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#1
第108回国会 大蔵委員会 第3号
昭和六十二年三月三日(火曜日)
    午後四時三十分開議
出席委員
  委員長 池田 行彦君
   理事 大島 理森君 理事 熊川 次男君
   理事 笹山 登生君 理事 中川 昭一君
   理事 中村正三郎君 理事 野口 幸一君
   理事 柴田  弘君 理事 玉置 一弥君
      新井 将敬君    井上 喜一君
      石破  茂君    今枝 敬雄君
      江口 一雄君    遠藤 武彦君
      大原 一三君    木村 義雄君
      小泉純一郎君    杉山 憲夫君
      戸塚 進也君    鳩山由紀夫君
      二田 孝治君    三原 朝彦君
      村上誠一郎君    山本 幸雄君
      沢田  広君    早川  勝君
      日笠 勝之君    森田 景一君
      矢追 秀彦君    山田 英介君
      安倍 基雄君    工藤  晃君
      正森 成二君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 宮澤 喜一君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  中西 啓介君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    足立 和基君
 委員外の出席者
        大蔵委員会調査
        室長      矢島錦一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月三日
 辞任         補欠選任
  金子 一義君     二田 孝治君
  笹川  堯君     木村 義雄君
  高鳥  修君     大原 一三君
  村井  仁君     三原 朝彦君
  森田 景一君     大久保直彦君
同日
 辞任         補欠選任
  大原 一三君     高鳥  修君
  木村 義雄君     笹川  堯君
  二田 孝治君     金子 一義君
  三原 朝彦君     村井  仁君
  大久保直彦君     森田 景一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国の会計、税制及び金融に関する件(財政金融
 の基本施策)
     ――――◇―――――
#2
○池田委員長 これより会議を開きます。
 国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。
 この際、財政金融の基本施策について、大蔵大臣の所信を聴取いたします。宮澤大蔵大臣。
#3
○宮澤国務大臣 今後における財政金融政策につきましては、先般の財政演説において申し述べたところでございますが、本委員会において重ねて所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 戦後国民の勤勉と創意とに支えられ目覚ましい発展を遂げた我が国が今後歩むべき道は、対内的には、豊かで活力のある経済、社会を構築し、対外的には、国際社会の期待にこたえて、我が国の占める地位にふさわしい貢献をしていくことであります。
 現下の経済情勢を見ますと、世界経済は、全体として見れば、緩やかな拡大を続けておりますが、大幅な対外不均衡がなお続いており、保護主義の高まりが懸念される情勢にあります。
 我が国経済は、急速な円高の進展により、製造業を中心に企業の業況判断には停滞感が広がっており、雇用への影響が憂慮される情勢となっております。
 他方、財政は、巨額の国債累積を抱え、その利払いが政策経費を圧迫するなど、極めて厳しい情勢となっております。
 私は、このような現在の諸情勢の中で、我が国が、国内にあっては、豊かで活力ある経済、社会の建設を進め、外に対しては、国際社会への責任を果たすため、今後の財政金融政策の運営に当たって、以下に申し述べる諸課題に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
 課題の第一は、内需を中心として経済の持続的成長を確保していくことであります。
 豊かで活力ある社会を構築し、また、自由世界第二の経済大国として国際的役割を担っていくためには、我が国が長期にわたる成長を持続していく必要があります。特に、今日の経済情勢にかんがみ、景気の拡大が重要な課題であります。
 政府は、こうした見地から、昨年秋、補正予算を編成して、総合経済対策を講じてまいりましたが、昭和六十二年度予算におきましても、厳しい財政状況のもとで、一般公共事業の事業費について、名目経済成長率見通しの伸びを上回る五・二%の伸びを確保することとし、財政投融資資金の積極的活用を図るとともに、民間活力の活用にも配意いたしました。また、住宅金融公庫融資を拡充する等の住宅対策など景気の維持拡大に資する施策を講じております。さらに、急激な環境変化に直面している産業の構造調整等を推進するため、産業基盤整備基金(仮称)を設けるなどのほか、雇用情勢の先行きにかんがみ、三十万人雇用開発プログラムの実施等雇用対策の大幅な拡充を図る等に努めております。
 後ほど申し述べます税制の抜本的見直しも、我が国経済、社会の豊かさと活力の中長期的維持増進に資するものと期待しております。
 金融面におきましては、日本銀行は公定歩合をさらに引き下げ二・五%とし、二月二十三日より実施しております。この措置により、金利水準全般の低下が一層促進されることが期待されます。資金運用部の預託金利につきましても、所要の改正法が成立したところであり、これに基づき、引き下げを図ることとしております。
 持続的成長の確保のためには、為替相場の安定が重要であります。私は、各国との協調的な行動を通じて為替相場の安定を図るべく、諸外国との話し合いに努めてまいりました。昨年十月末には、ベーカー米財務長官との間で、為替市場の諸問題について協力を続けることについて合意したところであり、また、本年一月二十一日にも、為替相場の安定につき、同長官と協議してまいったところであります。さらに二月二十二日、主要国の大蔵大臣等との間で、為替レートのこれ以上の顕著な変化は成長等の可能性を損なうおそれがあるということで意見の一致を見、為替レートの安定のため緊密に協力することが合意されました。今後とも、各国との政策協調及び適時適切な介入を通じて、為替相場の安定を図っていく所存であります。
 第二は、財政改革を強力に推進することであります。
 財政改革の目的は、できるだけ早期に財政がその対応力を回復し、我が国社会、経済の豊かさと活力を維持増進していくことにあります。このため、政府は、昭和六十五年度までの間に特例公債依存体質からの脱却と公債依存度の引き下げに努めるという努力目標に向けて懸命の努力を重ねてきたところであります。
 しかしながら、このような努力を行ってもなお、昭和六十二年度予算においては国債の利払い費が歳出予算の二割を占め、また昭和六十二年度末の公債残高は総額で百五十二兆円に達する見込みとなるなど、財政事情は一段と厳しいものとなっております。
 今後とも財政改革を強力に推進し、財政が二十一世紀に向かつて我が国内外に求められている課題に十分に対応できる弾力性を回復することは、喫緊の国民的課題であります。これまでの努力が水泡に帰することのないよう、さらに一層努力を払い、着実にその歩を前進させていく必要があると考えます。
 第三は、税制の抜本的見直してあります。
 我が国税制は、戦後四十年間にわたる産業・就業構造の変化、所得水準の上昇と平準化、消費の多様化を初めとする社会経済情勢の著しい変化に十分対応し切れておらず、さまざまなゆがみ、ひずみを抱えております。
 このような状況にかんがみ、また、今後の我が国経済、社会の展望を踏まえ、税制全般にわたり公平、公正等の基本理念のもとに抜本的な見直しを行うことにより、国民の理解と信頼に裏づけられた安定的な歳入構造を確立することが急務となっております。
 政府といたしましては、税制調査会の「税制の抜本的見直しについての答申」及び「昭和六十二年度の税制改正に関する答申」を踏まえ、改革案の全体を一体として実現してまいりたいと考えております。具体的には、中堅所得者層の負担軽減を主眼に、最低税率の引き下げを含む税率構造の見直し、配偶者特別控除の創設等を内容とした所得課税の思い切った軽減合理化を行い、法人課税の税率水準を段階的に引き下げるとともに、間接税について物品税等の個別消費税制度を改め売上税を創設し、また少額貯蓄非課税制度及び郵便貯金非課税制度を老人・母子家庭等に対する利子非課税制度に改組する等の措置を講ずることといたしました。このため所要の法律案を今国会に提出し、御審議をお願いすることといたしております。
 第四は、我が国が国際的な地位の高まりに応じた調和ある対外経済関係を形成することであります。
 現在、大幅な対外不均衡等を背景に保護主義の圧力が高まっておりますが、こうした中で、我が国としては、率先して自由貿易体制の維持強化に努めるとともに、市場の開放、経済構造の調整等、我が国経済自身の国際化を進め、対外不均衡の是正を図っていく必要があります。
 このような観点から、ウルグアイ・ラウンドについて積極的に推進していくとともに、昭和六十二年度関税改正におきましては、特恵関税制度の改善、紙巻きたばこ、アルコール飲料等の関税率の引き下げ等を行うこととしております。
 また、昭和六十二年度予算におきましては、経済構造調整の円滑化の推進に配慮しているところであります。
 金融の自由化及び円の国際化は、我が国経済の効率化、国際化に資すると同時に、世界経済の発展に貢献していく上で有意義なものと考えます。つとに、自由化、国際化の措置をとってきたところでありますが、今後とも、環境整備を図りつつ、自由化、国際化を積極的に進めてまいります。
 開発途上国の自助努力を支援するとともに、累積債務問題の解決を図り、もって世界経済の安定と発展に資することも、我が国の大きな国際的責務と考えております。
 このため、政府開発援助につきましては、第三次中期目標に沿った着実な拡充を行うこととし、また、国際金融機関を通じた開発途上国等への資金協力についても、最大限の努力を図っているところであります。
 次に、昭和六十二年度予算の大要について御説明いたします。
 歳出面におきましては、既存の制度、施策の改革を行い、また、補助金について引き続き整理合理化を行うなど、あらゆる分野にわたり経費の節減合理化に努めるとともに、社会経済情勢の推移に即応するため、公共事業の事業費確保、雇用対策の充実を行うほか、限られた財源を重点的、効率的に配分するよう努めることといたしました。
 この結果、一般歳出の規模は、三十二兆五千八百三十四億円と前年度に比べて八億円の減額といたしております。これは、昭和五十八年度以降五年連続の対前年度減額であります。
 これに国債費及び地方交付税交付金を加えた一般会計予算規模は、前年度当初予算に比べ、百二十四億円増額の五十四兆一千十億円となっております。
 歳入の基幹たる税制につきましては、先に申し述べました抜本的税制改革案の実現を図るため、昭和六十二年度税制改正において、中堅所得者層の負担軽減を中心とした所得税の軽減合理化、法人税の税率の引き下げ、売上税の創設、非課税貯蓄制度の見直しを図るほか、賞与引当金の廃止、有価証券取引税の見直し、登録免許税の引き上げ等を行うことといたしております。
 税の執行につきましては、今後とも、国民の信頼と協力を得て、一層適正・公平な税務行政を実施するよう、努力してまいる所存であります。
 また、税外収入につきましては、一段と厳しい財政事情にかんがみ、可能な限りその確保を図ることといたしております。
 公債につきましては、以上申し述べました歳出歳入両面にわたっての最大限の努力により、その発行予定額は前年度当初予算より四千四百五十億円減額し、十兆五千十億円となっております。その内訳は、建設公債五兆五千二百億円、特例公債四兆九千八百十億円となっております。この結果、公債依存度は、特例公債発行下で初めて二〇%を割る一九・四%に引き下げることができました。
 また、昭和六十二年度においては、十五兆七千二百七億円の借換債の発行を予定しており、これを合わせた公債の総発行額は二十六兆二千二百十七億円となります。
 財政投融資計画につきましては、内需の拡大、地方財政の円滑な運営など、政策的な必要性を踏まえ、積極的かつ重点的・効率的な資金配分に努めたところであります。
 この結果、昭和六十二年度の財政投融資計画の規模は二十七兆八百十三億円となり、昭和六十一年度当初計画に対し、二二・二%の増加となっております。
 以上、財政金融政策に関する私の所信の一端を申し述べました。
 さきに御審議を経て成立した資金運用部資金法の一部を改正する法律のほか、本国会で御審議をお願いすることを予定しております大蔵省関係の法律案は、昭和六十二年度予算に関連するもの十件、その他一件、合計十一件であります。それぞれの内容につきましては、逐次御説明することになりますが、何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#4
○池田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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