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#1
第108回国会 文教委員会 第1号
本国会召集日(昭和六十一年十二月二十九日)(
月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次
のとおりである。
  委員長 愛知 和男君
   理事 北川 正恭君 理事 高村 正彦君
   理事 中村  靖君 理事 鳩山 邦夫君
   理事 町村 信孝君 理事 佐藤 徳雄君
   理事 林  保夫君
      逢沢 一郎君    青木 正久君
      井出 正一君    古賀 正浩君
      佐藤 敬夫君    斉藤斗志二君
      杉浦 正健君    谷川 和穗君
      渡海紀三朗君    松田 岩夫君
      渡辺 栄一君    江田 五月君
      沢藤礼次郎君    中西 績介君
      馬場  昇君    有島 重武君
      市川 雄一君    鍛冶  清君
      北橋 健治君    石井 郁子君
      山原健二郎君    田川 誠一君
―――――――――――――――――――――
昭和六十二年三月二十五日(水曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 愛知 和男君
   理事 北川 正恭君 理事 高村 正彦君
   理事 中村  靖君 理事 鳩山 邦夫君
   理事 町村 信孝君 理事 佐藤 徳雄君
   理事 鍛冶  清君 理事 林  保夫君
      逢沢 一郎君    青木 正久君
      井出 正一君    古賀 正浩君
      佐藤 敬夫君    斉藤斗志二君
      杉浦 正健君    谷川 和穗君
      渡海紀三朗君    松田 岩夫君
      渡辺 栄一君    江田 五月君
      佐藤 敬治君    沢藤礼次郎君
      中西 績介君    馬場  昇君
      有島 重武君    井上 和久君
      石井 郁子君    山原健二郎君
      田川 誠一君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 塩川正十郎君
 出席政府委員
        文部大臣官房長 古村 澄一君
        文部大臣官房総
        務審議官    川村 恒明君
        文部大臣官房会
        計課長     野崎  弘君
        文部省初等中等
        教育局長    西崎 清久君
        文部省高等教育
        局長      阿部 充夫君
        文部省高等教育
        局私学部長   坂元 弘直君
        文部省学術国際
        局長      植木  浩君
 委員外の出席者
        文教委員会調査
        室長      高木 高明君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月四日
 辞任         補欠選任
  逢沢 一郎君     宇野 宗佑君
  井出 正一君     松野 幸泰君
同日
 辞任         補欠選任
  宇野 宗佑君     逢沢 一郎君
  松野 幸泰君     井出 正一君
同月十九日
 辞任         補欠選任
  井出 正一君     宇野 宗佑君
  佐藤 敬夫君     小坂徳三郎君
  石井 郁子君     金子 満広君
同日
 辞任         補欠選任
  宇野 宗佑君     井出 正一君
  小坂徳三郎君     佐藤 敬夫君
  金子 満広君     石井 郁子君
同月二十四日
 辞任         補欠選任
  逢沢 一郎君     稻葉  修君
  佐藤 敬夫君     森  喜朗君
  杉浦 正健君     瓦   力君
  渡海紀三朗君     三塚  博君
同日
 辞任         補欠選任
  稻葉  修君     逢沢 一郎君
  瓦   力君     杉浦 正健君
  三塚  博君     渡海紀三朗君
  森  喜朗君     佐藤 敬夫君
同月二十五日
 辞任         補欠選任
  馬場  昇君     佐藤 敬治君
  市川 雄一君     井上 和久君
同日
 辞任         補欠選任
  佐藤 敬治君     馬場  昇君
  井上 和久君     市川 雄一君
同日
 理事池田克也君昭和六十一年十二月二十四日委
 員辞任につき、その補欠として鍛冶清君が理事
 に当選した。
    ―――――――――――――
昭和六十一年十二月二十九日
 義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施
 設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休
 業に関する法律の一部を改正する法律案(馬場
 昇君外一名提出、第百七回国会衆法第四号)
昭和六十二年二月二十日
 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三九号)
三月二十三日
 昭和六十二年度における私立学校教職員共済組
 合法の年金の額の改定の特例に関する法律案
 (内閣提出第七四号)
二月二十日
 教育条件の整備充実等に関する請願(井上一成
 君紹介)(第一号)
 同(村上弘君紹介)(第一四八号)
 私学助成大幅増額等に関する請願(井上一成君
 紹介)(第二三号)
 同(左近正男君紹介)(第二四号)
 私学助成の大幅増額等に関する請願外九件(河
 上民雄君紹介)(第二五号)
 同外一件(堀昌雄君紹介)(第二六号)
 同(渡海紀三朗君紹介)(第八五号)
 同(鴻池祥肇君紹介)(第一五五号)
 私学助成増額、四十人学級早期実現等に関する
 請願(三野優美君紹介)(第二七号)
 同(田口健二君紹介)(第四一号)
 同(中川秀直君紹介)(第五六号)
 同(田村良平君紹介)(第七五号)
 四十人学級の早期完全実施等に関する請願(石
 井郁子君紹介)(第三三号)
 私学助成増額、四十人学級の早期実現等に関す
 る請願(阿部未喜男君紹介)(第四〇号)
 同(鳩山由紀夫君紹介)(第五五号)
 私学助成等に関する請願(村田敬次郎君紹介)
 (第五四号)
 同(海部俊樹君紹介)(第七六号)
 義務教育の国庫負担削減反対等に関する請願
 (中村正男君紹介)(第七四号)
 同(松本善明君紹介)(第一五六号)
 私学助成の大幅増額、四十人学級の早期実現等
 に関する請願(川崎寛治君紹介)(第八三号)
 私学助成の増額等に関する請願(吉原米治君紹
 介)(第八四号)
 教育施策等に関する請願(岩佐恵美君紹介)(
 第一四九号)
 同(金子満広君紹介)(第一五〇号)
 同(工藤晃君紹介)(第一五一号)
 同(中島武敏君紹介)(第一五二号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第一五三号)
 義務教育費国庫負担制度の堅持等に関する請願
 (中島武敏君紹介)(第一五四号)
同月二十三日
 学生寮の充実・発展に関する請願外一件(沢藤
 礼次郎君紹介)(第一七一号)
 同(石井郁子君紹介)(第二六〇号)
 同(江田五月君紹介)(第二六一号)
 私学助成の増額、四十人学級の実現等に関する
 請願外一件(中村茂君紹介)(第一七二号)
 教育条件の整備充実等に関する請願(中野寛成
 君紹介)(第一七三号)
 教育施策等に関する請願(上田哲君紹介)(第
 一八八号)
 同(大出俊君紹介)(第一八九号)
 同(岡田利春君紹介)(第一九〇号)
 同(川俣健二郎君紹介)(第一九一号)
 同(中路雅弘君紹介)(第二一七号)
 大学図書の充実等に関する請願外一件(石井郁
 子君紹介)(第二五八号)
 同(山原健二郎君紹介)(第二五九号)
三月五日
 教育施策等に関する請願(川崎寛治君紹介)(
 第四〇六号)
 大学図書充実等に関する請願外一件(有島重武
 君紹介)(第五二八号)
 国立大学の学費値上げ反対に関する請願(山原
 健二郎君紹介)(第五二九号)
 私学助成増額、四十人学級早期実現等に関する
 請願(内海英男君紹介)(第五三〇号)
 同外二件(武田一夫君紹介)(第五三一号)
 私学助成の増額、四十人学級の実現等に関する
 請願(串原義直君紹介)(第五三二号)
 同(清水勇君紹介)(第五三三号)
 同外六件(中村茂君紹介)(第五三四号)
同月十日
 私学助成の大幅増額、四十人学級の早期完結等
 に関する請願外十二件(内海英男君紹介)(第
 五八五号)
 私学助成の増額、四十人学級の実現等に関する
 請願(小沢貞孝君紹介)(第五八六号)
 国立大学の学費値上げ反対に関する請願(鍛冶
 清君紹介)(第五八七号)
 私学助成大幅増額等に関する請願(石井郁子君
 紹介)(第六四九号)
 私学助成増額、四十人学級早期実現等に関する
 請願外五件(内海英男君紹介)(第六五〇号)
 同(山原健二郎君紹介)(第七二九号)
 学生寮の充実・発展に関する請願(佐藤徳雄君
 紹介)(第七〇一号)
 大学図書の充実等に関する請願(佐藤徳雄君紹
 介)(第七〇二号)
同月十三日
 私学助成増額、四十人学級早期実現等に関する
 請願(小野信一君紹介)(第八一八号)
 同(木村義雄君紹介)(第八一九号)
 同外二件(戸田菊雄君紹介)(第八七〇号)
同月十九日
 教育施策等に関する請願(加藤万吉君紹介)(
 第九二〇号)
 同(上田哲君紹介)(第一〇二六号)
 私学助成増額、四十人学級早期実現等に関する
 請願(水田稔君紹介)(第九九九号)
同月二十三日
 私学助成大幅増額・四十人学級即時実現等に関
 する請願(西中清君紹介)(第一一〇七号)
 大学審議会の設置反対等に関する請願(岩佐恵
 美君紹介)(第一一五二号)
 同(金子満広君紹介)(第一一五三号)
 同(不破哲三君紹介)(第一一五四号)
 私学助成増額、四十人学級早期実現等に関する
 請願外四件(内海英男君紹介)(第一一八〇号
 )
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
三月十一日
 私学助成に関する陳情書外七件(東京都千代田
 区丸の内三の五の一東京都議会内若松貞一外千
 十四名)(第一四号)
 義務教育費国庫負担制度の堅持に関する陳情書
 外五十六件(大阪府泉南市樽井七三〇泉南市議
 会内小井安男外百二名)(第一五号)
 学校における児童・生徒のいじめ防止に関する
 陳情書(福岡市博多区東公園七の七福岡県議会
 内篠田栄太郎)(第一六号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 国政調査承認要求に関する件
 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三九号)
     ――――◇―――――
#2
○愛知委員長 これより会議を開きます。
 まず、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 理事池田克也君の委員異動に伴い、現在、理事が一名欠員になっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○愛知委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、鍛冶清君を理事に指名いたします。
     ――――◇―――――
#4
○愛知委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 文教行政の基本施策に関する事項
 学校教育に関する事項
 社会教育に関する事項
 体育に関する事項
 学術研究及び宗教に関する事項
 国際文化交流に関する事項
 文化財保護に関する事項以上の各事項につきまして、本会期中、国政に関する調査を行うため、議長に対し、国政調査承認要求を行うこととし、その手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○愛知委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#6
○愛知委員長 次に、内閣提出、国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、趣旨の説明を聴取いたします。塩川文部大臣。
    ―――――――――――――
 国立学校設置法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#7
○塩川国務大臣 このたび、政府から提出いたしました国立学校設置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、国立大学の学部の設置、国立短期大学の新設等について規定しているものであります。
 まず第一は、学部の設置についてであります。
 これは、福島大学に行政社会学部を、三重大学に同大学の農学部及び水産学部を統合して生物資源学部をそれぞれ設置し、それらの大学の教育研究体制の整備を図るものであります。
 なお、これらの新学部は、本年十月一日に設置し、昭和六十三年度から学生を入学させることとしております。
 第二は、国立短期大学の新設等についてであります。
 これは、筑波研究学園都市に視覚障害者及び聴覚障害者を対象とする高等教育機関として筑波技術短期大学を新設するとともに、徳島大学に同大学医学部附属の専修学校を転換して医療技術短期大学部を併設することとし、また、電気通信大学に併設されている短期大学部については、これを廃止し、同大学電気通信学部に統合しようとするものであります。
 なお、筑波技術短期大学及び徳島大学医療技術短期大学部は、本年十月一日に開学し、筑波技術短期大学については昭和六十五年四月から、徳島大学医療技術短期大学部については昭和六十三年四月からそれぞれ学生を入学させることとし、電気通信大学短期大学部については昭和六十三年度から学生募集を停止し、昭和六十四年度限りで廃止することを予定しております。
 このほか、昭和四十八年度以後に設置された医科大学等に係る職員の定員を定めることといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願いいたします。
#8
○愛知委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#9
○愛知委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。逢沢一郎君。
#10
○逢沢委員 臨教審の第三次答申も目前に迫ってまいりましたし、また最終答申もことしの夏には出されるということで、教育改革もいよいよこれからが本番だなという感を強うするわけでありますけれども、私たちは、大臣を先頭に、国民各界各層の意見を幅広く聞きまして、国民の要望にこたえられるような思い切った教育改革をやっていかなければならない、そう考えておるところでございます。
 言うまでもないことでありますけれども、我が国といたしましては、教育によって優秀な人材を育成し、将来の国の発展、隆昌を期していかなければならないわけでありますけれども、そういった観点から、大学のあり方あるいはまたその内容の充実ということに思いを及ぼしますと、大変このことは重要な課題であるわけでありまして、そういった観点、視点に立ちまして、今議題に付されました国立学校設置法の一部を改正する法律案、また今春の大学入試について、文部大臣また当局に御質問を申し上げるところでございます。
 まず最初に、福島大学の行政社会学部についてでございますが、最初にその設置の趣旨、経緯についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
 この行政社会学部という名称でございますけれども、私の知る限りにおきましては今まで聞いたことがない新しい学部だと思うわけでありますが、既存の例えば法学部でありますとか人文学部でありますとか、こういった学部とどういうところに内容の違いがあるのか、カリキュラムに特色があるのか、そのことをまず最初にお伺いをいたしたい。
 そして、それとあわせて、伺うところによりますと、この行政社会学部の設置に関しましては、福島大学既存の教育学部、経済学部の定員を削減して新しい学部をつくるということのようでございますが、特に教育ということを考えますと本当に教育学部の定数が減っていいのかどうか。教員養成大学学部の今後の整備のあり方を文部省としてはどうお考えなのか、そのこともあわせてお伺いを申し上げます。
#11
○阿部政府委員 お尋ねの福島大学の行政社会学部の創設を今回の法案でお願いを申し上げておるわけでございますが、この件につきましては、最近、特に近年、地域社会の変化あるいは経済構造の複雑化でございますとか、行政需要の多様化等々の新しい事情が出てまいりまして、これらについての専門的な知識あるいは幅広い視野を持った人材の養成ということが社会的に求められているという状況になってきておるわけでございます。
 福島大学におきましては、このような社会的要請に応ずるために、地方公共団体や地場産業の人材養成を目的とする学部構想ということで、昭和五十四年以来この問題の検討を続けてきたわけでございますが、結局この構想がまとまってきて諸準備もかなり整ってきたというようなことから、既設学部からの振りかえ等を含めて新しい改組型の学部として、行政社会学部というものを設けたいということでございます。
 この行政社会学部には行政学科と応用社会学科、この二学科を置くことにいたしておりますが、要すれば、近年の著しい地域社会の変化に対処できるような、地方行政なりあるいは地場産業なりというものに密着をした、地域社会に密着をした教育研究を行っていこう、こういうことを目標にするものでございまして、今までの他の大学の例等を申しますと、こういう例は比較的乏しいと思っておりますが、例えば人文社会学部というような形で若干似たようなケースのものがないわけではございませんけれども、完全に地方の行政なりあるいは地場産業なりの担当者の養成というようなことにウエートを置いた、完全にそれにフォーカスを合わせたというケースは恐らく初めてではなかろうかと思っておるわけでございます。そういうことをねらいにいたしまして、例えば応用社会学科の科目にいたしましても、従来のような社会学に中心を置きながらも、なおかつ、幅広く地域計画の問題であるとか地域文化の問題であるとか、そういうようなたぐいのものを含めたカリキュラム構成という形にいたしまして、そういう分野の人材養成に役立てようとしておるものでございます。
 なお、この行政社会学部の創設に当たりましては、既存の教育学部と経済学部から学生定員及び一部の教職員定員の振りかえを行ってこれを設置するということにいたしておるわけでございますが、特にこの教員養成系の学部につきましては、最近児童生徒数の減少がございます関係上、教員の採用数が一般的に減少してきておりまして、教員養成系の大学、学部の新規卒業生の教員就職率が低下をしてきておるという状況があるわけでございます。
 今後の見通しといたしましても、児童生徒数は昭和七十年代の中ごろまでさらに減少していくということが予想されますので、当面、四十人学級の促進等の諸般の施策を講ずるということをあわせ考えましても、なおかつ、低下傾向はある程度は続くであろうということが予測されておるわけでございます。
 こういった最近の教員の需給状況にかんがみまして、さきの国会の参議院文教委員会におきましても、教員養成大学・学部のあり方について検討すべきだというような附帯決議もいただいたということもございまして、そういうようなことを踏まえながらこの福島大学でも種々御検討いただきました結果、教員養成学部の入学定員の一部を振りかえるというようなことを含めまして、新しい行政社会学部をつくろうというような構想に至ったものでございます。
#12
○逢沢委員 時間に限りがございますので、次に進みたいと思います。
 続きまして、三重大学の生物資源学部についてお伺いを申し上げます。
 農学部と水産学部の改組統合ということでございますが、まずその趣旨についてお伺いをしなければいけませんし、また、その特色ということについてもぜひお聞きをしたいと思うところであります。
 さきの福島大学でも伺いましたが、この改組統合によってどういうふうにカリキュラムや研究内容あるいはまた研究室の中身が変わってくるのか。
 そして、恐らく先端的なものを目指されようということだと思うのですけれども、産業界のニーズをどういった形で取り込んでおられるのかということについてもぜひ言及をいただきたいというふうに思います。
 また、バイオテクノロジーでありますとか環境問題、それにまつわります先端分野や最近のはやりとでも申しましょうか、学際的領域にまで踏み込もうということを伺っておるわけであります。
 そうなりますと、当然のことながら新しい研究のための設備でありますとかそのための先生が必要になってこようかと思いますが、あわせてお伺いをいたしたいというふうに思います。
#13
○阿部政府委員 三重大学の農学部と水産学部を統合いたしまして新しく生物資源学部というものをつくりたいということで、法案の御審議をお願いいたしておるわけでございます。
 三重大学は従来から農学部と水産学部の二つの学部を持っておったわけでございますけれども、最近の科学技術の進展でございますとか農林漁業を取り巻く社会構造の変化というような中で、農・水産系の学部に対する社会的な要請も、これまでのように単に産業としての農林漁業に直接役立つ学問分野というだけでなくて、さらに農・水産加工の分野から流通経済等の分野、そして最近では、遺伝子工学などバイオテクノロジー技術による生物生産技術への応用、あるいは国土と自然生態系の保全等の広範な分野にまで及んできておるという状況にあるわけでございます。こういった中で、従来ございます農・水産学部を改組転換いたしまして、新しく生物資源学部をつくろうとしておるわけでございます。
 この生物資源学部におきましては、これまでの両学部の教育研究を総合するということと同時に、陸海にわたる生物資源を共通の基盤といたしまして、最近の急速な科学技術の進展と産業界を含む社会の要請に対応して、先端的な分野あるいは学際領域にも弾力的に対応できるような教育研究を行おうということを目的にいたしておるわけでございます。
 こういったような見地から、カリキュラム等の面におきましては、従来の農・水産学に加えまして、新時代の要請に対応できる生物資源の多面的機能の開発応用等に関する生物機能利用学の分野でございますとか、水圏環境学等の教育研究の分野を加えまして、環境保全やバイオサイエンス関係の分野の充実を図っていこうというものでございます。また、このためには従来の学科の壁を取り払うというような趣旨もございますので、一学部一学科ということで学科はつくらずに、その中で学生の選択に応じてコース制で運営をしていこうというようなことでもございますし、また各学生は、その履修コースのいかんにかかわらず生物資源学の基本にかかわるようなことについては共通に必修の科目を設けまして、いわば広い分野についての視野のある人間の養成というようなことを目指していこうとするものでございます。
 この新しい分野をこれから取り入れていくわけでございますけれども、現在のところは、これまでの農・水産学部両学部の教員を適切に配置することによって教員組織は整備をしたいと考えておりますが、今後は計画的に、退任する教官の穴埋めというような形でもってこの分野に特にふさわしいような人材を加えるようにしていこうということを考えておるものでございます。また、設備等につきましては、学年進行等によりましていろいろ必要なものも出てくると思いますが、現在のところまだこれとこれということにはいたしておりません。大学側の検討の結果を踏まえまして、各年次の予算において適切に対応するように努力したい、かように考えておるところでございます。
#14
○逢沢委員 御承知のように、我が国の第一次産業が置かれております環境というのは非常に厳しいものがあるわけでありまして、この三重大学の改組統合によります新しい生物資源学部が、将来の我が国の第一次産業の言ってみれば担い手を育成されるような新しいタイプの大学として発展ができるように、今後の格段の努力をお願い申し上げておきたいと思います。
 続きまして、筑波の技術短期大学についてお伺いを申し上げたいと思います。
 まず冒頭、創設の趣旨、そしてその経緯、あわせて内容、特色等について、ひとつ広範にお伺いを申し上げたいと思います。
 私、最初にこの筑波の技術短大についてお話を伺いましたときに、あれ、今までこの手の大学というのは本当になかったのかなという率直な印象を実は持ったわけでありまして、教育立国を自負しております我が国、あるいは福祉のレベルも非常に高いものになってきたわけでありますけれども、いまだにこういったたぐいの大学がなかったということに率直な驚きを持ったわけであります。いつごろからこの構想が具体化をされ今日に至ったのか、そのことを伺いたいというふうに思います。
 また、内容に立ち入ることになりますけれども、体にハンディキャップを持った方々の教育ということになりますと、通常の大学あるいは短大と同じようにはいかないということは容易に理解ができるわけであります。例えば指導をなさる先生方にも、身体障害者の方の指導でありますからそれなりの技術だとかノーハウだとかが必要だと思うわけでありまして、どういうふうにこのあたりのことをお考えなんでしょうか。
 あるいはまた、定数が九十名ということでありますけれども、本当に短大の内容、レベルに合った方が来ていただけるのかどうか。それなりの基礎的な能力だとか知識は必要だと思いますが、そのあたりのことについてもぜひお伺いをいたしたいというふうに思います。
#15
○阿部政府委員 筑波技術短期大学は、昭和五十一年、五十二年の当時に、視覚障害あるいは聴覚障害児を持つ親御さんたちの会等からの御要望があったのがきっかけでございまして、それ以後、文部省といたしましては、五十三年以来必要な調査費等を計上いたしまして、この分野でかなりの経験を持っております筑波大学に御協力をいただいて検討等を進めてきたわけでございます。その間、何せ初めてのことでもございますので、諸外国の同種の大学の状況も調べるとか、関係者いろいろ議論を重ねるというようなことで、今日基本構想がまとまったという段階になりまして、六十二年度の創設をお願い申し上げたわけでございます。
 この筑波技術短期大学の設置の趣旨でございますけれども、聴覚障害者と視覚障害者、この二種類の障害者の方々を対象にいたしまして、第一番目には、高等教育の機会の拡充に資するということにしたい、第二番目には、これらの障害者の方々の職域の拡大と社会的自立に役立ちたいということ、第三番目には、せっかくこういう短期大学をつくるということでございますので、この場を使いまして、最新の科学技術を応用した新しい教育方法を開発するということによりまして、この短期大学はもとより、一般の特殊教育等の分野における教育の発展にも資するようにいたしたい、かようなねらいを持って創設を構想したものでございまして、昭和六十二年十月に開設をし、十分な準備を整えた上で、六十五年四月以降順次学生の受け入れを行っていきたい、かように考えておるところでございます。
 そこで、特に教員についての御心配をいただいたわけでございますが、御指摘のように、この大学の場合には、非常に難しい専門についての知識、能力を持っておられると同時に、障害者の教育なり指導方法についての能力を持っておられるという二つの能力が要求されることになるわけでございます。
 そこで、まず教員につきましては、本短期大学の設置後、全国から公募するということを考えておりまして、すぐれた専門的能力を持つと同時に、まずこの段階では、障害者教育についての理解と熱意を持っておる方ということで公募をさせていただきたい、こう思っておるわけでございまして、そして、公募をいたしました教員につきましては、授業開始前の一年前に具体に採用するように、そして、その一年間に聴覚障害、視覚障害の障害者教育に関しまして必要な知識、技能等を身につけていただくための研修等を行っていきたい、こういうような計画にしております。
 具体に研修をしていただきます中身としては、障害者心理あるいは障害者に対する指導法というような勉強もございますし、具体には点字とか手話とかいったようなたぐいのコミュニケーションの手段についての訓練も必要であろうかと思います。そういったようなことをこの一年間にやっていただいて、そして教壇に立っていただく、そういうような予定でまずは全国から公募をするということから始めたい、かように考えておるわけでございます。
#16
○逢沢委員 もう一つ気になりますことは、ここで教育を受けられた方々の卒業後のことでございますけれども、民間企業の中で果たして立派にやっていけるのかどうかということがいささか気になるわけであります。
 例えばこの中に建築工学科というのがございますが、一般の健常者でいいますと、建築専門学校に二年間行きまして、そこを卒業すれば二級建築士としての資格が与えられるということでありますけれども、この学校の場合、三年間例えば建築について勉強したら自動的に二級建築士の資格がいただけるのかどうか、またそういうこともひっくるめて特に就職について、余り手とり足とりということになっても逆な意味で問題なのかもしれませんけれども、何かお考えがあるのかということもお伺いしたいと思います。
#17
○阿部政府委員 この短期大学の卒業者の就職の問題というのは、御指摘のとおり大変切なる問題であると思っております。そういうような見地から、この短期大学をつくります構想の段階で、学科の構成をどういうふうに考えるかというあたりのところから随分関係者による議論があったわけでございますけれども、これまで聴覚障害者、視覚障害者の関係で長年の実績を持っている職業分野というのは当然これは取り上げるということでございますが、そのほかに、職域拡大のために、将来有望と認められるような新しい職業分野で就業の可能性の高い分野ということで、専門家の方々にいろいろ御議論をいただきました結果、先生の御指摘のような、例えば聴覚障害の関係での建築工学科というような考え方も出てまいったわけでございます。この短期大学におきましては、二年間でなくて三年間という若干長い時間をかけまして十分な教育等を行うということによりまして、かなりの能力水準を身につけることが可能であると思っておりますが、それに加えまして必要なのは、短期大学側が求人の側に対して理解と協力を求めていくという努力はどうしても必要なことだろうと思っておりますが、いずれにいたしましてもそういうようなことで、すぐれた能力を持った人を養成するということと職場開拓のために大学当局も真剣に努力をする、こういう二つのことによって可能であろうと思っておるわけでございます。
 人数は、御指摘にございましたように、当面九十人という定員でございますので、いろいろな関係者の方々の御理解を得ながら十分な就職を確保していきたい、かように考えております。
#18
○逢沢委員 筑波短大について最後にお伺いをいたしたいと思うのですが、基本的な意図、考え方というのは非常にすばらしいと思うわけでありますけれども、そういうハンディキャップをお持ちの方の専門の学校ということになりますと、結果として、そういった障害をお持ちの方をある意味で隔離をしてしまうといったようなことに結びつく危険性が若干なりともあるように私どもは思うわけであります。一般論としてそういう身体障害者の方々も健常者の中にあって同じ土俵で教育を受けられる、そういった機会をどんどん与えていくということも同時に文部行政の上では忘れてはいけない視点だと思うわけでありますが、このことについてぜひ御所見を承りたいと思います。
#19
○阿部政府委員 身体に障害を持っておられる方々もその能力、適性に応じて普通の健常者の場合と同様に大学進学の道が開かれるべきであるということは、私どももそのとおりだと思っておりますし、かねてからそういう方向で各国公私の大学、短大に対しまして指導を行ってきたわけでございます。
 今回の短期大学の創設は、そういった一般大学への入学とあわせまして、特にこういう大学への進学を希望するという方々の意向を生かすためにこういう大学をつくろうというものでございますので、そういった意味で、この大学をつくると同時に、一般の大学への受け入れの問題につきましても従来と同様に文部省としては努力を重ねていきたい、かように思っておるわけでございます。
 なお、この短期大学の学生につきましてもできるだけ他の大学の学生等との交流というようなことは行いたいと考えておりまして、現在言われております構想の中でも、例えばクラブ活動を近隣の大学の学生と一緒にやるような方向とか、あるいは場合によっては学生寮等に一緒に泊まるようなことの道を開くとか、いろいろな形での交流というのを考えていきたいということを関係者も考えておるところでございます。
#20
○逢沢委員 先ほど最後と申し上げましたが、この筑波についてもう一点だけお伺いをしたいと思います。
 日本では初めての試みということでありますが、アメリカあるいはヨーロッパあたりでは、こういった障害者の方々を対象にした高等教育機関、恐らく日本よりも歴史は古いというふうに思うわけでありますけれども、その実態について御報告をいただきたいと思います。恐らく、この筑波技術短大をつくろうという初期の段階から、そういった諸外国の事例に倣って、どういうところがいいところか、どういうところをまねしなければいけないか、逆にこういうところは問題として指摘がされているから、こんな二の舞を踏まないようにしようといったようなことを随分御研究になってこられたと思うわけでありますが、そのことについて御報告いただきたいと思います。
#21
○阿部政府委員 諸外国のこういうたぐいの大学の例といたしまして、私ども承知いたしておりますのは三校ございます。
 一つは米国のナショナル聾工科大学といっておりますが、聴覚障害者のための工科大学でございまして、ロチェスター工科大学の中に設置をされているというものでございますが、約千名の学生がおって、いろいろな分野での学科についての学問、研究に励んでいるという状況でございます。
 またギャローデット大学、これも米国でございますけれども、聴覚障害者を対象にする大学でございまして、これは千数百人の学生を抱えておりまして、これもそういう人文、社会、自然にわたる各種の学科での教育が行われておるわけでございます。
 それから、英国にはロイヤルナショナル盲大学という視覚障害者を対象とする大学がございまして、これは約二百人ほどの大学でございますけれども、事務関係のほか音楽、ピアノあるいは一般教養、コンピューターといったたぐいの教育を行っている大学であると聞いております。
 今回の短期大学の構想の策定に当たりまして、これらの大学について何回か関係者が行って、実地に拝見等はいたしてまいりました。私も詳しいことは承知しておりませんけれども、そういった成果を取り入れながら今後の短期大学の運営に役立てていきたい、かように考えているところでございます。
#22
○逢沢委員 よくわかりました。
 最後に要望でございますけれども、新しいこういった技術者を養成しようとする大学が、とにかく身体障害者の方々を対象にするわけでありますから、非常に人間的な温かみといいますかそういうものを持った、しかしそれと同時に並行して、自立のための厳しさ、この二つが非常に共存できるような雰囲気づくり、そのことに格段の努力をお願いいたしたいというふうに思いますし、また、不幸にして体に障害をお持ちの本人あるいはまたそういった子供を持つ親御さんにとって、非常に心のよりどころになるような大学として将来成長ができるように、これまた格段の努力をお願いいたしたいというふうに思います。
 さて、法案についてはここぐらいにしておきたいと思うわけでございますが、冒頭申し上げましたように、先ごろ行われました今春の国公立大学の入試のことについて、塩川文部大臣にぜひお伺いをいたしたいというふうに思います。
 とにかく新しいやり方で行こうということでありますから、今までになかったようないろいろな問題もあったように思いますし、また想像できなかったような新しい現象というものも引き起こしておるように思います。また、新聞等で拝見をいたしますが、ことしの受験はどうだったかといったようなインタビューに受験生がいろいろなことを答えているわけでありますけれども、必ずしもいい評価ばかりはいただけないというのが現状ではなかろうかというふうに思います。
 きょうの新聞、これは朝日新聞でありますけれども、一面に大きく「東工大が二次募集へ」という、これは五段抜きですかね、大きな字が踊っております。新しい方式で各大学ともかなり定数を水増しして入学者を発表したということでありますけれども、東工大のような、歴史があり、しかも非常にレベルが高いという高い評価を受けている大学でさえ、定数割れを生じてしまったといったようなことが報道されているわけであります。
 また、受験生の生の声を聞いてみますと、これはBグループの試験が終わったばかりの三月六日の朝日新聞でありますけれども、一様に、Aグループの試験とBグループの試験の間の間隔が短くて、あっちにこっちに移動するのに疲れましたといったような印象を漏らしておりますし、また学生によっては国立の大学の前に私立の入試がありますから、それとの間隔のことももうちょっと考えてくれなければ困るじゃないかといったような意見を言われた方もおられるようであります。
 あるいはまた、この足切りについてはいろいろなところで議論が沸騰いたしているわけでありますが、一説には受験生の六人に一人、約十万人ぐらいが足切りに遭ったという数字を私どもも耳にいたしております。足切りに遭って、自分が行きたいと思っている学校の本試験が受けられなかったから受験料を返してください、こういう議論はちょっと筋違いのようにも聞こえるわけでありますけれども、しかし受験生の立場に立って考えてみますと、心情的にはそれもわかるなという思いも同時にいたすわけであります。非公式に聞いた話でありますけれども、ある大学の関係者によれば、定数の三倍ぐらい受験生を確保しておけばいわゆる逆転現象というのは経験的に起こらないんだといったようなことも耳にいたしておりますけれども、本当にそれでいいのかどうかということを考えますと、必ずしもそうだということにはうなずけないわけでありまして、このあたりのことも実は随分大きな問題だというふうに私どもは考えております。
 きょうの二十五日が最終の締め切り日ということでありまして、まだ全体の評価をするにはちょっと時期尚早かと思うわけでありますけれども、今回の新しい方式で臨んだ国公立大学の入試のあり方について、塩川大臣が率直にどういう印象をお持ちなのか。あるいはまた、来年度あるいはそれ以降に向かってこういうところはやはりちょっと考えなければいけないなというふうなことをお持ちなのかどうか。あるいはまた、大臣自身が恐らくこういうことでやればこんな問題が出てくるだろうと受験の前に御想像なさっておられた部分もあられようと思うし、あるいは実際にやってみて、こういうところへまでは頭が及ばなかったな、いささかびっくりされているようなこともあるんではなかろうかと思うわけでありますが、そのあたりの率直な御意見あるいはまた御感想を承りたいと思いますし、あわせて同時に、文部省として、中間的な意味で今回の入試をどういうふうに評価をなさっておられるかということもお伺いをいたしたいというふうに思います。
#23
○塩川国務大臣 今回の入学選抜制度につきましては非常に多くの問題を提起してきたと思っております。つきましては、文部省内におきましてもこの問題で再三議論もいたし、また今後の改善についての方策も目下話し合いをして進めておるところでございますが、事の発端はやはり受験生に多くの機会を与えよう、そしてできるだけ受験の機会を公平に与えていきたいというところから、国立大学協会の要望もございましたし、また臨教審でもそのような多数の機会を与えるということについての答申もございましたし、そういうことから今回複数受験ということに踏み切ったのでございます。
 この結果をいろいろ目下分析いたしておりますが、今のところで我々言い得ますことは、この制度がことしから発足いたしまして、これを改善するという形でやはりここ数年継続してこの制度を維持していきたいということでございます。
 もちろん、この制度を導入いたしましてからいろいろな問題が起こってまいりましたが、今回は、まず第一に、初めてのことでございますので学生がその選択に相当苦労したのではないか、こう思っておりますが、学生もやはりこの制度にまずなれてくれるということと、この制度を正しく理解して、ただ矢継ぎ早に、受験の機会がふえた、それ、たくさん受けようということではなくして、自分に向く学校、つまり入りたい大学を正確に選んでもらうということ、これをひとつお願いいたしたいということであります。
 それと同時に、大学も今まではいわば受験を受ける側だけでございまして、どちらかといえば自分の独善的な考え方で受験のことを考えておりましたけれども、これで学生が二つ通った場合どちらを選択するかということは、学生がその学校を選択しているということにもなるわけでございますし、そういう意味からいいましても、大学としても学生の動向あるいはその学校の特色のあり方というものをみずからもいろいろ考えていただく機会にこれはなってくるんではないか、こう思っております。
 それと一つ、私たちも非常に遺憾であったなと思いますことは、非常に多くの不合格者でございますが、十万人と言われております、これが出たということについて、学生たちが一生懸命勉強しておったにかかわらずこういう機会か与えられなかったということ、これに対しては私たちは非常に残念に思っておりますが、しかし、これはやはり受験は一種の競争でございますので、共同社会の一つとして競争をやはり是認しなきゃならぬということであるならば、この十万人の方々は非常に気の毒でございますが、できるだけこういうことのないように今後出題とかいろいろな制度について考えていかなければならぬと思っております。
 それともう一つ、受験生が西に東にと非常に多忙に走り回りました。しかし、私はこの辺は何とか改善の余地はあるのではないか、こう思うたりいたしております。
 しかし、先ほど冒頭に申しましたように、複数の機会を与えるという、チャンスを与えるというこの制度そのものはやはり継続していくべきだ、こういう考えをおおよそのところ持っておるものでございまして、まだなお最終的に選抜のいきさつが終わったわけではございませんので、最終段階を迎えまして来月早々にでもこれに対する文部省の考え方をまとめたい、こう思っております。
#24
○逢沢委員 質問時間が終わりましたので、最後に一言だけ申し上げて終わりたいと思うわけでありますが、今塩川大臣からもおっしゃっていただきましたように、今回は初めてのことでもあるので、この制度の根幹を守りながら将来改善すべきは改善するんだというお話でございますが、ぜひその方向でお願いをいたしたいというふうに思います。受験生に二度のチャンスを与えよう、これは一種の愛情であったことと思うわけでありますが、結果としてそれが意図どおりにいかなかった部分も大きいわけでありまして、その辺のところは非常に積極的な取り組みを特にお願いを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
#25
○愛知委員長 佐藤徳雄君。
#26
○佐藤(徳)委員 私は、今お話がありました今回の国立大学の入試問題について、さらに法律案の改正に提案をされております福島大学並びに筑波技術短期大学の問題についてお尋ねをいたします。
 三月二十三日、私の地方の小学校の卒業式でありました。しばらくぶりで地元の小学校の卒業式に参加をいたしまして、非常に感動した一日を過ごさせていただいたわけであります。四月から中学校へ入る子供たちの生き生きした、しかも輝かしい目を見るにつけ、この子供たちを今のような苦しみの中から解放するような状況をこれから政治の場で何とかつくってやらなければいけない、そんな気持ちになったわけであります。
 卒業式が終わりましてから父兄の皆さんやあるいは来賓で来られた皆さんと若干話し合いをいたしましたが、皆さんがおっしゃっておられますのは、小学校の卒業式はいいな、本当に気持ちがさっぱりするというような言い方がありましたし、同時に、中学校に行けば苦しみが待っているし、さらに高校受験、大学受験と次々に待っているだけに、むしろ中学校の卒業式は感動というよりは苦しみの卒業式だなというお話を伺ったわけであります。いろいろ考え方があると思いますけれども、私は今日、日本の教育が抱えている一つの大きな問題を端的に表現をしてくれたのではないか、こんな感じを受けたわけであります。
 さて、大学の問題につきましては、先ほどお話がございましたとおりきょうで締め切られるわけであります。ですから、確定的なものが出ないうちに軽々に判断はできないと思いますが、きょうの新聞、きのうの新聞等にも大々的にこの内容について報道されておりますから、それらの部分を含めまして幾つかの問題についてお尋ねをしたいと思います。
 まずその第一は、いわゆる第二段階選抜実施大学、学部数について、昨年度と今年度の実態を明らかにしていただきたいと思います。国立、公立別にお願いいたします。
#27
○阿部政府委員 二段階選抜を実施した大学、学部数でございますが、国立ては実施の予告をいたしました大学が六十一年度二十五大学、七十五学部、これに対しまして実際に実施をしました大学は七大学、十八学部でございました。また公立大学は、これも六十一年度でございますが、予告をいたしましたのが十二大学、二十五学部、実施をいたしましたのが五大学、五学部、計三十七大学、百学部が予告をいたしまして、十二大学、二十三学部が具体の実施をしたというのが六十一年度でございます。
 六十二年度入試、今回の入試でございますが、予告をいたしましたのが国立五十八大学、百九十四学部、これに対しまして実施をいたしましたのは四十三大学、百二十四学部でございます。公立大学は予告をいたしましたのが二十一大学、四十学部で、実施をいたしましたのが十六大学、三十学部となっております。そのほかに私立の産業医科大学がこの共通一次に参加をしておりますが、これは実施を予告いたしました。一大学、一学部予告をいたしましたが、実施はいたしませんでした。
 合計いたしまして、六十二年度は八十大学、二百三十五学部が実施の予告をいたしまして、五十九大学、百五十四学部が実際に二段階選抜を実施したという状況になっております。
#28
○佐藤(徳)委員 各国公立大学の二段階選抜につきましては二月一日までに実施をされたはずでありますが、その結果、第一段階選抜の不合格者を国立大学、公立大学別に明らかにしてください。
#29
○阿部政府委員 今回の六十二年度入試について申し上げますと、第二段階選抜の第一段階で不合格となった者の数は、国立が六万九千四百四十二人、公立が三万百七十九人、計九万九千六百二十一人と相なっております。
#30
○佐藤(徳)委員 二段階選抜における年次別の不合格者と、その割合について明らかにしていただきたいと思います。
#31
○阿部政府委員 最近五カ年間で申し上げますと、昭和五十八年度入試の際には不合格者数が五千七百八十六名、五十九年度は四千八百八名、六十年度は五千四十五名、六十一年度は五千八百十五名、そして六十二年度が先ほど申し上げましたように複数化の影響によりまして九万九千六百二十一名という数字に相なったわけであります。
#32
○佐藤(徳)委員 今御報告いただきましたとおり、前年度が五千八百十五名、それにことしが九万九千六百二十一名、五千人台から一挙に九万、約十万です。十万人の不合格者が出たというのが実態であるわけであります。数の上ではかなり物すごい倍率になっておりまして、去年の約十八倍、こういうふうになるのでありますが、この点については私は極めて異常な状況であるというふうに判断せざるを得ません。こういう九万九千六百二十一名、つまり前年度と比較いたしまして約十八倍もふえてきているというその原因は何だとお考えですか。
#33
○阿部政府委員 先ほども申しましたように、受験機会の複数化を行ったことによりまして、延べ数でございますけれども受験者の数が激増した、要すれば従来一校しか受けられなかった人たちが二校受けるということでございますから、志願の倍率は従来の二倍というようなところまでふえるわけでございます。そうした結果、各大学に実際に受験をする者の数がふえたということと、それからもう一つは、何せ初年度のことでございますので受験生たちのいろいろ戸惑い等もあったかと思いますが、平均的に分かれるということではなくて、いろいろなところに固まって受験が集中したというようなこと等が今回の足切りを大きくした原因であろうかと思っております。
#34
○佐藤(徳)委員 大臣にちょっとお尋ねいたしますが、先ほど御答弁がありました、そして今局長の方からもお答えがあったとおり、複数受験によって起きたものというふうにおっしゃいましたが、そのとおりでありましょう。しかし、全く異常だと申し上げますのは十八倍になっているということなのでありまして、こういう入試改善の問題が導入される段階からこういう状態が出ることが予測されましたかされませんでしたか。大臣、いかがですか。
#35
○塩川国務大臣 受験の機会が倍になったのでございますから、受験生がふえて、したがって不合格は若干ふえるとは思っておりました。しかし、私は率直に申しまして十万人といったらちょっと多いなという感じは持っておりますが、かといって、受験生にしましたら、何とかしてこの機会に自分もチャレンジしたいという気持ちが出てきたということ、そのこと自体は、やはり私は、複数制の一つの、受験生で不合格であった方には気の毒でございますが、二回受けられるんだということに弾みがついたということはあると思っております。数字の面から見ましたら、おっしゃるようにちょっと多いなという感じは私は持っております。
#36
○佐藤(徳)委員 ちょっとどころじゃありませんね、十八倍ですから。倍ぐらいかなとおっしゃいましたけれども、倍にすれば一万一千人程度でありまして、それだってはるかに予想を超えているということが言えるだろうと思いますし、そうおっしゃったんだと理解をいたします。
 そこで次にお尋ねいたしますのは、これは大臣でも局長でも結構でありますけれども、大学入試に共通一次を導入した目的は何でしたか、お答えください。
#37
○阿部政府委員 昭和五十四年度の入試から共通一次を国公立大学で導入をいたしたわけでございますが、この考え方は、一つは、これまでの大学入試が学力検査一辺倒になっておって、受験生の能力を多角的に見てあげるというような面に乏しいということ。そしてまた、もう一つは、試験の内容そのものが高校のレベルを超えたような難問であったり奇問であったりというようなことがしばしば見られる。こういうことを是正したいというのがねらいでございまして、要すれば、共通一次試験というもので適切な出題を行うことによりまして、高校段階における一般的かつ基礎的な学習の達成の程度をこの共通一次試験によってはかるようにするということ。そして、各大学の第二次試験というのがあるわけでございますけれども、これはそれぞれの大学、学部の目的、特色、専門分野の特性等にふさわしい能力、適性を多面的に判断するようなたぐいのものを工夫して行う、こういうような形で入試全体の改善を、先ほど申し上げました問題点の改善を図ろうということをねらいにしたものでございます。
#38
○佐藤(徳)委員 激しい受験競争のもたらす弊害を除くためにもこの共通一次試験を導入したという理解もありますが、その点はいかがですか。
#39
○阿部政府委員 入試問題については二つの側面があると思っておるわけでございます。一つは、先ほど申し上げましたような具体的な入試のやり方について、難問・奇問があるとか学力偏重であるとかいうことがございます。もう一つは、有名校と言われるようなものに志望が集中するために競争が激甚になるという、二つの要素があるわけでございます。
 後者の方の有名校に集中するという問題は、入試によってもあるいは若干の改善が見られるかもしれませんけれども、基本的には入試方法だけでは解決しない問題であるというふうに考えておるわけでございまして、そちらの方はやはり、社会的風潮の是正でございますとかあるいは各大学がそれぞれ、特定の大学だけが魅力のある大学ではなくて、いろいろな大学がそれぞれ独自の魅力を持って受験生を引きつけるというような充実のための努力が必要であろう、こう思っておるわけでございます。したがって、共通一次の入試の際に、激烈な受験競争と言われるものも難問奇問等に対する対応をもって外していこうという意味ではあったかと思いますが、特定校への集中を排除するということにつきましては、やはり共通一次では解決しない問題だというふうに認識をしていたと思うわけでございます。
#40
○佐藤(徳)委員 それでは、今回行った入試改革について、初めての事柄だということを大臣が先ほどお答えいただきましたけれども、それじゃどういう反省の上に立って今回の入試改革をされたのですか。その目的等についてお伺いいたします。
#41
○阿部政府委員 今回の受験機会の複数化でございますけれども、これは国立大学協会が関係者の意見、要望や臨教審の答申等を踏まえてその実施に踏み切ったものでございます。このことを取り上げましたのは、要すれば、これまで御案内のように戦後国立大学については一期校、二期校という制度で実施をしてまいりました結果、いわゆる二期校コンプレックスというものが起こったということで、それを解決する手段として入試期日の一元化というのを昭和五十四年の共通入試の導入とあわせてやったわけでございますが、それに対して、国立大学について一回しか、一校しか受ける機会がないのかという批判が出てきたということが一つございますし、もう一つは、入りたい大学よりも入れる大学へというようなことで、一校しか受けられないとすれば、どうしても安全性というものだけを念頭に置いて受験校を選ぶというような傾向がいわゆる偏差値輪切りと言われるような傾向につながってくるということに対する反省、そういうようなことを含めまして受験のための機会の複数化を行おうということにいたしたものでございます。
#42
○佐藤(徳)委員 先ほどお話がございましたが、学力検査一辺倒からこれを是正する、それで共通一次を取り入れたというお話であります。いみじくも、この共通一次を導入する際の国大協の会長は臨教審の現在の会長の岡本さんなんですね。そうでしょう。それからさらに今回の入試改革、臨教審も先ほどお話があったとおりでありますけれどもこれまた岡本さんなんですね、個人の立場ではないでしょうけれども。どうも私は変な気持ちがしてならないわけであります。岡本さんの時代に国大協が共通一次の導入をして、そしてさらに、同じ人が臨教審の会長になって大きな混乱をもたらしている。一体これはどういうことなんだというふうにどうしても疑問を持たざるを得ません。
 これは新聞にも掲載されましたけれども、今度の複数受験は中曽根総理の大きな一つの希望であったんでしょう。新聞にもそう書いてありますし、臨教審からもそういうお話があったことも記憶しておるわけであります。よかれと思ってやったことが、私はこれは明らかに予測できたと思ったんだ、予測できる問題を、こういうふうな段階を経ながら、逆に受験する側の受験生に対して心理的な動揺なりいろいろな面の作用を起こしたんじゃないかというふうに判断せざるを得ないわけであります。
 受験機会の複数化についての評価はいろいろあるでしょう。これから結果が出ますから、最終的な評価の問題についてもいずれかの機会に大臣の方からお伺いしたい、こういうふうに思っております。
 だが、問題をいま少しえぐり出してみますと、志望校が複数でありますから、東日本あるいは西日本、A、Bの関係もあるでしょうけれども、分かれて受験をしたという受験生が非常に多いということは新聞も指摘をしているところであります。同時にこのことは、経済的負担が著しく重くなったのじゃないかという判断もできるわけであります。いわば入試改革でもみくちゃにされている受験生の姿を国立大学協会の先生方や文部省の方々はよく見詰めてほしいという意見のあることも十分念頭に置いて今後の対応をお願い申し上げたい、こう思っているところであります。
 さてそこで、受験学力、いわゆる偏差値の高い受験生には複数の大学に合格する機会は確かにふえたでしょうけれども、そうでない学生にはかえって大学の門が狭くなったのではないか、こんなふうにも考えられるわけであります。ことしの結果から、受験競争がさらに激しくなり、それによる弊害が大きくなることは目に見えているだろうという予測も私なりにしているわけでありますが、先ほど大臣のお答えでは、これを四、五年続けまして、そしていずれ成果と欠陥を明らかにしながら総括をし、考えていきたいという趣旨の御答弁がございましたけれども、中間段階でもう間もなく結果が出るわけでありますが、今度の入試改革の目的にそぐわなかったのじゃないかというふうにも判断できますし、そういう考えを持っている国民の皆さんもあるいは受験をした皆さんも相当いらっしゃると理解するわけでありますが、いかがでしょうか。
#43
○塩川国務大臣 大学の選抜制度につきましては、我が国だけではなくしてどの国も非常に苦心をしておりまして、いずれの国もその時代時代に合わせて改正をしております。けれども、絶対これでいいんだという百点満点の改正はどの国も見つからない。我々も実は、受験勉強というもの、そして選抜制度そのものが若い人に非常に精神的な負担になっていることは承知しております。しかしこれは、先ほど局長が言いました受験の内容を変えるだけでは解決しないと思うのであります。
 そうすると、ねらうところは何かと言えば、できるだけ多くの学生に機会を与えるということが一つは学生に対する精神的な負担をやわらげることになるだろうというところから、この複数制を導入してきた、根本はそこにあるわけでございます。やってみまして、結局、先ほども私はちょっと逢沢委員の御質問にお答えいたしましたように、学校側もこれは真剣に考えていくであろう、つまり受け入れる大学、そして受験生を指導し推薦していく高校の方にもいろいろと問題は投げかけたと思っております。でございますので、この制度の改善については、ただ単に文部省は文部省だけでこの改正を考えるのではなく、大学、高校を入れましてよく相談して、少なくとも受験生の希望の中で何かを取り入れていってやりたい、こういう気持ちでおります。
 それからなお、岡本臨教審会長のことでございますが、これは偶然そうなったんだと思いまして、あえて岡本先生がそれをいろいろ意図してやられたのではない、先ほどのそういう経過がずっとございまして、たまたまタイミングがそこに合っておるということでございますので、誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
#44
○佐藤(徳)委員 私は、岡本さん個人を批判したりそういう立場で物を言っているのじゃありません。まことにお気の毒だな、よかれと思ってやった共通一次が、中曽根総理の一声によって変形をしてきたことが今日の状況を生み出した、こんなふうにも考えられるわけであります。売上税なんかについても大体同じことが言えるのじゃないかと思うのであります。しかし、少なくとも受験をするその受験生の立場に立った問題の提起をどうすべきかということが、私はこれから大きく問われてくる問題であるというふうに受けとめざるを得ないわけであります。
 さて、試験を受けさせてくれない以上に検定料まで没収されてしまったという受験生が、先ほど数字が挙げられましたように九万九千、約十万人おるわけであります。金額にいたしますと、総トータルが約十億近くになりますね。かなり大きな額であります。
 そこで、一つお尋ねいたしますのは、愛知県立大学の外国語学部教授会が、二次試験を受験させる志願者を入学定員の約七・五倍、すなわち第二次試験が受験可能な者千五百二名に対し受験できない者千九十二名となりまして、これは受験率五七・九%だそうでありますが、その一千九十二名に対し、現段階で考えられる方策として、受験できなくなった者に、必要な場合はその所要経費を控除した上で、入学検定料を還付するよう設置者に要請する、つまり設置者は多分ここでは県知事だと思いますけれども、こういう決議をされたそうであります。これを伺っているわけでありますが、事実ですかどうですか。もし事実だとすればその時日の経過をお知らせください。
#45
○阿部政府委員 愛知県立大学の件につきましては、大学側に状況を伺いましたところ、本年の二月十六日に県立大学外国語学部の臨時教授会におきまして、先生ただいま御指摘のような決議を行ったということでございます。
 この決議に関しましては、翌日県立大学全体の評議会に諮られ、さらに学長等に扱いが一任された結果、検定料の額、取り扱いは愛知県の手数料条例におきまして額が決められ、納付された手数料は還付しないという規定が決まっておるということ、あるいは学生募集要項においても同じ趣旨の定めをして受験生に告知をしておるということから、今年度について検定料の返還を県に申し入れるということは、大学としてはしないという結論が出されたそうでございまして、この経過につきましては大学側から県側にも伝えられているということのようでございます。
#46
○佐藤(徳)委員 一つの事例にすぎないかもしれませんけれども、私は、この愛知県立大学の外国語学部の教授の先生方は極めて良心的な決議をされたというふうに思っているわけであります。大臣、御感想はいかがですか。
#47
○塩川国務大臣 私は、愛知県立大学の問題は知りませんでした。しかし、私は受験生の気持ちはわかるのでございますが、受験する学生の方も、共通一次とそれぞれの大学の二次とこれはセットになって二万一千円なんだということは承知の上でやっておるわけでございまして、現に、戦前でございましたけれども、私たちが学校を受けますときに、一次試験を通らなくても受験料は二次試験も含んでおるのでございますから、私はその気持ちはわかりますけれども、制度として、また実際に自分が受験するときの納得した気持ちから申して、私は、請求するのは理があるようで実は本当は感情が先走っておる理屈ではないか、こう思っております。
#48
○佐藤(徳)委員 問題は、つまりこのように大量な共通一次の足切りが出たことによって、むしろ問題が大きくなったというふうにも受けとめられるわけであります。しかし、理屈からいってもどうも私は納得ができないのであります。
 それで、新聞を見ますと、文部省大学入試室の方、どなただかわかりませんけれども、二月十七日付の東京新聞の夕刊に談話を発表しているのです。その中で「愛知県立大学の決定が国立大学に及ぼす影響については、今の時点でコメントできない。」こうお話をなさっているのです。そういうコメントをしたかどうかわかりませんが、コメントをしたという理解をすれば、コメントできない理由は一体何だったのでしょうか。
#49
○阿部政府委員 恐らく電話による問い合わせであったと思いますけれども、それについて担当の者が、これはまだわかりませんということをお答えしたのだろうと思います。
#50
○佐藤(徳)委員 そういう簡単な答え方とは新聞を見た読者は受けとめないのですね。コメントできない、つまり国立大学に及ぼす影響が非常に大きいというふうに判断したからコメントできないとおっしゃっているのだと思います。
 この問題について余り深く突っ込む気はありませんが、ただ一つお尋ねしたいのは、愛知大学の検定料の部分については条例にあるわけであります。手数料の問題で、つまり「手数料の納入義務者」「第二条 手数料は、特定の者のためにする事務について、その利益を受けた者から徴収する。」こういうふうに限定をされております。そしてさらに第五条には、「納付された手数料は、還付しない。」こういうふうにうたっているわけでありますが、その第二条の理解の仕方についてどうも疑問を持つわけでありますが、その「利益を受けた者から徴収する。」そうすると、二次試験を受けさせていただかなかったわけですから、「利益を受けた」というふうにはどうも私は理解できないのであります。そうすれば当然第二条に基づいて返さなければいけない、こういう判断も成り立つわけでありますが、いかがでありましょうか。
#51
○塩川国務大臣 せっかくの先生の議論でございますが、これはちょっと理屈に合わない。要するに受験というのは一次、二次がセットになっておる、これが受験の利益を受けることでございます。私は一次試験だけで結構でございますから、あともし一次を通っておったら二次のお金を払います、こういう約束じゃないのでございまして、要するに、受験をいたします、その受験の中身は一次、二次ありますよという一つの、簡単な言葉で言いましたら契約のもとに手数料を払っておるものでございますから、まさにその条例に言うごとく特定の利益を受ける者の手数料だ、こういうふうに解釈が成り立つと思います。
#52
○佐藤(徳)委員 徴収するというのは文部省の省令にありますね。しかし徴収する項目しかないのであります。まあそれはいいといたしまして、問題は、来年もこういう状況、つまり足切りの人数が、ことしのような状況を改善しないままやれば恐らく同じような数字が出るだろうというふうに私は予測をするものであります。そうでなければいいのでありますが、今のままのやり方でいけば当然同じような結果が出るんじゃないかということが十分予測をされるわけであります。終わってみないとわからないとおっしゃるかもしれませんけれども、一定の方向はわかっているわけでありますから、そうだとすれば、今年度行われたような入試改革の何らかの反省の上に立って改善を迫られているんじゃないかというふうに思います。例えば二次試験を私立大学のように全員に保証するということになればこういうことが起きないわけなのであります。これはおわかりいただけると思います。そういう来年度の予測をしての質問は恐縮でありますが、余りにもはっきりと予測をされるということでありますので、改善を、具体的には後で出すにいたしましても、その方向性ぐらいはお考えを持っておりませんか。大臣、いかがですか。
#53
○阿部政府委員 今回の複数化に伴いまして、先ほど来御指摘がございました多数のいわゆる足切り組が出るということ等含めまして、いろいろ問題が出ているわけでございます。その中で検定料の問題も御指摘をいただいていることはよく承知をいたしております。
 私どもといたしましては、まずは来年度に向けましては、足切りというようなことをできるだけ少なくするという努力をすることが一番大事なことだと思っておりますけれども、検定料の問題等につきましても何らかの方策があり得るかどうかというようなことは、ほかの問題等全体をあわせまして検討していきたい、こう思っております。
#54
○佐藤(徳)委員 来年度はできるだけ足切りを少なくしたいというお話でありますが、例えばどういう方法をとったら足切りが少なくなりますか。
#55
○阿部政府委員 具体にどうするかというのはいろいろなやり方があるいはあろうかと思いますけれども、足切りが多いというのは特定の学校に受験生が集中するということでございますので、例えば志望の状況等を適切な時期にできるだけ受験生に周知をしていくということによって集中を避けるようなこともあり得るだろうと思いますが、具体のやり方等についてはまさにこれからことしの状況を見ながら国立大学協会の中でも検討が行われる予定だと思いますし、私どももそれにできるだけ協力をして助言や指導等もやっていきたいと思っております。
#56
○佐藤(徳)委員 ちっとも具体性がないですね。大臣、ひとつお答えいただきたいと思います。
 先ほど私が申し上げましたように、私立大学のようにとにかく二次試験を全体に受けさせる。そうすると幾つかの弊害が除去されることは間違いないと思います。同時に、二次試験で頑張れば合格できるんじゃないかと思っている受験生だっているだろうというふうに私は思うのでありますが、受験をする者の立場に立って物を判断すれば、どうしてもそういう悩みを解消してやりたいなと思うのでありますが、今すぐにやれるというお答えができないとすれば、そういう方向で検討するのにやぶさかでないかどうか。その辺、大事なことですから大臣、御答弁いただきたいと思います。
#57
○塩川国務大臣 二次試験の幅を、と言うよりも、二次試験を全員に受けさせるようにするということは理想であろうと思います。が、しかし学校にも能力のこともございますし、いずれにしても短期間に合否を決めなければならぬ、こういうことがいろいろございますし、学校との相談もいたしてみたいと思っております。
#58
○佐藤(徳)委員 昭和六十五年度からまた新しい入試改革になるのでしょう、違いますか。いかがですか。
#59
○阿部政府委員 国公私立を通じたいわゆる新しいテストというものは、昭和六十五年度から実施をするという方向で現在、検討準備を進めておるところでございます。
#60
○佐藤(徳)委員 共通一次、そして今回の入試改革、昭和六十五年度からまた改革、これじゃ振り回しじゃありませんか。私は、入試改革に対して一貫性がないということを指摘せざるを得ないのです。大学入試というのは社会的に相当な影響を及ぼす問題でありますから、慎重に取り扱ってもらいたいのでありますけれども、こういうことが二度も三度も繰り返されると信頼が全くなくなってしまうというように私は思うのです。大臣、いかがですか。
#61
○塩川国務大臣 信頼の問題、いろいろおっしゃいましたが、これは議論するところは多々あると思うのでありますが、こういう制度でございますから、御承知のように、今すぐあしたからやりますという転換をするわけじゃございません。ようかんをかみそりで切るような、そんなすぱっとしたことじゃなくて、何年先にはこういうことをやります、こういうことでございますから、それだけの準備はやはり当局もいたしますし、学生の方もするわけでございます。それと同時に、入試制度そのものを絶えず検討し改善していくという努力がやはり必要だということを私は思うし、これは戦前だっていろいろと制度は変えられてきたのです。世界各国もこの制度を悩み、改善もしてきております。ですから、少してもこの方が受験生にとってためになるということであるならばその制度を変えるのにやぶさかであってはいかぬ、私はこう思います。
#62
○佐藤(徳)委員 いや、改善することを私は否定はしないのです。しかし、そんなにくるくる変わるような改善ではしようがないじゃありませんか。総理大臣が一言物を言えばがらっと変わるような、そして結果は混乱が起きたというような、こういう状況を私は真剣に見詰めなければならない。売上税問題をめぐって中曽根内閣、長くないのではないかという声が大分ありますけれども、ひとつ大臣、いつまで大臣の任期を務められるかどうかわかりませんが、少なくとも任期中だけでも確固たる信念のもとに頑張ってほしいと思いますが、決意のほどを伺います。
#63
○塩川国務大臣 私は一つの信念を持って、六十四年実施というのを待てというのをやったのでございます。そして十分に一年考えろ、私の信念でやりました。決して風の吹く方向を見てしっぽを振っているということではございません。どうぞひとつその点は認めていただきたいと思います。
#64
○佐藤(徳)委員 文部大臣、権威を持っているわけでありますから、振り回されないように、風見鶏にならないように、ひとつ頑張ってほしいと思います。
 さて、次に入りますが、大学の水増し合格者の問題であります。
 国立大学の水増し合格者三万六百三十二名、水増し率三四・七%、これは昨年の八・六%の四倍であると言われております。さらに公立に至りましては七千八百二十七名、水増し率が八三・三%、昨年は六二・二%と伺っておりますが、この数字にほぼ間違いありませんか。正確な数字があったら教えてください。
#65
○阿部政府委員 今年度の入学定員を上回って合格を発表した数でございますけれども、国立大学が入学定員九万三千五百六十三人に対しまして約三万一千二百人多い、入学定員に比べまして一・三三倍という合格の発表をいたしております。公立大学は入学定員一万五百九十九人に対しまして約八千百人多い、入学定員に比べまして一・七七倍という発表をいたしているわけでございます。国公立合わせまして約四万人増の一・三八倍という数字に相なっております。
#66
○佐藤(徳)委員 水増し合格者の数を各大学ごとに実態を明らかにしていただけますか。
#67
○阿部政府委員 各大学ごとの数字を持っておりますけれども、全部申し上げるのは時間を食い過ぎると思いますので、後ほどお届けをするということでお許しいただければと思っております。
#68
○佐藤(徳)委員 幾つか関連してお尋ねをいたしますが、入学手続はきょう、三月二十五日までですね。そこで、受験生の選択次第ではなお欠員が生じたり逆に定員オーバーになったりする事態もあるかと思いますけれども、先ほど自民党の質問者から東工大の問題が指摘をされておりますが、既に出ているわけであります。そういう実態があり得ると思いますか。定員オーバーをしたりあるいは定員割れをしたりという状況が出てくるという判断に立ちますか立ちませんか。
#69
○阿部政府委員 国立大学にとりましても初めての経験でございますので、複数合格者等がどの程度出て、よその大学へどの程度流れるかといったようなことは、いろいろ苦労はいたしましても推測の範囲を出なくなってくるというような点は否めないところがあるわけでございます。そういったことから、予想よりも上回って入学手続をとった者が出てくるケースあるいは下回るケースというのはあり得ると思っております。
#70
○佐藤(徳)委員 きょう締め切りですから確定には至らないことは承知の上でありますが、既に山形大農学部、岡山大三学科等は欠員であるということが言われておりますが、その点についてはお調べになっていますか。
#71
○阿部政府委員 二十五日の段階でどうなるかということにつきましては、それぞれの大学がまだ追加募集をするとか補欠を入れるとかあるいはそのままにするとか、いろいろな手続が進行の途中の段階でございますので、文部省としては各大学に報告を求めておりません。最終に三月末くらいの確定した段階で報告を求めるということにいたしたいと思っております。
#72
○佐藤(徳)委員 確定した段階で委員会にその資料をひとつお示しいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#73
○阿部政府委員 数字が固まりました段階で、委員の先生方にお許しいただければお配りさせていただきます。
#74
○佐藤(徳)委員 委員長、いかがですか。
#75
○愛知委員長 はい。
#76
○佐藤(徳)委員 それでは、定員オーバーすることがいいのかどうかも含めての議論もありますが、定員オーバーした場合、人数にもよるわけでありますけれども、大学設置基準に反しませんか反しますか、どうなんですか。
#77
○阿部政府委員 人数がどれだけかということがわかりませんと現在の段階では判断のしようがないわけでございますけれども、一般的に申しまして、国立大学あるいは私学の大部分の大学もそうだと思いますが、大学設置基準に比べればある程度上回った教職員あるいは施設設備等の体制はとっておるわけでございますので、若干の増減であれば特に問題はなかろうかと思っております。また、一時的な事柄で、例えば私学の場合にも、特にこの年度だけ計算を間違った、見込みを間違ったというようなケースはしばしばあるわけでございますが、その単年度だけつかまえて、だから違反だというようなことでは考えずに、全体としてながめてみていこうというような構えで設置基準の適用については考えておるわけでございます。
#78
○佐藤(徳)委員 オーバーした場合、一人当たりの積算校費でやるわけでありますが、予算の関係からいうとそういう理解をしてよろしゅうございますか。
#79
○阿部政府委員 各大学それぞれ事情があろうかと思いますのでまちまちだろうと思いますが、オーバーした場合には、予算面で例えば先生御指摘のような積算校費がもう少し欲しいというようなケースは出てくる可能性があると思っております。それらにつきましては国立学校特別会計全体の中で何とかやりくりをして対応したいと考えております。
#80
○佐藤(徳)委員 この問題についての最後でありますが、今回の状況、きょうで終わりでありますからほぼ見通しがついているわけでありますが、入試改革は一面で、東大あるいは京都大、こういうような序列化を明確にする結果になったと言えるんじゃないかという疑問が私にはあるのです。同時に、「偏差値秀才が合格独占 すれすれ族は桜散る 複数校受験の結果も無残な弱肉強食」こう書いた新聞がございます。これもまさに適切な表現をしているものだなと思って読ませていただきました。教育とは子供の品質を管理して数値化をすることではない、やはり人格の形成を主体として考えなければいけない、こう思っているわけでありますけれども、今までの論議を通しまして、この大学入試問題に関して、最後に大臣の締めくくり的な御見解をいただきたいと思います。
#81
○塩川国務大臣 大学校は教育だけではないと私は思っております。教育は当然本来の本質的なものでございますけれども、同時に学問、研究のうんちくをきわめるところでもあると思っております。
 ところで、東京大学、京都大学に学生が希望を非常に強く持つということは、これは社会的な条件もあるだろうと思いますし、同時にまた、この大学、ほかの大学もそうでございますが、それぞれ古い歴史を持っております。学問、研究というものは歴史とともに蓄積された知能の上に新しい学問が開かれていくということであるとするならば、やはり歴史の古さというものが学問的に相当高度なものを持ってきておるということ、そこに学生もあこがれて来ておるのだと思うのであります。といって、単に東京、京都の大学だけを文部省が重点的に育成強化するということではございませんで、御承知のように共同機関をつくったりあるいは地方の大学におきます研究施設等の充実等に努めておりまして、できるだけ学問の水準を平等、公平に扱っていくということをやっておるわけでございますが、世間的な評価というものは文部省としてはいかんともしがたい、そういう空気がございまして、私は、そういう意味において、この学歴社会という根本の風潮をぜひ改めていただくということが、何としても教育を明朗にして本当に若人に新しい希望をつくっていく本元ではないかと思っております。我々も努力をしてまいりますが、ぜひひとつ国会からも、そういう学歴偏重を正していく、こういう空気をつくっていただくようにお願い申し上げます。
#82
○佐藤(徳)委員 それでは、次の質問に入ります。
 筑波技術短期大学の創設の問題であります。法律案に示されている本問題について、ここに至るまでの間、賛成、反対の立場から各関係団体から意見や要望、陳情を私も受けております。文部省にも来ているんだと思いますが、あるいは大臣に直接にも行っていると思いますけれども、文部省当局がこれを受けとめられまして、どういう内容なのか、その概要について、もしおありでしたら御説明をいただきたいと思います。
#83
○阿部政府委員 筑波技術短期大学につきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、五十一、二年ごろから関係者の御要望によって検討に着手したものでございますが、二つの賛成と申しますか推進の団体としましては、一つは聴覚障害者のための高等教育機関の設立を推進する会、これは全日本聾唖連盟という聴覚障害者の団体、それから聾学校長会、PTAの関係あるいは聴覚障害者を持つ親御さんたちの会というようなものが集まってつくっておるものでございます。もう一つは視覚障害者のための高等教育機関の設立を推進する会、これは日本盲人会連合等を初めとしまして、趣旨としては聾の場合と同じようなグループの会合でございますが、そういった二つの団体から早期設立の要望が出されておりまして、そのねらいとするところと申しますか趣旨は、身体障害者の高等教育の機会の拡充を図りたいということ、それから障害者の職域の拡大と社会的自立の促進を図りたい、障害者の教育方法の改善を図りたい、こういった三点を掲げて、ぜひこういうものをつくってほしいという要請があるわけでございます。なお、このことに関しましては、国会議員の先生方の中にも超党派で推進議員連盟もできているということを承知をいたしております。
 また、これに対しまして反対の意見を述べられる方々、筑波身体障害者短大構想に反対する連絡会という方々のようでございますけれども、そのほか筑波大学の附属盲学校の教員等の一部の方等からこの創設に反対という御意見も出てきております。反対の御意見は、いわば障害者の隔離につながる、一般大学での受け入れがこれによってうまくいかなくなるのではないかというような御意見から、盲学校の高等部の専攻科を昇格するという格好でやるべきであるというような御意見まで含めまして、反対という御意見があるわけでございます。
 文部省といたしましては、こういった御意見を得つつも、特に大多数の方々のぜひ実現してほしいという御要望を受けているということもございますので、その趣旨を踏まえてこれまで検討に努めてきたということでございます。
#84
○佐藤(徳)委員 私も、賛成と反対の立場の方々から幾つかのお話を伺ったり、要望書、陳情書をいただきました。特に、反対される皆さんのお話なり内容というのは正直言ってやはりもっともだなというのもあります。そういう人たちの気持ちもやはりくみ上げていかなくちゃいけないというように私は思っているわけであります。
 そこでお尋ねいたしますのは、筑波技術短期大学創設の計画についてのプロジェクトチームが文部省に設置されたときがあったはずであります。ちょうどそのときに日本私立大学連盟が大学問題研究会を開きまして、その一つの結論を出された発言があるようでありますが、御承知でしょうか。もし知っていらっしゃれば内容をお示しください。
#85
○阿部政府委員 私どももその場に居合わせたわけではございませんので詳しいことは承知をいたしておりませんけれども、私立大学連盟の会議の際に、あるメンバーの方から、身体障害者の大学への受け入れに当たっては、国民の負担で設置されている国立大学が優先的に対応すべきだという趣旨の発言があったということは聞いておるわけでございます。
#86
○佐藤(徳)委員 文部省は私大へ障害者を入れろというよりも国立の障害者大学をつくるべきである、こういう見解を出したことを聞いているわけであります。これは、受け取り方によっては一般大学の入学よりもそちらの方に行きなさいという意味にもとれるし、障害者の立場からいえば、一般大学の入学を間接的に拒否したのかという理解をしている人もいるようであります。私はやはりこういう取り扱いについては慎重にすべきであるし、文部省に直接申し上げてもしょうがありませんが、いずれかの機会がありましたら、注意を喚起する意味で行政指導をぜひひとつお願い申し上げたい、こう思います。
 さてそこで、障害者の一般大学入学状況はどのようになっておりますか、過去十年間における実績を示してください。
#87
○阿部政府委員 身体に障害のある者の大学、短大への入学状況でございますが、国公私とございますけれども、計で申し上げます。昭和五十二年度以降ずっと申し上げさせていただきます。
 五十二年度が五百二十九人、五十三年度五百八十八人、五十四年度六百三十七人、五十五年度五百四十人、五十六年度五百五十四人、五十七年度五百四十七人、五十八年度五百七十五人、五十九年度五百十七人、六十年度四百二十三人、六十一年度四百二十二人、こういうような傾向でございます。
#88
○佐藤(徳)委員 筑波身障短大構想に反対する連絡会というのがございます。この方々の資料によりますと、国立滋賀大学は、八〇年度の入試に際して、経済短期大学に受験希望を出した視覚障害者に対し、障害者は筑波に行けばよいという理由で受験を拒否したと訴えています。さらに、視覚障害者の点字受験についても、一たんは点字受験を認めていた大学が、筑波短期大学の計画の進む中でそれを取りやめる例が出てきたということも報告をされています。学校名は申し上げません。さらに、視覚障害者学生問題を考える会という団体があるそうでありますが、この調査によりますと、点字受験拒否をした大学は、五十八年度に八大学、五十九年度で二大学、六十年度で十二大学だそうであります。
 このような実態についてどう思いますか、御見解を承ります。
#89
○阿部政府委員 ただいま御指摘の件については私ども承知をいたしておりません。滋賀大学という国立大学の例をお挙げいただきましたので、その実態については早速調査をいたして状況を確かめてみたいと思っております。
 なお、文部省といたしましては、かねてから、身体に障害のある方々の大学入学については、その能力、適性に応じて、健常者の場合と同様にその道を開くべきであるということを強く関係国公私立の大学に対して指導してまいりました。大学入学者選抜実施要項の中でそれをうたうと同時に、さらに、障害を持っておられる方々に対する入学者選抜の実施の方法についてまでも触れて、具体に点字を出題することとかあるいは解答の方法、試験場の整備等についての特別な配慮を行うというような指摘もいたしております。現実に、国公立の共通一次試験等につきましては、毎年数百人の身体障害者の方々の受験を受け付けておるわけでございます。また、入学いたしました後のことにつきましても、国立大学につきましては国でございますから当然文部省として予算上の措置を行いますし、公立、私立の大学に対しましてもできるだけの財政的な援助措置を講ずるというようなことで、この一般大学への受け入れの促進に努めてまいっておるわけでございます。
 他の具体の例がございましたらば、後ほどお聞かせいただければ、問題となったケースについては十分調べて、今後そういうことのないような指導をいたしたいと思います。
#90
○佐藤(徳)委員 本来、障害者も健常者も差別や選別されることなく、ともに学んで、ともに遊んで、ともに働くことのできる社会が実現されることが望ましいのでありまして、教育もまたそういう方向で御指導をお願いしたい、こう思っているわけでありますが、私立の大学及び短大の鍼灸学部、学科は一般者を対象としておりまして、もちろん身体障害者は限定はしておりませんけれども、このことによって障害者の就職機会の減少あるいは社会的自立、これに悪影響を及ぼしているのじゃないか、こういう懸念がありますが、どう御理解されておりますか。
#91
○阿部政府委員 現在、鍼灸師の免許についての認定施設というのが文部省所管、厚生省所管合わせまして全部で九十一ございまして、入学定員が二千八百人というのが全体の数でございますが、こういった中で視力障害者だけを対象にしている施設の入学定員は千二百人、残りの千六百人というのは視覚障害者と一般人とあわせて受け入れている、こういう施設でございます。
 御指摘の私立の大学、短期大学にそれぞれ一校ずつ鍼灸系統の学部、学科があるわけでございますが、これは両方足しましても入学定員二百二十人、全体の八%足らずということでございますし、また、これが設置されます際に、一般者だけを対象とするようなものとならないようにということで、文部省としても随分これについては注文をつけました。大学、短期大学の設置認可に際して、障害者に配慮した施設を設けること、それから設備として点字器、図書等を整備すること、入試についても障害者に対しての十分な配慮をすることというような指摘をいたして開校させておるわけでございまして、たまたま視覚障害者で入学している者がほんの若干名しかないという実態がございますが、いずれにいたしましてもこの二校、数といたしましては全体の八%程度ということでございますので、そういう悪い影響というのが特に大きく存在するというふうには考えておりません。
#92
○佐藤(徳)委員 次に、学校教育法第四十八条を説明してください。
#93
○阿部政府委員 学校教育法の第四十八条は、高等学校に専攻科及び別科を置くことができるという規定で、専攻科についての根拠規定と相なっております。高等学校の専攻科は、高等学校を卒業した者等に対して「精深な程度において、特別の事項を教授し、その研究を指導することを」ということを規定いたしまして、「修業年限は、一年以上」ということになっております。この規定は盲・聾・養護学校の高等部について同法の第七十六条によって準用されておるわけでございます。
#94
○佐藤(徳)委員 四十八条には確かに「一年以上」、今御説明あったとおりであります。実際は盲学校の高等部の専攻科の修業年限は何年になっていますか。
#95
○西崎政府委員 先生御指摘の盲・聾・養護学校の高等部にかかる専攻科の年限でございますが、学校教育法上は「一年以上」とございますが、あんま師、鍼灸の資格の関係で申しますと三年間の教育課程が必要であるということで、おおむね置かれております専攻科は三年の専攻科ということになっております。
#96
○佐藤(徳)委員 関連いたしまして、はり、きゅう、マッサージの受験資格と取得の条件は何でしょうか。それから、専攻科を卒業した者の学歴はどうなっておりますか。
#97
○西崎政府委員 ただいま先生御指摘の点は、厚生省の方のはり師、きゅう師に係る法令の規定によるわけでございまして、厚生大臣の指定の施設、それから文部大臣の指定の施設というふうに分かれるわけでございます。あんまマッサージ指圧師、はり師及びきゅう師につきましては、高等学校の卒業生につきましては三年以上、それからはり師、きゅう師につきましては高卒の場合は二年六カ月、あんまマッサージ指圧師、はり師につきましても二年六カ月、はり師だけでございますと二年、きゅう師だけの場合は二年、あんまマッサージ指圧師につきまして、高卒の場合は二年というふうな教育課程で授業時間数等が定められておるわけでございます。
#98
○佐藤(徳)委員 問題は、反対する人たちの御意見を承っておりますと、専攻科と短期大学の関係の問題について大分疑問を持ったり、それがゆえに反対だという主張だそうであります。私も直接承りました。
 そこで、短期大学を創設されて、卒業する場合に、鍼灸の資格はどうなりますか。
#99
○阿部政府委員 鍼灸師の資格の取得に関しましては、専攻科の場合と同等でございます。
#100
○佐藤(徳)委員 学歴が短大卒ですね、今度の創設されるものは。ところが、高等部専攻科三年やっての学歴は、同じ三年をやってもこれは高校卒。学歴、一段階違うわけであります。どうしてこういうことが発想の中に出てくるんだろうか。私も幾分疑問を持っている点もあります。しかし、筑波大学に一つだけ短期大学をつくって事足りるということになったら私は大変な状況になるだろうというふうに思いますし、むしろエリート化しちゃって、また変なふうにゆがんでしまうということの心配をするものであります。したがいまして、将来各地にもなるかどうかわかりませんけれども、単に筑波だけではなくて、こういう状況というものを波及効果をもたらすという考えがありますかありませんか。
#101
○阿部政府委員 身体障害者に対する高等教育の機会というものを充実し、整備をしていくというのは、これからもずっと引き続いて考えていかなければならない課題であると思っております。その際にどういう方向でいくか。今回短期大学の設置を新しくやるわけでございますけれども、こういう種類のものの増設という格好で対応していくか別途の方法を考えるかというようなことにつきましては、まずはこの短期大学の充実とその円滑な運営に努め、その状況等を見ながら、また世論の状況その他、諸般の状況を見ながら考えていくべき課題である、こう考えておる次第でございます。現在は、まず最初の短期大学をつくってみようというところにこぎつけたわけでございますので、その状況と並行しながら今後の課題として検討させていただぎたい、かように思っておる次第でございます。
#102
○佐藤(徳)委員 ぜひ検討していただきたいと思いますが、実は、中国からの帰国者の問題で、私ども関係委員会に行って何回か問題の提起をしたことがございます。
 御承知のように所沢に定着促進センターというのがありまして、一カ所ではどうしても足りないよ、だから各地方にこういう類似した施設をつくって教育をしなさいという問題提起をしましたところ、ようやく全国五つに実現を見ました。そういう実例もありますから、十分ひとつ御参考にしていただいて、障害者の皆さんに、圧迫を加えるのではなくてむしろ大学という門戸を広く開くという観点に立って、今後とも積極的な御検討をお願いしたい、こう思っております。
 さて、幾つか質問の予定があったんでありますが、時間が参りましたので、最後に一言だけ触れさせていただきたいと思いますのは、私の地元の福島大学の学部増設の問題であります。これは、六十年の三月八日、予算委員会の第三分科会で、当時松永文部大臣のときでありましたが、福島大学に学部増設をしてほしいという要請を私の方からもいたしました。今日ようやく実現の運びに至りましたことに対しまして、大臣初め関係者の皆さんに深い敬意を表する次第であります。
 さて、行政社会学部の卒業生の進路と社会的需要についてどうお考えになっていますか、もし予測されることがありましたらお答えください。
#103
○阿部政府委員 福島大学の行政社会学部の構想でございますけれども、これは地方行政と地域社会との関連に主眼を置いた教育研究体制の確立を目指して構想したというものでございますので、そういう面での卒業生に対する社会的需要というのはかなりあるだろうということを予想しております。
 なお、具体の進路につきましては、大学側が言っておりますのは、それぞれの専門性を生かして、地方公共団体の職員でございますとか地元の民間企業あるいは新聞、放送の分野、さらには公民館、博物館といったような専門職員というような分野を想定をし、進路の開拓をしたいということのようでございます。
#104
○佐藤(徳)委員 福島大学行政社会学部の今後における大学院の構想等を将来的構想としてお持ちになっていらっしゃいますかどうですか。
#105
○阿部政府委員 福島大学行政社会学部の大学院につきましては、現在、福島大学側から具体的な構想というのは特にまだ聞いておらないわけでございますが、学部創設に伴って学年進行で逐次整備をしてこれを完成する必要があるわけでございますが、その後にということに当然なりますけれども、大学からそういう構想等についての御提案がありました場合には、諸般の状況を見ながら適切な対応をいたしたい、かように考えております。
#106
○佐藤(徳)委員 同学部の卒業生の称号は一体どういうように考えていらっしゃるのですか。
#107
○阿部政府委員 学士の種類でございますけれども、行政学科の場合には法学士、それから応用社会学科の場合には社会学士を予定いたしております。
#108
○佐藤(徳)委員 最後に、大臣にお尋ねをいたします。
 行政社会学部というのは極めてユニークな学部であるというふうに私は前から主張してきた一人であります。それで、国公私立大学を通しましてこういう学部が創設されるというのは初めてであるわけであります。それだけにその発展が期待をされているわけでありますが、とりわけ地域社会創造の中核的人材の養成を理念としておりますだけに、二十一世紀展望の上から、このような学部を育成強化することは極めて重要であるというふうに私は考えますが、これに対する期待を含めまして、最後に文部大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#109
○塩川国務大臣 まず、佐藤さんなんかが熱心に要望されてこの学部が実現いたしました。本当におめでとうございます。私も喜んでおる一人でございます。
 この学部は、御承知のように新しい資格をにらんでつくった学部でございまして、それが社会的要請に具体的にどのようにこたえるかということは、今後の卒業生あるいは学校の運営、学部の運営等非常に大きい問題が関係してくると思っております。とりあえず発足するところでございますので、私たちもこれが非常に社会的ニーズにこたえ得るような中身にしたいということで精いっぱいでございまして、そのための努力はいたさなければならぬと思っております。
#110
○佐藤(徳)委員 より一層の充実強化がされますよう特段のひとつお力添えをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#111
○愛知委員長 鍛冶清君。
#112
○鍛冶委員 公明党・国民会議を代表いたしまして、国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして質問をさしていただきます。
 法案の内容にじかにわたるもの、それから関連した事項等について御質問をしたいと思います。さらには、これまで自民党、社会党の同僚議員の方々が御質問なさいましたそこと若干ダブる向きもあるのかもわかりませんが、御理解をいただきまして御答弁をいただきますようお願いをいたしておきます。
 最初に、先ほどから今回の入試の問題が議論されております。私も、先ほどからの議論、受験生ないしは親の立場から考えて、今回の混乱というものは大変遺憾であったというふうにも思いますし、これに対して足切り等を含めて御検討なさるというふうな、やりとりの中で御答弁もございましたし、また、いい形になお一層改善されるようにというふうな意味の御答弁もございましたので、そこらあたりの議事の重複は避けまして、一つだけちょっとお尋ねをいたします。
 当然、最終的には定員割れのところ、それからオーバーしたところと出てくるというふうなお話がございました。これについては、改めて確認でございますが、定員割れのところは再度合格者を入れるとか二次募集でやるとかいうふうな処置をとって定員までは確保する、それからオーバーしたところについては、相当オーバーしたところも出ているようですが、従来ならばこれはいかぬのでしょうけれども、今回に限ってはやむを得ないというふうな御答弁のように私は聞いておりましたが、その点について間違いなくそういう形でやられるのかどうか、最初に確認をいたしたいと思います。
#113
○阿部政府委員 今回の合格発表の結果といたしまして、定員をオーバーした受験生が入学の登録をしたというケースにつきましては、これは合格をさせたわけでございますからそのまま合格を認めるということで、それに対する対応等は大学側と相談しながら、具体の予算面の問題等は相談をして整備をしてまいりたいと思っております。
 それから入学定員を下回ったというケースにつきましては、これは各大学で種々御検討いただいておりますけれども、私どもといたしましては、いわゆる追加合格という形で受験生の中から合格をさらに追加で繰り上げていくか、そうでなければ二次募集をするか、いずれかの方法等を用いて、できる限り入学定員に応ずる入学者を確保するようにということを指導しておるところでございまして、各大学もその方向に沿って現在検討、努力をいただいていると思っております。
#114
○鍛冶委員 取りようによっては、今回受験された方々は定員をオーバーして相当入学する方が出たということで、従来からいえば落っこちる方が合格をしたというふうなことになるということで、その面から見ると、かえってこの混乱は受験生にとってはプラスの面も若干あったのかなという気がいたしますが、マイナス面、受験生、父母等の皆さんを大変混乱させ、迷惑をかけた点について、足切り等を含めてさらに御検討を願うことを御要望申し上げて、次の質問に参りたいと思っております。
 私は、一つにはやはり大学の改革というものが日本の教育改革で最大の重点だと思います。ところがともすれば、高等教育の改革というものが入試だけに焦点が当てられているのではないかなという心配をするわけでございまして、これが再々思いつきみたいな形、よりよい方向での改善には違いないと思いますが、再々やることによっての混乱というものは避けなければならないと思います。よりよい方向に改善していくことについては鋭意やっていただくという方向、これは御答弁のとおりであると思いますけれども、それと同時に、大学本来のあり方についてどうあるべきかということをもっと真剣に焦点を当てて議論をされ、またいろいろな改革を実施していかなければならないときに来ているのではないか。
 日米教育協力研究を森さんが文部大臣の折にアメリカとの話し合いの中で決定をして、日米相互の教育の内容についての研究が行われ、それぞれからその研究の結果の発表がなされておりますが、特に米側の研究チームの報告の中では、日本の高等教育のあり方について非常に厳しい指摘がなされておるというふうに報道がございました。
 ところが、私がその後を見ておりますと、各大学はそういう指摘に対してもどうも余り反応がないような感じであるし、果たしてそういうものをいい形で受けとめて改革を進めようという意欲を持っていらっしゃるのかどうかなというふうなことも大変危惧しているわけですが、その中ではライシャワー元駐日大使の発言を引用して、日本の大学の四年間は時間の浪費をしているんだ、こういうふうなことまで指摘が出ておるというふうな状況の中で、このことは二十一世紀をにらんでみましても、日本に生きる、生きていくという立場から見ても、今早急に高等教育の改善というものをしなければならない、こう思うわけでございますが、この米側研究チームの指摘、それからこういったさまざまなそれに関連して起こるいろいろな反応等の鋭さ、こういったことについて大臣はどういうふうに受けとめていらっしゃるか、最初にお聞きいたしたいと思います。
#115
○塩川国務大臣 仰せのアメリカの報告でございますが、これはカルコン協定に基づいてその報告が出されたわけで、これは私も読みました。確かにアメリカ側の指摘は適正なところが多々あると思っておりますが、一方から見まして、例えば学生は時間の浪費だと、これは私は非常な誤解であるし、間違った見方だと思っております。
 しかし、確かに大学は改革しなければならぬと思っておるのでございまして、私も大臣に就任いたしましてから、教育改革というけれども、実際は大学を中心とした学問教育の改革に大きい精力を注ぐべきであるし、そのためには文部省の中自体、またその体制自体、また文部省の役所の考え方自体をもうそちらの方向に変えていかなければ、本当にいい大学の改革はできないということを訴えてまいりました。
 私自身は毎日のように実は大学改革のものを、自分なりに考えて、毎日持って歩いてこれをいろいろと考えておるのですが、その一つを言いまして、大ざっぱなことでございますが、いずれ先生方に御厄介になって大学審議会を設置していただかなければなりませんが、そこにも私はまずお諮りいたしたいと思って絶えず考えておることが実はございます。
 それは一つは、学術研究のためのすぐれた人材をどうして確保していくかということでございまして、これはいろいろな項目がございますけれども、まずこのこと自体が、制度的にあるいは運用の面でいろいろ考えなければならぬことでございます。
 二番目に私、考えておりますのは、学術研究を促進するための環境の整備とか条件でございますが、これは一つは大学院の多様化の問題をどうするかとか、あるいは共同研究の場をどういうぐあいにするか、あるいは国際交流、産学協力、こういうようないろいろなことがございますけれども、要するに環境の整備ということでございます。
 それから、もう一つ大事なのは大学の運営そのものなんでございまして、今日の教授会を中心にして何もかもそれが決定していくということでは前へなかなか進まない。つまり学長、学部長、こういうリーダーシップをどうしてつくっていくか、そしてまた教授の意見をどういうふうにして学術研究に反映さすかということ、運営の問題とか、こういうことを私なりに考えております。
 同時に、各国が指摘しておりますのは、日本の大学は四年制であって、そしてしかも単位を取らなければならぬ、両方から縛りがかかってくる。この四年制なんでございますが、ここにもいろいろ問題はあるだろう。だから、大学へ入るまでは一生懸命勉強するけれども入ったらみんなアルバイトに走ってしまう、この指摘は一面を言っておると思うのでございまして、そういうことのないように学生にどうして勉強さすか、こういうことも導入していかなければならぬだろう、こういうことも検討いたしております。
 いろいろとまた御指摘ございましたら、御示唆いただきたいと思います。
#116
○鍛冶委員 いろいろそのお考えの一端を伺って、それはそれぞれがやはりもっともな、大切なところに注目をなさっていらっしゃるなというふうにも思うわけでございますが、それはそれで大いに推進をしていただかなければならぬ。私どももこの高等教育の問題に大枠てきよう若干関連として触れさせていただきますが、今後具体的な問題についても、やはり日本の教育を変えるためには本当にこれは重大なポイントだと思いますので、機会あるたびにこの問題については御提案があれば申し上げ、また大臣のお考え等も承っていきたいと思っております。
 そういう中で、今大臣がおっしゃった中では触れられておりませんでしたけれども、私どもは、国立大学それから私立大学、このあり方についてやはりある程度ビジョン的なものを、どうあるべきかという大枠の方向というものをもう一遍ひとつ再検討して、そのあり方というものを確立といいますか、ビジョン的なものをつくってみる必要があるんではないか。特に、国立大学の中身を変えていくということもございますけれども、私立の大学等については、やはりこれはもう人数からいえば大学の七五%ぐらいでしたかの役割を担って頑張っているわけでございます。ところが、私どもがはたで見ておりますと、私立大学というものは、国立大学というものがまずあって、国立大学ありきの補完的なものとしてどうも私立大学を文部省サイドもお考えになっているんではないかなという感触も見受けられるわけですが、もしそうだとすれば、そういう形ではいけないだろう、こういうことを含めて国立大学、私立大学の整備充実というものを図っていくべきであろうというふうに思うわけでございますが、これについて、方策等についてお答えをいただきたいと思います。
#117
○塩川国務大臣 大学が教育の場であることは当然でございまして、教育の場としての大学から見まして私立も国公立も区別はないと私は思っております。また学問研究についてもこれはまさに平等、公平でなければならぬのでございますが、先ほど来申しておりますように、国立大学、公立大学はやはり研究施設等が整っておるという点が私立との差は若干ある、これをどうして補強していくかということが問題だろうと思っております。しかし一般的に申しまして、私立が国公立の補完的教育機関である、そういうことは大変な誤解でございまして、決してそんなものではございませんで、私立大学には建学の精神がある。その建学の精神が、私は最近はそれぞれ学校がその特徴を発揮しておられないように思う。今建学の精神といったら、何か校歌にしか残っておらぬで、どの学校を見ましてもみんな同じようになってしまっておる。このこと自体は私は大学の反省が大事だろうと思うのでございまして、文部省もそういう点についての指導は立ち入ってできるものではございませんので、ぜひ大学自身がその自主性とそれから建学の精神を復興していただいて、やはり立派な教育機関としての成長をしていただきたいということを私は願っておるのでございます。
 でございますから、決してそんな附属的な、あるいは従属的な、補完的な、そういうものではなく、立派に自主独立したものである、そういう自尊心を持ってやっていただきたいと思っております。
#118
○鍛冶委員 局長からでも、今の問題について具体的な整備充実の方策というもの、そのお考えというものがありますならばお聞かせをいただきたいと思います。
#119
○阿部政府委員 御指摘のような国立大学、私立大学それぞれの役割分担等を考えながら今後整備充実をしていかなければならないという問題でございまして、これまでも私ども私学助成の充実とかいろいろな形での努力はしてまいったわけでございます。これから、せっかく今国会に御提案を申し上げております大学審議会という機関もできるということを期待をしておるわけでございますが、それの重要な課題の一つとして、関係者にも大いに議論をしていただき、私どもに対する指針などもいただけたらと思っておるわけでございます。
#120
○鍛冶委員 私は、さっき申し上げたように憶測でございますが、考えられているのは、例えば予算的な措置で、こういうような状況で厳しいときになりますと、私大に対する経常費補助というものがぱっと真っ先に削られていっておるという感覚も受けますし、このことは最後に財政問題で若干触れさせていただくということで、また大臣のお考えもお聞きしたいと思っておりますが、実際問題として、幾らいい考え方を絵にかきましても財政的裏づけというものがなきゃいけない、そういう意味でそこらあたりはしっかりしていかなきゃならぬだろうと思いますが、そういうときに、例えば大蔵省あたりにこれは財政的にだめだからという中で押し切られると、私大の方にいつもしわ寄せがいっているのじゃおいかなという感触を受けておるので、そういうことを申し上げましたが、大臣はそうではないというふうな御答弁でございました。今後、そのような方向での取り組みをぜひお願いいたしたいと思います。
 そこで、先ほどもちょっと触れておりましたので、私ちょっと所用で席を外していましたからダブることがあれば御容赦願いたいのですが、今回の設置法の一部改正の中で創設が言われております筑波技術短期大学のことについてお尋ねをいたしたいと思います。これは局長からは技術短期大学の設置の趣旨等について御答弁があったと思いますが、ひとつ大臣からこの設置の趣旨について改めてお伺いをいたしたいと思います。
#121
○塩川国務大臣 御承知のように、最近、身体障害者教育の進歩と、それから学習の意欲というものが非常に増大してまいりました。高等学校段階で障害者が新しい高等教育権を求める声が強くなってまいりました。そういう要望にこたえまして短期大学を設置するということでございます。
#122
○鍛冶委員 そこで、これに関連して、障害者の方々に対して高等教育の機会均等の確保ということが大変大切になってくると思うのですが、これに取り組む文部省の姿勢について、どういうお考えで取り組んでいらっしゃるか、根本的、基本的なことをお尋ねいたします。
#123
○阿部政府委員 身体に障害のある方々も、本人の能力、適性に応じて健常な学生と同等に大学進学の機会が開かれるべきであるというのが文部省の従来からの考え方でございまして、この点につきましては、入学選抜実施要項等にこういう身体障害のある志望者に対しての受け入れについて十分配慮するようにというようなことを書き込んで、指導等もいろいろな機会にしてまいりました。また現実に、国公立大学の共通一次試験におきましても毎年数百名の障害者の方々の受験を認めてやっておりますし、国立大学、公立大学に入学をしておるわけでございます。また、入学後に対する予算上の措置等につきましても、手すりやエレベーター、スロープをつける、あるいは目の見えない方々のために点字図書を整備するとか、いろいろな形での経費が必要でございますので、国立、公立あるいは私立について、そういう面を含めましての何らかの形での財政的な措置というのもそれぞれ講じてきておるわけでございまして、今後ともそういった方向に従いまして、もちろん障害の種類によって一様に対応し切れない面も否定し切れないわけでございますけれども、それにいたしましても、能力、適性から見て可能と思われる方々には平等に進学の機会が認められるようにということを中心に指導等を重ねてまいりたいと思っております。
#124
○鍛冶委員 最近における、障害を持たれた方で各大学を受験された方、相当おられると思うのです。今もそれにちょっと触れられておりましたが、受験された方は大体どのくらいいるのか、それからそれに対して入学された方はどのくらいいるのか、一番新しいデータでも結構ですけれども、もしわかればお答えいただきたいと思います。
#125
○阿部政府委員 国公私立の大学、短期大学に対する身体障害者の進学の状況でございますけれども、昭和六十年度は受験者が二千二百二十八人、入学者が四百二十三人、それから昭和六十一年度は受験者が二千百十五人、入学者が四百二十二人、大体こんな状況が最近の状況でございます。
#126
○鍛冶委員 こういう大学をぜひ受けたいという希望を持っておる方はほかにも随分いらっしゃると思うのですが、どうもいろいろな理由で進学を断念せざるを得ないというようなこともよく聞くのですけれども、その理由、大きな理由はどういうところにあるのか、文部省等でもしお調べになってわかるようでありましたらお答えいただきたいと思います。
#127
○阿部政府委員 これは、私どもでそういうたぐいの調査をしたことはないわけでございますのである程度想像でお答えすることになることをお許しいただきたいと思いますが、一番の障害は、障害者の方々が一般の大学に入りました場合に、大学の側でできるだけの配慮をいたしましても御本人一人では無理な面があると思います。そういう意味では、多くの場合、ボランティアの方々あるいは学生の友達というような人たちがかなり協力して修学に努めているという状況があるわけでございますけれども、そういう環境をつくっていくのがなかなか難しいというあたりなどが一つの大きな原因ではなかろうかと思っております。新しくつくります短期大学の場合には、各種の装置等を駆使してできるだけ御本人が勉学しやすいようにという環境をつくりますので、そういう点では勉学はしやすい態勢になると思いますが、一般の大学の場合にはなかなかそこまで、介助員のような者まで必ずつけるというわけにもまいらないという問題がございます。そういった点は断念する一つの理由ではなかろうかと思います。
#128
○鍛冶委員 こういう理由の中には、介助のこともありますが、大学の施設そのものにも理由があるようにも聞くわけです。こういったことを含めてそういう問題点があるということは、なるべくそれを克服しながら障害者の皆さんが高等教育を受けられる機会均等確保ということにつながる施策を推進していただきたいのですが、それについて対応をどうなさるのか、また今後どういうような考え方でやろうとされておるのか、お伺いいたします。
#129
○阿部政府委員 特に施設についての御指摘がございましたが、障害者のための施設につきましては、文部省としてはかねてから、これの整備充実に各大学とも努力してほしいというお願いをしてまいったわけでございます。昭和五十六年度の場合ですと、エレベーター、トイレ、スロープ、手すりとか点字図書、オプタコンといった施設設備を特別に障害者のために整備しております大学が百五十校でございましたが、その後逐次ふえてまいりまして、昭和六十年度には二百二十四校が、全部そろえているというわけではございませんけれども、こういう対応を意識的にやっていただいておるところも出てきておりますので、今後ともそういう方向で指導等を重ねてまいりたいと思います。
#130
○鍛冶委員 筑波技術短期大学が今度創設されることによって、結果的に、その他の一般大学で障害を持たれる方々への門戸が狭くなるおそれがあるのではないかというふうに心配をするわけですが、この点についてのお考えを承りたいと思います。
#131
○阿部政府委員 今度の短期大学は、極めて限られた専門分野について、しかも比較的少数の、全体で九十人という枠での教育をまず行っていこうということでつくっておるものでございますので、これがあるから一般大学で受け入れないというような理由に使えるものではないと私どもは思っているわけでございまして、そういう意味で、これまでにも増して、一般大学において先ほど申し上げましたような健常者と同等の進学の機会の確保ということに御配慮願うように、最大の努力を重ねてまいりたいと思います。
#132
○鍛冶委員 ぜひそれは推進をお願いいたしたいと思います。
 それでは、ちょっとその点につきましての質問をもう終わりまして、関連として御質問を申し上げます。
 最近、米国の大学分校進出ということが言われておりまして、これは先般アメリカより米国大学の代表団が来日をいたしまして、各方面の候補地、いろいろ名のりを上げているようでございますが、調査をしたというような報道がございました。この実際の動きがある前に、我が党の池田議員からもいろいろこの件に関連して質問を申し上げているわけですが、その後こういった動きを見ますと、いよいよ米国大学の進出というものが具体的になってきつつあるのかなというように思うわけですが、この件について大臣はどのようにお考えになっていらっしゃるのか、最初にお伺いいたしたいと思います。
#133
○塩川国務大臣 まだアメリカ政府から具体的な問い合わせであるとかそういうものは全くございませんで、現在のところは民間ベースと申しましょうか、日本では主として地方自治体とそれから政治家でございますか、そういう方々が各アメリカの大学と接触しておられるように思っております。
 しかし、この前、日米合同シンポジウムがございましたが、その席、その後へ私が参りました際の感触を率直に申し上げますと、アメリカの方の期待はどの程度なのかはっきりまだつかめない状態でございまして、もしこれが日本の法制に照らして合致するものであるならば、それは当然のことでございますが、法制を無視して、まだ十分御存じないというならば、まず日本の法制度、法律制度というものをやはり十分に我々とも打ち合わせをしてもらいたいと思っております。それと同時に、それじゃどういうふうな分校といいましょうか、学校、大学をアメリカは日本に設置しようとしておられるのか、その具体的なものもちょっとまだわかりにくい、現在の状況ではどうも地方自治体が誘致を非常に熱心でございますので、そちらの方の誘致という問題が先に走ってしまって、中身と設置の要件というものについてはまだ十分煮詰まっておらないような感じがいたしておりまして、これが日米間で大変重要な問題であると私は思っておりますので、我々も十分に対処したい、また慎重にこれに応じていきたいと思っております。
#134
○鍛冶委員 今の米国大学分校進出について、大臣からちょっとその内容に触れたお話がございましたが、事務当局の方で具体的なそういう進捗状況等を把握しておられるのであれば、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#135
○阿部政府委員 米国の大学の日本分校進出問題でございますけれども、これは日米の貿易関係円滑化のための基盤整備の一環、それから教育の国際化という観点から、両国の国会議員から成る日米貿易拡大促進委員会のもとに設けられた民間の実行組織の中でこの問題が進められているという状況にあるわけでございまして、現在私どもが聞いております段階では、誘致に関心を示しております日本の国内の地方自治体が約四十、それから米国側で関心を持っておると言われる大学が約百校というようなことが言われておるわけでございます。また、分校の設置に当たりましての米国側の条件といたしましては、キャンパスの設計、施工は米側の企業がやります、あるいは敷地は国公有地を無償提供をしてもらうとかあるいは借地にするとかいうような、あるいは建物は長期リースで借り入れるというようなたぐいのことが言われておるわけでございます。
 これにつきましては、設置構想自体が先ほど申し上げましたように民間ベースで進められておりますために、その個々の状態というのを私どもも十分把握できておらないわけでございますが、本年の二月から三月にかけまして、この進出に関心を持っていると言われる米国大学の代表者が約四十名が来日をいたしまして、日本の国内の約二十の地方自治体の現地の視察等をされたということでございますが、関係者からいろいろ聞いてみますと、これはいわば第一回のお見合いのごときもので、まだまだ具体の話には全く入っていないというようなことのようでございますので、具体化は今後の問題だということのようでございます。
    〔委員長退席、高村委員長代理着席〕
#136
○鍛冶委員 この進出については、私はやってもらった方がいいのではないかなというふうにも個人的には思っているのですが、しかしながら、これは我が国の教育にとって、いい面も当然考えられると思いますけれども、同時にいろいろと問題も出てくるのではないかという心配もあるわけです。この両面について事務当局はどういうふうにお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#137
○阿部政府委員 こういうたぐいの米国の大学が日本に何らかのブランチを持つというようなたぐいの事柄につきましては、教育の国際化あるいは学術研究の国際交流といったような観点から見ますと、事柄としては評価できるたぐいの課題であろう、こう思っておるわけでございます。
 ただ現在、構想そのものが、いろいろ聞いてみますと、学部レベルで構想しているようなところもあるし、大学院レベルのところもある、あるいは研究所をつくるんだというようなお話もあったり、中には英語教育のコースをつくるんだというようなお話があったり、学部も、二年間だけこっちで、後期二年はアメリカの方へ行くというような構想があったりというような、いろいろなものが入りまじっているというような状況のようでございまして、日本の制度なり実態なりとそれぞれ個々のものがどう具体に絡んでくるのかというのは、具体の構想がまだ固まっていない段階でちょっと判断のしかねている面が多いわけでございます。
 特に大学レベル、学部レベルの問題といたしますと、例えば日本の十八歳人口は昭和六十七年度をピークに減少に向かうわけでございますので、日本の大学、特に私学等については学生確保の問題が相当出てくるというような時期にほぼ一致するような形でこれができてまいりますということになりますと、こういった大学の学生確保というのも大変な問題であろうなというようなこともございます。あるいはそれの制度的な位置づけをどうするかによりましては学生の身分が不安定だというような問題もございます。いろいろな問題があると思うわけでございますので、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、事柄として理解できない構想ではないと思っておりますが、進めるについては十分慎重に文部省としてもその進捗状況を見ながら必要な助言等はしてまいりたい、こんなつもりでおるわけでございます。
#138
○鍛冶委員 これについては、米国の名の通った大学が分校を設置される場合は、これはむしろ歓迎すべきであろうと私は思いますし、いい形でインパクトが出てくるのでしょうが、聞くところによれば、アメリカも大学がたくさんあって、いかがわしいのもある、いかがわしいと言うとアメリカからしかられるかもわからぬけれども、いろいろとそういううわさとか話もときどき聞くことがあるわけですね。そうすると、こういうことに便乗してお金のために動くとか、名前をかしただけで適当にやってしまうとかいうようなこともいろいろ何か出てくるのじゃないかなというような危惧も私はありますので、これがいい形で、日本にとってもプラス、また国際的な観点に立ってみても大いにプラスであるというふうな形でこれは機能すべきであろうと思います。
 そうなりますと、今の段階はまだ具体的になっていないのでわかりにくいということではございますが、やはり今後のこの問題の取り扱いについては真剣に文部当局も取り組んでいただくということが必要であろうかと思いますけれども、今後どういう形で取り扱おうというふうなお考えがあるのか、あればお聞かせをいただきたいと思います。
#139
○阿部政府委員 先ほど申し上げましたように、文部省としてはこのプロジェクトにつきましては重要な関心を持っておるわけでございますので、具体的な構想の進行状況を常時把握するように努めながら必要に応じて適切な指導をしてまいりたい、制度的な位置づけ等につきましても現在部内ではいろいろと検討しておるわけでございますが、具体の構想が明らかになってくるにつれてまたそれに対する対応も固めていきたい、こう思っておるわけでございます。
#140
○鍛冶委員 では、次の問題へ移りまして、放送大学について一つだけお尋ねをしたいのです。
 放送大学、私ども主張してまいりまして実現もできたといういきさつもございますが、これは募集を始めて三年目に入っておる。この件について放送大学の評価というものが多少いろいろと言われているようでございますが、こういう評価はどういうところがあるのか。
 それから、学習センターも今エリアの範囲内では整備されているようですけれども、さらに進んで大学や高等専門学校等とも手を組んでその充実を図るという方向も考えていいのではないかというようなことも思いますし、さらには、これは東京の周辺地域というよりも今一番望んでおるのは地方の方々である、こう思うわけです。その意味で、早い時期になるべく全国的レベルで広げていくという方向をお考えいただきたいと思うのですが、この点についてお尋ねをいたします。
#141
○阿部政府委員 放送大学に関しましては、おかげをもちまして昭和六十年度に開学をいたしました。開学の当初の入学者が一万七千人でございまして、六十一年度は九千人の入学者がございました。出入りがございますので、在学者は現在のところ一万六千人在学という状況にございます。六十二年度につきましては現在入学手続中でございますけれども、六十一年度の場合とほぼ同様一万人前後の入学者がある見込みの模様でございます。
 こういった学生の状況を見てまいりますと、二十五歳以上の者が八〇%を超えているというようなこともございますし、また会社員、公務員、主婦など大変多様な層にわたっての学生が存在しているわけでございまして、この大学を生涯教育機関の一つとして位置づけて発足をさせたというその役割はかなりよく果たされているのではなかろうか、こんなふうに考えておるわけでございます。
 またこのほかに、学生としての入学手続はとらないけれども、テレビを視聴し印刷教材等は買って自分で勉強しているというような方々も相当数あるようでございまして、そういった面での効果も一定の効果が上がってきている、こう思っているわけでございます。
 そのような関係で、この大学については今後ともその充実について一層の努力をいたしたいと思っております。
 なお、学習センターにつきましては、現在六カ所の学習センターを開設をいたしまして、その場を使いまして学生に対するスクーリングをやったり学習相談をやったり、あるいは年度末、学期末の単位の認定試験なども実施をしておりますし、また、テレビを再視聴する設備を置いたり図書を整備するなどで学生の自主的な勉強ができるように、あるいはサークル活動を行うとかというようなこともございまして、学生生活の拠点としてかなり活用されておるわけでございます。特に、学習センターが置かれております近くの国立大学には、放送大学の学生はその国立大学の図書館を利用できるというようなことも特に認めていただきまして、協力関係も逐次確立をしつつあるわけでございまして、今後ともいろいろな形でこの放送大学と一般の大学との連携というものは図ってまいりたいと思っております。
 なお、最後にお話しのございました放送大学の地域拡大、全国化の問題というのがかねてからの課題としてあるわけでございまして、臨教審の昨年の第二次答申におきましても、この問題についての指摘もなされておるわけでございます。そのために、昨年の五月から専門家の会議を開きまして、放送大学調査研究会といっておりますけれども、そこで今後の拡充方策と申しますか、放送大学の将来計画をどう持っていくかということについての専門的な御議論をいただいておりまして、それの結論を得た段階でまたその実現に向かって努力をしたい、こう思っておるわけでございます。
 なお、六十二年度につきましては、従来になかった新しいやり方といたしまして、東京タワーから電波が届くエリアという従来の範囲を飛び出した、長野県の諏訪地区でございますけれども、これはCATVのネットが既にでき上がっておりまして、そこで視聴が可能だということがございますので、そこで地区学習センターを設置するというような新しい試みも、エリアの外にも進出をするという形のものにも手をつけ始めておりますので、こういったことを通じまして、逐次全国に放送大学の電波が届くような方向を目指してまいりたいと思っております。
#142
○鍛冶委員 この点についてはひとつ格段の努力をお願いいたしたいと思います。
 最後に、今度は文部省の予算関係、要するに財政問題についてお尋ねをいたしたいと思うのです。
 昭和五十六年、これはゼロシーリングですかマイナスシーリングですかに当たる前の年だと思いますが、このときからの文部省の予算の推移を資料で見させていただきますと、本年までに約千億くらいは予算がふえておる、しかしながら、その中で人件費関係が六千億ふえておるというような内容があって、差し引きますと五千億程度は、文部省の予算の中で従来のもののどこかをばさりばさりと犠牲にしながらどうもこの予算が組まれてきておる。特に教育改革ということが叫ばれて、臨教審からも数々の提案もあっているわけですが、これを実行するには相当な予算が必要だと思うのに、そこらあたりの配慮が全くない、こういう感じを受けるわけです。この点について予算の現状がどうなっているのか、これは事務当局で結構ですが、ひとつ簡単にお答えいただきたいと思います。
#143
○古村政府委員 先生御承知のとおり、文部省の予算の特徴を申し上げますと、義務教育諸学校の教職員の給与費あるいは国立学校の教職員の給与費が含まれているということから、大変その率が多くなっております。昭和六十二年度の文教予算案で見ますとその人件費の割合は七五・八%、金額にいたしまして三兆四千六百億ということで、文教予算全体の四兆五千億に対しまして三兆四千億余りが人件費である、残りの一兆一千億が物件費であるというふうに相なっておるわけでございます。
 なお、御承知のとおり、五十六年度予算と六十二年度予算を比較した場合にはおっしゃいますとおり全体で一千億の増でございますが、そのうち人件費が六千億伸びておりますので、物件費は五千億の減をしておる。その内容といたしましては、公立学校の施設整備費が二千三百億の減、私立学校経常費が四百五十億の減、義務教育費国庫負担金の教材費等が四百億円の減というふうになっております。
 ただ、人件費が非常にその率を占めているといいましても、四十人学級の推進というふうな重要な施策もその中で処理しておるわけでございますが、全体でいえば物件費の額がだんだん減っているということが大変文教予算を組みにくくしているというのが現状ではなかろうかと思っております。
#144
○鍛冶委員 時間も参りましたので、これは最後の質問として大臣にお答えをいただきたいし、御決意のほどを伺いたいのですが、最初にも申し上げましたように、今後も臨教審で予定されている三次答申が間もなく出るというふうに伺っておりますし、これまでの答申を含めて、また最終答申には何らかの提案が出てくるのでありましょうが、それ等を含めて見ましても、私どもは、これは膨大な予算というものがなければ教育改革はできないだろう。中曽根総理も、それこそ教育というものの改革を絶対やり遂げるんだというふうな決意で出発はされたようですが、何となくしりすぼみになってきているのではないか。その証拠は、幾らいいことを言っても、幾らいい提案をしても、幾ら内容改善の答申がなされても、一番肝心な財政の裏づけがなければ全く絵にかいたもちであってどうにもならぬ。だから、少なくとも私どもは、教育改革予算については別枠で、文部省予算は確保しながらやはり別枠で相応の予算を確保してやらないとこれはもう到底できることじゃない。しかも、二十一世紀をにらみますと、先ほどからも繰り返して申し上げておりますが、教育というものが根底にしっかりしておりませんと恐らく日本は諸外国の中で立ちおくれをしていくであろう、それほど重大な問題ですから、財政的な問題というものは今申し上げたような形で絶対に推進すべきである。これはもう私どもも、力が足りないかもわかりませんが、全面的に文部省や大臣の応援をしなければならぬという決意もあるのですけれども、残念ながら今官房長から御答弁があったように、とにかく文部省予算自体の総額がだんだん減ってきている。人件費では確かに四十人学級の手当てもしている面はありましょうけれども、教育改革のための予算は、確かに初任者研修制度とか何だとか若干ずつは入っているようでありますけれども、これは教育改革と言える代物ではないだろうという思いも私はするわけです。これは「概要(その三)」が出たときに臨教審のトップの方々と若干申し入れないし懇談を申し上げましたけれども、そのときにある部会長さんがおっしゃいました。教育予算は、私どもとしては改革をしていくためには今の予算と別枠で毎年二千億ぐらいは実は欲しいのだというようなことを切実に言われておりました。私たちはそういうことはもう本当に身にしみてわかる気がするのです。こういうことを踏まえながら、大臣はせっかくずばずば物をおっしゃり、また力のある大臣でございますので、この機会にひとつぜひ教育予算については今申し上げたような方向で推し進めていただきたい。こういうことを含めてひとつ大臣に最後にお答えをいただきたいと思います。
#145
○塩川国務大臣 強力な応援団をいただきましてありがとうございます。おっしゃるとおりでございまして、教育改革というのはやはりそれにふさわしい財政措置が伴わないと実は上げられません。私たちも一生懸命やっておりますし、臨教審も最近この点を非常に強く力説していただいておりますし、どうぞ国会の先生方も決議をして、ひとつこのことをおっしゃっていただく。我々力強く感じます。何とぞ今後ともの御支援、心からお願いいたします。
    〔高村委員長代理退席、委員長着席〕
#146
○鍛冶委員 もう一つだけ、私どもの決意はやるべしなので、私は大臣の決意をしっかりお聞きしたいので申し上げているので、最後に一言。
#147
○塩川国務大臣 もう一生懸命に、懸命の努力をいたします。
#148
○鍛冶委員 どうもありがとうございました。
#149
○愛知委員長 林保夫君。
#150
○林(保)委員 御苦労さまでございます。
 国立学校設置法の一部を改正する法律案について、ベーシックな質問をさせていただきとうございますが、大臣も御出席でございますので、この機会にひとつ、これからの教育改革の全貌とまではいきませんけれども、問題のポイントを関連して質問させていただきたいと思います。
 本来ですとこの六十二年はまさに教育改革の年だということで、私どもも臨教審の答申を待つ以上にいろんな問題を考え、かつ、どう対応するかということでやっておったわけですが、御承知のような売上税ですか、いろいろな問題がありまして十分なあれができておりません。しかし、なお機会ある、ことに委員会そのほかで審議をしながら、方向は誤ることのないようやりませんと、今度出てまいりました国立大学のあの入試のような実情になってしまいますので、大変大事な責任をお互い背負っておると思います。
 そこで、まず大臣に、先ほど来もるるお話もございましたけれども、教育改革というものが、きょうの国立学校設置法の改正も含めましてどのようなテンポといいますかスケジュールそのほかでやられなければならぬのか、臨教審の答申も間近でございますので、その辺の御判断、政治日程などを、御所信として情熱を含めてひとつ承っておきたいと思います。
#151
○塩川国務大臣 御承知のように、臨教審の答申をまだ最終答申としていただいておりません。ましてやまだ三次答申もいただいておらないときでございますので、臨教審の方針をどう具体化していくかについてはまた別途の問題になろうと思うのでございまして、我々はできるだけ答申の趣旨を尊重してその実現を図っていきたいと思っておりますが、御承知のように今非常に国民的な関心があります教育改革の中身を見てまいりますと、義務教育においては学校の健全化と申しましょうか、そういう方向を非常に強く望んでおるということ、それから若い人にとりましては入学試験の精神的な圧迫の問題、大学にありましては研究開発の体制を強化するということ、人材確保ということ、こういう点が主な教育改革のポイントになるのではないかと思っております。
 それは、例えば義務教育につきましてはまず先生のあり方、先生の資質向上というものに最重点を置いていくということになろうと思いますし、また受験の問題につきましてはやはり世間一般の風潮との関係もございますので、制度の改善をたび重ねていかざるを得ないと思っております。大学につきましてはまさに財政問題そのものだと私は思っているのでございまして、例えば研究施設費であるとかあるいは研究費というものは予算のマイナスシーリングという圧迫を受けておって実現できるものじゃございませんので、この点については教育改革というよりも、政府の財政的認識を改めていただくことに全力を傾けて教育改革の実質的な効果を出していきたい、こう念願しております。
#152
○林(保)委員 大臣、強調されました諸点は、もう臨教審が要らぬというわけじゃございませんけれども、文部省自身、大臣御自身が、あるいは私どもも一緒になってやらなきゃならぬことがいっぱいございますので、最初大臣がおっしゃっておられましたけれども、大学の自主性あるいは主体性ということで教育行政そのものの主体性をひとつ確立していただいて、これ以上に一層進めるべきものは進めていただきたい、こういうことを御要望しておきたいと存じます。
 財政問題につきましては後で関連いたしまして質問いたしますので、最初局長さんの方から実務の面で、今回の国立学校設置法の改正で、福島大学に行政社会学部、三重大学に生物資源学部を設置する、こういうふうになっておりまして、余り一般には聞きなれない学部でございますが、文部省としてこの学部を設置して、入る人あるいは出る人がどういう方向へ進まれるような御検討をしておられるのか、その点承りたいと存じます。
#153
○阿部政府委員 福島大学の行政社会学部の場合には、行政学科と応用社会学科、こういう二つの分野を設けまして、あわせてそれを行政社会学部と称しておるわけでございます。
 この大学の構想は、端的に言えば地方における公務員あるいは地方の企業の職員、そういうような方々を直接養成をする。その場合に、公務員あるいはそういった企業の職員につきましてできるだけ、従来のような比較的狭い分野の法律だけやっていく、経済だけやっていくということでなくて、法律、行政、経済、いろいろな面にわたっての勉強をしていくとか、あるいは社会学の面につきましても従来の狭い社会学でなく、社会計画、地域計画でございますとか地域文化まで含めた応用社会学という形で、広い総合的な視野を持った人材を養成する。そして先ほど申し上げましたような分野にそれを入れていく。これが地方の時代と言われる時代にふさわしい一つの方角であろうということで、これを進めているものでございます。
 それから、三重大学の生物資源学部でございますけれども、これも新しい構想を目指すものでございまして、従来は農学部と水産学部とございまして、いわば陸と海に分かれておったわけでございますし、その教育研究の内容も、端的に言えば農林漁業に直結するような教育研究というふうにウエートがかかっていた面があろうかと思いますが、これからの科学の発展や産業構造の変化等々いろいろ考えますと、農・水産系の学部に対しましてももっと広い社会的な要請が出てきているというわけでございまして、陸と水に分けずに、生物資源として全体的にそれを眺めて、そしてコースはそれぞれ分かれるわけでございますけれども、共通の基礎的な知識を身につけさせて総合的な目を持たせるというような配慮をいたしますと同時に、最近の新しい科学技術の分野からバイオテクノロジー等の先端的分野も出てまいっておりますので、そういう分野までこれに取り入れていって、将来弾力的にいろいろな職業につき得るような人を養成していこうということでございますので、農林漁業だけに直接関連する方々ばかりではなくて、例えば環境関係であるとすれば、公務員で環境問題を担当するような方も当然この中から出てくることになるだろうと思うわけでございます。
 おおむね、本当にざっと申し上げさせていただきました。
#154
○林(保)委員 重ねまして、大変新しい時代に即応した学部のような印象でございますが、ほかの大学では例えば行政社会学部というようなあれが出ておりますでしょうか。
#155
○阿部政府委員 ほかの大学の場合に、この行政社会学部に直接ぴたりというケースのものはまだないと思っております。ただ最近では、そういった従来の法学部、経済学部、文学部という分け方でない、人文学部でございますとか人文社会学部でございますとか、いろいろな形でやや総合的に物を見ていこうという傾向は幾つかの大学でございます。
#156
○林(保)委員 それでは、生物資源学部なんかバイオの時代で大変ユニークだと思うのですが、よその大学ではどうなっておりますでしょうか。例えば水産大学そのほか、地方の大学の学部あたりでどういう動きになっておりましょうか。
#157
○阿部政府委員 これも生物資源学部と名のるのは今回のものが初めてでございますが、例えば今回の予算でお願いしております東京水産大学の、これは学部は従来のままでございますが、中の学科の改組等を行っておりますが、従来のように細かく学科を分けてそれぞれの専門を養成するという形でなくて、できるだけ総合的な視野を養わせるような形で学科の規模を大きくして、多くの分野を含むような形に直していくという方向は、ほかの大学でもこれまた幾つか出てきておるところだと思っております。
#158
○林(保)委員 もちろん文部省は、そういう新しい時代に対応する学部の新設、あるいは教育内容なんというのは重視していかれるのだと思いますけれども、今ほかにどういうような新しいものが六十三年あるいは六十四年ごろで出てきつつあるのでしょうか。
#159
○阿部政府委員 六十三年以降の問題につきましてはこれからの課題と相なりますので、現在各大学でいろいろ検討中でございまして、具体の要求等はまだ聞いておらないわけでございますが、いろいろな分野で、例えばこれは学部ではございませんけれども、国立大学の共同利用機関を母体とする総合研究大学院をつくろうではないか、これは筑波の高エネルギー研究所とかそういうたぐいのものがもとになるわけでございますけれども、そういった構想でございますとか、いろいろな形での構想が現在ございます。こういったものが逐次概算要求等の形で出てくることになろうかと思っております。
#160
○林(保)委員 こういう問題は今度御提案されますところの、もう既に出ております大学審議会の設置そのほかで十分やられ各のだと思いますが、むしろ積極的に取り組んでいただくことを御要望したいと思います。
 筑波技術短期大学の新設、これも時代の要請で出てきたと思うのですが、聞くところによりますと五十年ごろから教育関係者の要望が強かった。一部には反対の人もおられたというように聞いておりますが、発端からこれができ上がるまでの経緯をこの機会にお話しいただきたいと思います。
#161
○阿部政府委員 筑波技術短期大学につきましては、昭和五十一年に、たしか聴覚関係の方々だったと思いますけれども、障害児を持つ親御さんたちを中心とする方々からぜひ高等教育機関をつくってほしいという御要望がございまして、五十二年には今度は視覚障害関係の同じような方々から御要望が出てきたということでございます。
 私ども、それを踏まえまして、昭和五十三年度から正規に調査費を計上いたしまして、筑波大学が昔の東京教育大学以来の伝統で心身障害者の関係の教育にはかなり長い経験を持っておるわけでございますので、筑波大学にお願いいたしまして、そこで調査、準備等の作業をずっとやってきていただいたわけでございます。その準備室等につきましては既に準備要員等も相当数入れ込みまして、具体の問題につきまして、例えば先ほど答弁でも申し上げましたような米国、英国等の実際に視覚障害、聴覚障害の教育をやっておられる大学の状況等もよく見てくるということ等を含めまして、種々検討いたしました結果、この六十二年度から創設したいということでお願い申し上げるという状況まで至ったわけでございます。
 実際に調査を初めましてからかなりの時間を要したわけでございますが、何と申しましてもこういう分野の高等教育機関を日本で設けるのは全く初めての経験でもございますので、特に慎重に関係者の御意見も聞き、あるいはまた学科の種類を選ぶ等につきましても諸般の情勢を調べるというようなことを重ねまして、今日に至ったというものでございます。
#162
○林(保)委員 この機会に二点、お聞きしたいと思います。
 その一つは、なぜ筑波大学がありながらそちらと一緒にならなかったのか。四年制にはこれからどういう対応をされようとお考えになっておられるのか。
 もう一つは、この筑波短期大学に入る生徒及びそれをどういうふうに受け入れるのかという点、御質問したいと思います。
#163
○阿部政府委員 御指摘の点でございますけれども、聴覚、視覚障害者をかなりの数集めて教育をいたすとなりますと、やはり教育上、安全上、かなりいろいろな面での配慮をしなければならないという点もあるわけでございますので、そういった観点から考えました場合には、筑波大学の中に、あるいはそれに併設するという形で置くよりは、小回りがきいていろいろな試みがやりやすいということ等諸般の状況を考えますと、独立の短期大学とした方がいいのではないかというのが関係者の意見でございまして、そういう方向にのっとったわけでございます。
 それからまた、四年制大学にすべきかどうかということも、特に外国では現実に四年制の大学もあるわけでございますので、これも一つの検討課題であったわけでございますが、やはり先ほども申し上げましたように、何と申しましても我が国で初めての経験でございまして、教官を集めるといいましても全く全国から公募してという格好で集めてくる、どれだけ能力のある方が集まるかということ等も考えますと、現段階で直ちに四年制を目指すというのは必ずしも適当でないのではないか。まず短大という段階で充実をした上で、また将来計画は別途検討するということが必要ではなかろうかというようなことから、短期大学にいたしたわけでございます。
 なお、学生の受け入れにつきましては、学生の入学資格として現在考えておりますのは、盲・聾学校の高等部を卒業した者、あるいはそれと同等程度の障害を持っている者ということで、視覚障害、聴覚障害と申しましても、比較的重い障害の方々というのを念頭に置いて進めていってはどうだろうかということでございます。また入学者選抜の方法は、推薦入学制度ももちろんとりたいと思いますが、推薦入学制度と一般の大学におけるような学力試験、面接等による制度と、その両方を組み合わせた格好で入学者選抜を行ってはどうだろうかというようなことで、こういった具体の細かい点は大学が発足いたしましてから大学自体で決めることでございますけれども、今私どもの段階ではそのようなことを考えているところでございます。
#164
○林(保)委員 一般の人は入れないのですか。
#165
○阿部政府委員 一般の人を直接この大学に入学させるということは考えておりません。
#166
○林(保)委員 障害者の教育については、日本も一世紀の長い歴史があるわけでございます。そういった中で近ごろは、国立じゃございませんが、私立の鍼灸関係の学校、あるいは明治鍼灸大学などございますが、そこらあたりに普通の人が入っている例がかなりありますね。それとの関係をどのようにお考えになっておられるのか、もう一つ聞かせてください。
#167
○阿部政府委員 御指摘のように、はり、きゅう師の関係につきましては現在四年制大学が一校と短期大学が一校、私立で存在をしておるわけでございます。これができますときに、私どもといたしましては、一般人、健常者だけを対象にするのではなくて障害者にも門戸を開くようにということで御指導申し上げまして、入学試験も点字を出題するようにとか、あるいは点字図書を十分整備して視覚障害者が入ってきた場合に対応できるような体制だけは必ずとっておかなければいけないというようなたぐいの指導をいろいろしてまいったわけでございます。しかし、大学はその方針に基づいて門戸を開いておりますが、現実には受験生の数も少ないようでございますし、合格する者も非常に限られているというような状況でございまして、いわば一般人がほとんどという状況になっておるわけでございます。そういったことも考えながら、今回の新設の短期大学につきましては障害者を対象にするということで、障害者教育の一つの前進基地のようなものを考えていきたいということで計画をしたものでございます。
#168
○林(保)委員 続いて徳島大学の医療技術短期大学部の創設に関しまして、既存の国立大学の医学部あるいは附属病院を持っているところだと思いますけれども、ほかの大学でこれと同じような要望はございますか。
#169
○阿部政府委員 医療技術短期大学は、国立大学の附属病院等に併置されております看護学校等の専修学校を体制の整ったものから逐次短期大学に切りかえをしてまいったわけでございまして、これまでにそれによって十九校創設をしておりますので、徳島のケースについてお認めをいただければ二十校目ができ上がることになるわけでございます。
 なお、このほかに数校まだ短期大学に昇格をしてないものがございますが、これらにつきましても体制が整い次第逐次切りかえをやってまいりたい、かように考えております。
#170
○林(保)委員 そうすると、この件はもう軌道に乗っているということだろうと思いますが、よく言われ、我々もどうなのかなと思うのですが、厚生省との関係がございますね。それらは文部省がどのような仕分けなり対応を考えておられるのか、この機会にお知らせいただきたいと思います。
#171
○阿部政府委員 看護婦養成に関しましては、学校教育法一条の学校にかかわるものにつきましては文部省所管で、その他は厚生省所管ということに分かれて所管が行われておるわけでございますが、実際の運用に当たりましては、両省で共同省令を出すというような形で連絡をとりながら、同様な対応をしておるわけでございます。
 看護婦行政を担当しております厚生省の側におかれましても、こういった専修学校が国立の場合など逐次短期大学に昇格するということについては、看護婦の資質の向上という観点からは協力的に理解をいただいているものと思っております。
#172
○林(保)委員 時間がありませんので、本法附則第三項関係というのですか、定員が減りますね、これがどういう事情によるのかお聞きしたいと思います。
#173
○阿部政府委員 附則第三項絡みの定員措置でございますけれども、昭和四十八年以来つくりました無医大県解消計画に基づく国立医科大学その他の新構想大学の定員につきましては、総定員法の中で措置することが無理だということがございますので、別枠でこの法律で措置をさせていただいてまいったわけでございます。以来かなりの年月がたつわけでございますが、なお学年進行とかあるいは年次計画によってさらに整備すべき人員が相当残っているということで、ことしも百十七人の増員のお願いをいたしておるわけでございます。
#174
○林(保)委員 そうすると、これは減でなくて増になるわけですね。
 それから、これとちょっと関連しますけれども、国立大学へ国鉄の職員なんかを入れていますね。これはどういう形で受け入れられて定員の中へ組み入れられ、あるいは資格をどういうふうにしておられるのでしょうか。
#175
○古村政府委員 国立大学の職員の中に国鉄から回ってくる人を入れるということは、国立学校の定員の中で職員がやめていって空きが出てきます、そういった空きを見ながらそこに適宜希望者を入れるということでやっております。
#176
○林(保)委員 今度の場合、大体何人ぐらいおりますでしょうか。
#177
○古村政府委員 急な御質問でちょっと資料を持っておりませんが、私の記憶では、現在おりますのは多分百人ちょっとというふうに記憶いたしております。
#178
○林(保)委員 ありがとうございました。
 時間がございませんので急ぎまして、先ほど来大学入試の問題で大臣、いろいろございましたね。教育というものは変えなければならぬことは事実だけれども、余り朝令暮改でやると大変な混乱を起こすというのが今回の経験じゃなかったのかなと思いますので、大臣にそのことを、先ほど歴史と伝統と言われておりましたが、そういうものも踏まえながらどういうふうにやっていくか、ある程度のというのではなくてかなり高い権威づけも必要だろうし、それから慣行としても、しょっちゅう変わるのではなくて、基本だけはある程度ソリッドなものにしておかなければならぬだろうと思いますが、この機会にひとつお考えを承りたいと思います。
#179
○塩川国務大臣 御承知のように入学試験制度をそんなにしょっちゅう変えておるようには私は思っておりませんが、例えば共通一次的考え方、これを導入いたしますのに三年、四年検討し、そしてこの制度が発足して九年か十年になるのじゃないかと思っておりますが、そのように経験を積んでまいりました。そしてさらに、今後やろうとするのは六十五年をにらんで六十五年に実施したいということなんですが、それにはこの共通一次の十数年の経験が蓄積されてきておりますし、これを十分検討してこの欠陥を是正したい、こういうことで考えておるのです。でございますから、朝令暮改にならないように、私らもこれは一番恐れておることでございますので、受験生にいたずらな不安を起こさせてもいけませんので、改革については十分慎重にいたしたいと思っております。しかし、しなければならぬ改革は遅疑逡巡してはいかぬという考えで進んでおります。けれども、改革に至るまでの中身につきましては十分慎重な配慮をして進めていくつもりでございますので、御了解いただきたいと思います。
#180
○林(保)委員 本当に大変な問題でございますし、関係の大きいところでございますので、この上ともしっかりした対応をぜひひとつお願いいたしたい、このように考えます。
 先ほど教育財政の問題が出ておりました。私も、これからニーズが国民の場からは大変大きくなってくる、それからまたいろいろな構想を実現すればするほど教育の場が広がる、広がることは常にお金との縁がつながってくると思うのでございます。
 今回の臨教審の答申の中でも、これからの問題もございますけれども、種々出てくるようでございますが、問題を二つに絞りまして、まず一つ、今きな臭うございますけれども、今度の売上税です。概括的で結構ですが、ここに売上税法案がございます。この附則に、非課税の方ですが、「次の表に掲げる法人」というのとか別表第二とか別表第三とかいうのがございます。私ども実際に歩いてみますと、一体どこまでどうなるんだということがよくわかりませんので、基本的な線として、この中に文部省が監督して手を打たれるといいますか見ておられるところがどこどこあるか、教えていただきたいと思います。もし今資料がなければ、また改めて丸印だけつけていただければありがたいのですが。それで、売上税の影響が文教関係で大体どれくらいあるのか、ほとんどは非課税になっておりますけれども、その点をまず第一にちょっとお聞きしたいと思います。
#181
○古村政府委員 売上税法の別表第一に掲げてあります公共法人といたしましては、国立教育会館、国立劇場、日本育英会、日本私学振興財団、日本体育・学校健康センター、放送大学学園という特殊法人がその中に入ります。それから、別表二の公益法人等の中には学校法人、財団法人、社団法人、宗教法人、私立学校教職員共済組合、日本学術振興会といったものが入るわけでございますが、売上税で金額的に見てどういう影響があるかというのはなかなか試算がしにくいことでございまして、私どもの方も十分な把握をいたしておりません。
#182
○林(保)委員 一般的には、最初は教育関係はもうすべて非課税だという認識であったのですけれども、いろいろ私どもの方へ来ている資料などを見ましても、学生生活への影響が一つございますね。それから、父兄の方でどういう負担があるんだろうか。それから、文部省自身としては学校施設、そのほかの施設及び物件費でかなり影響が出てくるような感じもいたしまして、これは私どもの立場からすると、大変なんだな、このような感じも禁じ得ないわけです。その辺のところを文部省としても把握しておられるんだろうと思いますけれども教えていただきまして、私どももそれなりの勉強もさせていただかなきゃならぬなという感じを持っております。
 それから、質問時間がとうとう来てしまったのですが、先ほど来出ておりましたこれからの教育財政の問題、それから学ぶ生徒、子弟の負担の問題、それの前の父兄の負担、この三つをどのようにこれから長期を展望してやっていくかということを大臣、ぜひひとつお考えいただきたいと思うのです。
 私自身は、党の立場もございますし、私、本来そういう立場なんですが、中堅層が大変な教育の負担に困っている。学生の方はひょっとするとそうでもない、遊びもあるんじゃないか。しかし、それは本来の姿じゃないと思うのです。そうすると、ずばり申し上げてお金を父兄の方で軽減してやるのがいいのか、生徒の方でしてやるのがいいのかという問題も含めて、一口で教育減税と言ったら語弊がありますけれども、寄附金の控除も含めてやりませんと、一口に私学の建学精神に戻ってどうこう言いましても、広く社会がそれを助ける方向がなければいかぬと思うのです。そこらあたりをぜひひとつ、大臣御在任中、といっても任期があるようですけれども、ぜひお考えいただいてやっていただきたいという要望でございます。お考えを一つだけ承りまして、私の質問を終わりたいと思います。
#183
○塩川国務大臣 まず父兄負担の問題でございますが、優秀な学生がそれにふさわしい学問ができないということは国にとっても不幸だと実は私は思います。そのためにはあらゆる制度を通じてこういうことのないようにやっていきたい。現在、幸いにいたしましてそういう声は余り聞かない。ただ、父兄が非常に負担をしておることは事実でございまして、この負担が耐えられないというような状態にならないように国としても考えなきゃいかぬと思います。
 それともう一つ、教育と財政問題というよりも、今問われておるのは日本の基礎学問をどうするかということなのでございまして、この点について政府は、応用的なもの、例えば原子力の研究であるとかその他エネルギー関係等につきましては、その技術開発には別枠をもって対処しておる。ところが一方、大学における基礎研究というものについてはマイナスシーリングで対処する。これはことしはそうじゃございませんが、この考え方がおかしい、ここを私は訴えたいと思うのです。
 大体、日本がアメリカあるいはヨーロッパから言われておることは、日本の学問は応用に余り走り過ぎておるじゃないか、もっと基礎学問をやれ、基礎学問をやることが国際協力につながるんだという考えなのであります。現に今までのノーベル賞の受賞者を見てまいりますと、理工科関係で大体二百六十何人おるというのです。日本人はたった四名だ、こういうことを言われております。そして台湾国籍を持っておった人たちが、これはかつては台湾国籍であったかもわからぬこういう方が四名、人口から見たらこんなに違うじゃないか、こうであるのに日本の基礎学問は一体何なのかということを問われておる。一方、日本の基礎学問に従事しておる学者は非常に優秀な人がたくさんおる。それに研究費が足らないところに問題がある。一方、応用技術の開発にはどんどんと金が出る。この考えを政府が正確に認識してこれに対処する必要が今あるのではないか。学問の研究費とかあるいは施設には別枠をもってといいましょうか、特別の配慮を政府がしてくれるべきだということを私は訴えておるのでございまして、その点国会もひとつお力添えしていただきたいと思います。
#184
○林(保)委員 ありがとうございました。大臣のそういう御発想には共鳴できますので、行政にこれが反映できるように御尽力をお願いしたいし、私どももやらなければならぬと思います。
 終わります。ありがとうございました。
#185
○愛知委員長 石井郁子君。
#186
○石井(郁)委員 法案の質問に入る前に、ちょうどこの時期に緊急を要する問題があると思いますので、伺っておきたいと思います。
 一つは、国鉄職員の子弟の高校転入学の問題についてであります。国鉄新会社への移行が進められておりますが、その人事異動もいろいろ広域にわたって進められており、そのために高校転入学問題が相当深刻だと思います。文部省はこの実態をどうつかまれておりますか。また、その対応を何らか考えておられますかどうか、伺いたいと思います。
#187
○西崎政府委員 御指摘の国鉄改革に伴う子弟の高校転入の問題でございますが、これはやはり先生御指摘のように大きな問題でございまして、昨年の七月の段階で私どもの方から、局長通知で各都道府県教育委員会に対して、国鉄改革に伴う広域異動の高校転入については十分な配慮をするようにというふうな通知を出しまして、高校の転入学の許可自体は高校長の権限、責任でございますので、各県教育委員会から高等学校長へ指導するようにというふうな手当てをしておるわけでございます。
 実態の点でございますが、昨年の二学期の転入学につきましては八十六人の転入学の希望者がありまして、転入学の合格者は八十人でございました。それから、ついせんだっての三学期の転入学につきましては、二十五人の受験者に対しまして合格者は二十三人ということでございます。
 今後の課題といたしましては、この四月の時期の転入学がございます。さらに、北海道等で採用ができなかった方々等がまた東京の方へ新たに採用されるというふうな事態で今後異動が続くわけでございますので、なお私どもとしては対処については十分配慮してまいりたいというふうに考えております。
#188
○石井(郁)委員 言うまでもなく、国鉄改革は国の施策として行われているものでありますから、高校教育を子供たちに保障するというのは当然のことだと思いますので、引き続き文部省の努力をしていただきたいと思います。やはり各教育委員会にもっと指導を強化していただきたいということを申し上げたいと思います。
 二つ目の問題は、先ほど来審議されております大学入試なんですけれども、今年度の入試が受験生に大変混乱を来し、また父母の経費負担も非常に大きいということで、社会的な問題になっているわけですが、今定員割れが進み、また二次募集を行い、四月に入ってそういう定員を埋めるというようなことが各大学で出てくるということが予想されているわけですけれども、私立大学に受かり、そして授業料も振り込まなければいけないというふうなことで、父母の方でも大変な負担になっているということが言われているわけであります。そういう問題が一つあります。
 それから足切りの問題ですね。先ほど大臣からの御答弁もありましたけれども、もう一つはっきりしませんでした。今後足切りというのをやはりしない方向でいくのか、それともやむを得ないということで進むのか、文部省は検討されるということですけれども、もう少しはっきりした答弁をお願いしたいと思います。足切りそのものにつきましては、共通一次の導入のときからも、本来すべきでないというのがほぼ大学関係者の意向だったというふうに私は理解しているのですけれども、共通一次導入の理念からしても、やはり足切りはすべきでないという方向をもっと強く出すべきではないかという点で、再度大臣の御答弁を伺いたいと思います。
#189
○阿部政府委員 このたびの受験機会の複数化は、先ほど来お答えを申し上げておりますように、受験生の選択の機会を拡大をしよう、一校だけしか受験できないというのではなくて、複数のチャンスを認めようではないかという趣旨に出たものでございました。初めてのケースでもございましたこともございますし、大学側にも受験生の側にもいろいろな戸惑い等もあったことだろうと思います。そういう意味で幾つかの問題が出てきておることも事実だと思っております。
 足切りの問題でございますけれども、足切りそのものの是非ということからいえば、これは共通一次を始めましたときにも、できるだけ丁寧な入試をして受験者の能力を多角的に見るようにしようというようなことを基本に置いたという点からいえば、好ましくないということは当然のことだと思っております。ただ現実問題として、入試を実施する側から考えますと、各大学が二次試験についてできるだけ丁寧に面接をし、あるいは論文式の試験をし、いろいろなことをやるという場合に、非常に多量の何千人、何万人という受験生がいたのではどうにも処理がし切れないというようなたぐいのことがあることも事実でございまして、全くこれはやってはいけないというふうに言い切れない点があるということはひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 ただ、それにいたしましても、先ほども申し上げましたように足切りそのものはできるだけ少なくしていくということが大事なことだと思っております。今年度の経験にもかんがみましてまた国立大学協会の中でも種々検討が行われるものと思っておりますが、文部省としてもそういう方向での努力を国立大学協会及び各大学に促してまいりたい、かように考えております。
#190
○石井(郁)委員 時間がありませんので、入試については以上でとめておきたいと思います。
 三つ目の問題は、今回の法改正案では出てきておりませんが、共同研究センター、国際日本文化研究センターについて、時間がありませんので、幾つかの点だけを指摘させていただきたいと思います。
 政省令で設置されようとしている富山、神戸、熊本三大学の共同研究センター、それから国際日本文化研究センターについては重大な問題があると思っております。今日、産学協同がさまざまな形態で進行しつつありますが、今回の共同研究センター構想は従来の単なる延長ではなく、一つは、財界と大企業の求める技術開発等に大学の研究が動員される仕組みが人的にも物的にも確立されることであり、また軍事利用の危険性を持っていることがあります。二つには、こうした研究の推進に当たって大学の自主的判断がないがしろにされる、つまり教授会の議を経ずにセンター独自の運営が可能となることなど、大学の自治、学問の自由の否定、公開の原則の否定に道を開くという問題を持っております。
 国際日本文化研究センターにつきましても、中曽根首相の軽井沢セミナーでの発言がありましたように、独特の思想に基づく日本学の研究、これが奨励されておりますように、特定のイデオロギーによる日本国民の思想動員をねらった反動的な拠点づくりの構想だと私どもは考えております。
 この二つのセンターにつきましては、今後質問で取り上げていくということで申し上げておきたいと思います。
 さて、法案に関連いたしまして、障害者の高等教育の保障、筑波技術短期大学設置の問題について伺います。
 一つは、先ほど来、障害者の高等教育保障につきましては、大学に門戸を開放する、一般大学での受け入れもあわせて行われていくということが言われておりますけれども、その現状につきましてもう少し明らかにしていただきたいと思うわけです。全国の大学で現在障害者に受験を認め配慮しているそういう大学、国公立、私立大学で何枚あるでしょうか、また最近の受験者数と入学者数がどのようになっているか、特に特徴的な点などについてお答えいただきたいと思います。
#191
○阿部政府委員 障害者の受け入れにつきまして、文部省としては、先ほど来お答えを申し上げておりますように、一般の大学におきましても障害者の能力、適性に応じて健常者の場合と同等の高等教育進学の機会を与えてくれということで指導を申し上げておるわけでございますが、大学の中で自分の大学は障害者を受け入れないと決めているというようなところは、文部省としては聞いたことがないわけでございます。
 それから、最近の入学の状況でございますけれども、最近五カ年間のケースで申し上げますと、五十七年度の入試の場合に千九百六十五人の志願者がありまして五百四十七人が入学、五十八年度の場合は二千六百十四人の志願者で五百七十五人が入学、五十九年度は二千五百十七人が志願者で五百十七人が入学、六十年度は二千二百二十八人志願いたしまして四百二十三人が入学、六十一年度は二千百十五人志願いたしまして四百二十二人が入学している、こういうような状況でございます。
#192
○石井(郁)委員 非常に受験者数はふえているというふうに思いますけれども、入学者数が必ずしもふえているとは言えないということがわかるように思うのです。そこで、実際に障害者を受け入れている大学の一覧といいますか、断ってはいないかもしれないけれども実際には受け入れていないというか、そういうものも含めて受け入れている大学が何枚で、どういう大学であるかということは資料として提出していただけるでしょうか。
#193
○阿部政府委員 ただいまその資料を手元に持っておりませんので、必要でしたら後ほど電話ででも申し上げます。
#194
○石井(郁)委員 それを見た上でのことでもありますが、障害者に対する受験機会の拡大という点では、まだ全国の大学がそれほど門戸を開放していないというふうにも言えると思いますし、また現実に入学者数が必ずしもふえていないという問題があると思うわけです。障害者の受験を保障する大学が必ずしもふえていないという問題、また現実に入学ができていないという問題の理由はどこら辺にあるというふうに文部省はお考えでしょうか。
#195
○阿部政府委員 最近の状況、先ほど申し上げました数字を見ましても、一つの傾向をつかむのは難しいわけでございます。例えば先ほど申し上げた五十七年以降の五年間のケースを見ましても、五十八年度がいわば一番多い時期でございまして、受験者が二千六百人で入学者が五百七十五人というのが一番多かったわけでございますが、六十一年度では受験者そのものが二千百十五人というふうに五百人落ちておるわけでございます。そして合格者は四百二十二人で百人落ちたというようなことで、率的には同率あるいは若干いいぐらいの率で入学はしていると思いますけれども、ただ、こういった受験者層の変化あるいは入学者層の変化、千人前後という数でもございますので年によっていろいろな差があるのだろうと思いますが、その辺の状況というのはにわかにつかみがたいわけでございます。
#196
○石井(郁)委員 いろいろ社会的な状況やそのほか大学の対応、さまざまな条件もあると思いますけれども、障害者を受け入れるという点では、大学の方では、入学後の勉学の保障などという点ではまだまだ責任が持てないという点で二の足を踏むということもあると思うわけです。
 その点で財政的な事情について伺いますけれども、受験の機会、受験そのものについての財政的な援助もあるわけですが、入学後の勉学の保障につきまして、例えば視覚障害などの場合には点字用のいろいろな保障が必要なわけですけれども、そういう点で文部省としてどういう対応をされてきたでしょうか。
#197
○阿部政府委員 一般大学におきます身障者受け入れに伴う財政措置でございますけれども、文部省といたしましては、国立大学は国でございますのでもちろん丸抱えでいろいろやっておるわけでございますが、受験の段階で、点字による受験の必要がある場合の点字問題作成のための経費は相当の額が必要なものでございます。六十二年度予算案で現在お願いしておりますものでは、一千五百万円ほど全体としてお願いしております。また、入学後の学生の教育のための経費につきましても特別の予算措置を、一般学生並みの経費のほかにさらに上乗せして措置をしておりまして、六十二年度で二千五百万円ほどの経費を予定いたしております。また、施設設備等につきましては、それぞれ各大学からの要望に応じて必要な経費を配賦しております。例えばスロープをつくる、手すりをつくる、あるいは場合によってはエレベーターを設ける等々のこともございますし、オプタコンでございますとか点字図書の整備等いろいろなことがございますが、各大学の要望に応じて必要な予算措置を講じておるわけでございます。
 また、公立大学の場合につきましては、昭和五十二年度から身体障害者学生用の設備の整備費の助成措置を講じております。これは件数は比較的少ないので六十一年度予算では二百万円くらいでございますけれども、各大学の要望に応じてその金額をお配りすることにしております。
 また、私立大学の関係につきましては、私学助成の経常費助成の中で、特別補助ということで、身障者を受け入れている大学に対しては経常費助成の上乗せを行っております。これは実績しかございませんけれども、六十年度の実績では総額一億五千万円ほどの上乗せを行っているということで、文部省としては、国公私を通じてできるだけの努力を重ねているつもりでございます。
#198
○石井(郁)委員 言うまでもありませんが、ことしは国際障害者年の折り返し点というか中間点でもありますので、私は、障害者の教育権の保障という点で、一般大学の受け入れについては文部省としてももっと力を入れていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
 さて、法案の筑波技術短期大学ですけれども、現在一般大学に受け入れられている障害者は、障害者の中でもやはり軽度な障害者というところがあるのではないかと思うわけです。盲・聾学校からの進学は大変困難になっているということがあるように聞いております。そういう問題の解決の一つの方向が、今度の視覚障害者、聴覚障害者のこの短期大学をつくるということだというふうに思うわけですが、いろいろ議論もあるところでありますので、障害者の要望にこたえて高等教育保障を拡充していく契機にしていくという立場から、少し内容に立ち入って質問をしたいと思います。
 三年制の短期大学ということですけれども、先ほどの質問にもちょっとありましたが、高等教育としては四年制の大学という構想をなぜ最初からつくらなかったかという問題が一つです。それに関連して、現在出されている学科、聴覚障害関係は四つの学科、視覚障害関係は三つの学科ですけれども、この学科では非常に不十分ではないか。また、入学定員もそれぞれ十人ずつということで、二十人のところもありますけれども、九十人というのは非常に少ない。障害者の要望からすると余りにも狭き門ではないかという点があると思います。この二つについてお答えいただきたいと思います。
#199
○阿部政府委員 この大学は三年制の短期大学ということで構想したわけでございます。もちろんこの問題の検討に当たりましては四年制大学とするかどうかという課題もあったわけでございますが、先ほども申し上げましたように、こういった障害者のための高等教育機関、大学というものを我が国でつくるのは全く初めての経験でございます。現実にカリキュラムや教育方法等についてそれぞれ開発しながら進めていかなければならないという、新しい分野を開拓するというたぐいの大変な事業でもございますし、特に教員の確保というような点を考えますと、こういうことを申し上げて適当かどうかはありますけれども、四年制大学の教員となりますと相当レベルの高い人でなければ設置審議会の審査を合格しないというような問題等もあるわけでございます。そういったような意味からいいますと、まずは短期大学でこれをつくっていく、充実した短期大学としてこれを設けていく、これを将来どうするかという問題は、またその運営の実態を見ながら検討する課題としてとっておこうというのが、いわばこの問題を検討した多くの方々の御意見であったわけでございまして、それに従って三年制の短期大学ということでスタートするということにさせていただいたわけでございます。
 また、学科の内容につきましてもいろいろと御議論がございまして、幾つかの案があったわけでございますけれども、これも一つには、そういう学科にどれだけの志願者があるかということもございますし、またもう一つには、その学科でどれだけ実際に障害者に対して適当な教育が可能かという問題もございます。卒業者の進路開拓というような問題等もございます。こういった点をいろいろ考え、議論を重ねた結果、まずは「内容」に掲げておりますような種類の学科でスタートをしようということにいたしました。人員についても、そういった現在の盲・聾学校の高等部の在学生や専攻科の在学生の状況やそういったようなたぐいのものをもろもろ考えながら、しかも少人数教育で、通常の大学が四十人ないし五十人の授業というのが普通でございますけれども、この大学は十人単位の少人数教育で徹底した教育をやろう、そういうことを通じながら新しい教育方法の開発もしていこうというようなことを考えております関係上、人員もそういう点等総合的に考えまして九十人という人数を定めたということでございます。
#200
○石井(郁)委員 現状としてはそういうスタートという点では言えるかと思うのですが、将来構想としましてやはり四年制大学の構想とかあるいは学科の増、定員増というようなことについての、ちょっと今すぐは難しいかもしれませんけれども、その辺の文部省のお考え、再度ちょっとお聞きしておきたいと思います。
#201
○阿部政府委員 現在のところは、現在この法案をお願いしておりまして、六十二年度に設置をして六十五年以降に学生を受け入れる、その間全力を挙げてその準備に突入するというようなことになるわけでございますので、せっかくのこの短期大学が円滑に成功するように最大限の努力を払うというのが私どもの最大の務めであろうと思っております。ただ、御指摘をいただきましたようにいろいろな課題があることも事実でございますので、そういった点につきましては、この大学の整備充実を進めながら、それと並行して個々の課題として検討は続けていかなければならない、こう思っております。
#202
○石井(郁)委員 私どもは、将来的にはやはり四年制大学にとどまらず、先ほど来専門家の養成というかそういう教員の確保という問題も出されておりますけれども、そういう教員養成もできるような二年間くらいのマスターの設置、そういうことまで含めてやはり障害者の教育の拡充、そういう問題について考えていくべきだというふうに思っております。
 ちょっと時間がありませんので、次の問題に移らせていただきますが、福島大学、三重大学の学部創設、改組の法案に関連いたしまして、現在教員養成大学とか学部の整備が重要な問題とされておりますので、その点で伺いたいと思います。
 各大学ではいろいろな取り組みがされておると思いますけれども、大阪教育大学の例について先般、これは三月十七日の新聞報道では学部の改革案がまとまったということですが、文部省に届いていると思いますけれども、文部省として大阪教育大学の学部改革案についてどういう評価と受けとめをされておりますでしょうか、伺いたいと思います。
#203
○塩川国務大臣 この大学は石井さんも関係しておられて非常に関心の深いことだと思うのですが、長年にわたりまして学内でいろいろな議論は検討されましたけれども、最近、評議会の議を経まして改革案を正式に提出してまいりました。私は率直に申して、時代の要請に沿い得る大学として脱皮しようという意欲が十分に感じられておりますし、その実現については我々も努力したいと思っております。
#204
○石井(郁)委員 二点ばかり問題点として伺っておきたいのですが、今回大学の方で出された案は、定員は動かさずに四百人の新しい学科をつくるという案でございますけれども、一つは教員採用の問題で、現在確かに児童数が減っているということがあるのですけれども、過去に文部省は、教員が必要ならば大学にいろいろ学生定員を増加するようにという指導もあったと思いますし、少なくなればそれは減らすという点では、教員養成大学はいろいろそういうあおりを受けてきたわけです。これから先の教員の需要というか採用の問題は、一概に減少というだけじゃなくて、例えば今四十人学級がさらに三十五人学級あるいは三十人学級、私はこういうことが世界の教育改革の趨勢だと思いますけれども、そういう点と見合った教員の採用という問題について、今後の教員の需給について文部省のデータをもう少しお示しいただけたらと思います。
#205
○阿部政府委員 先生御案内のように、児童生徒数が昭和六十三年度ピークで中学校も減少に転ずるというような状況になるわけでございますので、これからその傾向は七十年代のかなりのところまで続くだろうということが見込まれておるわけでございます。それに伴いまして教員の採用減ということが最近の傾向として既にかなり出てきておりまして、この傾向は、これから教員定数につきまして四十人学級の実施でございますとか、その他配置率の改善とか、いろいろな従来の計画を進め、あるいはその後の段階においてもある程度のことをやっていったにしても、なおかつ、減少の傾向というのは否めない状況ではなかろうかと思っておるわけでございまして、少なくとも現在の教員養成系の大学、学部の規模では、かなり就職が困難だということが見込まれるわけでございます。
 そういったようなことから、各大学におきましてもいろいろそれの改組、改革についての御検討がなされておるわけでございまして、今回の法案に盛り込まれております福島大学の行政社会学部の場合にも、教育学部から百名の学生定員を動かして新しい学部の一部にするというようなことも行われているわけでございまして、これは今後かなり長期的に、教員需給の逼迫という状況から見て、そういう方向はそれぞれ大学において逐次講じていくべき性格のことであろう、こう思っておる次第でございます。
#206
○石井(郁)委員 文部省としては、四十人学級のままでずっとこれから先も教員定数を割り出していく、そういうことで理解していいんでしょうか。
#207
○阿部政府委員 これは担当政府委員がおりませんので、私からのお答えとしてはやや不正確かもしれませんけれども、四十人学級計画が六十六年度までに完成ということを目途にしてこれまで進めてきておるわけでございます。これが今後どうなるかということはございますが、できる限り当初予定どおりこれを完成するということを目指して現在努力が行われております。また、これが済んだ後も、臨教審答申等におきましては、さらに教員組織の整備を進めるべきだというような御指摘もいただいておりますので、いろいろな形での整備、工夫がこれからなされていくことになろうかと思いますが、それにいたしましても、教員需要をぐっと上向きにさせるというような影響にはならないだろうというのが私どもの現在の見方でございます。
#208
○石井(郁)委員 もう一つの問題は、教員養成大学は課程制大学ですが、現在の改革案はそこに学科をつくるということでして、この課程制に学科を置くということについてはこれまで文部省はできないという立場だったと思うのですが、その辺は今回どのようにお考えになっていらっしゃるのか、またこの学科は将来学部への移行を含んでいると理解していいのかどうかという点で伺いたいと思います。
#209
○阿部政府委員 大学設置基準に「学部には、専攻により学科を設ける。」という規定がございまして、そしてまた、それに対する特例規定といたしまして「学部の種類により学科を設けることが適当でないときは、これにかえて課程を設けることができる。」こういう規定があるわけでございまして、いわば学科というのは専門分野ごとに縦割りにしたようなものが学科であって、課程というのは小学校課程、中学校課程というような形で横割りにしたようなものが課程であるというのが従来からのおおむねの見方でございます。
 ただこれは、この条文の解釈としては、ある学部の中にそれが混在することは認めないという趣旨ではないというのが我々の従来からの解釈でございまして、具体の例から申し上げましても、例えば千葉大学の工学部には、もう既になくなりましたけれども、機械工学科等の学科と特設工学課程というのを併置していたというようなケースもございます。工業系ではそういうケースはしばしばあるわけでございます。また私立ても、ある女子大学の家政学部に家政学科と管理栄養士の養成課程を併置しているというようなケースもございますので、これが制度上できないというふうに解釈をし運用してきたというわけではないわけでございまして、今回の大阪教育大学のケースも制度上は問題はないと私どもは思っております。
#210
○石井(郁)委員 時間が来ましたので、今後とも大学はいろいろな形で自主的な改革に努力をすると思いますけれども、自主的な改革を尊重して、大学の拡充のためにいろいろ努力いただきたいということを申し上げまして終わりたいと思います。ありがとうございました。
#211
○愛知委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#212
○愛知委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、国立学校設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#213
○愛知委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#214
○愛知委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、町村信孝君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の五党共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。佐藤徳雄君。
#215
○佐藤(徳)委員 私は、提案者を代表いたしまして、ただいまの法律案に対する附帯決議案について御説明を申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    国立学校設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、次の事項について特段の配慮を行うべきである。
 一 一般大学における身体障害者の受入れを促進するとともに、点字受験をはじめ、その諸条件を整備すること。
 二 身体障害者のための高等教育機関の整備に関しては、筑波技術短期大学の実績をみつつ、盲・聾学校高等部の専攻科について、短期大学、専修学校等適切な学校形態へ転換することを含め検討すること。
 三 高等教育に対する新たな時代の要請に基づき、学術の振興、教育・研究体制の推進を図るため、また、現在進行している大学進学希望者の急増対策として、大学の意向や社会の要請を考慮しつつ、必要な諸条件の整備に努めること。
 四 いわゆるオーバードクター問題とも関連して、大学等の研究員の増員、日本学術振興会の特別研究員制度の定員の拡大など、今後の学術研究体制に支障のないよう検討すること。
 五 国公立大学の入学試験については、その正常化のために最大の努力をすること。
  以上を含め、教育の重要性にかんがみ必要な財政措置を講ずること。
  右決議する。
以上でございます。
 その趣旨につきましては、本案の質疑応答を通じて明らかであると存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。
 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げて、提案を終わります。
#216
○愛知委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#217
○愛知委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。
 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。塩川文部大臣。
#218
○塩川国務大臣 ただいま御議決いただきました附帯決議に対しましては、その趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#219
○愛知委員長 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#220
○愛知委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#221
○愛知委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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