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1947/10/15 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会第1小委員会 第4号
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1947/10/15 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会第1小委員会 第4号

#1
第001回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会第1小委員会 第4号
  付託事件
○在外同胞引揚促進及び引揚者の援護
 更生に関する請願(第五号)
○ソ連軍管下の未復員軍人帰還促進に
 関する請願(第七号)
○在外同胞引揚促進に関する請願(第
 八十三号)
○海外引揚者生存権保証等の問題に関
 する請願(第八十四号)
○海外引揚者の更生対策に関する請願
 (第百四号)
○海外引揚者の住宅問題に関する請願
 (第百五号)
○在外同胞引揚促進に関する請願(第
 百六十三号)
○海外引揚者に対する庶民金庫生業資
 金貸出に関する請願(第二百三十
 号)
○中國東北地区における戰犯者救護に
 関する請願(第二百三十四号)
○海外引揚者所有の農地に関する請願
 (第二百四十四号)
○北鮮における不法抑留者等の釈放に
 関する請願(第二百六十九号)
○海外引揚者の営業衣料品登録店舗特
 別に関する請願(第二百七十二号)
○引揚者、復員者及び留守遺家族の救
 済緊急対策に関する陳情(第十八
 号)
○海外引揚者に対する生業資金貸出に
 関する陳情(第三十二号)
○海外引揚者所有の農地に関する陳情
 (第三十三号)
○海外引揚者の更生に関する陳情(第
 百九十八号)
 海外引揚者の住宅問題に関する陳情
 (第二百六十三号)
○海外残留同胞所有農地に関する陳情
 (第二百六十五号)
○海外引揚者更生対策に関する陳情
 (第二百九十一号)
――――――――――――――――
昭和二十二年十月十五日(水曜日)
   午後二時九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○海外引揚者に対する庶民金庫生業資
 金貸出に関する請願(第二百三十
 号)
○中國東北地区における戰犯者救護に
 関する請願(第二百三十四号)
○海外引揚者所有の農地に関する請願
 (第二百四十四号)
○北鮮における不法抑留者等の釈放に
 関する請願(第二百六十九号)
○海外引揚者の営業衣料品登録店舗特
 例に関する請願(第二百七十二号)
○引揚者、復員者及び留守遺家族の救
 済緊急対策に関する陳情(第十八
 号)
○海外引揚者に対する生業資金貸出に
 関する陳情(第三十二号)
○海外引揚者所有の農地に関する陳情
 (第三十三号)
○海外引揚者の更生に関する陳情(第
 百九十八号)
○海外引揚者の住宅問題に関する陳情
 (第二百六十三号)
○海外残留同胞所有農地に関する陳情
 (第二百六十五号)
○海外引揚者更生対策に関する陳情
 (第二百九十一号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山田節男君) それでは只今から在外同胞引揚問題に関する特別委員会の第一小委員会を開会いたします。前囘の本委員会において御採択願つた請願並びに陳情に対しまする意見書案を御審議願うことにいたします。
 先ず請願第七号意見書案でございまするが、一應朗読いたしますからお聞取り願います。
   意見書案
 ソ連軍管下の未復員軍人帰還促進に関する請願
  請願者 北海道後志國余市郡大江村大字仁木村 杢保彌代吉提出
 右の請願はソ連軍管下未復員者の家族の窮状は、もはや遷延を許さなくなつているので、これら未復員者の送還をすみやかに完了するよう配慮されたいとの趣旨であつて、参議院は、願意の大体は妥当なものなりと思う。よつて内閣は鋭意これが実現に努力せられたい。ここに國会法第八十一條により別冊を送付する。
  昭和二十二年  月  日
       参議院議長 松平恒雄
 内閣総理大臣宛
 この意見書に対しまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○北條秀一君 私は小委員でないのですが、今のを聞いておりまして氣の付きました点は、字句の点ですが、「妥当」というのは、これは妥当でなしに本当の人情の根本から当然のことだと思いますので、その「妥当」の字は、そういふうに御修正願いたいと思います。
#4
○委員長(山田節男君) これは何か書式があるので印刷になつておるようでございますが……。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#5
○委員長(山田節男君) 速記を始めて。それでは只今北條委員の御提案の「妥当」の文字を変更するということについて各委員の御異議がなければ、もつと適切な形容に変えたいと思います。
#6
○中平常太郎君 修正したらいいと思います。
#7
○委員長(山田節男君) 何かこれに御意見がございましようか、「妥当」ということについて……。
#8
○星野芳樹君 「緊要」……
#9
○中平常太郎君 極めて必要だという意味だから、「緊要」というのがいいんじやないでしようか。
#10
○委員長(山田節男君) それでは「妥当」を「緊要」という言葉に変えることに御異議ございませんか。
#11
○北條秀一君 私先程申しましたのは、願意は、人情の根本であつて、当然の請願であると考えるので、そういうふうな意味のことを言われた方がいいと思うのですが、まあ文章は後で直して頂くことにいたしましよう。
#12
○委員長(山田節男君) それでは文章は、あとで一つ適当に考慮しまして、これに代えることといたします。
#13
○中平常太郎君 その問題ですが、印刷でそういうふうに普通使われることになつておりますと、緊急を要さないものは殆んどないのであつて、どの方面からもそういうことは言いたい筈なのでありますから、請願書類にそう印刷してあるのをわざわざ直すということにつきましては、又將來外の陳情書の場合に、その書類を皆直すようなことになるのじやないかと思います。外のは妥当でよろしいが、今度の場合だけを変えるということは、運営委員会なんかでも問題になりやしないかと思いますが、その点はどうですか。
#14
○北條秀一君 只今中平委員からお話がありました外地に残つております同胞の帰還の問題は、これは誠に空前のことであり、又絶後のことであります。それでこうした例は今後と雖も絶対に起き得ない筈であります。從つて特にこの問題だけは、先程申しました私の趣旨に從つてお取扱い願いたいということを切にお願いするわけであります。
#15
○中平常太郎君 北條委員のお話は、私もよく御意思は分つておりますから、それなればそういう印制物を使わないで、別個に新らしい文章として、その文章の一部の文字を直すというようなことをせずに、その印制物を使わないで、別個の立場において十分に意思の疏通するような提案にしたらいいかと思います。その印刷物を使つて直すということは問題を起すことになるのじやないかと思いますので、十分に意思を徹底するような特別な方法を以て、その印刷物を使わないで議会へ出すようなふうになさつてはどうかと思います。
#16
○委員長(山田節男君) 今北條委員の御提案、それから中平委員の御意見でありますが、これは勿論こういう空前の大問題でありまするし、又いろいろな陳情請願の後に控えておる幾百万の同胞のことを思いますと、これは私としては北條委員のようなふうにしまして、併しながら今中平委員のおつしやるように、折角印刷物を使用しながらその文字を書き変えるということは体裁上、その他ございますので、これはそう沢山でもございませんので、別に書くことといたしていかがでございましようか。
#17
○中平常太郎君 それがいいと思います。
#18
○委員長(山田節男君) 御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○委員長(山田節男君) それではさように取計らうことにいたします。
 次は請願の第八十三号に関する意見書案でございます。お読みいたします。
 在外同胞引揚促進に関する請願
  請願者 北海道小樽市稻穗町四丁目十三番地 桑原喜助外二名提出
   高知縣香美郡美良布町小川一二三 石川伊勢美外百六十二名提出
 右の請願は
 シベリヤ地区及びソ連本土に抑留中の同胞の引揚は、現在の状態では今後二箇年余を要するとのことであり、氣候風土を異にし、厳寒の地であるから引揚完了までには相当の犠牲者が出るものと想像される。小樽市民は札幌市民と共に引揚促進運動を起し、十二万名の署名ある懇願書を関係方面に提出し、援助方を懇請した。よつて議会においてもその決議により、抑留同胞の帰還促進を関係方面に懇請されたいとの趣旨である……。これ以下の文句は先程の御決議によりまして適宜変更することにいたします。この意見書案の内容につきまして御異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○北條秀一君 字句の問題ですが、今「國会」と言われましたか、「議会」と言われましたか。
#21
○委員長(山田節男君) 「國会」です。失礼いたしました。
#22
○北條秀一君 賛成です。
#23
○委員長(山田節男君) それではこれを採択いたします。
 それから次は請願五号に対する意見書案
 在外同胞引揚促進及び引揚者の援護更生に関する請願
  請願者 東京都中央区日本橋江戸橋一丁目十五番地財團法人満蒙同胞援護会会長 小日山直登提出
 右の請願は
 引揚者問題全般の解決は單なる各省各局の部分的事務処理によつては不可能であるから、これを片山内閣の重要國策として取上げ、引揚の促進、在外資産の補價、庶民金庫の増額と即時貸出の実施、引揚者に対する農地開放の徹底、後期引揚者に対する援護更生等の諸対策を講ぜられたい。右の意見書案に対しまして御意見がございますか。御異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○委員長(山田節男君) 異議ないものといたしまして採択いたします。
 次は請願八十四号に対する意見書案
  海外引揚者生存権保証等の問題に関する請願
  請願者 東京都中央区築地三丁目本願寺内 渡邉勝男提出
 右の請願は
 引揚者、復員者を國民として公平に取扱つて貰いたい、國民道義の廃たいが叫ばれているが、國民の一割に達する引揚者、復員者に不均等な待遇を與えている今日の政治が是正されない限り、道義は昂揚せられない。右の趣旨の意見書案に対しまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○委員長(山田節男君) 異議ないものと認めて採択いたします。
 次は請願百四号に対する意見書案
 海外引揚者の更生対策に関する請願
  請願者 東京都澁谷区上通三丁目一番地東京都引揚者團体連合会委員長 阿部勇提出
 右の請願は
 海外引揚者に対する現行更生資金を更生に作用し得るものは他から資金の借入るる途のある小数者であつて、実際は更生不可能資金である。僅少なるこれ等更生資金は現下の物價と強力統制により生活資金と流用されているものであるから、是非共二万円程度の更生資金と資材の優先配給による保護的措置と併用して積極的な面の法的保護を與えられたい。右の意見書案の趣旨に対しまして御異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○委員長(山田節男君) では異議ないものと認めましてこれを採択いたします。
 次は請願第百五号に対する意見書案の内容でございます。
 海外引揚者の住宅問題に関する請願
  請願者 東京都中野区江古田四丁目一千五百十五番地 浦田武雄提出
 右の請願は
 現下の住宅問題は食糧事情と併行的に困難である。引揚者、一般大衆は野宿同様のために勤労意欲を阻害するも甚だしい。ために遊休、住宅の解放は勿論役人の知悉しない未利用を活用されたい。このためにも住宅緊急措置令、借地借家法の強力な実施を行われたい。右に対しまして御異議ございましようか。
   〔「異議なしと呼ぶ者あり〕
#27
○委員長(山田節男君) 異議ないものと認めましてこれを採択いたします。
 それから次は陳情書に対する意見書案でございます。陳情書三号に関する意見書案
 ビルマ残留同胞引揚促進に関する陳情
  三重縣松阪市鎌田昭和通山本質藏外千六百八十九名提出
 右の陳情は
 終戰と同時に英軍の手に収容された作業隊員は、今なお三方がビルマに残留中であるが、父母、妻子の生活苦にあえぐ姿を思う時、郷愁切なるものがある。ビルマ特有の雨季の前に全員が帰還できるよう取計られたい。
 右に対しまして御異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○委員長(山田節男君) 異議ないものと認めて採択いたします。
 次は同じく陳情五号に対する意見書案
 樺太残留同胞引揚促進に関する陳情
  樺太第三次引揚者代表東峯元次外十名提出
 右の陳情は
 樺太には現在なお二十六万一千名の同胞が残留しており、物價の昂騰、收入額の激減、食糧の配給不足、強制労働の加重並びに医薬の欠乏、燃料、住宅の不足等にさらされ甚大なる辛苦を重ねておる故本年内に全員の引揚を完了するように計られたい。というのでありますが……。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○委員長(山田節男君) 異議ないものと認めまして、これを採択いたします。
 次は陳情第六に対する意見書案
 南方残留同胞引揚促進に関する陳情
  東京都京橋区銀座四丁目二番地南方残留同胞引揚促進全國家族同盟代表 野津勝治郎外一名(外四件)提出
 右の陳情は
 終戰二年後の今日ビルマ、マレー、シンガポール地区にはなお約八万人の日本人が残留し言語に絶する辛苦を重ねているが、留守家族五十万の精神的経済的辛苦も又甚大である故速かに全員の帰還を図られたい云云。というのでありますが……。
#30
○星野芳樹君 これはもうちよつと問題が古くなつておるのですが、現在八万というのでありますが、これは十一月末までにははつきり見通しがついておりまして、今更八万という数を入れ更に辛苦をなめておるというのは必要ないじやないでしようか。
#31
○委員長(山田節男君) それでは今のビルマに関する陳情、さつきの三号にも関係しておりますが……。
#32
○星野芳樹君 数も少くなつておるしね。
#33
○委員長(山田節男君) これの八万というのを訂正して二万くらいにしますか。
#34
○星野芳樹君 どうでしようね。帰還が確実になつたのですから、今更騒ぎ立てるのはどうかと思います。
#35
○委員長(山田節男君) そうすると只今の星野委員の御意見によりますと、本六号と三号のビルマ残留同胞引揚促進に関する陳情は、これは提出をしないで……。
#36
○星野芳樹君 提出しないでよいんじやないでしようかね。
#37
○委員長(山田節男君) それでは陳情三号及び六号は、ビルマ残留同胞の引揚が促進されておりますので、これを保留いたすことといたします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○委員長(山田節男君) 次は陳情第八号に関する意見書、
 南方残留同胞引揚促進に関する陳情
  マライ、ウエスリー州ニボンテパル作業第十四大隊 内田竹一外三十二名(外六件)提出
 右の陳情は
 終戰後東南亞細亞残置せしめられた十万の作業隊は、疫病と酷熱の下に、千辛万苦に堪えながら、一日も早く帰國の日を待つている故、速かに復員出來得るよう取計られたい。
 この趣旨に対して御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○委員長(山田節男君) それでは異議ないものと認めて採択いたします。
 それから次は陳情三十一号に関する意見書
 海外残留同胞引揚促進に関する陳情
  徳島縣縣会議員一同代表 宮田美信外(一件)提出
 右の請願は
 終戰以來連合國側が引揚者に対し示された措置に深い謝意を表すると共に、なお外地に残留する未帰還同胞百万についても速かに帰還できるように図られたい。
 この趣旨に対して御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○委員長(山田節男君) それでは異議ないものと認めまして採択いたします。
 それから次は在外同胞引揚促進に関する陳情がまだ外にございますので、これは共通しておる点から意見書案も一纏めにいたしたわけであります。引揚促進に関する陳情の纏めました意見書案を朗読いたします。
 終戰以來二ケ年、異境に浮虜として抑留せられている者は、なお百数十万の多数を算し、北は酷寒、南は酷熱の地に衣食わたらず、疫病死亡の続出に任せつつある現状に鑑み、政府は、在外同胞生存者の生命の保証並びに生存者氏名、消息の明示を実行せられると共に、速かに帰還できる方途を講ぜられたい。
 この趣旨に対しまして御異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○委員長(山田節男君) それでは異議ないものと認めましてこれを採択いたします。
 それから次に商工次宮がお見えになつておりますので次官の御都合がございますので、本日ここに本委員会に付託されます請願或いは陳情の中におきまして、商工省に関する事項の質問を最初にお願いしたいと存じます。
#42
○委員外議員(北條秀一君) 商工次官お忙がしいところわざわざお見えになつておりますので、特に私は紹介議員として、皆さんの質疑がある前にこの請願について申上げることをお許し願いたい。御承知のように海外から引揚げて参りました者は、引揚者、復員者の問題はこれは空前絶後のことでありまして、從つてこの機におきまして、これらの引揚者、復員者の更生対策を採るということは絶対に新國家として必要なことであります。ところが一割以上に及びますところの引揚者或は復員者が、日本に帰りまして、仕事をやろうといたしますときに、とかく從來の政府におきましての企業に対する行政が、過去の実績に基いてこれを許可するとか、或いはその実力に基いてやるとかいうふうなことが原則になつておりますために、とかくあらゆる面において問題が起るのであります。今回の陳情もその代表的な一つの例であります。この問題につきましては昨年來引揚者或いは復員者の團体が政府に陳情いたしまして、少くともあらゆる商工業におきまして、どの企業におきましても二割程度のものは引揚者、復員者が就業することを優先的に許可するという商工次官の通牒が出たにも拘わらず、本年になりましてその方針がぐらつきまして、いろんな点に大きな矛盾を生じて來たのであります。即ちその大きな例としまして、ここに出ました陳情書でありますが、これは海外引揚者の衣料品の登録店舗の制度ができまして、これに引揚者が当然に登録店として立候補しようと考えましたところが、どういう方針でありますか、商工省におきましては引揚者の團体には登録店の立候補をする資格を與えないという今度極めて不利な方針が示されたのであります。そういうことになりますと、結局先に出した商工省の次官通牒の趣旨にも停りますし、尚且つ生存権を保障さるべき國民の間に特別不均等な取扱いを受ける。そういう取扱いを受ける人は無一物の引揚者であり、地盤もない引揚者だということに、なりますと、國家としてこれらの引揚者或いは復員者の生存権を奪つてしまうというような結果にもなつて参りますので、こうした矛盾に対して、全國からそれぞれ陳情が出たのであります。ところが、本件は幸いにして、当特別委員会の委員各位の御努力及び商工当局の御善処によりまして、全國各縣の引揚者の團は縣に一つずつの消費組合に衣料登録店としての資格を與えるという許可を得ることになつたのであります。これは縣において一つでありますから、甚だ不自由なんであり、不便なんでありますが、從いまして縣に一つずつ組合が衣料登録店として許可されるわけでありますが、その下部機構を、組合の支部を作つて、幾つかの支部を作つて、その支部が本組合の下部構造として衣料配給の機能を果して行くという処置を取つて頂きたい、こう考えるのであります。特にこれらの縣の中におきまして、東京都におきましては五十五店舗だけ立候補を認められることになつたのであります。以上のような処置でありまして、この請願の件は概ね解決しておるといえるのでありますが、冒頭に申しましたように海外から帰りました引揚者、復員者、全國民の二割に近いものの今後の生存権が、今回の衣料登録店に関する商工省の指令というようなものの趣旨で、絶えず脅かされるということは極めて賛成すべき事柄でありませんので、本問題は先程申しましたように概ね解決しておるとはいいますが、今後の問題もありますので、この際特に商工次官から商工省としての御方針を明かにして頂ければ誠に幸いであると考えるのであります。
#43
○政府委員(冨吉榮二君) 引揚者の問題に関しましては、独り商工関係のみならず國家的に重大問題でありますので、私共常に関心を有し、且つ又深甚なる御同情を持つておるものでございます。商工省といたしましても、この引揚開始以來、乏しき中からでき得る限りの物を割いて御便宜を図つたつもりでございますが、固より極めて窮屈な事情の中でございましたために、それらの方々に十分御満足の頂けなかつたことは甚だ遺憾とするところでございまするが、この問題に関しまして、すでに御承知と思いますが、衣料品の小賣商の登録制は、消費者の人口二千人当り一店舖に制限せられておるのでございます。そのために第一回の登録におきましては、現存業者及び企業整備による轉廃業者に限定せざるを得なかつたので、いわゆる未経験の新らしい者に対しては立候補の資格を與える余地がなかつたことを御了承願いたいと思います。但し外地において衣料品取扱いの御経験がある方々については、内地における轉廃業者に準じて取扱つて立候補を認めるという方針を採つたのでございまするが、特に九月二十七日に、只今紹介議員から御指摘の通り電報を以て各都府縣の知事に通牒いたしたのであります。その電文は、「引揚者を以て組織する消費組合については、引揚者の特殊事情もあり、貴官の認定により、一組合に限り消費者の投票によらず、枠外として小賣業者登録をして差支なし、」繊維局長名を以てそういう打電をいたしてあるのであります。尚これについては、施行上の注意として、但し東京都だけは五十組合程度ということが通達されてあるのであります。只今北條委員のお話の中に、それではその府縣一組合であつて、その下に支部を設けられてはどうかという御意見でございまするが、これは大体地方長官が認可すればいいという建前を取つておるのでございます。
 尚今後の引揚者に対する商工行政上における意見を申述べろという御註文でございまするが、大体におきましてもう私が申すまでもなく、我が國における経済状態は戰爭によつて殆んど破壞し盡されて参つたことは御承知の通りでありまして、第一消費資材におきまして、本年六月末の生産実績は、昭和十年、十一年、十二年の三ケ年を一〇〇といたしますと、本年六月末の現在で、実績が三二・一、約三分の一足らずというのが消費材の生産実績でございます。このいわゆる限定された生産品は、而もその中に外國貿易に充当しなければならん物もございまするので、國内消費は著しく窮屈になつて参るということは爭い難い事情であると思うのであります。ここにおきまして從來の我が國人口の約二〇%を占めておりました商業人口というものを、勢い或る程度圧縮しなければならんということは、経済のバランスを取る上からいたしましても止むを得ざることかと存ずるのでございます。そこで大体において、でき得るだけ生産業に轉換せしむる、一般商業関係の入口を生産方面に轉換せしむるということが國策として当然取らるべきものだと私は考えるのでございます。從いましてこの少ない限られたる商品を取扱うところの買弁業者が相当数困難な事情に立至りますこと、これ又止むを得ざることであろうと思うのでございます。この意味におきまして、私共は毫も引揚者なるが故にこれを圧迫するがごときことがあつてはならない、否むしろ引揚、者なるが故にこれを擁護して参るという建前を國家は取るべきものなりと確信いたしております。ただ併しながら問題は、この商店の場合のごときは、問屋にいたしましても、小賣業者にいたしましても、相当程度の資金を要しまするので、從來の自由経済時代のごとく、店舗の信用によつて、いわゆる賣掛けということができないで、現金取引ということになりますと、荷を受けまする関係で相当資金を必要とするという関係もございまするので、これらの点についての問題の調整がとかくうまく参らない点を御了承願わなければならんかと思うのでございます。然るに、今御指摘の通り、いわゆる消費組合的な協同組合といつたような組織を以て、單に個人企業にあらずして、社会化されたる企業形態或いは商業形態といつたような方向に進むどいう点において、將來これらの無資力の人も機会を均等に掴み得るという方向になるのじやなかろうか。こういうふうな考え方を持つておる次第でございます。以上大体のお答え申上げた次第であります。
#44
○北條秀一君 少し時間を頂きまして、商工次官お忙しいのですから簡單に述べて御了解願いたいのですが、と申しますのは、成る程消費材の生産が非常に減りまして、これを分配するわけですから、分配する機能はおのずから制限されなければならんことは私は十分知つておるわけであります。とにろが、こうした点について商工次官は勿論よく事情は御承知と思いますが、重ねて一例だけ申上げまして將來の政策の上に資して頂きたい。
 即ち現内閣は成立早々片山総理が人口が殖えたということを申しておりましたが、正に日本は人口が殖えたのであります。從つて例えば散髪屋の例をとりますと、当然に二割近い人口が殖えましたので、從つて從來通りの散髪屋の数が一つの町にあつたとしますと、散髪屋はお得意様が二割殖えたことになる。從つてその点を引揚者に許可して貰いたいということを昨年以來やつておりましたが、実績がない、資金がない、家がないということで許可になりませんでしたが、それがやつと本年の正月になつてどうにかこうにかそれを許可しよう、善処しようということになつた。これはほんの一例でありますが、こうした例があらゆる中小企業にあるわけであります。從つて先程商工次官はこれを圧迫しないで擁護すべきだと言われましたが、正にその通りであります。相当思い切つた擁護をしなければ、帰つて來た連中は全く更生する途がないのであります。その点につきまして非常にくどいようでありますが、商工次官におかれましては特に商工省の商工行政が非常に引揚者に対する更生に大きな重点を持つておりますので、今後とも十分その点を拔かりなくお考え願いたいということを重ねてお願いするのであります。
#45
○政府委員(冨吉榮二君) 只今の御意見極めて御尤もであると思います。大体中小企業の問題におきましても、從來極めて抽象的には考えられて参りましたけれども、具体的にそれでは一体どうなるかということになりますと、これは学者の間でも或いは政党の間でも甚だ具体的な対策を持つていなかつたと思うのです。そうして依然としていわゆる財閥系統、大手筋という問題のみに日本は問題が集中されていた。然るに正しく情勢は一変いたしまして、アンチ・トラスト法の制定及び経済力集中排除の問題等を轉機といたしまして、好むと好まざるとに拘わらず、我が國の中小企業対策というものは、我が國が独立國として國際場裡に名誉ある地位を占める文化國家を構成して行く裏付けとして、当然この中小企業という問題は非常な大きな政治上の課題となつて來たと思うのであります。商工省といたしましては、これらの点につきまして、特に中小企業をいかにするか。まあこれは駄弁でありまするが、日本人は一遍に物を一つしか考えない、一つの道筋しか考えない。石炭が重大だと言われれば何でも彼でも石炭さえ掘れば事は解決するように考えて、石炭を掘り出すためには一切の物は犠牲に供しても構わんといつたような物の考え方、こうした考え方が戰爭の際においても、戰爭すれば必ず勝つのだという一つの考え方、勝つのだという考え方が勝たなかつたためにとんでもない狂いが生じて、國家を危急存亡、殆んど破壞に導いた。二元的に三元的に物を考えるということは非常に重大なことかと私は考えるのでありまして、勿論石炭生産重大であり、鉄鋼生産重大であり、電力重大でございますが、それと相呼應して我が國の將來の技術とか、科学の擁護、啓発に対して、創意工夫に対しまして、政府がこれに考えるところがなければならんという見解を持つておりますので、私は就任以來、中小企業対策という問題に非常に関心を持ちまして、事務当局とも折衝いたし、一つの成案を得ましたので、関係方面と折衝いたしましたが〇・Kを得るに至りませんでしたので、近日商工省と中小企業対策の具体案を発表申上げて、発足する段取となつておるのでございまして、以上のような経済情勢の変遷というものが、新らしく人々の吸収し得る一つの條件を作り得るのだ。それは明治維新における古き時代においての被圧迫階級としての町人階級が一つの機会を掴み得たと同様に、日本の経済の変轉に際会いたしまして、私は引揚者の各位、この有能なる実力を持たれておる諸君が、その経験を活かし得る機会に当面せられるのではなかろうか、こういうふうに一つの微かなる希望を持つておる次第であります。何卒その点、引揚者問題を特にお取扱いになる皆さんにおかれましては、引揚者の指導に当つて、この新らしい機会を絶対に掴み外すことなく、日本の経済再建に起ち上るというようなことについて、一つ御指導をお願いしたい、こう考える次第でございます。又私自身としましても、できるだけ商工省におりまする、或いはその立場において私はそうした問題の解決に十分な努力を拂つて行くことを御約束申し上げたいと思います。
#46
○北條秀一君 商工次官から非常に御親切なお話を頂きまして、誠に感謝しておるわけでありますが、どうかその方針でやつて頂きたいということと、それから一つは、これは本小委員会の埒外に出るかも知れませんが、商工次官に特にこの際御質問することを許して頂きたい。それは中小企業、中小企業と言うのでありますが、一体中小企業の範囲は一体どこに置いておるか、どの方針を本にしておるかということであります。現在のようなインフレーションの時代において、まあ古い考え方からすれば、日本全体が中小企業になつておるわけでありますが、その点についての、特にその道の専門家である商工次官に目途を示して頂けば有難いと思います。
#47
○政府委員(冨吉榮二君) 実はそれについてはいろいろな意見があるのでございますが、先ずこういうインフレーシヨンの時代におきましては、第一資本金を以て企業の形態を把握するということは極めて不可能な問題でございまして、まあ大体大雑把に申上けますと、大体を見ますと、從業員の数というものが基礎になるのではないかと思いますが、それについてもまだはつきりどのところでその線を引くかということは、これは今日完全なる結論に到達いたしておらないのでございまするが、これは何も私共の考えでは、この線に、仮りに百人と切りました場合に、九十九人まではよろしいが……百人まではよろしいが、百一人は一切埒外に放つて置くというようなふうな窮屈なことでは私はいけないのじやなかろうかということと、もう一つは、中小企業といいましても、我が國の経済の必然性、つまりできる限り生産財の生産、消費財におきましても、やはり、これは貿易品の生産ということに重点が置かれざるを得ないのではないか。当今のところ將來に向つてはそうではございませんが、ただ併しながら日本の特に必要とする、將來において日本の特に特色としまする企業の技術といつたようなものの保存のためには、これに又特別の一つの考慮が拂われなければならんのじやなかろうかというふうに大体考えておりますので、北條さんは専門家とおつしやるけれども、極めて私は素人でございますので、その程度で一つお許し願いたいと思います。
#48
○中平常太郎君 少し時間の都合もありますが、ここに更生部門におきましての陳情と請願とが参つておりますので、これを一つ付議して頂きたいと思います。
#49
○委員長(山田節男君) その前にちよつと、商工次官は非常に急いでおられますので、お諮りいたしますが、ここに本小委員会の委員ではございませんが、在外同胞引揚問題に関する特別委員である岡元議員がこの席にお見えになつておりまして、商工政務次官に対して質疑をいたしたい、こういう今申出をされておるのでありますが、いかがでございましようか、これを許可してよろしうございましようか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○委員長(山田節男君) 御異議ないと認めます。それでは岡元議員……
#51
○委員外委員(岡元義人君) どうも恐縮です。実はお話申し上げたいと思つておりましたけれども、商工次官かち縷々御説明がありましたので非常によく分りましたのでございますが、尚、一應衣料登録の問題で、先程お話の中にありましたように、資金の面でございます。引揚者が折角こういうような途を拓いて頂いたにも拘わらず、今まではサイドで以て渡して頂けたものが、今度は全部現金引換であるということで、折角途は拓かれたけれども、我々の手におえないという実情をば訴えて参つておるのであります。この点につきましては、引揚者は勿論今までのような資力はあるわけでもありませんし、できるだけ多少の期間を置いてサイドをば認めて頂くという工合にして頂いたならば、非常に結構じやないかと考えるのでありますが、この点一つ是非とも次官にお願いしたかつたことと、もう一つは只今非常に有益なお話を承つたのでありますが、中小企業者が新らしい……、私はここで復活という言葉を使わして頂きたいのですが、次官から、そういうような途が開かれる、今計画をば起案しておるというお話で以て全く安心したのでありますが、特に引揚者の問題はお分りだということでございますけれども、先程北條委員からもお話がありましたように、例えば資金とか或いは從來の実績とかいう問題だけじやなくて、本当の地方末端に参りますと、まだ戰時中そのままの規則が適用されまして、或いは多少なりとも帰つて参りましてから更生の軌道に乗つておるのでありますが、併しその規則に反するためにその中に入れない、こういうのが沢山あるのであります。で、次官が野党時代にすでにお聞きになつておると思いますが、前の商工大臣から、引揚者は特例を以て新規の事業に対しては特別に計らつてやるとゆうことをば発表されておるのであります。併しながら地方末端におけるところのそういうような今までの戰時中の規則がそのまま遵奉されておりますために、到底途は開かれないというのが実際の実情でございまして、この点特に次官からお骨折を頂きまして、前の戰時中の規則をば、これはあらゆる方面に亘つておりますので、速かにこれを訂正して頂くという工合に計らつて頂きたいと思うのでございます。これは商工関係ではありませんが、分り易い一例を申上げますと、勿論農林関係でありますが、水産面におきまして引揚者が水産の仕事に新らしく從事しようというときに、資力もあり、網も手に入り、そうしていよいよ船もでき上つて、それに実際に從事しようとすると、どうしてもできない。なぜできないかと申しますと、先ず漁業会に入会しなければ実際に油その他の配給が受けられないわけであります。併しながら漁業会に入る條文が戰時中の規則を適用されるのであります。その規則はどういう規則になつておるかと申しますと、漁業に從事する者は海岸を去る何キロ以内に居住すること、本人が漁師であること、こういう條文がございます。こういうようなふうに商工関係におきましても、あらゆる面において殆んど性質を同じくする規則に縛られておりますから、是非とも一つこの点解決をお願いしたいのであります。
 それからもう一つだけ補足さして頂きますが、これは昨日特別委員会で持出しましてお願いしたのでありますが、引揚者の家族の一戸当りに國旗の布地の配給をして頂きたいということをお願いしましたところが、これは今日私お伺いして聽きますと、多少事務的に考えられたような傾向がございますけれども、そうじやなくて、引揚者のこの一つの國旗を持つということは、あらゆる意味におきまして大きな一つの意義を持つておるわけなんであります。そこの含みをばお酌み取り下さいまして、單に事務的に布地の配給をしなければならん、いやその筋になにしなければなちんということじやなくて、苟くも祖國に憧れて帰つて來たいわゆる私たちの同胞の一戸の家にたつた一の國旗が欲しい。その國旗を與えてやるということを、外の意味において取上げて頂いて、解決付けて頂きたいということ。これだけお願いいたしたのであります。以上でございます。
#52
○政府委員(冨吉榮二君) さつき資金のお話を申上げましたが、これは私のいわゆる一般論でございまして、そういう関係で実際問題との調整が困難であるということを申上げたので、どうぞ誤解をなさらないように一つお願いしたいということと、尚登録その他販賣業者につきましては、資金流通の順位を引上げることに閣議を以て決定いたしておりますし、安本の方にその順位がはつきりなつておりますから、一つさよう御了承をお願いしたいと思うのであります。
 尚その他の関係につきまして引揚者が機会を均等に得られないということについては誠に同感であります。いろいろな煩雑な法令規則というようなものがございまするために、非常に御不便な点も多々あるかと思うのでございます。御承知の通り、形式、政治革命は簡單にできましても、上の方はできましても、なかなか実際面にまではその改革が行届かないのが、どこの國においても又いつの時代においても実際の実情でございますから、皆さんのごとき有力な人々のお力によつて漸次改革をされて行くことかと私も信じておるのでありますが、特にその行政の任に当りまする私共としては心掛けてできるだけ簡素化を行いまして、機会を均等に與えるという方向に進みたい。更に先程申上げました通りへ單に機会を均等に與えるだけじやなくて、引揚者に対しては相当擁護するという建前を取らなくてはならないと思うのでございます。併しながら先程申上げました通り、何分にも資材そのものが詰つておる今日でございますし、更に資金の面からもいわゆるポケット預金、箪笥預金の方は相当だぶついておりますけれども、資金化された資金というものが窮屈で、産業面におきましてはデフレの形を取つておるような現状におきまして、なかなか資金融通等も思うように参らないような実情でありまするが、併しながら御趣旨はよく拝承いたしまして、その線に副うて努力をいたしつつありまするし、又努力いたしたいと思う次第でございます。
#53
○中平常太郎君 少し外につかえておる事件もありますので、私の取扱つておりまする更生部門における陳情、請願を付議して頂きたいと思うのであります。
#54
○委員長(山田節男君) よろしうございます。どうぞ
#55
○中平常太郎君 それでは在外同胞の更生部におきまして今請願が三通、それから陳情が六通参つております。これを分類いたしますと、その請願、陳情の目的が農地の買収、つまり在外同胞に轉換すべき農地の一部を買入れさすことができるような方法を採つて貰いたい。農地調整法におきましては多数の土地を持つておつた地主、そういう方面が大部分解放されまして、これが配置轉換のために買収されるのでありますが、その買収の中で外地引揚者も買収できるようにしてくれという請願であります。これが六件参つております。それから土地を持つておつてその土地を買うておりながら、その土地がいわゆる不在地主ということで没収されてしまつておる。これは内地におつて不在地主であるならば、それは耕作するところの意思がなかつたと言い得られるけれども、外地におつて内地に帰つたときに、自分たちの生活の安定のためにわざわざ土地を買つておるのである。それで外地に居住しておるために耕作できなかつたので、耕作の意欲がないのではない。その意味におきましては内地の不在地主とは異つておるという立場をも以ちまして、不在地主の中の外地の方の所有のものは、やはり外地から帰農するということになれば帰農さして頂きたいという請願陳情が四通程ございます。それから産業資金の総額は今日五千圓になつておりますが、それを総額三倍四倍にというて請願が参つておりますので、金額は大体四倍程度のことをいうておられるのでありますが、これが請願陳情を合せまして六通出ております。それから戰爭犠牲の公平負担というのが、陳情の第十八号において一通出ております。それから在外資金の補價問題を主張しておられるのが一通あります。それから戰時公債の支拂いの要求が一通ございます。それから住宅要求のものが三通ございます。小作料の値上要求が二通ございます。それから就業優先つまり労務に服する、仕事に服することに対して特に優先の方策を取つて呉れというもの、それから又就業するところの機会を與えよ、就業するところの方法を與えて呉れというような陳情が参つておるのが二通ございます。それから中國東北地区における戰犯者の救護の問題が一通参つております。これは戰犯者がいかにあちらで苦しんでおるか、その救済の問題、その経費は日本内地において経費を價わすようにして貰いたいをいう希望、並びにあちらで困つておる者に物を送りたいというような、その方面に対する希望でございまして、概略申しまするというとそういうふうに九つの陳情と請願とが分れておるのでございます。一々につきましてこれを読み上げまして御賛同を得るつもりでございますが、簡單に一つ……。
#56
○淺岡信夫君 今中平委員の説明で、請願にしましても陳情にしましても、各委員は大体その内容は了承しておることと思いますから、これは一つ一括御採択頂くようにお取計らい願いたいと思います。
#57
○委員長(山田節男君) では只今の淺岡委員の御提案でございますが、只今中平委員から御紹介願つた請願並びに陳情は、その内容はすでに中平委員の説明によつて概略分りますので、ここに一括して御採択願いたいと思います。
#58
○中平常太郎君 特にこの際請願と陳情と人名を申上げて置きます。愛媛縣海外引揚更生会の会長山澤和三郎君から來ておるのは北條議員が御紹介でございます。それから満蒙同胞援護会の小日山直登氏から出ておる請願は二百三十四号でありますが、これも北條議員が御紹介でございます。それから高知縣海外引揚者更生連盟でございますが、理事長馬場敬春氏でございまして、この請願は二百四十四号でございまするが、これも北條議員の御紹介でございます。それから陳情が六つございますが、陳情第十八号は引揚全連の阿部義宗君でございます。それから陳情第三十二号は四國四縣の引揚同盟でございまして、引揚者團体協議会でございます。それから陳情第三十三号は四國四縣の引揚者團体代表協議会でございます。陳情第百九十八号は廣島縣引揚同胞更生会会長前田伊織氏でございます。陳情第二百六十五号は高知縣海外引揚者更生連盟でございます。それから陳情第二百九十一号は富山縣海外引揚者協力会寺崎治作という人でございます。趣旨は只今申上げました通りそれぞれにおきまして陳情と請願が参つておりますが、只今申上げましたように分類いたしますなればそういうふうな分類になつておりまして、殆んどその請願陳情の趣旨は同一に近いのでございますので、この段御報告申上げまして、私共はこれは採択すべきであるというつもりでございますので意見も共に申上げて置きます。
#59
○委員長(山田節男君) 只今の中平委員から御説明がありました請願三件、陳情六件に対しまして、本委員会がこれを採択することになりましたのですが、尚この請願並びに陳情を、この参議院規則第百七十一條にとりまして本会議に付し、又更にこれを内閣総理大臣に送付を要するもの、この件につきまして御異議ございますでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#60
○委員長(山田節男君) 御異議ないものと認めまして、右参議院規則第百七十條の規定に基きましてその処置を取ることといたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#61
○委員長(山田節男君) 尚陳情第二百六十三号海外引揚者の住宅問題に関する陳情というものが残つております。が、これは星野委員御欠席でありますので、次囘に廻すことにいたしますがいかがですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○淺岡信夫君 請願文書表第二百六十九号、紹介議員穗積眞六郎、請願者東京都千代田区丸ノ内仲十二号館六号田中武雄、この請願でございますが、これは北鮮における不法抑留者等の釈放に関する請願であります。これらの請願は大体この内容を詳細に読んで見ますると御採択願うべき請願のように思料いたすのでございます。そこでこれを詳細に読むことを省かして頂きまして、二つ御採択頂けるようにお諮り頂きたいと思います。
#63
○委員長(山田節男君) 只今淺岡委員から御説明がありました陳情第二百六十九号に関します採択をお願いしたいのでございます。この採択につきまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○委員外議員(北條秀一君) 私は本日紹介議員として参りまして、実はこの請願の二百三十四号が今淺岡議員からお話がありましたのと内容につきましては殆んど同じであります。ただ地域が北鮮と満洲と違つておるのでありまして、從いまして全く同じ趣旨を以ちまして、是非これについての特別の処置を願いたいと思いますのであります。
#65
○淺岡信夫君 只今北條議員の追加されました請願も同時に一括されまして御採択をお諮り頂きたいと思います。
#66
○委員長(山田節男君) それでは只今淺岡委員並びに北條議員から御説明ありました陳情二百六十九号並びに請願二百三十四号は内容が殆んど同じで、ただ地域が違うというだけの差でございますので、本委員会におきましてこれを御採択願いたいと思うのであります。いかがでありますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○委員長(山田節男君) ではこの二つの請願並びに陳情を採択いたします。尚この請願二百三十四号並びに陳情二百六十九号に対しまして、参議院規則第百七十條によりまする取計らいにつきましては異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(山田節男君) 異議ないものと認めましてさよう取計らうてとにいたします。
#69
○淺岡信夫君 議事進行について一言申上げたいのでございますが、大体この請願、陳情の御採択も一應この辺で打切つて頂きまして、この会を閉じて頂きたいと思います。
#70
○委員長(山田節男君) 只今淺岡委員からの御提案でございまするが、本日当小委員会に付託されました請願並びに陳情は、星野委員の紹介されまする陳情二百六十三号のみでございますので、他は悉く終了いたしました。尚只今事務当局からの申出ででございまするが、実は成るべく早くこれを特別委員会の方に報告いたしたいというので、本日採択願つた請願並び陳情に対する意見書ができておるのでございまするが、この採択をお願いするということはできませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○淺岡信夫君 それを一括して委員長に御処理頂くということにいたしたいと思います。
#72
○委員長(山田節男君) それではこの意見書の件につきましては委員長にお任せ願えますでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#73
○委員長(山田節男君) それではさよう取計らいます。それでは今日の小委員会はこれで散会いたします。
   午後三時二十四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     山田 節男君
   委員
           中平常太郎君
           淺岡 信夫君
           木内キヤウ君
           井上なつゑ君
           中西  功君
           星野 芳樹君
  委員外委員
           岡元 義人君
  委員外議員
           北條 秀一君
  政府委員
   商工政務次官  冨吉 榮二君
ソース: 国立国会図書館
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