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1985/03/27 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 建設委員会 第5号
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1985/03/27 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 建設委員会 第5号

#1
第104回国会 建設委員会 第5号
昭和六十一年三月二十七日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     浜本 万三君     松本 英一君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     福田 宏一君     小林 国司君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         小山 一平君
    理 事
                工藤万砂美君
                堀内 俊夫君
                増田  盛君
                青木 薪次君
    委 員
                安孫子藤吉君
                井上 吉夫君
                小林 国司君
                志村 哲良君
                服部 安司君
                松本 英一君
                大川 清幸君
                馬場  富君
                上田耕一郎君
                山田  勇君
   国務大臣
       建 設 大 臣  江藤 隆美君
   政府委員
       警察庁交通局長  八島 幸彦君
       総務庁長官官房
       交通安全対策室
       長        矢部 昭治君
       建設大臣官房長  高橋  進君
       建設大臣官房総
       務審議官     佐藤 和男君
       建設省都市局長  牧野  徹君
       建設省道路局長  萩原  浩君
       建設省住宅局長  渡辺  尚君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
   説明員
       総務庁長官官房
       参事官      戸田 正之君
       運輸省地域交通
       局鉄道業務課長  山本 昌彦君
       運輸省地域交通
       局自動車業務課
       長        植村 武雄君
       日本国有鉄道旅
       客局サービス課
       長        城内 秀定君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の
 一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
    ―――――――――――――
#2
○委員長(小山一平君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日、浜本万三君が委員を辞任され、その補欠として松本英一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(小山一平君) 交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回、本案に対する趣旨説明は聴取しておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○青木薪次君 建設大臣、参議院は、交通安全対策特別委員会がなくて、所管の委員会としては建設常任委員会でやらざるを得ないわけですから、本来なら当然総務庁長官である江崎大臣は出席すべきであると思うのでありまするけれども、御見解はいかがですか。
#5
○国務大臣(江藤隆美君) 私が申し上げるのはいかがかと思いますが、委員長さんのもとでひとつ理事会で御検討いただくとありがたいと思います。
#6
○青木薪次君 参議院は国民生活と外交安保の方に委員会が移行しましたのでね、そういう事情で衆議院とは違いますので、それらの関係についてまたこれから御意見も申し上げますので、その旨ひとつ江崎大臣に申し上げていただきたい。これからそういうようにしてもらうということで、きょうはやむを得ない。
 そこで、我が国の交通安全対策の基本となる交通安全対策基本法に基づく交通安全の対策基本計画も六十年度で第三次が終わることになりまして、六十一年度から第四次に移行することになったのであります。そして、本法案が決定されますと、あした二十八日、中央の交通安全対策会議で決定されるというように報ぜられているわけでございます。したがって、その計画の内容について、概略でいいから総務庁から答弁をしていただきたいと思います。
#7
○政府委員(矢部昭治君) ただいま先生から御質問がございました第四次の交通安全基本計画につきましては、中央交通安全対策会議において決定されることになっておりますが、これまでに検討されております主な点について申し上げますと、基本的な考え方といたしましては、人命尊重の理念のもとに車社会に対応した人と車の共存にふさわしい安全で円滑かつ快適な交通社会の実現を図るということを目標にいたしまして、具体的には、まず交通弱者に対しましては歩道、自転車道の整備、あるいは歩行者、自転車利用者、幼児、高齢者、身体障害者等が安心して通行できる、そういう道路交通環境の確立という問題。さらに、自動車交通につきましては、都市部における道路混雑及び運転者のいら立ち防止の軽減等を通じまして、安全で円滑な道路交通環境を確立するということ、こういうことを考えております。
 さらにまた、交通道徳に基づいた自発的な交通安全意識の高揚という問題が大変重要でございますので、これを図るための生涯を通じた交通安全教育の確立の問題及び広報活動の充実の問題でございます。
 第三点には、運転者の問題でございますが、特に最近事故増加の傾向が顕著でございます、青少年層あるいは高齢者層等々を中心といたしました安全運転確保の問題。さらには、被害者を迅速かつ効果的に救済するための救急体制の充実等被害者救済対策の問題、こういったことを中心といたしまして各般の施策を推進するということで検討を進めておるということでございます。
 また、鉄軌道、海上及び航空交通につきましても、一たび事故が発生をいたしました場合には事故の大型化は避けられないわけでございまして、多数の死傷者を生ずるおそれがございますので、こういったことを踏まえた諸般の施策を強力に推進する、こういうことで策定作業をいたしておるというところでございます。
#8
○青木薪次君 そこで、この改正案に関連いたしまして質問をいたしたいと思うのであります。
 交通安全施設等の計画的な整備は昭和四十一年
度からスタートをいたしておるのでありまして、これまで二次にわたる三カ年計画とそれから三次にわたる五カ年計画というものが実施されてきたわけでありますが、当時、交通戦争と言われました年間一万数千人の交通事故による死者を出して、四十五年には一万六千七百六十五人という最悪の数を出したわけでございます。そういう中で、この法律に基づいて交通安全施設の整備が次第に効果をあらわしてまいりまして、死者、負傷者数も徐々に低下傾向を示したのでありますけれども、最近数年は九千人以上の死者を数えることになった。また逆戻りしつつある。非常に心配の種であります。
 このような最近の交通事故の推移の現状というものについては、一体どういうように考えていったらいいだろうか。交通安全施設整備の効果が近年薄れてきているのじゃないかということを心配するわけでありますが、この点についてどう考えていますか。
#9
○政府委員(矢部昭治君) お答えいたします。
 ただいま先生御質問ございましたように、我が国の道路交通事故による死者数は、三次にわたります交通安全基本計画にのっとりまして各般の安全対策を鋭意推進してまいったわけでございますが、御指摘のとおり近年増加傾向にあり、まことに憂慮すべき事態にあります。
 この交通事故が増加をしております要因につきましては、一概に特定して申し上げることは大変困難でございますけれども、近年の道路交通状況を見ますと、非常に自動車の保有台数がふえておる、あるいは運転免許保有者数が増加をしておる、こういったことに伴いまして道路交通が量的に拡大をいたしております。あるいはまた、車両も二輪車から四輪車、小さいものから大きいものまで、いろいろ車両も多種多様化してまいっております。また、それを運転します運転者層も、若者から老人に至るまで、あるいはまた高齢者に至るまで、あるいは女性というように、あるいはいろんな目的、ニーズを持って動くというように、多様化をしてまいっております。
 こういった道路交通の量的な拡大あるいは質的な変化によりまして交通が過密、混合化をしてまいっておりまして、これが一層進行しておりまして、このようなことが道路交通を取り巻く非常な状況悪化ということにつながってきておるのではなかろうか、かように考えられるわけでございます。
#10
○青木薪次君 警察はこの問題について、交通安全施設整備とそれから事故件数の増加という因果関係について、どう考えていますか。
#11
○政府委員(八島幸彦君) お答えいたします。
 先生御指摘のように、交通事故につきましては、昭和四十五年まで増加いたしまして、その後安全施設の整備を主とした各般の安全対策の効果によりまして、四十六年以降減少をしてまいりましたが、再び五十四年を底にいたしまして増加傾向になってきております。五十四年まで減少してまいった理由の中で、やはり何といいましても、交通安全施設の整備が計画的になされたということが一番大きな効果を上げていることは間違いないと考えております。ただ、交通安全施設の効果につきましては、その設置する場所ごとに差異がございますし、あるいは安全施設の種類によっても異なります。あるいはまた、御指摘のように、過去に設けられたものと最近設けられたものとでは、若干その効果が薄くなってきているということもあろうかと思います。
 試みに信号機につきまして、昭和五十八年、五十九年度中に整備されたものの一基当たりの年間事故防止効果を調査してみますと、個々の信号機の設置前と設置後の事故の比較から求めたものでございますが、年間平均約三件の事故防止効果があるというデータがございます。ただ、これまでは信号機はどちらかといいますと幹線道路を中心に整備されてまいったのに対しまして、今後は新設道路や幹線道路以外の道路に対する整備が主になってまいるというふうに考えられますので、その効果もまた変わってくるものと考えております。
 いずれにしましても、安全施設は交通事故防止に、引き続き大きな効果を発揮するものというふうに考えております。
#12
○青木薪次君 交通事故はなくなるにこしたことはないのでありまするけれども、現実的には年間九千人以上が亡くなりまして、六十万人を超える人が負傷をしているというような実態にあるわけでありまするけれども、これらを諸外国と比較した場合にどういう状況にあるだろうかという点について、八島局長ひとつ見解を表明してください。
#13
○政府委員(八島幸彦君) 諸外国との比較についてのお尋ねでございますが、国連ヨーロッパ経済委員会発行の統計資料によりまして、一九八四年の交通事故死者数を、事故発生後三十日以内の死者数について、人口十万人当たりの死者数を比較してみますと、フランスが二十二・九人、アメリカが十八・七人、西ドイツが十六・七人、イタリアが十四・五人、イギリスが十・二人で、我が国は十・〇人でありますから、これらの国の中では最も低い率となっております。
 同じく人口十万人当たりの負傷者数を比較してみますと、アメリカが一千五百七・一人、西ドイツが七百六十一・七人、イギリスが五百七十九・三人、日本が五百三十五・九人、フランスが五百十四・一人、イタリーが三百八十一・八人となっておりまして、負傷者数につきましては、これらの国のほぼ中ごろの位置にあるというふうに考えております。
#14
○青木薪次君 今の資料を私のところへ後で届けてください。
 今の現状について、ほぼ日本はやや少ないという程度だと思うのでありますが、この場合我が国に特徴のある点があれば、ひとつまた説明をしていただきたいと思いますが、我が国では老人や子供が非常に交通弱者という立場にあるわけでありますが、諸外国に比べて多いと思うのでありますが、この点の理由についてはどう考えていますか。
#15
○政府委員(八島幸彦君) 昨年の交通事故ではお年寄りの横断中の死亡事故が非常にふえております。それから若者の事故も、御指摘のようにふえております。
 この理由でございますが、お年寄りの横断中の事故につきましては、高齢化社会を迎えましてお年寄りの数がふえたというようなことが背景にあると思いますが、何にしましても、お年寄りのやはり横断の場合の注意力と申しますか、自分ではもっと速く横断しているようなつもりでも、現実的にはそれほど歩調が速くないというような、意識と実際の行動とのずれとか、あるいは車の直前直後横断の危険性についての具体的な認識が十分でないというような、もろもろの歩行者事故に特有の事故の特徴についての安全教育を、やはりもっと充実させる必要があるのじゃないかというふうに考えております。
 そこで、この問題につきましては、例えば更新時講習等におきましてお年寄りの学級を設けて、お年寄り特有の事故の実態等を説明するとか、あるいは、最近ともするとお年寄りについての安全教育は、お年寄りのクラブだとかあるいはゲートボールのクラブだとか、そういう組織を通じた安全教育が主体に行われておりますけれども、問題はそういうところに出てきていただけない方が往々にして事故に遭うということもございますので、結局お年寄りのいる家庭を個別的に訪問いたしましてそういう安全教育をやるというようなことも今後鋭意進めてまいりたい、かように考えております。
 それから、若者の事故につきましては、若者イコール二輪車の事故がふえているというのが実態でございますので、今回、指定自動車教習所におきます自動二輪車の教習のカリキュラムを改正いたしまして、安全マインドを高めるような内容の教育を充実することといたしております。来る四月一日から施行になりますが、そういう措置もとってまいっているところでございます。いずれに
しろ、そういう事故の特徴に合った安全施策を今後とも推進してまいりたい、かように考えております。
#16
○青木薪次君 今の答弁は確かにそのとおりだと思います。
 きのうも、おとといも、私は二輪車による事故をこの目で見てまいりまして、大型の車はどうしても相手が突っ込んでこないだろうという安易さがある、しかし二輪車の関係等については、小回りがきくものだからどうしてもやはり進行してくる、こういう意識のずれというか、矛盾といいますか、そういう問題がどうしても起こりがちだということが言えると思うのであります。交通事故の問題は我が国だけではないようでありますけれども、事故の防止は施設の整備と人の側のやっぱり意識だというように思うし、ルールの遵守という両面が伴わなければならないと考えるわけであります。ルールの遵守という点については取り締まりの関係も重要な一つのことかと思うわけでありますが、日常の安全意識の啓蒙や教育の浸透、これが一番必要なことだ、こういうふうに思うのでありますが、交通安全教育はどうなっているか、総務庁の交通安全対策室長にひとつ答弁をしていただきたいと思います。
#17
○政府委員(矢部昭治君) お答えいたします。
 ただいま先生御指摘ございましたように、交通事故防止のためにはいろんな施策がございますが、その中でもやはり国民の交通安全意識の高揚と交通道徳の涵養を図るという、いわゆる安全教育が重要であるということは御指摘のとおりでございます。
 したがいまして、総務庁といたしましては、関係省庁あるいは地方公共団体等と連携をいたしまして、春、秋の交通安全運動であるとか、あるいはシートベルト着用推進運動等を実施しておりますが、安全運動等につきましても形骸化しないように地方の実態に対応した実施ができるような、そういった従来のやり方の改善等も五十九年にいたしておりまして、活性化した形でこれを進めるということで現在取り組んでおるところでございます。このほかにも、交通安全シンポジウムであるとか、交通安全フェアを開催するなどによりまして、国民の交通安全意識の高揚を図るとか、さらには交通安全指導者の養成講座というものを毎年開催しておりまして、交通安全教育の核となる指導者を養成しておるところでございます。また、交通安全思想の普及徹底を図がる上では大きな役割を果たしております交通安全協会であるとか、交通安全母の会であるとか、あるいは幼児交通安全クラブとか、そういった民間の交通安全団体の活動に対しまして援助、指導をするなどして、その主体的な活動を促進しておるところでございます。
 なお、地域におきましても、地方公共団体が中心となりまして、関係機関相互が密接な連携のもとに、各地域の実情に即した交通事故防止のための効果的な交通安全指導を行うとともに、各種の民間交通安全団体の活動に対しまして指導、協力をいたしまして、交通安全思想の普及、啓蒙を図っておるところでございます。
 なお、第四次の基本計画におきましても、この交通道徳に基づいた交通安全意識の高揚につきましては、先ほども申し上げたところでありますが、特に重点として取り組みたいということで検討いたしておるところでございまして、その中で、幼児、児童生徒、成人、さらに高齢者等に至る、年齢段階に応じた生涯にわたる交通安全教育の推進ということで取り組みたいと思っております。そうした場合には、例えば幼児、児童生徒、成人とありますが、特に高齢者等を中心にいたしましてまだまだ安全教育で取り組まなければならない多くの問題がございますので、こういった問題の検討等を含めまして今後強力に推進をしてまいりたい、かように思っております。
#18
○青木薪次君 近ごろ自動車の数が飛躍的に増加いたしまして、資料によれば、保有台数は昭和四十五年に千八百五十八万六千五百三台、これが昭和六十年には何と四千八百二十六万八千二百三十二台、昭和四十五年から二・六倍というようなまさに驚異的な数になってきたわけでございまして、昭和四十五年に国民五・六人に一台だったのが、昭和六十年には何と二・五人に一台というように、随分日本も車社会になったものだなということを感ずるわけであります。
 それにつれまして、運転免許の保有者の数も急速にふえているわけであります。昭和四十五年に男が二千百六十八万、女が四百七十六万、これが昭和六十年には男が三千四百二十七万、女が千八百七万というように急速にふえてまいりまして、免許所有者の層も女性の増加と高齢者、そして高校生に至るまで非常に幅広くなっているのでありますが、このような状況に適切に対応する安全施策が求められていると思うのでありますが、運転免許行政の面から昭和四十五年当時と今日の昭和六十年代に移行いたしましたこの面からどういうような対応をしているのか、運転免許行政についてどういうような見直しをしているのか、警察庁から御答弁を願いたいと思います。
#19
○政府委員(八島幸彦君) 先生御指摘のとおりでございまして、昭和四十五年当時は運転免許を取得する方は、どちらかといいますと職業上必要とか、そういう特殊の方々が持っていたという時代でございましたけれども、その後、御指摘のように男も女も、あるいはあらゆる職業の人、あらゆる地位の人が取得する時代になってきておりまして、最近は、少し誇張した言い方で申しますと国民皆免許という時代になってきております。したがいまして、運転免許行政におきましても当然国民行政的な立場で免許行政というものを考えざるを得ない、そういうふうに考えております。
 そこで、従来はともしますと、例えば運転者教育面におきまして、更新時講習でもあらゆる立場の人、あらゆる職業の方、あらゆる年代層の方に一つの会場でいろいろ話をするということでございますから、どうしても抽象的、一般的な話しかできない、こういうことでございましたが、これではよろしくないということで最近は、二輪車学級だとか、あるいは若者学級だとか、あるいはお年寄りの学級だとか、あるいは職業運転者の学級というように、個別化をいたしてきております。そういうことで、細分化するとともに、教育内容もそれぞれの運転者にふさわしい講習内容にしていくという努力をいたしているわけでございます。
 その他、自動車教習所における教育その他の面におきましても、できるだけそういう個別化、具体化した教育を行っていく必要がある、かように考えておるところでございます。
#20
○青木薪次君 最近女性ドライバーが急激にふえたわけです。今局長の答弁されたようなことで、仕事に関係する人以外は余り持たなかった。ところが今日は車社会で、女性ドライバーが、あらゆる関係について卓抜きではもうこの世の中の生きがいを感じないというところまで来ているわけでありますが、事故についての特徴がその面からどうあらわれているのかという点についてひとつ答弁してください。
#21
○政府委員(八島幸彦君) 最近の交通事故の特徴でございますが、従来はどちらかといいますと車が凶器的な役割を果たしまして歩行者や自転車に被害を加えるというようなタイプの事故が多かったわけでありますが、その後車社会が進展するに従いまして、少しずつではありますが車対車の事故あるいは車の単独事故がふえてきております。しかし、日本におきます歩行者あるいは自転車の事故は、減少はしてきておりますけれどもなお構成率は約三〇%近くを占めておりまして、諸外国に比べますとまだまだ交通弱者の事故が多いというのが現状でございます。
 それから、先ほども申し上げましたように、高齢化社会に向けてお年寄りの事故というものも最近ふえてきておりますが、今後ともふえてまいるであろうというふうに考えております。
 それから若者につきましては、どうしても自己中心的な考え方の若者が非常にふえてきておりまして、特に交通の場ではほかの章あるいは人に対
する配慮というものが必要不可欠なのでありますけれども、そういう意識が薄れてきている運転者がふえてきているということは事実でございまして、そういうことで、そういう若者の事故を防止するためにどういう教育方法なり内容があるかということを現在模索している段階でございます。
#22
○青木薪次君 いろいろ事故の関係を見てみますと、女性ドライバーは、交差点で自分をしっかり守らなきゃいけない、急迫緊急な事故の発生の原因が生ずるということになればそこでエンジンをとめてしまうとか停車するとかいうようなことが、逆に事故を起こすような傾向というものが非常に多いわけですね。それから近年、高校生から主婦に至るまで二輪車が非常に普及いたしまして二輪車事故が先ほどの答弁のようにふえているのでありますが、この面からやっぱり、もう主婦が買い物へ行くにも二輪車に乗っていくというような時代ですから、そういうことについて特別な安全教育について考えていますか。
#23
○政府委員(八島幸彦君) 新しい交通安全基本計画におきましても生涯教育ということが取り上げられるようでありますが、やはりこれからの車社会にありましては、先生御指摘のように、幼稚園なら幼稚園で歩行者としての安全な道路の横断の仕方から始まりまして、自転車の安全な乗り方、バイクの安全な乗り方、二輪車の安全な乗り方、あるいは四輪の安全な乗り方、それぞれの年代に応じた必要な安全教育というものをぜひやってまいらなければいけないというふうに考えます。そういう意味で、御指摘のように中学生時代からでもそういう交通安全教育というものは今後徹底していく必要があるというふうに考えております。
#24
○青木薪次君 きょうは交通安全施設整備の関係をやるわけでありますが、それと同時に精神的ないらいらですね。これは私は東京でも経験しているし地元でも経験しているわけでありますが、例えば大型のビルが建設される、そしてホテル、レストラン、あるいはまたそれに付随するところの百貨店、いろいろなものがあるわけでありますが、この許認可の関係等々についても、ただでさえ狭い路地裏のようなところに大型のビルを建てて、そうしてそこを今まで例えば悠々自動車が通っておったのが、極端に規制されてきて、ちっとも目的地へ行けない、歩いた方がよっぽど早い、そこでいらいらが起こるというようなことについてですが、大型ビルの建設等については、車を収容するか、あるいはまた非常に通過しやすいような形にするか、それはやっぱり道路の空間がなきゃならぬと思うんだけれども、その魚道路局長どう考えますか。
#25
○政府委員(萩原浩君) いわゆる附置義務という形で駐車場を設置するような義務を課しているわけでございますけれども、今先生御指摘のような、一時的に車の乗りおりをするとか、そういうような必要のあるビルなどでは、そのような混雑が起こるという例が非常に多く見られると存じます。したがいましてそういうようなところでは、当然のことながら、それだけの空間といいますか、道路の幅を持った余地を設けておけばそのことができるわけでございますけれども、遺憾ながらそれがなかなか守られてないというわけでございます。本来ならばそういう大きなビルは、当然のことながら、都市計画決定されました、ある幅を持った道路に面して建築をされるべきでございます。また、現に都市計画決定がされておればそのように余地をあけて建設をされているわけでございますけれども、都市計画がまだ決定されておらないようなところでそういう事例が起こることがあろうと存じます。ここら辺につきましては、個々の事例に基づきまして道路管理者あるいは公安委員会と御協議の上いろいろな対策を立てていく以外に現在ではちょっと方策がないのではないだろうか、こういうふうに考えている次第でございます。
#26
○青木薪次君 私は現に経験しているわけでありますが、ここでここはどうだここはどうだと言ったらそれはある程度問題になる箇所が非常に多いわけです、中央、地方を通じまして。ビルの許認可の関係は建設省と警察庁と、それからどこがあるんですか。大臣、これは非常に深刻な問題です、これが交通事故を惹起しているという大きな要因にもなっていますから。この点についてどういうふうに考えますか。
#27
○政府委員(萩原浩君) 建築の許認可の事務は、たしか十万以上の都市であったと記憶しておりますが、ちょっとこの数字は確かではございませんが、それ以上の都市におきましては建築主事という者を置くことになっておりまして、建築基準法に基づきます許可ということになるわけでございます。当然のことながら前面の道路とかそういうものを勘案して許可を与えているわけでございますけれども、先生御指摘のような、ホテルであるとかそこら辺が時間的に非常に集中をして車の乗りおりが生じてしまう、そういうようなところでそういう事例が出てくると存じますが、大変あれでございますが現在の建築基準法ではそこまで考慮した規制というものは入ってないと存じます。通常の形でのビル経営という場合を想定いたしました前面道路の幅というようなものは考慮いたしておりますけれども、そこら辺のちょっと時間的集中の起こるようなものについての配慮については今後の検討課題ではないだろうか、こういうふうに考えている次第でございます。
#28
○青木薪次君 それは政府で少し考えてもらわぬと、やはり道路空間を奪っちゃっているんですよ。そしていつまでたっても行けない。そこで例えば歩道を小型の車が走ったりするというようなこともありますし、それからまたバイクが車の間をぐるぐる回りながら走っているということをよく見ます。私は非常に関心があるものだから、大きく言えば、陸海空の交通安全という問題はこれは、交通戦争と言われる中で道路交通を今我々がやっていますけれども、日航は一二三便じゃないけれども、やはり車両の整備、交通安全施設、みんなの意識、それから道路のいわゆる空間、こういうようなものが両々相まって交通事故の絶滅ということになるわけです。
 その意味で、今道路局長のお話によれば、道路交通の建築基準法によるところの関係については、容積率とかあるいはまた高さとかいうものについて、道路をどういうようにしよっているか、地上の空間をどういうようにビルが背負っているのかというようなところから調べているけれども、交通の面においてどうもまだまだ考えていないということについては、これから問題になりますから、それはひとつ建設省において検討してもらうし、警察の方としても、そういう法的にまだまだ問題点ざ非常にあるという点については、やはり意見を言ってもらうということでなければまずいと思いますので、そのようにお願いいたしたいと思います。
 それから、交通安全を守る上ではやはり施設整備の促進が大きな要素だと思うのでありますけれども、本年度で終了する第三次五カ年計画の実績について私は余り芳しくないと思うのであります。この計画で実績が上がっていないということは、本年度で終わる第三次の計画の道路管理者分が八九%、それから公安委員会、地方の警察の対応になっているものについては六九%といわゆる実績が極めて低く、甚だしいということになっているわけであります。私が申し上げましたのは施設整備に関すること以外の問題を私は取り上げてまいりましたけれども、今はこの施設整備という関係で、先ほど八島局長の答弁にもありましたように、やはり事故件数がなくなったということは施設整備と関連があるのだという言葉をそのままいただくならば、この面でおくれているということについては大変残念なことだというように考えているわけでありますが、この点、建設省はどう考えますか。
#29
○政府委員(萩原浩君) 先生御指摘のように、第三次五カ年計画は昭和六十年度で終了するわけでございますけれども、その達成率は八九・四%でございます。したがいまして約一〇%の積み残しがあるということでございまして、この点につきましては私ども大変残念に存じ上げている次第で
ございます。
 折あしく、ちょうどこの計画中、五十六年度から六十年度のうち、五十九年度までゼロシーリング、マイナスシーリングの問題がございまして、その中でかなり積み増しをしたつもりでございますけれども、遺憾ながら計画達成までには至らなかったということでございます。大変残念でございますけれども、私どもは、この第四次はぜひ頑張って、満額達成に努力いたしたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#30
○青木薪次君 交通安全というのは、言うならば交通弱者をどういうように守るかという点に尽きるとも言えると思うのでありますが、災害とか安全という問題は、今萩原局長の言われたようにゼロシーリングということで、財政の関係でこの問題をないがしろにすべき問題ではない、こういうように私は確信を持っております。
 そこで、それだけで今日施設整備がおくれているのかどうなのか。この点は私は、この五カ年計画に対しては、設定される段階から財政の硬直化ということは考えておったと思うのでありまするけれども、予期せざる形で財政の硬直化がもたらされたのかどうなのか。その点について、私はそうではないと思うのでありますが、これは大臣どう考えますか。五カ年計画を設定する以前に、財政状態は悪くなるぞと、第一次オイルショック、第二次オイルショックということを経て、財政は相当状態が悪くなるということが前提となって第三次五カ年計画は設定された、こういうように思うのでありますが、その点いかがですか。
#31
○国務大臣(江藤隆美君) なかなか難しいお答えでありまして、今までの達成率が、五カ年計画が軒並みに悪い。下水道でも七一ですし、道路整備五カ年計画でも、ことしが終わりましてもまだ七三ぐらいにしかならぬであろう、公園も悪い。こういう中で新しく五カ年計画をつくっていくわけですが、どうしてもやっぱり国民的な要望、求めというのはかなり高いところにございます。しかし現実の財政事情がそれを許さないといういわゆるジレンマがあるわけでありまして、そこに一つの調整弁として、多大の御批判を仰ぐのですけれども、やはり調整費というものが絡んでくる。私どもは、この調整費というものは、何が何でも今回はひとつ事業費の中に三年先は繰り込んでいって、そしてこの達成率を高めていこうという必死の努力をしなければならないであろう、こう思っておるところでございます。
 ですから、五カ年計画ですから五カ年の間に諸般の財政上の変化もあるでしょうし、いつまでもゼロシーリング、マイナスシーリングだけではもう国は成り立っていかぬわけでありますから、今度はプラスになりあるいは躍進のときが来ることを私どもはひとつ五カ年の中で楽しみにして、これから頑張っていくということではないかと思います、なかなか苦しいところでありますが。
#32
○青木薪次君 大臣の今の答弁は確かに苦しいと思います。
 しかし大臣、一種事業で五五・二%ですよ、第三次計画の一種、歩道の関係ですね。歩道の関係が五五・二%、それから自転車道が八七・八%で、小計して平均すると七六%。それから立体横断施設の箇所については六六・一六%。二種事業でも、道路照明が七二・三、防護さくが七一・二というようなものでありまして、事業費の関係等からいくと、一種事業の歩道が六一・二%。これからひとつやるからいいわということでしょうけれども、私はやっぱりこの問題については行政の立場に立った強力なイニシアチブが必要である、リーダーシップが必要であるというように考えております。そういう立場に立って第四次計画に対するきょうは法律をつくるわけでありまして、ある意味でこれは日切れの法案ですから、そういう意味で私どもはこれはもう早く上げなきゃいけないという立場に立っているわけでありまするけれども、やっぱり事故がだんだんと漸増しているときこの現状はもう一刻も猶予できないと思いますので、新しい交通安全施設整備計画については完全達成の見込みが当然あると考えるけれども、改めて計画達成に対する大臣の決意表明をお願いします。
#33
○国務大臣(江藤隆美君) 先生の先ほどの御意見のように、車が激増してきた、そうなると道路行政というものが、弱者をどうして保護するかということに重点が回らないというと、九千人以上の死者が依然として続いていくという不名誉な統計が残る、こういうことでございます。
 したがって、私はいつも省内で言っておるんですが、今までの五カ年計画というものは、できなくっても、ああしようがなかったな、また次の五カ年計画でやろうということで、今まではとかく安易に次の五カ年計画に移っていた。しかし、今日ほどこうしたいわゆる公共事業に対する国民的要望の強い時代はないわけでありますから、私どもはもう第一年目から、必ずこれが達成される第一歩を踏み出すように、そして無責任にも、できなかったからしようがないということで終わることのないように、これから今後の五カ年計画を国会の審議に付する以上は並み並みならぬ決意を持って臨もうではないかということを実はいつも私は話しておるわけでありますから、今後そうした御意見を肝に銘じまして五カ年計画が達成できますように、今回もほかのは軒並みだめだったんですけれどもこの交通安全だけは約九割ほどはいったわけですから、もう一踏ん張りでありますので、この五カ年計画が首尾よく達成できるように努力をしてまいりたいと思います。
#34
○青木薪次君 今回の法改正では、新たな五カ年計画を作成することと、一定の道路の附属物の設置に要する費用についての新たな補助などが入っているんですね。補助対象となる道路の附属物とは一体何だろうか、これについて説明をしてもらいたいことと、それから今回補助対象に加えることになった背景というものについてひとつ説明していただきたいと思います。
#35
○政府委員(萩原浩君) 今回の法改正によりまして、指定区間外の一般国道、都道府県道及び市町村道におきまして新たに国が費用を負担しまたは補助することとなります事業の具体的範囲は政令で定めることとなっておりますけれども、現在私どもが考えておりますのは、一番といたしまして道路標識、二番といたしまして道路情報提供装置、それから三番といたしまして道路に接する自転車駐車場、これらを予定いたしております。
 道路標識の必要性につきましては、特に案内標識の不備がこれはもう国の内外から指摘をされております。案内標識の不備というものは運転者に非常に大きな心理的負担をかけますのでここら辺で、本来はこういう附属物は道路管理者が自分の責任で設置するということで国の補助対象になっておりませんけれども、今回、大型の道路標識につきまして国の補助の対象といたしまして系統的な案内標識の整備を図りたいというふうに考えます。
 また、道路情報提供装置も、安全、特に防災の面からこの設置が必要なところが全国で多々ございますので、これも道路附属物でございますが、今回補助対象といたしたわけでございます。
 それからもう一つ、道路に接する自転車駐車場でございますけれども、この自転車駐車場につきましては別途いろいろな施策が講じられてこれの整備に努められておりますけれども、この対象から外れるような二百台以下のようなもの、このようなものについての穴がございますので、この際補助対象といたしましてその整備を図りたい、そうすることによって歩道の通行区間の確保ができるであろうというふうに考えている次第でございます。
#36
○青木薪次君 大体計画の概要というものはわかりました。
 外国を旅してみますと外国の場合には道路の案内標識というものは非常に親切に出ているんですな、字を書いてあってルートを書いてあって。日本の場合には、このごろだんだんよくなってきましたけれども、非常に冷たいんですね。地理に不案内の人は目的地につくのに大変困難をする。遅くなったり速くなったりうろうろしますと事故の
原因にもなるということでありますので、今の道路局長の言われた点は大変結構なことでありますから、そういう方向でひとつ推進をしてもらいたいと思います。
 一月末の閣議了解によりますと、新たな五カ年計画の規模は、公安委員会の分が千三百五十億円、道路管理者分が一兆三千五百億円で、合計で一兆四千八百五十億円とされているわけであります。これらの額はどんな考え方でなされたのかどうなのか。
 また、第三次計画に比較いたしますと、道路管理者分は四千四百億円増で規模が一・四八倍に実はなっているわけであります。公安委員会の方は五百五十億円減で倍率〇・七一になっております。規模が小さくなっているのでありますが、公安委員会の事業はそんなに必要性が薄れたのかどうなのか、この点について、どちらが答弁してくれますかな、答弁してください。
#37
○政府委員(八島幸彦君) 先生御指摘のとおりでございまして、公安委員会分の特定事業、補助事業につきましては、第三次が一千九百億円でございましたのに対し一千三百五十億円ということでかなり減額されております。これは、第一には国の極めて厳しい財政事情、特に公安委員会分の安全施設につきましては一般財源になっている関係もございまして直に国の財政事情が反映してきておりました結果、先ほど御指摘がございましたように、進捗率が六九%ということで一千三百十一億円にとどまったことを考慮いたしまして、実績の一千三百十一億円を若干ではございますけれども上回る程度の現実的な規模とせざるを得なかったということが一つございます。
 それから第二に、今度公安委員会分の特定事業から減額になりました分は、そのまま事業として実施しないわけではございませんで地方単独事業として実施をしていただく、こういうふうにいたしているわけでございますが、その内容は、信号機の新設と大型標識あるいは可変標識の事業につきまして地方単独事業で実施していただくようにしたものでございます。
 信号機の新設について申しますと、最近特に大都市におきましてはもう信号機は十分過ぎるぐらいついているのじゃないか、むしろ信号機が多過ぎるのでかえって交通の渋滞を招いているのじゃないかという御意見が、一部ではございますけれども出始めております。また一方、北海道その他の地方の県に参りますと、まだまだ信号機が欲しいという御要望もございます。そういうことで、信号機の新設につきましては都道府県間にその必要性について随分格差が出てきておりますので、この際、都道府県の実情に合わせて整備をしていくのが適当ではないかというふうに考えたものでございます。
 大型標識と可変標識につきましては、その他の標識が従来から単独事業で実施されておりました関係で、この際統合的に、また最近標識が多過ぎる、標識ジャングルだという御意見等もございますので、統一的に整理をして整備してまいりたい、こういう観点からこれにつきましても単独事業でお願いすることにしたものでございます。
#38
○青木薪次君 時間がありませんから最後に。
 交通事故における死者数を状態別に見てまいりますると、歩行中の死者が自動車乗車中に次いで多くなってきているんですね。去年も二千六百五十六人歩行者が死んでいるんですね。車通行の激しい中で歩行者という交通弱者を守るためにはやはり歩道の整備が必要だということになるわけでありますけれども、歩道の整備となると六一%でしたかね、さっき数字を申し上げましたけれども。現在、道路は約百十二万キロに達しているわけでありますが、この面から歩行者を守るということについては歩道の徹底的な整備以外にないのじゃないかというように考えているわけでありますが、この点について道路局長どうお考えですか。
#39
○政府委員(萩原浩君) 先生御指摘のとおりでございまして、この第四次交通安全施設等整備五カ年計画、一兆三千五百億を算定いたしましたその主なるものは、歩道あるいは自転車道の整備でございます。
 歩行者の保護というものを大前提にいたしまして、現在私どもの調査によりますと歩道を緊急に整備すべきものが十一万四千キロございます。この十一万四千キロをこの五カ年計画中に何とか概成をいたしたい。一部ではちょっといろいろ用地その他の問題があってできないところもあろうかと存じますが、この十一万四千キロを何とか概成をいたしたいということを主体といたしまして積み上げましたものでございます。したがいまして、第四次計画の中でこの概成を図るべく懸命の努力をいたしたい。もちろん特定交通安全施設整備事業だけでなくて、一般の改築事業もつぎ込みまして、これらを一緒にいたしまして十一万四千キロの歩道を概成いたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#40
○青木薪次君 答弁は要らないわけでありますが、最後に、路地裏なんというところが実は通過交通になっているんですわな。これもやっぱり事故の原因ですよ。それから、例えば歩道橋をつくる、道路のいわゆる空間を狭めることもそうでありますけれども、例えばお年寄りとか子供とかそういう人たちがわざわざ高いところへ上っていくということについて大変な困難を生じているというようなこととか、いろんな問題を散見するわけであります。
 本建設委員会は、従来の参議院における交通安全対策特別委員会の方もほとんどこの建設委員会でやるということになりますので、そういったことも含めてひとつ警察の方もそれから交通安全対策室の方も、従来の交通安全対策特別委員会のところへはしょっちゅう通ったんですけれどもこのごろ一回も来たことがないんですよね、私は大分長くやっておったけれども。そういうようなことでもう少しこの点、交通安全という問題については、特別委員会がなくても、主管の委員会は参議院は建設委員会であるという立場を確認していただいて、そして連携をとりながら事故の絶滅を図っていきたい、こういうように考えますので、その点を要望いたしまして、私の発言を終わります。
#41
○馬場富君 交通の安全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱等を定めるものとして、交通安全対策基本法に基づきまして交通安全基本計画が昭和四十六年以来三次にわたって策定されてきました。この三次計画も本年で終了して、六十一年度からは第四次の計画が策定されることになっておりますが、政府は二十八日の中央交通安全対策会議において第四次交通安全基本計画を正式決定して、同日の閣議で報告するとのことでございますが、本計画の概要について説明されたいと思います。
#42
○説明員(戸田正之君) 第四次の交通安全基本計画につきましては、ただいま先生御案内のとおり中央交通安全対策会議において御決定いただくことになってございますが、これまでに検討されております主な点について申し上げます。
 基本的な考え方といたしましては、道路交通におきましては、やはり人命尊重の理念、このもとに、車社会に対応いたしました人と車の共存にふさわしい安全で円滑かつ快適な交通社会の実現を図ることを目標にいたしております。
 具体的に申し上げますと、先ほどから出ておりますいわゆる交通弱者関係に対しましては、まず歩道、自転車道の整備等、歩行者それから自転車利用者、幼児、高齢者、さらには身体障害者の方々が安心して通行できる安全で円滑な道路交通環境を確保することでございます。
 さらに、交通道徳に基づきまして自発的な交通安全意識の高揚が極めて重要でございますので、生涯を通じました交通安全教育の確立てございますとか、さらには広報活動の充実、こういうものを図ってまいることにいたしております。
 三番目といたしまして、運転者、特に最近事故が非常にふえてございます青少年の方々、さらには高齢者層の、安全運転の確保を図ることといた促しております。
 四番目に、交通事故の被害を最小限に抑えるために被害者救済対策の推進を図る、こういう各般の施策を推進することといたしております。
 また、鉄軌道、海上、さらには航空交通につきましては、一たび事故が発生いたしますと事故の大型化は避けられませず、多数の死傷者を生ずるおそれがございますので、諸般の対策を強力に推進することといたしております。
 こういうことで現在作成作業を進めているところでございます。
#43
○馬場富君 そこで、交通安全基本計画と交通安全施設等整備事業五カ年計画との関係性はどうなっておるのか。両者は制度上どのようにリンクしており、また整合性についてはどのように保たれておるのか。総務庁とあわせて建設省の方からも御意見を賜りたい。あわせまして警察庁の方からは、第四次五カ年計画に対する基本理念とは何か、この点について御説明願いたいと思います。
#44
○説明員(戸田正之君) 交通安全施設等整備事業五カ年計画は、交通事故が多発しております道路、その他緊急に交通の安全を確保する必要がある道路につきまして、交通環境の改善を行い、交通事故の防止と交通の円滑化を図るために、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法に基づきまして作成されているものでございますが、交通安全基本計画は、陸上、海上、航空にわたりまして講ずべき交通の安全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱等を定めたものでございまして、当然に交通安全施設整備のあり方につきましてもその内容に含んでございまして、交通安全施設等整備事業五カ年計画はこの基本計画のこの部分につきましてさらにその具体化を図る、こういう性格を持つものでございます。
 両計画の整合性につきましては、関係省庁間におきまして十分協議を重ねておりまして、またその意思疎通を図っているところでございまして、私どもといたしましては両計画の整合性は保たれているというふうに理解しているところでございます。
#45
○政府委員(萩原浩君) 道路の交通安全施設等整備事業につきましてでございますけれども、従来から交通安全基本計画との整合性を保って策定をいたしております。交通事故が多発しております道路その他緊急に交通の安全を確保する必要がある道路につきまして交通安全施設等整備事業五カ年計画を策定いたしまして、それが交通安全基本計画の一つの大きな要素を占めているというふうに私どもは認識をいたしております。したがいまして、交通安全基本計画と交通安全施設等整備事業五カ年計画の計画期間もこれは合わせでございます。今後、交通安全施設等整備事業五カ年計画の遂行に当たりましては、交通安全基本計画の趣旨に沿いまして、それと整合性を持って事業の執行を図るように考えている次第でございます。
#46
○政府委員(八島幸彦君) 公安委員会所管分の第四次交通安全施設等整備事業五カ年計画の基本理念についてのお尋ねでございますが、まず幹線道路の円滑化、第二に都市交通機能の確保、第三に交通弱者の保護、以上三つを重点に事業を推進いたしまして交通事故の増加傾向に歯どめをかけたい、かように考えておるところでございます。
#47
○馬場富君 次に、現在の厳しい財政事情のもとで第四次五カ年計画を達成できる見込みがあるかどうか、この点についての見解をひとつ御説明願いたいと思います。建設省と警察庁、両方お願いいたします。
#48
○政府委員(萩原浩君) 第四次五カ年計画の総事業費は、調整費を含めまして一兆三千五百億円を私どもは予定をいたしております。これの執行に当たりましては、第三次の五カ年計画の執行が計画どおりいかなかったという実態を踏まえまして、この満額執行に最善の努力を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#49
○政府委員(八島幸彦君) 第四次の五カ年計画のうち特定事業につきましては、先生御承知のように一千三百五十億円といたしておりますが、この規模は第三次の計画を大幅に下回っております。第三次の計画が一千九百億円に対しまして実績が一千三百十一億円にとどまるということでございますので、第四次は、引き続き厳しい財政事情等を考慮いたしまして、一千三百十一億円を若干上回る程度の現実的な規模といたしております。したがいまして、私どもといたしましては、第四次につきましては第三次のように六九%のような低い率にとどまることの絶対にないように、完全達成を目指して努力してまいりたい、かように考えております。
#50
○馬場富君 建設省にお尋ねしますが、六十一年度から交通安全を初め、公園、下水道、住宅、海岸等、建設省関係だけでも五本の五カ年計画が新たにスタートするわけでございますが、今回、いずれの計画も調整費のウエートが非常に高まってきております。交通安全などは、今回初めて調整費がついたわけでありますが、各種五カ年計画とも年末の予算編成の段階で軒並み減額査定されている中にあって、交通安全だけは要求どおり認められたことが示すように、いずれも重要な五カ年計画のうちでもとりわけ緊急度、要求度が高いということだと私は思うわけでございますが、この新五カ年計画についてはいずれも、今後の社会、経済、財政状況等を勘案しつつ三年後には見直しを検討することとしておりますが、最初からやはり多額の調整費がついているというようでは、スタートに当たって出ばなをくじかれた感もするわけでございますが、なぜ多額の調整費をつけなければならなかったのか、御説明願いたいと思います。
#51
○政府委員(高橋進君) 建設省関係の五カ年計画、今先生おっしゃいましたように、五本の五カ年計画がこの六十年度で切れまして、新規に六十一年度を初年度とする計画が作成されて、その中で調整費の割合が非常に多いという御指摘がございました。
 一つには、基本的な枠組みとしまして、現行計画、今までの計画を下回ることのない計画をセットするということが一つございます。それぞれの計画につきまして目標数値、例えば下水道につきましては現在普及率が三六%のものを調整費除きで四四%にするとか、そういったもちろん長期目標もございますが、規模の問題といたしましては今までの計画は下回らないようにしようということが一つ枠組みとしてございまして、その中で一方現下の財政状況、今までの実績、進捗等を勘案いたしました場合にぴたっとはっきりした計画をそれぞれのどういう部門に割り振るかということができかねるという問題もありまして、調整費が出た、枠が多くなったという面がございます。しかしながら、私どもといたしましては、このそれぞれの計画の中で三年後には見直すということにもなっておりまして、全体の計画達成のためにその見直しの段階でもって調整費というものの活用ということも十分考える。その結果として現在の全体の計画の達成というものの実現に最大限の努力を払う、こういう考えております。
#52
○馬場富君 次に、二、三点警察関係でお尋ねいたします。
 現在の都市部における交通渋滞は目に余るものがございますが、第四次五カ年計画では交通の安全とともに円滑の確保にも力を入れる方針と聞いておりますが、具体的にはどのような対策をお進めになるか、御説明願いたいと思います。
#53
○政府委員(萩原浩君) 道路の施設面では、交通の円滑化を図るために、交差点の改良、登坂車線の設置あるいは案内標識の増強、そこら辺を通じまして交通の円滑化を図り、結果といたしまして交通安全の施策の助けといたしたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#54
○政府委員(八島幸彦君) 警察関係の安全施設におきます交通渋滞緩和対策でございますが、まず、老朽化してきました三十一カ所の交通管制センターを改良しあるいは高性能化すること。また、機能の低い信号機約三万基を改良し高性能化すること。それから右折交通量に変動のあります交差点、夜間等においてわき道からの交通量が少なくなる交差点等に、右折感応、閑散時半感応化
等の機能を加えて円滑化を図ってまいりたい。また、このような安全施設の改良、高性能化、機能化にあわせまして、広域にわたり交通情報を収集し適切な交通情報の提供を行うなど、交通の円滑化についてもその他の施策を鋭意推進してまいりたい、かように考えております。
#55
○馬場富君 次に警察の方にお尋ねをいたします。
 最近の交通事故の発生状況及びその特徴はどんな点にありますか、御説明願いたいと思います。
#56
○政府委員(八島幸彦君) 交通事故による死者でございますが、御承知のように昭和五十五年からふえてきております。負傷者につきましては、若干早まりまして、昭和五十三年から増加に転じております。特に死者数につきましては、昭和五十七年以降四年連続して九千人を超えておりまして、まことに厳しい情勢にございます。昭和六十年中の交通事故の発生状況でございますが、発生件数が五十五万二千七百八十八件、これは前年に比較をいたしますと六・六%の増加でございます。死者数は九千二百六十一人、これは前年と比較いたしますと、わずか一人でございますが〇・〇一%の減少でございます。負傷者数は六十八万一千三百四十六人でございまして、これも前年に比較いたしますと五・七%ほど増加となっております。
 次に、交通事故の特徴でございますが、死亡事故について申しますと、曜日別には土曜日と日曜日の発生が多発いたしておりまして、いわゆる週末型の多発化傾向を示しております。
 状態別に死者数を見ますと、自動二輪車乗車中の死者が昭和五十九年に比べますと九十九人、七・八%と大幅に増加いたしております。
 年齢層別に死者数を見ますと、六十歳以上の高齢者が、歩行中、自動車乗車中、自転車乗車中、いずれも増加いたしておりまして、百九十三人、八・五%の増加となっております。それから若年者、十六歳から二十四歳までの者でございますが、これが百五人、四・三%の増加となっています。
 事故類型別に発生状況を見ますと、車両単独による死亡事故、工作物衝突とか転倒とかいう事故でございますが、これを中心に九十九件、四・三%増加いたしております。
 以上でございます。
#57
○馬場富君 警察としては、このような発生状況に対して、基本的にはどのような対策を今進めようとされておりますか。その点をお尋ねいたします。
#58
○政府委員(八島幸彦君) 警察といたしましては、若年者の二輪車乗車中の事故と高齢者の歩行中の事故がふえてきておりますので、こういう事故対策を重点といたしまして、当面、まず二輪車対策としましては、交通安全マインドの高揚を図ることを目的といたしました指定自動車教習所におけるカリキュラムの改正、第二に更新時講習等における二輪車運転者特別学級の開設、第三に交差点における二段停止線、二輪車レーンの設置、第四に二輪車に重点を志向した街頭交通監視活動の強化、第五に乗車用ヘルメット着用についての指導の徹底等を図ることといたしております。
 次に高齢者対策でございますが、第一に老人クラブ等を通じての教育の徹底、第二に老人宅への戸別訪問の実施、第三に反射式ワッペン等の普及等を考えております。
 次に週末事故対策でございますが、過労、酒飲み、スピード等、レジャー型事故の特徴に対応しました安全教育、指導取り締まり体制等の強化を図ることといたしております。
 以上でございます。
#59
○馬場富君 次に、シートベルトの着用が実施されまして、その状況は今どのような状況かということと、また着用率を向上させるためにはどのような施策を講じてみえるか、この二点お願いします。
#60
○政府委員(八島幸彦君) シートベルトの着用率についてでございますが、昨年の道交法改正前におきましては高速道路の運転者が四〇%から五〇%台でございました。一般道路の運転者につきましては二〇%から三〇%台となっておりました。改正法の施行に伴いまして、シートベルトの着用について強力なキャンペーンあるいは街頭における指導活動を徹底いたしまして着実にその後着用率が向上してきておりますが、昨年秋の全国交通安全運動期間中の調査によりますと、高速道路の運転者が九五・三%、一般道路の運転者が五八・八%となっております。また、昨年十一月末の特別調査によりますと、高速道路の運転者が九五・四%、一般道路の運転者が若干着用率が低下いたしまして五〇・三%ということになっております。
 御承知のように、高速道路の着用率が高いのは、法施行後、昨年の九月から不着用者に対して行政処分の点数を付加することといたしたためかと思いますが、一般道路につきましては平均着用率が五〇%を超えることが定着した段階で点数付加を考慮いたしたい、かように考えておりますが、いずれにしましても五〇%ぎりぎりの段階でございますので、今後また一段と広報活動等に努めまして着用率の向上を図ってまいりたい、かように考えております。
#61
○馬場富君 シートベルトの着用というのは高速道路での義務化によりましてかなり効果が上がっておるというふうに私たちも見ておりますが、そういう効果の上がったものはやはり一般道路についても着用を考えていくべきじゃないか、こういうふうに思いますが、これに対する考え方はどうですか。
#62
○政府委員(八島幸彦君) 御指摘のとおりでございます。
 先ほどお答え申し上げましたように五〇%ぎりぎりの段階でございますが、これから四月に行われます春の安全運動期間中等を通じまして、より強力な広報活動あるいは指導活動を徹底いたしまして着用率の向上を図り、その結果を見ながら点数を付与する時期を判断してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#63
○馬場富君 次に、今度原動機付自転車のヘルメット着用の義務づけが七月五日から施行されることになっておりますが、この準備状況はどうでしょうか。
#64
○政府委員(八島幸彦君) 原動機付自転車のヘルメット着用の義務化及び不着用者に対する点数の付与は、先生御指摘のように、ことしの七月五日から施行することといたしております。
 昭和六十年中の国内における乗車用ヘルメットの生産個数は前年比百三十六万個増となっておりまして、ヘルメット着用義務化による需要増加にも十分対応できるものと考えております。
 また、原動機付自転車のヘルメットの着用につきましては、従来から広報・指導活動を展開してきているところでございますが、現在大体六〇%程度の着用率となっておりますが、四月からの春の全国交通安全運動の期間におきましてはこの原動機付自転車のヘルメットの着用につきましても強力な広報・指導活動を展開いたしまして、施行前においてもかなりの着用率に達しているように努力してまいりたい、かように考えております。
#65
○馬場富君 現在の都市部における交通渋滞の一つの原因は、やはり違法駐車が非常に多いというように私たちも思うわけですが、警察としてはこの問題についてはどのように取り組んでみえますか、お尋ねいたします。
#66
○政府委員(八島幸彦君) 御指摘のとおりでございまして、特に大都市におきます違法駐車の実態はこのまま放置できないような状況に至っております。ちなみに、東京都内におきましては瞬間の違法駐車が一日十六万台ございますが、そういうような違法駐車が交通の円滑化の大きな障害になっておりますとともに、最近はバス路線にはびこっておりまして、バスの定時性を著しく害しているとか、あるいはバスの停留肝に駐車しているものですから客が道路の中央寄りで乗降しているというようなこととか、あるいは駐車車両に衝突する死亡事故がこの五年間に八割もふえているといったように、円滑化だけではなくて安全上も非常
に問題を生じてきております。
 そういうこともございまして、駐車問題を解決することを主とした内容の道交法の改正案を今国会に御審議をお願いしているところでございます。
#67
○馬場富君 次に建設省の方ですが、自転車の駐車の問題が、非常に自転車の利用が多くなると同時に、これが問題化されてきております。特に放置自転車等も問題となって、駅周辺等については大変に困った状況もございます。
 こういうことの重要性から考えまして、今回の法案にもこの問題がうたわれておりますけれども、この自転車の駐車場等の問題についてはどのように取り組まれるお気持ちか、お示しいただきたいと思います。
#68
○政府委員(萩原浩君) 自転車利用の増大に伴いまして駅周辺あるいはバス停付近など各種交通施設等の近傍では路上に自転車が放置をされまして、その結果、歩行者あるいは自転車利用者の安全な通行が脅かされるという事態が起きていることは、先生御指摘のとおりでございます。
 現在、建設省といたしましては、三大都市圏を中心に都市計画自転車駐車場に対して補助を行うなどの整備を図ってきておりますけれども、今回の交通安全施設等整備事業五カ年計画の中で、道路管理者に対しまして補助の制度を新設いたしまして、道路の附属物としてその整備を進めるようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
 従来の施策は、二百台以上の自転車の駐車があるといいますか、需要があるような、そういうかなり大きなところに補助対象を限っておりましたけれども、今回は五十台以上二百台以下というような小規模なものについての補助を新設いたしましてその穴を埋め、自転車駐車場の対策といたしたい、こういうふうに考えているものでございます。
#69
○馬場富君 ここで、今回の法案ともあわせまして交通安全施設等整備事業計画に関する措置が改正される。あわせて、先ほどもお尋ねいたしました交通安全対策基本法等の問題から推しましても、やはり人命の尊重が一つは焦点になってきております。どんどんと深刻化する自動車交通事故多発の中にあって、いかにしてとうとき人命を守るかというところに私は焦点があると思うんですね。
 そういう点では、昭和四十五年の交通事故死一万六千七百六十五人のピーク時をとらえまして、私も当時愛知県に住んでおりまして、交通事故死がナンバーワンだったのが我が愛知県だったものですから、もうこれは私の胸に焼きつくほど本当に痛切に感じておりますし、この問題の解決には取り組まなければならぬ、こう思っておるわけです。やはり、そういういろんな施策やいろんな施設やまた警察官等の努力はあっても、当時から私は調査を続けているが、やはりどうしても車社会に対する受け入れ態勢としては道路の整備こそ私は最大の要素である、いかに標識やそういうものをしっかりやってもらっても、また警察官が取り締まりを厳しくされたとしても、完全な道路がなければこれは補うことができないんじゃないかと思うんです。
 かつて私たちが中国を訪問したときに、中国はほとんど歩行や自転車だけでした、最近は自動車も多くなってきておりますが。そのときに、私たちが中国に行って第一番にした質問は、日本のような交通状況が中国に起こったならばこの広い道路でも困るでしょうと言ったときに、中国側の答弁は、いや、現在はそんなに自動車はたくさん持っておりません、自転車や歩行ですからこれで十分でしょう、また自動車を多く持つときには持つような道路を考えて持ちます、こういう言葉がはね返ってきたが、実に明確な答弁だったと思うのです。ところが、日本は道路の整備よりも自動車の需要の方が多くなってきておる。こういう点で、一つそこに大きい交通対策の問題点が私はあると思うのですね。建設省も、今のこの法案等によってのいろんな対策も必要ですけれども、やはり道路の整備にうんと力を入れてやっていく必要があるのではないかと思うんです。
 実は、この交通事故のピークの四十五年のころに、私どもは中京圏で、陸上輸送調査会というのを各建設省やあるいは警察や運輸省等にも集まってもらって開いて、事故死の実態調査をやったことがあるわけですよ。どうしても車台数が多いので、やはり道路を整備していく以外にはないという結論でした。関東圏では軌道が七に対して道路輸送が三なんです。関西圏も七対三なんですよ。私たちが住む中部圏というのは軌道と自動車がちょうど逆になって、軌道が三で道路輸送が七なんです。そうしてくると、結局は交通事故死が多いというのは、もっともっと軌道を拡大することが必要だ。ところが、便利な車に乗った人たちをもう一度軌道に乗せるということはなかなか難しいんです。
 結論として今究極的に感ずることは、自動車に乗った人たちを道路で輸送できるような道路の完備こそ安全対策の最高のかなめであるというふうに私は結論を下しておるんですが、この点、建設省はどのようにお考えでございますか。
#70
○政府委員(萩原浩君) 先生おっしゃいますように、交通安全を保つためにはそもそも道路の整備が基本的な問題でございます。特に、自動車とそれから歩行者あるいは自転車、これが完全に分離をされますと非常に事故は少なくなるということは幾多の資料からも説明されているところでございます。したがいまして、私どもは道路整備を九次にわたります五カ年計画で鋭意進めてまいりました。
 しかし、何さま、道路の需要というもの、自動車の保有台数の伸び、あるいは歩行台キロの伸びというものが、この道路整備を追い抜いて伸びていっているという現状にございます。そのために、道路の整備を進めると同時に、応急的な対策といたしましてこの交通安全施設等整備事業を行っているものでございますけれども、あくまでもその基本は道路整備にあるというふうに認識をいたしておりまして、今後とも何とかこの道路整備を進めて、できるだけ早く供給が需要を追い抜くような、そういう事態に到達いたしたいということで努力をいたしておるところでございます。
#71
○馬場富君 先日も非常に大臣に理解ある答弁をいただきましたが、この中部圏の道路状況の円滑化のためには、かつて交通事故死が一番多かったというその原因の調査の中で、やはり名古屋市内に国道とかそういう大道路の通過道路が多いということが一つは調査の結果として出てきたわけです。この通過をなくするために、市内を通過させない形で、市内には地下鉄等を発達させそして市外から来る車が通過する道路についてはわきを通過していくというように、建設省の御協力を得ていわゆる名古屋環状二号線というのが今推進されております。これは東名、名神、東名阪、そして今度つくられようとされる北陸自動車道、ここらの道路を通過せずに円滑に周辺を回らせる。これが事故対策の大きい要素になってくる。こういうことで、一つはこの環状二号線が取り上げられ、もう一つはその一部として伊勢湾岸道路というのが計画されている。
 大臣からも非常に前向きな答弁をいただきましたし、建設省の道路局も、一つはこの四月中にも打ち合わせの機会をつくりたい、こういうふうにおっしゃっておりますが、先ほど申しました軌道といわゆる道路需要とが三対七というような逆比にある中部圏の中で、こういう道路こそ交通安全のかなめである。これができなかったらならば、幾ら警察官の方が厳重に監視したとしても私は無理だと思うんです。
 そういう点で、このことについて民活をあわせて大臣も非常に積極的に取り組んでみえますが、どうかこの推進に本腰を入れてお願いしたいことと、先般もおっしゃっておりましたが、そういう民活化という問題等もありまして、地元との調整等も必要であります。そのためにひとつ大臣に、予算委員会の終了後早期に現地を調査していただきながら、民活の問題等についても御懇談をいた
だけることがまずかなめであると思いますが、その点はいかがでしょうか。
#72
○国務大臣(江藤隆美君) かねがねそうした御要請がございますし、もう三月も残り少なくなりましたから、国会の都合等で少しくおくれましたけれども、明日地建の局長を呼びまして、そして打ち合わせをいたしまして、今月うちには県、市に対して私ども建設省の考え方をお示しする、そして当初の予定どおり来月じゆうにはひとつ基本的な計画、いわゆる事業費をどの程度にするか、工期はどれくらいか、事業主体はどうか、それから財源は一体どうするかというもろもろのことがございますから、そういうことを実は整理をいたしまして、四月じゆうには大体めどが立つようにいたしたい、こういうふうに思っておるところでございます。
 それから、一回見に来るようにということでございますが、今お説のございました環状二号もありますし、いつか申し上げました堀川の再開発のこともございますものですから、この伊勢湾岸道路と一緒に、国会で予算が成立でもいたしまして機会を得ましたら、ぜひ一回現地を訪れさせていただきたい、こう思っております。そのときにはまたお世話さまになりますが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
#73
○馬場富君 ぜひひとつ早い機会に、民活等の問題もありますのでお願いいたします。
 次に、もう一点、財源問題でございますが、やはり道路を整備していくにつきましても財源が問題となってきますが、過去私は水野建設大臣、本部建設大臣のときもこの問題について質問いたしましたが、いわゆる自動車重量税の道路事業以外への流用、いわゆるオーバーフローの問題でございます。五十七年から五十九年度まで四千百八億円に上っておりますが、六十年度予算では揮発油税収入の一部の道路特会への直入、それから資金運用部資金の短期借り入れによってオーバーフローを解消したわけでございますが、六十一年度予算においてはどのような措置を講ぜられるか、まずお尋ねいたします。
#74
○政府委員(萩原浩君) 先生御指摘のとおり、五十七年度から五十九年度まで三カ年にわたりまして総計四千百八億円の自動車重量税が道路整備財源に未充当の状況でございます。これに対しまして昭和六十年度には、一般会計からの繰入金、それから揮発油税の一部特別会計への直入、それから資金運用部からの借り入れによりまして、道路特定財源の税収額を二百億円上回る措置をとらせていただきましたけれども、昭和六十一年度につきましても、大体同様な措置をお願いいたしたいということを盛り込みました政府予算原案を現在御審議いただいているところでございます。したがいまして、この原案どおりもし御承認いただきますと、いわゆる自動車重量税の未充当額は約三千七百億円になる予定でございます。この三千七百億円の未充当額につきましては、できるだけ早く道路整備財源として充当していただくように懸命の努力を払っていくつもりでございます。
#75
○馬場富君 それで、先ほども御質問しましたが、オーバーフローの四千百八億円の問題でございますが、歴代大臣は必ず返してもらって道路財源にするとおっしゃっていましたが、少々は返還されたようでございますが、この点については今後どのように処置されますか。
#76
○政府委員(萩原浩君) ただいま申し上げましたように約三千七百億円の未充当額がございますが、この未充当につきましては、遅くとも第九次五カ年計画中には何とか充当いたしたい。しかし、それより早く、できるだけ早くこのものが充当されるように努力をいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#77
○馬場富君 最後に、大臣に。
 最近、円高による非常に厳しい経済状況になってきました。そのために内需拡大からも景気対策からもやはりどうしても大きくこれを向上させるために、公共事業への投資の必要性が各方面から叫ばれてきました。こういうことで、今の公共事業に上乗せすること一兆円以上の修正が必要ではないかという論議すらなされておりますが、そのためにはやはり建設国債を発行してもやむを得ないのではないかという声も高まってきております。この点、大臣の個人的な見解でも結構でございますが、これに対する大臣のお考え方をひとつ御説明願いたいと思います。
#78
○国務大臣(江藤隆美君) 予算委員会で建設国債の議論が出ますというと、いつも大蔵省の答弁は、一兆円の建設国債を出しますと六十年間にわたって三兆七千億のいわゆる借金を孫の代までかかって払わなきゃなりません、これが大体決まり文句であります。しかし考えてみれば、住宅建設五カ年計画も出ますが、住宅だって借りれば払い終わるまでには二倍以上払うわけでして、借金して利子を払うのは当たり前のことであって、閣内不統一と言われちゃいけません、予算審議の途中でありますから余り余計なことは言わぬことにしておりますけれども、しかし黙っておるわけにもまいりませんから、私は、一兆円の建設国債を発行すれば事業予算としてはおよそ一兆四千億になるものと思います、これがGNPへの乗数効果は初年度は一・四七、次年度が〇・七八、三年目が〇・四七、合計三年間で二・七二倍程度になりまして三兆八千五百億程度の効果があるものと思います、したがって三年間にわたって税収はおおよそ四千七百億返ってくると思いますから、国民的な資産が残る、その上にそれだけの税収があるんですから全くの赤字国債とはいささか違います、そこまでは私は予算委員会で言っております。大蔵省の考え方が間違っておりますということはこれは口が裂けても言えぬわけでありますが、しかし、予算が編成されました昨年暮れとこういうふうにいわゆる社会情勢が著しく変わってきましたのは、今までになかったことじゃないかと思うんです。
 予算が成立していよいよ執行にかかるころに予算編成のときともう全く違った経済的な環境が生まれる、そのときに私どもがどういうふうに対応するか、弾力的にいつでもいかなる場合にも対応できるように建設省としてはひとつ準備をしておこうではないか、こういうふうな優等生の答弁を今のところは準備いたしまして、お答えを申し上げておるところでございます。
#79
○上田耕一郎君 今度の法改正は改善部分が含まれておりますし、それから交通安全施設の整備というのは国民の生命保護の点で非常に重要ですので、私どもも賛成する態度をとっております。
 以下、若干の質問をまずこの法改正問題でさせていただきます。
 まず、この五カ年計画の閣議了解を見ますと、警察庁分は第三次が千九百億円、第四次が千三百五十億円で〇・七一に減っているわけでございますが、これはどういうことでしょうか。
#80
○政府委員(八島幸彦君) 御指摘のとおりでございますが、この特定事業の減っている部分につきましては、それなりの財源の手当てをいたしまして、都道府県単独事業として実施していただくように措置したものでございます。
 それでは、その都道府県単独事業に移したのはなぜかということでございますが、一つには、国の厳しい財政事情を反映いたしまして第三次の実績が一千九百億の計画に対して一千三百十一億円にとどまったというようなことから、それを若干上回るような現実的なものとせざるを得なかったということがございます。
 それから、移しました信号機の新設あるいは大型標識、可変標識につきましては、それぞれ、信号機につきましては、その必要性につきまして都道府県間に非常に格差が出てきておりまして、そういうことから都道府県の実情に応じて整備をしていくこととした方が適当であると判断いたしましたことと、大型標識あるいは可変標識につきましては、従来からその他の標識、標示は御承知のように都道府県単独事業として実施しておりますし、最近の標識ジャングルというような御批判にお答えするために大型標識にして整理統合を図っていくというようなことで、従来の都道府県単独事業に非常に密着した事業であるという観点か
ら、これにつきましても都道府県単独事業としてお願いすることとしたものでございます。
#81
○上田耕一郎君 単独事業に移した、その際財源措置もしてあるというんですけれども、この調査室の資料の二十九ページを見ると、交通反則者納付金、これを使って交通安全対策特別交付金というのを出している。六十年度予算に比べると六十一年度予算はこれ減っているんですね。だからこういう点で、移したはいいんだが、格差があるということなどのようですけれども、地方自治体の負担がふえないように特に財源問題では手当てをぜひ要望したいと思います。
 それから、先ほど問題になり先日も問題になったまたこの調整費ですね、これが出ている。それで、三年後見直しというのがまたここに出ているわけですね。建設省分は一・四八倍になっているけれども、この調整費二千億円を除くとやはり一・二六倍ということになっておりますので、先ほど大臣から財政上の困難性の問題もありましたけれども、やはり三年後の見直しでその厳しい中でぜひ増額になるようにしていただきたいと思うんですけれども、再度答弁をお願いしたいと思います。
#82
○国務大臣(江藤隆美君) そのように三年先には努力をいたしたい。今まで前例がありませんけれども、前例を私はつくるべきだと思っておりますから、そういうつもりでこれから頑張ってまいります。
#83
○上田耕一郎君 その次に、交通事故の死者の数字ですね。先ほどから数字が挙がっていますが、昭和六十年で九千二百六十一人、これは警察庁の調べの数字で、これは二十四時間以内の死者ですね。ところがこの二十六ページを見ますと、ここには厚生省の数字が出ているんですね。厚生省は「自動車事故を直接死因とするすべての死者」ということになっている。これを比べてみますと、例えば昭和五十八年、警察庁の数字では九千五百二十人になっているけれども、厚生省の数字では一万二千九百十九人と約三割多いんですな。
 二十四時間以内に亡くなった死者、これは警察庁の数字で出ているんだけれども、厚生省の交通事故を直接死因とする死者の数は大体三割増しと言われているのは、ほぼそのとおりだということでいいですか、警察庁にお伺いします。
#84
○政府委員(八島幸彦君) そのように理解いたしております。
#85
○上田耕一郎君 それで、昭和四十五年と比べると五五%に減っていて、それはいいんですけれども、戦後四十年間の交通事故の死者数、それと負傷者数、これをお答えいただきたい。
#86
○政府委員(八島幸彦君) 戦後四十年の交通事故死者数、累計いたしますと約三十九万人でございます。負傷者数につきましては約一千七百万人でございます。
#87
○上田耕一郎君 これは大変な数字なんですね。三十九万人というんだけれども、それは二十四時間以内に死んだ人の数で、だから三割増すと約五十万人ということになるんですね。東京の三多摩では八王子が一番大きい市ですけれども、あそこは四十万ですから、八王子以上の人口がすっぽりなくなったというほどの大変さだ。負傷者数千七百万人というのは、生涯に何回も負傷した人もいるんでしょうけれども、恐らくそんな統計はないだろうと思いますけれども、いずれにせよ人口の一割以上は交通事故に戦後ずっと延べで考えると遭っているということで、非常にやっぱり大変な数字が依然としてある。
 先ほどの答弁、それからデータを見ても、死者は減っているけれども負傷者数はふえているということなんですが、警察庁はこの死者数で、例えばこの五カ年計画でどのくらいまで下げられるということをお考えなんでしょうか、目標ですね。
#88
○政府委員(八島幸彦君) まだ正式に決定したわけではございませんが、今度の新しい交通安全基本計画におきましては、今後五カ年間に、第三次の基本計画と同様に八千人以下に抑えるというような目標とするように承知いたしております。
#89
○上田耕一郎君 三割増したとやっぱり一万人を超えているんですね。この死者と負傷者、特に負傷者数はふえているという状況は、議論をすると限りがありませんけれども、モータリゼーション、その悪循環問題がやっぱりあると思うんですね、道路と自動車の。だから命を守るという点では、この道路の安全施設の五カ年計画も重要なんだけれども、本当に抜本的に解決しようとしますと、国の政策の自動車、モータリゼーション等々のやっぱり基本にさかのぼって見直しをしていかないと解決できないという大問題だと思うんです。
 それから、交通事故の死亡状況の欧米との比較がこの資料に出ておりますが、やっぱり交通事故は先進国のレベルにもうなってしまっている。状態を見ると、二十八ページの資料を見ると、日本の場合には走る凶器型になっているんですね。つまり、例えばアメリカ、フランスなどでは自動車に乗っている、乗車中の死者が多い。アメリカ六八%、フランス六二・六%。日本は乗車中の死者は三六・六%でかなり低い。そのかわり、歩行中の死者二九二二%、二輪車乗車中二三・七%。アメリカなどは二輪車乗車中は九・七%ですから、日本はやっぱり、二輪車に乗っているときに自動車にはねられてという、つまり走る凶器型だという特徴が生まれていることは非常にはっきりしていると思うんですね。日本は走る凶器型、欧米は走る棺おけ型と言うのだそうですが、なぜこういうふうになっているんでしょうか、これは分析されておられますか。
#90
○政府委員(八島幸彦君) 基本的には日本の国土が狭いという特徴が背景にございまして、道路につきましても比較的狭い道路が諸外国に比較しますと多い、あるいは歩車道の区分がされてない道路が多い、あるいは交差点間隔が諸外国に比較しますと短いといいますか、そういうようなことで交差点の数が非常に多いというようなことが相乗的に作用いたしまして、諸外国に比較しますといわゆる交通弱者の死者の構成率が高いというふうに判断いたしております。
#91
○上田耕一郎君 これは江戸時代からの話になるんだそうですけれども、日本は江戸時代には大体かごだった、だから大体歩道はなかった。ヨーロッパは馬車ですから、自動車の前から歩道というのがあったという話なんですね。かごがえっさえっさ通っていたところへ自動車ができて突っ込んでくるので、歩道はないし、事故が多いということなんだそうで、日本の道路問題のやはり歴史的な特徴といいますか、それがどうしても今のように走る凶器型にならざるを得ない状況があるんですね。
 先ほどの答弁でも、最近の事故でふえているのは、高齢者の歩行とそれから若年者の自転車あるいはオートバイ、二輪車走行中の事故がふえているという答弁がありましたけれども、これはそう簡単に直らないだろうと思うんですね。だから、そこをどういうふうにしていくか、どういう対策を打っていくかということが大事になると思う。
 それで私は次の問題として、その問題の一つの最も典型的な例なんですけれども、身体障害者と高齢者の交通安全の対策の問題を少し質問したいと思うんです。
 身体障害者、高齢者の方々が安全に町を歩けるというふうな町づくりは、単に身体障害者や高齢者の方々の安全を守るだけでなくて、先ほど申しましたような日本の道路状況、モータリゼーションの状況、交通事故の特徴などからいいますと、交通事故全体を減らすことにもつながってくるだろうと思うわけです。国際障害者年、これはよく御存じのように、完全参加と平等を掲げて八一年に始まって一九九一年までの十カ年の長期計画で行っているわけですね。今度の五カ年計画の建設省の案を拝見しますと、「安全・快適な歩行空間の拡大」が二に挙がっていて、そのうちの一は、「歩道等の整備に際しては、身体障害者や高齢者の利用にも配慮して、幅の広い使いやすい歩道等の整備、段差の適切な切下げ等を推進し」と書かれているわけで、これは全く私どもも基本方針としては賛成です。その点で、身障者でも安心してとい
うことで歩道の整備と段差の切り下げということが書かれておりますけれども、ひとつ建設省と警察庁、この点でどういう計画をお持ちなのか、まずお伺いしたいと思います。
#92
○政府委員(萩原浩君) 先生御指摘の高齢者あるいは身体障害者の事故の防止のためには、歩道の整備がまず第一番にあるのではないだろうかというふうに考えております。それで、歩道の整備を行う場合に一番考えられますことは歩道の連続性でございます。歩道が途中で切れてしまうということはこれは非常に危険でございますので、第一番に歩道の連続性の確保を図ってまいりたい。それから第二番は、先生御指摘くださいましたけれども、段差の切り下げでございます。これは特に身体障害者の方の車いすの通行の便のために段差の切り下げを行う。それから幅の広い使いやすい歩道を整備してまいりたいというのが第三番目の問題でございます。また、その他場所によりましては、点字ブロックといいますか盲人用のブロックを設置いたしまして盲人の方の誘導に資する、このようなものも進めてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
 また一方、歩行者の邪魔になります自転車、歩道の上に自転車を放置されますと身障者の方々には非常に通行の不便を来しますので、自転車駐車場を整備するなどによりまして歩道が快適に歩行できるように、そのようなきめの細かい施策を講じてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#93
○政府委員(八島幸彦君) 身体障害者の方の交通の安全のために、直接安全施設とは関係ございませんが、よく歩道の上にいろいろな陳列物を置いたりその他の商品なんかを置いたりすることがありますけれども、こういう通行の妨害になるような諸物件の撤去に努めるということが一つございまして、ちなみに、一昨年の数字でございますが、五十九年中に約一万件この種の道交法違反を検挙いたしております。
 また、横断歩道橋の問題につきましては、これは道路管理者の方の問題でございますが、警察といたしましても、身体障害者の方が利用しやすいように必要に応じてスロープ化等の改良をお願いしておりますし、仮にそれが困難である場合には、横断歩道橋に併設いたしまして信号機を設けるというようなこともやっているわけでございます。
 また、押しボタン信号機の設置に当たりましても、車いす利用者等にも利用しやすいよう押しボタンの高さとか方向についても配慮するなど、身体障害者の方の交通の安全に配慮しているところでございます。
#94
○上田耕一郎君 五十七年の四月二十日に「肢体障害者に対する道路の段差解消等に関する請願」というのが前島英三郎議員を初め共産党、民社党、新政クラブの紹介で出されまして、全会一致で採択されたわけです。この中には、「すべての肢体障害者が自分の意志で自由に外出できるよう、道路の段差の解消、障害物の除去、階段のスロープ化、駅や公共建築物の改造、エレベーターの設置などを促進し」と述べられていたわけです。
 まず段差の解消ですけれども、今御答弁がありましたけれども、実際に車いすを使っておられる方からお聞きしますと、解消していると言われてもどうも五センチから八センチぐらいのが多いというんですね。五センチぐらいでも車いすでおりますとやはり前につんのめったりする危険があるので、希望としては二センチにしていただけないかという請願が、やはり同じ年、五十七年の九月二十七日に出ている。これは全国肢体障害者団体連絡協議会、全国技障協と言いますけれども、代表中川寿さんで、「歩道の横への傾斜をゆるやかにして下さい。」、「車道との段差は二センチ以内にして下さい。」とあるんですね。この点、建設省、どうでしょう。
#95
○政府委員(萩原浩君) 先生御指摘のように、段差の高さが非常に問題になります。実は視覚障害の方は幾らか段差があった方がいいのではないかという御主張もございまして、いろいろ地域によって検討をしていただいているところでございますけれども、私どもの基準といたしましては、段差は一応二センチを考えております。そして、スロープで上げまして、結果として五センチの高さになるというふうな物の考え方をとっておりまして、そのスロープは大体三センチを十二センチから十四センチぐらいの間で取りつけるという基準的なものをつくっておる次第でございます。ただ、この取りつけ自身が十二センチですとちょっと急であるというような御指摘もまたございまして、そこら辺、どのようなものが最もよろしいかということについては、まだ検討課題として残っているという実態にございます。
#96
○上田耕一郎君 ぜひそういう基準でさらに検討を進めて、また指導も強化してほしいと思います。それから、この要請書には、「電柱やガードレール等のじゃまな建設物はとりのぞいて下さい。」とありまして、ガードレールは除いていいかどうか、これはちょっと私も保留したい感じですけれども、電柱など、これは美観の点からもヨーロッパと比べて日本は非常に大問題だというので、電柱の撤去、地下埋設にする点は考えられているようですけれども、この点はどういう方針でしょう。
#97
○政府委員(萩原浩君) 先生御指摘のように、確かに歩道上の電柱につきましては、車いすによる通行には非常に障害になるという御指摘がございます。
 現在、快適な通行区間を確保してあわせて都市防災あるいは都市景観の確保を図るためにもキャブシステムの増強をやっておりますけれども、キャブシステムだけではこの地中化というものを早急に進めるのにはちょっとまだ無理があるのではないかというふうに考えております。したがいまして、キャブシステムが適合するような地域についてはキャブシステムによる地中化を進めると同時に、別の方策、例えば直埋といいますか、電話線であるとか電線をそのまま水道管、ガス管と同じように埋めてしまう、埋設してしまう、そのような方策についても現在検討をしておるところでございまして、この電線の地中化は積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#98
○上田耕一郎君 道路交通の問題に関して、もう一つリフト付バスの要望があるわけです。
 政府の「障害者対策に関する長期計画」、これは五十七年三月に国際障害者年推進本部がつくった計画でありますが、この中に、「市町村の区域内の移動、交通等については、」――前からずっとありますけれども省きますが、「リフト付バス、改造自動車等の特別手段、ガイドヘルパーの派遣等のサービスを考慮し」とあるんですね。だから、リフト付バスというのはちゃんと長期計画に入っているわけですね。リフト付バスというのが大変望まれておりまして、路線バスは高さ三十センチの段差のある階段が大概三つぐらいついている。これは車いすに乗っている方にとっては致命傷で、もうなかなかこれは乗れない。だから、車いす、電動いすで走っているときに、ああバスに乗れたらなと思うというんですね。リフト付ですから、アメリカのバークレー市のは、何か、スイッチを押すと階段がぱっとリフトになるというものまであるんだそうですけれども、最初の先行投資をやればあとは人件費も要るわけじゃないので、車いすの利用のできるバスとしては大変安いという指摘などもあるんですが、ひとつ、ここにちゃんと書かれてあるリフト付バスの問題、現状どうなっているのか、運輸省にお伺いします。
#99
○説明員(植村武雄君) 私ども運輸省の関係は営業用の乗り合いバスでございますけれども、営業乗り合いバスにおきます車いす利用者の乗降の利便、これを図るために、現在、乗り口の間口を広くする広ドアの低床式のバスというものの導入を進めておるところでございます。
 先生御指摘のリフト付のバスにつきましては、車いす利用者の集まられる施設との関係の特定の路線について投入されておる実態がございます。それ以外は、いわゆる市町村営の、市町村有の福
祉バスというもので多く活用されておる、こういうふうに承知しております。
 私どもといたしましては、とりあえずは、今申し上げた広ドア低床式のバスの普及に努めて、車いすを折り畳まなくとも、そのまま乗りやすくするということに力を注いでまいりますけれども、リフト付バスにつきましても、今後道路環境の整備等々と相まった形での検討を進めていきたい、こう思っておるところでございます。
#100
○上田耕一郎君 私、養護学校の生徒さんが国会へ見学に見えて案内したときに、あそこはちゃんとリフト付のバスでした。大変便利なんですよね。今のような、ちょっと消極的なことでなくて、ちゃんと計画にあるんですから、ドアの広いバスだけというんじゃなくて、ひとつ路線バス問題についても、これは全国的な問題なんで、ぜひ前向きな検討をお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#101
○説明員(植村武雄君) 取りつけ位置あるいは操作性等の検討も必要でございますし、道路との関係、また非常に多くの方が乗降されるような、そういった路線の場合における問題はないのか等々、検討課題は結構多うございます。前向きに検討いたしますけれども、お時間をちょうだいいたしたい、このように思うわけでございます。
#102
○上田耕一郎君 障害者の方々の安全な交通ということになりますと、道路だけでなくて鉄道の問題が大きいんですね。鉄道については、駅舎の改造、エレベーターの設置、改札口、券売機、点字ブロック、障害者トイレとかさまざまな問題があるんですけれども、ひとつ国鉄の全国的な状況と特に東京の状況、それから運輸省には私鉄、東京の私鉄、ここら辺の状況について、障害者あるいは高齢者用の駅舎改造等、どうなっているかをなるべく簡潔にお伺いしたいと思います。
#103
○説明員(城内秀定君) 先生今御指摘のありました全国の問題と東京地区についてお答えいたしますが、御承知のように国鉄は極めて厳しい経営事情にはございますけれども、やはりこういう問題につきましては、一般社会におきます設備状況なども勘案させていただきながら逐次整備を行ってまいっております。
 昭和五十九年度末の数字で申し上げますと、点字ブロックにつきましては七百四十九駅、券売機の点字テープにつきましては五百十一駅、トイレの改良は百七十一駅、改札口の拡幅が五百四十九駅、エレベーターの新設あるいは改良したものが四十七駅、段差の解消でのいわゆるスロープ化したものが百十九駅ございます。これはいずれも前年度に対しまして、点字ブロックが百四駅増、点字テープが八十五駅増、トイレの改良は二十五駅増、改札口の拡幅も六十七駅増、エレベーターが三駅増、スロープ化は七駅増、これが五十九年度末の全国の現況でございます、六十年三月三十一日現在でございますが。
 同じような数字につきまして東京地区、これは東京の三鉄道管理局、北、南、西、三鉄道管理局の合計の数字で申し上げますと、六十年三月三十一日現在では、ちょっと順序が前後するかもしれませんが、点字ブロックが百二十三駅、これは前年度に対して十四駅増でございます。券売機の点字テープは二百七十三駅、これは五十七駅増でございます。エレベーターが十駅で一駅増、スロープ化が十七駅で前年度に対して五駅増、トイレの改良は三十六駅で九駅増、改札口の幅を広げたもの、拡幅が百八十九駅で十九駅増、以上のような状況になってございます。
#104
○説明員(山本昌彦君) 次に、民鉄について申し上げます。
 民鉄におきましては、従来から旅客サービスの向上を図るために、身体障害者用設備、ホーム、上屋の改良等の駅施設の整備を推進しているところでございます。
 身体障害者設備の関係について申し上げますと、大手民鉄十四社の五十九年度末現在におきます身体障害者施設の設置状況は、車いす用改札通路を設けた駅一千七、誘導・警告ブロックを設置している駅八百十八、エレベーター及びエスカレーターを設置した駅百十二、身体障害者用トイレを設置した駅二百二十二、車いす用の斜路を設けた駅二百七十六などとなっております。
 私どもといたしましては、今後とも引き続き、駅の改良計画等の機会をとらえ、可能な限り整備を推進するよう関係事業者を指導してまいるつもりでございます。
#105
○上田耕一郎君 その点でお伺いしたいのは、例えば五カ年計画とかでだんだん進んでいることは、私も資料を拝見し、今の答弁を聞きましてわかるんです。これはかってよりは非常にやっぱり進んだと思いますよ。しかし、思うんだが、じゃ現状は何%ぐらいなのか。
 国鉄にお伺いしますが、先ほどの例えば改札口の拡幅、これは広くなければ車いすは通れないんですよ、狭いところは持ち上げて通さなければならない。それで、五百四十九駅とおっしゃったけれども、それは全国の国鉄の駅の中の何%ぐらいに当たるんですか。
#106
○説明員(城内秀定君) 全国の数字の五百四十九駅につきましては、これに対応する全駅数は五千百三十二駅でございますので、一〇・七%になります。
 ただし、この五千百三十二駅といいますのは、地方の極めて小さな全く職員もいないような駅まで全部入っている数でございますので、つけ加えさせていただきまして、先ほど申し上げました東京の三鉄道管理局の数字につきまして同じように改札口の拡幅をしました百八十九駅について申し上げますと、これは対応する東京三鉄道管理局の駅数が三百四十五駅でございますので、それに対しましての百八十九駅で五四・八%と、半分以上やっておる、こういうことでございます。
#107
○上田耕一郎君 それで国鉄は、その目標ですね、例えば、何カ年計画でどういうふうにしていくといった計画はあるんですか。
 それから運輸省も、私鉄に対して、それぞれこういうものについてこういう計画で大体どの年度ぐらいでという、本来国際障害者年は十カ年計画ですから十カ年でできれば一〇〇%というのが目標なんだが、指導計画というのはお持ちなんですか。
 これを国鉄と運輸省にお伺いします。
#108
○説明員(城内秀定君) 目標年度、数字というふうなことについては、大変申しわけございませんが、今我々といたしましては精いっぱいやりつつある、これからもやってまいる所存でございますということを申し上げさせていただきたいと思います。
 考え方といたしましては、これまでどおり、このような身体障害者の関係の施設が近くにある駅、あるいは身体障害者に対する対策というものに取り組んでいる地域に所在する駅、こういうふうなところを中心といたしまして、身体障害者の方々の御利用の状況、あるいは例えばエレベーターなどにつきましては駅の設備の物理的条件等もございますので、その設置ができるか否かというふうなことなども勘案させていただきながら、これから駅が新築していきます、あるいは改築してまいります、あるいは大幅に改良してまいります、そういうふうな機会をとらえながら整備に努めてまいりたい、このように考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
#109
○説明員(山本昌彦君) 民鉄の関係について申し上げます。
 大手私鉄十四社は毎年、輸送力増強等設備投資計画を推進しております。現在、五十七年度から六十一年度までの第六次輸送力増強等投資計画を推進中でございますが、六十二年度からは新たに第七次の計画を策定、実施することとなっております。この計画の中におきましてそれぞれ身体障害者設備の整備を位置づけているところでございますが、駅の改良をまつまでもない設備につきましては早急にこれを実施しているところでございますし、また駅の改良を伴うものにつきましては改良等にあわせて推進していくつもりでございます。
#110
○上田耕一郎君 実際にこれを調査してみます
と、数字では簡単にいかないいろんな問題があるんです。
 ここに、運輸省の出した「肢体障害者車いす利用者 公共交通機関利用ガイドブック」というのがあるんですね、首都圏の。例えば、上野駅があって、上野駅の駅内にたった一カ所あるんですよ、障害者用のトイレが。ここにちゃんと車いすの絵がついているんです。私は去年、国鉄労組の上野分会、市民、それから障害者の方と一緒に、この上野駅を全部調査して歩いたことがあるんです。これは一つ一つの階段を車いすを担いで上ると大変なんですよ。それで、ここのきれいにかいてあるところへ行ってみました。これは古いトイレで、入っても、階段がありまして、段差があって車いすが全然通れないんですよ。行ってみると使えないんですね。これは国鉄の駅と交渉をし、僕は国鉄の本社まで行って、ではつくりますということでようやくここは直って、車いす障害者用のトイレになりましたけれども、実際に行ってみるとそういう状況なんですね。
 それから、私鉄も、今運輸省は指導をしていると言われたけれども、私鉄は恐るべきところがあって、これも去年の例なんですが、これは障害者用だけじゃないんだが、東急は、新玉川線で大体トイレがない駅がずらっとあった。これはおととしあたりから私どもも皆さんと一緒に取り組んで、運輸省もあきれて、これは何でトイレをつくらないんだと。これは採算のためだろうというのですな。幾ら何でも地下鉄にトイレがないというのはひどいというので、去年、駅へ一つつくらせましたよ、トイレを。これから幾つかつくるというのだけれども、実際には私鉄というのはそういう状況があるのですね。
 東京の交通問題では、ボランティアの人たちも一生懸命やっていますし、全国身体障害者笹の会、これは浅間郁夫さんが会長で、この方は電動いすで歩いているんですけれども、いろんな方々が東京じゅうのマップをつくって全部調べているのですよね、本当に歩けるのかどうかを。私、去年、浅間会長が電動いすで来られたので、そこの有楽町線の永田町駅へ実際に行ってみましたよ。それで、前から言ってあったので、さあ来ましたというので駅に行ったら、駅の方が四、五人来ました。電動いすというのは重いのですね。それで、自民党本部のそばのあそこの入り口から、四人ぐらいで電動いすを抱えて階段をおりてくるんですよ。これは大変なことですね。
 実情はそういうことで、車いす、電動いすで東京を本当に鉄道で、地下鉄、私鉄、国鉄に乗って歩くというのは、それはもう前島さんも一生懸命おやりになっているけれども、本当に大変で、今の答弁でそれぞれの駅の対応ということが言われたけれども、そうなんですね。
 それで、ここではもう時間もございませんので一々申し上げませんけれども、本当はエレベーターがいいんですよね、エスカレーターよりも。エスカレーターは上りはまだいいけれども、特に下りを担いでなんといったら、落としたらこれは本当に大けがをしてしまいますから、やっぱりエレベーターがいいんです。スウェーデンなんかはほとんどエレベーターを各駅につくってあるんですね。
 このエレベーター問題で先ほどの笹の会の方々がいろいろ交渉をしております。例えば、京王電鉄との交渉の書類がここにありますけれども、笹塚駅、初台、幡ケ谷駅等々にエレベーターをつけてくれ、こういう要望が出ているのです。そしてこれは京王の回答です。「ご要望の場所にエレベーターを設置することは構造上又、用地の関係から困難です。」という答弁であるわけですね。それは多少は、特に地下鉄のところにエレベーターをというと、これは用地も、それからお金もかかるからなかなか大変なことはわかりますけれども、ここで私は大きな問題として考えなければならぬのは、内需拡大という点で、専門家からこういう障害者用、高齢者用のエレベーター設置等々について提案が出ているんです。
 それは東経大の柴田徳衛教授、この方は美濃部知事時代に企画局長だったかな、東京都の筆頭局長で大変お仕事をなさった方ですけれども、都市問題の専門家です。世界じゅうの都市を歩いておられるし、NHKでもかなり長く連続の都市問題の講義をおやりになった方ですが、この柴田徳衛教授は、これから高齢化社会が来るから、高齢者、障害者のために国鉄、私鉄等々の駅にエレベーターをつくるとこれは相当な投資額になると言うのですね。民活民活でいろいろ、東京湾横断道路問題もそのうち参議院の建設委員会にも特別措置法が来ますけれども、そういう、我々はあれは大企業本位でだめだと思っていますけれども、そういう大企業中心の民活計画という考え方ではなく、例えば障害者、高齢者のために本当にエレベーター設置を本格的にやるとこれは内需拡大にもなるし、非常に膨大な投資の場所になるんですね。そういう点で、きょう議題になっております交通安全、住みよい日本の国土、それから道路、鉄道というものをつくるという意味でこういうことは本当に国の政策の基本にかかわるのだけれども、考えるべきときに既にもうなっているのじゃないかと私ども思うんです。
 最後に大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#111
○国務大臣(江藤隆美君) 大変行き届いた、自分の足で稼いだ御意見をいただきましてありがとうございました。そういう身の回りのいわゆる生活関連のことに意を払うのはもちろんでありますが、やはりそれなりに大型のプロジェクトというのも必要であろう、どっちが大事でどっちが大事でないということではなくて、両々相まってやはり整えていくことがいいであろう、そういう方向で努力させていただきたいと思っております。
#112
○上田耕一郎君 終わります。
#113
○山田勇君 時間の都合上質問を若干割愛しながら質疑をさせていただきます。
 第四次五カ年計画に関連してお尋ねをいたしますが、現行の第三次が九千百億円に対して第四次が一兆三千五百億円と約五割アップの計画となっておりますが、これは金さえかければよいというものではなく、交通安全、人命尊重という大目的に向かって着実に成果を上げなければ税金のむだ遣いのそしりは免れません。そういった観点から、過去の政策は必ずしも万全であるとは言えないと思います。
 そこで、まず、現行五カ年計画の進捗状況上交通安全施設の整備状況について、建設省並びに警察庁にお尋ねをいたしておきます。
#114
○政府委員(萩原浩君) 現在、六十年度まで行っております第三次の五カ年計画でございますが、道路管理者分といたしまして五十六年から六十年度にかけまして特定事業総額八千百三十九億円、地方単独事業四千八百九十七億円、ただしこの地方単独事業は五十九年度末までのものでございますが、それの投資実績となっております。このうち、特定事業は厳しい財政状況の中で特に重点的に整備を進めてまいりましたけれども、当初計画に対しまして八九・四%の達成率にとどまる見込みでございます。また、地方単独事業の進捗率は、昭和六十年度の事業費は未集計でございますけれども、昭和五十九年度までの進捗率は七一・二%というふうになっている次第でございます。
 次に、道路管理者が設置する交通安全施設等の整備状況は、一般の道路の改築事業でも整備を進めておりますけれども、それを含めまして、昭和六十年三月末現在で、歩道等の整備済みの道路延長が約七万九千七百キロメートル、立体横断施設約一万二千二百カ所、道路照明が約百五十九万、それから防護さくが約八万六千キロメートル、道路標識が約百三十五万本という状況になってございます。
#115
○政府委員(八島幸彦君) 公安委員会所管分の交通安全施設の進捗状況及び整備状況でございますが、現行の五カ年計画の実績は特定事業が一千三百十一億円、地方単独事業総額が二千三百六十億円でございます。これは、計画に対しまして特定事業で六九%、地方単独事業で七七・四%の進捗率となっております。また、この結果、昭和六十
年度末現在の交通安全施設の整備状況の見込みでございますが、交通管制センターが七十四都市、信号機が約十一万九千基、道路標識が約一千万枚、横断歩道が約七十二万六千本等となっております。
#116
○山田勇君 先ほど来各委員が申されますとおり、交通安全の基盤といいますか基本というのはやはり道路の整備にあると思うんですね。
 そこで道路局長、例えば高速道路等の交通事故も多うございます。これは、二車線というところに大きな問題があるわけですね。今の交通事故の体系から見ますと、その現場において現場検証をやります。そういう形になりますと、どうしても後続車に対する迷惑もありましょうし、停滞しましょうし、それと交通警察官の殉職というのも決して少なくはないんです、後に触れますが。ですから、今後できます高速道路というのは最低三車線、もうどうしても予算上二車線ということになれば大幅にいわゆる待避線をとっていく。現場検証を終わると後の事情聴取等をすぐ待避線において作業を進めるとかということですが、そういう待避するところがありませんから、現場検証を終わってもだらだらと、まあだらだらとという言葉はどうかわかりませんが、そこで運転者各位の調書をとったりするものですから、どうしても交通の停滞の時間も長くかかります。ですから、これからは、関西のことでございますが、新しい湾岸道路等々ができましても最低は三車線を、道路予算上二車線ですと随所に待避線等々をつくっていただきたいと思うんですが、道路局長の御意見を伺っておきます。
#117
○政府委員(萩原浩君) 我が国の高速道路はほとんどが、片側二車線、往復四車線という構造になっております。先生御指摘のとおりでございますが、非常に交通量の多いところは片側三車線、往復六車線、例えば東京周辺で言えば東京から厚木までであるとか、あるいは東北自動車道で言えば宇都宮のちょっと手前までであるとか、あるいは片っ方の常磐道で言いますと、今のところ土浦まで、そこら辺は六車線になっているわけでございます。これは交通量の面からそういう広幅の、車線の多い道路を築造いたしておりますけれども、今先生御指摘のような、何かあったときの余裕幅というものは、本来高速道路では路肩で本当は処理していただけないかというふうに考えているわけでございます。路肩が大体一車線分ございまして、そこで処理していただけないだろうかというふうに私どもは考えております。
 まあ、理想的に言えば、先生おっしゃいますように、六車線あれば非常に走りやすい道路である、また、交通容量に比して交通量が少ないと非常に自由な走行ができるということでございますので望ましいのでございますけれども、大変残念ながら現下の財政状況ではなかなか難しいのではないか、ぜひ路肩を活用していただきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#118
○山田勇君 交通局長にお尋ねしますが、先ほど来標識ジャングルなんていう言葉が出ておりましたが、確かに標識が多うございます。本当に、逆に迷ってしまうんですね。それと、心理学者の先生方に先日聞いたんですが、標語もあれだけぼんぼんぼんぼん、何だとか何だとかいう段幕が歩道橋にありますと、かえってそれで麻痺してしまってその効果がないんだというふうなことをおっしゃる先生方もおりましたが、この標識をもう一度統一するというお考えはございませんか、余りにも多過ぎますのでね。
#119
○政府委員(八島幸彦君) 先生御承知のように、警察関係の標識は規制標識と申しまして一定の義務を課する、例えばスピードは何キロ以上出してはいけないとか、そういう内容の標識が警察の設ける標識でございます。したがいまして、ある程度運転者がそういう規制の中身を知っているということが最低限必要になってまいりますので、余り長い距離に一基というようにするわけにはいかない面もございます。しかし御指摘のように、それにしても余りにも多過ぎるのではないかという御意見もそのとおりでございまして、そういうことを配慮しながら私どもといたしましては、大型の標識にしまして視認性を高めると同時に、もう少し整理統合ができるのじゃないかというふうに考えまして、今後その線に沿って進めてまいりたい、かように考えているところでございます。
#120
○山田勇君 最後の質問をいたしますが、先日、大阪府の松原警察の二文通警察官が殉職をしました。その葬儀に私も参列をさせていただいたわけですが、残された家族の悲嘆ぶりを目の前にしていろいろ考えさせられたことがあるんです。それは標識とは違うんですが、交通を整理する、または交通事故の現場検証をする警察官の衣服の問題という点について僕は非常に感じたんですが、どうしても冬場になりますと黒い服を着ます。そこで白いベルト、一部分的には夜光塗料等々の付着した衣類を着ておりますが、これはもう少し、何かライトが少しでも当たると光るというようなものを鋭意検討、御研究いただきまして、少なくとも冬場、どうしてもそういう交通現場検証をしている警察官の身の安全ということを僕はぜひ考えていただきたいなと先日来思っておるわけなんでございます。
 これは標識とは違うんですが、その点交通局長、何かもう一つ、今着ております交通のユニホーム以外に、夜間交通現場検証で身につけるような、いいアイデアはありますか。
#121
○政府委員(八島幸彦君) 先生御指摘のように、現在特に夜間等につきましては、夜光塗料を塗ったチョッキを着て事故処理等に当たるということにしておりますが、まさに御指摘のように、それにもかかわらず時々殉職、受傷事案が発生しておりまして、私どもとしても大変心を痛めているところでございます。大変ありがたい御指摘でございますので、今すぐにいい知恵もございませんけれども、鋭意その面に向かっての開発、研究も進めてまいりたい、かように考えております。
    ―――――――――――――
#122
○委員長(小山一平君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、福田宏一君が委員を辞任され、その補欠として小林国司君が選任されました。
#123
○委員長(小山一平君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#124
○委員長(小山一平君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#125
○委員長(小山一平君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(小山一平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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