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1985/04/25 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 補助金等に関する特別委員会 第7号
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1985/04/25 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 補助金等に関する特別委員会 第7号

#1
第104回国会 補助金等に関する特別委員会 第7号
昭和六十一年四月二十五日(金曜日)
   午前十時四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     坂元 親男君     石井 一二君
     柳川 覺治君     小林 国司君
     中野 鉄造君     刈田 貞子君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     高杉 廸忠君     菅野 久光君
     下田 京子君     吉川 春子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         嶋崎  均君
    理 事
                北  修二君
                倉田 寛之君
                真鍋 賢二君
                矢野俊比古君
                穐山  篤君
                村沢  牧君
                中野  明君
    委 員
                石井 一二君
                石井 道子君
                石本  茂君
                金丸 三郎君
                河本嘉久蔵君
                小林 国司君
                添田増太郎君
                竹山  裕君
                松岡満寿男君
                吉川  博君
                吉川 芳男君
                吉村 貞事君
                佐藤 三吾君
                菅野 久光君
                安恒 良一君
                大川 清幸君
                刈田 貞子君
                佐藤 昭夫君
                吉川 春子君
                井上  計君
                栗林 卓司君
                下村  泰君
   国務大臣
       外 務 大 臣  安倍晋太郎君
       大 蔵 大 臣  竹下  登君
       文 部 大 臣  海 部俊樹君
       厚 生 大 臣  今井  勇君
       農林水産大臣   羽田  孜君
       労 働 大 臣  林  ゆう君
       建 設 大 臣  江藤 隆美君
       自 治 大 臣  小沢 一郎君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  江崎 真澄君
   政府委員
       内閣法制局長官  茂串  俊君
       内閣法制局第三
       部長       大出 峻郎君
       臨時行政改革推
       進審議会事務局
       次長       山本 貞雄君
       警察庁刑事局保
       安部長      新田  勇君
       総務庁長官官房
       審議官      百崎  英君
       総務庁行政管理
       局長       古橋源六郎君
       総務庁行政監察
       局長       竹村  晟君
       青少年対策本部
       次長       倉地 克次君
       環境庁企画調整
       局長       岡崎  洋君
       法務省刑事局長  岡村 泰孝君
       法務省入国管理
       局長       小林 俊二君
       外務大臣官房審
       議官       福田  博君
       外務大臣官房審
       議官       斉藤 邦彦君
       大蔵政務次官   梶原  清君
       大蔵大臣官房審
       議官       大山 綱明君
       大蔵省主計局次
       長        保田  博君
       大蔵省銀行局長  吉田 正輝君
       文部大臣官房長  西崎 清久君
       文部大臣官房会
       計課長      坂元 弘直君
       文部省初等中等
       教育局長     高石 邦男君
       文部省教育助成
       局長       阿部 充夫君
       文部省社会教育
       局長       齊藤 尚夫君
       文部省体育局長  古村 澄一君
       厚生大臣官房総
       務審議官     北郷 勲夫君
       厚生省社会局長  小島 弘仲君
       厚生省児童家庭
       局長       坂本 龍彦君
       厚生省保険局長  幸田 正孝君
       農林水産大臣官
       房長       田中 宏尚君
       農林水産大臣官
       房予算課長    鶴岡 俊彦君
       農林水産省構造
       改善局長     佐竹 五六君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     関谷 俊作君
       脳裏水産省食品
       流通局長     鴻巣 健治君
       食糧庁長官    石川  弘君
       林野庁長官    田中 恒寿君
       水産庁長官    佐野 宏哉君
       通商産業省機械
       情報産業局長   杉山  弘君
       通商産業省生活
       産業局長     浜岡 平一君
       労働大臣官房審
       議官       稲葉  哲君
       建設大臣官房長  高橋  進君
       建設大臣官房会
       計課長      望月 薫雄君
       建設省都市局長  牧野  徹君
       建設省住宅局長  渡辺  尚君
       自治大臣官房審
       議官       石山  努君
       自治大臣官房審
       議官       持永 堯民君
       自治省行政局選
       挙部長      小笠原臣也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        桐澤  猛君
   説明員
       内閣総理大臣官
       参事官      川村忠太郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国の補助金等の臨時特例等に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(嶋崎均君) ただいまから補助金等に関
する特別委員会を開会いたします。
 国の補助金等の臨時特例等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○佐藤三吾君 まず、今問題になっております同日選挙の問題でちょっとお聞きしたいと思います。
 総理は、本音と裏腹に同日選挙はないと、こうおっしゃっておるわけですが、野党はオール阻止という構えを再三出しておるんです。にもかかわらず、同日選挙は必至というような、こういう一般的な動きがあるんですね。まるで真夏のトタン屋根に上がった猫のような感じでばたばたしておる。そこに、あおり唆すようにニューリーダーのお二人が各地を回って衆議院の候補の応援に走っておる。
 そこで、お二人の発言をよく見ますと、竹下さんも安倍さんも必ず常在戦場ということを言っておる。しかし、ちょっと違う点は、竹下さんは、解散は総理の専権という言葉を必ず置いて逃げておる。安倍さんの方は、やるべきでなく大義名分もないという言い方をまくら言葉としてやっておるんです。しかし、最近の発言の中に奇妙に一致した点が出てきておる。この連休で国会議員の動向が決定的になるだろうと、こういう表現では一致しておるわけですね。これは、何かお二人は楽しみながらやっておるんじゃないかと思うんですが、しかし、もういいかげんに私はこの辺で本音を言ったらいかがかと思う。ぜひその点をお聞きしたいと思うんです。
#4
○国務大臣(竹下登君) 一般論としまして、選挙が終わりました明くる日からみんなが選挙の備えを固めるべきだというのを常在戦場という意味に、私は常日ごろからそういうふうに考えておるだけのことでございます。
#5
○国務大臣(安倍晋太郎君) 竹下大蔵大臣とは親友ですから気脈は通じておりますが、しかし別に同時選挙をやろうなどと話し合ったことはございませんで、これに対しては、私は私なりの基本的な考え方をしょっちゅう述べております。やはり選挙というのは理由がなければやるべきでないと思いまずし、これまでの選挙を見ましてもそうでありましたし、特に同時選挙というようなことになればまさに大義名分というものがなければできない、こういうふうに思っており、それを率直に言っているわけでございます。しかし、解散権は総理大臣が持っているわけでございまして、政治の情勢がどういうふうに移っていくかわからない。選挙をやりたいという空気といいますか、考え方を持っている人も確かにおることはおるわけでありますから、その辺のところは情勢がどう移るか、常にやはり選挙をやる者は常在戦場の気持ちで備えを怠ってはならない、こういうことを言っているわけでございまして、これが私の実は本音でございます。
#6
○佐藤三吾君 もう一つは、二人が奇妙に一致しているというのは、何かあしたからの連休、これによって決まるというのはどういう意味ですか。
#7
○国務大臣(竹下登君) そういうことを言ったかどうか定かには記憶がございませんが、島根県はポスター張ってありませんけれども東京はいっぱい張ってありますので、要するに皆さんが走り出せばスピードがとまらなくなるかなというような感想を言ったかもしれません。私どもの県はまだ一枚も張ってありません。
#8
○国務大臣(安倍晋太郎君) 私のその発言は、たしかヨーロッパで記者懇談会をしたとき、そういう趣旨のことを述べたと思っております。外国におりますとやっぱり日本のことが心配になりますし、いろいろと情報等をとってみますと、どうもどんどん選挙の動きが出てきているというようなことで、しかしそう簡単には選挙はやれないだろうと。ただ、今までの経験から、この連休で一斉に走り始めるとどういう事態になるかわからない。これは私も新聞記者をしておりました関係から、そうした第三者的な見方で言ったんじゃないかと思っておりまして、まあ私としましては、あくまでも、総理大臣も解散はやらない、こういうふうに言っておられますし、そういう今の状況で重要なサミットとか法案とかありますし、そういうことを言って何も選挙をあおる必要もありませんし、また名分もそうないんじゃないか、こういうふうに考えておりますが、確かに今大蔵大臣も言っておりましたようにポスターが、参議院選挙だけのポスターじゃなくて東京だけでもそうですが、もう一面に張りめぐらされておる、こういうことでございます。そういう意味で、特に若い議員の諸君は先ほどおっしゃいましたように腰が落ちつかない、こういう空気があることは、これはもう事実じゃないだろうか、こういうふうに思っております。
#9
○佐藤三吾君 お二人ともなかなか本音を言いませんが、帰するところはやっぱり夏のトタン屋根のような状態に置いておいて云々というところが本音じゃないかと思うのですが、やっぱりもうそろそろすぱっと言った方がいいんじゃないかと私は思って御案内したのですが、安倍外務大臣、何か衆議院の外務委員会のようですからどうぞひとつ……。
 そこで、自治省にお聞きしますが、あなたのところは選挙の実施庁ですが、参議院選挙の準備に追われておるのではないかと思うのですけれども、こういう雰囲気になるとなかなかお困りな部分もあるのじゃないかと思いますが、どうですか、同時選挙も頭に入れて万全な準備体制ぬかりなしと、こう思ってもよろしいのですか。
#10
○国務大臣(小沢一郎君) 参議院の通常選挙が、これは当然任期満了で行われるわけでありますので、この点につきましては準備おさおさ怠りなくやっておるところでございますが、衆議院につきましては総理もたびたび解散は考えていないと言っておりますので、準備は全くいたしておりません。
#11
○佐藤三吾君 大臣と事務当局大分遣うね。事務当局の方はもう万全な準備を整えておる、こう。言っておるのだよね。違うのですか、いかがですか。
#12
○政府委員(小笠原臣也君) ただいま大臣からお答えいただきましたとおりでございまして、私ども衆議院については何ら準備もいたしておりませんし、予想もいたしておりません。
#13
○佐藤三吾君 いいでしょう、大臣が言えばなかなか事務当局ははね返すわけにはいかぬでしょうから。
 そこで、問題を変えますが、学童というか青少年の自殺が最近非常に目立っておりまして、私どもも憂慮しておるのですが、ちょっと私が調べただけでも七、八十名のような感じがするのですけれども、警察庁としてはどのように確認なさっておるか、また原因は何としてとらえておるか、お聞きしたいと思います。
#14
○政府委員(新田勇君) 青少年の最近の自殺の問題について申し上げます。
 昭和六十年の少年の自殺者数というのは五百五十七名でございました。本年に入りましてから、一月から三月までの数は、仮集計でございますが百五十七名で、昨年同期に比べますと十三名の増加となっております。
 そもそも自殺というのは最近比較的高いところにございまして、少年も成人も合わせますと一年間で二万五千前後でございます。人口もふえますから自殺者もふえるということもあるわけですが、それ以上に人口十万人当たりの自殺率というのがございますが、これが昭和五十九年では二十・五でございまして、昭和五十年でございますと十八・〇ということでございましたので、率の面でも絶対数の面でもふえておる。こういう中にありまして、少年につきましては、この五百五十七名という数字は過去十年間の中では最も少ない数字となっております。最近では昭和五十四年の九百十九名というのがございました。こういうことで少年の自殺者数はだんだん減る傾向にはあるところでございます。
 今月に入りましてから、四月一日から二十四日、きのうまでの数でございますが、自殺の既遂と申しましょうか、という者の数は私どもは五十四名
というふうに把握いたしております。一日当たり二・三というベースになるわけでございますが、これは昭和六十年あるいは昭和五十九年の四月のペースを上回っておりまして、昭和五十八年の四月に七十三という数字がございましたが、それに近づくのではないかという懸念をいたしております。
 この四月に発生いたしました少年の自殺の特徴ということでは、女性の自殺者が大変多いということでございまして、女性の自殺者は二十八名ということでございます。通常、自殺者のうち男子は七割、女子が三割なんでございますが、この二十八名という数字はパーセントに直すと五二%ということで過半数となっております。それから、自殺の手段でございますが、飛びおりというのが多いということでございまして、特に女性の場合飛びおりが多いような感じがいたします。大体少年による飛びおり自殺というのは六十年、五十九年とりましても大体二割前後でございますが、この四月になってからでは五割になっております。男子四名、女子二十二名、合計二十七名ということでございまして、これは四月八日の女のタレントの人の飛びおりの影響も否定できない、こういうことでございます。
 それから原因、動機についてのお尋ねでございますが、少年の自殺の原因を特定することはなかなか難しく、不明なままに残っているというようなものもあるわけでございますが、大づかみに見ますると、昭和六十年の中の数字を見ますと学校問題というのが大変多うございまして、百三十六件ということで、これが二四・四%になっております。次いで家庭問題がその半分の一二・六、それから男女問題一一・三%、こういうことでございます。ことしに入ってからの少年の自殺につきましても、現在調査中のものが多く、一概には言えないわけでございますが、家庭でいろんな悩みを複合的に持っていて、何かそれに引き金的なものが加わると自殺になるという説がございますが、そのようなものではなかろうかと考えておるところでございます。
 それから、こういう事態に対しましてどういうふうな対策があるかということなんでございますが、いろいろ各界の方に伺いましても、よく少年の悩みを聞いてやることではないかということでございます。警察といたしましても、少年相談を通じまして少年の悩み事を聞くということに心がけておりますし、また家庭に対しましても、少年の話をよく聞いてやろうというようなことで広報いたしております。近く配布するパンフレットにも自殺防止に、「子供の言い分を聞こう」という趣旨の一文を入れているところでございます。
#15
○佐藤三吾君 この自殺現象に対して、それを預かっておる文部省、総務庁、どのようにお受けとめになっておるのか、またその対応についてもしお考えがあれば聞きたい。
#16
○国務大臣(海部俊樹君) 御議論の児童生徒の自殺のことは、本当に心痛む問題でありまして、教育改革の当面の急務としても、学校の平静な環境を取り戻すための指摘は臨教審の答申でもいただいているところでありますし、また文部省といたしましては臨教審の答申をまつまでもなく、学校現場の何が理由だろうか。
 例えば、生命を尊重する、強くたくましく生きていくことが大切だというような、学校における教育というものをしていかなければならぬ、あるいは今お話がありましたように、児童生徒が心の悩みをぶっつけるときに、それを受けとめてあげるような体制を学校なり、あるいは教育委員会なり一あるいは御家庭なりとの関連において体制を整備する必要があるのではないだろうか。あるいはもう一つは、そういった青少年の時間といいますかエネルギーといいますか、それを健全な方向に発散させるような学校カリキュラムも必要ではないか。例えばラグビーとかテニスとか、相撲とか柔道とか剣道とか、そういったような部活動なんかに汗を流して体ごとぶつかっていく。あるいは自然教室、山野跋渉運動、そういったことに時間やエネルギーを打ち込んでいく。いろいろな生活体験を通じて、根本的には人間は命を大切にしなきゃならぬ、生命の根源というものを学校教育の場でしっかり教えて、児童生徒にそういったことに対する心構えを持ってもらうように、当面の急務と中長期の対策と二つをあわせて自殺を防止していきたいと文部省としては考えておるところでございます。
#17
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘のように、子供の自殺問題というのは本当に心痛む問題ですね。子供たちが安易に死の道を選ぶ、これは動機や心理が大人の目から見てもなかなか理解しにくい点もあります。今文部大臣が言いましたように、確かに自殺を思いとどまらせるためには家庭の環境、これがやっぱり大事でしょう。それから学校の先生、これはもう警察までが話し合いをしようというぐらいですから、学校が話し合いに入ることは当たり前です。それから地域社会の場で身近な大人といえば親兄弟、そういうところで本当に話し合いをすることのとうとさ、そして命のとうとさというものが話題にならなければならないというふうに思います。
 そういう観点から、私ども青少年対策室を持っております関係で関係者に啓発をしておるわけですが、この数字を見ると九歳までが、六十年では先ほど警察からも報告がありましたように総計五百五十七、これは、二十歳以下ですね。九歳以下が三名というのは本当に胸が痛むのです。それから十歳から十四歳となると八十名なんです。これはもう多過ぎます。いかにも多いと思います。それから十五歳から十九歳、これが四百七十四名、合わせて二十歳以下が五百五十七名。五十九年は五百七十二名、五十八年は六百五十七名。これもずっと過去約十年間七百名、八百名、九百名。むしろ五十五、五十六、五十七というあたりが六百七十八、六百二十、そして五十八年は六百五十七、五十九年が五百七十二、五百五十七。全体の数からいうというと横ばいで、多少ダウンしているかなというんですが、やっぱり過去も多かったんですね。昭和五十二年に七百八十二名が、五十三年には八百六十六名、五十四年には九百十九名というのですから、これはやっぱり大人がほっといたということ、教育者がほっといたということ、これは反省しなけりゃなりません。
 十分御指摘の点を体して、私ども総務庁としてもよくこういった問題についてもっと青少年が希望を持つように努力をしてまいりたいと思います。
#18
○佐藤三吾君 両大臣の説明にありましたように、子供の死というのが非常に激増しておる。そういう意味ではこれは確かに総務長官おっしゃるようにほっといてはいかないと思うんですね。早急にこの原因を究明して、そして対処していかなきゃいかぬと思うんです。しかしいろいろな死因があるでしょうが、やっぱり子供の場合には何といっても一日二十四時間のうち大多数が家庭ですからね。学校はわずかに四、五時間の時間帯です。家庭の中に帰って、地域に帰って何があるのか。帰ってみたら、建設大臣も言っておったようにウサギ小屋と。外に出ようにも公園がない、広場がない、こういうことで文部大臣が発散させにゃいかぬと言ったって発散の場所がない。道路に出れば交通ラッシュでいつやられるかわからぬ。家はウサギ小屋と、こういうところにもやっぱり問題があるんじゃないか。
 経済大国だ何だかんだ言っておりますけれども、まさにそういう意味では家庭環境というのは非常に寂しい状況にある、地域にある。さらにまた警察も言っておりますが、悩みを聞かにゃいかぬと言ってもおやじは単身赴任、お母さんは共稼ぎ。休日に聞こうと思うともうぐったりでだめだと、こういう状態にあるし、労働時間は長い。そこら辺にも私は家庭にゆとりというか話をする機会がない一因もあるんじゃないかと思うんですね。そこら辺を私は、早急に解決していくことも対策の一環じゃないか、こういうふうに思うんですが、建設大臣、労働大臣、御意見あれば聞きたいと思うのです。
#19
○国務大臣(江藤隆美君) 最近アイドル歌手が自
殺をしたらそれを追うようにしてやっぱり同じような自殺をする子がふえると……
#20
○佐藤三吾君 追うのは二名なんです。
#21
○国務大臣(江藤隆美君) しかし、そういうのを見まして、私どもの時代からすると今の子供の心理状態というのは非常に難しいなということを考えると同時に、我々も随分古くなったのかな、こう内心ひそかに思うことがあります。さっき警察から説明いたしましたけれども、自殺の原因といって統計的に出てくるものは学業の問題であるし、家庭問題であるし、それから男女問題、病気の問題、こういうふうに一応統計上は出てきておりますけれども、生活環境が大きく影響するということは表には出てきませんけれども私は大きな要因をなすことは間違いないと思っております。
 したがいまして、都市公園にいたしましても、これはもう欧米各国に比べるとまことに貧弱でございますから、今年を初年度として一生懸命ひとつ公園緑地を広げていこう、こういうことを努力をしようとしておりますし、また住宅も、おっしゃるようにまだ標準家庭で五十平米以下というのが随分あるわけでありますから、少なくともやっぱりそういうものは今世紀中には解消して、そして都会でも四人家族だったら九十一平米、地方だったら百二十三平米ぐらいの水準には少なくとも半分ぐらいは持っていきたいなと、こういう考え方を持ちまして住宅の面、それから環境の面あるいはまた一方においては道路、下水道、通学路、もろもろのことを考えながら住まいする環境の整備を一生懸命やっていくのが私どもの社会に対する大きな責任だろうと、こういうふうに考えておるところでございます。
#22
○国務大臣(林ゆう君) 御指摘のように、最近青少年の自殺が目立っておるということは大変残念なことと考えております。
 青少年の自殺の動機といたしましては、学校教育あるいはまた家庭の変化、社会のあり方などのいろいろの原因が考えられますけれども、長時間労働や共稼ぎあるいはまた単身赴任などが直接的な原因になっているということは必ずしも考えられないとは思います。しかし、次の時代を担う子供の健全な育成は極めて重要な問題であろうかと思いますし、また個々の家庭、学校教育、社会全体の連携のもとに対処することが重要であると考えております。
 労働省といたしましては、従来から労働者福祉の充実という観点から労働時間短縮に取り組んでいるところでございますが、今後ともなお一層その推進に努めまして、家族の団らん、親子の対話時間の増加など家庭生活の質的充実が図られますように努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
#23
○佐藤三吾君 今両大臣の答弁いただきましたが、実質、総括的には江崎さんのところだと思うんですけれども、そういった総合的な意味での対策を急ぐことが私は緊要だと思うんで、ぜひひとつお願いしておきたいと思うのです。
 それでは、補助金問題に入りますが、検討会の内容についてはもう随分各党各派の皆さんからいろいろ突っ込んだ議論もございました。いろいろ私も二十問ほど用意したんですが、これは重複する点もたくさんございますので、絞って四、五点ほどお聞きしておきたいと思うんです。今でも日増しに、この法案をひとつ廃案にしてくれ、こういう要請が集中しておるわけです。特に福祉、教育を無視するじゃないかということで非常に激しい攻撃がございますが、この委員会での厚生大臣の答弁を聞いていますと、何か福祉関係の補助金カットが直接国民には影響がございませんと、非常に何か口笛を吹くような格好で涼しい顔で答えておるんですが、これは昨年の一割カットで何も迷惑をかけてないという前提に立っておるんですか。
#24
○国務大臣(今井勇君) 一割カットで迷惑をかけてないという意味ではないのでありまして、やはり国の財政事情等を考えますとなかなかきついものでございますから、一割カットしていただいて、そのかわりそのものを地方の方の負担に振りかえていくという形で、水準は落とさないようにして精いっぱい頑張ったという意味で、私は福祉の後退はないんじゃないだろうかというふうにいつも申し上げているところでございます。
#25
○佐藤三吾君 例えば保育料なども、昨年の一割カットで全国的に見るとかなり随所で値上げになっていますね。そうして保育所の統廃合すら起こってきておる。あなたがとらえておるようなものじゃない。そこら辺はひとつ認識をきちんとしてもらわないと厚生省、それこそ江崎さんのところから厚生省廃止論が出ますよ、行革として要らぬじゃないかと。そこら辺は大臣、もう少し中身のある、しかも実態に沿う御判断をひとつぜひお願いしておきたいと思うんです。
 そこで、内容に入りますが、1の基本的な考え方で、いきなり補助金の是正に入っておりますね、大蔵大臣。その結果、補助金の一割カットというふうに出てくるのはこれは当たり前のことなんです。昨年のこの委員会の議論にございましたように、これはまた行革審の答申の中でも明らかにしておりますように、補助金の整理の問題というのは、前提として事務や事業を見直していく、必要のあるものかどうなのか、どうしても残さなきゃならぬものか、その前提の作業があって初めてお金の問題になってくるんじゃないか、そう思うんですが、この点はいかがなんですか。
#26
○国務大臣(竹下登君) あくまでも事務事業の見直しとかあるいは権限委譲とかそういう議論から、そこで、国と地方の財政状態というものを全く度外視するわけじゃございませんが、まずは権限委譲とか事務事業の見直しとかいうところから行われて、さればこれは国と地方との役割分担、費用負担のあり方はどうしたらいいかというふうな手順で物は進むべきものだと私も思っております。
#27
○佐藤三吾君 だから私ども、そういう議論があるのかないのか。議事録を出せと言えば、あなたは議事録は出さない。だからあなたが言う検証がわからない、僕らとしては。そういう中で、今あなたがおっしゃったように、あくまで事務事業それから役割分担、これが前提だと。ところが検討会の報告を見ると、その影さえないですね。いきなり補助金の何というんですか、一割カットを前提としたんでしょう、その問題に入ってきておる。そこが文面づらを見るとそういうふうになっておる。そこら辺はそういう面から見ると、あなたのおっしゃることと検討会の検討内容というのは違う、こう理解をしていいわけですね。
 それから、1の基本的な考え方の中でこういう表現がございますね。「ややもすれば地方行政の自主性を損なったり、財政資金の効率的使用を阻害する要因」云々というようなことが書いてありますね。これは何かといえば、零細補助金をばらまいたり、きのう中野委員がおっしゃったように、類似の補助金を各省庁が競争でつくり上げていく、こういうことを戒めている部分ですよ、これは。率を変えると言っておるわけじゃないんだよ、これの根拠は。にもかかわらず、それを根拠にして率を変更する、こういう仕組みになっておる、この検討会の報告を見ると。こうなると、また今度、私は国と地方の財政秩序の混乱が起こるんじゃないかと思うんです。この点はどうですか。
#28
○国務大臣(竹下登君) やっぱり報告の「はじめに」と、こう書いてあるところに「本検討会においては、去る五月二十七日の補助金問題関係閣僚会議の要請に従い、「六十一年度以降の補助率の在り方」について、社会保障を中心に国と地方の役割分担及び費用負担のあり方の見直し等とともに慎重に検討を重ね、補助率を中心に意見のとりまとめを行ったのでここに報告する。」と書いてありますように、あくまでも役割分担、費用負担のあり方ということを前提に御議論をいただいたというふうに私は受けとめております。
 それから、今おっしゃいました点につきましては、補助金というものの見直しは毎年毎年の予算編成において、既に同化、定着したものを一般財源化しますとかいろいろな形でやってきておるという方向は、これは絶えず考えていなきゃならぬ
問題だというふうに考えております。
#29
○佐藤三吾君 私の質問にあなた余り正確に答えてない。私が言うのは、「ややもすれば」云々というこの文言は、零細補助金をばらまいたり、各省庁で競って類似補助金をつくり上げたり、そういうことがいかぬという意味でしょう、こういうふうに聞いておるんだよ。それが何で急に今度は国と地方との補助率の変更に問題を移しかえるんですかと、こう聞いておるんだ。新たなまたここに国と地方との財源秩序の混乱が起こるでしょう。そのことを言っておるわけじゃないんですよ、これは。違いますか。
#30
○国務大臣(竹下登君) 臨調あるいは行革審等で指摘されておるのは、佐藤さんおっしゃった基本的な考え方は絶えず指摘されておりますので、それは毎年そのことを念頭に置いて対応してきておるというふうに申し上げたわけでございます。
#31
○佐藤三吾君 私はそこら辺に一つの問題があると思う。こういう国民の批判を受けるような問題を表に出して、そしてそれを今度は補助率の国と地方の分担の方にすりかえていくという論理、これがここに出ておると思うんですよ。
 それからもう一つの問題で、この中に一般的財源への移行という文言が入っておる。基本的にこの提言は私はいいと思うんです。しかし、そのことは、補助金から交付税の基準財政需要額算入にするという意味では困るんです。それでは三二%の枠内にはめ込むというだけであって、その補助金については財源をどうして地方に渡すかというものがこの中に含まれていかなきゃならない。当座はいいとしても、今度将来にわたってはこれは必ず問題になってくる、そう思いませんか。
#32
○国務大臣(竹下登君) いわゆる同化、定着したものにつきましてそれが一般財源化されていくというのは、私は自然の成り行きではないかなというふうに思っております。
#33
○佐藤三吾君 自治大臣、どうですか。あなただまされちゃいかぬよ。
#34
○国務大臣(小沢一郎君) 同化、定着したものを一般財源化していく、そのこと自体はそのとおりだと思いますが、今先生御指摘されたように、一般財源化した場合に、それが交付税措置によって飲み込めて措置して十分にいける場合においては、まあその限りにおいてはそれでいいわけでありますが、先生の御指摘のように、そういう状況が長く例えば累積いたしまして、交付税だけではとてもできないというような状況ももし考えられるとすれば、いわゆるその事務事業の見直しによって行った分の財源措置は何らかしていかなければならな。いということであろうと思います。
#35
○佐藤三吾君 大蔵大臣、そこはひとつきちっとしてください。ごまかしちゃいけませんよ。
#36
○国務大臣(竹下登君) 出口ベースでは、これは基準財政需要額というものを満たすものにきちんとしなきゃならぬ。したがって、今たばこを吸っていらっしゃいますが、まだ今上がっておりませんけれども、今度たばこのそういうものをも加えて、やっぱり毎年毎年地方財政の運営に支障を来すということだけはないようにしなきゃいかぬということでございます。
#37
○佐藤三吾君 その支障を来さないということは、今言うように支障を来すような状況になってはならないという前提ですから、当然財源は地方に渡すべきだと、こういう確認でいいですね。
#38
○国務大臣(竹下登君) 支障を来さないようにするということは、交付税のみで支障を来すという場合にはもろもろの措置を今までも行ってきたようにやっていかなきゃならぬ。これは地方財政に対するマクロベースにおける私どもの最低限守らなきゃならぬ務めだというふうに考えております。
#39
○佐藤三吾君 そこで、二番目の補助率のあり方というのがございますね。2の(1)の「国と地方の関係」(ロ)の中で、国と地方の財政関係の後段の部分にこういう表現が入っておるわけですね、財政状況云々というのが入っているんですね。これはどういう意味にとらえておるんですか。「また、財政状況の良好な地方公共団体向けの補助金等の抑制措置について、地方団体間の財政力の格差の状況等を踏まえて、適切な方策を見出すべきである。」こういう文言がございますが、これはどういうふうにとらえているんですか。
#40
○政府委員(保田博君) 最後にお読みになりました二行の部分は、念頭にありますのは交付税の不交付団体に対する補助金について、富裕な財政力を前提とするならば、国が期待する一定の行政水準については通常の補助率、補助金を削減しても一定のレベルを維持できる、そういうような場合には補助金、補助率等について若干の調整をすることが適切なのではないか、こういう御指摘かと思います。
#41
○佐藤三吾君 これは自治大臣はどういうふうなとらえ方ですか。
#42
○国務大臣(小沢一郎君) 今大蔵省の方から答弁がありましたように、地方財政が裕福なところについては補助負担率等につきまして何とか適切な方策を考えるべきではないか、この文章についてはそういう趣旨であろうと思います。
#43
○佐藤三吾君 僕はこれは少し問題があると思うね。例えば良好な団体なら国庫負担というものがゼロでいいと、最悪の場合。今削減は少しと、こう言っていますけれども。ずっとそれを続けていくとゼロでもいいんだ、こういうふうにこの文面はとれるんですよ。負担金と位置づけたゆえんですね、これがきちんと良好団体、非良好団体を問わずあるべきである。だとするならば、やっぱり国も責任を当然持つべきじゃないか、私はこういうふうに思うんです。もしこういう論理がまかり通っていきますと、例えば国の財源手当てをせずに事務事業だけを自治体に押しつける、こういう流れになるんじゃないか。そうすると、今度は良好な団体ということを理由にして、留保財源率や交付税率を引き下げたっていいんじゃないか、こういう論理にもつながっていく、そう思いませんか。これは大臣ひとつ……。
#44
○国務大臣(竹下登君) いわゆる不交付団体等につきまして補助率の調整ということが指摘されておることであって、それは私はあり得ることであろうと思っております。ただ、基本的な政府の仕事に関する問題について一切補助金を出さないで、ただ業務だけを押しつけると申しますか、そういう性格の御指摘ではなかろうというふうに考えております。
#45
○佐藤三吾君 これは自治省もひとつ、今大臣のような言い方では話にならぬです、きちっとしてもらわぬとだんだんといかれますよ。
#46
○国務大臣(小沢一郎君) ここに書いておる文章についての解釈はどういうような意味を持つのかという御質問でございましたので、そういう考え方も示したものではないかというふうにお答えしたわけでございますが、私どもといたしましては、補助金につきましては政策的、財政援助的なそのときの判断によって出すものですから、これは若干性格が違うと思いますが、補助負担率につきましては、これは地財法に定められてあるとおり、国の責任の度合いに応じて負担しておるものでありますから、それを地方財政の状況によって変えていくというような考え方は筋道としては私はそれはとれない。あくまでも財政の状況でもって個々の地方公共団体について負担率を変えていくということでは、これはそういう考えでは私どもは思っておりません。ただ、この文章の中では、何らかの形で適切な手段も講じてよいのではないかという意味合いのことを文章としては示しておるのかなということを申し上げたわけであります。
#47
○佐藤三吾君 この文章は、竹下大蔵大臣の説明によると三省合意をした、こういう前提に立っておるから、その合意の内容に問題があると言っておるわけですね。この負担金というものは自治体にお願いをする以上、国の業務としてお願いする以上、これはやっぱり国がそれ相応の財政的な責任を持つ、これが原則でなきゃならぬと私は思う。財政状況のいい悪いを理由にして限りなくゼロまでと、こういう発想というのは、これは私はやっぱり戒めなきゃならぬと思うんですね。そういう意味で、この問題については問題があるというこ
とを指摘したわけです。ここら辺は、ひとつぜひそこら辺を含めて三省の中で議論をもう少し詰めてほしいと思います。
 次に移りますが、「補助率決定の要素等」という(2)の中に(イ)、(ロ)、(ハ)と挙げてありますね。まず聞きたいのは、(イ)の場合、これはどういう事務が国の関与が強くて関心が強いのか、ここら辺がさっぱり私にはわからない。そこら辺の問題についてもっと具体的にひとつ示してもらいたい。それから(ロ)の、住民に利益があるという表現になっていますが、これはどういう意味なのか。(ハ)の、国と地方の財政状況がどういう場合にどのような指標をつくって判断をするのか。この三つについてお聞きしたいと思います。
#48
○政府委員(保田博君) 検討会の報告の中に「補助率決定の要素等」として三つの事項が並べられております。
 まずその第一は、「国として当該行政に係る関与の度合やその実施を確保しようとする関心の強さ、」、国の立場からしまして一定の行政に対する国の関与の度合い、責任の度合いといったようなことでございますが、これを実定法上の言葉で言いますと、例えば補助対象になります事業の実施主体が国であるのか、あるいは地方団体の事務であるのか、地方団体の事務といいましても、その中にある種の機関委任事務なのか、その場合は正確には国の事務を地方公共団体の長に委託した機関委任事務なのか、あるいは地方公共団体独自の団体委任事務であるのかといったようなこと、あるいは国として一定の行政レベルを維持するといったような観点から、先ほど先生がお使いになりましたような意味での負担金的なものとして国が財源的にも助長しなければ全国的な一定のレベルの事業が維持できないようなもの、あるいはそうすることが必要なものという意味で国の関心が強いようなもの、そういったようなものを(イ)では言っておるわけであります。
 それから(ロ)の「地方の住民に与える利益の程度、」といいますのは、公共事業の分野で非常に典型的でありますけれども、非常に大きなダムをお考えいただき産すと、そのダムができることによりまする受益面積というのはその下流全般に及ぶわけでございます。災害の防除でございますとかあるいは水道の水源確保といったような意味で非常に受益面積が広い、そういう事業と、非常に小さいダムでありますと、その受益面積がそういう意味では非常に限定されてくるというような差がございます。当然、前者については受益面積が非常に広い、あるいはまた事業費も単年度に金額的に集中して大きいといったようなことから国による補助負担の差異が出てくる、そういったようなことを二番目で言っておるわけであります。
 「国及び地方の財政状況等の諸要素」と申しますのは、当然、補助金と言いますものも国と地方との間のある種の財源調整的な意味を持っておるわけでもございます。ここに書いてございますのは、その補助率あるいは補助金が設定された以降現在までの間にそういう国と地方との間の財政状況に非常に大きな変化がなかったかどうかというようなことを指しておるわけであります。例えば社会保障の分野で言いますと、昭和二十年代の初頭に現在の補助金の体系はできたわけでございますが、そのころには国の財政も非常につらかったわけですが地方財政はさらに厳しいという状況であったわけですが、その後三十数年を経まして国と地方との間の相対的な財政力には相当変化が生じているではないか、そういうようなことも考えていただきたい、こういう趣旨でこの三つの事項が並べられておる、こういうことだと思います。
#49
○佐藤三吾君 私は、補助率というのは一律適用は問題があると言っておるのは、補助金は三種類に大きく分けられると言っておるわけですね。例えば委託費、負担金、狭義の補助金と。例えば委託費、これは選挙などそうでしょうが、こういうのは都道府県で一切仕事をやってみても、この金は全額国が負担するというのが今までの例なんですよね。そういったことから考えてみると、それらを一、二、三とこう並べておって、国または地方の財政状況で委託費も含めて判断する、こう受け取れないでもないんですが、そんなことはないんでしょうね。
#50
○政府委員(保田博君) 御承知おきのように、広い意味での補助金等というものの中に負担金というものと補助金というものがある。負担金というのは国と地方との間の割り動的な性格が強い、いわば国の義務的な性格が強いというものであるということは先生御指摘のとおりでございます。
 いずれにしましても、補助金、負担金につきましては、地方財政法の規定によって国が一定の割合で補助しあるいは負担をするということになっておりますけれども、その負担割合というのは先ほど申し上げましたようないろいろな事情によって変化することはあり得るわけでございます。そのことまでも地方財政法の規定が否定をしておるというふうには我々理解をいたしておりません。
#51
○佐藤三吾君 確かに今言うように、状況によって変化することはわからないでもない。しかし、あなたは私と、割り勘ということに同意したということを言っておりましたが、この割り勘というのが私はいただけない、こう言っておる。道なんです。私はやっぱり仕事の度合いでもって負担割合を決めるのはおかしいと思っているわけです。そうじゃなくて、仕事に対する義務づけの強弱、これが国と地方の基準でなければならぬ。例えば選挙などは地方で代行してやりましょう。やっても、これは国の業務ですよね、明らかに。仕事は都道府県で全部やっても。だから仕事をやるから負担割合も割り勘だ、持つ比率はどうだという論理というのはおかしいんであって、その仕事の内容の強弱、ここに私は負担割合というものがあるべきだ、こう思うんですがいかがですか。
#52
○政府委員(保田博君) 御質問の中にございました選挙の委託費等は地方財政法の第十条の四で「もっぱら国の利害に関係のある事務」を地方公共団体に委託して行う場合でありますから、この場合には当然国が全額これを負担する、そういうことでございます。でございますが、そのほかの、国も地方もそれぞれ関係のある事務がそのほかに非常にたくさんあるわけでございますが、それらの中には国の責任の非常に多い、したがってまたその補助を法律上負担することを義務づけられている事務もございます。
 それらを含めました機関委任事務も団体委任事務も、原則は地方財政法の第九条によりまして全額地方公共団体がこれを負担することになっておるわけでございますが、その例外としまして、第十条の一、二、三と規定がございまして、おっしゃいますようないろんな生活保護等々の事業につきましては第十条はこう規定しております。「地方公共団体又は地方公共団体の機関が法令に基いて実施しなければならない事務であって、国と地方公共団体相互の利害に関係がある事務のうち、その円滑な運営を期するためには、なお、国が進んで経費を負担する必要がある」ものについて、「国が、その経費の全部又は一部を負担する。」というふうに書いてあるわけでございます。そこに十条の二、十条の三にいろいろ事項が規定されておるわけでございますが、これらにつきましては実定法におきまして補助負担率が決められておる。
 しかし、その補助負担率というものは先ほど申し上げましたように三つの基準というものによりまして、もちろん負担率、補助率が年々不安定に変わるということでは地方団体の財政運営も円滑にまいりませんから、できるだけ安定的であることが望ましいのでございますけれども、先ほど申し上げましたような三つの基準を前提に置きまして変更することは許されておる。ただし、その場合には法律の規定を変えなければならない、そういうことから今回の一括法をお願いしておる、こういうことでございます。
#53
○佐藤三吾君 自治省はどういう見解が。
#54
○政府委員(持永堯民君) 地方財政法十条その他の事項につきましては、今大蔵省から答弁があったとおりでございます。今の検討会報告の中で三つの要素というのが挙げられておるわけでございますけれども、これもやはり補助率を決定する際
の要素の一つにはなり得るだろうというふうに思います。しかし、基本的には私どもは、特にこの負担金につきましては、国と地方との責任の度合いでありますとか役割分担、そういうものを見直す場合において負担率も変わることはあり得る、ただ、財政の都合だけで負担率を変えるということがあってはならない、こういうふうに考えておる次第でございます。
#55
○佐藤三吾君 私も今言うように、財政の都合で負担率を変えるというやり方をとってはならないということについては同感なんですが、これはいろいろ議論する時間がもうございませんから、またこれは次の段階に譲りますけれども、総じてこの報告書を見ると、大臣、率直に言って言うこととすることが全然ばらばらと、こう言わざるを得ない。したがって非常に問題が含まれておる、それを閣議はうのみにした、二十日の日にうのみにして決めていますね。もう閣議で検討する時間などあるはずがないんですよ。こういうやり方で次々にやられたんでは、これはたまったものじゃない。この点は強くひとつこの際申し上げておきたいと思うし、そこら辺を含めて今後の検討をお願いしておきたい、こう思うんです。
 その中でちょっと出てきましたことを一つ二つだけお聞きしておきたいと思うんですが、新聞報道などで見ると、これは行革審とも絡んでくるんですが、何か交付税率そのものをこの際削減するとか議論するとか、こういう傾向が出ておるわけですね。特にこの点で一つ確認しておかなきゃならぬのは、地方交付税が地方の固有の財源であるというのはこれはしばしば今まで大蔵大臣も確認してきたんですが、この確認は今でも変わりない、こう理解してよろしいですか。
#56
○国務大臣(竹下登君) いわゆる地方で自由に使われる固有の財源である、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
#57
○佐藤三吾君 地方の固有の財源であると言うなら、国の財政上の都合で率の引き下げが議論されるべきでない、こう私は思うんですが、自治大臣いかがですか。
#58
○国務大臣(小沢一郎君) そのように考えておりますし、現在の地方財政の状況からいってもまた引き下げるような状況にはないと、そのように思います。
#59
○佐藤三吾君 私もそうだと思うんですね。地方交付税はすべて地方団体の財源を保障すも内容のものですが、中身を見ると、基準財政需要額の内容では義務教育、生活保護、公共事業、国の施策を具体化するためのものが大部分なんですね。したがって、交付税を抑えるということは国の政策遂行を危うくするというか、こういうものも含まれておる。これは自治大臣どうですか。
#60
○国務大臣(小沢一郎君) すべての行政は国と地方お互いが負担し合いながら、協力し合いながら事業を行っておるわけでございますから、そのような意味におきましては先生のおっしゃるような要素もあるのではないかと当然思っております。
#61
○佐藤三吾君 したがって、今地方財政は交付税特会で五兆七千億の借り入れ残高があるわけです。これは五十年代に交付税が不足して本来なら交付税の税率を変えなきゃならぬ、それを上げずに附則措置でやってきたところのツケがたまっておるわけですけれども、この金利負担だけで三千五百億あるわけですね。六十六年以降は元本の償還も始まるわけです。こういうような情勢というものは私は地方財政にとって大変厳しいと思うんです。ところが主計局が出しておる国と地方との財政比較を見ると、まさに国の方が苦しくて地方の方は軽いんだというような印象を振りまいておるわけですけれども、今後のあり方として大臣に確認しておきたいと思うのは、地方分権の推進が大きな方向に私は向かうべきだと思うんですけれども、そのためには国の余計な関与、いわゆる補助金の整理合理化、これを進めるのは当然でありますけれども、地方の一般財源、交付税の拡充も当然考えていかなきゃならぬと思うんですが、大蔵大臣いかがですか。これは自治大臣もひとつ。
#62
○国務大臣(竹下登君) 元来、これは書生論みたいなものでございますけれども、外交、防衛、治安、教育、それは国のあくまでも責任で行うべきものでございますが、本来は身近な問題は全部地方でおやりになっていくという姿が、私も地方議会出身だからそういうことを言うかもしれませんが、幼少のころからそんな理想像を本当は描いておったことがございます。
 さはさりながら、そうは言っても、いわゆる税源がこれだけ偏っておりますと、やはり調整措置としてもろもろの施策がとられなきゃならぬ、それが昔では平衡交付金であったんだろうな、今交付税になっておるというようなことを本当に若いときからそんな姿を考えておりましたが、なかなか言うはやすく行いはかたしということではございますけれども、理念としては本当は私は地方分権、地方自治のそういうものが最も好ましいじゃないかなと今でも思っております。
#63
○国務大臣(小沢一郎君) 地方自治の本来のあり方につきましては、ただいま大蔵大臣から幼少からの理念を披瀝なさいましたので、私もそのとおりと思います。しかし、それを実際に実現していくためには、おっしゃるとおり一般財源、地方の税源を十分にしていかなければやれないわけですので、その点につきまして先生のおっしゃるとおり私も考えております。
#64
○佐藤三吾君 自治大臣、あなたも大臣、竹下さんも大臣。派閥は親分と子分かもしれませんが、やっぱりこういう問題は遠慮なくずばずばやっていってもらわないと、地方自治体はこれはたまったものではないんで、そこら辺はひとつ毅然として対処してほしいということをひとつつけ加えておきたいと思います。
 そこで、時間がないものですから、検察庁もお待たせしておりますからちょっと撚工連の問題についてお聞きしたいと思いますが、法務省、撚工連事件もそろそろ山場を迎えたような感じが報道を見るとするんですが、これはいかがですか。
#65
○政府委員(岡村泰孝君) 現在東京地検におきまして撚糸工連に関連いたしました一連の事件を捜査中でございます。そういう段階でございまして、その見通し等については申し上げかねるのでございます。
#66
○佐藤三吾君 それにしても、私が指摘した稻村代議士がようやく浮上したような感があるんですが、もう既に任意の事情聴取ですか、こういうことを行っておるのですか。行っておるとすれば何回ぐらいやっておるのですか。
#67
○政府委員(岡村泰孝君) かねがね申し上げておるところでございますが、捜査の中身にわたることにつきましては申し上げかねるのでございまして、ただいま御質問の点につきましてもそういう事実があったのかなかったのかを含めまして申し上げかねるのでございます。
#68
○佐藤三吾君 検察庁が発行した、特捜部ですか、「巨悪眠らせまじ。若手が担う特捜検察」、こういうパンフを出していますね。あなたは事件中だからと言っておりますが、この中では「撚糸工連事件強制捜査着手の朝」とかいう記事も出ていますね。これはちゃんと撚工連をもう挙げて宣伝をなさっておるんじゃないですか。
#69
○政府委員(岡村泰孝君) ある事件につきまして、逮捕するとか捜索をするとか、そういった強制捜査を行いました場合は事柄が公になる場合が多いわけでございまして、また公益的な見地から見ましても、そういう強制捜査を行ったような場合には東京地検といたしまして正式に発表する、こういうことはあるわけでございます。しかし、その他の場合に捜査の中身につきましては一々には申し上げられないと、こういうことでございます。
#70
○佐藤三吾君 しかし、これをあなた「検事 その素顔」と、三月に四千部を印刷して大学の法学部や司法修習生に配布しておる。「六十一年二月十三日早朝、撚糸工連事件第二次強制捜査着手。」、「昨年十月の捜査開始当初、特捜部員抜き、主任検事の私と新任検事ら数名でスタートした捜査班も、この日、百名余りにふくれ上がった。」、なかなか映画もどきのような文章ですね。
 私はいいと思うんですよ、こんなに検察庁が頑張っておるということは。だから、今後は検事志望を大いに募集するという意味で出したんだろうと思うんですが、もうここまでいろいろ大詰めにきておるような感じがしますからね、私はこの辺でそろそろ、少し国会ぐらい片りんを出していただいたらいかがですかと聞いておるわけですがね。
#71
○政府委員(岡村泰孝君) 先ほど来から申し上げておりますように、逮捕とか捜索とか、そういったいわば公になるような強制処分を行った場合は、必要な事項は東京地検といたしましても公表いたしておるところでございますが、一般的に捜査の中身につきましては申し上げかねるのでございまして、その辺は御理解をいただきたいのであります。
#72
○佐藤三吾君 報道によれば二人のMという名前が挙がっておるんですが、容疑が深いと。これは私が三月十五日に指摘した前の森文部大臣、武藤元農水大臣の、こういうことですか。
#73
○政府委員(岡村泰孝君) 先ほど来から申し上げておることを繰り返すわけでございますが、捜査の中身にわたります事柄については申し上げられないのでございます。
#74
○佐藤三吾君 それからもう一つ聞きますが、稻村氏の件で元通産省生活産業局長から事情聴取、こう報道されているんですが、これは篠島局長のことじゃないんですか。
#75
○政府委員(岡村泰孝君) ただいま御指摘の点につきましても申し上げられないのでございます。
#76
○佐藤三吾君 篠島局長の場合、私が指摘したようにこれは主役の一人ですね。ですから、そういう意味で事情聴取されたのかどうかわかりませんが、私も先般予算委員会で言ったように、局長時代でも再三石川を訪れておりますし、片山津でどんちゃん騒ぎをやったり、稻村さんの選挙区回りなどをやっておるのは、これは語りぐさになっておるんですが、これは当然捜査の対象に入っておると、こう理解していいですか。
#77
○政府委員(岡村泰孝君) 先ほど来から申し上げていますことを繰り返すだけでございますが、捜査の中身でございますので、そういう事実があるのかどうかを含めまして申し上げられないのでございます。
#78
○佐藤三吾君 篠島さんは、昨年七月退職後、事件が発覚して後、証拠隠滅に小田さんと井上さんと大変奔走したと言われておるわけですが、また同時に、その時点で小田さんと井上さんは事件を恐れて稻村氏と頻繁に相談なさっておる、こういうことも私が指摘したとおりなんですが、これらも捜査の対象になっておりますか。
#79
○政府委員(岡村泰孝君) どういう事項が捜査の対象になっておるかと、いう点でございますが、個々具体的なことは申し上げられないのでございます。
#80
○佐藤三吾君 じゃ、もう一つ話を変えましょう。
 石川県の良川町というところがございます。そこに、バッティングセンター、織り機、サイミングなどを手広くやっておるKさんという人がおるんですが、五年前より稻村さんの側近として、稻村派の県会議員候補に五十八年出馬して落選しております沢野井さんの保証人として数千万円を北國銀行、能登信金、延べにしますと大体二億円と言われておるんですけれども、こういったお金を借りてその二〇%の謝礼を稻村さんに払ったという、これをぜひひとつ調査してほしい、こういう要請が私のところに来ておるわけでございますが、もしこれが事実なら私は出資法違反になるんじゃないかとこう思うんですけれども、この点はいかがですか。
#81
○政府委員(岡村泰孝君) 事実関係が明らかでございませんので、今の段階で犯罪を構成するとかしないとかということは申し上げられないのでございます。
#82
○佐藤三吾君 これは大蔵省ですかね、所管は。二〇%といういわゆる手数料を取るというのは出資法違反になりませんか。
#83
○政府委員(保田博君) 急なお尋ねなものですから、私ちょっとよくわかりません。今至急調べます。
#84
○佐藤三吾君 その間ちょっといきましょう。
 検察庁、三月二十日ですか、衆議院の決算委員会で我が党の新村委員が指摘したいわゆる石川県の設備廃棄業者からの訴えである、設備廃棄手数料として融資額の三%が規定であるにもかかわらず実際は一〇%強徴収しておる、こういう問題が出されておりますが、この七%強の行方がわからない、石川県の撚工会計にも入金されていない、こういう点が指摘されておるわけですが、これはどういうような捜査の段階としてとらえておるのか、もしおわかりになればお聞かせ願いたいと思うんです。
#85
○政府委員(浜岡平一君) ただいまのお尋ねの三%という数字は、多分全国連合会で手数料として徴収している比率のお話かと存じます。そのほかに、いわゆる産地組合と称しておりますが、県ごとの組合で別途手数料を個別企業から徴収しているケースがあるということは承知いたしておりますが、石川県の場合に七%徴収しましてそれが帳簿に記載されてないという話はただいま初めて伺いましたので、今後私どもといたしましてもよく調べてみたいと思います。
#86
○佐藤三吾君 警察庁どうですか……。岡村さんいかがですか。これは三月六日ですから、当然捜査に入っていると思うんですよね。わからないですか、岡村さん。
#87
○政府委員(岡村泰孝君) ただいま御質問のありました件でございますが、私ちょっと承知いたしておりませんので、今御即答申し上げかねるのでございます。
#88
○佐藤三吾君 あなた国会で取り上げたいろんな問題については当然捜査の中に含めておるということをしばしば答弁なさっているじゃないですか。三月二十日の衆議院の決算委員会の答弁は無視しておると、こういう意味ですか。
#89
○政府委員(岡村泰孝君) 撚糸工連に関連いたします一連の事件につきましては東京地検捜査いたしておるわけでございます。ただいま御質問の点は、何か石川県ということでございますので、その辺まで含めてやっておるのかどうか、私もちょっと承知いたしておりませんので、ただいまのような答弁をいたした次第でございます。
#90
○佐藤三吾君 それでは、通産省が今調査をするということですから調べてほしいと思うんですが、もう少しつけ加えておきますと、新村委員が指摘したのはY社のことなんですが、約三千万の設備助成金を受けて、そうしてこの中の手取り三八・一%相当分から約六百万が特別徴収として差し引かれておるわけですね。したがって、手取りの額は三〇%程度になっておる。石川県ではY社のような規模の会社というのが最低百二十社ある。約七億円以上の金が行方不明になっている。もちろん決算期や買い上げの時期それぞれ異なるかもしれませんが、私どもが石川県の撚工組の決算報告書をもらいました五十八、五十九年度はその金は全然記載をされてないんですね。これが今地元では大変な問題になっておる。この点も含めてひとつ通産省の方で調査をしてほしいと思いますが、いかがですか。
#91
○政府委員(浜岡平一君) ただいまの御質問で、ちょっと御指摘の事項をつかみかねましたので漠然とした御返事を申し上げまして恐縮でございましたが、ただいまの御質問承っておりまして、私どもの方も思い当たる節がございますので御説明申し上げますと、五十七年度に行われました設備廃棄事業に関連をいたしまして板より業振興基金というものを撚糸工連でつくろう、設けようというようなことになりまして、各産地の組合から代金の一〇・五%を徴収いたしまして、各産地の組合が徴収をいたしまして撚糸工連にプールしたという事実がございます。もちろん各事業者から徴収しているわけでございますが、今申し上げましたようなことでございますので、各産地組合はいわば徴取手続を代行しておりますので、各産地組合の帳簿には御指摘のように記載されてないのではないかと思います。
 で、各産地組合から徴収いたしました合計金額が十六億円になりまして、この基金を使いまして新しい技術の研究開発あるいは新製品の調査研究を行うというようなことが目指されていたわけでございますけれども、先生御承知のようにその後大変な繊維不況が襲ってまいりまして、先行きの調査研究とか研究開発よりも目先の経営が大変である、この資金を返還してほしいというような声が出てまいりまして、たしかこの十六億円のうち六億円ばかりは各地域組合を通じまして各企業者に返済をされたというぐあいに承知いたしております。残っております金額は当然撚糸工連の帳簿にあるわけでございまして、経理上もその金があるはずでございますけれども、元経理課長三谷何がし氏の使い込みがこの振興基金の残った部分に及んでおりまして、その部分のお金が現在行方がわからないという状況になっているというぐあいに私どもは理解いたしております。
#92
○佐藤三吾君 今局長答弁によると、県工組じゃなくて、これは撚工連の中に積み立てる新たな振興資金、それが行方不明になっておると、こういうことなんですが、これは岡村さん、当然対象になっておると思うんですが、いかがですか。
#93
○政府委員(岡村泰孝君) 三谷元業務課長らの撚工連の資金の業務上横領事件について告訴を受けまして、そこから本件の捜査が開始されたわけでございますので、そういう過程の中で必要な捜査は行っているものと思われます。
#94
○佐藤三吾君 これは国税庁も当然この問題については対象に入っておると思うんですが、いかがですか。大蔵大臣でも結構ですが。
#95
○国務大臣(竹下登君) 国税庁来ておりません。
#96
○佐藤三吾君 来てない――きょうは当然来ておると思ったけれども、来てないの。
#97
○政府委員(保田博君) お答えということではございませんが、国税庁はきょう参っておりませんので……。
 それから、先ほどの件につきましては、何か一〇〇・九%を超える場合のようでございますが、なお担当の銀行局長、今こちらへ向かっておりますので、風もなく到着すると思います。法律上は一〇九・五%を超える場合が違反ということのようでございます。
#98
○佐藤三吾君 手数料ですよ。出資法違反は五%じゃないんですか。
 時間がないですから、それなら撚工連問題の返事が来るまで、ちょっと厚生大臣おりますからお聞きしておきたいと思うんですが、先ほどの話と関連するんですが、国保の問題です。健保とか共済とかいうのは使用主がおって被用者ということになるわけですが、国保は使用者がおらないから、たまたま市町村が代行しておる、そういうふうに私はとらえておるわけですね。したがって、こういう市町村に何か地方団体の固有事務みたいな印象を与えて、そして財政難という理由のもとに国の財政負担を含めて責任を負わせるとか、こういうような考え方、これはないでしょうな。
#99
○国務大臣(今井勇君) これはございません。
#100
○佐藤三吾君 最近、この問題について都道府県に、おたくの何かの審議会じゃないかと思うんですが移すと、こういうような議論がされておるというふうに私は聞いておるわけですがね。そうなると、都道府県がこれはどうしてもやっぱり負担を持つべきだと、こういう考えがあるんじゃないかと思うんですが、これはいかがですか。
#101
○国務大臣(今井勇君) 国民健康保険の運営の主体の問題につきましては在来からいろんな議論がございまして、先生おっしゃいます都道府県営論というのもその一つであることは間違いありません。それとまた、保険者を都道府県に移した場合には、財政規模が拡大するとか安定化するとかいうメリットもありますが、一方、市町村が行っております地域の保健事業というのがあります、保健医療事業。これは国保の制度と極めて密接な結びつきがありまして、市町村もこのことに非常な熱意を持ってやっているわけでございます。したがって、直ちに国保を都道府県営の直営にするということは考えておりません。ただ問題は、過疎地域で規模が非常に小さくて財政力の著しい市町村があるわけです。島で、御蔵島ですか、というふうに、百人とか百人足らずというようなところがありまして、そういうところで安定的な運営ができるように配慮することもやっぱり必要だと思いますので、こういった点も含めまして引き続いて検討してまいりたいとは思います。原則として今市町村ということでは、市町村から都道府県に移そうという考え方はございません。
#102
○佐藤三吾君 考え方がなければ結構なんですが、しかしそういう議論も何か報道で私見かけたような感じがしますから、お聞きするんですが、これはやっぱり大蔵大臣にも聞いておきたいと思うんです。
 私は、さっき言ったように、働いておる人の場合は、被用者の場合は使用主がありますから、この場合の市町村というのはまさに国の事務の代行をお願いしておるのであって、だからといってまたここに、今厚生大臣はないと言いながらも小さなところの場合には云々という議論が残るように、県に持ち込んで、同時に財政負担もというにおいがするんですね。もしそれなら国が一本化すればいい。やはり少なくとも、こういうことで財政負担をかりそめにも自治体がすべきだという論理は財政当局としてはとるべきじゃないと思うんですが、いかがですか。
#103
○国務大臣(竹下登君) 今厚生大臣からおっしゃった基本的な考え方、厚生大臣のお答えのとおりじゃないかなと思って私も承っておりました。基本的に今佐藤さんおっしゃったので大体いいんじゃないかという、私も素人でございますが。それからまた、日本統一保険というのはなかなかあれは、これこそ若いころ安恒さんに習いましたですけれども、もう二十年も前の話ですが、なかなか難しい仕組みだということも私は勉強させられたことがございます。
#104
○佐藤三吾君 これは自治大臣も決意をひとついただきたいと思うんです。
#105
○国務大臣(小沢一郎君) 厚生大臣、大蔵大臣も御答弁がありましたように、私もそのように考えております。
#106
○佐藤三吾君 わかりました。
 来ましたか……。
#107
○委員長(嶋崎均君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#108
○委員長(嶋崎均君) 速記を起こして。
 ただいまの佐藤君の質疑に関しましては、調査の上、佐藤君のところに連絡を申し上げるということで決着をさせていただきたいと思いますので、御了承願いたいと思います。よろしくお願いいたします。
#109
○佐藤三吾君 そういうことで結構だと思いますが、刑事局長、この問題については何か本物を逃して外側だけ押さえる、こういうような印象が国民の皆さんの中にあるんですよね。やっぱり本ホシはきちっと押さえていかなければいけない。そうしないと、伊藤さんが言う巨悪は眠らせないというのは絵にかいたもちになる、そう思うので、その辺の決意だけ聞いて終わりたいと思います。
#110
○政府委員(岡村泰孝君) 東京地検におきまして、昨年の暮れ以来、撚糸工連事件につきまして鋭意捜査を遂げているところでございまして、東京地検といたしましては、事案の実態を解明いたしまして、その間刑罰法令に触れるような行為があるならば、これに対しましては厳正に対処するものと思っております。
#111
○委員長(嶋崎均君) 午後一時に委員会を再開することとし、これにて休憩いたします。
   午前十一時四十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時七分開会
#112
○委員長(嶋崎均君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#113
○刈田貞子君 私は婦人の立場から、婦人にかか
わる問題についてお伺いをいたしますが、その前に先般来ずっとこの委員会の質疑を聞いておりまして素朴な疑問を二、三持ちましたので、補助金に関する基本的な問いをまず二、三させてみていただきたいというふうに思うのでございます。
 まず、これは厚生大臣にお伺いをいたしますが、厚生省の福祉予算等に限ることではないんですけれども、国の責任範囲がどこまで及ぶのかというようなことについてずっと話を聞きながらやはり思いました。難しいことは申しませんけれども、結局例えば、厚生省の関係でいきますと老人ホームへの収容を機関委任事務から団体委任事務に持っていくとか、あるいはまた身体障害者福祉法に基づいて更正医療機関の指定権限を厚生大臣から知事へ委譲したというようなことが挙げられておるわけですね。私は、こういうのを見ながら、そうした権限が地方にゆだねられていくことも考え方によっては地方の自治拡充ということではある意味でいい面もあろうかというふうに思うのでございますけれども、やはりその責任範囲といいますか、そういうものを国でもしっかり確認をしておいていただかなければならないということでございますし、特に福祉問題に関しては憲法二十五条等にも保障されておりますように、国民はひとしく国からその恩恵を授けられるというふうに私は考えるわけで、まずそうした基本的な立場から厚生大臣の御答弁をお願いします。
#114
○国務大臣(今井勇君) 私も、福祉の水準というのは極めて大事なものでありましてこれを低下さしてはいけない、このような基本認識を持っておるわけでございまして、今度の場合でも補助率の引き下げに伴います地方の負担増につきましては、先生御案内のように、所要の地方の財源対策を講じておるわけでございますので、したがって補助率の引き下げに伴いまして地方の福祉のサービス、福祉の水準というものは低下をさせちゃいけない、またそのように一生懸命頑張ってまいりたい、このように思っておることを基本といたしております。
#115
○刈田貞子君 できるだけ差をつくってはならないというふうなことをおっしゃっておられるわけでございますけれども、例えば生活保護等で見てみますと、昨年の六十年の四月から生活保護を受ける世帯数が落ちてまいります。それまでは昭和五十年からの数字を見てみても、生活保護世帯というのはずっとふえてきている数字がございます。昨年一年で、十一月の末ですけれども、保護世帯が二万減っております。それから保護実人員で見てみますと、その同じデータで五万人少なくなってきているんですね。今地方によって差をつけないというふうなお話もございましたけれども、昨年の四月以降に保護世帯の人数が減ってきているということに関しては、やはり昨年来行われております補助金一括削減によるものがかなり影響しているのではないかというふうに思うんですけれども、これは厚生大臣いかがですか。
#116
○政府委員(小島弘仲君) 確かに先生御指摘のとおり、生活保護の人員は現在減少の傾向を示しております。現在では一・二%を切っているような水準になっているかと思います。
 生活保護の受給人員の変動を見ますと、主としてやはり景気の動向に左右される、景気が悪くなったりよくなったりすると一年おくれでその影響が出てくるように見受けられます。また直接的な因果関係がありますのは、やっぱり有効求人数と申しますか、完全失業率の動向とも密接不可分の関係にあって、これはここ一、二年来と申しますか、五十九年、六十年ぐらいのそう大きなテンポではないかと思いますが、やや景気の回復を反映しているんだろう、こういうふうに見ております。
#117
○刈田貞子君 それで補助金の問題を討議しました検討会では、提言の中で生活保護等に関する問題だけが意見が分かれたというふうに伺っておるわけでございまして、補助金問題検討会報告の中でもそういうことがうかがわれるわけですが、三分の二にするという意見と十分の八に戻すべしという意見があったということで、これは調整ができず両論併記であったということで、いかに生活保護にかかわって論議が集中していたか、そしてその生活保護というものがやはり福祉の一番基本の問題であるだけに、私はそのような現象があったんだというふうに思うんですけれども、この問題について補助金問題関係閣僚会議では、暫定期間終了後そのあり方について改めて大蔵、厚生、自治の三大臣で協議をするということになって落ちになっているわけですね。これは今後どういう形で考えていかれる御方針なのか、お伺いをいたします。
#118
○国務大臣(竹下登君) 生活保護の問題、これは先生も今おっしゃいますように、おととしの予算をつくりますときに随分勉強しました。戦前は確かに半々、それから当面全額の時代がありました、敗戦直後でございます。二十一年に物すごい議論をして、そこで結局八、二というものにしたわけです。その後ずっとこれが続いてきたというのは、しかも引き下げるべきであるという意見も余りないままにずっと続いてきたわけでございますが、昨年度の措置としていわゆるアバウト一律カットというので、十分の七ということにさせていただいた。
 ことしは、検討会で今御指摘になりましたように、そもそも簡単にしようや、二分の一と三分の二と三分の一と。そこで私どもは三分の二を主張したわけでございます。検討会でも意見が分かれたわけでございます。で、両論併記になって、それで閣僚会議でそうなると決めなきゃいかぬというので、妥協と言うとちょっと表現悪うございますが、それじゃ十分の七で当面行こうと。だから暫定になった要因も一つはそこにあるわけでございます。それで今度は三年後どうなるかというと、その時点における経済情勢とかあるいは国、地方の財政状態とかいろんな問題をも加味しながら三大臣で協議してまた決めよう、こういうことでお願いをすることに相なった。だから単純にもとへ戻るものであるという前提ではございません。そのときにまたやろう、こういうことでございます。
#119
○国務大臣(今井勇君) 大蔵大臣からも答弁がございましたが、私どもは生活保護に対します基本的な考え方と申しましょうか、これは先生おっしゃいますように、憲法二十五条の理念に基づきまして、最終的には国の責任で国民の最低生活を保障するものであることは、これは御指摘のとおりでございます。同時にまた、地域住民の福祉に責任を持ちます私どもから見ますと、従来から生活保護費の一部を地方公共団体が負担をしているのも事実でございます。
 そこで、今回の措置というのは、生活保護の水準というのは維持しながら国と地方の負担割合というものを変更するものでございますけれども、これに伴います地方の負担というのはやっぱり地方財政対策を通じまして措置をいたしますし、さらに生活保護の臨時財政調整補助金というものを計上して私どもは適切に対処したものだと考えているわけでございますが、このように生活保護の運営につきましては、財政面におきましても私は万全の措置というより、今のところできるだけのことをやってまいったというふうに考えておるものでございます。
#120
○政府委員(持永堯民君) 生活保護の補助率につきましてはこれから改めて検討と、こうなっておるわけでございます。今後検討する際に私ども自治省の考え方としては、一つには、やはり憲法二十五条なりあるいは生活保護法の第一条にも書いてございますが、国の責任が非常に重い分野の仕事であるということがまずございます。もう一つは、検討会の今回の報告にもございますように、補助率の見直しは国と地方の役割分担の見直しとあわせてやるべきだ、こういうことが書いてございまして、生活保護につきましてはある程度地方に自由裁量を持たせるというような性格のものではないのではなかろうか、やはり国が画一的にやるというべきものだろう。そういたしますと、国と地方の役割分担の見直し、事務の見直しということもなかなか難しいのではなかろうかというような気もいたしますので、そういうことからいた
しましてもなかなか補助率についても変更というのは難しいのではなかろうかという考え方は持っておりますが、そういうような基本的な認識の上に立って具体的な問題は今後検討していきたいと考えております。
#121
○刈田貞子君 今生活保護費なんかについては、これは地方自治体の自由裁量に任せるべき中身ではないのではないかというようなお話があったわけでございますけれども、このたびの措置の中で機関委任業務といいますか、団体に委任される、委譲されるということがかなり多く行われるわけですね。そういたしますと、私どもこれは大変素人的な考え方ですけれども、財政事情の良好な地方公共団体で受けるサービスと、それから非常に財政の苦しい団体が行うサービスというようなことでは差がつくのではないかというふうに、大変素人的な考え方ですけれども、私は現にそれがあることを知っております。
 先回参考人の方の質疑のときにも、行政サービスの低下を招かざるを得ないというふうなことを参考人の方がおっしゃっておられましたし、ことしはとにかくたばこ税でいささか助かっているというふうなことをおっしゃられましたし、国よりも地方が豊かであるというふうな考え方に立ってもらっては困るというふうなこともあったわけですけれども、国民サービスに関して差ができるというようなこと、特に福祉に関してはこういうことはどうなんでしょうか。厚生大臣にお伺いします。
#122
○政府委員(小島弘仲君) 先生御指摘のように、現在機関委任事務という形でやっております体系の中でも地方によっていろいろ差があることは事実でございます。しかし、この差と申しますのは、全部国が示した基準にどれだけ上乗せするか、あるいは費用徴収なんかどれだけ緩和するかという意味での差でございまして、国が必要とする最低のと申しますか、この辺の水準が適当であるというところは担保されている、どの地方公共団体でも担保されていると考えております。
 先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、必要な措置については補助率は二分の一にいたしましたが、地方財政計画の中でそれだけの措置を実施する財源的な裏づけは地方公共団体にも講じてありますので、これによって質が低下するということはあり得ないというふうに考えております。
#123
○刈田貞子君 地方財政に必要な措置を講じているということでありましたけれども、これも私はわからないので教えていただきたいんですが、地方財政法第五条、この趣旨に照らしますと、今回財源不足を地方債で措置する、つまり経常経費の財源不足を地方債で措置するというのはいかがなものであろうかというふうに思います。これは単純にそう思うんです。いろいろ伺いますところによりますと、工面をして筋論をつくっておられるようでございますけれども、私はやはりこの五条の精神にいささか反するのではないかというふうに思うんですが、これはいかがですか。
#124
○政府委員(持永堯民君) 経常経費の影響額六千百億円ございますが、その一部につきまして地方債を使うということに相なっております。
 今五条との関係で御質問でございますが、二通りあると思うんですけれども、趣旨としてどうか、要するに適切かどうかという問題と、五条に違反するかどうかという二つの問題があろうかと思いますが、前段の適切かどうかという問題でございますけれども、基本的に申し上げますと、こういった財源の措置を行う場合に地方税でありますとか地方交付税でありますとかいう一般財源で、つまり返済が要らない財源で措置をすることが望ましいと思っております。しかし、現在の国、地方の財政事情の中で、現実問題としてそういう措置をとることも難しいということでございまして、まあ建設地方債を活用することもやむを得ないのではなかろうかというふうに考えております。
 ただ、地方債でございますから将来当然償還が出てまいります。したがいまして、この償還につきましては一部は後年度におきまして交付税を加算するということにも相なっておりますけれども、そういう措置も含めて後年度地方債の償還が地方財政の圧迫にならないように適切に対処してまいりたいと、このように考えております。
 それから二番目の違法かどうかという問題がございますが、今ちょっと御指摘になりましたように工面をしてというお話がございましたが、技術的な問題でございますので詳細は申しませんけれども、地方団体で予算を組む段階では、経常経費の財源には一般財源を充当し、建設事業に起債を充当すると、こういう形になりますので、法律に違背するという形には相なりませんので御了解いただきたいと思います。
#125
○刈田貞子君 大蔵大臣、それよろしいんでしょうか。今六千百億円の経常系統で補てんをしなければならないということですよね。私は法律の読み方がよくわからないのですけれども、やっぱり適債事業として定められているものがあるわけですから、その筋論から言いますとどうしても筋が違う。そこで苦肉の策をやっているというふうにしか思えないんですけれども、いかがでしょうか。
#126
○国務大臣(竹下登君) 感じとしてそうお受けとめになるということは私もあり得ると思います。補助率が引き下げられて、そこで地方の経常経費に財源不足ができるわけです。そこで、今まで投資的経費に充てられていた交付税等の一般財源を経常経費の不足分に回しますから、したがって、結果財源不足が生ずる今度は投資的経費について地方債がそれに回っていく、こういうことになりますから、いわゆる投資的経費を賄うための建設地方債である、こういうことになるわけです。この一万円札は地方債、これは交付税とは金に書いてありませんが、筋道で言えばまあそうなると。今まではいわゆる投資的経費に一般財源からも出されておった、それが出せなくなる、不自由になるから建設地方債をもってこれに充てると。だから、建設地方債ということでございますので、これはいわゆる第五条に反するというようなことはない。
 で、マクロ的に見ますと、いわゆる公債対象経費の額を地方債発行額が下回っておりますので、だからいわゆる政府が出しております特例公債、俗称赤字公債というようなものはマクロベースで見たときには論理的には地方には存在しない。みんな建設公債で、国側で言えば四条公債の範疇に正確に入るものだと。まあ玉突きみたいになるわけでございますね。
 ですから、おっしゃっているお気持ちは非常にわかりますが、したがって財政法違反ではない、こういうことが言えるわけでございます。
#127
○刈田貞子君 次に、各論の方に入らしていただきますが、今回の補助金のカットについて見させていただきますと、母子保健法関係について未熟児養育費等補助金、それから妊婦乳児健康診査費等補助金、これが昨年の十分の七からまたことし二分の一になっているわけですが、この辺の事情を教えてください。
#128
○政府委員(坂本龍彦君) このたび補助率につきまして、いろいろな制度を通じまして、補助金問題検討会の御報告を踏まえて地方の自主性を尊重するという観点から、事務事業の見直しを行いまして国の補助負担割合を変更しようということになっておるわけでございますが、ただいま御質問なさいました未熟児養育費等補助金及び妊婦乳児健康診査費等補助金につきましても補助金の見直しの一環として行うものでございまして、特に母子保健固有の考え方と申しますか理論と申しますか、そういうものとして行うというものではございません。あくまでも各般の補助金の見直しの一環として行うものでございます。
 なお、補助率の改定に伴います地方公共団体の負担増分につきましては、他の補助率の改定の場合と同様に所要の地方財政対策の中に含めて講じられておりますので、事業の執行には実質的な支障はないものと考えておる点も他の場合と同様でございます。
#129
○刈田貞子君 妊婦乳児健康診査費でございますけれども、今の我が国の妊婦の死亡率は他国より
も高い。ふえてはいないけれどもその水準はずっと保たれているという形で、これは私も調べてみて意外だったわけですけれども、ある水準であるわけですね。それから、乳児については特定の疾病で死亡、いわゆる感染病等というものでの死亡は少なくなっているけれども、異常児等の原因で死亡するというような例が多くなってきているという実情があるわけでございます。
 例の母子手帳に書いてあります、妊婦の健康診断後特定の疾病が認められた者に関して特定医療機関にかかった場合の経費の公費一部負担というのがありますね。それの実情を調べたんですけれども、これは枠が余っているわけです。それは知られていないということもありますでしょうけれども、母子手帳に書かれてあるのだから読む人はわかっているわけですが、所得制限があるわけです。所得制限があるために使われないということで、三つの区を調べてみましたが乳児の方の分に関してもそれから妊婦の方の健康診査の分に関しても、いずれも枠が余っているわけであります。決してたくさんの経費があるわけではないのに余っております。それから、未熟児養育費の方はこれはパーフェクトに使われております。
 これでお伺いするのですが、この妊婦乳児健康診査費というのはなぜそんなに使われていないのでしょうか。
#130
○政府委員(坂本龍彦君) 今、妊婦乳児健康診査費について余っているという御指摘でございますけれども、私どもの方では余っておるという認識は持っておりません。予算につきましては毎年必要と思われる額を計上いたしまして、最近では出生数が減っているというような事実もございますから、昔のように対象の児童数がふえて予算を大幅にふやしていかなければならぬということはないわけでございますけれども、結果として予算が余りているということはないと認識しております。
#131
○刈田貞子君 これは届け出制ですか。
#132
○政府委員(坂本龍彦君) 届け出制と申しますか、つまり妊婦の方の自主的な申し出に基づいて行うものでございます。
#133
○刈田貞子君 それがやっぱり原因しているというふうに思いますし、それから所得制限のところも調べてみてもらいたいのですが、そういうものが私はかかわってきているというふうに思うので、せひせっかくにある補助金でありそして制度でございますので、十分に使われるべきだというふうに思います。妊婦の健康診断、大事なものだと思いますし、乳児、新生児等の健康診断についても私は大変に関心を持っているものでございますので、この辺十分にしていただきたいというふうに思っていますのでお願いをいたします。
 次に、婦人保護事業のことについてお伺いをします。このたびの補助金一括法案の中でも婦人保護事業は昨年の十分の七から二分の一に減額をしてきているわけですが、これも措置をとるので事業には問題ないというふうにおっしゃるかもしれませんけれども、少し具体的なお話をしてみたいというふうに思います。
 ことしは売春防止法が制定されましてちょうど三十年になるわけでございます。売春防止法の見直し等いろいろ論議がございますし、総理府の売春対策審議会で先ごろ来検討されておりました報告書等も出まして、私はこの売春防止法に関してここ数カ月来関心を持っておったわけでございますが、婦人保護費がまた減額をされているということに関しては大変残念に思っております。
 で、お伺いをしますが、このたびの中曽根総理及びその周辺でしょうか、関係者でしょうかに出されました売春対策審議会の報告書を総理府はどのようにお受けになっていらっしゃいますか。
#134
○説明員(川村忠太郎君) 本調査は、売春対策審議会の提言の基礎資料とするために、売春行為者の実態を明らかにしようということで昨年総理府が実施したものでございますが、実態調査の内容といたしましては、売春の形態と売春行為者の経歴等でございます。
 売春の形態についてでございますが、いろいろございますけれども、便宜的に五つほど分けましたが、その中で派遣型の売春、これが非常に多いという結果でございましたが、そのほか個室浴場型、街娼型、風俗営業型、新風俗店型の五つに分けて調査をいたしましてこの順に多いということでございました。
 それから、一応内容を申し上げますが……
#135
○刈田貞子君 内容じゃなくて、それを受けてどうするのですかと聞いているんです。
#136
○説明員(川村忠太郎君) これは総理府に設置されました附属機関であります審議会からの提言でございますので、それを尊重して各行政機関が売春防止行政を実施していくということになるわけでございます。
#137
○刈田貞子君 それで、これは厚生省の方にお伺いするんですが、婦人相談所職員設置費というのは昨年六十年から一般財源化されましたですね。それでこの一年を振り返って相談所の活動に支障がなかったかどうなのか、これを一番の関心事として皆様が問うておりますので、お答えをいただきたいと思います。
#138
○政府委員(小島弘仲君) 御指摘のように、婦人相談所職員設置費につきましても、他の相談機関の職員設置費と同様に六十年度から一般財源化しております。これにつきましても地方交付税という形で地方財政計画上の措置が講じられておりまして、実態を見ましてもこれによって機能が低下したとか、活動が停滞しているという実態はないものと考えております。
#139
○刈田貞子君 そうじゃないんですね。実態は停滞しているんですね。市によっては婦人相談員なんかないところもできてきた。それから母子相談員と兼務させられている例が非常に多くなってきている、こういう実態はわかりませんか。
#140
○政府委員(小島弘仲君) 相談員の設置費等については現在もこれを、正規の職員と違いましていろいろ予算上も配慮しているところでありますし、活動費等についても増額を図っておる、その活性化に努めておるところでございます。
 ただ、地域によって差がありまして、いわば売春事犯というものが少ないところは置かないケースもあろうかと思います。また他の職員と、いろいろやってみて合理的だと思う場合に兼務と、これは非常勤職員でございますので、兼務というケースはあろうかと考えております。
#141
○刈田貞子君 これは兼務ないしは非常勤でもよろしいわけですね、法律的にはよろしいわけですね。
#142
○政府委員(小島弘仲君) 非常勤という形でいい形になっております。
#143
○刈田貞子君 それで私は、婦人相談員さんの状況についていろいろ伺わせていただいておりますけれども、なかなか大変な仕事でございます。
 この中で、先ほど申し上げました総理大臣への審議会からの御提言の中に、やはり婦人相談所及び相談員の、今お答えの中にもありましたけれども、活性化ということが一つうたわれております。
 いろいろ申し上げたいこともありますけれども、今回補助金にかかわって私お願いをすれば、婦人保護事業、そして婦人相談所及び相談員の活性化にかかわって、その事業の見直しあるいは待遇の見直しということをしていかなければならないのではないかなという思いを持っております。それはつまり、今までのように、売春防止法にかかわる環境、実態というものが変わってきていることは厚生省もよく把握していらっしゃるところでございますけれども、収容施設にしても、収容率は四四%と極めて低くなってきておりますね。それで相談員さんの動きというのも、むしろ売春を犯した人を指導するというよりは未然防止という話に事が変わってきているわけでございますね。そういたしますと、やはりその事業内容というのは、私はまた別な意味でかなり広範なものになろうかというふうに思うんです。
 したがって、婦人相談所の機能あるいは相談員さんの立場というものをもっと私は重視してもらいたい、こういうふうに思いますし、未然防止という問題についてまた後ほど申し上げますけれど
も、このことについてはいかがですか。
#144
○政府委員(小島弘仲君) 確かに総理府の方からお話がございましたように、最近の売春の形態というのか動機その他売春に走る方々の生活環境、家庭環境というのは従前と大変な違いが出ておると考えております。
 したがいまして、未然防止を中心とする指導なんかについても従来の方々を対象とした場合とはもっと別の工夫と申しますか、別の素養が必要かと考えておりますので、今後そういう売春の動向を勘案しながら、職員の必要な研修等に努めてまいりたい。特に未然防止につきましては、未成年者の売春も多いというようなこともありまして、その動機と申しますかそれに走った環境が盛り場ということもありますので、その辺の巡回、指導、相談ということについても重点を置いて考えていかなければならぬと考えております。
#145
○刈田貞子君 この報告書を見ますと、先ほども総理府の方からお話がありましたが、売春防止法等で該当してくる事犯の例というのが違ってきておりますですね。例えば五条違反というようなもの、つまり勧誘等にかかわる事犯でございますけれども、五条違反というようなものはだんだんになくなってきておりますね。そして六条違反ないしは十条違反でしょうか、売春助長事犯、こういうものが非常にふえてきている。六条違反、十条違反等を含めますと五十九年度ではその二つで八割を占めている、つまりあっせん等の違反あるいは売春をさせる契約等の違反、これで八割を占めているという実情にあるわけですけれども、これは厚生省ですか、こういうものに対しては今後どういう取り締まり等ができるわけですか。
#146
○政府委員(新田勇君) 取り締まりというお話でございましたので、警察の方からちょっと申し上げてみたいと思います。
 検挙状況を通じて売春の最近の様子を見ますと、おっしゃるように派遣型と呼んでおりますものが大変多くなってまいっております。統計のとり方もあるわけでございますが、売春防止法違反プラス売春に係るその他の法令の違反というものもあわせて私どもは売春事犯と呼んでおりますが、それによりますと派遣型というものが全体の九割になっておるということでございます。しかも、その形態が年少者にかかわってくることが多いということでございますので、取り締まりの重点は年少者がかかわってくるもの及び性を売り物にするブローカー的のようなもの、これを中心に取り締まってまいりたい、かように考えておるところでございます。
#147
○刈田貞子君 それから法務省にお伺いいたしますけれども、出入国管理令違反の中でいわゆる資格外活動、これに属する人がどのくらい入っておりますか。これは五十九年でも六十年でも結構ですが、教えてください。
#148
○政府委員(小林俊二君) お答え申し上げます。
 昭和六十年の統計でこれを見ますと、入管法違反約七千七百件のうちに資格外活動が占めます件数は比較的少のうございまして二百十八件でございます。最も多いのは不法残留でございます。不法残留と申しますのは、指定された在留期間を超えて我が国に在留するわけでございますが、その大半は、先生の御指摘のような業務に従事する人々でございます。この件数が六千五百九十二件に上っております。そのうち資格外活動が絡んでおるものが五千四百十一件ということになりますので、先ほどの資格外活動二百十八件と合計いたしますと六千件足らずの案件が昨年一年間で摘発をされたということになるわけでございます。
#149
○刈田貞子君 それで、警察にお伺いしますけれども、七千七百件のうち六千件がいわゆる国内において売春等にかかわる資格外活動をしているのではなかろうかというただいまの法務省のお話なんですが、こうした外国から来た人による売春というようなことも、今回のこの報告書の中に特色ある現象として、「外国人女性を使うケースが目立っている。」というふうなことが書かれておりますけれども、警察はこういう実態をどのようにとらえておられますか。いわゆるジャパゆきさんの実態です。
#150
○政府委員(新田勇君) 御指摘のように、我が国へ入国してくる外国人の中で観光ビザのようなもので入ってきて売春に関与する数、あるいはその割合が高くなっているということは承知いたしておるところでございます。六十年中に警察が売春関係事犯ということで取り扱った外国人女性は、これは全部検挙するというわけではございませんが、罰条に当たらない者もいるということでございます、そういう取り扱った者の数は六百七十名で、前年同期の四百九十六名に対して百七十四人の増という激増ぶりでございます。国籍的に見ますとフィリピンが大体半分、次いで台湾、タイ、韓国といったような順になっております。
#151
○刈田貞子君 昨年、ケニアのナイロビで世界婦人会議が開かれました。そのNGOフォーラムのときに私どもは大変恥ずかしい思いをいたしましたけれども、日本は売春のメッカであるというようなことまで話に出ました。そしてそうした世界的な認識があるために、海外からかくなる女性がたくさん入国をしてくるというふうなことがありまして、これは先進国あるいは第三世界等も含めて世界的な規模で女性たちが防止していかなければならないという話があったわけでございます。これは取り締まりといいますか、そういう方法はどのようにすればよろしいんですか。
#152
○政府委員(新田勇君) 外国人女性による売春事犯というのは
私どもの取り締まりの方針の中でも一つの項目として取り上げていまして、そこに重点を注いでいるわけでございます。外国人女性が入ってくるにはそれなりのルートがある。現地でブローカーがそういう人たちを募集いたしますし、日本へ入ってくれば入ってきたでそういうものをあっせんする悪質な芸能プロダクション、旅行代理店あるいはそれらに絡む暴力団関係者ということがございますので、こういった外国人女性の背後にいる関係者をほかのいろいろな法令を活用いたしまして取り締まるということといたしておるところでございます。
 昨年の十二月に山形県警察が検挙した事案がございますが、これは七人のフィリピン女性を使って売春を行っていたわけでございますが、検挙した法令名は職業安定法違反が二人、それに不法残留していたということで出管法の違反、こういうものを駆使して検挙してまいりたいと、かように考えておるところでございます。
#153
○刈田貞子君 私は、できれば何とかこういう現状がなくなることが大変好ましいわけですから、取り締まり等もよろしくお願いしたいというふうに思います。
 それから、時間の関係で大変飛び飛びになって申しわけないんですけれども、これは厚生省にお伺いをするわけですが、先ほどの売春対策審議会の御提言なんかも今後どうするものに使うのかというふうに私は伺ったのは、売防法の改正というようなことまで持っていくのかいかないのかということを含んでお伺いをしているわけでございますけれども、先ほど来話がありますように、今日の売春というのは低年齢化をしてきておりますね。したがいまして、そうしたものに対する防除策ということも考えていかなければならないわけであります。
 これは、過日新聞等で報じられたので多くの方が御存じでございますけれども、例の千葉県に起こりました市議会議員による売春事件でございますけれども、そのときに、売春を行うた市議会議員は罪に問われない、そのあっせんをした真ん中に入った中学生だけが五条違反ですね、罪に問われた。そして、そうした市議会議員はやめきせるべきであるというふうな一万有余の署名が集まったにもかかわらず、その本人は依然として議場におるというふうなことから、つまり、児童福祉法でも改正しない限りこうした未成年を相手にする売春というようなことがなかなかとまらないんです。つまり、未成年、青少年を保護できないんじゃないかというふうな思いがありますし、そうしたお声がたくさんあるわけですね。こういう問題について厚生省はいかがですか。
#154
○政府委員(坂本龍彦君) 児童福祉法ということでお尋ねございましたが、児童福祉法は、満十八歳未満の児童に対しましてその生活の保障や健全育成ということを目的にしておる法律ではございますけれども、一方において売春の問題となりますと、これは売春防止法で年齢を問わず規制をしておると私ども理解しておりまして、やはり児童問題とかかわりはもちろんございますけれども、児童福祉法の中に特に売春という特定の問題についての規定を持ち込むということになりますといろいろ難しい問題が出るのではなかろうかと考えております。
 今日のそういった年齢の若い人の売春の問題のように、例えば売春をしたという女性の方から見ますと、いわば非行あるいは場合によっては犯罪行為、さらにその中間的な触法行為と申しますか、そういうことになってまいりますけれども、他の法令に触れる、他の法令に違反する行為というのはいろいろ考えられるわけでございまして、そういった場合にはいろいろな指導とか、教護院における教護とか、そういった共通の施策をもって対応しておるわけでございまして、その中で特に売春だけという見地からの規定をまた置くということは非常に難しいのではなかろうかと考えておる次第でございます。
 なお、現行の児童福祉法におきましていろいろ講じられる対策については、今後ともできるだけそれを進めていくように私どもとしても考えてまいりたいとは思っております。
#155
○刈田貞子君 この報告書、御提言の最後にありますものの中に、青少年が、特に低年齢層がこうした売春等に走るということの中に、一部のマスコミあるいは情報提供産業の記事、報道、広告といったものを規制をしなければならないということが書かれております。一方でその調査の前半の中に、青少年で売春を行うた者がこうした広告あるいは報道等を見ていなかった者は売春初回において大変抵抗を感じた、ところが、こういうつまり新聞記事や報道等を読んで知っていた者は何の抵抗もなく初回の売春に応じられた、こういうアンケートが数字でぴちっと出てきているわけです。この調査自体にもいろいろ問題があったし、かなり強行した形でなさった調査だというふうに伺っておりまして、いずれも問題あるんですけれども、そのデータを有効に使わしていただくとすれば、そういうものが書かれておるわけです。
 したがいまして、この種の情報提供産業、こういうものについてはかなり厳しい取り締まりをしていなかければならないだろうし、自粛を指導していかなければならないというふうに私は思うんですけれども、これはどこがお答えになりますか。売春防止法の所管の省庁はどこですか。責任持って答えてくださいよ、大事なことを言っているんですよ。
#156
○説明員(川村忠太郎君) 法務省、厚生省でございます。共管でございます。
#157
○刈田貞子君 情報産業を取り締まってくださいというふうにお願いしています。厚生大臣でもいいわ。情報産業をしっかり取り締まりましょうということなの。そういうもので侵されています、だから青少年がこういうところに抵抗なく走るんですよということなんですよ。だれだって常識的に答えられることじゃないですか。
#158
○国務大臣(今井勇君) 大変申しわけございません。おっしゃるとおりでございまして、私も孫を持つ親でございますし、各省とよく相談をいたしまして、本当に先生のお気持ちがあらわれますような努力をさしていただきたいと思います。
#159
○刈田貞子君 愛人バンク、デートクラブ、ホテトル、マントル、こういう新しい売春形態を宣伝するために、それに使うビラとかあるいは広告、こういうものが実にはんらんしているんですね。これを取り締まらずして低年齢層の売春を取り締まるということにはなりません。したがいまして、私はどうしてもそういう策を講じていただきたいというふうに思います。
 一方で、そうした子供たちが売春に走りいろいろ悩みを抱えるようになった、そういうときに駆け込む婦人保護行政、こういうもののPRは逆に何にもされてない、広報不足なんですね。だからそのPRに積極性が欠けると。売春防止のために婦人保護は不可欠であり、拡充強化が必要なんだと、こういうことに一生懸命取り組んでくださっている婦人の団体からの御要望でもあります。したがいまして、こういう保護行政、こういうもののPRも私はしっかりしていただきたいというふうに思うんです。
 申し上げたいことは非常にたくさんございますけれども、とにかく世界に冠たる売春国だなんていうふうに言われないように、ぜひきちっとした性のあり方、正しいあり方、こういうものを私は青少年に教育していきたいし、またそういう社会づくりをしていきたいというふうに思います。なかなか言い尽くせませんけれども、最後に大臣の答弁を伺いまして質問を終わります。
#160
○国務大臣(今井勇君) 先生がるる言われますように、最近の売春につきましては、売春形態の多様化あるいは低年齢化、小遣い稼ぎといったための安易な売春といったものの、極めてそういう意味の増加の傾向が見られますことは事実でございます。厚生省といたしましても、このような変化に対応いたしまして、転落の未然防止あるいは自立更正といった観点に立ちまして、効果的な婦人の保護事業ということのあり方につきまして十分検討して、先生の御趣旨に沿いたいと、こう思っております。
#161
○吉川春子君 それでは質問をさせていただきます。
 昭和六十一年度予算は、第二臨調が昭和五十六年三月に設置されてから五度目の予算であります。臨調行革以前の昭和五十六年度と本年度を比べてみますと、この間軍事費は三九・三%ふえたのに対して、文教予算は逆に三・六%減っています。つまり文教予算に対して軍事費の伸び率が十一倍という異常な数字になっています。臨調行革のねらいがどこにあるのかということはこの数字上はっきりとあらわれていると思います。
 そこで、文部大臣にお伺いいたしますが、六十一年度予算の一般会計に占める文部省予算の割合が、戦後の一時期を除いて最低の八・五%となりましたけれども、このこととあわせて軍事費の伸び、それに対する大臣のお考えはいかがでしょうか。
#162
○国務大臣(海部俊樹君) 文教予算のほぼ横ばいの状況につきましては、他の政策との整合性の中で私どもも毎年教育予算については財政当局にその必要を十分御説明しながらお願いをしておるところでありまして、御指摘のような厳しい状況ではありますけれども、やらなければならないと心得ております私学の助成とか、四十人学級とか、科学技術費あるいは留学生関係の費用、こういったものについては横ばいもしくは少し省内においていろいろな努力をしながら、政策的に後退しないように一生懸命努力をしておるつもりでございます。
#163
○吉川春子君 文部省の努力にもかかわらず文教予算は減っている、軍事費がこのように大幅に伸びているということについて文部大臣はいかがお考えですか。
#164
○国務大臣(海部俊樹君) それぞれの政策の背景にはそれぞれの大きな理由、目的、目標があろうと思います。日本の国の基幹となる安全保障政策にはやはりそれなりの政策対応も必要であろうと、国に平和がなければ教育も、文化の振興もあり得ないわけでありますから、そういったいろいろなバランスの上に立っての決定がなされたものだと私は受けとめております。
#165
○吉川春子君 重ねて文部大臣にお伺いいたしますが、軍事費の犠牲に文教予算がもしなっているとしたら、そのことについては賛成なされないでしょう。
#166
○国務大臣(海部俊樹君) 申し上げましたように、私は犠牲になっておるという角度でとらえたことはございません。一生懸命に努力をして必要最小限度これだけは文部省の政策努力のためにいただきたいという予算は、毎年予算の編成時期に
財政当局としっかりお話をさせていただいております。
#167
○吉川春子君 文教予算が軍事費の伸びの結果抑えられているということは明らかなわけですが、大蔵大臣に伺います。
 特に中曽根内閣になってからの軍事費の伸びが二九・三%、文教費はマイナスの〇・二七%、つまりこの間軍事費が七千五百七十四億増額されて、文教予算は百二十六億減額されました。臨調行革のもとでも中曽根内閣になってからは特に軍拡に拍車がかかり、二十一世紀を支える主権者を育てるべき教育の費用がかなり圧迫されているということは数字を見れば明らかです。予算の配分に責任を持つ大蔵大臣として、軍事費だけふやして文教予算を削れということで文部省にも圧力をかけているわけですけれども、こういうふうになさるのはなぜなんですか。
#168
○国務大臣(竹下登君) 私どもは軍事費という言葉は使わしていただいておりません。防衛費と申しておるわけでございます。それは政策選択というのは、これはまさに総合的見地からやっていかなきゃならぬと。したがって、防衛費が文教予算を圧迫したとかということではなく、総合して内閣の責任において国会に提出し、その御賛同をいただいて予算は成立する。だから、ぎりぎりの調和点を求めていくというのが予算のあるべき姿であると思っております。
#169
○吉川春子君 行政改革ということで横並びでいろいろな予算が全部減っているというのだったらまだ文教予算が減っても理屈はつくと思うんです。ところが、軍事費だけは文教予算の十一倍も伸びている、これはちょっと説明がつかない数字だと思うんですけれども、こういう物すごいアンバランスが生じている本当の原因はどこにあるんでしょうか。国政をあれこれ考えて重要なものをとったと言うんですけれども、それならば、なぜ軍事費がそんなに必要なのか、その点についてはいかがですか。
#170
○国務大臣(竹下登君) まさに総合的に見たぎりぎりの調和点、それが国会でも既に議決いただいたわけでございますから、国権の最高機関でお認めいただいたとうとい予算である、このように思っております。
#171
○吉川春子君 国権の最高機関の国会が決める前に大蔵省が予算案を出してくるわけですね。その中でこういうアンバランスが生じてくるんですが、端的に伺いますが、軍事費をこれだけふやすということは安保条約があるからですね。
#172
○国務大臣(竹下登君) 日米安保条約というものを我が国の防衛政策の基本に置いておるということは事実でございます。
#173
○吉川春子君 安保条約があり、アメリカの要求に沿って軍備拡大をしなくてはならない。そのことがこういう文教予算の圧縮というところに響いていると思います。
 それで、具体的にお伺いいたしますが、義務教育費国庫負担法は、憲法、教育基本法のうたう子供の教育を受ける権利を保障する教育条件整備の根幹であります。文部省も一貫して教材費の国庫負担増額を初め、教育の機会均等、教育水準の維持向上の立場から努めてこられたと思いますけれども、具体的に教材費の引き上げ等についてはどういう手を打ってこられたんですか。
#174
○政府委員(阿部充夫君) お答えいたします。
 通常、教材費と言っておりますけれども、教育用の設備、備品と言った方がわかりやすいかと思いますけれども、この関係の経費につきましては昭和二十八年度から国庫負担の対象に繰り入れたということで、それ以来の経緯があるわけでございますけれども、特にその後、前向きに積極的に整備を行おうということで、昭和四十二年度から教材整備の十カ年計画というのを立てました。これは要すれば、各学校、小中学校において基礎的に必要とされるものを全部そろえようという考え方でございまして、事業費ベースで千六百億、国庫負担ベースで八百億という金額の予算措置を行って、予定どおり五十二年をもって完成をしたわけでございます。
 引き続き第二次の教材整備十カ年計画というのを検討いたしました。これは基礎的な、各学校が全部持ってなきゃならないということよりも、さらに一歩出まして、各学校の教育方針に応じて選択的にこれとこれを整備しようということができるようにしたという、まあ理想とまでは言い切れませんけれども、基礎的なものをさらに一歩超えたものでございますが、総額四千六百億、国庫負担ベースで二千三百億という計画を立てて進めてまいったわけでございます。ただ、昭和五十七年度以降、国の財政が大変難しいというような中にありまして、毎年削減を余儀なくされたというような状況がございまして、そういった状況を踏まえまして昭和六十年度予算から一般財源化に切りかえた、こういうような経緯でございます。
#175
○吉川春子君 教材整備十カ年計画が教材費国庫負担法等々相補う形で行われてまいりまして、そして、このことにつきまして当時の文部省の初中局審議官の今村氏が次のように述べています。「教材・教具の平均耐用年数が十年であるということは、現にある教材・教具は十年たてば全部なくなるということである。一方、一挙に整備した教材・教具は、十年間は使用に耐えるということである。したがって、教材整備の年次計画を十年間と設定すれば、整備計画の完了年次には、現有教材は零に帰しているし、反面必要な教材は全部そろっていることになる。したがって、その後においては、完備された教材の減価償却分を毎年度の教材費国庫負担金として計上することとすれば、必要な教材は常に完備された状態を継続することができるはずである」、こういうふうに述べておられますが、教材整備計画の達成率は今日の時点で何%ですか。
#176
○政府委員(阿部充夫君) 十カ年計画で第二次の計画として実施をしてまいりましたものの達成率は、五十九年度まで国庫負担制度のもとで四八・数%、つまり五〇%弱という状況でございます。
#177
○吉川春子君 重ねて伺いますが、この教材整備計画が一〇〇%達成するのはいつのことですか。
#178
○政府委員(阿部充夫君) 第二次の教材整備計画につきましては、昨年の補助金の一括法の段階からずっと御説明をしてまいっておりますように、国庫負担制度についてつくりました文部省の計画でございますので、国庫負担制度がなくなった以上事柄としては形式的にはなくなったと言わざるを得ない、こういうふうに考えております。
 ただ、実質的にはこの程度の内容のものをできるだけ早く達成をしたいということが私どもの希望でございまして、教材基準を参考にして整備をしてほしいということを文書その他によりまして各市町村に連絡をし、指導をしておるところでございます。
 今後のことにつきましては、いつまでということはそういうことで言い切れないわけでございます。
#179
○吉川春子君 文部省の方針として教材整備十カ年計画を完了させて、そしてその後で毎年教材費国庫負担金として計上することによって常に教材は「完備された状態を継続することができる」、こういうふうに言っているのに、第二次の教材整備計画が四八%の段階でもう計画を文部省が放棄してしまっている。ということは、教材整備についてはもう文部省は、地方自治体には通達を出してやらせるけれども、自分自身としては責任を持てない、こういうふうに法的にはなりますか。
#180
○政府委員(阿部充夫君) 教材整備に関しましては、文部省としては一般財源化をした後の段階として教材基準のようなものを参考基準として設けて持っておるわけでございますし、それをお示しをして各市町村に御努力を願うという形での指導を行いますと同時に、一方ではその一般財源のもとにおきましても適正な財源上の措置が行われるように地方財政当局に対して御要望を申し上げてまいる、こういう関係にあるわけでございます。
#181
○吉川春子君 既に昨年、教材費の国庫負担の廃止によって文部省の調査でも三十三都道府県で六十年度の教材費予算が前年度より削減されています。この三月、全国連合の小学校長会の調査では
約七割の小学校の教材費が削減されている、こういう数字が出ております。
 私はもっと具体的に調べてみたわけなんですけれども、例えば埼玉県の川越市では昭和五十九年度に九千四百万あった教材費が七千四百万に減っている。これは二一・三%です。それから熊谷市では三千二百万が二千五百万、二二・二%減っている。川口市では一億一千五百万あったのが七千七百万、三三・七%減っているんです。
 今挙げた数字は、私は一番減っているところを取り上げたんじゃないんですね。埼玉県の三十九市の中からとりあえず一番調べやすいところを聞いたらこういう結果が出てきているんで、もっと減っているところもあるかもしれないんです。今局長が地方財政の中に組み入れてもらってやるんだとおっしゃいましたけれども、文部省の調査でも、そしてことしの当初予算を見ても、これだけ教材費が各自治体で減っているわけなんです。文部省は通達を出してこういうものを食いとめて地方自治体にちゃんと財政措置をやらせると言っていますけれども、それにもかかわらずこういう減り方をしているという点についてはどういうふうにお考えですか。
#182
○政府委員(阿部充夫君) 先生が先ほど掲げられました数字は九月補正後の段階での数字だろうと思います。その後も引き続き指導を行っており、また幾つかの市町村においてその後さらに補正をしたというようなケースも聞いておりますので、最終的な数字としてはまだ固まっておらないというわけでございますが、ほかに例えば、小学校等につきましては昭和五十六年度でピーク時を過ぎたという関係がございますので、全体的に言えば金額的には減るのが当たり前でございますけれども、それぞれの数字等につきましては、さらに今後詰めてよく見てみたい、こういうふうに思っております。
#183
○吉川春子君 じゃ、端的に伺いますが、補正も全部含めれば国庫負担を外したときよりは六十年度の予算の教材費はふえていると文部省は予測しているんですか。
#184
○政府委員(阿部充夫君) 現段階ではまだそこまでの予測をつけておりません。
#185
○吉川春子君 ごまかしの答弁だと思います。減ることは明らかじゃありませんか。国庫負担法から除外したということは、もう紛れもなく幾ら一般財源で措置をしたといっても、各自治体が一斉にこのように教材費にメスを入れているということが明らかなんですね。
 そこで、もう一つ伺いたいんですけれども、教材費の問題はなぜ暫定措置ではなくて恒久措置としてこういうようなことを受け入れたんですか。
#186
○政府委員(阿部充夫君) 昨年も御説明申し上げたわけでございますけれども、昭和二十八年以来の経緯によりまして各地方で計上する実績がほぼ定着した、こういうふうに見たことによるものでございます。
#187
○吉川春子君 自分の立てた計画が四八%しか進まなくてなぜ各自治体で教材の整備が定着したというふうに判断されるのか。非常に矛盾に満ちた答弁だと思いますし、私を到底納得させるものではありません。
 当初、教材費を義務教育費国庫負担法の補助対象に入れた根拠は何でしょうか。「文部時報」で今村氏が述べているように、「文部大臣が国家基準として学習指導要領を示している以上、国はそれを実施していくに足る最小限度の物的裏付けをする責務がある」、だからこそ教材費の国庫負担という制度がスタートしたんではありませんか。
#188
○政府委員(阿部充夫君) そういう要素もあろうと思います。
#189
○吉川春子君 そういう要素もあろうかと思うとおっしゃるけれども、そのためにスタートしたんですよね。一般財源化の名のもとに第二次教材整備十カ年計画を、さっきのお話ですと、七年目の五十九年度で四八%で計画を国が放棄したわけですが、教育の条理という点からも、全国の自治体の予算削減の実態から見ても、明らかに今言いましたような物的裏づけをする責務を国が放棄した、こういうことになるんじゃありませんか。
#190
○政府委員(阿部充夫君) 一般財源化におきましても必要な財政措置等は行っておるわけでございますので、御指摘のようなことだとは思っておりません。
#191
○吉川春子君 国庫負担をつくる、その理由として今そういうことをお認めになったわけですからね。まさにその責務を放棄して一般財源化したわけで、全く文部省の責任放棄ということは明白だと思うんです。
 そこで、文部大臣と大蔵大臣にお伺いいたしますが、地方財政計画による財源措置はきちんとするんだ、財政的な補てんがされるので数%ふえる教材整備がされる、自治省、大蔵省、文部省の協議によってそういうことが成った一わけですけれども、この三者協議の約束事は松永前文部大臣の御答弁のとおりに守られていないんじゃないかと思いますけれども、この点についてはいかがですか。
   〔委員長退席、理事真鍋賢二君着席〕
#192
○国務大臣(海部俊樹君) 文部省として責任を放棄しようとか、この問題について意を用いないというようなことは全くないわけでございまして、御指摘の数字は、そのようなことで一般財源化いたしましたから、ほぼ五〇%の達成率で六十年度に入ったわけですけれども、六十年度の予算のときには、文部省が本来考えておりますと、いろいろ、先生御承知の、これは経常予算だから一〇%カット、これは五%カットとか、いろいろな削減の対象になったわけですけれども、一般財源化されましたとき、六十年度は前年度を二・八%上回る地方交付税措置がとられたと私どもは承知をいたしておりますし、またそれを地方に出しましたときも、文部省は、当初持っておりました計画を放棄したんじゃなくて、そのとき決めました教材の整備基準というものはぜひ都道府県の段階においてもこれを守ってもらいたい、教育水準を下げないようにしてもらいたいということで指導を続けてきておりますので、責任放棄ではございませんし、予算措置もとられておりますし、また六十一年度におきましても前年度を二%上回る地方交付税措置が講じられる予定であると私どもは承っております。
#193
○国務大臣(竹下登君) 文部大臣のお答えが非常に正確であると思います。
#194
○吉川春子君 この協議が実行されて二・八%が上積みされた、こういう御答弁なんですけれども、六十一年度の地方予算で既に見られるような予算の削減、そして地方の格差、ひもつきでなくなるので地方の格差が拡大すると思いますが、そうなれば教育の機会均等と教育水準の維持ということは果たせなくなるんじゃないでしょうか。その場合、一般財源の恒久化という措置はもとに戻して改めるのか。その点についてはいかがですか。
#195
○国務大臣(海部俊樹君) それぞれの地方公共団体の教育委員会におきまして、それぞれの地方にふさわしい教育の目配りしていただいておるものと我々は思っておりますし、同時にまた、教育はまさに地方のそういう実情の中で整備されていくものだと思いますので、今後ともその点につきましては、機会均等の精神に沿って教材整備なんかも進められていくように、私どもは地方公共団体に指導を続けてまいりたいと思っております。
#196
○吉川春子君 地方の実情の中で教材等が整備されていくということは、地方自治体の財政力によって差が生じるかもしれない、こういう趣旨ですか。
#197
○国務大臣(海部俊樹君) そうではございませんで、いろいろなことが想定されると思うんです。特にこれは初年度のことでございますし、それぞれの市町村の段階においては、学級数が人口の社会的、自然的変動によって増減することもあろうかと思いますし、どのような対応をしてくださるということは、まさにそれぞれの地方の教育委員会に御判断を願って、学校当局とよく連絡をしながら、しかるべき適切な整備を進めていただくことがいいのではなかろうか。それに伴う財源は、当初申し上げましたように、上積みをして措置をされていただいておる、こう聞いておりますので、
私は、放棄したり格差をこれ以上広げようとしておるというような御批判はどうぞなさらないでいただきたい、こう思います。
#198
○吉川春子君 今までの国庫負担に対してさらに二・八%の実質的な予算がつけられるならば、国庫負担という制度をなくさなくていいわけですよね。むしろ財源を節約するためにこういうことをなさったわけで、そのとおりの結果があらわれているわけなんですね。
 それから、地方の実情に合わせておやりになるということは、教育の機会均等、日本の場合はどんな山の中に行っても教育が受けられる、しかも質の高い教育が受けられるということが、やっぱり世界に誇るべき点だと思います。それが過疎地に行ったら下がる、あるいは過密地帯に行ったらまたもっと下がる、こういうようなことが起こらないために国庫負担制度というのは実はあったわけなんで、私は、もうこの点についてやりとりしても平行線になると思いますけれども、その点は私はどんなに大蔵大臣が横車を押しても守ってほしいところなんです、文部省の立場は今までそうだったわけですから。そこを厳しく指摘しておきたいと思います。
 かつて、諸澤正道初中局長が教材基準について、「学校現場での教育効果を左右するのは、教員組織、教科書、施設設備の三つの要素である」と言っています。これは前にも私、文教委員会で聞いたんですけれども、「設備のうちでも教材教具は、改良工夫が目覚ましく日進月歩といっても過言ではあるまい。この教材教具をいかに整備し、うまく使いこなすかが、教育効果を高めるのに重要な役割を果たすこととなる。」と述べているんです。第二次計画は四八%の達成率半ばで国の責任を放棄しましたけれども、教育の機会均等と教育水準を維持するためにも早急に第三次の教材基準を作成して、それを真に保障する財政計画も立てるべきではないかと思うんですが、仮に文部大臣がおっしゃるように、地方自治体にお任せするとしても、教材整備のその次の計画というのは、文部大臣は立てるおつもりはありませんか。
#199
○国務大臣(海部俊樹君) 誤解を招きそうですので、ちょっとお言葉を返さしていただきますが、計画を放棄したわけでは決してございません。そうして、この計画は五十三年度から六十二年度までということで教材整備計画を立てておりまして、申し上げましたように予算措置も地方交付税措置で二・八%上積みをして、現にこの計画年度内で続いておるわけでありますから、私どもはこの計画達成のために地方にお願いしなきゃならぬことがあるならお願いもします、交付税措置の要望等も随分続けてきておりますから、この十カ年計画として文部省がつくりました教材の基準というものはどうか守ってくださいという願いを込めて、地方の自治体を一層指導してまいりたいと思っております。放棄しておるわけではございません。
#200
○吉川春子君 そうしますと文部大臣、重ねて伺いますが、何年ごろになればこの一〇〇%の達成が可能になるのか、あるいは可能になるということがお答えできなければ大蔵大臣に聞きますか、大蔵大臣を指さしていらっしゃいますので大蔵大臣に伺いますが、何年くらいになればこの教材整備の計画が一〇〇%達するのか、どちらの大臣でも結構でございますが、ぜひお答えいただきたいと思います。
#201
○政府委員(阿部充夫君) 先ほど来お答え申し上げておりますように、一般財源化をして、その格好でスタートしたという時点でございますので、できるだけ早く各市町村、都道府県で達成してほしいと思いますし、そういう方向で指導してまいりたいと考えておりますが、いつまでということは現段階ではにわかに申し上げかねるわけでございます。
 それから、先ほど教材そのものが日進月歩だというお話がございました。私どももそういう問題意識というものは持っておるわけでございますので、現在の教材基準に伴う整備計画の進行状況等を見ながら、さらに新しい教材基準と申しますか、そういう問題についても問題点として課題意識を常時持ちながら勉強を並行してしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#202
○吉川春子君 いつまでということがお答えにくいならば、文部大臣に伺いますが、せめてこの教材整備計画は文部省は放棄してないんだ、できるだけ早くこれは達成するために文部省としても努力するんだ、その点をそれじゃお約束いただけますか。
#203
○国務大臣(海部俊樹君) これは先ほども申し上げましたように、決して文部省としては計画を放棄したわけではありませんし、責任逃れをしようと思っているわけでもございませんから、この前立てました十カ年計画の中で定めてある教材の基準というものはぜひ達成していくように地方公共団体、地方の教育委員会に指導を続けてまいりたいと思います。
#204
○吉川春子君 教材費の一般財源化がいろんなところに影響を与えているわけですけれども、きょうは時間の関係がありますので、ひとつ子供の読書と学校図書館の方にどういう影響を与えているかという点についてお伺いしたいと思うんです。
 子供の読書と学校図書館についての興味深い調査が国民教育研究所で行われました。これは茨城県の全小中学校を対象にアンケート調査をいたしまして、小学校の七三・四%、中学校の六〇・九%から寄せられた回答を分析しています。戦争中や敗戦直後、一時期読みたい本が全く手に入らなかった時期がありましたし、私も欲しい本を探し回って手に入らなかった子供のころの経験を持っておりますので、最近書店に行きますと、今の子供は非常に恵まれているということを痛切に感じるわけです。子供のころに読書習慣を身につけさせることは一生の宝であります。知は力という言葉がありますが、そういう意味で昨今の子供たちの活字離れの現象というのは非常に憂うべきではないか、そのことがこの調査にもあらわれているわけです。
 ここで指摘されていることは、小学生から中学生に進むに従って読書離れの傾向に陥ってしまう、そして過度の部活、それから受験勉強のため読書のゆとりがなくなっていること、中学生にふさわしい思春期文学の不毛で、読書の魅力をつかみかねているというような分析がなされています。
 そこで伺うわけですが、子供たちに読書習慣を身につけさせる上で学校図書館の果たしている役割は大きいと思いますが、文部省はこの点でどんな努力をなさってきたんでしょうか。
#205
○政府委員(高石邦男君) 小中学校の学校図書館を整備するということで学校図書館法が制定されてきたわけでございます。その図書館に備えるべき図書教材の基準等もつくられてまいりまして、漸次それぞれの地方公共団体で努力をされてきたわけであります。
 また、図書館には司書教諭等を配置するというような制度、仕掛けにして、そっちの面の充実を図ってきて今日に至っているところでございます。
#206
○吉川春子君 教師の目から見た子供たちの姿についての問いで、活字離れの原因のトップはテレビ、ラジオ、そして次が漫画というふうに続いています。漫画もいろいろなものがありますが、特に今は週刊漫画誌ですか、こんな厚いのを子供たちがむさぼり読んでいるわけですけれども、こういうものが活字離れの原因になっているとすればちょっと憂慮すべきではないかと私思うわけです。子供たちの読書活動を盛んにして活字離れを克服する上で図書館の果たす役割は非常に大きいわけです。教師たちが図書館の機能の充実について求めていることは、蔵書の増加と今初中局長が言われました司書の配置です。これは法律がありますけれども、司書の配置がなかなかなされていないところが多いわけです。
 そこで伺いますが、学校図書館の図書の購入はだれの責任で行うんですか。
#207
○政府委員(阿部充夫君) 先ほど来御質問がございました教材費の中の一環ということで、従来国
庫負担制度のもとでは措置をしてまいりました。それを一般財源化をいたしましたので、その一般財源の中で市町村の教育委員会が予算を計上し、学校が買うということになるものと思っております。
#208
○吉川春子君 公費で買うということですね。
#209
○政府委員(阿部充夫君) 学校に必要な設備、備品につきましては、図書を含めまして公費で買うのが当然だと思っております。
#210
○吉川春子君 やはり茨城の調査では、公費のみで図書の購入を行っている自治体は一つか二つなんです。図書費に占めている公費の割合は全体で六割弱、一校当たりで小学校で百九十七冊分、中学校で二百十七冊分程度しかないわけです。ちなみにSLA、全国図書館協議会の水準では年間小中それぞれ九百冊購入が必要だと、こういうふうに基準を決めていますけれども、全体として図書購入費が少なくて私費負担に頼っていて、子供の活字離れを防ぐためにももっと図書を購入して図書館を充実すべきじゃないかと思いますけれども、文部大臣いかがです。
#211
○政府委員(阿部充夫君) 先ほど申し上げましたように、学校で当然必要な図書については公費で買うべきだということでございますが、もちろん学校の図書の中には、PTAの父兄の方々が読みたいということでPTA所管の図書を一隅を借りて置いておくとか、いろんなケースがあるようでございますし、また全くの善意から御寄附をくださるというケースもあると思います。
 したがいまして、それが悪いというわけではないと思うわけでございますけれども、それにしても必要な予算はそれぞれの市町村において計上すべきもの、こういうふうに考えておりますし、またそういう方向で指導もしてまいりたいと思います。
#212
○吉川春子君 図書購入費は自治体によってかなり差があります。私費負担が多い自治体、すべてを公費で賄っている自治体というふうに、経済力と教育に対する姿勢によって異なってくるわけです。教材費の国庫負担があってもこういう状態でありますから、それが一般財源に組み込まれていきますと圧倒的自治体で削減されるおそれも出てくる、図書費が一層減らされるおそれがあるということを私は指摘したいと思います。
 これは埼玉県の浦和市と大宮市の例ですが、浦和市では、五十九年度と六十年度と比べて小中学校両方で図書購入費はふやしているんですね。国庫負担がなくなったけれども、市としては努力して図書購入費はふやしている。ところが大宮市の方では、国庫負担制度がなくなった途端に図書費も減らしている。これで見ても明らかなように、自治体の姿勢によって一層図書購入費についての額が変わってくるということが言えると思うんです。学校の大小、そして自治体の熱意の有無によって子供たちの大切な教材である図書、こういうものが多かったり少なかったりすることはやはり教育の機会均等ということからも好ましくないし、こういうことをなくするようにするのが国の責任だと思うわけです。
 文部大臣、本好きの子をたくさんつくるためにも図書館の充実にぜひ努力していただきたいと思いますが、いかがですか。
#213
○国務大臣(海部俊樹君) 大きな方向といたしましては、やはり活字離れをしていくということはよくないので、学校図書館を整備充実して活字ともっと親しむような、そんな雰囲気を学校の中につくっていきたいということは私も同じように考えております。同時に、それらのことにつきましては、図書館充実のためには、それぞれの市町村の教育委員会によく実情をつかんで水準が落ちないように努力をしてほしいということをこれからも一層指導をしてまいりたいと考えます。
#214
○吉川春子君 時間が参りましたが、最後に、この前の総括質問のときにも大蔵大臣もお答えになりましたが、事務職員の一般財源化の問題ですが、事務職員や栄養士の人件費の国庫負担を外すという問題が毎年大蔵省の方から言ってきているわけですが、このことに伴って、例えば埼玉県入間市では市費負担、自治体負担の事務職員のパート化という問題が起こっているんです。こういう国庫財源を外すということが、市費負担も含めて事務職員のパート化、基幹職員のパート化というようなところに行っているわけですが、ぜひ文部省、こういうことがないように十分に指導をしていただきたいと思います。
 そのことを最後に質問いたしまして、障害児関係の質問は通告してあったんですけれども、次回も引き続き質問の時間がありますようなので、そちらの方に譲りたいと思います。
#215
○国務大臣(海部俊樹君) 具体的にただいま御指摘になりました学校事務職員、栄養職員の件に関しましては、これは学校運営の基幹的な役割を果たす職員だと文部省は受けとめておりますので、これは今のままの状況で引き続き進めていきたい、このような希望を持っております。
#216
○吉川春子君 自治体に指導しますね。
#217
○国務大臣(海部俊樹君) いや、指導しなくても、今そうしておるわけでありますから……。
#218
○吉川春子君 いや、事務職員のパート化です。
#219
○国務大臣(海部俊樹君) それは専門家にお答えをいたさせます。
#220
○政府委員(阿部充夫君) 入間のお話であろうかと思いますが、ただいま伺いましたので実態を承知しておりません。
 一般論からいいますれば、いわゆる正規のと申しますか、国庫負担制度のもとにおける事務職員と違いまして、各市町村がそれぞれの必要に応じ、それぞれの判断で設けられた職であろうと思いますので、それ自体がどうであるべきかということをここで申し上げるのは文部省としては差し控えるべきことであり、任命権者が判断すべきことだと思います。
 ただ、事情は聞いてみたいと思っております。
#221
○吉川春子君 じゃ、終わります。
#222
○理事(真鍋賢二君) 速記とめて。
   〔速記中止〕
#223
○理事(真鍋賢二君) 速記を起こして。
 この際、委員会を暫時休憩いたします。
   午後二時五十分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時三十分開会
#224
○委員長(嶋崎均君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#225
○菅野久光君 初めに補助金カットの問題につきましては昨年も出されまして昨年一年限りという措置でありましたが、またことしは六十三年度までの三年間の措置ということになりました。これはすべて財政的な理由ということからこういうふうになったというふうに理解してよろしいでしょうか。
#226
○国務大臣(竹下登君) もとより財政と無関係ではございませんが、去年の一年というのは、要するに一年かけて抜本的な費用負担のあり方等を審議いたしますのでとりあえずほぼ一割、一律一括でお願いをしますと、ことしの場合は一年かけて議論をしまして、したがって大体私の頭の一隅には昭和六十五年財政再建までという気持ちがないわけではございませんでしたけれども、検討会からちょうだいいたしましたのも生活保護について両論併記になっておりますということと、それから、いずれことしの秋には国税、地方税のあり方ということで抜本改正案が出てあるいは税源配分が変わってくる場合もあろうかとも思いますし、かれこれ考えて三年でお願いをしようということにしたわけでございますから、両論併記のものは別として事務事業のあり方、費用負担のあり方についての議論を行った上のものでございますので、いわゆる財政的見地だけからのものではないと、昨年とはその点の大いな違いがあるというふうに御理解をちょうだいしようというところでございます。
#227
○菅野久光君 事務事業の見直しを含めてこのよ
うな措置をとったということであれば、当然事務事業についてはこれは各省庁にわたる問題でありますからそれぞれの省庁ごとに、常任委員会等もあるわけですから、そこで十分論議をし、審議を尽くした上でこのような措置をとるということが私は必要ではないかというふうに思うのですが、そういう措置をとらずに一括ということでやるところに非常に問題があるというふうに思いますが、その辺はいかがお考えでしょうか。
#228
○国務大臣(竹下登君) 今おっしゃいましたような議論もこれはいたした議論でございます。が、最終的にいずれもいわば財政の課題であり、そして補助金問題である、そしてそうなれば御審議の上でも総覧していただくという意味においては一括ということもまた一つの手法ではないかということでそのような決定をしてお願いをしておるということであります。
#229
○菅野久光君 総覧してということでくくるというのはいろんな意味で問題がある。これは後から個別の問題についてもちょっと私は指摘をしたいと思いますが、このような措置をとらざるを得ない、一律カットということをやらなければならないということをお考えになったのは六十一年度からですか、三年間なら三年間ですね、いつごろの時期であったんでしょうか。
#230
○国務大臣(竹下登君) 一昨年の暮れの予算編成に当たって、主としてこれは財政上の問題からいわゆる一律、十分の八が十分の七になったものというのは厳密には一律じゃございませんけれども一おおむね一律でお願いしようというのがすなわち昨年の法案になったと。今度は一律ではあってはならぬということで身近なものはされば二分の一にするかと、社会保障関係で申しますならば、あるいは低いものは三分の一にするか。そしてより国の責任度の多いものは三分の二。おおよそ三分の二、二分の一、三分の一と三区分でお願いをしようかということで検討してきたわけであります、社会保障の問題は結論が出なかったわけでございますけれども。したがって一括法ではありますが、去年と違うのは一律カット一括法ということではない、補助率の上がったものも在宅福祉等わずかでございますが、ございますので、したがってそれぞれの政策分野に至る事務事業の見直しを行った結果であるということでございます。
#231
○菅野久光君 先ほども申し上げましたけれども、このように影響の大きい問題について、予算を先に決めて法案を後で審議するということで何か時間に非常に制約をされるというようなことは、国会の場で本当に慎重審議しなければならないそういうことが何か時間に追われてしまって、本当に国民の要求する課題について審議をする時間が制約される、こういうことについてはやはり問題があるというふうに私は思うんです。それで先ほどこのようなことを考えられたのはいつの時点かと。本来ならば、これは考えられた時点でそれを法案にしてまず審議をして、その上で予算を立てられるということが筋ではないかというふうに私は思うんですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
#232
○国務大臣(竹下登君) かつて行革国会というものが行われましたが、そのときは確かに臨時国会で補助率関係について議了していただいて、それをもとに常会で予算を提出し、御審議をいただいたという経験が確かにございます。私はあのことは一つの手法として当時よかったなと本当は思っておりました。今度の場合は検討会の結論をちょうだいしたのが十二月の二十日ぎりぎりでありまして、その結論に基づいて三大臣でそれぞれ相談して、そこでいわゆる閣議決定と、こういう手法をとりましたので、せめて言えることは、提出することは普通の場合予算関連法案はいつも大体二月の第三金曜日ぐらい、予算関係でないのは大体三月の第三金曜日か第四火曜日かというようなところで一応目標を設定するわけでございますが、これは今のような御意見もあった問題だし、したがって予算書と同日に国会へ提出したというところに我々の姿勢を示した、そう褒めていただけるとは思いませんが、姿勢を示したということでございます。
#233
○菅野久光君 先ほども申し上げましたけれども、本当に国民生活に大変影響のあるそういう問題でありますから、十二月に出されたのであれば、一年かけて国会の中で論議をして次の予算からやるということが国民に対して国会としての任務を果たすことができる、そういうことになるだろうというふうに私は思うんです。そういう意味では少し先を急ぐことはわかりますけれども、今回こういうような非常に何か制約された中で審議をすることについて本当に残念に思いますので、今後こういったような重要な問題については十分国会の中で論議するような、そういう時間的な余裕というものを持つような方向で政府としても努力すべきだということをまず申し上げておきたいというふうに思います。
 今、この国会に提出されております国の補助金臨時特例法案の主な内容は三点あるというふうに思います。その第一点は、昭和六十一年度から六十二年度までの各年度ごとにおける国の補助金等の補助率を引き下げるというものですね。それから第二点は、二つの法律について国の補助金等を地方公共団体の一般財源化するというものです。第三点は、三つの法律について、昭和六十一年度から六十二年度までの各年度における国の負担にかかわる繰り入れの特例を定めるというものですね。以上、全体で四十九項目、四十八法律にかかわるものが本法の対象であります。
 農林水産省関係の事項では、高率補助の引き下げ特例の事項がありまして、その直接の対象となるものとしては、漁港法関係では漁港修築事業、それから森林法関係では保安施設事業、また共管事項では海岸法で国が直轄施工する海岸保全事業、地すべり等防止法で地すべり防止工事、以上の事業、工事に対する国の負担または補助の割合の引き下げが対象となっております。
 このうち、地すべりに対する国の負担割合を引き下げることは特に私は問題ではないかというふうに思います。大規模な災害がかつて長崎県で集中豪雨によって起きました。また長野県木曽の御嶽山で地震によって地すべりが発生し、とうとい人命及び莫大な財産が失われ、大きな社会問題となったことは記憶に新しいところでございます。その当時の災害は異常なものでありましたが、その裏で国や地方公共団体による公共事業費の削減等によってより大きな被害となったものだというふうに言われておりますし、財政再建の名のもとに、今後も予算削減あるいは補助率の引き下げが継続されるならば、将来このような被害の増大をもたらすことになるのではないかというふうに懸念をせざるを得ないわけです。
 そこで、お尋ねしますが、地すべり対策事業が本法案によって引き下げられる額は二十一億円となっておりますが、地すべりのうち、農林水産省関係では構造改善局と林野庁関係のものがあります。特に林野庁関係では、緊急治山対策事業や復旧治山対策事業によって対処しているところでありますが、農林水産省構造改善局及び林野庁に対して、過去十年間の地すべりの被害件数、被害面積及び金額をお聞かせいただきたいと思います。
#234
○政府委員(田中恒寿君) お答えいたします。
 林野にかかわります山地災害の被害状況につきましては、山腹崩壊、地すべり等を含めまして、発生原因別に把握をしております。例えば、梅雨等によりまして地すべりを引き起こし、災害になりました場合も梅雨災といたしておりますので、正確に地すべりだけを集約する、区分することが難しい状態にございます。したがって、地すべり防止法に基づく地すべり防止区域の指定をしてございますので、それの指定の推移を見ますと、先生御質問のございました被害状況の推移がわかるかと思うわけでございますが、それについて申し上げますと、十年前の昭和五十一年度、一千九土地区で約六万ヘクタールでございましたものが、十年たちました六十年度末には、千三百六十二地区七万六千ヘクタールばかりと実はふえておるわけでございます。
 なおまた、被害額について申し上げますと、年
間は、最近の五年の平均でございますけれども、大体山地災害は千六百億円程度の発生を見ておるところでございます。
#235
○菅野久光君 今のお話のように、だんだんやっぱりふえていっているわけですね。五十一年で千九十億が六十年で千三百六十二億、面積もまた六万ヘクタールから七万六千ヘクタールとふえている。そういう中で補助が下げられていく。そこに私は問題がやっぱりあるのではないかというふうに思うんです。近年、国の財政事情が悪化したために公共事業費が削減ないしは後回しにされて、災害が以前よりも増加し、人命に対する危険の割合それから財産喪失の割合が増大する。そうした中にあって、本法案によってその補助率を引き下げて二十二億円の減額というようなことを予定しているのは非常に私は問題だというふうに思うわけです。この地すべりを防ぐための予算も削減したというその理由は何でしょうか。
#236
○国務大臣(羽田孜君) 先ほど来先生が御議論いただいておりますように、まさに補助金の検討会、この結果を踏まえながら公共事業の一環として、しかも高率補助というものを一律にあれしようという中で下げざるを得なかったというのが現状であります。
 ただ、もう今お話がありましたとおり、災害というものは何とか未然に防がなければいけないということで、これをただおくらせてしまうということは許されません。そういうことで、確かに予算、国費の面では九九・四%というふうになっておりますけれども、事業費の方は一〇五・〇%ということで前進をさせておるということであります。これに対する地方負担につきましては、従来からお話がございましたように、しかるべき措置をとっていただいたということでございます。
#237
○菅野久光君 私の先ほどの質問の中で千九十億、千三百六十二億と申し上げましたが、これは地区の間違いでございますので、この部分については訂正をさせていただきます。
 このように地すべりの地区がふえ、面積がふえていく、そして、これはもう人命それから財産、そういうことに直接かかわりのある、そういうものを一緒になってそれぞれの地方自治体などにも応分の努力をいただいているというようなことでありますが、しかし、全体的に見ていけば、やはり国の責任ということから考えていけば、このように人命だとか財産だとか、そういうことに直接かかわりのあるものも一律に高額なるがゆえに国の補助を下げるということについて、本当にこれでいいのかなというふうに私は思わざるを得ないんですが、大蔵大臣いかがでしょうか。
#238
○国務大臣(竹下登君) 結果として、事業費は地方負担が多くなるわけでございますが、事業費は伸ばさせていただいて国費を節約させていただいたというのが、今回のいわゆる公共事業関係については一口に言えばそういう措置をとらしていただいた、こういうことになるわけであります。
 で、そもそもが、まず最初、高額補助率というのが決まります段階においてはいろんな客観的な事情で決まってきておりますが、今回そのような地方負担をふやしていただく場合におきまして、やっぱりそれだけ例外というわけにはいかない。出口ベースの金は用意いたしますから、すなわち事業費は伸ばしますからということでお願いをしておるというのが率直な実態であるというふうに御認識を賜りたいと思います。
#239
○菅野久光君 事業費ベースは同じだということで、そこのところはわかるんですけれども、それは結局は地方に負担をさせるということになるわけですね。結局、地方財政は豊かなんだということに基づくお考えが結果的にそういうことになっていくのではないかというふうに私は思うんですが、地方の財政だって決してそんな豊かな状況でないということは大蔵大臣もよく御存じのとおりだと思うんですよ。私が申し上げたいのは、確かに事業費ベースでは同じであったとしても、国としての責任を、何といいますか少なくして、地方にそれをかぶせるということは、この種人命にかかわるもの、財産にかかわるこういったようなものについて今までやってきたものですから、それはやはりそういう形で、同じ補助でもほかのものとは性格が違うんじゃないかという意味で、ここのところだけ聖域で残すわけにはいかないというお考えにはどうしても私は納得ができないんですが、いかがでしょうか。
#240
○国務大臣(竹下登君) 防災関係というようなものは、そもそもの補助率が高いわけでございます。したがって、その費用負担の面でそれなりに国が責任を負っておる。たとえ引き下げられたにいたしましても、そもそもが高いわけでございますから、それなりの国の費用負担における責任は背負っておるというふうに理解をしておるところでございます。
#241
○菅野久光君 これは昨年の一括法案の審議のときにも申し上げましたけれども、補助率の高いということはそれなりの理由があって高いわけですよね。ですから私は、今日その理由が、何というんですかなくなったというか、理由が薄くなった、だからほかのものと同じように下げてもいいというようなことになるのかなというふうに思うんですが、その辺いかがでしょうか。
#242
○国務大臣(竹下登君) やっぱり客観的に見てそもそもその位置づけが高いわけですから、したがって費用負担のあり方について御議論をいただいておる結果、そのような形でお願いするようになった。特に地すべり問題というのは、本当は私も建設大臣、随分昔の話でございますけれどもしておりました当時から感じましたことは、直ちに人命に影響する集落の後ろにある山地。ところが、結果としてそういうものが行えれば、それが徐々に徐々にではありますが、下流へ流れていって、そして下流のいわば河床の上昇をもたらすという意味においては、受益者というのはそこにいらっしゃる方だけでなく、下流も含めた者が受益者ではないか、こんな議論をもとにいろいろ議論をされて、そもそもが高率補助になっておるという性格のものではなかろうかというふうに思います。
 ただ、いわゆる地方財政富裕論という立場にありはしないか。このことに対しましては、確かにいろんな数字を見れば、まだ地方は赤字公債はないじゃないか、国は赤字公債で首が回らぬじゃないかとか、そんな議論はできますけれども、地方財政富裕論という立場に立ってはならぬなと常日ごろ心に言い聞かせております。だから、貧乏度合い比較というようなことかななんと思ってみたりしますけれども、富裕論という立場で対応をしていくというのは、国家財政を預かる大蔵大臣としてもそれを念頭に置いたときにはひずみが生じてくるから、努めてそのことは念頭に置かないようにいたして、今後も念頭に置かないように対応すべき問題だというふうに思っております。
#243
○菅野久光君 ややもすれば、何か地方の方はまだ国よりも借金が少ないんだというようなことが安易な政策を生み出していく懸念があるのではないかというふうにも思っておりますし、また一部ではそういうようなことを役人の人が口にするということもありましたので、それで私も今申し上げましたが、大臣はそういうことをとにかく念頭に置いてはいけないということでありますから、やはり政府全体がそういうことを念頭に置かないで地方に対する問題というものを考えていってもらいたいというふうに思います。
 補助金の問題についてでありますが、昭和三十年代に行政改革や財政支出の経済効率が問題にされたことがありました。しかし、その後肥大化する一方の補助金に対して過去幾たびとなく見直しを求める提言がなされてきました。だが、その都度事業関係者の強い抵抗に遭ったり、また政府も根本的な検討を怠った結果、財政危機の大きな要因となったことを痛感して五十五年度予算政府案の決定に当たって補助金整理の方針を決めた。ところで、その補助金の額が最高であった昭和五十八年当時の補助金の総数は二千六百四十八件で、その総額は十四兆九千九百五十億円と巨額に上っておりました。その八割は地方公共団体に対するものだったというふうに思います。
 補助金は、もとより一定の行政水準の維持ある
いは特定の施策の奨励等のための政策手段として、政策遂行の上で非常に重要な機能を担うものでありますが、他方、ややもすると地方行政の自主性を損なったり、財政資金の効率的な使用を阻害する面があるなどの問題があります。また従来から既得権化あるいは惰性的運用、補助金待ち行政あるいは陳情の招来などの種々の指摘がなされているところであります。ですから、常に補助金の問題は見直しが行われなければならない、こういうことになってきているんだというふうに思います。
 特に、今日の厳しい財政状況のもとで国、地方を通ずる行財政改革を推進するため、補助金等の整理合理化により臨調答申、行革審意見の指摘するもの、つまり補助事業の一般財源措置への移行、補助率の総合的見直し、統合メニュー化の推進一交付手続の簡素合理化等の具体的提言がなされております。
 また、農林水産関係の補助金等の補助率について見ますと、国の施策を地方公共団体及び農林漁業者が実施することを全国的に確保する必要性の度合い、個別の事務事業に伴う受益者の受益の程度、農林漁業者の負担能力等を総合的に勘案しつつ、そのときどきの情勢を背景として、全体としての整合性をとりながら決定されているわけですね。
 農林水産関係補助金については、これまでも臨調等の指摘を踏まえ整理合理化が行われていますが、このような補助率決定の要素、背景等に留意しつつ補助率の見直しが必要であると思います。しかし、「この場合、農林漁業者の経営の安定を阻害することのないよう配慮のうえ、検討を行う必要がある。」というように検討会は指摘をしております。この指摘の中の「農林漁業者の経営の安定を阻害することのないよう配慮のうえ、検討を行う必要がある。」という点についていささか疑問を感ずるわけです。すなわち、農林水産業の厳しい現況で、農林水産予算及び補助金の削減率が毎年各省庁の中で常に高率である。これを見ますと、政府が果たしてそのように対処してきたのかどうか疑念を私はぬぐえないわけであります。この点に対しまして、臨調、行革という面から総務庁長官、それから大蔵大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。
#244
○国務大臣(江崎真澄君) 農は国の大本ですから、農業をおろそかにするということはない、これはもう前から申し上げてきたとおりでございます。
 例えばバイオテクノロジーなどについては、この乏しい予算の中でも三〇%以上の予算増を見ておる。これは新しい時代に向けて、いわゆる農家が本当に自立できる農家になってもらおうという切なる期待と希望が予算面にあらわれたものだというふうに思います。そして今、定員、補助金の各般の面において随分農林水産省はひどいじゃないかと。おっしゃるように、定員については随分古い話になりますが、昭和四十二年以降三万二千七百三十八人、これだけ削減を実施しております。それから機構についても、昭和四十二年度に比して統計情報事務所の出張所三百十五カ所、食糧事務所の支所百三十九カ所を整理統合を推進した。補助金につきましては、六十一年度農林水産関係予算で、食糧管理費及び補助金等の経費の徹底した節減合理化により、対前年度総額で千五百七十九億円の減額。行革の推進に当たっては、行政需要に応じて事務事業、機構、定員の見直しが必要なわけでありますが、もちろん聖域は置かないとはいいましても、だんだん全体の専業農家の数も減ってきたということなどなどを考慮しながら減らしてきたわけであります。
 さっき申し上げましたように、ふやすべきものは農林省においても非常な努力をされ、大蔵当局も理解をしながら次の農業へ、いわゆる経営の成り立つ農業にしていこうという努力を続けておられるものと、かように考えておるところであります。
#245
○国務大臣(竹下登君) かつてよく言われましたのが、農林省それから農林漁業関係、地方団体、それから農業協同組合等々を足しますとたしか七十二万人で、専業農家の数に対して一・二人ぐらいついているというような計算がなされたことがございました。が、いろんなことで、特に先生の御郷里といえば林野関係等々において大変な人員削減というものの努力もいただいたということでございます。したがって、予算全般で言えばどういうことかなというと、もちろん補助から融資への移行とか、そういう配慮もされてきておりますし、今お話しのありました新たにバイオの問題とかいう新しい芽が出てくる、いわば質的転換というような方向で今日まで農林水産省が努力しておられるのではないかというふうに、私は農林水産の専門家ではございませんが観測さしていただいております。
#246
○菅野久光君 確かにバイオだとかそういう関係についてはふえていますけれども、全体的に見ると、一番削られているのが農林水産省の予算なんです。
 そして今、日本の農業は御承知のように市場開放の問題などを含めて大変な状況でありますし、専業農家の負債の対策というものも大変な問題を抱えています。また水産は水産で、日米、日ソの漁業交渉の結果なんかについても大変な状況を迎えている。こういう中でありますから、それだけに、農林水産省の予算が減るということは、これらにかかわっている人たちにとって、農は国のもとだということを口では言っても、実質的にはやはり予算がどうなるかということがこれらの方々にとっては非常に大きな関心事でありますし、国自体が本当に国のもとというものをしっかり踏まえた政治をやってくれているのかどうかという証左にもなってくるというふうに思うわけなんです。そういう意味で、農林水産予算がとうとうGNPの一%を割ってしまって、防衛予算が農林水産予算よりもふえていく、こういったような状況を心配している国民がたくさんいる。そういうことについて特に申し上げておきたいというふうに私は思います。
 予算の関係でいけば、近年における農林水産予算の推移を見ますと、昭和三十六年度当時、国の一般会計予算額の対前年度増加率は二四%でありました。これに対して農林水産予算は、米の収量の増加等によって四二%の増加とこの当時はなりました。国の予算の増加率をも大幅に上回っていたときもありました。しかし、三十八年度になると、国の一般会計の増加率が一七%であったのに対して、農林水産予算の増加率は、食糧管理費の減少によって三%の増加率にとどまる。食糧管理費が農林水産予算の増加率にかなり大きな影響を持っているということは、このことでもよくわかるわけであります。しかし三十九年度になりますと、国の予算の増加率は一四%であったのに対して、農林水産予算は、米のコスト逆ざやが増加したためにその増加率が今度は三三%。このように食管予算によって非常に増加率が変わってくる。以後、四十六年度までの間の農林水産予算は増減を繰り返しています。
 だから、四十七年度以降六十一年度の間の農林水産予算の増加率は、農林水産省予算に占める食管費のシェアが年々減少してきたために、国の予算の増加率をほとんど下回っているというのが現状であります。国の農林水産予算に対する姿勢がこういう中でもあらわれてきているのではないかというふうに私は思います。この予算等についての事項は、臨調の最終答申において「財政の健全化に資するような観点からの見直しを行い、社会・経済情勢の変化に対応した効率的で合理的なものに改めること」と述べております。
 ところで、国の財政事情が一段と逼迫してきたため、ゼロシーリングとなりました。そして五十八年度予算ではマイナス五%、五十九年度予算ではマイナス一〇%に定められました。しかし、国の予算は依然として対前年度に比し増加基調をとっております。
 そこで、財政再建でマイナスシーリングと言いながら国の予算がこのように増加したのは、何か国民から見ると矛盾したように映ってくるわけで
すが、この点について大蔵大臣の所見を承りたいと思います。
#247
○国務大臣(竹下登君) 事、農林水産関係予算の推移で見ますと、御指摘なさいましたとおり、いわゆる食糧管理費というものがここのところ五カ年間で三角三千九百四十一億円でございますから三九・八%減っておる、こういうことになるわけでございますので、やはり一番量的に大きく背負い込んでいただいたのは食糧管理費であるな、こういうことは私もいつの場合もそのような印象を深くいたしておるところでございます。で、予算をごらんいただくときにはいわゆる一般歳出というところでごらんをいただくならば、これは確かに三角の努力をしてきておりますが、総トータルで申しますと、例えて申しますならば、年々の公債の発行によって利払いがふえていきますとか、言ってみればそういう当然増経費、こういうようなものが存在をしておるということを御理解をいただきたい。ことしの場合、国債費が予算の中で一番大きなシェアをそれこそ占めるようになったわけでございますから、それだから国債をできるだけ出さないで財政再建をしていこうということを念じて厳しい予算を毎年お願いしておるというのが偽らざる現状でございます。
#248
○菅野久光君 安保には防衛安保、食糧安保ということでありますが、ここ何年かとにかく防衛費がどんどん上がってきて、とうとうことしから防衛費と農林水産省の総体の予算が逆転した。国民から見れば、大砲や軍艦がなくても生きていけるけれども、食べ物がないとこれは生きていけないわけでありますね。ですから少なくとも防衛安保、食糧安保というものは均衡がとれるといいますか、予算的に余りそこのところに差ができできますと国民は防衛費突出だというふうに言わざるを得ない、予算の面からはそういうことがはっきりやっぱり言えるわけであります。
 そういう面で、農林水産省の予算についてやはり特段の配慮というものがなければ国民は安心して生きていけない。もちろん農林水産業にかかわっている人たちもそうでありますけれども、そういう点では予算の構成全体の中でぜひ農林水産予算については見直すべきではないか、あるいは予算全体について見直さなければならない、そういうときではないかというふうに思いますが、いかがでしょう。
#249
○国務大臣(竹下登君) 防衛費というのは、それは確かに私もことし感じたのは、これでことしから逆転したなという感じを持ったことは事実でございます。ただ、防衛費というのは、それは国力、国情に応じていわばぎりぎりの調整をとっていくものでございますから、まあかってのようにいわゆる予算の中に占めるシェアが低いという状態は客観的にはなかなか許されない問題ではないか。それからいま一つ、よく言われるまあ国破れて山河ありとでも申しましょうか、私どもがちょうど復員してまいりました当時大水害がございまして、田んぼはみんな荒れ果てというか、大変な洪水で壊れ、そして山はまた乱伐、過伐のときでございましたから茶色の地肌をあらわにさらしているような感じがしまして、まさに国破れて山河ありの感が深かったわけですが、とぼとぼと田舎へ帰る途中に、そのとき本当に政治家になろうと私も実は思いました、いささか私見を申し述べて申しわけありませんが。
 したがって、やっぱり国破れて山河ありという状態になってはならぬ。国力、国情に応じた最小限の調整のとれた自衛力というものはあらなければならぬという基本的考え方から申しましたときに、いわば両者の予算額だけてそれぞれの施策を論ずるわけにはまいらない。農は国のもとであり、そしてまた食糧安全保障というのは大変重要なことでありますが、それには質的な改善により年々対応して今日に至っておるというふうにお考えいただきたいものだ、いささか私見を申し述べましたが、素直な感じてお答えしたわけであります。
#250
○菅野久光君 予算だけで見るなというお話でございますけれども、農林水産業の置かれている状況が非常に厳しいだけに予算というものが極めて重要な問題である、このことはもう私が申し上げるまでもなく、大先輩の大臣でございますからよくおわかりのことだというふうに思うんです。
 総務庁長官、大変何かお忙しいようですが、先ほどもちょっと長官の御答弁の中にも一部出ましたけれども、私は農林水産委員会に所属をしておりまして、これまでの臨調答申に対して、先ほど長官おっしゃられましたように、組織だとか定員だとか許認可事務、補助金等にわたって、あるいは各省庁の中でも常に何か高い負担をさせられているのではないかというふうに思うんです。言えば何というんでしょうか、それだけ非常にまじめに取り組んできている。まじめに取り組んできているから、言えば現場はなかなか大変な状況になっているわけです。そんなこと等について、いろいろ各省庁の行革等を掌握されております長官として、その点についての評価というのをどのようにお考えでしょうか。
#251
○国務大臣(江崎真澄君) 行政改革の推進に当たってはあらゆる制度を全部洗い直そう、それで聖域は認めない、こういう考え方で当たり、そして必要な部門については配慮をしながら行政の簡素化と効率化を図っていく、こういう原則なんですね。ですから、おっしゃるように、食糧の確保という点についてもやはりこれは重要な問題です。ですから、これをなおざりにするということはあり得ません。
 まあ本当は農水大臣が言うことでしょうが、私が私見を差し挟むならば、カリフォルニア米が安いからカリフォルニア米を買ったらどうだとか、そういう雑音が入ることは困るんで、大体日本の歴史というのは、豊葦原瑞穂の国とか、これは大体名称にもあらわれておるように米で成り立ってきたんですから、日本人の体質でも腸が少し長いというのは米食民族だなんというようなことを言うでしょう。ですから、そのことをおろそかにしてはならぬということですね。
 ただしかし、仰せのように、きのうも共産党の方にお答えをしておりましたように、米の生産調整が一年間千五十万トン、私の記憶に間違いかなければ、穀物を入れてみんなそれをえさにやって、お互いの食糧になるんですからね。広い意味から言うと二千七百万トンの総輸入量でございましょう。穀類、特に大豆は九〇%まで依存していますね。そんなことを考えますと、食糧安保ということは完全に破れておりますね。日本に平和が続かなかったならば千五十万トンの米、それは今減反もしておるし、食べられないものを食べるということになるとしても、倍以上の輸入をしておるものが仮に第二次世界大戦のときのようにとまったとしたらどうなるかということを考えますというと、これは半分死ぬことになりますね。これは恐るべきことだと思うんです。
 そうかといって、日本は平和国家としてやはり最大の努力をしながら、特に今度のようにGNP比からいっても三・六%も経常収支がたまるというような異常事態、国家は貧しく民間は富む、これも一部の民間ということですね。けれども、これはやっぱり民間活力引き出さなければいけませんね。そういう話になると長くなりますから、これは本論から外れますから省略しますが、本当にバイオテクノロジーなどをここで特に単作地帯に取り入れて、いつまでエネルギー源が安いかどうかということはともかくとして、全天候型で近代農業が企業に見合うようなこのときこそ本当に新しい農業を育てるべきではないか。
 これは私の私見です。むしろ農水大垣が言われる話だろうと思いますが、やっぱり理想を持って、種子の改良からあらゆる何というか、農作物の改良などについては自信のある国ですから、これはやっぱりやっていくべきですね。そして同時に、米作は守っていくんだ、米はやたらに輸入しない。これは二千七百万トンも入れているんですから、倍以上も入れているんですから、金科玉条にしてこれは守る。これは農家を安心させにゃいけませんね。そうしてもっと進歩的なあらゆる付加価値の高い、生産性の上がる、企業として成り立つ農家、こういう面に我々も留意をして、そして行政
改革を進めていきたいというふうに考えております。
 今度の補助率のカットの問題も、これは御承知のように三年間ですから、なかなかこれは三年たったからにわかに財政事情がよくなるとも思えませんが、そうかといってこのままの状況がいつまでも続いていいはずはありませんから、これはひとつお互いに英知を絞って何とか赤字財政をなくするとか、財政事情をよくして、そして努力の結果、おっしゃるように重点的な施策を十分進めるように、そして簡素合理化するものはこれはしなけりゃいけませんね。そのあたりは私も心得ておるつもりでございまするので、よろしく御理解を願いたいと思います。
#252
○菅野久光君 先ほど申し上げましたように、農林水産省は非常に臨調に忠実に、何かやり過ぎるぐらいやっている、その評価だけは総務庁長官しっかりひとつしていただきたいと思います。
 羽田大臣も、大臣になる前は一生懸命農林水産予算を獲得するためにその先頭に立って頑張っておられた。私どもも委員会の中ではもう与党、野党問わず、農林水産予算が切られるということについては、本当に自分の体が切られるような思いでそれぞれ働きかけをやってきたわけであります。その辺も十分ひとつ踏まえて農林水産予算ですね、本当に大事にしてもらいたいというふうに思うんです。
 総務庁長官、何かお忙しいようですから、どうもありがとうございました。
 外務大臣がおいでになりましたので、今度の日ソの漁業交渉についてですが、まさに惨たんたる結果に終わりました。その前は日米との問題もありまして、もう日本の国の漁業が外海へ行って、遠洋へ行ってとるというようなことがだんだん難しくなってきた。だんだん難しくというよりも、もうそういうことができない時代に入った。まさに二百海里時代に入ったということが言えるのではないかというふうに思うのです。日ソがああいう惨たんたる結果になって、大幅な減船は避けられない。海で育った者はやはり海で暮らしたい、海で生きていきたいという気持ちを強く持っているのは、これは当然のことだというふうに思います。
 さて、今まで北洋に行っていた人たちがあるいは船が、日本の国内へ戻ってきて果たしてどれだけ日本の二百海里内で操業ができるかということになると、そこもまた沿岸との問題があっていろいろ難しい問題がある。かてて加えて、実は韓国船の問題があるわけです。
 私は北海道でありますから、一番早くにその影響を受けているところであります。まあわずか二十トンか、三十トンぐらいの日本船ですが、韓国の八百トンだとか、一千トンだとかという船がやってきて、まさに根こそぎ魚をとっていく。巡視船などが来ても、来るということがわかればさっと逃げていってしまう。このことを私どもも水産庁にも何度も言いました。そして水産庁の長官も韓国へ行ってそういったような違法操業をしないように、無謀な操業をしないようにということを何度も言いました。水産界の代表の人たちも韓国へ行って直接いろいろな話をいたしました。
 しかし、何といってもそれはもうどうにもならないんです。見ていればやらない、見ていなければ入ってきてやる。しかも日本の漁民が仕掛けた漁具をそのままひっかけて行ってしまう。しかも日本海で羽幌の沖に武蔵堆という大変有望な漁場があるわけですけれども、一千トン級の大きな船がトロールで行くともう根こそぎ海底は真っ平らになってしまうというような状況で、このまままだ対韓国に対して二百海里を適用しなければ日本の漁場はめちゃめちゃになってしまうのではないか。今でさえももう遅きに失しているというのが漁民の偽らざる声であります。
 今、アメリカあるいはソ連との関係がこういうふうな状況になってくれば、前々から漁民の方々が韓国に対する二百海里の適用の問題、これを早くやってくれという要望が強くあることも大臣御承知のことだというふうに思います。宰相を目指す外務大臣として、日本の水産をこれから守っていくためにはどうしても韓国に対する二百海里の適用、これが喫緊の課題だと、このように思いますけれども、いかがでしょうか。
#253
○国務大臣(安倍晋太郎君) おっしゃるように、日本の漁業は大変難しい時期に差しかかっておると思います。
 私も十年前に農水大臣をやらせていただきましたが、当時と比べますと本当に羽田農水大臣も気の毒だと率直に思いますが、しかし、気の毒では済まないわけで何としても頑張ってもらって、我々も大いに応援をしてこの苦境を乗り切って日本の漁業を守ってもらわなきゃならぬと思います。そういう意味で私も、日米漁業交渉あるいは日ソ漁業交渉に当たりまして、外務省挙げて全面的にバックアップをいたしておるわけでございますが、何としても二百海里時代ということで、ソ連も二百海里を主権的な海域として主張している、アメリカもそういう状況になってきているということでございまして、特に深刻な打撃を受けるのは北海道、東北の漁民の皆さんでございます。
 きょうも実は、羽田農水大臣を中心にいたしまして、関係閣僚が集まって、この打撃をいかにして救済をしていくかということで、これから関係閣僚会議を続けて国内対策を急ごうと、こういうことになったわけでございますが、同時にこうして日ソの関係、こういうことで一応決着いたしましたけれども、日ソ関係はこれからも改善をしていく道は私は広がっていく可能性はあると思っております。そういう中でソ連も完全に日本との間で漁業関係で道を絶ってしまおうということでは私は決してないと、こういうふうに思っております。全体的な関係が改善が進んでいけば、そういう中で漁業関係にもまた新しいステップが生まれる可能性は私はなきにしてもあらずじゃないかと、こういうふうにも思うわけでございます。
 これは、これから努力をしていかなきゃなりませんし、ソ連側にも十分その点は納得してもらわなきゃならない。やっぱり日ソ漁業関係というのは長い歴史を持っておりまして、いろいろと政治の状況が悪いときでも非常にうまく続いてきておるわけですから、私はその点はやっぱりソ連側も知っておるんじゃないか、認識しておるんじゃないかと思いますし、今回はああいうふうな状況でしたけれども、これが一番最低の状況だと、さらに拡大をしていく方向へこれから交渉を粘り強く続けていく必要があると思いまして、我々も全力を尽くしたいと思います。
 二百海里の問題に絡んで、韓国との関係あるいは中国との関係、西の方で二百海里法が実行されてないわけでございますが、これは特に韓国との関係におきまして、我が国と韓国の漁船の展開状況とか、日韓の漁業のこれまでのいろんな漁業秩序の問題とか、そういうものがあって全体を総合的にいろいろの関係を配慮して、これを一応北海道とソ連、日本とソ連との間のように二百海里を設けない、こういうことになっておるわけでございますが、しかし一面、もう二百海里を設けるべきじゃないかという議論があることも事実でありまして、これは北海道で韓国の漁船等が相当北海道の沿岸で違反操業をして、私なんかよく承知しています。そして北海道の漁民から非常に強い声が出ていると同じように、西日本の沿岸でもいろいろと違反操業的なものも続いておるわけです。日本もやっているかもしれませんが、韓国の漁船も随分やっている、こういうことで西日本の沿岸漁業でも非常に強い声もあることも事実でございます。
 こういう点は十分慎重に考えなきゃならぬと思いますが、また同時に、日韓全体的な漁業関係の総合的な関係というのも配慮しなきゃならぬわけでありまして、一概に今結論を出すというところまでには至っていないわけでございますが、まずやらなければならないことは、日韓の協定で北海道沖におけるいろいろの韓国漁船との調整問題もある程度解決したわけですし、西日本関係も何とか話し合いで解決をしていくということで、今直ちに新海洋法を実施するということではなくて、
そうした状況というものは十分勉強し、検討はしながらも、今のとにかく日韓間のいろいろなトラブル等を解決していくように外交努力で続けていかなきゃならぬ、こういうふうに思っております。韓国側も、最近我々も接触しておりますが、そうした実態というものは承知しておりますし、日韓関係が今安定していることも事実ですから、我々もそれを踏まえてトラブルの起こらぬようにこれからも粘り強くひとつこれもまた交渉を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#254
○菅野久光君 大臣、韓国との間で話をしてなるべくトラブルのないようにということは、もう今まで本当に耳にたこができるぐらい聞いているんですよ。何ぼやってもとにかくだめなんです。ですから、漁民の間から強いそういう要望が出てきているんですよ。
 西日本の方も、大臣の選挙区はまだ二百海里の問題は、言ってないよりもやらないでくれと言う方かもしれませんが、山口、福岡あたり、あとはもう全部とにかく二百海里というようなことで声が強く上がっている、そのことも大臣御承知だというふうに思うんですよ。ことしの十月には日韓の協定が切れる、やっぱりそういうときは私は一つのチャンスではないかというふうに思うんですね。この時期にきちっと決断をしていかないと、先ほども言いましたように、日本の沿岸の漁船なんというのは本当に二十トンとか三十トンとか小さい船なんですよ。韓国の船というのはもう七百トン、八百トン、千トン、二千トンというでかいやつですね。大人と赤ん坊ぐらい違うわけですから、違法なことをやったとしてもどうにもならないんです。
 もう本当に悔しくてしようがなくて、実は一昨年羽幌の漁民が思わず船に積んであったコンクリートの塊を投げたんです。そしたら韓国漁船の漁船員の人にぶつかって何かけがをしたということで罰金を払わされました。私も羽幌というところに行って、その方から直接お話を聞きました。もう目の前で自分たちの漁具がやられる、そして日本の漁民が資源を守るために禁漁区域にしているところも平気でどんどん入ってくる、そんな状況なんですよ。それを、今はいろんな問題を解決してなるべく向こうにも違反操業をしないようにという大臣の優しい言葉で言ってもこのことは解決をしない、そういう状況なんです。
 だから、このまま放置をしておけば、日本の二百海里内の底はあのトロールでみんな平らになってしまって魚がすみつかなくなってしまう。どうしようもないじゃないですか。だから、どうしても難しいというネックになっているものは何なのか、そのネックをどうやって取り払おうとされるのか、その辺、いつまでもこのままでいいとは大臣もお考えではないというふうに思うんです。そこのところをひとつ聞かせていただきたいと思います。
#255
○国務大臣(安倍晋太郎君) なかなか決定的に解決する道が今私から明快に述べられる立場ではないわけですが、北海道におきましてももちろん領海に入ればこれはもうはっきり違反、国の法律そのものにひっかかるわけですからこれはできない。調整区域とか、日韓関係で約束をした海域に入るということであろうと思いますが、これはやっぱり協定違反ですから、協定違反については相互主義でお互いにこれを取り締まるということになっておりますし、この協定はあくまでもお互いに守るということでなければならぬと思います。そういう意味で、これは厳しく海上保安庁その他水産庁、やらなければならないと思います。西日本においてもそうした違反操業等が起こっております。相互主義で、日本がやったときはやられますが、こちらに入っていたときはこれに対しての措置をとっておるわけでございますが、一番いいことは日韓両国が協定をお互いに守り合うということをはっきり確認し合うということになればトラブルも大いに減少するんじゃないかと思っております。
 実は私のところでも、きのうもおとといも毎日のようにそうした問題で陳情も来ております。相当切迫した状況にあるということは十分認識をしておりまして、農水大臣とも相談をいたしまして、我々のできるベストは尽くしてまいりたいと思っております。
#256
○菅野久光君 事態の認識をひとつしっかりしていただきたいと思います。もうこの問題は本当に何年も続いている問題で、それが今なおそういうような状況になっているということで、関係漁民の方々はもちろんでありますけれども、魚食民族としての我々の立場からも、沿岸から魚がとれなくなったら大変なことになるということで、ひとつ大臣、どこかでやはりきちっと決意をして、一刻も早く漁民の人たちが安心して自分の前浜で操業ができるような、そういう状況をつくり出していただきたい、私はこのことを特に要望いたしたいと思います。
 それから大蔵大臣、北洋の問題は日ソとの交渉の関係で今もう大変な問題になっておりまして、先ほど外務大臣も関係大臣といろいろ今後の問題について話をされたようでありますけれども、漁業者に対する減船の問題あるいは雇用の問題、水産加工業など関連団体に対する問題、自治体に対する問題、こういったようなことの救済策が大変な状況であります。特に水産関係については水産基地ということで、ほとんど八〇%近い人たちがそこにかかわっている。先日、羽田大臣が現地に行ってこられて、漁民あるいは関係者の人たちがどうやっておれたちを生かしてくれるんだというようなことで、大変な状況であったことを私は地元の新聞で読みました。本当にいい話であれば喜んで行くんですけれども、こういうときに大臣がきちっと行って地元の人たちに話をするというその行為については、私は本当によかったなと、御苦労さんでしたということを改めて申し上げておきたいと思います。
 このことによって町そのものが壊滅的な状況になっていくところが幾つもあるわけです。それだけに金があるとかないとかということは別に、まさに今まで海でそうやって生きてきた国民、関連すると何万人にもなるわけでありますが、この人たちをどうやって救っていくのか、こういうことにかかわっては金があるとかないとかということで片づけられる問題ではない。それだけに、国の財政も大変であることもわかりますけれども、財布を預かっている大蔵大臣の救済策に対する決意をぜひひとつ聞かせていただきたい、私はこのように思います。
#257
○国務大臣(竹下登君) 先ほど外務大臣からもお答えがありましたが、けさの閣議の後、羽田農水大臣から我々関係閣僚に対しまして呼びかけがございました。近くまた集まって、講ずべき対策について誠意を持って対応しようということを話し合ったばかりでございます。
 私は島根県でございますから、竹島のあるところでございます。これは日ソ漁業とは違いますけれども、今の日本の水産の置かれておる立場というものは私なりに理解もできるような気がいたしますので、十分関係閣僚、相談していきたいというふうに思っております。
#258
○菅野久光君 円高差益の問題もいろいろありますでしょうし、きょう金貨などもやって何か財源も幾らかできたのではないかというふうにも思いますので、少なくとも五十二年の二百海里並みといいますか、そういったようなことでこういう部分を使われれば本当に生きたお金になるのではないかというふうに思いますので、その点については特に、財政当局はいつも渋いのは渋いんですけれども、しかし出さなきゃならぬときにはやはり気持ちよく出していただきたい、そして少しでもとにかく早くに処置をしていただくように、私は特段このことについても要望申し上げたいと思います。
 外務大臣、結構でございます。
 きょうは、私も農林水産委員会にいるものですから農林水産省の何か応援のような形になりましたが、やはり大臣にも御質問申し上げねばならないわけであります。
 それは、ポスト三期対策の問題であります。米
の生産が過剰基調となって、その生産量を調整するとともに、生産量が不足している麦だとか、大豆、飼料作物への転作を奨励するために本格的な減反政策が昭和四十四年度にとられ、そして今日まで経過しております。その間には五十一年や、五十五年から五十八年までの不作もありました。そのために超古米、いわゆる臭素汚染米の使用問題や韓国米の輸入問題などが生じて物議を醸してまいりました。ところで、この減反政策については、農家の方々の理解と協力によって進めてきたことであることはもう私が申し上げるまでもないところであります。いよいよ来年からのポスト三期対策について、大臣の基本姿勢がどうなのかということについてまずお伺いいたしたいと思います。
#259
○国務大臣(羽田孜君) まず、先ほど来本当に農林水産行政前進のために御提言をちょうだいしたり、あるいは漁業問題についても本当に御心配をいただいておりますことに対し、心から私からもお礼を申し上げたいと思います。
 私どもといたしましても、関係各省庁の皆様方にもいろんな角度から御協力をいただかないと、この問題なかなか解決しない問題でございますので、そのつもりできょう発言し、各閣僚の皆様方にも御了解をいただいたということでありますので、誠心誠意努めてまいりますことをこの機会に申し上げたいと思います。
 なお、ポスト三期につきましては御案内のとおり、この事業というものは五十三年からですか、今日まで進めてまいったわけでありますけれども、残念ながらまだ米の消費がいまだに減退して、少しずつ下げどまった感がありますけれども、なおかつまだ減少しておるというような状況でございまして、このポスト三期を一体どうするのかというのはまさに今御指摘のとおりであります。
 そこで、私ども考えますことは、この十年間やってきたことを振り返りながら、確かに定着したもの、あるいは米をつくるより所得が上がるような農業というもの、例えば施設園芸のようなものですとか果樹ですとか、あるいは一部の野菜、こういったものについては相当なあれを上げているものもあります。しかし反面、逆に過剰でまた問題になってきておるというものがございますので、こういったものを今検討をしていただきながら、秋に向かってどのようなポスト三期を進めるべきかということについて今鋭意検討を進めていただいておる、今農政上の一番大きな、重要な問題であろうというふうに考えております。
#260
○菅野久光君 特に、減反政策についてはもう北海道は大変な協力をしてきたというふうに思います。六十一年度では実に四四・二%で、他の都府県の約二・四倍という減反率であります。しかし、北海道の米もキタヒカリというのができておりましたが、キタヒカリよりももっとうまい米ができました。今ユキヒカリというのが大変うまい米だと、何か東京の生協などでも北海道の米をということで引っ張りだこだというような状況でありまして、かつては北海道の米といえばうまくない米だということでありましたし、ちょっと寒いと冷害だということで、北海道で米はつくらさぬ方がいいじゃないかというような意見がありましたが、今は土つくりというものをしっかりやっていけば相当な冷害に耐えるそういう品種そしてまた、食味も非常にいい品種ができております。
 北海道の農民、農業団体は次のような言葉でポスト三期についての決意を込めております。「良識を超える傾斜配分から食糧基地を守ろう」と、この四四・二%というのは大変な減反率です。これはまさに、言えば良識を超えるということにやっぱりなるんだろうと思う。これ以上の減反などということは絶対許せない、そういう思いでこういう標語をつくりながら、農民や農業団体の人たちが懸命に運動しております。特に北海道の場合には、専業農家がほとんどなんです。それだけに農林水産省として、コストを下げるということはある程度の規模の拡大がなければできないということは前々から言っておるわけであります。そういう意味からいって、専業農家を大事にするのか、それとも兼業農家というものを大事にしていくのか、その辺のお考えはいかがでしょうか。
#261
○国務大臣(羽田孜君) 確かに北海道が非常に傾斜配分になっておるという現実であります。
 この配分に当たりましては、農業生産の地域特性ですとか、あるいは産米の品質ですとか、あるいは麦、大豆、飼料作物などの特定作物への転換の可能性ですとか、そういったことを総合的に判断しながら今日まで配分を行ってきた、そういう中で北海道は非常に大きなものであったということで、道知事さんあるいは道議会、そして北海道出身の国会議員の皆様方からも、今私どもお話をお聞きしておるところであります。
 そういう中で、これからの農政あるいは日本の食糧というものを安定して確保し、供給するということを考えたときに、私は間違いなく北海道というのは今いろんな難しい問題はあります。過剰のビートにしても芋にしましても、あるいは大豆等にしましても、いろんな問題でいろいろと問題があることを私もよく承知をいたしておりますけれども、しかし間違いなくいろんな寒冷の厳しい状況というものを克服されながら、望むべき、何というんですか、食糧基地としての基盤というものを間違いなく着実に固めてこられておるということを私ども承知しております。そういう中にあって、私どもがこれから農政を進めていくのは、これは別に臨調ですとかその他の指摘ということではなくて、本当に食糧を安定して確保するという意味では、中長期の展望の中で着実にやはり中核農家という本当に農業をやる、そういった人たちをやっぱり育てていくということ、これが大切なことであろうというふうに思います。
 ただ、こういうことを申し上げますと、そうすると兼業農家はどうするんだと。きのうもある御議論を聞いておりますと、じゃ、兼業農家というもの、いわゆる階層分化を進めて兼業農家をつぶしてしまうんだなというようなお話がありましたけれども、それぞれきちんとした位置づけをしながら進めていく必要があろう。しかし、食糧を本当に確保するという中にあっては、やっぱり中核農家といいますか、本当の専門の農家というものをこれから育成していくという方向に政策というのは進めていかなければいけない、このように考えております。
#262
○菅野久光君 大臣は、もう農業の専門家でありますから、私から言わずもがなでありますが、本当に減反政策の中でもうこれ以上畑の方に行くということはできない。今までの中でも畑作指標面積なども自主的につくっていっているわけでありますから、そういう意味でこのポスト三期についての傾斜配分、ここのところについては特段のひとつ配慮をしていただきたい、またしていただかなければならないということを私はお願いしたいというふうに思います。
 これを決めるのは概算要求の時点ということになりましょうか、その辺はいかがでしょうか。
#263
○国務大臣(羽田孜君) ただいま鋭意検討をしていただいておりますけれども、私どもとしてはまあ秋口ぐらいというものを最終の目標にして審議を進めていただきたいなというふうに考えております。
#264
○菅野久光君 そうすると、概算要求の時点にはちょっと間に合わないということですね。はい、わかりました。
 それじゃ、最後に、ポスト三期対策を固めるに当たっては、言わずもがなだと思いますけれども、農民や関係団体の方たちの意見をよく聞いてもらいたい、そのことを私は申し上げ、農産物の別な面、農産物の長期見通しが何か狂いを生じたというようなことをお聞きしておりますが、現在農政審議会で検討がなされているように報じられております。その結論は、まあ先のこととなるから、今からこのことちょっと議論ができないと思いますが、この「長期見通し」の見直しの期限だとか、あるいは改定についてどのように考えておられるのかお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
#265
○国務大臣(羽田孜君) まあ、私どもといたしま
しては、今日の「農産物の需要と生産の長期見通し」、これは五十五年に策定されたものでございますけれども、全体的に内外の環境というものも変化しておるという現状もございます。そういったものを含めまして二十一世紀に向けての農政の長期ビジョン、こういったものをひとつやっぱり方向づけしないと、農民の方々も不安になるであろうということで、これをひとつ検討していただこうということであります。その中で需給の見通し等につきまして、本年の秋ごろにめどを置いて検討を進めていきたいというふうに考えております。
#266
○菅野久光君 終わります。
#267
○委員長(嶋崎均君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 明二十六日午前十時に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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