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1985/04/03 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 予算委員会 第20号
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1985/04/03 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 予算委員会 第20号

#1
第104回国会 予算委員会 第20号
昭和六十一年四月三日(木曜日)
   午後二時三十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月一日
    辞任         補欠選任
     坂元 親男君     斎藤 十朗君
     上田耕一郎君     近藤 忠孝君
 四月二日
    辞任         補欠選任
     倉田 寛之君     竹山  裕君
     斎藤 十朗君     坂元 親男君
     和田 教美君     高桑 栄松君
     喜屋武眞榮君     下村  泰君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         安田 隆明君
    理 事
                遠藤 政夫君
                志村 哲良君
                桧垣徳太郎君
                降矢 敬義君
                水谷  力君
                和田 静夫君
                太田 淳夫君
                佐藤 昭夫君
                井上  計君
    委 員
                安孫子藤吉君
                岩動 道行君
                石井 道子君
                石本  茂君
                岩本 政光君
                長田 裕二君
                海江田鶴造君
                梶木 又三君
                金丸 三郎君
                北  修一君
                坂元 親男君
                関口 恵造君
                田中 正巳君
                竹山  裕君
                林 健太郎君
                宮澤  弘君
                宮島  滉君
                村上 正邦君
                柳川 覺治君
                稲村 稔夫君
                粕谷 照美君
                久保田真苗君
                佐藤 三吾君
                瀬谷 英行君
                高杉 廸忠君
                安恒 良一君
                大川 清幸君
                高桑 栄松君
                抜山 映子君
                田  英夫君
                下村  泰君
   国務大臣
       内閣総理大臣   中曽根康弘君
       法 務 大 臣  鈴木 省吾君
       外 務 大 臣  安倍晋太郎君
       大 蔵 大 臣  竹下  登君
       文 部 大 臣  海部 俊樹君
       厚 生 大 臣  今井  勇君
       農林水産大臣   羽田  孜君
       通商産業大臣   渡辺美智雄君
       運 輸 大 臣  三塚  博君
       郵 政 大 臣  佐藤 文生君
       労 働 大 臣  林  ゆう君
       建 設 大 臣  江藤 隆美君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    小沢 一郎君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 後藤田正晴君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  江崎 真澄君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       古賀雷四郎君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  加藤 紘一君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       平泉  渉君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       河野 洋平君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  森  美秀君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  山崎平八郎君
        ―――――
       会計検査院長   大久保 孟君
        ―――――
   政府委員
       内閣審議官    中島 眞二君
       内閣法制局長官  茂串  俊君
       内閣法制局第一
       部長       工藤 敦夫君
       警察庁刑事局長  仁平 圀雄君
       総務庁長官官房
       審議官      百崎  英君
       総務庁人事局長  手塚 康夫君
       防衛庁長官官房
       長        宍倉 宗夫君
       防衛庁防衛局長  西廣 整輝君
       防衛庁装備局長  山田 勝久君
       防衛施設庁施設
       部長       宇都 信義君
       防衛施設庁建設
       部長       大原 舜世君
       経済企画庁調整
       局長       赤羽 隆夫君
       科学技術庁研究
       調整局長     内田 勇夫君
       環境庁自然保護
       局長       加藤 陸美君
       国土庁長官官房
       長        吉居 時哉君
       国土庁長官官房
       会計課長     斎藤  衛君
       法務省民事局長  枇杷田泰助君
       法務省刑事局長  岡村 泰孝君
       外務省アジア局
       長        後藤 利雄君
       外務省北米局長  藤井 宏昭君
       外務省欧亜局長  西山 健彦君
       外務省経済協力
       局長       藤田 公郎君
       外務省条約局長  小和田 恒君
       外務省国際連合
       局長       中平  立君
       大蔵省主計局長  吉野 良彦君
       大蔵省主税局長  水野  勝君
       国税庁次長
       国税庁直税部長
       事務取扱     塚越 則男君
       国税庁調査査察
       部長       日向  隆君
       文部大臣官房長  西崎 清久君
       文部省初等中等
       教育局長     高石 邦男君
       文部省社会教育
       局長       齊藤 尚夫君
       厚生大臣官房総
       務審議官     北郷 勲夫君
       厚生大臣官房審
       議官       木戸  脩君
       農林水産大臣官
       房長       田中 宏尚君
       農林水産大臣官
       房予算課長    鶴岡 俊彦君
       林野庁長官    田中 恒寿君
       水産庁長官    佐野 宏哉君
       通商産業省通商
       政策局長     黒田  真君
       通商産業省機械
       情報産業局長   杉山  弘君
       運輸大臣官房国
       有鉄道再建総括
       審議官      棚橋  泰君
       運輸省航空局長  山田 隆英君
       労働大臣官房審
       議官       中村  正君
       労働省労政局長  加藤  孝君
       労働省職業能力
       開発局長     野見山眞之君
       自治省行政局選
       挙部長      小笠原臣也君
       自治省税務局長  矢野浩一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       長        桐澤  猛君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第五局長   秋本 勝彦君
       日本国有鉄道総
       裁        杉浦 喬也君
       日本国有鉄道常
       務理事      澄田 信義君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和六十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和六十一年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和六十一年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
○委嘱審査報告書に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(安田隆明君) 予算委員会を開会いたします。
 昭和六十一年度一般会計予算、昭和六十一年度特別会計予算、昭和六十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 まず、締めくくり総括質疑に関する理事会における協議決定事項について御報告をいたします。
 質疑を行う日は、本日三日及び明日四日とすること、質疑時間総計は百九十七分とし、各会派への割り当て時間は、日本社会党八十三分、公明党・国民会議五十二分、日本共産党及び民社党・国民連合それぞれ二十一分、新政クラブ及び二院クラブ・革新共闘それぞれ十分とすること、質疑順位及び質疑者等につきましてはお手元に配付の質疑通告表のとおりとすること、以上でございます。
 右、理事会の決定のとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(安田隆明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(安田隆明君) それでは、これより締めくくり総括質疑を行います。和田静夫君。
#5
○和田静夫君 マルコス疑惑について質問するに当たり、私はきょう酒井重工業の牧野進取締役の参考人出席を求めていました。しかし、残念ながら本日は与党の合意を得るまでには至りませんで、この質問に入ることができないのは非常に遺憾であります。
 実は、牧野氏の出席要求を私がいたしましたのは、マルコス文書の中に、もう既に周知のことでありますが、自筆のメモがあるからであります。それは、一九七七年十月十三日のアンジェニット社の用せんに書かれたメモランダムの中に小竹東陽通商常務からの書簡が添付されています。その中に、日比友好道路ほかの契約状況が示されておりまして、それに関連して牧野氏自身の手書きの実は計算書を同封しますとあるわけであります。牧野氏の手書きの計算書はマルコス文書の千六百十六から千六百十七ページに見ることができるのであります。これがそうでありますけれども、この計算書は、十五億七千六十万円掛ける一五%イコール二億三千五百五十九万円とあって、横にアキノ長官に届ける、一九七七年五月二十四日とあるわけであります。
 外務省、通産省はこの文書をもう既に知っていらっしゃるわけでありますが、事情聴取されたようでありますから、この手書きメモを牧野氏は自筆であると確認しましたか。
#6
○政府委員(藤田公郎君) ただいま御指摘のいわゆるマルコス文書の中にそういう手書きのメモがあるのは私どもも承知いたしております。
 それから事情聴取は、まだ御指摘の方については行っておりません。
#7
○政府委員(黒田真君) 私どもといたしましても、そのような文書のあることは承知しておりますが、特別事情聴取を行っておりません。
#8
○和田静夫君 これは、真相究明をやるということは既に大臣答弁にあるわけでありますから、早急におやりになって確認をされてしかるべきだろう、こう思います。強く求めておきます。
 そこで、牧野さんに関しては七七年十月十四日付のテレックスが発見されていますね。酒井重工業牧野貿易部長からアタカコ・トレーディング社各位あて、内容は、PJPLAPNo.77−2の入札に関し一五%のコミッションを支払うことを確認。
 企画庁、外務省、PJPLAPNo.77−2の入札とは日比友好道路のことですね。
#9
○政府委員(藤田公郎君) PJPLAPNo.77−2この番号はどういう入札番号か確認しておりません。
#10
○和田静夫君 外務大臣、私は集中の前に実はこのことを通告しているわけでありまして、きょうまで調べられないというのはどうもわからぬのですが、本当に真相究明のために外務省は努力されているんですか。
#11
○政府委員(赤羽隆夫君) 私ども、基金を使いまして調べたわけでございますが、これが我が国の経済協力関係のものであるという推測はできますけれども、基金のプロジェクトであるかどうかは特定できませんでした。
#12
○和田静夫君 ここのところは私の調査には間違いがないと思っていますから調査を要求いたしますが、両大臣よろしいですか。
#13
○国務大臣(安倍晋太郎君) 四省庁で関係しておりますから、相談をいたしまして、調査をできるだけ行いたいと思います。
#14
○和田静夫君 そこで、このテレックスの右下に手書きのメモがあるんです。これは外務省、何と読みましたか。
#15
○政府委員(藤田公郎君) コンファームドですね。確認されたと書いてございまして、あと日付が入っております。それから、ちょっと読めませんで、あとミトミ・ディレクター、トーヨー・コーポレーション、こう書いてございます。
#16
○和田静夫君 これは、今言われましたように、東陽通商の三富取締役の自筆メモの可能性が非常に強いのでありますが、事情聴取されましたか。
#17
○政府委員(藤田公郎君) まだ行っておりません。
#18
○和田静夫君 一事が万事これでありまして、私たちが参考人、証人を要請しなきゃならないのは、実は政府側の態度にも一つあるわけであります。こういう形だと、やはり証人として来てもらう、参考人として来てもらわなきゃこれは進まないわけであります。
#19
○委員長(安田隆明君) 速記とめて。
   〔速記中止〕
#20
○委員長(安田隆明君) 速記起こして。
 ただいまの和田君の要求にかかわります参考人、資料の要求の取り扱いにつきましては、理事会において協議することといたします。
#21
○和田静夫君 これが先ほど読まれましたように、数字を言われなかったんですが、一九七七年十月十四日、確認、東陽通商取締役三富と、こうなっているわけですね。そうすると、通産省は東陽通商を呼んだでしょう。
#22
○政府委員(杉山弘君) 三月三十一日に東陽通商に私どもに来ていただきました。これは三月三十日の読売新聞に、円借款の日本側受注企業が通産省に提出いたします申請書に実際よりも低い手数料を記入をしてチェックを免れたのではないか、こういうような報道があったからでございまして、私どもといたしましては、円借款に関連いたします輸出承認申請書にはもともと手数料を記載させるということにはいたしてないわけでございますので、その事実についてのみ確認のために東陽通商を招致いたした、こういう経過でございます。
#23
○和田静夫君 四省、四省と言われておりながらばらばらでは困るわけですね。時間がありませんから、たくさんのことを言えないのが残念でありますけれども、ちゃんと責任を持ってやってください。中心はだれですか。
#24
○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かにこの解明がばらばらじゃ困ると思っております。それぞれの省庁で、外務省もぼつぼつ話も聞いておりますけれども、今四省庁で協議しておりまして、この文書の分析もしなきゃなりませんし、その分析の結果、どういう形で調査を進めるか、あるいはだれを呼ぶか、どこを呼ぶかというようなことについても今鋭意、四省庁そろって検討しておるということであります。
#25
○和田静夫君 これは非常に不満であります。
 ところで、フィリピンのサロンガ委員会のダザ委員長代行が「経済協力に関連して、少なくとも五つの日本企業が(マルコス不正蓄財に)かかわりを持っており、このうち二企業は法律的に不正な証拠が明白だ」と述べているわけでありますが、既に政府関係は関連企業に事情聴取をやったわけでありますから、この不正の有無をどのように把握されましたか。
#26
○政府委員(藤田公郎君) 私どももそのような御発言を先方の綱紀粛正委員会の委員がなさったということは報道で承知しておりますけれども、それ以上の事実は把握しておりません。
#27
○和田静夫君 関係省庁みんな答えてくださいよ。経企、国税、検察、警察、全部それぞれ関心を持ってやっていくと言ったんですから。
#28
○政府委員(日向隆君) 私どもといたしましても、その新聞報道等については承知しております。
#29
○政府委員(赤羽隆夫君) 経済企画庁といたしましては、今文書等の分析の段階でございまして、まだ相手方を直接呼んで調べるということをしておりません。したがいまして、その点についての確認の段階に至っておりません。
#30
○政府委員(仁平圀雄君) 御指摘のようなことが新聞に報道されておるということは承知しておりまして、必要な情報収集を行っておりますが、その内容については答弁は差し控えさしていただきたいと思います。
#31
○政府委員(岡村泰孝君) 検察当局といたしましても、いろいろ報道されておりますことは承知していることと思うわけでございますが、事態の推移に応じまして適切に対処するものと思っておる次第でございます。
#32
○和田静夫君 国税、検察、警察がここで答えられる限界などというのは私はわきまえながら質問しておるわけでありまして、ところで関係の省庁、今日まで事情聴取を行った企業の数というのは、それじゃ幾つなんですか。
#33
○政府委員(藤田公郎君) 先ほど外務大臣から御答弁申し上げました点を若干補足いたしますと、円借款関係四省庁におきまして、私ども実務者の段階でございますが、今委員が御指摘になりました文書等にあらわれてくる名前が種々ございますので、そういうものの分析を急ぐ傍ら、そこに出場いたします社ないし個人の方をどういう形でお呼びをして、どういうお話を聞くかということを四省庁間で御相談しております。ばらばらにお呼びをしていたずらに御負担をおかけするとか、御迷惑をかけるというのも本旨ではございませんので、そういうルールと申しますか、それを考えているというのが一つのお答えでございます。
 それからもう一つ、先ほど外務大臣から、外務省としても別途いろいろ話は聞いているというお話がございましたが、これは報道等に名前の出ている会社の方などが、実は報道されたけれども自分たちはこういうことであるということをいろいろ我が方に来られて実情等の概説明を自発的にいただいている、それは喜んでお話を伺っているという状況でございます。これはやはり私どもも、何社でどういう会社でというのは、ちょっと先方のお立場もあると思いますので、私どもから公の場で申し上げるのは差し控えるのが適当かと思います。
#34
○政府委員(赤羽隆夫君) 外務省を初めといたしまして、他の三省庁と相談をしてやりたいと思います。私どもは、先日もお答えいたしましたように、また先ほども申し上げましたように、まだ資料分析の段階、それから基金につきましていろいろな事項につきまして調査の上報告を求める、そういう作業をお願いしている段階でございますので、今申しましたように、関係の省庁と共同して実行したい、こういうふうに考えます。
#35
○政府委員(杉山弘君) 私ども、先ほど申し上げました円借款にかかわります手数料の記載という新聞報道に関連いたしまして、事実確認のために事情を聞きましたのは四社でございます。
#36
○和田静夫君 外務省、企業名のことは譲りましょう。そこで、事実関係の報告があったのは何社ぐらいなんですか。
#37
○政府委員(藤田公郎君) 私がまた間接的に報告を受けておるものでございますから、私の記憶ではたしか三社だったと思いました。
#38
○和田静夫君 では、それらの中には不正の有無についてはどういうふうに述べられたんでしょう。
#39
○政府委員(藤田公郎君) 全くの信頼ベースでおいでいただいていろいろとお話を伺ったわけでございますので、その内容を私の方から先方の御了承も得ないで申し上げるのは差し控えさしていただきたいと思います。
#40
○和田静夫君 私はそうだろうと思うんです。しかしながら、不正の有無ぐらいはそれは答えられるでしょう。内容まで聞いていないんですよ。
#41
○政府委員(藤田公郎君) 不正は皆様ないと言っていらっしゃいました。
#42
○和田静夫君 今日推定では五億ドルに及ぶ経済協力絡みの金がリベートとして使われたのではないかと、これまたダザ委員長代行は述べているわけですが、日本政府の調査に基づいての推計というのは、この辺出ませんか。
#43
○政府委員(藤田公郎君) そのような数の推計はございません。
#44
○和田静夫君 ところで、ダザ委員長代行の指摘をされたマルコス疑惑の二社というのは、丸紅とトーメンと言われるわけですね。政府はこの二社に対しては事情聴取されましたか。
#45
○政府委員(藤田公郎君) 先ほど申し上げましたように、四省庁がそろって行います事情聴取というのはまだ準備の段階でございまして、どなたからもそういう形での聴取は行っておりません。それから、自発的に来られていろいろお話を伺った方ないし会社のことにつきましては、私から申し上げるのは、先ほど申し上げましたように、差し控えさしていただきます。
#46
○和田静夫君 通産が述べられたような趣旨に基づくところの四社の中には、この二社はあるわけでしょうか。
#47
○政府委員(杉山弘君) 私どもが事実の確認を行いました企業の中には、今御指摘の二社は入っておりません。
#48
○和田静夫君 マルコス文書を見る限り、東陽通商と酒井重工業というのはすべての取引にわたってリベートを支払っている疑いが非常に強いんです。マルコス文書は七七年ごろまでで切れているんですが、上記二社はその後もリベートを支払っている可能性は私は強いと思う。
 私の調査では、酒井重工業は七九年度にも円借款四十億円を受注しています。それから、東陽通商は七九年度円借款十億円、これはポンプ場、かんがい庁発注ですね。八〇年度には円借十五億円、メンテナンスサービスカー、公共事業・道路省などからの受注があるんですが、これは御存じですね。
#49
○政府委員(藤田公郎君) これは先般来お答え申し上げておりますように、受注企業名は、先方政府との契約、相手方商契約の行動に基づくものでございますので、日本の政府としては明らかにいたすことは差し控えさしていただくという範疇に入るものかと思います。
#50
○和田静夫君 外務大臣、企画庁長官、この辺のところはもうはっきりわかっていることですから、ちゃんと確認をされた方がいいと思うんですがね。
#51
○国務大臣(安倍晋太郎君) これはしばしば申し上げておりますように、相手のフィリピン政府が公開しておらないという状況でございますので、我が政府として外交上の立場からこれを公の場で発表するということは差し控えさしていただきたい、こういうふうに思っております。
#52
○国務大臣(平泉渉君) 外務大臣が申し上げた立場と同じでございます。
#53
○和田静夫君 これは指摘した私の方にも責任が生ずるわけでありますから、外務大臣は前にここで私に答弁されましたが、今も言われましたように公の場所では困ると言われるのならば、指摘者としての私と外務省なり四省庁のこれから決まる責任あるところが接触をしてもらう、よろしいですか。
#54
○国務大臣(安倍晋太郎君) 公の場で発表するということは差し控えさしていただきたいということであります。資料その他につきまして解明は必要だと思っておりますし、御協力はしなきゃならぬという気持ちは変わっておりません。
#55
○和田静夫君 警察と検察にこの機会に聞いておきますが、公表されたマルコス文書以後の円借についても重大な関心をお持ちになって調査を続けられるんだと思いますが、よろしいでしょうか。
#56
○政府委員(仁平圀雄君) 捜査機関といたしましては、当然のことながらすべての情報といいますか問題につきましては関心を持って必要な情報を収集する方針でございます。
#57
○政府委員(岡村泰孝君) 検察当局といたしましても、いろいろ事態の推移があろうかと思うのでございますが、それに応じまして必要または適切な対応をなすものと思っております。
#58
○和田静夫君 外務省、配付資料のとおり過去十年間の対比円借リストを私に届けていただいたんですが、何か今ここに修正した部分があるといって訂正のやつが出ましたが、どこが変わりましたか。
#59
○政府委員(藤田公郎君) 私、特に訂正部分というのは承知しておりません。朝お届けいたしましたのとそれから現在お手元にお届けしましたのと、どこを修正したのか、今チェックをいたしまして御報告いたします。
 お手元にお届けいたしました着工及び完了の年月で、その後精査しましたところちょっと一部修正があったらしいものでございますから、それを変えたということでございます。どこの場所をどういうふうにしたかというのは、今電話でチェックいたします。
#60
○和田静夫君 わかった時点で教えてもらえるわけですか。今わかるんですか。
#61
○政府委員(藤田公郎君) 本省に照会いたしますので、ちょっと時間をいただきます。
#62
○和田静夫君 それではそこのところは後回しにします。
 私が要求したのは実は入札の月日、契約、それらのところを求めておったんですが、昨日来出てこなくてきょうこれが出てきて、またそれが修正ということになっているんですが、そこのところはどういうふうに説明されますか。
#63
○政府委員(藤田公郎君) 御要望のデータとそれからお届けいたしましたデータの種類が、いろいろ作業をやっておりますものでございますから若干そごいたしまして、その間失礼をいたしたかと思います。
 着工と完了は今お手元にお届けいたしました。
 それから入札日でございますが、これは入札日という形での資料は実は私ども政府も、それから基金もつくっておりません。他方これは公知されておりますので、資料に当たりまして入札日をきちんと整えまして後刻お届けすることは可能でございます。ちょっと時間をいただきたいと思います。
 それから契約日でございますが、契約日はやはり企業名、金額同様、契約の内容にかかわるということなので、従来お答え申し上げております企業名公表と同様、公表は差し控えさしていただきたいという立場でございます。
#64
○和田静夫君 契約日まで公表できないというのはこれは了承できませんので、なおそこのところは資料として求め続けます。
 そこで会計検査院、この機会にOECFのすべての審査書類を洗い直して、必要とあらばフィリピンに資料請求をして全貌を解明すべきだと思うんですが、院長いかがですか。
#65
○会計検査院長(大久保孟君) お答えいたします。
 会計検査院といたしましては、今回の問題につきまして深い関心を持っておりまして、検査担当局課の体制の整備を図り、また今お尋ねの点につきましては入念に洗い直しするよう事務当局に指示してございます。以下担当局長から補足さしていただきます。
#66
○説明員(秋本勝彦君) お答えいたします。
 ただいま院長から御答弁申し上げましたとおりに、私ども第五局、担当の局でございますが、官房あるいはほかの局から応援体制も整備していただきました。したがいまして、この組織を十二分に駆使いたしまして見直し検査をいたすための準備をいたしておるところでございます。現在は計算書、証明書類など手元の資料の整理、再検討、それからそのほかの各種情報資料の収集、解析、あるいは検査手法のあり方などについて努力を傾注しているところでございます。
#67
○和田静夫君 フィリピンに資料要求ということもあるんですか。
#68
○説明員(秋本勝彦君) お答えいたします。
 先生御承知のとおり、私どもはこの関係においては経済協力基金を検査対象としております。それから貸付先の立場に当たるのが御承知のようにフィリピン国の方になるわけでございますから、こちらに直接資料を要求するというわけにはいかないわけでございます。
#69
○和田静夫君 外務大臣、今後の援助について日比両国で不正監視機関をつくれという提言があるわけですが、どう対応されますか。
#70
○国務大臣(安倍晋太郎君) まだ議論としては政府間では話し合いをしておりませんけれども、いろいろと報道等も出ておりますし、またフィリピンの要人の意見としても出ていることは承知しております。いずれにしても、今後フィリピンに対する援助が適正に行われなきゃなりませんし、効果的、効率的でなきゃならぬ、こういうふうに思っておりますし、そういう観点で日比間で、政府間で十分話し合う必要があるんじゃないか、こういうふうに考えております。
#71
○和田静夫君 私は、やっぱり不正監視のための機関をぜひつくるように強く求めておきます。
 総務庁長官、円借款のあり方について行政改革という観点から私は見直す必要があると考えるんですが、何か具体的なことをもうお考えになっていますか。
#72
○国務大臣(江崎真澄君) この問題の進展によりましては行政監察ということもありましょうが、まだ今答弁でお聞きのとおりの段階でございまするので、特段の措置に出ておるわけではございません。
#73
○和田静夫君 ちょっと総理、お休みのときに悪いんですが、内閣総理大臣中曽根康弘さんが群馬の選挙区の青年たちに向かって四月十八日の新宿御苑の観桜の招待状をずっと無差別に出されたという手紙が今ここへ、私に届いたんです。これは一体どれぐらいお出しになったんですか。
#74
○国務大臣(中曽根康弘君) 何部出したか私知りません。例年どおり慣例に従ってやったと思います。
#75
○和田静夫君 この私に寄せられた手紙、我が党に寄せられた手紙は、公職や団体等に関係したことが全然ない、商売だけをやっている私は一青年です、これが来て驚いていますと言ってきているんです。
#76
○国務大臣(中曽根康弘君) 事務的に全部処理して、いろいろな選挙とか思惑がないように注意してやっております。調べてみます。
#77
○和田静夫君 これは自治省、こういうような内閣総理大臣がずっと無差別にお出しになるというのは、公選法との関係はどうなんでしょうね。
#78
○政府委員(小笠原臣也君) お答えを申し上げます。
 公職選挙法では、選挙運動の告示が行われる以前の事前運動を禁止しておりますのと、それから選挙運動期間中に入りましても、法定で認められた選挙運動用の文書図画に関する制限を置いておるということでございまして、選挙に関係のない文書は公職選挙法上問題ないわけでございます。
#79
○和田静夫君 これは総理、総理の名誉にも関することでありますから、実情については御調査の上報告を後で願いたいと思います。よろしいですか。
#80
○国務大臣(中曽根康弘君) 毎年桜が咲くころは新宿御苑でやるものですから、まさか桜に咲くなど言うわけにもまいりません。毎年の慣例どおりやっておることであります。一応調べて見ます。
#81
○和田静夫君 これは突然初めてもらった、息子さんのことかなとまで手紙に書いてあるわけですから、その辺のところは……。
 そこで、農水相、日ソ漁業交渉、これは農水相訪ソが確定したようですが、いついかなる態度で訪ソされますか。
#82
○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げます。
 今、私どもの方は外交ルートを通じながら、私の訪ソにつきまして向こう側に申し入れしております。また先方の方でも数日中のうちに、一両日という言葉を使ったんですが、迎えたいという話でございますけれども、まだ実は正式の招請といいますか、あれが来ておらないというのが現状であります。
 私が訪ソするに当たりましては、もう先日来申し上げましたように、現地の北海道を初め関係漁民、この皆さん方の実情等、あるいは加工関係あるいは流通関係、町によっては九〇%北洋に依存しておるという町もございます。そういう皆さんが本当の窮状に陥っているという現状でありますから、この点を踏まえながら、また日ソ関係というのが、先日シェワルナゼ外相もやってこられたということで今一歩前に踏み出そうとしているときでもある。こういったときに、多少難しかった環境の中でこれをつないできたということを考えたときに、私どもはこういったことでおかしくして果たしてよろしいのかということも、率直に今、日本人が考えていることを訴えてきたい、かように考えております。
#83
○和田静夫君 その事前の折衝のために今からお出かけになるようでありますが、私は日本の北洋漁業の壊滅的な状況をつくらないために、あなたはやはり若い政治家でありますから政治生命をかけても強い努力をされるべきだ、そう思いますが、いかがですか。
#84
○国務大臣(羽田孜君) そのつもりで率直に日本の実情を訴えてまいりたいと思います。
#85
○和田静夫君 減税問題についてでありますが、総理、先日、大規模な減税というのはおおよそどのくらいの規模だろうか目安を示していただきたいとお尋ねをしましたら、税調云々と言って中曽根さんらしくなくお逃げになったんですが、思い切った減税をやりたいと総理は確言をされているのですから、その目安ぐらいは言われたらどうでしょう。
#86
○国務大臣(中曽根康弘君) かなりの額にわたる減税をやりたいと、そう考えております。
#87
○和田静夫君 こういうふうに確認できますかね、五十九年度の所得税、住民税減税の規模を上回るものであるというふうに今のお言葉を承ってよろしいでしょうか。
#88
○国務大臣(中曽根康弘君) 数量的に明示することは、まだ税調でやっている最中でございますから避けたいと思います。
#89
○和田静夫君 ただ、総理が税調、税調と言われるのは私は余り感心しないんですが、総理が減税構想というのをずっとお出しになっているんですから、やっぱり頭の中にあってのことでしょうから、それぐらいのことは少し漏らされたらどうでしょう。
#90
○国務大臣(中曽根康弘君) やっぱり税調のやっていることを侵すことはよくないと思います。しかし、大体定性的にかなりという程度やってみたいと考えております。
#91
○和田静夫君 時期についてですが、六十一年度中に実施されるんですか、それとも六十二年度の年度当初に実施されるんですか。
#92
○国務大臣(中曽根康弘君) 今税調に諮問しておりまするのは大がかりな抜本的改正ということで、シャウプ以来の税制を見直していただくということで、これは六十二年度から実施したい。六十二年四月、それまでにだれがやりますか、法案を提出して成立させるという努力が要るということでございます。
 しかし、各党間で当面の所得税減税についてはいろいろ先般来話し合いがありまして、それはその話し合いの推移を見守っておるということでございます。
#93
○和田静夫君 これはできるだけ早く実現されるように強く要望しておきます。
 さてそこで、所得税減税の内容なんですが、総理がこれまで答弁でも明らかにされたところでは、第一に、重点を置く所得階層としては大体年収四百万円から八百万円、この層に厚目に減税を行う。第二には、最高税率を下げる。最高税率を地方税も含め六〇%にするという御発言もこの間ありましたが、具体的な数字はともかく、最高税率を思い切って下げる。第三には、税率の刻みを簡素化する。十五段階の刻みを数段階、一けた台の段階と考えればよいというようなことでありましたね、そういうふうに単純化されると。
 そこで、おおよそこれらの点が総理の答弁から抜き出した減税の具体像であると私は思うんですが、ここはよろしいでしょうか。
#94
○国務大臣(中曽根康弘君) アメリカでレーガンさんがやった最初の案というものは非常に参考になると申し上げて、大体それに近い輪郭のことを今まで申し上げてまいりました。
#95
○和田静夫君 その場合に、総理、最低税率はどうなりましょう。
#96
○国務大臣(中曽根康弘君) この点は税調でやっている最中で、数字にわたるということはできるだけ避けたいと申し上げているとおりであります。
#97
○和田静夫君 政府税調の第二特別部会に三月十八日に提出された専門小委員会報告を見てみますと、「最高・最低税率を含め、税率構造全体として、累進度を相当程度緩和すること」と書いてあるんですよ、これは六ページですが。大蔵大臣、最低税率を引き上げ最高税率を引き下げる、そのことによって累進度を相当程度緩和する、こういうふうに理解するんでしょうか。
#98
○国務大臣(竹下登君) これは累進構造についての専門小委員会報告というのは、「今後の検討の方向」の中にあるいわゆる「累進構造の緩和にあわせて、所得課税における公平確保等の観点から、課税ベースの拡大」云々というのがありますから、私は今おっしゃったとおりにそれを読むのはちょっと早計ではないかというふうに思います。課税最低税率と最高税率の問題はちょっと早計だろう、まだこれから御議論なさる問題であろうと思っております。
#99
○和田静夫君 しかし大蔵大臣、ここは最低税率は引き上げるということは読めるわけでしょう、これは。
#100
○政府委員(水野勝君) 先生御指摘のように、「最高・最低税率を含め、税率構造全体として、累進度」を緩和するとございます。ただ、それがどういうふうな形で移行するかはここでは全く触れておりません。それからまた小委員会報告を受けまして、今後特別部会なりあるいは総会なりで具体的な検討がされるということでございますから、この表現から最低税率がどういうふうに推移するということを具体的に申し述べておるものではなかろうというふうに考えておりますが、いずれにしましても今後の審議次第でございます。
#101
○和田静夫君 最低税率をいじるということはあるわけですか。
#102
○政府委員(水野勝君) とにかく税率構造全体として緩和されるということでございます。そこがどういうふうな動き方をするのか、そこらはまだおよそ触れていない、白紙である、こういうふうにお考えをいただけるのではないかと思うわけでございます。
#103
○和田静夫君 とても白紙だとは読めませんがね。もう少し続けますが、木下報告の六ページに、さらに「課税ベースの拡大」を検討する必要があるというんですね、「課税ベースの拡大」というのは何ですか。
#104
○政府委員(水野勝君) これは狭い範囲ではいろいろな非課税のものを言っておられるかと思いますし、さらに広げて言えば分離課説になっている部分をも含める、あるいはさらにいろいろ広く議論をされる学者などによりますれば、それは所得控除などなどそういったものも含まれると、いろいろな御議論があるわけでございます。ここらは特段そこをどの部位に、部面に的を当てて言っておられるか、そこらは全部漠然と含んで議論をしておられるのかな、こんな感じでございます。
#105
○和田静夫君 端的に言って課税最低限の引き下げを検討するということじゃないですか、これは。
#106
○政府委員(水野勝君) 今申し上げました、非常に広い読み方をすればそういうお読み取りもできないという話ではないと思いますが、端的には非課税になっているものをどうする、そこらが一番よく議論をされるところでございます。先生の御指摘のような読み方もできないわけではないと思いますが、そこまでのことをこの一行で言っているというふうに読むこともいかがかなという感じもいたすわけでございます。
#107
○和田静夫君 ほぼあなたの頭の中では認めておいでになるが、いろいろ政治的にお考えになっているんだろうけれども、私は課税ベースを拡大するということは、これで課税を免れていた層も課税するという意味以外には読めないですよね。それは違う方法があるんだろうか。
#108
○政府委員(水野勝君) 端的には御指摘のような、現在特別に非課税とされているものをも課税に取り入れていくというふうな読み方が一番素直ではないかと思います。
#109
○和田静夫君 ようやく解釈を合格させていただきました。
 総理、「課税ベースの拡大」とは課税最低限を引き下げること、今の解釈で。
#110
○国務大臣(中曽根康弘君) 私が前に申し上げたでこぼこ調整、そういう一つの部類で、その中には今言った分離課税というものもこれを総合に持っていくという場合もあり得るし、さまざまな対応があり得る。しかし、それらは今抽象的に言われているので、具体的には本委員会において審議され、また我々がどう受け取って決めるかということにも関係してくると思います。
#111
○和田静夫君 私は、主税局長が今ぎりぎり言われたところで答弁よいと思いますし、総理には若干の含みがありますけれども、今のことを前提にしてのお話ですからそれを受けとめておきますが、私はやっぱり総理、税調税調と余り言われずに、税調は税調で議論されるのは専門家でよろしいと思う。しかし、国会では減税は議論されないということにはならないので、真剣に我々議論させていただきたい。これは租税法定主義からいっても税金問題を議論しないということになりませんからね。
 そのことは頭に置きながらですが、要するに木下報告というのは課税最低限を引き下げて最低税率を引き上げることを検討に値するというふうに言っているんですよね、主税局長。
#112
○政府委員(水野勝君) ただいま申し上げましたように、課税ベースの拡大、これは特別の規定でもって非課税とされているものにつきましても今後見直しをしていくという、今総理から申し述べられましたでこぼこ調整というふうにお読みするのが一番自然かと思いますので、この一行二行の表現から課税最低限を下げていくというふうに、そこまで読み込むのはいかがかなということを先ほど申し上げたわけでございます。
 また繰り返してございますけれども、結局税率構造は最高と最低で決まってくるわけでございますが、それをどういう具体的に姿、推移でもって緩和していくか、これは全くこれからの問題でございますので、最低税率をこれでどんどん上げていくとか、そういうところまでここで読み取るのは少しいかがかなと。そこらは全くこれからの検討にゆだねられているというふうに私どもも解釈し、また今後、税制調査会にもそんなふうに御審議を願っていったらどうかと考えておるわけでございます。
#113
○和田静夫君 それじゃ、ちょっと角度を変えた質問をしますが、課税最低限は例えば引き下げて最低税率を引き上げる。大蔵省、これは当然のことながら比較的低い所得階層の人には増税にそのときはなりますね。
#114
○政府委員(水野勝君) 一般的にはそういうような姿になろうかと思いますが、でございますからこの報告がそこまでそれを具体的にイメージを置いているというところまではちょっといかがかと思うわけでございます。
#115
○和田静夫君 大臣、こういう結果どういうことが出るかというと、四百万から八百万の年収層に重点を置いた減税をやると総理もこの間私に答弁されたんですが、最低税率をもし引き下げなければならない、あるいは最低税率を据え置くのであったならば課税最低限をかなり引き上げる必要がある、こういうことになるんです。このどちらかが必要だ。これは極めて論理的に、あるいは言いかえればごく自然法的なんですね。自然にそうなっていくと思うんです。いかがでしょう。
#116
○国務大臣(竹下登君) 私も、これまた一行の問題、木下報告をどこまで本当は読み取れるものかと。最初私なりに素人的に感じましたのは、いろんな議論もあるんでございましょうから、最初はいわゆる独身貴族の熟年こじきとかいうようなことをよくうたう人がおりますが、そんなような頭で書かれたんだろうかなと思ったが、今度別に角度を変えてみますとそうでもない。いわゆる今の非課税部分、一人一人の所得税の体系の中の非課税ではなくして、利子配当とかいろんな課税されてない部分をどう広げて取り入れるということかなというような、非常に広範なでこぼこみたいな感じで私は最終的には受けとめたわけでございます。
 今の和田さんの前提を置いた論理というのは、今聞いたばかりでございますが、それなりに成り立つ論理ではあるなと、その前提を置けばですね、そういう印象で承っておりました。
#117
○和田静夫君 若干具体例を挙げて説明いたしますが、今、課税最低限をそのままにしておいて最低税率を引き上げるケースを想定したんです。現行の最低税率が一〇・五%ですからそれを〇・五ポイント引き上げてみた、それで一一%とした。この一一%の税率をフラット税制ということで年収八百万円層までの適用税率と、こうやってみたんですね。そうすると、年収八百万円層というのは、これはサラリーマンで夫婦子供二人を標準世帯としますと、この標準世帯の課税所得は四百三十七万五千円ですよ。そこで、一一%の税率が適用される課税所得を五百万円以下とします。そして、課税所得五百万円超から七百万円までの適用税率を五%ポイント上げて一六%とする。この税率を年収二百八十万円、四百万円、六百万円、八百万円、一千万円層に適用するとどうなるかといいますと、まず二百八十万円では、そこに資料をお届けしましたように、二百八十万円層は四・八%の増税なんですね。次に四百万円では二・八%、これはわずか五千六百円の減税。以下六百万円では一八・五%、それから八百万円では三三・四%、それから三七・四%と、こういうふうに一千万円の場合はなっていく。これは極めてシンプルなモデル計算を私はやったんですが、これ以上複雑なモデルでも結果は同様であります。
 まず第一に、年収三百五十万円以下の階層は増税になる。第二に、四百万円から五百万円の層は減税になる。その額は極めて小さいんです。それに比べて第三に、八百万円を超える階層では減税の幅は極めて大きくなる。総理、要するに最低税率を引き上げる方法では低所得層は増税となって、中堅所得層の減税幅より高所得層の減税幅の方が大きくなってしまう。この事実、計算の結果、これは総理お認めになりましょう。
#118
○国務大臣(中曽根康弘君) やり方によってはそういう場合もあり得ると思いますが、別のやり方をすればまた違う結果が出ると思います。
#119
○和田静夫君 総理、言っておきたいことは、最低税率を引き上げてそして課税最低限を引き下げると、総理が頭に描かれている中堅所得層の減税とは非常に矛盾をするということを私は立証したかったのであります。中堅所得層に重点を置く減税をやろうとすれば、最低税率を引き上げてそして課税最低限を引き下げなければならない、これは極めて論理的でありますし自然法則的なんです。ここのところはお認めになっておいていただきたい。
#120
○国務大臣(中曽根康弘君) ともかく、ゆがみとかひずみとか重税感とか、そういうものを改めよう、そういう趣旨で、特にいわゆる子持ちの中堅所得層で教育費やローンの支払いで今重圧を受けているそういう人たちが本当に減税の恩典に浴せられるような減税を考えたい、そういう中身をひとつお考え願いたいんです。
 それでは、それをどういう具体的な手法によってやるかということは、答申が出てきた後、技術的にも答申の内容をよく検討し、大蔵省の主税局の専門者ともよく相談をして、我々が満足のいくようなそういう配分形態というものを考えるつもりでおります。
#121
○和田静夫君 総理が私に四百万から八百万層と言われましたから、それを裏づけるためにどういうふうにやったらいいだろうと思ってはじいてみたら、こういうことが起こり得ますから、そういうことが起こり得ないようなことの注意を喚起するためでもこの論議をしているわけであります。自治大臣どうですか。
#122
○国務大臣(小沢一郎君) 先ほど来、総理あるいは大蔵大臣より御答弁がありましたとおり考えております。先生の今のそういう仮定に立てはそういうことになるのかなというふうに、お聞きをしながら考えておりますが、いずれにしても、ただいま総理の御答弁になったような形で今後されるものと思っております。
#123
○和田静夫君 これは何も自治大臣に突然質問をしたのでありませんで、住民税に深くかかわってまいりますからね。最低税率の問題は後でもう一遍立ち戻ります。
 資料のUでありますけれども、中曽根総理や木下報告が言っていることを私は絵解きしてみようと思ってやったわけです。あなた方がおっしゃる減税モデル案というものをつくって、それでそれがどういう意味を持つのかを明らかにするという目的でケースTとケースUを想定しました。ケースTは最高税率五〇%、最低税率一二%、税率の刻みは七段階。ケースUは最高税率が六〇%、最低税率が一一%、税率の刻みは八段階としました。いずれも税率の刻みを思い切って簡素化し、最高税率を引き下げ、そして最低税率を引き上げることで累進度を相当緩和したつもりです。私としては、総理の頭の中にあるものを忠実に描き出すそういう努力をしたところです。そういう自負をしているんです、この総理の思い描く減税案というものはこういうものなんだろうと。
 そこで問題は、この減税案が現在の所得階層別の税負担にどういうような影響を一体及ぼすのかということであります。ケースTでは何と年収四百六十四万四千円の階層までが増税になってしまうわけであります。しかも、肝心の中堅所得層でも下の方は増税になるということであります。これに引きかえまして、一千万円を超える所得階層というのは物すごい減税になるんです。年収五千万円の世帯は何とこれ三七・五%の減税になるんですよ。この計算は間違っていません。大臣、主税局にもちゃんと照会を出して、大体おまえの計算は合っていると、こうなっていますからね。ケースUでも同じことが言えるわけでありまして、年収三百五十一万四千円までは増税、四百万円とか四百五十万円とかの層は一万円かそれ以下の減税にしかならない。年収二千五百万円の層では何と百五十万円の減税になってしまうんです。要するに、どちらのモデルも中以下では増税もしくはほんのわずかなスズメの涙減税とでもいいますか、そういうものであるのに対して、一千万円を超える層では上へいけばいくほどべらぼうな減税になる。これはどう考えても貧乏人いじめ、金持ち優遇の減税案、こういうことになりますね、大蔵大臣。
#124
○国務大臣(竹下登君) この資料を前提に置いた計算は、私もこのとおりだろうというふうに思います。したがって、これからどういう御論議ができるかという、その推移を見るわけでございますが、ここで例えばこういうことがありますというようなことを私が言うのも適当な場所でないような気がするものですから、あるいはいま少し分析を、あるいは事務的にきちんとした分析でお答えした方が適当であろうかと思いますので、主税局長からお答えをさせます。
#125
○政府委員(水野勝君) 御指摘のようなシステムにいたしますと御指摘のような計数になることは事実でございます。ただ、ケースTでございますと、サラリーマンの平均の年収額と申しますのは四百万から五百万ぐらいの間にございますので、そのあたりの方々で減税率というのがマイナスになっているということは、全体として税率構造の変更によってむしろこれは増収の方になるような案のようにも考えられるわけでございます。しかしながら、いずれにいたしましても、税率構造も一つの要素でございますし、給与所得控除をどうするかということもございますし、それから所得税だけでなくて、先ほど御指摘のような住民税とのかかわり合いもございますので、この部面をとってだけシステムを考えればこういう結果になります。これもまた一つのお考えというか、考えられる方式ではありますが、それぞれ問題もあろうかと思いますが、さらには給与所得控除のあり方、課税単位のあり方、住民税とのかかわり合い方、そこらを全部ひっくるめた上で階層別にどうなるかということを全体の姿の中でいろいろ御議論をいただくのが自然ではないかという感じがするわけでございます。
#126
○和田静夫君 私のこれの部分をお認めになった、これならばこうだとお認めになるわけですが、大臣も主税局長も。そこで、もしほかに方法が今言われるように主税局長の頭の中にあると言われるのなら、百でも二百でも最低税率を引き上げ、最高税率を引き下げ、刻み簡素化、そして課税最低限を据え置くもしくは引き下げ、そういう前提においてモデルを立てる、そしてその結果を今ここで提示する、やってみてください。
#127
○政府委員(水野勝君) 現在税制調査会は、課税単位、累進構造、給与所得控除、これらの大きなテーマにつきまして学者委員会から報告がそれぞれ個別になされたということでございまして、御指摘の木下小委員長報告もその一つでございます。これらのいわば学者の方々の定性的なものを三つ合わせて、所得税制全体がどうなるか、それをさらに具体的な今御指摘のようなブラケットのつくり方をやるのか、どういう階をそこに求めるのか、それはこれから全体幾つかのテーマをひっくるめて所得税をどう考えるかという総合的な検討に恐らく特別部会が入られるのではないかと思うわけでございます。それを受けて総会がまたどのようにされるか、それを受けて私ども事務方としてどのように組み立てていくか、これはまさにこれからの問題でございますので、ここに御提示のような考え方、一つのお考え方を私どもも勉強させていただくつもりでございますが、今それでは先ほどからのテーマについて全体を組み立てたものをここでというのは大変難しい問題でございます。
#128
○和田静夫君 これは主税局長がそう言われちゃ終わりなんで、反論をしてもらえるのなら反論をしてもらった方が私も勉強になりますし、国民全体もそれを踏まえながら税というものを考えるということになるのでありまして、先ほど申しましたように、税はこれは法定でありますから、その法律を我々国会が論議するのですから、具体的な提言なしにこちらの提案をしているものについては批判だけを加える、これは通りませんよ。
#129
○政府委員(水野勝君) 繰り返してございますが、累進構造、これは所得税制の柱でございますから大変重要な項目であろうかと思いますが、これは先ほどから御指摘のように、それとの見合いで課税最低限をどうするのか、サラリーマンに非常にウエートの大きい給与所得控除をどうするのか、課税単位をどうするのかといったもろもろの要素を全部ひっくるめて全体の姿を描き出してくる、その上で階層別なり所得種類別のいろんな負担の変動もまた御議論をいただく、そういう段取りになっていくのではないかと思いますので、この案について、もしどうだと、それからまたそれにかわるものはどうだということは、この時点では大変難しい御指摘でございます。
#130
○和田静夫君 総理はつとに四百万から八百万層に言われたとおり大減税をやると言われているんですが、それを受けて事務当局はこういうふうにはじけばこうなりますというぐらいの用意はもうとっくにあるだろう、私はあると思うから、私の方は言われているような抽象的なことではそんな減税になりませんよということを言っておるわけですからね。これは主税局長よりも大臣、この辺はどうされますか。
#131
○国務大臣(竹下登君) これはなかなか難しいお答えになりますが、例えばケースTで見ますと、我が方の給与所得者の大宗が位置づけられるところが三角になっておりますね。そうすると、全体は恐らく増収になるということになろうかと思います。したがって、これはもとより参考にすべき資料でありますし、当然税調等にも報告すべき課題でございますが、恐らく木下先生の場合は今おっしゃいましたとおり単純に最後の一行の問題と、それからそのほかブラケットの問題等を御指摘なさっておりますが、またほかの課税単位の問題、それから各種控除をどうするか、そういうものを全部を組み合わして結論を出さなきゃならぬ課題だろう。今先生の分は、言ってみれば従来の控除等の仕組みはいわゆる現行制度に立って、そして課税最低限と最高限とだけを確定さしてそれでなすった数値でございますから、まだその中身のいろんな組み合わせというようなものもこれから議論されるんではないか。ところが、課税単位の話なんかになりますと、いや例えば二分二乗方式の場合はどうなるとか、あるいは世帯単位の場合はどうなるとか、そんな議論にまで展開していくことはちょっと今の場合、非常に事務的な議論の展開なら結構だとも思いますが、私自身言葉を選んでおりますのは、何か一つの方向を出すような印象を与えちゃいかぬと思って慎重に対応しておるわけでございます。ある意味において、言語も明瞭でなく意味も余り明瞭でないお答えをあるいはしておるとも思います。
#132
○和田静夫君 どういうようなモデルを立てても課税最低限を据え置きもしくは引き下げて最低税率を引き上げますと低所得者層は増税で、中堅でスズメの涙、こういうふうになりますから、どうも大蔵省は低所得層というのは独身貴族であって多少負担増になってもよいのだという理屈を立てておられるような気がして私は仕方がないんです。しからば、独身貴族ではない低所得層、中堅所得層はどうなるのだろう。低所得層の中には独身貴族以外の世帯もたくさんあるわけですね。大臣、そういう世帯というのはどうなるんでしょうね。
#133
○国務大臣(竹下登君) 私がちょっとそういう言葉を今申しましたが、よく大蔵委員会なんかでも独身貴族の熟年こじきだとか、余り適切な表現でございませんが、そういう話がございます。したがって、やっぱり課税最低限の構築の仕方というのは、独身としてではなく、今までどおりの構築の仕方で、例えば控除の中身が多少違ってきましてもそんなことではないかなと思っておりますので、総理のよくおっしゃる中堅階層というのは、ちょうど子供たちあるいは教育費にも支出の一番かさむような層を連想しておっしゃっているということで、独身を対象にしたイメージというのはちょっと浮かんでこないというのが私の実感でございます。
#134
○和田静夫君 大臣、この平均二百万円から三百万円台の世帯はどうなるかということなんです。この世帯は減税しなくてもよいとまさか大臣はお考えになってはいないんだろうと思うんですが、あるいはお考えになっているのかもしれませんけれども、税務統計によりますと、この年収三百万円台では、一人当たり一・四人の扶養家族を抱えているんですよ。決して独身貴族ではないんです。独身貴族でない低所得層もこれは増税になるんですから、これは大蔵大臣、減税ではなくて所得税増税ということになりますから、そこのところは十分気をつけてもらわなきゃいかぬと思うんですが、いかがでしょうか。
#135
○政府委員(水野勝君) 決して独身者はどうなってもということではございません。基本的には先ほどから申し述べておりますように、今回のは、ゆがみ、ひずみ、不公平感、重圧感といったものを見つけ出し、それを除去する、そういうのが主眼でございますので、それぞれの世帯類型なりに応じてどういうゆがみがあり、重税感があるか、そこらをもって検討の中心テーマとしておるわけでございますので、二百万、三百万だから、それは単純に独身世帯だから、そこはゆとりがあるからというふうな簡単なものではないだろうと私どもも考えておるわけでございまして、まずは中心的なテーマから入ってまいると思いますけれども、それぞれの検討の課題では、それぞれの階層別、それぞれのタイプ別に、ゆがみ、ひずみ、重税感、それぞれそういった分析を進め、全体としての姿を構築させていただくということではないかと思うわけでございます。
#136
○和田静夫君 大蔵省、年収一千万円超の高額所得層を見るとどうなるかというと、さっき言った最高税率を引き下げた効果がもろにあらわれてべらぼうな減税になっているわけですね。年収五千万円では、ケースTでは何と三七・五%でしょう。ケース皿では二〇・九%。そうすると、最高税率を一〇%下げただけで二割の減税になるんですね。最高税率を下げるということを総理がかつて答えられたから、このところを頭に置いて言っているんですが、どうもそういうところにねらいがあるというのじゃないだろうか。高額所得者の税負担を思い切って軽減する、そういうことではないでしょうね。これは大蔵大臣から、数字の問題じゃないので。
#137
○政府委員(水野勝君) 今回の改正が公正な税制をお示しする、それからまたそれは活力に資するような税制にする、そこらの要素も万般あるわけでございますので、下の方から上の方まで全体の所得階層をとって、それぞれに検討をする必要があると考えておるわけでございます。
#138
○国務大臣(竹下登君) 最高税率というものがいわば高過ぎるという議論は確かにございますし、五十九年税制改正のときに七五を七〇にしてちょうだいをして、その際も三年ぐらいごとに見直してみたらどうだというふうな意見もございました。
 その後の税制調査会等の審議の流れの中には、やっぱり今水野局長が言いました、いわゆる活力というようなことからいろんな議論がなされます。少なくとも総合収入の中の半分とかそういうものはいわゆる努力と報酬の一致という意味において残るべきであるとか、いろんな議論がございますけれども、ただ最高税率をまずは下げようと、そこを念頭に置いた今度の税制改正の諮問ではない。だから、この間来少しずつ学者先生の報告書なんか読んでみますと、随分いろんな議論があるもんだなと。重税感の中に、刻みが御案内のとおり多いと、その刻みを越した途端の瞬間が心理的には、金目は別問題として、心理的には一番それが重税感になるとか、いろんな議論があるもんだなと思って、私も勉強させていただいておりますが、重税感とかゆがみとかひがみとか、そういう痛みがどこにあるとかいうようなことから議論していただいておるわけであって、まず最高税率の引き下げありきというところに焦点を置いて議論をお願いしておるというわけではございません。
#139
○和田静夫君 それじゃ、ここのところを一つ確認しておきます。大蔵大臣と自治大臣ですが、最低税率を上げて最高税率を下げれば、自然法則的に高額所得者に有利になってしまう。ここのところはお認めになりますね。
#140
○国務大臣(竹下登君) 現行の基準等を前提に置いた場合、その論理は計算できると思います。
#141
○国務大臣(小沢一郎君) 大蔵大臣の答弁したとおり、私もそう思います。
#142
○和田静夫君 実は木下先生に参考人に来てもらった方が、きょう論議するのに一番よかったんですが、私は先ほど申しましたように、ここは衆議院と違って一人しか参考人を呼べないので、マルコス問題の参考人を要請しておったものですから、その機会を失ったんです。
 実は述べていることは、最低税率を上げて最高税率を下げる減税方式は貧乏人には不利で金持ちには有利、マルビには増税、マル金には大減税なんですね。さらにこの方式の問題なのは、この方式だと納税者の大多数が増税ないしスズメの涙減税になってしまうというところにあるんですよ。
 国税庁、民間給与所得者のうち年収四百万円以下の納税者は全体の納税者の何割ですか。
#143
○政府委員(水野勝君) 民間企業実態調査等の資料はあるわけでございますが、いろいろまた数字の取り方もあろうかと思いますが、大ざっぱに申し上げれば、恐らく四百万円以下の収入の所得者数は全体の七割ぐらい前後かなという感じでございます。
#144
○和田静夫君 国税庁は六七・八%なんですが、来てないんですか。
 そうすると、ケースTで粗い推計をしてみますと、年収四百万円の層までが増税になってしまう。つまり、民間サラリーマンの納税者約三千二百万人のうち今言われるように約七割が増税になってしまう。ケースUの場合でも、年収二百万円以下の層は増税になるわけですね。
 国税庁、民間給与所得者のうち年収二百万円以下というのは全体の納税者の何割を占めていますか。
#145
○政府委員(水野勝君) 四分の一強ぐらいの割合かと思います。
#146
○和田静夫君 これは私の推計では年収二百五十万円層ぐらいまでがケースUの場合増税になりますから、これを税務統計で推計をしますと、納税者の約三割が増税になってしまう。したがって、これは減税ではなくて増税だ、そう言わなきゃならぬのです。
 主税局長、仮にこのケースTのような税制をとった場合に、納税者のかなりの部分が増税になる、過半数が増税になるということですね。これはお認めになりますね。
#147
○政府委員(水野勝君) 大方そういう結果になろうかと思います。
 したがいまして、先ほどから申し上げておりますように、ケースTというのはこれはなかなか厳しくて、全体としてもこれは恐らく、ほかのものを全部現行のままとしますと、これによって増収になる結果も出てくるのではないのかなという感じもいたしますが、なおよく精査してみませんとわかりませんが、御指摘のようなこの方式でございますと、そのような結果になろうかと思います。
#148
○和田静夫君 少なくとも年収四百万円から減税になるような税制を組み立てた場合に、民間給与所得者では、納税者の約七割が増税になる、これは税務統計から即座に計算できることなんですよ。今お認めになったから、これ以上深追いはしませんが、要するに最高税率を下げて最低税率を上げるというやり方というのは多くの納税者にとっては減税ではなくて増税なんだとお認めになったように、したがってこの点からも、最低引き上げ最高引き下げ方式というのは非常に大きな問題を抱えていることだけは、大蔵大臣、お認めになっておいていただきたい。
#149
○国務大臣(竹下登君) その前提ではそのとおりだと私も思います。
#150
○和田静夫君 総理の見解も承っておきます。
#151
○国務大臣(中曽根康弘君) 私もそのように思います。
#152
○和田静夫君 もう一遍、私が指摘したところをまとめさせてもらいますが、最低税率を引き上げることは低所得層に増税になる。その影響は低所得属にとどまらず、肝心の年収四百万、五百万円層でも増税になる。あるいは減税になったとしてもスズメの涙である。まして課税最低限、諸控除を引き下げたりすればこういう傾向を強めるだけであります。しかも、この方式というのは多くの納税者にとっては減税にならない。何遍もくどいようですが、申し上げておきたい。
 したがって、大蔵大臣、確認願いたいのは、最低税率を引き上げない、思い切った減税をやるのであればむしろ最低税率を引き下げることが必要だ、こういうことになるんですが、いかがでしょう。
#153
○国務大臣(竹下登君) 税率とそれから刻み、その問題については抽象的な今のところは木下先生の報告までしか来ていないわけですから、それについてかくあるべきだということを私からお答えする時期といいますか、タイミングではないというふうに、お許しをいただきたいと思います。
#154
○和田静夫君 私は、政治家としての大蔵大臣、ニューリーダーと言われている政治家としての見解をきょうは承りたいと思うんです、本当は。税調を隠れみのに竹下さんもされるというのでは大変心外なんですが、ちょっと聞き方を変えて、それではこういうふうなのはどうですか。
 低所得層に増税となるような税制改革は行わない、よろしいでしょうか。
#155
○国務大臣(竹下登君) 五十九年税制改正のときにいろんな議論をいたしまして、いろんなケースで何人たりとも増税にならないというような工夫をしたことがございますが、今日の場合はそういうことを申し上げる段階にはないというふうに考えます。いろんな場合を想定してみた場合、あれは扶養家族も何にもないラーメンの屋台を引いておる方というようなところまで詰めた議論をいたしまして、いろんな積み上げをやりましたが、そういう作業の段階までには現在は全く入っていないとお答えせざるを得ません。
#156
○和田静夫君 いや、税調作業は入っていないんだろうと思うんですが、やっぱり政治家としてあすを担う大蔵大臣は、低所得層に増税となるような税制政雄はやらぬぐらいのことは、これはお約束になってもいいんじゃないでしょうか。
#157
○政府委員(水野勝君) まさに累進構造は所得税のかなめではございますけれども、ほかにいろいろ所得控除の話、課税単位の話、給与所得控除のテーマ、研究課題、すべてまだこれからでございますので、その全体をひっくるめたところで、さらにその場合にいろいろな周辺部分の方がどうかと、そこらまで検討段階が行けばいろんなケースについてきめ細かく考える時期になろうかと思いますけれども、今はまだ学者先生方の小委員会報告でございますし、これもまた定性的でございますので、そこらのテーマを全部ひっくるめた上で全体の姿をかいてみる。それから、社会の各層の方それぞれの担税力なり、ゆがみ、ひずみに応じてさらに分析して、どういった方がどうなるというところまで検討を進めていく、それにはまだかなりな時間がかかろうかと思いますので、すべてはこれから詰める段階で、引き続き御検討、御議論をいただければと思うわけでございます。
#158
○和田静夫君 どうもこれは議論がかみ合わないのですが、若き自治大臣、住民生活よく御存じでありますから、低所得層に増税にならぬと、当たり前のことでしょう。
#159
○国務大臣(小沢一郎君) 私は税の仕組み等については余り詳しくありませんでよくわかりませんけれども、税調におきましてもいろいろ論議され、そして最終的にまた国会においても論議されて決められていくべきものでございますので、そういういろいろな観点からの論議を詰めて今後いくものであると、そのように考えております。
#160
○和田静夫君 自治大臣、逆なんでね。我々が後で論議をしようと思ったらもう間に合わぬのですよ。したがって私は、予見的な論議をちゃんとしておかないと話にならぬので、政府側はそれを受けてもらって、ちゃんと税調にこれが生きていくようにやってもらわなければ困るわけであります。大蔵大臣、そうですね。
#161
○国務大臣(竹下登君) 国会の議論を正確に伝える、これは今まで私どものとったまさに手法でございますが、そこでいつも感じますのは、今で言えば五十八年の十一月の中期答申というのが、いわば大蔵大臣のあるいは自治大臣の縛りになっておりますね。したがって、その意見以上に出ないということに恐らく歯がゆさもお感じになるだろうと思いますが、我々はやっぱり五十八年十一月の中期答申が縛りになっておりますし、そして毎年毎年のその年ごとの答申ももちろんございますけれども、その縛りの中で、そして総理から諮問されたあの諮問文の中で縛りにかかった議論になっておるというふうに私もいつも感じますが、それでまたいいんじゃないかなと思っております。
 私のような非専門家が軽率に私見を述べて、それが税制理論から逸脱しておるとしたら、これは私も生涯浮かばれませんけれども、その点は、やっぱりああいう審議会があるというのは隠れみのとしてではなく、行政府の一つの節度というものを我々に示しておるということではないかなと。そうすると、その範疇を出た議論というのはなかなかできないというのが現状でございます。
#162
○和田静夫君 すべての源泉徴収される納税者、言いかえればすべてのサラリーマンに、所得階層に格差なくほぼ等しい割合で減税される、これはいいでしょうか。
#163
○政府委員(水野勝君) 今回、総理から諮問をいただいて税制調査会が検討いたしておりますのも、ゆがみ、ひずみを探り出し、それを緩和する、除去する、重税感、不均衡感をなくすということでございますので、全体としてそれがすべての人に同じ率で減税になるということになりますと、今回の基本的な改正作業というものとはややどうも離れてくるのかなと。やはり重点はゆがみ、ひずみ、重税感、不公平感をなくす、緩和するというところにあるということから出発をするのではないかというふうに考えられるわけでございます。
#164
○和田静夫君 自治大臣、よろしいですか。
#165
○政府委員(矢野浩一郎君) 今回の税制調査会で御審議いただいておりますところのもとになっております政府の諮問につきまして、先ほど主税局長からも答えられましたとおりの考え方で進められておるところでございます。
#166
○和田静夫君 ここのところは問題ないようですが、総理、すべてのサラリーマンに、所得階層にまんべんなくほほ等しい割合で減税をされるべきである、ここのところはいいでしょう。
#167
○国務大臣(中曽根康弘君) さっき水野主税局長が言いましたように、ゆがみ、ひずみ、重税感、不公平感、それを直そうというので、いわゆる全く同じ、平等といいますか、そういうようなものではないと思うのです。ある部分は少し強くなったり、ある部分は弱くなったり、つまりひずみやゆがみ、それを直そう、そういうことでもあり、また国際的ないろいろな外国のやり方等も参考にしてその水準等も考えていく、そういうような点もあるわけですから、一概にやるというわけではないと思います。
#168
○和田静夫君 最後に、大蔵大臣、この所得税の改革に当たってもう一言ですが、高額所得層のみの優遇はしない、これは確認できるわけですね。
#169
○国務大臣(竹下登君) 少なくとも諮問そのものが、まず高額所得者の減税ありきという諮問ではございません。ただ、税調の議論は別といたしましても、そこまでは正確に言えると思います。
#170
○和田静夫君 自治大臣、住民税の改革に当たって高額所得者のみを優遇はしない。よろしいですね。
#171
○国務大臣(小沢一郎君) 住民税につきましても基本的に国税に準じて行われるものでございますし、ただいま大蔵大臣の答弁したと同じ考えであると思います。
#172
○和田静夫君 六十一年度予算編成の最終段階で、自民党藤尾政調会長、増岡前厚生大臣、竹下大蔵大臣の間で社会保障特別会計の構想を検討していくことになったとされました。この委員会でも取り上げられまして、厚生大臣は極めて示唆に富んだ構想を述べられました。そこで、どういう点で示唆に富んだのですか。
#173
○国務大臣(今井勇君) まず、今後人口の高齢化などがどんどん進んでまいりますと、社会保障に要します経費はどんどんこれはふえてまいります。また老人保健制度であるとか基礎年金制度といった全国民を通じます制度の創設を契機にいたしまして、国民の関心というものが個別の制度にとどまらないで、社会保障全般にわたります給付と負担ということにだんだんと向けられるようになってきておるわけです。
 そこで、社会保障に関しまして一般会計から切り離しまして特別会計を設置しようというこの構想は、こういった状況を踏まえて、いわば社会保障の給付と負担の対応関係を明らかにして、国民がその将来の推移について明確な認識を持てるようにするものだということでございます。そういうことによって今後の社会保障財政のあり方について国民の理解を得やすくするという点が、私は極めて示唆に富んでいるものだというふうに理解をいたしております。
#174
○和田静夫君 あなたの言われたどういうような意味で有効な考え方ですか。
#175
○国務大臣(今井勇君) 今申し上げましたように、社会保障の給付と負担の対応関係を明らかにして、国民がその将来の推移について明確な認識を持てるようになるということが私は大事な点だと思っております。
#176
○和田静夫君 どうも答弁の趣旨があれですが、そこで社会保障関係の予算がもう苦しくなっていること、極端なことを言えば予算が組めない状況をつくり出している政府・与党の予算編成の姿勢、そういうものの方針の結果なんですが、防衛費等に財源を優先配分しているからだという、そういう反省がまず一つある、そのことが私は示唆に富んだことになる、そう思うのですが、ところがそうじゃないのかね、厚生大臣に伺います。
#177
○国務大臣(今井勇君) 同じような答弁になりますけれども、やはり社会保障全般にわたります給付と負担というものの関係が極めて国民の関心の的になっておりますので、やはりそういうものについて、国民が将来の推移について明確な認識を持てるように、そういうふうにするためにはどうすればいいかということから私は出たものだというふうに理解をいたしております。
#178
○和田静夫君 いや、示唆に富んだというのはあなたの御答弁だから私聞いているのですが、私は財政運営の基本姿勢を政府が反省をし、改める必要性を痛感する契機となることが示唆に富む本当の意味だと実は思ったのですが、どうもそうじゃないような感じがしますね。高齢化社会到来等を理由にした財源づくりやら、政府の従来の予算政策の失政、そういうもののしりぬぐいのためにこういう構想に乗っていくというような、厚生大臣、そういう示唆に富むというような考え方というのは、私はちょっと許せないのですがね。
#179
○国務大臣(今井勇君) やっぱり今後の社会保障の財政のあり方について国民の理解と合意が得やすくなるという点が私は極めて示唆に富んでいると思っているわけです。
#180
○和田静夫君 どうも答弁そらされていますけれども、総理、この構想を実際に導入したと仮定をした場合ですが、総理公約の財政再建との関連及びその政治責任というのはどういうふうに判断されますか。
#181
○国務大臣(中曽根康弘君) 今の問答を聞いていまして、私は、恐らく和田さんのお考えは、独立のプールみたいなものをつくることによって出と入りが割合にはっきりするし、またこのプールは不可侵である、そういう意味において安定性を持たせる、そういうお考えが基本にあって言われているのではないかと想像いたしております。
 しかし、前に私が申し上げましたように、前提となるのは社会保障税という税という考えがあるので、これが社会保険という今までの保険思想となじむか、また日本の国民がそういう税というものに耐えられるか、社会的になじむか、そういう問題も出てくるということも申し上げた。しかし、これからの高齢化社会という大きな事態を考えてみると、安定性という面においては、それは一つの示唆に富むと、そういうふうに今まで申し上げたところであります。
 しかし、財政再建との関係においては、我々はあくまでも社会福祉という面については重点も置いて、できるだけの努力をしていきたいと思うので、特別会計を設けようが設けまいがこの思想は変わっていないと思います。
#182
○和田静夫君 そこのところ私はどうもよく理解できないのです。
 総理、財政再建というのは、現行財政制度の中心は一般会計であって社会保障予算であるわけですが、それを前提にした財政再建を六十五年度までに達成するということ、そういう点から見れば、社会保障特会をつくる構想自体が財政再建方法の破綻であって、財政再建が事志と違った方向に進んでいる証拠じゃないのだろうかと思うのですよ。
#183
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は財政再建とは直接そう関係ないと思うのです。それは特別会計のつくり方一つによります。しかし、どういうふうな特別会計のつくり方をするか、そういう点についてまだ明らかなところがございません。そういう意味においては私は変わっていないと思います。
#184
○和田静夫君 これは厚生大臣、どうも理解できません。社会保障特別会計の内容にもよりますけれども、今言われましたように。しかし最も単純に六十一年度の社会保障関係費九兆八千三百四十六億円、これを特会に移した場合、もちろん年金関係の国庫負担に限って特会に移すとしても数兆円でしょう。そして、これを特別の目的税でやるということになると、これは一般会計ないし一般歳出は実に身軽になる。その他の一般会計は数兆円浮くという計算になりますよ。しかし、それは総理の公約した財政再建の姿、形とは全然違うんですね。厚生大臣、そうお思いになりませんか。
#185
○政府委員(北郷勲夫君) 社会保障特会というものをどういうふうにつくるかまだ考えている最中でございまして、そのつくり方でいろんなことが考えられるわけでございますが、対象事業を一体どういう範囲にとるか、大体根っこの考え方は、財源を含めてどういう形を考えていくかということは、全くまだこれからの検討でございますので、今おっしゃいましたようなことも、やり方によってはなりかねないというようなことはあり得るわけでございます。
#186
○和田静夫君 これは事務的には考えていなかったことですから、やっぱり閣僚の答弁がないとこれはだめです。
#187
○国務大臣(竹下登君) 和田さんの今の御質問は、ある種の目的税をつくる、それは社会保障あるいは年金なら年金に限定する、そうすると、それは新たなる税であって、今までの一般の歳入はそのままおいたとしたならば、これは租税負担率あるいは国民負担率がどの程度変わるかでございますが、かなり変わると見なきゃいかぬじゃないか。そうすると、いわゆる臨調の言っておりますところの新たなる税目によって大きく国民負担率が変わるという範疇に入り得る可能性は、今の和田さんの前提で言えばあり得るではなかろうかという感じは私もいたしております。
   〔委員長退席、理事桧垣徳太郎君着席〕
 ただ、私どもがいつもこの問題について答えておりますのは、正確に申し上げますと、昨年の予算が終わりまして、その予算の最後の詰めのときにこれは議論したわけではございません。厚生省へお帰りになって、そこで将来の課題として増岡私案というものを発表されたという経過になっておりますから、政調会長を交えた折衝の中で議論をした問題ではございません。
 それからもう一つは、社会党の案がそもそも、所得付加ではございますが、あります。この問題についてもまた、新たなる税目を設けて大きく国民負担率変える変えないの議論までは、私どもも社会党のそれぞれの専門のお方とそこまでの議論はしておりません。
#188
○和田静夫君 どういうふうに言われても、大蔵大臣、社会保障特会を導入するということは、これまでの財政再建方式の破綻を意味して。いますよ。これまでの財政再建方式の破綻を認めて初めて社会保障特会の論議が出てくるんだ。そこのけじめをちゃんとつけなきゃならぬ。それで問題提起しているんですよ。
#189
○国務大臣(竹下登君) 大体社会保障特会というのは、先進国には勘定はありましても特会というのはない。大蔵省としてまず言わなきゃならぬのは、特会をいたずらに設けるということは避けるべきだ、こういう前提の上にあるわけですね。
 しかしながら、社会党からも出た、また増岡私案も出た、そして社会保障というものの占める位置というのが大いに変わってきた。したがって、示唆に富んだ提案としてこれからやっぱり勉強の課題ではあるなという問題意識は私どもも持っておりますので、あれそのものがいわゆる新しい税目を求めて大きく国民負担率を変えていくということに構築されるのか、そうでないような部分的な手直しによって構築されるのか、それはまだ、それまで勉強したことは率直に言ってございません。だから、大きく国民負担率が変わるようなものであったら、おっしゃるとおり、今掲げております臨調路線に基づく財政再建からははみ出るものであるという問題意識は持っておっていいのじゃないかと私も思っております。
#190
○和田静夫君 社会保障のために特定の税収を得たいという考え方ですが、これは厚生大臣の頭の中には何かありますか。
#191
○国務大臣(今井勇君) やはりおっしゃいますように、社会保障に要します経費というのはこれからふえていくわけですから、やはりこれからの経費というのは租税と社会保険料によって私は賄っていかなきゃならぬだろうと考えております。しかしながら、これをどう組み合わせていくのか、これはやはり最終的には国民の合意によるものでありまして、給付と負担の関係を明らかにしていく中で国民がどう選択されるかということによって決められるべき問題ではないかなというふうに、私はそういう感じを持っております。
#192
○和田静夫君 厚生大臣の答弁、何遍も一緒ですから、もう一つだけ聞きますが、社会保障目的税、仮にそうするとして、かつて一般消費税または課税範囲の広い間接税、まして総理が否定された多段階、網羅的、普遍的かつ大規模な間接税、充てようという考え方は厚生大臣、頭の中にはないでしょうね。
#193
○国務大臣(今井勇君) お説のように、社会保障の特別会計の検討に際しまして、財源として社会保障の目的税のようなものを当然の前提としているわけではございません。
#194
○和田静夫君 大型間接税や多段階消費課税を看板だけ塗りかえて導入するようなやり方というのは絶対認められないわけでありますが、これは大蔵大臣、約束できますか。
#195
○国務大臣(竹下登君) いわゆる一般消費税(仮称)、あるいは総理からおっしゃっております網羅的、普遍的、そういうものは初めから採用をしない、こういうことは総理の言明の中にあって、それは税調におきましても前提の上に置いて議論はなすっておるというふうに思います。
 ただ、和田さんのおっしゃるのは、かつて五十四年ぐらいから、いわゆる間接税というものはやっぱり若干のものはやるべきだ、その際はむしろ福祉目的税とした方が国民の理解が得やすい、そういう議論がずっと続いておるということは、私はその議論が税議論をするときには完全になくなってしまっているとは思えませんが、今までおっしゃっておりますいわゆる一般消費税(仮称)を、同じものを名前変えてと申しますか、変形してそれを直ちに充当しようという意図を持って税制調査会に審議をお願いしているというようなことはございません。
#196
○和田静夫君 総理もよろしいですね。
#197
○国務大臣(中曽根康弘君) 同様でございます。
#198
○和田静夫君 私はもう一言言っておきますが、間接税は逆進性を持っている。ところが、社会保障というのは所得再配分機能を期待しての社会政策的な経費。そうしますと、社会保障目的税という歳入面と社会保障費用の支出面では全く逆の作用、機能の組み合わせを行う。そういうような政策選択というのはこれは誤りですから、私はそのことを強く申し上げておきたいと思うんですが、これは大蔵大臣、よろしいですね。
#199
○国務大臣(竹下登君) よく御議論いただく間接税というのは、ある角度から見ればそもそも逆進性がある、しかしまた、それを選択するという消費の立場から見れば、必ずしも逆進性、それをもってのみ論ずべきでない、こういう御意見も確かにございますが、やはり逆進性の問題ということになると税制全般の中で考えるべきもので、これだけは逆進性があってこれは逆進性がないと断定するのはいかがなものかというふうに、概して縛りはそういうふうな中でかかっておると言った方が適切じゃないかなと思います。
#200
○和田静夫君 次に、間接税と直接税の弾性値を大蔵省の提出資料で見ますと、間接税は大体〇・五前後、五十九年度では〇・三四なんですね。もちろん大型間接税が導入されていないことの影響もありますが、間接税は弾性値が低い、また不安定要素の大きい税金である。個人の選択権が強いことの裏返しであるわけですが、これで将来の年金等、絶対必要な社会保障費を賄うというようなことは不安と無理があるのではないかということを私は一面で思う。さらに、この弾性値の状況から見まして、本当に必要な社会保障税を確保するとなると、税率を年々高めるようなそういう措置が必要であって、これは物価騰貴を招いて、そして社会保障費をさらに増額しなきゃならない悪循環とインフレによる庶民生活の破壊という事態を招くことになるというふうにずっと考えるんです。どう見ても間接税を社会保障目的税にするということは不適当なんで、厚生大臣、ここのところはしっかりわきまえてもらいたいと思うんですが、いかがですか。
#201
○国務大臣(今井勇君) おっしゃいますように、社会保障の特別会計の財源につきまして間接税を用いるかどうかといった問題等につきましてはやっぱり十分検討すべき問題だと思います。
#202
○和田静夫君 こういうふうに見できますと、仮に社会保障目的税を創設するとなると、所得税の付加税で行うほかないと私は思うんですが、しかし、現行の所得税には広範囲にわたる課税の漏れあるいは税の捕捉の不公平が存在していますね。この状態で付加税を実施しますと、サラリーマンに過剰ないわゆる重課税となる。これは納得が得られるものとは思えないのであります。そういうような意味で、慎重の上にも慎重であるべきだと思いますが、大蔵大臣。
#203
○国務大臣(竹下登君) まず最初、間接税の問題、御指摘のとおりでございます。だから、一定の前提で例えば五分五分になっておりましても、そのままのものを据え置けば年々年々弾性値の差があらわれて、五分五分が六、四になり七、三になる。日本の過去の税制から見てもそうでございますから、これのみを目的税として、一方も段階的に上がれば税率という問題が絶えず議論になるという点がございます。これは事実だと思います。
 それから、一方の今の所得付加の場合は、ただ一般的にある種の不公正が存在しておるということを前提に置けば、これは非常に明瞭にわかる、いわゆる給与所得者の方がなお重税感を感ぜられる場合はあり得るだろうと私も思います。
#204
○和田静夫君 衛生検査センターがかなりずさんな検査をしていることが東京都の調査で明らかになっているわけですが、検査センターの運営を改善させるために省令改正作業が進んでいるようでありますが、その内容を明らかにしてください。
#205
○政府委員(北郷勲夫君) 現在準備中でございます。省令の改正について準備中でございます。
#206
○和田静夫君 内容は。
#207
○政府委員(北郷勲夫君) ちょっと今、現在担当の局長が来ておりませんので、後ほど答えさせていただきたいと思います。
#208
○和田静夫君 総務庁長官、行政監察、これを行っているんですが、その結果の概要報告できましょうか。
#209
○国務大臣(江崎真澄君) 突然の御質問でございますので事務当局がおりません。しかし、今ここに資料がありますのでちょっと申し上げますと、勧告概要、六十年の九月十日でございます。それは、中間法人制度の創設について、公益に関しない非営利団体について民法を改正して、いわゆる中間法人としての法人格を付与する道を開くことにつき検討すること、それかる事業内容の是正、これは社会経済情勢の変化に伴って公益法人の事業として行う妥当性が乏しくなっているものについては当該事業の営利企業への移行を強力に指導すること、この辺が御趣旨の存するところだと思います。また、事業内容が大きな利益を伴う特定の事業に傾斜しているものについては設立目的に沿った公益事業への改善を行うこと。第三番としては、指導監督方針の明確化、統一化をはっきりさせる、公益法人に対する指導監督に関する方針を統一的に作成すること、休眠法人の整理、それから指導監督行政に関する総合調整の促進、こういったものが、もっとずらっと並んでおりますが、大体側趣旨の存するところは先ほどのところにあると思います。
#210
○国務大臣(今井勇君) 大変失礼をいたしておりますが、ただいま調べておりますので、ちょっとお待ち願いたいと思います。
#211
○和田静夫君 後でやってもらいます。
 国立病院・療養所の再編成ですが、これまで私もいろいろな角度から政府の見解をただしてきましたが、再編成について関係自治体初め全国各地で反対の動きが見られる、これに対して今後どういうふうに対処されますか。
#212
○国務大臣(今井勇君) 国立病院とか療養所の再編成の問題でございますが、これが国立の医療機関にふさわしいような役割を果たせますようにその質的な強化を図りますことを目的とするものでございまして、この再編成というのはやっぱり避けて通れない道であろうと思います。しかしながら、この再編成というのは非常に大きな問題でございまして、関係地方公共団体あるいは地方の関係者の御理解と協力がなければ、とてもこれは計画の円滑な遂行はできません。
 そこで、実施に当たりましては、具体的な事案に即しまして地元の関係者と十分に協議をいたしまして円滑な実施を図ってまいりたい、このように思っております。
#213
○理事(桧垣徳太郎君) 関連質疑を許します。高杉廸忠君。
#214
○高杉廸忠君 私は、去る三月十四日の総括質問の際に長寿国問題について総理にお尋ねをいたしました。総理のおひざ元のことでもありましたので、その廃止については特に慎重にしていただき、人命尊重の立場から患者さんや地域の人たちとは十分な話し合いをするように三つのお約束をお願いをいたしました。総理からも御理解ある御答弁をいただけたものと考えております。
 そこで、この際確認の意味で伺いますが、このたびの事態の収拾はこの約束に沿ったものであると存じますが、そう理解していいかどうか伺います。
#215
○国務大臣(中曽根康弘君) この前、長寿国問題について御質問いただきましたので、厚生省の方にも指示をいたしまして、よく地元の皆さんのお考えも聞く、患者さんのお考えもよく聞く、特に寝ておられる御老人で移すことが適当でない、そういうお方でしかも残留を希望されるという、そういうお方については、その御意思を尊重して慎重に扱うような措置をやったらどうか、また地元の皆さんに対しては、診療所をつくりますけれども、これは国が面倒を見るようにしてあげたらどうか等々の考え方を厚生大臣と相談しまして、そういう趣旨に沿った措置をやるように指示したところでございます。細かいところは厚生大臣からお答え申し上げますが、大体お話に沿った措置をやったと思います。
#216
○国務大臣(今井勇君) ただいま総理からお話がございましたが、長寿園の問題につきましては、西群馬病院との統合日であります四月の一日を控えまして、患者及び地域住民の方々の状況にかんがみまして早急に事態の収拾を図ることが必要であるという判断のもとでこのたび一応の決着を見たわけでございますが、その際、総理からもお話がありましたように、人命尊重ということがまず第一でございますので、最善の配慮をするようにというふうな総理の御指示に基づきまして、御案内のように長寿園の一部を、患者の病状などを考慮しまして、当分の間、西群馬病院の病棟の一部として運営する。それから二は、四月一日から開設します診療所につきましては、当面国において運営をするという暫定措置を講ずることといたしました。この内容につきましては、事前に総理に御説明をいたしまして御了解をいただいたところでございます。
 今後とも、先生おっしゃいますように、地元の方々と十分に御理解を得られますように努力をいたしてまいりたい、このように思っておるものでざいます。
#217
○高杉廸忠君 厚生大臣からの答弁もありましたように、このたびの事態の収拾は労使間での合意の形をとって一応の決着を見たと考えます。私は先般も、三項目の中で、地域の人たちの意見や立場を尊重していくべきであることを強く申し上げたところであります。
 そこで、患者及び地域住民の立場あるいは地域医療の確保ということが最も大切であり、尊重しなければならないということを特にこの際強調をしておきます。総理も、直接地元の問題でもありますから、事態の成り行きについてはいろいろと御心配になったかと思います。私ども社会党としても同様に、地域住民のためにいかにあるべきか、これを基本にして、特に地元の山口鶴男国会対策委員長を初め私ども関係者は心配し、尽力をしてきたところであります。今後、国立病院・療養所の再編成が進められていく過程では、同様のことが各地区で起こることが予想されます。
 そこで伺いますが、意見の相違はあっても今後とも地元との対話などは十分に行い、厚生省としても最大の努力をすべきである、こういうふうに思いますが、この点についてはいかがですか。
#218
○国務大臣(今井勇君) 御指摘のとおり、この問題は地元の十分な御納得、御協力がなければできないものでございまして、そして地元の御協力を得ながら地域医療をいかに確保していくかという問題にあると思って、そのように考えておるものでございます。この点につきまして地元の諸先生方にも大変御心配、御尽力をいただいておるわけでございまして、その先生方の御尽力、御心配によりましてこのたびの決着を見たわけでございます。この場をかりまして厚くお礼を申し上げたいと存じます。
 厚生省といたしましては、国立病院の再編成というのはやっぱり避けて通れない道であると考えておりますので、今後とも地域住民の方々に御理解をいただけますように格段の努力をしていかなきゃならぬと考えておるわけでございまして、関係の諸先生方におかれましても一層の御理解と御協力をよろしくお願いいたしたい、こう思うものでございます。
#219
○高杉廸忠君 私がお願いいたしました三つの約束を踏まえまして、今後とも患者及び地域の人たちの納得が得られるような対応、そしてまたその最大の努力をぜひともしていただきたい、ここに強く要請をしておきます。
 総理並びに厚生大臣の所見を伺って、私の関連質問を終わります。
#220
○国務大臣(今井勇君) 国立病院の再編成の問題というのは、先ほど申し上げましたように避けて通れない道であると考えておりますので、御意見の御趣旨を十分に体しまして、今後とも地域住民の方々に理解をしていただけますように、最大限の努力をしてまいろうと存じます。
 先ほどおっしゃいました三つの要項につきましては、十分遵守してまいるつもりでございます。
#221
○国務大臣(中曽根康弘君) 厚生大臣がお答え申し上げたとおりであります。
#222
○和田静夫君 厚生大臣、今言われた当分の間というのは、地方自治法附則八条に言う「当分の間」と同様の期間ぐらいに考えておいていいでしょうね。
#223
○国務大臣(今井勇君) 当分の間と申しますのは、入院患者の病状などを配慮いたしまして、西群馬病院に患者を移送し終わるというまでの間を考えておるわけでございまして……
#224
○和田静夫君 いや、法律で書いてあるとおりにいきましょう。「当分の間」と書いてある。附則八条、「当分の間」、地方事務官、こうある。
#225
○国務大臣(今井勇君) 今回の当分の間と申しますのは、やっぱり西群馬病院に患者を移送し終わるまでの間を考えておるわけでございまして、これにつきましては患者さん及びその家族とも十分に話し合いながらやってまいりたい、このように考えております。
#226
○和田静夫君 あとのは来ましたか。
#227
○政府委員(北郷勲夫君) 改正の中身でございますが、衛生検査所の前から精度管理が非常に問題になっておりまして、衛生検査所の責任者を明らかにする、あるいは記録の整備をしっかりさせる。それから、外部で検査をいたすわけでございますが、精度管理を受けさせることを明確にするといったような三つが大体主な内容になっております。
#228
○和田静夫君 いつごろまでにやられますか。
#229
○政府委員(北郷勲夫君) 省令の改正は四月の十日を予定いたしておりますが、いろいろ新しい義務づけが行われますので、施行は十月を予定いたしております。
#230
○和田静夫君 外務省は。
#231
○政府委員(藤田公郎君) 先ほど御提出申し上げました資料の訂正版について御説明いたします。
 最初に、朝御提出いたしましたものは実は完了計画の日時を記しましたものですから、その後精査いたしまして、現実に完了いたしたものをお昼にお届けいたしました。したがいまして、第一ページ目の完了の年月だけがかなり、数カ月ずつでございますけれども、違っております。第二ページ目は全く修正はございません。
#232
○和田静夫君 官房長官、公企体の賃金について民間賃金準拠という基本原則が確立してきているんですが、この方針には変わりありませんでしょうか。
#233
○国務大臣(後藤田正晴君) 公企体の賃金は、やはり生計費それから公務員の給与、それと同時に民間給与、これらの状況を考えながら労使間で決めていくべきもの、かように理解をいたしております。
#234
○和田静夫君 有額回答に当たっては、政府は、民間賃金動向がほぼ明らかになった段階で、民間準拠の原則に基づいて従来と同様の回答を示す、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。
#235
○国務大臣(後藤田正晴君) 労使が話し合いをしまして、そしてその段階の中で当局側から恐らくは政府に対して申し出があるんじゃないかと思いますが、その申し出を受けまして関係閣僚会議等を開いて、そして考え方を示そう、こういうつもりでおります。
#236
○和田静夫君 要するに、従来どおりの方法で対処をされる、こう言ってよろしいですか。
#237
○国務大臣(後藤田正晴君) それで結構でございます。
#238
○和田静夫君 国鉄総裁、お待たせしました。
 国鉄の広域異動についてですが、国鉄当局は通常の人事異動と同じ扱いで行うようですが、ちょっと理解できませんが、これは分割に向けた対策ではないんですか。
#239
○説明員(杉浦喬也君) 一連の改革の中で合理化に伴いまして余剰人員が発生をいたします。その余剰人員の対策は、今回提出された法案の内容の中に沿う沿わないを別といたしましても、どうしてもやっていかなきゃならぬ問題でございまして、私どもとしましてはぜひとも今回の広域異動等にあらわれておりますように前広に職員の対策を実施してまいりたい、こう思っております。
#240
○和田静夫君 これは受け入れ側でも過剰と呼ばれる人々を抱えているわけですね。そこに北海道やら九州から大量に異動させる。これは受け入れ側の玉突き強制配転を生み出しませんか。
#241
○説明員(杉浦喬也君) 余剰人員は全国にたくさん発生をするわけでございまして、その中の一番問題は地域的なバランスがとれていない。特に北海道と九州におきます余剰人員の発生が非常に大きいわけでございまして、私どもは全国的な視野でこの問題を解決しなければいかないというふうに思いまして、余剰人員の受け入れ先といたしまして比較的雇用の場のこれからの我々の努力が及ぶ範囲が広い、そういう東京、大阪、名古屋というところに北海道、九州等の雇用の場の比較的少ない問題のあるところの職員を移そうというふうに思うわけでございまして、玉突き現象という、現象というふうにおとらえいただきますと非常に問題があろうかと思いますが、あくまでも国鉄職員全体の余剰人員対策の円滑な実施であるというふうにお考えをいたただきたいと思うのであります。
#242
○和田静夫君 今回異動した人々が分割後どういうような処遇を受けるのでしょうか。
#243
○説明員(杉浦喬也君) これから分割を含みます国鉄改革法案の御審議をいただくことになっております。したがいまして、職員のそれぞれの会社の引き継ぎなりあるいは事業団への職員の移りかわり等の問題はこの法律の中身に触れてくる問題でございます。
 したがいまして、我々としましてはそういうものを前提にした形では明確に申し上げるわけにはまいりません。希望を本人から聴取いたしますと、これはやはり鉄道屋としまして鉄道へ行きたいという方が多いことはわかっておりますが、それを今から確約するわけにはいきません。しかしながら、できるだけ希望に沿って今後の生計、生活の道を彼らに与えてあげたいというふうな気持ちでおるわけでございまして、希望に沿ってやれることとやれないことというふうにあるわけでございます。
#244
○和田静夫君 今言われたとおり、私は異動者が将来の配属について配慮されるというようなことにもしなるとすればこれは大問題で、分割も決まっていないのに職員を選別するということになるだろうと思うので、そこのところをはっきりしてもらいたい。
#245
○説明員(杉浦喬也君) 大変な問題の中の希望を募った方の処遇でございますので、私どもとしましてはできるだけ本人の希望を聞いてあげたいということでございまして、その中に将来は旅客会社に行きたいというような希望もあろうかと思いますが、今そこで決めてあげるというわけにはまいりません。できるだけ希望に沿うようにはいたしますけれども、私どもの権限の及ぶ範囲からちょっと逸脱しております。その辺も考慮しながら今後対応していきたいと思います。
#246
○和田静夫君 職員管理台帳を作製されたと言われるんですが、これは分割のための職員選別資料ではまさかないでしょうね。
#247
○説明員(杉浦喬也君) どんな企業でも組織でも、職員の把握のための人事管理あるいはそれの台帳というようなものが用意されております。国鉄におきましても各現場でばらばらな形でそうした台帳があるわけでございます。何回も私どもは職場規律の総点検を実施しておりますが、そういうものの完結という形で、今後はばらばらでございました人事管理台帳というものを全国統一のレベルでこの際しっかりと把握したいというふうに思っておるところでございまして、そうした統一基準に基づく職員管理台帳によりまして適切な職員管理ができるというふうに思っております。
#248
○和田静夫君 要は中央、地方の労使協議を十分に行って配転に対処する、そういうふうなお考えであることは間違いないわけですね。
#249
○説明員(杉浦喬也君) 人事管理上の問題でございますので、そのこと自体を労使の協議ということにはいたしませんが、それに伴いましていろいろな労働条件の変更の問題等が出てくる場合がございます。そうしたことにつきましては、十分に労使協議をしてまいりたいと思っております。
#250
○和田静夫君 最初の総括から一般質問、さらに続けてまいりました国鉄問題なんですが、もともと政治責任、財政責任をたれ一人負わないところから発生しているように運輸大臣、私は思っている。何回か指摘しました。それが根本でありまして、その上に立ってどうするかを国民みんながわかるように対処する。その際に、国民に新たな負担を転嫁しないようにするのが私は政治というものじゃないだろうかと、こう思うんですが、元運輸大臣の小坂徳三郎代議士が、「日本人永久繁栄論」の百八十八ページで「資産を時価で再評価してみると、約五十兆円にふくらんだ。国鉄の長期債務は、答申によると昭和六十二年で約三十七兆三千億円である。となると、評価の差益で累積債務が消していけるという理屈になる。これは大蔵省の腹のなかで動かせばいい話で、そのぶん、国民に迷惑をかけなくてすむ。」こう言われているんです。私は、これを読んで全くそのとおりだと考えるのですが、大蔵大臣、こうして財政当局の責任を負うべきところが大きいんですが、国民に新しい転嫁をすべきじゃない。検討できますか。
#251
○国務大臣(竹下登君) いわゆるさらに財産処分可能な限り高く、最終的に国民の負担をできるだけ縮めていくという努力はこれからもなされなければならない課題であると思っております。ただ、評価はいろいろな評価がございましょうけれども、要するに新会社の存立の基礎となるものは持っていくわけでございますから、したがって私は、評価のことは現時点ではわかりませんが、単純に鉄道事業そのものをネグった形で地価評価だけをしていくというのはできないのではなかろうかというふうに考えます。
#252
○和田静夫君 総じて、もし分割・民営で失敗したら、だれがどういう形で責任をとられますか。
#253
○国務大臣(三塚博君) 本件は失敗の許されない、後のない最後の再建であるというところに、実は五十七年国鉄再建監理委員会法を国会に御提出をさせていただき、御論議の末成立を見たわけであります。それに基づき監理委員会を構成させていただき、二年余にわたる審査、さらにそれを受けての政府、主として運輸省、国鉄、精査をいたしながら先般関係法令八法案の提出をさせていただいたわけでありまして、まさに背水の改革案、再生案でございます。でありますから、私どもの頭にはこれが失敗をするということはありません。そういう意味で、積み上げの中でこのことを進めてまいったわけでありまして、本格御論議の中で、各党から出されますそれぞれの御質疑、また計算例、経営例、こういうものにも真摯に耳を傾けながら、政府として積み上げてまいりました確信のある改革案を御提示しつつ、コンセンサスを得て成立を期してまいりたい、かように考えておるところであります。
#254
○説明員(杉浦喬也君) 国鉄の現状は大変な状況であることはもう御案内のとおりでございまして、改革を早くしなければそれだけ国民への御迷惑、御負担がふえるということでございます。監理委員会の長年にわたる検討の結果の結論を政府で方向として決めまして法案にまとめ上げたものが、私といたしましては現在における改革の最善の道であるというふうに確信をいたしておるところでございまして、国会の御審議を経まして、こうした改革案が一日も早く成立することを私は望んでおるところでございます。
#255
○和田静夫君 現状で私は、まず国鉄のためにやらなきゃならぬのは負担を軽くしてやることだろう、そう思うんです。改革案でそういうふうにできるということになっているのに、なぜ現状で同様のことができないのだろうか。これはもう第三者的に見れば非常な疑問ですよ。そういう上でどうしてもうまくいかないと見たら経営形態の変更を考える、そういう段階を踏んだ方式の方が失敗が少なくて済むんじゃないだろうか。私はこれは失敗すると大損害が生じて取り返しがつかないと思うんですがね。
#256
○国務大臣(三塚博君) お答えを申し上げます。
 本年度、今御審議をいただいておる予算の中におきましても、改革のための、また再生のための予算措置を講じさせていただき、先般衆議院の趣旨説明を終えまして御付託をいただきました長期債務の一部繰りかえ等についての六十一年度特別措置法なども御提出をさせていただいてまいったわけでありますし、そういう中でやるべき手だては講じつつ、最終の腹づもりとしては、六十二年四月からスタートする点についても、それぞれの措置を講じさせていただいておるところでありまして、今日までの改革の足取りに試行錯誤全くなしとは私からも断言するつもりはございません。全力を尽くしつつその場面その場面でやってまいったわけでございますが、累積赤字がそのまま積もってまいった。しかし六十年、六十一年はおかげさまで今までの傾向に歯どめをかけ、赤字額が単年度収支でありますけれども数百億のオーダーで現に相なっておる。膨大な希望退職者をお出しをいただきながら、退職金を支払いながらもさようなことで効果が出ておるという点において、国鉄労使の真摯な御努力に政府としても敬意を表しておるというのが率直なただいまの感懐でございます。
#257
○和田静夫君 余乗人員について一言述べますが、例えば東北新幹線の特別改札あるいは連絡改札、これは民間委託ですね。大宮駅を例にとってみますと、十五名の民間業者が改札をやっているわけです。駅員は何をやっているのかというと、そば、コーヒーなどの売店の店員ですよ。どちらが本来の業務なのか。こんなばかな余剰人員などあり得ないじゃないですか。
#258
○説明員(杉浦喬也君) 余剰人員の対策の一環といたしまして、余剰人員の活用なりあるいは調整なり今までやってきたわけでございますが、今御指摘のような一般の旅客の目の見えるところで違った扱いが両者の間に出るということが事実結果的には行われてしまいました。この辺はやはり非常に不自然でございますので、今改めておるところでございます。
 余剰人員の問題の一環としての修正といたしまして、例えば外注の戻しといいますか、そういう点の改め方も行っておりますし、いろいろと試行錯誤の中で出てまいりました形の中の問題の箇所は是正しつつ、なおかつ対策を実施していっているところでございます。
#259
○和田静夫君 この辺のところは試行錯誤などというようなものじゃないので本当に陳腐な話だと思うんですが、余剰人員の部門別の積み上げを説明できますか。
#260
○説明員(杉浦喬也君) 部門別といいますとそれぞれの職種に応じた数字かと思いますが、ちょっと私数字を申し上げられませんので、担当の常務から今数字を申し上げたいと思います。
#261
○説明員(澄田信義君) ただいま手元に部門別の数字がございませんものですから、後ほど取り寄せまして御報告をしたい、かように存じております。
#262
○和田静夫君 これはもう総括のときに通告して、一般でも通告して、ずっとしっ放しのことですからね。待ちましょう。これはちょっと継続性がありますので、恐縮ですが。
#263
○理事(桧垣徳太郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#264
○理事(桧垣徳太郎君) 速記を起こして。
#265
○説明員(澄田信義君) 今手元に、六十年四月一日現在のものがございますので、これで申し上げたいと思います。
 六十年四月一日現在で合計二万三千四百でございますけれども、営業系統で九千二百五十、それから運転で一万一千七百五十、施設で五百五十、電気は四百五十の欠でございます。その他二千三百、合わせて二万三千四百でございます。
#266
○和田静夫君 こんなのは、余剰人員の通告をしてあるのに六十年四月一日なんというのは、よく言うなあ。あなた、法律を出しているんでしょう、本当に。何の基礎的な資料もなくて法律を出しているんですか。
#267
○理事(桧垣徳太郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#268
○理事(桧垣徳太郎君) 速記を起こして。
#269
○説明員(澄田信義君) ただいま数字を申し上げましたけれども、六十一年四月一日でございますね、この間の新年度に入りましてからの数字は、この一年間の合理化あるいは退職人員、その他もろもろの要素を今集計中でございます。これを集計いたしましてから数字が出ますので、その結果をひとつお待ち願いたいと思います。
#270
○理事(桧垣徳太郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#271
○理事(桧垣徳太郎君) 速記を起こして。
#272
○説明員(杉浦喬也君) どうも大変失礼いたしました。
 今概数を申し上げることはできますが、なお想定ではございますが、六十二年の三月末の想定の数字を持っておりますので、後ほどこれは提出をさせていただきたいと思います。(「これ釈明かね」「後ほどじゃないだろう。出ないんだろう、後ほどは。そんなこと言ったらまた待たないかぬじゃないか、そんなこと言うと。きょうできやしないじゃないか、そんなこと言うと」と呼ぶ者あり)
 数字をあしたまでに提出させていただきたいと思います。
#273
○理事(桧垣徳太郎君) 和田君の残余の質疑は明日に譲ります。
#274
○理事(桧垣徳太郎君) 次に、太田淳夫君の質疑を行います。太田君。
#275
○太田淳夫君 それでは、かわりまして質問をさしていただきたいと思いますが、最初に、我が党の竹入委員長が訪米したわけでございますが、そのときにシュルツ国務長官に国連憲章の敵国条項、この条項の削除の件につきまして協力を求めたということが報道されました。やはりこの点につきましてはシュルツ国務長官も賛同の意を表したということでございます。日本も戦後四十年たちました。これまでの国連に対する貢献度、あるいは世界に平和国家として今までも認められてまいりました。やはりこの条項というものを放置しておくわけにはいかないのじゃないかという考えも私たちはございました。この憲章の改定ということになりますとこれは非常に難しい問題だろうと思いますが、やはり我が国としましてもいろいろな機会にこの削除については努力をしていくべきじゃないか、このように思いますが、総理の御所見をお伺いしたいと思います。
#276
○国務大臣(中曽根康弘君) 既に平和条約も成立し日本も国連に入り、そして国連の中においても相当貢献をしておる国家になっております。
   〔理事桧垣徳太郎君退席、委員長着席〕
したがいまして、あのような事実というものはもうなくなっておるわけでございますから、あのような文章が残っているということは不適切である、こう考えまして、我が国は事あるごとに、国連憲章改正問題が起こるたびに敵国条項の削除を要求してきております。今後とも引き続いて努力してまいりたいと思います。
#277
○太田淳夫君 先ほど同僚委員からもフィリピンの経済援助の問題につきましてはいろいろと指摘がございました。この委員会を通しましても、何人かの委員の方からもこの問題については指摘がございました。今までも対比経済援助につきましては、その大部分について黒い霧の存在ということが言われてまいりました。その内容の第一はコミッションの問題、第二はわいろ、第三には日本の政治家へのキックバック、見返りですね、こういう問題等で今までも再三再四指摘があったわけでございますけれども、その存在については立証されてまいりませんでした。しかし、今回、先日の総理の御答弁ですと、思わざる事態によりましてマルコス政権の崩壊となって、その一部分が露呈されてきたわけですね。しかし、この委員会の審議でも、あるいは集中審議を見ましても、まだまだ政府の対応というのはいま一歩のような感じがするわけです。何となくもどかしさを感じます。
 総理は、この真相を徹底的に究明するということで最初御発言がございましたが、その決意にはお変わりございませんでしょうか。
#278
○国務大臣(中曽根康弘君) 真相究明の決意には変わりございません。
#279
○太田淳夫君 そして、せんだっても報道されましたけれども、フィリピンのラウレル副大統領は、日本政府や日本国民が真相解明を望むのは当然であり、要請があれば調査資料を日本側に引き渡すべきだと考える、こういう報道が伝えられました。また行政管理委員会のダザ委員長代行も、民社党の塚本委員長を代表とする訪問団に対しまして、日本の国会調査に対し資料要求に応ずる、こういう御発言もされていることが伝えられました。また我が党の調査団も、現地で円借款プロジェクトの第一次から第十二次までの受注全容を示す資料を入手したということも報ぜられております。これは分析等を進めまして、特別委員会が設置されればそこでいろいろとその真相が明らかにされてくると思いますけれども、このフィリピン側の提案あるいはこの事実、先ほど外務大臣からは当然政治家の話し合いをすべき段階に来るのじゃないかというような趣旨の御発言もございましたけれども、総理としてはどのように受けとめられますか。
#280
○国務大臣(中曽根康弘君) 真実を究明するということは大事であると思います。ただ、事が事でありますために、外国との関係におきまして外国側の意思というものを無視して我が国だけで事を強行して進めるということもいかがかと思う場合もございますし、また不法行為あるいは汚職、そういうような問題が明らかである場合ならばそれは我々としてもどんどん進めることはできますけれども、それが必ずしも明瞭でないというような場合に、人の名誉に関することや何かもございますから、そういう人権という問題も考慮しつつ行わなければならぬ面もまた一面あるわけでございます。そういう意味におきまして、まず現状の解析、どういうふうにこれを解析するか、そういうことから始めてそして次第にいくべきものである。最終的にフィリピン政府側との間におきましては必要に応じて協議もいたしますし、また事態がどういうふうになるかということを見きわめまして、そしてそういういろんなものがはっきりしてきた段階におきましては、またフィリピン政府との関係においていろいろ処理をする、あるいは協議をするということもあり得ると思います。
#281
○太田淳夫君 当然アキノ新政権も日本側と協議を進め、真相解明並びにいろんな点での今の日本の経済援助がまだ未着工になったり未完成になったりしているわけでございますから、フィリピン経済のいろんな面、国民生活を守っていくという観点からもこれは当然さらに進められていかなきやならない点があろうと思います。今のお話のとおり、フィリピン側としてはいろんな面での協議会も設置をしたいという等々のことも発言をされているわけでございますから、早くそういったルートを確立して、今後の経済援助のためのそういういろんな腐敗、不名誉なことがないような適正な運用を一日も早く進めていただきたい、こういうことも私たちは考えておるわけでございます。その点どうでしょうか。
#282
○国務大臣(中曽根康弘君) 将来フィリピンとの経済協力の実施に関しまして事態をより改善する必要があるという場合には、その改善方につきましてフィリピン政府とよく具体的に協議もし、改善の実を上げるように努力いたしたいと思います。もちろん、それは事態が解明され、そして改善をする必要が生じたという場合であります。
#283
○太田淳夫君 それでは、次は日ソ関係について、先ほど農水大臣、ソ連大使と重要な会談を行ったと聞いておりますけれども、何か進展がございましたでしょうか。
#284
○国務大臣(羽田孜君) 先ほど和田先生のお許しをいただきまして、アブラシモフ大使を私ども農林水産省の方にお招きいたしました。これは実はソ連邦の方で私を迎えてくれるというお話がありましたけれども、今現在まだ具体的に日にち等について向こうから言ってこないということがございます。そこで私どもの方としても、今交渉の状況を見ましたときに進展がない、何としても私自身がやっぱり出かけてお話をしたい、そういうことでその日にちを一体いつにしてくれるのか、そのことを実は大使に申し上げました。大使からのお話は、何とかきょうの、相当遅くなるかもしれませんが、あなたが仕事を遅くまでしていればひょっとするとそのころにというようなお話でございまして、きょうの遅い時間があるいはあしたの朝ぐらいに正式に、幾日に会談のセットができるからいついらっしゃいということの連絡が来るのじゃなかろうかというふうに考えております。
#285
○太田淳夫君 先ほど和田委員の方からもございましたが、これはやはり重要な問題でございますので、北海道の漁民の皆さん方にとりましてもぜひとも解決をしていただきたいと思います。
 そこで、外務大臣にお伺いしますけれども、今お話しのあったようにシェワルナゼ外相が訪日をされたわけでございますし、今度は外務大臣が訪ソされる順番と承りますけれども、いつごろの御予定でございますか。
#286
○国務大臣(安倍晋太郎君) 先般、日ソ定期外相会談で共同声明を出しまして相互訪問を約束、合意したわけでありまして、今度は私が訪問、そして第二回の協議を開くことになっております。向こうの都合もあるわけでございますので今目下話を詰めておる、こういう段階でございまして、まだはっきりした時日を確定するには至っておりません。
#287
○太田淳夫君 いずれにしましても年内には訪ソをしたい、こういう御予定は立てていらっしゃるんですね。ちらっと聞きますと、五月の末ごろに御予定が立っているというようなことも聞いておりますが、その点はどうでしょうか。
#288
○国務大臣(安倍晋太郎君) もちろんこれは年内ということでありますし、両国の都合のいいとき、向こうの方の都合もありますしこちらの都合もありますから、いろいろと両国外相の都合のいいときを合意しようということで今話をいたしておる、協議をいたしておる、こういう段階であります。
#289
○太田淳夫君 総理は、ゴルバチョフ書記長の訪日についてはどのようにお考えになりますか。
#290
○国務大臣(中曽根康弘君) シェワルナゼ外務大臣が参りましてゴルバチョフ書記長の親書を携行いたしまして、その際にいろいろ相談もしまして両首脳の相互訪問を行おう、そういうふうに原則的に一致したわけでございます。具体的には外交日程を通じてやることですが、私はその際にも今まで日本の首相は何回も行っておる、今度はソ連の書記長がおいでになる番であるからソ連の書記長の御来日を歓迎いたします、どうぞいらっしゃいませと、そういうふうに申し上げてあります。
#291
○太田淳夫君 次に、いよいよ四月三日にワインバーガー国防長官が訪日をされますが、総理もワインバーガー国防長官と会談される予定があると聞いておりますけれども、その会談の内容等については何かお考えですか。
#292
○国務大臣(中曽根康弘君) これは防衛庁長官といろいろお話をするのが主で、私には表敬でおいでになるのだろうと、そう思います。日米関係の一般的な話をしたいと思っております。
#293
○太田淳夫君 ワインバーガー長官ですけれども、二月五日の日に米国議会に一九八七会計年度の国防報告を提出されています。せんだっての我が党の和田委員の質問にもございましたけれども、この国防報告の大きな特徴の一つは国防政策の新たな四つの柱、これが掲げられておるわけでございますが、その最初にSDIが掲げられておりますね。そしてそのSDIの重要性というのを大変に強調しているわけでございますが、それについて総理はどのようにお考えになりますか。
#294
○国務大臣(中曽根康弘君) 国防報告の例の四本柱の中で、やはり非常に強調しているのは抑止力であると思うのです。それからあとは、軍縮、軍備管理の問題もございます。アメリカ側がそういう基本的、長期的観点に立っておやりになるのだなというふうに理解いたしました。
#295
○太田淳夫君 このSDIについては、総理は理解を示す、それ以上のものではない、このように言っておられましたけれども、第三次調査団を派遣された今でもその考えは変わりございませんか。
#296
○国務大臣(中曽根康弘君) 変わりありません。
#297
○太田淳夫君 総理は国会の場で、SDIというのは戦略防衛構想の研究を行うというもので、あと十五年か二十年ぐらいかかるかもしれない、あるいはあくまで研究に理解を示した、こういうふうに答弁されているんですけれども、総理がその研究に理解を示したというSDIというのは、もうこの国防報告を見ましても国防政策の重要な柱になっている。ですから、SDIの性格というのは総理が理解をされたのとは大きく変化しているのじゃないか、このように考えますが、その点どうでしょうか。
#298
○国務大臣(中曽根康弘君) 長期的な観点からアメリカの国防の一つの柱になり得るものであるかもしれないと思います。しかし、現段階におきましてはまだ構想、イニシアチブ、そういう程度で、しかも研究の段階であり、かつABM条約の枠内で行う研究の段階である、そういう程度であって、そう体系が固まっておるものではないと思います。
#299
○太田淳夫君 総理は構想とおっしゃっていますけれども、もうこれは数年後に迫りました一九九〇年代の主要な国防政策の柱になっているわけですから、これはもう純粋な研究というよりも、現段階では現実的な国防政策の研究、そして衆議院で二月十日に安倍外務大臣も答弁されていますけれども、この「研究は相当程度進展していること、もうこういう段階に来ているわけでございますが、それでもまだ理解を示す段階ですか。
#300
○国務大臣(中曽根康弘君) まだ理解を示すということで、今調査団も派遣して研究しているところです。
#301
○太田淳夫君 また「これはある報道によりますと、NATOの核研究グループ会議の席上でワインバーガー国防長官は、核爆発によって生じる電磁波の衝撃が電子回路を狂わせる度合いは解明されていない、これらを核実験によって確かめることがSDI研究の重要な一部だと、このように語った、このように報道されているわけですけれども、確かにSDIにとってそうした影響の解明というのは重要になってくるのじゃないかと思うんですが、この報道も非常に信憑性があるのじゃないかと思うんです。またこのワインバーガー国防長官の発言も、なかなか理にかなったものだと思うんですけれども、どうもSDIと核というものはこれは切っても切れない関係があるように従来からも指摘されておりますけれども、核爆発を利用するレーザー発生装置、これもやはりSDIに含まれてくるのだと、そうなりますと、総理の理解の前提としました非核かつ核廃絶を目指すものだという、こういう解釈の根拠というものも崩れてくるように我々は思うわけでございますが、その点はどうでしょうか。
#302
○国務大臣(中曽根康弘君) やはりSDIは核兵器廃絶のための非核兵器、防御兵器ということは一貫して変わっていないと思います。今のレーザー光線云々というのもいろいろな過程で研究しているようですが、そちらの重点が薄れてきたというような情報もございます。それから核爆発の問題は、その電磁波でいろいろ影響があったということは私は別のアメリカの本を読んで知っておりますけれども、そういう核爆発を起こさせないために未然に防止するというのがSDIである、そう考えております。
#303
○太田淳夫君 また、この国防報告を見ますと、SDIは重要な対ソ戦略の一環だということがはっきりとしているわけでございますけれども、もしもそれに参加をすることになりますと、我が国にとってソ連が仮想敵国がどうかという重大な問題に触れざるを得なくなってくるんじゃないかと思いますが、その点どのようにお考えでしょうか。
#304
○国務大臣(中曽根康弘君) それを調査研究している段階でありまして、参加とかなんとかという問題は全然まだ問題になっておらぬものであります。またアメリカの方も、ABMの枠内でやるとか、それから展開についてはソ連と協力してやるとか、ソ連に教えてあげても結構ですとか、こう言っている状態でありますから、まだまだ先の話で、そういう事態を考える段階には至っていないと思います。
#305
○太田淳夫君 しかし、サミットまでには一応結論的なものが迫られるのじゃないかと思うんですね。いつまでも理解、理解では済まされない段階に来ているんじゃないかと思いますが、もし参加となった場合には、やはりこういう仮想敵国というようなことで国防報告に書かれている以上は対ソ外交にとっても非常に影響があるんじゃないかと思いますが、その点はどのように理解されますか。
#306
○国務大臣(中曽根康弘君) まだ調査をしている段階でございまして、研究を支持するとか研究に参加するというのはまだ結論が出ていない状況でございますから、その問題に関する答弁は差し控えさせていただきます。
#307
○太田淳夫君 それでは質問を続けますけれども、これは緑に関する問題でございます。私たち公明党はこの一年間、ジャパン・グリーン会議を設置しまして、緑を守るという問題についていろいろと日本各地で視察もしあるいは研究も重ねてまいりました。今世界的に見ましても、日本国内でも緑を求める河というものはほうはいとして沸き起こっているわけでございますけれども、緑はまさに平和と生命の象徴として心豊かに生存していくために欠くことのできぬものである、こういう認識を持ちながら今進めております。
 しかしながら、現実を見てみますと、依然として緑の破壊というものは続きますし、いろんな圧迫要因というものも多いわけですね。総理も緑の保護に関しては重大な関心を持たれている、このように私たちも聞いておりますけれども、総理の緑の保護に対するお考えを明らかにしていただきたいと思うんです。
#308
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、総理大臣に就任以来緑の重要性を強調し、また自民党の皆さんとも協力して「花と級で人の和を」、そういうので緑をふやす努力を続けてきておるところでございます。内閣にその緑をふやすための連絡会議をつくっておりますし、また市町村長、公共団体にもいろいろそれをお願いもしておりますし、各省ごとにおのおのプロジェクトをつくって推進する方策も今督励もしておりますし、あるいは宝くじに緑の宝くじをつくりまして、大体五十億円程度の資金を得て、これを地方公共団体に分けて緑の推進をやっております。そういうように非常に熱心に今後も努力してまいるつもりでおります。
#309
○太田淳夫君 いろんな面で今、国内森林保全というものは危機に立っているわけでございますが、私たちもいろいろと勉強させてもらいましたけれども、それにはやはり制度、税制面を含めて抜本的な改革というものが迫られているんじゃないかと思うんですが、その中で、いろいろとお聞きしますと、日本の森林というものが最も衰退したのは終戦直後で、そのため毎年大洪水が発生した。そこで昭和二十五年、国土緑化推進委員会がつくられまして植林が進められた。その植林が今順調に育ってきているわけでございますけれども、木材の価格というのは低迷をし始め、林業は半身不随の重病人である、このように言われるような状況になってしまったわけでございますけれども、この木材価格の低迷の最大の原因は住宅需要の落ち込みあるいは木造率の低下、このように言われるわけですし、また割安の外材の輸入で国産材というのは非常に圧迫をされている、こういうふうに言われておりますけれども、これらに対する対策はどのように考えておみえになりますか。
#310
○国務大臣(羽田孜君) ただいま委員の方からの御指摘がございましたように、緑というものを保全管理していく、きちんと守っていく、そのためには適正な林業活動というものが必要であろうというふうに思っております。しかし、今お話がありましたように今日の状況というのは非常に価格が低迷している、その原因というのは一つに木材の需要というものが非常に減ってきておるというのが現状であります。今現在住宅そのものもやっぱり少なくなってきておりますけれども、しかしその中でも木造住宅というのが四八%弱というぐらいになってきておりまして、そういった点で相当おくれているんじゃないかと思っております。
 そういうことで、私どもといたしましては木材の需要というものをやっぱり拡大する必要があろうということで各関係省庁の皆様方にもお集まりいただいて、いわゆる山村につくります例えば集会施設ですとかあるいは体育館ですとか、こういったものに木材をぜひとも使っていただきたいということをお願いしてまいりました。そういう中で各省の方から通達等を変えていただいたもの、あるいは補助率なんかについても上げましょうということをやっていただいた、例えば校舎なんかについてもそのとおりであります。そういうことで大分需要というものが今喚起されつつあります。そのほかに木造建築物の普及促進のシンボルとなるモデル木造施設、こういったものを、みんなの目につくような施設に対して私ども農林水産省としても少し応援しましょうということなんかも今進めております。
 いずれにいたしましても、中央、地方、これを通じて木材の需要の拡大というものを図るためのいろんな活動というものを進めております。そのほかにバイオテクノロジー、こういったものを活用いたしまして木材成分、これは木材そのものというよりはその成分、この総合利用、これをやっぱりやっていただこうということで今この研究を進めていただいておるところであります。いずれにいたしましても、昨年は国際森林年であったというようなことでいろんな活動があったということもありますのでしょうけれども、木材の建物ですとかあるいは木製品、こういったものに対して非常に国民の皆様方の関心というものが広まってきておるというふうに感じております。その中でも特に間伐材等についてもっと需要を拡大し、そしてそれによって適正な間伐が行われるようにこれからも対応していきたいというふうに考えております。
#311
○太田淳夫君 いろんな御意見を私たちも聞いてきたわけでございますが、その中に山林の相続税の問題が提起をされておりました。これは一例でございますけれども、山林で五億円相当の相続財産があった場合には七五%は税金で取られる。その相続税を払うためには山を売るか土地を売るかしかない。その場合所得税、住民税の三重の課税になる。三代相続が続いた山はなくなると言われることもございますが、そういうオーバーとも言えないような現状である。またある人は十五年間の年賦で相続税を払った。十年間山を切って納めてまいりましたけれども、五十五年以降には木材価格が下がった。その下がった分だけ木を切らなければならない。切る木もなくなってしまった。ですから相続税を払ったら借金が残った。現在の税制の中ではこのように林業経営というのは厳しく、これでは貴重な森林財産というものが維持できなくなってくるんじゃないかという御意見もありました。
 したがって、やはり林業経営というのが成り立つような対策を考えませんと、総理がいろいろとおっしゃっているような緑を守る、こういう点につながっていかない。むしろ緑というものが、木を切られ山が売られて失われてしまう、そういうことが続いてくるのじゃないかと思うんですけれども、やはり山林相続税を再検討するときに来ているんじゃないかと思いますが、大蔵省いかがですか。
#312
○国務大臣(竹下登君) 総理からもいつかお答えがあっておりましたように、相続税というものにつきましても、もとより税制調査会で御審議をいただく課題であるというふうに私どもも理解をいたしておるところでございます。
 率直に申しまして、日本の相続税というのは、山林であるかあるいは山林以外の他の財産であるかを問わず、その有する価格に等しく相続税が課せられる。今いみじくもおっしゃいましたが、これは山林に限らず何に限らず、三代たてばゼロになる。これも表現は適切でないかもしれませんが、日本の相続税というのは、西郷南洲先生の「児孫のために美田を買わず」と。一定のところまではみんなが一生懸命やって、子供を教育したりいろいろしなさいと。それから先はやっぱり本人の能力であって、努力のたまものであって、初めから特定の資産家とかそういう者が存在するのは必ずしも好ましくない、こういうのが日本の相続税の、これは竹下流の解釈でございますけれども、そういう状態であろうかと思いますので、確かに相続税は諸外国と比べて決して低いという状態にはございません。そこで、相続人が配偶者と仮に子二人の場合の相続税額というのは、五億円で一億九百五十二万、すなわち二一・九%。あるいは相続人が配偶者と子供さんが四人おると、これは九千七百三十八万、一九・五%と、こういうことになるわけでございます。
 それで、林地について一般的に相続税を軽減するということは、言ってみれば特定の資産を持っておる者のみが優遇されるから課税の公平上の問題が存在すると。しかし、都市緑地保全法とか、そういういわゆる私権の制限が行われております林地については、相続税の課税上、その規制の程度に応じた評価が行われておるわけでございます。緑地保全の観点から、この間の税制改正で、相続財産を贈与した場合の相続税の非課税制度の対象となります法人の範囲に、すぐれた自然環境の保全のため、その自然環境の保存及び活用に関する業務を行うことを主たる目的とする法人、いわゆるナショナルトラストを追加した。しかし、これは相続された子供さんが寄附されなければいけませんわけですけれども、これもいわゆる自然環境保全のため、自然環境の保存という意味でこの制度を既に国会で議了していただいたと、こういうことであるわけでございます。
 それからもう一つ、山林経営というのは、例えば五十九年度の相続開始があった相続税事案は四万三千十二件ありますと、山林というのはどれぐらいあるかというと五十件。それから全相続税事案の取得財産価額は五兆八千三十一億円で、そのうち立木価額は百六十七億円ですから、その占める割合は〇・三%と、こういうことになっております。
 これは実情を素直に申し上げただけでございます。が、最初申し上げたとおり、いろんな相続税に対しては、例えば中小企業者の承継税制の問題でございますとか、今御指摘なさいました山林の問題でございますとかありますので、これは結局税制調査会で当然のこととして議論をしていただける課題であろうというふうに考えておりますし、今のような意見も税制調査会に正確にお伝えすべき課題であるというふうに考えております。
#313
○太田淳夫君 また一方、大都市近郊でも貴重な緑というものがいろいろと畑に変わっているという例があるわけでございますけれども、例えば国分寺市でも、六十六ヘクタールの雑木林が今や二十六ヘクタールに減少してしまった。この数年は相続税の負担を免れるために地主の方が木を切られて畑に変えた例が多い、このようになっておるわけでございます。やはりこういったように、都市周辺の貴重な緑である雑木林にも宅地並みの高い税金が課せられることによって地主による切り売りが続くということは、これは非常に残念なことだと思うんですが、その点における税制面の対策はどのようにお考えですか。
#314
○政府委員(水野勝君) 雑木林でございましても、それが一般的に都市近郊にございまして高い評価で取引されているということでございますと、相続税におきましてはそこは普通の財産並みに、要するに取引に応じた評価で課税をさせていただくわけでございます。
 ただ、それがぜひとも保存すべき雑木林であるということで、先ほど大臣から申し述べました都市緑地保全法といった法令体系によりまして私権の制限が行われるということでございますれば、それに応じた評価がなされるわけでございます。また法律によりますところの制度でございませんで、最近、地方公共団体におきまして、条例によりまして緑を保全する制度ができつつあります。そうしたものは、法律の制度として確立はされておりませんでも、法律に基づく制度に準じた評価でもって実情に適した評価を行い課税をさせていただいているようでございます。
 ただ、非常に望ましい雑木林である、これはぜひとも存続することが望ましいと言われて、その時点で特別の評価がなされても、それが地主さんの任意で直後にまた宅地として転売されるということでは、かえって課税の不公平を招くわけでございますので、法律なり条例なりでそうした保存のための制度が確立されておる場合には、それに応じた評価をさせていただくというふうにさせていただいているところでございます。
#315
○太田淳夫君 自治体によりましては、例えば仙台市のように緑地保全基金、約五十億円の基金を設けて、相続税を払えない地主の方が森林を切り売りしようとする場合には、この基金が買って緑の保護に努める、こういう制度もあると聞いておりますけれども、やはり環境庁は、保全すべき自然と認めた場合には買い取るなど努力するときに来ているんじゃないかと思いますが、どのように対応されますか。
#316
○国務大臣(森美秀君) 先ほど大蔵大臣からナショナルトラストという問題が出ましたけれども、これは御承知のように百年くらい前に英国で起こった制度でございますが、日本も昭和五十年くらいに始めまして、そこへ中曽根総理が花と緑の運動というのを重点政策にしまして、環境庁といたしましてこれに大変今熱を入れてやっておりまして、この四月の七日にも新宿御苑を開放して、約一万人の方々に千円会費で集まってもらう、そういったような夜桜を見ながら基金運動をやろうじゃないかということも行われております。そういう意味で、これからナショナルトラスト運動、全国民運動になるかと私は思っております。
 以上でございます。
#317
○太田淳夫君 今、イギリスの話も出ましたけれども、イギリスでは立木一代一回課税、すなわち立木にかかる相続税というものは、その木を伐採するまで何代でも納税を待つ制度、こういうものがあるというふうに聞いておりますけれども、日本の場合ですと、一本の木が伐採期を迎えるまでに普通二、三回相続税を支払っている、こういうふうに言われておりますけれども、その点についての見直しはどうでしょうか。
#318
○政府委員(水野勝君) 日本におきましては、立木はその相続のあった時点での、幼木であれば幼木並みに、成熟した立木であればそのときの時価で評価をされるというのが建前でございますが、ただ法律で立木についてはその一五%を控除するという特例が、ほかの財産には見られない特例が規定されているところでございます。
 御指摘のように、イギリスには立木一代一回、それが相続がございましてもその時点では課税はしない。ただ、それが売却された場合には、売却された価額でもってそれを相続のときの財産価額に上乗せしたときの上積み税率で課税すると、そういう制度があるようでございます。ただ、そうしますと、そのときには上積み税率で相続税が課税されるということ。またそのときには山林の譲渡について譲渡所得税が課税されるわけでございますが、その場合には通常の課税が行われる。それに対しまして日本の場合には、山林の立木の譲渡につきましては五分五乗とかもろもろの軽減緩和措置があるわけでございますので、果たして我が国の制度とイギリスの制度とどちらが有利であるかということはなかなか一概には言えないのではないかと思うわけでございます。
 一つの財産が変わらない間は相続があっても課税をしないということになりますと、ほかの財産、例えば祖先代々の家屋敷とかそういったものはどうする、いろいろ波及するところもございます。やはり相続税につきましては、相続の都度そのときの現況で課税さしていただくということでございます。ただ、立木につきましては、まず一五%特別控除というものもございますし、また相続の場合には森林施業計画といったような計画にのりました場合には延納期間も二十年とか、延納の利子率は通常の七・三%に対しまして四・八%とか、もろもろの特例措置を講じまして、山林につきましては所要の配慮を行っておるところでございます。
#319
○太田淳夫君 今いろいろと提起しましたのは、それは日本もいろんな法律があり、いろんな比較をすればイギリスと日本の場合どちらが有利かわからぬようなことも今お話ございましたけれども、やはり緑はどうしてもこれは守り抜いていかなきゃならない。例えば羽田空港に着陸しようと思って飛行機から見ますと、たくさん日本の山が緑が削られてゴルフ場に変わっている。ありますね、地域によりましては。そういうようなことではなくて、やはり狭い国土でありますけれども、総理もおっしゃったように、日本人の心のふるさととしての緑、今後どうしても守っていくんだ、そういう観点からのいろんなやはり見直しということがあってしかるべきじゃないかと、こう思うんですが、大蔵大臣どうですか。
#320
○国務大臣(竹下登君) 相続税、それに対する山林とか、あるいは農地とか、あるいは中小企業の方々の店舗とか、いろんな議論が今日あって、それが構築されて今の相続税というものが現存している。しかし、これは税制調査会で今度抜本見直しをしていただける私は課題だと思っております。したがって、きょうの御意見についても正確にこれをお伝えすることとしたいと思っております。
#321
○太田淳夫君 総理、最後に、やはりこれからの森林を守るためには、国民はもとより、特に小中学生、こういう小さなときから森林を理解しその重要性を認識してもらうことが大事ではないかと思うんです。明治時代にはいろいろそういう学校植林等があって、そういう小さな子供たちにも森林の重要性、そういった木々が育っていく過程から生命というものの重要性、成長の重要性ということも教えてきたと言いますけれども、そういった観点からも人間教育を含めた緑化運動でなきゃならないと思いますし、国土緑化運動の先駆者である村上竜太郎氏は緑化運動で大切なことは子供の心に木を植えることだと、こういうようにおっしゃっておりますし、そういった人間教育、その中にやはり緑を守るということをぜひとも重要な課題として入れていただきたい、このように思うんですが、総理いかがですか。
#322
○国務大臣(中曽根康弘君) その点は非常に同感でございます。学校の子供たちが自分で木を植えて学校林をつくる、部分林をやるとかそういう機会をできるだけふやして、自分たちで木を植え木が育っているのをながめながら自然の恩恵やら自然に対する人間との関係を考えるというチャンスをつくるということは非常に大事であるだろうと思います。
 また、場所によっては保安林等の間伐とかあるいは下刈りとか、そういう面も学校の上級生が積極的にやるようにしてやる。そういうものをまた奨励してやりやすくしてやるということも国土保全の心を植える面からも大事である、大いに奨励いたしたいと思っております。
#323
○委員長(安田隆明君) 太田淳夫君の残余の質疑は明日に譲ります。
    ―――――――――――――
#324
○委員長(安田隆明君) この際、お諮りいたします。
 本委員会は、昭和六十一年度一般会計予算外二案につきまして、内閣委員会外十四委員会にその審査を委嘱いたしておりました。各委員長からの審査概要報告書につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#325
○委員長(安田隆明君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 なお、このほか、報告書は別途印刷して委員の皆様方に配付することといたします。
 明日は午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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