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1947/10/03 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会第1小委員会 第3号
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1947/10/03 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会第1小委員会 第3号

#1
第001回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会第1小委員会 第3号
  付託事件
○在外同胞引揚促進及び引揚者の援護
 更生に関する請願(第五号)
○ソ軍管下の未復員軍人帰還促進に関
 する請願(第七号)
○在外同胞引揚促進に関する請願(第
 八十三号)
○海外引揚者生存権保証等の問題に関
 する請願(第八十四号)
○海外引揚者の更生対策に関する請願
 (第百四号)
○海外引揚者の住宅問題に関する請願
 (第百五号)
○在外同胞引揚促進に関する請願(第
 百六十三号)
――――――――――――――――
昭和二十二年十月三日(金曜日)
   午前十時五十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○在外同胞引揚促進及び引揚者の援護
 更生に関する請願(第五号)
○海外引揚者生存権保証等の問題に関
 する請願(第八十四号)
○海外引揚者の更生対策に関する請願
 (第百四号)
○海外引揚者の住宅問題に関する請願
 (第百五号)
○在外同胞引揚促進に関する請願(第
 八十三号)、(第百六十三号)
○ソ軍管下の未復員軍人帰還促進に関
 する請願(第七号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山田節男君) 大変お待たせいたしました。これから在外同胞引揚問題に関する特別委員会の第一小委員会を開会いたします。先ず開会に当りまして、昨日の第一小委員会におきまして、御採決願つた請願四件に対しまする意見書の案ができておりまするので、これを一應御披露申上げて御採択を願いたいと思います。只今から読み上げます。請願第五号に関する意見書案でございます。
    意見書案
  在外同胞引揚促進及び引揚者の援護更生に関する請願
  請願者 東京都中央区日本橋江戸橋一丁目十五番地 財團法人満蒙同胞援護会会長 小日山直登君提出
 右の請願は、引揚者問題全般の解決は單なる各省各局の部分的、事務処理によつては不可能であるから、これを片山内閣の重要國策としてとり上げ、引揚の促進、在外資産の補償、庶民金庫の増額と即時貸出の実施、引揚者に対する農地開放の徹底、後期引揚者に対する援護更生等の諸対策を講ぜられたいとの趣旨であつて参議院、願意の大体は妥当なものなりと思う。よつて内閣は鋭意これが実現に努力せられたい。ここに國会法第八十一條により別册を送付する。
  昭和二十二年 月  日
       参議院議長 松平恒雄
 内閣総理大臣 片山 哲殿これが意見書の案でございますが、この案につきまして御意見がありますならばお伺いしたいと思います。……御異議ございませんか。
#3
○中平常太郎君 私昨日他の要件で欠席しておりましたからよく分りませんのですが、請願は種々な形におきまして沢山出ておるように思うのでありますが、それを全部昨日は御審議なさつたのですか。
#4
○委員長(山田節男君) いや、昨日は小委員会に付託されております六件の中四件の審査を願つて採決したわけです。そうしてこの四件は参議院の本会議に付して、更にこれを内閣総理大臣に送付することを要する、こういうふうに御採決を願つております。
#5
○中平常太郎君 誠に結構ですが、今のところやはりそういう種類の請願は他にありませんか。
#6
○委員長(山田節男君) まだあります。これは現在九月十八日までに付託された請願書でありまして、それ以後來ておるものであります。
#7
○中平常太郎君 それでは今後それと類似の請願が参りました時の取扱いはどうなるのですか。一應伺いたいと思います。
#8
○委員長(山田節男君) やはりこれは同じような手続きを踏むことを要する、又御審査願つて本会議に付するか或いは内閣に送付することを要するか、御採決願えれば、やはりこれと同じうになるわけです。
#9
○中平常太郎君 了承いたします。異議ありません。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(山田節男君) 御異議ないものと認めまして、この意見書案を決定いたします。
 次は請願第八十四号に関する意見書案でございます。
    意見書案
 海外引揚者生存権保証等の問題に関する請願
  請願者、東京都中央区築地三丁目
  本願寺内渡邊勝男提出
  右の請願は、引揚者復員者を國民として公平に取扱つてもらいたい、國民道義の廃たいが叫ばれているが、國民の一割に達する引揚者、侮員者に不均等な待遇を與えている今日の政治が是正されない限り、道義は昂揚せられない、との趣旨であつて参議院は、願意の大体は妥当なものなりと思う。よつて内閣は鋭意これが実現に努力せられたい。ここに國会法第八十一條により別册を送付する。
  昭和二十二年 月  日
       参議院議長 松平恒雄
 内閣総理大臣片山 哲殿
 これが請願第八十四号についての意見書案でありますが、これにつきまして御意見ございますか。
#11
○中平常太郎君 この外地帰還者に対しまして、いわゆる戰爭負担の均分化という問題が、國会の総意を以て提案されることになつておりはしませんか。まだなつておりませんか。
#12
○星野芳樹君 それについて私から説明いたしますが、それは同胞救援議員連盟内でそういう空氣が起りまして、この中で大体これが全員一致した見解となり、これで同胞救援議員連盟の企画部長である北條君を中心として原案の作成がされ、それが今各派内に持ち込まれて討議されて、近く正式にこれを決議案にして持ち出される、決議案というものは濫発すべきものではなくて、非常に愼重にすべきでありますけれども、國政の根本的問題であるこれだけは、何とか本会期中に決議案として成立させたいという同胞救援議員連盟理事全体の意向であります。
#13
○中平常太郎君 分りました。同じ趣旨ですね。それで採択するのは適当でありましよう。異議ありません。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(山田節男君) 御異議ないものと認めまして、この意見書案を採択いたします。
 次は請願百四号につきましての意見書の案でございます。
    意見書案
  海外引揚者の更生対策に関する請願
  請願者 東京都澁谷区上通三丁目一番地 東京都引揚者團体連合会委員長 阿部勇提出
 右の請願は、海外引揚者に対する現行更生資金を更生に使用し得るものは、他から資金の借入る道のある小数者であつて、実際は更生不可能資金である。僅少なるこれら更生資金は、現下の物價と強力統制により生活資金と流用されているものであるから、是非共二万円程度の更生資金と資材の優先配給による保護的措置と併用して、積極的な面の法的保護を與えられたいとの趣旨であつて、参議院は、願意の大体は妥当なものなりと思う。よつて内閣は鋭意これが実現に努力せられたい。ここに國会法第八十一條により別冊を送付する。
  昭和二十二年十月
       参議院議長 松平恒雄
 内閣総理大臣 片山 哲殿
 これに対しまする御意見をお伺いしたいと存じますが、別に御異議がございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○委員長(山田節男君) 御異議ないものと認めます。それではこの意見書案を意見書として採択することにいたします。
 次は請願第百五号に関する意見書案でございます。
    意見書案
  海外引揚者の住宅問題に関する請願
  請願者東京都中野区江古田四丁目一五一五番地 浦田武雄提出
 右の請願は、現下の住宅問題は食糧事情と併行的に困難である。引揚者一般大衆は野宿同樣のために勤労意欲を阻害するも甚だしい。ために遊休住宅の開放は勿論、役人の知悉しない未利用住宅を活用されたい。このためにも住宅緊急措置令、借地借家法の強力な実施を行われたいとの趣旨であつて、参議院は、願意の大体は妥当なものなりと思う。よつて内閣は鋭意これが実現に努力せられたい。ここに國会法第八十一條により別冊を送付する。
  昭和二十二年十月
       参議院議長 松平恒雄
 内閣総理大臣 片山 哲殿
 これに対する御意見を伺いたいと思います。別に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(山田節男君) 御異議ないものと認めまして、本請願百五号に対する意見書の案を採択いたします。
#17
○中平常太郎君 この際ちよつと私申上げて見たいと思うことは、関東の大水害におきまして、引揚者の方々は在外当時の預金通帳を所持する者は、その預金通帳から五千円まで引出し得るということになつた。更正せしめるために政府が取つておる應急の政策がそういうふうにこの間も新聞に出ておりますが、在外の預金がそういふ場合に出せることになれば、一般の今まで困つておる人でも在外の預金は出せる途があるのじやないかと思うのです。それで水害があつたからといつて出せるというならば、それに等しいほどの難儀な引揚者の家庭、或いは大黒柱の人が死んだとか、或いは火災に遭つたとか、その外非常に困窮の極度に達しておるところの引揚者というものは、殊に全國には至る所にあるのでありますが、さてその預金が俄かに出せない。今度の関東大水災の場合には、その損害の程度の厚薄に拘わらず、一般に認められておる五千円まで預金が出せるということになるということは、或る意味から言つたら、不公平じやないかと思う。出したことにおいて私は賛成でありますが、同時にそれが出せるものならば、もつと全國的に困つておる家庭の特殊な事情の者には出し得る途があると思うのでありますが、その点は当局においてどう考えておられますか。御説明を聞きたいと思います。
#18
○委員長(山田節男君) 星野さん、これに対して援護院の考えを……
#19
○説明員(星野毅子郎君) 只今中平委員からの御発言のことは、現在所管は大藏省の所管でございます。私の方の直接のことでもないのでありますが、当時水害を受けた者の在外の預金通帳から五千円まで引き出せるというお話でございましたが、私まだ連絡を受けてないのですが、從來………
#20
○中平常太郎君 新聞にあつたのです。
#21
○説明員(星野毅子郎君) そのことは私の方は連絡を受けておりませんので、そう決まつたということをまだ聞いておりません。それから実は在外預貯金の拂出しにつきましては、引揚開始当初から引揚者の方々から御要求が強かつたのであります。大藏省、外務省等におきましても、数次に亘りましてこれにつきましては努力をいたしたのでございますが、今のところなかなか諸般の事情がございまして実現できない状況になつておるように聞いております。從いまして、多分この水害のことも新聞報道で、実際は実施していないのじやないかというふうに考えられるのでございます。今のところ私は連絡を受けておりませんので……
#22
○中平常太郎君 なつたと新聞には書いております。
#23
○説明員(星野毅子郎君) いずれ調査して適当に大藏省の方から御返事することになろうと思いますが、さように御承知を願います。
#24
○中平常太郎君 とにかく正確のところを一つ知らして頂きたい。
#25
○千田正君 只今の中平委員の御質問に附随しまして、私からも特にお願いしたい点があるのであります。それは、今次水害におきまして災害者が五千円の預金を引出せる。ところが、引揚者並びに戰災者が今度の水害地に住んでおりまして、戰爭の災害を受けた外に更に今度の水害を受けておる。こういう人が相当多数に上つております。殊に関東地区におきましては、東北は勿論でありまするが、相当の数に上つておりますので、元々引揚者のように外地から一文も持たずに來て、在外資産の補償も得られないで、明日をいかにして食うべきかという現駄にあつた。そこへ又再びごの天災地変によるところの水害を受けて、起ち上る勇氣もなく、それこそ農民と又違つた意味においてダブつたところの災害を受けておる。こういう面におきまして、特に優先的に政府がこうした苦しい立場の者を救うという方法を講じておられるかどうかという点について、政府当局の御所信を承りたいと思います。
#26
○説明員(星野毅子郎君) 今の千田委員の御質問は大きな問題でございまして政府各省に亘る問題でございます。私から申上げるべきが適当ではないと存じますが、ただ農林省その他大蔵各省の水害の対策、救済状況等、厚生省におきましても、直接の應急措置の生活の救護等につきましては、現在引揚者といわず、戰災者といわず、直接この水害の被災を受けましたということを目標にいたしまして、取扱をいたしておりまして、引揚者なるが故に……確かにお説の通り二重の苦しみとしておるわけでございますが、特に引揚者なるが故に特別の救済ということはいたしておらないのでございます。ただその状況によりましては、固より運用におきまして、救済につきましてはでき得る限りの努力をいたしておるのでございますが、特別にさような努力はちよつと今のところいたしておりませんし、むづかしいと存じます。
#27
○千田正君 今のご説明に対しては誠に遺憾の意を表する者であります。ということは、大体今度の被害は農地を持つておる者、若しくは相当の住宅を有する人達と同じように、引揚者、戰災者が僅かばかりのトタン屋根の下、若しくは寺院の一隅を借りて辛うじて生きておる今日において、一切今度の災害にさらわれて何もない、現在住宅になつている床の上の浸水、若しくは農地の荒廃という点については、國家が十分に補償しておるけれども、從來でさえも補償を與えられておらないところのそうした惨めな人達が、更に一物もなくなつたという者に対しては、應急措置を同じように講ずるということに対しては、私は誠にこの民主主義政治の徹底化という意味からいつても、遺憾に存ずるのであります。この点におきましては、政府は積極的な救援方法を取つて頂きたいと特に要望いたします。
#28
○田村文吉君 この機会に皆さんに私はお諮りをいたしたいのでありますが、食糧の不足の問題につきましては、いわゆる官民一途となつてこれが打開について努力をしておられるのでありまするが、住宅の問題については、どうも在來政府の方針におきましても、又一般の人々の考え方からいいましても、食糧問題に氣を取られたという関係でありますか、なんだか熱意がないような氣がいたすのでありますが、この住宅の問題を解決するということが、引揚者の一つの救済であり、又戰災者で今度の水害を受けた人に対しても大切な問題であつて、恐らくは國情を安定せしめるという上からいつて、どうしても放つて置くことのできない問題であると私は思うのであります。そこで、この問題を單に遊休住宅、空いておる住宅を開放するとかいうような問題だけに止めないで、もつと大所高所から、現在日本で不足しておりまする庶民住宅というものを徹底的に一つ建ててやつて、それに対して、お氣の毒な人達に対しては家賃の決め方をどうするとかいうような方法もおのずから考えられると思うのでありますので、この際何を措いても、庶民住宅を多く建ててやるということをしなければならないと思うのでありますので、この際、海外同胞引揚委員会の発意によりまして、厚生委員及び國土委員等にお諮りを願つて、本会議において決議を一つされたらどうか、こういうことを考えておるのであります。これについて皆樣の御意見を承り、でき得ますことならば、さようなふうに取り運んで頂いて、この際、國家の庶民住宅政策というものをはつきりと立てなければならん、こういうことを決議して貰つて、それに向つて推進をするということがどうかと考えておるのであります。
#29
○委員長(山田節男君) 只今田村委員からの御提案でございまするが、本小委員会におきましても、実は請願、陳情、在外同胞の引揚者の更生援護問題、それから住宅問題、それから引揚促進問題、この三つの部門に分けまして、そのおのおのの部門に担当者を実はお願いしておるようなわけでございまして、その趣旨は要しますのに、この請願並びに陳情の趣旨、これをただ單に本会議に送付して、更にこれを内閣総理大臣に送付するということだけでなく、もつと徹底的なこの趣旨の実現ということについて、これは本小委員会のみならず特別委員会におきまして、大体そういうような御意図があるように伺つております。從いまして只今の田村委員からの御提案につきまして、この本小委員会としても誠に力強い有意義な御提案であると存じまするが、尚これにつきまして委員におかせられて何か御意見がございましようか、お伺いいたしたいと思います。
#30
○星野芳樹君 今の田村委員の意見誠に賛成でありまして、その内容を具体的にするために、私は昨日この請願について十分な説明をいたして、住宅に関する意見を大体報告しましたから、今日はダブりますから略しますが意見も纏まつておるのですから、今、田村委員の言われた線に積極的に進められんことを希望する次第であります。
#31
○田村文吉君 尚私、附加えたいのは、皆さんも御了解になつておると思いますが、ただ引揚の住宅というだけの小さな問題にしないで、戰災者も、水害を受けた人も、日本の國全体が庶民住宅がないために困つておる、一つ各方面の團結によつてこの問題を提唱して貰う、こういうことにお願いして、然る後に、幸いに我々の予定するように住宅政策の予定が立つということになりました場合に、引揚者とかいうような者が、それぞれによつて成るべく優先的に入れて貰うというような方法ができるだろう、單なる引揚者だけの問題とせずに、この決議案が上程されるようになることをお願いしたいのであります。重ねて誤解のないように………。
#32
○星野芳樹君 全く異議ありません。
#33
○千田正君 只今の田村委員の御希望の問題は、厚生委員会におきまして、私自身厚生常任委員の一人としまして、住宅に関する小委員会をこのたび作りまして、それによつて十分案を練つて政府当局に実行をお願いすることになつておりますので、十分ここの委員会の御希望は、我々も共に協力して実行したいと思つております。
#34
○委員長(山田節男君) 只今田村委員の御提案に対しまして私も申上げましたが、その趣旨は勿論田村委員の御提案と全然一致しておる点でありまして、尚この提案並びに本委員会の各委員の御意見につきましては、特別委員会に報告いたしまして、御趣旨に副うような手段を講じたいと存じます。
 それでは尚未審査で残つておりまする請願二件がございますので、御審査、願いたいと思います。先ず請願第八十三号、第百六十三号、在外同胞引揚促進に関する請願、それでは星野委員から御説明願いたいと思います。
#35
○星野芳樹君 それでは第八十三号の請願書について御説明いたします。これは、題目は在外同胞引揚に関する請願、昭和二十二年八月四日受付になつております。それで請願人は北海道小樽市稻穗町四丁目十三番地、桑原喜助外二名で、この請願の内容は、昭和二十一年十二月より引揚が開始されたことは非常に感謝に堪えないけれども、樺太は大体本年中に終るそうであるが、シベリヤ、ソ聯本土の同胞が尚二年余要する、嚴寒の地で病氣その他で相当の犠牲が想像される。留守家族は憂慮に堪えず、而も生活の辛苦想像に堪えないものがある。これによつて小樽市民で市民大会を開き、十二万名の懇請歎願書を作成して、聯合國各関係方面に請願したが、この度参議院にも同樣の請願書を提出すると、こういう内容であります。紹介者としての紹介はこれで終ります。
#36
○委員長(山田節男君) 只今御紹介になりました請願に対しまして御意見がありましたら……
#37
○田村文吉君 この問題ではどなたも御反対なさる理由もなし、又全く同感には違いないのでありますが、この前に本会議で決議案を出して可決しておるのでありますが、そういうような場合において、こういうような同じ種類のものが來ました場合にはどう取扱うかという問題が問題になるのじやないかと思うのでありますが、左樣な場合にも重複しても何でもただ取次ぐべきかどうかということの問題だと思うのであります。
#38
○星野芳樹君 決議案を出しました意思は全員としてこの問題に努力するという意思を表示したので、更に民間からかかる請願書が來た場合には一層これを取次ぐべき責任をすでに宣言したのじやないかと思うのであります。そうして前例といたしましても、衆議院でも同じく八月十五日にこれと同樣の決議をしまして、而もその後矢張り同樣の請願書を受理、採択し、政府に送付しているようであります。この意味において私は採択して政府に送付するのが適当だと信じます。
#39
○淺岡信夫君 今田村委員並びに星野委員から採択の賛意を表せられたのでありますが、私も共にこれに対しては無條件で賛成するのであります。更にこの問題に関しましては、これから御審議を頂きます件の中、第七号、紹介議員は寺尾豊君になつておりますが、ソ聯軍管下の未復員軍人帰還促進に閲する請願、更に第百六十三号、紹介議員寺尾豊君、西山龜七君の両名、在外同胞引揚促進に関する請願、これは高知縣の人達でありますが、石川伊勢美外百六十二名の請願書が出ているのであります。こうした問題につきましては、これは一括御採択を頂くということが、この小委員会といたしましては処理上最も妥当なことではないかと思うのであります。そこで私はこの小委員会或いは更に特別委員会の委員をいたしておりますと同時に、衆議院参議院の殆ど各派の人を以て構成されておりまする同胞救援議員聯盟の帰還促准部長を私がいたしております。そこで去る八月十五日に衆議院並に参議院において、同じ日にこの帰還促進の問題が國会において決議されたのであります。ところがその後の問題につきましていろいろとこの問題にはデリケートな問題がありまして、日夜この問題には同僚議員と努力いたしているのではありますが、未だはつきりとした結果をもたらしていないのであります。これからちよつと速記を止めて頂きたいと思います。
#40
○委員長(山田節男君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#41
○委員長(山田節男君) 速記を始めて下さい。只今淺岡委員から在外同胞引揚促進に対する詳細な御報告を得ました。先程の田村委員の御意見もございますが、これはやはり本小委員会が特別委員会に報告いたした後に決まるとでありまするが、本小委員会としましては、やはりこの請願を本会議に付し、又これを内閣総理大臣に送付する、こういうように一つ御決議を願つて………
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○田村文吉君 今淺岡委員からお話のあつたように、今後同じようなものが沢山参るでしようから、すべて一括してお送りを願いたいと思います。
#43
○中平常太郎君 大変結構で賛成ですが、やはりここで採択したものは一應在外同胞引揚特別委員会に、全部の委員会に一應おかけになるわけと思うのですが、そういう形式になるのでしようね。
#44
○委員長(山田節男君) そうです。報告いたします。
#45
○淺岡信夫君 田村委員、中平委員の御趣意に賛成するのでありますが、ちよつと速記を……
#46
○委員長(山田節男君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#47
○委員長(山田節男君) 速記を始めて下さい。
#48
○政府委員(森田俊介君) 九月の初めの状況を申上げますと、ソ聯だけで旧陸軍が約五十六万八千人、元海軍に属します者が約一万人まだ帰つておりません。これは何時かの委員会で他の政府委員から申上げた数字よりも、少し帰られたからそれだけ少くなつておるわけであります。
#49
○千田正君 何日現在ですか。
#50
○政府委員(森田俊介君) 九月一日現在です。
#51
○中平常太郎君 確かな数字でしようね。
#52
○政府委員(森田俊介君) ソ聯からは生存者の名簿も、死亡者の名簿も公式には参つておりませんので、現在名簿上残つておる者は全部ということになるわけであります。從いまして今申上げました数字の中で向うの現地で病氣その他で亡くなつておられる方が当然あるだろうということは想像されるわけであります。生きて現在残つておる方はこれより少ないと思うのであります。これはこちらで差引きをするわけにまいりませんので名簿上残つております者がそういう数字になる。その方は復員廳の方は正式に申上げる資料を持ちませんので、旧軍人だけの数字を申上げます。只今淺岡委員のお話がありましたように、年來復員廳としましては、ソ聯からの復員、帰還については熱心にできるだけのことをやつてまいつておるわけで、ありまするが、又國会にもなみなみならんお力添えを願つておるわけでありまするが、只今淺岡委員のおつしやつた通りの経過を辿つておるわけでありまして、未復員の御家族の方に対しても長年お待ちになつておる御心境に対して相済まん感じを持つております。この上とも当局としまして、力の及ぶ限り必ず実現するまで、倦まず、弛まず、努めてまいる積りでありますから、一層お力添え頂きまするようにお願いいたしたいと思います。
 私共事務当局としては、いつ何時この帰還人員が増加されましても、やれ鉄道の輸送が困るとか、食糧が困るとか、上陸地での給與で困るとかいうような支障を生じないように、それぞれ関係各省と平素連絡を保ちながら、万全の用意をして齟齬のないように努める積りであります。
 なお申添えまするが、南方はビルマは八月下旬に元本多中將が後詰になつて帰られました。戰犯容疑者だけ残つています、間もなくシンガポールもビルマ同樣、戰犯者及び世話人のような特殊な方を残して一應完了する予定でございます。以上その後の復員状況を申上げて、お力添を賜わりましたことに対する御礼を申上げ、この度又十分のお力添えを頂きまするようお願いを申上げたいと存ずる次第でございます。
#53
○中平常太郎君 陸海両方面は、大体概数は死亡者がこの中にあるだけで分つておりますが、その他ソヴエットには八十五万ぐらいあるように報告が出ておりますが、そうすると三十万ぐら、いのものが復員者でない満洲在往の者、その他樣々の奉仕隊、或いは義勇軍、開拓團が行つておるわけですが、そうなりますか。
#54
○星野芳樹君 樺太が二十万です。
#55
○中平常太郎君 あと十万がソヴエットですね。
#56
○政府委員(森田俊介君) 大体そんな、ことになると思います。
#57
○淺岡信夫君 その数字は樺太が二十万、その他が十万、中共地区に十二、三万、大体九十二、三万というふうに我々は了承しておりますが、できれば特別委員会でほかに調べる方法があるかも知れないと思いますが、これについて答弁書を頂くよう要望いたしたいと思います。
#58
○田村文吉君 ちよつとお尋ねしたいのですが、陸軍の終戰当時のソ聯の残留者はいくらでございましたか。それから帰つた人の数をお引きになつたものがこうなるのでございますか。
#59
○政府委員(森田俊介君) さようでございます。帰つた数が二十三万八千、八月終りまでの陸軍、海軍が五千百余り、それだけ加えていただけばおつた数になります。
#60
○田村文吉君 亡くなつたことについての通報は、絶対に向うから來ませんか。
#61
○政府委員(森田俊介君) 來ません。帰つた人からあの人が亡くなつたのを見たという的確なる申出のあるものは、ソ聯に行つておる人でも、戰死公報を出しております。
#62
○淺岡信夫君 私共八月に舞鶴にまいりまして、実際にその人は死んでおるか、この人はどうなつておるか、それを復員廳はいかに調査するかという点について、実際に調査の状況を見たのであります。それに対して私共は頭が下がりました。これまで復員廳はよくやつておるかと、……それまでは政府は甚だ無責任極まるものじやないか、死んだか、死なないか、死んだという知らせが來たかと思うと、いや生きておつたという取消しの知らせがきたり、或いは公報があつたのに帰つてきた、人の話では確かに生きておつたという、非常にあやふやで、今まで國家のために身を挺してやつておつた者の跡始末としては、なつておらんじやないかと、私も思つておつたが、実地を見まして、その処理の方法を見たときに、女の人でも百人近い人が机は約五六十あつて、そこに鉛筆が数限りなく下がつておりまして、そこへ引揚げた人をすつと入れて、あなたのとにかく知つておる人の名前を書いてくれ、兵隊さんの、戰友の、知つておる人の、名前を書いてくれというので、できるだけ書かせる。私は何の太郎兵衛、山田某、伊藤某というふうに書く、それはどこそこ縣の者であつたというようなふうで、その縣を書き、人の名を書く。名前の分らん者はもう仕方がない。そのままというようなふうで、おぼろげの頭の中から沢山のものを書かせる。それを集めまして、そうしてこれが死んでおつたとか、これが生きておるというようなふうでやつておる。それから帰還して郷里へ帰つて思い出したら、更にそれを報せてくれというように百方手をつくしておるのであります。私は今の場合あれ以上手のつくしようがないのぢやないか、実にあそこまでやつてくれておるということに対しては、心から私共はじめ一行は全部満足して引揚げたのであります。ちよつと私共の調査したことを御報告上申げておきます。
#63
○委員長(山田節男君) 本請願第百六十三号でありますが、これは只今御審査願つたのでありますが、尚この請願は國会法並びに参議院規則第百七十條によりまして、これを本院の本会議に付し、又更にこれを内閣総理大臣に送付を要するものといたすかどうかということでございますが、これに対しまして御意見はございませんか……御異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○委員長(山田節男君) 御異議ないものと認めまして、それではこれを更に意見書案を作る手配をいたすことにいたします。
 次に請願第七号でございまするが、紹介者は寺尾君になつておりますが、淺岡委員にお願いいたします。
#65
○淺岡信夫君 委員長から御指名を頂いたのでございまするが、これは委員長に私の方からお願い申上げたいのでございますが、この七号請願も、それから第百六十三号も皆同じものでございますが……それでこの在外引揚げ促進の問題、或いはソ連からの引揚げ促進というものは、これは一つ一括して御採択頂ければ幸せだと存じます。
#66
○委員長(山田節男君) 只今淺岡委員から、寺尾委員に代りまして、御紹介、御説明がございましたが、これにつきまして、只今の淺岡委員の御発言の通りで御異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○委員長(山田節男君) 御異議ないものと認めまして、本請願も参議院規則第百七十條によりまする諸般の手続きを採りたいと存じます。
#68
○千田正君 丁度復員廳の方も又援護院の方もお見えのようでございますが、最近帰還する人達に対する上陸港におけるところのいろいろな保護施設につきまして、前と同樣万全を期しておられるということは勿論我々も信じておりますが、あそこで渡される内地に帰つてからの定着地までの金というものに対して、増額して何とか補給して頂く方法がとつて頂けるかどうか。この点を一つ伺いたいと思います。昨年の当時と亦今日の物價というものは相当違つておりますので、途中遠隔の地に行く人間にとつては、非常に帰る途中何か買わなければならないという場合があつても十分じやないと思いますので、この点はいかが取計つておりますか、ちよつとお伺いしたいと思います。
#69
○政府委員(森田俊介君) 復員廳に関する限りにおいて申上げますが、それは千田委員のおつしやる通り十分とは思つておりません。現在の物價高で、上陸港で渡しておる旅費その他は甚だ不十分であろうと考えておりますが、現在のところでは、我々の方でもいろいろ考究をして急いで手配をするように考えておりますが、残念ながらこの議会の追加予算にはこれは間に合いかねるかも知れない。この次には何とかしてお言葉のように実現いたしたい。かような積りでおります。或いは今議会にはちよつと間に合いかねるのぢやないかと思います。………
#70
○説明員(星野毅子郎君) 引揚者の上陸後におきまする帰郷旅費は、八月一日から從來一人当り百円を二百五十円に増額いたしまして、手交いたしておりまして、これで固より十分とは思つておりませんが、家族の多いのは千円まで、一人は二百五十円ということにいたしております。これで決して十分とは存じておりません。
#71
○千田正君 是非できれば今議会に問に合せたい。我々も御協力申上げたいと思つておりますので、一つ政府の方でも刻々に又物價が上るかも知れませんので、そういうような措置に関しましては十分の手を打つて頂きたいということを特にお願い申上げます。
#72
○中平常太郎君 この際申上げてお尋ねしたいのですが、先般舞鶴に参りまして調査いたしましたときに、復員者が帰つて初めて親元に通信をするという場合の電報料の問題でありますが、あれは近來電報料も上つておりまして、その僅かばかりの支給されるその金の中からこれを拂うということは、実際困難な状態がよく如実に分つておつたので、あの方面へも、これは第一回だけ家庭に通信するという場合には、永年の間通信をしなかつたので音信も絶えておる’初めて生きているか死んでいるかということが分るところの第一回の通信が有料であるということは、なんと考えてみても情けない。國民的に考えましても冷酷なことであるということから、私共は是非この一回だけの電報料は政府がサービスすべきだ。こういうことをあそこで話し、又当局に向つてそういうふうになさるべきだということを帰りましたあとにおいても公に要望しておいたのでありますが、その点はどうなつておりますか。相変らず電報料まで本人に出させておりますか。乃至は改善されて政府の手で通信の方はサービスしておられますか。その点をお伺いしたいと思います。
#73
○淺岡信夫君 今、中平委員が言われました件でございまするが、これは政府当局からお答を頂きたいのでございますけれども、一應それにつきましてはこの参議院、衆議院の両院の特別委員の懇談協議会におきまして、この問題を採上げられ、即刻衆議院の特別委員長天野議員、並びに参議院その他で、逓信大臣に数日前にお眼に掛りまして、この問題は、直接帰つて來た人達が郷里に帰るまでの鉄道賃はとに角政府が持つ然るに帰つて來たということに対して、今帰つて來ましたという報らせをするのに、僅か数百金の金を貰つている中に高い電報料を取るということは甚だ不都合である。それらに対して逓信大臣はどういうふうに処置ざれるかということを詰寄つたのでございます。それに対して逓信大臣といたしましては、それに対して自分は率直に申上げますが、この問題は至急に一つ調査を命じ、できるだけの善処をするということを申されて、実は未だに回答はないのでございます。そこで先だつて來、これは参衆両院の特別合同委員会を又開いて、そこに從來のように厚生省、或いは復員廳、或いは外務省という関係ばかりでなく、逓信省なり、運輸省なり、各般の政府委員の関係のある筋は一つお越し頂いて、そうして御回答なり、或いは更にこちらから問題を提供するなりしようじやないかということになつておるのでございますが、併し今中平委員の云われました件は、これは即刻一つ実施して頂きたいということを、私は重ねて要望するものであります。
#74
○政府委員(森田俊介君) 中平委員のお尋の電報料のことは、誠に復員者に対する御同情あるお話でありまして、前にも舞鶴視察の御報告の中にも、そういうお言葉があつて、我々復員廳側の者としては感激を以て拜聽いたしたのであります。事務的にまだ折衝は完了いたしておりませんが、只今淺岡委員から仰しやいましたように、逓信大臣にも両院の意が通じられておるということは、私共も洩れ承つておりましたので、下の事務的の方に成るべく速かに折衝を遂げたいと思つております。
#75
○中平常太郎君 どうぞ至急やつて下さい。どんどん帰つて参りから………
#76
○委員長(山田節男君) 別に御意見ございませんか。それじや本日の小委員会はこれで閉会いたします。どうも有難うございました。
   午後零時四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     山田 節男君
   委員
           中平常太郎君
           淺岡 信夫君
           木内キヤウ君
           井上なつゑ君
           田村 文吉君
           千田  正君
           星野 芳樹君
  政府委員
   復員事務官
   (官房長)   森田 俊介君
  説明員
   引揚援護院指導
   課長      星野毅子郎君
   外務省事務官
   (管理局在外邦
   人課長)    小島 太作君
ソース: 国立国会図書館
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