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1985/04/23 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 災害対策特別委員会 第4号
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1985/04/23 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 災害対策特別委員会 第4号

#1
第104回国会 災害対策特別委員会 第4号
昭和六十一年四月二十三日(水曜日)
   午後一時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     村沢  牧君     上野 雄文君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         志苫  裕君
    理 事
                井上  孝君
                浦田  勝君
                上野 雄文君
    委 員
               大河原太一郎君
                坂元 親男君
                下条進一郎君
                竹山  裕君
                出口 廣光君
                吉村 真事君
                松本 英一君
                服部 信吾君
                下田 京子君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  山崎平八郎君
   政府委員
       国土庁防災局長  杉岡  浩君
       農林水産大臣官
       房審議官     吉國  隆君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
   説明員
       林野庁指導部治
       山課長      船渡 清人君
       気象庁地震火山
       部地震火山業務
       課長       鈴置 哲朗君
       建設省河川局砂
       防部砂防課長   友松 靖夫君
       建設省住宅局建
       築物防災対策室
       長        遠藤二三男君
       消防庁消防課長  緒方勇一郎君
       消防庁予防救急
       課長       長谷川寿夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○災害対策樹立に関する調査
 (峰温泉菊水館火災に関する件)
 (奥日光男体山の崩壊防止対策に関する件)
 (熊本県の寒波による果樹災害対策に関する件
 )
 (防災マップに関する件)
 (火山観測体制の強化に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(志苫裕君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十二日、村沢牧君が委員を辞任され、その補欠として上野雄文君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(志苫裕君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(志苫裕君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に上野雄文君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(志苫裕君) 災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○上野雄文君 最初に、伊豆の旅館火災についてお尋ねをいたしたいと思うのであります。
 二十一日の各新聞の夕刊は、一面からずっとまたも旅館全焼というので一斉に報道をしておりましたけれども、最初にこの全貌について報告をしていただきたいと思うんです。実は私、この間、地方行政委員会で栃木県の那須温泉で熱川の後旅館火災がありまして、そのときに熱川の経験が生かされて大変よかったというそういうことについて質問したわけでありますが、今度の場合、大型連休を前にしての火災でありまして、どうも日本人はあらかじめ決めると万難を排してレジャーを楽しむという突撃精神があるようでして、それを前にしての対策が望まれるのだろうと思うんです。そういう意味でひとつ、この旅館火災が二度と起こってはならないということを繰り返して言われているんですけれども、またしても起こってしまったわけですが、その全貌についてまずお聞かせをいただきたい、こう思うんです。
#7
○説明員(長谷川寿夫君) ただいま先生御指摘のとおり、熱川の火災以降、那須のホテルでは確かに熱川の火災が生かされた結果があらわれておりました。また、熱川の火災対応ということで我々も一層の火災安全の徹底に努力をし、それを現在進めているさなかにこういうことが再び起きてしまったということは、まことに残念であると思っております。
 そしてその火災の概況でございますが、静岡県の賀茂郡河津町の菊本館という旅館でございまして、出火日時は四月二十一日、実はこの出火時分についてはなお調査中でございます。
 それから、消防が火災を覚知した時間でございますが、二十一日の二時十九分。これは一一九番通報によって覚知しております。消防隊はその通報を受けまして現場に到着いたしましたのが二時二十二分。覚知後三分で現場に到着しておるということであります。
 なお、現地、現場に到着した消防機関からの報告では、当時、現場に着いたときには、既に一階、二階の部分から炎が噴き出していたというようであります。
 出火場所と出火原因でございますが、これは現在、現地の消防機関で調査中でございます。
 死傷者は、死者三名、それから負傷者五十四名となっております。
 それから、出火及び類焼建物の状況でございますが、菊本館が出火をしたわけですけれども、出火建物、これが鉄筋コンクリート四階建て二部木造というのがこの菊本館には二棟ございます。新館本館と呼ばれるものと東館別館と二通りに分かれておりまして、そのうち新館本館と称する建物のうち木造部分が焼損したということでございます。この建物の焼損部分の面積が千九十八平方メートルでございまして、当日宿泊者数は百十七名となっております。
 それから、隣接しておりました玉峰館という旅館がございますが、ここに一部延焼しておりまして、この建物は木造一部鉄骨造二階建てでございますが、焼損面積五十平方メートルとなっております。なお、玉峰館では当日十人ほどの宿泊者がいたということでございます。
 以上であります。
#8
○上野雄文君 今度の問題点は一体何かということですが、実は今、課長のお話にもありました、私も申し上げた那須の旅館も新しくつくった鉄筋コンクリート、それから古い建物こういうものがあって、今度の場合も全く同じ。その前の熱川も同じような状態です。こういうのがどうも一番危ないんではないか、こう思うんですよ。さりとてこの対策を、早く古いものを壊してしまって新しいものだけにしろと言ってみても、なかなか大変なことだとは思うんだけれども、どうもその辺が一番危険だなという感じを持つわけですけれども、死者三名が出て負傷者五十四名、百十七名のうちのほぼ半分近い死傷者が出るということでしたから、この点の問題点をどう把握をされているか、その辺をお聞かせいただきたいなと、こう思うんですが。
#9
○説明員(長谷川寿夫君) 今回の火災につきましては、現在、現地の消防本部におきましてその出火原因が何であったのか、特にまた死者を出しておりますので、一体どうしてそういう死者を出すような結果になったのか。現実にいろいろな消防設備も設置しておりますが、それがどういうふうに維持されていたのか。また防火管理というものが一体どういうふうになっていたのか、いろいろな面から調査すべきことが多々あるのでございますが、いずれにしてもこれらについては、現在、現地の消防本部におきまして調査中でございますので、私どもといたしましては、こういったことが再び起こらないようにと、これは実は熱川のときにも既に再び起こらないようにと、こういうことを申し上げていたのでありますが、残念ながら実際再度起きてしまった、こういうことであります。
 それで、実は熱川の火災後も現地の消防機関におきましても旅館、ホテルに対して一斉の査察、立ち入り査察をし、必要な指導をしてきた後のことでございまして、結局は消防の努力が結果としては生かされてなかったということで、やはりまことに残念に思っておるところでございます。
 そこで、私どもとしましては、なお現在調査中である結果を踏まえまして、その問題について安全対策の徹底という観点から、必要な改善ということを鋭意検討することとしたいと考えております。
#10
○上野雄文君 そういう経験の上で、原因究明の上で改善点とこういうことだけれども、今特定できなくも、大東館の場合のいろんなあの調査した結果というものがそれなりにあると思うんですよ。そういうものと対比しながら、この辺のところはどうだったのだろうかというような点はどうなんでしょうか。
 新聞がいろいろ報道しております。例えば通報のおくれ、いろいろな新聞を見てみますと、どうやら警報機が鳴って一たん消えてまた鳴って、それから一一九番した。その間九分間もあった。昭和二年につくった木造の建物といったらこれは私の年と同じですから、かなり古くなってきているわけですね。しかも三階建てで、下から火をつけたら、これはもうかまどに火をつけたと同じような状態で、わっと一斉に燃え出していくのじゃないかと思うんですけれども、そういう点なんかが一体どういうふうに対応をされておったのだろうか。ある新聞では「役立たなかった防火扉」、「通報の遅れ」、「手薄な夜間態勢」、それから「不十分な避難誘導」などということが具体的に挙げてありますけれども、こういう点なんかについて今までのところ出火場所、原因、そういうものが特定できなくも、それなりに消防庁の方でこうすればよかったのではないかなというような点が浮かんでくるのではないかなと思うんですけれども、そういう点いかがですか。
#11
○説明員(長谷川寿夫君) 確かに先生御指摘のように、新聞その他報道機関では問題と思われる点を多々挙げられております。私どもといたしましては、実際に、現在まだ原因の調査の段階でございますし、特に現地からこれらしいという推定段階の報告も受けていない状況ですので、推測したことを申し上げることは難しいのでございますが、ただ指摘されているようなことが仮にあるとすれば、やはりそれはそれなりに大きな問題を持っているのだろうと思うんです。いずれにいたしましても、現在指摘されているようなことが現実にあれば、それに対してどういう対応策が必要かという、これは掘り下げていかなければならないというふうに考えている次第でございます。
#12
○上野雄文君 そこで、これは私も現場に行ったわけではありませんし、専ら新聞による情報だけなんですけれども、ずっと新聞を見てみますと、夜間警備員というのが一人だった。一人で百十何人のお客、全部泊まれば二百人泊められるのだというふうに報告されておりますけれども、一体一人で間に合うというような状況にあるのだろうか。
 これも新聞によると、何か消防計画を出すときに二人というふうに書いて出してあったというんだそうですが、これも新聞情報です。お客に知らせることから、それから機器類の操作であるとか、消防署への連絡であるとかというのを一人で全部やらなければならないというのなら、これは大変なことだと思うんです。ある新聞によると、かなりおくれて来て、受けた方ではそのまま飛び出して行って、近隣の消防署に通報もなかったというようなことが書かれておりますけれども、これなんかはいかに消防庁がやきもきして通達を何ぼ出しても、現場がやってくれなければ何にもならないことなんですけれども、どうやらどうもそういう点について、やたらに法律で規制して義務づけていくとかというやり方がいいかどうかという点については、いろいろ疑問がありますけれども、続けてこんなに起こってくれば、それなりの対応策ということが考えられてしかるべきなのではないかというふうに思うんですけれども、この辺はどうお考えになりますか。
#13
○説明員(長谷川寿夫君) 私どもも実は報道に載りました警備員が一人であるとか、あるいは消防計画に二人という指定をしている、こういうことを報道から知りまして、非常にその点を懸念したわけであります。
 現地にも当庁から職員を派遣いたしまして、火災直後本庁から二名、研究所から二名、都合四名出させて調べる点は調べたのですが、まず消防計画に二名という限定はしてないということがはっきりわかりました。それから、当日の体制、夜間の勤務者は確かに一人であったということでございます。しかし、東別館の方には職員が八名ほど宿泊しておりました。これが、火災時には避難誘導などの緊急対応をとる体制が一応とられていたわけであります。当日も八名の職員がそこに宿泊しております。しかしながら、今回のようなああいう火災に発展してしまった。一体こういう関係者がどのような活動をとったんだろうか、その点は非常に疑義の残るところでございまして、私どもといたしましては、仮にそういう体制がとられていたとしたら、もっと実態、事が変わってきたんじゃないかという観点から、今後問題の掘り下げをいたしまして、防火管理体制などを含めた改善について検討をしてまいりたいとこのように考えている次第でございます。
#14
○上野雄文君 熱川のすぐ後であった那須温泉の火災のときは、従業員が総出でスコップから何からいろんなものを持ち出してガラス窓を外から割って起こして歩いたり、それから、二階から布団をどんどん投げて、その上に飛びおりてやれというので、全体で取り組みができたようですね。それが熱川の経験を生かした、それが生きたんだ、こういうふうに報道されて、またその点についても、この前の地方行政委員会でもそういう向きを消防庁の方で答弁されておったわけですけれども、お話にあるように、ひとつ夜間の警備体制といいますか、防火体制、宿直体制といいますか、そういう点については、やはりそれなりにひとつしっかりした研究をやって、しかるべき対応策を立てていったらどうかなと、私もそう考えますから、ぜひひとつ取り組んでいただきたいと思うんです。
 それから一つ、私も自治体問題にかかわってい
る一人としていつも思うのですけれども、観光地は金もうけができればどんどん大きなホテルが建っていくわけですね。うちの県の、これも川治温泉のプリンスホテルの火災が大変な話題をまいたわけですが、鬼怒川温泉なんかも、ついこの間千名以上収容という物すごく立派なホテルができてきていますね。耕しければ新しいなりに、そういう被害が起きないような対策というのは新しい基準できちっとやられていきますから、そういう心配はないのだろうと思うんですけれども、ただ自治体が立てている消防計画といいますか、こういうものとちぐはぐな、例えばはしご車なんかについても、じゃ観光地の温泉街なんかに全部配置されているのかなと思うと、必ずしもそうでもないように聞いておりますね。
 今度の場合も、これまた新聞情報ですけれども、火災が起きて車両は十台ぐらい集まったけれども、実際に消火活動に従事したポンプ車は二台だけだと。自治体の消防の力、消防力を強化するといいますか、そういう面でもこれから考えていかなきゃならない問題がたくさん起こってきているんじゃないのかというふうに思うんですね。これはなかなか今日的な自治体財政の中で、多額なはしご車を入れて武装するということは本当に難しいなと、関係者の一員としてもそう思いますが、それでも、そんな大規模なやつが、町の計画になかったようなものがぼんぼんいった場合に、言うところの防災計画の整合性を地域的に図っていくという面から考えてみますと、消防力の方が追いついていかないのではないのかという、そういう懸念を持っているわけですが、そういう点なんかについて、相次ぐ旅館の火災ということから、どういうふうにお考えになっていらっしゃるか。すぐに計画的なものを出せということを言ってみても無理でしょうから、その辺の考え方を少し述べてみていただけませんか。
#15
○説明員(緒方勇一郎君) 市町村の消防力の整備につきましては、私どもといたしましては、市町村がそれぞれの人口なりあるいは高層建築物の数なり、危険物の施設なり、そういった状況に応じまして消防施設を整備するよう、その目安にするために消防力の基準というものをつくっております。
 消防力の基準といいますのは、例えば消防ポンプ自動車あるいははしご自動車、あるいは救急自動車、消防水利などに区分いたしましてそれぞれの基準を設けておるわけでございます。消防長官告示で設けておることは先生御承知のとおりでございます。市町村におきましては、この消防力の基準を勘案しながら、それぞれの団体の消防施設等整備計画というものをつくっております。そして、これは毎年その見直しを行っているところでございます。こういう技法を通じまして、特定の消防施設が著しく整備に欠けているというようなことがないよう努めているところでございまして、やはり今後とも、この方向で強く指導していきたいと思っております。
 財政的な側面でございますが、所要の国庫補助金なり地方債の確保に努めますし、あるいは交付税措置の充実に努めておりますけれども、特に本年度からは消防関係施設整備のために新たに防災町づくり事業というものを創設いたしまして、あらかじめ起債でもって整備を行い、その元利償還というものを普通交付税において負っていこうということを行おうといたしております。こういうことを通じまして消防施設整備のための財源を充実することにより、国庫補助金など御指摘がございましたはしご自動車などの、化学分の消防施設整備の方に重点的に充当していきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#16
○上野雄文君 消防庁関係の質問は以上で終わりますけれども、大型連休の直前でもありますから、今度起きるとまた大変なことになると思うので、ひとつしっかりした指導体制をとっていただきたいということを要望したいと思うんです。
 ありがとうございました。
 次に、建設省と林野庁の方おいでだと思うんですが、きのうもお話を申し上げておきましたが、実は、三月の十日のある新聞の夕刊に、「荒廃進む奥日光の山々」、こういうので、私の選挙区でもありますから、この見出しのところを読んでみますと、「日光国立公園が荒廃の一途をたどっている。中禅寺湖を取り巻く男体山、太郎山など休火山の崩壊が激しさをまし、流入する土砂で湖沼群はやせ細るばかり。大谷川、稲荷川などの河床も急上昇し、洪水の危険性も高まっている。」、ずっとこう書いてあるわけなんです。どうも栃木県に住んでおって、こんなに危険な状態にあるんだろうか、こう思うと安心して住んでいられないことになりますから、ひとつこの現状を建設省の所管、それから林野庁の所管、それぞれについて現状をどういうふうに仕事を進めているのか、それなんかについてちょっと教えてもらいたいと思うんです。
 申し上げておきますが、これから間もなく参議院の選挙がありますね。私があの辺へ行ったときに、こういうことがあるんだけれどもあなたどうやっていますかというときに、私なんかがみんなにわかりやすく答えられるような材料を、わかりやすくお示しを願いたい、こう思うんです。
#17
○説明員(船渡清人君) それでは、林野庁関係の概要について御説明をしたいと思います。
 御案内のように、男体山大変地質年代からいたしますと若い地質年代に属する火山でございます。そういった点で地質も非常に脆弱である、非常に凝集力も弱くて透水度も非常に高いといったようなことで、長年にわたります豪雨あるいは冬期間の凍結融解作用といったようなことによりまして、先生御承知のように、大変数多くのなぎと言われるようなV字型の浸食谷が形成されておるわけでございます。こういったようなことから災害等も過去いろいろ起きているわけでございまして、古くから建設省によります砂防工事は実施されていたわけでございます。
 しかしながら、抜本的な対策といたしましては、土砂の発生源でありますところの上部山腹部の崩壊地、これの復旧が重要だというふうなことから、三十四年九月の伊勢湾台風を一つの契機にいたしまして、崩壊地面積の多い男体山の東南面の山腹約二百八十ヘクタール程度を対象区域といたしまして、三十五年度から国の民有林直轄治山事業ということで実施をいたしておるわけでございます。
 治山事業は御案内のように森林法に基づく事業でございまして、森林の維持、造成を通じまして、山地災害の防止を図るということを旨といたして実施しているところでございまして、男体山におきます工事計画につきましても、まず第一段階といたしまして崩壊地の浸食拡大を防止するための床固め工だとか、あるいは山腹立どめ工、いわゆるコンクリートによる基礎工的なもの、それから第二段階といたしまして植生態等によります、土壌をある程度改良しながらいかないかぬものですから、そういう土壌改良的手法を用いました草本類による第一次的な緑化工、それからさらに第三段階といたしまして、樹木の植栽によりますところの第二次的な緑化工というような、大きく三つの工程を経まして、崩壊地内の植生回復によりまして林地に復元いたしまして斜面を安定させる、こういうことを基本として実は直轄治山事業を実施しておるわけでございます。全体計画、工事費にいたしまして約七十六億円ということでございまして、昭和六十年度末までに約四十五億円、全体計画に対しましては約五九%の進捗率と、このような状況になっております。
#18
○説明員(友松靖夫君) 男体山の状況につきましては、今御説明のとおりでございますが、特に地表面に近いところが火山灰と溶岩の交互に積み重なっておるというような地質でございますので、非常に浸食を受けやすい、崩壊を起こしやすい山でございます。したがいまして、山頂近くから放射状に崩壊性の、通常なぎと呼ばれる浸食谷が多数形成されておりまして、それが拡大、発達していくというような経過をたどっておるわけでございます。
 建設省が所管いたしておりますのは、その中で
一番大きな大薙という流域に対しまして砂防事業をやっておるわけでございます。この大薙は、今申し上げましたように、崩壊規模は男体山の中で最も欠きゅうございまして、この土砂が日光市、今市市を流れます大谷川に直接流入をするというふうなことで、過去幾たびも洪水やあるいは土砂のはんらんを引き起こしてきたわけでございます。このようなことで、建設省におきましては、昭和二十五年度から直轄砂防事業に着手をいたしまして、現在まで大薙からの土砂の流出を防止するための対策を進めてきたわけでございます。
 この大薙の対策でございますが、通常こういった浸食谷は放置いたしておきますとどんどん深く浸食が進む。それに伴いまして両側の山の斜面が崩壊をしていく、したがって、浸食谷の幅がどんどん広がっていく。こういうような経過をたどってまいるわけでございます。したがいまして、この崩壊斜面の一番のいわゆる足元、脚部を安定させることがまず最も必要になるわけでございまして、そのために砂防ダムあるいは床固めといった施設によりまして、これを階段状に設置いたしまして土砂の動きを固定するということが、まず必要になるわけでございます。
 そういったことで、大薙におきましては既に現在までに砂防ダム、床固め合わせまして四十基が完成いたしておりまして、先ほど申し上げました脚部の土砂の固定というものがおおよそ図られてきたわけでございまして、私どもでは、現在その両側の斜面の、今度は表層の土砂の移動を防止するための山腹工事にかかっておるわけでございます。
 それから、建設省の所管でございませんが、県の補助砂防事業といたしまして中禅寺湖に流入いたします観音薙、それからパンヤ薙、セッチン薙、古薙、御沢、この五つの浸食谷につきましては、補助砂防事業によりまして、土石流等による土砂災害を防止するための対策を実施しておるところでございます。
#19
○上野雄文君 私は、子供のころから男体山を宇都宮からずっと見て育ったんですけれども、確かにもう階段状に横線が入って、宇都宮から冬でもそれがよく見えるんですね。随分男っぷりが悪くなってきました。男体の後ろ側に女峰というのがあるんですが、女峰のためにもやっぱり男体の方男っぷりよくなくちゃ、まあ世界の観光地とこう言っているわけですからね。しかも、水があって山があってというバランスのとれたこんないいところはないだろうと思っているわけですよ。
 きのうもいろいろお尋ねしたんですけれども、最初に建設省の方の大薙の対策、あれ、いろは坂下りながら見てくると、大変な工事だというのは、これはだれが見ても一日でわかりますよね。ただ問題は、こういうふうに新聞で書かれて危険だと、こう言われると一体いつごろまでにめどをつけて、皆さん心配ありませんよというような状態になるのかというのをお聞かせいただきたいな、こう思うんですけれども。
#20
○説明員(友松靖夫君) 先ほど申し上げましたように大薙におきましては、いわゆる斜面脚部の土砂の安定といいますか、固定に対しましては四十基の砂防ダムもしくは床固めといったような施設で、おおよそ概成をしておるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、私ども建設省で担当しております区域につきましては、現在は、その両側の山腹斜面の安定を図るための山腹工事を実施しておるところでございます。この対象面積は約二十五ヘクタールあるわけでございますが、何分地質が非常に脆弱であるということ、それから地形が非常に急峻であるというふうなことで、工事は極めて困難な面が正直言ってございますが、極力早急に斜面を安定させまして、緑の斜面に戻し景観上も良好な景観に復元させたいというふうなことで、今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#21
○上野雄文君 それではやっぱり満足しないんですよ、何か極力とか一生懸命やりますという話だけでは。大体年間このぐらい実は仕事を進めていくことができる、別に私は土建屋の代表でも何でもないですよ。下流に住んでいる日光や今市の人たちが、安心して住める条件をつくり上げていかなければならないわけですから。あの日光の場合、課長御存じだと思うんですけれども、合併当時は三万を超えていました。ところが最近は二万一千ちょっとですからね。北海道や九州で炭鉱街であって、昔市であったのが現在九千名ぐらいの人口になっちゃった市などがありますが、それはエネルギーの関係で石炭との、専らそれとのつながりでだあっと人口が減ったというケースはありますけれども、日光の場合は観光地でありながら、あそこにある大きな工場が合理化が進んできて人手を減らしてきているという、そういう事象はありますけれども、二万人近くまで落ち込んだというのは、県全体では人口はふえているんですからね。安心して住める条件というものを整えてやることが一番肝心な仕事だと思っているんです。今までも建設省の皆さん方に大変な骨折りをかけていることは、私ども十分承知しているつもりですけれども、それでも一体いつごろまでにそれなりのものができ上がるんですか。こういう危険な状態にあるんだという、そういう新聞報道が片っ方であるわけですからね。そんなことはないんですというのであればその向きお答えいただきながら、私が市民の皆さんに説明できるような材料というものをお話ししていただきたいと思うんですよ。
#22
○説明員(友松靖夫君) 大薙につきましては、先ほど申し上げましたように山腹工事が主体になってきておりまして、これが予算なりあるいは今後の気象条件等で崩壊地が拡大するといったようなことも予想はされるわけでございますが、一応現在のペースでいけば、大体十五年ぐらいの間には何とか概成の格好に持っていけるのではないか、そのようなことで努力をしてまいっておるところでございます。
 それから、大薙の下流が大谷川という川になるわけでございまして、これには従来から非常に大量の土砂が流下しておってたまっておるわけでございますが、この大谷川につきましては、私どもの担当区域の中では最も重点箇所といたしまして、従来より予算的にも年間約十五億程度の予算を投入いたしまして、流下した土砂をそこに固定し、それから大雨が降りましても水がはんらんしないような、いわゆる流路工といったようなものを現在は実施しておるわけでございまして、そういう意味でいきますと、従前に比べますと大谷川の河道につきましては、非常に安定した状態になってきておるというふうに、私どもは認識をしておるところでございます。
#23
○上野雄文君 それともう一つ、さっき課長ちょっと景観のことも気にしながらお答えになっておられましたけれども、ここに、こういうふうに書いてあるんですね、「火山活動を終えた男体山は、いまが一番崩れやすい幼年期」である、これでは同じなんですね。それで、「崩壊を食い止められるとは思えない。むしろ、下部の岩盤の固いところに、大えん堤をこしらえるほうが、効き目がありはしないか。」という提起をしている方がいらっしゃるんですね。このことに関してはどういうふうにお考えですか。
#24
○説明員(友松靖夫君) 砂防工事のやり方につきましては、いろんな工法があるわけでございます。今先生御指摘のように大きなダムをつくって、そこで上流からの土砂を食いとめるということも当然ございます。先ほども申し上げましたように、この流域につきましては昭和二十五年から直轄で工事を始めたわけでございますが、二十五年から二十七年にかけましてこの大薙の一番すその部分、大谷川の入り口に近いところでございますが、そこで高さ三十メーターの砂防ダムが既に設置されております。なお、その後も高さ十九メーターのダムを追加して建設をいたしておりまして、そういう意味では、まず当初は上流の直接的な工事を行う前に、大量に出てくる土砂をこういった大きなダムでとめまして、下流への災害を防ぐという考え方から施工をしておるわけでござ
いますが、ただ、この流域は非常に上流の山地の荒廃が甚だしいわけでございますので、これだけでは抜本的なあるいは恒久的な対策としては不十分でございまして、先ほど来申し上げておりますような、大薙の直接的な工事がぜひ必要であるということで、こういった大規模な砂防ダムとあわせまして、大薙の直接工事を実施してきたわけでございまして、現在までにそういった工事の効果が出てまいりまして、ようやく斜面の対策に取りかかれるというような状態になったわけでございます。
#25
○上野雄文君 そうすると、お話で期間的には十五年、年間十五億ぐらいずつぶっ込んできちっとやっていきますと安心できる状態ができ上がります、こういう話でいいんですな。まあひとつ一生懸命頑張っていただきたい、こう思うんです。
 さて、今度は林野の方になると思うんですが、さっき課長のお話で、三段階でやっていくからこうしていかなきゃならないんだというお話で、それもそれなりにわかりますが、これはそうすると、緑になるのは何年ぐらいできれいになりますよという見通しをお持ちですか。
#26
○説明員(船渡清人君) 現地の状況、気象状況その他によりまして随分差があるわけでございますが、先ほど申し上げました三十五年から私どもこの直轄治山事業としてやっておるわけでございますけれども、直轄事業として開始した直後に施行いたしました崩壊地につきましては、既に林地に復元いたしまして非常に安定した状態になっているというような箇所も見られるわけでございます。最初のところは、既にもう二十年以上たっているわけでございますが、先ほど申し上げましたように緑化といたしましては、草木類をまずやりまして、その後樹木の植栽をして、最終的には森林の状態にするというのが、私どもの究極の目的でございます。したがいまして、なかなか森林状態ということになりますと、これは数十年かかる話でございますけれども、今申し上げましたように直轄開始直後の部分につきましては、まあほぼ林地に復元して安定しているんじゃなかろうかというふうな状況もございますので、そこが一つのめどであろうかというような感じもいたしております。
#27
○上野雄文君 こういう状態になったのは、これ新聞記事ですよ、新聞記事ですが、「昭和三十年から四十年にかけて、当時、高値がついたカラマツを植林しようと、天然の国有林を切りまくったせいだ」、こう書いてあるんですが、この点はどうですか。
#28
○説明員(船渡清人君) 私どもが、今やっております直轄治山事業、これは営林局が事業としては実施しておるわけでございますが、対象地は実は民有林でございます。近在のところに国有林もあるわけではございますが、やはり同じような状況でございまして、とても伐採をして施業するというような状況ではないというふうに聞いております。少なくとも民有林の直轄治山事業をやっているところにつきましては、そういうふうなケースはなかったものというふうに聞いております。
#29
○上野雄文君 それから、特に男体山については北面のことについても、実はここで触れられているんですね。「男体山北面の新しい薙も伐採が引き金になっている。天然林は残り少ない。もう切るのはやめよう、と、みんながいうべきだ」、こういう強い訴えがあるという話ですけれども、この辺はどう見ておられるんですか。実は、私は一回しか裏側は見てないんですよ。かつてあそこに裏男体有料道路というのをつくって金もうけをたくらんだ人がいるものですから、ひとつ裏の方からも見てみようというのでずっと見て回ったんですが、私のそのときの印象ではかなり荒れている。ふだんは全然目につかないところですから、大部分の人は気がつかないだろうと思うんです。ただし私が見て回ったのも、大雪山の林道工事で騒がれていたその直後ぐらいですから、もう十年ぐらいたっておりますので、最近の状況を見て私も的確な物の言い方をすることはできないんですけれども、こういうふうに書かれているとすれば、現状をどういうふうな把握をされておられるのか。
 私が見て回った当時は裏側が崩れて、ぐるっと回りまして戦場ヶ原のちょっと奥の方に物すごい土砂がたまっておりましたし、あそこにあった沼も完全に埋まってしまったということなんですね。それは事実だと思うんですが、天然林との関係でこういうことが言われているとすれば、これはまた大変なことだと思わざるを得ないんですけれども、どんなふうに把握をされておられるのか、それも教えてもらいたい、こう思うんですが。
#30
○説明員(船渡清人君) 北面の関係でございますが、私もつまびらかに現地を知っているわけではございませんので、報告によってのお話でございますが、北面は実は二荒山神社というのが上にあるようでございますが、その神社の社寺有林というふうに聞いております。これにつきましてもかつて伐採したことがあるようではございます。それも中腹以下の緩斜面地、傾斜の緩やかなところで行われたようでございまして、それも昭和四十年代には終わっている。最近は伐採はされていない下の方も、そういうふうに聞いておるわけでございます。
 したがいまして、先ほど来お話し申し上げましたように、男体山自体非常に地質的にも脆弱で崩れやすいというような地質なわけでございまして、やはり北面の崩壊地も、そういうふうな天然現象によるものであるというふうに、今考えるわけでございます。
#31
○上野雄文君 話を今度は表の方に回して、表の方はあと何年ぐらいで全体の工事を終わりますか。
#32
○説明員(船渡清人君) 私どもといたしましても、できるだけ早く終わらせたいというふうには考えるわけでございますが、何せああいう急斜面地でございますし、かつまた冬期間の作業が制約されるとかいろいろございまして、年間の仕事量もそれほど大きくふやすわけにはいかないというような制約等もございます。
 現在、今年度は三億三千万ほどの実は工事費でやっておるわけでございます。先ほど申し上げましたように全体計画からいたしますと、数字だけから考えますとあと十年ぐらいで終わるような計算にはなるわけでございますが、何せ自然が相手でございますし、全体計画自体が果たしてこのままの数字でいいのかどうかという、そういう点もあろうかと思います。いずれある程度工事が概成した時点でまた見直しをし、さらにまた安全を期していくというふうなことも考えなければならぬのじゃないかというふうに思うわけでございまして、確たる実は終了時期というものについてはちょっと申し上げることは非常に難しいのじゃないか、このように考えるわけでございますが、今の状況としてはそういうふうなことになっております。
#33
○上野雄文君 先ほど申し上げたような日光の現況で、あそこに住んでいる人たちの問題もありますし、それからどうこう言ってみても山あり本あり、観光で生きていく人たちがあそこに住みついているわけでありますから、ひとつ安心して住むことができるようにぜひ皆さん方の御努力をお願いしたいと思うのであります。
 これは私は、もう少し研究してから後でまた皆さん方にお尋ねをしていかなきゃいけないなと、こう思っていますが、たくさんこんなに別荘地の問題なんかでも資料を送ってよこしているんですよ。こういうことも観光地の中での、しかも国立公園地内での問題だということで、これはきょうのお尋ねすることとは直接的には結びつきませんけれども、林野の方も国鉄に次ぐ赤字で大変合理化が進められていますから、いろいろ苦労の多いところだということは承知しているつもりです。しかし、これらのいろんな工事の進め方なんかについては、ぜひ気を使った進め方をしてもらいたいなということもつけ加えて私の質問を終わりたいと思うんです。
 どうも急な連絡で、あとまた折に触れていろいろ教えてもらうことにいたしますから、どうぞひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。
#34
○浦田勝君 私、果樹災害についてお尋ねをいたしたいと思うわけであります。
 昨年の暮れ、マイナス三十度の寒気団が西日本を襲ったわけでありまして、特に果樹の中晩かんの生産地帯であります熊本県におきましての被害というのは、極めて甚大なものがありまして、特に今回の被害の特徴といたしまして全く水分がなくなってしまうという、言うなればぱさぱさのミカンだということでございます。外皮はひとつも変わりませんけれども、これを貯蔵いたしておりますとす上がりをしてしまうというようなことであります。これもマイナス四度ということで十時間以上停滞をしたというようなことからいたしまして、そのような事態を惹起したわけであります。
 特に熊本県に限りますと、私のところは台風、それに豪雪あるいは長雨による土砂崩れ、崩壊と、こういうことが常襲的に起こっておるわけでありまして、国の方でもその都度適切なる御処置をしていただきまして、生産者も非常に生産意欲に燃えてやってきたわけでありますが、今回の災害の特徴としてそういう変な果実になってしまったということと、いわゆる生産者が果樹一本でやっておるというところが非常に被害がひどかったということでありまして、まさにこれは生活にかかわる問題であります。この問題につきまして非常に私どもとしましても、適切なそれなりの処置をしておるわけでありますが、現在のところ、四月十六日現在で被害率が七二%、被害額にいたしまして八十七億六千万ということでございます。これを大臣のところに持っていってください。
 昨年の台風十三号が起きまして、長雨による影響が出まして、アマナツ初め中晩かん類の着色が非常におくれたということで、この七日か十日のおくれが非常に生死を決めたと言っても過言ではないわけであります。今申しましたたった一日のこの十時間にわたる寒冷の低温というようなことで、このようなことになったわけであります。今まではハッサクとかポンカン類は余り被害はなかったわけでありますが、ポンカン類にいたしましても九二%、ハッサクが七九%、ネーブルが七三%。全くこれは生果として売れませんので、ジュースの原料に回していくということになったわけでありますが、この主力のアマナツだけでも六十一億円を突破しておるわけであります。このような状況下で三月の十日、西日本各県の被害の状況というものを県の方で聞き取り調査をいたしたわけでありますが、被害量が十一万一千トン、被害額にしまして百二十三億に達しておると聞き及んでおるわけであります。
 そのようなことで、これにつきましては応急対策等々、いろいろな救済対策を考えてきたわけでありますが、この被害の実情について、まずもってひとつお尋ねをした上でさらにお尋ねをしたいと思います。そういう西日本の各地域の被害の状況というのは把握されておると思いますが、その点どのような数字が出ておるのか、お示しいただきたいと思います。
#35
○政府委員(吉國隆君) 専門的なことになると果樹花き課長がお答え申し上げることもあろうかと思いますが、まず私から総括的な被害の状況につきまして、お尋ねのあった点をお答えを申し上げたいと思います。
 先生からお話しございましたように、昨年の十二月中旬からことしの一月中旬にかけまして、西日本を中心にいたしまして、数回の寒波の襲来があったわけでございます。そのうちで、主たる被害をもたらしました寒波は、昨年の十二月十六日から十八日にかけてのものであったというふうに見ておりまして、例えばこの間に熊本県の三角町におきましては、十二月十七日から十八日にかけてでございますが、先生からお話しございましたように、最低気温がマイナス四・二度摂氏、また、危険温度と言われております三度摂氏以下の低温が十一時間も継続をしたというような状況になっておったわけでございます。こういった低温の影響によりまして、収穫後貯蔵中の果実に苦みが生じたり、あるいはお話しございましたように果汁が乏しくなって内部に空間ができる、いわゆるす上がり現象、先生からお持ちをいただいたのもそのサンプルであろうというふうに拝見をいたしましたが、す上がり現象が生じるといったようなことで、相当の被害が発生しているという状況になっております。
 被害の状況につきましては、現在も出荷が続いております関係上、最終的な数値の取りまとめということはまだ行える段階に至っておらないわけでございますが、現段階と申しますか、おおむね三月末の状況で県によって多少の差はございますが、各県から御報告をいただいておるところによりますと、七県で合計百六十億円程度の被害になるのではないかという報告をちょうだいしているところでございます。
#36
○浦田勝君 今、新しいのを配ってもらいましたが、これは食べられる方です。どうぞお持ち帰りいただいて結構でございます。
 なぜ私が、全体的な被害額をお尋ねしたかと申しますと、やはり生産農家というのが皆さん天災融資法の発動をしてほしいという要望が非常に強かったわけです。いつの災害のときも天災融資法と、こうおっしゃるわけです。そういうことでございますが、我々としましても基準というものがあるわけでございますから、そういうものから勘案してなかなかこれは難しいよということはもう常々言ってきたわけでありますが、今回の場合は非常に直撃的に、しかもそういう例年の被害等々を受けながら、できるだけ自前でやっていきたいというようなことで、生産農家の皆さん方も自助努力をしてきたわけなんです。
 特にこの芦北、三角といいますと、これは銘柄を大事にするところだし、これは武政課長も現場にお見えになって農協の役員の幹部、指導員たちが異口同音に申しますことは、まことにこういう災害を惹起しまして申しわけございませんでしたと言うんですね。この言葉は非常に重みがあると思います。これは、生産者がまさにプロ意識に徹しておるわけです。プロとしてこんな不始末をしてどうするのだという自己をたしなめると同時に、これは精いっぱいの皆さん方に対してのお願いであったと思うわけであります。
 生産地域におきましては、早速銘柄に対する信用の保持ということからいたしまして、つぶさに被害の実情というのを市場の皆さん方に御説明を申し上げてきた。それで、生果も厳選に厳選を重ねて不適格なものは送らない、こういうようなことで市場に対しての対応策を一番にやってきたわけです。
 それとまたもう一つは、団体の方におきましても、果実連では救済というようなことからいたしまして、搾汁可能被害果の全量買い上げを決めました。これはキロ当たりの三十円。当初二十円を二十四円に、果実運が二円、農協が二円、農家が二円、こういう上積みで決めたわけであります。また、そういうことと同時に義援金、救援金と申しますか、これも二千七百万円余のお金を単協の職員まで含めまして、そしてこれを支給するというようなこと等も決めたわけであります。そういうことでございますが、このように困ったのは推定被害量が三万九千七百六十トン、うち搾汁原料の見込みが一万五千七百七十トンであったわけでありますが、だんだん日を追うに従いましてこれが増大いたしまして、数回の見直しをやったわけでありますが、最終見込みとして被害量が七万七千九百九十三トン、うち搾汁原料が四万五千二百二十九トンということになったわけであります。
 先ほど申しましたようにそういうことでございますものですから、この被害についての予想以上の負担というものが出てまいりまして、お手元に差し上げてありますこのす上がりミカンを、昼夜兼行で今やっておるわけでありますが、写真等もごらんになってわかりますけれども、捨て場もないぐらいふえてまいりまして、武政課長がお見えになったころもトラックがずっと待機をしておると、徹夜でやる。市役所の方は市役所の方で苦情が出てくるし、それから大量に流すものですから
水の汚濁というようなこともございまして、これに対しましての指摘を受けるというようなことにもなっておるわけであります。生産者の方々は一日でも物にならぬ前に早く持っていけということでありますから、鹿児島、熊本からの量というのが大変な量になっているわけであります。
 そこで、この前三角農協と芦北農協は各農家に聞き取り調査をしたわけであります。実は、その前に県の方で一応大ざっぱには資金の借り入れ、自創資金等につきましての申し入れというものを一応ざっと取ったわけでありますが、二十二億という数字が出ておりますけれども、これは突き詰めてまたもう一回精査してやるというようなことで、今各単協を通じてやっておるわけであります。
 今出てきておりますが、ちょっと書き抜きの中の資料でございますけれども、A、B、C、D、Eという人たちをそれぞれ聞き出して尋ねたわけであります。大体、今申し込みの三角町農協では三百十一件で四億四千八百七十七万円の申し込みがあるわけであります。
 その中のAさんというのが四ヘクタール、温州ミカンを二ヘクタール、アマナツを二ヘクタールやっておるわけでありますが、農家経営収入が年間一千百二十万でございまして、
   〔委員長退席、理事上野雄文君着席〕
被害の金額が四百三十八万二千円、被害に対する借入希望が四百三十万であります。自作農維持資金の今回の借入希望が百五十万で限度でありますが、既にこの方は百五十万の中で借り入れが九十七万六千円借りておるわけであります。そうなりますと、可能金額が五十二万四千円でございますから、借り入れの不能額と申しますか、三百七十七万六千円ということになるわけであります。Bさんというのも、これも聞きますと水田が二十三アール、温州ミカンが七十アール、雑かんが二百アールでありまして、農家の経営収入が八百二十万、被害額が五百万でありましてやはり希望が五百万と、こういうことでありますから、結局三百五十万の借入不能額があるということになるわけであります。それからまた、Cさんの場合は水田が八十アール、温州が百アール、雑かんが二百アールでございまして、農家の経営収入が九百九十万、災害の額が四百十四万円であります。今回の希望額が四百万。この人は、自創資金を借りておりませんので百五十万ということになるわけでありますが、残り二百五十万が足らないというふうなことになるわけであります。Dさんの場合は、水田が二十五アール、温州が百二十アール、雑かんが百五十アールでありまして、これも年収八百万であります。それに被害額が三百十七万ございまして、この人が百五十万ということになるわけであります。
 あとは似たり寄ったりの数字でありますけれども、芦北の場合は、これはもう全戸いわゆる果樹一本で生きておる方々ばかりでありまして、こういう方々の中でも借り入れが全部平均して大体五百万から三百万を希望しておられるわけでありまして、被害額は大体七百五十万、あと六百七十五万、大体平均して六百五、六十万であります。
   〔理事上野雄文君退席、委員長着席〕
ですから、こういう方の中には既に三十万借りたりあるいは二十八万借りた人もございまして、そういう面からしますと、自創資金の枠内だけではどうにもならない。特に、自創資金に対する依存度というのは非常に高いわけでありますが、入学のシーズンでもありますし、あるいはいろんな生産資材等の支払い等々もありますから、そういうものにつきましては非常に使いやすい金でありますけれども、残念ながらそのようなことでお金の額というものが、限度というのが決まっておるわけであります。決まっておりますから、どうしても天災の融資の方というようなこと、あるいは別途そういうものがないものかというようなことなんでございます。
 そういう生産者の心情に思いをいたしますときに何とかできないものかなと。基準制度は難しいことはわかりますけれども、できれば町村あたりでも非常に協力やっておるわけですが、例年のことでありまして、さらにまた、今度の災害を契機として、町村としては全戸災害の加入というようなことも、そのためには助成金も出しながらやろうと、補助金出してやる。こういうふうなことでございますが、そういう雪害、豪雪とか台風とかこういうものの連続でありまして、行政の方も財源的には非常に窮屈になっておりますから力にも限りがある。そういうこともありまして、わかっておるんですけれども、町村長さんあたりからも天災融資法の適用をしていただけないか、これはひとつ弾力的に考えてくれ、こういうような要望があるわけであります。
 今度陳情書につきましては、天災融資の発動ということは一言も書いてない。この前までは天災融資だ天災融資だといってやったけれども、陳情には、表現を変えて陳情書をつくってあるわけでありまして、「低利資金等の融通措置について」ということで見出しを変えてあるのですが、これは天災融資の方を適用してほしいという要望であるということであります。この点についてお考えをひとつお聞かせ願いたいと思います。
#37
○政府委員(吉國隆君) ただいま浦田先生から、現地の実情について具体的な状況を踏まえての切々たるお話があったわけでございます。私どもも関係者の方々が非常な御苦労をなさって、出荷の問題にいたしましても、あるいは果汁の搾汁処理にいたしましても、また相互扶助の面におきましても、大変な御苦労なさっておられるという実情を承知いたしておるつもりでございますし、また、県当局を初めとして、関係の機関の方々が対策という面で非常に苦心をしておられるというふうに承っておるところでございます。
 また、特にお話のございました融資の問題につきまして、天災融資法が何とかならぬものかというようなお尋ねや御要請も、私どももしばしば耳にして検討はしてまいったつもりであるわけでございますが、天災融資法の性格が先生よく御承知のように、営農資金が非常に不足をする事態に対して手を打つという性格のものでございます。また非常に深い被害、特に農業収入の減少の程度が深くなると、その作物に非常に特化していたような人で、ほかに所得源がないというようなために非常に所得に対する収入の低下度合いが高い。そういう意味で深い被害の方々が密集しておって、それがしかも、全国に広がっているというような場合で、営農資金が不足することに対して国が手当てをしょうというものでございまして、いわば地域単位の対応でできない場合に、国の天災資金の発動をするというような考え方になっておるわけでございます。
 そういう考え方に照らしまして検討していく必要があるわけでございますが、私どもが、現在までのところ把握しております被害の状況なり、あるいは資金需要の動向という点からいたしますと、率直に申し上げまして天災融資法の発動につきましては、非常に困難が大きいというふうに見ておるわけでございます。
 一方で、自作農資金についても先生の方から御言及があったわけでございますが、自作農資金につきましては、その被害によりまして経営の存続なり、あるいは生計に支障を及ぼすというような事態を救済するという観点からでき上がっておる金融制度でございまして、お話がございましたように限度額の制限等がございますけれども、私どもとしては、この資金によりまして、被害農家の窮状に対しましてこたえていくということに向けまして、現在資金需要の調査等を急いでいるという状況になっておりますので、今後とも、県御当局ともよく御協議を申し上げながら、そういった面でできる限りの努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#38
○浦田勝君 天災融資につきましては、これは見出しの表題を変えたのも二通りあると思うわけです。なかなか難しいだろうということが一つありますと同時に、一つはやはり、おっしゃるように全国的にまたがってきておるというようなことで、これを非常に大きくすればかえって後に続く
果樹に対する影響が価格問題その他で出るというようなことも考えたのじゃないかな、私はそういうふうに考えたんですけれども、いずれにしましても、百五十万じゃ先ほど数字でお示ししたようになかなかどうにもならぬというところがあるわけです。まあ財布の底をたたけばまだあるじゃないかということになればそれまでですけれども、本当に実際、これ専業でやっておる方々は非常に研究もし勉強もし、先ほど申し上げましたようにやはり生産者としてのコスト意識やプロ意識、そしてまた、本当に研究というようなものを重ねながらやってきたわけでありまして、これが出稼ぎにも行けないような環境の中でずっとやってきたわけですから、何とかひとつそこらあたりをもうちょっと弾力的に別途枠で考えていただけないものかなというふうにも思うわけです。
 自創資金の場合、まあ百五十万までですが、既に三十万とか五十万借りた人は、あと七十万とかあるいは百万とかということにもなろうかと思いますけれども、まあそれではどうにもこうにもならぬというわけですから、この自創資金につきましても枠を広げていただくことは当然でありますけれども、もっとこれに対しての繰り延べ、そしてさらにまた残りを貸していただく、あるいはもっと弾力的に考えてさらに貸していただく、貸し付けをいただく、そういうようなことにならないものかなというふうにも思うわけでありますが、その点いかがでしょうか。
#39
○政府委員(吉國隆君) 自創資金につきまして、過去の災害で既に借入残があるという場合に、追加で借りられるものが制約を受けるという関係になっていることは先生のただいまお話しになったとおりでございます。この枠について特別の手当てができないかということでございますが、過去の例からいたしまして、やはり全国的に被害が及んで天災融資法が発動されるような非常に激甚な災害につきまして、特例を講じたという先例があるわけでございますけれども、この点につきましても、やはりこの枠の拡大ということにつきましては、自作農資金の性格という点から見ましても、なかなか難しいんではないかというふうに思っております。
 ただ、先ほど先生もお話しございましたように、今県の方でとりあえずの調査をなさったということは私どもも承知をいたしておりますが、資金種類を明示しないでの御調査であったということで、どういった性格の資金がその必要額にあらわれておったかということについては、県の方でも十分な把握ができるような調査になっておらないというふうに伺っておりまして、その点を改めて調査をいただいておるところでございますので、その資金需要の調査に基づきまして、私どもといたしましては一定の制約はございますが、できる限りの対応をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#40
○浦田勝君 どうぞひとついい方向にやっていただきたいということしか言えないわけですがね。これは酪農、畜産とかにはそういう政府支持価格というものがありますけれども、果樹の場合は、そういうふうなことで市場価格というようなことでくるわけですから、おのずから畜産と対比することはいかがなものかと思いますけれども、やはりそれなりにこういうときこそ、やっぱり温かい御配慮というのが私は果樹生産農家にとって欲しいというふうにも思うわけです。
 本当にみずからが必死になって歯を食いしばって、言いたいことを言わずにお願いをするというあの人たちの真摯な姿を見ますときに、何とかしてあげなきゃならぬ。これは武政課長見られてよくわかったと思います。本当に研究熱心、旺盛で何も声荒げて自創資金、天災融資法発動しろとかなんとかということは一口も出ませんでした。私も県内くまなくどこでも回るわけですけれども、場所によってはえらいがみがみ気合い入れて言いますけれども、そのぐらいに、実際は本当に借りなかったというところもあるわけでありまして、そういうところのことはもうよくわかっておるわけですが、ここの場合は非常にそういうようなことでございますから、県の方に対しましても、県独自で一応そういう考えを見てみろというようなことを言っておるわけであります。
 一応先ほど言われましたようなことで、県の方としてももっと詳しく精査した上でそれに対応していこう。既に広島においてはやっておるわけでありますが、熊本県の場合もそういうふうにしよう、実は豪雪、雪害のときはもういち早く県の方が利子補給しますというようなこと等もありまして、団体、農協、町村とかで末端金利が三分になるようにやったわけでありますが、今回もそういうことで県の方としてまずやろう。地元でもやる意欲はございますから、ひとつその点は自創資金につきましては枠を広げていただくと同時に、弾力的な取り扱いによって貸していただく、あるいはまた災害などの非常にひどい方については、繰り延べ償還等々の措置をひとつしていただくというようなことを特にお願いを申し上げたいと思うわけです。
 それから、もう時間がありませんから、なんですが、先ほど申しました果汁の買い上げの派生で問題点が出てきたわけでありますが、先ほどからどんどんふえてまいって、実際に被害果汁のかすがこれが非常に増大しましてどうにもならない。それから、計画を上回る搾汁でございましたから果汁の出荷の調整保管による経費、いわゆる金利、倉敷等が出てまいりまして、予想以上のこれがまた負担になっておるわけであります。それから単価のアップによる経費の増、被害果が先ほど見せましたようなことでございまして、搾汁率が非常に下がるわけであります。ですから、そういうようなことで問題点が出てきたわけでありますが、総額にして九億五千八百九万七千円、こういう被害の果汁のコスト増が出てきておるわけであります。
 詳しいことはもう抜いて申し上げませんが、そういうことでございまして、私どもの方にいろいろ皆さん方のお願いがあるわけでありますが、これについては何とかひとつ国の方でお取り上げいただいて温かい御配慮を賜らんかな、これ以上の出費に対する負担行為というものについて非常に状態が苦しくなった、この出荷調整にかかわる経費の助成、これを何とかひとつお考えをいただきたいというふうに声は大にしては申し上げません。先ほどから非常におしとやかにお願いしているわけでありますけれども、その点につきまして簡単で結構ですから、ひとつ御回答願いたい。
#41
○政府委員(吉國隆君) 被害を受けた果実につきましての果汁処理につきまして、県の果実連を初めといたしまして関係の方々がこれの処理に非常に御苦労なさり、また多大の経費を費やしておられるという実情を私どもも承っております。先生のお尋ねの御趣旨は、これについて国として何か温かい手伝いができないかという御趣旨であるというふうに承ったわけでございますが、既存の制度の中で一般論としてそういったものに対する手当てというものは現在のところ用意されていないという実情でございますけれども、なおただいまのお話も承り、また地元の対応等もよく受けとめながら研究をしてみたいというふうに考えておるところでございます。
#42
○浦田勝君 本当に皆さん方御理解があると思います。実は先般井上先生も芦北の現地を御視察いただいておるわけでありまして、先生もよくその節お聞きになったそうでありますが、予想以上にひどかったということでありますが、特に高接ぎ更新をしたこういう果樹の樹勢が非常に弱ってきた。それから、葉がチョコレート色とかそういう非常に葉が弱ってきたというようなこと等もありまして、これから先がまた被害等が思いやられるわけでありますが、この点につきまして一生懸命現地の方では樹勢の回復をできるように努力をしておるわけであります。いずれにしましても、本当に今日まで長い間例のマル田印というような形でアマナツのブランド銘柄を誇りながら、生産に誇りを持ってきた生産農家ばかりでございます。どうかそういうことで、実情は私が言わずにもう既にみんな御承知でございますが、きょうはひと
つここでさらに改めてお願いをしておかぬとこれはいかぬのじゃないかと思ってきょうは質問をしたわけであります。
 今そこにありますが、さわってもらうとわかります。重いのと小さいのと軽いのとあるわけでありますが、きょうはその重いのは食べていいわけですが、どうぞお持ち帰りいただきまして、いかにマル田印というものが銘柄を大事にしながら商品を厳選して、やはり市場に対して信頼を損なわないようにやっておるかということは、このミカンの中に魂が入っておりますから、後でゆっくり御賞味いただきますようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#43
○服部信吾君 先ほど同僚議員からもお話がありましたけれども、先般起きました伊豆の峰温泉における火災について若干お伺いしたいと思います。
 多数の犠牲者の方が出まして、亡くなられた方に対しまして御冥福を祈るものでございますけれども、最近温泉ブームというんですかね、大変テレビとかマスコミでも温泉ブームということでいろいろと報道をされておるわけでありまして、ゴールデンウイークを非常に楽しみにしておった人もいろいろあると思います。また、この温泉ブームが起こることによって内需拡大にもつながるんじゃないか、こういうふうに思うわけですけれども、今回のこういうような事件に対して、やっぱり非常に水を差しているんじゃないかという気がするわけです。
 今まで、五十五年に川治プリンスホテル、これは四十五人の方、それから五十七年のホテル・ニュージャパンでは三十三人、五十八年の蔵王では十一人、あるいは熱川、そして今回、とにかくこういうホテル、旅館の火事が起きますと必ずこういう多数の犠牲者が出るわけであります。国民から見ますとまたかというような気もするわけでありますけれども、特に今回の場合は、二月に熱川で不幸な事件が起きておる、全く同じことの繰り返しじゃないかという国民からの批判もあると思いますけれども、この点についてはどのようにお考えですか。
#44
○説明員(長谷川寿夫君) ただいま先生御指摘のとおり、残念ながら繰り返し繰り返しホテル、旅館などの火災が過去を振り返ってみますと発生しております。私どもといたしましては、その都度二度と再びということで、関係者に対しその防火安全の徹底を図る。また、必要に応じて法規上の整備もし、そして、その教訓を生かしてくるということで努力を積み重ねてきたつもりでございます。また、先般の熱川の火災後におきましても、こういう惨事をどんなにしても起こしてはならないということで、今やその対応を進めているさなかにまた起きてしまった。まことに残念に思っているところでございます。しかしながら、こういうことが起きた以上その原因を徹底的に究明いたしまして、どういう点にその問題が、なお残されているかということを明らかにいたしまして必要な対応を講じてまいりたい、このように考えております。
#45
○服部信吾君 今回の事件についてはただいま調査中と、出火原因あるいはいろいろ一一九番がおくれたとか警備員が少なかったとか、いろんな原因についてはただいま調査中ということでございますけれども、若干お伺いしたいんですけれども、このいわゆる「適」マークね、まあ国民からしますと、この「適」マークがついていれば大体こういう防災の面においては安全だと、こういうことであろうかと思うんですけれども、この菊本館というのはこの「適」マークを受けていたわけですね。
#46
○説明員(長谷川寿夫君) 今回の菊本館は「適」マークの交付を受けております。
#47
○服部信吾君 これはいつごろ受けたのか。それからこの「適」マークの基準ですか、交付の基準、これはどのようになっておりますか。
#48
○説明員(長谷川寿夫君) 菊本館の場合には、本年三月三十一日に「適」マークの再交付が行われております。それから、「適」マークの審査項目と私どもこう称しておりますが、二十四項目ほどございまして、これは大きく分けて申し上げますと消防法上要求されるもの、それから火災予防条例上要求される事項、それから建築構造に絡みます建築法令上要求される事項、こういった点について審査を行うこととなっておりますが、消防法上と申しますと、消防用設備、消火器から始まりまして自動火災報知設備であるとか消火栓であるとか、その他いろいろな避難誘導設備であるとか、こういったものが規制されております。そういったものが基準に適合しているかどうか、あるいは防火管理体制というものを、いろいろ防火管理者を置いてその体制整備を法規で義務づけておりますが、そういったものが充実されているかどうか、あるいは条例で定められています火器管理ということが徹底されているか、あるいはボイラーなどで危険物を扱っています場合には、それが基準を満足しているかというようなこと。建築基準法令に照らしますと、その主要構造部とか避難階段であるとか、そういったような点を含めまして二十四項目が審査の項目となっております。
#49
○服部信吾君 ことしの三月に再交付というんですが、これはどういうことですか。これは再び交付されたということなんですか。
#50
○説明員(長谷川寿夫君) 「適」マークは、ただいま申し上げました二十四項目について審査いたしまして、その各項目に適合していると認められる場合には「適」マークの交付をする。これは実は有効期限というものを一年としておりますので、通常は一年たつ前に再び査察を行いまして、適合している場合には再度交付するという意味で再交付と申し上げました。その際、基準に適合していないものである場合には再度交付をしない。また、その時点で、まだ前回交付されているものを掲げている場合には返戻させる、こういう手続をとることとなっております。
#51
○服部信吾君 ちょっと具体的にお伺いしますけれども、この菊本館の場合は、例えば本館、新館、別館と、こうあるわけですね。この「適」マークを出す場合には本館、新館、別館、本館は本館、新館は新館、別館は別館、それぞれこのマル通に、基準に合っているということでこれを交付しているわけですか。
#52
○説明員(長谷川寿夫君) 菊本館の場合には、建物といたしましては二棟でございまして、新館本館、これは菊本館の呼び名なんですが、新館本館と。それから東館別館、それが二棟になっております。「適」マークの交付はそれを一体にとらえまして、全体を審査いたしまして、たとえ部分的にも不適合な部分があればこれは交付しないというふうな仕組みになっております。また、現地はそのようにして審査したというふうに報告を受けております。
#53
○服部信吾君 ちょっとよくわからない。わからないというよりも、新館本館が一つで、別館東館とかなんかこれが一つということみたいですけれども、これ両方ともある面から言えばマル通に適合しておる、それぞれが適合しているんだと。例えばこのマル通マークをつける場合には何か基準によりますと三階建ての三十人以上の収容、こういうことなんですけれども、例えば別館が、こちらの方も三階建てで三十人以上収容する、そういうことですか、これ。
#54
○説明員(長谷川寿夫君) 新館本館は、鉄筋四階建て一部木造構造でございまして、それから東館別館も鉄筋四階建てで二部木造構造になっております。今回のこの建物の「適」マークは両方とも一対、一つとして、一対というより一つの対象物として審査されておる、こういうことでございます。仮に東館別館で一部欠陥があった、欠陥というか二十四項目に適合しない部分があれば、たとえ新館本館が適合していても交付できない、こういう扱いをしたというふうに報告を受けております。
#55
○服部信吾君 交付する場合、行っていろいろ調査するわけでしょうけれども、これはどなたがやられるんですか。
#56
○説明員(長谷川寿夫君) これは通常、私、今回の消防本部について正確に知識を今持っておりませんが、通常は予防係員、予防係というのを置いております。これは消防本部によりましては予防部であるとか予防課、そして予防係というような組織がありますけれども、今回の本部の場合には課がございませんので、予防係が行っているというふうに考えております。
#57
○服部信吾君 その予防係というのは何ですか、地元の予防係というんですか、地元の消防署の予防係とか。これは消防庁との関係はどういうふうになっておるんですか。
#58
○説明員(長谷川寿夫君) 済みません、大事なことを落としました。
 これは下田地区消防組合消防本部、正式にはそう言っておりまして、その消防本部の予防係でございます。
#59
○服部信吾君 先ほども言ったんですけれども、「適」マークがついていれば何となく安心ということが非常にあるわけですけれども、それで今回こういう形で「適」マークがついている、また再交付ということであったわけですね。そうすると非常にこの「適」マークの何というんですか、安全性といいますか、新聞報道によるといろいろ厳しい書き方がしているわけですね。「崩れた「適マーク=安全」」、こういうようなあれがあるわけですけれども、今後この「適」マークについてもう少し――きちっと基準でやっているんでしょうけれども、それにもかかわらず起きてくる。どこか何か、まあ改正と言ったらおかしいんですけれども、何か今後直すべきところがあるんじゃないかと思うのですけれども、どのようにお考えですか。
#60
○説明員(長谷川寿夫君) 先生御指摘のとおり「適」マークを交付していても火災が起きてしまう、そこは非常に問題じゃないかという御趣旨であろうと思います。私どもも「適」マークの交付されているようなところで火災が起きるということが続きますと、一体何のための「適」マークかということを国民の皆さんから御批判を受けるということは十分承知しております。「適」マークそのものは我々といたしましては、その二十四項目すべてが防火安全のすべてを掲げているわけではありませんけれども、重要事項の二十四項目を一応達成しているということは、一定の防火安全基準といいますか、そういう法規なりに適合しているということで情報を利用者に提供するという、その提供の仕方としてあのマークを掲示させる、こういう考えで制度を発足したわけでございます。
 ところが、あの中では、結局消防設備がちゃんとしているかとか、あるいは避難訓練をちゃんとしているか、こういうことを審査するわけでありますけれども、極端なことを申し上げますと消防査察した直後に避難通路に物を置いてしまうというようなことが絶対なしとは言えない。そういうようなことまでを考えてまいりますと、私どもとしては、やはり「適」マークを掲げる施設側の社会的責任としてその一年間というのは、消防側が二十四時間三百六十五日チェックできないから、それを維持管理しておくということがむしろ責任として当然であろう。またそれを期待し、そういう指導もしているわけでありますけれども、それが守られなかったりすれば、やはり問題が出てこようかと思います。
 今回の火災が、その「適」マークの審査項目にどう絡んでいるのかなとは今後の、火災の原因もありましょうし避難誘導がどうであったかと、いろいろな多方面からの検討が必要だと思いますが、そういう検討を経まして「適」マークに絡んでもやはり問題が出てくれば、それは必要な手当てをしなければならない、このように考えております。
#61
○服部信吾君 いずれにいたしましても、その辺よく検討していただきたいと思います。
 それから、現在全国のホテル、旅館というんですか、五十九年度末で八万四千軒。その中で「適」マークの対象となるのは約一万八千軒、こうなっておりますけれども、この一万八千軒については、もう全部この「適」マークとして大丈夫かどうかということは調査したのかどうか。それから、あとほとんど大半が規制対象外の小さなものだと、こういうことになると思うんですけれども、この際、こういうものも含めて徹底的な安全対策、そういうものもやってほしいと思うんですけれども、この点についてお伺いしたい。
#62
○説明員(長谷川寿夫君) 「適」マーク、先生おっしゃいましたように、千五百平方メートル以上の旅館、ホテルが約八万五千軒強ありますが、そのうち一万七千軒強が「適」マーク交付対象になっております。そのうち約八〇%が「適」マークの交付を受けているというのが現状でございます。今御指摘のありましたように、「適」マーク交付対象以外の対象物また大変な数があるわけでございますけれども、これに交付対象を広げることはどうかという御趣旨であろうと思います。現在、今申し上げましたように、三階建て以上三十人以上を収容する施設でも、まだ実は八〇%にとどまっている。むしろ私どもは、それは一〇〇%いくべきはずのものである、決められたことをちゃんと守っているかどうかということですから、それは一〇〇%いかなけりゃならない、こういう考えに立っております。そのほかの、言ってみれば三階建てに満たないもの、三十人に満たないものも広げていくというのは、やはり「適」マークの制度の趣旨からすれば当然広がっていくべきだし、我々としては、全国に対してそれ以下のものは対象外という指導をしておりませんで、消防本部によっても能力といいますか規模の大きなところと小さなところと非常に差があります。それだけの十分な力のあるところはその「適」マーク対象を広げていくようにという指導もしております。直ちに我々がその対象を広げていくということは、既にこれを行いましてから相当の期間を経ているにもかかわらず、まだ八〇%でとどまっているということの現状を考え、かつ毎年更新ということが出てまいりますので、非常な事務量になるということをあわせ考えますと、なかなか難しい問題がございます。
 ただ、「適」マーク対象以外の施設は防火安全対策上何ら規制がされていないかと申しますと、これは「適」マーク交付対象であるか否かにかかわらず、消防設備の規制であるとか防火管理の規制であるとか、あるいは防炎対象規制であるとか、こういったものの規制をしておりますし、なお今後、そういう規制のほかに査察による安全指導、それから、防火管理者講習による安全指導、避難訓練の立ち会いによる安全指導などを繰り返し行っているところでございますが、いずれにいたしましても、今回のような火災が起きたということは、なお一層小規模対象も含めて安全対策の充実を図っていかなければならない、このように考えております。
#63
○服部信吾君 特にホテルや旅館ですが、我々もよく行きますけれども、そうすると、本館があってここに増築したまた増築したとか、こうすれば確かに迷路みたいになっていて、どこから逃げたらいいのか非常にわからないですね、なかなかあっても。ここが地上二階でここが一階でといっても、何か地上二階だと思っていたらそこが入り口だとかね。下に、地下の方に五階ぐらいあるとか。旅館とかそういうホテルなんかの場合は、後からどんどん増築したり継ぎ足したりしているわけですよ。非常に迷路みたいになってしまっているわけですね。ですから、例えばこういうものを増築する場合に、いわゆる建築物の構造上あるいは設計、そういうことに対して何か基準とか、そういうものはあるんですか。
#64
○説明員(遠藤二三男君) 建築基準法におきましては、建築物の安全について構造、設計のあり方について諸規定が定まっておりまして、増築するに当たりましても、その当該規定がきちっと適合するようになっているわけでございます。
#65
○服部信吾君 いずれにいたしましても、この問題、これからひとつこういうことのないようによろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、ちょっと防災マップというんですか、ハザードマップというんですか、それについて若干お伺いしておきますけれども、総理府の調査によりますと、「河川と土砂害に関する世論調査」、昨年八月に行い、十一月にその結果を発表しているわけですけれども、その中から、まず住民が居住している地域の土石流あるいはがけ崩れ、地すべりなどの危険箇所を知っているかと、こういうような質問に対して知っている者は一二・九%、知らないという者が八七・一%、大体九〇%の人が知らない。こういうような調査結果が出ておるわけですけれども、国土庁としてはこれはどのようにお考えですか。
#66
○政府委員(杉岡浩君) 昨年の八月の世論調査、ただいま御指摘がございましたように、「河川と土砂害に関する世論調査」でございますが、これで、住んでいる地域について土砂災害等について危険箇所を知っているかという質問に対しまして、知っておるというのがただいま御指摘ありましたように一二・九%、残りは、実際に知らないという人と、それから、そういった危険地がないところに住んでおりまして実際にそういった地区がない、したがって知らないというのと二種類あろうかと思います。知っておるというのを分析いたしますと、過去に災害があったところ、あるいは人から聞いたとか、あるいは行政からそういった話が来ているというような分析がなされておりますけれども、約九割が知らないという事実、これは先ほど申しましたように、実際に危険箇所のないところもございますが、こういった低い、知っている、低い数字というのは非常に残念でございまして、今後国民の方々がそういった危険箇所を十分周知しておくということが大事であろうかと、こう思っております。
 現在、国あるいは地方公共団体におきましては、いろんな形におきまして住民にPRをいたしておるわけでございます。地域防災計画等によってもそれを指示するということでございますが、今後なお、住民の方々に危険箇所が周知されるというような方向で、その方の関係省庁で連絡をとりながら進めていく必要があるというふうに考えておりますし、またその方向で我々行政を進めていきたいと、こういうふうに考えております。
#67
○服部信吾君 危険箇所がないかどうか全国一律に調べて、危険箇所がないところは、これは確かにそこの人も知らないと思います。しかし、もう一つの設問に対して、じゃ、この危険箇所を知っている、そういうふうに答えた人の中からいろいろ調べてみますと、過去に災害があったから知っているというのが三五・四%、昔から知っているというのが二六・九%、実際に市町村役場、こういう行政府から聞いたというのが一四・二%ですね、これは。ですから、今御答弁もありますけれども、やはり市町村あるいは行政府の努力が少ないんじゃないか、こう思うわけですけれども、この点についてはどのようにお考えですか。
#68
○政府委員(杉岡浩君) ただいま先生御指摘がございましたように、行政の方から危険箇所を知ったというのが一四・二%でございます。その行政の方からというよりも、あるいは過去からうちの裏山は危ないとか、このがけは危ないというようなことで、そういった知識が既にございまして、それが三〇%なりあるいは四〇%といろいろとございますけれども、そういった過去からの知識とかそういうこととは関係なしに、やはり行政の方におきましても、危険箇所という以上はこれを住民に周知しておくということが大事であろうかと、こう思っております。
 そういった観点から今後土砂災害、いろいろとこれの対策といたしましてハードな整備、これが当然必要でございますけれども、なかなかそのハードな整備でもってすぐにそれに対応するというのは非常に難しい現状でございますので、やはり危険箇所を住民に周知して、危険等があればいち早く避難するというような対策が必要になってくるわけでございまして、そういった観点からもこういった土砂災害対策の非常に大きな対策の一つとして、住民にその危険箇所を周知するということを進めていきたい、こういうふうに思っております。
#69
○服部信吾君 そこで、防災マップですけれども、先般のコロンビアの火山爆発あるいはアルメロの災害、こういうのを何か防災マップというんですか、ハザードマップ、災害予想図、こういうものが全部できていたんだけれども、そのとおりにまたなったそうですけれども、たまたまこれの有効的な利用、活用ができなかったためにああいうような大災害になってしまった、こういうことであるようであります。火山国日本、災害の多い日本としては、これはやっぱり他山の石とすべきことは論をまたないと思いますけれども、そこで気象庁、建設省、農水省、林野庁、通産省、環境庁が個々に持っているデータをやはり国土庁に集約して、気象、河川、地質などのデータを総合的に判断して、危険な箇所については的確な情報を住民に提供し災害を未然に防止すべきじゃないかと、こう思うわけでありますけれども、ことし、六十一年度からその作業に入っているようでありますけれども、それはどのような構想になっておるのか、この点についてお伺いしておきます。
#70
○国務大臣(山崎平八郎君) お答えいたします。
 災害対策の総合的推進に当たりましては、おっしゃるとおりの関係する各省庁が保有している貴重な情報が、より有効に活用されることが重要であると存じます。したがいまして、国土庁といたしましては、学識経験者等から成る懇談会を設置いたしまして専門家の意見を聞くとともに、関係省庁の御協力を得ながら防災対策上有効な防災マップのあり方、その作成手法等につきまして検討することとしているほか、災害に関する各種の情報の的確な収集、分析及びデータバンクの整備のための調査検討に積極的に取り組んでまいる所存でございます。
#71
○服部信吾君 それでは、最後にお伺いいたしますけれども、例えばこの防災マップができた場合、早急につくっていただくとしましても、それを公表するかどうかという問題が非常に大きな問題になるかと思うんですね。例えば観光地とかいろいろなそういう場所において、ここが危険だとかどうとかいろいろ指定された、こうなった場合にお客さんが来なくなるとか、いろいろなあれがあろうかと思うんですね。例えば東海地震なんかでもある程度地域が指定されると。先般も静岡のあそこいろいろ視察したときに、大変すばらしいものができておった。そういうこともあろうかと思うんですけれども、この防災マップができた場合、これはやっぱりいろいろなことがあるかもしれませんけれども、これをきちっと公表すべきじゃないかと、こう思いますけれども、この点についてお伺いして質問を終わります。
#72
○政府委員(杉岡浩君) 防災に関する種々の情報につきましては、関係省庁あるいは地方公共団体等においていろんな形で、さまざまな形で公表がなされておるわけでございます。
 ただ、先生がただいま御指摘がございましたように、情報によりましては発表されると問題があるというようなものもあろうかと思うわけでございます。
 我々防災マップをこれから、六十一年度から懇談会を設けまして検討するわけでございますが、どういう形の防災マップができるかというそういった技術的な問題と、同時にでき上がった防災マップを、例えば地方公共団体あるいは住民等にいかに知らせるか、あるいはどういうようなものを知らせられるか、そんなような発表の方法等につきましてもやはり具体的に学識経験者に御検討いただきまして、これが有効な活用がなされるようにしてまいりたいというふうに考えております。
#73
○下田京子君 長官、きょうは私、火山観測体制の強化について大臣の決意を聞いてまいりたいと思うんです。特に一昨々年、五十八年の十月三日ですか、三宅島が噴火しまして、その後国土庁防災局が中心になりまして文部省、気象庁及び消防庁と四省庁連絡会議を設置されましたね。全国の活動的な火山ということで三十五火山を対象にし
て火山の防災体制のあり方について総点検をされた。そして、五十九年九月二十日、各省庁が講ずべき措置ということでもって、「当面の噴火災害対策の推進について」の申し合わせをなされたと思います。申し合わせの中には、「噴火の前兆現象の的確な把握等を図る上で観測体制の整備を一層進めることの必要性が認められ、予知計画の具体化を強力に進めることとされた。」と述べられておると思います。六十年度以降それを受けまして、特に伊豆大島、草津白根山、三宅島、蔵王、この四火山を観測資器材の充実を行う、順次体制の強化を図るということで申し合わせがありますね。
 ところが、気象庁のその後の火山観測業務の予算を見ましても、一つは、五十九年度時点で一億六千六百八十八万三千円の予算があったのが、六十一年度ではその二分の一の八千二万七千円とまあまさに半減。さらに問題なのは、三宅島についてはいまだ何らの措置が講じられていないわけなんです。もちろん、具体的な概算要求の中身ということになれば気象庁ということになるのは承知しておりますけれども、三宅の噴火後に国土庁が中心になって四省庁連絡会議をやって、そして特に四火山名指しで三宅も含めてやったのに、何の対応もされてないというのは、これは単に気象庁の問題ではなくて、やはり災害にかかわる責任ある大臣としての対応ということも、今厳しく問われてしかるべきではないかと思うんです。その点で大臣の決意といいますか、お聞かせください。
#74
○政府委員(杉岡浩君) 総点検の話でございますので、まず事務的に申し上げますが、これにつきましては、三宅島の噴火がございまして、関係四省庁集まりましてまず観測体制の整備、それから火山情報の伝達の問題、さらには情報の収集、伝達、それから避難といったような問題につきまして関係省庁で集まりまして、いろんな対策を講じたわけでございます。
 その中で、火山観測の整備につきまして、ただいま先生から御指摘のございましたような草津白根あるいは浅間、それから伊豆大島、三宅、雲仙、霧島といったような山についても今後その整備をしていくということでございます。気象庁におきましては計画的に整備を進めるということで、今すぐということじゃございませんが、今後含めまして、計画的なこういった観測施設の整備というのを、今後進めていくというふうに我々は認識いたしておるわけでございます。
#75
○下田京子君 大臣の決意をちょっと。
#76
○国務大臣(山崎平八郎君) ただいま防災局長から御説明申し上げましたけれども、四省庁、この中でやはりこの問題につきましては気象庁が知見を持っておりまして、これを中心にお互いに話し合いをいたしまして対処いたしますので、重要な部分を決して見逃すことなく、知見を、こちらが得ましたような結果を防災的に考えてまいりたいと、かように考える次第でございます。
#77
○下田京子君 少なくとも国土庁が中心になっていますから、大臣おっしゃるとおり、気象庁がまあ中心に考える分野でございますけれども、なぜにその検討が具体化されてないのかというようなことはただしていかなきゃならないと思うんです。今局長が答弁されたことはちょっと問題なんです。四省庁会議で決めたことをねじ曲げています。当面やらなきゃならないことを順次計画的にと、こうちゃんと書いているんです。それを今ね、今すぐにではないがなんて言うのはねじ曲げていますよ。それは問題だと思います。指摘しておきます。
 それで、気象庁にお尋ねしますが、今三宅島は米軍の夜間飛行訓練施設建設問題をめぐって大変村の皆さん方が心配をし、絶対にNLP基地の建設は許さないと、火山の噴火観測にとって重大な影響が出るというふうに言われております。その三宅、申し合わせに基づいて観測体制の強化ということを言われているのに、なぜいままで具体化されなかったのか、明確にお答えください。
 いいですか、三宅島というのは、第三次火山噴火予知計画の中でも、「活動的で特に重点的に観測研究を行うべき火山」ということで十二火山の一つに入っていると思うんです。これはもう五十八年の噴火以前から指摘されているんです。噴火後、そして今のようなことで対応された。ですから、三宅について検討されたのかされないのか。
#78
○説明員(鈴置哲朗君) お答え申し上げます。
 今、先生がおっしゃいましたように、三宅島の件につきましては測地学審議会、お話のとおり、「活動的で特に重点的に観測研究を行うべき火山」の一つに挙げられていることは、私どもよく承知しておるところでございます。
 観測の現状について申し上げますと……
#79
○下田京子君 いいです、現状なんて聞いてないです。そういう指摘を検討したかしないかということです。
#80
○説明員(鈴置哲朗君) 私どもといたしましては、今後の三宅島の観測体制のあり方というのは大変重要なものととらえておりまして、この測地学審議会の建議の趣旨、それから、三宅島火山活動状況等を総合的に勘案いたしまして、今後の観測体制のあり方を判断すべきではないかと考えているわけでございます。
#81
○下田京子君 五十八年に指摘されているんです。検討したかしないかと聞いているんです。今後のこと聞いているんじゃないです、今まで。
#82
○説明員(鈴置哲朗君) 三宅島に関しましては、その後十分火山活動状況等を判断して検討を進めてまいっております。
#83
○下田京子君 検討しておると思うんです。ただ、そうすると検討したがなぜそれが具体化されなかったのかということなんです。大分検討したことも言いにくかったんですけれども、検討はしているということですね。
 測地学審議会で五十八年五月に、「第三次火山噴火予知計画の推進について」ということで出して、具体的に五十九年から五カ年間で火山噴火予知計画をまとめて建議として内閣総理大臣に提案しているんですよ。国土庁長官には報告もしているんです。この建議の中には、三宅島について観測設備の強化、更新を順次図ること、またデータ処理の迅速化を図るようにということを求めているんです。ですから、今検討したとおっしゃいましたね。この指摘、この二点についての検討はあったのかなかったのか。
#84
○説明員(鈴置哲朗君) 二点について踏まえまして検討を進めてまいっております。やはり現状を踏まえた今後の観測体制のあり方というものは大変重要だと考えておりますので、測地学審議会第三次火山噴火予知計画の趣旨、三宅島の火山活動の状況というのを十分に監視しながら、総合的に勘案しながら、計画及び観測体制のあり方を判断していきたいと、そういうふうに考えます。
#85
○下田京子君 課長さんね、検討したんでしょう。ところが、それが概算要求に上がってないんですね。これはやっぱり具体化すべきです、きちっと課で上げなさいよ。
 そこで大事なことは、実は当時の災害が起きたとき、噴火が起きたときどういう状況だったかということをまとめてあるものを見ますと、三宅に測候所があってもファクシミリがないんですね。ですから、噴火を火山性の地震だと発見したのが五十八年十月三日十三時五十八分なんです。ところが、電話で口頭で気象庁の本庁火山室と東京管区気象台に報告しているのが十四時二十分なんですが、地震の波形を口頭で説明するというのは大変時間もかかるし、容易でないという御認識お持ちでしょう、どうですか。
#86
○説明員(鈴置哲朗君) お答えいたします。
 三宅島は、先生も御存じのとおりでございますが、噴火の前兆現象として地震活動が非常に短いという特徴がございます。地震が多発しましたりすることなど火山活動に異状が認められました場合には、現地官署であります三宅島測候所が速やかに臨時火山情報を発表して、火山活動の状況をお伝えするということで対応しているわけでございます。今お話にありましたファクシミリの件については、その必要性も含めまして、今後の火山監視体制整備の中で検討してまいりたいと思って
いるところでございます。
#87
○下田京子君 長官があればいいわけだけれども、要は、もう噴火のときからそういう必要性を直後から感じていたのに、今なお、何もやられてないというところにどうも何かがあるんではなかろうか。だから、国土庁長官に私はさっき質問したんです。これは国会の当委員会だけの話に終わらせないで、少なくともファクシミリ化というのはやらなければならないことだと思います。
 次に、東海地震観測との関係でも、実はこの三宅の観測というのは大変重要視すべきだというふうに私は素人ながら感じました。なぜかと言いますと、昭和五十九年八月の地震予知連絡会会報に東京大学地震研究所が、「三宅島噴火に先行した広域地震活動とその特性について」という論文を発表しているんですよ。で、この論文によりますと、関東大地震発生後三宅島の噴火は二十一年から二十二年の間隔で三回起きているんです。そしてこの三宅の噴火に先立ちまして、十四カ月から二十二カ月前にマグニチュード七クラスの地震が、茨城県沖で起きているというふうに指摘しているんです。なるほど見ますとぴったりそうなんですね。ゆえに、「三宅島噴火は関東地方およびその周辺地域の広域地震活動と密接に関連している」、こういうふうに指摘しているんです。気象庁このことをどうお受けとめになっていますか。
#88
○説明員(鈴置哲朗君) お答えいたします。
 ただいまの御質問は、この学説と申しますか、今先生おっしゃったのは、「一九八三年十月三日、三宅島噴火に先行した広域地震活動とその特性について」という論文の一部であると理解しておりますが、この説に関しましては、三宅島の火山の研究の上で一つの御意見という形で承っております。
#89
○下田京子君 つまり参考にしているということですね。参考にしているということは、聞きおくだけではなくていろいろやはり具体的に検討もすべきだというふうに私は指摘します。
 同時に、六十一年度中に地震判定会に総合的な解析資料を速やかに提供するんだと、あるいは津波の判定作業を迅速化するんだというふうなことで、地震活動等総合監視システムというものを完成するために今検討されていますね。で、問題は、今申し上げましたこの東大地震研究所では、三宅のデータをここに取り入れてやっていくべきではないかという提言をしているんです。その点での検討はいかがですか。
#90
○説明員(鈴置哲朗君) お答えいたします。
 ただいまお話がありました東海地域における地震活動等の総合監視をするシステムでございますが、このシステムは東海地域において……
#91
○下田京子君 内容はいいです、時間がないから。わかっています。
#92
○説明員(鈴置哲朗君) 先ほどお話ありましたような目的でございます。それで、私どもの見解といたしましては、想定震源域の地震活動の常時監視につきましては、三宅島のデータを取り入れなくても十分であると考えております。
#93
○下田京子君 国土庁長官に何度も申し上げますけれども、ぜひこの地震問題それから火山問題というのは、やっぱり災害担当大臣として非常に関心を持ってそして検討をすべき内容だと思うんです。今言うように、私は専門的によくわかりませんけれども、いろんな先生方がいろんな形で提案しているんですね。つまりそれだけ地震の予知、それから火山の観測にかかわっての、言ってみれば予知も含めてまだまだ未解明の部分があるわけです。それを今のような話も含めて本来は検討すべきだと思うんですね。
 一つは、東海地震との関連で三宅の観測データが大変重要であるという指摘をしています。細かくは申し上げませんが、東京大学の地震研究所の中村一明教授がやはり同じような形での問題を提起しております。それから、同じく東大の先生なんですけれども、宮崎務助手ですね、この方も、「歴史時代における三宅島噴火の特徴」という中で、この地震活動をずっと拾っていくと予知が可能になるんではないかというような提案もしているんです。ですから、それらを踏まえてよく気象庁とも、きょう気象庁長官もおりませんから、お願いしたいことは検討をいただきたいということです。
   〔委員長退席、理事上野雄文君着席〕
#94
○国務大臣(山崎平八郎君) ただいまの東海地震の問題でございますが、私が承知している範囲では、太平洋プレートが一番下に潜り込み、フィリピンプレート、それにユーラシアプレート、そのプレートのひずみがやがては大きな震源になるであろうという問題でございまして、もちろん火山と無関係とは申しません。その関係はしっかり究明することは大変必要なことだと存じます。
#95
○下田京子君 今おっしゃったフィリピンプレートとのかかわりで両先生は指摘しているんです。ですから、重大な関心を云々でなくて、やっぱり対応を具体化すべきです。
 実際に、NLP基地の建設と火山観測との影響問題で聞きたいんですけれども、噴火時にどういう状況があったかということをもう一度申し上げたいのは、十三時五十八分に火山性地震を発見され、十四時五分に地震計の感部設置点付近に地震動と紛らわしい工事のノイズ、つまり雑微動が入ったやに見えて、現場に出かけていって確認した結果、これは工事によるノイズではないということが判明したというふうに記録されているんです。つまり、工事のノイズまでが記録される、そういう非常に地震計というのは微妙なものだという理解でよろしいですね。
#96
○説明員(鈴置哲朗君) そのとおりでございます。
#97
○下田京子君 そうしますと、ジェット戦闘機による爆音とか衝撃波、着地時の地面へのショックで、そういうものが地震計にノイズという形であらわれないということは断言できないと思うんです。同時に、それが火山性地震と判別が間違いなくできるというふうにも断言できないと思うんですが、いかがですか。
   〔理事上野雄文君退席、委員長着席〕
#98
○説明員(鈴置哲朗君) その件に関しましては、私ども観測上多少データに影響が出る可能性もあるかと考えているというわけでございますが、私どもが持っております知識と経験、そういうものから判断いたしまして、適当な方策を講ずるということによって、これはかなり我々が現在行っております監視のレベルというものを維持できるというふうに考えております。
#99
○下田京子君 今言ったことは、これは長官がお述べになっていることなの。これ、私が何が問題かということを申し上げますよ。仮に飛行場が建設された場合でも適切な方策を講じれば、現在の火山監視の水準を維持することは可能だろう、こう言っているんです。
 最大の問題は何かと言ったら、今までせっかく論じてきた、測地学審議会等が言われているように、火山観測の充実強化という点に立ってないという点が一つなんです。しかも、その適切な方策とはいかなる方策なのかということで聞きましたところ、四月九日の衆議院の安保持での課長さんの答弁ですけれども、振動観測点の地下埋設あるいは多点化ということを言っていますね。
 そこで聞きますよ。確認したいのは火山用地震計の地下埋設による観測、この例はありますか、ないですか。
#100
○説明員(鈴置哲朗君) 火山用地震計と一般にいわゆる地震観測用の地震計とは、仕組みとか原理とか構造といったものはほぼ同一のものでございます。したがいまして、地震用の観測計……
#101
○下田京子君 火山用地震計の地下埋設があるかと聞いているんです。
#102
○説明員(鈴置哲朗君) 地震観測用の地震計による情報というものは、そのまま火山の地震計に適用できるわけでございまして、火山用の地震計の埋設はしておりませんが、地震観測用の地震計の埋設に関する経験、情報、実験等によってそれは確かであると我々は考えております。
#103
○下田京子君 火山用地震計の地下埋設による観測はないんでしょう。
#104
○説明員(鈴置哲朗君) 同じ地震計で実験をしておるわけでございまして、その結果はそのまま技術的に適用できるものと判断しております。
#105
○下田京子君 判断しているのはそっちの勝手ですけれども、全国にある火山用の地震計が地下埋設という事例はないんでしょう。
#106
○説明員(鈴置哲朗君) 先生お話しのとおり、現在、全国に点化しております火山用の地震計は地表に設置してございますが、その状態で監視上何ら問題のない観測資料を得ております。
#107
○下田京子君 火山用の地震計というのは、地震用の埋設にしているものとは本来的には仕組みは同じだというけれども、機能的に違うでしょう。今それを議論している間はありませんけれども、火山用地震計が地下埋設されてないというのはなぜなんですか、逆に言えば。
#108
○説明員(鈴置哲朗君) 従来設置しております火山用地震計の設置点、火山のごく火口周辺でございますが、非常にいわゆる雑微動の少ないところでございまして、全然問題はないということでございます。
#109
○下田京子君 いいですか、あなた。火山用地震計は全然地下埋設してないの。なぜ地下埋設しないんですかと言っているんです、火山用地震計。それを聞いているんです。聞いていることを一つもあなたお答えにならないで、本当に時間がないからあれなんだけれども、今言うように火山用地震計を地下埋設すれば現在の火山監視の水準を維持できるか否かというのは現在はわからないと、違いますか。断定できますか。
#110
○委員長(志苫裕君) ちょっと委員長が聞いていても、余り質問と答弁がかみ合っていませんがね。聞いていることに答えなさいよ。
#111
○説明員(鈴置哲朗君) 埋設した経験があるかという御質問がというふうに私理解しておりますが、火山用地震計については従来の火山におきましては埋設しておりません。
#112
○下田京子君 だから、火山用地震計についての埋設の経験はないわけだから、それが実際に三宅のようなところで、一体地下埋設して本当に観測上問題がないのかというデータは得ているのかということを言っているんですよ。しかも、何度も申し上げますけれども、現在の水準は可能であろうということであって、可能だということは現在水準の観測ができるということは断言できないでしょうと聞いているんです。
#113
○説明員(鈴置哲朗君) お答えいたします。
 現在の予定されている点につきましては、どのような状態でそういった雑微動が出るかというようなことがはっきりわかっておりません。私どもとしては、過去に行いました、先ほどもちょっと申し上げましたが、実際に野外で行いました地下埋設実験等の結果を踏まえて申し上げているわけでございまして、監視レベルを維持できるということに関しましては、技術的にかなり自信を持っております。
#114
○下田京子君 自信は持っているにしても、事例はないでしょうということを言っているんです、何度も言いますけれども。事例があるんですか、データがあるんですか。ちゃんとお述べなさいよ。
#115
○説明員(鈴置哲朗君) 先ほど申し上げました野外実験で自然地震についても、それから雑微動、いわゆる……
#116
○下田京子君 火山用地震計です。
#117
○説明員(鈴置哲朗君) 申し上げますが、火山用地震計と地震観測用の地震計のセンサーは、全く同じものでございます。
#118
○下田京子君 違う、違う。違っているでしょう、何を言っているの。
 あなたね、火山観測の指針なるものがつくられているでしょう。その火山観測の指針の中には、十項目にわたってこれから観測をする場合の、施設を置く際にどういうところにはそういう機器を置いてはいけませんよというのが書いてあるんですよ。三宅にどういう状況がわからぬから影響ないみたいなことを長官が答弁しちゃったものですから、さっきから苦しいことを言っているんです。だけれども、この指針を見てごらんなさい。十番目に、将来、道路、施設などの開発計画がある地点には観測施設を置けないと、こう言っているんです。もう村当局に防衛施設庁が示していますでしょう、阿古地区、薄木地区。あれごらんになっているでしょう。あそこは一番火口が多いところなんですよ。あそこでもう観測ができないということなんですよ。ですから、もし噴火があったということになったら、一体どうするのかという点では支障がないなんということ言えないんです。現在の観測体制をも維持できるということは断言できないんです。どうです、維持できると断言できますか。
#119
○説明員(鈴置哲朗君) 先ほどから申し上げております適当な方策を講ずれば、現行の監視の水準を維持することは可能であると私どもは考えているわけでございますが、それにつきましては、地震計の配置につきまして予定されている訓練施設の近くに設置することの必要性も含めまして、今後話が具体化した段階で、関係省庁とも御協議いたしまして検討してまいりたいと思っているところでございます。
#120
○下田京子君 もう時間だから、残念ながら終わりますけれども、大臣、最後に聞きます。
 長官が衆議院の方で影響ないような発言をされたために、今聞いていても課長としては影響ないようにしたいとか可能だとかという話を蒸し返しに繰り返しているだけなんです。申し上げたいのは、気象庁の仲間でついせんだって退官された田中康裕さんという方が書かれた本があるんですが、この方の本は詳しくは説明しませんが、問題にしているのはこういうことなんです。一つは聴音、耳で聞く、体感、体で感じる、目で見る、こういうことによる観測というものが非常に大事なんだという指摘をしているんです。そして、それを裏づけるように、三宅では三十七年の八月二十四日夜十時二十分にやはり噴火が起きているんです。そのとき、噴火の火口からわずか八十メートルしか離れていないところの人が助かって、あのときも死者一人も出ていないんです。つまり、静かな三宅だから異常を感じて表に出て目視でこれは大変だといってすぐさま逃げて助かっているんですね。そういうことがあるので、本当に夜中の十時まで百ホンを超えるような爆音なんてことになったらこういう聴音だとか体感なんというのはもうなくなっちゃう。で、大変だということで三宅の皆さんは人身御供に三宅をするなと、こういうことで訴えられております。切々と訴えられている文書もあるんですが省略いたしまして、あくまでも政治的にというよりも、人間の命を預かるという点から、こうした訴えにきちっと耳を傾けた対応をすべきじゃないかということで、大臣の決意を聞きたいと思います。
#121
○国務大臣(山崎平八郎君) 今までいろいろお話を伺っておりましたけれども、私は、自然科学者ですからわかるものはわかる、わからないものはわかりません。したがって、その判断によりまして気象庁の独特のいろいろ知見によります結果を冷静に判断いたしまして、私は私なりの結論を出す所存でございます。
#122
○委員長(志苫裕君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時三分散会
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ソース: 国立国会図書館
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