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1985/03/05 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 決算委員会 第4号
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1985/03/05 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 決算委員会 第4号

#1
第104回国会 決算委員会 第4号
昭和六十一年三月五日(水曜日)
   午後一時三十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十四日
    辞任         補欠選任
     神谷信之助君     安武 洋子君
     佐藤 昭夫君     橋本  敦君
 二月十四日
    辞任         補欠選任
     石井 道子君     村上 正邦君
     矢野俊比古君     田中 正巳君
 二月十五日
    辞任         補欠選任
     曽根田郁夫君     林 健太郎君
     田中 正巳君     矢野俊比古君
     村上 正邦君     石井 道子君
 二月十七月
    辞任         補欠選任
     林 健太郎君     曽根田郁夫君
 二月二十四日
    辞任         補欠選任
     刈田 貞子君     原田  主君
     関  嘉彦君     抜山 映子君
 二月二十五日
    辞任         補欠選任
     抜山 映子君     関  嘉彦君
 二月二十七日
    辞任         補欠選任
    原田  立君      刈田 貞子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸谷 金保君
    理 事
                倉田 寛之君
                出口 廣光君
                仲川 幸男君
                堀江 正夫君
                梶原 敬義君
                服部 信吾君
    委 員
                石井 道子君
                大浜 方栄君
                河本嘉久蔵君
                斎藤栄三郎君
                曽根田郁夫君
                夏目 忠雄君
                原 文兵衛君
                星  長治君
                矢野俊比古君
                菅野 久光君
                橋本  敦君
                関  嘉彦君
                木本平八郎君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    小沢 一郎君
   政府委員
       警視庁長官官房
       長        鈴木 良一君
       警察庁長官官房
       会計課長     立花 昌雄君
       警察庁警務局長  大堀太千男君
       警察庁刑事局長  仁平 圀雄君
       自治大臣官房長  津田  正君
       自治大臣官房審
       議官       石山  努君
       自治大臣官房会
       計課長      大島  満君
       自治省行政局長  大林 勝臣君
       自治省行政局公
       務員部長     柳  克樹君
       自治省行政局選
       挙部長      小笠原臣也君
       自治省財政局長  花岡 圭三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小島 和夫君
   説明員
       防衛施設庁施設
       部施設取得第二
       課長       志滿 一善君
       大蔵省主計局主
       計官       田波 耕治君
       会計検査院事務
       総局第一局長   三原 英孝君
       会計検査院事務
       総局第二局長   天野 基巳君
       日本国有鉄道地
       方交通線対策室
       次長       岩田 守弘君
       日本国有鉄道職
       員局次長     葛西 敬之君
       日本国有鉄道事
       業局開発用地課
       長        西田  博君
   参考人
       公営企業金融公
       庫総裁      近藤 隆之君
       日本放送協会専
       務理事      川口 幹夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和五十八年度一般会計歳入歳出決算、昭和五
 十八年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十八年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和五十八
 年度政府関係機関決算書(第百二回国会内閣提
 出)
○昭和五十八年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第百二回国会内閣提出)
○昭和五十八年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第百二回国会内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(丸谷金保君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十四日、佐藤昭夫君及び神谷信之助君が委員を辞任され、その補欠として橋本敦君及び安武洋子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(丸谷金保君) 昭和五十八年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、自治省、警察庁及び公営企業金融公庫の決算について審査を行います。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(丸谷金保君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(丸谷金保君) それでは、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○菅野久光君 まず初めに、私は今まで本委員会で聴力障害者の問題につきまして幾つかの点について質問をしてまいりました。本日は自治省でありますので、選挙にかかわる問題についてお尋ねをいたしたい、このように思います。
 昭和五十八年の公職選挙法改正によりまして立会演説会が廃止されました。その一方でテレビやラジオを使っての政見放送の重視というように、候補者と選挙民との間にテレビ、ラジオが大きくかかわってきております。現在、テレビの政見放送に聴力障害者のために手話通訳は導入されておりますかどうかお伺いをいたします。
#8
○政府委員(小笠原臣也君) 現在のところ手話通訳はテレビの政見放送については導入いたしておりません。
#9
○菅野久光君 自治省では、昭和四十四年から立会演説会が廃止される五十八年まで、聴力障害者のために立会演説会に手話通訳を導入してその費用を負担していたと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#10
○政府委員(小笠原臣也君) ただいま御指摘がございましたように、昭和五十八年の改正によりまして立会演説会につきましては制度のいい面はあるんですけれども、いろいろ弊害もあるということで廃止になったわけでございますが、その廃止される以前の立会演説会におきましては、手話通訳を導入してできるだけ聴力障害者の方々の便を図るようにということで、自治省は選挙の都度指導してまいったところでございます。
#11
○菅野久光君 このように昭和四十四年から五十八年までは、少なくとも立会演説会で手話通訳を採用する場合の費用は負担をしていた。しかし立会演説会をやめると同時にこの手話通訳の費用も切ってしまったと。こうした聴力障害者のための実績があるのに、テレビの政見放送にはなぜ手話通訳が導入されないのか、その理由は何だったのでしょうか。
#12
○政府委員(小笠原臣也君) 御指摘のように、立会演説会が廃止されたことによりまして、ますます政見放送の重要性が高まっておる面はあろうかと思います。そこで、前々から御要望もありますしそういう御意見もありますので、私どもとしてはできるだけ政見放送の実施にそういうことができないかという方向で検討してまいっておるところでございます。ですけれども、テレビの政見放送は、御案内のように、極めて短期間に多くの立候補者につきまして録画をし放送をするということでございますし、公正という面に非常に神経を使う仕事でございます。そういう政見放送の性格上、ただいま御指摘になりましたような手話通訳を導入するということにつきましては、いろいろと技術上の制約や問題点があるということで、現在のところまだ検討中という段階でございます。
#13
○菅野久光君 昭和五十五年の統計では聴力障害者の人口は三十一万七千人だというふうに出ております。この人たちが候補者が何を訴えているかを知る手段というのは今のところは選挙公報しかないわけですね。聴力障害者の人たちは候補者が選挙民に向かって直接訴える内容が、まあ全くわからないと言ってもいい状態に置かれているというふうに私は思うんです。健常者はテレビだとかラジオ、街頭演説、選挙公報等いろいろな方法で候補者の政見というものを知ることができます。しかし、今のような聴力障害者の人が選挙公報でしか知り得ないということでは、選挙に関して聴力障害者の参加を遠ざけているとしか言いようがないのではないかというふうに私は思うんです。現在の選挙公報だとかあるいは政見放送をこのままの状態でよいと考えているか、先ほどいろいろ難しい問題は挙げられましたが、その見解をお伺いいたしたいと思います。
#14
○政府委員(小笠原臣也君) 御指摘のように、できるだけ多くの方々に政見を知っていただくようにしなければならないということは、非常に重要な問題であると私どもは考えておるのでございます。そういう観点に立ちまして、従来もそういう技術的な問題が何とか克服できないかということで検討を続けてまいっております。これは最終的には自治省だけでできる問題ではございませんで、放送を実施する放送局等がその点技術的に問題がないということで対応していただかなければならない問題であるわけでございますので、今後とも、最初に申し上げましたように、できるだけ多くの方に政見を知ってもらうようにしなければならないという観点で検討を続けてまいりたいと思っております。
#15
○菅野久光君 技術上の問題ということになれば、これはNHKを初め一般の放送事業者ということになろうかと思いますので、NHKにちょっとお伺いいたしたいというふうに思います。昨年の十二月九日に私は当決算委員会で、NHKの国会中継に手話通訳の導入ができないかということを主張して、またNHKや郵政大臣のこの件についての見解をただしました。このときNHKは、手話のみの放送は行わないという方向を一応白紙に戻して、大体半年後ぐらいにその検討結果を出すという旨の答弁をされたわけであります。あれから三カ月後の今日、テレビへの手話導入についての検討状況がどうなっているのか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
#16
○参考人(川口幹夫君) 先生から御指摘がありました後、私どもも事態の推移については少なからず留意をいたしまして、これまでにやってきたことをちょっと申し上げます。
 全日本聾唖連盟、それから東京だけじゃなくて各地方の大学の研究者などとも一緒になりまして、この問題については検討を続けております。今までやってきたことの中で、いわゆる標準の手話が聴力障害者の方にどの程度理解されているか、そういう調査を続けてきたわけでございますけれども、この二月、今度は各地域でどんな手話が使用されているか、こういう調査をいたしました。名古屋市それから福島市、そういうところで実際に障害者の方に集まっていただきまして、そして比較的易しいと思われる言葉とか、それから難しいと思われる言葉、そしてまたテレビによく出てくる国名、そういうものをサンプリングしまして、そうして五十の言葉を選びました。この五十の言葉がどの地域ではどういうふうに表現されているか、そういう詳しい調査をいたしました。二月の結果はもう間もなく判明いたしますけれども、これをまとめまして、その結果を今度は参考にして四月以降東京で実施をするというふうな段取りを進めております。こういう調査に当たりましては、立案からテストの実施、結果の分析等で全日本聾唖連盟の方々、それから各大学の研究者の方々、そういうところに全面的に協力をしていただくことになっております。
 なお、聴力障害者情報文化センターという団体がございます。ここにもいわゆる字幕放送というものと並行してコミュニケーション手段の問題ということで、ここのセンターでも独特の検討をしてもらっております。そういうのを総合してなるべく早く結論を出したい、こう思っております。
#17
○菅野久光君 先ほど自治省の方からテレビの政見放送について、手話通訳を導入するということについては、何か技術的に非常に難しい面があるのではないかというようなことが言われたわけでありますけれども、そのどういう点が難しいのか、実際放送担当者としてのNHKが難しい難しいというふうにいろいろ言われている、そこのところをもうちょっとお話しいただけませんか。
#18
○参考人(川口幹夫君) これまでNHKでは障害者向けの番組というものは、手話だけでなくて口話それから文字それから指文字、そういうものを総合的に利用する、我々はトータルコミュニケーションと呼んでおりますけれども、そういう考え方でつくっております。政見放送の中で出てくる非常に抽象性の高いといいますか、思想性の高いといいますか、そういうお考えを、そういう複雑な情報を伝達するに当たって、こういうトータルコミュニケーションというのが一番理解されやすいんではないか。それが一番いい方法であるというふうに一つは考えるわけですね。
 それから、ところが政見放送の中では限られた小さな画面しか使用できないという問題があります。そこでトータルコミュニケーションといういろんな手段を駆使しての伝達の方法というのは、政見放送の中ではとてもできないというふうな問題がございます。手話だけでは候補者の政見の伝達に公平、適正を期するのはどうも難しいんじゃないか、そういうことを考えて、公選法の趣旨からいってこれが手話だけで伝達することが容認されるのかどうか、それは軽々に実施をしていいものではないんじゃないかというふうに思っているところでございます。
 こういう点が実は今解決に向かって私どもも努力をしているところでございますけれども、それが例えば技術的に解決されたというふうなことがありましても、今自治省の方が申されましたように、選挙のときの短期間に一定基準以上の通訳者をそろえるということの技術的な難しさとか、そういう大変難しい問題がございます。関係機関と協議をしなければ簡単にはいかないというふうな問題もございます。それから選挙運動期間の短縮に伴って、政見放送も非常に短い時日で制作をせざるを得ないというふうな条件も今ございます。そこで手話画面挿入などの制作作業というものを付加することがなかなか難しい。私どもは今までほうっておいたわけではございません。何とかそういうことについても努力をしようと思ってまいりましたけれども、現在はそのような幾つかの事情でもって実施に至ってないということでございます。
#19
○菅野久光君 難しい難しいと言えば、難しいことは間違いがないわけですけれども、しかし難しいからといって私は放置できない問題だというふうに思うんです。私はこの決算委員会で何度も言いましたけれども、昭和五十六年から国際障害者年が始まったわけですよね。参加と平等ということを堂々とうたいとげて、政府の中にもそのための機関も設置してやってきて、いまだに国際障害者年十年間の間の半分を過ぎるそういう時点でもまだこの問題が難しい難しい、研究中だとかいうことだけで三十一万余の聴力障害者の人たちに政治に参加する機会を与えないということは、私は国際障害者年の精神からいっても、また法のもとの平等からいっても、私は許せないことではないかというふうに思うんです。
 その難しい技術、例えば思想的な非常に抽象的な言葉があるからということではありますけれども、しかし民放は既に三十分番組あるいは二時間番組に手話通訳を導入して、聴力障害者のための努力も行っております。高度な技術力を誇るNHKでありますから、この手話通訳あるいは聴力障害者のための何らかの形での導入というものができないわけがないのではないかというふうに私は思うんです。
 先ほど一定の短い期間の中で手話通訳者を見つけるといいますか、そろえるのが難しいような話がありましたが、少なくとも政見放送の録画を撮るというところはごく限られた場所なんですね。そこにそれだけの手話通訳者を本当に用意できないのか、そこのところは本当に調べたことがあるんでしょうか。これはNHKになるんですか、自治省になるんですか、どちらでしょうか、そういうようなお答えもちょっとあったものですから、お伺いをいたしたいと思います。
#20
○参考人(川口幹夫君) いろんな想定的な形でもってやってみたことがございます。そうするとやっぱりいわゆる手話の中の地域的な差というのがありまして、例えば東京で収録をして東京の手話を入れて地元で放送するというふうなケースの場合は、手話が全く通じないというふうな結果もあります。それで地元でもってそういう方をそれでは東京に呼んでやるのかというふうなこととか、大変難しい問題がいろいろできまして、少なくとも困難であるという検討結果が出ております。
#21
○菅野久光君 例えば私は北海道ですから、北海道でやる場合に東京で録画をしてというような方もいらっしゃるかもしれませんが、少なくとも手話通訳が、そういったある程度、今のところは全国的な基準じゃなくて、それぞれの地方的なそういうものがあるということで、これを取り入れるということになれば、録画をされる方もやはりその地域で録画をされるという努力をされるのではないかというふうに私は思うんですよ。そういう手話の実情というものを候補者の方々にもわかってもらえれば、そういう努力というのは当然私は候補者の方々もなさるのではないかというふうに思うんです。
 ですから、実際に難しいということはわかりますけれども、しかし実施する方向で実際に詰めていく、そういう努力というものがなされない限り、何か机上でいろいろ論議されること、あるいは幾つかの地域でやられた努力は努力として認めますけれども、何か難しいということが先に立って、それで実施できないというような方向に何か持っていかれるのではないかということを、私はいろんなやりとりの中で感ぜざるを得ないわけなんです。
 それで、特に政見放送の場合には大方の方は原稿を持っているわけですね、原稿なしでやられる方もいらっしゃるけれども。それで、原稿があれば、それに対する手話というものは国会中継などとは違う面でもっとやりやすいといいますか、取り入れるのにそう難しくない面があるのではないかというふうに私は思うんですけれども。
 それから、画面が限られた画面だ。確かに、候補者の下に名前を書いたりいたしますけれども、それもちょっと遠近にしたりいろいろな操作をしたりされるわけですから、それはそういうことで若干画面が小さくなったとしても、そういうことを取り入れることについては、私は候補者の方々に特段の、何といいますか、問題といいますか、そういうものはないのではないかというふうに思いますが、そういったようなことなどを含めていかがでしょうか。
#22
○参考人(川口幹夫君) この前のときも申し上げましたように、私どもは手話については、一応NHKとしては手話だけの放送はやらないという取り決めをしたわけです。そして、トータルコミュニケーションということで字幕と口話と手話と、そういうものを総合的に使ってやったものが一番いいんじゃないかというふうな方向で実は検討しておりました。例えばこの政見放送の場合では、今各局でもやっておりますけれども文字放送を使うことはどうだろうか、文字で字幕放送という形でのやり方はないだろうかと、いわゆる手話だけではないいろんなやり方をあわせて検討しようということでやっているのでありまして、その件については、ただし今先生からの御指摘がありましたので、手話のみの放送が果たしてできるのかどうか、それからもっといい形でのやり方はないかとかいうふうな格好で検討を進めておりますから、前にお約束しましたように大体六カ月くらいがかった後、その検討結果を御報告したいというふうに思っております。
#23
○菅野久光君 先ほどから聞いておりますと、非常に政見放送という場合には抽象的な言葉が多いというようなことが言われておりますが、それでは自治省にお尋ねいたしますけれども、四十四年以降、立会演説会に手話通訳を導入したわけですね。手話通訳を使う場合には、その経費を持ったわけですね。抽象的な言葉が多いこの政見放送とか、思想を伝えるのに手話は適さないという意見、これは私はその当時ずっと取り入れられた自治省の態度と相反するものではないかというふうに思うんです。政治というのは健常者だけのものではないということは、私が申し上げるまでもないと思います。有権者であれば、国民全体に平等に、法のもとにまさに平等に、しかも障害者にとっては参加と平等、そうですね。
 そういう観点からいけば、自治省はこのNHKと放送事業者に対して、政見放送に手話通訳を導入するようにやっぱり強力に指導すべきではないかというふうに思うんです。もしも四十四年からそうやって取り入れて、手話通訳のことに関して何か特段の問題があったということが事例としてあるのであれば、そのことも述べていただきたいと思いますし、そういったような過去の実績があるということを踏まえて、自治省がこの導入を強力に指導すべきだ、あるいはそういう腹をしっかり固めてもらいたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#24
○政府委員(小笠原臣也君) 先ほど政見放送に手話通訳を導入することについてのいろいろな問題点を申し上げましたけれども、やはり、これは放送というシステムを使って、画一的に、広範囲に伝達をするということになりますと、いろいろとこの放送局側として御配慮されなければならない問題点が、立会演説会以上にあるだろうというふうに思っているわけでございます。
 立会演説会につきましても、私どもは適当な手話通訳者が確保できるとか、いろいろできるだけ便宜を計らってくれということで指導をしてまいったわけでございます。したがいまして、あらゆる立会演説会場すべてに実施ができない状況もあったようでございまして、やはり手話通訳者で適当な方が確保できる会場で、しかも、そういう聴力障害者の方々が相当お集まりになるような効果的な会場を選んでやらざるを得なかったようなときもあるように聞いておりますし、確かに、できるだけ便宜を計らってあげなさいということで、かってずっと指導してまいりましたけれども、政見放送ということになりますと、またこれは、それとはまた違った技術上の問題点なりが出てこようかと思います。
 いずれにいたしましても、先ほどNHKの方からいろいろ今検討されております事柄が御報告あったわけでございますけれども、いろいろな制約があっても、できることがありましたら、ひとつ前向きに御検討をお願いしたいということで、これはこれからも協議をしていかなければならないと思っておるわけでございます。
#25
○菅野久光君 立会演説会の会場というのはたくさんあるわけですね。そして本当に地方のそれぞれのところでやられるわけです。
 ところが、この政見放送というのは特定の放送局で録画をするわけですよ。だから回数はずっと少ないわけですね。ですから、私は手話通訳者の確保なんという面では、はるかに立会演説会よりは容易だというふうに思うんですよ。立会演説会以上に気を使うということは、立会演説会とこのテレビの録画、それとの間にどういう差があるんでしょうか。
#26
○政府委員(小笠原臣也君) 先ほど技術的な事柄につきましてNHKの方から御説明があったんで、私どももそれを受け売りするような格好になりますけれども、要するに、いろいろなことをお伝えするときに、単に手とか指とかではなくて、体全体を使って表現をしなければいけない。そういうような場合に立会演説会場でしたら、まさに目の前で御本人がおやりになるわけですから、全体がよくわかる。しかし、政見放送の場合は限られた画面の一部を使うということで、それらが果たして全体的に表現できるかというようなことも一つの問題ではなかろうかと思っておるわけでございます。
#27
○菅野久光君 それはおかしいんじゃないですか。そうであれば、例えば民放なんかも、先ほど言いましたように三十分番組あるいは二時間番組の中に取り入れていることもあるでしょうし、それから飛行機の中で救命胴衣のつけ方とか、ああいうところに手話やら何やらやっている。そういうのもみんな、それは邪魔になるといいますか、正しく伝えられないということになっていくのではないでしょうか。
 だから、何かどうも前向きじゃなくて、やりたくないとまでは言わないにしても、難しいということで先送りされる。私はそのことがどうも、先ほど言いましたように、国際障害者年が始まってもう半分以上たつ段階でまだこの問題が解決されていかない。今までどなたがこの問題についてこういったような質問をされたかということまでは私は調べておりませんけれども。しかし、どうも何かテレビの画面に手話を導入する以上に抽象的な答弁で、私はわかりづらい。もう少しわかりやすく言われたらどうでしょうか。もっと自治省として三十一万余の聴力障害者の方々にいかに政治に参加をしてもらうか。私は旭川で実際に聴力障害者の方々の集まったところでいろいろその人たちの意見を聞いたんです。いや生活が苦しい、何とか仕事を与えてくれ、そういうことと一緒に、そういうものとかかわって非常に政治が大きな問題だと。だから、私どもも政治にやっぱり参加をする。そういう意味では候補者の方々がどんな意見を持っておられるのか。確かに選挙公報はあるけれども、それだけではわからない。やっぱりテレビの画面を通してその人柄なり、あるいはその人がどんなことを話しているのか、そういうことをしっかり聞いてその投票所へ行きたい。何とかそうしてもらえないだろうかという訴えを私は聞いているわけですよ。だから、何とか私はここのところをやはり解決する前向きな努力というものを自治省に求めたいんです。今の自治省の答弁だったら、これからずっと、何年たっても何十年たっても解決していかないのではないでしょうか。いかがですか。
#28
○政府委員(小笠原臣也君) 私ども一番最初に申し上げましたように、できるだけ聴力障害者の方方に政見が伝達できるように考えていかなければならないと思って、いろいろ検討はしておるのでございます。先ほどNHKの方からも御説明がございましたけれども、いろいろ実務面で協議をいたしておるのでございます。その中で、先ほどもお話がありましたように、各地でいろいろ手話通訳の内容に違いがあるということも一つの問題がありまして、それにつきましてもNHKの方で今御調査をなさっておるというようなことでございます。それらをいろいろ、そのほかにも御調査なさっておるということで、私ども大変ありがたいと承っておるわけでございますが、そういうものを踏まえて可能なものからひとつこれからも前向きに考えていかなければならないというふうに今考えておる次第でございます。
#29
○菅野久光君 先ほども今も答弁の中で、NHKなどと何とか聴力障害者の方々のためにもこういったような問題について検討しているというお話がございましたが、いつから検討されているのでしょうか。もっと具体的にひとつ答えてください。
#30
○政府委員(小笠原臣也君) この問題はかなり以前から御要望もあり、また国会での御論議もあるわけでございまして、いつからということは私が確定的に申し上げるわけにはまいりませんが、かなり以前からいろいろ検討をし、特に五十八年の改正によりまして立会演説会が廃止をされましてから、特にそういう御要望が強うございます。したがいまして、五十八年の参議院選挙のときもあるいは衆議院選挙のときも、いろいろとそういうことについて実際実施ができるものかどうかということをNHKの実務担当者の方々と協議をしてまいっておりますし、またいろいろとその後も協議を続けておるわけでございます。
#31
○菅野久光君 五十八年の選挙法改正の時点でもいろいろ要望があった。それからも実務的に協議を進めている。もう二年半たっているわけですね。そういったようなことも含めて、今のNHKの技術力、優秀なその技術力などを含めて、そんなにかかるんでしょうか。実際に、先ほど私が言いましたように、立会演説会は会場がたくさんあるから、それは手話通訳者を確保するというのはなかなか私は大変だと思います、地方によってはですね。しかし、テレビの録画というのはごく限られた放送局でしかやらないわけですから、積極的に確保しようと思えばこれは私はできると思うんですよ。その辺まではちゃんと、何というのですか、調査をしたといいますか、そういうことはあるんですか。
#32
○政府委員(小笠原臣也君) 先ほどNHKの方からもお答えがありましたように、いろいろなケースも想定しながら、実務的に詰めた論議をしておるわけでございます。
#33
○菅野久光君 どうも何か政見放送に手話通訳を取り入れることが、非常に抽象的な言葉が多くてということでありますが、何かのれんに腕押しみたいな答弁で、前へ何か進まないような感じがいたしますが、しかし何としても私は聴力障害者の方々に、選挙公報でなく、もっと今のやっぱりマスメディアというものをしっかり有効に活用できる、そういったことを選挙を担当する自治省としてやっぱり考えていくべきだと、ぜひ入れていただきたいというふうに思っているんですが、今の前向きに取り入れたいという気持ちは、何とかしたいという気持ちはおありなんでしょうね。
#34
○政府委員(小笠原臣也君) 十分持っております。
#35
○菅野久光君 何とか思っているということでありますが、ことしの六月末には参議院議員の選挙が予定されているわけです。期間もそうないわけでありますが、できればこのときから手話通訳をぜひ導入をしてもらいたい、そういうことを私は強く要望いたしたいというふうに思います。
 時間も大分過ぎましたので、途中ちょっと大臣抜けましたけれども、前段の私の質問なども聞いていながら、大臣として、この聴力障害者に対する政見放送ですね、今の何か本当に選挙公報のみということでは余りにも、参加と平等というこの国際障害者年の精神、あるいは法のもとの平等という憲法の精神からいっても私は問題があるというふうに思っておりますが、大臣としてどのようにお考えでしょうか。
#36
○国務大臣(小沢一郎君) 政見放送につきましては、特に、あらゆる人に、すべての人に、できるだけ多くの人に候補者の政見を聞かせることによって誤りない選挙権の行使をしていただく、そういうことは選挙の基本でございます。今いろいろ聞いておりますと、制度的な問題とかそういうことではなくて、いわゆる難しいというところは実態上の問題であるように思っております。したがいまして、どこに実際上実施するとなればネックがあるのか、どういう点が難しいと言われるところなのか、その点、先生の御意見を念頭に置きまして、至急検討いたしまして、前向きに対処したいと思います。
#37
○菅野久光君 大臣から前向きに対処をしたいというお答えがありましたので、私はその言葉をまともに受けて、一日も早くこの関係についてひとつこたえていただけるように期待をして、この関係についての質問を終わりたいと思います。NHKどうもありがとうございました。
 次に、機関委任事務の裁判抜き代執行制度の問題でありますけれども、本題に入る前に小沢自治大臣に、この地方自治とはどういうことなのか、地方自治は本来どうあらねばならないか等々、地方自治の本旨について見解を伺いたいというふうに思うんです。
 まず、憲法の第九十二条に、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める。」、このようにありますが、この地方内治の本旨とはどういうことなのか、そういうこともあわせてお答えいただきたいと思います。
#38
○国務大臣(小沢一郎君) 地方自治制度というのは、先生ただいま御指摘のように、憲法の大きな原則の中の一つの柱になっておるものであると思います。うまく表現できませんけれども、いわゆる地域の身近ないろいろな行政あるいは地域のいろんな活動、そういうものにつきましては、地域住民の意思によって、自主的に自立的にみずからの首長を選び、あるいは議会を構成し、そういう中で行政全体のサービスを行っていく、それがいわゆる制度として、そしてあるいは財政的な面も、あるいは制度の面におきましても、そういうような地域社会を目指しておるのが地方自治の本旨ではないかと思います。
#39
○菅野久光君 そうですね。今の大臣が答弁されましたように、憲法第九十二条の地方自治の本旨というのは、その地方の公共事務は何よりもその地方の住民の意思に基づいて行わなければならないという意味だというふうに思います。
 現在、地方公共団体、普通地方公共団体のみでありますが、六十年の地方財政白書によれば三千三百二あります。これらの団体にこの憲法の趣旨が生かされた地方自治が運営されているというふうにお考えでしょうか。大臣の率直な見解をお聞きしたいと思います。
#40
○国務大臣(小沢一郎君) この地方自治の本旨についての理解は、戦後四十年たっているわけでありますが、お互い正確に理論的に理解しているかどうかは別といたしまして、国民全般に広くその趣旨というものは理解されておるんじゃないかと、私はそのように考えております。もちろん制度上の、先生も御案内のとおり国と地方の本来どうあるべきかという問題等については、まだまだ制度的な意味で検討を加えていかなければならない、その点はそのように考えておりますが、地方自治の本来のあるべき姿というのは、国民の間に広く理解されておるのではないかと考えております。
#41
○菅野久光君 一般的な答弁ということになればそういうことになるんだろうというふうに思うんですが、自治行政イコール通達行政などという言葉も出ているように、国は口先では地方自治の自主性を尊重すると言いながら、実態はこれいろんな通達を出して地方自治に関与をしているというのが今の状況ではないかというふうに思うんです。
 大臣が就任された後の新聞記者会見で、地方行革は自治体が自主的に進めるのが原則だと、一概に何でもかんでもいけないという指導はできないということを発言されております。これは非常に大事なところだと思うんですが、心底そのように思って発言されたんだというふうに思いますが、まさか新聞記者用のリップサービスではないと思いますが、いかがでしょうか。
#42
○国務大臣(小沢一郎君) 私、本当にそう思って述べたつもりでありますし、今もそれは変わりありません。
 もちろん、今日の地方自治の実態、そういう点で完璧であるかということになれば、例えば一つは権限等の国と地方の問題があると思います。それからもう一つは、何といっても財政基盤の問題があると思います。これはただ単に国が余計金をどんどん出せばいいという一方の議論だけではなくて、地方自治体におきましてもやはりそういった本当に地域社会を豊かにしていって、みずからの基盤を確立していく、そういう努力もまた一方において必要だと思います。そういう国との関連の問題につきましては、ただいまも申し上げましたように、もっともっとその本来のあり方を検討しなければならないということはたくさんまだあると思います。しかし、基本的に地方自治体が、こうして自治省が一生懸命代弁しながら、苦労しなくても済むように、地方自治体が本当に自分たちの力でやっていけるようになることが本来の姿であろうと思います。
#43
○菅野久光君 私は、地方自治が完全に国から分離したものだとは考えておりません。いわば国と地方公共団体は車の両輪でなければならないというふうに考えているわけです。戦前に見られたように、国が地方を支配する、そういうものであってはならないというふうに思いますし、また国と地方公共団体が対立して権限を取り合うものであってもならないというふうに思うんですね。お互いに機能と責任を分担し合うのでなければならないわけであります。これは言葉では簡単ですけれども、実現はなかなか難しいわけですね。地方自治確立のための具体策というものは何かおありでしょうか。先ほど来からの通達行政云々の問題もひっくるめて大臣のお考えがあればひとつお伺いいたしたいと思います。
#44
○政府委員(大林勝臣君) 先ほど来、大臣がお答え申し上げておりますとおり、地方自治、戦後四十年、次第に定着してきておると私どもも思っておりますが、まだまだ今後残された問題はございます。
 結局、この問題を考えます場合には、一つは当事者としての国、それから地方公共団体自体、それから住民自身、この三つの世界が地方自治に向かって努力をするということがまず必要であります。
 因の場面で申し上げますと、非常に権限が今なお国に集中をしておる、集中をし過ぎておる。そこで、できるだけ身近な事務は身近な団体におろすべきであるという努力が一つ必要であります。
 それからもう一つは、地方公共団体自体がえてして、場合によりましては国に頼るという気持ちがないではございません。こういった気配が出てまいりますと、国側から見ますと何か足元を見たような感じを持つわけであります。
 それから、住民自身にいたしましても、この権限移譲の問題一つとりましても、なかなかやはり住民自体が、同じ許認可にいたしましても、大臣の許可の方が知事の許可よりありがたいとか、賞状をもらうにしても国の賞状の方が名詩であるとか、こういう意識がなおかつ非常に強くあるわけであります。
 こういった問題を論議する場合に、場合によりましては住民自身から権限移譲に対して反対をしてくるという場面が少なくないわけでありまして、そういった問題それぞれの、三つの世界についていろいろ具体的な施策を講じなければならないと考えておりますが、当面は国からの権限移譲の促進、それから機関委任事務を、これも多過ぎます。そこで、これを徹底的に整理すること、あるいは必置規制、職である、あるいは行政機関でありますとか附属機関でありますとか、いろいろ法律で地方公共団体に設置を義務づけておるケースがまれではございません。こういったものをできるだけ整理、合理化していくというのが当面の具体的な施策の重要なものだと認識しております。
#45
○菅野久光君 時間が余りありませんので、ひとつ簡潔に御答弁をいただきたいと思いますが、総理の諮問機関であります地方制度調査会が、二月三日、「機関委任事務等に係る当面の措置についての答申」を中曽根総理に提出いたしました。その内容を簡単に説明してください。
#46
○政府委員(大林勝臣君) 地方制度調査会といたしまして、年来、権限移譲あるいは機関委任事務の整理、合理化の答申を繰り返してまいったわけでありますが、今般、さらに一層の権限移譲の促進、機関委任事務の整理、合理化、さらに機関委任事務に対する地方議会、監査委員の関与、こういったものを認めるべきであるとすると同時に、いわゆる代執行制度につきまして、この制度自体が全く動かぬではないかという批判にこたえる形で極めてケースを限定いたしまして、さらに慎重な手続を組み入れることによりまして、最終的には執行停止を含めて裁判所の判断を仰ぐという答申をいたしますと同時に、また、以前からいろいろ批判がございます知事あるいは市町村長の罷免制度、こういうものを廃止すべきである、さらには、国と地方の協力関係というものを強調してまいりますために地方六団体の国に対する意見提出権、こういったものを制度化すべきであるというのが答申の内容になっております。
#47
○菅野久光君 今お話がありましたが、国が裁判抜きで代執行できるというこの新しい制度を言っているわけですね。これはもうまさに中央集権化というものをさらに強化するということになるわけで、戦後四十年たってもいまだに完全に私は確立していないと思われる、あるいは地方自治体の方々もそう思っているところが大分あるわけでありますが、この根幹を揺るがすものだというふうに思うんです。非常に問題点が多いというふうに思います。
 地方自治は民主主義の学校だと言われておりますが、その学校そのものがまだ完全な形になっていない中で、さらに今度は国の力というものが地方自治体を抑え込んでいくような形になっていってしまう。問題は大きく分けると、今なぜ早急に裁判抜き代執行の実現が必要かということでありますし、もう一つは行政改革の大筋とこの制度改正とがどのようにかかわっているかということだというふうに思うんです。
 今仮に定数是正が実現しないまま衆議院が解散された場合、地方公共団体がこの違法違憲の選挙だということで選挙事務の執行を拒否したら一体どうなるだろうか。国政選挙の選挙事務は国の地方公共団体への機関委任事務の一つであります。現行の職務執行命令訴訟制度では国と拒否した公共団体が裁判で争うことになります。そうですね、大臣。
 そこで、今ちょっとこのごろ何か衆議院は解散風が吹いて、あるいは閣議でもいろいろこのことが問題にされているようでありますが、この違憲違法だ、もう最高裁ではっきりこれは違憲だと言われているわけですね。しかし、一度選挙したあれだからまあ今回のあれはそれはやむを得ない、認めましょうと、しかし、次にやったら今度ははっきりこれは違憲だ、したがって無効だと、こういうふうに言っているわけですね。そこで、解散された場合にこの選挙事務を拒否する、こんな違憲違法なやつはうちの自治体としてはやれませんと言った場合に、それを国が違憲違法なことをやれるのかどうかという問題も残りますし、仮にそれで選挙で出てきて衆議院でいろんなものが、いろんな法律が決められたとしても、違憲違法の国会で決められた法律はこれは違憲違法な法律だということで国民から訴訟が起きたときに、これは政治的に大混乱を起こす、そういうことになりますね。大臣、いかがでしょうか。
#48
○国務大臣(小沢一郎君) 選挙の問題につきましては、先生御案内のとおり、今国会で定数是正の成立を期すということになっておりますので、私どもとしてはそれを強く期待いたしておるわけでありますが、今の御指摘のようにもし仮に選挙が行われたということでございますけれども、私どもといたしましては衆議院が仮に解散される、そして先生の御指摘のような問題があるというような事態になりますれば、それは現実問題としてはいわゆる衆議院が不存在の状態に一つあるわけでございます。これを放置するわけにはまいりませんし、また実際上の改正されないままである以上、現行法が存在するわけであります。そういうことで実際もし仮にそうなれば、現行法によって選挙を執行するという以外にないわけでありますけれども、この選挙というのは国民の権利行使の最大の機会でございますから、私どもといたしましてはそのようなことはないと思いますけれども、もし仮に前提としてそういうことがある場合におきましては、選挙管理委員会あるいは国民の皆さんにも十分説得いたしまして、説明いたしまして選挙の適正な運営を支障ないようにしていくという以外にないものと考えております。
#49
○菅野久光君 それじゃ最高裁の判決というものとのかかわりで、今度それで選挙をやったらこれは違憲ですとはっきり言っているわけですよ。はっきり言っていると同じことですね、趣旨は。それを何とか理解を得て執行できると、一体司法の、三権分立というような形からどうなるのかという問題は、代執行の問題とは別な問題かもしれませんけれども、やはりそういう問題というのはこれは大きく出てくるわけであります。何というんですかね、国民の主権というものを全く考えない、ただ政治的なそういうことだけでの解散論議なんて私はもってのほかだということ、国民のこれは感情的な面からもそういうことを口にすること自体が私はやっぱり許されないことじゃないかなというふうに思いますので、選挙を担当する自治大臣としてもその辺はやっぱり慎重な取り扱いといいますか配慮というものが、これは内閣全体に私はあるというふうに思っております。
 先ほどから代執行の問題、ちょこっと言っているわけでありますけれども、先ほど当初に私が大臣に質問いたしましたが、地方自治がいかにあるべきかという問題で大臣のお答えをいただきましたが、今度の裁判抜き代執行の問題が出てきますと、これは言えば地方の自治なんというものではなくて、有無を言わせず国の方針に地方を従わせるということになっていくわけですね。最後は内閣総理大臣の異議という制度もあるわけでありますから、地方から幾ら裁判に持ち込んでいっても内閣総理大臣の異議ということで、国の命令が地方公共団体の意思よりも優位に立つのは必至ではないかというふうに思われるわけですよ。そういった中で本当に地方自治の本旨というものが生かされるようなそういう政治がなされるのかどうか、その辺についての大臣の見解はいかがでしょうか。
#50
○国務大臣(小沢一郎君) この問題につきましては、先ほど先生の御意見の中にもございましたけれども、本来国民に対する政治は国と地方両々相まって協力して初めてその目的を達成することができると思います。したがいまして、国と地方が本当に大事な問題でそんな対立するような状況になるとは私はあり得ないことだし予想していないわけでありますけれども、ただ代執行の問題を考えてみますと現行の制度はそれは確かに二回の裁判の手続がございます。しかし、最終的に総理大臣が地域の住民が選んだ首長を罷免できるという制度が今日厳然として残っておるわけであります。これは立法の際の、戦後のあの占領行政の中でのいろいろな苦労の産物のようでありますけれども、これはどう考えても中央集権的な統治機構の考え方、むしろ私はそのあらわれではないだろうかというふうに考えております。したがいまして、今行政改革をいろいろ言われている中にこういった問題も制度論として取り上げていくということは、私は決して間違ってはいないのではないだろうか、そのように考えております。もちろん、実際に何かを実行、国の意思であるにしろ国民、地域民のみんなの理解がなければその政策は実行できないわけですから、現実問題として私は最初言ったようにそんなことは、対立して大変になるなんというようなことは考えておりませんけれども、制度論としては、今の制度をちょっと考えてみますと、やはりこれは改正の制度調査会の答申にあるように、中身につきましては局長から、慎重ないろんな手続あるいは議会の監査制度、議会の権限等の問題もかなり慎重に配慮されておりますし、また明らかに本当に重大な公益の侵害のおそれがなきゃだめよという限定までかなり踏み込んでつけております。そういうような点から考えまして、制度論として直すべきところは直した方がいいんではないかなという考え方を持っておるわけであります。
#51
○菅野久光君 まあ法律というのは一度つくればひとり歩きをしていくということで、いろんな手続的なことをやっていてもそのことがそのとおり生かされてこない部分が今までいろんなところにあったということは、私は否定できないことだというふうに思うんです。今殊さらに国の権限拡大を強化する必然性、緊急性が一体どこにあるのか。今回の答申の趣旨は、その骨格というものが昨年の七月に臨時行政改革推進審議会の地方行革推進小委員会、瀬島龍三さんが委員長でありますが、ここが打ち出した答申をほぼ踏襲した内容になっております。
 昨年の七月といえばちょうど外国人の登録の指紋押捺が大問題となっていたり、定数是正をしないまま衆議院を解散すると革新自治体が選挙事務を拒否するのではないか等々、いろいろ取りざたされていた時期と一致するわけです。臨調のこの地方行革小委員会答申は、こうした地方公共団体の動きを有無を言わさず抑え込むことをねらったのではないかというふうに思わざるを得ないわけでありますが、地方自治はいかにあるべきかというこの地方自治の本旨から物事を考えるのではなくて、ただ単に臨調の地方行革推進小委員会の答申を受け売りしたかのような地方制度調査会の答申は私は認めるわけにはいかないと、そう思います。
 小沢自治大臣は、冒頭の地方自治の本旨に対する私の質問には、地方自治の本旨は守らなければならないということで答弁をされましたが、ならばこの地方自治の本旨を根本から揺るがす国の裁判抜き代執行には、もう毅然たる態度をとっていくべきではないのか、それが自治大臣としての任務、役割ではないかというふうに思いますが、私としてははっきり反対の態度表明の答弁をいただきたいというふうに思います。いかがでしょうか。
#52
○国務大臣(小沢一郎君) 私は、基本的に最初に先生にお答えしたとおり、地方自治体あるいは地域の住民の皆さん、その意見が十分反映され、あるいは地方自治体が完全に機能して初めて国全体の政治行政というものができるものだと私は考えております。したがいまして、代執行の問題につきましても、今も申し上げましたように、国民、地域民、それらの皆さんの理解がなければ、それは現実問題としてできる話ではありません。そういうことから、私はそういった対立状況が出てくるとか、あるいは国が先生御指摘あったように何かを意図して、特定のものをねらってやるとか、そういう私は考え方は担当大臣としても毛頭持っておりませんし、また、私の議論から言えばそんなことを思ったところでできるはずもありません。そういう考え方でおります。
 ただ、繰り返しになりますけれども、裁判が二度あったとしても最終的に総理が罷免できるわけですね。中央政府の長が地方自治体のみんなが選んだ人を罷免できるという制度は、これはどう考えても私はそれこそ地方自治の本旨に反するんじゃないかと。そういう面で、お互い余り意図的な考え方のもとではなくて素直に議論をしていったらいいのではないかなと、私はそのように考えておるわけであります。
#53
○菅野久光君 素直に議論という、私も人間としては極めて素直だというふうに思っておりますが、なかなかこういったような問題については素直に考えられないような部分がやっぱり背景としてあるのではないかというふうに思わざるを得ないわけであります。
 この問題は大きな問題でありますから、また別な機会にひとつ質問さしていただきたいというふうに思います。
 以上で私の質問を終わらさしていただきます。
#54
○梶原敬義君 地方議員の定数是正の問題について最初にお尋ねをいたします。
 東京高裁は、御承知のように、昨年実施された東京都議選挙で葛飾区民の公選法違反としての選挙の無効を求めました訴訟に対して、二月の二十六日、都議会の定数是正は違法と断じ、議員一人当たり格差は一対二までと基準を示しました。しかも、是正を行わないままの次期選挙は即時無効と判決をしました。
 所管大臣といたしまして、自治大臣の所見を最初にお伺いをします。
#55
○国務大臣(小沢一郎君) 高裁の判決につきましては、先生のおっしゃるとおりの内容で出たわけでありますが、今時に衆議院の定数配分の問題が国会の焦点となっておりますけれども、この判決は、一つは都会議員の選挙に関連しての判決であること、もう一つは高裁で、最終段階の最高裁の判決ではないわけでございますが、いずれにいたしましても、この判決の内容というものは非常に厳しいものであると、私どもとしてはそのように受けとめておるわけでございます。
#56
○梶原敬義君 高裁が指摘をしております人口比例の最大格差が一対二以上の自治体、議会の実態について自治省、一体どうなっているのか。都道府県、政令都市別の状況について自治省にお尋ねします。
#57
○政府委員(小笠原臣也君) お答えを申し上げます。
 都道府県議会議員の選挙区別定数の格差につきましては、最大格差が四倍以上の団体が四団体、最大格差が三倍から四倍未満の団体が九団体、最大格差が二倍から三倍未満の団体が十八団体、最大格差が二倍未満の団体が十六団体と、こういうことになっておりまして、最大格差が一対二を超えるものは三十一都道府県となっております。
 それから、政令指定都市の議会議員の選挙区別定数の格差につきましてはすべて二倍未満となっております。
#58
○梶原敬義君 そこで、来年の統一地方選挙はもうすぐでありまして、運動にもう実質上は入っているんではないかと思うんですが、各県議会とも定数の配分問題が大変問題になっているようであります、この機会に、この公選法の原則に基づいて、最大格差一対二以下で強力に指導すべきではないか。判決の趣旨もありますし、まあ選ばれる者よりも選ぶ側に立って、ひとつ強力に自治省は各都道府県、特に県会議員選挙、今大変熾烈な選挙を迎えようとしておりますが、早くこれは指導してやらなきゃいけないと思うんですが、いかがですか。
#59
○政府委員(小笠原臣也君) ただいま御指摘がありましたように、都道府県の議会議員の総定数及び選挙区別定数の配分につきましては、六十年の国勢調査の結果が昨年速報値が出まして、それからことしの秋には確定値が出るということになっておりまして、予定どおり特例法で選挙が行われるとすれば、来年の春には各県の統一地方選挙が行われるわけでございますので、それまでの間にいろいろと検討がなされるものだというふうに理解をいたしておるわけでございます。
 この問題につきましては、基本的には公選法の規定がございます。公選法十五条に都道府県の議会議員の選挙区の設定及びそれに基づいてどのように議員定数を配分するかという原則なりあるいは特例の規定がございます。そういうものに即して、第一次的には地方自治の建前から当該団体においていろいろと十分御論議をいただくべき問題ではなかろうかと思っております。自治省といたしましては、そういう団体から御相談がありましたらそれに応じまして、最高裁の判決等も踏まえて適正な定数配分が行われるように指導してまいりたい、このように考えております。
#60
○梶原敬義君 公選法の精神に沿えばこれは何も地方自治を侵すことにはならない。だからその公選法の精神に沿って、ひとつ相談があればじゃない、もっとやっぱり、選挙の結果も出ているんですから、火事が起こる前にもう火の手が上がるときには早目に消していく、これは同じことですから、ひとつ大臣そういう方向で今から、地方自治体、県会議員の選挙前ですから、さっき言いましたような趣旨で指導を強めていただきたいと思います。いかがですか。
#61
○国務大臣(小沢一郎君) この問題は公選法にその準拠の規定があるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、地域間の、地域のいろいろな問題がやはりそれぞれ具体的にあると思います。東京のような場合、あるいは私のような山ばっかりの岩手県の場合、それぞれの地域の問題があると思いますので、やはり自治省の方から一方的な指導を行うというよりは地域間の実情に応じて個別に指導、相談に応ずるという形が自然ではないかと考えております。
#62
○梶原敬義君 自治省は要らぬところは頭からがんがん締めつけて、例えば給料が高いとか、それでこういうやらなきゃならぬところはもう相談があったときはというようなやり方で、これは大臣、任期が一年かもしらぬですが、気がついて一年たってみたら何をしておったんだということになるんでしょうね。ひとつ前向きにお願いをいたします。
 次に移ります。きょうは自治省、警察庁の決算に対する審議でありますが、会計検査院の検査の概要に関する報告、二つあって、おおむね問題の指摘する事項がないと、こういうようなことで、自治大臣、私は非常にこれは結構なことだと考えております。
 そこで、私の方から問題の指摘を、去年もちょっとしたんですが、今からいたしますから、ある程度質問通告もしておりますから、次の点についてはひとつはっきり明らかにしていただきたいと思います。
 それは超過労働の実態ですね、警察庁、各県警本部、自治省にかかわる問題。この超過労働の実態は一体どうなっているのか、そしてその超過労働に対する手当の支給状況というのは一体どうなっているのか、やはりこういうものは国民に明らかにしていただきたい。
 私は、去年の六十年四月四日の本院の決算委員会で、前の自治大臣やあるいは警察庁、自治省に質問をしたところであります。非常に遺憾でありますが、そのときにはほとんど実態は把握してない、なかなかわかりにくいということであります。あるいは超過労働に自治省は見合った分は払っているだろう、こういうような説明がなされております。
 そこで、最初に警察庁にお伺いをいたします。年々犯罪が多くなって、しかも暴力団の絶え間ない抗争、時々市民を巻き込みますが、あるいは巻き込むおそれがある暴力団の絶え間ない抗争が延延と続いております。そのほか凶悪犯罪あるいは交通事故の多発等々、警察を取り巻く状況というのは大変厳しく多忙な状況になっていると思います。私は地元でもよく若い警察官が非常に頑張っておる姿に接しておりますし、よく理解をしているつもりであります。理解をしていることと全部効果があっているということとは別ですが、私はそういう第一線に立つ皆さんの苦労というものは十分理解を国民はしてかからなければいけないだろうと思っております。だからというわけではないんですが、去年も言いましたが、要するに、ノーワーク・ノーペイの原則じゃないが、やっぱり休日に出た、あるいは超過労働をした、それは一体どのくらいあるのか、それに対して一体どのくらいの手当が支給されているのか。これは恐らく真実言うとあなた方も困るんでしょうが、やはり臭い物にはふたをして、いいところばっかり見ていくというふうな政治のあり方というのは私はどこか間違っている。日本人には勝手強さといいますか身勝手なところがある。私は中国に行ってゆうべ帰ったんですが、囲碁親善交流で行ったんですが、やはり行ってみて、戦前は悪かったと日本人はなかなか言えないんですね。向こうへ行ったら、悪いことは悪いと。だからあとは上辺だけ繕って、何とかまあまあ一衣帯水で神ようしていこというような雰囲気が日本の上から下まであると思う。そういう悪いところは悪い、いいところはいいというような、そのけじめがなかなかつかない。だから私は、この問題は非常に小さな問題かもわかりません、警察庁の皆さんも小さな問題じゃないですかと言うんですが、私は小さな問題でもいいから、やはり実態というものは国民に明らかにしてほしいんです。だから警察庁の方で、一体今の警察庁それから各県警の本部でやっている、皆さん方のトータルの、全国の各県警本部では大体どのくらいの超過労働があるのか、それに見合う手当を支給しているのか、大蔵省はそれを知っているのか、どう考えておるのか、その点について御答弁をお願いをいたします。
#63
○政府委員(大堀太千男君) 都道府県警察官の超過勤務の実態でございますが、昭和五十九年度の都道府県警察の予算におきます超過勤務手当の計上額がおよそ八百十五億でございます。これは一般職員も含んでおりますが、これで推計をいたしますと、全警察職員一人当たり一月平均でおよそ二万七千五百円、時間数にいたしますと約十七時間でございます。
 なお、実態との乖離といいますか、実態に比べて支給率はどのくらいかというお尋ねでございますけれども、全国全体といたしますと、ちょっと古い調査で約半分でございますが、最近では都市部の警察で調査をいたしましたところでは、一月平均約六〇%という支給実績でございました。
 以上でございます。
#64
○梶原敬義君 ついでに警察庁の関係もお願いをいたします。今のは都道府県の関係ですね。
#65
○政府委員(大堀太千男君) 申しわけございません。ちょっと今資料が手元にございませんので、至急調べて御報告を申し上げます。
#66
○梶原敬義君 大蔵省おられますかね。今私が言っていることが理解できるかどうかまずお尋ねをします。それから、もしそういう実態が乖離があるとすれば、大蔵省としては一体それはどういう判断をしているのか、その二点をお尋ねします。
#67
○説明員(田波耕治君) まず、第一点の理解できるかという御質問でございますが、御質問の趣旨は私どもなりに御心配の点については理解ができるところでございます。
 警察の場合につきましては、基本的には都道府県警察でございますから、超過勤務手当につきましては地方財政計画を組みますときに自治省と御相談をいたしまして所要の予算措置をしておるわけでございますけれども、まあ若干個人的な感想になってしまうかもわかりませんが、やはり、まず基本的には通常の事務というのは通常の時間の中で終わるということが望ましいということは申すまでもないように思います。ただ、そうは申しましても、季節的な繁閑であるとか、あるいはもろもろの重要な事項ということでどうしても超過勤務が必要な場合があるわけでございますが、その点につきましては、地方財政計画あるいは国の予算において所要の予算を計上しておるということでございます。
#68
○梶原敬義君 理解をしていただいてありがとうございます。ただ、本当に理解をしているかどうかというのは今の答弁では納得ができない。
 あなたは大蔵省の中で働いておりますから、通常の時間で本当は通常でやるというのは原則、これはもう当たり前のことなんです。だれもわかっている。第一、大蔵省の中でいつも灯がついておりますが、実態と乖離がないのかどうなのか。いいですか。大蔵省の中で、じゃ超過労働に対する見合いというのは一〇〇%うまくいっているのかどうなのか。私はもう全くいっていないと思うんだけれどもね。だから、口では言えるの、口では。実態は、大蔵省の実態は一体どうなのか。それから、県警の、地方自治体の問題だと今言いました。警察庁にかかわる問題、警察庁あるいは自治省にかかわる問題についてはどう把握しているんですか。
#69
○説明員(田波耕治君) 大蔵省、警察庁、自治省、いずれも中央の一種の企画官庁でございます。こういう官庁につきましては、大体基本的な統一的な考え方を持ちまして予算計上を行っておるところでございます。
#70
○梶原敬義君 それがわからないんです、意味が。意味がわからぬ。もうちょっと具体的に。
#71
○説明員(田波耕治君) 中央省庁につきましては大体月十八時間というものを基準にして予算上は積算をいたしまして予算計上をしておるところでございます。
#72
○梶原敬義君 だから、あなた頭はいいんでしょうがね、こっちは頭悪いんでよくわからぬのだ、わかるように言ってくれないと。だから、十八時間で全部間に合っているのか合わないのか、もっと余計しておるけど十八時間で、そこでとめているのかどうなのか、そこを聞きたいんですよ、大蔵省の内部のことも。わかりますか、それは。
#73
○説明員(田波耕治君) その点につきましては、超過勤務というものは一定の超過勤務の命令に基づいて行われるということでございますので、私どもといたしましては予算の範囲内において合理的に執行が行われているものというふうに考えております。
#74
○梶原敬義君 そうしますと、もし今言われた十八時間、それ以上やったのはそれは手前が勝手にやったんだ、上からはそれは命令をしてないんだ、あなた勝手にやった、それは知りませんよと、こういうことになるわね。
#75
○説明員(田波耕治君) まあお言葉でございますけれども、勝手にやったと申しますよりはやはり一定の命令において行われている、その限りにおいて超過勤務手当が支給されておるというふうに理解しております。
#76
○梶原敬義君 だから、大した問題じゃないかもしれない、そんなことぐらい仕事したらいいじゃないかという意見もあるかもしらぬ。しかし、実態は一体どうなっているのかが一番知りたいんですよ。あとのことはまた後で国会でも判断すればいいし、いろいろ議論すればいいことだ。だから、実態は差が大蔵省だってそう、警察庁だって自治省だってあるのかないのか、それを聞きたいんですよ、まず。だから、あなたは十八時間以外はやっぱり命令をしたことになるだろうと。平均の問題ですから、もっとあるはずですよ、大蔵省は。だから、その差は一体何ですか。その差をなぜはっきりここで出してくださいませんのか、もう一度どうですか。
#77
○説明員(田波耕治君) 本日私は予算計上の責任者として参っておりますので、その実態につきましては後ほど数字をもちましてどういう実態になっているか御説明をさしていただきたいというふうに考えております。
#78
○梶原敬義君 これは私に出してもらうことはない、これは国会全体の問題ですからね、この本委員会にやはり説明をしていただきたいと思うんですが、いかがですか。
#79
○説明員(田波耕治君) ちょっとそこの実際の実行の数字については、現在私責任を持って残念ながら御答弁できませんので、後ほど検討いたしまして御報告申し上げたいと思います。
#80
○梶原敬義君 だから、どこで検討してどういうように対応するのか、それをひとつ最後に。
#81
○説明員(田波耕治君) 大蔵省の予算の執行ということでございますと、私どもも官房の会計課におきましてフォローしておりますので、そちらで検討した結果を御報告申し上げたいというふうに思います。
#82
○梶原敬義君 了解。それではこう理解します。自治省、警察庁は今から聞きますから、大蔵省も先ほど責任持って言った以上私はやっぱり責任を持って対応していただく、ということは内部で相談をされまして、本委員会に対しまして大蔵省の実態は、超過労働とそれに対する支払いの実態は一体こうだと、こういうことを一応けじめとして出していただく、国会に対しては。そう理解をいたします。それでいいですね。
#83
○説明員(田波耕治君) 検討をさせていただきたいと思います。
#84
○梶原敬義君 検討ではだめだ。
#85
○説明員(田波耕治君) 申し上げました趣旨は、実態を調査いたしまして御報告いたしたいと思います。
#86
○梶原敬義君 次に自治大臣、アメリカでは公務員の皆さんの労働条件等に関しては、公正労働基準法というのがありまして、これは労働長官が担当して、こういう問題についてはいろいろと行政の立場で指導し、判断をしていくわけです。日本にはそういうところがないわけです。だから、各省庁ごとに大臣が多分やっていくようになる。労働基準法の適用が。これはどうも去年の質問でも、なかなか内部ではそれは労働省の関係ではないと、今のような超過労働に対する支払いの実態の乖離ね、こういうことなんですよ。しからば、その責任はあなたにあるわけだね。一応去年の自治大臣は、この問題についてはもっと解消するように努力する、こういう答弁があるんですよ。したがって、ひとつ大臣にはっきり答えていただきたいのは、警察庁あるいは各県警本部もうトータルで結構ですから、一体どのくらい金額に直せば超過労働がある、しかし、実態の支払いはこのくらいしかない、これをひとつ明らかにその差をはっきり、後でいいですから、していただきたい。
 それから、その差があるならば、その差の解消に向けて一体どう大臣としては自治省の関係するところについては努力をするのか、その決意をお伺いをしたい。
#87
○国務大臣(小沢一郎君) 実態の問題につきましては官房長から答弁をいたさせますけれども、いわゆる超過勤務につきましては、先生御指摘のように、本来時間内でやりまして、事務の合理化を図り、その時間内におさまるようにすべきが本筋は言うまでもないわけでありますが、なお必要に応じて超過勤務をしなければならないという場合においては、それだけの当然手当てというものがなされなければならないであろうと私も考えております。今年度の予算につきましても、超勤の手当てにつきましては増額いたしておるわけでございますけれども、いずれにいたしましてもその実態を踏まえまして、先生の御指摘のように今後さらにその点を留意いたしまして、予算の配分に努力しなければならない、そのように考えております。
#88
○梶原敬義君 次に行くつもりだったが、ちょっとひっかかるのであります。
 ちょっと警察庁の方に聞きますが、今大臣が言われますように、決められた時間で決められた努力でやって一体、相当の開きがあるはずなんですが、それが埋められるのか。あるいは事務の場合はOA機器か何かを入れて解消するのか。これは特に今交通事故が多いですから、交通関係の事故があれば飛んでいかなければならない。あるいは凶悪犯罪や暴力団の関係で刑事は今、夜も寝れないような状況でしょう。そういうような状況が一体私は解決ができるような、今の人員でできるような数字になっているのか、あるいはやっぱり無理だけれども、頑張れと言って尻をたたくのか、あるいはこはどうにもならない、人が足らないというのかわからぬのです、判断ができないのです。だから、その判断をするために資料を出してほしいというのを去年から言っているんですが、ことしも言っているんですが、これは二回ですが、どうもぴんと来ない。これは私が言っているのはおかしいのか、その点についてひとつ。
#89
○政府委員(大堀太千男君) 仕事自体のやり方につきましては、合理化あるいは能率化をすべき努力は当然しなければならぬと思いますが、警察の、特に第一線業務の特殊性から、これまでしか超勤がないからこれで仕事は終わりというわけにはなかなかまいらぬ事情がございます。先生御指摘のとおり、暴力団の対立抗争が激化をしておりますし、また交通事故も多発をしておりますし、また昨年など、例えば群馬県におきます日航機墜落事故等の突発事案等もございます。そういった場合に、それぞれ関係方面では、地財計画上の措置に加えまして、超過勤務手当の上乗せの措置について関係方面にお願いをいたしまして、完全とは申しませんが、ある程度の改善の方向に向かっておるというふうに考えておる次第でございます。
#90
○梶原敬義君 前の方の答え方はもうそれでよくわかってるんです、私は。だけど、改善するような努力、努力と言ったって、一体その改善の努力ができる範囲なのか、聞いてみなきゃわからないんだ。その実態がわからないんですよ。だから、皆さんが努力する、するで一体どのくらい努力ができるのかどうなのか、それがわからぬ。それを判断するためにやはり資料もほしい、実績もほしい、こう言ってるんですから、そこのところについてはこれは自治省も同じですよ、両方答えてください、もう自治省はおれのところ関係ないような顔をして、いい顔をしているんですが。
#91
○政府委員(津田正君) 昨年の当委員会で御報告申し上げましたように、実績では二万七千円でございました。六十一年度予算におきましては、一人当たりにおきまして二万九千円というような予算措置を、今、国会で御審議を受けておるような状況でございます。もちろん、基本論としましては、超過勤務にならないような勤務体制ということが必要でもございますので、そのほかの措置としまして、特に交付税算定事務のOA化、その他の部分におきますOA化というものも推進しておりまして、昨年からも、OA機器等は、六十、六十一年度、六十一年度の予定も含めますと八台のOA機器を入れるというような措置もとっておるわけでございます。今後におきましても、そのような、執務環境の整備と申しますか、効率的な事務執行体制がとれるように努力いたしますとともに、勤務実態等に即した超過勤務手当等の予算額の確保を図ってまいりたいと考えております。
#92
○梶原敬義君 だから、私は、そこをどう改善せいということは先の問題なんです。それが改善を、あなた方がOA機器を入れたりあるいはうまいことみんなで能率上げてやれば片づくものなのか、あるいは片づかぬものなのか、その数字を見てみなきゃわからぬわけでしょう、我々の判断。判断ができない。できますかね。大臣できますか。あなたが言いますように、警察庁後から答弁してもらいますが、その実態は、努力することによってその差が、例えば三十時間なら三十時間と十八時間なら十八時間、十五時間なら十五時間の差は、これは埋められるというものか。やはり到底埋められない、だから辛抱してくれというのか、あるいは人をふやすというのか、あるいは何かほかの手を打つのか。だから、そこの判断がわからないから。あなたもわからないはずだ。わかるならわかると言ってもらってもいいんだから。一応、だれが聞いてもわからぬことをわかるようにしてほしい、こういうことですから、ひとつ、その数字は今出せぬでも、やっぱりこれはいかがですか。警察庁。
#93
○政府委員(大堀太千男君) 警察庁の実績につきましては、恐れ入りますが、ちょっとまだ調査できておりませんので、調査し次第報告をしたいと思います。
#94
○梶原敬義君 自治省もいいですかね。
#95
○政府委員(津田正君) 超過勤務手当とそれから実際の労働という問題につきましては、もう先生基本的に御承知のとおり、制度的に予算額の範囲内で勤務命令を出して超過勤務をやっていただく、こういうような体制なわけでございます。命令がない場合のものをどういうふうにとらえるのかということはなかなか難しい問題でございますが、いずれにしましてもそういうような超過勤務というものが、職員の労働過重ということを考えればなるべく減らしていくのが筋と、そういうような執務環境も整備してまいりたいと考えております。
#96
○梶原敬義君 私はうそを言っちゃいかぬと思うんです。私はうそを言うのが一番悪いと思うんですよ。わからぬならわからぬ、これは困りましたというんならそう言えばいい。なかなか今言えませんと言うならいいけれども、命令をしたから範囲の中でおさまったと私は今とってるんですよ、あなたの答弁から。それはできないでしょう、そんなことじゃないでしょう。だから私は一番今子供たちに害を与えているのは、政治家がうそを言うからでしょう、国会がうそを、ここの中でうそが多いからでしょう。だから言えぬなら言えぬ、困りましたというんならそう言えばいい。何か正当化して物を言おうとしているから、それは警察もおるし、あなた方も犯罪者をつかまえるのに、うそからうそを、それをどう見抜くかが問題でしょう。私はうそを言われたときに、はいそうですかとこれはもう引き下がるつもりでしたが、これは納得できませんよ。そういうことを聞いて、はいそうですかと言うわけにはいかない。命令の範囲内でやっておるんですからと言ったって、命令の範囲内で、先ほどから繰り返しておりますけれども、範囲内では半分くらいしかおさまってない、せいぜいたかだか半分くらいしかおさまってない。あとの半分は一体命令外が、命令なのか、またそこから話を戻さなきゃいけない。大臣、どうですか。
#97
○国務大臣(小沢一郎君) 超過勤務の実態につきましては、私もその数字的な問題は承知いたしておりませんので、またよく検討いたしたいと思いますけれども、いずれにいたしましても実際の問題として、いろいろな具体的なケース、それぞれたくさんあることはあると思います。しかしそれに対しまして、できるだけ必要な超勤に対しましては必要な手当をするように最大限努力するというところに、私の役割もこれまたあるものと思います。そういうような姿勢をもって、十分先生の御意見も念頭に置いてできるだけ対処してまいりたいと考えております。
#98
○梶原敬義君 もう時間がありませんからやめますが、実態だけはひとつ大臣、大臣の任期中に把握をしていただき、そこから判断をしようじゃありませんか。
 それから、最後に自治省の方に、資料で結構ですが、今地方自治体でも臨時あるいはパートの職員というのはどんどんふえているか、あるいは傾向的にはやはり総体的にふえているんです。ですからこの状況、実態、これは余りよくないことですから、一度ひとつまとめて全国の状況を報告をお願いをいたしたいと思うんですが、いかがでしょう。
 終わります。
#99
○政府委員(柳克樹君) ただいま臨時職員の実態の資料の御請求がございましたが、実は先生御承知のように、臨時職員と申しますのは職務の内容、それから勤務形態、それぞれ違いますものですから、具体的な調査ということになりますと大変手間がかかりまして、実際問題として私どもは技術的に非常に難しいと考えております。現在持っておりますものは、常勤的非常勤の職員だけでございますが、一応それをお届けしたいと存じます。
#100
○服部信吾君 まず初めに自治大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、これは一問だけ。
 中曽根内閣の同僚の閣僚である渡辺通産大臣が大変な発言をしたと、ちょうど確定申告の時期でありましてね。税金がどのように使われているのか、非常に国民の間では関心があるところですけれども、毛針発言ですね、これほど有権者、国民をばかにした発言はない。ただ、これは予算委員会の冒頭で要するに謝罪する、総理が言いわけをする、私はこれでは済まされない問題だと思いますけれども、自治大臣、この発言について同僚議員としてどのようにお考えですか。
#101
○国務大臣(小沢一郎君) 私は通産大臣の演説を直接聞いたわけでございませんので、どのような表現でどういうふうにお話しになったのかはわかりませんけれども、基本的に国民がそれぞれの考え方に基づいて国政をゆだねる政党をどれがいいか、それをその良識に基づいて各政党を支持し、各議員を支持しているものと思います。その判断は賢明な国民の判断でありまして、当然尊重し、公正な判断であると私は考えております。
#102
○服部信吾君 謝罪するわけですから、申しわけないと言って通産大臣が自分で言っておるわけですね。マスコミの新聞等を見てもこうやって頭を深く下げているわけですね。これはやっぱり大変な問題だと私は思いますよ。この点についてもう少し話してください。
#103
○国務大臣(小沢一郎君) したがいまして、その伝えられるような趣旨で話をしたとするならばそれは適当な発言ではないと、私はそのように考えております。
#104
○服部信吾君 次に、先般行われました逗子市議会のリコール問題、この点について若干お伺いしたいと思うんですね。
 当時の投票率、これは六七・四九%、大変住民の関心が高い問題である、このように思うわけですね。今回市議会解散のためのリコール、これが通ってしまう。なおかつ今後市長解職のためのリコールが出ておると、これは通るかどうかこれまたこれからのあれにまつわけですけれども。考えてみれば逗子市の小さな町でこの二、三カ月で市議会解散のリコールで一回、それから市議会議員選挙で一回、また市長解職のリコールで一回、またもし通ればもう一回行かなくちゃいけない。また衆参同時選挙があれば六回行かなくちゃいけない。この二、三カ月で大変大きな問題だと思います。
 ここでやはりリコールという問題に対して、これは住民が現職の市会議員を簡単に言えば首を切るという、こういうことであります。また総理大臣が解散をするということはこれは国会議員の首を切ると、大変非常に意義の深い重いあれであると思いますけれども、自治大臣、このリコールについてのお考えをお伺いしたい。
#105
○国務大臣(小沢一郎君) リコールの制度そのものについてでございますね。
#106
○服部信吾君 はい、結構です。
#107
○国務大臣(小沢一郎君) リコールの制度につきましては、先生お話しのとおり、当然与えられた任期の途中でその身分を失わせるという行為でありますから非常に大きな重大なことでございますけれども、これが認められましたのは、解散の行為とはまた若干別とは思いますが、いわゆる地域住民の意思が十分に選挙を通じて以外の場合におきましても反映されるようにという制度の趣旨ではないかと私としては考えておるわけであります。
#108
○服部信吾君 そこでちょっと具体的にお伺いしますけれども、今回市議会解散、こういうことでありますけれども、池子弾薬庫跡地、ここに米軍の住宅を建設する、この問題についてある面から言えば問われた問題であるわけであります。一昨年の前市長がリコールで敗れて、そして新市長がまた登場され、そしてこの新市長はやはり米軍住宅反対、こういうことでキャンペーンを張って当選されてきた。また今回、この市議会の解散が通ったということは、やはりこれは米軍住宅建設反対、こういう大変厳しいことが相次いで昨年またごとしと出たわけでありますけれども、自治大臣としてこのリコールの結果についてはどのようにお考えですか、なおかつ防衛施設庁、この結果をどのように受けとめておられるか、この点についてお伺いしたい。
#109
○国務大臣(小沢一郎君) リコールの結果につきましては、こういう問題は本来、地域とあるいは国の施策と本当にお互いが理解し合って円満にいくのが望ましいわけでありますが、今日の状況の中でリコールが議会の解散ということで成立いたしたわけでありますが、今までのプロセスあるいは国にしろ地方にしろそのやり方の是非は別といたしまして、そういった多くの住民の意思がリコールになってあらわれた、それも住民の一つの意思の表示であるというふうに考える以外ないと思っております。
#110
○説明員(志滿一善君) 当庁といたしましては、リコール運動につきましてはとやかく言う立場ではございません。今後、先生がお話のございましたように、市長のリコール投票、市議会の選挙が行われることとなるわけでございますが、当庁といたしましてはこのような動きにかかわりなく、我が国の安全保障、防衛の政策遂行上の重要な事項といたしまして、環境影響評価の手続を進めた上でこの家族住宅の建設に早急に着手したいと考えておる次第でございます。
#111
○服部信吾君 だから、今これだけの厳しいいわゆる住民の判断が出ているわけですから、それをなおかつこの判断を全く無視したような形で進めようと、こういうことですか。
#112
○説明員(志滿一善君) 私ども防衛庁といたしましては、ただいま申し上げましたように、我が国の安全保障、防衛の政策遂行上の重要な事項ということでございますので、環境影響評価の手続を進めた上で家族住宅の建設に早急に着手したいという考えでございます。
#113
○服部信吾君 ここでちょっと自治大臣にお伺いしたいんですけれども、自治大臣、今リコールの意義、大変重大に威しく受けとめておると、こういうことで住民監督官庁である自治省として、防衛施設庁はもう全然これを無視してやるというような感じですけれども、自治省としてはどのようにお考えですか。
#114
○政府委員(大林勝臣君) 御指摘のような問題をめぐりましてリコール制度が双方から活用と申しますか適用されて、ダブルリコールというような動きになって、そのために市政が大変混乱しておるということにつきましては私ども残念に思っておるわけでありますが、問題は、結局は地元住民の了解というものがないとなかなか国の仕事がスムーズに進まないのもまた事実でありますし、私どもできるだけこういった経過を踏まえながらも、国と地方側がお互いに粘り強く調整をしていただくことを願っておるわけであります。
#115
○服部信吾君 国と地方と粘り強く交渉する、それを待っていると。自治省としては何か具体的にもう少し国と地方の間の連携をとるような、そういう考えはあるんですか。
#116
○政府委員(大林勝臣君) 事柄は国有財産というあの土地に国が施設をつくるということでありますので、その問題について特に制度的に国側あるいは地方側が対応するシステムというものは別にございません。
 問題は、事実上できるだけ紛争が起こらないような方法で施策を進めていただくのが一番いいわけでありますが、自治省といたしましては特にこの問題について直接タッチする立場にはございません。
#117
○服部信吾君 そこで、自治大臣にお伺いしたいんですけれども、今回のこのリコールの争点、これはある面から言えば、表面的には米軍住宅建設の是非を問われたものである、と同時にもう一つ、いわゆる根底においては国の主権、今盛んに防衛庁も言っておりますけれども、専決事項、日米安保条約によって国の主権、こういうものと地方自治体の利害、これをどのように調整するのか、こういうふうな問題にもなろうと思うんですね。また、自治体における執行機関の長あるいは議決機関としての議会、この意思をどのようにするのか、民主主義と地方自治のあり方、これがやはり根本にかかわる問題だと思うんですけれども、自治大臣、この国のある面から言えば中央集権的な専決事項、地方自治の民主主義といいますか、これを踏みにじっていいのかどうか、この辺についてお伺いしたい。
#118
○国務大臣(小沢一郎君) 今局長からも答弁いたしましたけれども、これは国有地の中に国のいわゆる安保条約の防衛の関連の施設をつくるということですから、制度的な、あるいは法的な問題ではないと思います。
 ただ、前の御質疑のときにも関連してお話ししましたけれども、国の施策もやはり地域民あるいは国民全体の理解と協力を得られて初めてその政策目的を達成することができるわけでございますので、できるだけその地域の皆さんの理解を得られるように、円満にいくようにしていただきたい、私どもとしてはそのように希望いたしておるわけであります。
#119
○服部信吾君 そこで、自治大臣にもう一回お伺いしたいんですけれども、この際地方自治とは何か、あるいは国と地方自治体とのあり方、こういうことについてちょっとお伺いしたいんですけれども、地方自治の機能として一応三つ挙げられると。その一つは、自治体に対する国の介入を抑制し、自治体が自主的に決定ができるようにする、いわゆる抑制の機能、それから第二としては、自治体は国家の構成要素として住民の意思を国政に反映させていくための媒介の機能、第三としては、自治体は住民の直接の政治参加の場としての参加の機能、こういうふうに大体大まかに言うと三つあると。こういうことで、憲法で言う地方自治の本旨とは、これらを含めた中央集権に対するいわゆる地方分権が期待されている、こう思うんですけれども、この点についてはどうですか。
#120
○国務大臣(小沢一郎君) 地方自治制度、地方自治の本旨といたしましては、先生のおっしゃるとおり、地域の自主的な判断に基づいて自律的に運営される、また今御指摘のような要素を持っておるものである、そのように解釈しております。
#121
○服部信吾君 防衛庁にちょっとお伺いしたいんですけれども、今回のリコールに当たって防衛庁としてはチラシやパンフレットを多数まいたと。大変住民の感情を逆なでするとか、住民に対して挑戦をするような行為を行った、こういうようなことも言われているんですけれども、この事実はありますか。
#122
○説明員(志滿一善君) お答えいたします。
 このチラシの配布につきましては、従来から実施しております私ども防衛施設庁の広報活動の一環でございまして、今までにも家族住宅の模型の設置時やアセス案を県に提出したときなどについてこのようなチラシを配布しておるわけでございます。
 逗子議会及び逗子市長の各リコール運動がそれぞれ昨年十月及び十一月から行われておりますが、このリコール運動期間中二月二十四日、二月二十五日の両日にチラシを配布したわけでございます。これは神奈川県の主催による公聴会が、逗子市については未定でございますが、横浜市については三月十六日、鎌倉市については三月二十三日に行われることが二月十四日神奈川県において決定されましたので、この際関係住民の理解を得るため早急に配布したかったものでございますが、所要の事務手続に日時を要しましたために、たまたま三月二日の市議会リコール投票日の前に配布することとなったものでございます。
 二月二十四日、二月二十五日の両日にかけまして逗子市及び横浜、鎌倉両市の一部の各戸に二種類のチラシを配布いたしました。そのうちの一枚は「池子の緑は十分残ります」と題したもので、完成前後の景観を比較し、逗子市内配布分につきましては裏面に市民が利用できる運動施設を紹介したものでございます。二枚目のものは「日本の平和と繁栄を守るために」と題したもので、日米安保条約の円滑な運用によって受けている恩恵を身近な例で紹介し、その裏面は池子に家族住宅を建設しなければならない理由を説明したものでございます。これら当庁が配布いたしましたチラシは、あくまでも米軍家族住宅建設事業に対する逗子市民の理解を得るために行ったものでございます。
#123
○服部信吾君 だから、例えばリコール運動が行われる、こういうことがやはり非常に焦点になっているわけですから、要するに建設か反対か、そういうようなときにその中で、またあるいはその近くでそういうようなことをやるということは、住民からすればどうなっているんだ、どっちの味方なんだというようなこともいろいろあると思うんですね。また、先般においては何か住宅地のこういうものができますよというモデルみたいなものをいろいろつくって、今度もしできればこういうふうになるんですよというふうなことで張っておる。こういう面からいえば、反対されている人たちから見ればどうなっているんだ、我々の気持ちが全くわからないじゃないかという、そういう気持ちになると思うんですね。そういう面からいえば、先ほど来お話をしているけれども、もっと柔軟な姿勢で住民の方たちとも話し合いをしていかなければこの問題は大変な問題に発展するんじゃないか、流血を見るんじゃないか、私はそんなような気もするわけです。
 このリコールの結果大変厳しい、一応反対という結果が出たわけです。しかしながら、なおかつまだ今までどおり神奈川県の環境アセスメントのあれを見てすぐやるんだ、要するにこういう行き方では何か対決的な行き方になってしまう。もう少しこういう結果を見て、そして今までのスケジュールもあるにしても、住民と話し合えるような機会を持つべきじゃないか、こういうふうに思いますけれども、どうですか。
#124
○説明員(志滿一善君) 今後市長のリコール投票、市議会の選挙が行われることとなりますが、私ども防衛施設庁といたしましてはこのような動きにかかわりなく、この米軍の住宅建設計画につきましてより一層関係住民等に対しまして、この計画の内容につきまして理解を深める努力を進めていきたいと考えております。
#125
○服部信吾君 これ以上やってもあれですけれども、自治大臣ね、今の防衛庁のお考えではもうとにかく予定どおりやるんだ、こういうお考えのようでありますけれども、逗子市会また逗子の住民の人たちもいろいろと、ある面から言えば不安な面があると思いますので、何らかの形で仲介をとると言っちゃおかしいですけれども、逗子市会というのは自治省の管轄でありますので、何らかの形のアクションなりあるいは仲介をとるというか、そういうようなお考えはありますか。
#126
○国務大臣(小沢一郎君) 先ほどの防衛施設庁の答弁におきましても、住民に理解を得られるように今後やっていきたいということで答弁がありました。私ども先生の御趣旨は理解できるところでございますが、直接自治省がその間に立ちましてどうこうするという立場ではないと思っております。地域の住民の皆様に御理解が得られるように進められることを希望するわけであります。
#127
○服部信吾君 ひとついろいろと御努力をしていただきたいと思います。
 次に、東京都議会の議員定数配分について先ほど同僚議員の方からも質問があったわけでありますけれども、大変厳しい判決になっているわけですね。根本的是正とはほど遠く、違憲、違法性を解消したとは言えない、こういう大変厳しい判断が出ているわけでありますけれども、ちょうど今国の方も定数是正の問題が大変大きな問題になっているわけでありますけれども、この東京都議会の議員定数配分に対するこの高裁の判決と現在行われている衆議院定数と非常に連動した、時期が時期だけにこれは大いに注目すべきことである、私はこういうふうに思いますけれども、この高裁の判決と最高裁の判決、これについての自治大臣のお考えをお伺いしておきます。
#128
○国務大臣(小沢一郎君) 高裁の判決につきましては、先生のお考えと同様、大変厳しく私どももその内容は受けとめておるわけであります。今衆議院の定数是正につきましては、たしか五十八年、六十年の最高裁の違憲であるという判決を受けて前国会で議長見解等を出されまして、それに沿って今各党の作業が行われておるわけでありまして、これは高裁の判決は都議会に関連しての訴訟で出たものでございますので、直接的にはイコールで衆議院の定数と結びつくものではないだろう、やっぱり衆議院あるいは参議院それぞれの性格、特性があるわけでございますから。しかし、いずれにいたしましても同じような性格の問題に関しての判決でございますので、その点につきましては大変厳しく受けとめておるという現在の心境であります。
#129
○服部信吾君 この高裁の判決の中で地方議会で許される格差は二倍まで、こういうことでありまして、これは国会とはちょっと異なるという意見もあるようですけれども、この二倍までという意義はやはり国会の定数是正をするにしても私は非常に参考にすべきじゃないか、こう思うんですけれども、自治大臣どうですか。
#130
○国務大臣(小沢一郎君) 現実の今の国会にありましては、先般の議長見解のもとで定数是正の格差については一対三というようなことで進められております。また、衆議院の定数の問題につきましては、先生御承知のように二・九二につきましては違憲ではないという判決、それから三・九四では違憲だと、この二つの最高裁の最終判断が出されておるわけでございます。したがって、今の定数是正の作業はその判決の上に立って、そして先般の議長見解、先国会に基づいて進められておるものであると思います。各党協議の中でどのような結論が出るかは、それは別問題でございますけれども、今私が、そのような状況にある中で一対二がいいのか、一対三がいいのか、あるいはそれ以外がいいのかと言う立場にはないのではないかと思っております。
#131
○服部信吾君 私ちょっと今回のこの東京高裁の判決、都議会は昨年選挙になっているわけです。その前に最高裁から、要するに都議会の定数においては非常に違憲の疑いがある、こういうような形で出されていたわけです。都議会としても選挙前にいろいろと苦労されて、そしてこの三増三減ですか、当初は一対七であったのが一対三幾つになった。要するに都議会としては努力をしてそこまでやった。その選挙の結果、またなおかつこういう厳しい高裁の判断があったわけです。
 ですから、非常に今この国会で定数是正問題が大変問題になっているわけです。これが緊急避難的に三倍以内の十増十減であるとか、あるいは確定値が出てから抜本改正、こういうことでありますので、大変ケースが似ている。だからまた、今回この定数是正がなった時点で余りおかしな是正になった場合において、すぐまた違憲の判決が出るんじゃないか、大変類似しているんですけれども、この点については大臣、どのようにお考えですか。
#132
○国務大臣(小沢一郎君) またその時点になって最高裁なり司法がどう判断するか、これは私予測できませんけれども、議長見解におきましても、要するに今回緊急避難的にああいう原則で今国会でやりましょう、そうしましょうという各党の合意になったわけでありまして、それにさらに確定値が出てからは抜本的に取り組みましょうと、そういうことで各党、公党同士約束し合ったわけであります。したがいまして、先生御指摘のような、あるいは東京高裁の今回の判例につきましても、その各党間の協議の中において抜本改正なりを考えるときにおきまして、各党の意見の中で参考にされることはそれはあるかもしれませんけれども、今の段階におきましては、議長見解に基づいて今国会中にとにかく違憲状態は脱しようという努力が払われておる最中でございますので、それに沿いまして検討がなされるものと思っておるわけであります。
#133
○服部信吾君 衆議院の定数是正問題については先ほど大臣御答弁があったとおり、今衆議院の定数是正問題協議会、ここで各党の皆さんが集まっていろいろいい案を練っている、こういうところだと思いますけれども、この中で一番問題になるのがやっぱり二人区をどうするか、こういう問題であると思いますけれども、大臣としてはこの二人区新設は、これは小選挙区制ではないんだと、こういうような御答弁もされておりますけれども、また昨年の十二月十九日に出た坂田衆議院議長の見解、議長見解においても、小選挙区制はとらないものとする、こういうふうになっているわけですけれども、二人区新設を認める自治大臣、これが坂田議長見解とはちょっと反するのではないか、こういう意見もあるんですけれども、この点についてはどのようにお考えですか。
#134
○国務大臣(小沢一郎君) 二人区創設を認めるとか認めないとか、そういう趣旨の発言を私はしたつもりはございません。
 ただ、選挙制度というのはどういうものだと、小選挙区制はどうだ、大選挙区制はどうだ、いわゆる中選挙区制はどうであるか、そういう議論の中での見解は申し上げた記憶がございます。
 いずれにしろ、二人区等の問題が一番の焦点になったことは事実でございます。それらを含めまして各党間で協議をして何とか知恵を出そうというふうになったのが前国会であり今日の国会である、そのように考えております。
#135
○服部信吾君 二人区が小選挙区制であるかどうかという問題は、これはもう幾らやっても平行線になると思いますけれども、そこでちょっと大臣の認識をお伺いしたいんですけれども、戦後二度にわたって自民党さんは小選区制導入を行おうとしたと。一回は鳩山内閣当時、昭和三十一年に小選挙区制を盛り込んだ公職選挙法改正案、これが提出されて衆議院は通ったけれども参議院で廃案になった。また二回目が田中内閣当時、四十八年にこの小選挙区制案を出そうとしたけれども、これはやはり党内で日の目を見なかった、こういう経緯があるわけです。そういう経緯を見まして、国民が小選挙区制反対と、こういう声をやはり自民党さんとしても考えてこういうように二度断念をした、私はこう思うんですけれども、この経緯について自治大臣としてはどのようにお考えですか。
#136
○国務大臣(小沢一郎君) 小選挙区制度につきましては自民党の中で議論されたり、あるいは先生が御指摘のあった経過、事実もあるわけでございます。
 これは、選挙制度というのは言うまでもなく国権の最高機関たる国会の基本的な土俵づくり、そしてまた、各党、各議員と密接な関連を持っているものでもありますし、院の構成に関するものでもあります。
 したがいまして、小選挙区制にしろあるいはその他の制度をいろいろ考えるにいたしましても、非常にこれは各党間の慎重な協議あるいは合意のもとに、検討のもとになされなければならない、また当然そうあってしかるべき性格の問題である、私はそのように考えております。
#137
○服部信吾君 選挙区制度の問題については一から二が小選挙区制度、また三から五が中選挙区制度、また六以上が大選挙区制度、これは大正十四年以来ずっとこの制度でやってきているわけです。そういうことで、この制度は私は大変国民に定着をしておる、そういうことだと思うんですけれども、この考え方については大臣はどのようにお考えですか。
#138
○国務大臣(小沢一郎君) 今の先生の分類につきましては、私どもといたしましては小選挙区と大選挙区、一選挙区一人の小選挙区、それから二人区以上は大選挙区というふうに解釈するのが学説上相当だと思いますが、我が国におきましてはたしか県単位、県を一つの選挙区としてやった例があると、そのときにそれを大選挙区とした、呼んだ。そしてその後、今のような選挙制度になりまして、そしてそれをそれと区別するために中選挙区制という呼び方をしたのだというふうに理解しておりますけれども、いずれにいたしましても、御指摘のようにこの今のいわゆる中選挙区制度が長い間施行されてきた。そして、そういう事実の中で国民の間にも選挙制度としてはなじんでおる、そういうことは事実として御指摘のとおりだと思います。
#139
○服部信吾君 そこで、昨年七月の最高裁における衆議院定数違憲判決、これは一票の価値が法のもとの平等に反する、だから定数を是正して平等にしろと。いわゆる一票の価値、一票の平等、こういうことに対する違憲判決であって、やはり、例えば二人区を新設するというようないわゆる選挙制度の改正にまでは触れてない、こう解釈するわけですけれども、大臣としてはどのようにお考えですか。
#140
○国務大臣(小沢一郎君) 判決のことにつきましては、先生おっしゃるとおり、選挙制度に触れてどうこうしろというものではないと思います。まあ、それらの選挙制度の問題点も含めてこの間来の国会に、繰り返すようですが検討しようということになっておるのが現状であると思っております。
#141
○服部信吾君 次に、いろいろと今衆参同時選挙と、こういうようなことが言われているわけでありますけれども、この衆参同時選挙というのは、憲法違反の疑いもあるというようないろいろな議論があるようでありますけれども、大臣としては同時選挙についてはどのようにお考えですか。
#142
○国務大臣(小沢一郎君) これもまた解散されるかどうかわかりませんので、仮の前提の上での議論になるわけでありますが、解散権、憲法上の権限、機能ということから言えば、それは選挙の執行、管理を定める選挙法とは別の次元の問題でありまして、政治的な、いわゆる国会と内閣、その関係におきまして内閣に付与された憲法上の機能であると思います。ただ、この解散という行為は、いわゆるダブル選挙ありきというふうなことではなくて、いわゆる国民の意思を問う必要があるかどうか、そういう政治情勢にあるか、そういう状況の判断がまず第一義にあるべき筋合いのものであろう、私はそのように考えております。したがいまして、そのような状況が生ずるかどうか、それは、その時点における内閣全体としての判断のものである、そのように考えております。
#143
○服部信吾君 よくわからないんですけれどもね。私は、やはり今憲法違反の疑いのある同時選挙というのはすべきじゃないと思います。たまたま、これは五十五年ですか、ああいう形でなったわけでありますけれども、何となく、大変申しわけないんですけれども、大政党に有利な同時選挙といいますか、あのとき大勝した。まあそういうことで、少々憲法違反の疑義があったにしても同時選挙をやって、そして大勝利をするというような考えが非常にある。ある面から言えば、中曽根さんの三選に、要するに、するための何か同時選挙みたいな気がするわけでありますけれども、これは大臣、個人的にどんなふうにお考えですか。
#144
○国務大臣(小沢一郎君) 選挙法の関連で申し上げれば、それは早急に違憲状態を脱しなきゃいけない、直さなきゃいけないということですから、今国会におきましてぜひとも成立することを願っておるわけであります。
 まあ、そういう前提の上でのことでございますけれども、解散権というものは、ですから私が申し上げたかったのは、いわゆる恣意的に、意図的に行使されるべき筋合いのものではなくて、本当に国民の民意を問う必要があるかどうか、そういう重大な問題があるかどうか、その判断が先行するべきものでありまして、もし仮に、どうしてもこれはもう内閣全体として国民の民意を問わなくちゃいけないということがあった場合には、それが結果としてダブルになるかそうではないか、それとは直接の関連を持つものではないと、私はそのように思っております。
#145
○服部信吾君 まあ、そのときの政治判断、こういうことになると、民意ですね。
 そこで、ちょっと大臣に認識をお伺いしておきたいんですけれども、例えば衆議院が解散される場合ですね。例えば衆議院で内閣不信任の決議案が成立した、あるいはこの不信任案が否決された、要するに内閣不信任案が出たということ。それからあとは、衆議院で内閣の重要な法案やあるいは予算が否決されたり、または握りつぶされた場合、また、政党の分野の再編成が行われ、その結果、内閣が衆議院の多数の支持を持たなくなった場合、あるいは新たに重大な政治上の事件、例えば平和条約の締結、こういうのが生じた場合、内閣がその施策の根本的な変更を行おうとする場合、こういうような、解散するためには大変大きな条件といいますか、これがあると思うんですけれども、これは大臣としては認めるわけですね。
#146
○国務大臣(小沢一郎君) まあ私が解散についてとやかく言う立場ではございませんけれども、強いて申し上げれば、今先生の例示の中で、例えば不信任案が通ったり、あるいは予算が否決されてしまったりということは、これは政府そのものの否定、否認ということになりますから、それはかなり大きな大問題ではないかと、まあ私はそのように考えております。
#147
○服部信吾君 ここで二回の選挙を見てみましてもね、例えば五十五年においては内閣不信任案が提出された、これが可決された。まあ、びっくりしたわけ、ハプニング、こういうこと。五十八年にもやはりこの内閣不信任案が提出されているわけです。
 ですから、私はある面から言うと、この内閣不信任案の提出というものが大変大きな解散の条件になるんじゃないのかと、こういうことなんですね。ですから、例えば現実問題として野党側から内閣不信任案が提出されなければ解散はできないんじゃないかという、これは議員の任期切れとかこういうのは別としまして、途中で解散権を行使する場合においては、やはりこれは内閣不信任案というのは大変大きな要素になるんじゃないか、このように思うわけですけれども、この点について大臣のお考えをお伺いしまして、この質問を終わります。
#148
○国務大臣(小沢一郎君) まあ解散権の行使の問題については憲法解釈の問題でもございますので、これまた私の言うあれではございませんけれども、憲法は六十九条、不信任案が可決された場合の内閣のとるべき手段を二つ規定しておるわけであります。したがいまして、提案された場合という先生の前提でございましたが、いずれにしてもそれが憲法でも規定があるわけですから、要素の一つというような感じで受けとめる余地はあるかもしれませんという私の考え方であります。
#149
○服部信吾君 いや、もっと具体的に言いますとね、今国会において内閣不信任案が提出されなければ解散はできないんだぞと、こういうことを聞いているんです。
#150
○国務大臣(小沢一郎君) 先ほど私申し上げましたが、本当に国政の民意を問う大事な問題だという場合、いわゆるその判断でありまして、その一つの中にあるかもしれませんけれども、不信任案ということが。その不信任案の出す出さな小の行為が直接イコールでその解散と結びつくということではないのではないかなと思っておりますが。
#151
○服部信吾君 まあ一つ大きな要因であるかと私は思います。
 そこで、次に国鉄の分割・民営についての、国鉄職員の余剰人員対策について自治省のお考えをまずお伺いしておきます。
#152
○政府委員(柳克樹君) 国鉄の余剰人員の問題でございますが、これは言うまでもなく国鉄の改革の基幹をなす問題でございますし、国鉄改革ができないということになりますと地方の交通体系にも非常に大きな影響を及ぼすということで、国に準じて地方公共団体においても余剰人員対策に取り組んでいただきたい、こういうふうに考えております。
#153
○服部信吾君 今、自治省として地方に対してある面から言えば大変行革をしなさいと、こういうことで進めているわけですね。そういう中でなおかつ三万人ですか、これを国と地方で分けて、これはことしの秋に出るそうですけれども、地方自治体に対して国鉄の余剰人員の方々の採用をしてくれと。ある面、片っ方で言うと行政改革をしなさいと、なおかつ余剰人員を採ってくれと、ちょっと矛盾するような気がするわけですけれども、大臣、この点についてはどうですか。
#154
○国務大臣(小沢一郎君) 地方行革、これはその自主的な判断で進めていただかなければならないわけでありますが、国鉄の余剰人員の問題につきましては、もちろんこれは強制的にするということではございませんで、そのいわゆる国鉄の問題というのが、特に私どもへんぴな片田舎の出身でありますが、非常に地域社会と密接な意識的にも実際上も持っておるわけであります。したがいまして、国鉄ができるだけ再建するということは、地域全体としても願いでございます。したがいまして、そういう意味で地方行革をして、あるいは人員の問題もあるでしょう。そういう中でも新陳代謝の人員の補充はあるわけでございますから、できればその範囲の中で考えていただきたいというようなお願いをする立場でおるわけであります。
#155
○服部信吾君 それで目標としてことし、六十一年度は約千名のいわゆる国鉄の職員の方たちを雇用する、こういう目標を持っておられるわけでありますけれども、これは達成できますか。
#156
○政府委員(柳克樹君) ただいま御指摘のように、六十一年度において千名ということを一応目標としてお願いをいたしておりますが、これはもう既に御承知のように六十一年度の採用はかなり進んでおる段階でございますので、率直に申しまして非常に厳しいと存じます。ただ、各地方公共団体におきまして、年度途中におきましても採用をするということもございますものですから、そういう中でぜひ消化をしていただきたいというふうに考えております。
#157
○服部信吾君 ちょっと国鉄にお伺いしたいんですけれども、昨日余剰人員の地域的な偏りを調整する、こういうことで、北海道、九州から約三千四百人の職員を募集し、東京、名古屋、大阪の三地域に大挙広域異動させる計画、こういうものを発表したわけですね。この点について内容をちょっとお伺いします。
#158
○説明員(葛西敬之君) 昨日発表いたしました余剰人員の広域異動についてでございますが、監理委員会の答申の試算によりますと、北海道では約一万三千人の余剰人員が発生する、それから九州では約一万一千人、合わせて二万四千人の余剰人員が発生するというふうに想定されております。
 ところが、北海道、九州、両地域におきましては、雇用の確保という観点から見ますと、これら余剰人員の吸収に十分な雇用が確保できる見通しというのはないという状況でありまして、現在まだ具体的にすべての数値を確定する段階ではもちろんございませんが、国鉄の関連事業につきましては既に二万一千という数字を確定いたしておりますが、その中で両地域にかかわります雇用の場は二千三百という状況でございます。こういう状況でございますので、雇用の場を北海道、九州に移すということはこれは不可能でありますから、余剰人員をできるだけ前広に雇用の場の確保できる地域に持ってこようということで広域の異動を計画したものでございます。
 ただその規模につきましては、連れてくる人間に少なくとも宿舎を確保する必要がございまして、今年度末退職する人間並びに六十一年度中に退職する人間の宿舎、あいた後の宿舎をどれだけ確保できるかということを詰めてまいりましたが、これが約三千四百ということで、東京地区並びに名古屋地区で二千五百、大阪地区で九百という数字になりました。これをベースといたしまして、北海道地区から約二千五百、東京並びに名古屋地区に異動をする、九州から約九百を募集して異動するという計画を推進しようということで昨日組合に説明をいたしました。実際には、これは本人の希望に基づいて異動をいたしますので、希望の出方によりましては今申し上げました数字は多少調整、変動をすることはあり得るというふうに考えております。
 以上でございます。
#159
○服部信吾君 最終的に約六万一千人の方々の雇用を国、自治体あるいは民間でやらなくちゃいかぬと、こういうことであろうかと思うんですけれども、昨日提示した計画がこの六万一千人の余剰人員をどれだけ吸収できるのか、こういう点についてはどのようにお考えですか。
#160
○説明員(葛西敬之君) 昨月計画を発表しました異動計画は、これは雇用の場を確保するという観点から見ますと、集用の場のあるところに人間を動かすということでございますので、もしこれらの異動計画をしないでおきますと、北海道地区の人間につきましては、雇用の場の確保の目途のないまま例えば改革が実施されました場合には、北海道での清算事業団に入っていくという形になり得るわけでありまして、今回の三千四百人につきましては東京に持ってくることによってそういう心配がなくなってくると。もちろん昨日の計画では、東京に異動した人間というのは、自分の住んでいる地域を離れて家族とともに遠いところに来るということがございますので、本人の配属の希望については可能な限り優先で配慮するということになっておりますから、東京地区全体としての余剰人員という形になりまして、東京地区であるいは大阪、名古屋地区で確保された雇用の場に充当されていくということになるわけでございます。
#161
○服部信吾君 自治省が、国鉄でもいいんですけれども、地方公共団体による雇用の場についてということで、例えば北海道が三百八十人、宮城が二百人・埼玉三百人、東京一千四百五十人、こういうことで受け入れしましょうと、こういうことになっているわけですね。これはこれでいいんですけれども、例えば北海道に三百八十人受け入れてもらうと、その場合地方自治体からいろいろ、私どもも三百八十人面倒見ましょうと、東京にしても一千四百五十人面倒見ましょうと、しかし例えば国鉄に対していろいろな見返りを要求してくると、こういうようなことをいろいろ聞いているわけですけれども、先般三塚運輸大臣が一月十六日に横路知事に会ったと。そのときに知事は、例えば北海道において一万三千人を自治体や民間企業で吸収することは困難だと、雇用をつくり出すために北海道へ企業を誘致してくれとか、いろいろと条件等を出していると。また、一番赤字路線の廃止なんかも北海道は多いわけですけれども、そういうようないろんな問題について、自治体としては雇用しましょう、しかし少し条件をのんでくれと、こういうような動きというんですか、こういうのがあるようですけれども、三塚運輸大臣と横路知事がお会いしたと、これについてはどのようなお話があったんですか。
#162
○説明員(岩田守弘君) 赤字ローカル線の問題と国鉄との関連について、三塚運輸大臣が北海道に行かれる前に総裁が昨年九月に北海道を訪問いたしまして、特定地交線を含めまして国鉄改革に対する理解と協力をお願いいたしました。その後ことしの一月に、先ほど先生からお話がありました大臣が行かれまして、その後二月に、北海道知事より国鉄改革に関する要望がございまして、その一つとして、第二次特定地交線のうちの昭和六十年八月に保留を解除いたされました、新たに承認されました北海道の四線がございますが、その四線について鉄道としての存続を配慮することという申し入れがございました。これに対しまして総裁は、北海道の重要性は認識しておりますけれども、北海道の鉄道の経営の活性化を図るためには特定地交線の対策の推進というのは不可欠でありますので、ぜひ速やかに協議会、会議を開いて地域の交通体系についてお話し合いをしていただきたいということをお願い申し上げたという経緯がございます。
 以上であります。
#163
○服部信吾君 次に、例えば東京都ですけれども、千四百五十人を受け入れすると、こういうことでありますけれども、一月二十日に東京都の鈴木知事と都庁で杉浦国鉄総裁と会って国鉄余剰人員についていろいろと協議をしたと、こういう事実がありますね。そのときに知事からいろいろ条件が出たと。例えば都が江戸東京博物館の建設を予定している国鉄両国駅北側の国鉄用地の売却、あるいは築地の中央市場改築に伴う仮設移転先として国鉄汐留貨物駅跡地の貸与、こういうようないろいろなものを、簡単に言えば、先ほど来言っているように、東京都としてもできるだけ雇用いたしましょう、そのかわりこういうようなことも頼みますよと、こういう条件を出しているようでありますけれども、この点についてはどうですか。
#164
○説明員(西田博君) お答え申し上げます。
 今先生御指摘の点につきましては、実は東京都の方から、昨年の十月の末だったかと思いますが、既に口頭でそういう御依頼を受けたことはございます。
 今御指摘の一月の二十日の件でございますが、私どもの総裁が、先ほど来いろいろ御配慮願っております余剰人員の東京都としてお受け入れいただきました御表明に対しましてお礼に参上した際に、再度東京都知事から今御指摘のようなお話のあったことは事実でございます。ただ私どもとしましては、これは東京都とされましての一つのお考えをお持ちでございますので、別途これも再建計画との関連でございますが、いろいろ土地のいわゆる債務償還充当ということも考えておりまして、そういったものと整合性がとれるなら、あるいは時間的にもあるいは計画的にもそういった整合性がとれるなら、これは検討してまいる必要があろうと思っておりまして、御指摘の点があったことは事実でございますし、今後とも国鉄として考えていかなきゃいけない問題であるとも思っております。
#165
○服部信吾君 例えば埼玉が三百人引き受ける、そのかわり今度新しく分割・民営した東日本会社、この本社をできれば大宮に持ってきてくれとか、川崎が五十人受け入れる、そのかわり新鶴見操車場跡地の払い下げだとかいろいろな条件が出てきておる。私はこれは決していけないと言っているわけじゃなくて、やはりこういうときですのでやはり受け入れる側も、例えば地方自治体としても今行革を進めている大変厳しいとき、そういうときに国策と申しますか、こういう大改革のために雇用を受け入れる、そのために地方自治体としても少しというようなことは、私決してそんなに悪いことではないと、こう思うわけでありますけれども、最後に自治大臣、この各自治体のこういう見返りの要求というんですか、要求といってはおかしいんですけれども、ある程度そういうようなことも考えていいんじゃないのかなという気はするわけですけれども、自治大臣の見解をお伺いして質問を終わります。
#166
○国務大臣(小沢一郎君) これはいわゆる余剰人員を受け入れる対価としてこうだという筋合いのものではないと思いますけれども、それぞれ自治体におきましてもそれだけのやりくり、苦労をしながら国鉄の余剰人員対策にも応じておるわけでございますので、自治体の方でその国鉄に関連いたしまして、今御指摘のようないろいろな要望があった場合にはそれをできるだけ配慮していただくということは、私どもといたしましても今後そのような趣旨でお願いをいたして努力してまいりたいと思っております。
#167
○橋本敦君 当委員会で既に議論もなされましたが、私もまず去る二月二十六日に東京高裁が言い渡しました昨年七月の東京都議選をめぐる判決に関連をして質問をしたいと思うわけであります。
 まずこの判決は、一票の価値の問題についてこれの人口格差は一対二未満でなければならないという厳しい立場で、極めてすぐれた判決をしたものと私は受けとめております。この判決について自治大臣は、先ほどもどう受けとめておられるかという質問に対して、厳しい判決だと受けとめているという御答弁があったわけですが、厳しい判決だと受けとめていると御答弁なさったその趣旨は、具体的に踏み込んで言えばどういうように厳しいものだと受けとめていらっしゃるという趣旨なんでしょうか。
#168
○政府委員(小笠原臣也君) この司法の判断が東京都議会の定数配分の問題について下されたわけでございますが、この中身の一つ一つの見解について政府として見解を申し上げるということは本来差し控えるべき問題ではなかろうか、このように思うわけでございますけれども、ただいま具体的にお話のありました例えば一対二というようなことでなければならないというようなことも含めまして、全体的に厳しい内容になっておる。御案内のように、東京都議会では五十九年五月の最高裁の判決を受けて、都議会としては随分いろいろ御努力もされて三増三減の定数是正をおやりになったわけでございます。その結果それ以前の七・四の格差が三・四というふうに縮まったわけでございます。縮まったわけでございますが、それについても去る二月二十六日やはり違憲であるという判断が繰り返し行われた。そういうことで全体としてやはり厳しいものではなかろうか、このように受けとめておるわけでございます。
#169
○橋本敦君 厳しいとおっしゃる趣旨は、私は一対二未満が憲法原則からして当然だと思っていますから、厳しいけれども当然の判決だと思うんですよ。だから、一対一・九未満、つまり二以内ですね。当然そうだと思っておる多くの憲法学者や私どもから見たら当然の判決だと思うんですが、それは厳しい判決だと受けとめられている趣旨は、一対二未満でなくてもよいんだという考え方が背景にあるからではないんですか。率直に私はそれを聞きたい。大臣のお考えはそういうことから出ているんじゃないか、こういう意味の質問なんです。
#170
○政府委員(小笠原臣也君) 先ほど申し上げましたように、一つ一つをとらえてどこの点がどうであるとかいうことを申し上げたわけではございませんで、東京都議会としては違憲とされたために、せっかく三増三減によって三・四倍まで格差を是正された、それに対してもまた、これでは不十分だということで違憲の判決が出てきた。そういう経緯全体を踏まえて、やはり厳しいものではないかと、そのように受けとめておると、こう申し上げたわけでございまして、一つ一つの中身につきましては、政府としての見解は差し控えさしていただきたいと思います。
#171
○橋本敦君 具体的に聞きますが、選挙問題について、行政の立場で責任を負う自治省として、人口格差は一対二未満でなきゃならぬというこの判決について、どうなんですか、この判決の考え方について、自治省としてはどう考えているんですか。具体的に言ってください。
#172
○政府委員(小笠原臣也君) 議員定数の配分のあり方あるいは投票価値の格差についての考え方、これにつきましては、選挙制度の仕組みと非常に関連をしておるんだろうと思います。その選挙制度の組み立て方によっては、そういうことについての考え方も若干いろいろ差が出てくるのではないかというふうに思うわけでございます。
 現に、最高裁の判決も、衆議院につきましては三・九四倍は違憲であるとしたものの、二・九二については一応それ以前の違憲状態を解消されたという評価もいたしておりますし、最大計客格差をここまでだと正面に言ったわけではありませんけれども、そういう判断をしております。
 しかし、参議院については五倍を超える格差がありましても、一応この程度では違憲と断定することはできないという判断も示しております。それについては、いろいろ参議院の半数改選あるいは都道府県を単位として代表されておるというような性格とかいろいろなことを言っておりますけれども、そういう判断をいたしております。
 地方議会については、今度東京都議会の判断が最大許容格差について出たわけでございますけれども、やはり地方議会は地方議会で、都道府県議会でございますけれども、公職選挙法に、選挙区の設定の仕方あるいはそれに基づいて定数配分をやるやり方については、いろいろ原則なり特例が定められておるわけでございますから、それらに基づいて判断をしていかなければならないだろう、このように思っております。
#173
○橋本敦君 あなた、判決読んでいますか、この判決は、今おっしゃった公選法の十五条七項の人口比格差の軽減に関する特例に照らしても一対二未満でなくちゃならぬとぴしゃっと判決しているんですよ。問題は、そこが大事なんですよ。だから、自治省はこれをどう受けとめているかということを私は厳しく聞いているわけです。
 そこで、もう一つ聞きますけれども、高裁の判決で、衆議院選挙及び地方自治体選挙を含めて、参議院選挙を除きます、人口格差が一対二未満でなければならぬと、憲法原則からすれば、そう判決をしている判決の数は幾つありますか。
#174
○政府委員(小笠原臣也君) 衆議院につきましては、かつて五十五年のダブル選挙について提起されました訴訟につきまして、東京高裁が一対二であるべきだという判断を示したことがございます。それから、五十八年総選挙につきましては、広島高裁が一対二でなければならないという判断を示しましたけれども、一対三でもいいという判断も別の高裁、大阪高裁とか東京高裁だったと思いますが、出されております。地方議会について一対二が許容限度であるという判断をしましたのは、今度の二月二十六日の東京高裁が初めてでございます。
#175
○橋本敦君 今あなたがおっしゃった大阪高裁の判決でも、八四年十二月の判決は、格差が三倍近くあるという問題は、これは妥当ではない。だから、早く昭和二十二年当時の小さな格差、つまり一対一・五二一以内にとどめよと、努力をせよと言っていることは、あなたも御存じですね、答弁してください、知っていますね。
#176
○政府委員(小笠原臣也君) そのように理解しております。
#177
○橋本敦君 だから、高裁判決では四つの判決が、人口格差は一対二未満でなければ憲法原則に反するということを明確に判決をしているわけです。
 そこで、先ほどあなたは、最高裁は一対三までならいいと、こう言っているということをおっしゃいましたが、最高裁は、あなたがいみじくもおっしゃったように、一対三ならばそれが合憲だということを真正面から判決をしたのでは決してなくて、先ほどあなたが言ったように、その趣旨は一対二・九までなら、言葉を正確に言うならば、不平等状態は一応解消されたものというべきであるという言い方で、大変結構だとまで踏み込んでいないんですよ。片方であなたがおっしゃったように、一対三・九四になれば、これはもう違憲状態だということをはっきり言っている。だから、最高裁は一対三は合憲だということを真正面から判断した判決というのはまだないんです。
 そこで、東京高裁を含めて高裁の四つの判決が、一対二未満でなくちゃならぬということを言っているという趣旨をどう受けとめるかが私は非常に大事だと思うんです。
 そこで、一票の価値の平等という憲法の原則、これを踏まえて正しく公選法を見るならば、これは衆議院の選挙であってもあるいは都道府県の地方議員の選挙であっても、一票の価値が二倍以上、つまりある人は他の人の二票分以上を投票できるというようなことは、これは基本的に一票の平等という面から見ておかしいわけでありますから、この一対二未満という原則は、これは裁判所の四つの高裁判決が出たという現状では、我々としてはもっと真剣に検討しなくち神ならぬ。
 そこで、衆議院の定数是正について、先ほど大臣は、議長見解のもとで、一対三の範囲においていろいろ議論が進められているということをおっしゃいましたが、最高裁判決は別として、この四つの高裁判決を考えてみるならば、議長見解の一対三というのも、これは高裁判決から見れば憲法違反だということは、それ自体明白だと言えるんじゃありませんか、どうですか。
#178
○国務大臣(小沢一郎君) 高裁におきましてそのような趣旨の判決があったことは先生の御指摘のとおり事実でございます。ただ、最終の司法の判断である最高裁におきましては、衆議院の定数三までいいという正面からの判決ではございませんけれども、五十八年、六十年の両判決を前提といたしまして議長見解が出され、そしてそれに各党、共産党は入りませんでしたけれども、各党の理解のもとに今日その作業を進めておるということでございますので、それは衆議院の最高の人である議長の見解に基づいて各党が進めておる作業でありますし、それが直ちに間違いであるという議論にはならないと私は考えております。
#179
○橋本敦君 大臣がそうおっしゃりたい気持ちは私わかるんですが、客観的に四つの高裁判決から見れば、議長見解のもとで一対三のところでとどまったらこれは違憲だということに、四つの判決から見ればなっているじゃないかと、ただそれだけのことです。選挙部長、どうですか。単純に私が質問したら、客観的にはそのとおりでしょう、どうですか。
#180
○政府委員(小笠原臣也君) 確かに、高裁の判決では一対二が限度であるというのも出ておりますし、最高裁の六十年あるいは五十八年の判決の趣旨に沿ったのでしょう、一対三まで許されるんだという高裁の判決も一方にあるわけでございます。この問題は、先ほど申し上げましたように選挙制度の仕組みとも関係する問題でございますし、いずれにいたしましても、今、国会で各党間で御論議をいただいている問題でございますので、せっかくそこで御論議を今後詰めていただくべき問題ではなかろうかと思っております。
#181
○橋本敦君 物が言いにくいのはわかりますよ、客観的にそうなっている。あなたがおっしゃった一対三までならいいという高裁判決と、一対二まででなきゃならぬという高裁判決と、どっちが多いんですか。一対二でしょう。だから政治の場で、少なくとも立法、司法、行政という三権分立の立場で、しかも立法及び行政に関する違憲審査権が三権のうちで裁判所に与えられているという、その違憲判断が裁判所を通じて出ているという状況については、これは四つも高裁判決が一対二未満でなくちゃならぬと言っているこのことは、もっと真剣に大臣も政府も受けとめるべきだということを私は言っているんですよ。この判決は厳しい判決だというのは、そういうことを厳しく受けとめて検討しなきゃならぬということをこの判決も言っているんだという意味で、私はこの中身も含めて政府としては厳しく受けとめるべき判決だと思うんですが、大臣いかがですか。簡単で結構です。
#182
○国務大臣(小沢一郎君) 個々の中身の問題は別といたしまして、そういうもちろん判決でございますから、判決の中身を当然含めて厳しく受けとめておるということでございます。
#183
○橋本敦君 自治省に伺いますが、今地方自治体、都道府県で結構ですが、先ほども話が出ましたが、一人口格差が四以上、それから三未満、二未満、これに分けて数をおっしゃっていただきましたが、もう一度正確におっしゃっていただけますか。
#184
○政府委員(小笠原臣也君) それでは申し上げますが、都道府県議会議員の選挙区別定数の格差につきましては、最大格差が四倍以上の団体が四団体、最大格差が三倍以上四倍未満の団体が九団体、最大格差が二倍以上三倍未満が十八団体、最大格差が二倍未満が十六団体、こういうようになっております。
#185
○橋本敦君 四倍以上の四つは、どこどこですか。
#186
○政府委員(小笠原臣也君) 北海道、千葉県、愛知県、大阪府、この四府県でございます。
#187
○橋本敦君 はい。それでは、二以上が三十一都道府県あるということがわかりましたが、二未満つまりこの判決から見て合憲だとされるところは十六。済みませんが、この十六の名前を言ってください。
#188
○政府委員(小笠原臣也君) 二未満の十六の府県は、青森県、秋田県、山形県、福島県、栃木県、石川県、福井県、山梨県、三重県、滋賀県、鳥取県、香川県、愛媛県、佐賀県、宮崎県、沖縄県、以上でございます。
#189
○橋本敦君 したがって、今おっしゃった十六以上の都道府県はこの判決からすれば、次の都道府県議会選挙までに定数是正を何としてもやらなければ違憲の判断が下される可能性のある県だという意味において、今後どういうように定数是正をやっていくかは自治省も含めて責任が重いことだというように、この点は厳しく認識をしなきゃならぬと思うんですね。
 そこで、この判決は条件つき違憲無効判決ということで、もしもこの定数配分について次の選挙までにこれを適正にするというその努力をして、それが実現されない、そういうまま選挙が行われた場合には、今回はそういう選挙の効力については即時無効判決をするという旨を含むのだということを言っております。つまり、期限つき無効判決、大変厳しいものであります。これは、衆議院の定数に関して最高裁が今回は事情判決をしたけれども、しかし、このままで次の選挙を行うならば総選挙について今度は無効判決をするぞということを判決が示唆していることとも通ずる非常に厳しい姿勢だと言わなければなりません。
   〔委員長退席、理事堀江正夫君着席〕
 そこで、大臣に伺うんですけれども、もしも定数が是正されないまま総選挙が行われるということのような事態になった場合に、当然その判決を受けて選挙の事務の執行停止、これを求める訴訟が各地で起こってくるという状況も予想されないわけではない、裁判所はそれを受けて定数是正をしないまま選挙をやったら、今度は違憲無効判決をするぞとまで言っているんですから、裁判所はその選挙の執行停止を認める判決をする可能性もないわけではない。そういう重大な事態になっているという認識を自治省は持っていなくちゃならぬと思うんですが、自治省はどう考えていますか。
#190
○政府委員(小笠原臣也君) 今度の二月二十六日の東京高裁の判決には、そういうただいま御指摘のありましたような判示があったことはよく承知をいたしております。違憲による選挙が行われた場合に、その次には無効になるというのは昨年の七月の最高裁の判決の補足意見にも出ておった考え方でございます。そういう乙とが司法の判断として示されておりますから、私どもとしてはぜひ今国会において定数是正が行われて、そういう形でない適法な定数是正配分規定のもとで選挙が行われるようにぜひ定数是正をやっていただきたい、このように強く念願しておるわけでございます。
#191
○橋本敦君 念願はわかりましたが、私の質問に答えてください。選挙の執行停止訴訟があちらこちらで起こる可能性を今はらんでいる状況だという認識は持っていますかという質問なんだ。
#192
○政府委員(小笠原臣也君) 選挙の差しとめ訴訟につきましては、以前からも選挙のたびに出てきた場合がございまして、今度は違憲判決が下された後の問題でございますから、いろいろとそういうことを踏まえての訴訟というようなことも予想されるというふうに私どもは理解しております。
#193
○橋本敦君 それを端的に聞きたいのです。予想されるのです。
 そうした場合に、執行停止が出れば、裁判所が執行停止を出せば、それは選挙管理委員会は選挙事務が執行できなくなる。そうなれば大変なことになりますわな。ですから、そういう場合に国としては特定の選挙管理委員会に執行停止が出て、選挙管理委員会が選挙事務をもう停止をしなきゃならぬ、こうなった場合に、国としては代執行をやってても、定数是正をやらなかった場合に代執行をやってても選挙をやるというような、まあ言ってみれば法律的に無暴なことはできますか。できぬでしょう、どうですか。時間がないから端的に言ってください。
#194
○政府委員(小笠原臣也君) 従来も現行の定数配分規定が違憲であるということで、同時に選挙も差しとめるべきであるという訴訟が出てきておりましたし、そういうことを踏まえて今後も出ることが予想されると申し上げたわけでございまして、それに対して司法がどういう判断を下すかと、今まではすべてそういう訴訟は認められないということで門前払いをしておりましたけれども、今後どうなるかということについては、司法の判断に属する問題でございますので、私どもとしてはお答えできないわけでございます。
#195
○橋本敦君 この判決を厳しく受けとめる受けとめ方がまだまだ足りませんよ。
 それで大臣に伺いますが、仮にこの定数是正がやれないままでも、定数是正がやれないというそのことを国民に信を問うということで総選挙のための解散ができるんだという議論が、一部政治家から言われておりますわな、江藤建設大臣あたり言っておる。しかし、それは学者の見解からしても我々からしても大問題です。
   〔理事堀江正夫君退席、委員長着席〕
今度選挙をやったら違憲、無効ですよと最高裁は示唆しておる。違憲、無効の選挙を承知の上で違憲、無効の選挙を解散権を行使してやるということは、これは二重の意味で憲法違反になるわけですよ。違憲、無効の選挙をやらせるということ。それからもう一つは、裁判所の判断も真剣に考えて、憲法九十九条で憲法を擁護すべき義務が内閣総理大臣にも大臣にもありますわな。憲法擁護義務をみずからなげうって解散するというのですから、そういう意味で憲法の立場から見ても二重の意味で憲法違反だということはこれは明白だと思う。しかも実際上は定数是正なし解散というのは、これはここでは党利党略という言葉は特に使わないで言いますけれども、自民党と与党にとってみれば、自分の提案する案が入れられなかったちそれはもう定数是正は不可能だから解散するんだということになれば、党利党略的と言われても仕方がない状況だって起こり得るんですよね。だからそういう意味では、今度の判決を厳しく受けとめるならばなおさらのこと、定数是正なしの解散なんというものは憲法上絶対に許されないということは自明のことだと思うんですが、自治大臣のお考えはどうですか。憲法判断を含めて聞きます。
#196
○国務大臣(小沢一郎君) 私どもといたしましては、今回の国会におきまして違憲状態をとにかく直さなくちゃならないと。そして前国会に引き続きまして今国会がその協議を行っておるわけでございますから、今国会において私は必ず定数是正の改正がなされるものと信じておるわけであります。今、なされない前に解散という前提での仮説でのお話でございますけれども、解散の憲法上の権限、機能、これは従来総理からも言っておりますけれども、私も同様に解釈いたしております、権限、機能につきましては。ただ、解散という行為はいわゆる党利党略あるいはダブル選挙ありきという恣意的なもので行われるべきものではないと。解散が本当に民意を問うために必要かどうか、その判断が先にありきでございますから、そういう先生の想定する解散というものが今の段階でどうかということはお答えはできませんけれども、私といたしましてはそういうものがいわゆる解散という行為である、私はそのように解釈しておるわけであります。
#197
○橋本敦君 よくわからない答弁なんですが、解散権が内閣や総理にないと私は言っているんじゃないですよ。この場合、定数是正なしの解散権の行使はそれ自体の二重の意味で重大な憲法違反問題を起こしてくるという理論的な問題があるんですよ。そういう意味でこういう定数是正なしの解散ということは、憲法原則あるいはこうした判決の立場から見てこれは慎重に考えなくちゃならぬ大問題だという認識はお持ちじゃないですか、そういうことですよ。
#198
○国務大臣(小沢一郎君) 解散ということも、定数是正しなきゃならない、違憲ではいけない、そういうことは大事な重要な問題であるということは私も同感であります。
#199
○橋本敦君 だから定数是正なし解散が可能だなんとかいうことは、軽々に言うべき筋合いのものじゃないということを私は厳しく言っておるわけです。時間がなくなってまいりましたのでこの問題はこれでおきますが、次に別の問題で伺います。
 政府は、「地方公共団体における行政改革推進の方針」ということで、いわゆる地方行革大綱を定めています。
 きょう私が聞きたいのは、この地方行革大綱の中でも言われておりますが、地方公共団体の事務事業の民間委託の問題であります。この民間委託というのはこれはどういう場合でもできるというものではなくて、二百四十四条の二で、「公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるとき」、しかもそれは条例で定めるところによらなくちゃならない。その管理の相手方は「公共団体又は公共的団体に委託する」ことでなくちゃならぬと決められておるわけですから、これはもう行革大綱はこれを踏まえて、この法律の精神に基づいて当然出されているものと私は思いますが、まずその点間違いありませんね。
#200
○政府委員(大林勝臣君) 事務事業あるいは公の施設の管理の委託につきましては、おっしゃるとおり行革大綱に載せておりますが、御指摘の二百四十四条の二に関する限り、これは公の施設の民間委託についての規定でございます。
#201
○橋本敦君 したがって民間委託ということをやる場合でも、この行革大綱に書かれているように、当該団体の適正な管理監督のもとに行政責任をまず確保する。行政責任を放棄してはならない。これが一つ。それから住民サービスの維持向上に留意しなくちゃならない。これに努めなくちゃならない。こう書かれている心これは言うまでもないところであります。そこでこういう立場については、既に早く自治省は、昭和三十八年十二月十九日のいわゆる第九十三号通知でその立場を明確にしておると思うのでありますが、その三十八年十二月十九日の自治省の通知によれば、委託をする場合の条例にどういうように内容的に記載をしなきゃならぬかということが決められていますか。
#202
○政府委員(大林勝臣君) 三十八年の通知は制度改正に伴う質疑応答の形で出されたものでありまして、委託条例に規定すべき事項としましては、委託の基本的事項、つまり委託の相手方あるいは委託の条件などを規定すべきであると、こういう通知の内容になっております。
#203
○橋本敦君 私もその通知はいただいて拝見しましたが、今御答弁いただいたとおりであります。私は非常にここは大事な指導をなさっていらっしゃると思うんですが、つまり委託をする場合には条例でやらなくちゃならぬが、その条例はこういう事業を委託しますよということだけではだめなんで、法の趣旨を適正に実施をするとすれば、あるいは行革大綱でも示されている趣旨を適正に守ろうとすれば、その委託条例の中には少なくとも委託の基本的事項となる相手方と委託の条件とをこれは条例で記載しなさい、こういうことですね。だから表題も「管理の委託条例に規定すべき事項」というように定められているわけです。こういう考え方は間違いありませんね。
#204
○政府委員(大林勝臣君) 仰せのとおりであります。
#205
○橋本敦君 ところが私があちこち調べてみますと、民間委託の委託条例で何々の業務を委託するというそういうことだけが条例に書かれておりまして、せっかくの自治省の指導にもかかわらず、委託の基本的事項である条件や相手方が何ら記載されていない。言ってみれば刑法で言えば白地刑法、白紙委任条項、これに近い条例があちこちに私は散見をして、これは指導を強めていただかなくてはいけないなという感じを持ったのですが、自治省としてはその点どのように状況把握していらっしゃいますか。
#206
○政府委員(大林勝臣君) 個々のすべての委託条例を全部目を通しておるわけではありませんけれども、私どもがそれぞれに従来地方団体からいただいておる条例の主なものには、おおむね委託の相手方、あるいは委託する場合には、例えば手数料、使用料であれば別に定める手数料、使用料条例に従うとか、あるいは一般的な委託条例というものをつくりまして、いわゆる共通条例みたいなものをつくっておるところもあります。いろいろございますけれども、全く委託の相手方を書いてないというような条例につきましては実は今まで目にしたことはございません。
#207
○橋本敦君 私が目にしているのですが、目にしたことはないとおっしゃるのでこれは調べてもらわなければなりませんが、あるのです。もしあるとすれば、この通達に基づいて適正な条例にし、住民サービスが低下しないようにきちっと指導をするという立場は貫いていただけますか、もしあるのがわかれば。
#208
○政府委員(大林勝臣君) 少なくとも委託の相手方は条例で明記すべきものと思います。
#209
○橋本敦君 えらいくどいようですが、今おっしゃった答弁で、少なくともと、こうなって一つ減ったんです、委託の条件ですね。これはやっぱりこの通知から言えば、委託の条件及び委託の相手方と、こうなっているのですから、基本的な大事な条件については条例で定めるように指導されるのは当然じゃありませんか。
#210
○政府委員(大林勝臣君) 委託の条件についても仰せのとおりであります。
 ただ、委託の条件につきましてはいろいろ規定の仕方もあろうと思います。その条例自身に施設の委託の条件をそのまま書く場合もありましょうし、あるいはその条件について別途別の条例でいろいろ決めてあるものがあればそれに従うべきであるとか、いろいろな書き方があると思いますけれども、そういった点については基本的な事項として条例でうたうべきものと存じます。
#211
○橋本敦君 わかりました。
 私はそういう基本的な条件あるいは相手方が記載されていない白紙委任的条例が出された場合に、それが議会で成立をしてしまったらそれは無効だということは、これは司法判断にかかわる問題でいろいろ検討すべき状況があると思うのですが、少なくとも自治省の指導には反する条例だということになることは明白だと思うのですね。だから、したがって今おっしゃったような立場を貫いて指導は貫徹してほしいと、こう思うわけです。
 次に、もう時間がありませんから交付税の問題についてお伺いをしておきます。
 私がなぜこれをお伺いするかといいますと、非常に気になる新聞報道に接したからです。衆議院予算委員会で竹下大蔵大臣の答弁でありますけれども、十七日の質疑の中で竹下大蔵大臣は、政府税調でいろいろ今審議をしておりますが、この税調で国、地方を通じて税制抜本改革を論議しているので、仮に大きな変化が税制改革でなされるとすれば交付税率もいじらないと答えることは難しいと、こう答弁なさったようです。そこで各紙はこの問題について、これは地方交付税率を将来、例えば大型間接税の問題との、地方への配分とも絡めて、交付税率そのものを下げることもあり得るということを認められた重大な答弁ではないかということで大問題になっているわけですね。
 そこで自治省に伺いますけれども、地方交付税率を下げるどころか、多年にわたって地方自治体、知事会、全国市長会等からこの地方交付税率を引き上げてほしいという、そういう切実な要望を受けてこられたと思うのですが、間違いありませんね。
#212
○政府委員(花岡圭三君) そのとおりでございます。
#213
○橋本敦君 特に今年度大問題なのは、石原次官が講演でも示唆されているところから明らかですが、今年度多額の補助率の引き下げを含む削減がなされてくるわけでありますけれども、今年度この問題について、地方自治体はいろいろ削減をしてくれるなという意見がいっぱいある、いっぱいあるけれども、余りこれをやっていると地方交付税率問題に飛び火しかねないということだから、補助率の引き下げももう今年は阻止しがたい、これはもうやむを得ずのむとしても、これよりも地方交付税率を引き下げられないようにすることの方が大事だ、こう言って講演をなさっておる。あるいは地方自治体のいろいろな要望に対して削減するなという要求を半ば抑えるような形でおっしゃっておる。こういう状況があるのですね。にもかかわらず地方交付税率が引き下げられるというようなことになったら、石原次官がおっしゃったこういうような重大な講演あるいは発言の地方自治体に対する政治責任だって生じかねないわけですね。
 こういうこともあって、私は竹下大蔵大臣の答弁の真意が那辺にあるか予算委員会でまた究明しなくてはなりませんけれども、自治大臣としてお考えを聞きたいのは、地方交付税率の引き下げをこれは自治大臣としては絶対に考えていないのではないか、また考えるべきではないと私は思うのですが、お答えはいかがですか。
#214
○国務大臣(小沢一郎君) 大蔵大臣の発言は、答弁した際に私もその場に居合わせておりましたけれども、必ずしも伝えられるような意味合いでしゃべったとは私は解釈いたしておりませんし、また、先生御指摘のように、今日の地方財政の状況の中で地方交付税率を今の現状のままで引き下げるなどということがあり得べきことではないと、そのように考えております。
#215
○橋本敦君 わかりました。
 ちょうど時間が参りましたので、私の質問はこれで終わります。
#216
○関嘉彦君 きょうの議案は自治省及び警察庁の決算でございますが、私はこの問題について今まで専門に研究したことがございません。今度決算委員になりまして慌てて勉強したのですけれども、にわか勉強でございますので、あるいは私の質問は今までになされた質問の繰り返しの部分もあるかもしれないし、極めて初歩的な質問もあるかもしれないと思いますけれども、御了承を願いたいと思います。
 主として自治省の方にお尋ねしたいと思いますので、警察庁の方はごく簡単ですから、こちらの方を先に取り上げていきたいと思います。
 一昨年、昭和五十九年の三月、グリコ社長の誘拐事件に始まりましたいわゆるグリコ・森永事件、警察の方で一生懸命努力しておられると思いますけれども、まだ今日まで逮捕に至ってないということは極めて残念であります。しかし、今後こういったふうな広域、つまり広い地域にまたがるような犯罪が今後も続発してくるのではないかということが予想されるわけですけれども、そういった広域、広い地域にまたがるような犯罪の捜査の態勢に問題があるのではないかということを私感じておりますので、そのことについて質問したいと思います。
 警察庁自身に例えばアメリカのFBIみたいなような捜査機能を持たせたらどうかという意見もございますが、これはちょっと大問題でございますので、私もその長所短所を十分研究しておりませんから、その問題はしばらく別にいたします。しかし、現在の管区警察局、これがそういった広域犯罪なんかが起こった場合に各都道府県の警察に対してどういう指揮関係にあるのか。管区警察局は例えば民心に不安を与えるような大規模な災害であるとか地方の静穏を害するような騒乱については、府県警察を指揮監督することができるというふうになっておりますけれども、普通の広域犯罪に対してはこれを指揮監督することができるのかどうか。その点をまずお伺いしたいと思います。
#217
○政府委員(仁平圀雄君) 現在犯罪の広域化傾向がますます顕著になっておりまして、これに伴いまして広域にわたって捜査を行う必要性が高まっておるのは先生御指摘のとおりでございます。
 広域捜査のあり方につきましては、私どもも日ごろいろいろ検討し、意を尽くしておるところでございます。ただ御承知のように、現在の警察制度は基本的には都道府県を単位とする自治体警察でございます。そういうことで、警察庁及び管区警察局といたしましては都道府県警察に対しまして指導調整するという立場にあるわけでございます。したがいまして、今後とも警察庁なり管区警察局の指導調整機能というものを一層効果的に発揮することによりまして、広域捜査の推進には遺憾なきを期していきたいというふうに考えておるところでございます。
#218
○関嘉彦君 管区警察局の指導調整だけで対応できるというふうにお考えでございますか。指揮命令しなくても十分やっていけるというふうにお考えですか。
#219
○政府委員(仁平圀雄君) これは警察法上の解釈といたしましてはいろいろ微妙なものがあろうかと思いますが、一応私どもは都道府県警察管内の事件については都道府県警察が責任を持って捜査を行うということでよろしいんではないか。国家的な立場あるいは広域的な立場からの問題につきましては、警察庁なり管区警察局が指導調整権を強力に発動することによって十分対応できるんではないか。現在もこれまでおおむねそれで広域捜査の実を上げてこれたんではないかというふうに考えておるわけでございます。もちろん個々にいろいろ検討いたしますと反省事項もあるわけでございますが、そういった教訓も十分に生かしまして、今後とも広域捜査の実を上げていきたいというふうに考えております。
#220
○関嘉彦君 指導調整を強力にやっていきたいということを言われましたけれども、強力な指導調整ということだけで果たして対応できるかどうかということを聞いているわけでございます。と申しますのは、あのグリコ・森永事件につきまして一度犯人を滋賀県内で捕まえ損なったことがございましたですね。あのことが起こった後である雑誌に警察についての評論が出ておりました。私はそれを必ずしも全部信用するものではございませんけれども、つまり犯罪が発生した地域の府県の警察がやはり自分のところで検挙したい。いわゆる検挙率というのがその警察の功績になるわけですから、自分のところで検挙したい。そのために、大阪府警が自分のところで検挙したいので滋賀県警に対しては詳しい情報を教えていなかったんだ、それがあの犯人を取り逃すことになったんだということをある雑誌の評論で見ました。まさか意識的に教えなかったということはないと思いますけれども、やはり管区警察局あたりで一元的に指揮してやるのでなければそういったふうな疑いをかけられるような事例が今後も起こるんじゃないか。そのことを心配して質問しているわけです。今の体制でやっていけるというふうにお考えかどうか。
#221
○政府委員(仁平圀雄君) 具体的にグリコ・森永事件についての問題も御指摘いただいたわけでございますので申し上げたいと思いますが、あのときはいわゆる報道協定が締結されておりまして、そのために警察庁、管区警察局も入りまして関係府県警におきまして十分な協議を行ったわけでございます。そういうことで、大阪府警が滋賀県警に対して正しい情報を教えていなかったということはございません。ただ、警察が携帯しております無線機等がアナログ式でございまして、犯人にも傍受されるというような問題がございましたので、滋賀県下の警察官全員にそういった情報を示達するということはできなかったということでございます。
 そういうことでございまして、まあ指導調整権とは申しますが実質的にはほとんど指揮に近いような効果を上げておるわけでございますので、現在の制度、体制でやっていけるんじゃないか、指導調整機能が効果的に発揮できればそれでよろしいんではないかというふうに考えておるところでございます。
#222
○関嘉彦君 実質的に指揮しておられるんでしたならば警察法を改正されたらどうですか。もっとその方がはっきりしていいんじゃないかと思います。十分検討していただきたいと思います。これは警察に限らず、現在の府県制度が果たして今後の警察を含めました行政需要に対応できるかどうか、私はこれちょっと問題ではないかと思いますが、この問題取り上げてますと大変大きな問題になりますのできょうは取り上げませんですけれども、警察というのは非常に時間が大事な仕事です、非常に緊急を要する。その点からいって、管区警察局の権限をもっと強める必要があるんじゃないかということを私考えておりますので、十分研究していただきたいと思います。警察はそれで終わります。
 次に自治省についてお尋ね申し上げます。憲法では、第九十二条から九十五条にわたって地方自治について規定をしております。九十二条に「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める。」というふうに書いてあります。地方自治の本旨というのは、何かわかり切ったことのように憲法の中には書いてありますけれども、私はよくわからなかったものですから行政法あるいは地方自治法の本なんかをいろいろ読んでみたんですけれども、読めば読むほどますますわからない。公共団体の自治であるとかあるいは住民の自治であるとかいろいろ分けて説明してありますけれども、つまり、自治の限界、国と地方との関係、あるいはそれをどういったふうにしてみずから治めていくのか、そういったふうな問題についていろんな学説はあるようでございます。地方自治というのは地方自治体の固有の機能であるとかあるいは国から伝来してきたものであるとかいろんな学説はあるようで、学者の中でも必ずしも意見が一致していないようで、我々わからないのは無理ないと思った。実はきょうは自治大臣にその点をお尋ねしようと思いましたけれども、既に同僚議員の方から質問ございまして、先ほどお答えになりました。聞いていましても何かわかったようでよくわからない。そういったことを概念的に、概念法的にお尋ねしていくよりも個々のケースについて、考えられるケースについて、仮定的な質問も入りますけれども、お尋ねしていった方が自治省で考えておられるところの地方自治の本旨というのがよくわかるんじゃないかと思いますので、総論的な質問を取りやめまして各論的に入っていきたいと思います。
 まず、地方議会の解散、議員及び長の解職の問題について質問申し上げます。
 憲法十五条では「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」というふうに書いてあります。この条項に基づいたんだろうと思いますけれども、地方自治法では七十六条から八十八条にわたって議会の解散あるいは議員及び長の解職について規定がございます。議会の解散及び長の解職については問題ないんですけれども、個々の議員の解職、これは私は憲法の精神に照らして抵触する面があるのではないかというふうな疑いを持っております。
 具体的な例を挙げた方が早いと思いますので、先般三宅島で飛行場誘致の問題が起こって、それに賛成、反対の議員がいたわけですけれども、それを賛成する方の議員を二人解職する請求の住民投票が行われて、それは手続上ミスがあって成立しませんでした。しかし、仮にああいった解職請求が成立して、有権者の投票が行われて解職された、これはこの自治法に従って合法的に行われ得るわけでございます。しかし、三宅島の問題を離れまして一般的な問題として、個々の問題になりますとその内容の問題入りますから三宅島の問題離れまして一般的な問題としまして、ある村会議員でも町会議員あるいは市会議員でもいいんですけれども、ある議員が特定の政策に賛成あるいは反対したということで、その少数意見の持ち主の議員を議会から排除する、リコール請求によって排除するということがもし無制限に行われるようになりますと、これは自分に反対の少数派の人たちをどんどんリコールでやめさせていくことができるわけであります。多数派の意見だけが議会を占めるということは十分考えられるわけです。これは果たして議会政治の、日本の憲法の規定していますところの議会制民主主義の精神に抵触することはないかどうか、そのことを私疑問に思っているんですけれども、どなたか自治省の方お答え願いたいと思います。
#223
○政府委員(大林勝臣君) 戦後地方自治制度を導入いたしました場合に、結局国の場合におきましては間接民主制ということで割り切って物事が進んだわけでありますけれども、地方自治というものを考える場合には、一番住民に身近な団体の代表というのは、やはり住民が選挙して単に四年間もう任せきりということだけではなしに、常に目を光らせる必要があるだろうということから、いわゆる直接民主制に基づきますイニシアチブとかリコール制度というものが取り入れられたものであります。確かに御指摘のように議員に限って申しました場合には議会の解散だけでいいではないか、個々の議員のリコールまで認める必要はないではないかという御意見もあろうかと思いますけれども、これは言うなれば立法政策の問題であろうと思います。確かに議会の解散というところまでいかないけれども、議会の解散ということまで必要ではないけれども、やはり個々の議員が選挙された後でも非常に従民のひんしゅくを買うような行動を起こすとか、あるいは選挙に当たっての公約と全く反対の行動をしておるというような場合には、リコールの対象に入れていいではないかという考え方で今日の制度ができ上がっておるわけであります。もちろんお話のように乱用のおそれがあってはこれはいけませんので、その歯どめといたしまして、選挙後一年間はそういったリコールはできないとか、あるいはリコール発議いたします場合にも有権者の三分の一以上の署名がなければいかぬとか、投票はもちろん過半数の同意がなければいかぬとかという歯どめはつくっておるところであります。
#224
○関嘉彦君 恐らく立法者の意思は、そういったひんしゅくを買うような私行上いろいろ問題があるとか、そういった公約に反したとか特定のケースを頭に置いて書かれたと思うんですけれども、条文を読む限りにおいてはそういった限定は全然ないわけですね。歯どめがあるということを言われた一年間これはできないとか、三分の一の請求がなければいけないとか、しかしこれは一年たてばもう全然歯どめにはならないわけで、三分の一ぐらいを集めることは、私は都会では大変不可能だと思いますけれども、田舎では十分あり得ることだと思うんです。歯どめとしての役割を果たしてないんじゃないかと思う。もちろん法律というのは乱用されないことを望まなければいけませんけれども、しかし法律の中に何ら規定がなければ、それを使うことが果たして乱用に当たるのか正当の適用になるのか、必ずしも一概に乱用と言えない場合もあるかもしれない。法の不備があるというふうにお考えになりませんですか。
#225
○政府委員(大林勝臣君) 議会の解散にしろ個々の議員のリコールにしろ、要は、そういった制度を設けることによりまして、一度選挙をやりました暁におきましても一年たってもう一度、議会とかあるいは個々の議員について少し政治姿勢が反対であるとかあるいは非常にひんしゅくを買うような行動があったとかというようなことがございました場合には、もう一度選挙をするというのがリコールの本質であろうと思います。つまり確かに罷免という制度をつくっておりますけれども、実質はもう一回選挙をやるということでありますので、法律の上におきましてもリコールについて御指摘のような特段の要件というものは規定をしてない。要するに、本来はひんしゅくを買うとかあるいは公約に違反するとか、こういったことが動機になって立法されておるわけでありますけれども、そういったことはやはり三分の一以上の有権者が同意すれば、やはり制度的にもう一度選挙をしてしかるべきだというのが考え方の基礎になっておるわけであります。
#226
○関嘉彦君 私は現行の憲法というのは、国の方については議会制民主主義の考え方でやっているし、地方自治体に関しては大統領民主制的な考え方が入っていて、十分にそれが整理されてないんじゃないかということを前から思っていたんですけれども、つまり地方自治に関する章というのは非常に少ない、わずか四つですわね。何か慌てて後からつけ加えたというふうな印象すら持っている。これは憲法の不備だと私は思っていますけれども、憲法の改正ということはこれは大変ですから、現行憲法の枠内でやるにしましても、ちょっと自治法の内容というのは欠陥があるのではないか。今までに幸いそういう事態は起こらなかったからよかったですけれども、今後そういうことが起こるかもしれない。そういう場合にどういうふうに対処されるか。今返事を求めましても、これは大問題ですから急には返事できないでしょうから、今慌てて返事は要求しませんけれども、十分研究しておいていただきたいというふうに考えます。
 それがその第一の事例で、つまり地方の自治、住民の自治というふうなことのあり方の問題、これは十分もっと突き詰めて考える必要があるというふうに考えます。
 それから第二の事例として、これも具体的な事例を挙げた方がいいですから、逗子市のリコールの問題、先ほど同僚議員からも質問がございました。だからそれと重複しないようにして質問いたしますけれども、逗子市の議会の解散は成立しましたし、今後市長の方の解職も行われるようですけれども、こちらの方は解職は成立しないという仮定のもとに、逗子市民の、住民の多数の意思は米軍住宅を建設するのに反対であるということが明らかになった場合ですね。
 その場合に、まず第一は、国は日米安保条約に基づく米軍住宅を建設しようとしている。これを法的に阻止する手段があるのかどうか。これも、やっぱり内容の問題を離れて、米軍住宅建設に限らず、あるいは国の施設としての原子力の研究所なんかをある都市ならある都市に建設するというふうな例でも結構ですけれども、そういう場合に法的に阻止する手段があるかどうか、そのことをまず最初にお伺いします。
#227
○政府委員(大林勝臣君) 逗子市におきます米軍住宅問題というのは、もともと国有地に国が建設するという問題でありますので、現在制度的に、地方団体として国に対し特定の制度的な措置を講ずるというものはございません。
#228
○関嘉彦君 阻止することはできないということですね。
#229
○政府委員(大林勝臣君) 制度的にこれを阻止する道というものはございません。
#230
○関嘉彦君 今度の逗子は、先ほど同僚議員も言われましたように何遍も住民投票をやるわけですわね。住民の人たちも大変だろうと思うんですけれども、逗子市のように、市長と市議会とが対立した場合、何回も住民投票を繰り返すのじゃなしに、リコールを繰り返すのじゃなしに、その係争点をめぐって、住民投票といいますか、有権者の投票によってその決着を一遍で図る、そういうふうな条例の制定は可能ですか。そういうふうな条例を制定する、まあ住民の請求によってでもいいし、あるいは住民請求なしに議会の方ででもいいし、それは可能ですか。
#231
○政府委員(大林勝臣君) 住民による直接請求によって物を決める、政策を決める、こういったものを条例で制定するということは、法律は全く予想しておりません。あくまでも長あるいは議会、それぞれに権限が分配をされておるわけでありまして、その意味では地方団体の政策を遂行するのは間接民主制の原理に基づいて行われておるわけであります。ただ、その例外として例えば住民の方からいわゆるイニシアチブ、こういう条例をつくってくれと言う道はございますけれども、制度として、一つの地方団体の政策を決定する場合に住民投票によって物を決めなければならぬというシステムというのは、法律は予想してないところであります。
#232
○関嘉彦君 私がその問題を取り上げましたのは、三月四日の朝日の社説に、「リコール合戦を繰り返さないためには、地方議会と首長が対立するような重要案件では、一回の住民投票で決着をつけるような制度を確立する必要があろう。」という社説があるわけであります。これが現行の地方自治法のもとで可能かどうか、そのことをお聞きしているわけなんです。
#233
○政府委員(大林勝臣君) 従来もそういった住民投票で物を決めるというような条例が、その都度できたことはございます。ただ、その場合におきましても、住民の意思というものはあくまで、施策を決定する地方団体の長なり議会が参考にするという程度のものにとどまっておりまして、住民の意思によって一つの政策を決定するということは、現在の法律上は可能ではございません。
#234
○関嘉彦君 こういった住民投票によって政策条例なんかをつくるというふうな考え方、私はある意味では非常に参考にはなると思いますけれども、これ、よほど注意しないとすべて住民というか、重要な問題が住民投票で決定されるようになってくると、いわゆる代議制民主主義の原理が弱まっていく、その心配があるわけです。アイデアそのものとしてはちょっとおもしろいんですけれども、こういった問題もやはり十分慎重に検討しないと、日本の憲法は原理としては代表民主主義の前提に立っておりますから、その民主主義の原理に抵触する点があるんじゃないかということを考えて質問したわけでございます。
 それから、ちょっと順序不同になりますが、もう一つ鎌倉の給与条例、職員の給与の問題について、それも一つの例を挙げて質問した方がいいと思ったんですけれども、それをやっていると時間があるいはちょっと足りなくなるかもしれませんので、逆にその問題一応横に置いておきまして、全然違う問題で、地方自治体の国際化の問題についてお伺いしたいと思います。
 中曽根内閣は国際化ということを非常に重視しておりますが、中曽根内閣に言われるまでもなく、日本がもっともっと国際化していくということは必要であります。特に国際協力ということは極めて大事だと思うんですけれども、これは単に国と国のレベルだけではなしに自治体レベルあるいは民間人レベル、学校レベル、そういったところでやっていく必要があると思うんです。
 現在、青年海外協力隊というのがございまして、これは割に各国で好評のように承っております。これをやはりもっと拡大していくことが必要だと思うんですけれども、現在隊員に応募する人たちの不安は、帰国した後に復職ができるかどうか、あるいは留守家族の生活不安というふうな問題だろうと思うんです。そういう心配があるために、応募したくても応募できない人がいるんではないかと思う。
 ここでは地方自治体の職員の場合に限りますけれども、自治体の職員の人でそういう隊員に応募している人たちがもう既に全国でたくさんあります。しかし、それについて全然条例なんかをつくってない府県なんかもある。仕事を保障するとか休職扱いにするとか、そういう条例をつくっている県が大多数だと思いますけれども、全然そういうのをつくってない県もかなりあるように聞いているんですけれども、どのくらいございますか。
#235
○政府委員(柳克樹君) 青年海外協力隊について、それに参加する場合の問題でございますが、一般的には休職条例でもってその間は休職扱いにするという県が相当ふえてきております。ただ、まだ休職条例では設置しておりませんけれども、別の分限条例で措置をしているというところも合わせますと、すべての都道府県におきましてそういう条例措置ができているというふうに聞いております。
#236
○関嘉彦君 それは普通の病気の休職なんかと同じに取り扱っているわけなんでしょうか。
#237
○政府委員(柳克樹君) これもいろいろでございますが、休職の場合、病気の場合ですと、ある一定の期間を過ぎますと例えば無給になるというようなこともございますが、給与を例にとって申し上げますと、五割から十割まで区々でございますけれども、休職給は必ず支給されておるというふうに聞いております。
#238
○関嘉彦君 それではそういった人たちが休職してから復職しやすいように、休職になって海外協力隊なんかに行っている人たちは、それぞれの自治体の定数内の取り扱いになっておりますか、それとも定数外になっているか。つまり、復職してきた場合に不利にならないかどうか、復職することが。
#239
○政府委員(柳克樹君) 休職を発令をされますと、一般的にただいま先生御指摘のとおり定数外になるわけでございますが、これは復職といいますか、帰ってまいりました場合には、これは数千人のオーダーの話でございますので、その点について定数外であるからそこで不利になるというようなことは、要するに仕事がないとか、そういうことはないという仕組みになっております。
#240
○関嘉彦君 できるだけそういった人たちが進んで海外協力隊に積極的に参加するように、今後とも配慮をお願いしたいと思います。
 あと二つほど質問したいと思ったんですけれども、あと時間が四分ほどしかございませんので、それじゃ先ほどの、また元に戻りまして、地方自治のケーススタディーになるんですけれども、逗子のお隣の鎌倉市では、今給与、退職金を引き下げることについて議会の方と市長の方との対立があるようなことが新聞に載っておりましたが、そういった鎌倉なんかの具体的な例を一応別にしまして、一般的な問題として、地方自治体の給与が国家公務員なんかに比べて非常に高いというふうな批判、これは全部じゃございません、こういう高いのはごく一部だと思うんですけれども、そういう高い地方があるし、国会でもしばしば取り上げられたところでございます。
 それで、こういうのも考え方によっては、こういうのは高かろうと安かろうと地方自治体に任せておくのが地方自治の精神に合致するんだというふうな議論もありますけれども、しかし他方において、同じ公務員でありながら給与のインバランスが非常に大きいということはやはり適切でないので、そういった給与のインバランスの是正はやはり国が指導すべきというような意見もあるわけでございます。自治省としては今までそういう問題に対してどういうふうな指導をされてきたのか、どの程度の差であれば差し支えない、地方に任せるべきだというふうにお考えですか。
#241
○政府委員(柳克樹君) 高額給与自治体の問題は大変大きな問題でございまして、地方公務員法の趣旨はあくまでやはり国家公務員に準ずるべきだというふうなものであるというふうに私どもは理解しておるところでございますが、その観点から自治省といたしましては、従来から不適正な給与を支給している地方公共団体に対していろいろと通達、会議等を通じて是正方の指導をしておるところでございます。さらに、これらの指導に加えまして給与水準が国家公務員を著しく上回る地方公共団体につきましては、個別の指導団体を指定いたしまして現在第二次の取り組みをしておるという状況でございます。
#242
○関嘉彦君 その著しいインバランス、いわゆるラスパイレス指数でどの程度を超えれば著しいインバランスであるというふうに自治省としてはお考えですか。
#243
○政府委員(柳克樹君) ただいま申し上げましたように、やはり基本的には国家公務員に準じた水準であるべきだという考え方でございますが、ただ、指導する場合の実質的な事務能力と申しますか、もございますので、現在のところ上からと申しますか、給与の高い、水準の高いところから百五十団体ほどを個別の指導団体というふうにしておるわけでございます。
#244
○関嘉彦君 もう時間があと一分しか残っておりませんのでこれで質問を打ち切りますけれども、これを是正するために臨時立法であるとか特別立法、法的な根拠をはっきりさせる、そういうふうなことはお考えでないですか。実は民社党としては昨年、給与の是正、インバランス是正のために臨時措置法を提案したんですけれども流れてしまいましたけれども、そういった特別立法によって是正する、法的な根拠を持って是正する、そういうふうなお考えはございませんか。
#245
○政府委員(柳克樹君) ただいま申し上げましたように、いろいろな方法によりまして指導した結果、かなり給与水準は全体として是正されてきておるのが実情でございまして、やはり先生のおっしゃるような御意見もあろうかと存じますけれども、私どもとしては現在行っておりますような各地方団体の自律的な努力、計画的な努力によって改善をしていくのが現在のところではいいのではないかというふうに考えております。
#246
○木本平八郎君 私は、定数是正というか定数の考え方という点から自治省の見解といいますか、どういうふうにお考えになっているのかという基本的な点を質問したいわけです。
 けさほど来、定数是正の問題については各同僚委員から相当いろいろ突っ込んだ話がありまして、衆議院自体で非常に大きな問題になっているという時期で、いよいよこういう論議も最終段階に来ているんじゃないかという気がするわけですね。ところが、私、ちょっと素朴な疑問なんですけれども、国民の方は確かにインバランスがあるからこれはもう是正しなきゃいかぬという気持ちがあることはもうはっきりしているんですけれども、それ以上にインバランスの訂正する方法としては、やはり六減六増とか十減十増とかそういう総枠の定数を、衆議院の場合五百十一ですか、それをそのままにしておいてその中でやるということじゃなくて、もうこういう行革の非常に声の高い時期だからむしろ減らすべきじゃないか、定数を削減してインバランスを是正すべきじゃないかという意見が私は国民の中には相当あると思うんですね。私自身、国会へ来て間もないのでまだ民間的な感覚しかないかもしれませんけれども、こういうふうな国民の意向というものが、この次の段階というのは確かに私は削減要求が出てくると思うんですけれども、そういうしかも行革を進めるという面からいきますと、国会自身がまず隗より始めよという姿勢がなきゃいけないんじゃないかという気がするわけですね。事実の問題として非常に難しいことはわかりますけれども、こういう国民の声があるということを自治省としてどういうふうに受けとめておられるのか。国民の声があることはよくわかっているけれども、実際問題としてなかなか難しいので手がつけかねているということなのか、そういう声は余り聞かないというふうに受けとめられているのか、その辺まずお伺いしたいわけですが。
#247
○国務大臣(小沢一郎君) ただいま先生の御指摘で、むしろ定数削減していくべきではないかと、そういう考え方が国民の皆さんの中にも意見としてあるということは私も承知いたしておりますが、一方において、日本の国会議員の定数はほかの諸外国と比べましても議員一人当たり人口で言えば決して多い方ではない。これだけ社会が進化し複雑になってきている、そういう意味から言えばふやしてもいいじゃないかという意見も一方にはあるように考えておりますが、いずれにいたしましてもそういう御意見もあることは承知いたしております。
#248
○木本平八郎君 確かに、世界的に見れば日本は議員の数がそう多い方じゃないかもしれません。ただ国民の教育程度と、それから通信だとか情報の伝達性を考えますと、そんなに要らないんじゃないか、民意を反映するのにはもっと少数でもいいんじゃないかという気はするわけです。私はやはり、衆参両方合わせて七百六十三人というのはもう多過ぎるというよりも、これが決定された昭和二十二年当時から見て時代が変わっているから、やはりそこでニーズと定数七百六十三人というのがもうアンバランス、そこにアンバランスを起こしているんじゃないかと思うわけです。この点について、あと少し私の見解も交えながら大臣の御意見いろいろお伺いしたいわけですね。
 その前に、まず私非常に感じますのは、これは新聞にも出ていますけれども、現在衆議院で行われている定数是正というのが、選ばれる議員さんの都合ばかりあるいは党利党略みたいなことばかりで、選ぶ方の国民、主権者である国民の方は全然無視されている。遊離しちゃって永田町で行われているという感覚が非常に強いわけですね。これはある程度はやむを得ないと思うんですね。こういう民主主義でやっていく限り仕方ないと思うんです。ところが国民の側からすれば^定数削減どころか定数是正だってできない、六減六増とかなんとかがたがた国会が二回にわたってやられている、こういうものについて私は国民の感覚としてはアンバランスだと、自分たちの権利がこんなに格差があるということに対する不満とか要求とか権利意識みたいなものよりも、むしろ六減六増か十減十増でさえ是正できない国会に対してあきれてしまっているというか、不信感を持っているというか、本当に国会というのはどうしようもないなという気持ちが私は相当できてきていると感じるわけですね。特にけさほどからもありましたように、最高裁の判決がどうの、高等裁判所の判決がどうのと。私は国会というのはやっぱり国権の最高機関だと思うんですね、三権分立の中で。ところが司法の判断を仰がなければいかぬというのは、国会議員としてはまことにシェイムだと、恥だと思うわけですね。現実に確かに今こういうふうになってきますと、行政府だとか司法の方が優位になっている。国会の優位性なんというのは形だけというふうな感じはあるんです。しかしこれは、こんなことをやっているとやっぱり国会議員として本当にこれはもう恥ずかしいんじゃないかと思うわけですね。その込もう一回、大臣としてじゃなくっていわゆる国会議員として、小沢さんどういうふうにお考えになっているか、ちょっとお聞きしたいんですがね。
#249
○国務大臣(小沢一郎君) 自治大臣ということは別といたしまして、お互い国民の選挙によって、支持によって国会議員としてその負託にこたえて本来の使命を果たしていかなきゃならない、それは当然のことであろうと思っております。
 もちろん今回の定数問題につきましても、これは実態としてはもう先生のおわかりのとおり大変な難しい問題ではございますけれども、私どもといたしましては常に国民の負託にこたえるように、また国権の最高機関の構成員としての責任を果たしていかなければならない。そういう意味におきましては、みずからがやはり院の構成、院の土俵づくりの問題ですから、積極的に常日ごろから不断の努力をしていかなければならないということは、常に求められておるものであると思っております。
#250
○木本平八郎君 こういうふうな国民の不信感みたいなものがやっぱりだんだん広がってきて、政治に対する白けみたいなものがあるし、投票率もどんどん悪くなっていくというふうな形になってあらわれているんじゃないかと私は受けとめているわけですね。
 それで、まあ実は私、非常に恐れるのは、現在のこういう政治不信というのが昭和初期に非常に似ているんじゃないかという気がするわけです。これは昭和四年ですね、一九二九年の十月の二十四日かなんかにはウォール街の暴落があって、それから大恐慌に入ったわけですね。ところが、それと同時に日本では、もう政争というか党利党略というか、政治、政党の腐敗でもって国民はもう飽き飽きしていたと。そういうことに結局軍隊が入ってきて、それで軍閥政治に一拳に突っ込んでいってしまったというふうに私は解釈しているんですけれどもね。
 今現在、円高デフレが私これ非常に問題だと思いますけれども、これに基づいて低成長で円高デフレになっていって、そこへとういうふうな一つのまあ政治不信みたいなもの、政党不信みたいなものが国民の中に田できますと、やはり英雄待望論みたいなものが出てくると思うんですよ。もっとばしっとやる何か強力なリーダーシップが必要だというふうに国民が求め出す可能性があるんですね。それで現実に今、中曽根内閣の支持率が非常に高いんですね。私はこれは自民党に対する支持率だとは思わないんですけれども、中曽根さんに対する支持率が物すごく高いと。これはやっぱりタカ派だということもあるけれども、かっての英雄待望論みたいな非常にそういう、そして強いリーダーを求めるという国民の一つの反応だと思うんですね。私はこれは非常にある意味じゃ危険じゃないかという気がするわけです。それを正すには、昭和初期のように、やっぱり政治家あるいは政党その他がぴしっと良識を取り戻して、正すべき襟は正すということがないと、やはり非常にこれは危ないんじゃないかと。それで定数なんてものはほっておきますとどんどんやっぱり肥大していってどんどん大きくなっちゃうわけですね。どっかでやっぱりチェックしなきゃいかぬ。
 私はよく世界の政治史というのは知りませんけれども、どうも定数がずるずるずるずるふえていくと結果的には国が衰えるんじゃないか。例えば英国なんかは日本よりもうんと多いですわね。そういうようなものがやっぱり民族の活力をなくしていって、結果的には滅亡の方に引きずられていくんじゃないかという恐怖感もあるわけなんです。その辺大臣、どういうふうに受けとめておられるか、感触的にちょっとお伺いしたいんですがね。
#251
○国務大臣(小沢一郎君) 今日の政治の状況が以前の先生御指摘のような時代と必ずしも同じような状況下の中にあるとは私は思っておりませんけれども、ただ、民主主強というのは、言うまでもなく、長い歴史の中で人類のつくり出してきた大いなる遺産であり知恵であると思います。ただ、ややもすれば、俗に言われますように、衆愚政治に陥るとか、あるいは時間、手間暇がかかり過ぎるとか、むだが多いとか、そういう半面の欠点もあるだろうと思います。そういう意味で、いわゆるそれがどんどん欠点ばかり露呈するようなことになりますと、先生の危惧するようなことにもなりかねないということだろうと思います。したがいまして、私どもはこの民主主義、そして今日の代議政治、これが本当に有効に活用することができるように、そして国民の信頼にこたえることができるようにしなければならない使命を負っておる。ものと思っております。
#252
○木本平八郎君 今、当然こういう定数の問題というのは、国会、自分がやらなきゃいかぬわけですけれども、ところがこれはやっぱり、自分で自分の手術をするわけですから、なかなかできないわけですね。これはまあほかの例え話になりますけれども、世界でも、いかなる名医といえども自分で自分の盲腸は手術できないということがあるわけですね。何か私の読んだところでは、今まで三回あったらしいんですね、医者が自分で盲腸を手術したと。それで完全に成功したのは一人しかないんですね。もう一人はやはりその後で腹膜を起こして結局亡くなったと。それからもう一人は、その場は一たん手術したんですけれども、すぐ再手術をやったというふうなことなんですね。それと同じで、これはもう国会議員が自分の定数を是正するというのは本当に不可能に近いと思うんですよ、こういうことはほとんどちょっと考えられない。したがって、私はやはりこれは第三者機関に、まあやぶ医者でも仕方ないから第三者に切ってもらわなきゃしようがないわけですね。
 そういう点で私はこの今の選挙制度自身は欠陥制度じゃないかという気がするわけですね。欠陥制度というのは、例えばブレーキのない自動車みたいなもので、これではやっぱり困るんで、どっかで自浄作用が起きるように、あるいは一つのチェックが働くように、フィードバックが働くようにやっぱり制度自身をそのときつくっておかなきゃいけなかったと。ところが、昭和二十二年ごろかなにのときには、まあそれはちゃんと行われるだろうと、あるいはこれでいいだろうと思ってついついそれやらなかったと。それで、今現在選挙制度審議会、総理の諮問機関としてありますね。それで、何回も何回もそういう答申が出ているけれども、全然国会では相手にされないということを繰り返しているわけですね。そういう点からいって私はやっぱりこの際定数臨調みたいなものをつくって第三者で、非常に恥ずかしい話なんですけれども、国会議員としては、しかしやっぱりそういうものをつくって、そこでやはり定数はこうあるべきだと、あるいはその格差はこうあるべきだというふうなやっぱり強力な第三者機関を設ける必要があるんじゃないか、まあ坂田議長はどういうお考えかは知りませんけれども。その点でちょっとこれ技術的な問題として自治省の方々は、そういう第三者機関ですね、こういうアイデアもあるしこういうアイデアもあると、まあやるかやらないかは国会の問題ですからね、そうだけれども、こういうことがあるんじゃないか、学問的にはこういうことも考えられるというふうなアイデア的なものをあればお聞かせいただきたいんですがね。
#253
○政府委員(小笠原臣也君) 第三者機関のあり方について私どもがいろいろ構想を持っておるということは実はないんでございまして、現在、実は法律に基づきまして選挙制度審議会が設けられております。その選挙制度審議会では、議員の定数配分の問題を含めて選挙制度やあるいは政治資金の問題や選挙の公明化の問題について審議することができるようになっておるわけでございます。ただ、これはなかなか、その設置法の中に答申は尊重するものということが書いてはございますけれども、過去の経緯を見てみますと、御指摘のように、いろいろ答申をいたしておりますけれども、その中で事務的なものについては実現をしたものもありますけれども、基本的な衆参の選挙制度の改革というような問題については、なかなか意見がまとまらないとか、あるいは答申が出てもなかなかそのとおりにならないというようなことがあって、今月、開いてないということでございます。ですから、やはりこういう選挙制度の基本にかかわる問題、あるいは国会の構成にかかわる問題は、基本的な部分は各党でお話しいただいて、国会で決めていただいて、そのルールに基づいて、例えば選挙区割りを変更するような部分については、これは第三者機関という問題も考えられるんではないか。諸外国、イギリスとかあるいは西ドイツの例を見ましても、基本的な選挙制度のあり方、それから境界変更をどういうルールでやるかということは実は決まっておりまして、そしてあとは人口の変動に基づいて具体的に線引きをやり直す作業を第三者機関でやっておるわけでございまして、諸外国の例に倣うとすればそういうような第三者機関ということも考えられるかと思うんでございますが、いずれにしましても、第三者機関をどういう性格のものでつくったらいいのかとか、あるいはそれをどういう構成にしたらいいのかということも非常に重要な問題でございますので、ルールをつくる問題の一環として、やはり国会で、まず、各党間で御論議をいただかないことには前進しないんではないかというふうに思っております。
#254
○木本平八郎君 まあ、私は、これ前から、実は民間におったときからそういうなにですけれども、人数が多過ぎると議論が結局行われなくってほとんど形式化しちゃう、セレモニー化しちゃう、手続化しちゃうわけですね。現実に、私国会へ来てみて、ほとんど議論なんか行われないわけですね。もう、ほとんど形だけ本会議、形だけ委員会というふうなことになってしまうわけですね。これではやっぱり国政のあり方としてはちょっと不十分じゃないかという気がするわけです。
 それで、やはり私、こういう委員会もやっぱり十人ぐらいだったらこれ相当議論になると思うんですね。もう、これだけ大きくなると、もうとってもじゃないけれども議論なんかできないですな。株主総会なんかも同じことですね。まあ、そういうふうなこと。
 それから、やはりもう立法は、終戦後の昭和二十二年ぐらいに比べて、あの時分はもう秩序を新しくつくらなきゃいかぬとか、もう法律をどんどんつくらなきゃいかぬというので人数も必要だったでしょうけれども、ここまで完備してくると、むしろ法律が多過ぎて邪魔になるぐらいだと思うんですね、許認可なんか者やめようという時代ですから。そういうことで、私は結論的に、まあ明治二十二年に始まったときは衆議院は三百名だったんですね。それがどんどん肥大化して五百十一になったと。それで、現行でも本則では四百七十一名なんですね。それで、四十名というのは暫定措置なんですね。とりあえず一応ふやしておくという。だから、この暫定措置をやめるということは、今のままでも簡単にできると思うんですね、その合意があるかどうか別ですよ。私は、やっぱりせめて衆議院も四百七十一名ぐらいに戻す、そういうことの姿勢を示さないと、そのうちに私は国民が不満を爆発させるんじゃないかという感じがあるわけです。その辺、感触的なこと、短くて結構ですから、大臣の御所見を承って、私の質問を終わります。
#255
○国務大臣(小沢一郎君) 定数をむしろ削減した方がいいんじゃないか、それが国民の信頼にこたえる道であるという御趣旨でございますが、そういうことももちろん一つの国会としての姿勢であるかもしれません、いろいろな議論といたしましては。ただ、現実の問題としては、今、もう衆議院で定数是正の議長見解に基づいてやっておるわけでございますので、その協議をまつ以外にないんでありますが、私どもといたしましては、繰り返しになりますが、そういう国民の本当の真意、気持ちというのは那辺にあるかということを常に十分わきまえながら行動していかなければならない、そのように考えております。
#256
○委員長(丸谷金保君) 他に次発言もないようですので、自治省、警察庁及び公営企業金融公庫の決算についての審査はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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