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1985/04/21 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 決算委員会 第7号
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1985/04/21 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 決算委員会 第7号

#1
第104回国会 決算委員会 第7号
昭和六十一年四月二十一日(月曜日)
   午前十時八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     佐藤 三吾君     八百板 正君
     下田 京子君     安武 洋子君
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     石井 道子君     井上  孝君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     井上  孝君     石井 道子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸谷 金保君
    理 事
                倉田 寛之君
                出口 廣光君
                仲川 幸男君
                堀江 正夫君
                梶原 敬義君
                服部 信吾君
    委 員
                石井 道子君
                大浜 方栄君
                斎藤栄三郎君
                杉元 恒雄君
                曽根田郁夫君
                原 文兵衛君
                平井 卓志君
                星  長治君
                矢野俊比古君
                菅野 久光君
                刈田 貞子君
                田代富士男君
                橋本  敦君
                安武 洋子君
                関  嘉彦君
                木本平八郎君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  三塚  博君
   政府委員
       内閣審議官    中島 眞二君
       日本国有鉄道再
       建監理委員会事
       務局次長     吉田 耕三君
       運輸政務次官   亀井 静香君
       運輸大臣官房長  永光 洋一君
       運輸大臣官房会
       計課長      近藤 憲輔君
       運輸大臣官房国
       有鉄道部長    丹羽  晟君
       運輸省運輸政策
       局長       栗林 貞一君
       運輸省国際運
       輸・観光局長   仲田豊一郎君
       運輸省地域交通
       局長       服部 経治君
       運輸省地域交通
       局陸上技術安全
       部長       神戸  勉君
       運輸省海上技術
       安全局長     間野  忠君
       運輸省航空局長  山田 隆英君
       運輸省航空局技
       術部長      大島 士郎君
       海上保安庁次長  岡田 專治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小島 和夫君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第一課長    小杉 修二君
       警察庁刑事局捜
       査第二課長    国松 孝次君
       警察庁刑事局暴
       力団対策官    山本 博一君
       総務庁行政管理
       局管理官     瀧上 信光君
       法務省刑事局刑
       事課長      原田 明夫君
       農林水産省畜産
       局競馬監督課長  嶌田 道夫君
       運輸省航空事故
       調査委員会事務
       局長       藤冨 久司君
       労働省労政局労
       働法規課長    廣見 和夫君
       自治省行政局選
       挙部政治資金課
       長        中地  洌君
       会計検査院事務
       総局第三局長   小川 一哉君
       会計検査院事務
       総局第五局長   秋本 勝彦君
       日本国有鉄道総
       裁        杉浦 喬也君
       日本国有鉄道常
       務理事      岡田  宏君
       日本国有鉄道常
       務理事      澄田 信義君
       日本国有鉄道常
       務理事      前田喜代治君
       日本国有鉄道職
       員局次長     葛西 敬之君
   参考人
       日本航空株式会
       社代表取締役社
       長        山地  進君
       日本空港株式会社会
       社専務取締役   平沢 秀雄君
       社団法人全国軽
       自動車協会連合
       会専務理事    細谷 開造君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和五十八年度一般会計歳入歳出決算、昭和五
 十八年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十八年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和五十八
 年度政府関係機関決算書(第百二回国会内閣提
 出)
○昭和五十八年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第百二回国会内閣提出)
○昭和五十八年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第百二回国会内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(丸谷金保君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四月十四日、佐藤三吾君及び下田京子君が委員を辞任され、その補欠として八百板正君及び安武洋子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(丸谷金保君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和五十八年度決算外二件の審査のため、本日の委員会に参考人として社団法人全国軽自動車協会連合会専務理事細谷開造君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(丸谷金保君) 昭和五十八年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、運輸省及び日本国有鉄道の決算について審査を行います。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(丸谷金保君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(丸谷金保君) それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○菅野久光君 初めに、国鉄にお伺いをいたしたいと思います。
 まず、今行われております広域配転の問題でございますけれども、広域配転についての職員の応募状況はどのようになっておりますでしょうか。お伺いいたします。
#10
○説明員(杉浦喬也君) 北海道、九州から東京、名古屋、大阪地区への広域異動につきまして、三月二十日から募集を開始いたしております。予定の数は三千四百人を目標にいたしておるわけでございますが、四月十九日現在でまとめましたところ、北海道地区からは千百三人、九州地区からは九百四十七人、それから今回若干範囲を拡大をいたしましたが、本州内及び四国からの数が十五人、合計いたしまして二千六十五人というのが応募された数でございます。
#11
○菅野久光君 現在まで三千四百の目標について二千六十五ということで、目標には達していないわけですね。そこで、第二陣としてさらに九千三百人、北海道から五千九百人、九州三千四百人ということで計画をされているというふうに聞いておりますが、それは間違いございませんか。
#12
○説明員(杉浦喬也君) 第一陣の三千四百人は、一番重要な問題でございます東京、大阪地区の住宅事情、受け入れの可能数というものを見まして数値を出したわけでございますが、第二陣以降の問題につきましては、まず住宅の問題等もめどを立てませんと、無制限に受け入れるわけにはまいりません。現在のところ、まだ第二陣の人数というものをはっきり何人というふうに立てていない状況でございます。
#13
○菅野久光君 何か計画ではこういうような計画だというふうに私把握をしたわけですが、今のところまだ住宅事情等も確定をしていないということで、この人数ははっきりしていないということですね。それでは、はっきりさせるのはいつごろと考えておられますか。
#14
○説明員(杉浦喬也君) 第一陣の模様が、今数字で申し上げましたように、三分の二ぐらいの状況でございますので、今のところ第二陣の目標策定をいつにするかも決めていない状況でございます。ちょっと時期は申し上げる状況ではございません。
#15
○菅野久光君 約三分の二ぐらいしか一次の段階では応募者が出なかった、この大きな理由はどこにあったのか。これは、応募者側からはどこにあったのか、また募集した国鉄側としてはどこにあったのかというふうにお考えでしょうか。
#16
○説明員(杉浦喬也君) 私どもはこうした広域異動の、余剰人員問題のいわば一つの解決策としてやるのは初めてのケースでございまして、大変長年住みなれましたふるさとを離れて家族とともに遠隔の地に永住するような状態になります。そういうことでございますので、いろんな問題があるであろう。特に、やはり住宅問題、教育問題等々いろんな将来の生活設計に当たりまして、個人個人の問題があるであろうということは予想しておったわけでございます。そうしたいろんな難しい問題に対しまして、手だてを全部講じる用意をもちまして募集に踏み切ったわけでございますが、やはりそうした将来鉄道というものになお自分の職業を求めていきたいという気持ちと、それから故郷を離れるという気持ちとの間に、なかなかうまく接点が見出せないというような職員の方の気持ちが多いのではなかろうか。なかなか個人個人の状態について、一つ一つ調べておるわけじゃございませんから、正確にはお答えできませんが、そうしたやはり私ども一応予想しておりました困難性というものが現実の数字になってあらわれたのではなかろうか。今後、そうした面におきまして、私どもも温かく受け入れるというそうした仕組みにつきまして、一層職員に周知をこれからもいたしまして、個人個人の将来の希望に応じていきたいというふうに思っておるところでございます。
#17
○菅野久光君 住宅の問題ですけれども、住宅の確保が非常に難しいというようなことなどもあるわけですね。
 それで、今後、住宅の確保についてはどのようなことを考えられておりますか。
#18
○説明員(杉浦喬也君) 私どもの方であいている宿舎ということになりますと、これはなかなか受け入れが難しゅうございます。場合によりましては私どもも非事業用用地の中から、あるいは事業用用地の中からある用地を生み出した上に宿舎を建設するというようなことも考えておるわけでございますが、ただ住宅公団あるいは雇用促進事業団というような方面からの御援助等もいただけるやに聞いております。その辺の御支援も加味しながら将来、住宅を漸次確保していきたいというふうに思っておるところでございます。
#19
○菅野久光君 私は、この応募するところで一番大きいのは北海道なんですよ。北海道では今どんな状況が起きているかといいますと、応募して行くような話がずっと広まった。そうしますと、持ち家の人たちがたくさんいるわけですよ。この人たちが今大変な状況なんです。不動産屋の人が、あの人は鉄道で向こうへ引っ越しするんだから、本州に行ってしまうんだから、今話があっても買うなと。ぎりぎりになってから買えばもっとたたけると。長い間営々苦心をして自分の資産として持っているものが、今国鉄のこういう広域異動によって自分の財産そのものが減らされてしまう、そういう状況などもあるわけですよ。
 ですから、先ほど総裁が言われたように、非常に難しい問題をはらんでいる。もともと難しいことをやろうとしたわけですから、そういうことも覚悟されていたんだろうと思いますが、現実的に一次の募集の段階では約三分の二ぐらいしか応募がされない。そういうことになりますと、やはり要員の見直しを含む長期的かつ抜本的な対策というものを再検討しなければならないのではないかというふうに私は思うんですけれども、その辺についてはいかがでしょう。
#20
○説明員(杉浦喬也君) 今私ども経営上の効率化というものを目指しまして、合理化を非常に急スピードで行っております。その結果といたしまして、どうしてもやはり余剰人員の問題というのは出てまいってくるわけでございます。そうした余剰人員の問題を解決していかなきゃならない。その場合に一番問題になりますのは、やはり地域的な余剰人員とその受け入れる地域の実情との間に非常にアンバランスの状態がある、特にそれは北海道において著しいという問題が実はございます。
 かといいまして、そのために余剰人員対策というものを根本的に見直すということは、これはまた全体の私どもの方向といたしましてなかなかとり得ないことでございますので、やはりいろんな手だて、工夫をいたしまして、この余剰人員の受け入れについての全国的な視野に基づいての配慮というものの中から、何とか解決の道を探っていきたい。その一つのあらわれが広域異動という一つのやり方にあらわれたわけでございますが、これからも各職員に私どもの方向、手続等を、あるいは受け入れ側の事情等をよくお話をいたしまして、職員一人一人の身になりまして、将来の生活設計がうまくいくように最善の努力をしながら、この広域異動の成果が上がるように努力をしていきたいと思っておるところでございます。
#21
○菅野久光君 私は、要員の見直しも含む検討というものが必要じゃないかというふうに思いますが、いずれにしろ持ち家の問題は国の政策に乗っていったわけです。それが結果的に今こういうような状況になるということについては、よく国鉄当局としても腹におさめながら、本人の人たちに対して何らかのやはり手だてをしなければならないのではないかということを、この際認識をしておいていただきたいというふうに思います。
 広域配転というのは本人の希望ということになっているわけですけれども、文字どおりそのとおり理解してよろしゅうございましょうか。
#22
○説明員(杉浦喬也君) 今、先生おっしゃいましたように、あくまで本人の希望を聞きまして、その希望に応ずるということが主眼でございます。その間に決して強要、強制することはいたしませんし、そうしたことになるようなそういう問題ではないというふうに思っておるところでございます。
#23
○菅野久光君 ここでちょっとお尋ねいたしますが、国鉄監理委員会が北海道旅客株式会社ですか、これの経営見通しを出しておりますね。これでいきますと、六十二年から六十六年まで経常損益ではどのようなことになっておりますでしょうか、ちょっとお伺いいたしたいと思います。
#24
○説明員(杉浦喬也君) 監理委員会の数字でございますが、昭和六十二年度にスタートをいたしまして五年間の見通しの数字が出ております。これによりますと、三島全体に通ずるわけでございますが、北海道の会社におきましても一切の借金を持たせないということ、それから、どうしても赤字が出ますが、赤字については基金というものをあらかじめ設定いたしまして、その基金から出ます利息収入、果実というものを使いましてその赤字を消すという、そういう仕組みをつくることによりまして、もちろんこれは経営者の努力というものが非常に重要ではございますが、五年間ともかく黒字を続ける、若干ながら黒字を続ける、こういう収支の見通しを立てておるところでございますが、今私ども現実にそうなるであろうということを目標にしながら、それを確実なものとしまして今内部で検討をし、詰めておるところでございます。
#25
○菅野久光君 そうしますと、監理委員会で出しているこの経営の見通しというのは、あくまでも見通しということですから、確たるものではないが、国鉄当局としてはおよそ大体監理委員会で出している見通しのようなことでいけるのではないかというふうにお感じですか。
#26
○説明員(杉浦喬也君) 内部で、収入支出の計算が一番重要でございますが、その見通しを今詰めつつございます。まだ最終結論は出ておりませんが、現段階では監理委員会の方向、毎年若干の黒字になる、そういう方向になるであろうというふうなある程度の見通しが立てられつつございます。
#27
○菅野久光君 やはり今回の国鉄の、今法案を出して通るか通らぬかは別にしても、来年からというようなことを見越して今いろんなことをなされているわけですね。それはあくまでもこの監理委員会の見通し報告、これをもとにしてなされているのですね。
#28
○政府委員(丹羽晟君) お答え申し上げます。
 ただいま国鉄総裁からも答弁がございましたが、監理委員会の意見といたしまして、六十二年度から五年間の将来見通しの数字が出ております。それはあくまでも監理委員会の試算でございまして、私どもの運輸省の方といたしましても、その内容につきましてさらに精査をいたしまして、それでこういうような数字になるかどうか、その辺のところを現在詰めておるところでございます。
#29
○菅野久光君 それじゃ、監理委員会で出したことを一応もとにしながらというふうに一般的には思うわけですけれども、この監理委員会で出した見通しが大きく狂ったときにはどういうことになるのですか。
#30
○政府委員(丹羽晟君) まだ精査中でございますので、確定的なことは数字は出ておりませんけれども、大体監理委員会のお考えの線に沿って収支計算を考えるとすれば、この北海道会社につきましては今後とも健全な経営ができる、こんなような見通しを持っております。
#31
○菅野久光君 これはあくまでも見通しということで、その見通しに基づいていろいろなことがなされているわけですね。ですから、その見通しが狂ったときにはいろいろなされていることがまた大変なことになっていくのではないか。だから、見通しを立てたのであれば、あくまでも見通しになるような国としての対策、今精査しているというのですから、精査した段階で見通しが狂うようなことになれば、監理委員会のですよ、見通しが狂うようなことになれば、監理委員会の見通しに合うようなことを国としてやらなくちゃ、あるいは国鉄としてやらなくちゃならないわけでしょう。その辺はどうなんですか。
#32
○政府委員(亀井静香君) ただいま国鉄部長の方からもお答えいたしましたけれども、現在精査をいたしておりますが、監理委員会の予測をしております線と大幅に違うというような状況は出ておりません。現在のところはそういう見通しが狂っていくという状況はございません。
#33
○菅野久光君 命の段階で大きく狂ってないということですね。それはそれで今の段階でということでいいんですが、狂った場合にはこれは大変なことになるということをこの機会にやはり申し上げておかなければならないというふうに思います。
 今、いろいろ答弁なされましたが、国鉄の管理者が広域配転の計画に合わせるために、自分の所属の職員に対していろんな話をしていく、そのときには監理委員会の報告というものを一応基礎にして、その上で職員に話をするということになりますね。そこはどうなんですか。
#34
○説明員(杉浦喬也君) この広域異動の問題に関しましては、もちろん全体的な改革の動きというものは職員によく理解してもらえるように、それぞれの立場からお話をしておるわけでございますが、この広域異動に関しましてはそうした監理委員会のかかわりというよりも、むしろ現在私どものとっております余剰人員の問題としまして、その対策のためにはどうしても全国的な異動というものをしなければならないんですよと、そういうことを職員にまず理解をしてもらっております。そうした上で、希望をよく聞くという仕組みにしておるわけでございます。
#35
○菅野久光君 それではちょっとお尋ねいたしますけれども、北海道旅客鉄道株式会社は赤字が見込まれる会社ですか。
#36
○説明員(杉浦喬也君) 先ほどから申し上げておりますように、監理委員会の見通しに対しまして運輸省と私どもの方が現在その具体的な詰めをやっておるわけでございますが、北海道の旅客鉄道会社については将来とも健全性が保たれるであろうということを中身を詰めて今検証しつつある。私どもはそういう可能性はもう十分あるというふうに思っておるところでございます。
#37
○菅野久光君 広域異動の募集について管理者が、「北海道旅客鉄道株式会社は赤字が見込まれる会社であり、その前途は険しく、社員として採用されても、当然給与面でのダウンも予想され、また、昇給、昇格等でも東日本及び東海旅客鉄道会社に比較し格差が生じること。さらに、経営の効率化を図るため、職務内容も一段と厳しいものが要求されること。」、職員にだから広域異動に応じなさいという説得の材料にこのようなことが言われているとしたら、これは正しい言い方でしょうか。
#38
○説明員(杉浦喬也君) 北海道旅客鉄道会社は、本来的に現在大きな赤字を抱えておる地域でございます。それを一気に黒字にしようという、そういう施策を講じようとしていることは確かでございますが、しかしながらなかなか経営に当たる者の立場となってみますと、将来は相当いろんな努力をする必要がある、その上で健全性を確保するということの目標を立てるわけでございますが、今御指摘のような北海道旅客会社が赤字である、なかなか大変だよということは、広域異動の一つの理由として管理者側がそのようにはっきり物を言うというのは、私としましてはちょっと耳にしておりませんし、適切ではないというふうに思います。やはりあくまで将来の余剰人員対策の問題の中に、北海道の非常に特殊な状況の悪さというものをよく力説してほしいというふうに指導しているところでございますので、若干そうしたやり方については問題があるなどいう感じがいたします。
#39
○菅野久光君 現在北海道の国鉄が赤字であることはわかってますよ。しかし、今回分割・民営化するということによって北海道旅客鉄道株式会社は黒字になるような、そういう形で施策を講じてやらそうとしているわけでしょう。そうですね。にもかかわらず今回の広域異動の問題について、これは深川です。「ふかがわ車掌区報号外NO.5」昭和六十一年四月十一日発行のものです。この中にはっきり今私が先ほど申し上げたようなことが書いてあるんですよ。「赤字が見込まれる会社」だと、前途が険しいということは、これはそうだと思いますね。しかし、赤字が初めからはっきり見込まれる会社だと書いてあるんです。国鉄監理委員会で出した見通し、これとこの管理者が言っていることとどっちを一体職員は信用したらいいんですか。そんなちぐはぐなことがありますか。どうでしょうか。
#40
○説明員(杉浦喬也君) 先ほど申し上げました基金というものを充当することによって黒字にすることができるということなんで、いわゆるその基金を充当する前の営業損益におきましては確かに赤字なんですね。そこら辺がよく職員に徹底してなかった結果ではなかろうかと思います。しかし、そうしたことが明瞭に出るということは、これは明らかにこれからの私どもの方向あるいは監理蚕員会の方向の結論としましてはとり得ないことだと思いますので、よく事情を聞きまして職員周知の徹底の仕方について気をつけてまいりたいと思います。
#41
○菅野久光君 職員の人が、赤字が見込まれる会社じゃないかとかなんとかと言うんならいいんですよ。しかし管理者ですよ。国鉄当局の意図を酌んで広域異動に何とか協力してもらいたいということでやる人が、こんなことを言うのを許せますか。
 これは一応こういう区報ということで出しておりますけれども、もうあちこちで職員に対する管理者の言動というのは目に余るものがあります。言えば、分会とかなんとかということで組合の役員をやっている人たちに対する言葉は人間の吐く言葉ではない、そう思われるようなものもありますよ。今はみんなでどうやって国鉄を再建するのか、どうやって今国鉄の問題を解決しようとするのか、管理者と職員との間でしっかりみんなで本当に話し合ってやっていかなければならないときでしょう。そのときに、全く虫けらのような言動を管理者の人たちが吐いているんですよ。そんな中でどうしてこんな協力なんかできますか。国鉄は労使問題で随分昔からいろんなことがあることも私はわかっています。わかっていますけれども、余りにもちょっとひど過ぎるのではないかというふうに思います。
 これは衆議院の社労でもちょっと問題になったようでありますが、特定の組合の幹部の、その組合に所属する者は全員新会社に行くことを約束しているという言動が問題になったわけですね。今回の配転に応ずることは新会社へのパスポートになる、そういう発言があるようでありますが、その辺はいかがでしょうか。
#42
○説明員(杉浦喬也君) 今回の異動に希望を出してくる諸君に対しまして私どもは、希望者が長年の住みなれた故郷を離れまして、本来できるならばその国で働きたいということを振り切りまして、新しい土地で働こうというような大変難しい判断をされるようなそういう状況でございますので、職員の希望につきましてはできるだけこれを採用していきたいというふうに思っておりますし、またそうしますよということもはっきり言っております。ただ、その希望というものはどういうものであるか、よくわかりません。多くの人は旅客会社に行きたいという希望が多いんだろうと思うんですが、あるいは公務員になりたいという希望もあるでしょう。いろんな希望がありますから、できるだけその希望に沿うようにしてあげたいというふうに思っておるところでございます。
#43
○菅野久光君 これも北海道の琴似駅なんですが、「今の広域異動に応募しなければ、一般職員は新会社に残れない。北海道の新会社に残れるのは「管理者」である。第二次の広域異動に応じたとしても新会社に残れる保障はないので、第一次の広域異動に応募した方が残れる保障がある。」というような発言を管理者がしているんですが、この発言は適切でしょうか。
#44
○説明員(杉浦喬也君) よく事実がわかりませんが、なかなか北海道の余剰人員の多い中から北海道旅客会社に向かう人、これは現在二万五千人ぐらいいる中で北海道会社に一万三千人でございますから、二人に一人ぐらいというようなことからいきますと、そのままの姿でいきますとなかなか全員北海道旅客会社に行きたいという希望を出しましてもそうはいかないということは確かでございます。しかしながら、今、先生おっしゃいましたような管理者だけが残るとか、広域異動しないと残った人は全然行けないんだとか、そういうことはちょっと行き過ぎた発言だというふうに今私感じたところでございまして、もう少し正確に職員に事実をありのままお話をしていただきたいなというふうに思います。いずれにいたしましても、管理者の若干の勇み足があるかどうか、その辺をよく調べまして今後注意をしていきたいと思っております。
#45
○菅野久光君 若干の勇み足なんというものではないんですよ。職員に対しては当局の言うことを聞かないやつはけしからぬということでいろいろな処分なんかをしているわけですね。当局の意図に反するようなこういう発言なり、こういう区報などを出すような管理者に対しては、これは厳正な処分をしなければならないのではないでしょうか。そうでなければ、何ぼこの国会で総裁が職員のこともいろいろ考えながらやっていくんだというようなことを発言されても、そのことが一つも下へ伝わっていかないじゃないですか。管理者が本当にそうしたかどうかということはよくわからないということでありますけれども、各地でそういうことが起きているということを踏まえて、国鉄当局としてもこのままにしておくということはやってはいけないのではないか。これからまたいろいろな問題があるわけですね。そういう問題をある程度やはり職員の理解も得ながらやっていくということになれば、こういう管理者を置くということ自体が私は今後の国鉄の問題をいろいろやっていく上に大きな障害になる、このように思うんですがいかがですか。
#46
○説明員(杉浦喬也君) こういう大変なときでございます。特に異動あるいは将来の配置の変更等に非常に職員がいろんな面で心配をしている状況でございますので、今、先生がいろいろと御指摘になられましたような事実、これをよく私も現地へ聞きまして実情を調べます。いたずらにやはり強要、強制があってはならないし、また不安、動揺を起こすようなことがあってはならない。その辺、管理者が本当のことをよく腹を割って職員にひざを交えて話をするという姿勢を持つように今後とも指導をしていくつもりでございます。
#47
○菅野久光君 政府の法律では、新会社の社員となる者の基準は設立委員が採用の基準を示して募集することになっているようですね。これ自体大きな問題であるわけですけれども、先ほどちょっと申し上げましたけれども、仮に特定組合に所属する者だとか、広域異動に応じた者を優先するなんというようなことを今から言っているとすれば、これはもはやこの基準なんというものは法律には出しても、ないに等しいことになるのではないか、事実上の選別になるのではないかというふうに思いますが、まさかそのような事実はない、あくまでも法律に示したようにやるんだ、法律が決まった段階では示したような形でやるんだ、そういうふうになるのが私は当然だと思うんですけれども、いかがでしょう。
#48
○説明員(杉浦喬也君) 今、先生おっしゃいましたように、これは新会社への職員の採用につきましては設立委員が採用基準、諸条件、こういうものを提示をいたしまして、その提示に従った職員の募集をし、それから国鉄が名簿を提出するという仕組みになっているわけでございますので、そうした基準が出されない限り、最終的な職員の採用ということはないということでございます。
 ただ、じゃ先ほどの私申し上げましたように、できるだけ希望を聞いてやるという中に、旅客会社という希望があったらどうなんだということではございますが、これは本人の希望に沿うようなそういう努力をいたしますということでございまして、絶対に採用ですよということではありません。
#49
○菅野久光君 もちろんまだ新会社の役員も何も決まっていない段階で、そんなこと言えるはずがないというふうに思うんです。
 今いろいろ申し上げましたけれども、そういったようなことからこの広域配転が、先ほど総裁も言われましたが本人の希望によってというようなことには、到底考えもれないような状況が生まれてきているわけであります。これはもう勤務だとか賃金などもまさに労働条件の重大な変更をもたらすものでありますから、本来はやはり団体交渉でこれを決める、そういう事項であるというふうに思うわけです。当該組合とやはり十分交渉してその合意を得て実施すべきではないかというふうに思いますが、いかがですか。
#50
○説明員(杉浦喬也君) この広域異動の基本的な行動のもとになるものは、これは私は管理運営事項だと思うんです。ただ、今先生おっしゃいましたように、この広域異動というのは今まで余り例がございませんし、非常に本人の生活に重大な影響がございます。労働条件がいろいろと変わることも確かでございますので、そうした労働条件の問題について交渉を既に各組合と行っております。問題になります国労とも何回もこれは交渉を行っておるそういう状況でございまして、組合との間で十分な意見交換をしていくつもりでございます。
#51
○菅野久光君 この国鉄の分割・民営化の問題がいろいろ始まって、昨年一年間で三十九名自殺されているというふうに私は聞いております。そのうち北海道内では五名の方が自殺をしています。これはやはり当局者と職員との間の例えば肩たたきの問題あるいはこういう広域異動の問題、そういうことにかかわって何らかのやはり精神的な圧力といいますか、そういったようなものがいろいろあってこういったような事態になっているのではないか。私は時間がありませんから、以前の国鉄職員の自殺者がどんな数であったかということは今ここでは問いませんけれども、私はやはりこの段階で異常に多くなってきているのではないかというふうに思わざるを得ません。先ほど指摘しましたように広域異動の問題などを含めて、管理者と職員との間のいろいろな話し合いあるいは管理者が話をする場合に、聞いてもなかなかいい返事をしないということで何時間も軟禁状態にしておいたなどという報告もあります。そういうことから総裁が言われるような意図に反するようなことをやる管理者はこれを調査をして、そういう管理者に対して何らかの処置をするということをこの場でひとつ総裁約束をしていただけませんか。
#52
○説明員(杉浦喬也君) こういう大変な状況の中で難しい問題を処理いたします場合におきましては、現地におきます管理者と職員が本当に心が一つに通った形でないとうまく事が進まないというふうに思います。その間の行き過ぎ等がとかくありがちかとは思いますが、そういうことのないように職員が将来の心配を抱いていることに対してよく管理者が話を聞いて、将来のうまい方向に結びつくようにお互いに話を進めていくようにこれからも指導をするつもりでございますし、先ほど申し上げましたように、現地の実情をよく私も聞きます、聞いた上、適切な処理、処置をしてまいりたいと思います。
#53
○菅野久光君 それでは、次に職員の管理調書の問題についてちょっとお尋ねをいたします。
 私のところに来た人に管理調書を届けてくれと言ったんですが、持ってきてないんですが、今ここに持ってきていますか。
#54
○説明員(澄田信義君) 今ここには職員管理調書の現物は持ってきてございません。しかしながら、大体どういった内容が書いてあみかは口頭で御説明可能でございますが、いかがでございましょう。
#55
○菅野久光君 いかがでしょうかって、私は質問とりに来たときに言ったんですよ、管理調書を出しているなど、それを私のところへ届けてくれと。届いてないじゃないですか。その管理調書として出しているものは何枚つづりのものですか、それ。
#56
○説明員(葛西敬之君) 質問をお伺いに参りましたときに管理調書をお出しするようにという御指示があったということが、実は私どもの方にはそういうふうに伝わってきておりませんので、そういう御要望があったということを存じませんでお出しできなかったわけでございまして、私ども管理調書の様式そのものについて決してお見せできないものではございませんので、当然お出しできるものでございますから、早急にお出しするようにいたしたいと存じます。
#57
○菅野久光君 もう少しきちっとやってもらわないと困るな、これね。
 それじゃ職員管理調書の目的、どのような目的でやるのか、それをお伺いいたします。
#58
○説明員(杉浦喬也君) どの企業でもそうでございますが、特に国鉄におきまして、管理者が個々の職員につきまして日ごろの勤務状態というものをしっかりと把握するということは当然なことだと思います。従来、各管理局ごとにそれぞれ管理台帳というようなものを持ちまして職員の把握をしておるわけでございますが、何回もやっております職場規律の総点検の昨年の八次の点検におきましても、なかなかそうした点が実は徹底していない、職員の気持ちなりあるいは希望なりあるいは勤務成績なりというものをしっかり把握していないという、そういうこともわかりましたので、今回はその点検も踏まえ、ばらばらに各局で管理台帳をつくっておりましたものを、場合によりまして行き過ぎがあったということもございますので、これも直ちに訂正したわけでございますが、今回、全国的に統一な様式をもちまして個々人の状況というものをしっかりと客観的に把握をしたいということで、全国統一様式のもとにおける管理調書ということをいたしたわけでございます。
#59
○菅野久光君 国鉄がこれからもずうっと今のままの状態で再建をしていくんだということであれば、私もまあわからないわけではない部分はあるわけですよ。しかし、今は来年の四月一日から分割・民営化しようとしているわけでしょう、そうですね。しようとしているときに今なぜこれが必要なのか、何の目的でなされるのか、そこのところを聞いているんですよ。職員のあれを把握するとかなんとかという一般的なことを聞いているんじゃないんです。
#60
○説明員(杉浦喬也君) その目的は、時期がたまたま遅いではないかという御指摘でございますが、確かにそのとおりでございまして、もう少し早くこうしたものはしっかりと全国統一様式で行っておるべきだったと思います。もう遅きに失したわけではございますが、ただ、そうしたことによりまして、これから職員のいろんな問題が出てまいるわけでございます。余剰人員の問題の処理にいたしましても、将来の職場の配置の転換といいますか、そういうような難しい問題を抱えております。そういう問題の場合におきまして、やはり個々の職員の勤務状況というものを必要とするということも十分あり得ることだと思います。そういうことで、これからの難しい問題の場合におきまして活用する必要があるというときには、この全国統一様式に基づく新しい調書というものを活用してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#61
○菅野久光君 それでは、一般的な職場における勤務状況だとか、そういったようなことのために今この段階になれば使うのではなくて、今後新会社に移行するとか、あるいは民間その他官公庁等にこの余剰人員ということで採ってもらうという、そういうときにこの調書を使うと、その目的のために今この段階でやっているんだというふうに把握していいですか。
#62
○説明員(杉浦喬也君) 先ほど申し上げましたように、そのことのためにということではなしに、常日ごろからやっておらなきゃならない、そういう職員の把握というものを遅まきながら全国同じ基準でやった。その結果が、将来のいろんな余剰人員の問題の解決に当たりまして、職員個々の勤務成績が必要な場合もあるかもしれない、そのことに使うこともあり得るであろうということでございまして、第一義的には職員全体を個々しっかり把握をしておくべきであったと、それを実行したということでございます。
#63
○菅野久光君 今の時点というのはどういう時点かということなんですよ。それは、広域配転だとか、それから余剰人員がいるので都道府県、官公庁等にも民間等にも何とか国鉄職員を採ってもらえないかということを頼んでいる時期でしょう。職員の人たちも一体おれの将来はどうなるんだということで心配をしているときですね。そのときにこういうことをやるというのは一体どういうことなんですか。職員にどんな心理を起こさせるんですか、そのことを考えたことがありますか。
 もっと具体的に言いますがね、これは勤務評定ですから評点が出ますね。評点のいい者と悪い者が出る、これは当然なんですよ。いい者は新会社に残すのか、そして評点の悪い者は各省庁なり都道府県、市町村、まあ自治体あるいは会社の方にやるということなんですか、どのようにお考えですか。
#64
○説明員(杉浦喬也君) これはどこの会社でも役所でもみんなやっている勤務評定だと思います。そこには評価というものが当然にあるわけでございますが、ただ、そのことによりましてその人の人格なり何なりをすべて把握するということではない。また、将来の我々のそれの活用と先ほど申し上げましたが、そうしたことをもって新会社なりあるいは残すという、そういうような仕分けにする、そういう目的のためのものではないというふうに申し上げるわけでございまして、会社に行く場合の採用基準というものはこれからできるわけでございますし、それから、残された清算事業団におきましても、これもかなりの方が国家公務員、地方公務員に行っていただかなきゃならない、これもまた優秀な方に希望していただかなきゃならぬ、いろんな状況がございますので、今先生おっしゃいましたように右と左へ分ける、そういうものにこの評価をずばり当てはめるのかと。もちろん参考にはいたしますが、そのものがずばり二つに分かれる、いい子、悪い子であるというふうには思っておりません。
#65
○菅野久光君 勤評というやつは、私も学校の教員をやっておりましたから勤評というものがどういう性格のものかということはよくわかるんですよ。なぜ、なぜ今この時期にやらなければならないのか。今まで各局でやっていたわけでしょう。それをなぜ全国統一してやらなきゃならないんですか。このことがまた職員に対する不安と動揺を与えていく、そういうことになるのではないでしょうか。
 私も先ほども申し上げましたように、例えば職場が変わる。職場が変わることによって心機一転、ここがおれの第二の職場だということで一生懸命やろうという気持ちを持つ方が多いわけです。そのときにこういうことをやって、これが何らかの形で新しい再就職の場に行ったときにその人にレッテルが張られるわけでしょう。それで、お願いする国鉄側としては、こういう人ですけれども、例えば評点の悪い人ですけれどもよろしくお願いしますということで頼むんですか。そんな失礼な話ないでしょう。
 私も学校の教員をやっていましてね、子供の成績がずっとあります。前の担任から引き継ぎというのがありますけれども、私は、子供の成績だとか性行だとか家庭の状況だとか、家庭の状況は聞きますけれども、その子は何年のときにどんな悪いことをしたとかということは一切聞かないことにしております。それはその一人一人の人間、子供たちに対して先入観を持つからです。だから、この評価というのは非常に危険な側面を持っているわけです。この評定者はだれが評定するんですか。
#66
○説明員(澄田信義君) 現実には現場には管理者がおります。それから、その上にはもちろん管理局長がおります。そういった現場の管理者が評定をいたしますし、しかも現場の管理老も駅長さんなりあるいは区長さんなりいろいろおりますけれども、それが独断でやることがないよう、スタッフの意見も十分聞きながらそういった評定をやるように指導しておるところでございます。最終的な判断は所属長がいたすことにしております。
#67
○菅野久光君 職場の管理者が原則的にやるわけですね。スタッフといってもそのスタッフも管理者ですね。そうですね。じゃ一番多い職場で何人ぐらいいますか。
#68
○説明員(澄田信義君) 今大きな駅なんかになりますと数百人の職員を抱えておる駅もございますし、そういったところでは数十人の助役がおるところがございます。
#69
○菅野久光君 いずれにしても、人間が評価をするということは、その評価をする人の観点というものがみんなそれぞれあるわけですね。ですから、公正な評価というのはなかなかできがたい、そういう側面を持って非常に私は危険なものだというふうに思うんです。それだけに、今国鉄が大事な大変な段階を迎えているときに、さらに追い打ちをかけるようなこういう職員管理調書をやる。しかも五十八年から六十一年までですか、何かそういうような期間に限ってやるわけでしょう。ここで評定をされて、先ほど言いましたように、いい者、悪い者と、当然どんなことを総裁が言ったとしても、例えば一から五までの段階があれば、一から五までつくわけですよ。そういうことをつけて、果たして余剰人員をどこかにお願いするときに支障にならないのか。それはどこにも出さないんですから支障になりませんなんと言ったって、それは人間の口からいろいろ出ていく場合だってあるわけでしょう。ですから、先ほども言いましたように自殺者がふえている、そういう中に、あるいはこういう職員管理調書で組合活動によって何回も処分を受けた、これを何か調べていきますと、一つの項目について複数で評点が悪くされるような部分があるわけですね。そうしたら、そのことによって自分の、余剰人員で再就職するときにそのことが妨げになるのではないかというような心情が起きてくるのも当然でしょう。ですから、私はこの段階で仮に今の分割民営化の法案が通れば来年の四月一日からですよね、もうあと一年ないんです。やめなさいよ、こんなこと。やめるべきだ。そのことが私は国鉄の余剰人員をほかに勤めさせる、採用していただく国鉄の立場だと。逝去にどんなことがあったとしても、新しい職場で心機一転頑張ってくれよと、そういうことをやはり言ってあげなければいけないわけでしょう。そのときに、こんな今さら、今までやらないものをまるでとってつけたようにこの時期にやるなんというようなことは私はやめるべきだ、人側のやることじゃない、そう言いたいんです。いかがですか。
#70
○説明員(杉浦喬也君) まあ遅きに失したと先ほど申し上げましたとおり、今までも全国統一の形で客観的な基準で評価が行われていなければならなかったということを現在やりつつあるわけでございまして、その効果的な、結果論といたしましていろんな意味での余剰人員対策、職員管理上の活用ということがあるかもしれませんが、私はやるべきであるというふうな判断で今実行しておるところでございます。
#71
○菅野久光君 いや、私の言っていることは間違いだというふうに思いますか、当然だと思いますか。
#72
○説明員(杉浦喬也君) 大変なこういう状況のところでございますから、先生御心配のような職員の個々の人々の心の動揺なり、将来の生活設計に向けてのいろんな不安というものがあるというふうに私も思います。そうは思いますが、しかしながらやることはやっていかなきゃならない、その辺が非常に私ども管理者としての苦しいところでございまして、そうしたこちらの気持ちもよく伝えながら、また、特に現場の管理者がよく各職員の気持ちを把握しながら温かい気持ちで物事に当たるというふうにするように、これからも指導をしてまいるつもりでございますので、その職員のあり方、非常に不安があるであろうという先生のそういう御判断も私はわかります。わかりますが、しかしやっていかなきゃならぬことも十分ございますので、それはそのとおりで実行さしていただきたい、こう思っておるところでございます。
#73
○菅野久光君 余剰人員だということで採用をいろいろ頼まれている経済団体も各自治体も各省庁も、そのときに私はこれがあることが邪魔になるのではないかと言っているんです。どこの企業にしたってそれは優秀な人を採りたいのは当たり前でしょう。そうじゃないですか。そうしたら、国鉄で職員の管理調書をとっているそうだと、その出で成績のいい人を私の企業に下さいと。だれも悪い人を下さいなんて言うところはありませんよ。そうじゃないですか。どこの自治体だってみんな同じだと思うんです。そういうふうに言われたときにどうするんですか。私はこの広域異動の問題を含めて職員が非常に精神的にもやっぱり動揺しているこの時期だから、このようなことはやめた方がいい。やるんであれば新しい会社でやればいいじゃないですか。新しい会社が来年の四月一日発足したとすれば、そこでやればいいじゃないですか。今やったやつをどこに引き継ぐんですか。これからあと十カ月、十一カ月をどうするんですか、ここでやったものを。そのためにまた職員も何人か時間をとられてやらなきゃならぬのだ、むだでしょう、そう思いませんか。だから、一度出したものはメンツがあるから引っ込めれない、どうも日本人にはそういう、日本人だけじゃないかもしれませんが、そういう傾向があるわけですよ。しかし、先ほども言いましたように、去年一年間で三十九人も自殺者が出た。ことしだってもう何人か出ている。こういうことによってさらに、このことで自殺をするというふうな人はあるいはいないかもしれませんが、いろんな条件が複合し合って出されるその要因の一つにこういうことも出る可能性はあるわけですよ。人の命にもかかわる問題なんです。だから私はあえて声を大きくして言っているんです。運輸省当局、どうでしょうかね。
#74
○政府委員(亀井静香君) ただいま国鉄総裁からもお答えを申し上げておりますが、当然勤務状況を含めて管理者が部下職員について把握をしておくということは、これは当然なことであろうと思いますが、国鉄がそれを従来やっていなかった、いなかったということはないにしても、そういう面においていろいろとやり方についても欠陥があったことを、おくればせながらこの際是正をして実施をするということは、私は当然のことであろうと、このように考えます。
 ただ、先生先ほど来御指摘のように、職員が大変国鉄の改革に当たって不安を持っておることも私は事実であろうと思います。ただ、国鉄総裁以下国鉄再建に対して意欲を持ち、また勤務意欲のある職員については一人といえども泣かさない、そういう基本的な立場を堅持をして対応をしていただいておるというのは、私は承知をいたしておるわけでございますが、このたびの広域異動にいたしましても、職員の自発的な意思に基づく処置だというように私どもは理解をしておるわけでございますけれども、しかし先生御指摘のように、生活あるいは職場環境が激変をするという場合もあるわけでございますから、細かい対応を今後とも国鉄は総裁以下全力を挙げてやっていくと、このように確信をいたしておりますし、運輸省といたしましても期待をいたしておる次第でございます。
#75
○菅野久光君 企業として当然のことだということは、私も先ほども言いましたように、あったとしても、これから目先のことがいろいろ出ているわけですから、今までやらないでいて、この時期だから私はやっぱり職員の動揺だとか、不安、そしてこれからいろいろ余剰人員についてお願いをする、そういうところに対して大変私は失礼なことになるのではないか。そしてまた、国鉄自体もあるいは政府当局も、一人も失業させない、余剰人員全員を就職させることが基本だと言ってきたことに障害になるのではないか、そういうことを申し上げているわけですから、この場ではいろいろ言えないこともあるんでしょうけれども、もっと国鉄部内あるいは運輸省当局としてもこの事態をしっかり把握してやってもらいたいと思います。
 それから、私この職員管理調書を、冒頭に資料として持ってきてくれと頼みましたら、こんな二枚のものですよ、職員管理調書の概要ですね、私は概要なんか持ってきてくれなんて言わないんだ。なぜきちっと出しておるものを持ってこないんですか。おかしいんですよ。一つの事柄について二つにも三つにもちゃんと書くようにして、いわゆる何というんですか、累犯加重的なそういうようなことがこういう中になされている。非常にこれは私は問題の大きいものだと、しかも個人の思想にかかわる問題までも入っているように思うんですよ。今その一つ一つについてはもうやる時間の余裕がございませんからやりませんが、それだけに、私は内容の非常に問題のあるものなだけになおさらこの職員管理調書なんということをやることはやっぱりまずいと、何回も言いますけれどもね、よく考えてください、総裁。このことがまた苦になって自殺者が出ないように、意を用いてひとつやっていただきますようにお願いをして、国鉄の問題については以上で終わります。
 時間が大分過ぎましたので、日航事故の問題にあわせて安全対策の問題についてちょっとお伺いをいたしたいと思います。
 昨年の十二月に、運輸政策審議会が運輸大臣に諮問されていました「我が国航空企業の運営体制の在り方に関する基本方針について」中間答申を行いました。この答申の骨子は、十数年間にわたって日本航空など我が国航空企業の事業分野を規制した四五、四七体制を廃止し、共存共栄から競争へと航空政策転換を行うといった内容のものです。この最終答申がことし三月ごろ出される予定がまだ出されていませんね。いつごろ出される予定か、おくれている理由は何か、それをお伺いいたしたいと思います。
#76
○政府委員(山田隆英君) 航空企業の運営体制のあり方につきましては、昨年の九月に、運輸大臣から運輸政策審議会に諮問をいたしまして、先生お話しございましたように、十二月に基本方向について中間答申が出されたわけでございます。
 ただ、この航空企業の運営体制のあり方の問題と申しますのは、非常に幅広い問題でございまして、また航空政策にとって大変重大な問題を含んでおるわけでございまして、当初から最終的な答申の時期を決めておったわけではございません。十分御審議いただいて、意見がまとまり次第、答申をいただくということで審議をお願いしたところでございまして、当初の諮問の際にも、三月までに答申を出してほしいというようなことを申し上げたわけではございません。ただ、これまでの審議の状況から申しますと、現在も原則として月二回程度の審議を精力的にいたしておりますが、これまでの審議の状況から見ますと、私どもが見込みといたしましては五月あるいは六月ごろに最終的な答申がいただけるのではないかと、かように考えております。
#77
○菅野久光君 この中間答申には、日航を民営化するということで何か打ち出されているようでありますが、この日航民営化法案の国会提出時期はいつごろと予定されておりますか。
#78
○政府委員(山田隆英君) 昨年の中間答申におきまして、日本航空の完全民営化ということをうたっております。ただその際に、完全民営化に伴う諸問題が幾つかございます。それらの点について今後検討していただくということにしておりまして、最終答申でそのような問題を含めて、最終的に日航の民営化についての答申が出されるものというふうに私ども期待しておるわけでございます。
 そこで、最終的な答申をいただきまして、私どもといたしましては日航の民営化に伴う法的措置をとりたい、かように考えておりまして、現在法案の提出期間についてはいつということはまだ考えておりません。
#79
○菅野久光君 日航のジャンボ経年機には多数の亀裂が入っていたというようなことが過日新聞で出されましたが、このことについてのジャンボ経年機に対する総点検の結果の概要をひとつお知らせいただきたいと思います。
#80
○政府委員(大島士郎君) 昨年八月の日本航空の事故の後、運輸省では日本航空に対して業務改善勧告というものを行っておりますが、その中の一つとして経年機、経年化の進んでおりますジャンボSR機につきまして、胴体構造の総点検を指示したわけでございます。現在、二月までに日本航空は飛行回数の多いSR六機につきまして点検をしたところでございますが、その結果、概要として申しますと各機とも機体の構造部に一機当たりの平均で申しますと八十七カ所の大小の亀裂が発見されております。さらにこれらの亀裂は、セクション41といっております機首部の構造に約七割が集中して発見されております。技術的に判断するところでは、今直ちに飛行の安全に危険である、支障を来たすといったぐいのものはございませんでしたが、これにつきましては私どものいわば予想よりも多い状況であるということから、直ちに製造国アメリカの政府に通報いたしまして、これに対する抜本的な対策を求めておるところでございます。
 なお、亀裂が発見されました機体につきましては、すべて完全に修復した上で再就航しているところでございます。
 概要は以上です。
#81
○菅野久光君 このような亀裂が生じたというのは、与圧が原因だというふうにお考えでしょうか。
#82
○政府委員(大島士郎君) ジャンボ機に限らず、与圧を行っております航空機の胴体構造というのは、大変難しい力が始終かかる、繰り返しかかるということでございまして、すべていわゆる設計上疲労の強度というものを十分注意しながらやっておるわけでございます。しかしながら、長年使っている間には設計の予想以外の力も数多くかかることでございますので、長らく使っているうちにはどの機種ともいろいろな点で亀裂が生ずることがございます。これにつきましては通常の点検、あるいは運航中に発見されました構造のふぐあい等々を分析しながら、その機種全機に対して常に情報を把握して必要な安全対策をとっておるというところでございまして、今回のジャンボ機の問題もそういった考え方の中の一つの問題として私どもは処理していくところでございます。
#83
○菅野久光君 これは運輸省の航空局からの指示で点検をして、それで亀裂がわかったというようなことなんですね。日航ではこういう亀裂なんかについてはおわかりだったんでしょうか。その辺のところおわかりだったとすればどのようにお考えだったのか、お伺いいたしたいと思います。
#84
○参考人(平沢秀雄君) お答え申し上げます。
 日本航空では使用機につきましてはそれぞれその状況に応じまして必要な検査をいたしておりますが、特にこのジャンボSRにつきましては非常に離着陸回数も多くなってきているといったようなことから、昭和五十八年におきましてまず非常に離着陸回数の高いSRにつきまして一斉に胴体の部分の検査をいたすことにいたしました。二機につきましては全面にわたって検査をいたしまして、それから得た状況によって残りの五機については重点的に必要と思われる部分の検査をいたしております。
#85
○菅野久光君 私今、北海道でしょっちゅう飛行機を利用するものですから、飛行機の安全対策の問題については非常に大事な問題だというふうに思っております。きょうは本当は時間をたくさんとって、いろいろ三月二十八日に出されました航空事故調査委員会の報告などについてもお伺いをしたいというふうに思っておりましたが、何といっても世界最大のあれだけの事故を起こしたそれに対して、調査に要した費用というのはまさにわずかな費用しか出していないわけですね。この辺にも私は、世界に対する日本の航空安全に対する責任というものが問われるのではないかというふうに思っております。
 質問の通告の中でハインリッヒの法則の問題についてお伺いするように質問通告をしておきましたが、そのことについてちょっとお考えをお伺いしておきたいというふうに思います。いわゆる安全報告制度の問題について柳田邦男さんとそれから宮城雅子さんの研究があって、それに対する評価をどのようになさっているかということを質問通告しておきましたが、そのことをお伺いしたいというふうに思います。
#86
○政府委員(大島士郎君) ただいま先生御指摘の柳田邦男さんの著書、あるいは宮城雅子女史の研究成果であります航空法務研究という刊行物がございます。その中でハインリッヒの法則から説き起こして安全報告制度の重要性というものを報告しておるところでございますが、ハインリッヒの法則というのは一言で申しますと、航空の分野におきましては一つの事故の後ろには二十九の小事故といいますか、事故に至らない小ふぐあいがあり、さらにその陰に三百の小さなトラブルがある、こういうようなピラミッド構造が事故の背景にあるんだ、こういうことでございまして、私どもこういった考え方というのは日ごろから頭に置いて行政をしておるわけでございます。その一環として私どもは、運航中いろいろ報ぜられるふぐあい、これは乗務員のうっかりミスであったり、あるいは整備の問題であったりするわけでございますが、そういった事故に至らない私どもの言葉でインシデントと申しておりますが、そのようなインシデントに対しても私ども注意を怠りなく、この原因が何であったか、あるいはこれを再発防止するにはどのような対策が必要かということを常日ごろ航空会社との協力において追求しておるわけでございまして、これによって私どもも大きな事故の発生というものはかなり防げている面があるのではないかと考えておるわけでございます。
 今、先生の御質問の中にありました安全報告制度と申しますのは、パイロットがみずからのミスと申しますか、これを隠さずにレポートする、それでこれをもって他のパイロットに対する他山の石として同じような経験を広く公表と申しますか、よそのパイロットに知らしめてお互いに戒める、こういうようなことを目的とした制度、あるいはその中からほかの分野、例えば航空保安施設とか気象とか管制、そういったほかの分野でも何かの改善策の参考になりはしないか、こういうものを探ろうという制度でございまして、これは世界の各国でも採用しているところもございますが、なかなかこの運用上の難点がございます。先ほどの刊行物にもこれらは挙げられているところでございますが、パイロットがみずから自分のミスを報告するという、そういう決断と申しますか、協力と申しますか、そういった点が大変難しい点がございます。そのパイロットが自分のミスを報告するということは、即何かの制裁があるんではないか、あるいは社会的非難が起こるのではないか、こういうような心配があるところがまず基本的に難しい難点でございまして、私どももこの安全報告制度の意義というものは十分認識しておりますが、運用上あるいはこの制度を十分機能させるための方式と申しますか、そういう点につきましては我が国の現状ではなおまだ時間がかかるのではないかというふうに考えておるところでございます。
#87
○菅野久光君 時間がございませんから、いずれこの問題については時間をとって別な場で論議をしたいというふうに思いますが、いずれにしろその監督権なりあるいは処分権をもっている運輸省やそれから会社ですね、航空会社、そこから全く独立をした機関、そしてまた秘密がしっかり守られるというようなことが何よりも大事。その中でこそこのインシデントを全部報告ができる、個人に返ってこない、そういったようなことが保証されなければこの問題は成功しないわけですけれども、今のような状況では私はまたどこかで何かが起きる、あるいはどこかの会社のパイロットの経験したことが一般的にならないために、同じミスによってそれがアクシデントになっていくというようなことに、いろんな場合、やっぱりなっていく可能性があるわけですね、そういう報告なんかもなされています。
 ですから、この問題はひとつ運輸省としても真剣に考えていただきたい。既に採用してそれなりに成果を上げているところもあるわけですから、時間がかかるということで、あるいは難しい問題があるということだけで避けて通れない問題だというふうに私は思いますので、そのことだけを申し上げ、また別な機会にこのことについていろいろ論議をしてみたいというふうに思っております。
 質問を終わります。
#88
○梶原敬義君 最初に、私二十分これから午前中にやるようになりまして、時間がありませんので端的に最初にお答えをしていただきたいと思います。
 最初に日本航空の問題でありますが、昭和六十年の十一月の二十九日の本委員会におきまして、私は日本航空の非常に問題のある労使関係、分裂支配を中心としてこれまでやってきました労務政策のあり方についてるる説明をしましたが、これに対しまして運輸省、労働省が一体その後どのように努力をして現状はどうなっておるのか、この点について最初にお伺いをいたします。先に運輸省。
#89
○政府委員(山田隆英君) 運輸省といたしましては、個別の労使問題には介入しないという立場をとっておりまして、基本的に労使問題につきましては日本航空とそれから労働組合が話し合って円満な安定した労使関係を確立することが非常に大切なことだというふうに考えております。
 ただ、航空会社はその運営を誤る場合に、安全にも影響が出てまいりますし、非常に公共性の高い事業でございます。そういう事業を監督しているという立場から、運輸省といたしましてもその会社の労使問題については深い関心は有しておるところでございます。
 ただいま先生からお話ございましたように、日本航空には組合が幾つも存在し、その分断政策をとっているんではないかというようなお話がございました。それについて私どもとしては一応コメントをする立場にないということでございますが、最近の新しい経営陣におきましては、労使の安定というものを非常に重視して、そのような方向で真剣に取り組んでいるというふうに承知しております。
#90
○説明員(廣見和夫君) 今先生から御指摘ございましたように、昨年の十一月二十九日でございますか、当委員会におきまして先生から日航の労使関係の問題、お尋ねございました。そのとき、労政局長あるいは大臣からも、個別企業の問題という意味では一般的には行政はその労使関係には立ち入れないということではございますが、日本航空というのは非常に公益性の強い会社であるというようなこと等も考えまして、また、労働省といたしましても労使関係全般の問題を取り扱うという立場から、労使に対しましていろいろ実情もお伺いしながら、また必要な面についてはできる限りの御助言もいたしていきたいというようなことを大臣あるいは局長から答弁さしていただいたところでございます。
 まあ、そういうことも踏まえまして、早速労政局長も日航の幹部の方々に会いましたり、あるいはまた私どもの労働大臣も日航の社長初め幹部の方々にお会いいたしまして、広い立場から労使関係の安定を図っていただくようにお願いも申し上げ、またいろいろとお話もお伺いいたしながら、必要な面につきましては御助言等もするということで私ども対応してきたわけでございます。そういう中におきまして、日本航空におかれましては新しい役員体制のもとで、例えば、お伺いするところによりますと、日航の四労働組合の三役の方々と日航の役員の方々の間で常設的な話し合いの場というようなものを設けられたり、また各労組との間に公式、非公式を問わずいろいろな話し合いを進めておられる、いろいろ前向きに検討されておられるというふうに伺っております。そういうことで、労使の方々、労使関係の安定を目指しながらいろいろと御努力なさっておられる。私どもといたしましても、そういったような御努力が実り、一層安定した労使関係が築かれていくよう期待しておるところでございます。
#91
○梶原敬義君 この時間、この問題に時間かけるつもりなかったんですが、運輸省の局長が今答弁されましたがね、全く政府は労使間の問題には関係ないと、そういう答弁でしたが、しかし、山下運輸大臣は当時事態を非常に重く見まして、会社にもそれぞれの労働組合にも会っていろいろ話を聞かれたやに報道されまして、当時の山下運輸大臣に私も質問しました。それからしますと、今のあなたの答弁というのは、非常にもう後退をしております。
 そこで聞きますが、今、日本航空における安全衛生の問題で、労使でこれは法律で安全衛生委員会というのをつくって、しかるべく労働組合が入ってやっていかなければならないようになっておるんですが、その安全衛生委員会というのは、今現在どうなっていますか。
 安全問題を扱うのは運輸省だろう、知らぬで済むのか。
#92
○政府委員(山田隆英君) 安全問題という観点から、私ども労使問題についても関心があるということを先ほど申し上げたわけでございまして、ただいま先生……
#93
○梶原敬義君 違うんだ。法律で言う安全委員会、衛生委員会というのがあるんだ。つくらなきゃいかぬのだ、労使で。それはどうなっているかというんだ。そんな姿勢だから……
#94
○政府委員(山田隆英君) 私の理解ではこれは職場の安全の問題だと思いますので、労働省が所管される事項ではなかろうかと存じます。
#95
○梶原敬義君 職場の安全だって、飛行機が飛ぶときには危ないでしょう、お客乗せて。知らないなら知らないと言ってくれよ。さっきあなたえらい何もかも責任持ってやっているような答弁だったから。
#96
○政府委員(山田隆英君) ただいま先生おっしゃいました職場の安全衛生委員会でございますか、それについては現在私ども手元に資料もございませんので、詳細については承知いたしておりません。
#97
○梶原敬義君 しかし、飛行機の安全の問題というのは、飛行機を操縦するあるいは整備をする労働者のやっぱり健康問題なんかと非常にかかわりがあるんだ。あなた担当なんで、それを知らないというのは、一体飛行機のこの安全の問題についてどう考えておるのか疑わしいですよ。労使問題につきましても、今あなたは、いや、うちは個々の労使の問題についてはタッチしないと。山下大臣は非常に積極的に当時動かれた。後退しているじゃないですか。しかも、今聞きましたら、安全衛生委員会の設置やその内容すら知らない。労働省、どうなっているんですか、最近は。
#98
○説明員(廣見和夫君) 安全衛生委員会につきましては、私労働法規課でございまして、直接所管をいたしておりませんので、詳細は私個人としては存じ上げておりませんが、聞くところによりますと、それぞれの事業所ごとに安全衛生委員会が設けられております。ただ、一部の事業所につきましては労働組合との関係で、要するに労働組合が委員を選出しないという事情もあるようでございまして、委員を選出していないというところがあるようでございます。詳細につきましては、私直接の所管じゃございませんので、申しわけございませんが、詳しくは存じておりません。
#99
○梶原敬義君 安全衛生委員会の中に客乗組合とそれから乗員組合――いいですか、局長、もうきょうは答弁いいですから、よく調べてください。要するに副操縦士以下のあのコックピットの中に入る人の意見というのが入るような組織に労使関係がうまくいってなかったのよ、この前までは。入ってなかった。委員が出てなかった。いいですか。スチュワーデスの組合の皆さんとコックピットにおります乗員組合の皆さん。そこで安全問題を一体どう扱うかという場合に、一生懸命そこで議論をして安全問題を検討する。これは労働省の法律でそうなっているんですから。それが一体今どこまでどうなっているかという問題ですから、労働省も、本当に空のことを一番よく知っている皆さんが安全委員会に入っていく、衛生委員会に入る、こういうような労使関係を一日も早くつくって、国民に日航も安全だと、こういう姿勢をつくっていただきたいと思います。
 次に、原子力船「むつ」の問題でひとつお尋ねをいたしますが、先般、科学技術庁に関する決算委員会の審議でいろいろと明らかになったんですが、「むつ」が昭和五十三年の十月から五十七年の八月の間、佐世保重工で修理をいたしました。そのときの岸壁に係船をしておったときの係船料というのがこの間で二十三億円かかっているんですよ。どうしてそんなにかかるのかさっぱりわからぬですが、運輸省の方で一般にこういう「むつ」の船の規模というのは皆さんわかっておりますでしょうから、「むつ」を一般に岸壁につないでおった場合にはどのくらいかかるものか、常識的に。「むつ」という特殊な要素は別にいたしまして、「むつ」という船の規模で、それをひとつ教えてください。
#100
○政府委員(間野忠君) ただいま先生がおっしゃいました原子力船「むつ」が、原子力という特殊な要件を除外して考えれば岸壁使用料は幾らぐらいになるかという御質問だと思いますが、造船所の規模あるいは仕事の繁忙等によって若干異なりますけれども、大体一総トン一日当たり三円ないし四円と言われております。「むつ」の場合ですと八千二百四十二総トン、これの三十日でございますので、一総トン一日当たり仮に四円と仮定いたしますと、一カ月の岸壁使用料は百万円というオーダーになるかと思います。
#101
○梶原敬義君 ところが、これは科学技術庁が、私が質問しました後出していただきました資料によりますと、昭和五十三年の十月から五十五年の三月までは各月四千万円ですね。それから五十五年の四月から五十六年の三月まで各月五千万円。それから五十六年の四月から五十七年の八月まで各月六千万円。これは私はどんな計算をしてどんな見積もりをしてもこんな数字にならぬと思うんですが、最後にもう一度、おかしいと私は思うんですが、運輸省いかがでしょうか。
#102
○政府委員(間野忠君) 確かにただいま先生がおっしゃいました数字と私が先ほど申し上げました数字と、かなり大きな差がございます。それで、その間佐世保重工と原子力船開発事業団との間で契約が行われたのでありますけれども、当時は「むつ」の修理ということが非常に厳しい環境のもとにあった。そういった状況のもとで佐世保重工と原子力船開発事業団との間で契約されたことであろうというふうに思います。
 また、先ほどの「むつ」の場合の岸壁使用料でございますけれども、岸壁の背後にありますかなりの土地を占有する費用でございますとか、その間の警備の費用でございますとか、そういったものも加算されておりまして、単純な岸壁使用料ではないというふうに伺っております。
#103
○梶原敬義君 それにしてもあなたの計算で単純計算すれば百万円、それが多いときには月六千万円になっていますから、ちょっと警備に人が何人か――私もその現場よく知っているんですよ、あそこは何回も行きましたから。そんなに警備員の人を余分に入れることはないんです、会社の中ですから。それからいつも守衛さんがおりますし、見張りもおるし、若干後ろの建物、倉庫を使ったというんですが、それもたかだかいって何百万もかかるでしょうかね、そんなことです。ひとつ佐世保重工に対しても皆さんは運輸省が監督責任があるわけですから、できればこれは国民の金ですから、何もかも坪内さんがごねればどんどん政府の金をふんだくられるようなやり方をこれまでしてきておるわけですが、国民に対してこれまではいいと、これから先はあんまりじゃないか。これは運輸省もSSKを、佐世保重工をかばうんじゃなくて、国民に対してやっぱり真相というか、これが正しいんだ、こう見るべきなんだ、これは出していただきたいと思うんですが、今あなたが言われましたようなことが、そう言われますと何かそれの方が大きいような感じにとるんですが、私はできれば運輸省として今そういう答弁をされた以上は、やはりこのくらいが、その他に要った経費というのはこれくらいじゃないか、これはわかるでしょう。SSKをあなたたちは監督しているんですから。ぜひ、後日お願いをしたい。いかがでしょうか。
#104
○政府委員(間野忠君) 岸壁使用料というような、あるいはその修理船の契約、そういったことにつきましては造船所が自由に営業活動をいたしておると申しますか、そういったことについて契約の内容あるいは金額について我々のところへ届け出があるとか、そういったことでもございません。ただ、そういう御質問もございましたので、佐世保重工の方へ問い合わせてみたんですけれども、ちょうどあの契約が行われた前後、佐世保重工自体としましても経営の主体が変わったりいろいろなことがございまして、当時の責任者といいますか、営業部長その他の方もすべて退職されておるというようなことで、ちょっとその中身については我々もわからないというのが現状でございます。
#105
○梶原敬義君 じゃ、後からまたお尋ねしますから、ぜひ対応してください。
 次に、国鉄問題につきまして、運輸省にお尋ねします。
 昭和五十九年、六十年における決算、特に損益の関係が一つ。それから、繰越欠損金が一つ。それから、長期負債が一つ。この三つに分けまして、昭和五十九年、六十年の、今の点につきまして、三つの点について、それぞれ今ここで教えてください。
#106
○政府委員(丹羽晟君) お答え申し上げます。
 五十九年度の損益でございますけれども、純損失といたしまして一兆六千五百四億でございます。それから、五十九年度の繰越欠損の合計は、五十九年度で十二兆二千七百五十四億でございます。それから、長期債務残高、五十九年度でございますが、二十一兆八千二百六十九億でございます。それから、六十年度の対応する数字でございますが、それは予算の数字ということで、まだ決算が出ておりませんので予算の数字で申し上げますが、六十年度の予算は純損失一兆六千七百三十四億、それから繰越欠損の予定は十三兆九千四百六十七億、それから長期債務残高の予定は二十三兆六千億円でございます。
#107
○梶原敬義君 私が国鉄監査報告書というのを持っておりますが、これを見ますと昭和五十九年度の利益積立金または繰越欠損金という合計が五十九年が六兆九千五百三十三億円、こういう数字が出ているんですが、さっき言いました十二兆幾らとの差はどういうことですかね。
#108
○政府委員(丹羽晟君) ただいま先生が御指摘の六兆九千五百三十三億というのは、国鉄の勘定は一般勘定と特別勘定と二つに分かれておりまして、特別勘定の方はその棚上げの対象の勘定でございますが、先生おっしゃいました今の数字は一般勘定だけで考えました数字で六兆九千五百三十三億になる予定でございます。特別勘定を入れますと十二兆二千七百五十四億と、こういうことになると思います。
#109
○委員長(丸谷金保君) 午前の審査はこの程度とし、午後零時三十分まで休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後零時三十二分開会
#110
○委員長(丸谷金保君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、昭和五十八年度決算外二件を議題とし、運輸省及び日本国有鉄道の決算について審査を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#111
○梶原敬義君 もう一度運輸省に確認をいたしますが、五十九年度の決算でいきますと、純損益は約一兆六千五百億、それから、繰越損益と特定繰越欠損金、これの合計が約十二兆二千七百五十億で、これがいわば実質的な累積赤字だと、五十九年度でいけば。これが六十年、六十一年度ずっと累増するということ、こういうことでいいんですね、こういう見方で。
#112
○政府委員(丹羽晟君) おっしゃるとおりでございます。
#113
○梶原敬義君 そこで、いろいろなことが重なって国鉄の赤字が結局こうして出たわけでありますが、その大きなものの順番からいきますと、運輸省としては一体、順番からいきまして五つぐらい原因を挙げていただきたいんですが。
#114
○政府委員(丹羽晟君) 大きなものの順番かどうかということはちょっとおきまして、私どもといたしましては、まず国鉄赤字はどうして生じたかということの当面のお話としましては、まずは事業経営を、鉄道につきましては特性分野と私ども言っておりますが、鉄道が一番効率的に運べる分野、例えば旅客の中距離の都市間輸送とかそれから都市圏の輸送とかそういう分野がございますが、そういう分野にうまく特化できなかったというところがひとつ……
#115
○梶原敬義君 大体わかっていますからね。
#116
○政府委員(丹羽晟君) はい。
 それから、簡単にそれじゃ項目だけ申し上げますと、運賃改定がおくれたとか、それから輸送の効率化ができなかったとか、それから設備投資に基づく資本費負担が多いとか、そういうようなことがございますが、もっと基本的な話としましては、こういう最近の輸送動向に適応できなかったというところにあるわけでございますから、その原因は、やはり公社制の全国一本の巨大組織によって行われてきたというところにあるのではないかと考えております。
#117
○梶原敬義君 それはまたちょっと後で議論しますからね。例えば、売り上げがやっぱり伸び悩んだとか、人件費がふえたとか、そういうような要素、だから経営全般のことは。いいですわ。
#118
○政府委員(丹羽晟君) 収入の方でまいりますと、最近の収入は、運賃改定があったりなかったりしますものですから、伸びだとか伸びないとかということが、売り上げを上げていったということが直ちに経営成績に結びつくということではないんですけれども、基本的には、貨物を中心といたしまして売り上げが余り伸びないという問題がございます。
 それから、今度は、それに対応する経費の問題としても、先ほど申し上げました輸送効率というか、効率的な運営というような面で若干まだ生産性その他について問題があったということが言えるかと思います。
#119
○梶原敬義君 私はその辺のことは、運輸省、売り上げがやっぱり問題とかあるいは設備投資が問題とか労務費が高いとか、そういうようなことについてはきちっとある程度はもう整理をしておっていただきたいと思うんです。まあ国鉄問題は次々に続きますから、追って質問をいたします。
 それから、大臣お見えですが、大臣にお聞きする前に、国鉄が所有しております全土地の面積と、それから昭和三十年に評価をいたしました簿価が中心になって、その後の取得価格とそういうものが中心になっておりますが、まず土地だけについていきますが、現在の土地の所有面積とそれから簿価は一体幾らになっておるのか、大体資料は持っておりますから簡単に言ってください、確認の意味で、
#120
○説明員(前田喜代治君) 土地の面積が六万六千五百八十六ヘクタールでございまして、土地の価格が八千九百六十八億でございます。
#121
○梶原敬義君 私は、五十八年度の資料によりますと、国鉄の土地の面積六億五千九百二十万四千八十八・五四平方メートル、それからその簿価は五千四百億八千二百六十三万四千十九円、こうなっておるんですが、これは一平方メートル当たり、これを逆に割りますと八百十九円、これ違いますかね、おたくでいただいた資料をもとにして。
#122
○説明員(前田喜代治君) 財産目録に出ておりますもののほかに建設仮勘定の中に土地がございますので、私先ほど申し上げましたのは、それを含めまして申し上げた次第でございます。
#123
○梶原敬義君 そうすると、五十八年度で。
#124
○説明員(岡田宏君) 所有地の面積で申し上げますと、五十八年度末現在、五十九年三月末現在の所有地面積は六億六千八百四十八万平方メートルでございます。
 それから、五十九年度末現在、すなわち六十年三月末現在で申しますと、六億六千五百八十六万平方メートルでございます。
#125
○梶原敬義君 それは、さっき言いました建設仮勘定も入ってという意味ですか。
#126
○説明員(岡田宏君) 建設仮勘定を含めております。
#127
○梶原敬義君 ということは、私が持っている数字よりちょっと多いわけですが、その建設仮勘定分というのは、五十九年、六十年、いつかは本勘定の方にもう繰り入れしたわけですね。
#128
○説明員(岡田宏君) 建設仮勘定の土地は、本勘定の方に入ってくるものと、それからまた、当該年度におきまして新たに取得いたしますものと、そういった入れかえがございます。
 なお、それ以外のいわゆる建設仮勘定を除いた所有地におきましても、今、御承知のように国鉄におきましては毎年約千六百億ぐらいの資産充当として用地も売却をいたしておりますので、そういった意味で各年度の所有地面積におきましては若干の異同があるわけでございます。
#129
○梶原敬義君 そこでお尋ねしますが、大体先ほど言いました、私が、建設仮勘定の分は除いて計算しましたら八百十九円、平米当たり、これを今の時価で計算をしますと、大体どのくらいになるんですか。
#130
○説明員(岡田宏君) 国鉄におきましては、土地につきましては簿価で把握をいたしておりまして、その土地の上は線路用地として使っている部分が大部分でございますので、そういった意味で新しく時価で評価をし直すという作業をいたしておりません。
#131
○梶原敬義君 まじめに答えてくださいよ。
 昭和三十年度に一度再評価をしているんですね。だから、その昭和三十年度の再評価につきましては、したがって線路用地についてはしてないと。今の話の前提からいきますとそういうことになるんですが、そういうことですか。
#132
○説明員(岡田宏君) 昭和三十年度の時点におきましては、線路用地も含めて再評価をいたしておりますが、正確に申しますと、昭和三十年度に行いました再評価以降におきましては、そういった再評価をいたしておりません。
#133
○梶原敬義君 そこで、聞いているんですが、一応どのくらいになるんでしょうかということです、線路も入れて今の時価で評価をすれば。
#134
○説明員(岡田宏君) 再評価の作業をいたしておりませんので、幾らになるかということについて手持ちの資料がないわけでございます。
#135
○梶原敬義君 大臣、国鉄が破産状態で分割・民営化し、そしていろいろ政府資金も出す、国民に負担もしてもらうと、そして六つに分割すると、こういうような非常に大きな国鉄を改革するわけですから、少なくともそれをやるとすれば、その前に国鉄の今持っている現資産というのは実際はこのくらい国民の皆さんあるんですよと、しかしこれは線路でありますから、実際の価格はこれだけでもそうはいきませんよとかなんとか言うんなら言ってもいいんですが、その点については私は当然国民に今明らかにするべきだと思うんです。いかがですか。
#136
○国務大臣(三塚博君) 本件につきましては、衆参両院にわたりまして、予算委員会、運輸委員会等において絶えず御質疑をいただいてまいりました件でございます。
 この件につき、今回田常務から言われました答弁が政府側の答弁ということになっておるわけですが、もうその最大の理由は、破産状態でありまして破産ではありませんと。破産でありますれば、これを直ちに評価をし、それで貸借対照表を作成をいたしまして、清算に入る、こういうことになるわけでございますが、今次の改革はまさに破産状態を脱しまして、再生、新生に向けてスタートを切らさせていただきたい、こういうことでございますものですから、ただいま委員御質疑の中で明らかにされました総面積のうちから、二千六百ヘクタール程度を非事業用地として監理委員会が答申の中に明記をいたしたわけでございます。よって、政府は、この答申を尊重するという立場にございますものですから、このラインに沿いまして、国鉄に命じ、積み上げをいたして、精査をいたしておるところでございまして、この部分は五・八兆プラスアルファというふうに売却益を出し、国民負担を減らそうと、こういうことにさせておるわけでございますが、残りますのが事業用資産、御指摘のようにレールを初め駅舎等々でございまして、これは事業用資産として引き続き活用し、再生のための資産なものでございますから、当面のところこれを評価をするという作業には入っておらない、こういうことでございまして、もっと言いますならば、再生のためでございますから、本件についてはそのままでお認めをいただきながら再建計画の御審議をいただくと、こういう基本を示しておりますというのが率直な見解であります。
#137
○梶原敬義君 大臣、勝手なところはこれはもう示さないで、そしてやりたいところだけは明らかにしていくというやり方では困るんですよ。そんなことがいつまでも国会で許されるという日本の国会のあり方自体が私は問題だろうと思っております。
 私はなぜ聞くかと申しますと、資本金を考えた場合に、今の国鉄の資本金というのはまさに過小資本だと思います。例えば私鉄あたりと比較しても恐らく過小資本でしょう。今までの国鉄の問題を考え、分析し、これからどうするかという問題を議論する前に、する前提として一体資産が本当に言うと正味資産どのくらいあるのか。それに対して資本金が一兆何ぼで足るのか足らぬのか。十兆要るのかもしれないし、要ったのかもしれない。その原因をやっぱり分析する上においても大事なことでありますから、これは出せぬとか出さぬとかいうことで、これはもうこのままいったらこれは質問続けられませんよ。だから、もう少し大臣それは前向きに答弁願えませんか。概算はじけばわかることですから。
#138
○国務大臣(三塚博君) 昭和五十九年度一般勘定貸借対照表によりますれば、資産計は十二兆一千億何がしと、かようになっておるわけですね。これについては固定資産、投資資産、流動資産、繰り延べ資産等ということでございまして、土地の部分につきましては昭和三十年評価をいたしました額をもって資産額とみなす、こういうことであるわけでありまして、言うなれば鉄道として営業いたしますから都市のセンターにあるわけであります。あるいは鉄道として営業いたしますから、その路線敷はそれなりの価値があるわけでございまして、鉄道をやめる、破産の結果これをやめざるを得ませんということに相なりますと、鉄道敷の評価は大変な評価に相なるだろうと思いますし、そういうもろもろの問題もあると思います。それはそれといたしまして、今回の改革で監理委員会の答申を踏まえて政府がその二千六百ヘクタールの面積については箇所及び精査という意味で価格にもそれは検討を加えるわけでございます。監理委員会の五・八兆が果たして正確なのか、足るのか足らないのか、それを含めましてやらさせていただくわけでございますが、法案御審議の際には大変な膨大になる数の面積、箇所数を、箇所数イコール面積と相なるわけでございますが、これは資料として御提示させていただくわけでありますが、価格は公開入札を原則として、国民共有の財産でありますものですから、できるだけいい価格で御購入をいただきたいという建前がありますものですから、そういう意味で価格だけはこれはお出しをしない、こういうことで取り組まさせていただいておるわけでございまして、他の残ります資産につきましてはまさにこの三十年度の簿価を中心としてそれをベースに御議論をいただくことになるでありましょうし、もっとあえて言いますならば法案御審議の段階で委員各位から相当激しくこういう問題についても御議論をいただくことに相なると思うのであります。そういう点で……
#139
○梶原敬義君 答弁の中身に関すること以外は簡単にしてくださいよ。
#140
○国務大臣(三塚博君) はい。
 そういうことでありますものですから、今日政府の立場は、今日の破産状態ではありますが再生のためにとり行ってまいる、こういうことで、これの再評価という今時点にはございません、こういうことであります。
#141
○梶原敬義君 大臣、新しく六つに分割をするということになりますと、それぞれに資産をつけて民間に移すわけです、主導権を。これは民間経営になるわけですよ。民間経営にする前提として、一体九州の総資産は鉄道も線路も何も入れて時価で何ぼになるか、あるいは北海道で何ぼになるか、そういう計算ができぬでそれをやるというのはずさんじゃないですか。私は九州ですが、九州の旅客会社の持っている所有地、もらう所有地、あるいはその線路も何も全部入れて何ぼだと、これは大体時価評価にしてこのぐらいだと、これがわからぬでそんなことがようやれますね。力で強引にやるというわけですか。何と言おうがそんなことは関係ないんだ、力でやると言うんですか。
#142
○政府委員(丹羽晟君) ただいま先生の御質問、新しい旅客会社ができる場合の資産の引き継ぎの内容につきまして、ただいま国会に提出しております改革関係の法案の中で、どのような事業用資産がどのような価格で引き継がれるかと、これは第三者機関の決定を経まして決めていくという形に考えております。
#143
○梶原敬義君 しかし、今、法案の審議をしているときであるし、そして移行しようかという議論をしているときに、あるいは決算委員会で、一体国鉄の資産の中身というのが全体で本当を言うと時価でどのくらいになるものかと、そういうものをやっているときに、二千六百ヘクタールの分以外は知らないと、あとは運営するから我々は知らぬでいいんだとそういうようなやり方じゃ納得できぬですよ。どうするんですか、それは。それでいくんですか。大臣どうですか。
#144
○国務大臣(三塚博君) これは、今も申し上げたとおり、それぞれの六分割会社が法律の制定をいただいてスタートするという時点におきまして、評価委員会がこれを機関として決めさせていただきまして、引き継がさせていただく、こういうことになるわけであります。ですから、事業用資産という形の中でその御評価が行われるわけでございまして、今日の改革の時点に立って簿価を見直すかということに相なりますと、今日鉄道としてこれを運営させていただいておりますと同時に、これを負債のカタに支払うということでもないわけでございます。そういう点で、これをもう一回見直しまして、そういう中で清算事務に入るという形をとることはいかがか、こういうことでありますから、今日の時点でただいま申し上げたようなことでとり進めさせ、理解を得たい、こういうことであります。
#145
○梶原敬義君 幾ら言っても大臣、あなたの言うのは矛盾しているんですよ。いいですか。九州で言いますと二十六線区ですか、さらに途中から廃止するというんでしょう、計画の中では。そうすると、廃止した土地は一体どうするのかという問題が出ますよね。これは、何線を廃止するかわからないけれども、それを一体どうするのかという問題も出ますよ。こういろいろ考えていく場合、分割・民営化する場合に、一体どのくらい、どこにどういう資産があるのか。これは国鉄を動かすから考えぬでいいんだと、それだけではいかぬ。廃止するところだってある、あるいは売るところだってさらに出てくるでしょう。それを知りたいというわけですよ。これは、何ぼ言ったって言わぬでしょうから、私はさらにこの問題は引き続いて追及をさせていただきたいと思います。
 時間がありませんから次に移りますが、九州・山口経済連合会の皆さんが九州国鉄問題調査都会というのを設置しているというのは御存じでしょう。そして、そこから調査結果というのが去年の暮れに出たのも御存じでしょう。国鉄再建監理委員会の九州旅客鉄道の採算というのは、一九八七年には、実際は二百五十六億円の赤字が出るけれども、三島基金の一兆円の七・五%の利子運用によりまして二百六十七億円が補てんをされる、差し引き十一億円の黒字、これが国鉄監理委員会の答申内容になっております。しかし、九州の経済連合会の調査部会の報告によりますと、さらに六つの線路を取っ払う。これは監理委員会よりさらに厳しい線です。そして、人員もさらに三千五百人減らし一万一千五百人で九州旅客鉄道株式会社を運営する。それにもかかわらず、結果は、利子補給しても三百六十五億円の赤字が発生する、そういう数字を出しております。私は九州ですからよくわかるんです。これよりもっと厳しいんじゃないか、こういう感じがいたしますが、九経連のこの数字というのは、監理委員会の数字よりも二百五十五億円も厳しい数字になっているんですよ。大臣、あなたは一体どうお考えですか、この問題につきまして。私は、国鉄監理委員会のこの計算、答申というのは、先に六つの分割の結論を出しておって、それに合うような数字を逆につくっていった、こうとしかとれないんですよ。大臣のお考えをお伺いします。
#146
○国務大臣(三塚博君) 九経連の試算もそれなりに拝聴をさせていただいておるわけでありまして、それなりの計算の仕方をやられておるわけでございます。私ども、監理委員会の答申は答申として御尊重申し上げておるわけでございますが、ただいま、九州鉄道株式会社にいたしましても、その収支の精算についてこれまた政府として精査をいたしておるわけでございまして、今日の時点においてそれなりの経営が行われるものと見ておるわけであります。この理由はどういうことかと申し上げますと、先ほど来資産の議論もございましたけれども、九州、四国、北海道については国鉄の債務を全額免除をいたしますというのが第一点であり、御指摘のように三千六百億円程度ファンドとしてその会社に拠出をいたしますと、こういうことで、そのファンドの運用益でとり行わさせていただくということの収支計算の上からいきますと、ほぼ監理委員会の方向というものは正鵠を射ておるのではないだろうか。と申しますのは、今日の改革は、公企体の全国一元的な運営によって生ずるロスを地域鉄道、九州鉄道としてこれを運営してまいるということで地域一体の中で行われてまいりますならば、機動的な、またニーズに合った形の旅客会社、またダイヤ編成になるでありましょうし、また行為能力が民間会社として与えられるわけでございますから多様な営業活動、事業活動の中で総体としてそれは行われていくものであろうと、こういうことで取り進んでおるわけでございます。
#147
○梶原敬義君 法案を既に出しておりますからね。いろいろと国鉄再建監理委員会の答申とそれから九経連の考え方、これを精査をしている段階だと、こういうんです。精査をしていろんならもう少し運輸省として我々に納得のいくような数字が出せるんですか、この問題が今言われましたような形になるというのは。
#148
○政府委員(丹羽晟君) 運輸省といたしましては今国鉄との間で、今度の新しい旅客会社が今後どういう収支状況になるかというようなことを、新しい数字を踏まえまして今それを詰めているところでございます。したがいまして、今私ども提出いたしました法案の審議の過程におきましては、そのような数字を提出いたしたいと思っております。
#149
○梶原敬義君 いろいろ勝手に九州の旅客会社は資本金どのくらいするとか、まあいろいろあるでしょう。しかし、私は先ほど言いますように、九州の資本を決めるとすれば、やっぱり民間会社に今度なるとすればですよ、これはやっぱりいざもう全部破産状態にした場合には資産は一体どのくらいあるのかと、こういうものがやっぱり前提になければそうそう簡単に資本金も決められない。私は先ほどから言っていますように、どうして、そこまでおっしゃるなら、国鉄が持っている、昭和三十年に評価しているんだから、それを今日の状況の中で再評価できないかということ、これがわからないんです。もう一回ちょっと教えてください。
#150
○政府委員(丹羽晟君) 国鉄の三十年に行われました再評価は、昭和二十年代の急激なインフレーションによりましていろいろ資産の内容の評価が変わってきたということを踏まえて行ったというふうに聞いております。現在のところはそのような事態等を持っておりませんので、先ほど大臣御説明しましたように、事業を続けながらやっていくということでございますから、その事業の事業用資産に関しましては、新しい再評価といいますか時価評価をするということのその必要性ということがないんではないかと考えているわけでございます。それで、現在のところは当然のことながら簿価がございますので、その簿価でその事業用資産の引き継ぎというようなことが考えられると考えております。なお、その関連事業用の資産につきましては必要な時価の評価をいたしたいと、こういうふうに考えております。
#151
○梶原敬義君 インフレのことを言いますが、昭和三十年以降のこのインフレ状況が小さいと思いますか。これは大変ですよ。そして今国鉄が簿価で言いますと、先ほど言いましたように約八百十九円じゃないですか、私が計算した数字は、平米当たり。これがどうして小さいということ言えるんですか。
#152
○政府委員(丹羽晟君) 私の申し上げましたのは、インフレの小さい大きいの話ではございませんで、当時そういう事情だったというふうに聞いているということでございまして、現在の私どもが行おうとしております国鉄改革のやり方の中におきましては、この国鉄の資産をどのように今後の旅客会社に受け継ぎさせるかということを考えているわけでございますから、これはあくまでも鉄道を事業として継続していくという前提で物事を考えた場合は、その鉄道の事業用施設につきましては特に再評価をして物事を考えていくという必要性がないと、こういうことで御説明したつもりでございます。
#153
○梶原敬義君 これはまた後で続けます。
 ちょっともとに返りますが、九経連の試算によりますと、九州旅客会社が五十六年度の赤字というのは三百二十一億、六十二年度が三百六十五億、六十六年度が二百六十一億、そして七十二年度に百三十六億と、まあ少しずつ減りはしておるんですが、その間のこの赤字の補てんについては基金から取り崩してほしいと、こういう形になっているんですが、先ほど言いました九経連のこの見通しが大幅に狂っているというんなら、これは世間を騒がせるのもほどほどにということがあるんですが、私も帰って九経連の皆さんと数字をチェックをさしてもらいたいと思うんですが、運輸省は、先ほど私がずうっと言いました数字、これについてもう一度、これは九経連の見方が間違っているというのかどうなのか、いかがですか。
#154
○政府委員(吉田耕三君) ただいま先生が九経連の収支試算を監理委員会の収支試算と対比されましていろいろ御指摘がございました。その中身をかいつまんで相違点を申し上げますと、もちろん収入の予測が若干違うとかいろいろでこぼこはございます。しかし帳じりの営業損益で六十二年度、九経連の方では三百六十億円余の赤字が出るんではないかというぐあいに予測しているところを、監理委員会の方ではそれより約百十億円程度小さい二百五十億円余というように見通しております。百十億円ぐらい監理委員会の方がシビアに見ているんじゃないかということになるわけでございますが、この百十億円ぐらい違う……
#155
○梶原敬義君 シビア。反対じゃないか。
#156
○政府委員(吉田耕三君) 監理委員会の方が赤字を少なく見ている……
#157
○梶原敬義君 甘くじゃないか。
#158
○政府委員(吉田耕三君) 甘くですか、見ているということになるわけでございますが、いろいろ収入、経費がでこぼこがある中で、大きな問題といたしましては、減価償却費の額、これが約百二十億ぐらい一年で違ってきております。九経連の方が減価償却費を百二十億円ぐらい当方より多く見積もっている、当方はそれより小さく見積もっているということでございます。この差がどこから出てきたかということでございますが、九経連の方でも事業用資産について簿価で引き継いでおるわけでございますが、当監理委員会の方もそのようにしておるわけでございますが、それでなおかつ単年度で百二十億の差が出ると申しますのは、監理委員会といたしましては、九州を初めといたしました三島の会社につきましては、簿価見合いの債務というものを負わせないで、債務を一切つけないで資産を引き継がせるということにしておりまして、それと並行して資産を引き継ぎますと減価償却費が立ちますが、どの程度減価償却費を立てるかというところにつきまして、九州の今後の維持更新投資を推計いたしまして、その維持更新投資が減価償却費で全額賄い得る、つまり自己資金で維持更新投資ができる、借金をしないで済むというような形の減価償却費が立ては必要にして十分であろうと考えまして、現在の資産の額を約三八%圧縮して引き継ぎ資産としているわけでございます。したがいまして、減価償却費が九経連の試算より約百二十億違うというようなことが大きく響きまして、当方の方の赤字額が最終的な帳じりが小さくなっているということでございます。
 そして、最後に先生御指摘がありました九経連ではこの赤字を補てんするために約二千三百億の基金を設定すると。当方はこれに対しましてこの九経連の考え方よりは大きい三千六百億円の基金を設定するという考え方をとっておりますが、このことは赤字額が小さいにもかかわらず大きい基金を設定するというようにしておるわけでございますが、これは九経連の方が将来の赤字について、基金から出る運用益と、それからもう一つ、元本それ自体を取り崩して十七年間で元本もなくなってしまうという前提で赤字を穴埋めするということでございますが、監理委員会の試算といたしましては、基金三千六百億円の元本を取り崩さずに、永久に元本はそのままにしておいて運用益だけで赤字を補てんしていくということで、九経連の場合より一千三百億円程度多い基金を設定しているところでございまして、九経連の考え方よりは手厚い措置になっているものと考えております。
#159
○梶原敬義君 いや、何でもこう適当に答えればいいというもんじゃないと思うんですよ。三千五百人やっぱり人を減らしてるんですよ、逆に、九経連は。非常に厳しくやっているんですよ。そういう厳しい面はさらに厳しく、今度は監理委員会の分にそれを入れるとそれはもっと厳しくなるんですよ。減価償却についても、それはどういう資産をどういうようにするかはわかりませんが、それは償却資産のことだろうと思うんですね。償却資産を圧縮するということ。しかし、考えてみてください。私は大分県ですが、今、大分から宮崎、鹿児島に抜ける日豊線というのはまだ複線化もされておりませんしね、全部。もう非常に時間がかかるんですよ、鹿児島まで。そして、恐らくこれは民間会社になりましたら、今のような話ですよ、償却に見合った分だけ設備投資するというのだから、もう永久に恐らく新幹線は走らないでしょうね、走らないでしょう。これはひょっとしたら長崎までは行くかもわかりませんよ。これは設備投資する余力も何もなくなりますよ、そういう考え方なら。これは新会社はもう何もできない。現状から線をさらにどんどん二十幾つか減らして、また六線線路を減らしていくと。新しい投資はただ現状維持だけですよ。こういうことになりますよ。これで、大臣、地域の均衡ある発展なんか考えられますか。いいところはもうそのままで、悪いところはそのままほっておけと、これは民間会社に移行したら必ずそうなるんですよ。それでも今言いましたように六つの線を廃止し、三千五百人人数を減して、それでも九経連の計算では再建監理委員会より厳しい数字が出ている。非常に厳しい数字が出ている。だから、再建監理委員会のこの数字というのは、これはずっと検討していけば、まず六つに分割をすると、そしてそれに計算上、先のことはどうでもいいと、表面上のつじつまを合わせるために、十一億円の黒字を出すために一兆円の基金を出すと。それで運用益で何とかつじつまを合わせる、当面合わせると。むしろ結論が先じゃないですか、中身はもう逆に作文しているんじゃないですか、これは。どうしてもあなたがさっきの答弁では、いや、こうこうこうで、だからこうなるんですよじゃないじゃないの、でしょう。厳しい数字をとってみてくださいよ。あなたがさっき言ったのは、三千五百人の人の問題は入ってないんですよ、監理委員会には。六つの線を廃止するやつも入ってないんですよ。これをそのままにしたらもっと大きな恐らく五百億ぐらいの差が出るでしょうよ。どうなんですか。
#160
○国務大臣(三塚博君) この九経連の数字、監理委員会事務局次長からお話があったことで落ちておりますのは、要員、御指摘のとおり三千五百人少ないんですね。ですから、人件費で九経連は五百八十五億、監理委員会は七百七十二億ということで、差が百八十七億程度ここで違うわけですね。ですから、これはなぜこう相なったかというと、民営的手法でいきますと、九経連の三千五百少ない要員が一万一千五百でよろしいわけです。しかしながら、急激な変革を遂げることは、決して、鉄道の全国一律でやってきました国有鉄道の観点から言いますといかぬなというので、二割程度上乗せをさせてまいりました、こういうことなんです。その点が一つ違う点でございまして、それともう一つは、運用益二百六十七億、これを見ておるわけでありますが、監理委員会の部分は三千六百億に対し、公定歩合が下がりましたからこの運用益の仕方はまた動くことは御指摘がありませんがそのとおりだと思うんでありますが、九経連はこの運用益はやめましてこの三千六百億からその赤字の分を取り崩してまいりますと、そうすると十数年これでいけますと、こういう計算も根底にあるのではないだろうかと、受取利子が書いてないところを見ますと。そういう基本的に実は差異がございます。
 私ども、この委員会の答申を受けて、政府として検討いたしておりますのは、何としても九州鉄道にしろ四国にしろ、民間鉄道会社として自立していってほしい。そうするには、先ほど申し上げました借金棒引きでやりますと、ファンドをつけさしていただきますと、こういうこと。さらに、新会社がスタートいたしましたならば、民間並みの手法を駆使しながら全力投球で鉄道経営をして、地域と一体になってまいりますならば、必ずそれは展望の開けた鉄道経営になるであろう、こういうことであります。
 時間がございませんから、具体的な数字はそんな程度にさしていただきますけれども、御理解をいただきたいと思います。
#161
○梶原敬義君 時間がないというのは、あなた、聞いていないことをしゃべって、ポイントをずらして全部しゃべって、本当に私が言っているポイントと全部ずれていますよ、あなたたちの答弁は。そして、時間がないというのはけしからぬじゃないですか。
 それで、問題は、北海道から九州まで国鉄は六つに刻んで、東京やこの周辺で田舎から出てきた人が乗って運収が上がったやつは、その何分の一かは九州にも回して、東九州も鉄道を走らせると、それは新幹線も将来は走りますよと、そういう希望を残すような鉄道政策であらねばならない。これは先で後悔しますよ。あのときの運輸大臣はだれやったかと、本当に能力のなかった運輸大臣だと、こういうことにならぬように、今、既定路線は既定路線でいいから、今から、午前中は菅野委員が北海道のことを随分聞きましたが、もう少し本当に、数字は数字として真剣に扱いながら物を判断していただきたいことを要望しまして、終わりまます。
#162
○服部信吾君 私も余り時間がありませんので、できるだけ簡潔にひとつお願いいたします。
 まず初めに、運輸省の認可法人であります社団法人全国軽自動車協会連合会、この協会がこの協会の生命とも言えるこの自動車所有者の個人データ、これが盗み出されたと、こういう事件があったわけでありますけれども、よく調べてみて捕らえてみたら我が子なりと、その犯人が社団法人全国軽自動車協会連合会の課長だったと、こういう大変ショッキングな事件があったわけでありますけれども、またこの盗まれたデータが五十八年の十二月だと、三年前ですね、これは。そういうことで警察としてもある面から言えば早急に逮捕されたということに対しては評価をするわけでありますけれども、この事件の概要並びに今まで、三年前に盗まれているわけですから、どのようなものに利用されたのか、この点についてわかれば警察にお願いしたい。
 それから、総務庁として、このいわゆるプライバシー、一千万人のデータですから、国民のある面から言えば一割の大変なデータですね。これが盗まれたと。こういうことで総務庁としては、行政機関における電子計算機処理に係る個人データ等、こういうことで行政機関においては、例えば郵政省二十二ファイル、厚生省三十二ファイル、警察六、いろいろこういうような形で約百六十ファイルは管理をしておると。しかし、ある面から言えば、準行政機関によるこれに対しては何ら管理をしていない、こういうことですので、プライバシーにおける問題と、それから私はこういう一千万のドライバーのファイルがなされているわけですから、こういうものに対してはやはり行政機関における管理と同様な管理をすべきじゃないか、この点についてお伺いしておきます。
#163
○説明員(国松孝次君) お尋ねの件につきましては、現在警視庁において捜査中のものでございますが、社団法人全国軽自動車協会連合会の保管をしております軽自動車検査情報なるものでございますが、それを記録した磁気テープ約二十八巻、これは時価約七億一千三百万円相当になるようでございますが、それが昭和五十八年十二月ごろ窃取されたというものでございます。警視庁におきまして本年四月十日、同協会連合会事務局の幹部職員一名と、これに共謀した株式会社自動車統計センターの幹部職員外一名の合計三名を窃盗容疑で逮捕いたしました。現在捜査中でございます。
 利用状況についてもお尋ねでございますが、まだ現在捜査中でございまして、どこにどう利用したということについてまだ現在御答弁を申し上げる段階ではございません。
#164
○説明員(瀧上信光君) お答えいたします。
 総務庁といたしましては、国の行政機関の保有する個人データの保護対策のあり方について、従来から取り組んできているわけでございますが、御指摘の昭和五十一年一月二十九日の「事務次官等会議申合せ」にかかります電子計算機処理データ保護管理準則は、国の行政機関が電子計算機で処理しているデータのうち特にその漏えい、減失棄損等を防止する必要のあるものに関し、各機関が措置すべき事項の大綱をおさめたものでありまして、磁気ファイルのデータ管理、電子計算機室の管理、保安等をその内容としております。
 御指摘の軽自動車に関するデータは、公益法人が処理しているものでございまして、この電子計算機処理データ保護管理準則が直接対象とするものではないというふうに考えておりますが、公益法人の磁気ファイルの管理等の問題につきましては、関係省庁の指導のもとに適切な措置が講ぜられるべきものと考えております。
#165
○服部信吾君 いずれにしても一千万人のデータですから、これは行政管理、公益法人ということですけれども、やはり私はきちっと管理すべきだと思いますが、大臣、この問題について監督官庁としてどのようにお考えか、またきょうは連合会の専務理事もいらっしゃっているようでございますので、この問題についてまず専務理事のお考え、それから管理体制のずさんさ、これに対してどのように対応していくのか、なおかつ運輸大臣にお伺いしておきます。
#166
○国務大臣(三塚博君) このような公益法人たる全国軽自動車協会連合会が不祥事件を起こしたということは極めて遺憾のきわみでございます。こういうことが二度と再び起こってはなりませんし、さような意味で信頼回復するよう改善措置をとるように適切な指導を行っておることでございまして、本当に申しわけないことである、このように思っております。
#167
○参考人(細谷開造君) 細谷でございます。
 お答え申し上げます前に、このたび当連合会の職員が加担いたしまして、軽自動車検査情報が外部に漏えいするという重大な事件を引き起こし、世間を大変お騒がせ申し上げましたことに対しましてまことに申しわけなく存じております。ここに深くおわびを申し上げる次第でございます。
 当連合会といたしましては、今回の重大な事件にかんがみまして、軽自動車の一千百万台に及ぶものの検査情報をお預かりする社団法人として重大な保管責任を痛感をいたしておるところでございます。運輸省御当局からも綱紀の粛正と情報管理の徹底につきまして厳重な御示達をいただいておりますので、この際当連合会本部及び地方の全役職員に対しまして厳正な綱紀の粛正と情報管理の強化充実を徹底いたし、今後の軽自動車検査情報の管理と提供に万全を期してまいりたいと存じておるところでございます。
#168
○服部信吾君 それで、連合会の専務理事の方にお伺いしたいのですけれども、要するにプライバシーという問題に対しての認識が甘かったんじゃないか。私はこの一千百万のデータを、これはどっちかというと連合会の生命線じゃないかと思っているわけですよ。それをこんな安易に、簡単にこういうような形で盗まれたというようなこと、捕らえてみれば自分たちの部下だった、こういうことで、職員に対するプライバシーの問題についてもっと厳しくきちんと指導すべきじゃないかと思うのですけれども、どのようにお考えですか。
#169
○参考人(細谷開造君) お答え申し上げます。
 当連合会は、昭和五十二年の五月に、軽自動車検査協会の検査情報取り扱いに関する基本方針に基づきまして、軽自動車検査情報取り扱い機関としての御承認をいただきまして、同年の十月一日から検査情報を収集し、これを中央に集めて電算処理し、定められた提供先に対して提供するという仕事をさせていただいております。
 この情報の取り扱いに関しましては、検査協会の取り扱い基本方針に基づきまして、当連合会といたしましても、同時に取り扱い規定及び取り扱い要領、さらに電算処理要領まで策定をいたしまして、この諸規定、要領に基づきまして、全国の事務取り扱い所及び本部における取り扱い管理を実施いたしておるところでございます。
 この管理状態でございますけれども、事件発生当時までも所要の管理を実施しておったところでございますが、保管場所のロックあるいは取り扱い者の責任等を明治いたしまして、先ほど申し上げました諸規定によって運用しておったところでございますけれども、その後事件が発生いたしました直後、五十九年一月には電算室を木造建て一階の個所から、本部事務所が所在いたしております新宿のビルディング二階に移転をさせまして、基本的な管理条件の強化を図ったところでございます。また、五十九年四月には検査情報のバックアップ用の個別情報を収録いたしました磁気テープの保管につきましては、専門の保管業者に保管を委託するなどの管理体制の改善をいたしたところでございます。
 さらに、今回の事件にかんがみまして現在の管理体制を再度見直しをいたしまして、電算室の出入管理あるいは電算機そのものの取り扱い、あるいは磁気テープの保管及び磁気テープの受け渡し等につきましてはダブルチェック制あるいは二重ロック制等を採用いたしまして、さらにデータ管理体制の強化充実を図ってまいることにいたす所存でございます。
 また、地方の各事務取扱所におきます検査情報原資の収集及びこれを中央に送達いたしますためのフロッピーディスクの取り扱い等につきましても、従前から取り扱いに関する規定を整備をいたしまして、これのもとに取り扱い管理をいたしておるところでございますけれども、今回の事件にかんがみまして、再度地方の各事務取扱所の取り扱いについても総点検を実施をいたし、万全を期してまいりたいと考えておるところでございます。
#170
○服部信吾君 ここで運輸大臣にお伺いしたいんですけれども、五十二年の四月二十五日に自動車局長から陸運局長あてに、「自動車登録情報の取扱いに関する基本方針」、こういう通達を出しているわけですね。そして、本通達の施行に伴い、「自動車登録情報の提供及び一括証回書の取扱いについて」、昭和四十八年三月十六日に出しているこの通達は廃止する、こういうことで、大変厳しく自動車登録情報についてあれをしているわけでありますね。
 そこでちょっとお伺いしたいんですけれども、そもそも連合会ができたのが昭和四十二年、そして四十七年にこの軽自動車検査協会、これが車検等をやることによって、簡単に言えば、そういうユーザーのデータを全部集める、そういうことでありますけれども、その通達の中にも、もしこういう情報機関、連合会ですけれども、そういうところが情報に対しての取り扱いについて非常な不正があった場合にはある面から言えば承認を取り消す、こういうような厳しい指導通達になっているわけですけれども、この点についてはどうですか。
#171
○政府委員(神戸勉君) お答えいたします。
 私どもの所管しております軽自動車の情報につきましては、その情報そのものが、現在検査を行っています軽自動車検査協会では電算化処理をいたしておりませんけれども、業務の関係から、先ほどお話しありましたように全軽自協の方で電算化処理を行っているわけでございまして、件数も先ほどからお話しありましたようにもう一千百万台という膨大な数になって、非常に大量な情報ということになっているわけでございますし、また、その情報そのものは軽自動車の検査というような行政手続を通じて得られた情報でございまして、その取り扱いにつきましては十分慎重な配慮が必要であると考え、また、その管理なり運営体制を厳格に指導しているところでございます。
 また、このような事態が起こったわけでございますので、今後とも今までの運営なり管理の仕方というものを再点検して、しかるべき処置を講じてまいりたいと思っているわけでございます。
#172
○服部信吾君 この連合会は昭和四十二年ですからね。四十七年に道交法等の一部の改正によって軽自動車検査協会、こういうものが設立されたわけですね。そこで初めてある面から言えばきちっとした個人のデータ、ユーザーのデータが全部捕捉されるということですから、こういうようなことで管理、これは本来ならばこの軽自動車検査協会でこんなことはきちっと管理してもいいんじゃないかというような気もするんですよ。と同時に、通達を出しておきながら、要するに、今までは各メーカーがそれぞれ全メーカーの資料もとれた。しかし、五十二年以降はやっちゃいかぬ、それは自分のつくっているもののデータだけですよ。しかし、それがある面から言えば、これは談合と言っちゃいけないんでしょうけれども、メーカー同士が集まって、そうして勝手にまた前と全く同じように全自動車メーカーのあれを全部とって、そしてそれをダイレクトメールで送る、いろいろやっていた。こういうことで、これは明らかにこの通達とかこういうものを無視したやり方だと思うんですけれども、これはどうですか。
#173
○政府委員(神戸勉君) お答えいたします。
 全国軽自動車協会連合会が軽自動車メーカーに提供しております軽自動車のデータにつきましては、それまで全メーカーのものを提供していたわけでございますが、昭和五十二年に改めまして、自社製作車のものに限定して提供するようになったわけでございます。
 これにつきましては、従来、特段の問題もなく運営されていたわけでございますが、昭和五十年ごろに、自動車販売に伴いましてダイレクトメールが発行されるようになり、その苦情が非常に発生してきたわけでございまして、そういうような事態にかんがみ、取り扱いを検討した結果、当該情報が軽自動車の検査という行政手続に関連して得られた情報を原材料としており、また当該情報は電算化処理により膨大な量に及ぶため、当該情報の管理をより厳密に、厳格にする必要があるとの判断から、当時、自社製作分に映って提供する等、情報提供の範囲を制限して運用することとしたものでございます。
 このような観点から、昭和五十二年五月、軽自動車検査協会は、軽自動車検査情報の取り扱いに関する基本方針を策定しまして、これを受けて連合会は、五十二年十月からメーカーに提供する情報はメーカーの製作車に関するものに限るようにしたわけでございます。
#174
○服部信吾君 そこで、ちょっと連合会にお伺いしたいんですけれども、連合会とそれから軽自動車のメーカー、ある面から言えば日本自動車工業会、ここで、情報の提供に関しては、情報を与えるに当たって契約書があるわけですね。その契約書の中で、こういうことをやっちゃいかぬ、要するに回しちゃいけないんだ、あなたたちは自分たちのつくったデータだけをあれしなさい、こういう一つのあれがあるわけですね。それに違反した場合は大変厳しい罰則規定があるわけですね、これは。例えばこういう業務を停止させるとか、あるいは情報を提供させない、こういうことがあるわけですけれども、この契約書に関して、これからどのような措置をとっていくのか、この点についてお伺いしておきます。
#175
○参考人(細谷開造君) お答え申し上げます。
 日本自動車工業会からメーカー五社による情報の交換利用の事実が報告されましたので、ただいまお話しのございましたとおり、当連合会といたしましては、日本自動車工業会との契約条項に基づきまして、即時、提供停止の処分を、今検討をいたしております。
#176
○服部信吾君 大変厳しいあれだと思うんですけれども、ところが私、陸運局長に五十二年に通達をされながら、なおかつ連合会に対して何ら指導できなかったといいますか、連合会自体がいろんな不祥事件が起きたり、あるいは勝手に談合みたいなことを業者間でやっておる。そういうものを放置していたと言っちゃおかしいですけれども、この責任はやっぱり運輸省大変厳しいと思うんですよ。やはり運輸省がもっときちっとしていれば連合会に対してももう少しきちっとした態度がとれたんじゃないのか。また、連合会としてもやはりそういう自動車工業会に対してももう少しきちっとしたあれがとれたんじゃないか、こう思うんですけれども、運輸大臣、どう思いますか。
#177
○国務大臣(三塚博君) 大変御指摘のとおり返す言葉がないと思います。端的に言いまして、この連合会、運輸省認可の団体であり、さようなことはゆめゆめないであろうという信頼を申し上げたということも一つあるのかなというふうに思います。しかしながら、指導という点で監督はしておったわけでございますが、そういう中でこういう不祥事件が起きたわけでございますから、再び起きませんようにチェック機能をきちっとする、定期監査等々やはり必要なことを講じながら二度と起きませんようにしっかりしていかなければならない。非常に今後の行政という意味で大変なことであったと肝に銘じておるところであります。
#178
○委員長(丸谷金保君) 細谷参考人にはお忙しい中を本委員会に御出席くださいましてありがとうございました。
 御退席いただいて結構でございます。
#179
○橋本敦君 運輸大臣よく御存じだと思いますが、自民党の総合政策研究所というのがございますね。お手元にちょっと資料も見ていただくように差し上げておりますが、それは自民党の党則五十二条によって五十七年七月十五日から発足をいたしております。これは自民党の総合政策研究所一覧という公になっているところからも明らかでありますが、所長は歴代政調会長がお務めになる。その業務は政策的に非常に大事なことをおやりになっておるようでございまして、中長期的政策研究並びに情報収集、幹事長、政調会長のスタッフ機能を持つということであります。これには広く人材を集めるという御趣旨から、主任研究員としては出向を求めて、三菱信託あるいはそこでありますように日本航空から内藤宇一郎さんがまず最初出向してお手伝いをなさる、こういうような状況になっていたようであります。
 問題は、この内藤さんがそういうようにして政策スタッフ、主任研究員の一人として日航から出向されておるということでございますが、その後内藤さんの後に続いて一杉秀樹さんが続いてこの研究所に出向されるという状況になっていたようであります。ただし、日本航空の側としては、いきなり自民党の総合政策研究所へ出向するというのではなくて、会社の社内の手続としては財団法人日本総合研究所へ出向というように社員名簿を見てもなっておりますので、そうなっていたようでありますが、私どもが調べてみますと、財団法人日本総合研究所というのはほとんど仕事がなくて、実際は自民党の政策研究所に出向されておったという事実が明らかであります。こういう経過があった事実は社長もお認めいただけますか。
#180
○参考人(山地進君) 今先生の御指摘のように、内藤君が日本総合研究所から総合政策研究所に行っておりましたこと、それから一杉君の場合には、日本総合研究所が今ないとかというお話でございまして、総合政策研究所に直接嘱託として伺っておるというふうに理解しております。
#181
○橋本敦君 今、嘱託として直接行かれているというのはいつからでしょうか、嘱託ということで行かれているのは。
#182
○参考人(山地進君) 六十年の三月からというふうに聞いております。
#183
○橋本敦君 私どもの調べでは、五十九年の十月からこの一杉さんは自民党の政策研究所の方へ行って仕事をされておるように事実を承知しておりますが、いかがですか。
#184
○参考人(山地進君) 急に調べてまいりましたので、六十年三月に総合政策研究所の方に嘱託として行っているということは存じておりますが、五十九年十月は私自身は調べておりません。
#185
○橋本敦君 私の手元に日航の経営企画室政策グループの白鳥一男さんからいただきました一杉秀樹氏略歴という略歴書がございます。これによりますと、一杉さんは日航に入社されたのが四十四年でありますが、その後の経過は別として欧州勤務等を綴られた後、五十七年に情報システムに勤務、それから五十九年十月から経営企画室付になって日本総合研究所に派遣をされる、そして六十年三月に退職、こうなっておるのであります。
 だから、したがって五十九年十月からは日本総合研究所、先ほど言いました財団の方ですが、表向きここへ出向派遣ということになっている事実はこの経歴書で明白なんですが、御存じないですか。
#186
○参考人(山地進君) 先ほど申し上げましたとおり、私そこまで調べてまいりませんでしたので、私自身は存じませんが、白鳥君がお出ししたペーパーであれば、恐らく五十九年のしかるべきときに日本総合研究所へ行かれて、それで六十年の三月から新しく、日本総合研究所がなくなったか何かということでございますので、総合政策研究所の方に直接行くような身分上の違いが起こったんだろうと私は思います。
#187
○橋本敦君 そこで、五十九年から行かれておった財団法人の日本総合研究所への派遣というのは、内藤さんのところでも明らかにしましたように、実際はここは日航から見れば直接に自民党の政策研究所へ送るのではなくて、表向きのトンネル的役割ということにしかすぎない事実を私どもは調査して知っておりますし、また事実財団の方で私どもも調べてみますと、八三年春までこの財団におられたんですが、一杉さんは八三年春にはこの財団をやめられて、しかし日本航空の方では五十九年十月から日本総合研究所に派遣ということになっておりますから、これも食い違っておるんですが、要するに五十九年のころも自民党の政策研究所に行って仕事をされておったという事実は明白なんです。
 そこで、社長に重ねてお伺いしますが、六十年の三月に退職されたという事実は、これは間違いないんでしょうか。
#188
○参考人(山地進君) 六十年三月に総合政策研究所に参るに際しまして、退職という手続をとったというふうにきょうも聞いてまいりました。
#189
○橋本敦君 違うんです、社長。五十九年十月から経歴書では総合研究所派遣なんです。それで六十年三月に退職と、こうなっているんです。
 この退職したのは自民党の政策研究所へ行くということのために退職された、こういう趣旨で今答弁されたわけですか。
#190
○参考人(山地進君) 先ほども申し上げましたとおり、六十年三月に身分関係が総合政策研究所に直接行くということになりましたので、そのときに退職の手続を、それまでは日本総合研究所に出向であったと思います。それが六十年の三月から総合政策研究所の方に嘱託として行くということで退職というふうに聞いております。
#191
○橋本敦君 つまり、自民党の方に直接お行きになるということですね。退職ですね、六十年三月ところが、その資料を見ていただいたらわかりますが、住民票をとってみますと、一杉さんは現在でも日航の社宅にお住まいになっているんですね。日航の恵比寿住宅二十一号ですか、これは住民票から明らかです。だから、日航は退職したと言うけれども、退職されてないんじゃないか。そして、私の手元に日本航空の六十年社員名簿がございますが、これで果たして退職されたのかなと思って私も調べてみたんですが、お手元に資料としても差し上げておりますけれども、この三百三十ページを見ていただきますと、その他の職員ということで、休職は次にあるんですが、休職でない、実際に日航の仕事をしていない、特定の部署についていない職員の一人として一杉さんはちゃんと職員名簿に登載されている。職員としての地位があるんですね。だから、自民党の総合政策研究所へ行くということで嘱託で行くために退職したというのは、これは偽りじゃありませんか。ちゃんと名簿に職員として登載されている。いいですか。しかも住所も日航の社宅にちゃんといる。こういうわけですから、これはどうおっしゃろうとも退職したという事実はこれは事実じゃないということが明白じゃありませんか。社員名簿にちゃんと載っているんですから、いかがですか。
#192
○参考人(山地進君) 社宅の件については私も存じませんが、先生が御指摘のようなこともあみうかと思います。ただ、私どもの方としまして総合政策研究所に伺うためには、やはり退職の手続が必要であろうということで退職の手続をとったように聞いております。
#193
○橋本敦君 しかし、社長、そうおっしゃっても退職じゃなくて職員名簿に現職員として、その後には休職がありますよ、病気とかいろいろね、休職でもない職員としてちゃんと載っているんですから、お手元に差し上げていますから、どうおっしゃっても退職していない。
 ここで話題を変えて自治省に伺いますけれども、政治資金規正法の関係でお尋ねをしたいのでありますけれども、日本航空は政府出資でありますけれども、そういう政府出資の会社が、これが政治献金をするということは法律上許されるのかどうか、いかがですか。
#194
○説明員(中地洌君) 政治資金規正法の第二十二条の三、第二項によりまして、国から資本金等の全部「又は一部の出資又は拠出を受けている会社その他の法人は、」原則として「政治活動に関する寄附をしてはならない。」ということにされてございます。
#195
○橋本敦君 今おっしゃった二十二条の三で、「寄附をしてはならない。」ということの中には、労務提供を無償ですることも寄附に該当すると当然解釈されるはずですが、自治省の御見解はいかがですか。
#196
○説明員(中地洌君) 御指摘の労務提供ということでございますけれども、労務提供の中にはいろいろな形がございまして、これが直ちにどういう提供の仕方かということは私ども非常に判断できないわけでございますけれども、「寄附」というものの定義の中には、「金銭、物品その他財産上の利益の供与又は交付で、党費又は会費その他債務の履行としてされるもの以外のものをいう。」ということが政治資金規正法の第四条三項に書いてございます。したがいまして、労務の提供が何らかの形で一定の例えば約束があっただとか、そういうものがなく、全くの無償の交付ということになりますと、無償の労務提供ということになりますと一応この寄附に該当するのではないかというふうに考えられます。
#197
○橋本敦君 そういうことですね。私もこの関係がありますので、表向き出向先である財団の日本総合研究所に聞きますと、日航からの先ほどの一杉さんあるいは内藤さんの出向については、この財団の研究所は給与はお支払いしておりませんというはっきりした回答がございました。これは財団の関係ですからいいですよ。そこをトンネルとして自民党の政策研究所に出向されておる。今度は直接に嘱託として出向するということになった。ここで自民党の方の政策研究所で給与を払っているという事実はこれは私が調べた限りない。日本航空が職員として扱って、社宅にも住まわして、日本航空として給与を支払うという状況であることはこれは明らかであります。先ほど社長は六十年三月に退職したとおっしゃるけれども、退職した事実がこれは偽りなのであって、社員名簿にも社員としてちゃんとあるんですから、退職した事実はないので、依然として日本航空が給与を支払っておる関係にある。したがって、自民党の政策研究所との関係では、無償で労務提供を日航の社員がしているということになる。こうなりますと明らかに政治資金規正法二十二条の三の第二項に違反する事態を漫然と長年続けてきたという、こういう問題になる。こういう関係が正されなくていいのであろうか、運輸大臣の御意見はいかがですか。
#198
○国務大臣(三塚博君) 橋本委員御指摘のとおりだとすればそのようになるんだと思うんです。しかし、御通告をいただいて調べさせましたところ、ただいまも質疑の中で出ましたように、会社を退職した上で総合政策研究所に出向している、こういうことで給料は総合政策研究所が負担していますと、こういうことの自由民主党からの報告でありますものですから、そういう意味では問題がないのかなと。しかし、今のやりとりでこれはそごがございます。
#199
○橋本敦君 退職してないんだよ、大臣、これ名簿がちゃんとあるんだから。
#200
○国務大臣(三塚博君) ですから、そごがあるようでありますので、なおその経過を調べて御報告をさせていただきます。
#201
○橋本敦君 退職もしてないのに形を繕うために、国会で論議になったので退職さしたという可能性があるから私が調べてみたら、社宅には住んでいるし、いいですか、社員名簿にはちゃんと登載されている。しかも、この社員名簿はこういう立派な公刊されたものですが、社外秘という格好ですから安心して書いておるんですよ。社外秘と書いてある、ここに。いいですか。何ぼ社外秘でもこんな立派なものは公刊されておると同じですよ。社員と書いてあるんだから、大臣おっしゃるようにこれは調べてきちっとしてもらわないと、国会を欺くようなことをしちゃいかぬですよ、天下の日本航空がね。そういうわけですから、大臣おっしゃったように調べるということですから厳しく調べていただきたい。そして、社長にも重ねて申し上げますが、退職したという事実はこの名簿からも極めて疑わしいので、その関係をはっきりして国会に報告していただきたい。時間が参りましたので、このことを指摘して質問を終わります。
#202
○国務大臣(三塚博君) よく調べます。
#203
○参考人(山地進君) 私の方も調査してまた御報告させていただきます。
#204
○関嘉彦君 私の質問を予定していた事項は全部政府委員に質問いたしますので、後で大臣その趣旨をお聞き取り願いたいと思います。
 お忙しいところ出席された貴重な時間ですので、現在の運輸省の抱えている最大の問題であります国鉄の問題だけに限りたいと思いますし、また国鉄の問題もいずれその法案が来ましたときにその全容については質問いたしますが、ここではこの国鉄改革が成功するかどうか一番の問題は余剰人員の対策の問題だろうと思いますので、その点だけに限って大臣の決意をお伺いしたい。その趣旨の質問をいたします。具体的な数字を一々お聞きしていると時間が足りませんので、具体的な事実は運輸省からいただきました資料をそのまま信用することにいたしまして、余剰人員のうち新しい事業体の方でも三万二千人ぐらい引き受けていただくことにして、ぜひとも他に転職していただかなくちゃならない人が六万一千人おるということですね。それで、これを公共部門、国、地方公共団体等に三万人、関連企業に約二万一千人、一般産業界に一万人以上就職をあっせんをしなければならない。この公共部門、関連企業、一般産業界にこういうふうに振り分けられたのはどういう基準でやられたのかということが一つと、どうも私の見るところでは、やはりもっと一般産業界に引き受けてもらうのでなければうまくいかないんではないか。公的な部門、これはやはり身内ですから、これは最後のどころとして取っておかれたんだろうと思うし、また一般の鉄道従業員の人たちもこの方を希望する人たちが多いだろうということはわかりますけれども、そういったイージーな考え方ではなかなかそれをうまく対策を立てるということは難しいんじゃないか。私はもっとこれ一般産業界に努力をお願いするということが必要ではないかと思うんですけれども、その点について大臣のお考えをお伺いします。
#205
○国務大臣(三塚博君) 先生御指摘のとおり、余剰人員対策が国鉄改革の最重要ポイントでありますことは全く御指摘のとおりであります。よって、今御指摘のとおり、六万一千人につきまして、うち二万一千は国鉄の責任で関連企業に就職をさせますと、大体内定をいたしましたというものでございますから、四万人今政府の責任において転職、再雇用と、こういうことで取り進めなければなりません。御指摘のようにもっと産業界へと、これも一つの御意見でございますが、やはり身内のことは身内でまず明確にしてからでございませんと、産業界にお願いをしようにもお願いができないのではないだろうか。この辺が一つございまして、国家公務員及び地方公務員グループ、そして公社、公団、これらのところに三万人、これだけは何としても、政府が決定をいたしますれば決まると、こういうことで再雇用をしてまいろうと。ただ、このうち相当それなりの数が地方公務員としてお願いを申し上げることでありますものですから、地方公務員は地方団体でありますので、これは国に準じ誠心誠意お願いを申し上げてまいる。総体として三万人は必ず確保しなければならないと、このように総理大臣が本部長でありますものですから決意を表明されておりますし、私自身もそれを受けまして全力投球で各県知事にもお会いしながらお願いを申し上げておるところであります。それを取り進める中で、一般産業界に並行して今お願いを申し上げておるところでございまして、特に電力関係について、各社の社長に、四社お会いを申し上げましたが、お願いを申し上げ、社長会として御協議をいただくようにお願いを申し上げておるところでございます。他の運輸省所管の交通関係機関、民鉄関係、その他の物流関係にもお願いを申し上げて、それなりの数字が出ておるわけでございますが、結婚と同じようでございまして、やはり一致しませんと相ならぬものでありますから、できるだけこれからもお願いを続ける中で、法律が通りました後の対応に備えてまいりたい。いずれにしましても、総理が言われますとおり、お一人といえども路頭に迷わせることはあってはならないし、そうはしないために全力を尽くすということでありますから、これを外しまして運輸省も、また国鉄総裁、関係の皆さんにも全力投球をお願いを申し上げておると、こういう段階でございます。
#206
○関嘉彦君 時間がありませんので希望だけを最後に述べておきますけれども、やはり一般産業界が本当に引き受けてくれるかどうかということがこれ一番のポイントじゃないかと思うんです。政府におかれましてもいろいろ努力しておられるのはよくわかりますけれども、単に中央だけではなしに、地方においてもっときめ細かな就職の開拓をやられることが必要じゃないかということを考えておりますので、大臣の一層の御努力をお願いする次第です。
#207
○国務大臣(三塚博君) 御提言を受けまして一生懸命お願いに上がってまいりたいと思っております。格段の御支援をお願いを申し上げます。
#208
○刈田貞子君 質問させていただきます。
 私は、円高差益等に関連して、交通関係料金をどんなふうに考えればいいかということの基本をただしてみたいというふうに思います。
 先ごろ発表されました、政府がお出しになりました総合経済対策等では、この総合経済対策七つの柱の中には特別とり得ることがなかったように私は思うんですけれども、その中で差益を還元するということの中身が国民にとっては大変に楽しみのある一つのメリットじゃなかろうかというふうに思ったわけでございます。そこでお伺いをするわけですけれども、昨日ですか、一昨日の経済企画庁の試算でも、円高そして原油差益、これによってやはり運輸、通信関係が一番大幅に差益を得ているということが経済企画庁の試算で出ております。私ども国民もそういう期待を持っているわけで、その基本的な見解を伺いたいんですが、一番最初に航空運賃から伺います。
 航空運賃ですけれども、ずっと昭和二十六年ごろからの運賃体系を見せていただきまして、四十九年九月とそれから五十五年三月、これが大変大幅に値上げがされております。東京−大阪間が、それまで七千三百円であったものが九千八百円と二千五百円の値上がり、それから大阪−福岡間が、それまで七千五百円のものが九千七百円と、これが二千二百円の値上がりということで、その前後では値上げが五百円であったり六百円であったりして、各路線ともその程度の値幅で終わらしてあるんですけれども、ここが二千円、そして東京−札幌間四千三百円というふうな値上がりがあるわけですね。それから昭和五十五年三月、ここではまた大幅な値上げ。今の各路線を言いますと、三千七百円、三千六百円、四千七百円、四千六百円という大幅値上げでございます。四十九年九月とそれから五十五年三月、この二つの時期に各路線でこれだけ大幅な値上げを生じた理由を教えてください。
#209
○政府委員(山田隆英君) 航空運賃は基本的に原価に基づいて決めておりまして、原価つまりコストが上がった場合に運賃の改定をしておるわけでございます。先生御指摘のとおり、四十九年、五十五年の運賃の改定がなり大幅になっております。二十六年当時からずっと見てみますと、四十七年の改定までは、二十六年が東京−大阪で申し上げますと六千円でございましたのが、四十七年の値上げても七千三百円だということで……
#210
○刈田貞子君 もらってあるからわかっているから、理由だけ。
#211
○政府委員(山田隆英君) 要するにコストの値上がりでございまして、その中には四十九年、五十五年とも石油ショックで原油の値上がりを含めて人件費その他のコストの値上がりを加味いたしましてこのような改定を行った次第でございます。
#212
○刈田貞子君 私が調べさせていただいた限りにおきましても、日本航空、それから全日空、それから東亜国内航空の各営業費用を見させていただきますと、大体平均して二四・八から二五%ぐらいこの航空燃油費というのがとられているわけですね。だから、当然コストが上がればこれは上げなければならないということになる。そこで今、今度燃油が下がっているはずなんでございますけれども、その原理からいきますと、当然にここで航空運賃というものは下がらなければならないのではないかというふうに思います。国内線あるいは国際線、これはそれぞれ事情が私は違うというふうに思いますけれども、この航空運賃が下がらない理由、あるいはまた、今後お下げになる見通しがおありになるのかどうか、これをお伺いいたします。
#213
○政府委員(山田隆英君) 今先生がおっしゃいましたように、航空運賃の場合国内と国際で事情は違うかと思いますが、まず国際につきまして申し上げますと、航空事業の場合に円高によって為替差益が生ずる場合もあります。ただ、為替差益につきましては外貨建ての収入とそれから外貨建ての支出がほぼ均衡しておりますので、円高差益がある場合もございますし、また円高差損がある場合もあるということでございまして、結果といたしましては収入面でのマイナスとそれから支出面でのプラスとがほぼ相殺されるようになっておるわけでございます。
 また、燃油費が確かにかなりの部分を占めておりますが、五十九年度の実績で申し上げますと約二〇%でございまして、確かに原油の値下がりといいますか、それに伴う燃油費の値下がりによってコストの値下がりは期待できるわけでございますが、原油の値下がりがそのまま燃油費の値下がりになるわけではございませんで、それから原油が下がりましても、最終的に航空会社が購入いたします燃料費が下がるまでには時間的な経緯もございます。私ども調べたところによりますと、五十九年度におきます燃料費の価格とそれから六十一年一月、本年の一月の価格との関係で見ますと、燃料費の値下がりによります経費の削減率が約〇・六%ということになっておりまして、現在の時点で大幅にそのコストが下がっているということにはなっておりません。私どもといたしましては、今後この為替レートの動向あるいは原油価格の動向によって実際に航空会社のコストがどうなるか、そういうものを見守りまして考えてまいりたい、かように考えております。
#214
○刈田貞子君 政務次官、お聞きになっていらっしゃると思うんですけれども、上げるときにはすぐ上げちゃうのね、簡単に。下がるのは下がりにくいんでございますね。国民はこういうところからやはり政治の力を信じて、やっぱりそういうのに機敏に反応するようなそういう料金システムというのは、これは航空運賃に限りません、できていくべきだと思うんです。御意見いかがですか。
#215
○政府委員(亀井静香君) 刈田委員の御熱心な円高差益を国民に還元すべきだという御意見、まさに私はそういうことだと思います。ただ、これも業種によりまして、電力のように直ちにある程度還元のできる業種と、航空事業あるいはまたタクシー等もそうでありますけれども、原価に占める原油の比率、これが非常に少ない業種につきましては、直ちにそれが差益として国民に還元できないというような業種もあるわけでありまして、しかし政府としてはできるだけ還元できるものがあれば国民に還元をしていくという、それを基本的な立場でやっておりますので、御了承いただきたいと思います。
#216
○刈田貞子君 先ほどの企画庁の報告では、試算ですか、試算報告では、これは運輸、通信と一緒に入っているわけですけれども、運輸、通信両差益を合わせて二兆一千九百億円などと書いてあるわけですね。こういうのを聞きますと、国民はまあすてきと、こう言いますから、ぜひこの還元方法を考えていただきたい、このように思います。
 それからタクシー料金ね、これもお伺いしなければならないのですけれども、このタクシー料金も調べてみますと、やはり二度のオイルショックのときに燃費のことを理由に値上げをしております。これも値段からいきますと、二百八十円が三百三十円にと五十円、それから四百三十円が四百七十円というふうに四十円というふうな、値上がりの幅は小さい、しかし加算運賃でもう一つ乗せたり、それからまたメーターを縮めたりというふうにして大変工夫をしながら実は値上げをしている、こういう事実があるわけですね。それでこのタクシー運賃は先ほどの飛行機等よりももっと国民に近い今足になってきております。それだけに期待もありますし、文句もあるわけですけれども、このタクシー料金はどんなふうに考えられますか。これはやはり円高によるものが大きいのと同時に、原油、特にLPGはどういう状況にあるのか、私ちょっと詳しくは調べてないんですけれども、LPGの状況等を勘案してタクシー料金は今後どうなりますか。
#217
○政府委員(服部経治君) LPガスの価格の推移でございますけれども、少し話は古くさかのぼりますが、大体四十年代の前半から四十七年にかけましては非常に安定した推移を見せておりました。それが四十八年のオイルショック、この前後の二年間で一挙に二倍を超す値上がりをいたしまして、このオイルショックを経過した後、昭和四十九年から五十三年ぐらいまでは今までの二倍以上のところで安定をしていた。それがまた再び五十三年から五十五年にかけまして、その二倍に上がったものがさらに七割近く上がるというような状況になりまして、昭和五十五年ごろの時点では、かつては二十円を割っていたようなLPGリッター当たりの値段が七十五円程度に上がりました。その後五十五年から昨今までの間におきましては、若干の高下はございますけれども、ほぼ安定いたしまして七十円前後の値段でまいりましたものが、本年、六十一年に入りまして六十四円五十銭といったようなレベルにまで、若干の、数円の値下がりを示しているというような状況でございます。
 これはもう先生も容易に御推察いただける話だと思いますけれども、タクシー事業というのはきわめつきの労働集約産業でございまして、その原価に占めます人件費のウエートがちょうど四分の三に当たります七五%といったような原価構成になっておりまして、全体の原価に占める燃料費の割合は七%から八%といったような程度でございます。したがいまして、仮に東京の現在のタクシーをお考えいただきますと、初乗りが四百七十円でございますが、その初乗り四百七十円の中に占める燃料費の額というのはその七・七%ということで三十六円程度の額でございます。したがいまして、これが仮に一割、三十六円を一割下がったといたしましても三円六十銭、四百七十円の中で三円六十銭しか運賃が下がらないというような状況でございます。
 一方で、私どもはタクシー事業というものに内在する一番大きな問題というのは、タクシー労働者の労働条件の改善、この問題を中心に私どもタクシー事業の改善に取り組んでまいりたい覚悟でございますけれども、そういうことで、今後に向けましてなおタクシー労働者の労働条件のいささかなりともの改善に向けまして努力する所存でございますけれども、そういうこともございまして、人件費のウエートというのは今後少してもまた増高の傾向をたどることは必至でございます。したがいまして、そういうことも考え合わせますと、このタクシー事業につきまして、円高なりあるいは燃料費の下落、石油価格の下落ということを理由にその運賃レベルを引き下げるということは大変難しいというふうに基本的に理解するものでございます。
#218
○刈田貞子君 先ほど総理府の話、試算、お話ししたでしょう。あれで、中曽根総理がおっしゃるのには、経済企画庁も含めてなんですが、ここのところの円高、そして原油値下がりによる我が日本の国民が得た差益は十兆であるとおっしゃっていますよね、十兆。その中で、輸出産業等のマイナス分を六兆五千億引きます。そして国民が丸々手にする差益が三兆五千億というふうにおっしゃっておられるわけだ。それを試算していくと、GNPを〇・七%押し上げるというような、そういうお話もしていますでしょう。それで、この三兆五千億を国民に丸々還元することによって、四野党で共同して請求した二兆四千億の大型所得減税の要求よりももっと大きい経済効果を上げるようなことにしていこうと、こうおっしゃっているわけ。それが総論なんですね。ところが各論になるとこういう状況なの。三兆五千億丸々が国民になんか返ってこないじゃありませんか。ちっともこの差益によって国民が得るものなんというのはないんですよ。これはほかの場面でも私はお話ししたいことがたくさんあるけれども、たまたまタクシー料金の話をいたしましたので私は苦言を申し上げたんですが、いかがですか。
#219
○政府委員(服部経治君) マクロ的に見れば、企画庁がそのようにおっしゃっておられるならばそのとおりであろうと思います。全体の認識も、私も常識としてそういうことであろうかと思いますが、やはりそれは個々の事業、業種によりまして事情が大きく異なるわけでございまして、例えば私が所管しておりますタクシー事業に即して申し上げれば、最前の御答弁の中で申し上げたようなことでございまして、大変残念ではございますけれども、円高ないしは石油価格の下落というものを理由に直ちに運賃を引き下げるというような状況には決してないわけでございまして、その辺の事情につきましてはどうかよろしく御理解を賜りたいというふうに思うものでございます。
#220
○刈田貞子君 それは恐らくタクシー料金体系の問題だけでなく、各論で言うとどこもみんなそういう話が出てくるのが実情だというふうに思うのね。だから、この差益還元というのは、決して、中曽根総理が言われるように、すとんと国民にはもろに返ってこないということの一つの事例として、タクシー料金ででも私はひとりで認識したいというふうに思います。
 先へ参ります。
 そこで、料金でサービスができないのならば、何か、もっとほかの手段でサービスをしたらいかがですかという話に話が変わるわけでございます。
 タクシー業務適正化臨時措置法、よろしゅうございますね。この四十三条にタクシー乗り場の指定のことが出ておりますね。このことについて少し申し上げてみたいんですが、タクシー乗り場とは何ぞやと、こういうことなんです。
 資料が行っていますか。かわいい絵をかいて差し上げてありますので、見てください。そこについている自動車の絵のところが本当のタクシー乗り場のところでございます。ところが、現実には、これは永田町かいわいが一番わかると思ったので、そのことをちょっと事例としてお話しするわけですけれども、タクシー乗り場の指定の立派な看板が立っているあそこのところにはタクシーはとまらないわけ。そして丸印でかいてあるところが事実上今のタクシー乗り場になっているわけ。これは皆様が一番よく御存じな永田町のこの目の前のところを今お話しして、それで認識していただこうということでこの絵をかいてみたわけでございますけれども、こういう事実というのはここだけじゃなくて、全部あるわけです。そうすると、一体、この四十三条というのは、これは何を意味するためにこういうものを設けられたのか。つまり「タクシー乗場を指定し、」ということになっておりますね。これはどういうふうに了解をし、理解をしたらよろしいのでしょうか。
#221
○政府委員(服部経治君) ただいま先生がお引きになりましたタクシー業務適正化臨時措置法第四十三条の条文の意味でございますが、これは流し営業が行われます大都市の地域におきまして、タクシー利用客の利便を確保するということをあわせまして、そういう利便の確保を図る中で、そのことがその付近一帯におきます他の車の交通の流れを阻害することのないようという二面の観点から、タクシー乗り場というものを適正に整備して利用者の利便の増進に資するようにと、こういう趣旨でもって書かれた規定だというふうに受けとめております。
#222
○刈田貞子君 でも、それが事実上機能していなければしようがないでしょう。これを、だからその前のところの話でいけば、タクシー乗り場という立派な看板をこちらに動かすか、それでなければこの条文をなくすか、どっちかでなければこういうのが設けられていても全然意味がないわけであります。
 もう一つ言えば、タクシー乗り場がそもそも置かれるようになった今の理由から言えば、そこに待っていれば、タクシー乗り場におればタクシーがとまってくれて、そこで乗れるというはずのところなんですね。ところが事実は、逆に、ここに立っていても車に乗れないという事実がありますね。私は近代化センターにも何回か苦情を入れております。絶対にタクシー乗り場ではタクシーに乗れないという現実がありますね。おわかりだと思います。特に夜です。これは本当に。なれている人は何とかやっています。なれない人が泣くんですわ。タクシー乗り場はタクシーのとまるところだと思ってそこにいると絶対にそこではタクシーに乗れないという、これはどう御指導なさいますか。
#223
○政府委員(服部経治君) 現在、東京都内に約八百カ所のタクシー乗り場というものが設けられておるわけでございますが、その二部につきましてただいま先生から御指摘のございましたような大変遺憾な実態と申しますか、利用の実態と食い違ったようなタクシー乗り場の位置設定なり利用の状況があることは、私どもまことに遺憾に存じております。もともとこのタクシー乗り場は最前も申し上げましたように、一方で道路交通の状況を勘案する必要はございますけれども、基本的にはお客様が多く利用される場所を選びまして、そこに乗客の利便に資するようにタクシー乗り場を設けまして、そこにできるだけたくさんのタクシーが集まるような方向で指導すべきでありますことはもうもとよりでございますが、現実の場におきまして国々そういった点において問題がありますこと、私本当にこの場で先生から御指摘を受けること自体大変恥ずかしいことだというふうに思っております。今後さらにそういったタクシー乗り場の位置の正常化と申しますか、適切化につきまして、関係の業界を指導してまいりますとともに、そういったせっかくつくりましたタクシー乗り場にできるだけ車が集まりますように、そういう方向で業界の方を強く適切に指導してまいりたいというふうに考えております。
#224
○刈田貞子君 私は一日三回タクシーを使うものですから、運転手さんと話をよくします。そして、あの方たちの言い分もすごくよくわかるのね、実は。生活がかかっておる、ノルマもある、こう言うわけですよね。だけど、言ってみれば、乗車拒否ではないんだけれども、あえてそれに近い行為をしながら逆に客を、利用者を選んでいるという現実があるわけですよね。私はこれはまことに遺憾だと。何かの形で是正をしていかなければ、乗車拒否のときにもあれだけ騒いで、そしてみんなでいい方法つくってきました。するとまたもう一つその上手をやっていくというのが今の現実じゃないかというふうに思います。これは、特に都市部がこういう現実があるわけでございますけれども、ローカルの小さな駅の駅前にいる運転手さん。きのうも九州へ行ってきた。あそこらあたりの小さな駅前にいる運転手さんなんか、もうお客さんなんか選んでいる暇はないわけですよ。何でも、すぐそこまででも乗せていかなければ自分たちは本当に商売にならないのだと言って頑張っているローカルのタクシーだってたくさんある中で、私はこれはまことに不公平な話であり、こういうことをまかり通してはならないというふうに思いますので、適切な御指導をひとつよろしくお願いしたいと思います。
 それから、あとは細かい話になりますけれども、今度はバスです。いいですか、政務次官、細かくて済みませんね、バスです。
 これ、ことしの総理府がとりました交通機関に関する世論調査、この中で、今交通機関にどんな不満があるかということの中で、その不満の中にバスに関する不満があるんです。これは特に町村部に割合多いわけでございますけれども、バスは量、本数が足りないということも含めまして、いろいろコースの問題とかあるんですね、不満が。その中で、私は都市部の例のワンマンカーのことでちょっとお願いしたいんですが、ワンマンカーが入り口が前、後、それから真ん中にある、三つありますね。あのパターンがなぜ画一化されていかないんだろうか。前から乗せられてみたり、後ろから乗せられてみたり、その都度に料金の払い方が違っていきます。これで一番困っているのはお年寄りです。それでお話をしておきます。
 それから今度は例の国鉄の自動改札機。今度は京葉線でしたね、新しくつくったあれで、ほとんど省力化のために自動改札機づけましたね。ところが、あれが使われていない。朝のラッシュと夕方のラッシュ時にごらんになりますと、あのラッシュ時に乗ったりおりたりするのは定期を持っている人が乗ったりおりたりするわけよね。ここに六本の改札口があると、五本が自動改札口になっていて、一つだけ駅員さんがいてやる。ここにみんな殺到しております。定期を見せて通るからです。中には定期の自動の改札もありますね。磁気テープのついた定期を持っている人が通れるようになっていますね。でも、あれはやはり発行するところの箇所が少ないから意味がないということです。そうすると、あの自動改札機が一セット五百万から六百九十万ほどすると聞いてますけれども、ああいう形の省力化みたいなものが果たして意味があるのだろうかというふうなことを思います。
 それから、さっきのバスの話に戻すと、バスでもう一つ、接近してくると何かつくのがあったでしょう、バス・ロケーション・システム、あれは補助金出しているんでしょう。あんなの余り意味ない。私が申し上げるのは、もっと同じ省力化、合理化あるいはサービスを進めるのなら、さっきのワンマンカーのパターンを一つに統一することの方が全然大事です。というのは、あれで一番困るのが交通弱者が困るわけ。おたくの方の白書かな、これにも交通弱者対策というのをお書きになっておられるわけです。これからとても大事なテーマになってくるんです、交通機関にとっては。それの中でどこから乗っていいかわからないようなバスが走っていたのではだめ。だから、このバス・ロケーション・システム、だんだん近づいてくるとバスの大きさが大きくなって、ただいま到着いたしましたと、こういうふうにひとり言を言うあのシステムですよね。高いのあれ。あんなのつくらなくてもいいから、バスのいわゆる乗るシステムの方で私はもっとサービスしてもらったらいいのではないかなというふうに思います。
 今の改札の問題あるいはまたバスの問題等にいたしましても、どうしてそういうことを私は苦情として申し上げるかといいますと、これからさっき言ったような交通弱者に対してどういう手厚いシステムをつくり上げていくかという時代になります。二十一世紀に向けて高齢化はもう始まっている。こういう人たちが社会参加をしていくためにこういう交通機関をどうやって自由に使っていくかということは、こういうのは政治が一番最初に先取りをしていかなければならないわけであります。
 この間、NTTと接触いたしましたときに、NTTは既に二十一世紀に向けて、いわゆる高齢者が生活環境の中で使える通信システムの開発のためのキャンペーンを張って、どんどん先取りをしようと今心がけているわけでありますから、私はどうしても交通弱者のための対策からいきましても、こういうきめ細かい施策を講じていっていただきたいというふうに思うんですね。
 この弱者対策としては、例の誘導ブロックね、ああいうふうなものがかなり完備してきました。あるいはまた階段をスロープに変える、あるいはエスカレーターというふうなものも駅にできてきておりまして、決して進んでいないとは申しません。しかし、こういう弱者対策というものは、私はもっと適切に進めていくべきであるというふうに思いますので、こういう国民のニーズを吸い上げるシステムもつくっていっていただきながら、適切に国民の要望にこたえていっていただき、そして時代を先取りする交通システムをぜひほしいというふうに思うんでございますけれども、政務次官の抱負でございますか、お聞きいたしまして、私質問を終わらしていただきます。
#225
○政府委員(亀井静香君) 刈田委員から極めて国民生活に密着した立場からのいろんな御指摘があったわけでありますが、交通機関の省力化を初めとする技術革新、これはもちろん今からもう公的機関あるいは民間を含めて進めていかなければならぬ問題だと思いますけれども、しかし、これはすべて公共サービスでございますから、公共性が非常に強いそういうことにつきましては、やはり利用者、また国民のための省力化、また技術革新でなければ意味がないわけでございまして、委員御指摘のようなそういう矛盾といいますか、そういうものがあちこちにあるということは事実であろうと思います。そういう面からも、国鉄の改革もただ単に赤字を減らすというだけではなくて、真に地域の住民の方に喜んでもらえる、また使い便利のいい、そういう交通機閥に変えていくというのが大きな一つの目的でもございますので、ただいま御指摘になりました自動改札機の問題等につきましても、現場をよく把握した形でのそういう技術革新をやっていかしたいと、このように考えております。
 また、今御指摘の老齢者あるいは体の御不自由な方々、こういう交通弱者の方々にとってまず安全性の確保という問題があると思います。それから、そういう方々が、いわゆる何というんですかね、楽に御利用いただけるようなそういう交通機関のあり方、これはもう御指摘のとおりだと思いますので、この点につきましては、公共あるいは民間問わず、運輸省といたしまして先生御指摘のような方向で努力をしていきたい、このように考えております。以上でございます。
#226
○安武洋子君 今の国鉄の民営・分割、これに関連をいたしまして駅を高層化する、東京駅などではそういう構想も持ち上がっておりますけれども、そういう問題が出ております。私、国鉄の民営・分割の論議は他日させていただくといたしまして、駅ビルの公共性についてお伺いをいたしたい、このように思っております。
 駅ビルと申しますのは公共性が強い場所、こういうことであるとともに、その都市のその駅前のシンボル的な建物でもございます。国鉄であれ私鉄であれ、駅ビルを建てるに当たりましては公共性を踏まえるということ、そして周辺地域との調和を図るということは、これは十分配慮をなすべき問題であろうというふうに思います。運輸省にお伺いいたしますけれども、乗客の出入り口として駅に直結する駅ビル、このスペースというのは非常に公共性の高いものであろうと思いますが、いかがお考えでございましょうか。
#227
○政府委員(服部経治君) 駅はもとより公共性の高いものでございまして、その駅を御利用になります多くの鉄道利用者の利便というものができるだけ改善され、確保され、向上されていくように配慮すべきことは先生御指摘のとおりでございまして、改札口周辺のコンコース等がそういった乗客の、利用客の流動状況に従って適切に整備されていくということはもとより基本的に重要なことだというふうに考えております。
#228
○安武洋子君 御答弁のとおりであろうと思うんです。ところが、この公共的なスペースとも言うべき駅ビル、これを事もあろうにそっくり場外馬券場のビルにしようという構想がございます。
 神戸の元町駅、これは阪神の元町駅になりますけれども、元町と申しますと神戸では非常にエキゾチックで上品なところという代名詞にも使われるようなところでございます。この浜側でございますが、メリケン波止場とかポートタワーとか、今公園化いたしましてメリケンパークに変わろうといたしておりますが、元町商店街に直結をいたしております。神戸と神戸港を代表するような場所、そして北側と申しますのは県庁につながる道路でございますが、トアロードというところにもつながってまいりますけれども、迎賓館もあれば文教施設にも通じていくというふうに、非常に神戸では文化的な土地柄、こういうところでございます。ここに国鉄が走っております。それは地上を走っておりますけれども、これと並行いたしまして地下に阪神電鉄が走っております。この阪神電鉄の元町駅の西口、これは阪神電鉄乗降に直結するわけでございますけれども、ところがここのビルを、阪神電鉄が一〇〇%出資の子会社、阪神エステート、こういうところを使いまして九階建ての馬券ビルにする構想というのがございます。これも着工を強行しているわけでございます。こういうことが行われているということは、これは農水省御存じでございましょうか。
#229
○説明員(嶌田道夫君) 神戸の元町に場外施設の分館を建設したいという競馬会の意向は聞いております。
#230
○安武洋子君 競馬会の意向だけをお聞きになっておられて、駅ビルというのがもう場外馬券場として強行的に着工をされているということは御存じはないと、こういうことでございますか。
#231
○説明員(嶌田道夫君) 場外施設の設置につきましては、競馬法施行令二条の規定に基づきまして農林水産大臣の承認を要するということになっております。ただ、この承認をするに当たりましては、地域社会との調整が十分図られているかどうかということを判断の基準としておりまして、中央競馬会に対しまして、私ども場外施設を設置するに当たりましては地域社会との調整を十分行うよう指導しているところでございます、
#232
○安武洋子君 その地域社会との調和というものが、これが全然できないというところにこの構想が非常に私は問題があろうと思うわけです。私どもの浦井洋代議士もこの問題を同会で取り上げております。昨年の三月でございますが、農水省に確認をしたところでは、駅ビル自体が場外馬券場だというふうな構想というのは前代未聞であるというふうなことが、その質疑の中でも出ておりますけれども、ここは少し離れたところに場外馬券場がございます。
 私はここに行ったことがございますけれども、もうそこに参りまして実は本当にびっくりいたしました。その場外馬券場の周辺というのがただならぬ雰囲気でございます。発売口で、私はまだ発売前に参りましたけれども、そこにはもう馬券を買う人たちがあふれまして、階段といわず道路といわず座り込んで、そして予想新聞を買って予想をつけている。そこはもう異様な雰囲気であるし、またこれは用を足す人もそこで出てくるというふうなことも聞きましたけれども、そういうにおいも立ち込めている。こういうことで、周りは交通渋滞も起こっておりますし、元町の一つ裏通りのところで本当にもうただならぬ状況があるわけです。そしてその人たちが流れ込みますから、場外馬券の売り出す口、これが土、日などと重なりますと、ここはオフィスガールとかあるいは主婦たちが買い物に来るわけですけれども、本当にこういう人たちが通るので異様だというふうなことで皆が迷惑がるというふうなことがあるわけです。そして一見やくざ風ののみ屋がうろついているというふうなことで買い物もしにくい、こういう状況です。
 警察庁にお伺いいたしますけれども、のみ行為と暴力団のかかわりでお伺いしたいんですが、昨年の九月に元町の、現在あります馬券の発売場です、この目の前にある喫茶店でのみ行為を行っていた山口組系の暴力団員、この組員らが逮捕されておりますけれども、その事件の概要を述べていただきたいです。
#233
○説明員(山本博一君) お尋ねの件は、昨年の九月二十一日に兵庫県警におきまして情報を得まして、神戸市内の喫茶店におきまして競馬ののみ行為を行っていた山口組系の暴力団員三名とのみ客ら二名を現行犯逮捕したものでございます。本件では、その後のみ客二十九名を検挙いたしまして、総額約五十万円に上りますのみ行為を解明、摘発いたしておるところでございます。
#234
○安武洋子君 この問題が周辺に与えた衝撃というのも大きいわけです。と申しますのは、こういうものが一つ設置をされるとそこだけでおさまらない。その周りに対して大きな影響を与えていくというふうなことですが、ここの周辺の商店街は、先ほど申し上げましたように、神戸を代表するような商店街です。そしてその近くには学校とか幼稚園もございます。ですから、学校のPTAの方あるいは著名な文化人を含めて、地元商店街、強く反対をされておりまして、この十八日にも商店の、本当に百年の伝統を誇るような、のれんを誇るような店主の方々がデモをされているというふうなところまで追い込まれてなさるわけです。私は、その方たちの反対というのは、この駅ビル日体に反対をされているわけではないわけです。用途変更ということで、駅ビルそのものを馬券売り場にしてしまうというふうな前代未聞のこういうやり方に対して強く反対をされているわけです。ですから、駅ビルというのは乗客が必然的に通らねばならない場所です。二階以上が馬券売り場になるというふうなことになりましたら、そのところを馬券を買う人たちが通過をする、のみ屋がうろつく、いろんな風紀上の問題というのが大きく想起をされるわけです。ですから、やっぱり公共エリア、こういうところを含んでいるわけですから、のみ屋がいる、予想屋がいる、そしてもうただならぬ雰囲気になってしまうというふうなことは重大問題であろう、反対されるのは当たり前であろうというふうに思います。ですから、民鉄だから駅に何をつくっても構わないというふうなことではない。国鉄がもし民営・分割だと、民営化すればこんなもの建ててもいいのかというふうなことにもなりかねません。ですから私は、政務次官にお願いしとうございますけれども、阪神電鉄に対しまして、やっぱり場所の公共性、それから私鉄企業の公益性というふうなことを踏まえまして、こういうことを十分にわきまえた上で、馬券ビル構想というものを別の用途変更をするようにというふうに私は適切な進言をしていただきとうございます。政務次官、いかがでございましょうか。
#235
○政府委員(亀井静香君) 馬券売り場がどこに設置されれば適当かというような問題というのは、これはその場その場の私は状況によると思うんですね、簡単に申し上げますと。馬券売り場がこれが法的に違反であるとか、そういう問題じゃないわけですから、問題は、そこが例えば青少年の健全育成上好ましいとか好ましくないとか、他の国民生活上極めて悪い影響を与える可能性が強いかどうかとか、そういう個々具体的なやはり判断によってそういうものは設置をされるべきだと私は基本的に考えますし、このことにつきまして、今の委員の御質問からすぐこの場所が不適当だというには、私今お聞きしておる範囲では、私自身けしからぬなという、ちょっとまだ判断できかねますので、この点について阪神に対して、ここに馬券売り場をつくるのはやめろというふうなことを私どもの方からちょっと今申し上げるわけにはいかぬと思います。
#236
○安武洋子君 政務次官は、今この話をぱっと聞かれただけでと思うんですよね。しかし、聞かれただけでも政務次官、考えてみてください。前代未聞なんですね。駅ビル九階建てを建てて、二階以上を馬券売り場にする。しかも先ほど私が申し上げたように、神戸の中の非常に文化性も高く、百年の伝統を持つ商店街にも通ずるというふうなところ、口と鼻の先にもう一つ馬券売り場があるわけなんですよ。そんな目と鼻の先に馬券売り場をもう一つ建てている、持っているというところもまたないわけなんですね。そして地元の方が、百年の伝統、のれんを持つような商店の方がやむにやまれず十年間も断固反対だと頑張りなさるほどの、そういうやり方なんですよね。こういうところに馬券売り場が学校のそば、青少年の育成上とおっしゃいましたけれども、幼稚園があり、学校がおるんですよ。これは青少年の育成上よろしくないということもわかりますし、国民生活上悪い影響を与えるかどうかとおっしゃいましたけれども、私ども元町のこの馬券売り場の日にはお買い物に行きたくない、のみ屋がうろつく、予想屋がうろつく、そしてそこに行く人たちが道でも用を足そうかというふうな、そういう雰囲気を醸成する。そしてまた交通渋滞も起こすというようなことなんですね。それをどこに建てれば適当かという、それは問題がありましょうけれども、こんなところに建てるのを適当だという御判断、これは急に聞いたからとおっしゃいますけれども、お持ちになるということにはならないと思いますが、もう一度お伺いします。
#237
○政府委員(亀井静香君) まず、競馬が合法的に現在行われておるという状況があるわけですね。そういう中で、馬券を場外において購入することも合法的だという、そういう状況もあるわけですね。そういう中において、その馬券売り場をどういうところにつくることが適当かどうか、別に国がつくるわけじゃございませんけれども、そういうことにつきまして私は、やはり営業の自由といいますか、基本的には法律によって制限をされてないことについて制限をする場合というのは、やはりこれは共産党あたりもその点については非常にいつも厳しく党活動でいろいろ御指摘なさいますけれども、やはり基本的な権利を制約をしていくという場合にはそれ相当のやはり理由がなければならないと思います。競馬が違法であったり、暴力団の事務所というようなことであればこれは別でございますが、この今の競馬というのは、やはりその収益の中から公共的な事業へその益金の中から拠出をしておるというふうなこともあるわけでありますから、場外馬券売り場が悪だというような、そういう判断に立って私はやれないんじゃないか。
   〔委員長退席、理事堀江正夫君着席〕
ただ、委員御指摘のように、子供たちに射幸心を非常に異常な形で推奨するといいますか、そういうようなこととか、そういう危険性のあるようなことはやはり私は自制せにゃいかぬと思いますし、また周辺のいろんな環境との関係においてやはり適当でないという判断をされる場合もあろうかと思いますが、しかし基本的には場外馬券売り場というのは、これはやはり正当な営業行為でありますから、その点はやはり十分理解した上で対応せにゃいかぬと、このように思います。
#238
○安武洋子君 私、競馬が違法だとか、場外馬券売り場が連法だとか、そんなことは申し上げておりませんよ。しかし、駅ビルというのは公共性が高いということは運輸省としてもお答えになった。これは乗客の利便のために改善し、向上さしていかなければならないんだ。この馬券売り場が来ましたら、そういうことにはなりませんよ。それから、馬券売り場が来ますと、お客さんの流動状況に応じて整備をしていくんだと、そういうことにもなりませんよ。逆行いたしますよ。そのことを私は指摘をしているわけです。ですから、それは営業の自由ですけれども、私鉄会社というものは、これは公共に利便を提供して、そして、お客さんと持ちつ持たれつの関係ですからね。何をやってもいいと、何をやって利益を上げてもよいということにはならないと思います。ですから、こういうもう目と鼻の先に一つ場外馬券場があるのに、また場外馬券場を建て、地元との協調がなければ、調和がなければ許可をしないという農水省の建前もあるのに、十年も頑張り続けておられて、調整つかないわけですよね。そこに私はこういうことをやられるというのは、やっぱり運輸省としても公共性を考えれば、私はこういうものでなしに、用途変更すべきだと言われるのが良識ではないかというふうに思います。そして同時に農水省も、地元が圧倒的な反対なんです。この場外馬券場の分館建設の看板を掲げてしまいましてね。既成事実をつくろうとしているわけですよ、まだ農水省が許可も出していないのに。だから、農水省の許可もなしにこういうふうに着工を開始して、しかも堂々と看板を掲げている。そこにちゃんと場外馬券場の分館だと、こう掲げるというふうな、これも私はやっぱり異例中の異例ではないかというふうに思うんです。既成事実をつくってしまうというふうなやり方というのは、今のこの強い反対がある中で、いかにこの強引に建物を建てられても、私は承認をされるわけにはまいらないと、こう思いますけれども、農水省の御見解を伺います。
#239
○説明員(嶌田道夫君) 農林水産省といたしましては、場外施設をつくりますに当たりまして、その承認をするに当たりましては、あくまでも地域社会との調整が十分とれているということで判断しております。現在、神戸の件につきましては、中央競馬会から設置の承認申請がなされていないという状況でございますので、私どもとしましては、競馬会に対しまして、地域社会との調整を十分行うよう指導していきたいというところでございます。
#240
○安武洋子君 政務次官にもう一度お伺いいたしいたしますけれども、こういうふうにまだ地元と十年間調整ついていないんです。もうつくという余地はございません、こういう今の現状で見ますとね。ですから、もう今このようにかたい強い反対がある中で、しかもやっぱり公共に利便を提供する私鉄としても、これは一定の社会的な制約というものがあろうと思います。公共性をないがしろにするようなことは許されない、私鉄だから何をしてもよいということにもまたならないと思うんです。今まだよくのみ込めないようなお顔をなさっておりますので、私はちゃんとこれを調査をしていただいて、事情をちゃんと聴取していただいて、こういう状況を運輸省としても私鉄だから何してもよろしいよということになるんですか、ならないでしょう。ですから、よくこの事情をのみ込んでいただいた上で、私はやはり阪神のこの強引な、まだ許可も得ていないのに看板掲げてまで地元の人の感情を逆なでにするというふうなやり方もこれも問題ですし、ですから、私鉄が何をやってもいい、そんな、公共性を無視して何をやってもいいということにはならぬと思います。その点でそういう検討をしていただきたい。いかがですか、次官。
#241
○政府委員(亀井静香君) まず最初、事実認識でちょっと申し上げたいんですが、私は現場を見ておりませんが、今、現場の地図が私のところにいただいておりますが、これはいわゆる駅ビルという概念に該当する場所では場所的にないようでもございますね。
#242
○安武洋子君 そんなことない。それは地図が間違っている。
#243
○政府委員(亀井静香君) 間違いですか。とにかくそれは別といたしまして、阪神電鉄に対して現時点で運輸省としてどうだこうだと申し上げる私は今段階ではないと、このように思います。
 何度も申し上げますように、場外馬券売り場というのが、これがやはり違法なものでも何でもないわけですから、農林省というきちんとした監督官庁もある中でこれ行われていくものでございますから、駅に関係あれば、駅に近いところにあるものは全部運輸省がこういう営業をやっていい、こういう営業をやっちゃ悪いというようなことを民鉄に指示、監督できるものでもこれございませんので、やはりそのあたりは先ほど申し上げましたように営業権との関係があるわけでございますから、権力の行使は行政指導という面におきましてもやはり慎重にされなければならぬものだと、私はこのように考えております。
#244
○安武洋子君 次官は競馬が随分お好きなのかどうかは知りませんけれども、しかし、本当にこの今認識が違うんですよね、駅ビルなんですよ、完全に。駅の真上に建って、そこは駅の人たちが、阪神を利用した人が、国鉄とも通路持っていますからね、そういう人たちが通っていくんですよ。まさに公共エリアなんですよ。その上が馬券売り場になって、運輸省としては何やってもいいんだ、そういうことには私はならないと思う。そういうような運輸省であっては私は大変困ると思います。まだ農水省だって何もこういう周辺住民と調整がついていないと、だからこういうのでは許可をしないと、承認するわけにはいかないという立場なのにね、運輸省知らぬよと、それは困りますね。私はもうちょっと認識をちゃんと持ってもらって、もう一度やはり考え直していただかなければいけない。
 私は本館の周辺の、そしてのみ屋の問題も挙げたんですよ、検挙の問題もね。こういうことが発生しますよ。本館周辺の環境を改善するということがずっと言われていて、それがなおざりにされてしまっている。ですから、本館を撤去するか、それからここの用途変更をする以外にない。こんな元町という小さな地域に二つも馬券売り場、しかも九階建ての場外馬券売り場をつくるというふうなことが、私はこんなことが本当にそのまま住民が強い反対をしているのに許されてよいのかどうかと。ですから、私はここで農水省にもちゃんとお願いをしておきたいわけですけれども、この本館の環境対策、そしていつもファンの対策だ云々だと言われますけれども、しかし、やっぱり私は先ほど言ったように、周辺対策、本当にやるということになりますと、本館を撤去するのかあるいは今度の構想をやめるのかというような、二つに一つしか道がないというふうに思うので、私は中央競馬会に対しましてもこういう点も強力にやっぱり指導していただきたい。運輸省には、御答弁は結構ですけれども、やっぱり運輸省としての権限があるわけですから、私鉄に対してもっと地元の人に好かれるようなことをせよというぐらいのやっぱり進言はしていただかないと困るということを申し添えまして、農水省にお伺いして、私時間来てしまいましたので質問を終わりたいと思うので、農水省、お答えください。
#245
○説明員(嶌田道夫君) 場外施設につきましては、当該地域の環境に及ぼします影響にかんがみまして、現在でも馬券が散乱しないような周辺の清掃対策でありますとか、それからファンが集まることに伴います交通整理の問題等々、いろいろの対策をとるよう競馬会に対しては指導しているところでございます。
 それから、後段の件でございますが、先ほどもお答えいたしましたように、現在中央競馬会から設置の承認申請がなされていないという状況でございますので、私の方といたしましては意見を言う立場にはございませんけれども、その施設設置に当たりましてはどの地域に設置されるものでありましても地域の関係者の間で十分話し合い、円満な解決をすることが必要であるというふうに考えております。
#246
○安武洋子君 じゃ最後に、今おっしゃった趣旨で地元との話し合いがつくまではこういうものに対しては私は認可をしないという毅然たる態度で臨んでいただきたい、そのことをお願いいたしまして私の質問を終わります。
#247
○橋本敦君 日航機事故はいまだにその原因がはっきりと解明されていないという状態でありますが、この事故原因の究明と責任の解明は我が国の今後の運輸行政、国民の安全と権利そしてまた重大な政治問題でもあるわけであります。
 この問題で短時間ですがお尋ねしたいと思うのですが、運輸省としてはこの事故原因の究明作業、今後の見通し、現状、どうお考えでしょうか。
#248
○説明員(藤冨久司君) お答えいたします。
 昨年八月の日航機の墜落事故につきましては、航空事故調査委員会におきまして鋭意事故原因の究明を進めておりまして、既に四回の経過報告でそのときどきまでの主な調査経過と知り得た事実について明らかにしてまいりました。その後、機体残骸の詳細調査を進めますとともに、操縦室用音声記録装置及び飛行記録装置の記録、関係省の口述等をさらに調査いたしまして、これらの事実調査により知り得た事実をまとめました事実調査に関する報告書の案というものを、去る三月二十八日に公表したところでございますが、これにつきまして関係者及び学識経験者の方々の御意見を聞くために、来る四月二十五日に聴聞会を開催することといたしております。航空事故調査委員会といたしましては、この聴聞会における御意見を踏まえまして認定した事実、それからさらに必要な試験研究の結果等を総合的に解析することによりまして、事故原因を究明していくという手順を踏むことになるわけでございます。
   〔理事堀江正夫君退席、委員長着席〕
#249
○橋本敦君 いつごろの見通しで事故原因解明がなされるという御判断ですか。
#250
○説明員(藤冨久司君) ただいま申し上げましたような手順を踏んでまいります。それからまた、聴聞会の御意見等踏まえる点もございますので、はっきりと現時点で具体的にいついつということを申し上げられる段階までには至っておりません。
 ただ、私ども調査委員会といたしましてもこの事件の社会的影響、関心度というものが非常に大きなことも承知いたしておりますので、できる限り早期に真の原因を究明してまいりたいと考えているところでございます。
#251
○橋本敦君 三月二十八日に公表された今お話の案についても大きな社会的反響を呼びました。ほぼ事故原因が想定される方向が固まってきたかの感を受けるわけであります。この問題は、刑事責任の追及という観点で調査を進めておられます警察庁、この立場から見ても一定の方向づけが出てきたということで、警察の刑事責任追及の調査についても一歩前進の大きなメリットがあったのではないかと私は考えておるんですが、そこらも含めて現状の御判断はいかがですか。
#252
○説明員(小杉修二君) 群馬県警察においては現在も約五十名の専従体制のもとで、関係者からの事情聴取や再現的な検分等を行うなど所要の捜査を継続中でありまして、また去る十八日から三日間にわたりまして墜落現場周辺の山地を捜索をいたしました。機体片等九千七百点余りを収集いたしたところであります。
 一方これと並行して、ただいま御答弁ございましたけれども、運輸省の航空事故調査委員会に対しまして鑑定を依頼しているところであります。今後この航空事故調査委員会によるところの科学的かつ専門的な意見、判断というものを踏まえまして、さらにそれに基づいて所要の捜査を尽くしてまいることとなりますけれども、本件事故の重大性にかんがみましてできるだけ早期に事故原因並びに刑事責任の有無、範囲等を解明することに努めてまいる所存であります。
#253
○橋本敦君 現状で端的に言いますと問題の圧力隔壁が突如破壊をされた、それが尾翼の破壊につながっていったと言われているこの問題。その圧力隔壁の破壊が、一つはボーイング社によるずさんなしりもち事故についての修理という問題があり、金属疲労が蓄積されていったということがそのずさんな事故を一つの契機として進んでいったという状況もあるということになりますと、この圧力隔壁の破壊の問題、そしてボーイング社のしりもち事故以後の修理のずさんさの問題、こういった問題が今回の事故原因の究明については依然として大きなウエートを持って考えられなければならない問題としてあるという事実についての認識は事故調査委員会はいかがですか。
#254
○説明員(藤冨久司君) 航空事故調査委員会の航空事故調査はあくまでも科学的公正な調査を行うということが基本になっております。先般三月二十八日に公表いたしております「事実調査に関する報告書の案」と申しますのも、ただいままでに行ってまいりました事実調査によって当委員会の主管調査官が知り得た事実を案としてお出しいただいて、関係者の方々、学識経験者の方々からまた御意見を伺って真に的確な事実認定を行う。その上に立って総合的な解析をするという手順を踏むことになるのでございまして、ただいま先生おっしゃいましたような圧力隔壁の破壊状況というものは、この調査報告書案にも記載してございますように確かにあった事実でございます。また、尾翼の破壊もされているわけでございます。ただ、そういった破壊の状況のプロセスというもの、あるいはこの事故機がどのような飛行の特性を持っていたか、あるいは操縦性能がどう変わったかといった事故原因究明を進めてまいりますためのいろいろなプロセス等につきましては、これから調査委員会において解析を進めていくということになりますので、それぞれの事故原因に至るいろいろな過程、プロセスというものは幾つかの推定はできるのではございますけれども、それぞれ一つ一つを委員会といたしましては科学的に検討していくということになろうかと存じます。
#255
○橋本敦君 今、私が聞いた一つの推定は、やっぱり客観的事実から推定されるという意味において重大であるはずであります。
 法務省に伺いますが、先ほど遺族の皆さんからこの問題について、ずさんな修理を行ったボーイング社、そしてそれを漫然と見過ごしてきた日本航空の責任、運輸省にもまたこれを見逃して耐空証明を出したという調査の不十分さ、こういったことについて刑事上の責任として業務上過失致死傷罪に当たるということの告発、つまり告訴がなされておりますが、これについて今後どう受けとめてどう調査を進めていかれるのか法務省の見解を伺いたいと思います。
#256
○説明員(原田明夫君) ただいまお尋ねにもございましたように去る四月十二日、東京地検に対しまして関係者の方々から本件につきまして告訴状が提出されております。現在東京地検におきましては告訴の要件等のチェックを行っておる段階でございますが、いずれにいたしましても近日中に正式に受理するものと承知しております。
 本件につきましては、先ほど運輸省の事故調査委員会の立場から、事故原因の究明が専門的立場から行われているという御答弁ございましたし、また第一義的に捜査の責任を有しておられます警察当局におかれても、刑事責任の有無という観点から鋭意調査しているという御答弁がございましたとおりでございますが、検察当局といたしましても今回の告訴を踏まえまして、関係当局と密接な連絡を保ちつつできるだけ速やかに事案の解明がなされるよう、所要の捜査を遂げて適正な処理を行うものと考えております。
#257
○橋本敦君 一般的に刑事上の責任である業務上過失致死罪ということになりますと、この事故原因についてこれからの課題ではあっても、ボーイング社がずさんな修繕をしたということがそのまま見過ごされてきたということが事故原因につながるならば、まさに生命安全にかかわる重大な監督責任あるいは調査責任という、こういった立場を厳格に解するならば、そこでのやっぱり予見可能性や過失責任というものは厳しく問われなくちゃならない。例えば羽田沖事故について心身症の機長を乗せていた。あれは日航の人事管理上大変な問題ですよ。あれだって業務上過失致死罪に私は該当すると思うんだが、検察庁は不起訴処分にした。検察審査会はどういう結果になっていますか。検察審査会の結論。
#258
○説明員(原田明夫君) 羽田沖事故の事件に関しましては、ただいま急なお尋ねで現在私つまびらかにしておりませんので、後ほど調べまして御報告さしていただきたいと思います。
#259
○橋本敦君 知っていますよ、新聞にも出ているし、法務委員会で私も質問している。検察庁がやった不起訴処分は相当でないという結論が出たことは御存じでしょう。
#260
○説明員(原田明夫君) その点は承知しております。
#261
○橋本敦君 だから、検察審査会が検察庁の行った不起訴処分が相当でないという議決をすることは例がまれなんですよ。しかもそういった国民の意見を客観的に反映して、検察庁の行った不起訴処分が問題があるということは前に指摘されているわけですね。だから、今度の件についても今お話しのように告訴を正式に受理する以上は、事故原因の究明を関係各省とやることはもちろんですけれども、刑事責任の有無の判断をするのは法務省ですから、だから刑事責任の有無の判断について積極的に真剣な調査を遂げて、刑事責任の有無をボーイング社についても、日本航空の首脳部についても、また運輸行政についてもこれはきっちりと徹底的に追及をするという角度で、真剣に告訴を受けとめて調査する。これはそういう対応は当然だと思いますが、いかがですか。
#262
○説明員(原田明夫君) ただいまお尋ねのとおり、本件の重大な社会的な意義という観点につきましては、検察当局としても十分承知していることと存じますし、事案の解明のために最善の努力を真剣にするものと考えております。
#263
○橋本敦君 いいですか、仮に圧力隔壁に金属疲労が蓄積していく、調べたらたばこのやにが裏に付着するというように、まさに金属疲労度はそこまでいっている、そういうことが点検作業の中で安易に見過ごされておったということになればこれは重大な過失ですよ。そのことがあの重大な事故に派生をしていく、そのことの予見可能性はだれが考えてもあり得るわけで、こういうことを漫然と見過ごしたというその事実をとらえてみても、一般論として言うならばそれは十分刑事上の過失責任を問い得る問題として考えられる状況だと、法律論として言えるのではありませんか。
#264
○説明員(原田明夫君) お答え申し上げます。
 何分、本件につきましてまさに科学的な見地から十分な検討が続けられている段階でございますので、具体的な事案に関しましてまだつまびらかでない段階におきまして、これに関して刑事責任の有無について直接申し上げることは差し控えさせていただきたいと考えます。
#265
○橋本敦君 法律論としてもっとはっきりしなさいよ。例えば自動車でだれかをひいてけがをさせた、業務上過失傷害になりますわな。あるいは致死になります。そのときに検察官は、起訴状をごらんなさいな、前方注視義務を怠り、前方をよく見なかった過失で人をひいたということで刑事責任、当たり前でしょう。いいですか、だから、航空安全をきちっとやっていく立場から金属疲労をきっちり点検しなかった、やにが付着しているという状況があるにもかかわらず見逃してきたということになれば、自動車を運転しているときに前方注視義務を怠ったということ以上に、まさに安全という立場を厳格に解するなら、そのこと自体で過失責任を問擬する価値のある事実があるというのは当たり前じゃありませんか、法律的に。だから、今度の問題についても徹底的に捜査を遂げる、羽田事故のように検察の不起訴処分が厳しく検察審査会や国民から批判される、そういうことがないように真剣に捜査を遂げるということを重ねて要求をして質問を終わります。
#266
○関嘉彦君 私の質問も細かな質問が多いんですが、その中でも一番簡単なまず海上保安庁関係から先にやりたいと思います。
 総務庁行政監察局から、五十九年度ですか、工作所業務の民間委託の勧告がなされております。同じく水路測量業務のうち海図補正のための測量について民間の能力を活用できるものは民間委託せよという勧告が出ておりますけれども、これに対して海上保安庁としてどういう考え方でおられるのか、そのことをまず最初にお答えいただきます。
#267
○政府委員(岡田專治君) ただいま御指摘いただきました工作所業務及び補正測量業務の民間委託の問題でございますけれども、工作所業務につきましては、御指摘のとおり民間能力の活用を図るというような方向で現在検討を進めておるところでございます。ただ、私どもの巡視船艇につきましては、大変危険な海上においていざというときに十分な能力を発揮しなければならないということもございますので、極めて高い信頼性というものが整備について要求されるわけでございまして、民間側におきましてそのような高い信頼性を持てる受け入れ体制があるかどうかについて現在調査を進めておるところでございます。
 また、補正測量業務でございますけれども、これにつきましても、中には私どもが直ちに緊急に出動して調査をしなければいけないようなものもございますけれども、そうでないものにつきましてはやはり御指摘のとおり民間の能力を活用する方向が正しいかと思っております。ただ、民間の水路測量技術が向上いたしませんとなかなかそういうわけにもまいりませんので、その辺の向上の程度を見極めつつ民間委託を推進したいと、かように考えております。なお、そのためには水路測量技術の検定試験実施規則等を改正いたしまして、民間水路測量技術者が増加するように、またその水準の向上が図られるようにいろいろと検討を進めてまいりたいと、かように考えております。
#268
○関嘉彦君 海上保安庁の業務というのは、もともと民間に委託すべきことでない業務が多い、ことに安全性なんかに関するものが多いということを承知していますので、すべて民間委託がいいというふうなことは言いませんけれども、できるだけやはりお役所としては身軽になるということが必要だと思いますので、そういう問題につきましても十分調査されて、その能力があるという場合にはどしどし民間委託を進めていただきたいということを希望しておきます。
 それから、もう一つ海上保安庁関係で、去年でしたか、宮崎県の沖で国籍不明の船が不審な行動があって、それを追跡したんだけれども、向こうの方がスピードが速くて取り逃したという事件がありました、これは外務委員会で私質問したことがありますけれども。この問題は単に警備艇の速度を上げるというだけの問題ではなしに、国内のそれに対応する法律、制度の問題やなんかいろいろ問題があると思いますので、国内の対応体制ということについてはいずれ改めて別な機会に取り上げたいと思いますけれども、やはり警備艇のスピードアップそのものは必要ではないかというふうに考えておりますけれども、保安庁としてどういう対応策を考えておられますか。
#269
○政府委員(岡田專治君) まず、船艇のスピードアップそのものにつきましては、私ども、現在国家予算の大変厳しい制約の中にありますけれども、新しく船をつくりますときには必ずその前の船よりはスピードの速い、あるいは航続力の長い、そういういわばより優秀な船をつくるように現に推進しているところでございます。
 なお、先ほどの前提にございました昨年度の不審な船を結果的には取り逃がしたことになっておりますが、これにつきましては、ただいまの先生の御質問のとおりでございまして、単なる船艇のスピードアップではなく、もっと領海警備に関する新しい法体系をどういうふうに考えるか、その辺についての検討の問題が大きく絡んでいるものと、かように考えております。
#270
○関嘉彦君 海上保安庁関係はそれで終わりです。
 次に、自動車行政、自動車関係のことを取り上げたいと思います。
 先ほど刈田委員からもタクシー乗り場が正規のところでないというふうな、そのために利用者に非常に不便をかけているというふうな話がございました。
 私の取り上げる問題は相乗りタクシーの問題でございます。
 国電あるいは私鉄の郊外の駅で多くの人が経験することだと思うんですけれども、バスの終了時間以後団地なんかに帰る人たち、バスがなくなって非常に不便を感ずることが多いわけであります。現在そういったふうな状況にあるところに対してどういった指導を運輸省としてはとっておられますか。そのことをまずお伺いしたいと思います。
#271
○政府委員(服部経治君) 深夜におきます大都市近郊の鉄道の駅と、それからその駅の近辺に位置いたします大規模な団地等の間にかなりの量の特殊な輸送需要といいますか、旅客の流動が発生している状況がございます。大変近年の大都市に特有の現象であろうと思いますけれども、私どもといたしましては、そういった旅客の流動の実態に対応いたしまして、まず一つには、これまでいろいろな機会をとらえましてバスの終発時刻の繰り下げということを強力に推し進めてきたところでございますが、なお終バスの延長という形では対応し切れないケースも間々ございますので、そういった場合には、第二弾の手だてといたしましては深夜バスというものを設定いたしまして、少し料金は割高になりますけれども、そういった多くのお客さんのニーズに合致するような格好のバスを走らせております。
 しかし、そういった形でもなお対応できないといったようなケースにつきましては、今度はタクシーにつきまして乗り合い行為を正式に認めまして、そういった駅と周辺の大規模団地との間の定型的な流動に対応するように、関係の事業者を指導してまいってきておるところでございます。
#272
○関嘉彦君 バスの時間をできるだけ延長するということは確かに結構なことですけれども、やはりバス会社も営利会社ですから、ある程度まとまってお客さんがないとなかなかやれないではないかと思うので、私はやはりこの合い乗りタクシーというのをもっと認めていった方がいいんではないかと思うんですが、これを制度的に現在認めておられる箇所はどのくらいありますか。主としてどういう地域に認めておられますか。
#273
○政府委員(服部経治君) 乗り合いタクシーの導入の状況でございますが、現在の時点で申し上げまして、九都府県におきまして二十八の国鉄あるいは私鉄の駅とそれからその駅の近傍にございます五十八の団地との間に、総計で五十九系統の乗り合いタクシーを走らせているという実態でございます。
#274
○関嘉彦君 二十八駅というのは、最近非常に団地なんかがふえてきている現状を見ますと少ないように思うんですけれども、今後こういう合い乗りタクシーというのは奨励していかれる考え方ですか、それとも全然問題ないとは言えないわけで、むしろ抑える、そういう考え方ですか。
#275
○政府委員(服部経治君) 私ども、現実の旅客の流動の実態に合わせましてしかるべき格好の輸送手段というものを整備していくことが、私どもに与えられた責務であるというふうに基本的に理解しておるところでございまして、今後に向けましても、さらに繰り返しまして大都市近郊の駅等におきます旅客流動の実態を調査いたしまして、これに適切に対応してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#276
○関嘉彦君 タクシーの問題はそれで結構です。
 次は車検制度の問題を取り上げたいと思います。
 現在、日本とアメリカとの間の貿易摩擦の懸案になっている問題の一つに自動車部品、外国の自動車部品の市場アクセスの問題があるように承っております。
 この問題には二つの側面がありまして、一つは日本の自動車メーカーが外国製の部品をもっと買うように、そういう要求がございまして、この問題は通産省の管轄なんで通産省の決算のときに取り上げました。これは率直に言いましてアメリカ側の要求というのは随分無理な点があるように思います。第一、私企業でございますから、何を買え、何を買ったらいけないなんていうことが言えるはずはないし、また、日本の親会社と系列会社の関係というのは単なる値段だけの問題で結ばれている問題ではないので、こういうことに対して私は譲歩すべきじゃないということを通産大臣にも言っておきました。
 しかし、もう一つの側面があるように思います。それは車検の問題についてアメリカの方がいろいろクレームを持っているようですけれども、これはアメリカの誤解している点もあるんですけれども、必ずしもアメリカの要求が不当であるとはかり言い切れない面があるように思うんであります。つまり、アメリカ側によりますと、日本の車検制度があるために車検の場合に間接的にアメリカの部品を使わないような考え方があるんではないかということをアメリカ側が主張しているわけであります。もしそれがアメリカの誤解であれば、私はその誤解を解くべきである、その考え方から質問するわけですけれども、まず新規検査の場合を先に取り上げます。
 新車の検査である新規の検査の場合は、それに伴うところの完成検査終了証というんですか、検査を受けてから六カ月間たつと無効になるわけですね。つまり車のディーラーは六カ月以内にその車を売らなければならないわけですけれども、精密機械でありますから長時間放置しておいたら安全の面で問題があるということはよくわかります。しかし、最近ではこの法律ができたときに比べますとかなり車の品質も向上している。メーカーが責任を持って車を管理保管している場合なら六カ月たっても問題はないのではないかというふうに考えられるわけであります。特に輸入車の場合は検査を受けてからセールスを始めるわけですけれども、六カ月以内に販売するのはちょっと無理ではないか。とすると、ディーラーの方は在庫を持ちたがらないし、売買契約が成立してから車を調達することになるとどうしても時間がかかり過ぎる。ニーズに対応できなくて輸入車が売れにくくなるということになるんではないかと思うんですけれども、その点とういうふうにお考えでしょうか。
#277
○政府委員(神戸勉君) お答えいたします。
 自動車の保安基準適合性の確保につきましては、まあ完成検査終了後できるだけ早く使用者に引き渡されて、その管理にゆだねることが好ましいことでありますけれども、したがいまして使用者に引き渡す前の期間は必要最小限にとどめることが好ましいわけでございますが、指定自動車としまして技術的要件が保持される期間等総合的に考慮いたしまして、有効期間として六カ月を定めているわけでございます。そして、現在六カ月たっても使用者が決まらなくて、六カ月たった後で使用者に自動車が引き渡されるような場合、先生御指摘のように新規検査を受けるわけでございますが、若干ではございますがそういう事例があるわけでございますが、そういう事例の検査実績を見てみますと、まだ相当のパーセントで不合格という車が出るわけでございまして、こういう現状のもとではちょっと有効期間を延長するということは非常に難しい問題であろうかと思います。
 ただ、先生御指摘のように、貿易摩擦問題で外国からの車に非常にというお話がございましたけれども、現実には各社によって差はあろうかと思いますが、今外国輸入車の実績そのものは、国内車がほんのわずかしか伸びてない安定的な状態にあるわけでございますが、外国輸入車についてはことしに入ってからも二〇%近くの輸入実績で増加している状況でございまして、そういう輸入の面でそういうことが障害になっているとは我々思ってないのが実態でございます。
#278
○関嘉彦君 六カ月内でも不合格品が出るというお話でしたけれども、どのくらいの割合で検査の結果の不合格品というのは出ますか。
#279
○政府委員(神戸勉君) お答えいたします。
 年間通すとか、そういうようなことで統計をとっておりませんので、正確な数字はございませんが、数%の率で不合格になっていると思っております。
#280
○関嘉彦君 新規検査の場合もいろいろ問題ございますけれども、次、継続検査の方に移りたいと思います。
 継続検査の場合、重要なのはメーカーが許可を得た原型と部品が同じであるかどうかということが検査の重要なポイントですか。
#281
○政府委員(神戸勉君) お答えいたします。
 継続検査のときに検査いたしておりますのは、道路運送車両の保安基準にその自動車が適合しているかどうかということを判定しているわけでございまして、ついてます部品が純正部品であるとか、非純正部品であるとか、あるいはその部品がどこでつくられたかということは無関係でございます。
#282
○関嘉彦君 しかし検査の規定によって、他のメーカーの部品が使いにくいような制度になってはいないかということを心配するわけですけれども、例えば道路運送車両法施行規則別表の二の中に継続検査に関するものについて以下のような規定があるわけですね。つまり装置に関する検査については、「新規検査及び予備検査に係る検査の実施の方法に準じて検査するものとする。」とありますね。法律の言葉に出てくる「準じて」という言葉は、これは非常にあいまいな言葉じゃないかと思うんですけれども、この「準じて」という規定が、解釈によっては新規検査と同じ部品が使われているかどうか、すなわちメーカーが新車につけているのと同じ部品、純正部品というようですけれども、そうでなければならないというふうに民間の車検工場の人たちが理解する心配は十分あるんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#283
○政府委員(神戸勉君) お答えいたします。
 「準じて検査する」という表現がいいか悪いかという問題でございますが、私どもの自動車の検査をしておりますのは、そのものがどこでつくったとかいうようなことじゃなくして、その車に取りつけられた状態で保安基準に適合した機能、性能を持っているかどうかということで合否を判定しているわけでございまして、その部品が純正部品あるいは当初についていたものと相違するということで、検査で不合格になるということはないと思っております。
 また、先生御指摘のように、自動車の検査も民間の指定工場に相当委託しているのが実態でございますが、そういう指定工場の検査においてもそういうような誤解はないものと思っております。ただ、自動車を販売したときに、メーカーの方から純正部品を使ってくださいという指導は販売時にしているわけでございまして、そういうことがあるいは経済的な問題から純正部品が使われている場合が多いということは承知しておりますけれども、検査に不合格になるから純正部品を使うということはないと思っております。
#284
○関嘉彦君 運輸省はそう思っておられるでしょうけれども、つまりこの「準じて」という言葉ですね、この言葉が非常にあいまいであるために、民間の車検工場では、実際には準ずるという言葉はつまりイコール純正部品であればいいというふうに解釈されがちではないかというふうに思うし、また事実そういうふうな話も聞いております。したがって、この点がつまり今度のアメリカと日本の交渉なんかのときにも焦点になるんじゃないかと思うんですけれども、こういう誤解を与えるような言葉ははっきりさせて、それを民間の車検工場なんかにも十分周知徹底せしめるということが、不必要な摩擦を解消するために必要ではないかというふうに思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
#285
○政府委員(神戸勉君) お答えいたします。
 先ほどから申し上げておりますように、国の検査というのは、その自動車というものの性能なり機能というもので保安基準の適合性を判断しているわけでございまして、そういう意味で、先生御指摘のような誤解は招かないものと思っておりますけれども、再度今御指摘もございましたので、我々の検査のやっておる実情を再検討しまして、適切な手を講じてまいりたいと思っております。
#286
○関嘉彦君 不必要な貿易摩擦は招かない方がいいと思いますので、その点十分周知徹底さしていただきたいというふうに思っております。
 自動車関係はそれで終わります。
 次は、航空行政ですけれども、これも利用者に対するサービスの面から取り上げたいと思いますけれども、これは私が実際に経験した話です、四、五年前に。まだ政治家じゃない時代の話ですけれども、高知にちょっと用事があって出張して東京に帰るときに、東京の方が天気が悪くて引き返すその便がキャンセルされて、それでその飛行機に乗ろうと思ってた乗客たちは高知の空港でキャンセルされちゃって便がなくなったわけですけれども、それから一時間ほどたつと九州から、宮崎からじゃなかったかと思いますけれども、宮崎から高知を通ってそして東京に行く飛行機が出るというので、キャンセルされて乗れなかった乗客がその後から来る飛行機に殺到したわけであります。余席がたくさんあれば問題ないんですけれども、余席が余りない。その場合に、私は幸いにしてその次に来る飛行機に乗れましたけれども、乗りたい人はたくさんいる、余席は限られている、どういう基準で優先的に割り当てているのか、抽せんでもやっているのか、どうも抽せんをやっているようにも見えなかったんですけれども、それぞれの航空会社に任しておられるわけですか。
#287
○政府委員(山田隆英君) 欠航ができまして旅客がふえた場合、次の便への余席の割り当てをどうするかという御質問ですが、旅客運送約款上は欠航いたしますとその運送契約の全部または一部の履行ができなくなるわけでございまして、その場合旅客の希望によりまして自社便もしくは他社便への振りかえ、そういう希望がございますればそういうふうにいたしますし、それから欠航すれば旅行をやめるという方の場合には払い戻しをしたり、あるいは有効期間の延長とか、他の輸送機関への振りかえなどを行うわけでございます。
 自社便や他社便への振りかえの場合でございますけれども、航空会社といたしましては、原則としてはカウンターでの受け付け順で余席を割り当てるということにしているというふうに私ども聞いております。このどういうふうな方法でやるかということは、各航空会社にいわば任せているということでございます。
#288
○関嘉彦君 私の場合も、ちょうど後の飛行機に乗るために前にキャンセルされた乗客が殺到したわけで、弱い女の人とか子供を抱えた人なんかは取り残されちゃって、早い者勝ちといいますか、力の強い者というか、そういうのが結局先の方に行って乗ってしまったわけなんです。これは各航空会社全部共通にカウンターの受け付け順というのは決まっていますか。
#289
○政府委員(山田隆英君) 私ども厳密に航空会社がどういうふうにやっているかというのは正確には把握しておりませんが、一応各航空会社とも受け付け順であるというふうに理解いたしております。
#290
○関嘉彦君 もしそうでありますならば、こういう規則といいますか、力の強い者が先になるということがないように、やはりあらかじめそういうことを周知徹底させておくことが必要ではないか。そういうことを知っている人はたっと走っていくわけですけれども、一般に周知徹底させておくことが、空港のカウンターなんかにそれをやっぱり掲示しておくことが必要ではないかと思うんですけれども、そこまでする必要はないというふうにお考えですか。
#291
○政府委員(山田隆英君) 各航空会社によりそれぞれ事情があろうかと思いますので、画一的に運輸省の方からどういう基準でやれと言うことが適当かどうかは必ずしも申し上げられないわけですが、お客様にそれぞれ不便をかけませんように、できるだけお客の利便を考えるように航空会社には指導していきたい、かように考えております。
#292
○関嘉彦君 私が言っているのは、それを周知、みんなに理解させておくことが必要ではないかということを言ったわけなんです。その点どうですか。
#293
○政府委員(山田隆英君) 必要な場合には周知させたいというふうに考えております。
#294
○関嘉彦君 同じく利用者の利便の問題ですけれども、五十九年の総務庁行監局の報告、その中で勧告されている事項なんですけれども、整備のおくれのために出発がおくれて、それで到着地に空港閉鎖時間以内にどうも到着てきないような場合であるとか、あるいは何らかの事情で滑走路の閉鎖による到着便のおくれが見込まれているとき、閉鎖時間を延長する場合もあるし延長しない場合もあるというふうなことが行監局のレポートの中に記載されておりますけれども、これについてやはり運輸省としてしかるべき措置をとられることが利用者のためにいいんではないかと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
#295
○政府委員(山田隆英君) 一応各空港ごとに空港の運用時間は決まっておりますが、ただいまお話にございましたように滑走路の閉鎖等により遅延が生じた場合など、やむを得ない事由によりまして定期便が遅延する場合には、乗客の利便を考慮いたしまして空港事務所等は原則として一時間以内で延長することができることとしております。私どもといたしましては、その定期便の欠航による影響も考慮した運用ができるように、機会があることに空港事務所長等に対しまして指示をしているところでございまして、具体的にはそれぞれの事例に応じまして時間を延長いたしまして、職員の勤務体制をしく等の措置をとって運用時間の延長に対応しているところでございます。
#296
○関嘉彦君 そうするとそれはそれぞれの事例によって違うわけですか。何か一般的な準則というふうなものはないんですか。
#297
○政府委員(山田隆英君) 準則といたしましては、やむを得ない事由により定期便が遅延する場合等に、原則として一時間以内で延長できるということになっております。
#298
○関嘉彦君 それから、同じくその行政監察局の報告の中に指摘されていることですけれども、これは安全性に関する問題です。つまりニアミス、空港において管制指示に従わないために起こるところのニアミス、そういったニアミスを起こした機長に対する措置の問題、この報告書によりますと単なる口頭による注意の場合、あるいはそれすらしない例があるというふうなことが挙げられているんですけれども、もっと厳重な措置をとるべきではないか。これは下手すると墜落ということにもなりかねない事項でありますので、この行監局の指摘以後どういう措置をされたか、お伺いしたいと思います。
#299
○政府委員(山田隆英君) 総務庁の航空行政監察におきまして、管制指示に従わない航空機に対する措置に適正を欠くものがあるのではないかという御指摘をいただいたわけでございます。ただいま先生管制指示に従わない場合にニアミスが起こるのではないかという御質問でございましたけれども、管制指示に従わない航空機が直ちにニアミスを生ずるということではございませんで、たまたまニアミスに至るケースもあろうかとは思いますが、必ずしもすべてがそういうわけではございません。ただ、もちろんおっしゃるとおり管制指示に従わないということは非常に安全上問題がございますし、場合によっては重大な結果を招来するおそれがございますので、私どもといたしましては、総務庁のこの行政監察の結果を受けまして昭和五十九年十二月七日付をもちまして、日本航空機操縦士協会、それから日本自家用操縦士協会、全日本航空事業連合会、こういった航空に関係のある事業者団体を通じまして、運航者に対しまして管制指示の確実な励行について指導を行ったところでございます。
 また、現場の管制機関に対しましても管制指示違反の事実が発生した場合には、状況を十分調査の上操縦者に対し口頭または文書で厳重に注意をするよう、これは昭和五十九年十二月二十八日付をもって指示を行ったところでございます。
#300
○関嘉彦君 最後に日米航空交渉の問題についてお尋ねしておきたいと思います。
 先般の安倍外務大臣とシュルツ長官との交渉でも不調に終わったというようなことが新聞に報道されておりました。つまり、どういう点に問題があって交渉がまとまらないのか、我々局外者から見ておりますと、航空交渉に関する限りはどうもアメリカ側の主張というのは占領時代に獲得した既得権益をそのまま維持していこうというふうな態度が見えるように思うんですけれども、現在どういう点が問題になっているのか、まあこれは交渉最中でございますから詳しいことは私は要求いたしませんけれども、どういうところに問題があるか、その問題点だけを御指摘願いたいと思います。
#301
○政府委員(仲田豊一郎君) 現在、交渉が継続中でございますが、日本側が向こうに要求しておりますのは、日本貨物航空の増便、現在六便やっておりますけれども、それをあと三便、週三便の増便をいたしたいということでございます。これに対しましてアメリカ側は、それに対する代償をよこせという話ではございませんが、必ずしもこれと直接関連のないような便益の提供を要求するという形でその間の話が合わないということでございます。
 アメリカ側の要請を大まかに申しますと、一つは日本発のフォワーダーチャーター、これは貨物の取扱業者が行う航空機のチャーターでございますが、これをやらしてもらいたいということが第一点。
 二番目は、空港の使用条件の改善等、日本における営業環境の整備、いろいろ成田空港の使い方とか通関の制度ということに関しまして彼らにとってみて不自由な点がある、それを改善してほしいということが第二点でございます。
 三番目には、日本以遠、アメリカから見まして日本以遠と申しますと、主として東南アジア、韓国でございますが、そちらに向けてのアメリカ側の航空会社の追加の便益が欲しい、まあ大まかに言ってこの三つの点を強く要望してきておりまして、私どもはこれには応じられない面もあるということで、現在交渉が継続をいたしているということでございます。
#302
○関嘉彦君 お伺いしますと、やはりかなり無理な要求、例えば空港の整備の問題なんかは、これは日本の空港自体が非常に狭いんですから、それを急に拡大するというようなことができるはずがないんで、まあ交渉ですからギブ・アンド・テークである程度の妥協は必要かと思いますけれども、どうもアメリカの言っていることは少し身勝手な点があるようなふうに見受けられますので、その点はやはりお互いに互恵主義の立場から十分交渉していただきたいということを希望して私の質問を終わります。
#303
○木本平八郎君 私は、スキー場におけるスキーリフトの問題について質問したいんですけれども、スキーリフトといいましても、いわゆる事故の問題だとか安全対策ではなくてスキー場自身における経営指導といいますか、その面なんです。もちろん後で少しは安全対策といったことにも話を触れたいんですけれども、それを通じて今後の運輸省の許認可行政のあり方という点をお聞きしたいわけです。
 私はこの三十年来、毎年五、六回はスキーに行っているわけです。それで、スキーに行くたびにどうも日本のスキー場というのは何かぎくしゃくしているなという感じがありまして、それで最近そういったことをいろいろリフトに乗りながらそれこそ考えているわけですが、その辺の経験を踏まえてまずお聞きしたいんですが、ことしの二月に東北の方のスキー場に行きましたら、そこに六十歳以上スキーリフト無料というシルバー優待があるんですね。これは非常にいいじゃないかと言って話していましたら、いや、これなかなか大変なんですと。それで、やっとこさ仙台運輸局ですか何かに行って、ことしのトライアルだということで、非公式ながら一応トライアルということでやってみなさいということで許可をもらったんだということなんですね。
 また、あるスキー場では、学童にウイークデーのすいているときに地元の学童の体育用に、乗りほうだいじゃないですけれども五百円で開放しようと。ところが、これは運輸局の許可が出ないというわけですな。
 もう一つは、これはあるスキー場なんですけれども、保育園の生徒なんですね。二つか三つの小っちゃいゴマみたいな、ちゃからゃかした連中なんですけれども、これがやはり年齢が低いということと、それから保育園の地元の教育なんですね。そういうことで、表向きはちょっとこれ申請したら通らないんで、まあこっそり潜ってスキーリフトを使わしているということですね。まあ私は、こういうのは非常にスキーヤーとしては歓迎するところなんですね。シルバーの人たちが行くというのは、これは老人対策じゃなくても非常にスキー場自身も和みますし、いいし、それから学童の場合も、経営的に見れば五百円だけれども、ラーメンだって食いますしね。そういうことで、スキー場どうせ空で回しているぐらいなら乗っけた方がいいと。保育園だって、その子供たちがスキーのおもしろさを覚えれば、まあおやじさんやおふくろさんにねだってスキーに連れていけ連れていけとまた別の方に来るかもしれないし、将来のオリンピックの選手を養うという大きな課題は別にしてですね。そういうことがあるのに、問題はなかなか運輸局のその許可がもらえない。しかも、どうも新潟なんかは何か厳しいらしいんで、仙台は割合に楽だというふうなことも聞くんですね、これ本当かどうかわかりませんよ、私。まあ、その辺は調べていただいたらいいと思うんですが。
 そういうことで、こういうリフトの料金の認可はどういう基準で、あるいはどうしてこういうようなものを無料にしたらいかぬと。無料にすれば、経営している方はもうからないわけですからね。もうからないのを承知で総合的にコスト計算してやっているわけだから、その辺どういうスタンスでこれやっておられるのか、まずお聞きしたいわけです。
#304
○政府委員(服部経治君) ただいま木本先生が御指摘になりました具体的な事案につきましては、大変申しわけないんでありますが、私、ただいま初めて耳にしたようなことでございまして、的確な御説明できないわけでございますが、一般論で申し上げますと、私どもこういったスキーリフトといったような特殊索道を許認可の対象として扱っておりますゆえんのものは、安全面をしっかり見たいということでございまして、したがって、一般のいわゆる鉄道とかいったものとは、もちろんその機能する、何と言いますか機能も大きく違っておりまして、そういった面からの一般鉄道について必要なようないろいろな料金面とか専業規制面での規制は不必要であると基本的に思っております。
 そういうことでございますので、スキーリフトにつきましては、事業開始につきましてはこれを現在は免許制にしておりまして、それから料金につきましては、これは届け出制にいたしております。
 先生が御指摘になったような具体的な事例につきましては、知らない以上明確なお答えを避けるべきでありますが、そういう全体としてのスキー場の経営ということを念頭に置きながら、利用者に少しでも喜んでもらえるようなあり方を考えるということは同然の方向でございますので、早速事情も調べてみますが、今後はそういう方向での運用がなされるものだというふうに考えていただいて結構ではないかと思います。
#305
○木本平八郎君 まあ、ぜひそういう方向で検討いただきたいと思うわけです。
 それで、今局長が安全面とおっしゃって、安全面は非常に大事なんです。しかし、この料金ですね、シルバーを無料にするとかこういったのは、余り安全とは関係ないと思うんですね。そういう点を私は実はここでは問題にしたいわけです。
 それで、その経営の面で、これは外国の例ですけれども、スキー場、これは非常に土地の形もよくて、下から一カ所しか入れないという形にはなっているんですけれども、それ以外にも割合に多いんですけれども、一日券しか発行してないというスキー場が多いんですね、外国の場合は。それで、一日券ですから、それがあれば、ストックに巻いてあるとか、こういうところに腕章をつけるとか、それがあればもう一日じゅう乗りほうだいと。こういうふうになりますと改札が要らないわけですね、一々切符切る、要らないんです。そうすると、人件費が助かる。スキー場の経営で人件費というのは非常に高いわけですね。そういう人件費をなくしてやれば経営もよくなるし、経営もよくなれば最終的には料金も下がるし、スキーヤーにも還元されてくるということがあるんですけれども、日本でも現在、私の聞いたところでは、スキーの料金の売り上げの八〇%が一日券だというわけですね。そうすればもう一日券に全部してしまえばいいじゃないかと思うわけです。ところが、どうしてそれやらないんだと言ったら、やりたいんだけれども、運輸局から一回券だけは絶対に置いておかなきゃ困ると言われるんですね。一回券一枚でも置いておくとやっぱり改札が要るわけですね。それでできないということですね。どう考えてみてもこれはおかしいんで、一回券の場合、これはもう幾らでも方法はあるんですけれども、ただで上げてやればいいわけです、そんなに一回で何回もやる人いないし。そういうことで、こういうふうな一回券があるから一日券を出せないとか、ちょっと何か本末転倒した感じです。
 それから料金の場合、今届け出制とおっしゃったけれども、実際は二年間は改定できないんですよ。上げることも下げることもできないんです。これは許してもらえないんです。これは現実に各運輸局、また一遍調べていただいたらいいと思いますけれども。料金というのは御存じのように、ただ単に八百メーターとか千メーターじゃなくて、斜度もありますし、それから立地条件もあるし、スピードもあるし、いろいろなことで決まると思うんですね。そういう基準も一応お持ちになっているとは思うんですよね。そんなことを聞いたってしようがないので聞きませんけれども、こういうふうな二年間という、余りめちゃくちゃ乱高下しちゃ困るということもありますけれども、スキー場としてはそんなにめちゃくちゃなことをやるとお客が来なくなるわけです。今ごろもうスキー場いっぱいありますし、スキーヤーというのは極めて敏感なんですね、そういうふうなこと。
 これはもう一度同じことをお聞きするようですけれども、こういうふうな全部一日券にしてしまったらどうだとか、少し経営の合理化を地元に任じたらどうだというふうな意見についてはどういうふうに思われますか。
#306
○政府委員(服部経治君) まず、現在の届け出制が非常に厳格な形で運用されておって、認可制と余り異ならないではないかという御指摘の点に関しましては、私ども今後に向けましてもう少し実態に合ったような、そういった届け出制の運用に心がけるべきであると思います。要するに私どもとしては、スキーリフトの料金が余り高い水準に決められて利用者に御迷惑をかけるようであってもいけないし、あるいは近辺に似たようなスキー場がある場合に、余りダンピングをやって不当競争を引き起こすようなものであってはならないという二点に絞ってこれは見ればいいんだというふうに基本的に理解しております。
 それから一日利用券の話でございますが、これは私はスキーをたしなみませんので本当の実態をよく存じませんけれども、聞くところによりますと、ほとんどのスキー場で一日利用券というのを発行しておるようでございます。これは、一回の利用料が例えば五十円なら五十円ということであれば、それ掛ける十五ないしそれ掛ける二十と、要するに一日に十五回ないし二十回乗られるんだという前提でもって料金をはじいているというふうに承知しております。その一日券の発行が基本料金券の発行とリンクして何か先生のお耳に入っているようでございますが、その点私ちょっと申しわけないんですが理解しかねるところでございまして、私どもの基本的なスタンスというのは、これはちょっと役人的な説明に過ぎるかもしれませんけれども、スキー場に行かれましても一回から数回しかスキーリフトを御利用にならない方については、やはりもう少し割安の、一回五十円なら五十円一枚求めれば一回乗れるというような制度もこれは当然残しておいてあげなければ、それこそ逆にそのことが問題になるんではないかというような認識がございまして、先生の御指摘の中にございました基本の切符の発行、発売ということはこれはきっちりやりなさいという指導をしておりますことは事実でございますが、しかしそのことが一日乗車券というんですか、そういうものの発行の妨げになっているとは私は考えてはいないわけでございます。
#307
○木本平八郎君 私が申し上げているのは、一日券だけにしてしまえば改札が要らなくなるんですね。大体リフト一本に二人改札要員がおるわけです。御存じかどうか知りませんけれども、リフトは乗り場にそれをアシストする人がおって、上のおりるところにも人がおって、それから機械操作を見ててリフトの運行を見ている人もおるわけですね。ところが、改札がやっぱりおるわけですね。これは一日券だったら改札することないわけですからね、見ればいいわけですから。そういうことで、私は改札が要らなくなるから一日券にした方がいいんじゃないかということを言っているわけです。
 それからもう一つは、四、五回しか乗らないというのは、これは物すごくぜいたくな高級スキーヤーですよ。私なんか二十回、三十回乗りますからね。問題はそういう悠々としてひなたぼっこをしながらという人は、回数券だってそんなに安くないんですよ、例えば一日券で三千円で、回数券でやっても二千円ぐらいですからね。だから千円なんて問題にしないですよ、そういう人は。だから、私は今の御説明は実地を御存じないからそうおっしゃるので、その後ろの方にあと調べていただいたらいいと思うんですが、そういうやはりなにがあると思うんです。
 それで、先ほどちょっと何か一日券でお答えされかけましたけれども、その件で何か補足がありましたら御意見承ります。
#308
○政府委員(服部経治君) 言いかけたことが何だったか私ちょっと今失念いたしまして申しわけございませんけれども、改札要員の点でございますが、確かにすべてが一日乗車券であれば改札要員は要らないわけでございますけれども、先生の御意見とここのところがちょっと食い違うわけでございますが、やはり数回しか御利用にならない方のための切符というのも用意しなければならぬというふうに思いますので、そこが議論の出発点であれば、やはり改札要員がございませんと全体としてのスキーリフトの運用ということがおかしくなってしまうわけでございまして、今の、先生と私どもの認識の違いのところがどう乗り越えられるかということであろうかというふうに思っております。
#309
○木本平八郎君 来年試しに一つか二つのスキー場を一円券だけのスキー場オーケーだと。やりたくなけりゃやらせる必要ないですよ。やりたいというところはやらしてごらんになったらいいです。それで五、六回しか行かずに損するというふうなそういう人は行かないし、そういうぜいたくな人は一回一回改札なんかしてもらうのは面倒くさくてかなわないんですよ。だからさっと行く。だから、これは来年ぜひ試していただきたいと思います。
 そういうことで時間をとっていられないので次に進みますけれども、次はスキーリフトの増設問題なんですね。
 これがどうも最近運輸局によって大分違うようなんですけれども、年に一、二本しか、まあ二本なんというのはなかなか大変なんで一本、まあそれはもう既に十五本とか二十本とかかかっているスキー場は別ですよ。しかし二、三本しかかかってないところで増設するときに一本以上はだめだと言われるわけですね。むしろ、そういうところこそ三本か五本一遍にばんとかけてお客を呼びたいわけですね。ところが、そういう制限があるということなんですけれども、それは一体どういう基準でやっておられるのかお聞きしたいんですがね。
#310
○政府委員(服部経治君) ただいまの木本先生のお尋ね、ちょっと私もし御趣旨を取り違えておりましたらお許しいただきたいんでありますが、一応現在はスキーリフトも免許制の対象になっております。これは班任国会に御提出申し上げております国鉄改革関連法案の一つであります鉄道事業法の中で、許可制に改めるということにしておるわけでございますが、なおそういった現在の免許制のもとで複数のリフトの本数をふやすことが認められないかどうか、これはすべて現在の免許制のもとでは一応需要対応ということを考えますので、そういった需要がしっかりあるかどうかなんということを、運用に当たっております地方局の方で言っておるんではないかと思いますが、今後これが許可制になりますれば、そういった需要面云々という話がなくなってしまいますので、もう少しスキー場経営者の側の自由な考え方というものがより通りやすくなる、実態に合ったものになるだろうというふうに期待しておるものでございます。
#311
○木本平八郎君 局長、ほかの件では非常に歯切れのいい答弁をなさるんですけれども、さすがスキーに関すると全然おわかりになってないんで、これ議論にも何にもならないんですけれども、これは冗談ですけれども、やはり今後は私もこういうことを質問するということですから、まあ課長でもどなたでも説明員の方で結構ですから、やっぱりスキーを多少おわかりになっている方に答弁していただいた方がいいんじゃないかと思うんです。これはいろいろ国会の運営の問題もあるでしょうけれども。
 それで、きょうはもう局長に最後までおつき合いいただかなきゃしようがないわけですけれども、例えばスキーリフトのスピードの問題があるんです。それで、秒速一・六メーターとか一・八メーターとか、のろのろ行くわけです。そうすると、スキーヤーというのはいらいらするわけです。それから、やっぱり技術によりまして秒速、私なんか二・四メーターぐらいでも乗れると思うんです、さあっと乗れば。それで、もう乗ってしまえば同じですから。そういうふうなことを非常に制限されている。これは一・六メーターを一・八メーターに変えるというのは大変なことなんです。何かハードウエアの問題があって、モーターを変えなきゃいかぬと言うけれども、モーターぐらいは地元の会社で自由に変えちゃうと思うんです。ところが、なかなかその許可の方がおりない。それで、ベアリフトは一・六メーターじゃなきゃだめだと、一・八メーターというのは最近出てきたようですけれども。それからTバーリフトだとか、そういったようないろいろなもので非常にスピードの制限があるというわけです。それで、スピードの制限がありますとどういうことになるかというと、一・八メーターのところに初心者もベテランも皆行くわけです。そうすると、ゆっくりになるし、それから初心者が行くとそこでひっくり返ったりなんかして、またスキーのリフトがとまったりするわけです。特に、私いつも思うんですけれども、大会なんかがあって選手用がありますね、そういうようなのはどうせ急斜面のところへ行くわけだから、そういったところはスピードを速くして、選手ですからさっと乗れるわけだから乗って、そこは、ただし初心者の方はこれはスピードが速いからこれには御遠慮くださいとはっきり書いて、歩いているのを見たらわかるんですから、ちょっとあんただめだめと言って、こうやればいいわけです、とめて。それは、僕は使用制限してもいいと思います、それは初心者なんだから。そういうふうなことで、もっと現地に任じて、それでやっぱりそこでごろごろ転ばれたり突っかかられたりするとしょっちゅうリフトがとまるし、そうすると待っているスキーヤーがいらいらしてきて必ず文句を言うわけです。そうすると、二メーターのところを一・八メーターに落とそうかということを地元は当然考えるはずなんです。それを、失礼ですけれども、局長のような素人の方に御指導いただくとかえっておかしくなると思うんですけれども、その辺はいかがですか。
#312
○政府委員(神戸勉君) お答えいたします。
 私も局長と同じように、余りスキーの方をたしなまないので、お答えする適格者かどうかと思っておりますけれども、現在の索道規則では、搬器のスピードというのもやはり固定式のもの、あるいは自動式のものでそれぞれ分けて規定しているわけでございます。そして、先生おっしゃるように、スキーリフトの設置も非常に多くなりまして、四十五年の八百台ぐらいから、五十九年には二千台、二千基を超える形になっておりまして、最近では毎年百基を超える状態になっております。こういう状態の中で、スキーリフトのスピードアップという要望は非常に高まっている一方、また索道設備の技術的な進歩も目覚ましいものがあるわけでございまして、このような状況を踏まえまして、運輸省では五十五年からこのような時代に対応すべく、現在の索道規則の改正を検討するために会議を設置しまして検討を行ってきたところでありまして、現在その検討結果を踏まえまして索道規則の改正作業を急いでいるところでございます。
#313
○木本平八郎君 今おっしゃったように、索道の技術、それから運用の方法、そういったハード面とソフト面がもう格段の進歩をしていると思うんですね。これはちょっとお聞きしてもいいんですけれども、スキー場における、リフトにおける事故、これ去年も二カ所ばかりありましたけれども、そんなのはあっても大したことはない。昔に比べたらうんと少なくなっているんじゃないかという気がするわけです。そういう点から少し、今聞きますと、秋なんかに再開するときの検査が非常に厳しい。それで、事故とか安全対策に対して一番恐れているのは地元なんですよ。地元というかリフト会社なんですね。これ一遍やりますと、新聞に出たらお客ががらっと来なくなっちゃうのです。だから彼らは物すごく神経質で、私の知っているのなんかは、夜なんか急激に冷えてきて何かおかしいというので、夜の夜中にやっぱりかんじきを履いて上がって行っているわけですね。そのくらい、これは課長さんですよ、課長さんがそれだけのことをやっているわけですね。そういうふうな非常にもう恐れているしノーハウの蓄積もあるんで、あるところまでは現地に任してもいいんじゃないか、あるいは私は性善説に変えてもいいんじゃないかという気がするんですがね。その辺はいかがですか。
#314
○政府委員(神戸勉君) ただいま先生から貴重な御意見を伺ったわけでございますが、私どもといたしまして考えてみますと、ただ安全面についてはやはりそれぞれのリフト、いろいろ技量のうまい人、また家族連れでそういう人でない人も参加する場合もあるわけでございまして、そういう面で一般的に安全が保てるような構造、設備には我々規制しなければいけないと思っておりますので、ただ規制を緩和ということについては、安全面ということを抜きにいたしましては、今度の法制改正で我々としても規制を緩和し、それぞれの自由な活動ができるようにということで進めている段階でございます。
#315
○木本平八郎君 私、外国のスキー場に比べて日本のスキー場が、皆さん技術は非常にうまいけれども、何かぎくしゃくしているという感じなんですね。それで日本のスキー場、例えばリフトに並んでいるときに必ず従業員が整理するわけですね、綱を張ったりして。ところが外国の場合はスキーヤー自身がみんなでこういうふうに並んで、今度はダブルで後ろに並んで、三列目こう並びましょうということを、おのずからだれかが出てきてやるわけです。それでみんなそれに従って整然とやっていくわけですね。したがって、割り込みその他もないんですね。スピードが速くなれば割り込みが非常に少なくなるという事実もあるんですよ。これはスキー場で試している。だから、スキー場としては安全に関係ない限りスピードを速めたいという希望があるというのはそういうところにもあるんですね。
 それで、スキー場としては、例えば、皆さんまた御存じないかもしれぬけれども、夏の間に整地して、根っこを取り、岩を取り、そして芝生を張って、雪が降ったら朝二時ごろからスノートラックを出してきれいに整地しているわけです。だから非常に快適に滑れるのですね。上級者でもやっぱりそういうところを滑った方が気持ちいいんです、こぶこぶのところをやるよりも。それだけの何億円という金をかけているんですよ。何でそれをやるかというと、要するにそれの方が転ぶ人が少ないし事故が少ない。例えば、床暖房をやっているところがあるんですね。床暖房をやる、どうしてかといったら、スキーで雪がつきますね、あれで滑っちゃうでしょう、転んで頭でも打たれたらかなわないので、それでもう床暖房にしているんですね。あるいは便所を洋式の便所にずらっとして、非常に快適な便所を二十も三十もつくっているスキー場だってあるわけです。そういうふうにして総合経営で何とかお客を呼びたいと思って皆一生懸命やっているんですね。ところが、やっぱり私が先ほどから申し上げていますように、スキーリフトというものが非常にネックになっているということなんです。あえてネックだと申し上げますけれども。
 そこで、私は一番最後の結論になるわけですけれども、運輸省というのは許認可官庁であって、これが政策官庁に脱皮するとこうおっしゃっているわけですね。私が申し上げたように、運輸省というのはどうして許認可が多いのかと、そういう厳しいのかということで考えますと、やはり飛行機にしても船にしても汽車にしても自動車にしても、人命とか死につながる行政が多いもんだからついついやっぱり厳しくなったんだろうと思うんですけれども。そこで、私は最後にお願いしたいのは、これは次官に最後にお答えいただきたいと思うんですけれども、それは許認可、いろいろ皆さん方の方から考えたらなかなか簡単に外せないものいっぱいあると思うんですよ。しかしながら、今お聞きいただきましたように、スキーリフトのこういう許認可は割合に簡単に撤廃できるんじゃないかと、やってもそうそう大きく影響はないんじゃないかと思うんですね。それならこういうふうな簡単なものからどんどん外していただくということがやっぱりより民活にもなるしいいんじゃないか。先ほど何かちょっと、私も知らなかったのですけれども、鉄道営業法がなんかの改定に伴ってスキーリフトをやる、えらい大げさなことだなと思ってびっくりしたのですけれども、鉄道とスキーリフトでは全然違う感じなんですな。そういうことで、そっちはそっちで法律はそれで適用されるにしても、実際の指導面はそういうふうな柔軟に変えていただくということがやはり必要なんじゃないかと思うのですが、最後に次官の御意見を承って、私の質問を終わります。
#316
○政府委員(亀井静香君) 先ほど来スキー場のリフトの問題等で、今の運輸省の許認可についての非常に含蓄のある、あるいは御指摘等をいただいてきたわけでありますが、申し上げるまでもなく、許認可のために国民があるわけではございませんで、やはり国民生活の快適な、しかも安定のための、豊かな国民生活のための許認可をやっていかなければいかぬわけでございますので、今運輸省内におきましても委員会をつくりまして、新しい時代に適応した許認可というのはどうあるべきかということを抜本的に現在洗い直しておるところでございまして、先生御指摘のスキー場に関する問題につきましてもこの委員会におきまして具体的に、何か局長以下素人ばかりでございまして十分なお答えもできなかったようでありますけれども、運輸省の中にもスキーの非常に堪能なベテランもおりますので、そういうことを含めて全般的な、他の分野におきます。そういうことを含めて検討していきたい、このように考えております。
#317
○委員長(丸谷金保君) 他に御発言もないようですから、運輸省及び日本国有鉄道の決算についての審査はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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