くにさくロゴ
1985/05/22 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 選挙制度に関する特別委員会 第3号
姉妹サイト
 
1985/05/22 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 選挙制度に関する特別委員会 第3号

#1
第104回国会 選挙制度に関する特別委員会 第3号
昭和六十一年五月二十二日(木曜日)
   午後五時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月八日
    辞任         補欠選任
     穐山  篤君     小野  明君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     柳澤 錬造君     井上  計君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     内藤  功君     橋本  敦君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     高木 正明君     林 健太郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         原 文兵衛君
    理 事
                金丸 三郎君
                小島 静馬君
                藤野 賢二君
                上野 雄文君
                多田 省吾君
    委 員
                梶原  清君
                小林 国司君
                斎藤栄三郎君
                斎藤 十朗君
                田沢 智治君
                田中 正巳君
                林 健太郎君
                降矢 敬義君
                松浦  功君
                村上 正邦君
                小野  明君
                安永 英雄君
                大川 清幸君
                田代富士男君
                橋本  敦君
                山中 郁子君
                井上  計君
                田渕 哲也君
                野末 陳平君
   衆議院議員
       公職選挙法改正
       に関する調査特
       別委員長     三原 朝雄君
       公職選挙法改正
       に関する調査特
       別委員長代理   渡部 恒三君
   国務大臣
       自 治 大 臣  小沢 一郎君
   政府委員
       自治省行政局選
       挙部長      小笠原臣也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
   衆議院法制局側
       法 制 局 長  上田  章君
   説明員
       通商産業省生活
       産業局窯業建材
       課長       和田 正武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
○十八歳選挙権の早期実現に関する請願(第六八
 号外一三件)
○衆議院議員選挙愛媛一区の境界線変更に関する
 請願(第三一六六号外一件)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(原文兵衛君) ただいまから選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る三月八日、穐山篤君が委員を辞任され、その補欠として小野明君が選任されました。
 また、去る五月十五日、柳澤錬造君が委員を辞任され、その補欠として井上計君が選任されました。
 また、昨五月二十一日、内藤功君が委員を辞任され、その補欠として橋本敦君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(原文兵衛君) 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提出者衆議院公職選挙法改正に関する調査特別委員長三原朝雄君から趣旨説明を聴取いたします。三原朝雄君。
#4
○衆議院議員(三原朝雄君) 私は衆議院の特別委員長の三原でございます。大変お世話になります。
 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。
 衆議院議員の定数是正につきましては、過去二回、昭和三十九年及び昭和五十年に、議員総定数を増員することによって行われたところでありますが、その後の大幅な人口の地域間移動により、議員定数の配分は、各選挙区間において著しい不均衡を生じ、昭和六十年国勢調査の速報値によりますと、議員一人当たり人口の格差は、一対五・一二倍にまで開いているのであります。
 さらに、昭和六十年七月の最高裁判所の判決において、現行の衆議院議員の選挙区別定数の配分規定については、憲法の選挙権の平等の要求に反し全体として違憲との判断が示され、その速やかな是正は、国会に課せられた緊急かつ重要な課題となっているところであります。
 もとより、我々は、衆議院議員の定数是正は、議会制民主主義の根幹にかかわる問題であることを深く認識し、その是正に向けて真剣に取り組んできたところであり、今国会においては、去る五月八日、本問題に関する衆議院議長の調停が提示された次第であります。
 本案は、この議長調停に基づき、当面の暫定措置として、議員一人当たり人口の格差が特に著しい選挙区について、定数の増員、減員及び選挙区の区域の変更により是正を行おうとするもので、その内容は次のとおりであります。
 第一に、定数を増員すべき選挙区についてでありますが、当分の間、北海道第一区、埼玉県第二区及び第四区、千葉県第一区及び第四区、東京都第十一区、神奈川県第三区、大阪府第三区の八選挙区において、議員定数をそれぞれ一人増員することといたしております。
 第二に、定数を減員すべき選挙区についてでありますが、当分の間、秋田県第二区、山形県第二区、新潟県第二区及び第四区、石川県第二区、兵庫県第五区、鹿児島県第三区の七選挙区において、議員定数をそれぞれ一人減員することといたしております。
 第三に、選挙区の区域について、隣接選挙区との境界を変更すべき選挙区についてでありますが、当分の間、和歌山県第一区に属する海草郡は、和歌山県第二区に属するものとし、愛媛県第
一区に属する伊予市及び伊予郡は、愛媛県第三区に属するものとし、また、大分県第一区に属する大分郡挾間町は、大分県第二区に属するものといたしております。
 これにより、衆議院議員の総定数は、当分の間、一人増員して五百十二人となり、また、選挙区別議員一人当たり人口の最高と最低との格差は、三倍未満となるものであります。
 なお、この法律は、公布の日から起算して三十日に当たる日以後初めて公示される総選挙から施行するものといたしております。
 以上が、この法律案の提案の趣旨及び内容であります。何とぞ、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#5
○委員長(原文兵衛君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○小島静馬君 違憲状態を解消するためのこのたびの公選法の改正案が、難航を重ねた結果、ようやく昨日の衆議院本会議において可決を見ました。そしてきょう、ただいま参議院の委員会において審議が行われ、本日の本会議でその可否が問われることになったわけであります。本日は言うまでもなく今国会の最終日でございまして、しかも通常選挙を目前に控えておる現状におきましては、全く審議のゆとりがないという状況下におきましてこれだけの大問題を審議していかなきゃならないということにつきましては、少なからぬ困惑を感ずるところであるということを表白せざるを得ないのであります。
 しかしながら、今回の改正が、違憲の状態の中に置かれているところの国権の最高機関であるところの国会、衆議院の構成を是正するものである、その定数を是正するものであるという、放置しがたい状態を解消させるということが眼目である以上、ここに、いろいろ御苦心の中からこの結論が導き出されたということにつきましても十分理解をいたすところでございます。
 そういう観点に立ちまして見ましても、このたび衆議院議長の調停にのっとりまして出されましたその改正案というものは、それだけに相当の問題点を内蔵しているということは万人の認めるところであろうと思うのでございます。今日までの御苦労は了承しながら、なおかつ国民の立場に立って考えますときに、非常に多くの割り切れない問題点があるということを冒頭指摘をいたしておきたいと思うのであります。
 そういう点につきましてお考えを伺いたいのでありますが、まず第一に、過去の定数是正の問題、つまり昭和三十九年の改正におきましては十九議席増という総定員の増加というものを伴ったわけであります。あるいは昭和五十年度の改正におきましても二十名の議席増という、減員を全く考えずに、過疎の地域はそのままにしておいて過密の地域の増員を図る、こういう観点において行われましたので、比較的に容易にその改正はある意味では行われたと思うのであります。しかし、今回の改正は、今日の行政の改革を国、地方を通じて大きな国民的要求としてその改革を断行中であります。あるいはまた行政の減量化ということが強く叫ばれている折からであるわけでございまして、したがって、こういった状況を踏まえて、議員の総定数をふやさないということが今回の改正の大きな骨組みの一つであったと思うのでございます。かんがみまして、過去のように十九議席も二十議席もふやさなかったということにつきましてはそれ相当の評価をいたすものではございますが、同時に一議席をふやさなければならなかった、このことは今大きな国民的な非難を浴びていることも、これは紛れもない事実であると言わざるを得ないのであります。
 その調停案を発表されました坂田衆議院議長は、私もテレビでその場面を拝見したわけでありますが、一身に非難をこうむっても、みずから泥をかぶってその非難に耐える、違憲の状態を脱することがそれよりも何よりも最大に重要であった――悲痛な談話をなさったわけでございますが、心中察するに余りはあります。しかし、それでもなおこの思いは残るわけでございまして、わずか一議席ぐらいということはどうしても言い得ないところであるわけでございました。この点に国民的な批判が集中している現状の中で、提案者として三原公選特委員長さんはどのようにお考えであったか、あるいはその経過についての御説明を承りたいと存じます。
#7
○衆議院議員(三原朝雄君) ただいま小島委員さんから本当に思いやりのある御質問を願って恐縮をいたしておるのでございますが、極めて重要なこの法案が、審議の時間も余裕も与えることができない現在時点において、会期末の本日、参議院に提案理由を申し上げる、趣旨を申し上げるというようなことになったわけで、この点につきましては、本当に申しわけない気持ちでいっぱいでございます。
 そこで、今日まで衆議院においてこの重要法案を長期にわたって各政党間で御検討を願い、その座長として務めてこられました渡部理事も一緒に参っておるのでございます。諸先生方の御質問につきましては渡部議員からお答えをさしていただきますけれども、ただいま小島先生から御質問のございました、苦労したこともよくわかるが、一名をどうしてふやすというようなことになったのか、このことについては将来どう考えておるかというお尋ねが特にございましたので、このことだけは私から率直にお答えを申し上げておきたいと思うのでございます。
 この結論を得るまでについては、ただいま御意見にもございましたように、各党間で随分審議をし、検討を進めてまいりました。その検討の結果を議長に報告をし、議長が調停提示をいたしてくれたわけでございます。その方針に従ってこうした結論を生んだのでございます。しかし、この一名増につきましては、我々としても今国民の大きな批判を受けておるということも承知をいたしておるところでございます。この問題につきましては、六十年の国勢調査の確定値が十月末あるいは十一月になれば出てまいるわけでございます。その際にはぜひひとつ見直しをして、皆さん方の御意見の線に沿いながら、将来の課題として処理してまいりたいということを私どもも考えてまいりましたし、衆議院本会議におきましてもこの点は決議を願っておるところでございます。そういう事情にあることを御報告申し上げさしていただくわけでございます。
 自後の質問に対するお答えは渡部議員にお願いすることをお許し願いたいと思います。
#8
○小島静馬君 次に、第二点としてお伺いいたしますが、今度の改正で選挙区の定員、今日中選挙区というふうに呼ばれておりますが、学術用語では小選挙区と大選挙区しかないそうでありますが、中選挙区と呼ばれる三人ないし五名の定員をもってする選挙制度が我が国においては長く定着をいたしております。我が国で明治二十三年に第一回の総選挙が行われたわけでありますが、そのときには定員三百名、小選挙区制であったと思います。一人区が二百十四、二人区四十三、ここから出発いたしまして、幾変遷を経てまいりました。あるときには大選挙区制もございました。いわゆる中選挙区もございました。あるいは大選挙区連記制なんという時代もあったわけでありますが、少なくとも今日はいわゆる中選挙区制なるものが定着をしていることは言うまでもないところでございますが、今回の改正におきまして、この例外として二人区が二つ、六人区が一つできたわけでありますが、これは暫定的な措置として理解していけばよろしいのかどうか、ある意味では大変重大な変更とも思われますので、お伺いいたします。
#9
○衆議院議員(渡部恒三君) 抜本改正においては、二人区、六人区といったようなものはその解消に努めることは当然でございますから、今回の処置は暫定処置であると御理解いただいて結構だと思います。
#10
○小島静馬君 わかりました。
 次に、第三点といたしまして、和歌山県、愛媛県、それから大分県の三県について選挙区の境界変更が行われるわけでありますが、実はこれは当該市町村においてはごうごうたる非難と反対の声が渦巻いておる。当委員会に対しましても、委員長のもとに相当積極的な反対の陳情が出ているわけでございます。その変更につきまして、特に従前の別表を見ましても、選挙区の区割りというものは郡市単位をもって行っておられるわけでありますが、今回、大分県大分郡挾間町は大分県の第一区から第二区に変更されるわけでございます。考えてみますと、町村というものは、町村をもって構成される郡の存在というものは単なる地域表示の呼称ではなくて、ある意味では非常に連合体的な、行政あるいは経済、社会生活上の一つの伝統的な連合体として今日までその存在価値を深めてきておるわけでございます。その郡の中のある一町のみを分割してこういうふうな繰り入れ方をするということは、当該町村にとっては、単に精神的な面だけでなく、実際面におきまして非常な不便と苦痛を強要されるものであろうと思うわけでありますが、この点についてはまさにびぼう、糊塗の策であったと言わざるを得ません。この点について提案者はどのようにお考えになっておられるのか、お伺いしたいと思います。
#11
○衆議院議員(渡部恒三君) この大分二区の場合は、御承知のように最初七十人人口が少ないために一名減員にならなければならないというような状態でございました。したがって、これを減員区にするかどうかということで、いろんな議論があったところでありますが、やはり最高裁の判決を重んじて、三対一以内というものは厳しく私ども受けとめなければならないということで、境界変更を行おうということになりましたので、小島議員の御指摘のとおり、これは従来から郡市単位であることが原則でございますが、今回の処置は必要最小限に境界変更をとどめようということで、町だけが移動するという変則的になってしまったわけでありますが、これらの問題も暫定処置でございますから、いずれ抜本改正の際には検討されるべきものと考えております。
#12
○小島静馬君 第四点としてお伺いいたします。
 今回の改正について、昭和六十年の国勢調査の確定人口の公表を待って速やかに抜本的改正を図る、このことを前提とされていることは委員会採決の際の委員長発言及び昨日の本会議における定数是正に関する決議にかんがみましても明らかであると存じます。
 それでは、その抜本改正がいつどこでだれがその作業に当たられるのか、また内容としては既にお触れになった面もございますけれども、議員総定数については五百十一という定数の枠の中におさめていかれるのかどうか。それから、選挙区の区画の見直しについて、これも抜本改正の際には、ただいまもお話ございましたけれども、郡市単位で見直しされていくのかどうか。
 それから、例外二人区、六人区の問題につきましても、その解消を確実になさっていかれるというお考えであるのかどうか。これらの点を明確にされたいのであります。とりあえずそれだけお伺いいたします。
#13
○衆議院議員(渡部恒三君) 抜本改正に臨む姿勢については、さきに衆議院の本会議でも決議をいたしておりますけれども、確定値が出た後に各党話し合いによってこの変則的なようなものはないように努力していくのは当然であろうと思います。
#14
○小島静馬君 もう少し具体的にひとつお願い申し上げます。
#15
○衆議院議員(渡部恒三君) これは国会議員全員がその責めを負うものでありますから、政府は政府で御努力をいただくものと思いますが、また今までのいきさつから言えば、各党が十分話し合いをしてこれを行わなければならない責任が、これは国会で決議をしておるわけでありますからやることになると思います。
 当然、今回の処置は暫定処置であり、いわゆる中選挙区は、先ほど小島先生御指摘のとおり、三名から五名というのが一般常識として受けとられておったわけでありますが、これは万やむを得ざる処置として、二名区ができたり、六名区ができておるわけでありますから、これらの見直し、また先ほど委員長からお話がありましたが、私どもは今日の行政改革という方向の中で何とか五百十一の定員をふやすようなことをしないで済むようにということで、血のにじむような努力をしてまいったわけでありますが、最後にやはり三対一以内の一票の格差、これを重んじるということで、一人増員せざるを得ない状態になってしまったわけでありますから、これらの見直しも当然行われるものと存じます。
#16
○小島静馬君 私も冒頭の発言で御理解申し上げているというふうなことを申し上げたわけでありまして、三原先生、渡部先生の御答弁で可及的速やかに国調の結果が明確に数字が出たならば、その抜本的改正の作業に当たられる、衆議院全体の責任としてこれはやるんだというふうな御意思と拝聴してよろしゅうございますか。
#17
○衆議院議員(渡部恒三君) 結構でございます。
#18
○小島静馬君 提案者としてのお答えは恐らくそれが最大限のことであろうと、私もよくわかります。
 そこで、所管大臣にお伺いをいたしたいのでありますが、大臣はこれらの点につきましてどのようにお考えでございましょうか。
#19
○国務大臣(小沢一郎君) 今回の衆議院の定数是正の問題につきましては、先ほど来、小島委員そして提案者の御質疑の中で、その状況あるいは今回このような違憲状態を脱するために、やむを得ず各党間の勢力的なぎりぎりの協議の中でこのような処置をとった、そういうお話があったわけでございます。
 私どもも、もちろん所管省といたしまして、これらの問題につきましてもいろいろな角度から勉強し、また御協力をしてきたつもりでございますが、何しろこの定数の問題につきましては、それが国権の最高機関たる国会の土俵づくり、ルールづくり、基盤的なものでございますし、またそれゆえに現実問題といたしましては各党、各会派あるいは各個人個人の議員の皆さん、その政治活動の基盤に直接関連する問題でございます。
 したがいまして、今回の定数是正におきましても、各党の皆さん、各会派の皆さん、委員長を初め提案者の皆さん、大変御苦労なさってこられたわけでございますが、私どもといたしましてはその協議に御協力を申し上げながら今日までやってまいりましたし、これから六十年の国調確定値が出ました後に抜本改正を行うということは各党間でもあるいは議長調停の中にも、そしてまたただいまの提案者の御答弁の中にも示されておるわけでございまして、それらの中において問題点となるのは今御指摘のとおり二人区の問題あるいは六人区、逆にふえた選挙区の問題あるいは選挙区割り、いわゆる線引きの問題等、それから定数の総枠の問題、こういうことが当然大きな最大の課題となると思っております。
 私どもも第一義的には各党、各会派の御協議をいただきながら、国会の場で御議論をしていただくほかないのでございますけれども、我々といたしましても今後の抜本的な改正、選挙区割り、定数の問題はどうあるべきかということを、さらに勉強しながら抜本改正に備えていかなければならない、そのように考えておるところでございます。
#20
○小島静馬君 実はこの点は非常に大事なことだろうと思うのでございます。速やかにという意味は、いつかということですね。しかし、余り具体的にと言ってもこれは無理な話だろうと思うんですが、少なくとも衆議院の当該委員会においてはこれを早速やる、また小沢自治大臣明言されたわけでありますが、役所としても一緒になって進むということで、現時点ではこれぐらいの御答弁しかいただけないのかとも考えますが、内容といたしまして、まず議員総定数は五百十一、ここでふえた一つは緊急避難の措置であるからやむを得ないから認めてくれと、しかし五百十一というのは
衆議院議長見解で明確にされております。今回五百十二になったときの衆議院議長談話の悲痛な叫びの中にも、抜本改正の際にはという気持ちがうかがわれます。委員長発言におきましても、昨日の衆議院本会議の決議におきましても、抜本改正においてはという意気込みは当然読み取れるわけでございますから、より大胆に、総定数は五百十一名、選挙区の境界は郡市単位、二人区、六人区は抜本改正においては認めないということの三点につきまして明確にお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#21
○衆議院議員(渡部恒三君) まさに小島議員御指摘のとおり、非常に重要な点の御指摘がございましたので、そういう方向に向かって私ども努力していかなければならないのはこれは私ども議員一同の責任であると考えております。
#22
○国務大臣(小沢一郎君) ただいま提案者の渡部先生からも明確にお話がございました。私もその御指摘の三点は大変重要な点であると思いますので、ただいまの御答弁と同様、私どもも御指摘のような観点に立って抜本改正に臨んでいかなければならないと考えております。
#23
○小島静馬君 それから定数の配分について、過疎過密問題等地域の実情への配慮を考えてやるということですが、その意味はどういう意味でございましょうか。例えば倍率が、格差が三倍以内とか、これは最高裁の判決にも別して出ているわけではございませんけれども、大体どの程度が適当であるというふうにお考えでございましょうか。
#24
○衆議院議員(渡部恒三君) これは非常に難しい問題でありますけれども、今回は最高裁判所の判決を尊重して、さきの国会で一票の格差を三対一以内におさめるという議長見解のもとに作業が行われたわけでありますが、この問題の審議過程の中でも、過疎地域こそ強い政治力が求められているとかいろんな議論等が行われましたので、それらの問題を踏まえて、今後各党で十分相談していくべきものと思っております。
#25
○小島静馬君 この問題も私は今非常に考えるべき時期に到達していると思うのです。例えば三全総の内容を見てみますと、西暦二〇〇〇年に至りますと東京近郊、大阪近郊両方足しますと四〇数%になるというようなことで、定員の四割はその周辺に国会議員がいるというようなことは大変問題が出てくるだろう。やはり、人口的要素だけで今までやってきておりますが、非人口的要素も今後の選挙法改正の中では十分議論さるべきだろうというふうに考えておりますが、御研究をいただければと思います。これは別してきょうの問題との関連ではございませんが、一言申し上げておきます。
 それから、これは特に自治大臣に伺いたいわけでありますが、公職選挙法の本法と附則の関係でございます。
 私は本来附則というものは、当面の間とか暫定的にとか、あるいは特別の例外としてとか、そういうふうな意味が附則には盛り込まれるというふうに理解をいたしております。それが今日までの選挙法改正の歴史を見てみますと、例えば昭和三十九年の定数増、昭和五十年の定数増におきましても、これが附則をいじることによってできているわけでございまして、当分の間定員を十九名ふやす、当分の間定員を二十名ふやすというふうなことで、本法におきましては依然として四百七十二名というふうに明記されていると思うわけでございまして、これは非常に不合理の、あるいは不自然のそしりを免れないところであろうと考えるわけでありますが、抜本改正に当たりましては、こういうふうな意味で思い切って本法に附則を繰り込んで、踏み込んだ改正をやるべきだと思うけれども、自治省ではいかがお考えになっておられますか。
#26
○政府委員(小笠原臣也君) 法律はもう御案内のとおり本則と附則から成っておるわけでございまして、本則の方は実体的な恒久的な規定をいたすわけでございますし、附則の方は、いろいろ内容がございますけれども、法律の施行期日に関することとかあるいは暫定的な適用に関することとか、あるいは特例的な事項を規定することが多うございます。
 ところで、衆議院議員の定数是正は過去二回行われたのでございます。昭和三十九年と昭和五十年でございますが、いずれも附則改正という形で、別表第一の本則の改正ということでは行われていないわけでございます。これは考え方は、昭和三十九年の場合も昭和五十年の場合も、いずれもその時点において特に格差の著しい選挙区について暫定的に是正を行う。本来定数是正というのは、選挙区制のあり方やあるいは選挙区割りの基本原則を十分検討して、その上に立って行われるべきものではございますけれども、そういうことではなくてそれとは切り離しをして、とりあえず著しい格差のあるところだけを手をつけるという形で行われたものでございますから、暫定措置として附則で規定をされたのでございます。
 今回の場合も、先ほど提案者の方から御説明がありましたように、一刻も速やかに違憲状態を解消するという角度から緊急暫定措置として行われたものでございますので、附則改正という形で措置をされたわけでございますが、将来、抜本改正をして、選挙区割りのあり方あるいは原則というようなものを確立した上で抜本改正を図る場合には、当然本則なりあるいは別表第一全体を見直していくということにすべきではなかろうかと考えておるわけでございます。
#27
○小島静馬君 時間もなくなりましたので、最後に一点だけ所管大臣にお伺いいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
 衆議院議員の選挙制度のみならず、参議院議員の選挙につきましても、あるいは都道府県議会、市町村議会につきましても全く同様であるわけでありますが、選挙制度を改正する、特に総定数を削減をするというふうなことは、それぞれの選挙をする議員にとりましては身分上の問題である。議員が当落にかかわったり、あるいは各政党の消長にかかわる問題でございますので、どうしても党利党略を招きやすい、自主的に非常に判断しにくい問題でございます。しかし、今、都道府県や市町村の実情を見ますと、思い切った削減というものを自主的に地域住民の声を背景に結構やっておるということは私ども本当に評価をするわけでございますが、今後といえども、こういうふうな状態が再び起こってくるということは想像にかたくないところでございまして、そういうふうなことを考えましたときに、何か違憲の状態が起こらないように、イギリスや西ドイツでやっているようでありますが、ある程度、五年とか十年の間に定数なり区割りについてはその判断の基準になるものを設けておく、あるいは第三者機関を設けておくというようなことをやっておられるようでありますが、我が国におきましても、そういった具体的な何らかの基準あるいは第三者機関というものを設けておくということが再び違憲の状態を招くことがないようにする非常に重要な施策になろうかと考えておるわけでありますが、その点の必要性をお認めになるかどうかお伺いしたいと思います。
#28
○国務大臣(小沢一郎君) ただいまの先生の御意見のとおり、選挙区、定数の問題を含めまして、非常に民主主義の基盤となる、また国会の土俵づくりの大変大事な問題でございますが、現実には御指摘のようなこともありまして非常に難しい問題を含んでおるわけでございます。それだけにただいまのお話にもございましたようにイギリス、ドイツ、あるいはアメリカでもいわゆる違憲状態を解消するようなきちんとしたルールをお互いつくっておるというような国があるわけでございまして、その意味におきまして我が国におきましても今後抜本改正等の問題も控えておるわけでございますので、国会の中の議論におきましてもそのような議論の中からルールづくりというものが行われるとするならばそれも大変いいことではないかなど考えております。私どももそのような点も参考にしながら十分勉強さしていただきたいと思っております。
#29
○小島静馬君 ありがとうございました。
 終わります。
#30
○上野雄文君 私は最初に後段、今、選挙部長が触れられた本則と例外ですね、そのことについてお尋ねをしたいと思うんです。
 選挙部長は本則の四百七十一名という定員があるべき姿で恒久的なものなんだ、こういう規定の仕方だということを言われたわけでありますが、今度のこの総定数の議論の場合にスタートが五百十一なんですね。疑問に思うのは本則との関係でどういうような議論をされましたかということをお尋ねしたいと思います。
#31
○衆議院議員(渡部恒三君) 今のお話でございますが、これはさきの国会で議長見解と申して、総定数五百十一を動かさない、今回は一票の格差を三対一以内にとどめると、これをいわば金びょうぶとして各党の実務者による話し合いが始まりました。そういうことから、先ほどもお話がありましたように、あくまで今回は暫定処置であるということで附則改正ということで、当然今のような問題は次の確定値が出て後の抜本改正でこれは議論されるべきでありましょうけれども、今回はさきの国会における議長見解というものを金びょうぶにして行われたので、あくまでも五百十一という定数をできる限り動かさないようにということで作業が進められたわけであります。
#32
○上野雄文君 本則と附則との関係について歴史的にさかのぼってみると、二十八年に奄美群島が返ってきたときに四百六十六名に一名乗っけて四百六十七にしたという経緯があるわけですね。そのときから実はこの附則で処置をしてきて「当分の間」というのを載っけたんじゃないんですか、と私は思うんですね。そうすると、奄美の扱いの問題について、いつの日か鹿児島の三区に返ってくる、一緒にするというのがこれが原則だったろうと思うんですけれども、これが、「当分の間」が何とこれ三十二年有余たっているわけですね。そのことを考えますと、もう本則の数の議論ではなくて、附則の数が本来の姿になってしまうというような議論をせざるを得ないというのは、これはおかしいと思わない方が私はおかしいと思うがね、どうですか。
#33
○衆議院議員(渡部恒三君) 上野先生御指摘の問題、大変重要な問題で、定数協の協議の間でもこれはいろいろ議論がありまして、また関係議員の中から、おれをいつまで当分の間の議員にしておくんだ、ちゃんとした議員にしてくれというような強い意見等もありましたが、今回はまず、さきの国会における決議、また最高裁判所の判決によるところの違憲状態という御指摘を一日も早く解消しなければならないということで行われたものでございますから、今のような問題は当然に今度抜本改正が行われる場合には議論しなければならないことであろうと存じます。
#34
○上野雄文君 「当分の間」という言葉が、これは何かひとり歩きというのか、極めて便利な言葉というふうに理解したらいいのか、私もどうもよくわからないんですよね。
 今度の要綱を見ますと、「当分の間」というのは三カ所出てくるんですよね。それから今三原衆議院の公選特の委員長が読まれた提案理由を見ますと、これ四カ所出てくるんです。
 それで、これは「当分の間」ばっかりで、本来の選挙法というのは一体、当分の間の選挙法という話にこれなってしまうんで、歯どめなき当分の間なんというのは私はないだろうと思うんですが、一番最初に奄美のときに「当分の間」というのをくっつけたのは、一体どの辺を見通してやったのか。これは選挙部長、いろいろ選挙法研究されたと思うので、その辺の歴史的な経過というのをちょっと参考までに教えていただけませんか。
#35
○政府委員(小笠原臣也君) お答えを申し上げます。
 昭和二十五年に現在の公職選挙法が制定されましたときは、議員定数は四百六十六でございます。それにその後昭和二十八年に奄美が、米軍の統治下に置かれておったわけでございますけれども、日本に復帰をするということになりまして、当時、奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律というので奄美に定数一の選挙区を暫定的に設けるということが定められたのでございます。
 これは、当時の記録を見てみますと、奄美が復帰することによって鹿児島県の全体の定数を見直すということも一つの考えとしてあるんだけれども、奄美が復帰することによって全体を見直すというのはなかなか容易ではないということもあって、暫定的な措置として一人区を設けたのでございます。
 それが、昭和三十九年に今度公職選挙法の中に取り込まれるときに今のように、別表第一の規定にかかわらず、当分の間、奄美群島区を定数一の選挙区とするという規定が設けられて、それが言えば「当分の間」の規定の最初ではないかと思っておりますが、昭和三十九年の改正、その後の昭和五十年の定数是正に伴う改正は、いずれも先ほど私が小島委員に申し上げましたような理由で暫定措置として書かれておるわけでございます。
#36
○上野雄文君 提案者と大臣の両方にお尋ねしたいと思うんですが、今度の場合の「当分の間」はどういう「当分の間」ですか。
#37
○衆議院議員(渡部恒三君) これ、今、上野先生御指摘の当分の間、随分といろいろ研究をいたしまして、「当分の間」とは一体五年を指すものか十年を指すものか二、三年か、いろいろ研究しましたが、いかなる文献にもこれは答えが出ておりません。
 ただ、明確に申し上げられることは、これは決して固定的な状態ではない、一日も速やかにこれは直すことが望ましいということが「当分の間」であろうと存じます。
#38
○上野雄文君 大臣、その前にちょっと。
 今の答弁では、先ほどの小島委員の質問では抜本改正と言ったはずだと思うんですよ。ちょっとおかしいじゃないですか。そういうふうに受け取っていた。
#39
○衆議院議員(渡部恒三君) ですから、確定値が出た後一日も早く、速やかにこれは抜本改正に取り組むということが私どもの姿勢でございます。
#40
○上野雄文君 大臣はどう思っていますか。
#41
○国務大臣(小沢一郎君) 先ほど、そして今渡部先生からお話ございましたように、今回の経緯の中で、議長調停、そしてまた今度の決議等におきましても、確定値が出た後に抜本改正を行う、そういうふうになされておるわけでありまして、その抜本改正の中でそういう問題も解消するように努力する、こういうことではないかと思います。
#42
○上野雄文君 水かけ論争をしていてもいたし方ありませんから先へ進みますが、先ほども中選挙区制についての小島委員からの指摘がありました。もう長い間、中選挙区制というのは、三人以上五人以内というので定着しているわけですね。最近の行革論議の中でも、自治体と国との関係の中で、同化、定着したという文句がしょっちゅう使われるわけですね。同化、定着のお手本みたいなものが三人以上五人以内だと私は思うんですよ。学問的にどうのこうのと言っても、歴史的に選挙法のずうっと積み重ねが今日まできているわけですから、私はそういうふうに思っているわけです。そのことを翼づけるのが、きのうの衆議院の決議の後段に書いてある「抜本改正に際しては、二人区・六人区の解消並びに」「総定数及び選挙区両の」という文言がありますね、だからここに入ったと思うのであります。これは中選挙区からはみ出したものだ、二人区と六人区ははみ出したものだ、こういうふうに皆さんもお考えになっていらっしゃるというふうに理解してよろしいですか。
#43
○衆議院議員(渡部恒三君) これは、上野先生御指摘のように、それから今日までの中選挙区は三名から五名というのが常識でございました。ところが、さきの国会で議長見解が出されて、五百十一の定数を何とか守りたい、また、違憲状態を脱するために三対一以内の一票の格差にとどめる、こういう作業、これを分区とか合区とか境界線変更は極めて困難であるという前提に立ってやった場合は、二名区というものが七つも出てしまった
わけてあります。しかし、二名区というものは決して好ましいものではないという各党協議の中で、二名区解消に努めようということで、今回血のにじむような努力をして三つの二名区を解消するための境界変更等を行ったわけでありますが、先生御指摘のように、当然これはいわゆる原則の中の例外でございますから、抜本改正でこれらの解消に努めていくのは当然のことだろうと存じます。
#44
○上野雄文君 次に、奄美の扱いの問題ですが、本則とこの例外、附則の問題にかかわりますが、本来奄美は鹿児島三区に入っている地域ですよね。ですから、今度その「当分の間」の特例をやめにすれば鹿児島三区を二名区にしなくて済んだはずなんですね。そうでしょう。そういう道をどうしておとりにならずに、特例を廃止して鹿児島をもともとの姿に戻せば二人区などということは起こらなかったはずだと私は思うんですけれども、そこのところの議論はどうされたんですか。
#45
○衆議院議員(渡部恒三君) 定数協の議論の中では、今上野先生御指摘のような問題、つまり合区というものがいろいろ議論が出てまいりました。しかし、今回は急激な選挙基盤の変動を避けて、できるだけ最小限にこれをとどめようということで取り上げることにならなかったわけでございます。
#46
○上野雄文君 暫定議員にいつまでしておくんだという声がありながら、その実は暫定議員でいたい、こういう、そのことを保障してやったということにしか私はならないだろうと、こう思うんですが、これは抜本改正のときはですね、そこのところを直せばもとの姿に戻るわけですから、そういうふうに努力をするのが恒久的な、法律をきちっと執行していこうという立場にある行政府の責任ではないかと、こう思うんですが、どうですか大臣、そこのところは。
#47
○国務大臣(小沢一郎君) 今回の処置につきましては渡部先生からお話しのとおりでございますが、ただいま御指摘の問題等につきましては、抜本改正においてはそういう問題等も含めて論議をされていくものと、そのように理解いたしております。
#48
○上野雄文君 次にね、大分県の挾間町の問題、小島委員もこの点について触れられておられました。陳情書が皆さんのところにも行かれておりますから改めて申し上げるまでもありませんが、挾間町の議会の決議というのは端的にこのことをあらわしているんですね。
 一、挾問町は歴史的、地理的、政治、教育文化、経済的にも大分市を核とする圏域にあ
  り、大分郡にあっては中心地的位置にある。
 二、大分新産業都市建設計画、挾間都市計画、広域市町村圏計画、交通ネットワークの面からも大分郡、市と一体的な関係にある。
 三、大分二区の別府地域とは隣接しているものの、こうした関連はきわめて薄い状況にある。
 そもそも選挙法をつくるに当たって、村とか印とか部とかというものは、もうあらゆる面から考えて地域的に一体なものであるというところからスタートしているのが選挙法の原則だと思うんですね。原則をねじ曲げるような結果を出した。その所感はどうですか。
#49
○衆議院議員(渡部恒三君) これは、上野先生御指摘のように、選挙区はやはり郡市単位であることが望ましいと思います。その都なり市をさらに分割するというようなことは決して望ましいことであるとは思いません。そこで、非常に各党の話し合いの中で苦労したところでありますが、さきに小島委員の御質問にも申し上げましたように、最初大分二区は人口七十人という非常に微差でありますから、そのために一名減員区になるのがどうかというようなことで、これはこのまま見送ってもよいのかというような議論さえ出た地区でございます。しかし、最終的に議長の調停は、やはり今回は違憲状態を速やかに解消するということであるので、最高裁の判決による一票の格差三対一以内にとどめるということを何よりも優先するということでこの地区の境界変更をしようと。それには郡単位でやるのには余りにも多過ぎるということで、変則的な事態ではありましたけれども、一つの町をとらせていただいたものでございます。
#50
○上野雄文君 やはりこれは大変なことをしたなと。地域の人には迷惑をかけること、まことに申しわけない、これはこの次の抜本改正のときにはもう一番先に直さなきゃならないところなんだと、こういう認識をお持ちですか。
#51
○衆議院議員(渡部恒三君) これは私どもも地方行政を見ておりまして、郡市単位で例えば県会議員も出ておりますし、あるいは郡市単位でいろんな信用組合とか、いろんな今日では環境衛生の問題とかやっておりますから、これは大変挾間町の今後の行政については御迷惑をおかけするようになるのではないかという心配等がこれございました。しかし、今回違憲状態を脱する、これを最優先としてこのような処置をとらざるを得なくなったものでありますから、当然上野先生御指摘のように、抜本改正においてはこれらのものを直すことを優先して考えていただきたいし、また、自治大臣もここにいらっしゃいますので、行政府においても挾間町にこのために迷惑がかからないためのできる限りの処置をしていただきたいと思っております。
#52
○上野雄文君 この次、抜本改正の際はきちっとしますと、こういうお約束をされるものと理解をいたしたいと思うんですが、もう一つ新潟県のことですが、一つの県で二つの選挙区にわたって減員されるというのは新潟だけなんですね。これはどうしてそこだけ――よその方は境界変更をやりながら、何とか定数を守ろうというところがあるわけですね。一つの県に二つも、何だかあそこをねらっていたみたいだ、何か新潟三区だけは離れておりますけれども。そういうやり方というものは、その辺の議論はどういう議論をされたんですかね。
#53
○衆議院議員(渡部恒三君) 県別調整という議論もいろいろございますが、今回の定数是正協議会、またその後の各党委員長会談あるいは幹事長、書記長会談を通じての議論は、今回はあくまで選挙区対選挙区で一票の格差を是正するという方向をとったわけでございますから、結果として新潟県が二つ減るようなことになってしまったわけでありますが、また一方、結果として千葉県などは二人ふえるようなことになってしまったのでございまして、新潟県の県民感情から言うといろいろ御意見もあろうと思いますが、これは選挙区別調整の中で結果として新潟が二つになってしまったということで御了承賜りたいと思います。
#54
○上野雄文君 了承はこれはできませんよ。
 あと愛媛一区と三区の関係について、これも小島委員触れられたわけですが、請願、陳情等も出ているわけですね。何か統一的な一定の方式があらゆるところに採用されて、できるだけ二人区だとか六人区だとかというのをつくらないような知恵の働き、知恵の出し方、こういうのが一番必要だったと思うし、選挙法の原則というのはやっぱり曲げることは許されないという決意が必要だったと思うんですね。
 そこで、これは自治大臣に、あるいは選挙部長でもいいです。これ大分選挙をいじくられている。本来あるべき姿というのをがちゃがちゃにされつつあるというふうに私は歴史的に見るんです。いつ一体本当の姿に戻していったらいいか、その辺の考えをちょっと述べてみてください。
#55
○国務大臣(小沢一郎君) 抜本的な改正につきましては、先ほど来提案者からもお話がございましたように、確定値が出た以後速やかにこれに沿って措置するということであろうと考えております。
 いろいろ境界線の選挙区割の変更等、これは本来現行の選挙法で言いますと郡市単位、その背景となっておるところは地理的、人的あるいは歴史的な地域社会の形成の中から出てきておるものであろうと思います。ただ、人口あるいは産業等々の集積が偏ってアンバランスになった結果、今日
の定数問題が出てきておると思うのでございます。いずれにいたしましても、そういう状況等も勘案しながら、抜本改正におきましてこういった問題等も解決していくようにしなければならないであろう、そのように認識いたしております。
#56
○上野雄文君 違憲状態から抜け出すという大義名分で、「当分の間」というのを多用しながらまことに巧みにすり抜けようということは、いかに暫定措置であってもできるだけ避けるという、その姿があらわれてこなければいけないことだと私は思うのでありますが、衆議院の最高のポストにある方が出された調停案であっても、やはり我々としてはもう一つすっきりしないという感じをぬぐい去ることはできないわけなのであります。
 さて、時間もなくなってまいりまして、最後に政治資金の問題についてこの際お尋ねをしたいと思うんですが、これは過ぐる日、衆議院の商工委員会でも発言が我が党の水田議員からもあったようであります。
 全国生コンクリート工業組合連合会という団体がありまして、この団体は、中小企業団体組織法、略称ですが、その適用を受けている団体でありまして、同法第七条第三項によると、「特定の政党のために利用してはならない。」という規定があるわけであります。この団体は、先ごろ撚糸工連で問題になりました稻村佐近四郎代議士に対して、昭和五十五年度以降毎年五百万円の政治献金をしている、そしてそれは顧問料という形であるそうであります。こういう事実について私に対して複数の関係者が証言をしているのであります。通産省の方おいでいただいていると思うのでありますが、おたくの方では、衆議院でも質問があったことでありますが、こういう事実については承知していますか。
#57
○説明員(和田正武君) お答えいたします。
 全国生コン工業組合連合会に問い合わせましたところ、そういった顧問料としての稻村議員に対する支払いは否定しておりませんけれども、私たちとしては、もう少し詳しく、詳細調べまして、調査でき次第、先生の方に御報告いたしたいと思っております。
#58
○上野雄文君 自治大臣、かつて、たしか三十年代だと思うのでありますけれども、大臣になった場合は公益法人から報酬を受けてはならない、こういうふうに閣議で決めだということですが、それはそのとおりですね。
#59
○国務大臣(小沢一郎君) そのとおりだと思います。
#60
○上野雄文君 そうすると、稻村氏は、五十八年十二月から五十九年十月まで国土庁長官をされておられまして、この間も顧問料を受け取っていたと言われているわけですが、こういうことについてはどういうふうに一お考えになりますか。
#61
○国務大臣(小沢一郎君) その点につきましては、ただいま通産省からも答弁ありましたが、事実関係をまだ私承知いたしておりませんので、ここで御答弁申し上げるわけにはいかないと思います。
#62
○上野雄文君 私は、こういうのは一種の政治献金と見ていいのではないかなと思っているんです。実は、五十九年の春に稻村氏の仲介によって全国生コンクリートの役員が道路公団の幹部と会って、アウトサイダーは排除する、そういうことにしてくれという申し入れをして、それに従うような、そうとれるような文書が出ているんですね。かなり深い関係にある、こういうことも私のところへ言ってきているわけなんでありまして、選挙部長、こういったものが政治資金規正法に基づく報告として、稻村氏関係の後援団体、指定団体などに出ているかどうか、御存じありませんか。
#63
○政府委員(小笠原臣也君) ただいまお尋ねの、稻村議員が全国生コン工業組合連合会から顧問料の名義で五十五年以降五百万円受け取られておるというお話でございますが、突然のお尋ねでございますのでちょっと今直ちにそういうことが政治資金規正法の届け出としてなされておるかどうか、お答えすることができないわけでございます。具体的な政治固体の名前を挙げられましたので、収支報告書にそういう記載があるかどうか調査をして後ほどお答えをいたしたいと思います。
#64
○上野雄文君 今、通産の方の課長からは調査をして報告をすると、こういうお話でありますし、私の方でも政治団体についてもう少し調べてみまして、具体的にお知らせをしますから、自治省の方で調査結果を私どもに報告をしてもらいたい。こういうふうに思うわけであります。
 選挙法、選挙そのものは、政治不信を招くことのないような姿で、選挙区割りも大事ですけれども、選挙そのものもきれいに行わなければいけないということは保障されなければならないわけでありますから、そういう立場で御質問したわけでありますが、私の質問は以上で終わります。
 まあ、渡部先生の弁解に満ち満ちた御答弁をいただいたわけでありますけれども、一刻も早く本則に戻ってあるべき姿を追求するということが一番必要だということを申し上げて終わりにいたしたいと思います。
    ―――――――――――――
#65
○委員長(原文兵衛君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、高木正明君が委員を辞任され、その補欠として林健太郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#66
○大川清幸君 今回の公職選挙法の一部を改正する法律案につきましては、まあ違憲状態を解消するという大前提のもとの当面の暫定措置であるという点では私も理解しないわけではありませんが、先ほどから小島委員あるいは上野委員からもいろいろ御質問があり、御答弁があった状況を見てみますとおわかりのとおりでございまして、下手な推理小説ではありませんが、抜本改定はやるという答えが出ておりますから、話はそこで結論が出ているようなものですが、しかし重要法案でありまして、国民の御理解を今後得られるかどうか、政治不信を解消できるかどうかという重要問題であるという点から、私どもの立場から何点か確認をしておきたいと思う次第でございます。
 そこで、第一点は、六十年度の国政調査の結果はいつ出るのか、これは明確にできませんか、いかがですか。歴年の例でわかるでしょう。
#67
○政府委員(小笠原臣也君) 国政調査の担当省庁ではございませんが、私どもこの定数問題の関連で、総務庁統計局から聞いております範囲でお答えを申し上げますと、確定値は本年十一月に出るようでございます。
#68
○大川清幸君 それで、十一月ということですと、先ほど上野委員も論議をされておりましたが、いわゆる「当分の間」という言葉は大変これはくせ者でございまして、御承知のとおり、地方公共団体の起債権にかかわる規定では、「当分の間」は半世紀以上過ぎてしまっております。「当分の間」というのは永遠という感じもするわけです。
 今回のは応急措置、暫定的な措置でありまして、しかも国民注視の問題でございますので、恐らく抜本改定は、先ほどから答弁のあるとおり、はっきりおやりになるということになっておりますが、それでは十一月末ごろ確定値が出た場合、各党の合意を得なきゃならないこともありましょうけれども、できるだけ早い時期にこの作業に取りかかると考えてよろしいですね。
#69
○衆議院議員(渡部恒三君) おっしゃるとおりでございます。
#70
○大川清幸君 そこで、先ほどから問題になっております何点かについての基本的な問題についてお伺いをしておきたいと思います。
 一つは、一票の格差の問題でございますが、この現在の一票の格差がこれは二・九九程度に今回の改定案でおさまることになっておりますが、抜本改定の場合にはこの格差をどの程度におさめるのが妥当と考えておりますか。
#71
○衆議院議員(渡部恒三君) これは大変難しい問題でございます。
 今回は、さきの最高裁判所の判決等の中で昨年
の最終国会に議長が見解を出された三対一以内ということで作業をしたわけでございますが、その過程でも、一対二であるべきであるとか、あるいは一方、今日、過疎地帯ほど強い政治力を要求しておるのであるから過疎地帯を何らかの意味で考慮するとか、あるいは面積――北海道というものと東京都の選挙区を比較した場合の面積とか、そういうものを考えるべきだとか、いろんな議論が出ておりますので、今後、真剣にお互いが勉強していかなければならない問題だと思いますが、今ここで私がどうこうという見解を申し上げるまでに至っておりませんので、御了承賜りたいと思います。
#72
○大川清幸君 いずれ各党の話し合いで三倍以内にはおさめなければ国民も納得しないと思いますが、事務的、技術的な問題で最大の努力をお互いにしなきゃならないというふうに私も理解をいたします。
 そこで、そうした難しい問題はありますけれども、先ほどから論議になっておりましたように、いわゆる中選挙区制型で抜本改正はやりたいとお考えですか、いかがですか。
#73
○衆議院議員(渡部恒三君) これも今後各党間の話し合いで勉強をしていかなければならないと思いますが、今回の定数是正問題協議会での話し合いの中では二名区をできる限り解消するように努めるということは当然だろうと思います。
#74
○大川清幸君 そこで大枠の問題ですが、五百十一の総定数を一名ふやしたことについては何としても残念至極でございまして、抜本改定をやる場合に、先ほどから五百十一名以内にとどめるようにとれる御発言もあったやに思いますけれども、この点は間違いないんでしょうね、いかがですか。まだそういう発言はしていないと認識をした方がいいんですか、どうでしょうか。
#75
○衆議院議員(渡部恒三君) これもさきの本会議で抜本改正の際には見直しを行うという決議をしておりますので、このことが尊重されて審議されるものだと思います。
#76
○大川清幸君 今の段階ではなかなかはっきりしないのは当然だと思うんですが。
 ところで、先ほどから論議のありました愛媛、和歌山、大分のそれぞれの選挙区の線引きの改正の問題でございますが、これは公職選挙法の第十五条の六ですが、これ読んでみますと「第二項、第三項及び前項の規定により選挙区を設ける場合においては、行政区画、衆議院議員の選挙区、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行わなければならない。」となっておりまして、これは地方の議員の選挙にかかわる規定でございますが、先ほどからいろいろ陳情も関係県から出ておりますけれども、市町村からも出ておりますけれども、なるほどああいうような陳情が出てくるのも当然でございまして、この法の規定にもあるように「地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に」、やはり決めであることが一つ。それから、衆議院の選挙区というものが上からかぶさっておりましてね、動かすことができないわけですよ。そういうような規定があるのに、逆に今度は国政の方では、これ一番問題なのは、大蔵省の、僕は一般会計の問題でもさんざん予算委員会でやったんですが、何かぐあいが悪いと、どこか操作する場合には特例法つくるから、大もとの方で法律をつくるから国でやることは何でも法律違反ではないわけですよ、大前提の法律を直しちゃいますからね、都合のいいように。ですから法律違反ではないんですが、そのときそのときの都合でこうした重要な地方に対する影響のある分野についても線引きをやってしまうという扱い自体が私非常に問題だと思っております。
 したがいまして、例えて言うと東京なんかでもそうです。五十九年に行われた都議会の選挙の前の定数是正は、あれは三増三減で大変批判があったんですけれども、私はこれは都議会、自民党さん初め大変な英断だったという評価をしている面は、なぜかといいますとね、例えば中央、千代田なんというのは定数二ですが、とりわけ千代田区なんというのは自民二のあったところですね。これを一に改定することについて踏み切ったんですから、これは大変な英断だったと思っておりますが。あそこをやはり一人区にしないで二人区か三人区にしようという知恵を絞りますとね、中央、千代田は合区しなきゃならないんですよ。ところが、この規定があるもんですから、自民党さん初め各党の幹事長が出張って都議会である知恵を絞ったんですけれどもね、やりようがない、これは。千代田、中央は港区なり台東区へつけなきゃならないんで、一区と八区ですからね、東京の選挙区。千代田、中央の合区はできないから、涙をのんで一人区、ああいうことにしたんだろうと思うんですが。そういうきちっとした地方の議員の定数と選挙区については大変重要な影響のある部分、これを、今暫定措置とは言いながら、線引きでこれ片一方の方へ都合よく押っつけるなんというのはとんでもない話でございましてね、これは法律違反の解釈も成り立つかもしれない問題なんですが、こういうことを議会側でやっちゃったことについて自治省の答弁求めてもなかなか無理かと思うけれどもね、これは困ったことだと思っているし、不合理だと思っているんでしょう。どうなんですか、当局は。
#77
○国務大臣(小沢一郎君) 基本的には先生御指摘のように、選挙区の問題は地勢とか交通等の事情、また地域形成の問題等々そういったことを背景として行われると、これは筋道であろうかと思っております。
 しかし、今回の問題につきましては、先ほど来提案者のお話のような、各党間のぎりぎりの論議の中で今日こうして成案を得て御審議をいただいておるということであろうかと思いますが、いずれにいたしましても、国権の最高機関たる国会でございますので、今後各党、各議員の高い見識に基づき、その本来の姿によって抜本改正が行われることであろうと、また私どももそれを期待しているものであります。
#78
○大川清幸君 事務当局は御見解お持ちですか。いかがですか。
#79
○政府委員(小笠原臣也君) もう大臣がお答えになったとおりでございますけれども、あくまでもこれは特例的な措置として、やむを得ない措置として行われたものであろうというふうに考えておるわけでございます。
 例えば、衆議院議員の選挙区は行政区域を尊重しなければならないことは、法文の規定はありませんけれども、当然のことではございます。当然のことではございますが、御案内のように、市町村合併特例法という法律がございまして、市町村合併の際に二つの選挙区にわたって市ができたような場合は、一つの市が二つに分かれることも特例として認められておるわけでございます。今回の措置がそれと全く同じだと申し上げるわけではございませんけれども、特例という意味においては同じように考えるべきではなかろうかと思っておる次第でございます。
#80
○大川清幸君 提案者の御所見も伺っておきましょう。
#81
○衆議院議員(渡部恒三君) これは大川先生の御指摘のとおりでございまして、境界線変更とか、合区とか、分区とかは非常にこれ困難な問題を伴っております。そういうことから、最初は境界線変更はまず無理だろうと、あるいは合区、分区はできないだろうということになると、もう十増十減ということで二名区が七つも出てしまう。これに対して、二名区というものは好ましいことではないというような強い意見等がありまして、各党間でいろいろ話し合いをし、これは考え方のいろいろ違う各党間の話し合いの中で最大公約数を求めなければ、今回違憲状態を脱しられないという各党間の血のにじむような努力の中での合意を得て議長が調停したものでございます。
#82
○大川清幸君 したがいまして、これ線引きは臨時にやったことだということで、やむを得ないという御答弁でございますが、これは国会の立場から考えても共通の責任があると考えざるを得ない問題でございまして、今後抜本改定のときは、先ほども御答弁があったようですが、これもとの形
に戻すというふうに解釈をしておいてよろしいですね。
#83
○衆議院議員(渡部恒三君) 抜本改正というのはもっと大きな立場からこれに取り組むものでありますから、いわゆる例外的な措置というようなものでない、これは原則に従って行われるような努力が恐らく行われるだろうと考えております。
#84
○大川清幸君 そこで定数是正の問題は国権の最高機関である衆議院みずから定数是正ができずに今日まで来たことについては国民の強い批判がございまして、このことについては将来合理的な手法で対応できるようにして、国民の不信を解消しておく必要があるだろうと考えるわけでございまして、先ほど上野委員からも御指摘があった問題ですが、この定数是正問題については定数にかかわる規定の方程式というか、そういう基準をつくっておいて、自動的に定数配分あるいはこの改定ができる、まあ機械的と言ったらちょっとどうかと思いますが、合理的にできる、要するにスポーツのルールではありませんが、国民の側から見て、なるほどABCの基本的なルールがあって、その根拠によってああいう改定をしたのかと、極めてわかりやすい明朗な形でやっていただくのが一番よろしいだろうというふうに考えますので、第三者機関の設置をも考慮した上でのこうした新しい手法については御配慮なさいますか、いかがですか。
#85
○衆議院議員(渡部恒三君) 今回も、御案内のように、これ第三者機関を設けて区割り変更とか、合区とか、分区とかは行われるべきであるというような議論が大分なされました。しかし、最終的には今国会で定数是正を行わなければならないという至上命令の中で各党の話し合いでこういう措置が行われたのでございますが、今大川先生の御指摘の問題非常に重要な問題でございますので、抜本改正に当たっては各党間でそういう問題も真剣に討議しなければならないし、また政府もそういう問題を勉強していかれるものと考えております。
#86
○大川清幸君 政府側も同じような見解と解釈してよろしいですか。
#87
○国務大臣(小沢一郎君) この点につきましては、先生御指摘のように、また提案者も答弁ありましたが、基本的なルールづくりというのができれば大変好ましいことではないかと思っております。そのために、第一義的には、まず各党でそういう方向も決めなければいけませんが、第三者機関を設けるとか、あるいは独立的な機関を設けるとか、いろいろな考え方あると思いますが、結論といたしましては、ただいま申し上げましたとおり、御指摘のような形になればこれは好ましい形ではないかなと思います。
#88
○多田省吾君 衆議院の定数是正につきましては一昨年から各党でいろいろな改正案をつくってまいりました。私どもも初めからやはり抜本改正が必要であるという認識のもとで五十九年の二月に三つの案をつくりました。ともに二倍以内案でございます。あるいは偏差方式、あるいは配当基数・最大剰余方式でございまして、昨年から各党間で定数是正の折衝が始まりまして、やはり抜本改正は抜本改正といたしまして、暫定的に、緊急避難的につくろうという話し合いになりました。そして、御存じのように、野党四党では六増六減案というものを昭和五十五年国調の結果でつくりまして、合区、分区によって二人区はつくらない、あくまでも中選挙区制、三人区、四人区、五人区を堅持した案をつくったわけです。そして、自民党は六増六減案でありますけれども、二人区が四つほどできるという案を主張なされたわけでございます。で、それができなくて議長のもとで話し合いました。いよいよ今国会で昭和六十年の国調の速報値をもとにいたしまして、やはり暫定的に緊急避難的な三倍以内案、また定数は五百十一名以内とする案が折衝をされたわけでございますが、私は、やはり暫定案、緊急避難的な案といえども、法則性また基本原則というものが必要だろうと思うのでございます。ですから、やはり野党の主張するように、十増十減案とか、九増九減案とか、あるいは八増八減案、そういうものにしておけば一名増というような結果には私はならなかったのだと思います。しかし、二人区をつくる、つくらない、あるいは二人区を少なくしようというような話し合いで、遂に議長調停案が示されまして、二人区が四つできる、そして八増七減案。それで、三つの選挙区は減にならないかわりに境界線変更という結果になったわけでございまして、私個人としては大変残念に思うわけです。その結果、先ほど大川委員も質問されましたように、境界線変更でさまざまな問題が生じているわけでございます。
 それはそれといたしまして、今度、昨日も衆議院の本会議場で本会議決議として抜本改正に向かっての決議がなされたわけでございます。それを読みますと、やはり各党の最大公約数をとられたらしくて、「抜本改正に際しては、二人区・六人区の解消並びに議員総定数及び選挙区画の見直しを行い、」とあります。私は素直に解釈いたしまして、やはり抜本改正に際しましては中選挙区制、三人区、四人区、五人区を守るのだと、それから議員総定数は一名ふやした分はもとに戻して五百十一名以内にするんだというようなお考えかと解釈いたします。
 それで、私は、やはり抜本改正につきましては国民の期待するような本当の抜本改正にしなければならないと思います。本年十一月に六十年国勢調査の確定人口が公表されれば、すぐさまやはり私は抜本改正に取り組むべきだと思います。
 まず、その場合に一対一という考えもありますし、また格差二倍以内は守るべきである、こういう考えもございます。また、都道府県間のアンバランスは、これは是正しなければならないという考えもございます。御存じのように、このたび石川二区が一名減になったために、総数としては人口の少ない富山県の方が議員総定数が上になったという、それで石川県の方々は大変これに不満を持っておられるわけでございまして、やっぱりその点に関する限りなるほどなという感じを受けます。ですから、私は、やはり大正十四年並びに昭和二十二年にいわゆるあれは抜本改正だったと思います。どういうやり方をやったか。まず、大正十四年には、人口十二万人を基準にして各道府県に比例計算で全部署り振った。ですから、道府県問のアンバランスというものは全然なくて、四百六十六ですか、そして、さらにそれも極めて公平に県内に振り分けた結果、ほぼ一・五倍以内におさまっている。昭和二十二年におきましても、やはり都道府県に人口十五万を基準にして比例計算で割り振った、その結果もやはり一・五〇五倍ですか、それにおさまっている。やっぱり、私は、百三十選挙区の過密区を議員増して過疎区を議員減する、こういうやり方も否定するわけじゃありませんけれども、それはそれなりに意味を持ちますけれども、やはり抜本改正に当たっては、まず都道府県に配当基数でもう定数を割り振るぐらいの英断があってしかるべきだ、こう思います。
 それからまた、先ほどもお話ございましたように、憲法ないし選挙法に国会の第一院の定数規定が盛られていないという国は日本だけだと思います。ほとんどの国ではやはり憲法に基本原則が盛られている。憲法になくても選挙法にきちっとございます。我が国だけがない。大変残念です。私はやはり、少なくとも公職選挙法の中の本法に衆議院の定数に関する、あるいは参議院選挙区の定数に関する基本原則は盛っておくべきだ、そして具体的な案分等については、それは中立的な第三者機関の定数委員会等をつくって、その方々にお願いする、これはもう当然そうあってしかるべきだ、このように思います。抜本的改正は各党の話し合いによってということですから、将来のことかと思いますけれども、やはり国民の期待しているのはそういった公平な定数是正であろう、抜本的改正であろう、このように思いますが、御意見がありましたらお述べいただきたい。
#89
○衆議院議員(渡部恒三君) ただいまの多田先生の御意見、まことに傾聴すべき御見識だと存じます。きのうの衆議院本会議の各党合意の決議に従
って、先生の御指摘のような考え等をも十分考慮しながら、幅広い視野に立ち、幅広い観点に立って、今後抜本改正に向かって勉強をしてまいりたいと思います。
#90
○多田省吾君 ぜひ期待したいと思います。
 それから、次に御質問したいのは、実は参議院選挙区の定数是正でございます。今、神奈川県と鳥取県間には六・〇三倍という大変な格差がございます。我が党も、昭和五十七年五月に、五十五年国調の結果に基づいてやはり改正案を出したのでございますが、この前の最高裁判決では、五十五年六月執行分について、格差五・三七倍について合憲であると判断されたわけでございます。しかし、昭和三十九年の最高裁の判決等を見ますと、極端な参議院選挙区の定数不均衡というものも違憲に当たるのではないかと思われるような判決も出ておりますので、私は、このアンバランスが、幾ら参議院選挙区の特殊性があろうとも、六倍だ、七倍だ、八倍だということになれば幾ら最高裁だって合憲のままでは済まされないだろうと思うのでございますが、自治大臣、自治省においてはお答えにくいと思いますが、この合憲、違憲の線はどのくらいと考えておられるんですか。
#91
○国務大臣(小沢一郎君) 参議院の格差の問題でございますが、合憲と違憲の線がどの程度かと数字で示せと言われますと、なかなかお答えできないのでありますが、先生の御指摘にございましたように、最高裁の判決では五・三七、これにつきましては違憲ではないという判断を下しておるわけであります。それを一応の目安とする以外、現時点においてはないと思いますが、衆議院と参議院を比較いたしましても、やはり判決の中でも言っておると思いますが、参議院の場合は良識の府と言われますように、衆議院とは若干性格を異にしておることは裁判所も認めておるところでございまして、そういうようなことを踏まえまして、今後私どももまた参議院の中におかれましても議論して、考えていかれるべきものであると、そのようにお答えする以外にないかと思います。
#92
○多田省吾君 参議院選挙区五・三七倍が合憲であるという最高裁の判決には私たちは承服できないのでございますけれども、それはそれといたしましてやはり参議院の良識としても、このような格差は是正しなければならない。また、都道府県間の逆転現象も大分多くなっております。これも是正しなければならない、このように思います。私の試算によりますと、現定数で例えば全都道府県に二名ずつ配当する、そして二百三十万以上の人口の都道府県に比例配分で配分いたしますと、大体三・五倍程度でおさまるという結果も出ておるわけでございまして、これは各党間の話し合いですから、今後どうなるかわかりませんが、やはり参議院選挙区の定数是正は早急にやらなければならない、このように私たちも決意している次第でございます。
 最後に、前の委員会でも自治大臣に御質問いたしましたけれども、いよいよこの衆議院の定数是正案が成立いたしますと、どうも中曽根総理大臣は七月六日の衆参同日選挙を計画的に、意図的に行おうとしているのではないか、このように言われております。私は、六十九条解散ならいざ知らず、そうでない解散を計画的にしかも意図的に衆参同日選挙をやろうというのはまことに憲法違反の疑いもございますし、憲法に衆議院、参議院と二院制が明確に定められ、しかも代議民主制においては選挙と議院の構成というのは一体不離の関係です。ですから、衆議院、参議院がある以上、国民の意思を問う選挙も別々に行うのが当然です。それを参議院の選挙に衆議院を乗っからせようなんて、まさに参議院の独自性を破壊するものです。ますます参議院無用論が強まります。そしてまた参議院の緊急集会にも大変な支障を生じます。こういった衆参同日選挙を意図的、計画的にやろうなんて私はとんでもないことだと思います。やってはならないことだと思います。たとえそういう選挙で自民党が数名ふえようと、後世から何てばかなことをやったんだと、議会制民主主義の破壊じゃないかと、必ずそういう批判は起こりますよ。中曽根内閣の閣僚のお一人としてどういうお考えでおられますか、最後にお聞きいたしまして終わります。
#93
○国務大臣(小沢一郎君) 俗にダブル選挙があるかないかはわからないことでございまして、今答弁する立場ではございませんが、この憲法の解釈論につきましては、法制局長もいますから法律的な問題については正確にそちらから答えていただきたいと思いますけれども、前例もございまして、いわゆる違憲、法令違反ということではないだろうと私は解釈しておりますが、その法律論は別といたしまして、本来解散は議員の身分を失わせしめる、会期をそこで終わらしめて、それでもなおかつ国民、主権者の判断を問う必要があるというふうに内閣が判断した場合に解散を行うものであろうと思います。したがいまして、ダブル選挙ということはその結果でございまして、先生御指摘のように、意図的、計画的にその日にちを合わせるということではいけないであろうと私は思っております。要は、解散をして国民、主権者の判断を問う必要があるかどうかは内閣の判断でございまして、その結果は主権者の審判をまつ、これが民主主義の原理ではないか、そのように考えております。
#94
○橋本敦君 私は、民主政治の根幹にかかわる選挙の定数問題という重要な法案について、全く十分の審議をするいとまもなしにこれを処理するといったようなこういう状態について、まず最初に極めて遺憾であるということを強く表明をしておきたいと思うのであります。
 時間がありませんから具体的に早速質問に入りますが、今回の法案は暫定措置だというようにおっしゃっている。この法案のどこが暫定措置なんですか。
#95
○衆議院議員(渡部恒三君) 今回三原委員長から提案されました法案が暫定措置であります。
   〔委員長退席、理事金丸三郎君着席〕
#96
○橋本敦君 答弁になってない答弁のように思いますよ。
 そうすると、法案そのものが暫定措置だと。そうすると、今度は抜本改正をするというのはこの法案を全部見直す、抜本改正の対象にはこの法案の内容が全部対象になる、こういう趣旨ですね。
#97
○衆議院議員(渡部恒三君) 先ほども御答弁申し上げましたように、今回はあくまで違憲状態を一日も早く解消するというために附則改正として行っておりますから、これが暫定措置ということであって、抜本改正では新たに大きな立場でこの改正に取り組むものであります。
#98
○橋本敦君 そうすると、具体的に聞きますから端的に答えてください。
 まずこの抜本改正で対象になるのは、格差一対三という問題の見直し、これも当然対象になる、間違いありませんか。そうでしょう、この法案そのものが暫定なんだから。
#99
○衆議院議員(渡部恒三君) この審議の過程の中でも、各党によっては格差は一対二でなければならないというような意見等もございました。しかし、これらの話し合いの結果、今回は最高裁判所の判決というものを尊重して、また、さきの国会における議長見解というものを尊重して、一票の格差をとにかく一対三以内にとどめるということで行ったわけでございますから、今後さらにこの問題は各党間で検討をされていくものと思います。
#100
○橋本敦君 つまり一対三の見直しも対象になると。
 それからさらにもう一つ、二人区、六人区の解消、これと議員総定数、これも抜本改正の対象になる、これもはっきりしていますね。
#101
○衆議院議員(渡部恒三君) 二人区解消については、昨日の衆議院の本会議で各党合意の上の決議が行われておりますから、その線に立って抜本改正に取り組むものと。
#102
○橋本敦君 もうちょっと大きな声で言ってくださいね。
 そこで、二人区、六人区の解消とはっきり決議で書いてあるんですよ。ところが先ほどからの答
弁では、渡部さんは解消に努めるとこう言っている。二人区、六人区必ず解消すると断言されない、これはなぜですか。
#103
○衆議院議員(渡部恒三君) これは先ほど何度も答弁しましたように、私ども中選挙区というものは三名から五名が最も望ましい。ただし、今日例外のない原則というものはございません。かつて一名選挙区の小選挙区制の際にも二名区というものがありましたし、また今日の中選挙区の際も奄美大島区のように一名区もございます。今回は、まず違憲状態を脱するということで例外措置が講ぜられた、これが二名区であり六名区でございますから、したがって抜本改正に臨む際には、二名区が解消され六人区が解消されるように努めることは当然だろうと思います。
#104
○橋本敦君 二人区をなくす、それから定数を五百十一に戻す、これはもうはっきりそうやらなければごまかしになりますよ。そうでしょう。努めるだけじゃいけませんよ。あくまではっきりやると言わないで努める、努力するという努力目標にされるようでは国会決議違反とも言えますし、国民を欺くものだと言えますよ。
 二人区の解消問題について言うならば、あなたは記者会見で二人区の解消はどういう基準でやるかという問題、これはなかなか難しいんですが、一票の格差の少ない減員対象区の方から順次調整に入っていくのが当然だろうとおっしゃられたことがある、これは間違いないですね。もしそうだとしますと、今度八増七減ということで二人区の問題が出てくるのは七つの選挙区があるわけですね。そのうち四つを二人区にした。あとの三つを二人区にしなくて三人区にした。これはあなたがおっしゃった基準からいくとおかしいんですよ。
 格差の少ないところから順に調整していくということになって、格差の少ない格差三・〇〇五の大分、これは調整をやって三人にした。次は三・一〇、この和歌山二区、これを調整して三人区に残した。その次格差の少ない点で手をつけなくちゃならぬとなりますと三・三〇の新潟四区ですよ。ところが、これを飛び越えて三・八三の格差の高い愛媛三区に手をつけてこれを三人区にした。新潟四区にしなかったのは少ないところからやっていくというあなたの基準に反しておるんですが、これは反していることは認めますね。
#105
○衆議院議員(渡部恒三君) 御指摘のように格差の少ない方から、しかもこれは境界変更というのは非常に難しい問題ですから可能な、格差の少ない方から作業を進めていくということで、まず大分が一番格差が少ない、その次は和歌山、次は新潟、その次は愛媛ということになるわけでありますが、新潟四区の場合は隣の三区も極めて過疎状態で、これは三区の境界変更をやって選挙区を持ってくると、今度は三区の方にまた減員の問題が出るというような困難な、いろいろ難しい問題で、可能でなかったということでございます。
#106
○橋本敦君 それは表向きの理屈で、三区を境界線問題で始末をすればできたはずです、いろんな案はあったんです。
 ただここで、新聞でも言っておりますように、新潟三区は大変なところだと、例えばここで、長岡、西山町を四区の方に入れると、こうなりますと、田中角榮元総理の生家を含む大地盤が行ってしまうんです。で、浦佐の方には銅像だけが残る、これは大変なことです。そういうようなことになって、まさに新潟三区が解体するということになると越山会は一揆が起きるよとまでおどかしをかけている。そしてまた、現地の自民党の選対幹部の方は、新聞報道によれば、そういう地域割りの変更をやったら大変なことだと、そういうことになれば田中元総理も幾ら今物が言えないといっても黙っていませんよと、こういうおどかしもある。だから、つまり二人区解消を、調整というのも、あなたが今おっしゃったような三区が難しいというのは、結局こういった党利党略的そういう状況が払拭し切れない、客観的な基準を持ってやり切っていない、そういう党利党略が残ってきている結果がアトランダムになっていると言わざるを得ないと私は思うんです。そういうことで、基本的にこの二人区をなくすということを本当にやるならば、我が党修正案を後で山中議員から提案しますけれども、やればきちっとできるんです。これをやらないというところに一つは問題がある。
 それから、さらにもう一つ伺いますけれども、
   〔理事金丸三郎君退席、委員長着席〕
格差是正の問題ですが、今一対三ということで暫定的におやりになったわけです。だから、今度は抜本改正の際にはこれも見直して、できるだけ格差を少なくする方向で努力するというようにおっしゃったと思うんです。
 そういたしますと、もう既に御存じのように、私が言うまでもありませんけれども、高裁段階では東京高裁の昨年の東京都議会議員選挙に対する二月二十六日の判決を初めとして、衆議院選挙について言いましても、広島の五十九年九月二十八日、東京高裁の五十五年十二月二十三日、大阪高裁の五十九年十二月七日の判決と、格差は一対二を超えればそれは憲法に違反する状況にあるということをはっきり判決していることは御存じですね。
 そこで、渡部さんに伺いますけれども、一対二を超えるというのはどういうことかと言えば、一人が二票あるいは三票、これを投票するということを、これを投票の価値として容認するということです。これは裁判所の判決も言っておりますように、本当の意味で平等ということを実現するということがほど遠いことになるのは見えています。だれが何と言ったって、人の倍以上、二人分を投票するということは、投票一人が一票という公選法の大原則から見てもこれはおかしいですよ。だから、理想的に言うならば、一対二以内が当然だというのは当たり前だと思いますが、どうお考えですか。
#107
○衆議院議員(渡部恒三君) 一つお言葉を返すようで恐縮でございますが、今回の議長調停は十回にわたる各党の代表による熱心な話し合い、さらに各党国対委員長あるいは幹事長、書記長の話し合、そういうものの積み上げの中で議長が調停したものでございまして、新潟三区を私が田中派であるがゆえに特別に扱ったというようなことは全くございませんので、念のために申し添えさせていただきます。
#108
○橋本敦君 短く答弁してください、時間ないんだから。
#109
○衆議院議員(渡部恒三君) また一票の問題でございますけれども、これも非常に難しい問題がありまして、アメリカの上院などは、これはアラスカ、四十数万人で代表は二名、それからカリフォルニアも二名というような例もございますし……
#110
○橋本敦君 一対二未満は反対か賛成かでいいんですよ。
#111
○衆議院議員(渡部恒三君) また、最高裁判所で三対一ということが合憲である趣旨の判決もいただいておりますので、今、私がここで何対何はよくて何対何は悪いというような断定的なことは申し上げられませんが、今後十分検討してまいるべき性格のものでおると思います。
#112
○橋本敦君 渡部さんね、はっきり言ってください。十分今後検討するけれども、一対三よりも一対二未満の方が、憲法の理想とする真の平等実現に沿う道であることは明らかではありませんか、この答えどうです、どっちが憲法に適合しますか。
#113
○衆議院議員(渡部恒三君) これもいろいろ今日まで議論が出ておりまして、先ほども申し上げましたように、過疎地帯が政治に対する強い要望を持っておって、過疎地帯の政治に対する発言が一挙に減退して、国政に意見を代表する者が過密地帯に集中してよいものかとか、いろいろ議論はございますが、しかしそういう中で……
#114
○橋本敦君 委員長、時間がありませんから的確に答弁するように言ってください。
#115
○衆議院議員(渡部恒三君) 一票の格差をできるだけ少なくするということで、今回は三対一以内に格差を詰める……
#116
○橋本敦君 今回のことを聞いていないよ、あな
た。
#117
○衆議院議員(渡部恒三君) 作業を血のにじむような努力で行った次第でございます。
#118
○橋本敦君 一遍大臣やられると、ごまかし答弁が上手になるのかしら。私のぶつけたのにちゃんと答えなくちゃ。どっちが理想的だとあなたは思いますかと聞いている。だれが見たって一対二以内が理想的だってはっきりしているじゃないですか。だからこそあなたは一対三で、今のままでいいとは言えなかったんでしょう。だから二人区を解消する、当然のこと。定数、総定数五百十一人に当面は抑える、これも当然。そして格差も一対三ではなくて抜本改正は見直して理想に近づけていく、一対二以内が望ましいことは明らかだと。こうなったら直ちに我が党案に賛成していただいて速やかに抜本改正やればいいと、こうなるじゃありませんか、違いますか。
#119
○衆議院議員(渡部恒三君) 今回も今橋本先生御指摘のような議論もありましたが、同時にやはり、過疎地帯の政治意欲を減殺することが今日の内政の中でどうかとか、いろんなこれは議論がございましたから、これはやはり抜本改正に至るまで各党で十分話し合い、相談をして、憲法の目指す民主主義を果たせる選挙制度というものを考えていくべきものだと思います。
#120
○橋本敦君 今までの答弁でも明らかになったように、この提案されている法案内容では十分なものでないということははっきりしているんです。暫定措置であるということもおっしゃったし、格差も含めて見直さなくちゃならぬということも認められた。だから、そういう意味では今の定数是正は、これは本当の定数是正ではなくて、本当に憲法にこたえるということではなくて、まさに当面のごまかしたと私は言いたいのですよ。
 そこで自治大臣に伺いますが、この定数是正法案が仮に通ったとします。そうすると、違憲状況をなくすために早く選挙をやった方がいいと、こういう意見がありますね。しかし、この法案が通っても、今私が指摘したように、四つの高裁判決から見ても違憲状況解消にならぬのですから、私どもから言えばまだ違憲状況残るんですから、これはごまかしの定数是正ですよと、こう言っているんですよ。大臣はこの法案が通ったら違憲状況をなくすために、早く選挙をした方がいいという御意見に賛成されますか。
#121
○国務大臣(小沢一郎君) 後半の先生の部分は、私必ずしも賛成いたしませんが、最初の御質問に答えたいと思います。
 まあ、これは衆議院の定数の問題でございますから、選挙は衆議院の解散、総選挙ということを想定しておられるのかと思います。まあ、これは、違憲状態で選ばれた議員であるから、なるべく早く解散して総選挙して国民の判断を仰ぐべきだという意見もあることは聞いておりますけれども、ただ、もう一つの議論としては、国会議員の任期制の問題があります。したがいまして、その最初申し上げた議論だけで一律には律し得ないのではないかと私は思います。ただ解散というのは、先ほどの質疑にも申し上げましたように、任期を縮め、身分を失わせてもなおかつ国民の判断を仰ぐ必要があると内閣が判断したときに行われる問題でございますので、あとはそれはその妥当性の問題であり、国民の最終の審判の問題であると思います。
#122
○橋本敦君 慎重に答えられましたが、この定数法案が通って成立をすれば、これはもう解散に向けて中曽根総理は進むということを既定の事実として報道されておりますよね。まさに、そういう意味では、この法案というのは中曽根総理の衆議院解散、そして計算された同時選挙にフリーハンドを与えるだけのことで、本当の抜本改正でも何でもない。臨時国会召集するということは、その引き金になっていくということはだれが見ても考えているんですが、その臨時国会召集、閣議で議論されたときにあなたは賛成署名されるおつもりですか。
#123
○国務大臣(小沢一郎君) まだ衆議院の解散、ダブル選挙が既定の事実になったとは私考えておりません。解散を今申し上げましたが、そしてまた臨時国会も国会を召集して皆さんに御議論をいただかなければならない、そういう大事な問題があるというときに内閣は国会の召集を決定するわけでございますので、私の署名するかどうかということでございますが、それだけの国会を開いて先生方に国会の御審議をいただく必要があると判断した場合には署名いたしますし、そんなことは全然必要ないと思ったときは署名しないと、こういうことだろうと思います。
#124
○橋本敦君 最後の質問になりますけれども、要するに自民党が安定多数を確保するために選挙をやるという議論が一部に言われているんですけれども、これは国民から見れば大義名分になりませんよ。自民党が過半数を割ったという国民の審判を謙虚に受けとめるのが当たり前なんであって、自民党自体が過半数を取りたいと、こう願われるのはそれはいいですけれども、国民から見てこんなものは、それはもうとてもじゃない、党利党略そのもので、大義名分になりゃしません。それから衆参同時選挙も指摘されているように違憲の疑いがある、憲法の予定していることではない。そしてまた円高その他の問題があって、臨時国会ちょっとやって片づくような問題じゃありませんから、政治空白をつくっちゃならぬという意見があるのにあえて中曽根さんが選挙をやるということになれば、それは大義名分のない国民不在の選挙でしょう。だから、この定数是正法案を通すことによってそういう選挙に道を開くということになれば、私は違憲の、党利党略の、そして国民不在の、大義名分のない中曽根流三悪政治の三悪解散に道を開くとんでもない法律になるということを私は心配するんですよ。だから、そういう意味で私は今大事なのは、後で我が党修正案を提案しますけれども、これに賛成をしていただいて速やかに抜本改正を今やることだということを強調して、時間が来ましたから質問を終わります。
#125
○井上計君 私も何点かの質問を通告をいたしておきました。しかし先ほどから同僚議員の微に入り細に入りの質問でもうすべて尽くされておると、このように思いますし、また三原委員長も渡部代理も大変お疲れのようでありますから通告をした質問を全部取りやめをいたしまして、若干の意見と感想を申し上げて最後に自治大臣に一つだけお答えをいただくということで進めてまいりた、いと、こう思います。
 私ども国会審議でいろんな法案を審議をいたしますけれども、どんな法案でも、もちろん問題点ありますけれども、いいところも少しはある、あるいは大半がいいところである、いろいろあります。ところがこの定数是正法案については、これはどんな角度から見ても実はいいところは全くないと、こう言わざるを得ないわけであります。これを現在まで持ってこられた三原委員長初め渡部代理また衆議院のそれぞれ担当の皆さん方の御苦労は十分承知をいたしておりますし、また火の粉を浴びることを承知で調停案を出された坂田衆議院議長の御苦労も十分わかります。しかしながら、この法案を我々が審議をしなくてはいけないという実はつらさ、ある意味では怒りだと、こう申し上げてよろしいかと習うんですが、まことに残念至極である。恐らく与党の皆さん方も全部そういうふうな御心中でおられるであろうと、こういう感じがするわけであります。
 確かに違憲状態をこの際急いで解消するための定数是正と、こう言われておりますけれども、ところが余りにも払う代償が大き過ぎる。というのは、国民の批判と非難と怒りをすべてやはり買う実は定数是正であると、こう申し上げて過言でなかろうと、こう思います。申すまでもなくそれは一名定数増ということです。二人区の問題、六人区の問題、あるいは和歌山県、愛媛県、大分県の境界変更の問題、いろいろあります。しかしそれは個々の問題であって、全体の国民から見ると、たとえ一名と言われますけれども、一名の定数増というのは国民の立場から見れば許しがたいと。同時に、私ども政治家が一番大切なことは、国民の信頼を得るためにどうするかという、常に考え
て行動しているのを根底からこれは破壊する是正案であると、このようにあえて率直に申し上げておきます。
 いろいろと申し上げても切りがありませんけれども、そこで私どもはこれからいろんな立場、いろんなところへ行って行政改革を言うことはもう大変はばかられます。特に地方行革のことは言えません。また地方議会の定数を減らせということももう口が裂けても実は言えなくなりました。大変残念に思うわけであります。
 そこで、私はお願いと提言でありますけれども、一日も早い抜本改正、その抜本改正のときにいろんな面での抜本改正の必要がありますけれども、絶対に定数の改正は最優先をしてしていただかなくちゃいかぬ。それも今回ふやした一名を減らすだけでなしに、この際国民に対するおわびの意味で少なくとも五名ぐらい減らすぐらいのことでひとつ衆議院の皆さん方にお考えをいただきたい、このことを強く申し上げて、同時に衆議院の皆さん方から見ますと自分たちのことをこのように決めたんだから、衆議院では特に質疑を省略をして各党十分間の意見開陳だけでこれを議了されたようでありますけれども、それを参議院が何も余分に時間かけて審議する必要なかろうという方もあるようでありますが、いずれにしてもやはり自分たちのことを自分で処理する、論議するということは、これは国民の目から見てもおかしいし、またいいものができるはずがありません。
 だから最後に、これは自治大臣に質問通告してありませんけれどもお尋ねをし、お考えがあればお示しいただきたいんですけれども、第三者機関によるいわば、衆議院も参議院もそうでありますけれども、このような問題を審議をする権威のある機関をつくるということ、これを自治大臣としてぜひひとつ至急にこれらのものをお進めいただいて、そういうものを設置をして、もちろん設置する法律案必要でありますけれども、できれば抜本改正は第三者機関によるところの定数是正、その他の問題の解決ということを第三者機関にゆだねる、権威のあるそのようなものをつくることはいかがでありましょうか、その点をひとつ大臣に一つだけお考えがあればお聞かせをいただきますし、またお考えがなければ結構であります。心情的には、後ほど共産党の山中議員が提案されるようでありますが、どうも共産党の修正案に賛成したいような心情である、このことをあえて申し上げて、その質問だけで終わります。
#126
○国務大臣(小沢一郎君) いつになく大変厳しい御質問をいただきましたけれども、今回の定数の是正の問題、これは先ほど来質疑の中で行われましたように、国会の基本的なルールづくり、土俵づくりである。しかしながら、各政党、各会派、各個人、さまざまな政治活動に直接かかわることでございますので、大変難しい問題であると思います。したがいまして、それゆえに今先生御提言があったのであろうと思います。この問題につきましては、もちろん各党間の協議、そして私どもも連携をとりながら考えなければこれはできない問題ではありますが、私といたしましては、今の御提言につきましては、どういう形の第三者機関、今でも例えば選挙制度審議会とかいろいろございます。あるいは国会の議長のもとに第三者機関というようなものをつくってはどうかというような意見も、この過程の中で、各党間であったように聞いております。そういうような考え方といたしましては、これは非常に自分のことを自分でというのはなかなかできない点もありますので、一つの解決のためには大変いい方策ではないかと、私個人は考えております。
#127
○井上計君 終わります。
#128
○野末陳平君 私も井上委員と同じような意見を持っておりまして、ですから、この法案にはどうも賛成するわけにいかないんですけれども、簡単に言えば、やはりこの今回の改正は、従来の定数の枠内でやるべきだった。なぜ一人ふやしてしまったのかというのが、ここが第一の問題なんですね。ですから、五百十二人になったということは、これは暫定措置で、今後、抜本改正で減らすというけれども、逆に、一人ふえるとまた次もふえていく、こういうような悪い前例になってしまうので非常にここが問題だ、とてもこれでは国民の納得は得られないであろう、そんな気がしますね。ですから、国会を行革しろというようなことを言っておりますが、しかしむしろ定数を減らすというぐらいの意気込みで定数是正に取り組むべきが本来だったので、その点が非常に不満である、ですから賛成もしたくない、こういうことが第一ですね。
 それから二番目は、やはりこの法案がまとまっていくプロセスが実にわかりにくかったという点ですね。もうくるくると中身が変わりまして、新聞報道でしかわかりませんでしたけれども、同時に、最後になって、この法案の中身ですけれども、これはばたばたと決まったような印象もあったりしまして、これが民主政治かと、いわゆる開かれた政治と言えるか、非常に疑問があるわけですね。ましてや、この境界線変更の問題など、質疑に出ておりましたけれども、この大きな点があちこちでまた問題になっているようですね。そういうのを含めまして、やはりこれは非常に政治家の利害にかかわる難しい問題だと思いますが、第三者が決めなければだめなんじゃないかと、国民の納得を得られるようないい是正ができないんじゃないかと、そういうふうに思うんです。ですから、井上委員も今提言しておりましたけれども、私は抜本改正は、当然第三者の権威あるしかるべき機関をつくって、そこに一任しなければだめだと、総理にこういうことを何回か提言するんですが、結果はいつも、総理は、それはだめで、自分たちのことは自分で決めるべきなんだと、だから各党間でと、こうおっしゃるんですが、それはもう間違いだと思いますね。自分たちの利害を自分で決めるから国民は納得しないんであって、やはりこれはもはや任せると、この問題については、国民の有権者の皆さんに任せてそれに従うというような、率直な姿勢を今後政治家は持つべきで、政党も持つべきだと、こういうふうに考えるんですよ。ですから、強いてお答えは要りませんけれども、その二点が非常にこの法案に対しては不満で、なぜこうなったのか残念である、こういうことだけ言って、これで終わります。
#129
○委員長(原文兵衛君) 本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#130
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認めます。
 本案の修正について、山中郁子君から発言を求められておりますので、この際これを許します。山中郁子君。
#131
○山中郁子君 私は、本案に対し修正の動議を提出いたします。
 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 修正案提出の第一の理由は、原案が選挙区間の議員一人当たり人口の選挙区間格差を三倍まで許容し、主権者である国民の平等な選挙権を保障する見地にはほど遠く、およそ定数是正の名に値しないものだからにほかなりません。格差三倍を認める理由が、合憲か違憲かの境界線を一対三とする見地を示した最高裁判決にあるとされていますが、この判決自体が明確な理論的根拠を欠き、絶対化すべき理由には到底なりません。それどころか、都議選に関する去る二月の東京高裁判決が格差二倍以上を違憲としたのを初め、是正に当たっての格差基準を示した高裁判決のうち、二倍以上を違憲としたものは既に四件にも上っているのであります。このように格差二倍未満の是正こそ法のもとの平等をうたった憲法理念の最も正しい実現であり、国権の最高機関としての国会が自主的に抜本是正すべきことは当然であります。
 第二の理由は、現行中選挙区制に、新たに四つの二人区を導入していることについてであります。一九八三年参議院選挙において二人区の死票が三六%もあったことでも明らかなように、二人区は、それ自体民意を正しく反映せず、民主主義の基礎を掘り崩すことになります。それはまた、
将来、五人区を二人区と三人区に分割することを可能にするなど、中選挙区制を崩壊に導くだけでなく、一人一区の小選挙区制に道を開き、さらには日本型ファシズムに至る危険性すらも持つものであることを指摘せざるを得ません。現に自民党の代表は、昨年の国会で、抜本是正の際には小選挙区制を含めて検討すると言明しており、単なる杞憂にすぎないとは断じて言えないのであります。
 以下、修正の具体的内容について御説明申し上げます。
 修正の第一は、衆議院定数是正に当たっての原則を明確にするため、これを公職選挙法に明記することとしている点であります。すなわち、その一つは、現行選挙区定数三ないし五人の中選挙区制を維持すること、二つは、是正に当たっての格差を少なくとも一対二未満とすることとし、国勢調査結果でそれを超えた場合に是正を義務づけていることであります。
 修正の第二は、以上の是正原則に基づき、是正対象選挙区を格差が二倍未満になるまで広げていることであります。その結果、定数が二人以下となった場合には適切な隣接選挙区と合区し、定数が六人以上となった場合には、二人区を合区して六人以上となる場合も含め、分区することとしています。これらの選挙区の再編に当たっては、党利党略的な打算を一切排し、公正な客観的手法に。よって行うこととしております。
 この結果、増員対象区二十三選挙区で三十二人を増員し、減員対象区三十一選挙区で三十二人を減員し、最大格差は、長野三区対千葉五区で一対一・九九七になります。
 修正の第三は、議員総数を現行どおり五百十一名としている点でありますが、我々は、民意を反映させるために十分な議員数を確保することが民主主義の発揚にとって不可欠との見地を従来からとってきており、行政改革と絡めて、定数の削減を主張する誤まった議論にくみするものでないことをこの際改めて強調するものであります。
 なお、原案附則の施行期日に関しては、現行定数配分規定が明白に違憲であることから、施行期日をおくらせなければならない特別の理由はなく、これまでの定数是正法案の慣例どおり、次の総選挙から施行することとしております。
 以上が修正の具体的な内容であります。
 何とぞ、慎重審議の上、御可決くださるようお願いし、修正案についての私の趣旨説明を終わります。
#132
○委員長(原文兵衛君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#133
○上野雄文君 私は日本社会党を代表して、ただいま議題となっている公職選挙法の一部を改正する法律案について、反対の意思を明らかにするものであります。
 本法律案が、最高裁判所の判決によって違憲状態にある現行定数配分を改めるために幾多の変遷、討議を経て最終的には衆議院議長による調停を根拠として提案されたものであることを考えれば、護憲の党である我が党としてもできる限りその意思を尊重したいものと考えるのでありますが、以下申し述べる理由によって反対せざるを得ないものであります。
 その一は、総定数を現行法上暫定ともいうべき五百十一を一名増としたことであります。昨年十二月の段階における議長見解は、現行の議員総数、つまり五百十一は変更しないものとする、であったはずであります。先ほど行われた各党の質疑の中でも、増員の理由はついに明確になりませんでした。これでは院を代表する衆議院議長見解をみずからが破るという、言うならば公約違反の所業とも言うべく、許さるべきことではないと思います。
 第二は、本則定数と暫定定数との使い分けが依然として放置されていることであり、いつまでも建前と本音が一つの法律の中に同居しているようなことは許されないものと考えるからであります。今回の改正は暫定的な措置であると衆議院の決議にも述べておりますが、暫定の上に暫定を重ね、期限なきと言われる「当分の間」が世間の常識にほど遠い国会内にのみ存在するものであることは許されませんし、その限りでは鹿児島三区は本則に戻すべきよき例となるべきはずのものではなかったかと思います。
 第三は、暫定的措置であっても立法の基本理念までもねじ曲げることは絶対に避けられなければなりません。立法以来手をつけられることのなかった大分県挾間町に見られるような郡の区域の分割が行われるなどは、言うならば法の体系を乱すものと言わなければなりません。
 第四は、長い間培われてきた中選挙区制を崩すことであります。二人区、六人区の出現はどうしても納得がいきません。
 最後に私どもはあくまでも票のもとに平等が保障され、その意味では、選ばれる側の論理よりも選ぶ側の論理が優先されるのが選挙法の基本的なあり方でなければなりません。今回の改正法案が国権の最高機関たる国会の衆議院議長の調停をもとにし提案されたものであってもどうしても賛成いたしかねます。
 以上、我が党の反対の理由を述べて反対討論を結ぶものであります。
 なお、共産党の修正案についても反対をいたします。
#134
○金丸三郎君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、衆議院提出の公職選挙法の一部を改正する法律案に賛成し、修正案に対し反対の意を表明するものであります。
 本法律案は、衆議院議員の定数について暫定措置として、現在の定数配分に基づく違憲状態を解消しようとするものであります。
 本法律案に賛成する理由を端的に申し上げますと、本法律案は、各党間の協議を踏まえ、議員定数の是正について、現時点で相互理解が許される最も現実的な是正策であると考えるからであります。衆議院議員の定数問題は、議員の選挙基盤にかかわる事柄であり、その是正の容易でないことは言うまでもありません。しかしながら、国権の最高機関である国会が、みずから困難を克服し、違憲状態を解消し、憲法を守ることができないとすれば、議会制民主主義、ひいては立憲政治への国民の信頼を失うことは必然であります。
 各党が小異を捨てて結論を見出すべく真摯な話し合いを根気よく重ねてこられたゆえんもここにあると思います。政治は常に高い理想を求め、議会政治はその目標に向かって論議を通じ着実に一歩一歩現実的に対処する道を探る場であります。私が、本改正案に問題があることを認めながら賛成するゆえんも、当面する違憲状態を解消するための知恵と努力がここに結集されていると考えるからであります。
 なお、本改正案は、暫定措置でございますけれども、今申し上げましたとおりいろいろ問題を抱えております。特に議員総数を一名増員しておりますことは、国、地方を通ずる行政の効率化、減量化が厳しく求められております今日、速やかに解消されなくてはならないと思います。この点について、過去二回の定数是正がいずれも増員のみによって行われたことを顧みますならば、今回の一名の増員は緊急のやむを得ない措置であったとは思われます。衆議院公職選挙法改正調査特別委員長は、昭和六十年国勢調査の確定人口が公表されるのを待って速やかに選挙区別定数の抜本的改正を図り、議員総定数の見直しを行う旨の決意を述べておられます。いろいろ問題はございますけれども、その中でこの定数の改善もあわせてぜひ早期に実現をしていただくように期待をいたします。
 以上をもちまして、自由民主党・自由国民会議を代表する私の原案に対する賛成討論といたします。
#135
○山中郁子君 私は日本共産党を代表して、ただいま議題となりました衆議院議員定数是正に関する公職選挙法の一部を改正する法律案に反対し、同修正案に賛成する立場から討論を行うものであ
ります。
 この原案には、憲法が明記する法のもとの平等を実現し、議会制民主主義を守り発展させるという当然の立場に我々が立つ以上、どうしても容認できない二つの重大な問題点があります。
 もちろんこれが原案に反対する理由でありますが、その第一は、この案が選挙区によって一票の価値が三分の一に低められることを認めるものであり、今訴訟を初め全国的に高まってきている一票の価値の平等を求める有権者、国民の切実な期待を裏切るものだからであります。また、一票の重みが特別な合理的な根拠もなく選挙区間で二倍以上の格差を持つことは、一人一票の原則の本質を破壊することになり、法のもとの平等に反するというのが専門の学者の間でも通説になっているところであります。
 原案に反対する第二の理由は、制度的慣行として確立している現行の三ないし五人の中選挙区制に新たに四つの二人区を導入していることであります。これは既に現在行われている参議院での選挙区における二人区の例に見られるように、死票が三分の一を超すなど、国民の意思を国会議席に正しく反映し得ないばかりか、さきの趣旨説明でも成れましたように、戦後一貫して保守反動勢力がねらってきた一人一区の小選挙区制に道を開く危険性を持つものであり、まさに日本の議会制民主主義の将来に重大な禍根を残すものと言わなければなりません。
 以上が原案に反対する主な理由でありますが、我が党の修正案がこの問題点を抜本的に克服し得る内容を持っていることは趣旨説明で述べたとおりであり、これによって直ちに抜本是正することを強く要望するものであります。
 最後に、私は、暫定措置を口実にして、衆議院において公選法改正調査特別委員会での一切の審議もないまま、我が党を除く密室協議と議長調停でつくり上げられたこのような不当な原案を成立させることは、真の定数是正を求める国民の期待を裏切るだけでなく、中曽根総理が企図している党利党略の国会解散と衆参同日選挙に手をかすものであり、断じて容認できないことを強調して、原案に反対し修正案に賛成する討論を終わるものであります。
#136
○多田省吾君 私は公明党・国民会議を代表し、原案に賛成し、共産党提出修正案に反対を表明し、討論を行います。
 衆議院の現行定数配分について最高裁大法廷は昨六十年七月に違憲と判決し、国会に対し強く善処を要望しました。
 我が党は従来より、衆議院定数是正の条件として、投票価値の平等原則を確保し、定数の格差は二倍以内とすること、小選挙区制を絶対に導入しないこと、現行中選挙区制の三人区ないし五人区を堅持すること、さらに国民的立場で是正するため公選法の中に定数に関する基本原則を法定し、中立的な学識経験者等の第三者による議員定数委員会を設置して具体的な再配分を行うこと等を主張してまいりました。また具体的に、定数五百十一以内で一対一の定数配分案や二倍以内案等を発表し、早急に定数是正すべきことを求めてまいりました。なお、抜本改正では都道府県間の不均衡の是正をも行うべきであります。
 昨年来、衆議院における定数是正に関する与野党折衝が難航し、種々の経過はありましたが、衆議院議長のもとで各党間で昭和六十年国調速報値をもとにした緊急避難的な三倍以内の暫定案の作成に努めてこられましたが、このたび衆議院議長調停案が示され、その調停案をもとにした衆議院定数是正案がつくられました。
 我々は、この内容が、一票の価値の不公平や合区をしないために二人区が残ったこと、減をしないために総定数が一名ふえたこと、周知期間も短いなどの点で不満足でありますが、しかし、定数是正が一刻の猶予も許されない、今国会での是正が至上課題であること、違憲状態を速やかに解消することが国会の責任を果たし国民の期待にこたえる道であることを考え、衆議院議長調停案を尊重し、本是正案に賛成の意を表明することにいたしました。
 昨日衆議院本会議で決議されたごとく、六十年国調確定値が発表された時点で速やかに抜本的改正を行い、二人区解消、総定数削減をなすべきことを強く要求いたします。なお、抜本的改正に当たっては中選挙区制を堅持し、格差は二倍以内とし、公選法に是正の基本原則を法定した上で中立的な第三者による議員定数委員会を設置して是正すべきであると主張いたします。
 さらに申し添えますと、参議院選挙区の定数不均衡は六倍を超えております。早急に是正が必要だと考えます。また、総理は本法案の成立後、計画的に、意図的に衆参同日選挙を意図していると言われております。しかし、このような計画的、意図的な衆参同日選挙は、憲法に定められた二院制の精神に反し、参議院の緊急集会にも支障を来すものであり、さらに参議院の独自性を破壊し、参議院無用論を助長するもので、まさに憲法違反の疑いが強いものでありますから、断固反対するものであります。
 以上申し添えまして、討論といたします。
#137
○井上計君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行います。
 そもそも、議会制民主政治は国民の政治に対する信頼の上に成り立つものであります。そして、一票の価値の平等性が確立されることは、国民の政治に対する信頼を確保するための最も基礎的な条件であり、また憲法の定めるところであります。
 ところが、衆議院の定数是正は昭和五十年に行われた後は放置されたままであり、その後の格差の拡大に対してたび重なる違憲判決が出されたにもかかわらず、何らの是正措置もとられなかったため、その結果、衆議院の議員一人当たり人口の格差は昭和六十年国勢調査ベースで五・一二倍になるに至り、緊急の是正を必要とする事態に至ったのであります。この責任は、我が党を初めとする野党の定数の早期是正の要求にもかかわらず、是正案の提出を怠ってきた政府・自民党にあると言わざるを得ません。
 ところで、今回の衆議院議長の調停に基づく是正案は、第一に格差の二倍以内への縮減、第二に定数三ないし五名の中選挙区制の堅持、第三に議員総数の五百名以下への削減を主張してきた我が党にとっては、その内容において極めて不満足なものと言わざるを得ません。
 特に我々が問題とする点は、第一には行政改革の理念に反して議員総数を一名増加させたことであります。第二に、格差を三倍以内としたことであります。第三は、大正以来の我が国選挙制度の基本を崩して、小選挙区制につながる二人区を導入したことであり、また、無原則に六人区を創設したことであります。
 さらにその上、我々が重大な問題とするのは、二人区の創設やその他の減員対象区における境界変更が極めて恣意的に行われたことであります。これはまさに特定政党によるゲリマンダーと言わざるを得ません。
 加えて、本来国民の政治に対する信頼を回復するための定数是正案を政府・自民党が違憲の疑義のある衆参同日選挙をあえてもくろむための道具として利用しようとしていることは憲政の常道を踏み外すものと言わざるを得ないのであります。
 以上の理由により、本法案に対する反対の態度を明らかにするとともに、参議院における議員定数是正の必要性の注意を喚起し、私の討論を終わります。
 なお、共産党提出の修正案に対しても反対をいたします。
#138
○委員長(原文兵衛君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより公職選挙法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず山中君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#139
○委員長(原文兵衛君) 少数と認めます。よって、山中君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#140
○委員長(原文兵衛君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#141
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#142
○委員長(原文兵衛君) これより請願の審査を行います。
 第六八号十八歳選挙権の早期実現に関する請願外十五件を議題といたします。
 請願の願意につきましては、お手元に配付いたしました資料のとおりでございます。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、十六件全部保留とすることに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#143
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#144
○委員長(原文兵衛君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 選挙制度に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#145
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#146
○委員長(原文兵衛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後七時四十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト