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1985/03/24 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 予算委員会 第14号
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1985/03/24 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 予算委員会 第14号

#1
第104回国会 予算委員会 第14号
昭和六十一年三月二十四日(月曜日)
   午後三時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     伊江 朝雄君     金丸 三郎君
     真鍋 賢二君     岩本 政光君
     矢野俊比古君     小林 国司君
     中野  明君     高桑 栄松君
     下田 京子君     吉川 春子君
     青島 幸男君     喜屋武眞榮君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         安田 隆明君
    理 事
                遠藤 政夫君
                志村 哲良君
                桧垣徳太郎君
                降矢 敬義君
                水谷  力君
                和田 静夫君
                太田 淳夫君
                佐藤 昭夫君
                井上  計君
    委 員
                安孫子藤吉君
                岩動 道行君
                石井 道子君
                石本  茂君
                岩本 政光君
                長田 裕二君
                海江田鶴造君
                梶木 又三君
                金丸 三郎君
                倉田 寛之君
                小林 国司君
                関口 恵造君
                秦野  章君
                林 健太郎君
                宮澤  弘君
                宮島  滉君
                村上 正邦君
                柳川 覺治君
                稲村 稔夫君
                粕谷 照美君
                久保田真苗君
                佐藤 三吾君
                高杉 廸忠君
                安恒 良一君
                大川 清幸君
                刈田 貞子君
                高桑 栄松君
                服部 信吾君
                吉川 春子君
                抜山 映子君
                田  英夫君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       法 務 大 臣  鈴木 省吾君
       外 務 大 臣  安倍晋太郎君
       大 蔵 大 臣  竹下  登君
       文 部 大 臣  海部 俊樹君
       厚 生 大 臣  今井  勇君
       通商産業大臣   渡辺美智雄君
       郵 政 大 臣  佐藤 文生君
       労 働 大 臣  林  ゆう君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    小沢 一郎君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  加藤 紘一君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       平泉  渉君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  森  美秀君
   政府委員
       内閣官房副長官  唐沢俊二郎君
       内閣官房内閣審
       議室長
       兼内閣総理大臣
       官房審議室長   的場 順三君
       人事院事務総局
       任用局長     仙田 明雄君
       内閣総理大臣官
       房審議官     田中 宏樹君
       臨時教育審議会
       事務局次長    齋藤 諦淳君
       公正取引委員会
       事務局取引部長  利部 脩二君
       警察庁刑事局長  仁平 圀雄君
       警察庁刑事局保
       安部長      新田  勇君
       宮内庁次長    山本  悟君
       防衛庁参事官   千秋  健君
       防衛庁長官官房
       長        宍倉 宗夫君
       防衛庁教育訓練
       局長       大高 時男君
       防衛施設庁長官  佐々 淳行君
       防衛施設庁総務
       部長       平   晃君
       防衛施設庁施設
       部長       宇都 信義君
       経済企画庁国民
       生活局長     横溝 雅夫君
       経済企画庁物価
       局長       斎藤 成雄君
       環境庁企画調整
       局長       岡寺  洋君
       環境庁水質保全
       局長       谷野  陽君
       国土庁土地局長  末吉 興一君
       法務大臣官房長  根來 泰周君
       法務大臣官房司
       法法制調査部長  井嶋 一友君
       法務省刑事局長  岡村 泰孝君
       外務政務次官   浦野 烋興君
       外務省アジア局
       長        後藤 利雄君
       外務省経済協力
       局長       藤田 公郎君
       外務省条約局長  小和田 恒君
       大蔵大臣官房長  西垣  昭君
       大蔵省主計局長  吉野 良彦君
       大蔵省銀行局長  吉田 正輝君
       大蔵省国際金融
       局次長      橋本 貞夫君
       文部大臣官房長  西崎 清久君
       文部省初等中等
       教育局長     高石 邦男君
       文部省教育助成
       局長       阿部 充夫君
       文部省高等教育
       局長       大崎  仁君
       文部省社会教育
       局長       齊藤 尚夫君
       文部省体育局長  古村 澄一君
       厚生大臣官房総
       務審議官     北郷 勲夫君
       厚生省保健医療
       局長       仲村 英一君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  森下 忠幸君
       厚生省薬務局長  小林 功典君
       厚生省社会局長  小島 弘仲君
       厚生省児童家庭
       局長       坂本 龍彦君
       厚生省援護局長  水田  努君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   鎌田 吉郎君
       通商産業大臣官
       房審議官     松尾 邦彦君
       通商産業省産業
       政策局長     福川 伸次君
       資源エネルギー
       庁長官      野々内 隆君
       郵政省通信政策
       局次長      米澤 允克君
       労働大臣官房長  岡部 晃三君
       労働省職業安定
       局長       白井晋太郎君
       自治省行政局長  大林 勝臣君
       自治省行政局選
       挙部長      小笠原臣也君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局人事局長   櫻井 文夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        桐澤  猛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和六十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和六十一年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和六十一年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(安田隆明君) 予算委員会を開会いたします。
 昭和六十一年度一般会計予算、昭和六十一年度特別会計予算、昭和六十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(安田隆明君) まず、一般質疑に関する理事会の協議決定事項について御報告を申し上げます。
 一般質疑は五日分とすること、質疑総時間は七百分とし、各会派への割り当ては自由民主党・自由国民会議及び日本社会党それぞれ二百七分、公明党・国民会議百三十分、日本共産党及び民社党・国民連合それぞれ五十二分、新政クラブ及び二院クラブ・革新共闘それぞれ二十六分とすること、質疑順位及び質疑者等についてはお手元の質疑通告表のとおりとすること、以上でございます。
 右、理事会決定のとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(安田隆明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(安田隆明君) これより一般質疑を行います。粕谷照美君。
#6
○粕谷照美君 いわゆるマルコス文書なるものに関連して最初にお伺いいたします。
 三月の二十日、藤田経済協力局長を団長とする調査団がフィリピンに行っておりますけれども、その調査団の目的は何でありましたか。
 また、藤田団長は帰国しておられますけれども、その報告をいただきたいというふうに思います。
#7
○政府委員(藤田公郎君) 先般、二十日と二十一日の両日フィリピンに参りまして、フィリピン側の援助関係の責任の方々とお話をしてまいりました。
 このチームの目的は、フィリピンの新しい政府ができましてから、外務大臣の談話等の形で、一般的に我が国の対フィリピン経済協力についての方針が示されておりますけれども、それを実務レベルで先方にきちんと内容を御説明し、かつフィリピン側の日本に対する期待の内容等を聴取してくるということでございました。そのような協議を目的としたわけでございまして、相手側は、フィリピン側の援助を調整しております官庁で国家経済開発庁というのがございますが、この国家経済開発庁の長官、計画大臣も兼務しております、それからオンピン大蔵大臣、それからコンセプシオン貿易・産業大臣、フェルナンデス中央銀行総裁、それから外務省の次官等と会談をしてまいりました。
#8
○粕谷照美君 その席上で今の対外援助に関する黒いうわさ、黒い事実というものが問題にはなりませんでしたか。
#9
○政府委員(藤田公郎君) フィリピン国内のマスコミ等では、日本との関係がそれほど大きく取り上げられて報道されている状況ではございませんでしたが、我が国におきましては御承知のとおりな報道ぶりでもございましたので、この協議の場におきましていわゆるマルコス前大統領の資産問題との関連で、過去の我が国のフィリピンに対します経済協力の資金の使用に問題があったかのごとき報道がなされていることは、我々経済協力を直接執行しております行政の任にある者にとりましても、かつ現在、援助に従事している者が大体四百名ぐらいフィリピン全土で活動しておりますけれども、こういう者にとっても非常に悲しいことだということを私の方から申しましたところ、フィリピン側の反応は、余り本件を感情的に取り上げるというようなことはよくない、日本とフィリピンとの間の経済協力に誤った悪いイメージを与えることは双方にとっても益することじゃないのじゃないかという発言とか、経済協力については公開入札を行って一番低い価格を出したものに受注企業を決定しているというのがフィリピンの過去の例だというような応答がございました。
#10
○粕谷照美君 局長、今のお話によりますと、経済協力の仕組みに問題があったかのごとき報道がされていることは悲しいことだ、こういうふうにおっしゃいましたけれども、あったかのごときという程度の認識でいらっしゃったんですか。
#11
○政府委員(藤田公郎君) 仕組みともし私が申し上げましたら、ちょっと申しわけございませんが、経済協力に関連して資金の使用に問題があったかのごとき報道があるのは非常に残念なことだと申しましたのは、報道としてアメリカにおいて発表されました文書等がいろいろ報道されておりますけれども、それ自体がどういう種類の根拠のあるものかというものもわからない状況だったものでございますからそういう発言をしたというわけでございます。
#12
○粕谷照美君 いずれそのことは後ほど明らかにしていかなければならないというふうに思っておりますので、この質問はこれで打ち切りにいたします。
 通産大臣、きのうの二十三日、通産省の経済協力課調整室社会開発事業係長が千代田線の電車にはねられて即死をされたという、まことに心から哀悼の意を表さないわけにはいかない事件がニュースとして流されておりますが、米議会がいわゆるマルコス文書公表の直後でありますね。そして、故越野氏が経済協力課調整室社会開発事業係長という非常に要職についていらっしゃったということから死亡の原因をいろいろとマスコミなども憶測をしておりますが、普通に国民はまたかと、こういう感じを持たないわけにはいかないわけであります。通産省の責任者として、大臣はこのことについてどのようなお考えをお持ちになりますか。
#13
○国務大臣(渡辺美智雄君) 越野事務官が突然今言ったように死亡されまして大変私も驚き、また非常に残念にも思い、本人に対しましても、日ごろ非常にまじめな青年でございますから、心から哀悼の意を表している次第でございます。ところが、これは自殺なのかどうかも含めまして全然まだわからない。若い人ですから、昔の事件とは実際は全く関係があるはずがないわけでございまして、もう少しどういうふうなことであるのか、死因等に対する調査が出てこないと何とも申し上げられない。大変お気の毒だということでいっぱいでございます。
#14
○粕谷照美君 新聞報道によりますと、夜も寝ない日が何日も続いたとか、国会の答弁資料をつくるのに大変だったなどと書かれておりますと、私も質問するのも悪いような気がしてならないわけでありますけれども、やっぱり職員の人事管理というのはきちんとしていく必要があるんではないだろうかということを感じないわけにはまいりません。それでは通産大臣、結構でございます。
 アメリカの議会が公表しましたいわゆるマルコス文書、ただいま理事会に配付されたように思いますけれども、政府はこれを分析したのでしょうか。分析をしたとするならば、日本に関する部分の概要を御報告いただきたいと思います。
#15
○政府委員(後藤利雄君) ただいまのはたしか理事会に差し上げた資料でございますが、これは外務省が入手したもので、米国下院外交委員会アジア・太平洋小委員会が三月二十日に国務省からもらいました文書のコピーを公表したわけでございます。このコピーは全部で二千ページ余にわたるようでございまして、今私ども全文を入手して送付の途中にあると思いますが、きょうお渡しいたしましたのは、在米の我が方の大使館がそのうちの特に我が国の企業に関係する可能性があると思われるものを一読いたしましてコピーいたしましたものが百三十ページくらい、それをお渡ししたわけでございます。現在この部分の内容につきまして調べておりますけれども、内容的には、送金通知、送金依頼書、送金計算書、船荷に関するメモ、船荷証券、企業のビジネスレター等、種々の文書がこの百三十ページ程度に含まれております。御要望がございますれば、到着次第二千ページを超します公表文書につきましても理事会に提出する用意はございます。
#16
○粕谷照美君 まだ私ども直接手にしておりませんからその内容についての質問は今後に譲るといたしまして、このマルコス文書にあると言われます東陽通商などのアンジェニト投資会社を通ずるリベートだとか、マルコス夫妻と直接取引されたというリベート、そのほとんどが日本からの円借款による公共事業の発注をめぐって支払われたものとされているが、そのような事実は中に入っておりますでしょうか。
#17
○政府委員(藤田公郎君) まだ全部精査を終わってはおりませんけれども、我が国の経済協力、有償資金協力、まあ円借款でございますけれども、円借款プロジェクトの名前も出てきております。
#18
○粕谷照美君 この円借款に基づくフィリピン政府の公共事業に対してリベートを支払うということは、結果的に国民の税金をマルコスにわいろとして支払った、こういうふうになると思いますけれども、いかがでしょうか。
#19
○政府委員(藤田公郎君) 我が国の経済協力、これは有償資金協力、無償資金協力を通じてすべてでございますが、供与に際しましては、先方が要請をよこしましたプロジェクトにつきましての調査を事前に行い、資金の供与限度額を決定し、交換公文を締結いたします。交換公文におきましては、援助資金の適正な使用ということを相手方に義務づけております。その後、原則として公開入札によって相手国政府は施工の企業を決定するということを義務づけております。相手国政府が公開入札を行いまして、通常は一番低い入札価格を提示した企業との契約を行うわけでございますけれども、その入札の結果については、我が方に通報をよこし我が方もこれを審査する。後、契約を行いました際にもこれを審査し承認する、こういう手続になっております。その後、プロジェクトが完成をしました後にいわゆる評価調査ということで、供与いたしました資金によってつくられましたプロジェクトが有効に機能しているかどうか、適正に管理されているかどうかという評価調査を事後に行っているというのが現在までの事業の姿でございます。
 したがいまして、我が国の援助資金というものが不当と申しますか、不正な形で利用されているということはないものと信じている次第でございます。
#20
○粕谷照美君 外務大臣と大蔵大臣、今信じているとおっしゃったですね、信ずるに足りるような実態であるかどうか、このことについてどのようにお考えですか。
#21
○国務大臣(安倍晋太郎君) この問題につきましては、今アメリカのアジア・太平洋小委員会でマルコス文書が明らかにされておりますし、今それを日本でも外務省も入手して国会にも御提出したわけでありますが、こういう文書はこの際徹底的に明らかにしてはっきりしなきゃならぬ、こういうふうに私は思っておりますし、外務省としましても、こうした文書だけではなくて、フィリピン政府等とも連絡をとって、いろいろと世間で言われておる問題をはっきりさせる必要がある。特に、これからもやはり日本は援助を進めていくわけですから、開発途上国に対してそういう援助を進める上においても、こうした援助というものがそういう疑問を持たれているような形で使われたとするとなればこれは大変なことですから、はっきりする必要があると私は思っております。
 まだ情報の段階で、いわゆる円借関連事業ということでは出ているわけですけれども、真相をまだ私もはっきりつかんでおりませんし外務省自体もつかんでおりませんから、この段階において責任を持った発言を私はできないわけでございますが、いずれにしても、これは徹底的にはっきりして国会でもお答えをしなきゃならぬ、こういうふうに思っております。
#22
○国務大臣(竹下登君) 基本認識は今、外務大臣からお答えされたとおりであると思います。
 私どもの関係から言えば外為法の問題がございますが、御案内のように、外為法では支払い、送金ともに自由の原則、今こういうことになっておりますが、外務省においていろいろな角度から調査されるに際して、私どもの守備範囲内で御協力申し上げるべきことがあれば、それに対して積極的に御協力を申し上げるべき筋合いのものであろう、このような考えます。
#23
○粕谷照美君 徹底的に調査をしなければならないというのはわかりました。大変いい姿勢のお答えだというふうに思います。
 私が今聞いたのは、リベートをそういうところから払うということは、結果的に国民の税金をマルコスにわいろとして支払ったということになるのではないかという質問をしたわけなんですけれども。
#24
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、日本の企業とマルコス前フィリピン大統領との関係の問題で、果たしてこれがリベートと言うのか口銭と言うのか私もよく知りませんけれども、合法的なものか非合法的なものか、それは法律的な問題は私はあると思います。しかし常識的に、我々の援助の姿勢というもの、援助のあり方から考えると、そういうことは好ましくないことだともちろん思います。日本の援助は、これまでフィリピンに対しましても御承知のように膨大に行っておりますし、その他の国にも行っておりますが、これは先ほどから経済局長が答弁いたしましたように、事前に精査もし、フィージビリティースタディーもやりましたし、あるいはまた事後におきましてもいろいろとフォローアップもやっておりますから、その政権を助けるということではなくて、国民の福祉向上のために日本としてもできる限りの調査、介入をして、これが的確に行われるように相当努力をしてきておることは事実でございます。その点は御理解をいただきたいと思うわけであります。
#25
○国務大臣(竹下登君) 外務大臣からお答えがあった趣旨と同じように考えております。
#26
○粕谷照美君 マルコスは、リベートによって得た資金の一部を日米の政治家、政党に献金したという報道が行われています。そのようなことが事実であるとすれば、明らかに違法な献金であり、何らかの刑事責任が問われるのではないか、こう考えますけれども、検察当局のこの問題に対する取り組みについてお伺いをいたします。
#27
○政府委員(岡村泰孝君) 検察当局といたしましても、この問題が報道され、あるいは国会で論議されておりますことは承知いたしておるところでございますが、何分まだ具体的な事実関係もはっきりいたしませんので、現在の時点においてどうこうということは申し上げかねるわけでございますが、事態の推移に応じまして検察当局といたしましては適切に対処するものと考えております。
#28
○粕谷照美君 法務大臣いかがですか。
#29
○国務大臣(鈴木省吾君) ただいま政府委員から申し上げたとおりでございますが、御案内のようにまだ事実関係がはっきりいたしておりませんので、ただいまそれが法に触れるかどうかということは申し上げるわけにはまいらないと思います。今後の推移によりましては、先ほど政府委員から答弁を申し上げたとおりでございます。
#30
○粕谷照美君 事実関係を明らかにする、なったならばではなくて、やっぱりするという姿勢が私は大臣としては必要なのではないだろうか、こういうふうに考えていたわけでありますが、その御答弁はいかがですか。
#31
○国務大臣(鈴木省吾君) 実は法務大臣は、検察当局に対しまして一般的な指示、指導はいたします。しかし、御案内のように、検察庁法第十四条によりまして個々の案件については法務大臣はそこまでは指揮、処分等いたしません。御了解を賜りたいと思います。
#32
○粕谷照美君 また司法がオーバーランすることがないかなどとやられては大変だとお考えになるのかもしれませんけれども、私はきちんとした態度をこれからも堅持していただきたいということを要望しておきます。
 次に、外務大臣、大蔵大臣、それから通産省に伺いますけれども、公表されましたマルコス・リベートは、あれだけ問題になりましたロッキード事件以後においても日本の企業によって支払われているということが明らかになっています。このようなことは、企業倫理に反して国内法上も問題があるのではないか。政府はどのように対処をされますでしょうか。総理は、本予算委員会で事実の究明に全力を尽くすと答弁をされておりますが、具体的にどのような検討、究明の手段をとられるのか、お伺いいたします。
#33
○国務大臣(安倍晋太郎君) 外務省としましても、非常に重大な関心を持ってこの問題の調査を始めておるわけでありまして、既に発表されました文書も入手いたしましたし、その他の情報の入手にも努めておるわけでございます。今後ともこうした情報の解明を待って真相を明らかにしていかなきゃならぬと思います。しかし、これが法律に触れるかどうかという問題については、これはそれぞれの関係の官庁等で御判断されるべきことであろうと思っております。外務省としましては、今の援助等の問題も含めた形で、やはり日本の援助の姿勢を正すということが大事でございますから、そういう観点に立ってこれから検討を進めてまいりたい、調査を進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#34
○国務大臣(竹下登君) 私の守備範囲で申しますならば、外為法の適用の問題でどのような角度から協力できるかどうかについても事態の推移を見ながら検討すべき課題であるというふうに考えております。
#35
○政府委員(福川伸次君) 企業が外国で活動いたします場合に、現地の法令を尊重することはもとより、現地の商慣行に沿って企業行動する、そういう意味では一定の企業行動に倫理性が要求されることと存じております。そういう意味で、例えばOECDにおいても多国籍企業の行動指針というようなものも設けられておりますし、あるいはまた我が国においても、発展途上国についての投資行動の指針というようなものを設けたことがございます。いずれにいたしましても、これはあくまでも企業行動の倫理の問題でございまして、強制力のあるものではございませんけれども、そういうことを企業としても十分尊重して行動をすべきものと考えております。
 また、委員御指摘のように、これが法令に触れるかどうか、日本あるいは現地の法令に触れるかどうかということにつきましては、事態の解明を待って厳正に対処すべきものと考えます。
#36
○粕谷照美君 具体的にどのような究明の手段をとるかという私の質問であるわけです。先ほどの本会議で総理は、何か検討委員会をつくるように指示したという答弁をなされたように思いますけれども、外務大臣、これは受けておられませんですか。
#37
○国務大臣(安倍晋太郎君) 特別に今外務省自体でそうした検討会議というのは持っておりませんけれども、ただ援助のあり方については、これまでもいろいろの面から再検討するということで、ODAの検討委員会というのを持っておりますし、その検討委員会で実はフィリピン援助についていろいろとこれまでのあり方、今後のあり方等をめぐりまして今検討を開始したことはこれは事実であります。
#38
○粕谷照美君 この問題は我が国の円借款協力に根本的な見直しを追っております。政府は早急に援助内容の公開など基本的な原則を確立すべきではないかと思いますけれども、外務省の借款の使途を追跡調査するという本委員会における答弁はそれなりに評価できるわけですけれども、それでは不十分なんです。先ほどもお話がありましたように、OECDではこうだとか我が国ではこういう倫理をつくっているとか言いましたけれども、アメリカなんかはもうきちんとした法律をつくっているわけですよね。そういう対応をする気持ちはないのかということについて、外務大臣いかがですか。
#39
○国務大臣(安倍晋太郎君) ODAのあり方については、国会でもしばしば議論もこれまでございました。特にフィリピンの問題については、マルコス政権が倒れる前、いわゆる政情不安という中で御指摘もありまして、我々としても、そういう御指摘も踏まえながら援助に対して慎重な姿勢をとってきたことは御承知のとおりでございます。
 そういう中で今日の事件が発生をいたしました。これからも日本は援助を積極的に行っていかなければならない国際的責任を持っておりますから、この援助が本当に効率的、効果的で、相手の国から信頼されるものでなきゃならぬと思っております。そういう意味で、今回のこの事件を契機にして問題点を解明するとともに、やはりODAのあり方で本当に相手国に対して喜んでいただけるような効率的、効果的なものにもっと改める点があるならば、これは積極的に改めていくという姿勢で今検討を開始したところでありますし、またフィリピン自体についても、今までの援助、これは評価等をやっておりまして、相当我々としても、外務省としてもこれまでの評価では自信を持ってもきておるわけですが、しかし、こういう事件も起こったわけでございますから、さらにこうしたフィリピンのこれまでの援助を全体的に見直していく、見直してみるということも必要であろう、こういうことで、そういう点も今いろいろと検討の対象にいたしておるところであります。
#40
○粕谷照美君 あり得ないことが現実に行われていたということから国民は大変なショックを受けているわけでありますが、いずれこの公表されました関係企業の責任者に出席を求めて国会としても真相究明に努力をすべきだというふうに考えますけれども、委員長にその措置について要求をお願いしたいと思います。
#41
○委員長(安田隆明君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#42
○委員長(安田隆明君) 速記を起こして。
 ただいまの粕谷君の発言につきましては、理事会の扱いといたしますから御承知願いたいと思います。
#43
○粕谷照美君 次に、戦後処理に関連いたしまして、台湾出身の元日本兵補償問題についてお伺いいたします。
 この問題については、人道上の立場からも早期の解決が求められております。政府は企画検討費として六十年度五百万、六十一年度二千万を計上しておりますが、この二千万円の事業内容と補償問題に関する基本的な方針を御説明いただきたいと思います。
#44
○政府委員(的場順三君) 御指摘のとおり、この台湾人元日本兵の問題につきましては非常に長い経緯がございます。ただいま御審議いただいております六十一年度の予算におきましては、昨年度の五百万に対し二千万円が計上されているところでございます。二千万円の内訳は、おおむね半分が六十年度と同様の事務費、それから半分の約一千万円が委託費という形になっております。
 それから、本問題につきましては、この二千万円という金額を決めるときに実は与党の政調会長の御発言がございまして、大蔵大臣と官房長官がこれを了承したということになっております。それがこれから検討してまいります基本方針になると思いますので読み上げさしていただきますと、まず第一点は、「本問題については、現在、最高裁判所において係争中であるので、最高裁判所の最終的な判断を待つ必要がある。」。それから、「他方、本問題の処理は、超党派の強い要望であり、六十年度より検討の度合を更に深める必要がある。」ということでございまして、五百万円を二千万円にする。
 この二千万円の使途については、例えば次のような工夫をするというふうなお示しがございます。それは第一点は、「政府部内における問題点の整理、検討等は引き続き行うこととするが、別途、与野党関係議員が本問題を検討する場をもうける。」。それから「台湾側の事情が許せば、民間団体等による(真に必要な場合には、与野党の関係議員が参加することも考慮する。」台湾紅十字会の実情、一般的な生活状況等の調査等を行うことを考慮する。」というふうなことでございます。
 それから、こういう検討を行いながら「最高裁判所の判決に注視し、これが出された場合には、その内容に即して財政的措置を含め対応する。」ということでございます。
 超党派の先生方の検討の場としては、台湾人元日本兵等の問題懇談会というのがございます。予算を成立さしていただきました後、政府部内での検討と同時に、先生方とも相談をし、この政調会長と大蔵大臣、官房長官の申し合わせの趣旨に沿いまして検討を進めたいと思っております。
#45
○粕谷照美君 最高裁の判決が出た後などというのはいつのことかわからないじゃないですか。植民地出身の兵士に対する戦後の補償は、ヨーロッパ諸国の例を見ましても、当時の本国政府の責任で行うということはもう義務というふうに考えられるわけでして、日本の政府が年々高齢化していきます関係者の要求に積極的にこたえようとしない理由を明確にしていただきたいと思います。外務大臣。
#46
○政府委員(的場順三君) この問題は総理府で取りまとめを行っておりますので私の方からお答えさしていただきますが、先ほど申し上げましたように、この問題は長い経緯がございます、御指摘のような点もございますが、政府が被告という立場で現在最高裁判所において係争中の当事者でございます。したがって、その問題についてこれを無視するというわけにはいかないということは御理解いただきたいと思います。
 それから、政府部内で検討いたしました結果、いろいろ問題がございまして、その一つは日台間の全般的な請求権問題が未解決であるというふうな問題がございます。それから他の分離地域、北朝鮮等との公平及び波及の問題等がございます。それから事実関係の認定等、実行するとした場合の実務上の困難性がございます。それから御承知のように、今日の財政状況、大変厳しい状況でございますので、財政事情ということもございます。それから他の国内問題への波及というふうな問題もございます。
 そういった種々困難な状況はございますけれども、六十一年度におきましては、予算が成立いたしましたら各党の担当の方々とも御相談をさしていただきながら、二千万円を有効に使って問題解決のために前進いたしたいと思っております。
#47
○粕谷照美君 台湾出身日本兵の中には、軍の命令による任務に関連をいたしまして、戦犯の指定を受けまして処刑をされた人がいる、こう言われております。これらの人たちの実態は調査し確認をされておりますでしょうか。そして、その補償はどのようになっておりますですか。
#48
○政府委員(水田努君) お答え申し上げます。
 台湾出身の戦犯の方は百八十八名、そのうち刑死した者二十一名、獄死した者が五名で、昭和三十一年十二月七日までに全員釈放が完了いたしていると聞いております。
 なお、詳細な実態につきましては関係資料を昭和三十二年以降、戦争裁判に関する資料は一元的に法務省で保管するということでそちらの方に移しておりますので、概要は以上のとおりでございます。
#49
○粕谷照美君 法務省わかるんですか。
#50
○政府委員(井嶋一友君) お答え申し上げます。
 法務省が戦争犯罪裁判に関する資料を引き継ぎまして現在保管をしております。目的と申しますのは、裁判の記録を正確にできるだけ収集をして後世に残すということを目的としたものでございます。資料の中には判決書きだけだとかメモだとかというようなものが含まれておりまして、非常に千差万別でございますが、いずれにいたしましても二千二百余りに及ぶわけでございます、B、C級につきましては。しかし、いずれにいたしましても、そういった目的で整理、収集をして保管をしておるというのが主たる目的でございます。
 そこで、御指摘のようなそれぞれの実態について調査をしておるかというお話でございますけれども、そういった資料に基づいてそれを分析し検討し、あるいは裁判のあり方についての評価を加えるというような作業はとてもできるものでもございませんし、また従来もやっておりませんし、法務省の立場としては、またそういうことが行えるものではないというふうに思っております。
#51
○粕谷照美君 外務大臣、こういう実態を外務大臣として、世界のひのき舞台で活躍される場合にどんなふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#52
○国務大臣(安倍晋太郎君) 各省から御答弁申し上げましたように、今総理府が中心になりまして検討をいたしておるわけでありまして、台湾人で戦争中戦死をしたり、あるいはまた犠牲になった人たちに対する補償がこのままになっておるということについては、人道上、私としましても問題はあると思うわけでございますが、ただ請求権の問題等未解決の問題もありまして、なかなか国として結論が出せないということで今回さらに検討を重ねることになったわけであります。各国ではそうした犠牲者に対する補償等も行われておる国もあるというふうに聞いておるわけでございますが、それぞれの国の実情というのはあるわけでございますし、日本としましても今総理府のこれからの検討というものを待ちながら日本政府として統一した方向で取り組んでいかざるを得ないのじゃないか、こういうふうに考えます。
#53
○粕谷照美君 最高裁の判断を待つというこういう政府の対応は、私は問題点を先送り先送りしてしまうという逃げの姿勢だというふうに批判をしないわけにはまいりません。この補償問題については民間団体や国会議員連盟などによってその実現を求める運動が進められているわけですが、また裁判所の判断も示され、国会でも政府の答弁が行われて調査のための予算も確かに組まれております。私は、政府として今日までの経過と問題点について本予算委員会中に詳細な報告書を提出していただきたいと思いますが、総理府いかがですか。
#54
○政府委員(的場順三君) 御承知のとおり、この問題関係省庁大変多うございます。私のところで取りまとめをしておりますが、ただいま仰せのとおり、詳細なということでございますし、それから本委員会開会中ということでございますが、そういう時間的に間に合うかどうかという問題ございますけれども、いずれにいたしましても検討させていただきたいと思います。
#55
○粕谷照美君 次、教育問題に移っていきます。
 最初に文部大臣、この間の総括質問の続きになって恐縮でありますけれども、私は文部省の考え方、文部大臣の御答弁は臨教審の第十次答申を正確に受け継いでそして正確に仕事に入るように対策をとられた、こういうふうに考えていたわけであります。それに対して、この臨教審委員を任命する総理大臣があのような文部大臣とは全然違う意見をおっしゃった、それは私は一つの意見だというふうに思っていたわけでありますけれども、大変強い御意見ですね。総理というのは解散権だけじゃなくてすごい力を持っていらっしゃるのだとしみじみ思ったわけでありますけれども、文部大臣、これは屈服をして入れられたのですか。総理のお考えを今度入試改革協議会の中に入れていくとおっしゃったのは、総理に負けたのじゃないですか。
#56
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の臨教審の第一次答申に出ていました共通テストの構想につきましては、私たちは臨教審の第一次答申を尊重するという構えで改革協議会をつくって、そこで議論をしていただいておるわけでございます。その議論のまだ過程でありますので、私は予断と憶測をもって物を言うことを慎まさせていただきますと、こういう御答弁をしておったのでありますが、先生の御質問の中でいろいろと大学側の自由な利用、活用という面のほかに、受験生の側からの自由な利用、活用といいますか、受けるか受けないかの自由も認めたらという角度の御発言もございましたので、これはむしろ七月の報告までの間に改革協議会で御議論願うことだと私は思っておりましたから、総理のそういう御意見も、またこの場で先生方の御質問もあったわけですから、なるべく多くの国民の皆さんの理解と納得を得てこういう制度の根幹に関する問題は答えを出すべきだと基本的に考えましたので、屈服、非屈服以前の問題として、具体的事実としてこういう考え方、こういう選択のケースがあるとするなれば、それもやはり改革協議会の方には伝えておいて、報告を出される前にいろいろなあり方として姿、形の一つとしてそういう物の見方もあるのだなということを御理解の上で御議論願う方がより幅の広い御審議になると、こう判断しましたのでそのような処置をとったわけですし、総理大臣もまたこの場でそういったこともよく研究してほしいと言っておるのだ、たしかこうおっしゃったと思いますので、研究してほしいとおっしゃることを研究も検討も勉強もしないのもいけませんし、これはみんなでやっぱり議論をして研究していくべきだ、こう考えてお伝えをしておる次第でございます。
#57
○粕谷照美君 私も改革協議会の方にもう任せたという感じを持っておりましたから、総理がそういう考え方を持っていらっしゃるのだなということだけはわかったのですけれどもね。それを文部大臣の方が総理のものを検討していただきたいと言うと、これはまた特別の意味を持って重苦しく検討材料になるのではないかと、こういうふうに考えないわけにはいかないのですよ。臨教審会長任命権者です。もう総理直属の臨教審なんですから。臨教審が第一次答申を出したときからもう総理はそういう考え方で臨教審に対して不満も言っていらした、新聞記事にちゃんと載っているわけですからね。首を振っていらっしゃるから違うのかもしれませんけれども、しかし私は、この総理の御意見は一つの意見として考えてくれよという程度のものであって、改革協議会の議論、結論を拘束するものではないと、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。
#58
○国務大臣(海部俊樹君) 御承知のとおりに、臨教審の第一次答申では、国公私立を通じて基礎資料を得るために共通一次試験にかえて新しい共通テスト、これは仮名ですけれども、それで審議をしなさいという答申をいただきました。
 大学側はいろいろなメニューを用意して五教科五科目全部出します、すべての人が全部それを受けます、偏差値による大学の序列というよくない結果も出てくるわけですから、それを取り除かなきゃならぬというので、実は一科目だけ利用する大学とか、二教科だけ利用する大学とか、あるいはもしかしたら全く利用しない大学も出てくるかもしれませんし、また出てきたその答えを五分五分の割合でそのほかのテストと合わせて採点するのか、一割ぐらいの割合で見るのか、全く見ないようにするのかという活用すら自由にしてくださいという、そういった角度で今検討が行われておるわけでございますので、私どももあの改革協議会がどういうことに焦点を置いて御議論願っておるのかは全く御一任申し上げておるわけでありますので、改革協議会の報告が出るまではどんな議論が出るかこれは余り憶測して申し上げるわけにもいかないことだと思っておりました。
 ただ、総理からこういったことも研究してほしい、どうも大学側からの自由だけを自由利活用で議論しておるようだが、受験生からの自由もどうなんだ研究してほしいとおっしゃいましたので、それをお伝えして流し込んであるということで、それを含めていろいろ御議論が進んでおるものと私は見ております。この方向でやれとか、こういうものであるとか、重苦しい重圧とはお考えにならないで、専門家の皆さんがそれも一つの姿、形であるがどうなんだろうかという角度で御議論をいただいておると、このように私は受けとめております。
#59
○粕谷照美君 自由濶達にというふうに私も理解をいたしました。
 それでは、その次。
 この臨教審が、やっぱり教育荒廃の一因として我が国が学歴偏重社会であるということを挙げてその弊害を是正するように答申をしておりますが、その答申内容をちょっと御説明ください。
#60
○政府委員(齋藤諦淳君) 第一次答申におきましては、本来多面的であるべき人間の評価が初期に獲得した形式的な学歴によって行われている。そのために学業についていけない者や、あるいは非行などの教育荒廃の一つの大きな原因になるという、そういう認識で学歴社会の弊害の是正のためにという提案をしているところでございます。
 提案の具体的な中身としましては三つございまして、一つは生涯学習社会を建設していくということ。第二は、学校教育で諸般の改革を図っていくということでございます。第三番目は、企業なり官公庁において採用あるいは評価などの人事管理において多様な能力が評価されるよう積極的に努力していくという、こういうことについて提案をしているところでございます。
#61
○粕谷照美君 学歴社会が非常に弊害があるというふうに言われておりますけれども、文部大臣、我が国が学歴偏重社会であるかどうか御所見を承りたいと思います。
#62
○国務大臣(海部俊樹君) 御承知のように、学歴というのは学校に行ってその人が自分の資質を磨きあるいは適性をうんと伸ばしていく、そのためにいろいろなことを勉強してきたという経歴の一つとしてならば、私はそれは尊重していいと思うんです。ところが日本は、肩書が必要以上に幅をきかせる社会になってしまったということも先生御承知のとおりだと思います。大切なことは何をどれだけ学んできて社会のために役に立っておるかということだけれども、いつ、どこで学んだかということの方が優先してしまう。形式的な肩書や学歴というものが幅をきかせ過ぎて、ひとり歩きし過ぎて、甚だしいことに至っては、採用のときの問題とか、入ってからあなたは大学出だから課長になれますとか、あなたは大学は大学でもこの学校だからちょっとこの辺でというようなことまでいってしまいますとこれは大変な行き過ぎで、青年に人生の夢と希望を持ってといっても、そのような学歴の形式的な弊害が重くのしかかっておったのではなかなかやる気も活力も出てこない。そこで私は、学歴が必要以上に幅をきかせておる社会は間違いである、このように考えております。
#63
○粕谷照美君 今の文部大臣のおっしゃったことについて人事院に質問をいたします。
 官公庁の採用人事や人事管理に臨教審は触れております。公務員試験問題も含めて御所見を伺いたいと思います。
#64
○政府委員(仙田明雄君) 公務員は、大体が公務員試験というものを受けて合格し、その中から採用されるという形をとっているわけでございますが、この公務員試験は広く国民に平等に機会を提供するということを原則にしておるわけでございます。
 例えば、大学卒業程度の人たちを採用する試験の一つとしてT種試験というものがございますが、この試験では、受験資格は年齢で満二十一歳以上三十三歳未満ということを定めているだけでございまして、大学を出ているかいないか、高校出であるかどうかというような学歴は一切問うていないというようにしておりまして、そういう点でまず公務員試験というものは学歴に沿った試験ではないというふうに考えていただいてよろしいのじゃないだろうか。また採用後の昇進につきましても、これは法律でも明確に成績主義の原則というものを打ち出しておりまして、本人の勤務実績を適正に評価をして、その結果に基づいて昇進を行っておるというのが実情でございます。
 したがって、公務部内においては、いわゆる学歴社会という評価をするのは適当ではないのじゃないかというふうに私は考えております。
#65
○粕谷照美君 学歴社会でないということを人事院は言わざるを得ないというふうに思いますけれども、客観的に見るとやっぱり学歴社会、学閥社会じゃないか、こういうことを指摘できるわけですね。
 ちょっと去年、六十年度の国家公務員採用試験の大学則、上から合格者の数字を挙げてみてください。
#66
○政府委員(仙田明雄君) 合格者数で申し上げますと、一番多いのが東京大学五百四十一名、次が京都大学二百十九名、それから三番目が早稲田大学八十名、四番目が北海道大学七十九名、五番目が東京工業大学七十四名等となっております。
#67
○粕谷照美君 これは合格者の数であって、それから採用者になりますとまたこれはずっと減ってくるものだというふうに思いますけれども、この数字、ずっと二十三番目まで私は見ましたけれども、学歴のないというのは全然入っていませんよね。学歴は問わないと言いましたけれども、学歴のない人でこういう試験に合格しているのはどのくらいおりますか。
#68
○政府委員(仙田明雄君) 申しわけございませんが、手元に細かい資料はございません。ただ、私の記憶では、大学卒でない専門学校等の人たちが若干名含まれておったと記憶しております。
#69
○粕谷照美君 労働大臣に伺いますけれども、民間企業では学歴主義というのはどのような採用状況になっておりますか。
#70
○国務大臣(林ゆう君) 民間企業におきます学歴の問題でございますけれども、これはその都度それぞれの企業が学校側といろいろ採用の協定などを結びまして、そこで採用試験を行った後に適当な人物を自社に採用しておるというふうに聞いております。
#71
○粕谷照美君 今の大臣の答弁を聞くと、学歴社会ではないような感じを受けるわけでありますけれども、しかしリクルートセンターの資料を見てみますと、やはり千人以上五千人未満の企業というのはかなり重視をしている。最も重視をしているというのを含めまして六二%ぐらいあるわけです。五千人以上の大きな企業になりますとそれが約八〇%ぐらいになりまして、どうしても学歴社会であるということは事実だというふうに思うんですね。
 これは弊害なんだという臨教審答申でありますから、この答申を受けまして、内閣としてはどのような対策、対応をされましたでしょうか。文部省ですか、これは。
#72
○政府委員(西崎清久君) 内閣としてはという点でお答えいたしますとすれば文部省の立場でお答えするのはいかがかと思いますが、臨教審の答申が出まして、それを受けて主体的にこれを実施していくのが文部省であるという意味でお答えを申し上げたいと思います。
 学歴社会の是正ということで六月に答申が出ました後、教育関係閣僚協議会の幹事会におきまして、八月の段階において官庁の採用につきまして申し合わせをいたしました。
 その内容といたしましては、人事課長会議の内容をフォローしておるわけでございますが、官庁訪問の時期であるとか採用の時期であるとか、あるいは採用に当たっての配慮事項等につきまして、幹事会で一応協議し申し合わせをしたところでございます。その方針に基づきまして関係官庁が採用を六十年の秋に行った、こういう経緯がございます。
#73
○粕谷照美君 採用に関連いたしますと、就職協定というのは非常に大事なことになってくるわけですね。就職協定が昭和二十八年にスタートをしております。ずっと労働省はこれに参画をしてきておりますが、五十七年、おりていますね。その三十年間の歴史というものを御説明ください。
#74
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたします。
 就職協定がスタートいたしましたのは、大卒者の採用選考開始期日につきまして、昭和二十七年に学制改革による新制大学の卒業生が急激に増加する中で、就職活動の早期化により教育面への影響の防止を図るという見地から文部省通達が出されまして、昭和二十八年、大学七団体、業界二十八団体による就職問題懇談会が開催され、推薦開始を十月一日以降とするという申し合わせがなされまして、産業界がこれに協力する形でスタートしたものと承知いたしております。
 その後、日本経済が高度成長期に入りまして求人難になるに伴いまして、企業の採用活動が非常に早くから行われる、ひどいのは三年生の一、二月に行われるという早期化に対応しまして、大学教育上の影響が憂慮されるということで、そういう憂慮される状況、それからその後、昭和四十六年以降のニクソン・ショック以後、今度は逆に一部採用内定の取り消しが発生するというようなことが生じまして、昭和四十八年度から毎年中央雇用対策協議会において期日を決めるということになったわけでございます。この中央雇用対策協議会は日経連等の業界団体三十七団体と労働省で構成されていたものでございます。
 しかし、その後オイルショックその他、採用取り消しが続出するような問題が生じてまいりましたので、この就職協定問題に労働省としましても積極的に関与することとしまして、五十一年度からはその時期を従来五月一日求人活動開始、七月一日選考開始であったものを繰り下げまして、十月一日会社訪問開始というふうにしてきたわけでございます。そしていわゆる一〇−一一協定というのが決議されまして現在に至ってきたというのがその経過でございます。
#75
○粕谷照美君 三月十五日の中央雇用対策協議会、新しい協定をつくったと思いますが、文部省はそれに参加しておりますね。報告してください。
#76
○政府委員(大崎仁君) お答えを申し上げます。
 いわゆる就職協定につきましては、六十一年度の採用活動等が非常に問題視をされている状況下にあるということ及び臨時教育審議会の答申の御指摘も受けまして、この際改めて就職協定の遵守のための諸方策ということを検討するということになったわけでございますが、文部省といたしましては、昭和六十一年度の就職協定につきまして、まず大学等学校側における真剣な検討を促すということから着手をいたしまして、具体的には大学側関係の団体の代表から成ります就職問題懇談会におきまして意見を取りまとめまして、その意見を外しまして中央雇用対策協議会の関係者等といろいろ御相談をいたしたところでございます。
 そのような経過を経まして、中央雇用対策協議会におきましては、二月二十八日にまず就職協定の継続ということを決定されまして期日だけを持ち越したわけでございますが、さらに三月十八日に開かれました協議会におきまして、問題が特に多い四年制大学につきましては八月二十日から会社訪問等ができるという手直しをいたしましたものが決定をされたわけでございまして、文部省といたしましても大学関係の団体から成ります就職問題懇談会にこれを直ちに伝えまして、就職問題懇談会におきましても同趣旨の申し合わせがなされたということでございます。
#77
○粕谷照美君 文部大臣と労働大臣にお伺いいたします。
 青田買いが横行している、みんなそれを知っている、それでなおかつこのような新協定を結ばなければならないというふうにお考えですか、どうですか。
#78
○国務大臣(海部俊樹君) 文部省の立場から申し上げますと、学校教育の内容をできるだけ就職の問題と相互乗り入れの期間が短いように、できれば悪い影響がこないようにしたいという願いが根本にございまして、そして青田刈りがいわゆる学歴偏重、競争社会の悪い面を出しておると思っておりましたから、やるなれば協定は守られるように、そして協定した以上やっぱりぜひ守っていただきたい、こういう気持ちを今でも持っておりますので、今局長の御説明しました新しい協定も接触の時期が変わったわけでありますけれども、ぜひこれは企業においてもお守りをいただきたいと心からそう願っております。
#79
○国務大臣(林ゆう君) 就職協定の問題は、いわゆる学校教育にも深くかかわりのある問題であると私は思います。そこで臨教審の第一次答申にもございますように、その遵守の必要性が指摘をされております。雇用の面からも自由でそしてまたかつ公正な採用、就職活動が確保されるために、当事者であります大学、それから企業、そして学生が自主的に遵守できるようなものとして定められるということが必要であろうかと思います。
#80
○粕谷照美君 文部省にお伺いしますけれども、この協定は、学校側を代表する文部省と企業側、官公庁はこれに縛られないのですか。
#81
○政府委員(西崎清久君) 官公庁の採用につきましては、各省庁人事担当課長会議がございまして、そこで申し合わせを行っておるわけでございます。
 最近の例で申しますと、昨年、六十年の四月十日に人事担当課長会議の申し合わせがございまして、求人求職秩序の維持のためには一〇−一一協定に協力する、そして十一月一日が選考開始日、十月一日前の学生のOB訪問及び十月一日以降の官庁訪問に対しても協定の趣旨に沿った対応をする、こういうふうな形で人事課長会議で申し合わせをしておるわけでございますので、各省がこれに従う、こういうふうな形になっております。
#82
○粕谷照美君 人事院に伺いますけれども、この間発表いたしましたね、その協定にきちっと合っているというふうにお考えですか。
#83
○政府委員(仙田明雄君) 六十一年度の採用試験のスケジュールのお話かと思いますけれども、結論から申し上げますが、十分合っているというふうに考えております。つまり最終合格者の発表日を十月一日に定めまして、十月一日というのは従前の民間における会社訪問の解禁日でございますが、六十一年度の場合には何か八月二十日ごろになるというふうに聞いておりますけれども、役所の場合は十月一日を最終合格者の発表日ということにいたしたわけでございまして、合格者が十月一日以降各官庁を訪問いたしまして官庁の仕事の内容等について勉強をし、そして十一月一日以降各省庁の採用面接を受ける、こういうことでございますので、民間で申し合わせをされている就職協定に十分合致しておるというふうに考えています。
#84
○粕谷照美君 各省庁青田刈りの実績など全然ない、こういうふうに言えますでしょうか、ちょっと報告をしてください。大蔵省どうでしょう。
#85
○政府委員(西垣昭君) 大蔵省の場合でございますが、人事担当課長会議の申し合わせに従っております。
 具体的に六十一年度採用につきまして本省を例にして申し上げます。本省以外の採用もございますので、本省を例として申し上げますと、十月一日以降応募者との応対を行っております。十一月一日に採用面接試験を行い、十一月五日に内定者を決定して本人に通知いたしました。
#86
○粕谷照美君 通産省どなたか来てますか……。では外務省、どうですか。
#87
○政府委員(後藤利雄君) 済みません。担当の官房長が来ておりませんのですが、外務省の場合、先生御案内のように外交官試験という特別な上級、中級、初級の試験がございまして、それが外務省の採用のすべてでございます。
#88
○粕谷照美君 報告をいただきますと、みんなそういう実態はないと言うんですけれども、これは去年の六月十五日のサンケイ新聞ですけれども、「通産省が青田買い」「居酒屋に東大生四十六人」なんというのが載っているわけですよね。大蔵省が先走るから銀行が黙っていられなくて銀行も就職協定に参加をしているけれども早々と入ってくる、こういうような情報が毎年のように出されているときに、本当に守れない就職協定だったらつくらなくてもいいんじゃないかと私は思うんですけれども、文部大臣いかがですか。これじゃ、道徳教育はちょっとやれないですよね。生徒だってそんな後ろめたい思いで行く、採用する方もそうだなんというのでは困るんじゃないですか。
#89
○国務大臣(海部俊樹君) 先ほど申し上げましたように、いろいろな状況を踏まえてそれぞれの立場で御議論の結果、八月二十日に接触ということで、それは夏休みの一部を利用して守ることのできるような就職協定にしていただきたいということでお話し合いができたと私どもはこう受けとめておりますので、ぜひお守りをいただきたい、こう思っております。
#90
○粕谷照美君 私は、労働省が就職協定に参加をするという態度が必要であるというふうに考えるんですけれども、大臣いかがですか。
#91
○国務大臣(林ゆう君) 先ほども御答弁申し上げましたように、この就職協定はそれぞれの当事者、大学あるいは企業、学生がこれを守られるような仕組みをつくっていかなければいけないと、このように私どもは思っているわけでございます。
#92
○粕谷照美君 だから労働省はどうだというのですか。
#93
○政府委員(白井晋太郎君) 先生御存じだと思いますが、労働省としましては、先ほどの就職協定の経緯が進んできたわけでございますけれども、その後の昭和五十四年度以降決議遵守委員会等があって、違反企業の是正等の指導がいろいろ行われたわけでございます。それから労働省の幹部も大手企業への訪問等による遵守要請等をやってきたわけでございますが、最大限の努力を重ねたにもかかわらず、かえって採用、就職活動がゆがみ、弊害が目立つという結果に終わりました。このような状況を踏まえまして、労働省としましては行政として就職協定に関与し続けるとすれば公平性を失いかねないこと、それからこのような状況が続く限り学生の就職問題に今後いろいろなゆがみを残すおそれがあることなどから、五十七年度以降行政としては就職協定に参加しないということといたしたわけでございます。
 しかし、現在こういうふうに新たな形で協定が進められるということになったわけでございますが、行政がこれに直接関与してやっていくということは、今申し上げましたような経緯から非常に難しい問題でございます。企業と大学側が守るということで就職協定をつくってそこを守っていただくということが重要でございまして、労働省はその周辺の問題としまして職業安定機関を通じての協定の周知、それから就職情報出版企業への指導、また学生職業センターによる職業相談情報提供等を通じまして、周辺のそのためのバックアップをしていきたいというふうに考えております。
#94
○粕谷照美君 文部大臣、この就職協定違反の企業に対する何らかの措置というのはとれないものでしょうか。大体約束を守らぬでも結構ですよなんというような、そんな協定は必要ないんじゃないでしょうかね、本当に。
#95
○政府委員(大崎仁君) 就職協定は問題の性質上当事者が申し合わせをいたしまして、その申し合わせを誠実に遵守するという当事者の遵守の熱意とその実行くの努力ということが基本になる問題でもございますので、やはりその基本的な精神なり趣旨を踏まえて遵守方策を講ずるということが重要であろうと考えておるわけでございます。学校側につきましては、新たに六十一年度の就職協定を存続していただくということに際しましては、各団体が真剣な検討を重ねました結果、従来とっておりました事柄に加えまして新しい方策も検討いたしておりまして、御紹介を申し上げますと、一つは大学、高専それぞれ団体があるわけでございますが、その団体ごとに協定への遵守ということを表明する、それから各大学等におきます担当者というものを明確にしていく、それから学生、教員に対する就職協定の一層の周知徹底を図る、さらに自主的な調査委員会的なものをつくりましてその遵守状況というものの実態を把握していくというようなことも検討いたしておりまして、大体この線で決定を見るのではないかというふうに私ども考えておるわけでございます。
 産業界に対しましても、いわば従来続いておりました十月一日接触開始というものを八月二十日ということに変えました気持ちは、守り得る目標というのを設定いたしまして、この際心を新たに、従来の惰性ではなくて心新たに遵守をしていただきたいということが関係者の願いでもございましたし、また企業側も、中央雇用対策協議会のアンケート等の結果によりましても、この協定をぜひ存続をしたいということが大勢を占めておるわけでございますので、この際関係者がまず心を新たにして取り組んでいただくという方向で、私どもとしてもお願いをしてまいりたいと考えておる次第でございます。
#96
○粕谷照美君 学生援護会の資料を見ましてもそんなものじゃないですね。会社訪問も実に早くから行われているし、内定だってもう随分早くから行われているわけですよ。そういう実態を考えれば、今のようなことがどれだけ効果を上げるかわからないという不安を私は一つ持っております。
 それでは、文部省がそういうような調査をやるということがはっきりするならば、そういうことをやった企業の名前を文部省として学校から報告をしてもらう、このくらいの決意はありますか。
#97
○政府委員(大崎仁君) 先ほど申し上げましたのは大学関係の団体が自主的にそういう組織をつくって実情の把握をするという検討を現在いたしておるということでございます。その実情の把握によりました結果を踏まえて、それをさらにどう改善に反映するかということにつきましては、私どもも大学関係の団体と今後お話し合いを続けさせていただきたいと思っております。
#98
○粕谷照美君 今私が申し上げたようなことも含めて検討させてもらう、こういうことですか。
#99
○政府委員(大崎仁君) 文部省の立場として、いわゆる企業名の公表ということをこの場でその可能性について申し上げることはお許しをいただきたいと思います。
#100
○粕谷照美君 私は、それでは公表までいかなくても、文部省に報告をしてもらうというところまではきちんととっていただかなければ、こんな協定は意味がないものだということを申し上げて、この協定そのものに関連はいたしませんけれども、教員の採用についてちょっと申し上げたいと思いますが、教員採用の内定というのはどのくらいの状態になっていますでしょうか。大体企業並みですか。
#101
○政府委員(阿部充夫君) 教員の採用につきましては、先生御案内のように従来から一般の民間企業に比べますと内定の時期がかなり遅いというのが実態でございまして、昭和五十七年度に調査をいたしました数字によりますと、全部で五十七の都道府県及び指定都市の中で十一月から内定を出しておりますものは十一県ということで、三月にならないと内定をしないというものが二十五県というような大変遅い状況でございました。私どもとしては、教員にふさわしい適切な人材を確保するというような見地からも、民間並み程度に早めていくことが望ましいということで指導を重ねてきまして、現在では三十七の県市が十一月から内定を出すというところまで参っております。なお、今後とも就職協定等に留意しながら採用の時期を早めていくように各県の努力を促してまいりたい、かように考えております。
#102
○粕谷照美君 特に教員の場合遅いのが一つと、採用公報名簿に登載をされたまま一年間も採用されないでいる。そして、そのために自殺をしたなどという例もあるわけでありますから、きちんと採用をしていただきたい、雇用をきちんと守ってほしい。文部省の強い指導を、ほかのことばかり一生懸命指導しないで、こういう点についても学生の人権を守っていただきたいということを私は要望して教育に関する質問は終わります。
 次に、環境庁にお願いをいたしますけれども、東京都の三鷹市、府中市の水道水源用の井戸からトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等が検出をされまして、市民は大変不安感を持っておりました。全国一斉点検の結果も、相当広範囲に地下水が化学物質で汚染されているということが発表をされております。特に兵庫県太子町でWHO許容基準の数百倍以上の井戸水が、また十三倍汚染の水道水が検出をされたということでありますけれども、地下水汚染の全国的な状況、その原因について御報告をください。
#103
○政府委員(谷野陽君) 環境庁では、昭和五十七年に全国の主要十五都市におきましてそれぞれ再検体程度の水をとりまして地下水の水質の点検をしたわけでございます。この結果、ただいま御質問にもございましたように、かなりの都市でトリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンが検出をされました。これに基づきまして、さらに次の年に追跡調査あるいは周辺井戸の調査を行ったわけでございます。その結果、ただいま御指摘の土地を含めましてかなりの井戸で汚染が継続をし、またその汚染が相当程度の広がりを持っておるということが確認をされたわけでございます。
 私どもといたしましては、いろいろな調査を進めると同時に、昭和五十九年の八月にWHOの暫定ガイドラインを参考といたしまして暫定指導指針を設けましてこれを全国に通達をいたしました。同時に、先ほど申しました十五都市以外の都市におきましても地下水の調査を行っていただいたわけでございますが、その結果によりましても、ほかの都市におきましてもトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等につきまして二・四%とかあるいは一・九%というような水道水の暫定水質基準を超えたものが検出されたわけでございます。
 私どもといたしましては、先ほど申し上げました暫定指導指針に基づきまして、現在排水等の指導を行っておるわけでございますが、一たん入りましたトリクロロエチレン等につきましては地下水におきましては揮発性のものにつきましてもなかなか抜けがたい、こういうことで追跡調査の結果におきましても多少減ってはきておりますけれども、著しい改善が現在のところまだ見られないというのが実態でございます。
#104
○粕谷照美君 先ほど質問しましたその太子町の場合ですね、汚染の原因はどこにあった、またそれについてどのような対策が行われているかということを御説明ください。
#105
○政府委員(谷野陽君) 兵庫県の太子町の問題でございますが、兵庫県からの報告に基づきまして御説明を申し上げますと、五十八年の十二月に水道水源の水質調査を実施いたしました結果、トリクロロエチレンを二つの井戸から検出をしたわけでございます。かなり濃いものでございましたので、対策といたしまして、まず水道サイドから他の水道からの応援給水、それから除去装置の設置、家庭用井戸の水道への切りかえというような措置を講じますとともに、その原因につきまして兵庫県環境保全対策会議を中心といたしまして調査を実施いたしております。
 その結果、この地域には二つのトリクロロエチレンを使用しておる企業がございまして、その一つの東芝太子工場の敷地内にかなりの濃度に汚染をされた土壌が発見をされました。これにつきましては土壌約一千立米を除去いたしまして、透水性のないもので包みまして措置をしておるわけでございます。その後継続調査をいたしておるわけでございますが、トリクロロエチレンによります地下水の汚染の範囲は多少縮まってきておるわけでございますけれども、なおWHOの暫定ガイドラインを超える濃度で検出をされている井戸があるというふうに承知をいたしております。
#106
○粕谷照美君 長官にお伺いいたしますけれども、アメリカのシリコンバレーにおいても汚染が進行しておって、その源が地下タンクの腐食やひび割れなどであるということが判明をしております。土地の全面入れかえ、地下に遮断壁を設けるなどの対策がとられておりますけれども、私どもも手おくれでないかというふうに新聞記事などを見て考えるわけです。日本はまだそこまでいっていないけれども、このままにしておくと大変な事態になるというふうに考えますが、この点について長官はいかがお考えですか。
#107
○国務大臣(森美秀君) 私どもも大変この事態を心配しておりまして、ことしの一月に事務次官がアメリカに行く機会がありました。そのときに課長二人を特別にこのシリコンバレーに派遣しまして実態調査をしてまいりました。結果は、五十九年、六十年、六十一年度でやっておる調査、それによって結論を出していくつもりでございますが、私どもも決して楽観視はしていないということでございます。
#108
○粕谷照美君 地下水汚染に限らず、日本の環境条件というのは随分悪くなってきているというふうに思うわけです。そういう中で先日公害防止事業団の廃止がニュースとして流されておりますけれども、私はこの公害防止事業団は廃止をするどころでなくて、もっと新しい積極的な役割を持たせて存続をさせていく、日本の公害をやっぱり拡大をさせていかないという強い姿勢が必要だというふうに思いますけれども、長官いかがですか。
#109
○国務大臣(森美秀君) 御指摘のように、この環境問題というのは、最近は例えば閉鎖性の地下水の中に今のお話のように入っているとか、あるいはNOxの問題とか湖沼の問題とかいろいろ複雑多岐になってきております。そういう意味で、いよいよこの事業団というものは私どもがもっともっと多岐にわたるような姿で運営をしていきたい、またいってもらいたいということで今考えております。
#110
○粕谷照美君 長官が、先般水質総量規制問題について、財界に対する毅然たる発言をされたということが報道をされておりました。私はこれは高く評価するものでありますけれども、改めて国民の生命にかかわる水質保全対策、殊にこの地下水汚染問題についてこれからももっと積極的な対策をとっていただきたいと思いますし、そのほか大気汚染だとか新幹線騒音などに関する環境基準も依然として達成されておりませんので、環境行政に対する長官の所見を伺って質問を終わりたいと思います。
#111
○国務大臣(森美秀君) 全国民の御激励を受けて一生懸命やりたいと思っております。
#112
○粕谷照美君 次に、郵政大臣にお伺いをいたしますけれども、総括のときに同僚の久保田委員が日本電信電話のキャプテンサービスに対して質問をされました。私は、国会で質問があるというと風俗営業関係の人たちが恐縮をしたり、慌てていろんなことの対策に走り回るということを許すわけにはいかないというふうに思っております。そういうことでは本質的な解決にならないわけであります。郵政大臣、個室付浴場というのは一体何をしていらっしゃるか十分御存じなんでしょうか。いかがですか。
#113
○国務大臣(佐藤文生君) ふるさとが別府温泉でございますので、やっぱりそれが観光地としてありますので、行ったことはございませんけれども内容は承知いたしております。
#114
○粕谷照美君 したがいまして、この間のは質問があるということで取りやめさせたということはできますけれども、このままほうっておいたら、次から次へとあの手この手で出てくるだろうというふうに思うわけです。そういう意味で、法律違反行為に郵政省が手をかしているなんということにならないように、制裁措置を含めて具体的な対策というものを講ずべきであるというふうに思いますが、いかがですか。
#115
○国務大臣(佐藤文生君) 高度情報社会に入っていきますというと、情報の量と質というものが非常に国民大衆から見て直接茶の間で影響を受け、またそれに対する国民の批判というものも出てくるわけでございます。したがって、基本的には表現の自由とかあるいは放送の自由ということで、これは郵政大臣として放送行政の、あるいは有線その他の情報通信に対するところの守らねばならない私は重要な立場でございます。したがって、ケース・バイ・ケースによりますけれども、一々それに郵政省が大臣としてチェックをしていくということこれはいささか私は行き過ぎになると考えます。
 そこで、電波行政の中では、放送局が自主的に放送基準をつくり、それから法律に基づいて番組審議会というものを各局ごとにつくって自主的にそういうものに対して対処していると。したがって、今度のようなキャプテンのシステムが全国的に広がってまいります。現在は個人の家庭、それから事業所合わせて一万ちょっとを超すぐらいの加入者でございまして、そして五百を超す企業が情報提供者になっている。そして赤坂のキャプテン株式会社のコンピューターに十七万数千の文字と図形によるところの情報がインプットされている、そういうような現況の中ですから、今度のような、三月に入ってソープランド情報といったような、我々の常識からちょっと外れた情報というものが流れ込む可能性があったわけでございます。家庭ではあるいは事業所では、ホームショッピングとかあるいは旅行に行く場合の観光地の計画に利するとか、あるいはどういうホテル、旅館に泊まったら値段はどのくらいの料金で行けるかとか、こういったような情報が容易に入手ができるシステムでございます。そのシステムの中にこういう情報が入ってきたわけでございますので、これをチェックするのは、やはり家庭の中において、あるいはまた大衆の中においてこれをチェックする機能というものに我々は期待をし、さらにそういう情報提供者の中で組織ができております。
 先般申し上げましたとおりに、斎藤英四郎氏が会長になりまして、そうして法律に違反するような内容のもの、おそれのあるもの、風俗営業に抵触するようなもの、そういうものは流さないようにいたしましょうと、こういう自主規律をつくっているわけでございます。それになるべく加入していただく。先般のはアウトサイダーで、入っていなかった人でございますので、委員会のこういうリアクションによって自主的にやめたということもございますので、そういう組織に入っていただくように指導していきたい、こういうぐあいに思っております。
#116
○粕谷照美君 そういう指導を守るような人たちばかりなら何も心配要らないわけですけれども、そうでない人たちの方が多いから私は心配をして、そういう具体的な対策を講ずべきであるということを言っているわけであります。
 警視庁の保安一課は、二十日の日にこの件に関して警告を発したということでありますが、どことどこに対して何の理由で行ったのか、そして、その相手の対応はどうであったかということをお伺いします。
#117
○政府委員(新田勇君) お答え申し上げます。
 警視庁では、新聞報道によりましてキャプテンシステムを使って個室付浴場業の広告がなされたということを認知いたしましたので、所要の調査を行った上で三月二十日に業者団体に対して警告を行ったわけでございます。この警告の内容は、不当に高額の料金を表示するなどの広告を行うことには問題があるということと、これは何もキャプテンシステムの利用だけでなく、チラシ等についても同様であるというものでございます。
 その趣旨は、通常の入浴に伴う料金以上の不当に高額な料金を表示することは、売春行為の誘引に該当するおそれがあるというものでございます。業界ではこの警告を入れた形で、現在はこの広告はなされておりません。
#118
○粕谷照美君 チラシなどにもこれは該当させるということですから、しっかりと取り締まっていただきたいというふうに思います。
 最後に、厚生大臣にお伺いをしますけれども、一九五六年の五月二十四日、売春防止法が制定されて、ことしは三十年であります。今、売春対策審議会では法律の全面的な見直しが検討をされているわけであります。
 この問題については、セックス産業を野放しにしているのではないかと思われる現状でありますし、その中でアジアの女性たちの問題も含め、多くの女性が搾取のえじきにされていることを十分御承知だというふうに思います。今、婦人保護費というものが全国知事会などではこれは要らないというふうに廃止が提言されております。性差別の根本にかかわる人権の問題として考えるときに、私たちは婦人保護費のカットは絶対にしてはいけない、こういうふうに考えておりますけれども、厚生大臣のお考えをお聞かせください。
#119
○委員長(安田隆明君) 粕谷君、時間になりました。
#120
○国務大臣(今井勇君) お答え申し上げます。
 最近の売春の傾向を見ますと、社会経済の情勢の変化とか国民の性に対します意識の変化などを反映いたしまして、女性自身が小遣い稼ぎや一時の楽しみのために安易に売春に走るという傾向が見られておるわけでございます。
 このような傾向に対しましては、個人の倫理観の喪失や、これを看過し助長するような社会環境にも問題があると思われます。こうした現状にかんがみまして厚生省におきます婦人保護事業の推進に当たりましては、転落未然防止ということに重点を置くことといたしまして、このために婦人相談所やあるいは婦人相談員によります要保護女子の早期発見、あるいは指導に力を注いでまいりたいと思っております。
 今後とも関係機関と協力いたしまして、売春をなくするための国民に対します啓蒙活動や社会環境の浄化を積極的に推進してまいりたいと、このように考えるものでございます。
#121
○粕谷照美君 終わります。
#122
○委員長(安田隆明君) 以上で粕谷照美君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#123
○委員長(安田隆明君) 次に、秦野章君の質疑を行います。秦野君。
#124
○秦野章君 最初に、外交という言葉が非常によく使われる。民際外交とか民間大使とか議員外交とか、外交という言葉が大変使われる。それは国際時代だから、格好のいい言葉になっているからだろうと思うんです。皇室外交という言葉はもちろんあるわけですけれども、しかし外交といっても、外交だけは政府に属する、内閣に属する。これは憲法七十三条の基本的な、ほかの行政と違った、行政の中でも特記された憲法の規定があるわけです。そういう意味で、皇室外交といっても皇室は要するに外交をなさるのではない、普通の政治、それから普通の行政、国事行為を除いて、そういう外交をなさるのではないということは私は間違いないと思うんです。きょうは私がお尋ねする閣僚はそれぞれ何か都合があって出られないということですから、代理の方にひとつ答弁をしていただきたいと思う今のことはこれは当然のことですけれども、それをまず伺いたい。
#125
○政府委員(唐沢俊二郎君) お答えいたします。
 ただいま秦野先生の申されましたように、皇室外交と申しますのは憲法七十三条に規定してございます内閣の権限とされている外交ではございません。したがいまして、御外遊される場合も、憲法上内閣の権限とされている外交を皇室が一部分担、実施するということにならないことは改めて申し上げるまでもないことでございます。いずれにいたしましても、皇室の御外遊に政治的な意味を付加することは厳に慎むべきものであると考えておる次第であります。
#126
○秦野章君 かつて金森徳次郎国務大臣が、憲法ができたときにいろいろ質疑応答がたくさんございましたが、象徴天皇をあこがれの中心という名文句で説明されたことは我々の記憶に新たでございますけれども、この象徴天皇というものは大変大切にせにゃならぬ。これは世界的に、むしろ近ごろの日本人よりは外国人の方があるいは高く評価しているかもしれないほどの皇室だと思うんです。
 そういう意味で、象徴天皇が国際的な言うならば御交際をされるということは、高度な政治的というか影響があって、大変日本国民としてありがたいことだと私はかねがね思っているんですけれども、だれでもそう思っているのだろうと思うんです。そういうことでありますから、外国からいろいろ大統領とか総理大臣が見えると皇室を訪問されて、ケ小平さんでもレーガン大統領でも天皇とお話しになって、実にそれを喜んでおられるような風景を私どもは承知しているわけであります。したがって、国民のあこがれの中心だと金森さんが言ったことは本当だろうと思うんですね。我々は歴史的にこれを大事にしていかなきゃならぬので、そういう意味から、象徴天皇を大事にするという意味から、象徴天皇を中心とした皇族御一家の国際的な御交際をなされるときに、いわゆる現実の政治的な生臭さみたいな状況の中では皇室がお出ましになっちゃならぬ、それが象徴天皇を大切にするゆえんだ、こう思うんです。
 そういう意味で、韓国とか中国とかを皇室あるいは皇太子様が訪問されることが最近話題になっておりますけれども、いつの日にかは実現されなければならない課題だと思うんです。しかしながら、これはもう本当に慎重にすることが大事だ。どんなことでも向こうで起こったことが日本の情報化社会で、日本のマスコミというのは非常に発達していますから、大ニュースになって、そういう意味では特にアジアにおいてはその点を非常に留意すべきだというふうに思うんです。これは答弁はいいんだけれども、よく官房長官、総理に、私のそういう質問が、質問というか意見があったということを、ひとつ慎重に、慎重ということなんだ。いつの日にかはそのことはありがたいことだが、時期とそれから環境というかな、そのことを申し上げたいと思う。
#127
○政府委員(唐沢俊二郎君) 象徴であられる天皇初め皇室の皆様の例外遊等で、相手国との間に相互理解、友好協力関係のために非常に大きなお力があることはおっしゃるとおりでございますが、できるだけこれまた皇室に関係することは慎重にしなければならないと思っております。
 お尋ねがございましたので一応申し上げますと、政府が皇太子御夫妻の御訪韓を推進する方向で検討することといたしましたのは、現在の良好な日韓関係にかんがみ、これが実現できれば好ましいという見地からでございます。本件の検討に当たりましては、皇室にかかわることでもありますので、当然のことながら慎重を期してまいる所存でございます。
 なお、皇室の御訪中につきましては、非公式なところでいろいろなことが言及されておることは承知いたしておりますが、従来より明らかにしておりますとおり、政府の立場が白紙であることは変わりません。
#128
○秦野章君 私はどこの国とは言わない。とにかくどこの国でも、特にアジアは慎重であってほしいということを申し上げておきます。
 それから、次は司法制度の問題なんです。法務大臣おられるけれども、最近新聞を見ても検事になり手が九人しかいないとか、裁判所の方に聞いても余り志望者がないという空気、空気というか、そういう司法試験に通った人たちの空気のようなんですね。それで、一体試験に合格した者の年はどのくらいかといったら、平均二十八だというんだよ。それで、二十八だと司法修習を二年やると三十なんだよ。これが平均だから、だから三十幾つがいっぱいいる。そういうことだと、定年考えると余りいい人が来なくなっちゃうんだよ。やっぱり青年というものは就職ということをだれでも考えるし、大事な人生の一区切りでしょう。検事正にもなれそうもない、裁判所長にもなれそうもないのじゃ、私は余り人も来ないと思うんだ。
 そこで、この試験制度の問題と、それから採用人員の問題、これは考えなきゃならぬ、あしたまた法務委員会で申し上げますけれども。特にこの司法制度は、池田内閣のときに司法制度調査会というのができて、二年のたしか時限立法で、いろいろ調査会で答申があったんですよ。それから二十年たっているわけですよ。二十年たっているから今の問題をひっくるめて、やっぱり司法制度というものは検討する時期に来ていると私は思う。今のままでいったらこれはどうしようもない。もう石頭の司法官しかできない、今の状況では。それは考えてみたら本当にそうですよ。大体在学中なら二十二までですかね。ちょっと落第したって二十二、三。二十五ぐらいまでにはやっぱり就職するような頭でないと私はだめだと思うんだ。これは大変俗論的になるけれども、人生というのは大体俗論なんだね。
 司法制度調査会というのは内閣総理大臣の諮問機関なんだ。そういう意味で天下の人材や専門家を集めて一遍審議をやらぬと、立法府も行政も、司法制度いったらこれを直すとか金をかけるとかということになると余りむきに、一生懸命やらないんですよ、票にならぬものだから。そこに一つの落とし穴があるんで、私はこれは非常に大事だと思うし、弁護士会も、日本は大変政治家に弁護士が少ないんだよ。統計をとってみるともう外国とは比べ物にならない、ここでは言いませんけれども。いずれにしても、司法制度調査会をつくっていろいろなことをやっぱりそこで審議してもらう時期ではないのかというふうに思います。余り長いこときょうは言いませんけれども、そういう意味でひとつ内閣、きょうは副長官、そういうことを言いたかったわけです。ぜひひとつ検討を前向きにして、二十年ぶりだから、戦後決算なんと言うなら、やっぱりこの問題はその中にはまるのではなかろうかという感じがしますので、ひとつ検討してください。法務大臣と副長官にちょっと答弁してもらおうかな。
#129
○政府委員(唐沢俊二郎君) 法務大臣もおられますが、司法制度調査会は以前内閣に設けられましたので、まず私から御答弁を申し上げます。
 先生御指摘のように、三十七年五月から三十九年八月まで臨時司法制度調査会が設けられまして、当調査会は司法制度の運営の適正を確保するため、主として法曹一元の制度に関する事項、また裁判官及び検察官の任用制度及び給与制度に関する事項に関する緊急に必要な基本的かつ総合的な施策について調査審議をしていただいたことがございます。
 なお今、判検事がなり手がないではないかというお話でございましたが、確かに司法修習終了者約五百人のうちで判検事になる方は大体百名程度、最近は年々欠員が生じておりますので、司法制度を見直すべきであるという先生の御意見はよく理解できるところでございます。ただ、司法制度の改革につきましては、裁判官、検察官及び弁護士の法曹三者間で共通の問題意識が形成される必要がございます。政府といたしましては、法曹三者間におけるこの問題に対する取り組み方を踏まえ、御指摘のような調査会を設置して検討するのが相当であるとの結論に達しますれば所要の措置をとりたいと考えております。
#130
○秦野章君 副長官、これはやっぱり政治課題なんですよ。だから、その意味ではやっぱりリーダーシップは政府がとらぬと私はできないと思うので、これは加えて申し上げておきます。
 司法制度の問題結構です。
 次に防衛庁関係で、この前、防衛庁を六本木のああいう繁華街に置いておかないで市谷へでも持っていったらどうか。これは常識的な問題だと私は思うんだけれども、余りいい加藤さんの答弁じゃなかったのだけれども、その後予算が五百万ついたんだ、調査費が。だから、今度はやる気なのかなという感じがしたんだけれども、あれは六本木を売れば金余ってしまうんだ、ちょっとやってみると。物すごいのをつくっても余ってしまう。売って余るんだから、これは民活に大蔵大臣こたえられないですよ、あれは本当に。そして、要するにプランニング、どういうものをつくるかということとセットして競争入札というようなことにすれば誤解招くこともないんだし、やり方なんですよね。これは大蔵省が国有財産だから大変な実権を持っておられると思うけれども、民活民活と言うけれども、なかなか具体的には難しいだろうが、やっぱり防衛庁の民活は、これはこたえられないと思う。あの六本木じゃ、正直言ってしようがない。何も日本が軍事国家になるわけじゃないでしょう。ないんだけれども、総理もこの前は私と同感だとおっしゃっていたけれども、調査費がついたもんだから、ひとつ加藤さん、その辺のところをどういうふうにこれから進められるのか。ぜひひとつこれやるべきだと思う。
 それと同じ手口、やり口でもってほかに役所の問題幾らもあるんですよ。大蔵大臣、例えば私は法務省にいたとき、法務大臣おられるけれども、小菅の拘置所というのは六万坪あるんですよ。それで二階か三階なんだ。あんなのは再開発すれば公舎もできるし何でもできると思うんですね、一部民間に使わして。まあそこまでいくと話が行っちゃうが、ぜひひとつ加藤さん、その点をお聞きしたい。
#131
○国務大臣(加藤紘一君) 防衛庁の本部が今六本木にございますけれども、この場所が六本木の非常な繁華街のど真ん中にあるものですから、現在の場所が適当なのかどうかという御意見は秦野先生初め大変多くの方々からいただいております。
 前回私が答弁したときに余りいい答弁ではなかったという御指摘でございますが、言い回しが慎重だったものですからそう聞こえたかもしれませんが、私たちとしても現在の六本木が防衛庁の本部として必ずしも適当ではない、こんなふうに思っております。将来あそこをずっと維持していくのがかなり困難になってくるのではないかというふうな認識を持っております。
 大体、私も毎日あそこを出たり入ったりしているわけですが、非常に周辺地域と落差を感じまして、例えば物すごい、自衛隊のことでございますから、しっかりとした敬礼を受けて私は門を出てくるわけですが、そうしますと、すぐタンクトップの非常ににぎやかなファッションがあるというところでは、そこまで落差を心理的に調整するのに大分時間がかかるという場所でございます。
 そこで、考えられることとしては、市谷にまた自衛隊の東部方面総監部がございますので、ここに移るということが物理的に可能かどうか今一生懸命検討しておりまして、本年は今御提出いたしましております六十一年度予算には五百万の調査費を計上して種々の問題を検討いたしております。ただ、御承知のように市谷には普通科連隊がいて実動部隊がおるものですから、今度これをどこに移していくかという問題がありまして、この地域全体の自衛隊のあり方を総合的に検討しなければなりません。かなり多くの問題がございます。したがって結論が出ておりませんが、この問題は我々も大きな関心を持って調査を進めていきたい、こう思っております。
 ただ、あの土地を売りますと大変なお金になるし、どんな建物を新たに建てても大丈夫じゃないかという御指摘でございますが、政府部内ではそう簡単ではございませんで、あれを売りますと、多分全部お金は大蔵省の中に入っていきまして、そして我々の方がそれに見合った新しい建設費を大蔵省に一生懸命お願いしていくという仕組みになっておるものですから、防衛庁の立場だけからいきますと、特待会計の今後のやり方の問題にもよりますが、財政的にはそう簡単ではないというような幾つかの問題がございます。
#132
○秦野章君 それは私もわかっているんだけれども、大蔵省だってわからぬことはないでしょう。一般収入じゃないんだし、特待会計もあるんだし、これは常識的な問題だと思いますね。民活民活と言っているんだから、増税だってなかなか容易じゃない、公債も難しいという、もうだれが考えたって今難しい時期だけれども、そういうやり方の民活というのはいとも簡単にできるんですよ。私はそれが理解できないようじゃ官僚も困ったものだなと思うんだけれども、わからないことはないだろうと思うんです。これは大蔵大臣に聞いても無理だけれども、ここで余りいい返事はできないかもしらぬが、これは前向きにひとつぜひ、調査費もついたことだから、私はやってくださると思うんですね。やることがいいことだ、全くそれは紛れもなくそう思うんです。
 それから、三宅島の問題になるんだけれども、これに関連して三宅の実際の問題をどうのこうのじゃなくて、三宅島で何か村会議員のリコールという問題があるんですね。
   〔委員長退席、理事桧垣徳太郎君着席〕
村会議員一人一人をリコールするという規定が自治法にあるということを見て私はびっくりしたんだ、正直言って、こんなべらぼうな規定がどうしてあったのかなと。議会全体をリコール、それから市長をリコール、これはわかるんですよ。直接民主主義というものもそういう姿であっていいけれども、議員というものは議会でもって何か間違ったことをしたら、あるいは議会外でも何か間違ったことをしたら議会で懲戒処分があるんだ。懲戒処分、これを自治省の大林君、ちょっとその条文を説明してくれぬかな。
#133
○政府委員(大林勝臣君) 地方自治法の議員の懲罰の制度につきましては、地方団体の「議会は、この法律並びに会議規則及び委員会に関する条例に違反した議員に対し、議決により懲罰を科することができる。」といたしまして、懲罰の種類、戒告、陳謝、出席停止、除名、こういう制度を設けております。なお、除名につきましては、一番重い懲罰といたしまして、議会の議員の三分の二以上が出席し、四分の三以上の同意がなければならない、こういう特別多数議決の制度を設けております。
 ただ、この懲罰の問題は、御案内のように、議会という合議体の秩序保持のために設けられておりますので、議場外の行為には及ばない、こう解釈されております。
#134
○秦野章君 国会議員も自治体の議員も本質的には、懲戒というテーマで論ずれば、今あなたが答弁されたことと私は同じだと思うんですね。もちろん、議会外の問題はまたそれは処理の方法があると思いますけれども、いずれにしても一人一人の議員をリコールできるということになると、これは実はある意味でファッショなんだ、自治じゃなくて自治の破壊なんだと思うんだ、本質的には。そういうふうに理解できると思うんですよね。あいつはけしからぬということでリコールなら、リコールの条件ありますか。それをちょっと答えてくれる、リコールする場合にはこういう場合だという。
#135
○政府委員(大林勝臣君) リコールの原因につきましては法律の上では何も規定をいたしておりません。ただ、リコールの条件といたしまして、乱用に及ばないように選挙後一年間はできない、あるいは三分の一の有権者の署名が要る、こういった条件は規定しておりますけれども、リコールの原因の事実については法律の要件はございません。
#136
○秦野章君 問題はリコールの原因の条件なんだけれども、それがないというのだから、あいつはけしからぬとか、酒食らって何かけしからぬ、何でもいいんですね。それで、もちろん憎まれている人なんかが当たるんだろうけれども、そうでなくても何かの理由で――私は、その懲戒の規定もあるし選挙も四年に一遍あるんだから、合議体の議員の一人一人のリコールというこの規定は間違っていると思うんだよね。これはやっぱり廃止すべきだと思うんだ、こういう自治法の規定は。この自治の精神からいってどうでしょうな。自治大臣、どうですか。
#137
○国務大臣(小沢一郎君) この仕組みにつきましては、先生のお言葉にありましたように、地方自治につきましてはより一層直接民主主義的な要素を取り入れて住民の意見が反映できるようにと、そういう意図から、いろいろな直接請求の制度とかリコールの制度とか、そういうものが設けられたのだろうと思います。ただ、今の個人の議員に対するリコールにつきましては、これは本来の法文にはありませんが、本来は、公約違反とか、ひんしゅくを買うような行為があった場合とか、そういうような意味をもってこの制度が正しく運用されてほしい、そういう中で法律制度としてできてきたものであると聞いております。
 したがいまして、いろんな要件も厳しく定めておりますが、いずれにしてもこれが単なる個人的感情の対立の手段になるとか、政策の違いによる、あるいは先生のお話のような、あれは嫌いだからとか好きだとか、そういうたぐいのものによってこれが乱用されるということがあってはいけないであろうと考えております。ただ、いずれにしてもこれは制度論の問題になりますので、その兼ね合いをどこの辺に置くべきがいいか、そういう判断の問題であろうと思います。
#138
○秦野章君 外国と日本、実情違うから一概に言えませんけれども、普通の自治体に立法例としてありますか、こういう規定が。
#139
○政府委員(大林勝臣君) 最近の諸外国の状況はつまびらかではございませんけれども、現在こういった個々の議員についてのリコール制度を設けておりますのはアメリカと承知いたしております。それからスイスが、これが地方自治のもとだとよく言われておるのでありますけれども、スイスの場合には一般の公務員について一部の州がこういった制度を設けておると承知しております。
#140
○秦野章君 アメリカにあるということだが、日本のようなファミリーというか、日本のような国ではちょっとこの規定は行き過ぎじゃないか。行き過ぎだし、また自治の破壊になるんだ。これ今まで例はないだろうと思うんだ、こういう例は。私はこれは自治省が廃止すべきだというふうに考えた方が当然だと思うんです。私が心ある野党の人に聞いても、やっぱりあれはおかしいおかしいと言う人が多いですよ。だから、自治大臣、そんな慎重にならぬでいい。これは本当におかしいから前向きに検討してくださいよ。
 何でも一遍できたものは大事にしなきゃいかぬなんていうことはないんで、おかしいものは変えたらいい。これは本当に、あいつけしからぬでリコールになったら、こんなばかばかしいことはないですよ。リコールは三分の二ですか、投票が、そういう制約はたしかあろうと思うけれども、それにしてもやっぱり、あなた今公約違反なんて言うけれども、そのために選挙が四年ごとにあるんだ。そのときにやればいいんだよ。何で総力を挙げて自治体で一人一人のリコールをやるかというのは、私は理解できないんだ。これひとつ前向きに検討してください。これ、どうですか。
#141
○国務大臣(小沢一郎君) 先生の御指摘のように選挙があるわけでございます。しかも首長は中央政府の機構と違いまして直接選挙で選ばれる。そういう点まで地方自治については仕組みとしてなっておるわけであります。自治体のいろいろなこういった制度の運用につきまして、自治省といたしましてもいろいろな事例を検討いたしまして勉強いたしたいと思っております。
#142
○秦野章君 逗子のリコールの問題でこの前社会党の和田委員がいろいろ質問されましたが、三月十一日の地元の新聞、神奈川新聞というのがあるんです。この新聞に「逗子リコール中の施設庁ビラ配布」は、要するに「地方自治への介入」と、こう大きな見出しなんだ。「地方自治への介入」と、こう出ているんだが、地方自治への介入をしたんですか、自治大臣と防衛庁長官にちょっと聞かなきゃいけない。
#143
○国務大臣(加藤紘一君) 私たちは防衛施設庁が行っておりますPR活動、広報活動の一環でやっておりますことでありまして、自治に対する介入とは思っておりません。
#144
○国務大臣(小沢一郎君) 防衛庁がただいま御答弁のとおり、その政策を理解してもらうために広報活動をするのは、それは一向構わないことであると思います。
#145
○秦野章君 それじゃ、新聞記事間違っているということになるんだな。これは「地方自治への介入」、こんな横大見出しでこういうのが出たんだ。それから朝日新聞では、自治相が暗に批判と、こう書いてあるんだよ。自治大臣、このいわば防衛施設庁の宣伝に対して自治相が暗に批判と、こう解説にも見出しにも出ているんだ。こういうのは果たして批判したのかな。どうですか。
#146
○国務大臣(小沢一郎君) 新聞はそれぞれその自分らの主観に応じていろいろ書いておりますから、それに基づいての質問に私は答えるわけにはいきませんけれども、私が和田先生の御質問にお答えいたしましたのは二点ございます。これは常識的な判断として申し上げたのでありまして、一つは、国が国有地の上に国の必要に応じて工作物を建てたりすることは、これは法的、制度的に地方公共団体の許可を得るとか住民の許可を得るとか、そういう必要性は何らないものでございまして、国は自由にできることでございますと。それからもう一つは、国の基本的な政策のあり方として、これはお互いに国、政府が政策を実行する場合には国民の理解を得て初めてその政策効果、目的を上げることができるわけでありますから、できるだけ国民の理解を得るようにすることはまた当然のことであると思いますと、そう申し上げたわけであります。
#147
○秦野章君 国がやるときはいろいろ理解を得るというのは、これは余りにもイロハのイなんだよね。今自治というものは、リコール合戦やって大方まともじゃないときに、そういうイロハのイを言っているとこういう記事になってしまうんだ。新聞だけが悪いとは言えないんだよ。自治の中でも、例えば税務署が青色申告時代に市長や町長と関係なく町の人集めて説明するでしょう、あれと同じじゃないですか、防衛庁がやっているのは。関係ないんだよ。施設をつくるのだから理解を得るということはいいんだけれども、余り一般論でやるとこういう記事になってしまうと私は思うんです。だから、ひとつ答弁には気をつけないと、新聞だけが悪いとも言い切れないんだ。私はそういう感じがするんです。
 それから、逗子は自然を守る会というのが頑張っているんだけれども、それは頑張ったらいいと思うんだ、そういう考えなら。ところが、自然がどのくらい壊れるのかというんだ、こういう説明も防衛施設庁なんかの説明がちょっと弱い。例えば一言で言ったら、あの三浦半島とか湘南地帯、あそこに十幾つか市町村があるんだけれども、その中で自然が一番多いのは逗子なんだ。これは統計があるわけでしょう。これは答えてもらってもいいんだな、佐々君、後で答えてくれよ。とにかく一番緑が多いわけだ。それで海があるわけだ。しかも軍人家族が来るということは、町にアメリカさんが来て町を歩いたりなんかして、言うならば国際都市になる、ユニークな町になるのに尊王攘夷みたいなことを言う。尊王はともかくとして、一種の攘夷論でしょう、外国人来ちゃいけないと言うんだから。そんなことを今どきやっているのは、これは逗子なんという比較的歴史的にも文化的にも上等な町が何を言っているんだと思うんだけれども、しかしそれも理解させなきゃいけないんだよね。青色申告なんかの税務署の例を見たら一番よくわかる。
 それから、何か施設をつくるんだからそれは了解を得るというようなことはいいんだけれども、それは国の事務と地方の事務というものは、理解とか一般論はともかくとして、とにかく緑の問題にしても説明の仕方というものはちょっと弱かったという反省もあるんだけれども、これからの問題もありますので、特に防衛庁とかそういう役所というものは人一倍よその役所よりもPRとか宣伝とか、それが大事だと私は思う。私は資料をもらったけれども難しい文句ばっかり書いてあったよな。
#148
○理事(桧垣徳太郎君) 秦野君、時間が来ました。
#149
○秦野章君 それは私も役人上がりだから、自分がやっているときにはそういうことをしたのかもしらぬけれども、いずれにしてもよりリアリティーがなくちゃいかぬ、リアリティーが。とにかく神奈川県でも緑のある方なのだ。上から何番目だったかな。それちょっと答えてください。ある方なんだ、湘南だけじゃなく、全県下でも。
#150
○政府委員(佐々淳行君) お答えいたします。
 神奈川の全県の面積が二十四万ヘクタール、森林面積九万七千ヘクタール。約四〇%でございます。この逗子よりもましなのは、神奈川県下三十七市町村のうちの松田町、箱根町、湯河原町などの九市町村。これに対しまして逗子は、全面積千八百ヘクタールに対しまして千ヘクタールの緑がありまして五六%。確かに私どもの緑の問題についての御説明が十分でなかったために、その説明不足を我々本当に反省をいたしております。
 逗子の池子の問題も一生懸命御説明したつもりでございますが、わかりやすく御説明をいたしますと、全面積二百九十ヘクタール、そのうち既に二十五ヘクタールは弾薬庫だとか道路だとか倉庫だとか裸地になっておりまして、今度はこの面積のうちの約五十ヘクタールについて九百二十戸の建設工事をいたしますが、県条例によりましてその三十ヘクタールはまた木を植えたり芝生を植えたりして緑に戻す、こういう県条例の規定がございますので、実際に住宅、道路、倉庫等になりますのは二十ヘクタール。この二十ヘクタールのうちの十ヘクタールは、さっき申し上げました既に裸地になっているところを使いますので、緑が削られますのは十ヘクタール。全体の現在残っております二百六十五ヘクタールの四%でございます。
#151
○秦野章君 委員長、ちょっと一つだけ。
#152
○理事(桧垣徳太郎君) 簡単に。
#153
○秦野章君 余り難しいことを言うことはない。三浦半島と湘南地帯では一番緑があるんだ。それから何番目と言ったら、もうとにかく山の中の町を入れて三十七市町村のうちの十番目だから、そういうふうに簡単に言えばわかりいいんだけれども、ちょっと手が込み過ぎているんだ説明が。もっとリアルな説明をひとつすることが大事だと思います。
 それじゃ、どうもありがとうございました。
#154
○理事(桧垣徳太郎君) 以上で秦野章君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#155
○理事(桧垣徳太郎君) 次に、刈田貞子君の質疑を行います。刈田君。
#156
○刈田貞子君 私は、まず最初に円高差益と原油値下がり差益の還元問題についてお伺いをいたします。
 通産省の電力・ガス差益問題懇談会が二十八日までに大筋の結論を出すと聞いています。電力、ガスの還元問題についてはこれまでいろいろと新聞等の論評あるいはまた当委員会においての答弁等もありますけれども、いろいろと相かまない部分があるかと思いますので、まず通産大臣に基本的な見解をお伺いします。
#157
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはもうここで何十回となく御答弁申し上げているわけですが、結論同じことをまた言わなければならないわけです。
 結局、還元問題と申しましても、問題は還元幅が幾ら、そのボリュームですね、どれくらいのボリュームになるかということでやり方が多少違いが出てくるかと存じます。円レートだけでやるのか、それとも石油の値下がりを見込んでやるのかということで、かなり違いが出てきます。私といたしましては、多少もう少し時間をかけてみても、石油の値下がりの動向というものを押さえて石油の値下がりを見込めるようにしたいなと、そう思っているわけです。その方が還元の量が大きくなります。
 それから、還元する場合は、例えば電力の場合はやはりこれは原価主義と、法律がそうなっておりますので、やはり需要者というものを頭に置いて、なおかついっぱい内需拡大をやれというのは、これはもう与野党を問わずみんなが言っているわけですから、内需拡大に役立つような還元の仕方は、どうしてもこれはやらざるを得ない。基本的な考えといえば大体そういう考えで、今各方面の皆さんの御意見もお聞きをして、採用できるものは極力そういう趣旨で採用をしていきたい。よく衆参両院の方々、あるいは懇談会を設けまして学識経験者の方々等からいろいろと御意見を拝聴しておる、世界の情勢を見守っておる。幾つもの仮定計算はありますよ、仮定計算は。だけど、これという決まったものはないから、みんなばらばらな新聞が出てくるということであります。
#158
○刈田貞子君 企画庁長官、いかがですか。
#159
○国務大臣(平泉渉君) 基本的に通産大臣が答弁申したとおわでございますが、我々としては、需要者に還元するという原則ができる限り貫かれるように、今十分協議を調えておるところでございます。
#160
○刈田貞子君 これまでの通産大臣の答弁によりますと、還元することはするとおっしゃっているんです。そうすると問題は、具体的に時期、規模、そして方法であります。いかがでしょう。
#161
○国務大臣(渡辺美智雄君) そのとおりであります。
   〔理事桧垣徳太郎君退席、委員長着席〕
#162
○刈田貞子君 企画庁長官は三月十八日、閣議後の記者会見で、三月いっぱいにまとめなければならない、四月上旬の総合経済対策会議では間に合わぬと、こうおっしゃっている。それからエネルギー庁の首脳は、円高差益と石油値下がりの還元は、時期は早くても六月と、こう言っています。食い違っておりますが、いかがですか。
#163
○国務大臣(平泉渉君) あの報道、あるいは私の舌足らずかもしれませんが、私が考えていますことは、とにかく四月の総合経済対策というときに、非常に皆さんの期待というか、また諸外国からも関心を集めていることでありますから、少なくともこういった問題というのは方針が明らかになるという方角で、各省庁のこれはなかなか事務的な協議のある仕事でございますから、進めて早くしたいという経済企画庁の調整官庁としての私の意向を表明したと、こういうふうに御理解を賜りたいと思います。
#164
○刈田貞子君 大蔵大臣にちょっとお尋ねしたいんですけれども、今通産大臣が言われたように、石油の値下がりをもうちょっと見通したい、あるいはまた円高の状況についてと、こういうことを言われるわけでありますけれども、円高の見通しについてはいかがでしょうか。逆介入の話等もこの委員会でさんざん論議されましたけれども、いかがですか。
#165
○国務大臣(竹下登君) 為替相場ということになりますと、これは市場が神様で、神様がお決めになることでございますから、私から見通しを申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。
#166
○刈田貞子君 それでは、いろいろ論議されていることをお伺いします。
 その方法です。方法は暫定的に還元するという方法と、それから料金体系を抜本的に見直すという関係が両方あわさって報道されていますが、いかがですか。
#167
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、早く還元するとすれば、料金体系を抜本的に見直すというのはかなり時間のかかる話でございますから、抜本見直してない方法の方が早い時期にできるんではないかと思っております。
#168
○刈田貞子君 その抜本見直してはない方法というのは、現状で使われている産業用の特別割り増し料金制度、それから一般家庭用の三段階料金制度、これには手をつけますかつけませんか。
#169
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは先ほど申しましたように、ひずみの是正という問題は考えなきゃならぬ。内需拡大内需拡大皆さんがおっしゃって、景気をよくせいと、こう言っているわけでありますから、やはり苦しい産業等もあって、そこも見なきゃならないし、また工場その他もつくって、テクノポリス、やれ何のかんのといっぱい新しい設備投資をやれと皆さんおっしゃるわけですが、設備投資をやれば罰則的に余分な電気料を取るよという制度になっているわけですね。罰則的というか、余り新しくつくられたのでは電気量が足らなくなるしするので、コストが余計になるから、あなた方新しい人が持つのだという思想なんです。これをそのまま置いていいのかどうか。やはり時代の要請と少し矛盾しているものもございますので、全部直すかどうかは別としても手直しはせざるを得まいと、そう思っております。
#170
○刈田貞子君 それは電気料金体系の抜本的改正ということになるんですか。
#171
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは抜本的改正ということにはなるまい。
#172
○刈田貞子君 ならない……。
#173
○国務大臣(渡辺美智雄君) ならない、法律上。
 それから、法律上の問題について必要があれば、エネルギー庁長官がおりますので、細かいことはエネルギー庁長官から答弁をさせます。
#174
○政府委員(野々内隆君) 基本的には電気事業法十九条に基づきまして電気の供給規程を改定するというのが好ましいわけでございますが、これをやりますためには、すべてのコストを洗いかえ、また公聴会を開き、かなりの時間を必要といたします。そういう構造的な料金改定のためにはやはりある程度見通しが安定をしている必要があるかと考えておりますが、御承知のように、今為替レート、それから石油の価格の見通しが非常に難しい段階でございますので、現状から判断しますと、大臣お答え申し上げましたように、とりあえず暫定的に電気料金を一部手直しをするという形をとり、かなり長期の見通しのついた段階で抜本的な改定をやるのが好ましいのではないかというふうに考えております。
#175
○刈田貞子君 一般需要者への還元は六十年度分は難しいということですが、これはどうですか。
#176
○政府委員(野々内隆君) 六十年度と申しますと今月末まででございますので、三月末までの料金にさわることは、これは事実上不可能かと考えておりますが、今後考えます差益問題のときに六十年度の差益まで含めて検討の対象にするのかどうか、これは今後の検討課題かと思っております。
#177
○刈田貞子君 内需拡大策が昨年打ち出されたときにガス・電力業界は内需拡大のための策を打ち出されましたですね。電気が三年で一兆円規模、それからガスが一千億ですか、これを三月−四月の公共事業空白の時期に前倒しをさせるということですけれども、これはいかがですか。
#178
○政府委員(野々内隆君) 二つの別の問題であろうかと思っておりますが、昨年の内需拡大策一兆円は、三年間に一兆円の積み増しを行うということを決定したわけでございますが、私どもとしましては、現在の内需拡大要請が非常に強い状況でございますので、できるだけ既に決定をした設備投資あるいは今回積み増そうとしている設備投資、こういうものを四−六月に繰り上げて実施をしてはどうかということで、業界に今要請をしている段階でございます。
#179
○刈田貞子君 それによって起きる内需拡大への影響はどのくらいと見ていますか。経済企画庁にもあわせてお伺いします。
#180
○政府委員(野々内隆君) まだ要請をし検討の段階でございますので、四−六月にどの程度繰り上がることが可能であるかというのがまだ数字が出ておりません。したがいまして、それについての波及効果を申し上げる段階ではございません。
#181
○政府委員(斎藤成雄君) 経済企画庁は、資源エネルギー庁と相談をしながらこの問題を処理することになっておりまして、まだ資源エネルギー庁の方で数字をまとめておりませんので私ども数字をつかんでおりません。
#182
○刈田貞子君 いずれにしても答弁が渋いのでありますが、ただいまの電気料金の基礎は二百四十二円ですね。そして、バレルでは三十二ドルでしょう。大変な差があると思うのですね。OPECの総会では十八ドルぐらいに安定させようという話も出てきておりますけれども、通産大臣、いかがですか。
#183
○政府委員(野々内隆君) 実は、通産大臣から私ども、できるだけ早くやるとしたらいつできるかという御下問を受けまして、まだ答えが出ないのですが、と申しますのは、石油の価格につきまして昨年一年の平均がバレル二十八ドル八セントでございますが、一月が二十七ドル七十七セント、二月が二十七ドル五十七セントでございます。したがいまして、今私どもが推定をするとしますと全くフリーハンドで推定ができなくて、やはり現実を踏まえた推定になりますと、二十七ドル五十七セントをベースに推定をすることになります。そういたしますと、余りにもかけ離れた数字になるおそれがありますので、三月の数字が出ますのが四月中ごろになろうかと思っておりますので、やはりその三月の数字を見てから考えざるを得ないと、こう思っております。したがいまして、四月中ごろよりも前にそういう推計数字を出すことは、かなり無責任なことになるんじゃないかというふうに考えております。
#184
○刈田貞子君 いずれにいたしましても、私ども消費者は事業法十九条の精神を曲げない形で直接、間接にやはり利用者に還元をしていただくということが一番の策であろうかというふうに思いますので、その筋を曲げないでいただきたい。対外的に海外援助基金に利用するとか、あるいは高齢化社会対策基金あるいはがん対策基金というふうないろいろいい提案はあります。ありますけれども、事業法十九条の原価主義にのっとれば、それはやっぱり私は筋が違うというふうに思いますので、この点通産大臣いかがですか。
#185
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御説は本当に重要な話だと思っております。
#186
○刈田貞子君 次に、悪徳商法の話を伺います。
 通産省のお出しになりました六十一年版「消費生活へのしおり」六十三ページに「士商法」というのが載っております。これを説明してください。
#187
○政府委員(松尾邦彦君) ただいま先生御指摘のいわゆる「士商法」につきましては、先生御指摘のありました資料にもございますように、あたかも公の資格であるかのような名称を用いたり、近く国家資格になるのではないかというようなことで消費者にそのような宣伝をいたしまして、資格取得についての費用を拠出せしめる商法だと存じております。いわゆるその資格取得商法という名前で、かねて消費者相談室にも相談件数が相当参っております。例えば六十年で申しますと四−十二月に百十二件参っておりますので、このようなことにつきまして消費者に十分な注意を喚起するよう、先ほど御指摘のありました「消費生活へのしおり」において注意を喚起いたしておるところでございます。
#188
○刈田貞子君 ここにありますのは「通商産業省主管特別講習案内」という申込書なんですね。これはあたかも通商産業省主管の特別講習が開かれるように思われておりますけれども、通商産業省主管はその資格は電気主任技術者という資格だけで、この講習は通産省と関係のない講習会なんです。ところが、あなたは選ばれましたよ、今回の三百人の講習の対象者から関東でたった二名選ばれたのだから、したがってあなたは必ずこの講習に参加しなさい、ついては前金で十六万送りなさいというようなこの種の商法なんですが、大臣いかがですか。
#189
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はよくわかりませんので、わかっている人から答弁させますから。
#190
○政府委員(松尾邦彦君) 先生御指摘のように、あたかも公的な資格であるような名称を用いるだけではなくして、先生がおっしゃいましたように、この講習が公的な形で行われるかのような商法をとる場合もあろうかと存じております。いずれの場合にしましても、私どもといたしましては、消費者相談窓口にそのような案件が出てまいりましたときには個々の実態に応じまして、あるいは必要に応じまして企業との間に入ってあっせんをする等の処理をいたしております。
#191
○刈田貞子君 今回の国会に、国家資格試験の民間委譲についての法案が出てくるようですけれども、御説明してください。
#192
○政府委員(鎌田吉郎君) 現在、国会に提案させていただいております消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案におきまして、臨時行政調査会の答申等を受けてでございますが、公害防止管理者、火薬類取扱保安責任者、高圧ガス製造保安責任者等に係る試験事務につきまして、国の一定の監督のもとに民間の指定機関等に行わせる旨規定させていただいているところでございます。
#193
○刈田貞子君 さっきの申込書ですけれども、これを私持っております、控えを。こういう商法にひっかかっているのは一流企業のエリートばかりです。社内の生き残り作戦のため、そしてまたリタイア後のよき条件ということで、これはもうほとんど一流企業の商社マンばかりがひっかかっているのが実情でございます。消費者問題は女性だけと思ったら大間違いです。それでこういう商法に対しての防御策がありますか。
#194
○政府委員(松尾邦彦君) 先生御指摘のように、このような士商法として私どもの消費者相談の窓口に参ります案件の中身を見てみますと、もちろん通産省にも参っておりますけれども、通産省と直接関係のないものもございますけれども、大体今先生御指摘のように企業の法務とか企業経営とか労務、税務とか、いわゆる経営コンサルタントに関係があるような商法の場合が多いようでございます。そこで私どもは、御案内のように中小企業診断士という制度が通産大臣登録の国家資格となっておりますほかは、すべて民間団体が自主的に決めているものであるわけでございますので、私どもとしましては、先ほど先生御指摘ございました消費者へのPR資料におきましてその旨をまず明らかにいたしますとともに、今後とも国家資格と紛らわしいような勧誘を行うことのないよう、一つは経営コンサルタントの全国組織でございます社団法人全日本能率連盟におきまして加盟団体に対しまして自主規制によりましてこのような誤解を生むことのないような取り組み方をするよう指導いたしております。さらには今先生の御指摘のありましたような消費者へのPRもいたしているところでございますけれども、なお私どもとしましては、昨年から通産省の中に役務取引等適正化研究会というものを設けまして、このような資格取得講座を含めまして役務取引の実態把握に努めておりますが、このような実態把握を踏まえましてこの研究会におきましてどのような対応をしていくべきか、鋭意今御検討を急いでいただいているところでございます。
#195
○刈田貞子君 この間私が、今、日本ではそのような国家資格というのは全体でどのぐらいあるのかということをお尋ねしたところ、どこでもこの数を把握しておりませんでした。そこで私が調べてみましたところによりますと二百四資格、そして区分数で三百六十四ということになっておりますけれども、どれが本当の国家資格がということがわからないで、それで消費者が、あるいは一流企業の商社マンがこの種のものを知らずにひっかかるということは、やはりこれはどこかの省庁においてこの種の国家資格を掌握しておくことが必要であろうかというふうに私は思うのですけれども、消費者問題のかなめである経済企画庁、いかがでしょうか。
#196
○国務大臣(平泉渉君) 突然の御質問ですので、ちょっと私どもの方で今十分答えを用意しておりませんでしたが、今お話をだんだん伺いまして、またこの問題は、後ほど恐らく先生おっしゃるでしょうが、こういう種類の問題はもうアメリカでも大変頻発しておりまして問題でございます。ですから、そういう意味でも十分検討さしていただきたいと思います。
#197
○刈田貞子君 先ほどの法律であるところの国家資格を民間委譲するという今回のこの措置でございますけれども、これがまたそういうことに悪用される嫌いはございませんでしょうか。
#198
○政府委員(鎌田吉郎君) 私どもが考えております民間団体への試験事務の委譲でございますが、民間団体の指定に当たりましては、法令に基づく基準によりまして厳重にチェックいたします。また一たん指定された後も、基準に適合しないような状態が生じた場合には適合命令を出すということで、十分監督に万全を期していきたいというふうに考えております。
 なお、試験自体は国家試験という性格が残るわけでございまして、試験に関する実務面の事務を民間団体に委譲するということでございますので、この点御理解を賜りたいと思います。
#199
○刈田貞子君 私がこの問題を調べてみて一番遺憾に思ったことは、通産省主管云々というふうに国の名前が平気で使われていること。トラブルとして一番多いのは通産関係と建設関係で、土木何々士という、こういう士ですね。だからやはり私は、国の名前がこういうふうに使われていることを知らないでいるということが大変問題だと思ったことが一つ。それから、やはり国にどのくらいの国家資格があるかという所掌がどこにもないということ。通産省はこの中では御自分のところの分しか書いてないわけですね。だから他の省庁の関与する資格については全然このしおりだけではわからないわけです。それなのに消費者対策だというふうにおっしゃるのはこれは全く片手落ちで、できれば、これこれ、これこれが全部国家資格である、そうでないものについては国はかかわりませんよというふうな消費者へのしおりを出すべきなんだけれども、経営コンサルタントの国家資格は中小企業診断士だけですという自分の所管しか書いてない。これは問題だと思いますけれども、いかがですか。
#200
○政府委員(松尾邦彦君) 御指摘のように、この資料は通産省として作成したものでございますから通産省の所掌について書いたわけではございますけれども、先ほど申し上げましたように、私どもといたしましても、現在役務取引等適正化研究会の場におきまして実態把握と今後の対応のあり方について鋭意御検討いただいておるわけでございます。当然のことながら、そのような検討の中では関係各省庁との連係プレーも必要になってくると思いますので、この研究会の検討に当たりまして関係各省とも十分連絡をとらしていただきながら、遺憾のないように努力してまいりたいと考えております。
#201
○刈田貞子君 男性の方がすべての被害者であるということをよく認識しておいていただきたいと思います。
 次に、豊田商事問題についてお伺いいたしますが、この問題については既に百三国会等を中心にしてたくさんの論議が出ておりますし、またそれに対する各省庁の御答弁がたくさん出ております。したがいまして、私はそういうことの重複を避け、きょうはその後の状況についてどうなっているのかということをお伺いしなければならないというふうに思っております。
 先日、全国被害者の会の方々にお会いをいたしましたけれども、その方々がおっしゃっているのは今私が申したように、国会でたくさんの論議をしていただいた、関係省庁からも答弁があった、しかし私たちには何も返ってきておりませんということでございました。それで、関係六省庁はその後それぞれどんな対応をしてこられたのか。あるいはまた、どんな救済策をとろうとしておられるのか、とってこられたのか。そして再発防止はいかがか。それに対して、なお予算編成時に当たって具体的な予算に盛り込まれた政策、予算等があったらあわせてお伺いします。
 六省庁から伺いたいと思います。
#202
○国務大臣(渡辺美智雄君) 基本的な問題を私がお話しをいたしまして、具体的な案件については担当者から説明をいたさせます。
 通産省としては今までいろんなことをやってまいりました。省略をいたします。
 産業構造審議会に答申をお願いをして審議をしてもらったんですが、ことしの一月から特殊取引問題小委員会を設けまして、三月十日まで五回審議をして、三月十一日に通産大臣に答申がありました。この答申を踏まえまして今後法律をつくろうというわけですが、答申は、商品を預かりかつ利益の提供を約束する事業について、悪質な取引を実質的に禁止する効果を持つような法的規制措置の導入と行政の対応の充実をやってほしいという答申でありますから、その趣旨に沿いまして関係省庁と協議をしながら今国会中に速やかに法案を出したい。これはもう実行しますから。
#203
○政府委員(新田勇君) 豊田商事グループに対する捜査の状況について申し上げます。
 警察といたしましては、これまで豊田商事グループにつきましてその組織実態がどんなものかということの把握に努める一方で、各種法令に照らして違法事実の有無がないかどうかということで究明することに鋭意努力をしてまいったところでございます。特に豊田商事関連グループの中枢に位置すると認められます銀河計画、堅田商事、豊田ゴルフクラブ、ベルギーダイヤモンドなどにつきましては、全国の組織を挙げて重点的に捜査を進めまして、既に刑法の強制執行不正免脱罪などのほか、外為法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、無限連鎖講の防止に関する法律、国土利用計画法の違反事実を突きとめまして、捜査を遂げたものにつきましてはそれぞれ送致いたしておるところでございます。
 一例として、ベルギーダイヤモンド事件というのがございますが、昨年六月二十九日、愛知県警が無限連鎖講の防止に関する法律違反ということで、一道十二県におきまして五十九カ所の捜索を行いました。いわゆるネズミ講を開設運用したということでございまして、十月から十一月にかけてこれはすべて各地検に送致をいたしておるところでございます。警察といたしましては、このたびこの種取り締まりの体制を一層充実強化することといたしております。今後とも消費者保護の立場に立ちまして、消費者の方々に対する啓発活動はもとより、違反行為は絶対看過しないという厳しい態度で臨み、あらゆる法令を駆使して積極的に取り締まりを進めてまいりたいと、かように考えておるところでございます。
#204
○政府委員(吉田正輝君) 大蔵省といたしましては、豊田商事のような悪質商法につきましては、昨年六月以来関係六省庁会議において各省庁連携のもとに対応してきたわけでございますが、この種の取引は多数の消費者を混乱させますし社会的影響も大きいものであるということも考えられますので、被害防止の啓発に努めるというようなことが重要であるということで、また情報の収集、調査にも努めてまいりたいと考えております。具体的には貯蓄運動などの組織が昔からございますが、そういうところで「金融の知識」というようなしおりなどをつくりまして消費者の注意を喚起するというようなことをやっておるわけでございます。今、渡辺通産大臣から御答弁がありました、通商産業省においてこの種の取引の再発防止を目的とした法律案の検討が行われておりますので、大蔵省としてもこれにつきましては引き続き連携を密にして協力してまいりたい、かように考えております。
#205
○政府委員(岡村泰孝君) 検察当局といたしましても鋭意捜査、処理に努めているところでございます。
 強制執行不正免税の事件につきましては、大阪地検におきまして昨年の八月七日、二名を起訴いたしました。そのうち一名につきましては実刑判決がございまして、現在被告人側が控訴中でございます。もう一名につきましては現在大阪地裁において審理中でございます。また外国為替及び外国貿易管理法違反事件につきましては、昨年の十月十一日に神戸区検が二名、それから昨年の十二月二十六日に大阪区検が二名、それぞれ略式命令を請求いたしまして、これは罰金の略式命令が確定いたしております。それ以外の事実といたしまして、豊田商事をめぐります詐欺あるいは出資法違反、またベルギーダイヤモンド株式会社をめぐります無限連鎖講の防止に関する法律違反被疑事件、こういったものがあるわけでございまして、これにつきましては一部警察から送致を受けたものもございますし、また検察庁に告訴を受けた事件もあるわけでございまして、これらにつきましては現在引き続き鋭意捜査中、こういうことでございます。
#206
○政府委員(利部脩二君) 公正取引委員会といたしましては、豊田商事のごとき現物まがい商法その他マルチまがい商法等につきましては、公正な競争を確保し消費者の利益を保護するという観点から、効果的な規制が可能であり妥当であるものにつきましては今後厳正に対処してまいるつもりでございます。通産省で法案を準備しておられることでございますので、通産省とも密接な協力をして再発の防止に努めてまいりたいと思っております。
#207
○政府委員(小島弘仲君) 豊田商事の被害者のうち、それによって生活困窮に陥られた方につきましては、生活保護の適用によりましてその保護に万全を期するように指示しているところでございますし、現在八大道府県、それから十政令市の状況を見てみますと、生活保護の適用を受けておられる被害者の方は二十三名というような状況になっております。
 なお、最近老人を対象とするいろんな事業活動が盛んになってまいっておりますので、それによりまして老人が思いがけない損害を受けることのないよう、厚生省といたしましてもシルバーサービス振興指導室を設けまして必要な情報の収集や伝達に努めているところでございます。
#208
○政府委員(横溝雅夫君) 昨年十一月一日に、総理が議長をしておられまして関係大臣で構成しております消費者保護会議が行われまして、ここで今後一年間の消費者行政の重点を決めていただきましたけれども、その中でも特に豊田商事関係等こういう悪質な商法に対する対応というのは重要な項目として取り上げました。
 これにつきましては、今各省からいろいろ御答弁ございましたが、一つはやはり現行法の厳格な適用、それからもう一つは消費者に対する啓発といいますか情報提供、それから第三番目としまして被害の再発防止のための法整備を含めた検討ということをやることが決定されたわけでございます。
 他方、去年六月以降豊田商事問題にどう対応するか、特に法律上の問題点をいろいろ関係省庁で検討するために関係六省庁、今御答弁ありました警察庁、法務省、通商産業省、大蔵省、公正取引委員会、それから当庁でございますが、この課長クラスの会議、関係六省庁会議と言っておりますが、それをずっと六月以降いろいろ法律上の問題点あるいは被害の防止策、消費者の啓発をどうするか、いろいろ検討してまいりました。
 その一つの結論、流れといいますか非常に大きな動きとして、最初に御答弁がありました通商産業省で法的な対応策を検討する、やっていただくことになったわけでございます。
 それから消費者啓発問題につきましても、幾つかの省からお話がございましたように、特にお年寄りにきめ細かい情報が提供されるような努力をするということもそこで話し合ったわけでございます。
 それから外国の状況、特にアメリカがこういう悪徳商法のいわば先進国のようでありまして、アメリカにおけるこういう悪徳商法の状況とかあるいはそれに対する対応策というのを関係省庁で勉強してこようということもここで話し合いまして、一月に関係省庁で出かけました。
 それから経済企画庁では、企画庁の事務局がやっております国民生活審議会に約款適正化委員会というのを設けまして、これも去年の九月から検討しておりましたが、こういう現物まがい商法の規制についてどういうことを最低限考えておく必要があるかというようなことを検討いただきまして、二月十九日に報告をいただいて、これも産業構造審議会における法案検討の一つの参考にしていただくというようなことをやっておるわけでございます。
 そういうことで、今関係省庁からの御答弁で大体おわかりいただけたと思いますが、関係省庁、鋭意こういう問題に対する対応あるいは再発防止について努力を払ってきたところでございます。
#209
○刈田貞子君 大体御答弁を伺いまして、まあ進んでいるところもあれば、似たような答弁を繰り返しているような感じもしないわけではございませんけれども、いずれにいたしましても、二千億円そして三万人という人たちの被害があるわけでございますね。厳密には二千二十億円ですか、そしてそれが二万七千何がしかの人たちの被害者ということになりますと、単純に割っても一人八百万円の被害であるということで、これは決して小さな犯罪だというふうに思っていただいては困るわけでありまして、今後もやはり再発防止に真剣に取り組んでいただかなければならないというふうに思います。
 それで、今経企庁の答弁の中にはいろいろあったわけですけれども、何といっても今回は被害者の七〇%に近い人が老人だったということですね。この御老人たちにこの種のものをやはり理解させ教えていかなければならないという、いわゆる消費者啓発というのがとても私は大事であろうかというふうに思っておりましたものですから、六十年予算を審議したときに実は及川局長にそのことを尋ねております。及川局長はそのことに対して、六十年度に向けての新しい一つの施策としては、情報化に対応する消費者行政、そして新しい商品の取引、販売方法の変化に対応する一つの施策、そして三番目に、高齢化に向けてということをおっしゃっておるわけです。
 それにもかかわらず、こういう高齢化に向けての施策を打ち出すというふうにおっしゃっておられながら、やっぱりこの種の被害に遭ったのはお年寄りが一番多かったということで、私はまことに残念なわけでありますけれども、消費者行政予算、いずれも削減であります。その中で特に気に入らないのがテレビの時間を減らしたでしょう、経済企画庁。十五分物で消費者啓発をするあのテレビは、お年寄りが見るに実にいい消費者啓発の手段なんです。この十五分物を五分物に削ったでしょう。いかがですか。
#210
○政府委員(横溝雅夫君) 六十一年度予算案におきまして、当庁が所管しております国民生活センターのやっております事業の中で、今、先生御指摘の消費者情報提供関係の中で今までテレビ番組を提供しておりました。十五分番組でやっておりましたけれども、予算上の制約がございましてこれを五分にする方向で検討しているということを聞いております。最終的にどうなったかは確認しておりません。予算も審議中でございますしあれでございますけれども、テレビ関係の予算を削った格好で国民生活センターの予算案をつくったことは御指摘のとおりでございますが、これは内容をやはり効率的にやるということとともに、それ以外の情報提供手段をいろいろ動員いたしまして、実際には効果がより上がるように工夫をしていきたいと存じております。
#211
○刈田貞子君 通産省が一つの前向きな手だてとして新法をおつくりになるということで、その特定商品等の運用受託取引に関する法律案(仮称)について一部伺いますけれども、この新しい法律案の中で一番気になるのが、やはり私は、いわゆる窓口をあけておいて、そうして行為は自由というふうな感じのものだと思うんです。いわゆる規制方法、このことについて、行為規制の内容を、ここで書面の開示あるいは不当勧誘行為の禁止あるいはクーリングオフ制度――これは中途解約等が打ち出されてはおります。あるいは行政調査権及び業務停止命令権ですか、これがいわゆる行為規制の内容として盛り込まれていると思うんですけれども、一番問題はそのもうひとつ底辺にある、規制方法の実を得るには消費者の適切な判断を最終的なよりどころとするという、この基本の考え方が一番私は問題ではないかというふうに思います。
 消費者保護法がその基本理念としているところは、業者と顧客とが対等でないということを前提にでき上がっているわけですから、この消費者の適切な判断を最終的なよりどころとする一番基本の精神については、私は非常に疑問を持ちます。そのことを一点お伺いするのと、いわゆる不当行為の禁止がこれでできるのか、中途解約の解約権は成立するのか、あるいは行政立入検査というのはこれによって実を得ることができるのか、そのことについてお伺いします。
#212
○政府委員(松尾邦彦君) 産業構造審議会からいわゆる現物まがい商法につきましての立法を行うべき旨の答申をいただいておりますが、私どもとしましては早急に立法化の作業を進めている最中でございまして、まだ具体的に法案としての御説明を申し上げる段階にはないわけでございますけれども、先ほど先生が御指摘になられました点について申し上げますと、この産構審の答申におきましても大事なことは二つある。
 一つは、この再発防止のために法律による一定の規制を加えることであるが、もう一つやはり大事なことは、消費者啓発につきまして先ほど先生の御指摘もございましたように、老人等にも十分気配りの行き届いた消費者保護措置を充実すべきだと、この二つを車の両輪として進めていくべき旨の指摘をしているわけでございますので、私どもその答申の趣旨を十分生かしながら、今後立法化作業にも、また消費者保護行政の推進にも当たってまいりたいと考えているところでございます。
 なお、今御指摘のありました答申におきます法案に盛り込むべき内容に関してでございますけれども、確かに、審議会におきましても規制の仕方といたしましては、入り口を規制する、つまり許可制等を導入してはどうかという議論もございました。しかし、慎重に審議会でも累次の議論を重ねましたところ、やはり許可制等を行いますとかえって業者にお墨つきを与えて悪用される危険もある。それからまた、許可を受けたりしました悪質業者についてこの行動を常時把握、監督していくには多大な行政コストを必要といたしまして、行革の趣旨にもそぐわない等々の理由がありまして、行為規制法という形を提案されているわけでございます。
 その場合に、行為規制法の中身につきましては、先ほど先生御指摘ございましたように、契約締結前、契約締結時、契約締結後の三段階にわたりましてそれぞれ実質的に、悪質な取引をやろうと思う企業には実質的に禁止の効果を持つような、そしてまた消費者の被害防止に不可欠な措置を盛り込むべきだという指摘がなされているわけでございまして、先ほど先生が例示でおっしゃいました契約の中途解約制度、これにつきましては従来の立法例にもないようなものでございますけれども、契約の勧誘の段階からこのような制度が消費者のために設けられているということを業者側が十分説明する義務を負わせますし、契約締結の段階におきましてはその旨明記した書類をやはり提示させますし、この解約を妨げるようないろいろ業者側の不認実な行為につきましては取り締まりが行われるような、そういうような内容の法案にしてまいりたいと考えておるわけでございますので、私どもといたしましては先ほど御指摘の立入検査、報告徴収、業務停止命令、これらと相まちまして、私どもとしては十分実効の上がる法的措置がとり得るものと考えております。
#213
○刈田貞子君 この問題についてはまだまだたくさん伺わなければいけないことがあります。また場所をかえて委員会等で審議をさしていただきたいと思います。
 後ろの先生方が時間を短くしてサービスしろと言っておりますので、少しテンポを速めたいと思います。
 私の意見といたしましては、この種の悪徳商法が広がる、このことを法をつくって規制をしていくということは、政府といえども決して本意ではないというふうに私は思っております。できればこういう法律がない方がいいのだというふうに私も思いますし、政府でもそう思っているのではないかと思う。つまり、この種のものに引っかからないように、かかわらないような消費者がふえていくことが大事であろうというふうに思います。今の通産省からの御答弁にもありましたように、法をつくるのと相まって消費者啓発に臨んでいくというふうにおっしゃられました。
 そこでお伺いをいたします。消費者啓発の問題ですけれども、私はこれまで消費者啓発については学校教育の中で消費者教育というテーマを設けてやはりやっていく方がいいのだということをお伺いしてきたわけでありますが、これはあくまで経済企画庁との一問一答でやってきたわけであります。本日はお忙しいところ海部文部大臣にお出かけいただいておりますので、まず今日の学教教育課程におけるこの種の教育はどんな状況になっているのかお伺いします。
#214
○国務大臣(海部俊樹君) 学校教育におきましてはそれぞれの児童生徒の発達段階において教えるように心がけておりますが、学習指導要領に基づく教科書においては、中学校の段階におきましては例えば社会科「公民的分野」で消費生活と経済の仕組みあるいは消費者保護について理解させるように記述を深めておりますし、高等学校に参りますとさらに一歩進めまして「現代社会」あるいは「政治・経済」というところで消費者保護と企業の責任、あるいは「家庭一般」のところにおいては家庭生活の設計などの学習の中で消費者としての正しい態度と自覚を育てることを記述をし、さらに全面的な学校のその他の行事全般においても社会と対応しながら一層適切に指導していくように努めておるところでございます。
#215
○刈田貞子君 文部大臣は消費者の四つの権利というのを御存じですか。おっしゃってみてください。
#216
○国務大臣(海部俊樹君) 教科書にも書いてありまして知っておるのでありますけれども、今どこに書いてあったのか、ちょっと済みませんが、消費者の権利につきましては、一、安全であることの権利、二、知らされる権利、三、選ぶ権利、四、意見が聞き届けられる権利の四つが基本的なものと考えられてきております。
#217
○刈田貞子君 これは一九六七年にアメリカのケネディ大統領が議会に対して、消費者保護に関する特別教書を送り、消費者の権利宣言を行った大事な四つの権利であります。その後、一九七五年にフォード大統領は、これに消費者教育を受ける権利というのを一つ加え、ただいまアメリカでは消費者五つの権利というふうに言われておりますけれども、四つの権利が全世界に認められておりまして、今や世界のコンシューマリズムの理念になっているわけであります。
 お手元に差し上げました資料をごらんいただきますと、その消費者の四つの権利について、教員養成教育を受けている学生さんの認識についてアンケートがとってあります。これは日本消費者教育学会の資料でありますが、その中でこの四つの権利について知っている人は二・六%しかなかった。その二・六%の人がどこで知っていたかというと、中学校と高校のときにたしか少し教えられたという感じなんだと思います。こういう認識度であります。
 それからもう一つ、我が国の消費者保護に関する消費者保護基本法は、四十三年、私どもの大先輩の神近市子先生が中心になって、国会の与野党の先生方が一致して議員立法としてできた基本法というふうに私は聞いておりますけれども、我が国の消費者保護の基本になります法律でございます。その消費者保護基本法についての認識度も、そのお手元にあります資料のとおり大変低いということであります。これは普通の学生さんではありません。教員養成を受けて、将来教職に立つ人たちの認識度であります。いかがでしょうか。
#218
○国務大臣(海部俊樹君) いかがでしょうかと言われますと、まことにこれは申しわけのない低い数字だなと思いますし、中学校のとき、高等学校のときそれぞれ習った記憶はあるという人はかなりおるわけですから、教科書をもっとしっかり勉強して記憶にとどめていただきたいということを私としても期待と希望をしております。
#219
○刈田貞子君 私は、臨教審のメンバーが発表されたとき、そのメンバーの面々を見ながら、人間の生命全体に迫るあるいはまた生活をすべて見渡せる立場に立って物が言える人はいないなというふうに思いまして、臨教審ではこの種のものは論じられないであろうというふうに私どもは言っておりましたが、臨教審ではこういうことを論じておられないということを先般報告を受けまして大変残念に思っているわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、消費者問題というのは主婦やあるいはまた暇のある人たちの運動ではございません。生活をベースにして社会の中に人間が生きる権利を主張し、そしてどう完璧な人生をつくり上げていくかという、むしろ基本になる教育であるというふうに私は思っておる者の一人でございますけれども、この種の消費者教育が非常に軽視されていること、このことを私は今日大変に遺憾に思っている者の一人であります。先ほど海部文部大臣も、大変エリートでこられたお方でありながら、四つの権利はカンニングをしなければ言えなかったという実態がございますので、私はこのことを思うにつけましても、日本の行政における消費者教育の立場というものがいかに厳しいかなというのを感じております。
 もう少し演説をさせていただきますと、社会教育の場でやるのがいいのだということで、社会教育をベースにこの消費者教育が進められてきました。しかし社会教育は、これを受ける人が特定の人であり、そして体系的に教えていかれないということが欠陥になって、学校教育にそのカリキュラムが組まれていくべきであるという方向にだんだん向いてきたわけなんです。そして、これも大変浅学な私が申し上げるのはお恥ずかしいんですけれども、戦後日本の教育は、二十二年のカリキュラム改定のときに、たしか生活をベースにして教育を考えていくというこの種のものが論議され、そこから発展したはずでございます。それが高度成長期に入って、三十六年ごろには、もう技術、知識、そして産業優先のそうした基本的理念を持ったカリキュラムができ上がっていく。今、そのひずみが出てきているのではありませんか。大臣いかがでしょうか。
#220
○国務大臣(海部俊樹君) おっしゃいますように、戦後、物のなかったときは、国家的にも追いつけ追い越せという目標で努力をしてまいりましたから、学校教育においてもやはりそういったようなことに偏りがちなカリキュラムになった時期があったことは確かに御指摘のように思います。ですから、学習指導要領の改定のときなんかに、やはり追いつけ追い越せだけではない、物だけですべては片づかない、極端なことを言えば、物で栄えても心で滅びてはいけないという面等も出てまいりまして、人間一人一人が大切にされなきゃならぬという社会の動きの中で心を大切にする教育というものも生まれてき、現在のカリキュラムの中では消費者保護の面から、先ほどちょっと二、三具体例を申し上げましたように、小学校、中学校、高等学校、それぞれの教育課程、きちっと書いてありますから、それに従って指導書もできておりまして、教科書の中にもいろいろな指摘がなされており、学校でも一生懸命前向きに取り組んでおる、こういうことでございます。
#221
○刈田貞子君 ここに「月刊消費者」という本に投書がありましたのを持ってまいりました。
 最近、世間にいろいろな悪徳商法が横行している。それは子供の社会にまで入り込んできている。子供向けの雑誌に子供が欲しがりそうな商品の広告を載せて、子供が代金を送金したのに何も物が送られてこないというようなことから始まって、収入のない大学生を対象とした低利の学生ローンと銘打ったサラ金の営業までいろいろあるようだ。このような社会の状況の中で、子供のうちから正しい価値判断のできる消費者教育も家庭の中で施していかなければならないと思っているこのごろである。しかし、人を信じると教えるのはたやすいが、人には裏がある、人は信じられないものだというふうに教えるのはまことに親の立場としてつらい。こういう投書がありましたが、家庭教育における消費者教育をどのように認識していらっしゃいますか。
#222
○国務大臣(海部俊樹君) 教育は学校だけで行われるものではございませんし、またそれぞれの物の買い方とか選び方とか、いい物をどうやって見分けるかというようなこと等も、御家庭においてやっぱり教育をしていただくことは極めて大切なことだと受けとめております。
#223
○刈田貞子君 そういう親を育てる社会教育もまた大事になってくるというふうにお思いですね。
#224
○国務大臣(海部俊樹君) 今は子供の立場に立ってちょっと物を言い過ぎたと思いますが、子供を教育するお父様、お母様もやっぱり立派な消費者であってもらわなきゃならぬのは当然の大前提でございますから、社会教育の方でもそういったことには力を入れなければならぬと考えます。
#225
○刈田貞子君 アメリカでは、レーガン教書にあるように消費者教育、消費者問題というのが非常に発達をいたしております。そして、この種の消費者問題は、たくさんの法規制をつくるよりは、むしろ消費者にそういうものにひっかからない教育をしていくということが非常に進んでいるんですね。どうしてもやっぱりこういうものを進めていただかなければ、この種のトラブルはなくならない。先ほどから伺っていると、違法行為でないためになかなかそれが犯罪として認定できないということが、私は先ほどの方々の答弁の裏にあると思うんです。つまり、脱法行為です。脱法行為というものはこれからもたくさん出てくるだろう。私は、やはりそういうものに強くなる消費者をつくっていかなければならないと思います。これは文部省とそれから経済企画庁からも御答弁いただきます。
#226
○国務大臣(海部俊樹君) 家庭教育を充実いたしまして、そのようなよくない行為にひっかからない消費者保護の教育といいますか、学習といいますか、そういったようなものを実施していかなければならぬのは御説のとおりだと考えます。
#227
○国務大臣(平泉渉君) 経済企画庁に国民生活センターというものがございますが、御承知のとおりでございますが、六十年の七月十八日に「お年寄りの皆さん 悪徳商法にひっかからないように」という、こういうリーフレットを百万部刷って配っておる。こういうふうなことで、ことに今だんだんお話がございましたけれども、お年寄りに非常に被害が出やすいので、お年寄りに対して啓発宣伝をするということをほかの省庁にもお願いをいたしておりまして、地方自治体からは全体で九千六百万円の予算を交付金で出しておりまして、高齢者に対する訪問販売についての啓発資料を各県で配付する。また厚生省の方でもいわゆる現物まがい商法に対して機関誌を通じて啓発を実施する、こういうことでいろいろ努力をいたしております。
#228
○刈田貞子君 それにしては経済企画庁の予算が大変この種のものについて削られておるわけですね。先ほども申し上げましたように、今リーフレット、パンフレットをつくるというふうにおっしゃったけれども、老人というのはそういうのは読めないし読まないんですね。だから、テレビがとても私は有効だと思っていたわけです。五分ではスポットぐらいしか入れられないと思いますけれども、再度お考えをいただきたいというふうに思います。消費者問題についてはまだまだ私の立場から申し上げたいことがたくさんありますが、次の問題に移ります。
 低用量経口避妊薬、ピル、この問題のことでございますが、最近これを解禁するというふうな話が出てきているようでございますので、これについて一部お伺いをしたいわけでございますが、その前にまず警察から最近の性非行、性犯罪の実態についてお伺いをいたします。
#229
○政府委員(新田勇君) 六十年中に性非行に関連いたしまして補導いたしました女子少年の数は九千四百二名でございます。十年前の数に比べますと千二百八十八名、一六%の増加となっておるところでございます。
 なお、去年すなわち昭和六十年は五十九年に比べて四百十一名の城となっておるわけでございますが、これは風営法の改正に伴いまして、各種の規制等が営業者によって遵守されるなど、風俗環境を浄化しようとする一つの方向があったのではないかと、かように推察いたしておるところでございます。
#230
○刈田貞子君 厚生省にお伺いをいたしますが、十代の人工妊娠中絶数の推移についてお伺いします。
#231
○政府委員(仲村英一君) 人工妊娠中絶の実態につきましては、優生保護法に定めてございます指定医からの報告で把握してございますけれども、五十九年におきましては五十七万件でございまして、そのうち二十歳未満の件数は二万八千件でございます。丸い数字で申し上げましたが、パーセントで言いますと五%弱ということでございます。
#232
○刈田貞子君 人工妊娠中絶の低年齢化あるいは性非行の一六%増というふうな状況があります。そして、そういう中でピル解禁の話が出てきているわけでありますが、私は賛成でも反対でもありません。やはり客観的にこの問題を考えていってみたいという立場に立っているものでございます。
 そのピルについての我が国が持っているデータ、あるいはこれまで七十万人から八十万人の人が医師の管理下で、つまり治療用として低用量ピルは使ってきているわけでありますけれども、そういう人たちの害等についてお教えください。
#233
○政府委員(小林功典君) ただいまお話がございましたように、我が国では経口避妊薬、ピルは承認されておりませんけれども、これと同じ成分の経口黄体卵胞混合ホルモン剤というものが承認されております。これは月経周期異常等の治療薬として使われているものでございます。
 この混合ホルモン剤による副作用について申し上げますが、副作用モニター制度によりまして、肝機能障害、過敏症等が報告されております。それから、外国におきましては血栓症等の循環器系の疾患の報告がございます。もっとも、この外国の例は、外国で今使われています経口避妊薬は現在我が国で使われています混合ホルモン剤とは用量が違いますので、今、日本で使っている製剤に比べますと副作用はそれだけ少ないというふうに考えております。
#234
○刈田貞子君 私が外国のデータを読ませていただいたものの中で、喫煙高年者といいますか、そのピル服用は死亡率が高いということを聞きましたが、いかがでしょうか。
#235
○政府委員(小林功典君) 確かに、外国の文献の中にそういう報告がございます。
#236
○刈田貞子君 ただいまの我が国の状況の段階でピルを解禁するときのメリットとデメリットについて厚生省はどのようにお考えですか。
#237
○政府委員(小林功典君) ピルを解禁するかどうか、まだ白紙でございますので仮定のお話でございますけれども、仮に低用量ピルで安全性、有効性に問題がないということであれば、これは例えば人工妊娠中絶とかそういうものを防ぎ得るという意味ではメリットがあるかと思います。
 ただ、これは専ら医学的な問題ばかりじゃございませんで、やはり社会的な問題、社会問題への影響といいますか、そういうようなものも同時に考えなければいけませんので、一概にメリット・デメリットというものを簡単に申し上げるのはなかなか難しかろうと思います。
#238
○刈田貞子君 先ほど十代のいろいろな問題が出ておりましたけれども、これはまた文部大臣にお伺いしなければいけないんですけれども、この種のものが社会的に出回るに当たっては、やはり正しい性のあり方というものの認識を高めていかなければならないというふうに思うわけでございますけれども、現在の学校教育における性教育というようなものはどんなふうになっているんでしょうか。
#239
○国務大臣(海部俊樹君) 大きな見地から申しますと、正しい異性の認識の仕方とか、もっと極端に言えば人間の尊厳、生命の尊厳ということをそれぞれの段階に応じて教えるようにいたしておりますし、また性そのものの問題につきましては、保健体育の時間なんかに教科書を通じて男女両性の本質的な違いとか、それをお互いに認め合って、正しい異性関係はどういうものであるべきかというようなこと等について指導をしておるところでございます。
#240
○刈田貞子君 私もしばらくの間、教育委員などという仕事をいたしておりまして、こういう性教育については現場の教師と話し合いをしてきたことがございますが、実は社会の状況の方が先行していて、そして教育現場ではこの種のものは非常に実はやりにくいのだということが言われておるわけでございますけれども、その辺のところはいかがでしょうか。
#241
○政府委員(高石邦男君) 先生御指摘のように、具体的な指導に当たっては大変難しい問題があるわけでございます。したがいまして、一昨年からそういう専門家に集まってもらいまして、先生方が生徒に対して指導する場合の考え方ないしは指導の方法、内容、そういうものの手引をつくるという作業を鋭意進めているところでございます。近く二、三カ月の間にはその手引書の作成ができるという段階まで来ているところでございます。
#242
○刈田貞子君 私は、今の段階で、ビル云々にかかわらず、やっぱり性教育というのは非常に大事なテーマであろうというふうに思います。これは今むしろ教育の現場の方が遅れている。心配をしているのはむしろ医師会等の厚生省側の方が心配をしてきているということで、私の知っておる海老名市の医師会が教育委員会に積極的に申し入れをして、自分たちが講習をするから、まず学校の先生を対象の講習をやらせてほしい、そしてまた父兄を対象に講習をやらせてほしい、そして生徒への触れ合う場もつくってくれ、こういうふうなことをむしろ医師会の側から逆に教育委員会に積極的に申し込んでいるという例を私は知っておりますけれども、文部大臣いかがですか。
#243
○国務大臣(海部俊樹君) 児童生徒を取り巻く環境を整備していただいて、同時に、教育は人なりと申しますが、人生最初に出会う教師であるお父様、お母様とかあるいは学校の先生方の性教育に対する、何か性教育をすることは難しいことだ、恥ずかしいことだというようなことからもう一歩前進して、正しい科学的な知識に従って実際の御指導なんかもいただけるということは、私は今御質問を聞いて大変結構な方向だと思いますので、それぞれの専門知識を持った方や専門の方々が児童生徒の環境をよくするという面において御協力、御理解いただけることはまことに望ましいことである、こう承ったわけであります。
#244
○刈田貞子君 一地域の部分にそういう課題を預けておくのではなくて、私はむしろ文部省がそういうリーダー役にやっぱりなっていくべきだと思うんです。結構なお話ですというふうにして終わらせるのではなくて、むしろそういういい事例を全国的に広げていくようなリード役、これは私はやっぱり文部省でしていただかなければならないと思いますが、いかがですか。
#245
○政府委員(高石邦男君) 御指摘のとおりに、先生方がまず的確な指導ができるようにしていくことが大切だと思います。したがいまして、養護教諭等にそういう指導をしてもらうほか、担任の先生とか、そういう方々も正確な指導ができるようにしていくということが必要でございますので、先ほど申し上げておりますような手引書等をつくり、関係資料等もできるだけ流して、そして教育現場でそれらを利用して的確な指導のできるような体制をつくっていきたいと思っております。
#246
○刈田貞子君 厚生大臣にお伺いいたしますけれども、厚生大臣はこの種の性教育という問題についてどのようにお考えですか。
#247
○国務大臣(今井勇君) 厚生省としましても、おっしゃいますような性教育の問題につきましては大きな関心を持っておりますし、特に、性に関する正しい知識を普及することのほかに、生命の尊厳といいましょうか、それから他人への思いやりなど、豊かな人間性をはぐくむというために広い観点から教育を進める必要があろうと考えております。
 そこで、厚生省といたしましても、例えば健全母性の育成事業、それから思春期の性に関する保健問題についての相談事業でございますとか、あるいは保健所におきます健康教育、これは婚前、新婚あるいは母親学級などでございます。あるいは児童相談所、家庭児童相談室などにおきます相談の指導、それから民生・児童委員等によります地域における活動、そのほか特に最近は優良の児童文化財の普及という意味で、児童の健全な育成上有益な優良図書であるとか映画であるとか演劇というものに対します中央児童福祉審議会の推薦など、積極的にこういう問題について今やっているところでございます。
#248
○刈田貞子君 厚生大臣は、基本的にはこのビル解禁についてはどういうお考えをお持ちですか。
#249
○国務大臣(今井勇君) これは大臣として申し上げるよりも、この問題につきましては、今私どもが実はビルの安全性とか有効性に関します医学的評価につきましての検討を行うためにこの間研究班を実は設けまして、第一回会合を六十一年の三月の四日にしておりますが、これは解禁を前提にしたものではございません。それで、このビルの取り扱いを検討するに当たりましては、有効性とか安全性の問題はもとよりでございますが、その社会的な影響などの諸問題に十分気を配りながら慎重に対処しなきゃならぬ、このように考えておるものでございます。
#250
○刈田貞子君 私もまさにその慎重にという立場の者でございますけれども、先ほど来ずっと申し上げているように、性教育に関する実態が現在のような形のものであるのならば、これはまだまだ時期尚早と、こういう感じに思っています。
 そしてもう一つは、先ほども性に関するテーマが出ておりましたけれども、社会ではこうしたものがはんらんをしているわけであります。だから、本当に青少年に正しい認識をさせるための教育と、それからまた医学的立場からのやはり言い分も、先ほどの医師会のように、何とか普及をさせてほしいというのが、これは私の立場から厚生省にお願いをすることなのであります。そのいい例として先ほど海老名市の例を申し上げたわけでありますけれども、ぜひ厚生省としても積極的な正しい性のあり方等について文部省と協力して、何らかのアクションを起こしていっていただかなければ、先ほどの数字で見るような性に関する犯罪、非行というものは非常にふえていっております。そして、それがあたかも当たり前あるいは仕方がないという状況で今放置されております。
 最後に私は、この性教育に関するテーマを私どもの高木健太郎委員が文教委員会で御質問をさせていただきましたときに、当時の森文部大臣はこういうふうに答弁していらっしゃるんです。つまり、社会が先行してしまっているので、文部省としては何とも仕方がないと、何をしていいのかわからないのが現状でありますというふうに答弁していらっしゃるので、まことに素直な御答弁だと思いますけれども、このことについて文部大臣の御決意を伺って私は質問を終わります。
#251
○国務大臣(海部俊樹君) 私も素直に御答弁した方がお許しがいただけるのかもしれませんが、しかしそれではいかにも現状埋没でどうにもなりませんので、今学習指導要領を御説明しましたように、少なくとも男女の出会いというものはもっと厳粛なものだということを学校教育の場で教えるとともに、ビルなんかがもし解禁になっても、そういったものはきょろきょろ買ったり持ったりしちゃいかぬと言うぐらいの教育ができたら、私はやっぱりそちらの万をとりたいと、こう思っております。
#252
○刈田貞子君 終わります。
#253
○委員長(安田隆明君) 以上で刈田貞子君の質疑は終了いたしました。
 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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