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1985/04/25 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 国民生活・経済に関する調査特別委員会 第4号
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1985/04/25 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 国民生活・経済に関する調査特別委員会 第4号

#1
第104回国会 国民生活・経済に関する調査特別委員会 第4号
昭和六十一年四月二十五日(金曜日)
   午前十時十八分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山田  譲君
    理 事
                海江田鶴造君
                梶木 又三君
                水谷  力君
                糸久八重子君
                刈田 貞子君
                橋本  敦君
    委 員
                岡部 三郎君
                亀長 友義君
                坂野 重信君
                沢田 一精君
                杉山 令肇君
                関口 恵造君
                長谷川 信君
                松岡満寿男君
                山内 一郎君
                高杉 廸忠君
                竹田 四郎君
                抜山 映子君
                青島 幸男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国民生活・経済に関する調査
 (技術革新に伴う産業・雇用構造等に関する件
 )
 (高齢化社会に関する件)
 (生活条件整備に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山田譲君) ただいまから国民生活・経済に関する調査特別委員会を開会いたします。
 国民生活・経済に関する調査を議題といたします。
 本委員会は、昭和五十八年十月五日、技術革新に伴う産業・雇用構造検討小委員会、高齢化社会検討小委員会及び生活条件整備検討小委員会を設置し、それぞれ調査を進めてまいりましたが、今般、各小委員長から委員長のもとに調査報告書が提出されました。
 この際、調査報告書の概要につきまして各小委員長から説明を聴取いたします。
 まず、技術革新に伴う産業・雇用構造検討小委員会の梶木又三小委員長お願いいたします。
#3
○梶木又三君 技術革新に伴う産業・雇用構造検討小委員会は、昭和五十八年十月五日、第百回国会において設置されましたが、それ以降、技術革新と産業雇用に関する諸問題について、鋭意調査検討を行ってまいりました。調査の経過につきましては、これまで二回にわたって中間報告書を提出してきたところであります。
 前二回の中間報告書では、最近の技術革新の動向、マイクロエレクトロニクスを中心とした情報技術革新の経済社会に及ぼす影響、経済社会の対応の方向などを明らかにしてきましたが、その後も欧米諸国のME化への取り組み状況、バイオテクノロジーの産業・社会に及ぼす影響、新素材産業の展望と新素材開発の課題等について調査を継続してきた結果、その検討分野も主要な先端技術領域をカバーしたこととなり、小委員会での議論も集約されてきたので、今回、これまでの調査内容を最終的に整理し、本小委員会の結論として取りまとめることといたしました。
 最終報告書の内容につきまして決別途委員長に提出いたしました小委員会調査報告書のとおりでございますが、その概要につきまして、お手元に配布いたしました資料に基づき、以下簡単に御報告申し上げます。
 先進国においては、最近十年間、情報、通信、新素材、バイオテクノロジーの分野で基幹的な技術の進歩があり、経済及び国民生活に大きな影響を及ぼし始めております。このため、一九四〇年代に始まった第三次の産業革命は新たな段階を迎え、多彩な技術革新の条件が醸成されていると見られます。これに対応して、基礎研究に力を入れつつ、新しい技術、産業、就業機会を開花させれば、二十一世紀に向けて、活力のある経済と充実した国民生活に結実させることができると考えられます。
 情報技術革新は今後も急速に進展し、それ自身の新産業群が発展する一方、経済と国民生活の全体系に深く広範な影響を及ぼしていくものと見込まれます。これに伴って、職業の種類、職種別・年齢別の労働力需給、就業の形態などが変化し、雇用・労働をめぐる新たな課題の発生が予想されます。情報技術革新は、これまでの技能・技術を旧式化させるほか、定型的労働の減少と知的労働の増加をもたらすので、積極的な能力開発によりこれに対応する必要があります。また、頭脳疲労の防止が大きな課題となります。
 各種の新素材は、現在、生産量、生産額が小さく、そのためコストも高いものとなっております。しかし、ベーステクノロジーとして新技術、新産業の発展制約を打破する効果が大きく、今後の産業、経済に果たす役割は大きいと考えられます。
 バイオテクノロジーは、現在なお研究開発段階にあるものが大部分であります。しかし、その潜在発展力は大きく、我が国の基幹技術として、重要な役割を担うものと考えられます。そこに至るまでには、生命科学の発展や安全性、社会的受容面への配慮が不可欠であります。
 主要な技術革新分野を通ずる総括的課題として、次の四点があります。
@企業内外における、能力開発及び再開発の機会の抜本的再編・拡充。
A新しい労働形態に対応して、自由時間の増大、スポーツ・社会参加活動など自由時間活動の活発化、精神科医による定期検診などの形で生活基盤整備を進めること。
B技術者、研究者の大量養成・再訓練システム及び独創的人材育成システムの整備。
C研究開発の重点の基礎研究への移行。研究交流促進、データベース整備など研究開発基盤の整備、の四点であります。
 以上のような調査検討の結果、本小委員会としては、次の三点について提言いたします。第一に、将来、頭脳型労働の就業者が圧倒的となることに対応して、自由時間活動が活発に行われるよう、都市及び周辺地域において、新しい生活基盤を整備すべきであります。第二に、頭脳型労働時代において、心身の健康増進を図るため、労働時間短縮と勤務形態の弾力化を進める一方、特に、精神的健康を確保する方策を導入すべきであります。第三に、重要な技術開発について、有効な技術評価体制を確立すべきであります。
 以上が最終報告書の概要でありますが、最後に、この報告書の提出に関し、吉川小委員から、今後の技術革新に独自の考えがあるとして、八項目にわたる意見の表明がありましたことを、あわせて御報告申し上げます。
 以上でございます。
#4
○委員長(山田譲君) ありがとうございました。
 次に、高齢化社会検討小委員会の糸久八重子小委員長お願いいたします。
#5
○糸久八重子君 高齢化社会検討小委員会は、第
百回国会において設置され、高齢化社会の諸問題について調査検討を行ってまいりました。この間の調査結果につきましては、これまで二回の中間報告を行ってきたところであります。
 前回の中間報告以来、参考人からの意見の聴取、委員派遣、都内視察など、鋭意、調査を継続してまいりました結果、今回、各小委員の合意を得て、最終報告をまとめることとなりました。
 以下、本小委員会報告を説明いたします。
 本報告は、豊かで明るい高齢社会を目指してという標題のもとに、四つの部分から構成されております。
 まず、「高齢社会への基本的考え方」においては、二十一世紀をすばらしい長寿社会とするためには、経済社会システム全体を人口構成の高齢化に対応したものへと転換する対策が求められているとの視点から、高齢者を含むシステムへの改革、多様なライフサイクルへの対応、高齢社会の費用と負担の調整及び高齢社会の活性化の各項目について、基本的考え方を述べております。
 次に、「中間報告の検討課題と関連諸施策」においては、過去二回の中間報告における検討課題を整理して、そのおのおのに関連する政府の施策の現状を付記として述べております。
 これについて、高齢化の進行に比べて在宅福祉サービス、定年後の雇用など立ちおくれの目立つものがあること、施策の総合性が十分でないことなど一応の評価をしております。
 さらに、「重点的に推進すべき対策の方向」においては、二十一世紀に向けて今後重点的に推進すべき施策の方向として、第一に、福祉の分野で、国として老人福祉のあるべき姿を明らかにしつつ、拡大するニーズに対応できるよう計画的に整備すること、第二に、健康づくりの分野では、老人保健事業の計画的推進や在宅医療の推進などを図ること、第三に、生活環境の整備については、地域レベルで諸施策を総合化すること、第四に、六十歳台前半層までを含む新たな雇用慣行、人事処遇制度の形成が望まれること、また、老後の生活保障にとって公的年金の果たす役割の重要なこと、第五に、精神的に豊かな高齢期を享受できるよう労働時間の短縮や生涯教育機会の整備を図ること、第六に、高齢社会への対策を進める上で、各種の施策の総合性を確保すべきこと、の六点について述べております。
 最後に、三点にわたる提言を行っております。
 提言の第一は、「高齢社会の準備に関する基本計画の作成」であります。
 すなわち、政府は、二十一世紀初頭を目標年度とする高齢社会の準備のための施策の基本となる計画を作成し、施策の総合性を確保すべきものとしております。また、同計画の推進状況について必要に応じて国会に報告するものとしております。
 提言の第二は、「大都市高齢者のための地区総合整備試験事業の実施」であります。
 今後、大都市において人口の急速な高齢化が進展するところから、諸種の問題が生ずることが予想されます。したがって、高齢者の日常生活における就業、介護、公園、道路等のあり方を総合的に検討するため、試験事業を実施すべきであるとしております。
 そのため、大都市地域の代表的な地区において、高齢者のための総合整備計画を作成し、試験事業を実施し、その成果を評価すべきであるとしております。
 提言の第三は、アルツハイマー型老年痴呆の総合研究体制の整備であります。
 老人性痴呆の中で大きな比重を占めるアルツハイマー型老年痴呆については、病因の早期解明と治療方法の開発を図るため、国家的プロジェクトとして、総合的な研究体制を整備するものとする、なお、研究体制の整備に当たっては、総合的な老化・老年病研究体制の一環として推進することも検討に値するとしております。
 以上で本小委員会報告の説明を終わります。
#6
○委員長(山田譲君) ありがとうございました。
 次に、生活条件整備検討小委員会の海江田鶴造小委員長、お願いいたします。
#7
○海江田鶴造君 生活条件整備検討小委員会の最終報告についてその要旨を御報告申し上げます。
 この報告は第一次、第二次中間報告を踏まえ、「二一世紀へのまちづくり」と題し、国土政策、都市政策、居住及び生活環境、住民参加について検討を行ったものであります。
 まず、一の国土政策の課題についてであります。
 東京圏の将来の姿では、三大都市圏への産業・人口集中が鎮静化する中で、高次中枢機能はむしろ東京に一層集中する傾向にあること、そのため過密化した機能の分散を図り、情報化・国際化に対応した新しい東京圏を形成する必要があること、地方振興の方向では、国土の均衡ある発展を図るため交通・通信網の整備が必要であることなどを述べております。
 次に、二の都市政策の課題についてであります。
 土地政策では、地価の安定、土地利用の高度化を達成するため、都市計画制度、土地利用の促進について検討する必要があること、住宅政策では、大都市の住宅事情を改善するため、賃貸住宅の充実、適正な土地利用に即した住宅の供給を推進していく必要があること、また、都市再開発では、錯綜した都心の土地利用の中にあって、民間活力の活用、都市再開発制度について検討する必要があること、さらに良好な都市景観の形成では、関連諸制度・諸施策の改善、国公有地の活用等が必要であることなどを述べております。
 次に、三の居住及び生活環境上の課題についてであります。
 これからの社会資本投資では、都市化社会の進展に伴い、道路、公園、下水道等社会資本に対する投資需要が増大しており、投資の規模、配分、財源調達等につき検討する必要があること、地方自治体と住民の役割では、多様化する住民のニーズに対応したきめ細かい行政サービスが求められる一方、住民がみずから、居住・生活環境を改善する動きも見られ、地域行政における地方公共団体の役割を再検討していく必要があること、さらに情報化社会への対応では、新しい情報・通信メディアが実用化され、国、地方公共団体、住民がそれぞれ情報化社会へ適切に対応する必要があることなどを述べております。
 次に、四の住民参加の課題についてであります。
 都市化社会の進展に伴い、地域住民の新しい相互関係が生まれていること、これらの関係は地域の安定化・活性化に貢献する一方、その限界もあり、これらに対する行政のあり方が検討されなければならないことなどを述べております。
 最後に、五の提言についてであります。
 ここでは以上の検討事項を踏まえ、大都市の緑化、景観形成を推進すること、また、社会教育施設、文化施設に対する補助事業の適正化、学校施設の開放などにより、大都市において良好な地域コミュニティーの形成を図ること、さらに、まちづくり情報サービス体制の整備を行うことを提言するものであります。
 以上が生活条件整備検討小委員会の最終報告の要旨であります。
#8
○委員長(山田譲君) ありがとうございました。
 以上で、三小委員長からの説明聴取は終わりました。
 ただいま各小委員長から概要説明のありました調査報告書につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(山田譲君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 なお、先ほど三小委員長から順次御報告いただきました各小委員会の報告書につきましては、委員長におきまして各理事と協議の上、委員会の調査報告結果とあわせ本委員会報告書案を作成し、後日、皆様にお諮りする運びといたしたいと存じますので、御了承願います。
 本日は調査をこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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