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1985/05/09 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 エネルギー対策特別委員会 第3号
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1985/05/09 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 エネルギー対策特別委員会 第3号

#1
第104回国会 エネルギー対策特別委員会 第3号
昭和六十一年五月九日(金曜日)
   午後一時二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         沢田 一精君
    理 事
                宮島  湛君
                対馬 孝且君
                太田 淳夫君
    委 員
                岡野  裕君
                工藤万砂美君
                熊谷太三郎君
                添田増太郎君
                吉川 芳男君
                小柳  勇君
                中野 鉄造君
                小笠原貞子君
   国務大臣
       通商産業大臣   渡辺美智雄君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       河野 洋平君
   政府委員
       科学技術庁原子
       力局長      中村 守孝君
       科学技術庁原子
       力安全局長    辻  栄一君
       通商産業省立地
       公害局長     黒田 明雄君
       資源エネルギー
       庁長官      野々内 隆君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        逢坂 国一君
       資源エネルー
       庁石油部長    畠山  襄君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    高橋 達直君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  山本 幸助君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        野村 静二君
   説明員
       外務省経済局国
       際エネルギー課
       長        東郷 和彦君
       労働省労働基準
       局監督課長    菊地 好司君
       労働省労働基準
       局補償課長    清水 尚武君
   参考人
       動力炉・核燃料
       開発事業団理事  植松 邦彦君
       動力炉・核燃料
       開発事業団環境
       資源部長     渡辺 昌介君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○エネルギー対策樹立に関する調査
 (エネルギー対策の基本施策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(沢田一精君) ただいまからエネルギー対策特別委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 エネルギー対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、動力炉・核燃料開発事業団理事植松邦彦君及び同事業団環境資源部長渡辺昌介君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(沢田一精君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(沢田一精君) エネルギー対策樹立に関する調査のうち、エネルギー対策の基本施策に関する件を議題として質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○対馬孝且君 きょうは大臣の所信表明に対する質問という委員会でございますが、特に私は第八次政策の問題といわゆる原子力問題、幌延問題等を中心にお伺いをしてまいりたいと思います。
 きのう実は鉱業審議会の小委員会の中間報告という形で出まして、読ませていただきました。問題は極めて、我々にとってというよりも、北海道はもちろんでありますが、石炭産業にまつわる方々は非常な不安と動揺でございます。まさにいても立ってもいられないというような心境が率直なところでございます。
 私は前回、四月二日に渡辺通産大臣に対しまして、八次政策に臨む大臣の心構え、基本姿勢などについてお伺いをいたしてまいりました。きょうは特に問題点を絞って申し上げたいのでありますが、第七次の石炭政策、私はずっと石炭に四十年かかわり合ってきましたが、特に七次政策は完全にエネルギー情勢の見通しの分析を誤った。つまり当時の七次政策というのは、油の輸入が非常にタイト化して価格は下がらない、逆に外国炭の値上がりに伴って国内炭も連動して価格が上昇する、したがって石炭企業は私企業として自立は可能である、こういう判断が七次政策の方針の柱でありました一。
 そこで、今回の中間報告を見ますと、世界的に見てエネルギー事情は緩和状態にある、外国炭と国内炭との格差が縮まらない、したがって拡大していく傾向にあるので、この際国内炭はある程度減退をしながら他の産業に転換の方向を求めざるを得ないのではないか、つまり一口に言うと、国内炭の縮小、IQ制度問題、基準炭価問題という点を見直さなければならないというふうに問題点を絞っておるようであります。この点についてどういうふうに受けとめているかという考え方をまずお聞かせ願いたいと思います。
#6
○政府委員(高橋達直君) ただいま対馬先生から御指摘のとおり、昨日石炭鉱業審議会の政策部会を開いていただきまして、これまで十三回にわたりまして検討小委員会で御審議をいただいた結果を、検討小委員会から政策部会に御報告をいただいたところでございまして、その内容についてはただいま先生から御指摘ございましたように、第七次の状況と八次を考えるに当たっての状況はかなりエネルギー情勢が違っておるということはそのとおり報告がされているわけでございます。
 その上で、今後の国内炭の役割につきましては、依然としてエネルギー供給上の安全保障機能において相応の役割を果たしておるという認識をしているわけでございます。しかし、環境がそういったことで変わってまいりました時点において、こういった役割の変化を考慮いたしますれば、従来以上に需要動向を十分に勘案した生産体制をとっていかなければいけないという指摘があるわけでございます。
 いずれにいたしましても、国内炭の問題につきましては、一方におきまして安全保障機能、他方において経済性の議論があるわけでございまして、その調和をどこに求めるかということにつきまして、さらに検討小委員会で検討を進めるところでございまして、まだ結論を出したという事態には至ってないということでございます。
#7
○対馬孝且君 結論には至ってないというけれども、基本的態度は、中間報告といえども、今言った基準炭価の問題、IQ制度の問題、あるいは石炭
のいわゆる基準炭価の問題、ある程度項目的には整理されておりますので、この前四月二日に私は大臣に申し上げたが、あくまでも経構研のは参考意見であって、鉱業審議会の答申を尊重してまいりたい、あくまでもそれが基本であるということのお答えがございました。
 ところが、私はここでどうもわからないのは、ユーザー側の意見だけが、言うなれば需要業界の意見だけが優先的に取り上げられて、しかも、毎日新聞なんかは「石炭政策を大転換」、「一千万トン体制」とはっきり数字まで出ているわけだ。これは今出た言葉じゃないのであって、前からも出ています。だから基本的にこの経構研の意見は参考として受けとめるという渡辺通産大臣の意見はそのとおりだと思うのでありますが、しかし、出た中間報告の考え方そのものはやっぱり経構研と根っこは同じであると、私ははっきりそう申し上げなきゃならぬと思うのです。そこで申し上げたいのは、需要業界だけの意見を聞いて、これは答申じゃありませんが、中間報告ですけれども、それならば、こんなものはあなた、政策は要らない、政治は要らないというわけになる。
 そこで、大臣にお伺いしたいのは、この前お伺いしておりますから申し上げるんでありますが、今回の石炭政策を打ち出す場合の一番問題は、国内炭と海外炭の格差だ、需要業界は引き取らないと、こういうわけでしょう、大きな理由は。
 ところが今回の場合は、御案内のとおり、なぜ円高だったかということはこれはG5、昨年九月の大蔵五カ国会議で竹下大蔵大臣の発言を含めて、中曽根内閣の意思として円高方向を定めていった、こういうことでしょう、一口に言うならば。その結果が早いか遅いか、あるいは百六十三円まで考えなかったといえばそれまでであるけれども、そのツケを石炭政策に、中曽根内閣の政治姿勢として円高を打ち出して、これは経済の安定、国民の生活安定ということを目指したことはわかるけれども、そのしわ寄せをどうして石炭業界に、あるいは石炭労働者に、あるいは石炭の計画にしわ寄せしなけりゃならぬのか、その点が私はどうも納得いかないです。だから中間報告といえども基本的姿勢は、相変わらず経構研が打ち出した、大幅な石炭政策の後退という姿勢がはっきり考え方の中に、数字は出していませんけれども、うかがわれるわけでありまして、この点もう一度大臣の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#8
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、この間の第八次石炭政策に関する検討小委員会の審議状況というものを見せてもらいましたが、大体こんなことなのかなあと。いろいろな業界の意見、組合の意見、需要者側の意見、それぞれ述べられておるわけであります。したがいまして、こういうような意見を踏まえまして、特定な一部分だけの話でなくて、大所高所から私は審議会で結論を出されるものと思います。したがいまして、その審議会の意見を聞いて最終的には決めたいということには変わりはございません。
#9
○対馬孝且君 審議会の議論をそんたくをして決めてまいりたい、これは変わりはないと。そのとおりなんだけれども、大所高所から見てこの程度じゃないかという大臣の認識なんだけれども、大所高所から見てとの点が適当じゃないかという判断に立っているのか。一番ここに出てくる問題は、いわゆる国内炭の、何といったって鉄鋼業界、電力業界、セメント業界とあえて細かくこれは需要業界をうたっていますね。こういう関係の中で「現行単価決定方式の継続は問題と主張している。」まではいいのだけれども、結果的には相手が引き取らないと言えば、これはいわゆる二千万トンあるいは千七百万体制というのは見直さざるを得ないのではないかという言葉に尽きるわけですね。だから、私はここで言いたいのは、一つは何といっても需要数量が一体何ぼか、それから特別会計が一体どうなるのか、基準炭価が一体どうなるのか、それからIQ制度というものは一体どうなっていくのかと、こういう問題点を整理して考えてみますと、大所高所から見て適当ではないかという認識ではちょっと私はこれ大変なことだなと、こう思っておるわけです。
 少なくても現状の、この前大臣に申し上げましたように、私はあくまでも七次政策の基本的態度を踏まえて考えた場合に、第一は国内炭の最優先活用である、これはあくまでもセキュリティー、安全保障の見地から総エネルギーの三%は最低として保障されるべきである、第二は、炭鉱がつぶれれば地域社会は壊滅をする、例えば土砂川炭鉱あるいは夕張にしてもそうでありますけれども、まさに八割から九割方生活移動したりなどしまして地域社会が壊滅につながる、第三は、雇用安定はまさに不安定雇用である、そういう意味で完全雇用を守らなければならない、こういう三本柱でぜひ八次政策に臨んでもらいたい、こういう姿勢を問いただしました。認識は大小あるけれどもという問題はありましたけれども、その点についてもう一度大臣、適当ではないかと言われますと、これはまさに減炭、減収になることを、二千万トン体制から大幅に後退することを認識は一致しているのかどうか。この点は一番心配なところです。そうでないならそれはそうでないと。そういう意味では出炭トン数は出していないのだ、まだこれからであるということなら結構なんだけれども、その点どうなんですか。
#10
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は二千万トンの生産体制の維持ということはできないと思います。現在だってそんなに使っていないわけです、千六百万トンぐらいしか。ですから、二千万トン維持といっても、それは言うだけであって、現実にはそれは二千万トン維持は難しい。やはり需要の動向も十分勘案した生産体制ということが必要である。米だって同じで、食糧だってともかく需要に見合った生産ということで、田んぼをやめさしたり、転換さしたり、農地をつぶさしたりやっておるわけです。ですから、やはり需要を無視した経済活動というものは、一時的にはいいですよ、一時的、臨時的激変緩和にはいいですが、相当長期にわたって経済活動というものが不自然な形で続くということは、私は言うべくしてそれはあり得ないことであるというのが基本認識でございます。
 しかし、先ほどあなたのおっしゃったように、山が一つなくなるということはその地域での雇用問題、町全体の社会的ないろいろな大きな変革があらわれる、これも事実でございます。そこで、かねて私が言っているように、そこで働いている勤労者の生活というものを考えてやらなきゃならぬわけですから、どうすればそこで働いている勤労者の方が悲惨な目に遭わずに働く場所が見つけられるか、そういうこともあわせて我々は考える必要がある。したがって、そういう問題との裏表みたいな話でございますから、そこへ社会政策的な配慮といいますか、そういう問題を無視することはできない。したがって、そういうような点からやはり何らかのことは考えていかなきゃならぬのではないか、そういうように思っております。
 どういうふうにしたらいいのかわかりませんが、この中間報告の中でも「国内炭が地域社会において果たしている役割にも配慮する必要がある。」と、言葉は違いますが同じような意味のことを言っているわけでございます。したがって、基準炭価制度は当面維持するが、炭価の決定方式については今後さらに検討をしてみたいということが言われておるものと考えます。ですから、経済的にある程度ペイするかどうかという問題は、これはしょせん私企業のやっていることですから、国営石炭会社じゃありませんし、私の会社でありますから、会社が倒産してしまえば何にもなくなるということにこれなるわけです。
 したがって、結局倒産しないでやれる方法は何かないのか。それはお互いに知恵を出してやっていきたい。しかし、そこでおのずからある程度の選別というものはあるいはあるかもわからない。残れるものは残るということもあるでしょう。しかし、一挙に撤退するといってもなかなかこれは難しい社会問題がありますから、そこをどういうふうに工面をしていくかということがポイントだと思うのです。それは私も十分に配慮していく必
要があると思っておるんです。
#11
○対馬孝且君 だから、大所という意味を今解説されたようでありますが、社会的政策は必要である。やっぱりここが大事だと思うのですよ、大臣。これは需要側だけの意見を聞くなら何も政策の必要はない。需要側が引き取らないと言えば山は閉山する以外にない。政治不在だと言わざるを得ないのです。
 だから、地域社会を守らなきゃならない、あるいは雇用確保はしなきゃならないというだけではなくて、私は去年も議論しまして村田通産大臣に申し上げたことがあるが、第一次、第二次エネルギーショックがあった。それじゃ二十一世紀を目指して三次のショックはないのか。この間も私は商工委員会でも申し上げました。つまり、イラン・イラク戦争が、あるいは中近東の情勢がどうなっていくか、あるいは世界の情勢がどうなっていくかという問題もあるだろうし、あるいは原子力問題だって、後で申し上げますけれども、最大のソビエトの原子炉事故が起きている。ただ、そういう問題等をずっと勘案していけば、果たして第三次オイルショック、エネルギーショックはないのか、この認識はどうなんですか。
#12
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはもう絶対ないとか絶対あるとか、どっちも私は言うことはできない。ただ、おもしろいことを言っている人がありまして、ヤマニ石油相などは、こういうように石油の価格が暴落をして十ドルを割るというようなことが続けば、これは一九九〇年代に再び第三次石油ショックみたいなものが来るでしょうと言っているわけです。しかし、今度はイギリスへ参りますと、いやそれは見当違いだ、今までは石油の需要というものがどんどんふえると思っておったからああいう話になったんであって、これからは石油の需要もそんなにふえない、我々は代替政策というものをやっておるし、省エネ政策はもっと進む、それから代替エネルギー政策というものもどんどん進んでいく、それから戦略備蓄もするということで対応をしておるから、石油の需要というものが、値段が下がったからといってそんなに一遍にふえてくるというわけじゃない、したがって、昔のように値上げするといってもそうは問屋が卸さないよと言う人もあるわけです。我が国でも過去十年来、石油の需要量というのは毎年経済成長をしながら二億七千万キロリッターの輸入が、一億九千万キロリッターぐらいに減ってしまっているわけですから、それも確かに一つの意見です。
 ですから、仮にかなり技術の進歩というものがあれば、そんなに石油にだれも依存しない。しかしながら、極端に石油が減るということでも、それじゃなかなか追いつけない、時間との問題ですから。だからやはりある程度の、何とか石油がやっていける程度の値段、全部やらなくたっていいから、必要にして十分なだけを辛うじて供給できる値段、そういう値段で安定してもらうということが一番いいのだということを言っているわけです。それが十五ドルであるか十二ドルであるか、あるいは十八ドルであるか、それは市場が決めることだからわかりません。わかりませんが、その程度の値段で決まれば、第三次石油ショックというものは私は避けられると見ております。
#13
○対馬孝且君 そう見ておるんであれば私は申し上げなきゃならぬわけです。それじゃ五十八年十一月十六日の長期需給見通し、総合エネルギー調査会の試算というのが出ていますね。これは基本的に変えないと言っているわけでしょう。エネルギー庁長官、これははっきりしてもらいたい。変えるんですか、変えないのですか。
#14
○政府委員(野々内隆君) 現段階では特に変更の必要はないと考えております。
#15
○対馬孝且君 変えない、現段階では必要ないというのであれば、今言うとおり国内炭の三・三%程度をこれは長期需給見通しの中に位置づけられておるんですよ。五十八年十一月十六日、私も国会で申し上げたんだけれども、この方針は変わらないとしたら、どうして需給関係が云々ということが出てくるんですか。仮にあったとしたって、政策的に政府はこの総合エネルギー政策を決めた限り、そこで冒頭申しましたように、いわゆるセキュリティー、安全保障の見地から一定の目安というものを持つべきではないかと、そのことを私は言っておるわけだ。これは変えるというのなら別だよ。変えないという態度をお持ちであるなら、基本的にそういう方向をやっぱり求めていくという姿勢に立つべきではないか。この点はどうなんですか。
#16
○政府委員(野々内隆君) この長期エネルギー需給見通しにつきましては、石炭のウエートについて現状ではこういう形でよかろうかと考えておりますが、その内数としての国内炭のあり方につきましては、それぞれの石炭政策におきまして議論をするというふうに理解をいたしております。
#17
○対馬孝且君 だから、基本方向としてはこれ変わらないという限りは、当初ちゃんとこれは括弧して三%という数字を出しているわけですから。ただ、そういう基本認識でこれから、もちろんこれは中間報告ですから今ここで結論を出せという意味じゃないが、私の言いたいのは、そういう基本方向、五十八年十一月十六日の総合エネルギー計画という基本に従って国内炭の方向ということを、政府側としては、通産省としてはその方向を目指していくという基本に立って最終答申に臨んでいきたい、こういう考え方をお持ちなのか、ないのかということを私は確認したいわけだ。
#18
○政府委員(野々内隆君) 将来の日本のエネルギーに占める石炭の比率というようなものにつきましては、現段階では五十八年十一月の長期エネルギー需給見通しの改定の必要がないのじゃないかと思います。もちろん将来、エネルギー情勢なり経済情勢が非常に変動すればまた別であろうかと思っておりますが、先ほど申し上げましたように、その中で国内炭をどの程度にするかという問題につきましては、これはむしろ長期エネルギー需給見通しの問題であるというよりも石炭政策の問題であろうというふうに理解をいたしております。
#19
○対馬孝且君 そこで私はお伺いしたいのです。
 先ほど私が申しましたように、今回の国内炭と国外炭の問題ということは、先ほど大臣も言われましたように、社会的政策が必要であると、この点は大垣の考え方について私も賛成なんです。ただ私が申し上げたいことは、その社会的政策というものを、ウエートをやっぱり置いてもらいたい。だからこの前大臣にも私は申し上げたでしょう。必ず答申前に北海道なり九州なり、かつて歴代大臣も坑内に入って炭じんに浸って石炭政策を確立していただいた、こういう経過もあるので、北海道に入っていただいて最終答申を出してもらいたいということを申し上げまして、大臣もできるだけその方向でということでお答えをいただきましたけれども、私は今言いたいのは、結論的に申し上げると、政策をやれば今日のエネルギーの基本的な国内炭は維持していくことは可能である。それはこの前申しましたように、IQ制度をこの際見直して割り当て制度を強化すれば、これは燃料が高くなるとか安くなるとかということではなくて、私に言わせればこれは維持していける。
 今までは輸入割り当て制度に対して二割だけ国内炭の抱き合わせをしているわけだ。かねて私ここで申し上げましたけれども、この際、輸入割り当て制度を完全に見直して海外炭と国内炭の輸入一元化をすべきであると、こう言っているんだ。そうすれば国内炭の現状、もちろん大臣が言うとおり今千六百三十万トン大体おつくりのようですから、千六百三十万トンなり最低線なりの体制は維持できるではないか、そういう政策というものについて政府は積極的にそういう考え方を打ち出していくという姿勢があっていいのじゃないかと、これを私は言っているわけです。その点はどうなんですか。
#20
○政府委員(高橋達直君) 国内炭の確保の問題につきましては、いずれにしても競争力が現在ない状況におきましては、政策的な裏づけによって需要の確保をしていくということが必要であろうかと思うわけでございます。ただ、御指摘の内外炭
を一元化して一手に買い付けていくということにつきましては、先日も対馬先生から御質疑があったわけでございますが、審議会においても検討しているところでございます。現在の状況では一手購入機関というものをつくることになりますと、やはり新しい貿易障害の創設ということになりまして国際的に極めて問題があること、また国内の状況を見ましても海外炭との取引関係が定着していることから、需要業界を説得できるかどうかというところに問題があるということで問題があるわけでございますが、なお検討を審議会でしていきたいというふうに思っております。
#21
○対馬孝且君 だから私は、同じ自由主義陣営の中で比較的フランスの場合と日本の場合は、しばしば言うことがあるんだけど、非常に似ているわけだ。むしろGNPは逆に我が国は第二位だけど、トン数からいくと大体千八百万トンクラスでしょう、フランスの場合は。しかも、盛んにこれを政府側は言うけども、それじゃトン当たりの補助金は何ぼですか。現在日本ではトン当たり二千四百円そこそこでしょう。フランスは九千七百円いっているでしょう。そういう角度から政策を見てもらわぬと、それこそ、この前も言わしてもらったけども、大陸棚みたいな大きなことをやって、掘ればすぐ石油がじゃぶじゃぶだみたいなことをあなたは言った。しかしこれも、ここに小柳先輩もいますけども、十年たってただの一滴も出ていないじゃないですか。そんな狂ったエネルギー政策をやっておいて、それで石炭にだけ、いやこれは国際的に問題がありますと。
 私の言いたいのは、トン当たりフランスが九千七百円、我が国は二千四百円だ。能率だって我が方は九十トンも超えているのですよ。諸外国から見て九十トンの出炭で国内掘りやってどこが悪いのですか、はっきり言って。大体七十トンから六十トン、八十トンというのが精いっぱいでしょう。こういう客観的な状況を見ていった場合にただ需要業界が問題だからと、それじゃ油炭格差をやった時代があるでしょう、はっきり申し上げるけれども。
 私は昭和二十八年以来北海道電力の電気料金の値上げをずっと調べてきたが、過去十回上がっています。そのうちでは九州電力よりも三回北海道電力が安い電気料金であった時代もある。そういう油が高くて石炭が安い時代があったでしょう。すそ物炭で四千カロリーからの炭を火力発電所で使った時代もあったじゃないですか。それから炭炭格差で逆に補助金を出したこともあるでしょう、私も参加したけれども。そういう時代だってこれはやっぱり電力業界を守るという立場でやったのでしょう。そういうときは電力業界を守る立場で政府はちゃんとやるのだよ。私が言っているのは何もセクトを言っているのじゃないのだ。今日の段階で需要業界だけの意見を聞いてやるのなら政策不在だと、私はそこを言っているのだ。
 そのときそのときによって電力業界に、油が高くて石炭が安かった、油炭格差という時代があった、あるいは炭炭格差という時代もあった、そういうときは国が一定の補助金を出したでしょう、これははっきり言って。そういう時代だってあるのだよ。北海道の電気料が高いと言うけれども、国内炭が高いから高いのじゃないでしょう。過去十回の電力料金の値上げに全国的に安いときが三回あるのだ。なぜ高いかと言ったら、面積が日本の面積の二二%で、送電線は北海道は最大延長線なんです。送電線が最大延長だからコストがかかるのだ。しかも、冬季積雪地帯である。故障が起きた場合の補修費は大変なものです。それは雪の降るところと降らないところでは問題にならない。石炭が高いから電力コストが高いのじゃないのだ。そういう電力送電の設備あるいは遠距離、あるいは積雪といった状態が一定の電力のコストを高くしておるということは、これは事実です。だから、石炭だけでもって北海道の電力の料金は高いなんという認識を持ってもらっては困るのだ。
 だから私は言っているのですよ、ときにはその時代、その時代によって電力業界に対してもそれなりの対応をしたことがあるではないですかと。だから政策というものがそこにあっていいのじゃないか。これは最終答申じゃないから、私はそういう意味で考えてもらいたいのは、先ほど言ったIQ制度の見直しということは、今石炭部長は簡単に、国際情勢からいってそうはいかないと言うが、そんなことを言うのなら二割増したって、二割増しを五割増しにしたらどういうことになるのですか。二割を抱き合わせるということは、五割増しを抱き合わしたら、それなりの現状の生産規模を維持することは可能である。
 先ほど申しましたように、基本的に日本の安全保障という見地、それからこれは食糧も同じ、そういう見地から立つならば、やはり五十八年十一月十六日の長期エネルギー需給見通しの基本に立ったとしても三%は維持されるべきである、その姿勢で臨んでもらいたい、こう言っておるわけですから、もう一度ひとつ長官からお答えを願いたい。
#22
○政府委員(野々内隆君) まず最初の点の電気料金の問題でございますが、電気料金を決定いたします要因は、電力の供給構造、燃料の構造とかいろいろあると思います。それから需要構造、産業用が多いか、業務用が多いか、あるいは家庭用が多いかというような両方から判断されるべき問題でありまして、国内炭にのみその責任をかぶせるのはいかがかというふうに思います。もちろん国内炭を安い輸入炭にすればそれだけコストが下がることは当然ではございますが、それのみにかけるのはいかがかという感じはいたしております。
 それから、国内炭の意義でございますが、安全保障上三%は持つべきであるという御意見でございますが、もちろん今回の中間報告にもございますように、安全保障上一定の機能を果たしているという認識は皆様お持ちでございますが、ただ、それが従来持っていた程度の重要性であるかどうかという点については変わってきているという認識かというふうに思われます。
#23
○対馬孝且君 だから長官、基本的にそういう方向に対して認識が変わりつつあるというのは需要業界側の意向でしょう、さっきから申し上げているように。鉄鋼側は通らないとか、電力は通らないとかそういう状況があるということを私も否定しているのじゃないのだ。そこに政策が必要だとこう言っているのだ。政策、手だてが加えられれば石炭政策の基本は現状山八社十一山をいかなることがあっても閉山せしめてはならない、この願いを今多くの国民の皆さんが非常に切望している、ここにこたえてもらいたい。それには政策的な手が打てれば、そのことは閉山せしめないで維持することは可能である、この方向を選択してもらいたいということを私は申し上げているのであって、政策不在であっては困るということを言っているのです。その情勢が何も鉄鋼業界がそうでないとか電力がどうでないとか、そんなことを否定しているのじゃない、そこに政策があってしかるべきだという、そういう手だてをこれからも対応してもらいたいと、こういうことです。それはいいでしょう。
#24
○政府委員(野々内隆君) 日本の経済体制が基本的には自由主義体制であり、企業責任によって経済界が動いているわけでございますが、それに対して安全保障あるいは雇用、社会政策等によりまして一定の制約を与えるということになろうかと考えておりますが、その場合には十分国民の理解と協力を得る必要があるというふうに考えておりまして、その前提の上でどういう政策があり得るかということを現在石炭鉱業審議会において御議論いただいているというふうに理解をいたしております。
#25
○対馬孝且君 したがって、私が申し上げたいことは、先ほど申しましたように、そういう政策的な手だてを加えられれば、やはり言うならばIQ制度を見直して流通機構の一元化をすれば現状出炭山をつぶさないで再建することは可能である。これが第一点。
 第二点の問題は、最低限でも現行割り当て輸入制度を二割増し、これを五割増しにふやせば、そのことについては現状山を閉山せしめないでも可
能である。
 第三の問題は、あえて現に出ているじゃないですか、鉱業審議会のある委員の方が、この際、差益の分を産業転換のために石炭を閉山して、山をつぶして、そして産業政策は雇用奨励のために金を使えと言っているじゃないですか。そんな金があるなら政策的に生かせばいいじゃないですか。答えは簡単じゃないですか、こんなものは。それをやるかやらぬかというだけだよ。現にその差益の一部分を閉山対策に使え、あるいは雇用対策に使え、そんな認識だから七次政策は誤った。今までも誤ってきた、私ははっきり申し上げる。この前も申し上げたけれども、簡単に産業政策なんて北海道にありますか、今。北洋船団で七千人の失業者が出るのでしょう、新二百海里時代を迎えて七千人、国鉄計画で一万三千でしょう。かつて新夕張炭鉱を閉山したが、いまだにまだ三百何名残っている。函館ドックの離職者が六百三十人残っている。言葉ではそれは言えるかもしらぬけれども、かわる産業政策があるのかと私は聞きたいのですよ、この問題について。あるなら示してください。
 前に、田中角榮、時の通産大臣が、美唄を閉山してその跡地に造幣工場とたばこ工場を持ってくると立派なことを打ち上げたけれども、いまだにたばこ工場、造幣工場どころか常盤台の山に犬一匹も猫一匹も住んでいない、お目にかかりたいと私は思うのだ、産業政策があるのなら。どういう産業政策が北海道にあるのか、石炭にかわる政策があるなら教えていただきたいと思います。雇用政策もあるなら教えてもらいたい。今北海道の求人倍率は悲しいかな全国〇・六三に対して〇・三〇です。函館、室蘭地帯、産炭地帯は〇・二三から二一、労働省聞いていなさいよ、これ。こういう状態で、言葉で産業転換とか雇用対策とか言うけれども、閉山してしまったら終わりでしょう現に。その後の対策をどこでやったことがあるか、私はお伺いしたいのです。私は正直に申し上げてあったらお目にかかりたい。
 だから、そういうそのときそのとき、産業転換であるとか雇用対策は全力を尽くしてまいりますとかと言葉でおっしゃるけれども、そんなことはただの一回もこういう雇用転換なり産業政策として成功したためしはない、北海道は。これは九州も同じでしょう。ただ、そういう点を踏まえて私が申し上げたいのは、石炭産業を存置することがやはり地域社会を守り、雇用対策を守る道である、この基本を踏まえてこれからの最終答申の段階に臨んでいただきたい、このことを申し上げているわけですが、大臣、私の考え方に対して、ひとつ最終答申に臨むに当たっての考え方をもう一度お伺いしたいのです。
#26
○国務大臣(渡辺美智雄君) 非常に厳しい情勢ではございますが、諸般のいろいろな意見を聞いて最終結論を出したいと存じます。
#27
○対馬孝且君 今大臣から、厳しい情勢であるが、十分意見を聞いてやるということですから、ぜひ私が今申し上げました問題点を十分に、政治ですから、政策的なひとつ手立てをして対処してもらいたいと思います。
 それで、私はここで当面問題で二つだけ長官にはっきり申し上げます。
 前から申し上げていますけれども、向坂小委員会の調査団、本当は小委員長に来てもらいたかった。日程上どうしても出張していないということでやむを得なかったけれども、ぜひ答申前に山に、現地へ行ってください。ただ机上のペーパーでもって答申してもらっては困るんだ。やっぱり実際の産炭地を見てもらう。私も四日間、北空知、南空知と全部調査した。自治体の声も全部そうでしょう。どんなことがあっても山をつぶしてもらっては困る、ぜひ存置をしてもらいたい、これは工藤先生もいますけれども、超党派の声です。自治体の市町村長は全部そうです。総意です。もちろん道庁はそうですし、商工団体、農業団体も同じ。そういう意味から言っても、私はぜひ山に、向坂調査団は現地入りをして現地を把握をして最終答申をしてもらいたい、これが一点。
 第二点は、現在貯炭が何ぼあるというのですか。私の調べでは北海道で九十八万トン。平常貯炭というのは、大体現地貯炭では三十万トンという状況なんです。これの手を打ってもらわないと兵糧攻めに遭って結果的に、私は悪くとるんじゃないけれども、貯炭がどんどんふえていってどうにもならない。貯炭がさばけなければ資金回転ができない、やがて閉山につながっていく、労務賃金も払わない、何かそういう兵糧攻めに遭うような形で閉山になるのではないかという心配を各山元とも物すごくしています。もちろん計画出炭より若干出てくるということは事実です。しかし、そういうことがあったにしても平常大体三十万トンというのは、現状の出炭のベースを基準にしても貯炭が多過ぎるので、かつて五十三年には貯炭融資をやったごとがございます。私も知っていますが、ただ貯炭融資をやるか、そこまでは私は貯炭融資とは言わないが、当面北電はもちろんでありますけれども、関東あるいは東北電力という関係で貯炭の引き取り手立てをぜひ対応してもらいたい、これを率直に申し上げます。いかがですか。
#28
○政府委員(高橋達直君) 北海道の石炭の貯炭の状況につきまして、ただいま対馬先生から百万トンぐらいあるんじゃないかというお話でございました。私どもの調査によりましても、この四月末で全体で北海道の貯炭状況が九十九万トンというふうになっているわけでございます。三月末が全体で八十一万トンでございますので、四月に約二十万トンばかり積み増しの状況でございますが、これは引き取り状況を見ますと、北海道電力その他につきましても、大体昨年は計画どおりの引き取りを行っておりまして、むしろ生産性の向上等によりまして炭鉱の生産が上がったという結果ふえている状況にありますけれども、特にこの四月の九十九万トンにつきましては、毎年四月の受け渡しというものが、年度分けてあるために在庫がふえる傾向でございまして、昨年の四月末に比べましてむしろ若干下回っている状況でございますので、現在がトータルとしてはそう異常な在庫の状況になっているとは私ども見ておりません。御指摘のように山によりましてある程度在庫の積み増しが行われているところもございますが、いずれにしましても全体としてはそんな状況でございまして、ただ、各企業が今後貯炭についてどういう経営的な問題が生ずるか等につきまして必要に応じて私どもとしても事情を聴取し、また必要な指導はしてまいりたいというふうに思っております。
#29
○政府委員(野々内隆君) 石炭鉱業及び産炭地域の北海道における実情を把握いたしますために、石炭鉱業審議会から向坂小委員長以下の皆様に北海道へ行っていただきたいというお願いをいたしておりまして、現在日程の調整中でございます。
#30
○対馬孝且君 それじゃ、派遣をするということは間違いありませんね。よろしゅうございますね。
#31
○政府委員(野々内隆君) 現在日程調整中でございますので、調整がつき次第北海道に行くというふうに理解いたしております。
#32
○対馬孝且君 それでは、そのときに特に私申し上げておきたいのは、要望として、やっぱり空知急傾斜四山と、こう言っているわけですから、急傾斜山一山と、あえて言えば南空知地域一カ所、北空知一カ所、こういうところを重点に急傾斜山と急傾斜でない出と、この二山を対象にぜひ実態調査をしてもらいたい、これを機会に申し上げておきます。これは要望ということです。
 それから、貯炭状況ですけれども、個別によっては差異はあるけれども、トータルで九十八万トンというのは、石炭部長、これはやっぱり異常貯炭ですよ。これが資金回転をしないために、はっきり申し上げるけれども、労務賃金が払えない、労務賃金を待ってくれという現象が今出てきつつあるんだ。現に上空なんか百七十三名の配置転換をやっているでしょう。こういう問題は何かといえば、答えは簡単なんだ。貯炭が累増して資金繰りがつかないからそのしわ寄せが労働者に行く。こういうことだから私は言っているんであって、会社をどうだこうだと言っているんじゃない。私は労働者にしわ寄せになっているから貯炭の対応
というものを、もちろん現状こういう状況でもあるけれども、対応策について検討してもらいたい、こう言っているわけですから、そこをひとつ簡単に答えてください。
#33
○政府委員(高橋達直君) 確かにトータルといたしましては昨年の状況以下になっているわけでございますが、御指摘のように一般炭ということで見ますと昨年の四月よりはふえている状況でございまして、そういった状況が御指摘のような会社の経営あるいは労働者の賃金との関係がどういうふうになっているか、企業等に事情聴取をいたしまして善処したいと思います。
#34
○対馬孝且君 ぜひそういう方向で対応してもらいたいと思います。
 それじゃ、私は原発問題につきましてお伺いをしたいと思います。
 ソビエトのチェルノブイリ原子力発電所事故に関する問題につきまして、ソ連の原子力事故に際しまして非常に今北海道道民でも多くの関心を寄せられています。なぜならば、この間北海道新聞にも発表になりましたけれども、北海道の牧草地にも放射能のまじったものが実は検出をされたということが明らかにされました。ところが驚いたことは牛乳からも検出をされている。それが人的障害には今のところまだ影響されるほどのものではないという感じもありますけれども、まずこれは大変なことでございます。したがって、私は率直に申し上げるんでありますが、五月四日広域的に牛、野菜等の影響、沃素131などが検出されたということを今も言われているわけであります。これらに対する基本的な対応の仕方、もちろんきょう本会議で議決はしましたけれども、これからむしろ科技庁として当面どういう重点対策をとっていくのか、この点をまず基本的にお伺いしたい。
#35
○政府委員(辻栄一君) ソ連の原発事故の報道に接しました直後、直ちに科学技術庁といたしましては、四月の二十九日から関係省庁あるいは自治体等の協力のもとに全国的な放射能調査を実施しているところでございます。これまでに、調査結果につきましては毎日まとめて発表をいたしておりまして、これにつきましては新聞等により報道されているとおりでございますが、これらの調査結果につきましては、学識者の判断も含めて検討いたしますが、現段階では国民の健康等に特段の影響を与えるものではないという判断でございます。
 今後の放射能調査につきましては、当面、五月四日に放射能対策本部を開きまして決定いたしましたところに沿いまして、関係省庁、都道府県等において放射能監視を一層強化しながら続けていくという考えでございますが、今後の調査結果いかんによりまして、適宜放射能対策本部の会合を開いた上で適切な対策を講じてまいる、こういう考え方をしているところでございます。
#36
○対馬孝且君 現状の対応はわかりましたけれども、一応日本の原発の今日の置かれている実情から判断をして、例えば過去の美浜第一号の事故、あるいは敦賀原発という事故が相次いでいるわけです。それは確かに、ソビエト型と日本型の違いがあるというようなことをちょっと聞きましたけれども、そういう認識を持っているんですか。ソビエト型と日本型と違うから日本にはそういうことはあり得ないというお考えがあるのかないのか、その点お伺いしておきます。
#37
○政府委員(辻栄一君) 確かに、ソ連の今回事故を起こしました原発と日本の軽水炉とは設計上大きな違いがあるわけでございます。そういう意味から、特にそれを声高に言っているわけではございませんけれども、日本の原子力発電所につきましては、これは今回の事故を起こした炉とは別の軽水炉と言われるものでございますけれども、基本的な設計がソ連の事故原発とは違っております。それと同時に、日本の原発につきましてはまず諸般の防護措置が設計上とられているわけでございますが、これらの設計基準につきましては、原子力安全委員会の定めたところの安全審査指針によりまして通産省において厳重な安全審査を行う。さらにそれを原子力安全委員会においてダブルチェックをする。さらに、その審査を受けた上での基本設計につきまして以降は、通商産業省におきまして一貫して設計及び工事方法の認可、あるいは定期的検査等を行っておりますので、日本の原発については現段階では十分安全なものというふうに確信しているところでございます。
#38
○対馬孝且君 今、日本の原子力については確信をしているというが、そういう確信を持って言明していいのですか。これはソビエト型であろうと日本型であろうと、ソビエトの場合は黒鉛チャンネル型原子炉の今回の事故であったと報道されています。しかし情報によれば、ソビエトだって非常用の炉心冷却装置はやっぱりちゃんと装置してある、しかも化学爆発だというわけでしょう、結果は別にして、IAEA調査団も今入っているわけですけれども。そう考えれば、何ぼ日本だって、これは非常用の炉心冷却装置がもちろん完備をされて二重、三重だとか、いや軽水炉型と相違があるとかいろいろなことがあったにしても、私はそうは思いません。化学的爆発が起きた場合に、二重であろうと三重であろうと全部これはぶっ飛んじゃうのだから、それこそ見えを切ったことは、日本は安全でありますなんて言い切れないのじゃないですか。これはなぜかというと、人間がつくったものである限りは絶対というものはないのだ。去年はジャンボジェット機が、神がかり的にあれば落ちないと言った飛行機が落ちた。スペースシャトルの最大事故が起きた。今回はソビエトの事故だ。
 かつて稲葉法務大臣が、人間の人生の中に絶対という言葉は使うものではないということを言ったことが私の記憶にあります。確信を持ってお答えをいたしますと今あったけれども、大臣、どうなんですか、そんな見えを切って、日本の原子炉は絶対確信がありますなんていうものではないと思います。少なくとも人間がつくったものには絶対というものはない。それを証拠に去年のジェット機の墜落、スペースシャトルの問題、科学的だと言ったソビエトの今回の事故、こういう問題を勘案すれば、私はあえてそうではなくて、この機に反省を含めて凍結をして、この際全部点検を、一斉活動をやるという基本姿勢に立つべきではないかということを、むしろ大臣に私はお伺いしたいと思います。
#39
○国務大臣(河野洋平君) 先生御指摘のように、人間のなすわざでございますから絶対ということはないと言われれば、確かにそうだと思います。しかし、私どもは原子力の開発利用、しかもそれは平和目的であり、安全を第一に考えるという役割を担っております私どもといたしましては、限りなく絶対に近い安全を期さなければならぬというふうに思うわけでございまして、そのために多重防護、二重、三重の安全装置を考えていくという設計が求められているところでございます。しかしながら、機械でございますから、たとえ極めて高い安全度の設計がなされたとしても、それを操作する人間に人為的な操作ミスがあるとか、あるいは心の緩みがあるということになれば、それはやはり事故のもとになるわけでございまして、機械の設計あるいはそれを操作する、あるいは管理する人間の集中力といいますか、あるいはマニュアルどおりきちっと操作をするという作業とが両々相またなければいけないし、また逆に、言いかえて言いますと、機械がもし何かあったときには人間が見つける、人間にもし何か緩みがあれば、それは機械がウォーニングランプをつけるということでございますから、そうしたことをよく考えていかなければならぬと思います。
 ちょっと長くなって恐縮でございますが、先生御指摘でございましたアメリカのスリーマイル島の事故のときには、一部日本の原発もとめてチェックをしたことが事実ございます。この点について安全委員会、当時の方々の話を私も聞いてみましたが、その当時の事情は、これはもう先生御存じだと思いますけれども、アメリカのスリーマイルアイランド事故のときには、事故の原因がほぼ究明されて、こういうところに原因があったということがわかったものですから、それを教訓
として同型のものをチェックをしたということでございまして、今回の場合には現在の時点ではその原因が何であるかということもまだ十分わかっていないということでございます。やがて全貌が明らかになって、もしそれが日本の原発にとって極めて教訓として使えるものがあるとすれば、それは十分教訓として使っていかなきゃならぬというふうにも思うわけでございます。
 現状では、形が違うからいいなんということを私は安易に言っているわけではございませんが、御心配の方がありますから、形が、まず設計が違いますということを申し上げておりますが、もしあの事故の全貌がわかり、教訓として我々が使うべきものがあるとすれば、それは使っていく必要がある。しかし、今はまたそうした教訓も得られていないし、そうした状況ではない。また、炉型、タイプその他が違うので、そういうとめてチェックをするという状況ではなかろうというのが専門家の判断であり、私も今そう判断をいたしておるところでございます。
#40
○対馬孝且君 今、大臣のお答えを聞きまして、それでは原因が明確になった段階で、これが十分に教訓として生かすべきものであるとするならば、日本としても一斉点検をやる用意があるというふうに理解してよろしゅうございますか。
#41
○国務大臣(河野洋平君) 先生御指摘のとおり、私どもといたしましてもこの事故の原因といいますか、そういうものがはっきりわかって、それを日本の原発に教訓として生かす必要があるという判断をいたしますれば私どもはそうしたいと考えておるわけでございます。
#42
○対馬孝且君 今まで衆議院段階でもいろいろあったそうでありますが、初めて大臣からきょうそういうあれが出ました。ただその原因が教訓として生かすべきであるかないかというここらあたりの問題ですけれども、その原因が明確になった段階で少なくとも一斉点検はするという心構えに立ってもらいたい、こういうように思うのですが、この点どうですか。
#43
○国務大臣(河野洋平君) 先生の御指摘でございますが、先ほどから申し上げておりますように少しタイプが違う、あるいは格納すべきものが、これも情報が依然として全貌がわからないものですから想定で申し上げて大変恐縮でございますが、もしそういうものが例えばあったにもかかわらずだめだったとか、そういう日本の現在稼動中の原発に当てはめてみて、やはりそうであるかということがあれば点検をすべきである。しかし、これは全く別のものだということであれば、私どもも現状の十分入念な定期点検を行うとか、安全を維持するためにはかなりの自信を持ってやらしていただいているものですから、タイプが違う、原因もああそういうことかということでございましたら、私はすべてとめて点検というふうには考えておりません。
#44
○対馬孝且君 はっきり申し上げておきますけれども、私は原因のいかんを問わず、これだけの事故があって、なおIAEA調査団で原因が明確になった時点では、日本としても原子力は一斉に凍結をして点検をすべきであると強く申し上げておきます。これだけはひとつ検討してもらいたい、これだけ申し上げておきます。
 今まで大臣は、そういう原因の明確化、あるいはその実態がイコール、同一であるかどうかは別にして、その段階になればということでありますが、そのいかんを問わず私はやっぱり一斉凍結点検をやるべきである、このことだけはきちっと申し上げておきます。よろしゅうございますか、今のこときちっと申し上げておきます。
 時間もありませんから、次の北海道幌延問題で緊急に一、二問お伺いしておきます。
 大臣、私は一昨年から三回にわたって竹内科学技術庁長官とやってまいりました。基本的に申し上げますと、あくまでも幌延問題については住民の合意、それから関係市町村のコンセンサスを得ていない限り調査といえども見切り発車はしない、こういう確認を私はこの場所でも行いましたし、それから現地に行っても確認しておりますし、それからきょう植松参考人もおりますが、何度も私もお会いしてやっております。この考え方に変わりがないかどうか、簡潔でよろしゅうございますから、基本方針について大臣にお伺いしておきたいと思います。
#45
○国務大臣(河野洋平君) 基本的な考え方は前長官から引き継いでおりまして、前長官の考え方を踏襲したいというふうに考えております。
#46
○対馬孝且君 わかりました。
 それでは、私は一つお伺いしますが、動燃事業団がことしの四月に貯蔵工学センター計画のPR用のビデオフィルムを作成したことは間違いありませんか。あるかないかだけでいいです。
#47
○参考人(植松邦彦君) そういうビデオをつくったことはございます。
#48
○対馬孝且君 そこで質問いたしますが、四月十九日付北海道新聞によれば、その内容は、立地地区名は特定していません。しかし明らかに、私も何度も現地に行っていますから、幌延町の開進地区であるということがわかる地形に建造されることになっています。その模型はここにございます。後であなたらに差し上げますが、恐らくこれでしょう、間違いありませんね。この地形を見ますと余りにも明瞭なんですよ、植松参考人。どうしてこういうことを率直に公開するなら公開してやらないか。どうも動燃のやり方というのは、私は一昨年来気に食わないのは、秘密主義的に強硬に、手段を選ばずなりふり構わずという、住民の合意、コンセンサスと言葉では言うが、やることは全く住民はどうなっても、とにかくあらゆる手段を強行してもなんという態度だ。私は、はっきりこれは長官に申し上げておきます。
 そこで、これを見ると、これは植松参考人にも私は何回も質問しているし、それから前の竹内長官も言っています。原子力局長ともやっていますけれども、これは幌延については処分地ではないと言っていますね。これは間違いありませんね。白紙であるということは間違いないね。
#49
○参考人(植松邦彦君) 何度も御答弁申し上げておりますが、現在我々が考えております貯蔵工学センター計画の中には処分という考え方は入っておりません。
#50
○対馬孝且君 そうであれば、どうして模型がこういうふうに出るんですか。この模型によりますと、国鉄の安牛駅と見られる駅も入っているし、用地面積がここに出てくるのはぴったり四百ヘクタール。高レベル廃棄物の貯蔵施設は丘陵地中腹の地下に建設され、ガラス固化体の地層処分を行うための実験場は用地東北部の丘陵の最も奥深い箇所に設けられていること。これはナンバーを振っていますから。さらに一番毒素の危険なTRU廃棄物貯蔵庫、研究棟などの施設、それから施設の配置、こういうものが青写真に具体的に織り込まれたPRのビデオがつくられています。動燃にここはどこだと聞いたら、これは幌延ではございませんと。これはどういうことなんですか。この地形、そっちへやりますけれども、私は何回も行っているけれども、これは幌延の開進地区でしょう。四百ヘクタールということがぴったりしているし、しかも位置からいって、駅の場所からいって全部そうじゃないですか。何でこれを幌延ではありませんということを言うのですか。聞いたら、幌延ではありませんと言っている。
 だから問題は、私の言いたいのは、幌延という問題が堂々と胸を張ってあなた方が答弁して、やるんならやるようにやりゃいいのだけれども、何かこそこそ隠れてやって、そしてやり方について全く民主主義、公開の原則ではないのだ。原子力基本法に基づく安全、公開の原則に何のあれもないのだ。こういう問題は一体どういうことなんですか。これはまず調査をした上に立って立地が適地であるかないかはその段階で結論を出しますと、あなたが私に言っているんですよ。去年四月三日に私にお答えしている。大臣も言っています。これはどういうことなんですか。調査の適否もまだ出ないうちに堂々ともはやここに出てくる。一番恐ろしいTRUの廃棄物貯蔵庫。1、国鉄安牛駅、2、TRU廃棄物貯蔵庫、3、高レベル固化体
貯蔵庫、4、深地層試験場、5、各種施設、ちゃんとこれは模型になっている。こういうことをやるから、答弁とやっていることが違うから住民は不安を持って、住民がこれを聞いてくれと言ってきたんだ。現地に来て言っていることは、調査をした上に立って適地であるかないかを判断いたします。酪農農民ですよ、私に言ってきているのは。これははっきり国会で聞いてもらいたいと。どうなんですか、これは。
#51
○参考人(植松邦彦君) お答え申し上げます。
 先生よく御存じのように、動燃といたしましては貯蔵工学センターを幌延に立地するということを決定したわけではございませんで、現段階では立地の適否についての調査をさせていただきたいということをお願いをしておるわけでございます。
 しかし、御指摘の広報用のビデオにつきましては、放射性廃棄物の処理処分技術及び貯蔵工学センター計画についての御理解を深めていただくためにつくったものでございまして、決して幌延に決めたからといってつくっておるものではございません。この映画に出てまいります貯蔵工学センターの施設の配置のイメージモデルというのは、あくまでもこの本センター計画について地元に御理解をいただくため必要なものと我々が考えたものでございまして、特にこれでもって貯蔵工学センターが幌延に立地されることに決まったというふうに我々は決して考えているわけではございません。よく御理解をいただくためにつくったものでございまして、我々としては一つのイメージモデルというふうに考えておりますので、そのようにお酌み取りいただきたいというふうに考えております。
#52
○対馬孝且君 それは詭弁という答弁だよ、私に言わせりゃ。大臣、それを見てわかるでしょう。まだこれが調査をするかしないかと、これが問題になっておるわけでしょう。調査をするかしないかということはどういうことかというと、具体的に言うと、知事は誘致をすべきじゃないという態度を堅持している、議会は誘致を決めた、地元は賛成、近隣市町村は反対。客観的に見ましたら、大臣、あなたも民主的な進歩的な人ですから申し上げるんだけれども、客観的な情勢を言うならこういう状態なんです。何も私は、私の利を得て、自分のために我が田に水を引くために言っているんじゃない。
 正確に言うと、今の北海道のこの幌延問題の現地の状態はどうかというと、知事は反対、議会は賛成、それから地元は賛成、近隣市町村反対、客観的にそういう事実なんです。要は、コンセンサスを得て住民の協力と理解を得るということが基本精神であるということを、何回もこれは前の竹内長官は、見切り発車いたしません、対馬さんと、そこまで私に言い切っているんです。ところが、今もうどんどんやったでしょう。それを見たら大変なことじゃないですか。既にTRUから深層の試験場から全部ちゃんと組まれているんじゃないですか、地形まで。それをビデオで持っていったら、それを見てどういう判断をしますか。今、新聞を見ただけでみんなびっくりしているんだ。新聞を見ただけで牛乳は買わなくなるというのだ。今でさえもう幌延の牛乳は飲むなという合い言葉でしょう。牛乳はだんだん下がっていっているんですよ。それが酪農民の訴えでしょう。植松参考人、何回も会っておるでしょう。そういう状況の上にこういうビデオを、もはや完成したような、まさに幌延に決まったような、それを見て驚かない人はだれもいないよ。
 これはモデルでございますなんて今得々と植松参考人は言っていますけれども、もしビデオを見たらむしろ現地の人はこれもう本当にいきり立つでしょうね。だから私はあえて工藤先生もいるから申し上げるんだけれども、やるなら正々堂々と公開の原則に立って民主、公開、公正の原則ではっきりすればいいし、どうもやっていることがそこに書いてあるのに場所は言えないということでしょう。まさに、どこかで非民主的に、しかも何回も言うようだけれども、今十年間、モックアップ試験が六年かかって、信頼性向上試験が四年かかる。私の質問に対しても去年、十年かかりますと答弁しているでしょう。十年かかるものが何でそういうことをそう急がなきゃならぬか。そこにやっぱり問題があるということなんだ。安全性は問題ないとあなたはさっき言ったばかりでしょう。人間がやることに安全性が本当にあるか。こういうことを考えた場合に、こういう問題自体にやればいい、急げばいいと、住民をなりふり構わない手段でやるんだというこういう態度がこういうところから出てくるんだよ。私は、これはひとつ慎重にこういうものの扱いを所管大臣として扱ってもらいたい。こういう問題については慎重を期すべきである。
 まず今やるべきことは、大臣も何回も衆議院でも言っていますし、今も私、基本方針を確認したけれども、要は全体の住民の理解と協力を得ることに当面専念することです。そのことが了解を得られるという段階で初めてそういうものをきちっと出していくというのならまだわかる。まだ調査をやるかやらないかということ自体に問題がある、現地は反対、我々も白紙に返せと、こう言っているんですから。だから、そういう点について大臣ひとつ、こういう問題のそういうやり方自体について私は許すことができません。何回も私に、あくまでも住民の理解が得られない限りそういう、手段はとりません、事前調査といえどもやりませんと言ったのは時の吉田理事長ですよ。そういう態度についてそういう問題が出てくるということは断じて私は許すことができません。はっきりした今後の態度を決めてください。どういう態度をとるつもりか。――いや、大臣に聞いているんだ、これは。
#53
○国務大臣(河野洋平君) 調査は一体何のためにするかということが一つあると思います。それからまた、地元の皆さんの理解を得る、先生も今、理解と協力がなくちゃできないぞ、やれないぞと、こうおっしゃっておられるわけですが、理解を得るためにじゃ何をするかということが非常に問題であろうと思います。理解を得るためには信頼関係も大事だと思いますし、一体何をやるのか、どんなものをやるのか、あるいはどういう状況ならやれるのか、やれないのかということを地元の方に正しく御説明を申し上げ、正しい御理解をいただく努力というものは、これはやっていかなければならないのではないかと私は思います。
 動燃のやり方について、先生からいろいろ御注意もございましたけれども、私は、動燃は動燃なりに正しい理解を求める努力というものをやはりやっていかなきゃいかぬというふうに思うわけでございます。ビデオフィルムが最近では非常に普及をして、活字で見るよりは目で見る、ビジュアルに訴えるということが理解を求める方法としていいという判断もあるいはあったかもしれませんし、そういうことを一つずつやっていくということはやはり必要なことではないかというふうに思うわけです。
 やり方等についていろいろ御注意も先生方からいただきながら進めていかなければならぬと思いますけれども、漫然と手をこまねいて、いつかはわかっていただけるのではないかというような態度は動燃はとってはいかぬ。やはり正しい理解をしていただく。これはうそをついたり、間違った情報を流すということであってはならぬと思いますけれども、正しい情報を皆さんに提供して理解をしていただく努力をするのは、これは動燃として当然の作業だというふうに私は思っておる次第でございます。
#54
○対馬孝且君 正しい理解を得るという、大臣そこですよ。正しい理解、正しいコンセンサスを得るなら、どうして今なぜ幌延と言えないのか。その見出しはどうですか。なぜ幌延と言えないのか。
 私はここで具体的に申し上げます。これは座談会をやっているんだ、「エネルギーフォーラム」一九八六年四月号で、これに植松理事も出て座談会をやっている。私は、今なぜ幌延かというのを読ましてもらった。これにはっきり植松理事だって言っているじゃないですか。読みますか、これは
短いことだから。「いろいろ幌延周辺のことも調べました。それが全く不適当な場所なら、初めからお受けすることはないんですね。我々は広い土地がほしいということ、誘致をいただいたこと、調べてみると、適切な場所と考えられるということで幌延になったわけです。」、はっきりこれはあなたの言質が、堤さんの質問に答えているんじゃないですか。
 そういうときに、大臣、そういうことをはっきり言うのだったら、なぜマスコミにそういうことを、今場所は言えないと、四百ヘクタール、駅もはっきりしている、場所がはっきりしている。そういうこと自体に、私は何回も言うようにここで、フォーラムではっきり言っているんだ。それでマスコミに会ったときには、いや今場所は言えないと。私はこういう動燃のやり方にやっぱり不信があると言うのだ。不信感が募るし、そういうやり方自体公開、民主の原則に従ってやっていない。そこが大臣、問題なんだよ。事前にPRすればいいといったって、そんなものを出したら道民はびっくりしますよ、あなた、そんなことを言ったって。正しい理解なんというものじゃないです。正しい理解ならどうして場所を言わないのだ。しかもあなたが言っているでしょう、これは間違いか、この記事が。私は間違いじゃないと思います。まずこれが間違いかどうか、否定するなら否定してください。
#55
○参考人(植松邦彦君) 先ほど映画の点でイメージモデルと申し上げましたように、我々としましては幌延に立地ということを決めたわけではございませんので、ただイメージモデルの原型といたしまして開進地区の地形を使わしていただいたことは事実でございます。その開進地区の地形に対して、もし貯蔵工学センターを立地することになったとすれば、どういうものがどういうところに置かれる可能性があるかということをよく御理解いただきたいと思いまして、地形図を使わしていただいております。
 それから、先ほどの「エネルギーフォーラム」についてでございますが、そこに書いてございますように、何度も国会でも御答弁申し上げておりますが、我々も文献資料などを調査させていただきました。また、幌延町からもデータをいろいろいただきました。その範囲内で考えて、特に支障があるというふうには今は考えられませんので、さらに調査を進めさせていただきたいというふうにお願いをしておるわけでございます。
#56
○対馬孝且君 大臣、わかるでしょう、今のやりとりを聞いて。こういうふうに出ているんだよ。ただ、それならそのように堂々と言えばいいのだ。開進地区を使わしていただきましたと言ったじゃないですか、今植松参考人が。開進地区というのは日本でどこにあるんだ。幌延町開進地区というのはありますよ、一カ所。ただ、それならそのようにきちっと、場所はいいのとか、そしてTRUの貯蔵庫とか深地層の場所だとか御丁寧にナンバーを打って、それこそ危ないものだ、こんな危ないものだと宣伝しているようなものだ。これを見なさい。だから私はそういうやり方自体に問題があると。そこに大臣、これからの問題ですから、ひとつ慎重の上にも慎重に扱ってもらいたいと、この点大臣にちょっとお伺いします。
#57
○国務大臣(河野洋平君) いろいろな御意見の方がいらっしゃるわけでございますから、慎重にやらねばならぬというふうに思っております。こういう理解をいただくための作業は、また一方で誤解があったり、こういうものはひとり歩きすることも時としてあるわけでございますから、誤解をされないように慎重にやらなければならぬというふうにも思います。どうぞひとつ先生方からも御注意をいただきまして、十分慎重に、しかし一歩ずつ前進したいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
#58
○対馬孝且君 前進したいというのはお断りいたします。だから、はっきり言ったけれども、きょう私が確認したのは、慎重の上にも慎重に行いますということでいいのであります。前進いたしますということは、これはお断りいたしますから。
 それから、さっきのこと、開進地区を使ったということは間違いありませんね。これだけは確認しておきますよ。
#59
○参考人(植松邦彦君) そのイメージモデルの背景に地形図として、原型になります開進地区の地形図を使わせていただいておるということについては間違いございません。
#60
○対馬孝且君 わかりました。だから、そういうやり方をするのであれば、公開の原則に従って、きちっと誤解を招くことのないように堂々とやればいいのであって、あたかもどこかほかの諸外国にある地形を持ってきたような印象を与えようとしても、そんなものはみんなわかっているんだ。四百ヘクタール、どこに駅がある、どこに場所が、役場がどこにある、みんな知っているんだ、こんなものは。そういうやり方はやめてもらいたい。そういう意味で私は言っているので、前進はお断りしますけれども、慎重の上に慎重を期してもらいたい。
 そこで、時間も参りましたから、なぜこれを言うかといいますと、最近の大事なことを私は言わなきゃならぬと思うのです。イギリスのセラフィールドの原子力施設の事故が私が知っている限りこれは四回ございました。一月二十三日、二月五日、二月十八日、三月一日。いずれもこの事故によって小児白血病の異常増加が発生しているんです。また、がん的症状まで発展している。これは大変な事実です。これを重要視いたしまして、イギリスの下院でもってこれに対して経済性の問題も含めて勧告を出しています。これは御承知のとおりだと思います。
 そこで申し上げたいのでありますが、工事中の新施設の計画打ち切り勧告をしたという事実もある。これも明らかでございます。これは私はある学者の名前を言ってもいいです。学者からの全部調査を受けております。単に経済性の問題じゃないですよ、大臣、私もここで申し上げたいのは。しかも白血病、がん的症状へこれも発展して犠牲者が出てきたと、ここに重大なポイントがあるということ。だから幌延のことを私は言うのです。こういう問題だけに、イギリスの下院の環境問題委員会の勧告でさえ、重要視をしてこの勧告を出した。こういう段階のときに、今このイギリスの教訓を十分に踏まえて、幌延問題にどういうふうに対応すべきなのかということをもう一度見直すべきじゃないか。
 本当は一つ一つ私は詳しいことを申し上げたいのだが、時間がないからこれは省略しますけれども、こういうことをはっきり受けとめた場合に、幌延のこれからの誘致という問題は、手を挙げたから行くというのであってはならない。やっぱりこのことについては、さっき言ったように慎重の上にも慎重を期すべきだということは、このことで私は言っているのです。イギリスのセラフィールドの事故の教訓からしても、こういう方々が犠牲になっている。そのことを踏まえた場合に、この際凍結をすべき段階に来ているんではないかと、あえてそのことを踏まえて大臣に申し上げたい。
#61
○国務大臣(河野洋平君) 幌延の皆さんに誤解があるといけませんので、はっきりさせておかなきゃならぬと思いますが、セラフィールドにおきます問題は再処理工場の問題でございます。幌延に今お願いができないかということで調査をさせていただきたいとお願いをしておりますものは貯蔵工学センターでございまして、再処理工場とは全く違うものであるということを、誤解があるといけませんので、まず最初に申し上げておきます。
 セラフィールドについて勧告が出たという先生の御指摘は私も聞いております。その詳細をもしここで申し上げる必要があれば、局長から若干御説明を……
#62
○対馬孝且君 持っている。
#63
○国務大臣(河野洋平君) よろしゅうございますか。そういう勧告が出たということも聞いておりますが、その勧告は、工事の中止ではなくて、いろいろな角度からよく研究しろと、そしてさらに雇用の問題でございますとかその他の問題が、一定
の条件が整えばこうしたらどうだという勧告だというふうに私は承知をいたしておる次第でございます。ただ、先生が御指摘の、人間の健康に影響を与えるというような点を指摘をしていることも事実でございますから、そうした点については十分に配慮をして慎重にやらねばならぬということは心しているつもりでございます。
#64
○対馬孝且君 勧告は私も知っています、ここに持っていますから。だから、私がここで訴えたいのは、イギリスのセラフィールドの事故によって犠牲者が出ているという受けとめ方をしてもらわないと困るというのだ。白血病その他が、現実に小児の方の白血病の異常増加が告発されているんです。そういう問題があるから私は言っているんだ。
 だから私が申し上げたいのは、幌延の問題でも同じだけれども、科学技術庁なんだから、科学技術庁は科学でしょう。科学を究明し、科学の安全性を確保する、また確かめ、人心に不安を与えてはならないという科学技術庁の任務があると思う。ところが、最近の科学技術庁は科学技術庁の看板をおろした方がいいのじゃないか。政治調整工作庁になっているんじゃないか。どうも政治的配慮でもって、とにかく意見がどちらかというと公正さを欠いている。私は率直に言わしてもらいますよ。だからさっきみたいな秘密主義的なことが起こるんだよ。私の言いたいのは、幌延だって簡単なんだ。全国どこでも手を挙げなかったけれども、幌延の成松町長が挙げたから、たまたま幌延に行きますと、これだけのことでしょう。科学的根拠があって幌延に行くというならまだわかる、百歩譲って。ところがそうでないのだ。現地が手を挙げて、来てくれと言うから行くんだと、多数の皆様は別にして。だから私は政治工作庁だと言うのだよ。看板をおろした方がいいのじゃないか。政治工作することはうまいようだけれどもね。
 そういうことは別にして、イギリスのセラフイールドの原発事故というものを一つの教訓にして、これからも幌延問題の扱いについて、先ほど申し上げましたように、あなたは慎重を期して前進と言ったけれども、前進はお断りいたします。慎重の上にも慎重を期してもらいたい。特に冒頭私がお伺いしたのは、あくまでも住民の合意と理解と協力を得ない限りこの問題は行わない、この精神は竹内長官時代と変わりない、こういうことでその方針を確認いたしましたから、そういう意味でこれからぜひこの幌延問題の取り扱いについて慎重の上にも慎重を期してもらいたい、このことを最後に一言申し上げて、大臣の答弁を聞いて終わります。
#65
○国務大臣(河野洋平君) かねてより先生から幌延問題につきましてはいろいろと御意見をちょうだいいたしているということも前長官から引き継いでおります。先ほど申しましたように、前長官の考え方を基本的なベースとして私はやっていきたい、こう考えておるところでございます。先生からのお話もございましたから、慎重の上にも慎重を期して前進をしたいと思っているわけでございます。
#66
○熊谷太三郎君 去る四月二十六日に発生したと伝えられますソ連のチェルノブイリ原発の事故に関しまして、科学技術庁に一、二お伺いを申し上げます。
 今承っておりますと、前に質問された対馬委員の御質問の内容とやや重複しておりますので、簡単で結構でございますからお答えいただければ幸いです。
 第一は、今回のソ連の事故とそれから昭和五十四年に起きましたスリーマイルアイランド原発の事故に関しまして、双方の間の被害の差というものについて承りたい。
 具体的に言いますと、一つは犠牲者の数といいますか、ほとんどスリーマイルのときにはなかったように思っておりますが、今回は多少発生しました。それはまだ収束にまで至っておりませんし、何分情報が大変不確実でありますから、はっきりしたことはおわかりにならぬかもしらぬと思いますが、大体の御推測だけでよろしいですが、犠牲者の数ないし内容と、それからもう一つは被曝の範囲、それから放射能の強度といいますか、その二点につきまして一応簡単にお伺いしたいと思います。
#67
○政府委員(辻栄一君) スリーマイルアイランドの事故の場合の放射性物質の放出でございますが、これはスリーマイルの場合にも一応放射性物質が放出されはいたしましたものの、発電所から八十キロメートル以内に居住する約二百万人の住民が受けました放射線量は、一人当たりの平均で約一ミリレム程度、最大の人でも百ミリレム以下と評価されまして、住民にはほとんど影響はなかったのでございます。また、スリーマイルアイランドの事故のときには住民が避難したということがございましたが、これは結果的に見ますと、事故の状況の誤認、見落としということで不必要な退避が行われたということが後になってわかっております。それから、死者の点につきましては、周辺住民における犠牲者は一名も出ておりません。
 これに対しまして今回の事故の場合、事故の原因、影響等はいまだ明らかでございません。しかしながら、漏えいした放射能による汚染がソ連のみならずほとんどのヨーロッパ諸国で認められております。我が国におきましても、五月三日以降、各地でこの事故に起因すると思われる放射能の汚染が検出されておりまして、汚染規模がソ連の国境を越えて極めて広範囲に及んでいるわけでございます。死者も既に二名が出ております。それから被曝者二百四名、うち十八名が重態であると報じられておりまして、残余の方が入院しておる。さらに、約五万人の周辺住民が避難して、いつ帰宅できるかわからないというふうに報道されているところから見ましても、今回の事故は極めて深刻なものであるというふうに思われます。
#68
○熊谷太三郎君 よくわかりました。
 その次は、これもさっき対馬先生の御質問にありましたが、その原子炉の安全に関する構造が、日本の一般に用いられております原発とチェルノブイリの構造とは、例えば格納容器がほとんどないとか、あるいは日本の場合多くは、ほとんどは冷却材もそれから減速材も水が用いられておりますが、ソ連の場合は炭素に水が用いられるといったような、そういういろいろ安全上の相違がある。いずれが安全か安全でないかは別問題としまして、日本とは安全上の構造に関する非常な差異があるように思われているようでございますが、その点も一応明らかにしていただきたいと思います。
#69
○国務大臣(河野洋平君) 先ほどもお答えを申し上げたところでございますが、今回の事故に関しましては、依然としてソ連当局から提供される情報が限られている。したがいまして、現時点で事故を起こした原子炉の詳細な構造とか原因について明確に申し上げられないのは極めて残念でございます。
 ただ、かねてから例えば旅行者で見学をしてきたとおっしゃる方が持ち帰られたパンフレット等を見、あるいは文献等で私どもの専門家が承知をいたしております資料によりますと、事故を起こした原子炉は、ソ連が独自に開発した黒鉛を減速材とし、軽水を冷却材として用いるタイプのものであって、これは我が国に設置されているものとは全く異なるものであろうというかなり信憑性の高い推測はできているわけでございます。
 こうした依然として提供される情報が少ない中での検討でございますが、日本の現在使われております原発のタイプは現在ソ連が使っているタイプのものとは違うということで、その安全度の差はかなり差があるのではないかというふうに考えている次第でございます。詳細は安全局長から御答弁させていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#70
○熊谷太三郎君 それでは第三番目でございますが、今回の事故による放射能が日本にも飛来しまして、例えば千葉県等では一リットル当たり沃素131が一万三千ピコキュリー程度測定されたというような話も出ておりますが、この線量は許容量に
比べますと大体どのような程度になりますか。一応承ってはおりますが、御当局の口からはっきりしたお答えをいただきたいと思います。
#71
○政府委員(辻栄一君) 先生御指摘のように、千葉県ではいっとき雨水の中に一リットル当たり最高で一万三千ピコキュリーという沃素131が検出されたわけでございますが、現在の段階では約九千以下にこれが下がっております。この一万三千というレベルはどう見たらいいかということでございますが、実際は現実にはありませんが、毎日二・二リットル、これは日本人の平均の年間の水の摂取量でございますが、これをこの一万三千ピコキュリー含まれている雨水を二月ぶっ続けで飲み続けるといいますと、それの結果がようやくこの許容線量、これはICRP、国際放射線防護委員会というところで定めた一般公衆に対する許容線量でございますが、それにようやく達するという程度のものでございます。もちろん直ちに健康上重大な問題となるものではないわけでございます。しかし今のは雨水でございまして、雨水をあんぐり口をあけて飲んでいる人はいないわけでございます。同じ千葉で水源地の水をとってまいりました。このデータは、その一万三千と相前後した少し時間がたってちょうど雨水が水源地にもまじり込んだというようなところでございますが、そのときにはかりましたデータで今出ておりますのが二十一・四ピコキュリーでございます。ですから、実際に水道水にこれがまじり込むにはまた途中でろ過をされますのでこれより減るわけですが、仮にこの水源地の二十一・四ピコキュリーをこれまた一年間毎日二・二リットルずつ摂取するということになると、許容線量まで達するには実に九十年間かかるという程度のものでございます。こういった数字はそのように御理解いただきたいわけでございまして、牛乳とか野菜とかにも検出された数字がございますけれども、大体今私が申し述べたような勘定でやりますとその評価ができるわけでございます。
 こういったようなことでございますから、現段階におきましてはこれらの摂取については健康上は全く問題ないという現状であろうかと考えております。
#72
○熊谷太三郎君 大変簡単でございましたが、今承りました程度で大体ソ連のチェルノブイリ原発の事故の内容が推察されるわけであります。したがって、これを日本の原発の状態に当てはめて考えますと、いろいろなまだ問題があるかと思うわけであります。また、この現実に、放射能の被曝という問題に関しましても、直ちにそう慌てふためくということなしに慎重に対処していただくということが望ましいと考えられます。そこで、これはもう言うまでもありませんが、やはりこういう事故も同じ原発に起きた事故として、何らかの形で日本の原発の場合に当てはめまして十分今後ともこれを参考にして安全上の配慮をしていただかねばならぬことは言うまでもありません。
 ただしかし、私どもの今日までの知り得ておりますことから考えますと、日本の原発の場合、安全法規なりあるいは安全の規制を忠実に守って、そして正常な運営ないし運転が続けられます限りは、絶対ということはあり得ません。絶対などと言えばもうこの世の中で絶対なんていうものは一つもないので、絶対に安全を期するということであれば何もしないでいるより仕方がないということでございまして、原発の場合も同様に、そのようなことは別問題としまして、一応常識的に心配がないと私は考えて、自信を持って当局はいろいろな問題の処理に当たっていただきたいと思うわけです。
 ただ、この際ちょっと申し上げておきたいことは、この前のスリーマイルアイランドの原発事故の際に、科学技術庁の関係しております。ある雑誌に、非常にこれをオーバーに書き立てまして、いかにも大事件であって、何か史上最大の事故というふうな表現など使いまして、そして原発に対して注意しようというよりはむしろ原発に対する恐怖心をそそるような、また反対の気勢をあおるような、それに近い記事があったことを今でも覚えておるわけでございますが、どうかひとつ、大臣がいらっしゃいませんが、大臣にもお伝えいただいて、そしてそういう事件がありましても冷静に対処していただくように考えていただきたい、このように思いますが、大臣にかわって局長から御所見を承りたいと思います。
#73
○政府委員(辻栄一君) 我が国の原発の安全性につきましては、先ほど私どもの長官からもるる申し上げましたように、また先生ただいま御指摘のように、安全性について万全の注意が払われて推進されているものでございますので、ソ連の事故が起こったからといって急に慌てふためいてやるという筋合いのものでは私どもなかろうと思っております。しかしながら、ソ連の原発事故を一つの警鐘として受けとめまして、一層心を引き締めて安全規制に力を尽くしてまいりたい、このように考えているところでございます。
#74
○熊谷太三郎君 もうそれで結構でございますから、重ねてひとつ自信を持って原子力行政の推進に当たっていただきたいと考えます。
 それから、通産大臣がいらっしゃいますので、大臣でなくても結構でございますが、簡単にこれも一言だけでいいですが、最近石油の需要が減ったといいますか、供給がふえたといいますか、豊富になりますと同時に、例の円高・ドル安という関係で非常に石油の単価も下がりまして、したがって、石油火力による発電コストと原発の発電コストというものが接近してきた、細かいことはわかりませんが。そういう関係もありますが、ただ私は、石油は安くなったといいましても今後またどうなるか、十分不安定な要素もありますし、それから有限という問題ではやはりウランなどと比べますと非常に厳しい状態であります。もう一つは、言うまでもありませんが、石油は工業製品にも使われる貴重な材料でもありますから、やはりエネルギー、特に発電の本命としては今後とも原子力発電というものを進めていかなければならぬと私は思うのです。その重要性においては少しも変わらないと思っておりますが、一応通産省のお考えを承れば幸いでございます。
#75
○国務大臣(渡辺美智雄君) もうごもっともなことでございます。したがいまして、我が国は石油価格が低落をいたしましても今までの方針として、備蓄とかそれから代替エネルギー、省エネルギー政策というものは堅持をしていく。したがいまして、原子力等におきましても計画のあるものは計画どおりにその建設は進めてまいりますということを申し上げ、サミットにおいてもその旨を申し上げておる次第であります。
#76
○工藤万砂美君 前の諸委員から原発問題でいろいろ熱心な御質疑やら御討議があったわけでございますけれども、私どもつらつら考えまするに、この二十世紀の最大の人間社会に危惧を与えたものはやっぱり原子力問題だと思うわけであります。それと同時に、原子力の平和利用という問題について最大の福音をもたらしたのもこれは原子力行政だと思うのです。しかも、我が日本の国というのは世界でただ一つの被爆国でありますから、原子力やあるいはまた放射能という問題についてアレルギーになるのは当然のことであろうと思います。ただしかし、既にもう日本の国でも三十一基ですか、原子力発電所がある。それから出てまいる廃棄物を、これは我が国には置かれませんよ、だからほかの国へ持っていってどこかで処置してもらうなんということは国際信義上許されるべき問題ではない。だから、私どもはこの二十世紀で出てきた問題をすべて解決をして、極めて安全な状態で二十一世紀にお渡し申し上げるというのが我々の責任でもあり任務でもあると思うのです。
 でありますから、たまたまソ連の原子力発電所の事故が起きた、これは確かに日本はもちろんのこと、全世界にいろいろな面で被害を与え、また脅威をもたらしたということも事実でありますけれども、そういうことが絶対に日本の国ではないように努力もしなきゃならぬということと同時に、前段に申し上げたその現存する原子力発電所から出てくる廃棄物等については、やはり手回し
よく早目にこれを処置をする研究施設はどうしてもこれはやらざるを得ない問題だろう、避けて通れない問題でありますから。私は、先ほど河野長官がおっしゃったように慎重に、さらにまた後では慎重が二つ重なって、慎重に慎重に前進をさせたいといったようなお話がございましたけれども、これは確かにそのとおりでございまして、ただ単にPRをするということだけでは私は地域の方々が納得できないのじゃないか。十二分に地域の方々にお話を申し上げて、しかも、可能性を調査するための調査であればもう少し積極果敢に取り組んで対応すべきだ、かように思います。これはやっぱり避けて通れない問題であるなということだけは事実ですから、ぜひひとつ科学技術庁でもより一層積極的に推進をしていただきたい、こういうことだけ要望をしておきます。これは答弁は要りません。
 そこで、先般来のサミットで大変渡辺通産大臣も御苦労なさいまして、その御苦労に対しましては心から敬意を表している次第でございます。
 たまたま昨日の石炭鉱業審議会の検討小委員会の中間報告が新聞に出たということ等もありまして、私は石炭問題の基本的なことにかかわることについてのみひとつお伺いをし、また意見も述べさせていただきたいと思うわけでございます。
 まず第一番目には、五月一日の経済対策閣僚会議でいわゆる経済構造調整推進の基本方針というものを決定されましたが、この内容を見まするときに、国内経済対策というよりも、何かしらサミットに臨む方針を決定したんだなといった印象を受けてならないわけであります。総理がアメリカへ行って経構研の前川報告を披瀝いたしまして、アメリカ側の、言うなれば共感を得て帰国してからのいわゆる経済対策閣僚会議でありますから、この基本方針というものは、内容を見ますと若干違うところがあるにしても、前川報告と同様の趣旨のいわゆる基本方針であると思うわけであります。さらにまた、サミット終了後もアメリカの高官がテレビを通じておっしゃっていましたけれども、前川報告というものをかなり高く評価しているということを考えてみましても、カナダのマルルーニー首相ではございませんけれども、十分に根回しをして、そして前川報告で根回しをした後にサミットに臨んだ、こういうふうに私は理解をしているわけでございますけれども、そういう理解の仕方でよろしゅうございますか。
#77
○説明員(東郷和彦君) お答え申し上げます。
 経済構造調整研究会の報告は、御高承のとおり最近の我が国の大幅な経常収支黒字の継続を危機的な事態と認識しまして、これに対処するための中長期の構造的諸施策のあり方というものを提言したものというふうに理解しております。
 もとより、この報告は総理の私的諮問機関の報告ということではございますが、私どもとしましても、我が国を取り巻く厳しい国際経済環境と我が国の果たすべき国際的役割ということにもかんがみまして、この提言を参考といたしまして、今後中長期的に経済構造調整の推進に努めるということに政府としてしたわけでございます。したがいまして、その経緯から考えますれば、経済構造調整研究会の報告の作成、それからそれを受けましたその後の政府の方針の決定というのが、東京サミットの根回しのために行われたというのは必ずしも当たっていないという側面もあるかと思うのでございます。したがって、より中長期の日本の経済の総合的なあり方を考えるためにやったというのが主たる目的であるというふうに考えております。
 他方におきまして、御指摘のありました東京サミットとの関連につきましては、東京サミットでも、各国とも現下の世界経済の諸問題の多くが構造的性格を有するという共通の認識を踏まえまして、御高承の経済宣言の中にも非常に明確に、先進国、途上国双方が経済活動のすべての分野で効果的構造調整政策を実施していく必要性というものが強張されたわけでございます。したがって、このようなサミット諸国の共通の認識と、それから我が国の政府の中長期的な政策努力というものはまさに軌を一にした結果になったというふうに理解しております。
#78
○工藤万砂美君 前川報告がそれによって外国の共感を得たとか、それからそれによって根回しをしたんではないかとかいうことについては、いいとか悪いとかいう私は論評を申し上げているわけではないのですが、事実そういうことであったのかということを伺ったわけでございます。ということは、サミットの席上、この前川報告というものが各首脳に提示をされましたか、どうですか。
#79
○説明員(東郷和彦君) サミットの席上で、総理もしくはその出席者の閣僚から具体的にどういう提言があったということは、率直に申し上げますと私は承知しない点がございます。ただ、少なくとも私が承知しているところでは、前川報告をサミットの席上提示したという話は聞いておりません。
#80
○工藤万砂美君 もっと突っ込んでこの問題はお話ししたいのですけれども、ただ私どもは、総理がサミットの席上、外国の閣僚に提示しようが提示しまいが、我々は総理を信じていますから、総理の言うことについては全般的な信頼をしております。ただ、前川報告というものを基調にしてサミットに臨んだという事実は私は間違いないと思うのですが、そういうことになりますと、前川報告なりあるいはまた経済対策閣僚会議でやった基本方針というものは、言うなれば総理が世界に向かって公約したということになるわけですね。だから、公約したということになれば、これはどうしても実行、実施をしていかなければならぬわけでございます。これは総理が外国にうそをつくわけにまいりませんので、そういう公約をしたという理解をしていいのですね。
#81
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは公約と言えば公約。これは政治的な意味が非常に重い、それは事実です。政府・与党においてもしかしそれは認めておるところでありまして、五月一日に経済構造調整推進要綱と、いうものを決定いたしましたが、その中で、経済構造調整については、昭和六十一年四月八日、経済対策閣僚会議において経済構造調整の推進についてを決定しております。ともに、閣議においても経済構造調整推進に関する内閣総理大臣談話を決定したところであります。政府は、この方針に基づき、四月二十二日、本推進会議において決定された経済構造調整推進の基本方針にのっとって経済構造の推進要綱を決定したわけでありますから、これは政府・与党におきましても、大枠においてはそういうような方向で進むということを決めておるわけであります。
 問題は、国際常識をどう認識するかというところで議論がいっぱい出てくるわけでございます。要するに、例えばアメリカなどで保護立法がどんどん議会も通過しているし、それから今通過しかかっているものもいろいろあります。そういうのは通過してもいいのだ、それによって日本だけを名指しの特別のいじめ法案が成立して日米の貿易に重大支障が起きても構わぬのだという認識に立つのか、それは困るんだ、だからこの際は大統領に拒否権を発動してもらって何とか議会の三分の一の勢力は大統領につけておかないと日本が非常に困る事態に追い込まれるというような認識に立つのか、全くこれはそこで見解が違ってきてしまうわけでございます。
 私は、彼らの仲間と飯を食いながらとか、会議なんかでも彼らの話を聞いておると、それは物すごい激しい議論をしている。農業問題一つ取り上げても、低開発国というか、途上国をどうしたら面倒見切れるんだ、援助をどんどんやるだけでは永久に援助じゃないか、彼らに立ち上がってもらわなきゃならぬ、立ち上がってもらうためには、要するに一次産品をつくらせて買ってやる以外にないではないか、それを阻害しているのは、イギリスさんだろう、フランスさんだろう、いやそれはお前だろうと言ってお互いにやり合っているわけです。国内で農業補助金をいっぱい出して、アメリカなどは二百三十億ドルの生産に対して全体で二百億ドルの補助金を出している。こういうことをやっておるから結局低開発国が困っているん
だ、おれたちがいじめていると同じじゃないか、お互いにはっきり言えばそういう議論まであるわけです。その片りんがこの宣言に載っているわけです。ですから、もっと発展途上国を面倒見てやろう、そのためには彼らのできる仕事をできるようにしてやらなきゃ、彼らに永久に援助を続けて、社会保障までやってやることはできませんよ、そこのところを、発展途上国を構わないというのか、発展途上国も一緒に質的水準、社会的な経済水準を引き上げようというのか、そこで議論が分かれてくるわけです。
 ですから、世界の経済を活性化し、貿易をふやしていくためにはいろいろなことを皆やりましょうと、やはり日本と同じようなことを世界各国がみんな言っているわけです。したがって、日本においても、今後繁栄を持続していくためには近隣諸国とも仲よくして、それで近隣諸国の方も豊かにする援助をしていく、自分の貿易の輸出に対しては輸入もふやしていくということでないと、日本だけが片貿易で五百億ドル、八百億ドル毎年かき込みっぱなし、かき込んでしまったら、これはちょうど〇PECがかき込んだ金と同じです。こんなことが続いたら世界を貧乏にしてしまうから、日本だけ世界が寄ってたかってやっつけようということになってくる。だからそれは困るから、そういう状態をなくしていこうというための努力の目標が示されている、こういうふうに御理解いただくと少しおわかりになるんですが、よろしくお願いを申し上げます。
#82
○工藤万砂美君 外務省がなかなか御答弁しづらいことを大臣が補足答弁していただいたような格好で、申しわけなかったんですけれども。
 そこで私は、先ほどの基本方針の中でも、問題は、内需拡大推進ということは結構でありますし、またアクションプログラムの推進ということも、これはまた大事なことであります。今大臣がおっしゃったようなことで十分に理解ができるわけでございますけれども、問題は、国際的に調和のとれた産業構造への転換ということを促進する項目については、中には、余り急激に行われるといわゆる経済構造に混乱を来して、ひいては日本の社会構造をも破壊するようなおそれが出てくると思われる問題もあるわけです。特にきょう問題になっておりまする石炭の問題等については、アメリカやカナダの要望を満たすために、言うなれば国内石炭産業の崩壊を来すことになれば、地域社会の崩壊という問題につながってくるわけでありますから、基本方針の中での石炭問題については、お伺いずれは、恐らくは、それは石鉱害の答申を待ってという御答弁になろうと思いますけれども、私は、前川報告の中身と、それからきのう行われた政策部会の、需要の実態に即した生産体制ということになりますと、この需要の問題と、さらに前川報告を基調とした言うなれば答申がなされるんではないかなというように考えるわけでございます。
 さすれば、特に内需拡大を叫ばれている昨今でもあり、国内産業を、特に北海道については、北海道の重要産業である石炭産業をつぶしてしまってまで貿易摩擦解決の一助としなきゃならぬということになるのかどうか。午前中の参議院の本会議で通産大臣は非常にうまい表現をなさって、日本の経済は糖尿病患者が風邪を引いてしまったようなもんだと、だから、その風邪を治すためにいろいろな薬を与える。公共事業を発注するとか、あるいはまた投資減税をやるとか住宅減税をやるとか、そういうことでのいわゆる風邪薬をどんどん注入していただくことは結構ですけれども、逆に、石炭産業に対してはどんな薬を調合したらいいかということになるわけでございます。その辺余り急激に、答申が出た場合にそれを実施するということになりますと、本当の意味での、言うなれば社会構造の変革を来すということになりますので、その辺の薬の調合を大臣はどういうふうになさっていかれようと思っていらっしゃるのか。よろしくお願いします。
#83
○国務大臣(渡辺美智雄君) 結論を先に言いますと、それは八次答申の答申の中を見て、それから調合をするということなんですね。医者の言うことを聞かずに素人療法を先にやるということは申し上げられない。だけれども、いずれにしても、産業構造の改革ということは、日本がインフレなき繁栄を持続して、しかも貿易国家としてこれだけの豊かな暮らしを資源のない日本がやっているわけですから、やはり世界経済にマッチするやり方でなけりゃならぬ。私は、一番の問題はそこで働いている勤労者が要するに路頭に迷うようなことは困りますよと、したがって、その方法をどういうふうにしてやっていくか。やはり衰退産業から隆昌産業に雇用が異動するということはこれは必然性なんです。だから一挙にできるかどうかというところに問題があるわけです。
 経済の問題というのは、その原則に反しておると、一時的に保護することはできても永久的に保護するということは納税者との関係において難しくなってくるわけです。一般納税者が税金を納めているわけですから、その税金がむだ遣いだという声が出てまいりますとなかなかそれは難しい。お米の問題一つ取り上げても同じでありまして、米価をどんどん値上げして税金で穴埋めしてやれば、それは農家は豊かであるかもしらぬが、実際は消費者である納税者が承知しないわけです。したがって、みずからの手でやはり生産性を向上する方途を考えてもらいたいということで臨時的な助成をしている。
 水は高い方から低い方へ流れる原則があって、一時的にそれはダムでためるとしても、実際は山より高いダムはつくれるわけはないわけですから、おのずからどこかに限界というものが出てくる。したがって、石炭の問題においても似たような話が出てくるんじゃないか。だからそういう点においてできるだけ国内生産ができるような余地は残しながら、どうしてもできないというものが中にはあるかもしれませんよ。そのときにじゃ労働者の処遇をどうするか、この問題を最重点にみんな考えたらいいのじゃないか。それはそのときの立地その他いろいろ難しい問題がありますけれども、そこは行政や政治の面でできるだけ被害が少ないようにいたわってやるということが前向きの政治だと、私はそう思っておるわけであります。
#84
○工藤万砂美君 確かに大臣がおっしゃるとおりでありまするし、一次から七次までの石炭政策というものがなかったら一体日本の石炭産業はどうなっていたかということを考えますと、もうとっくになくなってしまっていると思うわけです。そういう意味では今までの石炭政策に対してのいわゆる指摘とか批判とかいうものもありますけれども、私は非常に今日までよくやってくれたなというふうに評価はいたしておるわけでございます。
 ただ、言うなれば対策についての予算措置その他については今大臣がおっしゃったように、確かに国民の税金だ、あるいはまた特定の産業の面から抽出をした石炭予算である。だから国民全体がそれで納得するかどうかということについての今お話がございましたけれども、仮に石炭産業がなくなってしまいますと、今従業員対策のことについてお話がございましたけれども、炭鉱の従業員というのは御案内のように黒手帳なんかがございまして、離職者手帳で最低三年間は生活をしていける。その間に職業訓練所へ行って特定の技術を身につけたり、あるいはまた他の企業へ入り込むというような余裕が私はあると思うのですけれども、ただそこにいるいわゆる地域住民というものは全くそういうすべがないわけでありますから、先ほどもいろいろなお話が出ておりましたように、そこで最小限生活ができるような企業を誘致するとかなんとかいうことになりましても、現行政では私は極めて難しい問題だと思うわけであります。
 特に、現在でもなおかつ産炭法のいわゆる二条指定、六条指定、十条指定を受けている市町村と申しますのは全国で大体二百十四市町村だと思いましたが、この二百十四市町村で大なり小なり石炭問題と関係している人口というものが九百十三万人いらっしゃるわけです。それから、その本社とか営業所とか支店とかいうものを数えていきま
すと、今でも一千万人程度の方々がそれぞれ影響を受けて生活をしているということを考えてまいりますと、仮に石鉱害で大幅縮減とか、新聞に出ておりますように一千万や七百万トンだということになってしまいますと、北海道はもちろんのこと、産炭地経済は全滅するわけですから、その場合炭鉱従業員はよろしいですけれども、その他の方々、市町村自治体はもちろん壊滅を来す、そしてまた、地域の中小企業の方々が言うなれば生活保護を申請するなんというような問題も起きてこようと思うのです。
 膨大な経費になってしまいますんで、私はある程度の、大臣がおっしゃったように、今まで相当面倒を見てきたではないか、お互いに企業努力をしてやってきたけれども、これ以上はどうもやらないという炭鉱はこれはしようがないと思いますけれども、できる限り地域の経済を崩壊させないためにも現状程度の政策というものは私は持続すべきだと思うわけでございますので、現在稼行している炭鉱ぐらいは私は残していくべきだ。その中で、それは五年後になるか十年後になるかわかりませんけれども、みずからとてもこのままでは企業として存続できないというものについては、特別なお取り計らいで閉山をするということについてこれはやむを得ないけれども、しかし現在の残っている炭鉱は、それぞれ労使協調し合いながら何としても生き延びたいという意欲を出しているわけでございますので、何とか現存炭鉱だけはこの八次政策の中では残していく、そういうことについての考え方というものはこれは持てないものでしょうか。
#85
○政府委員(高橋達直君) 現存炭鉱を残すべきであるという工藤先生の御指摘でございますが、まさにその点につきまして石炭鉱業審議会においてそのフレームを今審議しているところでございます。繰り返しになりますが、一方におきまして安全保障機能を国内炭に求めておるわけでございまして、他方最近のエネルギー情勢を見ますと、その国内炭の果たす役割というものが従来に比べて変わってきておる。そういう中では、やはり需要の動向を従来にも増して勘案した生産体制にしていかなきゃいけないというところまで審議会の認識は来ておるわけでございますが、基本的にはこれはそういった状態を踏まえて企業がどのように炭鉱ごとの経営見通しを立てるかという問題でございまして、それらにつきましては審議会におきましても事情を聴取いたしまして、その上に立って今後の生産規模をどうするかということを決めていく段取りになろうかと思っております。
#86
○工藤万砂美君 けさ各有力新聞がほとんどこの問題を取り上げて、きのうのいわゆる政策部会の意見というものが出ていました。それぞれ違うニュアンスで発表している新聞社もありますけれども、要するに一千万トンあるいはそれ以下に大幅縮小すべきであるといったような意見が強い。そういう発表であったものですから、けさ早速地元からいろいろなことについてのお話がございまして、これでは大変なことになってしまう、ここ一、二年の間に何も閉山をしろとかしないとかいう問題ではなくて、逆に言うと石炭産業に対して若手労働者というものが希望を失って、今すぐにでも退職して他産業へ行きたいといったような意向も出てきている、このままでいくともう現存の炭鉱さえも労務倒産してしまうといったような切実な声が出てきておりまするし、それからまた、市町村自治体もこれは大変なことだということでお電話をいただきました。
 そこで、審議会の公式の答申が七月ないし八月だということでございます。その審議会の答申というものを得たならば、これは政府としては答申を尊重して八次の政策が組まれる、私はそういうふうに思っているわけでございますけれども、しかし国家行政組織法の第八条にありまするように、行革審とはちょっと性質の異なる審議会でございます。だからそういう審議会の答申を得たからそれを一〇〇%うのみにして八次政策をつくるということになるのか、あるいはまたその前に、国会というのは御存じのような議決機関でございますから、国会の審議結果というものを踏まえて、言うなれば答申を尊重なさって政策をお組みになるのか、それからまた、国会の審議を通じての政策というものをお組みになられるのか、どちらに重点を置かれることになりますか。
#87
○政府委員(高橋達直君) 私どもといたしましては、まず、第八次石炭政策の原案というものを石炭鉱業審議会にお願いいたしまして固めていただきまして、それを踏まえて私どもなりの方針を決める、その上でその原案について国会で十分御審議をいただきたいと考えております。
#88
○工藤万砂美君 そうしますと、答申が仮に出ても、その答申の内容の軌道修正なんということが国会でぜひとも必要だというふうになった場合に、それは国会での審議の結果というものはお取り上げいただけますか。
#89
○政府委員(高橋達直君) 若干抽象的に申し上げたわけでございますけれども、具体的には審議会での審議結果を踏まえて私どもとして方針を決めるわけでございますが、その結果は具体的には予算措置あるいは法律の問題ということになるわけでございまして、それらの具体的な問題について御審議をいただく、かようなことになるかと思います。
#90
○工藤万砂美君 私の申し上げている質問の趣旨はそういう趣旨ではなくて、審議会の答申を参考にして当然それは政府側としては政策を、原案を組まれるんでしょうけれども、そこで多少とも国会で論議をして軌道修正をした場合に、その軌道修正を尊重していただけるかどうかということを聞いているんです。
#91
○政府委員(高橋達直君) 八次政策の具体的な内容につきましては、予算あるいは法律上に出てくるわけでございますから、その予算案なりあるいは法律案の内容について国会で十分御審議をいただいたらよろしいかと思っております。
#92
○工藤万砂美君 そこでお伺いしますけれども、やはり国内石炭産業の基本となる政策は例のIQ制度であると思うわけですけれども、この八次政策もIQ制度を持続するということになるのかどうか、この点をお伺いしたいのと、それからさらに、また急激な円高によってますます内外炭格差が拡大しつつありますけれども、御当局としては円レートというものが大体どの辺で安定するというふうに考えておられるのか、この二点についてお伺いしたいと思います。
#93
○政府委員(高橋達直君) 八次策におけるIQの存続問題について、現在の状況について私から申し上げたいと思うわけでございますが、昨日の小委員会の審議状況報告におきましても、今後の生産体制がとられた場合に、それに対して、いずれにしても競争力がない国内炭については需要を確保するための措置が必要であるということを言っております。そのための制度を今後検討するということになっておりますけれども、七次の場合におきましては、これは輸入割り当て、IQ制度でやってきたわけでございまして、現在の審議におきましては、このIQ制度というのが八次においても需要確保のための有効な一つの手段であるという審議の状況にはなっております。
#94
○政府委員(野々内隆君) 円レートがどのあたりで落ちつくかというのは、これは私はもちろんわかりませんし、多分渡辺大臣でもお答えはできないのだろうと思います。現在の内外炭格差はドル建ての表示価格及び円レートによって存在をするわけでございますが、両方を勘案いたしましても今後国内炭の競争力がより強化するというような方向になることは難しいのではないかというのが石炭鉱業審議会の中間的な認識でございまして、そういう考え方で対処せざるを得ないというふうに理解をいたしております。
#95
○工藤万砂美君 なぜ私が円レートの問題についての見通しをお聞きしたかということになると、きょうの昼のニュースで百六十四円二十五銭ですか、そうだったですね。円レートが高くなってくると、例えば外国のアメリカでもカナダでも輸入してくる石炭が当然これは安くなる、安く手に入る。その分だけユーザーとしては大きなメリット
ですね。だからそのメリットを得て、鉄鋼なりその他の産業があらかじめ原価計算をしてきちんとやっているわけです。一トンどのくらいの生産費になるかということについては、鉄鋼にしてもあるいは電力にしてもそうですけれども。そういうことであるから、むしろ円レートが高くなったということについてのユーザーのメリットというのがそちらの方で得られるわけです。だからそこに政策というものが必要だということになってくるんであって、政策については、今までの七次政策で行われた政策と同じ政策が行われてもなおかつユーザーの方はメリットが多くなるということでございます。
 ただ、こちらが安いからだからいただくんだ、国内炭は要らないのだということの論議は私はちょっと乱暴な論議だと思うものですからそう申し上げたわけでございます。特にアメリカあたりで言っておることは、円レートは百五十円ぐらいになるかもしれないなんということを言っています。きょうの総理の答弁でも、円レートは多少は介入をして云々というような話がございました。アメリカではやっぱり百五十円ぐらいまで期待しているんじゃないでしょうか。だから、それはそれなりにこれからますます円高の影響というものは自本の経済に大きく影響はしますけれども、石炭を使っていただくユーザーにとったはいいことだし、だからといってそっちの方が安いからこっちの国内炭は要らないということには私はならないというふうにも考えるわけです。
 そこで私は、四月二十日だったと思いますけれども、これは北海道で自民党の政経パーティーをやりましたときに自民党の最高幹部が、石炭企業自体が、他の消費者の抵抗はあるかもしれぬけれども外国炭の輸入業務を行って、国内炭とミックスをして価格を低下さしていただいてユーザーにお引き取りをいただくということについて、やるべきであり、党も支援をするというふうにはっきり申しておるわけでございますけれども、そういう考え方については通産当局はどう考えていらっしゃいますか。
#96
○政府委員(高橋達直君) 特定のものにあらかじめ輸入枠と申しますか輸入権を与えてまいりますことは、これは一つの新たな貿易障壁になると思うわけでございまして、そういう意味では国際的に大きな問題があろうかと思うわけでございます。一方、国内的に見ましても需要業界がみずから輸入を行っているわけでございますので、そういったものに対して新たに取引主体をつくるということは取引秩序に悪影響があるというようなことで大きな問題があると思うわけでございます。
 御指摘の政調会長の御発言については私ども十分承知をしていないわけでございますが、仮にそういうことで国内炭と海外炭全体の全量を一緒にしてやっていくということになりますと今申し上げたような問題が出ますが、他方例えば石炭企業が生産量を一定量削減する、国内炭がコストが高いということで生産量を少なくする、それに相当する分につきまして石炭企業が輸入を行っていくということで考えてまいりますと、石炭企業の生産減に伴う影響の緩和措置の一つの案として十分検討に値する案ではないかと私ども思っておりまして、この点も今後審議会で検討してまいりたいというふうに思っております。
#97
○工藤万砂美君 時間もありませんので、最後になりますけれども、今の石炭会社の石炭輸入の問題については、貿易障害になるという御心配もあろうかと思いますけれども、私は二つの目的があると思うのです、そういうことをやることについては。ということは、自産炭のいわゆる国内炭を、今石炭部長がおっしゃったように、削った分だけはできるだけ外国炭を入れさせていただいて、ミックスをして安くして流すということと同時に、石炭企業そのものが将来生きていくための一つの手段だと私は言いたいわけです。党の幹部もそういう話をしておりました。
 そこで、中長期的な需要の見通しとしては、昭和七十年に一億二千八百万トンですか、そういうふうに変更しましたね。大体ごとし、去年あたりは一億八百八十五万トンですから、約二千万トン弱のものがこれから伸びていくわけです。だから、せめてその二千万トン前後のこれからふえていく分については、既存の面については各商社が契約をしているでしょうから崩すわけにまいりませんでしょうけれども、ふえていく分については、これはやっぱり通産の方でも考えていただいて、石炭産業あるいは石炭企業自身が自立をしていくためにもそういう扱いをしてあげて、輸入業務も携わらしてあげる、こういう政策も私は必要だと思うのですけれども、最後の御答弁をひとつ伺いたいと思います。
#98
○政府委員(高橋達直君) やはり海外炭の輸入につきましては、需要業界が行っておるというのが輸入炭マーケットの実態でございまして、しかも、将来にわたりましてかなりの部分について既に手当て済みの状態になっております。こういった状態の中で、御指摘のようにこれからふえる分につきまして石炭企業に意図的に、あるいは政策的に輸入の枠あるいは権利を与えていくということになりますと、取引秩序に非常な悪影響が出るのではないかというふうに思われるわけでございますが、いずれにいたしましても、国内炭の量というのは既に決まっておるわけでございますから、それをどうするかという八次政策の中で、石炭企業の経営基盤の強化にどういう策があり得るかということについては、御指摘の点も踏まえて今後検討していきたいと思っております。
#99
○太田淳夫君 それでは、引き続き質問さしていただきますけれども、ただいま同僚の委員から第八次石炭政策に関して、そのあり方につきまして、あるいは将来のことにつきまして、いろいろ議論あるいは提案がされておりました。やはり私たちも同感に思っているわけでございます。最近の円高の進行によりまして、内外石炭の価格差というのはますます広がっておりますし、また、最近の石油価格の低落で海外炭の価格も影響を受けるものと私たちは思っております。さらに総理大臣の私的諮問機関のいわゆる経構研の報告、先ほど工藤委員の方からもるる御質問がございましたので、私も多くを述べませんけれども、この中で国内炭生産規模の大幅な縮減と海外炭の輸入の拡大ということがございます。この経構研のレポートは既にひとり歩きをしておりまして、先ほど通産大臣の御答弁がありましたけれども、公約として各国では受け取られているという状況になっております。そう見ますと、最近の国内石炭鉱業をめぐる環境というのはますます厳しくならざるを得ないのじゃないかと思うわけでございますが、しかし、石炭はやはりこれは何といっても貴重な国産エネルギーであるという認識は変わりませんし、これは守っていくべきであると私たちも思っております。
 第八次石炭政策の方向につきましては、これから答申までさらに論議が重ねられると思います。大臣も、諸般の厳しい状況でありますが、意見を聴取し対応していきたいと先ほども御発言がございました。答申を見た上でそれからいろいろと調合もしていきたいというお話をいただいております。やはり石炭産業というのは今まで日本の基幹産業でございましたし、各地方のこれは中堅産業としての存在もありますし、あるいは働く人々の生活、地域住民との生活のいろいろなかかわり合い、それに対する影響等もございますので、さらにこのことにつきましては慎重に対応していただくことを私たちも要望しておきたいと思うわけです。その中で工藤先生からお話がありましたけれども、やはりこれは一つの社会政策として今まで進められてまいりましたし、これからもそういう立場でこの第八次石炭政策も進めていただきたい、このように思うわけでございます。
 今、工藤先生のお話にもございましたけれども、資源エネ庁としてもこれらの石炭産業の将来ということに対していろいろと検討を進められているということを私たちは聞いておりますが、その中でやはり円高差益とかあるいは石油価格の下落によるいろいろな差益の部分について、この石炭産業、そしてその地域振興に振り向けることも要望
もあり、そういうことも検討しているということを聞いておりますが、その点どうでしょうか。
#100
○政府委員(高橋達直君) 国内炭が海外炭に比べまして割高であるという状況の中で、一方におきまして海外炭の輸入がふえてくるわけでございますので、円高基調になりますとその分だけ確かにユーザーに円高メリットが入るわけでございますけれども、他方におきまして当該ユーザー業界におけるマーケットにおきまして、やはりそれなりの市場メカニズムを通じまして製品の価格の下落というものが恐らくあるだろうということから、必ずしも原料面あるいは燃料面での円高メリットがそのままその企業に入るということにはならないのではないだろうかと思うわけでございます。ただ、この八次政策を考える過程におきまして、仮に全般的に国内炭の状況が、今後経営者からいろいろヒアリングをしていくわけでございますけれども、どうしても立ち行かないというような企業が出てまいりました場合に、それらの企業が生産を削減する分につきまして輸入炭に切りかえていくという場合に、地域あるいは企業に対する対策が必要でございますので、そういう場合には総合的にいろいろな観点から財源対策も考えてまいらなきゃいけないわけでございますが、一つの要素としてそういった輸入炭の問題も頭に入れながら検討をしていきたいというふうに思っております。
#101
○太田淳夫君 石炭問題は先ほど同僚委員から数多くございましたので、この程度にしておきます。
 通産省としましては、原油価格の安定化のためにいろいろな方策というものを検討中であると思うわけです。大臣もせんだって中東からフランスからお行きになりまして、ヤマニ石油相とパリで握手をされているところも日本で報道されました。そういうことでいろいろな方策を探ってみえ、あるいは検討されていることと思うわけです。この消費国が価格安定化の対策ということをとることに対しましては、これはいろいろ是非の議論があろうかと思いますが、通産省のお考えはどのようなお考えがあるか、あるいは特に最近になって、アメリカは原油価格の安定化に対する考え方に多少の変化があるんじゃないかというような報道もございますが、こういった価格安定策について何かアメリカからの接触があったのかどうか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。
#102
○政府委員(畠山襄君) 第一点の消費国として石油価格安定のために何らかの措置をとるということとの絡みで、通産省としてどういうことを考えておるかということでございますが、御指摘のように、消費国として何か石油価格安定の措置をとろうということにいたしますると、あたかもその石油価格の下落の責任が消費国に存するというふうに世間から受け取られるということがございます。したがって、一方的に消費国がそういう措置をとることについてはなかなか国際的に意見があるところでございますけれども、通産省といたしましては、むろん産油国の方は産油国で石油価格の安定の措置をとったらいいし、他方消費国としても、例えば我が国としても、石油価格の下落といいますのは代替エネルギーの開発をおくらせたり、あるいは新規石油資源の開発をおくれさせたりいたしますものですから、結局いつの日か消費国にまたはね返ってくるのじゃないかというおそれを持っております。そういうおそれを前提といたしまして、既存の代替エネルギー開発政策の堅持でございますとか、あるいは石油資源開発のより強力な推進でございますとか、備蓄の推進でございますとか、それから市場の動向に応じたエネルギーの弾力的な利用、効率的な利用、そういったものの推進ということを対策として考えているところでございます。
 それから第二点の今御指摘の、アメリカが原油価格安定化について何か最近考え方が変わってきたかどうかという点でございますけれども、アメリカは当初は、石油価格は下がれば下がったほどいいという認識であったろうかと思われますが、最近に至りまして、一つは、そういたしますとアメリカの石油輸入依存度がふえてきてしまうという問題を懸念し始めているようでございます。したがいまして、やや認識が異なってまいりまして、原油価格を下げてきたのは、これは例えばサウジならサウジという国が少し人為的に増産をして、そしてサウジの石油によって他の石油を駆逐するというような、あるいは代替エネルギーを駆逐するというようなそういう人為的な行為の結果ではないかというふうにも考え始めているという意見もございます。したがって、そういうプライスメカニズムじゃなくて人為的な行為の結果石油価格が下がっているとすれば、それは問題であって、そしてアメリカの安全保障を損ないかねない。したがって、アメリカとしても所要の対策を講ずる必要があるというふうに変わってきたと受けとめております。
 それで、所要の対策というのは、しかしながらやはりプライスメカニズムを基本といたしております。ですからその枠の中で、何と申しますか、ウインドフォール・プロフィット・タックスというのがございます。超過利得税みたいなものでございますけれども、そういうものを廃止していきますとか、天然ガスに対する規制を緩和していきますとか、そういった規制緩和的な措置を講じていこうというのがアメリカの方針のようでございます。
#103
○太田淳夫君 石油価格の暴落に近い下落によりまして、今まで一次エネルギー供給に占める石油の割合というのは最近下がってきていますけれども、これが再度増加するようなことはないでしょうか。通産省、見通しはどうでしょうか。
#104
○政府委員(野々内隆君) 石油価格の値下がりというものがもし非常に長期に続くということでありますと、需要業界が改めて石炭等から石油に再転換するということはあり得ると思いますが、現状では一時的な現象あるいは不安定な状況という考え方が需要業界に多うございますので、石油依存度がまたもどのようになるという動きは現段階ではないかと思っております。
#105
○太田淳夫君 その他、やはり原油価格が一バレル二十ドルを割るようになりますと、これは石炭火力やあるいは原子力発電とも採算点が接近してきまして、先ほどお話がありましたような代替エネルギーの開発にも影響を与えるということが考えられますし、今まで一生懸命省エネの努力をしてきましたけれども、そういうものにまた水を差すようなことになりかねないと思うのですが、その点はどういうふうに考えていますか。
#106
○政府委員(野々内隆君) 確かに御指摘のように、石油が下がってまいりますと民間企業におきましては省エネルギーに対する考え方が緩くなるというおそれはあろうかと思っておりますが、私どもといたしましては、長期的な観点からエネルギー問題は取り組むべきであるという認識をいたしておりますので、エネルギー政策につきましては従来の方向で推進をいたしたいというふうに思っております。
#107
○太田淳夫君 当然そういうふうに進められると思いますけれども、原油価格の下落は一予算委員会でもいろいろと論議されました。日本経済に物価の安定というメリットをもたらしているということでございましたけれども、余りに大幅な価格の下落と先行きの価格動向の見通しが明確でないために新規の石油探鉱開発活動が急激に低下してきている、こういう報道もされているわけでございますが、このことは、かえって次期石油価格が上昇するということも考えられるのでございます。その時期を早める懸念も一方では存在するということになっているわけでございます。
 そこでお尋ねしますけれども、現状の石油情勢のもとで政府はこの石油探鉱開発をこれからどのように展開をしていく計画をお持ちですか。その点どうですか。
#108
○政府委員(畠山襄君) 御指摘のように、原油価格が下がってまいりますると、今までの条件のもとでの石油開発というのがペイをしなくなってくるというおそれがあるわけでございます。そのために探鉱活動あるいは開発活動が停滞をするという懸念がございます。そういう懸念に対処いたし
ますために、石油審議会の中に石油開発部会というのとそれから石油部会という二つの部会がございますが、その二つの部会の合同の小委員会を今回新たに設置いたしまして、そこで油価下落時代における石油探鉱開発政策のあり方というものの検討を開始させていただくことにいたしております。
#109
○太田淳夫君 やはりこの問題につきましては業界においてもいろいろと今真剣な論議をしているようでございますけれども、業界筋では、現行の石油公団の出融資比率のアップなど投融資条件の改定ということを要請する動きがあるわけですけれども、政府としてはこれらの業界の要望にどうこたえるような計画でございますか。
#110
○政府委員(畠山襄君) 石油開発業界の中に確かに御指摘のような要請があるのは事実でございまして、また、現在の探鉱の助成のやり方といいますのは、一般的な原則といたしまして政府出資が三、民間出資が三、それから残りの四が融資ということになっております。この残りの四の融資の金利というものがリスクの多い探鉱にかかってくるわけでございまして、それが払えませんとだんだん元本に加わっていくいわゆる元加ということが行われているわけでございます。油価がこういうふうに下がってまいりますると、そういう条件のもとではなかなか探鉱が進まないという主張があり、ある程度それはもっともなことであろうかというふうに私どもは受けとめておりますが、他方、助成を行います財源は石油税がもとになっておりまして、これは石油の価格にリンクをいたしておりますものですから、財源的にはまた一層厳しくなっておるということでございますので、それらを総合的に勘案しながら先ほど申し上げました小委員会で具体策について検討していただきたいと思っております。
#111
○太田淳夫君 部長からもお話がありましたが、確かに石油税も減収をするという非常な大きな問題が今あろうかと思います。ただし石油探鉱開発につきましては、かつて石油ショック時代にも日本は苦い経験をしておりますね。そういう当時の教訓を忘れてはならないと私も思いますが、やはり今お話しのように、石油公団の五十九年決算などを見ますと、融資残高も四兆円ということを私たちも聞いておるわけでございます。確かに石油税等の問題、財源問題もあろうと思いますけれども、やはりこれは一時の現象に左右されることなく、長期的な展望に立って自主開発原油対策に取り組んでいただきたい、このように思いますが、その点どうでしょうか。
#112
○政府委員(畠山襄君) 御指摘のとおりでございまして、石油探鉱政策及び石油開発政策につきましては、目先の油価の下落、あるいは需給の緩和ということに惑わされずに長期的な観点に立ってしっかりした対策を検討するように今後心がけてまいりたいと考えております。
#113
○太田淳夫君 通産大臣もパリでヤマニ石油相ともお会いになったし、これは非常に歴史的なことじゃないかと思うのですが、そういうようないろいろな会談を通してどのような感触をお持ちになっていらっしゃいますか、将来の石油見通しについて。
 ある雑誌を見ますと、一九九〇年までは十ドルまで下がっていくだろう、それからだんだんと一九九〇年からは石油の価格は上がってくるぞ、そういうふうにヤマニ石油相が言っているということも報道されたことがありますが、その点どのようにお考えになりましたか。
#114
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはだれも予測することは結局はわからないというのが結論なんです。ヤマニ石油相だけでなくて、メジャーの会長さんなどとも会ったり、アメリカやイギリスの資源エネルギー大臣とも会ったり、いろいろな人と会っておりますが、結局的確な見通しはだれもできない。ただ、うんと少なくなってしまえば九〇年代にはまた第三次石油ショックのようなものが起きるだろうというのがヤマニさんなんかの主張なんですが、イギリスのエネルギー大臣などは、そうはいかないよ、あのときは準備というか備蓄とか、それから代替エネルギー政策がなかったが、我々はそういうことをこれからも進めていくし、技術の革新もあるからそんなに石油の使用量はふえていかない、したがってまたそういうようなうまいことにはならぬよ、彼らの思うようにはならないよということも言っております。
 私は、どっちも半分ずつ本当じゃないかという気がしているんです。やはり極端に少なくなれば値上がりということはあるでしょう。しかし、ある程度世界じゅうに何とか供給できるという程度の値段で落ちつけば、一方石油の節約もありますから、代替エネルギーもやめませんと言っているわけですからね。原子力でも、それからそのほかの天然ガスにしても、石炭利用にしても、そういう政策を広げていけば、やはり一方的におどかされるということになっては困るわけですから、その点はみんな消費国間では共通しているわけです。ですから私は、余り暴落もさせない、暴騰もさせない、何とか石油の生産ができるということが世界経済全体のためにいいことだと実は思っておるんです。
 ですから、これは幾らになるかと言われても本当にそれはわからぬです。十五ドルでいくのか、十八ドルでいくのか、あるいは十二、三ドルで安定するのかわからない。非常にある程度不透明であるが、ある程度は彼もそれはあるでしょう。あるでしょうが、やはり我々消費国全体としては暴騰されることは一番困るわけなので、そういう点では協調的に今言ったような政策をやはり続けてやろうということではほぼ意見が一致をしておるんです。一致政策国なんかで違う点もありますよ。イギリスなんかは備蓄なんというのは余り喜ばぬわけですから。一部の違いはありますが、大体消費国の感じとしては似たような感じであります。
#115
○太田淳夫君 それから次は、原発事故のことに関連をしてお尋ねしておきたいと思うのですけれども、やはり放射能の汚染状態というものが当初予想されました以上に日本に早く、広範囲に、しかも高い濃度で起こったということは事実でございますが、その事故の内容とかあるいは被害の程度については、これはきょうの国会で決議もしましたが、情報がなかなか得られないということで詳細が不明なままでございます。やはり最近はジャンボにしてもあるいはスペースシャトルの事故にしましても、そういう巨大科学あるいは巨大技術についての安全性の神話というのは少しずつ崩れざるを得ないような状況を招いているんじゃないかと思うのです。
 先ほども同僚委員からお話がございましたけれども、原子力発電所というのは安全運転がこれは至上命令でありますし、その機器類の設計はもちろんのこと、運転管理に関する人間工学の重要性ということも改めて指摘をされておるわけでございます。そこで、今回のこの原発の事故を踏まえまして、日本国内の現在稼働中の原子力発電所についても安全確保策をやはり考えていかなければならないのじゃないかと思うのですが、その点はどのように対応しますか。
#116
○政府委員(野々内隆君) 安全という問題につきましては、絶対とかあるいは神話というような領域があってはならないと私ども逆に考えておりまして、常に進歩を目指して努力をするということであろうかと考えております。安全問題は設計から建設、運転に至るあらゆる段階で考えるべき問題であろうと思っております。現在私どもは運転中のものにつきましても年に一度定期点検という形でとめてチェックをいたしております。したがいまして、現段階におきましては改めてとめて点検をするという必要はないかと考えておりますが、今後ソ連の今回の原子力の事故につきまして詳細な原因等がわかりました段階で、それが私どもの日本の原子力発電の安全について参考とすべき点があるかどうかというものを安全委員会等と相談をいたしまして、教訓にすべき点につきましては教訓とさしていただいて、今後の安全の確保により一層の努力をしてまいりたいと思っております。
#117
○太田淳夫君 今回の事故の状況が詳しくわかれ
ばそれを教訓として生かしていきたいというお言葉でございました。
 通産省は、各電力会社に対しまして、安全確保の重要性を強く認識し、原子力発電所の安全運転に一層の注意を払う旨指示したということでございますが、このような一片の精神規定だけであってはやはり幅広い国民の懸念というものを一掃するわけにはいかないのじゃないかと思うのです。このままで参りますと、やはり短中期の原発の立地についてもこれは影響があるんじゃないかと私は懸念をしているわけです。当然その点についてもやはりいろいろと検討をしてこの事故の教訓というものを生かしていくようにしていただきたいと思いますが、その点どうでしょうか。
#118
○政府委員(野々内隆君) 私ども一番心配いたしておりますのは、原子力発電所のある地元の方が不安に思い、あるいは今後建設計画のある場所につきまして地元で不安が広がるということを一番心配いたしておりまして、今回の事故の発生と同時に各地元との連絡を密にいたしまして、私どもが得ております情報を流し、また地元の不安あるいは疑問にこたえるという形でできるだけ地元と一体になって本件に取り組んでいきたいと考えております。
 今後とも安全ということを重視する形で前回も直ちに各社に要請をいたしましたが、また最近では、副社長クラスにお集まりいただいて私どもの情報を伝え、あるいは来週各発電所に駐在いたしております私どもの管理官を集めまして、本件について今後の安全対策に一層留意するように指示をいたしたいというふうに考えております。
#119
○太田淳夫君 十分安全については留意をしていただきたい、このように考えます。
 次は、将来の原子力発電の長期計画についてお尋ねしたいと思うのですけれども、これは総合エネルギー調査会の長期エネルギー需給見通しては、昭和七十年度で電気事業用で四千八百万キロワット、発電電力量シェアで三五%と原子力が主で火力は従の電源構成を見通しておるわけです。この傾向は原子力委員会の長期計画やあるいは電力中央研究所の試算にも見られるわけでございます。ところが、原子力委員会は先月から長期計画の改定作業に入った、このように伝えられますけれども、今回のこの事故によって今後の中長期的なエネルギー政策というのは変更を受けざるを得ないのか、あるいはそういうものは一切影響は考えずに進めていくのか、あるいはまた、通産省の考えておるような電源構成のベストミックスというのはどういうものを考えてみえるのか、その点はどうでしょうか。
#120
○政府委員(野々内隆君) 今回の事故の原因が詳細にわかりました段階で、私どもとしましては日本の原子力の安全性という問題から参考にすべき点があるかどうかということを検討し、教訓となるべき点は教訓にいたしたいと考えておりますが、長期計画につきましてはそれとは別個の問題として検討いたしたいと思っております。原子力の安全というのはもう当然の前提でございまして、安全なくして原子力の長期計画はあり得ないと考えておりますので、別個に長期計画というものは考えたいと思っております。
 それから、ベストミックスにつきましては、現在長期需給見通しというものがつくられておりまして、これに基づいて今後のエネルギー政策が進められるわけでございますが、長期ミックスの考え方でございますが、これは安全保障的な考え方からまいりますと、特定のエネルギーに余りに過度に依存するというのは好ましくないという考え方があろうと思いますが、そのほかコストあるいは需要家にとっての便宜性、質というものを考えましてベストミックスというものが考えられているわけでございますが、現在、私どもは、今存在いたします長期エネルギー需給見通しが現段階で考えられるベストミックスというふうに考えていいのではないかというふうに判断いたしております。
#121
○太田淳夫君 次は差益還元の点ですが、先ほど本会議でも通産大臣から答弁がございましたけれども、この電力及びガス料金の差益還元六月実施、これの最終作業に入っていると思いますが、その点はどのようになっていますか。
#122
○政府委員(山本幸助君) この差益還元問題につきましては、先般関係審議会の答申を得まして、現在具体的にその算定に入っております。各電力会社、ガス会社に個別に還元すべき利益の総額とその還元の内容について検討させている状況でございます。
#123
○太田淳夫君 この差益予想額の算定基礎となっている為替レートあるいは原油価格というのは各社統一基準で行うことになっているんでしょうか、その点どうですか。
#124
○政府委員(山本幸助君) その算定基礎につきましては、各社統一で計算する予定でございます。このため、通産省としましては算定の前提となります為替レートあるいは原油価格につきまして、最も新しい最近の実績等を勘案しましてこの基準となる数値を定めて、これを各事業者に示すことによって統一的な算定を行うということにいたしております。
#125
○太田淳夫君 また、先ほど本会議でも通産大臣は、差益還元規模についておおよそ一兆円と御答弁されておりましたが、最近の円・ドルレート及び原油価格の水準から見ますと、相当これは安全サイドで算出をされているんじゃないかなという感じがするんですが、その点はどうでしょうか。
#126
○政府委員(山本幸助君) 先般の四月八日に総合経済対策が決定いたした内容で差益還元額は約一兆円、これは電気、ガス合わせて還元する額が一兆円ということでお出ししたわけでございますが、このときの前提等につきましては、為替レートについても原油価格についても先行き非常に不透明でございます。なかんずく、ガスのほとんど大部分を占める、かつ電力について約半分を占めますLNGでございますが、これにつきましては大変現在の状況でも不透明でございます。そうした不透明の中で現在の状況を勘案して算定したのが先ほど申し上げました一兆円でございますが、これにつきましては、特に安全サイドに立って算定したというわけではなくて、現在不透明の中で算定をいたした数字でございまして、私どもとしましては、具体的な数値は各社別に今算定いたしておりますので、その総計ということで出ますけれども、基本的にこの一兆円という額が非常に安全サイドに立って計算したものではないというふうに考えております。
#127
○太田淳夫君 しかるべき最大の努力をしているという答弁ですが、まだまだ努力を重ねるべきじゃないかと思うのです。通産省関係の業界の中でも、この急激な円高によって経営危機に追い込まれている部分がまだまだほかにもたくさんあるわけですね。これらの業界を救済する一助として差益還元というものも最大限努力を払って考えるべきじゃないか。せんだってのこの委員会でも申し上げたことがございますが、非鉄金属業界といった鉱山関係でも要望を出してみえますが、そういうものについて通産省としても努力をすべきじゃないかと思いますが、その点どうでしょうか。
#128
○政府委員(山本幸助君) 先般、電力関係、ガス関係の両審議会でこの差益還元問題が審議されましたけれども、その答申におきましても、差益についてはできるだけ多くの部分を還元に充当することが必要であるというふうに書かれております。先行き不透明な中で円のレベルあるいは原油価格レベルを想定するわけでございますので、今後一年間の想定ということになりますと、将来につきましてはかなり不透明な状況がございますので、ある程度のリスクはあるということでございます。そういうリスクに備えるために一定の部分につきましてはやはりこれを内部留保して、そうした事態に対応する必要があるということでございます。しかしながら、できるだけ多くの部分を還元に充てることにして、先生御指摘のように、特に電力多消費型の産業で現在業況が必ずしも思わしくないというのも非常に多うございますので、私どもといたしましてもできるだけ多くの部分を充当するようにということで努力いたしたい
と考えております。
#129
○太田淳夫君 最後になりますけれども、電力九社の昭和六十一年度の設備投資計画が発表されておるわけでございますが、その内容を見ますと、工事ベースで前年度比一四・二%増の二兆四千七百四十八億円であります。これに電線地中化工事の前倒し分一千億円を加えますと実に一七・五%の伸びということになっておるんです。これは政府の内需拡大の要請にこたえまして、それぞれ電力会社で努力されている部分じゃないかと思うのですが、その一方で電力会社の財務体質の強化ということが言われているわけですね。売り上げが十二兆円で借金が二十二兆円あるという一方での体質がありますね。電力会社というのは、御承知のとおりこれは装置産業でありますし、現在の負債総額の膨らみぐあいから判断しますと、やがては支払い利息の負担がコスト増の要因になるんじゃないかという懸念も私たちはしてくるわけでございますが、そのためには発電設備の一層の効率的な利用が図られるためのスキームについて、早急にやはり通産省としても電力業界と図って検討を重ねるべきじゃないか、あるいは電力需要平準化のための料金体系のあり方についても慎重に検討を加えていくべきじゃないか、このように思うのですが、その点どうでしょうか。
#130
○政府委員(山本幸助君) 今般、電力各社につきまして内需拡大に対する寄与ということもございまして大型の設備投資をお願いいたしているわけでございますが、そうした設備投資の内容を見ますと、例えば供給信頼度の向上ということで停電の防止とか停電の早期復旧のための送配電施設、あるいは配電の自動化、さらには配電線の地中化等、社会的な要請の強い設備投資を計画的にやる。しかも、それは本来やるべき内容のものを前倒しして実施するということでございまして、これは将来のコストを先取りし、料金の長期安定にも資するものというふうに私ども考えているわけでございます。
 先生の、電力各会社はなかなか財務内容は決してよくないではないかという御指摘でございますけれども、この点につきましては、御指摘のように大変膨大な負債を抱えておりまして、そのための利子の支払いも非常に多いということでございます。そういう点につきましては、現在電力各会社も非常に強い認識を持っておりまして、そういう意味では今後財務内容の改善には大いに努めたいというふうに考えております。先生御指摘のように、例えばということで一層効率的な運転をする必要があるんではないかということでございますが、これにつきましても設備そのものについての効率的な運用のみならず、各電力会社間の相互間におきます電力の融通等も図りまして、効率的な設備の活用を図っていきたいというふうに考えております。
 さらには、一番電力事業で問題になりますいわゆる負荷の平準化の問題でございます。ピーク時に非常に高い負荷になりますので、これが大変電力の効率的な利用に支障を生じておりますけれども、これにつきましても現在は夏料金というものを導入いたしておりますが、将来におきましては季節別、時間帯別料金制度というものも必要かということで、現在真剣に検討を進めておるところでございます。
 先般の電気事業審議会の答申におきましても、早急にこの季節別、時間帯別料金の具体的な内容を検討すべしとなっておりますが、私どもはこうした方向で検討を進めたいというふうに考えております。
#131
○小笠原貞子君 第八次石炭政策に当たりまして、国内炭縮小という方向に持っていこうという動きが非常に今高まってきております。特に特徴的なものとしては、鉄鋼、電力などユーザーサイドからの猛烈な圧力が今あるということ、そしてそれを後押しするように中曽根総理のいわゆる経構研、これを見ますと、「国内生産水準を大幅に縮減する方向で基本的見直しを行い、これに伴い海外炭の輸入拡大を図るべきである。」、こういうふうに述べられておりますし、昨日出されました石鉱害の「第八次石炭政策に関する検討小委員会の審議状況について」というものを拝見いたしましても、ここにも例えば「需要動向についても十分勘案した生産体制とすべき」とか、また需要を確保するための制度については「検討する。」などと、結局つまるところユーザーサイドの需要に見合った生産体制を図ろうということになっております。
 こういう立場を考えたときに、私はまず最初に申し上げておきたいのは、やはり国内炭をしっかり守る、守るだけではなくて、これを育成していくという立場に立つべきだということを最初に申し上げたいと思います。
 この国内炭縮小を唱えるという動きの最大の理由を具体的に見てみますと、それは海外炭との格差を挙げられています。つまり、経済ベースから考えて優先、国内炭を抑えてしまうというふうな考え方になっているわけですけれども、私はそういう目先のそろばん勘定ではなくて、これは食糧でも同じでございますけれども、やはりエネルギーという発展した資本主義国における血液とも言うべきこの供給の自給率を確保するということがどんなに大事か。国内炭を維持していくということをまた重ねてここで重要だと申し上げざるを得ないわけなんです。
 そこで、以下具体的に質問をいたしますけれども、この貴重な資源である国内炭、この国内炭の埋蔵炭量というものをどれくらいと見ていらっいゃいますでしょうか。
#132
○政府委員(高橋達直君) 国内における埋蔵量についてのお尋ねでございますが、およそ日本に賦存しておる石炭のうち、技術的に見て採掘が可能であるといういわゆる実収炭量につきましては、最近の調査で約十億トンということになっております。
#133
○小笠原貞子君 確かにそういう数字をお出しになっていらっしゃいます。しかし、私いろいろと調べまして、例えば炭労そして石炭の専門的な学者、それらが各石炭会社の、企業側のいろいろな資料ももとにいたしまして、稼働しているだけではなくて、新鉱開発対象地域も入れて具体的に調査をしたという資料が昨年二月に出されているわけでございます。御承知かと思います。これを見ますと約四十億トンという実収炭量を出しているわけなんですね。今部長おっしゃいましたのは、確かに今稼働している炭鉱のそして実収炭量という形で十億トンとおっしゃったけれども、やっぱり私は埋蔵されている資源として考えれば、この四十億トンという数字を大事に見ていきたいと思うわけなんです。
 そうしますと、この大事な四十億トンという資源が放棄される。それどころかこのままでいきますと、お答えいただきました十億トンすら掘ろうとしないという縮小への道を進むわけでございます。この間のサミットでも私は感じたんですけれども、ヨーロッパの各国、イギリス初め西ドイツにしてもカナダにしてもあそこは非常に国内炭を重視していますね。政府がそれなりの保障もする、そして自由経済体制だ、そうして日本と外炭が安いということについてはそう大して変わりないわけです。それだけでも非常に国内炭を大事にしているということから見ますと、四十億トンを持ちながらますますこれでは粗末につぶされていってしまうという結果になるのではないか。大臣、聞いていますか、わかりましたか。この辺のところを私は大変心配をいたしますが、大臣としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#134
○国務大臣(渡辺美智雄君) 国内炭を保護育成するということは非常に重要だということで戦後もやってきたわけですが、非常に日本のエネルギーの消費が莫大にふえてまいりまして、それから外国と貿易量もふえるというような中から、石油の値段も安かったということもあって石炭等が、国内炭の使用の割合が非常に少なくなってしまった。一つは炭鉱事故も起きるとかというようなことで、全体のエネルギーの三%というような非常に小っちゃな数字に実はなってしまったことは事
実でございます。
 そこで、やはり技術を残したり、あるいは埋蔵量があるいい場所もあるわけですから、そういうところは残していかなきゃならないということでやってまいりましたが、中には今までも既に閉山になったところもたくさんございます。やっていけないというところで閉山になった。値段を高くして高く買えばまだまだやれるじゃないかといっても、これも経済行為の問題ですから、やはり買う方が非常にも嫌いをする。仮に無理にそれを買わせれば、すぐコストにはね上がってくるということで、国民に迷惑をかける。おのずからこれも限界がある。
 しかし、今まではいろいろ通産省でも余りきれいな手とは言えないが、ちょうど農業などでコーンスターチを輸入するときにでん粉抱き合わせというようなことをやっておると同じように、外国炭を輸入するときに国内炭を抱き合わせる、これは法律というのはないのですよ、ないけれども、いやがる人を追いかけて、そういうこともやってきたのも事実なんです。しかしこれにもおのずから限界がありまして、幾らでもそういうことをふやしていくというわけにもなかなかこれは実際いかない。そこらの兼ね合いをどうしていくかということで先ほどから長々と議論をやっているわけです。それについては、地域社会の問題等、あなた方が自分の選挙区でもありますから心配をなさっておる。それはだれでも同じです。ですからそういうこともありまして、素人が今すぐ結論を出すというのもいかがなものかということで、皆さん方の意見も聞き、第八次答申の結果も見た上で最終態度を決めたいというのが私の姿勢であります。
#135
○小笠原貞子君 やっぱりちょっと聞いていなかったのね。炭労や学者やいろいろな資料で四十億トンあるというのが出ているわけね、毎度。そうすると、それもそのままにしてしまうということで、十億トンすら縮小されるんではないかということを私は質問をしたわけです。目先のそろばんだとか選挙だのと、本当に低次元のことをおっしゃいまして、ちょっと困っちゃうのです。
 そこで伺いますけれども、国内の石炭資源賦存調査というものを五十七年度からNEDOが実施しております。その調査目的及び事業概要について、短い時間でございます、簡単に御説明をいただきたいと思うわけなんです。簡単に余り時間かけないでどうぞ協力してください。
#136
○政府委員(高橋達直君) 御指摘の調査は五十七年度からやっておりまして、我が国の石炭の未調査地域のうち、石炭資源がかなり賦存していると推定される地域について総合的な地質構造あるいは賦存状況調査を行っているものでございまして、これまでに予算としましては八十八億円程度を使っております。
#137
○小笠原貞子君 そして、その調査の概要というものの中身でございますけれども、これをいろいろ見せていただきましたら、北海道六地域と九州二地域についての概要が出ております。これを見てみますと、一の長崎県西彼杵沖のところは、「現在かなりの範囲にわたって來炭層が連続している。」、それから有明海三池炭田のところを見ますと、「広く安定して連続していることを確認しつつあり、調査継続中。」、まだ、釧路沖におきましても、「海底下でも緩傾斜で連続すると思われる地質構造を把握しつつあり、調査継続中。」、時間がありません、みんな読みませんけれども、八地域については相当の希望が持てるような埋蔵というものが見られているわけでございます。
 それで、そういうものを調査なさるために予算として使われている額が八十億です。それに六十一年度が加わってまいります。約百億かけて国内炭の調査をやってこられたわけですね。非常に貴重な調査だと私思うわけです。
 この調査のほかに現稼働炭鉱周辺区域の調査も五十二年度からやっております。その予算も六十年度までで二十五億三千万円というお金をかけていらっしゃるわけです。この調査は、国内炭資源を有効に開発していくという、私が先ほど申し上げましたその立場に立って考えますと非常に重要な調査であった、お金もかけられたと思います。
 しかし、第八次政策に向けての状況を見ますと、先ほどから言われたように、国内炭というものは縮小ということになる。まさに貴重な調査をされて、そして予算としても、これは国が出しているわけですけれども、百数十億のお金もかけて貴重な調査もなさった。こういうことは、やっぱりこのままで縮小ということではむだになってしまうのではないか。こういった調査を現実的に生かす、つぶすんではなくて、これらのお金かけてこれだけいい調査をなすっているのに、生かす方向で検討をすべきであると思うのだけれども、今のままでいくとお金はむだ遣い、せっかくの調査も殺されてしまう。これは決して好ましいとは言えないと思うのですけれども、いかがお考えになっていらっしゃいますか。
#138
○政府委員(高橋達直君) 我が国の国内資源として石炭資源がどのようにあるかということを把握しておくことは、エネルギー政策上極めて重要なことであるという観点から、未調査地域における資源調査あるいは現在の稼働炭鉱周辺の周辺調査を行っているわけでございます。ただ、これらの調査を行った結果すぐに企業化できるかどうかというのは別問題でございまして、これはただ地質構造、あるいは岩層賦存状況といったものの概要を把握することを目的としておりまして、さらに開発可能性について必要なデータを得るためには精度の高い探査活動をしていかなきゃいけないということでございます。これらの判断は最終的には企業が判断することでございますし、また長期的に見てその地域が開発可能であるかどうか、そういう点についてはその時点における経済環境あるいはエネルギー情勢によって左右されるものというふうに考えております。
#139
○小笠原貞子君 通産省は、今まで国内炭を保護するという立場から、さまざまな御援助、助成をなすっていらっしゃいます。お聞きしたいのは、国内炭を使用すること及び地域振興に役立たせるという目的で国が石炭火力発電所建設に助成をしてこられました。すなわち、産炭地石炭火力発電所建設費補助金というものと電源開発に対する交付金というものが出されておりました。これは数字でございます、お答えをいただきたいと思います。
#140
○政府委員(高橋達直君) 産炭地石炭火力発電所建設費補助金及び石炭火力発電所建設費等補助金といたしまして、五十二年度から昭和六十年度までに三百十二億円交付をしております。また、電源開発株式会社に対します排煙脱硫装置設置交付金といたしまして、四十九年度から五十八年度までに二百四十六億円を交付しております。
#141
○小笠原貞子君 北電は、今後海外炭を中心にしたいと言っております。苫東、砂川は、今おっしゃいましたように国内炭の保護育成を目的とするということから助成措置をつくってもらって、そして国内炭のために助成をしてもらってつくられている発電所でございます。北電で七十一億、今おっしゃったように補助金をもらっている。ところが今、急激な円高で海外炭が安くなった、だから国内炭はコストアップになるからやめた、これではちょっと虫がよすぎるのではないかと思うのです。もらうだけはもらっちゃって、今度はもっともうかるのよということ、これはちょっと虫がよすぎるということですね。それから、苫小牧の厚真一号の国内炭をやめて海外炭に切りかえたい、こういう意向も新聞などで出されていると思うのです。こういうことになりますと、ちょうど厚真一号というのは幌内の山の出炭量に匹敵するというくらいの使用量だというふうになるわけです。そうすると先ほど言ったように、七十一億もらうのはもらっちゃったよ、今度は安いから海外炭に切りかえたいよ、そして厚真も海外炭でやっちゃうよ、幌内の山をつぶしちゃうよ、こういうことでは私はこれは好ましいとはおっしゃれないと思うのですが、いかがですか。
#142
○政府委員(高橋達直君) 国内炭の生産の水準あるいは需要確保の問題については、全般的な問題
といたしまして八次策の内容として審議会で検討しているところでございますが、北海道電力の問題について申し上げますと、御指摘のとおり厚真発電所の第一号機の建設に当たりましては、石炭特別会計あるいは電源開発特別会計から御指摘のような補助金も出ておりますし、また開銀からも融資が出ているわけでございまして、その補助金の趣旨といたしましては、我が国の石炭鉱業の安定を趣旨として行っているという観点から見れば、私どもといたしましても北海道電力に引き続き国内炭の使用を期待していくのが適当であろうというふうに思います。
#143
○小笠原貞子君 結局それは好ましいとはおっしゃれませんね、こういう今までの経過を見れば。そういうことが好ましくないという立場にお立ちになれば、もらうだけもらって今度は安いのを買うよ、乗りかえるよというような動きに対して、やっぱり私はそれなりの見解を持っての御指導をいただきたい。そして幌内の山もつぶして労働者をまたほうり出すというようなことにならないように、そういう意味での御指導もお考えいただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#144
○政府委員(高橋達直君) 需要の確保あるいは生産の問題について審議会で引き続き検討をしてまいりたいと思います。
#145
○小笠原貞子君 審議会でというのじゃなくて、通産省として、石炭部長としてのお考えはいかがですか。下を向いておっしゃるものだから、ちょっと私は聞きにくかったのです。好ましくないという立場にお立ちになるということで確認していいですか。そして、もしそうならどういうふうに御指導なさいますか。その辺のところをちょっとわかりやすくおっしゃってください。
#146
○政府委員(高橋達直君) 北海道電力の石炭火力の問題でございますけれども、補助金との関連でまいりますと、引き続き国内炭を使用することを期待するのが適当ではないかというふうに思っておりますし、私どもとして北海道電力から正式にそういった話はまだ聞いておりませんので、今後事態の推移とともに、私どもとしても適時適切に指導をしてまいる所存でございます。
#147
○小笠原貞子君 今北電のことを具体的に申し上げましたけれども、電源開発の方も二百四十六億という交付金をもらっておりますので、今の北電に対する考え方と同じような立場で御処理をいただきたい、御指導をいただきたいということを申し上げて、よろしゅうございますね、同じような性質だからいいですね。
 次に伺いますけれども、今度この問題についての最後だから、大臣聞いていてください。
 海外炭との格差が大きいというのは確かです。しかしそこで問題なのは、これは海外炭と比較されるときの価格はCIF価格なんです。だから、このCIF価格に例えば税関だとか輸入代理店の手数料だとか、荷揚げ料だとか運送費だとかいうものを考えてまいりますと、トン当たり一万円からあるよという単純なものではないですね。私がちょっと苫小牧からの北電の滝川、奈井江、江別、砂川というようなところを調べたんだけれども、トン当たり二千円から三千円かかる。先ほど言ったようないろいろな料金を考えますと五千円近くかかるんですよ。そうするとCIF価格で一万円差があるよなんというのはやっぱり国内炭縮小の宣伝と言わざるを得ないと私は思うのです。だからそういう意味で、いろいろの費用をかけるとそんなに一万円もあるよなんということではないということを申し上げたいと思うのです。
 そこで、今までのまとめをしますと、海外炭との格差があるからこれは縮小していくのだと言われるけれども、先ほどから言ったように炭量は十分にございます。四十億トンの、皆さんがおっしゃる数字でもまとめられたのが十億トン。それから、国内炭のための調査のために百三十億からのお金が今まで使われて貴重な調査がなされております。そして国内炭使用の目的で補助金や交付金などというものが五百六十億近く膨大に出されております。そういう中で現炭鉱を縮小していく、そしてこれが閉山になっていくという道に進まざるを得ないのですね。
 そうすると、夕張新鉱のときも私は何度も申し上げましたけれども、当然のこと閉山交付金というのがかかります。それから国の融資というようなものが何百億とかかっているわけです。北炭で見ますと、夕張で見ると閉山交付金がたしか三十六億です。そして山が国からいろいろもらっていて返せないというのが二百億からそのままになっております。今度は幌内が危なくなってきます。そうするとまた百億からのお金というものがここに要るのではないか。そして山がつぶれてしまうということの地域経済への影響、これは非常に深刻になってくるといいますと、やっぱり今までかけたお金をむだにしないように、そしてこれからかかるであろうお金はみんな後ろ向きに向かってかけていくお金、これを前向きに生かす道に私は使うべきであるというふうに考えるわけなんです。
 それは、やっぱりエネルギー政策というものは長期的に見ていただかなくてはいけないと思うのです。今々の問題、ユーザーの今の経済的な問題から後ろ向きにもう早く決めてしまえばいいというようなものでない。だからさっき言ったように、サミットでお会いになったとの国だって相当のお金はかけているんです。だけれども国内炭の開発をこれからでもやろうという姿勢、そこが全然違うのです。だからそういう意味で大臣、その問題についての簡単で中身のある御見解を伺いたいと思います。
#148
○国務大臣(渡辺美智雄君) では、簡単で中身のある答弁をいたします。
 確かにそれは四十億トンくらいあるんでしょう。あるんでしょうが、問題はそれを採掘するためのコストの問題、それが一体どれくらいかかるのか。金さえかければ振れます。でもそれがだんだん深いところに入っていく、あるいは災害が起きやすくなる、そういうようなものも考えなきゃならぬ。それから一方、確かに閉山をすれば閉山交付金その他面倒は見なきゃならない、これも事実です。そのまま継続していった方が利用者の費用が少なくて済むのか、それともそうでない方が一時的であっても将来はその方がいいのか。やはりちょっとてこ入れすればやっていけるところはあるわけですから、そういうところは基本的にはやっていっていただく。どうしてもやれないものをどうするかという問題、私はその一点に結局は絞られるのではないかと思っておるわけであります。したがいまして、そういう非常に専門的、技術的な問題でございますので、専門家の意見を聞いた上で最終案を出したいと思っております。
#149
○小笠原貞子君 チェルノブイリの問題も今まで随分討論されました。私はいつも言うのだけれども、安全だというのは事故があるまで安全なんです。そして、事故が起こったときには、これはもう取り返しつきません。お金だけの問題じゃない。そこで一人の命が失われてもこれは大変な問題です。そしてこの原子力発電所というものを考えてみたら、いや、原子力の方が安いのだと言われるけれども、建設費でしょう。そして稼働している間はいいけれども、三十年、四十年たってこれを廃棄するときのその費用と技術というものも今大変な問題になっています。どんどん原発をやったって、そこから出てくる廃棄物の問題はまだ安全であるというところに来てないわけでしょう。
 だからさっきから言うように北海道の幌延の問題もあるわけです。そして、一たん事故が起こったならばこれは本当にもう大変なことです、食糧問題から何から考えたときに。そうするともろもろの建設費から廃棄するときから、そして廃棄物の処理から事故が起こったときのさまざまな問題を考えてみたときに、これは目先の計算なんかではできるものではない。だから本当に今チェルノブイリを反省する、あの点で学ぶとするならば、技術のどこかを学ぶというのではなくて、原子力発電所そのものに対する姿勢というものを根本的に私はここのところで問われなければならない問題だと思うのです。そういう意味から、私は安全で自主的な自分の炭鉱というものを大事にしたい
ということをどうか深い意味でお受け取りいただきたいということを申し添えたいと思います。
 具体的にあと二つの問題だけ聞かせてください。
 一つは、労働省、おいでになっていらっしゃいますか。今北炭幌内の問題が出ておりました。いろいろ聞いてみまして私驚いたのですけれども、あそこも深くなっておりますね、千メートルからになっております。それで湿度が一〇〇%です。そして、地熱で四十度というような中で作業中熱中症という脱水症状になって意識不明になって、毎日三人か四人も担ぎ出されて治療しなければならないというような大変な状態になっているということなんです。それで、ぜひそのことについて御調査いただきたいということです。それから、これが軽度の者は、保安教育という名のもとに休んでも出勤扱いにして、そして私病にされているんです。これは私病ではなくて、当然労災の問題として申し出て、そして労災としての立場に立ってもらいたいと思うわけです。
 だから、御調査願いたいということと、労災の申請があったときに労災としての扱いに考えていただきたいということと、それから退職金、これまた夕張新鉱と同じなんだけれども、退職金が七百二十人、五十四億三千九百万円残っていると。これはまさにまた大変な問題です。だからこれについてもきちっと計画的な支払いをしていただきたいというのをお願いするわけです。簡単にお願いします。
#150
○説明員(清水尚武君) ただいま先生から御指摘のありました、暑熱な場所における熱中症の問題ですけれども、これは先生あるいは御承知かと思いますけれども、労働基準法の施行規則に業務上の疾病として既に認めることになっております。したがいまして、そういったことがあるのに労災の手続がとられていないと……
#151
○小笠原貞子君 会社が申請しないのね。
#152
○説明員(清水尚武君) いや、これはもともと労働者が請求をしていただくということになっておる制度でございます。
#153
○説明員(菊地好司君) 退職金の未払いの件でございますが、北海道労働基準局におきまして、労使で構成する退職手当支払促進管理委員会というのを設けさせまして、そこで計画を立てさせ明確にした上で、計画どおり支払われるよう監督指導を続けているところでございます。
#154
○小笠原貞子君 お疲れのところどうも済みません、もう一つだけ伺わせていただきたいと思います。これは大臣にお答えをいただきたいと思うのです。
 苫東、御存じですね、私いつも言います苫小牧東部開発、あそこに民間備蓄と国家備蓄の二つのタンクがあるんです。その民間備蓄のタンクの十四基が今度国備が引き受けてやるということになっているわけなんですね。今まで民間がやるというふうになっていたのを今度十四基は国備が引受けてやるというわけです。そこで私が伺いたいのは、新たに今度はそれを建設する発注者は国備になるわけだから、発注者がかわるわけです。そうすると、そこのところで新しく契約をやり直すということは当然できるのではないか、今まで民間でやるのを今度国が引き受けてやるというのだから。だから当然新しい契約の国備とそれから業者との関係で契約が法律的にできるのではないかというのが私の一つの質問でございます。
 時間がないから続けてお伺いいたしますけれども、いろいろ聞くとなかなか難しい。それで私も無理は申しません。タンクの場合には消防法とかいろいろな問題がありますから、今度国備が引き受けたからといってまたそれ改めてということは無理だというふうなことも伺いました。そうすると、タンクの建設の方は今までの契約した業者が扱うということで私は百歩そこは譲ってもいいと思うのです。ただ、そのタンクの塗装の問題なんです。塗りますね。塗装の問題は消防法とかどうとかという難しいことはない。そうすると、その塗装に関して国情が契約していた業者がこれを扱って、ピンはねして下請にやらせるというのではなくて、国備が新たに十四基をやるんだから、そうすると、国備が今までやっていたようにいろいろな地元の業者も入れたジョイントベンチャーで塗装の方だけやるということをぜひ考えていただきたいと思うわけなんです。横から余り変な知恵つけないでよ、私の言っているのを聞いていれば大臣としてお答えができるはずですから。そこで私が言いたいのは、国備とそれから地元産業、地元の苫小牧……
#155
○委員長(沢田一精君) 簡単に願います。
#156
○小笠原貞子君 厚真、早来、鵡川というようなところで地元産業活用ということに対する協定書をつくっているんです。だからそういう意味からも、やっぱり不況の問題を考えたら、そういうふうに地元産業が参加できるような問題を私は考えてもらいたい。これは大臣の政治的な御判断にかかるわけですから、これについて御検討をいただき、考えていただきたい。ごめんなさい、大変延びましたが、よろしくお願いします。
#157
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大臣は余り請負の細かいことまで口出ししないようにしているんです、何だかんだ言われるから。だからなるべくはそういうのは事務当局に任せてありますから、事務当局に答えさせます。
#158
○政府委員(畠山襄君) 第一点の、共備から国備が引き継いたときに契約を新たにすることは考えられるんじゃないかという御指摘でございますが、これは論理的には御指摘のとおりでございます。ただ、本件につきましては共備で既に工事を始めようということで契約もしておったものですから、今御質問の中にもありましたが、それを引き継ぎませんと経済性とか工期とかいろいろありますので、引き継ぐということにしたわけでございます。そこで、塗装についても同様でございますが、ただ御指摘のように地元企業を使うということは大事ではございますので、実質的に地元企業を下請とかそういう形で使うような方向でいろいろ適切に対処してまいりたいというふうに思っております。
#159
○委員長(沢田一精君) 本日の調査はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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