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1985/03/07 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 選挙制度に関する特別委員会 第2号
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1985/03/07 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 選挙制度に関する特別委員会 第2号

#1
第104回国会 選挙制度に関する特別委員会 第2号
昭和六十一年三月七日(金曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月七日
    辞任         補欠選任
     小野  明君     穐山  篤君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         原 文兵衛君
    理 事
                金丸 三郎君
                小島 静馬君
                藤野 賢二君
                上野 雄文君
                多田 省吾君
    委 員
                小林 国司君
                斎藤栄三郎君
                田沢 智治君
                田中 正巳君
                降矢 敬義君
                松浦  功君
                穐山  篤君
                安永 英雄君
                大川 清幸君
                田代富士男君
                内藤  功君
                山中 郁子君
                柳澤 錬造君
                野末 陳平君
   国務大臣
       自 治 大 臣  小沢 一郎君
   政府委員
       自治政務次官   森   清君
       自治省行政局選
       挙部長      小笠原臣也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(原文兵衛君) ただいまから選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、小野明君が委員を辞任され、その補欠として穐山篤君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(原文兵衛君) この際、小沢自治大臣及び森自治政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。小沢自治大臣。
#4
○国務大臣(小沢一郎君) このたび自治大臣を命ぜられました小沢一郎でございます。
 選挙の関係につきましては、委員長初め、委員の皆様にはかねてから格別の御高配にあずかっておりまして、まことにありがとうございます。この機会に厚く御礼を申し上げます。
 申すまでもなく、選挙は民主政治の基盤をなすものであります。民主政治の健全な発展を期するためには、常に国民の政治意識の涵養に努めますとともに、公正かつ明るい選挙の実現に積極的に努力してまいらなければならないと存じております。
 私といたしましては、その責任の重要さを痛感いたしまして、最大限の努力を傾注してまいる所存でございます。どうぞ委員長初め、委員皆様におかれましては、何とぞ今後とも御指導、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
#5
○委員長(原文兵衛君) 森自治政務次官。
#6
○政府委員(森清君) このたび自治政務次官を拝命いたしました森清でございます。
 当委員会は、民主政治の基盤である選挙制度について御審議いただく重要な委員会でございます。選挙の問題につきましては、みずから選挙を体験され、その方面で高い見識をお持ちの委員の皆様方の御指導を仰ぐことがとりわけ大切であります。
 私といたしましては、小沢自治大臣のもと、選挙制度の充実に努力してまいる決意でございますので、何とぞよろしく御指導のほどお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(原文兵衛君) 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。小沢自治大臣。
#8
○国務大臣(小沢一郎君) ただいま議題となりました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由と内容の概略を御説明申し上げます。
 この改正法案は、国会議員の選挙等の執行について、国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの現行の基準が実情に即さないものになりましたので、今回これに所要の改定を加えようとするものであります。すなわち、最近における公務員給与の改定、物価の変動等にかんがみまして、執行経費の基準を改定し、もって国会議員の選挙等の執行に遺憾のないようにしたいと存ずるものであります。
 次に、この法律案による改正の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、最近における公務員給与の改定等に伴い、投票所経費、開票所経費等の積算単価である超過勤務手当及び投票管理者、開票管理者、立会人等の費用弁償その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。
 第二は、最近における物価の変動等に伴い、選挙公報発行費、ポスター掲示場費等の積算単価である印刷費その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額を改定しようとするものであります。
 以上が国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案の要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#9
○委員長(原文兵衛君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○上野雄文君 まず、今回の基準の改正についてかねてから都道府県選挙管理委員会の連合会でありますとか、市区町村選挙管理委員会連合会でありますとか、選挙執行の任に当たる県、市町村の選管当事者で組織している団体からいろんな要望が出されていると思うんであります。これらについてそれなりに配慮をされただろうと思うわけでありますが、この都道府県選挙管理委員会連合会の五十九年五月に出された要望事項によりますと、一番最初に市区町村の格差をなくせ、こういうことが出ているわけです。
 今度の改正案を見てみましても、どうも従前と同じパターンで来ておりますから、この要望についてどういうような配慮をされたのか、まずその点についてお尋ねをしたいと思うんです。
#11
○政府委員(小笠原臣也君) ただいま御指摘がありましたように、都道府県選挙管理委員会連合会等、地方の選挙管理委民会から執行経費の基準法の改正につきましていろいろたくさんの要望が出てまいっております。
 主な内容を申し上げてみますと、第一は公務員給与等の改正によりまして各種の経費の積算単価でございます超過勤務手当とか費用弁償の額とか、そういうものを引き上げてもらいたいという要望でございます。
 それから第二点は、諸物価が変動いたしておりますので、そういうものを織り込んで印刷費とか資材費等を引き上げてくれ、こういう要望でございます。
 それから第三は、積算内容につきましていろいろと改善、充実を図ってくれ、こういう要望に分かれるかと思っております。
 これらの改正要望につきましては、私ども従前から十分検討を加えて予算要求なりをしたわけでございますけれども、今回御審議を願っておりますこの改正法案におきましては、積算の内容の充実という第三点につきましては、御案内のような厳しい国の財政事情等の関連もあって見送りをせざるを得なかったわけでございますけれども、第一点、第二点の給与等の改善、単価等の改善につきましてはそれぞれほぼ要望に沿うような、実態に沿うような線で改正をしたつもりでございます。ただ、具体的にお尋ねのありました市と町村との間で積算内容に差があるんではないか、その点が問題ではないかというお尋ねでございます。
 これは確かに基準法の積算基礎となっております諸単価につきまして、市と区と町村ごとに算出されておりますので、その間に若干の格差が生じておることは事実でございます。御指摘のとおりでございますが、これはそれぞれの積算単価の基礎に用いておりますデータを私ども詳細に検討しておりますと――これは全国的に見てでございますけれども、それぞれ若干の格差が生じておるためでございまして、これらを反映して給与、物価等にそれが出てまいっておるわけでございまして、やむを得ないものだというふうに考えておるわけでございます。
 なお、地域によっては類似の状況に置かれておる市と町村の交付額にも差があるかと思うわけでございますけれども、やはり基準法の性格上、全国的に標準的なものを想定して算定せざるを得ないので、ひとつその点は御了解をいただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#12
○上野雄文君 これはあなたの方にもお調べをいただいたわけでありますが、うちの県の隣り合った市と町の執行経費について比較をしてみたんですけれども、片っ方、市の方が投票所が二十八カ所、町の方が二十カ所、投票所の数が八つほど違いますけれども、トータルをしていくと大体五百万円も差があるんですね。町の方の職員は選挙のたびに、どうもうちは五百万すっ低い、だけれども、隣の市と比べてみて、投票所の数は八つしか違いませんから投票所の数による減額分はそれはやむを得ないにしても、市の方が九百万で町の方がたった四百万、これはどうも選挙のたびごとにこんなに差をつけられるという、そういう気分になっているんですね。私も選管の職員をやっていた経験もあるわけですけれども、投票所に行ってみて、市だからといって、町だからといって、経費に差をつけなきゃならないほどそんなに差があるとは思えないんですね。むしろ、人口集中のところなんかはまことに手際よくやりいいという条件の方が整っているんじゃないかと思うんですね。具体的にお調べをいただいた市と町については、面積からいったら町の方が倍ぐらいありましょうかね。ですから、町の選管としてみればどうも納得しかねる。だから、御了解願いたい、御理解を願いたいというお話があっても、これは現場にいる人だったらちょっとどうも納得はできないという答えしか返ってこないんじゃないかと、こう思うんですよ。ですから、もはやここまで長い戦後の選挙の経験ずっと積み重ねてきたわけですが、この辺の見直しを手がけるべきではないかなというふうに私は思っているんです。
 今度の場合も、全体的にスライドさせて執行経費を上げる、三年ごとの見直しでという、そのことはもう結構な話なんでありますが、どうもそこのところの格差をなくそうという面の努力というものをもう少しやってもらいたいというふうに思うんですが、そういうことについて、御理解を願いたいだけでなくて、この次の三年後の改正のときにはその点を十分配慮するというようなことになっていってもらわなけりゃ困ると思うんですが、もう一度その辺についてお答えを願いたい、こう思います。
#13
○政府委員(小笠原臣也君) お答えを申し上げます。
 御指摘のありましたように、具体的に調べてみますと、ほぼ同様だと思われるような状況にある市と町村でかなりの差が出ておるということもあろうかと思います。
 ただこれは、私ども、一方では、先ほど御説明いたしましたように、基準法の算定をいたします際に、やはり全国的に市、区、町村のそれぞれの給与の実態あるいは投票所等における人員配置等の実態、そういうものを反映をいたしまして積算をしておるわけでございますけれども、何しろ市といいましても小さい市から非常に大きい市まであるわけでございまして、それらを事細かく全部反映するというわけにはまいりませんので、一応標準的な団体をそれぞれ市、区、町村で取り上げまして、それぞれごとに積み上げていった結果、そういうものとの積算の積み重ねによって差が生じてまいっておるわけでございます。しかしながら、私ども今の算定の方法がベストであって改善の余地が全然ないということではございませんで、やはりできるだけ実態に即するように積算をしなければいけないということは考えておりますので、なお今後実態調査もしながら検討をし努力をしてまいりたいと、このように考えております。
#14
○上野雄文君 理事会の席上で、この法律ができるとき主体的な役割を果たされたという金丸委員といろいろ雑談をしたわけですけれども、まあ、この法律が果たした役割というのは非常に大きかったというふうに、私も現場におったころからこの法律を非常に評価すべき法律だというふうに思っています。
 ただ昭和二十五年ごろからですから、あの当時は合併が進む以前の状態だったと思うんですよ。今は三千三百にまで整理合理化されてきたわけですから、今日の情勢と比べてみてやはりそういう区分の仕方というものについては考え直す必要があるんだというふうに私は思っています。したがって、これからこの次の改正の時点では、その解消を図るようにぜひひとつ取り組んでもらいたいというふうに思うんです。
 さて、大変恥ずかしい話を私しなければいけないんですけれども、どうも私の選挙区の栃木県というのはおくれているのかなと思ったりするんですが、去年は町会議員の選挙をめぐって無投票工作が行われて、みんなで金を出し合って立候補したい人を引っ込めてという、最初は立候補したいという人三人だったのでこの人たちに一人、まあ数字は違いがありますが、三百万ぐらいずつやろうじゃないかと。みんなで出しっこしたら、そんなに金もらえるんじゃおれも出るよというので今度は配分の額が下がったりばらばらになってしまったので、そこから分裂が起きて後で騒ぎになって警察が手を入れて全員が挙げられて、解散をして出直し選挙をやるなんというのがありました。そのおかげで今度は少しは立派になるんだろうと、こう思うんですが、そうしましたら、今度ついこの間、間もなく町長選挙が行われるわけですが、町長と町の議長両派に分かれましてそれぞれ立派な候補者を出して、事前運動が激しくなってきたんです。ある日候補者統一の話が出たようなんですね。片っ方の方、町長派の方の代表が議長派の方の代表宅を訪れまして話があったんだそうですね。町長派の代表が帰ったらこたつの中にふろし
き包みがあったと、そのふろしき包みをあけてみたら何と一千五百万の現ナマが入っていたというんですね。それでびっくりしたのかどうか、とにかくびっくりしたんでしょうね、それをそっくり警察へ届けたんですね。警察の方でもこれは一体どういうことなんだというのでいろいろあちこち調べたようでありますが、金一千五百万円持っていった方はこれは恐喝をされた、つまり町長派の立候補予定者が病院経営しているんですね。そこで不正が行われていると、これを暴くぞと、こう言われたんで口封じのために持っていったんで、おれの方は実は恐喝をされたんだ、こういう話のようです。もらった方は、いやいや、あれは一本化のための買収資金だと、こう言って両方でごちゃごちゃやっているんです。これはまさに変な話なんですが。千五百万届けられた警察の方も、それを預かっていてどうやっていいかというんで、今てんやわんやしている話なんです。全くお恥ずかしい限りなんですが、しかし考えてみると、この市区選管連合会の要望に、昭和五十五年から町村に対する常時啓発費用というのがなくなってしまった。昭和五十五年というと、大平内閣のときですか、ロッキード事件のあれが、騒ぎも一段落して裁判になっていましたから、そろそろそういう啓発費なんというのは財政難を理由にして削っちゃっていいんだろうというような考えかどうか、なくなってしまったんですね。先ほど大臣の所信の表明の中に、選挙というのは民主主義の基盤であり、常時明るく正しい選挙が行われるようにしていく、これはもう非常に重要なことなんだというお話があったわけですけれども、こういう問題と絡めて常時啓発、今は町村に関してゼロという状況なんですけれども、どういうふうにお考えになりますか。大臣、ひとつ新進気鋭のところで、しれはやっぱり見逃しにできないことなんだろうと思うんですけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#15
○国務大臣(小沢一郎君) ただいま先生から、さまざまな実例を引きながらお話があったわけでございます。我が国におきましては、まだまだ具体的な問題をとらえてみますと、私どもの地域は先生のところよりさらに奥深い山里のところでございまして、さまざまな問題が生じておることは事実でございます。私どもといたしましては、立候補する者も、またそれを支援し、あるいは投票を行う、判断をする者もお互いに選挙というものを正しく理解し、そして公正に判断していかなければならない、そのように考えておるわけであります。御指摘の、市町村に対する費用につきましては、財政上の問題等もあったと思いますが、補助金として廃止されておることは事実でございます。しかしながら、御指摘のようにそれによって、それだからといって選挙の公正そして民主主義を正しく理解していただくその必要性がなくなるわけでもございません。自治省といたしましては、そういう事情にかんがみまして都道府県に対する補助を充実していきながら、また都道府県の行う日常の選挙の啓発活動を広域的にやったりあるいは市町村と一緒にやったりと、そういうことによって補完しながら十分啓蒙活動、啓発活動が徹底していくように努力をいたしておるところでございます。今後ともそういうような経費の面におきましても何とか充実の方向に向かいまして自治省として取り組まなければならない、そのように考えておるところでございます。
#16
○上野雄文君 この間行われたフィリピンのあの選挙のあれを見ますと、日本と比べて、うちの方は制度的にもそれから選挙の執行の体制というものも格段にすぐれたものがある。あれはどこでどういうふうにか投票箱が盗まれたり白昼公然と、ああいうことはうちにはなくなっているはずですね。ですから今や、やはり今度は、管理執行の面では非常にすばらしい、世界で一番すばらしいと言ってもいいくらいまできていると思うんですよ。ですから、問題は今度は選挙民の意識という点についての、これは一番いいお手本は国会だと思うんですね。国会でいいあんばいのことをやっていれば、これは幾ら何ぼ言ってみても話になりませんし、近くまた陳謝の儀式が行われるのでしょうけれども、やっぱり毛針発言なんというのが出てきますと、何とはなしに、まあ言い方がストレート過ぎたのでああいうことになるかもしれませんが、しかし、また一面考えてみると選挙民を愚弄したような発言になっていると私は思うんですよね。ですから、全部補助金で何もかも進めようという考え方には私自身も抵抗がありますし、自治体そのものはやっぱり社会教育活動やなんかと一体になって進められていかなきゃいけないんだろうというふうに私は思っていますので、大臣御発言のようにこの面も何かひとつ新しいというか、古くて新しい話なんで、新しい手だてというのも、特にこれはこうだというのはないかもしれませんが、しかし、常時行われるという体制だけはやっていっていただきたいというふうに思うんです。
 さらに、この間話題を呼んだのは、いずれまた法律で出てくるのでしょうけれども、国の委任事務に対する代執行の問題がありました。この間後藤田官房長官が発言がありましたね。これなんかは現場の人たちにとってみればまさに意外なものだというふうに受けとめられていると思うんですよ。こういうことについて所管の大臣として選挙の執行についてこの代執行の問題と絡めてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、この際お聞かせをいただきたいなと思うんです。
#17
○国務大臣(小沢一郎君) それに関連いたしまして後藤田長官の発言も引用なされたわけでありますが、あれほどに優秀な方でも、ちょっと勘違いすることもあったのかと思いますけれども、現在の制度におきましても御承知のとおり、代執行は機関委任事務でございますけれども、選挙は代執行の対象になっておりません。選挙の事務は先生御承知のように非常に短期間の間に複雑な大変な事務をこなす、しかも地域のいろいろな実情をよく知っている地域の皆さんのお力によらなければ、これはなかなか言うべくしてできない問題でございます。それと、そういう実態の問題と、それからまた、本来選挙は国民が国政に参加する最大の機会であります。したがいまして、そういう意味におきましては国が本来代執行をするというような事態を予測すべきものでもないでありましょうし、各地域、地方の選管を中心といたしまして公正に選挙の執行というものが行われるものであろうと私どもは考えております。したがいまして、理屈の問題は別といたしまして、現段階におきましてもあるいは今後におきましても、選挙を代執行の対象とするような考え方は持っておらないところでございます。
#18
○上野雄文君 最初に申し上げた市と町村の格差是正に努めてもらいたいということや、それからやはり民主主義の基本の選挙というものを公正にやろうじゃないかという常時啓発の問題について、これからもひとつ担当としてしっかりやっていただきたいということを強く要請をいたしまして、私の質問を終わりにしたいと思います。
#19
○大川清幸君 私は今回議題となっております国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律に関連いたしまして、一つは法律上の解釈と、それから実際にこの経費が執行される事務手続と、二つに分けて問題点をお伺いしてみたいと思います。
 まず第一に、地方財政法の「地方公共団体が負担する義務を負わない経費」、第十条の四、これは九項にわたって具体的な経費の規定がしてございますが、この法文の問題と、それから公職選挙法の「衆議院議員及び参議院議員の選挙管理費用の国庫負担」、第二百六十三条、この二つの法文は、法文どおりに読みますと、地方公共団体は選挙の事務を行った場合これに要する経費については一切負担をしなくてよいという解釈が成立すると思います。昭和二十五年にいろいろな経緯があって事実上こういうことを考え出して基準法なる法律をつくったのだと思いますが、これは法律上精算することを要しないとなっております。
 この三つの法文を突き合わせて検討してみますと、どうも法文自体の精神に大きな矛盾があるよ
うに思います。この点がどうかということと、こうした基準法を決めざるを得なかった経緯等について御説明願いたいと思います。
#20
○政府委員(小笠原臣也君) 後の方の御質問からお答えをいたしたいと思いますけれども、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律といいますのは昭和二十五年に制定をされておるわけでございますが、それ以前におきます国会議員の選挙につきましては、その選挙が行われるたびに大蔵当局とどのくらいの経費が必要であるかということにつきましていろいろ要求する側とあるいはそれを査定する側とで厳しい折衝があって、そしてそのやりとりの中で予算がつけられるということでございました。それでございますから、当時の財政事情も反映してなかなか国庫当局の査定は厳しかったわけでございます。それで地方団体の方からはこれでは十分な選挙が執行ができないということで不満がいろいろ出てまいりまして、現実に、昭和二十四年の選挙であったかと思いますけれども、執行した結果相当な不足額が出てきて、後からそれを追加補正をするというような措置がとられたことがございます。
 そういうような経験にかんがみまして、当時の自治省の方でいろいろ検討いたしまして、全国の選挙事務の実態を調査いたしまして、そしてこれは客観的に算定ができるというめどをつけまして、そしてそれを法律化し国の交付する財源を保障しよう、それによって計画的な選挙の事務が執行できるようにしようということにいたしたわけでございまして、基準法がつくられたおかげでその後の国会議員の選挙は非常に計画的に、しかも財源を不足することなく執行ができたというふうに理解をいたしておりまして、この法律の価値は非常に評価されておると思っております。
 ところで、先ほどお挙げになりました地方財政法それから公職選挙法のそれぞれの規定との関係はどうかということでございますが、地方財政法十条の四は、もっぱら国の利害に関する国会議員の選挙の経費は地方公共団体は負担する義務を負わないというふうに規定をしております。一方公職選挙法二百六十三条は、具体的な項目を掲げまして国庫が負担することを規定しておるわけでございますが、これは何も制限的に列挙しておるわけではございませんで、地方財政法の規定と相まって国会議員の選挙管理費用が国庫負担であることをより一層明確にいたしておるものと考えておるわけでございます。
 基準法は、先ほど申し上げましたような経緯を踏まえまして、あらかじめ国が負担する経費の基準を定めて国が支出する額を保障するとともに、地方公共団体の事務の執行計画の樹立に資するという趣旨をもって制定されたものでございまして、この基準によって算出された額を交付する、そして一方地方公共団体はこの交付額の範囲内で選挙事務を行っていただくということにいたしておるわけでございまして、以上申し上げましたようなことでございますので、それぞれの間に矛盾ということはないので、それぞれ趣旨は合っておるというふうに私ども考えておるわけでございます。
#21
○大川清幸君 どうもよく説明がわかりませんな、私の方の解釈の方がとろいのかどうかわかりませんがね。
 地財法の第十条の四、これはまじめに読んでみると、まず地方公共団体が負担する義務を負わないというのが明確なんですね。ですから今の御説明では私不十分で納得いかないんですが、この基準法をつくるときにこの辺の法のすり合わせの問題については全然問題にならなかったんですか、どうなんですか。
#22
○政府委員(小笠原臣也君) 地方財政法のこの十条の四の規定というのは、十条の四自体は昭和二十七年に規定が追加されておりまして、執行経費の基準法の方は二十五年でございますから、前後はむしろ基準法のが先ということになっておりますけれども、これと同趣旨の、要するに国のもっぱら利害に関する経費というのは国が負担するものであってその経費を地方団体に持たせるべきではないという趣旨の規定は、地方財政法がつくられました昭和二十三年当時からあったわけでございます。ですから、そういう地方財政法の基本的な精神を受けて基準法が具体的につくられたというふうに理解をしておるわけでございまして、その法律間の矛盾とかいうものはなく、当時はもちろんそういうことを踏まえてすり合わせをした上で立法されたものというふうに理解をいたしております。
#23
○大川清幸君 制定された前後の問題もさることながら、こうして法律ができてしまった全体の体系の中で見ると、素人考えかもしれぬけれども、やっぱり法文をまじめに読むとどうも納得いかないんですよ。
 これは法制局なんかに問い合わせまでして決めていただいているんですか、どうなんですか、その辺は。例えば地財法のが後から制定されたとしても、その辺はいきさつはどうなんです。
#24
○政府委員(小笠原臣也君) 当時の細かい法制局との審議の内容等は私ども承知いたしておりませんが、当然立法する当事者といたしましてはいろいろな関係の法律との関連を考えながら、またそれを審査する法制局側といたしましても十分これは慎重に検討された上で立法されたというふうに考えております。
#25
○大川清幸君 この問題をやっていると時間がありませんから、それでは先ほどの御答弁の中でもあったように、いろいろ論議があって、客観的な算定が可能であるということで、基準法によって所要の経費を算出して各地方公共団体にこれを配賦するようにした経過については説明があったんですけれども、その前の説明でも、基準になる団体を基本にして積算をして算定をするというような御説明もあったんですが、全国的ですから一〇〇%ぴたりというわけにいかないにしても、かなり実態に合っておれば地方公共団体の所管する国会議員の選挙について全国の市区選管委員から、先ほど上野委員からも指摘がありましたが、こんな要望が毎度出る必要はないと思うんですけれども、出てくる以上はやっぱり不満があるんじゃないんですか、中央選管では。したがって実態についての掌握をどの程度なさっているのか心配な点がどうしても残るんですが、その辺についてはいかがなものですか。実態調査をやったことがあるんですかないんですか。
#26
○政府委員(小笠原臣也君) 執行経費の基準法は、先ほど御説明いたしましたように、全国的に標準的な団体をもとにいたしまして画一的に算定をしておる面があるわけでございまして、個々の団体によっては必ずしも具体的なある経費はそれでは若干賄えないとか、あるいはある経費の方は交付される額が十分であるとかいろいろな若干の差はあろうかと思います。要するに基準法に基づく算定といいますのは、全体としてその団体の選挙事務が円滑に執行できる額を保障するというところに意味があるわけでございまして、建前はそういうことになっております。ところで実態としてそういうことがないのかということ、いわゆる地方団体に超過負担があるんではないかという御議論は前々から国会等でもあるわけでございます。それで、私ども先ほど申し上げましたような地方財政法やあるいは執行経費基準法の趣旨から考えてそういうことがあってはならないという立場で選挙が終わりました後に実態を調査いたしております。昭和五十八年の暮れに行われました衆議院議員の選挙の直後にも全都道府県、指定都市、それから市町村までは全部を調べるわけにはまいりませんので、抽出して調査をいたしまして、ほとんどの団体で円滑にこの経費の中で執行が行われたというふうに理解をいたしておるわけであります。
#27
○大川清幸君 それでは調整費について五十二年、五十五年、五十八年、六十一年度各年度についての調整費の額は幾らになっておりますか、御報告してください。
#28
○政府委員(小笠原臣也君) ただいまお尋ねのございました調整費のことでございますが、予算額で申し上げますと、五十二年の場合が約五億二百
万円、五十五年が約三億六千三百万円、五十八年が約二億七千三百万円、今回予算案計上額は約一億五千九百万円、このようになっております。
#29
○大川清幸君 今御報告願ったとおりですが、五十二年をピークにいたしまして、年次改定のたびに調整費の金額は少なくなっております。大体国家予算もゼロシーリングでやっておりますが、それなりに伸び率を示しておるわけですが、大体その他の経費でも予備費でも何でも大体その額に応じてふえているのが常識ですが、調整費については年次減らしてきた経緯、根拠は何ですか。
#30
○政府委員(小笠原臣也君) 調整費は、避けることができない事故その他特別の事情によりまして、各基本額等によって算出、交付される経費では選挙を執行することができないような場合に対処するために設けられた費目であるわけでございますが、それぞれの基本となる基準額につきまして実態等反映して今まで逐次改正し、充実をしてきておるわけでございますし、一方いろいろ厳しい国の財政事情のもとでは予測できない場合にどの程度備えて額を計上するかということはいろいろ見方があるわけでございますけれども、予測できないという面があって予算確保が非常に難しいというようなこともございます。そういうことで額が減少しておることは事実でございますけれども、今回お願いいたしております予算でも地方公共団体委託費は総額で前回に比べて一三%というふうに伸びておりますし、従来の実態調査等から考えまして、選挙の管理、執行に遺憾なきを期していくことができるというふうに思っておるわけでございます。
#31
○大川清幸君 まあ、このことについては、調整費については特殊な事情があって客観的に見ても補正してやらなきゃならないとか、あるいは何らかの処置をしなきゃならないという状況が起こった場合に、自治大臣と大蔵大臣と合意に達した場合に出すということですから、ほかの予備費なんかとも違うし、調整費とも性格が違うことはわかりますけれども、どうも年次これ減っているのは財政事情だけかなという感じがいたしますけれども、それは一応おくといたしまして、先ほどからお伺いしておりますように地方の選管連合会からも要望書が出ておりまして、これは全部伺っておけばいいという問題ではなくて、先ほどからの論議もありましたとおり、ある程度はきちっと対応をしてやらないといずれ問題が起こってくる場合もあるかもしれないわけですから慎重にお願いをしたいわけですし、大臣の趣旨説明にも、現行の基準が実情に即さないもので改めるというような表現が使われております。五十五年の衆議院の委員会で、特別委員会で論議されたときに、後藤田さんが自治大臣のときにこれらの問題についての回答について、「こういう問題は何らかの機会に一度悉皆調査をやって、その上で改めるべきことがあれば改めていくということにしなければならないのではなかろうか、かように考えております。」という答弁がありますが、大臣この点についての御所見を伺って私の質問を終わりたいと思います。
#32
○国務大臣(小沢一郎君) 先生から今までいろいろ御指摘いただいた点につきまして国のいろいろな予算の配分、積算、そういった問題はどうしても画一的、一律的になりがちであります。そういう点につきましてはもちろん十分に私どもとしては配慮し、考慮して、地域間の実情とかアンバランスとか、そういうようなことを十分考えながら、超過負担なんかが起きることのないようにきめの細かいやり方をしていかなければならない、そのように基本的に考えておるところでございます。今後も先生の御指摘を踏まえながら、改めていかなければならない点、実情に即さなくなった点、そういう点につきましては積極的に検討していかなければならない、そのように考えております。
#33
○多田省吾君 私は当面する選挙制度に関する問題につきまして二、三大臣にお伺いしておきたいと思います。
 まず最初に、東京都議会の定数に関しまして昭和五十九年の五月十七日には最高裁の違憲判決が出ました。また今回本年二月二十六日に都議会定数訴訟がございまして、東京高裁におきましては、格差二倍以上は違憲である、また今のままで選挙をやれば次には高裁として即時無効という判決を下すであろう、こういう判決が下ったわけでございますが、大臣としてこのような厳しい判決をどのように感じておられますか。
#34
○国務大臣(小沢一郎君) 先般の東京高裁の判決につきましては、これはいわゆる都議会議員の選挙に関連しての判決でございます。また最高裁の最終の判断が出たものではございません。しかしながら、その内容を見てみますと、いわゆる定数のアンバランスの問題につきましては一対二という数字まで示しての判決でございますし、また、このまま改正されなければ無効ということもあるんだよ、そういう趣旨を含んだ判決でございまして、私どもといたしましては非常に厳しくこれを受けとめておるところでございます。
#35
○多田省吾君 それで、公選法の第十五条は都道府県の議会の議員の選挙区に関しまして述べているわけでございますが、第十五条の二項に、議員一人当たりの人口の半数に達しないときは条例で隣接する他の郡市の区域と合わせて一選挙区を設けなければならないという義務規定があるわけですよ。これは義務規定でございますからね。ですから半数に達したときは合区しなくてもいいというようにとれるわけです。そうしますと、例えば〇・五一倍、それから上の方は一・九九倍ですか、そういうことも当然あり得まして、格差は三・九倍まで許されるという姿になるわけです。だから、この義務規定をそのとおり守っておりますと格差は二倍、三倍すぐ広がるんですよ。ですから、最高裁あるいは高裁の判決とこの公選法第十五条の二というのは明らかに矛盾するのです。公選法の第十五条の二をきちっと守っているのに違憲判決が下った、こうなるわけでしょう。当然私は十五条の二を廃止するか改めなければいけないと思うのです。
 それからもっとひどいのは、公選法第二百七十一条の二項は、昭和四十一年一月現在において半数に達しなくなった場合でも当分の間はそのままでいい、こうなっているわけです。これもひどい。これは島嶼部だというように言われておりますけれども、島嶼部がそういう姿であるならば、私は、衆議院の選挙区の場合のように、奄美群島区の場合のように、特例をもって特定のこの島嶼部はよろしいというように特例を設けるというようにすべきであって、一般論としてこういう条項は置いておくべきではない、このように思うのです。こういう規定がやはり定数改正を阻止しているもの、このように私は思いますが、大臣いかがでございますか。
#36
○政府委員(小笠原臣也君) ただいま御指摘がございましたように、都道府県の議会議員の選挙区の設定、あるいは選挙区別の定数配分につきましては、国会議員の場合とは異なりまして、公選法でいろいろと規定が設けられておるわけでございます。定数配分の前提といたしましてまず都道府県議会議員の選挙区の設定について規定があるわけでございます。この選挙区の設定について、先ほど御指摘がありましたように、公職選挙法の十五条一項では郡市の区域によるんだということが基本として決められております。
 そして次に、この郡市の区域の人口が議員一人当たり人口の半分に達しなくなったときは隣接の選挙区と必ず合区しなければいけない、こういうのが十五条二項に決められております。
 逆に言いますと――道にといいますか、引き続きまして、議員一人当たりの人口の半分に達しておって一人当たり人口に達していなくても、その半分以上であれば一選挙区として認められるんだという規定が十五条三項にございます。
 そしてさらに、先ほど極めて例外的な規定だということで御指摘があったわけでございますが、二百七十一条二項に、昭和四十一年一月一日現在において一選挙区として設けられていたものについては、議員一人当たり人口の半分に達しなくな
った場合においても、公職選挙法十五条二項の規定にかかわらず、当分の間一選挙区として設けることができるというふうな規定があるわけでございます。
 これらの規定を通じて言えますことは、都道府県議会議員の選挙区についてはできるだけ郡市を単位としてその代表を選出させようということになっておるものと考えられるわけでございまして、その次にそれぞれ設けられました選挙区を前提にいたしまして、原則として人口に比例して議員定数を配分する、こういう考え方になっておるわけでございます。
 したがいまして、許容される最大格差につきましてもこういう観点から判断されなければならないのではないかというふうに思っておりまして、自治省としてこれらの規定について改正する考えは持っておらないわけでございます。
#37
○多田省吾君 問題は第十五条の二項なんです。これは義務規定なんです。これを守っていても違憲判決が出るんです。義務規定ということは重いんです。ですから、こういう義務規定は僕は廃止するべきだと思うんです。これを残しておけば定数是正がなかなか行われない。そして義務規定であるだけに半数に達した場合はもう合区しなくてもいいんだと、このように受け取られる。これは明らかに最高裁あるいは高裁判決と十五条二項というのは矛盾するんですよ。ですから私は廃止するべきだと言っているんです。
#38
○政府委員(小笠原臣也君) 半数に達しておる選挙区につきましては、これを隣接の選挙区と合区することもできますし、また独立の選挙区として維持することもできる――私どもこれを任意合区と言っておるわけでございますけれども、どちらもそれぞれ当該都道府県の議会で自主的に判断をして決められるべき問題だというふうに公選法は組み立てられておるわけでございます。
 したがいまして、先ほど御指摘のありましたように、算術的には〇・五以上の選挙区と、一方で一以上の選挙区がございますと、計算上はかなりの格差が出る場合もあり得るわけでございます。
 しかしながら、去る二月二十六日に出ました東京高裁の判決でございますけれども、確かに一対二ということが許容限度であるという厳しい判決を示しておりますけれども、一方、昭和五十九年八月七日の千葉県議会に係る東京高裁の判決では一対三が許容限度ではないかという判断も示しておるわけでございまして、そういういろいろな判断を踏まえまして今後最高裁等でもその点がいろいろと判断をされるのではないかというふうに思っておるわけでございまして、そういうこともございますし、また、先ほど申し上げました法律の立法の趣旨もございますので、自治省として現段階で法律を改正する考えは持っておらないわけでございます。
#39
○多田省吾君 私は十五条の二項はもう廃止すべきだと思います。
 千葉の例も述べられましたけれども、十五条の二項を義務規定として置いておく以上、この義務規定を守っても格差は二倍あるいは三倍以上にもなり得るんですよ、部長おっしゃったように。明らかに矛盾するんじゃありませんか。十五条の二項は義務規定だけにやはり矛盾するんです。時間もありませんので、またこの次間いますけれども、これは自治省でお考えにならなければならない問題だと思います。
 それから、もう一点お尋ねしますけれども、最近衆参同時選挙というものがいろいろ言われております。私は、代表民主制というのは選挙による国民のコントロールのもとに成り立っておりますので、憲法で両院制度が定められている以上、両院各別の選挙によるものでなければ両院制というものは機能しないことになります。したがって、この異質各別の選挙を意図的に、ある党の有利か不利かとか、あるいはお金の問題なんかで、これはお金の問題なんか政治資金規正法を改正すればいいんです。こういうことで意図しているのは明らかに憲法の精神にもとると思いますよ。それから、参議院の緊急集会という問題もございます。そういった点から考えますと、六十九条以外の解散、しかも第七条解散というものも、同時選挙のためにもう一回でも行えば政権政党が意図的に代表民主制を破壊することになりますよ。こういったことを軽々しく論じ、またやろうとしていることは甚だ遺憾だと思います。所管大臣としてどう思いますか。
#40
○国務大臣(小沢一郎君) 衆議院の解散につきましては、総理大臣もその意思はないということを言明しておるところでございます。私が憲法の解散の問題につきましてとやかく言う立場にはございませんけれども、一般論といたしまして、衆議院の選挙にいたしましても参議院の選挙にいたしましても、それが政治の空白をある意味においてはもたらすということは事実でございます。現実に衆議院の解散という行為は、いわゆる立法府と行政府の中にありまして意見が対立したり、あるいは非常に重大な間腰が生じまして国民の民意を問う必要があると内閣が判断した場合になされるものでございます。したがいまして、一政党の党利党略あるいは同日選挙というようなことが初めにありきということで意図的に行われるべき性格のものではない。範一の前提としての解散権の行使は、あくまでも国民の民意を問う必要が生じたと内閣が判断いたしましたときに行われるべきものであると、そのように理解いたしております。
#41
○多田省吾君 私は意図的であれ、また六十九条によるものであれ、やはり意図的なものであるならば、これは憲法の精神にもとると強く主張しておきたいと思います。
 それから、もう時間もありませんが、最後に、私は衆参両院の定数是正は早急に行うべきだ、特に衆議院の自民党は二人区を今回暫定案だからつくるんだと、こういうことをしょっちゅうおっしゃっておりますけれども、それが定数是正の大障害になっているわけです。まことにとんでもないごとでございまして、大正十四年以来、中選挙区制は三人区から五人区と決められております。昭和三十九年、昭和五十年の衆議院定数改正のときも、六人区、七人区になれば、すぐ三、三とか、三、四に分区するくせに、二人区をつくって平気でいるというのはどういうわけですか、一体。隣の三人区、四人区と合区するのが当たり前じゃないですか。そんなことを衆議院がやっているならば、参議院無用論が言われておりますけれども、衆議院だって無用論が出ますよ、これは。一政権政党のわがままでそういうことを、選挙制度を云々することは甚だよろしくないと思うんですが、一言お答えいただいて終わります。
#42
○国務大臣(小沢一郎君) 二人区の問題は自民党の案の中に出されておりましたことでございまして、私がその問題について答弁する立場ではございませんけれども、いずれにいたしましても、衆議院はもちろん参議院におきましても、この院の構成、土俵に関する重要な課題でありますので、司法の判断を待つまでもなく、私どもといたしましては、常に真剣に考えていかなければならないことであろうと思います。衆議院の定数是正につきましては二人区の問題が大きな焦点になって、前国会以来今国会に引き継がれておることはもちろん事実として承知いたしております。現実には前国会の議長見解に基づきまして今国会合協議が各党で重ねられておるところでございます。したがいまして、そういう問題を含めまして今後各党間の協議を進め、そして今国会において成立するであろうことを私どもも期待しておりますし、そのように信じておるところでございます。
#43
○内藤功君 国会議員の選挙それから最高裁判所裁判官の国民審査の執行経費につきまして、国が選挙の執行を委託しております以上、地方自治体の経費を全額国として負担し、地方自治体に超過負担を生ぜしめないようにするということは基本でございます。そこで、参議院通常選挙での地方自治体への委託費の伸び率はどうなっておるか。昭和五十二年と五十五年の比較、五十五年と五十八年の比較、五十八年と今回の比較、それぞれの伸び率の比較を簡単でいいですからお聞かせいただきたい。
#44
○政府委員(小笠原臣也君) 参議院議員の通常選挙の執行経費のうち地方公共団体委託費の額は昭和五十五年度が百八十二億八千八百万円、昭和五十八年度が二百二十七億一千七百万円、昭和六十一年度が二百五十七億二千六百万円でございまして、それぞれ前回と比較をした場合の伸び率は、昭和五十五年度の場合が一五・九%、昭和五十八年度が二四・二%、昭和六十一年度が一三・二%ということになっております。
#45
○内藤功君 伸び率はこのように過去九年間とりまして今回が一番低い。これはなぜでございましょうか。
#46
○政府委員(小笠原臣也君) 私ども中身をいろいろと見たわけでございます。若干、五十八年度からは参議院の比例代表制が導入されるとか、そのほか選挙運動期間の短縮とか、いろいろ制度の改正も絡んでおりますので、厳密に、この比較して、伸び率がどうこうということが必ずしも言えないわけでございますが、大きな一つの要因といたしましては、それぞれ見込んだ候補者の数が違いまして、五十八年の伸び率が非常に商うなっておりますけれども、この場合の候補者の見込みの伸びが非常に大きいと、これが一つの原因ではなかろうかと思っております。
#47
○内藤功君 いずれにしても伸び率の低下は数字ではっきりしている。
 私は昭和六十年二月号の「選挙時報」という雑誌を拝見いたしましたら、大阪府の選挙担当の実務者の非常におもしろい論文があったんです。これは選挙執行経費の現状についての論文でして、一例としてこれ挙げるんですが、前回参議院選挙では、府の都市選管連合会ですね、三十市加盟しておりますが、基準の交付額では超過負担が生じた、そしてやむなく参議院通常選挙費のうちの調整費の交付を要望して交付を受けた。しかし、交付を受けた後においても三十市のうち二十五市がそれでも超過負担が残ったと、その他いろいろありますが、時間の関係でここのポイントを紹介しますと、そう書いてあります。
 今回の改定では、超過負担が生じないように選挙執行の方法、積算規模、積算単価などについて、こういう選挙執行の実態に即するような予算措置ができるものと、こういうふうに断言できるんでしょうか、どうでしょうか。
#48
○政府委員(小笠原臣也君) 今回の予算額につきましては、お認めをいただきましたら、これで十分対応できるものというふうに考えております。超過負担などを生じないように私どもも、調整費等もございますし、対応してまいりたい、このように考えております。
 ただ、前回大阪等でいろいろそういう超過負担が生ずるようなお話がございましたのは、実は、前回比例代表選挙が初めて導入されたわけでございますが、あの場合、比例代表選挙に初めて出る政党が、比例代表の名簿の方には一名だけ出して、あとの九名は選挙区選挙の方から立候補させるというような対応をとられたことがございまして、そのために見込み以上に候補者がふえた。そのために急速ポスター掲示場を急造しなければいけないというようなことでございまして、それで執行経費の額が予定以上に必要になったということがございます。それにつきましては、私ども実情をよく聞きまして調整費等で対応させていただきまして、それぞれその関係団体の御了解をいただいておるというふうに考えております。
#49
○内藤功君 まあ、この論文よく読んでいただいて実態を把握していただきたいんですね。あなたは立候補者の多いことだけを特に強調なさいますが、それだけで言えないいろんな事情があると思うんです。
 そこで、この超過負担が万一生じた場合には調整費ということになるわけですが、調整費の予算は幾らか、前回と今回、額はどうなっていますか。
#50
○政府委員(小笠原臣也君) 予算額について申し上げますと、前回、五十八年の場合は二億七千二百万円でございます。今回お願いしておりますのは一億五千九百万円ということになっております。
#51
○内藤功君 今の答弁を踏まえまして大臣にお伺いしたいんですが、昨年の五月二十二日に全国の市区選管連合会の総会が開かれて、その総会決議に基づいて要望書が関係機関に出されたわけであります。我々のところにも参りました。その中に、「本来、国の選挙に要する経費は全額国庫負担すべきもの」として、超過負担については「調整費等をもって補填交付されるよう切望する」、こういう要望項目がうたわれております。地方自治体に選挙事務の円滑な執行を委託される立場の自治省の最高責任者として、こういう選管の具体的な要望事項を体して臨まれるべきだと私は思うんですが、これについての基本的な御姿勢を伺いたいと思うんです。
#52
○国務大臣(小沢一郎君) 先生ただいま御指摘のように、法の建前におきましても、国政の選挙は国が負担して地方団体に負担させてはいけないということになっておるわけでございまして、当然このかかる費用につきましては、国が負担をいたしまして、超過負担などの起こらないようにしなければならないことは言うまでもないことでございます。地方団体、地方の要望項目等につきまして、今回も御審議いただいておりますが、積算単価等につきましても、できる限りの実態に即した形でこれを改正したところでございまして、今後も具体的な実情をよく把握しながら超過負担等の問題が起こらないように相努めていかなければならない、そのように考えております。
#53
○内藤功君 次の問題ですが、最近における国政選挙あるいは地方選挙の投票率の低落傾向という問題に触れて、私の意見も述べながら御質問したいと思うんです。
 最初に、近年、選挙の投票率の低落ないし低下ということが言われておるんですが、数字的には正確にそういうことが言えるのかどうか。衆議院選挙、参議院選挙、それから地方選挙のうち、県議選、市区町村議選というものに絞りまして、ごく最近の四、五回ぐらいで結構ですが、数字的にどういう傾向かということを、余り一々細かく言わなくていいんですけれども、大きな傾向を述べていただきたいんです。
#54
○政府委員(小笠原臣也君) 投票率の傾向についてのお尋ねでございますが、まず衆参の選挙につきまして最近の傾向を申し上げてみますと、若干増減はございますが、五十五年六月の衆参同日選挙の場合は非常に投票率が高くなっておりまして、衆参両方で七四%台の投票率になっておりますが、その前後はいずれも六八%、六七%、あるいは前回の参議院の通常選挙の場合は五七%という、いわば過去一番低い投票率になっておりまして、全体を通じて言いますと、やや低下する傾向があると言わざるを得ないと思っておるわけでございます。
 それから、地方選挙につきましては、やはり県議選、市町村議会議員選挙とも、若干ではございますが、低下傾向にあるわけでございまして、五十八年の統一地方選挙の場合を見てまいりますと、県会議員、市町村議会議員選挙はこれまでで一番低いという結果になっておるわけでございます。
#55
○内藤功君 ただいま部長の方から御答弁いただきましたように、数字的にはそういうことになっている。
 原因は、私はいろんな見方があると思うんですが、一つは、やっぱりロッキード事件に象徴される金権腐敗政治の傾向というものが国民の政治不信を一層助長している。そういうところから政治離れというものがやっぱり生じてきている。そういう層が存在するということが一つあると思うんですね。
 もう一つは、我が国の選挙法の制度、これはいわゆるべからず選挙というふうに言われております。公選法の十二章の「選挙運動」という章を見ますと、してはならないの連続であります。することができるというのは、候補者が個人演説会で演説をすることができると、読んでみるとばかばかしいような規定ですが、こういうできるというのは三カ所しかないんですね。これは、大正十四年ですか、普通選挙が施行されると同時に、かえって選挙運動を厳しくしているというのが尾を引
いて憲法制定後も残っていると私どもそのように判断しております。理屈はともかくとして、特に戸別訪問の一律禁止それから文書図画の表現活動の制限というようなもので著しく国民の自由な政治活動の活力というものを制限、規制することによって、政治へ直接参加するという何か国民の意欲、活力というものを制約しているというところに一つ原因があると思うんですね。その上へ持ってきて、三木内閣以来次々と選挙法を改定して、選挙期間は縮小する、文書配布は制限する、こういうことで一層規制を強めているというふうに思うんですよ。ここらあたりの自治省の御認識を伺いたいと思うんです。
 関連しまして、これは、民主主義全体から言うと、私は逆行現象だと思うんで、自治省として、こういう問題も含めて真剣に研究、対策をとるべき時期だと思うんです。規制を強める方向ばかりが戦後四十年の公選法の中にとられているんじゃないか、これがやっぱり私は投票率低下ということにつながる一つの原因になっていないかと思うんです。具体的に研究対策というのは、抽象的なお答えじゃなくて、予算措置などを含めましてどういう対応をお考えであるのかということを自治省にお伺いをしたい。できれば大臣、お考えがあったら伺いたい。
#56
○政府委員(小笠原臣也君) ただいま御指摘がありましたように、我が国の選挙法は確かに非常に制限規定が多うございます。しかしながら、一方では選挙公営ということも諸外国に例を見ないほど充実しておると言われておるわけでございまして、先ほどお挙げになりました大正十四年以来そういう両面がそれぞれ強化されてきたわけでございますが、この趣旨は、一方で規制し、一方で公営を強化することによって、できるだけ公正で金のかからない選挙を実現しようということであるわけでございます。昨今もいろいろ選挙制度の改善が行われておりますけれども、やはりそういう線に沿って行われてきておるものというふうに私どもは理解をしておるわけでございます。もちろん、今の制度が完全であるわけではありませんので、これからも私ども選挙制度の改善について、いろいろ調査し、また研究を続けていかなければならないだろうというふうに思っておるわけでございます。
 それから、投票率の低下傾向に関係をいたしましてどういうような対策を考えるのかということもございましたけれども、私ども、この投票率というのはいろんな要素が絡み合っております。候補者の顔ぶれとか、そのときの選挙の争点でありますとか、いろんなことが絡み合っておりますけれども、しかしながらだんだんと低下傾向にあるような数字が出ておりますので、大変憂慮しておるわけでございまして、従来から続けております選挙啓発の仕事を一層強力に推進するとともに、実はこの数年いろいろな形で調査研究をしようということでやってまいっておりましたけれども、六十一年度におきましては予算措置を講じまして、学識経験者の方々を中心といたしまして、そういう投票率の問題であるとか、あるいは選挙全般についてのお考えを聞かしていただくような研究会というようなものを設けてみたらどうだろうということを考えておるわけでございます。
#57
○国務大臣(小沢一郎君) 投票率の低下の問題につきまして先生からいろいろな理由を御指摘ありましたけれども、政治のあり方を最終的に決めるのは主権者たる国民の判断でございます。したがいまして、第一義的には国民の皆さんがその参政権を行使する選挙の最大の機会を本当に真剣に有効に考え、適切な判断を下していただくというのが民主政治の基本であろうと思います。もちろん、国民が候補者を選定するに当たりまして、あるいは選挙を通じまして、それを理解を正しく有効にその機能を行使することができるような制度の面から、あるいはふだんの選挙管理委員会等を通じての啓蒙活動、これはもちろんしていかなければならない、そのように考えておるわけでございます。
 もちろん、私ども政治に携わる者が、それぞれ国民の負託にこたえ得るように、そしてまた政治に国民が深い理解を持っていただけるように、これまたみずからを省みながら不断の努力をしていかなければならない、そのように考えておるわけであります。
 いずれにいたしましても、自治省といたしましては、ただいま選挙部長からも御答弁ありましたが、そういった選挙の執行、管理等の、あるいはただいま申し上げましたいろいろな国民が、できるだけ多くの人が投票行為というものを有効に活用することができるような、そういう仕組みの面等につきましては、もちろん常日ごろ、そしてまた今後も考えていかなければならない問題である、そのように認識しております。
#58
○内藤功君 最後に、今の選挙部長の答弁ですが、ここ数年来、具体的な研究会を設けて問題点を洗い出すと言うんですが、これはあれですか、政治選挙に関する研究委員会、このことを言われたんでしょうか。そういう名称の委員会をもしおつくりになるとするのであれば、委員の人選については公平な、各界の人選についてどういうふうに考えておられるか、また私の今言った選挙運動の自由の拡大の問題も含めた、広く選挙法全般の問題点をここで洗い直すというお考えなのか、そこらあたりの構想をお伺いしたいと思うんです。
#59
○政府委員(小笠原臣也君) 実は、委員会とか研究会とかという名称が何も決まっておるわけではございませんで、発想のもともとは、先ほどお話にもありましたように、どうも投票率が下がってきておる、国民の政治選挙に対する関心が低下しておるということでございますので、今まででも例えば大都市における有権者の意識調査というようなことを学者の方に依頼をしてやっていただいたり、分析をしていただいたりしたこともあるわけでございますけれども、ひとつそういう個々にお願いをするという形ではなくて、できるだけいろんな方に加わっていただいて、国民の意識を高めて投票率を上げていくにはどうしたらいいかということを御論議いただいたらどうだろうかと思っておるわけでございます。その中で場合によっては選挙制度に触れるような御議論があるかもしれませんけれども、当面の私どもの考えでおりますのは、予算措置もそうでございますけれども、常時啓発の委託費というものの中で措置をして、何とか国民の関心を高めたい、その方策を探りたいということでございます。
#60
○柳澤錬造君 余り難しい質問は私は素人の方だからいたしませんけれども、最初にお聞きしたいのは、この法律が昭和二十五年にできているわけですから、それからこの改定までの伸び率という面から見たならば、妥当な伸び率でこの金額が出ているかどうか、その点はいかがですか。
#61
○政府委員(小笠原臣也君) 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律は昭和二十五年に制定されたわけでございますが、その同じ昭和二十五年六月に執行されました参議院議員通常選挙と今回予定されております通常選挙の地方公共団体委託分を単純に比較してみますと、約二十八倍の額になっておるわけでございます。それで、この間の消費者物価は私どもの調査では約七倍というふうに見ておりますので、委託費の方はかなり大きな伸びになっておるというふうに考えておるわけでございます。
#62
○柳澤錬造君 よくわかりました。
 ただ、どうなんですか、せめてこれ百円単位ぐらいに何でなさらないのかということなんです。例えば十二万九千八百二円だとか十二万一千九百九十九円だとか、何かこれ私から言わせると、言葉は悪いけれども、これがお役所意識というか、そうやって文句の言われないように、倍率で計算したらこうなった、九百九十九円ですと。だから、せめて百円単位ぐらいに、今直せとは言いませんけれども、そのお考えを変える気持ちはございませんか。
#63
○政府委員(小笠原臣也君) 確かに御指摘のように、この基準法の個々の単価、非常に細かく決められておりまして、何円というところまで、あるいは選挙公報の発行費につきましては何円何銭と
いうところまで細かく規定しておるわけでございますけれども、ただこれは基礎の数字でございまして、例えば選挙公報発行費等につきましては何円何銭というふうに決まっておりますけれども、それに当該都道府県の全世帯数を掛けるわけでございますから、基礎的な額を例えば切りのいい数字にいたしますと、それが全体の額には非常に大きく上下するようにはね返ってくるという問題もございます。
 しかしながら、これは事務の簡素化という面ももちろん考えなければいけないわけでございますので、そういうことも勘案しながら、今後改善に努力をしてまいりたいと思っています。
#64
○柳澤錬造君 やっぱりそのくらい時代にマッチしたような法律のつくり方していただきたいと思います。
 今度は自治大臣に、これは御見解をお聞きをしたいんですけれども、御聡明な小沢自治大臣ですから、こういうのも変えなくちゃいかぬけれども、どうやって金のかからない選挙にするかということもやっぱり考えていかなきゃいけないと思うんです。余りにもお金がかかり過ぎるからいろいろと事件も起きたりなんかするわけなんで、だからそういう点で、こういうことはやらにゃいかぬからやらせるとか、これはもうむだなことだとか、そういう思い切った改革を新大臣になったところでお考えいただきたいと思うんです。
 私なんか前から、今の参議院の選挙法を改正するときにも言ったんですが、例えばNHKのテレビでも三チャンネルの教育テレビ、高校野球の放送もするわけでしょう、だったら選挙の本番期間中ぐらいせめてあの三チャンネルあけて、それをどういうふうに候補者に公平に割り振るかは、これは御相談したらいいことだけれども、そういう場を有効に使うことによって、こういうふうな運動はもうやらないでよろしい、金はかけないでよろしいといった、あれは政府がなにしている方なんですから、そういう点からいったならば、私は国会議員の選挙の本番期間中ぐらいあの教育テレビを開放さしたっていいと思うけれども、そういう点での小沢自治大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#65
○国務大臣(小沢一郎君) 金のかからない選挙をしなければいけない、これはもう本当に、建前だけではなくて、お互い選挙をする身といたしましても当然のことでございます。いろいろな方策、あるいは国民、候補者のそれぞれの自覚が要請される面もあるとは思いますけれども、ただいま先生の例示として御指摘ありました、NHKの放送をもう少し活用したらいいんじゃないか、その点につきましては、私、技術的、実態的な面がどうなっているかは承知しておりませんが、私もその活用につきましてはもう少し考えてもいいのではないかなという感じを持っております。実際にNHKと協議してみなければわかりませんけれども、そのような面からも、できることならばぜひ拡充する方向で検討できればと、そのように考えております。
#66
○柳澤錬造君 これは小沢自治大臣、やっぱり次の選挙に間に合わせるぐらいのお気持ちで省内を御督励いただいて、そして取り組んでいただきたいと思います。
 それから選挙部長の、先ほど私聞いておって申し上げておきたいことは、何かお金をかけるかかけないかということと国民が投票してくれるかくれないかという、いわゆる投票率が上がるか下がるかということと関係があるようなお考えで御答弁しているように私聞けるわけですけれども、それは全く別個な次元なんです。国民が何で投票所へ来ないんだという、せっかく貴重な選挙権を放棄をするんだから、それはどういうことかということは全く別な次元で、それこそむしろ私たち国会議員みずからが、今の国会のあり方について今のようなことをしておってよろしいのかどうなのかという、これは反省しなくちゃいかぬわけですよ。今の国会のあり方に国民がそっぽを向いて投票に行かないんですから、その辺はそういうお金と結びつけてお考えにならないで、それでもちろん自治省として改めていただける点は改めていかなきゃなりませんけれども、そういう点について、もう一度選挙部長の御見解を聞いておきたいと思います。
#67
○政府委員(小笠原臣也君) 私の御説明で誤解をされるような表現があったとしたら訂正をしなきゃいけないわけでございますが、私は投票率を上げるために、従来から自治省としては常時啓発の予算を獲得をして国民の関心を高めるような事業を推進していかなければいけないということを申し上げておったつもりでございます。
 実は、この常時啓発費につきましては、なかなか昨今の国の財政事情が厳しいものですから、増額はもちろんのこと、なかなか現在の額を確保することも難しい情勢にあるわけでございます。特に、選挙啓発というのはなかなか効果が目に直ちに見えるものではございませんので予算措置もしにくいというようなこともあろうかと思うのでございます。ただ私ども、常時啓発が長く続けられてきた経緯を説明し、必要性も強調して、国の地方に対するいろいろな補助金が削減される中で、この選挙の常時啓発に関する補助金についてはほぼ従来の額を確保さしていただくことができたわけでございまして、こういう予算を十分に活用しながら、従来以上に国民の関心を高めるような事業を推進してまいりたい、このように考えており、ます。
#68
○柳澤錬造君 私の言い方が悪かったか、もう一回よく……。
 常時啓発費のお金をたくさんかけたかかけないかは投票率が上がるか下がるかには関係がないことですというのが私の意見です。だから、投票率が悪いからもっと常時啓発費の予算をとってやったら上がるだろうというふうな、そういうお考えはお持ちにならないでいただきたい。
 一昨年だかなんか、スイスへ行ったときにちょうど国民投票の日にぶつかりまして、投票所へちょっと見に行ったんですけれども、しばらく立っておったら、これから山へ行く、リュックを担いたのとか若い青年だとか、そういうのがみんな担いたまま立ち寄って国民投票しているんです。そういうぐあいでもって、国の予算で投票してくださいという宣伝をしたらみんな来るとか、そういう宣伝をしないから来ないとか、そんなことは全く関係ないと言っていいくらいにお考えになって、そしてむしろ国民が投票所に来ないのは、そっぽを向いてしまうのは、どこに原因があるかというと、国会議員の、我々の国会のあり方にあるんですよ。何もそれを自治省がそこまで責任持つことはない。
 そういうふうなことで、それでむしろ私は、さっき自治大臣に申し上げたようなそういうことを自治省でお考えをいただいて、そしていまだにっていただけないのが、前から私が申し上げてきたけれども、船員、船に乗って長いこと外国を歩いている人たちの、第三国間なんか回るのは一年三カ月ぐらい帰ってこないんですよ。それはほとんど選挙はできない。何とかしてやってくれと言って、何度も何度も前から自治省に言って、自治大臣にお願いもしなにもし、それでそのときに出る言葉が、いや、外国にたくさん日本人が行って住んでいるんです、この人たちも、そんなことを言ったらやらにゃいかぬですと言うから、私は待ってくださいよと。商社なんかで外国に行って勤務している人たちはその国に税金を納めているはずですよ。船員というのは日本の政府に税金納めているんですよ。この船員も税金は全部もう日本の政府に納めないでいいと言えば別だけれども、日本の政府に税金だけ取り立てて国民の権利である投票ということをほとんどあの人たちは一生涯やらされていないんですから、それはぜひ考えてください。そうしたら、そっちのはほったらかしちゃって、そうして外国に勤務している人たちには投票権を与えるというのがもう昨年か何かから出てきているわけです。だから、これは今ここでどうこう申し上げませんけれども、いろいろそういう課題があるので、できるだけみんなが投票に参加をしてもらうことをやる必要がある。あるけ
れども、同時にそういうことについていろいろ自治省としてお考えいただいてやっていただきたいし、それから、自治省が何も責任を持つ必要ないことなんかでここでぺこぺこ何することないんだから、堂々と言われたらいいですよ。
 委員長、終わります。
#69
○野末陳平君 法案についてはいいんですけれども、定数是正が衆議院で非常にもめているようで、やはりこれは先生方の利害に大きくかかわるからもめるのも当たり前だろうと思うんですけれども、衆議院だけでなくて参議院についてもこれはもう選挙区の定数を是正しなきゃならないのは当然なんですね。そこで私、大臣にお伺いするんですけれども、やはり定数是正は衆議院も参議院も一挙にやるぐらいのつもりでこちらの方も検討すべきだと思うんですが、どうでしょうか。
#70
○国務大臣(小沢一郎君) 定数の是正の問題は、御指摘のように衆議院であろうが、参議院であろうが、院の構成にかかわる問題でありますし、基本的な土俵づくりの問題であります。したがいまして、司法の判断を待つまでもなく、お互いそれぞれ国会において常時考えていかなければならないことであろうと思います。まあ、ただいま現在では衆議院の定数問題になっておりまして、直接参議院の定数是正の問題が挙がっておるわけではございませんけれども、これは参議院の全体の定数の問題とか参議院の地位、衆議院と違う性格の問題とか選挙制度の仕組みそのものとか、そういったことにかかわってくる問題でございますので、もちろん、私どもも勉強しなきゃいけませんけれども、基本的にはやはり院のそのものの中で各党、各先生方のいろいろな御議論を踏まえてなされなければならないものであろう、そういうふうに考えております。
#71
○野末陳平君 私、大蔵委員会とちょっとかけ持ちしておりまして、今までの質疑を聞いてなかったのは残念なんですが、比例代表の選挙があれやこれやと批判されているような一一回だけですから、あれについて結論下すのはもちろん早急なんですが、一度比例代表選挙を経験した自治省としては、あるいは大臣としては、あれは当初のような成果が上がったのか、それとも何か別の欠陥がそこに見つけられたのか、その辺のまとめといいますか、総括というんですか、そういう点についてはどういうふうな所見をお持ちでしょうか。
#72
○国務大臣(小沢一郎君) 自治省といたしましては選挙の管理、執行、そういう面に当たっておるわけでございますけれども、この前初めて実施されたわけでございますが、新しい制度といたしまして円滑に実施されたものと、そのように考えております。
#73
○野末陳平君 本来、全国区がお金がかかって、それから運動もしにくいし、投票する方も広過ぎてなじめないとかいろんな欠陥があった上で比例代表というのが一応取り入れられたわけですね。でも、考えてみますと、やはり比例代表よりも広くなり過ぎた全国区をもっと小さくして、いわゆる従来の地方区、今の選挙区ですね、これよりも広いが本来の全国区よりは狭いというくらいの、全国を力とか六とかそういうふうに分けた方が結果的にはより効果が出てくるんでないか。全国区制度のときに指摘されたいろいろな問題、お金がかかるとか運動が広範囲にわたり過ぎてやりにくいとか、そういうことはブロックのような分け方によって解決できるんじゃないか、比例代表よりはやはりそういう制度にして個人投票の方が好ましいと私が個人的に考える、有権者もどうもそんな感じがするんですが、そういう案についてはどうでしょうか、大臣。
#74
○国務大臣(小沢一郎君) これは選挙制度そのものにわたるお考え、御意見でございますので、もちろんいろいろな全国区制あるいは比例代表制についてお考えがあると思います。先生の御指摘になりましたただいまの案もそのいろいろな考え方の中のお一つであろうと思います。しかし、これはいわゆる制度論、立法政策上の問題にわたることでございまして、事柄がその基本に関することであります。したがいまして、各院、国会の各政党、各議員間におきまして、いろいろと第一義的には御議論をいただく問題でおろう、そのように考えております。
#75
○委員長(原文兵衛君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#77
○委員長(原文兵衛君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本月はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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