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1985/03/05 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 環境特別委員会 第2号
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1985/03/05 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 環境特別委員会 第2号

#1
第104回国会 環境特別委員会 第2号
昭和六十一年三月五日(水曜日)
   正午開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十八日
    辞任         補欠選任
     原 文兵衛君     石本  茂君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   委員長          矢田部 理君
   理 事
                山東 昭子君
                吉川  博君
                菅野 久光君
                飯田 忠雄君
   委員
                石井 道子君
                石本  茂君
                上田  稔君
                梶木 又三君
                星  長治君
                矢野俊比古君
                寺田 熊雄君
                安恒 良一君
                高桑 栄松君
                近藤 忠孝君
                中村 鋭一君
                青木  茂君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  森  美秀君
   政府委員
       公害等調整委員
       会委員長     大塚 正夫君
       公害等調整委員
       会事務局長    菊池 貞二君
       環境政務次官   小杉  隆君
       環境庁長官官房
       長        古賀 章介君
       環境庁長官官房
       会計課長     山下 正秀君
       環境庁企画調整
       局長       岡崎  洋君
       環境庁企画調整
       局環境保健部長  目黒 克己君
       環境庁自然保護
       局長       加藤 陸美君
       環境庁大気保全
       局長       林部  弘君
       環境庁水質保全
       局長       谷野  陽君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        桐澤  猛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公害及び環境保全対策樹立に関する調査
 (派遣委員の報告)
 (公害対策及び環境保全の基本施策に関する件
 )
 (昭和六十一年度環境庁関係予算に関する件)
 (昭和六十一年度各省庁の環境保全関係予算に
 関する件)
 (公害等調整委員会の事務概要等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(矢田部理君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十八日、原文兵衛君が委員を辞任され、その補欠として石本茂君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(矢田部理君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、去る一月、当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。山東昭子君。
#4
○山東昭子君 去る一月二十日及び二十一日の両日、矢田部委員長初め、吉川、菅野、飯田の各理事、寺田、青木両委員、そして私、山東の七名で、兵庫県の公害及び環境保全対策の実情を視察してまいりました。
 調査では、まず兵庫県庁におきまして、県の昭和六十年度環境行政の概要、NOxの汚染状況の推移及び対策、廃棄物の発生状況及び処理対策、液状廃PCBの保管及び処理状況等について説明を聴取いたしました。
 この後、住友金属株式会社鋼管製造所の窒素酸化物対策、西宮市東部総合処理センターの廃棄物の処理状況を視察、翌日には、県立高砂海浜公園の養浜事業及び鐘淵化学工業株式会社高砂工業所の液状廃PCB高温熱分解試験の実施状況を現地視察いたしました。
 以下、調査事項のうち、主要な点について御報告申し上げます。
 兵庫県におきましては、住みよい環境づくりのため、公害及び環境汚染の防止、全県全土公園化構想などの方針に基づき、総合的、計画的に環境行政を推進しており、大気汚染、水質汚濁、自動車の排ガス及び騒音等の主要な環境指標は、全体的に改善の傾向を示しております。しかし、窒素酸化物の環境濃度は依然として高いままで推移しており、殊に国道四十三号を中心とする主要幹線沿道におきましては、なお環境基準を上回るという状況にあります。
 本県では、阪神地域窒素酸化物総合対策推進要綱に基づき工場、事業場及び自動車に対する総合的な窒素酸化物対策を推進しておりますが、近年、自動車交通量の増加、大型ディーゼル車比率の増大などにより、環境基準の達成は極めて困難な状況にあると懸念されております。
 このような実情から、自動車公害の抜本的対策として、自動車排ガスに係る発生源対策の強化、阪神地域における交通量の緩和を図るための道路網の整備促進、国道四十三号、阪神高速道路に係る沿道整備事業の推進について、特段の配慮をされたいとの要望がありました。
 次に、廃棄物の処理状況について申し上げます。
 人口約五百二十六万人の本県における五十九年度の一般廃棄物は計画収集処理量約百四十八万トンで、また、大規模工場の集中立地する本県の産業廃棄物は約二千五十万トンに及んでおりますが、生活水準の高度化や産業活動の変化に伴い、量の増大と質の多様化をもたらしております。これに対し一般廃棄物の処理体制は一応整備されておりますが、プラスチックや廃乾電池などの適正処理困難物対策及び資源化施設の拡充等が課題となっております。
 また、産業廃棄物については、最終処分場のルートが少なく今後大きな社会問題となるおそれがあることから、県として、フェニックス計画への協力を初め、阪神、東播磨、西播磨などのブロックごとに広域最終処理場の確保及び事業の推進を図っております。なお、鐘淵化学工業高砂工業所に保管されている液状廃PCB約五千五百トンの処理につきましては、環境庁を中心に県、市、企業が一体となって、昨年末高温熱分解試験を実施、本年三月の最終報告書の取りまとめを待っているとのことであります。
 次に、現地視察箇所について簡潔に申し上げま
す。
 まず、住友金属鋼管製造所は、我が国で最初に継ぎ目なし鋼管を製造した伝統と最新の設備を誇る工場でありますが、現在、火力、原子力発電用や化学装置用など、各種の高級鋼管を月間約三万ないし四万トン生産しております。
 当工場での燃焼炉のNOx対策といたしましては、昭和四十八年以降の大気汚染防止法によるNOx規制化に伴い、五十年に県、市との間にNOx削減計画を主眼とした第三次公害防止協定を締結し、四十八年から五十二年までにNOxを半分以下に削減しております。
 工場内には、廃酸、排水、集じんなど最新の処理施設が整備されておりましたが、中でも自社開発によるモレタナ式排煙脱硫脱硝装置は、脱硫九五%以上、脱硝四〇から七五%、除しん七〇%以上の処理を同時に行うという高性能のものであり、特に注目されたのでありますが、こうしたすぐれた処理能力を有する装置が広く普及し、環境の浄化に大きな効果をもたらすことが期待されるところであります。
 次に、西宮市東部総合処理センターは、一般廃棄物を破砕、選別処理する最新の清掃施設であります。五十九年度には、総搬入量約十三万九百トンから鉄くず約二千七百トン、ガラスくず約三千百トン、アルミ、非鉄くず百二十六トンなどが選別され、その売上総額は約一億四百万円で、業者委託料を差し引いた市の収入は約五千万円となり、これにより、ごみ資源回収基金の制度も設けられております。
 また、埋立処分地の確保の困難な当市におきましては、埋立処分量の大幅減による埋立費の節約のほか、埋立地の長期使用など、その効用は極めて大きなものとなっております。
 なお、同センターには、廃乾電池がドラム缶に分別管理されておりましたが、国の処理方針が決まり次第速やかに必要な措置を講じたいとのことでありました。
 次に、県立高砂海浜公園は、謡曲で名高い高砂の浜を、全県全土公園化構想の一環として、五十一年から七年がかりで復元整備したものであります。当公園は、松林、人工島、養浜の各ゾーンを合わせて約六万平方メートルに及んでおり、年間の利用者は二十数万人とのことでありますが、一たん失われた自然環境の復元は、困難かつ高価なものとなると感じた次第であります。
 最後に、鐘淵化学工業高砂工業所について申し上げます。
 当工業所におきましては、多年の懸案でありましたPCBの処理問題について、最近、地震の頻発等により、住民の間から早期安全処理の声が強まったことなどを背景に、昨年六月、県と市が環境庁に対し安全な処理方法の確立を要望し、これに伴い環境庁は、大気保全局に液状廃PCB高温熱分解試験検討会を設置、その検討結果に基づく試験実施計画により、今回試験を行ったものであること、また、試験は良好な結果で終了したこと等について、会社及び市から説明が行われ、この後千四百度にも及ぶといわれる高温熱分解施設を視察いたしました。
 今回の試験実施計画では、排ガス中のPCB濃度が暫定排出許容限界の十分の一以下であることなど数項目に及ぶ確認事項を設定し、これをタンク及び排ガスの出口などのほか、半径一・五キロメートルの範囲内に、大気、海水及び土壌の採取点三十三カ所を設けて、綿密な調査測定が行われたのでありますが、すべての設定条件をクリアしたとのことであります。今後、環境庁の最終報告を待って本焼却を行うことになるのでありますが、試験結果の安全性について十二分な検討を行うとともに、試験関係資料等の公開、住民の理解と参加のもとに、絶対に二次災害の起きない万全の体制をとって慎重に行われることが切に望まれるところであります。
 なお、県からの自動車公害対策の推進に関する要望事項等につきましては、会議録の末尾に掲載方を委員長においてお取り計らいくださいますようお願いいたしまして、以上で報告を終わらせていただきます。
#5
○委員長(矢田部理君) 以上をもちまして、派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、山東君の報告中、御要望のありました兵庫県からの要望事項等を本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(矢田部理君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(矢田部理君) 次に、公害対策及び環境保全の基本施策について、森環境庁長官から所信を聴取いたします。森環境庁長官。
#8
○国務大臣(森美秀君) このたび環境庁長官を拝命いたしました森美秀でございます。
 委員長を初め、委員各位の御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 所信を表明させていただきます。
 第百四回国会における参議院環境特別委員会の御審議に先立ち、環境行政に関する私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
 昭和四十六年環境庁が発足して以来、今年で十五年を迎えます。当時我が国は、高度経済成長の過程の中で、かつて経験したことのない危機的な環境問題に直面しておりました。自来十五年、国会を初めとして、関係省庁、地方公共団体、国民各位の御協力を得て、各般の環境保全施策を講じてきました結果、往時に比べれば相当改善されてきたと存じます。
 しかしながら、いまだ残された課題も少なくありません。また、近年、経済社会の変化に伴い、交通公害問題、生活雑排水問題等都市生活型公害が大きな問題となっております。また、質の高い快適な環境への国民の要求も高まってきております。さらに、環境問題は国際的にも広がりを見せ、地球的規模の環境問題に対する取り組み等環境保全に関する国際協力の必要性も増大しています。他方、後十五年で二十一世紀を迎えます。私は、このような状況を踏まえ、今後の環境行政は、我々と我々に続く子孫が健康で快適な生活を享受し得るよう、安全で良好な環境を確保するとともに、二十一世紀を見通した長期的な展望のもとに諸施策を総合的に推進し、環境への配慮が隅々まで行き渡った環境保全型社会の形成を促進することが重要であると考えます。
 このような基本的な考え方に立ち、私は、次のような事項に重点を置いて、環境行政の積極的な推進に最大限の努力を払ってまいる所存であります。
 第一に、安全で良好な環境の確保であります。
 国民が安心して健康な生活を送ることができるよう、公害対策に万全を期すことは、環境行政の基本的な課題であります。このため、大気、水質の保全等各種公害対策を引き続き積極的に推進してまいります。
 大気保全につきましては、窒素酸化物問題、交通公害問題、スパイクタイヤ問題等緊要な課題に対する対策を関係行政機関との連携のもとに総合的に推進してまいります。
 水質保全につきましては、湖沼水質保全特別措置法に基づき総合的な湖沼対策を推進することとし、必要な税制上の措置を講ずるとともに、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海の次期総量規制の実施等の諸施策を講じてまいります。
 また、近年問題となっている有害化学物質対策をさらに推進してまいります。
 第二に、環境保全型社会の形成の促進であります。
 このため、二十一世紀に向けての環境保全長期構想を策定し、これに基づき長期的な環境保全施策の推進を図ってまいります。同時に、環境汚染の未然防止の徹底を図るため、閣議決定に基づく環境影響評価の円滑な実施を進めてまいります。また、安らぎや潤いのある快適な環境を創造していくため、地域の特性を生かした各般の施策を推進してまいります。また、環境問題に関する国民
の理解と協力を深めるため、環境教育の推進を図るとともに、国民の自主的な環境保全活動の促進を図ります。
 第三に、自然環境の保全と緑化の推進であります。
 いわゆる緑の国勢調査を初め自然に関する各分野の調査を進め、多様な自然を体系的に保全することに努めるとともに、自然公園等の施設整備、自然観察の森の整備等、自然との触れ合いの増進、緑化の推進を図ります。
 また、近年国際的にも関心を集めている野生生物の保護について、その実施体制を整備し、関係省庁と協力して対策の推進を図ってまいります。
 さらに、ボランティア活動を取り入れた自然保護教育を推進するとともに、国民環境基金活動に対する税制上の優遇措置の拡充等その促進を図ります。
 第四に、公害健康被害者の救済対策であります。
 公害健康被害者の迅速かつ公正な保護に万全を期すことは、環境行政の重要な責務であります。このため、公害健康被害補償制度の適正かつ円滑な実施を進めてまいります。
 なお、公害健康被害補償法の第一種地域の今後のあり方に関しましては、現在、中央公害対策審議会において審議が進められているところでありますが、その結論を待って、適切に対処してまいる所存であります。
 また、水俣病対策につきましては、認定業務の促進を図るとともに、今後水俣病とは判断されない者のうち一定の要件を満たす者に対して、医療費を補助する特別医療事業を実施する所存であります。
 第五に、環境研究の推進であります。
 環境行政を的確に進めるためには、その基盤となる科学的知見の整備、充実を図ることが重要であり、国立公害研究所等の環境研究の推進を図ってまいります。
 第六に、環境問題の国際的広がりへの対応であります。
 環境問題は、近年、国際経済社会にとって重要な課題となっており、その適切な対応が求められています。私は、これらの情勢を踏まえ、我が国の提唱により発足した国連環境特別委員会を初め、OECD、UNEP等の国際機関を通じた国際協力や、開発途上国等との協力をさらに推進するとともに、国際条約に基づき海洋汚染の防止についても取り組んでまいる所存であります。
 以上、私の所信の一端を述べました。
 私は、国民の健康を守り、環境を保全し、よりよい環境を創造していくために課せられた使命を果たすべく全力を尽くす所存でございます。本委員会及び委員各位におかれましては、環境行政の一層の進展のため、何とぞ今後とも御支援、御協力を賜りますよう、お願い申し上げる次第でございます。
 終わります。
#9
○委員長(矢田部理君) 小杉環境政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。小杉環境政務次官。
#10
○政府委員(小杉隆君) このたび環境政務次官を拝命いたしました小杉隆であります。
 森長官の補佐役として、環境行政の一層の推進のために全力を傾けたいと存じます。委員長初め、委員の皆さまの御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。ありがとうございました。
#11
○委員長(矢田部理君) 次に、昭和六十一年度環境庁関係予算及び昭和六十一年度各省庁の環境保全関係予算について順次説明を聴取いたします。古賀官房長。
#12
○政府委員(古賀章介君) 昭和六十一年度の環境庁関係予算案について、その概要を御説明申し上げます。
 昭和六十一年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、環境庁予算要求額は四百六億八千二百二十七万四千円であり、これを前年度の予算額四百二十九億九千七百六十万七千円と比較すると、二十三億千五百三十三万三千円の減額となっております。
 次に、予算要求額の主要な項目について御説明申し上げます。
 第一に、公害対策について申し上げます。
 まず、環境保全企画調整等の経費については、安らぎや潤いのある快適な環境を創造するための計画策定等の経費、環境の健全な利用を図るための環境利用ガイドの策定の経費のほか、環境教育を推進するための経費、環境影響評価制度の効果的な実施を図るための経費、瀬戸内海の環境保全対策を推進する経費、公害防止計画の策定を推進する経費及び地球的規模の環境問題に関する調査費など、これらを合わせて七億四千九百三十万円を計上しているところであります。
 次に、公害健康被害補償対策については、公害健康被害補償制度の適正かつ円滑な実施を図るほか、水俣病の認定業務を促進することとし、これらの経費として百五十三億六千五百八十二万円を計上しております。公害防止事業団につきましては、事業団の事業運営に必要な事務費等の助成費として三十八億八千四百三十二万円を計上しております。
 次に、大気汚染防止対策の経費については、新たにディーゼル排出ガスに関する影響調査等を実施するほか、従来に引き続き窒素酸化物対策、未規制大気汚染物質対策等各種の大気保全対策を推進するための調査等を実施することとしております。
 また、交通公害防止対策については、新たに大都市地域における自動車交通総量の抑制等を図るための計画策定や、脱スパイクタイヤ推進のための調査を実施するとともに、新幹線鉄道についても沿線の騒音振動対策の推進に関する調査を行うほか、従来に引き続き自動車排出ガス、騒音対策の強化のための技術評価を実施するなど総合的な交通公害対策の推進を図ることとしております。
 さらに、騒音、振動及び悪臭についての対策を推進するため、新たにモデル地域における近隣騒音防止対策の推進、悪臭防止技術の改善、普及等を図ることとするなど六億七千五百五十一万円を計上しております。
 水質汚濁防止対策の経費については、新たに水質総量規制を円滑に実施するため、排水処理技術の最新の開発状況及び小規模事業場に対する指導指針を作成するための調査を行うこととしております。
 さらに、湖沼の環境保全対策を推進するための経費、生活雑排水対策を推進するための経費、赤潮防止対策を推進するための経費など七億八千三百八十四万円を計上しております。このほか、地盤沈下防止及び廃棄物対策費として一億六百二十八万円、土壌汚染防止及び農薬対策費として一億六千六百四十一万円をそれぞれ計上しているところであります。
 次に、公害監視等設備整備費については、地方公共団体の監視測定体制等の整備を円滑に推進するために必要な経費として八億八千百十八万円を計上しております。
 公害防止等に関する調査研究の推進のための経費については、有害化学物質による環境汚染問題等について科学的な調査及び試験研究を促進するため、総額三十六億二千七百六十七万円を計上しております。このうち、国立試験研究機関等の公害防止等試験研究費として二十六億二千五百十二万円を環境庁において一括計上し、各省庁の試験研究の総合的推進を図ることとしております。
 また、光化学スモッグに関する調査研究費及び公害による健康被害、大気汚染、水質汚濁、自然保護等に関する調査研究費についても八億八千二百五十四万円を計上し、必要な調査研究を進めることとしているほか、環境保全総合調査研究促進調整費として一億二千万円を計上し、関係省庁が所管する各種の環境保全に関連する調査研究の総合的調整を図ることとしております。
 さらに、科学的な行政を推進するため、国立公害研究所の機能を充実強化することとし、これに必要な経費として四十二億六千六百十四万円、国
主水俣病研究センターの運営等に必要な経費として四億二千六百二十六万円、公害研修所に必要な経費として九千五百三十五万円をそれぞれ計上しております。
 第二に、自然環境の保全対策及び施設整備について申し上げます。
 まず、自然環境の保全対策及び官然公園等の維持管理等に関する経費については、自然環境保全施策を適切に推進するため、第三回自然環境保全基礎調査を初めとする調査研究を実施するとともに、国立公園等の保護管理の強化を図ることとしております。
 また、野生生物保護対策のため、新たに緊急に保護を要する動植物の種の選定調査等を行うとともに、鳥獣保護のための国設鳥獣保護区の管理強化及び渡り鳥の保護対策等の推進に必要な経費など、合わせて十七億二百三十二万円を計上しているところであります。さらに、自然公園等の整備を図るために必要な施設整備費として二十七億千五百七十七万円を計上しております。
 以上、昭和六十一年度環境庁関係予算案の概要につきまして御説明申し上げました。
#13
○委員長(矢田部理君) 岡崎企画調整局長。
#14
○政府委員(岡崎洋君) 各省庁の昭和六十一年度環境保全経費等の概要について御説明いたします。
 まず、歳出予算について御説明いたします。
 昭和六十十年度における環境保全経費の総額は一兆九百四十四億円であり、前年度の当初予算に比べ二百二十八億円、二・〇%の減となっております。
 このうち、一般会計分は一兆二百一億円であり、前年度の当初予算に比べ九億円の減、また、特別会計分は七百四十三億円であって、前年度比二百十九億円の減となっております。
 これを事項別にみますと、各種基準等の設定のために九億円、監視取り締まりの強化のために四十五億円、公害防止事業助成のために七十六億円、公害防止関係公共事業等の推進のために九千二百一億円、公害防止調査研究の推進のために二百八十三億円、公害被害者保護対策の充実のために百六十三億円、自然保護対策の推進のために一千九十六億円、その他として七十一億円が計上されております。
 主要な項目については、次のようになっています。
 まず、環境保全経費全体の八四%を占める公害防止関係公共事業等のうちでは、建設省等に計上されている下水道事業費六千七百十四億円、公共用飛行場周辺及び防衛施設周辺における騒音防止対策等の経費として運輸省の四百八億円及び防衛施設庁の九百二十五億円、さらには厚生省、運輸省等に計上されている廃棄物処理施設整備費六百九十五億円などがあります。
 また、公害被害者保護対策のうちでは、環境庁の公害健康被害補償対策経費百五十四億円、自然保護対策のうちでは、建設省等の公園事業費八百三十億円などがあります。
 次に、公害防止関係財政投融資の概要について御説明いたします。
 昭和六十一年度における公害防止関係財政投融資は、貸付規模等において総額一兆三千六百九十八億円を予定しており、前年度の当初計画額に比べ、一千六百二億円の増となっております。
 機関別の主な内訳としては、公害防止事業団が事業規模で六百二十億円、日本開発銀行が貸付規模で八百十億円を予定しているなどのほか、地方公共団体の下水道整備、廃棄物処理施設整備等の事業を推進するため、地方債計画において一兆二千二百二十三億円を予定しております。
 このほか、中小企業金融公庫、環境衛生金融公庫、北海道東北開発公庫、中小企業事業団等において産業公害防止対策等所要の融資を引き続き行うこととしております。
 最後に、環境保全関係税制改正措置について御説明申し上げます。
 まず、湖沼水質保全特別措置法に基づく施策の推進のため、新たに規制の対象となる施設に係る特例措置が、さらに、自然環境保全法人に対する相続財産に係る特例措置等が新たに認められることとなっております。
 また、公害防止関係の特例措置については、公害防止用設備の特別償却制度について、適用期限を延長するほか、公害防止事業団に係る登録免許税等の特例措置について、見直しを行った上で適用期限を延長すること等各般の措置をとることとしております。
 以上をもちまして、昭和六十一年度の各省庁の環境保全経費等の説明を終わります。
#15
○委員長(矢田部理君) 次に、公害等調整委員会の事務の概要等について説明を聴取いたします。大塚公害等調整委員会委員長。
#16
○政府委員(大塚正夫君) 公害等調整委員会が昭和六十年中に行いました公害紛争の処理に関する事務及び昭和六十一年度総理府所管一般会計公害等調整委員会予算案について御説明申し上げます。
 まず、公害紛争の処理に関する事務の概要について申し上げます。
 昭和六十年中に当委員会に係属しました公害紛争事件は合計九十三件で、その内訳は、水俣病に関する調停事件七十二件、大阪国際空港騒音被害に関する調停事件十八件、仙台湾における養殖ノリ被害等調停事件一件、高知市における建築物損傷等責任裁定事件一件及び壱岐における養殖真珠被害原因裁定事件一件であります。
 昭和六十年中に処理が終結しましたものは三十九件であります。このうち、三十八件は水俣病に関する調停事件であり、水俣病と認定された患者四十九人に対するチッソ株式会社の損害賠償について、患者個々人ごとに具体的な支払い金額等を定める調停を成立させたものであります。他の一件は、高知市における建築物損傷等責任裁定事件であり、公害紛争処理法第四十二条の十二第二項の規定により、不受理となったものであります。
 その他の係属中の事件につきましては、目下手続を進めているところであります。
 次に、全国の公害苦情の実態について申し上げます。
 当委員会の調査によれば、昭和五十九年度の総苦情件数は約六万八千件となっております。この苦情件数は、四十七年度の約八万八千件をピークに以後減少傾向を示してまいりましたが、五十八年度にわずかの増加となり、五十九年度においても、前年度より五・九%増と二年連続の増加となっております。
 これを公害の種類別に見ますと、騒音に関する苦情が最も多く、三二%となっております。次いで悪臭一九%、大気汚染一四%、水質汚濁一二%の順であり、これらで全体の約八〇%を占めております。これらの苦情につきましては、都道府県または市区町村がその処理に当たっておりますが、当委員会といたしましては、これらの地方公共団体に対し、公害苦情相談指導者研修会等の実施、苦情処理に必要な情報の提供、あるいは個別の事案についての指導助言等を積極的に行っているところであります。
 続きまして、昭和六十一年度の公害等調整委員会の予算案について、その概要を御説明申し上げます。
 昭和六十一年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、公害等調整委員会の予算要求額は四億九百八十八万円であり、これを前年度の予算額三億九千二百五十二万二千円と比較いたしますと、一千七百三十五万八千円の増額であり、その増加率は四・四%であります。
 次に、予算要求額の内訳について御説明申し上げます。
 第一に、当委員会に係属する公害紛争事案の審理及び公害の因果関係の解明に必要な調査並びに職員基本給等の人件費を含め、一般事務処理等のための経費として三億八千三百四十二万六千円を計上しております。
 第二に、中央及び地方における公害紛争の処理について、都道府県等と連絡協議するための経費として四百三十八万四千円を計上しております。
 第三に、公害苦情の実態調査及び公害苦情の処理を担当する地方公共団体の職員に対し指導、研修、情報提供等を実施するための経費として二千二百七万円を計上しております。
 以上が昭和六十年中に公害等調整委員会が行ってまいりました公害紛争の処理に関する事務及び昭和六十一年度の公害等調整委員会予算案の概要でございます。よろしくお願い申し上げます。
#17
○委員長(矢田部理君) 以上で所信及び説明の聴取を終わります。
 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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