいただけないですな。
 つまり、地方公共団体の自主性あるいは自律性の尊重、こういう観点から見直しを行ったのが今度の補助金の減額であります、そういう答弁が政府側において実は抜け抜けと行われている。抜け抜けと、大変失敬だけれどもそう言いたい。「地方公共団体の自主性、自律性の尊重という観点から見直しを行ったのが今度の補助金の減額であるこれは六十一年四月十日、連合審査会における当時の大臣答弁であります。補助金の減額というのは、国の財政が苦しいから、かつ一方において公共事業費を切り込まないで公共事業量を確保したい、こういう意図でもって補助金のカットが行われたのでしょう。決して、補助金を減額することが地方公共団体の自主性、自律性を高めて地方公共団体に公共事業をうんとやってもらうためなんだ、こんな積極的な意味合いはなかったと私は思うのですが、大臣はいかがですか。
#191
○天野国務大臣 そういう説明でやったことは事実だと私は了承しております。
#192
○坂井委員 では、自治省に伺っておきましょう。一体、この補助金の削減が地方公共団体の自主性、自律性を高めることに役立っておりますか。
#193
○小林(実)政府委員 御指摘の点は、昨年の場合は経常経費関係の国庫補助負担率のカットを行っておりまして、老人福祉とか児童福祉その他の国庫負担金につきまして二分の一にするという措置を行ったわけでございます。その際に、福祉施設の基準とか費用の徴収基準等々につきまして地方団体にある程度自主性を認める、こういう制度改正をするという見直しが行われました。それによって高められた、こういうことでございます。
#194
○坂井委員 私は、これは決して積極的な意味合いにおけるものではないと思うのです。確かに国と地方の役割分担の見直しということの中で、地方の極めて地域的に限定された小規模な単独事業については地方公共団体にこれを行わせる。しかし、このことが地方の自主性、自律性を大いに高めたのであるという、そんな積極的な意味合いは持ちませんね。これは理屈としてついてきたようなことだろうと思っております。だけれども、何とかこれをつじつまを合わせなければならぬということで、随分あれやこれやと理屈をおつけになる。実は大変苦しい、弁解じみた聞こえ方になるのですね、お答えがあればあるほどに。そんな気がしてなりません。
 そこで伺ってまいりますが、連合審査当時の江藤建設大臣が、これは三年間の時限立法、暫定的な措置だから、三年たてば、つまり六十一、六十二、六十二年ですね、六十三年度まででこの補助率カットはすべて終わってしまう、このことを渇望いたしております、こう答弁されておる。これは非常に正直におっしゃったのだろうと思います。これは天野大臣、どうですか。やはり渇望されますか。
#195
○天野国務大臣 それは事実そのとおりですから、それは本当ですよ。
#196
○坂井委員 私がなぜこんなことを申し上げるかといいますと、余りはっきりしないものですから見出しをつけながら抜粋したのですよ。どうも当時の大蔵大臣あるいは自治大臣、皆さんの答弁がかなりニュアンスが違うのですね。
 竹下さんが大蔵大臣で、こうおっしゃっています。税制改正が平年度化されるのは六十三年度だということも考慮して三年が妥当という結論に達した。それから、同じく竹下大蔵大臣、単純に三年したらすべてもとへ戻りますという答弁はできません、その時点で関係者が協議し、国会の審議を踏まえて決めていく。さらに、答申は恒久化してもいいのかなという意識は持ったが、税制改正が仮に今秋答申を得て、その平年度化に二年ぐらいかかるというようなことも勘案して三年間にした、したがって六十四年度以降のあり方はその時点で適切な対応をするという答えが限度である。やはり大蔵大臣の頭には、税制改正いわゆる今の大型間接税の導入とまでは言いませんが、今になってみればそういうこと、これが念頭にあるものですから、この税制改正が平年度化されるまでにやはり二年ぐらいはかかる、したがって三年間の暫定期限にした、こういう御答弁であります。
 また、当時の小沢自治大臣は、暫定措置は財政再建期間目標の六十五年の五年間にすべきではないかとの御意見もあった、一方一年ごとに負担率を変えていってはどうかという意見もあった、それを踏まえて、それでは安定的な運営はできない、したがって三年にした。それぞれのお立場でちょっとニュアンスの違う御答弁があるわけであります。
 私は、前段の質問、私の意見を踏まえながら重ねて申し上げたいのは、つまりこの種の補助率のカット、これに財政調整の補完的な役割を持たせるということは邪道である。補助率のカット、補助率の変更というものは好ましいことではありませんが、三年間の暫定ということで決めたわけでありますので、三年たてばこれはもうきっぱりやめる、六十四年度からは復元をいたします、こういうことでなければならぬと思うのですが、きょうは大蔵省、そこまではっきり言えませんね。それはどうですか。
#197
○斎藤(次)政府委員 大変に申しわけないことかもしれませんけれども、六十四年度以降の補助負担率の取り扱いというのは、その時点での今後の諸情勢の推移とか、国、地方の財政事情とか、そういういろんなものを総合的に勘案して、やはり関係省庁で協議の上、国会の御審議も経て決めていくという性格のものだと思いますので、きょうのところはそこまでお約束はなかなかいたしかねるという事情にあることを御理解いただきたいと思います。
#198
○坂井委員 それではもう一度もとに戻りましょう。
 覚書がありますね。大蔵大臣と自治大臣、両大臣の覚書、昭和六十年十二月二十一日。読みます。
  昭和六十一年度予算において補助負担率の引下げ措置を講ずるに当たり、次のとおり申し合わせる。
 一 この措置は、今後三年間の暫定措置とする。
 二 暫定措置の期間内においては、国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じないものとする。
   昭和六十年十二月二十一日
             大 蔵 大 臣
             自 治 大 臣
覚書であります。
 第一項は「この措置は、今後三年間の暫定措置とする。」ということでありますから、昭和六十三年度をもちましてこれは終わる、六十四年度からはもとに戻る、少なくとも三年間だ、これははっきりしていると思うのですが、このことにつきましては現下の財政状況、諸般の状況を勘案しまして、今直ちにこれで終わってしまうという答えはできないということのようでございますので、これは一応さておきまして、第二項「暫定措置の期間内においては、国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じないものとする。」この「基本的に変更するような措置」、これはどういうことを意味しているのですか大蔵省。
#199
○斎藤(次)政府委員 昨年の国会で竹下大蔵大臣が御答弁になっておりますように、六十年度、六十一年に講じたような公共、非公共を通ずるような補助率の見直しは行わないというのがその基本的関係に変更を及ぼさないということの具体的内容だというぐあいに私どもは理解しております。
#200
○坂井委員 当時の大蔵大臣の御答弁は私はそれなりに承っておきたいと思う。そうではなくて、大蔵省が地方行政委員会において今の私と同じような趣旨での質問に対してのお答えがありますね。つまり、重ねて申し上げましょう。この覚書に、今後三年間は国、地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じない、こうありますが、基本的に変更しないとはどういうことかという質問、それに対する大蔵省の主計官の御答弁がございます。これは御承知だと思いますが、ここで重ねて当時の大蔵省の見解、答弁について承っておきたい、こういう趣旨でございます。
#201
○斎藤(次)政府委員 昨年度の大蔵、自治両大臣の覚書というのは、確かに三年間の暫定措置として、坂井先生が今おっしゃられましたように、国、地方間の財政関係を基本的に変更するようなことはしない、こういうことでございました。その意味するところは、昨年大臣答弁がございましたように、この期間内には例えば六十一年度のような国、地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の変更は行わないんだ、こういう趣旨だというぐあいに私どもは理解しておるわけでございます。
 今回の公共事業の関係の補助率を引き下げるという問題につきましては、先ほど来御説明しておりますように、公共事業の事業量を確保するというために引き下げることとしておるということで、昨年のような非公共、公共全体を通ずる補助率の総合的見直しとはやや性格が違うものではないかなというぐあいに考えておるわけでございます。ただ、公共事業につきまして昨年に引き続いて引き下げを行ったということもまた事実でございます。
 御指摘のようなこの措置が昨年度の覚書に違反しているのではないかという御批判があることも重々承知をしているわけでございます。しかしながら、今回の措置は急速な円高が進んだという非常に厳しい経済関係の中、それから、御承知のような非常に厳しい財政事情のもとで財政再建路線を貫きつつ公共事業の事業費を確保するというその両方の政策課題にこたえるために、財投の活用とか民間活力の活用に最大限努力した上でとった措置であること、それから、地方の財政運営に支障が生じないように昨年以上の手厚い財源措置を講じているということをあわせお考えいただいて、何とぞ御理解をいただきたいというのが私どものお願いであるわけでございます。
#202
○坂井委員 厳しい財政事情のことについて今伺っているのではないのです。実は覚書がありますね。この覚書の第二項には基本的な変更はしませんというお約束がありますね、この基本的な変更というのは一体どういうことなんですかという質問が地方行政委員会で行われています。それは六十一年四月八日の地行委員会であります。
 その地方行政委員会において、基本的な変更が行われないということはどういうことかという問いに対しまして、大蔵省の答えは、「三年間に再び今回のような重大な補助率の変更というものがまた行われるというような御懸念もこれありということもございまして、先ほど申し上げましたようにその覚書の二項におきまして、国、地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の変更はしないという趣旨であるというふうに理解をしておるところでございます。」何カ所かあるのですよ。同じく「現行の税財源配分を前提として、六十年度や六十一年度のような補助負担率の変更によって国、地方間の負担区分は変更しないというものでございます。」「例えば六十一年度におけるような補助率の重大な変更、そういったものを念頭に置いたものというふうに理解しております。」こういうことですね。そうすると、ここで約束されたのは補助率の変更をしないということですね。
#203
○斎藤(次)政府委員 大臣を含めて私ども関係者は、当時繰り返し御答弁申し上げているように六十一年度のような補助率の変更は行わないということを申し上げているわけでございまして、およそ補助率の変更をしないということは申し上げてないはずでございます。
#204
○坂井委員 六十一年度に行われたような大きな補助率の変更は六十二、六十三年度はいたしません、小さい補助率の引き下げはあるやもしれません、こういうことですか。
#205
○斎藤(次)政府委員 基本的に覚書の第二項は「国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じない」ということでございますので、その意味で六十一年度のような公共、非公共を通じるオーバーオールな補助率の変更はいたしませんというお答えをしたのだと理解しております。
#206
○坂井委員 そのお答えは全くいただけませんね。ですから、私はわざわざ議事録を読み上げたのです。
 もう一度申し上げましょう。「再び今回のような重大な補助率の変更というものがまた行われるというような御懸念もこれありということもございまして、先ほど申し上げましたようにその覚書の二項におきまして、国、地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の変更はしないという趣旨である」、補助率の変更はしませんと言っているのですよ。そういう趣旨だ。それが基本的に変更しないという意味ですよ。これは大蔵省の御説明なんです。それはさっき言いましたように、二回、三回同じような趣旨でおっしゃっているわけですよ。御答弁されているわけです。今あなたが言われるような趣旨で答弁はされていない。いかがですか。
#207
○斎藤(次)政府委員 何回も繰り返して恐縮でございますけれども、国、地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の変更は行わない、こういうぐあいに申し上げているのだと私どもは理解しております。
#208
○坂井委員 これはだれが見ても、当時はそう理解できたと思いますよ。こんな大きな補助率の切り下げが再三というか今後においても行われるというようなことがあっては大変だぞという趣旨で質問者は一生懸命質問しているわけですよ。それに対して、こんな重大な補助率の変更はしません、基本的に変更しないという意味は大きな補助率の切り下げはいたしませんということですから、御懸念には及びません、こういう趣旨でしょう。これはだれが見たってそういう答えですよ。だけれども今お答えのような、まことにこれは苦しいというより宣言いわけですよね、大変失敬だけれども。じゃそういうことにならざるを得ない背景、事情は何なのかということをあなたは先ほどるる財政事情の厳しさ等をおっしゃったが、そのことを私は聞いているのではない。
 これだけ大蔵、自治両省大臣がここでしっかり覚書をした。この覚書をめぐって国会の連合審査会あるいはまた関係委員会において議論がされた。では基本的に変更ということはどういうことか、大幅な補助率の引き下げは今後行わないということであるということが確認をされた。それが今回六十二、六十三年度におきましてはさらに六十一年度に比べましてなお大きな補助率のカットが行われる。砂防法の一部改正案、この法律案におきましては、六十一年度における国の負担率が二分の一を超えるものについては、六十二年度及び六十三年度における当該負担率を原則として六十一年度よりさらに直轄事業については一〇%程度、補助事業については五%程度それぞれ補助率を下げる、こういうことですよね。これは私は基本的に重大な変更が行われたと読むわけです、この覚書の趣旨からいたしまして。また、今申し上げました質疑のやりとりの経過から見ましても、まさに重大な基本的な変更は行わないということに反して行ってしまった、こういうことだろうと思うのですね。ということであれば、これは両大臣の覚書につきまして、こういう約束をいたしましたけれどもこれは撤回なら撤回あるいは棚上げなら棚上げと、だけれども一方においては国会の審議においてこれを確認をしたという経緯もこれあり、なかなかそうもいかないという難しい事情もあろうかと思いますが、この問題はこのまま看過していいとは実は私は思えないのです。だから、これは大蔵省よりも自治省にお尋ねしておきましょう。自治省、いかがですか。
#209
○小林(実)政府委員 昨年の覚書につきましての御質問でございますが、大蔵省の方から答弁がございましたように、六十一年度におけるような非公共、公共にわたる補助率の引き下げを一律に行うというようなことはこの覚書違反であるということははっきりいたしておると思います。ただ、補助率そのものにつきまして、どこまで入るか入らぬかというのは若干考え方の違いはあったのかもしれません。私どもといたしましては、補助率の問題につきましては、一応昨年の段階におきましてはこれで一つの区切りがついたという感じがいたしておったわけでございます。現実問題といたしましては、その後の情勢の変化等がありまして今回のような措置になったわけでございます。今回の措置はほぼ公共事業に限っての措置でございまして、昨年の覚書の趣旨というのはまだ有効である、生きておるというふうに考えておるところでございます。
#210
○坂井委員 これは大変失敬かもわかりませんが、大蔵省の斎藤主計局次長さんと自治省の小林審議官さんにお願いをしておきたいと思います。
 大変くどいようでこれまた恐縮ですが、先ほどから私が何回も申し上げますように、委員会の審議においてこの基本的な変更ということをめぐっての議論の中で「その三年間に再び今回のような重大な補助率の変更というものがまた行われるというような御懸念もこれあり」、それで後段で「国、地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の変更はしないという趣旨である」、つまりあくまでも補助率の変更は六十二、六十三年はいたしません、こういう約束を両大臣で行ったのですという大蔵省の説明なんです。もし議事録におけるこの説明が、今私が申し上げている私の解釈が間違いであるというならば間違いだという御指摘をいただきたい。私は間違いないと思って申し上げているわけであります。かみ合わない議論をやっても意味がありませんので、私の今申し上げました指摘に対しまして、大蔵省と自治省の間で詰めていただきまして後日御見解を承りたいと思うのですが、いかがですか。
#211
○斎藤(次)政府委員 私どもの答弁は同じことの繰り返しになりますし、御理解いただけないようでございますので、もう一度自治省との間でよく相談をしまして御説明に上がらせていただきたいと思います。――文章ででございますか。研究をさせていただきます。
#212
○坂井委員 私は、今回の一連の補助率のカットということにつきましては、これは国と地方のそれぞれの役割あるいは責任の分担の中で、国、地方の財政負担の区分をめぐりまして、財政が厳しいからという理由をもって地方団体の財政なり地方の自主性、自律性に対して不当な介入といいますか、国の要らざる干渉がさらに大きくなった、地方団体からいうと自主権、自律権の侵害である、実はこういう見解をとるのですよ。それだけにこの問題は非常に重視をいたしておるわけでございまして、そんな観点からくどくどしくこの覚書をめぐってお尋ねをしたわけでありますし、なお議事録をもってここまではっきりこうじゃありませんかということをまた御質問したわけでありますから、これは正式に御回答いただきたいと思うのです。どうも理解できないようだからもう一回行っておまえによく説明してやろう、それなら私はここで今までこれをやって、大体ああそうですか、じゃどうも私の認識が誤っておりましたと本当にあっさりしますよ。そんなことでいちゃもんつけてくどくどと申し上げたいことは一切ないのです。そういう意味ではなくて、極めて明快にここまでおっしゃりながらなぜ六十二、六十三年度においてこれほど大幅な補助金のさらなる引き下げが行われたのですか、これは覚書の変更なんですか、棚上げなんですかと聞いているわけでありますので、もう少し責任のあるはっきりした御回答をお願いしたいと思うのですが、いかがですか。
#213
○斎藤(次)政府委員 くどいようでございますけれども、もう一度だけ御答弁させていただいて、その上でまだ御理解いただけないようであれば正式な文章をお出しするということにしたいと思います。
 具体的に申し上げたいのは、私ども、当時の竹下大蔵大臣の答弁でございますけれども、その間――暫定期間ですが、その間は「例えば今回のような国・地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の変更は行わないこととしたわけでございます。」覚書において「国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置」としておりますのは、例えば今回のような補助率の重大な変更を念頭に置いたものではない、こういうことであります、こういう御答弁をされておられます。
#214
○坂井委員 大蔵大臣の御答弁は私もしっかり読ませていただいたのですよ。ですから、先ほど申しましたように、大蔵大臣の御答弁ではなくて、大蔵省の主計官が今私がるる申し上げましたように地行委員会において今のような説明をされているじゃありませんかと言っているのですよ。大蔵大臣は、交付税率を変えるとかそんなようなことは考えていません、これはまさに国と地方の財政間の大きな変更になります、こんなことは考えていません、こういうことでしょう。それは当たり前だと思うのです。この覚書はまさに今回の補助率の変更に伴って行われた覚書である、あくまでも補助率の問題なんです。質問者は、いやそうじゃないじゃないか、むしろ自治体の留保財源から交付団体、不交付団体、そのことにまで触れましていろいろ突っ込んだ議論があるわけですが、それは私は言っているのではないのです。補助率のカット、補助率に限っての問題としてこの覚書がなされた、そうじゃありませんか。大蔵大臣の御答弁をもっておかしいと私は言っているのではないのです。大蔵省の説明員の説明がおかしい、それから見ればどうも納得ができません、こう言っているのです。
#215
○斎藤(次)政府委員 先ほど来御説明しておりますように、昨年度の主計官の答弁は、国、地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の変更は行わない、こういうぐあいに、補助率の変更そのものということよりは、補助率の変更の内容について説明の上で、そういう補助率の変更は行わないというお答えをしていると私どもは理解しておるわけでございます、
#216
○坂井委員 そうすると、今回の、つまり六十二、六十三年度の補助率の変更、つまり補助率の引き下げ一〇%、五%、これは今のあなたの御説明によれば問題がないんだ、こういうことになるのですか。じゃ、その当時ここで大蔵省が答弁されたときには、この三年の間に六十二、六十三年度においては補助率の変更もあり得るんだという趣旨でもって説明をされた、こう理解していいんですね。私はそうはとても理解できないのですよ、これは。やらない、こう言っているのです。
#217
○斎藤(次)政府委員 当時の答弁は、あくまでも今回のような国、地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の変更はやらない、いわば六十一年度を通じて行われましたような公共、非公共を通じる補助率の総合的な見直しという形での補助率の引き下げは行わないということを覚書ではっきり定めた趣旨の答弁をしたものと理解しております。
#218
○坂井委員 これは平行線になる。私は到底そういうような趣旨で答弁されたとは理解はできかねます。そこまで申し上げておいて、この議論はまた後ほどに譲りたいと思います。
 公共事業の問題ですが、公共事業重点の経済対策というものが、それが内需拡大のためなんだという議論はこれはいかがなものかな。もちろんそういう意味もあるでしょう。あるでしょうが、そうではなくて、将来の国づくりのあるべき姿というものを視野に入れてそして公共事業、これからの社会資本、生活関連の特に公共資本を充実をしていくんだ、こういうむしろ積極的な考えの中で公共事業というものを進めていかなければ、何となく内需の拡大、外圧がある、大変だ、だから公共事業だというのでは非常に消極的なとらまえ方に聞こえてならないものですからこれは建設大臣に伺っておきたいのですが、そんなものじゃない。確かに公共資本、二十一世紀に向かって非常に日本は急がなければならぬ、立ちおくれておるのだ、財政状況がどうあれこうあれ、やらなきゃならぬ公共事業というのはこれは積極的にどんどんやらなければ二十一世紀には対応できない、我が国の国づくりを考えてみればそうした非常に積極的な意味合いにおいて公共事業は進めなければならぬのだ、こういうことでなければならぬと思うのですが、どうも今総合経済対策とか言われますと当面の円高不況への対応、それが直接的な目的であるには違いはないでしょうが、しかしどうも公共事業を単なる不況対策あるいは失業対策、そういう次元でとらまえますと積極的な公共事業の仕事が進んでいかぬのじゃないかな、私は実はこんな気がしてならぬわけでありますが、その辺はどうお考えでございましょうか。
#219
○天野国務大臣 公共事業は国民生活に重要な関係がありますから、これは事のいかんを問わず、必要限度だけはやらなきゃいけないということは十二分に承知いたしておりますが、今日の場合は景品がついたみたいなもので、円高・ドル安等の関連から来る不況と諸外国との貿易摩擦の関係から来る圧力的なものでも内需拡大をやれと言われておるわけでありまして、その内需拡大をやるものは何かといえば公共事業きりないということじゃないのでしょうか。それですから今の場合は、基本的な精神は忘れないが、内外ともに不況対策その他のことで今主張されている内需拡大というのの圧力も相当強く感じているというのが今日の公共事業のあり方じゃないか、私はそう理解しているのです。
#220
○坂井委員 これから人口というものが急激に高齢化をしていくということなんですが、そうなりますと日本の経済活力というものを、それでなくても今不況ですが、このまま維持するということはどだい難しいであろう。特に福祉的な経費といいますか、これからそんなところに予算が相当食われる。食われるという言い方はよくないでしょうか、力を入れなければいかぬ。裏返しに、そういうことになりますとどうもやはり社会資本の整備に回す金が後回しあるいは少なくなる、こういうようなことで心配するのですが、例えば、恐らくパリというのは十九世紀を代表する都市でしょう。あるいはニューヨークは二十世紀を象徴する都市だと言われますが、こういう代表的な都市が形成されるのに三十年ないし四十年ぐらいかかっていますね。そうすると、そういう例を参考にといいますか、なぞらえてみれば、やはり日本も三十年とか四十年という期間が必要であろうと思いますね。
 それを考えますと、今一つのチャンスは、やはり民間の金余りということだろう。ここに着目されるわけですね。確かに国が百四十兆円もの大きな赤字を抱えておる。しかし民間においては個人の貯蓄においてすら五百兆円を超える。さらには年間十兆を上回る不動産投資が行われる。余った金がどんどんと海外に流出をするというような状況でございますから、したがってそうした資金の活用、民活ということもあわせて、これはあわせての話でありますね、国が積極的な財政政策を展開をして、私はもっとはっきり言えば、建設国債をうんと出す。
 冒頭申しましたように、大変みみっちいやり方で補助率を下げて、建設地方債に肩がわりをさせて、それでそれをまた国が後で交付税特会に一般会計から穴埋めをする。何でそんなややこしいことをやらなければいけないかというと、つまり一律マイナスシーリングという枠があるからでしょう。そこでそういう手品みないなことをやらなければいかぬ。しかしその手品みたいなことをやることによって、地方自治団体は非常に迷惑をしておる。しかもそういうやり方が今後またやられるのじゃなかろうかな。
 例えば、先ほど申しましたように補助率の大幅なカットが六十年度において行われた。六十一年度、三年間の暫定ですよと言われてみてまた切り込まれた。六十二−六十三年間、また補助率を切り込まれた。じゃ六十四年度から一体どうなるのだろうか。どうも大蔵大臣の答弁によると、それまでに税制改正が行われるらしい。抜本的な税制改革の中でこれはうまく、今までの地方に対するしわ寄せはおつりとして、辛抱したから地方にもというような税制改正の中でかなり地方財政を潤わしてくれるのではなかろうかなというある種の期待もないではない。しかし、今売上税問題、これだけの大問題になっている。税制改正が恐らくこれは飛んでしまうでしょう。またこれは我々は粉砕だ、こう言っている。
 そうなると、一体これは六十四年からどうなるのだろうか。いやいや、よくよく国会の審議過程を振り返ってみれば、議事録をひもといてみれば、これは地方自治団体ですよ。いや大臣が、六十四年のことは六十四年その時点の財政状況をよくよく勘案をして決めたい、こう言っているのですね。決して天野大臣、先ほどやりとりのように、あれは六十二年までの暫定ですからこれでずばっと終わるべきもの、終わるべきものだが終われない財政状況があらわれた。つまり売上税が通らない。さあそうなったら六十四年度から一体どうなるのだろうか。なおこの補助率のカット、これがさらに切り込んでこられるのではなかろうかという不安も残るでしょうね。
 私は、こんなばかげたことをやるのではなくて、むしろ積極的に公共事業、二十一世紀に向かって、生活関連公共資本というものが日本はおくれているわけでありますから、これを挽回する、欧米に伍してもなお遜色ない、それだけの決意を持って、建設国債を増発してでも積極的に公共資本の整備を進めていかなければならぬのではないか。これを基本にしながら、今申しましたようなだぶついた民間資金あるいは民間活力を補助的に組み合わせていく、そういう形の中で今私が申しましたような今後における公共資本整備の積極的な対策を展開していっていただきたいと思うのです。もう間もなく時間が来るようでございますので、私の見解を交えてこのことを最後に大臣にお尋ねをいたしまして、終わらせていただきたいと思います。
#221
○天野国務大臣 いろいろ御高見を拝聴いたしましたが、実際問題として、二十一世紀に向けて日本人が生活環境を十二分に楽しめるような状況下に置く公共事業の推進という問題は、理想的ではありますが、現在の国の財政の状態からいってはとても難しいことだ、私はそう理解しているのであります。ただ、ここで税の議論をするわけではありませんが、中曽根内閣が主張しておるこの税制改革が軌道に乗るという状態になれば相当の公共事業費も出せるんじゃないかなというような感じがしておるのでありますが、これは今まだ上程もされておりませんし、これからのことでありますから、これは議論の余地はありません。
 ただ問題は、ないからといってそれでは売上税はやめちゃう、減税はするわ、法人税、所得税は改正するわといったら、何もできなくなるんじゃないかなというような感じもしないわけではありません。ですから、どうもこういうところで建設国債の話はちょっと映りが悪いのですが、今までは私は、普通の国債とは違いまして建設国債は六十年という長期にわたって親子孫まで入れて三代の間で返せばいいのだし、やる仕事は永久に残る仕事をやるのですから、そういう点で後代の者にもある程度負担してもらっても差し支えないのではないかという主張を党内ではやってきました。なかなか、去年の補正でわずかばかりの建設国債がそのために盛り込まれた程度であります。
 しかし、今財政再建という課題を抱えて御承知のようにマイナスシーリングでやってきているわけでありますが、私は去年の補正予算を組んだ段階においてマイナスシーリングはもうやめたと思っております。私自身が、これは結構ですから申し上げるのですが、閣議の席上で、来年度はおれが建設大臣をやっていれば概算要求にはマイナスシーリングは出しませんよと今断っているわけであります。そこまで私の命がもっかどうかわかりませんですが、要するに切りかえをすべきときではないか。要するに、年度当初予算を比較して五%余のアップをしましたなどという答弁はまるで子供の話だ、私はそう思っております。去年の当初予算プラス去年の補正予算、それに対して五・二%アップなら私は理解できるし了承もできるのでありますが、今の財政状態では片っ方の財政再建の金看板は外すわけにいかないのですから、そういう点でくると、また当初予算はマイナスで組んで、そして後で補正でやるなんて本当にみっともないやり方はちっともプラスになりませんから、私は、もし建設大臣がそこまで留任できるようでしたら来年度から概算要求にはマイナスでは出しません。
 ですから、大きな根本的な財政問題を今計画を立てているわけでありますから、それが成るか成らないかということについては、後の執行に随分大きな問題が残ると思います。そういう点で、どこまで中曽根内閣が売上税の問題を解決していわゆる理想だと称する税制をつくり上げることができるのかどうかということが今国会の宿題でもありますから、それを抱えておる中で財政問題を含む話だとするとちょっと、私の方は土方の親方ですから、仕事をする方ですから、そういう点で仕事をする方については幾らでも意欲があるのですが、財政問題の絡む問題になってきますと、閣内に入っていなければ何でも言えますけれども、ここにいるとやはりちょっとその答弁は難しいと思うのでありまして、その点御理解願えればありがたいと思います。
#222
○坂井委員 終わります。
#223
○村岡委員長 西村章三君。
#224
○西村委員 私も、今回のいわゆる補助金カット法案に関連いたしまして何点か伺いたいと思います。既に同僚議員からのお尋ねも相当ございましたので、若干重複する部分もあるかと思います。御了解をいただきながら御答弁をお願いしたいと思います。
 まず大蔵省に伺います。
 今回の補助率の削減措置は、過ぐる昭和六十一年度の補助金一括法案の審議の際に、三年間動かさない、こういう約束があったわけでございます。ただいまの坂井先生とのやりとりの中で、その内容がいわゆる覚書の範疇であるのか、あるいはそれから逸脱をしたものであるのか、今回の措置は非常に重要なキーポイントでございまするけれども、これは後ほど政府の統一見解として調整をした上で報告をしていただくように、私の方からも委員長にもお願いをしておきたいと思います。
 しかし、その時点で、三年間動かさない、こういうことは再三再四言明をされてきたわけでございます。したがって、三年間動かさないという約束は全く間違っていない。にもかかわらず、今回補助金カット法案を提出いたしましてさらに引き下げた。この当初の約束というものは一体どうなったのか、その理由につきましてもあわせてお答えをいただきたいと思います。
#225
○斎藤(次)政府委員 先ほど坂井先生からも御質問がありましてお答えいたしましたので、繰り返しになりまして大変恐縮でございますけれども、今回の措置につきまして、昨年度の大蔵、自治両大臣覚書に関する国会答弁に反するのではないかという御指摘でございます。
 これにつきましては、先ほど来御答弁申し上げておりますように、国、地方の財政の基本的関係に影響を及ぼすような補助金の変更は行わないという趣旨の答弁は申し上げていたかというのが私どもの理解でございますけれども、今回、六十二年度予算編成に当たってなぜもう一度やったかという点についてもう一度御説明をいたしますと、円高が急速に進展をいたしました。そういうことで経済環境が激変する一方で、非常に厳しい財政状況が続いておるということで、財政再建路線を堅持しつつ公共事業の事業費を確保するということが重要な政策課題になったわけでございます。この課題にこたえるためにはいろいろな工夫をして公共事業の事業費をふやさなければいかぬということで、私どもは関係省庁とよく御相談をしまして、財政投融資の活用あるいは民間活力の活用等種々の工夫も行ったわけでございますが、その上でさらに補助負担率の引き下げを行わざるを得ないという状況に立ち至ったということでございます。その際、補助負担率の引き下げによる地方財政への影響につきましては、地方財政の運営に支障が生じないようにするために、昨年を上回る交付団体の元利償還費については別途加算措置を講ずるというような手厚い措置を講ずることにしたわけでございまして、その点もあわせて御理解を賜りたいというぐあいに考えておるわけでございます。
#226
○西村委員 国と地方間の財政関係の基本的な変更はしない、こういうことにつきましての大蔵省の見解は、先ほどの議論の中でも明らかになりましたように、若干我々と見解が異なっておるわけでございます。これは先ほど申し上げたとおり統一見解としてもう一度明確にしていただくということでお願いをしたいと思うのですが、たしか六十年の暫定措置のときにも、関係閣僚によるいわゆる検討委員会を設けて一年以内に結論を出す、こういうことが決められたわけでございます。今回の措置は、これに従っていわゆる国と地方の役割分担といいますかあるいは費用負担の見直しがされて今回の措置というものが導入をされたのかどうか、その辺はいかがでしょうか。
#227
○斎藤(次)政府委員 今回の措置は、先ほど来申し上げておりますように、公共事業、非公共事業を通ずるいわば国の補助金の総合的見直しを行うというような、六十年度、六十一年度にやりましたような補助率のカットという考え方で物事を進めたわけではございませんで、いわば財政再建の路線を貫きつついかに今の厳しい経済状況に対応するかという観点から、公共事業の事業費を確保するという観点からとった措置でございまして、その意味で、昨年の補助金検討委員会の検討を通じて行いました公共、非公共を通ずる補助率の総合的な見直しとはやや性格を異にしているのだというのが私どもの理解でございます。もちろん、昨年の覚書に係る経緯等にかんがみれば安易に補助負担率の引き下げを行うことは適当でないというぐあいに考えていたことも確かでございますが、まず事業費確保では財政投融資の活用とか民間活力の活用を第一義的に考えて、それに極力力を使ったわけでございますけれども、そういう観点から引き下げを行わざるを得なかった、そこで、地方財政に影響を与えることがないように昨年を上回る手厚い措置を講じた、こういうのが今回の措置の実態でございます。
#228
○西村委員 そうすると、いわゆる検討委員会の中における国と地方の役割分担あるいは費用負担の見直しというのはどの程度おやりになったのか。先ほどの御答弁でございますと、これは本来的ないわゆる補助金の整理合理化ではない、むしろ円高の進行に伴って財政再建路線の中における公共事業の確保のためにやったんだ、こういうことでございますね。いわば、言葉をかえれば財政逼迫に伴う臨時措置だ、こういう理解でよろしゅうございますか。
#229
○斎藤(次)政府委員 いわば現在の経済情勢にかんがみてやむを得ずとった措置というぐあいに御理解いただいて結構でございます。
#230
○西村委員 建設省にお尋ねをいたしますが、今回のこの補助率カットについて建設省としては快く了解をしたのか、あるいは納得をしているのか、その辺はどうでございますか。
#231
○高橋(進)政府委員 最初の中村委員からの御質問にお答えをいたしましたように、また先ほど来大蔵省、自治省からも申し上げましたような状況のもとで、緊急避難的な措置でやむなく仕方ないと判断したものでございます。
#232
○西村委員 国土庁の方も離島問題等を抱えまして振興地域の影響というものが非常に大きいわけでございますが、今回のこの措置については、この影響を抑えるために随分努力をしたということも伺っております。今回の措置に対する国土庁としての認識はどんなものですか。
#233
○澤田(秀)政府委員 今回の公共事業の補助率の引き下げについては、特に私ども今御指摘にありましたように比較的財政力の弱い離島地域を抱えておりますので、原則的な公共事業の引き下げに対して種々工夫を凝らしていろいろな軽減措置を講じまして、その結果、今回金額では十七億でありまして、削減率に直しますと一・五%の削減にとどめることができたわけでありまして、過去二カ年度に比べてみますと相対的に軽微なものとなっております。とはいっても削減されているわけでありまして、それについては先ほど来の答弁にもありましたように所要の財政措置が講じられることになりましたので、私どもとしてはやむを得ない措置であろうというふうに考えております。
#234
○西村委員 今回の補助金カットによって生じた地方負担分は、結局後年度国が負担することになるわけでございます。これは要するに、地方に借金をさせておいて後からその借金を国で負担するというやり方でございます。したがって、それなら当初から国が責任を持って国負担分として、事業費として予算措置をとるべきではないか、こう思うのであります。先ほど来強調されておるとおりですが、この問題についての考え方をもう一度聞かしていただきたい。
#235
○斎藤(次)政府委員 先ほど来御説明しておりますけれども、今回の補助率の引き下げは、厳しい財政事情のもとで国費は抑制しつつも所要の事業費を確保するというために行うものでございます。その際、地方財政への影響につきましては、手厚い措置を講ずることとしておりますけれども、財政力に比較的余裕のある不交付団体につきましては相応の負担について理解を求めることとしているわけでございまして、今回の措置が地方に借金を一時肩がわりしてもらって後で国が全部負担するんだという性格のものでは必ずしもないというぐあいに考えているわけでございます。
 御指摘のように国が責任を持って事業費を予算化するということになりますと、現在の財政事情のもとではどうしても建設公債の増発によらざるを得ないという事情にございます。私どもといたしましては、建設公債といえども元利払いの負担を伴うという点においては特例公債と差異はないということでございまして、建設公債の利払い費が相当な重圧となっている今の段階で、その増発についてはやはり慎重に対処せざるを得ないというぐあいに考えているわけでございます。
#236
○西村委員 これは百四十二兆という国債の発行残高を持って、そういう中でいわゆる建設公債はできるだけ抑制をしていきたい、こういう立場で今回の措置をとられたと思うのですが、国と地方の財政規模はそれぞれ五十数兆円ずつで同じくらいでございます。ただ、国の方は、今申し上げましたように、国債の発行残高が百四十二兆ある。一方、地方自治体の方の公債残高は四。十四兆ございます。この数字から見ますと、地方財政にはまだ余裕がある、ゆとりがある、こういう判断もできるわけですが、大蔵省はどういう判断のもとにこういう措置をとられたかということでございます。どうでございますか。
#237
○斎藤(次)政府委員 その数字は今先生の御指摘のとおりでございますが、私どもとして、いわゆる地方財政富裕論というのでしょうか、そういうような考えをとっていることはなくて、基本的には国、地方とも厳しい財政状況にあるものだというぐあいに考えております。
 また、地方は三千三百ぐらいの団体の集合でございまして、それぞれの財政状況にはかなりな相違があるということも承知しております。ただ、全体としての地方財政いわゆるマクロのベースでございますけれども、それと国の財政状況を比較すれば、公債依存度、公債残高、公債費比率、いずれをとっても国は地方に比べてより厳しい状況にあることも確かであるというぐあいな考えでございます。
#238
○西村委員 地方財政の全体で見れば公債負担というものは国と比べて低い。しかし、個々の地方自治体、特に町村などは今日非常に苦しい状況にございます。したがって、地方財政は国と地方全体といったマクロの比較ではなくして、個々の自治体の財政状況、これを十分に把握して行う必要があると私どもは思っておるわけでございます。この点について大蔵省と自治省、両方から答弁をいただきたい。
#239
○斎藤(次)政府委員 基本的には先生の御指摘のとおりだと考えております、
#240
○小林(実)政府委員 個別の地方団体レベルでは相当深刻な団体が多いわけでございまして、私どもそういうふうに認識しております。
#241
○西村委員 最近の公債費比率の上昇は異常でございます。
 ここに一つの資料があるわけでございますが、地方自治体の公債費比率は最近非常に著しく上昇いたしておる。一般的には、地方財政運営、自治体財政運営の場合を考えると、公債費比率が一八%を超えますと財政運営が非常に苦しくなる。事実一八%を超えますと、財政再建計画をつくって再建を進めないと、その自治体はいわゆる赤字再建団体という再建団体に陥らざるを得ないということなのです。
 しかし、これを実態的に見てまいりますと、昭和五十六年に全国市町村三千二百五十三ですか、この市町村のうちで、一八%以上の公債費の比率を持っておりますのがわずか四%であったわけでございます。ところが今日では、三千二百五十三市町村のうちで、公債費の負担比率が一五%以上二〇%未満というのが九百五十ございます。二〇%以上というのが何とこれは千三十三市町村、合わせますと全体の三分の二以上が一五%以上、こういう異常な数値を示しているわけでございまして、地方財政の健全性を守るためにも何らかの措置をとるべき時期に来ておる。したがって、今回のようにいわゆる自治体の公債費の比率を高めないためにも、国が建設国債を発行してでも経済成長を高めていく、あるいは税収をふやすための高度経済への転換をすべきだ、こういう声が非常に強いのです。この事実について自治省の考え方を聞かせていただきたいと思うのです。
#242
○小林(実)政府委員 地方団体が持っている財源の中で、地方税それから譲与税、交付税を合わせたものを一般財源と申しますが、その中で公債費の償還に回るものの率を公債費負担比率と言っております。四十九年当時にはこれが二〇%以上の団体はございませんでしたけれども、六十年度の決算では千三十六団体、三割強の団体がそういう団体になってきておるわけでございます。
 私どもといたしましては、特に小さな町村におきましてそういう団体が多いものですから、市町村における赤字団体とかあるいは起債制限にひっかかるのに近いような団体あるいは経常収支比率の高い団体につきましては、都道府県から個別の市町村の財政運営につきまして状況等も聴取いたしておるわけでございます。県にも個別に指導助言をしていただくようにお願いをいたしておるわけでございます。
 近年特に公債費負担が増大してきておりまして、私どもといたしましては、今回の補助率カットに伴うものにつきましては、元利償還につきまして相当手厚い交付税措置をすることにいたしておるわけでございます。実際に、そのほかにも起債につきましては、元利償還について措置率の高い地方債を活用するとか、あるいは交付税の配分につきましても財政力のない団体に行くように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#243
○西村委員 これは地方自治体の財政の健全性という意味からも極めて重要な意味を持つものでございまして、安易に地方自治体の建設地方債に転嫁をしていくという考え方そのものが今後に問題を残すということを指摘しておきたいと思うのです。
 自治省にお尋ねいたしますが、この補助金カットにつきまして、総理大臣の諮問機関であります地方制度調査会が昨年の十二月十一日に「地方行財政に関する当面の措置についての答申」という中でこう触れております。昭和六十一年度における国庫補助負担率の引き下げ措置の経緯から見て、三年間の「この暫定期間内において、昭和六十一年度における国庫補助負担率の引下げのように国・地方間の財政関係を基本的に変更する措置はとるべきではない。」これは地方制度調査会の中で明確に提言をされておることであります。指摘がなされております。にもかかわらず、補助率の引き下げが今回も行われることにつきまして、自治省としては安易に大蔵に妥協したのではないか、こう申し上げざるを得ないのですが、その辺はいかがでしょうか。
#244
○小林(実)政府委員 御質問の中にございましたように、地方制度調査会の答申におきましては、先ほど来覚書の件でも御議論があったところでありますが、「この暫定期間内において、昭和六十一年度における国庫補助負担率の引下げのように国・地方間の財政関係を基本的に変更する措置はとるべきではない。」こういう提言をいたしておるわけでございます。補助金問題につきましては、国庫当局から提案があったときにも私どもは厳しい折衝を経たわけでございまして、結果といたしましては、今回の補助負担率の引き下げは内需拡大の要請にこたえるためほぼ公共事業に限って行うということにしたことが一つ。それから、公共事業に係る補助負担率のカットに伴う分につきましては地方債で補てんをいたしまして、元利償還を交付税で措置する、個別の団体には支障がないということが二つ目。それから将来の問題でございますけれども、この交付税措置に必要な原資につきましては国が元利償還の全体の九〇%、交付団体の金額を負担する措置を講ずる。このように地方財政に実質的な負担増がほとんど生じないという措置になりましたので双方合意に達した、こういうことでございます。地方制度調査会の答申のお考え方に実質的に背かないように努力をしたつもりでございます。
#245
○西村委員 現在、地方財政も円高不況で雇用情勢の悪化あるいは地域経済の落ち込みが激しいのであります。特に鉄鋼あるいは造船、石炭、基幹産業を中心に地方におきましても、法人事業税、これが中心でございますが、落ち込みが非常に顕著でございます。こういう時期に地方自治体の公共事業費の確保や事業の執行が果たして正常に可能であろうか、こういう疑問があるわけでございますが、この点について自治省あるいは建設省の考え方を聞かせていただきたいと思います。
#246
○高橋(進)政府委員 おっしゃるように個別の市町村におきましては地方財政上非常に厳しいところがあるように伺っております。ただ、今回のこの措置に限って申しますれば、先ほど来御説明いたしておりますように、この補助率カット分でふえた分につきましては全額地方債で見ることができる、また、それの元利償還を地方交付税で見まして、その分をまた将来国で見る、こういう従来に比べまして万全の措置を講じておりますので、この部分に限って申しますならばそういった影響はないものというふうに考えております。
#247
○小林(実)政府委員 カットに関連する財政措置につきましては今御答弁があったとおりでございます。さらにつけ加えますと、カットに関連して発行いたします臨時財政特例債、調整債につきましては、いわゆる起債制限比率を超える団体につきましても発行の制限はしないことといたしておりますので、円高不況団体等の事業執行に支障が生ずることはないというふうに考えております。
#248
○西村委員 支障がなければそれにこしたことはないわけでございますが、先般新聞報道によりましても、建設大臣のおひざ元の福島県で、財政難で来年の公共事業費は前年よりマイナス一〇%にならざるを得ない、こんな方針が語られたようでございます。せっかく予算措置をいたしましても地方自治体の方の予算化が伴わなければこれは何ら効果が発揮し得ないわけでございまして、こういう面につきましては留意をしていただいて、完全に遂行ができるような措置をぜひ講じていただきたい。
 時間が参りましたので、残念でございますがこれで質問を終わります。
#249
○村岡委員長 中路雅弘君。
#250
○中路委員 質問の最初に一言お尋ねしておきたいのですが、本日補助金カットのこの二法案を初め合計五本の閣法、議員立法が審議されることになったわけですが、全く異例なことだと思います。今日の国会の事態の中でいわゆる日切れ法案ないしそれに準ずるものが審議されることになったと聞いているわけですが、最初に、この水源地域対策特別措置法並びに砂防法等の改正案、これは官房長にお聞きしますが、日切れ法案に入るのですか。
#251
○高橋(進)政府委員 砂防法等の一部を改正する法律案は日切れ法案の措置でお願いしたわけでございますが、その理由は、今回のカット法にかかわります割合と申しますのは、事業費といたしまして建設省全体では四三%くらい、中でも直轄事業につきましては六割くらいがこのカット法の対象となる事業でございます。
 一方、暫定予算をお願いすることになったわけでございますが、その中に、先ほどちょっと御答弁いたしましたように、公共事業関係予算もお願いする。それの趣旨といたしますのは、この円高不況の中で公共事業による早期の発注によりましてそういった対応もお願いしたいという趣旨が含まれておるわけでございますが、そうした中で暫定予算にこのカット法対象関連事業が含まれませんとそういう意味での支障が非常に出てくるわけでございます、
 そういう意味でカット法対象部分につきましても暫定予算の中に組み入れていただくことが基本的に必要であるという政府の考え方がございまして、そのためには暫定予算が成立する前にこの部分も法律上の措置を講じていただきませんと執行できないということでございますので、日切れ法案としてお願いしたような次第でございます。
#252
○中路委員 これは全く不当なやり方だと私は思うのですね。内閣法制局にお聞きしましても、日切れ法案というのは、御存じのように本来法律の施行期間が三月末で切れる、またどうしても期日までに通さなければならない実務面の支障、例えば裁判所の定員の問題、学校定員の問題とか、これが日切れ法案なんだ、今回のはいわゆる日切れ法案ではないということは法制局もはっきり言っておる。ですから、これを日切れ法案の処理の中に入れて措置するということは、先ほどお話しになった暫定予算がまだ審議もしていないわけですし、もちろんまだ予算も成立していないわけですから、当然四月以降、それまでは従来の法律でやっていけばいいと私は思うのです。昨年も四月に入ってからこの法案は審議しているわけですね。そういう点で、こうした日切れ法案でないものもこうして中へ入れて、しかも一日に五本も審議する。このカット法案は地方自治体の負担あるいは地方住民への負担転嫁にもなりますし、慎重に審議しなければならない問題です。六十年度に補助率カットがやられて以来、予算委員会でも十分審議をされてきた、時間をとってきた法案ではありませんか。そういう点で、一日に五本、しかもこういうカット法案まで入れてやるということについては非常に不当だということを私は最初に一言言っておきたいと思うのです。
 それから、繰り返しになりますから時間の関係で私質疑を抜きまして、先ほど坂井委員からも長く質疑がありました、それから西村委員からも要請がありました問題、大蔵、自治の覚書の問題ですが、この問題については、今回の補助金カットの措置との関連において委員会に統一見解を出していただきたい、このことを委員長にお願いしたいのですが、いかがですか。先ほど西村議員からも要請がありましたから、後で大蔵、自治の方に要請されて委員会に統一的な見解を出していただくように処置をしていただきたい。委員長にお願いしたいのですが。
#253
○村岡委員長 はい、わかりました。
#254
○中路委員 さて、今回の補助金カットの問題ですが、六十年以来三度目の補助金カットであるわけです。六十年度は一年限り、六十一年度は三年間、カット率で上乗せをしないと約束しておきながら今回の措置でカット率をまた上げたわけです。先ほども論議がありましたけれども、これは明らかに約束違反、信義にもとるものだと思いますが、建設大臣は、予算編成期にこうした補助金の改めてのカットについてどのような態度で臨まれたのか、今回の措置についてどのようにお考えなのか最初に簡単にお聞きしておきたいと思います。
#255
○天野国務大臣 もとより、日本語で間違いなく言えば約束違反だと私も承知しております。ただ、いわゆる円高による不況が非常に強くなってまいりまして政府の財政上のやりくりがどうにもならない、地方自治団体には迷惑をかけない、要するに内需拡大に資するために事業量は多く出せるということで、一応了承したわけでございます。
#256
○中路委員 建設大臣は日本語で言えば約束違反だということを言っておられますから、この点について大臣に詳しくは追及しませんけれども、三年間による補助金カットはこの二年間だけ見ても二兆円、さらに来年度は一兆五千億にもなると言われております。今回の補助金カットで、公共事業等いわゆる投資的な経費補助率の削減は六十年度から始まったわけですが、六十二年度の今回の措置を含めて総額でどのくらいの削減になりますか。
#257
○高橋(進)政府委員 五十九年度の補助率、負担率による場合と比較いたしたものかと思いますが、その国費節減額は建設省関係予算全体で五千二百三十八億円でございます。
#258
○中路委員 このような地方自治体への負担転嫁が今後地方財政を圧迫して、地方の公共事業の推進もおくらせることにならないかと私は懸念するわけです。先ほども答弁されていますが、改めてどのように措置をされるのか、お尋ねしたいと思います。
#259
○高橋(進)政府委員 先ほど来大蔵省あるいは自治省がお答えしたことの繰り返しの部分もございますけれども、今回の引き下げに伴います地方公共団体の負担増加額につきましては、前年度と同様に全額臨時財政特例債等による起債措置が講じられております。と同時に、元利償還費につきましても地方交付税の算定を通じて適切な財政措置が講じられることとされておりますので、この結果、これによりまして地方財政を圧迫し公共事業の推進に支障を生ずることはないと考えております。
 なお、それがさらにほかの方に影響をするかどうかということでございますが、さきに閣議決定された地方財政計画におきまして、地方単独事業につきましても、前年度の伸びが三・七%でございましたが、これを上回りまして五・〇%の伸びが確保されているように聞いておるところでございます。
#260
○中路委員 自治体にとっては結局後年度の負担になっていくものですし、交付税の交付金は先食いということにもなるわけです、私は今回の措置が自治体にとって非常な負担を強要するものであるということを具体例で幾つかの都市について直接事情をお聞きをし調べましたけれども、一例だけひとつ挙げたいと思うのです。
 例えば、新聞報道でもされていましたが、北海道の室蘭市の場合です。これは新聞報道によりますと補助金のカットによる負担額が六十一年度で十億七千万円、その八割近くを社会保障関係費が占めていますが、その半分が生活保護費ということであります。私がこの室蘭市の問題についてその後独自に調査したところによりますと、先ほども起債公債費の問題が出ていましたが、室蘭市で起債の公債費は一八%を占めています。下水道、病院など、企業会計は既に八十億の赤字を出しているわけです。御存じのように新日鉄の合理化で法人市民税が大幅な減少をする、その上に今回の補助率カットでありますから、こういう事態の中で事業費をふやそうにも補助金カットの負担に耐えられるかどうか事業返上も検討せざるを得ないというふうに言っているわけです。
 こういう企業城下町を初めとする地方自治体が大変な借金をしょわされることになるのは明らかだと思うのです。結局のところ、補助事業や単独事業の全面的な見直しをせざるを得ないという事態に追い込まれるわけですから、内需拡大のためにも補助金カットをやって事業量をふやすということを言われていますけれども、室蘭市の例を挙げても事実はこれは内需拡大につながらないのではないか。実際にこれで事業をやれといっても、この事業自身を返上しなければいけない、全面的な見直しをしなければいけないということを直接担当者が言っているわけですが、大臣、いかがですか。
#261
○高橋(進)政府委員 今室蘭市でございますか、先生から御説明がございましたが、そういったような実態があるのかもしれません。ただ、今先生ちょっと最初に補助率カットの十億何がしというのは社会保障関係のことだとおっしゃっていましたが、それの関係はちょっと建設省の専門外でございますので何とも申し上げられませんが、ただ先ほど来何遍も申し上げておりますように、今回の補助率カット分につきましては全額地方債で見る、またその後を地方交付税でカット分については一〇〇%、それ以外の分については、調整債分につきましては八〇%ということでございまして、特にカット分については一〇〇%元利償還を見るということでございますので、その限りにおきましては個々の公共団体への影響はないと思います。ただ、そのカット分以前の問題といたしまして、公共事業本来の部分といいますかその部分につきましては、起債充当率なりあるいはそれに対する財政援助率というのはいろいろでございますので、そういう一般的な意味で公共事業をやろうと思ってもやれないという公共団体があることは事実かと思います。そのことは、今回のカット法によるカットの影響とは一応切り離して考えていいのではないかというふうに考えております。
#262
○中路委員 補助金カットをしてそして事業に充てる、それで内需拡大につながるんだという話をされていますから、実際には今室蘭の例で挙げたように、地方自治体のこういう冷え込んだ町の状態ではその事業自身を返上せざるを得ない、全面的に見直さざるを得ないということを言っているわけですね。だから皆さんの言うそれは内需拡大につながらないのではないか、むしろ内需拡大についても否定的な影響を及ぼすのではないかということを私は言っているわけですね。だから、こういう処置をとって事業をやる、内需拡大をやるということにならないだろうということを私は言っているのですよ。大臣、いかがですか。
#263
○天野国務大臣 それは、このカット法案による公共事業に関する限りはそういうことはないと私は思います。
#264
○中路委員 結局地方自治体に面倒を見るといってもそれは後で負担はかかってくるわけですから、そういう処置をしてこそくなやり方で内需拡大をやるといっても、実際には現実はそうした事業そのものも返上せざるを得ないというところが多く出てきているということをお話ししているわけですが、とりわけ今、鉄鋼や造船を初めとしたこうした深刻な町、こういうところはますます大変な事態にあるわけです、円高不況による地方経済への影響というのは大変深刻でありますから。その上に、先ほど中村委員もお尋ねになりましたが、今度は売上税の導入ということが出てくるわけですね。
 二、三、私もこの問題についてお聞きしておきたいのですが、先ほど答弁もされましたけれども、予算委員会に既に資料が出ていますから、大まかな数字ではなくて、出されている資料で正確に答弁いただきたいのですが、今度の売上税が公共事業にどういう影響をもたらすのかということですね。これについて、六十二年度の場合、それから平年度のベースの場合、お答えをしていただきたいと思います。
#265
○高橋(進)政府委員 昭和六十二年度予算におきます売上税相当額がどれだけか、建設省の所管の公共事業関係費で申し上げますと、二百三億四千万円でございます。
 なお、これを仮に平年度ベースではどれだけかということを申し上げますと、九百五十四億三千万円ということになっております。
#266
○中路委員 公共事業における予定価格には、当然売上税相当額、課税業者の場合ですね、これは積算されるわけですね、
#267
○高橋(進)政府委員 そういう方針でおります。
#268
○中路委員 地方自治体の自身の問題にもなるのですが、地方における公共事業、単独事業や補助事業の場合はどうなりますか。
#269
○高橋(進)政府委員 地方公共団体におきます公共事業につきまして、特に補助事業につきましては、そういった売上税相当額というものを含んでおりますので、同様な措置ですることを指導してまいりたいと思います。また単独事業につきましても、そういったことで行われるように指導してまいりたいと思っております。
#270
○中路委員 その予定価格に加算するとしますと、先ほどの国の公共事業の場合と同じように計算をしますと、六十二年度の場合、それから六十二年度をベースにした平年度の場合に影響は総額どれぐらいになりますか。
#271
○高橋(進)政府委員 地方単独事業全体まで含んだものを把握しておりませんので、ちょっとここに今直ちにはわかりかねます。
#272
○中路委員 先ほどお答えのときに、平年度で六千二百七十三億と私聞いていたのですが、この数字は間違いないですか。
#273
○高橋(進)政府委員 先ほど私もそういう御答弁がありましたことを聞いておりましたので、そのとおりだと思います。
#274
○中路委員 そうしますと、結局地方の公共事業でも平年度で言いますと六千二百七十三億、大変な額が上積みされるわけですね。国の公共事業でも九百五十四・三億円。そうしますと、公共事業の量ですね、量で見ますと削減せざるを得ないですね。
 こういう計算になりますか。五%の売上税がかかるとすると、削減されるのをパーセントで言いますと、平年度ベースで言いますと百五分の五%、六十二年度で言いますと百五分の五%に一月から三月だから四分の一掛けたもの、単純に言いますと当然公共事業量はこれぐらいは削減されるということになりますか。
#275
○高橋(進)政府委員 基本的にはそういうことになるかと思います、ただ、実際資材とかそういったものを使うわけでございますが、その資材の価格の中にどういうふうに入り込んでいくのかというのは、これは経済の実勢といいますか、ほかのいろいろな要素も絡んででございますが、基本的な考え方としてはそういったようなことになろうかと思います、
#276
○中路委員 大臣、今答弁もありましたけれども、結局これだけ売上税がかかりますと、公共事業の総額が合っても、同じ額でもその分は量としては減るわけですね、減らざるを得ないわけですね。だから売上税の導入というのは私は明らかに内需拡大という政府の方針にも結果として反することになると思うのですね。しかも今度の補助金カットの影響は、そういうものを考えますと大変今の政府の方針にも逆行することになりますし、また自治体がこの売上税相当額を予定価格に上乗せすることを期待するのだと今答弁ですけれども、そうせずとなりますと、それは建設業者にしわ寄せすることにもなるわけですし、あるいはもっと粗悪な工事になる可能性もあるわけです。こういう点でも大変建設事業にも影響が大きいわけなんで、内閣の大臣としてお答えにくいと思いますが、こうした建設産業に、公共事業に大変大きな影響を与えるという事実は大臣は認識されますか。いかがですか。
#277
○天野国務大臣 そろばん勘定ですから、当然税金がかかればかかった分だけ影響があることは間違いないと思います。
#278
○中路委員 いずれにしましても、この問題が大きな犠牲を強いるということは明白でありますし、私は、補助金カットのこうした削減ですね、しかも約束をしてきた信義にも反するやり方で今度またカットをする、これについては強く反対をしていきたいと思います。
 そして、一番最初に委員長にお願いしましたいわゆる大蔵、自治の両大臣によるこの措置は今後二年間の暫定措置ということからいろいろ変更しないということがありますが、これについては統一見解を出していただくことになっていますから、最後に、六十一年十二月の文書の中で、この措置は今後二年間の暫定措置とするという覚書が出ていますけれども、これを必ず守っていくかどうかということを、両方にかかりますから建設、国土両大臣にお聞きをして質問を終わりたいと思います。
#279
○綿貫国務大臣 今回の補助率の引き下げは二年間の暫定措置として実施することとしておりますが、国土庁としては六十年度以降四年にわたり削減措置を行っているので、これ以上の削減を行う余地はないものと考えております。六十四年度以降の取り扱いにつきましては、今後の諸情勢の推移、国と地方の財政状況を勘案しながら、その時点において適切に対処することとなると考えております。
#280
○天野国務大臣 国土庁長官の答弁と同じであります。
#281
○中路委員 時間ですので終わります。
#282
○村岡委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#283
○村岡委員長 これより両案について討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します、森田一君。
#284
○森田(一)委員 私は、自由民主党を代表し、水源地域対策特別措置法の一部を改正する等の法律案及び砂防法の一部を改正する等の法律案に対し、賛成の意見を述べるものであります。
 最近における社会経済情勢の推移を見ますと、急激な円高等による雇用情勢の悪化、地域経済の落ち込み等まことに厳しいものがあります。
 両法律案は、このような状況にかんがみ、当面の緊急課題である内需を中心とした景気の持続的拡大を図るため、厳しい財政状況をも踏まえつつ、公共事業費の確保、拡大を図るための特例措置を講じようとするものであります。
 すなわち、今回の臨時特例措置は、公共事業のうち昭和六十一年度の国の負担または補助の割合が二分の一を超えるものについて、昭和六十二年度及び六十三年度においてその割合を引き下げようとする措置でありますが、この特例措置によって公共事業費の確保と事業量の拡大が図られることになるのであります。
 なお、水源地域対策特別措置法及び離島振興法に基づく整備計画事業等に対する今回の特例措置の適用につきましては、その事業の特殊性にそれぞれ配慮されているところであります。
 さらに、この引き下げ措置の対象となる地方公共団体に対しては、その事業の執行並びに財政運営に支障を生ずることのないよう別途財政金融上の措置を講ずることとなっていることをあわせ考えれば、両法律案による特例措置は、現下の公共事業費の確保、拡大の要請にこたえるとともに、内需の拡大のため、さらには地域の一層の活性化を図るため必要かつ妥当な措置であると考えるものであります。
 現下の厳しい財政状況のもとにおいて、公共事業費の確保、拡大に対する政府の熱意と努力に対しこれを評価して、賛成討論を終わります。(拍手)
#285
○村岡委員長 三野優美君。
#286
○三野委員 私は、日本社会党・護憲共同並びに公明党・国民会議及び民社党・国民連合を代表し、ただいま議題となっております砂防法の一部を改正する等の法律案及び水源地域対策特別措置法の一部を改正する等の法律案について、反対の討論を行うものであります。
 そもそもこの法律案の趣旨である国の負担割合等に関する特例措置、すなわち自治体への補助金削減は、これまで幾度となく繰り返されてきたものであり、しかもそのたびごとに、今後はこのような措置はいたしませんと繰り返し、また、関係閣僚の間でも同趣旨の覚書が交わされてまいりました。一方、本国会においても、去る昭和五十七年、五十八年、五十九年の三年間だけにしますからとか、また、昭和六十年のみとか、さらに六十一年、六十二年、六十二年の三カ年の見直しが最後であるというような答弁がされており、あるいは附帯決議なども行ってきたところであります。ところが、これらはことごとく踏みにじられてきたのであって、全く国会の議論の経過を軽視したものと言わざるを得ません。
 そこで、この法律案等に反対する理由のまず第一は、こうした目まぐるしいほどの財政制度の見直しやそのたびごとの切り込み、すなわち補助率の限りない引き下げは、国と自治体との財政秩序を国側が一方的に乱し、健全な自治体財政の運営を困難ならしめ、そのことは、地方自治体及び住民から政治不信を招き、結果としては議会制民主主義の危機につながるからであります。
 反対の第二の理由は、政府は昭和六十五年度赤字国債依存脱却という全然見通しのない誤った財政方針から、つまり国の財政運営の失態からこのように政府が自治体に押しつける補助金削減は、政府の御都合主義による場当たり的施策のあらわれであり、健全な国の経済財政政策とは言えないからであります。
 反対の第三の理由は、政府は今回の新たな補助率引き下げによる影響額二千百七十億円について、臨時財政特例債を初め調整債等で対処し、後年度において地方交付税等で補てんするという方針となっておりますが、円高不況、雇用の不安が地域的、跛行的に強まっている今日、果たしてこのような補助金削減というような財政手段で地域経済の活性化、内需の拡大に結びつくでありましょうか。いわゆる行政投資による社会資本の拡充、雇用の拡大に寄与するのかどうか、私にとって甚だ疑問となるのであります。逆に、弱小自治体にあっては補助事業の返上という現象も起きてくるのではないかとさえ心配せざるを得ません。
 この補助金制度を検討する場合に特に注意すべきことは、当然とはいえ、まず国、地方公共団体の行政責任を明確にし、一般財源化する場合、超過負担の解消を含む適切にして十分な財源措置を講すべきであることを主張しておきます。
 また一方、内外情勢は、さきのG7はもちろん、各般の国際経済関係から、我が国における緊要な施策はひとえに内需の急速な拡大による経済の活性化、それのみであります。政府はこうした内外の深刻にして当然な諸要請に即応しなければなりませんが、それには何としても、政府が責任を持った財政主導型政策による公共事業の積極的な拡大であります。にもかかわらず補助金削減とは、まさにこれらに逆行する誤った措置と言わざるを得ません。
 以上の理由から本法案に強く反対し、討論を終わります。(拍手)
#287
○村岡委員長 中路雅弘君。
#288
○中路委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、水源地域対策特別措置法の一部を改正する等の法律案並びに砂防法の一部を改正する等の法律案について、反対の討論を行うものであります。
 この二つの法案は、いずれも国の補助率を引き下げることによりその分を地方自治体に転嫁するものであり、我が党としては到底容認できないものであります。しかも、この二法案が本来の日切れ法案とは縁もゆかりもないものであるにかかわらず、十分の審議も行われないで日切れ扱いとして処理することは全く不当であることをまず最初に指摘しておきたいと思います。
 次に、二法案の反対理由を述べます。
 第一は、本法案による補助率の引き下げは、明らかに地方自治体への負担の転嫁であり、地方財政に借金地獄を強いるものにほかならないからであります。異常円高による大企業の合理化や海外進出によって、企業城下町を初めとする地方自治体は雇用不安、地方税の落ち込みなどにより冷え切った状態にあります。今回の補助金削減はそれに追い打ちをかけるものであり、地方自治体に二重三重の犠牲を強いるものであります。
 第二は、政府の言う内需拡大とは名ばかりで、この補助金削減により結局地方財政を圧迫し、住民生活に必要な公共事業の推進をおくらせることにもつながり、内需を縮小することになりかねないものであります。
 また同時に、地方財政への圧迫の結果、いわゆる地方行革が一層進められ、住民の負担の一層の増加、社会保障の後退を促進することは明らかであります。
 もともとこの補助金削減は、八割にも及ぶ全国の地方自治体の反対を押し切って強行したものであります。六十年度は法律上一年限りの措置、さらに昨年の六十一年度は三年間の暫定措置としておきながら、またも今回補助率を削減したのであります。これは明らかに信義にもとる行為であります。
 我が党は、このような地方財政のみならず地方経済、ひいては住民に犠牲を転嫁する今回の法案に反対の意思を表明し、討論を終わります。(拍手)
#289
○村岡委員長 これにて両案に対する討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#290
○村岡委員長 これより採決に入ります。
 まず、水源地域対策特別措置法の一部を改正する等の法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます、
    〔賛成者起立〕
#291
○村岡委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、砂防法の一部を改正する等の法律案について採決いたします、
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#292
○村岡委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#293
○村岡委員長 ただいま議決いたしました両法律案に対し、平沼赳夫君外三名より、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。平沼赳夫君。
#294
○平沼委員 ただいま議題となりました水源地域対策特別措置法の一部を改正する等の法律案及び砂防法の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては既に質疑の過程において委員各位におかれては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。
    水源地域対策特別措置法の一部を改正する等の法律案及び砂防法の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一 今後予想される社会経済情勢の変化に的確に対応するため、社会資本の整備・充実が重要な課題となっていることにかんがみ、各種長期計画の着実な進捗に必要な予算の確保に特段の努力を傾注するなど、国土の保全と均衡ある発展の一層の促進を図るとともに、地域格差の是正に努めること。
 二 現下の緊急課題である円高不況・雇用不安の打開のため、公共事業費の確保を図るなどにより、内需拡大、地域経済の振興と住民福祉向上に特段の措置を講ずること。
 三 国庫補助負担率の削減は、再三の確認にもかかわらず毎年度拡大されており、政府に対する地方の不信を醸成するおそれがあることにかんがみ、国庫負担金及び補助金については、国・地方公共団体の行政責任を明確にし、一般財源化する場合は、適切にして十分な財源の措置を講ずること。
 四 国庫補助負担率削減に対する地方公共団体の財政支出増については、地方財政の現状を勘案し、臨時財政特例債、調整債の元利償還について国の責任において措置すること。
   この場合において、六十年度、六十一年度における確認を勘案し、六十二年度影響額について地方交付税への特例加算等で適切に措置するよう努めること。
 五 今回の本法案の審議・取扱いについては、暫定予算執行のための特別の措置であることにかんがみ、暫定予算執行に当たっては地方公共団体の予算執行と財政運営に支障を与えることのないよう、特段の配慮を払うこと。
以上であります。
 委員各位の御賛同をよろしくお願いを申し上げます。
#295
○村岡委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#296
○村岡委員長 起立多数。よって、平沼赳夫君外三名提出の動議のとおり両法律案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、国土庁長官及び建設大臣からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。綿貫国土庁長官。
#297
○綿貫国務大臣 水源地域対策特別措置法の一部を改正する等の法律案につきましては、本委員会において熱心な審議の上ただいま議決され、深く感謝申し上げます。
 審議中におきます各委員の御意見やただいま議決になりました附帯決議の趣旨は十分に体してまいる所存でございます。
 本法案の審議に対し委員長初め委員各位から賜りました御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
#298
○村岡委員長 天野建設大臣。
#299
○天野国務大臣 私は特に、この法律案に対しまして野党四党の皆さん方の御協力を深く感謝をいたします。
 実は、暫定予算を組む段階におきましてこの法律案が通っていないと、いわゆる地域社会に及ぼす、よりよき影響を与えるような公共事業がなかなか執行がしにくくございまして、どうしてもこの法律案を通してもらうことによって、その問題が解決できるわけであります。そういう点で、先ほど共産党の中路君からお話がございましたが、日切れ法案ではなくとも、私は日切れ法案以上の重要性を持つ法律案だと思っておりました。
 野党の皆さん方の協力によりましてスムーズに執行できることを心からうれしく存じまして、ありがたく御礼を申し上げます。
    ―――――――――――――
#300
○村岡委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#301
○村岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#302
○村岡委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十九分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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