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1985/02/14 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 予算委員会 第2号
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1985/02/14 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 予算委員会 第2号

#1
第104回国会 予算委員会 第2号
昭和六十一年二月十四日(金曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十三日
    辞任         補欠選任
     桑名 義治君     原田  主君
     上田耕一郎君     神谷信之助君
 二月十四日
    辞任         補欠選任
     高杉 廸忠君     小柳  勇君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         安田 隆明君
    理 事
                遠藤 政夫君
                志村 哲良君
                桧垣徳太郎君
                降矢 敬義君
                水谷  力君
                和田 静夫君
                太田 淳夫君
                佐藤 昭夫君
                井上  計君
    委 員
                安孫子藤吉君
                岩動 道行君
                石本  茂君
                岩本 政光君
                長田 裕二君
                海江田鶴造君
                梶木 又三君
                金丸 三郎君
                北  修二君
                坂元 親男君
                関口 恵造君
                田中 正巳君
                竹山  裕君
                林 健太郎君
                宮澤  弘君
                宮島  滉君
                村上 正邦君
                柳川 覺治君
                稲村 稔夫君
                粕谷 照美君
                久保田真苗君
                小柳  勇君
                佐藤 三吾君
                瀬谷 英行君
                高杉 廸忠君
                安恒 良一君
                大川 清幸君
                高桑 栄松君
                中野 鉄造君
                原田  立君
                神谷信之助君
                抜山 映子君
                田  英夫君
                下村  泰君
   国務大臣
       内閣総理大臣   中曽根康弘君
       法 務 大 臣  鈴木 省吾君
       外 務 大 臣  安倍晋太郎君
       大 蔵 大 臣  竹下  登君
       文 部 大 臣  海部 俊樹君
       厚 生 大 臣  今井  勇君
       農林水産大臣   羽田  孜君
       通商産業大臣   渡辺美智雄君
       運 輸 大 臣  三塚  博君
       郵 政 大 臣  佐藤 文生君
       労 働 大 臣  林  ゆう君
       建 設 大 臣  江藤 隆美君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    小沢 一郎君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 後藤田正晴君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  江崎 真澄君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       古賀雷四郎君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  加藤 紘一君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       平泉  渉君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       河野 洋平君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  森  美秀君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  山崎平八郎君
        ―――――
       会計検査院長   大久保 孟君
        ―――――
   政府委員
       内閣官房内閣審
       議室長
       兼内閣総理大臣
       官房審議室長   的場 順三君
       内閣審議官    中島 眞二君
       内閣法制局長官  茂串  俊君
       内閣法制局第一
       部長       工藤 敦夫君
       日本国有鉄道再
       建監理委員会事
       務局次長     吉田 耕三君
       総務庁長官官房
       審議官      百崎  英君
       総務庁人事局長  手塚 康夫君
       総務庁人事局次
       長
       兼内閣審議官   吉田 忠明君
       北方対策本部審
       議官       稲橋 一正君
       防衛庁人事局長  友藤 一隆君
       防衛庁経理局長  池田 久克君
       防衛庁装備局長  山田 勝久君
       防衛施設庁施設
       部長       宇都 信義君
       防衛施設庁建設
       部長       大原 舜世君
       経済企画庁調整
       局長       赤羽 隆夫君
       経済企画庁総合
       計画局長     及川 昭伍君
       環境庁長官官房
       長        古賀 章介君
       国土庁長官官房
       長        吉居 時哉君
       国土庁長官官房
       会計課長     斎藤  衛君
       法務省刑事局長  岡村 泰孝君
       外務省アジア局
       長        後藤 利雄君
       外務省欧亜局長  西山 健彦君
       外務省経済局長  国広 道彦君
       外務省経済協力
       局長       藤田 公郎君
       外務省条約局長  小和田 恒君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     北村 恭二君
       大蔵省主計局長  吉野 良彦君
       大蔵省主税局長  水野  勝君
       大蔵省理財局長  窪田  弘君
       大蔵省理財局次
       長        中田 一男君
       大蔵省銀行局長  吉田 正輝君
       大蔵省国際金融
       局長       行天 豊雄君
       文部大臣官房長  西崎 清久君
       文部大臣官房会
       計課長      坂元 弘直君
       文部省教育助成
       局長       阿部 充夫君
       厚生大臣官房総
       務審議官     北郷 勲夫君
       厚生省薬務局長  小林 功典君
       厚生省社会局長  小島 弘仲君
       厚生省保険局長  幸田 正孝君
       厚生省年金局長  吉原 健二君
       社会保険庁医療
       保険部長     花輪 隆昭君
       農林水産大臣官
       房長       田中 宏尚君
       農林水産大臣官
       房予算課長    鶴岡 俊彦君
       水産庁長官    佐野 宏哉君
       通商産業大臣官
       房審議官     松尾 邦彦君
       通商産業大臣官
       房審議官     高瀬 和夫君
       通商産業省産業
       政策局長     福川 伸次君
       通商産業省生活
       産業局長     浜岡 平一君
       資源エネルギー
       庁長官      野々内 隆君
       運輸大臣官房長  永光 洋一君
       運輸大臣官房国
       有鉄道再建総括
       審議官      棚橋  泰君
       運輸省航空局長  山田 隆英君
       運輸省航空局技
       術部長      大島 士郎君
       労働大臣官房長  岡部 晃三君
       労働大臣官房会
       計課長      石岡愼太郎君
       労働大臣官房審
       議官       稲葉  哲君
       労働省労働基準
       局長       小粥 義朗君
       労働省職業安定
       局長       白井晋太郎君
       建設大臣官房長  高橋  進君
       建設大臣官房総
       務審議官     佐藤 和男君
       建設大臣官房会
       計課長      望月 薫雄君
       建設省住宅局長  渡辺  尚君
       自治大臣官房審
       議官       持永 堯民君
       自治行省行政局公
       務員部長     柳  克樹君
       自治省財政局長  花岡 圭三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        桐澤  猛君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     磯田  晋君
       日本国有鉄道総
       裁        杉浦 喬也君
       日本国有鉄道常
       務理事      岡田  宏君
       日本国有鉄道常
       務理事      須田  寛君
   参考人
       日本国有鉄道再
       建監理委員会委
       員長       亀井 正夫君
       税制調査会会長  小倉 武一君
       日本銀行総裁   澄田  智君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和六十年度一般会計補正予算(第1号)(内
 閣提出、衆議院送付)
○昭和六十年度特別会計補正予算(特第1号)(
 内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(安田隆明君) 予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和六十一年度総予算三案審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(安田隆明君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(安田隆明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(安田隆明君) 昭和六十年度一般会計補正予算、昭和六十年度特別会計補正予算、以上二案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(安田隆明君) まず、理事会における協議決定事項について御報告を申し上げます。
 審査を行う日は今十四日及び明十五日の二日間とすること、審査方式は総括審議方式とすること、質疑割り当て時間は総計百六十九分とし、各会派への割り当ては、日本社会党七十一分、公明党・国民会議四十四分、日本共産党及び民社党・国民連合それぞれ十八分、新政クラブ及び二院クラブ・革新共闘それぞれ九分とすること、質疑順位及び質疑者等についてはお手元の質疑通告表のとおりとすること、以上でございます。
 右、理事会決定どおり取り運ぶことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(安田隆明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(安田隆明君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和六十年度補正予算二案審査のため、本日、税制調査会会長小倉武一君、日本銀行総裁澄田智君、日本国有鉄道再建監理委員会委員長亀井正夫君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(安田隆明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#10
○委員長(安田隆明君) それでは、これより順次質疑を行います。和田静夫君。
#11
○和田静夫君 まず、国鉄問題で若干の質問をいたします。
 既にこの分割・民営が何か始まっているような印象を与えるような取り運びが出ていることについては、大変私は許しがたいと実は考えています。もうリーフレットが出る、あるいはポスターが出る、内部機構の分割が進む、あるいはきょうの報道によれば、もはや新しい会社名まで決める。法律もまだでき上がっていない、案もまだでき上がっていない状態の中で国会無視も甚しい。そういうやり方の唯一の根拠というのは、再建監理委員会の分割・民営の答申にある。再建監理委員会答申がいわば天の声になって、そして分割・民営への列車が見切り発車しているという現状であります。ところが、その再建監理委員会の答申たるや非常にずさんなものであるというのは、もう衆議院の論議を通じても明らかになってきていると思うのであります。資産評価が大変でたらめであります。田邊質問のおさらいを実はしてもよいと思うのでありますが、その時間的余裕もありませんから本予算に譲るといたしまして、再建を図るべき基礎的データがなっていない。
 そこで運輸大臣、民間会社であれば、会社が赤字で倒産というときには、まず時価で評価した資産と負債のバランスシートをつくるのは、これは当たり前でしょう。時価評価の資産と負債のバランスシート、つまり非常貸借対照表、今出ますか。
#12
○国務大臣(三塚博君) これはまだ破産ではございませんで、再建計画でございます。よって、前提としたその表は今のところ出ておりません。
#13
○和田静夫君 大変おかしいのでありまして、あなた方が目指す民営化、つまり民間的手法を用いるならば、まず最初に資産と負債のバランスシートをつくるべきであります。それがこの段階で出ないというようなことは了承するわけにはまいりません。
#14
○国務大臣(三塚博君) 負債分は全部出ておりますことは先生御案内のとおりであります。資産をどう見るのか、こういうことでありまして、それはまさに簿価によって今計上されておるわけであります。時価評価がどうなのかと、こういうことでありますが、鉄道資産として使っておりますものの時価評価、なかなかもって難しい、こういうことでありますから、その点において出せない、出ないというのが正確でありまして、事業用資産としてどう見ていただきますかは今後の審議の中で御議論をいただきたいし、同時に負債額が明定をされておりますものですから、この負債額をどのように解消し新会社としてスタートできるかということを、今後の段階で法案を提出をさせていただき、十二分の御審議をお願いをしたい。そのときに十二分の資料も御提出を申し上げ、審議を煩わしたいと、こういうことであります。
#15
○和田静夫君 私たちは法律案をお出しになること自体を認めておるわけじゃないので、その前段において十分に精査をしながら今後再建の方法をどうするのかという模索をする、そういう段階にあるわけですから、そこのところをよくわきまえてもらわなきゃならぬ。
 再建監理委員会が売却可能用地をわずかに五兆八千億円と見込んだ。そして、十六兆七千億円を国民の負担にゆだねる。そんなばかな話はこれは通用しません。資産評価によってこの十六兆七千億円が一挙に消え去ることなんです。再建監理委員会の資産評価のずさんさを明らかにするために、きょうは時間がありませんからほんの一例だけ明らかにいたします。武蔵野市吉祥寺北町二の一三ですね、この用地。これは平方メートル当たり単価を再建監理委員会は幾らと評価しましたか。
#16
○政府委員(吉田耕三君) 再建監理委員会といたしましては、長期債務の処理をするために、できるだけ国民負担を軽減するという観点から、非事業用地につきましては原則としてこれを売却の方に回すということにしております。その際の評価の仕方でございますが、少なくとも五兆八千億円、二千六百ヘクタールというものを売却すべきであると思っておりますが、評価方法といたしまして、売却予定地の近傍の商業地あるいは住宅地の公示価格等を基礎にし、さらにそれだけではなくて周辺の時価、これも参考にして評定しております。
 先生御指摘の土地についての件でございますが、個別の土地の評価額、これにつきましては今後の取引に重大な影響を及ぼしますので、公表は差し控えさせていただきたいと思っております。
#17
○和田静夫君 だめですよ。私はおたくでつくっている一覧表を持っているんだから、数字言いなさい。ちゃんとできているんじゃない……。
#18
○政府委員(吉田耕三君) ただいま申し上げましたように、個別の土地の評価額につきましては、今後の取引に重大な影響を及ぼしますので、公表は差し控えさせていただきたいと思っております。
#19
○和田静夫君 きょうの私の主題じゃありませんから、これは簿価で平米当たり七百円です。おたくの数字はわずかの七百円です。私はここに住んでいるんですよ。ここの隣接地に私は住んでおる。国鉄の資産評価は簿価でやっているということでしょう。そうすると、現在私が調べた実勢価格は、これは平方メートル当たり約五十万円ですよ。簿価の七百十四倍。驚くべき差です、これは。こんな調子で資産評価をやれば、どんな優良企業でも倒産をしてしまいます。
 そこで、きょうは時間不足ですから、次の質問までに資料要求しましょう。未利用地、低効率用地の地番、面積、簿価。二つ目は債務の具体的内容、債権者リスト。三つ目は関連会社への出資金、経理内容。よろしいですね。
#20
○政府委員(棚橋泰君) ただいまの先生の御要求の資料は、再建監理委員会の計算基礎にした際のものでございましょうか、それともただいまの現在の国鉄の現状でございましょうか。それによりまして若干お答えが変わると思っております。
#21
○和田静夫君 両方とも出してください。
#22
○政府委員(棚橋泰君) ただいま国鉄が参っておりませんので、そういう詳細な件につきましては一応国鉄の方にそのような資料の提出が可能かどうか問い合わせて、その上でお答えをいたしたいと存じます。
#23
○和田静夫君 出すと言ってもらえばいいんです。
#24
○政府委員(棚橋泰君) ただいま申し上げましたように、問い合わせまして、提出可能なものは提出をいたしたいと考えます。
#25
○委員長(安田隆明君) 関連質疑を許します。瀬谷英行君。
#26
○瀬谷英行君 亀井再建監理委員長に質問をいたしたいと思うのでありますが、監理委員会の答申が出てから、まだ法案が出ておりません。我々にはさっぱりわからぬわけです。ところが、監理委員会のメンバーは、九州、四国、至るところに行って、勝手にラッパ吹いているんですよ。あたかも総裁、大臣の上に立っているかのような勝手な言い方をしております。こういうことは極めて遺憾だと思うのでありますが、委員長、その点についてまずお伺いしたいと思います。
#27
○参考人(亀井正夫君) どうもラッパを吹いておるというお話で、まことに恐縮でございますが、決して私どもはラッパを吹いておるつもりではございません。昨年の七月二十六日に、総理に私どもの意見書を提出いたしました。それに基づきまして、各地区、九州、四国、それから大阪、名古屋、北海道、その地区において地区の行政の代表者の方、経済界の代表の方、組合の方々、そういうところから我々の趣旨を説明してもらいたいということでございました。また、地域からの御要望もあるということでございましたので、その現地に参りまして地方懇談会をやって我々の趣旨の説明をしたと、そういうことでございます。
#28
○瀬谷英行君 衆議院の予算委員会で、四国の場合はこうだ、九州の場合はこうだ、いろいろ意見が出ております。これを今繰り返して申し上げる時間がございませんから、私率直に言って、ここでは黒字になるという目安はないのです。人口が全然ふえないのに、四国でも九州でも北海道でも収支の面で営業収入がそんなに一遍に上がるわけないんですよ。それを分割すればあたかも黒字になるかのようなことを言う。実際の指摘ではそうはならない。例えば貨物の問題にいたしましても、去年からいろいろとやっておりますが、貨物会社の黒字の問題についてまだ結論が出てないんじゃないですか。その点どうでしょう。
#29
○参考人(亀井正夫君) 北海道、九州、四国につきましては、通常の企業的な経営では赤字になるということは私どもの見通しでも出ました。そこで、先生御承知のように、合計一兆円の基金をつけて、その利子によってその会社が成り立つようにという経営計画を立てたわけでございまして、常識的に考えてこれは最初から再建しても赤字になりますよと、そういう再建の案では、今度は先生は、逆にもし赤だったらこんな案はなってないじゃないか、こういう御批判もあろうかと思います。
 それから、貨物会社につきましては、私どもの構想はコンテナを中心にした全国一本の会社で想定需要に見合うようなコンパクトな経営体制をつくるという考え方を提示いたしまして、現在国鉄及び運輸省において慎重に検討されて、何とか黒字にやろうということで現在努力をされておるというふうに聞いております。
#30
○瀬谷英行君 それじゃ国鉄側の見解を聞きたいと思うんですけれども、去年の十一月には、二月には何とかという話があったんですね。今二月なんです。結論が出ましたか。
#31
○政府委員(棚橋泰君) 昨年の十一月に試算をいたしまして、今亀井委員長のお話のように、コンパクトな経営にしてやっていけば一応黒字の経営が可能であるというような見通しを得たわけでございますけれども、それに基づきます具体的なものは地元荷主等に当たって現在作業中でございまして、二月ごろと申し上げておりますが、現在まだ作業中でございまして、もう少し時間をかしていただきたいと思います。
#32
○瀬谷英行君 一体幾ら時間をかしたらいいんですか。去年の七月に答申が出たんですよ。その答申にはこれ以外の案はないという自画自賛の文句が出ているんですよ。ところが、これ以外に案はないと言いながら、それが十一月に延びる、二月に延びてもまだ結論が出ていないんです。一体いつになったら見通しと結論が出るんですか。
#33
○政府委員(棚橋泰君) 昨年の十一月の考え方で一応のめどは立てたつもりでございます。なお、詳細につきましては極力精査をいたしまして、十一月のダイヤ改正に間に合うように結論を出したいと思っております。
#34
○瀬谷英行君 細々と申し上げる時間がございません。監理委員長の出席も時間を切られておりますので簡単に申し上げますけれども、北海道、四国、九州については黒字になるかどうか、実際問題として細かく分析をしていくと担当者の中でも悲観的な答えしか出てこないんです。言ってみれば、からから山の泥舟みたいなものです。見た目は舟かもしれないけれども、実際には、つくりはいいけれども水の中へ入れると沈んでしまう、こういうおそれが多分にあるんですよ。その心配は、この三島に関して、ないですか。一兆の基金がここで確立されればその心配はないと言い切れますか。
#35
○参考人(亀井正夫君) 私どもといたしましては確信を持った案でございます。ただ、企業というものは生き物でございまして、その従業員が本当にやる気を持ってやるか、団結をして本当にやるか、いいかげんなことをやるかということで大いに違いがあります。私どもの前提は、昨日衆議院でも申し上げましたように、新しく発足した鉄道の職員は私鉄並みに働くという前提でこれが黒になる、こういう経営計画になっております。
#36
○瀬谷英行君 それじゃ、私は天下りということに余り賛成できませんけれども、貨物会社だって、細かく言う時間は今ございませんから端的に言うと、極めて難しいんですよ。
 この前、あなたのかわりに出た加藤参考人からどういう答えがあるかというと、マクロとミクロの問題がある、マクロの計算に立って、ミクロで具体的に詰めていく、再建監理委員会といたしましては、こういう方向でいけばこういうふうに黒字になるであろうという予想を立てますと、こういう答えしか出ていないんですよ。これで安心できますか。こんな会社に入れられた職員というのは危なくてしようがないでしょう。いつ倒産するかわからないという危険があるんじゃないかと思うんですが、その点は心配ないと言えますか。
#37
○参考人(亀井正夫君) 貨物会社の御質問でございますが、この貨物につきましては、今鉄道で輸送しているのは最低の状況にあると私は見ておるわけです。これは運輸委員会でも先生方からお話ございましたように、例えば東海道の、東名とかいろいろもう満杯状態、それからトラック運転手の老齢化現象、こういうことで、全体の国益のためにはやはり輸送というものをある程度本来の鉄道に戻すということが一つの大きな流れではないかというふうに私どもは思っております。
 いろいろな宅急便の方からいろいろ聞きますと、今の国鉄の貨物のやり方ではなくて、もっとサービスよく迅速にやってくれればもっともっと宅急需要はふえますよという認めも業者の方からあるのでございまして、現在が最低でございますから、これからよくなるという確心のもとに私どもはあの提言をした、こういうことでございます。
#38
○瀬谷英行君 それでは、新しく発足をする貨物会社の社長の方は亀井委員長みずから御就任になっていただきたいと思うのでありますが、自信はございますか。
#39
○参考人(亀井正夫君) 改めて過分の御推薦がありまして恐縮に存じますが、前には、運輸委員会で先生方は、監理委員会のメンバーがそういうそれぞれの会社のトップになりたいんだろうというようなお話がありまして、私は絶対になりませんと申し上げました、そういうことを一つ申し上げておきたいと思います。
#40
○瀬谷英行君 自分はならない、しかし結果が悪ければおまえらの働きが悪いんだと、こういう逃げ道ができているわけです。
 それじゃ、今の言葉を確認したいと思いますが、監理委員会のメンバーが新しく発足をするであろうところの鉄道会社等の社長、幹部に天下りするというようなことは絶対にない、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
#41
○参考人(亀井正夫君) 今までのところ、委員で話し合って、みんな、なりたいという人は一人もおりません。ほかの委員の方々は状況で、私は他人のことまで干渉できませんが、私個人は絶対にそういうものに就任するつもりはございません。
#42
○瀬谷英行君 貨物会社がうまくいけるようだったらほかの方もうまくいけると思うんです。だから、私は貨物会社の社長は亀井さん自身にやってもらいたい、天下りは原則として反対だけれども、これだけは希望したんです。
#43
○和田静夫君 ちょっと二、三の問題、簡単なところからいきます。
 日ソ漁業交渉が行き詰まりそうな気配ですが、交渉におけるネックは何ですか。
#44
○国務大臣(羽田孜君) お答えをいたします。
 今度の日ソ漁業交渉、第二回会議で提案されておりますのは、いわゆる協力費といいますか、新たなお金を出しなさいというお話がございます。しかし、一番やっぱり問題なのは、従来の操業水域あるいは着底漁具、こういった条件が満たされればよろしいわけでありますけれども、残念ながらそういったものに対して向こうの方から非常に厳しい縛りがかかってきておるということでありまして、私ども、例えば負担金をもし出したとしても、今までと同じような漁獲量を得ることができないであろうというふうに考えておりまして、そこらあたりが非常に一つの大きなネックになっておるというふうに考えております。
#45
○和田静夫君 そこで、十五日が期限切れなんですが、打開のために農水大臣、一体具体的にどういうふうにされますか。
#46
○国務大臣(羽田孜君) 両国の協定によりまして日ソ漁業委員会、こちらで話し合うことになっております。そういうことで、日にちはもうなくなってきておるわけでありますけれども、私どもとしても率直な話し合いを進めることによって進めていきたい。これはもう一番の基礎的な問題でございまして、今この交渉の最中でありますから、その後どうこうするということについては今申し上げる立場じゃないと思います。
#47
○和田静夫君 十五日までは大丈夫ですか。
#48
○国務大臣(羽田孜君) 十五日までは話し合いを続けてまいります。
#49
○和田静夫君 いや、結論が出るかと聞いているんです。
#50
○国務大臣(羽田孜君) 我が方としましては申し上げるべきことを申し上げておりますので、今向こうの方でも判断をしながら、どのような回答が出てくるか、私どもは今それを期待いたしておるところであります。
#51
○和田静夫君 フィリピン情勢が緊迫しておりますが、外務大臣、現在のフィリピン情勢についてどういうふうに把握されておりますか。
#52
○国務大臣(安倍晋太郎君) フィリピンの情勢につきましては、時々刻々情報も入ってきておるわけでございますが、今フィリピンの国会で集票そして開票等を進めておるということでございます。しかし、民間の発表している集計と選管の発表している集計には差がありまして、フィリピン国内でも多少の混乱もあるようでございまして、いささかその辺は心配をしておるわけでございますが、何とかこの国会での集票そして開票等が進みまして、いわゆるフィリピンの選挙後の安定という方向へ事態が収拾されることを我々としては期待をいたしております。
#53
○和田静夫君 いや、私は大統領選挙に限って聞いたつもりないんですが、フィリピン情勢というのをどういうふうに把握されますか。
#54
○国務大臣(安倍晋太郎君) 選挙の方は今そういうことでございますが、経済の方は最近多少インフレ等も落ちつきかげんになってきておるように見受けられておるわけですけれども、こうした政治上の混乱が経済にどのように反映するか、その辺のところはこれからの様子を見てみないとわからないわけでございます。経済全体としては、多少改善されたとはいっても、しかし必ずしもいいという状況ではもちろんありませんし、こうしたフィリピン経済が一日も早く回復できるように、まずやはり政治が安定をするということが必要じゃないだろうか、我々としてはこういうふうに思っております。
#55
○和田静夫君 海外経済協力基金がフィリピン向け借款の契約調印を日程を決めないまま延期したと報ぜられましたが、その理由は。
#56
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは十三次の円借款でありますが、既に昨年交換公文を交換しておりまして、基本的には方針が決まっております。これをいつ実行するかという具体的な取り決めのいわゆる基金の契約が十二日ということで一応予定されておりましたが、基金の総裁等の都合もありまして、結局これは延ばすということにいたしたわけでございます。それではいつやるかということにつきましては、両国の態勢が整い次第やるというふうに承っております。
#57
○和田静夫君 外務大臣、フィリピンに対する日本の援助はマルコス政権を利するだけだという評価がいろいろなところでなされておりますし、与党の中の有力者もそう言っている状態ですね。日本のフィリピンに対する援助の使途というのは非常に不透明だ。ひょっとするとマルコス派の選挙運動資金にまで流れ込んだ可能性さえあると思われるような状態ですね。
 そこで、マルコス、アキノ両派の勢力拮抗、民間集計では逆転ですが、こういうような情勢を踏まえて援助政策を見直す必要があると考えるのですが、どうでしょうか。
#58
○国務大臣(安倍晋太郎君) 我々としては、これまでの日比関係からいいましても、そしてこれまでずっと経済協力を進めてフィリピンの民生の安定、福祉の向上のために協力を続けてまいりました。それなりに私は成果を上げることができたと思っております。こういう基本方針はどういう政権が生まれても我々は堅持していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。そういう中で、フィリピンの経済協力につきましてはいろいろと国会での批判等もありますし、私どもこれはやはり大事な国民の税金を使っての協力でありますから慎重にやらなきゃならぬということで、実はこれまでもいろいろと精査をしながら慎重に進めてきておるわけでありますし、今後とも日本の経済協力がフィリピンのあくまでも民生の安定、福祉の向上、経済の発展のためにこれが使われなければならない、そういう基本点に立ってこれからも協力は進めてまいりたい、こういうふうに思っています。
#59
○和田静夫君 撚糸工連事件について伺いますが、まず第一に検察当局、捜査の経緯について報告願います。
#60
○政府委員(岡村泰孝君) 東京地検におきましては、昨十三日、日本撚糸工業組合連合会の小田理事長ほか四名を逮捕いたしたところでございます。逮捕事実の要旨を申し上げますと、撚糸工連が昭和五十七年度の過剰仮より機設備共同廃棄事業に際しまして、買い上げの対象となりません板より機十三台につきまして、これが買い上げの対象となるかのように仮装いたしまして撚糸工連が買い上げまして、その資金の融資名下に中小企業事業団から約四億二千万円をだまし取った、こういう容疑でございます。
#61
○和田静夫君 これは報道なんですが、政治献金にも流れていると言われるわけですが、検察としてはそういう事実を把握していますか。また、捜査の関心の対象にもなっていますか。
#62
○政府委員(岡村泰孝君) 強制捜査に着手をいたしたばかりでございまして、現在捜査を継続しておる段階でございます。したがいまして、ただいま御質問のありましたような事実があるのかないのか、そういった点を含めまして、答弁を差し控えさせていただきたいと存ずる次第でございます。
#63
○和田静夫君 通産大臣、ちょっと所見を伺います。
#64
○国務大臣(渡辺美智雄君) 本当にこのような事件が起きまして大変遺憾に考えています。当省といたしましては、このような問題が二度と起こらないように団体の厳正な指導、監督等最善を尽くしてまいりたいと衰えています。
#65
○和田静夫君 今回の事件が明るみに出たのは昨年の九月でした。十月になって事業団融資が行われた。これは一体どういうことなんだろう。行政と業界の癒着があるのではないかという感じがするのですが、いかがですか。
#66
○政府委員(浜岡平一君) 御指摘のとおり、この問題の端緒は元経理課長兼業務課長の使い込みを連合会の方から告訴したというのがきっかけでございます。御指摘の設備廃棄事業につきましては、六十年度から六十二年度にまたがります新しい事業が既にスタートいたしております。この融資を行うに当たりましては、融資前に設備を廃棄するということが前提になっておりまして、六十年度の対象企業は問題が起きます前に既に設備を廃棄いたしております。しかも、現在の制度は自分の持っております設備を全部廃棄する、転廃業を行うということが前提になっておりますものですから、やはりこの融資を行いませんと、既に設備を廃棄しております企業の運営に重大な支障が生ずるというぐあいに判断をいたしまして融資を行ったわけでございます。
#67
○和田静夫君 小田理事長の証言を読んでみますと、通産省の局長以下にも料亭で接待をした、つけ届けをした、またしばしば通産省、事業団、撚糸工連で会合が持たれたという事実、こういうことが言われているんですが、どうも業界と行政の癒着が今回のようなずさんな政策融資を招いたのではないだろうかということを考えますが、ありませんか。
#68
○政府委員(浜岡平一君) 私どもといたしましては厳正な姿勢で行政に取り組んでおるつもりでございます。今後ともそういう姿勢で行政に取り組んでまいりたいというぐあいに思っております。
#69
○和田静夫君 ちょっと質問の要旨を履き違えてもらっては困るんです。あなた方は過去においてはどうだったんですか。
#70
○政府委員(浜岡平一君) 過去におきましても姿勢を正した行政をやっておったものと信じております。
#71
○和田静夫君 総理、御所見ありましょうか、この問題。
#72
○国務大臣(中曽根康弘君) 新聞、テレビで拝見しまして非常に驚いた次第でございます。いやしくも行政に携わる者は業者と癒着の誤解を受けるようなことが全くあってはならぬことであると思います。しかし、通産省の側におきましても注意深く清潔な行政指導をやってきておると確信いたしております。しかし、こういう事件が起きたことは事実でございますから、こういう事件をかがみにしまして、今後ともさらに一層清潔な行政を行うように戒めてまいりたいと思います。
#73
○和田静夫君 文部大臣、第一次中曽根内閣の閣僚であったI代議士らと同じく海部さん、糸業界の御三家と世間で呼ばれているようですが、撚糸工連との関係がどういうものか、名誉のためにも一遍御意見を承りたいのですが、それにも増してこういう事態というものを文部大臣としてはどういうふうにお考えですか。
#74
○国務大臣(海部俊樹君) お答えいたします。
 こういう事態はよろしくないということはまさにそのとおりでありますし、それから撚糸工連というのは随分前から私どもの地元に撚糸業もあるわけですからいろいろお近づきはありますけれども、御三家と言われるようなそんなことはありませんし、言われるような政治献金を受け取ったとかいうようなこともございませんし、一生懸命まじめに働いていらっしゃる中小企業の撚糸業者の方にいろいろ御相談を受けたりしたことはあるという程度でございます。
#75
○和田静夫君 通産省、昨年九月の撚糸工連の決算書類を要求しますが、出しますか。
#76
○政府委員(浜岡平一君) 提出いたします。
#77
○和田静夫君 医薬品の副作用問題について若干お尋ねいたしますが、一部既に報道されているんですが、止血用に広範囲に使用されているビタミンK2なんですが、この注射剤によるショックが問題になっている。厚生省の副作用のモニター制度によると、資料いただきましたが、昭和五十六年以降二十七のショック例があって、うち死亡例が二例と、こうなるわけですね。ところが、私が入手しましたそれ以前にさかのぼって調査したデータによりますと、四十二年三月から六十年の三月までの十八年間の間に顕著な副作用があらわれた例が九十二例ある。そのうち血圧の低下、循環不全、アナフィラキシーショックなど重篤な副作用があらわれたケースが五十七例もあるんです。これは見過ごすことができないデータです。ビタミンK2注射剤は止血用として一般に使用されている薬ですから、このまま放置しますと大変危険なわけでしょう。
 厚生大臣、まず事実関係として、四十二年三月から六十年三月まで九十二例、重篤な副作用例五十七例、うち死亡二例、この発生数については確認できますか。
#78
○政府委員(小林功典君) ビタミンK2注射剤が初めて承認になりましたのは昭和四十七年六月でございます。それから五十九年まで医薬品副作用モニター制度において、今お話ありましたように多く起きておりますが、その結果は、四十七年六月から五十九年までというふうにしますと全部で五十一例ございます。その中で死亡例が五十九年度の二例、こういうことでございます。
#79
○和田静夫君 症例数は。
#80
○政府委員(小林功典君) ただいま申しましたように、四十七年六月の承認以降、五十九年度までのモニター報告によりますと症例数は五十一例であります。その中で死亡例が五十九年度だけ二例ある、こういうことでございます。
#81
○和田静夫君 私は、調査結果は五十七なんですが、少しこの辺精査してくれますか。
#82
○政府委員(小林功典君) ビタミンK2注射剤の承認が四十七年六月ですから、今先生のおっしゃるのはよくわかりませんが、ちょっと調べてみます。
#83
○和田静夫君 この副作用は、ビタミンK2そのものによるのではなくて、溶解補助剤として添加されているHCO−60による可能性があるわけですが、この点は厚生省はどう考えられますか。
#84
○政府委員(小林功典君) 結諭から申しますと、どちらかというのがまだはっきりわかっておりません。つまり、ショック症状の原因につきまして中央薬事審議会で専門家にいろいろ議論していただきました。しかし、現時点では、ビタミンK2自身によるものなのか、あるいはそれに添加するポリオキシエチレン硬化ヒマシ油というものであるか、この辺がはっきりいたしません。
 したがいまして、現在添加物の医薬品への使用状況、それからこれを添加した医薬品によるショックの症例の有無、こういったことについて、今、日本製薬団体連合会を通じまして調査をしている最中でございます。
#85
○和田静夫君 調査結果はいつごろですか。
#86
○政府委員(小林功典君) 調査結果は三月上旬に出てくる予定であります。それから集計をいたしまして内容の分析、解析をいたしますので、その後約一カ月ぐらいはかかるんじゃないかということでございます。
#87
○和田静夫君 衆議院から本予算がそれから後に送られてくればいいんですが、そのころに送られてくると論議が継続しませんので、少し急いでもらいたいと思います。大臣、いいですか。
#88
○国務大臣(今井勇君) ただいま詳細につきましては政府委員から答弁させたとおりでございますが、これはおっしゃるように大変大事な問題でありまして、ほかに今のところ代替物がないものでございますから、早速どうすればいいのかということにつきまして早急に研究を進めまして、御意思に沿うような形で解決いたしたい、こう考えております。
#89
○和田静夫君 厚生省として医師向注意文書をメーカーに出すよう指示されたわけですが、日薬連を通じた調査が終わり次第、さらに本格的な対策を講じると承っているんですが、大臣それでいいですか。
#90
○政府委員(小林功典君) ビタミンK2注射剤につきましては、以前からまれにショックが起こるということがわかっておりまして、従来からも添付文書に注意事項を書かせておったわけであります。ただ、今申しましたように、五十九年度の報告で死亡例も出たということから、さらにこの注意事項を強化しなきゃいかぬだろうということで、中央薬事審議会の副作用調査会という専門の機関があるんですが、そこの意見に基づきまして現在いろいろな指示をしておるわけであります。したがいまして、先ほど申しました調査結果がわかりまして原因がはっきりいたしますれば、さらに適切な措置を講じていきたいと、こう考えております。
#91
○和田静夫君 ところで、今回改めて注目されるところですが、医薬品の添加物が野放し状態にあるわけです。野放しと言って語弊があれば、食品添加物に比べて非常に規制が弱くて表示の義務もないわけです。私も今度調べてみて初めてわかった。食品に比べても片手落ちだという印象を素人なりに持つんですが、医薬品には食品安全衛生法で添加を禁止されている添加物が使われているわけですね。その一覧は出ますか。
#92
○政府委員(小林功典君) 使われております添加物が非常に多数に上りますので、全部をお出しするのがいいかどうか、代表例のようなものでよろしければ出せると思います。
#93
○和田静夫君 医薬品と食品では確かに性格は違うんですが、そういう性格の違いを勘案しても、なお規制がもう大変に緩やかで表示もされない。これはいささか私は問題じゃないかと考えるんです。
 大臣、今回の事態を踏まえて、医薬品添加物問題を改めて再検討する、対策を練る、そういう必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
#94
○政府委員(小林功典君) 先生も御案内のように、添加物は医薬品の製剤化のために使うものでございまして、そのものの薬理活性を期待するものではございません。したがいまして、それ自体は安全性が高いと一般的には言えると思います。したがいまして、その医薬品の適正な使用の観点からは、それ自体が薬理活性を期待されない添加物についてすべてこれの表示を義務づけるということは、私は必要はないんではないかと思います。
 ただ、中にはその医薬品の適正な使用を確保する上で添加物の表示が必要と考えられるものもないことはないと思います。現に行政指導でそれを表示させている例もございます。したがいまして、個別に審査をいたしまして、そういう必要性があれば指導で表示をさせるということも可能かと思います。
#95
○和田静夫君 大蔵大臣、円高が非常に進んで百八十円台を切ろうとしていますが、私はちょっと行き過ぎるという感じなんです。もう一段、金利を下げるとか逆介入とか、新たな政策手段を発動させる必要があると思うんですが、どうお考えになっておりますか。
#96
○国務大臣(竹下登君) 確かに本日が百八十円台で寄りついております。ちょうど今百八十一円ぐらいだそうでございます。ただ、現段階でこれを見ると、私は、市場の自律的な動きの中で存在しておる相場であろうというふうに思っております。逆介入といいますと、どっちが正しくてどっちが逆かはわかりませんので、言葉で整理すればドル買い介入と言うんだそうでございますが、そういう考えを今日持っておるというわけではございません。
#97
○和田静夫君 補正予算の財源づくりのために予備費一千五百億円、既定経費の節減千八百十三億円の措置がとられた。予備費は五十七年度以来連続四年も一千億円以上が補正で削られる、同じく既定経費節減も五十七年度以降がその前に比べて金額が巨額になっているんです。どうも当初予算の計上の精査が甘いのじゃないかとこの数字を見て思うんですがね。
#98
○政府委員(吉野良彦君) 御指摘の二つの問題でございますが、まず第一点の予備費でございますが、先生御承知のように、昨年も、六十年度も当初予算には三千五百億の予備費を計上してございましたが、五十九年度と比べますと、補正予算編成時点までの使用実績が五十九年度に比べましてかなり多額に上りましたものですから、補正予算におきまして減額をしている金額は五十九年度に比べまして少なくなっておりますが、いずれにせよ、予備費は当初予算編成時点におきまして予測し得ざる追加財政需要に対処するものでございますので、補正予算を編成する時点におきまして改めて予測し得る追加財政需要は極力これは補正予算に計上して御審議をいただく、いわばそれとの見合いで当初予算に計上しておりました予備費を減額するわけでございますので、こういった措置は財政法あるいは予備費というものの性格に沿っているというふうに考えております。
 それからもう一点、節約あるいは不用の金額でございます。
 もちろん当初予算編成時点におきましては、御案内のような大変厳しい財政事情でございますので、すべての経費にわたりましてぎりぎり必要最小限度の経費を計上するように心がけているわけでございますが、経費の性質によりましては年度途中でのいわば員数あるいは単価につきまして予測と狂うことが間々ございます。そういったことで不用額も出てまいるわけでございます。
 それからまた、節約につきましても当初予算で最小限度の経費を計上しているわけでございますが、それをしもなお執行の過程でぎりぎりの節約の努力をして財源を生み出しているという実態でございます。
#99
○和田静夫君 既定経費節減額の多いところで二、三聞きますが、まず厚生大臣、厚生保険特別会計への繰り入れで不用、節減六百億、何でしょう。
#100
○政府委員(花輪隆昭君) お答えいたします。
 政管健保の六十年度当初予算におきまして、五十九年度の健保法改正の影響を見込みまして医療費等の推計を行ったところでございますが、この改正後の医療費の伸びが予想よりさらに低く推移をしたということ、あるいはまた被保険者数が当初見込みに比べまして伸びなかったというふうなことがございまして、全体として保険給付費が減少いたしましたというところからそのようなことになったわけでございます。
#101
○和田静夫君 文部大臣、国立学校特別会計繰り入れで不用、節約六十六億円ですね、これは。
#102
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように、国の財政状況が非常に厳しいところから給与改善費の補てんのために毎年一定の節約率で計算しておりますが、御指摘の国立学校特別会計分についても、その率でやりますともう少し本当は多くなるところでありましたが、既定の管理運営費とか施設費は七%で節減いたしましたが、教育研究の基幹に関する部分は大切に考えて節減率を三・五%にしておりますので、合計御指摘の六十六億に結果としてなった、こういうことでございます。
#103
○和田静夫君 これは予備費は毎年補正で削りながら当初子算では三千五百億円を計上し続けているというのはどうも私納得できないんですが、既定経費節減も、当初予算審議では厳しい査定をして余り金など出ることはないといつも政府は言っているんですけれども、補正になると何千億円も金をひねり出すわけです。どうも補正財源づくりに当初予算を甘くしていないかという感じを持つんですが、大蔵大臣いかがでしょうか。
#104
○国務大臣(竹下登君) 歳入は見積もりでございますから若干の違いが出てくる。歳出につきましてはその都度厳しい査定をしておるわけであります。しかしながら、新たなる需要の創出ができたものに対する対応の仕方といたしましては、今日の財政状態でありますので時には一律の節約をお願いしたりしておるわけでありますが、しかしあらかじめ補正目当てに蔵出のそれぞれの項目に対して甘い査定をするというような環境には現実としてないということであります。
#105
○和田静夫君 退職者医療制度の加入者見込みを政府が完全に間違えた、国保財政に大変な迷惑をかけたことは、これは厚生大臣、どう反省をして、今後の善処策を聞きたいんですよ。これはたくさん私が予算でやってきたことで、私が言ったとおりになっちゃったわけなんです。厚生省試算でも国保への影響額は二千八十億円というのに補正で千三百六十七億円しか措置しなかった。これはおかしいんじゃないか。これは大蔵大臣と厚生大臣両方からちょっと。
#106
○国務大臣(竹下登君) これは両省で種々協議をいたしまして、ぎりぎりの線でこれで対応しようということで合意に達した措置であります。
#107
○国務大臣(今井勇君) 私どもとしては、退職者医療の問題は、その対象者の数をできるだけ正確にやりたいと思ったんですが、予測しない見込み違いのために市町村の国保財政に大変影響を与えたということは事実でございまして、国といたしましても重大に受けとめております。
 そこで、今大蔵大臣からお話しのように、現在の極めて厳しい情勢の中で最大限の配慮をしたところでございまして、今後とも国保事業が健全に運営できるように誠意を持って取り組んでまいりたい、このように、考えております。
#108
○和田静夫君 政府の見込み違いで迷惑を地方にかけながら、補正予算でなお負担を地方に押しつけるのではないかと疑われるようなやり方というのは私は納得できないんです。これは、この問題の論議をしたときに、もし私が指摘したような今日のような結果になった場合は政府は責任を持って処理するというのは、大蔵大臣も厚生大臣も当時言われた。大蔵大臣はまだいらっしゃるわけです。
#109
○国務大臣(竹下登君) 当時、私も言葉を選びながらお答えをいたしておりますが、厚生省で今精査をしていらっしゃるところであります、その結果が出ましたら適切な対応をいたします、このように申しておったわけでありますが、まさにぎりぎりの調和点を求めて適切に対応させていただいたと、こういうことであります。
#110
○和田静夫君 六十一年度についてこの問題をどう措置されるかというようなものは、また今後答弁を聞いてからさらに本予算で論議を深めたいと思います。
 今回の補正予算では、給与改善費として千七百五十七億円計上されている。六十年度の公務員給与改定に伴って各省庁の給与費は当然増加している。ところが、会計検査院の給与改善費が予算書のどこを見ても出てこないんですが、会計検査院の給与費は幾ら増加したんですか。
#111
○会計検査院長(大久保孟君) 恐縮でございますが、ちょっと今質問を聞き漏らしたものですから、できましたら、もう一度お願いしたいと思います。
#112
○和田静夫君 会計検査院の給与費は幾ら増加したか。
#113
○会計検査院長(大久保孟君) 今年度の会計検査院の給与費でございますが、金額につきましては事務当局から説明させていただきたいと思います。
#114
○説明員(磯田晋君) お答え申し上げます。
 ちょっと今資料を取り寄せていますので、お時間をいただきたいと思います。
#115
○和田静夫君 予算書を見ても、実は大蔵大臣に聞こうと思っているんだけれども、大蔵大臣、これをちょっと見てわかりますか、全然わからないんですよ。会計検査院、ここ一本で絞っちゃっているから。補正予算の論議に補正予算の資料がないというのはどういうわけだ。これがわかれば私数字言うんですが、本当にわからないんです。
#116
○政府委員(吉野良彦君) お話しのように、今度の補正予算におきまして、会計検査院の給与改定に要します追加額は計上されておりません。その理由は後ほど調べましてお答えさしていただきたいと存じますが、想像で申しますと、恐らく当初予算に組みました退職手当等の金額に余裕が生じまして、その中で何とかやりくりができるというふうな見込みによったものではないかと存じます。これは想像でございますが、詳しくは調べまして御返事をさしていだたきたいと存じます。
#117
○和田静夫君 詳しく調べて……。そうしたら、予算委員会はそれまで待つわけですか。
#118
○政府委員(吉野良彦君) 今調べておりますので、しばらく時間をおかしいただきたいと存じます。
#119
○和田静夫君 調べると言うんですが、大変失礼な話で、私本当にわからぬから聞いているのです。大蔵大臣、会計検査院の予算書を見ておわかりになりますか。
#120
○国務大臣(竹下登君) 私はわからないと思います。
#121
○和田静夫君 そんな状態なんです。国会議員が見てもわからないようなものが出ているので、私本当に困ったんだ。眠くてしようがないような状態です。これはどうしようかな。参考人がいらっしゃっていますしね。
 増税なき財政再建についてに入ります。
 中曽根さんが総理になられて三年と二カ月たったわけですが、増税なき財政再建はどの程度達成されたとお考えになりますか。四回予算編成をおやりになったわけですが、自己採点は何点ですか。
#122
○国務大臣(中曽根康弘君) なかなか厳しい状況のもとで四苦八苦してやってきておりますが、いわゆる増税と称するものは回避し得たと思います。今まで臨調答申の線に沿いまして、若干の調整措置は認められておったわけで、その範囲内でやってきたと思います。そのかわり行政経費の相当な削減を毎年やりまして、ゼロシーリング、マイナスシーリングをやってきまして大変御迷惑をおかけいたしました、しかし、大体国債発行額の一般会計における比率は、たしか五十七年、私が五十八年の予算から始めたわけでございますが、そのときはたしか二六%でありましたが、今回は二〇%まで国債依存率を引き下げることができた、そういう状況で、やはり前進はしていると思っておるのでございます。
#123
○和田静夫君 点数はつきませんか。
#124
○国務大臣(中曽根康弘君) 点数は先生がつけるもので、どうぞそちらでおつけ願いたいと思います。
#125
○和田静夫君 私はかなり辛いんです。よい点をつけてあげたいと思ったんですが、実績を見てくると、なかなかそういかぬのじゃないだろうかという感じがいたします。まず第一に、昭和六十五年度に赤字国債の新規発行をゼロにするということは、現在では私は不可能だと思う。第二に、この三年間がない強引に一般歳出をカットされてきたんですが、肝心の歳出構造は基本的に変わっていないですね。例えば、補助金改革は進んでいないわけです。また、歳出カット分をいろんなところにつけ回しをしているわけですね。第三に、増税なきと言うんですが、かなりの増税が実際には行われてきている。そういうわけで、なかなか甘い採点はできないわけです。
 そこで、まず総理、大蔵大臣にお尋ねいたしますが、六十五年の赤字国債脱却の公約ですが、実現できると確信されているんですか。
#126
○国務大臣(竹下登君) まず、容易ならざる問題だという問題意識は持っております。しかしながら、中期展望等でいろいろごらんいただきますように、逐次新しい要素が入ってきておる。例えて申しますならば、六十一年度予算を御審議いただきますための手ががりとしてお示しした中に初めてNTTの株の売却というようなものが入っていく、そういうところからいたしまして、歳入歳出両面にわたったぎりぎりの努力を重ねながら、まだその旗をおろさないで進めていきたいというふうに思っております。
#127
○国務大臣(中曽根康弘君) 大蔵大臣がお答えしたとおりでございまして、非常に厳しい道ではございますが、必死に歯を食いしばって努力してまいりたいと思っております。
#128
○和田静夫君 これまでの三年間を振り返りますと、中期展望では五十九年度から六十一年度までに三兆円赤字国債を減額するはずであったのが、実際には一兆七千三百四十億しか減額されない。これは達成率五八%ですね。実績で見ると、年々の減額はわずかに三千億円。そうすると、一兆円減額の目標が実際には三千億円でしかないわけでしょう。これで既に公約は破綻しているんです。この点は大蔵大臣お認めになるべきだろうし、ことしの中期展望では毎年一兆三千億円減額しようというわけですが、大蔵大臣、これは過去の実績から見て、こんな非現実、不合理、空想的、本心で本当に実現できると思っていらっしゃるのか。最終年度の六十五年といえば、これはもうひょっとすれば竹下内閣のときかもしれませんから、私は十分に記憶するために答弁を承っておきたい。
#129
○国務大臣(竹下登君) 容易ならざる課題であるという問題意識は持っております。当初予算ベースで今日までもぎりぎりの努力をし、一般歳出を前年度以下に抑えつつも、結果として赤字公債というものは今おっしゃいましたとおりの削減額でございます。そうして、これからはおっしゃるとおり一兆三千百億円ずつ平均でいきますとやっていかなきゃならぬということになるわけであります。しかし、その目標というものは新たなるいろいろな要因というもの、やっとことし一つの要因としてお出ししているのがそれこそNTTの株の売却収入になるわけでございますが、そうしたものを総合的に勘案しながら、私はその問題につきましてはいろんな手法はあろうかと思いますけれども、今新たなる手法を考えることなくまっしぐらに、容易ならざる問題でもあるが、しかしこれに取り組んでいくという姿勢を今崩すのが一番いけないんじゃないか、こういう感じがしております。
#130
○和田静夫君 大蔵省、中期展望では歳入不足が六十二年度には三兆四千三百億、六十三年度には四兆三千八百億、六十四年度には何と六兆八百億円出てくるわけです。こういう巨額な歳入不足というのは、無理な赤字国債減額政策によって引き起こされるものでしょう。
 繰り返しますが、大蔵大臣、ずばり言って、毎年一兆三千億円の減額というのは、たとえ増税したとしても無理でしょう。
#131
○国務大臣(竹下登君) これは容易でないことは事実でございます。しかしながら、今日までとにかく五十八、五十九、六十、六十一と当初予算ベースで一般歳出前年度同額以下ということも、当初からもそのことは不可能じゃないかというような指摘の中にぎりぎりやってきたわけでありますから、やはりそういう努力を積み重ねてこれからもいかなきゃならぬ問題だと思います。
 ただ、この補正予算でお願いしておることについて残念に思っておりますのは、五十八、九はそれなりの剰余金が出ましたものの、結果として赤字公債を発行しなくて済んだとでも申しましょうか、しかし、六十年度の補正におきましては、今度は四千五十億円のいわば赤字公債の増発をしなきゃならなかったということについては非常に遺憾に思っております。三年見ますと、大体とんとんぐらいな数字になるんじゃないかなと思っております。
#132
○和田静夫君 実は、この段階まで来たら赤字国債減額一本やりの財政再建方式は再検討されるべきだろう、それが私の考えです。財政収支を均衡に持っていくというのはあるべき最終目標ではありますが、そのタイムテーブルや方法については多様な方法がとられてしかるべきです。この点は後に回しますが、まず赤字国債減額を一般歳出削減一本やりでやる方式を再検討する。大蔵大臣、一般歳出削減一本やりで六兆円もの歳入不足を消すこと、これはできないんじゃないですか。
#133
○国務大臣(竹下登君) これはやっぱり中期展望、現行の施策、制度をそのままにしてと、こういう前提の上に立っておりますので、現行の施策、制度の中に、さらに国と地方との役割分担とか、そういうことを進めていく構えというものを引き続き持ち続けなければならぬではなかろうかというふうに思っております。
 確かに、いろんな議論の中で、六十五年をやめて七十年にしたらどうだとかいう御議論もあることは承知をいたしておりますが、やっぱり年々の単年度主義の中における積み重ねの中で、最終的にはサービスと負担というものは国民の選択に負うところでございますが、積み重ねて問答しながら編成していくわけでありますから、六十五年といえばまだ幾ばくかの年月があるわけでありますが、今もう既にギブアップしましたというようなことになったら、その瞬間から私は歳出圧力というものに抗し切れなくなるんじゃないかという懸念も持っております。
#134
○和田静夫君 総理、同じ質問いかがでしょう。
#135
○国務大臣(中曽根康弘君) やはり六十五年赤字国債依存体質からの脱却の線を堅持して頑張ってまいりたいと思います。
#136
○和田静夫君 増税なきというところの転換というのは、今の大蔵大臣の答弁の中にやっぱり含んでいますかな。
#137
○国務大臣(竹下登君) 増税なきというのは、いつも和田さんと議論しますように、新たなる税目によって大きく租税負担率が変わるようなことをしてはならぬというので、従来、総理のお言葉で言えば、幾ばくかの調整をしながら今日までに至った。そこで一つありますのが、いわゆる税調で抜本審議をいただいておる、その中でどういう税目等が出てくるかということについては予断を持っていないわけでありますが、その段階で仮にもし、我々は最終的には租税負担率より国民負担率で物を見がちでございますけれども、変化があったとすれば、そのときもう一遍見直さなきゃならぬのかなという気持ちがないわけじゃございませんけれども、やはり大筋として新たなる税目によって大きく租税負担の変わるものというようなものは、臨調の精神は生きておりますから、現実、私はその路線で対応していこうと思っております。
#138
○和田静夫君 例えば、歳入に占める国債の比率、国債依存度を一九九〇年代のある時点には一〇%以下にするとか、あるいは国債残高の対GNP比率を四〇%以下に、今四二かな、とどめるとか、あるいは歳出に占める国債費比率をいついつまでに一五%台に落とすとか、言ってみれば回り道の減額方式という考え方もあるわけでしょう。財政硬直化を防ぐ上で国債費の歳出比率を低下させることをターゲットとする方式も、これは私は一つの考え方だと思っているんですよ。毎年一兆三千億円の減額が不可能なんですから、この際やっぱり発想を大胆に転換されていいんじゃないでしょうかね。
#139
○国務大臣(竹下登君) 今私どもが申し上げておりますのは、六十五年度までに赤字公債依存体質から脱却をいたしましょう、そして、その間、いわゆる公債依存度を極力下げていきましょう、この下げる方はそれなりに今日まで、先ほど総理からもお答えがありましたように二〇・一%というところまで来たわけです。そして、その段階から今度は公債残高の対GNP比をどういうふうに減らしていくかというのをその段階から考えていこう、こういうことになっておるわけでございます。したがって、それの残高をどうしていくかというのと、今おっしゃいましたいわゆる歳出の方に占める国債費利払い等々の関係がそれとどういうふうに連動しながらいくか、こういう三段階のことが一応考えられるんではなかろうかというふうに考えております。
 そこで、何年度までに一五%に持っていきましょうと仮にいたしますか、そうなりますと、それじゃどうして埋めるかということになりますと、歳入歳出両面で問答をしながらそのコンセンサスを求めていかなければ、あらかじめ一つの、何年に一五%と言いますと、それじゃそれは直ちに増税で埋めるのかという議論にも直結してまいりますので、私どもは税の問題については税調の審議を見守りながら、今日なお増税なき財政再建というものの旗を掲げながら進んでおりますので、やはりターゲットの定め方として、和田さんがいつもおっしゃる公債依存度一五%あるいは一〇%を一九九〇年終わりごろにやろうかとか、一けた台にしようとかいう議論は、議論として私は十分あり得る議論でありますが、少し早いような気がいたしております。
#140
○和田静夫君 ちょっとすとんと落ちぬですが、大蔵大臣といいますか大蔵省、五十九年六月二十六日の参議院大蔵委員会の附帯決議の第一項、記憶にありますか。
#141
○政府委員(吉野良彦君) ただいま手元にございませんので、正確にお答えすることができません。
#142
○和田静夫君 政府は、昭和六十五年赤字国債依存体質脱却への手順と方策を明らかにする、御記憶にありますか、大蔵大臣。
#143
○国務大臣(竹下登君) 手順と方策を、可能な限り国会の問答を通じながら議論をしていく際にも手順と方策というのをはっきりしろ、こういう御意見はたびたびありますし、たしかそれは附帯決議にもあったであろうと思っております。それを、毎年毎年少しでも具体性のあるものに変えていこうという努力は今日続けておるつもりであります。
#144
○和田静夫君 そこで、この手順と方策を明らかにする、大蔵大臣は受けました附帯決議を尊重してしっかり頑張りますと、こういう返事があるんですが、赤字国債の減額をどういうような方法でやるのかを政府は明らかにする義務を国会から負った。歳出削減でやるとすれば、何を幾ら削るのかを向こう三年間にわたって明らかにする必要がある、これは後からの附帯決議全部合わせてですがね。また歳入不足を税収で補うというのであれば、いかなる税目でやるのか具体的に向こう三年間の方針を示すべきである。そういう見通しなしに、中期展望のような表だけを提出するというのはこれは無責任であります。総理、そうお思いになりませんか。
#145
○国務大臣(竹下登君) これはあらかじめ固定的な計画を示すということは非常に困難な問題であるということをたびたび申し上げておるわけであります。したがって、一つの前進としたならば、たびたび申し上げるようですが、ことしの中展の中に初めて電電株の売却収入というものを、これは非常に形式的数字と言うと適当でないと思いますが、数字の変動は十分予測されるにいたしましても、そうしたものが入ってきたというのが、私はより現実的なものに近づけるための努力の一つではなかろうかというふうに思っております。しかし、中期展望というのは、いつも申し上げますように、これはやっぱり予算を審議していただくための一つの手がかりというものであって、一定の条件を前提にして非常に機械的に計算しておりますので、これそのものが計画でございますという性格ではない、遺憾ながらそこまで進んだものではないという問題意識は私ども絶えず持っております。
#146
○和田静夫君 どうも納得できませんね。
 財確法の附帯決議は、手順と方策を明らかにせよと政府に義務づけたんです。政府は、具外的な手順と方策を国会に提出しなきゃならない。したがって、せっかくの大蔵大臣の答弁ですが、受け入れるわけにいかないんですが、提出できないんですか。
#147
○政府委員(吉野良彦君) お話ございます手順と方策を明らかにしていく努力の一つの形として、本年度におきましてもいわゆる中期展望、それから仮定計算例等の資料を提出させていただきますとともに、財政改革を進めるに当たっての基本的な考え方というものもお出しをいたしまして御論議をいただいている次第でございます。
#148
○和田静夫君 これは主計局長わかって答弁しているから非常に困るんだけれども、具外的な……(「わかってない」と呼ぶ者あり)いや、そうだから、ごまかしの答弁をしているから困るんだが、具体的な手順と方策をやっぱり国会に提出する、大蔵大臣はわかりましたと、こう言っているんですから。
#149
○政府委員(吉野良彦君) 具体的な手順と方策とおっしゃいます意味が、あるいは定量的な意味でのいわゆる要調整額の解消の内訳を個別、定量的に示せというような御趣旨でおっしゃっておられるのではないかというふうにも伺うわけでございますが、従来から私ども申し上げておりますように、経済全体が大変流動的でございます。でございますので、その中の一部門でございます財政につきまして、定量的な姿での財政計画的なものはなかなかお示しすることが難しいということで御理解をいただくように、従来からお願いをしているわけでございます。
#150
○和田静夫君 これは委員長、どうしてもここに出してもらう。別に質問を続けないとは言いませんけれどもね。ちょっと協議してください、それは。
#151
○委員長(安田隆明君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#152
○委員長(安田隆明君) 速記を起こして。
 和田君要求の資料につきましては、後刻理事会でその取り扱いを協議いたします。
#153
○和田静夫君 私は、六十五年度赤字国債減額を増税なき財政再建方式によって実現することは、この段階まで来れば不可能だと主張しているわけです。仮に今後三年間一般歳出の伸びをゼロに据え置いても、約一兆円の歳入不足が六十四年度においても生ずるわけでしょう。したがって、増税なき財政再建方式は破綻したんですよ。どんなに大蔵大臣、総理が願望を述べられようとも、この事実は曲げるわけにはいかぬ。増税なき財政再建が破綻したのでありますから、赤字国債減額方式の転換が第一に必要である。最も簡単な方法というのは、六十五年度ゼロという目標を先送りすることも一つでしょう。さらに言えば、ターゲットを転換すべきである、そういうふうにまた主張してきました。ところが、政府の方針ははっきりしないわけですね、そこのところは。六十五年度脱却方針に固執するのであったならば、その手順と方策を具体的に明らかにすべきだ、こう私は言っているわけですからね。大蔵委員会決議があるのですから、明らかにする義務を政府は国会に負っている。
 今、理事会ということになりましたから理事会でここのところはやりますが、これは委員長、本予算が参議院に送付されるまでにはここのところは明らかにするというようなことを、理事会で決定をした後になりますが、できますね。
#154
○国務大臣(竹下登君) 「本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。」と。それで、その後私が発言を求めまして、「ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。なお、第一の事項につきましては、具体的な歳出削減計画とか、増税計画といったものを策定してお示しすることは無理だと思われますが、目標達成に至るいろいろな道筋についてどのようなものができるか、今後工夫してまいりたいと存じます。」こういうお答えをして、その工夫の結果というものが、同じようなものだと言われましょうとも、いわば今度、財政再建を進めるに当たっての考え方の中で、定量的なものではございませんが、定量的な、量で示されたのは電電株だけでございますが、定性的な問題として医療改革とかそういうものを出して御審議の参考にしていただこう、こういうことでございますから、したがって、私どもといたしましては、目的達成に至るいろいろな道筋について、どのようなものができるかという、その工夫の結果が今お出ししたものだというふうな御理解をいただきたいと思っております。
#155
○和田静夫君 参考人を余りお待たせしてもいけませんから、少し順序を変えまして、税制をまず。
 中曽根・竹下財政の、増税なきと言いながら実際にはかなりの増税が行われてきた。五十八年から六十一年度の純増税、ネットの増税ですが、これは初年度のトータルだけで約七千三百億円になるわけですね、実際には増税が行われてきたわけです。これは総理、まず事実関係としてはお認めになりますか。
#156
○国務大臣(竹下登君) これは、総理からも申されておりますように、調整的なものであって、いわば新たなる税目を設けて大きく租税負担を変えるという、臨調の統一見解の範囲を出るものではない。特に、五十九年の所得税減税の際の法人税の税率アップとかいうようなこともございましたけれども、やはりそれは既存の税体系の範囲内で行った調整措置であるという意味においては、私は、臨調のおっしゃっておる増税なき財政再建というものの増税なきということは守られておるというふうに考えるべきだと思っております。
#157
○和田静夫君 率直にお認めにならぬのですが、実際問題としては今私が指摘した数字のとおりなんです。
 そこで、総理大臣は、税制改革を六十一年度予算で実施すると言明をされましたね、かつて。ところが、六十二年度に先送りしたいということですから、公約違反だと私は思うんですけれども、総理はこの辺はどういうふうにお考えになりますか。
#158
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は六十一年度から実施するということを申し上げたことはないと思います。大幅な、いわゆるシャウプ税制改革以来の大改革につきましては、手順は申し上げまして、そして政府税調に諮問をし、これこれでやっていきますと申し上げたんで、六十一年からやるというようなことは申し上げた記憶は全くありません。
#159
○和田静夫君 これは、昨年の予算修正の税の論議の一定の各党間の約束ができ上がるときに、総理筋から出た六十一年度予算で行う、海部文部大臣よくおわかりになっていますよね、ここのところは。河本派首脳としてはこのことは確認されているでしょう。
#160
○国務大臣(海部俊樹君) いろいろ御議論のあることは聞いておりますが、私はおっしゃるように首脳でも何でもありませんので、この場でコメントすることは御勘弁をいただきたいと思います。
#161
○和田静夫君 総理の任期がことしの十一月で切れる、いろいろなことはあろうかと思いますが、切れる。常識的に考えると、その前に実施するのが、総理として私たちに対するお約束は守られるということで当然じゃないだろうか。それとも総理は、三選を展望して税制改革のスケジュールを立てるんだと、こういうことなんですか。
#162
○国務大臣(中曽根康弘君) 自民党内閣でございますから、党と相談もし、党の政策を内閣は実行するということでありますから、だれが政権をとっても永続性はずっと続いていく、そのようにお考え願いたいと思います。
#163
○和田静夫君 私たちの要求に従って六十一年度予算で所得税減税を実行するように、これは強く要望しておきます。
 そこで、税制改革と財政再建の関係なんですが、総理の税制改革というのは、税収面で見ると純増税ゼロ、つまり増税と減税は同額であると承っておいてよろしいですか。
#164
○国務大臣(中曽根康弘君) 税調に諮問しておりますのは、思い切った税の改革をやりたい。ついては増税感、ひずみ、ゆがみ、そういうようなものの解消からまず案を出してもらいたい。そして今度は、それと一体になる財源措置もまた考えていただきたい。前後の順序を申し上げておるのでありまして、それで、それ以上のことは申し上げてないのでございます。しかし大蔵大臣は、私も一緒にそれは申し上げておりますが、これは税収増を目的として税の改革をやるんではありませんと、これははっきり申し上げております。そういうところを見れば、財源措置という面も考えるとこれは中立的なものになるのではないか、これは推理からもそうなるんではないかと思います。
#165
○和田静夫君 大蔵大臣、もう今のところでよろしいんでしょうが、ネットの増税はゼロである、税制改革は増収を目的とするものではない、結果として減税と増税は同額である。
#166
○国務大臣(竹下登君) 今、政府としては、少なくとも新たなる税目によって大きく租税負担率が変わるようなことはしないということを申しておる立場も一つございます。
 そもそもやっぱり税に関する諮問をいたしますときには、私は、抜本対策である限りにおいては、手順として、総理がおっしゃっているように、重税、重圧感、ゆがみ、ひずみ、そういうものから御審議をいただいて、そして今度は総合的に御審議いただくという場合には、やっぱりニュートラルな形で諮問をするというのが本筋じゃなかろうか、抜本でございますから、そのように考えております。
#167
○和田静夫君 どうもお待たせして恐縮でした。
 小倉会長に聞きますが、近年、政府税調の権威失墜が云々されている。政府税調と党税調が同じことを審議しても、結局、党税調の言い分が通っているという印象はあると述べているのは、通称暴れ馬の一人である中川幸次さん。もう一人の暴れ馬と言われる堺屋太一さんは、大蔵省がうんと言えば政府税調は通ると発言をされている。
 まさにこれらの指摘のとおり、政府税調の権威低下を印象づける事件が昨年末に起きた。いわゆる暴れ馬と呼ばれる方々が暴れなかったのは非常に奇異でしたが、それはともかくとして、この件について会長の見解を承りますが、税調答申の直後にたばこ消費税が地方財源対策として急浮上しましたね。政府案に盛り込まれてしまった。たばこ消費税の増税は、これまでの予算編成のルールからして私は無効だと思う。税調の十分な審議を抜きにして突如として出される、それを税調は追認させられる、こんなルールはないでしょう。したがって無効であるのですが、撤回されるべきだというふうに私は考えますが、会長はどういうふうにお考えになりますか。
#168
○参考人(小倉武一君) たばこ消費税のことでございますが、手続としては、はなはだ異例と申しますか例のないようなことでございましたが、政府とされましてはどうもいたし方のない措置であったのではないかと、かように存じております。
#169
○和田静夫君 たばこ消費税についてですが、税調の審議時間というのは何時間ぐらいあったんですか、その中でどういうような議論が交わされましたか。
#170
○国務大臣(竹下登君) たばこ消費税引き上げの経過は、むしろ私の方から申し上げるべき問題であると思っております。
 私としたことが、これほど残念だったと思ったことは私自身もございません。謹んでおわびを申し上げておるというのが実態でございます。
 実際、六十一年度予算編成作業が進みます中で、術助金等の整理合理化に伴います地方財政の影響をどうするか、こういうことがぎりぎりの段階で残ったわけであります。そこで結論から言えば、これだけのいわば二千四百億円を、赤字公債を増発するか減額幅をそれだけなお少なくするか、あるいはどこかに財源を求めるかというぎりぎりの選択の立場に立ちまして、そこで十二月二十日夕刻、今回の措置を決めました。それでそうなりますと、これは当然、税調はもう閉まっておるわけでありますから、したがって急速税制調査会に対してお願いをいたしまして、そして翌二十一日の税調総会でやむを得ないという御理解をいただいたということでございます。
 したがって、従来、税制調査会というものの御答申の線に沿って我々が政策選択を行っていくというのにもかかわらず、この限りにおいては、その税調が閉まった後に政策選択として決断をしたという意味においてはまことにこれは異例のことであった。だから、各方面へひたすらおわびを申し上げておるというのが正直な実態であります。
#171
○和田静夫君 会長は全然たばこ消費税の論議はされなかったということになりますかね、今の話を聞いておると。
#172
○参考人(小倉武一君) ただいま大蔵大臣お答えになりましたように、政府税調は一度六十一年度税制案について答申をした後、この二十日でございましたが、その一日置いて二十二日だったと思いますが、税調を再開いたしましてたばこ消費税値上げについて論議をいたしました。
 その中でどういう議論があったか、こういう御質問でありますが、一つは、手続の問題ですね。御指摘のような、また大蔵大臣がお話しになりましたような手続上はなはだ遺憾であるといいますか、異例であるというような御意見。それから二番目は、たばこ消費税を上げても所期のとおり一体税収は上がるのかということですね。たばこ離れといいますか、禁煙者がだんだんと多くなっているという、たばこののみ方が減ってきておるというのでしょうか、とにかく予期のようには税収が上がらないんじゃないかというような御意見の方ですね。それから、上がる上がらぬは別にしまして、この際消費税としてのたばこの値上げをするのは適当でないというそういう御意見と、そのほか、まあまあしかしそう言っても仕方がないではないかというふうなそういう御意見、私なんかも言わなかったですけれども、そういう意見であったわけです。
#173
○和田静夫君 私はこの一件で、今お話がありましたが、税調の独立性はかなり疑わしくなってきた、そのことを指摘しておくんですが、大蔵大臣、やっぱりこの諮問方法というのは無効ですよ。肝心なことを税調に議論させる余裕を与えなかったということは、税調は要らないということになりますね。税調で審議を願って、その答申に基づいて税制改革を行うというルールが生きているのならば、私は無効だと思うのですがね、いかがでしょう。
#174
○国務大臣(竹下登君) だから、二十日の夜に運営小委員会にお諮りいただいたその上で、二十一日の税制調査会総会を開いていただいて、いわば追認をしていただいた。だから私は、これは非常にオーソドックスな手法であったとはもちろん思っておりません。したがって、これについては私どももそれぞれの立場で手続問題、本論も含め手続問題等について理解を得る努力をいたしておるわけであります。
 普通、こういうのは税調にお諮りする前に、本当は、専売のときでありますとまあ私、所管そのものでございますが、今会社でございますから、社長さんにも労働組合にも、あるいは耕作団体にも十分なお話をしてからやるのが大体竹下的手法でございますけれども、その手法を、みずからを省みて、ああやっぱり愚か者であったなという反省をひたすらしておるというのが現実の姿でございますので、また無効だ有効だという論議は私も余りしたい議論だとは思っておりませんが、法律的に無効であるという性格のものではなかろうと思っております。
#175
○和田静夫君 昨年末から謝られっ放しなものだから、こっちも戦意喪失ということになるんですがね。しかし、総理自身の意向から独立に運営されて、十分な審議時間が保証されることが必要なんですね。会長、これはそうでしょう。
#176
○参考人(小倉武一君) 無論たばこ消費税、値上げ幅の問題もありますけれども、一般大衆に及ぼす影響が相当あるものですから、当然相当審議すべきものだと思います。その意味においては時間は短かったわけですけれども、とにかくそれだけに、総会を開きまして審議をいたしていろいろ意見の交換を行って、その上で手続、それから内容についていろいろ異論があるけれどもやむを得ないのではなかろうかという私個人の所見を最後に当局の方に申し述べるような措置をとったわけであります。
 今回の補助金の整理の問題、これは地方自治体に及ぼす影響も相当ございますので、最後の詰めになってようやく財源措置が講じられてきたということで、当局としましても前広に税制調査会に諮るという日時的な余裕がなかったというようなことは理解できるかと思います。
#177
○和田静夫君 私は、たばこ消費税は撤回されるべきだと強く意見を述べておきますが、それと税制改革論議に入るんですが、その前に、総理、なぜ減税答申が先で増税答申が後になるんですかね。
#178
○国務大臣(中曽根康弘君) 前にもお答え申し上げましたように、まず国民の一番欲していることへ手をつけるというのが政治として正しいやり方だと。重税感とか、ゆがみであるとかひずみであるとか、ともかく一番国民の皆さんがやってくれということをまず手をつける、後始末は後からやる、そういうのが政治の普通の手法であると思うのです。
#179
○和田静夫君 そうすると、ますます私は納得できないんですが、実施は同時に行うということですか。
#180
○国務大臣(中曽根康弘君) 今のところは六十二年度から実施したいと、そういうことを申し上げたところでございます。
#181
○和田静夫君 税の持つ所得再配分効果ですね、資源配分効果などを考えますと、減税とその財源対策というのはワンセットで考えなきゃならぬと私は思うんですよ。例えば、所得税を減税したとしても、その財源対策として大型間接税が導入をされるということになれば、ある部分、ある所得階層ではネットの増税となる可能性ですね、そういうことがあるわけです。つまり、減税だけを示されても、国民はそれを支持すべきかどうか判断に迷うことになるわけです、これは。したがって、税制のバランスを考える上で、減税提案というのはしかるべき財源となる税制上の措置とワンセットで考えなければならないわけでしょう。そう考えるのは私ですが、これはまず専門家としての主税局長どうですか。
#182
○政府委員(水野勝君) 今回の総理からいただいております諮問が、ゆがみ、ひずみを是正するということでございますので、まず、どこにゆがみがあり、重税感があり、ひずみがあるか、そういった点を明らかにするというところから審議をお願いしているわけでございまして、今回それが手続として適当なものではないかと考えておるわけでございます。
#183
○和田静夫君 論理的に私が言ったことは間違っていますか。
#184
○政府委員(水野勝君) 最終的に全体としての税制改正、抜本的な改革の姿一本として一括してお示しするときには、そうした全体としての負担の動向、変化、そういったものはもちろんお示しをすべき、またそうしたものを私どもとしても期待をいたすわけでございますが、審議の段取りとしては、まず、今総理からのお話がありました、ゆがみ、ひずみを突きとめ、それの是正策を御審議願う、これがよろしいのではないかと思っておるわけでございます。
#185
○和田静夫君 小倉会長、税というものは一つの体系を持っているわけですが、所得、法人といった基本的な税目をいじるとなれば、それと連動して他の税目も動かさなければならないということになりますね。ある税目で減税を行って他の税目でその財源を確保しようとするときに、同時進行で検討が進められなければならないのは当たり前じゃありませんか。そういうような処理の仕方をとられることが税体系のバランスを考える上で必要なんだというふうに私は考えるんですが、間違っていますか。
#186
○参考人(小倉武一君) 今お述べになりました和田さんの考え方は、間違っているということはないと思います。間違っているということはないと思いますよ。だけれども、税制改革に接近するための方法としてそれだけかというと、必ずしもそれだけではないだろう。どちらがよりベターであるかというようなことは論議の対象になるかと思います。
#187
○和田静夫君 会長、重ねて伺いますが、中間報告、中間答申というんですかね、減税に重点が置かれるけれども、その財源についても一定の見通しを明らかにするものと承っておいてよろしいですか。
#188
○参考人(小倉武一君) ちょっとお答えしにくいのですけれども、と申しますのは、昨年の九月総理から御諮問をいただきまして、十一月いっぱいいろいろの税目について勉強いたしましたのですが、新しく委員になられた方もありまして、そもそもからの勉強だったせいがありまして、今後の税制をどうするかという論議は、ことしになってようやく特別部会を三つ置きまして、特別部会で審議することになって、その特別部会で洗い出された重要な問題については学者先生方の専門委員の方々に分担して研究願って、研究願った上、その成果を特別部会に御報告を願って、そしてそれを審議するという、そういう段取りになっておるわけです。
 したがいまして、税調としては、ただいまは専門の先生方がいろいろの問題について勉強されておる、それの報告を待っておるということで、その報告は今月末ごろから始まるようであります。したがいまして、その全体像がどうなるか等々については無論先のことであります。まして、財源といいますか、減税なら減税についてどういう手当てをすべきかというようなことは随分まだ先の話になりまして、まだここでどういう考え方をしておるかというふうなことを申し上げる段階にはないように思います。
#189
○和田静夫君 税調内部にさまざまな新しい人や立場の人がいらっしゃることは理解いたします。しかし、会長の個人的見解としては、財源抜きの減税答申は問題が多いということではあるわけですね。
#190
○参考人(小倉武一君) 問題が多いというふうに申されてもよろしいかもしれませんが、難しい点があるということは言えるかと思うんです。と申しますのは、これは釈迦に説法のようなことになりますけれども、税制全体でなくても、所得税なり法人税だけを取り上げましても、その目的を例えば所得税の減税ということに絞りましても、それじゃ、みんなに減税できるのかどうか、みんなに減税をするというようなことを建前にとるのか、ある特定の重圧感を持つのが当然である、あるいはそうであろうと思われる階層に重点を置いてそこに減税をする、したがって、それ以外の方々には多少増税になってもやむを得ないという考え方をとるのか、これはテクニカルになかなか難しい問題になってきます。それから、まして法人税でも所得税でも大きく減税をいたします場合は、やはりその減税を主張する方、意見を立てる方は、自分は財源をこういうふうに考えておるんだということは念頭にあるはずです。念頭になくて、ただ減税してもらえばいいんだから減税の主張は私はこうするんだと言われましても、これはちょっと無責任なことになるおそれもありますので、そんなことも委員である方個人個人は財源のことも頭に置いて考えていただくということは当然であると思うんです。
 ただ、税調として、それを集約して発表するというようなことは大分先になる、ことしの相当遅くなってからということになると思います。まず、一体その減税を中心とする所得税、法人税あるいは住民税等の考え方、合理化も含めまして減税の考え方というふうなものをまとめる。ただ、その際、まだわかりませんけれども、想像するに、財源のことをそう全体として集約しないとすれば、定量的にどの程度減税するというようなことはなかなか出てこないんじゃないかという、そういう問題といいますか、そういうこともまた含まれてくるんじゃないかということを想像いたしております。
#191
○和田静夫君 中身の議論を展開する時間的余裕がなくなったんですが、大蔵大臣、ちょっと一つですが、自民党の村山調査会が昨秋でしたか、所得、法人税の減税と大型間接税の導入とを抱き合わせで行うという中間報告を党の政調に出されましたね。これは大蔵大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。
#192
○国務大臣(竹下登君) 村山さんは、これは万人の認めるところ税の専門家でございます。村山さんの方でいろんな角度から勉強をされた一つの案である。したがって、私どももその村山調査会から出されたものはもとよりでありますが、各方面から、各党からもちょうだいしております。それらは、やっぱり重要な参考資料として絶えず念頭に置くべきものだというふうに考えております。
#193
○和田静夫君 総理、同じ質問ですが。
#194
○国務大臣(中曽根康弘君) 党ともいろいろ相談をして進めておりますが、大体税調に対する諮問については党も了承していただいて、今は税調も作業しておるわけでございますから、諮問した順序に基づいて今進行をさしていただきたい、そう思っております。
#195
○和田静夫君 小倉会長、最後ですが、所得税減税についてですが、シャウプ勧告の方向性というのは、所得税の累進税率は五〇%−六〇%を限度とする、最高税率は低目に設定する、そのかわりに富裕税を設けて高額所得者の課税漏れを防ぐ、もう一つは給与と利子配当を総合課税とする、そういう構造を持っていて、それは合理的な税体系として評価できると私も考えます。最近、所得税の税率を五、六〇%にすべし、こういう見解が政府筋から表明されているわけですが、最高税率を引き下げるということは、他方で総合課税や富裕税といったものを構想しないと私は片手落ちじゃないかと考えるんですけれども、その点は小倉会長としてはどういうふうにお考えになっていますか。
#196
○参考人(小倉武一君) 税調としては、まだそこまで審議は実は進んでいないわけです。いろいろな方面より御意見がおありになることはもちろんですし、政府におかれましても総理を初め大蔵大臣もいろいろ御意見があることは当然でございましょうけれども、税調としては政府の御意見を尊重しながら、税調としてとはちょっと言いにくいかもしれませんが、少なくとも会長としては、政府の御意図も尊重しながら今後できるだけいろんな意見を集約していく、そういうことになるわけで、そのための議論をまだしてないわけです。
 したがいまして、どんなふうな雲行きになるのかということをここで申し上げるわけにもいきませんし、また私の個人的な見解がそうあるわけでもございませんので、そういうことについてお答えできるのはもう少し、もう一月も二月も後のことになろうかと思います。
#197
○和田静夫君 ちょっとくどいようですが、会長御自身としては、総合課税や富裕税といったものを一方で構想するということは、当然最高税率を引き下げるということは当たり前のことだというふうにお考えなんでしょうか。
#198
○参考人(小倉武一君) 私個人としては、最高税率を引き下げるのは当然だとは思っていません。ただ、そういう御意見があるし、それが有力に主張されているということは承知していますから、あるいはそういうことになるかもしれません。ただ、減税というのは最高税率を下げるだけが減税なのかどうか、下手すると所得の非常に高い人だけが減税になってというふうなことに、そこが先に出ますと誤解を受けるおそれがある。だから、全体像がはっきりしないうちにどこをどうするという区分の部分をはっきりするということは差し控えるべきだと、税調の会長としてはそう思っています。
#199
○政府委員(吉野良彦君) 先ほどお尋ねのございました会計検査院の給与改善費の問題でございますが、六十年度の会計検査院職員の給与改善の所要額は約三億五千九百万円でございます。これに対しまして、当初予算にいわゆる一%の給与改善費が計上されてございまして、これが約八千二百万円でございます。これを充当いたしましてなお残り約二億七千七百万円要するわけでございますが、先ほど想像で申し上げましたが、やはり退職手当等を中心といたします人件費の不用が見込まれましたものでございますので、結果的に補正予算に追加を計上することを要しなかった、こういうことでございます。
#200
○委員長(安田隆明君) 午前の質疑はこれまでとし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開会
#201
○委員長(安田隆明君) 予算委員会を再開いたします。
 昭和六十年度補正予算二案を一括して議題といたします。
 午前に引き続き、和田静夫君の質疑を行います。和田君。
#202
○和田静夫君 主計局長、せっかくの午前中の最後の答弁ですが、実は予算書のどこを見てもわからぬわけです、これは大蔵大臣もおわかりにならなかったと同じように。どの経費をどれだけ削って給与費がどれだけふえたのか、そういうことが明らかになるように各目明細書を私は是正すべきだと思う。これは非常に迷惑な話で、どこを見てもわからぬのです。マイナスの部分はわかりますよ。また、会計検査院を一つの項としていることも私は問題だと思うんですが、今直ちにそれをどうこう言わぬけれども、給与増加分と他の経費の削減分がわかるよう各目の明細書を書き直して、そして予算資料として提出すべきですよ。
#203
○政府委員(吉野良彦君) 各目明細書のつくり方でございますが、従来からの歴史もございまして今のようなスタイルで提出をいたしているわけでございますが、御指摘のようなことで全省庁にまたがりまして各目明細書を全部つくり方を変えるということになりますと、大変これまた作業的にも膨大な作業を要することになりますので、必要な範囲内で御指摘の資料は別途先生のお手元に提出させるようにいたしたいと存じます。
#204
○和田静夫君 ほかの省庁はわかるんですよ。会計検査院だけがわからないんです。
 それで、税制改革について最後に一つだけ伺っておきますが、大蔵大臣がシャウプ博士とお会いになったその中で、「EC型付加価値税の変形とか、累積課税を排除した売り上げ税の導入、あるいは物品税の抜本的改革などの方向も検討の対象にはなるだろう。」、こう竹下さんがお述べになっているのですが、これは大蔵大臣としては新しいタイプの間接税の導入が望ましいとお述べになったと理解をしていてよろしいですか。
#205
○国務大臣(竹下登君) これは私先般シャウプ先生に、本当は表敬のつもりでございましたが、ある社の企画が継続してございまして、何分八十三歳の長老でございますので、非常に気を配りながらお話しをいたしまして、私自身も、我が国における税制調査会のかつての中間答申とか、そういうものの範囲内より出ないように気をつけて発言をしておりました。今までの中間答申なんかでそんなような意見があったというふうなことはたしか私も申しましたが、国会のことが気になりますので、予見を挟んじゃいかぬものですから、自分の意見は述べないように述べないようにしながら御老人に対して丁寧に丁寧にお話しをした、こういうことでございますので、確定的なEC型付加価値税の変形が僕の念頭にあるということではないというふうにお読み取りいただきたいと思います。
#206
○和田静夫君 これに関する限りはそう読み取るわけにはいかぬのでして、どうも新しい間接税を頭に描かれながらお話しになっているような調子なんですが、これは英語ですか日本語ですか。
#207
○国務大臣(竹下登君) 半々ぐらいでございました。朝日新聞の記者の方もいらっしゃいまして、それで時間がなかったものですから、日本語と英語半々ぐらいな感じでございました。
#208
○和田静夫君 累積課税を排除した売上税ということになってくると、私は実は一般消費税(仮称)と同じものだなという感じがしたものですから、そこのところをもう一遍。
#209
○国務大臣(竹下登君) 結局シャウプ先生の考え方というのは、まず先生のを読んでいきました、丁寧にお扱いしなきゃいかぬと思っておりましたので。それで、シャウプ先生自身が積極的なEC型付加価値説論者だとは私受けとめなかったわけであります。もっとも昭和二十五年の話でございますからそういう税制のところまで入り込んでいなかったと思うのですが、理論的には一番理屈のつきやすい形のものではあると思う、しかしほかの国も一年とか二年とか準備期間がかかったので、よほどこれらに対しては理解と協力を得なければ難しいような趣旨の御発言があっておりました。すなわち、累進性がないところに論理的公平性があるという論理が成り立たぬわけじゃないけれどもと、こんなような感じで承っておりました。
#210
○和田静夫君 この問題は留保して次に進みますが、先ほどの第二に戻るのですが、中曽根・竹下財政の私は第二の問題点であるとした歳出のツケ回しですが、高率補助金の補助率問題なんです。
 これは、昨年の予算委員会と特別委員会で、六十年度限りの措置というのを私は両委員会とも論議をさせていただきましたが、何度も確認をしたつもりでいます。ところが、六十一年度もカットされてしまったんですが、これは答弁違反なんですが、自治大臣、いかがですか。
#211
○国務大臣(小沢一郎君) 補助金の問題につきましては、私どもといたしましては、単に地方への負担の転嫁ということではなくて、いわゆる事務事業の見直しあるいは国と地方の役割分担や費用負担のあり方の問題等、そういう議論の中から関連して検討すべきものである、そういう考え方に立っておるわけでございますけれども、今先生御指摘の一年間の暫定措置、そして六十一年度以降の問題につきましては今申し上げましたような観点に立ちまして、閣僚会議あるいは検討会の報告等を踏まえまして対処していく。その中におきまして、いわゆる前段に申し上げました事務の見直し等も行われました。また、補助金の補てん措置につきましても異例の補てんの措置も行われました。そういうような中で六十一年度の予算編成が行われたわけでございまして、私どもといたしましても、今日の財政事情の中でやむを得ないものであると、そういう考え方を持っております。
#212
○和田静夫君 自治大臣の答弁としては非常に不満でありまして、でき上がってから来られた大臣を余り責めてもあれですが、前大臣はもう明確にこれは約束をしていた。ほかの大臣の答弁というのは若干のニュアンスがあったんですよ。生活保護費の補助率は三分の二と十分の八との両論併記ですね。全くの両論併記で、補助金問題検討会では結論が出ていない。それがどうして十分の七で組まれるんですか。これは総理でしょうか。
#213
○国務大臣(竹下登君) 今御指摘がありましたとおり、「その補助率としては、補助率の体系的な見直しの観点から三分の二とするのが適当とする意見がある一方、国の責任の度合を考慮して、従来どおり十分の八とするのが適当とする意見があった。」と、おっしゃるとおり両論併記でございます。したがって、私どもといたしましてはこれらを踏まえまして、六十一年度から六十三年度の三年間は十分の七とし、その後のあり方については改めて大蔵、厚生、自治の三大臣が協議して定めるということで決着を見たわけでございます。
#214
○和田静夫君 自治大臣、検討会は何のために設けられたのかと考えてみて、政府は検討会の結論を尊重するというのであったならば、意見がまとまらなかったものについては従来どおりとするというのが筋でしょう。十分の七というのは十分の八よりも三分の二に近い決定ですよ。これはやっぱり十分の八に戻して、改めて検討するというやり方が正しい。いかがですか。
#215
○国務大臣(竹下登君) 一年間の暫定措置というものも、もう一つ念頭にあったことも事実でございます。
#216
○和田静夫君 自治大臣。
#217
○国務大臣(小沢一郎君) 本来生活保護に関しましてはいわゆる十分の八の補助を行ってきたわけでございますけれども、十分の七は、いわゆる国の補助率として八がいいのか七がいいのか、あるいはそれ以上がそれ以下かという判断はいろいろあると思いますけれども、現在の財政状況の中で十分の七ということで決まったわけでございまして、私どもといたしましてもいわゆる地方の財政状況等をかんがみながら今後とも十分対処してまいりたい、そのように考えております。
#218
○和田静夫君 非常に今重要な発言なんですが、補助率決定の要素というのをちょっと読んでみますと、三つ目に今言われた国及び地方の財政状況を要素としているわけです。これは、財政状況というのは御存じのとおり流動的であるわけでしょう。地方財政法第十一条の負担割合法定主義にはそぐわないわけなんですよ、大臣。
#219
○政府委員(持永堯民君) お答え申し上げます。
 生活保護につきましては先ほど大蔵大臣から御答弁ございましたようなことで、前年度、つまり六十年度の率というものを頭に置いて意見が分かれたものでございますから、そういうことも頭に置き、かつ財源措置につきましても異例の財源措置を行うということを含めて、あわせましてそういうことで自治省としても了解をしたということでございます。
#220
○和田静夫君 いや、質問に答えてないんだ。さっき言った質問に答えて、自治大臣。地方財政法十一条との関係で非常に疑問ですよ、これは。
#221
○政府委員(持永堯民君) 国庫負担との関係での御質問かと思いますが、これは確かに地方財政法上は国と地方の負担関係を決めておる、その原則を決めておりまして、個別の率については各法律で決めておるわけでございますけれども、あくまでこれは特例法ということで御審議をお願いして法律上定めるものでございますので、いろいろ御意見もあろうかと思いますが、法律上の問題としては特に問題ないものであろうというふうに考えております。
#222
○和田静夫君 これは自治省を余り責めても気の毒だと思いますが、押し込まれたんでしょう。十一月二十七日に提出された地方制度調査会答申にこれは背いているでしょう。
#223
○政府委員(持永堯民君) 地方制度調査会の答申は御案内と思いますので詳細申し上げませんが、考え方としては、地方制度調査会の考え方からまいりますと、例えば生活保護のような、事務事業の見直しといいましょうかあるいは役割分担の見直しというものがないような場合には、率だけを変えるのはおかしいという基本的な考え方は示されております。そういうことも踏まえまして私どもいろいろ議論をしたわけでございまして、検討会の中でも意見が分かれ、かつ閣僚会議でも意見が分かれたといいますのは、自治省としては調査会の意見も十分頭に置いて議論を進めた、しかし最終的には、先ほど申し上げましたように国の財政事情あるいは異例の財源補てん措置をとるということも含めて了承したというような経緯でございます。
#224
○和田静夫君 法制局長官、地方制度調査会の法的性格と補助金問題検討会の法的性格をわかりやすく説明してください。
#225
○政府委員(茂串俊君) 当然の御質問でございますが、地方制度調査会はいわゆる設置法に基づきまして正規の法律に基づく機関として設置されたものと思いますが、一方の今御指摘の検討会の方は私必ずしもつまびらかにしておりませんので、御答弁申しかねますので御了承願います。
#226
○和田静夫君 私は非常に理解に苦しむのは、内閣総理大臣の公的な諮問機関の答申が尊重されずに、法律にも何にも基づかない私的機関である補助金問題検討会報告が重視される。総理、これは狂っていませんか。
#227
○政府委員(吉野良彦君) まず補助金問題検討会の性格でございますが、委員御承知かと存じますが、この検討会は、まずその前提として補助金問題関係閣僚会議というのがございます。この補助金問題関係閣僚会議は、六十年度予算におきます補助率問題の経緯にかんがみまして、六十一年度予算に間に合うようにこの補助率問題を検討しようということで、閣議口頭了解に基づきましてまずこの閣僚会議が設置されたわけでございます。そこで、この閣僚会議におきまして、さらにこの問題につきまして有識者の参集を求めて検討を進めるために、閣僚会議の決定に基づきましてこの補助金問題検討会を設けられたと、こういうことになっているわけでございます。
 したがいまして、この補助金問題検討会で検討していただきました結果を補助金問題関係閣僚会議に報告をいただき、この補助金問題関係閣僚会議で先ほど御議論ございました六十一年度以降の生活保護費につきましての補助率問題につきましても決定をされ、そうしてそれを閣僚会議からさらに閣議に上げていただきまして、閣議口頭了解という形で、六十一年度から三年間は生活保護に係る補助率は十分の七にするという御決定があったわけでございます。
#228
○和田静夫君 それはわかっているんですよ。答弁になっていないんです、それは。
 法的権限を持っておるところの調査会の答申が尊重されずに、私的諮問機関の答申が尊重されているというのは逆さまじゃないですかと私は言っているんです。
#229
○政府委員(吉野良彦君) まず地方制度調査会の答申でございますが、お話のように「国の財政上の都合によって一律に国庫負担率を引き下げるような措置がとられるべきではない。」という御指摘があるわけでございます。そういった御指摘の精神も踏まえながら、一方で補助率問題を全体として国、地方間の財政事情も勘案しながら再検討していくという要請も一方ににらみながら、両者総合的に御判断をいただいて閣議で御決定をいただいたものというふうに考えているわけでございます。
#230
○和田静夫君 大蔵大臣に答弁してもらいましょうか。
#231
○国務大臣(竹下登君) 具体的な見直しに当たりましては、地方制度調査会等各般の御意見を勘案さしていただいた、こういうことになろうかと思うのであります。
 六十一年度予算におきましては、政策分野の特性に配慮しながら、社会保障を中心に事務事業の見直しを行いながら、補助率のバランスにも留意しながら補助率の総合的見直しを行っておるわけでございますので、調査会で指摘されております国の財政上の都合による一律引き下げということでなく、個々に検討をしていこう、こういうことで話を詰めてきたわけでございます。だから、いわゆる国の財政上の都合により何もかも一律にやるというような措置はとるべきでないということを私どもの念頭にも十分あった問題でございます。
#232
○和田静夫君 念頭にあった、なかったは御勝手でございますが、私が言っているのは、地方制度調査会のいわゆる答申は重視されるのが当然であって、理論的に言っても地方財政法の趣旨は、事務の性格によって負担割合を決めるべきであって、国の財政事情によって左右されてはならないというのがこれなんですよ、自治大臣。
#233
○国務大臣(小沢一郎君) 先ほど申し上げましたように、いわゆる国の財政事情だけで先生御指摘のように一律にカットしたり、あるいは地方への負担に転嫁してはいけない、そういう趣旨はもちろんでございますが、それと同時に、そういうようないわゆる財政分担の割合あるいは費用負担のあり方等につきましては、いわゆる国の事務か地方の事務か、あるいはそういった見直しの問題等等の議論の中から考えていくべきものである、そういうものが根底に私はあるものと思います。
 したがいまして、いわゆるこれから御審議いただきます六十一年度の予算編成に当たりましても、これで十分というわけではございませんけれども、一部では事務の見直し等も行われたわけであります。いわゆる思想的にそういう考え方に立って予算編成もなされた、そしてまた異例の補てん措置も行われた、そういう中で私どもとしてはやむを得ないもの、そのように判断した次第であります。
#234
○和田静夫君 私は補助率はもとに戻すべきだと思いますし、百歩譲っても、検討会で両論併記となった生活保護については、十分の八にこれは戻すべきです。
 補助金問題は本予算でじっくりやりますが、ツケ回しに関連しまして、補正でやっておかなきゃならないのは決算剰余金なんですが、主計局長、五十九年度決算剰余金は幾らで、その使途はどうなっていますか。
#235
○国務大臣(竹下登君) 五十九年度決算上の純剰余金は千七百五十五億円、そしてその全額を、きょう大蔵委員会で趣旨説明をさしていただいたわけでありますが、一般財源に充当するというふうにお願いをしようということでございます。
#236
○和田静夫君 違うでしょう。細かいこと大臣答えたら違うよ。
#237
○政府委員(吉野良彦君) 大変恐縮いたしました。
 ただいま大臣が御答弁になりましたとおりでございます。
#238
○和田静夫君 二千五十四億じゃないですか。
#239
○政府委員(吉野良彦君) ただいまお話がございました二千五十四億というのは恐らく、昭和六十年度のいわゆる新規発生剰余金、これが二千六十二億円でございまして、この二千六十二億円のうち航空機燃料税の精算額に見合う分が八億ございますこれを差っ引きますとお話しの二千五十四億になるわけでございます。この二千五十四億のうち、さらに二百九十九億円はガソリン税の精算額に見合うものでございます。このガソリン税の精算額に見合うものはいわゆる特定財源でございますので、今御審議をいただいております補正予算におきましても道路特別会計に繰り入れをするという措置をお願いしているわけでございます。この二千五十四億からただいま申しました二百九十九億、これを差し引きましたのがいわゆる財政法第六条の純剰余金でございますので、これが大臣が申し上げました千七百五十五億円でございます。
#240
○和田静夫君 そこで、今言われた財政法六条、決算剰余金についてはどういうふうに定めているんですか。
#241
○政府委員(吉野良彦君) 二分の一を下らざる金額は国債整理基金特別会計に繰り入れるべしという規定になっているものと記憶をいたしております。
#242
○和田静夫君 五十一年五月十二日に国会に提出した文書、これは剰余金をどういうふうに取り扱うと言っていますか。
#243
○政府委員(吉野良彦君) 五十一年五月に国会に提出をいたしました文書におきましては、「特例公債の償還までの間は、財政法第六条に基づき剰余金を全額繰り入れることとし、」云々という記述がございます。
#244
○和田静夫君 そこで、どうして剰余金全額繰り入れられないんですか、財政法六条で。
#245
○政府委員(吉野良彦君) お話しのように、特例公債を発行するようになりましてから、財政法で規定をされております半分以上を国債償還財源に積み立てるだけではなくて、純剰余金が出ました場合にはその全部を国債償還財源に積み立てたいというのが先ほど申し上げました五十年あるいは五十一年の私どもの考え方でございます。この考え方は私どもは基本的に堅持をしているつもりでございますが、六十年度の補正予算を編成する過程におきまして、御承知のように追加財政需要額が極めて多額に上ったわけでございます。
 一方、歳入面におきましては、税収が御承知のように当初予算に比べまして約四千五十億円減額をせざるを得ないというような状況にございまして、したがいまして補正予算におきまして特例公債をやむを得ず追加発行せざるを得ない状況になったわけでございますが、この特例公債の追加発行額をできるだけ小さくしたいということで、やむを得ず五十九年度の純剰余金の全額を一般財源に充当するようにということで立法措置もお願いをしているわけでございます。
#246
○和田静夫君 特例法を国会に提出しているなんていうのは言いわけでありますよ。要するに政府は財政法違反、そしてみずからが国会に提出した文書違反、あるいは大平大蔵大臣は非常にはっきりした答弁をこれではされていることは御存じのとおりでありまして、あの大平さんの答弁もまたここでゆがめられる、そういうふうに今なっているんですが、大臣、この辺どう説明されますか。
#247
○国務大臣(竹下登君) 確かに法律で半分、それから大平大蔵大臣答弁で、財政再建期間中は全額入れるというお答えがあっておることは十分承知をしております。私も今度考えまして、たまたまその千七百億がベア財源と一致するということが念頭にあったわけではございませんが、結果としては同じぐらいな金額になるわけでございますけれども、あの段階でいろいろ考えて、かつて与野党でお願いをして減税財源に使わしていただいたことがありますので、そのときを思いながら、減税の問題とは違いますけれども、お願いをすれば聞いてもらえるだろうというある種の甘えの構造もあったかと思いますが、そこでこのような措置をとらしていただいたということであります。
#248
○和田静夫君 どうも大蔵大臣、そういうふうにしてお願いをすれば何でも通ると言われてしまうとあれなんですが、財政法違反はやっぱり違反ですから、これはそういう観点に立って、例えば千七百五十五億円の全額と言わないまでも、二分の一以上はこの国債整理基金に入れるべきですよ。それは私の方が正当だと思うんです。
#249
○政府委員(吉野良彦君) 確かに御指摘のように、財源事情が許せばこの財政法の本来の建前を少なくとも守りたいというのが私どもの念願でございますが、御承知のような補正予算を取り巻きます財源事情が極めて厳しいために、いわば臨時異例の措置として特別の立法措置をお願いをして、一般財源に全部充当させていただくことをぜひお許しをいただきたいと存ずるわけでございます。
#250
○和田静夫君 やっぱり許すわけにいかないんで、私はもう一遍主張しますが、千七百五十五億円の全額と言わないまでも、二分の一以上は国債整理基金に入れるべきだ。これは総理、そうでしょう。
#251
○委員長(安田隆明君) 和田君、時間が参りました。
#252
○国務大臣(竹下登君) 法律の建前から言えば確かに入れるべきだが、臨時異例の措置で入れないことをお願いしている、こういう一語に尽きると思います。
#253
○委員長(安田隆明君) 以上で和田静夫君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#254
○委員長(安田隆明君) 次に、太田淳夫君の質疑を行います。太田君。
#255
○太田淳夫君 最初に、日銀総裁おいでいただきましたので、円相場のことにつきまして質問をいたします。
 総裁は、これまで公定歩合の引き下げに関しまして、これは為替相場を重視して、内外金利差を考えると我が国の方から金利差を拡大することは慎まなければならない、こうおっしゃっておられましたけれども、今回一月の三十日に利下げを決定されたわけですが、最初にその背景という点についてお伺いしたいと思います。
#256
○参考人(澄田智君) 一月末の公定歩合の引き下げでございますが、日本銀行といたしましては、以下のような諸般の事情を総合的に勘案した上で決定した次第でございます。
 すなわち、国内物価が安定基調を持続している一方におきまして景気は、内需は底がたいという状態でございますけれども、米国景気のスローダウン等によって輸出の伸びが低下をしている、全体として拡大テンポが鈍化しつつある、また対外面では経常収支の黒字基調が持続をしている、こうした中で私どもとしてはやはり円相場につきまして最も注目をしてきたところでございます。
 円相場は昨年の十一月下旬以来約二カ月の間、一ドル二百円台の前半で落ちついた推移を示してまいりました。しかし、一月下旬に入りますと二百円台を突破をいたしまして、円高基調が一段と進んだ状態でございました。こうした相場展開は市場における相場観が円高方向でかなり変化したと申しますか、固まってきた、そういう感じを受けたわけであります。また、そうした相場観が現実の相場を支える、そういうような状態も見られるようになってまいりました。円高基調がそういう意味で定着しつつあるものと判断した次第でございます。
 こうした事情を総合勘案いたしまして、この際内需拡大を促し、対外不均衡の是正に資するという、そういう趣旨から公定歩合の引き下げに踏み切った次第でございます。
#257
○太田淳夫君 利下げ後も円相場は円高傾向で推移をしているわけでございますが、従来の考え方によりますと、内外金利差の拡大というのは円安の要因となるということでございましたけれども、逆に今高くなってきているわけですけれども、今後の円相場の見通しにつきましてはどのようにお考えですか。
#258
○参考人(澄田智君) 仰せになられましたように、公定歩合引き下げ後むしろ円高が進展をした、そういう状況でございます。
 この背景でございますが、先般のロンドンのG5の合意、すなわち今までニューヨークのG5以降の為替面の成果を後退をさせてはならない、こういう合意でございますが、こういう合意が市場に伝わりますと、市場におきましてはドル高方面への為替相場というものについては一種の壁が形成されてそっちへ動けない、そういうような感じができます一方におきまして、昨年中の米国の大幅な対日貿易赤字が発表されるというようなことも受けまして、現在の対外不均衡是正のためには円高化がどうしても不可欠である、そういう意見と申しますか見方、これが市場関係者の間に強まってきたという、そういう事情があるように思われるわけであります。
 現在の為替相場につきましては、円高につきましては、これは基本的な方向といたしまして対外不均衡是正の上から望ましいことであるというふうに考えておりますが、円高に対応した産業界の体制づくりといったような点を考慮いたしますと、当面は円高基調で相場が安定的に推移することがより望ましいというふうに思っている次第でございます。
 今後の円相場の見通しについてでございますが、当局者であります私が見通しの発言をいたしますことは、やはりこれは市場にいろんな憶測を招くおそれが多いわけでございまして、差し控えさしていただきたいと存じます。
#259
○太田淳夫君 それでは、円相場の見通しにつきましては御意見をお述べになることができないようでございますけれども、今の円相場の評価についてでございますけれども、現在の円相場は各国のファンダメンタルズを反映した水準となっており、望ましいと考えてみえるのか、あるいは一層の円高を望んでみえるのか、この辺ちょっと難しいかと思いますが、あるいはドル急落の懸念を抱かれながら臨んでみえるのか、円はいろいろな投機筋の対象と今なっているんじゃないかというようなことも言われておりますけれども、その点どうでしょうか。
#260
○参考人(澄田智君) 為替相場に関しましては、これは各国ともそうでございますが、特定の相場水準というものをあらかじめ念頭に置きまして臨んでいるというわけではございません。ターゲット的な相場水準を持っているというわけではないわけであります。また、現在の水準がフフンダメンタルズを反映しているかどうかという点については、一概に論ずることは難しい面もございます。
 ただ、昨年九月のニューヨークにおきますG5におきましては、対外不均衡の是正のためには為替相場が十分な役割を果たすべきであるということで意見の一致を見ているわけでありまして、そうした観点から申せば、昨年秋以来の円相場の上昇というものはやはり我が国のファンダメンタルズをそれまでよりはより反映させる、そういう方向で動きが進んできている、こういうふうに評価ができるというふうに思っております。
 なお、御指摘のドルの急落化という点でございますが、これは米国のみならず各国ともそうした事態はぜひとも回避しなければならないという考え方で一致しているわけでございまして、ドルの急落という懸念はないというふうに思っております。
#261
○太田淳夫君 先ほど同僚の委員からも大蔵大臣に質問がございましたが、現在のこの円高がさらに進みますと、公定歩合をさらに再引き下げするのか、あるいは米国と協調して逆介入もあり得るのか、そういうことが話題になろうかと思いますけれども、その点はどのようにお考えでしょうか。
#262
○参考人(澄田智君) 私どもといたしましては、先般の公定歩合の〇・五%引き下げでございますが、これは先ほども申しましたように、当面の情勢を総合判断いたしまして、為替相場、景気、内外の金融情勢、そういった総合的な判断の上で適当と認めて行ったものでございまして、現在はその効果を見守っていくことが適当である、こういうふうに考えております。したがいまして、現在の時点におきましてさらに追加引き下げということは全く考えていない次第でございます。
 それから、逆介入のお話がございましたが、介入につきまして、いつ、いかなる形で介入をするかしないかというようなことにつきまして申し上げますことは、これこそ為替市場に憶測を生むわけでございまして、この点については差し控えさせていただきたいと存じます。
#263
○太田淳夫君 次に、経企庁長官にお尋ねいたしますけれども、政府は六十一年度の経済見通しにおきまして貿易収支の見通しを五百六十億ドルと、このように発表されているわけですが、一般的に円高による黒字減少効果というのは、Jカーブ効果などによって半年程度後にあらわれる、こう言われております。その意味では、ことしの下半期の貿易収支の動向が重要なことになってくると思うんですが、その点、経済見通しにおきますところの貿易収支の動向を四半期ごとに数字で示せるでしょうか。
#264
○政府委員(赤羽隆夫君) 六十一年度の貿易収支の見通しにつきまして四半期別の推移を示せという御質問でございますけれども、私どもそういう数字はつくっておりません。ただ、考え方といたしまして、前半におきましては、なおこの円高に伴いますところのいわゆるJカーブ効果、こういう効果が残るということで、余り黒字は減らない、後半にかけて縮小していく、こういう見方で見通しをつくっております。しかし、具体的な四半期別のブレークダウンというのはございません。
#265
○太田淳夫君 今、円レートを二百円と想定されてきているんじゃないかと思うんですが、現在の円レート、百八十円台に入ったと言われておりますが、今後このようなことでずっと推移した場合には、貿易収支についてはどの程度になるとお考えでしょうか。
#266
○政府委員(赤羽隆夫君) 六十一年度の経済見通しを立てます場合に、その前提として為替レートは二百四円ということで想定をしております。これは、二百四円ということを予想しているということではなくて、前提に仮に置いておるということでございます。これがさらに円高になる、こういうことでありますと、これは貿易収支という面で言えば、ある一定の期間を置いた上で黒字を減らす方向に働くであろう、こういうふうに考えております。ただ、それが例えば十円上がった場合にどの程度になるのかといったような試算は今まで行っておりません。
#267
○太田淳夫君 経済見通しでも縮小は後半にかけてということでございますが、それほど明確な状況ではないようですし、為替レートのいろんな動きの中で貿易黒字というのは縮小をしないような状況にあるんじゃないかと思うんです。また、このまま巨額な貿易黒字というものを放置しておきますると、我が国はまた世界経済の中で孤立しかねない危機的な状況にもなろうかと思います。
 こういう状況を考えますと、現在政府が行っている対策では私たち十分じゃないのじゃないか、このようにも思いますし、早急に貿易収支の縮小のための実効のある措置を講じていかなきゃならないのじゃないかと思んですが、まず米国の八五年の対日赤字が四百九十七億ドル、これは史上最高を記録したという状況を考えますと、これは何かしら緊急避難的な措置として、製品輸入の長期ビジョンの作成であるとか、あるいは具体的な輸入目標を設定するとか、そういうことも欧米から要望があると聞いておりますけれども、その点のお考えはないでしょうか。
#268
○国務大臣(渡辺美智雄君) 具体的に輸入目標を金額的に表示するということは考えておりませんが、政府といたしましては、まず当面の措置と将来の措置を考えています。当面の問題としては、やはり為替レートが高位安定をしてもらいたいということが一つですし、内需の拡大ということは、各省庁いろいろ手分けをいたしまして拡大策をとろうということでやっておるわけです。
 また、輸入の拡大については当面発表されたアクションプログラムというものを着実に実行していく。その一つのいい例としては、ことしの一月一日から工業製品についての関税の引き下げを実行いたしましたし、四月一日からも、法案が通り次第引き続き関税の引き下げを行う、あるいは商社等に輸入の奨励をして輸入をふやしてもらうというようなことなど、いろいろやっておるわけでございます。今後とも引き続き輸入の拡大には努力をしていきたいと思っております。
#269
○太田淳夫君 経企庁長官はいかがですか。
#270
○国務大臣(平泉渉君) 総理の諮問機関といいますか、これからの長期的に見た国際的な経済に対応する日本の経済体制づくり、こういう今会合も開かれておりまして、相当抜本的な対策を考えなきゃならぬと、こういうことで、今鋭意、経済企画庁ももちろんその中に入りまして、我が国の経済の構造のあり方にまで及ぶような改革も考えていかなきゃならぬ、非常に大きな問題として取り上げております。
#271
○太田淳夫君 いろいろと勉強をされているようでございますけれども、現在の我が国の貿易黒字の大きさから考えますと、やはり分野別の市場開放策、MOSSですか、あるいは為替レートの調整だけでは不十分ではないかと思うんですが、今おっしゃったように、我が国の経済構造を輸出依存型から内需主導型に改めていく必要がある、このように考えますけれども、総理はいかがお考えですか。
#272
○国務大臣(中曽根康弘君) 毎年四百億ドル、五百億ドルという高い輸出超過がそう続けられるものではないし、そういう状態が続けば必ずや日本は世界から次第に排斥されるという形になること必定でありますから、そういう予兆が出てくるときにもう既に先行して手を打っていく必要がある、そういう考えに立ちまして、国際経済に調和するための経済構造の改善研究会を今やってもらっておるところであります。
#273
○太田淳夫君 そこで、現在の我が国の貯蓄率、これは諸外国に比べましてやはり高くなっておりますけれども、その意味では潜在的な成長力も高いと思うんですが、高齢化社会の進展などに伴いまして、やはり貯蓄率というのは低下傾向にありますので、この貯蓄率の高い今のうちに例えば欧米よりも著しくおくれておりますところの社会資本の整備を急ぐとか、そういうことが必要になってくるんじゃないかと思うんです。それが内需中心の経済成長を可能として対外不均衡の是正に大きくこれは役立ってくる施策ではないかと思いますが、その点どのようにお考えですか。
#274
○国務大臣(平泉渉君) 先生おっしゃるとおり、非常に我が国の貯蓄率が今高いわけでございますが、歴史的に見まして、我が国が今ちょうど従属人口の比率が非常に低い段階にある。早い話が、子供の数が少なくなりまして、まだそれほど老人の数が多くない、そういうちょうどいい時期であるから、今が日本の経済力の、ある意味で非常に充実しておる時期であると、こういうふうに見られるわけでございます。そういう意味から、まさにそういう時期にこそ日本の社会資本はおくれているんだから大いに投資すべきだという御意見は、まことに私はそのとおりであると思うわけでございます。たまたま、今我が国の財政の対応力が十分でございませんので、我々思うほどには公共投資が今できませんが、長期的なビジョンとしてはもうおっしゃるとおりであると考えております。
#275
○太田淳夫君 それでは、一月三十日に公定歩合の引き下げが行われたわけでございますが、その波及効果についてお伺いしたいと思うんです。
 経企庁長官にお尋ねしますけれども、今回の公定歩合引き下げはどの程度GNPあるいは貿易収支に影響を及ぼすとお考えになっていらっしゃいますか。また、そういう試算がございますでしょうか。また、昨年の九月以来の二〇%を超すような急激な円高による、いわゆる円高デフレと申しますか、景気抑制効果、それから公定歩合の〇・五%引き下げに伴うところの景気浮揚効果、これについて、どちらが大きいとお考えでしょうか。
#276
○政府委員(赤羽隆夫君) 公定歩合の〇・五%引き下げの効果と、それから円高のデフレ効果、どちらの方が大きいのかというお問い合わせでございますけれども、これを数字の上で計算するということはなかなか難しいと、こういうふうに考えております。
 と申しますのは、公定歩合の引き下げの効果、これは市中金利の低下を促すわけでありますし、その結果として企業のコストの軽減あるいは設備投資の刺激、こういったような効果があるわけでございます。そういうプラスの効果はあるわけでありますけれども、それが具体的にいつの時期にあらわれるのか、さらには心理的な効果というものと合わした場合にどの程度のさらに好ましい効果が増幅するのか、これをなかなか数字であらわすことはできない、こう考えております。そういうことで、定量的な効果の試算ということはしておりません。
 それから、円高については、これはプラスの効果とマイナスの効果がある。すべての物事には光と陰があると申しますけれども、まずデフレ効果、マイナスの効果が先にあらわれるだろう、こう予想しておりますけれども、その後になりますと、例えば三、四半期ぐらいでしょうか、それぐらいの期間を経過いたしますとむしろプラスの効果、交易条件の好転に伴う実質購買力の増加の効果というのがあらわれてまいります。そういうことで、全体として見ますと、公定歩合の引き下げの効果プラス円高のプラスの面、こういうものを考えますと、円高のマイナスの効果というものを相殺しておつりが来るのではないかと、このような認識を持っております。ただ、具体的に何%、差し引き〇・何%といったような試算はできないということでございます。
#277
○太田淳夫君 昨年の十二月に策定されました政府の経済見通しには、この公定歩合の引き下げというものは織り込んでおられなかったと思うのですけれども、公定歩合の引き下げによりGNPが増加するということになりますと経済見通しを改定する必要があるんじゃないかと思うんですが、その点はどうでしょうか。
#278
○国務大臣(平泉渉君) 政府の経済見通しを作成しております段階で既に金融は緩和基調であるというふうに我々見通して、そのもとで作業をいたしておりますので、今回の金利改定によって経済見通しそのものを改定しなきゃならぬというふうには考えておりません。
#279
○太田淳夫君 日銀総裁は、この公定歩合の引き下げの波及効果をどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#280
○参考人(澄田智君) 公定歩合の引き下げは金利水準全般の一層の低下を促すわけでありまして、それが借り入れコストの低減になるわけであります。そういうものを通じまして、設備投資、在庫投資あるいは住宅投資、これを支援することになるというふうに考えます。そうして、また企業収益にもプラスの効果を及ぼして、企業マインドの上でも好材料になることを期待しているわけでございます。
 ただ、金利政策は直接に需要をつくり出す、そういうものではございませんで、金利を通じまして間接的に作用をするものでございますだけに、その効果を定量的に測定することは難しく、また、効果があらわれるまでには時間を要するという点は留意する必要がある、こういうふうに申し上げる次第でございます。
#281
○太田淳夫君 これは昨年の予算委員会のときにもお話をさせていただいたと思うんですが、最近の企業の資金調達の多様化あるいは資金運用の効率化が進んでおりますので、今後金利の引き下げが企業の収益の改善に直接結びついていかないという傾向がますます強くなっていくんじゃないかという予想がされるわけですが、コスト効果という面からは公定歩合政策の有効性はだんだん低下してくるんじゃないか、これは昨年もお尋ねしたと思うんですが、その点はどうでしょうか。
#282
○参考人(澄田智君) 御指摘のように、近年、企業の資金調達の手段は多様化をしてきております。従来のように銀行借り入れだけではなくて、内外の資本市場から社債発行等のウエートが高まっている、また、自己資金も増加をしてきているというわけで、そういうような意味において多様化が進んでいる次第でございます。
 こうした環境のもとで、公定歩合の引き下げに伴うストレートの効果というものが、その有効性が低下するんではないかという点でございますが、私どもは金融政策の有効性を確保していくためには、従来以上に金利機能を活用していくことが何より肝要であるというふうに考えております。
 その点、公定歩合というものは日本銀行の金融政策の基本的なスタンスを示すものでありまして、長期金利を含めまして諸金利はこうした日本銀行の政策運営のスタンスを反映して、そうして決まってくるという面がございます。また、公定歩合の変更に応じて金融調節の面におきましても短期金融市場の金利の誘導を図りまして、これを通じて他の金利にも効果を及ぼしていく、こういうことになるわけであります。従来のように、直接的に直ちに公定歩合によって諸金利が一斉に動くという形ではございませんが、こうした間接的な効果も含めまして、公定歩合の有効性が低下をしてくるというふうには考えておりません。こういった機能を通じまして十分にその効果を発揮していくものである、こういうふうに考えております。
 ただ、それと同時に、私どもといたしましては金融調節の手段について工夫を一層していかなければならない、こういうふうに考えております。また、短期金融市場の整備等も必要である、こういうふうに考えております。こういうような面を通じまして、金利政策の有効性確保に今後とも一層努力してまいらねばならない、かように考えておる次第でございます。
#283
○太田淳夫君 今お話がいろいろとございましたけれども、総理、先ほど経済構造研究会でいろいろと勉強されているということでございましたけれども、やはり公定歩合の〇・五%引き下げというものあるいは円高の作用、短期的にはなかなかこれは内需拡大あるいは貿易黒字の縮小にそれほど役に立たないのじゃないかということになりますと、やはり対外経済摩擦を解消するためには新しい何かの政策を考えていかなきゃならないんじゃないかと思いますが、この経済構造研究会に当たりまして、総理としては、こういうことを中心としていろいろ勉強していこうじゃないか、こういう対策を考えていこうじゃないか、そういう点ほどんなことでございましょうか。
#284
○国務大臣(中曽根康弘君) そう頓服みたいに効くものはないので、経済の問題というのは総合的なやり方でやる以外にはないと思うのであります。やはり一つは社会経済構造の問題、それから運営の方針あるいは通貨の関係、為替の関係あるいは市場アクセスの問題、そういうあらゆる問題から検討してみる必要があると思います。
#285
○太田淳夫君 この経済構造研究会のいろいろな結論というのはいつごろ出るのですか。いろいろと報道されておるところによりますと、建設国債の増発等のこともいろいろと検討されていると聞きますが、その点どうでしょうか。
#286
○国務大臣(中曽根康弘君) 私はまだ中身を聞いておりません。自由な御論議を願って最終的にまとめをして持ってきてくださいと、そう頼んでおりますので、建設国債増発ということが全般の意見であるというふうにはまとまっていないと私は思います。
#287
○太田淳夫君 次に、公定歩合のあり方についてお伺いしますけれども、今回の公定歩合の改定につきましては、いろいろと今御意見をお伺いしましたけれども、やはり金融の自由化あるいは国際化がいろいろと進んでいる中で行われたということに大きな特徴があるんじゃないかと、このように私は思います。
 それに関連してお伺いするわけですが、規制金利体系のもとでは、公定歩合の変更に伴いまして預金金利あるいは貸出金利、これを連動きして変更していますけれども、自由化が進展してまいりますと、金利はそれぞれの市場の需給を反映した水準でこれが決まってくると思うんですが、公定歩合と各種金利との連動関係についてこれを見直しをする必要が出てくるのじゃないか、こう思います。
 特に短期プライムレートにつきましては、五十二年三月以来、形式的には公定歩合に追従するものでなくなっているわけでございますけれども、実態的には公定歩合にこれが連動して決まっている。このような短期プライムレートの決定方法を見直す考えはないのか。あるいは預金金利につきましても、公定歩合の改定とほぼ同時にこれは改定されることが多いわけですが、金利の自由化が進んでまいりますと、当然その関係も変わってくるのじゃないか、このように思うんです。現在、大口預金金利について自由化が進んでいることをいろいろ考えますと、いろいろな面で変更があり得るのか、その点についてのお考えをお伺いしたいと思います。
#288
○参考人(澄田智君) 金利自由化の進展に伴いまして、従来のように公定歩合の変更とともに預金金利あるいは貸出金利等の諸金利が連動して一斉に動くという姿が変わってきているということは御指摘のとおりでございます。預金金利につきましては、なお規制金利がかなり残っているわけでございますが、しかし今もお触れになりました大口定期等あるいはCD、MMC等の市場金利に応じた自由金利商品もふえてきているわけでございます。したがって、預金金利全体を動かすためには、公定歩合の操作ということにとどまらず、あるいはそれに伴うガイドラインの変更と並びまして市場調節を通じましてこうした自由金利預金の金利を動かしていくということが必要になってくる、それが預金金利面の変化であるというふうに思います。
 また、短期プライムレートにつきましては、五十二年の三月以来、我々といたしましては、公定歩合の変更に常にこれが追随して動くものであるという、そういう建前はもうとらないことにしております。ただ、これまで実際問題といたしましては、ほぼ公定歩合変更に連動する形で動かされてきたわけでございますが、今後自由化の進展に伴いまして今後は金融機関の調達金利等の動きをよりもっと勘案する形で決められるようになってくるものと、そういうふうに考えております。
#289
○太田淳夫君 今回のこの金利の引き下げにつきましては大変慎重に行わざるを得なかったわけでございますけれども、その背景にありますロンドンのG5についてちょっとお伺いしたいんですけれども、この会議では協調利下げについて意見交換がなされたと聞いているんですが、なかなか合意をされなかったその背景についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、あるいは協調介入が合意されました昨年九月のニューヨークのG5、これとの相違点は何か、あるいはこのロンドンのG5におきまして各国から我が国に対しまして内需拡大要求は出されなかったのかどうか、その点大蔵大臣、どうでしょうか。
#290
○国務大臣(竹下登君) まず第一の問題は、私ども合意いたしましたのは、やっぱりインフレが今大体鎮静しておる、したがって金利引き下げの環境は整ったということが合意であります。その上は各国の中央銀行の総裁が綿密な連絡をとって対応してもらおうというところまでが限界であります。
 それと協調利下げと協調介入、こういうことでございますが、協調介入というのは、言ってみれば共同して行動をとろうというところまでは、これはニューヨークのG5で合意しておるところでございます。
   〔委員長退席、理事桧垣徳太郎君着席〕
したがって、それぞれの国によって協調の度合いも違いますけれども、大筋そういう方向がとられた。今度は利下げということになりますと、例えばドイツはもう公定歩合を下げていらっしゃるとか、それからイギリスのような原油価格の下落等からきて下げにくいところもあるでございましょうし、したがって各国が協調してと申しますか、一、二、三、用意ドンとかいう形ではなかなかこれは行われるものではない。したがって、政策の協調の一環としての利下げと、こういうふうにこれは理解していただいた方がいいんではないかなと思います。
 それから三番目の、いわゆる内需拡大についての要請が出なかったかということでございますが、これもニューヨークのG5のときに、アメリカは財政赤字を削減して金利下げに努力しましょう、日本の場合は市場をオープンにしまして可能な限り内需振興をしましょうと、こういうことを附属文書でうたっておるわけでございますから、その後とられました措置等につきまして私から説明をいたしまして、それの効果が出ることを各国とも期待しておるという印象は受けとめて帰りました。
#291
○太田淳夫君 各国から日本の内需拡大策に対する期待は大きかったということですね。
 次に、内外の金利差を考慮して金融政策を行わなければならないということは、当初有効に機能すると考えられました変動相場制にやはりいろいろと問題が生じているのじゃないか、こう思うわけですが、金融政策の有効性を確保するというか担保するためには、やはり通貨制度の改革というものが大きな課題となってくるのじゃないか、こう思いますが、レーガン大統領がことしの一般教書で、通貨制度の改革を含む為替安定への方策を指示したと、これは大変なことじゃないかと思うんです。今までアメリカはどちらかといいますと、こういう為替の問題につきましては市場の需給関係にということでやってきたんですが、ここにこういうような提案をしたということは大きな通貨制度に対する考え方に変化が起きているのじゃないかと思うんですが、このレーガン大統領の教書における指示をどのように受けとめておみえになりますか。
#292
○国務大臣(竹下登君) 教書は私どもも拝見をさしていただいております。そこで、それをどういうふうな形で、いかなる会議でやるか、こういうことはまだ明らかにされておりませんが、大体ウィリアムズバーグ・サミットにおきまして首脳から私どもの方へ、通貨問題について勉強しろと、こういう申し合わせが行われて、したがって私どももその後ずっとやってきたわけでありますが、この四月に行われますIMFの暫定委員会で本格的な議論をするという手はずにまではいっておるわけでございます。すなわち、通貨問題はウィリアムズバーグ・サミットの後はいわゆるG10でやれ、十カ国でやれと、こういう感じでございましたので、それは私が議長で東京でG10をやって、それをIMFの暫定委員会に持ち込んだということでございますので、当然それを私は今度の東京サミットで報告しなきゃなりませんから、議論される問題であるというふうに私も思っておるところでございます。したがって、もちろんそういう提案に対しては積極的に参加しなきゃならぬという問題意識は十分に持っておるところでございます。
#293
○太田淳夫君 先ほど総理にはお尋ねしましたけれども、経済構造調整研究会、これでもやはり通貨制度の改革ということが報告の柱になるんじゃないかということを聞いておりますけれども、総理はまだ先ほどのお答えでは何も聞いてないということでございますので、いずれにしてもそういうような御答弁になろうかと思うんですが、今大蔵大臣がおっしゃっておりましたように、IMFの四月の会合で本格的な討議が行われる、それに続いて五月にサミットがあるわけでございますが、東京サミットでもこの通貨制度についていろんな論議が行われる可能性があるのじゃないかと思うんですが、その点、総理はどのようにお考えですか。
#294
○国務大臣(中曽根康弘君) 通貨制度の問題は、エコノミックサミットですから、各サミットにおいてもやはりいろいろ議論があったところでございます。東京サミットにおきましても、昨年のG5の効果がかなり顕著に出てきております折から、いわゆる野放しのフローティングシステムというものに対して別の何かもう少しいいものがあり得もかというような面からいろいろな議論が出てくる可能性があります。現にアメリカ大統領は財務長官に対して、世界通貨会議の可能性について検討するように、そういうことも言っていると報ぜられております。これらはいずれも世界的関心を呼んでいることでございまして、その成果が一挙に出るとは思いませんけれども、少なくとも今までと違った関心と、また今までより一歩前進した対策を模索しようという方向に動いてきていることは事実なので、東京サミットにおいてもその方向において議論が出るであろうと予測して準備もいたしております。
#295
○太田淳夫君 昨年の予算委員会でもそうでしたが、大蔵大臣からは変動相場制にかわるべき制度は目下見当たらないということでお答えが時々出るわけでございますが、やはり変動相場制の問題点がいろいろと出ていることでございますし、それを解決するためにはどのような検討方策を考えておみえになりますか。
#296
○国務大臣(竹下登君) これは非常に難しい問題でございますが、今までのG10の十カ国蔵相会議の場におきましては、現在においては全般的な固定相場制に復帰することは非現実的である、こういう大体コンセンサスでございます。それから、ターゲットゾーン、目標相場圏構想につきましても、我が国を含むところの過半数の諸国は現状ではやっぱり現実的じゃないじゃないかと、こういう考えてあります。
 変動相場制のもとで為替相場の一層の安定を図るためには、インフレのない持続的成長への経済パフォーマンスの調和とともに、経済政策の国際的な影響についても十分な配慮を払うべきである、すなわち政策協調をしようというような議論がおおむねの強く確認されたコンセンサスとでも申しましょう。それから、そのためには、やっぱり各国経済について相互監視、サーべーランスと、こう言っておりますが、これをやらなきゃならぬぞよというところまでは、これは合意に達しております。
 そこで、乱高下等について、時には為替市場に対する当局の姿勢を示すに有効たり得る介入はと、こういうところまで来ておりますので、今度の四月のIMF暫定委員会というのは途上国も交えるわけでございますから、これは今総理からもお答えがありましたように、その後の変化としてはG5というのがあれだけ大きな影響を及ぼしたという新たなる要素も加わっておりますので、その辺を見詰めながら、関心は非常に高くなっておりますが、だれしもこれが太田案だとか竹下案だとかいうのはまだ出し得る段階にまで至っていないというのが率直な現状でございます。
#297
○太田淳夫君 総裁にお尋ねしますけれども、昨年の九月のG5のように各国が協調介入しなければ為替レートがファンダメンタルズを反映した数字に決まらないということにつきましては、変動相場制の限界があるのじゃないかと思います。その点はどのようにお考えですか。
#298
○参考人(澄田智君) 申し上げるまでもなく、変動相場制は、本来は経常収支に不均衡がある場合にそれが為替相場によって調整される、そういう機能があるということが期待をされておったところでございます。近年、為替相場の変動要因といたしましては資本の流出入、この影響が非常に大きくなってきている、このために経常収支等のいわゆるファンダメンタルズを必ずしも反映しなくなってきているということは否めない事実でございます。そうした意味で、昨年の九月のニューヨークG5以降の為替面での各国の協調、そういう協調による為替調整、こういう動きは、御指摘のように変動相場制そのもの、野放しの変動相場制とでも申しましょうか、そういうものが必ずしも万能でないということを示すものであったということは、そういうふうに申し上げられると思います。
#299
○太田淳夫君 通貨の担当の大臣ではございませんけれども、通産大臣、お疲れでございますか。何かお昼休みも頑張っておみえになったので済みませんけれども、いいですか。
 通産大臣、これは質問通告してありませんけれども、先ほど産業界の方はやはり円高の安定的な推移を望まれているということでお話がございましたけれども、私たちもやはり輸出関連産業の方にお会いしますと、あるいは固定相場制に戻ってもらいたいという要望やら、こういうような急激ないろんな為替変動というのは非常に困るということでいろいろとお話を伺っていますが、そういう産業界のいろんな御意見を聴取されている通産大臣として、この通貨の問題について言いただけますか。
#300
○国務大臣(渡辺美智雄君) そういう話、私も聞いております。非常に変動したのでは計画が立たない、ですから安定してもらいたい。そこで、固定相場にするとしても、それは幾らがいいんだと。幾らが、そこがまた人によって皆違うわけです、利害が違いますから。だから、いいと言われる相場が決まらなければ固定相場にしようがありませんし、ターゲットゾーンもできようがないということなので、これはやはりおのずから落ちつくところへ落ちついて、その辺でずっと安定したところが一番いい、こういうふうにしか考えられないと思います。
#301
○太田淳夫君 総理、それでは最後に、今の問題についてちょっと長くなりますけれども、私の意見を申し上げますのでお答え願いたいと思うのです。
 いろいろと聞いてみますと、緊縮財政、このために金融政策に機動性を期待されているにもかかわらず、公定歩合の変更については、やはり為替レートを変更せざるを得ない条件があるため、二年三カ月ぶりの今回の改定に見られますように、余り機動性について本来の役割を果たされていないんじゃないかと思うんです。また、各国の政策協調の必要性は高まっておりますけれども、やはり何といっても、各中央銀行の独立性の問題もありますし、昨年九月のG5のような合意が常に得られるとは限らないわけです。こういうことを考えますと、国際的な政策協調も難しい状況にあるのじゃないかと思うんです。また、このように現在我が国の経済運営というのは、基本的に機動性というものが欠けてきているんじゃないかと思うのです。
 その結果、内需中心の経済成長というものがなかなか思うようにいかない、あるいは巨額な貿易黒字というものが発生して経済摩擦を起こしている、こういう状況の中で経済運営に何が大きな障害になっているかということを考え、また政策面における機動性というのを何が阻害しているかと考えてみますと、やはりそれは経済動向に全く無関係に帳じり合わせに終始して財政の機動的な運営を配慮しない点にあるんじゃないか、こういう結論になるわけでございますけれども、我が国の世界経済の中におきます位置づけというものを考えますと、もはや小手先の経済運営では許されない、こういう状況に来ているんじゃないかと思いますが、やはり積極的な財政政策を展開しながら世界経済の中で調和のとれた我が国経済の発展というものを考えていく時期がもう来ているのじゃないかと、こう思うんですが、その点どのようにお考えになりますか。
#302
○国務大臣(中曽根康弘君) 太田さんの意見は部分的には了解もでき、納得もできるのでありますが、我が国の現在の内外の情勢全般を見るというと全面的には承服しかねる、そういう面がございます。
 これは日本だけじゃなくて、アメリカにおいてももう膨大な財政赤字と貿易赤字、いわゆるツインデフィシットというのに悩まされて、アメリカ議会、アメリカの予算自体も硬直性を持って動きがとれない。そういうことで大手術をして、議会のグラム・ラドマン・アクトというものによって年間五百億ドルぐらいの財政カット、強硬手術を始めているわけですね。これ自体がもう財政的にかなり動きのとれない情勢になりつつある証拠であります。
 イギリスにおいても、フランスにおいても、ドイツにおいても同じように財政の健全さを回復させるということで、今懸命になって社会保障費やそのほかにまで手を伸ばして削減をやっておるという状態になってきておる。したがって、各国の財政担当者の話し合いにおきましても、自分たちが担当しているまず第一の足元を固めるということに一生懸命努力しておるので、日本もその一人であり、その立場は各国ともよく理解されておるところなのでございます。それで、日本が要求されている大きなことは輸入をもっとふやせ、あるいはアクセスを改善しなさいということなので、輸入をふやすという意味において、そしてまた輸出力をある程度減殺させるというために内需拡大ということを言っておるのであります。みんなそれは貿易関係から来ておるわけでございます。
 そういうようないろんな面から考えてみますと、我々の方はともかく財政というものの機動力を回復するということが第一で、これはやっぱり放棄するわけにいかぬ。そこで何をやっているかというと、民活であるとか財政投融資の活用であるとか、そういう面で今全力を振るってきておるところで、この面で私はかなりの大きな分野が開けるであろうと実は見ておるんです。なぜならば、日本にはこれだけ膨大な貯蓄があるわけでございますから、この貯蓄をうまく誘導して、そしていろいろな事業に回せるようにできたら、小さな財政資金を使うよりもはるかにこれは大きな影響力を持って連鎖反応が大きくなります。
 そういう意味において、まだまだデレギュレーションというのは行革的意味で実はやってきたという反省で、今度は経済政策的意味でデレギュレーションというものを本格的に取り上げる段階に来た、そう私は思っているんです。さもないと、六十五年までの赤字の累積状態というものを考え、要調整額というものを考えてみると、どんな人が天下をとったってそう財政を使うわけにはいかぬということはもう明らかになってきつつあると思うんです。そういう意味から、残された広大な分野はデレギュレーションによる日本の民間貯蓄をいかに活用するかという面、これの大きな面が開けてくるのでございまして、そちらの方で我我は努力していく。
   〔理事桧垣徳太郎君退席、委員長着席〕
 それから、国際関係においては、去年以来ずっとアメリカは高い強いドルをエンジョイしておったような要素がありますが、アメリカ自体が反省しまして、それが変わって今のような状態になってきた。これはやっぱり貿易関係に大きな変化を今与えつつあります。したがって私は、ことしの秋をごらんなさい、必ず風景は変わっていきますよということを申し上げておるのであります。
 そういう意味において、この国際通貨調整という面は大事な点であります。しかし、だからといって、じゃ、今言った固定相場だとかあるいはターゲットゾーンがいいかというと、これもまたそこまではいけない。しかし、ああいうふうにG5みたいに何年かに一遍とか、ある期間を置いてがばっとやるという場合には効き目がある。つまり、各国が協調して一つの政治意思なり政策意思で団結した場合は強いということが明らかに出てきておるのであります。この経験を生かして常時使うという意味ではなくして、どういうふうにしてこのフローティングシステムの中に政策調整という要素を織り込んでこれを効果的に必要なときに行うか、その必要なときの判定とか実行する方法とか、そういう問題が議論される問題に登場してきつつある、そう思っておるわけであります。
#303
○太田淳夫君 部分的には賛成、部分的には反対するところがあります。デレギュレーションの問題についてもまた次回いろいろと伺いたいと思いますが、秋ごろには風景は変わると言いますが、風景は経済、国民生活ばかりじゃなくて政界でも変わりそうなんでしょうかね、その辺はちょっとわかりませんけれども。
 次は、短期金融市場の整備について先ほど日銀総裁からもお話がありましたが、お聞きしたいと思うんですが、いよいよ短期国債が発行されたわけでございますが、その内容について御説明願えますか。
#304
○政府委員(窪田弘君) 短期国債は、昨日第一回の公募をいたしました。発行予定額五千億円でございましたが、応募額はその倍を上回る一兆一千七百七十五億円でございました。募入の決定額は、大体五千億の募集でございますので、額面五千百七十四億円のところで切らせていただきまして、募入の平均レートは五・六〇二%、平均価格九十七円二十八銭ということになります。最低の価格は九十七円二十三銭でございまして、最高レートは五・七一三%でございます。なお、額面一億円でございます。
#305
○太田淳夫君 もう少し詳しく言っていただけますか。
#306
○政府委員(窪田弘君) 短期国債は短期金融市場の中核的なものとして設計をいたしまして、国債の種類の多様化の一環としてつくったものでございます。公募入札によって発行することといたしておりまして、市場実勢を反映した自由金利で発行することにいたしております。期間は六カ月以内の割引債とすることにいたしておりますが、今回公募いたしましたものは期間六カ月といたしております。最低額面は一億円でございます。税制上の取り扱いといたしましては、ほかの割引債と同じように、発行のときに一六%の源泉徴収を行いまして法人の間でのみ流通するという措置をとりまして、そういう前提に法人税の課税上、源泉徴収税額の全額を税額控除できることといたしておりまして、現在の源泉徴収制度と、他面この証券を最大限流通させるという流通性との調和を図ってございます。
 こういうことで個人の保有は排除されることになりますけれども、これは短期の金融市場の中核的な商品で、ディーラーとか機関投資家の間に活発に取引されることを予定した商品でございますので、個人に保有することを認めますと、むしろその流通性が税制との関係で阻害されるような面も出てまいりますので、こういう制度にいたしたわけでございます。
#307
○太田淳夫君 昨年の予算委員会で日銀総裁は、短期国債の商品内容が明らかになれば、金融調整の手段として用いるかどうか明らかになる、こうお答えになっていらっしゃいましたが、現時点ではそのオペレーション対象とお考えになりますか、どうでしょうか。
#308
○参考人(澄田智君) 昨年申し上げました点については、現在もそのように考えておりますが、ただ、まだ昨日発行されたばかりでございますので、そのオペレーションにつきましては今後における短期国債の発行規模あるいは発行の頻度あるいは市中における流通状況等に応じて検討してまいりたい。現時点において直ちに具体的なことは申し上げられない状態でございます。
#309
○太田淳夫君 先ほど商品の内容につきましては説明がございましたけれども、これは売買が法人に限られている、あるいは源泉課税が一六%ある、そういった制約はあるわけでございますけれども、先ほどからお話のありました短期金融市場というのを充実させるためにはやはり入札資格者を拡大する、あるいは発行単位の小口化をする、あるいは源泉課税の撤廃など、そういったもっといろいろな制限を排して魅力的な商品にすることが必要であると考えるわけでございますが、その点はどうお考えでしょうか。あるいはまた、この短国の商品が決定したと同時に今までの政府短期証券の内容も、これは短期国債と横並びに改正というか改悪してしまった、その理由は何でしょうか。
#310
○政府委員(窪田弘君) 御指摘のように、法人間だけに流通するような仕組みにしておりますが、これは現在我が国の源泉徴収制度との調和を図ったものでございまして、個人保有の可能性を仮に残しますと法人保有の全期間の源泉徴収税額を控除できないというふうな技術的な問題がございまして、かえって流通性が阻害される、こういう懸念がございますので現在のような仕組みでやってみたい。現に第一回の公募でも公募額の倍という非常な応募がございましたので、これが積み重なってまいりますと短期金融市場の中核的な商品になり得るものと期待をしているわけでございます。
 なお、政府短期証券、いわゆるTBにつきましても、最近における流通実態、これは日銀から外へ出ていかないという前提で源泉徴収制度から外す等の措置をとっておりましたが、実際にはかなり市中に流通しているというような実態を踏まえまして、今度の短期国債と同じ仕組みにいたしました。政府短期証券は、国庫の一時的な資金繰りのための制度でございます。また、今回の短期国債は、国債借りかえを円滑にするという目的の制度でございまして、それぞれ性格を異にしておりますが、このどちらだけでもうまくいかないので、この両方が両々相まって短期金融市場の厚みを増していくものと考えているわけでございます。
#311
○太田淳夫君 日銀総裁は、この短期国債の商品性にいろいろ制限があることにつきましては、どうでしょう、金融調整の対象という観点からどのようにお考えでしょうか。
#312
○参考人(澄田智君) 短期国債の商品性につきましては、現行税制との関連で今も御説明のありましたようなある程度の制約が設けられたわけでございますが、しかし同時に、流通性あるいは市場性の点につきまして極力配慮が払われていると、こういうふうに思っております。
 金融調節上の今後の問題でございますが、その関連におきましては、短期国債の円滑な市場流通を期待しているわけでございますが、現在の制約はそれを阻害するような条件にはならないことを期待をしている次第でございます。
#313
○太田淳夫君 発売されたばかりでございますけれども、非常にその流通には制限があるんじゃないかと思うんです。よく総理は自由化、国際化ということをおっしゃるわけでございますが、この源泉徴収など徴収されてまいりますと、外人がこれを購入しようとしてもなかなか困難な場合が出てくるのじゃないかと思うんです。この短期国債及び政府短期証券というのは、やがてはオープン・マネー・マーケットの中核商品として我が国としても位置づけてアメリカ型TB市場を創設する、その中で育てていくということが重要になってくると思うんですが、そういう我が国の金融市場の自由化あるいは国際化を進める上で基本的な商品になるわけですから、そういった点で今回のこの商品内容というものは非常に疑問があるわけです。したがいまして、今後早急にこの短期国債及び政府短期証券につきまして商品内容を改正して、いわゆる自由化、国際化に対応できるような短期金融市場を育成するための中核商品としてこれは育てていただきたい、このように思うわけですが、その点どうでしょうか。
#314
○国務大臣(竹下登君) 今の太田さんの意見は、我々のG5の集まりでありますとかあるいはG5Dというもう少し専門家の集まりの中で出てくる意見でございますが、何分日本では今度初めての試みでございますので、とにかくどれだけ魅力があるか、あなた方も見ていらっしゃい、かなり魅力のある商品に成長してまいりますよと、こういう言い方をして今日来たわけです。それだから、きのうの出来を私も心配しておりましたが、かなりのものが出て、しかも外国の参加も若干ながらあった。そうすると、逐次理解を得ていくものではなかろうか。
 ただ、おっしゃるように、源泉徴収の問題がどうしても諸外国から見れば足かぜのような感じがするようでございますが、これはやっぱり日本の税制の体系の中へ位置づけなきゃなりませんので、ある意味においては、そのうちなれていただける問題じゃないか。それから、当然また今度の国会でお願いしますいわゆる外−外のオフショア市場というようなのでは、またそういう問題も排除されるような法律もお願いしようというところでございますので、短期証券市場というものも徐徐に厚みが加わっていって、初めてでございますから、しばらく状態をごらんいただきたい、こういうふうに思っておるところであります。
#315
○参考人(澄田智君) 短期国債、それからTBもそうでございますが、最も信用度の高い短期の政府の債務でございます。今後、こうした金融商品が我が国におけるオープンな短期金融市場の中核的なものとして発展していくことは、これは短期金融市場整備拡充という観点から最も望まれるところでございます。今回、第一回の短期国債についての公募入札が行われたわけでございますが、今後どのような規模の市場になるか、私どもも最も注目しているところでございます。
 御質問の、短期国債それからさらにはTBの商品性の点でございますが、これはやはり税制との兼ね合いも考えなければならないというふうに考えておりまして、それと調和のとれる範囲においてできる限り短期金融市場の中核商品たる性格を十分発揮ができるように、こういうふうに期待をしている次第でございます。
#316
○太田淳夫君 日銀総裁、お帰りいただいて結構でございます。どうもありがとうございました。
 それでは次に、財投の問題で質問いたしますけれども、この六十一年度の予算案、きょうは補正でございますが、六十一年度まで踏み込ましていただきますが、六十一年度の財投計画規模、それと、どういうような政府の施策を反映してこれが作成されたか、その点について御説明願います。
#317
○政府委員(窪田弘君) 六十一年度の財政投融資計画の規模は二十二兆一千五百五十一億円でございまして、六十年度の当初計画に対しまして六・二%という伸びになっております。特に内需振興関係の公共事業実施機関は一一・九%、住宅金融公庫が一〇・五%と、大幅な伸びになっております。また、地方公共団体も九・五%という伸びでございます。その他のいわゆる政策金融機関は、最近の資金の実態を反映いたしまして三・二%のマイナス、減少と、こういうことでございます。
#318
○太田淳夫君 これは経企庁どうでしょうか、前年度比六・二%増の財投計画なんですけれども、これが計画どおり消化できればどの程度経済成長率への寄与度があるか、計算できますか。
#319
○国務大臣(平泉渉君) お答えいたします。
 財投についての試算というのはなかなか難しいわけでございますが、昨年、昭和六十年の十月に出しました内需拡大の対策というもの、これを見ておりますと、六十年度、年度内に出てくる効果というのが大体一・五兆円あるのではあるまいか、かように考えておるわけでございます。
#320
○太田淳夫君 財投は、五十九年度に五兆円近くの使い残しが発生しているわけですが、六十一年度の財投の消化見通しについても極めて疑問を持っているわけでございますが、財投消化の見通しとその根拠について御答弁願います。
#321
○政府委員(窪田弘君) 五十九年度の計画では一兆を超えるいわば貸し残しがございましたが、そのうち一兆円は六十年度の財投の計画の原資に織り込みましたので、その際、あわせて資金事情を精査いたしまして、六十年度の財投計画は若干不用で、恐らく三千億円程度の使い残りで、これは大体例年ベースでございますが、その程度にとどまるものと考えております。
 その大半は輸銀と海外経済協力基金でございますが、六十一年度につきましては、資金事情をもう一遍洗い直しているところでございますので、円滑に消化されるものと見ております。
#322
○太田淳夫君 厚生省は、六十一年度概算要求で年金積立金の自主運用を大蔵省に強く求めていたわけですが、結局実施に至らなかったわけですが、そのかわりに、そのかわりにと言っていいのかどうかあれですが、六十一年度から新たに加入者のために役立てる還元融資の一部を年金福祉事業団が生命保険や信託銀行などに委託をして自主運用できる道が開かれているわけでございます。しかし、これでは還元融資を有利に運用しても、その利差益というものは還元融資の原資にプラスになっても年金積立金そのものの収入にはならない、こう聞いているわけでございますけれども、考えようによりましては、制度的には年金積立金にプラスになると思うんですが、その点について厚生省としてどのように認識をされておりますか。年金局長さん。
#323
○政府委員(吉原健二君) 今お話ございましたように、私どもが要求しておりました年金積立金の本来の別建て有利運用というものは認められませんで、引き続き今後検討、協議を続けていくということになったわけでございますが、認められました還元融資事業の一部として年金福祉事業団において三千億の資金の自主的な運用が認められたわけであります。これはあくまでも還元融資事業の将来の財源を安定的に確保していくというための事業でございまして、私どもの要求とは質的には全然別なものでございます。
 そういうことではございますけれども、広い意味では現行制度の枠の中で、被保険者といいますか、保険料拠出者の意向がある程度反映された予算であるというふうに私どもは受けとめておるわけでございます。
#324
○太田淳夫君 今お話がありましたように、還元融資の一部自主運用は年金積立金に間接的に広い意味ではプラスになる自主運用に近いものかなという評価もするわけでございますが、これからもこれは拡充をしていただきたいと私たちも思います。
 ところで、我が国はこれから高齢化社会を迎えて、年金財政もできるだけこれは充実をしていかなきゃならない、そういうときを迎えようとしているわけでございますが、やはりそれに向かって政府は十分努力をしていかなきゃならないのじゃないか、こう思いますが、大蔵省及び厚生省の見解を承りたいと思うんです。
#325
○国務大臣(竹下登君) おっしゃるとおり、高齢化のピークを迎えます二十一世紀、これにおいても十分にその機能を発揮できるようにすることが必要であります。
 そこで、年金財政はやっぱり長期に安定をしなきゃならぬ、その意味において国民共通の基礎年金の導入ということで、先般法律を改正していただいて給付と負担との適正化を図った。今後とも年金財政の安定化のための給付と負担のバランスをとる必要があるということは私どもも十分認識をいたしております。
#326
○国務大臣(今井勇君) だんだんと御答弁がございましたが、厚生大臣といたしましては、やはり今先生の、年金の積立金及びその運用収入というのは将来膨大な規模になるわけでございまして、しかもそれが年金給付の貴重な財源でございます。したがって、年金積立金の別建ての高利運用事業というのは年金財政を考えますと、やはり長期的に安定したしかも保険料負担の軽減のためにぜひやらねばならない、そういった課題と思っております。
 そこで、六十一年度予算編成のときには年金積立金の一部につきましての別建ての高利運用について大蔵大臣と折衝したわけでありますが、六十一年度はこれを見送ることにいたした。先生御案内のとおりでございます。そこで、厚生省と大蔵省で意見の相違はありますものの、今後引き続き検討していこうじゃないかということで、そういうふうに決着がついたわけでございます。私といたしましても、要するに人様からお預かりいたしました貴重な年金の財源でございますから少しでも有利に回しまして、年金を頼りにしておられます方々にお返しできるようにやらねばならないと思っておるわけでございます。
#327
○太田淳夫君 今、厚生大臣からもお話しございましたけれども、いわゆる保険料負担というものをこれ以上上げて国民の皆さん方の負担をふやすわけにいかない、これは当然だと思います。また、安易に保険料を上げることは非常に難しいし国民の納得も得られませんし、また無理にすれば、これは広い意味では世代間戦争さえ起こり得る可能性もあるわけですが、厚生省から今お話しあったように、せっかく皆さんに拠出をしていただいた年金掛金の積立金でございます。これはいわば強制的に集められた積立金とも言えるわけでございまして、やはり可能な限り高利にこれは運用しながらできるだけその年金の掛金の引き上げを抑制をして、しかも年金の給付内容を充実していく、こういうことがやはり国民的な利益に結びつくし、そういう努力をする義務もあろうかと思うんですが、その点についてどうでしょう。
#328
○国務大臣(竹下登君) 自主運用の問題、これにつきましては今、厚生大臣からもお答えがございましたように、今年度予算編成の際は大臣折衝におきまして見送ることとされました。だがその際、意見の相違はあるが今後とも両省間で引き続きこの問題について検討、協議を行うということになされておるわけであります。基本論として、いわゆる国の信用において集めたものに対しては一般的に一元的運用がよろしいと、こういう答申等もいただいておるわけでございますし、また財投というもの全体の中での位置づけというものもございましょう。しかし、最終的な意見の相違はあろうが今後とも両省間で引き続きこの問題について検討、協議ということには私どもも合意をいたしておるところであります。
#329
○太田淳夫君 両省間で引き続き協議をするということでございますが、できるだけ早くこれは来年度ぐらいには実現をしていただきたいと思うわけですが、総理、財投は、先ほどもお話しありました六十一年度は消化できる可能性があるんじゃないかということでございますが、年々これは縮小ぎみでございます。
 先ほど総理は財投の活用ということを一つ挙げられましたけれども、やはりいろんな実績を見てもこれはだんだんと縮小していくような感じがいたします。民間資金の余剰の部分あるいは金融の自由化によりまして財投金利の割高な時代にあってはもはや財投というものは往年の機能というものは失われつつあるんじゃないかと思います。また、厚生年金の年金積立金は、先ほども話ありましたが、国民の皆さん方からこれはお預かりしたものだ、これは強制的に徴収されると言われた部分がございます。一方で公務員の共済年金等は、これは自主運用が認められているわけでございます。その点、同じ年金制度の中での不公平もあります。また、これは自主運用ということになりますと、総理がいつも言われておりますような民間金融機関のいろんな競争原理が働きまして民間活力の導入ということにもつながってくるように私ども思うわけです。
 ですから、もう迫ってきています高齢化社会に向かって、年金財政の安定そして充実を望む国民の声がこれからますます高まってくるところでございますので、総理としてもしっかりと指揮をとっていただきまして積立金の高利運用、これについて決断を示されるように私たちはお願いしたいと思うんです。どうでしょうか。
#330
○国務大臣(中曽根康弘君) 財投資金原資は公的信用というものを背景にして集められてきておるものでありますから、ある程度一括して、財政の一翼としてあるいはその補完的な役目を持って運用されるということは、私は理解できることであると思っております。そういう意味においては、財投というものはこれからさらに活性化し活用化していく必要があると、そう思っております。他方、財投が割合に精彩を失ってきて民間金融機関の枠が非常に活発に拡大されつつあるということは非常に喜ぶべき現象でありまして、これまさに民活というものが如実に動いてきつつあるということである。金利が自由化していけばしていくほどこういう現象は広がってくるであろうと思いますし、また民間の方は非常に活発ですからさまざまな商品を開発して魅力のある世界を展開してくれているので、それは財投にまた非常に大きな刺激を与えつつあると思います。
 そういう意味において、民間の活動がますます活発化するという方向に我々は今後も政策を進めてまいりたいと思いますが、財投の今後の処置や運営については、私はただいま前段で申し上げたような基本に立ちまして、そして財投をさらに効率化し活性化していくという面で考えていくのが今のまず妥当な考え方であろう、そう思っております。しかし、局部的にはこれは財投を運用している大蔵省当局とその他の関係部局が話し合って応用問題を処理する、そういうようなことはもちろん考えていいと思いますが、基本的にはただいま申し上げたようなことであると、そう思っております。
#331
○太田淳夫君 昨年もこの予算委員会で御提示申し上げましたけれども、財投計画があってそこで原資が不足を生ずる場合には、それぞれの財投機関で他の手段で民間資金あるいは国際資金というものを吸い上げてもいいんじゃないか、こういうことを御提示申し上げたんですが、どうでしょうか、大蔵大臣。
#332
○国務大臣(竹下登君) 財投計画の策定に当たりましては、従来からも財投機関によります政保債それから縁故債の発行それから民間借り入れ等によりまして極力民間資金の活用を図ることとして編成をしてきたところでございます。今日、そういう状態はこれからも続くでございましょうが、何としても所要の財源を確保していこうということになると、年金資金というものが仮に分離運用をされるといった事態になれば、財源確保には大きなやっぱり不足が生ずると、こういうことになろうかというふうに考えております。ただ、民間資金をいろいろ活用してやれとおっしゃることに対しては私も異議を挟むものではございません。
#333
○太田淳夫君 せんだってこういうことが報道されておりましたけれども、大蔵省は六十二年度をめどに資金運用部資金の運用を多様化するため資金運用部資金法を改正して、一つは世界銀行など国際金融機関の債券を引き受ける、あるいは外国政府が発行する外債を購入し高利運用する、あるいは第三セクターなどへ直接融資する、こういうことが報道されておりましたけれども、こういうことはやはり内部では検討されているんでしょうか。
#334
○政府委員(窪田弘君) 資金運用部資金の運用先は、資金運用部資金法において厳しく制限をされておりまして、国債、地方債、法人につきましても民間の出資があるような法人には運用できないわけでございます。
 そこで、将来の課題として、時勢に合ったような運用にだんだん検討していく必要があると、こういうことを内部で勉強はいたしておりますが、今御指摘のようなところへ運用を拡大するということを具体的に今考えているわけではございません。
#335
○太田淳夫君 内部で検討をされているということでございますが、大蔵大臣の見解はいかがですか。
#336
○国務大臣(竹下登君) この議論を展開していきますと、資金運用部資金の運用の範囲を広げて自主運用の範囲をふやすと、こんな議論にもなりかねないわけでありますが、やっぱり公共性ということを考えた場合に、私は大体今のところがいいのじゃなかろうかなと、こんな感じで見ておるところでございます。
#337
○太田淳夫君 こういう大蔵省が、伝えられた今の構想を見てみますと、今おっしゃったように自主運用に立ち入ってくると思うんですが、やはり大蔵省の、資金運用部資金については統合運用を絶対譲ってはならないという、そういう固い意識がここに見え隠れしますし、そうなりますと、財投原資を供給している国民に対するサービスの姿勢というのが全く見られないような感じがいたします。
 そこで、次には政策金融機関の見直しの問題等もございますが、やはりこれは、先ほど理財局長からも御答弁がございましたように、財投資金の使い残しの問題あるいは財投資金配分の減少化、これは六十一年度予算で出ております。あるいは一般会計の受け入れが増大をしていく、こういう現象が今政策金融機関のあり方についての見直しを迫っていると思うわけでございますが、現に政府みずからが東京湾横断道路に対する財投配分の際に、一時、資金調達コスト軽減のため開銀を通さずに財投からの直接融資を考えだということも伝えられているわけでございますけれども、こうなりますと、やはり政策金融機関そのものも政府から見直されてきつつあるんじゃないかなという感じもするわけでございますけれども、この政策金融機関のあり方について大蔵大臣どのようにお考えですか。
#338
○政府委員(吉田正輝君) 政策金融でございますけれども、やはり政策金融は基本的には必要な面があるというふうに考えておるわけでございます。
 第一は、例えば資源エネルギー対策とか貿易の円滑な実施、それから中小企業対策もございますし、内需拡大などにも役立っております住宅対策の特定の政策目的を実現するために、市場原理には基づかない、民間金融のみでは適切に対応することができない困難な分野に資金を供給するという点で、民間金融の補完奨励として重要な役割を果たしているという認識があるわけでございまして、このような機能を十分発揮するためには、この変化いたします経済社会、それに対応する政策課題ということに対応いたしまして融資対象分野を適切に設定する、あるいは民間金融のみによって適切な対応がなされないようになった分野についてこれを政策金融の対象に追加するあるいは除外する等、不断の見直しを行っていくことが必要だと思っております。
 確かに、先生御指摘のような財投不用額などがございますけれども、これは財投計画策定時に予測し得なかったやむを得ないような事情のものなどが多くございますので、その政府関係金融機関の出融資規模についても資金需要の実態に即して適正な規模にするよう努めているわけでございます。
 その他、一般会計の繰入金の増大などもございますけれども、これも政策ニーズを踏まえて資金の効率的な配分に努めるというようなことで、真に必要なところにだけこれを限定するということでございまして、これは常に政策金融としての民間の補完奨励、政策課題等に応じまして不断の見直しを図っていくという基本的姿勢が必要であるというふうに考えておりますが、原則としてやはり必要なものであるというふうに考えています。
 また一方、現在行革審におきまして、このような政策金融機関の特殊法人問題を議論していただいておるわけでございますけれども、政策金融機関が特殊法人問題の一環として、このあり方についても議論されておりますので、これはまた基本的な議論と存じます。その動向にも注目しながら適切に対処してまいりたいと、こういうふうに全体として考えておるわけでございます。
#339
○国務大臣(竹下登君) 今御意見の中にありました東京湾横断道路事業についての問題でございますが、これは民間資金調達の円滑化を図りますための政府保証債、これは政府保証を付すことができるものとしております。そして、この事業にはやはりこれは民間活力の活用を図る趣旨にかんがみ、民間資金を中心に建設を行うこととしておりまして、資金運用部資金及び簡保資金の導入は予定しないという形で出発するという考え方でございます。
#340
○太田淳夫君 財投はこれで終わります。
 次に、原油等の問題についてお聞きしますが、最近原油価格が急激な値下がりをしているわけですが、これにつきましてはいろんな説がございまして、二十ドルから二十三ドル程度に落ち着くという説から、生産限界コストの十五ドルぐらいまで下落するんじゃないかという予想をする方々、いろいろと予想まちまちでございますけれども、やはり我が国経済だけでなくて世界経済に及ぼす影響も大きいわけでございますけれども、今後の短中長期における原油価格、公式価格及びスポット価格がどのような推移をするか、どのように予想をされてますか。
#341
○国務大臣(渡辺美智雄君) 結論から言えば、はっきりしたことはわからないということであります。
#342
○太田淳夫君 という御答弁がございましたけれども、これは予測でございますが、原油価格が十五ドルあるいは二十ドル前後で推移した場合に日本経済及び世界経済にどのような影響が出るでしょうか。
#343
○国務大臣(渡辺美智雄君) これが安定をしてくれれば、私はいい傾向が出てくると思います。ただ、上がったり下がったりしたのでは混乱をいたしますから、もちろん電力、ガスを初め、石油、自動車、国民生活に大きな影響を持つ原油でありますから、それが安定をしてもらえるかどうかということだと思います。
#344
○太田淳夫君 なかなか予測のつかない問題だろうかと思いますけれども、原油価格の値下げというのは短期的には世界経済全体にプラス要因になると、こう言われていますけれども、累積債務を抱えている産油国にとりましては、これは外貨収入の目減りで経済運営が困難となりますし、国際的な金融不安というものを引き起こす懸念があるわけでございますが、また累積債務問題の深刻化が先進国経済にこれまた新たな負担を生ずるんじゃないか、こういうようなことも考えられますが、その点どうでしょうか、通産大臣。
#345
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは大蔵大臣の所管事項でございますから。
#346
○国務大臣(竹下登君) 御案内のように、産油国であって債務累積に苦しんでいらっしゃる国、これは例示申し上げるまでもなくあるわけであります。
 この国々の方々というのは、それこそ原油価格が下落いたしますと金利すら払われない状態になる。そういうことになりますとまた先進国からの輸入もなさらないと、こういうふうな非常に難しい立場になろうかと思われますので、先ほど渡辺通産大臣からお答えがありましたように、安定的なものが好ましいのであって、それがその都度大きく世界経済全体に及ぼすものに対しては好ましいものではないではなかろうかというふうに考えております。
 特に、これはいわゆる産油国における債務累積国、メキシコでございますとかベネズエラでございますとか、いろいろございますが、その影響は非常に大きいものだろうというふうに思っております。
#347
○太田淳夫君 ベーカー米財務長官が昨年の秋に提唱されました、日米欧の民間銀行が総額二百億ドル拠出をし債務国に新規融資をする構想というのがありましたけれども、この構想の実施が八六年から八八年の三カ年になっておりますけれども、実施前にその見直しが必要となってくるんじゃないかと思いますが、その点はどうでしょうか。
#348
○国務大臣(竹下登君) ベーカー提案、これは昨年の十月の六日、ソウルにおけるIMF総会の際に出たわけであります。その基本的考え方は私どもは支持をしております。そして、その後、先進各国の金融機関がそれぞれ話し合いをなすって、声明でございますとか合意内容でございますとかが発表されておりますが、それはおおむねその基本的考え方は支持するということになっておるわけであります。ただ、一体それじゃどういうスキームでこれをやるかという具体性の問題はこれからの課題であるということになろうかと思うわけであります。
 私どもとしては、先進国として果たす役割というものも、この民間銀行の融資はもとよりでありますが、さらに考えなきゃいかぬというので、国際機関への増資とかそういう問題、我が国の国会ではいつも賛成していただける課題でありますだけに、そういうことも積極的に推進して対応していこう、こういう考え方に立っておるわけであります。
#349
○太田淳夫君 次に、円高の差益については通産大臣から、かねてから衆議院の予算委員会あるいは商工委員会等で御発言もございます。検討を進めていくということでございますが、私ども基本的にはエネルギーコストというのはユーザーの負担を原則としていることから、料金については原価との乖離を厳正にチェックして国民にわかりやすく説明すべきである、このように思っております。経営が悪化したときは速やかに料金の値上げを実施する反面、このような膨大な利益が発生することが予想され、かつその利益は五十五年当時の料金算定時の設定条件よりもはるかに離れて生まれてきているわけですけれども、なかなか政府で業界の差益還元については検討が進められていなかったようなことを感ずるわけでございますが、その点はどうでしょうか。
#350
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは、石油の値下がりと申しましても、ことしの一月に入ってからでございますから、円高のメリットというものは去年からぼつぼつ出ておりますが、石油の方はこれからということであります。先ほど言ったように、幾らまで下がるのか、それがはっきりしないと算定のしようがないわけで、それは仮定計算はできます。しかし、現実にどういうふうな政策をとるかということは、ある程度落ちつき先を見なきゃならぬということであります。
 しかしながら、円高と石油の値下がりでかなりの利益が出るだろうということは常識化しておりますので、それに対しましては需要者というものを中心に、また料金体系等のひずみ是正、それから内部留保でまたすぐに電灯料値上げということもこれも困る。そういうことも考えてやらなきゃならぬし、それから今、公共事業、内需拡大ということを非常に強くもう各党挙げて要求がございます。しかし、なかなか国の財政でできない部分もあるので、やはり電線の地下埋設その他の点についても、これは電力会社にやってもらったらいいじゃないかという声もございます。そういうような皆さんのいろんな声を聞いた上で、五月末のころになればはっきりした具体的なことが提案できるのじゃないかと、そう思っております。
#351
○国務大臣(江崎真澄君) これは特命相として油の問題だけ簡単に申し上げておきます。
 これは私ども絶えず注目しております。それは渡辺通産大臣が言うように、わからぬというのが本当だと思うんです。御承知のように、ノルウェーと北海油田を持っておるイギリスが経済事情が悪いということでディスカウントしたわけですね。これが端緒でしょう。これが火つけになって去年の十月ごろから、十五ドルを割るぐらいまではサウジは増産するぞ、そしてそんな不当な値下げをするならば我々は手控えておったが増産をして、そしてこれらをグルーブに引き込んでいこうと、こういう策に出たのが値下がりの大きな原因になっておることはきっと御存じだと思います。
 そこで、御承知のようにようやくヤマニ・サウジ石油相とイギリスのエネルギー相との会談が始まりましたですね。この成り行きを見守っておるわけでありまして、この成り行き次第によって一体どうなるのか。決裂するのか、うまくまとまって、それが二十八ドルと、標準価格にまではいかなくても、少なくともサウジ及びOPEC諸国は何とか二十ドル以上に値段をまとめたいと、こういう考え方に立っておるわけでありますから、よくこの先行きを、OPECそしてまたディスカウントした国々との調整、テーブルに着いた結果がどうなるかということを見きわめて判断をしていくと、こういうので、やっぱり通産大臣の考え方が正しいと思います。
#352
○太田淳夫君 次に参りますが、次はNTTの株式の問題でございますが、六十一年度予算にはこれが加えられておりますけれども、NTT株式の限度数を百九十五万株と定めていますけれども、それらの根拠を説明願いたいと思います。
#353
○政府委員(窪田弘君) これは六十四年度までに処分できる株数を四で割った数、これを百九十五万株を売却できる限度数として予算にのせましてお願いを申し上げているわけでございます。
#354
○太田淳夫君 六十一年度予算では、国債整理基金特別会計の歳入にNTT株式の売り払い収入として四千百五十八億円を、歳出にNTT株式の売り払い手数料として百四十六億円を計上するほか、特別会計予算総則第八条に六十一年度に処分することができる株数として今の数を計上していると、こういうことですね。
#355
○政府委員(窪田弘君) 御指摘のとおりでございます。
#356
○太田淳夫君 六十一年度予算には、これはいろいろと御説明を聞いてみますと、新たな積算を行い見積もった価格ではなく、客観的基準により導き出される既存の金額を用いるべきであるとして、会社設立時の一株当たりの純資産額により計上されている、これで間違いありませんか。
#357
○政府委員(窪田弘君) そのとおりでございます。
#358
○太田淳夫君 ちまたでは、この株式は額面の十倍以上になるんじゃないかというようなこともいろいろ伝わっているわけでございますが、このため、予算計上額と実績額、これとが大幅に乖離することが避けられそうもないと思うんですが、これでは予算計上額に問題はないでしょうか。
#359
○政府委員(窪田弘君) 法律にはその年度に売却できる株式の限度数をのせろと、国会でお許しいただけるその限度数を書くようにございますが、しかし、国債整理基金特別会計にその場合の収入を何ものっけないというのも予算のあり方としていかがかと存じまして、ただいまお話のありましたような発行額というものを、これはもう客観的な額でございます、これをのっけて、一応四千百億という収入をのせてあるわけでございますが、実際には御指摘のようにかなり高額に売れる可能性はございます。しかし、現在のところそれを予測することができませんものですから、電電株式売却研究会の御意見も伺いまして、今のところはそういった客観的な額でのせておくしかあるまいということでそうしたわけでございます。
#360
○太田淳夫君 大蔵省としての目算は大体どの程度考えてみえますか。
#361
○政府委員(窪田弘君) これは全くわかりません。
#362
○太田淳夫君 今のお答えの中に出ました電電株式売却問題研究会、ここでは現在株式売却の基本方針あるいは方法についていろいろ検討を進められておりますけれども、これはいつごろ報告をまとめられますか。
#363
○政府委員(窪田弘君) これは本来国有財産中央審議会の御意見を伺うべきところでございますが、NTTの株の売却は単なる国有財産の処分という以上に、証券市場の問題とかいろいろな各般の問題がございますので、国有財産中央審議会のお許しを得まして、前段階としてこの研究会で御研究をいただいております。大体四月にこの結論をいただきまして、その後、国有財産中央審議会で御審議いただきたいと考えております。
#364
○太田淳夫君 そうすると、大体いつごろを目途に売却される予定でしょうか。
#365
○政府委員(窪田弘君) NTTの第一回の決算が大体六月ごろに出ると思います。それを踏まえまして、今度は上場のための手続その他いろんな手続がございます。したがいまして、実際に売却するのは恐らく秋以降ということになろうかと存じております。
#366
○太田淳夫君 いろんなことが伝えられますけれども、これはお答えできるかどうかあれですが、大蔵省では売却に当たりましては、まず百九十五万株の一部を対象に大口投資家による競争入札をし、その落札価格を参考に一般への売り出し価格を決める二段階方式で売却する方針を固めた、こういうことも伝えられておりますけれども、それは事実でしょうか。
#367
○政府委員(窪田弘君) 研究会で御意見を伺いました参考人の御意見の中にそういうやり方を申し述べられた方がいらっしゃいましたが、そのほかにもいろんなやり方があろうかと思いますし、それぞれ一長一短がございます。
 この売却方法につきましては、研究会でもまだ議論を始めていただいたばかりでございますので、そういうことに固まったということは全くございません。
#368
○太田淳夫君 そういう意見もあったということでございますけれども、電電改革法案の可決のときに、衆参逓信委員会でNTTの株式の売却に当たりましてはいろいろと附帯決議がついておりますが、その中に「いささかも疑惑を招くことなく、株式が特定の個人、法人へ集中せず、広く国民が所有できるよう行う」ことという附帯決議がついているわけでございますが、大蔵当局ではこれはどのように受けとめてこの株の売却に当たっていきますか。
#369
○国務大臣(竹下登君) 逓信委員会における附帯決議、これが私どもの一番重要に考えておるところであります。その売却を厳正かつ公正な方法で行って、いやしくもその売却をめぐり国民に疑惑を抱かせることのないよう慎重に対処してまいらなきゃならぬ。そして売却に際しては、株式が特定の個人、法人に集中せず、広く国民が所有できるようにとの観点から、一般投資家の参加という点についても十分配慮する必要があるという基本的な考え方に立っておるわけです。
 そこで、民間有識者の研究会も、これもオーソライズされなきゃならぬと思いましたので、法律で設定されておる国有財産中央審議会、これの了承を得て後つくったという、慎重な上にも慎重な対応の仕方をいたしております。
#370
○太田淳夫君 そうしますと、まだ具体的な方法はお考えになってはみえないのでしょうか。あるいは大蔵大臣としてこういうような方法ということはお持ちになっていらっしゃらないのでしょうか。NTT株をここにありますように、「広く国民が所有」し、個人が株式を持てるようにという方法、なかなか難しいかもしれませんけれども、大蔵大臣の私案としてはどのようなものがございますか。
#371
○国務大臣(竹下登君) これは私のような素人が私案を出しますととんでもないことになりますので、できるだけ私実は出さないように心がけるべきじゃないかというぐらいに思っております。
#372
○太田淳夫君 大蔵大臣を河期もやられた方が素人ですと、私たちみんな素人になっちゃうわけでございます。
 それでは、これを広く流通させる、国民に広く所有をさせる方法としてこういうことはどうでしょうか。発行株式数が千五百六十万株と少なくて、一株当たりの額面が五万円と高くなっているんですから、これらを一株五十円あるいは五百円にするとか、そういう特例を設けるようなことも一策じゃないかと思うのですが、その点はどうでしょうか。
#373
○政府委員(窪田弘君) 株式の額面金額につきましては、昭和五十六年の商法改正で、会社の設立に際して発行される株式については五万円以上という定めがございます。電電の場合は一株が単位株でございまして、つまり五万円でございます。五十円の額面株式が千株単位で取引されているのに対しまして、一株単位で取引されるということになりますので、これをさらに小さい額面にするということは端株が生じまして適当でないというふうに考えております。
#374
○太田淳夫君 広く国民に流通するように考えると、やはりそういうような手だても考えておくべきではないかと思うのです。いろいろなこれもちまたのあれですけれども、証券界筋ではNTTの株式はことしの秋にも東京、大阪の両証券取引所に同時上場されるんじゃないかといううわさが流れておりますけれども、大蔵省当局ではNTTの株式上場についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#375
○政府委員(窪田弘君) さっきもお話のありましたように、国民共有の貴重な財産でございますので、政府による株式売却の後、流通市場における公正な価格形成と投資家保護という観点から、できるだけ早く上場を行うことが望ましいと私どもは考えておりますが、この株式の上場ということになりますと、基本的にはNTTと証券取引所との間の問題でございます。政府としてもできるだけ早く上場していただく方が望ましいと考えております。
#376
○太田淳夫君 これは、真藤NTT社長が大蔵大臣の私的諮問機関である電電株式売却問題研究会に対しまして、このNTT株の売り出しの際には社員持ち株について配慮を陳情している、こういうことも聞いているわけでございますが、大蔵大臣はこれについてどのように受けとめておみえになりますか。
#377
○国務大臣(竹下登君) これは企業内の問題でございますけれども、基本的に安定株主とか、あるいはその事業に対する参加意欲とかということで私は否定すべきものではないと考えております。その場合も、客観的に見て特定なところへ集中的にという印象を与えることは避けなきゃならぬというので、これからもやっぱり慎重に検討する課題だと思っております。
#378
○太田淳夫君 もちろん、このNTT株につきましては、国民の皆さんが広く関心を持っておりますし、あるいは電電公社発足のときにいろいろと貢献をした部分の方々もおみえになりまして、いささかも公正を欠くことのないような御配慮をしていただきたいと思います。
 次に、国鉄の問題でございますけれども、これもいろいろと予算委員会等では論議をされてまいりました。せんだっても余剰人員の問題につきましては、いろいろと政府でも努力をされているようでございます。六十一年から六十五年までに三万人を目標にこの受け入れを進めるということでございますが、今、公的部門ともいろいろと作業が進められていると思いますけれども、現時点における国、特殊法人及び地方公共団体の公的部門における国鉄職員の受け入れの状況、そしてこれが進んで目標の三万人を達成できるのかどうか、御意見を賜りたいと思うのです。
#379
○政府委員(中島眞二君) 国鉄余剰人員雇用対策本部の事務局長でございます。
 御質問の今日までの国鉄職員の受け入れ先の確保状況について御報告申し上げます。
 まず、国家公務員関係でございますが、各省庁におきまして採用計画が進んでおりまして、例えば運輸省におきましては六十年度分を含めまして二百二十八人、それから郵政省が六十一年度分で五百七十人程度、労働省におきまして同じく六十一年度で五十七人以上、それから自治省におきまして四十人の採用というようなものが決定いたしております。また、特殊法人などにつきましても雇用促進事業団の二百人、それから帝都高速度交通営団、これは同時に国鉄の関連企業でございますが、ここが六百五十人、これは六十一年度から六十五年度初めまででございますけれども、そういうことで国と特殊法人などの合計で六十年度分を含めまして約二千三百人の確保ができております。
 また、地方公共団体におきましても自治省の方で非常に積極的に指導していただきまして、ブロックごとに説明会をやる等浸透を図っていただきまして、東京都の特別区二百人を含めまして千四百五十人、北海道の三百八十人、宮城県の二百人、埼玉県の三百人など地方公共団体関係では合計約三千二百人と相なっております。公的部門の関係については以上でございます。
 なお、この公的部門につきまして三万人の目標達成はできるだろうかという御質問でございます。これにつきましては、昨年十二月十三日に「国鉄余剰人員雇用対策の基本方針」を閣議決定いたしましたが、その際に官房長官談話といたしまして、「政府として国等の公的部門における採用目標数は三万人とし、その達成に政府全体が一丸となって全力を挙げて取り組む所存」であるという政府の決意を表明したところでございます。やはり余剰人員対策を進めていきます上について、国を初めとする公的部門がまず進んで受け入れを行うということが大切でございます。今申し上げたような進捗状況でございまして、滑り出しは比較的順調に考えますけれども、問題はこれからでございますので、私ども全力を挙げましてこの問題について取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
#380
○太田淳夫君 総理、いかがですか。
#381
○国務大臣(江崎真澄君) 私が担当ですから、それじゃ私から。
 今報告のとおりでございます。衆議院の審議の段階ではまだ千六百名ぐらいと、こう言っておりましたのが、今申し上げましたように、もう目標数値を上回るという状況でございますので、この成否が少なくとも国鉄民営化への大きな分かれ道だというふうに考えまして真剣に取り組んでおります。鋭意努力中です。
#382
○太田淳夫君 鋭意努力をしていただきたいと思いますが、やはり閣議決定を見ますと、国鉄余剰人員採用計画を六十一年秋までに策定するとなっていますけれども、私考えますに、秋まで待っているのはちょっと遅いのじゃないかと思うのです。やはりこの国鉄改革の成否を決めますのは、余剰人員の雇用の場の確保について目算があるかないかということになってくるかと思うのですが、その点、やはりこの計画を早く作成して国会のいろんな審議の前提としていただきたい、このように思いますが、最後に御答弁をいただきたい。
#383
○国務大臣(中曽根康弘君) 国鉄の人員の問題につきましては内閣を挙げて努力しておるところでございます。まず隗より始めよというので、政府においても努力をいたしまして、今日までに目標数が千二百五十一名でございましたが、千二百七十五名と目標を突破して登録を得た次第でございます。運輸省が既に実行している分を入れますと二千二百五十七名となりまして、各省も精いっぱい努力してくれております。
 なお、特殊法人につきましては、九百十九名同じように登録をしておりまして、順調に進んでおる次第であります。今後も精いっぱい努力してまいるつもりでおります。
#384
○太田淳夫君 一番最後のところが抜けちゃっていますね。余剰人員採用計画を早く出してもらいたい……。
#385
○政府委員(中島眞二君) 閣議決定いたしましたときに、本年秋を目途に国鉄余剰人員採用計画を策定することといたしましたのは、今後新事業体の要員希望の確定を待つとか、あるいは公的部門におきまして採用の状況あるいは退職の動向が今後どう推移するかというようなことにつきまして関係者の間で十分調整を行う必要がある関係で、そういうことにいたしたわけでございます。今後関係者の間で積極的に調整を進めまして、少しでも早くこの計画を定めるように努力を続けてまいりたいと思っております。
#386
○太田淳夫君 総理にお伺いしますけれども、総理、これは衆議院の予算委員会でも問題になりましたけれども、総理のお考えでは今春にまず減税案を提出する、そして国民の議論に付するとともに、その財源措置を含めた総合的な改革案を今秋に答申を受けて、それらをあわせて六十二年度の税制改正に向けて法案を提出する、こういうスケジュールを明らかにされているわけでございますけれども、そうなりますと、減税案を国民の議論に付する期間というのは約十カ月近くありますけれども、財源措置というのはわずか三、四カ月しかなくなってしまうということでございまして、これは全く検討をする時間が短い。これは本末転倒であると私は思うわけでございますが、むしろ国民の負担が増加する増税案を十分にやはり国民の論議にかけるべきじゃないかと思いますが、その点どうでしょう。
#387
○国務大臣(中曽根康弘君) やっぱり国民の皆さんが一番関心を持っておる、自分の税はどうなるかという面で、ねじりとかよじりとか重税感とか申し上げましたが、長い間のこの問題に対してどういうふうな回答を与えてくれるか、それをまずやっていただいて、それを国民の皆さんの目の前にさらして、各方面のいろいろな反響をよく政府は酌み取り、そして次第にそれを最終案に固めていく。追って財源案も出してもらって、そして次の段階におきましては両方をよく見比べながら整合性をとっていく、そういう段取りがやっぱりあり得べきやり方だと思うのです。今までややもすると、それは逆であったのでありますけれども、私はそれが適当な案であるとは思わない。今度のように、特にシャウプ税制以来の三十年ぶりの大きな思い切った改革をするという場合には、やはりある程度時間をゆっくりかけて国民の皆さんの反響をよくのみ込むということが大事ではないかと思っております。
#388
○太田淳夫君 国民の皆さんは、減税案を幾ら出しても後から大きな増税案が出てくるのだということは先刻御承知でございますので、そんな取り越し苦労は要らないのじゃないかと思うのです。総理がいろいろとおっしゃっていることは、やはり衆議院でも問題になりましたけれども、参議院選挙あるいは東京サミット向けの単なる人気取りじゃないか、私たちそういう感じがしてなりません。
 先ほどお出になりました税調の小倉参考人も、やはり財源措置を含めた減税案答申を税調に求めるべきだ、こういう趣旨のことを大蔵委員会等でも発言をされているわけでございますので、その点、減税と増税案と申しますか、財源措置、そういうものは同時にやはり税調に諮問すべきじゃなかったかと思いますが、その点もう一度御答弁いただきたいと思います。
#389
○国務大臣(中曽根康弘君) 今回の大減税、大改革というものは、かねてから私考えており、かつ国会でも御公約申し上げ、国民の皆さんにも申し上げた次第なんです。これはもう絶対にやらなきゃいけない、そういう考えで、どういうふうにやったら国民の皆さんのかゆいところに手が届いてやれるかという方法論を相当研究いたしました。
 今までは逆のやり方でやったと思うんです。今までのやり方というのは、これはちょっと言葉は適当でないかもしれませんが、ともかく取るものは取ろうというような、役所を主体にした、税務当局あるいは歳入というものを主体にした考えで物を進めるというやり方だったと思うんです。しかし、これは適当ではない。これだけ長い間ひずみやゆがみや、クロヨンだ、トーゴーサンだと騒がれている問題ですから、そのねじり、よじりをどう直すかという課題にまずこたえる、そしてその課題にこたえた案が出て、それを皆さんがいろいろ批判して自分たちの考えを述べ合う、それを政府は耳を澄まして聞いて、そして最終案をつくっていく、その上に立って今度はそれに見合うようなバランスのとれた財源措置というものがどういうふうにあるべきか、これまた大いに議論していただく、前後一体となって最終的には議論していただいて法案をつくっていく、そういう考えを持っておりますので、これがあり得べき税の改革のやり方である、そう私は確信しておる次第なのであります。
#390
○太田淳夫君 総理は大幅減税とおっしゃいますけれども、加藤税調会長は野党の要求の倍は行いたい、こうおっしゃっていますし、あるいはシャウプ以来の大幅な抜本改革と言うならば、四十九年度に約一兆七千億円、GNPの一%強の減税を行っていますけれども、その四十九年度の規模を上回り、野党の要求の倍近い、そういう減税と考えてよろしいですか。
#391
○国務大臣(中曽根康弘君) 思い切ったものをやりたいと思っておりますが、定量的にまだ出す段階ではないと思うのでございます。むしろ定性的な研究から始まって、そして最終的に定量的な整合性を持たせるというのが筋ではないかと思います。
#392
○太田淳夫君 総理にお聞きしておきますけれども、総理はよく減税対象を住宅ローンや教育出費で苦しむ中堅所得層を重点に行いたいとおっしゃっていますが、これら発言なんかを伺いますと、約二百万から八百万という所得階層とおっしゃっていますが、それに間違いございませんか。
#393
○国務大臣(中曽根康弘君) そのセンターをどこにするかということになると、やっぱり四百万前後というものが中堅で、子供が大きくなりつつあって一番住宅ローンや学費がかかっておる。しかし、カバレージを大きくすると二百万から八百万ぐらい入る。しかし、二百万程度というものはそれほど負担がまだ多いというところではないのであって、むしろ三、四百万からきつさが出てくる、そういうものであるだろうと考えておりますが、一応そういうふうなカバレージを研究してみたらどうかと思っておるところであります。
#394
○太田淳夫君 それは年収でおっしゃっているんですか。
#395
○国務大臣(中曽根康弘君) どういう意味で今御質問があったのだか、恐縮でございますが、何でおっしゃったかという……。
#396
○太田淳夫君 年収でですか。
#397
○国務大臣(中曽根康弘君) 年収です。
#398
○太田淳夫君 所得は、年収ベースかあるいは課税所得ベースか、いろいろあるようでございますが、例えば……
#399
○委員長(安田隆明君) 太田君、時間が参りました。
#400
○太田淳夫君 そうですか。
 年収ベースですとどうなりますかということ、例えば三百万の方をお引きしますと、現行の税率構造のもとでは、年収三百万、標準世帯ですと税負担状況は限界税率は最低税率の一〇・五%、税額は約四万二千五百円です。この階層の人たちに減税の恩典を及ぼそうとしますと、課税最低限を引き上げるか最低税率を引き下げるしかないわけです。最低税率を一〇・五%から一〇%に引き下げたとしても、わずか二千円の減税にしかこれはならないわけです。そうなりますと、課税最低限を大幅に引き上げないと、これらの層の方々の減税にはならない。もし最低税率を引き上げたり課税最低限を引き下げますと、年収三百万の人々には増税となってしまって、総理の言われる大幅減税にはならない。あるいは、年収五百万の階層の人々にとりましても、現行の限界税率は一四%ですから、もし最低税率を一五%に設定したとすれば、この場合には課税最低限をかなり大幅に引き上げないと増税になってしまうんです。
 これから見ましても、最低税率の引き上げあるいは課税最低限の引き下げ、これは……
#401
○委員長(安田隆明君) 太田君、時間がオーバーいたしました。
#402
○太田淳夫君 総理の減税という意向からはできなくなってくるんじゃないか、このように思いますが、どうでしょうか。
#403
○国務大臣(中曽根康弘君) 最高、最低あるいは税率の刻み方、こういうものは専門家によって最も適切妥当な案を出していただこうと、そう考えております。
#404
○委員長(安田隆明君) 以上で太田淳夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#405
○委員長(安田隆明君) 次に、瀬谷英行君の質疑を行います。瀬谷君。
#406
○瀬谷英行君 午前中、和田委員からも質問がございましたが、フィリピンの大統領選挙に関連して総理にお伺いしたいと思うんです。
 もう七日に選挙が行われたのに、今日に至るまでも開票結果が確定をしない。こういうことはちょっと考えられないことですよ。日本では幾らゆっくり開票したって一週間もかかるということはないですね。これは、やはりいろいろと不正や暴行やいろんな問題がこの間にあって、大統領選挙の開票がまともに行われなかったというふうにしか考えられないんです。このような大統領選挙の状況をどのようにお考えになりますか。
#407
○国務大臣(中曽根康弘君) いわゆる工業型民主主義国家ではちょっと考えられないことでございますが、しかしフィリピンでは、今までの例から見ますと、かなり開票には今までも時間がかかって、先進民主主義国と違うような、我々から見るとかなりまだるっこいやり方になっているんですが、そういう伝統はあるようでございます。今度も大体そういうようなケースで行われていると言われております。
 もっとも、選挙戦がヒートしたという状況は、今回は非常にヒートしたと思いますが、それでも流血の惨事や何かというものは、よくフィリピンの選挙には随伴していたと言われておるところでございます。
#408
○瀬谷英行君 選挙が公正に行われているのかどうか疑問であるということでアメリカからも監視団が来ているという、こういうことを我々聞いております。日本とすれば、この選挙の結果に対して、どのような見方をされますか。
#409
○国務大臣(中曽根康弘君) 国おのおの事情があり、また社会的な関係というものは国によって違いますから、自分たちのやっていることが最善であると信じて人に押しつけるというようなことは、私は適当でないと思っております。そういう意味におきましても、フィリピンにはフィリピンの事情があり、歴史があり、流れがある。そういうことでありますから、内政干渉がましいことは一切言わないことが賢明である。特にアジアの国同士のことでもありますから、そういう失礼なようなことは言わないことがお互いの民族感情を傷つけないためにも大事である、そういうふうに考えております。
#410
○瀬谷英行君 フィリピンに対する経済援助というのが果たしてまともにそれが一般の大衆の懐にまで浸透していくかどうかについて、我々疑問を持つわけですよ。みんなこれは横流れをしてしまって、マルコス政権の懐に入ってしまうんじゃないかという心配をせざるを得ないんですけれども、そのような危惧の念はお持ちになりませんか。
#411
○国務大臣(中曽根康弘君) 外国に対する経済協力等が不正に使われないように外務省も政府もよく注意をして、時々その視察調査もやらしておるところでありまして、今までのところ、不正に、今のおっしゃるような方法でそれが使われたという報告は受けておりません。
#412
○瀬谷英行君 日本の会計検査が向こうまで及ぶというわけにいかないと思うのでありますが、外務省としてはそこまで行き届いた調査が行われているんですか。
#413
○政府委員(藤田公郎君) 会計検査は、ただいま委員御指摘のとおり、外務省ないしは経済協力を実施しております国際協力事業団、海外経済協力基金が我が国の会計検査を受けております。ただ、相手国に対しては我が国の会計検査が及ばないというのはおっしゃるとおりでございます。
 ただいま総理から御説明のございました経済協力の後追い評価と申しますのは、我が国が相手国の協力を得ながら、我が国の行いました経済協力の事業が当初の目的どおり十分その効果を上げているかどうかを調査し、評価するという種類のものでございまして、年間約百件ぐらいの世界じゅうで評価活動をしておりますが、フィリピンにつきましては八件から十件ぐらいを年間行っているという状況にございます。
#414
○瀬谷英行君 援助額は幾らぐらいになっておりますか。
#415
○政府委員(藤田公郎君) 額と申します場合に、実施をしました額と、それから約束をしました額というのはそごがございますけれども、現実に使われました額ということでとってみますと、フィリピンは我が国にとりまして大体第四位ないし第五位の援助受取国でございまして、八三年には、ドルベースでございますが、一億四千七百万ドル、それから八四年、これが一番新しい数字でございますが、一億六千万ドルが我が国から有償、無償技術協力というような姿で、これはODAでございますけれども、政府開発援助がフィリピンに向けられております。
#416
○瀬谷英行君 日本の経済援助がフィリピンの民衆の困難な状況を救うということに役立っているなら、まだ我々としては同じ血税の使い道についても納得がいくのでありますが、それがみんな横に流れてしまった、あるいは政権によって上前をはねられるということになりますと我慢がならぬわけです。そういう懸念がある国に対する経済援助というものは再検討する必要があるのじゃないかと思うのでありますが、どうでしょうか。
#417
○国務大臣(安倍晋太郎君) フィリピンに対しては、今局長が答弁しましたように、これまでも相当の援助をいたしておりますが、この援助につきましては、日本の場合は積み上げ方式によってプロジェクトを中心にしてきちっとやっておりますし、その他技術援助、無償援助等につきましても十分相談をし、精査もしてやっておりますし、これはフィリピンの経済の安定、国民生活の安定のためには大きな役割を今日まで果たしてきている、こういうふうに思っております。今後ともやはりこれまでの日比関係、この友好関係というものを確保をする上からも、また現在のフィリピンの経済は悪いわけですし、国民生活も非常に厳しいわけでありますから、これを助けるために今後ともこの援助は続けていかなければならない、これは日本の責任の一つである、こういうふうに考えております。
#418
○瀬谷英行君 世界の衆目の見るところ、マルコス政権というのは信用できないということになってきたと思うのであります。ところが、今のお話だと援助を続けていくということなんですが、きょうの新聞の漫画を見ると、レーガン大統領が「臭いのは我慢する」と言って鼻をつまみながらマルコスと握手をしようとしている漫画があるんです。今のお話を聞くと、日本は経済援助をやるのだ、そういうこととなると、中曽根さんは鼻をつままないでマルコスとキスをする、こういうことになってしまうのじゃないかと思うのでありますが、そのような評価を世界から受けることになりはしないかと思うのでありますが、どうですか。
#419
○国務大臣(中曽根康弘君) 日本としては注意深く、不正が行われないように、今外務大臣が申し上げましたように、プロジェクトごとに積み上げてやってきておるのでありまして、そういう心配はない。私たちはフィリピンの国家あるいはフィリピンの民衆の福祉や生活のためにやっておるので、一大統領、政府の責任者を相手にしてやっておるのではない、相手は国家であり民衆である、そう考えております。
#420
○瀬谷英行君 理屈はそうかもしれないけれども、政権が窓口ですから、政権を迂回して民衆のところへ援助物資があるいはいろいろな財政的な援助が行くということは考えられないわけです。したがって、この点についてはやはり問題があるというふうに思います。しかしこの点は、私は経済援助の内容について今後十分に検討すべきであるということを強く申し上げておきたいと思います。
 次に、日ソ関係の問題でありますけれども、衆議院の本会議あるいは予算委員会、参議院における同じくいろいろな会議で、総理は北方四島の返還を前提とした交渉ということを言っておられるのでありますが、今までと同じ答えなんです。それでもって日ソ間の問題を打開するという自信がおありになりますか。
#421
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は幻想を抱かないと前から申し上げているとおりで、なかなか厳しい情勢にあるとは思っておりますが、しかし粘り強く話し合いをして、その話し合いを通じて解決していく、そう考えて、一貫してこの考えは変わっておりません。
#422
○瀬谷英行君 今までも粘り強くというお答えはよく聞いたのでありますけれども、幾ら粘り強く続けると言っても、合わないかぎを突っ込んでドアをあけようとしてもこれは無理じゃないかという気がするんです。だから、四島返還という主張が素直に交渉のテーブルの上に乗り得るのかどうかということを考えていかなきゃならぬと思うのでありますが、その点についての自信はおありですか。
#423
○国務大臣(中曽根康弘君) 日本の主張は国際法上も正当な主張であり、かつ領土の問題というものは民族の心の底にある最も重大な問題でありまして、こういう重大な問題で譲歩しようなどとは思っておりません。しかも、鳩山さんがやった共同宣言以来のいろいろないきさつを見ましても、厳然として国際法上我が方の正当な権利であります。これを放逐してどうして政府が存立し得るか、考えてみただけでも重大な責任をしょっておるわけでございまして、この点については一歩も引くわけにはいかぬ、四島返還という点について我々は粘り強く今後も努力していく、これが我が政府の崇高な日本の歴史や国民に対する責任であると考えております。
#424
○瀬谷英行君 サンフランシスコ条約で千島列島を放棄するということに調印したということが極めて日本にとっては重要な弱点になっておるのじゃないかと思うのでありますが、あの点は問題ないと思われますか。
#425
○国務大臣(中曽根康弘君) サンフランシスコの平和条約のときに吉田全権は演説をしておりまして、その中でこういうふうに実は指摘をしておる。あのときの状況は、日本は調印のために出席を命ぜられた、あるいは招待されたので交渉ではない、そう言われておったところであります。それで、下話をいろいろしているときに、日本は無条件降伏したわけですから、ダレス氏に対して、いわゆる我が国の固有の領土である四島については資料を出してよく説明もしておるところでございます。その中で吉田さんがサンフランシスコの平和条約で言っているところを見ますと、こういう部分があります。
 敢て数点に付全権各位の注意を喚起せざるを得ないのはわが国民に対する私の責務と存ずるからであります。第一、領土の処分問題であります。
こう言って、そしていろいろな言葉がございますが、
 千島列島及び南樺太の地域は日本が侵略によつて奪取したものなどのソ連全権の主張は承服いたしかねます。
 日本開国の当時、千島南部の二島、択捉、国後両島が日本領であることについては帝政ロシアもなんら異議を挿さまなかったのであります。ただ得撫以北の北千島諸島と樺太南部は、当時日露両国人の混住の地でありました。一八七五年五月七日、日露両国政府は、平和的な外交交渉を通じて樺太南部は露領とし、その代償として北千島諸島は日本領とすることに話合いをつけたのであります。
云々と言っておりまして、そして結局、ポーツマス平和条約でまたルーズベルトの仲介によって樺太南部が日本領になった、そういうことを言って、
 千島列島及び樺太南部は、日本降伏直後の一九四五年九月二十日一方的にソ連領に収容されたのであります。
こういうふうに吉田全権は言っておる。これはソ連全権もおり、日本が無条件降伏した状況のもとに言った言葉ですから、遠慮して「ソ連領に収容された」、そういう言葉を使っておるんです。そして「千島列島及び樺太南部は、日本降伏直後の一九四五年九月二十日一方的に」、こう言っておる。これが当時日本としては言い得る最大の抗議であり、注意の喚起であったと思うのであります。
 その後、千島の概念について論争がありましたが、昭和三十一年にアメリカ政府も正式に四島は日本領であるということを言い、その後中国もイギリスも同じように四島は日本領であると。サンフランシスコ平和条約の構成国であり、原案を起草したアメリカ自体が日本領であるということをはっきり言ってきておる。こういう事実がある。ソ連はサンフランシスコ条約には調印もしていない、批准もしていない。そういう状況にあるということもこの際申し上げておきたいのであります。
#426
○瀬谷英行君 吉田全権が演説をしたということは、それだけの話であって、それならば千島列島を放棄しなければよかったんだ。千島列島を一たん放棄してしまうということになると、これがやはり今後のこの問題についての重大な足かせになるというふうに考えざるを得ないのであります。演説は演説としても、放棄した千島列島の中に国後、択捉が入るのか入らないかということも、アメリカがもし日本の立場を支持するならば、その点について見解を明らかにするということがこのサンフランシスコ条約においても行われてしかるべきではないかと思うのでありますが、その点どうですか。
#427
○国務大臣(中曽根康弘君) 千島列島という言葉が当時は定義が必ずしもはっきり国際的にしてなかった嫌いがあると思うのです。樺太千島交換条約において千島列島、クリルアイランズというのは得撫以北であると、そういうふうにちゃんと定義づけられて、十八の島の名前がみんな書かれておるのであります。国後、択捉、歯舞、色丹は入ってないわけです。だから、千島列島と言う場合には今の四島は入っていないという国際条約もあるわけであります。しかも、それは日本人も住んでおり、日本の固有の領土であるという考え方から、当時の帝政ロシアもそれを承認したといういきさつもあるわけです。その後、ソ連は千島列島という言葉につきまして、いろいろ今度は全部おさまるような感じのことを言って領土問題はないと言ってきておりますが、しかし今まで両国が締結した条約あるいは歴史的資料等を見れば、明らかにこれは帝政ロシアも承認したことであり、四島は日本の固有領土である、こういうふうに言い得ると思うのであります。
#428
○瀬谷英行君 帝政ロシアと締結した下田条約のときはたしかそうだったと思う。ところが、その後の千島列島の定義なんですけれども、例えば日本の教科書、これは明治十四年の教科書でありますけれども、「千島国ハ、根室ノ東北海上ニ散布セシ群島ノ総称ナリ、洋人是ヲ「クリル」諸島ト名ツク、其稍大ナル者ヲ択捉トス、国後コレニ次ク」と、こう書いてあるんですよね。その後、この教科書の記述は大正から昭和に至るまで一貫しているんです。それから地図の方も千島列島の中に国後、択捉が入ってしまっているんです。したがって、この二島は千島列島じゃないと言うならば、それなりの解釈あるいはサンフランシスコ条約のただし書きといったようなことを考えなければ、相手側に説得をする効果はないんじゃないかと思うのだけれども、その点どうですか。
#429
○国務大臣(中曽根康弘君) ですから、吉田全権はその前にダレス氏と条約案をつくる交渉に来たときに今までの歴史をよく説明もし、またサンフランシスコの講和条約におきましても樺太千島交換条約の説明もし、これは一方的に奪取したという、あれはカイロ宣言ですか、ああいうものには該当しないということも意を込めて指摘しておるわけなのであります。
#430
○瀬谷英行君 吉田全権がしゃべっただけじゃ何にもならないんですよね。これは条約の中に千島列島などと明記されてしまうというと、その千島列島の範囲がどうか。その後の国会でも千島列島の中に択捉と国後が入るというふうな答弁まで行われているんですから、改めてソビエト側と交渉する場合にはこの問題について別個の立場でもって折衝をしなきゃならぬと思うのでありますが、その点は自信を持ってやれるかどうか、その点をお伺いしたいと思うのです。
#431
○国務大臣(中曽根康弘君) 今までいろいろ申し上げましたような国際法上の根拠並びに日本の歴史、そういうような面から自信を持って粘り強くやるつもりでおります。
#432
○瀬谷英行君 今までの主張では、国際的にはアメリカですら、日本に対してそういう回答をしたけれども、じゃ、ソビエトと交渉するとかあるいはヤルタ協定について見直しをするというところまではいってない、こう思うのでありますけれども、その点はどうなんでしょう。
#433
○国務大臣(中曽根康弘君) アメリカの国務長官のシュルツ氏はソ連に対して歯舞、色丹、国後、択捉の四島は日本領であるとはっきり言っておりますし、呉学謙・中国外務大臣も同じように先方に対して日本領であると支持しておる次第であります。
#434
○瀬谷英行君 今後の問題として、例えば墓参云云というようなことを言われましたけれども、墓参などというけちなことをなぜ言わなきゃならぬのか。これは外国領土であろうと、例えばサイパン島であろうとグアム島であろうと自由に行ったり来たりできるんですから、自由な往来というものを求めるということの方が、これは墓参りしようと遊びに行こうと勝手なんですから、その方がいいんじゃないかというふうに思うのでありますが、なぜ墓参というふうに限定をされて話をしているのか、その点をお伺いしたいと思うのです。
#435
○国務大臣(安倍晋太郎君) 墓参につきましては、これはソ連との間にかつて、戦後北方四島から引き揚げた日本人の墓参を証明書だけで実はソ連も許可しておったという長い時代があったわけですが、その後、日ソ関係も非常に厳しくなって、突如としてソ連が証明書では認めないということになって今日に至っておるわけであります。これは日本としまして、あくまでも北方四島は日本の固有の領土でありますし、そしてソ連もかつては証明書だけで墓参を認めておったわけですから、あくまでも人道的な立場に立って、現在はソ連と日本との間には領土問題については見解の相違はありますけれども、そういう時代もあったわけですから、そしてまた北方四島から北海道へ帰って住んでおる人たちも今、年をとられて墓参をしたいという思いが非常に痛切にあるわけでございますし、人道的立場からこれを認めるべきだということをソ連側に強く主張しておるわけでありまして、ソ連としてもこうした日本の考え方に対しては人道的な立場からひとつ検討してみる、こういう回答になっておるわけであります。
#436
○瀬谷英行君 日ソ円卓会議というのが隔年行われております。ことしは日本で行われる番になっおるんです。恐らくことしの年末には行われるんじゃないかと思うのであります。この日ソ円卓会議には各党から代表が出ておるわけでありますが、今までの政府の対応は必ずしも余り熱心であったとは言いがたいと思うのでありますが、この円卓会議に対して日本政府としては何らかの配慮ということを考えておられるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#437
○国務大臣(安倍晋太郎君) 日ソ円卓会議は、自由な立場で両国の政界、経済界、文化人、いろいろと集まって意見の交換をしてきておりまして、私はそれなりに重要な討論の場として一つの対話をこれまでも続けてきた会議であったと思っております。
 今また日ソ間には、対話をさらに積極的に行おうと政府、民間を問わず対話を進めていこうという空気が出ておるだけに、この円卓会議もさらにこれを積極的に進めて大いにその成果を上げていただきたい。政府としては直接これには関知しておりませんが、しかしこの円卓会議はずっと続いておりますし、ことしもまたこれが行われるであろうと、我々はその内容、議論に大いに期待をいたしておるわけであります。
#438
○瀬谷英行君 国鉄問題についてお伺いしたいと思います。
 余剰人員ということをよく言われるのだけれども、余剰人員の根拠というのは必ずしも明確ではない。資料も出されない、今までの監理委員会における議事録も明らかにされない。それで結論だけ九万何がしといったふうに数字を出されてくる。これでは、なぜこれだけの人間が余剰人員になったのだかさっぱりわからない。その根拠等について我々は疑問を持っておるのでありますが、その点一体どのように理解してよろしいのでしょうか。
#439
○政府委員(棚橋泰君) これも先生御承知のことになるかもしれませんが、六十二年度年初の職員数が二十七万六千人というふうに推定をいたしまして、さらに新事業体の要員適正規模というものを十八万三千人に置きまして、ただ当初から適正規模ではなかなかやりにくいので約二割の人間を置く、そういう人間を新事業体に残しましたものが例の六万一千人、それを引く前のものが九万三千人、こういうことでございます。
#440
○瀬谷英行君 法案もまだ出ていないのに、分割・民営がもう監理委員会の結論どおりに行われるという前提に立って分割・民営についての「Q&A」といったようなパンフレットが出されておる。そして既定の事実になっておる。国会の審議というものは全然考えていないかのようであります。国会の審議の方が監理委員会の答申づくりよりも優先しなきゃならぬと私は思うのでありますが、これは運輸大臣、どのようにお考えですか。
#441
○国務大臣(三塚博君) お答えを申し上げます。
 瀬谷先生も御案内のとおり、国鉄改革は緊急の焦眉にございます。御案内のように一つの法律は先般提出をいたし、残りました七つの法律を近々国会に御提示を申し上げ御審議を煩わすと、こういうことに相なっておるわけでありまして、その大前提は国鉄再建監理委員会法で法定をいただきまして、それに二年余監理委員会が結論を出された。この結論を政府が尊重申し上げ、それぞれ閣議了解を決定いたし、政府方針を打ち出しまして今日に備えておると、こういうことであります。
 六十二年四月という法律が今国会成立決定をいただきますならば、そういうことに対応するわけでありまして 万全を期しまして一人といえども路頭に迷わすことの相ございませんように全力を尽くすのが政府としての最大の責任であろう。さような意味でただいまPRにこれ努め、関係団体にもお願いを申し上げておるということであります。
#442
○瀬谷英行君 路頭に迷わさないようにという言葉はいいのでありますけれども、最近伝え聞くところによりますと、先行き不安でもって職員で自殺する者がふえているという話も聞きました。また余剰人員という言葉は、言ってみれば解雇の予告みたいなものでありますから、現場の職員にとってはこれは大変深刻な問題になると思うのであります。そのような暗い雰囲気を今日職場の中にもたらしているということについては大変問題だと思うのでありますが、国鉄総裁としてはどのように対処されておりますか。
#443
○説明員(杉浦喬也君) 先生おっしゃいますように、国鉄は毎日何千万の人を正確に正しく運んでおるわけでございます。そういう意味におきまして、私は常日ごろ職場というものは明るくなくてはいけない、職場規律を確立して笑顔をもって職場を明るいものにしなけりゃいかぬということを再三申し上げているところでございます。しかしながら、一方におきましては合理化を推し進め効率ある経営形態にしなきゃいけませんし、そうした問題から出てくる余剰人員の問題も避けて通れない問題でございます。
 私は、この余剰人員の対策が今後の国鉄改革の最も大きな問題の一つであるという認識を持ちまして、関係の組合員あるいは職員の個々の人それぞれに、将来の鉄道の展望というものにつきまして十分に自分自身で考え、明るく未来を描こうではないかということを再三呼びかけておるところでございます。
#444
○委員長(安田隆明君) 関連質疑を許します。小柳勇君。
#445
○小柳勇君 国鉄問題に関して質問いたします。
 総理に質問いたしますが、先般、新聞や週刊誌で「エホバの証人」の信仰で九州鉄道総局長をやめた田村剛君の話を知っておられるかどうか、その原因についても御存じかどうか、お伺いします。
#446
○国務大臣(中曽根康弘君) 新聞等で拝見をいたしましたが、真相はよく知りませんので、運輸当局から御答弁申し上げます。
#447
○説明員(杉浦喬也君) 昨年九州に発令をいたしましたときにそういう問題は聞いておりませんでしたが、その後間もなく私のところに参りまして、自分の宗教上の観点から家族は一緒にいなければならない、そういうことが可能であるというふうに自分では思っておったが、現実は教育問題におきましてそうもまいらないということで、どちらをとるべきか迷ったけれども、やはり宗教上の自分の信念に従いたいということで辞職をしたいという、そういう申し出があった次第でございます。
#448
○小柳勇君 今、九州の財界では、田村総局長は就任以来半年間九州の鉄道を十分見でいろいろ改善するものは改善した、非常に努力した、ところが半年やってみて部下職員などと一緒にこれから行く先を検討した結果、この分割案では将来九州鉄道はやっていけない、そういうような判断をして、将来責任というよりも、神の前にこの「エホバの証人」として、信仰としてこの際辞職した、そういうのが今、九州財界で一般に言われています。この点について総理の見解を聞いておきたい。
#449
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、真相をよく調べておりませんから、ここで論評をすることは差し控えたいと思います。
#450
○説明員(杉浦喬也君) 私が今まで本人にじかに会って話をしたり、また、私が申し上げた範囲内におきまして、そういう将来の鉄道への展望が自分で自信がないというようなことを一回も私は聞いたことはございません。やはりあくまで本人の宗教上の理由というのが真相であるというふうに私は思います。
#451
○小柳勇君 私どもも、監理委員会の答申が出て以来、九州、四国、北海道など、この分割される鉄道の将来についていろいろ検討してまいりました。九州、四国、北海道は、もう五カ年したら経営できないのではないか、そういうのが私どもの見解です。したがいまして、私は総理に、なぜ急いで分割をされるのか、今どうしてもやらなきゃならぬ理由をお聞かせ願いたいんです。
#452
○国務大臣(中曽根康弘君) 今の国鉄自体が既に破産寸前でありまして、もう従業員の皆さんの退職金や年金ですら危なくなりつつある、こういう状態であるわけであります。一日も猶予すべからざる状態であります。そういう意味において、もう大至急処置すべきものは処置し手術すべきものは手術しなけりゃ命がなくなってしまう、そういう緊急事態にあると考えておりますから、一生懸命、急いでやってきておるわけであります。このままいったら、またたれ流しはずっと続くでしょうし、それが続いていったならば、従業員の皆さんに対する給料すら保証できなくなる、そういう事態すら考えざるを得ないのであります。
#453
○小柳勇君 今財政の問題を言われました。この長期債務の返済については大部分が今日までの政府の責任です。政府と国鉄管理者及び運輸省の責任。したがって、この長期債務の返済についてはこの国会で具体的に出してもらいたい。
 それはまた後、別途の機会にいろいろ論じますが、その長期債務と分割というのは一体どういうふうに関連して考えておられますか。
#454
○国務大臣(中曽根康弘君) 監理委員会で調査をして、長い時間をかけて国鉄をどう再建すべきかということを綿密に練り上げて案をつくっていただきました。その答申をいただいて、我々は妥当なものである、これはもう民営・分割以外には方法はない、私はそう感じて、それを尊重して実行する、そういうふうに申し上げて今進めておるところなのでございます。
#455
○小柳勇君 この分割についてはまだ後で具体的にやりますけれども、いま一つ、次の問題は、先般も、国鉄幹部の各地域に転勤、配属を新聞で見ました。これにつきましても、例えば分割派あるいは批判派など、そういうものがまだ国鉄の中でいろいろ流れておる。特に、こういう場で名前を言っては失礼でありまするが、監理委員でありました某氏、杉浦総裁など運輸省が国鉄の方の運営について大部分介入しながら、総理は仁杉総裁以下七名首を切られた。あるいは今中央から地方に配転される諸君など、来年の春ごろになったら大きな嵐が起こるのではないかという懸念。特に、先般我が党が国民にこの分割反対の署名をいたしましたら、三千四百万名の署名が集まっています。したがいまして、なぜ総理がそんなに急がれるのか。私はここに小坂徳三郎元運輸大臣の本を持っています。この人は、六分割では国鉄の再建はできないと。特に、五年ぐらい時間をかりて十分検討して、国民と一緒に再建すべきであるという意見です。なぜ分割・民営化を急がれるのか、理由を聞いておきたい。
#456
○国務大臣(中曽根康弘君) もう今の状態は、一刻も猶予を許さないような破産に瀕している状態で、四年や五年なんていうそんな悠長な時間を言っていたら、今の皆さんの給料すら払えなくなる。年金はもとよりです。そういうもう緊急、瀕死の状態にあるという認識がないからそういうことになるんじゃないかと私は思っております。
#457
○小柳勇君 赤字の問題と分割経営の問題というのは全然別個ではないか。本土線を三分割して、その上を貨物列車が一本で走っていく。新幹線はリース会社にする。今後のそのようなのを考えますると、専門的にダイヤ一本つくるのだって大変ではないかという心配がある。したがいまして、きょうは余剰人員対策を中心に質疑をしたいので、分割・民営化についてはまだ別の機会に、次の予算委員会で総理とじっくり論争したいと思いますが、総理が、あるいは内閣が、強引に来年の四月にこれを突破するということを考え直してもらいたい。法案の審議の中でも十分意見を言いますけれども、考え直してもらいたいということを申し上げながら次の質問に入ります。
 今、瀬谷委員も言いました余剰人員。運輸大臣、余剰人員というのは一体何か。何か掃きだめにある人間のような印象を受けます。その余剰人員を出した責任は一体だれか、それを答弁願います。
#458
○国務大臣(三塚博君) 適正な経営規模、人員規模という意味で、棚橋君がただいま答弁いたしましたような規模に相なるわけであります。上回りますものを余剰人員と言っておるわけでありますが、私は、人材活用という意味で、三島の知事さん、さらに各関係者ともできるだけお会いを申し上げながらただいま申し上げておるところであります。もともと国鉄マンは生まじめな誇り高い集団でありますので、この諸君をぜひそれぞれのパートで御活用いただきたい、このように申し上げておるわけでございまして、大方の理解をいただいておるのではないかというふうに思っております。
 ただいま余剰人員とは何かと、こういうことでありますが、言うなれば、総理ただいま御答弁がありましたとおり、一日も猶予のできない今日の時点におきまして、立派な鉄道として再生、新生をいただくということでありますならば、六分割、一貨物会社、こういう形でお取り組みをいただきますことがベターであります、監理委員会の答申ももとよりでございますが、政府としてまた運輸省として、実施部隊である国鉄総裁以下との協議の中で、今日ただいまこの方式しかあるまい、この方式を歯を食いしばってやり抜いてまいりますことがやがて新生鉄道としての喜びがそこに展開をされるという、まあそういうことでただいまこのことに取り組まさしていただいておるということであります。
#459
○小柳勇君 国鉄総裁に質問しますが、今客貨の輸送人キロ、トンキロ並びに所要人員をお知らせ願います。
#460
○説明員(杉浦喬也君) 輸送量の数字は、ちょっと今手元を探しますので、後ほどお答えいたします。
 現在人員でございますが、昭和六十年度の初めにおきます現在人員が約三十万七千人でございます。その後若干の変動等がございますが、現在人員は、現在の段階で余り変わっていないというふうに思います。
#461
○説明員(須田寛君) 数字につきましてお答え申し上げます。
 五十九年度の数字でございますが、輸送人員は年間六十八億八千万名、輸送人キロは千九百四十二億人キロでございます。
#462
○小柳勇君 今日、無事故でそれだけの客貨を鉄道は運んでおるわけです。この国鉄からとりました資料によりますと、現在三十万七千人おられます。そして余剰人員が二万五千五百人おると報告がありました。その余剰人員については我々も責任を感じています。ところが、その他の、監理委員会が答申を出しましたが、その監理委員会の答申についての所要人員と余剰人員を御答弁願います。
#463
○政府委員(吉田耕三君) 監理委員会といたしましては、現在六十年度首が三十万七千人でございますが、分割・民営化に移行する六十二年度首、これにつきましては、従来の退職率等を勘案いたしますと、六十二年度首の現在員は二十七万六千人になります。そして、我々が主として私鉄並みというような観点から適正要員数を算定いたしまして、新しい事業体に引き継ぐべき人員数を算定いたしますと、約二十一万五千人ということになりまして、その差の六万一千人が余剰人員となり、これについては雇用の場の確保を図るべく努力していかなければならないという数字でございます。
#464
○小柳勇君 さっき国鉄総裁が言われた所要人員並びに余剰人員は今の時点。今、監理委員会から言われた所要人員並びに余剰人員は来年の四月です。六十二年度の所要人員。今実際これだけ列車が動いて人と物が運ばれておる。それが一年間のうちにそれだけ人員が減って一体汽車が動くのか、この点について運輸大臣から答弁を求めます。
#465
○国務大臣(三塚博君) 本日も新幹線、国電も走り続けております。それぞれの分野において国鉄の諸君が全力投球をいたしておるわけでございまして、本件につきまして適正規模で果たして汽車が走り続けられるかということでありますが、この点、私鉄並みの経営プラス二〇%の三万二千人をプラスいたしまして、国鉄の持つ長距離列車等等に対応して運行がスムーズにまいりますようにと、こういうことでいたさせていただいておるわけでありまして、政府といたしましても、国鉄総裁以下担当幹部と打ち合わせをさせていただき、本件で万全を期することができるかについて精査をいたしておるところでありまして、これで確実に対応でき得ますと、こういうことでありますので、実施部隊の言を私どもはそのまま受けとめさしていただきながら、安全性の確立の中、確保の中でお取り組みをいただくと、こういうことであります。
#466
○小柳勇君 全然もう認識が、運輸大臣の認識は全然納得できません。九万三千人の余剰、二万五千人は我々わかります、今仕事しているんだから、みんな。九万三千人を一年のうちに余剰人員として切って、六十二年から、来年の四月から出発するなんということは一体できようか。民間の会社に行って、民鉄と言いますが、今皆さんのところに私は資料を配っていただきました。これが今度、今監理委員会が民鉄並みに計算した旅客鉄道会社の数字です。公式です。この公式によりますと、計算されたものが十五万八千六百八十九名。私は計算いたしました。こんな数字ではありません。したがって、きのう監理委員会にも資料要求をしておきましたから、この回帰式を出しました数字及びこの計算の実数を示してもらうように言っておきました。答弁を求めます。
#467
○政府委員(吉田耕三君) 監理委員会といたしましては、私鉄並みの要員数という場合の算定根拠といたしましては、例えば駅職員でございますれば、私鉄における駅の乗降人員と駅職員との関係、乗降人員が多ければ……
#468
○小柳勇君 そんなことは書いてあるよ、ここに。それじゃなくて、この数字を、計算の公式があるでしょう。これで計算したものがこちらでしょう。こんな数字は出ないのよ、計算したら。私やっているんだから、自分で。全然数字が違う。
#469
○政府委員(吉田耕三君) そこに掲げてありますような、ただいま申し上げましたような関係を前提にいたしますと、先ほど申し上げましたように、私鉄並みの要員数を前提とした各会社の要員数が算出されるわけでございます。
#470
○小柳勇君 それでは、この公式では列車キロとか営業キロとか駅の発着人員とか車両キロとかあります。その数字はどういう数字を使っているか、答弁を求めます。
#471
○政府委員(吉田耕三君) お手元にございますような回帰式を用いてやったわけでございますが、その回帰式を用いる場合に、現在の国鉄の線区は約二百四十余ございます。我々といたしましては、どのような分割案にも対処し得るようにその二百四十余の線区をさらに分割して、管理局境であるとか、そういうところで分割いたしまして、約五百、正確には四百九十七でございますが、四百九十七の単位に線区を分けて、その線区ごとに、例えば一日平均一駅発着人員は何人であるかとか、列車キロは何キロであるかとか、六十二年度首のそういう数字を推計いたしまして、それぞれの五百の単位ごとにそこに示してございます回帰式を用いてそれぞれ算出し、それを積み上げたものでございます。
#472
○小柳勇君 私は、国鉄本社からこの車両キロ、列車キロ、営業キロ、全部数字をとっています。これで今汽車が動いているわけです。この数字をこの回帰式に入れて計算しました。私の計算によると、所要人員は二十六万八千五百九十四人。にもかかわらず、監理委員会が計算しているのは十五万八千六百八十九人です。全然数字が合わない。現在国鉄が動いておるのを合理化いたしましても、大体この回帰式の我々が計算した二十六万八千五百九十四人、それが大体来年、再来年ぐらいの、本当に合理化していって能率を上げたときの数字ではないかと計算をしています。監理委員会のこの答申、十五万八千六百八十九名については納得できない。私はきのう計算の、こちらの方の基礎数字を要請しておきました。それを持っておられるかどうか返事を求めます。持っておられなければきょうは質問をやめます。
#473
○政府委員(吉田耕三君) その回帰式に代入いたしました基礎数値は、先ほど申し上げましたように、約五百単位に分けた区分ごとに各指標をそれぞれ推計いたしておりますので膨大な資料になりますが、やや日数はかかりますけれども、検討いたしましてお出しいたしたいと思います。
#474
○小柳勇君 それじゃ、ごまかしですか、これは。この推計の、これにちゃんと書いてあるんです。鉄道旅客部門の適正要員数の推計、推計の式はこれですと書いてある。そして、結果、右の方へ表が出ている。これをもとにしてこの国鉄分割の鉄道旅客会社というのが論議されておる。根本的にもう論議ができない、それは。
#475
○政府委員(吉田耕三君) そこにお示ししてございます回帰式を用いまして、各五百単位の線区ごとに各種の指標を代入して得られた結果を積み上げ合計したものがそれぞれの要員数でございます。国会にお出ししましたその回帰式の説明の上に「一定の線区単位ごとにこというように書いてございますのは、約五百の単位を示しておるわけでございます。
 それで、実は、先生がただいま国鉄の資料を代入して求めた結果がかなり大きな要員数となって、当方が計算した二十一万五千人をはるかに超えるものであるという御指摘がございましたけれども、そこに代入いたしました数字は、例えば一駅発着人員というような数字につきましては、これは年間の千人単位での発着人員を代入いたしました。ところが、国鉄の持っております資料は一日当たりの片道の乗車人員というようなことで、それぞれ代入した単位が違います。したがいましてその結果が違ってくるというような関係でございまして、先ほど申し上げましたように、監理委員会が代入した基礎数値、これは五百の区分にわたっての膨大なものでございますが、そういう監理委員会が使った単位での基礎数値、これはお出しできます。
#476
○小柳勇君 私も各鉄道管理局ごとにこれは全部計算して集計したものです。
 それから、今発着人員を言われたけれども、発着人員につきましては、国鉄が一日平均三千七百六十三名、あなたが使った数字が三千七百六十二名、余り変化はない。したがいまして、そういうごまかしで国会の論議を進めてはならぬのです。一番基礎であるこの分割する鉄道旅客会社の算定の基礎が根底で狂っています。そういうごまかしで国会の論議をされませんように、私は最後に総理から見解を聞いておきたい。一番基礎になります鉄道旅客会社のその算定の基礎が、そういうような、言うならば私は今ごまかしと言いましたが、そういうもので国会が論議してはならぬ、そう思います。そして大変なことです。一年の間に、国鉄が今二万五千五百と言っているその余剰人員は、我々も責任を持って何とかしなきゃならぬと今努力している。九万三千余剰人員となっている。そのまま旅客会社に移行しようとしている、あるいは貨物会社をつくろうとしている。それは不可能です。総理の見解を聞きます。
#477
○国務大臣(三塚博君) ただいまの先生の御見解も一つの根拠に立たれた御見解のようであります。監理委員会の積み上げも一つのデータに基づいて積み上げられたものであります。よって、両者の資料二つにらみながら検討を進めるということも、これだけの重大な大事業でございますので、さような取り運びをさせていただきながら理解を得てまいりたい、かように思っております。
#478
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、監理委員会が長時間かけて我々のところへ公に答申した案でございますから、監理委員会の数字は間違っていないと確信しております。しかし、そういう根拠についていろいろ御疑念があるようでありますならば、できる限りの資料を差し上げて両方で突き合わしてみて御納得をいただくこと、そういう方に進めてまいりたいと思います。
#479
○瀬谷英行君 私も、この余剰人員の数字の基礎についてはわからないんですよ。今小柳先生がこの公式について言われました。実を言うと、この式を見ても私わからないんです、数学が元来苦手でしたから。恐らく総理だって運輸大臣だってわからないんじゃないかと思うんですよ。ところが、小柳さんは数学の教官をやったんですよ。だから、小柳さんならば数学の点は明るいから私は間違いないだろうと思っていろいろと計算してもらったんです。
 基礎数字が間違っているというと、数字の間違いによって余分な人間が首切られたというんじゃこれは大変ですからね。この点はやはり監理委員会が信用できるかどうか問題だと思うんですよ。なぜかというと、監理委員会というのは密室の中で作業をやっているんですよ。その審議の議事録も、それから資料も我々には明らかにしてないんです。ガラス張りじゃないんです、全然。板張りなんですよ。だから、果たして信用していいのかどうかわからないんですよ。だから、我々がこれからいろいろと要求する資料についてはやはり白日のもとに出してもらいたい。そうじゃないと、土地の問題やら何やら疑惑が出てきますよ。これは、もしも一般価格よりもはるかに安い価格で土地が売りに出される、それに大手の不動産業者がたかってくるというようなことになりますと、この国鉄問題は大変な政治汚職の温床になるおそれがあると思う。したがって、これらの資料について、余りもったいぶらずに、出すべきものは出してもらいたいということを私は大臣に申し上げたいと思います。いかがですか。
#480
○国務大臣(三塚博君) 法律の提案をいたし御審議をいただくという段階になりますれば、出せる資料は全部お出しをいたす、こういう姿勢で運輸省及び国鉄にも指示を申し上げておるところであります。
 ただ、財産の処分につきましては、衆議院予算委員会また本会議等においても申し上げておるわけでございますが、公正な適正な値段で、まさにガラス張りでこれを処分して国民負担をできるだけ少なくしてまいらなければならぬ、こういう観点から、公開入札方式でありますので、この価格は御勘弁をいただく、こういうことの中で取り進めていただきたいし、他の数字、ただいま総理も申されましたとおり、二年余の長時間にわたりましてあらゆるデータを駆使したデータに基づいての提案でありまして、それなりに御理解をいただけるものでありますが、しかしながら、また御党として御党もやられていただいているわけでありますから、十二分に突き合わせをいただきまして基本的なコンセンサスを得てまいる。データがそれぞれ別々のデータでありますと出てくる結論も違うわけでございますけれども、そこはさらに御要求のとおりお出しをいたしまして御議論を賜りたい、このように思っております。
#481
○瀬谷英行君 数字の公式についていろいろ論議しますとわからないから、私は今後わかりやすい例を挙げたいと思うんですが、余剰人員というのは、仕事をやるのにこれだけは要らないからといって積み重ねられた人間が余剰人員であるというふうに世間の人は思う。ところが、国鉄のこの監理委員会の余剰人員というのは、最初から余剰人員の数が決まっちゃっていて、その余剰人員を現場に割り振ってくる、こういうふうな格好になっている、そういう感じがするんですよね。そこに我々はちょっと信用できないものがある。だから、もっとわかりやすく言うと、余剰人員をむしろ捻出をしているのじゃないか、そういう気分がするんです。必要なところに人間をなるべく置かない、業務量を削るということで余剰人員を捻出しているのじゃないかという気がするのでありますが、その点いかがでしょう。
#482
○国務大臣(三塚博君) お答えを申し上げますが、分割・民営が鉄道再生への道である、こういう観点から、ありとあらゆる手法を考えました結果、やはり民鉄並みの経営がこの際一つのデータであろう、同じ鉄道事業でありますから、こういう観点でその算定をいたしましたのが十八万三千という数字であります。しかしながら、先ほども申し上げましたとおり、長距離列車その他さらに、さはさりながら、国鉄の持つ今日までの経過の中で、経過措置として二〇%程度、三万二千人、これを上乗せをすることにより安全弁としてスタートを切らさしていただく。まさに待ったなしで、この再生計画が失敗をいたしますと日本の国有鉄道のあすはないわけでございまして、そういう意味で国益にも大きくこれがかみ合って、相反してまいりますものでございますから、念には念を入れつつ本原案がつくられ御審議をお願い申し上げる、こういうことに相なっておるわけであります。
#483
○瀬谷英行君 衆議院の予算委員会で井上委員からいろいろ質問があったのを私聞いておりました。上野の駅に行ったら、どうも切符を切っている人の制服がちょっと違うので聞いてみたら、これは外注だったと。そして、本職の職員はコーヒーをつくったりうどんをつくったりしている。本職がうどん屋をやって、外注が切符を切っておる。一体これは何だという話があったんです。私も武蔵野線その他いろんな地域に行って無人ホームを見るんですね。ホームに要員を配置してないんですよ。要員を配置してないのに担架だけ置いてあるんですよ。かごと担架というのは前後二人いなきゃ担げないんですよね。もし病人が出た、けが人が出たというときにその担架をだれが担ぐか。病人が自分で担架担ぐわけにいかないですから。こういう実情というものは多々あるんじゃないですか。無理やり要員を省く、そして余剰人員を捻出する、そういうことは果たしてないのかどうか、その点をお伺いしたいと思うのです。
#484
○説明員(杉浦喬也君) 過去におきまして合理化を行い、その合理化の一環といたしまして、例えば仕事を外の人に外注で出すというようなことをかなり積極的にやってまいった経緯がございます。若干そういう点で監理委員会でも御議論がございまして、今この余剰人員という問題と対比いたしますと、先生御指摘のようなそういう問題があるということでございますので、私どもはその外注をもう一回国鉄の方へ戻しまして、かなりの数を今現実に国鉄の職員が作業をしておるというような実情になっております。
 ただ、外注をしたものと、それから例えば直営で自分でやるというような新しい行き方とが同じ場所で行われますと、そうした対比が明瞭に行われますので、確かにおっしゃるような変わった形の印象があろうかと思いますが、今までの経緯である程度そういう面もやむを得ないというふうに思います。しかしながら、そうした方向は、例えば外注の直営化というような方向につきましては、今後とも私どもなお努力をしてまいりたいというふうに思います。
#485
○瀬谷英行君 私は、監理委員会の見識についてやっぱり疑問を持たざるを得ないんですね。先般、昨年の暮れでありましたけれども、貨物会社の問題についていろいろ質問しました。貨物会社がなかなか結論が出てこない、いまだに結論が出てないということなんですね。それはなぜかというと、貨物会社が二千億の赤字を出していたのが一遍に黒字になる、そんな手品師みたいなことはなかなかできぬわけですよ。もしやるのならば、運送会社の仕事もあるいはトラック会社の仕事も、内航海運の仕事もみんな持たせて、そして自由にやらせるのならこれは話はわかる。ところが、集めることも通運会社、配る方も通運会社、真ん中のレールだけでもって前と同じで黒字を出せなんて、これは手品師と同じことなんですよね。だから、その点について私は監理委員長を呼んだら、監理委員長が来られなくて加藤寛さんが来たんですけれども、その答弁を聞いてみてもさっぱりわからないですね、これは。数字でもってわからないのじゃないんです。例えば、マクロの計算に立ってミクロで具体的に詰めていくのが普通の考え方だと。再建監理委員会といたしましては、との方向でいけば黒字になるであろう、こういうふうに考えておりますと。マクロ的な一つの枠が決まりますと、その中でもってどういうふうにすれば最も能率が高いかということで、これで私は納得いっているわけでございますと。こっちはちっとも納得いかないんですよね。こういうことを言っているから、私はよくこれで大学でもって講義ができるなと思ったのです。
 そこで、今度具体的な例を一つ挙げますけれども、例えば監理委員会が凍結をしたという一つの例を挙げますと、新幹線の上野−東京間なんです。これは三・六キロしかないんです。それで、しかも一千億の予算でもう半分でき上がっちゃっているんです、半分以上。これは運輸大臣も知っているのじゃないかと思うのでありますが、これを中途半端にして凍結しているんですよ。これは委員長も、それから総理の地元も、それから運輸大臣の地元も、さらに渡辺通産大臣の地元もみんな関係あるんですからね。この上野どまりになったのが東京駅まで来られない。地下四階におりてエスカレーターで上がってこなきゃならない。幾ら急いたってエスカレーターというのはのろいですから、五、六分はかかるんですよ。もしあれがそのまま通ってしまえば、四、五分の間に東京駅まで着いてしまう。それを中途半端にして凍結しているんです。あんなことはやはり見識がないからああいうことをやるのじゃないかと私は思うんですよ。こういう問題を一体どういうふうに考えるか、実にばかばかしいことだと思う。五百億使って五百億残しておいて、凍結をすれば、これは金利だけでも莫大なものになるでしょう。しかも、汽車とか鉄道とか橘とかというものはみんなつながらなきゃ使えないのですから、これはばかばかしいというふうに思わざるを得ないと思うのでありますが、運輸大臣に聞く前に、その途中に栃木県がありますから、渡辺通産大臣の見解をひとつお伺いしたい。
#486
○国務大臣(渡辺美智雄君) 上野−東京間をつないでもらえれば大変助かります。
#487
○国務大臣(三塚博君) 御指摘のとおり半分残っておりまして、これは設備投資を安全面のぎりぎりの問題だけに限りまして抑制をするという監理委員会の緊急提言を受けたわけで、これに従いまして出戻りしない程度の工事費だけをつけて今日まで来ておるわけであります。いよいよ六十二年四月というタイムリミットに参ったものでございますから、上野−東京間、東北新幹線は盛岡から東京と、こういうことに相なっておりますものでございますから、これの事業主体、また運行主体、仮称東日本鉄道会社がやるであろうと推測はされるのでありますが、しかし確定はいたしておりません。事業主体とさらに運行主体というものをどうするか。今整備新幹線の検討委員会におきまして論議をいたしておるのでありますが、これは整備新幹線ではございませんけれども、物の考え方として分割・民営後の事業主体とそれから運行主体のあり方を、それまでの間取り決めをさせていただきまして本問題に取りかからなければならないだろう、こういうふうに思っておるわけでございます。
#488
○瀬谷英行君 整備新幹線のことについてもお伺いしたいと思うんですけれども、予算には整備新幹線の予算も計上されているのですが、この整備新幹線にいたしましても大変問題だと思うんです。これから莫大な投資を必要とするんですよ。それで一体だれが中心になって、どこが金を出してこの新幹線を建設するのか、これは大蔵大臣の見解を聞いておきたいと思うのです。
#489
○国務大臣(竹下登君) この問題につきましては、財源問題、国鉄分割・民営化後における建設主体、運営主体のあり方、並行在来線の廃止の具体的内容、国鉄再建監理委員会の意見で指摘された事項、その他これに関連する事項について整備新幹線財源問題等検討委員会が設けられておりまして、着工については検討委員会でこれらの着工のための前提条件について結論を得た段階で、そこで五十七年の九月の閣議決定を変更した上で行う、こういう手はずになっております。
#490
○瀬谷英行君 聞くところによりますと、新幹線、上野まで来たものを上野どまりにしておくというのは、上野へ着いた上越新幹線、東北新幹線のお客を何も丸の内まで運んでやる必要はないんだということを一委員が言ったというのがきっかけになって、上野−東京間は凍結になったというふうに聞いておるのでありますが、これは総理の地元にも関係のあることなので総理の見解を、果たしてこういうことがいいのかどうか、お伺いしたいと思うのです。
#491
○国務大臣(中曽根康弘君) 運輸大臣及び大蔵大臣から御答弁がありましたように、よく検討した上でこれは処置せられるべきものであると思います。
#492
○瀬谷英行君 整備新幹線に関連して私さらに質問したいのですけれども、中途半端なことはこれは一番つまらぬと思うんですよ。例えば東北新幹線だって、盛岡どまりになっているでしょう。トンネルは青函トンネルができ上がろうとしているんですよ。あのトンネルができ上がったって盛岡どまりでつながらないでしょう、盛岡から先は線路がないんですから。新幹線が走りたくてもレールがない、こういう状態なんですよね。それでトンネルだけはでき上がろうとしている。こんなちぐはぐなやり方でもって一体どうするつもりなんでしょうか。これは国家として、今までのように国鉄の借金でやるということでは問題だと思うんですけれども、国の力でやるべきことではないかと思うのでありますが、その点の見解をお伺いしたいと思います。
#493
○国務大臣(三塚博君) ただいま大蔵大臣からも整備新幹線の検討委員会の話がございました。まさにこの検討委員会で、瀬谷先生御指摘のしり切れトンボであってはならない、交通体系として完成をせしめるためにはどうするのか。従前国鉄の借金でこれがつくられたところに深刻な問題があり、長期債務の原因をつくったわけでございますから、公共事業方式、新たな財源をどう求めるのか、どうすべきなのか、民活がいいのか等々、財源のあり方について真剣な実は結論を得なければなりません。同時に、これの集大成を図りますことが国益の上から見ても正解であろうという大方の御意見のありますことも承知をいたしておるわけでございますが、そういう意味で、この財源検討委員会の結論を得た上で、五十七年の当面見合わせる凍結の閣議決定を変更し認可をしてスタートを切る、こういうことになるわけでありまして、ただいまこの論議の最中でありますと、こういうことで御理解をいただきたいと存じます。
#494
○瀬谷英行君 総理は先ほど来、これ以上赤字になったのでは大変だ、だから一刻も猶予はならぬと言いましたけれども、赤字の根本は、国が行うべきことを全部国鉄の借金でやらせたというところに大きな原因があるんですよ。例えば青函トンネルでも本四架橋でも、あるいは東北新幹線でも全部そうでしょう。兆という単位の設備投資を民間がやるわけはないでしょう。これはやはり国が面倒を見るのが当然じゃないかと私は思うんですけれども、今後のあり方としてどういうふうにするお考えなのか、総理の見解を承りたいと思います。
#495
○委員長(安田隆明君) 瀬谷君、時間が参りました。
#496
○国務大臣(中曽根康弘君) 今までの分につきましては、監理委員会の答申がありますから、それでやってまいります。将来の分につきましては、関係方面の意見もよく徴して、党内でも相談をして、検討してまいりたいと思います。
#497
○委員長(安田隆明君) 以上で瀬谷英行君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#498
○委員長(安田隆明君) 次に、神谷信之助君の質疑を行います。神谷君。
#499
○神谷信之助君 私はまず、我が国の民主主義にとって重大な脅威となる安全保障会議の設置の問題について尋ねたいと思います。
 既に政府は、この法案を国会に出されております。さきの衆議院の予算委員会で我が党の松本善明委員に対して後藤田官房長官は、昨年七月の行革審答申のとおりにやりたい旨の答弁をなさいましたけれども、総理も同じ見解でございますか、まずお聞きします。
#500
○国務大臣(中曽根康弘君) 行革審の答申の線に沿って法律案もつくられていると思いますが、その線に沿って、趣旨を生かしてやりたいと思います。
#501
○神谷信之助君 それじゃ、法案に出ていますが、この会議が対処する重大緊急事態、これはいかなる事態をおっしゃっているんですか。
#502
○国務大臣(後藤田正晴君) 今回考えております安全保障会議、これは国防に関する事態以外の我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれのある緊急事態のうち、今日例えば災害対策本部であるとか、あるいは国民生活安定緊急対策本部であるとか、いろいろな規定がございますから、それによって処理すべき以外の緊急事態についてこの安全保障会議で、そして同時に安全保障室でその事務を取り扱っていく、こういう考え方でございます。
#503
○神谷信之助君 その扱う重大緊急事態の範囲ですね、それはどこまでお考えになっているんですか。
#504
○国務大臣(後藤田正晴君) この答申が出ました理由は、現在日本は御案内のように高密度工業社会になっておりますね。それから、同時に、外交関係ではこれは世界各国との関係の緊密度合いが大変深くなってきておる。こういった状況のもとで、内外ともに、いついかなる時期にどういうようなところで国民の生活に対する重大な影響のある事態が起こるかわからないという潜在的な危険性を今包含しているわけです。そういった事態に対応するのに今までのような内閣の体制では不十分であるからそれを直しなさい、こういう御提言でございますから、そこでそういう事態を、これはあり得るわけでございますし、あったこともございまするので、それらをやはり適時適切に処理するために基本の方針ですね、処理する基本の考え方、これについて場合によるならば従来のような下から上へ上がっていくというやり方だけでなしに、トップダウンのやり方で、基本方針だけは決めて、その基本方針に従って各省がそれぞれの所管に応じて実施をしていく、こういう事態を我我は想定しておる。その中で国防の方はこれは引き継ぎますけれども、これはもう別の問題。
 それから、同時に、先ほど言ったような、従来の法制にあるものはそれで処理できれば一番いいわけですからそれで処理させる。その中間にあるものを我々としては緊急重大事態である、こういうとらまえ方で処理をしていきたい、こう考えているわけです。
#505
○神谷信之助君 答申では、自然災害あるいは人為的事故あるいは経済危機とか若干例示していますね。そういう事態と考えていいんですか。
#506
○国務大臣(後藤田正晴君) そういうのは、先ほど言った今までの非常事態の処理の仕方ができておりますから、それはそれで処理をいたしますから、原則としてそれでやるということになると思います。ところが、例えば同じ災害でも、仮に関東震災のような事態ということを考えますと、これはあの体制では処理ができないと思います。そうなれば、そういう事態というものはやはり今度のようなこういう安全保障会議の所掌事務として基本方針をまず決めて、そしてその上に立って、この会議は実行部隊は持っていないわけでございますから、その基本方針に沿ってそれぞれの所管がそれぞれの法令に従って処理をしていく、こういう考え方でございます。
#507
○神谷信之助君 そうすると、今おっしゃった関東大震災のような事態が起こったとき、あるいは起こる前に、その場合にはどういうマニュアルをつくっておくかということも含めてやっていこう。だから言うなれば、例えば経済危機という場合には、石油問題では物隠しがあったりしたでしょう。それに対する国民の批判、大企業の横暴について批判が起こってくる、そういったことも含めてそういうのを抑え込む、あるいは治安維持という治安対策を含めてお考えになっているということですか。
#508
○国務大臣(後藤田正晴君) 例えて今おっしゃったような石油問題が起きた、これは従来の体制で処理をいたします。これはもう現在でもそういう体制ができておりますから、そういうことを考えているわけではございません。
#509
○委員長(安田隆明君) 関連質疑を許します。佐藤昭夫君。
#510
○佐藤昭夫君 関連質問として、いわゆる危機対処、こういう名前で日常的に国民に対する支配体制を強力に築こうとしているのではないか、こういう危惧がありますので、この点についてお尋ねをしたいと思います。
 行革審の答申、先ほど総理もその線に沿ってこの安全保障会議の運営を考えていく、こういうことでありますが、行革審答申は御承知のとおり、緊急事態への対処は可能な限り既存の法制あるいはマニュアルによって行うが、総理は、重大な緊急事態が発生し、かつ必要があると認めた場合には安全保障会議を招集して対処措置などを諮る、こういうふうに書いています。これはいわば、現行の既存の法令やマニュアル、これは可能な限り守る。しかしそれは逆に言えば、既存の法令、マニュアル等を守れないときは既存の法令、マニュアル等に拘束されない措置をとる、こういうふうに当然読める文章でありますね。まさにこの点から言いますと、法規に従わない非常権力の行使、これを考えておる、それを認めていくんだ、こういうふうにこの行革審答申については読まざるを得ないというふうに私は思うんですけれども、その点どうでしょうか。
#511
○国務大臣(後藤田正晴君) あの答申の中に、可能な限り既存の法制云々とあるものですから、今、佐藤さんがおっしゃるような御疑念を生じておるのだろうと思います。そうじゃありません。あの可能な限りというのは、「既存の法制」という言葉を使ってあるのでそういう御疑念だけれども、既存の法制のもとで先ほど言ったような災害であれば災害対策本部であるとか、あるいは国民生活であれば国民生活安定緊急対策本部とか、いろいろあるからそれでやりなさい、こういうことを言っておるわけでございます。
 もちろん、今あなたの御質問は、超法規をここで決めるのじゃないか、こういう御質問だと理解するんですけれども、日本は法治国家でございますから、あくまでもこれは憲法並びに法の枠内でそれぞれの所掌が決まっておりますから、先ほど申しましたように基本の処理方針だけをトップダウンで決めていく、そのときの補佐のスタッフ体制を整備する、後の実施はそれぞれの所管においてやっていく、こういうことでございますから、決して超法規なんということを私どもは、これは日本の法制ではちょっと考えられない事態でございますから、頭の中にあるわけではございません。御安心を願いたいと思います。
#512
○佐藤昭夫君 私が使ってもいない用論を先走って使ってお答えになっておりますけれども、私がお尋ねしておるのは、これに沿ってやっていくんだというふうに官房長官も総理も確認をされておる行革審答申には、さっきも申しましたとおり、可能な限り既存の法制またはマニュアル、これに従ってやっていく、対処していく、そういうことでやっていくが、しかしという言葉は入っていませんけれども、しかしということですね、総理が、重大な緊急事態が発生し、かつ必要があると認めた場合には、安全保障会議を招集して対処措置などを諮るということは、既存の法令ないしはマニュアル、これとは違った対処があり得る、それをその範囲には属さない対処があり得るというふうに読まざるを得ないわけですね。
 総理、総理は諮るということになっているんですから、どうなんでしょうか。
#513
○国務大臣(中曽根康弘君) 官房長官がお答えしましたように、例えばダッカの事件であるとか、あるいは大韓航空機の事件であるとか、あるいはミグ25の事件であるとか、ああいうような予想できないようなもので今までの既存の法律やあるいは事務の処理で考えられなかったようなそういうものが出てきた場合の対応を考えてああいうものをつくっている、そういう意味で私も諮問する、そういうふうにお考え願いたいと思います。
#514
○佐藤昭夫君 逆に聞きますけれども、そうすると行革審答申どおりにはやらないと、こういうことですか。
#515
○国務大臣(後藤田正晴君) 行革審の答申を最大限尊重して、その基本線に沿ってやるわけでございます。先ほど申し上げましたように、従来の非常事態対処体制はそれぞれある程度整備をされておりますね。しかしそれでは処理ができないような事態があるではないか、そのときにどうするんだという基本の方針を決める。しかし、その基本の方針に従って実施するのはそれぞれの所管の役所がそれぞれの権限においてやっていく、こういう御理解をしておいていただきたい、こう思います。
#516
○佐藤昭夫君 依然として答弁のあいまいさはぬぐえないと思うんです。
 角度を変えて聞きたいと思いますが、現行法では、治安維持その他秩序維持上緊急で急迫した危険が存在する緊急事態に関しては特別措置を決めていますね。例えば、一つは、直接侵略に対する自衛隊の防衛出動とその行動などにかかわる特別措置、二つ目には、大規模災害や騒乱等に対処する際の警察法に基づく特別措置、三つ目に、警察の治安行動を補完するための自衛隊の治安出動、こういった特別措置を現行法体系のもとでは決めていると思うのですけれども、これらの現行法で言う緊急事態とそれから今次安全保障会議設置法案、ここで言う重大緊急事態、これはどう区別をされるのか。現行警察法などに基づく特別措置がとられる際には、首相による緊急事態の布告が行われる、国会承認手続が定められていますが、今回のこの法案の場合一体それはどういうことになるのか、この点どうですか。
#517
○国務大臣(後藤田正晴君) たまたま佐藤さん、今警察の非常事態宣言のお話がございましたが、この非常事態宣言というのは御承知のとおり公安委員会の管理権を排除して、総理大臣が全国警察一本に指揮をするというだけの話なんですね。これは文字どおり警察で処理をするという体制。しかしながら、事態の進展いかんによっては、これは警察だけでは処理できないという面が出てきますね。その中の一つの形態としては治安出動という面もあるかもしれない。しかしこの治安出動なんというものは、これはやっぱり出動の可否というものはよほど慎重なる判断をしてやらないと、これはとんでもないことになるおそれがあります。そういうときに、やはりこの安全保障会議にかけて、それらを十分審議をしてやらなければならない、こういうことを考えておる。つまり、先ほどから言うように、今までの非常な事態といいますか、緊急事態の処理の体制では間に合わないという事態、しかし国防は除いていますね、これは従来のを引き継いておりますから。そういう事態があるではないか、従来あったではないかと。それが日本の今までの政府組織全体の中で一番欠けているわけですね。そこらをよく考えて国民の命と財産、これを真剣に守ることのできるような仕組みをつくっておきなさい、それにはやはり総理大臣の補佐機関というもの、スタッフ、組織というものをもう少し整備しておく必要があるだろうというのが今度の私は行革審の御答申であろうと思いますから、その趣旨を尊重して立法措置をしたい、こういうことでございます。
#518
○佐藤昭夫君 とにかく現行法体系を超えるようなことを考えているわけではないというふうにおっしゃろうとも、それならばなぜ一体こういう法案を出したのか。現行法の体系だけで十分じゃないかというふうに思わざるを得ない。しかし、政府がこういうものを出してきたということは、行革審答申に照らしてみても、何かそれを超えるものを考えておるのじゃないかというふうな危惧はぬぐえないんです。そのことを申し上げて、私の関連質問を終わります。
#519
○神谷信之助君 官房長官、今の答弁ですと、例えば非常事態宣言の布告をやって、そして警察に基づく処理をやる。片一方、これはなかなかそう簡単にやれないけれども必要によれば自衛隊の治安出動もある。そういう場合、それらをやる中心の部隊というか、検討する機関として安全保障会議がある。閣議でやっているんでしょう、今まで。閣議でやったらいかぬというのはどういうことですか。
#520
○国務大臣(後藤田正晴君) それはおっしゃるように閣議でやるのも一つの方法でしょう。しかし閣議というのは、これは次官会議の議を経てこなければ上へ案が上がってこないんですよ。ところが、こういういろんな事態が起きたときには関係省庁がみんな関係する。そうしますと、その省庁の意見が一致しないんですよ。だから適時適切なる基本方針すら決まらないという事態で、困る事態があり得るし、あったわけでございます。そこらを考えましてこういった安全保障会議を決めて、それで基本方針を決めますね、実動部隊はないんですから。それで、各省庁はそれぞれの所管に応じて処理をする。その所管に応じて処理をする事項の中で、閣議に付すべき事項があるならばそれは従来どおりの方法で閣議に付議をしていく。基本方針が決まっておりますから、次官会議でがたがた決まらないなんということはないわけですから。そういうことを御理解願いたいと思います。
#521
○神谷信之助君 結局、閣議の中に総理を中心にした指揮中枢みたいなのをつくって、そこで方針を決めてはっとおろそう、こういうわけですね。
#522
○国務大臣(後藤田正晴君) 今の神谷さんの御意見を聞きよると、閣議のほかに別に変なものをつくって云々というふうな印象を受ける御質問でございますが、そんなことはないので、それはやっぱり閣議というものが最終の決定をするんです。例えば国防の問題に限って言いますと、従来だって国防会議というのはあるわけですよ。じゃ、国防会議で決まったからそのままやるかといったら、そうじゃないでしょう。やっぱりそれは必ず閣議にかける、こういうことでございますから。ただ、今の仕組みの中で適時適切なる基本方針を決めるのについては、ともかく関係の少数の閣僚で一応協議をしながら、総理の裁断を仰いで基本方針を決める。しかし、それはそれによって各省が仕事をし、その中で閣議に付すべきものがあるならば閣議にかけていく、こういうことでございますから、その点はひとつ御理解をしておいていただきたいということです。
#523
○神谷信之助君 そうすると、これは事柄の性質上、非常に重要な方針、基本方針が決まるんですね。だとすれば、それはその会議の中身の公開あるいは国会への報告、承認、こういうことは考えておられるんですか。
#524
○国務大臣(後藤田正晴君) これはこういう事態で会議を公開するかといったら、それは無理ですよ。それは公開するなんということはできない。しかしながら、どこでどういう人が集まって、こういうことを決めたという結論は、これは公表しなければならない、こう考えております。
#525
○神谷信之助君 国会との関係はどうなります、国会との関係は。
#526
○国務大臣(後藤田正晴君) 既存の法令で国会に報告事項があるならばこれは報告せにゃなりません。それから、こういう緊急の事態、重大事態でございますから、国会の御要請があれば国会に、政府としてはこういう理由でこういう処置をいたしましたという報告はこれはいたします。
#527
○神谷信之助君 じゃ、次の問題ですが、報道、広報統制の実施を含む情報専門機構の設置について、答申では情報調査室の設置、合同情報会議の設置、情報専門家の育成、関係職員の守秘義務の確保、これをうたっておりますけれども、政府はこの準備をなさっているんですか。
#528
○国務大臣(後藤田正晴君) これは今度の安全保障会議設置法とは関係がございません。ただ従来から、例えば外務省とか、あるいは内閣には内閣調査室とか、あるいは法務省とか、いろいろなところに情報を扱っておる機関がありますね。これはやっぱり例えば月に一回なら一回お互いが話し合って、そしてお互いに情報交換をしていくということは私は大変重要なことだろうと思いますから、これは別段法律でやるとかなんとかという問題ではございません。これは通常の事務としてそういう処理をしよう、これだけのことでございます。
#529
○神谷信之助君 今おっしゃった内閣調査室なり、あるいは警察の警備情報なり、いろんな情報がありますわね、外務省も持っているし。これらは当然その都度、総理には報告されるというのは当然やられているんだけれども、今度それを組織的に会議化する。そしてそれは、結局内閣を中心にした情報の一元的集中といいますか、こういうこと、あるいはさらには報道、広報関係についても答申は触れていますからね。そうすると報道管制の可能性、危険、こういったものも考えられるんですが、特に先般廃案になった国家機密法との関係、まさにその点では軌を一にするのではないかと思うんですけれども、総理、国家機密法とこの情報機関の統合あるいは一元化、集中化、こういう方向というものをどういうようにお考えですか。
#530
○国務大臣(中曽根康弘君) 直接関係はありません。
#531
○神谷信之助君 直接関係はないとおっしゃるんだけれども、国家機密法制定推進の勢力の人たちはかねてからこう言っているんですね。国家機密法ができても摘発能力がなければだめ、公安警察、自衛隊の情報部隊あるいは調査課、これらにしろ権限も規模も小さい。だから、専門の情報収集機関と防諜機関が必要だということを盛んに宣伝していますよ。こういう点を考えますと、私は今回の安保会議設置の企てというのは、総理、昔から大統領的首相と盛んにおっしゃっていた時期がありましたね。そういう点からいうと、今日の憲法下の議会制民主主義あるいは議院内閣制、この原則に真っ向から挑戦をするような危険なねらいを持っているのではないかというように思わざるを得ないんですが、この点については最後にどうですか。
#532
○国務大臣(中曽根康弘君) そんな大それたことは考えておりません。
#533
○神谷信之助君 時間がありませんから、その点だけ、問題点だけ出しておきます。
 その次、国鉄用地問題に入りますが、委員長、参考人として国鉄の再建監理委員会委員長の亀井さんは御出席できなかったようなんですが、どういうことでしょうか。
#534
○委員長(安田隆明君) 事情がございましたので、そのことは理事会でよく理事の方からお聞きだと思いますから、御了承願いたいと思います。
#535
○神谷信之助君 委員長初め理事の皆さんが大変御苦労なさった経過は承知しております。しかし、昨年の暮れにも出席してもらえなかった。私が追及するというと逃げ回っている感じですね。国会軽視もはなはだしい、極めて遺憾だというように申し上げておきたいと思います。
 そこで国鉄の方にお聞きをしますが、問題は今五兆八千億円の国鉄の用地を売ると、こういうことで、三井とか三菱とか、あるいは住友などの大手の不動産が虎視たんたんとしてねらっているという動きを我々耳にするんです。
 具体的に聞きますが、国鉄が計画していたところの東京駅北部開発計画、いわゆる八重洲口管理局跡地のビル建設の内容について報告をしてもらいたい。
#536
○説明員(杉浦喬也君) 昭和五十八年度の開発計画の一環といたしまして、今、先生のおっしゃいました東京駅の八重洲口北口に高いビルをつくりまして、これを主として貸しビルというような形で運用しようというような計画が検討されたことは事実でございます。
 ただ、その後、事情が大変変わりまして、監理委員会の意見によりまして、国鉄の用地はできるだけ売却可能な用地を生み出せという方向になっておりますので、我々といたしましても、最後の国民負担をできるだけ軽減する意味におきまして、そうした観点で今売却用地の再検討を詰めておる、そういう状況でございますので、こうした過去の八重洲ビルの建設計画等につきましては、現時点におきましては白紙になったというふうに申し上げていいと思います。
#537
○神谷信之助君 それで、これは売却する土地というように決まっているわけではないんですか。
#538
○説明員(杉浦喬也君) 売却の方向で検討いたしておりますが、どのくらい、どういう敷地をどの程度というふうに最終的にはまだ区分けをしておりません。
#539
○神谷信之助君 それで、当初国鉄がこの土地に高いビルをつくろうというのはどういう理由からですか。
#540
○説明員(杉浦喬也君) お客さんの利便を増進し、ビルの建設の収益を上げまして、あわせまして、当初の計画によりますと、一階を旅客の駅として使うということで、全体、総合的な開発計画を持ったわけでございます。
#541
○神谷信之助君 先ほども話がありました上野から東京駅へ延びてくる、それらも考えて、旅客の利便を考え国鉄自身の収益も上げよう。売るだけが私は能ではないと思うんですよね。だから、そういう点が結局、監理委員会からストップがかかってしまったということなんですが、これについていろいろ言われています。
 例えば、文春の昨年の九月号は、三井、三菱に住友を入れよ、三社の合併なら認めてもよい、こういう動きがあったと。あるいは宝石の八五年の十二月号では、住友の首脳は、三井、三菱さんかどう言おうと私ども当然参画させてもらうという報道もありますが、いずれにしてもこういうようにいろいろな策動が言われています。仁杉さん自身もインタビューで、山下さんの時代になってストップしたということもおっしゃっていますから、今総裁おっしゃったようにストップがかかったのだろうと思うんです。
 そこで、三塚大臣に聞きますが、運輸大臣、国鉄用地の処分方法について自治体以外は公開入札が原則、こういうようにお答えになっているようですが、それで間違いないですね。
#542
○国務大臣(三塚博君) さようでございます。
#543
○神谷信之助君 その原則以外というのは何をお考えなんですか。
#544
○政府委員(棚橋泰君) 国鉄は、ただいま地方公共団体に売却する場合、それから関連事業等にその業務に関連して売却する場合、その他若干、例えば連絡運輸のための私鉄とか、そういう若干の例外はございますが、それ以外は競争入札による、こういう法令の定めになっておる、そういうことを大臣は申し上げたわけでございます。
#545
○神谷信之助君 そこで、中曽根総理の分割の一環として、国有地及び国鉄用地の処分についての推進本部がつくられて、総理が推進本部長になっておられますね。その下に企画小委員会がある。ここで詳細に処分方法について検討されているんですけれども、そこに民間有識者十四名のアドバイザリーグループですか、これが参画をしているんですが、そのメンバーを明らかにしてもらいたい。
#546
○政府委員(的場順三君) お答えをいたします。
 国有地等有効活用推進本部企画小委員会にアドバイザリーグループというのがおられまして、これは五十九年の春から秋まで十回程度御参集をいただきまして意見を伺いましたが、そのメンバーは、これは当時の肩書でございますけれども、石原舜介東京工業大学教授、大西正文大阪瓦斯社長、救仁郷斉住宅・都市整備公団理事、黒川宣之朝日新聞論説委員、小林幸雄住友不動産専務取締役、田島敏弘富士重工業副社長、田中順一郎三井不動産常務取締役、高原須美子女史、これは評論家の方でございます。それから鳥井守幸毎日新聞論説委員、庭山慶一郎日本住宅金融社長、野崎清敏三菱地所副社長、速水信一横浜ターミナルビル社長、本吉庸浩読売新聞論説委員、森稔森ビル専務取締役、以上でございます。
#547
○神谷信之助君 お聞きのように、住友、三井、三菱、森ビルと大手の不動産会社の代表が入っていますが、ところで、この小委員会の報告の中にこれらのグループの契約方式についての意見が出ておりますが、それについて具体的に報告してもらいたいと思います。
#548
○政府委員(的場順三君) 五十九年の十月の二十六日に小委員会としてこれから検討することも含めて一応の結論を出したわけでございますが、その場合の部分を申し上げますと、
 国有地等の処分に係る契約方式は、国有地の場合と国鉄用地の場合とでは必ずしも同一ではないが、いずれの場合においても処分の適正、公平を期するため競争入札による契約(最高入札価格のものに落札)によることを原則としている。 アドヴァイサリー・グループの委員からは、国有地について都市計画事業の用に供する場合、国鉄用地について国鉄出資会社に処分する場合等随意契約の条件が整っている場合においては、随意契約の活用を図ること あらかじめ用途その他の利用条件を付したいわば条件付競争入札の採用 優良なプロジェクトには随意契約を認める等随意契約の範囲の拡大 価格のみならず利用計画も考慮したいわゆるコンペ方式の採用 周辺地価に対して著しい悪影響を及ぼさないようにすること等の意見が出された。
  国有地等の処分に係る契約の方式については、処分の適正、公平を期するとともに、良好な都市環境の形成に資するという観点から、なお検討していく必要がある。
ということになっております。
#549
○神谷信之助君 この二番目の「利用条件を付したいわば条件付競争入札」、これは具体的に言うとどういうことを示しているんですか。
#550
○政府委員(中田一男君) お答えいたします。
 一般競争入札による場合におきましても、国有地の有効利用ですとか、あるいは良好な都市環境の形成に資するために、一定以上の土地については、例えば買った人は五年間は所有権を移転してはいけない、みずから使いなさいとか、あるいは風俗営業等の用途に使ってはいけませんというふうな禁止条件をつけておる例が多くございます。また、必要に応じまして、これはせんだって紀尾井町で競争入札をした場合でございますが、建築物の建設工事の着工並びに完成時期等につきまして条件を付して競争入札を行っております。
#551
○神谷信之助君 優良プロジェクトによる随意契約、これはどういうものですか。
#552
○政府委員(中田一男君) これについてはまだ事例はございません。
#553
○神谷信之助君 これは現行法でできるんですか。
#554
○政府委員(中田一男君) 現在の会計法のもとでは、「政令で定める場合において」云々と書いてございまして、その政令は公共、公益というふうなことが掲げられておりますが、恐らく優良プロジェクトというものはそういうものに該当するかしないかということで議論の余地はあろうかと思います。しかし、これまでそういったことで随意契約をした事例はございません。
#555
○神谷信之助君 このコンペ方式ですが、これはどういうことですか。
#556
○政府委員(中田一男君) コンペ方式というのはいろんなケースがあるだろうと思いますが、一定規模以上の土地をどのように活用するかについて、民間の知恵を借りていろんなコンペの案を出してもらって、それを審査して、こういう利用が一番いいじゃないかというものを当選といたしますと、そういうプランを出した人に対して土地を随意契約で払い下げて、そういうものをつくらせればいいではないかという考え方だろうと思います。しかし、こういったケースも、国有地につきましては、そういうことで随意契約した例はございません。
#557
○神谷信之助君 要するに、このグループの意見は、大手が都合のよい条件で、安く、しかも確実に手に入れることができる方法というのを提起していると言わなきゃならぬと思うんです。
 そこで、次に移りますが、国鉄出資の山手開発株式会社ですか、この創立時期、それから国鉄その他の出資額のパーセントですね、あるいは事業目的、これを報告してもらいたいと思います。
#558
○説明員(杉浦喬也君) 巣鴨の駅の貨物跡地を活用しようということで、国鉄といたしましては初めて住宅を建設して販売しようという目的をもちまして、昭和五十八年三月の十日に設立をされたものでございます。
 資本金の総額が二億円でありまして、そのうちの五五%を国鉄が出資をいたしておりまして、実績といたしましては、住宅を建設いたしまして五十九年九月に百八戸の住宅を全部売り払っておるところでございます。
#559
○神谷信之助君 総理、グループの意見は、国鉄出資会社に処分する場合は随意契約だということで要求をしています。これは総理が本部長の推進本部でそういう意見が出てきているんですが、これでいくと、もう既にそういう布石が巣鴨でつくられていると見られるんですけれども、その点はどういうようにお考えですか。
#560
○政府委員(的場順三君) 報告書を先ほどお読み上げいたしましたが、そこで申し上げましたとおり、アドバイザリーグループからそういう意見があった、そういう点も踏まえて検討するということになっているわけでございまして、先ほど理財局の次長からも御答弁がございましたように、一番適切な方法をケース・バイ・ケースで考えていくということもあろうかと思います。
 ただ、国有地の処分等につきましては、原則的に法律がございますので、その辺も勘案しながら、一番その国有地等が有効に活用されるようにその処分をしていくというのがねらいでございます。
#561
○神谷信之助君 国鉄出資会社に処分する場合の随意契約、これは現行法でできるし、したがって山手開発もやっているんでしょう。
#562
○説明員(岡田宏君) お答え申し上げます。
 日本国有鉄道法施行令第二十五条第三項第十一号に、このような規定がございます。「日本国有鉄道が法第六条第一項の規定により投資した事業を経営する者と土地その他の物件の売却又は貸付けを目的とする契約を締結する場合であって、その契約がその投資の目的を達成するために必要なものであるとき。」、この場合には随意契約によることができるという規定がございます。それによって随意契約をしたものでございます。
#563
○神谷信之助君 八重洲口のビルは国鉄自身がやろうとしたわけです。それはストップしておるわけですよ。片一方、巣鴨の山手開発は不動産業者も含めて共同出資して、そこには随契で建てていくわけです、国鉄の土地はね、巣鴨の跡地は。だから、まさにこれでわかるように、国民の土地、国鉄の用地を、国鉄だけにやらして国鉄が収益を上げるのを抑えて、逆にそこへ国鉄も一緒にした出資をお互いにして、そして利潤を追求するという、そういう野望がありありと見えるというわけで、我々はこれを助けているところの中曽根さんのこのやり方というのに対しては到底納得ができません。後、また具体的に次々と事実を挙げて追及をいたします。時間がありませんから、この問題はこれで終わります。
 次に三つ目の問題、国民健保の赤字補てんの問題についてお伺いします。
 厚生大臣、退職者医療制度の見込み違いによる市町村国保への影響額について、厚生省は実態調査を行って五十九年度、六十年度合わせて合計二千八十億円、そういう影響が出ているということを主張されていると思いますが、それは間違いありませんか。
#564
○政府委員(幸田正孝君) 五十九年十月から実施されました退職者医療制度に伴います影響額といたしまして、先般発表いたしました二千八十億円は、厚生省におきまして全国の市町村を対象として行った実態調査の結果に基づくものでございます。
 具対的に申し上げますと、五十九年度につきましては「五十九年十月から六十年三月の半年間につきまして全国の市町村から退職者数、あるいはその医療費額等につきまして報告を求めまして、その集計を行った上で六百七十億円という影響額をはじき出したものでございます。それから六十年度につきましては、今申し上げました実態調査の結果に基づきまして、これをもとにいたしまして推計をいたしたものであります。
#565
○神谷信之助君 これに対して地方団体の大方の了解は取りつけたとおっしゃっているんだけれども、昨年十二月の国保財政危機突破対策本部の総会で千三百六十七億は少な過ぎる、今度の補正予算は千三百六十七億ですからね、それでは少な過ぎるという不満があったことは事実だと思うんだけれども、厚生省としてはこの二千八十億円というのはぎりぎりの額だというようにお考えだと思うんだが、それでいいですか。
#566
○政府委員(幸田正孝君) 関係団体等においていろいろ調査をいたしておりますけれども、全国的な集計は厚生省でしかできないような現在の国保では仕組みになっておりますので、私どもは二千八十億というものが間違いない数字だと考えております。
#567
○神谷信之助君 大蔵大臣、厚生省が、厚生大臣が要求しているこのぎりぎりの線を削った根拠。千三百六十七億というと大体三分の二です。これで十分とお考えなんですか、どうですか。
#568
○政府委員(吉野良彦君) 厚生省でお調べになりました結果は、先ほど厚生省から御答弁がございましたように二千八十億円でございますが、これに対します国の予算上の措置といたしましては、大変財政事情も厳しゅうございます。厚生省とも種々御相談をいたしました結果、お話しのように千三百六十七億円をいわばぎりぎりの措置という考え方で補正予算にお願いをしているわけでございます。
#569
○神谷信之助君 総理、厚生省、厚生大臣を通じて出ているこのぎりぎりの線というのを、財政がどうにもしょうがないといって千三百六十七億に抑えられた、こういうことを総理もお認めになったから提案されておるんだと思うんだけれども、これは国の見込み違いによる政府の責任による不足分でしょう。それで、総理も前国会で当然責任がある、補てんをするという答弁をなさっているんです。この点は一体どういうようにお考えですか。
#570
○国務大臣(中曽根康弘君) 各省調整の結果出た結果を是認したものであります。
#571
○神谷信之助君 厚生省の要求額は水増しやサバ読みだと、こういうことですか。
#572
○国務大臣(中曽根康弘君) そういうものであるとは思いません。しかし、国家財政全般を考えまして各省で調整していただいて、ぎりぎりのみんなで認め合った線を内閣として取り上げたわけであります。
#573
○神谷信之助君 厚生省に聞きますが、昭和六十年度の国保料あるいは国保税の引き上げ状況、これの報告をしてもらいたい。
#574
○政府委員(幸田正孝君) 六十年度の保険料の引き上げ状況でありますが、全体の市町村のうちで保険料の引き下げをいたしました町村が約一〇%弱の九・九%でございます。それから一〇%までの保険料の引き上げが四〇%、それから一〇%から二〇%が三五%、その他一五%と、こういうことでございます。
#575
○神谷信之助君 全国三千二百七十団体のうち、その大半の二千九百七十七団体が料金改定をせざるを得なかったわけであります。これは原因はどこにあるというようにお考えですか、厚生大臣。
#576
○政府委員(幸田正孝君) 市町村国保、全国で三千二百七十に上りますので、それぞれいろいろな事情があると思いますが、一番大きな理由は、やはり医療費の伸びの問題、それから町村によっていろいろ態様が異なりますけれども、高齢化の度合い、あるいは従来からの保険料水準をどう設定しているかといったようなさまざまの要因が絡み合いまして、今御説明いたしましたような保険料の引き上げになったのだと思いますが、ちなみに過去の保険料の引き上げの状況を簡単に申し上げますと、昭和五十四年、五年、六年、各年度におきましては一三%から一四%の平均いたしまして保険料の引き上げを行ってきているという実績でございます。全体的に申し上げまして、六十年度の保険料の引き上げ幅は、平均いたしまして一〇%を若干上回る程度というふうに私ども考えておりますが、六十年度の医療費の伸びも、国民健康保険につきましては、昨年の三月から九月までの最新のデータで申し上げますと一〇・一%の伸びでございまして、大体保険料の引き上げと医療費の増高とが見合ったような形になっている、こう考えております。
#577
○神谷信之助君 この国庫補助の削減と退職者医療制度の見込み違い、このあおりはないというわけですか。
#578
○政府委員(幸田正孝君) ただいま申し上げましたように、国民健康保険の保険料の引き上げ要因、それから引き上げの態様は、医療費の伸びをどうするか、あるいは過去の累積赤字をどう解消するか、町村によりましては毎年毎年引き上げを行っております町村もあります反面、二年に一回あるいは三年に一回、極端な場合には四年に一回まとめて引き上げを行うという町村もあるわけでありまして、なかなか一律に申し上げるのは困難でございます。先ほども申し上げましたように、六十年度の保険料の引き上げは、全体として一〇%を若干上回る程度で、医療費の伸びにほぼ見合うものであります。退職者医療の影響で全体として保険料の引き上げに大きく影響を与えているということは言いがたいのではないか、こう考えておるわけでありまして、先ほども申し上げましたように、九%の町村におきましては、現に保険料の引き下げを行っている町村もあるわけであります。
#579
○神谷信之助君 全体のうちの九%、一割に満たないところが引き下げをしているということを理由に、一生懸命ごまかしておられるんだけれども、五十九年度の国保の決算状況を見ても、これは明らかに国庫支出金が対前年比減っているし、それから保険料だけが上がっているし、それから繰越金、これも大幅にふやしながら一般会計からの繰入金をふやすという、基金の取り崩しなどをやりながらやりくりをしているというように思うんです。
 もう時間がありませんが、総理、あなたは、昨年の九月五日に知事会があって……
#580
○委員長(安田隆明君) 神谷君、時間が参りました。
#581
○神谷信之助君 そこで大変恐縮している、この見込み違いについて。厚生省でちゃんと適正に処理させるようにすると言うんだけれども、二千八十億要るというのに対して千三百六十七億というわずかなところで知らぬ顔をしているというのはけしからぬと思うんですがね。これはちゃんとそうおっしゃっているんだから、国の責任なんだから全額補てんをするべきだと思うんですけれども、これははっきり約束をしてもらいたいと思うんだが、いかがでしょうか。
#582
○国務大臣(中曽根康弘君) 関係各省でよく調整していただいて、その結果を我々は尊重していきたいと思っています。
#583
○委員長(安田隆明君) 以上で神谷信之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 明日は午前十時に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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