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1985/04/02 第104回国会 参議院 参議院会議録情報 第104回国会 建設委員会 第6号
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1985/04/02 第104回国会 参議院

参議院会議録情報 第104回国会 建設委員会 第6号

#1
第104回国会 建設委員会 第6号
昭和六十一年四月二日(水曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     山田  勇君     三治 重信君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     小林 国司君     福田 宏一君
     三治 重信君     山田  勇君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     福田 宏一君     坂元 親男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         小山 一平君
    理 事
                工藤万砂美君
                堀内 俊夫君
                青木 薪次君
    委 員
                安孫子藤吉君
                遠藤  要君
                坂元 親男君
                志村 哲良君
                服部 安司君
                松本 英一君
                大川 清幸君
                白木義一郎君
                馬場  富君
                上田耕一郎君
                山田  勇君
   国務大臣
       建 設 大 臣  江藤 隆美君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)      古賀雷四郎君
       国 務 長 官
       (国土庁長官)  山崎平八郎君
   政府委員
       北海道開発庁総
       務監理官     西原  巧君
       北海道開発庁計
       画監理官     滝沢  浩君
       北海道開発庁予
       算課長      寺本  泉君
       国土庁長官官房
       長        吉居 時哉君
       国土庁長官官房
       会計課長     斎藤  衛君
       国土庁長官官房
       水資源部長    志水 茂明君
       国土庁計画・調
       整局長      星野 進保君
       国土庁土地局長  末吉 興一君
       国土庁大都市圏
       整備局長     山本 重三君
       国土庁地方振興
       局長       田中  暁君
       国土庁防災局長  杉岡  浩君
       建設大臣官房長  高橋  進君
       建設大臣官房総
       務審議官     佐藤 和男君
       建設大臣官房会
       計課長      望月 薫雄君
       建設省建設経済
       局長       清水 達雄君
       建設省都市局長  牧野  徹君
       建設省河川局長  廣瀬 利雄君
       建設省道路局長  萩原  浩君
       建設省住宅局長  渡辺  尚君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        荒木 正治君
   説明員
       環境庁大気保全
       局大気短帝課長  片山  徹君
       大蔵省主税局税
       制第一課長    小川  是君
       通商産業省生活
       産業局窯業建材
       課長       新村  明君
       労働省労働基準
       局安全衛生部化
       学物質調査課長  冨田 達夫君
       建設大臣官房官
       庁営繕部長    川上  格君
       日本国有鉄道商事
       業局審議役    山口 良雄君
   参考人
       住宅金融公庫総
       裁        河野 正三君
       北海道東北開発
       公庫総裁     吉岡 孝行君
       北海道東北開発
       公庫副総裁    富士野昭典君
       日本道路公団理
       事        北村 照喜君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和六十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、昭和六十一年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、昭和六十一年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(北海道開発庁、国土庁)、建設
 省所管、住宅金融公庫及び北海道東北開発公庫
 )
    ―――――――――――――
#2
○委員長(小山一平君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る三月二十八日、小林国司君が委員を辞任され、その補欠として福田宏一君が選任されました。
 また、昨日、福田宏一君が委員を辞任され、その補欠として坂元親男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(小山一平君) ここで御報告いたします。
 去る三月二十八日、予算委員会から、本日一日間、昭和六十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、建設省所管、総理府所管のうち国土庁、北海道開発庁並びに住宅金融公庫、北海道東北開発公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(小山一平君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日、住宅金融公庫、北海道東北開発公庫及び日本道路公団の役職員をそれぞれ参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(小山一平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(小山一平君) それでは、予算の概要について政府から説明を求めます。江藤建設大臣。
#7
○国務大臣(江藤隆美君) 建設省関係の昭和六十一年度予算について、その概要を御説明いたします。
 建設省所管の一般会計予算は、歳入百八十一億八千四百万円余、歳出三兆七千七百三十九億六千万円余、国庫債務負担行為四千八百九十七億四千万円余でありますが、建設省に移しかえを予定されている総理府所管予算を合わせた建設省関係の一般会計予算では、歳出四兆三千二百十四億五千万円余、国庫債務負担行為五千二百十九億六百万円を予定いたしております。
 次に、建設省所管の特別会計予算について御説明いたします。
 まず、道路整備特別会計では、歳入歳出とも二兆七千百九十九億六千八百万円余、国庫債務負担行為二千六百八十九億五千四百万円を予定いたしておりますが、歳入については、臨時的な措置として揮発油税収入の一部直接組み入れ及び資金運用部からの借り入れを行うことといたしております。
 また、治水特別会計では、歳入歳出とも一兆千五百十九億六千三百万円余、国庫債務負担行為二千七百九十五億三千九百万円余、都市開発資金融通特別会計では、歳入歳出とも六百八十六億九千九百万円余を予定いたしております。
 次に、大蔵省と共管の特定国有財産整備特別会計のうち、建設省所掌分については、歳出七十四億四千五百万円余、国庫債務負担行為六十八億八千六百万円を予定いたしております。
 建設省といたしましては、以上の予算によりまして、都市対策、住宅・宅地対策、国土保全・水資源対策、道路整備等各般にわたる施策を推進してまいる所存であります。
 第一は、都市対策であります。
 全国的な都市化の進展と経済社会の変化に的確に対応した都市の整備を推進するため、昭和六十一年度においては、予算額一兆千八百七十五億千七百万円余のほか、財政投融資資金三千七百三十六億円で、下水道、公園、街路、都市高速道路等の都市基盤施設を計画的に整備するとともに、市街地再開発事業、土地区画整理事業等の市街地開発事業を積極的に推進することといたしております。
 特に、下水道事業及び公園事業については、昭和六十一年度を初年度とする総投資額十二兆二千億円の第六次下水道整備五カ年計画及び総投資額三兆千百億円の第四次都市公園等整備五カ年計画を策定するとともに、新たに財政投融資資金を導入し、事業の推進を図ることといたしております。
 第二は、住宅・宅地対策であります。
 国民の居住水準の向上と住環境の改善を図るため、昭和六十一年度においては、予算額七千五百八十五億円余のほか、財政投融資資金四兆六千八百七十三億円で、住宅・宅地対策を積極的に推進することといたしております。
 まず、住宅対策については、すべての国民が良好な住環境のもとに安定したゆとりのある生活を営むに足りる住宅を確保することができるようにすることを基本目標として、総建設戸数六百七十万戸、うち公的資金住宅三百三十万戸の第五期住宅建設五カ年計画を策定することといたしております。
 同計画の初年度である昭和六十一年度においては、公庫住宅、公営住宅、改良住宅、公団住宅等建設省所管住宅合計六十一万五千百三十戸の建設を行うとともに、既存住宅の有効活用、地域に根差した住まいづくり、住環境の整備等の施策を推進することといたしております。
 次に、宅地対策については、住宅・都市整備公団等の公的機関による宅地開発事業の計画的な推進、政策金融等による優良な民間宅地開発の推進を図ることといたしております。
 第三は、国土保全と水資源対策であります。
 まず、治水対策及び水資源開発については、最近における激甚な災害の発生状況及び都市化の進展に伴う水需要の増大にかんがみ、昭和六十一年度においては、予算額一兆八百四十七億五千万円余で、河川、ダム、砂防等の事業と水資源の開発を推進することといたしております。
 また、海岸保全対策については、昭和六十一年度を初年度とする総投資額一兆円一つち建設省分二千五百三十七億円一の第四次海岸事業五カ年計画を策定することといたしており、初年度として、予算額二百六十八億五千七百万円で、事業を推進することといたしております。
 さらに、急傾斜地崩壊対策等については、予算額二百九十三億九千百万円で、急傾斜地崩壊対策事業及び雪崩対策事業を推進することといたしております。
 第四は、災害復旧であります。
 昭和六十一年度においては、予算額六百二十五億六千百万円を予定し、被災河川等の早期復旧等を図ることといたしております。
 第五は、道路整備であります。
 道路整備については、道路交通の安全の確保とその円滑化等を図るとともに、活力ある地域社会の形成に資するため、予算額二兆四千七百八十四億三千七百万円余のほか、財政投融資資金一兆九千八百七十八億円で、高速自動車国道から市町村道に至る道路網の計画的な整備を推進することといたしております。
 特に、交通安全対策については、昭和六十一年度を初年度とする総投資額一兆四千八百五十億円一つち道路管理者分一兆三千五百億円一の第四次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画を策定し、事業の推進を図ることといたしております。
 また、民間活力を活用し、東京湾横断道路及び明石海峡大橋の建設に着手することといたしております。
 第六は、官庁営繕であります。
 昭和六十一年度の予算額は、一般会計二百十億千八百万円余、特定国有財産整備特別会計七十四億四千五百万円余で、合同庁舎等の建設を実施することといたしております。
 引き続きまして、政府関係機関である住宅金融公庫の昭和六十一年度予算の概要を御説明いたします。
 住宅金融公庫の借入金及び債券の限度額は、三兆九千六百四十三億七千三百万円を予定し、収入支出予算は、収入一兆八千五百四十億円余、支出一兆九千六百九十億三千七百万円余を予定し、住宅五十一万戸等について総額四兆二千三百九十九億六千八百万円の貸付契約を行うことといたしております。
 以上をもちまして、昭和六十一年度の建設省関係の一般会計予算及び特別会計予算並びに住宅金融公庫予算の説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願いをいたします。
#8
○委員長(小山一平君) 次に、山崎国土庁長官。
#9
○国務大臣(山崎平八郎君) 総理府所管のうち、国土庁の昭和六十一年度一般会計歳出予算について、その概要を御説明いたします。
 国土庁の一般会計歳出予算は、二千三百三十八億三千七百万円余を予定しておりまして、前年度予算に比べ十六億二千七百万円余の城となっております。
 次に、昭和六十一年度予算の重点について御説明いたします。
 第一に、国土計画の推進についてであります。
 二十一世紀への国土づくりの指針を示す第四次全国総合開発計画を策定するとともに、定住構想を一層推進するため所要の施策を進めるほか、改定後の国土利用計画(全国計画)に基づく国土利用計画体系の確立、国土情報整備事業の拡充強化、沿岸域等海洋利用の促進並びに国土総合開発事業調整費の活用等による公共事業等の調整を推進することとし、予算額百十四億二千万円余を予定しております。
 第二に、総合的土地対策の推進についてであります。
 地価の安定及び適正な土地利用の促進を図るため、国土利用計画法の的確な運用を行うとともに、農住組合事業等大都市地域における土地利用転換を適切に誘導するための施策を推進することとし、予算額二十八億二千六百万円余を予定しております。
 また、地価公示等を推進することとし、予算額二十億八千百万円余を予定しております。
 さらに、第三次国土調査事業十カ年計画に基づき、地籍調査等の国土調査を推進することとし、予算額八十六億二千六百万円余を予定しております。
 第三に、総合的な水資源対策の推進についてであります。
 水需給の安定を図るため、新しい長期水需給計画の策定及び利根川水系、荒川水系等における水資源開発基本計画の改定を行うとともに、水源地域対策の促進等による水資源開発の推進、水資源の有効利用の促進、地下水利用の適正化等総合的な水資源対策を積極的に推進することとし、予算額六百三億九千八百万円余を予定しております。
 なお、水資源開発公団については、前述の予算額のうちの六百億六千九百万円余の補助金等と財政投融資資金等とあわせ三千二十三億九百万円余の資金により、ダム、用水路の建設事業等を引き続き計画的に促進することとしております。
 第四に、大都市圏整備の推進についてであります。
 大都市地域における良好、安全な都市環境の整備と大都市圏の秩序ある発展を図るため、新しい大都市圏整備計画を策定するとともに、工場、大学等の諸機能の適正配置、大都市防災対策等を推進し、また、核都市育成整備等首都改造計画の推進方策の検討を進めるとともに新しい近畿の創生計画及び二十一世紀中部圏計画を策定し、さらに筑波研究学園都市の育成整備、琵琶湖総合開発計画、関西文化学術研究都市建設等の推進を図ることとし、予算額七億二百万円余を予定しております。
 第五に、地方振興の推進についてであります。
 まず、人口の地方定住と活力ある地域社会づくりを促進するため、第四次全国総合開発計画の策定に対応して、新しい地方開発促進計画を策定するほか、テクノポリス地域、新産業都市等の整備を進めるとともに、モデル定住圏における田園都市構想モデル事業の実施等地方定住圏整備の推進、地方都市及び農山漁村の総合的整備等を図ることとし、予算額十億八百万円余を予定しております。
 次に、過疎地域、山村及び豪雪地帯における生活環境の整備及び産業の振興を図るほか、半島地域の振興策を進めることとし、予算額十五億九千四百万円余を予定しております。
 また、離島、奄美群島及び小笠原諸島についてはその地域的特性にかんがみ、交通施設、生活環境施設及び国土保全施設の整備並びに産業の振興を図る事業を実施することとし、離島振興事業については、予算額千百七億五千九百万円余、奄美群島振興開発事業については、予算額二百六十億五千三百万円余、小笠原諸島振興事業については、予算額十八億六千三百万円余を予定しております。
 さらに、防災のための集団移転促進事業について、内容の充実を図り引き続き実施することとし、予算額一億二千二百万円余を予定しております。
 第六に、地域振興整備公団の事業についてであります。
 地域振興整備公団については、十八億三百万円の国の一般会計補給金と財政投融資資金等とあわせて千二百四十億三千五百万円の資金により、定住構想に即して全国的な人口及び産業の適正な配置と地域住民の福祉の向上に寄与するため、地方都市の開発整備、工業の再配置及び産炭地域の振興を推進することとしております。
 第七に、災害対策の推進についてであります。
 最近の災害の状況及び現下の急務である震災対策の緊急性にかんがみ、大規模地震対策の強化、大都市震災対策の推進、総合的土砂災害対策の推進、中央防災無線網の整備等災害対策の総合的な推進を図ることとし、予算額九億一千二百万円余を予定しております。
 以上をもちまして、昭和六十一年度の国土庁の一般会計歳出予算の概要説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
#10
○委員長(小山一平君) 次に、古賀北海道開発庁長官。
#11
○国務大臣(古賀雷四郎君) 昭和六十一年度における北海道開発庁予算並びに北海道東北開発公庫予算の概要を御説明いたします。
 初めに、昭和六十一年度の北海道開発庁予算について、その概要を御説明申し上げます。
 北海道は、国土の五分の一を占め、かつ、大きな潜在的発展力を有する地域であります。
 北海道の開発は、我が国における人口と産業の望ましい配置を実現し、それにより我が国の長期的安定的な発展を図ろうとする重要な施策であります。
 このような観点から、昭和五十三年度から六十二年度までの十カ年計画として新北海道総合開発計画が策定されているところであります。
 昭和六十一年度の北海道開発庁予算については、厳しい財政事情のもとではありますが、新北海道総合開発計画の基本方向に沿って内容の充実に特段の考慮を払っているところであり、その予算額は、昭和六十一年度総理府所管一般会計予算のうち、歳出予算六千八百六十億四千八百万円余、国庫債務負担行為二百四十八億八千四百万円であります。
 次に、歳出予算のうち、主な経費につきまして、その大略を御説明申し上げます。
 第一に、国土保全事業の経費に充てるため、一千百二十六億五千百万円余を計上いたしました。
 これは、石狩川などの重要水系及び災害多発地域の中小河川に重点を置いた河川改修、土砂害対策等の実施、都市開発の著しい地域における総合治水対策事業等の推進、今後の水需要の増大や洪水調節に対処するための多目的ダム等の建設、急傾斜地における崩壊対策の実施、国有林、民有林を通じて一貫した治山事業の推進、並びに海岸事業の推進のための経費であります。
 第二に、道路整備事業の経費に充てるため、二子百九十八億九千五百万円を計上いたしました。
 これは、一般国道の不通区間の開削を促進し、交通安全施設等の整備及び防災・震災対策事業を重点的に進めるとともに、都市道路、都市周辺のバイパス、連続立体交差等の事業を促進するための経費であります。なお、この道路整備事業の経費及び後に述べます生活環境施設の整備事業の経費の中には、冬の生活の充実、企業立地の促進等に資するため、快適な冬の生活環境づくり「ふゆトピア」事業を促進するための経費を含んでおります。
 第三に、港湾・空港の整備事業の経費に充てるため、五百九十億六千六百万円を計上いたしました。
 これは、室蘭港及び苫小牧港の特定重要港湾、石狩湾新港その他の重要港湾の整備を推進するとともに、地域開発の拠点となる地方港湾の整備を促進するための経費、並びに新千歳空港の建設及びその他の空港の建設整備を実施するための経費であります。
 第四に、生活環境施設の整備事業の経費に充てるため、六百六十九億四千万円余を計上いたしました。
 これは、下水道、都市公園等の事業を推進するための経費、公営住宅の建設及び関連公共施設の整備を進めるための経費、並びに離島における環境衛生施設等の整備を進めるための経費であります。
 第五に、農林漁業の基盤整備等の事業の経費に充てるため、二千百三十七億七千二百万円を計上いたしました。
 これは、高生産性農業の確立を図り、畑作農業の安定的発展と水田利用再編に伴う農業経営の安定を図ること等のための土地改良事業、経営規模の拡大、粗飼料基盤の整備拡充等のための農用地開発事業、畜産基地建設等のための特定地域農業開発事業、二百海里時代に対処して沿岸漁業等の振興を図るための漁港施設整備及び沿岸漁場開発整備の事業、並びに造林、林道の事業を実施するための経費であります。
 なお、農業基盤整備の事業については、現行の特定土地改良工事特別会計を拡充して国営土地改良事業特別会計とし、事業量の拡大を図ることになっております。北海道については、従来、特別会計の適用はありませんでしたが、昭和六十一年度からこの特別会計を適用して積極的に事業量の拡大を図ることとしております。
 以上が、北海道開発庁予算の概要であります。
 引き続き、昭和六十一年度の北海道東北開発公庫予算について、その概要を御説明申し上げます。
 北海道東北開発公庫は、国土資源に恵まれ、開発可能性の大きい北海道及び東北地方における産業の振興開発を促進するため、民間金融機関と協調して、良質な産業資金を供給することを業務といたしております。
 昭和六十一年度の事業計画は、一千三百五十億円を予定しております。
 これらの原資といたしましては、政府出資金二十七億円、政府借入金三百八十八億円、債券発行による収入七百三十億円を予定し、残りの二百五億円は、自己資金で調達することといたしております。
 なお、出融資の対象業種として、新たに「研究開発事業」等を加えるとともに、特別金利につきましても、民間活力の導入を促進するため、「都市機能・産業基盤総合整備」事業を新たに適用対象とする等、出融資機能を拡充することといたしております。
 以上をもちまして、昭和六十一年度の北海道開発庁予算並びに北海道東北開発公庫予算の御説明を終わります。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#12
○委員長(小山一平君) 以上で政府からの説明聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#13
○青木薪次君 私は、まず建設大臣にお伺いいたしたいと思うのであります。
 今、我が国経済は、急激な円高対策を立てなければならぬ必要性に迫られているわけであります。自民党や産業界などでは早急に総合対策を打ち出すべきなどのことがよく新聞記事に載るわけでありますが、政府は、六十一年度予算案や関連法案が国会で通らなければやっぱり打ち出すことについてはこれは問題があるというようなことのようであります。既に言い尽くされた感もあるわけでありますが、ことしの政策課題は何としても内需の拡大であります。したがって、そのことは、GNPの六〇%、押し上げる力を持つところの消費の拡大、もう一つの片方の課題は何かと言ったら、公共投資の拡大と、それに刺激を受けてのいわゆる民間設備投資の拡大というような問題等について、やはり政策誘導を図るべきではないかということが今大きな国民の課題だと思うのであります。
 そういう意味で、世界で最もおくれているという社会資本の整備、このことが今建設大臣に課せられた私は課題だと思うんです。そこで、社会資本の整備とは何か。これはいろいろ、今も大臣から道路だけでもって四兆何千億という、両方合わせてね、説明がありました。道路あるいはまた河川そして鉄道、港湾、上下水道、急傾斜地対策、公園などの公共投資の関係について今説明があったけれども、やはりこれじゃまだまだ足りぬということを実は主張せざるを得ないのであります。
 そこで、今申し上げた総合経済対策ということはこれはもちろんでありまするけれども、その前提となるところの公共事業の前倒し執行ということについては、もう既に近年慣習化してきた感が実はあるのであります。七五%になるのか、七八%になるのか、あるいはまた八〇%になるのかということになりますと、これはやはり建設大臣の一つの政治力にもかかっている。渋る大蔵省の窓口をしっかり開かせて、政府の関係閣僚会議の中において強力に発言をし、しかもまたそのことについて政府がどのような見解を打ち出すか。ただ言うばっかりでは、これはこじきのおかゆと同じで何にもならないということでありまして、その面では、参議院選挙も六月にあるし近く国会解散もうわさされている。そうするとそのことに対して、い一つものことであるけれども政府は格好のいいあいさつ、政策課題を羅列するけれども、それであってはいけない。
 心を込めた、国民はよく知っているんですから、心を込めた形でもって内需拡大を考える。しかも建設省としては当面、昭和六十一年度の前倒し執行予算、これを何%にするのか、あとの十月以降の残余については一般財源で出すのかあるいはまた建設国債を発行するのか、あるいはまたそのほか民活民活と言われているんだけれども、それらに対してどうするのかというようなことについてまず、非常に関心を持っている課題でありますので、冒頭に大臣の見解を承りたい、こう思います。
#14
○国務大臣(江藤隆美君) 大事な時期でありまして、先生の御意向のとおりですが、五十九年度が大体七五%、それから六十年度が七四%ちょっとになるかと思いますが、例年の状態でありましても国庫債務負担行為の活用によって大体自然体でもその程度のものは今日までやってきた、こういうことであろうと思います。ことしは予算委員会を通じましても二つの御意見がございまして、一つは前倒しをしっかりやれ、こういう御意向と、それから建設国債をしっかり出してそして景気の回復を図れ、こういう二つの積極的な御意見でありまして、大変ありがたいと私考えております。
 御承知のように、ことしはさきに補正予算で約六千億の国庫債務負担行為をやりまして、つなぎをやるということになったわけですが、これが実質的な前倒しの取っかかりになるわけでありましょう。そうなりますと、仮に、もっと七五%よりか余計やれ、仮に八〇%やれ、こういうことになりますと、二つの問題があります。
 その一つは、事業が各般にわたりますから、用地交渉その他補償等がうまくいくかどうかということによってこの事業がうまくいくかどうかということが、早期発注ができるかできぬかということが一つ出てきます。それからもう一つは、既に御承知のように補助金一括法が今国会にかかっておりますから、この補助金一括法の成立がおくれますというと実は予算が通りましても早期発注ができないわけでありまして、早期発注ができなければこれは前倒しの効果はないわけでありますから、何としても、諸般の事情はありましょうけれども、何といいますか補助金一括法の成立を早急にお願いしたい、それにはどうすればいいんだ、こういいますと、予算が成立しましたときに二つの方法があると思っております。
 その一つは、補助金カットの適用外の事業、これはもう補助金一括整理法外の事業についてはやれるでしょう。しかし、その他のものについては、法律が通らないうちにやるわけにはいきません。準備行為もなかなかこれは言うべくして難しいわけでありまして、国会審議の中でまだ法案が通らないうちに具体的な箇所を示して準備行為に入ることが果たしてできるかどうかということは、これは国会のよほどの御理解を得なければできないことでございますから、御意向のような景気回復、内需拡大のための前倒し執行、それから今後の建設国債等についてはそれらの問題を含んでおるということをひとつ御説明申し上げて、今後のまた御協力を賜りたいと思います。
#15
○青木薪次君 公共事業費の抑制措置がとられた五十六年度以降、公共事業の上半期の契約高というのは、今大臣のおっしゃったように、その推移を見てまいりますと、五十六年度が七〇・七%ですか、五十七年度が七八%、五十八年度が七五・三%、そして五十九年度が七五%で、六十年度が七四・二%。これを見ても最近は、先ほどちょっと申し上げたのでありますが、七五%が通り相場になっている。問題は、六十一年度においてどの程度の前倒しをするかということが、内需拡大についての政府の決意のバロメーターになると私は思っています。
 今大臣のおっしゃったことは、去年も実は言われたんですよね。去年も言われて、地方公共団体は、何としてもひとつ、私どもは反対だ、政府のやっていることには反対だがしかし通してくれと。なぜ通すんだと言ったら、今言った景気の拡大で、今大臣のおっしゃったことを去年言っておったんです。ですから、今大臣がおっしゃったことは、別に耳新しいことを私は聞いているわけではない。問題は、あなたが予算委員会でいろいろと前向きの議論をした面と同時に、横向きで大蔵省の方の顔を見たり、中曽根総理の顔を見たりしながら発言した、ここに問題がある。私はそう思っています。
 ですから、その点でどの程度の前倒しをするか、ひとつきょうは、この関係は委嘱審査で建設関係を中心としているわけでありますから、思い切った発言をしてもらいたい、そう思います。
#16
○国務大臣(江藤隆美君) 予算審議のさなかでございますから、総理と意見が違うというのでも閣内不一致でありますし、また大蔵大臣が、御意向はわかりながらもかたくなまでに、六十五年財政再建を祈り続けておりますと言うのに水をひっかけるわけにもいきませんから、予算委員会が無事に終わりまして予算が成立するまでは少なくとも共同歩調をとっていかなければいかぬ、こういうことだろう。
 しかし私いつも申し上げておりますように、昨年の暮れに予算を編成しましたときと、いよいよ予算が成立をして予算執行に入る段階のいわゆる経済情勢というのは、著しく環境を異にするようになると私は思っております。そういうものに弾力的に対応するというのはこれは行政の一つのとるべき姿勢でございまして、そのときになりましたら私どもはいつ何ときでもまた新しい事態に立ち向かうだけの準備を、ただいまいたしておるところであります。したがいまして、昨年度あるいは今年度七四、七五%という数字が出ておるわけですが、私どもは何としてもそれ以上のものを執行ができるようにひとつ努力をしていきたい、こう思っております。
 ただ、私が先ほど申し上げましたのは、積雪寒冷地帯がございますわけでありまして、やはり前倒し執行してそして雪の来ない、寒くならないうちに事業を進めなきゃならぬということがございますから、なるべく早く補助金一括法も通していただくとありがたいなと、こう思っておるわけであります。熱意はたくさん持っておりますから、よろしくお願いいたします。
#17
○青木薪次君 予算は暫定予算を組まないで済むように妥協が成立したようですから、そうすると四月の五日前後が大体参議院で予算が通過するころではないかと思料されておりますが、その直後には建設大臣の大きな気球が上がる、こう解釈してよろしゅうございますか。
#18
○国務大臣(江藤隆美君) 予算が成立しましてまずやるべきことは、補助金の一括法にかからない部分のいわゆる発注をすることになると思います。その分がおよそ二兆三千億ぐらいだろうと思います。配分対象事業費五兆八千億のうちで、今回内示できるものが二兆三千億ぐらいになろうかと思います。住宅は四万四千戸ぐらいだろうと思います。まず、それをやりまして、そして一括法の成立を待って――準備もいたしますけれども、そして追加して全体の発注をなるべく早く大量にやっていこう、こう考えておるところでございます。
#19
○青木薪次君 上半期に大幅な前倒しを実施すれば当然下半期の事業費が不足するから、何らかの対策が必要となることはもう大臣もお認めになっておられるわけでありますが、現在予算審議中であるということが今の答弁でありますが、政府の一部からも、早期に補正予算を編成する必要があろうという意見が出ているんですよ。内需拡大を確実なものにするために大型補正を実施すべきことを今日時点でもう考えてよろしいと思うのでありますが、この点いかがでしょうか。
#20
○国務大臣(江藤隆美君) 大幅に前倒しをしたときに、それなら下半期の事業をどうするんだ。それは、建設国債でもって事業を補う方法と、それから、六十二年度の予算を繰り上げて、そして六十二年度分を前倒しして穴を埋める方法と、私は二つあるであろうと思います。
 しかし、それにしても、下半期事業費がなくなることは目に見えておるわけでありますが、今補正予算を組むという話をすることは適切ではないと思いまして、そのときの経済情勢等を勘案しながらどうするかということをやっぱり判断するのが適切で、もう今補正予算を組むというのだったら、まだ何日間かあるわけですから、それなら今のうちに予算修正をせいということになるわけでありまして、先ほど申し上げましたように、経済情勢が著しく変わっていきますから今までと私はうんと違うと思っているんです。ですから、そのときの経済状況、財政事情その他事業の執行状況等を見ながら、総合的に前向きに判断をするということが、今言える限度ではないかと思っております。
#21
○青木薪次君 最近は、公共事業の追加について、よくゼロ国債ということが言われているんですね。さっきも大臣がおっしゃったように、いわゆる国庫債務負担行為の追加が実は行われてきたわけですわ。この手法は次の事業費の先食いなんですよ。したがって、結局は次年度の事業量が不足するから、また先食いしなきゃならぬという悪循環を繰り返すということに実はなるのでありまして、それを断ち切るためにはどうしたらいいかということについては、建設国債を発行して、そうしてそれを増発することによってこれを断ち切らないといけないと私は思います。
 中曽根首相も、建設国債の増発については、何も私は反対しているわけじゃなくていろいろあってというように、このごろちょっと発言の内容が、ラッパの音色が変わってきたというように、これは私だけじゃないですよ、だれしも考えている。だから、いわば本物になってきたというように考えているわけでありますが、臨調や行革審でもってどんどん行政経費の節減、予算をカットするというようなことをやったと思うと、このごろは建設国債のことについても弾力的になってきたということは何か。私はやっぱり、きれいごとを言っていられない時代だと思うんです。例えば、外国へ行って、それはレーガンさんの隣に座っていい格好をしたって、外国の人はよく知っていますよ。ロン、ヤスなんて言っても、言うだけであって何にも内容がないじゃないか。何のために内需拡大のことを考えているか、貿易摩擦の解消についてどう考えているんだということが、このごろ欧米あたりのニュースを聞いてみても盛んに辛らつに、深刻になってきている。大臣、このことを考えなきゃいけないと思うんですよ。
 ですから、その建設国債の発行について、大臣はどう考えていらっしゃいますか。
#22
○国務大臣(江藤隆美君) 今予算委員会で、建設国債を発行して社会資本の充実をしろという諸先生の御意向は、私どもとしては大変ありがたく力強く実は拝聴いたしておるわけであります。
 申し上げるまでもありませんが、ことしも実は五兆七千億の建設国債を発行しておりますわけで、六十一年度末が、大蔵大臣のまねをするわけじゃありませんけれども、百四十三兆円のうちで七十九兆円が建設国債である。ことしも五兆七千億出しておる。出していないわけではありませんで、いろいろと財政上の都合からこの程度に終わっておる、こういうことでありますが、私どもはやはり、党内でも随分と建設国債を出せ、こういう意向もありますし、できることならそれにこしたことはないと思っております。
 特に、私は予算委員会でも申し上げましたように、やっぱり基本としては、原則的な考え方としては、経済成長率の範囲内においては前年度比それだけの建設国債の増発はいいのではないでしょうか。もっと厳密に言えば、税収増の範囲内、その伸び率の範囲内で建設国債を出すことは、決して財政再建にさほどの悪影響をもたらすものではないと私は思います、ということを実は予算委員会でも申し上げたわけでありますが、そういうことを念頭に置きながらこの問題については今後取り組んでいきたいと言っております。
#23
○青木薪次君 そこで、公共事業の執行については、地方への傾斜配分をもっと考えてもらわないと、なかなか問題が残ると思うんですよ。
 民間のプロジェクトは首都圏や近畿圏が中心であって、地方都市は民活ブームの恩恵にもちろんあずかれないし、それから地域経済は深刻な不況にあるんですね。しかも、円高対策で特に下請関連企業、特に部品・工業なんかに転業、廃業が目立っているという状態でありまして、地域の景気動向をにらみ合わせながら公共事業の傾斜配分を実施しませんと、毎日の新聞に載っておりますように、東京湾の横断道路とか、これは仄聞するに大臣も必ずしも賛成ではないようでありますけれども。それから本四架橋とか、それから近畿の場合におきましては新関西国際空港、こういうところで大変地域格差というものが目立っているわけであります。
 したがって、東京圏と近畿圏がよくなればその他もよくなるよということでありますけれども、しみてくる時分にはもう蒸発してしまうんですから、そのことを考えて地方への傾斜配分を十分に配慮してもらいたいという声については、大臣どうお考えになりますか。
#24
○国務大臣(江藤隆美君) 民活は必ずしも中央とは限りませんで、今五十八のうちの三十五ぐらいは地方で進めようとしておるわけですが、それにしてもやっぱり大型のプロジェクトというのは都市中心になることはやむを得ないことでありまして、私は四大都市圏というのを見ておりますというと、こうした公共事業というのはやっぱり隘路の打開かなという感じがいたします。ぎゅうぎゅう詰まってきたのを打開するのが公共事業。地方は地域開発と経済開発の両方に意味がある、こういうことを考えますというと、民活の入りにくい地方については公共事業を傾斜配分していくということは私も大賛成であります。
 ただ、ずっと私就任以来見ておるわけでありますが、長い間の実は何といいますか、慣習といいますか手がけた事業といいますか、そういうものがあるということと、同じ一キロの道路をつくりましても、片っ方では十億ぐらいでできるのが片っ方では五十億も百億もかかるというふうなところが実は都会地になりますとありますわけで、そういうことからなかなか一挙に、私は一挙に何かこう傾斜配分をぱさっと実は本当はやってみたかったのでありますが、なかなか一挙というふうにはいきません。しかし、百万トンのタンカーの方向を転換するように、この六十一年度から、おもむろに方向転換をするその基礎だけはつくって、そういう方向にじっと方向を向けよう、そういう努力を今いたしておるところでございます。
#25
○青木薪次君 そこで私は、五カ年計画、いわゆる社会資本整備五カ年計画ですね、その具体的な中身についてはそれぞれの法案審議のときに譲るといたしまして、全般的な問題で伺いたいと思うのであります。
 まず、この新五カ年計画の投資規模の決め方であります。社会資本整備五カ年計画の投資規模は、国の経済社会長期計画に盛られた部門別投資額との整合性を図りつつ決定されてきたけれども、「八〇年代経済社会の展望と指針」には公共投資額が明示されていないんですね。このために、新五カ年計画の投資規模は、前期五カ年計画の実績見込みに物価上昇分を上積みするという方法で決められたとしか思えないと思うんです。新五カ年計画の投資規模は、何を基準に、どのような手続で決められたか、説明願いたいと思います。
#26
○政府委員(高橋進君) 先生おっしゃいますように、今回の五カ年計画の策定に当たって、従来ありましたような、国全体の経済計画の枠組みという数量的な枠組みはございません。一方、今までの五カ年計画、六十年度で終わります現行五カ年計画の進捗も、それぞれの計画がよくないという問題もあるわけでございます。それは、いろんな財政上の理由によって実績が思わしくなかったということでございますけれども、今回の五カ年計画を策定するに当たりましては、それぞれの、公園なら公園、下水道なら下水道の長期的な見通し、二十一世紀初頭における整備水準をどうしたらいいかということを一方でにらみながら、一方で、そういった実績、現在での状況を勘案しながら決めた。
 そういったことでございますが、実際具体的には、現行の計画を下回らないような枠組み、少なくともそれは必要であるということで、そういった考え方のもとで策定したものでございます。
#27
○青木薪次君 大臣は、先般の所信表明の中で、五カ年計画を策定してそして「長期的な展望に立った計画的な整備を推進する」というようにおっしゃっているわけですね。
 しかし、前期計画を下回る投資規模では、とても長期的な展望に立っているとは言えないと思うんです。それとも、公共事業費については五%減というシーリングの枠がありまして、五カ年計画にどのような投資額を盛り込んでもしょせん結果は同じとでも言うのかどうなのか。これでは、五カ年計画を策定すること自体意味がなくなってしまうと思うのでありまするけれども、大臣はどうお考えになりますか。
#28
○政府委員(高橋進君) 今回の計画の策定の基本的な考え方は先ほど申し上げたとおりでございますが、現在のような財政のゼロシーリングあるいはマイナスシーリングということがこの先どういうふうに展開していくかということにもかかわってくるわけでございまして、先ほど先生がおっしゃったように、建設国債をもっと増発すべきではないかという議論もございます。また、これからの内需振興のために日本がどういう役割を展開していくかという中でそういった財政上の考え方に変化の可能性もございますし、また、日本経済全体の伸びといいますか、発展の可能性もまだあるわけでございます。
 そういった中で総合的にこの計画のそれぞれの各年度の実施を、実現に向かって努力するということでございまして、どういう計画をつくっても同じではないかということは、我々決してそうは考えておりませんで、五カ年計画をつくった以上はその実現に、そのときどきの状況に応じながら最善の努力をするという考えでございます。
#29
○青木薪次君 新しくスタートする五カ年計画を見ますと、前回私も指摘しておいたのでありますか、調整費が非常にふえているんです。例えば、下水道は三・七六倍になります。都市公園は三倍、それから海岸は三・八倍となっているんです。この調整費問題は、委員会における問題点にもなったところであるので、調整費の性格というものについてもう一度、これは小山委員長も委員長席からそのことを指摘いたしましたね、三倍以上にふやした理由について大臣、どう考えておられますか。
#30
○国務大臣(江藤隆美君) やはり一つの目標を掲げますときに、そのときの財政事情がなかなか厳しいということ等もこれあり、調整費を大幅に膨らまかしたものだと私は思っております。
 ただし、この調整費は、五カ年計画め中に数字として入っております以上全体計画の中の調整費でございますから、三年先にこれを見直すということになっておりますので、私どもは何としてもこれを事業費に繰り入れる努力をしなきゃならない。したがいまして、調整費は、そのときのいわゆる経済事情、財政事情、それから事業の執行状況等を勘案して、これを将来事業費の中に組み入れていく対象にするものである、こういうふうにただいまは理解しておるところでございます。
#31
○青木薪次君 大臣、一般的、抽象的に言えばそのとおりだと思いますよ、私も否定しません。しかし、社会経済の動向、財政状況、事業の進捗状況と言っても、それは今だって先の見通し、半年や一年、二年ぐらいは見通せますよね。したがって、一般的、抽象的に言えばそういうことになるにいたしましても、どういう状況になった場合に調整費を事業予算化するのかということについて答弁をしてもらいたいと思います。
#32
○政府委員(高橋進君) 特に今回、三年先に見直すということでございまして、当然そのときに調整費の取り扱いについてその対象になるわけであります。
 今先生、どういう場合に具体的にそれをいじるのかということでございますけれども、もともと今回調整費を多くとったというのは、現在の財政事情ということもございますけれども、我が国の財政状況も含めて経済社会が非常に大きな何といいますか転換期に来ているという、そういう不確定要素があるために大きくなっているという面もあるわけでございまして、そういう意味で、将来、三年先どういう状況でということをなかなか今ここで申し上げにくいわけでございまして、基本的に、大臣が先ほど申し上げたように、調整費というものも実質的な事業費に置きかえるべく努力するということだけしか、ちょっと今の段階では申し上げにくいところでございます。
#33
○青木薪次君 官房長ね、それは常識的に考えれば、五カ年計画をやるでしょう、そして実績が計画をぐんと上回っちゃったというときには調整費を使いますね、これは予備費だから、僕が前に指摘しておいたように。
 そうすると、過去においてこの調整費が事業予算化された実績があるのかないのかということになりますと、もしあったとするならば、どういう基準で予算化されたのか、こういう点についてはいかがですか。
#34
○政府委員(高橋進君) 私の記憶では、調整費となってからはございません。
 ただ、調整費の前、予備費という名目で使われておりましたときに、沖縄の返還のときに、そこの部分を入れ込む際に、その予備費を使ったという実績がございます。
#35
○青木薪次君 予備費の流用になりますよ、予備費というか、調整費の流用。流用ということになると、閣議で決めたり、また、皆さんは大蔵省へ行って、お百度を踏んで、そういうようないろんな計画でもって折衝しなきゃならぬということがつきまとうと思うんですよ。ですからこの点は、三年後の見直しの際には増額修正の方向で努力すると答弁しているけれども、事業費が計画を上回って不足するという事態にならなくても、整備の進捗状況や財政の状況等を勘案いたしまして三年後には調整費の事業予算化を行うと私は理解いたしたいのでありますが、この点どうですか。
#36
○政府委員(高橋進君) 従来の五カ年計画では見直し規定はなかったわけでございます。それが、今回特にそういう三年後の見直し規定を入れたということにつきましては、従来とは基本的な性格は違わないかもしれませんが、調整費の取り扱いについても従来以上に弾力的に取り扱うというふうに我々理解しております。そういう意味で、今先生、三年後には事業費に繰り入れるものだというふうに理解するとおっしゃいますが、そこまでは今の段階で言い切るわけにはまいりませんけれども、従来の五カ年計画の調整費よりもより弾力的に使う、その中では事業費に入れるという面も当然従来以上に強くあるものと理解しております。
#37
○青木薪次君 従来よりは相当事業費的な要素というものが色濃く出てきたということは、慰めでなくて、ひとつ大臣、閣議でもそのことについて、予算委員会の建設に関する委嘱審査で強く出たことを強力に主張してもらいたいと同時に、大蔵省にもその問題については、私の言った方が正しいと思うので、確信を持っておりますから、そういう意味で、社会資本の整備という問題を通じて我々はやっぱり今の内需拡大という問題を相当真剣に、深刻に考えているということについて、ひとつ大いに主張していただきたいと思います。
 それから、住宅建設の五カ年計画でお伺いいたしたいと思うのであります。
 三月十四日に住宅宅地審議会が、六十一年度を初年度とする第五期住宅建設五カ年計画案をまとめて建設大臣に提出をいたしているわけでありますが、その際、特に七項目から成る意見書がついているわけであります。建設省はこの意見書の内容を十分に尊重しなければならないと思うけれども、どのように受けとめていらっしゃるかお伺いいたしたいと思います。
#38
○政府委員(渡辺尚君) ただいま先生お示しのように、第五期の住宅建設五カ年計画につきまして住宅宅地審議会に意見を求めまして、三月の十四日に意見をいただいたわけでございます。
 その中では、第五期の五カ年計画に基づきます施策の実施に当たって、特に、住宅金融公庫融資制度の改善、あるいは住宅税制の拡充、公共賃貸住宅の的確な供給、既存ストックの有効活用、それから大都市におきます良質な市街地住宅の供給等の事項につきまして配慮すべきであるというふうに、記に指摘されておるわけでございます。
 建設省といたしましては、この意見書に基づきまして案を作成し、去る三月二十五日に閣議の決定をいただいたところでございますけれども、第五期の住宅建設五カ年計画の完遂を期すために、経済社会情勢が非常に厳しい中ではございますけれども、これらの指摘を最大限尊重して今後の施策の充実に反映させてまいりたいというふうに考えております。
#39
○青木薪次君 意見書の内容については、従来から指摘されてきた点を整理したものであって、特にここがすばらしいという、目新しいものは実はないと思うんです。
 住宅減税については、若干の経緯があるので伺っておきたいと思うのでありますが、大蔵省、いますか。−建設省が概算要求段階で最重点施策として要求した住宅投資の促進税制の創設と既存の住宅取得控除制度の改善は、結局のところ住宅取得に対する控除制度を拡充したような、住宅取得促進税制にすりかえられてしまったというような感じが実はするわけであります。住宅取得促進税制は、その名称からもわかるように、住宅投資の促進税制と住宅取得の控除制度を足して二で割ったようなものでありまして、減税規模がどの程度拡大することになるのかはっきりしないということだと思うんです。
 そこで、建設省の当初の要求だと、両制度合わせて初年度一千億円の減税規模になると試算されておったわけでありますが、新設の住宅取得促進税制による六十一年度の減税規模は一体幾らになるのか、この点について説明してもらいたいと思います。
#40
○説明員(小川是君) 六十一年度の税制改正におきましては、今お話しがございましたように、住宅取得促進のために、借入金を行う方についての税額控除制度を発展的に解消する形、従来の制度を発展させる形で制度を創設いたしておりますほか、住宅取得資金にかかる贈与税の特例制度を拡充いたしております。
 この拡充分に伴います減収は初年度で約三百九十億でございますが、従来私どもが減収と言って計算いたしておりますのは、従来あります制度による減税額を上回って幾ら減税になるかということであらわしております。そこで、従来あります制度による減収額に加えまして、今回の措置による減税額を合わせまして、かつ今回の措置も三年間の措置でございますので、三年間の合計として出てきます減税の規模といたしましては、約一千三百億円に達するものでございます。
#41
○青木薪次君 三年間で一千三百億円。これでは、この住宅減税は前進したとはなかなか思えないんですね。政府は住宅投資の拡大を内需拡大策の一つの柱としているんだけれども、住宅宅地審議会の意見もその拡充を求めていると実は思うんです。
 そこで、大幅な住宅減税の追加が必要である。政府は、衆議院における予算修正問題の取り扱いで、六十一年度中に住宅減税の追加を実施するとしてはいるけれども、現在どのような方向で検討しているのか、建設省はその検討にタッチしていると思うのだけれども、概要と経緯を説明していただきたいと思うんです。
#42
○国務大臣(江藤隆美君) 住宅減税につきましては、御承知のように、ことし、約五百億の減税の中で三百九十億が住宅減税に充てられた。しかし、予算審議中を通じまして総理からも、まことにささやかな減税でありますから今度いよいよ抜本改正をやるときに思い切った住宅減税をやりたい、こういう政府としての考え方が示された。
 それからもう一つ、片一方では、先般来、幹事長・書記長会談の席上で、今年度じゅうに実施できるように住宅減税については各党間で実務者協議を進めていく、そして早急に実施できるように、成案を得るようにしたい、こういう各党間の申し合わせがあるわけでありますから、その成果を私どもは見守っておるわけでありまして、それらの事務的な事柄についていろいろと建設省が協力をすることは至極当然のことでありますから、各党間の幹事長・書記長間のこの申し合わせがいい方向で決着ができるように実は念願をいたしておるところでございます。
#43
○青木薪次君 各党の幹事長・書記長会談において、今次国会中にひとつ住宅減税は、これは政策減税でありますから、早く決めて、そうしてこの六十一年の、年度じゃないですよ、六十一年のできるだけ早い機会に実施できるように措置するものとする、これが決めなんですよ。この点については、住宅局長、準備していますか。
#44
○政府委員(渡辺尚君) 経緯につきましては先ほど大臣が申し上げたとおりだと思いますが、その推移を現在我々は見守っているところでございます。
#45
○青木薪次君 参議院選挙がありますから、五月二十二日で今次一〇四国会は終わりなんですよ。だから、推移を見守っている間に国会が終わっちゃうんですよね。そうするとこれは、書記長・幹事長会談についてはどう考えるかというような問題が、次の今度は臨時国会、九月ごろですか、にまた問題が起こるわけですよ。ですから、この点についてはどうなるんですかという点について、大臣よくひとつ、あなたも国対委員長をやられたんですから、その点は私ども非常に注目しているものですから、関心を持っていただきたいと思います。
 それから、五カ年計画の中身についてでありますけれども、住宅建設の戸数を前期の計画から百万戸減らしたんですね。六百七十万戸となっているのでありまするけれども、業界筋では、よほどの誘導政策がない限りとても六百七十万戸を確保するのも難しいということを言っているんです。今日の住宅事情というのは非常に変わってきていますから、その点でどのような見通しを持っておられますかお伺いしたいと思います。
#46
○政府委員(渡辺尚君) 第五期では六百七十万戸を見込んでおりまして、前期に対して仰せのとおり百万戸少ない数になっております。これは、今後五カ年間におきます普通世帯の増加でありますとか、あるいは空き家等の増加、あるいは建てかえ等のこういった住宅需要をいろいろ積算した結果でございます。数自体が減っておりますのは、普通世帯の伸びが鈍化しておるということ、それから住宅の耐用年数の伸びが見られるということから建てかえ需要の伸びがやはり伸び悩んでいるといいますか、そういうことから、住宅需要の変化によってこういう数字になったわけでございます。これを単純に五カ年で計算いたしますと、大体統計ベースで百三十万戸ということになっております。現在、六十一年の二月までの住宅建設戸数、実績しかわかっておりませんが、この推計からいたしますと、六十年度は大体百二十万台の中ごろまでいくのではないかというふうに思っております。
 それからさらに、住宅価格が安定的に推移しますとか、今後、先ほども話題になりました税制、あるいは予算案の中に入っております金融公庫の制度の拡充等々によりまして、我々といたしましては、初年度でございます六十一年度につきましては、大体百二十万戸台の終わりの方を達成できるのではないか、今後さらにいろいろな施策を展開することによって目標値を達成してまいりたい、このように考えております。
#47
○青木薪次君 世帯数がふえるとか、いろんな要素はあるようです。あるようですけれども、業界筋がなかなか大変だということを言っているという点は相当着目して、やはりこれは誘導政策も必要だと思うんです。
 それから、持ち家が大分減ってきたというようなこと、貸し家志向がふえてきている、そういったような問題がいろいろと問題点として残っているとは思うのでありますが、住宅減税、住宅金融公庫融資の拡充や土地対策の実施によって、ぜひ六百七十万戸を上回る住宅建設を実施してもらいたいというように思いますけれども、住宅問題は単に戸数をふやせばよいという時代は過ぎて、今日はもう質の段階だと思うんです。親子二世代、それが親子三世代というようなところに来ているし、将来五年延びて人生八十五歳時代というようなことを考えてまいりますと、今日は親と一緒に暮らしたいという人が、このごろ変わってまいりまして、だんだんとふえてきた。いい傾向だと思うのであります。六十何%の人が親と一緒に暮らしたいという若者の志向。こういう問題は、勢い、今のウサギ小屋からの脱却ということを催促しているようなものだと思うんです。
 しかも、これからの一番重点的な問題は、高齢者対策をどうするか。六十五歳以上の人が間もなく一〇%を超えるんですね。今は九・九%ぐらいということになりますと、その問題も考えなければいけないということだと思いますので、そういう質の拡充ということを考えながら、最低居住水準未満の世帯の解消が一つのポイントであろうと思いますので、そういう点、住宅の質の向上という点については局長どう考えていますか。
#48
○政府委員(渡辺尚君) まさに御指摘のとおりでございます。ただ、量的にもう十分拡充されたということは、これは空き家の実態をいろいろ調べてみますと、三百三十万戸と言っておりますけれども、実際は利用可能なものは九十三万戸である。全体の二八%強しかないというようなこともございまして、今後もいわゆる社会流通的な意味で充実をしていかなきゃいけないというふうに考えているわけです。
 質の向上につきましては、おっしゃるとおりでございます。今度の新しい五カ年計画におきましても、平均居住水準が幸いなことに第四期の五カ年計画でおおむね達成できたということでございますので、これを誘導居住水準というものに変えておりまして、都市型では九十一平方メートル、それから一般型では百二十三平方メートルというふうに、かなり思い切った数字にしております。これは西暦二〇〇〇年を目標にしておるわけでございますけれども、そういう形で施策を対応させていきたい。それから高齢者につきましても、特に審議会の意見書の中にも書いてございますけれども、居住室の拡大でありますとか、設備の向上でありますとか、こういう点に五カ年計画でも配慮をしているところでございます。
 具体的な施策でございますけれども、例えば六十一年度の予算案の中には、規模別面積区分の拡充ということが入っておりまして、例えば従来百十平方メートルまでであったものについて六畳一間分、十平方メートルふやすというようなこと、それから大型住宅分につきましては、従来百六十五平方メートルであったものを、かなり大きく百八十平方メートルというふうに広げているというような、その他にもございますけれども、施策を展開してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#49
○青木薪次君 住宅問題の最後に一点伺っておきたいと思うのでありますが、最近、住宅・都市整備公団のあり方をめぐっていろいろ取りざたされているんですね。行革審においても民営化、縮小化などが検討されたということを聞いているわけであります。
 行革審の特殊法人問題等小委員会で言われたのは、皮肉にも、公団の使命は終わったかという点に集中している。こういう状況を背景に、行革審の特殊法人問題等小委員会主査川島廣守元官房副長官は、公団の体質改善を図るために、分譲住宅からの撤退、賃貸の新規建設をやめて古い団地の建てかえのみ、それから新規の土地取得の規制などを骨子とする改革案をまとめて、公団、建設省とのヒアリングを行った。公団は思い切って減量し、従来の団地の維持管理と土地開発事業に的を絞れということらしい、というように載っているんですね。
 そこで、今、住宅・都市整備公団で、住宅金融公庫その他から借りている借り入れの残高というのは幾らですか。
#50
○政府委員(渡辺尚君) 五十九年度でございますけれども、長期借入金は約九兆でございます。
#51
○青木薪次君 短期は幾らですか。
#52
○政府委員(渡辺尚君) 固定負債そのものが九兆九千億でございますが、その中で長期借入金が九兆一千億ということで、特に、運転資金のようなものはちょっと別かと思いますが、項目として短期借入金というのはございません。
#53
○青木薪次君 私の聞いているのは、九兆円の段階よりもずっと、こよなく二十兆に近いということをいろいろ聞いたのでありまするけれども、例えば、住宅・都市整備公団ですから、土地を取得するために前もって将来に備えて土地を買っておくというようなものも含めまして、宅地開発公団と住宅公団が一緒になったわけですから、両方一緒に足せば相当な金になることは私はよくわかるわけでありまするけれども、今九・九兆円、運転資金も入れてということを聞いたんですけれども、その点よろしゅうございますか。
#54
○政府委員(渡辺尚君) 住宅・都市整備公団の事業資産とそれから固定負債等についての資料を今見ておるわけでございますけれども、負債及び資本の部で固定負債といたしましては、先ほど申しましたように九・九兆ということになっておりまして、その中の長期借入金が九兆一千億ということでございます。
#55
○青木薪次君 わかりました。
 そういうことで大臣、住宅・都市整備公団の使命というものは終わっちゃいないと思うのであります。これからこういった公共性を持ったものはますます伸びていくだろう。これをまた民営と一概に言ってしまえばそれまでですけれども、それは民営大合唱の中でさらに問題が残るというように思うのでありまして、住宅・都市整備公団の今のやり方が全部いいということではなくて、もっともっと国民的に、また政府としてももっともっと伸ばすような方向で考えていくべきだと思うのでありますが、その点大臣いかがですか。
#56
○国務大臣(江藤隆美君) 小委員会で目下検討されておるさなかに余り極端な意見を述べることは差し控えたいと思いますが、住都公団がかなり各方面から批判を受けた時期があったことは私は間違いがないと思っております。どうも今の小委員会の様子を見てみますというと、そのころの認識でもって御審議を願っておるのじゃないかなという気が私はしてならないんです。今は住都公団は、過去のそうした経験にかんがみて、急速に合理化それからまた健全化を配って、これはもう全く見違えるような努力を今しておるということを、私は小委員会でもひとつ認識してほしいということが一つございます。
 もう一つは、先ほど先生もちょっとおっしゃいましたが、五十五年には七三%ぐらい持ち家が建っておったものが、今日に至りますとぐっと下がってきまして、もう五〇%台、五五、六%ぐらいに下がってきたのではないかと思います。それくらいやっぱり公営住宅というものに依存をする比率が非常に高くなったということが言えると思いまして、今回の第五次の五カ年計画においてもこうしたいわゆる住都公団、公営住宅を建てるものが約十三万戸六百七十万戸のうちに予定をいたしておるわけでありまして、まだその役割が終わったとは考えておりません。四大都市圏においては、持ち家が少なくなってそういういわゆる公営のものが多くなってきた、こういう傾向にある。それから全体的に、賃貸住宅の方が多くなってきて、そして持ち家が非常に少なくなってきておる。そういうことを考えますと、これから先も公団の果たすべき役割は大きい。
 それからもう一つ、先ほど来民活のお話がございましたが、昭和五十八年、五十九年度、二年の閣議であったと思いますけれども、間違っておったら事務当局から訂正してもらいますが、住都公団の業務の範囲は四大都市圏に限定をする、特に二大都市圏に集中的にやれ、こういうことが実は決まっておるわけであります。私はいささかこれはどうかなという疑問をかねがね持っておりまして、例えば民活をやりたいと思っても地方ではなかなかそういう力が出ない、そういう地方がたくさんあるわけで、今こそ公団が、住宅を必要とする地方都市において、例えば土地は地元の人が提供してその上に貸し家を建てていく、こういうふうな新しい分野に公団の事業を伸ばしていく分野は私はたくさんあると思う。ですから、公団の役割は終わったという考え方には私は同調できない、こういうふうに思っております。
 ただ、公団とてもこれは行政改革の対象外にあるわけではありませんから、みずから省みて合理化の努力をすることは至極当たり前のことであろう、こう思っておるところでございます。
#57
○政府委員(渡辺尚君) 一点補足させていただきたいと思いますが、五十九年三月の閣議決定で決まっておりますのは、賃貸住宅及び分譲住宅について四大都市圏に限定するということでございますので、大臣のあるいは記憶違いかと思いますので、ちょっと発言させていただきました。
#58
○青木薪次君 持ち家志向から賃貸住宅に相当変わってきていることについては、これはだれだってそうですけれども、大臣、持ち家を欲しいんですよ。金がないから、月給も上がらないし商売がもうからないから、賃貸にいく以外にない、たったそれだけの理由ですよ。ですから今、先ほど大臣はなかなか優等生の答弁をした。これはやっぱり住都公団の使命は終わっていない、しかし住都公団といえども内部をひとつよく整備、合理化して一生懸命やってくれ、このことだと思いますけれども、今住宅局長のおっしゃったように、四大都市圏といいますか、そういうところに集中した住宅・都市整備公団の事業ということに限定されては困るので、今度は宅地開発やいろんなもので、法案の整備もいたしまして、地方へ、今の住民の嗜好というものは地方中核都市の方に移っているんですね。このままいくと、東京圏を中心とした、後で申し上げますけれども、大変な事態になってくると私は思っているんです。
 だから、ここでひとつ、国土庁長官もいらっしゃいますけれども、やはり地方に移動をしてやらないと、東京は物すごい交通公害、その他吹きだまりのような都市になってしまうということになると思いますので、そういう点から考えてまいりますると、住都公団はもっともっと地方の、例えば東京、関東、関西だけ活気をつければいいんだということでなくて、やはり地方の中核都市を全体としてレベルを均等に持っていくような努力というものをしないと大変だ。
 しかも、都市局長の所管している上下水道とか都市公園とか、こういう問題は、ましておいてをやだと言わなきゃならぬと思うんです。住宅問題等については、住宅・都市整備公団の役割というものをやはりそこに置いて、そうして優良な宅地をまず造成するということで、そこに質の整った住宅を建設するためのガイドラインを今日しく必要があろう。そうして、地方の活気をよくするという格好に努力しなきゃいかぬと思います。
 そこで、このごろよく新聞に出るのでありますが、国鉄の東京駅周辺の開発がいろいろ取りざたされているんですね。大臣も東京都の知事に会ったとか。それで、容積率ですか、このことについては東京都知事に大分押し切られたとか、まだあり余っているところがあるからそれを何とか目いっぱいに使うということで話し合いがついたとか、いろんなことが言われているのでありますが、この中には現在の国鉄用地が、東京駅周辺の開発が取りざたされている中で含まれていると思うのだけれども、国鉄用地については、昨年の国鉄再建監理委員会の意見によれば、事業用地と非事業用地に仕分けするということを聞いているのでありますが、その点、非常に関心の深い問題でありまするけれども、いかがですか。国鉄から答弁してください。どうなっていますか。
#59
○説明員(山口良雄君) 国鉄といたしましては、長期債務の処理に当たりまして国民の皆さん方に多大な御負担をお願いするということでございますので、国鉄再建監理委員会の意見並びに一月二十八日の閣議決定、いわゆる「国鉄長期債務等の処理方策等について」ということを踏まえまして、すべての国鉄の用地から最大限の用地の生み出しを図り、債務の償還に充てていきたいというふうに考えておるところでございます。
 このため、事業の姿を見通しました上で、最小限必要となります事業用地以外は全部売却対象用地とすることにいたしまして、現在、事業用地、非事業用地の区分を進めております。先生の御指摘の箇所につきましても、検討対象用地といたしまして現在検討をしているところでございます。
#60
○青木薪次君 国鉄の東京駅の周辺に、毎日乗っているからわかりますが、四十階建てとかなんとかという話がこのごろよく新聞に出る。それが今度は、新聞をよく見ておりますと、四十階建てのものが十一入る。十一入るということは、国鉄のあのところに十一入るとは思えませんので、その辺の範囲はどのくらいですか。
#61
○国務大臣(江藤隆美君) 一つの物の考え方としてお聞きをいただきたいと思います。決定であるとか政府の方針であるということではなくて、一つの検討のいわゆる試算、こういう物の考え方がありましたと、こういうことでお聞きいただければ幸いであります。
 すなわち、今日、とにかく金融あるいは証券等にかかわる人が日本には十七万人、ロンドンが五十万人、それからニューヨークが五十七万人とも言われておりまして、国際的な経済、金融機関の中心になるに従って、もっともっと外資系のものが日本に、なかんずく東京に集中してくる。そうすると、霞ケ関ビル程度のものがおよそ二百五十必要になるのではないかという意見もございます。あるいはまた、一方では、新宿副都心のあれだけのものをこれから十五年間ぐらい建てないというと、そうした海外からの需要に追っつかぬのではないか、こういう実は意見もあります。
 それを裏書きするように、最近では都心部の地価が、あるいは二千万を超えた、三千万を超えた、あるいは銀座が坪当たり一億二千万したというような、とてつもない話が出てくるわけでありまして、そういうときに都市計画、都市再開発の中で国公有地というものを一番先に考える必要があるわけでありますから、やはり私どもとしては、他人様の民有地に目をつける前にまずいわゆる自分たちの国公有地の中にないかということを考えてみましたときに、例えば六本木の防衛庁跡もその一つの有力なものであるし、東京駅周辺がまたその最たるものでもある。特に東京駅は、これからいわゆる京葉線が入ってくるし、東北新幹線が入ってくるとなると、大改革をやらなければならぬことは理の当然でありますし、私は、五兆八千億の負債を払うために国鉄が土地を売っ払うという考え方は、一つの方向であろうとは思っています。
 しかし、この前から亀井委員長にも国鉄総裁にも運輸大臣にも私よくお話をしておるんですが、今は、あれほどの地域でしたら、あれを借地に出したら八割現金で入ってきますですね、地価の八割は入ってくる。それからもう一つは、例えば東京駅というのはあれほどの空間があるわけですから、あの空中権を、周りにできるであろうビルの頭に乗っけていくとその分の権利が入ってきますから、土地を売るのと同じ、あるいはそれ以上の価格にはなるという一つの計算も実は出てくるわけであります。
 したがいまして、あの辺の例えば国鉄なら国鉄――人様の土地に勝手に絵をかくわけにはいきませんが、しかし、国鉄本社ですとか、あるいはまたあそこの赤れんがのステーションホテルもかなりなものになってきましたから、明治村あたりに御鎮座してもらって、あるいはまた東側の国鉄労働会館の跡地その他を入れますと、大体二万七千坪ほど国鉄用地があるはず、線路の上は除いてでありますが三万七千坪あれば、大体霞ケ関ビル程度のものが十一ぐらい建つのじゃないかという計算が一つできるわけであります。そして、郵政大臣もお話をしておるんですが、中央郵便局、あれが五階ぐらいですか。あれほどの土地に五階ではもったいない、だから中央郵便局。丸ビルが古くなってどうにもしようがない、ついでに新丸ビル。それから東京都庁が移っていきますから、都庁跡地。そういうものを全部やってあそこ全体を再開発をやるということになると、おおよそ五万一千坪程度のものが出てくるのではないか。そして、さっき申し上げたような空中権をそういうものに配分していけば、霞ケ関ビルみたいなものが二十四棟ぐらいは建ちはしないか。そうすると、やはり都心部の土地鎮静化のための有効な手段になるであろう。
 こういうふうな一つの夢を描いております。しかし政治は夢の実現でありまして、言わなければ、向かっていかなければ物事は解決しないわけですから、国鉄さんは国鉄さんの差し迫った事情もあって、その点もよくわかりますが、しかし国鉄再建のためにこの資産を売り払うことが、民間会社になったとき一体いいことなのかどうか、担保物件を何も持たぬようなそういう会社が一体再建できるかということを考えると、収入も確保できるがしかし国家社会の要望にもこたえられるような方法というと、そうした再開発というものも一つあり得るのではないか。これは私限りの一つの夢を実は描いてみた。これは建設省の方針でもなければ政府の方針でもない、まだそういう議論の段階にあります、こういうことでございます。
#62
○青木薪次君 先ほどの国鉄の山口審議役の話では、非事業用地と事業用地に分けるために検討している、こういう話でありましたけれども、大臣のおっしゃった債務償還用地として清算事業団に、旧国鉄ですね、に帰属して一般に売却されるというような場合には、一体その売却方式はどうなるか。前に田町の駅の東側を一千億円で売った、そのときにいろいろここで議論になったわけです。そうしたら国土庁の土地局長は、これは困った困ったと言うし、それで前の木部建設大臣のときに、じゃ今民活の中で、政府がこれならよろしいという団体を決めてそこへ安く払い下げるかというと、えさに群がるハゲタカのようにここへ皆群がってくる。
 それは、例えば赤坂が今七、八千万円するとかなんとか言われていますが、そういう場合にそれを三千万円で売ったといったら、実勢の価格というものとの相当な乖離があるけれども、これをじゃ一体どうするのかという問題になってくる。今は市場経済であるから、それらの関係等について、いわゆる官僚統制のような格好で、おまえのところは安く売ってよろしい、おまえのところは高く売れとかなんとかということはできるものじゃない。そうすると、民活民活と言うけれども政府に特定された団体が――今だって新宿の西戸山、裁判が起こっているでしょう。そういうようなことであると同時に、いろいろと問題も起きやすいと実は思うのであります。
 もし新しく民営化される会社、私どもは分割は絶対いけない、分割されたら国鉄の役割なんてなくなってしまう。そんなことは国鉄、運輸交通に関係のない連中が分割分割と大合唱でやっているけれども、これは今の役割が全く変わってしまうんです。これはここでやる議論じゃありません、まあ予算委員会あたりでやる議論だと思うんだけれども。民営化の方向というようなものについては、七〇%以上を国が持った民営化の株式会社にしようということを私たちは法案として提出しているのでありまするけれども、この場合に一番問題になるのはこの辺だと思うんです。
 非事業用地と事業用地。非事業用地に指定されて五兆八千億の担保として売り払うというような対象にした場合には、その売却方式だって、今私が申し上げたように、これをそのまま随契で売ってしまうなんていうことにはなっていない、法律上。この点については、売却方式については国鉄はどう考えているんですか。
#63
○説明員(山口良雄君) 売却対象となります用地につきましては清算事業団が持つことになりますけれども、その売却に当たりましては、この一月二十八日に閣議決定をいたしております第三者機関がございますが、その第三者機関の御意見を聞いた上で、公正かつ適切な処分の実施を確保するという意味から、公開競争入札を基本として進めてまいりたいというふうに考えております。
#64
○青木薪次君 いいところを全部売り払っちゃって、後でもって、公共性を持った会社だなんと言っても、これもいわゆるもぬけの殻になってしまうわけですね。そういうような点から、例えば線路とか駅舎敷等については、鉄道会社の機能を果たしていくために重要な資産であるし、したがって新しく公共性を持った会社ということになった場合に大変な問題が起こると私は思うのでありますが、この点については今どんなふうに考えているんですか。
#65
○説明員(山口良雄君) 今先生がおっしゃいました線路や駅舎数等につきましては、これは事業用地ということでございますので、当然新しい鉄道会社が引き継ぐということになると思います。それで、その用地につきましては、もちろん鉄道事業を経営する上で必要不可欠な用地でございますので手放すことはできませんし、また、鉄道事業のほかに、いわゆる関連事業をも含めましてその用地を有効に利用していきたいというふうに考えているところでございます。
#66
○青木薪次君 今のに関連いたしまして、東急でも、西武でも、東武でも、名鉄でも、近鉄でも、阪急でも、阪神電鉄でも、自分のところに大きなビルがありますけれども、これらのビルはいわゆる自分で持っているんですか、それともこのビルは、全体に売り払った中において貸し家としてそこに居住しているんですか、どうなんですか。
#67
○説明員(山口良雄君) 私の調査した範囲内におきましては、おのおのの私鉄の会社におきましては自社ビルとして所有しているというふうに聞いております。
#68
○青木薪次君 先ほど建設大臣が言われました、考えただけでもびっくりしてしまうような、ニューヨークのマンハッタンにでも行ったような計画について、これは建設省の案ではない、しかしわしは考えているんだと。
 ちょくちょく出るこのごろの新聞に非常に関心を持っているのでありますが、国鉄のところは大体二万七千坪ある、そのほかに東京中央郵便局、それから丸ビル、そのほか東京都庁、二つありますね、あれも二つ入ると思うんですけれども、そうなってまいりますると、これは大変な超大型のビル街ができるということになるし、総理がこのごろ熱心な環状七号線の内側の用途規制の見直しとか、あるいはまた容積率の緩和とか、最近では今言ったような超高層ビル構想が言われてきているわけでありますけれども、一番心配なのは、私先ほどもちょっと申し上げたんですが、都心の容積を一層ふやす方向が実は打ち出されているわけですよ。密度を高くすれば、それに必要な道路、それから下水道整備が前提でなければならぬと思うんです。
 ただでさえ、すし詰めの状況にあるこの東京都の状態ですね。変なのが出てきて時々皇居へ向かって鉄砲を撃ったりなんかするようなやつもいるんだけれども、そういうように非常に混雑してきますと地上の空間なんていうのはほとんどなくなってくる。そうすると、いろんな犯罪とかその他のことが非常に心配される。
 しかも、通勤者の足となったら、大臣、考えてみてください。あそこへ四十階建てのビルを、例えば東京駅、広く線路のところがあるでしょう、線路のところへビルを建てるわけにはいきませんわね。建てて建たないことはないかもわからないけれども、三倍から五倍ぐらいかかるんじゃないですか、建設費が。今だってもう二分か三分にしょっちゅう電車が走っている中で、ピアを大きくホームのところへ建てるなんていうことはできませんね。そういうことになってくると、空間の、例えばれんがのところとか、国鉄本社のところとか、あるいは旧東鉄のところとか、東京駅とか、東京都庁とか、そういったようなところへ建てていくようになる。そうすると、四十階建てのものがずっとあそこへできてしまうということになれば、そこの通勤者の関係だって一体どうなるか。もう不可能です、考えてみただけでも。したがって、都心のオフィスビル化に伴う地域の過疎化も実は心配になってくるわけです。
 都市の整備は、長期的な観点からまず計画をきちんと立てなければいけないと思うのでありますが、大臣、どう考えますか。
#69
○国務大臣(江藤隆美君) まさにそのとおりだと思います。東京駅周辺でそれをやったら、一体下水道はどうするんだ、あるいはまた東京駅だけで、国鉄等だけでいわゆる通勤の足は大丈夫なのか、もろもろの問題が出てくることは当たり前のことでありますが、一方でしかし、それほどビル需要が急迫しておるということも、これも紛れもない事実であります。ただ残念なことは、私はそう思っておるんですが、国鉄の再建法案もようやく国会に提出いたしまして、昨日お経読みが一部できただけでありまして、まだ分割・民営化への国会の御承認をいただいたわけでも何でもありません。したがいまして、監理委員会から示された売却資産としての範囲を国鉄としては出れないであろう、そう思っておりますというと、なかなかこれは、あしたあさっての、私が建設大臣在任中には間に合わぬかなということをちょっと考えたりするわけです。
 しかし、あそこはもともと、江藤新平さんという人がふろしきを広げてやったところですから、もう一回こっちが広げてみるのも決して悪くないなと思っておるんです。これは言っておると必ず私はできると思うんですよ、できると思う。あれほどの場所はほかにありませんですね。
 それからもう一つの考え方は、私が都知事と合意しましたのは、一点集中、丸の内だけを都心として物を考えるということではなくて、新宿を副都心として考えたように、今度は渋谷を一つの副都心としてその周辺を開発していく。大崎地区を一つの副都心としてまた考えていく。十三号埋立地をもう一つの副都心として考える。上野、浅草周辺を考える。錦糸町をもう一つ考える。それから池袋を一つの副都心として考える。そういうふうにして、一番真ん中のそこだけにすべてを集中していくという考え方ではなくて、副都心、なかんずく東京の将来を考えたときには、全体の開発をやっぱり分散していくということが一つの町づくりではないのかなということを考えまして、先般来、そういう考え方については都知事と私も考え方が一緒ですということを実は話し合ったところです。また機会がありましたら近々お目にかかって、東京の問題を、これは中心地ですから、いろいろ御相談したいと思っています。
#70
○青木薪次君 我が建設委員会でも、これらの関係等については、例えば晴海埠頭の沖合十キロを埋め立てるとか、これは十年かかるから、これまでのアクセスの関係で銀座から晴海までの道路を広げるとか、いろんな問題があって、それができないから今度は東京駅周辺に来たというようなことも、新聞で見ました。そのための規制緩和が必要であるということだけれども、私はどうもこのことについては、内需拡大という経済対策から規制を緩和して、しかもそれを総理の訪米の手土産にするというような観点からは、どうも問題が多い。都市づくり百年の計に照らして極めて問題が多いと思いますので、これは答弁は要りませんけれども、そういうようにひとつ慎重な対策をしていただきたい、こういうように思うのであります。
 時間がなくなってしまいましたけれども、我が静岡県のことについてちょっと道路局長にお伺いしたいと思います。
 片方に南アルプスを背負い、富士山を背負い、したがって急流が物すごく多いものですから、道路が南北とか、地域の交流が非常にないということから、富士川橋、大井川の太平橋とか笠井大橋、百五十二号線の長野県への青崩峠のトンネル化の問題、あるいはまた百五十号の新掛塚橋とか大井川の谷口橋、中部日本横断自動車道といったような課題が非常に多いわけでございます。東西の方向と南北の方向で、静岡県は特異なところであります。海岸線は本州一長い五百五十キロというようなところでありますし、災害の非常に多発する静岡県でありますので、道路問題は従来もやってもらいましたけれども、これらの関係についてひとつ大いに頑張っていただきたいということをお願いしたいと思います。
#71
○政府委員(萩原浩君) 先生御指摘の富士川橋でございますけれども、この橋は、大正十三年に架設されました橋長約四百メーター、それから車道部の幅員は六・五メーターの橋でございます。そこに交通量が一日約二万一千台通っておりまして、非常に交通が多い。こういう橋でございますが、これが橋脚の洗掘、それから床版のひび割れが著しいために、補修工事をやっております。昭和五十六年度より補修工事に着手いたしまして、五十九年度までに橋脚の補強は完成をいたしました。六十年度から床版の補修と再塗装を実施いたしておりまして、これは六十一年度には完成をいたしたいというふうに考えております。
 そして、交通量増大に伴います問題につきましては、右岸側の交差点、これが問題でございますので、橋梁二径間のかけかえ、拡幅を考えております。これについて、いろいろな調査を行ってまいりましたけれども大体構想がまとまりましたので、今御審議いただいております昭和六十一年度の予算が決まりましたら、新たにこのかけかえに着手をいたしたいというふうに考えております。大体、六十一、六十二、六十三、三年ぐらいをかけまして何とかこれを完成させたいというふうに考えております。そういたしますと、この富士川橋の交通量の問題はかなり改善することになるだろうというふうに期待をいたしております。
 また、大井川にかかります太平橋の問題でございますが、これは昭和三十三年にかけられました木橋でございまして、現在は、二トンの重量制限と一・八メーターの幅員制限を行うという、非常に劣悪な状況にございます。このため、昭和五十三年度からかけかえ工事に着手をいたしまして、昭和六十年度までに取りつけ道路は大体概成をいたしております。橋梁の下部工につきましても、一部躯体部を残して完成をいたしております。昭和六十一年度も鋭意工事を促進いたしたいというふうに考えております。私どもでは、できますれば先ほどの富士川橋と同じように六十三年には何とか完成できないかなということで事業を進めてまいりたいというふうに考えております。
 それから、国道百五十二号の青崩峠の問題でございますが、これは国道百五十二号と名のりながらいまだに不通区間のあるところでございます。これにつきまして、通行不能区間の六キロにつきまして、昭和五十八年度に直轄の権限代行事業として事業の着手を図ったところでございます。当面は、草木トンネル区間二・五キロにつきまして重点を置きまして整備を進めたいというふうに考えております。昭和六十年度は用地買収に着手をいたしまして、できましたら昭和六十一年度にはそのトンネルの取りつけ区間の工事に着手をいたしたいというふうに考えております。まだなかなか道遠いわけでございますが、努力をいたしたいというふうに考えております。
 それから、もう一つの大井川にかかります谷口橋でございますが、これにつきましては、橋長七百二十三メーター、幅員八メーター、昭和三十二年に完成をいたしましたけれども、吉田インターチェンジの供用等によりましてかなり交通が混雑をいたしております。したがいまして、これはバイパスで抜きたいということで、昭和五十七年度から着手をいたしております。昭和六十年度は右岸側の用地買収を進めておりますけれども、まずこの取りつけ部の事業の促進を図りまして、その後、この新谷口橋に取りかかりたいというふうに考えておるところでございます。
 もう一つ御指摘がございました国道百五十号の掛塚橋でございますが、この掛塚橋は昭和三十年に架設されました天竜川にかかる橋でございます。延長が八百七十七メーターとかなり長い橋でございますが、幅員が車道部で五・五メーター、そこに交通量が二万五千台通っている非常に交通の混雑の著しい橋でございまして、これに対しまして、下流約一・五キロメーターに新掛塚橋を含めましたバイパスを計画いたしておりまして、つい先ごろ、昭和六十一年三月二十八日に都市計画決定をいただいております。したがいまして、この計画に基づきまして橋梁の取りつけ部から早期に事業化を図りたい、できますれば六十一年度からでも新規に着手をいたしたいというふうに考えております。なお、橋梁部は非常に多額の事業費を必要といたしますので、早期供用を図るために、現在有料道路事業としての施行を検討いたしたいということで、今県当局といろいろお打ち合わせをしているところでございます。この計画の作成になお努力をいたしたいというふうに考えております。
 最後に、中部横断自動車道のお話がございました。この中部横断自動車道は、清水−佐久間、昔は清水−直江津と言われてずっと重要路線として呼称されてきた路線でございますけれども、佐久から北につきましては関越自動車道の上越線としてある程度供用ができますので、とりあえず佐久と清水間が問題になろうと存じます。これにつきましては、現在私どもで路線あるいは整備手法等に関する調査をいたしております高規格幹線道路網の中で検討をしてまいりたいということでございます。高規格幹線道路網は、六十一年中に策定が予定されております第四次全国総合開発計画におきましてその規模がある程度調整されるというふうに私ども聞いておりますが、この調整を図りながら、本路線、中部横断道路の構想につきまして、実情を踏まえて検討させていただきたいというふうに考えている次第でございます。
#72
○青木薪次君 終わります。
#73
○委員長(小山一平君) 午後一時再開することとして、休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#74
○委員長(小山一平君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を続けます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#75
○工藤万砂美君 私は建設行政の基本的な問題についてお伺いするのでございますけれども、まず質問の内容の順序からいたしまして、国土庁、建設省、開発庁、こういう順序でお伺いをさせていただきたいと思うわけであります。
 最初、国土庁にお伺いするのでございますけれども、国土庁長官は所信の表明などで冒頭に、「二十一世紀を見通した長期的展望のもとに、国土の均衡ある発展を図り、住みよい国づくり地域づくりを推進していくことが、国土行政に課せられた基本的な課題」である、こういうことを申されたわけでありますけれども、私は当然のことながら四全総の中で国土の利用計画と定住構想を組み入れられていくと思いますけれども、今日のいわゆるGNPや人口配置という問題が地域的な均衡ある発展と言うにはほど遠い現状から考えてみましても、二十一世紀までにどのような是正方がされるのか、こういうことについてお伺いしようと思っているわけでございます。
 そこで、今日までの全総の経緯というものを考えてまいりますと、昭和三十七年に全国総合開発計画というものが実施をされて、この時点では拠点開発構想毒中心として進められてきた。それから、新全総すなわち第二次のときには、拠点開発構想の一層の充実、こういうことで進められてきた。さらにまた、第三次の全国総合開発計画におきましては、いわゆる定住構想というものが中心となって進められてきた、こういうことであるわけであります。しかし、これまでの流れというものを考えてまいりまして、本当にこの全総というものが、我々の期待するような形で均衡ある発展になってきているのかということを考えてまいりますと、私は、随分と違うなというような感じを持たざるを得ないわけであります。
 これは私の意見でございますけれども、決して、こういうデータのとり方については必ずしも正しいものだというような物の言い方でお話しするわけではございません。仮にこういうデータで全国的な開発構想というものの結果を見てみますとこういうことになります、そういうことですけれども、例えば昭和五十七年に例をとってまいりますと、昭和五十七年度のいわゆるGNPというものが二百七十四兆程度であります。これを全国の一平方キロメートル当たりで割り返していきますと、この場合は全国平均で言いますと、七億二千五百四十三万円といったような一年間の生産高、言うなればGNPであります。もちろん東京などは大変なものでございまして、二十二兆円ぐらいになっておると思うわけでありますけれども、その全国平均が七億二千五百万円というような中で、例えば北海道に例をとりますと、年間のいわゆる総生産量というものが一平方キロメートル当たりにしますと、一億三千九百三十五万ということで、全国平均の実に約七分の一ということになっておるわけでございます。その他、全国のデータを私集めて持っておりますけれども、このように随分と地域によってはバランスを欠いているということからすれば、当然これは新しく発足します四全総の中で、かなり思い切った発想の転換をしながら国土の均衡ある発展を図っていかなければならぬ、かように私は思うわけでございます。
 このことに関してのお考え方、どうやってこれらを均衡あふれる国土の開発をやっていくのだろうかとか、そういうことについての御所見をまず伺っておきたいと思います。
#76
○国務大臣(山崎平八郎君) お答えいたします。
 今先生の御所見のとおり、全総、新全総、そしてただいまの三全総、それぞれ変化のある経済の背景の中でいろいろと事情が変わっておりますけれども、ただいま、御承知のとおりこの秋に向けて四全総を策定しようと今努力中でございますが、お話しのとおり、高度成長期にそれぞれ集積いたしました利益を求めて、人口とか産業とかが三大都市圏に主として集中した結果、国土の利用という面からはどうしても偏りがちになってきたということはおっしゃるとおりでございます。しかし、長期的には、一人当たりの県民所得の地域間の格差、これは割合に縮少してきておりまして、三大都市圏への人口流入も鎮静化の傾向にただいまあるところでございます。
 そこで、二十一世紀の国土づくりの指針を示す、先ほど触れました四全総におきましては、定住構想の理念を継承しながら、均衡のある国土の発展を図る方策を明らかにし、こうした傾向が定着するように努力する、これが私どもの考え方でございます。
#77
○工藤万砂美君 そういう基本的なお答えしかできないことはよく私も理解はできます。ただ、定住構想ということを中心にしてお答えもございましたからお伺いいたしますけれども、狭隘な日本の国土の有効利用を推進するということは最も重要な課題でありますけれども、現在は人口の約七〇%近くが都市に集中をされていると思いますけれども、国土庁としては、今私の申し上げたデータの中で、一平方キロメートル当たりに基準を置いた場合、各都道府県の人口集積地というものがどの程度の格差が望ましいと考えているのか、お伺いをしたいと思うわけでございます。
 ちなみに、今のような方式で算定をいたしますと、全国の人口の密度というものが、一平方キロメートル当たりで試算をしてまいりますと、大体三百十四人ぐらいでございます。ところが、三百十四人でございますけれども、東京あたりは五千三百九十九名ということで、大変過密な現状でございます。これに反しまして一番少ないのはやっぱり北海道でございまして、北海道は六十七・四四人、こういうことになるわけでございます。ですからこれは、六十七人ということになりますと、計算しますとちょうど徳川時代でございまして、三千万人程度の人口であったというふうに伺っております。その当時の全国平均が大体七十人程度でございますから、人口も産業もすべては徳川の末期あたりではないかといったような感じがしてならないわけでございます。
 そのほかに、過疎という問題がございます。北海道も、御存じのように二百十二市町村ありますけれども、そのうちの百四十六市町村が過疎指定を受けているという、非常に過疎の激しい現状であります。約七〇%ぐらいが過疎指定を受けておるということですね。政治的に申し上げたって、九州は大臣が三人もいらっしゃるわけでございますけれども、我が北海道は一人もいないというようなことで、そんなことで非常に私ども、今後の北海道の開発についても、一体どうなるんだろうというような心配をしておるわけでございますけれども、よければ一人ぐらい分けていただきたいなというような気持ちでいっぱいでございます。
 そこで、今の人口の配置でございますけれども、これは都道府県別に基準を置いた場合、どういう程度が望ましいのだろうといった一応の試算をしてみませんと、四全総を推進していく上においてもいろいろ関係が出てくると思いますので、この辺は一体どういうお考え方をお持ちか、ちょっとお伺いさせていただきます。
#78
○政府委員(星野進保君) ただいま四全総の策定作業中でございまして、最終的な結論はまだ出すに至っていないことは残念でございますが、基本的な考え方といたしましては、先生も御指摘のように、でき得れば、国土のいろんな資源があるわけでございますので、そういう国土資源と人口とがうまくマッチするような形での人口配置というのが一番望ましいわけでありまして、そのことによりまして、第一次全国総合開発計画以来の大命題でございます過密過疎というような問題も、徐々に解決していくはずであるというふうに認識しておるわけであります。
 したがいまして、四全総はまだ姿が出ておりませんが、三全総におきましても、広大な土地や水資源に恵まれております東北、北海道等については、これから定住を広げていく地域であるというようなことを明記しておるわけでございまして、考え方としては、基本的にはそういう方向を四全総も、定住構想の理念を継承していくわけでございますので、それを継いでいくことになるかと考えております。
#79
○工藤万砂美君 そこで、四全総の計画推進にはやっぱり官民一体となった協力を必要とすることは論をまたないわけでありますけれども、総体的に国土庁としては、十五年の四全総の期間の中で、どの程度の全国的な見地からしての投資が必要なんだろうか、あるいはまた、これに関連する民間活力の導入という問題も出てくるわけでございますけれども、政府投資と民間活力の導入という問題とあわせてどの程度の金額になるのか、その辺は押さえていらっしゃいますか。
#80
○政府委員(星野進保君) これも、厳密に積み上げて幾らとか、そういう作業をやったわけではございませんが、私ども、国土審議会の計画部会という部会がございますが、そこで御審議いただくための目の子の材料といたしまして御提示申し上げました数字がございます。それは、一つは従来の概念で言います公共投資でございます。要するに政府公共部門が投資する公共投資でございますが、それにつきまして、例えばの計算でございますが、財政再建中、つまり昭和六十五年まで公共投資を横ばいにいたしまして、その後、恐らく皆様方御容認いただけると思います四%成長というGNPの成長があるといたしました場合に、それとほぼ同じ、中立的と申しますか、同じ伸びをいたしますと、大体四百五十兆円という累積公共投資額になります。
 それからもう一つの試算といたしまして、現在我が国の公共投資は、これはどなたもお認めになるわけでございますが、ヨーロッパあるいはアメリカの水準からいいますと、かなり水準が低うございますので、ヨーロッパあるいはアメリカ並みに追いつく、二十一世紀に至るまでに極力追いつくということを前提にした思想のもとに、成長率四%に対しまして五%という伸び、つまり一%ほど上積みした形で公共投資を伸ばすという仮定計算をいたしますと、大体六百兆円、こういう数字がございます。
 先生御指摘のように、その公共投資の概念でございますが、例えば今度電電公社がNTTになったとか、それから恐らくこれから国会で御審議いただきます国鉄問題、そういう従来の公共投資概念から外れたり、また先生御指摘の、民間活力という形で公共投資的に扱われるべき投資というのもかなりあるはずでございます。現に、既に社会福祉関係、あるいは教育関係でも公立学校と例えば私立学校があるように、機能的に見ますれば、それはどちらが公共でどちらが私的であるかということが分類できない部面もあるわけでございますので、それらのものも総合的に勘案して検討すべきものだと思います。それで、そういうことにつきまして私ども、最終的に四全総で公表できるまでに作業ができるかどうかわかりませんが、内々にはいろいろと勉強させていただいておるところでございます。
#81
○工藤万砂美君 一般的に全国の経済指数というものを見てまいりますと、北海道、四国が特に悪いというふうに我々伺っているわけでございます。四国は四国で一つの島になっていますから、いろいろな面で民間活力の導入もしづらいというふうなこともございましょうし、北海道は御承知のように非常に歴史が浅うございます。したがって社会資本の充実がされていないという面もございますから、民間活力を導入しようとしてもなかなかしづらいという面がございます。したがいまして、本州はいわゆる民間主導型経済ですけれども一北海道はどうしても公共事業主導型経済にならざるを得ないというようなことになります。
 そこで質問でございますけれども、国土の均衡ある発展を図るためには、四全総の計画の中で、甚だしく格差のある地域については、重点的に考慮を行いながら、思い切ったやはり傾斜配分をしていかなきゃならないと思うわけでございます。これは先ほど青木委員からも御指摘をいただいたわけでございまして、積極的に傾斜配分をやっていただいて、二十一世紀までに本当に格差が是正できるように御努力を願いたいと思いますけれども、その御決意についてちょっとお伺いしたいと思います。
#82
○国務大臣(山崎平八郎君) 仰せのとおり、傾斜配分、まことに重要なことでございまして、近年の地域別の行政投資の実績を見てみますと、地方圏のシェアは、一九七〇年代には増加の趨勢にあったわけでございますけれども、ここ数年、特に全般的に公共投資が抑制される中で、シェアが若干低下しております。そこで、国土庁といたしましては、地域間格差を是正し国土の均衡ある発展を図る、こういう観点から、地方におきまするところの必要な公共投資の確保に十分留意していく必要があると考えております。
#83
○工藤万砂美君 そこで、建設省にお伺いするわけでございますけれども、この前大臣も、非常に意欲のあふれた所信をお話しになられました。建設行政の基本的な使命を達成していくためには新しい潮流変化に対応し得る国土、都市、産業基盤の形成を進めていくことが不可欠である、こういうふうに言われたわけでございますけれども、その基本的な政策を中枢として努力することについては、私はもちろん異論はありません。
 ただ、気になりますことは、大臣の御所信の中で、重要な政策的配慮が必要であるというふうに思われる点がございます。と申しますことは、二十一世紀初頭には国民の約七割が都市に居住するというふうに想定をして、都市機能の高度化を図り、あるいは街路、公園、下水道等の都市基盤の整備を進めるというお考え方であるようでございますけれども、私は、必然的に都市に人口が集中するための手段としてのいわゆる後追い行政ではなくて、むしろ大都市から地方に人口も産業も分散をして、過疎過密を解消するために、過疎地域や地方小都市の社会資本というものを充実して、さらに民間活力を導入しやすい条件を政策的に推進して、地方の時代と言われるにふさわしい建設行政というものを行うべきであると思います。
 今もちょっと昼休みでテレビを見ておりましたから、「ひるのプレゼント」か何かで、総体的に今地方では、言うなれば第一子は、第一子、長男坊でございますけれども、は事業を継承するとか地元に落ちつくということでございますけれども、どうも中間子と申しましょうか次男坊、三男坊、四男坊なんかはほとんど都会に流れてくる。そういうようなことをテレビでも今盛んにやっていましたけれども、そういうことを防止するために、やっぱり地方の過疎地帯の開発とか、あるいはまた地方の言うなれば社会基盤の整備を行いながら、次男坊、三男坊もそこで落ちついて仕事ができるような、そういう企業の誘致をしやすいような基盤をつくっていかなければ、本当に大都市だけがパンクしてしまって過疎過密がますます激しくなっていくというような考え方を私は持っているわけでございます。
 こういう考え方に対して、大臣はどういうふうにお考えですか、お伺いしたいと思います。
#84
○国務大臣(江藤隆美君) よく、人口の七〇%、一億以上が大都市圏に住むような時代が来ると言われるわけでありますが、私どもは一方においてはそういうものに対応しなきゃならないということもあります。しかし、私は省内でよく言うんですが、均衡ある国土開発ということを標榜して今日までいろいろ長期計画、国土開発計画を進めてきたときに、二十一世紀になったら人口の七割は大都市圏に住んでおったということになったら、一体何をやってきたんだと、こういうことにこれはなる。したがって、そういうふうにならないようにやっぱり、道路交通網の整備をする、社会基盤の整備をする、あるいはまた農業基盤の整備をする、農林漁業の振興を図る、あるいは産業の地域分散を図る、もろもろのことがあわせて私は必要であろう、そういうふうに考えております。
 それでありませんというと、これはもう私どものようないわゆる後進地域というのは、いつまでたっても浮かばれない。きのうも、私のところは旭化成があるわけでありますが、これがたった一つの地元産業でございまして、旭化成の会長と昨晩ちょっと会いましたら、どうしても百億から二百億を宮崎に投資したい、ところが今の道路状況だととてもじゃないが投資ができない。やっぱりネックはそういう道路交通網にあるということを考えますと、陸海空の交通網の整備をすることによって地域開発の基盤をつくっていくということは、これはとりもなおさず国土の均衡ある発展上不可欠の問題であろう、私はそう思っておるわけでございます。
#85
○工藤万砂美君 ぜひともひとつ地方の方に目を大いに向けていただいて、大臣の今のお言葉のとおりに建設行政が行われることを切に希望するわけでございます。
 そこで、お話の中で、建設産業につきましては大臣みずからが「我が国の基幹産業の一つ」である、こういうふうに言われたわけでございましたけれども、これは業界にとりましても非常に心頼もしく思っていると存じまするし、はたまた先ほどの御論議の中でも、さらに建設国債等を増発する意図を持ちながら今後の公共事業を増大すべしとのお考え方も伺ったわけでございまして、それらの考え方については十分敬意を表しているわけでございますけれども、しかし現在、建設産業を取り巻く諸情勢の中で非常に厳しい問題がありますことは御案内のとおりでございまして、これは、事業量の増大という問題もさることながら、円高による影響というものがやっぱり非常に表面化してきているわけでございます。例えば建設資材一つとりましても、その中で例えばセメントなんかも、外国からどんどん入ってきた方が安いということで業界もかなり輸入をしているみたいでございますから、そのために国内のセメント業者が参ってしまうような心配もそろそろ出てきているというふうに伺うわけでございます。
 したがいまして、そういう建設資材を含めて、円高による建設業に対する影響というものを、あるいはまた建設事業に対する影響というものを、どのようにとらまえて、どのような対策を練っていらっしゃるのか、これについてお伺いしたいと思います。
#86
○国務大臣(江藤隆美君) 円高の問題で私は二つあると思っています。一つは、海外受注が非常に減ってくるであろう。今ようやく一兆円を超すところまで海外の工事がなってきたわけですが、それが円高によって非常に難しくなるのではないか、為替差損等で大変難しいということが一つ私は言えるであろうと思います。もう一つは国内に対する影響でありまして、いい面からいうと、例えば木材が安くなるであろう、あるいはまた鉄等の資材等も安くなるであろう、こういうことも言われますが、木材が余り安くなりますと国内の林業に影響しますし、こういうものが長期化してくると今度はまた民間投資というものが停滞してくるわけですから、今度は不況感から民間投資というものは極端に抑えられる結果になってくる。私は、こういうもろもろのマイナス面の方が、かえって建設業の場合には多いのではないかという感じがいたしております。
 したがいまして、午前中もちょっと申し上げましたが、予算が国会を通りましていよいよ執行の段階になってきますというと、円高による影響等が各般に出てきて、そうして経済情勢というのが昨年の暮れと著しく違ってくるのではないか、そのとき私どもがどう対応していくかということを今から十分準備をしておく必要がある、こういうことで、日ごろからその対応をいろいろと皆で練っておるところでございます。
#87
○工藤万砂美君 事業を推進する上においての原価計算等についても、なるべくそういったようなお考え方を配慮されながら、ひとつこれからの事業の執行に当たっていただきたいと思うわけでございます。
 そこで、先般、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の改正が行われたわけでございますが、事故防止に関する並み並みならぬ決意のほどがうかがえて大変結構なことだと思ったわけでございますけれども、国道や都道府県道、市町村道における道路構造令にそれぞれどのような差異や、あるいはまた特色があるのか、お伺いしたいと思います。
#88
○政府委員(萩原浩君) 道路を新設または改築する際におきます道路の構造に関する一般的技術基準は、道路法第三十条に基づきまして道路構造令で定められております。
 道路構造令では、道路の区分に当たりましては、それぞれの道路の種類、今先生がおっしゃいました国道、都道府県道、市町村道、こういうような道路の種別と、それから計画交通量に基づきまして、道路の区分を設定するということにいたしております。道路の区分は、具体的には種、第一種第二種というような種、それと級、一級二級というような級、種と級の区分を定めることといたしております。そして、その結果、一般的には、一般国道あるいは都道府県道、市町村道というように計画交通量がだんだん少なくなってまいりますと、線形あるいは幅員、縦断勾配、そういうものが当然のことながらシビアといいますか、割合、例えば線形ならばきつい線形、それから勾配ならばきつい勾配、あるいは幅員は少しく狭い幅員をというような傾向になってまいります。
#89
○工藤万砂美君 今構造令についてお触れになったわけでございますけれども、今の道路構造令の基本となっているのはアメリカのカリフォルニアのいわゆる道路構造令を基本としてやられたというふうに私ども前に聞いたことがあるんですけれども、アメリカの道路構造と日本の道路構造とは、これは全く違ってくると思いますね。国土が狭いということと山坂が多いということ等もありますから、まさか完全にカリフォルニアの道路構造令をまねたなんというふうには私は考えたくないわけでございますけれども、そこで国道そのものに関して、言うならば積雪寒冷地とそうでない地域との構造上の違いというようなものはございましょうか。
#90
○政府委員(萩原浩君) 先生御指摘のように、道路構造令の設定に当たりましては、例えば先進諸国のいろいろな構造の基準というものをかなり参考にはいたしておりますけれども、それに我が国の特殊事情を加えまして、いろいろな実態上の統計なり、あるいは実験なりを繰り返して、特別の規定を入れております。したがいまして、私どもといたしましては、諸外国の規定とはかなり違った日本特有の規定になっていると存じますし、また、道路構造令も第一次以来二回か三回改定を加えておりまして、その都度その時代に合うような道路構造令に改善をしているわけでございます。
 さて、具体的に積雪寒冷地域と他の地域で国道の構造上の違いがあるかという御指摘でございますけれども、積雪地域におきましては、道路の路肩でございますとか、あるいは中央帯でございますとか、歩道等の幅員につきまして、除雪のための堆積幅、雪が積もるというその堆積幅を勘案して定めることと、それから積雪寒冷度が甚しい地域におきましては、縦断勾配と、それから道路の片勾配と称しておりますが、曲線部で片勾配をつけます、この片勾配等との合成された勾配でございます合成勾配を八%以下と抑える、余り急な坂をつくらないというような規定を設けております。
 なお、積雪寒冷地域におきます道路の計画及び設計に当たりましては、地形、地質の状況であるとか気象条件を勘案の上これらのうちの基準の適切なものを採用するようにということで、特別の配慮をしているつもりでございます。
#91
○工藤万砂美君 積雪寒冷地、八%というようなお話がたまたま出ましたからそれに関連するわけではございませんけれども、四月に入りますと、積雪寒冷地で非常にいつも問題になりますのは、いわゆるスパイクタイヤによる粉じんの公害でございます。
 これは、公害防止のためにも建設省等はいろんな努力をして研究されていると思いますけれども、なかなか研究の成果が目に見えて出てこないような気がしてならないわけでございます。現在どのような研究と努力をされていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#92
○政府委員(萩原浩君) 先生御指摘のように、積雪寒冷地域におきます雪解け期のスパイクタイヤの粉じん公害の問題は、非常に困った問題と私ども認識いたしております。道路管理者といいますか、道路の上を自動車が走っていただく側といたしますれば、何とかこのスパイクタイヤの着用をやめていただけないものかどうかということを考えておりますけれども、それはそれなりにまた別の、いわゆる事故防止の問題がございまして、なかなか一律にこの着用を禁止するというわけにはいかないと存じます。私どもとしては、できれば一刻も早く新しいタイヤの開発をやっていただけないかということで、いろいろタイヤのメーカーその他とも研究のデータの交流その他をやっておる次第でございます。
 私ども道路管理者としてやれることは、やはりスパイクタイヤでもできるだけ摩耗しないような、そういう舗装がつくれないかということで研究をいたしましたのでございますけれども、実験室内では四割ほど摩耗の少ない舗装というものが可能ということになっておりますけれども、現実にこれを現場で施工いたしますと、いろいろな気象条件あるいは現場の条件がございまして、結果といたしましては一割ぐらいしか摩耗量が減らない舗装になってしまうという、非常に現場と実験室内の違いの問題がございまして、大変苦慮しているところでございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、地方公共団体皆様方とお打ち合わせの上、できるだけスパイクタイヤの装着時期を短くしていただきたい、本当に雪のある時期にしていただきたいということでお願いをしたり、あるいは、もし雪が解け出しましたときにはできるだけ清掃を綿密にやりまして、この粉じんの公害が少しでも少なくなるようにというふうにいろいろな対策を講じておりますが、残念ながら道路管理者側の対策としては抜本的な対策はとり得ないというところに悩みがあるわけでございます。
#93
○工藤万砂美君 御答弁の中でスパイクタイヤをやめたら一番いいんだというような意味のこともありましたけれども、これは現状としては、スパイクタイヤを完全に禁止してしまいますと、積雪寒冷地の産業そのものが大きく変革せざるを得ないというような、いろんな問題が実は絡んでいるわけでございますよね。だから、一概にスパイクタイヤを禁止するということでなしに、今あなたのおっしゃったように、装着の時期というものを、適正な時期に一般タイヤなりスタッドレスと取りかえるというようなことが一番好ましいわけでございます。
 ただ、そこで問題になりますのは、除雪対策の問題で、道路のいわゆる構造上にもいろんな問題もございましょうけれども、どうしても国道の方は早目に除雪をいたしますね。市町村道あるいは道道なんかについては、予算もいろいろ少ないものですから、国道と並行して除雪対策をやっていくというようなことにはなかなかならないといったような、そういううらみもあるわけでございます。だから、国道の方はもうすっかり氷も解け雪も解けてしまっているところに、町の中から今度国道へ来たらスパイクタイヤを外して切りかえるとかなんとかということは、到底これは不可能な問題でございますから、したがって国道もどうしてもスパイクに路面が削られてしまう、こういう形になってしまう。
 それから、同じ町の中でもやはり、例えば地方自治体の中でも札幌のように力のあるところは、主幹道路だけはきれいに除雪してしまう。ところが、一たん郊外へ出てしまうと雪が降り積もっていて氷が解けていないということ等で、これまた道路が摩耗するという粉じん公害については、なかなかこれを防止するのに非常に難しい現状でありますから、それはあなたのおっしゃるように、確かに摩耗しづらい舗装というものについて研究もし、あるいはまたピンそのものも少なくするとかフランジを小さくするとかいうようなことはやりながらいかなきゃならぬと私は思います。
 ただ実際に去年、ことし等を見ましても、北海道は御存じのように毎年交通事故死全国一で何年か来ているわけでございますけれども、この交通事故死防止の対策の中で、粉じん公害対策として路面の摩耗防止対策としてはスパイクタイヤよりもスタッドレスタイヤの方がはるかにいいのだというようなことでそれぞれの自治体も奨励しているわけでございますけれども、スタッドレスタイヤに対する評価をどのようにとらまえていらっしゃるか、その辺をお伺いしたいと思います。
#94
○政府委員(萩原浩君) 先生御指摘のスタッドレスタイヤは、低温になっても硬化しにくい特殊なゴムをトレッドに使用しているものでございまして、走行中にこのゴムが氷上の微小な凹凸に食い込むことによりまして摩擦抵抗が非常に増加いたします。その結果、制動性能や登坂性能がスノータイヤに比して非常に向上する、スパイクタイヤにも劣らないということが言われております。したがいまして、通常の雪の上では、スタッドレスタイヤで十分スパイクタイヤの代用をすることができるというふうに考えられております。したがいまして私どもとしてはぜひこの着用をお願いしたいと思うわけでございます。
 スタッドレスタイヤの欠点は、アイスバーン、いわゆる完全に凍りました、雪が解けてそれがまた夜凍りましたとき、そのようなアイスバーン状においては、どうもスパイクタイヤに比しまして制動性能が約七割から八割ぐらいに落ちてしまうという欠点がございます。したがいまして、従来の例えば六メーター手前で制動をかけるより、八メーター手前で制動をかけていただけばよろしいんですが、ぎりぎりでその制動をかけたときにどうしても距離が違うというところに非常に問題がございまして、これが結局スパイクタイヤの禁止というところまで踏み切れない大きな問題でございます。
 スタッドレスタイヤに対しましては、札幌市でもアンケート調査を実施中というふうにお聞きしております。それで、運転のマナーといいますか、そういう形態がだんだん慎重さを増して、事故もある程度防げるという事態になりましたら、私どもとしてはできるだけ早くこういうタイヤに移っていただきたいな、こういうふうに思っておる次第でございます。
#95
○工藤万砂美君 スタッドレスタイヤに対する評価というものをあなたは大変うまく評価していらっしゃるんですけれども、私は実態と随分がけ離れているなというような感じがしてならないわけであります。
 もちろん、これは運転者の技術上の問題もそれから交通道徳上の問題もあるわけでございますけれども、私ども戦後から車を運転してまいりまして、あのスノータイヤができたときには、すばらしいいいものができたなと思って、これならば事故防止の問題に大いに役に立つなと思っていたわけでございますが、今あなたがおっしゃるように、むしろ確かにスタッドレスタイヤというものはそれを上回り、場合によってはスパイクタイヤよりもいい、こういう御判断をなさっているようでございますけれども、実態は必ずしもそうではございませんで、北海道警察本部などで発表しておりますのは、スパイクタイヤをやめてスタッドレスタイヤにすれば事故が当然三〇%ぐらいふえる、こう言っているんですね。必ずしも奨励していないわけですよ。
 しかし、地方自治体としては、道路の摩耗が激しいものですから、できるだけひとつ、交通渋滞をしようが何しようが、あるいはまた混乱をしようが、要するに人命や事故にはかえられないし、それから特に経済面で道路が摩耗すると金がかかる、こういうようなことから、スタッドレスタイヤを奨励するというようなことで盛んにやっていらっしゃいますけれども、現実の問題としては、昨年の暮れにあるタクシー会社が、五百台ぐらい持っているやつを全部スタッドレスに取りかえたんですよ。取りかえてやってみたところが、一月やってみたら二五%ぐらい収入が減ったというんですね。それはもちろん、慎重な運転になるでしょうからスピードもかなり落ちるということでございましょうが、だから結局、それじゃ会社の経営に重大なる影響を与えるということで、またすぐスパイクタイヤに切りかえたというふうなこともあります。
 それから、道路構造令の問題で先ほどお話しございましたけれども、大体八%ぐらいというふうなことで傾斜度をつけてまいりますと、これは度数になりますと大体四度ぐらいでしょうか。四度の坂を上がれないんです、今のスタッドレスタイヤは。だから、札幌でかなり渋滞をした経緯もございまするし、ましてや小樽のように山坂の多いところでは、とてもじゃないですけれどもスタッドレスタイヤじゃ日常生活ができない、こういうふうになっているわけでございます。
 そこで、いずれにいたしましても、徹底した路面摩耗を防止するような技術が開発をされるか、あるいは、あなたが今おっしゃったように、同じスパイクタイヤでも非常に路面と抵抗の少ないようないろんなタイヤが開発をされるとか、あるいはスタッドレスタイヤそのものがもっと非常に有効なものである、スパイクよりもはるかにいいというような結論が出るまでの間というのは、ここしばらくはやはりスパイクタイヤを使用しなきゃならぬということになりますと、当然、粉じん対策と路面の損傷のために先ほど申し上げましたように地方自治体が大変な出費を強いられるわけでありますけれども、これらの財政補てんについて何かお考えでございましょうか。
#96
○政府委員(萩原浩君) 確かに、おっしゃいますように、スパイクタイヤの禁止というのは現在ではなかなか急には期待できないのではないかと思います。アメリカあたりでは、もうほとんどの州がこのスパイクタイヤあるいはチェーン着用を禁止しているという実情にございますけれども、そこら辺は、先生おっしゃいますように、我が国の道路の状況というものがそちらと違うという状況もございますものですから、一概にスパイクタイヤを禁止するということはなかなかちょっと手間がかかるといいますか、時間がかかると存じます。
 その間におきましてどのような対策をするかということでございますけれども、幹線道路につきましては、できるだけ融雪時には粉じんを清掃して、粉じんが舞い上がる期間を少なくするということが第一義的にあろうと存じます。それから第二義的には、スパイクタイヤによる舗装の補修の問題、これが確かに大きな問題になります。現在のところ、田県道につきましては、季節によりまして非常に大きな損害を与えた、たしか二年ほど前にそういう事例があったと存じますが、そういう事例につきましては国庫補助の対象といたした事例もございます。ただ、通常の年はなかなかこの制度をいつも適用するというわけにはまいりませんので、当然のことながら地方自治体の負担になっていくということでございます。
 それから、市町村道になってまいりますと、またこれも全面的に市町村の負担になりますので、そこら辺の負担の軽減という問題はなかなか難しい問題もございます。ただ、非常に大きな災害的なものがあったときには国庫補助の対象として、今後とも、特別な地方負担にならないようにというふうに考えてまいりたいと思っておる次第でございます。
#97
○工藤万砂美君 特別な大きな災害でもあればということでございますけれども、しからばこういうときはどうなんでしょうね。
 過般の東京における大雪の際も、甚だしく交通混乱が起きたわけであります。日本海地域とか、東北、北海道の地域の自治体の除雪費というものは膨大なものになっておるわけであります。予定の恐らく倍ぐらいかかっていると思うのでございますけれども、地方自治体に対して影響を来したということが、これはある意味では一つの天災だなといったような感じがしないわけでもございませんが、その除雪対策に対する除雪費のいわゆる軽減等について、何か財政的に今あなたがおっしゃったような方式から言えば補助できると思うんですけれども、いかがですか。
#98
○政府委員(萩原浩君) 除雪費の問題でございますけれども、今年度は通常の年よりもかなり多い雪でございます。このような豪雪のときには特別な措置をいたしております。
 実は、国県道の除雪費につきまして今年度、当初予算事業費百三十二億円を予定いたしておりましたけれども、それを上回る経費が必要になりましたので、予算の流用とかその他の措置をとりまして、事業費で四十二億円を追加配分いたしました。国県道につきましては、このような対策を講じております。
 一方、市町村道の除雪費でございますけれども、通常は普通交付税で措置をしていただいておりますけれども、豪雪があった場合には特別交付税で対応するという通常のルールがございます。ただし、この特別交付税でも対応できないような異常な豪雪、それは過去四回ございまして、五十一年、五十五年、五十八年、五十九年、おのおの年度でございますが、その年度に、特に積雪量の多い市町村に対しまして、幹線市町村道の除雪費のうち平年除雪費を超える額の二分の一を一般会計の予備費によって措置する特別の措置を実施いたしておりまして、昭和六十年度も同様に、四百九十二市町村に対しまして、事業費六十四億円、国費で三十二億円でございますが、これを補助いたしております。このように、かなり大きな豪雪の場合には、幹線市町村道に対しても特別の措置をしたいというふうに考えている次第でございます。
#99
○工藤万砂美君 それは大変ありがたいわけでございます。
 そこで、関連いたしますけれども、特別豪雪地帯の指定という問題がございます。これの指定を受ける場合の基準と、それから指定を受けた場合どのようなメリットがあるのか、この辺ちょっとお話を伺いたいと思うんですが。
#100
○政府委員(田中暁君) 豪雪地帯それから特別豪雪地帯の指定基準でございますが、豪雪地帯の指定につきましては、豪雪法の規定に基づきまして、国土審の意見を聞いて、それから政令で定める基準によってなされるということになっておりますが、この基準につきましては、昭和三十七年の積雪の終期までの過去三十年以上の期間の積雪記録をとりまして、この間の累年平均積雪積算値五千センチメートル日以上を基本にしているわけでございます。
 これは先生よく御承知のことと思いますが、累年平均積雪積算値と申しますのは、積雪の深さとそれから積雪の期間、つまり根雪の状態でございますが、この両者を一つの数字に表現したものでございまして、ある観測地点につきまして、毎年の平均の三十年間の積雪の値、これを積雪が始まります秋の終わりから積雪が終わります翌年の春の初めまで、日を追って順次加え合わせていった数字でございます。
 特別豪雪地帯の指定につきましては、これも豪雪法の規定によりまして、国土審の議決を経て、内閣総理大臣が定める基準によって指定されるということになっておるわけでございますが、この指定基準につきましては、特豪制度が創設されました昭和四十六年に定められまして、その後四十八年、五十四年と二遍にわたる改定を経ております。現在の指定基準につきましては、昭和五十二年までの各二十年間におきます、さっき申し上げました累年平均積雪積算値をもとにいたしました積雪の度合い、これが原則として一万五千センチメートル日以上ということと、もう一つの要件は、積雪によります自動車交通の途絶の状況といった住民の生活の支障の要件、この二つから成り立っておるわけでございます。
 これによる指定のメリットということでございますが、豪雪地帯の指定を受けますと、これらの地域につきまして、豪雪法の規定によって定められております豪雪地帯対策基本計画の対象になりまして、交通の確保でございますとか、農林業の振興とか、そういったさまざまにわたります豪雪地帯対策が推進される、こういうことになるわけでございます。
 ただ、もっと直接的な、例えば補助率のかさ上げといったような措置につきましては、単なる豪雪地帯については、予算措置によります農業基盤整備に若干そういった例がある程度でございます。これに対しまして、特別豪雪地帯の指定を受けますと、これは特豪法自身にございます基幹的市町村道の県代行の制度、それから義務教育施設の補助のかさ上げ等の特例、そういった措置が規定してございますし、また予算措置によりまして、農業基盤整備事業についてのかさ上げとか、あるいは条件緩和、あるいは医療用の雪上車の整備の補助、こういった各般にわたります特例が講ぜられる、こういうことに相なっております。
#101
○工藤万砂美君 今お伺いしましたけれども、審議会の豪雪地帯対策特別委員会で決定するというふうに指定を伺っているわけでございますけれども、どうも最近の気象状況から見まして、非常に豪雪地帯の地域が変わってきているんですね。どちらかというと私どもの方では東の方に偏ってきているというようなことで、今まで豪雪地帯の指定を受けているところは大したことはなくて、全く指定を受けていないところがひどい目に遭っているというようなこと等もこの四、五年の間に見受けられるわけであります。
 それから、例えばAとBとCという三町村が並んでいますと、AとCだけが指定を受けていてBが指定を受けていないというところがあるわけですね。ところが、Bも、AやCと同じように被害を受けているというようなこと等もあるわけですよ。そういうことから考えてまいりまして、このバランスにちょっと欠ける面があるんじゃないかしらということを考えますときに、やっぱり審議会でひとつ指定の見直し等についてもお考えがあるべき時期に来ているんだなというふうに感ずるわけでございますけれども、この指定の見直しなんということは考えられますか。
#102
○政府委員(田中暁君) 指定の見直しという議論は、これまでもいろいろあったわけでございます。考えますと、指定の見直しの要件というのは恐らく二つあるので、一つは事実関係を再審査するといいますか、再調査するといったぐいのもの。先生御指摘になりました雪の降り方というようなのはそういった範疇に属するのだと思います。もう一つは、基準自身を見直したらどうだということでございます。
 雪の降りぐあいの問題につきましては、雪が降るという実態の変化でございますが、基準につきましても、何年から何年まで、現在の基準は五十二年までの二十年間という期間を特定いたしておりますから、その基準自身を見直すということになろうかと思いますけれども、ただ、何しろとっております期間というものが二十年間という長い期間でございまして、先生おっしゃいました北海道における雪の降りぐあいの変化ということのほかに、これに関連いたしますと、最近三年間は連続した豪雪でございまして、全体の雪の量がふえているのではないかという問題もございます。ただ、我々といたしましては、その二十年間という長いタームの期間に、ここ数年の変化というのがどれぐらい影響を及ぼすであろうか、平均値でございますので、という点で少しまだ早いのではないか。もう少し状況を見守りたい、こういうように思っておる次第でございます。
#103
○工藤万砂美君 今の、地帯の指定については、ひとつ実態に合ったような、現状を踏まえて御検討をしていただきたいなと、かようにだけ申し上げておきます。
 そこで、開発庁にお伺いをするわけでございます。
 北海道は御存じのように全国土の五分の一を占めた面積でありまするし、今後の我が国の長期的安定的な発展に積極的な役割を果たしていかなきゃならないというふうに長官も仰せられておるわけでございますが、その長官の決意についても北海道五百六十万道民は心から喜んでおるわけでございます。特に、六十年度の補正予算や六十一年度の政府予算案につきましても、開発庁側の御努力の成果が見受けられて、我々は心から敬意を表しているわけでございます。
 にもかかわらず、昨年、一昨年と北海道は全国でも最低の、最悪の景気でございまして、一昨年なんかは倒産件数二千二十九件ということで、これは北海道開聞以来の件数でありまするし、恐らくは全国一だと、そういうふうに我々は思っておりまするし、さらにまた昨年は千八百四十一件でこれまた史上第二位、そういう倒産件数があります。中でも非常に甚だしいのは、中小建設業者がそのうちの大体三六%ぐらいを占めておりまするし、それからそれに関連する資材屋さんとかいろんな関係の商店、これらがやっぱり二〇%ぐらいございまして、合計いたしますと五六、七%が建設関連の倒産ということになっておるわけでございます。これほどいろいろと傾斜配分をしていただいたり、開発庁長官初め皆様方の御努力をいただいて、北海道の予算をいただきながら北海道の景気浮揚に努力をしていただいておるわけでございますけれども、このように景気がさっぱり上向かないし倒産件数も多いという原因は、もちろんこれは多岐にわたっているわけでありますけれども、問題はやっぱりこれらの予算の何といいますか、消化について私は問題があるのではないかしらというふうに考えているわけでございます。
 すなわち、国の予算の執行面で、地元がいわゆる隅々までその恩恵に浴するような配慮に乏しいのではないかな、こういったような気がしてならないわけであります。
 そこで、これは開発庁側でも言いづらいことかもしれませんけれども、一体、地元北海道の業界とそれから本州から行っていらっしゃる業者との受注率について、大体六十年度あたりの件数、金額について、もしもおわかりでしたらお伺いしたいと思いますが。
#104
○政府委員(西原巧君) ただいま御質問のございました、北海道開発庁の直轄工事で開発局が発注いたしております工事の北海道内業者と道外業者との受注の割合でございますが、本年一月現在の集計でございますが、六十年度につきまして総額二千七百八十二億八千万円のうち、北海道内の業者につきましては千九百四十七億九千四百万円の発注をいたしておりまして、これは率にいたしまして七〇%でございます。道外業者に対しましては残余の八百三十四億八千六百万円の発注で、これは三〇%になっております。
#105
○工藤万砂美君 私は決して地域エゴにこだわるわけではございませんし、もちろん本州業者、全国の代表的な業者が北海道の開発に力をかしてくださるということは大変ありがたいことだし、決して拒むものではありませんが、ただ、今までの執行の面で見てまいりますと、たくさんいろんな例がございます。
 例えば、そのうちの一つの例を挙げてみますると、多目的ダムでピリカダムなんていうのをやっていらっしゃいますね。これは総予算が三百億円以上ですか、地元の方々も、北海道の政治家の方々も、何としても北海道の農業のためにも、あるいは工業のためにも、これは飲料水も含めて多目的ダムをどうしてもここへ持ってきたいということで、盛んに努力をして予算化していただくわけでございます。地元は地元で、やあ、三百億円以上の仕事が来るんだから地元が大いに潤うだろうと言うし、そしてまた地元の北海道の建設業界の方々も、これは我々が何としてもこれでもってひとつ仕事をさせていただきたいなというふうに、大変な期待をするわけですよ。
 ところが、これは決して一つの例だけではございません、たくさんございますけれども、その受注した業者の方々は、その下請にはもちろん地元からは一切使わない、自分で全国をまたにかけて歩いている下請の業者をいきなり持ってきて、ぽんとそこへ言うなれば飯場を建ててそこに収容する。それから生活必需品なんかは、札幌からわざわざ山を越えて現場まで持ってきて、そこまで運んで給与するわけですよ。したがって、地元の、ダムならダムをやる周辺の業者は何の恩恵もない、建設業者はもちろんその仕事にありつけない、その地元の町からは米一升、紙一枚買わない、こういうんですよ。
 そういうようなことで、非常に期待を裏切るような工事の進捗、そしてまた発注の仕方がなされているのではないかしら。だから、私が冒頭申し上げたように、北海道の景気がこれだけ力を入れていただいているのになおかつよくならないということは、隅々までその開発予算のいわゆるメリット、恩恵というものが受け入れられていないということなんですね。たまたまそれが、どうしても仕事をやらせてくれということになりますと、孫請、ひ孫請のように、四〇%も五〇%も経費をとられて、非常に安い金額でもって仕事をさせられてしまう。大手の業者の下請、孫請をやるとかまどを返さなければならぬというような、そんな評判まで立つぐらい非常に厳しいわけでありますよね。
 だから私は、本州の業界の方々においで願って仕事をやっていただく分については一向反対もいたしませんけれども、発注者側と受注者側で、これはあくまでも指導になるわけでございまして義務づけるわけにまいりませんけれども、発注する場合には地元の方々に、業界の方に必ず関連を持たせるとか、生活必需物資はその事業を行う地域でもって必ず調達してあげなさいよぐらいの親切な、言うなれば指導を私はしてあげるべきだなというふうに思うわけでございます。これはあそこのピリカダムばかりではなくて、北海道全体のそういう問題でございますので、この辺についてもしも御所見を例えれば、あなたで結構ですから、どういう指導をしていきたいということをひとつお聞かせいただけませんか。
#106
○政府委員(西原巧君) 先生おっしゃいましたように、建設関係の産業は北海道でも大変に重要な産業でございますし、また公共事業の推進に当たりまして主体的な役割を果たしているわけでございます。私どもといたしましても、このような認識に立ちまして、また地場産業の振興という立場から、今までも努力してきたわけでございますけれども、今後も可能な範囲におきまして御趣旨の方向で努力していきたいと考えている次第でございます。
 資材、セメントであるとか鉄鋼であるとか、そういったものにつきましては、先生からもお話がございましたように、地元のものをできるだけ使うようにいろいろ指導しているわけでございますけれども、その他の日用の物につきましてまでは私ども目が行き届いておりませんけれども、できればそういう方向でいろいろ指導と申しますか、お話をしてまいりたいと考える次第でございます。
 また、本州の業者がそういう仕事をするという理由の一つに、やはり大変な経営努力をしているということと、それから技術の集積がやはり一歩まさっているというような事実がないわけでもございませんので、北海道の地場の建設業につきましてもこういった点でますます勉強するように指導してまいりたいと考えている次第でございます。
#107
○工藤万砂美君 あなた、何をおっしゃるんですか。北海道、地元の業者が本州の大手業者より技術的にも遜色があるとか、そんなことは大変問題だと思うんですよ。今、建設業と名のつく北海道の大手だったら、決して、本州の大手と何ら変わらない技術を持っていますよ。そうしてまた、土地カンもありますから、かなりやっぱりそういう面での地元の協力もありますから、必ずしも私は劣るものではないというふうに、これははっきり申し上げておきたいですね。
 それと同時に、私は北海道議会におりましたときにも、できるだけ分割分離できるものはやって、小さく、小刻みにというのは言葉は悪いのですけれども、そういうふうにしてあげて、地元の方々が受注しやすいようにと。そういう取り計らいをしていただきませんと、せっかく国がこれだけ力を入れて北海道の発展のために努力いただいておるのに、北海道の住民そのものが、そこで働く方々が働く場所がないなんということで、逆に北海道から本州の方へ出稼ぎに来るなんというふうなそんなばかな話はないですから、その辺は十分御留意をいただいて、よりよい予算の執行についての御配慮を賜りたいと思うわけでございます。
 そこで、北海道の開発と重要な関連を持っておりますのは北海道東北開発公庫でございますけれども、長官も、この機能を充実しながらその活用に努める、こういうふうにはっきり明言をされておられるわけでありますけれども、北東公庫の利用件数あるいは金額というものと現在の実態というのは一体どうなっているのか、これについてちょっとお伺いしたいと思います。
#108
○政府委員(西原巧君) 先生御案内のように、北東公庫は、昭和三十一年に北海道開発公庫として創設されました。翌年、東北地域と新潟県を含む地域をサービスエリアに加えまして、北海道東北開発公庫に改組されまして現在に至っている次第でございます。それ以来、北海道と東北地域の地域開発の促進のために、また産業基盤の整備、企業の立地誘導の促進、あるいは地域産業の育成、都市機能の整備など、幅広い分野におきまして地域開発金融を行ってきております。
 昭和三十一年度から昭和五十九年度までの出資及び融資の累計額を見ますと、件数では約八千件、金額で約二兆一千億円に達しております。また、最近の出資及び融資状況について申し上げますと、五十九年度の融資実績は三百三十四件、千四百億円でございます。また、六十年度の見込みでございますが、これは三百八十四件、千三百五十億円となっておりまして、いずれも予算満額を執行する予定でございます。
#109
○工藤万砂美君 そこで、北海道の開発行政についてなくてはならない公庫でございますけれども、今、お伺いしますと、行革審において論議をされているというふうに言われております。北東公庫を開銀に統合するとか、あるいはまた特殊法人としての銀行化ということが論議をされているというふうに伺っておりますけれども、その辺の論議は一体どうなっているのかお伺いしたいと思います。
#110
○政府委員(西原巧君) 北海道東北開発公庫は、北海道及び東北地方の総合開発体制の一環といたしまして、私ども北海道開発庁及び国土庁が表裏一体になりまして、地域開発の推進に鋭意努力しているところでございます。
 それで、北東地域の国土政策上の位置づけあるいは経済の現状、とりわけ石炭産業であるとか国鉄の問題、二百海里問題、さらに季節労働者問題等を抱えた北海道経済の現状から見ますと、地域開発専門のこの公庫の役割、機能は今後一層重要度を増すものと考えている次第でございます。行革審の内部におきましてどのような審議がなされているかはつまびらかでございませんけれども、私どもがヒアリングを受けた段階等でのことから類推いたしますと、先生おっしゃいましたように、開銀との統合あるいは特殊法人としての銀行化が議論されているようでございます。
 それで、開銀との統合化につきましては、私ども、開発銀行の役割というものが産業金融であるということからして、これに地域開発金融という異種のものが合併されましてもなかなか実績は上がらないのではなかろうか。また、地元の各界、これは政、財界あらゆる階層からこの北東公庫をそのまま残しておいてもらいたいという要望が大変に強うございますので、そういうことを勘案いたしますと、開発銀行と合併するというのは大変に問題が多いように考えている次第でございます。
 また、特殊法人としての銀行化ということにつきましては、先ほども申し上げましたように、この公庫は北海道開発庁及び国土庁裏腹で政策目的を遂行するという立場のものでございますので、銀行になりましてやはり一番に問題になるのは、収支相償原則というのが銀行にはございます。これが義務として課されるようになってまいりますならば、今までのように政策目的を優先させて、どちらかというと、収支相償は二の次ではございませんけれども、政策の方が優先するという立場の運営がしにくくなる。その結果、長期のプロジェクトへの参画は大変採算性が悪いというようなことから、やりにくくなる可能性もありますし、また収益に直接結びつかない、地域に対する情報サービスのような、これは地域では大変に喜んでいるわけでございますけれども、そういったサービスの提供などにおいて力が十分でなくなってくるおそれがある、こういうふうに考えておりまして、いずれの案にせよ、北海道及び東北地方の開発につきましては問題が多いというふうに認識している次第でございます。
#111
○工藤万砂美君 政府の諮問機関である行革審に私はチャランケをつける気持ちは全くありません。チャランケというのはアイヌ語で、北海道で道民はみんな言っている言葉ですから、あえてチャランケをつけるというようなことを言うんですけれども、これは文句をつけるとか、言いがかりをつけるということなんでしょうけれども。
 私は、例えばこの間計算してみましたら、北東公庫が開銀に吸収されるということになりますと、例えば人件費の問題でも一人当たり北東公庫ですと年間三百三十二万円、開銀の方は三百六十四万円ですよ。そうすると、差額から計算していきますと、大体完全に一億以上は高くなっちゃうんですね。
 それからまた、今の銀行化の問題にいたしましても、政策融資で始まったこの北東公庫を、それをやめて一般の銀行にした方がいいなんということがどこからその発想が出てくるんだろう。これは完全に三年ももたないうちにつぶれてしまいますよ、そんなことをしたら、その銀行は。今、これほど金利も安くなったりのときに、銀行、金融業界の熾烈な闘いの中に飛び込んでいって、果たしてやっていけるかどうかというようなことですよね。それでも一番不幸を見るのは、東北、北海道の地域開発に大変なブレーキがかかってしまうということでございますから、これは何としても私どもは阻止をしなければならぬ。
 審議会なんかも、二百十四ぐらいあるんだそうです。審議会で出た結論というのは、ややもすれば閣議なんかでもそれを大事にされまして、じゃこれでいきますからと決定してしまうという経緯が非常に多いんですけれども、例えば審議会で結論が出ても、やっぱり国の最高決議機関である国会がこれを排除した場合、国会の権威にかけても我々はそれを守るべきだと思うんですよ。審議会ですべての政治が行われるんだったら、政治家なんて、国会議員なんて要らないわけでございますね。全部審議会でやってくれればいいわけですから。
 そんなことを考えると、審議会の物の考え方というものがどうも私は腑に落ちないような気がするんですが、これについて突然で恐縮なんですけれども、古賀長官、閣議でもひとつ踏ん張っていたたいて、ぜひこのまま残していただいて、大臣がさっきおっしゃったように、規模をむしろ拡大するというようなことで頑張っていただいて、閣議でひとつ御発言をいただいて、その措置をしてもらう、こういうふうにお願いできないものですか、ちょっとお答えいただけませんか。
#112
○国務大臣(古賀雷四郎君) できるだけ工藤委員の御趣旨に沿って努力してみたいと思います。
#113
○工藤万砂美君 時間が大分詰まってきたので、最後になりますけれども、御承知のように北海道は現在漁業問題やら農業問題、それから酪農、乳価の問題、あるいはまた石炭産業の問題、いずれにいたしましても北海道の基幹産業が低迷を続けておりまするし、さらにまた国鉄のローカル線の廃止の問題ということで、大変てんやわんややっておるわけでありまして、古賀長官が冒頭申されたように、将来に希望を持って道民として仕事にいそしむなんということは到底考えられないぐらいいろいろ困難な情勢にあります。
 この際ひとつ、長官の北海道開発と取り組む姿勢と決意というものについて最後にお伺いして、質問を終わります。
#114
○国務大臣(古賀雷四郎君) 北海道開発庁がつくられたゆえんのものは、北海道が五分の一に当たる土地を有し、しかも資源が多い。この資源をひとつ開発して、国の食糧政策、いろいろな面で役割を果たしたいということで設けられたわけでございます。
 そういう意味で、北海道開発行政とあわせて北東開発公庫をその行政にマッチするようにやっていくというのが、北東開発公庫の役割でございます。したがいまして、今日までおくれていた公共投資を中心としてただいままでやられましたけれども、先ほどおっしゃったように、漁業問題が二百海里問題で非常に難航し日米、日ソの交渉がまだ妥結に至っていない。米国は何とかいったんですが減量されたということでございますし、石炭産業も非常に低迷しておりまして、特に石炭は価格問題で本当に皆さん御心配だろうと思うんです。豪州炭の約二分の一ということで、これを多量に生産されている北海道としては非常に困難な情勢にあるということは言わざるを得ないと思います。
 また、農業も、減反政策等の実施によってその広大な土地が活用できないといったような現況でありまして、農民の方の大変な御苦労も私はさぞかしと思うわけでございます。
 一方、いろいろ調べてみますと、失業率も四%というような高い失業率でございますし、しかも季節労働者の問題やら、あるいは国鉄再建のための余剰人員ですか、それも一万三千名になるというようなことで、なかなか大変な問題を含んでおる。また、石炭政策の行方によっては、石炭城下町の大変な問題を引き起こす可能性もある。私らは、石炭政策の行方について、当面の問題として大変心配をいたしておりまして、十分にひとつ推移を見守りながら適切な処理を行ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
 いずれにしましても、北海道開発の役割というのは先ほど申し上げたとおりでございまして、持てる資源を有効活用して日本のいろんな面での役割を果たしていくという段階でございます。この中で、当面、円高その他の問題で大変不況でございますので、政府全体として六十年度補正予算で一千七十五億の追加を行い、さらに六十一年度の政府の予算案は、一兆六百七十九億という非常に大きい開発予算を織り込んで、北海道の景気浮揚に役立てておるわけでございます。しかしながら、公共投資だけではどうしてもなかなか活性化ができないという点は、残念ながら認めざるを得ないという現況でございます。
 しかし、希望がないと言われると私らは非常に残念でございまして、希望を持つような政策をどう織り込むかということが大事であろうということでございます。中長期的視点に立てば、北海道の持てる能力というのはかなり高い評価ができると私は存じます。したがいまして、これらの能力をどう生かしていくかというのが、これからの北海道の大きな役割であろうというふうに考えております。私もいろいろ勉強させていただきまして、むしろそういったことについては工藤先生は非常に詳しいし勉強もされているから、教えを請いたいというのが率直な私の意見でございます。
 しかし、長官に答えろということですから、私が二、三点感じたことをお話しを申し上げたいと思います。
 北海道は積雪寒冷の地でございます。この積雪寒冷の地を、いかにしてユートピアに近づけるかという努力も必要であろうというふうに考えます。そして、生活環境をよくするという問題が非常に大事である。それには耐雪の問題もありましょうし、克雪の問題もある、あるいは利雪をする問題もあろうと思います。いろんな面でそれらの問題を解決していって、頑張っていかなきゃいかぬなというふうに感じております。そうして、それらの面からいろんな施策を見直して、今後やっていかなきゃいかぬというふうに考えております。
 それから、北海道は御承知のように広い地域でございます。また、人事あるいは文化、その他の物流すべてについて、やっぱり広域な地域を有効に活用するような方策が必要である。そのためには、私は、どうしても交通体系の整備というのがもう欠かせない重要な課題である。――時間が少しあるでしょうか、いいですか。
#115
○委員長(小山一平君) 要領よくお答えください。
#116
○国務大臣(古賀雷四郎君) はい。そういったことをやっていって、新幹線とかの札幌乗り入れとか、高速道路あるいは高規格道路、国道あるいは地域道路、多岐の問題にわたってこれらの整備が必要であろうというふうに考えます。また、距離が遠いですから、航空交通も十分配慮していかなければならないというふうに考えます。そのためには、幹線航空路の整備あるいは地域航空路の整備、いろんな問題もあわせて今後考えていく必要があるというふうに考えております。
 産業面では、石炭産業につきましては、先ほど申し上げたとおりでございまして、私も重大な関心を持っております。特に私は石炭産業の一番生産量の多い遠賀川流域で三年ほど暮らさせていただきまして、石炭の傾斜生産をやって幾多の公害を生じまして、今非常に残念な地域になりましたけれど、ようやく政府の力入れによって何とか格好がついているという状況でございますので、そういう状態を北海道で二度と出現させないようにやってもらいたいものだというふうに私は石炭政策の中で望みたいと思っております。
 農業の面も私はいろいろ考えておりますけれども、要するに、北海道は生産量も多いと思います。しかし、加工産業に欠けているのではないか。いわゆる農業生産物の加工産業をさらによくして、例えば一村一品運動とか、いろんな問題の展開が今後積極的に必要になるのじゃないか。それから、特に米麦につきましても、土地が泥炭地の上にあるということで、泥炭の問題をどう処理して生産性の確立を図っていくのかという問題も、これは真剣な討議のうちに入るのではないかというふうに考えております。
 その他、漁業の育成の問題ですが、二百海里時代でそういう厳しい情勢に入っているということになれば、魚礁とかいろんなものをやって、栽培漁業も転換の一つに考えて、これから施策を行ってもらう必要があるのではないかというふうに考えております。
 二次産業の問題でございますが、電力料金が非常に阻害要因になっているということでございまして、通産省が電気料金の改正を行おうとしておりますので、その中でも我が方は、今日までの北海道炭を使っている北海道電力の割高な料金、これをいち早く解消していただきたいなということでただいまやっております。どうか御協力をお願いしたいと思います。
 それと、新技術が発展している現在でございますので、従来は重厚長大な産業が立地することを期待されていたわけですけれど残念ながらできない、新技術産業等の立地をひとつぜひやっていきたい。苫小牧港あるいは石狩港等ができてまいりましたので、その活用を図るとともに、観光産業は、非常に観光地が多いので、――どうぞ委員の皆さん方にも北海道に一回ぜひおいでいただきたいと思うんですが、観光産業を育成していかなきゃならぬ。それから、最近は非常に冬のスポーツが盛んである。ホテルとかいろんな業者が非常に進出してきている。そういう冬のスポーツ、あるいは夏のゴルフ等のスポーツも非常に爽快なところでございますので、ぜひそういった点で観光産業を育成していきたいなというふうに考えております。
 いろいろ申し上げればたくさんありますが、そのくらいにさせていただきまして、あと工藤先生に教えていただきまして、今後北海道開発、進展のために全力を注いでまいりたいという決意であることだけ表明して、私の答弁を終わらせていただきます。
#117
○工藤万砂美君 どうもありがとうございました。
#118
○山田勇君 質疑者の順位が変わっておりますが、委員長、各委員の御理解をいただき、質疑をさせていただきます。
 まず、最初に建設省の方にお尋ねいたします。
 内需拡大のためには建設産業の占める位置は大きなものがありますが、建設産業を伸ばすためにはあらゆる手段を考えなければなりません。規制緩和もその一つでありますが、東京や大阪など大都市中心部の市街地再開発事業のネックになっている建物の高さ、容積率の緩和については、どうお考えになっておられますか。都市計画地域では高さ十メートルまで、低層住宅しか建てられない、第一種住居専用地域から最も規制の緩い工業地域まで八段階に用途を指定しておりますが、これらについての緩和をどうお考えになっているか。また、容積率の上限の引き上げについてはどうなっておるか、まずお尋ねをいたします。
#119
○政府委員(渡辺尚君) 幾つかにわたっておりますので、私の関係のところをまず申し上げます。
 まず第一に、第一種住居専用地域におきます高さ制限の問題でございますけれども、現在、仰せのとおり原則十メートルの高さ制限がございます。これは元来、そういう二階なり三階建ちますが、そういう住宅地というものを想定した用途地域であるということでございまして、もしそれが実態的にも、また必要性からも非常に高いものを建てるという地域である場合には、これは例えば第二種住居専用地域でありますとか、住居地域でありますとか、他の用途地域へ用途指定を変更していくというのが私は妥当なやり方ではないかというふうに考えておるわけでございます。
 それから、容積率の上限の問題がございましたので、これは私どもの方の関係でございますのでお答え申し上げますが、まず容積率につきましては、もう御案内かもしれませんが、おさらいさせていただきますと、建築基準法でそれぞれメニューが決まっております。例えば一つ申し上げますと、商業地域では四〇〇%から一〇〇〇%というメニューと申しますか、そういう幅を基準法で書いてございます。これを具体の公共施設の整備状況でありますとか、いろいろな観点を総合的に勘案して都市計画でもって具体的に何%と決める、そういうやり方になっております。現在、東京二十三区で実際に指定されております容積率、容積率があるわけでございますが、それに対して、実際に使われている容積率というのは三八%というような実態もございます。そういうことで、現時点におきましては私は建築基準法の上限を引き上げるということはいかがなものか、必要ないのではないかというふうに考えております。
#120
○山田勇君 引き上げる必要がないということは、これは一つの規制をされている法律ですから。でも、今局長のお話を伺いますと、ケース・バイ・ケースで認めていく方向といいますか、また、地方に対してもそういう行政指導をなさるということでよろしゅうございますか。
#121
○政府委員(渡辺尚君) 先ほど申しましたように、実際の市街地の状況というのが下水なり公園なり道路なり非常に日本の場合には貧弱であるということもございまして、それとの関係でやはり容積率というのは決まってくるということがございます。今、山田委員お示しのように、いわゆる土地の高度利用、あるいは市街地の環境を整備しながらの有効利用ということは非常に重要でございます。
 そこで我々は、一般的な意味での緩和ということについては現状からいって非常に難しいと思いますが、優良な特定のプロジェクトにつきましては、現在既に都市計画では特定街区でありますとか、それから住宅局がやっておりますのは総合設計制度あるいは市街地住宅総合設計制度、こういったような、要するにいいものについて特別に容積率を割り増すという制度がございます。そういった特例制度の活用によって、おっしゃっているような土地の高度利用、あるいは同時に市街地の整備を図りながら高度利用をするという方向を、積極的に進めていったらどうかというふうに考えております。
#122
○山田勇君 例えば、基準に一切触れないで基準どおり内の中での建築を許可する。例えば赤プリホテルができたとき、向かいにニューオータニという大きなキャパシティーを持っている建物がある。赤プリは後から建築申請を出した。しかし、道路幅からも環境からいってもすべて基準に違反性はない。だから建築許可を与える。そして、ホテルが建設されて開業する。そうするとたちまち、その容積が二つ大きいものがあるものですから、弁慶橋一本というあの橋を拡幅していかなければならない。そういうふうに行政が後手後手に回っていくということ。しかし、それは許可をおろさないわけにはいかない。といって、ホテル業者に拡幅を確約させて建てさすわけにもいかない。建設省としてもそういうような非常に苦しいところがあろうかと思いますが、できる限りそういう形で、上限の、ケース・バイ・ケースでひとつ緩和の方向へ向かっていっていただきたいと思います。
 そして、次に国土庁でございますが、土地の有効利用を推進するためにも規制緩和は必要でありますが、土地や都市開発に関する許認可などについて見直す考えはございませんか。
#123
○政府委員(清水達雄君) まず私の方から、開発許可に関する手続の問題を申し上げたいと思います。
 開発許可を得るのに非常に時間がかかるというふうな御指摘があるわけでございまして、できるだけこれを迅速化するということが非常に大事だと思っております。したがいまして、昭和五十七年には都道府県知事に対しまして、関連部局との、いろんな関連部局がありますので、円滑な調整を行う体制を各都道府県でつくってほしいというふうなこととか、それから標準的事務処理機関の設定、それから市町村経由というのがありますので、そういう経由申達事務の迅速化というふうな指導をいたしておりますし、また昨年の暮れには、開発審査会の開催をもっと弾力的にやって、審査会待ちというふうな期間を短くする。それから、開発許可権限につきましては知事でございますけれども、人口十万人以上の市については市長に委任することができることになっておりまして、これをできるだけ進める。それから、農地法とか農振法とか、そういった他法令の許認可との並行的な処理というふうなことで迅速化を図るよう指導いたしております。
 今後とも、こういった趣旨の徹底を図るとともに、なお、提出書類の簡素化でありますとか、事務処理マニュアルの策定というふうなことで、一層迅速化を図ってまいりたいというように考えているところでございます。
#124
○山田勇君 これらの規制緩和によって地価が上昇することも考えられますが、この点について慎重に対策を検討する必要があると思いますが、その点いかがでしょうか。
#125
○政府委員(末吉興一君) 現在、きのうの新聞でごらんいただいたと思いますが、ことし、六十一年度の四月一日に発表した地価公示によりますと、都心の商業地において高い地価上昇が見られるということがございました。
 これは基本的には根強いオフィス需要によるものでありますので、したがいましてそのためには供給をふやしていくことが私は何よりも必要だろうと思っております。そういう意味からいたしますと、規制緩和と今先生おっしゃいましたが、住宅局長から答弁のように、特定の場合に限りまして弾力的に運用していくというお話でございましたので、むしろ今おっしゃる規制緩和というものが地価にどういうふうに与えるかというインパクトといたしましては、需給関係を緩和させるという面が非常に大きいのではないかというふうに考えております。
#126
○山田勇君 内需拡大といっても、まだ建設業界にとっては厳しい環境は変わっておらないようでございます。住宅建設など、百二十万戸と、いまだ以前の水準に戻っていません。住宅建設関連産業の中で建材アルミの産業はほかの建設資材の低迷と同様に厳しい状況に置かれておりますが、建材アルミ製品に関連して何点かお尋ねをいたします。
 まず建材アルミ製品の適正価格の維持について、昨年より、建設省、通産省に御努力を願って、関係業界に御指導いただいておるわけでありますが、現在、一年が経過しましたが、この適正価格の維持について現況はどのようになっておるでしょうか。
#127
○説明員(新村明君) お答えいたします。
 先生御指摘のように、一昨年、アルミ建材の適正価格維持ということで局長通達を出したわけでございますが、昨年より新建て値によります受注ということが行われております。それで、当初は割と好調に推移したわけでございますが、最近やや弱含みという状態でございます。これは、一つには最近のアルミ地金の若干の価格の低下あるいは円高という影響も若干ございます。
#128
○山田勇君 そこで通産省、今後どのような対応策をお考えになっておられますか。
#129
○説明員(新村明君) ただいま申し上げましたように、適正な価格の維持ということでございますので、昨年の十月にもこの趣旨を業界には徹底するように指導いたしましたが、先ほど申し上げましたように最近若干弱含みということでございますので、この四月にまた第二次のキャンペーンと申しますか、全国二十カ所におきまして適正な価格の維持ということにつきまして指導をしてまいりたい、かように思っております。
#130
○山田勇君 適正価格の維持に関連したことでいろいろ検討をお願いしている分離発注の件でございますが、建設省並びに関係機関で発注する際にモデル的に建材サッシを分離して発注を行うという方式ですが、これの検討についてはどのように今現在なっておりますでしょうか。
#131
○説明員(川上格君) アルミサッシの分離発注についてでございますが、こういったアルミサッシ、外部建具でございますが、そういった建具類は建築物の本体と一体としての性能が要求されるものでございます。また、円滑かつ効率的な施工を図るという見地から、建築工事の一部といたしまして一括発注することが適当であるというふうに考えているわけでございまして、さらに、建設省の官庁営繕部といたしましては、従来から、アルミサッシにつきまして、適正な積算内容となるよう、地方建設局等の指導を含めまして業務の執行を図っておるところでございます。
#132
○山田勇君 そこで、今言うふうに建設一体という形になってしまうと、今通産省もいろんな形で御努力をいただいております。その分離発注というものにならないわけでして、建設一体という予算の中からいきますと弱い業者にこれはどうしてもしわ寄せがいく、また下請の一つの仕組みの中でそうなってしまうので、できる限り建設省としましてはアルミサッシのこういう業界に対しては建設一体という形でなく、私が申し上げております分離発注という形にしていただきたいと思うんですが、その点もう一度御答弁をいただきたいと思います。
#133
○説明員(川上格君) アルミサッシ等の外部建具でございますが、これは外部の厳しい環境から内部の環境を守るというものでございまして、これは外部建具だけではなくて構造、壁、屋根、そういったものと一体となって機能を発揮するという一つの機能でございまして、そうしますと、一体とならなくて分離に発注した場合、その境界領域に起こります欠陥、いわゆる瑕疵でございますが、その瑕疵責任が非常に不明確になるということもございまして、一体として施工するものでございます。
#134
○山田勇君 できる限りよろしくお願いをいたしておきます。
 それと次は、現在、大阪圏の整備のため新しい近畿二府六県の創生計画、いわゆるすばる計画は六十一年度末までに策定を行うことになっておりますが、現在整備が進められている学研都市、新空港などについて、この計画の中での位置づけはどうなるのか。また、計画は期間が昭和百年までを目途にしたものになっておりますが、短い期間での計画あるいは整備方針はどのように扱うのか、計画なりまた方針をすばるプランに基づいて策定するのかどうか、その点をお尋ねしまして、私の質問を終わります。
#135
○国務大臣(山崎平八郎君) 現在近畿圏におきましては、昭和百年を展望した長期ビジョンといたしまして、国、地方公共団体、民間が共同で、新しい近畿の創生計画いわゆるすばるプランの策定を進めているところであり、昨年五月に基本構想案を公表いたしましたところでございます。御指摘の関西国際空港及び関西文化学術研究都市につきましては、いずれもこの基本構想案では、今後の国際化、情報化、技術革新等の進展に対応いたしまして、新しい近畿を創生するための中心的なプロジェクトとして位置づけておりまして、今後これらのプロジェクトについては鋭意その推進を図ってまいる考えでございます。
#136
○政府委員(山本重三君) ただいま大臣から申し上げましたように、このいわゆるすばるプランは、昭和百年を見越した長期計画として、国、地方団体、民間が三者でいろいろな構想を練り、これを具体的な計画として打ち出そうということで今作業を進めておるところでございますけれども、法律的に申しますと、近畿圏につきましては近畿圏整備法に基づきまして全域を対象とした基本整備計画、それから近郊整備区域あるいは都市開発区域を対象とした建設計画、それから毎年度行います事業について定めました事業計画を定めることにいたしております。
 このうち、基本的になっております基本整備計画につきましては、五十三年度に既に定められて、おおむね十年間の計画ということで定められておりまして、ただいまの研究学園都市につきましても、この計画の中では、高度な学術研究機能の集積した都市の整備に関して検討を進めるという表現になっております。また、関西国際空港につきましては、早急に調査検討を進め、建設を推進するという形で書いてございますが、いずれにいたしましても、この基本整備計画につきましては、その後の経済社会情勢の変化、あるいはすばるプラン構想がこのように作成されておるという状況、さらには現在策定の準備を進めております第四次全国総合開発計画との整合性、こういった点との調整を図りながら私どもは昭和七十五年を目途に新しい基本整備計画を策定すべく今作業を進めており、この中では当然関西新国際空港及び関西文化学術研究都市の建設は中心的なプロジェクトとして位置づけたい、かように考えております。
#137
○大川清幸君 質疑に入ります前に、大変突然で申しわけないんですが、委員長、これは予算委員会の運営上の問題でちょっと気がつきましたので、お願いできれば後で理事会で御相談願いたいと思うんですけれども、改革協でせっかく各党合意に達したこの委嘱審査ですが、どうも昨年もたしか常任委員会が一日半の、特別委員会が半日ぐらいみたいな苦肉の策の日程を組んだ記憶が私はあるんですが、ことしは一日ずっということですけれども、せっかくの審査で、私たちとしても十分な審査をするという考え方から言いますともう少し、日程がいろいろ延びたり途中でストップしたりということがありましたけれども、物理的に十分な審査ができないということはまことに残念でございまして、せっかくのその改革案が何にもならぬ。まあ、何にもならぬというのはちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、この辺は運営上ちょっと考えていただかないと困るし、それから事務局の方でも、一日やって、もう四日に間に合うように文書を書いて出さなきゃならない。
 こんな慌ただしいことをやっているんじゃ、私たちも審査を十分できないし、それから職員の方もえらい労力が要るんじゃないかと思いますので、この運営上のことでは次回から十分な配慮をお願いするように、予算委員長に一言意見を委員会としても言っていただけるとありがたいなと思っているわけですが、いかがでしょう。
#138
○委員長(小山一平君) 私も参議院改革のこの答申を出すときに参画をしておりましたけれども、あのときに考えた趣旨に全く沿わない運営になっておりますから、私としても、党内ではこのことを強く指摘して今後の改善を要請しておきましたけれども、これは委員会としても、さらに理事会で協議をさせていただいて、この改善なりあるいは改革のまた改革なり検討すべきではないかというふうに考えますが、理事会で御協議をさせていただきます。
#139
○大川清幸君 それでは、その点はよろしくお願いをいたします。
 初めに、公共投資に関連して幾つかお伺いをいたしたいわけでございます。
 公共投資については、公的資本の充実、長期的に言えばこれは大変大事な役割を持っているわけですし、それから当面の経済事情や財政運営の観点から見ても、内需拡大あるいは景気浮揚策としても、何とかこれは拡大方向で努力しなきゃならないということは皆さん意見が一致していると思うんですね。そういう点から考えますと、予算委員会で私、大蔵大臣にも御意見は伺ったわけですが、どうもこの財政再建の大きな方針が決まって以来、公共投資については抑制というか切り込みをして今日まで我慢をしてきたわけですが、今言ったような前提から考えると、もうこの辺で、抑制型で予算編成をしたり財政運営をやるということについては限界ではなかろうかと思っておりますが、建設大臣はどのようにお考えでしょう。
#140
○国務大臣(江藤隆美君) 国会の審議を通じ、あるいはまた各方面の御要望を承りますたびに、これだけの予算ではいかなる手だてをしてもその御要望に十分おこたえをすることはとてもできないという実は苦痛があります。まさにそのとおりでありまして、何とかならぬものかなという感じであります。
#141
○大川清幸君 そこで、大臣、公共投資等についてはかなりの御見識をお持ちのようでございますが、今予算案の審議中でございますから、予算に関連した立場での御発言はなかなか難しいと思いますが、予算から離れて、公共投資拡大については、例えば一兆円程度の公共投資の拡大をいたしますとどの程度のGNPに対する押し上げる効果、あるいは乗数効果等についても、どの程度の影響が出るかというようなことについては、どのようにお考えでしょう。
#142
○国務大臣(江藤隆美君) 一兆円の建設国債を発行して公共投資をやれば、およそ事業量において一兆四千億になるでありましょう。GNPに対する乗数効果は、初年度が一・四七、次年度が〇・七八、三年目が〇・四七で、二・七二倍になります。それから、金額で申しますとおよそ三兆八千五百億程度になりまして、三年間で税収として返ってきますものを四千七百億と計算をいたしております。これは大蔵省と余り変わらないんです。少し大蔵省の方が渋く数字をとっておりますからちょっと低いですけれども、原則的には変わらないものが大蔵省との間の計数でございます。
#143
○大川清幸君 そこで、これは先月の何日ごろでしたかね、二十六、七日ごろでしょうか、建設国債の増発について中曽根総理がかなり柔軟な発言をなさった。そのきっかけは宮澤総務会長の何かの御提言があったことに関連してだったように思いますが、六十一年度予算案に盛られた公共事業の八〇−八五%を上期に前倒し執行することになれば下期にはどうしても補正予算を編成することになる、そこで、補正で公共事業を積み増すことになれば建設国債が必要になる、というような、これは報道記事ですから真相はわかりませんが、そういうようなことが実際にあったとすれば、今予算審議中でこのことについていろいろ言うのは差しさわりがあるのでしょうけれども、何かこのことについての、準備すもなり、あるいは報告なりは、建設省に対してはあったんでしょうか、どうなんでしょう。何にもありませんか。
   〔委員長退席、理事青木薪次君着席〕
#144
○国務大臣(江藤隆美君) 別にございません。
#145
○大川清幸君 先ほどからのお話であれですが、建設国債の発行については、もしこれ今国会で予算が通過した後対応することについては、どうも内需拡大、景気浮揚等についてはそれなりの対応をしなきゃならないし、先ほど建設大臣にも、公共投資拡大による効果については明確な御見識を伺ったわけでございますが、必要があればそれなりの対応をせざるを得ないというふうに理解しておいてよろしいですね。
#146
○国務大臣(江藤隆美君) そういう必要な時期が来ましたら、私どもも頑張りたいと思っております。
#147
○大川清幸君 ところで、先ほどから申し上げておりますように、言ってみれば、五十五年度以降ということですから、大分長い期間にわたって公共事業の抑制がなされてきた。そのひずみがいろいろ出ているために、予算委員会でも各議員からいろいろな意見が出されておるわけでございますし、それから経済評論家その他の中でも、意見が幾つかに分かれておりますけれども、財政拡大、拡大の方向での均衡を図らなきゃならないというような主張がかなり強いようでございまして、このため総合経済対策の中で、近々のうちに、建設国債の増発による大型の公共事業の追加措置が必要だという考え方で、ほぼこれが決定されるのではないかというようなお話を聞いておりますが、この辺は間違いないですか。
   〔理事青木薪次君退席、委員長着席〕
#148
○国務大臣(江藤隆美君) ただいま、総合経済対策については、どういうものを織り込むかについて鋭意検討が進められて、近々その発表がなされるということになっておるわけですが、公共事業の追加ではございませんで、公共事業の執行を促進する、これが第一番。金融政策の機動的運用、円高差益の活用、規制緩和、特に住宅、都市開発等についての規制緩和、中小企業対策、こういうことが大体主な骨子になって出てくるのではないか、こう考えております。
#149
○大川清幸君 もちろん景気浮揚策等が中心でございまして、拡大均衡を図るという意味では、今建設大臣から御答弁のありましたように、各般にわたる施策を実施してそれなりの効果を上げようということは当然のことだろうと私も思いますが、公共投資といいますか、建設省関係に限って言うと、どの程度の規模が見込まれておりますか。その辺はまだはっきりいたさないでしょうか。
#150
○国務大臣(江藤隆美君) まだはっきりいたしておりません。これは一つには、前倒しのことかと思いますが、午前中もちょっと申し上げましたように、いわゆる一括法とのかかわりが相当ございまして、一括法がずっとおくれるということになりますというと、なかなか、かなりの数字の前倒しというのは実際問題として困難になる、こういう心配を片方にはひそかに持っておるわけであります。
#151
○大川清幸君 この辺は、今の段階で詰めても、時期的にちょっと難しい面もあるのかと思いますが。
 そこで、従来の年次計画、御承知のとおりなかなか計画どおりにいっていない。達成率が思わしくない面もあるわけですけれども、サミットを控えましてそれに間に合うような格好だけつくってもこれは何にもなりませんで、公共投資というのは将来を展望した社会資本の整備、充実をやっておかなきゃならない。こういう点で考えますと、現在の状況の中ではいろいろ難しい制約条件があるし、財政事情もあることでございますが、公共事業費については今後も恐らく抑制ぎみになるのかどうか、今の財政事情からいえば難しい問題もあるんでしょうが、しかしそれにしても、少なくとも経済成長率に見合った程度の事業費の確保、これだけはどうしてもやっておく必要があるように思いますけれども、この辺については御所見はいかがでしょう。
#152
○国務大臣(江藤隆美君) まさにそのとおりだと思っております。
 特に、社会資本の充実がおくれておるという我が国でありますから、経済成長率を上回る事業費というのは常に確保しなきゃならぬ。したがいまして、今年は大変苦しいやりくりではありましたけれども、補助率の調整等によって事業費だけは少なくとも経済成長を上回る五・七%を確保させていただいた、こういう事情にあります。
#153
○大川清幸君 今のお話にもありましたように、事業費の確保については確かにおっしゃるとおり確保されていると思います。しかしそれは、財投の活用とか高率補助率の引き下げといういわば予算操作によるところが大きいわけでございます。そこで、六十一年度におきましては、建設省関係の補助金カット額が全体で、これ資料をいただいているんですが、どの程度になりますか。
#154
○政府委員(高橋進君) 建設省関係の高率補助率、負担率の引き下げ措置の対象となる公共事業分の節減費でございます。これは五十九年度が原則でございますので、五十九年度の補助率を適用した場合に比較いたしまして約三千九百八十億円と見込んでおります。
#155
○大川清幸君 そうすると、三千九百八十億円、これは全額事業費の拡大に充てられるという考え方でよろしいんですかどうですか。
#156
○政府委員(高橋進君) そういう考え方でございます。
#157
○大川清幸君 ところで、それだけ事業費に充てられるということであれば結構でございますが、こういう手法は、初年度はそれなりの効果があるわけでしょう。ところが、二年度以降のカット率を引き上げなければ、それによる伸びを確保してずっと持続していくというわけにいかないでしょう。
 そこで、国費をどうしても増額する方向で、将来の事業計画なんかをやる場合の予算の確保等、これはかなり努力をしていただかなきゃならないと思うんですよ。それもぜひ、先ほどのお話と同じでやっぱり、経済成長率に見合った事業費の確保が先々難しくなることもありますので、この辺は相当今から対応して頑張っておかなきゃならぬと思うんですが、その辺に対する心の用意はいかがですか。
#158
○政府委員(高橋進君) 六十一年度の予算につきましても、この補助率のカットによります事業費の増ばかりではなく、いろいろ工夫をいたしておるわけでございます。
 一つは、財政投融資資金の活用、またその活用の中でもいろいろ、下水道事業団の行う広域汚泥処理に入れますとか、あるいは都市開発資金に公園整備の関係の財投を入れますとか、また、道路特会につきましてもオーバーフロー分を六十年度に引き続きまして六十一年度道路特会への直入といったような措置を講じたり、いろいろな工夫をいたしまして事業費全体の伸びをある程度確保したということでございます。
 こういったことは、もちろん建設国債増発によります一般公共費の増大という問題、課題もございますが、それはそれといたしましても、来年度以降も、同様ないろんな面での工夫をいたしまして事業費の確保を図って、社会資本の充実に努めていかなきゃならぬと思っております。
#159
○大川清幸君 ただいまの問題については、もちろん建設大臣も同じ御意向でしょうね。
#160
○国務大臣(江藤隆美君) 官房長がただいまお答えいたしましたように、例えば今まで道路特会に入るべき自動車重量税がずっと大蔵省にとられておって、そして六十年度からガソリン税のうち千百億、六十一年度には千百二十三億ですか、これを道路特会に直入することになりました。しかしまだ、大蔵省には自動車重量税を三千七百億貸してあると私は言っておるんです。それを返せと言っておるわけでありまして、そういうものも、本来これは特定財源でありますから、私どもがその正しい目的に使えるようにすればまだそこに少しのゆとりはある。そういうもろもろの工夫をして、そしてまた、まだ六十一年にもかからぬわけですが、来年度の予算編成等についてもまたいろいろと創意工夫を凝らしていきたい、こう考えておるわけであります。
#161
○大川清幸君 これは、財政運営というか、そういう点ではまた逆の意味での私は大蔵省にもいろいろ注文があって、予算委員会で問題にした次第なんですが、そういう点では予算運営の原則みたいなものをきちんと守ってもらった方が本当は各省庁関係でもすっきりしていいわけでございましてね、これは大蔵省に言うことですから御答弁は要りませんが。
 ところで、住宅は、いろいろ減税措置も新しくやっていただいたのでそれなりの効果はあるのだろうというふうに私も喜んでおるわけでございますが、全体的に言えばまだ大蔵省の対応が不十分だったということは言わざるを得ないと思うんですが、ここでは住宅金融公庫の金利の引き下げに関連してちょっと二、三御意見を聞いておきたいと思いますが、三月四日に、基準金利が五・四%、中間金利が五・九%、財投並み金利が六・四%、そして一月九日にさかのぼってこれが引き下げられるということになったわけでございますが、その後も公定歩合や財投金利が引き下げられたわけでございまして、公庫の貸付金利、これも再引き下げされるものと考えておいてよろしいんですか、どうですか。
#162
○政府委員(渡辺尚君) 住宅金融公庫の個人住宅向けの貸付金利につきましては、これは公庫融資の原資でございます資金運用部資金の利率、すなわちいわゆる財投金利の改定に連動と申しますか、して、法定上限金利以下で定めているわけで、この間は二月二十四日に財投金利が引き下げられた、これは〇・五でございますけれども、その結果、お示しのように〇・一から〇・五%の幅で各種金利を引き下げたわけでございます。
 ところで、去る三月三十一日に財投金利がさらに〇・二五下がっております。六・三%から六・〇五%になったわけでありますが、これに伴いまして、建設省といたしましては、内需拡大の観点からも貸付金利の再引き下げにつきまして十分検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#163
○大川清幸君 それでは、その用意があるようでございますが、たしか五十三年の四月から五十四年の七月ごろですか、公庫の貸付基準金利が五・〇五%になったあのときに、たしか財投金利が六・〇五%であったと思いますが、この点は間違いないでしょうか。
#164
○政府委員(渡辺尚君) 五・〇五だったことはございます。
#165
○大川清幸君 そこで、財投金利が六・〇五%に引き下げられたのですから、ですから過去の例から考えて、時代の背景や経済事情が違ったりいろんなことは多少あるんでしょうけれども、公庫の貸付基準金利も当然五・〇五%、この辺まで下がってよろしい、こう考えておいていいですな。
#166
○政府委員(渡辺尚君) 今もちょっとお話しございましたように、非常に厳しい財政事情下にあるという点は一つあると思います。しかし、我々としては、住宅建設を通じまして内需拡大を図るという観点から、財投の引き下げ幅、今度は〇・二五%でありますが、あるいは公庫の金利体系のバランスなどいろんな点を総合的に勘案しながら、金利の引き下げを図るように努力してまいりたい。現時点ではそのように申し上げるのが限度だと思います。
#167
○大川清幸君 それで、住宅局長がお見えになっているから、これはレクチャーにはなかったんですが、ちょっと住宅対策のことで一つだけ御意見を伺ってみたいと思っています。
 今、公営住宅等を一生懸命やっているんですが、賃貸しの傾向、住都公団等でもそっちの方向に向いているようですが、例えて言うと、公営住宅もこれ公営住宅法で縛られておりますから、なかなか弾力的な対応ができないんですよ。
 実は、今から二十数年前にニューヨーク市の市営住宅、ハドソンリバーの方へ建てたやつは、日本の公営住宅と同じような制度で、大体所得制限があって同じ生活程度の方々を入居させたんですね。これが、しかしスラム化しちゃいました。これで懲りたニューヨーク市が、すぐに条例を、日本で言えば条例がなんかを変えたんだと思いますが、イーストリバー側の方に建てたのは、全く同じ構造の市営住宅です。これはしかし、割り増し家賃制度を導入いたしまして、いろんな生活程度の方々、階層の方々が入っています。ここは自治会ができて、スラム化しないでちゃんと運営というか管理が秩序立って維持されています。こういうしゃれた対応がアメリカだとすぐできるんですね。日本の方は、いろんな苦情があってもなかなか公営住宅法も改正しないんですよ。
 もう一つの例を言うと、これも二十数年前ですが、例えばデンマークのコペンハーゲン市なんかは、あそこはヨーロッパで戦火でやられましたから、身寄りのない孤児たちを、公営住宅と公園とセントになった住宅の中に入れて、それの面倒を見る指導をする先生がいて、その中で、要するに日本で言う孤児院みたいなものですが、その住宅の集団の中で生活をして管理している。一階側の方はお年寄り向けの住宅で、二階から上の方は若い中年層の、日本で言うサラリーマン階級の方々が入っていて、これがコミュニケーションが実にうまくいっていまして、孤児で親、身寄りのない方々が大変優秀でまじめで気に入られて、どこかへもらわれていって跡を継ぐ、日本で言えば跡を継ぐんでしょうな。それから今度は、勤めで出かけちゃう中年や働き盛りのサラリーマンのおうちの子供さんは、一階の高齢者住宅の方で預かってもらって、実のおじいちゃん、おばあちゃんみたいに大変気に入られて、仲がよくて、両方でうまくいっているというようなことがあるんです。
 住宅のことについて、先般から、職住近接の新しい方法を建設大臣も打ち出しておられますけれども、これからの高齢化社会を展望して考えたときに、公営住宅は公営住宅で年間二百八十万なら二百八十万程度はここへ全部おさまっていろと。今、職住近接の方へ弾力的な考えをなさるのなら、これからの新しい社会を展望した場合に、こうしたことも考慮して、日本の社会構造ということでも考えていただきたい。
 悪い言い方をすると、ひところは団地族なんという変な言葉がありまして、同じ階級の方が入るから初めは同じだったのが、片一方がカラーテレビを買って、自家用車を買って、やきもち半分でえらくどうもごたごたするとか、それから外部との、一般市中の町会とは何かうまくいかないとか、いろんなことが従来あって、このごろは大体おさまってきましたけれども、やはりこれからの新しい社会の構造といいますか、あるいはコミュニケーションを考えますと、地域でボランティアで公共施設なんかも、何か民間に管理だけ移管して、日曜日にでも青少年やあるいはお年寄りが集まるような施設でも、だんだん弾力的に運営していかなきゃならないということが今考えられている時代ですから、住宅対策の一つの中にそういうものを考慮していただく必要があるんじゃないかと思います。
 この辺についての御見解があれば、伺っておきましょう。
#168
○政府委員(渡辺尚君) 直ちに御答弁になるかどうかわかりませんが、二、三点申し上げたいと思います。
 一つは、大規模な公営住宅がある場合に、これは非常に何といいますか画一的になるという問題がございます。そこで、それを建てかえる際に他の公的住宅と混合させてやっていこうというプロジェクト、これを進めようというのが一点でございます。
 それから、地域でいろいろな地域政策的な観点から公営住宅についての要望が非常に強いわけでございますけれども、そういうことから六十一年度予算案で御承認いただければ始まるわけでございますが、地域特別賃貸住宅制度というのを新しく考えております。これは従来大体第一種がゼロから一七%、二種が三三%までだったわけでございますけれども、今度のものにつきましては、二五%から四〇%ぐらいというふうに収入基準も少し上の方をとって、有機的な対応をしてまいりたいということがあります。
 それから、ばらばらで恐縮でございますけれども、先ほどおっしゃいましたように孤立化しちゃうという問題があります。そこで、非常に小さい戸数の公営住宅をあちこちに建てる、コミュニティー型と申しますが、コミュニティーに溶け込ませるというような考えでそういうものを進めているものもございます。
 先ほど私、あるいは間違って一種と二種とを逆に申したかもしれませんが、二種が一七%で一種が三三%でございますので、もし間違っておりましたら訂正いたしたいと思います。そういうように、いろいろな地方の要望にこたえながら、実態を踏まえながら工夫を払っておりますが、なおいろいろ今御指摘のあった点は勉強させていただきたいと思います。
#169
○大川清幸君 建設大臣、何か御所見がございましたらお願いをいたします。
#170
○国務大臣(江藤隆美君) 物の考え方、生活様式が多様化してきたわけですから、公営住宅もそれに対して対応するのは至極私は当然のことだと思いまして、大変傾聴すべき御意見であると思って承っておりました。
#171
○大川清幸君 これは公営住宅に限らず、住都公団等でも、これからの事業をやっていく上で配慮しておいていただいてもよろしい問題ではないかと思っております。
 そこで次に、地価問題についてお伺いをしてみたいと思うわけです。
 これは去る四月一日、国土庁で発表になりました地価ですが、とりわけ東京都心三区の値上がりは大変なものでございまして、東京都心地区では昨年が三一%値上がりし今年も五四%上がったから、二年間で二倍だというような報道が出ていますが、これは実際にはどういう状況になっておりましょうか、まず御報告をお願いいたします。
#172
○政府委員(末吉興一君) ことしの地価公示のいわゆる変動率を見ますと、全用途、宅地だとか宅地見込み地あるいは商業地、全用途で平均しますと変動率が全国で二・六%という率になっております。これは四十七都道府県のうちで見まして、全体的に五都府県つまり千葉県、東京都、神奈川県、京都府及び大阪府の五都府県だけが前年度に比べて上回っておりまして、それ以外の、四十七都道府県のうち四十二の県は、前年に比べて横ばいないし伸び率が鈍化をしております。
 そこで、用途別に見てみますと、住宅地が前年度に比べまして横ばいでございます。今御指摘のように、商業地のみが全国的に見まして変動率が上回っております。ちなみに住宅地の変動率を見ましても、全国の調査地点のうちの九五%が変動率五%以下ということでございます。非常に跛行的といいますか、二極分化の地価の状況になっております。
 そういうわけで、全国的に見まして全般的には安定をしておりますが、それからなお、安定といいますか、地価が横ばいないし低下している地点も逆にふえて、値下がりの地点もふえております。しかし、御指摘のように、東京の都心あるいは特に西南部といいますか、都心三区から西南部の方向の商業地及び住宅地は大変大幅な地価上昇になっておりまして、しかも商業地につきましては東京のほかに他の大都市圏の中心商業地、例えば駅前とか中心地、そういう一部のところ、限られた地域のところが上がっておりますが、そういう状況が見られます。先ほど先生がおっしゃいましたように、東京都心においては、これは特に旺盛なビル需要という原因でございますが、商業地が五三・六%と御指摘のように五四%、住宅地が三七・九%という高い上昇率となっておるのは事実でございます。
#173
○大川清幸君 地方なんかは割合落ちついている状況なんですが、都心の異常な値上がりについては先ほどから問題になっておりますが、かなりこれは対応を、何とかうまい知恵があればよろしいんですが、なかなかないんで、その都度、地価が上昇するということで問題になるわけですが、まず、角度を変えて次にお伺いしてみたいのは、国土庁の予測によると、東京二十三区で西暦二〇〇〇年までに延べ五千万平方メートル、サンシャインビルで二百五十棟分の需要があるというような報道がなされておりますが、これが事実とすると、この予測と試算の基礎になった材料等はどういうことですか。
#174
○政府委員(山本重三君) 私どもは昨年五月に、七年間にわたって検討いたしました首都改造計画を発表いたしましたが、その中で、現在伸びております業務管理機能、そういったものが伸びていって、一都三県の従業者の従業種ベースでの数値を全従業者の事務所従業者の比率で一都三県レベルで伸ばしていくとしますと、七十五年時には、大体一人当たりの事務所床面積に対しまして潜在的事務所需要として、五十六年時点において約五千ヘクタールの潜在的な事務所需要が推計できるということを発表したことがございます。これは当時の、過去の事務所需要の伸びの推移をその事務所従業者数の比率で伸ばしていって推計しますと、このままでいくと二十三区の床需要が五十六年度時点以降で五千ヘクタール必要となるだろう、そういうことで発表したりしてございます。一つの、我々としてはこれに対する、何らかの首都改造計画に対する対応が必要だということの警告として出した数値でございます。
#175
○大川清幸君 そこで、投機買いその他いろいろな要素があると思うんですね。先ほどの、国鉄の用地に関連しての質問に対しての御答弁では、土地の需要供給のバランスを考えて対処しなきゃならないと。ですから、国鉄さんには私、質問通告をしてないから答弁は要りませんが、先ほどの答弁では、何か第三者機関で検討していただいて、その御意見をよく聞いて入札でやるんだなんというようなことを言っていましたけれども、どうもそれでいいのかどうかというようなことがまた心配になりましてね。手続上はそれは国鉄さんは、そういう方法でやったから結果こうなりましたと言えばそれまでのことでしょうけれども、入札で高く売れればいいというわけでもないし、やっぱり良質な市街地開発等の明確な計画があって、それに対しては特別に地価を抑制するような方法で、周辺の地価をつり上げないような手段で売却するとか、学者さんの中にはいろんな意見があるわけです。 それはそれとして、当面問題になっているこの地価の異常な値上がりについて、これはなかなか自由経済社会の中ですから難しいんでしょうけれども、投機的な不動産投資、これは銀行その他、保険会社等今金がだぶついていることも一つの要因ですけれども、この辺に対する抑制策と言ってはおかしいんですけれども、さっき言った公共用地の払い下げについても予算委員会でもいろんな論議がありまして、高く売れという御意見もあれば、高く売るよりは抑制しろという御意見もあるではないですかというようないろいろなやりとりがあったんですけれども。そういう点から考えるとこれはいたずらに放置しておくのもどうかなという心配が私ありますので、この辺に対する何か対応策がございましたらお聞かせ願いたいと思います。
#176
○政府委員(末吉興一君) 国公有地の売却につきましては、私どもは御存じのように国土利用計画法という、民間の場合の取引の場合には価格の審査と利用目的を審査して、それに従わなければ氏名公表という制度がございます。御存じのように、国とか地方公共団体等にはこれは適用除外にしております。これは、ほかならぬ国等が土地取引を行う場合には、当然のこととして国土利用計画法の趣旨を十分踏まえて適正な価格で取引を行うものということをしんしゃくして、立法上は定めたものでございます。したがいまして、私どもも今一番懸念をしておりますのは、たびたび答弁をしておりますが、地価が非常に動いているときにはそれに拍車をかけることはぜひ遠慮してもらいたいということで、私どもはそれぞれの場合にそれぞれの機関に要請を申し上げておりましたし、そういうことにも努めてまいりました。
 そこで、今御指摘の上うに国公有地の売却、特に国鉄用地の売却につきましては、いろいろな御意見があることも事実でございます。政府部内でもいろいろありますが、閣議で決めておりますのは、先ほどの運輸の方のお話にもありましたように、一般公開入札を原則とした適正な時価ということで意見を統一してございますが、適正な時価という中には、やはり私どもとしましては公正を担保することもぜひ必要であります。高く売れることも必要だとは思いますが、地価への配慮ということはぜひ忘れないで一項目加えてもらいたい、そういうことを常に申し上げております。そこで、私どもも国土利用計画法ができて十年たつわけでございますから、中長期的にいろいろな勉強をしておりますが、この問題につきましても、難しい点はありますが、各方面の意見を聞きながら今いろいろ検討を進めておる、そういうところでございます。
#177
○大川清幸君 その国土利用計画の価格規制の問題ですが、これについても、新聞に出ているから具体的に申し上げてもいいんでしょうが、一橋大学の野口教授なんかは、土地の評価額が非常に低くて固定資産税の見直しが必要だというような立場をとっておられる方ですが、国土利用計画法の価格規制は反対だとこの人ははっきり言っておりますし、それから評論家の飯田さんの御意見ですと、いろんな試算があったり、ビルの供給量等の問題に関連して、国土法の土地取引規制を強化すれば効果が上がるだろうというようなことで、こうした規制問題についても意見が真っ二つに分かれておったりするような問題があって、担当省庁としての対応が非常に難しいんだろうと思いますけれども、今検討中だというからこれ以上の御返事はいただけないのかなと思いますが、大臣、この辺の対応についてはいかがでございますか。
#178
○国務大臣(山崎平八郎君) 今お話にありますように、近年、地価は一部の地域を除きましては全般的には安定しているわけでございます。したがいまして、今後の地価対策といたしましては、ただいまお話に出ました、基本的には国土利用計画法の的確な運用等によりまして地価の一層の安定に努めたい、このように考えております。
 特に、東京都心の商業地や住宅地等、一部の地域におきまして高い地価上昇が見られまして、これが他の住宅地等へ波及することが非常に心配でございます。そこで、この地価高騰は東京都内の限られた地域におきましての問題でありますため、現在、特に東京都と総合的な地価対策につきまして鋭意検討を進めているところでございます。早急に成果を取りまとめまして、地価安定のため必要な措置を講じていきたいと考えております。
#179
○大川清幸君 前にも話題になりました国鉄の品川の貨物駅跡地ですね、あるいは九段の宿舎跡地、紀尾井町の旧司法研修所跡地の売却等ではいろいろ問題になりましたが、予算委員会で論議になっていますから詳しいことについては触れませんが、要するに会計法による国公有地の公開入札制度、これは公開入札だから一番明朗な感じがするんですよ。
 しかし、さっき言った社会的な影響やなんかを考えますと、私は公共用地は余り売らないで、公共の用に供してもらった方が効果的じゃないかという考えを持っておりますが、いずれにしても、財政事情で売却をするなどの場合にも、先ほどちょっと私も御意見申し上げたように、やっぱり良質な、これからの二十一世紀を考えた場合の社会環境なり都市構造というものを配慮した上での売却をするということになれば、自由経済社会の中でも、公共財産である限り、国民の福祉あるいは社会環境の整備に役立つような観点からすれば、これは多少の何らかの措置があって、上限を設けて売却をする、しかしながら責任を持ってその再開発なり町づくりはやっていただくというようなことで、周囲の地価を引き上げるような効果を減殺するような何か方法はないのだろうかと思いますね。
 要するに、公開入札制度あるいは国土利用計画法による土地取引規制の調整について、先ほどはいろんなことを含めて検討中だと言いましたけれども、これは具体的にかなり進んでいらっしゃるんですか、どうなんですか。
#180
○政府委員(末吉興一君) 現在、国土利用計画法につきましては、私どもも研究会を設けまして、学識経験者の方と御一緒にいろいろ検討をしておるところでございます。
 そこで、現在都心三区を中心とし、商業地を中心とし土地の急上昇が見られますので、なるべく早く結論を得るよう私どももお願いをしてございますが、先ほど御説明いたしましたように、かっての地価上昇とは違いまして非常に一部的なものでございますので、全国的な法律レベルで検討することがいいかどうかということがございまして、一番問題は東京都でございますので、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように東京都とはいろいろ打ち合わせをしてございます。これは、ほかならぬ東京都がいろいろな施策を推進していただかなければ、国土庁としては直接手を触れるという点ではございませんので、東京都と非常に綿密な打ち合わせをしておる段階でございます。
 その中に、今申し上げましたように、国土法の届け出制度につきまして、例えば二千平米のものが、都心では非常に小さな、細分化された土地でございますので、それについてどうしようかということも検討の課題に入っておりますので、東京都とよく打ち合わせた上で対策を講ずることが必要である、こういうふうに考えております。
#181
○大川清幸君 お説のとおりでしてね。法律というと、やっぱり国の法律ですから、全国的な統一的、普遍的な立場での法の制定なり措置が必要です。しかし、特殊現象として東京に起こっておりまして、法律で対処するのはなるほど難しいので、これは特殊事情として対応していただくのが一番いいんだろうというふうに思います。したがって、その点で言うと、固定資産税等も含めましてやっぱり特殊地域に対する方法、たまたま固定資産税は都道府県税ですから、そういう点での対応は特殊事情を考えたら他の府県の方々、知事さんなんかにも納得していただけるのだろうと思いますので、東京都の特殊現象としての対応を懸命にしていただく方がよろしいんだろうというふうに私も思います。
 そこで、今、なるべく早くという御答弁があったんですが、本当になるべく早くでございまして、今の国の財政事情からいうと、何か国有財産、国鉄関連の資産でも売却がもう目の先に具体的な問題として迫っていますから、この辺の扱いについては、拙速も困るんですが、余りのんびりでも困るので、今勉強中の、何といいますかな、制度、規制の調整については、いつごろまでに対応なさろうと目途を立てておられますか。
#182
○国務大臣(山崎平八郎君) 御意見どおりでございますので、早急に結論を出す所存でございます。
#183
○大川清幸君 それで、東京都としては条例で土地取引の規制強化の方針を固めたというようなことを聞いておりまして、土地取引について、国土利用計画法による市街化区域での届け出対象を現行の、先ほどちょっと御答弁がありましたが、二千平米から三百平米以上までに広げる、こういうことでございますが、このことによって、小口の土地売買を価格や利用目的によって都が行政指導しながらやっていこうというようなことのように聞いておりますが、これで国の方ではどの程度の効果が上がるという推測をなさっておりますか。
#184
○政府委員(末吉興一君) 先生御存じのように、国土利用計画法には、一つは規制区域と言いまして、その区域を一定の範囲を決めれば、一見小さな面積といえども許可制という非常な規制区域がございます。
 そのほかにもう一つ、緩やかで、届け出制というところで、利用目的と価格だけを審査、両当事者が契約をする前に審査して、その意見、指導、勧告に従わない場合は氏名を公表する、こういう仕組みになっております。これは非常に緩やかな取引に対する介入でございますが、全国的に大ざっぱに言いまして二百二十件ばかりの不動産取引が一年間にございます。それで、その要件に当たりますものが、事前の届け出が大体その一割ぐらいと見てよかろうかと思います、公共団体の目を、審査をいただくのが。
 そこで、法律制定以来、その指導、勧告にもかかわらず契約が行われて氏名公表に至ったのは、わずか数件でございます。数件でございますので、したがって、非常に緩やかな規制ではございますが、届け出制度は非常に有効に機能しておるというふうに思っております。したがいまして、届け出制度をどういうふうに変更するのか、まだこれから東京都といろいろ御相談しなければなりませんが、届け出制そのもので、今までの行政指導あるいは都道府県の審査体制からいきますと、今までのそういう件から見ますと、非常にうまくいくのではないかというふうに期待をして、この施策の検討をしておるところでございます。
 先ほど、大変失礼しましたが、一年間の取引二百二十件と申しましたが、二百二十万件でございます。失礼しました。
#185
○大川清幸君 それで、このことについては東京都はいつごろから実施をするというか、現実には東京都が実際の関係団体ですからね、東京都で何か目途を持っているでしょうかね。聞いていますか。
#186
○政府委員(末吉興一君) 新聞報道では、三百とか、そういう見当だというふうに報ぜられました。実は私どももその新聞報道を見て存じただけでございまして、したがって実質的なそういう、とにかく都心、東京都だけを限りますと二千平米じゃ大き過ぎるじゃないかという議論をしたことは確かでありますが、それが三百とか五百とか具体的なところまではいっておりませんで、新聞に出て、そういう御意見といいますか、検討を進められているし、私どもも東京都がそういう方向でいくこと自身につきましてはあらゆることで検討したいと思っておりますが、したがって葉そのものがまだ今まさに検討中だと思いますので、したがってそれの時期がいつかということはちょっと私どもも今のところはわかりません。
#187
○大川清幸君 それは東京都の方の努力も見守らなければいけませんから、きょうはこの程度にしておきます。
 ところで、大都市、とりわけ都心の商業地の地価の高騰というのは、本当に新聞報道を見ただけでも、都民の皆さんも国民の皆さんも驚いているんじゃないかと思いますが、商業地だけでああいう現象が起こっているだけならばまだまだよろしいのかもしれませんが、それがどうも宅地の価格にも影響してくるというようなことが十分考えられるわけでございまして、土地のことですから、先ほども一種住専、二種住専の話も出ていましたが、確かに高度利用を多少緩和してできるようになれば、それだけ利用価値が上がるわけで、土地不足に対する何というか、対応策というか、緩和策ではよろしいんでしょうが、一方で、例えば宅地における十メートルの高度制限を緩和するということになると、一面から言うと土地の問題は困るんでして、どうも地価をやっぱり引っ張り上げることにもなってしまうのじゃないかというようなことがございまして、なかなか対策では当局としても頭を痛めておるところなんでしょうが、慎重に対応していただく方がよろしいのではないか。
 今の東京、特に二十三区内の実情を見ますと、随分、住宅地は一種住専でここは残した方がいいというところもありますが、周囲の状況から見ると、ここは手直ししてもらった方がいいんではないか、緩和した方がいいんではないか、そういうふうに状況がまちまちでございますけれども、これもきめ細かく東京都都市計画審議会あたりで綿密に検討してもらう必要がある問題だと思いますが、地価の高騰等から考えて必ずしも緩和策がいいかどうかということは問題だと思うんです。
 この辺に対する指導、といっても、実際には各地域の用途指定その他高度制限等も地方の都市計画審議会でやっておるんでしょうが、この辺では、国側から何か、気をつけろというような注文をつけたり、行政指導はおやりになっているんですか、どうなんですか。
#188
○政府委員(牧野徹君) 気をつけろということはございませんが、基本的に先生のただいまのお話は、用途なかんずく容積率の扱いのおたたしかと思います。私どもも、ただいまいろいろ御質疑のありましたようなことで、諸般の情勢を踏まえまして、大都市の都心部等におきましては土地の高度利用を図るということは内需拡大等とも関連して大変大事な施策だと思っております。ただ、あくまでもその結果悪い町ができるということで本末転倒でございます、基本となる前提は良好な市街地環境の形成ということであろうかと思います。
 そういう観点からまいりますと、現在、先生もおっしゃったように、個別具体の都市計画で決まっている容積をべたに一遍にすべて上げてしまう、これは私は決してとるべき方策ではないと思っております。それは、現在の指定されている容積率でもまだまだ余裕もございますし、道路、下水の状況等も踏まえれば、べたに引き上げるというのはとるべき道ではない。ただ、やはり何といいましても、及ばずながらも公共投資も進めております。道路等の整備も進めました場合に、その状況に応じて用途、容積を見直すということは基本のことだと思いますし、さらには良好なプロジェクトができる、例えば都市計画決定された分は上げるよ、公開空地はとるよ、建物のつくり方もいい格好だというふうなときには、それぞれの状況に応じてまずベースとしての用途、容積、都市計画決定そのものを見直す。さらには、建て方がいい場合に、その見直した上にもう一つボーナスを差し上げようというふうな考え方あるいは手法もございます。
 いずれにしても、前提は良好な市街地形成ということを念頭に置きつつ、その他諸般の事情も考慮して適切に用途の見直しをしたい、あるいは容積の見直しをしたい、かように考えております。
#189
○大川清幸君 ところで、五十八年七月の規制緩和等による都市開発の促進方策ですね、これを実施してきたわけで、都市計画法や建築基準法による各種の規制の見直しを実施して今日まで来たんですが、余り大きい報告をここで願っても無理かと思いますが、概要というか、効果といいますか、その状況はどうなっていますか。御報告していただけますか。
#190
○政府委員(渡辺尚君) 住宅局関係についてちょっとまず御説明いたします。
 五十八年に市街地住宅総合設計制度、従来四十七年から総合設計制度はございましたが、それを特に住宅に関して割り増し率をふやすというのがございました。その結果を申し上げますと、五十八年から六十年の九月までで二万三千戸建っております。大体年間一万戸というようなケースでございます。
#191
○政府委員(佐藤和男君) 規制緩和と申しましょうか、この規制の見直しに関してのもう一つの点は新市街地の開発の関係でございます。
 例えば、第二回の線引きの見直しの作業が進められている最中でございますが、先生おっしゃいましたように、昭和五十五年と五十七年の通達によって、見直しに当たっての方針を明らかにして、計画的な市街地の整備が確実なものとか、人口フレームを保留する方式を採用してきたわけでございます。結果といたしまして、昭和六十年の十二月末で百八十四都市計画区域において線引きの見直しを完了したというのが現在までの経過でございます。
#192
○大川清幸君 そこで、それなりに実績は上がっているのだろうと思うんですが、三月十四日の閣議で、都市の再開発の促進等については、中曽根総理から見ても、どうもなかなか規制緩和の措置が思いどおりに進まないというようなことで何か御発言があったようですけれども、この都市の再開発の促進のための規制緩和、先ほどから聞いているんですが、これは総理から改めて声がかかった時点で何か変化がございましたか、どうですか。
#193
○政府委員(佐藤和男君) いわゆる内需拡大ないしは一般的な各種行政手続の簡素化、ディレギュレーションと言われている関係で、都市開発に関しましても幾つかの見直しの御指摘は各方面から得ているところでございます。その事項は、一般的な用途地域についての問題、これは先ほど来の御議論があります、第一種住居専用地域を、例えば東京の環七地区内で第二種住居専用地域への見直しを検討するとか、それから都市再開発に関連しまして容積率なり高さ制限の見直しをするという御指摘が閣議の場でも行われました。一現在、鋭意建設省省内で、各方面の御意見を聞きつつ検討している最中でございます。
#194
○大川清幸君 建設大臣、このことについては総理から直接やはり、閣議ですからお話があったんでしょうし、また御所見はいかがなものでございましょうか。
#195
○国務大臣(江藤隆美君) 今、総務審議官が申し上げましたように、内需の拡大、都市再開発、民活の導入、こういう面からいって、言われるその区域内に四百六十一ヘクタールの一種住専地域がある。これをせっかく、大阪はゼロでありますから大阪というふうにはいかぬが、せめてこれは二種住専にしてもっと住宅が建つようにしたらどうかという御意見やら、今は十メーター制限ですから、もっとそれを上げるようにしたらどうだ、いろいろ実は意見がございました。これは素朴な意見でありまして、しかし寄り寄り御説明もいたしました。
 東京都内二十三区の大体平均の土地所有者というのは、百平米未満が四四・五%おります。半分近くの人が百平米未満の人たちでありまして、それから、道路が四メーター以内のところに接しておるのがやっぱり四〇%おります。今の建築基準法ではとても家は建たないところですが、建っておりますから仕方なしにそこに建っている。したがいまして、そういうところをやたらと容積率を見直す、高さの制限を外してしまうということになったら、それこそ針の山みたいな家が建ってしまうわけでありまして、ペンシルビルがいっぱい建ってくる。ですから、先ほど言いましたように、べたにそういう制限を外すわけにはいきません。
 しかし、例えば道路をつくる、あの区画整理事業、都市再開発事業等で道路をつくる、あるいは下水道の整備をする、それから公園の整備をする、そういうところは容積率を見直したりあるいは高さ制限を外したり、ボーナスをやったりして、よりよい町の構成に向かって努力をするんですというようなことを申し上げまして、大体政府部内で、私ども建設省で考えておりましたいろんな規制緩和の方向というものは了承されるものであろう、こういうふうに思っております。
#196
○大川清幸君 ところで、具体的に都心の地価の異常な値上がり、これに関連して都心の三区のビル用地の不足等が問題になっておりまして、これが地価高騰の大きな原因、要素の一つにもなっているんでしょうが、これは将来の東京、国際都市東京のあり方から考えても、高層化等の手法は用いざるを得ない。また、そういう対応をするべきなんだろうと思いますが、先ほどからお話の出ておりました丸の内地区の再開発構想あるいは汐留の貨物駅跡地の活用、それから国際金融街の、何といいますかアメリカのニューヨークのウォール街とか、そういうようなことを構想の中に入れていらっしゃるのかどうかわかりませんが、それに対する具体的な検討といいますか、計画はどの程度進んでおられるのでしょう。
 これは建設省も国土庁も両方関係があると思いますが、状況の報告ができればお願いいたします。
#197
○政府委員(佐藤和男君) まず、今ほど先生が幾つが御指摘になりました問題は、今後の東京の都心の高度利用を図っていく上での重要なプロジェクトでございます。建設省といたしましては、いわば都市再開発のモデル的なプロジェクトということで、都市環境の整備の改善とか都市機能の更新、それから一方で短期的な内需拡大という意味から十分検討していかなきゃならないものと思っております。
 それで、具体に例えば丸の内の問題につきましては、昭和五十五年に都市再開発法の改正によりまして、大都市で再開発方針をつくることになっております。東京都が鋭意過去五年間、建設省と相談して原案の作成を詰めてきたわけでございます。その原案、今後都市計画の各種手続を経ます原案の中におきましても、この地区をいわば再開発の誘導地区の一つというふうに考えております。面積が百ヘクタールぐらいになっておりまして、そういう再開発方針なり再開発の具体の計画の中で東京都と連絡をとりつつ、また一方、東京駅の場合にはいろんな公共的な土地がございます。先ほどの国鉄の土地、あるいは郵政省の土地、それから民間の土地もございまして、関係各省とも連絡をとりながら、今後の東京都心の国際化に対応するための方策というのは、建設省としても真剣に取り組んでいかなければならないと思っております。
 あと、汐留等のプランについても、ほぼ同様なことでございます。
#198
○大川清幸君 そこで、先ほど答弁がありましたように、この緩和等については一律にやるのはいかがなものかという答弁があって、私もそれは同意見ですから結構なんですが、五十五年から各地方、特に大都市において再開発方針を決めて国と連絡をとりながら都市計画の決定をしていくということについては、経過はそのとおりでございますが、国の財政事情や国鉄の民営化等の問題も絡みまして、先ほどから議論が出ておりますように、特に都心周辺では東京駅の高層化とか、あるいは汐留の貨物駅の跡地利用ですとか、先ほど建設大臣もおっしゃっておった恵比寿、池袋その他の再開発の問題、これは新しい材料として加わってきたことですし、東京都からも、建設大臣が鈴木知事と会われていろいろ意見交換したときに、都側の意見もいろいろあったようです。
 これからいろんなものを詰めていかなきゃならない段階だと思いますが、この手法については、将来の東京都を描いた場合に失敗があったりしては困るんで、何といいますか、具体的に対応するには時間がかかるんだろうと思いますが、都側でも、東京都の将来の基本計画についての具体的な案を持って対応しなきゃならない、国の方でも、国際都市東京といいますか、こうあるべきだというものを持って相互の意見交換の上でよりよい東京の町づくりみたいなものができないと困るわけですがね。その辺についての御用意はいかがなものなんですか、どうですか。
#199
○政府委員(佐藤和男君) 先ほども御答弁いたしましたように、東京都の方におかれましても、関係の区といろいろ御調整の末、現在東京都の再開発方針の原案をお取りまとめでございます。
 先般、建設大臣と東京都知事がお会いになりましたときも、東京都側からこの推進についての強い要請があった次第でございまして、先生御指摘のように非常に超長期、この再開発方針は十五年ないしは二十年の長期を見通した全体のプランだと承知しておりますけれども、そういう超長期的な観点も当然のことながら踏まえ、また全国土的な計画の枠組みの中で議論していかなければならないと思います。その意味では中央官庁、役所側におきましても、関係省庁と十分密接な連絡をとってプランの具体化に向けて努力してまいりたいと思っております。
#200
○大川清幸君 それでは、今後の努力をお願いいたします。
 その際、知事とお会いになったときに、建設大臣、今局長からも報告がありましたが、特にあれですか、将来計画について東京都側の意見で留意すべき問題が何かございましたでしょうか、どうでしょうか。
#201
○国務大臣(江藤隆美君) 御承知のように、昭和五十五年に都市再開発法の改正が行われまして、自来建設省と都側といろいろこの計画の検討をしてきたわけでありますが、いよいよ民活、都市再開発、もろもろのことから経済閣僚会議の中で相談をするようにということになりまして、建設省に窓口をひとつ任せるということになったものですから、自来今度はまた急ピッチで都市局長、総務審議官等が東京都と鋭意努力をいたしまして、そしてずっと詰めてきました。
 例えば一例を挙げますと、東京都は、この開発誘導地域というのを約四千五百ヘクタール出しましょう。それから、将来にわたって開発すべきものを四千二百ヘクタール、ですから八千七百ヘクタールをひとつこれからの再開発の中に出していく。ですから環七の中だけでも二千七百ヘクタールが開発促進地域になるわけで、その中で、私が午前中申し上げましたように、例えば池袋、上野、浅草、錦糸町あるいは大崎、渋谷、十三号埋立地というふうに、この七つを副都心として開発していく、こういう考え方は私も大変結構であろう、こう考えます。
 それからもう一つは、なるほど都知事の意見では環六、環七の中の一種住専をなくするということも大事ですが、それよりかもっとたくさんやることがあるのじゃありませんかと。例えば今、かなりの大面積が実は晴海にございます。これを沖合の十三号地に東京としては移して、あそこをいわゆるオフィス街ですとか、外人用のマンションですとか、そういう一つの新しい役割を果たす事務所用地あるいは住宅用地にするということになれば、相当のものがあそこで解決できます。こういう考え方。ですから、十三号に移していく。
 そうなると今度は私どもが、十二号埋立地と都心を早く結ぶ道路あるいは都市交通というものを完成させなきゃいかぬ、こういうことになってくる。ですから、なるほどそういうことがあるな、こう思いますし、例えば汐留をと、こう言いますが、汐留は十八ヘクタールぐらいあるかと思いますが、東京は築地の魚市場を何としても改築したい、ついては汐留のそれをしばらく四、五年の間暫定的に借りて市場の改築をしたい。私も市場、神田野菜市場、魚市場、それから芝浦の屠場、こういうものがやっぱり東京の流通のガンになっておるんじゃないかとかねがね考えておりましただけに、これはもう大変いい計画だ。しかし、こういうのはやっぱり、私どもが考えておった汐留の再開発と、東京都の考え方というのはぶつかるな。
 ですから、首都改造ですからよく東京都と話を詰めてかからないと、国だけが先走っても決してうまくいくものではない、また都だけがやろうと思ってもこれもうまくいくものでもない。両々相まってやっていこうということになりましたわけですから、第一回の会合でいろいろと話題が出ましたから、さらにそれをまた詰めておりますので、ある程度詰まりましたらまた都知事と私とお会いしてずっと詰めていこう、こういうことにいたしておるわけであります。
#202
○大川清幸君 対応をひとつ慎重に、しかも懸命にお願いできれば大変結構だと思います。
 ところで、時間がなくなってきましたから、規制緩和の問題でも、この周辺のひざ元の問題をちょっと二、三伺ってみたいと思います。
 今、大きなお話ばかり出ましたが、霞が関一団地官公庁施設に関連した問題です。これは古くて新しい問題ですようちの二宮委員からも何度か指摘があった問題だと思うのですが、この計画決定告示からもう大分たっていますな。何年たっていましょう。そして、未買収地の面積はどの程度になっていますか。状況の御報告をお願いいたします。
#203
○説明員(川上格君) 霞が関の官公庁施設団地でございますが、決定いたしましたのが昭和三十三年十二月でございます。二十八年近くたっているわけでございます。全体の境域でございますが、百一ヘクタールございまして、そのうち未買収地約一ヘクタールございます。
#204
○大川清幸君 ところで、今まで大変年数が経過したわけですが、この一ヘクタール、具体的にはどことどこになりますか。
#205
○説明員(川上格君) この中央官衙地区内を十七地区に分けているわけでございまして、このうちの五つの地区に沫買収地がございます。その一つは総理府本府の隣接地、皇居側の東側ということになりましょうか、そこにございます。
#206
○大川清幸君 済みません。今のはH地区というやつ。
#207
○説明員(川上格君) H地区でございます。
 それから、議員会館の隣接地区は西側でございますが、I・L地区でございます。そこに民有地がございます。それから国立劇場の隣接地、そこはO地区でございますが、そこにございます。そのほかに、ちょっと離れておりますが、国会図書館周辺に幾らかございます。
#208
○大川清幸君 そこで、これは土地の所有者の名義人等は何人ぐらいになっていますか。
#209
○説明員(川上格君) 民有地未買収地の土地の取得につきましては、取得の割り当てといいますか、建設省で取得する分、それから衆議院で取得する分、そういった区分けをいたしまして取得をしているところでございまして、そのほかに文部省が取得をするというふうに三つに分けておりまして、そのうち建設省が取得をする分につきましての土地の所有者は、十四名でございます。
#210
○大川清幸君 ところで、ここはあれでしょう、もう二十八年間でしたか、さっきの御答弁でね。
 これをこうした制限緩和ができずにほったらかしてあるわけですけれども、二十四国会、このときの衆議院の――田中角榮さんですな、このときの法律の審議の折に、営繕法の一部改正を出した方。そのときの説明だと、余り長く私権を制限するようなことをやることはいけないことだからそういうことは行わないというようなことを言っていますが、この中で公共の用に供したりあるいは環境整備に役立つような用地というのはあるのかないのか。それから、例えば文部省所管の分なんかは、あれは利用の仕方がないので、早く国立劇場の方へくっつけて何かできないならば、民間で自由に――自由にしてもあそこは使えるかどうかわかりませんけれども、もう二十年、三十年はうっておかないで、こういうものを一々整理するような方向、措置というのを考えてもらった方がいいんじゃないかと思いますが、どうです。特に建設省関係の十四人、これは蛇の生殺しみたいにこうやって置いておくと、人権問題とまでは言いませんが、怠慢だと言われてもしようがないですよ。どうですか。
#211
○説明員(川上格君) 先生おただしのところは総理府の隣接地ということでございまして、総理府の別館の用地として現在計画をしているものでございます。
 こういった用地につきましては、中央官衙の整備、長期的な展望に立ちまして、現在、高度情報化社会に対する行政機能への行政施設の対応、職員増、そういったことを十分検討いたしましてこの整備計画をつくっているわけでございます。
#212
○大川清幸君 これは陳情書なんかも出ていますが、進みます、きょうは時間がないからそんなことまでやらなくてもいいんですが、これらに対する対応、これから今御説明のあったような対応をなさろうというんですが、ここ数年来のこうした未買収地の買収に関する予算措置なんというのは、どういう経過をたどってきたんですか。
#213
○説明員(川上格君) 官庁営繕費という予算項目がございますが、そこに毎年度一億円予算計上いたしております。また、必要に応じましては、その一億円で足りないという場合は、そのときの予算の流用、そういったものをお願いいたしまして、より多くの予算で土地の買収をいたした年度もございます。
#214
○大川清幸君 ですから、せっかくこういう規制をかぶせてあって、しかもこれは国会があるし、その周辺のもう本当にひざ元の地域で三十年近くもほうってあるわけで、いろいろ財政事情や事務的な事情があるのはよくわかりますけれども、積極的な対処をする気だったらこれはできるわけですが、もう三十年近くたっているから、当初ちょぼちょぼの予算を組んでいたのだって、これ、地価はおのずから上がっていますよね、国の方でみずから評価がえをしてつり上げてきた。――つり上げてきたって、国がつり上げたと言ったら語弊があるかな。
 そういうことですから、だんだんだんだんこれ、予算措置をするにもしんどくなる、財政事情からいっても。そういう点から見て、これ買収計画を計画として組み込んで何かに使えるんなら使えるで、早く対処する。全体からいったらそんな大きな金額じゃないじゃないですか。対処する気になったらこれはできるでしょう。しかも、総理官邸の隣接地やなんかも、どうしたらいいかということを考えたら、うまい知恵が浮かんだらすぐ買収する価値が出てくるところですよ。そういうのを知恵を働かせてすぐ敏速な対応をするというようなことをやらないと、これはみっともないですね。どうでしょう。
#215
○説明員(川上格君) 中央官衙の施設整備につきましては、緊急性の高い施設、それをまず整備をするということで整備を進めてまいっておりまして、先生おただしの点につきましては、その時点になりましてまたいろいろと積極的に対応していきたいということでございますが、非常に問題があるということはよくわかっておりまして、その未買収地の所有者に対しまして、意向調査、意向の把握、そういったことを積極的にいたしている段階でございます。
#216
○大川清幸君 総理官邸も大分古くなって、新しい時代に対応する改築のお話なんかも出ておるようでございますし、一たび災害等が大きな規模で起こった場合のあそこは指揮の中心地にもなるところでございます。総理官邸の隣のH地区だけに限りません、この議員会館のあれは西側になるのかな、南になるのかな、I・L地区についてもずっとほうりっ放しです。何というか、頭隠してしり隠さずみたいなところが残っておりますから、この対応をぜひ考えてもらいたいと思いますが、大臣の御意見を、これについての最後に伺っておきましょう。
#217
○国務大臣(江藤隆美君) 私もこれを聞きまして、一番大事な日本の行政の中心地に民有地がちょぼちょぼ残ってそれを二十年も三十年もほったらかしておくということは、これはもうみっともない話でありまして、それは御意向のとおりであります。今整備計画を事務当局で検討しておるといいますから、でき上がったらさっさと片づけてみたらどうだ、こう言っておるんです。長く住みたいという方もいらっしゃるし、代替地があればとか、いや売ってもいいと、さまざまな御意向があるようでありますから、一億円だけ形のように計上して、そしてまたそれの予算を流していくというようなことではなくて、計画がまとまりましたらひとつ本腰を入れて取り組むようにいたしたいと思います。
#218
○大川清幸君 それでは、その点はぜひ敏速な対応をしていただくように、念を押しておきます。
 時間がなくなりましたが、最後に、高速道路の防音対策の問題でお伺いをしておきます。騒音ですね。これは防音壁なんかを設置する基準とか、周囲の環境の条件等はどうなっていますか。
#219
○政府委員(萩原浩君) 高速道路のそばの騒音対策につきましては、従来から、既存の住宅地区につきましては、遮音壁の設置等によりまして周辺地域の生活環境保全の確保に努力をいたしております。
 ただ、既存でないところの遮音壁の設置というものにつきましては、沿道の土地利用状況でありますとか騒音の程度等を総合的に勘案して、必要とあらば順次遮音壁を設置していく、こういう対策をとっているところでございます。
#220
○大川清幸君 今の答弁の中で明確にしておきたいのは、必要があればという言い方はどういうことですか。
#221
○政府委員(萩原浩君) 具体的には、遮音壁の設置が非常に効果があるというところがまず第一義的にあろうと存じます。遮音壁を設置いたしましてもなかなかそのうまい効果が出ないというところは、まずとてもそれを設置する必要がないだろうというふうに考えております。
 そのほか、遮音壁の設置によってかえって例えば日照問題その他いろいろな問題が出まして、むしろ地域で対応していただく方がいいだろうというような場合もあります。そのいろいろケース・バイ・ケースで必要に応じてと、こういうことでございます。
#222
○大川清幸君 これは、神奈川県その他の新しく市街化が進んだ地域で、例えば板金その他の大きな工場を畑の中でやっておったんですが、周りが市街化したので、むしろ先にいた工場の方が公害問題でどこかへ転地をしなきゃならないという状況と全く同じでございまして、この高速道路沿線に既に建っているものに対しての対応は道路公団等もきちんと対応をしているようですが、ところが、後から建てた方は、後から建てたその業者なり住むやつが悪いという言い方もあるけれども、耐えられないような騒音等についてはやっぱり対応していく必要が出てくるのだろうというふうに私は思っているんです。
 うるさくても何でも、後から建てた方は面倒を見ませんよという姿勢なんですか、どうなんですか。
#223
○政府委員(萩原浩君) 大変難しい問題でございまして、今先生が工場の例を挙げておっしゃいましたけれども、本当にそれと同じような問題でございます。
 本来は、そういうところのその土地利用計画との整合の問題というものが根本的にあろうと存じますけれども、現実にそこに住居が立地しているという実態になりますと、これはいろいろな対応を真剣に考えなきゃならない。いろいろ検討した結果最後にやはり遮音壁が最も効果的、これ以外にちょっとないのじゃないかというような場合には、やはり遮音壁の設置に踏み切るということになろうと思いますので、個々の事例に応じて検討させていただきたいと思います。
#224
○大川清幸君 ところで、大変な努力で日本全国物流関係等にも効果が上がっている高速道路が充実してきたわけですが、この高速道路関係で自動車騒音のワーストファイブというのが発表になっておりますが、御存じでしょうね。どことどこでしょうか。
#225
○政府委員(萩原浩君) その記事は、毎日新聞の六十年の十二月十八日の記事に載ってございます。もちろんこれは環境庁の調査結果を収録されたものだと存じますが、これによりますと、ワーストファイブは、朝あるいは昼間、夜間によって少しく違いますけれども、大体国道二十三号線沿い、それから東名高速の川崎市の鷺沼地域、それからもう一点は東京都港区の東麻布の首都高速、これは首都高速がタブルになっているところでございます。大体そんなところが挙がっているようでございます。
#226
○大川清幸君 今御報告があったとおりでございますが、この毎日新聞で発表になった記事を見ましても、東京都の港区、あるいは日本橋の兜町あたりがそれぞれ挙がっておりますし、兵庫県あたりでも赤穂郡の上部町というのかな、その辺も大変な状況が出ておりますが、神奈川県川崎市宮前区の鷺沼四の十三の一先は、これは朝、昼、夜ともにかなりな騒音でございます。
 ここはマンション等も建っておりまして、私は直接関係はありませんが、ここは上り線の方は、前々から住宅があったから防音壁をやってもらっているのです。下り線の方はガードレールまがいのワイヤのあれがずっとやってあるわけで、丸見えでございます。ですからこれは困ったことに、片一方が防音壁をつくったものだから今度下り線の方の住民に対しては音響効果が倍化されまして、大変うるさいわけですよ一野外音楽堂の望みたいに。これは後からお住みになったし、業者の方もそれなりの誠意は尽くして対応すべき問題であろうというふうに私は理解をしておりますけれども、これからも交通量が減るということは考えられませんし、実生活に影響が出てきて、愛知県の新幹線の騒音問題ではありませんが、身体に障害が起こったりなんかする、あるいは居住者の子供にもいろいろな影響が出るというような将来のことを考えますと、この建設業者にも対応していただく必要があるかと思いますけれども、これは私は状況を現地に行って見てきましたけれども、このままほっておくと将来問題になるなどいう推測を私はいたしておりますので、これは頭の隅の方に入れておいてもらって、何らかの対応の用意をしていただければありがたいと思いますが、いかがでしょうか。
#227
○政府委員(萩原浩君) 先生御指摘のとおり、この地区は朝、昼、あるいは夜間いずれも騒音がかなりの音に達しているということが記録されております。それで、今先生もお話しございましたように、ひとつ今後建築者側と申しますか、そちらの方々との御相談も含めまして善後策を講じたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#228
○大川清幸君 大臣もひとつちょっと配慮といいますか、頭の隅へこの問題を置いておいていただくと大変ありがたいのですが、いかがでしょうか。
#229
○国務大臣(江藤隆美君) 事務当局から事情を承っておりますので、十分留意しておきたいと思います。
#230
○大川清幸君 ありがとうございました。時間ですから終わります。
#231
○上田耕一郎君 私は、建設産業の問題、建設労働者の問題、それからアスベスト汚染問題についてお伺いしたいと思います。
 二月一日に「二十一世紀への建設産業ビジョン」というビジョン研究会の報告書が出て、なかなかの労作だという批評も多いようなんですけれども、いろいろ問題が含まれているように思うんです。一つは中小企業問題です。建設省は二月二十五日、中建審に建設業の許可要件のあり方、それから経営事項審査制度のあり方、ジョイントベンチャーなどのあり方、産業構造の改善を進めるための諸方策、四項目を諮問したと報道されています。
 いろいろ画期的労作、中には一種の産業革命宣言というのまであるんだそうですが、その中でやっぱり中小業界は切り捨てという声が早くも出ている。全国中小建設業協会の鈴木光男会長は、「われわれ中小建設業者にとって厳しく受け止めなくてはならないものも含まれている」という見解を述べました。日刊建設通信の連載を見ますと、このビジョン研の座長代理で、産業組織小委員会の主査であった上野成蹊大教授は、昨年の講演会で「業者数は五二万社弱で多いといわれているが兼業も含めて二〇万社ぐらい多過ぎる」。二十万社多いということを述べたので、はあ、さては二十万切り捨てるのかという反響まで出ているということもあるんですね。
 衆議院でも、党の中島議員がこの問題をちょっと取り上げているんですけれども、このビジョン研の報告書の中で、とにかく意欲と能力の高い優良企業が成長し得るようにしなきゃならぬ、中小企業のすべてを保護するのじゃないんだということがあるんですね。どうしてもやっぱり、選別を目指すのじゃないかという不安が中小建設業に生まれていることは、私は当然だと思うんです。この「ビジョン」そのものにも、建設業は国民経済的に見て基幹産業だ、就業者数は現在五百三十万人いる、全就業者数の一割を占めている、こう指摘しているぐらい大きなことで、ですから二十万業者切り捨てなんというふうなことを上野教授が言うと、それだけで反響が起きる。
 私は、だからまず建設大臣に、そういう不安が生まれている時期だけに、やっぱりこの「ビジョン」に基づく仕事、もう早速四項目の中建審への諮問も始まっているんですけれども、許可要件なんというのは前から問題になっていることで、決して中小建設業などを切り捨てるというようなことはしないと私は思いますけれども、まず大臣から中小建設業の育成保護、この点についてお伺いしたいと思います。
#232
○国務大臣(江藤隆美君) 建設省としての物の考え方は、同じ建設業者でありますから、大きいから大事で小さいものは粗末にしていいという考え方は、これは根本的に持っておりません。ただし、建設業は往々にして公共事業の施工を担っていく場合がたまたま多いわけでありますから、それだけにやはり、経営能力あるいはまたその技術の向上、労働条件の向上、充実、そういうこと等については、大きかろうが小さかろうがそれぞれ努力して責任を果たす体制をつくってもらわなきゃいかぬ、こう考えておるわけでありまして、こうした二月二十五日の中央建設審議会に対する諮問は、中小企業を切り捨てるためにやるものではありません。
 もう一回言いますが、私は根本的に、大きいものを大事にする、小さいものを粗末にしていいという考え方は持っておりません。何とならば、政治は弱い者のために汗を流すのが政治だ、私はこう思っておりますから、そういう方針で取り組んでいきたいと思います。
#233
○上田耕一郎君 この問題、中建審に諮問がありましたので、今後もさらに追求していきたいと思うんです。
 「ビジョン」を見ますと、建設投資が今低迷している、そこから非常に大きな問題が生まれているということが、まず冒頭に述べられているわけです。「国民経済上の建設投資の割合が低下」している。「建設投資の低迷は、個々の企業の経営悪化をもたらしているばかりでなく、産業組織全体としても労働生産性の低下等さまざまな問題を惹起している。今後も建設需要の大幅な伸びは期待できず」、こうあるのですね。なかなか困難な情勢が建設業には今後襲ってくると私も思うのです。
 それで、きょうは少し建設労働者問題を取り上げたいんです。残念ながら、この「ビジョン」、私もまだよく読んでいるわけじゃないんです、ざっと見たんだけれども、どうもざっと主なところを拾い読みした程度でも、やっぱり労働力の問題、労働条件の問題は、余りこれは分析されていないように残念ながら思うんですね。
 中建審の委員でもあり、法政大学の教授の内山尚三さん、この方の「建設労働論」という、内山さんの本は何冊もありますけれども、これを見ると、やっぱり建設業は全産業の中でも賃金はもう最下位だと言って、構造的な特質があると内山さんは分析されているんですね。三つ挙げています。
 一つは、雇用形態が臨時日雇いが多い。大体、下請が、多層下請が特徴的な構造なので、そこから労務を供給する。そのために、ほかの産業だったら常用労働者に当然なるべき労働者たちが、臨時、日雇いだ。そういう特殊な雇用形態になっていることが一つ。これはだれでも見ていることですわな。二番目は、受注生産だ、そのためにもう過当競争、ダンピング受注、出血受注ですね、これが非常に広く見られる。これもだれでも見ること。二番目。三番目は、労働組合の組織化が非常に未発達だ。これは、アメリカなどと比べると非常に弱いわけですね。だから、労働者の方は組織化が弱い。しかし、出血受注で臨時日雇いが多い。
 三つの問題を挙げて、だから構造的に低賃金の特質があるんだ、こう分析されているんですね。私も内山教授が言われているとおりだと思うのですね。だから、なかなか建設産業の低賃金問題というのは解決が難しいです。
 「ビジョン」に出ている資料、二十四ページにデータがありますが、これを見ると、製造業と比べまして建設業は時間当たり給与総額八三・一、八割ちょっという数字がこれにも出ているんですね。
 こういう構造的特質があるだけに、私はこの低賃金問題は相当努力しないとなかなか改善できない。しかも、ここに述べられているような低迷状態、需要の低迷、投資の低迷、こうありますと、やっぱり低賃金問題というのは建設労働者にとっては非常に大きな問題になるわけです。
 私は去年の四月三日、やっぱりこの委嘱審査のときに建設労働者の問題を質問しまして、高橋建設経済局長が、技能労働者の賃金、下がっているような数字がございますと。「なお、そういった実態把握に努めたいと思います。」という答弁をいただきましたが、この一年間、実態としてこの賃金の傾向、どうだったでしょうか。まず簡潔にそのことをお答えいただきたいと思います。
#234
○政府委員(清水達雄君) いろいろなデータがあると思いますが、一つ我々がやっておりますのは、いわゆる公共工事の労務単価をはじくための調査をやっているわけでございます。
 これを見てみますと、五十九年十月の時点の調査で、対前年比で二・三%程度の上昇になっております。
#235
○上田耕一郎君 労務費調査、二・三%というのは、今のはどこですか。平均ですか。
#236
○政府委員(清水達雄君) 平均でございます。
#237
○上田耕一郎君 平均ですか。職種を見ますと、例えば大工さん、これはマイナス二・八%というデータがあるんですけれども、やっぱりそうですか。
#238
○政府委員(清水達雄君) 大工につきましては、五十九年十月時点の調査で、対前年比でマイナス六・三%ということでございます。
#239
○上田耕一郎君 やっぱり職種によっていろいろあるでしょうけれども、マイナス六・三%というと、この時代に、――いいんですか、六・三%。
#240
○政府委員(清水達雄君) ちょっと今の数字は間違えまして、これは東京都の数字でございまして、全国平均ですと〇・七%の上昇でございます。
#241
○上田耕一郎君 さっきの数字は東京都ですか、さっきの六・三%マイナスというのは。
#242
○政府委員(清水達雄君) 東京都の数字でございます。
#243
○上田耕一郎君 全国平均で若干上昇はあるけれども、東京ではマイナス六・三%という低下が大工さんの場合に生まれているということで、なかなかこれは大変だと思うんですね。
 「民間給与実態調査」、人事院給与局、この調査はそこにありますか。
#244
○政府委員(清水達雄君) ただいま手元にございません。
#245
○上田耕一郎君 人事院給与局編「民間給与実態調査」ですと、大工・一般工、月の収入が二十二万四千七百九十五円で、前年比マイナス三・三%という数字が私の手元にはあるんです。ですから、なかなかこれは大変で、私も職人さんたちにこの間もお会いしたときに、本当に手間賃が上がらないどころか、ずっと据え置きで、下がるケースもある、これは何とかしていただかないと食べられませんという訴えを直接受けたんです。
 去年も質問で取り上げたんですけれども、全建総連、建設労働者の組合ですけれども、三月二十五日に日比谷の野音でこの問題を取り上げて、三千六百人集まって、その決議文には「ここ数年間年々賃金・単価を切り下げられ、生活は働いても働いても追いつかず、身体はボロボロで、極限まで追いつめられている」、こう窮状を訴えています。東京土建の組合員で江東在住のAさんの場合は、鉄筋工、十年の経験で一日一万一千円がやっと、一カ月二十二日働いて二十四万円。さっきの人事院給与局の二十二万五千円よりは若干多くても、東京の生活保護基準が五人家族で二十四万五千二百三十円ですから、鉄筋工で十年経験を持っていて五人家族で生活保護レベルという状況なんですね。だから、今のようなままだと離職する人も多いし、タクシー運転手とかガードマンに建設労働者から離れていくという例も実際ふえているんです。
 それで、僕はひとつ大臣にこの点お考えいただきたいと思うんですけれども、これも去年取り上げたんですが、先ほど局長が答えられたデータは三省協定、そのための調査ですよね。三省協定の調査、公共事業の労賃の積算の基礎ですな、それで決まるわけですよ。いつも公表しないと言うんだけれども、ゼネコンは大体知っていまして、去年はどうやら一万四千二百円だったらしいとかというふうに、大体みんな知っているんです。だから、三省協定を公共事業について、労賃についてお決めになることが民間に響くわけです。響くのが、昨年で一万四千二百円とか、職種によっていろいろでしょうけれども、大体そのレベルで決まってしまうと、低賃金を改善する上で役割が果たせないということになるんですね。
 ところが、皆さんは、これは大体算式は決まっているんだからということで、ずっとそれをおやりになっているんですよ。恐らく四月に三省協定の賃金の積算基礎が決まるんでしょうけれども、今までの算出の方式どおりだとやっぱりそう変わらぬですよ。そうすると、この事態を改善する上で僕は役割を果たせないように思うんですけれども、これは大臣にひとつ、そういう三省協定の、ずっとやってきたことなんだが、やっぱりその算出の基礎とか、そういうものをもう一度洗い直してみることが必要になっているのじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#246
○政府委員(清水達雄君) 三省協定によるいわゆる労務単価の決定に当たりましては、これは当然のことでございますけれども、市場における実態というものを踏まえて積算するといいますか、それが当然のことでありますので、いわゆる実態を調査するということでやってきているわけでございまして、工事件数約一万件、それから労働者数約十五万人を対象に都道府県別、職種別に調査をしているわけでございまして、こういった調査によって市場における賃金の実勢を把握してそれで単価を決めるというのは当然のことではないかということでございまして、やはりこういうやり方を今後とも継続していく必要があるというように考えております。
#247
○上田耕一郎君 大臣ね、先ほど、東京の場合が大工さんは六%下がっているんでしょう。そういう実態でしょう。それに合わせて三者協定ができちゃったらやっぱりどんどん下がることになるわけで、公共工事でこういう建設労働者の状況を改善する上での役割をするためには、実態がこうだからそれに合わせてやるというだけでは行政の指導性というのはないと思うんですけれども、大臣のお考えをお伺いします。
#248
○国務大臣(江藤隆美君) 上田さんさっきちょっとおっしゃいましたけれども、建設というのは受注産業である、ダンピングが常習化しておる、それで臨時日雇いの賃金だ、こうおっしゃいましたが、私は、一つは因果関係であるのじゃないかと思うんです。
 国会で数年前にいわゆる談合問題が議論をされまして以来、建設省も各地方自治体もびびってしまいまして、そしてひどいときには二十社一つのものに参加させる。そしてもう一切話し合いはいかぬ。私は、コンピューターまで使ってああいう管理社会みたいに談合するということはよろしくないと思いますが、お盆が来るのにあいつはまだ一本も公共事業をもらっていないから、おまえは三本も五本も持っているじゃないか、一つぐらい譲ってやれよというのは、これは私は日本人社会の今までやっぱりあり得た現象だろうと思うんです。あるいは、あいつのちょうど家の前じゃないかというような話も、今度はできぬということになったわけです。それで二十社ぐらいでわっとやる。中には困った人がおって、たたいてたたいて、それこそ一千万の仕事を七百万ぐらいでやるというようなことになる。そうすると、三百万も値切って受注するわけですから、それはもう資材の面でも賃金の面でも、無理がこないはずがない。
 私は、何といいますか、そういう一つの流れというものが今日のこういうふうな姿をつくっておるんじゃないか。だから、当初御意見がありましたように、中小企業といえどもやっぱり経営の基盤をきちっとする、あるいは労務対策がきちっとなる、あるいはまた技術もちゃんとなるというような、そういうものをつくっていかぬというと、ただ賃金だけ引っ張り上げよといったって今度は経営が成り立たぬというようなジレンマに陥ってきまして、問題がやっぱり起こってくるのではないかというような気がしていけません。しかし、三者協定については、これは実態を調査して、そして三者で意見を統一することでありますから、それが建設労働者のためによりよい資料となるように努力をすることは、これは当たり前のことだと思います。
#249
○上田耕一郎君 談合問題、我々も大いに取り上げたんですけれども、私どもは大企業と中小企業と区別していまして、中小企業の受注調整というのはあり得る。最初からそういう立場でしてね、
#250
○国務大臣(江藤隆美君) そうじゃなかったでしょう。
#251
○上田耕一郎君 いや、私どもはそうなんです。私がそういう発言をして問題にされたぐらい。そうなんですよ。それは大臣、勉強し直してください。
 それで、今ダンピング受注のお話がありましたけれども、ダンピング受注のしわ寄せで下請がかなり窮状に押し込められていて、それが今の建設労働者の労賃に反映している点があるわけですね。
 日本左官業組合連合会を初めとする専門工事業団体が、この問題を昨年来取り上げ始めてきているわけですね。去年の十二月に、建設業三団体、全建と言われる全国建設業協会、日建連、日本建設業団体連合会、それから東京建設業協会、この建設業三団体に、専門工事業団体の協議会が、いろいろ窮状を訴えられているわけですね。もう一々数字は挙げませんけれども、過去三年間の経営実態調査を見ますと、平均完成工事高も、昭和五十七年を一〇〇と見て五十九年が約九〇%、平均受注単価は、五十七年を一〇〇とすると九三・八%、受注単価も下がっているんですね。
 この建設産業専門団体協議会の要望書は、こう書いてある。「このまま推移すれば倒産か転職の分岐点に直面している」、「他産業の勤労者の平均年収三百七十四万円でありますが、建設労働者の平均年収は三百万円以下であります」。それで、これはもう若い人たちも来なくなるし、建設業の将来に大きな影響を与える。これに対しては、全建の奥村会長も、これは本当に「同情する点は大いにある」、施主に対してはともに団結して理解を得るようにやろうじゃないかということまで、懇談の中で奥村会長が述べたというように報道されているわけですね。
 ゼネコンに対する要望の第一点は、今大臣も言われた、むちゃな受注競争をやめていただいて、共存共栄できる適正価格で発注されたいというのが第一項目の要望なんですね。この点は建設省では、把握し指導されておられるでしょうか。
#252
○政府委員(清水達雄君) 現在がなり広範に起こっている現象というのは、いわゆる過当競争による安値受注、それが下請にしわ寄せされるということが業界の中で指摘されているわけでございます。
 まず第一点の安値受注の問題につきましては、業界団体に自粛を要請する。これは去年の四月に事務次官から団体長にやりました。それから公共工事につきましては、ダンピングをやっているかやっていないかというようなことを指名に当たって考慮してほしいというようなことを、各公共発注機関に対して通達で要請をいたしております。さらに、下請へのしわ寄せ問題につきましては、これは従来から元請・下請関係合理化指導要綱を軸に指導をいたしておりますけれども、やはり私どもとしてはそういう現象をとらえた対策ではなかなか抜本的な解決にならない面があるということで、元請下請関係の価格決定のやり方といいますか、そういうことに今後踏み込んだ行政指導なりあるいは業界団体間の話し合いというふうなことが必要ではなかろうかというように考えておりまして、この点は先ほどの中建審に諮問した中でも検討をしていただきたいというように思っているところでございます。
#253
○上田耕一郎君 ひとつ、強力に効果的にやっていただきたい。
 第二点の要望は、「積算に当っては労務管理費、法定福利費、安全管理費、現場管理費等必要経費は別枠として是非計上していただきたい」、こういう要望なんですね。建前はこうなっているけれども、こういうものを別枠にしないで実際上負担をかぶってしまうという例がどうもあるようなんですね。この点は指導を行っておられるでしょうか。
#254
○政府委員(清水達雄君) 公共工事につきましては、御承知のように積算基準によりましてかなりきめ細かい積算をやっているわけでございますけれども、民間の工事につきましては、従来、いわゆる取引当事者間で契約で決まるというようなことから、具体的な指導はやっていないわけです。
 もちろん、一般的に建設業法におきまして、不当に低い価格での契約締結の禁止というふうな、いわば地位を不当に利用するというようなことでの低価格押しつけというようなものは禁止されているわけでございまして、そういう指導はやっておりますが、具体的なそういう公共工事みたいな、個々の経費の内訳にまで入ったような指導はやっておりません。
#255
○上田耕一郎君 そこを少し考えてほしいと思うんですね。公共工事の場合には、いろいろそういう個々のきちんとした枠ができているという話ですね。民間のゼネコンに対しても、前はそう具体的な指導はないとおっしゃる。なくて何とかなっていた時代もあったと思うんですよ。それが、こういうふうになってきて、専門工事団体が、三つの建設団体に一時間半も会長と懇談する、我々も同情する、ともに団結してなんという話が出るような時代なんですね。
 例えば、具体的にこういう例があるんです。野工場の下請で入っている人の話では、週二回ぐらい一斉清掃といってごみの処理をやるんですって。これにかかる費用、例えば下請が十社入っていると、場外搬出費としてがかった経費を十社で割って、協力費として集められるか代金から差し引かれちゃう、下請が代金から。下請の社としては、そうされると職人の手間賃をカットするわけにいかない。清掃のための時間もとられる、金まで負担する。それでやっぱり、手間賃カットということに出てきてしまうというんですな。
 そうすると、公共工事の場合にはその積算基準の中に搬出費として清掃の仕事もちゃんと入っているんだそうです、今も局長が答えられたとおりなんだ。しかし、民間に対しては具体的指導をされていないとおっしゃるけれども、監督官庁として、こういう問題も要望書の第二項目にあるわけだから、別枠としての計上問題、今の状況の中では、やっぱり今後指導をするということを検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#256
○政府委員(清水達雄君) 先ほど申し上げましたように、具体的な指導は今までやっておりませんけれども、今後の問題といたしましては、建設産業ビジョン研究会報告にもありますように、やはりダンピング体質を是正するとか、それによって過当競争状態をなるべくなくしていくとか、あるいは下請へのしわ寄せ、最終的には労働者へのしわ寄せというふうな体質を改善していくためには、元請下請関係の価格決定のあり方というのが一番ポイントであるという指摘がなされておりまして、したがいまして元請下請問の価格決定の基準とかルールづくりとかということにつきまして、中建審でも十分議論をいただき、行政としても努力をしていきたいというふうに考えております。
#257
○上田耕一郎君 先ほどの日刊建設通信のこの連載を読みますと、第六のところに元請下請関係についてのいろいろな声が出ています。元請下請関係については、このビジョンもいろいろ述べておりますね。これに対して「いずれにしても下請業者側は、今回、発表された報告書を一様に評価はしているものの、元請側の深い理解と、大きな協力、そして行政側の強い指導力がなければ実現は不可能と、異口同音に語っている」というふうになっていて、そうだと思うんですね。その点はぜひ強力な行政指導をいただきたいんです。
 価格決定の話を今局長はされましたけれども、この要望書の三項目は賃金問題なんですね。「建設業の将来を勘案して、建設産業専門職種の技能者が安定して生活のできる賃金の支払に協力していただきたい」、これが第三項目になっている。このビジョン研究会の報告書を見ますと、やっぱりこの賃金問題に関連してこういうことを言っているところがあります。「労働条件の低下」、これは十二ページですけれども、先ほど私が言いましたように、臨時、日雇いの占める比率が高いんだ、それで若い者が入ってこないと。ですから、そういうことを言った上で、結局技能力、技術力を有する基幹労働者の直用化、常用化を推進する、社員化を推進することが望ましいということを言っているんです。
 これは当たり前のことなんです。当たり前なことなんで、この基幹労働者の直用化、常用化、社員化ということを進めなきゃならぬのだが、しかしなぜそういうことができないかというと、日本建設躯体工事業団体連合会の野口雷象会長がこの連載の六でやっぱり言っているんですけれども、「直用化を図れば若年労働者が入りやすいということがわかっていても、それに見合う工事単価を元請側は認めていない」。やっぱり賃金問題も、それから直用化、常用化ができないのも元請の単価問題だ、こう野口会長が言われているとおりだと思うんだね。
 だから、冒頭私低賃金問題を取り上げたんだけれども、結局これは詰めていくと、元請の単価問題という、工事単価の問題ね、非常に難しいけれどもしかし重大な問題に結局突き当たっていくということになるわけですね。この点についての改善方針を、難しい課題だけれども、お伺いしたい。
#258
○政府委員(清水達雄君) 常用化がなかなか進まないということにつきましては、建設生産組織といたしまして非常に下請に依存するといいますか、重層的に下請に依存するというような生産組織にあるということと、それから工事量の時期的変動が非常に大きいというふうなことから、やはり弾力的な経営組織という点で、何といいますか常用労働者の数を余り多くすると経営が非常に大変だというふうなところもあると思いますので、単価の問題と、今言ったいわゆる工事量の変動というようなものをできるだけ少なくする。これは公共工事の発注が一番変動を大きくしている要因でございますけれども、そういうふうなことも含めてやはり経営のあり方ということと、二つの点から議論していかなきゃならぬだろうと思います。
 工事単価の問題につきましては、先ほど来申し上げておりますように、やっぱり中心になりますのは元請下請関係の価格決定ルールといいますか、ここのところをしっかりして、元請も安値受注ができないような、つまり歯どめ措置というふうな、市場の中にそういう歯どめの仕組みがビルトインされるというふうな構造にやはり持っていくように努力をするということが一番大事ではないかというように思っております。
#259
○上田耕一郎君 それはごもっともなんですよね。ごもっともなんだが、その努力をしようというんだけれども、ずっとそういう方針でおやりになったけれども、なかなか実現できない課題が残ったままで来ているように思うのですね。
 全建総連や東京土建が、協定賃金を去年も決めて、毎年やっているわけですね。ゼネコンと交渉、それから官庁とも交渉を始めているんですね。その交渉したことが先ほど申し上げたような専門工事業団体にまで影響を及ぼして、その方々も賃金問題を取り上げるという動きになってきて、僕はやっぱり、下から、業界の中から、労働組合それから専門工事業団体が取り上げて動き始めたということは、行政側のそういう努力と相まってこの問題をもう一歩前進させ得る機運が生まれている時期だと思うのですね。その点で非常に大事だ。
 全建総連、東京土建は四月一日からの新しい協定賃金として、三月十八日に一万九千円というのを発表して、交渉をずっと始めているんですね。決起集会もやっておりますし、本当に切実な大運動を起こしているわけです。内山教授も下請問題それから出血受注問題、単価問題などを触れられておるんですが、大体みんなわかっているわけですよ。わかっているが、どう手をつけるかということで、法律だとか制度に行政側としてのやっぱり踏み切りというか検討というか、をすべき段階に来ている。
 例えば、発注者が賃金を大体考えて積算するわけでしょう。ところが、それが先ほどのダンピング受注その他で受けられると、結局労働者のところの賃金はカットされてしまうということになってしまうわけだから、発注者が積算した賃金部分というのは労働者には切り下げなしで手に渡るというような仕組みも考えるべきじゃないかと思うんですね。例えば下請が、二次下請、三次下請が賃金を支払えない場合は元請がちゃんとそれは払うというふうに建設業法でなっていますわね。そういう精神を今度は、積算した賃金部分はダンピング受注なんか許さない、賃金は労働者の手に渡るんだ、そこまで広げて考えるということを検討しなきゃいけないんじゃないかとも思うんです。
 大臣は非常に意欲的なので、今の賃金問題をひとつ検討していただきたいと思うんですが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#260
○国務大臣(江藤隆美君) 私もいささか建設業のことは存じ上げておるんですが、元請下請という問題は非常に難しいんですね。ということは、下請の場合は仕事がないと往々にして抜け駆けをやる人が多いわけでして、Aが八百万でやろうとすると、いや、わしゃ七百万でいいからやらせてくれというふうに横取りをしようという、それは仕事がないから窮状に駆られてやるんでしょうが、日常そういうことが行われるというところに私は問題が一つあると思う。しかし、例えば大工さんですとか、左官屋さんですとか、そういうふうな特殊技能を持った人は、それによって飯を食っておるわけですから、この人たちはやっぱりきちっとしないとそれはもうとても生活がやっていけぬだろうと思います。
 地方においては近ごろは、季節労働に農家あたりの人が出ますから、まるで建設の親方が偉そうなことをしておるけれども、土方だ土方だと言っておるけれども土方が家へ帰ったら豪壮な家に住んでおるというのが近ごろは多いんで、みんな乗用車に乗って私の田舎なんかでは季節労働に出かける。それは建設の親方よりかはるかに豊かな生活をして、現金が必要だから農閑期の遊んでおるときに稼ぎに行く、こういう、五百万を超える労働力の中には種々雑多なことが私はあるだろうと思っております。
 それは都市と地方とを一概に言えないところもありますが、しかし事賃金にかかわることでありますからひとつ、きょうは初めて承りましたことで私もまだ、褒められて、やりますと言うと、今度はやらにゃいけませんから簡単に言えませんので、勉強させていただきたいと思います。
#261
○上田耕一郎君 今、左官業にちょっと触れられました。私は去年は型枠工とか鉄筋工などの技能労働者の問題を取り上げたんですが、きょうは左官業、特に野丁場の左官業の問題を少し取り上げたいんです。
 実は、何年か前に暴力左官問題というのが起きまして、それで暴力左官問題をここで質問でも取り上げて、それで建設省も非常に積極的に指導してくださった。暴力団が左官業に乗り込んで、赤旗を立ててすごいことをやったことがあるんですよ。何だ、共産党か、と思ったら、そうじゃなくて本物の暴力団でね。それで左官業の方が非常に迷惑しまして、これは解決をしたんです。その解決したのをきっかけに野丁場の左官業の方が、建設産業を明るくする会というのをおつくりになって、自分たちで左官業の問題を考え、どう前進しようかということを進めておられるんですね。私はこれは非常に大事な運動だと思っているんです。この方々は、今左官業界も非常に低迷している、建設業全体が低迷だ、この「ビジョン」にもありますけれども、左官業の低迷の原因をいろいろ研究して追求されているんですね。
 もう時間もありませんから一々申し上げませんけれども、例えば単価が低いんだ、職人が高齢化している、それから技術が高度で複雑だ、そのために機械化や工場生産できない、工事工程作業の標準化がなかなか図れないというような特殊性が左官業にあるというのですね。それで単価の問題がある。
 それから、工事環境としても非常にほかの業種と違うというのですよ。スケールメリットがないというのですな。例えば十戸受けた左官業と百戸受けた左官業と、普通だったら百戸も受ければスケールメリットが出るけれども、なかなか左官業というのは、十戸受けて、百戸受けたらじゃ楽かといったら余計大変だと。僕は、じゃ床屋さんと同じだねと言ったんですけれども、スケールメリットがないというのですな。それで新建材、新工法として取り入れにくい部位の工事にどんどん追い込まれていく。一つの建物の左官工事量が減ってくるというのですよ、新建材ができますと。今まで左官でやっていたのがなくなって、結局効率の悪い例えば階段などの複雑な工事、こういうものが主な工事になっているというのだな。階段なんというのはやっぱり左官業、左官屋さんでないとできないんですね。
 しかも最近の階段というのは、僕も習ったんだが、ノンスリップ、面取り、踏み面、蹴込み、それから加工を必要にしたなかなか複雑な階段が多くなっているらしいのですね。それで結局この野丁場の場合、私も聞いたばかりで余り正確でない点もあるかもしらぬけれども、コンクリートの打ちっ放しの上に下塗りを左官屋さんがやる、その上を布を張ったり板を張ったりそれから化粧板を張るとかいうようなことで、まだ壁面や床面の方は割にこれはだれが考えても平米でぱんとはかるからいいけれども、主な工事になってきた階段の単価はどうするかということになんかなってきますと、なかなか複雑な問題が生まれてくるというのですね。
 それで結局、この見積もりをやり、契約をやり、それで施工する。さあ終わってみて計算してみたら、結局金が足りないというようなケースが続出しているというのですね。
 これは実際にあった例なんですけれども、ことしの二月、これは会員のA社が大手業者との間でトラブルが起きた。元請から左官工事として五千五百三十万円で請け負った。ところが、現場へ行ったら、所長や主任から非常に精度の高い要求が出てきて、後で何とかするからということで口頭で言われて、口頭契約ですわな、やったわけですよ、階段をどうしろこうしろとかいうことになってね。やったら、結局五千五百三十万円で請け負ったのに三千九百七十万円追加になっちゃった。二、三割の追加ならわかるけれども、七割の追加工事というのは非常に異常だというのですね。ところが、これをなかなか払ってくれないわけですよ。それで結局これは東京土建だとか、東京都まで動いて、約四千万円の追加のうち三千万円払ってもらって結局けりがついた、解決したというこれは具体的なケース、これはことしの二月起きたケースですね。これも東京都の指導で何とかここまで来たんですけれども、これは一番ひどいケースだけれども、実際にこれに似たケースがしばしば起きているというのですね。
 建設産業を明るくする会の方々は、結局、だから単価の問題をいろいろ研究して、実際にそこの点の改善をぜひ要求したいというのですね。僕は少し、だから具体的な問題に入るんだけれども、具体的な問題を解決しないと、実際今の建設業の一つ一つの業種、職種の方々がぶつかっている問題は解決しないところに来ているんですね。
 例えば一つは、この方々が出している要求の一つに、屋上のハト小屋の問題があるというんですよ。ハト小屋って何ですかと言うと、ビルの屋上に冷却関係やなんかでちょっと塔みたいなのが建っているじゃないですか、あれをハト小屋と言うのだそうですな、専門用語であのハト小屋というのは小さなもので、平米ではかると二平米とか三平米なんですって。ところが実際にはかなり手間がかかるというのですね。だがこれを積算に入れてくれないというのですな、積算に入れてくれてない。積算のやり方も、普通何を単位でやるかということからもう問題だというのですね。メートルで積算したりあるいは平米で積算したり。しかしメートルで積算しても平米で積算しても、実際の工事の難しさには合わぬケースがやっぱりいろいろ出てきているというのですね。そういう単位のとり方とか単価のとり方、これが問題。一つはハト小屋です。
 もう一つは、先ほど申しました階段です。ノースリップのタイル張り、これは以前から項目があったけれども、奥の方の、入り墨というんだそうですな。それから出っ張りのところの、出塁というんだそうです。その面取りだとか、金物ノンスリップの後付け、これは項目がないんだそうですね。そうして階段の角のところは、段鼻というんだそうですが、段鼻施工の項目がやっぱりぜひ欲しいというのですね。それから非常な特殊施工がふえているので、特殊施工の項目も階段の場合には立ててほしいと。そういう項目をつくって適正単価、これをつくるようにしていただきたいというのですね。それから階段がこうあって、その横のところ、側壁のところはささらげたというんだそうですよ。そういういろんな用語があるんですな、ささらげた。それから、階段にボーダーラインみたいなのがある特殊施工ですね、そういうのもある。そういう点についても事項を決めてぜひやってほしいと。今のは階段のもの。階段だけでも、階段が野丁場の場合主要工事になっているのに、実際にやるとそれだけ問題が生まれているというのですね。
 それから三つ目、例えばマンションだとかアパートの場合は、必ず玄関があるというのですな。マンション、アパートの場合には一戸一戸に玄関がある。玄関の土間だとか、その土間の上のところの幅木というのは、非常に狭いのにこれはなかなか手間がかかるのだそうです。これは単に平米だとかメートルだとかいうのでなくて、そういう玄関、土間などは箇所ということで項目を立てていただかないと実際に合わないという要望が出ておりますね。
 今、左官業の問題について具体的な問題を取り上げたんですが、建設産業を明るくする会として左官屋さん自身が、本当に自分たちの業界を、今のままの状況だと先細りになる、若い人も入ってくれない、そこを、じゃ単位と単価の問題でここを改善すれば自分たちの仕事が明るくなるということで、皆さんが研究しているのですね。ぜひこの問題を建設委員会で私に国会でもひとつ取り上げてほしいという要望があったので、私はその方々の研究内容を紹介して要望のお取り次ぎということになっているわけですけれども、ひとつぜひこういう問題も取り上げていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#262
○説明員(川上格君) ただいま先生おただしの件でございますが、建設省では五十八年の三月に建築の積算基準というのを公開いたしております。それで単価を作成する基準となる歩掛かりについても内容を示しておりまして、今先生がおっしゃいましたくつずりの左官の部分とか、ささらげたの左官の部分、段鼻、そういったことにつきましても、こういった部分については歩掛かりはどのぐらい、労務歩掛かりでございますね、このくらいかかるんだというのを公表いたしております。そういったことで公表いたしておりまして、それに対しまして各方面、各協会から御意見を伺っておりますので、そういった御意見をぜひお寄せいただきたいというふうに思っております。具体的にはかなり労務上の割り増しを行っております。
#263
○上田耕一郎君 その歩掛かりのことをやっぱり聞いたんですけれどもね。それで歩掛かりを公表して、こういうケースには何割増しということなんでしょう。今のは公共工事ですか。公共工事だけでなくて。
#264
○説明員(川上格君) 公共建築工事ということで歩掛かりを公表いたしております。
#265
○上田耕一郎君 これも、だから先ほどの問題と同じで、野工場の方は公共工事もやるけれどもゼネコンの民間の仕事も多いわけでしょう。それをただ公表して、公共工事の場合こうしているということだけでなくて、やっぱり先ほどから申し上げているような状況なので、民間のゼネコン、元請に対しても、重層下請という構造の中で一番下で働いておられる左官業の方の実際にぶつかっているケースでこうなっているわけだから、もう既に公表しているからこれを参考にしてくれと言わなくても参考にするだろうというふうなことじゃなくて、やっぱり指導を強化していただきたい。
 先ほど申し上げたように、元請の理解と行政の強力な指導がなければ解決できないという声が多いので、指導の強化をお願いしたいと思います。
#266
○政府委員(清水達雄君) その点につきましては、私先ほど申し上げましたような、いわゆる元請下請間の価格の決定のルールとか基準とか、こういうものの一環というような考え方で、元請下請関係の下請契約の積算をどういうふうにしていくかという問題だろうと思います。
 これは、当然行政としても、いわゆる元請団体と下請団体といいますか、専門工事業団体等がやっぱり話し合いをして決めていくべきものだと思いますので、できるだけそういう場の設定とか、またそういう話し合いをするように働きかけるとかというふうなことで、そういう方向での努力をしていきたいというふうに思っております。
#267
○上田耕一郎君 ひとつお願いしたいと思います。
 もう時間が余りないんですけれども、最後にちょっとアスベスト問題、これを取り上げたいと思います。
 去年は、アスベストの代用品としてのグラスウール公害を取り上げたんですけれども、このアスベスト問題も日本でもかなり大きな問題になっているので、お聞きしておきたいと思います。
 これは、今では我が国は年間二十万トン消費で、アメリカの二十四万トンに次いで西側第二位の大消費国になっておるわけです。よく御存じのように、建設資材には多く使われているわけですね。内装部、それからスレートとか、アスベスト吹きつけ壁、これは今はなくなっておるけれども一時あったわけです。それから、自動車のブレーキにも使うんですな。それで公害がいろいろ問題になっているわけですね。建築物を解体するときにアスベスト公害が起きてくる。それからアスベストの製造のところでも起きる。それから自動車のブレーキで起きるというふうに言われているわけであります。
 それで、分解しないので、大気中に拡散して蓄積する一方で、肺がんの原因になっている疑いがある。西ドイツでは、九一年以降建築物のアスベスト使用を制限し、小型車のブレーキへは使わないということを決めたといいます。それから、アメリカの環境保護局は五つの分野で即時使用禁止を決めて、十年後にはアスベスト全面禁止という方針を打ち出したというように伝えられているんですね。
 労働省にまずお伺いしますけれども、この労働災害認定に至った経緯と、その後の認定患者件数、いかがでしょうか。
#268
○説明員(冨田達夫君) 昭和五十三年から現在までに把握している、石綿による肺がん及び中皮腫による労災認定者の累計が、約三十名でございます。その認定者数はここ二、三年、一年間に四ないし七名程度で推移しております。
#269
○上田耕一郎君 四−七名程度ね。
 環境庁にお伺いしますけれども、環境庁は去年の二月二十二日に三年がかりでアスベスト汚染問題、調査をされました。それから、去年は「アスベスト排出抑制マニュアル」というものも環境庁でお出しになっておりますけれども、調査結果、それから今後の方針について環境庁にお伺いします。
#270
○説明員(片山徹君) アスベストにつきましては、発がんの問題が知られておりまして、アスベストによります大気汚染を未然に防止するため、環境庁では昭和五十六年度から専門家に依頼しまして種々調査検討を行ってまいりました。
 その内容でございますけれども、住宅地域とか商業地域等の立地特性別の環境濃度の測定を行ったわけであります。それから、アスベスト生産事業場等の各種発生源におきます排出の実態、それからその対策について検討したものでございます。
 その検討結果でございますけれども、現在の一般環境大気中におきますアスベストの濃度は直ちに問題となる量ではございません。しかしながら、アスベストは環境蓄積性の高い物質でございます。それから、大量に輸入されておりまして、広範に使用されておる、このような実態がございますので、やはり環境大気中のアスベスト濃度の推移を把握しておくことが極めて重要であるというのが、この検討結果の内容でございます。
 これに対しまして環境庁におきましては、関係省庁それから地方公共団体並びに関係業界に対しまして、アスベストの環境大気中への排出の抑制等につきまして配慮方をお願いいたしましたし、また環境庁自身としましては、昭和六十年度から環境大気中におきますアスベストの環境濃度の長期的なモニタリング、監視、こういうことを始めたわけでございます。
#271
○上田耕一郎君 労働省にお伺いしますけれども、五十一年の労働基準局長通達では一濃度は一立方センチ当たり繊維二本、一リットル換算で二千本と決められたわけですね。環境庁の今の調査結果も、この環境基準と比べて、今のところ百分の一から一万分の一で、低濃度で大丈夫だ、大体そういう結果になっておるようなんですが、労働省、どうなんですか、この今の基準で肺がんへの影響ですね。今後、いろいろ肺がんへの影響はまだわからぬ状況もあるようですけれども、大丈夫だという調査結果になっているんでしょうか。
#272
○説明員(冨田達夫君) 昭和四十九年にWHOのIARC、国際機関から得ておりますモノグラフによりますと、石綿による問題として肺がんが取り上げられた。それを踏まえまして、昭和五十年に特定化学物質等障害予防規則の一部を改正して、石綿を特別管理物質として規制したわけでございます。
 同時に、その徹底を図るために、五十一年に行政指導通達を出しまして、石綿による肺がんの予防について万全を期し、現在に至っているわけでございます。
#273
○上田耕一郎君 環境庁は今の調査結果に基づいて、環境庁の方針を見ますと、今のところ大丈夫だというので、二月二十一日に通知を出された。これは非悪化原則というふうに書いてあるわけですな。悪化させない、今のままなら大丈夫だから悪化させないという運用方針だというんですが、先ほど申し上げたような西ドイツとかアメリカとか、そういう国際的な規制の強化という国際的傾向と比べると、ちょっとなまぬる過ぎると思うんですけれども、自信はお持ちなんですか。
#274
○説明員(片山徹君) 先ほど先生がおっしゃいました、米国におきます石綿使用禁止の措置でございますが、これは本年の二月にTOSCAという、これは有害物質規制法でございますけれども、これに基づきまして五品目の石綿使用の禁止、それから、今後十年後に全面的にその他の使用についても禁止をする、このような方針を立てまして、現在、これにつきましてはこの有害物質規制法によりましてその案が告示をされておりますということでございまして、大体これが九十日間の告示が行われまして、その間にいろいろな公聴会が開かれるということでございます。私どもはその行く末を見守っておるということでございます。
#275
○上田耕一郎君 もう時間が参りましたので、これ以上お聞きすることはできないんですけれども、このアスベスト汚染、特に肺がん問題というのは新しい問題なんですね。日本でも、新聞を見ますと、沖縄で労働組合やなんかが取り上げ始めている。これは米軍基地でいっぱいアスベストを使っていますので、それが問題になっている。それから、沖縄の県庁を今度壊す。あれはアスベストをいっぱい使っているので、それで日本では沖縄で今取り上げて問題になっている。NHKもこの間、それをやったようですけれどもね。
 宮本憲一大阪市大教授、これは「公害研究」で有名な方ですが、アメリカの専門家のセーコフ教授にお会いしたことを書かれております。アメリカではアスベストを使用した工場の労働者二千七百五十万人、そのうち七百万人が既に死んでおり、日本でもこの死者が相当多いんじゃないかということを教授が言われているということなども書かれているんですね。まだ不明のところが多いと思いますけれども、やはり国際的にアスベストの公害、特に肺がんへの影響、大問題になっていると思うので、やっぱり建設産業でも使っておりますので、ひとつ建設省でもこの点関心を持っていただきたいと思うんです。
 建設資材は全体の占める量が最も大きい、その点でここで働く労働者への健康障害が心配だと思うんですわ。しかし、まだほとんどみんな知らないわけです。そこでまず、対策というよりも、少しこのアスベスト公害の問題の宣伝、啓蒙ですね、これに力を入れるべきではないかと思っているんですけれども、その点について建設省の対応を、お考えをお伺いして、質問を終わります。
#276
○政府委員(清水達雄君) 私ども実は、新しい問題で、十分勉強はいたしておらなかったわけでございますけれども、建設業で使う場合には石綿スレートというふうないわゆる加工された形で使いますので、取りつけや何かするときにはそういう余り大きな問題はないのじゃないか。ただ、取り壊しなんかをするときにどうも問題がありそうでございますので、業界に対しましても注意を喚起して、いろいろ今後勉強をしてもらうように努力したいと思います。
#277
○委員長(小山一平君) これをもって昭和六十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、建設省所管、総理府所管のうち国土庁、北海道開発庁並びに住宅金融公庫、北海道東北開発公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#278
○委員長(小山一平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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