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#1
第108回国会 建設委員会 第5号
昭和六十二年五月二十二日(金曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 村岡 兼造君
   理事 谷  洋一君 理事 中島  衛君
   理事 野中 広務君 理事 平沼 赳夫君
   理事 森田  一君 理事 中村  茂君
   理事 坂井 弘一君 理事 西村 章三君
      榎本 和平君    金子原二郎君
      瓦   力君    桜井  新君
      鈴木 宗男君    田村 良平君
      中島源太郎君    中村喜四郎君
      東   力君    松田 九郎君
      松永  光君    三塚  博君
      与謝野 馨君    井上  泉君
      小野 信一君    坂上 富男君
      三野 優美君    大野  潔君
      伊藤 英成君    辻  第一君
      中路 雅弘君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 綿貫 民輔君
 出席政府委員
        国土庁計画・調
        整局長     星野 進保君
        国土庁大都市圏
        整備局長    柳   晃君
        国土庁地方振興
        局長      澤田 秀男君
        通商産業大臣官
        房審議官    末木凰太郎君
        自治大臣官房審
        議官      森  繁一君
 委員外の出席者
        環境庁自然保護
        局保護管理課長 島田 直幸君
        通商産業省産業
        政策局総務課余
        暇開発室長   松藤 哲夫君
        労働省労働基準
        局賃金福祉部企
        画課長     小島 迪彦君
        自治省財政局指
        導課長     松本 英昭君
        建設委員会調査
        室長      佐藤 毅三君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十二日
 辞任         補欠選任
  中村喜四郎君     与謝野 馨君
  浜田 幸一君     鈴木 宗男君
  辻  第一君     村上  弘君
同日
 辞任         補欠選任
  鈴木 宗男君     浜田 幸一君
  与謝野 馨君     中村喜四郎君
  村上  弘君     辻  第一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 総合保養地域整備法案(内閣提出第八〇号)(
 参議院送付)
 国土行政の基本施策に関する件
 関西文化学術研究都市建設促進法案起草の件
     ――――◇―――――
#2
○村岡委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、総合保養地域整備法案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小野信一君。
#3
○小野委員 この法案を通読いたしまして、その底流には、我が国の労働時間は急速に短くなり、休日、祝日は増加し、したがって余暇時間は急速に多くなり、国民は現在の日帰りレクリエーション型から長期滞在型に移行することが既定の事実のように認識されておると私は感じました。しかし、振り返って実態を眺めてみますと、労働時間の短縮の傾向が果たしてそのまま認められるだろうか、あるいは欧州型と言われる長期滞在型に我が国が五年や十年の間になるだろうか、そういう不安を感じざるを得ません。私はそこの分析が大変大切なのではないだろうかと感じます。
 そこで、我が国民の余暇の活用が長期滞在型になるという分析はどういう裏づけのもとに認識されたものかどうか、そのことをまずお伺いいたします。
#4
○澤田(秀)政府委員 まず、私どものこの法案の作成段階に当たって考えておりますのは、今後、休日の増加を含めて自由時間の増大が着実に進むであろうということでございます。
 先般、四全総の調査審議経過報告が出されたわけでございますが、人々のさまざまな活動を国国全体でとらえて国民総生活時間で見ますと、その中の総自由時間は、労働時間や家事時間の短縮によって昭和六十年に対して昭和七十五年、西暦二〇〇〇年時点では二五%増と大幅に増大するものと見込まれております。他方、政策的に見ても、先般出されました経済審議会の経済構造調整特別部会報告においても、週休二日制の普及とか年次有給休暇の消化率の上昇あるいは連続休暇の普及等によって休日の増加を進めることが必要であるというふうに提唱されております。また、これは総理府広報室の国民生活に関する世論調査でございますが、今後生活の力点をどこに置くかということについて、レジャー、余暇生活に重点を置くというのが答えの中でのトップになっておりまして、そういうようなことを総合的に勘案しますと、今後余暇時間の増大は着実に進むものだというふうに考えておりまして、それに対応して滞在型のレクリエーション活動等への需要が顕在化してくるのではないか、かように考えております。
#5
○小野委員 我が国の場合でも、余暇時間が多くなりますとヨーロッパ型長期滞在型になるのではないだろうか、そういう感じがしないわけではありませんけれども、しかし、ここ十年ほどの労働時間の経過あるいは余暇時間を見ますと、果たしてそのように急速に進むのだろうか、こういう感じがしてなりません。余暇に対する日本人の意識も大きく変わったことも認めます。しかし、各人個人個人が好きなときに休暇をとり、一地域でのんびりと滞在して過ごすというような西欧型発想によるリゾート方式が果たして現在の日本人に受け入れられるかどうかということになりますと、非常に不確定な要素が大きいのじゃないだろうか、そう感じられてなりません。
 国土庁あるいはいろいろなレポートは、長期滞在型が日本の進むべき方向であり、これが世界の余暇活用の方向である、こう認めまして、日本人の意識の方が間違っておるのだ、日本人の意識を変えなければならないのだ、こうお考えになるのでしょうか。私は、日本人の国民性に合ったような余暇の活用方法、要するにヨーロッパ型にならなくても日本人独特の余暇活用型ということを求めてもいいのじゃないだろうか、そういう気がしてならないのですけれども、所見をお伺いいたします。
#6
○澤田(秀)政府委員 ヨーロッパの場合と日本の場合とで人々の余暇に対する考え方の違いというのは確かにおっしゃるようにあると思います。先般、ある調査では、余暇の過ごし方について、のんびりと過ごすかあるいは活動型の行動スタイルで過ごすかということについて日本人の場合は大体同じような割合の答えがあるようでございますが、例えばアメリカでは活動型で過ごすという答えが多いとかあるいは逆にヨーロッパではのんびりと過ごすというように、余暇をどのように過ごすかということについての人々の考え方も国により異なるという結果が出ております。
 日本の場合においても、先ほど申し上げましたように今後二十一世紀に向けて余暇時間は着実に増大するでありましょうし、また、それに対する政策的な裏づけを実施することに伴って自由時間がなお増大するということになりますと、その自由時間を過ごすための空間の整備というものが必要になってくるわけでありまして、今回の法案は、日本人がいろいろな態様の余暇活動を過ごすための空間整備のための手法として考えたものでございます。もちろん、ヨーロッパ型ののんびりと長期に滞在してリゾートで過ごすというようなことにはなかなかすぐにはならないかもしれませんが、人により余暇の過ごし方はいろいろニーズが多様でございますから、のんびりと過ごす人あるいは活動して汗を流す人、それぞれの多様な活動に十分対応できるような複合的な機能をこの地域で整備していくことが肝要であろうと考えているわけでございます。
#7
○小野委員 何度も申し上げますように、ヨーロッパ型の長期滞在型リゾート方式が必ずしも日本人に適合したものとは私は考えておりません。したがって、もう一度原点に戻りまして、日本人のリゾートというものはどういう形が最も国民性に合っておるのか、合致するものかということもこのリゾート地域を整備しながら考える必要があるのじゃないだろうか。一つの方向だけが世界の方向だと私は考えませんので、そのことをこの建設途中でも検討しながら、より日本の国民性に合ったものをつくっていただきたいことを要望いたします。
 次に、国が参与した国民の余暇利用のための施設は、昭和三十六年から建設の始まりました国民休暇村がございます。次は昭和五十三年から始まりました年金保養基地構想がございます。これらは大体終了いたしました。そして、今度が総合保養地域の構想でございます。しかし、この二つの国の政策が終わりましても、世界の働きバチという余り芳しくない評価は払拭されておりません。
 そこで、もし我が国の労働時間が急速に短縮されて余暇時間が急速に拡大いたしまして、国民の余暇生活が今国土庁が考えているように急速に長期滞在型になった場合にその需要にこたえるように、今度の構想が規模が大きく、しかも内容が充実したものにつくり上げようとする構想なのでしょうか。もしその最終構想がおありになりましたならば、考え方としてお聞かせ願いたいと思います。
#8
○澤田(秀)政府委員 国民が余暇時間を活用してどのような生活をするかということについてはさまざまな態様のものがあると思います。そうした多様なニーズにこたえるために、複合的な機能を備えたリゾート空間を整備しようというのが今回の法律の趣旨でございます。もちろん長期滞在型のものもできるでありましょうし、また週末等を利用して比較的短期に滞在する、そういう余暇の過ごし方もありましょうし、また、仕事でリゾートで研修とか会議等をやり、その延長上で、週末に差しかかったのでそこで余暇を過ごすというような形の過ごし方もあろうと思います。
 いずれにしても、今度のリゾートの整備については、地域の主体性、自主性を尊重して、それぞれの地域に合った規模なり内容なりの整備を行うことを趣旨としておりますので、比較的大規模のものもあるでありましょうし、また地域によっては私どもが最大規模と考えております千五百平方キロにまで達しないようなものもあり得るではないか、さまざまな形のものが展開されるのではないかというふうに考えております。
#9
○小野委員 大臣、今度の構想が国が参加した国民の余暇活動のための施設とすれば最も大きなものが予想されるのですけれども、例えばヨーロッパ型のように三週間なり五週間国民がリゾートで過ごせるような需要が生まれた場合に、それにこたえるだけの大規模な構想をつくるのだ、こういうお考えはお持ちですか。
#10
○綿貫国務大臣 今度のリゾートの考え方は、各自治体が民間のデベロッパー等の知恵をかりながら、その地域が育っていくようなプランをまず立てていただきまして、それをこちらの方で検討して、承認を申し上げた場合には国としても財政的に援助をしていこう、こういうのが基本になっておるわけでございます。したがいまして、今後地方の自治体なり民間の皆様方の知恵がその方向に向かっていくことを私どもは期待しておるわけでございます。現に先生の地元の安比高原等いろいろとやっておられる例もございますが、今後さらにそういう形のスケールの大きな保養地域が造成されまして、それが地方の活性化につながっていく、こういうことを期待しておるわけでございます。
#11
○小野委員 法律には、地域は十五万ヘクタール相当の規模あるいは重点整備地区は三千ヘクタール、この数字にはどういう背景があるのでしょうか。どういう背景のもとにこの面積がはじき出されたものなのでしょうか。構想の内容を説明願いたいと思います。
#12
○澤田(秀)政府委員 人々が余暇を利用してかなり多様な行動を行うためには、ある程度の広がりが必要であろうというふうに思います。
 そこで、例えば四十キロ四方の土地であれば大体千五百から千六百平方キロになるわけでございまして、車で域内を大体一時間ぐらいで行動できる圏域ということで、十五万ヘクタールというようなものを最大規模として考えたわけでございます。
 三千ヘクタールというのは、その一つのリゾート空間の中で重点的にいろいろな施設を投資すべき地域として、複数箇所設定されることになると考えられますが、それを三千ヘクタールとしたのは、その重点整備地区に多様な施設が整備されるために必要な広がりということで、五キロから六キロぐらいの四方の広がりを持った地域ということで考えているわけでございます。
#13
○小野委員 我が国の世界からの評価は経済大国であるあるいは先進国である、こういう評価をいただいており、その評価にふさわしい余暇活動が国民に対して保障されるということが一つの国際貿易摩擦の解決の手段あるいは解決の方法として今浮かび上がっておるのだろうと私は思います。もしそういう背景がこの法案の中にあるとすれば、今度の構想はかなり充実した広大なものでなければならないだろう、私はそう考えます。
 だとすれば、施設の整備条件に非常に厳しい選択といいますか規制、指導が要求されるのではないだろうか。したがって、地方自治体、民間企業がフリーの立場で構想を練ってそれを持ってきても、国の方向、国の構想と異なる場合も当然出てまいるだろう。その場合に、先進国にふさわしい、経済大国にふさわしいリゾート構想の整備などといって、これを指導する必要があるのではないだろうか。そういう観点に立ちますと、今度の構想に基本方針がなければならないのではないだろうか。もしそういう基本方針がおありになりましたら、お聞かせ願いたいと思います。
#14
○澤田(秀)政府委員 この法案の第四条で基本方針のことを規定しておりまして、主務大臣六大臣が共同で基本方針を定めることにしております。
 その内容としては、整備に関する基本的な事項とか整備を行おうとする地域とかあるいはそのリゾート地域の中で特に重点的にリゾート施設の整備を促進することが適当と認められるいわゆる重点整備地区、その他民間の事業者による施設の設置や運営に関する事項、さらに民間リゾート産業の立地に伴って当該地域に一定の経済的な効果を及ぼすべきこと等々について基本方針を定めることになっておりますが、その内容については関係六省庁で今後検討するということにいたしております。
#15
○小野委員 率直に考えまして、今の我が国の勤労者が、労働時間あるいは余暇時間を考えた場合に、端的に言いまして週末に日帰りあるいは一泊で行って休養がとれるようなことが最も需要が高いのだろう、こう思います。ところが、先ほど申し上げましたように、経済大国にふさわしいリゾート地域をつくらなければならないというのもまた、日本の国際的な責任のような感じがいたします。したがって、今度の構想はどちらにウエートを置いた構想なのだろうか。あるいは、長期的には最終目的とすればヨーロッパ型の長期滞在型リゾートをつくることを目標にしながらも、当面は、週末に日本国民が一家で過ごせるような安く、しかも大都市の周辺につくる、こういう構想も兼ね合わせるのだろうか。こういうものの兼ね合い、そして、経済状態なり労働時間、余暇時間を勘案しながら最終目的に持っていく、こういうことも考えられるわけで、今度の国土庁が考えた構想を盛ったリゾート法案はどちらにウエートを置いて、どのような方向で建設を進めようとするのか、私には余りはっきりと認識できませんものですから、その点をしっかりお示し願いたい、こう思います。
#16
○澤田(秀)政府委員 今回の法案で考えておりますリゾート地域の整備は、先ほど申し上げましたように、今後長期的には日本人の労働時間の短縮に伴う余暇時間の増大が確実に見込まれるであろう、その場合に極めて長くなった余暇を過ごすための空間の整備が必要でありますから、そのための整備を新たな地域活性化のための戦略として行おうというものでございまして、その究極的なねらいとしては、現在労働時間が一九八四年で二千百八十時間というふうに言われておりますが、今後日本においても長期的には千八百時間、現在の欧米の水準を下回るような、欧米では千九百時間合でございますが、その水準を下回るような千八百時間台を目指そうということになっております。そうしますと国民の総自由時間が二五%も増加するということになりますので、休日も自由時間も極めて長いものになりますから、長期滞在型のリゾート施設の整備の必要性は増大すると思われます。そういうものに備えて地域活性化の中でリゾート空間の整備をしていこう。当面はもちうんそうはいっても、能力的には長期滞在型のものを目指しておりますけれども、リゾート需要の現実の動向に照らして整備が行われる、過剰供給にならないような対応の仕方が必要であると思われますので、週末等滞在型等にも対応し得るような形でリゾートの整備が行われることになろうというふうに考えております。
#17
○小野委員 ちょっと面倒くさい質問をいたします。難しい問題じゃないのですが、答えにくいだろうと思いますけれども、お聞き願いたいと思います。
 我が国の長期休暇を見ますと、お盆と正月の帰省がまず考えられます。もう一つは、過密なスケジュールを持った団体バス旅行あるいは汽車旅行がございます。ヨーロッパ型の長期滞在型休暇活用とは全く異なった長期リゾートあるいは滞在型旅行になっております。この両者の違いはどこから生まれたんだろうか。ヨーロッパは最初から長期滞在型だったんだろうか。もしそうじゃなくて、日本のように日帰りレクリエーションから一泊二日の旅行になり、それが今日のような長期滞在型になったのだとすれば、日本も労働時間の短縮や余暇時間の長期化によってそういう方向に行くだろうとは思いますけれども、ヨーロッパが最初から長期滞在型で行われておるとすれば、日本が果たしてそうなるのかどうか、私はかなり疑問のあるところでございます。
 したがって、ヨーロッパの長期滞在型があり、日本のように少しずつレクリエーション型の余暇活用がある、こういうものはどこから生まれたものだろうか。その経過がわからないと日本の将来の余暇活用形態を理解するのが困難ではないんだろうか、そういう気がするものですから、これははっきりした定説があるわけじゃないだろうと思いますけれども、御感想としてこういう理由からじゃないんだろうかというお考えをもしお持ちならばお聞かせ願いたいと思います。
#18
○澤田(秀)政府委員 私の理解するところでは、一九二九年の世界大恐慌が起こった後、経済を立て直すためにどういう政策をとったらいいかということを各国が考えた中で、例えばアメリカはニューディール政策を採用し、フランスは一九三六年に初めて二週間のバカンスが制度化されたと聞いております。最初二週間の長い休暇が制度化されたときに、フランス人はそれをどのように過ごしたらいいかということについて大変戸惑ったということを聞いております。その後次第に三週間、四週間、五週間というようにバカンス制度が長期になって、その過程で余暇をどのように過ごすかという過ごし方についてのいわば余暇能力を次第次第に国民は身につけていって、今日のようなバカンス大国になったというふうに理解をしております。
 したがって、我が国の場合は、フランスと比べれば歴史的に見れば五十年のおくれがあるわけでございますが、日本人のことですから、労働時間が短縮されて余暇時間が増大すれば、恐らく日本的な余暇の過ごし方という新しいライフスタイルが形成され、日本型の長期滞在型のリゾートが整備されることになるんではないかというように考えております。
#19
○小野委員 初めてヨーロッパ型の長期滞在型の最初のスタートがわかりました。
 大臣、いかがですか。一九三〇年代のあの大不況の克服のためにアメリカはニューディールを行いました。フランスは二週間の休暇を国民がとるというような、恐らく強制的じゃないにしてもかなり強力な指導を行ったんだろうと思います。今日本の不況克服のために二週間ぐらいの国民休暇を与えるぐらいの提案を国土庁から、このリゾート大構想を成功させるために打ち上げてはいかがですか、御感想を。
#20
○綿貫国務大臣 内需振興ということが今国の大きな方向づけとして打ち出されておるときでございまして、そのためにはやはり国民が消費し、そしてまた内需振興に貢献していくというような循環体系ができることが望ましいと思っておりますが、現在日本では有給休暇の消化すらまだできていないということでございますし、先般休日を一日ふやすという法律をつくるときにも国会の中でもいろいろと議論があったことも承知いたしております。これからやはり、法律で決めるということも一つの方向かと思いますが、やはり人間の人生観あるいは処世観、そこから出ますおのおのの過ごし方というものにその基本があると思いますので、それぞれ人生を楽しく生きるという方向づけのもとに皆様方のバカンス時間がふえていくということが望ましいことかなというふうに考えております。
 ただいまのヨーロッパの最初の発想の問題につきましては、澤田君はなかなか博学でございますので、私も初めて聞かせていただきました。
#21
○小野委員 バカンスの活用、余暇の活用がその人間の持っておる思想あるいは国民が持っておる経験から生まれたものだ、こうしますと、ヨーロッパの労働というものは天国にあったときに罪を犯した人間に対して神が労働という罰を与えた、こう言われておりますから、ヨーロッパ、キリスト教国における労働は罰なんです、苦役なんですね。ところが日本の場合には、労働は人生の中の楽しみとして行われるものですから、人生経験なり教育、国民性からいきますとヨーロッパ型の休暇をとるということはなかなか難しくなるんじゃないだろうか。むしろ政府の強力な指導のもとに国民の合意を形成して、不況克服のための手段として成立させていく方が近道ではないだろうか、そんなような感じもいたします。私の意見として申し上げておきます。
 次は、先ほど言いました労働時間が短縮するだろうという予想について、この法律の趣旨どおりにリゾート地域が成果を上げるとすれば、そのためには当然労働時間の短縮、余暇時間の増加がなければならないことは何度も御答弁をいただいておりますし、だれもが承知しておるところでございます。
 そこで、過去の我が国の年間労働時間を眺めてみますと、五人以上の事業所で、昭和三十五年の二千四百三十二時間を最高として、五十年の二千六十四時間まで減少いたしておることは事実であります。しかしその後、要するに昭和五十年以降は微増ではありますけれども増加の傾向にあります。昨年、昭和六十一年度には二千百二時間、昭和五十年の二千六十四時間よりは三十八時間ふえております。
 そうしますと、今国土庁が、あるいはこのリゾート法案をつくった皆さんが予想しておるように労働時間は短縮しないわけです、余暇時間は増加しないわけです。この問題についても強力な指導あるいは国の保証がなければ、この総合保養地域構想は成功しないということになるのですけれども、この問題をどうお考えになるのか。労働省の今後の労働時間あるいは余暇時間に対する推測、予想をお聞かせ願いたいと思います。
#22
○小島説明員 今の先生おっしゃったような労働時間の推移は事実でございます。ただ、現在の我が国の国際的地位、先進国の中でも相当な地位になっておるわけでございます。そういうことで労働時間短縮を進めていかなければいけない。特に外国に比べましてかなり長いということでございます。
 それで労働省といたしましては、昭和六十年に「労働時間短縮の展望と指針」というものを策定いたしまして、何とか労働時間を短縮していこうということにいたしております。その重点内容ですが、まず週休二日制の普及が欧米に比べまして少ないということで週休二日制を普及していこう、それから、先生御指摘の連続休暇、これは年休の消化でございますが、半分くらいしか消化されておりませんのでこれを何とか完全消化させていこうということ、あるいは時間外労働がございますのでこれを削減していこうということで「展望と指針」というものをつくってございます。ただ、これは一挙にすぐ欧米水準というわけにはなかなかいきませんので、六十年に策定いたしまして六十五年を目標にいたしまして、現在二千百時間台でございますが、何とかこれを二千時間を切るような格好にしていきたいということで機運の醸成その他いろいろな指導、キャンペーンをやっておるわけでございます。ただ、現在の推移を見ますとこれはなかなか進んでおりませんので、なお一層努力いたしたいと思っておるわけでございます。
 それとあわせまして、労働基準法で、これは最低基準でございますが、これを改正いたしまして労働時間の目標を四十時間にいたしまして、それを段階的に短縮していこうということでこの法律改正案を今国会に提出しているところでございます。その中に、年次有給休暇がなかなかとりにくいということでございますので、これを計画的にとっていくことができるような規定も盛り込んでございます。そういうことで、何とか年次有給休暇も完全消化という方に持っていきたいと考えております。
 そういうことで、私ども今後いろいろ努力をいたしまして、何とかこの労働時間の短縮を図ってまいりたいというふうに考えております。
#23
○小野委員 一日の労働時間八時間を一時間縮めて七時間、六日間月曜日から土曜日まで働く、こういうシステムが確立しておりますと連続休暇がとれないわけですから、当然、同じ四十八時間働くにいたしましても四十八時間を五日間で働く、四日間で働く、こういう制度が確立しない限りはなかなか家族旅行ができないということになります。
 そうなってまいりますと、年次有給休暇の取得数が当然問題になってまいります。労働統計を見ましても、日本が年次有給休暇取得日数が十日、フランス二十六日、西ドイツが最も高くて三十一日、こういう二倍ないし三倍の年次休暇の取得数ですから、これの問題にしっかりと取り組んで年次休暇を完全に消化するという裏づけがないと、またこの構想も実のあるものにならない。労働時間の短縮も大変難しい問題でありますから、この年次有給休暇の取得日数、完全消化に力を入れることが大切なんだろうと思いますけれども、この問題について労働省は指導を具体的にどんな形で行って、過去何度もこの問題が取り上げられておりますから恐らくどんな指導かを行っておるのでしょうけれども、この取得日数は確かに増加しておるのですか、横ばいですか。今後これは急激に取得日数が伸びていくという証拠が数字の中にあらわれておるでしょうか。調査がありましたらお聞かせ願いたいと思います。
#24
○小島説明員 年休の消化状況は、付与日数が六十年で十五二一日、これは権利として付与されておるものでございますが、取得日数が七・八日ということで、取得率が五二%、大体この傾向は余り変わらないようでございます。それから、ちょっと統計は違うのですが、三日以上の連続休暇、これは年休に限りませんが、その辺の普及状況で見ますと、一企業の平均の年間連続休暇日数、要するに三日以上休んだ日数をつなぎ合わせてどのくらいとったかということでございますが、これは五十六年で十一・二日だったのですが、五十九年の調査ですと十一・八日ということで若干増加しているようでございます。そういう点で考えますと、若干増加してきている感じがいたします。
 そこで、私どもこの問題につきましてはどういうふうに対応していくかということでございますが、先生御指摘のように欧米では一月くらい長期休暇、バカンスという格好でとっているようでございます。特にヨーロッパでこれは長いようでございます。我が国ではこの習慣は余りというか全くないことでございますが、向こうでとっておりますのは年次有給休暇を活用しているわけでございます。
 それで、現在でも十五日ございます。これを完全に消化いたしましたらかなり長い休暇をとれると思います。ただ、我が国の習慣、仕事に対する考え方あるいは社会の習慣その他考えますとなかなかそうはいきませんので、私どもそういうことではなしに、現在がなり連続して休んでいる時期、これは夏休みとか先ほどのお盆のころあるいはゴールデンウイークのころあるいは年末年始のころ、そういうことでその辺に何とか年休をくっつけて計画的にとるようなことでまずやっていくのが現実的であろう。もちろんどういうとり方をしてもそれは勝手でございますが、現実的にはそういう現在の習慣に合ったところでとっていただこうと考えております。
 そこで、五月の初めのゴールデンウイークにつきましては何とか連続してとるようにということでいろいろ企業等にもお願いをしたわけでございますが、かなり普及してきているようでもございます。それから夏休みは、これは夏の一番暑い時期で休みたいわけでございますし、企業でもかなり普及しているわけでございます。そこで労働省はここに特に重点を置きまして、昨年から「ほっとウイーク」というキャッチフレーズもつくりましてやっておるわけでございます。これはかなり普及してきているようでございますので、ことしあたり、もっと知恵を絞りましてやってまいりたいと思っております。
 そういうことで、まずとりあえずは現在休んでいる習慣のあるようなところにだんだん広げていく。それからまた、日本では気候がようございまして、四季の変化もございます。そういう点で必ずしも一点集中でなくてもいいのではないかという感じもいたします。フランスあたりでも、夏のバカンスもございますが、どうも冬にもスキー等でとるような動きもあるようでございます。そういう点で我が国では、それぞれ労働者の希望もございますが、企業の仕事の繁閑その他も含めまして、とりやすいところで四季折々にとるというようなことでもいいのではないかということで、弾力的にお勧めしているところでございます。
#25
○小野委員 労働時間について今労働省の答弁を聞きましたけれども、大臣の所見をお伺いします。
 というのは、日本の労働時間は、欧米先進国と比較いたしましても、最も差の少ない国と比較して二百五十時間、最も差の大きい国と比較いたしますと五百時間も多いわけです。したがって、現在の完全週休二日制の普及度、年次有給休暇の取得度、連続休暇日数の取得、これらの実態を見ますと、今回のリゾート地域を維持発展させるには余りにも貧弱な環境であることは明らかでございます。労働時間短縮のために、特に年次有給休暇の取得と週休二日制の実施のために、政府は、特にこの法案に責任ある国土庁は、この問題に対して労働省にバックアップといいますか強力な協力方あるいはアドバイスが必要だと私は考えます。したがって、大臣のこの問題に対する所見と決意をお伺いいたします。
#26
○綿貫国務大臣 私は、かつて大蔵委員会で週休二日制に関する小委員会の小委員長をさせていただきました。週休二日制と口だけで言っても、金融機関が休まなければならぬというようなことから、野党の皆さん方とも話をしながらその方向を進めてきたわけでございますが、このごろようやく金融機関も週休二日制の体制に入ったようであります。
 なかなか言うはやすく行うはがたしでございますが、今おっしゃるようなリゾートというものと休暇の相関関係というものは非常に大きなものがあると思います。したがいまして、このリゾート法案の目指しますところも、長期滞在、しかも安くそういうことが実現できるような方向を目指すものでありまして、それがまた一つの牽引力になって休暇がふえていくように、また休暇がふえてリゾート地域が繁栄するように、そういういい意味での前向きの循環的な引き金にさせていただければいいのではないかというふうに考えるわけでございます。
 おっしゃるように休日の問題につきましては、日本人は働きバチというようなことで外国からも指摘されておるわけでございますから、今後、いろいろ職場の問題もございましょうし、また日本人の働く意識の問題もありましょうけれども、それらの問題が絡み合いまして、さらによく働きよく休むという関係ができていくことを望む次第でございます。
#27
○小野委員 次に、通産にお尋ねをいたします。
 この法律の第一条には、「地域の振興を図り、もって」「国土及び国民経済の均衡ある発展に寄与することを目的とする。」こう書いてありますす。
 現在、地方は経済不況が深刻でございます。その活性化を求めまして地方は模索し、大変苦労をいたしておることは御承知のとおりでございます。したがって、この法案のリゾート地域を地域の活性化のために使うということが大変必要になったのではないだろうか、こう考えますけれども、通産はそういう考え方をもってこの法案に対処するおつもりですか、第一にお尋ねしておきます。
#28
○松藤説明員 通産省では、この三月の末に産業構造転換円滑化臨時措置法を国会を通していただきまして、四月二十八日に四十三地域、百七十五市町村を特定不況地域と指定いたしまして、産業の振興その他地域経済の活性化に鋭意努力しているところでございます。
 それで、この総合リゾート地域と特定不況地域の地域指定の考え方は必ずしも一致しておりませんので、場合によってはオーバーラップすることもございますし、場合によっては隣り合わせで指定されることもございます。ございますが、我々地域経済対策を担当する立場から考えますと、特定不況地域がリゾート地域になり、あるいはその近所にリゾート地域が指定され、その結果その近所の雇用機会がふえて不況地域が間接的に活性化されるというようなことは大変結構なことだと存じておりまして、この辺は大いに期待しているところでございます。また、リゾート地域の中に特定不況地域が含まれるような場合にありましても、我々の運用しております産業構造転換円滑化臨時措置法あるいは特定地域中小企業対策臨時措置法、これらのいろいろな支援措置を大いに活用していただきまして、地域産業、地域経済の活性化に努力してまいりたいと考えておる所存でございます。
 以上でございます。
#29
○小野委員 もし特定不況地域に指定された地域内にこのリゾート地域が入っておるとすれば、私は、いろいろな条件はあるとは思いますけれども、これを積極的に、遅滞なきょうに総合保養基地として指定するということが特に特定不況地域の皆さんにとっては大切なことであり、必要なことだと考えます。
 今通産の方から答弁をいただきましたけれども、大臣、その点についてもう一度確認という意味で、そのことを強力に進めるという御答弁をいただきたいと思います。
#30
○綿貫国務大臣 先ほどもお答えいたしましたように、今回のこの法律の目指しますところは、それぞれの自治体におきまして、民活等を入れましてその地域の計画を申請されるということが基本であります。したがいまして、例えば北海道等におきましても今、産炭地の地域を含んだ計画等が何か考えられておるように聞いておりますし、今おっしゃるようなことが複合的に出てくるのではないかというふうに考えております。
#31
○小野委員 自治省にお尋ねをいたします。
 法の第三条での適地という条件を満たす場合には、当然大都市、人口過密都市から外れたところになることは言うまでもありません。したがって大都市から遠いところとか地方は、財政状況が現在は大変悪いことになっております。ただ、この法律を読んでみまして、熱意ある自治体の自発的な構想と申請によって行われるという趣旨が非常に強く出ております。私もそのことが悪いとは思いませんけれども、その趣旨が貫かれるために地方自治体の多少の財政負担はやむを得ないのだ、こういう考え方が出てまいるとすれば、地方公共団体としては大変なことだと思います。地方の活性化を図るために保養基地の整備のための公共負担を行うとすれば、当然財政負担が大きくなってまいりまして地方財政を圧迫することになってまいります。したがって、国の方針といたしまして、この総合保養地域を整備するための地方財政はどうあるべきか、国との関係でしっかりとした基本方針が必要になると思い、またそのことが地方公共団体のこの構想推進のために大きな裏づけとなるわけですから、自治省のお考えをお尋ねいたしておきます。
#32
○松本説明員 お答えいたします。
 ただいま先生御指摘のとおり、この総合保養基地地域の整備の対象となりますような地方団体は、財政力等におきましてもどちらかといいますと悪いところが多いわけでございます。また一方、この法律の趣旨といたしますところは、民間事業者の能力の活用に重点を置いて整備の促進をしていくということになっております。
 しかしながら一方では、そういう地域でございますので、民間の事業者の能力の活用に重点を置きつつも、やはり地方公共団体がそれを支援するような、直接行うということもありましょうが、むしろそれを支援するような活動というものが重要になってくるのではないか。そういうことで、実は法律の十二条におきまして、その助成に要する経費につきましても地方債をもってこれをファイナンスするということができるような道を開いているわけでございます。また、地方税の不均一課税などを地方団体が独自に行われますような際には、不動産取得税及び固定資産税の軽減措置につきましてその減収額の一定部分を地方交付税でもって措置していくというような手当てをいたしまして、地方財政に悪い影響のないように十分配慮してまいっておるつもりでございます。
#33
○小野委員 法律十三条三項に、「法令の範囲内において、資金事情及び当該地方公共団体の財政状況が許す限り、特別の配慮」云々、こう記してございます。これは、財政事情の許す限りというのは当該地方団体の借金のできる能力を指すのだろうと思います。だとしますと、財政力の低い、財政事情の悪いところほど地方債が認められないという逆の結果になりはしないかという心配があるわけですが、むしろ地方財政の悪い公共団体が地方債がたくさん認められるという方向でなければこのリゾート法案の趣旨が貫徹しないのではないか、私はこう考えるのですけれども、これをどう理解すればいいのですか。
#34
○松本説明員 基本的には先生今御指摘のとおり、リゾート地域の整備に特に市町村等が要します経費につきましてこれを手当てをしてまいらなければならないわけでございますが、先ほども申し上げましたように、その手当てにつきましては、特定民間施設の中で、重点整備地区において整備されます中核的施設に対しましても、地方団体が助成するような場合には地方債をもってその財源とすることができるというような道を開いておりまして、地方債によります支援措置を規定しているわけでございます。
 一方では、先生御指摘のようにそういう地方団体は財政力が低い、それに対してどう考えるかということでございますが、まず、それは基本的には地方財政対策全体の中でそういう地方団体に対します財政のための所要の措置というものを講じますとともに、個別の問題を取り上げました際には、例えば過疎地域などにおきましては過疎債あるいは辺地債、これは交付税で七割、八割という元利償還金が算定されるわけでございます。したがいまして、そういう地方債を優先的に配分する等の措置をとりまして遺憾なきを期してまいりたいと考えておるわけでございます。
#35
○小野委員 大臣、今お聞きいただきましたように、財政事情の許す限りということになりますと、財政事情の悪い地方団体ほど地方債が借りられない、こういう結果になりまして、この法律の精神の実行の障害になるだろうと思います。したがって、それらに対して、地方債が十分借りられるような措置を国土庁としても自治省に対してしっかりと指導なりアドバイスをしていっていただきたい、こう考えますけれども、いかがですか。
#36
○澤田(秀)政府委員 自治省とも十分協議して、比較的財政力に恵まれない地域においてもこの法案の意図しておりますリゾート地域の整備の促進が図られるように努力してまいりたいと考えております。
#37
○小野委員 次に、法第三条第五号の後半に、「相当程度の特定民間施設の整備が確実と見込まれる地域であること。」こう書いてあります。この「確実と見込まれる」というのは、どういう条件を備えたときに確実という判断をするのでしょうか。この確実の見込みの具備条件をもしお考えになっておるとすれば、お聞かせ願いたいと思います。
 というのは、地方公共団体が、こういう民間企業を張りつけましてこういう構想のもとに保養基地をつくります、こういう申請を国に持ってきた場合に、民間業者の場合にどういう裏づけがあれば、これを国の方がそのとおりですと受理することができるか。そのことが大変この地域整備のポイントになると私は考えますので、具備条件がもし検討されてあるとすればお聞かせ願いたいと思います。
#38
○澤田(秀)政府委員 この法案では、リゾート地域の整備については民間主導、行政支援型で行いたいということで考えております。そうした観点から、対象地域は、スポーツ、レクリエーション等の多様な活動を行うための施設について、その相当部分が公的部門でなくて民間事業者によって整備されることが確実であることが必要であるというふうになっているわけでございます。
 この確実であるかどうかについてでございますが、国は都道府県の作成する基本構想によって最終的に判断することになりますが、単なる机上のプランでなくて、相当程度の施設について民間事業者によって具体的に整備する、そういう計画が存在することが必要であるというふうに考えています。
 その確実性を担保するための措置の一環として、都道府県に対して、民間事業者が実施したフィージビリティースタディーといいますか企業採算性に関する事前調査等を踏まえて都道府県が基礎調査を行うとともに、法案第三条の地域要件に該当することを示す具体的な資料を提出するよう指導していく考えでございます。
#39
○小野委員 非常に難しい問題であると思いますので、大胆にして慎重なる御指導をお願いしておきます。
 次に、私の個人的な感じですけれども、国内を旅行した場合、少しいいホテル、旅館に泊まりますと一泊一万五千円以上。私は子供三人ありますから、家内と五人で旅行いたしますと七万五千円。ヨーロッパ型の長期滞在型の旅行などというのはしばらくは不可能だな、こういう感じを私は持っております。これが今、日本国民の一般的な感じではないだろうか、こういう気がいたします。特にこのリゾート施設というものは、経済条件、経済環境の変化によってお客様が非常に多くなったり少なくなったり、まことに不確定要素の多い産業であることもまた大臣御承知のとおりでございます。こういう環境変化にたえるための施設とするためには、良質で安い料金が保障されなければ、この地域構想が長期に安定して、しかも確実に伸びていくということにはならないんじゃないだろうか、こう考えるものでございます。
 したがって、この施設を経営する経営者にとっては経済環境に対応する能力、しかも経営感覚が鋭くなければならないのだ。そのことがこの施設ができ上がった後の最も大切なことなんだろう。これに対して政府は適切な指導なり助言をつくる過程から行っておかないと万全を期すことができない、私はそう考えます。したがって、この経営感覚に対する大臣なり国土庁のお考え方を料金、良質、施設を含めまして答弁をお願いいたします。
#40
○澤田(秀)政府委員 おっしゃるように、このリゾートが長期安定的に運営されるためには、国民に適正な価格で良質なサービスを提供することが保障されなければならないと思います。そのためには、国や自治体が交通基盤や生活環境基盤等いわゆる公共の用に供するインフラの整備促進に努めることが必要でありますし、同時に民間企業においても、リゾート需要は今先生がおっしゃったように本来繁閑の差が激しいわけでございますから、いろいろ例えばスキー場であれば夏場はテニスコートやゴルフ場等夏型のスポーツに対応できるような施設を同時に備えるというようなことを通じて需要の季節的な変動の少ない通年型の施設を整備するよう、そういう方向での経営感覚の発揮、経営能力の発揮を期待したいと思いますし、必要に応じて地元の自治体を中心に当該地域でイベントを開催してお客さんをその地域に集めるとか、ソフト面でのいろいろな情報サービスを含めた支援策を講じていく必要があるというふうに考えております。
#41
○小野委員 非常に難しい問題であることはお互いに十分承知しておることですので、万全を期すことを希望いたしておきます。
 最後に、このリゾート地域の整備によって、地元の人々の雇用が確保されたり地場産業が振興されたり各種公共施設の建設が促進されればまことに理想的な発展であると思います。しかしその反面、これが一歩誤れば自治体の負担増になり、地域のコミュニティーを破壊することになり、環境を侵すことになることもまた事実でございます。したがって、このリゾートの整備によって地域の振興というのは具体的に何を振興しようというのか、その地域の振興の具体的な内容をこのリゾートの整備と組み合わせることによって効果が上がるんだと思いますので、民間業者に対して地域の振興に対してどのような取り組み方をしなさい、こういう指導が大変必要になってくると思うのですけれども、政府は民間企業に対して地域振興のための指針を与え得るのでしょうか、あるいはその内容をお持ちになっておるのでしょうか、その点をお伺いいたします。
#42
○澤田(秀)政府委員 このリゾート整備が地域振興にどういう影響なり役割を果たすべきかという点でございますが、二つの効果があるものと期待しております。
 一つは経済的な効果でございまして、このリゾート地域の整備は、スポーツレクリエーション施設とか教養文化施設とか休養施設、集会施設、宿泊施設等関連施設の整備に伴う直接的な投資が当該地域で期待されるほかに、整備された後は地域雇用が拡大するとか、滞在者等によって消費需要が拡大し、その波及効果としてリゾート産業、農林水産業、一・五次産業、地場産業等地元の関連企業が振興されて、当該地域及び周辺地域の経済活動が活発化するということを第一に期待しているわけでございます。
 もう一つは、非経済的な効果といいますか社会的な効果でありまして、地域イメージが向上するとかイベントやコンベンション等の開催を通じて人的交流が盛んになる、あるいは若者が地域に定着するというように、地域社会全体の活性化に寄与するという効果を期待しております。
 いずれにしても、こういう地域経済及び地域社会に私どもが期待しているような効果が及ぶためには、進出した民間事業者が地域と協調して、地域の意向を十分くみ上げながら共存共栄を図っていくという基本的な姿勢が必要であると思いますし、私どもも地方自治体を通じてそのように指導してまいりたいと考えております。
#43
○小野委員 最後に、この法律の趣旨が貫徹されまして地域振興のために大きな役割を果たすことを心から祈念して、質問を終わります。
#44
○村岡委員長 坂井弘一君。
#45
○坂井委員 この総合保養地域整備、リゾート基地の開発は、四全総の中ではどういう位置づけになりますか。
#46
○星野政府委員 ただいま検討中の四全総の中におきましてリゾートの位置づけでございますが、ちょうど科学技術関係の研究開発と並ぶぐらいのウエートを置きながら、地方振興の決め手になるだろうと思われる産業の一つとして位置づけたいということで御議論願っておるところでございます。
#47
○坂井委員 地方振興のまさに決め手になるようなリゾート基地が形成されることを私は大いに期待もし、かつ実現を期さなければいかぬと思うわけでございますが、東京一極集中から多極分散型の国土を形成するとした四全総の、これはリゾート基地を地方地域に形成をする多極分散への戦略的な大きなプロジェクトである、こういう位置づけと理解してもよろしゅうございましょうか。
#48
○星野政府委員 そのように理解しております。
#49
○坂井委員 そういたしますと、今まで幾つかありますのをちょっと並べて申し上げます。
 建設省では複合リゾートカントリー構想というのがございます。運輸省にはアトラクティブリゾート21構想、同じく運輸省にはレクリエーション港湾プロジェクト、それから国土庁には広域リゾートエリア構想、それから通産省にはふるさと村、そして大規模複合リゾート施設として余暇関連施設整備構想、環境庁はリフレッシュ・イン・ナショナルパーク・プラン、農林水産省は農山漁村リゾートゾーン整備構想、自治省は大規模広域リゾートゾーン整備構想、厚生省は大規模年金保養基地等々たくさんあるわけでございますが、今回の総合保養地域整備、これは今申しましたような各省のさまざまな構想、これらを一本化したものである、こういう理解でいいのでしょうか。
    〔委員長退席、野中(広)委員長代理着席〕
#50
○澤田(秀)政府委員 基本的には各省のさまざまな構想を一本化してこの法案にまとめたということでございますが、ただ、その実施の過程で、各省はそれぞれのスタンスで重点整備を行うというようなことはあり得るというふうに考えております。
#51
○坂井委員 各省それぞれこうしたプランを持っておるのですね。それが最終的にリゾート基地開発、リゾート整備という今回のこの法案に集約され、少なくとも将来は一本化されていく、それが一番好ましいと私は思うのです。今やっている各省のプランをたちまちすばっとやめてしまうわけにもいかぬ面もあるでしょう。ですけれども、それはどうなるのですか。その辺の調整をつけながら将来の方向としては一本化というところに持っていくということでしょうか。
#52
○澤田(秀)政府委員 滞在型のリゾート地域の整備を地域活性化の重要な戦略として考えておりますので、基本的にはこの法律に基づくリゾート地域の整備ということで集約していく所存でございますが、ただ、各省それぞれ個別に公共事業等を持っておりますから、それぞれ得意の分野でリゾート地域の整備の促進のために協力してもらう、こういう考え方でおります。
#53
○坂井委員 わかりますが、やはりこれがメーンになるのでしょうね、ここに集約されていくといいますか。国土庁長官が一番の窓口というのですか、この辺の調整のかなめを務められて、各省が持っている今の構想に対して十分連携を密にされながら、今回のこのリゾート整備法、リゾート基地の開発、整備というものが従来あったさまざまな構想に比して大変大がかりなものだと私は思うし、またその位置づけがまさに四全総に言うところの多極分散への戦略的な大きなプロジェクトとしての位置づけだということであれば、それなりの構えといいますか、それをきちんとやって、各省間の連絡調整、協議の中で国土庁が主導権といいますか一番がなめになっていただかなければ、せっかくのこの構想もかえって今までの各省それぞれのブランにある場合には足を引っ張られたりどうもまとまりがつかないというようなことになる懸念といいますか、そんなことをちょっと心配するものですからお尋ねをしたわけでございますが、ぜひこの法案に集約されていくような方向でのことを私は期待したいと思っています。
 そこで、確かに東京一極集中から分散へということ、これを可能にするのは何なのだろうかと考えますと、これは地方における自然資源、自然環境、豊かな空間を活用するのが決め手だろう。そういう意味では、いよいよこういう自然資源、自然環境というものの優位性といいますか、そういうものがどんどん高まっていく。そういう気運、傾向には大体あったのだろうと思いますけれども、そういうときをとらまえて今回のこのリゾート法というのはまことに時宜を得ていると私は思うのです。これから余暇時間がだんだんふえてもいくでしょう。それから、滞在型のリゾートに対する潜在的な需要というのは確かに多いと思うのです。思うのだけれども、先ほどからも指摘のありますように、時間的なゆとりがない、これは最大のネックでしょうね。次は経済問題とかというような話になるのですが、お金よりもやはり時間の問題ですね。ここのところをどう解決していくのか。
 一方における都市の過密化、特に東京一極集中、この状況の中から、人間らしいゆとりとか潤いとかを求めたいと思って、地方の資源が活用された滞在型のリゾートゾーンというものが形成されますと人々はそこに行きたい、これは人間の本然的なものもあると私は思うのです。あると思うのだが、惜しむらくは、残念なるかな余り時間がないですね。せいぜい今、日帰りレジャーですよ。滞在型のこういうリゾート、潜在的な需要は高まってきてはおると思うのですが、それを可能にするためには何といっても時間をつくり出すこと、労働時間の短縮、余暇時間の増大ということに相なろうかと思いますが、このことにつきましては労働省あるいは関係省庁との間で十分お詰めをいただきたい。その辺の協議、調整は進んでおりましょうか。
#54
○澤田(秀)政府委員 確かにリゾートの今後の動向について大きな影響を及ぼすであろうと思われる要因としては、所得、時間、空間という三つの要素があろうと思いますが、その中でも、今先生おっしゃるように最も大きな影響を与えるのは時間の問題だと思います。労働時間の短縮による余暇時間の増大が何よりも必要でありますし、先般の経済構造調整特別部会の報告でも、方向として労働時間の短縮が提唱されておりますから、政策的な裏づけと相まって長期的にはそういう方向に進むであろうということを期待しておりますが、今後も基本方針を策定する段階で、労働省も協議官庁の一つとして位置づけられておりますから、そういう面で例えば国民的なキャンペーンをお願いするとか、そういう形での労働省としての御努力もお願いしたいと考えております。
#55
○坂井委員 こういうリゾート基地というものが大規模に形成、整備されますと、また、リゾート基地周辺の地方都市が大変自然と調和もとれておる、そういうリゾート基地がそこに立地したとなりますと、生活をエンジョイするということと同時に、そこに一つの大きなゆとりのある生活の環境ができる。そのことは同時にそこに仕事の環境も、職場としての非常にいい環境が整っていく。つまり申し上げたいことは、リゾート基地が形成されますと、その良好な生活環境を日当てに特に人材集積のハイテク産業がそこに立地される可能性というか、その条件整備としては非常に魅力がある。つまりその受け皿になり得るであろう、私は実はそういう期待を持つわけでございます。そのことがまさに先ほど申されました地域の立ち上がり、経済の活性化、地域自体が活力を持つ、そこで生活ができる、そういうエンジョイすると同時に、非常に生活環境の整った場、また一つの職場としてそこにハイテク産業等も立地できて地域の雇用の確保にもつながっていく。こういう良好なものが形成されるのではないか、こう期待するわけでございますが、どうごらんになっておりましょうか。
#56
○澤田(秀)政府委員 おっしゃるように交通基盤や生活環境基盤の整備がこのリゾート地域において行われ、この地域の立地条件が改善されると同時に地域自体の持つ環境が非常に良質のものになってくるということになりますと、地域としての生活上の魅力といいますか、それも増進されますから、その魅力を求めて高度の技術者等を中心にした人々のリゾート地域への進出も期待できます。し、またおっしゃるように、ハイテク産業や研究開発施設等の立地も含めた新しい形での産業開発が誘発されるという可能性を私どもも大いに期待しているところでございまして、今後そのための有力な戦略の一つとしてこのリゾートが位置づけられるであろうし、また効果を発揮するであろうというふうに思います。
#57
○坂井委員 それは同感ですね。リゾート需要自体が地域の資源を活用した多彩な産業の立ち上がりのてこになり得る、こういうことを期待したいし、そうあるであろうと実は思いまして、そういう意味でも大変結構だと思います。
 日本の産業の空洞化ということを盛んに言われるわけでございますが、特に地方の地域経済の空洞化、これはもう特定不況地域というとらまえ方じゃなくて、地域全体が構造的な不況に落ち込んでしまっておる。そういう抜き差しならないぐらいの事態に地方は至っている、地方全体が構造不況化してきた、こういう深刻な事態だろうかと思いまして、そういう事態を打開するという意味におきましても、このリゾート基地の整備は大きな役割を果たすであろうと思っております。
 先ほど、そういう意味では余暇が欲しい、時間が欲しい、時間をつくらなきゃ滞在型リゾートというのは成功しないぞという趣旨でお尋ねもしたわけでございます。休日をふやしまして、そして本当に滞在型レジャーが定着するという方向にぜひ持っていかなきゃならぬと思いますが、このレジャー施設の開発投資というのはまた物すごく大きな経済的波及効果もあるわけですね。特にリゾート開発というのは、例えば車、鉄道、航空機、ガソリン、道路、それから外食、こういう関連産業の発展が期待される。このほかファッション産業への波及もある。雇用の創出、それから自治体の税収もこれによって改善されるという副次的な効果もある等々、大変大きく期待されるわけであります。ただ、惜しむらくは休日が少ない。欧米に比べまして、どうでしょうか、日本は平均十日余り少ない。日本の休日は年間平均で百二日と言われますね。欧米に比べて十日余り少ない、十日余り回復しませんと、どうも滞在型ということには結びついていかぬのじゃないかなという心配をいたします。
 余暇開発センターのレジャー白書を見ますと、滞在型レジャーの潜在的な需要というのは非常に強いんだけれども、どうも三日、四日、五日あるいは一週間というのは行けないという理由に、やはり時間的余裕がないというが四〇・五%、それから第二位が経済的な余裕がないが二二・五%ということのようですね。どうか、先ほど申しました労働時間の短縮、余暇時間の増大ということについては特に意を用いていただきたい、重ねてお願いをしておきたいと思います。
 それから、滞在型リゾートが定着しない理由のもう一つは、やはりその場がなかったということだろうと思います。照っても降っても一日じゅう楽しむような施設というのは日本では余りありませんな。そういう意味ではやはり複合基地ということが大事だろうと思います。ただ、確かに日本人のレジャーに対する考え方として、どうも三日も四日も五日も十日もという、それが果たしてうまくいくかなという懸念も若干ないではないが、しかし場さえ与えれば、これは潜在的な需要が多いというわけですから、私は余り悲観したものでもなかろうと思います。欧米の滞在レジャーというのは当たり前で、そういう習慣というのがライフスタイルの中に組み込まれておるといいますか、二週間でも三週間でもというのですね。ちょっと日本人とは違った感覚がありますので、そこら辺も一つは注意しなければいかぬ点だろうと思います。
 では、なぜ今申しました場ができなかったのかということになりますと、まずリゾート開発には広大な用地が必要である。電気でありますとか上下水道等々基盤整備には膨大な投資が要る。一方実際の収入はどうかといいますと、宿泊科あるいは飲食施設の利用料等々インフラ投資は料金に上乗せされまして、どうしても高い価格体系にならざるを得ない。加えてシーズンの繁閑の差が大きい。つまりオフシーズンをどうするか、抱えた人をどうするかという問題も常につきまとうというようなことがやはり大きなネックになったと思います。したがって、これらの問題を乗り越えて大規模なリゾート基地を形成するためには、今回のこの法案による整備促進ということがどうしても必要になるということだろうと思います。
 同時に、ここで一つの提案でございますが、リゾート投資減税、これを導入したらどうだろうか。これはリゾート債を発行しまして、今、金余り現象とか、絵画にまで金が流れ出ているということですから、リゾート債によってそういう余剰資金を吸収する、いかがだろうか。将来は付加価値を持ってこのリゾート産業が大きな国の資産、財源にもなるということでありますので、国が本気になってこうしてリゾート整備に乗りだした、そのリゾート債を発行するということであれば、多くの国民はといいますか、余った金はこのリゾート債に吸収されるのではないかと思うのですが、いかがでしょう。
#58
○澤田(秀)政府委員 先生のおっしゃることも一つの御意見と存じますが、このリゾート地域の整備の考え方は、民間主導、行政支援型で、いわば官民協調で整備を行うということが趣旨でございます。したがって、リゾート関連施設は基本的には民間が行う。公共部門は、インフラを含む基盤の整備あるいは比較的採算に乗りにくい文化的な施設等の公共施設を一部公共部門が行うということもありますが、いずれにしても民間事業者の進出を促進するために、例えばその建物等について百分の十三の特別償却を認めるという措置が認められております。これはいわば一つの投資減税措置に相当するものであろうと思います。
 そのほか、民間の施設の用に供する土地についで特別土地保有税を非課税にするとか、新増設に係る事業所税を非課税として、事業に係る事業所税のうち資産割分を五年間二分の一に軽減するというような各種の税制上の特例措置を講ずることによって、民間企業がより進出しやすいようにするというような状況になるためのインセンティブをこういうもので期待しているということでございます。
#59
○坂井委員 地域の指定はどれぐらいされる予定でしょうか。その場合、優先順位等はどうなりますか。
#60
○澤田(秀)政府委員 これは国が地域を指定するという形ではなくて、リゾート地域を整備するための基本構想を関係都道府県がつくって、その基本構想の内容がよければ主務省庁で承認する、こういうスタイルをとるわけでございますが、全国で何か所になるかということについては、まだ現在のところ各都道府県の状況についてヒヤリングを行って、大体各県がどのようなことを考えているかということをつかんでいる過程でございますので、全体として全国何カ所になるかというようなことはまだ今のところでは確たることを申し上げられる状況にはなっておりません。
 それから、基本構想の承認についての優先順位の考え方でございますが、その地域に民間事業者が進出することが確実と認められているような、いわば熟度の高い地域から優先的に考慮するということにしております。
#61
○坂井委員 例えば今ある総合保養地域といいますかリゾート、何かモデルにお考えになるようなところはありますか。
#62
○澤田(秀)政府委員 最近の成功した事例では、規模はこのリゾート法で考えているものと比べると比較的小さいわけでございますが、北海道の占冠というスキー場とか岩手県の安比高原のスキー場等は非常に地域的な特性を生かしながらユニークな地域づくりといいますか、リゾートづくりに成功した例でございまして、大変大きな集客力を持っているというふうに聞いております。
#63
○坂井委員 ちょっと大臣お聞きください。
 実は、例えば和歌山、私の住む紀伊半島、海に面しております。それで海洋リゾートといいますか、そこで海釣り公園等もつくりたいなというようなことで、あちこちの自治体でそういう意向がありまして、さて始めようと思いますと、漁民の方々が大体反対ですね。漁協との補償交渉等、とてもじゃないけれどもこれはもうだめだというので、計画はあるのだけれどもすぐとんざする。そういう状況の中で、実は山口県の下関から少し北に参りますと黒井という小さな漁村がございます。この黒井というところが漁業組合、漁民が主体になって、海とそれに続く陸地の部分を取り入れた言うなればリゾート、それをうまくつくり上げた、そういういい事例があるからという話が出まして、実は私、昨年夏にここを見に行ってまいりました。見まして、正直言ってびっくりしました。
 実は、本当に小さな漁村なんですが、最初はここは、もう漁ができなくて生活ができないというので、漁民がだんだん、自分のわずかばかりの地続きの田畑を手放す。漁業をやめて、家も売ってどこかへ出ていく。ここに開発業者がやってきまして、虫食いであちこち買い占め始めた。こんなことが始まったら村は全滅だ、何とか我々の村だから我々の手でこの村をもう一回興そうじゃないかということになりまして、そこで無利子の何か個人が十万円、法人が百万円、それで資金を募集しまして、売った土地を買い戻した。あちこち散った漁民、村人がそこへまた帰ってきた。そして漁業組合、漁民が自分たちでこの海に海釣り公園をつくり、海水浴場をつくり、それから陸地の部分にはステージつきの広場、十万人収容の物すごいものをつくっている。それからそこには総合グラウンドがあります。テニスコートもあります。フィールドアスレチックもあります。プールもあります。もちろんホテルもあります。二階建ての別荘もあります。海水浴場といったらすごくきれいで、本当に一度海につかりたいなというようなきれいな海水浴場をつくっている。
 これはだれがやっているか。漁民がやった、漁業組合が自分たちの力で。三年間は赤字だ。四年目から黒字に転じた。ここで働いている人たちはどういう人たちかといったら、もとの漁民が旅館の従業員としておる人もあれば、帳場におる人もあれば、魚釣り場で働いている人もあれば、プールで働いている人もあるということであります。実は非常に考えさせられました。こういうところに国が援助し、適切な指導がまたそこに加わりますと、もっとさらに立派なものもできるのじゃないかなという気がしまして、これは一つのモデルじゃないかなというぐらいに私は思っておるのですが、これは御参考までに実は申し上げました。
 何か和歌山でも熊野文化リゾート基地構想などあるようでございますが、相願わくば、今の黒井の例示のような村ぐるみ、漁協、漁民ぐるみ、みんなが力を合わせたそういうものをつくり上げることが一番望ましいのじゃないかと感じた次第でございまして、御参考までに申し上げました。
 したがって、そうしたあり方ということを私は大変歓迎したいと思うのですけれども、国土庁、今のようなあり方に対して何かお考えございますか。
#64
○澤田(秀)政府委員 今先生がお挙げになりました黒井の例は、地元の漁協が中心になって行っている極めて成功した例でございまして、民間企業的な企画力や経営能力をフルに発揮して成功した例だと思います。
 リゾート地域の整備に当たっても、基本的には民間主導で、行政がそれを側面的に支援するという立場で臨みたいと思っております。民間の今挙げられたような経営能力の発揮によってニーズにマッチしたリゾート施設が整備されることが肝要であろう、国や自治体は、インフラの整備その他税制、融資あるいは補助等の支援措置を講ずることによって、民間企業の進出及び経営の採算性の確保のために支援していきたいというふうに思います。
    〔野中(広)委員長代理退席、委員長着席〕
#65
○坂井委員 恐らく、非常に大がかりなリゾート基地をつくるということになりますと、地域の住民との間において利害関係が相反して、それでさまざまなトラブルが起こりがちなことがあるんじゃないかな。また、今申しましたように、例えば海をということになりますと、たちまち漁業権の関係、漁協、漁民との関係で、頭からこれはもうどだい無理だというようなこともあるかもしれない。しかしそういう場合に、私が一例として申し上げた今の黒井の例は、まさに反対の立場に立つ漁民、漁協の方々が、我々のこの地域の恵まれた自然、資源をみずからの手によってうまく活用していこう、ここに人知を加え、金の面などみんながそれぞれ持てる力をお互いに出し合ってこういう地域で形成したというところはひとつ学ばなければならぬ面があるんじゃないか。こういうことを行政側もひとつできるだけ積極的にPRと言ったらおかしいが、先ほど優先順位の問題を申し上げたのもまさにそこなんですが、反対だからそれはもうやめておけ、この地域はどうもやりづらいからだめだということではなくて、決して反対するのを無理やりに説得してというつもりで言っているわけではありません。しかし、問題意識というかこういうリゾート基地に対する認識が的確でないために、いたずらにだめだだめだ、そういうところに入り込まれて開発されたら我々の地域をとられる、権益を奪われる、損だ、だから反対だ、こういう感情的なことにならないような行政側の対応をぜひ望みたいと思いますが、いかがでございましょう。
#66
○澤田(秀)政府委員 特にマリーナの整備については、地元の漁業権との調整が決め手になろうかというふうに思います。したがって、基本構想を承認するに当たっては、地域においてそれらの点に十分配慮されて既に所要の調整がなされた地域を優先的に認めるということになりますし、また、基本構想承認後実際に開発事業を行う段階においても、農林漁業の健全な発展との調和に十分配慮して、トラブルが生じないように努めることが必要であろうと思います。
 先生のおっしゃいました「マリンピアくろい」というのは、漁協自体が地域の活性化のために、また雇用の拡大のために主体的にリゾートの形成に努力した成功例でございまして、私どもも漁業者の方々にはそういう実例もあるということを十分PRしながら、マリーナの整備については御協力を得たいというふうに考えております。
#67
○坂井委員 関西新国際空港ができるというので、実は和歌山でもこのように、「和歌山マリーナシティ構想 空港関連初の大型事業」ということで大変にぎやかになってまいりました。これは、和歌山市の市域に面した海を取り入れて大型の海洋レジャー基地、マリーナをつくろう、こういう構想であります。県も本腰を入れておるということでありますが、恐らくこれも、一つは今の漁業権の問題が大変問題になるであろうと思われます。
 さっきちょっと西村さんとも話をしておったのですが、大阪と和歌山の県境は非常にいいところもありまして、大川峠なんという峠があるのですが、ここから和歌山にかけての海域を取り入れて、海と山、相当大きな規模でこのリゾート基地を形成するということになればあそこはいいんだけどななんて、実はたった今そんな話をしておったのです。淡路島を向こうに見ながら、手近には友ケ島という島があります。この島まで取り込んで、そして超大型のリゾート基地をここに形成すれば、この間から申し上げる多極分散への一つの東京圏に対する関西圏、その一つの圏域の中で地域の資源を活用した大型リゾート基地の形成によって、関西復権も多極分散の一環としてあり得るのじゃないかな、こういう感じもいたします。
 したがって、そういう構想については、地方自治体と国土庁の間においてぜひひとつ積極的に詰めていただきたい。もちろん、その場合には自治体の意思を尊重していただきたい、十二分にその自主性は尊重していただきたいと思いますし、また弾力的に運用もしていただきたい。
 ただ、今までのような延長線上のリゾートであったのではだめだということを申し上げたいから今のようなことを言っているのでありまして、物すごい規模、多角的な、複合的な、大がかりなリゾート基地をやらない限り滞在型のレジャーリゾートは成功しない。中途半端なものでありますれば、それはまさに今東京一極集中がだめだから地方だ、地方を何とか景気づけるんだ、だからリゾートだというだけのそういう規模の小さいものになったのでは、これは志と違ってかえって乱開発だけを残す。そういうようなことにならないように、最後にひとつ大臣の御所見なり御決意のほどを承って、終わりたいと思います。
#68
○綿貫国務大臣 でっかいことはいいことだということがございますが、ただいま坂井さん御指摘のように、今までの観光とかいうようなものの延長上ではないリゾートという新しい観念のもとに基地をつくろうというのが今回の法案の趣旨の基本でございます。今御指摘のように、各自治体等が大きなプランをぜひつくって持ってきていただきたい。それに対しまして私どももいろいろの助言をしながら、それらが実るようにお互いに協力をして、実現をしてまいりたいというふうに考えております。
#69
○坂井委員 終わります。
#70
○村岡委員長 西村章三君。
#71
○西村委員 法案の中身につきまして若干のお尋ねをしたいと思います。
 まず今回の総合保養地域の整備法についての性格あるいは機能についてでございますが、良好な自然条件を備えた、相当規模の地域としておおむね十五万ヘクタール以下のものを想定しておる。しかも各種の活動をやれる、いわゆる重点整備地区というのですか、これはおおむね三千ヘクタール、そういうものが数カ所存在をするということになっておりますが、そういうことを考えますと相当広大な地域だという印象を受けるわけでございます。このような地域が全国で何カ所ぐらいあると想定をされておるのですか。
#72
○澤田(秀)政府委員 この法案では、県が基本構想をつくって主務大臣がそれを承認するという建前になっておりまして、民間企業の立地が確実と見込まれる等の地域要件その他基本方針に適合しているかどうかを判断して、適合しているものから順次承認していくということにしております。
 現在、各都道府県の段階のレベルでおよそどういうような地域をイメージに描いてこのリゾートに取り組もうとしているのかということについて、関係省庁で共同でヒアリングを行ったところでございまして、各都道府県においてはこのリゾートに対する取り組みが今のところまだいろいろまちまちといいますか、熟度が必ずしも十分熟していない、これから考えるというようなところもありますので、現段階で全体として何カ所になるかというようなところまで、私どもも考えがまとまるところまではいっておりません。
#73
○西村委員 最近、各地方自治体におきまして大規模リゾートの開発が非常に力点を置いて進められ、計画がされておるようでございます。伝えられておりますところでは、各都道府県、一カ所のところあるいは二カ所、三カ所のところも含めまして、現在全く未定のところもありますけれども、調査中のところ、あるいは計画の策定中のところ、もう既に一部着工しておるところ、それから一部もう既に開業しておるところというのをたくさん承るわけでございます。今局長のお話では、この都道府県が策定をした基本構想を主務大臣が承認をして順次その条件にかなっておれば認可をしていく、こういう方針だと承りましたが、この法律によりますと、まず基本方針があって、基本構想はそこから基づいて出発をするというような書き方になっているのですが、既に着工しているものあるいは開業しているものについては今後どういう対応をされるつもりですか。
#74
○澤田(秀)政府委員 都道府県が考えておりますリゾート地域の中には、そこに含まれる数カ所の重点整備地区が予定されるわけですが、その重点整備地区の一つで既に民間の事業者が進出しているとか進出しようとしているとかいうようなところもあろうかと思います。いずれにしてもそういうところも含めて県のレベルで基本構想をつくる、その基本構想の内容がよければ承認をする、こういうことになりますので、既に着工しているところがあるとしても、それらは県の段階で基本構想の中に入れるか入れないか、その辺は県の意向を十分尊重して対応したいというふうに思います。
#75
○西村委員 既に各都道府県で重点整備地区というのですか、これが一つないし二つできている。その辺のところを眺めながら、これは将来大きな一つの保養地域になり得るというようなところについては国の方がむしろ基本方針を策定して、都道府県を誘導するあるいは指導する、こういうことにもなるのですか。
#76
○澤田(秀)政府委員 基本方針というのは、リゾート地域の整備についての基本的な考え方等を中心に、全国に共通して適用されるべき方針を主務省庁が共同でつくるわけでございます。その基本方針に盛られた考え方に沿ってそれぞれの地域が基本構想を具体的につくる、こういうことになります。
#77
○西村委員 もう一つ、重点整備地区が数カ所程度ということになっておりますが、あるいは上限は別として、最低何カ所なければならぬというような考え方があるのですか。
#78
○澤田(秀)政府委員 リゾート地域はかなり広いわけでありまして、その中には自然景観を保全すべき地域もありますから、建設投資を行う地域はそのリゾート地域の中にいわば核として存在するということになります。重点整備地区は一つの地域において複数存在した方が、滞在しながら多様な活動なりをするに当たって好ましいというふうに考えておりますので複数ということを言っているわけでございまして、具体的に上限等については特に考えておりません。
#79
○西村委員 この整備条件の一つとして、産業及び人口の集積の程度が著しく高い地域でないこと、こううたっておるのですが、具体的にこれはどういうことですか。例えば工業生産量が幾らだとか人口数が大体幾ら以下だとか、そんな基準があるのですか。
#80
○澤田(秀)政府委員 産業及び人口の集積の程度が著しく高い地域の具体的範囲については現在検討中でございますが、今のところでは、首都圏整備法で言う首都圏の既成市街地それから近畿圏整備法で言う近畿圏の既成都市区域等を考えております。
#81
○西村委員 圏域内でのそういう自然環境を利用したという面ではそうだと思うのですが、そこで先ほどから、いわゆる地域振興を図るための産業の育成、振興、こういうことがうたわれておるわけでございますが、しかもそれらは地域資源を活用したという前置詞がついております。地域資源を活用した産業振興、これは産業の種類、その規模等、具体的な例としてはどんなものがございますか。
#82
○澤田(秀)政府委員 私ども、地域資源というのを極めて広くとらえておりまして、その地域にある豊かな自然景観というのも地域資源の中に入りますし、またその地域にあります歴史とか文化とかあるいは伝統工芸というようなものも地域資源の範囲に入りますし、そういったものを活用しながらそれぞれが個性あるリゾート地域づくりを行うということを期待しているわけでございます。
#83
○西村委員 わかりました。
 伝えられるところによりますと、北海道のあるリゾート地域では、いろいろと計画がされまして試算をされた。先ほどちょっとハイテク産業云々ということがございましたが、これは売上高の七割が原材料で外に出てしまう、それよりもむしろスキー場であるとかホテルであるとか遊園地、こういうものの方が地元に落とす金は八割ぐらいあるのだ、こういう試算もあるようでございます。したがって産業振興、ましてや地域の資源を活用したものということになりますと、やはりその方にウエートを置いた方が効果的な保養地域としての、またその中における地元振興に役立つのではないか、かように思いますので申し上げておきたいと思います。
 それから、今回の主務大臣は六省庁ということになっておるのですが、その協議、連携は具体的にどのように進めていかれるのか。例えば、責任窓口というようなことで都道府県との折衝、民間企業とのいろいろな調整、こういうのは国土庁が中心でございますか。
#84
○澤田(秀)政府委員 政府内部では主務省庁六省庁から構成される総合保養地域整備推進連絡会議というものを既に設けておりまして、基本方針の策定とか基本構想の承認等の事務を共同で行うようにしております。
 それから自治体との関係でございますが、窓口は国土庁に一元化するということにしております。
#85
○西村委員 各省庁それぞれいろいろなリゾート計画がありまして、これをまとめたものでありますから、当然保養地域の内容につきましてはいろいろな特徴を持ったものができてもいいと思うのですが、少なくとも、都道府県との折衝その他、窓口はぜひ一本化をして支障のないようにやっていただきたいというお願いを申し上げます。
 それから、この法律と環境庁の関係でございますが、環境庁との協議、連携というものはなおざりにできません。この地域というのは、良好な自然条件を備えた地域である、あるいは自然環境の保全との調和に配慮する、こういうことから考えますと、環境庁の意見を入れずしてこのことはないわけでありますが、これはどういう位置づけをされておられるのでしょうか。
#86
○澤田(秀)政府委員 この法案では、環境庁長官は協議大臣というふうに位置づけております。具体的には、主務省庁による基本方針の策定あるいは基本構想の承認に際して、自然環境の保全という観点から環境庁長官は協議を受けるという立場になります。
#87
○西村委員 環境庁お見えでございますか。
 この地域と国立公園区域との関係でございますが。今申し上げましたように、これは相当大規模な開発を伴うものでございますが、自然の保護を図るべき国立公園区域との関係を環境庁はどのように対応されるのか。つまり、総合保養地域というのは、国立公園区域でやるのかやらせないのか、避けるのか含むのか、その辺はどうでしょうか。
#88
○島田説明員 本法案におきましては、基本方針あるいは基本構想の中で自然環境の保全との調和に関する事項が盛り込まれておるわけでございまして、これらが作成されるときには、地域の設定等について自然環境の保全に十分配慮されるものと考えております。
 またさらに、主務大臣が基本方針を定め基本構想を承認するに当たりまして、環境庁も協議を受けることになっておりますので、その際には、当該地域の自然環境に支障のないよう適切に対処する所存であります。
 このような流れの中で、国立公園等の管理に支障のないよう十分調整していくつもりでございます。
#89
○西村委員 今回のこの保養地域の整備に当たりましては、やはり自然公園法等の規制緩和を伴うことなく自然環境の保全に万全を期すべきだ、こういう意見もあるようでございますが、環境庁として、自然公園法の規制の緩和、これについてはどういうお考えを持っておられますか。
#90
○島田説明員 環境庁は、これまでも各種の開発行為につきまして、自然公園法等の適切な運用を図ることによりましてすぐれた自然環境の保全に努めてまいったところでございます。リゾート地域の整備に伴う開発に対しましても、従来と同様に、すぐれた自然環境の保全の観点で適切に対処してまいりたいと考えております。
#91
○西村委員 これは具体的に申し上げますと、施設整備というものが当然のことながら要求をされてまいります。さらに、治山治水等のいわゆる公共事業の執行についてもそれはかなりやらなければこのリゾート地域はできないということになりますと、自然公園法で規定をされております工作物の新築、改築、増築の禁止でありますとか、あるいは、河川や湖沼の水量に増減が及ばない、こういう自然公園法の規定があるわけでございますが、この辺のところは極めて弾力的に運用してもらわないことには、自然公園法そのものの規制緩和ということにつながってくる、こういう意味で私は申し上げているのでありますが、この弾力的運用についてどの程度まで便宜を図られるのか、環境庁のお答えをいただきたいと思います。
#92
○島田説明員 先ほど申し上げましたとおり、従来同様、リゾート地域の整備に伴う開発行為に対しましても、すぐれた自然環境の保全の観点から適切に対処してまいりたいと思います。自然公園法の精神は対象がかわりましても一つでありますので、それに従って適切に対処していきたいと考えております。
#93
○西村委員 本来のことに戻りますが、この事業は、民間事業者により総合保養地域内につくられる各施設が相当程度整備されることが確実と見込まれる地域だ、こういう規定になっております。ということは、民間の事業者といたしましても、投資効果が大きく、しかも運転資金にかなりの余裕がなければならないし、投下資本の償還というものが確実に見込まれるということでなければなかなか協力が得られないと思うのであります。もちろん地方自治体では、民間の事業者についての助成あるいは補助、こういうものを含まれておりますが、かなりの資本が要るということになるのですが、この辺については国土庁としてはどういう考えですか。
#94
○澤田(秀)政府委員 民間企業がリゾート地域において行う建設投資については、開発銀行あるいは北東公庫等による特利融資の制度が認められておりまして、現在のところ、五・二%の利率で行われるということになっております。
 そのほか、比較的採算に乗りにくい、公共性のある程度高い施設を民間が建設する場合には、地方団体による補助というのも方法としてはあり得るというふうに思います。そのほか、初年度の投資について百分の十二の特別償却を認めるというような、各種の税制、融資、財政等の措置を総合的に活用することによってコストの軽減に役立てたいというふうに思います。
#95
○西村委員 いろいろな助成措置あるいは税制面での優遇措置等がとられるわけでございますが、しかし、それにいたしましても民間企業としては採算性というものが非常に重要でございます。そうなりますと、施設をつくるまでのその整備に要する期間、そして施設をつくる、まあ供用開始ということには相当年数がかかるということが見込まれるのでありまして、果たしてこれで十分であろうかという疑問もいささかございます。
 それと裏表の関係で、やはり施設の使用料、利用料、これが採算性との関係で非常に重要になってまいります。また、せっかくつくったものが国民に幅広く門戸が開放されるという意味でも利用料、使用料の問題が大きなウェートを持ってくるのでありますが、使用料だとか利用料というのはだれがどういう基準で決めるのか、どこが決められるのか、それはどうでしょうか。
#96
○澤田(秀)政府委員 リゾート施設の使用料もしくは利用料については、既存施設の料金等も勘案しながら、それぞれの施設の運営主体が決めるということになります。私どもとしては、施設の運営に当たっては国民に適正な価格で良質なサービスを提供するということを基本方針に掲げ、そのように指導してまいりたいと考えています。
#97
○西村委員 この法案の成否あるいはリゾート地域の将来というものはすべて、私はこの料金問題がかなり大きなウエートを占めると思います。運営主体に任すということでありますが、できるだけ全国的な、統一的な基準が決められ、できるだけ幅広く門戸が開放され、利用がされる、そういう方向でぜひ御指導願いたいということをお願いをいたしておきます。
 時間が参りましたので最後に大臣にお尋ねをいたしますが、この法案の提出過程でいわゆる遊びに税金を使うべきではない、こういう意見が一部に出された、こう伺っておるのであります。時代錯誤も甚だしいことでございまして、いわゆる余暇の有効利用あるいは国民の健康保持、ゆとりある生活、これを目的といたしますためにはこの施設が非常に重要だという考えでありまして、今後推進することについての大臣の決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#98
○綿貫国務大臣 観光とリゾートとどこが違うのか、こういう議論があるわけでございますが、リゾートという考え方は観光というのとは大変に違うと思っております。そういう意味で、国民にゆとりのある生活が持たれるような方向に誘導していくと同時に地方振興にも資する、いろいろの意味でリゾートというのは時代にまさにマッチした方向であるということで今回この法案を提出させていただいたわけでございます。御指摘のような点については十分に留意をしてこの法律の執行に当たってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
#99
○西村委員 終わります。
#100
○村岡委員長 辻第一君。
#101
○辻(第)委員 本法案について私はただしたいことがたくさんあるわけでありますが、与えられた時間は二十分でございます。非常に端的な、舌足らずなお尋ねになろうかと思いますが、ひとつ簡明に御答弁をいただきたい、まず最初にお願いをして質問に入りたいと思います。
 我が国の働く人々が本当に長期のバカンスを楽しみ、自然豊かなリゾート地で長期滞在型の休暇を楽しむようなときが一刻も早く来ることを私も望んでいる一人であります。しかし、この法案が本当に国民の期待にこたえることができるものであるかどうかという点でたくさん疑問を持つわけであります。
 そこでお尋ねをいたしますが、時事通信の調べで五月十五日付の官庁速報ですか、全国で四十六道府県、七十五地域で大規模リゾート計画に取り組んでいる、こういう記載があるわけでございます。また週刊東洋経済の五月二日号には大規模リゾートプロジェクト、大手資本中心でありますが、二十二のプロジェクトがあるということであります。地域もまた企業もリゾート計画に非常に熱心に取り組んでおるというのが現状だと思うわけであります。
 さて、この法案に基づいて都道府県の出す基本構想が承認されるのが何カ所くらいか、まずお尋ねをいたします。
#102
○澤田(秀)政府委員 現在、各都道府県でどういう地域をリゾート地域として設定するかというようなことについて検討を進めている段階でございまして、かなり検討の進んでいる地域もあれば、そうでない、これからというようなところもあります。そういう状況でございますので、私どもとしては現段階では全国で何カ所というような具体的な腹づもりを持っているわけではございません。
#103
○辻(第)委員 先ほど申しましたように非常にたくさんのところが計画を持っておられるということであります。そういうことでございますので、承認をしていくというのですか、それのやり方というのですか、どういうことなのかお尋ねいたします。
#104
○澤田(秀)政府委員 このリゾート地域の整備については官民協調といいますか、協調の態様は民間主導、行政支援ということで考えております。したがって、地域に民間事業者が進出してリゾート関連施設を整備する確実な見通しがあるということが何よりも重要でございまして、そういう熟度の高いところから順次承認をしていきたいというふうに考えております。
#105
○辻(第)委員 どうも私のお聞きしたニュアンスでは、明確な構想を持っておられないのではないかというような感じがするわけですね。全国で何カ所か、まだ大まかな――本当は持っておられるのかもわかりませんけれどもおっしゃらないし……。
 二十一世紀が一つのめどでありますが、そのときの宿泊施設、病院なんかでいうとベッド数というわけでありますが、大体一日何人くらい泊まれるというようなことを目標にされているのか、いかがですか。
#106
○澤田(秀)政府委員 これから二十一世紀に向けて余暇時間は着実に増大して、それに伴って余暇需要、リゾート需要は着実に増大するであろうという予想は持っております。それに対応して余暇施設が整備されていくということになるわけでございますから、具体的に宿泊施設がどのくらいになるかというのは、これは基本的には民間事業者が整備するものでございますので、それぞれの段階での余暇需要の動向をにらみながら需要に見合った供給をしていくであろうというふうに考えております。
#107
○辻(第)委員 先ほど申しましたようにたくさんの計画があるわけであります。それで、労働時間の短縮、余暇の拡大、そういうことがどんどん進んでいくというふうに思うのですが、やはり需給のバランスというようなことも問題になろうかというふうに思います。そういうことも含めて、当局が承認をされるという数には一定の限度があろうかというふうに思うわけであります。現在見てまいりますと、民間の企業が既に手をつけ出し、熟度の高いところから認めていくということになりますと結局大手にならざるを得ないということだろうと思うのですが、その点はいかがですか。
#108
○澤田(秀)政府委員 リゾート地域に立地する企業には大手の企業もあるでありましょうし、また地元企業である場合もあると思います。それぞれの地域の状況によって態様はいろいろあろうかというふうに思います。いずれにしてもリゾート地域で成功している例を見ても、立地した企業が地域と十分協調し、地域の状況なり意向なりを踏まえながら運営しているというところが成功しているわけでございまして、どういう企業であっても、地域協調型でリゾートの整備に当たられることを我々としては期待しておるところでございます。
#109
○辻(第)委員 大手に限らぬようなお話をされたのですが、実際問題としてはやはり大手資本ということになろうかと思います。非常に先の長い話でありますし、投下する資本というのは一般的に膨大な資本の投下ということになろうかと思います。それから、既に取り組んでいるあるいは熟度が高いということになりますとやはり大手になろうかと思うのですが、先ほどもお話がありましたように、地域で本当に村おこし、町おこしというような形でいろいろな努力がされていると思うのですね。そういうところが非常に切り捨てられるというのですか、そういうことにならないように十分な対応をしていただきたい。そういうところが十分力を発揮できるような、本当に地方が自立をしたというのですか、主体性を持った、そのような展開をできるように努力をしていただきたいということであります。
 それで、労働時間の問題でありますが、本当に長期滞在型の余暇を楽しむというようなことになりますと、今の日本の現状から申しますと、非常に私は高ねの花ではないのかという気がしてならないわけであります。一定の前進は遂げてきておるということあるいは変化をしておるということはわかるのですが、衆議院の建設委員会の調査室からいただいた資料を見てみましても、一九七五年から一九八五年を見てまいりますと、労働時間が逆にふえておりますね。それから、アメリカなんかに比べますと、大体二百時間を超えて日本が長い、西ドイツなんかと比べますと、五百時間長いということであります。しかも、これは事業所へお勤めになっている人であります。個人で仕事をやっておられる方なんかは、奈良県では靴下産業が大きいのですが、下請で自営をされているという格好になりますね。仕事があれば朝の六時ぐらいから晩の十二時というのはざらであります。仕事がなくなればそうはまいらぬのでありますが、正月と盆以外はほとんど休まぬみたいな、そういうようなところもあるのですね。そういう現状から見てまいりますと、これはよっぽど当局も、この労働時間の短縮、余暇時間の拡大のために御努力をいただきたいと思います。
 きょうは労働省にお越しをいただいていると思いますが、二十一世紀に入るころには大体どのような状況になるのか、そういう言い方でなければ、日本がアメリカあるいは西ドイツの域に達するのは何年先ぐらいなのか、そういう見通しといいましょうか、それからそれに達するために具体的にどういう手だてを講じようとされていらっしゃるのか、一、二でも結構ですが、お答えをいただきたいと思うのです。
#110
○小島説明員 確かに今御指摘のように、欧米諸国と比べますと日本の労働時間は長いわけでございます。
 その中身でございますが、一つは、週休二日制が日本ではまだ完全に普及しているというまではいっていないというのが一つでございます。それからあと、特にヨーロッパですが、バカンスという習慣がございまして、これはかなり長い時間ございまして、日本はこれについては余りないということでございます。要するに、連続休暇と週休二日制が立ちおくれているということで労働時間が長い。それからあと、残業の点がございます。これは日本人の勤勉性もございますが、どうしても時間外が長いということでございます。どちらにしましても、私どもはその三点について短縮しなければいけないということでございます。
 そこで、私どもは六十年に「労働時間短縮の展望と指針」というものをつくりまして、いろいろと行政指導等あるいは国民の中での機運の醸成を図っておるわけでございます。特に連続休暇につきましては、夏休み等を普及するということでやっておるわけでございます。それにあわせまして労働条件の最低基準を定めております労働基準法、これが四十時間という目標値を掲げまして段階的に短縮をしていこうということにしております。そのほか年休のとり方につきましても、最低基準を現在の六日から十日に引き上げますし、計画取得もできるような格好に法案としてなっております。
 そういう点で何とか早い機会に欧米並みの週休二日制あるいは連続休暇をとれるように考えでございますが、我が国ではやはり中小企業と大企業、その辺の格差は非常に大きいわけでございます。一挙にそこにいくというのはなかなか難しいものでございますので、何とか全般的に無理なく引き上げるようにということでやっておりまして、いつからそういうようになるかというのはなかなかお答え申し上げかねるところでございます。何とか頑張ってまいりたいと思っております。
#111
○辻(第)委員 大臣にお尋ねしたいのですが、どんな立派なものをつくっていただいても、労働時間が短縮され本当に余暇の時間がふえなければ、やはり絵にかいたもちということになるわけであります。大臣としては所管外ということもあろうかと思いますけれども、こういう法案を担当された大臣として労働時間短縮の問題についても大きな御努力を払っていただきたい、このように思うのですが、御見解を承りたいと思います。
#112
○綿貫国務大臣 余暇とバカンスあるいはリゾートという関係でございますけれども、お互いに関係の深いものでございまして、いいリゾート地域ができればまた余暇を楽しむというゆとりも出てくるのではないかと思います。その意味におきまして、この法律の成立によりましてより安く、よりバラエティーに富んだ、また十分余暇が楽しめるようなリゾート地域ができることを期待いたしております。
#113
○辻(第)委員 労働時間の短縮についてもぜひ御努力をいただきたい。重ねてお願いをいたします。
 それと、やはり良質であると同時に安いということが本当に大事だと思うのですね。非常に膨大な投資、しかも長期にわたるというような問題は、結局国民が利用する状況の中ではぎらぎらした商業主義というのですか、利潤の追求というようなことになっては非常に困るわけであります。その低廉化という問題についてどのような対応を考えておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
#114
○澤田(秀)政府委員 おっしゃるように、リゾート地域の運営に当たっては低廉で良質なサービスが確保されなければならないということはもちろんでございます。そのために公共部門としても、先ほども御答弁申し上げたのですが、税制面での特別償却の配慮とか政府系金融機関による低利の融資あるいは場合によっては地方自治体からの補助とかいうような、さまざまな支援措置を総合的に講ずることによってできるだけ民間事業者のコストの軽減を図っていく、それで料金の面にもそのことが反映するように努力してまいりたいと思いますし、基本方針においてもそのようなことを掲げるという考えております。
#115
○辻(第)委員 もう時間があと三分余りになりましたけれども、やはりたくさん問題がある。自然破壊の問題、これをどう適切に守っていくのか。また、地価の高騰の問題がありますね。それから、地方自治体へ非常に負担がかかるという問題がありますね。それから、先ほど申しましたように、大手の企業が来るということになりますと、地方の主体性といいましょうか自律性といいましょうか地域経済、そういう問題も非常に問題点が出てくるだろうと思います。それから、地方自治体と企業と、増改築をする、新設をするという新しい計画、あるいは合理化をしていくあるいは縮小、極端に言えば撤退というようなことはないと思うのですが、非常にふえているというバランスの問題も含めてそういうこともあり得ないことではない、老婆心ながら心配をするわけであります。今円高の中、企業城下町は企業が撤退をするという状況の中で大変な事態を迎えているわけでありますが、そういうことを考えてみても、企業と地方自治体とが十分話し合っていくという場をしっかりつくっておいていただきたいということも思うわけであります。
 そういう点で、局長で結構でございますが、最後に、私がお尋ねをいたしました点でどうも本当に得心のできるような御答弁ではなかった、非常に不十分な答弁しかいただけなかった、こういうように思うわけであります。ぜひ今後さらに努力をされて十分な御対応をいただきたい、重ねて要望して終わります。
#116
○村岡委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#117
○村岡委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 総合保養地域整備法案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#118
○村岡委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#119
○村岡委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、森田一君外三名より、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。森田一君。
#120
○森田(一)委員 ただいま議題となりました総合保養地域整備法案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配付しておりますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。
    総合保養地域整備法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一 ゆとりある国民生活の実現を図るため、労働時間の短縮等余暇時間増大の施策を積極的に推進すること。
 一 総合保養地域の円滑かつ効率的な整備を図るため、関係行政機関の緊密な連絡体制を確立すること。
 一 地域の設定及び整備に当たっては、地元の実情を踏まえ弾力的に対処するよう努めるとともに、地方公共団体の自主性を尊重すること。
   また、地方公共団体の負担の軽減を図るよう努めること。
 一 地域の設定及び整備に当たっては、土地利用の適正化に努めるとともに、地価対策に万全を期すること。
 一 地域の整備に当たっては、自然環境の保全との調和に十分配慮するとともに、生活環境対策に努めること。
 一 国民保養地にふさわしい良質な施設の整備に努めるとともに、適正な料金で利用できるよう十分配慮すること。
以上であります。
 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
#121
○村岡委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#122
○村岡委員長 起立総員。よって、森田一君外三名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、国土庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。綿貫国土庁長官。
#123
○綿貫国務大臣 総合保養地域整備法案につきましては、本委員会において熱心な審議の上ただいま議決され、深く感謝申し上げます。
 審議中におきます委員各位の御意見やただいま議決になりました附帯決議の趣旨は十分に体してまいる所存でございます。
 本法案の審議に対し、委員長を初め委員各位から賜りました御指導、御協力に対し深く感謝の意を表して、ごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
#124
○村岡委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#125
○村岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#126
○村岡委員長 次に、国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、関西文化学術研究都市建設促進法案起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、本委員会におきまして、理事会等において御協議を願ってきたのでありますが、この際、その促進を図るため、委員会提出の法律案として本草案を作成することとし、お手元に配付いたしてありますとおりの起草案が作成されました。
 この際、便宜、委員長からその趣旨について御説明申し上げます。
 関西文化学術研究都市の建設は、近畿圏において培われてきた豊かな文化学術研究機能の蓄積を生かし、二十一世紀に向けての文化学術研究機能の新たな展開の拠点を京阪奈丘陵に形成するものであり、産学官の協力により、その建設の推進が図られてきたところであります。
 本案は、関西文化学術研究都市の建設に関する総合的な計画を策定し、その実施を促進することにより、文化、学術及び研究の中心となるべき都市を建設し、もって我が国及び世界の文化等の発展並びに国民経済の発達に資することを目的とするもので、その要旨は次のとおりであります。
 第一に、本案における関西文化学術研究都市とは、京都府綴喜郡田辺町を初め大阪府及び奈良県にまたがる五市三町の区域のうち、内閣総理大臣が定める区域を地域とし、文化学術研究施設等の整備を行う「文化学術研究地区」と文化学術研究地区の整備に関連して必要な施設整備を行うとともに環境を保全する「周辺地区」で構成することといたしております。
 第二に、内閣総理大臣は、関係府県知事の意見を聞くとともに、関係行政機関の長に協議して、関西文化学術研究都市の建設の目標等を内容とした都市建設に関する基本方針を定めなければならないことといたしております。
 また、関係府県知事は、基本方針に基づき、関係市町長等の意見を聞いて、文化学術研究地区の区域及び文化学術研究地区の整備に関する事項等を内容とした建設計画を作成し、内閣総理大臣の承認を受けなければならないことといたしております。
 第三に、国及び地方公共団体は、建設計画の達成に資するため、関西文化学術研究都市の建設に必要な施設の整備及び必要な資金の確保等の援助に努めなければならないこととするとともに、文化学術研究地区に立地する文化学術研究施設等について課税の特例措置を講ずることといたしております。
 その他、地方債についての配慮、地方税の不均一課税に伴う措置等を講ずることといたしております。
 以上が本法草案の趣旨の説明であります。
    ―――――――――――――
 関西文化学術研究都市建設促進法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#127
○村岡委員長 この際、本起草案につきまして、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。綿貫国土庁長官。
#128
○綿貫国務大臣 本法律案の御提案に当たり、委員長及び委員各位の払われた御努力に深く敬意を表するものであります。
 政府といたしましては、二十一世紀を目指した文化学術研究機能の新たな展開の必要性の高まりにかんがみ、本法律案については特に異存はないところであります。
 この法律案が御可決された暁にはその適切な運用に努め、本都市建設の一層の促進を図ってまいる所存であります。
#129
○村岡委員長 これより採決いたします。
 関西文化学術研究都市建設促進法案起草の件につきましては、お手元に配付いたしております草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#130
○村岡委員長 起立多数。よって、さよう決しました。
 なお、ただいま決定いたしました本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#131
○村岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次回は、来る二十六日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時四十分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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