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1985/03/25 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 予算委員会 第15号
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1985/03/25 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 予算委員会 第15号

#1
第104回国会 予算委員会 第15号
昭和六十一年三月二十五日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     刈田 貞子君     飯田 忠雄君
     田  英夫君     宇都宮徳馬君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     小林 国司君     坂元 親男君
     小柳  勇君     瀬谷 英行君
     高桑 栄松君     中西 珠子君
     吉川 春子君     橋本  敦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         安田 隆明君
    理 事
                遠藤 政夫君
                志村 哲良君
                桧垣徳太郎君
                降矢 敬義君
                水谷  力君
                和田 静夫君
                太田 淳夫君
                佐藤 昭夫君
                井上  計君
    委 員
                安孫子藤吉君
                岩動 道行君
                石井 道子君
                石本  茂君
                岩本 政光君
                長田 裕二君
                海江田鶴造君
                梶木 又三君
                金丸 三郎君
                北  修二君
                倉田 寛之君
                坂元 親男君
                関口 恵造君
                田中 正巳君
                秦野  章君
                林 健太郎君
                宮澤  弘君
                宮島  滉君
                村上 正邦君
                柳川 覺治君
                稲村 稔夫君
                粕谷 照美君
                久保田真苗君
                佐藤 三吾君
                高杉 廸忠君
                安恒 良一君
                飯田 忠雄君
                大川 清幸君
                橋本  敦君
                抜山 映子君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       外 務 大 臣  安倍晋太郎君
       大 蔵 大 臣  竹下  登君
       文 部 大 臣  海部 俊樹君
       厚 生 大 臣  今井  勇君
       通商産業大臣   渡辺美智雄君
       運 輸 大 臣  三塚  博君
       労 働 大 臣  林  ゆう君
       建 設 大 臣  江藤 隆美君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国務公安委員
       会委員長)    小沢 一郎君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 後藤田正晴君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  江崎 真澄君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       古賀雷四郎君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長  平泉  渉君
       官)
   政府委員
       内閣審議官    海野 恒男君
       総務庁長官官房
       審議官
       兼内閣審議官   本多 秀司君
       総務庁人事局長  手塚 康夫君
       総務庁人事局次
       長
       兼内閣審議官   吉田 忠明君
       経済企画庁調整
       局長       赤羽 隆夫君
       経済企画庁総合
       計画局長     及川 昭伍君
       沖縄開発庁振興
       局長       小林 悦夫君
       法務省人権擁護
       局長       野崎 幸雄君
       外務省アジア局
       長        後藤 利雄君
       外務省経済局長  国広 道彦君
       外務省条約局長  小和田 恒君
       大蔵大臣官房審
       議官       大山 綱明君
       大蔵省主計局長  吉野 良彦君
       大蔵省理財局長  窪田  弘君
       大蔵省理財局次
       長        中田 一男君
       文部大臣官房長  西崎 清久君
       文部大臣官房会
       計課長      坂元 弘直君
       文部省初等中等
       教育局長     高石 邦男君
       文部省教育助成
       局長       阿部 充夫君
       文部省高等教育
       局長       大崎  仁君
       文部省社会教育
       局長       齊藤 尚夫君
       厚生大臣官房総
       務審議官     北郷 勲夫君
       厚生省保健医療
       局長       仲村 英一君
       厚生省保健医療
       局老人保健部長  黒木 武弘君
       厚生省社会局長  小島 弘仲君
       厚生省保険局長  幸田 正孝君
       厚生省年金局長  吉原 健二君
       厚生省援護局長  水田  努君
       社会保険庁医療
       保険部長     花輪 隆昭君
       社会保険庁年金
       保険部長
       兼内閣審議官   長尾 立子君
       通商産業省産業
       政策局長     福川 伸次君
       運輸省運輸政策
       局長       栗林 貞一君
       運輸省地域交通
       局次長      松村 義弘君
       労働大臣官房長  岡部 晃三君
       労働大臣官房審
       議官       田淵 孝輔君
       労働省労政局長  加藤  孝君
       労働省労働基準
       局長       小粥 義朗君
       労働省婦人局長  佐藤ギン子君
       建設大臣官房総
       務審議官     佐藤 和男君
       建設大臣官房会
       計課長      望月 薫雄君
       建設省都市局長  牧野  徹君
       建設省住宅局長  渡辺  尚君
       自治大臣官房審
       議官       石山  努君
       自治省行政局選
       挙部長      小笠原臣也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        桐澤  猛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和六十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和六十一年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和六十一年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(安田隆明君) 予算委員会を開会いたします。
 昭和六十一年度一般会計予算、昭和六十一年度特別会計予算、昭和六十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(安田隆明君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和六十一年度総予算審査のため、本日、日本モデルガン製造協同組合専務理事國本圭一君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(安田隆明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(安田隆明君) 昨日に引き続き、一般質疑を行います。安恒良一君。
#6
○安恒良一君 六十一年度の予算衆議院通過の際に、与野党で申し合わされましたところの所得税減税を初めとする税の負担軽減についての部分について、蔵相、説明していただきたいと思います。
#7
○国務大臣(竹下登君) 昨年の今ごろでございましたか、いわゆる税に対する幹事長・書記長会談申し合わせがございまして、それに基づいて、まず所得税で申し上げますと、この問題は結局そういう議論というものが環境をつくっていただいて、そしてその後の国会で御議論のあったのを正確に税調に伝え、それがきっかけとなって、いわゆる税調で抜本審議をお願いする諮問をするに至った、そういう経過になったではなかろうかというふうに思います。
 それから、あと三つでございましたか、政策減税がございまして、寝たきり老人の問題は、これは既存の制度がありましたので合意に達しました。
 それから、教育減税問題につきましては、当時の議論としてお願いをしましたが、結局中学校だけでおしまいにした者をどうするかとか、あるいは課税最低限に達しない方々は何の恩典もないではないかというような議論から、最終的には歳出の方へゆだねるべきだということで、国費で私学、高校の助成、それの裏打ちの地方費の負担ということで、これは経過的にはそうなりました。
 それから、もう一つの単身赴任減税につきましては、制度上組み立てるのはなかなか難しいというので、最終的には通達によりまして、いわゆる旅費という形でこれの決着がついたという経過ではなかったかと記憶しております。
#8
○安恒良一君 大臣、私の質問にお答えになっていないですよ。
 六十一年度予算通過のときに申し合わせた二項目について御説明を願いたい。
 ですから、全然あなたは去年の話を……。
#9
○国務大臣(竹下登君) 私は、といいますのは、予算がまだ通過してないものですから……。
#10
○安恒良一君 衆議院通過の際の与野党幹事長会談と言いました。
#11
○国務大臣(竹下登君) はい、わかりました。
 その問題につきましては、第一番目の所得税減税の問題につきましては、幹事長・書記長会談でお話しが行われ、そして年内にいわゆる結論を出すというお話でございまして、政府側としては公式に言えば、これに対して最大限の御協力をしなきゃならぬという立場でございます。私の感想で申し述べますならば、いわば政府税調の審議が秋ごろに結論を出すと言っているものですから、ははあさすがだなと、これの推移を横目でにらみながら影響を与えつつ相談しようということではないかなというふうにこれは感じております。まだ会合が行われたということは聞いておりません。
 それから、二番目の政策減税につきましては、これは実務者会談をやって、去年の恐らく政策減税のときのような形でございましょう。それで、今国会終了までに結論を得るというお話であるように承っております。
#12
○安恒良一君 正確を期す意味で事務当局、二項目読み上げてみてください。
#13
○政府委員(大山綱明君) 与野党幹事長・書記長会談の合意事項、一項目と二項目を読ましていただきます。
 一、所得減税については、今国会中に各党間で合意を得るよう協議し、昭和六十一年中に成案を得る。
 二、住宅、教育、パート等政策減税については、できるだけ速やかに実施できるよう今国会中に実務者間で結論を得る。
 三項目以下は省略さしていただきます。
#14
○安恒良一君 官房長官並びに大蔵大臣、当然国会の申し合わせ事項ですから最大限に尊重し、全面協力をされると思いますが、その御決意のほどを官房長官並びに大蔵大臣、お聞かせください。
#15
○国務大臣(竹下登君) これは各党の申し合わせでございますので、これに審議の過程でも最大限協力し、出た結論については最大限尊重すべきものであると考えております。
#16
○国務大臣(後藤田正晴君) それぞれの党を代表せられた幹事長・書記長会談の結果でございますから、政府といたしましては、この申し合わせについては最大限尊重してまいりたいと、こう考えておりますが、なおこの申し合わせの中にございますように、各党間で協議が今後も続けられる、あるいは実務者間でも話し合いをされるということでございますから、政府としてはその推移を見守らしていただきたいと考えております。
#17
○安恒良一君 わかりました。
 そこで、質問を前に進めますが、取り決めにどのように協力をされるかということですが、本予算委員会での総理の答弁は六十二年度に考えるというニュアンスでしたが、衆議院の申し合わせは六十二年度ではなく、さらに六十一年度中でもなく、六十一年実施で、政府よりも早い時期にその実施を決めています。この実施の時期の確認を大蔵大臣、官房長官よろしゅうございますね。
#18
○国務大臣(竹下登君) これは「六十一年中に成案を得る。」と、全く読んで字のごとく承知いたしております。
#19
○安恒良一君 成案を得て実施すると書いてある。
#20
○国務大臣(竹下登君) 恐らくこの文書そのものは「昭和六十一年中に成案を得る。」と、実施するということは書いてないわけでございますが、口頭において「成案を得る」ということは実施することだな、うん、というような話ではないかなと思っておりますが。
#21
○国務大臣(後藤田正晴君) 申し上げるまでもございませんが、この合意事項の中には、「所得減税については、」「各党間で合意を得るよう協議し、昭和六十一年中に成案を得る。」と。なお、「政策減税については、できるだけ速かに実施できるよう今国会中に実務者間で結論を得る。」と。なお、第六項に「右の諸問題につき、今後とも、各党間で必要な協議を行う。」、こう書いてございまするので、政府としては文字どおりこれを承っておるわけでございます。
#22
○安恒良一君 大蔵大臣、今あなたが「うん」と、こう言われましたが、結局、あいまいじゃなくて、六十一年に実施をするということのやはり合意じゃなかったんですか、あなたも言われたように。
#23
○国務大臣(竹下登君) これは恐らく、「六十一年中に成案を得る。」ということでございますから、政府税調が大体秋ごろに結論を得るということになっておりますから、それに対する影響を与えることも考慮しながら「六十一年中に成案を得る。」ということにされたのであろうと思っております。それで、成案を得ればそれは実施するんだなということは、それは、うんと言いましたかどうか定かには、その場所にいませんが、その成案を得たものはそれは実施されるであろうと。ただ、六十一年中に実施するということをいわば限定してなされた問答とは必ずしも受けとめておりません。
#24
○安恒良一君 どうもあなたがいつも言われる言語不明瞭で中身がわからぬですが、少なくとも六十一年中に成案を得て実施するということの方向でやっぱり努力をしてもらわなきゃいけませんので、そこで具体的に言いますが、中曽根内閣は二段階税制改革論をこの委員会でも言われました。予算委員会で私は、そういうことは選挙向けの人気取りじゃないかということも言いました。
 そこで、減税、財源対策を含め税制改革を一段階で行うことに改めて、国会の所得税減税の協議と並行してこれを進める、こういうふうにしてもらいたいと思いますが、これは私の提案ですが、大蔵大臣、どうですか。
#25
○国務大臣(竹下登君) 中曽根内閣で税制改正に伴う抜本的な答申をお願いしますということを税調に諮問をしておる。その税調に対して、その審議のあり方として、順序とでも申しましょうか、まずはどういうところに痛みを感じておるか、ひずみ、ゆがみは那辺にあるかというところから審議をしていただいて、それを可能な限り春ごろにおまとめをいただき、そして秋までに財源問題も含めた最終答申をちょうだいしたいというふうに、いわば審議の進め方についての希望を申し述べ、その線に沿って今税調で濃密な議論が進んでおるという段階でありますので、二段階、答申は一本でございますから二段階と言えるのか、あるいは、ただ審議の順序をそのように希望を申し上げてそういう方向で審議が進んでおるというふうに理解した方がいいのではないかというふうに思っております。
 それで各党間の話し合いは恐らくその辺を横目でにらみながら偉い方のお決めになったことでございますから、進められるであろうというふうに思っております。
#26
○安恒良一君 先ほど官房長官もそれから大蔵大臣も国会の決議は尊重する、こう言われたわけですから、政府税調が独善、独走するのでなく、衆議院決定を踏まえて、さきに野党が提案いたしました二兆三千億の減税をベースに減税の規模を詰める、国会で成案を得て六十一年に実施する、こうされているわけでありますから、与野党の実務者会議に対して大蔵省は政府税調と同様に濃密に、密接な協力をすべきだと思いますが、そのことは約束できますか。
#27
○国務大臣(竹下登君) 実務者の先生、毎度同じようなメンバーでお集まりいただいておりますが、それに対して政府部内の協力姿勢というのは、これは十分に尽くすべきものであるし、今日までもそうしてきております。
#28
○安恒良一君 私は大蔵大臣にお願いしておきたいのは、税のことは大蔵省主税局も先生ではないんです。議会で何を言うのかと、こんな態度では困ると思います。こういうことではやはり官僚独善になりますから、今申し上げたような与野党幹事長の申し合わせを忠実にひとつこの点では実行していただきたい。こういうことについて再度官房長官と大蔵大臣にお答えを願いたいと思います。
#29
○国務大臣(竹下登君) そもそも議会制度というのは税金がどのように分配されるかということを監視するためにできたということも言えるわけでございますので、国会が神様である、こう思っております。
#30
○国務大臣(後藤田正晴君) 今大蔵大臣がお答えしましたように、もともと議会制度そのものが封建領主からの苛斂誅求を議会の承認なくしては税は取っちゃいかぬということで発足したので、議会制度というものの発生の淵源をたどってみましても、国会の御意見、これらは十分反映させなければならぬ、かように考えております。
#31
○委員長(安田隆明君) 関連質疑を許します。粕谷照美君。
#32
○粕谷照美君 与野党合意の第二の質問は、六十一年末までに実施をするということになっている教育減税です。「成案を得る。」ということは、実施をすることを前提にしてやっぱり成案を得ていただかなければ困る、私たちはそう考えております。六十年度の予算の際も同じようにまた合意をされていたわけでありますが、教育減税の中身というものを大蔵大臣どのように把握をされておりますか。そして、実施しなかった昨年の理由は一体何でしょうか。
#33
○国務大臣(竹下登君) 実施されなかった理由から申し上げますと、やっぱり税調でもってたびたびの御指摘がありますと同じように、ああでもない、こうでもないといろいろ議論いたしましたが、結局、率直に言って、高等学校へ行かないで既に中卒で職について、そして税を納めていらっしゃる方とのバランス問題をどうするかというのが一つございました。自分よりふできなのが高等学校へ行って、そのお父さん、お母さんが税の控除、恩典と申しますか、に浴し、おれはおれなりにちゃんと税金を払っている、こういう問題が一つございました。それから二番目の問題は、課税最低限以下の万には及ばないということになるではないかという議論がやっぱり相当かまびすしい議論として行われた。それからもう一つは、私学の方が高いということについて、授業料だけとか入学金だけとか、いろんな議論もございました。
 私学というものは、これはいささか根本論にさかのぼりますが、その学風とかいうものにいわばあこがれて、あるいはその学風というものに対して選んだものであるから、初めからそのことは承知の上で行くんだから、育英資金制度等の対応の仕方は別として、税においてこれを見るというのは、個別の事情をしんしゃくして税の問題を議論すると税制そのものを複雑にするばかりではないか、そういうようなことで、そこで最終的にやっぱりこれは教育というのはいわば助成措置で行うのが本来のあるべき姿だというので、育英とそれから私学助成と二つが問題になりましたが、育英というものもなかなかその積み上げが難しい、さすればということになって私学助成で高等学校、それでその裏打ちでありますところの地方費負担ということで助成措置というところへこれを持っていったということになったわけでございます。
#34
○粕谷照美君 もう一つ、大蔵省はやっぱり新規控除をしたくない、こういう考え方を持っていたのではないかというふうに考えますけれども、しかしことしは住宅減税だとか投資減税、やっぱり政策減税をやっているわけですから、教育減税がやれないという説得力ある今の答弁では私はないというふうに思います。
 それで、文部大臣にお伺いをいたしますけれども、今の教育費の実態調査をやっておりますね。大変な状態になっているというふうに思いますけれども、その父母負担増加の実態を文部大臣としてはどのようにお考えになっていらっしゃるか、伺います。
#35
○国務大臣(海部俊樹君) 教育費の負担が対前年ふえているという結果は先生も御承知のとおりでございます。文部大臣としてどう思うかということになりますと、教育の大きな理想の中に機会均等ということがございます。この教育の機会均等というのが余りにも膨大な教育費負担によって阻害されるようなことがあってはならないというのが基本的に対応する姿勢でございますので、我々も私学の助成とかあるいは奨学金制度の充実とか、そういったことの施策をうんと進めることによってこの問題に少しでも悪い影響の出ないように努力をしていかなければならないと考えております。
#36
○粕谷照美君 今の文部大臣の御答弁は、私は、教育費がずっしりと肩に重くのしかかっている父母の悩みを代表するというところまでいっていないのではないか、一般的な重みだけをお話しになっていらっしゃるのではないかという感じがいたします。
 それで、経企庁の物価モニター調査を見ましても、中堅サラリーマン層の家庭の約八割、その人たちが住宅ローンと並んで教育費負担に大変な重圧感を持っているということが明らかになっているわけであります。それで、六十一年度はぜひとも実施しなければならないというふうに思いますが、国民の教育費負担に対する重圧感というものを大蔵大臣は一体どのように感じていらっしゃいますか。
#37
○国務大臣(竹下登君) これは教育熱心ということが我が国の国民性の第一に挙げられるぐらいなものでございますので、いわば教育費支出というものについては他の支出を削ってでもこれに対応していくという、ある意味における国民性が私は今日の日本をあらしめたのではないかというふうにいつも思っております。かといって、どんなにずっしりとかかってもそれに耐えるべきだという意味で申し上げておるわけではございませんが、それが年々やっぱり教育熱心というものの度合いと、それから環境が複雑化してまいりますから、教育費が肩にずっしりとかかっておるであろうということは私にも理解できるところでございます。
#38
○粕谷照美君 理解していても教育減税をやらないというのがわからないわけですけれども、大蔵省は教育費は家計の処分で税制上の所得控除になじまない、こういうことを言っていらっしゃったのを私どもは聞いているわけですけれども、しかし今就職の資格も高卒以上というのが現実なんですね。九五%の高校進学率があるところから見ましても、税金や社会保険料の強制徴収に準ずる程度の性格を教育費の支出は持っていると思います。すなわち家計の強制処分ともいうべきものでありますが、政策減税の中で教育費減税は不公平感が一番小さいものだというふうに思います。ぜひとも実施すべきでありますが、大蔵大臣、最後の御答弁をお願いいたします。
#39
○国務大臣(竹下登君) 教育減税という問題は税制理論の上からこのような問題が去年も議論になりましたということをきょうは申し上げたわけでございますので、初めからネガティブに申し上げておるものではございません。いろいろな知恵を絞って成案を得られるならば、当然それに対して我々もいわゆる行政上の作業はすべきものであるというふうに考えておるところでございますが、私が最初申し上げましたように、税法の中で非常になじみにくい性格のものであるということが、お互い理解が深まれば深まるだけに、これから知恵の絞りどころもまた大変だろうと私どもも常日ごろいろいろ考えていますが、なかなか積み上げた成果があらわれない。九四・五%の高等学校進学率ということも十分承知いたしての上のことでございます。
#40
○安恒良一君 最近、特に中曽根内閣になって予算編成が増税なき財政再建のもとに一般歳出はマイナスシーリングであります。そのために数々の制度改革や、それからマイナスにするための国庫負担の大幅削減、肩がわりがなされましたが、私はそのことを国民の前に明らかにして、特にそれがサラリーマン、被用者の犠牲でやられているというふうに考えるわけですが、そうではないかということについて基本的な認識について、以下の関係大臣から御答弁をお願いしたいと思いますが、厚生大臣、大蔵大臣、労働大臣、そして総現代行としての総括的な官房長官のお考えをお聞かせください。
#41
○国務大臣(今井勇君) 安恒先生にお答えを申し上げたいと思いますが、これまで行ってきました医療保険だとか年金などの改革は、本格的な高齢化社会の到来に備えまして、こういった制度を今後とも揺るぎのないものとするために給付と負担の両面から公平を図ろうとするものでございます。こういった制度改革の主眼とするところは、増大します老人の医療や年金の給付に要する費用を国民全体の思想に基づきまして全国民を通じて公平に負担をしよう、こういうものでございまして、サラリーマンにしわ寄せをするというような考え方で行ったものではございません。
#42
○国務大臣(竹下登君) 確かに御指摘のように、なかんずく予算編成の概算要求基準を決めます際に前年度同額以下と、こういうことにいたしました上で各省で政策の優先順位を決めていただくという厳しい対応をお願いをしております。したがって、国庫負担の場合、いわゆる国保でございますとか退職医療の問題等々のことを制度改正として今日までお願いしたわけでありますが、私どもが最初から、いわば自営業者というふうな方でなく、給与所得の方を対象にしてそういう作業を、まずそれを前提に対象とすることありきという形で進めたものではございません。
#43
○国務大臣(林ゆう君) 今後高齢者の増加等に伴いまして、これらの負担が増加することはやむを得ない面もあろうかと考えられますが、勤労者の負担ができるだけ過重にならないよう諸制度の改善に取り組んでいかなければいかぬと、このように考えるわけでございます。今後とも適切な経済運営を通じまして、雇用機会の確保や物価の安定を図ることによって勤労者が不安なく安定した生活を営めるような環境の整備に努めてまいる所存でございます。
#44
○国務大臣(後藤田正晴君) 今日財政改革の必要なことについては余り異論のないところであろう、かように理解をしておるわけでございますが、そういった中で財政改革を推進するというためには、何といいましても制度、施策の基本にまでさかのぼって、やはり徹底した経費の節減合理化、したがって、その中でまた政策の重点についてはそれなりの財源配分をする、こういうことでここ数年予算の編成を行ってきておるわけでございます。
 したがいまして、社会保障における各種の施策につきましても、やはり一番肝心なことは、急激な高齢化社会を迎えて将来の安定性をどうして確保していくのか、こういうような観点をやはり重要視しないといけないのではないか。こういう観点から、結果として御質問のようないろんな御意見も出ようかと思いますけれども、やはり安定ということを基本に考えて予算の配分をしておるわけでございまして、これが一概にサラリーマンにだけしわ寄せが行っておるというふうには私は考えていないわけでございます。
#45
○安恒良一君 それでは、具体的にサラリーマンに行っていることをこれから証明したいと思いますが、その前に社会保障の問題のあり方について前回、総理、厚生大臣にお聞きしたんですが、厚生大臣は、吉村委員会が今議論しているが、私のところまで来ていない、こんなことで逃げられました。時間がありませんでしたが、そう言っておきながら、例えばその後、資産を活用した老後保障、国のレベルでも検討、こういうことでいろいろ進んでいます。
 そこで、もう一遍聞きますが、厚生大臣は、我が国の皆年金、皆保険、この制度をどうしようとされているのですか、具体的なお考えをお聞かせください。
#46
○国務大臣(今井勇君) 今後の社会保障の制度につきまして大事な点は、私は二つあると思っております。
 一つは、本格的な高齢化社会を控えまして、年金や医療といった基盤的な制度を揺るぎないものとしていくことが極めて必要であります。人口の高齢化によりまして経費の増大の見込まれますこれらの制度につきまして給付と負担の両面から公平を図り、国民の信頼に足るものとしていきますことは極めて重要な問題だと考えております。
 それから第二に、寝たきりであったり身体障害を持つ恵まれない方々に対しまして思いやりのある施策を講じていくということは福祉の原点であろうと思って、今後の重要な課題だと考えておるものでございます。
#47
○安恒良一君 答弁になっていません。皆保険、皆年金の現在の制度をどういうふうにされようとしているのかと聞いているんです。
#48
○国務大臣(今井勇君) 大変失礼いたしました。
 皆保険、皆年金の問題につきましては、今後とも堅持してまいりたいと思っております。
#49
○安恒良一君 そうしますと、例えば国民年金を発展的に解消させるなどということが吉村委員会で検討されているというんですが、そういうことはありませんね。
#50
○政府委員(幸田正孝君) ただいまの御質問は恐らく国民健康保険のお話ではないかと思いますが、国民健康保険のお話につきましては、私ども現在の国民健康保険をなくしてしまう、こういう考え方は全くございません。やはり将来ともに、被用者保険と同時に、農民なり自営業者の保険として国民健康保険を育成をすべきものと考えておりますが、ただ国民健康保険は、将来の経済社会情勢の変化を考えますと、なかなか厳しい環境になるということは私どもも認識をいたしております。そういった環境の中で、どう国民健康保険を持っていくかというのが私どもの課題であるというふうに考えております。これをなくすという考え方は全くございません。
#51
○安恒良一君 五十七年度に老人保健制度がスタートして、国保への国庫負担の減額は毎年どうなっていますか。
#52
○政府委員(黒木武弘君) お答えいたします。
 五十七年に老人保健法が創設されたわけでございますけれども、その国保の負担減を申し上げますと、五十七年度、一カ月分でございますが約百四十億、五十八年度は千八百五十億でございまして、合計千九百九十億でございます。
 なお、五十九から六十年までの間は、仮に老人保健制度がなかりせば、創設されなかった場合ということで比較しますと五十九年度が千五百三十億、六十年度は千六百六十億の負担減となっているわけでございます。
 さらに六十一年度は、御提案申し上げております老人保健法の改正案によりまして、案分率を引き上げることに伴いまして、負担減は千三百十億円と見込んでおるわけでございます。
#53
○安恒良一君 今のは数字が違っておりはしませんか。
#54
○政府委員(黒木武弘君) 少し丸めた形で、あるいはと思いますが、五十七年度百四十億と申し上げましたが百三十七億、五十八年度が千八百五十二億、五十九年度が千五百二十八億、六十年度が千六百五十八億、それから六十一年度新しく案分率を引き上げることに伴いまして影響額が千三百八億でございます。
#55
○安恒良一君 国庫負担の減額はどうかと聞いたんです。スタートしたから、国保へ国庫負担を当然やるやつのどれだけ国庫負担が助かったか。
#56
○委員長(安田隆明君) 安恒君、起立して質問してください。
#57
○安恒良一君 いや、僕の質問に正確に答えないからだよ。正確に答えたら起立して言うのだ。
#58
○政府委員(黒木武弘君) 失礼いたしました。
 国保の保険料負担分の減額を申し上げましたけれども、国庫負担の減を申し上げますと五十七年度が四十六億、五十八年度が四百五十億、五十九年度が九百七十五億、六十年度が千三億でございます。なお、六十一年度は一部負担も含めまして影響を出しておるわけでございますが、千九百六十三億でございます。
#59
○安恒良一君 老人医療費について六十五年度までの将来の見通しを発表されていますが、それによる被用者保険、国保、国庫負担、全体の老人医療費、それぞれ六十一年度に対し六十五年度はどの程度の倍率になるか。また構成比、現在比はどの程度変化するか説明してください。
#60
○政府委員(黒木武弘君) 老人医療費の将来推計、御案内のように非常に不確定な要素が多いわけでございまして、長期にわたる推計は難しいわけでございますけれども、いろいろ前提を置きまして、かつ今回の制度改正をも前提にさしていただきまして、仮定のもとに推計した数字で申し上げますと、老人保健医療費の総額は六十一年度で四兆二千五百億円でございますけれども、六十五年には、今言ったような形の推計をいたしますと六兆円ということで、一・四倍に増大するものと見込んでおります。
 その内訳でございますけれども、お尋ねの被用者保険の拠出金、保険料負担分でございますけれども、六十一年度の一兆四千八百億が六十五年度には二兆五千二百億ということで一・七倍に増加をいたします。
 国保の拠出金でございますけれども、これも保険料負担分で申し上げまして、六十一年度は五千七百億円、六十五年度は六千億円ということで、倍率にいたしまして一・一倍程度でございます。
 国庫負担につきましては、六十一年度が一兆六千四百億円、六十五年度にこれが二兆九百億円と相なりまして、倍率にいたしまして一・三倍に相なります。
 構成比でございますけれども、被用者保険の拠出金につきましては、六十一年度の三五%が六十五年度に四二%に上がります。
 国保の拠出金でございますけれども、六十一年度の一三%が六十五年度には一〇%へ低下いたします。
 国庫負担につきましては、これも六十一年度の三九%の構成比が六十五年度に三五%になるものと見込んでおる次第でございます。
#61
○安恒良一君 現在の租税収入のうち所得税の額、割合はどうなっていますか。またその源泉徴収分、給与所得分はどのようになっていますか。
#62
○政府委員(大山綱明君) 昭和六十一年度の一般会計分の税収総額でございますが、四十兆五千六百億円でございます。そのうちの所得税の源泉分でございますが、十三兆四千八百六十億円、さらにその中の給与所得に対します源泉所得税収でございますが、これは収入見込み額が十兆七百七十億円でございますが、その中から還付でございますとか政策減税分を除きましたところで給与所得に対します所得税の源泉分九兆五千三百十億円でございます。ちなみに四十兆五千六百億円の中のただいま申しました九兆五千三百十億円の比率は二三・五%でございます。
#63
○安恒良一君 官房長官、大蔵大臣、それから関係大臣、よくそこを覚えといてくださいよ。租税収入のうちの四分の一はサラリーマンであるということですね。
 そこで、次に質問しますが、国保に応分の国庫負担をされていますが、その理由は何ですか。
#64
○政府委員(幸田正孝君) 国民健康保険に対しまして現在、医療給付費の五〇%の国庫負担をいたしておるわけでありますけれども、その理由は幾つかございます。
 一つは、国民健康保険を構成しております被保険者の階層が農家あるいは自営業者等でございまして比較的所得能力が低い、こういう意味合いで、そういった方々に対する国庫負担、こういう意味合いが一つございます。
 それからもう一つは、多くの国民健康保険の被保険者が今申し上げましたような農家あるいは自営業者ないしは無職の方々でありますので、いわゆる被用者保険における事業主負担に相当するものがない、こういうことがございまして、そういった意味合いで国民健康保険に対する国庫負担が行われている。
 それから第三番目の理由は、これは従来言われている理由でございますけれども、今申し上げましたようなものを含めまして、国民健康保険とそれから被用者保険との間にはいろいろな構造上の格差がございます。そういったものについて国の税金によりまして財政的な調整をしよう、こういう意味合いで国庫負担が行われている。
 大きく分けまして以上のような理由が言われているわけであります。
#65
○安恒良一君 以上のとおりいろいろ数字を私は証明したんですが、そこで老人医療費の負担の公平は、この制度の中だけで議論をすべきではないのではないか。いわゆる国保に対する国庫負担も被用者の所得税分が相当回っていると思いますし、また老人医療費に出されている公費負担分、それから国保負担分もやはり被用者保険から回っている、さらに租税収入の中に占める被用者の割合は今証明したとおりで明らかであります。
 そこで私は、それらを抜きにして一つの制度だけの公平論を展開することは間違っているというふうに思いますが、この点について厚生大臣、大蔵大臣、総現代行の官房長官のお考えをお聞かせください。
#66
○国務大臣(今井勇君) 税制の問題を含めました国民負担のあり方を踏まえての御指摘であろうと思いますが、老人保健制度は、御案内のように現在の医療保険の各制度の枠組みを前提にした上で、それぞれが抱えます老人の割合の格差から生ずる負担の不均衡を是正することによりまして負担の公平を図ろうとするものでございます。今回の改正はそれをさらに徹底しようとするものであります。すなわち、サラリーマンも退職しますれば国保に加入するわけでありますから、国保は健保組合の四倍の老人を抱えておりますし、また老人の医療費というのは若い人の五倍もかかりますために、国保のように老人を多く抱える保険は重い負担となっているわけであります。そういうわけで老人保健制度を高齢化社会に対応した安定した制度とするという見地から、今回のいろいろ加入者の案分率などを段階的に引き上げよう、そういうふうなことを考えまして、老人の少ない保険制度も多い保険制度も同じ割合で老人を抱えることによりまして公平に負担をしていこうというものであるわけであります。
#67
○国務大臣(竹下登君) いわゆる医療制度の中における考え方は今厚生大臣からお答えがあったとおりであります。
 私自身この制度を非常に抽象的に表現をいたしますと、いわば私の所管しております国家公務員等共済の際に、国鉄救済のためにいろいろ御配慮いただいたときにこれを労働者連帯と、こんな感じで受けましたが、このたびの制度間の財政調整は国民連帯と、こういう認識で受けとめております。
#68
○国務大臣(後藤田正晴君) 老人保健の制度は、今両大臣がお答えをいたしましたように、各保険が抱えておる老人の割合というものが非常にアンバランスになっておりますから、それぞれの制度間の均衡を図っていく、そうすることによって制度の安定化を図ろう、こういう趣旨のものであろう、私はかように理解をいたしております。
#69
○安恒良一君 どうも私の質問に的確に答えてないんです。老人医療費制度改正を負担の公平と言われている。それはこの制度の中だけで考えるのは間違いではないのかと、いわゆるそのことを言っているわけですが、もう一遍厚生大臣に聞きます。その点どうですか。
#70
○国務大臣(今井勇君) 先ほどもそのような意味を答弁したつもりでございますが、やはりこれは現行制度を建前にしてやっていかざるを得ないものだと考えておるわけでございます。
#71
○安恒良一君 それじゃ、また先へ進めてみましょう。
 五十九年十月に発足した退職者医療制度は、いわゆる従来国保加入者に対する補助、国庫負担をすべて政管、組合等々の被用者負担に肩がわりさせられていますが、その額、各年度別、各保険別にどの程度になっていますか。
#72
○政府委員(幸田正孝君) 退職者医療の拠出金でございますが、昭和五十九年の十月から発足をいたしまして、五十九年の実績六カ月分でありますが、千二百九十七億円であります。その内訳は、政管健保が五百十三億円、組合健保が五百二十七億円、共済組合その他が残余であります。それから六十年度はまだ概算でございますが、全体で三千九百三十六億円であります。政管健保が千五百八十八億円、組合健保が千五百九十二億円、残余は共済組合、船員保険その他であります。それから、六十一年度予算で御審議をお願いしておりますものは予算成立後に算定をいたすことになっておりますが、概算で申し上げますと全体で四千二百億円、そのうち政管健保が千七百三十五億円、それから組合健保が千六百九十三億円、残余が共済組合、船員保険その他ということであります。
#73
○安恒良一君 今度の年金改革による年金の国庫負担の差額はどのように推移していきますか。今度というのは前回やりましたね。それから国民所得比。
#74
○政府委員(吉原健二君) 将来の年金の国庫負担でございますけれども、新しい制度によりますと昭和六十一年度で、五十九年度価格で申し上げますが、二兆七千億円、それから昭和六十五年度三兆三千億円、さらに昭和百年に五兆六千億円、その後若干ずつ減ってまいりまして百二十年に約四兆三千億円、老齢福祉年金を除きました厚生年金、それから国民年金、基礎年金の国庫負組の額でございます。
#75
○安恒良一君 改正前と改正後の差を言ってくださいと言ったんですよ。
#76
○政府委員(吉原健二君) 改正前と改正後を比較してみますと、昭和六十一年度におきましては、五十九年度価格で実質ほほ同額の二兆七千億円でございますが、昭和七十年度で比較をいたしますと、改正前におきましては四兆四千億円、改正後におきましては四兆一千億円、さらに昭和百年で申し上げますと、改正前におきましては八兆三千億円、改正後におきましては五兆六千億円、そういうふうな推移でございます。
#77
○安恒良一君 差は幾らですか、正確に言わなきゃだめだよ。
#78
○政府委員(吉原健二君) 差でございますが、昭和七十年におきましては四兆四千億円と四兆一千億円の差でございますから三千億円でございます。それから、昭和百年で申し上げますと八兆三千億円と五兆六千億円の差でございますから二兆七千億円の差でございます。
#79
○安恒良一君 六十一年度の基礎年金給付費と拠出金との収支の差は各制度別にどうなっていますか。
#80
○政府委員(長尾立子君) お答え申し上げます。
 六十一年度の基礎年金勘定の予算の数字を申し上げたいと思います。全体といたしまして国民年金につきましては一兆七千七百億円の受け取り、厚生年金は一兆四千八百億円の支出超過、共済組合全体といたしまして二千九百億円の超過という形になっておるわけでございます。
#81
○安恒良一君 収支試算はどうなっていますか、各制度別の収支試算。
#82
○政府委員(長尾立子君) 今申し上げましたのがそれぞれの給付金、拠出金の差でございます。差を申し上げました。
#83
○安恒良一君 六十年、六十一年度の政管健保が黒字になったということで国庫負担額を減額していますが、その額は幾らになっていますか。
#84
○政府委員(花輪隆昭君) 政管健保の国庫補助の減額でございますが、六十年度九百三十九億円、六十一年度千三百億円でございます。
#85
○安恒良一君 六十一年度千三百億の料率を下げるとすれば料率は幾ら下げられますか。
#86
○政府委員(花輪隆昭君) 先生のお尋ねは千三百億の特例措置を保険料率に換算した場合のお尋ねかと思いますが、千分の三・一に該当するものと計算いたしております。
#87
○安恒良一君 金額は。
#88
○政府委員(花輪隆昭君) 金額は六十一年度ベースで千分の一で四百十八億というふうに見込んでおりますのでそれの三倍ということでございます。
#89
○安恒良一君 保険金額は幾ら下げられるかと聞いているんだよ。
#90
○政府委員(花輪隆昭君) 料率で申しまして千分の三でございます。
#91
○安恒良一君 千三百億を保険料の引き下げに回したら保険料の引き下げ金額は幾らになりますかと聞いているんだ。人の聞いていることに答えなさいよ。
#92
○政府委員(花輪隆昭君) 千分の三でございまして、額に直すと千三百五十六億ということでございます。
#93
○安恒良一君 被保険者一人当たり幾ら下げられますかと聞いているんですよ。
#94
○政府委員(花輪隆昭君) わかりました。被保険者一人当たりで申しますと、千分の一で被保険者一人当たり自己負担百二十円の軽減額になるものでございますので、それの三倍、三百六十円、こういうことでございます。
#95
○安恒良一君 今、年金の方で、また医療の方でも説明したんですが、今までのやりとりをお聞きくださいますと、ここ数年間の社会保障予算はまさに被保険者、サラリーマンにツケを回して編成されていると言わざるを得ません。これが増税なき財政の真の姿であります。私から言わせれば、まさに隠れた増税とも言うべきものであります。また、租税の社会保険負担による肩がわりの姿でもあります。私は、政府はこういったいわゆる取りやすいところから取る、そして大衆に負担を転嫁していく、そういうことを露骨に今日までやってきたということを具体的な数字で明らかにいたしました。この点についてもう一遍、当初のとおり、厚生大臣、労働大臣、大蔵大臣、官房長官、今の数字のやりとりを聞かれてどのようなお感じをお持ちですか、説明をしていただきたいと思います。
#96
○国務大臣(今井勇君) ずっと拝聴しておりまして、先ほども御答弁を申し上げたんですが、これまで行ってまいりました医療保険だとか年金などの改革というのは、本格的な高齢化社会の到来に備えまして、これらの制度を今後とも揺るぎないものにするために給付と負担の両面から公平を図ろうとするものでございまして、こういった制度の改革はやっぱり増大しますいろいろ老人の医療や年金などの給付に要します費用を、国民の連帯の思想、みんなで持っていこうじゃないかという考え方でございますので、ひとつ御理解をいただきたいと思うものでございます。
#97
○国務大臣(竹下登君) 保険制度の問題につきましては、今厚生大臣からお答えがあったとおりに感じております。恐らく安恒さんは、いわば租税負担も四分の一は給与所得者である、そして保険制度における制度間調整等からする最大の負担者もまたサラリーマンである、そういう意味においてこのもろもろの課題を総合的に見た場合、給与所得者にその負担が余計かかっておるではないか、こういう観点からの御質問であろうというふうに考えてみましたが、総じてそれを申しますならば、やはり国民連帯であり、そしていわゆる国民負担率というものは、租税負担率のみならず社会保険等の負担率というものは若干上がっていくものであり、それがまた納税者の四分の一層を占める給与所得者の方にもそれなりの負担というものがかかってくる、あるいは減るべきものが減らなかったということも含めて負担がかかってくるということはやむを得ざることとして御理解がいただけるのではなかろうかというふうに考えます。
#98
○国務大臣(林ゆう君) 勤労者の負担ができるだけ過重なものにならないように諸制度の改善に取り組んでいくことが重要であろう、このように考えるものでございます。
#99
○国務大臣(後藤田正晴君) 先ほど来厚生事務当局から御説明ございましたように、先行きの負担の増高ということはこれは目に見えているわけでございますから、やはり一つは財政上の問題ということを頭に置かなければなりません。つまりはそうすることによって安定性を確保するということ。それと同時に、やはり私は世代間の負担の公正ということを考えなきゃならない。そういったことを考えて、保険制度なりあるいは年金制度等についてもそういった遠い視野に立ちながら現在逐次改善を図っていきつつあるわけでございまするので、この点は理解をしておいていただきたい、かように思うわけでございます。
#100
○安恒良一君 労働大臣はさすが労働大臣ですからサラリーマン、労働者だけに負担をかけないような制度改正と言われました。あとの三大臣の答えは答弁になっていません。しかし、これ以上これを議論する必要はありません。
 私は、制度の安定を図らなきゃならぬ、先行きのことも考えなきゃならぬということについては否定しません。しかし、それは負担の公平の原則でやられるべきであって、サラリーマン、労働者だけに負担をかけられていることについて問題にしていることを指摘しておきます。
 そこで、老人保健制度の中身にちょっと一つ重大な問題がありますから聞いておきたいのですが、これを長期に安定するとか負担の公平を言われていますが、政府の案で今後の中長期的な医療保険政策をひとつ明らかにしてもらいたい。それから、老人医療費の将来の予測、その負担状況、これをひとつ明確にしてもらいたいと思います。説明してください、計量的に。
#101
○国務大臣(今井勇君) 計量的な問題はまた後ほど政府委員に答弁させますが、まず将来の医療保険制度の全体のことでございます。医療保険の制度の問題につきましては、やはり今後二十一世紀の本格的な高齢化社会を迎えるに当たりまして国民に必要でかつ適切な医療を公平に確保していくことがまず極めて大事だと思っております。そういうわけで、このためには医療費の規模を将来にわたって適正な水準にとどめておくということと同時に、給付と負担の両面にわたります公平を確保することが私は基本的な問題だと考えております。
 こういったことから、五十八年度は老人保健制度の創設をいたしました。五十九年度の健康保険の改正などを行ってまいりました。同時に、今老人保健法の見直しをお願いしているところでございます。今後引き続きまして国民の健康保険制度の基盤の強化を図るなど制度全般にわたります検討を進め、その上で六十年代の後半のできるだけ早い時期に給付と負担の公平化を柱とします医療保険制度の一元化を達成いたしたいと考えておるものでございます。
#102
○政府委員(黒木武弘君) 老人医療費の長期推計についてのお尋ねでございますけれども、先ほどお答えいたしましたように、非常に長期推計は難しいわけでございますが、さらに先ほど六十五年度までの数字を申し上げたわけでありますけれども、これをいろんな仮定におきまして七十五年度にどうなるかということでお答え申し上げますと、七十五年度の老人医療費の総額は十五兆五千億ということで、六十一年度の四兆二千億に対しまして三・七倍ぐらいにふえるのではなかろうかということでございます。その七十五年時点、いわゆる二十一世紀の時点における負担の内訳でございますけれども、被用者保険の拠出金として六兆八千億、それから国保の拠出金一兆五千億、それから国庫負担が五兆四千億という程度になるのではないかというふうに見込んでいるわけでございます。
#103
○安恒良一君 老人医療費の適正化を図るための老人医療費の使途別予算枠、この病院入院費、中間施設入所費、在宅ケアなど、こういうことについての具体的な数字を示してみてください。
#104
○政府委員(黒木武弘君) 老人医療費の入院、中間施設あるいは外来等の使途別内訳を示せということでございます。
 中間施設は、現在御提案申し上げております改正法案の中に盛り込んでいるわけでございまして、この実施は六十二年度というふうに考えております。その中間施設が将来どのように整備されるかということがお尋ねに対する答弁のポイントになるわけでありますけれども、私どもといたしましては中間施設を七十五年時点で二十数万あるいは三十万床ぐらい整備がされるという前提で大胆に試算をいたしますと、先ほど七十五年の医療費規模は申し上げたところでございます。けれども、中間施設を整備しますと私どもは医療費の適正化効果、結果的には医療費の縮減に資する効果があるというふうに見ているわけでありまして、伸び率にいたしまして一ないし二ポイント程度は中間施設ができることによって医療費が減少するのではないかというふうに中長期的には考えております。
 そういう前提に基づきますと、昭和七十五年におきまして先ほど申し上げました中間施設なかりせば十五兆五千億円が、中間施設が組み込まれることによりまして十二兆五千億と七十五年時点で見込まれるわけでございまして、その内訳につきましては、入院医療費が約五三%程度、外来医療費が三五%程度、老人保健施設、お尋ねの中間施設が一二%程度というふうに見込んでいるわけでございます。これはあくまで大胆な大ざっぱな推計でございますけれども、そういうふうに見込まれるということで御理解いただきたいと思います。
#105
○安恒良一君 資料がないんです、届いてないんです、今の。病院入院費、中間施設入所費、在宅ケアなどきのう要求してあります、ちゃんと。資料要求はきのう出ております。
#106
○委員長(安田隆明君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#107
○委員長(安田隆明君) 速記を起こして。
#108
○安恒良一君 やはりこの老人医療費というのは、適正化についてはこういう長期的な予測を踏まえて、そしていわゆる抜本的にやっぱりやらなぎゃいかぬ。どうも今回のやつは短期的な状況だけを考えられているんじゃないか。ですから、いま少し私は、長期予測を踏まえた中で適正な老人医療費のあり方ということを各界の意見を集めてやるべきだと思いますが、厚生大臣どうですか。
#109
○国務大臣(今井勇君) お説のように、この老人医療費というのは人口高齢化が急速に進む中で今後とも増大しますことが避けられないものと考えられますが、やっぱりこのような老人医療費を長期的な観点に立ってどのように適正なものにしていくか、しかもいかに国民が公平に負担していくかというのは老人制度のあり方を考える上で極めて重要な課題であると考えておりまして、そういう意味では、確かにおっしゃいますように長期的な観点というのを重視する、これはまさに先生の御指摘のとおりだと思っております。
#110
○安恒良一君 私は、やはり長期的な視野を持ってやらないと、ただ単に収支のバランスを、負担だけをさせるという今回の老人保健法の改悪には絶対反対であるということだけを申し上げておきます。
 次に参ります。
 ヒューマンな労働者生活の創造について前回も少し聞いたのであります。それは内需成長がかぎだということを聞いたんですが、過去四、五年間の労働の分配率は公正であったのかどうか。労働大臣、それから経済企画庁長官、お答えをしていただきたいと思います。資料を配ってください。
   〔資料配付〕
#111
○国務大臣(林ゆう君) 労働分配率の具体的な計測には幾つかの方法がございますが、総じて見ると、このところ横ばいないし低下の傾向にございます。景気の変動に比べて賃金の変動幅が小さい傾向にあるために、労働分配率は景気上昇期において低下いたしまして下降期において上昇するという循環的側面もあると考えられ、この配分率について一概に適切であるかどうか判断することは困難であろうかと思います。
#112
○国務大臣(平泉渉君) ただいま御配付をいただいた資料は経済企画庁の調査局、「昭和六十年経済の回顧と課題」、こういうものに出ております「実質賃金ギャップの推移」、今ほど労働大臣からも答弁がございましたが、この「昭和六十年経済の回顧と課題」では、第二次石油危機以降の実質賃金上昇率は中期的な労働生産性上昇率を下回って推移していることを指摘しているが、こうしたマイナスの賃金ギャップの存在は、完全雇用を前提とすれば、インフレを生ぜしめずに実質賃金を引き上げる余地のあることを示唆するものでございます。
#113
○安恒良一君 実質賃金の上昇率は実質生産性に達してないということをここに指摘してありますが、私は公正な所得の分配は政府の仕事であろうと思います。そこで経企庁長官、通産大臣、労働大臣、官房長官、何もしないでいいんでしょうか、今日の時点で。
#114
○国務大臣(平泉渉君) 経済発展の成果を賃金に適切に反映させることは勤労者福祉、生活の向上のみならず、今日の課題である内需中心の均衡のとれた経済成長の達成という面から望ましいと認識しております。ただ、現実に具体的な賃上げ問題、これにつきましては、これはもちろん我々の経済体制のもとでは労使の自主的な話し合い、これが基本であると考えておるわけでございます。
#115
○国務大臣(渡辺美智雄君) 経済企画庁長官と同じであります。
#116
○国務大臣(林ゆう君) 先ほど経企庁長官が御答弁申し上げたと同じでございます。
#117
○国務大臣(後藤田正晴君) 申し上げるまでもなく、所得の公正な分配、これは重要な課題と認識をいたしております。やはり中長期的に見て経済成長の成果というものが賃金に適切に反映をせられるということが望ましい。ただ、具体的な賃金の決定そのものは、これは労使が国民経済的な視野に立って私は決めていくべきものであろうと、こう思いますが、政府としては雇用の安定、持続的な経済成長の維持、物価の安定、こういった周辺の条件整備、これに努力をしていかなければならぬ、かように考えております。
#118
○安恒良一君 労働大臣、何のための労働大臣ですか。経企庁長官の言うとおりというのはどういうことですか。私は、実質賃金の上昇率は実質生産性に達してない、ここ四、五年達してない。また望ましいということまで今言われているんですが、あなたの答弁が経企庁長官と同じというのはどういうことですか。それで労働大臣がよう勤まりますね。もう一遍答えてください。
#119
○国務大臣(林ゆう君) 先生御質問の趣旨としては、経企庁長官と同じ考えでございますということを申し上げました。労働省といたしましては、雇用の安定あるいはまた持続的な経済成長の維持、そしてまた物価の安定、こういったものに対する周辺条件の整備に努めてまいりたいということでございます。
 言葉足らずのところはお許しをいただきたいと思います。
#120
○安恒良一君 最近遅まきながら労働時間短縮問題が大きい問題になっておりますが、労働短縮がなぜ必要なのか、こういう基本的な認識について労働大臣、それから通産大臣、それから外務大臣、官房長官の御見解を簡単に聞かせてください。
#121
○国務大臣(林ゆう君) 労働時間の短縮は、技術革新や高齢化の進展の中で労働者の健康の確保あるいはまた生活の充実を図ること、今後労働力人口が増加していく中でME化の進展等が予測され、こういった中で長期的に見た雇用機会を確保することなどの観点から重要でございますが、これに加えて最近では、特に先進国としてよりふさわしい労働条件の確保、消費機会の増大を通じた内需拡大、この観点からその必要性が強調をされているところと考えております。
#122
○国務大臣(安倍晋太郎君) 我が国の労働時間は、国際的に見まして平均して長過ぎるということはもうはっきりしておるわけで、やはり国際協調、先進国日本としての国際的な役割を果たしていくといいますか、そういう面におきましても、あるいは労働福祉の向上といった面につきましても、労働時間はやはり国際的な水準を目指して努力していく必要があるのじゃないか、こういうふうに考えております。
#123
○国務大臣(渡辺美智雄君) 労働大臣や外務大臣が言ったことで尽きると思いますが、通産大臣といたしましては、やはり完全雇用ということも大切でありますし、また消費の拡大につながるという試算がございますから、そういうような面で望ましいと思っております。
#124
○国務大臣(後藤田正晴君) 我が国の労働時間は二千百時間と、これは私はやはり先進国としましては短縮する方向にいかなければならぬ、基本的にさように認識をいたしております。そして同時に、やはり労働者の健康の確保であるとかあるいはまた長期的に見た雇用機会の問題にも関連してきますし、あるいはまた国際的に見てもやはり私は労働時間の短縮ということはあるべき方向であろう、かように理解をいたしておるわけでございます。
#125
○安恒良一君 労働省は労働時間短縮の指導強化のために、新聞によりますと、この四月から五月に大々的な立入調査その他をやると書かれてますが、その内容について説明してください。
#126
○政府委員(小粥義朗君) 昨年の十二月に労働基準法研究会から「今後の労働時間法制のあり方について」の報告をいただきました。それを受けまして私ども今後検討を進めてまいるわけでございますが、その場合に、労働時間の具体的な実態でなおよくわからない、資料の足りない点もございます。特に、小規模企業の労働時間の実態につきまして必ずしも十分な資料が得られていない。あるいは研究会報告でいろいろ提言のございます個別産業に対する特例的取り扱いについて具体的にどういうものを対象にしたらいいかといったような点も、なお実態をつかむ必要がございます。そうした面で、六十一年度に入りましてから、労働基準監督官が事業所を監督いたします際に、あわせてそうした労働時間の実態について、その事実、実態を把握しよう、こういう計画で考えております。
 具体的には、全産業あるいは各種の規模の事業所がございますけれども、そうしたものからいろいろピックアップしまして、そこでの所定労働時間あるいは実際の残業時間がどうなっているか、さらに割り増し率がどうなっているかといったようなことを具体的に把握したい、こういうふうに考えております。
#127
○安恒良一君 規模は。
#128
○政府委員(小粥義朗君) その実態把握の全体の規模としては、全事業所約一万四千を対象にしたいと思っております。
#129
○安恒良一君 労働省がこうしたやや抜き打ち的検査に踏み切ったのにはそれなりの理由があると思いますから、その理由と、それから調査の結果を労働政策でどのように生かしていくのか説明して下さい。
#130
○政府委員(小粥義朗君) 実態把握の目的につきましては、先ほどお答えいたしましたように、今後の労働時間法制のあり方を検討していくために必要な資料を得るという点が一つございます。と同時に、最近、労働時間問題は世間の関心も非常に高まっております。そうした中で、労働基準法の施行の実態がどうなっているか、細部についてさらに把握する必要があるといった観点から行うものでございます。
 その結果については、労働基準審議会の場でこの中央労働基準法研究会の報告についての議論を、既に説明をいたしましたので、来月から検討していただくことになっております。したがいまして、そうした労働時間の実態結果がまとまりましたものは、中央労働基準審議会の場においても労使の議論の材料として御議論いただくということに持っていきたいというふうに考えております。
#131
○安恒良一君 通産大臣の諮問機関である産業構造審議会も、欧米並みの年間千九百時間に短縮したらどうかとかいろいう言われていますが、そこで私は労働時間だけに限定して聞きますが、千九百時間に短縮するのはいつの時期にやろうとするのか、どういう手段でやろうとしているのか、この点を労働大臣それから通産大臣、諮問機関から出ていますし、それから非常に長時間労働が運輸産業の労働者に多いわけですから、運輸大臣等のお考えをお聞かせください。
#132
○国務大臣(林ゆう君) 産業構造審議会から、二十一世紀に向けての長期的な視点からの目標としまして、年間総実働時間を千九百時間以内とするよう努める必要があるとの提言が出されていることは承知いたしておりますが、労働時間の短縮につきましては、昨年の十月に経済対策閣僚会議で決定をされました「内需拡大に関する対策」等の中で、当面の目標といたしまして昭和六十五年度までに年間休日の十日程度の増加、年間総実働時間二千時間への短縮を定めまして、政府全体の課題として積極的に進めてきたところでございます。
 労働省といたしましては、これらの目標の実現が急務と考えておりまして、このため週休二日制の普及を基本にいたしまして、年次有給休暇の消化促進及び連続休暇の定着などを重点といたしまして、社会的、国民的合意の形成と労使の自主的努力の推進、援助により、労働時間短縮に努めてまいりたいと思っているわけでございます。
#133
○国務大臣(三塚博君) 基本的には労働大臣が非常によく御検討をいただいております。運輸産業、業種の内容はまちまちでありまして、料金体系もこれあり、また経営規模もこれあり、地域的な髪もこれあり、なかなかもって難しい局面にございますが、平均百時間程度、千九百時間から言いますと二百時間程度ということに相なっておりますことにかんがみ、政府一体となり、労働大臣を中心に進めてまいるつもりであります。
#134
○政府委員(福川伸次君) 産業構造審議会におきましては、二十一世紀を目指した産業社会のあり方を検討していただいたわけでございますが、各般の観点から内需の振興を図るという趣旨などから、このような千九百時間という御提言をいただいたわけでございます。もとよりこの労働時間の短縮は、労働条件の一つの重要なポイントとして労使の自主的な話し合いが基本であると考えておりますけれども、私どもといたしましても、例えば週休二日制の普及あるいは年次有給休暇の取得の促進といったようなことについて国民的な合意の形成ということが重要であると思います。それについて私どもとしてもできる限りの努力をいたしますと同時に、また自由時間の活用のための環境の整備のあり方ということについても検討してまいりたいと考えております。
#135
○安恒良一君 いま一つ、今度は、今言われました時間短縮と同時に、休日をふやすということで、去年の経済閣僚会議でも大体十日ぐらいにしょうではないかとか、それから労働大臣の労働基準法研究会の方でも、現在の六日を十日程度にしたい、こういうことが言われているんでありますが、これらの報告をもとにして具体的にどのように取り組まれるか、労働大臣、それから経済閣僚会議の決定ですから官房長官、お答えください。
#136
○国務大臣(林ゆう君) 経済対策閣僚会議で決定されました「内需拡大に関する対策」では、週休日等の年間の休日日数が今後五年間で十日程度増加するよう努めることといたしております。労働省といたしましては、この決定の趣旨を踏まえまして、昨年策定いたしました「労働時間短縮の展望と指針」に基づきまして、週休二日制の普及を最重点に労働時間短縮を積極的に推進してまいる所存でございます。具体的には、労働時間シンポジウムの開催等によりまして、社会的、国民的合意の形成を促進いたしますとともに、中小企業集団の労働時間短縮推進事業の実施等によりまして、労使の自主的努力を援助、促進してまいりたいと思っております。
#137
○国務大臣(江崎真澄君) 御承知のように、私の方も勤務条件の担当でありますから、官房長官との御指名ですが、かわって私から御答弁を申し上げます。
 今、労働大臣が申しましたように、これは国際的見地から言いましても、また日本の労働者の健康を保持する上から言いましても、そうしてまた内需振興というような面から言っても、やはり非常に重要な問題だというふうに考えております。
 現在の官庁の場面は、お尋ねではありませんが、御承知のように、いわゆる四週六休制に向かって人事院勧告を待って現在試行中である。ただし、中小企業が既に五八%実施に移しておりますので、この八月には金融機関等、特に郵政省などがこれに追随することになっておりますので、四週六休という場面はそんなに遠くなく実現できるというふうに考えております。
#138
○安恒良一君 通産省が、週休二日が実現した場合には内需拡大の効果は約三兆円になる、こういうふうに試算されていますが、その試算の根拠を説明していただきたいと思う。通産大臣。
#139
○政府委員(福川伸次君) これは余暇開発センターにおきまして、自由時間とライフスタイルに関する検討委員会で専門家の方々で御検討をいただいたものでございますが、その仕方は、まず生活時間、これは例えば生活必需時間とかその他の拘束時間とか、さらにまた自由時間とか区分をいたしまして、その生活時間を区分いたしましたそれぞれにおいて単位時間当たりの消費額を所得階層別に算出いたしました。それを前提にいたしまして完全週休二日制が定着いたしまして、この場合には自由時間が増加するわけでございますが、増加した場合の追加消費支出が幾らになるかということを計算いたしました。それを集計、合計いたしますとその分だけ家計の消費額が増大いたすわけでございますが、さらに世帯数を全部集計いたしましたその上で今度は乗数効果が生じてくるということでございまして、その乗数効果を加味いたしましたところが約三兆円、こういう計算結果が出たわけでございます。
#140
○安恒良一君 労働省にお聞きしますが、我が国の週休二日制の普及状況を説明してください。
#141
○政府委員(小粥義朗君) 週休二日制は完全週休二日制から月に一回の週休二日制までいろいろな形がございますが、何らかの形での週休二日制の適用を受けている労働者の割合は全体で七七%、それから完全週休二日制につきましては二七%という状況でございます。
#142
○安恒良一君 もう少し詳しく中身を説明してください。
#143
○政府委員(小粥義朗君) 五十九年時点の数字でございますが、何らかの形の週休二日制の適用を受けている労働者の数の割合が七七・三%、そのうち完全週休二日制が二七%、一方企業数で申し上げますと、何らかの形の週休二日制が五一・二%、それから完全週休二日制は六・七%という企業数になっております。これは企業の規模別で大分格差がございまして、例えば千人以上の企業ですと何らかの形の週休二日制が九六・二%の労働者数で適用を受けているわけですが、その場合三十人から九十九人の企業ですと四六・二%というように低い数字になっております。
#144
○安恒良一君 通産大臣、今お聞きのとおりですね。そこで、通産省は休みがふえると財布のひもが緩むということで言われたと思うんです。休日問題は労働省の所管ですが、これを具体的にするために通産省としては企業にどのように対処されようとするのですか、通産大臣、それから労働大臣のお考えも聞かしてください。
#145
○国務大臣(渡辺美智雄君) 具体的に直接スケジュールを決めてどういうふうにやれということはなかなか言いにくい話でございますが、一般論として、余裕のあるところから労働時間の短縮についてはぜひともそういうような方向でやってほしいという程度の進め方になろうかと思います。
#146
○国務大臣(林ゆう君) 週休二日制は大企業におきましてはほぼ定着いたしておりますけれども、中小企業におきましては下請の問題とか、あるいは集団的に同業他社と見比べてからやるというような傾向が非常に強いものですから、まだまだその普及率が低滞をいたしております。
 労働省といたしましても、週休二日制の指導は極力続けてまいっておりますけれども、通産省とどういう関係を持っているかというような先生の御指摘につきましては、週休二日制関係省庁連絡会議、こういったような場を活用するとともに、必要に応じまして関係省庁と連携をとりながら推進してまいりたいと思っております。
#147
○安恒良一君 労働大臣、通産大臣、もう一遍聞きますけれども、千九百時間にするとか、時間短縮すれば非常に内需拡大になるということはお認めでありますが、ヨーロッパではもう既に全部千九百時間になっているんですね。それをこれから十五年もかけて千九百時間にするとか、六日を十日にするなどということでは国際的な非難はかわし得ないと思うんですが、これらの点について二人の大臣のお考え、さらに官房長官、サミットでもまたいろいろ問題になると思いますが、この点はどうされますか。
#148
○国務大臣(渡辺美智雄君) 基本的には、労働時間の短縮というのは労働条件の問題ですから、労使が決めるというのがこれはもう大原則なんです。我々としても何も一九〇〇年までかかってということじゃないのであって、だからといってそれじゃ一挙に全部一律に短縮するというようなこともこれは民間の話ですから、政府が権力でやるわけにいかない。ただ、週休二日制等の問題については公務員その他の問題もございますし、こういうものは政府内部で相談をしながら、ともかくなるべく早い年月のうちに実行していくということが大切だろうと思っております。
#149
○国務大臣(林ゆう君) 労働時間の短縮は、政府といたしましても重要課題の一つとして取り組んでいるわけでございます。個々の具体的なことになりますと、労使の中で決めていかなきゃいかぬ問題でもあろうと思いますし、賃金の問題あるいはまたそういったものも深くかかわり合いのある問題でございますので、労働省といたしましては、労働時間の短縮がなされますような環境づくりをしていかなければならない、こんなふうに思ってそれに取り組んでまいっているような次第でございます。
#150
○国務大臣(後藤田正晴君) 産構審の答申も承知いたしておりますし、また昨年十月に内需拡大の方策を決めて、当面六十五年度までを目標にしまして休日をふやすとか、労働時間の二千時間を目標にして環境整備をやるということを決めておりますが、しかし、仰せのように千九百時間というのはまあまあ国際的に通用する労働時間だと考えております。したがって、そういうことを目標にしながら政府といたしましてはなるべく早く環境整備に努めていきたい、かように考えております。
#151
○安恒良一君 まあ十五年もかかってじゃないということを関係大臣が言われましたから、早急にやってもらいたい。
 そこで、中曽根総理が衆議院の本年の予算委員会で、年次有給休暇の消化を官公庁でも奨励したいと答弁されておりますが、その具体的な方策をお示しください。ただ呼びかけるだけじゃだめですから、これは江崎大臣と官房長官の関係です。
#152
○国務大臣(江崎真澄君) この問題は、人事院の調査によりますと、昭和五十八年と統計はちょっと古いですが、年次休暇の消化率は約六割で、十分に活用されていないということが言えると思います。そのはっきりした原因をまだ十分把握していないような状況でありますが、健康増進を図るためにも年次休暇の計画的な使用の促進を図る必要があります。
 そこで、この問題については昨年六月、事務次官会議において年次休暇の計画的使用の促進について申し合わせを行っております。そうして、政府全体として積極的に現在取り組んでおるところでありまして、何とかこれは、例えば公務員の場合は八月などの季節にお互いに調整をしながらとれるように処理をしていくように、六割ということはやはり低いというふうな認識でおります。
#153
○国務大臣(後藤田正晴君) 御案内のように、年次有給休暇は二十日間でございまして、繰り越しを入れて三十日、こう決まっておるんですが、何せ日本人は働きバチですからとらないんですよ。それじゃやはりぐあいが悪い、こういった社会情勢ですからね。総理の御指示がありまして、年次有給休暇を計画的にとるように、そして同時に、少なくとも夏休みで一まとめにとって、そしてレクリエーション、健康保持に努めるなりといったようなことで各省庁に指示をいたしまして、労働時間のこれは短縮にも資するわけですし、いろんな方面でまず役人がそういう点について、これは決まっておることですから世間の非難があるわけじゃありませんしするので、そういう方向で昨年来取り組んでおる、こういうように御理解願いたい、かように思います。
#154
○安恒良一君 労働大臣、年次有給休暇の付与日数、消化率、取得日数を全産業述べてみてください。
#155
○政府委員(小粥義朗君) まず、年次有給休暇の取得日数でございますが、全産業を平均しまして十日程度というのが我が国の実態でございます。付与日数との比較での取得率は約六割弱というところでございます。これは企業の規模別に見ましても、大企業の場合もあるいは中小企業の場合も、中小企業も五五%という数字が出ておりますので、大体似通った数字になっております。そんな状況でございます。
#156
○安恒良一君 なぜそのように消化率が悪いのか、原因をどう見ていますか。
#157
○政府委員(小粥義朗君) 一つには、病気になったような場合に備えてとっておくという気持ちが勤労者の側にもあるということが一つ。それからもう一つは、やはり職場の雰囲気としまして、上司が会社へ出ている間に休むのはどうも気が引けるといったような気分、そうした気分的なものも日本の場合企業の中には相当強いものがあるというふうに見ております。
#158
○安恒良一君 対策は。
#159
○政府委員(小粥義朗君) 対策としましては、これらの年次有給休暇は労働基準法に基づきまして労働者に与えられた権利になっておりますから、そうしたものをできるだけ使って連続休暇を取得するとかいったような形の指導を今全国的にも展開しているところでございます。特に、ゴールデンウイークあるいは夏休みにはそうした年次有給休暇を使って連続した休暇がとれるようにしたい。その場合に、これは法律との関係が若干ございますが、年間を通じた計画的な取得というものを考えた方が効率的ではないかということで、そういう面の指導もしているところでございます。
#160
○安恒良一君 年次有給休暇の問題で、昭和三十年十一月三十日、労働基準局通達が出ています。また昭和五十三年六月二十三日に同じく労働基準局通達が出ていますが、その中身を説明してください。
#161
○政府委員(小粥義朗君) まず、昭和三十年の十一月三十日付の通達でございますが、これはボーナスの支給に関しまして、年次有給休暇を取得した日を欠勤としてその額を算定する取り扱いは果たして基準法に照らして違反しないのかどうかという疑義照会がございましたのに対しまして、刑罰法規としての基準法に違反するものではないというぎりぎりの法律的判断を示したものでございます。
 いま一つの昭和五十二年の通達は、こうした法律論とは別の観点といいますか、むしろ労働時間短縮を積極的に進めるべきであるといった観点から、特に五十三年の場合にはいわゆるボーナスだけではなくて、精勤手当あるいは皆勤手当の支給要件として、年休を取得した場合は言うならば欠勤扱いになって精勤手当、皆勤手当が減らされるというような実態が企業の中にはいろいろ見られるので、そうしたいわゆる不利益取り扱いというのは直ちに法律論として違反とは認めがたい面があるにしても、年休取得を抑制する効果を持つことになるので、少なくとも基準法三十九条の趣旨に照らして、趣旨に反するものであるからこれを是正させるように指導すべきである、こういう通達を出したものでございます。
#162
○安恒良一君 そこで労働大臣にお聞きしますが、二つの通達は非常に矛盾しておりまして、一つはやはり年次有給休暇をとると賞与や皆勤手当のカットにつながります。これは抑制につながります。そこでその後の通達も出されたと思いますが、私はこのような間違った古い通達はこの際廃止をした方がいいと思いますが、その取り扱いを労働大臣にお聞きいたします。
#163
○国務大臣(林ゆう君) 労働省といたしましては、現在労働基準法改正の検討とあわせまして関係通達全般の見直しを検討いたしているところでございまして、先生御指摘の昭和三十年の通達につきましても御趣旨を体しまして前向きに検討してまいりたいと存じます。
#164
○安恒良一君 そこで、TUACの第七十六回総会が二十日、二十一日パリで行われまして、OECDの閣僚理事会、東京サミットへ向けての決議文を上げていますが、その中で日本に対する十一カ所の問題が指摘されていますが、労働省はどうつかんでいますか、またこれにどう対処されますか。
#165
○政府委員(加藤孝君) 労働サミットの前にOECD・TUAC総会におきまして労働組合声明というものが採択されてきておるのが従来の例でございます。これは先進諸国の民主的労働組合の代表的意見として傾聴に値するものであるということで認識いたしておるわけでございます。ことしのTUACの七十六回総会におきまして討議されました労組声明の案の内容については承知いたしておりますが、これはこれから具体的に公式に労組の方から申し入れがあるということを私どもは伺っておるという段階でございます。
 内容につきましては、一応私どもが聞いておる段階では、日本政府が内需拡大の観点から大幅の賃上げあるいは労働時間短縮、所得減税、公共投資拡大のための行動をとることを求めておる内容である、こういうふうに大まかに了承しておるということでございます。
#166
○安恒良一君 OECDの閣僚理事会ではほとんどこれが採択されて、OECDの事務総長がこれを持ってくるというふうに聞いていますが、それにどう対処されようとするんですか、労働省、それから外務大臣にお聞きします。
#167
○政府委員(国広道彦君) 先生御指摘の決議文は、東京サミットの前に東京サミットの議長であります中曽根総理大臣に対しても提出されるというふうに我々伺っております。その内容につきましては、先ほどから御論議に出ております内需拡大の見地、特に労働時間の短縮等も含めまして建設的な内容のものが含まれておりますし、これは総理大臣としてもサミットに臨むに当たりまして貴重な御意見として参考にさせていただくということであります。
#168
○国務大臣(林ゆう君) 労働サミットにおきまして出されましたもので、具体的にどう対処するかということでございますけれども、経済発展の成果は賃金とそれから労働時間の短縮に適切に配分していくということは内需拡大につながるものだということを認識いたしておりまして、それに伴い具体的な配分につきましては、それぞれの労使が自主的な話し合いを通じて適切に対応することが基本である、こういったようなことで、労使間の良識ある話し合いで総体といたしまして内需拡大に結びつくことを期待いたしておるわけでございます。そういったことで、先ほどちょっと労政局長から御答弁も申し上げましたように、このような問題が具体的になりましたら、そういった趣旨を踏まえまして私どもといたしましてはこれに対応してまいりたいと思っておる次第でございます。
#169
○委員長(安田隆明君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#170
○委員長(安田隆明君) 速記を起こして。
 安恒君の質疑は午前はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。
   午前十一時五十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十五分開会
#171
○委員長(安田隆明君) 予算委員会を再開いたします。
 昭和六十一年度総予算三案を一括して議題といたします。
 午前に引き続き、安恒良一君の質疑を行います。安恒君。
#172
○安恒良一君 私、質問を通告してない問題ですが、緊急な問題が起こりましたので政府の見解をただしたいと思いますが、平泉経企庁長官が本日記者会見をされています。マルコス疑惑は第一義的にフィリピンの国内問題である。余りとやかく言うことは内政干渉になる。日本としてはフィリピン政府に文句を言うべきで、まるで日本に犯罪が起きたような議論をするのはおかしい。例え語で言えば、女房に買い物に行ってこいとお金を渡したが何に使われたのかわからないようなもので、日本ではスキャンダル事件として言われているが、フィリピンの国内問題だ、こういうことを記者会見で平泉さんが言っています。これは、我が党の委員の質問で総理それから外務大臣が答えられたこととまるっきり違うことになります。この点の問題の解明を政府に求めます。
#173
○国務大臣(江崎真澄君) 御質問の点については、私も事実を承知いたしませんので、今私がそのことについてお答えする立場にありませんが、そういうような言い方をどこでどうしたのか、そのあたりもつまびらかにいたしません。ですから、私が今かわって答弁をするということは一体適切かどうなのか、その辺の少し真相を確かめて、やはり大臣の発言でありますから慎重に取り扱わせていただきとうございます。
#174
○安恒良一君 委員長、これは本日の閣議後の記者会見で発言をされています。このことは重要でありますから、直ちにこの問題を明らかにしてほしいと思います。でないと質問が続行されません。
#175
○委員長(安田隆明君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#176
○委員長(安田隆明君) 速記を起こして。
 午後二時二十分まで休憩いたします。
   午後一時二十四分休憩
   〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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